自宅のセキュリティーカメラの映像までもシェア!! 「Streety」がコミュニティーの安全対策を変える

アメリカではUberやLyftといった、自家用車を使ってタクシーのように人々を運搬するシステムが爆発的に普及しました。日本でもAirbnbなどの民泊システムは本格化しつつありますよね。このように一般ユーザー同士が提供できるモノやサービスをニーズとマッチングさせるシェアリングエコノミーは今後ますます拡大することが予想されます。

 

そんななか、近隣コミュニティー内でセキュリティーの映像をシェアすることができるようになる無料アプリ「Streety」が新しい発想で注目を集めています。

 

小型で安価なカメラとセキュリティーアプリのおかげで、自宅の玄関先や庭先を録画している一般家庭が増えてきました。今年のCESで発表されたStreetyを使うと、自分が設置したカメラの映像だけでなく、近所の家が設置したカメラの映像を簡単にリクエストできるのです。

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もちろん、自分のカメラの映像が勝手に他人によって見られるわけではありません。アプリを利用するためには、自分の住所を証明して登録する必要があります。それが承認されて初めて近所でStreetyを使っているユーザーのカメラが撮影した映像をリクエストできるようになるわけです。

 

本アプリは同じ地域に住んでいる人だけが使えて、共有する映像には毎回承認が必要となっています。下のビデオでは「うちの前の郵便ポストが倒れているんだけど、道路側の映像をチェックさせて」という具合に自宅周辺のユーザーにリクエストを送る様子が見られます。そうすると、何が起きて郵便ポストが倒れたのかが確認できるわけです。

デフォルトではユーザー同士は匿名表示になっており、持ち主の名前や住所といった個人情報は公開されません。アプリ上で「ハンドシェイク」と呼ばれる挨拶をお互いに交わせば、コミュニケーションを取ることができます。SNSで友達申請をするのと同じ仕組みですね。

 

そこから必要な時に「『公園で遊んでくる』と言っていた子どもがいまどこにいるか分からないんだけど、お宅のカメラから公園が見える映像を2時間分チェックさせてくれない?」とリクエストを送るわけです。見られても困らないものだけ他のユーザーに見せられるので安心ですね。

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子どもがいる家庭が多い地域で本アプリを使えば、協力して不審者等を見張ることができる一方、日中は家を空けている家庭が多い地域では、空き巣対策の強化にも繋がりそうです。「別の角度からの映像があれば空き巣犯の顔がわかったのに」「子どもに声をかけているこの不審者は、自分のカメラだけだとどこから現れたのかが分からない」といったこともなくなるかもしれません。

 

今年3月からダウンロードが開始されるStreetyは、最初は北米のみで利用可能とのこと。スマートホームメーカーのVivint Smart Homeによる開発ですが、同社のサービス利用者でなくても利用できるそうです。

 

同社は、本アプリによって公園で遊ぶ子どもたちのチェックや宅配便の窃盗、車による塀や郵便ポストなどの破損など、近隣コミュニティ全体でセキュリティを強化できると述べています。

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Streetyはコミュニティーの強化を目標としています。テクノロジーの発展で人と人との関係が薄れてしまうということがよく指摘されますが、このアプリはプライバシーを守りつつ、逆にコミュニティー内でのコラボレーションを助けてくれそうです。

 

セキュリティーカメラの映像を近隣住民でシェアするという斬新な発想がどこまで広がるのか。今後の展開を注視しましょう。