SUVの要素を網羅する万能さ!「ジープ」の魅力を4つのPOINTで分析

今回の「NEW VEHICLE REPORT」は「ジープ」の新機軸について特集。「ジープ」はブランドそのものの長い歴史に裏打ちされた伝統があり、その一方で歴史あるブランドだからこそ守り続けるためには相応の変化も必要となる。まずはジープの新機軸に触れてみた。

 

※こちらは「GetNavi」 2023年02・03合併特大号に掲載された記事を再編集したものです

 

SUVの要素を網羅する万能さが魅力!

【SUV】

ジープ

コマンダー

SPEC【リミテッド】●全長×全幅×全高:4770×1860×1730mm●車両重量:1870kg●総排気量:1956cc●パワーユニット:直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:170PS/3750rpm●最大トルク:35.7kg-m/1750〜2500rpm●WLTCモード燃費:13.9km/L

 

3列シート+ディーゼルの魅力的な組み合わせを実現

新型コマンダーは、日本向けのジープでは初のディーゼル仕様となるミドル級SUV。そのボディは、現行ジープではコンパスとグランドチェロキーの中間という適度なサイズながら、3列シートの7人乗りを実現していることが魅力的だ。もちろん、SUVだけに3列目の広さこそミニバン級とはいかないが、大人の着座にも耐える実用性は確保。使い方次第では、ミニバンの代替としても選択肢になり得るはずだ。

 

搭載する2Lディーゼルターボの動力性能は、必要十分というところ。現状ではいくぶん音や振動が気になるものの、高効率な9速ATを組み合わせるだけに巡航時には気にならない。また、ジープらしく走破性を高める装備も充実しているので万能さはライバルと比較しても屈指のレベルだ。日本でも2000年代に導入されていた初代はある種マニア向けだったが、新型コマンダーは新たなジープユーザーを開拓する可能性に満ちた1台と言えそうだ。

 

[Point 1]ジープのモデルらしく走破性を高める装備も充実

4WDであることはもちろん、悪路での走破性を高める機能に抜かりがない点もジープらしい室内。運転支援系の装備も充実している。室内は3列目シートでも実用的な広さ。

 

[Point 2]日本仕様はモノグレード

日本仕様のグレードは「リミテッド」のみとシンプルで、車両価格は597万円。ボディカラーは写真のブラックのほかに3色を用意するが、ルーフはどの色でもブラック仕立てになる。

 

[Point 3]多彩なアレンジが可能

ラゲッジ容量は3列目シートをたたんだ状態で481L。3列目使用時でも170Lが確保されるなど、使い勝手はSUVらしく秀逸だ。

 

[Point 4]燃費性能はまさに期待通り

2Lディーゼルターボは、今回の試乗でも市街地から高速に至るまで終始2ケタ台の燃費をキープ。経済性は期待通りの出来栄えだ。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

文/小野泰治 撮影/市 健治、郡 大二郎

見た目のインパクト最大級! 日本ではレアなピックアップトラックのジープ「グラディエーター」はどう?

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は日本に導入されること自体が珍しい、アメリカン・ピックアップトラックのグラディエーターの実力を探る!

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感、クルマを評論する際に重要視するように。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】ジープ/グラディエーター

SPEC【ルビコン】●全長×全幅×全高:5600×1930×1850mm●車両重量:2280kg●パワーユニット:3.6LV型6気筒エンジン●最高出力:284PS(209kW)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:非公表

920万円(税込)

 

無敵のデカさに快適な走りを兼備

安ド「殿! このクルマ、ものすごくデカいですね!」

 

永福「うむ。デカいな」

 

安ド「全長5.6m! コレって世界最大ですか?」

 

永福「世界最大ではないが、日本で普通に買える乗用車のなかでは、2番目くらいに長い」

 

安ド「最も長いのは!?」

 

永福「ロールスロイスの旗艦、ファントムが約6m。それに次ぐ長さだ」

 

安ド「トヨタの新型ランドクルーザーよりかなり長いですよね」

 

永福「ランドクルーザーは約5m。レクサスLXでも5.1m。グラディエーターの圧勝だ」

 

安ド「敵はロールスロイスだけですね!」

 

永福「全高はこちらのほうが20cm高いから、ロールスも見下ろせる。グラディエーターは無敵だ」

 

安ド「無敵なんですね! しかも実際に運転すると、意外と長さは気になりませんでした!」

 

永福「同感だ。住宅街ではもっと苦労するかと思ったが」

 

安ド「ただ駐車すると、前が枠からはみ出しまくってビックリしました!」

 

永福「一般的なコインパーキングは、全長5mまでの設定。60cm飛び出すからな」

 

安ド「このクルマ、ベースはジープ・ラングラーですよね?」

 

永福「ラングラーの4ドアバージョン、アンリミテッドをベースに、ピックアップトラックに仕立ててある」

 

安ド「このキャラクターはすごく好きですが、顔が完全にラングラーなのに、胴体が長すぎて、ちょっとバランスが悪くないですか?」

 

永福「そこが良いのだ。一見ラングラーだが、横から見ると異様に長くて、誰もが『何だコレ!?』とビックリする。アメリカン・ピックアップトラックにはもっとデカいモデルもあるが、グラディエーターはバランスが悪いから、見た目のインパクトは最大級だ」

 

安ド「なるほど! さすが深い考察です」

 

永福「それより驚いたのは、走りが実に快適なことだ」

 

安ド「快適ですか!」

 

永福「ラングラーは本格的なオフロード4WD。乗り心地は固く、高速道路では直進性が悪くてアタリマエだが、現行型はそこが大幅に改善された。このグラディエーターは、ボディが長いぶん、さらに乗り心地も直進性も良い」

 

安ド「重いわりには加速も良いですね!」

 

永福「燃費も7km/Lくらい走るし、価格は920万円。決してそれほど高くない。周囲へのインパクトを考えたら、ものすごくお買い得なクルマだ」

 

安ド「僕にはオーナー像が想像できないんですが、サーフィンやオフロードバイクをやるお金持ち層なんでしょうか? 船を乗せられるほど荷台は大きくないですし」

 

永福「荷台は必ずしも使う必要はない。そんなことより目立つことが重要なのだ!」

 

【GOD PARTS 1】パワーユニット

悪路を乗り越えるパワフルなエンジン

搭載エンジンのラインナップは3.6LV型6気筒DOHCのみ。284馬力、347Nmで、様々な悪路で力を発揮してくれます。オーナーが必要とするかどうかはともかくアイドリングストップ機能まで備えていて、エコ時代にも対応しています。

 

【GOD PARTS 2】各種オフロードスイッチ

あらゆる悪路に対応するオフロード機能を多数装備

インパネの下部にはオフロード車ならではのボタンが集約されています。あらゆる悪路に合わせてそれぞれを上手に走り切るためのシステムが搭載されていますが、素人では使い切れません。オフロードの世界は深い沼なのです。

 

【GOD PARTS 3】ディスプレイ

愛車の走行状況が目に見えて安心!

ボディの傾きやサスストロークなど、オフロードを走るうえで便利なパフォーマンスデータは、すべてディスプレイで確認できます。昔はこういった情報は追加メーターに表示していたんですが、デジタル時代ですね。

 

【GOD PARTS 4】マッド&テレインタイヤ

固くて頑丈な仕様で凸凹道も乗り切れる

17インチのシブいツヤ消しホイールには、ブロックパターンがサイドにまで配置された、剛性が高く丈夫な構造のタイヤが装着されています。なお、スペアタイヤについてはラングラーのようにボディ後方には付いていません。

 

【GOD PARTS 5】シフトセレクター

とにかく太いたくましさの権化!

ATは8速で、基本的にはラングラーの最強グレード「ルビコン」と同じですが、とにかく握りが太くて男らしいです。横に並ぶトランスファー(副変速機)レバーは、4WDを2WDにしたりロックしたりするためのもので、こっちもぶっとい!

 

【GOD PARTS 6】グリル&ヘッドライト

真正面から見たら見分けがつかない!?

ラングラーと同じ顔です。世界的にもお馴染みの好感度の高いデザインです。7本のグリル(セブンスロットグリル)と丸いヘッドライトはジープブランドの象徴となっていて、機能的にはゴツいクルマなのにほっこりします。

 

【GOD PARTS 7】バンパー

前にも後ろにも大きく突き出て衝撃を吸収

左右のフェンダー(タイヤ上方の囲み)はもとより、前後のバンパーもかなり突き出ています。実際に運転してみると、これが運転席からほとんど見えず(笑)、前方を何かに寄せる際は注意が必要です。リアには牽引用のフックが飛び出しています。

 

【GOD PARTS 8】外ヒンジ

ラフなつくりがカッコ良さをアップする!

ラングラーをはじめ、オフロード車ではこのようにヒンジ(可動部位の接続部)が外側に付いていることが多いです。機械としてシンプルな構造にした結果ではありますが、無骨な雰囲気が出て非常にカッコ良くなります。

 

【GOD PARTS 9】リアシート

長くはなったけど4人が快適に乗れる構造に!

ピックアップトラックは古来より2シーターが主流でしたが、現代では後席を追加した4人乗りモデルも増えています。その影響で全長は長くなりますが、内部の後席スペースは十分広く、後席の下には収納まで備えています。

 

【これぞ感動の細部だ!】荷台

何を載せるか? 使い方はオーナー次第!

日本では希少なピックアップトラックですが、北米では各ブランドでラインナップされるほど人気があります。ジープとしては26年ぶりの展開となりましたが、ベースとなっているのは新型ラングラーです。荷台のサイズは奥行きが1531mm、幅は最長部で1442mmで、高さもしっかり取られていて大容量。日本人オーナーたちがこの荷台をどう使うのか興味深いところです。

 

撮影/我妻慶一

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アウトドアでの便利さに“惚れ”るクルマを深“掘り”! キャンプの相棒5選

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。ここでは専門家を魅了する5台のモデルを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

選ぶならアウトドアで活躍する機能性と個性を重視

猛威を振るうコロナ禍の影響もあり、野外で楽しめる開放的なキャンプが爆発的なブームを迎えている。週末のキャンプ場が満員御礼の状態になっているいま、ほかのキャンパーとはひと味違うクルマを選ぶことで個性を主張するのもオススメだ。

 

しかし、形ばかりのクルマでは意味を成さず、スタイルに伴う性能を備えていなければならない。オートキャンプや車中泊での利便性、遊び道具を満載できる積載性能、悪路の走破力などアウトドアならではの使い勝手は欠かせない。そして、キャンプという非日常だけでなく、日々の暮らしで使える快適性を合わせ持った二面性を備えたクルマを選ぶことも重要なポイントだ。

 

尖り過ぎない実用性と快適性、そしてキャンプ使用で威力を発揮してくれる個性的なクルマ選びこそが、快適なキャンプには大切だ。それに適した5モデルを紹介しよう。

 

 

「現代アウトドアにピッタリなパワーソース」に“ホレ”る

【その1】家電も使える未来のクルマ電気の力でキャンプを満喫

三菱

アウトランダー PHEV

462万1100円〜532万700円

存在感を示すアウトランダー PHEVは、その名の通り、プラグインハイブリッドのメリットを生かした1台だ。バッテリーからは最大1500Wの電気がアウトップットでき、家庭用の電気調理器や暖房器具の使用を可能とする。

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列4気筒+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

 

↑フロアコンソールとラゲッジルームの2か所にACコンセントを備え、最大1500Wの電力を供給。ホットプレートや暖房器具も使える

 

↑4輪の駆動力、制動力を最適にコントロールするS-AWC。ツインモーターをと呼ばれる4WD機能が快適かつ安全な走行性能を提供

 

↑開口部の段差をなくした広大なラゲッジスペース。多彩なシートアレンジを可能とし、フラットにすることで荷物を満載できる

 

[ココに“ホレ”た!] 自然にもやさしいPHEVは万一の災害時でも実力発揮

災害時にも威力を発揮するのが大きな魅力。ガソリンが満タン状態なら通常の家庭で、エンジンで発電しながらV2H機器を介して約12日間分の電気を供給可能です!(並木さん)

 

 

「走破性と醸し出す雰囲気」に“ホレ”る

【その2】質実剛健な新型ラングラーでアウトドアの王道を突き進め

ジープ

ラングラー アンリミテッド

704万円〜743万円

2018年にJKからJLへと進化を遂げたものの、ラングラーとしての基本スタイルは踏襲。操縦性、安定性、質感を向上させることで先代モデルの不満を解消している。日常と非日常の楽しさを両立できる憧れの存在だ。

SPEC【RUBICON】●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

↑約800mmの奥行きを持つスクエアなラゲッジは荷物を積みやすい。セカンドシートを倒せば2000Lへと容量を拡大できる

 

↑独立したラダーフレームは負荷にも強く、悪路を走行するジープらしい設計。ボディ自体の耐久性も高くなりライフスパンが長くなる

 

[ココに“ホレ”た!] 年式を経ても味が出て一生付き合える良き相棒

ジープのイメージを踏襲し、時代や年式に左右されることなく乗り続けることができるロングライフは大きな魅力。4WDの走破性能が安心感を提供してくれます。(並木さん)

 

 

「フランス車らしい優雅さ」に“ホレ”る

【その3】キャンプをバカンスに変えるフランス生まれの人気モデル

シトロエン

ベルランゴ

335万8000円〜374万9000円

キュートなスタイルと実用的な室内アレンジを融合させた、フランスのエスプリが漂う一台。「マルチアクティビティビークル」をコンセプトに誕生したモデルだけに、アウトドアでの使い勝手はパーフェクトと言える。

SPEC【SHINE XTR PACK】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●パワーユニット:1498cc直列4気筒ディーゼル+ターボ●最高出力:130PS(96kw)/3750rpm●最大トルク:30.5kg-m(300Nm)/1750rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

↑約90cmの奥行きを誇るラゲッジ。床下にリヤシートを収納すれば1.7mの長尺モノも収納でき、容量は最大2126Lまで拡大する

 

↑エアチュープ構造のフレームを付属のポンプで膨らませる純正タープを用意。完成サイズはW2500×H1800×D2500mmとなる

 

[ココに“ホレ”た!] フランスは商用車もシャレオツであります!

フルゴネットという商用車をベースに開発され使い勝手は良好。「モジェット」と呼ばれるパノラミックガラスルーフとストレージを一体化した開放的なルーフは絶品です。(並木さん)

 

 

「カスタマイズ性の高さ」に“ホレ”る

【その4】商用車ながらも快適性は抜群でカスタムベースとしても最適!

トヨタ

プロボックス

149万1000円〜201万4000円

アウトドアフリークの間でただいま人気急上昇中なのが、商用ベースの本車。リフトアップキットやキャリアなどのカスタムパーツが続々とリリースされ、手を加えることで精悍なアウトドア仕様へとモディファイ可能だ。

SPEC【F・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4245×1690×1525mm●車両重量:1160kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒+モーター●最高出力:74[61]PS/4800rpm●最大トルク:11.3[17.2]kg-m/3600〜4400rpm●WLTCモード燃費:22.6km/L

 

↑商用車として生産されたモデルだけに開口部も広く積載能力は高い。シンプルなラゲッジルームはフラットで、DIYにも最適な設計

 

↑カスタムのトレンドはアウトドアに似合う武骨なスタイル。バンパーガードや大型のパイプ製キャリア、リフトアップに加えマットな塗装を施すことも

 

[ココに“ホレ”た!] 商用バンを大変身させる絶妙なカスタムセンス!

キャンプでの実用性を考えれば商用車の選択もアリ。乗り心地の悪さは新型モデルでは解消されました。カスタマイズすれば快適なアウトドア仕様へ変身します!(並木さん)

 

 

「経済性と遊びゴコロ」に“ホレ”る

【その5】必要最低限とは呼ばせない軽バン王者の底力を知る!

ホンダ

N-VAN

127万6000円〜187万2200円

人気の軽バンとしてアウトドアマンたちからの信頼度は抜群。低床プラットフォーム助手席側のBピラーをなくしたことで利便性を拡大した。仕事に遊びに活躍してくれるモデルだ。

SPEC【+STYLE FUN・ターボ】●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm●パワーユニット:658cc直列3気筒+ターボ●最高出力:64PS(47kw)/6000rpm●最大トルク:10.6kg-m(104Nm)/2600rpm●WLTCモード燃費:18.8km/L

 

↑アレンジが多彩なシートは運転席以外のすべてに荷物が積める。テールゲートから助手席までフラットに設計された室内は使いやすさに優れる

 

↑フルフラットにできる車内は車中泊に最適。社外パーツも豊富で自分らしいスタイルへとカスタムする楽しさを持つ。コスパは抜群だ

 

[ココに“ホレ”た!] キャンプに最適な構造はオリジナリティが光る!

高い経済性と唯一無二のオリジナリティが光る傑作モデル。キャンプや釣り、サーフィンなどのソト遊びをサポートする“秘密基地”的な雰囲気が男心を刺激します。(並木さん)

 

 

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質実剛健な新型ラングラーでアウトドアの王道を突き進め

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了するジープ「ラングラー アンリミテッド」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

「走破性と醸し出す雰囲気」に“ホレ”る

ジープ

ラングラー アンリミテッド

704万円〜743万円

2018年にJKからJLへと進化を遂げたものの、ラングラーとしての基本スタイルは踏襲。操縦性、安定性、質感を向上させることで先代モデルの不満を解消している。日常と非日常の楽しさを両立できる憧れの存在だ。

SPEC【RUBICON】●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

↑約800mmの奥行きを持つスクエアなラゲッジは荷物を積みやすい。セカンドシートを倒せば2000Lへと容量を拡大できる

 

↑独立したラダーフレームは負荷にも強く、悪路を走行するジープらしい設計。ボディ自体の耐久性も高くなりライフスパンが長くなる

 

[ココに“ホレ”た!] 年式を経ても味が出て一生付き合える良き相棒

ジープのイメージを踏襲し、時代や年式に左右されることなく乗り続けることができるロングライフは大きな魅力。4WDの走破性能が安心感を提供してくれます。(並木さん)

 

 

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同じSUVでも性能は対照的! ジープ「グランドチェロキー L」、トヨタ「bZ4X」の乗り味を検証

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、プレミアムSUVの草分け的存在であるジープ「グランドチェロキー」の新型と、トヨタ初の本格ピュアEVとなる「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」のプロトタイプ。どちらもカテゴリー的にはSUVに分類できるが、その中身はパワーユニットと同じく対照的だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】3列シート採用で一層“使える”高級SUVに!

SUV

ジープ

グランドチェロキー L

SPEC【サミットリザーブ】●全長×全幅×全高:5200×1980×1795mm●車両重量:2250kg●パワーユニット:3604ccV型6気筒DOHC●最高出力:286PS/6400rpm●最大トルク:35.1kg-m/4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

 

注目の3列目シートは大人でも十分の広さを確保

日本でのジープ販売は、このところずっと右肩上がり。その旗艦であるグランドチェロキーが、10年ぶりにモデルチェンジした。導入されたのは、新設定となる3列シート仕様の「L」だ。その外観は、存在感があり堂々たるもの。また、上質な素材や数々の豪華装備が投入された室内も高級SUVとしてひと際目を引く出来栄えだ。

 

気になるサードシートは、広いとは言えないまでも成人男性でも座れるスペースを確保。高めに設定された着座位置もあって見晴らしも良い。さらに大柄な車体の恩恵で、3列目使用時でも結構な量の荷物が積める点も助かる点だ。

 

いまや貴重な自然吸気の3.6LV6ガソリンエンジンは扱いやすく、上質な吹け上がりを披露。ジープらしく悪路走行をアシストする装備も満載している。これまでが安かったためか、新型は価格がグッと高くなった印象を受けるが、中身はそれ以上に充実。なおかつ高級SUVとして洗練されたことは強調しておきたい。

 

[Point 1]ATセレクターにはジープ初の機構を採用

ATセレクターには、ジープ初となるダイヤル式のロータリーセレクトを採用。上質な仕立てとなる室内は、新しさの演出も十分だ。セカンドシートは写真の2人掛けのほか(サミットリザーブ)、3人掛けも選べる(リミテッド)。

 

[Point 2]走りは扱いやすく、なおかつ上質

日本仕様のパワーユニットは、いまのとろ3.6LのV6ガソリンのみ。全長が5mを超える堂々たるボディとの組み合わせながら、必要十分な動力性能を発揮し、上質感を披露してくれる。

 

[Point 3]サイズに相応しい大容量を確保

荷室は、3列目シート使用時でも実用的な広さを確保。写真は3列目をたたんだ状態だが、2列目までたためば容量は最大で2400Lまで拡大する。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

リミテッド:3.6L/4WD/8速AT/788万円

サミットリザーブ:3.6L/4WD/8速AT/999万円

 

 

【その2】その性能は、すでにピュアEVの最前線!

プロトタイプ

トヨタ

bZ4X

SPEC【4WD】●全長×全幅×全高:4690×1860×1650mm●車両重量:2005kg〜●パワーユニット:電気モーター(交流同期電動機)×2●バッテリー総電力量:71.4kWh●最高出力:218㎰(システムトータル)●一充電最大航続距離:460km前後

 

4WDモデルでは緻密な駆動制御も実感できる!

bZ4Xは、間もなく日本でもリリースが始まる(※)トヨタ初の本格ピュアEVだ。ボディはRAV4より全長が長く、若干ながら幅広く、そして背が低いという適度なボリューム。ご覧のように、外観はSUVらしさとクーペ的な風情がミックスされたスタイリッシュな仕上がりとなっている。

 

EVとしてのパワートレインは、フロントモーターのみの2WDと、リアにもコンパクトなモーターを追加した4WDの2種。組み合わせるリチウムイオンバッテリーは、総電力量71.4kWhで1充電当たりの最大航続距離は460km前後。つまり、最新のピュアEVらしく実用性は十分というわけだ。

 

今回はサーキット限定の試乗だったが、走りはナチュラル志向の味付けであることが確認できた。もちろん、静粛性の高さや加速の滑らかさ、そして強固なボディの剛性感といったEVらしい美点はしっかり実感できるが、それ以上に印象的だったのはアクセル操作に対する反応が自然に仕上げられていること。加えて、前後の駆動配分を緻密に制御する4WDモデルでは、車重を意識させない操舵性の良さも好印象だった。製品としての完成度はすでにハイレベルだ。新作が相次ぐEV界にあって、リリースが楽しみなモデルであることは間違いない。

※:5月12日より申込受付を開始した。法人の場合は法人専用リースでの提供、個人契約の場合はサブスク(フルサービスリース)の「KINTO」での提供となる

 

[Point 1]「ステアバイワイヤ」を採用

ステアリングとタイヤが機械的に繋がらない、完全電子制御の「ステアバイワイヤ」はステアリング形状(下写真)にも注目。日本でも、発売以降に追加設定の予定とか(当初は中国向けのみ)。

 

[Point 2]すべての座席で平等な居心地を実現?

バッテリーを床下に収める関係上、着座位置に対して床面が高い感もあるが広さ自体は前後席ともに十分以上。全席に同じ価値を等しく提供する空間に仕上げた、とはトヨタの弁。

 

[Point 3]外観はSUVらしさとクーペテイストが融合

外観はSUVの力強さとクーペのスポーティなテイストが融合した仕立て。兄弟車となるスバル・ソルテラとは、フロントマスクを中心とした細部のデザインで差別化が図られる。

 

[Point 4]SUVに期待される実用性も確保する

グラスエリアをコンパクトにまとめたボディ形状ながら、ラゲッジスペースは床面の広さがそれをフォロー。SUVとして満足できる使い勝手が実現している。

 

[Point 5]システム出力は2WDと4WDでほぼ同等

システム出力は、フロントモーターのみの2WDが204PS。リアにもモーターを積む4WDは218PSと極端な差はないが、車重は後者が85kg重いのが特徴だ。

 

文/岡本幸一郎、小野泰治 撮影/郡 大二郎、宮越隆政

 

 

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3列シート採用で一層“使える”高級SUV、ジープ「グランドチェロキー L」!

今回は、プレミアムSUVの草分け的存在であるジープ・グランドチェロキーの新型に試乗。10年ぶりにモデルチェンジし、最大のポイントの3列シートSUVはいかに!?

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

注目の3列目シートは大人でも十分の広さを確保

SUV

ジープ

グランドチェロキー L

SPEC【サミットリザーブ】●全長×全幅×全高:5200×1980×1795mm●車両重量:2250kg●パワーユニット:3604ccV型6気筒DOHC●最高出力:286PS/6400rpm●最大トルク:35.1kg-m/4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

 

日本でのジープ販売は、このところずっと右肩上がり。その旗艦であるグランドチェロキーが、10年ぶりにモデルチェンジした。導入されたのは、新設定となる3列シート仕様の「L」だ。その外観は、存在感があり堂々たるもの。また、上質な素材や数々の豪華装備が投入された室内も高級SUVとしてひと際目を引く出来栄えだ。

 

気になるサードシートは、広いとは言えないまでも成人男性でも座れるスペースを確保。高めに設定された着座位置もあって見晴らしも良い。さらに大柄な車体の恩恵で、3列目使用時でも結構な量の荷物が積める点も助かる点だ。

 

いまや貴重な自然吸気の3.6LV6ガソリンエンジンは扱いやすく、上質な吹け上がりを披露。ジープらしく悪路走行をアシストする装備も満載している。これまでが安かったためか、新型は価格がグッと高くなった印象を受けるが、中身はそれ以上に充実。なおかつ高級SUVとして洗練されたことは強調しておきたい。

 

[Point 1]ATセレクターにはジープ初の機構を採用

ATセレクターには、ジープ初となるダイヤル式のロータリーセレクトを採用。上質な仕立てとなる室内は、新しさの演出も十分だ。セカンドシートは写真の2人掛けのほか(サミットリザーブ)、3人掛けも選べる(リミテッド)。

 

[Point 2]走りは扱いやすく、なおかつ上質

日本仕様のパワーユニットは、いまのとろ3.6LのV6ガソリンのみ。全長が5mを超える堂々たるボディとの組み合わせながら、必要十分な動力性能を発揮し、上質感を披露してくれる。

 

[Point 3]サイズに相応しい大容量を確保

荷室は、3列目シート使用時でも実用的な広さを確保。写真は3列目をたたんだ状態だが、2列目までたためば容量は最大で2400Lまで拡大する。

 

[ラインナップ](グレード:エンジン/駆動方式/ミッション/税込価格)

リミテッド:3.6L/4WD/8速AT/788万円

サミットリザーブ:3.6L/4WD/8速AT/999万円

 

文/岡本幸一郎 撮影/郡 大二郎

 

 

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バブル期に爆発的人気を獲得したジープ・チェロキーの「グランド」はどう? デカいアメ車の魅力に迫る

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、フルモデルチェンジしたばかりのジープのフラッグシップモデルを、バブル期のチェロキーと比較する!?

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】ジープ/グランドチェロキー

 

SPEC【L リミテッド】●全長×全幅×全高:5200×1980×1815mm●車両重量:2170kg●パワーユニット:3.6LV型6気筒エンジン●最高出力:286PS(210kW)/6400rpm●最大トルク:344Nm/4000rpm●WLTCモード燃費:非公表

788万円〜999万円(税込)

 

ラングラーにお株を奪われたが、デカさと美しさが共存する秀逸なデザイン

安ド「殿! ジープの大型SUV、グランドチェロキーが新型になったとのことで借りてきました!」

 

永福「うむ」

 

安ド「車名に『グランド』が付くだけに、さすがにデカいですね!」

 

永福「思えば『グランド』が付かないチェロキーは、バブル期、女子に大人気であった」

 

安ド「そ……そう言えばそうでしたね!」

 

永福「どんなクルマが好き? と聞かれたときに、女性の5割はチェロキー! と答えたものだ」

 

安ド「それはオーバーでは……」

 

永福「そのチェロキーに代わって、現在大人気となっているのが、超本格派オフローダーのジープ・ラングラーだ」

 

安ド「グランドチェロキーじゃないのですね!」

 

永福「世の中、なぜか本物志向が強まっておる。ジムニーやランクル同様、ラングラーが大人気で、多くの女子が『カッコ良いわ〜』と言っておる」

 

安ド「確かにラングラーはカッコ良いですが、このグランドチェロキーもカッコ良いと思います!」

 

永福「サイズはデカいが、デザインは非常にシンプルで美しい。どこか、かつてのチェロキー的だ」

 

安ド「バブル期に流行ったチェロキーは、もっと小さかったですよね?」

 

永福「2ドアモデルだと、全長はわずか4.2m、全幅1.72m。いまのSUVで言えばホンダのヴェゼルより小さかった」

 

安ド「グランドチェロキーは全長5.2m、全幅はほぼ2mです!」

 

永福「まさにアメリカンサイズだ」

 

安ド「でも、デカいだけあって、3列目シートがあるのがうれしいです!」

 

永福「安ドのパジェロと同じだな」

 

安ド「僕がパジェロを選んだのは、デカくて威張れる3列シート車だったからなんですが、このグランドチェロキーくらいデカいクルマを自由自在にコロがせたら、たぶんモテると思います!」

 

永福「腹が出ていてもか?」

 

安ド「腹が出ていないころにこのクルマに乗っていれば、モテた自信があります!」

 

永福「たしかに、細かいことにこだわらない、デカい男という雰囲気をヒシヒシと感じる」

 

安ド「雄大なわりに、細かいつくりもしっかりとしていますよね」

 

永福「うむ。実にしっかりしておる。自動ブレーキ系をはじめ、必要な装備はすべて付いているし、デカくて重いわりに加速も良い」

 

安ド「エンジンもすごくデカいのかと思ったら、排気量は3.6Lなんですね!」

 

永福「しかもノンターボでこのトルクだ。アメ車の技術をナメたらいかんな。ただ、新型グラチェロは何かが足りない」

 

安ド「何が足りませんか?」

 

永福「すべてが自然にデカいだけで、ラングラーのような特別感がないのだ。身長2mのヒラ社員という感じだろうか」

 

安ド「確かに惜しい感じですね!」

 

【GOD PARTS 1】3列目シート

ボディが大きいゆえにしっかり使えるサイズ

グランドチェロキーとしては初採用となった3列目シートは、ボディサイズの大きさもあってそれなりに大きく、広いスペースが割かれています。前方に折りたたむことで、ラゲッジスペースとして活用することも可能です。

 

【GOD PARTS 2】ステアリング

大きくてもしっかり正確なフィーリングがウリ

大きなボディに合う大きめのステアリングですが、運転してみるとしっかりしたフィーリングが感じられて、正確に反応してくれます。シフト変速をするパドルも付いていますが、手が小さな人だと指が届かないかもしれません。

 

【GOD PARTS 3】逆スラントノーズ

上部が突き出た形状はレジェンドへのオマージュ

1960年代の「ワゴニア」というモデルでは、逆スラントノーズ、つまり上部が長く突き出て、下部が手前に引いた形状が採用されていました。新型グラチェロにもそのデザインが継承され、趣のある顔つきに仕上がっています。

 

【GOD PARTS 4】ロータリーシフトセレクター

シフトレバーをなくした新たな操作部を採用

シフト選択はダイヤル式となり、ついにシフトレバーが姿を消しました。とはいえ、AT車なら運転中はほぼシフトチェンジしませんから、すぐに慣れることでしょう。周囲には走行モード切り替えスイッチなども付いてます。

 

【GOD PARTS 5】2列目シート

リクライニングできるくつろぎ仕様

取材した「L リミテッド」グレードの2列目は3人乗れるので、定員は全席で7人になっています(上位グレードの2列目はセパレート型で乗車定員は6人)。またリクライニングもできるので、身体の大きな人でもくつろげます。

 

【GOD PARTS 6】メーター

小さくするとなんだかかわいい

メーターはデジタル液晶画面を採用しており、アナログ感は皆無。表示は5種類に変化させることができて、スピード/回転計を小さくすることもできます。ボディの大きさを考えると、なんだかかわいく感じます。

 

【GOD PARTS 7】エンジン

重量級ボディを支えるパワー系

大きなボンネットの下に搭載される3.6LV6エンジンは、先代モデルからの改良型。パワフルで重量級のボディをいともたやすく加速させます。今回の取材車は下位グレードとなる「リミテッド」でしたが、エンジンに差異はありません。

 

【GOD PARTS 8】セブンスロットグリル

ジープの伝統が息づくデザイン

縦に長い7本のグリルは、ジープブランドの伝統です。軍用車時代はもう少し本数が多いモデルもあったようですが、戦後になってからは多くのモデルでこの象徴的グリルが採用されています。歴史の重みでクルマの魅力は増しますね。

 

【GOD PARTS 9】レギュラーガソリン仕様

レギュラー仕様がうれしいブランド

エコが叫ばれる昨今、さらにガソリン価格の高騰も続いていて、ますます低燃費車がもてはやされています。大型車はボディが重く燃費性能も良くないですが、ジープブランドは輸入車ながら多くのモデルがレギュラー指定になっています。

 

【これぞ感動の細部だ!】USBソケット

前から後ろまできちんと用意された充電口

1列目から3列目まで各シートごとに2つずつUSBポートが装備されています。しかもそれぞれUSB Type-Aだけでなく、USB Type-C用の差し込み口まであります。ドライブをしていて乗員が全員同時に充電をする光景は想像しにくいですが、充電に対する充実度は、さすがスマホ大国! さすがアメリカ! という印象です。

 

撮影/我妻慶一

 

 

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走る道を選ばない、タフなクルマで行こう! プロが証言するワールドクラスのオフローダー4選

“タフそう”なクルマは数多いが、岩場や泥濘路などの本格的なオフロードを安心して走行できる、ガチでタフなクルマは限られている。険しい道を突き進む走破性を備えた、本物のタフなクルマのスゴさをプロが証言!

※こちらは「GetNavi」 2021年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

プロがそのタフさを証言! 世界を走破するタフなヤツら!

【その1】高級・高性能でどんな道も快適! すべてがオーバースペックすぎる

メルセデス・ベンツ

Gクラス

1080万円~1530万円(税込)

1979年に初代モデルが登場して以来、メルセデスの本格的オフローダーを一手に担うGクラス。数々の装備による悪路走破性はピカイチだが、その変わらない無骨なデザインも人気で、オンロードユース層からも人気が高い。

SPEC【G 350d】●全長×全幅×全高:4725×1860×1970mm●パワーユニット:2986ccV型6気筒ディーゼルターボ●最高出力:245PS(118kw)/3600rpm●最大トルク:61.2kg-m(600Nm)/1600~2400rpm●JC08モード燃費:10.8km/L

 

モータージャーナリスト

岡本幸一郎さん

日本に6台しかない「6×6」や希少なカブリオレなど、様々なG

時代とともに高級化しても受け継ぐ本質は変わらない

40年余り前、元々NATOのために開発された軍用車を民生用にアレンジしたのがGクラスのはじまりだ。そう聞いただけでもどれほどタフであるかがうかがい知れよう。当初のGクラスは、まさしく質実剛健なオフローダーだったのだが、やはりメルセデスの一員らしく高級感や快適性が求められるようになり、時間の経過とともに高級SUVとして進化してきた。

 

とはいえ2018年にアップデートした現行型でも、屈強なラダーフレームにリアリジッドアクスル、LOWモードギアに前後と中央の3つのデフといった伝統の基本構成は変わっていない。それでいて世のオフローダーでダントツの性能を誇るAMGモデルがあるのもGクラスならではである。

 

街なかで乗るにはすべてがオーバースペックに違いない。その点がまたGクラスの魅力でもあるのだ。

 

【岡本さんが証言!】なぜGクラスはタフなのか

[証言1] 鋼鉄製ラダーフレームにフロント独立懸架を直付け

ロの字型の鋼材をMAG溶接した新設計ラダーフレームを採用。ダブルウィッシュボーン化したフロントサスをサブフレームを介さずに取り付け、十分な地上高を確保する。

 

[証言2]「LOWレンジ」モードでは最大の悪路走破性を実現

デフロック、もしくは通常の2倍以上の駆動力を発揮するオフロード向けの低速ギアのLOWレンジを搭載。選択すると足まわりやアクセル特性を最適化できる。

 

[証言3] 3つのデフの作動/解除はワンタッチで自由自在

通常のオフローダーではデフロックの作動/解除には面倒な操作が必要。Gクラスはスイッチひとつで3つのデフを個別にメカニカルロックできる伝統の機能を備える。

 

[証言4] 悪路で役立つ情報を表示するオフロードスクリーン

外見とは逆にインテリアは先進的に。12.3インチワイドディスプレイには勾配、傾き、方位、舵角、デフロックの状況など悪路走行に特化した情報を表示できる。

 

【その2】一輪さえ接地していれば走行可能な世界屈指の絶対的オフローダー

ジープ

ラングラー アンリミテッド ルビコン

658万円(税込)

ジープ ラングラーのなかでも最強の悪路走破性を誇るのがルビコン。2WD/4WD-H/4WD-Lの切り替えができる副変速機はルビコン専用で、最終変速比は4.100。他のラングラーモデルよりも、さらに力強い走破性を生む。

SPEC●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

環境・自動車ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車雑誌の編集記者を経て、自動車ジャーナリストに転身。ルビコン・トレイルを走破した猛者でもある。

世界屈指のオフローダーは難コースで走破性を鍛える

タフなことで知られるジープにおいて抜きん出たオフロード性能を持つのがラングラーであり、そのなかでも最上級の走破性を誇るのがルビコンである。その名の由来は、ルビコン・トレイルと呼ばれるアメリカの難関オフロードコースに由来しており、ここで鍛え上げられた証なのだ。

 

四角四面のスタイリングは、運転席からの見晴らしを重視した設計で、無骨なバンパーも簡単に外せる。機能の詳細を挙げるとキリがないが、実際にルビコンを走破した経験から言えば、一輪が接地しているだけでも走れたり、砂が浮いた岩場のような滑りやすい路面でも駆け上がれたり、ビーバーの住む深い川にジャブジャブ突っ込んだりと、まさに「道なき道を走る」ことができるのが本車だ。

 

ルビコンに乗らずして、タフなクルマを語るなかれ、である。

 

【川端さんが証言!】なぜラングラー アンリミテッド ルビコンはタフなのか

[証言1] スタビライザーを解除して悪路走破性を高められる

電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステムを搭載。悪路でスタビライザーを任意に解除し、フロントアクスルの動きを拡大。走破性を一層高めている。

 

[証言2] ほぼフラットになる荷室にガンガン荷物が積める

2列目シートを前方に倒せば、ほぼフラットになる広大な荷室が登場。その容量は4ドアモデルで最大約2000L。キャンプでも大きな荷物をガンガン積載できる。

 

[証言3] 悪路走破性の高いギア比はルビコンだけのシステム

独自の4WDシステムである「ロックトラックフルタイム4×4システム」。4Lのギア比を4:1の低レンジにすることで、オフロードの走破性をより向上している。

 

[証言4] バンパーを簡単に外してアングル角を拡大できる

アプローチアングルやデパーチャーアングルは元々大きいが、バンパーを取り外すことでより拡大できる。ラチェットハンドルと対応ソケットがあれば簡単に行える。

 

【その3】タフさはそのまま受け継ぎスタイリッシュに進化!

ランドローバー

ディフェンダー

551万円~1171万円(税込)

70年にわたるランドローバーの歴史を象徴するモデルが、昨年登場した新型ディフェンダーだ。先代のタフな魅力はそのままに、堅牢性をさらに向上。もちろん快適性は天文学的にアップしており、まさに無敵のタフネスだ。

SPEC【110 X-Dynamic SE D300】●全長×全幅×全高:4945×1995×1970mm●パワーユニット:2993cc直列6気筒ディーゼルターボ●最高出力:300PS(221kw)/4000rpm●最大トルク:66.3kg-m(650Nm)/1500~2500rpm●WLTCモード燃費:9.9km/L

 

自動車ライター

清水草一さん

『そのフェラーリください!』をはじめとするお笑いフェラーリ文学のほか、自動車ライター/道路交通ジャーナリストとして活動。

無敵のタフネスを受け継ぎ都会でも超絶ハマる

先代ディフェンダーは、元をたどれば70年以上作り続けられたイギリスのジープ的存在。世界各国の軍用車両や警察、消防車両などに多数採用され続けてきたモデルで、タフさのカタマリである。

 

新型は、先代のタフさをそのまま受け継ぎつつ、都会にも完璧にマッチするスタイリッシュなデザインと、洗練された快適な乗り味を手に入れた。そのエレガントなボディの至るところに、先代譲りの超タフなメカや意匠が散りばめられている。

 

もちろん悪路の走破性は無敵だ。日本ではサイズが大きすぎて、林道では取り回しに苦労しそうだが、これも真のタフなクルマだと思えば納得。超ヘビーデューティな4WD機構はもちろんのこと、ピカイチなのはその渡河性能だ。なんと水深90cmまで耐えられるように設計されているのである。

 

【清水さんが証言!】なぜディフェンダーはタフなのか

[証言1] クリアサイトグラウンドビューで車体の下を確認可

3つのカメラの映像をリアルタイムで合成し、ボンネットの下の状況をモニターに映し出す。クルマの下にある轍や岩を確認できる、魔法使いのような機能だ。

 

[証言2] ほぼ垂直に切り立ったテールラインが印象的

徹底的に実用性を重視すると、車体は限りなく直方体に近づく。先代ディフェンダーもテールラインは垂直だったが、新型もその設計を受け継いでいる。

 

[証言3] 実用的かつスムーズな直6ディーゼルターボ

エンジンは、2L4気筒ガソリンターボのほかに、3L直6ディーゼルを用意。この性能が素晴らしく、しかもディーゼルとは思えない超絶なる滑らかさだ。

 

[証言4] 電子制御エアサス搭載で水深90cmまで走行可

電子制御エアサスペンションを搭載。標準車高より40mm低いアクセス向け車高から、75mmアップのオフロード向け車高まで変更できる。渡河性能は最大90cmだ。

 

タフなクルマこそキレイな車内を! ナノイーで清潔空間を保てる

ランドローバーの多くのモデルで、カビや菌、花粉、ニオイを抑制できるパナソニックのナノイーを搭載。過酷な道を進むタフなクルマにこそ望まれる装備だ。さらに将来的には、新型コロナウイルスへの抑制効果が検証されているナノイーXの搭載も検討中。今後の進化にも期待だ。

↑広い車内はフロント、2列目シート、3列目シート独立で空調のコントロールが可能。もちろん同期させて調節することもできる

 

↑モニター内の「ion」アイコンをタッチすればナノイーが車内に充満。一般的なイオンより長寿命のため、広い車内でも効果がある

 

【その4】狭い道でも分け入ることができるコンパクトボディとタフな走り

スズキ

ジムニー

148万5000円~190万3000円(税込)

4代目の現行型も、新開発されたラダーフレームをはじめ、FRベースの副変速機付パートタイム4WD、3リンクリジッドアクスル式サスペンションという伝統に則っている。衝突被害軽減ブレーキなどの先進安全装備も設定。

SPEC【XC 5MT】●全長×全幅×全高:3395×1475×1725mm●パワーユニット:658cc直列3気筒+ターボ●最高出力:64PS(47kw)/6000rpm●最大トルク:9.8kg-m(96Nm)/3500rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L

 

自動車ライター

塚田勝弘さん

新車、中古車、カーナビゲーションなどのカー用品などを中心に取材、執筆している自動車ライター。元GetNavi編集部の乗り物担当。

小さくて軽いのが最大の武器大型トラックでも救出できる

数あるオフローダーのなかでもひときわコンパクトなボディを生かして、林道でもあぜ道でも狭い住宅街でも躊躇なく走れるのがジムニーの魅力だ。軽さも武器で、深い雪でも泥濘路でも容易に発進可能。しかも力持ちで、動画サイトでは歴代ジムニーが雪にハマった大型トラックを牽引して救出している様子を見られる。さらに現行型は、ブレーキLSDトラクションコントロールを標準化し、左右輪どちらかがスリップした際でも脱出しやすくなった。雪深い狭い山道を走らせたら世界最強だろう。

 

ラダーフレームによる高い耐久性やメンテナンス性はもちろん、修理できる専門ショップもパーツも多く、メンテナンスしながら長い年月乗れるタフさもある。中古車を手に入れて直して乗ったり、カスタマイズしながら楽しんだりする愛好家が多いのが特徴だ。

 

【塚田さんが証言!】なぜジムニーはタフなのか

[証言1] 大きな段差でもバンパーや車体の下側に接触しない

悪路走破時に重要な3アングル(アプローチ/ランプブレークオーバー/デパーチャー)に十分な余裕がある。岩場でも、見上げるような急勾配でも楽にクリア可能だ。

 

[証言2] 一定速で坂を降りられるヒルディセントコントロール

凍結した下り坂など滑りやすい路面でも4WD時にスイッチをオンにすることで、ブレーキを踏まなくても一定速でクリアできる機能。ステアリング操作に専念できる。

 

[証言3] いざというとき頼れるのが4WD低速用の「4L」

通常は2WD走行が基本で、豪雨時に「4H」にすれば安定した走りが可能。泥濘路や急勾配、他車を救出する際は「4L」にすることで通常の約2倍の駆動力が得られる。

 

[証言4] 剛性と耐久性を備えるタフなラダーフレーム

ラダー(はしご)型の強固なフレームに車体を載せる。現行型は中央部にX型のフレーム、前後にクロスメンバーを追加し、ねじり剛性を先代よりも約1.5倍向上させた。

 

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ジープ「ラングラー アンリミテッド ルビコン」は、一輪さえ接地していれば走行可能な世界屈指の絶対的オフローダー

“タフそう”なクルマは数多いが、岩場や泥濘路などの本格的なオフロードを安心して走行できる、ガチでタフなクルマは限られている。険しい道を突き進む走破性を備えた、本物のタフなジープ「ラングラー アンリミテッド ルビコン」のスゴさをプロが証言!

※こちらは「GetNavi」 2021年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

世界屈指のオフローダーは難コースで走破性を鍛える

ジープ

ラングラー アンリミテッド ルビコン

658万円(税込)

ジープ ラングラーのなかでも最強の悪路走破性を誇るのがルビコン。2WD/4WD-H/4WD-Lの切り替えができる副変速機はルビコン専用で、最終変速比は4.100。他のラングラーモデルよりも、さらに力強い走破性を生む。

SPEC●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

プロがそのタフさを証言!

環境・自動車ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車雑誌の編集記者を経て、自動車ジャーナリストに転身。ルビコン・トレイルを走破した猛者でもある。

 

タフなことで知られるジープにおいて抜きん出たオフロード性能を持つのがラングラーであり、そのなかでも最上級の走破性を誇るのがルビコンである。その名の由来は、ルビコン・トレイルと呼ばれるアメリカの難関オフロードコースに由来しており、ここで鍛え上げられた証なのだ。

 

四角四面のスタイリングは、運転席からの見晴らしを重視した設計で、無骨なバンパーも簡単に外せる。機能の詳細を挙げるとキリがないが、実際にルビコンを走破した経験から言えば、一輪が接地しているだけでも走れたり、砂が浮いた岩場のような滑りやすい路面でも駆け上がれたり、ビーバーの住む深い川にジャブジャブ突っ込んだりと、まさに「道なき道を走る」ことができるのが本車だ。

 

ルビコンに乗らずして、タフなクルマを語るなかれ、である。

 

【川端さんが証言!】なぜラングラー アンリミテッド ルビコンはタフなのか

[証言1] スタビライザーを解除して悪路走破性を高められる

電子制御式フロントスウェイバーディスコネクトシステムを搭載。悪路でスタビライザーを任意に解除し、フロントアクスルの動きを拡大。走破性を一層高めている。

 

[証言2] ほぼフラットになる荷室にガンガン荷物が積める

2列目シートを前方に倒せば、ほぼフラットになる広大な荷室が登場。その容量は4ドアモデルで最大約2000L。キャンプでも大きな荷物をガンガン積載できる。

 

[証言3] 悪路走破性の高いギア比はルビコンだけのシステム

独自の4WDシステムである「ロックトラックフルタイム4×4システム」。4Lのギア比を4:1の低レンジにすることで、オフロードの走破性をより向上している。

 

[証言4] バンパーを簡単に外してアングル角を拡大できる

アプローチアングルやデパーチャーアングルは元々大きいが、バンパーを取り外すことでより拡大できる。ラチェットハンドルと対応ソケットがあれば簡単に行える。

 

 

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過酷な使用にも耐えうる装備があるからこそ走る道を選ばないジープ! タフなクルマの絶対条件

ハイブリッドやEVが主役の昨今だが、道なき道を走破できるタフなクルマの魅力は不変。ジープをはじめとした“ガチ”でタフなクルマのスゴさを紹介する。見たことのない世界へ、さあ行こう!

※こちらは「GetNavi」 2021年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

未舗装路を想定し開発されたクルマに宿る本気装備を見よ

大流行中のSUVも、そのルーツを辿るとタフなオフロード系のモデルに行き着く。未舗装路や岩場などでも走れる高い最低地上高は必須条件。そのほかパートタイム4WDやラダーフレームなど、過酷な使用にも耐える、独特かつ必須のメカニズムを備えることがキモだ。

ジープ

ラングラー アンリミテッド ルビコン

658万円(税込)

ジープブランドのなかでも本格派オフローダーとして名高い、ラングラーの最強モデル。車名の“ルビコン”はテストコースとしても使われる、ネバダ州からカリフォルニア州のタホ湖に抜ける険しい花崗岩の道、ルビコン・トレイルにちなむ。

自動車ライター

海野大介さん

クルマや船の雑誌編集部を経てフリーランスに。JAFの国内A級ライセンス保持。雑誌、ウェブなどに多数寄稿している。

 

タフと呼ばれる所以は特有の構造と装備にある

文字通り道なき道を行くオフローダーの所以は、大地を四輪でしっかりと掴む力強さと、悪路での走破性の高さだ。それを可能にするための装備がタフなクルマの条件。特にラダーフレーム、リジッドサスペンション、パートタイム4WDからなるメカニズムが三種の神器だ。堅牢なラダーフレームと組み合わされるリジッドサスペンションは凸凹道でも片輪をしっかりと路面に接地させ、駆動力を生み出せる。パートタイム4WDにより任意で4WDにできれば、燃料のロスも少ない。

 

大きな障害物を乗り越えるときは地面と十分なクリアランスを保つ高い地上最低高もポイント。障害物に対してバンパーやボディと地面が接しない大きなアプローチアングルやデパーチャーアングルはタフさを計る物差しでもある。

 

スタックしたときに頼れる、デフギアをロックして脱出するデフロックや、シャックルなどを掛けやすい大きな牽引フックがあればさらに本気仕様。これらは岩登りや渡河もこなせる“タフの機能美”なのだ。

 

【条件1】パートタイム4WD

路面状況に応じて駆動輪を切り替えられる必須装備!

確実にパワーを路面に伝える本格派オフローダーに必須の装備。ドライバーの意思で2WDと4WDを選択できる。前輪と後輪の回転差を吸収するセンターデフは搭載されない。そのため4WD時にはコーナーなど旋回時に前後タイヤの回転差でブレーキがかかったようになることもある。

↑レバー操作で4WDに切り替える。クルマによっては走行中も操作可能だ。ラングラーにはフルタイム4WDモードも備わる

 

【条件2】デフロック機構

片輪が空転しても大丈夫! スタック回避の最終手段

デフギアは左右(前後)車輪の回転差を吸収したり、回転抵抗の少ない方に多くの回転を与えたりするもの。悪路などで1本のタイヤがスリップするとデフの特性上、その1本だけが空転し、ほかに動力がかからなくなってしまう。デフロックなら反対側に動力を伝えて走破性能を高められる。

↑タフなクルマの三種の神器のひとつであるデフロック。車種によって後輪だけロック可能、前輪もロック可能と違いはある

 

【条件3】リジッドサスペンション

常に一定のクリアランスを保てるのがメリット

車軸を通して左右の車輪が直接的につながっているサスペンションのこと。未舗装路などサスが深くストロークするような場面でも最低地上高が変化せず、片輪が縮むとてこの原理で伸びた側のタイヤを押し付け、グリップ力を高められるメリットがある。まさにタフなクルマのサスだ。

↑乗り心地に若干のデメリットもあるが悪路の走破性は随一。サスペンション自体がタフなので、信頼性や耐久性も高い

 

【条件4】ラダーフレーム

タフなクルマの象徴とも言える独特の車体構造

ボディを支えるラダー(はしご)状のフレーム。未舗装路をはじめとした悪路ではタイヤやサスペンションを大きく動かす必要があるが、ラダーフレームはタイヤとタイヤハウスの距離を大きく取れて、丈夫なフレームで衝撃を吸収してくれる。ボディとシャーシが別構造なのも特徴だ。

↑衝撃に強いラダーフレーム。多くのクルマで採用されるモノコック構造よりコストは上がるが、信頼性では格段に分がある

 

【条件5】アプローチアングル

悪路走破性能を計る物差しとなる数値

凹凸道を走破するには、高い最低地上高と、障害物に対してバンパーが十分なクリアランスを保つことが条件。バンパーとタイヤをつないだ線が地面となす角度をアングルと言うが、フロント側がアプローチアングル、リア側がデパーチャーアングルとして表示される。

↑ラングラー ルビコンではリアゲート内面に最大アングル角度を表示。車内ディスプレイに表示される傾斜角度と照合が可能だ

 

【条件6】牽引フック

荷重のかかる牽引も安心! フックはタフなクルマの証

一般的な乗用車にもフックはあるが、過大な衝撃や荷重のかかる牽引には厳しい。タフなクルマはわかりやすい位置に頑丈な牽引フックがあったり、アフターパーツで用意されたりして実用的。フックやシャックルを直接掛けられるオフローダーの装備品としても定番で、脱出時に必須だ。

↑オフロードアイテムとして定番の牽引フック。万が一の際、救出する側にもされる側にもなければ始まらない重要なパーツだ

 

 

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安全なクルマは好みで選べる!「カテゴリ別」安全+αの最適モデル指南

衝突被害軽減ブレーキをはじめとして安全性能についてはお墨付きのモデルのなかから、より便利に、楽しく使えるモデルをプロがチョイス。スタイルや走り、使いやすさなど自分の好みに合ったモデルを選んで、ワンランク上の快適ドライブを満喫しよう!

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました

モータージャーナリスト

岡本幸一郎

高級輸入車から軽自動車まで幅広く網羅。各社の予防安全技術の多くを体験済み。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。

【タイプ1】SUV

多くの新モデルが登場し、安全運転支援技術も最新のモノが搭載されることが多いSUV。走破性能や使いやすさで優れたモデルもあるが、総合性能で選ぶならトヨタ・RAV4だ。

 

【独創性で選ぶなら】クーペ的なシルエットとインテリアの心地良さが秀逸

マツダ

MX-30

242万円〜305万2500円

SUVでありながらクーペ的シルエットとフリースタイルドアが印象的なモデル。インテリアにはコルクやペットボトルなどサステナブルな素材を用いて心地良さを演出する。

 

↑同社のRX-8以来となる観音開きを採用したフリースタイルドア。ピラーがないぶん後席の乗降もしやすい

 

[岡本’sジャッジ]

 

【先進機能で選ぶなら】e-POWERとプロパイロットの先進性を1台で味わえる

日産

キックス e-POWER

275万9900円〜286万9900円

日産独自のハイブリッド方式であるe-POWERと、安心・快適なドライブを実現するプロパイロットという、2つの先進機能が1台で楽しめる。EV走行時の静粛性も特筆モノだ。

 

↑アクセルペダルひとつで加減速が行えるe-POWER Drive。アクセルとブレーキの踏み替え回数も減ってラク

 

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【使いやすさで選ぶなら】3列シートを備えたモデルは人も荷物も余裕で乗せられる

メルセデス・ベンツ

GLB

512万円〜696万円

コンパクトなサイズながら、身長168cmまでの人が座れる3列目シートが便利なモデル。3列目シート使用時でも130L、シート格納時では500Lの荷室を活用して積載できる。

 

↑大人数で乗車するときに便利な3列目シート。身長168cmの人までに限られるが、あるとやはり便利だ

 

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【走破性能で選ぶなら】ジープ最強モデルが誇る世界最高の悪路走破性能

ジープ

ラングラー

499万円〜621万円

高い最低地上高、大径タイヤなどの見た目から想起するとおりのオフロード性能を誇るモデル。なかでも悪路走破性能を強化したアンリミテッド ルビコンは世界最強と言われる。

 

↑マニュアルで切り替えるパートタイム4×4を搭載。自動で前後輪に駆動力を分配するフルタイム4×4も採用する

 

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【デザインで選ぶなら】デザインは軽快ながら操縦安定性の良さが光る

 

フォルクスワーゲン

T-Cross

303万9000円〜339万9000円

若々しいデザインとカラーバリエーションが魅力のコンパクトSUV。一見軽快なモデルだが、ドイツ車ならではの高い操縦安定性もポイント。2WDのみなのが少々残念ではある。

 

↑リアシートは140mmスライドが可能。後席の広さを自在に変え、同時にカーゴスペースの拡大にも役立つ

 

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【総合性能で選ぶなら】悪路も難なくこなすオールラウンダーSUV

トヨタ

RAV4

274万3000円〜402万9000円

前後左右のタイヤへのトルク配分を変更する独自のダイナミックトルクベクタリングAWDを採用し、悪路走破性が高い。もちろんオンロードでの快適さもトップクラスを誇る。

 

↑路面の状況に応じて最適なトルク配分を行うダイナミックトルクベクタリングAWD。高い走破性を実現する

 

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【タイプ2】コンパクトカー

コンパクトカーでトップを争うトヨタ・ヤリスとホンダ・フィットがモデルチェンジし、走りや使い勝手が一層向上。走りを楽しみたいならスズキ・スイフトスポーツも選択肢のひとつだ。

 

【使いやすさで選ぶなら】広々とした室内空間は使い勝手も良好!

ホンダ

フィット

155万7600円〜253万6600円

広々とした室内空間と快適な乗り味でコンパクトカーらしからぬ心地良さを提供してくれる。後席の座面をはね上げて背の高いモノを積載できるなど、使い勝手も抜群に良い。

 

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【走りの良さで選ぶなら】強力ターボと軽量ボディが刺激的な走りを実現

スズキ

スイフトスポーツ

187万4000円〜214万1700円

1.4Lの強力直噴ターボエンジンと970kgの軽量ボディで刺激的な走りが楽しめ、コスパも抜群に良いモデル。クルマを操るのが好きな人にはうれしい6速MTも選べるのは◎。

 

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【燃費の良さで選ぶなら】操縦安定性に優れた驚異的低燃費モデル

トヨタ

ヤリス

139万5000円〜249万3000円

新形プラットフォームの採用で高い操縦安定性を実現。36.0km/Lというハイブリッド車の驚異的な燃費に目が行きがちだが、ガソリン車でも最高21.6km/Lと優秀な数値だ。

 

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【タイプ3】ミニバン

使い勝手の良い日産・セレナや、走りの良さを楽しめるホンダ・ステップワゴンに注目。独創的な三菱・デリカD:5のクロカン走破性能は他のミニバンにはない優位点だ。

 

【走りの良さで選ぶなら】低床設計が生み出すしっかりとした走りが魅力

ホンダ

ステップワゴン

271万4800円〜409万4200円

ホンダ独自のセンタータンクレイアウトが可能にした低床設計が、低重心のしっかりとしたフットワークを生む。ハイブリッド車の強力な加速と低燃費も大きな魅力だ。

 

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【使いやすさで選ぶなら】シートアレンジが多彩で広い室内を自在に使える

日産

セレナ

257万6200円〜419万2100円

広い室内と、乗り方や使い方によって自由にアレンジできる3列シートが特徴。通常の約半分のスペースがあれば開閉できるハーフバックドアを設定するなど、芸が細かいのも◎。

 

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【独創性で選ぶなら】個性的なフロントマスクと走破性能は唯一無二の存在

三菱

デリカD:5

391万3800円〜447万2600円

SUVとの融合を図った独創的なミニバン。話題となったコワモテのフロントマスクも印象的だ。走行シーンに応じてドライブモードを選択できるなど、ミニバン唯一無二の存在。

 

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【タイプ4】軽自動車

販売台数No.1を誇るホンダ・N-BOXの牙城は揺るがないが、遊び心満点のスズキ・ハスラーとダイハツ・タフトが華々しくデビュー。安全で楽しく使える軽が充実した。

 

【快適性で選ぶなら】独特な愛らしさに快適な乗り心地がプラス

スズキ

ハスラー

128万400円〜179万800円

愛らしい独特のデザインはもちろんだが、軽自動車らしからぬ快適な乗り心地にも驚かされる。丸目のヘッドライトと大きな3連フレームを備えたインパネデザインは個性的だ。

 

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【楽しさで選ぶなら】乗員スペースと荷室を分け多彩な使い方が可能

ダイハツ

タフト

135万3000円〜173万2500円

フロントシートをクルースペースとし、リアシートと荷室を荷物の積載スペースと位置付けることで、快適な室内空間を実現。開放的な天井のスカイフィールトップが魅力的だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【使いやすさで選ぶなら】驚異の室内高が生む自由自在の室内空間

ホンダ

N-BOX

141万1300円〜212万9600円

センタータンクレイアウトによる低床設計で、子どもなら立ったままでも余裕で着替えられる室内高に驚き。両側スライドドアとスライドシートで、小さな子どもも乗せやすい。

 

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FCAがジープとRAMの魅力的なCMをスーパーボウルで披露!

FCAは2月4日、全米でテレビ中継された第52回スーパーボウルで、新型ジープのラングラーやチェロキー、そしてRAM1500の登場するユニークなコマーシャルを放映した。

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放映されたCMは5種類。新型ラングラーが登場する「Jeep Jurassic」と「Anti-Manifesto」、新型チェロキーが登場する「The Road」、そしてRAM1500が登場する「Built to Serve」と「Icelandic Vikings | We Will Rocj You」だ。

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いずれも60秒または30秒での構成。とくに新型ラングラーの「Jeep Jurassic」は、映画「ジュラシックパーク」のパロディの乗りなのだが、なかなかの作り込み。RAM1500の「Icelandic Vikings | We Will Rock You」は、日本未導入ブランドのクルマが登場するものの、タイトルのとおり有名なナンバーが使われており、見るだけでも面白く、アメリカンブランドならでは。各モデルの世界観が上手く表現されている。

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これらのCMに登場するモデルのうち、新型ラングラーと新型チェロキーはいずれ日本にも上陸するはず。ジープファンにとっても要チェックの動画、いずれもYouTubeで確認できるので、ぜひ。

 

・「Jeep Jurassic」

・「Jeep Jurassic」

・「The Road」

・「Built to Serve」

・「Icelandic Vikings | We Will Rock You」