【保存版】世界5大ウイスキー、初心者は何から飲めばいいの? 最初の1本と2本目以降を選んでみた!

何を原料にするか、どの樽を使うか、何年熟成するか、どの原酒をブレンドするか。ウイスキーはいくつもの選択を経てつくられています。だからこそ個性的で飲めば飲むほど面白いのです。本記事ではウイスキー初心者に向けて、まずは世界5大ウイスキーと呼ばれる代表生産国と、代表銘柄を紹介。1本目に飲むべき商品と2本目以降に飲んで欲しい商品を解説していきます。

 

 

【世界5大ウイスキー ジャパニーズウイスキー編】

【最初の1本】日本から世界へ!個性が奏でるハーモニー「響」

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[シングルモルト]

サントリー  響 Japanese Harmony 5400円

サントリーが国内に保有する蒸溜所の原酒を熟成年数にこだわらず、個性を見極めてブレンド。やわらかい味わいが華やかに広がります。国際的な酒類コンペで最優秀金賞を受賞しました。

 

【2本目以降その1】複数のモルトで奥行きを表現「モルテージ 越百」

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[ブレンデッドモルト]

マルス モルテージ 越百 モルトセレクション 4536円

中央アルプスの麓で造られた一本です。複数のモルトをブレンドした奥行きのある味わいです。ふくよかな香りは、蜂蜜やキャラメルを連想させます。

 

【2本目以降その2】伝統を守り続けるニッカの原点「余市」

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[シングルモルト]

ニッカウヰスキー シングルモルト余市 4536円

竹鶴政孝の理想の地、北海道余市町でつくられたシングルモルト。伝統的な石炭直火蒸溜による香ばしさとコク、心地よいピート感が特徴です。

 

【世界5大ウイスキー スコッチウイスキー編】

【最初の1本】政府公認第1号蒸溜所のフルーティで好バランス「ザ・グレンリベット」

 

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[シングルモルト]

ザ・グレンリベット ザ・グレンリベット 12年 5800円

スコットランド政府の公認第1号蒸溜所でつくられるウイスキー。シングルモルトの原点ともいえるバランスの良さは、創業時から続く伝統製法によるものです。フルーツや花のような香りです。なお、創業者が描いた理想の製法とレシピを現代風にアレンジした「ファウンダーズリザーブ」が2016年に発売されており、新たなフラッグシップが誕生しています。

 

【2本目以降その1】王室を虜にした強烈な個性「ラフロイグ」

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[シングルモルト]

ラフロイグ ラフロイグ 10年 実売価格6048円

アイラ(スコットランドの島の名前。この島のピートは海藻や潮を含んでいるため、ウイスキーに薬のような独特の香味(ヨード香)がつく)モルトの王と呼ばれます。好みが分かれるクセの強い味が魅力です。シングルモルトウイスキーとして初めて王室御用達の証を得ました。

 

【2本目以降その2】爽やかさと上品さを兼ね備えた逸品「グレンモーレンジィ」

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[シングルモルト]

グレンモーレンジィ グレンモーレンジィ オリジナル 5724円

スコットランドでよく愛されているウイスキーです。バランスが取れたエレガントな味で、ほのかに香る柑橘の香りが爽やかです。熟成年数は10年。

 

【世界5大ウイスキー アイリッシュウイスキー編】

【最初の1本】世界中で愛される アイリッシュの代表ブランド

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[ブレンデッド]

ジェムソンジェムソン スタンダード 2237円

世界で最も売れているアイリッシュウイスキーです。ピートを使わずに密閉炉で時間をかけて乾燥させた大麦を原料に、3回蒸溜でつくられます。滑らかな口当たりで万人に愛されています。

 

【2本目以降その1】ピートを感じる変り種ボトル「カネマラ」

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[シングルモルト]

カネマラ カネマラ 実売価格4536円

フレッシュな4年、華やかな6年、甘みの強い8年、熟成年の違う3つのモルト原酒をブレンド。アイリッシュには珍しくピートモルトを使っています。

 

【2本目以降その2】ビール党のための珍しいウイスキー「ジェムソン カスクメイツ」

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[ブレンデッド]

ジェムソン ジェムソン カスクメイツ 2700円

スタウト(ビールの種類のこと。アイルランドのビール「ギネス」に代表されるような黒いビールで、濃厚な味と強めの苦み、酸味が特徴)ビールの熟成に使った樽で後熟(熟成させた原酒を別の樽に移し替えて追加で熟成すること。ウッドフィニッシュとも)したウイスキーです。カカオやコーヒー、ホップなど香ばしいフレーバーを楽しめます。

 

【世界5大ウイスキー カナディアンウイスキー編】

【最初の1本】樽詰め前のブレンドが生むまろやかで飲みやすい味「カナディアンクラブ」

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[ブレンデッド]

カナディアンクラブ カナディアンクラブ 実売価格1502円

カナディアンウイスキーの代表格。樽熟成後ではなく、樽詰め前にブレンドする珍しいタイプです。クセのない味でカクテルにも使われています。熟成に向く温度を保つためカナダで唯一貯蔵庫に暖房を設置。

 

【2本目以降その1】英国王に捧げた高貴なる酒「クラウン ローヤル」

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[ブレンデッド]

クラウン ローヤル クラウン ローヤル 実売価格2628円

1939年、初めてカナダを訪問したイギリス王への献上酒として600通りのブレンドを試しつくられました。個性的な味わいながらもクセはなく上品です。

 

【2本目以降その2】軽快な飲み口の入門向けウイスキー「カナディアンミスト」

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[ブレンデッド]

ブラウン・フォーマン /カナディアンミスト/ 1458円

主原料はライ麦。3回蒸溜したあと、ホワイトオーク樽で熟成します。ライトでまろやかな口当たりと、すっきりした後味で初心者も飲みやすいです。

 

【世界5大ウイスキー アメリカンウイスキー編】

【最初の1本】小規模蒸溜所のクラフトマンシップが詰まったバーボン「メーカーズ マーク 」

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[バーボン]

メーカーズマーク メーカーズ マーク 実売価格3024円

ケンタッキー州の小さな蒸溜所でつくられるプレミアム・バーボン。小麦由来のふくよかな甘みが特徴です。原料の配合は、パンを何度も焼いて吟味したといいます。赤い封蝋はすべて手作業です。

 

【2本目以降その1】州内最古の蒸溜所のスペシャルなバーボン「ウッドフォードリザーブ」

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[バーボン]

ブラウン・フォーマン ウッドフォードリザーブ5627円

ケンタッキー最古の蒸溜所の少量生産バーボンです。バーボンには珍しくポットスチルで3回蒸溜した滑らかな味が人気です。バーボンに慣れてない人にも◎。

 

【2本目以降その2】一滴ずつろ過する 手間暇かけた逸品

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[テネシー]

ブラウン・フォーマン ジャックダニエル 2754円

木桶に詰めた楓の木炭で、蒸溜した原酒を一滴一滴ろ過するテネシー製法でつくられます。バニラやキャラメルの香りとスパイシーな風味が調和します。

【保存版】これでウイスキーの基礎知識はOK! 原料/製造法/飲み方/銘柄をまとめて解説!

本記事は、「最近ハイボールにハマって飲んでいるけど、正直ウイスキーについて全然知らない」という人や、ウイスキーについて知りたい初心者に向けて基本的な項目をまとめてみました。ウイスキーはビールやワインと何が違うのか? 何からつくられるのか?そしてどんな楽しみ方ができるのか? をカバーしてみましたので、ぜひご一読ください。

 

【ウイスキーって何01~定義編】

ウイスキーは穀物が原料の蒸溜酒を樽で熟成させた酒です。

一般的に、①「穀物」を使うこと、②「蒸溜酒」であること、③「樽で熟成」させることがウイスキーの定義です。そのうえで、最低熟成年数や蒸溜回数といった国ごとの細かな定められています。

 

①穀物を使う

大麦や小麦、トウモロコシ、ライ麦など、穀物を原料とすることがウイスキーの条件です。何の穀物をどのくらいの比率で使うかが味わいに変化を生見ます。最近ではきびや粟を使った珍しいウイスキーもあります。

 

よく使われる原料は下記の4つです。

[モルト(大麦麦芽)]

発芽させた大麦のこと。糖化(デンプンをアルコール生成に必要な糖に変える)に必要な酵素を持ち、すべてのウイスキーに使用。

[大麦・小麦]

大麦はオイリーな味に、小麦はまろやかな味になるのが特徴。小麦を全体の51%以上使ったものをウィートウイスキーと呼びます。

[トウモロコシ]

アメリカで作られるバーボンウイスキーやコーンウイスキーの主原料。使用比率が高くなるほど甘味が強くなるのが特徴です。

[ライ麦]

ライ麦パンをイメージするとわかるように、スパイシーな酸味を生みます。カナダのウイスキーづくりに欠かせない穀物です。

 

②蒸留酒であること

モルトを糖化した液体(麦汁)を発酵し、アルコール度数7〜9%の発酵液(モロミ)をつくります。ここまではビールとほぼ同じ工程ですが、ウイスキーはこのあとアルコール度数を高めるために蒸溜を何回か行います。

 

使われる蒸留装置には下記のようなものがあります。

単式蒸溜器(ポットスチル)

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1回蒸溜するたびに中身を入れ替えて使います。サイズや首の長さ、傾き、土台部分のくびれの有無など、様々な形があり、それらが香味に変化を与えます。

 

連続式蒸溜機 (コラムスチル・パテントスチル)

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箱を積み重ねたような形で、その箱ひとつひとつがポットスチルのような役割を果たします。モロミを入れ続けることで連続的に蒸溜が可能。クリアな酒質をつくりだします。写真提供:アサヒビール(ニッカウヰスキー 宮城峡蒸溜所)

 

③樽熟成させる

ウイスキーの製造において、約9割の時間を占めるのがこの工程です。樽のサイズや使われている木材、樽貯蔵庫内の環境など、様々な要素が味や香りに影響を与えます。樽熟成が原酒の個性を決める重要な要素ともいえます。

 

樽熟成のビフォー・アフターを見てみましょう。

【ビフォー】

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【アフター】

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蒸溜器から出てきた原酒は透明ですが、樽熟成すると茶色になります。原酒によって最適な熟成期間は異なり、それを見極めるのも匠の技です。

 

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樽のサイズも様々です。小さな樽は早く、大きな樽はゆっくりと原酒を熟成させます。シェリーやワインなどほかの酒の貯蔵に使われた樽を使用することもあり、それもまた原酒に個性を加えています。

 

【ウイスキーって何02~原料&製法編】

ウイスキーは原料や製法で個性が異なる面白い酒です。

「シングルモルト」という言葉を聞いたことのある人は多いでしょう。これは原料や製造方法によって分類されるウイスキーの種類のことです。ここではそれぞれの作り方や味の特徴を紹介します。

 

①モルトウイスキー

原料がモルト100%のウイスキー。主に単式蒸溜器で蒸溜します。モルトをピートという泥炭で燻し、スモーキーな香りをつけたものなど、個性的な味のウイスキーが多く見られます。

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モルトウイスキーはさらに2種類に分けられます

ブレンデッドモルト

複数の蒸溜所の原酒を組み合わせてつくったモルトウイスキーのことです。ヴァテッドモルトと呼ばれることもあったが、いまはブレンデッドモルトウイスキーに統一されています。特徴:ブレンダー(最適な組み合わせ・配分で原酒を混ぜる人)の個性が強く出ます。

シングルモルト

単一の蒸溜所でつくられた原酒のみを使ったモルトウイスキー。なかでもひとつの樽の原酒だけでつくられたものをシングルカスク(シングルバレル)といいます。特徴:蒸溜所が建つ場所の風土の影響や、つくり手の個性が表れやすいです。

 

②グレーンウイスキー

トウモロコシや小麦、ライ麦などモルト以外の穀物も使ってつくるウイスキーのことです。主に連続式蒸溜機を使用します。ブレンデッドウイスキー用の原酒として使われることが多いです。特徴:モルトウイスキーに比べるとクセがあまりなく、飲みやすいクリーンな味です。

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③ブレンデッドウイスキー

モルトウイスキーとグレーンウイスキーをブレンドしてつくられたものを指します。ブレンダーが自分の味覚や嗅覚を生かし、ベストな配分に調合する。市場に出回っているウイスキーの大部分はこのタイプです。特徴:まろやかでバランスのとれた味わいです。

 

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【ウイスキーって何03~飲み方編】

ウイスキーは飲み方を変えると味や香りが変化する酒です。

ソーダ割りや水割り、ロック……ウイスキーはこれら以外にも様々な飲み方ができます。アルコール度数の高い酒だが、飲み方でそれを自分好みに調整し、楽しめるのが魅力のひとつなのです。

 

【飲み方01】本来の味や香りに浸る「ストレート

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グラスに注いでそのまま飲むことです。別名をニートといいます。冷やすと香りが立ちにくくなるため、ウイスキーは常温がベスト。アルコール度数が高いので、少量ずつゆっくりと、水と交互に飲んでじっくり味わいましょう。

 

【飲み方02】風味の変化を感じとる「オン・ザ・ロック」

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氷を入れたロックグラスに注ぐ飲み方。できるだけ大きめの氷を使うと溶けにくいです。表面積の少ない丸氷がベストだが、コンビニで買える氷でもOKです。氷が溶けるのに従い、変化していく味を楽しめます。

 

③立ち上がる芳香を堪能「トワイスアップ」

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ブレンダーのテイスティング用の飲み方。ウイスキーと常温の水を1:1で割ります。加水することで香りが開きます。最初にストレートで飲んでから、途中で加水し香りの変化を感じてみるのも◎です。

 

④マイルドだけどすっきり「ハーフロック」

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オン・ザ・ロックの1種。氷を入れたロックグラスに、ウイスキーと水を1:1で入れて、軽く混ぜれば完成です。オン・ザ・ロックより、味と香りがマイルドで、トワイスアップよりものどごしが良いです。

 

⑤シャープなキレと爽快感「ソーダ割り」

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居酒屋でハイボールを注文して出てくるのがコレです。氷の入ったグラスにウイスキーとソーダを約1:3の割合で入れます。レモンを搾ったり、少しオレンジジュースを足したりしてもおいしいです。

 

⑥日本で生まれた独自スタイル「水割り」

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日本で生まれた食事と合わせやすい飲み方です。氷を入れたグラスにウイスキーと水を約1:2〜2.5の割合で入れます。シンプルなだけにクセのない水を選ぶとおいしい水割りがつくれます。

 

⑦ロックと水割りの良いとこどり「ミストスタイル」

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細かく砕いた氷を入れたグラスに注ぐスタイル。グラスの外側に水滴が付いて、霧(ミスト)に包まれたように見えることから名づけられました。最初はロック、後半は水割りのような味わいです。

 

⑧ウイスキーの気配を楽しむ「ウイスキーカクテル」

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オレンジなどのフルーツと角砂糖を使った「オールド・ファッションド(写真)」やミントの葉をたっぷり入れた「ミント・ジュレップ」などです。甘みのあるカクテルが多いので、ウイスキー初心者でも飲みやすいです。

 

【ウイスキーって何04~銘柄編】

ウイスキーはいまの気分に最適な一杯が見つかる酒です。

ウイスキーは味や香りが多彩で、そのときの気分に合わせて選ぶことができます。その個性は、 様々な要素に由来しますが、ひとつに生産地が挙げられます。その土地を流れる水を使って作るからです。

 

【世界5大ウイスキー①】軽い飲み口で舌慣らししたい「カナディアンウイスキー」

クセがなくカクテルに使われることが多いです。主原料にライ麦を使った原酒とトウモロコシを使った原酒をブレンドするカナディアン・ブレンデッドウイスキーが主流です。

 

[代表的銘柄]カナディアンクラブ

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「CC」の愛称で親しまれるブレンデッドウイスキー。まろやかで飲みやすく、ウイスキービギナーにオススメの一本です。

 

【世界5大ウイスキー②】素材による風味の違いを感じたい「アメリカンウイスキー」

アメリカのウイスキーは様々な穀物を使います。トウモロコシを51%以上使ってつくるバーボンのほか、ライウイスキー(ライ麦)やウィートウイスキー(小麦)などもあります。

 

[代表的銘柄]ジムビーム

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1973年以降、世界売上ナンバーワンを誇るバーボン。創業者ビーム一族に伝わる秘伝のレシピと製法が豊かな香りを生みます。

 

【世界5大ウイスキー③】伝統の味を知りたい「アイリッシュウイスキー」

スコットランドと起源を争う歴史の長いウイスキー。アイルランドでつくられます。未発芽の大麦を使い蒸溜を3回行うのが伝統の製法。オリイーながらもマイルドです。

 

[代表的銘柄]ジェムソン

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3回蒸溜や未発芽の大麦を使うなど、伝統的な方法でつくられるブレンデッド。すっきりとした飲み口とほのかな甘みが人気です。

 

【世界5大ウイスキー④】繊細な香味に酔いしれたい「ジャパニーズ ウイスキー」

スコッチをベースに日本人の味覚に合わせて進化したウイスキー。海外に比べ蒸溜所が少ないため、自社内で多様な原酒を生み出そうと努める職人たちの技が光ります。

 

[代表的銘柄]山崎

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1984年に誕生したシングルモルト。国際的なコンテストで多数入賞し、世界中でも愛される。凝縮された果実香が漂います。

 

【世界5大ウイスキー⑤】まずは王道を把握したい「スコッチウイスキー」

ウイスキーの代名詞ともいえるスコットランドのウイスキー。生産地域が6つに分けられ、それぞれ個性がある。全体的にピート由来のスモーキーさを感じる銘柄が多いです。

 

[代表的銘柄]ザ・マッカラン 12年

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シングルモルトのロールス・ロイスと呼ばれます。シェリー樽熟成が生む甘みとスパイシーさ、赤味がかった琥珀色が特徴です。