「天気の子」バージョンのスーパーカブが本当に出た! ピンクの車体がいい感じ!

2019年に公開された新海 誠監督の劇場版アニメーション映画『天気の子』は観客動員数1000万人、興行収入140億円を超えた2019年公開映画No.1の大ヒットとなりました。劇中で主人公の森嶋 帆高(もりしま ほだか)がピンチの時に、はつらつとしたキャラクター夏美が乗るスーパーカブが帆高を救います。池袋から代々木を目指して帆高を後ろに乗せ疾走するスリリングなシーンが痛快で印象的でした。そこに登場するスーパーカブをモチーフに『天気の子』製作委員会監修のもと、製作されたのが「スーパーカブ『天気の子』ver.」なのです。

↑「スーパーカブ110・『天気の子』ver.」の価格は、31万3500円(税込)

 

実用車の代表のスーパーカブ?

今回、『天気の子』の劇中同様のサマーピンクのボディカラーにブラウンのシートの組み合わせたスーパーカブの実車が誕生しました。実はこのスペシャルモデル、当初映画のキャンペーン用の特別展示車両として作られ、2019年9月から開始された『天気の子』展のフォトスポットに登場したのです。

↑「スーパーカブ50・『天気の子』ver.」の価格は、26万9500円(税込)

 

実はホンダのスーパーカブは1958年(昭和33年)にデビューした当初からその外観は大きくは変わっていません。それはデビュー当初から乗り手のことを考えた優れたパッケージングと高い信頼性、そして圧倒的な低燃費を実現していたから。新聞配達、出前、郵便配達など、働くバイクとして、また世界の人々の足としてバイクの代名詞となるほど世界を走り回っています。その累計生産台数は1億台というのだから驚きです。

 

実はオシャレなスーパーカブ

実用的で働きもののスーパーカブでしたが、その絶対的な信頼性、多くのバリエーションによってお洒落な乗り物としてもスーパーカブの人気が高まってきました。今回の『天気の子』 Ver.は当初あくまでもイベント用で市販の予定はないと言われていました。しかし、2020年4月より始まった本田技研工業のバイクレンタルシステム=HondaGO BIKE RENTALの原付2種クラスでレンタル専用モデルとして設定。そして、それが話題となり劇中と同じ110ccモデルと原付の50ccモデルが限定で発売されることになったのです。中身は高い実用性を誇るスーパーカブのまま、サマーピンクのボディカラーとブラウンシートを採用。この限定車にはレッグシールドの内側上部に『天気の子』Ver.専用ステッカーも配置されプレミアム感を出しています。

↑『天気の子』Ver.ステッカー

 

受注期間限定販売は?

この「スーパーカブ50・『天気の子』Ver.」が500台限定、「スーパーカブ110・『天気の子』Ver.」が1500台限定で7月23日から受注期間限定で販売されることが決まりました。映画のワンシーンのように2人乗りするなら、110ccのスーパーカブ110ですよ! 受注終了は2020年10月31日までの予定となります。

↑成約者全員に劇中で夏美が使用していたヘルメットをプレゼント

 

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは表示できません。

●GetNavi web本サイトでフォトギャラリーを見る

「天気の子」バージョンのスーパーカブが本当に出た! ピンクの車体がいい感じ!

2019年に公開された新海 誠監督の劇場版アニメーション映画『天気の子』は観客動員数1000万人、興行収入140億円を超えた2019年公開映画No.1の大ヒットとなりました。劇中で主人公の森嶋 帆高(もりしま ほだか)がピンチの時に、はつらつとしたキャラクター夏美が乗るスーパーカブが帆高を救います。池袋から代々木を目指して帆高を後ろに乗せ疾走するスリリングなシーンが痛快で印象的でした。そこに登場するスーパーカブをモチーフに『天気の子』製作委員会監修のもと、製作されたのが「スーパーカブ『天気の子』ver.」なのです。

↑「スーパーカブ110・『天気の子』ver.」の価格は、31万3500円(税込)

 

実用車の代表のスーパーカブ?

今回、『天気の子』の劇中同様のサマーピンクのボディカラーにブラウンのシートの組み合わせたスーパーカブの実車が誕生しました。実はこのスペシャルモデル、当初映画のキャンペーン用の特別展示車両として作られ、2019年9月から開始された『天気の子』展のフォトスポットに登場したのです。

↑「スーパーカブ50・『天気の子』ver.」の価格は、26万9500円(税込)

 

実はホンダのスーパーカブは1958年(昭和33年)にデビューした当初からその外観は大きくは変わっていません。それはデビュー当初から乗り手のことを考えた優れたパッケージングと高い信頼性、そして圧倒的な低燃費を実現していたから。新聞配達、出前、郵便配達など、働くバイクとして、また世界の人々の足としてバイクの代名詞となるほど世界を走り回っています。その累計生産台数は1億台というのだから驚きです。

 

実はオシャレなスーパーカブ

実用的で働きもののスーパーカブでしたが、その絶対的な信頼性、多くのバリエーションによってお洒落な乗り物としてもスーパーカブの人気が高まってきました。今回の『天気の子』 Ver.は当初あくまでもイベント用で市販の予定はないと言われていました。しかし、2020年4月より始まった本田技研工業のバイクレンタルシステム=HondaGO BIKE RENTALの原付2種クラスでレンタル専用モデルとして設定。そして、それが話題となり劇中と同じ110ccモデルと原付の50ccモデルが限定で発売されることになったのです。中身は高い実用性を誇るスーパーカブのまま、サマーピンクのボディカラーとブラウンシートを採用。この限定車にはレッグシールドの内側上部に『天気の子』Ver.専用ステッカーも配置されプレミアム感を出しています。

↑『天気の子』Ver.ステッカー

 

受注期間限定販売は?

この「スーパーカブ50・『天気の子』Ver.」が500台限定、「スーパーカブ110・『天気の子』Ver.」が1500台限定で7月23日から受注期間限定で販売されることが決まりました。映画のワンシーンのように2人乗りするなら、110ccのスーパーカブ110ですよ! 受注終了は2020年10月31日までの予定となります。

↑成約者全員に劇中で夏美が使用していたヘルメットをプレゼント

 

 

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60年代の米国向けモデルを復刻! ファン垂涎の「スーパーカブ」を解説

誰もが知っているバイク、スーパーカブ。昨年シリーズ累計生産台数1億台を突破した伝説的なシリーズです。今年はそんなスーパーカブ60年目の誕生日。そこでホンダから、ビジネスライクなイメージを覆す記念モデルが登場します。バイク好きもそうでない人も、要注目です!

 

【教えてくれた人】

フリーライター

並木政孝さん

モーター誌編集長を経てフリーに。幼いころ父親がスーパーカブに乗っていたため、特に思い入れが強いです。

 

ビジネスイメージを払拭した所有欲を満たせる一台

スーパーカブといえば、そば店の出前や郵便配達など“はたらくバイク”のイメージが強いです。しかし、1960年代の米国輸出向けモデルCA100をモチーフとしたこの60周年記念車は、ビジネスライクなイメージとはかけ離れたカジュアルでポップなデザインが特徴。目を引く個性的なカラーリングに、クロームメッキのエンブレムやパイピングシートを配することで特別感を演出し、所有欲を満たしてくれます。

 

スーパーカブならではの魅力である燃費性能や静粛性、耐久性は、本車でも高い水準で実現。デザインと使い勝手を両立するため、記念モデルでありながら、日常の足として乗り回したくなる一台です。

 

 

ホンダ

スーパーカブ5060周年アニバーサリー

24万3000

11月22日発売(受注は10月31日まで)

シリーズ誕生60周年記念モデル。1963年に米国で話題を呼んだ広告のイラストをモチーフとします。マグナレッドを主体としたボディに、ツートーン仕様のシートやブラックのリアキャリアなど、特別なカラーリングが施されました。

SPEC●全長×全幅×全高:1860×695×1040㎜●車両重量:96㎏●パワーユニット:49cc空冷4ストロークOHC単気筒●最高出力:3.7PS(2.7kW)/5500rpm●最大トルク:0.39㎏-m(3.8Nm)/5500rpm●総排気量:49cc●始動方式:セルフ式(キック式併設)●燃料タンク:容量4.3ℓ●WMTCモード:燃費69.4km/ℓ

 

↑同社が米国で展開した「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」のポスター。老若男女(犬も!)をユーザーとして描くことで、大衆性を訴求しました

 

【ココがプロ推し!】

誰でもパーソナルに使える“快楽性”が魅力

60周年記念車のモチーフとなったCA100は、1960年代当時の米国ではびこっていた「バイク乗り=アウトロー」というネガティブなイメージを払拭したモデル。どんなユーザーでもパーソナルに乗りこなすことができる “快楽性”が魅力です。

 

↑クロームメッキエンブレムをはじめ、独自の意匠が随所に配されています。ファンならずとも購買意欲をかき立てられます

 

 

【スーパーカブの歴史をおさらい】

スーパーカブは昨年、シリーズ累計生産台数1億台突破というモーター史に残る金字塔を打ち建てました。偉大な歴史を彩った名車の数々を振り返ります。

 

【その1】1958年発売

スーパーカブ C100

発売当時価格5万5000円

初代モデル。低床バックボーン式フレームや空冷4ストロークOHVエンジンなどを備える画期的なバイクでした。

 

 

【その2】1983年発売

スーパーカブ50 スーパーカスタム

発売当時価格14万4000円

圧巻の低燃費180㎞/ℓを達成。空気抵抗をできる限り小さくするデザインで燃費性能を徹底追求しました。

 

 

【その3】1991年発売

スーパーカブ50 スタンダード

発売当時価格14万5000円

機械式フューエルメーターを採用するなど機能が充実。サイドカバーとレッグシールドを白色で統一しました。

 

 

【その4】2007年発売

スーパーカブ50 スタンダード

発売当時価格20万4750円

二重構造のチューブに、パンク防止液を封入した独自のタフアップチューブを標準装備。エンジンも大幅改良されました。

 

 

【その5】2017年発売

スーパーカブ50

23万2200円

フロントに初代を彷彿とさせるロゴを配置した現行モデル。ヘッドライトはシリーズで初めてLEDを採用しました。

累計生産台数1億台! ホンダ「スーパーカブ」が売れ続けているのには理由があった

毎日当たり前のように目にしているために、凄さに気づかないモノがある。モビリティの世界では本田技研工業(ホンダ)の原付バイク「スーパーカブ」が代表格だろう。

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デビューはなんと60年近く前の1958年。それ以来、基本設計を変えずに作り続けられ、今年10月には累計生産台数1億台という金字塔を達成した。4輪車の単一車種最多生産台数が、カブト虫の愛称で知られるフォルクスワーゲン「ビートル」の2152万台だから5倍近い。いかに偉大な記録かということが分かる。

 

そんなスーパーカブが記録達成と同時にモデルチェンジを実施。平成28年排出ガス規制への適合でエンジンが日本専用になったことに合わせデザインをリファインし、生産拠点も中国から日本に戻った。これを機に試乗会が行われたので参加してきた。

 

学生時代にアルバイトで乗って以来かもしれないスーパーカブ。あのときは仕事の道具という認識しかなかったけれど、今回は取材対象。いろいろ観察していくうちに、1億台の理由がおぼろげながら伝わってきた。

 

まずは壊れにくい設計。エレクトロニクスを駆使した複雑な機構は用いず、可能な限り簡単な構造を用いている。たとえばトランスミッションはクラッチ操作なしでイージーライドを実現しているが、そこに使われているのは遠心クラッチと言って、スロットルを開けると遠心力の原理でクラッチがつながり、閉じるとクラッチが切れて変速できるという仕組みなのだ。

ボディのあちこちに60年間の知恵、ノウハウが詰まっているボディのあちこちに60年間の知恵、ノウハウが詰まっている

 

燃料タンクはシートの下にあるので、給油時はシートを跳ね上げて行う。シートはどうやって固定しているのかチェックしたら、裏に付いているゴムの吸盤を、タンク側の出っ張りに引っかけていた。昔からこの方法だという。車体のあちこちに創意工夫が散りばめてある。

 

スーパーカブは最新型でもセルモーターだけでなくキックスターターを装備している。たとえ出先でバッテリーが弱っても、エンジンを掛けて帰ってくることができる。これもまた壊れにくさ重視の証だ。

 

もうひとつ感心したのは乗りやすさだ。エンジンを低い位置に水平に置き、上にタンク、シートというレイアウトなので重心が低く、ガソリンの量が変わっても走りに影響しにくい。加えてシートと前輪を結ぶフレームはスクーター並みに低いので乗り降りがしやすい。

 

しかしそれは、つまらない乗り物であることを意味しているわけではない。50ccと110cc、2種類の排気量を試して確信した。エンジンは50は静かかつ滑らかだが、110はモーターサイクルらしい鼓動を伝えてくる。前述した遠心クラッチとシフトペダルを使った変速は、スムーズに走らせるにはマニュアル・トランスミッション(MT)並みのコツが必要となる。つまり乗りこなす面白さを備えている。大径タイヤで支えられた車体をリーンして曲がる走りもまたモーターサイクルそのものだ。

 

単に壊れにくくて使いやすいだけだったら、1億台は達成できなかったのではないか。実用車でありながら操る楽しさをしっかり備えているから多くの人に愛されているのではないかと思った。

 

そしてデザイン。レッグシールドからリアフェンダーにかけてのS字カーブに丸型ヘッドランプを組み合わせたカタチは、ひと目見てスーパーカブと分かる個性をものにしている。しかもこのカタチ、今回のモデルチェンジで復活したものだ。海外向けには角形ヘッドランプにスマートなスタイリングの従来型が国外で作られる。日本のモビリティとしては珍しい、伝統を受け継いでいこうという動きも見せているのだ。

 

来年でデビュー60年なのに現役の実用品として立派に通用し、趣味的な面で見ても満足できるデザインと走りを備えている。このバイクの生みの親でもある本田宗一郎氏は、やはり偉大な人物なんだと改めて思った。

 

【著者プロフィール】

モビリティジャーナリスト 森口将之

モータージャーナリスト&モビリティジャーナリスト。移動や都市という視点から自動車や公共交通を取材し、雑誌・インターネット・講演などで発表するとともに、モビリティ問題解決のリサーチやコンサルティングも担当。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。日本デザイン機構理事、日本自動車ジャーナリスト協会・日仏メディア交流協会・日本福祉のまちづくり学会会員。著書に『パリ流環境社会への挑戦(鹿島出版会)』『富山から拡がる交通革命(交通新聞社)』『これでいいのか東京の交通(モビリシティ)』など。

THINK MOBILITY:http://mobility.blog.jp/