なつかしの香り付きペン! イチゴやオレンジの香りの「サラサクリップ 香りつきフルーツ」

ゼブラは、ジェルボールペン「サラサクリップ」のインクにフルーツの香りを搭載した「サラサクリップ 香りつきフルーツ」を2025年3月6日(木)に発売します。実売価格は本体が198円、替え芯が110円(いずれも税込)。

「サラサクリップ 香りつきフルーツ」

 

色/香りは、「黒/グレープの香り」「青/マスカットの香り」「赤/ストロベリーの香り」「ライトピンク/ピーチの香り」「レッドオレンジ/オレンジの香り」の全5色。

 

記事のポイント

なつかしさを感じる香り付きボールペンが、多くのユーザーの要望を受けてサラサから登場。5つのフルーツの香りがラインナップされるので、自分の好きな香りを探したり、香りを組み合わせてみたり自由に楽しめます。替え芯も発売されるので、長く使えるのもうれしい。

 

ゼブラ「サラサ」シリーズは、さらさらとした軽い書き心地と、濃くあざやかな発色が特徴のジェルボールペンです。今回発売される「サラサクリップ 香りつきフルーツ」は、勉強に使いやすい5色を揃え、そのインク色とイメージの近いフルーツの香りを厳選して組み合わています。書いた文字から香ることで、リフレッシュした気分で勉強をしたり、香りつきの手紙を送ったりすることができます。

 

同社の香りつきのペンは、香りで癒され、書く楽しさを感じることができる文具として、昔から学生世代に人気のアイテム。同社では1980年から香りつき商品をたびたび発売していますが、直近の8年間でも、再販を願う声などが約120件ほどお客様相談室に寄せられていたそう。

「蛍光香り」(1980年)

 

本体デザインは、キャンディーのような透明感あるカラークリア軸に、ステッカー風のワンポイントデザインを施し、シンプルでかわいいデザインを採用。香りを長く楽しめるよう、替え芯も数量限定で発売されます。

 

替え芯も限定発売されます

 

ゼブラ
「サラサクリップ 香りつきフルーツ」
2025年3月6日発売
実売価格:本体198円、替え芯110円(いずれも税込)

ゼブラ「マイルドライナー」に心落ち着く“チルい”色合いの新色5色が追加

ゼブラは、おだやかな色合いのラインマーカー「マイルドライナー」の新色5色を2025年1月20日(月)に発売します。実売価格は各110円(税込)。

ゼブラ「マイルドライナー」

 

記事のポイント

「マイルドライナー」は、手帳やノートで使うと手軽にトーンがまとまることが話題となり、2009年の発売以降シリーズ累計2.5億本以上(2024年3月末時点。ゼブラ出荷実績)を販売する人気シリーズ。2024年に発売15周年を迎え、同7月にはマイルドライナー公式インスタグラムのアカウントを設立。10月にはグローバルでのSNSキャンペーンが実施されるなど、世界的な人気となっています。

 

「マイルドライナー」は、おだやかな色合いが特徴のラインマーカー。これまでに35色のバリエーションが発売されていますが、今回トレンドである心落ち着く“チルい”色合いを5色追加し、全部で40色展開となります。

新色5色追加で全40色に

 

落ち着いたトーンにまとめられるのが特徴(使用しているのは従来色)

 

新色は、「マイルドアイリス」「マイルドスモークレッド」「マイルドミモザイエロー」「マイルドミント」「マイルドモスグリーン」の5色。生活の中でゆっくりとした時間を過ごす時の気持ちをインクの色として表現しており、マイルドライナーが持つおだやかな色合いはそのままに、心落ち着くグレイッシュな色味にこだわっています。

 

ノートや手帳などを落ち着いたトーンにまとめられる

 

ゼブラ
ラインマーカー「マイルドライナー」
2025年1月20日発売
実売価格:110円(税込)

地味ながら傑作と讃えたい!ゼブラの200円シャーペン「ノックペンシル M-1700」の驚くべきコスパの全容

日本筆記具工業会の統計によれば、シャープペンシルの販売本数・売上金額は2020年頃から右肩上がりとなっている。中学生・高校生の少子化傾向が続いているにもかかわらず、このような推移を示しているということは、現役の中高生がシャープペンシルを積極的に購入し、数千円台の高機能シャープも支持されているということを表している。

 

しかし、全ての中高生が高機能シャープペンシルに熱中しているわけではないだろう。「勉強道具として使用しているが、高価な製品を使う意義が見出せない」と考える層も少なからずいるはずだ。そこで今回は、高機能シャープ全盛の今だからこそ注目したい、“安くて性能もいい、これ1本でずっと使える”……いわば「コストパフォーマンスに優れた、長期使用可能なシャープペンシル」を紹介したい。

 

昭和のお買い得シャープは、
新機能搭載を搭載した令和版も超高コスパ

シャープペンシルの歴史を振り返ると、1960年代の最初期のノック式は高額で、一般への普及は限定的だった。

 

転機となったのは1980年、ゼブラが100円の「ノックペンシル」(2001年に廃番)を発売し大ヒットしたことだ。これを機に、他メーカーも低価格化を進め、シャープペンシルは一気に普及したというわけだ。

↑1980年発売の初代「ノックペンシル M-1300」。100円シャープの登場は当時かなりの衝撃だった

 

そして2024年春、そのシンプルさ、コスパの良さを受け継ぎながら現代的な機能を搭載した「ノックペンシル M-1700」が登場した。200円(税別)という価格設定は、現在の500円超が当たり前の市場では「比較的安価」な部類だが、機能面から見ると驚くべきコストパフォーマンスを誇っている。

↑令和に復活したゼブラ「ノックペンシル M-1700」200円(税別)

 

ゼブラ
ノックペンシル M-1700
200円(税別)

 

まず注目したいのが、軸を振ることで芯出しができるフリシャ機能の搭載だ。芯が減った際に軸を握ったまま上下に振ることで、内蔵するオモリがカチャカチャと大きく跳ね戻り、その衝撃がノック代わりとなって芯が出る、という構造である。

 

従来のノック操作が不要なため、筆記の効率が格段に向上するのは大きなメリットだ。

 

もちろん普通にノックして芯を出すこともできるが、一度慣れると「シャープはフレシャ(他社ではフレフレ、フレノックなど)機能付きじゃないと困る」と感じてしまうほど、便利な機能なのだ。

↑軸を大きく振ることで内部のオモリ(銀色のパーツ)が前後に移動する

 

↑フレシャ機構は、オモリが前側に落ちた際にその衝撃を先端バネが受け止めることで芯を出す仕組み

 

ただし、振動で芯が出ると言うことは、筆箱の中に入れて持ち運んでいると勝手に芯が出ている、というトラブルにもつながってしまう。1000円以上の高級モデルで芯振り出し機能付きの場合、ノック部を固定するロック機構を搭載しているものもあるが、残念ながら200円の「ノックペンシル」には使われていない。

 

その代わり、オモリの衝撃を受け止めるノックバネを硬くすることで、軽い振動では芯が出ないようなチューニングを施しているようだ。

↑実際にペンケースに入れて半日持ち歩いたところ。勝手に芯が出て中を汚すようなトラブルは発生しなかった

 

試しに筆箱に入れた状態で半日持ち歩いてみたが、芯の不用意な飛び出しはゼロ。通常の使用では問題はないことが確認できた。

 

ただし、その分、意図的に芯を出す際は少し強めの振動が必要となる。使用のコツは、ペン先を真下に向けて「カチャ!カチャ!」と音がするまでしっかりと振ること。軽い振動や斜めの状態では芯が出にくいため、多少の慣れは必要だろう。

 

たっぷり使える消しゴム付きで
これ1本携行するだけでいい

もうひとつのポイントが、軸後端に備えた消しゴムである。

 

軸後端には約15mmの長いタイプを搭載。側面の突起を使って時計回りに回転させることで繰り出すことができる。替えゴムも3個100円(税別)で販売されているため、気兼ねなく使用できる。このため、場合によってはペンケースなしで本製品1本だけを携行する使い方も可能だ。

↑ロングタイプの繰り出し消しゴム。消字力にも不満はない

 

十分な大きさの消しゴムを備えているため、このノックペンシル1本だけを持ち歩くという使い方も可能だ。手帳との相性も良い。

 

消しゴムは繰り出し式を採用しているため、ノックノブにキャップは不要。筆者のように小物の紛失が気になる人にとっては、この設計も安心感につながる。なお、芯の補充は、ノックノブを引き抜いて行う仕様となっている。

↑ロング消しゴムを収納するため、ノックノブはかなりの長さがある。初めて引き抜く際には、その長さに驚くかもしれない

 

ここまで本製品の特徴的な機能を中心に紹介してきたが、それらの機能を度外視しても、これは非常に書きやすいシャープペンシルだと言える。

 

本体はプラスチックパーツを中心とした軽量設計でありながら、フレシャ機構用の真ちゅう製オモリにより低重心を実現している。この組み合わせが絶妙なバランスを生み出しているのだ。

 

グリップ部分がツルツルしているのがやや気になるものの、軽量かつバランスの良さから、そのグリップ感を特に意識することなく長時間の筆記が可能である。この点も本製品の優れた特徴の一つと言えるだろう。

↑全体的に軽く、かつ重心位置は低め。長時間書き続けても指に疲労感を感じにくいタイプだ

 

↑プラパーツ中心で全体的には超軽量なので、握った際に中のオモリの重さがはっきり感じられる

 

率直に言えば、このシャープペンシルは、その控えめな外観から店頭での指名買いは多くないかもしれない。しかし、価格の手頃さから手に取った使用者が、日々の使用を重ねるうちに「あれ? このシャープ、実はすごくいいじゃない?」と気付くことだろう。

 

高機能シャープのような華やかさはまったくないが、控えめな佇まいの中に確かな実力を秘めた一本として、自信を持ってお勧めしたい製品である。

 

ジェットストリーム一強に待った!次世代の“超低粘度油性ボールペン”にゼブラ「ブレン」がS油性インクで生み出すシナジーって?

ここ数年のボールペントレンドで中心にあったのは、間違いなく、高発色でサラッと軽い書き味のゲルボールペンだったはずだ。相対的に、それまでの低粘度油性ボールペン人気は、明らかな萎み傾向にあった。実際、最新のボールペン人気投票でも、ベスト10の中で油性は三菱鉛筆「ジェットストリーム」ただ1本(それでも13期連続1位だけど)なのである。

 

ところが、今年になって風向きが変わってきた感がある。

 

三菱鉛筆「ジェットストリーム ライトタッチインク」や、ぺんてる「フローチューン」といった、従来よりもさらになめらかさの強い“超低粘度油性ボールペン”とも言うべき製品が次々と市場に現れ、注目を集めているのだ。さらには「ジェットストリーム」のライバルと目されていたゼブラ「ブレン」までが、新たに超低粘度油性インクを搭載したモデルを発表したのである。

 

あのブレないボールペンが新型油性インクで登場!

2018年、ゼブラ「ブレン」が発売された当時は、油性インクと水性インクの特性を併せ持つ混合型のエマルジョンインクを採用したボールペンとして注目を集めていた。

ゼブラ
ブレンU 0.5mm/0.7mm
各220円(税別)

 

↑ボール径はクリップ基部に印字されている。0を省略して「.5」「.7」という、珍しい表記だ

 

しかし2024年8月に発売(一部店舗では7月末に先行発売)されたゼブラ「ブレンU」は、エマルジョンインクではなく、新たに開発された低粘度のS油性インク搭載ということで、いま話題となっている。

 

さらにルックスも、名前を聞かなければ「ブレン」のシリーズだとは分からないほど大幅に変更されている。

↑従来型「ブレン」(写真上)との比較。言われなければ同じシリーズだと気付かないかもしれない

 

従来型「ブレン」は、工業デザイナーの佐藤オオキ氏率いるnendoの手によるデザインで、だ円を取り入れた軸形状や、クリップ一体型のノックノブなどが特徴だった。

 

対して新しい「ブレンU」は、そういった雰囲気要素をほとんど廃して全体をシンプル化。軸径も従来から1mm以上スリムになっている。デザインからの「ブレン」ファンというユーザーも多かったはずで、これはもしかしたら賛否が分かれるかもしれない。……というか、たぶん分かれる。

↑厚さ6〜7mmぐらいまでは留められて、破損の心配も無いバインダークリップ

 

そんな中でもクリップの金属化は、誰からも支持される変更点と言えるだろう。というのも、従来型「ブレン」の樹脂クリップはかなり板圧が薄く、手帳カバーなどに挟むだけで簡単に折れてしまうトラブルが多発していた。一部では「使うと折れるクリップ」なんて言われていたぐらいだ。

 

しかし、金属クリップ+コイルバネを内蔵したバインダークリップになったことで、多少の厚物ではビクともしない頑丈さを得たわけで、これは確実な使い勝手アップとなっている。

↑相変わらず安定感抜群のブレない書き味。一度ハマると他のペンが使いにくくなるほどだ

 

「ブレン」シリーズのメイン機能ともいえる“筆記時のブレ抑制”は従来通り。口金の出口でリフィルを固定するダイレクトタッチや、押し込まれたノックノブが揺れ動かない機構などのブレンシステムはこれまで通り働いてくれているので、高い筆記時安定性は維持されている。

↑口金内部のダイレクトタッチ機構。これがペン先のガタつきを抑えて安定させる

 

特にペン先のカチャカチャという微細振動を抑制した書き心地は、剛性の高い高級車のフィーリングに近く、快適そのもの。この辺りは、見た目がどれだけ違っても、やはり「ブレン」シリーズのペンといったところだろう。

 

筆圧をかけずに軽く書ける新しいS油性インク

最も大きな差分といえるインクの変更だが、やはりエマルジョンインクからS油性インクになったことで、なめらかさはかなりアップしたように感じられる。従来のエマルジョンインクも決してタッチが重かったわけではないが、しかしやはり低粘度油性のS油性インクの方が確実に軽い。

↑書き味の軽さを最大限に体感できるのが、手持ちのメモなど不安定な紙面への書き込みだ

 

そしてこの軽さが活きるのが、ハンドメモや手帳を手持ちしての筆記だ。

 

油性ボールペンは、紙の上にペン先のボールを押し付けたまま転がすことでインクを引き出すという仕組み。つまり、手持ちのメモだと紙面がふわふわと安定せず、ボールが転がりにくい。結果としてシンプルに書きづらいということになる。

 

対してS油性インクは摩擦係数がとても低いため、紙に軽く当たっているだけでもボールが転がって、インクを出すことができる。不安定な紙面に無理に筆圧をかけようとする必要もなく、本当に軽く書くことができるというわけだ。

↑発色が良いとされてきたエマルジョンインクよりも、さらにクッキリと黒い。油性インクとしてはかなり良好な発色と言える

 

それに加えて、発色の良さも大きなポイントだ。

 

エマルジョンインクと比較してもかなり鮮やかに黒々と発色するため、筆跡の可読性もかなり高い。筆跡が薄いと、どうしても筆圧をさらにかけてゴリゴリと書いてしまいがちだが、しかし逆に、軽く書いても筆跡が濃く出るなら、自然に筆圧も抜けて、さらに軽く書くことができるようになるはず。このあたりは、高発色と低粘度/低摩擦の良いシナジーと言えそうだ。

↑ブレない低粘度油性はペン先を紙に当てたところからズレないので、手帳へ細かな文字を書き込むにもわりと使いやすい

 

また、極端に摩擦係数の低いインクは紙に当たったときにペン先のブレを増幅して手に伝えることがあって、これが何度も繰り返されるとそれなりのストレスになってしまう。

 

であれば、低粘度油性インクとブレないブレンシステムの組み合わせそのものが、元からかなり相性が良いとも言えそうだ。

↑ブレンシリーズのリフィルは共通なので、入れ替えも問題無し

 

ところで、この稿の始めの方で「従来型の「ブレン」ファンからはデザイン面で賛否が分かれそう」と書いたが、ご安心を。従来型「ブレン」用エマルジョンインクのNCリフィルと、S油性のSYリフィルはサイズ・径とも共通で、入れ替えが可能なのだ。

 

なので、「S油性は気に入ったけどデザイン的には前のブレンがいい!」という場合は、リフィルだけ換装しちゃってもなんの問題も無し。自分の気に入るように組み合わせてしまおう(メーカー公認)。

 

ペン先がブレないだけじゃない!ゼブラ「ブレン4+S」の“隠れ”機能で強化された価格以上の使い心地

2019年に発売されたゼブラ「ブレン」は、ノック式ボールペンでは避けられないとされていた “筆記時の微細なペン先ブレ” を解消した、非常に高機能なボールペンだ。実際に書いてみると、確かにブレない……むしろ、他のボールペンってこんなにブレてたのか!? と、気付かされたほどだ。高い剛性感で長時間の筆記が快適になるということで、発売後すぐに多くのファンを獲得したのも納得である。

 

3色の「ブレン3C」、2色+シャープの「ブレン2+S」と、多機能化によって展開を広げてきた同シリーズだが、ついに多機能のMAXモードとも言える4色+シャープ(S)を搭載した「ブレン4+S」が発売された。シャープユニットと合わせて合計5本ものリフィルを詰め込んでもなお、低重心でブレのない筆記感を生み出す「ブレンシステム」は従来通り機能するのか?

 

今回は、4+Sでブレン独自の “どっしりしつつなめらか” という希有な書き味が感じられるのかどうかを中心に試用してみた。

 

ついに登場、ブレンの4色+シャープ

2024年2月末に発売されたゼブラ「ブレン4+S」は、冒頭でも述べたとおり、お馴染みブレンシリーズの最新ラインナップとなる多機能ペンだ。機能の配置は、まず長楕円になっている軸後端の円周に黒・赤・青・緑のエマルジョンインクのサイドノックが並び、楕円頂点にあるクリップがシャープのノックを兼用している。4+Sの構造として珍しいものではないが、もともと楕円をイメージしているブレンのフォルムからは大きく変えずに、各ノックを配置したデザインはなかなかに上手い。

ゼブラ
ブレン4+S(0.5mm/0.7mm)

1000円(税別)

 

グリップは実測で直径約13.3mmと、かなり太軸。とはいえ、ブレン3Cと比べると、2機能も追加されたほどの太さは感じない(後端のサイズはかなり違うが)。これは、軸の板厚を強度が落ちないギリギリにまで薄くする、というスリム化の工夫の賜物のようだ。また、デザイン的に凹凸が少ないので、すっきりスリムに対する視覚的要素もあるだろう。

↑軸後端から見たノック配置。周囲に4色ノック+シャープ用クリップノック計5機能を備えている

 

↑ブレン3Cとの比較。軸径自体は「確かに4+Sの方が太いかな?」程度の印象。ただし、ノック機構が集中する軸後端にはかなりサイズ差があった

 

↑比べて見ると、4+Sは軸の肉厚がかなり薄くなっている。これで内径を稼いで5本のリフィルを詰め込んでいるのだ

 

握ってみると、筆記時の安定感はかなり高い。これは、前軸全体に金属パーツを取り付けたことで、思い切った低重心化を果たしているからだ。多機能ペンはどうしても機構が後ろに集まってしまうため、重心位置が高くなってフラフラしがち。そこをしっかり抑え込めていることには “ブレンらしさ” を感じられた。

↑多機能ペンとしては画期的なぐらいに重心バランスが取れており、安定していて握りやすい

 

何より、ブレンらしさといえば、ペン先のカチャカチャとしたブレをどこまで抑えられているか、が重要なところ。多色/多機能ペンは、軸の内縁からペン先に向けてリフィルを突き出すという構造上、どうしても飛び出したペン先が傾くし、その分だけ口金の先端でブレが生じやすい……というか、ブレをゼロにするのはかなりの無理筋と言えるだろう。

 

もちろん、ブレン4+Sも、ブレを完全に抑え込めているとは言い難いが、口金先端でリフィルをホールドするダイレクトタッチがきちんと効いているので、他の多機能ペンと比べたら、圧倒的にガッチリと剛性感のある書き味となっている。この差は、誰でもはっきり体感できるはずだ。

↑前軸は口金まで通して金属化されており、重心位置を下げるオモリとして機能している

 

特に、ペン先を紙に当てたときの “逃げ” がないので、手帳などの小さい紙面でも狙った位置からピタッとズレなく書き始められるのはとても快適。この辺りは、3Cや2+Sから変わらず、「さすが多機能でもちゃんとブレン!」といったところだ。

↑先端の白いパーツでリフィルを包んで口金との隙間を無くし、カチャカチャとしたブレを抑制している

 

↑剛性感のあるブレの少ない書き味は、細かい文字をびっしり書いたり、長時間筆記したりする際のストレスを軽減してくれる

 

シャープペンシルの芯出しノックはクリップ部で併用

シャープペンシルを使う際は、クリップ部をグッと押し込んでペン先を出し、さらにそこからもう一段階の押し込みで芯出しノックとなる。ただし、多機能の構造上、どうしてもペン先を出した時点でクリップが少し軸側に引き込まれてしまうため、手がかりが減って、芯出しノックが少々やりにくいようには感じた。正直、これは慣れるか、自分なりに押しやすい方法を模索するしかないだろう。

↑シャープノックは、この状態からノブをもう一段階カチッと押し込んで芯出しを行う。正直、指のサイズが大きい人には押しにくい

 

芯の補充については、一般的な多機能と同じく、前軸を外してからシャープユニット自体を抜き取って行う。ユニット自体が細いので、芯は最大でも2本ぐらい。無理をすると簡単に詰まってしまうので、ほどほどでおさめておいたほうが安心だろう。

 

ブレないだけじゃない、細かな機能も山盛り!

シャープ機能で意外と気付かれていないのが、軸後端のキャップをポコッと引っ張り外すと出てくる消しゴムだ。消しゴム自体はサイズが小さくて超便利! と言うほどではないが、あって嬉しいおまけ要素と言えそう。

↑実は気付いている人が少ない、軸後端の消しゴム。2+Sには無かった嬉しいサービスだ

 

さらにもうひとつ、おまけ要素として嬉しかったのが、クリップが可動式のバインダークリップ仕様なところ。多色/多機能は手帳とセットにするケースが多いので、厚めの表紙でも挟んでおけるバインダークリップがあると地味に助かるのである。

↑実は気付いている人が少ない、軸後端の消しゴム。2+Sには無かった嬉しいサービスだ

 

思い返せば、ゼブラの多機能4+S「クリップ-オン マルチ」「サラサマルチ」「スラリマルチ」には、可動式バインダークリップが搭載されている。どうやらゼブラには「4+Sにはバインダークリップが必須でしょ!」と、いう感覚が共有されているようだ。もちろん、ユーザー的にもありがたいので、ぜひ今後もその線で続けていただきたい。

 

4色+シャープが、低重心かつペン先がブレないブレンシステムで書きやすく、さらに消しゴムとバインダークリップというおまけまで付いている……まさに機能盛り盛りである。これだけ機能が盛り込まれていて、税込1100円はコスパがかなり高い。

 

特に、ペンケース無しで1本だけ筆記具を胸ポケットなどに差して持ち歩きたい派(これは意外と世間的にマジョリティなのだ)には、ドンピシャで刺さること間違いなしだ。本記事を読んでなんとなくピンと来た人は、迷わず購入を決めて損はないだろう。

 

【文房具総選挙2024】やる気を引き出すIoT文房具やリングが痛くないノートなどキッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具7点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【特別部門】「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門にノミネートされた文房具7点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門】

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の7点がノミネートしました。20

 

No.94

2019年発売
プラス
エアイン 富士山消しゴム
242円

使い続けると富士山が現れる使って楽しい消しゴム

「文房具総選挙 2020」の大賞受賞商品。2層構造の樹脂で構成され、バランス良く消すと先端が削れて富士山が姿を現す。消すたびに表情が変わり、消す作業自体が楽しくなる。消字力の高さも魅力。

 

No.95

2019年発売
ゼブラ
クリッカート
各110円

乾かないインクで水性ペンの常識を覆した名品

空気中の水分を吸収して乾燥を防ぐ「モイストキープインク」を搭載し、ノック式が可能になった水性カラーペン。モイストキープインクは、No.02の「クリックブライト」でも使われている。

 

No.96

2019年発売
コクヨ
しゅくだいやる気ペン
実売価格6980円(3月13日時点)

勉強に遊びの要素をプラスして子どものやる気スイッチを刺激

専用スマホアプリと同期させることで、子どもの勉強の習慣化を促すIoT文房具。本品をセットした鉛筆を使って勉強すると「やる気パワー」が溜まり、アプリ内のキャラが力を得てステージを進んでいく。

 

No.97

2015年発売
コクヨ
ソフトリングノート
297円(カラフル・A7変形)〜803円(ビジネス・6号)

↑写真は「ソフトリングノート(カラフル)」

 

ページの端まで快適に書けるリングノート界の革命児

手が乗り上げても痛くない、「やわらかリング」を備えたノート。通常文房具の開発期間は1年程度だが、本品は3年かけて開発された。左のページを使うときも、リングを気にせずページの端まで書ける。

 

No.98

2014年発売
ゼブラ
デルガード
各495円

2つの機構が芯を徹底ガードし折れを防止

どんな角度からでも芯を守り、折れを防ぐシャープペン。紙面に対し垂直に圧力がかかると、内蔵されたスプリングが芯を上方向に逃がし、斜めに筆圧がかかると、先端の金属部品が自動で出て芯を包んで守る。

 

No.99

2017年発売
ソニック
トガリターン 手動鉛筆削り
2200円

何本も削りたくなる動きが面白い新構造の鉛筆削り

削り終わると自動で鉛筆が排出される鉛筆削り。鉛筆が「トガッたらリターン」するから、ムダ削りを高い精度で防止できる。2020年には、中身の機構が見え子どもの好奇心を刺激する透明モデルも登場。

 

No.100

2014年発売
トンボ鉛筆
「モノグラフ」
440円

↑写真は「モノグラフ」0.5/0.3mm芯

 

「書く」と「消す」を高レベルで両立した元祖

「モノ消しゴム」を内蔵したシャープペンとして誕生し、ボールペンなども展開。筆記面が見やすいペン先が特徴で、精密筆記が得意だ。No.14の「モノグラフファイン」も本シリーズのひとつ。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950177/

 

【文房具総選挙2024】お茶の香りが漂う紙製ホルダーに左利きでも書きやすい万年筆などSDGsに配慮した文房具12点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【トレンド部門】「SDGs文房具」部門にノミネートされた文房具12点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「SDGs文房具」部門】

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムの存在感が際立ちます。全12点がノミネート。

 

No.82

マックス
HD-10Dサステナブルモデル
各825円

プラスチックの端材を本体カバーに再生利用

耐久性に優れたロングセラーホッチキス「HD-10D」をベースに作った、環境配慮モデル。本体カバーに、プラスチック端材を再生利用しバイオマスプラスチックと混ぜた素材を使い、CO2削減に貢献している。

 

No.83

カウネット
カウネット×ライクイット A4ファイルボックス  by Loopla
920円

回収した使用済みプラ資源がファイルボックスに!

同社が新たに始めた、オフィスから出るプラ資源を回収・リサイクルするサービス「Loopla」から誕生。回収した使用済みのクリアホルダーを一部原料に使い、吉川国工業所と共同開発した。2個セット。

 

No.84

キングジム
紙製ホルダー(茶殻紙タイプ・10枚入り)
1012円

茶殻を再利用したほのかに香る書類ホルダー

伊藤園の「お〜いお茶」など、日本茶飲料の製造過程で排出される「茶殻」をアップサイクルした「茶殻紙」を使ったホルダー。通常の紙よりも紙原料を削減して作っている。お茶の香りをほのかに楽しめる。

 

No.85

三菱鉛筆
ジェットストリーム 海洋プラスチック
各242円

軸材に海洋プラスチックごみとコンタクトレンズの空ケースを使用

独自の配合技術により、軸材の再生材比率ほぼ100%を実現したボールペン。海洋プラスチックごみからできた再生樹脂と、使い捨てコンタクトレンズの空ケースを用いた再生樹脂を使っている。

 

No.86

三菱鉛筆
JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1
各3300円

家具の端材を再利用! 一点一点木目が異なり特別感満載

日本を代表する木製家具メーカー「カリモク家具」と「ジェットストリーム」のコラボ多機能ペン。家具の製造工程で出るナラ材とウォールナット材の端材を再利用したグリップは、一点一点木目が異なる。

 

No.87

ニチバン
セロテープ 小巻カッターつき 〈まっすぐ切れるタイプ〉 グリーンナノ配合
各242円

素材を見直しCO2排出量を66%も削減!

カッター本体に、燃焼時に発生するCO2を削減できる添加剤「グリーンナノ」を配合し、焼却時のCO2排出量を同社従来品比で66%も削減。天然素材が主原料の「セロテープ」と使えば、手軽にエコ活動ができる。

 

No.88

ゼブラ
BIOTUBE搭載 ジムノック
各132円

ついにリフィルまでサステナブルな素材に!

品質上、材質の選定が難しいリフィルに、業界で初めてバイオマスプラスチックを使用。リフィルを交換して使うと、CO2排出量を73%も削減できる。ペン本体、替芯のパッケージにもエコな素材を使用。

 

No.89

プラス
ホワイパー 紙ケース入り修正テープ
各275円

紙製ケースを使用した環境配慮型の修正テープ

ケースに紙を使い、プラスチック使用量を同社同等品より40%削減した修正テープ。引き心地はブランドの名に恥じぬ快適さ。紙製になったことでデザインの自由度が上がり、ラインナップが豊富に。

 

No.90

プラス
みんなのふせん 強粘着
2695円(各色2パッド・計10パッド入り)

色覚多様性に配慮したカラーユニバーサルデザイン

色の見え方の違いに配慮して、識別しやすい配色を採用。アイデア出しやブレーンストーミングの際に、書いた内容を色で分類しやすい。強粘着タイプで、紙やホワイトボードにしっかり貼れる。

 

No.91

共栄プラスチック
LIMEX ライティングシート
330円(B5 size)、385円(A4 size)

注目の新素材から生まれた業界初の下敷き

プラスチックや紙の代替品として注目を集めている石灰石生まれの素材「LIMEX」を、業界で初めて下敷きに使用。既存のプラスチック下敷きに比べ、プラスチック使用量を約72%削減できる。薄くても丈夫。

 

No.92

ラミー
LAMY safari 左利きのための万年筆
5500円

左利きの人もインクがかすれずまっすぐに書ける

1980年誕生のロングセラー万年筆の左利き用モデル。ペン先を押し出すようにして書く左利きの人でもかすれず書け、時計回りに巻き込む筆記グセがあっても、自然と真っ直ぐ書けるよう矯正される。白と黒の2色。

 

No.93

サンスター文具
Re:metacil
各990円(4月1日発売)

廃材から作られた削らずに書き続けられる鉛筆

削らずに書き続けられる「特殊黒鉛」を使った鉛筆のサステナブルモデル。ボディとキャップに、噴石や牡蠣やほたての殻などの廃棄物を粉砕して再生したアップサイクルプラスチック素材を使っている。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。

 

【文房具総選挙2024】常識を覆す構造のボールペンから修正ペンの進化形など「書く&消す」文房具15点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【機能別部門】「書く・消す」部門にノミネートされた文房具15点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「書く&消す」部門】

人気ブランドの多色・多機能ペンを中心に、15商品がラインナップ。 ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目。 “くすみカラー”のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い結果となりました。

 

No.01

レイメイ藤井
大人の魔法のザラザラ下じき
1045円(B6)〜1210円(A4)

ザラザラとした手触りが美文字をサポート

表面に施した細かいドット加工が、筆記時にザラザラと指に伝わることで、頭の中でイメージした通りの文字が書けるようになる下敷き。流れ文字や雑文字、字形の不揃いなどの改善効果を期待できる。

 

No.02

ゼブラ
クリックブライト
各132円

小さな文字もきれいにマークできる細字蛍光ペン

従来の蛍光ペンの約半分にあたる2mmの線幅のペン先、「ハーフラインチップ」を搭載。小さな文字や注釈もきれいにマーキングできる。ノック式で、キャップなしでも乾かない独自インクを採用している。

 

No.03

エポックケミカル
ゴツ盛りインクの蛍光ペン
各374円

超大容量インクで長く使える高コスパペン

一般的な蛍光ペンの約6倍(同社商品比)ものインクを搭載しながら、価格を3倍程度に押さえた高コスパペン。筆記距離は約570m。インク残量が見えるため、買い替えのタイミングがわかりやすい。

 

No.04

ゼブラ
サラサクリップ3C
各440円

インク量はそのままに軸をスリムにした多色ゲルボールペン

軸径が従来品より8%細い多色ゲルボールペン。従来のスプリングを各インク芯に巻きつける構造ではなく、芯の隣に配置する「サイドスプリング機構」を採用し、インク量はそのままでスリム化を実現。

 

No.05

コクヨ
WPシリーズ
各4400円

「書くこと」が 特別な体験になるペンシリーズ

「キャンパスノート」をはじめ紙にこだわってきた同社が提案する、特別な書き心地のペンシリーズ。表情豊かな線が書ける「ファインライター」と、浮遊感のある書き味の「ローラーボール」の2種展開。

 

No.06

サンスター文具
topull B(トプルB)
各396円

押すのではなく引く! 常識を覆すボールペン

握ったまま2本の指で引いてペン先を出す「トッププル機構」を備えたボールペン。ノック時に持ち替える手間が省ける。ノック機構が先端にあることで、頭部をフラットにしたシンプルなデザインが可能に。

 

No.07

ゼブラ
ピタン
各1320円

ノートにピタッとくっつきサッと書き出せる

ノートに装着できる専用ホルダーと、そこに磁力で固定できるペンのセット。まるでノートの一部のように持ち歩け、書きたいときにサッと外せる。ミニマルなデザインはどんなノートにもマッチ。

 

No.08

パイロット
フリクションシナジーノック03
各275円

滑らかな書き味の激細フリクション

消せるボールペン「フリクション」シリーズで最も細いボール径0.3mmのペン先を搭載。同社独自のペン先「シナジーチップ」が、細書きとは思えない書き出しの良さと滑らかな書き味を実現している。

 

No.09

ゼブラ
ブレン4+S
各1100円

ストレスフリーなペンの5機能搭載モデル

筆記時のペン先のブレをなくしたボールペン、「ブレン」の多機能モデル。4色ボールペンとシャープを搭載しながらもコンパクトで握りやすい。厚手の紙も挟みやすいバインダークリップと消しゴム付き。

 

No.10

サクラクレパス
ボールサインiD 3C
各935円

さりげなく個性を表現できる黒にこだわった3色ペン

6色の黒を揃えたボールペン「ボールサインiD」シリーズの3色ボールペン。基本の黒・赤・青の組み合わせだけでなく、「青味のある黒・黒・赤」や「緑がかった黒・黒・赤」の組み合わせがある。

 

No.11

ぺんてる
ホワイトスピード
440円

幅広ペン先と速乾インクで修正時間を短縮!

ひと塗りで広範囲を修正できる線幅4.5mmのペン先を搭載した修正ペン。同社の従来品に比べ半分の時間で乾く超速乾インクを採用している。修正面が凸凹のないマットな仕上がりで、再筆記しやすい。

 

No.12

ぺんてる
マットホップ
各220円

高発色インクが写真の上でも存在感を発揮!

一般的な顔料ペンよりも大きな顔料をたくさん使った新開発インクが、マットな筆跡を実現。塗りつぶすだけで、シールを貼ったかのような存在感を生み出せる。濃い色の紙や写真の上でも鮮やかに発色。

 

No.13

サンスター文具
mute-on
各264円

カチカチ音を気にせずに堂々とノックできる

ノック音を同社従来品比で33%カットした静音設計のペン。ノック中はクリップが収納されて使えなくなるため、ペン先を出したまま胸ポケットに挿すという失敗が起きにくい。握りやすい三角軸を採用。

 

No.14

トンボ鉛筆
モノグラフ ファイン 0.5/0.3mm
各1210円

快適に書き消しできるハイクラスなシャープペン

ノック部に繰り出し式の消しゴムを備えたモノグラフのハイクラスモデル。ペン先がシェイプアップされており、書くときにペン先が見やすい。消しゴムを使うときは、自動でノックが固定される。

 

No.15

コクヨ
リサーチラボペン
各396円

研究の現場に適したアルコールに強いペン

理化学系の研究所でも使えるよう、アルコールが付着しても消えにくいインクを採用。水と混ざりにくいインクのため、結露した容器や凍結面にも筆記できる。ペン先が細く小さい容器にも書きやすい。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950177/

 

1.1ミリが雲泥の差を生んだ!「サラサクリップ」の新3色ボールペンがインク量たっぷりなのに軸細を実現できた“構造改革”って?

筆者は、ボールペンに関してはゲルインク派を自認しているが、多色ボールペンが必要なシーンに限っては油性インクを選ぶことが多い。なぜかと言うと、ゲルの多色ボールペンは軸がぼってり太くなったり、油性よりもインク吐出量が多くなる分、すぐにインク切れになったりするからだ。かと言って、インク持ちを良くしようとリフィルを太くすれば軸が肥大化してしまうし、逆に軸を細くすればリフィルも貧相になってますますインク持ちが悪くなる。つまり、根本的に多色ゲルは難しい、ということなのである。

 

「それじゃ、打つ手なしってこと?」と、思うかもしれないが、そこはご安心を。日本の文房具メーカーの開発力はすばらしいので、このようなネガティブ要素をいつまでも放置しておくことはない。ちゃんと「それなりにインク入ってて、でも軸はそこそこスリム」というゲル多色ボールペンを、ちょっと驚くような機構を組み込むことで完成させたのだ。

 

画期的な機構でゲルインク多色をスリム化

ゼブラ「サラサクリップ3C」は、その名の通り、お馴染み「サラサクリップ」の多色タイプとして新たに発売された製品だ。ポイントは、前述の通り「それなりにインクが入ってて、でも軸はそこそこスリム」というところ。従来のゲル多色は「リフィル激細/軸細」か「リフィル細/軸太」の二択だった。サラサクリップ3Cは、そこに「リフィル細/軸細」という「そんなの、誰だってそれがいいに決まってるじゃん!」という第三の選択肢が提示された形である。

ゼブラ
サラサクリップ3C (0.4mm/0.5mm)
400円(税別)

 

実は、これまでにもサラサの多色タイプとして「サラサ3」が存在したのだが、これは「リフィル細/軸太タイプ」。単色サラサに近い気持ちよい書き味で、インク持ちもそれなりに良いが、軸径は13.5mmとボッテリしたものだった。対して、新型多色のサラサクリップ3Cは、サラサ3と同じリフィル(JK芯)を搭載しておきながら軸径は12.4mmで、8%のスリム化を果たしている。数値上では1.1mm細くなっただけだが、握ってみると全く別物に感じられるはずだ。

↑従来からの多色タイプ「サラサ3」との比較。数値だけでは分かりづらいが、実際に握り比べるとシャープになったことが分かる

 

従来品と同じくリフィルを3本ずつ積んでいるのに、どうやって軸が細くできたのか? その答えは軸内部の構造にある。従来品のサラサ3は、リフィルにノック用のバネを被せたものを3本束ねた構造になっている。これは、基本的にどの多色ボールペンでも似たような構造になっているはずだ。

 

しかし、サラサクリップ3Cの場合は、まずリフィルを3本束ねて、そこに生まれた隙間部分に細いバネを配置したサイドスプリング機構となっている。軸内部の容積を無駄なく使い切ることで軸のスリム化を達成した、というわけだ。

↑軸内でリフィルを固定するパーツの比較。サラサクリップ3Cには内壁がなく、その分だけスリムにできる仕組みだ

 

↑リフィルを束ねた隙間に細いスプリングを配置(上画像左)することで、スペースが効率よく使えている(図/ゼブラ提供)

 

サイド用の細いスプリングではノックフィールが物足りなかったり、ジャムなどの誤動作もあったりするかも? という心配があったが、実際にしばらく使った結果、違和感はまったくなし。少なくともノック部分については、ここに難ありと感じる人はまずいないのではないだろうか。

↑バネの違いは一目見れば分かるが、指で感じるノックフィールには意外と違和感がない

 

↑黒インクはノックノブがバインダークリップと兼用になっている

 

スリムなわりにインクは多めなのが重要なポイント

あらためて、ゲル多色ノックボールペンの定番どころを揃えてみたが、正直なところ、サラサクリップ3Cがビジュアル的に際立って細いという印象はない。軸の細さという点では、パイロット「ジュースアップ3」が最も細く、軸径10.7mm。これは、単色とほぼ同等か、むしろさらに細いぐらいである。書き味もシナジーチップの優秀さが際立っており、とてもスムーズ。筆者も、使いやすいゲルの多色ボールペンを挙げてくれと依頼された場合には、まずジュースアップ3をオススメしてきた。

↑一般的なゲル多色の比較。軸径はジュースアップ3(写真右端)がダントツで細い。次いでサラサクリップ 3C(左端)か

 

しかし、当然ながらジュースアップ3のリフィルは極端に細くなっており、シナジーチップの高いインクフローと合わせると、あっという間にインクを使い切ってしまうのである。

↑ただし、インク量はご覧の通り「サラサクリップ3C」の圧勝だ

 

もちろん書きやすさ・軸の細さとトレードオフの部分なので、そこは諦めて替えリフィルの携行で対応する、という手はある。とは言え、多色ボールペンは手帳と組み合わせて持ち歩く機会も多く、外出のたびに替えリフィルまでセットで携行することが煩わしいと感じる人もいるだろう。

 

それであれば、単色ほどではないがインク量がしっかりあるゼブラJKリフィルと、単色よりちょっと太いけど許容範囲内(…かどうかは個人の感覚だけど)の軸を有するサラサクリップ3Cは、かなり汎用性の高い組み合わせと考えられるのではないか。

↑ワンポイントが飛び抜けて優秀! というより、全体的にじんわりと良くできた多色ボールペンという感じ

 

手に持ったときに「おっ、すごいな!」と、感嘆の声が出るタイプの製品ではないが、地味ながら長く使い続けられる性能の高さと、それを支える画期的な新機構は文房具好きのマニア心にかなりグッとくる。というわけで、筆者もこれはしばらく使い込んでみようと考えているところだ。

 

2mmとは斬新!ゼブラ「クリックブライト」のワンノックで出るペン先がラインマーカーなのに極細なワケ

筆者はラインを引きながら読書することが多く、ラインマーカーの使用頻度はけっこう高い。電車やバスで移動する際にも本を読むので、本来なら移動中にもラインマーカーを使いたいのだが、これがなかなか手間がかかる。

 

片手で本を開いたまま、もう片方の手でマーカーのキャップを開け、次にマーカーを握ったままキャップを(ペン先が服につかないよう注意しつつ)いったんポケットに入れる。それでいよいよラインを引いたと思ったら、またポケットからキャップを取り出して閉めて……という作業は、揺れ動く車内ではあまりにも難易度が高すぎる。実際、恥ずかしながら今はいているジーンズのポケット周りには、蛍光ピンクのインク染みが何か所も残っていたりするのだ。

 

つまり、普通のラインマーカーを机の上以外の場所で使うのは、それぐらい難しいというわけ。それであれば試してみたいのが、キャップ不要のノック式ラインマーカーである。

 

ラインマーカーはノック式が圧倒的に便利

ゼブラ「クリックブライト」は、片手ノックで簡単にペン先チップを出し入れできるラインマーカー。カラーラインナップは、ピンク・オレンジ・黄・緑・ライトブルー・紫と、普段使いしやすいベーシックな6色展開となっている。

ゼブラ
クリックブライト
各120円(税別)
6色展開

 

一般的にラインマーカーはチップの表面積が大きいため、油断していると簡単にドライアップ(インクが乾いてしまう)しがち。そのため、どうしても気密性の高いキャップが必要となっていた。これまでにも他社製品のノック式ラインマーカーは存在したものの、チップ収納時にペン先を密閉するためには、ノックに連動する複雑なシャッター機構が必要となる。そのため軸が太くなったり、価格が少々お高くなったりするなどのデメリットがあったのだ。

↑ボールペン感覚でノックすればペン先チップが出てくる。キャップ着け外しの手間がないのがクリックブライト最大のメリットだ

 

↑軸のゲージからノックのオン/オフを確認できるので、うっかりペン先を出しっぱなしで携帯してしまうトラブルの予防に役立ちそう

 

それを解決したのが、ゼブラ独自開発の「モイストキープインク」。このインクは、空気中の湿度を吸収することで自ら乾燥を防ぐという、どこか魔法のような特性を持つ。ペン先収納状態なら、なんと52週間はドライアップしない(気温20℃・湿度60%の条件下)ので、これなら、シャッター機構による密閉などがなくてもドライアップ知らずで書き続けることが可能だ。

↑インク自体が空気中の湿度を吸収してチップが乾くのを防ぐ

 

↑従来のノック式マーカーがシャッター(写真右、黒い部分)で気密しているのに対して、クリックブライトは中まで素通し。これも特殊なインクあればこそだ

 

モイストキープインクは、2019年発売のノック式サインペン「クリッカート」から採用されたインクだが、ようやくラインマーカーにも搭載される運びとなった。ラインマーカーを多用する身としては、まさに「待ってました!」という、待望の製品なのである。

 

細かい文字にマーキングしやすいハーフラインチップ

このクリックブライトには、もうひとつ語るべきポイントがある。それが、一般的なラインマーカーチップの約半分幅という、小さなハーフラインチップだ。ペン先の幅は約2mm。実際にノックでペン先を出して見ると、他にあまり見かけないその小ささに「おっ」と軽い驚きがある。

 

例えば、文庫本やカタログなどの小さい文字列をマーキングすると、その左右両隣の行にまで塗りがはみ出してしまうのは、よくあることだろう。一般的に文庫本の文字サイズが2.8mm~3mm角ぐらい。従来のマーカーチップが4mm幅なので、少しズレただけで隣の行にまでかかってしまうこともありうる。後から読み返した際にどこをマーキングしたのかが分かりづらくなってしまっては本末転倒だが、クリックブライトの普通より幅が狭いペン先ならその問題も解消される、というわけ。

↑一般的な4mm幅チップ(写真上)と、クリックブライトの2mm幅ハーフラインチップ(写真下)の比較。細さは一目瞭然だ

 

↑文庫本にマーキングした様子。シャープに強調できて紙面がうるさくならない印象

 

さらに、雑誌の写真キャプション(画像の下に入る説明書き)のような極少文字にもマーキングできるというのは、従来のマーカーではまずできなかったこと。もちろん、手帳への細かい書き込みをマーキングするときにも使いやすそうだ。ラインマーカ―の幅に関しては「大は小を兼ねる」とはいかないだけに、他では代え難い性能と言えるだろう。一方で、文字の下にアンダーラインを引く場合は、目立ちやすい太め(2mm幅)の線が引けるマーカーだと考えれば、使い道が増えそうだ。

↑脚注やキャプションといった極小文字(6pt前後)にマーキングするなら、ハーフラインチップがジャストフィットだ

 

個人的には、暖色系(ピンク/オレンジ)はちょっとインク色が濃すぎて下の文字の視認性が落ちるかな? と、気になる部分もなくはない。とはいえ、ノック式の優れた携行性とハーフラインチップの独自性を考えれば、筆者以外にも「こういうラインマーカー待ってた!」と感じる人はわりと多いのではないだろうか。

 

ノートにピタンと張り付くペン! デジタル時代だってとっさの筆記セットはゼブラ「ピタン」に決まりだ

文房具好きである筆者からすると、あまり理解できない話なのだが……多くの人は、日常的に筆記具を持ち歩いていないらしい。実際に筆記具を持ち歩いていない、という人に「えっ、じゃあ急に書類に署名が必要だったりしたとき、どうするの?」と訊ねたら、曖昧な反応が返って来た。

 

たしかに、情報の書き写しやスケジュールの管理はだいたいスマホでできてしまうので、手帳・メモ+ペンを持ち運ぶプライオリティは、ここ十数年でガクッと落ちてしまった感は否めない。とは言っても、打ち合わせ中にイメージや図を手書きして説明したり、ざっくりしたアイデアをスケッチしたりと、アナログの紙とペンが役に立つケースも、まだ多く残っているのではないだろうか?

↑ペンを “ノートにはさんで携帯する” ことがよくあるが、落としたりノート表紙が破れたりと、けっこうトラブルの元だったりするのだ

 

ノートにピタッとくっつく携帯ボールペン

ともあれ紙とペンはセットで使うものだし、一緒にして持ち歩いた方がラクなのは当たり前だ。手帳ならペンホルダーを備えていることも多いが、ハンドメモやノートはその限りではない。しかし、何か書きたいときに、まずカバンからノートとペンケースを取り出して、さらにペンケースからペンを出して……というのは非効率な気もする。机のない屋外などでは、さらに面倒くささが増すだろう。

 

そういう場合でも便利に使えそうなのが、ゼブラの携帯用ボールペン「ピタン」である。

ゼブラ
ピタン
1200円(税別
4色展開

 

上の写真だけでは、なにがどう携帯用か分かりづらいかもしれないので、実際に使うようにセットしてみると……。

↑ノートの表紙を付属の保護シートで挟んで、その上からホルダー本体の金属クリップでくわえ込む

 

↑これでセット完了

 

↑ノートとペンが一体化して、違和感無くペン1本を常時携帯できる

 

この通り、「ピタン」はノートなどと一体化させて携帯できるボールペンなのだ。セッティングは簡単で、ノートの裏表紙などにまずホルダーのクリップを挟みこむ。このときノートを傷めたくない人は、付属の保護シートを裏表紙に挟み、その上からクリップを装着すればいい。ホルダーとペンは磁石でくっついているだけなので、書くときはペンを持ち上げるだけで、ポコッと簡単に取り外せる。戻すときも、ペンを近付けるだけで貼り付く。シンプルな構造だ。

↑ペンは板状のホルダーに磁石でくっついているだけなので、つけ外しはかなりお手軽

 

↑筆記時には、軸後端のノブをノックして書き出すだけ

 

ノートに厚みがあると、ちょっとペンを取り外しにくいが、その場合はノックノブについているストラップをつまみ上げればOK。ベルトループに差し込むタイプのペンホルダーと比較すると、ペンのつけ外しは驚くほど簡単、かつ手っ取り早い。加えて、ペンを戻す際のパチンという音と感触が軽快で気持ちいいのもポイントだ。

 

イロモノ系? 運用してみたら実は意外と便利かも

「そこまでつけ外しが簡単ということは、意図せずペンが外れて落ちることもあるのでは?」と思った人もいるだろう。もちろん磁石2つで固定しているだけなので、外れないということはない。実際にカバンに入れて持ち運んだ際、カバンの中にペンが落ちていたこともあった。

 

とはいえ、思ったほどはポロ落ちしないなというのも正直な実感だ。特にページ数の多い厚めノートに装着すると、ペン部分に横方向の荷重がかかりにくいのか、かなり安定するようだ。上下方向に関しても、ホルダーに刻まれたストッパーでペンが必要以上にズリ動かないようになっているなど、よく考えられた仕組みだ。

↑磁石はホルダーのクリップの根元あたり(写真の赤色部分)に埋め込まれている

 

ちなみに、ペン自体は初期状態でゲルの0.5mmリフィルを内蔵している。端的に言えばJK-0.5こと「サラサ」芯である。日本国内で一番普及しているゲルインクリフィルなので、外出中にインクが切れても替えの入手はかなりラク。どんな小さな文房具店にだって、まず間違いなく売っているし、コンビニで「サラサ」を買ってリフィルだけ入れ替える、なんて力技でもOKだ。携帯用ボールペンとしては、これもまた充分すぎる強みと言えるだろう。

↑リフィルはお馴染みのサラサ芯。書き味の良さに加えて、気軽にどこでも入手できるのもありがたい

 

これをノートに装着して携帯すれば、ひとまず必要十分。ペンケースを持ち歩かなくても、手書き環境が手に入るというわけだ。見た目も、ノート表紙にペンクリップを挟むよりはかなりスマートで、違和感もほとんど感じない。

↑個人的には、A6〜B7のミニノート(もしくはハンドメモ)との組み合わせが軽快で良いと感じた

 

ペンの書き味にこだわりがあって、好みのペンだけ使いたい! というタイプの人には向かないが、とりあえず書けるものを手間なく持ち歩けたらいいかな、という場合なら抜群に効果を発揮しそうだ。ただし、表紙に挟んだクリップの厚みでページが少しモコッと盛り上がることがあるので、これが気になる人はいるかもしれない。そこだけは注意で。

 

【文房具総選挙2023】ハイコスパな大容量ペンなど「書く&消す」文房具13点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2023」がスタートしました。ここでは、【機能別部門】「書く・消す」部門にノミネートされた文房具13点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

【「書く・消す」部門】

インク容量が増えたり替芯式になったり、長く使えるペンの存在が目立つ。またペンが豊作で部門を「書く」に限定した昨年と打って変わって、「消す」文房具も加わった全13アイテムに注目!

 

No.01

コスモテック
wemoペン
450円

スパイ道具!? 「wemo」に装着する専用ペン

ボールペンで書いて消せるウエアラブルメモ「wemo(ウェモ)」の、リストバンドタイプ専用小型油性ボールペン。装着時には自動的にペン先が収納され、袖を汚してしまう心配がない。替え芯1本入り。

 

No.02

ミドリ
紙製ケースの修正テープ
396円

環境にやさしい紙製ケース入り

ケースや剥離フィルムなど、全プラスチックパーツをバイオマス素材(紙パウダー入りの合成樹脂)に置き換え。テープの色は紙に合わせて白とクリーム、テープ幅は横罫ノートの罫に合わせた5mmと6mm。

 

No.03

ビック
クリスタル Re’New 1.0mm
715円

世界的定番ボールペンが替芯式に!

「ビック・クリスタル」で初となるリフィラブルモデル。本体とセットの替芯は、取り外し装置をスライドさせワンタッチで交換可能。キャップ部分には96%リサイクルのプラスチックを使用している。

 

No.04

ゼブラ
サラサナノ スモークカラー
各220円

主張しすぎない淡くてやさしい色

極細ペンながらサラサラとした書き心地を実現した「サラサナノ」に、スモークカラーが数量限定で登場。淡い色合いで、人目を気にせず手帳などにプライベートな内容を書き込める。全4色。

 

No.05

サンスター文具
タンク
各165円

大容量インクを充填し筆記距離は約5倍に

本体すべてをインクタンクにし大容量のゲルインクを搭載。筆記距離は同社従来のゲルインクペンの約5倍に達する。ゲルインクは油性インクに比べて速乾性に優れ、指を汚さないメリットも。全6色。

 

No.06

ペノン
タッチミー! アートペン
1500円

世界の名画を指先でグリップ!

昨年SDGs部門にノミネートした「ペノン」に登場した、世界の名画をデザインしたシリーズ。特殊印刷により軸に立体的に再現しており精緻さに驚かされる。見た目の美しさに加え、滑り止めという副次的効果も。

 

No.07

サンスター文具
デコット
各220円

白抜きデコが簡単に楽しめるマーカーペン

マーカーで下地を塗り、その上から逆側の細字消しペンで書き込むと、書いた部分が白抜き文字になるデコレーションペン。イラストのほか、To Doなどチェックボックスにも活用できる。パステルカラー8色。

 

No.08

サンスター文具
ドット・エ・ペン
各220円

レトロなドット絵がスタンプ感覚で描ける

四角形のペン芯が備えられ、スタンプのように捺すと “8bit” を思わせるレトロなドット絵を描けるマーカーペン。逆側には細字を搭載するツインペンで、文字や細かい線を書くことも可能だ。全16色。

 

No.09

トンボ鉛筆
ノック式超低粘油性ボールペン ZOOM C1
7700円

安定したインク吐出量と線幅を保つ

ノック部がボディから3.5mm浮遊してみえるコンテンポラリー・デザインペン。リフィルはチップ内部のボール座を102%拡大したことで、安定した筆記線幅となめらかな書き心地を実現した。ボール径は0.5と0.7mm。

 

No.10

コクヨ
キャンパス
ノートのための修正テープ(つめ替えタイプ)
275円

つめ替えでプラの廃棄量を大幅カット

「キャンパスノート」の用紙の色とテープの色、罫線の幅とテープの幅を揃えることで修正部分を目立たせない同商品に、つめ替えタイプが登場。業界最小クラスのコンパクトさで、場所をとらない。

 

No.11

パイロット
フリクションボール ノックゾーン
550~3300円

濃く長く。ニーズに応えた最上のフリクション

消せるボールペンの代名詞「フリクション」の最新モデル。インク色の濃度をブラックで30%、レッドとブルーで15%も高めた新インクを搭載、インク容量も70%増量。濃く長く書ける待望のフリクションだ。

 

No.12

プラス
ホワイパーPL
253円

ペンのように握って修正できる

握りやすく引きやすいスリムなペン型修正テープ。テープを引く力を制御することで軽く引ける機構と、紙面への密着性を高める機構の、2種の独自機構を搭載し、快適な使い心地を追求している。

 

No.13

サンスター文具
メタシル
990円

削る手間いらずの “無限鉛筆”

削らずに16kmも書き続けられると話題をさらったメタルペンシル。黒鉛と金属を含んだ特殊芯で、2H鉛筆相当の濃さを実現し、実用性は高い。12月にはノック式の「メタシル ライト ノック」(H相当)も仲間入り。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

ジェットストリームにフリクション…2022年にリピート買いしたボールペンを文具ソムリエールが厳選

文房具に関するイベントやメディアへの出演、新商品のプロデュースなど、年を追うごとに活躍の幅を広げる文具ソムリエールの菅未里(かんみさと)さん。新作からロングセラーまで文房具を知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具を1点ずつ紹介する連載「文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具」を、毎月お届けしています。

 

2022年最後の回では、この1年で自腹買いしたボールペンの中から、リピート買いするほど気に入ったものをピックアップ。

 

2022年にリピート買いしたボールペン5選

日常的に最もよく使う文房具といえば筆記具でしょう。なかでも、社会人にとってボールペンは必須アイテム。筆者が2022年にリピート買いした、間違いないお気に入りボールペンを紹介します。

 

1.グロッシーなブラックが魅力「ジュースアップ クラシックグロッシーカラー」

「ジュースアップ」とは、細書きでも滑らかで心地よい書き味を実現したゲルインキボールペン。“シナジーチップ”という、一般的な三角錐形のコーンチップとも細長いパイプチップとも違う、特殊なペン先を搭載していることが特徴です。

 

自宅に専用の引出しを作り絶対に切らさないようにしているほどの愛用ボールペンで、過去にブラックやレッドなどの通常カラーについて記事にしたことがあります

 

その「クラシックグロッシーカラー」は、書き心地のよさはそのままに、ツヤ感のあるちょっと大人なダークカラーなインク色のシリーズです。

↑ボール径は0.4mmと0.5mmがある

 

ただの黒に飽きた大人がビジネスでも使える“黒っぽいカラー”は、筆記具業界のトレンドですが、ジュースアップのダークカラーも見逃せません。

↑黒っぽいカラー展開は手帳にも使いやすい

 

↑ブラックと比較するとやや濃く見えるグロッシーブラック

 

ツヤ感があるためリッチな気分にもなるこのシリーズは、セットでダークカラー好きの知人にプレゼントしたこともあり、いつでも使えるように自宅には2セット用意しています。普段の色に飽きたけれどカラフルすぎる色は使いづらい、という人におすすめです。

 

パイロット
ジュースアップ04/05 クラシックグロッシーカラー
200円(税別)

 

2.押し間違いを防ぐ多色ペン「ジェットストリーム新3色ボールペン」

2021年12月に発売された「ジェットストリーム」の多色バージョンに登場した新シリーズで、一時は完売するお店も出るほど注目されました。

↑ベーシックな黒からベリー色、アイスブルーなど絶妙なカラー展開が人気

 

見た目のよさで複数買いをする方もいますが、多色ボールペンを使う際に、誰もが一度は経験したことがある“押し間違い”を防いでくれる機能に魅了されるユーザーが後を絶ちません。

 

一般的なボールペンは、黒・赤・青の3色すべて、ボールペンの側面についたスライドバーを下ろすようにしてペン先を出しますが、このボールペンは黒のみノック、赤と青は側面のスライドバーを下ろすように設計されています。

↑黒のみ後端部をノックする仕組みになっている

 

黒は“押す”、赤と青は“スライドさせる”という動作が違うため、「黒だと思って出したインクが青だった」という事故が起こりにくいのです。

 

リピート買いのきっかけは使い勝手が格段にいいこと、さらにボディーカラーの展開が絶妙でどれも欲しくなってしまったことです。機能と見た目、どちらもパーフェクトなボールペンと言っていいでしょう。

 

uni/三菱鉛筆
ジェットストリーム 新3色ボールペン SXE3-507 0.5/0.7
500円(税別)

 

【文房具総選挙2022】結果発表! 筆記具の頂点はジェットストリームの最新多色ペンが奪取

 

3.「フリクション」にも書き味のよさを求めたい!

最近、台本への書き込みに欠かせないのが「フリクションポイントノック04」。書き消しができるボールペン「フリクション」シリーズの0.4mmタイプです。

↑ブラック・ブルーブラック・レッドの3色を愛用

 

先に紹介した「ジュースアップ」でも使われているシナジーチップを搭載したフリクションペンで、0.4mmの細書きでもひっかかりなく滑らかに文字を書けます。

 

もともと「フリクションボールペンはあまり筆記感がよくない」というイメージを持っている人も少なくないのですが、そんなイメージは吹き飛ぶほどの書き心地のよさです。

↑一般的なコーンチップとは違う特殊なペン先になっていることがわかる

 

私はフリクションボールペンの書き心地があまり得意ではなかったのですが、シナジーチップペン先バージョンのフリクションが出たと購入してみると、あまりの書き心地のよさに、フリクションといえばこれしか使えなくなりました。

↑インクの供給量の影響か、見やすい筆記線もポイント

 

フリクションに苦手意識があるなら、店頭で試し書きしてみてください。そのままレジへ直行すること間違いなしです。

 

パイロット
フリクションポイントノック04
250円(税別)

 

4.細書きと言えばこれ!「ハイテックC」

1994年に発売され、一世を風靡した「ハイテックC」。2000年代には俳優の相武紗季さんが白衣を着て出演していたテレビCMを記憶している人もいるかもしれません。

 

激細ボールペンといえば「ハイテックC」ですが、私は実は、これを長らく使っていませんでした。

↑0.25mmのハイテックC025。現在はブラック・レッド・ブルー・ブルーブラックの4色展開

 

再びリピート買いするようになったきっかけは、「ジブン手帳」という約3mmの方眼罫が印刷された手帳でした。

 

あまりに細かいので、書き込むには細書きのボールペンでなければ文字が潰れてしまいます。そこであれこれボールペンを試した結果、最も文字が潰れにくく綺麗に書くことができたペンが「ハイテックC025」だったのです。

↑約3mmの方眼罫でも文字をしっかり書き込める

 

学生時代に流行った「ハイテックC」を大人になってこんなにもヘビーユースすることになるとは思いもしませんでしたが、今ではこれなしには生活できません。

 

パイロット
ハイテックC025
200円(税別)

 

5.36色を贅沢使い「サラサナノ」

2021年11月に発売されたゼブラの人気ボールペン「サラサ」シリーズの新ライン。0.3mmという細書きですが、ペン内部にスプリングを入れることで、筆記時のガリガリした感触を緩和したゲルインキボールペンです。

↑インキカラーとボディーカラーがリンクしていてカラフル

 

私はGetNavi web以外にもいくつか連載をもっているため、毎月連載のネタ出しをしたり構成を考えたりする必要があります。黒ではなんだか飽きてしまうので黒以外のカラフルなペンを使うのですが、そこで活躍するのが「サラサナノ」です。

↑筆者のネタ・スケジュール帳。毎月テーマカラーを選んでマンスリーページに書き込む

 

企画ごとに色を変えて書き込むため、カラフルで賑やかなネタ帳になり、仕事のノートに飽きません。

 

色展開の多さだけではなく、水性顔料インキで水がかかってもインクが滲んで読めなくなることがないため、キッチンや洗面所、お風呂などどこにネタ帳を持ち込んでも心配いらないところも魅力です。

 

読者の皆さんは、さすがにお風呂に持ち込むことはないかもしれませんが、雨天の屋外や川の近くなど、水濡れの心配がある場所でも文字が流れる心配をせずに使えるカラフルなボールペンだと聞いたら、使ってみたくなりませんか?

 

ゼブラ
サラサナノ
200円(税別)

 

ボールペンを1本に絞らない

多くの人が、使うボールペンは1本、または1種類と決めているでしょう。私はノートや手帳、資料など書くものによってボールペンを使い分けるため、普段使いするボールペンがいくつもあります。1本使いの人からすると面倒くさそうに見えるかもしれませんが、日常生活で出会う紙やメモ、ノートはそれぞれに特徴があり、ペンとの相性も違います。

 

毎日使うボールペンだからこそ書くものにあったものに変えるだけで気分良く書き物ができるのです。ボールペン数百円で快適な仕事環境に近づくと考えれば、とてもお得ですよね。

 

今使っているボールペンで満足していても、新しいシリーズが出ていたり、インクがバージョンアップしていることもありますから、2023年はぜひたくさんのボールペンを試してみてください。

 

プロが唸ったオンリーワンでヤバい文房具! ゼブラ フィラーレディレクション

文房具業界で著名な古川 耕さんが思わず呆れるほどに感心した文房具を紹介! そのヤバさを余すことなく紹介します!

※こちらは「GetNavi」 2022年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ペン先の繰り出しから書き始めまでほぼ無音

ゼブラ

フィラーレディレクション

2200円

手書きで相手にわかりやすく伝えられる、ビジネスシーン向けのサインペン。キャップレスでスムーズな書き出しを実現します。軸が太く握りやすいボディは、金属素材を使用して高級感のある仕上がりに。

 

この文房具プロがセレクトしました!

放送作家

古川 耕さん

TBSラジオ「アフター6ジャンクション」などを担当する放送作家兼ライター。本誌連載「手書きをめぐる冒険」ほか文房具関連のコラムを多数執筆。

 

ラジオの放送作家という仕事柄、常に〝音を立てない筆記具〟を探しています。スタジオは、ボールペンのノック音やペンのキャップを開け閉めする音が意外と響くため、注意が必要。この水性サインペン「フィラーレ ディレクション」は、ほぼ無音の状態でペン先を繰り出して書き始めることができます。さらに、高い吸湿性のモイストキープインクを使用したことで、ペン先が出しっぱなしでもドライアップを気にせずに使えるのもポイント。おかげでキャップを紛失する心配もなく、「あとで閉めなきゃ……」という小さなストレスからも解放されました。この快適さはヤバいです。

↑上部の軸をひねることで、先端からペン先が出る回転式を採用。書き出しの際に音がほぼ出ないため、会議中でも使いやすい

ペン先を繰り出すツイスト動作も極めてスムーズで、慣れればノックタイプのボールペンよりも素早く書き出せます。手に馴染みやすい太軸なのも好印象。リモート会議などで、あらためて手元の〝音〟が気になり始めた人にぜひオススメしたいです!

 

<ここが使える! >空気中の水分を吸収する乾き知らずのインク

空気中の水分を吸収する成分を配合した「モイストキープインク」を搭載。その場の湿度の変化に応じて適度な状態を保つため、乾燥せず書き続けられます。

 

注目商品が続々! 2022年最新ボールペンのトレンドとおすすめモデル

近年、日本のボールペンはめざましく進化しています。サラサラした書き心地を実現するだけでなく、手帳にぴったりの細字を究めたりストレスなく書けるよう軸を改良したりと、さまざまな工夫がなされています。なんとなくそのへんにあったノベルティのボールペンを使っている……そんな人にも、低価格ながら高い品質をもつボールペンの存在を知ってほしい!

 

そこで今回は、最新の国産ボールペンの傾向とともに、注目の新商品を紹介。さらに自分に合ったボールペンの選び方についても解説します。文房具ライターとして、筆記具をはじめとする文房具のトレンドをウォッチし続けているきだてたくさんに教えていただきました。

 

知っておきたい、ボールペンの種類

まずは、ボールペンの基礎知識からおさえておきましょう。私たちがふだん目にするボールペンは、インクの種類で大きく3つに分類できます。

 

【ボールペンに使われるインク3種】

・油性インク……「ジェットストリーム」(三菱鉛筆)など
・ゲルインク……サラサ(ゼブラ)、「フリクション」(パイロット)など
・水性インク…… Vコーン(パイロット)など。 

 

「近年、もっともシェアが大きいのはゲルインクです。かつては耐水性がありにじみにくい油性インクが人気を博していましたが、粘度が高くベタついた書き味や、ペン先に固まったインクが紙を汚すなどの問題点がありました。

 

一方、水性インクはサラサラした書き心地が軽く、発色もクッキリしているというメリットはあるのですが、乾燥に弱いためノック式(ペン先の繰り出し形式)には向きません。そもそも日本ではノック式がメジャーなため、彗星インクのシェアもそれほど大きくないんです。

 

ゲルインクは発色が良いことに加えてにじみにも強く、書き味は油性よりもサラッと軽やか。つまり、油性と水性のメリットを併せ持つ、扱いやすいインクだと言えます」(きだてたく さん、以下同)

 

国産ボールペンはなぜすごい? 海外との違い

これほどまでにボールペンの種類が多い国は、他に類を見ないと言います。どういった背景があるのでしょうか?

 

「国産ボールペンの中でも、2006年に発売された『ジェットストリーム』シリーズ(三菱鉛筆)は、もっともメジャーな製品だと言えるでしょう。油性インク特有のべっとりと紙に付く質感を改善した『低粘度油性インク』を初めて採用し、これまでにない滑るような書き心地が話題となりました。現在では年間約1億本も出荷されており、日本のボールペン市場における不動の地位を築いています。

このジェットストリームの出現を境に、国産ボールペン競争は激化。それぞれの筆記具メーカーがジェットストリームをベンチマークに、より書きやすく、より使いやすいボールペンの開発・製造を始めました。

今もインクはもちろん、持ちやすさや書き味など、さまざまな方向性で進化を続けています。ほんのわずかなにじみやペン先の引っ掛かりに目をつけ、改良を重ねていくというメーカーの姿勢には、まさに日本のモノづくりに対するこだわりや文化が表れていると言えるのではないでしょうか。

一方海外では、新しい製品はあまり開発されていません。ほとんどの国で『ビック・オレンジ』(BIC)が一人勝ちの状態なんです。でも日本のボールペンの品質の良さは、海外製品と比較するまでもありません。ジェットストリームをはじめ、日本のボールペンは海外にも出荷されており、高い評価を受けています」

 

海外の店頭ではフランス・BIC社のボールペンを見かけることが多いのが現状。

 

最新ボールペンの傾向は?

ボールペンの改良は細部にまで及び、次々と新商品が発売されています。

 

「これまで、ボールペンの書きやすさを左右する要素はインクだと思われていたんです。各メーカーも、インクの品質を上げることに努力を重ねていました。ところが、2020年頃から、インクではなく本体そのものを改良することで、書き味を高めようというムーブメントが起こり始めます。

その火付け役となったのは、2018年に発売されたゼブラの「bLen(ブレン)」です。文字を書く時の、ペン先のわずかな振動を極限まで減らし、その名の通り安定したブレにくい感覚を実現しています。2021年は、そのムーブメントが開花した年でした。主な特徴として、2つのキーワードが挙げられます。

 

・細字

「2020年の細字ブームが継続。細い字が書けて、かつ書き味を高めていくというフェーズに入っています。一概に、ペン先が細いだけで細かい字が書きやすくなる、とは言えません。いかに手元がよく見え、引っ掛かりが少ないかという総合的な部分に目を向けた改良が進んでいます」

 

・低重心

「本体の高い位置に重みがあると、ペンを傾けた方に全体のバランスがもっていかれるような状態になり、手の疲れや書きづらさの原因となります。そこで本体の重心を下げることで、安定感を出すというものです」

 

2021年度に発売された注目の最新ボールペン5選

2021年度に発売された、いま注目の新作国産ボールペンを5モデル紹介していただきます。

 

・針状のチップで筆記ポイントの見通しがいい

トンボ鉛筆「モノグラフライト」
198円(税込)
ペン先の太さ=0.3mm/0.5mm

「2021年上半期に出た製品。注目すべき点はペン先の部分です。一般的なものよりも長い、5.2mmのロングニードルチップを採用しており、ペン先と紙に距離が生まれる仕様です。手元が見えやすく、細かい字が書きやすい。さらに、インク自体は従来の低粘度油性でありながらも、出る量を最適化。“ボテ”と呼ばれるインク汚れができにくいのもポイントです」

 

・クッキリ発色のペンが持ちやすく進化

三菱鉛筆「ユニボール ワンF」
330円(税込)

ペン先の太さ=0.38mm/0.5mm

「2020年に発売された『ユニボール ワン』の進化形です。濃くくっきりとした発色が特徴の黒インクはそのままに、ボディの中心あたりからペン先に向かって真鍮製の重りが入っている“低重心タイプ”になりました。最適なポイントで握ると、まるで手に吸い付くような錯覚を覚えるほどの安定感です。価格は倍以上に上がったものの、使ってみると、納得の仕上がりです」

 

・“いろいろな黒色”をちょっとリッチに楽しめる

サクラクレパス「ボールサイン iD プラス」
385円(税込)
ペン先の太さ=0.4mm/0.5mm

「2020年に発売された『ボールサイン iD』の進化形。インクの色は全3種類で、なんとその3色すべてが“黒”という特殊なシリーズです。緑がかった黒、青っぽい黒など、少しずつ色味が異なっており人気です。本体軸はマット素材の塗装を施しており、滑りにくく、握りやすい仕様になっています。こちらも価格は300円代です」

 

・サラサラした書き味が0.3mmの極細芯でも健在

ゼブラ 「サラサナノ」
220円(税込)
ペン先の太さ=0.3mm

「0.3mmというと、ガリガリとした特有の感覚をイメージする人も多いのではないでしょうか。サラサナノには、本体上部に振動を吸収するサスペンション(うるふわクッション)が入っています。これにより、リフィルは従来と同じであるにもかかわらず、書き味が格段になめらかになりました。付箋のようなざらざらした紙にも引っ掛かりがなく、細い字が書きやすいというメリットがあります。カラーは32色をラインナップ」

 

・気になる“カチカチ音”を抑えた静音ボールペン

ぺんてる「カルム 単色ボールぺン」
165円(税込)

ペン先の太さ=0.5mm/0.7mm

「集中したい時や、オフィスや図書館など静かな場所で作業をする時、ボールペンのカチカチというノック音が気になるという人も多いのではないでしょうか? カルムは特殊な構造により、従来品と比較してノック音を66%も軽減しています(※)。音量自体も小さいのですが、音が低く不快感を軽減し、響きにくくなっている印象です。3色ボールペン、多機能ペンも展開しています」

※同社比、音圧パスカルでの比較

 

自分に合ったボールペンの選び方

数々のボールペンから自分に合ったものを選ぶ際、どのようなポイントに注目すればいいのでしょうか?

 

「書き心地や書き味は、数値化するのが難しいものです。ペンの持ち方や用途、文字の書き方は人それぞれ。正直、誰にでもこの製品がおすすめ! とは言えません。まずは店頭に行って、実際にペンを持ってみて、重さや持ち心地を確認し、試し書きをしてみましょう

試し書きの際、ぐるぐると渦巻きを書いている方も多いかもしれませんが、実はこの方法では十分にボールペンの特徴を掴むことができません。海外ではよく、稀にインクが出ない不良品が混じっていることがあるため、このような試し書きをするようになったと考えられます。国産品で“インクが出ない”ということは滅多にありません。

試し書きのコツは、自分が一番頻繁に使う文字を書いてみることです。個人情報が特定されないところまでの住所などが良いのではないでしょうか。自分用の基準となる文字を決めておくと、しっくりくるボールペンを見つけやすいと思います。自分の手帳などに住所や名前を書いてみるのも良いですね。

また、あえてアドバイスするならば、あまり自分の字に自信がない人に低粘度油性インクはおすすめしません。これは自分の経験側から言えることなのですが、悪筆の自覚がある人は走り書きをしてしまう傾向にあるため、滑りが良すぎるとかえって読みにくい字になってしまいます。そういった人には是非、細めのゲルインクボールペンを使ってみていただきたいですね」

 

「ボールペンは用途によって細やかに進化を続けており、今後も目が離せません。個人的に気になっているのは、2006年の発売以来、いまだ大きなアップデートがない『ジェットストリーム』が、今後どうなっていくのか。期待は高まります」

文房具は毎日使う仕事道具。だからこそ、少しでも使い勝手がよくなると仕事の効率も上がるもの。自分にぴったりの文房具を探してみてください。

 

【プロフィール】

文房具ライター / きだてたく

最新の機能派文房具から雑貨・ファンシー系のオモシロ文房具まで、なんでも徹底的に使い込んでレビューする文房具ライター。文房具トークユニット「ブング・ジャム」のメンバーとして、全国各地で文房具の楽しさを伝える講演活動なども精力的に行っている。『愛しき駄文具』(飛鳥新社)、『日本懐かし文具大全』(辰巳出版)、『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(共著/スモール出版)など著書多数。

きだてたくの文房具レビュー連載(GetNavi web)


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

【文房具総選挙2022】ボールペンが群雄割拠状態! 付加価値がついた高品質な筆記具16点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ“はかどり文房具”の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2022」がスタートしました。ここでは、【機能別部門】「書く」部門にノミネートされた筆記具16点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

 

【「書く」部門】

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。

 

No.01

ぺんてる
カルム 単色ボールペン/3色ボールペン/多機能ペン
165円(単色)、440円(3色)、550円(多機能)

ペン先を出し入れするときのノック音を従来製品に比べて66%低減。ノックをするときに手に感じる衝撃も和らげている。従来品の油性ボールペンに多い“ボテ”が出にくいインクを搭載。

 

No.02

ゼブラ
サラサナノ
220円

カラーボールペン「サラサ」の極細タイプ。ペン上部にスプリングを加えた「うるふわクッション」が、ペン先の紙への引っ掛かりを抑え、滑らかな書き味を叶えている。ボール径は0.3㎜。

 

No.03

三菱鉛筆
ジェットストリーム新3色ボールペン
550円

使用頻度の高い黒インクのノック部を軸のサイドではなく後端に設置し、直感的な操作を可能に。黒インクには、通常品に比べインクを70%増量した「長持ちリフィル」を使っている。

 

No.04

パイロット
ジュースアップ3/ジュースアップ4
550円(ジュースアップ3)、660円(ジュースアップ4)

滑らかに細書きできるゲルインクボールペン「ジュースアップ」の多色タイプ。先端部分に金属を使用した低重心設計とラバーグリップで、安定した筆記を実現している。ボール径は0.4㎜だ。

 

No.05

パイロット
瞬筆 二役 顔料インキ
385円

筆跡が1秒で乾く速乾筆ペンの顔料インクモデル。墨汁に近い黒色で、くっきりとした文字が書け、耐水性、耐光性にも優れる。「やわらかめ」と「かため」のペン先を備えたツインタイプだ。

 

No.06

ぺんてる
速乾ぺんてる筆
660円

発売45年を超えるロングセラー筆ペンに、速乾タイプが登場。従来品よりも5倍早く乾く顔料インクを搭載している。まとまりの良いナイロン製の穂先が、本物の筆のような書き味を実現。

 

No.07

パイロット
ドクターグリップ CL プレイバランス
770円

好みの重さと重心バランスにカスタマイズできるシャープペン。重量と素材の異なる2種類の「内グリップ」を組み替えて使う。「フレフレ機構」を搭載し、ペンを振るだけで芯を繰り出せる。

 

No.08

サンスター文具
2色線ペン twiink
198円

ひとつのペン先に、色の異なる2本のペン先チップを搭載した水性ペン。ペン軸を傾ければ単色で、紙に垂直に立てれば2色同時に線を引ける。二度書きやペンを2本持ち歩く手間が省ける。

 

No.09

ゼブラ
ビモア
1100円

筆ペンのようにペン先がしなる美文字練習に最適なボールペンと、練習帳のセット。筆運びのコツがわかるオンライン動画を見ながら練習する。プログラムは1日3分、7日で完了。

 

No.10

ゼブラ
フィラーレ ディレクション
2200円

キャップなしでも乾かない「モイストキープインク」を搭載した、高級感のあるツイスト式サインペン。伝えたいポイントを指し示したときに、指した箇所が目立つよう、先端が金色になっている。

 

No.11

サクラクレパス
ボールサイン iD プラス
385円

3色の黒インクから自分好みの黒を選び、個性を表現できるボールペン。削り出しの金属ペン先が、低重心で安定した書き心地を生んでいる。光沢感のあるシルバークリップが、上質感をプラス。

 

No.12

寺西化学工業
マジックインキ大型 キャップホルダー
440円

油性ペン「マジックインキ大型」のキャップの紛失や落下を防ぐホルダー。シリコン性で、キャップを開けるときに手が滑るのも防ぐ。目立って見つけやすい鮮やかなカラーを採用。

 

No.13

エポックケミカル
KOBARU MARU liner ツインズ
352円

ぷにぷにの感触の丸いペン先を採用した蛍光ペン。ペンの角度を気にせずにラインが引けて、力加減で線幅を変えられる。専用キャップで2本連結されており、持ち替える手間をカット。

 

No.14

セーラー万年筆
万年筆ペン先のつけペンhocoro
1485円(ペン先+ペン軸)、
2420円(ペン先2種+ペン軸1本)

万年筆のペン先を備えたつけペン。インクの種類や色を変えたいときに、洗浄やインクを入れ替える必要がなく、ペン先を軽く水で洗い流すだけ。ペン先を本体に逆向きに差し込んで持ち歩ける。

 

No.15

三菱鉛筆
ユニボール ワン F
330円

「スタビライザー機構」で、低重心で安定した書き味を叶えたゲルインクボールペン。軸に日常で目にする身近な色を採用し、「葉雫」や「霜柱」など情緒を感じる名前が付けられている。

 

No.16

パイロット
ライティブ
2200円

軽量ボディで持ち運びがしやすく、気軽に使えるカジュアルなデザインの万年筆。気密性の高い新仕様のインナーキャップがインクの乾きを防ぎ、スムーズな書き出しを実現している。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

トレンドと機能で分類した8部門・100商品!

2013年に始まった「文房具総選挙」は今回で記念すべき10回目。ノミネートされた文房具のラインナップに、その年の世相が見える!? 2021年度のはかどり文房具をフィーチャーした「文房具総選挙2022」は最新の傾向を反映した「トレンド部門」3部門と、機能によって分類した5部門の、合計8部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品ずつが選出され、合計100もの商品がノミネートされました。

 

【トレンド部門】
在宅・ハイブリッドワークがはかどる文房具&環境整備アイテム 部門

在宅ワーク用ツールは、2021年度も引き続きホットなジャンル。今年は机上だけでなく、仕事環境を整備するインテリア寄りのアイテムまで選出しました。 15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/716263/

 

【トレンド部門】
キッズの学習がはかどる文房具 部門

子ども向けの学習情報ポータルサイト「学研キッズネット」とコラボした本部門。新しい教育方針を反映し、PCやタブレットと併用できる文房具も登場し始めています。15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717396/

 

【トレンド部門】
SDGs文房具 部門

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717444/

 

【機能部門】
書く 部門

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。16商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717119/

 

【機能部門】
記録する 部門

最新のクリップボードや狭いデスクでも広げやすいノート、メモ帳を中心に選出。ルーズリーフの利便性を高めるアイテムにも注目です。11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717178/

 

【機能部門】
収納する 部門

例年はペンケースのノミネートが目立つ部門ですが、今年はドキュメントファイルが豊富に揃いました。小物を一緒に持ち運べる書類ファイルにも注目です。12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717298/

 

【機能部門】
切る・貼る・綴じる 部門

開梱用カッターや瞬間接着剤など、ホームセンターに並ぶタフな文房具が多数登場。一方で、持ち運びやすいコンパクトな文房具も選出されています。10商品がノミネート。https://getnavi.jp/stationery/717325/

 

【機能部門】
印をつける・捺す 部門

ハンコ関連商品に名品が多数登場し、部門名を「分類する・印をつける」から「印をつける・捺す」に刷新。もちろん、付箋やタグにも良品が揃っています。
https://getnavi.jp/stationery/717346/

 

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

https://forms.gle/8fX4AHXHcWbvg7h66

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】マーキングに最適で指にも優しいダブルクリップが見た目に反して実用的!

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは? 今回は、こちら。

 

見た目もやさしさも併せ持つダブルクリップ

今回は、会社勤めの方にはおなじみの“ダブルクリップ”の名品を紹介しましょう。ダブルクリップとは、紙の書類をまとめる際に使う文房具です。下の写真のような、指でおさえる細いワイヤー状の持ち手に、黒色の四角い留め具がついている物が一般的ですね。

↑基本的な構造は同じですが、サイズはさまざまあります

 

デジタル化の波に押され消えていく道具かと思いきや、紙の書類を整理する時などには、まだまだ使用頻度が高い文房具です。

 

この、オフィスで使う“お硬い”イメージが強いダブルクリップですが、実は可愛らしい見た目のものも販売されています。

↑大阪の文房具メーカー、ベロスが販売。ハート型、星形、ほかにドーナツ型の計3種類があります

 

ベロス
モチーフクリップ
ハートクリップ/スタークリップ/ドーナツクリップ
各120円(税別)

 

レトロなデザインの「モチーフクリップ」は可愛らしいだけではなく、実はダブルクリップを使う時によくある、“あの悩み”を解決してくれる便利なクリップなんです。

 

ダブルクリップのネック……痛くない!

↑ダブルクリップは、ときに指先が変色してしまうほど力が必要なことも

 

ダブルクリップを使う時、多くの方が経験している不便さに“固さ”が挙げられます。ダブルクリップは100枚以上の紙をまとめて留める時に使われることが多く、留め具を開くには指の力が必要です。

 

力を込めても十分に留め具が開かず、なんて固いんだ! と思った経験はあるでしょう。比較的力が弱い女性やご年配の方には特につらい作業です。私もダブルクリップで資料を留める作業はあまり得意ではありません。

↑指でつまむ部分がモチーフで食い込みません

 

一般的なダブルクリップは、留め具を開く際にワイヤー状の持ち手が指に食い込みます。留め具を開くには強い力が必要なので仕方ありません。

 

しかし、ベロスの「モチーフクリップ」は一般的なダブルクリップとは異なり、持ち手の部分がワイヤー状ではありません。星型やハート型、ドーナツ型になっていて、指に接する面積がワイヤー状のものよりも広いため持ち手が指に食い込まないのです。

 

可愛らしいモチーフに惹かれて購入し、後から使い勝手のよさに気付く方も少なくないようです。ダブルクリップの固さに悩んでいた方には嬉しい誤算ですね。

 

モチーフクリップは冷蔵庫でも活躍中!

↑チューブ状の調味料整理にも便利です

 

私はモチーフクリップを書類整理だけでなく、冷蔵庫の整理で使うこともおすすめしています。チューブ状の調味料を整理する際に便利なんです。

 

私は身長が153cmと成人女性の平均身長よりも低く、冷蔵庫の扉の内側についているポケットの奥が見えません。

↑冷蔵庫のポケットに入れると見つけづらいチューブ入りわさび。右側中央に入っているのがわかりますか?

 

チューブ状の調味料は細長く冷蔵庫のポケットの中で倒れやすいので、私の身長では姿が見えず行方不明になってしまうのです。ストックがないと思って買い足したのに、冷蔵庫の奥底から一つ、二つ、と賞味期限切れのチューブわさびが出てきた……という方もいるのではないでしょうか。無駄な買い物をしてしまったとがっくりしてしまいます。

 

手帳にぴったりなミニサイズも登場

↑「ハートクリップミニ」「スタークリップミニ」「ドーナツクリップミニ」(各120円・税別)

 

2021年には、モチーフクリップよりもやや小ぶりなミニサイズが発売されました。手帳や参考書などのページを開いた状態で留めておく際に便利です。それぞれモチーフのイメージにあったカラー展開で、これまでのレトロポップなカラーと一味違うカラーリングも素敵ですね。

↑手帳のページを挟む場合にもぴったりなミニサイズ

 

仕事場でも自宅でも、一つ120円という価格で日頃のストレスを軽減できるのはお得です。まずは一つ試してみてください。

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

「回転繰り出し式の高級サインペン」はイロモノ!? ゼブラ「フィラーレ ディレクション」が常備したいほど使い勝手抜群!

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第18回となる今回は?

 

第18話

ゼブラ
フィラーレ ディレクション
2000円(税別)

ボディに金属素材を使用し、高級感のあるデザインに仕上げたサインペン。ボールペンよりも筆記線が太く、遠目からでも見やすい。軸をひねってペン先を出す回転繰り出し式で、キャップがなくても乾かない「モイストキープインク」を採用。インクは黒と赤の2色。

 

スピーディーに書き始められ、ペン先を出しっぱなしでも乾きにくい

正直、最初はあまり期待していませんでした。「回転繰り出し(ツイスト)式の高級太軸マーカー」という世界的にも珍しい仕様を持つゼブラの「フィラーレ ディレクション」。この手のヤツって実際使ってみると案外使いづらかったりするんだよな……と、そんな経験則が頭をもたげつつ、それでも一応興味本位でポチってみたわけです。

 

それから2週間。ラジオの現場で毎日使ってみましたが……これ、すごくいいかもしれないです。

 

まず、ペン先を繰り出すツイスト機構。軸が太く、しかも1/4回転でペン先を出せるので、ほとんどノック感覚で書き出せるのがいい。キャップ式のマーカーよりもスピーディ、しかも無音で書き始められるのは(この連載で何度も書いているとおり)音を気にするスタジオの中ではとても都合がいいのです。

 

さらに同じくゼブラのノック式水性カラーペン「クリッカート」で初採用された「モイストキープインク」を採用しているため、ペン先を出しっぱなしにしても乾燥することがない。バタバタと慌ただしい環境で使うときには本当に助かります。キャップのことを気にせずそこら辺に放り出しておけるのが、こんなに快適でストレスフリーだったとは! 意外な発見でした。

 

いまは赤色を主に使っていて、発色がもうちょっと鮮やかだったら……とは思うものの、それを補って余りある使い勝手の良さで、個人的にはレギュラーの一本になりそう。先入観ってよくないね。お詫びに替芯10本ポチりました!

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第16話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第17話】アナログレコードの音色のよう? ノック音が静かで心地良いボールペン「カルム」はウェブ会議に最適だった

https://getnavi.jp/stationery/693174/

やっと汚文字を克服できる!? 専用ボールペンとメモ帳のセットで筆圧コントロールを学べる「ビモア」で美文字への第一歩!

当連載でも過去に何度か告白しているし、ボールペン記事の作例写真なんかでもご覧の通り、筆者は本当に字が汚い。これは、文房具を使いこなして紹介する仕事の上では、ある意味致命的ともいえる欠点だろう。書いたものを自分で見ても「小学生みたいな字だな」という印象で、なんともお恥ずかしい限りである。

 

さすがに「使うだけで字がきれいになる魔法の筆記具」なんて存在しない!という結論にはたどり着いている。であれば、やはりなんらかの修練は必要かもしれない。

 

そこで今回は、特殊なボールペンと専用メモを使って「1日3分×7日間で手軽に学び、自分らしい美しい文字が身に付く」(※個人差はあります)という美文字練習キットを試してみたい。いかに面倒くさがりといっても、1日3分ぐらいなら練習を続けられるんじゃないだろうか。また、特殊なボールペンというのも気にかかる。

 

筆圧コントロールを学べば美文字になる!?

その美文字練習キットというのが、ゼブラの「ビモア」。メモ帳タイプの練習帳と、美文字練習に特化したゲルインクボールペンとがセットとなった製品である。

 

このセットと合わせて用意された練習動画を見ながら筆圧コントロールを学ぶことで、短時間(1日3分×7日間)の美文字習得が可能になるらしいのだ。

 

ゼブラ
bimore(ビモア)(ビモアボールペン+ビモア練習帳)
1000円(税別)

 

従来の美文字練習帳は、だいたい1日10~20分×30日をかけて、字の形やバランスを反復練習することに主眼を置いているものが多い。対して「ビモア」は、3分×7日という破格の短時間練習なのだが、そこで学ぶのが筆圧のコントロールだ。例えば横線を1本引くにしても、ストンと真っ直ぐ棒のように書くのではなく、グッと強く筆圧をかける→中央で力を抜く→最後はまたグッとかける。

 

つまり「線に筆文字のようなメリハリが出れば、字は上手く見える」という考え方である。なるほど、これならおぼえるべきことははるかに少なく済むし、効率的かもしれない。

↑筆圧コントロールは後軸をねじってオン/オフ

 

そこで使われるのが、筆圧がコントロールできるビモアボールペンだ。筆圧練習モード(軸をねじることでオン/オフ可能)中は、ペン先を強く紙に押しつけるとペン先端の黒いパーツがわずかに飛び出し、圧を抜くとスッと軸内に戻る。この動作によって、ペン先に擬似的な“しなり”が生じて、筆圧コントロールがやりやすくなる仕組みだ。

 

↑筆圧練習モードをオンにすると、メリハリのくっきり出た線が引きやすい

 

↑筆圧を強くかけると、黒いパーツが軸先からわずかに露出し、弱めるとひっこむ。この動きが“しなり”に近い感覚となる

 

この先端から飛び出す黒パーツにはどうも既視感があるぞ? と思ったが、どうやらゼブラ製の芯が折れないシャープペンシル「デルガード」の芯ガードパーツとほぼ同じもののようだ。

 

「デルガード」とは、強い筆圧に対して芯を守るためにパーツが飛び出すのが重要。対して「ビモアペン」は、筆圧を抜いたときにペン先ごと軸に戻ることで、線の変化を産むように機能する。どちらも筆圧がポイントになってはいるが、働きはまったくの別物。これはなかなかユニークなアイデアだと思う。

↑筆圧をかけると芯を守ろうと飛び出すデルガードの先端パーツ。素材は金属と樹脂で違うが、形状はビモアペンとそっくりだ

 

ではメモ帳では何ができる?

もう一方のメモ帳タイプ練習帳は、筆圧を意識しつつなぞり書きをする、というのがメイン。7日分に分割された課題ごとにQRコードが印刷されており、スマホで読むことで、書家・美文字研究家である青山浩之氏監修の練習動画が観られるようになっている。

 

言葉で説明するだけでは分かりづらい「筆圧の加減」も、動画ならたしかに分かりやすい。筆圧のかかり具合が先端パーツの動きで可視化されているのも、大きなポイントだ。

 

ちなみに、動画は再生時間だけでも各4分間以上。途中で動画を止めて練習するタイミングもあるので、1日の練習時間はだいたい7〜8分といったところ。3分というのは、ペンを動かしている実質的な時間を指しているのだろうか。

↑ビモア練習帳では、筆圧を意識したなぞり書きで反復練習をこなす

 

↑動画では「筆圧をどれぐらいかけるか」がゲージでも表示されるので、加減がつかみやすい

 

1日の練習前には、まず筆圧オフモードで課題文字を書くのだが、それを筆圧コントロールして書いた練習後の文字と比較すると、なかなか面白い。

 

見比べてみると、たしかに「おっ、ちょっと上手くなったかも?」という気になるのだ。誰でも筆や万年筆を使う際は、自然と筆圧をコントロールしていても、ボールペンで意識したことはあまりないだろう。その分、効果が実感しやすくなっているのかもしれない。

 

↑「目に見えて上達した」とは言いにくいが、少なくともマシにはなった気がする

 

さて、実際に7日間の練習を完遂した結果が、これだ。うーん、やはり文字の形やバランスの取り方を学んだわけではないので、胸を張って「美文字になりました!」とは言いづらい。

 

筆圧にばかり意識を向けると文字のバランスまで気が回らず、また逆も同じ。やはり、たかだか7日やったぐらいでは、無意識に筆圧をコントロールできる域にまで達するのは難しい。もうちょっと練習を繰り返す必要はありそうだ。

 

とはいえ、慎重にゆっくり書くことで線の強弱が出せるようなったため、雰囲気はそこそこマシになったように思う。自画自賛で恐縮だが。筆者のような根深い悪筆にはやや効果が薄いかもしれないが、元からある程度整った字が書ける人なら、この雰囲気アップは強い武器になるだろう。

 

ちなみに、インクフローの良い水性インクのペン(パイロット「Vコーン」、OHTO「筆ボール」など)ならば、ビモアペン同様に筆圧の強弱を活かせるので、練習の後にはこれらも試してみると面白そうだ。

 

 

筆者・きだてたく文房具レビューのバックナンバーはこちら

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】極細ボールペンのカリカリ筆記を解消しただけじゃない「サラサナノ」の意外なこだわり

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは? 今回は、書き味を克服する内部機構に加え、意外な部分のデザインにも気を配ったボールペン。

 

秘密は内部のスプリング。カリカリしない極細ボールペン「サラサナノ」

2021年11月、なめらかな書き味で知られるジェルインクボールペン「サラサ」シリーズ(ゼブラ)に、新作が加わりました。芯が0.3mmの「サラサナノ」です。すでに「サラサクリップ」に0.3mmの商品はあるのですが、新たに登場したサラサナノは新しい機構を備えていることで、話題になっています。

ゼブラ
サラサナノ 0.3
各220円(税込)

 

一般に、ペン先が細ければ細いほど書き味はカリカリしたものになりがちです。筆圧が小さいボールに集中し、紙の凹凸を拾ってしまうからですね。

 

この問題を、サラサナノは大胆な方法で解決しました。内部に、衝撃を吸収するサスペンションとなる小型スプリングを入れたのです。芯やペン先を改良するのではなく、自動車のサスペンションが路面からの振動を和らげるように、内部のサスペンションによって振動そのものを緩和する手に出たのですね。

 

ゼブラが「うるふわクッション」と呼ぶこの機構の効果は抜群です。実は、サラサナノの芯・ペン先はサラサクリップ0.3mmと同じものを使っているのですが、書き味はなめらかになっています。

 

もっとも、サラサナノは発売直後から話題になっていましたから、文房具好きの方々なら、ここまで書いたことはとっくにご存じでしょう。しかし、注目すべきポイントは書き味だけではないことをご存じでしょうか?

 

シックな色が増えた

まず注目したいのが、色数の多さです。0.3mmという、市場にはけっして多くない極細ボールペンにもかかわらず、32色ものインクカラーが用意されています。

↑極細にもかかわらず、色数が豊富。使い道が広がります

 

なかでも興味深いのは、近年需要が増している、大人っぽいビンテージカラーがたくさん用意されていることです。片手ですぐに書き始められるノック式で極細、しかもなめらかな水性顔料で32色ものカラーバリエーションを持つのは、サラサナノくらいです。

↑大人っぽいビンテージカラーが多いのも特徴。トレンドを抑えています

 

驚くほど細部まで作り込まれたデザイン

さらに、ビンテージカラーと呼応するように、デザインに高級感ただよう、落ち着いたものへと変わりました。

 

情報量が多かったクリップですが、そこに記されているのはサラサナノの名前と「.3」という太さを表す数字だけ。「0.3mm」ではなく、「0.3」ですらないのです。

↑上は従来のサラサクリップ。情報量が多いですね。一方、下のサラサナノでは情報量がそぎ落とされ、見違えるようになりました

 

このクリップは胸ポケットの縁などに挟みやすい可動式なのですが、動かすための金具も、サラサナノでは見えないように隠されています。上からのぞき込むと、スプリングがあるのがわかりますね。

↑クリップを動かすための金属は、正面からは見えないよう隠されています

 

このクリップ、不思議な透明感があるのですが、それは白っぽい樹脂の上に透明な樹脂を重ねているためです。さらにその上に文字が乗っているため、光に当てると微妙に影ができます。複雑かつ美しい作りです。

↑白っぽい樹脂の上に透明な樹脂を乗せ、さらに文字を乗せた複雑な構造。美しいですよね

 

↑並べて鑑賞したくなります

 

グリップ部分も変わりました。以下の写真の上が従来品で下がサラサナノなのですが、滑り止めの溝の形が変わっているのがわかるでしょうか。メーカーのゼブラに聞いてみたところ、デザイナーによりデザインされた、「細く書ける」ことを表現した模様とのこと。そういわれると、なんとなくそんな気もしてきます。

↑「細く書ける」ことを表現したグリップの溝(下)。性能には関係ありませんが、作り手のこだわりが伝わってきます

 

税込み220円とサラサクリップの倍のお値段ですが、性能面はもちろん、このデザイン面での作り込みを見れば納得なのではないでしょうか。手に入れたら、ぜひ細部までその美しさを味わってください。

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

ディレクター用サインペン「フィラーレディレクション」は指示出しの全動作折込済みの隙のなさだった

ほとんどの業種において、コロナ禍で仕事の進め方が大きく変わった、というのはもはや疑いようのないところだろう。在宅ワーク・テレワークなんていうのはその最たるもので、これまでとは違うシステム下での働き方へと全体的にシフトしつつあるのは間違いない。とはいえ、流行の“DX”などということではなくて……シンプルに、“仕事用の文房具”もちょっと変わってきているよね、という話である。

 

例えば、最近は書類のファイリングツールに注目が集まっているのだが、これはオフィスではなく個人単位での書類管理の必要性が高まっている、ということだろう。

 

また、どっしり座って落ち着いて書きものをするのに最適な低重心のペン(先日紹介した300円帯ボールペンなど)の新製品が立て続けに出ているのも、実はそういう流れの中にあるのかもしれない。

 

【関連記事】2022年を占う! 2021年「文房具」業界を席巻した二大トレンドのおさらい

 

そういった中でまたひとつ、新しい仕事環境にフィットした面白い筆記具が登場したので、紹介してみたい。

 

部下に指示を出すならサインペンがいい! を体現するゼブラ「フィラーレ ディレクション」

ゼブラから発売された「フィラーレ ディレクション」は、ディレクション(=指示・指揮)の名の通り、管理職やグループリーダーなどの地位にある人が、部下に説明や指示をするのに最適! というサインペンである。

 

そういうポジションの人が使うものなので、もちろん見た目が安っぽいようでは話にならない。高級感があってどっしりした金属軸のツイスト式、という仕様だ。

ゼブラ
フィラーレ ディレクション
2200円(税込)

 

↑ボディをひねると、先端からサインペンのチップがニュッと現れる

 

そもそもこの「ツイスト式のサインペン」というのが、かなりユニーク。なにしろサインペンはボールペンよりもチップの表面積が大きいため、インクが乾燥しやすい。実際に思い返してもらえれば、皆さんがこれまで使っていたサインペンは、どれも密閉性の高いキャップ式だったはず。

 

しかしゼブラは、2019年に発売したノック式サインペン「クリッカート」で、大気中の湿気を自ら吸収して乾燥を防ぐ「モイストキープインク」という技術を開発している。ノック式ができるんだから、もちろんツイスト式サインペンだってなんの問題もなく作れちゃうのだ。

 

【関連記事】ペン先が乾かない、上書きしても滲まない!ゼブラのノック式水性マーカー「クリッカート」が全色集めたくなる優秀さ

↑ノック式の「クリッカート」(左)とは、同じモイストキープインクを搭載する兄弟のようなもの。ただし価格は20倍ほど違う

 

ところで、なぜ「説明や指示出しにサインペン」なのか? というと、これは簡単。筆記線がボールペンよりも圧倒的に太くてハッキリしているからだ。

 

例えば書類に指示書きをする場合でも、サインペンで太い文字を書いた方が伝わりやすいのは明らか。小さな文字をチマチマ書いていたら読み飛ばされるかもしれないし、なによりも長い文章は誤読の危険性もある。短いワードを大きくグイッと、が重要というわけ。もちろん、ビデオ会議でノートやスケッチブックに図を書いて見せるなどにも、太い線と大きい字の方が良いのは簡単に想像できるだろう。

↑画面内の小さなフレームでもきちんと読み取りやすいのが、サインペン字のメリット

 

トレンドに逆行⁉︎ 高重心の理由

さらに、この高級感のある金属軸にもちょっと面白い工夫がされている。握ってみると分かるが、このサインペンは重心がかなり上側に配置されているのだ。昨今の低重心筆記具ブームの中ではやや不思議な感じもするが、実はこれも意図があってのこと。

↑常識的にはかなり不自然な握り位置だが、「フィラーレ ディレクション」に限ってはこれが正解

 

試しにほどよくバランスの取れる部分を探っていくと、おそらく上写真のような持ち方になるはず。この持ち位置は先端が長くなる=移動量が大きくなるため、大きい字が書きやすいのだ。

↑この握りだと、自然と文字が大きく書けるのが面白い

 

ボールペンではNGとされる“寝かせ書き”のかたちになってしまうが、サインペンはチップが紙に触れていれば問題なくインクが出る。つまり、筆記にはなんの支障もないのである。

 

正しく重心バランスのとれる位置で持って書いてみると、安定して手に乗るためか、指先の操作に対する追随性も充分。スイスイと先端が軽く大きく動かせるので、思った以上に快適な書き味が得られた。これは本当に気持ちいい。

 

軸の先端にも隠された機能があった!

もうひとつ、軸のデザインに少し不思議な点があるのにお気づきだろうか。よく見ると、クリップや軸中のリングがシルバーなのに対して、先端だけがゴールドになっているのである。

 

実はこれにも理由がある。「フィラーレ ディレクション」を指示棒のようにして図表や文章を指し示すと、この先端のゴールドがキラッと非常に目立つのだ。

↑指示棒として使う際には、先端のゴールドパーツが視線を集める

 

しかも、前述の先端を長めに取る持ち方は、書きながら指し示す、というやり方にも最適。まったく、隅から隅までディレクションワークにフィットしたペンと言えるだろう。

 

リフィルの互換性に気づいてしまった……

↑専用の金属リフィルは交換も簡単。ところでこの形状とサイズ、どこかで見たような……?

 

モイストキープインクは、ペン先チップを収納した状態なら52週は乾燥知らず。うっかり放置してカスカスになる不愉快さを味わう機会もそうはなさそうだ。

 

また、インクが切れた場合は、専用リフィル(税込220円)と交換可能。用意されているインク色は黒と赤のみ……なんだけど、実はこのリフィル、金属軸である以外、径や長さは「クリッカート」のリフィルと同じ。つまり、互換性がある!

↑なんと「クリッカート」のリフィルと同じサイズ!

 

なんなら36色ある「クリッカート」から好きなインク色を選び放題ということで、より指示出しに目立つ色を模索してみるのも楽しいかもしれない。

 

 

筆者・きだてたく文房具レビューのバックナンバーはこちら

 

2022年を占う! 2021年「文房具」業界を席巻した二大トレンドのおさらい

2020年に引き続き、今年もやっぱりコロナで大変だったなぁ、という印象の強い2021年。では、文房具業界としては、2021年はどんな雰囲気だったかというと、世情の薄暗さに対して、実は近年まれに見る“面白い年”だったように思う。

 

コロナ禍で発売時期が遅れていた製品も徐々に出始めたし、ニューノーマルに対応した従来にないツールも数多く登場している。まだ業界全体で景気回復とまでは至らないが、それでも我々ユーザーが「わー、なんか楽しい新製品がいっぱいあるなー」と感じられるような前向きな雰囲気になっているのだ。

 

そこで今回は2021年の文房具シーンを振り返りながら、あらためて「コレ買い忘れてない?  買っておいたほうがいいよ」という2021年の傑作文房具を紹介していこう。おそらくトレンド的にはもうしばらく今の流れが続くはずなので、来年以降の予測としても読んでいただけるとありがたい。

 

1.ここ数年で最大級!? ボールペンの当たり年

2021年で一番に挙げたいのが、「ボールペンすごかったね!」という話。まず上期には、ファン待望の多機能ペン「ブレン2+S」(ゼブラ)や、ロングニードルで細字の書きやすさに特化した「モノグラフライト」(トンボ鉛筆)に注目が集まった。

↑ロングニードルチップで先端視界が広く、細かな字が書きやすい「モノグラフライト」

 

【ゼブラ「ブレン 2+S」】ボールペンかシャープか、メイン機能で選ぶべき最新個性派「多機能ペン」

【トンボ鉛筆「モノグラフライト」】なめらか筆記はもう常識! 最新ボールペンが「モノグラフライト」「イルミリー」で遂げたさらなる進化とは?

 

さらに夏には「オレンジEG」(BIC)廃番というショッキングなニュースに続いて、新定番を目指す「クリスタル オリジナル ファイン」(BIC)が発売されるなど、とにかく話題に事欠かなかった印象だ。

↑今年惜しまれつつ廃番となった「オレンジEG」(上)と、新登場の「クリスタル オリジナル ファイン」(下)

 

BIC「クリスタルオリジナルファイン」】「BICオレンジEG」廃盤! その後継ボールペン「クリスタルオリジナルファイン」はファンを納得させられる出来なのか?

 

例年であれば、これでも充分に「いろいろ出たなぁ」と言って構わないのだが、実はまだまだ。今年のボールペンに関する動きは、秋以降が本番だったと言える。

 

なにより最もインパクトがあったのが、「ユニボールワン」の軸を高機能化させた「ユニボールワン F」(三菱鉛筆)や、6色カラーブラック「ボールサイン iD」のアップグレード版「ボールサイン iD plus」(サクラクレバス)といった、上位モデルの登場だろう。

↑最適な重心バランスの「ユニボールワン F」は、 おそらく2021年で最も注目されたであろうボールペンだ

 

↑良好なフローのワンインク+スタビライザー機構で安定した握り心地を実現した軸は、相性抜群の組み合わせだ

 

これらの特徴としては、すでに人気の高い既存ボールペンのリフィルはそのまま、軸のデザインや重心バランスを見直すことで握りの安定感・書きやすさをアップさせていること。価格も従来モデルから100~200円ほど上がっているが、触ってみれば、間違いなくお値段以上の価値を感じられるクオリティである。

↑低重心化に加えて軸のマット塗装でグリップ感も向上した「ボールサイン iD plus」

 

【三菱鉛筆「ユニボールワン F」】【サクラクレパス「ボールサイン iD plus」強みは書き心地を高める低重心! 新価格帯「300円ボールペン」の真価とは?

 

実際問題として、インクやチップ周りに関しては2019~2020年の間でかなり高品質化しており、現状すぐにこれ以上のものを求めるのは難しい。そこでメーカーがたどり着いたのが、手付かずだった軸のバージョンアップなのだろう。

 

その結果として、高品質なインクと高機能な軸がかけ合わされ、ある意味「ボールペンの完成版」とも言える製品が登場した、というわけ。

 

↑ゲルインクの大定番「サラサクリップ」は、極細0.3㎜径でサラッと書ける「サラサナノ」にアップグレード

 

【ゼブラ「サラサナノ」】秘密は軸にあり!「サラサナノ」が極細ゲルインクボールペンなのにガリガリしない理由

 

ところでこのムーブメントがまだ2022年も続くとしたら、気になるのが、現時点でまだ軸のバージョンアップが終わっていないレジェンド級ボールペンの存在だろう。

 

例えば来年以降、「ジェットストリーム」や「フリクションボールノック」が同じ文脈でアップグレードされたらどうなる……? と考えるだけで、正直ワクワクが止まらないのだ。

2.ニューノーマルに慣れたユーザーの要望を製品化

2021年でもうひとつ大きな動きといえば、コロナ禍におけるニューノーマルに積極的に対応した文房具の登場だろう。

 

これまでにも「狭い作業スペースで効率的に仕事ができる」ことを主眼にした製品はあったが、在宅ワーク爆増の流れを受けて、ジャンルの枝がより太くなったという印象だ。

↑狭い机でも、自立する書類ファイル「ジリッツ」を使えば作業効率が落ちない

 

【キングジム「ジリッツ」】見やすくて省スペース! キングジムの自立するファイル「ジリッツ」の斬新な仕組みとは?

 

さらに言えば、ただただコロナ騒ぎに流されるだけだった2020年に比して、2021年はユーザーが新しい働き方を受け止めてきちんと咀嚼しはじめた、ということもあると思う。オンライン会議ひとつとっても、昨年までならただぼんやりとフレームに収まっていた同僚が、最近は妙に顔色良くくっきり写ってるな、と感じたことはないだろうか?

 

これは、「ノートPCにスタンドをセットすると画角が上がって顔写りが良くなる」、あるいは「照明にビデオライトを使うと見栄えが上がる」といったノウハウが次第に広まっていることに由来する。

↑クリップオンでカメラ写りが圧倒的に良くなる「Web会議用スクエアライト」

 

つまり、我々がオンライン会議にようやく慣れてきたことで、不満に感じるポイントも明確化してきた、ということなのだ。そしてそれによって、不満が解決できるツールの要望をメーカーが汲み取って製品化、という流れも生まれているのである。そもそも文房具メーカーの社員だって在宅ワークを1年以上みっちり経験しているわけだから、ケーススタディも万全だろう。

 

例えば「スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>」(コクヨ)のように、スタンドでノートPCの画角を上げつつ、オンライン会議に参加しながらメモを取りやすい、といった“オンライン会議特化型”の機能を持っている。これは、在宅ワークの環境的な不満をまとめて取り除くことができる、とてもよく考えられた製品だと思う。

↑キーボード上がデスクに早変わりする「スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>」は、狭い場所でのオンライン会議にとにかく重宝する

 

【コクヨ「スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>」】在宅ワーク環境を快適化!コクヨのPC周辺アイテムでキーボード入力もメモもスムーズ

 

↑ソファや座椅子でも快適に仕事ができる「広々ひざ上デスク」も今年前半に注目を集めた

 

【ソニック「ユートリム 広々ひざ上デスク」】在宅ワークの「机がない!」問題を解決するか?「広々ひざ上デスク」の実力を検証

 

↑自宅のプアな椅子で腰を痛めたときは、「パタスタ」で机をスタンドデスク化がオススメだ

 

【カウネット「WORK FIT HOME スタンディングワーク用PCスタンド パタスタ」】いつもの机をスタンディングデスク化するカウネット「パタスタ」が座りっぱなしの腰痛を解消する!

 

今後はコロナも落ち着くことで、また現在とは違う仕事環境になることだろう。とはいっても、オンライン会議というものがなくなるとはとても思えないし、DX化の流れを考えれば在宅ワークももっと気軽なものになるに違いない。

 

であれば、来年以降もそういった新しい仕事環境に適応した文房具やツールは増えるはずだし、よりユーザーの不満を踏まえて解決力を高めた完成度になって出てくるのではないだろうか。

 

筆者・きだてたく文房具レビューのバックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

秘密は軸にあり!「サラサナノ」が極細ゲルインクボールペンなのにガリガリしない理由

ゲルインクボールペンの0.3mm径というのは、かなり扱いが難しいと、筆者は思っている。立ち位置は、現在のゲルインクボールペン市場では最も細いボール径。この“細さ”がクセモノで、どうしてもガリガリとした引っかかりの強い筆記感になってしまうのだ。

 

つまり、ボールが小さいだけに紙の繊維などの微細な凹凸に足を取られやすかったり、先端が鋭すぎて紙の表面を掘ってしまったり、という状態である。「このガリガリした書き味がいい!」という人以外にとって快適じゃないのはもちろん、このガリガリした衝撃によってペン先が跳ねてしまい、カスレが発生しやすいのも問題と言える。

 

筆者も、ゲルインクの細径が好きでメイン筆記具にしているが、それでも0.38mm(≒0.4mmクラス)。この0.1mmの差は数字以上に大きくて、正直、自分には0.3mmは使いこなせないなー、と諦めていたのである。

 

しかし、2021年11月に発売されたゲルインク0.3mmの新製品が、試してみるとなかなかに面白い。特殊な構造で、ガリガリ感を抑える工夫がされているのだ。

 

極細0.3mmでもガリガリしないゲルインクボールペンとは?

その新製品というのが、ゼブラから発売された「サラサナノ」。名前でお分かりの通り、ゲルインクの王者こと「サラサ」シリーズに新たにラインアップされた、0.3mm径のボールペンである。

 

ゼブラ
サラサナノ0.3mm、全 32
各200円(税別)

 

ちなみに、シリーズの大看板である「サラサクリップ」にも、以前から0.3mm径は存在している。ただ、個人的な感覚では「サラサとはいえ、やっぱり0.3はガリガリするよなー」という印象のペンだった。実は「サラサナノ」のインクリフィル部分は、この従来の「サラサクリップ」0.3mmと共通なのである。

 

えっ、じゃあ結局ガリガリじゃん! と考えるのは、早計に過ぎる。不快なガリガリを抑制する工夫は、リフィルではなく軸の方にあるのだ。

 

ガリガリ抑制の仕組みとは?

↑引っかかる感じが少なく、細い線がサラッと軽く書ける筆記性能は、非常に優秀

 

「サラサナノ」のボディには、バネが2本内蔵されている。1本はノックの制御を行うための口金内部の前バネ。こちらは、ノック式ボールペンすべてに入っているお馴染みのやつだ。

 

そしてもう1本が、軸後端に収まっている振動抑制用の後バネ。「うるふわクッション」と名付けられたパーツである。この後バネが、サスペンションとなってリフィルの上下動を吸収。ガリガリした振動を抑制する、という仕組みなのだ。

 

↑ペン先がバネで上下に動くことで、紙表面の凹凸を乗り越えやすく、強い筆圧を逃がす効果も得られる(写真提供:ゼブラ)

 

↑ノックボタンの下に位置する黒いパーツが「うるふわクッション」。これがバネを内蔵したサスペンションだ

 

サスペンションとはいっても、書く際にブワブワ動くほどではなく、タッチは硬め。筆圧をグイッと強くかけると少し沈むかな? 程度なので、違和感はないだろう。

 

しかし、この“硬いサス”こと「うるふわクッション」が、思った以上に良く効く。小さな字を書くにも、これまでなら紙の繊維に引っかかってガリガリと揺れていたペン先が、かなりスムーズに動かせるのである。この書きやすさは「本当にサラサ0.3と同じリフィルなの?」と驚くほど。他社のゲルインク0.3mm径と比較しても、引っかかりの少ない書きやすさはトップクラスだと感じた。

 

ザラザラしてペン先が引っかかりやすい付箋の書き味は?

↑コピー用紙やノートよりも平滑度が低い付箋の紙でも、サラサラと快適筆記

 

従来のゲル0.3mm径にとって、付箋は鬼門だったと言える。付箋は書き込み面積が少ないだけに、細い字で書き込みたい。しかし表面がザラッとしている(平滑度が低い)ため、特にペン先がガリッと引っかかる率が非常に高かったのである。

 

そこで「サラサナノ」を付箋書き込みに使ってみると……おおー、確実に書きやすい! 筆者は今まで、付箋への書き込みは油性の0.3mm径を使っていたのだが、今後は「サラサナノ」に切り替えても良さそうだ。

 

↑鼓型に削りこんだ不思議な形状の口金。メーカーリリースには「先端視界を確保しやすい」とあるが、あまりその効果は体感できなかった……

 

もうひとつ、口金の金属化も大きなポイントで、先端重量を増やして低重心化し、書きやすさを高めている。

 

これは明らかに、昨今のボールペントレンドのひとつ。先だってもこの連載で、“300円帯ボールペン”として「ユニボール ワン F」と「ボールサインiD plus」を紹介したが、つまりは従来の100~200円のボールペンを、リフィルはそのまま、軸や口金部分のアップグレードで低重心・高品質化させる……という方向性だ。

強みは書き心地を高める低重心! 新価格帯「300円ボールペン」の真価とは?
https://getnavi.jp/stationery/675698/

 

しかし、それらと同じ方向性でありつつ、それを一段安い200円帯で売ってしまうあたり、いかにも“学生の味方”であるゼブラらしい。

 

↑全32色のカラーラインナップ。人気のビンテージカラーなども揃って、ローンチの時点ですでに充実感が高い(写真提供:ゼブラ)

 

カラーラインアップも、0.3mm径としては一気に最多クラスとなる32色。これまで「サラサクリップ」0.mmが20色だったので、1.5倍以上も増えたということになる。

 

もともと、0.3mm径はインクカラーの選択肢が少なめということもあって、この32色という大ボリュームも「サラサナノ」を選ぶ理由として大きいのではないだろうか。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

「うるふわクッション」で書き心地が進化! 極細ジェルボールペン「サラサナノ」

ゼブラは、極細ジェルボールペン「サラサナノ」を、11月5日に発売します。税込価格は220円。

↑上段左から、ビリジアン、緑、フレッシュグリーン、ライトグリーン、黄、オレンジ、レッドオレンジ、バーミリオン、赤、ピンク、ライトピンク、マゼンタ、紫、茶、グレー、黒
下段左から、セピアブラック、ダークグレー、ブラウングレー、レッドブラック、キャメルイエロー、カシスブラック、ボルドーパープル、グリーンブラック、ブルーブラック、ブルーグレー、青、コバルトブルー、ペールブルー、ライトブルー、ナイトブルー、ブルーグリーン

 

同製品は、ペンの上部にスプリングを加えた「うるふわクッション」を採用。筆圧に応じて中芯が上下に動くようになり、筆記時のガリガリ感がスプリングで吸収され、ペン先の紙へのひっかかりが少なくなって、インクが安定して出るようになりました。さらさらとした書き心地で、くっきりキレイな線を書くことができます。

 

豊富な32色のラインナップで、手帳に色分けして書き込んだり、日記を装飾したり、よりカラフルで多彩な表現が可能。

 

ジェルインクのみずみずしさをクリップやノックの透明部分で表現したデザインで、金属製の先端部分は、書いているところが見えやすいような形状になっており、ほどよい低重心を実現しています。

アウトドアでも働く現場でも! ライト付きボールペン「ライトライトα」の本気を感じる進化とは

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を1点ずつピックアップしている。第8回となる今回は?

 

第8話

ゼブラ
ライトライトα
660円(税込)

ペン先にライトを搭載したボールペンの新モデル。暗い場所で使っても目にやさしい、赤いライトが新たに加わった。暗い場所で長時間過ごす夜間の仕事や、天体観測などの趣味のシーンで活躍する。

 

ライト付きボールペンとしてのさらなる進化形

文房具史上初の、「本気の」ライト付きボールペン。

 

これまでも暗闇で書くためのライト付きボールペンはあるにはあったが、どれも使い勝手や書き心地がイマイチで実用に耐えるものはほとんどなかった。

 

そこに2018年、突如登場したのがゼブラの「ライトライト」。ペン先に明るいLEDライトを搭載し、インクはゼブラの主要インクである油性インクを採用。海外メーカーに通ずる無骨でシンプルなデザインと、基本的なスペックの高さからその「本気」が伝わってきた。

 

ペン先の出し入れとライトのオンオフをノックで切り替えられるから両手が塞がらないし、灯りがいらない場面では普通のペンとしても使える。ペン先が光った状態での筆記にはやや慣れが必要なので、最初はペンとライトを別々に使うのも良いだろう。クルマの中や非常用持ち出し袋に入れておく一本としても安心感がある。

 

そして2021年3月、その改良版「ライトライトα」が登場した。ペン先に蓄光パーツを使い、ライトに目が眩むのを防ぐ赤色LEDライトモデルも用意するなど、ライト付きボールペンとしてのさらなる進化形を見せてくれている。

 

同社の調査によれば、医療、運送、建設業などで働くおよそ4割の人が日常的に暗い場所で筆記しているという。「本気」で必要とする人がいるから本気で応えた、その応答が気持ちの良い一本である。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第6話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第7話】万年筆入門にうってつけ!丸くカーブしたペン先が特徴のミドリ「MD万年筆」
https://getnavi.jp/stationery/582979/

ボールペンかシャープか、メイン機能で選ぶべき最新個性派「多機能ペン」

最近、あらためて「面白いなぁ」と感じているのが、多機能ペン。いわゆる「ボールペン+シャープペンシル」の複合筆記具だ。

 

実は、自分自身では多機能ペンを使いこなした経験が非常に少ない。学生時代にシャープペンシルを使っていたときは「ボールペン邪魔だな」と思っていたし、社会に出てボールペンをメインに使うようになると「シャープペンシルいらないな」と思っていた。つまり、常にどちらかが無駄だと感じていたわけで、そりゃ使うわけがないよなあ、ってなもんだ。

 

それがなぜ唐突に心変わりしたかというと、仕事の関係である。他媒体の話で申し訳ないが、筆者は高校生向けの冊子で「勉強に役立つ文房具」を紹介する連載、というのをやらせてもらっている。その関係で、最近の高校生はかなり多機能ペンに興味を持っている、というのが分かってきた。実際、今の生徒はノートを取るのにボールペンを使うケースも多い(我々の世代はほぼ100%シャープペンシルだった)ため、多機能ペンがあると便利なのだ。

 

そこで、紙面で紹介するようにあれこれ使いこんでみた結果が、冒頭の「面白いなぁ」というわけ。実際、最新の多機能ペンはユニークな発想で作られたものもあり、面白いのだ。そこで今回は、そういった面白い多機能ペンを2点紹介したい。

 

学生に必要なものを詰め込み! シャープペンシルがメインの多機能ペン「examy」

多機能ペンを使うにあたってまず考えたいのが、ボールペンとシャープペンシル、どっちを使う機会が多いのか、ということ。当然ながら、メインで使う機能を重視したペンのほうが、満足感が高くなるからだ。

 

シャープペンシル重視の多機能ペンでいえば、サンスター文具「examy シャープ&シャープ&赤ボールペン」(以下、examy)の振り切りっぷりがとても興味深い。

サンスター文具
examy(イグザミー) シャープシャープ赤ボールペン
600円(税

 

なにが振り切っているかというと、まず多機能の構成が名前の通り「0.5mmシャープ+0.3mmシャープ+0.7mm赤ボールペン」という部分だ。

 

従来にも、シャープばかり0.3/0.5/0.7mmという多機能ペン(ぺんてる「ファンクション357」)はあったが、examyは0.7mmを赤ボールペンにしている。なぜかって、そりゃ当然、勉強する場合にはそれがいいからに決まっている。

 

↑本文や作図、赤字まで1本でできるので、ノート作りがかなり効率的になる

 

examyというのは、サンスター文具が展開している「勉強がはかどる文房具」シリーズ。つまりこの多機能ペンも、想定ユーザーは中高生が中心だ。

 

であれば、ノートを取るのにまずシャープ0.5、図表や細かい書き込みにも便利なシャープ0.3、そして丸付けや見出しに使える赤ボールペンという構成は、最適解のひとつと言えるのでは。正直、なんでこれ今までなかったの? という気すらしてしまう。

 

しかも、それが1本にまとまっていると来たら、筆箱がいつもギチギチでパンク寸前の中高生にとっては、嬉しい話だろう。ついでに言うと、消しゴムも太めで消しやすいものを備えているのがナイスだ。

↑ついでに消しゴムも大きめで、消しやすい

 

機能の切り替えは、後軸を回転させて行うツイスト式だ。

↑後軸を「赤・0.5・0.3」の順に回して切り替える。ノックも後軸全体を押し込んで行う

 

ただし、現時点でどの機能が選択されているかを表すようなインジケーターは存在しない。しかもシャープは、0.5/0.3のどちらが出ているか、見た目では判断できないので、少しまぎらわしい。

↑ここまで拡大すると0.3と0.5の見分けがつくが、肉眼では難しい

 

とはいえ、そういった機能を省いてでも定価で600円という学生向けの価格設定にした、という判断は理解できる。「そんなの使ってれば慣れるし、それよりは安い方がいいよねー」という話である。

 

ボールペンがメインならやはり“書きやすさ”重視! 注目の多機能ペン「ブレン 2+S」

対して、ボールペンがメインの多機能ペンは、従来からの主流派ということで選択肢が多い。その中でも個人的にチェックしたいのが、軸の太さ。あくまでも筆者の嗜好の話だが、昔から太軸がなんとなく苦手なのだ。

 

その点でイイなと思ったのが、ゼブラ「ブレン 2+S」である。

ゼブラ
ブレン 2S
500円(税

 

何しろ軸径が単色ブレンと変わらない11.8mmなので、多機能ペンとしてはスリムな部類に入るのだ。ブレンは3色タイプが出たときも単色と同じ軸径をキープしていたので、そのあたりはデザイナーであるnendo・佐藤オオキ氏のこだわりなのかもしれない。

↑軸径は単色の「ブレン」(写真左)と一緒。手帳のペンホルダーにも入れやすいサイズだ

 

そしてなによりありがたいのが、ブレないブレンシステム。

↑ペン先ががっちりと固定されているので、安定感は多機能ペンの中でも最高
↑口金の先にある黒い輪が、ペン先固定用パーツ。これがあることで非常に書きやすいのだ

 

多機能でもペン先がカチャカチャと振動しないのは、とても書きやすいのである。この感覚は、一度別の多機能/多色ペンを使ってからブレンに戻ると、非常によく分かるはずだ。口金の先でリフィルを固定させているので、もちろんボールペンだけでなくシャープにも、効果は発揮されている。

 

機能の切り替えはノック式で、ボールペンは左右の小ノックノブ、シャープは中央の大ノックノブを使用する。

↑ノブがかなり沈んでしまうため、一度スライドさせてからの芯出しノックがしづらい。これはちょっと改善して欲しい部分だ

 

シャープは切り替えだけでなく芯出しでもノックするので、大きなノブは使いやすそうだな、と思っていたのだが……このノブ、切り替えでスライドさせた時点で、軸に大きく沈み込んでしまう。そのため、芯出しノックがかなりしづらいのだ。さらに上面に丸みがついているため、指掛かりも悪い。

 

毎回、芯出しをするたびにノックノブに指を強く押しつける必要があるのは、ちょっとマイナス要素に感じられた。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

ゲルインクボールペン覇者の逆襲開始! ゼブラ「サラサR」のくっきり発色&カラバリ充実を検証した

ゲルインクボールペンの主戦場は、どうやら“書き味”から“色”へとシフトしたようだ。

 

というのも、ここ1〜2年のうちに発売されたゲルインクボールペンの大多数が、インクのカラーラインナップや発色性を最も強く打ち出しているのである。

 

以前にもこの連載で「ゲルインクボールペンのインク沼化」という話をしたが、その傾向は(ざっと見渡した限りは)一時的なものではないようで、しばらくはカラーインク千紫万紅(せんしばんこう)の時代が続くんじゃないだろうか。

 

このゲルインク沼のきっかけのひとつして挙げられるのが、三菱鉛筆「ユニボールワン」だ。

 

カラーラインナップは、限定色も含めて発売から1年で35色と、すごい勢いで増えているが、なによりポイントとなるのは、その発色性。新開発の顔料インクは非常にクッキリとしており、特に黒は、現時点で最も真っ黒なゲルインクと言っても過言ではない。

 

実はこれ、油性インクの覇者「ジェットストリーム」を擁する三菱鉛筆が、今度は「ワシら、ゲルでも王座獲ったりますけん」と打ち出してきたペンではないかと推測(邪推とも言う)されていた。つまり、ゲルインクボールペンの売上で9年連続トップを誇るゼブラ「サラサ」シリーズへの刺客である。

 

実際、ゲルインクボールペンのメインユーザー層である中高生の間でも、ユニボールワン人気は徐々に高まっているように感じる。

【関連記事】
ボールペンにも“インク沼”!? 2020年のボールペントレンドを象徴する色にこだわった2選
https://getnavi.jp/stationery/557305/
なめらか筆記はもう常識! 最新ボールペンが「モノグラフライト」「イルミリー」で遂げたさらなる進化とは?
https://getnavi.jp/stationery/596606/

 

ゼブラが打ち出した、クッキリ発色のカウンターパンチ「サラサR」

しかし、ゼブラもやられるばかりではない。ユニボールワン・カウンターとして(と思われる)、次の一手をすかさず打ち出してきたのである。それが、2021年3月に発売された新シリーズ「サラサR」だ。


ゼブラ
サラサR
0.4mm・0.5mm
各100円(税別)

 

ローンチのカラーラインナップは、0.4mmが14色、0.5mmが黒・赤・青の3色。これまでと違って、主軸が0.5mmから0.4mmに移行しているのも、おそらく0.38mmにカラーを集中させたユニボールワンに対抗してのことではないだろうか。

 

↑「サラサR」(左)と従来の「サラサクリップ」(右)。サラサRでは、パーツの造形はそのままに全体を白で統一しており、まさに今風のデザインとなった

 

ちなみにこの14色は、中高生のノート筆記に最適という視点で選ばれているようで、初回限定として国・英・数・社・理の5教科向けにそれぞれカラーコーディネーターが配色した、科目別の5色セットも発売されている。

↑ラインナップの14色。「まずは定番色をきっちり揃えてきたな」という印象だ

 

従来のサラサクリップとの違いは、インクの濃さ

ゼブラによれば「黒で従来インクより27%濃く書ける」とのこと。やはりクッキリした発色を謳っているわけだ。

 

比較してみると、確かにパッと見た印象でも「お、濃いな」という感じ。ただ、インクフローがややダクダク気味で線が太るのも、クッキリとした濃さを演出しているのかもしれない。個人的には、インクたっぷりなこの書き味はなかなか好ましいし、ダーッと早書きする板書にはマッチしそうではある。

↑遠目に見ても字が読み取れる視認性の良さ。ただし線が太い(ほぼ0.5mmと同じ)ので、細かい字を書き込むには向いていないかもしれない

「ユニボールワン」と比べてみるとどうか?

さて、やはり気になるのは「じゃあ、ユニボールワンと比べてどうなの?」というところ。

 

ということで書き比べてみると……正直、黒さで言えば、ユニボールワンのほうが正しく「黒色」だろう。サラサRは従来のサラサシリーズと同じく「赤黒色」傾向、かつ光の反射もあるため、並べてみるとやはり浅く感じられる。

 

とはいえ、赤黒でもかなり強い色なので、視認性という点ではさほど差はないかもしれない。しっかり読み返しやすい黒なのだ。

↑純粋な黒さで言えば、やはりユニボールワンの方が「クッキリと黒」だ

 

“出色”の出来は明るめの色。速乾性も見逃せない!

ラインナップの中で気に入ったのが、ライトブルー・フレッシュグリーン・ピンクといった明るめの色。明るいのだが浅くなく、どっしりした発色なので、目に痛くない。これは確かに、カラフルなノート作りに使うと、色分けがきちんと活かされた読みやすいものに仕上がりそう。

 

逆にカラーブラック系は、少しアッサリし過ぎて物足りなかった。あくまでも筆者の好みだが、もうちょっとダーク方向に振ってくれたほうが使いやすい。

 

ところで、実際に書いていて気付いたのだが、このサラサRのインク、やたらと速乾性が高い。筆記直後に指で擦っても、かすれることがないのだ。

↑サラサシリーズでの比較。「サラサドライ」とサラサRは、インクの方向性がかなり近いように感じた。染料系で水濡れに弱いところも同様だ

 

速乾性が高く、インクがダクダク気味な書き味のサラサ……なにか覚えがあるような。そう、2016年に発売された「サラサドライ」である。もしかして? と思って、手元にあるサラサシリーズ(サラサクリップ・サラサマークオン・サラサドライ・サラサR)を並べて書き比べてみると、うーん、ドライとR、発色まで非常によく似ているような。さすがに全く同じものとは思わないが、同系統のインクを使っている可能性はありそうだ。

 

それにしても、クッキリ発色や速乾性を備えながら、価格は従来のサラサと同じ100円(税別)! というのは、なかなか面白い判断だと思う。おそらく120円(税別)のユニボールワンに対するカウンターなのだろう。特に、カラーをあれこれ揃えたい中高生にとっては、1本につき20円は軽視できない差だろう。

 

ゼブラ VS  三菱鉛筆の“ゲル抗争”が今後どうなっていくのか、まだ目が離せない。これが激化すれば、ユーザーはより進化したペンを手にできるわけで。みんなももっとガンガン煽っていこう!

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

新「サラサ」は鮮やか発色! 従来比27%濃いゼブラのボールペン「サラサR」で気分も上向く!

サラサラとした軽い書き心地と、豊富なカラーバリエーションでヒット商品となったジェルボールペン「サラサ」シリーズ。授業のノートをとる時や家での勉強に、毎日のビジネスシーンでと、その用途はシーンを選ばず、幅広い世代から人気を集めています。

 

サラサシリーズを発売する筆記具メーカーのゼブラでは、2000年の登場以来、ニーズやトレンドに合わせて、商品やインクの色数を増やしながら、インクがなくなる最後まで書ける品質を追求してきました。

 

そんなサラサシリーズに、2021年3月22日より新シリーズ「サラサR」が登場しました。


ゼブラ
サラサR(サラサアール)
各110円(税込)

 

【商品情報】
・ボール径:0.4mm ※黒・赤・青インクのみ0.5mmも発売
・インク:ジェル(ゲル)インキ
・インクの素材:水性染料
・インク色(全14色、写真左から):(白軸)黒・ブルーブラック・青・スカイブルー・緑・フレッシュグリーン・オレンジ・赤・ピンク・マゼンタ・バイオレット・ブルーグレー・グリーンブラック・レッドブラック(黒軸)黒
その他:使い切りタイプ

 

濃さ27%アップで前向きな気分に

濃くあざやかな筆記線と、カラーバリエーションが豊富なことから、学生がノートを取るときに使われることの多いジェルボールペン。

 

その中でも、ゼブラのジェルボールペン「サラサクリップ」は、さらさらとした書き心地の良さが幅広い世代から愛されている筆記具で、ジェルボールペン9年連続売上No.1、累計販売本数8億本(2020年9月時点ゼブラ出荷実績)を達成したロングセラー商品です。

 

今回新発売となる「サラサR」は、従来品と比べて約27%濃くあざやかに書けるインクを採用。

↑(左)従来品で書いたノート(右)サラサRで書いたノート

 

きれいで見やすいノート作りをしたい学生のニーズに応えました。また、パキッとした色味は、おうち時間が増え、モチベーションの維持に苦労するなかでも前向きな気持ちにしてくれるでしょう。

 

インクの色は、全部で14色。赤、オレンジ、ピンクは赤シートを重ねると文字が隠れるので、暗記したい内容を書くのにも適しています。

 

白を基調としたシンプルなボディ

ボディは、白を基調としたシンプルなデザイン。他の文房具と合わせやすいのが特徴です。また、ノック部分とクリップの一部にインク色を表現しているため、筆箱の中やペン立てでも見分けやすいはず。

↑濃く、鮮やかな文字でノートをとれる

 

5色ずつまとめた教科別「勉強セット」も限定発売

さらに学生がノートを取るときに、こだわりの色を使う傾向があることから、教科別のおすすめカラー5色をセットにした「勉強セット」も数量限定で発売。

 

それぞれの教科の組み合わせは、カラーコーディネーターが前向きな気持ちで勉強できるよう診断したもの。もちろん、勉強以外のシーンでも使えるので、チェックしてみてください。


ゼブラ
サラサR 0.4 限定5色セット
550円(税込)

 

【セット内容】
国語:ブルーブラック、青、ピンク、赤、バイオレット
数学:青、スカイブルー、オレンジ、赤、マゼンタ
英語:ブルーグレー、スカイブルー、オレンジ、ピンク、赤
理科:黒、スカイブルー、緑、オレンジ、赤
社会:スカイブルー、フレッシュグリーン、オレンジ、赤、レッドブラック

どれが一番書きやすい!? 手帳に使いたい0.3mm以下の「超極細字ボールペン」7モデルを使い比べ!

ボールペンを選ぶ際の基準にはさまざまあるが、手帳へ小さな字を書き込む機会が多いのであれば、“超極細字”が書ける0.3mm以下のボール径が便利だ。

 

小さな字も潰れにくいので可読性が高いし、狭い面積に密度を高く情報が書き込めるのは、超極細字ならではと言えるだろう。なにしろ“ボール径0.3mm”といえば、筆記線の幅は0.15~0.2mm程度。0.5mm径の線幅が0.3mm台なので、ほぼ倍は違うことになる。

 

最近はシステム手帳界隈でも、名刺より一回り大きいくらいの“M5サイズ”が人気。小さな紙面に太いペンでは、とても書いていられないのだ。

↑コクヨ「ジブン手帳」も、紙面に3.5mm方眼を採用している関係で、細いペンとの相性が良い。小さな3.5mm方眼にみっちりと字を詰め込みたいなら、やはり超極細がいいだろう

 

もうひとつ、字が汚い人でも丁寧な文字を書きやすい、というメリットもある。

 

近年のボールペンは、書き味の良さを高めるために、全体的になめらか筆記優先のチューニングがされている。しかし、悪筆の人間にとってなめらか過ぎるペンは制御しにくく、ついつい雑な走り書きになりがち。

 

0.4-0.3mm以下のボール径は、細い分だけペン先が紙にカリッとひっかかりやすいが、その抵抗感がほど良いコントロール性を生むことがあるのだ(壮絶な悪筆でお馴染みの筆者は、0.38mmを愛用)。もちろん悪筆の原因はいくつもあるので、一概に「細字ならOK!」とも言えないが、字の汚さに悩んでいるなら、試してみる価値はあると思う。

 

ということで今回は、今のところ市場で最も細い「ボール径0.3mm以下」の製品を書き比べてみたい。

 

0.3mm以下の超極細ノック式ボールペンで、一番細い線が書けるのはどれだ?

今回揃えたペンは、筆者の使用頻度が高いというシンプルな理由で、ノック式に限定。ノック式、かつ0.3mm以下で、現時点で市場入手可能なものといえば、だいたいこの7本になるだろう。

【ゲルインク】

・ゼブラ「サラサクリップ 0.3」100円

・パイロット「ジュース アップ 0.3」200円

・ぺんてる「エナージェル 0.3」200円

・三菱鉛筆「シグノ RT1 0.28」150円

※写真左から。すべて税別

 

【低粘度油性インク】

・OHTO「スリムライン 0.3」500円

・パイロット「アクロボール Tシリーズ 03」150円

・三菱鉛筆「ジェットストリームエッジ 0.28」1000円

※写真左から。すべて税別

 

実のところ、従来の油性インクは粘度の高さなどが問題で、ボール径を小さくするのが技術的に難しい。そのため、細い字が書けるボールペンといえば、長らくゲルインクの独壇場だったのだ。

 

キャップ式であれば、現在ゲルの最細は「ハイテックC 0.25」(パイロット)。過去には「シグノビット0.18」(三菱鉛筆)なんていうものもあった。

 

油性では、手帳用ボールペンとして「スリムライン0.3」が以前からあったが、2019年に三菱鉛筆が低粘度油性で世界最細径となる「ジェットストリームエッジ0.28」(以下、エッジ0.28)を発売。ライバルであるパイロットも、2020年末には「アクロボール0.3」を発売し、ようやく油性でも超極細を選んで使えるという時代が到来した、という流れである。

↑0.3mm径ボールペンとしては最新鋭となる、パイロット「アクロボール Tシリーズ 03」

 

滲み・かすれはどうか?

前置きはここまでとして、まずは実際に細さを体感するため、シンプルに直線を引いてみよう。

 

ここで感じるのは、油性グループの線の細さだ。水性インクの一種であるゲルは、どうしても紙に染み込むため、その滲み分だけ線がわずかに太る傾向がある。対して油性はその滲みが少ないため、こういった差が出てしまうわけだ。

↑5mm方眼に0.3mm径ボールペンの名前と線を詰め込んでみた(右下はサンプル用の0.5mm径)。超極細字ならではのマイクロ試し書きである

 

なかでも圧倒的細さを誇るのが、スリムラインである。今回の7製品の中ではダントツに細い!

 

店頭でもあまり見かけない製品だけに、実は筆者もあまり意識して触ったことがなかったのだが、「こんなに細かったっけ!?」と驚かされた。OHTOお得意のニードルポイントはペン先周辺の見通しも良く、ついつい、どこまで小さい字が書けるか? 的なトライアルをしたくなるヤツ。ただし、けっこう頻繁にかすれが発生してしまうのは、気になった。

↑最細の線が書けるOHTO「スリムライン」。金属軸もとてもスリムで、手帳と持ち歩くには良さそうだ

 

逆に「ちょっと太いな?」と思ったのはサラサで、続いてエナージェルあたり。

 

もちろん線幅で0.1~0.2mm台というミクロな世界での話なので、比較用に併せた0.5 mm径の線と比べれば、どれでも充分に「細い!」という感じなのだが。

 

正直言えば、米粒に般若心経を書くのでもない限り、大した差じゃない。どれを使っても、方眼1マスに10文字以上書き込める性能はあるのだから。……ここまで書いておいて急にハシゴを外すな! という話だが、だってどれも問題なく細いのだ。

 

だから、それよりも気になるのは“書き味の差”なのである。

 

書きやすい超極細字は、カリカリとなめらかのバランスがポイント

そもそも0.3㎜径以下の極細字というのは、それだけでボールペンにとって非常にハードな環境だ。ボールが小さい分だけ、わずかにペン先の角度が変わるだけで書けなくなったりするし、紙の粉(繊維)が詰まるようなトラブルも、一般的な0.5mm径と比べると発生しやすい。

 

そういったハードモードで、なおかつ書きやすいものこそが、優れた超極細字だと思うのだ。

 

↑書きやすさではダントツのジュース アップ。その秘密はパイプチップとコーンチップの長所を併せ持つ特殊なシナジーチップにある

 

あくまでも筆者の体感ではあるが、飛び抜けて「書きやすい!」と感じたのが、ジュース アップだ。

 

超極細字の問題の一つに、細いパイプを通すことでインクフローが不十分になり、かすれや引っかかりが発生する、というものがある。しかし、ジュース アップのペン先(シナジーチップ)は、極細でも充分なインクフローが得られる。これはかなり大きなアドバンテージで、0.3mm径とは信じられないような快適さ。

 

ゲルの超極細字としては引っかかりも少なく、なめらかさ側に振られたチューニングは、万人受けしそうな印象だ。

↑シグノRT1(写真右)は、ここまで筆記角を寝かせてもスムーズに書ける。これは超極細ジャンルとしてはかなりレア

 

また、シグノRT1は先端のカドを削ったエッジレスチップの効能か、角度の変化にやたら強い。他社の製品では筆記不能になるほど寝かせた状態でも普通に書けてしまうのは、なかなか面白い。筆記感はややカリカリ感強めで、個人的には好きなタイプだ。

 

油性に関しては、個人的にはアクロボールの筆記角の狭さが少し気になった。ペンの“最適筆記角”と言われる60°で書いていれば、何の問題もなくなめらかなのだが、これを傾けて50°をきったあたりから、いきなりガリガリと強く引っかかり、筆記不能になる。

 

このリニア過ぎる書き味は、もしかしたら、合う人と合わない人がパッキリと別れるタイプなのかもしれない。

↑ジェットストリームエッジ0.28のリフィルは、0.5mm径などと同じシリーズ。お馴染みジェットストリームスタンダードの軸に入れて使うことも可能だ

 

対して、エッジはかなりオールマイティ。カリカリとなめらかのバランス、筆記可能角度の広さともにクオリティの高さを感じた。超極細の不快な要素(引っかかり・かすれ・トラブルの発生率)を極力減らすことに注力して作られているようなイメージだ。

 

今回準備した中で唯一の1000円超えだし、価格分の良さはあるのかな? と一瞬思ったが、冷静に考えればエッジもリフィルだけなら税込220円とお安いもの。となれば、シンプルに「お得」という結論しかないかもしれない。

 

超極細ボールペン選びの注意点

ただ実際問題として、例えば同じジェットストリームでも、0.5mm径と0.28mm径では筆記感が大きく違う。そのため、「書き慣れた0.5mmと同じペンで、細いヤツを買う」という選び方をすると、なんとなくしっくりこない感じを引きずることもありそうだ。

 

超極細ボールペンはあくまでも別物の筆記具と考えて、ゼロベースで試筆をして選ぶのが良いと思う。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

この新機構を待っていた! 先駆者ゼブラが「シャーボNu」で多機能ペンの不便を解消

おそらく40代以上の人にとって、“もっともメジャーな多機能ペン”(多機能ペン=多色ボールペン+シャープペンシル)といえば、ゼブラの「シャーボ」だろう。

 

我々の脳には「右へ回すとシャープペンシル、左へ回すとボールペン」のテレビCMが染み込んでしまっているのだ。「1本でシャープとボールペン、これから本当の勝負です」という、星野仙一バージョンも懐かしい。

 

1977年に発売された初代シャーボは、回転式でシャープペンシルとボールペンが切り替わるという、これまでになかった機能性と、その機能を端的に表した製品名で大人気となった。当時は、入学・卒業時の贈り物としても活用されていたので、「もらったシャーボを長らく使ってた」という人も多いのではないだろうか?(実際、先のCMも春先に集中して放映されていた)

 

ただ、今となってはもう、筆記具メーカー各社から多機能ペンは発売されているし、「シャーボ」というブランド自体もかなり影が薄くなっていることは否めない。正直、今の今までシャーボの存在そのものを忘れていたんじゃないだろうか?(地味にリニューアルしたり、けっこう頑張っていたんだけど……)

 

ところが、その忘れられかけていたシャーボの新製品が、2020年11月24日に発売される。しかも、驚きの新機構を携えて。

 

新シャーボ「Nu」はシャーボ“中興の祖”となるか!?

その新製品というのが、11月に発売となったゼブラ「シャーボNu(ニュー)」だ。

 

黒・赤の2色ボールペン(エマルジョンインク)+0.5mmシャープペンシルという、最近の多機能ペンとしてはごくベーシックな構成である。

ゼブラ
シャーボNu
1800円(税別)

 

ここまでは、まずなんの変哲もない製品としか思えないし、見た目も、後軸がやや太くなっているかな? 程度の印象。驚くべきは、シャープ芯が軸後端から入れられる独自の“トップインシャープ機構”を持っている、ということなのだ。

 

芯を軸後端から入れるって、そんなのシャープペンシルなら普通では? と思った人は、おそらく多機能ペンを使ったことがないか、使い慣れていないのだろう。多機能ペンでのトップインは、普通に考えれば不可能なのだ。

↑シャーボNuの、画期的なシャープ芯トップイン。初めて見たときに「えっ、そんなこと可能なの?」と驚いた
↑対して、こちらは従来の多機能ペン。軸を分解してシャープユニットを抜いて……と、いちいち面倒くさい。でも、これが普通だった

 

従来の2+1タイプ多機能ペンを輪切りにすると、円(軸の外装)を中心から3分割するような形で、2色のボールペンリフィルとシャープユニットが存在する。これを、ノックなり回転繰り出しなりで選んで、押し出すことによって筆記している。

 

ところが、それでは軸の中心にシャープユニットが来ないので、構造上、芯を入れる際はいちいち軸を分解→シャープユニット引き抜き→芯入れ→逆手順で復帰、という手順を踏まなければならなかったのだ。

↑多機能ペンのユニット配置比較。シャーボNuは、シャープユニットが軸の中心に固定されているからこそ、トップインが可能になる

 

ところが「シャーボNu」は、シャープユニットを中心に、ボールペンリフィルを左右に振り分けて配している。これなら問題なくトップインで芯入れができるというわけだ。

 

具体的な手順としては、軸後端のキャップを45度ひねってはずし、露出した消しゴムユニットを引き抜けば、あとは開いた穴に芯を滑り込ませるだけ。戻して後端ノックで芯が出るので、普通のシャープペンシルのように何の違和感もない。これは、多機能ペンとしてはおそろしく画期的だろう。

↑シャープペンシルは、ふくらんだ後軸全体を押し込んでノック

 

ちなみに、ゼブラが行ったアンケートによれば、多機能ペンユーザーで週に1度以上の頻度でシャープペンシルを使う人は、全体の80%以上とのこと。さらに、その80%の人が感じる、多機能ペンに対する不満の第1位が、「芯の補充が面倒」というのも、さもありなんという感じである。

 

正直なところ、筆者は「補充が面倒だから、使わなくて済むなら使わないようにしよう」とすら思っていたくらいだ。それが、「シャーボNu」の登場によって、ようやく「これなら気軽にシャープペンシルが使えるな〜」という気持ちになれたのだ。

 

↑ペン選択は回転式。使用中のユニットは、透明窓に色で表示される

 

ボールペンユニットは、ゼブラ独自の書き味の良いエマルジョンインク0.5mmを搭載。リフィル自体はお馴染みの4C規格なので、これは自分の好みで入れ替えても問題ない。

 

というか筆者は、後ろ重心の強い多機能ペンとなめらかエマルジョンインクの組み合わせに苦手意識を持っている(挙動が大きすぎて字が汚くなってしまう)ので、いち早く大好きなゲルインクリフィルに差し替え済み。これなら、より快適に書くことができそうだ。

↑シャーボNuのボールペンユニットは金属製の4Cリフィル。ただし、ゼブラのリフィルはわずかに太いので、他社製のものを入れると多少グラつくかもしれない

 

とはいっても、やはり「シャーボNu」のメインはシャープペンシルが使いやすい! というところ。多機能ペンユーザーで、特にシャープペンシルを使う機会が多い人であれば、導入すると面倒がかなり減るはずだ。少なくとも、「芯の補充が面倒」と感じたことがあるのなら、まずは試してみて欲しい。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

【菅未里の自腹買い文房具】ゼブラ「サラサドライ」は弱点ナシの使わなきゃもったいないボールペン

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

弱点なし! 知らなきゃもったいないボールペン

ゼブラのボールペン「サラサクリップ」を使っている人は多いと思います。名前のとおり、さらさらとした軽い書き味が魅力のボールペンで、大ヒット作になりました。

↑「サラサクリップ」(左)と「サラサドライ」(右)

 

そのサラサシリーズに、2016年から「サラサドライ」が加わったことをご存知でしょうか? 私はサラサドライを10本以上持っているくらい愛用しているのですが、いまだにこのペンを知らない方がいて驚くことがあります。なんてもったいない!

ゼブラ
サラサドライ(芯=0.4・0.5・0.7)
各150円(税別)

 

ジェルインクなのに乾きが早い!

サラサドライは、従来のサラサとは違い、インクを紙に浸み込みやすくすることで、インクが渇くまでの時間を大幅に短縮できました。メーカーのゼブラによると、0.5mm芯で普通紙に書いた場合、乾燥時間は85%も短くなったということです。圧倒的な違いですね。

↑サラサクリップ(左)、サラサドライ(右)

 

これはサラサにとっては大ニュースです。なぜなら、サラサのようなジェルインクを使ったボールペンは、乾きの遅さが弱点だったからです。

 

ジェルインクは、油性インクよりも書き味が軽いのが特徴で、それがサラサの売りでもありました。しかし、乾くのが少し遅いため、書いた直後に手でこすったりするとインクが伸びてしまうことがありました。

 

しかしサラサドライなら、感覚的には数秒で乾きます。これは大変な進歩で、特に接客業の方には朗報です。

 

接客業には最適のペン

実際、接客業の方の胸にサラサドライが挿さっていることは多いように感じます。

 

というのも、彼らは感熱紙を使った領収書に宛名を書く機会が多いからです。私もかつて接客の仕事をしていたのですが、油性ボールペンをつるつるした感熱紙の上で使うとボールが空転してしまい、インクがしっかりと出ないことがあります。だから油性ボールペンは避けたいのですが、乾きが遅いのもまずい。なぜなら、お客様は領収書をすぐにしまうからです。

 

そこで私は、感熱紙にジェルペンで書いた場合は他の紙をその上に押し当てて余計なインクを取り去ってからお客様に渡していました。レシートを受け取る前に、店員さんが紙をあて「ポンポン」とインクをぬぐっているのを見たことがある方は多いと思いますが、あれです。

 

しかし、サラサドライを使えばその手間がいらなくなるのです。接客業の方に大人気なのもうなずけますね。

 

弱点のないボールペン

「速乾のジェルペン」という新しいジャンルを開拓したサラサドライは、接客業の方に限らず、あらゆる人におすすめできます。滑らかで発色が良く(ジェルは油性よりも発色がいいのも強みです)、しかも乾きも早い。弱点のないペンだと言えるでしょう。

↑サラサドライはサラサクリップよりも筆記線が太く出る傾向があるため、サラサクリップの0.5mmを使っているなら、サラサドライでは0.4mmがおすすめ

 

特におすすめしたいのは、字を手でこすりがちな左ききの人や、つるつるとした紙に文字を書く機会が多い人です。手でインクを伸ばしてしまいがっかりした経験をお持ちなら、ぜひ試してみてください。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

 

これは気持ちいい! 吸い付くように線が引けて書いた字がにじまない蛍光マーカー

【きだてたく文房具レビュー】上から重ねてマーキングしても書いた文字がにじまないマーカー

今年の春ごろ、中学生の集まる場所で「勉強効率アップ文房具」を紹介させてもらう機会があった。そこでかなり反応があったのが、蛍光ペンで上から線を引いてもにじみにくいゲルボールペン「サラサ マークオン」(ゼブラ)。

 

最近は勉強垢(自分の勉強ノートや文房具類の写真をインスタなどにアップするアカウント)が流行っていることもあるのか、これ欲しい! というリアクションが多かったのだ。

↑中学生にやたら反響があった、にじみにくいボールペンこと「サラサ マークオン」(ゼブラ)
↑中学生にやたら反響があった、にじみにくいボールペンこと「サラサ マークオン」(ゼブラ)

 

とはいえ、「メインの筆記具はお気に入りのペンがあるから、それ以外のはちょっと……」という声もあったのは事実で、もちろんそれはよく分かる。たしかに、メイン使いのペンはそう簡単に変えたくないものだし、できれば“にじまない効果”は蛍光ペンの方でなんとか受け持ってくれないか、という話ではある。

 

「うーん、そのうちそういう蛍光ペンも出るかもしれないね」とその場は締めたのだが、なんとそれから半年と経たないうちに「にじみにくい蛍光ペン」が出てしまった。

 

しかも、これまたゼブラからである。最初からこれ出しといてよー。

↑ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」ピンク・黄・オレンジ・緑・青 各108円
↑ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」ピンク・黄・オレンジ・緑・青 各108円

 

ゼブラ「ジャストフィット モジニライン」は、まさに文字の上から引いてもにじみにくい、という機能を搭載した蛍光ペンだ。

 

ボールペンで書いた文字に蛍光ペンを引いてにじむ、というのは、基本的に水性またはゲルの染料インクボールペンでおきやすい現象だ(油性インクもしくは顔料水性インクは耐水性があるため、この限りではない)。インクの成分が水性染料なので、書いた上からさらにたっぷり蛍光インクで水分を与えてしまえば、染料が溶け出してにじんでしまうのは当たり前ともいえる。

 

ところがモジニラインは、にじみにくい(インクの量や感想の具合などによっては、にじみゼロとはさすがに言えない)。

↑にじみやすい水性染料ボールペンの上から引いてもにじまない、特殊な蛍光インク
↑にじみやすい水性染料ボールペンの上から引いてもにじまない、特殊な蛍光インク

 

これがどういう仕組みでにじみにくいかというと、説明はややケミカルな話となる。まず、ボールペンのインクはマイナスの電荷を帯びている。そこでモジニラインにはプラスの電荷を帯びた成分を配合し、水性インクとイオン結合させることで紙の上に固着。それによってにじまない、ということだそうだ。

 

ちなみにこの仕組みは、浄水場などで水の中に溶け込んだ汚れを固めて取り除くシステムと同じだという。

↑一般的な蛍光ペンとの比較。にじみやすい水性/ゲルインクのペンで筆記し、30秒後にラインを引いてみた結果がこれ
↑一般的な蛍光ペンとの比較。にじみやすい水性/ゲルインクのペンで筆記し、30秒後にラインを引いてみた結果がこれ

 

仕組みを聞いてもよく分からん、という人も、まぁ使ってみれば効果は体感できるだろう。実際にいくつかの水性/ゲルインクのボールペンで試してみたが、たしかにこれは従来の蛍光ペンと比較するとかなり差が出る。はっきりとにじみにくいのだ。
※ただし、筆記跡が乾いてからでないと、何をどうやってもにじむので、そこだけ注意。

 

とくに「水性で乾燥が速い」を謳っているペン(「サラサドライ」や「エナージェル」など)や万年筆は、耐水性がなくにじみやすいという弱点を持っているのだが、その辺りにもきちんと効力が発揮されている。

↑厚い書籍を開いた曲面にもスムーズにラインが引ける、柔らかめなペン先チップ
↑厚い書籍を開いた曲面にもスムーズにラインが引ける、柔らかめなペン先チップ

 

ひとつうれしいのは、ゼブラがこのにじまない機能を、ペン先チップが柔らかい蛍光ペン「ジャストフィット」に搭載して発売したこと。

 

辞書や厚い資料などを開いた曲面にもフィットして線を引きやすいことから、すでにジャストフィットの愛用者はかなり多い。そういったファンを迷わせることなく、「こっちに切り替えてもなんの損もないよ」と示してくれたわけで、これはかなりありがたいことだ。

 

というか、そもそもこのにじまない機能だけでもかなり優先度の高い能力なので、他社の蛍光ペンユーザーも、一度ぐらいは試してみてもいいんじゃないだろうか。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

軽いタッチで書けて発色クッキリ。今「ゲルインキボールペン」が熱い!

【ド腐れ文具野郎・古川 耕の文房具でモテるための100の方法】

No.074

ぺんてる「エナージェルインフリー」
216円

表現するための道具としてデザインされた「エナージェル」の限定モデル。黒/青/ブルーブラック/オレンジ/ターコイズブルーの全5色。「店頭ではターコイズが売れていたようですが、一推しはオレンジです。すごく鮮やか!」(古川さん)

 

ゲルインクの定番ボールペン、その新製品で新鮮にモテる

私が毎年主催しているボールペン人気投票「OKB(お気に入りボールペン) 総選挙」。その第7回の投票結果が先日、発表されました。

 

1位は大会7連覇となるジェットストリーム。2位は今回最高位となったサラサクリップ。続く3位は前回2位のジェットストリーム・プライム、そして4位には去年と同じくノック式エナージェルが入りました。この結果からわかるのは、油性ボールペンは依然としてジェットストリームが強いものの、ボールペン全体としてはゲルインクの人気が高まっているということです。なかでもゲルの二大巨頭はサラサとエナージェル。この2本は基本性能の高さはもちろんのこと、常に新しいキャンペーンや新モデルを打ち出し、「生きた製品」であり続けているのも強さの理由と思われます。

 

つい先月も限定発売の新製品「エナージェルインフリー」が文具ファンの間で話題となりました。今年トレンドになりそうなクリスタルボディにオレンジやターコイズのカラーインクを搭載。爽やかな外見になり、これで新規客を獲得しそうです。かたやサラサはシリーズ初となるカスタム多色タイプを発売し、ただでさえ多いファンを囲い込む堅実路線。両方ともいまのボールペンの牽引者らしい勢いがあって頼もしいのです。

 

ゼブラ「サラサセレクト」
162円(3色ホルダー)、270円(5色ホルダー)、108円(ジェルインクリフィル)、194円(シャープリフィル)

軽い書き味と鮮やかな発色で人気のジェルボールペン「サラサクリップ」を好きなボディカラー、インク色、ボール径で組み合わせてカスタマイズできる。リフィルのバリエーションは、カスタマイズボールペン最多の23色。

 

【プロフィール】
古川 耕
放送作家/ライター。TBSラジオ「アフター6ジャンクション」「ジェーン・スー 生活は踊る」などを担当。

 

雑誌「GetNavi」で連載中!

使えばきっとシアワセになれる!――作業効率が向上するオモシロ文房具4選

ビジネスでもプライベートでも、様々な場面で活躍してくれる文房具。普段からよく使うものだからこそ、便利で使いやすいものを揃えておきたいところ。そこで今回は、便利なオモシロ文房具をご紹介。機能性だけでなくデザイン性にも優れたアイテムもピックアップしているので、ぜひチェックしてください。

 

出典画像:ゼブラ公式サイトより

 

[その1]

図やグラフなど細かい部分にも使える修正テープ

出典画像:ゼブラ公式サイトより

ゼブラ
クルティア
ゼブラが開発した修正テープは、ヘッドが360度回転する新しいカタチ。持ち替えいらずで自由自在にテープが引けます。一定方向に進む文章だけではなく、図やグラフなどの細かい修正も楽ちん。さらにテープのヘッド部分は収納が可能なので、ペンケースの中に入れても邪魔になりません。

 

<注目ポイント>
・360度回転するヘッド
・カートリッジの交換が簡単
・ヘッド部分を収納できてコンパクト
筆記角度に応じてヘッドが可動するので紙面をとらえやすく、テープをキレイに引ける点も魅力のひとつ。またテープのつめ替えもラクちんで、キャップ部分を引き抜くだけでカートリッジを交換できます。使いやすさ抜群なので、1度使ったらほかの修正テープには戻れないかも?

 

[その2]

簡単にデータ化できるデジタルノート

出典画像:コクヨ公式サイトより

コクヨ
CamiApp S
メモした内容をいちいちデータ化するのは一苦労。そんな時に役立つのが、コクヨのデジタルノートです。いつものように紙のノートに文字を書いて、ワンチェックを入れるだけでデータ化。専用アプリ「CamiApp」を使えば、スマートフォンやタブレット上でもノートの内容をチェックできます。

 

<注目ポイント>
・ワンチェックを入れるだけでデータ化
・スマートフォンやタブレットに共有可能
・Googleカレンダーとも連携
見開きで使える“ノートブックタイプ”と“メモパッドタイプ”の2種類を用意。さらにノートの種類は「横罫」「方眼罫」「打ち合わせ記録」の3タイプから選べます。中でも「打ち合わせ記録」タイプはGoogleカレンダーと連携可能。ノートに書いた議事録をカレンダーに保存すれば、打ち合わせ日時と一緒にノートの内容を確認できます。さらにデータを社内メンバーと共有すれば報告する手間も省けるので、ビジネスシーンに大いに役立ちますよ。

 

[その3]

曲線もスイスイ切れるカッター

出典画像:HARAC公式サイトより

HARAC
Line
カッターを使いこなせずイライラすることってありますよね。特に曲線をうまく切るのは難しいです。「自由自在にカッターを使えたら…」と思ったことはありませんか? そんな要望を叶えるのがマウス型カッターの「Line」。使い方はとても簡単で、本体上部についているボタンを押しながら引くだけ。あとは力を入れた方向に刃が回転するので、まるでPCのマウスを握っているような感覚で作業を進められます。

 

<注目ポイント>
・PCのマウスを握るような感覚で作業可能
・手首をひねる必要のない回転式カッター刃
・刃はセラミック素材を使用
カッターの刃はセラミック素材のため、万が一刃を触ってしまっても怪我する心配はありません。さらに長寿命でさびにくいので、半永久的に使用できます。サッと周囲を切るだけで簡単に切り抜けるので、雑誌の切り抜きやアートワークなどにもおススメ。紙を切るのが楽しくなりそうです。

 

[その4]

クラフト感がたまらない! 黒板のマスキングテープ

出典画像:日本理化学工業公式サイトより

日本理化学工業
テープ黒板
その名の通り、黒板的に使えるマスキングテープ。好きな長さに切って貼り、テープの上に文字を書けばミニ黒板のできあがりです。黒板同様、付属のチョークで文字を書くのでクラフト感がとてもおしゃれ。ノートなどの小物やインテリアとしても使えます。黒板の色は黒と緑の2種類。テープの幅は18mm、30mm、50mmから選べるので、アイデア次第で様々な用途に役立ちますよ。

 

<注目ポイント>
・好きな場所に黒板が作れるマスキングテープ
・手書き&チョークの質感がおしゃれな雰囲気に
・テープの色は選べる2色
付属のチョークホルダーは、白と黒の2タイプ。黒のテープには白が、緑のテープには黒のチョークホルダーがついてきます。また別売り商品として、大きさ42mmの消しゴムサイズ「もっと小さな黒板拭き」も登場。ミニ黒板と合わせて使えば、可愛さが倍増すること間違いなしです。

 

比べてわかった 日用品 実用大賞 人気シャーペンの実力を徹底比較

シャーペンは種類が多くて、選ぶ際にいつも悩む……という人は多いのではないでしょうか。ここでは文房具のプロがそれぞれの代表的モデルの書き心地や握り心地、機能性などをチェック。各モデルの特徴を鋭く分析しました。書き味/握り心地/機能性の各項目を5点満点で採点していきます。

 

【テストした人】

文具ソムリエール 菅 未里さん

文房具を紹介するコラムの執筆や商品の開発など、幅広く活躍する。メディアへの出演も多い。

 

 

シャープペンは比較的安価なものが多く、あまりストイックにモデル選びをすることはありません。しかし文具ソムリエールの菅さんは、多彩な機能性をチェックするべきだと語ります。

 

「日常で使うものだからこそ、芯折れや残芯などに不満が生じてきます。メーカーもそんな不満を解消すべく、芯のガードにこだわったデルガードや消しゴムが長いモノグラフなど、独自の機能を搭載したモデルを生み出しています。品揃えの豊富な専門店で試して機能を確認してほしいですね。特にモノグラフの消しゴムなどは、“シャープペンの消しゴムは消えない!”と思い込んでいる人が使ったら驚くと思います」(菅さん)

【エントリーNo.01】ゼブラ デルガード

20171119_suzuki28

 

筆記時は芯を守るガードが働き、筆圧によって芯が折れるのを徹底的に防ぎます。さらに軸内部には芯を誘導する部品を取り付けることで、芯詰まりにも対処しました。実売価格416円。

【書き味】5点

20171119_suzuki34

芯が折れない安心感があるため、しっかりと力を入れて書けます。書き心地も滑らかです。

【握り心地】4点

20171119_suzuki40

持った感覚はやわらか。汗で滑りそうな感じはあるが、思った以上に軽く動かしやすいです。

【機能性】5点

20171119_suzuki46

芯の周りをガード。書き味自体は通常製品と同様の感覚で、文字が書きやすかったです。

 

【エントリーNo.02】三菱鉛筆 クルトガ アドバンス

20171119_suzuki29

 

スムーズな速さで芯が回転する機構により、描線の細さと濃さが変わらないまま複雑な文字もつぶれずに書き続けられます。芯折れ防止機構も搭載し、芯が折れにくいです。実売価格494円。

【書き味】5点

20171119_suzuki35

ペン先のグラ付きがほとんどなく、安定感抜群。一定の力加減で長く書くことができます。

【握り心地】4点

20171119_suzuki41

グリップはプラスチック製で好みが分かれます。凹凸が指にフィットし、握り心地は良好です。

【機能性】4点

20171119_suzuki47

芯が回転し、常に一定の細さをキープします。安定した細い描線が必要な人にオススメです。

 

【エントリーNo.03】ぺんてる オレンズ 0.5

20171119_suzuki30

 

パイプが芯をガードした状態のまま筆記が可能。芯の減りに合わせて先端のパイプがスライドするので、ノック1回で従来品の3倍長く書き続けられます。実売価格437円。

【書き味】4点

20171119_suzuki36

パイプの先端部分が滑らかに加工されており、一般的なシャープペンと同じ感覚で書けます。

【握り心地】3.5点

20171119_suzuki42

多少滑りやすい部分はあるものの、握る部分には線が入っているので指を留めやすいです。

【機能性】4点

20171119_suzuki48

内部に芯が収まったままの機構は慣れがいりますが、折れる心配をせずにスムーズに書けます。

 

 

【エントリーNo.04】プラチナ万年筆 オ・レーヌプラス

20171119_suzuki31

 

耐芯構造の「オ・レーヌ機構」と芯タンクガード、シールド構造により、芯への衝撃を徹底的に軽減。筆圧だけでなく、落下や物に当たった際の強い衝撃での芯折れも防ぎます。実売価格437円。

【書き味】3点

20171119_suzuki37

書き心地は平均的。斜めにしすぎるとガードのパイプが紙にひっかかるので注意が必要です。

【握り心地】4.5点

20171119_suzuki43

グリップ部分はゴムで覆われ、手になじみやすいです。手汗をかいても滑りにくく安心です。

【機能性】4.5点

20171119_suzuki49

3つのガードを搭載し芯への衝撃を防ぎます。特にペンを落とした際の衝撃を防げるのは◎。

 

【エントリーNo.05】 トンボ鉛筆 モノグラフ

20171119_suzuki32

 

同社のロングセラー「MONO消しゴム」を搭載。回転くりだし式で好みの長さで消しゴムを使えます。クリップノックと振って芯を出すフレノックの両方を使えて便利です。実売価格329円。

【書き味】5点

20171119_suzuki38

筆記時の軽い反発が気持ち良い。力が自然と入れやすく、くっきりとした文字になります。

【握り心地】4.5点

20171119_suzuki44

グリップ部分には小さなくぼみがあり、指をかけやすいです。重心は低く、持ち疲れにくいです。

【機能性】3.5点

20171119_suzuki50

縦に振ると芯が出る「フレノック機能」を搭載。邪魔な際はロックすることも可能です。

 

【エントリーNo.06】パイロット モーグルエアー

20171119_suzuki33

強い筆圧がかかるとペン先が上に向かってスライドする機構を搭載し、筆圧を吸収。芯折れを防ぎます。さらに「フレフレ機構」も備え、ノックの手間も省けます。実売価格486円。

【書き味】4点

20171119_suzuki39

ペン先がパイプに潜り、書き出し時の抵抗を約50%吸収。スムーズすぎるほどでした。

【握り心地】3.5点

20171119_suzuki45

溝がほぼなく汗で滑りやすいです。だが、軽量タイプなので、手を添えるような感覚で書けます。

【機能性】4.5点

20171119_suzuki51

芯折れ防止と振ると芯が出る機構を搭載。相乗効果で、長い時間集中して筆記できます。

 

高機能シャープペン大賞 ゼブラ デルガード

総評 多彩な機能のなかでも本質的な価値が注目された

「デルガードは『折れる』『詰まる』というシャープペンにおける大きな悩みを解消した画期的な製品。芯折れ対策や偏減り対策など、これまでになかった機能性を備えたモデルが多数揃った今回のテストでも、使い勝手という面で頭ひとつ抜け出た高い存在感を示しました」(菅さん)

 

デルガードは、滑らかな書き味でもトップレベルの評価を得るなど、実用性の高さが注目され、見事に大賞に輝きました。

油性マーカーでセンスが分かる? 「マッキー」がさりげなくオシャレを演出してくれるとは!

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】何の変哲もないクリアファイルでセンスを主張できる油性マーカー

 

仕事中も、何かと重宝する黒の油性マーカー。時には資料の分類のため、ラベルやクリアファイルに、これで書き込むことも多いのではないでしょうか。

 

20171121wadafumiko001

 

ただ、こうして黒の油性マーカーで書くと、なんだか事務的でおしゃれじゃない……と思ったことはありませんか? そんな時におすすめしたいのが、「マッキーペイントマーカー」です。

 

20171121wadafumiko002

 

油性マーカーの定番「マッキー」シリーズのひとつで、白・銀・黄・金・ピンクの5色展開。中でもおすすめのカラーは金と銀です。ただ書くだけで、マットな輝きが文字をセンス良く見せてくれるのです。

 

20171121wadafumiko003

 

こちらは、金のマッキーペイントマーカーでクリアファイルに書き込んだもの。写真ではわかりづらいかもしれませんが、実際に見ると黒の油性マーカーで書いたものよりずっとシックに、おしゃれに見えるのです。

 

20171121wadafumiko004

 

文字を目立たせすぎずに書きたい時は、銀のマッキーペイントマーカーで。角度によって、文字の表情が変わります。

 

20171121wadafumiko005

 

黒いものや色の濃いものに書いてもはっきりとした線が書けるので、黒の油性マーカーでは見づらくなるものに書き込むときにも便利。

 

20171121wadafumiko006

 

ノートに名前やタイトルを書き込むときに使っても、ぐっと見栄えがよくなりますよ。

 

また、ガラスや金属面にも書き込み可能なので、アイデア次第で使い方が広がりそうです。普通の油性マーカーよりもインクが乾くのに時間がかかりますので、そこは注意してくださいね。

 

もともと工作や園芸、工場や工事現場向けに開発された商品ですが、オフィスワークでも活躍するマッキーペイントマーカー。黒の油性マーカーでは味気ないとき、少しだけカッコよく見せたいときに、1本持っているとなにかと便利なアイテムです。

 

こんなあなたにおすすめ!

・黒い油性マーカーに飽きた方
・タイトルやラベリング、分類をおしゃれに見せたい方

 

【商品情報】

20171121wadafumiko007

ゼブラ「マッキーペイントマーカー 極細」価格248円(税込)

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。