【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】ハンコ業界への逆風はやさしさで跳ね返す⁉️ 難読名字に対応した「ふりがな印」

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは? 今回は、逆風にさらされる業界のなかで、ちょっとした親切を形にした新しい試み。

 

難読名字のためのふりがなつきハンコ

ハンコを作っている印章業界が、逆風にさらされていると言われています。ペーパーレス・デジタル化の時代に、紙に捺(お)すハンコは時代遅れだというわけです。とくに昨今のコロナ禍では、「ハンコを捺すためだけに出社した」などというような話もあり、「非効率」「古い習慣」の代名詞になってしまっている感すらあります。

 

しかし、そんな逆風の下でも、ハンコが進歩し続けていることをご存じでしょうか?

名字を彫り込んだハンコは多くの場合、漢字だけですよね。しかし世の中には読みにくい名前を持っている人がいます。何を隠そう私、菅未里(かんみさと)がその一人でして、「すがみさと」「すがあかり」と読まれてしまうことがよくあるのです。

 

まあ私の場合、使用している漢字自体はそれほど難しくないのですが、どうがんばっても初対面では読めない名前の方も少なくありません。そういう方たちは、ハンコを捺したあとに名前を読み間違えられる(あるいは読めない)リスクがあるということになります。

 

私は読み間違えられることには慣れっこになってしまっていますが、少し困るのは、読み間違えを指摘すると、相手が必要以上に委縮してしまうことです。誰にも罪はないのですから、あまり謝らせてしまうのも申し訳ない。そこで最近、相手への気遣いとして、シヤチハタの「ふりがな印」を買ってみました。

シヤチハタ
クリエイティブ印「ふりがな印」
2365円(税込)

 

ふりがな印は、名前の漢字にふりがながつく画期的なハンコです。これでもう読み間違えられる心配はありませんね。

↑左がふりがな印。このように、漢字といっしょにふりがながふられています

 

私がおすすめする理由は、それだけではありません。本体はシヤチハタの超定番ハンコである「ネーム9」なのですが、ボディーのカラーバリエーションがとても豊富なんですね。私は「日本の伝統色」シリーズから「桜鼠(さくらねず)」を選びましたが、黒いボディのハンコに飽きている方にもおすすめできます。

↑私が選んだのは「日本の伝統色」シリーズの「桜鼠(さくらねず)」。淡くていい色です

 

また、文字のパターンも複数用意されています。縦書き・横書き以外にもふりがなの配置も変えられます。漫画のような吹き出しデザインまであります。

 

それから、文字数の上限は四文字なので、三文字の私のようにフルネームをハンコにすることもできます。前述のように、私は下の名前を読み間違えられることも多いので、フルネームである点は重要なのです。

↑私のように名前の文字数が少ない方なら、フルネームにふりがなをふれます

 

型にとらわれないハンコの使い方を

さて、このふりがな印、ハンコとして使いやすいのは言うまでもありませんが、ふりがながある点を活かして新しい使い方をしてみてはいかがでしょうか?

 

たとえば、名刺にふりがながない方も多いと思うのですが、そんな名刺の隅にポンと捺してはどうでしょうか。もし読みにくい名前であった場合、相手への親切になります。あるいは企画書や資料にサイン代わりに捺してもいいですね。

↑名刺に捺すと、相手は名前の読みに迷うことがありません

 

ちなみに、シヤチハタのハンコは5000回以上捺印できて、さらにインクの補充も可能です。私はハンコの薄さを上司に叱られたことがあるのですが、社会人のみなさまには早め早めのインク補充をお勧めしておきます。ただし、必ず専用品を使ってください。そうでないインクは不具合につながる恐れがあります。

↑インクは思っている以上に長く持ちますが、補充も可能。ただし専用品を使ってください

 

「古さ」の象徴のようにとらえられるハンコも、今回紹介したように進歩しています。ならば、使い方が進歩してはいけない理由はありません。ぜひ新しい使い方を探してみてください。

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

文具ソムリエール・菅未里が振り返る2021年の「自腹買いアイテム」と「文房具トレンド」

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具を1品ずつ紹介する連載を毎月お届けしています。

 

2021年が終わったところで、この1年で紹介しきれなかった自腹買い文房具(の一部)を披露していただきながら、文房具トレンドを振り返ってみましょう。

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
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1.2つの要素がインクブームを後押し

↑自腹で買ったインクの数々。小瓶入りの商品が増え、気軽にさまざまな色を試せるようになりました

 

あらためて振り返ると、2021年はずいぶんたくさんの万年筆とインクを買いました。女性を中心としたインクブームが続いており、彼女たちが楽し気にSNSにインクをアップするので、その投稿を見るとつい買ってしまいます。

 

コロナの影響で、SNSを見る時間が増えたせいもあるかもしれませんね。これは私に限った話ではありません。インクブーム自体が、SNSに後押しされている感じがします。

 

印象に残っている商品には、「錦秋」(プラチナ万年筆)、「はちみついんく」(尚貴堂)、あとTono&Lims(トノアンドリムズ)によるインク、金木犀の香りがする「True Love~金木犀 香る街で~」などがありました。

 

さまざまな色を少しずつ楽しめるインクの“小瓶”が増えているのも、近年の特徴です。カナダ発の文具ブランド「Ferris Wheel Press(フェリスホイールプレス)」も選びきれないくらい魅力的なインクを出していますが、小瓶ですから場所をとりません。ということで、三色のセットを買ってみました(写真左上)。

 

気軽にさまざまな色を試せるようになったことで、インクブームはまだまだ続きそうです。

 

2.カスタマイズ文房具の盛り上がり

↑右上の片面バインダーは、ルーズリーフ専門店「ステッチリーフ」で好みの色のインデックスを入れてもらったもの。左のシャープペンは、グリップをカスタマイズできる「ドクターグリップCL プレイバランス」。右下はオリジナルのスタンプ台を作れる「いろづくり」(シヤチハタ)です

 

先日、前から行きたかったルーズリーフ専門店「ステッチリーフ」にようやく行けました。このお店は、ルーズリーフバインダーのカスタムを楽しめるのが特徴。私もしっかりオリジナルルーズリーフバインダーを発注してきました。

 

今は楽しみに完成を待っているのですが、ルーズリーフバインダーとは別に、その場で持ち帰れるプチカスタマイズとして、好きな色のインデックスを入れた片面バインダーも作ってもらいました(写真右上)。

 

カスタマイズの波は定番シャープペン「ドクタークリップ」(パイロット)にも及んでいます。私も、グリップの重さを好みにカスタマイズできる「ドクターグリップCL プレイバランス」を買いました。手の形は千差万別ですから、服のサイズを選ぶように、グリップも選べるのが理想ですよね。

 

3.ビジネスシーンでは「ハンコ離れ」でも……

↑左下に並んでいるのは、複数の色をグラデーションにした朱肉「わたしのいろ」。スタンプが、信じられないくらい美しくなります。右側に整列しているテープ「デコラッシュ」(プラス)も、手帳やノートのデコレーションに活躍してくれます

 

手帳デコレーションの需要が増したせいか、スタンプ関連商品も、今、熱くなっています。

 

カスタマイズの話題でも取り上げた、インクをパッドに垂らすことでオリジナルのスタンプ台を作れる「いろづくり」(シヤチハタ)もよかったですね。あまりに面白いので、専用インクは29色すべてを買ってしまいました。カスタマイズの波は収まるところを知りません。

 

同じシヤチハタから出た、複数の色をグラデーションにした朱肉「わたしのいろ」も、必ずチェックしてください。単色の朱肉では難しい、複雑な美しさを演出してくれます。ネットで即完売するだけあります。

 

実用から趣味、趣味からカスタマイズへ

さて、私が2021年に買った文房具を駆け足で見てきましたが、インクなどに見られる趣味性の追求と、カスタマイズ文房具の増加は、実は同じ現象の別の面を見ているだけなのかもしれません。

 

本来は実用品だった文房具がだんだんと趣味のアイテムに変化してきたのがこの10年ですが、どんな道具も、趣味性を追求すればするほど、個々人に合わせてカスタムするようになるからからです。自動車などの乗り物も、スポーツの道具も、服も、使い手によるカスタムが一般化しています。

 

遅ればせながら、文房具もその段階に入ったのかもしれませんね。この動きは2022年も続くに違いありません。

【菅未里の自腹買い文房具】手帳に必携! ニューノーマルな図柄を効率よく押せるミドリの回転印

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

場所をとらず、効率的な回転印

↑回転印の裏側。押す直前に、自動的にインクが印面につく構造です(写真ではインクパッドが見えるようスライドさせています)

 

私は回転印が好きです。回転印とは、数字や柄などいくつもの印面を回転させることで選べるスタンプですが、印面ユニット自体が“回転”し、インクパッドにタッチしたあとに捺せる(押せる)タイプもあります。

 

通常のスタンプは、押す際にいちいちインクを印面につけなければいけないのですが、つまり後者の回転印なら、自動でインクがつくのです。だから、とても楽です。インクをつけ損なうことも、逆につけすぎて滲むこともないですしね。

 

今回は私が気に入っている、ミドリのデコレーションスタンプ「ペインタブルスタンプ 回転印」(以下、回転印)を紹介しましょう。

 

ミドリ
ペインタブルスタンプ 回転印
1500円(税別)

 

回転印には10種類のモチーフがセットされているので、場所を取らないのも魅力です。これらを通常のスタンプで用意しようと思ったら、10個も必要になってしまいますから。

 

↑たくさんの柄が用意されているのも回転印の魅力です

 

ポンと押すだけで複雑な絵柄が現れる回転印。とても効率的なのがわかります。

 

コロナ時代の“ニューノーマル”を意識した印面

とくに今回ご紹介したいのは、「新しい日常」に対応したバージョンです。

 

これは以前からある回転印に新しく加わった商品。一年ほど前に発売した同シリーズは可愛らしいデザインといい押しやすさといい、「売れそうだな」と感じていたスタンプなのですが、やはり大変な人気で一時は品切れが続いていました。

 

↑たくさんの種類があるミドリの回転印を、いくつも購入してしまいました

 

その人気シリーズから出た「新しい日常」バージョンは、いったい何が「新しい日常」なのかというと、柄ですね。「在宅」「出社」「Takeout」といった、新型コロナウイルス感染拡大以降の社会で、しばしば耳にする単語やモチーフが揃っています。体温測定や、座りっぱなしの生活に欠かせないランニングの柄もありますね。

 

↑コロナ禍の下での生活に必要な柄が、このとおり揃っています

 

ノートや日記、手帳を彩ることができる

これを日記や手帳にポンと押せば、体調管理や日々の記録に便利だというわけです。もちろん手書きでもいいのですが、いちいち書くのは大変ですよね。

 

それから、これは油性インキを採用しているので、押したスタンプの上からマーカーで色を塗り重ねられるのも便利な点です。ノートを彩るのにも向いているでしょう。

 

↑コロナ禍での生活の記録に最適なスタンプです

 

細かいポイントですが、絵柄の線がとても細いのも素晴らしい点です。ここまで精緻な柄のスタンプは貴重です。一般的に精密な柄のスタンプは、インクをつけすぎると紙に印面を押したときに絵柄が潰れてしまうことがありますが、これは内蔵のスタンプパッドで適量がつくので、絵柄が潰れる心配がいりません。不器用な私でも写真のとおり、一度で綺麗に絵柄を押すことができました。

 

ミドリによると、付属のインキパッドで、10種類の柄を約2000回押すことができるそうです。インキがなくなっても補充用も販売されているので、使い捨てずに使い続けることができます。

 

スタンプが得意ではないという不器用さんにもおすすめしたい商品です。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

開梱から個人情報保護までこれ1つ!新「ローラーケシポン」は段ボールの解体にも力を発揮した

筆者は普段、生鮮食品以外の物品購入のほとんどを、通販に頼った生活をしている。仕事柄メーカーにお願いした製品レビュー用のサンプルも届くし、フリマアプリで購入したあれこれも届く。エブリデイ、荷物が届く。ここまででなくとも、昨今は誰もが、以前より宅配で荷物が届く頻度が多くなっているのではないだろうか。

 

そうなると意外と面倒なのが、届いた荷物に貼られている宛名ラベルの処理である。ラベルを剥がさないままで段ボールを資源ゴミに出すのは、個人情報漏洩につながるなどいろいろと怖い。ところがアレ、カリカリちまちまと爪でひっかいて剥がすのは面倒くさいし、思ったように剥がれてもくれないのだ。

 

であれば、我々にとって必要なのは、宛名ラベルの「ここから剥がれます」という親切めかしたウソ(だいたい剥がれない)なんかじゃない。コロコロッと簡単に個人情報を消せる、真に親切なスタンプではないだろうか。

 

コロコロッと手早く個人情報を保護できる「ローラーケシポン」に新作登場

通販を多用している経験上、あの宛名ラベルをきちんと剥がすのは労力の無駄、ということは分かっている。だから筆者は、ローラータイプの情報保護スタンプを宛名の上から捺すことにしている。ラベルは剥がして廃棄するのではなく、貼ったままで読み取れなくしてしまうのが、一番ラクなのだ。

 

で、その個人情報保護スタンプの最新アイテムとしてこの6月に発売されたのが、プラス「ローラーケシポン 箱用オープナー」だ。

プラス
ローラーケシポン 箱用オープナー
1000円(税

 

新製品を紹介する前に、「個人情報保護スタンプ」の説明をしておこう。

 

宛名ラベルや郵便物などに印刷された内容は、例えば油性マーカーなどで黒く塗り潰しても、意外と読み取れてしまう。ところが、上から特殊な文字パターンを捺印すると、あら不思議。これだけで非常に読み取りづらくなってしまうのである(頑張れば読めてしまう可能性もあるが、個人情報抜き取りに対する抑止力としては充分)。

 

この文字パターンは、メーカー各社でいろいろと工夫があるところだが、特にプラスの文字パターンは認識阻害効果が大きく、優秀だと感じる。さらに、宛名の長さに合わせてローラーを転がし捺印できるローラータイプの「ローラーケシポン」シリーズは汎用性が高く、実用的だ。

↑宛名ラベルの隠したいところに転がすだけで、もう簡単には読み取れない

 

ただ、感熱紙やコート紙ラベルに使うとインクの乾燥が遅くなるため、しばらく放置しても、こするとスレ汚れが発生したり、文字パターンが崩れて宛名が再び読めるようになったりする。これはちょっと残念なポイントだった。

 

ところが新しい「ローラーケシポン 箱用オープナー」は、新開発のインクを採用。従来苦手としていた“インクをはじきがちな紙”にも、確実に捺印できるようになっているのだ。個人からの発送でもないかぎり、最近は感熱タイプの宛名ラベルがほとんど。それにきちんと対応してくれたわけだから、これはまさに“待望していたヤツ”と言える。

↑感熱紙ラベルの場合、従来インク(右)はそもそも乗り切らずに薄いし、こするとスレが発生。一方の新インク(左)は確実に隠蔽力を発揮している

 

使う際は、キャップを30度ほど回して外し、露出したローラー面を消したい部分に乗せてコロコロと転がすだけとシンプルだ。ちなみにローラー幅は26mm。だいたいの宛名面は、1回コロコロするだけでカバーできる。

↑使う時は、底部のキャップを軽くひねって外す。簡単なのだが、キャップレスのほうが嬉しかったな……

 

気になったのは、キャップの部分だ。従来のローラーケシポンシリーズは、ボタンを押すだけでキャップが開いてローラーが出てくるノック式(戻すのもワンノック)だったので、ローラーケシポン 箱用オープナーでは、わざわざキャップを着け外しする手間が増えてしまった。

 

とはいえ、ノック式じゃなくなったのは、次の項で述べる新ツールの搭載が要因なので、一概に悪いとは言い難いのだけれど。

 

開梱と情報保護は、同時に片付くと手間がない

その新ツールというのは、名前に「箱用オープナー」とある通り、開梱用のオープナーのこと。持ち手から金属製のつまみを掴んで引き上げると、折りたたみナイフのようにオープナーが出てくるので、これを段ボールの合わせ目に入れて開梱するという仕組みだ。

↑本体上部に内蔵された金属製のオープナー。刃長は約25mmと、オープナーとしてはかなり大きめ

 

荷物が届いたら、まず宛名ラベルをコロコロッと消し、それから“段ボールノコ”のようなギザ刃のオープナーを段ボールの合わせ目に突き刺して開梱。

 

この手順で済ませてしまえば、あとでゴミを出す際にモタモタしなくても済むというわけ。その点、オープナーと情報保護スタンプのセットという組み合わせは、なかなか理にかなっている。

↑届いた荷物は、まず最初にコロコロッとして個人情報を隠す

 

↑で、サクサクと開梱。セットで行えば面倒くささは感じない

 

ただ個人的には、このオープナー部はちょっと鋭すぎるようにも感じた。段ボールノコのような刃は、割と簡単に段ボールに切り込んでしまうので、梱包テープだけを切るのは意外と難しいのだ。

 

一方で、まさにノコのように使ってダンボールの解体もできるというのは、逆にありがたいという捉え方もできる。大きめの箱をバラしてゴミに出しやすくまとめると、やっぱりラクなのだ。

↑刃の収納は、上部のロックを押し込みつつ戻す。もしネバネバした粘着が刃に残っていたら、この時点で拭いておくこと

 

あとひとつ、ギザ刃にテープの粘着成分が残りやすいというのも、やや残念だった。これはできれば、フッ素コートのような非粘着仕様にして欲しかったところである。

 

とはいえ現時点では、開梱と情報保護が同時にできるというのはかなり便利。現時点でどちらのツールも持っていないのであれば、これ1個買ってしまえば済むのだから。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

年賀状を作りたいけど、子どもが散らかしたり、 書き損じが多くなったりするのが心配だわ……。

毎年インクジェットプリンターで年賀状を印刷してるけど、ママ友や娘の幼稚園のお友だちには、もうちょっとかわいいものを送りたい。でも、子どもが色紙を貼ったりクレヨンで描いたり失敗しそうだし何より散らかりそう……。それなら、ポンポン押すだけで手軽にたくさん作れる消しゴムハンコが良さそう! ご近所の消しゴムハンコ作家・mizutamaさんに子どもと作るときのポイントを教えてもらおうかしら。

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子どもと楽しみながらできる消しゴムハンコに挑戦

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年賀状って毎年同じようなデザインになっちゃうのよね……。無料素材だとイマイチ気の利いたデザインがないし、かといって素材集をわざわざ買うのもちょっと……。がんばりました感をそれほど出さずに、センス良く思われるアイデアはないかしら?

 

 

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お子さんと楽しみながらできる消しゴムハンコを作って押してみてはいかがでしょう。材料は、ハンコ専用消しゴム、スタンプ台、練り消し(ハンコのお掃除、スタンプとしても使える)、カッター(デザインカッターだとなお良し)、トレーシングペーパー(図案を写す)、鉛筆(図案を消しゴムに写すため)です。

 

 

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ハンコ専用消しゴム「ほるナビ」は、スタンプになる部分が色付きで残るからわかりやすい! 子どもにはトレーシングペーパーに絵を描かせて、それを転写すればいいのね。幼稚園で描いてきた絵をスタンプにしてあげようかな〜。

 

 

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失敗せずに作るための最大のポイントは、簡単なモチーフにすること。例えば動物の顔の場合、消しゴムハンコでは輪郭だけを彫って、顔の中は面にしたまま表情はペンなどで描き入れる方法です。練り消しを小さくちぎってスタンプにして、目や口を入れていく方法もオススメです。顔の表情は顔文字をヒントにするといいですよ!

 

 

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いきなり凝ったデザインにしたり文字を彫ったりするのは難しいのね……。でも、文字は印刷してしまえば解決するし、輪郭だけならクマ、犬、ネコ、お花、葉っぱ、お正月っぽいのだと梅なんかも作れそう!

 

 

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わざわざモチーフを作らなくても、▲や■、ランダムな形を重ねてたくさん押すことでも雰囲気を出せます。適当に切って偶然できた形を魚や鳥など何かに見立てるのはお子さんが得意そうですよね。あと使う色は3つまでに抑えること。メインのカラーを1色、それに合うカラーを2色、といった具合です。赤や金、黄、茶色はお正月の雰囲気になりますね。

 

 

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電車や車なら■と●を組み合わせればできるわね! ■と▲でお家、●をふたつ組み合わせてサクランボなんかもできそう。単純なモチーフでもアイデアがどんどん出てきたわ! あとキレイに見せるコツってあるのかしら? 写真を印刷した上に押すこともできるの?

 

 

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キレイに仕上げるポイントは、インクを変えるときに前のインクをしっかり落とすことと、表面のホコリやゴミなどを取り除いてから押すことです。練り消しやウェットティッシュでキレイにできますよ。これだけで仕上がりが断然違います! 写真へのスタンプは「ステイズオン」などの油性のインクがオススメです。ただし、乾くのに時間がかかるので、重ねたりこすったりしないように注意しましょう。

 

 

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似たような色ならいいかなぁとついつい適当になってしまうけど、基本的なことが大事なのね。油性のインクはすぐに落とさないと色が付いたままになってしまいそうだものね。

 

 

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宛名面の差出人のところにハンコを押すのもオススメです。どうしても文字を作りたい場合は、カタカナやアルファベットから始めるといいですよ。すべてのモチーフに共通することですが、断面が台形になるように外側を削いで中心に向かって盛り上げて彫ると安定します。

 

 

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彫ることに慣れたら、差出人スタンプはぜひ作りたい! 年賀状だけじゃなくて普段の生活にも活用できそうね。子どもの連絡帳や回覧板の「見ました」スタンプなんかを作ってみようかしら。さっそくお買い物に行ってくるわ!

 

 

【材料】

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・ハンコ専用消しゴム
・インク
・練り消し
・カッター
・トレーシングペーパー
・鉛筆

 

 

【作り方】

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①鉛筆でトレーシングペーパーに好きな絵柄を書き写す。

②トレーシングペーパーにハンコ専用消しゴムを押し付けて転写する。

③カッターの刃を寝かせながら絵柄の周りを削っていく。

④顔は練り消しで作ったパーツスタンプで押しでも、ペンで書いてもOK。

慣れてきたら絵柄の枠内を削って顔を作ってみるのもオススメ!

 

 

まとめ

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■や▲などの直線モチーフから

簡単なモチーフ彫りに慣れたら、顔の輪郭に帽子、リボン、ヒゲ、メガネなど自分の特徴やわかりやすいモチーフをプラスしてみましょう。また使い終えたハンコはしっかりインクを落とすことを忘れずに。保管は紙製の箱がベスト。プラスチックや缶は消しゴムが溶けてくっついてしまうので紙に包むなどして入れましょう。

 

 

【助けてくれたご近所さんは…】

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消しゴムハンコ作家 mizutamaさん
本屋で消しゴムハンコの存在を知り、ハマったことから作家の道へ。現在はイラストレーターとしても活躍中。自身の製作のほかワークショップも行っている。キングジムのスケジュールシールプリンター「ひより」の文字やイラストも手掛けている。http://www.mizutamahanco.com/

 

 

 

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