高くて広い「ランドネストシェルター」こう見えて初心者向けでした! スノーピーク2025年新製品発表会で見つけた注目のキャンプギア

スノーピークは、2025年度の新製品発表会を実施しました。本稿では、展示されていたキャンプギア40製品のうち、シェルターテントやリクライニングチェア、小物など注目アイテムを紹介します。

 

簡単設営のオールシーズン対応2ルームシェルター

エントリーキャンパー向けの「ランドネスト」シリーズから、オールシーズン対応の2ルームシェルター(リビングルームとベッドルームの2つの部屋が一体となったシェルター)が登場します。前後左右対称なのでフライシートの向きで迷うことなく、キャンプ初心者でも簡単に建てられるフレーム構造となっています。背の高さをはじめ室内の空間を広く設計しており、メッシュの窓で夏は涼しく、全周にあるスカートですきま風を防ぐと、寒い時期も快適に過ごせます。「ランドネストシェルター」の使用イメージは、3家族や4家族の方たち

↑「ランドネストシェルター」8万7780円(税込)。サイズ: 620×360×210cm(外寸)/「ランドネストシェルター マットシートセット」2万2000円(税込)/「ランドネストシェルター ルーフシート」1万1000円(税込)

 

↑高さがあるので、着替えをする際も腰を曲げることなく快適に過ごせるような設計

 

↑シェルターの全周には冷気の侵入を防ぐスカートが施されています

 

「リクライニングチェアワイド」は、4段階のリクライニングが可能な椅子。幅広な座面は身体の大柄な人でもゆったりとくつろげるサイズで、さらにスウェードクッションを使用しているので座り心地も十分。自宅の室内やベランダなどに置くことで、リラックスタイムを楽しめます。

↑「リクライニングチェアワイド」7万1500円(税込)

 

愛犬を飼っている方には「ドッグオフトンL」がおすすめ。こちらは、愛犬の好みに応じて、布団の中に入る、上に座る、広げて寝るなどさまざまな使い方が可能です。フチが立ち上がったデザインなので、包まれる安心感を提供してくれます。

↑「ドッグオフトンL」1万9800円(税込)。サイズ:900×800×H230mm/収納サイズ:φ260×H900mm

 

「アーバンアンブレラ」は、折り畳む手間や置き場所の問題を解決してくれる傘。生地の裏に折り畳みをサポートするベット樹脂のシートが貼り付けられており、スムーズに折り畳むことが可能です。また、ハンドル部分はテーブルの端などに掛けられる形状となっています。

↑「アーバンアンブレラ」9900円(税込)

 

最後に紹介する「フィールドコーヒーブリュワー」は、水出しコーヒー専用のボトル。夜寝る前に準備して保冷バッグに入れておけば、翌朝にはしっかり冷えたコーヒーが完成します。横倒しで保存してもこぼれないスクリューキャップ設計です。普段使いができるデザインも特徴。

↑「フィールドコーヒーブリュワー」9900円(税込)。サイズ:φ99×H254mm/重量:700ml

 

エントリーユーザー向けのテントだけではなく、普段使いもできそうな小物たちが披露されたスノーピーク2025年新製品発表会。スノーピークのギアを揃えて、今年キャンプデビューするのも良いかもしれませんね。

 

撮影/鈴木謙介

 

 

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高くて広い「ランドネストシェルター」こう見えて初心者向けでした! スノーピーク2025年新製品発表会で見つけた注目のキャンプギア

スノーピークは、2025年度の新製品発表会を実施しました。本稿では、展示されていたキャンプギア40製品のうち、シェルターテントやリクライニングチェア、小物など注目アイテムを紹介します。

 

簡単設営のオールシーズン対応2ルームシェルター

エントリーキャンパー向けの「ランドネスト」シリーズから、オールシーズン対応の2ルームシェルター(リビングルームとベッドルームの2つの部屋が一体となったシェルター)が登場します。前後左右対称なのでフライシートの向きで迷うことなく、キャンプ初心者でも簡単に建てられるフレーム構造となっています。背の高さをはじめ室内の空間を広く設計しており、メッシュの窓で夏は涼しく、全周にあるスカートですきま風を防ぐと、寒い時期も快適に過ごせます。「ランドネストシェルター」の使用イメージは、3家族や4家族の方たち

↑「ランドネストシェルター」8万7780円(税込)。サイズ: 620×360×210cm(外寸)/「ランドネストシェルター マットシートセット」2万2000円(税込)/「ランドネストシェルター ルーフシート」1万1000円(税込)

 

↑高さがあるので、着替えをする際も腰を曲げることなく快適に過ごせるような設計

 

↑シェルターの全周には冷気の侵入を防ぐスカートが施されています

 

「リクライニングチェアワイド」は、4段階のリクライニングが可能な椅子。幅広な座面は身体の大柄な人でもゆったりとくつろげるサイズで、さらにスウェードクッションを使用しているので座り心地も十分。自宅の室内やベランダなどに置くことで、リラックスタイムを楽しめます。

↑「リクライニングチェアワイド」7万1500円(税込)

 

愛犬を飼っている方には「ドッグオフトンL」がおすすめ。こちらは、愛犬の好みに応じて、布団の中に入る、上に座る、広げて寝るなどさまざまな使い方が可能です。フチが立ち上がったデザインなので、包まれる安心感を提供してくれます。

↑「ドッグオフトンL」1万9800円(税込)。サイズ:900×800×H230mm/収納サイズ:φ260×H900mm

 

「アーバンアンブレラ」は、折り畳む手間や置き場所の問題を解決してくれる傘。生地の裏に折り畳みをサポートするベット樹脂のシートが貼り付けられており、スムーズに折り畳むことが可能です。また、ハンドル部分はテーブルの端などに掛けられる形状となっています。

↑「アーバンアンブレラ」9900円(税込)

 

最後に紹介する「フィールドコーヒーブリュワー」は、水出しコーヒー専用のボトル。夜寝る前に準備して保冷バッグに入れておけば、翌朝にはしっかり冷えたコーヒーが完成します。横倒しで保存してもこぼれないスクリューキャップ設計です。普段使いができるデザインも特徴。

↑「フィールドコーヒーブリュワー」9900円(税込)。サイズ:φ99×H254mm/重量:700ml

 

エントリーユーザー向けのテントだけではなく、普段使いもできそうな小物たちが披露されたスノーピーク2025年新製品発表会。スノーピークのギアを揃えて、今年キャンプデビューするのも良いかもしれませんね。

 

撮影/鈴木謙介

 

 

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関東で唯一のスノーピーク直営キャンプ場「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」に泊まってきた

栃木県鹿沼市に、関東地方では初となるスノーピークの直営キャンプ場「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」があります。今回、1泊2日のキャンプ体験をしてきました。

 

「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」とは?

まずは「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」(以下、鹿沼CF)がどんなキャンプ場なのかを紹介します。

 

関東初で唯一のスノーピーク直営キャンプフィールド

鹿沼CFは、関東地方初にして唯一のスノーピーク直営キャンプフィールド(CF)。首都圏から車でも鉄道でも2~3時間程度で行けるアクセスの良さは、これまでのスノーピーク直営CFにはない魅力です。

 

サイトは「フリー」「区画」「住箱」の全91サイト

キャンプ場で、テントを張ったりチェアやテーブルを設置したりするエリアを「サイト」といいます。鹿沼CFのサイトは、設営場所を自由に決められるエリア「フリーサイト」が67サイト、場所を指定されるエリア「区画サイト」が20サイト、簡易な屋内に泊まれる「住箱」というサイトが4サイトで、計91サイトとなっています。

 

洗い場、温泉、直営ストアなど館内施設が充実

洗い場やゴミ捨て場などの館内施設が充実しているため、初心者でも気軽にキャンプを楽しめます。キャンプ場としては珍しく、温泉施設や大きなストア、飲食店といった施設もあるため、アウトドアに慣れていない人でも快適に過ごすことができるでしょう。

 

レンタルプランで「手ぶらキャンプ」も可能

手ぶらキャンププラン」を利用すれば、キャンプに必要な道具を全てレンタルで用意してもらえるうえ、設営や撤収もスタッフがレクチャーしてくれます。キャンプが初めてという人はもちろん、「電車・バスを使うので最小限の荷物で行きたい」という場合にも便利です。

 

スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパのサイトを紹介

それでは、鹿沼CFの各サイトを順に紹介していきましょう。

 

フリーサイト

フリーサイトは「A」「B」「C」「D」「G」の5サイトになっており、現地到着の先着順に空いている場所を利用することができます。

 

各サイトの内部まで車を乗り入れることはできず、それぞれのサイトに隣接した駐車場に車を停めてから荷物を運ぶことになります。これは一見不便なようですが、駐車場とキャンプエリアは数mほどの近さですし、いったん設営を終えてしまえば「サイト内を走っている車がない」「キャンプ中に車が視界に入らない」という状態になるので、快適な面もあります。

↑フリーサイト(写真奥)と、隣接する駐車場(その手前部分)。このように非常に近い位置関係にあるので、荷物の運搬も苦になりません

 

フリーサイトA

↑サイトA

 

キャンプフィールドの入口から最も近い、サイトA。ストアや温泉施設からも近いのは便利な点といえるでしょう。

 

フリーサイトB,C

↑サイトB(写真右側、樹木の手前まで)

 

↑サイトC(写真右側の斜面を上がったところ)

 

サイトAの奥に進むと、サイトBとサイトCがあります。どちらも少しだけ小高い場所にあるため、車を停める場所によってはちょっとだけ斜面を上がる必要がありますが、それだけに見晴らしがよく、遠くの山々も見どころです。

 

フリーサイトD

↑サイトD(中央部)と、駐車スペース(その左側)

 

キャンプフィールドの中央に位置するサイトD。もっとも広いサイトで、駐車スペースとの高低差もないため荷物の搬入がしやすくなっています。

 

フリーサイトG

↑サイトG

 

↑サイトGから望む森林

 

フリーサイトの中でもっとも奥に位置するのが、サイトG。それほど広くないので、駐車スペースからすぐに荷物を運び込むことができます。サイトの背面が深い森になっているため、そちら向きにチェアやテントを設営すれば、深い森の中でキャンプしているような気分に浸れます。

 

電源区画サイトE,H

↑サイトE。画面中央の駐車場スペース(2台分)の、奥と手前がそれぞれ区画になっている

 

↑電源サイトに立つ、コンセント用の柱

 

サイトE,Hには、区画ごとに電源コンセントが設置されており、2つのコンセントを利用できます。最大出力が1500wと大きめなので、安価なポータブル電源では使えないような消費電力の多いきい暖房器具などが使えるのはありがたいところ。

 

「区画サイト」とは、決められたスペース(区画)を占有できるサイトのこと。お隣との干渉を気にしたくない人に適しています。また、サイトE,Hでは車を自分の区画に横付けして停められるため、荷物の積み下ろしが楽なのもメリットです。

 

林間区画サイトF

↑サイトF

 

木立の中でキャンプできるサイトF。より自然と触れ合える環境であるほか、木立のおかげでお互いの視線が気になりにくいというメリットもあります。

 

大型のテントやタープが張りづらいこともあるので、ある程度設営に慣れた人に適しているといえるでしょう。

 

モバイルハウス 住箱サイトI

↑住箱。底部には移動用のタイヤがあるのがわかる

 

最後に紹介するのは、スノーピークのキャンプフィールドではお馴染みの「住箱」サイトIです。

 

住箱とは、スノーピークが販売するトレーラーハウスのこと。キャンプ場というよりはホテルの一室のような感覚で泊まることができます。

↑住箱の内部。ベッド・エアコン・冷蔵庫・トイレといった設備が揃っている

 

↑シンク。スノーピーク製品が置かれているのも嬉しい

 

↑住箱の屋外スペース

 

住箱サイトでには専有できる屋外スペースも用意されており、タープを張ったりチェアやテーブルを設置するなどして「アウトドア」をしっかり楽しむことも可能です。

↑窓からの眺望と広い縁台

 

住箱サイトは高い位置にあるので、キャンプフィールド全体や遠くの山々を見渡せるいちにあります。広い窓や、張り出した縁台のおかげで、室内からでも豊かな自然を感じることができるのです。

 

充実した館内設備

サイトだけでなく、キャンプを支える館内設備が充実しているのも、スノーピーク直営CFの大きな特徴。キャンプ初心者やアウトドアの苦手な人でも快適にキャンプを楽しめます。

 

サニタリー棟

↑サニタリー棟

 

「洗い場」「トイレ」「ごみ捨て場」「灰捨て場」など、よく使う設備は「サニタリー棟」という建物に集約されています。サニタリー棟はキャンプフィールド内に複数設置されているため、どのサイトからもすぐに行けて便利です。

↑サニタリー棟の洗い場

 

洗い場ではお湯も出ます。シンクが深いので大量の洗い物もしやすく、蛇口ごとにシンクが独立しているのでお互いの排水が混ざらず衛生的。

↑充電スペース

 

コンセント付きの棚で、スマホやランタンなどの充電ができます。

↑シャワールーム

 

鹿沼CFの館内には本格的な温泉施設もありますが、24時間使える無料のシャワールームもあります。お風呂に入るのは面倒だけどちょこっと汗は流したい、という場合にも便利。男女別になっており、女性用はカードキーがないと入れないので安心です。

↑洗濯機と洗剤

 

なんと洗濯機までも用意されています。洗剤が無料なのもありがたいところ。連泊の場合でも、必要な着替えを減らすことができます。

 

自然に包まれる温泉施設

↑温泉施設の受付。くつろげる待合スペースは温泉利用者でなくても使える

 

鹿沼CFには本格的な温泉施設があります。多くのキャンプ場では車を運転して近くの日帰り温泉施設などに行かなければなりませんが、それをしなくてすむのはとても快適です。大浴場・露天風呂・サウナ・水風呂などを備えた、本格的な温泉施設です。

↑大浴場。天井の高さと大きな窓があいまって、開放感に満ちている

 

↑洗い場。都市部のスパ施設を思わせるようなゆとりある造り

 

↑露天風呂と外気浴スペース

 

外気浴スペースでは、目の前に鹿沼市の7割を占めるという森林が広がり、遠くには山々を望むことができます。奥にある石のベンチは、鹿沼特産の「深岩石」を利用したもの。

↑サウナ室

 

スノーピークCFのサウナは、サウナ好きの間でも定評があります。鹿沼CFのサウナも、セルフロウリュで温度・湿度を高められる本格的なもの。

 

 直営ストアと特産品の販売

↑ストアの内部

 

管理棟にあるのが、スノーピークの直営ストア。キャンプ場の受付によくある小さな売店とはまったく異なる、しっかりとした規模のアウトドアショップになっています。

↑キャンプ道具の品揃えも充実

 

スノーピーク製品が豊富に揃っており、キャンプをしながら欲しくなったものを物色する、といったことができます。買い忘れの多い、氷や薪を販売しているのも嬉しいところです。

 

スノーピークCFの直営ストアには、お楽しみが2つ。それは「限定グッズ」と「ご当地特産品」です。各地のスノーピークCFでは、そのCFだけで売っているカップやアパレルなどの限定グッズががあります。また、その土地の特産品を販売しているコーナーもあるのです。

↑鹿沼CF限定のチタンシエラカップ

 

たとえばシエラカップのようにいくつあってもいい器具を、全国のCFを訪れるごとに集めていくというのも面白いかもしれません。

↑鹿沼特産の食品

 

↑鹿沼の地酒

 

特産品コーナーには、鹿沼特産の食品や地酒、工芸品などがたくさん販売されています。イチゴなど季節によって登場する製品もあるので、訪れるたびに新しい発見があるかもしれません。

 

地元ならではの飲食店

鹿沼CFには、2軒の飲食店があります。

 

「キャンプの醍醐味は自炊!」というキャンパーも多いとは思いますが、「調理や片付けに時間をかけずにキャンプを楽しみたい」という場合には、飲食店の存在はありがたいことです。

↑お蕎麦屋さん「上南摩そば 竜がい」

 

↑スノーピークのCFらしい、自然光で明るい店内

 

鹿沼CFのある上南摩地区は、蕎麦の栽培が盛んな土地でもあります。しかし蕎麦屋というものはなく、新そばの収穫時に地元で開催される「上南摩そば祭り」で提供されるだけでした。その「上南摩そば」を味わえるのが、鹿沼CFのオープンとともに開店した「竜がい」なのです。

 

なお「竜がい」という店名の由来になった「竜蓋山」は、キャンプフィールドからも北側に見えるので、ぜひ探してみてください。

↑「日光珈琲 6」

 

鹿沼市や日光市で展開する人気カフェ「日光珈琲」の6店舗目が鹿島CFにオープンしました。自家焙煎のスペシャリティコーヒーのほか、ハンバーガーやポテトなども提供しています。テイクアウトのみですが、キャンプフィールドのさまざまな場所で、購入したコーヒーやハンバーガーなどを味わってみるのも楽しいものでしょう。

 

アクセス

鹿島CFは関東で唯一のスノーピーク直営CFであるということで、ここでは首都圏からのアクセスを紹介します。

 

1. 車で行く

自前の道具でキャンプしたいという場合には、車で行くことが多いでしょう。鹿沼CFは、東北自動車道の都賀西方スマートICから約20分。東京23区から鹿沼CFまで2時間程度でアクセスできます。

 

2. 公共交通機関で行く

「手ぶらキャンププラン」を利用したり、最小限の手荷物を持って電車で行く場合、鹿沼CFの最寄り駅は東武日光線新鹿沼駅か、JR東日本鹿沼駅。どちらも駅からタクシーで15~20分です。

 

なお、JR鹿沼駅から鹿沼CFには「リーバス」という路線バスが運行しているため、本数は少ないもののタイミングが合えば格安で利用できます。

 

鉄道利用時のオススメは、浅草-新鹿沼間の東武鉄道。特急を使わなくても2時間程度で到着でき、料金は1225円(IC利用)と格安です。ただし指定席ではなく、座席もロングシートです。

 

ちょっと贅沢したければ「スペーシアX」を使いましょう。料金は2935円(IC利用)ながら1時間24分で到着でき、移動中はラグジュアリーな空間を味わうことができます。せっかくのキャンプなら、この機会にスペーシアXの車窓も楽しんでほしいところ。

 

「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」の魅力まとめ

ここまで、スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパを案内してきました。最後に、その魅力をまとめてお伝えしておきましょう。

 

首都圏から近い

これまで、関東地方からスノーピークのキャンプフィールドに行くには、近くても福島や新潟、大阪などでした。それが100km圏内、2~3時間で行ける場所にできたというのは大きな魅力で、1泊2日でも十分楽しめます。

 

どのサイトからも管理棟やサニタリー棟が近い

全体としてはそれほど広いキャンプ場ではないので、一番奥のサイトだとしても温泉施設やストアのある管理棟までは楽に歩いて行きます。また、トイレや洗い場などがあるサニタリー棟は複数あるため、どのサイトからも歩いてすぐの場所にあります。キャンプあるあるの「たくさん飲んでトイレ行きたくなったけど面倒だからギリギリまで我慢する」をしなくてすむわけです。

 

キャンプやアウトドアに慣れていなくても楽しめる

多くのスノーピーク直営CFに共通していえることですが、快適に過ごすための施設が充実しています。

 

たとえば住箱サイトと温泉を活用すれば、キャンプの知識がゼロでも快適に過ごすことができす。それでいて、屋外でごはんを食べたり、自然に囲まれて時間を過ごすなど、キャンプの醍醐味は十分に味わえるような構造になっているのです。

 

鹿沼の豊かな自然と特産物に触れられる

鹿沼市は、周囲に日光や宇都宮といった有名都市があるせいで見逃されがちではありますが、イチゴや組子細工といった特産品や、豊かな里山など、魅力に溢れた地域です。2024年度竣工予定の南摩ダムには、ダム湖上を渡るジップラインなど全国的にも珍しいアクティビティのあるアスレチック施設も併設されます。

 

実は鹿沼CFは、そうした鹿沼の魅力を知ることのできる場所でもあります。

 

キャンプフィールド全体が周囲の自然を感じられる造りになっており、鹿沼の豊かな里山や森林を感じながら過ごすことができます。また、館内のストアには鹿沼を中心とした地方の特産物があり、説明のポップも立っているので、知らず知らずのうちに鹿沼の特産品を知ることになるのです。

 

拠点を作ったらその地方とともに成長していくというスノーピークの理念が、この鹿沼CFでも発揮されていると感じました。

 

これまで、スノーピークの直営キャンプ場というものに行ってみたいけど近場になくて…と思っていた首都圏の方はもちろん、キャンプ慣れしていないがやってみたいと思っている方、そしてキャンプ好きのすべての方におすすめできるのが、「スノーピーク鹿沼キャンプフィールド&スパ」なのです。

焚き火アーンド炉端焼き!スノーピークのアウトドアギアで、キャンプ飯の幅が広がる

スノーピークは「セイエン スターターセット」と、オプション製品「セイエン スキュアセット」を8月31日に発売します。いずれも、焚火台Lとセットで使える製品です。

 

記事のポイント

「セイエン」シリーズは、「焚火の炎を鑑賞しながら、調理できる」特徴があります。肉や野菜を串に刺し、焼いて楽しむ「原始焼き」がアウトドアでできると、焚火調理の幅が広がりますね。
なお、「セイエンスターターセット」および「セイエンスキュアセット」には焚火台Lが付属していないので、ご注意を。

 

↑セイエン スターターセット

 

セイエン スターターセットは、「原始焼き」をアウトドアシーンで楽しめます。食材を串に刺して炭で焼く、日本の伝統的な調理法です。遠赤外線でじっくりと焼き上げることで余分な脂や水分が落ち、「旨みが凝縮し魚や肉が格段においしくなる」と言います。

 

スキュア(串)は、食材の焼き加減にまで配慮して設計しているとのこと。傾斜により「調理」と「保温」を切り替えられるほか、食材の焼きムラを無くすため、スキュアを逆さまに置くこともできます。

 

セイエンスキュアセットは、セイエン専用に設計されたスキュアの2本セット。最大8本まで串を追加可能です。

↑セイエンスキュアセット

 

セイエン スターターセット
価格:2万9700円(税込)

【仕様】
セット内容:本体x1、スキュアx4、串置き台x2、オプションフックx1
材質   :【本体】ステンレス 【スキュア】ステンレス 【串置き台】ステンレス 【オプションフック】ステンレス
サイズ  :【本体】200x185x450(h)mm 【スキュア】310x25x15(h)mm 【串置き台】180x80x80(h)mm
【オプションフック】320x70x5(h)mm
重量   :【本体】2.6Kg【スキュア】80g【串置き台】550g 【オプションフック】10g

 

セイエン スキュアセット
価格:4840円(税込)

【仕様】
セット内容:スキュア×2串置き台×1
材質   :ステンレス
サイズ  :【スキュア】310x25x15(h)mm【串置き台】180x80x80(h)mm
重量   :【スキュア】80g【串置き台】550g

海を見下ろす絶景と“らしさ満点”の施設で1年中快適!「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」に行ってきた

岩手県陸前高田市に「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」がオープンしました。スノーピークさんにお招きいただき、1泊2日滞在してわかった魅力をお伝えします。

 

「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」とは?

まずは「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」の概要を紹介します。

 

岩手県初のスノーピーク直営キャンプ場&ストア

アウトドア製品メーカーとして知られる「スノーピーク」は、日本各地に直営キャンプ場を開設しています。そして岩手県に初めて開設されたのが「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」(以降、陸前高田CF)なのです。キャンプ場のほか、同社のキャンプギアやアパレル製品、特産品などを取り揃えた直営店が併設されています。

 

広大な土地にバリエーション豊かなサイトを用意

サイト(キャンプを行なうエリア)は、合計145サイト。決められた場所を予約できる「区画サイト」のほか、利用するエリアをその場で選べる「フリーサイト」など、バリエーション豊かに用意されています。一定の領域を多人数で使うグループ利用も可能。

 

そのほか屋内で宿泊できる施設として、一軒家タイプのキャビンが10棟、コンテナのようなモバイルハウス「住箱-JYUBAKO-」が3棟あります。

 

整備された道路で快適アクセス

陸前高田CFは、車を使えば盛岡市や仙台市から2時間程度というアクセスの良さ。高速道路のインターチェンジから近いので、関東近辺からも楽にアクセスできます。

 

キャンプ場によっては、アクセスするための道路状態が悪くてすれ違いに苦労したり悪路だったりというところも少なくありません。しかし陸前高田CFの場合、近隣のインターチェンジや駅から現地までそのような悪路はなく、広々とした舗装道路だけで到達できます。

 

また、周囲には多くの街があり、道の駅やホームセンター、直売所などが豊富に点在。途中の買い物やトイレ休憩にも困りません。

 

さまざまなキャンプスタイルに対応する多彩なサイト

それでは、陸前高田CFのさまざまなサイトを紹介していきましょう。

 

フリーサイト

フィールド内の2ヶ所にある「フリーサイト」は、エリア内の好きな場所を利用できるサイトです。

↑開放的な空間のフリーサイト。全面が芝生で、ほぼ平坦なので設営場所選びがしやすい。空の広さも印象的

 

区画サイト

指定された番号のエリア内を専有できる「区画サイト」は、傾斜地に作られているため素晴らしい景観が特長です。

↑区画内は平坦なのでテントやテーブルは傾けずに設置できる。段差や植栽によって隣接区画とはうまく仕切られており、広い視界は保ちつつ適度なプライバシーを確保できているのが嬉しい

 

↑区画サイトの1つ。サイトによって、さまざまな方向の絶景を楽しめる。眼下にある広田湾では、サケやカキの養殖が行なわれている

 

↑一部サイトは電源付き。写真右端のあるボックスに電源コンセントが納められている

 

ドッグランサイト

柵に囲まれた「ドッグランサイト」は、ペットとともにキャンプができるエリア。他のサイトからは少し離れた場所にあり、ペット連れでない利用者にも配慮した設計になっています。

↑ドッグランサイト。ノーリードでペットと過ごすことができる

 

↑岩や樹木、傾斜など、ペットが楽しめる設計になっている

 

キャビンサイト

「庭付き一軒家」のような設備のキャビンサイト。キッチン・リビング・バストイレ・ベッド・電源などを完備。「初心者だけどキャンプ場を体験したい」といった人でも快適に利用できます。

↑キャビンの外観。景観の良い芝のフィールドも利用でき、タープを貼ったり焚き火したりといった「アウトドア」も楽しめる。写真のサイトは柵付きで、ペットとともに利用可能

 

↑リビング。もちろんテーブルもチェアもスノーピーク製

 

↑キッチン。ガス台・シンク・冷蔵庫・電子レンジなどを完備し、屋外にまったく出ずに過ごすこともできる

 

住箱エリア

キャビンサイトの一部には、スノーピーク製品のトレーラーハウス「住箱」が3台設置されています。バス・トイレ・エアコン・電源コンセント・ベッドなどが用意されているため、季節や天候を問わず快適に過ごせます。

↑住箱エリア。前面の芝生エリアも利用できるので、タープを張ったり焚き火したりと、「アウトドア」もしっかり楽しめる

 

↑住箱内。ホテルの客室のような感覚でキャンプ場を利用できる

 

↑大きな窓からの景観が魅力。縁台に出ればいっそう「アウトドア感」を堪能できる

 

キャンプを快適に楽しむための施設も充実

キャンプには、活動の拠点となる「サイト」のほかにも、水場やゴミ捨て場のような共同施設が欠かせません。そのような施設が充実しているのも、陸前高田CFの特長です。

 

サニタリー棟

シャワー・トイレ・炊事場・ゴミ捨て場が利用できる「サニタリー棟」が、キャビンサイト以外の各サイトに配置されています。広大なキャンプ場ですが、長い距離を歩かなくても利用できるのが便利。

↑サニタリー棟(右)とゴミステーション(左)。ゴミを捨てられるのはありがたい

 

↑炊事場。広いシンクと作業台が使いやすい。屋内で作業でき、お湯が出るのも快適ポイント

 

↑暖房・温水洗浄便座付きトイレ・シャワー・自販機・洗濯機・乾燥機と、充実した設備。連泊も快適かつ気軽にできそうだ

 

センターハウスと直売店

キャンプフィールド全体の入り口となるエリアに配置されているのが、「センターハウス」。サニタリー棟と同等の設備に加え、スノーピーク製品を販売する直営店があります。

↑スノーピークのキャンプギアとアパレル製品が販売されている。陸前高田店でしか買えない限定品もあり

 

↑スノーピーク直営店の特徴でもある、産地直送品の販売。陸前高田の特産品はもちろん、他の直営店がある地域の産直品も取り扱っている

 

「スノーピーク陸前高田キャンプフィールド」を利用して感じたこと

【その1】フィールドの地形を活かした絶景

傾斜地にあるため、ほとんどのサイトから見事な景観を楽しめます。眼下には海と町並みが広がり、森のむこうには遠く山々を望むことができます。

フィールド内を歩く。広田湾を見下ろす場所で手すりにもたれて景色を眺め、ゆったりした気分を味わうことができた

 

【その2】キャンプに慣れていない人でも楽しめる

サイトのバリエーションが豊富なので、キャンプ初心者はもちろんのこと

・キャンプ場でのコミュニケーションを楽しみたい人はフリーサイト

・プライバシーを重視したい人は区画サイト

・テント泊の苦手な人はキャビンサイト

など、さまざまなタイプの人がキャンプを楽しむことができます。

 

【その3】季節や天候を問わず楽しめる

陸前高田は東北地方でありながら積雪のあまり多くない地域です。そしてキャビンや「住箱」があるので、たとえ雪が降っても暖かい室内で過ごすことができます。冬のキャンプは空気が澄んで景色や星が綺麗に見え、暖かい食べ物や焚火のありがたみを存分に感じられるなど魅力がいっぱい。それでもやはり「寒いところでのキャンプは辛い!」と思う人も多いことでしょう。

 

屋内に炊事場やシャワー、そして泊まれる場所もある陸前高田キャンプフィールドは、まさに冬キャンプデビューにも適したキャンプ場です。暖かい室内からゆっくり雪景色を楽しむのも良いものです。もちろん雪中キャンプ大好き! というストイックなキャンパーさんにも楽しんでもらえるはずです。

 

なお1~3月は、サニタリー棟が部分的に閉鎖されているので注意してください(https://sbs.snowpeak.co.jp/rikuzentakata/archive/20231214-008011.html)。

玉川堂、火造りのうちやま、石田製作所ーー燕三条の「ものづくり」を知るツアーでわかったこと

アウトドアメーカーの「スノーピーク」に招待していただき、同社のある燕三条で「ものづくり」にたずさわっている工場を見学してきました。

 

→【画像18枚】燕三条のものつくり工場の施設詳細を写真でも紹介

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「スノーピークの複合型リゾート」に宿泊。キャンプ苦手勢も外遊びの楽しみを味わえる

 

工場見学を産業に

燕三条は新潟県の中央部に位置するエリア。上越新幹線の「燕三条」駅が知られていますが、実は自治体としては「燕市」と「三条市」という2つになっています。共通しているのは、どちらも洋食器などをはじめとする金属加工業が盛んであること。

 

かつてミュージックプレーヤーiPodの背面が鏡面だったころ、その「磨き」を燕市の職人が請け負っていたことは知っている人も多いのではないでしょうか。

 

今回案内していただくのは、この日伺う「玉川堂」の番頭でもある山田 立(りつ)さん。このツアーを企画したきっかけは、2013年から開催されているイベント「燕三条 工場の祭典」。燕三条には、把握できるだけでも2000~3000の工場があるといいます。しかし需要の変化で使われなくなってきた灯具もあり、そのような道具の工場は減少の一途。すでに消滅してしまった業種もあるといいます。

 

しかし長年にわたって培われてきた技術が、需要が少なくなっただけで消滅していいものなのか……。そう考えた燕三条の人々が立ち上げたイベントが「工場の祭典」でした。参加者は地図を片手に工場を巡り、見学することができるのです。

 

参加事業所は徐々に増え、コロナ禍前の2019年には113軒、のべ訪問者数は5万人を超えました。また、燕三条で職人になりたいという若手が訪れるようになったり、同じような問題を抱える自治体や工場主が視察に訪れるなど、イベントは確実な成果をあげるようになったのです。

 

この活動をさらに広げ、「工場の祭典」開催時だけでなく年間を通じて工場を訪れるツアーを開催しようというのが、山田さんたちの狙いです。「工場の祭典」の経験を積んだことで、年間を通じて見学に応じている工場も増えてきていました。このツアーが成功すれば、ものづくりの継続につながるだけでなく、「工場見学」そのものを燕三条の産業の一つにすることができるのではないかと山田さんたちは期待しています。

 

スノーピークの超定番アイテムを制作する「石田製作所」

最初に伺ったのは、金属加工業「石田製作所」さんの本社工場です。

案内してくださるのは、常務の鈴木義篤さん。石田製作所では、スノーピークで定番中の定番アイテムといえる「シェルフコンテナ」をスノーピークと共同で開発し、 製造から梱包までを一括して請け負っています。

 

↑シェルフコンテナを手にする鈴木さん。石田製作所では鈴木さんが中心となってシェルフコンテナの開発に携わりました

 

シェルフコンテナを製造している工場に入りました。10台のプレス機がずらりと並んでいます。

1枚の鋼板を、手前から奥まで順にプレス機にかけていきます

 

↑「ただの板」が、プレス機にかけられるたびに少しずつ加工され、「部品」の形に

 

鋼板のプレスとカットが終わったら、次は折り曲げて立体的な形にしていきます。実はこの作業について、過去に石田製作所は大きな問題を抱えていました。それは空前のキャンプブームにより、需要が急増したことです。しかし、曲げ加工は職人の手作業で行なっていたため、生産がまったく追いつかなくなってしまいました。

 

そこで石田製作所は、この曲げ工程を専用ロボットで自動化するという大きな決断を下したのです。このロボットにより、大幅な増産を実現しました。

 

↑曲げロボット。並べられた部品をカメラで認識し、アームで取り上げて曲げ加工を施します

 

↑曲げられた部品は、アームがきちんと積みあげていきます

 

「えっ、ものづくりの街なのにロボット?」と思うかもしれません。しかし、シェルフコンテナの複雑な曲げ加工を全自動で行えるロボットの開発自体が、容易なことではありませんでした。そしてロボットの設定やプログラミングは、それまでの職人の経験を生かして石田製作所内で行われています。

 

そしてロボットの導入により、生産数だけでなく製品のクオリティも向上したとのことでした。ロボットの導入自体が、渾身の「ものづくり」の結果だとも言えるでしょう。

 

製品の完成後、最後に行なわれるのが最終検品。実はどの工程でもそれぞれの職人さんが検品を行なっており、「全工程が検品作業」がモットーとのことでした。

 

そして最終検品でも、非常に厳しい基準でチェックが行なわれています。筆者は基準以下として除外された製品をいくつか見ましたが、自分が購入してもこれは文句を言わない、どころか、言われるまでは気づかないような部分もありました。どうしてそこまでするのか。それはやはり、「ものづくりをする者としての誇りがあるから」だと鈴木常務は話してくれました。

 

伝統建築に欠かせない和釘専門の鍛冶屋「火造りのうちやま」

次に向かったのが、「火造りのうちやま」さん。

現在、釘といえば明治時代に西洋から伝わった「洋釘」のこと。それに対して、日本で古来から使われていた釘を「和釘」といいます。丸い軸と平たい頭を持つ洋釘に対して、和釘は軸が角ばっており、頭の形状も用途に応じてさまざま。日本の伝統的な木造建築を数百年にわたって維持するには、和釘が必須とされています。

 

「火造りのうちやま」は、この和釘専門の鍛冶屋なのです。機械で大量生産できる洋釘に対して、和釘は職人が1本1本手打ちしなければなりません。工場を訪れると、ふいごの前でもくもくと釘を鍛えている職人の姿がありました。代表の内山立哉さんです。

↑内山さん。1979年に父である師匠に弟子入りして以来、和釘専門の鍛冶職人一筋で活動してきました

 

↑材料の鉄をコークスの火床で真っ赤に熱し、金床に乗せて槌で叩いていきます

 

内山さんは淡々と作業し、次々に釘を完成させています。しかし作業体験で見学者が同じ作業をするのを見ていると、打つタイミングや場所、角度といった精度と速さの両方が要求される作業であり、熟練の技が必要であることがわかりました。打つときに左手で自在に釘を返せるようにするため、修行に入ってからは左手でご飯を食べるようにしていたそうです。

 

内山さんの悩みは、他の多くの工場が抱えている問題でもある後継者不足。いま和釘を作ることのできる工場は、日本全国でもごくわずか。しかし神社仏閣などの修繕には大量の和釘を必要とします。たとえば伊勢神宮で20年に一度すべての社殿や道具を造り替える「式年遷宮」では、何十万本もの和釘が必要です。

 

実は直近の式年遷宮である2013年(第62回)では、全ての和釘を三条市の職人が制作・納入しました。もちろん内山さんもその一人です。そのため、現在は数年をかけて造りためているとのことでした。

 

確かに現在、一般建築で和釘が使われることはほとんどなく、需要は激減しています。しかしだからといって和釘造りの技術が絶えてしまえば、伝統的な建築物や道具を維持することはできなくなってしまうのです。なくしてはならない技術といえるでしょう。

 

お土産に、内山さんが1本1本打ち伸ばして作った耳かきをいただきました。頭の部分が和釘の「巻頭」になっているという遊び心に満ちた形状。「もし曲がり具合が気に入らない場合はこちらに送ってきてください。お好みに曲げ直してお返ししますよ」と内山さん。たとえ1本の耳かきでも、道具はベストの状態で使ってほしい、という職人の心意気を感じました。

 

銅板を槌で打って立体的な道具に仕上げる「玉川堂」

最後に訪れたのは、今回の案内人でもある山田 立さんが番頭を務める「玉川堂」さん。銅板を金槌で打ち、さまざまな形の道具を作り出す「槌打銅器」の製造元です。

 

1600年代より和釘の製造が盛んだった燕三条では、金槌を使用する技術が発展していました。そして1700年代になり、近隣の弥彦山で銅が発見されたことで、その金槌の技術で銅を打つ産業が広まったのです。

 

工場に入ると、槌で金属を打つ音が盛んに聞こえてきました。

↑玉川堂の工房。職人さんたちが思い思い作業を行なっていました。中央は案内人の山田さん

 

↑形を作るために使用されるのが、「鳥口」と呼ばれる棒状の道具。部位に応じて300種類ほどもある鳥口を使い分けます

 

↑職人さんたちは「上がり盤」と呼ばれる台に鳥口を差し込み、槌を振るって銅を成形していきます

 

↑打っているうちに固くなってしまう銅を火炉で熱し、水で急冷します(焼きなま)。すると銅が柔らかくなり、再び打てるようになります

 

↑形が整ったら、彫金や着色といった装飾を施します。棚にある樽は、着色のための薬品です

 

銅器への着色は、薬品による化学変化で行ないます。写真の見本にもあるように、玉川堂をはじめ燕三条では銅に非常に多彩な着色を施すことができます。そしてそれができるのは世界的にも燕三条だけとのことでした。

 

着色のための薬品は、長年に渡り継ぎ足しながら使われているとのこと。こうして使い続けた薬品は、使いはじめの薬品に比べて色ののりが明らかに違うそうです。玉川堂では、独立していく職人にこの薬品を一部持たせて送り出します。いわば「秘伝のタレを分ける」ようなものでしょうか。それまでの貢献に対し、「使い込まれて味が出せるようになった薬品」を贈るというのが、なんとも職人の世界らしいと感じました。

 

↑玉川堂の製品の1つ、「湯沸 口打出」。本体と注ぎ口を1枚の銅板から打ち出すという驚異の職人技術で、注ぎ口が継ぎ目なく作られています

 

貴重な技術を持つ燕三条の産業は魅力的なコンテンツでもあった

今回は、燕三条の工場を3か所巡りました。そもそも「物が出来上がるまでの工程」を見るのは楽しいものです。しかし今回の見学では、単にそうした工程を眺めるだけでなく

 

  • 燕三条のものづくりがどのような歴史で育ってきたか
  • その歴史が職人たちにどのような心意気をもたらしているか
  • それぞれの工場が持つ技術の高さと希少性

 

などについて、工場を経るたびに理解が深まっていくのを感じました。そして、もっと他の工場にも見学に行きたいと思うようになりました。

 

これは、類まれな高い技術をもつ工場が多数存在する燕三条ならではの強みといえるかもしれません。燕三条はエリア全体が巨大な産業博物館といっても過言ではなく、その中を学芸員に案内してもらいながら見学するというのが、この「ものづくりツアー」なのだと思います。

 

案内人の山田さんが目指す「ビジネスとして成立するツアー」も、燕三条のような土地なら成功するのではないかと思えました。そしてそれは燕三条の技術や工場を維持することにもつながるはずですし、そのノウハウは他の自治体にも拡げていくことができるかもしれません。

 

そして今回このツアーに招いてくれたスノーピークでは、一般に向けてもこのようなツアーを企画しています。

【FIELD SUITE TOURISM 燕三条ものづくり探訪】

https://www.snowpeak.co.jp/fieldsuitespa/hq/tourism/tsubame-sanjo-mono/

(今回紹介した内容とは一部異なるため、詳細はURLから確認してみてください)

 

↑今回宿泊した「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」。燕三条まで車で40分ほどの場所にあり、本社やキャンプ場に隣接しています

 

筆者がこれまでスノーピークを取材してきて感じるのは、拠点を作った地域とともに発展していこうという精神です。どこかに大きな施設を作って営業するというだけでなく、その地域の魅力を活かしたビジネスを、その地域の自治体や企業をも巻き込んで発展させようとしているように思えます。

 

燕三条のものづくりツアーでも、そのスノーピークの精神を感じたのでした。

「スノーピークの複合型リゾート」に宿泊。キャンプ苦手勢も外遊びの楽しみを味わえる

アウトドア関連商品で知られるメーカー「スノーピーク」が2022年4月にオープンした複合型リゾート施設「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」に宿泊してきました。

 

→【画像21枚】Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERSの施設詳細を写真でも紹介

 

「浴・食・泊」を楽しめる「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」

スノーピークといえば、キャンプ好きなら知らない者はいないほどのキャンプ・アウトドア用品メーカー。そのスノーピークが、新潟県の本社隣接地にオープンした複合型リゾート施設が「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」(以降FIELD SUITE SPA)です。

 

温泉・レストラン・宿泊という「浴・食・泊」のための施設が揃っており、そのコンセプトは「キャンプが苦手な人でも外遊びの楽しみを味わえる」ということ。そしてもう1つの特徴は、施設やサービスの全体を通じて、地元新潟県の特性や特産物が活かされているということです。

 

それではさっそく、FIELD SUITE SPAに行ってみましょう。場所は新潟県三条市。新幹線の燕三条駅から車で40分ほどの山中にあります。スノーピーク本社や直営キャンプ場なども存在する広大な敷地です。

 

まるで芸術作品のような外観

施設の設計は、新国立競技場も手掛けた建築家の隈 研吾氏が担当。隈氏らしい木材を組み合わせたデザインになっていますが、よく見るとヘキサゴンタープ(キャンプで使う日除け・雨除け)を張ったようなシルエットをしています。また、軒や天井にあしらわれているのは、なんと薪。このあとの写真を見ていただくとわかりますが、施設全体の軒や天井がそうなっているのです。キャンパーならこの時点でウキウキすること間違いなしでしょう。

↑FIELD SUITE SPAのエントランス。ナラ材の薪が1.5万本も使われています。なんと3~5年で交換が必要だそうです

 

新潟の産直品やスノーピークの限定品が揃うストア

施設に入ると、ストアと受付カウンターがあります。

↑エントランスにあるストア。施設全体にいえることですが、壁は床から天井にいたるまで全面が窓。まるで屋外のような開放感です

 

FIELD SUITE SPAはあまりキャンプをしない人も対象にしているため、ストアには寝袋やテントといったキャンプギアはほとんどなく、食器などの日用品がメインになっています。客室に設置してあるマグカップやタオルなどのアイテムは、ここで同じものが販売されているため、宿泊の思い出に買って帰ることができるのです。

 

オススメは、ここのストアでしか売っていない限定カラーの製品。各地のスノーピーク拠点を巡り、限定カラーを買い集めている「スノーピーカー(スノーピークのファン)」もいるほどです。

 

そのほか、新潟県全域、特に三条市や燕市の産直品の食品や道具も販売しています。他のお店では見られないスノーピークコラボの製品も。そこには、地域とともに発展していこうとするスノーピークの精神を感じました。

↑スノーピークユーザーにはおなじみのアイテムたち。キャンプだけでなく、日常でも心地よく使えます

 

すべてが「離れ」の一棟タイプ

次は客室に行ってみましょう。外来者も利用可能なFIELD SUITE SPAですが、宿泊エリアは宿泊者のみが立ち入ることができます。宿泊施設はすべて、一室ごとに建物が独立した一棟タイプ。

■Villa suite | Earth (100㎡)

■Villa junior suite | Forest (50㎡)

■Villa junior suite | Snow (50㎡)

■住箱 (24㎡)

の、計4種類7棟があります。今回は「Villa junior suite | Snow」に宿泊しました。

↑「Villa junior suite | Snow」。他の建物と同じく、軒には薪が使用されています

 

↑「Snow」はツインベッド、「Forest」はダブルベッド使用の部屋になっています。床はなめらかなスプーンカット加工になっており、スリッパなしで歩くと心地よさを感じられます

 

↑ラウンジスペース。カラフルな色使いと柔らかな光で、リラックスできる空間になっています

 

↑浴室までもが、大きな全面ガラス窓になっています。浴槽はヒノキ製。もちろんシェードを下ろして目隠しすることも可能です

 

部屋に入った途端に気づくのが、なんといっても窓の大きさ。部屋の2面がほとんどすべて窓になっているため、まるで屋外にいるような開放感があります。それでいて実際には完全に屋内であるため、アウトドア嫌いの人には苦手と思われる「虫」「暑さ」「寒さ」「湿気」「砂ぼこり」などとは無縁。屋内の穏やかな環境で、屋外にいるような感覚を味わえるというわけです。

 

そしてその感覚は、FIELD SUITE SPAの施設内どこにいても感じることができました。

 

客室では豊富なスノーピーク製品を実際に使える

室内を見渡すと、そこかしこにスノーピークの製品があることに気づきます。

↑タオル。バスタオル・フェイスタオル・ハンドタオルの3種類が用意されています

 

↑ワンドリップコーヒーの添えられた「スタッキングマグ雪峰」。カラーはFIELD SUITE SPAだけの限定色です

 

↑折りたたみ傘の「スノーピーク アンブレラUL」と小型LEDライトの「たねほおずき」。雨天や夜間の外出も安心です。防虫性を備えたストール「Printed Insect Shield Stole One」もありました

 

↑「ステンレス真空ボトル」や「ECO CUP」の限定版など、スノーピークのテーブルウェア類がずらり

 

↑ブランケットが入っているのは、人気商品の「シェルフコンテナ」。広がってラックになるギミックが楽しいので、訪問の際はぜひお試しを

 

↑備え付けのコーヒーセット。豆を挽き、備え付けのポットでお湯を沸かしてドリップできます

 

スノーピーク製品は各地のショップでも見ることができますが、それはあくまで「手に取る」程度。しかしここでは、滞在中にたっぷりと時間をとって「実際に使う」ことができるのが大きな魅力です。キャンパーではなくスノーピークに馴染みのない方にも、スノーピーク製品のよさを知ってもらいたいという意図の表れなのかもしれません。

 

新潟の食材にお酒をペアリングで提供

食事は夜・朝ともに「Restaurant雪峰」でいただきます。このレストランのコンセプトも、新潟の食材を活かすこと。それも単に「新潟で作られたの」というだけでなく、想いを込めて食材を作っている生産者との出会いを大切にしているとのことでした。

 

お料理は食材のよさを活かす点では和食に近いかたちですが、あちこちでフレンチの技法が用いられています。魚料理や肉料理が順に供されるという点でもフレンチのコースのよう。

 

ひとつひとつの料理について食材の産地や生産者の説明を聞くことができるので、新潟の土地や生産者の方々に思いを馳せながらいただくことができました。それぞれのお料理には、シェフの選んだ日本酒やワインがペアリングで提供されます。

↑Restaurant雪峰の客席。他と同じく、ほぼ全面が窓になっており開放的な雰囲気です

 

↑炙り〆鯖と丸ナス。栃尾の酒造「越銘醸」の純米大吟醸「ドメーヌ 越の鶴」を合わせます

 

どのお料理も非常に手の込んだ調理でしたが、それなのにむしろ素材の特徴が力強く残っているという新鮮な味わいでした。

 

「キャンプスキル」のいらない焚火体験

食後、希望者は焚火エリアで歓談タイムを過ごすことができます。キャンプで焚火というと、「焚火台の設置」「薪の調達」「火起こし」「薪の継ぎ足し」「火消し」「焚き火台の掃除」などなど面倒なことばかりという印象があるかも知れません。好きな人はそれが好きなわけですが。

 

しかしここでは熟練したスノーピークのスタッフが焚火の作業を行なってくれるため、焚火をしたことがない人でも楽しむことができます。大きな炎を眺めるのは、それだけで気持ちが高揚したり、逆に癒やされたりするもの。普段キャンプをしない人にこそ味わってほしい体験です。

焚火を挟んで話すと仲を深めやすいような気がします。難燃性のタープで雨の日でも快適に焚火を楽しめます

 

野生に還る大浴場

「FIELD SUITE SPA」の名の通り、この施設の大きな軸となっているのが温浴施設。宿泊者以外でも利用できます。FIELD SUITE SPAの隣にはスノーピークのキャンプ場があるのですが、夜に徒歩で行ける温泉があるのはキャンパーにとっても大きな魅力でしょう。

宿泊者にとって嬉しいのは、夜と朝には宿泊者限定の利用時間があるということ(7:00~9:00、21:00~22:00)。前述したように客室数は少ないので、ゆったり利用できます。そこで、夜の宿泊者専用時間に利用してみました。

 

温浴施設には内湯・露天・サウナ・水風呂が用意されています。他の施設と同様、温浴施設も壁がほぼ全面ガラス張り。内湯にいてもまるで露天かのようです。そしてサウナの壁も屋外に向けてガラス張りというのは、かつてない体験でした。

 

そして本当の露天に出てみます。森に面した露天風呂にはウッドテラスが敷かれています。ライトアップなどされておらず、森の奥には漆黒の闇。そのため、森に向かってウッドテラスに立つと、まるで夜の森に裸で立っているような感覚になります。なにか自分の中の野生が呼び起こされるような、不思議な感覚でした。

 

木々と星空を感じる夜

部屋に戻り、しばし就寝までの時間を過ごします。先に書いたように、壁は2面が天井から床までの全面ガラス。もちろん夜はカーテンを閉めておくことができますが、思いたって部屋の明かりを消し、カーテンを全て開けてみました。

 

すると遠くの街明かりや星などが見え、まるで夜の屋外にいるかのよう。もちろん実際には室内なので、寒さも危険もありません。「アウトドアの苦手な人でも屋外を味わえる」という、FIELD SUITE SPAのコンセプトがここでも実感できました。

 

なにか気持ちが盛り上がってしまい、もう一度お部屋の風呂にも入ってみます。大きな窓で、まるで露天風呂のよう。檜の香りを感じながら、夜の空と木々を眺めつつ入るあたたかいお風呂は格別です。そのあとはぐっすり眠ってしまいました。

 

キャンプ場を散策する朝

朝。レースカーテンだけを閉めておいたので、日の出で明るくなるのとともに目覚めます。なんだか、キャンプ場で感じる朝と似ている気がしました。隣接のキャンプ場「Snow Peak HEADQUARTERS Campfield」まで散歩してみます。

 

外用スリッパのほかブーツも用意されているので、革靴やハイヒールなどで来てしまった人でも安心です。うっすら朝もやのかかる中、ちょっと肌寒さを感じながらの散策で、すがすがしい気持ちになりました。キャンプをせずに「キャンプ場の朝」を楽しめるので、非アウトドア派もFIELD SUITE SPAに来たらぜひ朝の散歩をお勧めしたいです。

↑朝のキャンプ場。キャンプをしていると思うのですが、一日として同じ朝はありません

 

↑宿泊エリアを散策。春夏秋冬でそれぞれ違った雰囲気を楽しめます

 

散歩を終え、Restaurant雪峰へ。この日の朝食は「美味しいものをちょっとずつ」という嬉しい形式でした。全体としてはたっぷりとしており、大満足です。

↑スクエアな器に、新潟の食材を使用したお料理がふんだんに盛り込まれている

 

【まとめ】四季折々で変わる景色に身を投じた2日間

「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」を1泊2日で利用してきました。最初に書いたように、施設内のどの場所も全面窓による広い視界で、屋外にいるような気分になれます。まさに、屋内の快適さはそのままにアウトドア体験ができる場所でした。ですから、もちろんアウトドア好きの人でも楽しめることは言うまでもありません。

 

その景色も、この地は四季ごとにガラリと表情が変わります。筆者はこのFIELD SUITE SPAを春・夏・秋と3シーズンにわたって訪れていますが、それぞれに新しい感覚でした。冬には、壮大な雪景色。「キャンプ好きだけど、さすがに雪中キャンプはちょっと…」という方も、FIELD SUITE SPAでなら安心して雪景気に浸ることができますよ!

 

撮影/鈴木謙介

スノーピークのキャンプフィールド内、「浴」「食」「泊」「買」を楽しめる複合型リゾート!! FIELD SUITE SPA HEADQUARTERSの浸り方

「Snow Peak FIELD SUITE SPA HEADQUARTERS」は、浴・食・泊いずれのシーンにおいても、周囲の自然に溶け込めるような開放感が特徴。地元の建材や食材がふんだんに用いられ、燕三条の風土に触れられるのも魅力だ。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

DATA

新潟県三条市中野原456-1

Snow Peak HEADQUARTERS

キャンプフィールド併設

●利用料金やサービス内容はコチラでチェック!!

 

↑薪”をあしらった屋根が印象的。隣接するキャンプ場からの見映えも考慮し、タープのようなシルエットに

 

その1【浴】 四季を通じて移り変わる景色を楽しめる

敷地内に湧く温泉を利用した温浴エリア。露天風呂・内風呂・サウナ・洗い場のどこからでも粟ヶ岳の絶景を楽しめる。120cmという深さの水風呂も魅力。

 

↑洗い場の木桶と椅子は日本の家具ブランドTIME & STYLE。椅子は座面が高く、目の前の景色を見渡せて解放感あり

 

↑サウナ室は360度型のヒーターを中央に設置。まるで焚き火を囲むかのように、互いに顔を合わせて利用できる

 

その2【食】 厳しい環境から生まれた素材を料理に反映

豊かな水と土にフォーカスした一品料理からコースまで味わえる「Restaurant 雪峰」(上写真)。よりカジュアルな「Snow Peak Eat」やプライベートルームも。

 

↑新潟の生産者を巡って探した素材の味を生かす和食が主体。シェフが得意なフレンチの技法も用いられる

 

その3【買】 スノーピークと新潟を知る産直ショップ

エントランスの売店。キャンプをしない人も楽しめるよう、スノーピーク製品は日用品がメインだ。新潟や燕三条、そして他の拠点から産直の食品も販売。

 

↑定番製品「スタッキングマグ雪峰 H450」は、この地域の赤土をイメージした限定カラーで展開されている

 

その4【泊】 開放的な空間で屋外が苦手でもキャンプ気分に

隈 研吾氏設計のヴィラ、同氏とスノーピークが共同開発したモバイルハウス「住箱」という2種類の一棟貸し施設を用意。四季の豊かな自然に溶け込める設計だ。

 

↑備え付けのギアはスノーピーク製。初めての人がスノーピークを知るきっかけになってほしいとの想いがある

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

アウトドア好きのインテリアスタイリストが太鼓判!! 外←→家 シームレスギアのすすめ

スノーピークには、キャンプだけでなく普段使いにも適したギアが豊富。「キャンプ用品を買っても、持て余してしまいそう」という人にもオススメだ。インテリアスタイリングのプロに、家でも映えるギアを選んでもらった。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

スノーピークは家で使ってもオシャレなんです!!

インテリアスタイリスト

遠藤慎也さん

雑誌や映像作品ほかあらゆるメディアで活躍。根っからのキャンプ好きで、ギア選びにも精通する。

 

【その1】竹集成材のフレームと帆布の座面が風合いたっぷり!

Take! チェア(LV-085)

1万9800円(税込)

座布には丈夫な6号帆布を、フレームにはアルミと弾性に優れた竹集成材を使用。包み込まれるような座り心地が特徴だ。帆布は取り外して洗濯機で丸洗い可能。

 

Recomended

「アルミ製フレームのみを使ったキャンプチェアに比べてオシャレ度が高い。高感度な家具店でも展開されているほどです。座面の帆布が使い込むほどに味が出るのもイイ」(遠藤さん)

 

 

【その2】使っている最中も収納・待機状態もスタイリッシュ

HOME&CAMP バーナー カーキ(GS-600KH)

1万2100円(税込)

五徳を折りたたみ、カセットガス缶をセットする部分に格納できるコンロ。折りたたみ式ながら五徳は大きめで重心が低く、安定性は高い。直径14〜30cmの鍋に対応。カラバリは全3色。

 

↑収納時には“ボトル形状”に。縦にも自立するので、あえて見える場所に置きたくなる!!

 

Recomended

「使っていないときの姿がほかの製品と違って美しい!! ウッド系の家具を持っている人にはこのカーキがオススメです。僕は友人へのギフトによく購入していますよ」(遠藤さん)

 

 

【その3】ビールも入れられる真空断熱ピッチャー

サーモピッチャー1900(TW-530)

1万5180円(税込)

炭酸飲料も入れられるステンレス製の真空断熱ピッチャー。約100mmと大口径なので洗いやすく、氷を入れてアイスペールとしてもOKだ。蓋がワンタッチで開くので、注ぐ際もスムーズ。

 

Recomended

「炭酸飲料を入れられるので、キャンプでもホームパーティでもビールサーバーとして活躍。キャンプ地の近くで量り売りしているクラフトビールなどを入れるのにもぜひ」(遠藤さん)

 

 

【その4】充電中の見た目もスタイリッシュなランタン

HOME&CAMPランタン カーキ(ES-080-KH)

1万5378円(税込)

最大照度400lm、防滴性能IPX4のLEDランタン。100lmでは23時間点灯可能だ。周囲を照らすほか、“ホヤ”の部分を逆さにすると下部が照らされ、テントやタープの天井から吊るすことも(写真下)。

 

↑充電しながら点灯できるスタンド型充電台。USB Type-C端子での充電も可能だ

 

Recomended

「クローゼットや階段など、コンセントがないところに自由に灯りを持ってこられるのは、インテリア作りにありがたい! 天地を逆さにできて、家の中での持ち歩きにも便利」(遠藤さん)

 

 

【その5】天然木の板が見映え抜群の撮影頻出アイテム!

ワンアクションラック(LV-250)

6万2480円(税込)

脚部をワンアクションで広げ、天板を載せるだけで設置できるラック。天板の高さは同社のアイアングリルテーブル(IGT)と同じで、組み合わせて使えばキャンプサイトでの動作がスムーズに。

 

Recomended

「撮影でよく使ってます。フォルムが美しいので部屋に馴染みやすく、天然木の板がラギッドなインテリアにマッチ。ブックシェルフやディスプレイシェルフとして最適です」(遠藤さん)

 

 

【news】同社初の家具シリーズ「TUGUCA(ツグカ)」が4月に待望のデビュー!!

 

柱・梁・ウォールなどを組み合わせ、様々な形状にレイアウトできる家具。家族の構成や成長に合わせて変化させていける。“大自然の中に住空間を作ってきた”同社渾身の新企画だ。

●写真は「スクエアセット」60万5000円(税込)〜

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

スノーピークのロングセラー商品を紹介! 焚き火を楽しめる「焚火台 L」

スノーピークは高級キャンプ用品で知られるが、実は「衣食住働遊」の5つのテーマに多彩な事業を展開している。目標は、野遊びを通して人間らしさを回復することーー。今後はキャンプシーン以外でも目にする機会が増えるはずだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

まず押さえておきたいアイコンモデルはコレ!!

大地にダメージを与えずに焚き火を楽しめるロングセラー商品

焚火台 L(ST-032RS)

1万7600円(税込)

薪や炭を入れて燃やすための焚き火台。1.5mm厚のステンレスを採用し、高温となる炭火調理にも耐える。上部には空気穴を備え、効率的な燃焼を促進。調理のための器具や収納ケースなど、純正オプションのバリエーションの豊富さも魅力だ。

 

 

↑組み立て式ではなく折りたたみ式なので使用時は広げて置くだけ。撤収時は持ち上げてたたむだけで薄い形状になる

 

↑蝶番は、溶接された2本のパイプにフレームが通されている構造。歪みにくいので、スムーズに展開・収納できる

 

象徴的ディテールをCheck!

↑深さのある逆四角錐型が特徴。焼き網やグリルプレート(ともに別売)を載せても十分な量の薪をくべられる。ビギナーからベテランキャンパーまでファン多数!!

 

コレも名品です

【その1】設置と撤収が超ラクな折りたたみ式テーブル

ワンアクションテーブル竹(LV-010TR)

3万7400円(税込)

天板に環境負荷の少ない竹を使用したテーブル。設置は天板を展開するだけのワンアクションで済む。折りたたみ時には脚部が内側に折り込まれてスッキリと収納できる。

 

【その2】保温にも保冷にも使える軽量マグカップ

チタンダブルマグ 450(MG-053R)

5115円(税込)

チタンの二重構造で保温・保冷性が高い。熱い飲み物を入れても飲み口が熱くなりにくく、冷たい飲み物を入れても結露しにくい。ハンドル部は折りたたんで収納可能だ。

 

【その3】石の埋まった硬い地面にも打ち込めるタフ仕様!!

ソリッドステーク20(R-102)

385円(税込)

金属を叩いて成型する「鍛造」という工法で製造されたペグ。石によっては砕いて打ち込めるほど堅牢性に優れる。ヘッドが円柱形になっていて滑りにくく、打撃が確実に伝わる。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

歴史的背景や注目商品を押さえて賢くお買い物! 人気アウトドアブランド大解剖 Snow Peak編

スノーピークは高級キャンプ用品で知られるが、実は「衣食住働遊」の5つのテーマに多彩な事業を展開している。目標は、野遊びを通して人間らしさを回復することーー。今後はキャンプシーン以外でも目にする機会が増えるはずだ。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

「衣食住働遊」をテーマに事業を展開し人間らしさを取り戻すアイデアを提供

 

BRANDFILE

Snow Peak

スノーピーク

ブランド設立年:1958年(※)

直営店:33店舗(2020年10月末現在)

URL:https://www.snowpeak.co.jp/

※:1963年「スノーピーク」を商標登録、1996年「株式会社スノーピーク」へ社名変更

 

スノーピークは現在、キャンプギアやアパレルを中心に展開。製造業を始めたきっかけは、登山が趣味の山井幸雄氏が、登山具に感じた不満を改良して販売したことにある。そして長男の太氏はキャンプが好きで、スノーピーク(の前身)に入社後はキャンプ製品を開発。日本にオートキャンプの文化を広めた。その後は太氏の長女、山井梨沙氏(現社長)がスノーピークに入社し、アパレル事業を立ち上げている。現在はアパレルも主力事業のひとつだ。

 

ブランドイメージは「高品質で使い勝手が良い」ということになるだろう。社員は全員がキャンプ好き。ヘビーユーザー目線で「自分が本当に欲しいかどうか」を基準に開発するため、細かい部分まで配慮されており、耐久性も高い。

 

製品は永久保証。稀な例外を除き、どんなに古い製品でも修理してくれる(有償の場合もあり)。これもファンから愛される秘訣だ。

 

そんな同社は、キャンプを“しない人”にも体験を広げてもらうべく、様々な新しい事業を展開している。例えば、自社キャンプフィールド内にオープンさせた複合型リゾート。そこでスノーピークの理念や世界観に触れた人が野遊びにも関心を持ち、やがてキャンパーの輪が広がっていくというワケだ。

 

↑創業者の山井幸雄氏。登山が趣味だったが、長男の太氏(現会長)には身を案じて登山を禁じたという。そこで太氏はキャンプに傾倒することに

 

↑スノーピークに入社した山井 太氏は、オートキャンプ事業を本格始動。キャンプ空間でも快適に過ごせるようなギアを続々とリリースした

 

↑2011年、新潟県三条市の下田郷に「Snow Peak HEADQUARTERS」を開設。本社・店舗・キャンプ場に加え、19年には「Snow Peak MUSEUM」もオープンした

 

 

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信州の息吹と野外メシ。スノーピークの宿泊ツアーは感動の連続だった

アウトドアやキャンプめしなどに人気が集まっている昨今。どこか社会に閉塞感がただようなか、開放的なふれあいが求められている証拠だといえるでしょう。今回紹介するのは、そんな体験を応援する人気ブランド、スノーピークが提供している独創的な宿泊体験ツアー「LOCAL FOOD TOURISM」。

↑会場は雄大な北アルプスを望む白馬の施設。今回は大人1名3万3000円(テント持ち込みで6000円キャッシュバック)という内容でした

 

こちらは全国の伝統文化や食、モノづくりに触れ、追体験することでその魅力や産業を未来へ継承していく「LOCAL TOURISM」の、食を軸とした体験型イベントです。筆者が参加したのは、2020年の夏に開業した新施設Snow Peak LAND STATION HAKUBAで行われた2回目の催し。見どころを抜粋してレポートしていきます。

 

キャンプ初心者でも経験者でも楽しめる仕掛けが満載

Snow Peak LAND STATION HAKUBAは、白馬駅から徒歩10分程度。建物は隈研吾さんが設計した個性あふれる施設となっていて、スノーピークの直営店とレストランのほかにスターバックスコーヒーも併設。アウトドアファンはもちろん、地元住民の憩いの場ともなっています。

↑電動アシスト自転車のほか、スノーピーク製品とともにランチセットや観光情報を提供する「Snow Peak GO」も人気(2021年3月31日まで冬季休業)。毎週土曜には「週末マルシェ」が開催されています

 

今回のツアーは施設目の前の広場が会場で、開会式とトークセッションからスタート。ウェルカムドリンクとスイーツ(この日は焼きいも)が心に染みます。

↑一番右に写っているのは「LOCAL FOOD TOURISM 特製エコカップ」。これは本ツアーで使うステンレス製のグラスで、持ち帰りできるアイテムです

 

概要説明やスタッフさんの紹介などがあり、その後はスタッフさんの協力を得ながらテント設営へ。

↑設営したのは「アメニティドームL」(販売価格は5万4780円)。入門用として圧倒的な人気を誇る、スノーピークの超ベストセラーテントです

 

偶然にも、筆者が持っているテントはまさにこの「アメニティドームL」。とはいえポールを伸ばす順番など初耳のこともあり、教えてもらうとためになることばかり。キャンプ初心者でも経験者でも、この設営は勉強になるはずです。

↑設営完了。シュラフやマットなども借りられて、就寝はまだ先ですが準備はこれで万全です

 

次はアウトドアクッキング体験。自社レストラン「Restaurant 雪峰」の西本シェフに田舎風パンの作り方を教えてもらい、生地を捏ねたあとはスタッフが焚火で焼いてくれました。

↑上手な捏ね方のほか、小麦粉と酵母の関係性やハーブの豆知識などをレクチャー。参加した方々の子どもたちは興味津々

 

実際に粉、水、酵母を混ぜて捏ねたら、温かくしたシェルター内で発酵させます。そうしているうちにあっという間に陽が暮れ、十分に生地がふくらんだら「コロダッチオーバル」(販売価格は1万2430円)というスノーピークのダッチオーブンで野外調理。

↑調理はスタッフが担当。時折フタを開けて焼き加減などを確認してくれます

 

↑完成したパンを切ったところ。生地の下に朴葉(ほおば)を敷いているので香りが付き、焼き立ての香ばしさも相まって言葉にならないおいしさです

 

とはいえ夕食が控えているので、ここでの完食はガマン。次は施設に隣接している「みみずくの湯」で入浴。こちらの料金は別途となりますが、大人650円の良心価格で入れます。空気はかなり冷えているものの、「白馬八方温泉」の効果で身体の芯までポカポカに。

↑「みみずくの湯」はもとからこの場所にあり、登山者などに長年親しまれている温浴施設。Snow Peak LAND STATION HAKUBAの目と鼻の先にあります

 

風呂を出たあとはツアーの目玉のひとつ、夕食の時間。「信州食材を使用した、暮れの秋特別コース」ということで、地元の恵みをふんだんに使ったご馳走の数々が登場します。

↑この日は参加者を温かく迎えるようなハーヴェストムーン。夕食は写真中央左のシェルターで味わいました

 

家でも店でも味わえない、野外メシならではのおいしさ

ジャンルは和洋折衷で、すべてスタッフが調理してサーブもしてくれます。コースは3品の料理にデザートとパン3種が付く内容で、ボリューム満点でした。飲み物はビール、日本酒、ウイスキー、ワイン、ソフトドリンクなどが飲み放題で、ホットも充実。

↑新潟のスノーピークが同郷の朝日酒造と共同開発した、アウトドアで楽しむための特別な純米大吟醸酒「久保田 雪峰」「爽醸 久保田 雪峰」(販売価格はともに500mlで3410円)や、森の蒸溜所で生み出されるサントリーの「白州」なども自由!

 

↑1品目の「飯蒸し 信州サーモン」。「飯蒸し」(いいむし)という和食を、地元の川魚である信州サーモンを使ってアウトドアアレンジ

 

この料理は「スノーピークグローストーブ」(販売価格は5万4780円)と「コンボダッチデュオ」(販売価格は2万6180円)の一部で蒸し焼きにして、皿にのせたら和風だしのあんをかけて完成。フルーティで甘味と酸がほどよくのった、久保田の酒がマッチします。

↑デカい寿司みたいな料理に、ポテッとしてやさしい味わいの和風あん。サーモンが絶妙なミディアムレアで激ウマです

 

2品目は、より自然の恵みをダイレクトに味わう料理。「白馬産ニンニクのバーニャカウダ 朴葉の香り」です。採れたての信州野菜を、朴葉の上で焼いたバーニャカウダソースに付けていただきました。

↑ソースを朴葉焼きにしたのは「グリルバーナー 雪峰苑」(販売価格は2万1978円)。野菜はもちろんソースもウマすぎて足りなくなり、おかわりさせてもらいました

 

3品目はメインにあたる肉料理「信州牛 頬肉の赤ワイン煮込み」です。ぶどうの名産地でもある信州産の赤ワインで肉をじっくり煮込み、仕上げに地元のじゃがいもを加えたもの。お皿に盛り付けて完成です。

↑ワインの甘味と信州牛ほほ肉のうまみが凝縮。トロッとしたテクスチャーのソースも絶品で、パンが進みました

 

デザートは、「さとうカボチャのプリン リンゴのフランベとチョコソース」。西本シェフが調理シーンから披露してくれました。

↑ブランデーを使ってフランベするシェフ。甘い香りがただよってきます

 

↑濃厚なチョコレートソースをかけて完成。個人的にはウイスキーがベストマッチでした

 

大満足の夕食のあとは、場所を移して焚火をしながら食にまつわるトークセッション。先ほど味わった信州サーモンなどの水産業に携わる関 淳さんと、水稲を中心に農業を営む大谷敏也さんが登壇し、スノーピークスタッフとともに地元の食にまつわる話を聞かせてくれました。

↑料理を味わったあとにその生産者の話を聞くと、より自然の恵みへの感謝が沸き上がってきます。

 

そして会場はそのまま焚火ラウンジへ。暖かく照らす炎の明かりと、神々しくそびえる北アルプスの山々。それを見守るハーヴェストムーンと星の数々。かじかむ手を温めてくれるのはホットコーヒーとホットワイン。そして五臓六腑に染み渡る、森が育んだウイスキー。至福のロケーションです。1日目の終了後、ぐっすり眠れたのは言うまでもありません。

 

 

本来だれもがもっている人間性の回復がここにある

朝は霜が降りる寒さでしたが、完璧な寝具のおかげでぬくぬく。2日目は、トークセッションで登壇した大谷敏也さんの指導のもと、新米の脱穀体験からスタートです。

↑現役で活躍している足踏み式の脱穀機を使用。古いミシンのようにペダルを足踏みして扱胴(こきどう)を回し、稲わらからもみをとっていきます

 

脱穀はコツをつかめばどんどん取れていって面白いものの、量が多いとなかなか大変。家庭用に自家栽培している人はいまでも足踏み式を使っているとのことですが、稲を育てて収穫、脱穀、精米、炊飯という作業を経てはじめて食べられるということを改めて実感しました。

↑この「せせらぎ米」は精米されたもの。大谷さんがプレゼントしてくれました

 

脱穀体験の間、調理スタッフは朝ごはんの準備をしてくれていました。脱穀体験の終了後はこれらを堪能。動いたあとに味わうごはんは格別のおいしさです。

↑信州サーモンの西京焼き、野沢菜の浅漬け、白米、みそ汁のセット。「土鍋膳」(販売価格は1万4278円。お碗×2、お皿×2付き)で炊かれた白米は甘味や弾力が素晴らしく、これだけでもご馳走といえるおいしさでした

 

朝食のあとはテントや寝具の片付けへ。結露でテントが濡れていたため干して乾燥させてから収納しました。そしてフリータイム。参加者特典として、11時にオープンする前のSnow Peak LAND STATION HAKUBAストアで、10時からショッピングさせてもらいました。アイテムのなかには限定品やセール品もあり、見どころは盛りだくさん。

 

↑Snow Peak LAND STATION HAKUBAストア。ここはギアもアパレルも、国内最大級の品ぞろえを誇ります

 

↑ストアの先は「Restaurant 雪峰」。昼食はここでいただきました

 

そして昼食。まずはコンソメで仕立てた大根と人参のポトフから。メインは信州牛を使ったミートソースのラザニア。この日は前日がハロウィンだったため、カボチャをメインに、なすとチーズもたっぷり入ったボリューミーな内容でした。

↑ゴロッとしたカボチャの甘味が、コク深いミートソースやチーズとひとつになって美味。パンも前日と同じく絶品でした

 

↑ドルチェに提供された、北イタリア風の硬めで濃厚なプリン。上には信州・小布施のジャージー牛を使ったソフトクリームがのっていてメリハリ感も楽しめました

 

昼食のあとはイベントのラストを飾る閉会式。そして記念撮影を経て解散となりました。改めて実感したのは、「人生に、野遊びを。」をコンセプトに「人間性の回復」を提案するスノーピークの愛とまごころ。普通のキャンプよりも手軽で贅沢ながら、グランピングほどかしこまってはいない。いい意味でのフレンドリー感、ヒューマニズムがそこにありました。

 

スタッフさんがほどよい距離感で接してくれる身近さも、大きな魅力です。次回は2021年を予定とのことですが、密を避けた開放的なふれあいを欲している人はぜひサイトをチェックのうえ応募してみてください。想像以上に「人間性の回復」ができますよ。

↑スターバックスコーヒー側のテラスから。山の下部に見えるのは、名言「ふなき~」でも知られる1998年長野オリンピックのジャンプ台が見えます。とにかく空気やロケーションだけでも最高なので、立ち寄るだけでもどうぞ!

 

【SHOP DATA】

Snow Peak LAND STATION HAKUBA

住所:長野県北安曇郡白馬村大字北城5497

アクセス:JR大糸線「白馬駅」徒歩約10分

営業時間:施設による
定休日:水曜 ※定休日・営業時間はイベント等の開催により変更される場合があります。

 

LOCAL TOURISM URL

https://www.snowpeak.co.jp/experience/localtourism/

 

 

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和な「スノーピーク」も最高! アウトドア×歴史を満喫できる「スノーピークランドステーション京都嵐山」の魅力を公開

キャンプや登山用品、アパレルなどを手掛けるスノーピーク。「その土地に深く根づく、人生と野遊びの案内所。」をコンセプトにブランドの世界観を見て、触れて、体験できる複合施設「スノーピークランドステーション」を長野県・白馬、東京都・原宿、そして京都府・嵐山に開業しました。

 

2020年8月末にオープンしたスノーピークランドステーション京都嵐山は、京都らしい風情とアウトドアを融合した今までの嵐山にはなかった斬新な施設と話題です。スノーピークグッズとともに嵐山を散策できる「スノーピーク GO」、着物専門店「やまと」が手掛ける「YAMATO Tsunagari gallery」の着物レンタルなど、新しい嵐山の遊び方ができるスノーピークランドステーション京都嵐山の魅力を体験してきました。

 

大正時代の料理旅館をリノベーション

寺社仏閣が点在し、風光明媚な古都・京都を感じる嵐山にアウトドアブランドのスノーピークがどう立ち向かうのか楽しみに向かうと、竹林に囲まれた伝統建築に寄り添うように設置されたアイボリーのテントが突如目の前に。京都の伝統とアウトドアブランドが見事に融合し、スタイリッシュな中にもどこかアットホームな外観にお見事の一言!

↑ストア&カフェ、着物レンタル、宿泊施設のスノーピークランドステーション京都嵐山。古風な屋敷の前にテント!

 

実はこの建物、大正時代に建てられた料理旅館をリノベーションしたもの。柱や梁、左官壁など、今に受け継がれた伝統建築を活かしつつ、スノーピークのスタイリッシュなテーブルやイスをうまく配置した空間は、伝統と革新のバランスが見事に調和し、感覚的な心地よさを感じられます。

↑御手洗のライトも料理旅館時代から受け継がれたもの

 

嵐山限定グッズのTシャツの絵柄に注目

アパレルやキャンプギアを配置したショップスペースは、履物を脱いであがるスタイル。大正時代から使われている落ち着いた色合いのライトや木のぬくもりを直に感じるフロアは居心地よすぎて長居必須!

↑スノーピークのキャンプギアやアパレルはもちろん、ランドステーション京都嵐山限定アイテムも展開

 

スノーピークファンなら見逃せない嵐山限定グッズも販売。一押しはオリジナルTシャツ。嵐山の観光名所、渡月橋がプリントされているだけかと思いきや、橋の土台は木ではなく、固い棒のようなものが…。実はテントやタープを固定するスノーピークオリジナルの「ソリッドステーク」で作られた渡月橋がプリントされているんです。渡月橋をソリッドステークで作ったら…これぞまさに新旧融合Tシャツ!

↑ランドステーション京都嵐山限定のTシャツ 3900円(税別)

 

京都らしいお土産をお探しなら風変わりな文様をあしらった風呂敷がおススメ。雪の結晶を表現したアスタリスク風のスノーピークのロゴマークやキャンプギアをモチーフにした文様は、「これはなんだろう?」と見入ってしまうものばかり。レトロでいてスタイリッシュさも感じられる風呂敷は大、小の2サイズを展開。ものを包むものとしての用途はもちろん、アウトドアではテーブルクロスやランチョンマットとしても活躍できる使い勝手抜群の風呂敷です。

↑ランドステーション京都嵐山限定の風呂敷(小)2000円(税別)、(大)6800円(税別)

 

熱いものは熱く、冷たいものは冷たく飲めるスノーピークで人気の「スタッキングマグ雪峰」の嵐山限定カラーがかなりいけてます! 怪しく美しく黄緑色に輝いたり、光の反射でゴールドに見えたり、美しいカラー変化に眺めているだけで上品な気分に。見た目だけでなく、フチも滑らかに加工されているので、口当たりも上々! 軽いうえにスタッキングもでき使い勝手抜群の逸品です。

↑ランドステーション京都嵐山限定カラーのスタッキングマグ雪峰(小)3600円(税別)、(大)4200円(税別)

 

OUTDOOR KIMONOで嵐山を楽しむ

「スノーピークが今までの概念を覆す画期的な着物を作っている!」という噂を聞きつけ、早速物色。その正体とは、大正6年創業の着物専門店やまととスノーピークがタッグを組んで誕生した「OUTDOOR KIMONO」。見ためは、フード付きのコートとちょっとボリュームのある地味目な着物といった感じで特段すごい! と興奮するものでもないかなと思いつつ触れてみると、手触りの良さにびっくり! ナイロンのようなツルツルさとポリエステルのサラサラさがミックスされたなんとも言えない滑らかで柔らかい触り心地に肌を摺り寄せたくなるほど。ずっと触っていたくなる心地よさです。

↑左からOUTDOOR KIMONO HAORI 5万8000円(税別)、OUTDOOR KIMONO 5万5000円(税別)。OUTDOOR KIMONO日帰りレンタルプラン(10:00~17:00)5000円(税別)

 

羽織ってみると、着ているのか忘れるほどの軽さで保温性も抜群! そでの部分もちょうどいい幅広さで、そのままロングコートとしても活躍してくれそうなデザインです。さらに着物として着るときの着方がシンプル! 着物の中と外にあるボタンを2か所止めます。

 

帯代わりのベルトをキュッとしめれば着付け完成! 帯なしで着られるアウトドア着物は30秒で着られる手軽さ。撥水、防風加工がされている着物や、難燃性にも優れている着物もあるため、焚火も楽しめます。

 

そこそこお値段がはるOUTDOOR KIMONO。試着だけでは物足りないなんてときは、1日レンタルプランで着心地を体感しよう。着物が似合う嵐山の街をスタイリッシュなOUTDOOR KIMONOで颯爽と歩けば注目されること間違いなし!

↑アウトドアはもちろん、日常使いのコートにも、時にはベルトをしめて着物にもなる斬新なOUTDOOR KIMONOはこの冬注目です

 

レンタルプランはショップ奥にあるYAMATO Tsunagari galleryで。予約なしのレンタルも可能ですが、お目当ての色があれば予約がベスト。もちろん、着物専門店やまとの洗練された着物のレンタルもあります。

 

アウトドア気分で嵐山を楽しむ「スノーピーク GO」

着物をレンタルしたら、嵐山散策へ。スノーピークランドステーション京都嵐山から京都の観光名所「渡月橋」まで徒歩10分。軽くて着心地がよく温かいOUTDOOR KIMONOを着ての散策は心身を解き放ってくれそうな心地よさ。気分のおもむくまま嵐山散策をするのも楽しいですが、嵐山の土地の歴史や文化、自然を感じるスノーピーク発の体験プラン「スノーピーク GO」もおすすめ。

 

風光明媚な自然を感じる奥嵯峨サイクリングとのんびり嵐山散策の2種類あり、どちらも京都嵐山を愛してやまない地元ガイドおすすめスポットをめぐります。瓦屋根の町屋風民家と茅葺きの農家が立ち並ぶエリアを自転車で走ったり、美しい保津川をトロッコが走り抜けたり、保津川下りを眼下に眺めることができる隠れ絶景スポットまで歩いたり、ガイドブックにはない特別な嵐山を体験できます。

↑京都の人気スポットのひとつである渡月橋。京都府京都市の桂川(大堰川)に架かる橋です

 

スノーピーク GOのお楽しみはランチ。出発する前にコーヒー、紅茶、抹茶、ソフトドリンクを選びます。スノーピークの軽くてスタイリッシュなリュックにランチセットを詰めてもらい、地元ガイドおすすめのランチスポットに到着したらセッティング開始。

 

ステンレス真空ボトルは熱いものは熱く、冷たいものは冷たさをキープしてくれる優れもの。今まさに淹れたばかり? と思うほどの温かさに驚くはず。スノーピークオリジナルブレンドのコーヒーはほんのり酸味を抑えたすっきりとしたティーっぽい飲み口で軽い運動のあとのほっと一息にぴったりの味わい。ジューシーな味わいの白馬ポークフランクのホットドッグとの相性抜群です。

↑スノーピーク GO。奥嵯峨サイクリング レンタサイクル+ランチセット+足湯(拝観料別途必要)一人5000円(税別)、二人8000円(税別)。のんびり嵐山散策体験 一人3000円(税別)、二人4000円(税別)

 

京都の人気菓子店「マールブランシュ」のケーキでほっと一息

スノーピーク GOのランチセットは店内のスノーピークカフェでも食べられます。フレーバー抹茶ドリンク類のほか、クラフトビール、日本酒、ウィスキーなどの酒類もあり、カフェといってもちょっとしたバーのようなラインナップ。フード類はホットドッグやフライドポテトなどの軽食類とケーキがあります。

 

ケーキは京スイーツの定番でお土産にも大人気のお濃茶ラングドシャ「茶の菓」を販売するマールブランシュのケーキがスタンバイ。旬の素材を使ったケーキが食べられます。一番人気は通年で提供している「モンブラン」。ラム酒を香らせたマロンクリームは風味とコクが感じられる上品な味わい。コーヒーのほか、ウィスキーと一緒に食べても意外とマッチするケーキです。

↑京都の人気洋菓子ブランド「マールブランシュ」のデザートも提供されます。マールブランシュケーキ各種 420円(税別)〜、ブレンドコーヒーS 460円(税別)

 

↑カフェメニューは店内に配置されたスノーピーク製のテーブルやイスに座り、スノーピークの紹介雑誌を読みながら楽しんだり、外の竹林を見ながら京都の風情を味わったりしながら食べられます

 

↑入り口に設置されたテントの中で、キャンプ気分を味わいながら食べても楽しい!

 

京都の観光名所「嵐山」に突如誕生した歴史とアウトドアが見事に融合したスノーピークランドステーション京都嵐山。アウトドア好きはもちろん、今までとは一味違う京都を感じてみたい人は要チェックです!

 

【SHOP DATA】

住所:京都府京都市右京区嵯峨天龍寺今堀町7

営業時間:10:00~19:00

定休日:毎月第3水曜日

アクセス:JR山陰本線「嵯峨嵐山駅」、京福嵐山本線「嵐電嵯峨駅」徒歩2分

 

 

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