楽天モバイルの「安くてわかりやすい」5Gサービスをあらためて分析! 新スマホ「Rakuten BIG」「Rakuten Hand」もチェック!/【ゼロから知れる5G】第16回

第四のキャリアとしての道を歩む楽天モバイル。「日本のスマホ代は高すぎる!」とCMで叫んでいるように、月2980円かつデータ使い放題が魅力の「Rakuten UN-LIMIT」プランを提供しています。

 

そんな楽天モバイルは、9月30日に5Gプレスカンファレンスを開催。5Gサービスの提供開始とともに、5G用の新プランも発表されました。また、新しい独自端末なども披露されたので、詳細をレポートします。

 

料金変わらずの新5Gプラン

新プランは「Rakuten UN-LIMIT V」(アンリミットファイブと読みます)。従来のプラン名に「V(=5)」がついただけですが、実は内容もほぼ変わらず。料金は4Gから据え置きで月々2980円。追加料金なしで5Gを利用できます。国内かけ放題、データ使い放題なのも同じ。300万人に限り、1年間無料で提供します。

↑「5Gでも“安くてわかりやすい”が一番」とのこと

 

新規契約は9月30日より受付を開始。従来の「Rakuten UN-LIMIT」を契約しているユーザーに関しては、10月12日よりプラン内容がアップデートされる予定ですが、すぐに5Gを利用したい場合は「my楽天モバイル」から手続きが可能です。

↑プランは自動でアップデートされる

 

楽天モバイルの山田善久代表取締役社長は新プランについて、他社との圧倒的価格差があるとし、これまで通りサービスを提供・拡充していけばユーザーを獲得していけるはず、ユーザーが増えれば平均価格も下がるのではないか、と述べていました。政府も携帯料金の値下げを求めるなか、他3キャリアも追随するでしょうか。

↑他社との料金比較。他キャリアは「かけ放題」の料金が含まれていることに注意

 

肝心の5Gエリアは……?

肝心のエリアはというと、5Gで通信できるのは東京・神奈川・埼玉・北海道・大阪・兵庫の一部。HPに掲載されている詳細を見ると、かなり限られた範囲であることがわかります。5Gサービスを利用したくても、この範囲では満足に使えなさそうです……。

 

↑世田谷区のエリアは楽天の本社周辺だ

 

ただし、エリアはこれから拡大していくとして、来年3月には全都道府県で5Gサービスを提供。さらに同年の第2四半期にはスタンドアローン方式での提供を開始する予定です。なお、4Gではauのネットワークを借り受けたローミングエリアがありましたが、5Gでは他社とのローミングは考えておらず、自社の基地局を用いるとのことです。

 

↑5Gサービスは順次拡大

 

サービス開始時点での通信速度は最大で下り約870Mbps/上り約110Mbpsにとどまりますが、11月中にはネットワークをアップデート予定。最大約2.8Gbps/約275Mbpsの速度になるとのこと。

↑通信速度も順次アップデート予定

 

新端末も登場。miniの次はBIG!

あわせて発表されたのが、5G対応の独自端末「Rakuten BIG」。その名の通り、6.9インチの大画面ディスプレイが特徴の5Gスマホです。「ビッグな画面でビッグな5G体験を」と紹介されたように、ゲームや動画が楽しみたい人に向いているでしょう。また、世界で初めてフロントカメラをディスプレイに内蔵。セルフィ―撮影時にどのようにカメラが動作するのか気になります。

↑ゲームや動画が楽しめる大画面

 

アウトカメラは最大6400万画素、超広角+広角+深度測位+マクロの4眼構成。IP68相当の防水・防塵性能のほか、指紋認証、おサイフケータイ対応などの機能も搭載します。カラーは3種類で、価格は6万9800円(税込)。他社の5Gスマホと比べても安価な部類に入ります。

↑9月30日より発売

 

なお、すでに販売されているAQUOS R5Gについては、プラン変更と、順次配信予定のアップデートを済ませると5Gサービスで利用できるようになるとのことです。

 

また、4Gスマホのラインアップにも新機種が加わりました。「Rakuten Hand」はスリムな本体が特徴で、そのフィット感から「Hand」と名付けられたそう。ディスプレイは5.1インチ、アウトカメラは2眼構成で、顔認証やおサイフケータイを搭載します。価格は未定ですが、今秋の発売を予定しています。

↑カラバリはBIGと同じ展開

 

楽天もいよいよ5Gサービスを開始しました。4Gプランから変わらない価格で5Gを利用できるのは魅力。ですが、利用できるエリアは限られたごく一部であり、ユーザーが“5G”を実感するのは難しいでしょう。政府が携帯料金の値下げを求めるなか、楽天モバイルの打ち出したプランがキャリアの競争を促すことになるでしょうか。

 

楽天モバイルは医療や配送業、旅行、スポーツといった分野にも5Gを広げていきたいとし、デジタルコンテンツもさまざまな企業とのコラボを考えているとのことでした。今後どのようなサービスが発表されるのか、変わらず注目したいところです。

↑5Gでデジタルトランスメーションを可能に

 

↑サッカースタジアムでの活用例

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

 

●GetNavi web本サイトでフォトギャラリーを見る

もうリモートはリアルの代替じゃないーー5Gを駆使した新たなデジタルシアター「Mixalive TOKYO」始動/【ゼロから知れる5G】第15回

今年3月に5Gサービスが開始されてから、およそ半年になります。これからどんどん5Gコンテンツが生み出されていくだろうという矢先に、新型コロナウイルスが流行。5Gよりも先に私たちの生活をがらっと変えてしまいました。しかし、テレワークやZoom飲みなど新しい生活様式が生まれたことも事実です。そして「リモート」というかたちは、エンタメにも広がりつつあります。

 

講談社は8月21日、池袋にある「Mixalive TOKYO」に関するオンライン発表会を開催。同施設がソフトバンクと協業し、5G通信を用いたライブエンターテインメント施設として本格始動することを発表しました。

 

“5G化”されたMixalive TOKYO

「Mixalive TOKYO(ミクサライブ東京)」は、池袋のサンシャイン60通り沿いにある複合施設。講談社がテレビ東京やキングレコード、ブシロード、ネルケプランニングなどさまざまな企業とパートナーを組み、紙だけでなく映像や音楽、演劇といったコンテンツに展開し、ライブエンターテインメントを発信しようとしています。

↑複合エンターテインメント施設「Mixalive TOKYO」

 

当初は3月19日にオープン予定だったものの、新型コロナウイルスの影響により延期になっていました。しかし、この状況をチャンスに変えるべく、新たに技術パートナーとして参画したのがソフトバンク。同社の5G技術を用いて、リアルでもリモートでも楽しめるハイブリッドシアターとして生まれ変わったのです。

↑6月にプレオープンしていたブシロードのオフィシャルショップ「Store Mixa」

 

Mixalive TOKYOにはショップのほかに、イベントにあわせて設備の異なる4つのホールとカフェがあります。これら全フロアが5Gに対応。また、ソフトバンクはVRカメラなど映像配信設備も提供するとのことで、Mixalive TOKYOの“5G化”をサポートします。

↑テレビ番組の公開放送に使える「Studio Mixa」

 

↑ミュージカルなど舞台作品を上演する「Theater Mixa」

 

↑アニメや小説をテーマにした「Live Café Mixa」

 

さらに、ソフトバンクが運営するコンテンツ配信サービス「5G LAB」でも、Mixalive TOKYOのコンテンツを配信する予定です。発表会に登壇したソフトバンクの寺尾洋幸常務執行役員は、アーティストや興行主に対する支援になるとともに、同社としても5Gで何ができるのか、さまざまなことを試していきたいと述べていました。

 

配信でもインタラクティブな体験を

発表会では、今後配信されるであろうコンテンツの実演を見ることができました。オープニングアクトとして登場したのは声優の浪川大輔さん。梶井基次郎の『桜の樹の下には』の朗読劇で、浪川さんの言葉にあわせてスクリーンに映像が流れたり、効果音が入ったりします。

↑梶井基次郎の言葉を目と耳で楽しめる

 

また、VRアイドルグループのHop Step Sing!がライブを開催。おもしろいのが、手元のスマホとライブが連携していること。スマホで好きなメンバーをタップするとハートを送ることができ、ハートを集めたメンバーは衣装が変わります。

↑100%になると衣装がチェンジ

 

ライブのコール&レスポンスさながら、観客のアクションがアーティストやライブに影響するインタラクティブな仕組み。今後はステージから消えてスマホ画面に移動したり、衣装や演出方法を選べたりといった見せ方も考えているそうです。

 

リモートならではの価値を提供する

発表会で印象に残っているのが、ネルケプランニングの代表取締役会長でありTheater Mixa総合プロデューサーも務める松田 誠氏の「これまでも舞台配信は劇場を疑似体験する引き算でした」という言葉。

 

たしかにお笑いライブや音楽フェスでは、他会場でのライブビューイングや動画配信もおこなわれていますが、それらは現地に行かない(行けない)ときの代替案という意味合いも強いように思います。チケットを買えなかったから、会場が遠くて参加できないからライブ配信を利用する、というふうに。

 

しかし、これからは推しのメンバーだけを見たり、リアルタイムで演出が変わったりと、リモートならではの見せ方ができるはず、と松田氏は言います。

 

もちろん、ライブを生で見ることには、その場でしか味わえない迫力や興奮があります(私はサッカー観戦や音楽ライブに行くのが趣味なのでよくわかります)。でもリモートならではのライブ体験ができたら、配信は現地に行くことの代替案ではなくなるでしょう。

 

Mixalive TOKYOが目指すのは、“リアル”と“リモート”の両輪でエンターテインメントを届けるシアター。9月以降はライブ配信を多数予定しているとのこと。さっそく9月4日から進撃の巨人とコラボしたエンターテインメントレストランを開催予定です。

 

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

●GetNavi web本サイトでフォトギャラリーをみる