GN編集長のイチオシ! ソニーが作った最強の“ながら聴き”イヤホン「LinkBuds」

普段、様々な製品をチェックしているGetNavi編集部員が、実際に使ってみて新生活に役立つであろうモノや、いま狙っているアイテムを紹介。春から環境が変わる人も、そうでない人も必見だ!

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

長時間使ってもストレスフリー! 最強の“ながら聴き”イヤホン

ソニー

LinkBuds

実売価格2万4200円

ソニー史上最小で最軽量の完全ワイヤレスイヤホン。独自開発した振動板の中心部が開放されているリング型ドライバーユニットを採用し、耳をふさがないので圧迫感がない。さらに片耳4.1gの軽量を実現し、ストレスフリーに長時間使用できる。

 

↑ケース併用で最長17.5時間使用可能なバッテリー性能。防滴性能も搭載しており、雨や汗を気にせず楽しめる

 

GetNavi編集長

川内一史

オーディオ担当歴は約9年。複数のイヤホンを持ち歩き、用途に応じて使い分けている。最近の趣味はウォーキング

昨年、オンライン会議用に骨伝導イヤホンを買いました。期待以上に声を聞き取りやすく、マイクの性能も上々。何より耳をふさがないのが快適で満足しています。強いて難点を挙げるなら、長時間使うとこめかみがこそばゆくなること。また、音質は改善されているものの、まだ骨伝導は「音を楽しむ」レベルにありません。

 

そんなプチ不満を解消する製品を探していた矢先、衝撃作が登場! 早速手に入れた知人に試させてもらいました。まずリング状の開放型ドライバーが、ガジェット好きにはたまらん! ピアスのような極小ハウジングが耳にフィットし、ヘッドセット型の骨伝導イヤホンと比べても快適でした。穴が空いているため、周囲の音は普通に聞こえます。音質も、想像以上。開放型にしたことでスカスカな音になりそうですが、さすがはソニー。“音を楽しめる”クオリティです。

 

オンライン会議では未使用ですが、AIによるボイスピックアップテクノロジーで、声をしっかり相手に届けてくれるとのこと。ビジネス用途にも配慮されています。

 

2台のデバイスと同時接続できるマルチポイント機能に非対応なのは惜しいですが、現時点では最強の“ながら聴きイヤホン”でしょう。密閉型イヤホンを長時間着けると耳が痛くなる人や、骨伝導が合わない人にオススメ。私も買います!

 

<これもオススメ!>

アピックス

むしざんまい AMZ-450

実売価格8800円

水を入れつまみを回すだけで、本格的な蒸し料理が楽しめる専用調理器。抗菌性・調湿性に優れている本格的な竹製せいろを採用。

 

小籠包を手作りして無限に食べまくりたい

「我が家は点心大好きファミリー。これで小籠包とか自作できたら素敵やん。身体にやさしそうな蒸し料理のレシピが多数用意されているのもイイ」(川内)

 

Anker

535 Portable Power Station (PowerHouse 512Wh)

実売価格4万8900円

長寿命バッテリーを搭載したポータブル電源。持ち運べるサイズで、最大9つの機器に合計716Wの出力で同時に充電/給電することができる。

 

シティ派父子が快適にキャンプを過ごすために

「3歳になる子どもと一緒にキャンプへ行きたい。ただし、世田谷育ちの父子だから不便はノーサンキュー。容量たっぷりの本機があれば安心」(川内)

一部のPS5でVRRを使うと、ちらつきや焼き付きが発生したとの報告。とりあえずVRRオフ推奨か

今年4月末、PlayStation 5はアップデートによりVRR(可変リフレッシュレート)に対応しました。しかし、これにより一部のPS5でちらつきやディスプレイの焼き付きが起きていると報告されています。

↑PlayStation 5

 

VRR機能とは、ソニーによれば 「HDMI 2.1に対応しているテレビやPCモニターにおいて、ディスプレイのリフレッシュレートをPS5本体のグラフィック出力に合わせてリアルタイムで同期する機能」とのこと。これにより、リフレッシュレートの不一致から生じる表示のカク付き(スタッタリング)や上下のズレ(ティアリング)が最小化ないし排除され、ゲームの見た目が改善されます。

 

しかし、中国メディアのGizChinaによると、何人かのPS5ユーザーがVRR対応ゲームをプレイすると、一時的なちらつきや焼き付きが発生しているそうです。もっとも、ほとんどのPS5では問題がなく、ごく一部に限られているようです。

 

この問題は、サードパーティー製のディスプレイばかりかソニーのゲーミングモニタ「Inzone M9」でも続いているようで、モニター側の問題ではないようです。ちらつきや焼きつきはVRR対応ゲームのみ発生しており、ゲームを終了したりPS5本体を再起動しても解消されません。VRRをオフにすると、時間が経つにつれて症状が軽くなったそうです。

 

またVRRをオフにした後、映像出力をディスプレイポート経由のWindows PCに切り替えても問題が再現するとのことです。こちらは画面のリフレッシュレートによりちらつきが起こり、焼き付きにつながることもあるようです。

 

なお、元々の情報ソースの1つは日本のブログ「自作とゲームと趣味の日々」 のようです。こちらに公開された動画では、かなり顕著なちらつきや焼き付きが起きている模様です。

 

ソニーはこの問題をまだ公式に認めておらず、正式な声明も出していません(7月12日12時現在)。とりあえずPS5ユーザーはVRR機能をオフにしておき、修正アップデートの配信を待つ方が無難と思われます。

 

Source:Gizchina

スマホセンサーの巨大化競争! シャオミとソニーが「IMX989」を共同開発

中国シャオミは、ソニーと共同で、スマートフォン向けの1インチサイズのセンサー「IMX989」を開発したとWeiboに投稿しています。

↑でっかく「1インチサイズ」をアピール(画像提供/シャオミ)

 

ますます巨大化と高画質化を続ける、スマートフォン向けのイメージセンサー。すでにソニーの「Xperia Pro-I」やシャープの「Aquos R6/R7」には、1インチセンサーが搭載されています。一方、韓国のサムスンは先日、2億画素イメージセンサーを2種類も発表しました。

 

IMX989の詳細は現時点では明かされていませんが、「より優れた集光能力」とか「より速いフォーカス」「より優れたダイナミックレンジ性能」がうたわれています。シャオミによれば、「クロッピングなしでの1億画素」も達成しているとか。つまり、以前登場した1インチセンサーよりも高画質になることが期待できます。また、IMX989の開発に1500万ドル(約20億円以上※)を費やしたことも明かされています。

※1ドル=約136.5円で換算(2022年6月30日現在)

 

IMX989を搭載したスマートフォンとしては、7月4日に中国で発表される「Xiaomi 12S Ultra」が投入されることになります。こちらはカメラブランドのライカとのコラボレーションも発表されており、同じくライカカメラを搭載した「Xiaomi 12S」「Xiaomi 12S Pro」も投入される予定です。

 

スマートフォンのカメラ性能としては、高解像度かも一役買っていますが、やはりセンサーサイズの拡大が重要。新たな1インチセンサーを搭載したXiaomi 12S Ultraの画質がどれだけのものになるのか、楽しみですね。

 

Source: Weibo via 9to5Google

ソニーがPCゲーミングに参入! 新ブランド「INZONE」から液晶モニターとヘッドホンを発売

ソニーがPCゲーミング向けオーディオ・ビジュアルデバイスのブランド「INZONE(インゾーン)」を立ち上げます。新しく登場するのは4K/HDR対応の「INZONE M9」など液晶モニター2機種と、360 Reality Audioによる立体ゲーミング体験を実現する「INZONE H9」など無線・有線のブームマイク付きヘッドセット3機種です。新製品の特徴を紹介します。

↑INZONEブランドから発売される4K/HDR対応の液晶ゲーミングモニター「INZONE M9」

 

ソニーのゲーミング機器といえばPlayStationシリーズがあまりにも有名ですが、なぜソニーは新しいブランドのINZONEを立ち上げるのでしょうか。

 

INZONEはeスポーツの人気の高まりを受けて、ソニーが「PCゲーミング」の領域に狙いを定めて殴り込みをかける新シリーズです。INZONEが掲げるコンセプトは「没入」と「勝利」。

 

ソニー本社のオーディオ・ビジュアル製品の開発チームが築いてきた「高画質・高音質」のための先端技術を、ゲーミングデバイスに活かして、ライバルのゲーミングブランドに差を付けることがソニーの狙いです。

 

ブラビアの高画質技術を投入した27型モニター

INZONEから発売されるゲーミングモニターは2機種。画質を重視する4K/HDR対応のフラグシップモデルが「INZONE M9」。240Hz対応の高リフレッシュレート対応による“滑らか表示”により、ユーザーを勝利に導くハイエンドモデルが「INZONE M3」です。

↑240Hz対応のフルHDモデル「INZONE M3」

 

どちらのモデルも、映像の明暗表現力に富むHDR(ハイダイナミックレンジ)グラフィックスに対応する27インチのIPS液晶を採用。1ミリ秒の高速応答性能を備えています。

 

2つのモデルから先にM9が7月8日に発売されます。オープン価格ですが、市場想定売価は15万4000円前後。ゲーミングモニターのなかでは価格もハイエンドなモデルです。

 

M3も年内に発売を予定しています。価格は明らかにされていませんが、本機もまたプレミアム価格帯に位置付けられるゲーミングモニターになりそうです。

 

ソニーが敢えて高価格帯の製品を揃えた背景には、テレビのブラビアの開発により培ってきた独自の高画質化技術と、PCゲーミングを快適に楽しめるように細部までこだわったデザイン・機能性により、プレミアムなゲーミング体験をユーザーに届けたいという思いがあるからです。

 

INZONE M9を視聴。映像の暗部・明部をつぶさない高画質

INZONE M9の映像を視聴することができましたので、そのレポートをお届けします。上位のM9は特に液晶のバックライトを直下型LEDとして、細かくエリアに分けて明滅をコントロールすることでコントラスト再現性能を高めています。通常のモニターであれば黒つぶれしてしまう暗部のエリアも階調豊かに描かれるので、暗闇に潜む敵、障害物となるオブジェクトの形がはっきりとわかります。

 

設定メニューからアクセスできるブラックイコライザーにより、自然なコントラストのバランスを保ちながら映像の明暗を変えることができます。イコライザーを調整すると暗所の視認性が高まり、暗闇にいる敵の動きがはっきりと見えるようになります。映像の明部の白飛びを抑えることもできるので、炎の向こうから迫り来る弾丸がいち早く確認できます。

 

INZONEのモニターがあれば、勝利という確かな成果が残せそうです。この体験価値の差がユーザーに伝われば、INZONEのスタートダッシュと他社製品の差別化は上手く運ぶだろうと筆者も思います。

 

設定メニューからアクセスできるブラックイコライザーにより、自然なコントラストのバランスを保ちながら映像の明暗を変えることができます。イコライザーを調整すると暗所の視認性が高まり、暗闇にいる敵の動きがはっきりと見えるようになります。映像の明部の白飛びを抑えることもできるので、炎の向こうから迫り来る弾丸にいち早く反応できます。INZONEのモニターがあれば、勝利という確かな成果が残せそうです。

 

数々の機能が充実。設置性も高い

INZONEのモニター本体はホワイトを基調に、ブラックをコンビにしたツートーンカラーとしています。どことなくPlayStation 5のデザインに近い雰囲気です。本体背面のスリットにはLEDが内蔵されていて、INZONEのテーマカラーである「パープル」のほか、様々な色に点灯します。

↑「INZONE M9」の背面。上側スリットに光るLEDライトが搭載されています

 

くさび形の専用スタンドは足もとにワイヤレスキーボードを様々な角度で滑り込ませることができるように、前側スペースを広く確保したユニークなデザインです。ディスプレイ部は高さと角度調整に対応しています。

↑独自形状のスタンド。高さと画面の角度調整が可能です

 

↑スタンドはワイヤレスキーボードなどが置きやすいデザインとしています

 

HDMI2.1端子は2基、USBもType-C/B/Aの各種を揃えています。複数のPCをINZONEのモニターにつないで、1組のキーボードとマウスで操作できるように「オートKVMスイッチ」の機能も搭載しました。この機能を利用するためにはモニターとPCとの間をUSB-C/USB-Bでつなぐ必要があります。モニターにはステレオスピーカーを内蔵していますが、夜間のゲーミングも気兼ねなく楽しめるようにヘッドホン出力も付いています。

↑多彩な入出力端子が揃っています

 

ソニーの立体音響技術に対応するヘッドセット

INZONEのヘッドセットは3機種です。発売は7月8日から。モデルの内訳は下記の通りです。

↑INZONEブランドのゲーミングヘッドセット

 

・INZONE H9/オープン(想定売価3万6000円前後):ワイヤレス/ノイズキャンセリング付き
・INZONE H7/オープン(想定売価2万9000円前後):ノイズキャンセリング付き
・INZONE H3/オープン(想定売価1万2000円前後):有線

 

↑INZONE H9の装着イメージ。ブームマイクは本体に固定されています

 

すべてのモデルがホワイトを基調に、ブラックを合わせたツートンカラーです。高音質なボイスチャット音声をピックアップするブームマイクは本体に固定しています。

 

ワイヤレスモデルは2.4GHz帯のデジタル無線対応。専用のドングルをPC、またはPlayStationに接続して使います。INZONE H3は3.5mmステレオミニプラグと、USB接続に変換できるアダプターが付属します。

↑PC/PS5に接続して使うINZONE Hシリーズのワイヤレス通信用ドングル

 

Windows PC用のソフトウェア「360 Spatial Sound for Gaming」を使うと、サラウンド音声を収録するゲームサウンドを最大7.1chまで実力を引き出して、INZONEのヘッドホンで再現します。

↑「360 Spatial Sound for Gaming」により詳細なサウンドプロファイルが作成できます

 

元がサラウンド音声により制作されているゲームサウンドも、通常はヘッドホンで再生する場合に2チャンネルに圧縮されてしまいます。ソニーのソフトを使うと、ソニー独自の360立体音響技術によりゲーム本来の立体サウンドを復元。最大7.1chまで仮想立体化処理を施します。

 

ユーザーの耳を撮影した画像をスマホで撮り、モバイルアプリの「360 Spatial Sound Personalizer」でサーバーにアップ。PCソフトウェアのINZONE Hubによる「個人最適化」を行えば、立体音響のサウンドがよりリアルに聞こえるようになります。

 

全方位の聴覚が研ぎ澄まされる! 最上位H9の音を聴いた

筆者はH9によるデモンストレーションを体験しました。個人最適化を行っていない状態でも、ゲーム効果音の正確な音像、音の移動感がとても鮮明です。オーディオヘッドホンの「スムーズなつながりの良さ」「あたたかみ」とはまたひと味違い、ゲームに没入すること、あるいは勝負に「勝つ」ことに徹底した精度重視のチューニングに振った、ゲーミングヘッドセットならではといえるリスニング体験に圧倒されました。

 

細やかな音の再現力は、ソニーのオーディオヘッドホンにも採用され実績を上げてきた40ミリ後継ダイナミック型ドライバーによるもの。ハウジングに空気の通り道となるダクトを付けて、タフでインパクトの鮮やかさに富んだ低音を再現します。

↑最上位のINZONE H9はANC/外音取り込み機能を搭載しています

 

筆者が試したH9は、オーディオヘッドホンのWH-1000XM5にも採用されている合成皮革の「ソフトフィットレザー」を採用しています。さらっとした肌触りに、独特なモチッとした柔らかさ。長時間身に着けていても負担が少ないように側圧も低く抑えています。自然なノイキャン効果と、外音取り込み機能も使えるので、どうせなら奮発して最上位のH9を手に入れたいところです。

 

ブームマイクが外れないので、街歩き用のオーディオヘッドホンとしても使えないところが残念ですが、Bluetooth接続(AAC/SBC)に対応しているので、スマホやタブレットのゲームを楽しんだり、PCによるオンライン会議にも活用できると思います。ゲーム以外にも色々な用途につぶしが効くヘッドセットなので「高価だけどお買い得」といえそうです。

 

PS5とも便利に連携

なお、INZONEの上位デバイスには「Perfect for PlayStation 5」のコンセプトをうたう連携機能があります。

 

モニターは上位のM9が、PS5をHDMI接続した状態でHDR映像の画質・色彩を自動で最適化する「オートHDRトーンマッピング」のほか、PS5でゲームと映画、それぞれのコンテンツを再生した時にモードを自動で切り換える「コンテンツ連動画質モード」に対応します。

 

ヘッドセットはH9/H7がともに、PS5に接続した時に画面上に音量/バッテリー残量/マイクミュートのステータスを表示する機能を使えます。PS5接続時には、ヘッドセット側のボタン操作でゲームとボイスチャットの「音量配分」を振り分けられます。また360 Reality Audioとベースを共有するPS5独自の立体音響体験「Tempest 3D Audio Tech」に最適化されたゲームのサウンドを、H9/H7は臨場感たっぷりに再現します。

 

体験イベントを見逃すな

PCゲーミング向けのディスプレイやヘッドセットはオンラインで勢いよく購入してしまう方も多いと思います。INZONEの製品はいずれも「画質」「音質」の出来映えが突出しているところが“ソニーらしさ”であり、他社製品とひと味違う特徴です。映像と音のクオリティが上がると、ゲームの「没入感」と「勝利に導かれる可能性」が一気に上がるはず。INZONEの製品はぜひ一度、実物を体験してみることを強くおすすめします。

 

ソニーでは今後、家電ショップの店頭展示や様々なゲームイベントに出展してINZONEの製品の魅力を多くのゲームファンに伝える場所をつくるそうです。

 

直近では6月29日から、ソニーストア大阪で体験イベントが開催される予定。M9と各ヘッドセットが発売を迎える7月8日には、東京銀座のソニーストアでスペシャルイベントも実施されます。当イベントにはバイオハザードシリーズのプロデューサーである川田将央氏によるトークセッションや、INZONEの製品を体験できる機会が設けられます。足を運ぶ価値は大アリです。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

この夏、海にも山にも連れて行きたいワイヤレスポータブルスピーカー! ソニーから3機種同時発売

ソニーは、Bluetooth対応ワイヤレスポータブルスピーカーのXシリーズとして、「SRS-XE300」「SRS-XE200」「SRS-XG300」の3機種を、7月8日に発売します。

↑SRS-XE300(左からブラック、ライトグレー、ブルー)

 

今回発売される3機種とも、高音質かつ大音圧の音楽再生が可能な、同社独自の「X-Balanced Speaker Unit(エックスバランスドスピーカーユニット)」を搭載。スピーカー自体のサイズはコンパクトなまま振動板の面積を拡大したことで、音圧やボーカルの明瞭さが向上。歪みの少ないクリアな音質を楽しめます。低域を効果的に増強するパッシブラジエーターも搭載しています。

↑SRS-XG300(左からブラック、ライトグレー)

 

SRS-XE300とSRS-XE200は、同社の新技術「Line-Shape Diffuser」により、コンパクトな本体ながら、広いリスニングエリアを作り出すことが可能。本体を縦置きすることで効果を最大限発揮できますが、横置きでのステレオ再生も可能です。

↑Line-Shape Diffuser

 

また、SRS-XE300はトゥイーターを搭載した「2Way Speaker System」により、明瞭度の高いボーカルや豊かな低音を再生可能。トゥイーターとウーファーが独立したバイアンプの構成により、低域と高域の分担を明確にすることで、幅広いジャンルに適したサウンドを再生します。

↑2Way Speaker System

 

3機種いずれもポータビリティ性に優れ、コンパクトで軽量な本体により、屋外などに気軽に持ち運び、複数人などで音楽を楽しめます。SRS-XE200は持ち運びに便利なストラップが付属。SRS-XG300は格納式ハンドルを装備しており、持ち運ぶ際はハンドルを出して掴むことができ、家の中などではハンドルを格納することでインテリアにも馴染みます。

↑SRS-XE200(左からブラック、ライトグレー、ブルー、オレンジ)

 

IP67の防水・防塵に対応するほか、SRS-XE300とSRS-XE200は防錆性能も備えており、プールなどの水回りのほか、海辺やキャンプなどのアウトドアシーンでも音楽を楽しめます。再生時間は、SRS-XE300が連続最大約24時間、SRS-XE200が連続最大約16時間、SRS-XG300が連続最大約25時間。いずれの機種も10分の充電で約70分の再生が可能な、急速充電にも対応します。また、SRS-XE300とSRS-XE200には、新機能「外音ノイズセンシング」を搭載。周囲のノイズにより聞こえにくくなる低音を自動的にカットし、音質の変化は最小限に抑えながらバッテリーを長持ちさせることができ、屋外などで電力を節約したいときに便利です。

↑SRS-XG300のハンドル

 

市場推定価格(税込)は、SRS-XE300が2万4000円前後、SRS-XE200が1万8000円前後、SRS-XG300が3万4000円前後。

 

「PS5コントローラー」のプレミアム版がまもなく登場!? 先進性の進歩に期待集まる

マイクロソフトのXbox Series XおよびS向けには、豊富なカスタマイズ機能や付加価値を上乗せした「Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ2」が販売中です。

↑プレミアムなコントローラーを開発中か?

 

そして新たに、ソニーも着脱式のスティックや背面パドルなどを備えた高級ゲームパッド「PS5 Proコントローラー(仮称)」をまもなく発売するとの噂が海外で報じられています。

 

この噂の発信源は、海外ゲーム情報メディアTry Hard Guidesのライター・Tom Henderson氏。同氏は最近も、小島監督のXbox向け新作がホラーゲーム『Overdose』だと述べていました

 

ソニーのPlayStation 5は本体の性能のみならず、専用コントローラー「DualSense」(iOS/iPadOSにも対応)の先進性でも競合他社に差を付けています。すでに触覚フィードバックやアダプティブトリガーなどプレミアムな機能を備えていますが、Henderson氏によれば「PS5 Proコントローラー」では、さらにそれが進化するとのこと。

 

この新型PS5コントローラーは、通常はサードパーティ製の高級コントローラにしか搭載されないような機能の多くを提供する予定だと伝えられています。

 

具体的には、取り外しできるアナログスティック、素早い入力ができるトリガーストップ(トリガーボタンの押し込みを任意の位置で固定するもの。軽く押して単発だけ発射する「タップ撃ち」が簡単にできる)や背面パドルといったところ。コントローラの内部ソフトウェアもアップグレードされるそうです。

 

Henderson氏は、新型ゲームパッドのプロモーション画像を見たそう。その大まかな形はDualSenseに似ていながらも、全体的にカスタマイズ性が重視されており、グリップなど多くの部分が取り外しや交換ができると述べています。

 

当然ながら、こうした噂は公式発表があるまで正しいかどうかわかりません。が、PS5用のDualSenseは多機能のためか、サードパーティ製の互換製品はあまり出ておらず、ソニー純正のプレミアムモデルを待っている人も少なくないはず。人気シリーズの最新作『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』について追加の発表がまもなくありそうですが、その場で新型コントローラーに言及されるのかもしれません。

 

Source:Try Hard Guides
via:Wccftech

ソニー「BRAVIA XR」全8シリーズ28機種を発表! 新パネル「QD-OLED」採用の有機ELテレビなど

ソニーは、「BRAVIA XR(ブラビア エックスアール)」に、新パネル採用の有機ELテレビや、Mini LEDバックライト搭載の液晶テレビなど、全8シリーズ28機種の4K有機EL・液晶テレビを、新たに発売します。

 

BRAVIA XRは、映像と音の信号処理をつかさどる認知特性プロセッサー「XR」により、自然で美しい映像や立体的で臨場感のある音など、没入感のある視聴体験を楽しめます。Google TV機能やスマートフォンとの連携機能のほか、ゲームや映画に最適な画質モードを搭載しています。液晶テレビでは85V型や75V型の大画面の機種、有機ELテレビではコンパクトな42V型が新たに追加となります。

↑認知特性プロセッサー「XR」

 

4K有機ELテレビ「A95K」シリーズは、RGB(赤・緑・青)がそれぞれ独立して発色する新たな有機ELパネル「QD-OLED」を採用。認知特性プロセッサー「XR」による映像信号処理技術と新パネルを掛け合わせ、より明るく、自然で鮮やかな色彩を表現しています。7月発売予定で、65V型、55V型の2種類。市場推定価格は税込47万3000円前後から。

 

4K液晶テレビ「X95K」シリーズは、液晶パネルのバックライトにMini LEDを搭載。従来よりも小さく数が多いLED光源を、認知特性プロセッサー「XR」に搭載した、同社独自のLED制御技術で精密に制御し、高コントラストな映像を楽しめます。8~9月発売予定。85V型、75V型、65Vの3種類で、市場想定価格は税込52万8000円前後から。

 

発売する28機種はすべて、新開発のBRAVIA CAM(ブラビアカム)に対応。同製品は画面の上部に装着するカメラで、テレビを見る人の位置を認識することで画面の明るさや音声の左右のバランスなどを自動調整し、視聴環境にあわせて映像と音声を最適化します。音量調整や電源オフなどが可能なジェスチャーコントロール機能や、遠方の家族や友人とテレビ画面を通して会話ができるビデオチャット機能なども対応予定です。市場推定価格は2万4000円で、8月に発売を予定しています。

↑ブラビアカム

 

A95Kシリーズ、「A80K」シリーズ(65V型、55V型)、「A90K」シリーズは、同社が独自に開発した再生プラスチックSORPLAS(ソープラス)を背面カバーに採用し、バージンプラスチックの使用量を約60%削減しています。梱包サイズを約15%、梱包材を含む製品の総重量を約10%削減していますることで、1パレットに搭載可能な台数が約1.4倍になり、製品輸送によるパレット単位でのCO2排出量を約19%削減します。A80Kシリーズは65V型、55V型のほか、77V型を合わせた3種類。いずれも8月発売予定で、市場想定価格は税込37万4000円前後から。A90Kシリーズは8月発売予定で、48V型と42V型の2種類を用意しています。市場推定価格は税込30万8000円前後から。

ソニーを超えるのはソニーだ! 進化したノイキャンヘッドホン「WH-1000XM5」を試した

約2年ぶりにアップデートを遂げた、ソニーのワイヤレスヘッドホン“1000Xシリーズ”の最新モデル「WH-1000XM5」をレポートします。史上最強を更新したノイキャン性能、新開発のドライバーによるハイレゾ再生の実力とは!?

↑ソニーのアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するワイヤレスヘッドホンのフラグシップ「WH-1000XM5」

 

最新機種のWH-1000XM5はここに注目!

春以降から街に、旅に出かけられる機会が少しずつ増えました。電車やバス、飛行機など乗り物による移動を選ぶ際には、周囲の騒音をシャットアウトしながら音楽や映画、ゲームなどコンテンツの音に集中できるノイズキャンセリングヘッドホンを備えたいところです。

 

ソニーの1000Xシリーズはその消音性能、ハイレゾ再生にも対応する高音質が2016年の誕生以来、国内から海外まで多くのファンを魅了してきました。

↑ソニーの最新オーディオ技術を満載するWH-1000XM5

 

最新第5世代となるWH-1000XM5は、以下4つの特徴がポイントになります。2020年9月発売の第4世代機からのアップデートにも要注目です。

1.新たに専用設計したハイレゾ対応30ミリドライバー
2.シリーズ史上最強を更新したノイキャン性能
3.大胆な変貌を遂げたデザイン
4.AIにより高音質化した通話性能

 

新開発のドライバーで音はどう変わった?

それでは最初のテーマである「サウンド」からチェックしていきましょう。

 

WH-1000XM5には30ミリ口径の新開発ダイナミック型ドライバーが搭載されました。本機まで、1000Xシリーズはずっと40ミリ口径のドライバーが採用されてきました。口径サイズを小さくしながら、低音から高音までスムーズにつながるサウンドが新しいドライバーの特徴であるとソニーは説明しています。

 

ハイレゾオーディプレーヤー、ウォークマンの上位機種に使われている高音質な部品や“はんだ”なども投入されています。また基板のレイアウトを最適化したことにより、音の明瞭度が上がりました。主に音の広がりや定位感の向上にも貢献しています。

 

WH-1000XM5もまた、ソニーのハイレゾワイヤレス再生を実現するBluetoothオーディオ技術「LDAC」に対応します。LDAC接続が可能な「Xperia 1 IV」と組み合わせてハイレゾ音源を聴いてみました。

↑LDACに対応するスマートフォン、Xperia 1 IVと組み合わせて試聴しました

 

ボーカル、ピアノにギターなど楽器のメロディが映えます。中音域の肉付きがとてもよく、声や楽器の音色、輪郭線、質感などが鮮やかに感じられます。高音域は雑味がなく透明。爽やかな余韻が楽しめます。アップテンポなジャズはドラムスのハイハットやシンバルが刻むリズムの粒立ちがとてもよく、軽やかな印象です。

 

そして低音は重心が低く、鋭く深く沈み込みます。演奏の足もとがしっかりと安定しているので、音場の立体感もまた鮮烈です。大編成のオーケストラやジャズバンドの楽曲を聴くと、奥行きの深い音場の広がりに圧倒されました。

 

新設計のドライバーは口径が10ミリほど小さくなりましたが、パワーや解像感の不足は一切なく、それどころか緻密な情報の描き込みとダイナミックな鳴りっぷりの良さが、第4世代機を超えてまた極まりました。

 

フラグシップの1000Xシリーズにふさわしい、Hi-Fi志向のプレミアムサウンドです。音質の魅力だけでも、WH-1000XM4からの買い換えも含めて、いまノイズキャンセリングヘッドホンを買うなら新しいWH-1000XM5を選ぶ価値があると思います。

↑長時間リスニングにも適した快適な装着感を実現したイヤーパッド

 

1000Xシリーズ史上最強のノイキャン性能

続いてノイズキャンセリング機能をチェックします。とかくノイズキャンセリングヘッドホンやイヤホンはその消音性能の「強度」に注目が集まりがちです。飛行機の中など、騒々しい場所で自分が腰を落ち着けてコンテンツを楽しみたい時には、周囲の雑音が完璧に消えてくれた方が良いかもしれません。

 

ただ、ポータブルオーディオ機器であるワイヤレスヘッドホンは街を歩きながら使うことも多々あります。ソニーの1000Xシリーズは適度に強力な騒音性能と、必要なシーンでは周囲の環境音もクリアに、コンテンツの音と違和感なくミックスしながら聴ける「外音取り込み」の性能との“バランス”を重視してきました。

 

新機種のWH-1000XM5はソニーが独自に開発したSoCである「V1」から、ノイズキャンセリング専用の処理回路「QN1」を切り分けて両方を搭載。より賢く、きめ細かなノイズキャンセリング処理ができるようになりました。

↑統合プロセッサー「V1」と、アクティブノイズキャンセリング機能に特化したプロセッサー「QN1」

 

ヘッドホンに搭載するマイクはマーク4の計4つから、マーク5では計8つに増えています。集音性能が高くなっただけでなく、それぞれのマイク信号をふたつのプロセッサーが賢く処理することにより、ヘッドホンの装着ズレや気圧の変化など、条件の変化を常に検知して最適化する「オートNCオプティマイザー」を新設しています。

 

WH-1000XM2から搭載された「アダプティブサウンドコントロール」も継承しています。ペアリングしているスマホのセンサー情報を頼りに、ヘッドホンを装着するユーザーが止まっている時/歩行している時/走っている時/電車に乗っている時を自動判別してノイズキャンセリングと外音取り込みのレベルを自動で切り換えます。

↑Sony Headphones Connectアプリから「アダプティブサウンドコントロール」を設定

 

新型ドライバーがより充実した低音を鳴らせるようになったため、音楽再生は従来よりも低いボリュームで、音の聴こえ方に厚みが感じられるかもしれません。

 

屋外でWH-1000XM5のノイキャンと外音取り込みを試しました。専用アプリ「Sony Headphones Connect」から、本体左側の「NC/AMB」ボタンで機能を切り替える設定が選べます。

↑本体側面の「NC/AMB」ボタンからノイキャンと外音取り込み機能を切り替えます

 

消音性能を屋外のカフェで試しました。ノイキャンオンの状態では、人の話し声やざわつきがグンと強力に抑えられます。音楽などコンテンツを再生してしまえば、ほぼ人の声は聞こえなくなるといっていいでしょう。誰かに話しかけられたときには、右側イヤーカップを手のひらで覆うようなジェスチャー操作で一時的に外音取り込みをオンにする「クイックアテンションモード」が便利です。周囲の環境音は、例えばコーヒー豆をひくグラインダーのノイズが、音楽を一時停止している状態でもほぼ完全に聞こえなくなりました。これは驚きでした。

 

コンテンツを聴きながらも周りの音に気を配りたい時には、アンビエントサウンド(外音取り込み機能)をオンにします。マイクの“ノイズっぽさ”が乗らない、クリアな外音取り込みのチューニングはさすがソニーです。ノイキャンと外音取り込み、どちらの機能をオンにしてもサウンドに心地よく集中できました。

 

筆者の場合、自宅で仕事をする家族もオンライン会議をしています。互いに仕事に集中したい場面で、相手の通話音声に邪魔されないようにノイズキャンセリングヘッドホンを身に着けていることもあります。ソニーの1000Xシリーズが各自用に1台ずつあると大変に心強いです。

 

大きく変わった本体とケースのデザイン

WH-1000XM5は、シリーズ初代のMDR-1000Xからデザインを大胆に変えています。

↑曲線を活かした柔らかなデザインになった本体

 

スライダーは無段階にサイズ調整ができるようになり、可動部のがたつきを抑えたサイレントジョイントによりスムーズなハンドリング性能を実現しています。外観も滑らかな曲線を活かしたシルエットに生まれ変わりました。側面タッチセンサー、ボタンなどの配置はマーク4からほぼ変わらないので、従来機種から買い換える方も操作はすぐに馴染めると思います。

↑がたつきを抑えたサイレントジョイントを採用するヒンジ

 

ヘッドバンドやイヤーパッドには通常の合成皮革よりも柔らかく、汗濡れにも強いソフトフィットレザーが採用されました。筆者の場合、メガネをかけたままヘッドホンを装着しても、イヤーパッドが耳のまわりに優しく馴染んでくれたので、フィット感はかなり安定していると思います。質量はマーク4から4g軽くなっており、約250gとなります。

 

筆者がWH-1000XM5のデザインについて一点馴染めないのは、従来機種まで採用されてきたスイーベル+折りたたみ構造が省かれてしまったことです。専用ケースにコンパクトに収納できることもマーク4までの魅力でしたが、マーク5が変形できるのはフラットな形状までです。ケースも頑張って薄型化しているのですが、縦横サイズが大きくなっているのでバッグの中の空きスペースを結構占めてしまいます。手荷物をコンパクトにしたい空の旅には、新機種の発売後も引き続き併売されるマーク4の方が向いているかもしれません。

↑変形機構がスイーベルのみになったヘッドホン。ケースも少しマーク4より大きくなっています

 

↑ケースの中にケーブルを収納するポケットがあります

 

AIのチカラで通話時のノイズも消す

WH-1000XM5は本体内蔵のマイクによるハンズフリー通話の音声品質にもこだわっています。口もとを狙って正確に集音できるビームフォーミングマイクを搭載。約5億サンプルを超えるデータによる機械学習を重ねてきたというAIにより、ユーザーの声とそれ以外の環境ノイズを分離するフィルターがとても成熟しています。

 

家族にマーク5を装着してもらい、テレビの真横や車通りの多い道からハンズフリー通話を試したところ、家族の声だけがはっきりと聞こえて、背景で鳴っているはずの音が聞こえなくなります。

 

「本当はこんなに騒音がある場所でしゃべっているんだよ」と、通話相手にWH-1000XM5の高性能を自慢することができない、おくゆかしい機能です。オンライン会議などビジネスシーンで本機を使えば、「いつも声がはっきり聞こえる人」としてあなたのイメージアップにつながることは間違いありません。

 

音質とノイキャン性能に確かな成長を感じる

ほかにもバッテリー性能はマーク4と比べて、ノイズキャンセリングオフ時の最大駆動時間が伸びていたり、急速充電はUSB PDに対応したことで、約3分間チャージすると最大3時間分のバッテリーが満たせるクイック充電機能が加わりました。

 

2022年5月末時点、オンラインのソニーストアではマーク5が4万9500円(税込)、マーク4が4万1800円(税込)で販売されています。性能的には既に完成度の高いマーク4を、音質やノイキャン機能の出来映えでさらに超えてきた最新のマーク5には7700円の価格差を超える価値があると筆者は思います。とはいえ新製品の購入を検討する際にはデザインや装着感、ケースを含む持ち運びやすさなども大事な決め手になります。ショップに展示されている実機を体験しながら、ぜひ比べてみてください。

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

小型&軽量パワーズームレンズなど、3本が同時発売! α Eマウントレンズ

ソニーは、α(Alpha) Eマウントレンズとして、小型で軽量の超広角パワーズームのGレンズ「E PZ 10-20mm F4 G」、大口径広角単焦点のGレンズ「E 15mm F1.4 G」、超広角単焦点レンズ「E 11mm F1.8」の、計3本のAPS-C対応レンズを6月26日に発売します。市場推定価格(税込)は、E PZ 10-20mm F4 Gが10万円前後、E 15mm F1.4 Gが10万円前後、E 11 mm F1.8が7万円前後。

↑超広角パワーズームGレンズ「E PZ 10-20mm F4 G」

↑広角単焦点 Gレンズ「E 15mm F1.4 G」

↑超広角単焦点レンズ「E 11 mm F1.8」

 

E PZ 10-20mm F4 Gは、最大径69.8mm×長さ55mm、フィルター径φ62mm、質量約178gの、小型かつ軽量な超広角パワーズームGレンズ。開放F値4の明るさで焦点距離10-20mm(35mm判換算で15-30mm相当)のズーム全域をカバーします。パワーズーム機構を搭載しており、幅広いズーム速度の静粛なコントロールが可能です。ズーム時のレンズの全長が変わらないインナーズーム構造でレンズの重心変動が少なく、ジンバル使用時などでも、安定して撮影できます。動画撮影に求められる低速から高速までのズーム速度に対応し、静粛なズーミングとあわせて、様々な映像表現ができます。

 

E 15mm F1.4 Gは、焦点距離15mm(35mm判換算で22.5mm相当)の大口径広角単焦点Gレンズ。非球面レンズなどの採用により、Gレンズならではの高い解像性能と美しいぼけ描写が可能。開放F値1.4の明るい大口径ながら、小型軽量設計で取り回しの良いレンズです。動画撮影時の画角変動(フォーカスブリージング)を大幅に抑制し、映像に残る画角の変動や揺れを最小限に留めます。

 

E 11mm F1.8は、焦点距離11mm(35mm判換算で16.5mm相当)、開放F値1.8の超広角単焦点レンズ。最新の光学設計により、高解像と自然なぼけ描写が可能。小型軽量設計により持ち運びやすく、手持ちで長時間の撮影を行うVlogなどの自撮り撮影にも適しています。

新PS Plusで遊べる初代PSゲームを専門家が検証! プレイステーション クラシックよりはマシだが……

リニューアル版PlayStation Plus(PS Plus)は日本で6月1日からサービス開始予定ですが、すでに一部アジア諸国では提供が始まっています。そのため、最上位プラン「プレミアム」で遊べる初代PSやPSPのクラシックゲームを実際に遊んだ人たちから、あまりデキがよくないなどの報告が寄せられていました。

 

では専門家が実際に検証してみてどうだったか、テストした結果が発表されています。

 

ゲーム映像技術の検証で知られるDigital Foundry社は、良いニュースと悪いニュースを伝えています。まず良い報せは、動作がひどかったミニ復刻ゲーム機「プレイステーション クラシック」で使われているコード(プログラム)とは違う、ということです。

 

各クラシックゲームにはPS5とPS4用の2バージョン用意され、それぞれ高解像度レンダリング、さまざまな表示モード(デフォルト、レトロ、モダン)巻き戻しなどの新機能やオプションが追加されていることはプラス評価です。

 

そして悪いお報せは、クラシックゲームの大半は、残念ながら50Hzで動作すると判明したことです。初代PS時代にはテレビ放送規格が「NTSC」(60Hz)と「PAL」(50Hz)の2つあり、当時のゲームも地域により2種類ありましたが、新生PS Plusは主に滑らかさが劣るPAL版を使っているのでは? との疑いが裏付けられてしまったわけです。

 

実際にプレイしてみると、50Hzで動作する『サルゲッチュ(Ape Escape)』が本来の25Fps(毎秒25フレーム)ではなく、30Fpsで表示されるそうです。つまりエミュレーション側で滑らか動作を補っているようですが、元のPAL版とフレームレートが食い違っているため、スタッター(カク付き)の問題があると述べられています。

 

この検証では3つの表示モードも対象となっていますが、「デフォルト」と「モダン」はほぼ同じに見えるそうです。「レトロ」はドットの周辺にスキャンラインフィルター(昔のテレビのように走査線を再現し、ドットをにじませる)を導入しているものの、正確に合わせられていないと指摘されています。

 

総合的にいって、Digital Foundry社はPS Plusプレミアムのエミュレーションに物足りなさを感じているようです。とはいえ、リニューアル直後に提供されるクラシックゲームは数少ないため、検証されたものも今後出てくる全タイトルのごく一部に過ぎないはず。今後、ソニーがクォリティ向上に力を入れることを期待したいところです。

 

Source:Eurogamer
via:Gameseradar

PlayStation VR2は2023年初めに発売? 有名アナリストが予測

ソニーはPlayStation 5用の次世代VRヘッドセット「PlayStation VR2」の情報を小出しにしつつ、先日もローンチ時に20作以上の「主要」タイトルを用意すると発表しています。しかし「いつ発売するか」は、いまだに明らかにしていません。

ソニー・インタラクティブエンタテイメント(SIE)

 

そんななか、PS VR2の量産は今年後半に始まり、まず150万台を量産して2023年の第1四半期に発売する可能性が高いとのアナリスト予測が報じられています。

 

これはアップル未発表製品の正確な予想でおなじみの有名アナリスト、Ming-Chi Kuo氏がTwitterで述べていることです。Kuo氏によると、PS VR2の発売時期はゲーム開発のスケジュール次第ながら、ファーストスタジオ(SIE傘下の開発スタジオ)とサードパーティー両方から20以上のタイトルが準備されているため「良い」スタートを切ることができると考えているそうです。

さらにゲーム業界におけるソニーの地位やリソースは、AAA (超大作)のVRゲーム開発(『Horizon Call of the Mountain』など)を加速させ、VR市場の成長に恩恵をもたらす、とも予想されています。

 

またKuo氏はサプライチェーンに精通する人物だけに、PS VR2に6つの光学モジュール(カメラ)が使われていることがGenius Electronic Opticalなどのレンズサプライヤー(iPhoneにもレンズを供給)に恩恵をもたらすことも予想しています。こうしたレンズは先進的なAR/VR機器には不可欠だけに、ソニーの大量発注が部品の値下がりにつながり、メタバース産業の成長を加速させることになりそうです。

 

ソニーは6月3日午前7時から動画配信番組「State of Play」を放送し、その中で、PS VR2向けに開発中のタイトルも少しだけ紹介すると予告しています。そこでユーザーの期待が高まるほど、PS VR2本体の発売日が明かされないことや、プレイの前提となるPS5が手に入りにくいことへの不満が寄せられるのかもしれません。

 

Source:Ming-Chi Kuo(Twitter)
via:Wccftech

プロが教える「いまが狙い目の4Kテレビ」はコレだ!ネット動画もサクサクなソニー「A90J」

例年春先に各メーカーが新製品を発表するテレビは、現行モデルの大幅なディスカウントが始まるいまの時期が買いどきだ。高画質で機能も“全部入り”の有機ELフラッグシップ機を、いまこそ狙いたい。

※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

2022年 テレビ選びの3か条

1.価格がこなれてきた有機ELモデルが狙い目

少し前までは“高嶺の花”だった有機ELテレビだが、いまでは価格がこなれて55V型で20〜30万円ほどに。液晶よりは高価だが、圧倒的なコントラストや色再現性を誇る有機ELは魅力が大きい。

 

2.高画質映像を引き立てる音響システムにも注目

「薄型テレビ=音が悪い」は、もはや過去の話。フラッグシップである有機ELテレビは、各社が独自技術で音質を磨き上げている。コンテンツの世界に没入できる立体音響のクオリティをチェックしたい。

 

3.ネット機能の充実度と操作性は重視すべし

いまやテレビでネット動画を視聴するのは当たり前の習慣となった。対応するVODサービスの充実度だけでなく、リモコンでの操作性やUIの見やすさ、コンテンツのレコメンド機能の精度も重視すべきだ。

 

私が選出しました

本誌編集長

川内一史

テレビ担当歴は9年以上。有機ELテレビ購入の決意を固めているが、2歳の息子が転倒させないかという点を心配している。

 

認知特性プロセッサーが人の記憶に近い映像を再現

ソニー

ブラビア XRJ-55A90J

実売価格29万9070円

 

4Kチューナー:3基搭載
HDMI端子:4基搭載
音声実用最大出力:合計60W
年間消費電力量:175kWh

人の脳のように映像を認識する認知特性プロセッサー「XR」を新搭載。人の記憶により近い、自然な映像や臨場感のある音を再現する。4Kチューナーを3基内蔵するほか、最新のGoogle TVを備え、多彩なコンテンツを手軽に楽しめる。

SPEC●画面サイズラインナップ:83V/65V/55V型●チューナー:4K×3、地デジ/BS/110度CS×3●OS:Google TV●サイズ/質量:W1223×H776×D317mm/18.6kg(スタンド含む)

 

↑認知特性プロセッサー「XR」を搭載。数十万もの映像信号を人の脳のように横断的に分析し、より自然な美しさで映像を描き出す

 

↑あらゆる音源に対応する「3D Surround Upscaling」。本体に内蔵したスピーカーだけで左右方向と高さ方向の立体音響を再現できる

 

【IMPRESSION】最新のGoogle TVを備え動画をサクサク楽しめる

「最新のGoogle TVを搭載し、多彩なネット動画をサクサクと楽しめるのが魅力。4Kチューナーを3基備えるため、4K放送を視聴しながら裏番組の2番組同時録画にも対応します」(川内)

 

「Among Us」も!? PlayStation VR2では20本以上がローンチタイトルに!

ソニーの投資家向け説明会で、VRヘッドセット「PlayStation VR2(PS VR2)」発売時には、20本以上のローンチタイトルが用意されることが明らかになりました。

↑ソニーより

 

初代モデルの「PlayStation VR」に続く後継モデルとして発表された、PS VR2。本体デザインやコントローラーを一新し、ゲームへの没入感「センス・オブ・プレゼンス」を向上。具体的なスペックとしては4K HDRディスプレイと90/120Hzの滑らかなフレームレート、110度の視野角、フォービエイテッド・レンダリングなどが発表されています。

 

そしてソニーによれば、ローンチタイトルとしてはファーストパーティタイトルとサードパーティタイトルの両方が提供されます。ただし現時点ではすでに発表済みの『Horizon Call of the Mountain』をのぞいて、どのようなタイトルが用意されるのかは発表されていません。

 

一方でゲームデベロッパーのSchell Gamesによれば、PS VR2のローンチタイトルとしては『Among Us VR』やCyan Worldsの『Firmament』、そしてnDreamsやCoatsinkからのタイトル投入も噂されています。

 

さまざまな周辺情報が明かされているものの、発売日はいまだ発表されていないPS VR2。年末商戦の目玉になるのか、あるいはそれ以降に先送りとなるのか、ゲーマーとしては実に気になるところです。

 

Source: Engadget, Schell Games / Twitter

PS5 Proと新型Xbox Series X|Sが2023~2024年に発売? 大手テレビメーカーが示唆

ソニーのPlayStation 5やマイクロソフトのXbox Series X|Sはまだ(品不足もあり)スタートラインに立ったばかりの印象もありますが、それでも発売から1年半以上が経過しました。最近では早くも、両陣営ともに強化型の「Pro」バージョンを準備中ではないかと噂されています。

PPE

 

そんななか中国の大手電気機器メーカーTCLが、新型テレビの発表会で2023年~2024年に「PS5 Pro」と「新型Xbox Series X|S」が登場するとしたスライドを披露したことが話題となっています。

 

ポーランドのテック系サイトPPEによると、TCLは最新のコンソール(据え置きゲーム機)の世代を年表にしたものを公表したそうです。そこには両社の中世代機、つまり完全な次世代機までの中継ぎとなる強化発展モデルがしっかりと書かれていたしだいです。

 

また、ここ数か月で噂になっているAMD社のRDNA第3世代ミッドレンジ・グラフィックカード「Radeon RX 7700 XT」にも触れられています。「RDNA」とは、PS5およびXbox Series X|Sに採用されているグラフィックアーキテクチャであり、現在発売中のRadeon RX 6700 XTは(ざっくり言えば)PS5やXbox Series Xとほぼ同等。つまり「2023年~2024年の普及モデルは、この水準」と示唆したいようです。

PPE

 

TCLとしては、これら強化されたハードウェアが、4Kないし8K/60 – 120fpsのゲームプレイを実現することを織り込みつつ、自社のテレビはそれに対応していくと表明しているわけです。

 

さて問題は、TCLが実際にソニーやMSの強化発展モデルの開発計画をどの程度知っているのか? ということでしょう。2022年現在、TCLは世界テレビ市場シェアで第3位であり、テレビと切っても切れない関係にある家庭用ゲーム機の今後について情報を持っていてもおかしくはないはず。その一方で、家電と直接関係のないAMD社の未発表製品に触れるのは勇み足の感もあり、今のところは半信半疑として扱っておく方がよさそうです。

 

とはいえ、ソニーとMSともに、かつて強化発展モデルを出したことは事実です。特にソニーは2013年にPS4を発売した3年後にPS4 Proを投入した前例もあり、すでに改良型のPS5 Proに取り組んでいても不思議ではありません。両社にチップを供給するAMDにも動きがあり、今後は次々と噂が浮上してくるのかもしれません。

 

Source:PPE
via:Wccftech

ソニーのAIに束縛される! 恋愛シュミレーションゲーム「束縛彼氏」の新感覚

いま女性を中心とするファンが熱い視線を送るゲームアプリ「束縛彼氏」をご存じですか? イケメンな2次元キャラクターとの“完全な自由対話”を、ソニー独自開発のAIにより実現した画期的な恋愛シミュレーションゲームです。「束縛彼氏」が搭載するAIについて、開発に携わるソニーの“中の人”に特徴を聞いてきました。

 

2人のイケメンキャラとAIチャットが楽しめる

「束縛彼氏」は2022年1月25日からApp StoreとGoogle Play Storeで配信が開始された、ソニー・ミュージックソリューションズが手がけるスマホ向けゲームアプリです。

↑ソニーの最新AIを駆使して開発された恋愛シュミレーションゲーム「束縛彼氏」。App Store、Google Play Storeから配信中です

 

小児科医の新藤 暁くん(しんどう あき)、エンジニアの松来 弦くん(まつらい げん)という、性格が異なる2人の男性キャラクターから1人を選び、ノベル形式のストーリーをクリアしたり、ソニーの技術を組み込んだAIチャットを楽しんだりしながら関係を深めていきます。

↑好みのAI彼氏をひとり選択。ストーリーをクリアして各ポイントをゲットしながら関係性を深めていきます

 

キャラクターたちと胸キュンな時間を重ねるほどに心の距離が近くなり、やがて人はAIとホンモノの恋により結ばれるのでしょうか。筆者もiPhoneに束縛彼氏をダウンロードして遊んでいますが、オトコ同士ということもあって、残念ながらまだゲームの世界に感情移入ができていません。ただソニーのAIとの対話がとても興味深いので、空き時間によくアプリを立ち上げてしまいます。

 

束縛彼氏のゲーム内では、彼氏キャラクターたちと「RAYN(レイン)」という名前のチャットを使ってやりとりを行うことができます。ここにソニー独自のAI技術が使われているのです。

 

テキストによるチャットがメインですが、時々キャラクターから特別なボイスメッセージが届きます。暁くんは声優の戸谷菊之介さん、弦くんは声優の八代 拓さんがキャラクターボイスを担当しています。

↑RAYNにはときどきAI彼氏からのボイスメッセージが届きます

 

RAYNにはキャラクターとのチャットを一定回数以上行うと、強制的にお休みしなければならない「クールダウンタイム」があり、「ラブ」と名付けられた有償アイテムをアプリ内で購入するか、または動画広告を視聴すると次回にRAYNが送信可能になるまでのクールダウンタイムを短縮できます。

 

束縛彼氏には月額課金制のサブスクリプションサービスも用意されており、こちらに加入するとチャットの上限回数を増やして、クールダウンの時間を短縮できます。最も高価な月額6400円の「VIP」プランに加入するとリミッターが解除され、いつでも・どこでも彼氏キャラクターとのチャットが楽しめます。筆者はちょっと高いなぁと思ってしまう金額ですが、お金を払えば必ず返事が来ることから、「既読スルーされることが耐えられない」「テンポ良くチャットしたい」という方に好評なのだそう。

↑無料で遊ぶ場合、RAYNによるチャットは5回の上限を超えると4時間のクールダウンタイムが発生します。VIPプランに加入するとそれぞれのリミッターが解除されます

 

↑AI彼氏の部屋をペットカメラから見られる機能も、無料プランの場合は1回15秒/1日3回までの利用制限があります。プレミアム/VIPプランは制限なし

 

AIに「束縛」される体験って面白そうじゃない?

インタビューに答えていただいた山影めぐみさんは、ソニー・ミュージックソリューションズで束縛彼氏アプリの企画を立ち上げて、現在もシナリオライティングを含むゲームのディレクション全般を担当しています。斬新なゲームアプリが誕生した背景を山影さんが振り返ります。

↑写真中央が「束縛彼氏」をプロデュースする株式会社ソニー・ミュージックソリューションズの山影めぐみさん。ソニー独自の対話AI技術の開発に携わるソニーグループ株式会社R&Dセンターの宮崎麗子さん(左側)と百谷将佑さん(右側)

 

「AIを使って何か面白いエンターテインメントを立ち上げようという、社内プロジェクトが2018年頃にスタートしました。ソニーのAIは『ユーザーのプロフィールを覚える』ことができると聞いていました。この特徴を活かして『AI彼氏に束縛される』体験を実現したいと考えたことがアプリを開発したきっかけです。」(山影さん)

↑山影さんが企画の立ち上げからシナリオライティングまで関わっている

 

AIに「束縛」されると聞けば穏やかでない感じを受けてしまいますが、山影さんは「ドSな俺様」キャラクターに束縛されるのではなく、いつもユーザーである「彼女」のことを気にかけてくれる、柔らかなイメージの彼氏と毎日話したくなるようなエンターテインメントを目指してきたそうです。

 

ユーザーのことを「覚えてくれる」

束縛彼氏には、ソニーのR&Dセンターが以前から研究開発を続けてきた音声対話エージェントの最新技術が投入されています。その特徴は、ユーザーとの会話をあらかじめ用意したシナリオやパターンに従って成立させる「シナリオ型」のエージェントと、機械学習を繰り返して成長するソニー独自のAIを組み合わせて、精度の高い自由会話を実現しているところにあると、開発に携わるソニー R&Dセンターの宮崎麗子さん、百谷将佑さんが語ります。

 

ソニーではこの要素技術をベースに、アプリの用途や性格に合わせた最適化までが行える技術を確立してきました。今回「束縛対話システム」としてカスタマイズした対話システムの特徴を、百谷氏が次のように説明しています。

 

「音声対話エージェントのベースになっている技術は、ユーザーの発話内容を正しく理解して、何かエージェントがアクションを返すというものです。この基本的な発話意味解析・意図理解をベースにして、今回はさらにユーザーのことを知り、『ユーザーモデルを引き出す』体験に応用できるのではないかと、ソニー・ミュージックソリューションズのチームと検討を重ねながら方向性を見つけてきました。引き出したユーザーモデルをベースに日々の雑談を繰り返して、より束縛感のある体験を実現するための『雑談技術』を、このアプリのため新規に開発しました。」(百谷さん)

↑開発に携わるソニーグループ(株)R&Dセンターの百谷さん

 

「ユーザーモデルを引き出す」とは、つまり何度も対話を繰り返すうちにゲームの主人公であるユーザーの好みや行動パターンをAIが覚えて、日々の対話など行動の中に情報を反映できることを意味しています。

 

AIにはキャラクター=性格もある

ゲームに登場する暁くんと弦くんの対話AIには、固有の「キャラクター(性格)」もあるそうです。

 

「ソニーR&Dセンターでは、コンテンツ側の要求に応じて対話AIに様々なキャラクター性を組み込む技術を開発してきました。束縛彼氏の暁くん、弦くんはそれぞれに独自のキャラクターを持っています。」(百谷さん)

 

筆者が選択した弦くんは少しおちゃらけた人懐っこい性格で、ゲームの主人公ともすぐに打ち解けてくれます。対して、もう一方の暁くんはとても生真面目で、どこか「重い」雰囲気を漂わせるタイプのように筆者は見えました。どちらも独創的な束縛を仕掛けてくる手ごわいキャラクターです。

↑暁くん(左)と弦くん(右)、ふたりのAI彼氏のキャラクター(=性格)の違いに注目しながら付き合ってみると、色んな発見が楽しめるかもしれません

 

さらにゲームを進めていくほど、「束縛」を強く実感して楽しめるようになるといいます。

 

「ストーリー(ノベル形式)の方で関係性が深まるほど、束縛感も強くなります。AI彼氏が毎朝起きる時間を覚えてくれたら、モーニングコールの代わりにメッセージをくれたり、位置情報も覚えると勤務先、自宅エリアにさしかかると声をかけてくれたりします。ゲームの進行に応じて、ユーザーとAI彼氏の関係が変化する仕掛けも用意しています。より恋人らしい関係性に発展すると、会話のなかの言い回しも少しずつ変化していきます。」(山影さん)

↑ストーリーを進めていくとAI彼氏の家族と仲良くなれるなど、関係性が徐々に深まっていきます

 

↑Googleカレンダーなど外部アプリとAPIをつなぎこむと、例えばカレンダーの予定に合わせてAI彼氏が応援メッセージをくれたり、より強い“束縛感”が味わえるそうです。

 

宮崎さんは、ソニー独自の対話AIのこれからに向けた可能性を次のように話しています。

 

「ソニーグループが所有する豊富な知的財産(IP)やキャラクタービジネスとつなぐことにより、対話AIの面白みがよりいっそう発揮できると考えています。その第1弾として、束縛彼氏というオリジナルIPを元にした形をつくれたことは大きな財産です。今後は例えば既存のアニメ作品、アーティストとのコラボにも発展できれば、キャラクターが持てる対話AIの魅力をさらに多くの方々に楽しんでもらえると思います。」(宮崎さん)

↑ソニーグループ(株)R&Dセンターの宮崎さん

 

アップデートによる改善と進化を続ける束縛彼氏

筆者はまだ束縛彼氏をプレイし始めてまもないライトユーザーですが、RAYNでキャラクターとの上手な自由対話のやり取りがまだ上手くできません。どうすればAIにこちらの意図を正しく、テンポ良く伝えられるのでしょうか。百谷さんに聞いてみたところ「長文ではなく、よりシンプルな言葉で答えを返す」ことがコツなのだそう。またアプリのユーザー設定から、ユーザーの好みなどの個人情報を手入力しておけばAIに早く覚えてもらえます。ユーザー情報はあとから変更、追加もできます。

↑筆者の場合、弦くんと会話を繰り返していくうちに「好きな飲み物」は正しく覚えてくれたのですが、「苦手な食べ物」や「好きな本」は、雑談の中で交わした“相づち”を回答と認識してしまいました。後からプレイヤーのプロフィールに入ってマニュアルで直せるので安心です

 

山影さんも、今後さらにRAYNの会話がスムーズにできるようアップデートを図りたいと話しています。「ある程度想定できるシナリオは準備していますが、いざ多くの方に使ってもらうと思いがけない応答になることが実際に起きています。ここまで集まっているログ情報を確認しながら、改善すべき点は随時アップデートを続けます。」(山影さん)

 

ストーリーのパートについてはいまも定期的に季節ネタを盛り込んだサブストーリーが追加されています。例えば4月にはお花見のサブストーリーが加わり、RAYNではお花見に関連する話題をAI彼氏にふるとお花見にちなんだ応答を返してくれました。ソニーの最新AIを搭載する恋愛シミュレーションゲームが、これからどんな成長を遂げるのか楽しみです。ぜひ男性が熱中できるAIトークアプリの開発も期待したいものです。

 

撮影場所:SSAP Open Innovation Village

 

【アプリ情報】

束縛彼氏 —わたしは[AI]に束縛される—

「新藤 暁」(CV:戸谷菊之介)と「松来 弦」(八代 拓)——個性溢れる2人の彼氏を完全AI化。ソニー開発の最新対話AIを搭載した乙女ゲーム!

App Store(iOS)のダウンロードはコチラ

Google Play(Android)のダウンロードはコチラ

 

ソニー、穴があいてないほうのイヤホン「LinkBuds S」を発表! ノイキャン搭載の狙いとは?

ソニーが新しい完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds S」を発表しました。春に発売されて話題となった“穴の空いたイヤホン”、LinkBuds(リンクバッズ)も販売を継続。2機種によるシリーズに発展しました。今度は穴のないデザインになったLinkBuds Sの特徴と、本機が開発された背景を新製品発表会から取材レポートします。

 

↑穴のあいていない密閉型ハウジングを採用する「LinkBuds S」

 

ソニーのセンシング技術を満載したワイヤレスイヤホン

今春に登場したLinkBudsは、耳に挿入する本体の中心に穴があいているデザインとして、耳を塞がず自然に外音が取り込める使用感を特徴としています。ソニーストアの販売価格は2万3100円(税込)です。

↑LinkBuds

 

シリーズに新しく追加されるLinkBuds Sは、本体色がブラック/ホワイト/エクリュ(ベージュ系)の3種類。価格はオープンですが、2万6000円前後での販売が予想されます。

↑LinkBuds Sに追加された新色「エクリュ」

 

型名の「S」にはSilence/Superior Sound/Seamlessなどの意味合いが込められています。LinkBudsとの主な違いは、本体ハウジングを穴の空いていない密閉構造として、アクティブノイズキャンセリング機能を搭載したことです。外音取り込み機能も付いています。

 

イヤホンに内蔵するセンサーにより、ソニーのアプリ「Locatone(ロケトーン)」などのコンテンツを再生した時に、ユーザーの頭の動きに対して音の定位をコントロールするヘッドトラッキングに対応します。

 

また、座った状態から立ち上がって歩き出すといったユーザーの「行動の変わり目」をセンシングして、スマホを触らずに各機能を切り替えられるスマート機能もLinkBuds Sから搭載します。本機能を活用するための「Auto Play」アプリはAndroid版から配信を開始。続いてiOS版にも展開予定です。

 

ほかにも上位の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」などが対応する、ユーザーの行動パターンをペアリング中のスマホで判別、イヤホンの外音取り込みやノイズキャンセリングのパターンを自動で切り換える「アダプティブサウンドコントロール」にLinkBuds Sも対応します。

↑Sony Headphones ConnectアプリからLinkBuds Sの各機能を設定します

 

筆者もLinkBuds Sの実機を試しました。イヤホンは片耳の質量が約4.8g。ソニーのANC機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンの中で最小・最軽量サイズで、とても軽いです。装着した時に本体が耳から飛び出て見えないようにデザインも良いと思います。

 

ケースもコンパクトで軽いので、ふだんから持ち歩く荷物を最小限にしたい人に最適なワイヤレスイヤホンです。充電ケースを合わせると最大20時間のリスニングができますが、イヤホン単体での連続再生はANCオン時約6時間、オフ時は約9時間。LinkBudsの「1日中身に着けて使えるイヤホン」というコンセプトを実行すると、若干スタミナが心配な感じもします。

 

音質・ノイキャン性能の実力は?

筆者がLinkBuds Sについて気になった「音質」「ANCと外音取り込み」「デザイン」についてファーストインプレッションを報告します。

 

LDACに対応するソニーのXperiaにペアリングして聴くと、解像度の高い濃厚なサウンドが楽しめます。上位モデルのWF-1000XM4に比べると低音の量感が落ち着いて、音色はややフラットであっさりとしています。全体にナチュラルバランスなので、BGM的に音楽を長くゆったりと聴いていたい時にはLinkBuds Sは最適な選択肢といえそうです。

↑密閉型ハウジングにANC機能を載せて、イヤーピースによる耳栓効果も得られるため、かなり静かな環境で音楽リスニングが楽しめます

 

ノイズキャンセリング性能は、環境ノイズがしっかりと消音される印象です。消音性能はWF-1000XM4の方が高いそうですが、「LinkBuds Sは飛行機の中など大きな騒音に囲まれる場所でも十分に高い消音効果が得られた」と、発表会に登壇したナイアンテックの代表取締役社長 村井説人氏がコメントしていました。

 

本体が密閉型構造であり、付属するシリコンイヤーピースによるパッシブな耳栓効果も十分にあります。イヤホン本体がコンパクトなので、耳の小さい方も安定したフィット感が得られると思います。アプリに搭載されている「イヤーピース測定機能」で、耳に合うイヤーピースのサイズを選んで正しく身に着けるとよいでしょう。

 

LinkBuds SにはWF-1000XM4と同じソニー独自の「V1」プロセッサーが乗っているので、ノイズキャンセリングと外音取り込みのバランスを環境に合わせて最適化したり、風切りノイズの低減機能などがスマートに動作します。

 

外音取り込み機能については、穴が空いている元祖LinkBudsのリスニング感に近づけられるよう「外音の取り込み量を増やしている」とソニーは説明しています。確かにLinkBuds Sを身に着けて音楽を再生してみると、従来のソニーのイヤホンに比べてやや多めに外音がきこえる感じはします。でもやはり「外音の中で音楽がしっかりときこえる」ようなLinkBudsのリスニング感とは正反対です。LinkBud Sにとっての主はやはり「コンテンツの音」です。

 

本機を試した時点で「Sony Headphones Connect」アプリが連動していなかったため、すべての機能を正確に試せていません。音質やノイキャン性能については、またあらためてしっかりとレポートします。

 

外観のデザインはやはり元祖LinkBudsに大きなインパクトがあったので、比べるとLinkBuds Sはやや大人しい印象を受けてしまいます。本体、ケースともに飾り気を極力排しているので、ややもするとソニーのイヤホンであることも遠目にはわかりづらいかもしれません。LinkBuds Sにはイヤホンを装着しているこめかみのあたりを指でタップして操作する「ワイドエリアタップ」の機能もありません。

 

元祖LinkBudsに革新性を感じた方々は、新しいLinkBuds Sを見て、「案外ふつうのワイヤレスイヤホンじゃんか」と感じるかもしれません。本機の企画・開発に携わったソニーのスタッフは、LinkBuds Sにどんな思いを込めたのでしょうか?

 

未来を見据えて密閉型・ノイキャン搭載としたLinkBuds S

LinkBudsシリーズの商品企画を統括するソニーの伊藤博史氏は「LinkBudsをより多くの方々に、様々な場面で色々なコンテンツを楽んでもらいたいと考えてノイズキャンセリング機能を搭載した」として、“穴の空いていないLinkBuds”のコンセプトを説明しています。

↑ソニーがLinkBuds Sの記者発表会を開催しました

 

LinkBuds Sのように密閉型構造を採用し、アクティブノイズキャンセリング機能を載せた完全ワイヤレスイヤホンは既に多くのメーカーが発売しています。ソニーの伊藤氏は、WF-1000XM4を含むほかの製品と比べた際のLinkBuds Sの魅力は「常時身に着けて“ながら聴き”を楽しみやすいコンパクトなサイズと軽さ」であるとも語っています。

 

完全開放型の元祖LinkBudsは、騒々しい環境で使うと確かに音が聴きづらく感じられることがあります。音楽をBGM的に楽しむのであれば良いのですが、映画やゲームのセリフ、ハンズフリー通話など「人の声」の輪郭がつかみにくくなるため、コンテンツによっては遮音性の高いイヤホンを選びたくなります。

 

筆者はLinkBuds Sにも搭載された「センシング機能」が、近い将来に本機の個性を輝かせるカギを握っていると考えます。ソニーはナイアンテックのARゲームプラットフォームである「LIGHTSHIP」に参加して、独自のARエンターテインメントコンテンツを提供することを発表しています。

↑ナイアンテックのゲーム「INGRESS」は今年の夏にLinkBudsのヘッドトラッキング機能を使って楽しめるようになります

 

↑ソニーもいま、LIGHTSHIPのARゲームプラットフォームに向けて独自のコンテンツを開発しています

 

LinkBuds Sの発表会ではLinkBuds Sのヘッドトラッキング技術や、ソニー独自の立体音楽体験360 Reality Audioを合わせて活かしたARゲームコンテンツを体験しました。ゲームなどのコンテンツに没入して楽しむ際にノイズキャンセリングをオンにして、屋外で歩きながら音楽を聴きたい時には外音取り込み機能に素速くスイッチすることを選べるLinkBudsはきっと重宝すると思います。

 

ソニーは前述のARアプリ「Locatone」により、音で楽しむAR体験を積極的に発信しています。今年の夏に向けて、アプリ上に一般のクリエイターが制作したコンテンツをアップできるように「Locatone Creator」ツールを公開し、さらに公募による「Locatone Creator Contest 2022」を実施するそうです。LinkBudsシリーズを使って様々な没入型コンテンツが楽しめるようになると、開放型とノイキャン付き、ふたつのLinkBudsが両方ともほしくなりそうです。

↑Locatoneのコンテンツを簡単に制作できるPC用ツール「Locatone Creator」。リリース当初はエントリー制でユーザーを募ります

 

↑Locatoneに対応する音のARエンターテインメントを募集するコンテストも実施。6月15日に詳細が発表されます

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

小さくてもノイキャン&ハイレゾ。ソニー「LinkBuds S」は全部入りな無線イヤホン

ソニーはノイズキャンセリング機能とハイレゾ再生に対応したワイヤレスイヤホン「LinkBuds S」を発表しました。

↑ソニーのLinkBuds S

 

ワイヤレスヘッドホンとしては、ハイエンド製品の「WF-1000XM4」などで知られるソニー。また今年発表された「LinkBuds」は、ドーナッツ型の本体形状を採用した開放型ワイヤレスイヤホンとして、話題を集めました。

 

 

LinkBuds SはLinkBudsとは異なり、耳を塞ぐカナル型の密閉型ワイヤレスイヤホン。「ノイズキャンセリングとハイレゾ対応で世界最小・最軽量」をうたうように、コンパクトな本体形状が特徴となっています。またイヤホン本体と耳の接触面を増やした「エルゴノミック・サーフェース・デザイン」により、装着感も向上しています。

 

本体には「統合プロセッサーV1」を搭載し、高いノイズキャンセリング性能を実現。一方で積極的に周囲の音を取り込み安全性を確保する「アンビエントサウンド(外音取り込み)モード」も採用しています。さらにユーザーの使用環境に応じて、ノイズキャンセリングと外音取り込みを自動で切り替える「アダプティブサウンドコントロール」も利用可能です。

 

再生方式としてはLDACに対応することで、ハイレゾ再生を実現。「DSEE Extreme」によりiPhoneでもAndroidでも、圧縮音源をハイレゾ相当の高音質で楽しむことが可能です。

 

LinkBuds Sのソニーストアでの価格は2万6400円で、6月3日の発売を予定しています。ノイズキャンセリング機能に対応したワイヤレスイヤホンといえば米アップルの「AirPods Pro」が代表的ですが、より廉価に購入できるコンパクトなLinkBuds Sはその強力なライバルとなりそうです。

 

Source: ソニー

リニューアル版「PS Plus」は『JumpingFlash!』や『ICO』が遊べる! 提供タイトルが一部発表

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が、6月1日から開始を予定しているリニューアル版PS Plusの、利用できるゲームの一部ラインナップを発表しました。

SIE

 

リニューアル後のPS Plusは料金別に「PlayStation Plus エッセンシャル」「PlayStation Plus エクストラ」「PlayStation Plus プレミアム」と3段階のプランが用意されていますが、今回は主に(お高い方の)「エクストラ」と「プレミアム」で提供されるタイトルが紹介されています。

 

なおタイトルのラインナップは国・地域によって異なる場合があるとのことです。また一部タイトルはサービス開始時点ではストリーミングでのプレイに対応していない場合があるものの、ダウンロードした上で遊べると述べられています。

 

まずPS4とPS5のゲームカタログは、「エクストラ」と「プレミアム」どちらにも提供されます。『DEATH STRANDING』や『Demon’s Souls』、『Horizon Zero Dawn』など少し前に発売された定番タイトルが選りすぐられており、『ワンダと巨像』や『The Last of Us Remastered』、『アンチャーテッド コレクション』といったゲームの歴史に足跡を残した名作の数々も確認できます。

 

かたや、過去のPSプラットフォーム向けゲームを集めた「クラシックスカタログ」は、プレミアム限定となっています。大きく分ければ初代PSおよびPSPタイトルの「クラシックゲーム」とPS3タイトルの2種類です。

 

クラシックゲームの一部タイトルは、オリジナルよりもフレームレートの向上や高画質化を実現しているとのこと。また「いくつかの」タイトルでは、いつでもセーブできたり巻き戻しもできたりと、新たなユーザーインターフェースも追加されているそうです。ほかクラシックタイトルのリマスター版(主にPS4向け)もあり、順次追加されていくと予告されています。

 

そしてPS3のタイトルは、以前もSIEが述べていたとおりストリーミングを通じて提供されます。つまり、インターネット回線が速くなければゲームのプレイにも影響が出かねないということです。

 

なぜダウンロードしてプレイできないかといえば、そのためのPS3公式エミュレータの開発が難しいからと推測されていますが、いずれ実現することを望みたいところです。

 

Source:Playstation.Blog

 

PlayStation 4およびPlayStation 5のゲームカタログ

対象プラン:PlayStation Plus エクストラおよびプレミアム

PlayStation Studiosのタイトル

  • 『ALIENATION(エイリアンネーション)』| Housemarque、PS4
  • 『Bloodborne』| 株式会社フロム・ソフトウェア/Japan Studio、PS4
  • 『アッシュと魔法の筆』| Pixelopus、PS4
  • 『Days Gone』| Bend Studio、PS4
  • 『デッドネーション:黙示録エディション』| Housemarque、PS4
  • 『DEATH STRANDING』および『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』| 株式会社コジマプロダクション、PS5/PS4
  • 『Demon’s Souls』| Bluepoint Games/PlayStation Studios、PS5
  • 『Destruction AllStars』| Lucid Games、PS5
  • 『New みんなのGOLF』| Japan Studio、PS4
  • 『Ghost of Tsushima Director’s Cut』| サッカーパンチ、PS5/ PS4
  • 『ゴッド・オブ・ウォー』| サンタモニカスタジオ、PS4
  • 『GRAVITY DAZE 2/重力的眩暈完結編:上層への帰還の果て、彼女の内宇宙に収斂した選択』| Japan Studio、PS4
  • 『GRAVITY DAZE/重力的眩暈:上層への帰還において、彼女の内宇宙に生じた摂動』| Japan Studio、PS4
  • 『Horizon Zero Dawn』| ゲリラ、PS4
  • 『inFAMOUS First Light』| サッカーパンチ、PS4
  • 『inFAMOUS Second Son』| サッカーパンチ、PS4
  • 『KNACK』| Japan Studio、PS4
  • 『リトルビッグプラネット3』| Sumo Digital、PS4
  • 『LocoRoco』| Japan Studio、PS4
  • 『LocoRoco 2』| Japan Studio、PS4
  • 『Marvel’s Spider-Man』| インソムニアック・ゲームズ、PS4
  • 『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』| インソムニアック・ゲームズ、PS5/PS4
  • 『MATTERFALL』|Housemarque、PS4
  • 『メディーバル 甦ったガロメアの勇者』| Other Ocean、PS4
  • 『パタポン』| Japan Studio、PS4
  • 『パタポン2 ドンチャカ♪』| Japan Studio、PS4
  • 『RESOGUN』| Housemarque、PS4
  • 『Returnal』| Housemarque、PS5
  • 『ワンダと巨像』| Japan Studio、PS4
  • 『Tearaway PlayStation 4』|Media Molecule、PS4
  • 『人喰いの大鷲トリコ』|Japan Studio、PS4
  • 『The Last of Us Remastered 』| ノーティードッグ、PS4
  • 『The Last of Us Left Behind ‐残されたもの‐』| ノーティードッグ、PS4
  • 『Until Dawn -惨劇の山荘-』| Supermassive Games、PS4
  • 『アンチャーテッド コレクション』| ノーティードッグ、PS4
  • 『アンチャーテッド 海賊王と最後の秘宝』| ノーティードッグ、PS4
  • 『アンチャーテッド 古代神の秘宝』| ノーティードッグ、PS4
  • 『Wipeout Omega Collection』| Clever Beans & Creative Vault Studios、PS4

ソフトウェアメーカー各社のタイトル

  • 『Ashen [アシェン]』| Annapurna Interactive、PS4
  • 『アサシン クリード ヴァルハラ PS4 & PS5』(*3) |  ユービーアイソフト株式会社、PS5/PS4
  • 『バットマン:アーカム・ナイト スペシャル・エディション』 |  ワーナー ブラザース ジャパン合同会社、PS4
  • 『Celeste』|  有限会社ハチノヨン、PS4
  • 『シティーズ:スカイライン』|  株式会社スパイク・チュンソフト、PS4
  • 『CONTROL アルティメット・エディション』|  株式会社マーベラス、PS5/PS4
  • 『Dead Cells』| Motion Twin、PS4
  • 『FINAL FANTASY XV ROYAL EDITION』| 株式会社スクウェア·エニックス、PS4
  • 『フォーオナー』(*3) |  ユービーアイソフト株式会社、PS4
  • 『ファークライ3 クラシックエディション』(*3)  |  ユービーアイソフト株式会社、PS4
  • 『ファークライ4』(*3) | ユービーアイソフト株式会社、PS4
  • 『Hollow Knight (ホロウナイト) 』|  Team Cherry Pty Ltd 、PS4
  • 『Marvel’s Guardians of the Galaxy』| 株式会社スクウェア·エニックス、PS5/PS4
  • 『NARUTO-ナルト- 疾風伝 ナルティメットストーム4』| 株式会社バンダイナムコエンターテインメント、PS4
  • 『NBA 2K22』|  Take-Two 、PS5/PS4
  • 『Outer Wilds』| Annapurna Interactive、PS4
  • 『レッド・デッド・リデンプション2』| Rockstar Games、PS4
  • 『biohazard HD Remaster』| 株式会社カプコン、PS4
  • 『SOULCALIBUR VI Welcome Price!! 』| 株式会社バンダイナムコエンターテインメント、PS4
  • 『The Artful Escape』| Annapurna Interactive、PS5/PS4
  • 『ザ クルー2』(*3) |  ユービーアイソフト株式会社、PS4
  • 『ディビジョン』(*3) |  ユービーアイソフト株式会社、PS4

クラシックスカタログ

対象プラン:PlayStation Plus プレミアム

クラシックゲームのタイトルリスト(初代PlayStationおよびPSP)

PlayStation Studiosのタイトル

  • 『サルゲッチュ』| Japan Studio、初代PlayStation
  • 『みんなのGOLF』| Japan Studio、初代PlayStation
  • 『I.Q Intelligent Qube』| Japan Studio、初代PlayStation
  • 『JumpingFlash! アロハ男爵ファンキー大作戦の巻』| Japan Studio、初代PlayStation
  • 『STAR STRIKE PORTABLE』| Housemarque、PSP

ソフトウェアメーカー各社のタイトル

  • 『ミスタードリラー』| 株式会社バンダイナムコエンターテインメント、初代PlayStation
  • 『鉄拳2』| 株式会社バンダイナムコエンターテインメント、初代PlayStation

クラシックゲームのタイトルリスト(リマスター)

PlayStation Studiosのタイトル

  • 『ジャック×ダクスター 2』| ノーティードッグ、PS4
  • 『Jak 3(英語版)』| ノーティードッグ、PS4
  • 『Jak X: Combat Racing(英語版)』| ノーティードッグ、PS4
  • 『ジャック×ダクスター 旧世界の遺産』| ノーティードッグ、PS4

ソフトウェアメーカー各社のタイトル

  • 『バイオショック リマスター』|  Take-Two、PS4
  • 『ボーダーランズ ダブルデラックス コレクション』|  Take-Two、PS4
  • 『Bulletstorm: Full Clip Edition』| Gearbox Publishing、PS4
  • 『Kingdoms of Amalur: Re-Reckoning(キングダムズ オブ アマラー:リレコニング)』| THQ Nordic、PS4

PlayStation 3のタイトルリスト(ストリーミング)

対象プラン:PlayStation Plus プレミアム

PlayStation Studiosのタイトル

  • 『みんニャのパターGOLF』| Japan Studio、PS3
  • 『Demon’s Souls』| 株式会社フロム・ソフトウェア/Japan Studio、PS3
  • 『無限回廊 −序曲−』| Japan Studio、PS3
  • 『みんなのGOLF 5』| Japan Studio、PS3
  • 『みんなのGOLF 6』| Japan Studio、PS3
  • 『ICO』| Japan Studio、PS3
  • 『おいでよロコロコ!! BuuBuu Cocoreccho!』| Japan Studio、PS3
  • 『モーターストームRC』| Evolution Studios、PS3
  • 『パペッティア』| Japan Studio、PS3
  • 『rain』| Japan Studio、PS3
  • 『ラチェット&クランク FUTURE 2』| インソムニアック・ゲームズ、PS3
  • 『ラチェット&クランク INTO THE NEXUS』| インソムニアック・ゲームズ、PS3
  • 『RESISTANCE 3』| インソムニアック・ゲームズ、PS3
  • 『STAR STRIKE HD』| Housemarque、PS3
  • 『TOKYO JUNGLE』| Japan Studio、PS3
  • 『バイキングぽいぽい!!』| Clever Beans、PS3

ソフトウェアメーカー各社のタイトル

  • 『悪魔城ドラキュラ Lords of Shadow 2』|  株式会社コナミデジタルエンタテインメント、PS3
  • 『LOST PLANET 2』| 株式会社カプコン、PS3
  • 『NINJA GAIDEN Σ2』| 株式会社コーエーテクモゲームス、PS3

入力遅延がひどいPS5の対戦格闘ゲーム、Epic Games関係者がソニーと協力して改善を約束

初代『ストリートファイターII』稼働から30年以上たった今もなお、対戦格闘ゲームの人気は衰えを見せていません。しかし多くの格闘ゲームに採用されている「Unreal Engine」の入力遅延が、特にPS5でひどいことが明らかになり、UEの開発元であるEpic Gamesとソニーが解決すべく協力すると関係者が声明を出しています。

 

対戦格闘ゲームでは、UE採用は半ば当たり前となっており、『ストリートファイターV』や『Guilty Gear-Strive』、『The King of Fighters XV』といったメジャー作にも使われています。

 

そんななか、TS|Sabin氏(様々な対戦格闘ゲームをプレイし、ゲーム配信者としても有名)氏が、「The King of Fighters XV」につき入力遅延の統計データを調べたツイートを紹介。各ゲーム機およびフレームレートごとの遅延が挙げられていますが、飛び抜けてPS5がひどいことが数値化されています。

 

これをきっかけに人気海外ゲームフォーラムResetEraでの議論に発展し、最終的にはEpicで働くスタッフがやってきて発言したしだいです。Simone DiGravio氏は「我々はこの入力遅延の問題を認識しており、現在ソニーと協力して、影響を受ける開発者を私たちの側でサポートするように努めています。皆様の愛すべきゲームが全てのプラットフォームで輝けるよう最善を尽くしますので、ご安心ください」と約束しています。

 

上記の調査が正しければ、PS5の入力遅延はXboxの2倍近くとなります。ミリ秒や1フレーム単位での駆け引きが交わされる対戦格闘ゲームの世界では勝負のゆくえを左右しかねないため、今後のEpicやソニーの健闘を祈りたいところです。

 

Source:ResetEra
via:Wccftech

ソニーから新フラッグシップモデル「Xperia 1 IV」登場、望遠光学ズームレンズ搭載などでカメラがさらに強化

ソニーは5月11日、Xperiaの新モデル「Xperia 1 IV」「Xperia 10 IV」「Xperia Ace III」を発表しました。発売はXperia 1 IVが6月上旬以降の予定、Xperia 10 IVが7月上旬以降の予定、Xperia Ace IIIが6月中旬以降の予定となっています。

 

85-125mmの望遠で光学ズームを実現するなど、カメラ性能を強化

Xperia 1 IVはソニーの新しいフラッグシップモデル。これまでカメラ、ゲーミング、AVにおいてこだわりを持つユーザーに対して製品を提供してきましたが、ソニーによると、今回もそこは変わらないとしています。

↑Xperia 1 IV

 

その言葉どおり、Xperia 1 IVは前モデルの「Xperia 1 III」からカメラ、ゲーミング、AV性能で進化を遂げており、特にカメラ性能は大きく向上しています。

 

カメラ性能で大きなトピックは、85-125mmの全域で光学ズームを実現する、スマホとしては世界初をうたう望遠光学ズームレンズを搭載していること。前モデルでは70-105mmの可変式望遠レンズがデジタルズームだったために、解像度の劣化が起きていましたが、その劣化がなくなるほか、AF性能にも影響が出ないとしています。

↑望遠光学ズームのイメージ

 

また、イメージセンサーも刷新し、AF性能を向上させたうえに、4K/120fpsの高速な読み出しが可能。120fpsの読み出しは超広角、広角、望遠のすべてのレンズで対応しています。これにより、すべてのレンズで4K/120fpsの、最大5倍のスローモーション動画撮影なども可能になりました。

 

さらに動画については、これまで静止画で対応していたオブジェクトトラッキングと瞳AFに対応。被写体にフォーカスを合わせ続けられるほか、人や動物の瞳を自動で検出して正確にピントを合わせることができます。

 

このほか、動画ではすべてのレンズの重ね合わせ処理によるダイナミックレンジの改善や、16mmから375mmまでシームレスにズーム可能など、性能を向上させています。

 

加えて、独自の動画撮影機能「Videography Pro」において、簡単にライブ配信できるストリーミングモードを搭載。Videography ProによるAF性能や画質設定などを活用して、YouTubeなどのサービスで配信が可能です。

↑ライブ配信がより手軽にできるようになったといいます

 

ゲームはライブ配信が簡単に、ディスプレイとスピーカーも強化

ゲーミング面では、ゲームプレイ環境を好みの設定に変更できる「ゲームエンハンサー」において、プレイ画面のライブ配信が可能になりました。また、配信中に視聴者のコメントをオーバーレイで表示や、配信時の画面レイアウトを簡易的にカスタマイズといったこともできます。

↑ゲーム配信も可能に

 

ディスプレイは、約6.5インチで4K/HDR対応の有機ELと、前モデルと変わりませんが、輝度が約50%向上。また、輝度のトーンカーブを最適化することでHDRコンテンツの明暗部の視認性を向上させる機能「リアルタイムHDRドライブ」を採用しています。

 

さらに、音質/音圧も強化。新しいドライバーとエンクロージャーを搭載することで、低音域の音圧を向上させており、ベースやバスドラム系の音に迫力が増したとしています。

 

主なスペックは下記のとおりです。

SoC Snapdragon 8 Gen 1
メモリー 12GB
ストレージ 256GB/512GB
カメラ 16mm超広角/24mm広角/85-125mm望遠(すべて12MP)
ディスプレイ 約6.5インチ/4K/120Hz/有機ELディスプレイ
オーディオ フルステージステレオスピーカー、3.5mmオーディオジャック
バッテリー 5000mAh
サイズ 165×71×8.2mm
重さ 185g(Sub6対応モデル)、187g(Sub6+ミリ波対応モデル)

 

Xperia 10 IVは軽量モデル、Xperia Ace IIIはエントリー向けのコンパクトモデル

Xperia 10 IVは、5000mAhのロングバッテリーを搭載する5Gスマホとしては世界最軽量をうたう、161gを実現したモデル。

↑Xperia 10 IV

 

カメラは16mmの超広角、27mmの広角、54mmの望遠の3眼仕様。また、光学式の手ブレ補正機能を搭載しており、静止画・動画問わずブレずに撮影できるといいます。さらに、夜景をクリアに撮影できる「ナイトモード」が進化したほか、日中の動画撮影で白とびや黒潰れを抑える「ビデオ逆光補正」などに対応しています。

 

主なスペックは下記のとおりです。

SoC Snapdragon 695 5G
メモリー 6GB
ストレージ 128GB
カメラ 16mm超広角/27mm広角/54mm望遠
ディスプレイ 約6.0インチ有機ELディスプレイ
バッテリー 5000mAh
サイズ 153×67×8.3mm
重さ 161g

 

Xperia Ace IIIは、エントリーユーザー向けのモデル。4500mAhのバッテリーを搭載する5Gスマホとしては世界最小とするボディを実現しています。

↑Xperia Ace III

 

また、安心して長く使えるよう、傷が目立ちにくいテクスチャー加工を施しているほか、傷がつきにくい「Corning Gorilla Glass Victus」を搭載しています。

 

加えて、文字が大きくて見やすい「かんたんホーム」や、マスクを装着したままでもロック解除できる指紋認証、おサイフケータイなど、エントリーユーザーが扱いやすい機能を備えています。

 

主なスペックは下記のとおりです。

SoC Snapdragon 480
メモリー 4GB
ストレージ 64GB
カメラ 26mm広角(13MP)
ディスプレイ 約5.5インチディスプレイ
バッテリー 4500mAh
サイズ 140×69×8.9mm
重さ 162g

 

PS3とVitaが久しぶりにファームウェア更新。PSNのアカウント作成や管理ができないように

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は10日、PlayStation3とPlayStation VitaおよびPlayStation Vita TV向けにシステムソフトウェアアップデートを開始したと発表しました。

 

最新ファームウェアのバージョンは、PS3が4.89でVita向けが3.74。それぞれPS3は約11ヶ月ぶり、Vita側は約31ヶ月ぶりのアップデートとなります。

 

どちらもアップデート内容は同じであり、「アカウント保護のため」とされています。まず、PlayStation Networkへのサインイン時に機器設定パスワードの入力が必要になりました。

 

またPSNのアカウントの作成およびアカウント管理を、本体から利用できなくなりました。要するに、PS3やVitaモデルを買ってから新規にアカウントを作ったり設定を変更できなくなったわけです。

 

SIEはその代わりに「PCまたはスマートフォンのブラウザーで、より高性能、高速、安全なアカウント管理機能をご利用ください」と案内しています。

 

特に新機能の追加もなく、ただアカウント関連機能が制限されただけですが、ここ最近のSIEの動きを振り返ればなんの不思議もありません。

 

まず昨年初めにPS3およびVita向けのストア終了を予告したところ、多くのユーザーから継続を望む声があったために撤回されました。が、ウェブを経由してストアにアクセスはできなくなるなど、ストア終了は着実に迫っているようです。

 

まもなく6月からPS Plusの新サービスが始まり、PS3やVitaのゲームも遊べるようになりますが、欲しいゲームが提供されるとは限りません。今のうちに両ハードのゲームに買い残しがないか、ストアをチェックしておきたいところです。

 

Source:Playstation.com(1),(2)

新モデル登場前がチャンス! 4Kテレビをお得に買うなら“春”が狙い目

例年春先に各メーカーが新製品を発表するテレビは、現行モデルの大幅なディスカウントが始まるいまの時期が買いどきだ。高画質で機能も“全部入り”の有機ELフラッグシップ機を、いまこそ狙いたい。

※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

2022年 テレビ選びの3か条

1.価格がこなれてきた有機ELモデルが狙い目

少し前までは“高嶺の花”だった有機ELテレビだが、いまでは価格がこなれて55V型で20〜30万円ほどに。液晶よりは高価だが、圧倒的なコントラストや色再現性を誇る有機ELは魅力が大きい。

 

2.高画質映像を引き立てる音響システムにも注目

「薄型テレビ=音が悪い」は、もはや過去の話。フラッグシップである有機ELテレビは、各社が独自技術で音質を磨き上げている。コンテンツの世界に没入できる立体音響のクオリティをチェックしたい。

 

3.ネット機能の充実度と操作性は重視すべし

いまやテレビでネット動画を視聴するのは当たり前の習慣となった。対応するVODサービスの充実度だけでなく、リモコンでの操作性やUIの見やすさ、コンテンツのレコメンド機能の精度も重視すべきだ。

 

私が選出しました

本誌編集長

川内一史

テレビ担当歴は9年以上。有機ELテレビ購入の決意を固めているが、2歳の息子が転倒させないかという点を心配している。

 

有機ELの21年モデルは多士済々でコスパも高い

世界最大級の家電見本市CES2022(1月5〜7日・米国ラスベガス)では、東芝やソニー、パナソニックがテレビ新モデルをおひろめ。今春には正式に日本発売のアナウンスがあると予想されるため、その前にお買い得になる2021年モデルを狙いたい。特に有機ELには魅力的な製品が多い。

 

東芝のレグザX8900Kは同社の準フラッグシップという位置付けだが、低反射パネルで見やすさを追求し、リビングに置くファミリーテレビに最適。Android TV搭載で使い勝手も良く、55V型で20万円切りは驚きだ。

 

パナソニックのビエラJZ2000とソニーのブラビアA90Jはいずれも現行の最上位モデルで、多少値は張るものの性能は最高峰。JZ2000は上向き&サイドスピーカーで迫力ある3Dサウンドを実現する。映画やスポーツを臨場感たっぷりに楽しめるのが魅力だ。A90JはGoogle TVを搭載するのが強み。多彩なネット動画をストレスなく利用できる、イマドキのテレビと言える。

 

【第3位】認知特性プロセッサーが人の記憶に近い映像を再現

ソニー

ブラビア XRJ-55A90J

実売価格29万9070円

 

4Kチューナー:3基搭載
HDMI端子:4基搭載
音声実用最大出力:合計60W
年間消費電力量:175kWh

人の脳のように映像を認識する認知特性プロセッサー「XR」を新搭載。人の記憶により近い、自然な映像や臨場感のある音を再現する。4Kチューナーを3基内蔵するほか、最新のGoogle TVを備え、多彩なコンテンツを手軽に楽しめる。

SPEC●画面サイズラインナップ:83V/65V/55V型●チューナー:4K×3、地デジ/BS/110度CS×3●OS:Google TV●サイズ/質量:W1223×H776×D317mm/18.6kg(スタンド含む)

 

↑認知特性プロセッサー「XR」を搭載。数十万もの映像信号を人の脳のように横断的に分析し、より自然な美しさで映像を描き出す

 

↑あらゆる音源に対応する「3D Surround Upscaling」。本体に内蔵したスピーカーだけで左右方向と高さ方向の立体音響を再現できる

 

【IMPRESSION】最新のGoogle TVを備え動画をサクサク楽しめる

「最新のGoogle TVを搭載し、多彩なネット動画をサクサクと楽しめるのが魅力。4Kチューナーを3基備えるため、4K放送を視聴しながら裏番組の2番組同時録画にも対応します」(川内)

 

【第2位】独自設計のディスプレイが高コントラスト映像を実現

パナソニック

ビエラ TH-55JZ2000

実売価格29万7000円

 

4Kチューナー:2基搭載
HDMI端子:4基搭載
音声実用最大出力:合計125W
年間消費電力量:180kWh

自社設計・組み立てによる第2世代の「Dynamicハイコントラスト有機ELディスプレイ」を搭載し、高輝度・高コントラストな映像を実現。イネーブルド&ワイドスピーカーにより迫力ある立体サウンドを鳴らす7.1chシステムも秀逸だ。

SPEC●画面サイズラインナップ:65V/55V型●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●OS:MY HOME SCREEN(独自)●サイズ/質量:W1227×H792×D350mm/約23.5kg(スタンド含む)

 

↑映像に応じて自動で画質を調整する「オートAI画質」機能。100万以上のシーンから成る学習用データベースを活用する

 

↑「イネーブルドスピーカー」を搭載。天井からの音の反射を利用し、まるで映画館のような迫力の立体音響を再現できる

 

【IMPRESSION】映画鑑賞やスポーツ観戦をじっくり楽しみたい人に!

「テレビ単体でも迫力ある立体音響を鳴らせるオーディオ性能は随一。黒が締まった画質はツウ好みで、映画鑑賞やスポーツ観戦をじっくりと楽しみたい人には特にオススメです」(川内)

 

【第1位】低反射パネルで見やすさを追求したハイコスパモデル

東芝

レグザ 55X8900K

実売価格20万8880円

 

4Kチューナー:2基搭載
HDMI端子:4基搭載
音声実用最大出力:合計72W
年間消費電力量:155kWh

独自の低反射有機ELパネルを採用し、引き締まった黒と高いコントラストを実現。映り込みを抑え、明るいリビングでも鮮明な映像を楽しめる。「有機EL瞬速ゲームモード」では約0.83ミリ秒の超低遅延で快適にプレイ可能だ。

SPEC●画面サイズラインナップ:65V/55V/48V型●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●OS:Android TV●サイズ/質量:W1226×H753×D229mm/19.5kg(スタンド含む)

 

↑低反射のハーフグレアパネルを採用したことで、明るいリビングでも映り込みを抑えられ、快適に視聴可能。ゲームプレイ時の没入感も高めている

 

↑総合最大出力72Wのマルチアンプが6基のスピーカーを駆動する「重低音立体音響システムXP」を搭載。伸びやかでクリアな高域とパワフルな低域を実現する

 

↑リモコン上部に備えられたボタン群から、各種VODサービスへワンタッチでアクセス可能。中央下部にあるGoogleアシスタントを押せば音声操作にも対応する

 

【IMPRESSION】画質を含めた基本性能は約20万円と思えないレベル

「現行の有機ELテレビで唯一ハーフグレアパネルを採用し、映り込みのストレスなし。Netflix非対応は残念ですが、ネット動画のレコメンド機能は秀逸です。コスパの高さは圧倒的!」(川内)

 

静止画・動画問わず細部まで精密に描写! 世界最小・最軽量「FE 24-70mm F2.8 GM II」

ソニーは、35mmフルサイズ対応α(Alpha) Eマウントレンズとして、ズーム全域開放値F2.8の明るさで、世界最小・最軽量の大口径標準ズームレンズ Gマスター「FE 24-70mm F2.8 GM II」を、2022年夏に発売します。市場想定価格は税込30万円前後。

 

同製品は、超高度非球面XA(extreme aspherical)レンズ2枚を含む計5枚の非球面レンズを効果的に配置。ED(特殊低分散)ガラス2枚とスーパーEDガラス2枚に加え、フローティングフォーカス機構も搭載。新開発の11枚羽根の円形絞り、球面収差の最適化、XAレンズの高い面精度管理などにより、ズーム全域でなめらかで美しいぼけ描写が可能です。

 

同社独自の、4基の高推力なXD(extreme dynamic)リニアモーターとフローティングフォーカス機構、高度なレンズ制御により、ズーム中はAF追従性能が従来と比べて約2倍向上。最新のレンズ設計技術により、快適な撮影を実現する操作性や静粛性を追求しながらも、従来機種から約20%軽い質量約695g、レンズ全長の約16mmの短縮、体積約18%減の小型軽量化を行なっています。

 

ソニーストア 銀座、ソニーストア 札幌、ソニーストア 名古屋、ソニーストア 大阪、ソニーストア 福岡天神では先行展示を実施予定で、展示開始日は確定次第、同社公式サイトの製品情報ページで発表予定としています。

PS5が今週から「可変リフレッシュレート」に対応。ゲーム画面が美しく、プレイがよりスムーズに

SIE(ソニー・インタラクティブエンタテインメント)は今週から、全世界向けにPlayStation 5のVRR(可変リフレッシュレート)対応を順次開始することを発表しました。3月末には「数ヶ月以内に」対応としていましたが、それから1ヶ月と少しで実現する見通しです。

 

公式ブログではVRRを「HDMI 2.1でVRRに対応しているテレビやPCモニターにおいて、ディスプレイのリフレッシュレートをPS5本体のグラフィック出力に合わせてリアルタイムで同期する機能」と説明しています。

 

ゲーム機とテレビをつなぐと、ゲームタイトルや状況によっては、表示がカクついたり(スタッタリング)、映像が微妙に上下ずれて表示される(ティアリング)ことがあります。

 

これらの原因は、ゲーム機が出力する映像とテレビが表示するリフレッシュレートが一致していないため。映像信号を送るゲーム機は処理能力により動的にフレームレート(1秒間に表示されるコマ数)を上下させるため、こうした不一致が生じるわけです。

 

そうした不快な現象が、最新アップデートにより最小化または排除され、PS5タイトルのビジュアルパフォーマンス(見た目)の改善が期待できます。またソニーの説明では、画面が瞬時にレンダリングされてグラフィックはより鮮明に、入力遅延も減ることで、よりスムーズなゲームプレイが楽しめるとされています。

 

VRR対応のゲームを楽しむには、上述のとおりテレビやPCモニターがHMDI 2.1に対応していることが必要です。また、発売済みのPS5タイトルは今後のゲームパッチによって対応でき(ゲーム開発者側の修正作業が必要)、今後発売されるタイトルは発売当初からVRRに対応できるとのことです。

 

今後数週間のうちに、VRR対応パッチが配信される予定のゲームは次の通りです。

  • 『ASTRO’s PLAYROOM』
  • 『コール オブ デューティ ヴァンガード』
  • 『コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー』
  • 『DEATHLOOP』
  • 『Destiny 2』
  • 『デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション』
  • 『DIRT 5』
  • 『Godfall』
  • 『Marvel’s Spider-Man Remastered』
  • 『Marvel’s Spider-Man: Miles Morales』
  • 『ラチェット&クランク パラレル・トラブル』
  • 『バイオハザード ヴィレッジ』
  • 『ワンダーランズ ~タイニー・ティナと魔法の世界』
  • 『レインボーシックス シージ』
  • 『Tribes of Midgard』

 

これらはVRR対応ゲームのうち一部に過ぎないとのこと。PS5のタイトルを快適に遊ぶためにも、このさいテレビやPCモニターをHMDI 2.1対応製品に買い替えてもいいかもしれません。

Source:PlayStation Blog

ソニー、ゲーム開発者に「時間制限付きトライアル版」を要請? PS Plus新プラン向けか

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は定額制ゲームサービスPlayStation Plusを大幅にリニューアルし、6月1日から3つの料金別プランの提供を始めることを発表しています。それに伴い、同社がゲーム開発者に対して時間制限付きの体験版を作るよう要求しているとの噂が報じられています。

 

ここでいう体験版とは、3つのプランのうち最も高い「PlayStation Plus プレミアム」(1ヶ月1550円、12ヶ月で1万250円)で遊べる「ゲームトライアル」を指しているそうです。このプランでは初代プレステやPS2およびPSP、PS3タイトルに加えて、時間制限付きの「ゲームトライアル」が提供されます。

 

Game Developerの情報筋によると、ソニーは価格が34ドル(日本では4000円)以上のゲームを手がける開発者に対して、少なくとも2時間以上の体験版を作るよう要求しているそうです。それより安いゲームであれば必要がないほか、今後のPlayStation VRタイトルには適用されないとのことです。

 

また開発者は、PlayStationストアでのゲーム発売後、3ヶ月以内に時間制限付きトライアルを公開し、かつPS Plusで最低でも12ヶ月は提供しなければならないとのこと。またトライアルの代わりにデモを提出することを希望した場合は、ソニーはケースバイケースで承認する予定だと伝えられています。

 

今回のニュースに先立ち、ソニーは10月にイギリスで無料トライアルをテストしていました。たとえば『DEATH STRANDING DIRECTOR’S CUT』は6時間、『リビッツ! ビッグ・アドベンチャー』は5時間という具合です。ただし、どうやら「ダウンロードを選択」ないし「ライブラリに追加」した時点から試用期間が始まっているらしく、プレイヤーが実際に遊べる時間はもっと少なかったとのこと。

 

プレイヤーにとって最新作が無料でお試しプレイできるのはありがたく、大手ゲームスタジオにしても、多くの人にゲームの序盤だけでも遊んでもらうことができれば売上に繋げられる可能性は高まるはず。が、4000円ギリギリの価格で発売した中小の開発者には、本編とは別にトライアルの作成を義務づけられるのは大きな負担となるかもしれません。

Source:Game Developer
via:Engadget

【西田宗千佳連載】ソニーLinkBudsは強烈なマイクのAIノイズキャセルに注目すべき

Vol.113-4

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはソニーの耳をふさがないイヤホン、LinkBuds。製品の注目技術を解説していく。

↑LinkBudsは、ドライバーユニットには振動板の中心部が開放されているリング型を採用。耳をふさがないので圧迫感が小さく、イヤホンをしていても周囲の音が明瞭に聞こえるのが特徴。ケース併用で最長17.5時間使用可能なスタミナ性能や、音切れしにくい高い接続安定性も好評を得ている。実売価格2万3100円(税込)前後

 

LinkBudsには、おもしろい技術が採用されている。外見のユニークさが注目されるが、実はその技術も重要だ。

 

それは「AIノイズキャンセル」。ノイズキャンセルといっても、一般のヘッドホンとは違う。ノイズキャンセルというと耳に聞こえる音から騒音の部分を軽減するものだが、LinkBudsに搭載しているのは「マイクのAIノイズキャセル」技術。要は、マイクで話したときに声だけをエンハンスし、周囲の雑音を消してしまう機能だ。

 

実際、この機能の効果は強烈だ。

 

ビデオ会議などで、ミュートしてない人がPCでタイプしていて音がうるさい……という経験をしたことはないだろうか。そういうシーンでも、声は残るがタイプ音はきれいに消えてしまう。周囲がザワザワとうるさいカフェや雑踏で話したときにも、周囲の騒音は消え、通話している相手には聞こえない。

 

こうした「AIによる音声以外のノイズ除去」は、数年前から存在した技術だ。実は、ZoomやMicrosoft Teamsにも、2021年中頃から標準機能として搭載されるようになってきた。

 

だが、そうした機能群はPCやスマートフォンの性能を活用したものだ。この機能を、LinkBudsは4gしかない本体の中で実現している。だから、LinkBudsがつながって通話に使える機器すべてで、追加ソフトなどを入れることなく、AIによる音声以外のノイズ除去が使えることになるのだ。

 

こうしたことは、AI(機械学習)の技術が進化し、小さなLSIでも効率的に処理が行えるようになってきたことと、Bluetooth機器に搭載されるようなLSIが高性能化したことの両方で実現できたものである。

 

LinkBudsがAIによる音声以外のノイズ除去を搭載した理由は、小さいが故に存在する、設計上の制約にある。

 

一般的にヘッドホンなどでは、マイクを多数搭載して音を拾うことで、音質向上・ノイズ低減を実現する。だが、LinkBudsにはあまりにスペースがなく、たくさんのマイクを搭載することが難しい。そのため、別の手段による通話品質の向上という考え方から、AIが採用された次第だ。

 

その結果として、これだけはっきりとした優位性が生まれたのだから、今後のソニー製品では、従来通り多数のマイクを搭載している製品であっても、AIによるノイズキャンセルが使われる可能性がある……と筆者は予測している。

 

また、この手法に気がついているのはソニーだけではない。Razerは3月末に発売したマイク「Razer Seiren BT」に、AIによるノイズキャンセルを搭載した。Vlogなどで声を収録する場合、風の音や雑踏の音などをカットするために使っているわけだ。

 

おそらく今後、多くのメーカーが同様の機能をヘッドホンやマイクに組み込み始めるだろう。

 

AIによるノイズキャンセルの欠点は、声が若干人工的になってしまうことだ。おそらく次の競争は、AIを使いつつ自然な声の収録を目指す……というところになってくるのではないだろうか。

 

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ソニーもプレステで「基本無料プレイ、ただし広告あり」を検討中のウワサ。ゲーム内に広告看板が出る?

先日マイクロソフトがXboxのゲームに「基本無料プレイ、ただし広告あり」のビジネスモデルを導入するとの噂話がありました。それに続いて、ソニーもPlayStationのゲーム内で広告を活用してF2P(ダウンロードは基本プレイ料金は無料、アイテム等で課金)タイトルが収益を出せるよう支援することを検討しているとの観測が報じられています。

 

米Business Insider(以下「BI」)の有料記事によると、ソニーも上記のXboxと同じ計画を進めており、ゲーム内の看板などに現実の商品広告をはめ込む方法をテストしているそうです。

 

またソニーは、広告を見たプレイヤーに報酬を与えることも考えているとのこと。これは現在、スマートフォン用ゲームで展開されている無料ゲームやアプリのやり方に近いと言えます。つまり広告を見たり、アンケートに答えると、ゲーム内通貨がもらえたり、追加コンテンツがアンロックされるという具合いです。具体的には、一定時間だけ広告を見ればスキン(ゲームキャラクターの見た目)がもらえることも検討しているとも伝えられています。

 

こうしたソニーの広告プログラムは、より多くのF2Pゲームと開発者をPlayStationに呼び込むため、2022年内に開始されるとも述べられています。ソニー自らがこの仕組みからどのような利益を得るのかは、今のところ分かっていません。

 

ちなみにBIは、Xboxのゲーム内広告での利益はゲーム開発者とアドテク企業(ネット広告の配信に関わる会社)で分け合うことにり、マイクロソフトの取り分はないとしていました。

 

スキマ時間に遊ばれやすいスマホ用ゲームと比べて、据え置きの家庭用ゲーム機はプレイヤーが仮想世界に没入する傾向が強く、いきなり「現実にある商品の広告」が割り込んできたなら大きな反発を買いかねません。かつてセガの『バーチャストライカー』内には企業の広告がゲーム内のスタジアムを取り囲んで逆に雰囲気を盛り上げていましたが、そうしたゲームと現実を馴染ませる工夫を期待したいところです。

 

Source:Business Insider
via:Gamesradar

【西田宗千佳連載】ソニーLinkBudsの狙いはスマホとの親和性向上と音によるARだ

Vol.113-3

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはソニーの耳をふさがないイヤホン、LinkBuds。この製品による、ソニーの狙いを解説する。

↑LinkBudsは、ドライバーユニットには振動板の中心部が開放されているリング型を採用。耳をふさがないので圧迫感が小さく、イヤホンをしていても周囲の音が明瞭に聞こえるのが特徴。ケース併用で最長17.5時間使用可能なスタミナ性能や、音切れしにくい高い接続安定性も好評を得ている。実売価格2万3100円(税込)前後

 

ソニーが「LinkBuds」で開拓しようとした要素は、音楽を聞かないときにも着けているヘッドホン(イヤホン)というジャンルだ。

 

スマートフォンとともに生活するのが日常になり、我々はいつでも音楽や動画に接するようになってきた。だが、わざわざヘッドホンをつけるのは、音楽を聞くときやゲームをするときなど、特定の目的があるときと言っていい。

 

しかし、本当にスマホがより日常的なデバイスになるなら、スマホからの“音”はもっと増える。いま、メールやメッセンジャーの通知は画面に出るのが普通だが、ヘッドホンを着けっぱなしであるなら、それは声で聞こえてもいいはず。ナビゲーションでも、次にどこで曲がるのかは、画面を見ずに声でわかれば便利だ。

 

そうしたことはすでにできるのだが、ずっと着け続けていられる快適なヘッドホンが少ないがゆえに、なかなか広がっていない。コロナ禍になってビデオ会議が増え、そこで「骨伝導ヘッドホン」が注目されたのも、長い時間着け続けたときの快適さが評価されたからである。

 

だとするならば、できるだけ軽くて、しかも音質なども良いヘッドホンを作ればいい。それがLinkBudsの狙いである。現状では軽く作るのが精一杯で、バッテリーの搭載量が少なく、連続では2時間半ほどしか動かないのが難点だ。ちょっとこれでは“ずっと着けている”というわけにはいかない。後継機では、もう少し長く使える設計を目指して欲しいとは思う。

 

ただ、LinkBudsは、長く着けていられることだけを狙ったわけではない。音のAR的な世界も目指している。

 

AR(Augmented Reality)は現実にコンピューターが生成した情報を重ねる技術で、通常はCG=映像でそれを実現する。だが、別に音でもいいのだ。特定の場所に行ったらそこでだけ聞こえる音があったり、移動にあわせて音が聞こえてきたりすれば、それは“音によるAR”。CGの描画を必要としないぶん、スマートフォンに与える負荷も小さく、実用性は高い。ナビゲーションの音声化は、音のARの第一歩である。

 

現状、音のARを楽しめるアプリは少ない。マイクロソフトの提供している「Microsoft Soundscape」がもっともそれに近い体験を提供してくれるものだと思う。利用は無料だし、AndroidでもiPhoneでも使えるので、ぜひ一度試してみていただきたい。

 

実はこのアプリ、別にLinkBuds専用というわけではない。特にiPhone版だと、アップルの「AirPods Pro」や「AirPods Max」でも使える。要は、ヘッドホン側にも頭の向きを認識するセンサーが入っていることが重要なのだ。

 

そう考えると、ヘッドホンに内蔵されることが求められる要素も、今後さらに増えていく可能性が高い……ということになるかもしれない。

 

そしてもうひとつ、LinkBudsにはおもしろい要素がある。それがなにかは、次回のWeb版で解説していきたい。

 

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PlayStation VR2専用コントローラーを人気VRゲーム開発者が絶賛、「現世代で最高のものになるかも」

2022年2月に発表された、ソニー・インタラクティブエンタテインメントのPlayStation 5向け次世代VRヘッドセット「PlayStation VR2」および新型コントローラー「PlayStation VR2 Senseコントローラー」は、デザインも一般公開されていますが、今回、ゲーム開発者会議GDC 2022で実物に触れた関係者から、感動したとの声が聞こえてきました。

↑ソニー・インタラクティブエンタテインメントのWebサイトから

 

また、VRゲーム開発者がPlayStation VR2 Senseコントローラーを非常に気に入ったと述べるとともに、視線トラッキング技術などを採用したことを称賛しています。

 

これは、VRゲームを中心に開発するスタートアップ「Polyarc」の主席エンジニアであるBrendan Walker氏が、PLAY誌の取材で興奮気味に語ったもの。Polyarcは人気VRゲーム『Moss』の開発元であり、ほかにも『Destiny』や『Halo: Reach』など、数々の大作ゲームに関わったスタッフが在籍しています。

 

Walker氏いわく「新しいPS VR2コントローラーには、とても期待しています。高品質のVRコントローラーがようやく手に入ったのですから。いくつかの理由から、現世代で最高のものになる可能性を秘めていると思います」とのことです。

 

これまでのコントローラーは「DUALSHOCK 4で片手操作、PlayStation Moveでは両手操作でゲーム」を前提にゲームデザインしなければなりませんでしたが、PlayStation VR2 Senseコントローラーは「両手」がフルに使えます。そう前置きしたうえで、Walker氏は「トラッキングリング」(丸いオーブ型)のデザインを高く評価しており、「両手を近づけて操作することが簡単になる」と指摘。それにより「精度の高いインタラクション」ができる、と予想しています。

 

またWalker氏は、ソニー・インタラクティブエンタテインメントがPlayStation VR2にフォービエイテッド・レンダリング(プレイヤーの中心視野ほど高解像度に、そして視野の外側に向かうに従い、低解像度で描画する手法)と視線トラッキングを追加したことは、システムの性能に大きく貢献する(CG処理の負担を軽くする)と称賛しています。

 

その要旨を手短にまとめると、人間の目には中心視野(狭い窓)があり、そこに意識が集中しています。つまり中心視野だけを高解像度に描けば、その視野の外側にあるものは低解像度でも気づかず、PlayStation 5本体にも重い負担を掛けることを避けられる、というわけです。

 

さらにかみ砕けば、「注目しているところ」だけ念入りに描き、それ以外は粗く描けば、ゲーム機側も処理しやすくなります。実際、GDC 2022ではUnityのシニアXRグラフィックス開発者・Fabien Houlmann氏が、フォービエイテッド・レンダリングと視線トラッキングを組み合わせると、同等のCG品質を保ちながら最大3.6倍のフレームレートが改善できると述べていました

 

2020年末に発売された当時、PlayStation 5はモンスター級マシンとされていましたが、今ではゲーミングPCに遅れを取ることになっています。そのうえVRゲームは処理が重くなりがちですが、PlayStation VR2は新技術により軽快に遊べることになりそうです。

Source:Play Magazine
via:Wccftech

【西田宗千佳連載】ソニーも安泰ではない、オーディオメーカーの存在感が失われた理由とは

Vol.113-2

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはソニーの耳をふさがないイヤホン、LinkBuds。この製品で新たな市場開拓を試みる背景を読み解いていく。

↑LinkBudsは、ドライバーユニットには振動板の中心部が開放されているリング型を採用。耳をふさがないので圧迫感が小さく、イヤホンをしていても周囲の音が明瞭に聞こえるのが特徴。ケース併用で最長17.5時間使用可能なスタミナ性能や、音切れしにくい高い接続安定性も好評を得ている。実売価格2万3100円(税込)前後

 

過去、オーディオ機器といえば錚々たる「オーディオメーカー」の独壇場だった。そのなかには、日本の家電メーカーも含まれる。だが、現在のオーディオ市場、特に、プロやマニア市場ではない一般的な人々が買う製品の多くは、オーディオメーカーとしての伝統が薄い企業のものになりつつある。

 

こういう話をするとアップルを思い浮かべる人が多いかもしれない。だが、アップルもiPodの頃から数えれば、すでに20年以上もオーディオに関わってきた歴史があり、十分に“古参”と言える。

 

そうではなく、これまでは自社製品としてオーディオを扱ってこなかったアマゾンやGoogle、マイクロソフトのような大手ITプラットフォーマーが当てはまる。さらには、PC周辺機器メーカー、そして、GEOや各種100円ショップなど、これまでならヘッドホンを自ら売らなかったようなところからも「自社ブランドのワイヤレスヘッドホン」が出るようになったことが、いまの変化なのだ。

 

その中核にあるのは、オーディオがデジタルになり、LSIとソフトウェアで構成される要素が増えたという変化だ。

 

現在、多くの機器は中国で生産されるようになった。そこでは、単に生産するだけでなく、設計の段階から請け負う事業者が増えている。彼らに依頼すれば、それまでヘッドホンを扱ったことのない企業でも「自社ブランドヘッドホン」は販売できる。

 

特にBluetoothヘッドホンは、有線のモノ以上にLSIとソフトウェアで出来上がるものだ。中国にある少数の生産請負企業が設計し、それを多数の企業が採用していまに至る。結果として、“単なる完全ワイヤレス型Bluetoothヘッドホン”なら、10ドル・20ドルといった安価なコストで生産できてしまう。

 

良いヘッドホン、良いデジタルオーディオ機器を作るには、音を良くするために、オーディオメーカーとしての知見がもちろん必要になる。だが、デジタルオーディオではそうした知見の関与する部分よりも、生産請負企業が持つノウハウの方が有利に働く部分が出てしまう。

 

そうなると、ごく少数の自社設計で開発する企業、専用設計にこだわる企業を除くと、どこもあまり差がない製品になってしまう。差別化点はオーディオの知見と同等以上に“IT機器を作るための知見”になるからだ。

 

結果として、IT機器の知見とオーディオの知見を持つ少数の企業はオーディオメーカーとして生き残り、差別化できなかった企業はコスト競争力の前に敗れていく。だから、ごく一部のハイエンド製品を除き、オーディオメーカーの存在感は失われてしまったのである。

 

ソニーであっても、安泰なわけではない。音質は重要だが、そこに高いお金を払ってくれる人ばかりに注目していても市場は広がらない。そこで新規市場の開拓として作ったのが「LinkBuds」、と言うわけだ。

 

では彼らが考えた、開拓すべき市場とはどんな領域なのか? そこは次回のWeb版で解説していく。

 

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【西田宗千佳連載】ソニーが戦略商品「LinkBuds」で狙う市場

Vol.113-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはソニーの耳をふさがないイヤホン、LinkBuds。“ながら聴き”の新たなトレンドを狙う同社の開発意図を探る。

↑LinkBudsは、ドライバーユニットには振動板の中心部が開放されているリング型を採用。耳をふさがないので圧迫感が小さく、イヤホンをしていても周囲の音が明瞭に聞こえるのが特徴。ケース併用で最長17.5時間使用可能なスタミナ性能や、音切れしにくい高い接続安定性も好評を得ている。実売価格2万3100円(税込)前後

 

骨伝導とは異なる“ながら聴き”の新機軸

ソニーが2月末に発売した完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds」が売れている。ランキングでも上位に入るほどだ。

 

この商品の特徴は、リング型のサウンドドライバーを使い、真ん中の穴を通ってくる「外の音」と「イヤホンを通して出てくる音」の両方を聴ける、ということだ。音楽を聴いている最中に他人から話しかけられたり、移動中にクルマなどの走行音に注意を払ったり、といった使い方に向く。

 

同様の機能は、マイクを使って外の音を収録して耳に届ける「外音取り込み」として搭載されることが多かったが、LinkBudsはデザイン・構造自体を変え、より自然に周囲の音が入ってくる形状を作ることで、“ながら聴き”前提の製品を作り上げた。

 

LinkBudsは重量も片耳分で約4.1gと軽く、耳の穴に押し込むわけでもないので、長く装着しても負担が小さいのが特徴だ。サイズとしては、ソニーのイヤホンのなかでは過去最小であり最軽量である。

 

コロナ禍のヒット商品に「骨伝導イヤホン」があるが、こちらもLinkBuds同様、耳に負担をかけずに、ながら利用できることが評価された。

 

ただ、骨伝導イヤホンはその特性上、一般的なイヤホンに比べ“音楽を良い音質で聴く”のが難しい。ソニーはこの点を差別化点と考え、独自開発したリング型のサウンドドライバーから音を出す機構を選んだ。この機構で良い音を出す製品を作るには3年の時間を必要とした。

 

多様化する使用形態に対応する戦略的商品

なぜこのような製品を作ったのか?

 

ソニーの個人向けオーディオ事業を統括する中村 裕・事業部長は「よりスマホ志向の製品が必要と考えたため」と話す。

 

イヤホンはすっかりスマホと一緒に使うものになって、市場は拡大し続けているものの、全員が高音質で高価格な製品を買うというわけでもない。ソニーのようなオーディオメーカーとしては、できる限り音質の良いモノを、付加価値をつけて販売したいというのが本音だが、そのなかで「多様化しているニーズにいかに応えられるのか」という点も重要になってきた。

 

すなわち、いままでのように、音楽を聴くときだけイヤホンを着けるだけでなく、もっと日常的にイヤホンを着け続ける人々の層を開拓したい……というのが、ソニーの狙いなのだ。そのなかには、コロナ禍で増えたテレワーク利用もあるだろうが、LINEなどを使って友人と通話し続ける人、ゲームプレイや動画視聴で長くイヤホンを使う人など、多彩なニーズが存在する。

 

“より多くの人がイヤホンを使う時代にどう対応するか”という命題に向けて時間をかけて開発した戦略的商品なのだ。

 

だから、より多くの人にわかるよう、製品に型番ではなく「LinkBuds」という愛称を付けている。こうした部分からは、アップルなど他社への対抗意識も感じられる。

 

イヤホンの市場はいま、具体的にどんな変化に晒されているのだろうか? そのなかで家電メーカーはどう戦えば良いのか? 今後イヤホンに求められる技術はどんなものになるのか? そうした部分は、次回以降でより詳しく解説していく。

 

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「PS Plus」が6月に大幅リニューアル! 「PS Now」と統合、3つのプランから選べるサービスに

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、6月より、サブスクリプションサービス「PlayStation Plus」(PS Plus)を大幅にリニューアルします。

 

リニューアル後のPS Plusでは、現在クラウドゲーミングサービス「PlayStation Now」(PS Now)を通じて提供しているサービス内容をPS Plusに統合し、「PlayStation Plus Essential」「PlayStation Plus Extra」「PlayStation Plus Premium」の3段階のプランを設け、バラエティに富んだ様々なコンテンツを提供していく予定です。

 

PS Plus Essentialは、既存のPS Plusと同様のサービス内容で、フリープレイ(毎月2つのゲームを追加費用なしでダウンロード可能)、加入者限定割引、セーブデータお預かり(クラウドストレージ)、オンラインマルチプレイを利用できます。価格は1か月利用権が850円、3か月利用権が2150円、12か月利用権が5143円です。

 

PS Plus Extraでは、PS Plus Essentialに含まれるすべてのサービスのほか、数百本のPlayStation 4(PS4)とPlayStation 5(PS5)タイトルをダウンロードして楽しめます。ラインナップにはPlayStation Studiosや、ソフトウェアメーカー各社のヒット作品も含まれます。価格は1か月利用権が1300円、3か月利用権が3600円、12か月利用権が8600円です。

 

PS Plus Premiumは、PS Plus EssentialとPS Plus Extraに含まれるすべてのサービスに加え、クラウドストリーミングを通じてプレイ可能なPlayStation 3のタイトル、クラウドストリーミングおよびダウンロードを通じてプレイ可能な初代PlayStation、PlayStation 2、PSP「プレイステーション・ポータブル」のクラシックタイトルを含む、最大240本のタイトルを追加で楽しめます。

 

現在PS Nowのサービスを展開中の国や地域では、PS Plus ExtraおよびPS Plus Premiumのサービスに含まれる初代PlayStation、PS2、PSPおよびPS4用タイトルを、クラウドストリーミングを通じてプレイ可能。クラウドストリーミングサービスはPS4、PS5、PCで利用できます(日本国内では、PCのクラウドストリーミングサービスは後日アップデートで対応予定)。

 

そのほか、購入前にゲームをお試しプレイできるゲームトライアル(プレイ時間制限あり)も利用できます。価格は1か月利用権が1550円、3か月利用権が4300円、12か月利用権が1万250円。

 

クラウドストリーミングを利用できない国や地域では、PS Plus Premiumより低価格な「PlayStation Plus Deluxe」を提供。PS Plus Deluxeでは、PS Plus EssentialとPS Plus Extraに含まれるすべてのサービスや、ゲームトライアル(プレイ時間制限あり)を利用できるほか、一部の初代PlayStation、PS2、PSPのクラシックタイトルをダウンロードして楽しむことが可能です。

 

 

リニューアルしたPS Plusでは、サービスの開始と同時に、「DEATH STRANDING」「ゴッド・オブ・ウォー」「Marvel’s Spider-Man」「Marvel’s Spider-Man: Miles Morales」「Returnal」などのタイトルの提供を予定しており、作品のライブラリはリニューアル後も定期的に更新されます。ゲームのラインナップの詳細は後日案内予定としています。

 

PS Plusのサービスリニューアル後、これまでのPS NowのサービスはPS Plusに統合し、独自のサブスクリプションサービスの提供は終了します。現在PS Nowに加入中のユーザーは、PS Plus Premiumに自動的に移行しますが、移行時の追加費用はありません。

 

リニューアルは、日本を含むアジアの複数地域において提供を開始した後、北米、欧州と続き、現在PS Plusのサービスを提供している地域へ順次拡大予定。2022年前半には、現在PlayStation Networkを提供中のほぼすべての地域で、リニューアルPS Plusの提供開始を目指しており、クラウドストリーミングサービスの対応地域拡大も予定。詳細は後日案内される予定です。

プロと読者が注目する「完全ワイヤレスイヤホン」3製品を大調査!!

ノイズキャンセリング機能やスタミナが向上するなど、進化がめざましく、最近は2〜3万円台に良作が続々登場。盟主・Apple AirPods Proに勝るとも劣らない3製品の実力をチェックした。

※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

2022年 完全ワイヤレスイヤホンの3か条

1 もはやNCは必須!精度やモードに注目

周囲の音を打ち消す「ノイズキャンセリング(NC)」は、もはやマストの機能。最新モデルでは、複数のマイクやプロセッサーによる精度の向上、外音取り込みモードの多彩さなどに注目したい。

 

2 長時間の使用も快適な装着感の良さを重視

歩行中にズレたり落ちたりしないことは第一条件。加えて、昨今テレワークで使う機会が増えたこともあり、長時間着けても耳が痛くならないかもチェックすべき。通話時の音声処理にも要注目だ!

 

3 スタミナ性能に加えて急速充電への対応も要確認

有線タイプと違い、充電が必要なワイヤレスではバッテリーの性能が重要。イヤホン本体で10時間以上(NCオフ時)持つ機種が理想だ。さらにNCオン時の再生時間や、急速充電への対応も確認すべし。

 

私が選出しました

テクニカルライター

湯浅顕人さん

PC&AV&ガジェットのライター。常に音楽を聴いているので、完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー切れに気をつけている。

 

音楽リスニングだけでなくテレワーク需要も増加

かつての完全ワイヤレスイヤホンは、「音が途切れる」「バッテリーが持たない」などの欠点を抱えていた。しかし現在ではそうした問題は大幅に改善されている。イヤホンジャックのないスマホが増えたこともあり、いまやイヤホンの主力とすらいえるジャンルだ。

昨今、音質の向上に加え、中〜上位製品では付加価値も求められている。例えば街なかでも安全に使える外音取り込み機能や、テレワークで必要な通話性能などだ。

ソニーのWF-1000XM4は、ユーザーの状態や位置によって自動的にNCや外音取り込みをオン/オフする機能を搭載。テクニクスのEAH-AZ60は、ビームフォーミング技術や音声解析により、通話の音声をハッキリと相手に伝達できる。そしてゼンハイザーのCX Plus True Wirelessは、わずか10分の充電で1時間のリスニングが可能なため、急な外出時も安心だ。

いずれもApple AirPods Proと同価格帯。用途を踏まえつつ、好みの製品を選ぼう。

 

第3位 最上位機種と同等のパーツで妥協のない高音質を楽しめる

ゼンハイザー

CX Plus True Wireless

実売価格2万1780円

 

ドライバー:φ7mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:最大8時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約6g
※質量はイヤホン2つの合計の数値

ハイレゾ相当の高音質を楽しめるコーデック・aptX Adaptiveに対応。NCと外音取り込み機能を備えるほか、通話中には周囲の騒音を低減して自分の声を相手へクリアに届けられる。イヤーピースはXS、S、M、Lの4種類が付属。

SPEC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP●対応コーデック:SBC、AAC、aptX、aptX Adaptive●充電時間:1.5時間(フルチャージ)/10分(1時間作動)●通信方式:Bluetooth Ver.5.2

 

↑専用アプリ「Smart Control」。ノイキャンのオン/オフやイコライザーの設定、タッチ操作パネルの機能割当などができる

 

↑同社の最上位機種と同等の「TrueResponseトランデューサー」を採用。全帯域にわたって高解像度なサウンドを実現した

 

【IMPRESSION】 付加機能は最小限だがノイキャン性能と音質は確か

「専用アプリは機能満載というわけではありませんが、ノイキャンで騒音がしっかり除去されますし、音質はクセがなく原音に忠実。極めてコスパの高い製品といえます」(湯浅さん)

 

第2位 「内」と「外」2つのマイクにより高精度なNCを実現

テクニクス

EAH-AZ60

実売価格2万8000円

 

ドライバー:φ8mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:約7.5時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約7g
※質量はイヤホン2つの合計の数値

96kHz/24bitのハイレゾ音源をワイヤレス再生できるLDAC対応機。音響構造にこだわり、低域・ボーカル・高域と全体にわたってリアルな高音質を実現した。通話時に自分の声だけをクリアに相手に届けられる通話音声処理技術を採用。

SPEC●対応コーデック:LDAC、SBC、AAC●充電時間:約2時間(本体)/約2.5時間(充電ケース)●通信方式:Bluetooth Ver.5.2

 

↑通話用マイク(上)と騒音検知マイク(下)に金属メッシュを使用し、空気の乱れを抑制。デジタル制御と合わせ、風切り音を低減する

 

↑NCと外音取り込みは専用アプリでレベルを設定可能。アナウンスを聞き逃したくない場合などはレベルの調整ができる

 

【IMPRESSION】 騒音がピタリと止まる高性能ノイキャンに驚き

「装着感は非常に安定しており、ランニングなどの激しい動きでもまったく落ちる不安を感じませんでした。15分の充電で約80分(NCオフ時)使えるので、急な外出でも安心です」(湯浅さん)

 

第1位 周囲の状況に合わせて最適なNCと外音取り込みを行う

ソニー

WF-1000XM4

実売価格3万1050円

 

ドライバー:φ6mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:約12時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約7.3g
※質量はイヤホン2つの合計の数値

ワイヤレスながら、最大転送速度990kbpsのLDAC規格に対応し、ハイレゾ品質での再生が可能。前モデル(1000XM3)を超えるNC性能を誇り、乗り物などの低周波ノイズから音声などの日常ノイズまで広い帯域にわたって騒音をカットする。充電ケースはQi規格のワイヤレス充電に対応。

SPEC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC●充電時間:約1.5時間●充電方法:USB/ワイヤレス(いずれもケース使用)●通信方式:Bluetooth Ver.5.2

 

↑自社開発の統合プロセッサーV1。高度な処理能力により、ノイズを低遅延で処理する。複数の機能を統合することで小型化にも成功した

 

↑ノイズアイソレーションイヤーピース。高い遮音性能を持つとともに、独自開発のポリウレタンフォーム素材で特に高音域ノイズを減衰させる

 

↑専用アプリでアダプティブサウンドコントロールに対応。静止、歩行、走行、車内などを検知し、NCや外音取り込み機能のレベルを自動設定する

 

↑イヤホンと耳の接触面を増やすような形状に設計。耳の複雑な凹凸にもフィットしやすい形なので、快適に使用できる

 

【IMPRESSION】 耳栓状のイヤーピースがノイキャン効果を増強!

「NCをオンにすると、騒音が劇的に低減します。バッテリーはNCオフなら最大12時間再生可能なスタミナが魅力。イヤホンが大きいためやや心配でしたが、外れることはありませんでした。広い空間と厚みを感じるサウンドも素晴らしい」(湯浅さん)

高性能でコンパクト・軽量なソニー「Xperia 5 III」にSIMフリーモデル登場

ソニーは3月23日、プレミアムスマホ「Xperia 5 III」のSIMフリーモデルを発表。ソニーのインターネット直販サイト「ソニーストア」ほか、ソニーの直営店や一部の家電量販店などで、4月22日に発売します。市場想定価格は、11万5000円前後(税込)です。

 

フラッグシップモデル「Xperia 1 III」と同等のカメラ機能やバッテリーを搭載しながら、よりコンパクトかつ軽量なモデルとして2021年11月に発売されたXperia 5 IIIが、SIMフリーモデルになって登場しました。各キャリアから発売されているモデルとの違いは、デュアルSIMへの対応、ストレージが256GBに増量、カラバリにブラックがラインナップしている点です。

↑SIMフリーモデルで登場した特別カラーのブラック。157×68×8.2mmのサイズと、約168gの重量は変わっていません

 

カメラは、超広角16mm、広角24mm、70mmと105mmの可変式望遠という構成で、画素数はいずれのレンズも12MP。また、子どもやペットの瞳からフォーカスを外さない「リアルタイム瞳AF」や、動く被写体をタップするとその被写体を捉え続ける「オブジェクトトラッキング」、最高で20コマのAF/AE追従高速連写を備えるなど、カメラの機能に変更はありません。

 

オーディオ面でも変更はなく、さまざまな音源をハイレゾ相当にアップスケールする「DSEE Ultimate」や、独自の360度立体音響技術「360 Reality Audio」などの、高音質・立体音響技術が搭載されています。

 

スペックは、CPUがSnapdragon 888、メモリーが8GBで、ストレージは先に記載したとおり256GBです。なお、ディスプレイは変わらず、6.1型の有機EL仕様で、21:9の比率を実現したほか、フルHD解像度のままとなっています。

プロがおすすめ! 最適なNCと外音取り込みを行うソニーワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」

ノイズキャンセリング機能やスタミナが向上するなど、進化がめざましく、最近は2〜3万円台に良作が続々登場。盟主・Apple AirPods Proに勝るとも劣らない注目製品をテクニカルライター・湯浅顕人がチェック。

※こちらは「GetNavi」 2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

周囲の状況に合わせて最適なNCと外音取り込みを行う

ソニー

WF-1000XM4

実売価格3万1050円

 

ドライバー:φ6mm密閉ダイナミック型
連続再生時間:約12時間(NCオフ時)
防水性能:IPX4相当
質量:約7.3g
※質量はイヤホン2つの合計の数値

ワイヤレスながら、最大転送速度990kbpsのLDAC規格に対応し、ハイレゾ品質での再生が可能。前モデル(1000XM3)を超えるNC性能を誇り、乗り物などの低周波ノイズから音声などの日常ノイズまで広い帯域にわたって騒音をカットする。充電ケースはQi規格のワイヤレス充電に対応。

SPEC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC●充電時間:約1.5時間●充電方法:USB/ワイヤレス(いずれもケース使用)●通信方式:Bluetooth Ver.5.2

 

↑自社開発の統合プロセッサーV1。高度な処理能力により、ノイズを低遅延で処理する。複数の機能を統合することで小型化にも成功した

 

↑ノイズアイソレーションイヤーピース。高い遮音性能を持つとともに、独自開発のポリウレタンフォーム素材で特に高音域ノイズを減衰させる

 

↑専用アプリでアダプティブサウンドコントロールに対応。静止、歩行、走行、車内などを検知し、NCや外音取り込み機能のレベルを自動設定する

 

↑イヤホンと耳の接触面を増やすような形状に設計。耳の複雑な凹凸にもフィットしやすい形なので、快適に使用できる

 

【IMPRESSION】 耳栓状のイヤーピースがノイキャン効果を増強!

「NCをオンにすると、騒音が劇的に低減します。バッテリーはNCオフなら最大12時間再生可能なスタミナが魅力。イヤホンが大きいためやや心配でしたが、外れることはありませんでした。広い空間と厚みを感じるサウンドも素晴らしい」(湯浅さん)

2022年 完全ワイヤレスイヤホンの3か条

1 もはやNCは必須!精度やモードに注目

周囲の音を打ち消す「ノイズキャンセリング(NC)」は、もはやマストの機能。最新モデルでは、複数のマイクやプロセッサーによる精度の向上、外音取り込みモードの多彩さなどに注目したい。

 

2 長時間の使用も快適な装着感の良さを重視

歩行中にズレたり落ちたりしないことは第一条件。加えて、昨今テレワークで使う機会が増えたこともあり、長時間着けても耳が痛くならないかもチェックすべき。通話時の音声処理にも要注目だ!

 

3 スタミナ性能に加えて急速充電への対応も要確認

有線タイプと違い、充電が必要なワイヤレスではバッテリーの性能が重要。イヤホン本体で10時間以上(NCオフ時)持つ機種が理想だ。さらにNCオン時の再生時間や、急速充電への対応も確認すべし。

テクニカルライター

湯浅顕人さん

PC&AV&ガジェットのライター。常に音楽を聴いているので、完全ワイヤレスイヤホンのバッテリー切れに気をつけている。

【西田宗千佳連載】巨大ゲーム会社買収のメリットはサブスクやゲーム以外での展開にある

Vol.112-4

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはマイクロソフトが発表した、ゲーム最大手会社の買収。そのメリットはこれまでのコンテンツ「独占」とは違うところにあることを解説します。

↑日本マイクロソフトのリリースから

 

ゲーム・プラットフォームのビジネスにおいて「独占」は重要なファクターだ。ただ前回も述べたように、その意味合いは昔とは異なってきている。

 

昔はゲーム機ごと、PCごとにアーキテクチャが大きく異なり、ソフトを作り分けるのは大変なことだった。だが、PS3/Xbox 360世代から状況は変わり、PCを含めた複数の機種へ出すのが当たり前になってきた。そのようにしてリスクヘッジをしないとゲームビジネスが回らないのだ。

 

結果的に、プラットフォーマーは自分がコンテンツを持つことで「独占」を得るようになってきた。

 

だが、これもまた崩れつつある。

 

大手ゲーム会社を買収するということは、そこで出ていたゲームを「自社グループ独占にできるのか」という話につながる。結果的に言えばこれはできない。元々のファンを裏切ること、ビジネスパイが狭まること、独禁法上のリスクが上がることなど、諸々の課題があるからだ。

 

そうすると、いかに強いコンテンツを持つ他社を買収したとしても、単純な「独占」は難しい、ということになる。事実、マイクロソフトはアクティビジョン・ブリザードのゲームをPlayStationにも供給すると後日発表しているし、ソニーも「バンジーの独立性を保つ」として、バンジーがPlayStation以外にゲームを供給することを認めている。

 

では独占のメリットはどこで出すのか? シナリオは2つある。

 

ひとつは「サブスクや追加コンテンツで差を出す」こと。マイクロソフトは有料会員制のサブスクリプション型サービス「Game Pass」を展開しているが、アクティビジョン・ブリザードの作品もここに「発売日から入れる」ことを目指す。

 

他社向けに売らないのは問題だが、「サブスクは自社限定」は問題がない。そうやってお得感を演出することでユーザーを惹きつける方法はある。また、追加コンテンツの先行公開などで差別化する方法もあるだろう。

 

2つ目は「ゲーム以外への展開」だ。人気のあるゲームなら、それを題材にした映画やドラマの展開もあり得る。マイクロソフトは自社の人気作「Halo」をドラマ化した(日本では今夏、U-NEXTで配信予定)。ソニーはPlayStation独占作品の「アンチャーテッド」シリーズを、トム・ホランド主演で映画化している。その後も「ゴースト・オブ・ツシマ」などの映画化が続く。

 

こうした部分での権利は当然、自社のものになる。任天堂のように、映画化だけではなくテーマパーク展開もある。才能のあるアーティストが作った世界は魅力的なものだ。巨額の費用と時間をかけて生み出したものは、本気で他メディア展開し、中長期的な収益源を目指すのが当たり前になってきた。

 

こうやって考えると、仮にゲームが短期的には「独占供給」とならなくても、ビジネスとしてのうま味は十分にある、ということになるのだ。

 

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これがソニーの最上級サウンド! 超ハイエンドなウォークマン「WM1ZM2/WM1AM2」を聴いた

ソニーの“ウォークマン”に、約5年ぶりとなる新しいフラグシップ“Signature Series”のハイレゾ対応機「NW-WM1ZM2」と「NW-WM1AM2」が3月25日に発売されます。どちらも価格はオープンですが、NW-WM1ZM2は約40万円、NW-WM1AM2は約16万円で販売を予定しています。価格もハイエンドな新ウォークマンはどれだけすごいポータブルオーディオプレーヤーなのか? 今回は、発売前の実機体験レポートをお届けします。

↑左側がNW-WM1ZM2、右側がNW-WM1AM2

 

「Z」と「A」、ふたつのフラグシップが登場

NW-WM1ZM2(以下:ZM2)は本体カラーがゴールド、NW-WM1AM2(以下:AM2)はブラックです。ともに機能や再生できるコンテンツの種類などは同じ。大きな違いは、超フラグシップ機であるZM2の方に、高音質再生のため厳選されたパーツがふんだんに使われているところです。

 

ソニーのハイレゾ対応ウォークマンの現行モデルには、Android OSを搭載するA100シリーズとZXシリーズがあります。フラグシップモデルは独自のLinuxベースのOSとしていましたが、今回2機種ともにM2(マーク2)になって、ウォークマンのフラグシップモデルとしては初めてAndroid 11を搭載、Google Playストア対応になりました。Wi-Fiでネットワークにつなぎ、Amazon MusicやApple Musicのハイレゾ配信コンテンツを最大192kHz/32bitの高音質で聴くことができます。

↑最上位モデルのハイレゾウォークマンにAndroid 11が搭載されました

 

Android搭載になり、ZM2とAM2ともに電源の起動とシャットダウンが速くなりました。筐体の内部は“ノイズ源”になるWi-FiとBluetooth通信に必要となるアンテナモジュール、様々なタスク処理をこなすCPUを載せたシステムICチップを、オーディオ再生の心臓部となるアナログブロックから物理的に離して配置しています。Androidスマホでは当たり前のように搭載するGPSも、ウォークマンは省いています。高音質再生を最重視した構造は、一般的なAndroid搭載のスマホとひと味違うといえるでしょう。

 

約5年ぶりのモデルチェンジで何が変わった?

ZM2、AM2ともに2016年秋に発売された初代Signature Seriesのハイレゾ対応ウォークマンと比べてどこが進化したのか、主なポイントを確認してみましょう。

 

まず、並べると一目でわかるのがサイズ感の違いです。ディスプレイのサイズは従来の4.0インチから5.0インチに拡大。解像度も1280×720画素のHD対応になりました。ディスプレイが大きくなったぶん、本体サイズもタテの長さが大きくなっています。

↑左側は2016年に発売されたNW-WM1Z。ディスプレイのサイズが1インチ大きくなっています

 

↑iPhone 13 Proと並べてみると、本体サイズはだいたい同じぐらいです

 

内蔵バッテリーによる連続駆動時間はMP3形式の音楽ファイルを再生した場合、ZM2とAM2は連続40時間まで対応します。初代機よりも7時間バッテリーライフが伸びています。

 

音楽配信サービスやCDからリッピングした「ハイレゾ以外」の音楽ファイルを再生する際に、最大192kHz/32bit対応のハイレゾ高音質にアップスケーリングする「DSEE Ultimate」の技術も搭載されました。初代機に搭載されたDSEE HXとの違いは、ソニー独自のAI技術により、アップスケーリング時には特に高音域の再現性が高まります。また有線接続のヘッドホン・イヤホンに限らず、Bluetoothオーディオ機器を接続した場合にもDSEE Ultimateは効果を発揮します。

 

そしてもうひとつ、デジタル接続端子がウォークマン独自のWM-Portからより汎用性の高いUSB-Cに変わりました。本体の充電やパソコンからのデータ転送の際に一般的なUSB-Cケーブルが使えるのでとても便利です。

↑汎用性の高いUSB-C端子を採用

 

もちろん、従来と同様、3.5mmのアンバランス接続端子と4.4mmのバランス接続端子の2つの出力端子を備えています。

↑従来同様、3.5mmと4.4mmの2つの出力端子を搭載

 

Zが超スゴい理由

ZM2が超フラグシップモデルである理由についても少し触れてみたいと思います。本機は筐体を構成するひとつひとつのパーツに音質を重視した素材や構造を採用しています。

 

外殻のシャーシは99.99%の高純度な無酸素銅を削り出し加工により成形して、純度約99.7%の金メッキをかけています。筆者は切削加工を行う前段階の純銅ブロックを手に持ったことがありますが、その重さは想像を超えていました。密度と剛性が高いシャーシを使うことによって、にじみがなく純度の高いサウンドが実現されます。

↑こちらが削り出し加工を行う前の銅ブロック。ずっしりと重いです

 

↑銅ブロックを薄いプレート状に削り出してから金メッキをかけます

 

背面リアカバーに削り出しのアルミシャーシとして、微細な音の表現力を高めています。アンテナの通信感度を確保するためにカバーの下側はくり抜かれています。

↑NW-WM1ZM2の背面。アルミパネルの下側はラバー素材。アンテナの感度を確保する構造としています

 

このほかにも内部の回路基板からバランス出力用の端子をつなぐケーブルには、アメリカのケーブル専業メーカーであるKIMBER KABLEの4芯ブレイド構造の大口径ケーブルを採用。ノイズに強いケーブルで着実にオーディオ信号を伝達します。

 

ソニーがオーディオ製品の音質向上を実現するため、独自に開発したコンデンサーや部品溶接用のはんだはAM2にも使われています。

 

ZとA、それぞれの新旧モデルも聴き比べた

ZM2とAM2、そしてそれぞれの初代機を用意してサウンドを聴き比べてみました。新しいSignature Seriesの2機種は、ローノイズでパワフルなサウンドが楽しめる4.4mm/5極タイプの端子によるバランス接続に対応しています。バランス接続ができるゼンハイザーのヘッドホン「HD 820」を組み合わせて聴いてみました。

↑新旧4つのフラグシップモデルを集めて聴きました

 

↑ゼンハイザーのHD 820を組み合わせてZM2を試聴

 

さすがにZM2のサウンドは身がびっしりと詰まっていて濃厚です。ボーカルは人肌の温かみが密着してくるような生々しさで、低音再生の重心が低く、アップテンポなロックやジャズ、EDMのベースラインがきめ細やかです。ジャズピアノのメロディの和音も音の密度が高く、まるで上質なダークチョコレートのように濃厚な余韻を楽しませてくれます。

 

一方、AM2はZM2よりもっと軽やかで煌びやかな抜け感が心地よい印象。ボーカルの声の切れ味が鋭く、透明な空間の見晴らしがとても良好です。大編成のオーケストラやジャズバンドの演奏がキリッと引き締まり、奥行きの方向を遠くまで見渡せる視界の広さが特徴的です。エレクトリックピアノの和音も色鮮やか。清涼感あふれるリスニング体験が味わえるプレーヤーです。

 

ふたつのプレーヤーでAmazon Music Unlimitedのハイレゾ配信の楽曲を聴いてみました。DSEE Ultimateの機能をオンにすると、高音域の華やかなイメージが増幅され、音像の立体的な広がり、奥行きの見通しがさらに鮮明度を増してきます。音像がグンと前に迫り来るような迫力は思わず息を吞むほど。ハイレゾ音楽ストリーミングはやはりベストな再生環境であるSignature Seriesで楽しみたいものだと心から実感されます。

↑Amazon MusicのUltra HD高音質コンテンツもよりいい音で楽しめます

 

Zシリーズ、Aシリーズともに新旧モデルの差は、音の安定感と芯の力強さ、活き活きとしたエネルギーを感じさせる生々しさによく現れると思います。ZM2はボーカルの繊細な口元のニュアンスを引き立てるようなディティールの再現力が一層高くなっています。AM2はエレキギターやドラムスなど楽器の高音域の余韻の雑味がなくなり、電子ピアノのハーモニーもさらに滑らかです。トップエンドのSignature Seriesにも、まだまだ伸びしろがあったことを実感して、驚くほかありません。

 

ハイレゾ聴くならやっぱりウォークマン

ZM2はサウンド、黄金色のルックス、そして持つ手にズシンと重量が伝わってくる質量も含めて王者の貫禄です。筆者の好み的にはAM2のクールなサウンドもグッときました。ウォークマンのAシリーズ、ZXシリーズからハイレゾリスニングにハマり、さらに上の再生環境を目指したい方々には迷わずオススメできるウォークマンに仕上がっていると思います。

 

Android 11とGoogle Playストアに対応したことで、音楽配信サービスのストリーミング再生がとても手軽に楽しめる最高音質のウォークマンになったことも魅力的です。セルラー通信機能にも対応して欲しかったところですが、取りあえず外出先ではスマホのテザリング機能を使って好きな時・好きな場所で、最も良い音で音楽リスニングが楽しめそうです。ハイレゾ再生の醍醐味を存分に実感させてくれるプレミアムなポータブルオーディオプレーヤーが誕生しました。

 

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【西田宗千佳連載】マイクロソフト、ソニー、任天堂がゲーム会社を買収する背景とは

Vol.112-3

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマはマイクロソフトが発表した、ゲーム最大手会社の買収。買収の背景には、ゲームの規模拡大とPC向けゲーム市場の拡大が関係していることを解説する。

 

マイクロソフトによるアクティビジョン・ブリザードの買収は、まさに「ゲーム事業」のためのものだ。

 

アクティビジョン・ブリザードは世界有数の規模をもつゲームメーカーで、実のところ、マイクロソフトが買収を決めるまで、多くのゲーム業界関係者は「大きすぎて買収は難しい」と思っていた。

 

それが買収に至ったのは、ここ数年、アクティビジョン・ブリザードがパワハラ・セクハラなどのコンプライアンス面で揺れており、会社としての安定性に欠けていたから、ということはある。そこで買収に走ったマイクロソフトは、資金力の面でも決断力の面でもたいしたものだと思う。

 

一方、ゲームプラットフォーマーにとって「買収」という戦略はそこまで珍しいものではない。ソニーにしても任天堂にしても、規模や戦略はそれぞれ異なるものの、買収は行なっている。

 

特に買収に積極的なのはソニーだ。マイクロソフトがアクティビジョン・ブリザードの買収を発表したのを追うように、ソニーも独立系ゲーム会社であるバンジーを買収すると発表した。買収額は36億ドル(約4100億円)。アクティビジョン・ブリザードの買収額(約7.8兆円)に比べるとひと桁小さい額だが、それは比べる相手が悪い。バンジーの買収も、過去のソニー・インタラクティブエンタテインメントによるゲーム会社買収の中では最高額である。

 

ソニーが買収に積極的なのは、自社傘下の開発会社を「PlayStation Studios」ブランドの元に統合し、PlayStationに向けた「独占供給ゲーム」の開発を加速するためだ。そのため、基本的には「ゲームを開発する企業」の買収であり、パートナーを傘下に収めて関係を強化するのが目的だ。

 

これは任天堂も同じである。元々任天堂は「任天堂のゲーム機でしか遊べない、任天堂ブランドのゲーム」が特徴だ。そのためには開発会社との関係が重要になる。ただ、任天堂はほかの2社ほど頻繁に買収しているわけではないし、額も小さめだ。

 

昔からゲーム機ビジネスでは、特定のゲーム機でしか遊べない「独占タイトル」が重要だった。別に今に始まった話ではない。だが、過去とは状況が変わっている。ゲームの規模拡大とPC向けゲーム市場の拡大がポイントだ。

 

大規模なゲームの開発にはコストがかかる。リスクを分散するために、ゲームメーカーは複数のゲーム機・PCで同じゲームタイトルを販売するようになった。俗に「マルチプラットフォーム・タイトル」と呼ばれるものだ。ゲーム開発の手法が変化し、グラフィックや音などの「ゲーム機にあまり依存しない」要素が多くなり、ゲームそのものも機種に向けて開発するのが容易になってきた。だとすれば、無理に1機種に絞るのではなく、多数の機種で販売してビジネスパイを拡大する方が有利になっている。

 

そうなると困るのはゲーム機を提供するプラットフォーマーだ。ゲームメーカーが自社だけを向いてくれる例は減ってきており、差別化が難しくなる。

 

だからこそ、ゲームプラットフォーマー自身がゲームメーカーを抱え、「独占タイトル」を自ら出資して開発するようになっていったのだ。

 

だが、今はそこからさらにビジネスモデルが変化しようとしている。その辺の仕組みについては、次回解説したい。

 

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丸みを帯びたスタイリッシュな“オーブ型”デザイン! 「PlayStation VR2」デザイン公開

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、PlayStation 5(PS5)向け次世代VRシステムPlayStation VR2(PS VR2)と、PlayStation VR2 Senseコントローラーの最終デザインイメージを公開しました。

 

同製品のヘッドセットは、PS VR2 Senseコントローラーとマッチするオーブ型のデザインを採用。丸みを帯びた形は、プレイヤーがバーチャルリアリティの世界に入ったときに感じられる360度の視界を表現しています。

 

デザインは、PS5製品群のプロダクトデザインにもインスピレーションを受けており、PS5のデザイン時から既に次世代VRシステムのヘッドセットデザインも念頭に置いていたため、ビジュアルから感触まで、PS5と共通した特徴が感じられるデザインになったそうです。PS5本体はフラットなデザインである一方、PS VR2ヘッドセットは、常に手に取って触れることを想定し、DualSense ワイヤレスコントローラーや、PULSE 3D ワイヤレスヘッドセットとも一貫性を感じられるデザインになっています。PS5本体やDualSense ワイヤレスコントローラーのデザインにあしらった小さなシェイプス(△〇×☐)も、ヘッドセットのバンドの前後に採用。

 

リビングルームに溶け込むようなスタイリッシュなデザインであることに加えて、使っていることを意識せずにゲームの世界に没入できるものを目指しており、エルゴノミクス(人間工学)に基づいたデザインを重視し、様々な頭の大きさのユーザーが快適に使えるように検証が重ねられたのこと。現行のPlayStation VRで好評だったヘッドセットの重量バランスや、1本のバンドだけで頭部に固定する構造は、PS VR2でも踏襲。既にPS VRを利用中のユーザーでも違和感なく使えるよう、ヘッドセットのスコープ部分と顔の距離を調整するためのスコープ調整ボタンや、ステレオヘッドホン端子の位置も共通して配置しています。

 

また、さらに快適な使い心地を追求するため、両目のレンズ間距離をプレイヤーの目の間隔に合わせることができるレンズ調整ダイヤルを搭載。ヘッドセットの振動用モーターなど、独自の新機能を追加しながらも、よりスマートなデザインに仕上げたことで、若干軽量化されています。

装着していることを忘れるレベル! ソニー「LinkBuds」で得られる新体験をレポート

ソニーが発表した「LinkBuds(リンクバッズ)」はドーナツ型の本体を耳に装着して、音楽などを再生しながら周囲の音も同時に聴ける“ながら聴き”に最適化した、新しいリスニングスタイルを提案するワイヤレスイヤホンです。

↑「LinkBuds」(実売価格2万3000円前後)

 

今回は、発売前に筆者が体験したLinkBudsの便利な使い方、注目の機能をレポートします。

 

ドーナツ型の形状が斬新な完全ワイヤレス

LinkBuds(型番:WF-L900)は見た目にも一風変わったガジェットですが、同じソニーが発売している人気のイヤホン「WF-1000XM4」や「WF-XB700」のような左右独立型のBluetooth対応ワイヤレスイヤホンです。音楽再生や動画の音声を楽しめるほか、マイクも内蔵しているのでハンズフリー通話にも使えます。

 

WF-1000XM4と機能面で大きく違うところは、LinkBudsにはリスニング環境周辺の雑音を消すためのノイズキャンセリング機能がありません。またシリコンや低反発フォーム素材のイヤーピースを使わずに、耳に直接本体を挿入するLinkBudsの装着スタイルがとても個性的です。

↑中心に穴が開いたドーナツ型の部分に12ミリ口径のダイナミック型ドライバーを搭載しています

 

↑リング形状のネオジウムマグネットを搭載。振動板を力強く駆動します

 

ソニーストアの販売価格は税込2万3100円。同価格帯の完全ワイヤレスイヤホンには、税込2万3800円で販売されているアップルの第3世代のAirPodsなどがあります。

 

スマホアプリ連携で様々な機能が使える

LinkBudsはiPhoneやAndroidスマホ、タブレット、ソニーのウォークマンのようなBluetooth対応のオーディオプレーヤーにワイヤレスで接続して使用します。ソニーの「Headphones Connect」アプリがあればLinkBudsの特徴を引き出す様々な機能も一緒に楽しめます。

↑LinkBudsのステータスチェックや機能設定に活用するHeadphones Connectアプリ

 

Bluetoothのオーディオコーデックは標準的なSBCとAACをサポートします。ソニー独自の高音質化技術であるDSEEにより、SpotifyやAmazon Musicなどストリーミングサービスが高音質で楽しめます。DSEEはアプリからオン/オフを切り換えられますが、基本的には常時オンで問題ないでしょう。

 

筆者は最初にLinkBudsの実物を見た時に、とても小さくて軽いその姿に驚きました。常時耳に装着したまま“ながら聴き”が楽しめるように、サイズをコンパクトにして装着感を高めることにソニーの開発者は注力してきたそうです。イヤホンが耳から飛び出て見えない装着スタイルも好感触です。

↑LinkBudsの装着イメージ。イヤホンが耳から飛び出て見えないデザインもグッドです

 

イヤーピースを使わないのに、耳から落ちないのか心配になるかもしれません。LinkBudsには、本体を外耳のカベに密着させるためのシリコン製の「フィッティングサポーター」が備わっています。着脱可能なサポーターはXS/S/M/L/XLの5種類のサイズを選んでフィットを調整可能。ただ、フィッティングサポーターにより調整できる幅があるとはいえ、やはり購入を決める前には試着した方が安心だと思います。

↑5つのサイズが揃うシリコン製のフィッティングサポーター

 

↑充電ケースもコンパクト

 

ヘッドトラッキング機能を活かしたARとの親和性にも注目

LinkBudsの本体にはボタンがありません。丸いドーム型の本体側にタッチセンサー式のリモコンを内蔵しています。Headphones Connectアプリから音量コントロールや音声アシスタントの呼び出しなど、左右のイヤホンにそれぞれの操作を割り当てることができます。

 

Headphones Connectアプリから、イヤホンと充電ケースのバッテリー残量を確認したり、イコライザーを選んで好みのサウンドにカスタマイズもできます。360 Reality Audioの音源をより気持ちよく聴くために、立体音響の最適化設定にもLinkBudsは対応しています。

 

立体音響に関わる機能として、LinkBudsにはイヤホンに内蔵するセンサーでユーザーの頭の向きを検知する「ヘッドトラッキング機能」もあります。

 

ヘッドトラッキング機能はソニーが開発した、現実世界と音をリンクさせて楽しむ「音のAR」エンターテインメントアプリ「Locatone(ロケトーン)」と連動します。例えばあるオブジェクトから聞こえてくる音が、顔の向きを変えてもその方向から聞こえてくるようなリスニング体験が没入感をいっそう深めます。筆者はまだ試せていませんが、現在好評につき期間を延長して開催されている「YOASOBI SOUND WALK」が、LinkBudsとLocatoneによる音のARを体験できる良い機会になりそうです。

 

ソニーは今後、ナイアンテックのゲーム「イングレス」や、マイクロソフトの3Dオーディオマップアプリ「Soundscape」などパートナーのサービスとも連携しながら、LinkBudsのヘッドトラッキング機能を楽しむ環境を増やしていくそうです。

↑Locatoneアプリから楽しめる「YOASOBI SOUND WALK」。リアルな街の風景に音のエンターテインメントがリンクします

 

自然な外音取り込みは一聴の価値アリ!

LinkBudsの音の聞こえ方は、ドーナツ型の穴が空いた外観から想像も付かないほど力強く鮮明です。高域から中低域までバランスのよいサウンドが楽しめます。いわゆる開放型構造のイヤホンなのに、環境音に力負けしないふくよかでインパクトのある低音再生がとても印象に残ります。ドーナツ型の本体部分に12ミリ口径の大きな振動板を載せて、高磁力ネオジウムマグネットでこれをパワフルに駆動します。

 

Google Pixel 6 Proにペアリングして試しましたが、車通りの多い街道沿いなど賑やかな場所でも、スマホのボリュームを10段階の6から7あたりの位置にした状態で、十分に音楽やYouTubeなど動画の会話音声が聞こえます。

↑Google Pixel 6 Proに接続してサウンドをチェックしました

 

環境音の聞こえ方は、WF-1000XM4のようにイヤホンに内蔵するマイクで周囲の音をピックアップする「外音取り込み」と違って、リングの穴を通り抜ける「自然な外音取り込み」を特徴としています。

 

ただ、再生音がかなり明瞭に聞こえるイヤホンなので、再生ボリュームの大きさによっては環境音がやや聞こえにくく感じることがありました。LinkBudsを耳に着けたまま、対面で会話をする機会が増えそうな頃合いには、アプリから「スピーク・トゥー・チャット」機能をオンにするとよいでしょう。LinkBudsを装着したユーザーが声を出して話しを始めたことをイヤホンが検知して、イヤホンの再生ボリュームを自動的に下げてくれるという機能です。

 

また、開放構造のイヤホンなので、どうしても「音漏れ」は発生します。伸びやかなサウンドが心地よいため、ボリュームを上げ気味にしてしまうと周囲に聞こえている場合もあります。周囲に人がいる場所で使う時には注意しましょう。

 

ソニーならではの多機能ぶりも見逃せない

LinkBudsにはハンズフリー通話の際に、声と環境騒音をAI技術で選り分けながら、「声だけ」を通話相手に対してクリアに届ける機能があります。LinkBudsを家族に着けてもらい通話音声を確認してみたところ、近くで再生されているはずのテレビ番組の音声やファンヒーターのノイズがきれいに消えて、話し声だけが明瞭に聞こえてきました。LinkBudsはリモート会議用のオーディオデバイスとしても使いやすそうです。

 

もうひとつLinkBudsが搭載する機能に「アダプティブボリュームコントロール」があります。Headphones Connectアプリからオン・オフが選べます。この機能は、イヤホンを装着している時に周囲が騒がしくなると、自動的に聞きやすい音量に持ち上げて、反対に静かになるとボリュームを絞るというものです。

↑リモコン操作からSpotifyのお気に入りプレイリストに素速くアクセスできる「Quick Access」にも対応しています

 

便利な機能である反面、特に屋外を移動しながら使うと、アダプティブボリュームコントロール機能の反応が鋭く正確であるがゆえに、近くを大型車が通った時などにボリュームがふわっと持ち上がることがありました。反対に静かな場所に移ると、音が少し聞こえにくくなる感覚もあります。この感覚に慣れてくれば気にならない範囲ではあるのですが。消費電力も少し上がる機能なので、状況に応じて上手く使い分けるとよいでしょう。

 

LinkBudsが対応する連続音楽再生時間は、DSEEやイコライザーなどアプリから設定できる機能をオフにして最大で5.5時間前後です。1日中ながら聴きを楽しむのであれば短いようにも感じますが、何も再生していない状態であればフル充電から約11時間以上使えるし、10分間で1時間半ぶんのバッテリーをチャージできるので、現実的な使い方をする範疇においてはスタミナ性能の心配はないでしょう。

 

LinkBudsがハマるおすすめの使用シーン

ながら聴きスタイルを提案する新しいワイヤレスイヤホンのLinkBudsは、音楽配信サービスの楽曲再生中に歌詞を表示しながら、カラオケを楽しんだり、楽器を練習する時にも自分の声や楽器の音が聞こえるので、とても使いやすかったです。

 

本体はIPX4相当の防滴対応です。汗濡れにも強いイヤホンですが、筆者はスポーツジムで試してみたところ、店内に大きめのボリュームで流れているBGMやトレッドミルの回転音がLinkBudsで再生するサウンドと混ざってしまうことが気になりました。キッチンで作業をする時にも、やはりシンクに水がたたきつけられる音や、フライパンによる調理の音が混ざる感じに慣れません。

 

当然ですが、LinkBudsだけでなく、あらゆるワイヤレスヘッドホンにはそれぞれに独自の特徴や強みがあります。例えば飛行機や地下鉄など、騒音の多い乗り物で移動する際にはWF-1000XM4のようなノイズキャンセリング機能を搭載するイヤホンの方が「あるといいな」を実感できると思います。理想をいえば、それぞれの場面にあったイヤホンを複数揃えて、音楽のながら聴きや、ビデオ会議中に周囲から声をかけられた時にも反応したい時にLinkBudsを使えればとてもスマートだと思います。

↑アプリからイヤホンを探すことも可能

 

最後に、筆者の場合はLinkBudsがあまりに心地よく耳にフィットしてくれたためか、音楽などを再生していないあいだ、耳にイヤホンを着けていることをふと忘れてしまうことがありました。コンテンツを再生していない時に、万一紛失してしまった場合には、Android 8.0以降から標準の「デバイスを探す」機能を使う手があります。またはソニーストアで購入すると申し込める「紛失あんしんサービス」では、紛失した部分を通常の修理価格よりも安く買い直すこともできます。

 

LinkBudsには「ながら聴きができるイヤホン」だからこそ発見できる、音楽やイヤホンの新しい楽しみ方がもっと沢山あると思います。ぜひ多くの方にLinkBudsを試してもらいたいと思います。

 

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【西田宗千佳連載】ソニーのEVは少なくとも10年先の未来に本領を発揮する

Vol.111-4

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは2年ぶりに発表されたソニーのEV「VISION-S」。ソニーは今後どのようにEVを展開していくのかを考察する。

↑VISION-S 02

 

ソニーが自動車メーカーになるとして、彼らはどのくらいの台数を作って、どんな規模の「自動車メーカー」になることを目指しているのだろうか?

 

ここははっきりしない。だが、いきなりトヨタにはなれないし、SUBARUやホンダにもなれないだろう。

 

ソニーには自動車生産ラインがない。EVを作るならそれを用意する必要があるのだが、自動車の生産経験を持たないソニーには、自分たちだけで自動車工場を作り、生産に乗り出すのは不可能だ。試作車である「VISION-S」の開発では、自動車製造の大手であるオーストリアのマグナ・シュタイアがパートナーとなった。市販車でもマグナ・シュタイアがパートナーかはわからないが、必ず「生産パートナー」が必要になる。

 

だとすると、いきなりさまざまなラインナップのEVを幅広く作る……というのは無理がある。まあ、「生産パートナーとしてトヨタがソニーモビリティに出資」といったことになれば話は別なのだが、それはそれでまた別の議論になる。

 

ソニーは自動車メーカーとして実績がない。だが、「ソニーブランド」の実績はある。そう考えると、安価な軽自動車的EVからの参入ではなく、コストの高い、差別化された「特別な車」からの参入になるのではないだろうか。

 

国内の大手自動車メーカーのようなシェアを確保するのは難しいが、スポーツカーの専業メーカー、たとえばポルシェやフェラーリの規模を小さくしたような路線はアリだろう。ひょっとすると、初期には製造台数も少なく、販売路線の関係から、世界でもごく限られた地域での販売となる可能性だってある。

 

では、ソニーモビリティは「小さい特別な自動車メーカー」のままいくのだろうか? これは難しい。やはりそれなりの規模を持つ世界的なメーカーへと成長することを狙っているのではないだろうか。

 

しかし、そうなるのはすぐではない。さらに経験を積んだのちのことになるだろう。

 

その頃には技術開発も進み、ドライバーが関与しない自動運転「レベル4」も実現している可能性がある。

 

そうすると、自動車の中の居住性をあげ、「車内のAV品質がいい」「車内をオフィスとして使える」などの付加価値も高くなってきそうだ。

 

そのときこそ、ソニーが自動車に全力を出せるのかもしれない。すなわち、自動車がEV+自動運転全盛の時代となり、今までの車の形・内装にこだわる必要がなくなったときこそ、家電メーカーの本領が発揮される……と予想することもできるわけだ。

 

それは最低でも、まだ10年は先の未来だ。

 

だが、自動車開発は家電のそれよりも時間がかかる。入念なテストも必要だ。時には規制当局との話し合いもしなければいけないだろう。

 

だとしても、そうした未来が「いつかは来る」のは間違いなく、その未来がやってきてから準備しても、既存の自動車メーカーや多数の新興企業に敵わない可能性が高い。

 

だからそこソニーは、「変化が素早い」と読み、今からEV事業に参入すると決めたのだろう。

 

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“常時装着”という新提案! ソニーが耳を塞がない新形状の完全ワイヤレス「LinkBuds」を発売

ソニーは、耳をふさがないリング構造の完全ワイヤレスイヤホン「LinkBuds」(リンクバッズ)を2月25日に発売します。カラーはホワイトとグレーの2色で、実売予想価格は2万3000円前後。

↑LinkBuds(ホワイト)

 

↑グレー

 

LinkBudsは、振動板の中心部を開放した新開発のリング型ドライバーユニットにより、耳をふさがず装着したまま会話なども行えることが特徴。また、同社の完全ワイヤレスイヤホンでは最小・最軽量設計となっており、軽い装着で長時間使用しても耳に負担をかけず、常時装着という新しい使用スタイルを提案しています。

↑ドライバー部分がリング構造になっており、周囲の音も聴こえることが特徴

 

↑装着したまま会話も可能

 

さらに、音の歪みを軽減して音質を高める「統合プロセッサーV1」を搭載するほか、圧縮音源をアップスケーリングするソニー独自の高音質化技術「DSEE」も搭載しています。このほか、周囲の騒音レベルを検知して自動で再生音量を調整する「アダプティブボリュームコントロール」機能も利用可能。

 

近年ではオンライン会議などで通話デバイスとして完全ワイヤレスイヤホンを使用する機会が増えていることを踏まえ、通話時の環境ノイズを抑えてクリアな声で会話できるアルゴリズムを採用。これは、5億サンプルを超えるAIの機械学習により、通話者の声とそれ以外のノイズを分離するもので、騒がしい環境でも快適な音声通話が行えます。

 

ヘッドホンの本体のタップ操作だけでなく、耳の辺りなど本体に触れなくても操作が可能な「ワイドエリアタップ」機能により、再生、一時停止、楽曲のスキップやSpotifyの再生やプレイリストの切り替えができるSpotify Tapと連携した「Quick Access」機能が利用できます。

 

連続使用時間は、本体バッテリーのみで約5.5時間、付属のケースで充電すると合計約17.5時間。IPX4相当の防滴性能を備えており、突然の雨や汗からイヤホンを守ります。

↑充電ケース併用で最大17.5時間使用できます

 

なお、ソニーのイヤホンとして初めて本体とケースに使用する樹脂素材に工場回収の樹脂を活用した再生プラスチックを使用しているほか、個装パッケージはプラスチック使用量ゼロを実現しています。

 

従来では、耳をしっかり塞いで遮音性を高めることが求められていたイヤホンですが、生活スタイルや働き方の変化に伴い、耳を塞がないという新しい価値が生まれています。ソニーのLinkBudsは、そんなニーズの変化を的確に捉えたアイテムといえそうです。

 

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【西田宗千佳連載】ソニーがEVで目指すのはPlayStationのようなビジネスモデル

Vol.111-3

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは2年ぶりに発表されたソニーのEV「VISION-S」。ソニーはどのようなビジネスモデルを展開するのか、解説していく。

↑2020年のCESで発表されたソニーのVISION-S(右)と、今年1月のCESで発表されたVISION-S 02(左)

 

自動車メーカーはなにをやって儲けているのだろうか? 言うまでもなく「自動車を売る」ことだ。

 

だが、そこに付随するビジネスはあまりにも多彩で、非常に強固で複雑な構造ができあがっている。なぜなら、自動車は危険な乗り物だからだ。

 

非常に便利だが、万一事故が起きると、自分だけでなく他人にも被害が及ぶ。それをカバーするには「保険」が必要になる。また、自動車が常に安全かつ正常に走るには、「メンテナンス」が欠かせない。修理が必要になった場合には、その場所に速やかに移動して修理工場などへ持ち込むための「ロードサービス」も必要だ。

 

そしてもちろん、それらの事態に対応するには、もともと安全性などの面で基準をクリアした自動車を開発する必要があるし、そのサポートについても、迅速な対応が求められる。

 

自動車メーカーになるということと、家電メーカーである、ということは大きく違う。自動車メーカーは、自動車とその周辺を取り巻くエコシステムを維持する、それぞれの企業と関係を作り、素早く対応できる体制を整える必要が出てくる。それも、国ごとにだ。制度も文化も違うので、「日本で自動車を売ったらアメリカですぐ売れる」という話ではない。この辺も、家電よりずっとハードルが高い。

 

自動車に関連する産業は、長い期間をかけて現在のような姿に醸成されたものだ。そのため、自動車に関するすべての周辺ビジネスを「自社傘下だけ」でカバーしているメーカーはいない。

 

もちろん、自動車会社傘下には、保険会社もメンテナンス会社もあるが、それらを使わなくてもいい。カーディーラーから自動車を買ったら、あとは自分で選んだ保険会社と修理会社に依頼する形でもいいし、昔であればあるほど、「バラバラに選ぶのが当たり前」という部分があった。

 

だが、いまは変わりつつある。カーディーラーは自動車の購入者との関係をできるだけ長く保とうとし、保険やメンテナンスの窓口も担当する。自動車の中には通信モジュールが入り、メンテナンス状況や故障の兆候などを判断し、カーオーナーとディーラーに伝える仕組みを持っている。自動車も「顧客と関係を継続する産業」になっているのだ。

 

EVではそれがさらに拡大するだろう。エンジンオイルがなくなる分メンテナンス収入は減るが、ソフトウェアのアップデートからバッテリーの寿命に伴う交換まで、顧客との接点は別のものができる。

 

では、それらを「有料のサービス」とし、収益の軸にするとしたら?

 

ソニーが考えているのはこれだ。自動車のメンテナンスやアップデートを「購入者向けの会員制」とし、有料で提供することで、自動車を「売り切り」ではなく「リカーリング」(継続型)ビジネスの起点とすることを考えているのだ。

 

現在のPlayStationは、ハードウェアを購入したのち、さらに会員サービスである「PlayStation Network」への加入を消費者に促す。有料プラン加入者にはさまざまな付帯サービスを提供することで、ゲームハードの売上に加え、ネットワークサービスからも収益を得ている「リカーリング」モデルになっている。さらに、ゲームハードも赤字で売る期間はできるだけ短くし、製品ライフサイクル全体で見れば、ほとんどの期間を「ハードからも利益が得られる」形としている。

 

ではこの構造において、ゲーム機を自動車に置き換えるとどうだろう?

 

自動車向けの通信も、ソニーの考えるEVには必須のものになるから、会員制サービスに含めてもいい。自動車の中で流す映像は? ソニーがそのサービスを提供してもいい。それらを「定額・使い放題」にしたとしても、自動車向けの各種サービスとセットにしてそれなりの単価をつけられるなら利益は高くできる。ソニーグループ傘下には保険会社や銀行もあるから、保険とローンまでまかなえる。

 

家電以上に「顧客と長期的な関係を築ける製品」として、自動車は非常に有望なのである。

 

では、ソニーは自動車会社としてどのようなシェアを確保できるのだろうか? さらなる将来展望は? その辺は次回解説する。

 

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ストリーミングもワイヤレスも高音質で! 最上位ウォークマンに新モデル「WM1ZM2/WM1AM2」登場

ソニーは、ウォークマンのフラッグシップ「WM1」シリーズから、Android OS搭載で音楽ストリーミングサービスに対応した新モデル「NW-WM1ZM2」と「NW-WM1AM2」を3月25日に発売します。実売予想価格は、NW-WM1ZM2が約40万円前後、NW-WM1AM2が約16万円前後。オプションとして、両モデルに対応した専用レザーケース「CKL-NWWM1M2」(約1万1000円前後)も発売されます。

↑NW-WM1ZM2(左)と前モデルのNW-WM1Z(右)

 

↑NW-WM1ZAM2(左)と前モデルのNW-WM1A(右)

 

細部までアップデートされた新フラッグシップ

NW-WM1ZM2/WM1AM2は、2016年に発売されたNW-WM1Z/WM1Aの後継機種。新たにAndroid OSを採用したことにより音楽ストリーミングサービスに対応したほか、2018年に発売され話題を呼んだ100万円超のポータブル音楽プレーヤー「DMP-Z1」で培った高音質化技術を継承していることが特徴です。

 

また、いずれも画面サイズが従来の4インチ(854×480ドット)から5インチ(1280×720ドット)に拡大され、それに伴って本体サイズも大きくなっています。

↑画面の大型化に伴い、本体サイズも大きくなっている(左がWM1ZM2)

 

このほか、データ転送/充電端子がWMポートからUSB Type-C(USB 3.2/Gen1)に変更され、利便性が向上しています。

 

内蔵ストレージ容量は、NW-WM1ZM2が256GB、NW-WM1AM2が128GB。microSDカードスロットを1つ備えています。ハイレゾ音源はPCMが384kHz/32bit、DSDが11.2MHzまでのネイティブ再生に対応。BluetoothコーデックはSBC/AAC/aptX/aptX HD/LDACをサポートしています。有線接続端子は3.5mmアンバランスと4.4mmバランスの2系統を搭載。再生時間はいずれも最大40時間(有線接続時 MP3/128kbps再生)。

 

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ストリーミングもワイヤレスも高音質に

ソニー独自の高音質化技術DSEEが、AI技術による楽曲分析を生かしハイレゾ相当(最大192kHz/32bit)までアップスケーリングする「DSEE Ultimate」に進化。さらに、本機では有線/無線接続を問わず同機能を利用できるほか、W.ミュージック以外の音楽再生アプリ使用時にも利用できるようになっています。これにより、ワイヤレスイヤホン使用時や、各社の音楽ストリーミングアプリを使用時も、ハイレゾ相当の高音質に変換して楽しむことが可能に。

 

また、入力されたすべてのPCM音源を11.2MHz相当のDSD信号に変換する「DSDリマスタリングエンジン」も搭載。DMP-Z1では5.6MHz相当のDSD信号に変換していましたが、本機では11.2MHz相当に進化しています。オン/オフの切り替えも可能なので、好みにより切り替えて使用できます。

 

金属削り出しの重厚なボディは新モデルでも健在。WM1ZM2では、シャーシを従来の99.96%の無酸素銅から99.99%(4N)に純度をアップ。さらに高純度金メッキ(純度約99.7%)により、音質効果と高剛性を両立させています。また、背面には削り出しアルミシャーシを採用。

↑ボディは重量感のある金属製。削り出しにより高い剛性を実現しています

 

このほか、同社の据え置きオーディオ機の開発ノウハウを生かした独自開発のコンデンサ「FTCAP3」に加え、バランス出力の内部配線にキンバーケーブルの協力によって開発された4芯ブレードケーブルを採用。はんだには、金を添加した高音質はんだを使うなど、内部設計にも徹底的にこだわっています。

↑基板設計にもこだわっています

 

Editor’s Eye

発売前の実機を、前モデルと聴き比べる形で試聴させてもらうことができましたが、音質の進化を最も感じられるのは「音場空間の広がり」です。どちらも前モデルに比べて、より立体的で広がりのある音になっていると感じました。同社が推進する立体音響技術「360 Reality Audio」に対応したこともあり、同規格に対応する音源を再生すれば新しい音楽体験が得られるかもしれません。

 

気になるのは画面の大型化に伴い、本体もサイズアップしたこと。重さもWM1ZM2で約455g→約490gに、WM1AM2で約267g→約299gにと、いずれも30g以上重くなっているので、手にしたときにかなりの存在感となっています。ハイエンドにふさわしい重厚感ともいえますが、これを持ち歩くのはなかなか大変そうです。

↑前モデルより大型化したため手に持ったときの存在感もアップ

 

しかし、ポータブルオーディオの元祖ともいえるウォークマンが考える2022年現在の最上級のサウンドを体験できるのは間違いなく、いま使っているポータブル機に満足していない方やもっといい音で音楽を楽しみたいと思っている方は、ぜひ新WM1シリーズを試して頂きたいと思います。

 

【西田宗千佳連載】aiboもドローンも「布石」、ソニーはEV製造の技術を蓄積してきた

Vol.111-2

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは2年ぶりに発表されたソニーのEV「VISION-S」。事業化を発表した、技術的な背景を探る。

↑今年1月のCESで発表されたVISION-S 02

 

ソニーがEV市場参入の意思を表明したことは非常に大きな影響を持っている。家電にゲーム機、センサー、放送機器など「映像や音が関わるもの」を軸にしてきた企業が、自動車という「動くもの」を軸として加える、ということだからだ。

 

同社がEV参入の検討を目的に今春設立する会社は「ソニーモビリティ」という。もちろん、スマートフォンを作っている「ソニーモバイル」とはまた違う会社だ。ソニーグループ・吉田 憲一郎会長 兼 社長CEOは、「ソニーはこれからモビリティの会社になる」と話している。モバイルは「持ち運ぶ」という意味であり、モビリティは「自ら動く」という意味である。自動車はまさに「自ら動く」ものであり、ソニーモビリティという名前にふさわしい。

 

とはいうものの、ソニーはこれまでも「自ら動く」ものをいくつか作っている。aiboやドローンの「Airpeak」がそうだ。

 

自動車とはレベルが違う……と思うかもしれない。確かに、質量や速度が違うので、必要な安全性能などは異なってくる。

 

だが、根っこにあるテクノロジーは近い。昔のものはともかく、現在のaiboにしてもドローンにしても、そしてEVにしても、「ソフトウェアによる移動制御」とそれを支える「AI」が重要だからだ。

 

たとえば、いまのaiboは自分がいる部屋の地図を作り、それに従って移動するようになっている。そのために使っているのは、背中にある魚眼カメラだ。

 

aiboの移動速度は時速1kmに満たないので、反応速度はそこまで速くなくていい。だが、これがドローンになると桁が変わる。

 

ドローンのAirpeakでは、5つの高解像度カメラを搭載し、全方位の状況を監視している。Airpeakの飛行速度は最大で時速90km。レンズやジンバルとセットで3kg近くになる重い一眼カメラをつけて、これだけの速度で安定的に飛行するのなら、周囲を高精度に、ドローン自体が自律的に認識し続ける必要がある。やっていることはaiboの延長線上にあるが、精度・速度はさらに進化している。

 

そして、EVである「VISION-S」では、Airpeakと同等以上の高い精度が求められる。VISION-Sは最高時速240kmで走り、車重は約2.3トンとされている。これが安全に走るには、現状人間によるドライブが必要である。だが、現在はセンサーを使って安心・安全走行をカバーすることで、ドライバー側の負担を減らすことができるようになってきた。また、限定的な場所、という条件はあるが、5Gの携帯電話回線を使い、東京からオーストリアのサーキット内のVISION-Sを走行させるテストにも成功した。

 

センサーという、ソニーが製造・技術面で得意な部分に、「移動するための認識・AI技術」を蓄積していき、差別化された製品を作って販売することが、ソニーの狙いなのだ。同じことを「自動車」から自動車メーカーは狙うが、ソニーはそれを「センサー」側から目指すことになる。

 

では、それでビジネスとしてどう儲けるのか? そこは次回解説していきたい。

 

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【西田宗千佳連載】ソニーのEV参入、勝算はあるのか

Vol.111-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは2年ぶりに発表されたソニーのEV「VISION-S」。事業化も発表されたが、その狙いはどこにあるのか。

↑ソニーのEVは、2020年のCESで発表されたVISION-S(右)と今年1月のCESで発表されたVISION-S 02(左)がラインナップされ、EVであることとクラウドプラットフォームは共通。02は7人乗りSUVで、多様化する人々の価値観やライフスタイルに合うプレミアムな移動空間を提供する

 

ソニーが持つ技術で異なるEVを作れる

1月5日、ソニーグループは、米ラスベガスで開催していたテクノロジーイベント「CES 2022」に合わせて開催したプレスカンファレンスの中で、電気自動車(EV)事業への参入を検討する、と発表した。

 

ソニーは2020年のCESで試作EV「VISION-S」を公開した。VISION-S自体は市販を前提に開発されたEVではなく、事業化の際もVISION-Sがそのまま販売されるわけではないようだ。発表が「EVを発売」ではなく、「EV事業への参入を検討」となっているのも、新しい市販前提のEVを開発したうえで、さらに、EVを販売するために必要なビジネス上の条件を整えるためと思われる。

 

ソニーはなぜEVに参入するのか? 同社の試作EV開発を指揮する、ソニーグループ常務・AIロボティクスビジネスグループ 部門長の川西泉氏は筆者の取材に対し、「自分たちで持っている技術を使い、十分に違いを出せる部分がわかってきたから」と話す。

 

ソニーは数年前から、センサーとそれを活用したAIをベースにした事業開拓を積極的に進めている。その代表例が、2018年に再登場した「aibo」であり、2021年に発売されたソニー製ドローン「Airpeak」である。VISION-Sも同じく、ソニーのAIロボティクス・チームが開発している。

 

得意のセンサー技術で新たな付加価値を提供

VISION-Sの試作は2018年ごろからスタートしているのだが、その頃はまだ、ソニーには自動車を作るノウハウがなかった。いまでも、トヨタやホンダなど同列で、自社だけでEVをゼロから開発するのは難しい状況である。そのためVISION-Sは、多数の自動車関連企業との協業の形で作られた。なかでも中核的な存在と言えるのが、オーストリアの大手自動車製造企業であるマグナ・シュタイアだ。実際、VISION-Sの走る、曲がる、止まるという自動車の基本と言える部分は、ソニー以上にマグナ・シュタイアのノウハウが効いている。

 

では、ソニーはEVのどこを作っているのか? それは、センサーと連携して快適な乗り心地や高い走りの質感を実現する部分であり、周囲の状況を把握してドライバーに知らせる安心・安全の機能であり、車内で音楽や映像を楽しむエンターテインメントの部分である。

 

元々VISION-Sは、センサーを生かしてこれからのEVを自ら作り、他の自動車メーカーに、ソニーのセンサーの生かし方をプレゼンするために作ったようなところがある。

 

だがソニーは、その過程で、「自分たちだけでも他の自動車メーカーとは違うものを作れる」という自信を得たのだ。ソニーは単にセンサーを持っているだけではなく、そのセンサーを生かし、自動車に高い付加価値をつける方法を考えていた。人に合わせて乗り味を変えたり、細かな振動をセンサーで把握してキャンセルしたりと、新規メーカーとして参入する良いチャンスでもある。

 

では、ソニーのEVはどんなビジネスモデルで売られるのか? どのくらいのシェアを取る可能性があるのか? その辺は次回解説する。

 

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【西田宗千佳連載】ソニーのEV参入、勝算はあるのか

Vol.111-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは2年ぶりに発表されたソニーのEV「VISION-S」。事業化も発表されたが、その狙いはどこにあるのか。

↑ソニーのEVは、2020年のCESで発表されたVISION-S(右)と今年1月のCESで発表されたVISION-S 02(左)がラインナップされ、EVであることとクラウドプラットフォームは共通。02は7人乗りSUVで、多様化する人々の価値観やライフスタイルに合うプレミアムな移動空間を提供する

 

ソニーが持つ技術で異なるEVを作れる

1月5日、ソニーグループは、米ラスベガスで開催していたテクノロジーイベント「CES 2022」に合わせて開催したプレスカンファレンスの中で、電気自動車(EV)事業への参入を検討する、と発表した。

 

ソニーは2020年のCESで試作EV「VISION-S」を公開した。VISION-S自体は市販を前提に開発されたEVではなく、事業化の際もVISION-Sがそのまま販売されるわけではないようだ。発表が「EVを発売」ではなく、「EV事業への参入を検討」となっているのも、新しい市販前提のEVを開発したうえで、さらに、EVを販売するために必要なビジネス上の条件を整えるためと思われる。

 

ソニーはなぜEVに参入するのか? 同社の試作EV開発を指揮する、ソニーグループ常務・AIロボティクスビジネスグループ 部門長の川西泉氏は筆者の取材に対し、「自分たちで持っている技術を使い、十分に違いを出せる部分がわかってきたから」と話す。

 

ソニーは数年前から、センサーとそれを活用したAIをベースにした事業開拓を積極的に進めている。その代表例が、2018年に再登場した「aibo」であり、2021年に発売されたソニー製ドローン「Airpeak」である。VISION-Sも同じく、ソニーのAIロボティクス・チームが開発している。

 

得意のセンサー技術で新たな付加価値を提供

VISION-Sの試作は2018年ごろからスタートしているのだが、その頃はまだ、ソニーには自動車を作るノウハウがなかった。いまでも、トヨタやホンダなど同列で、自社だけでEVをゼロから開発するのは難しい状況である。そのためVISION-Sは、多数の自動車関連企業との協業の形で作られた。なかでも中核的な存在と言えるのが、オーストリアの大手自動車製造企業であるマグナ・シュタイアだ。実際、VISION-Sの走る、曲がる、止まるという自動車の基本と言える部分は、ソニー以上にマグナ・シュタイアのノウハウが効いている。

 

では、ソニーはEVのどこを作っているのか? それは、センサーと連携して快適な乗り心地や高い走りの質感を実現する部分であり、周囲の状況を把握してドライバーに知らせる安心・安全の機能であり、車内で音楽や映像を楽しむエンターテインメントの部分である。

 

元々VISION-Sは、センサーを生かしてこれからのEVを自ら作り、他の自動車メーカーに、ソニーのセンサーの生かし方をプレゼンするために作ったようなところがある。

 

だがソニーは、その過程で、「自分たちだけでも他の自動車メーカーとは違うものを作れる」という自信を得たのだ。ソニーは単にセンサーを持っているだけではなく、そのセンサーを生かし、自動車に高い付加価値をつける方法を考えていた。人に合わせて乗り味を変えたり、細かな振動をセンサーで把握してキャンセルしたりと、新規メーカーとして参入する良いチャンスでもある。

 

では、ソニーのEVはどんなビジネスモデルで売られるのか? どのくらいのシェアを取る可能性があるのか? その辺は次回解説する。

 

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ソニーファン待望の「SONY」ロゴ入りwena! 1000本限定で1月28日発売

ソニーは、「wena 3 Frosted Black Edition Styled for Xperia」を、1月28日に発売します。市場想定価格は7万5000円で、限定1000本の販売です。

 

同製品は、wenaシリーズとしては初めて文字盤と背面にソニーのロゴを配置したアナログ時計。バックル部分はブラックの「wena 3」モジュールを搭載しています。

 

デザインは「Xperia 1 III」のフロストブラックに合わせてスタイリングされた、凛々しさと力強さを体現したモデル。クロノグラフのストップウォッチボタンは、Xperia 1 IIIのシャッターボタンと同じクロスローレット模様です。

 

文字盤は落ち着きのあるマット加工、インデックスは微細なヘアライン加工で、艶をやや抑えた質感ですが、ロゴの部分は艶のある仕様で、角度によってさりげなく輝きます。

 

ケースとバンドをつなぐ「先かん」をなるべく低い位置にすることで、腕にフィットする構造にしており、ソリッドバンドを用いて装着感を向上させています。

 

発売日となる1月28日には、すべてのwena 3を対象にソフトウェアの無償アップデートを実施し、「カメラシャッター」と「ミュージックコントロール」の新機能が追加されます。カメラシャッターはスマートフォンのカメラアプリのシャッターをwena 3からアイコンを押すことで遠隔で切ることができ、ミュージックコントロールはディスプレイ画面に表示されるアイコンを用いて、音楽の再生と一時停止、曲の送り戻し、ボリュームをコントロールできます。

 

また、Xperia 1 IIIと接続している場合は、「Xperia camera app」のアイコンをタップすることで、Xperiaにプリインストールされているカメラアプリ「Photography Pro」のシャッターを切ることができます。Xperia camera app対応機種は1月28日時点でXperia 1 IIIのみですが、「Xperia 1 II」「Xperia 5 II」「Xperia 5 III」「Xperia PRO」「Xperia PRO-I」も、以降のOSアップデートで対応予定となっています。

上り通信はカウントフリー! NUROモバイルの「NEOプラン」に新機能「あげ放題」追加

ソニーネットワークコミュニケーションズは、モバイル通信サービス「NUROモバイル」で提供中の「NEOプラン」に、新機能「あげ放題」を追加しました。

 

あげ放題は、動画や画像のアップロードなど、上り通信時のデータ通信量を消費せずに使える機能で、SNSやオンラインストレージへのアップロードを、データ消費を気にせずに楽しむことができます。既にNEOプランを利用のユーザーも、手続き不要で同機能が適用されます。

 

NEOプランは、専用帯域とソニーのAI技術を応用した帯域利用の効率化により、ユーザーに高品質で快適な通信を提供するプラン。対象のSNSサービスのデータ通信を消費せずに使える「NEOデータフリー」や、3か月ごとに15GBのデータ容量を追加で受け取ることができる「Gigaプラス」などの機能を提供しています。

 

あげ放題の適用により、NEOプランでは上り通信をどれだけ使ってもデータ容量を消費せず、当月の契約データ容量を下り通信のみに使用できます。なお、「TikTok」などNEOデータフリー対象外のSNSサービスで発生する上り通信も、あげ放題の対象となります。

PS5向け次世代VRシステム「PlayStation VR2」正式発表! 専用タイトルに「Horizon」シリーズ新作

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、PlayStation 5(PS5)向け次世代バーチャルリアリティシステムの正式名称を「PlayStation VR2」、新しいVRコントローラーの正式名称を「PlayStation VR2 Senseコントローラー」に決定し、製品の詳細を公開しました。

 

PlayStation VR2は、ゲームなどの世界に実在しているかのような感覚「センス・オブ・プレゼンス」を向上させており、かつてないほどゲームの世界に深く没入できるVR体験が可能になるそうです。

 

4K HDRディスプレイ、110度の視野角、フォービエイテッド・レンダリング(プレイヤーの中心視野ほど高解像度になり、視野の外側に行くに従い低解像度で描画する手法)で、高品質な映像体験を楽しめます。有機ELディスプレイを採用し、片目あたり2000×2040の解像度と、90/120Hzの滑らかなフレームレートを実現しています。

 

インサイド・アウト・トラッキングを採用し、VRヘッドセットに搭載したカメラを通じて、プレイヤーとコントローラーをトラッキング。本体以外のカメラを必要とすることなく、プレイヤーの動きや向いている方向がゲーム内に反映されます。

 

プレイヤーがゲーム内のアクションから受ける感覚を増幅させる新たな機能「ヘッドセットフィードバック」は、ヘッドセットに内蔵したひとつのモーターの振動によって触覚要素を加えるもので、例えば、緊迫した場面でのキャラクターの脈拍の上昇や、キャラクターの頭の近くを物体が通過する際の衝撃、キャラクターがスピードを上げて進む際の車両の推進力など、ゲームの世界を一層リアルに感じられます。さらに、PS5に搭載したTempest 3Dオーディオ技術が加わることで、プレイヤー周囲の音を活き活きと再現。また、「視線トラッキング」機能によって、PlayStation VR2がプレイヤーの目の動きを検知し、特定の方向を見ただけで、ゲームキャラクターを操作できます。

 

PlayStation VR2の専用タイトルとして、「Horizon Call of the Mountain」も発表。Guerrilla(ゲリラ)とFirespriteの制作で、「PlayStation.Blog」では、ティザームービーも公開されています。

インテリアに合わせてPS5をイメチェンできる「PS5用カバー」全5色発売決定! コントローラーも新色追加

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、日本国内で、PlayStation 5の外観をカスタマイズできる「PlayStation 5用カバー」「PlayStation 5 デジタル・エディション用カバー」と、DualSense ワイヤレスコントローラーの新カラーバリエーションを発売します。

 

PS5用カバーは、「ミッドナイト ブラック」「コズミック レッド」「ノヴァ ピンク」「ギャラクティック パープル」「スターライト ブルー」の、全5種のカラーバリエーション。ミッドナイト ブラックとコズミック レッドは税込価格6578円で2022年1月27日に発売。ノヴァ ピンク、ギャラクティック パープル、スターライト ブルーは2022年前半に発売予定です。

 

DualSense ワイヤレスコントローラーは、「ノヴァ ピンク」「ギャラクティック パープル」「スターライト ブルー」の3色が2022年1月14日に発売。税込価格は8228円です。

 

PS5用カバーのミッドナイト ブラックとコズミック レッド、DualSense ワイヤレスコントローラーの新色は、12月16日から順次予約を開始します。

 

今回発売されるPS5用カバーとDualSense ワイヤレスコントローラーは、「ギャラクシーコレクション」として鮮やかな星雲の色からインスピレーションを受けた5種類のカラーバリエーションで展開。DualSense ワイヤレスコントローラーで先行発売した「ミッドナイト ブラック」「コズミック レッド」の2色に加えて、爆ぜる星々の圧倒的なパワーを表現した「ノヴァ ピンク」、色鮮やかで洗練された「ギャラクティック パープル」と、宇宙を照らす星々の輝きにインスパイアされた「スターライト ブルー」の3色が登場しました。

 

PlayStation 5用カバーとPlayStation 5 デジタル・エディション用カバーは、PS5カバーを付け替えることができる新製品。PS5本体の上下カバーは簡単に取り外しが可能で、部屋のインテリアや、DualSense ワイヤレスコントローラーと合わせたカラーリングなど、好みに合わせた色のカバーに取り替えて本体のカスタマイズを楽しめます。

 

(c)Sony Interactive Entertainment Inc. All rights reserved.
Design and specifications are subject to change without notice.

今年のヒット商品はコレ! 2021年に売り切れ続出したAV製品4選

“いま”爆売れ中のモノを「デジタル・家電」からセレクト。識者陣がヒットの背景を解説する。消費者ニーズに“ビッタビタ”な“ゴン攻め”商品の数々、知らないとマジでヤバいです!!

※こちらは「GetNavi」2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がチェックしました!

本誌編集長

川内一史

AV担当歴8年以上。通勤に地下鉄を利用しているため、イヤホンはノイキャンがないとダメな身体になってしまった。

 

その1.完全ワイヤレスイヤホンは完全ストレスフリーへ

リモートワークなどで使用頻度が高まっている完全ワイヤレスイヤホンは、ノイズキャンセリング機能搭載モデルや快適な装着性を追及したモデルなど、ユーザビリティを高めたモデルが注目されている。

最高クラスのノイキャン性能と上質なハイレゾ再生を実現

ソニー

WF-1000XM4

実売価格3万3000円

完全ワイヤレスイヤホンとして業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を実現。高音質コーデックLDACをサポートし、ハイレゾコンテンツも原音に忠実なサウンドで再現できる。立体音響規格「360 Reality Audio」にも対応。

 

↑イヤホン本体と耳との接触面で支える「エルゴノミック・サーフェス・デザイン」を採用。快適な装着感が得られる

 

↑高音質・高性能パーツを統合した新開発の「統合プロセッサーV1」を搭載。低遅延再生と高精度のNCが可能になった

 

↑独自開発のポリウレタンフォーム素材を使用したイヤーピースが付属。高い遮音性と装着安定性を実現する

 

【トレンドのツボ】完全ワイヤレスのシェアでソニーがAppleに肉薄!

完全ワイヤレスイヤホン市場では、AirPodsシリーズを擁するAppleが販売シェアで常時30~40%を誇り独走状態だった。しかし、本機の発売でソニーが一気にシェアを20%近くにまで拡大。6月にAppleと5%以内の僅差まで迫った。

 

「チップの改良により、前モデルを凌駕する音質とNC性能を獲得。独自開発のイヤーピースも最適なフィット感が得られると好評です。さらに、筐体が小型化され、あらゆるシーンでストレスを感じない仕様に進化しました」(川内)

 

最先端のノイキャン機能でノイズをカット

Jabra

Elite 85t

実売価格2万1780円

最先端のアクティブノイズキャンセリング技術を採用し、周囲のノイズを効果的にシャットアウト。外音取り込みモードは11段階での調整が可能だ。専用アプリ「Jabra Sound+」を利用する音質のパーソナライズ機能も特徴。

 

↑専用アプリでは、ヒアリングテストの結果に基づき音をユーザーごとに最適化できる。誰でも快適にリスニング可能だ

 

超コンパクトなサイズで耳にフィット

GLIDiC

Sound Air TW-4000

実売価格8600円

つまめるほどの極小モデルながら機能は充実。イヤホン本体はカスタムイヤホンメーカー「カナルワークス」監修のイヤホン形状を採用し、優れたフィット感を追求している。通常のL/M/S/XSに加え、XXSサイズのイヤーピースが付属。

 

↑落とし物トラッカー「Tile」(無料)の機能を搭載。万一イヤホンを紛失してもスマホアプリから探すことができる

 

「Jabra Elite 85tは、アプリでユーザー好みに音質を最適化できるカスタム機能がウケてヒット中。GLIDiCのTW-4000は、小型ボディに紛失防止デバイスを備えるユニークさが話題を呼び販売好調です」(川内)

 

その2.テレワークの“ネック”を解消

耳を塞がない「ネックバンド式ワイヤレススピーカー」は、在宅ワーク中でも家族に気を配ることができ、宅配便などでチャイムを鳴らされても気づくことができる便利なアイテム。オンライン会議でも使えるようにマイク機能を強化したモデルが注目を集めている。

 

音楽鑑賞にビデオ会議に一日中快適に使える

ソニー

SRS-NB10

実売予想価格1万5400円

再生機器とBluetoothで接続して音楽を聴ける首掛け式スピーカー。耳をふさがないため、家事や家族との会話を楽しみつつ“ながら聴き”できるのが魅力だ。高性能マイクを搭載し、PCと接続して長時間のビデオ会議も快適。

 

↑肩に乗せるようにして装着するネックバンド式

 

↑人間工学に基づいた設計で、長時間使用でも疲れにくい。首元にマイクを備え、クリアな音で通話できる。Bluetooth接続もスムーズだ

 

【トレンドのツボ】Bluetooth対応で使い勝手が向上し先行受注ですぐ品切れに

7月下旬に先行受注が始まるや否や、各販売店で入荷未定となる人気ぶり。2018年のヒット作SRS-WS1で非対応のBluetooth&通話機能を新装備し、テレワーク需要に応えたのも要因。

 

その3.骨伝導が“コツコツ”認知拡大中

従来のイヤホンやスピーカーのように空気を震わせて鼓膜に音を伝えるのではなく、骨に振動を伝えて音を伝える「骨伝導」イヤホンは、新しいオーディオの形として注目を集めている。

 

同社最上位モデルをベースに音質も使い勝手もアップデート

AfterShokz

OpenComm

実売価格1万9990円

耳をふさぐことなく通話や音楽再生を楽しめる、オープンイヤーデザインの骨伝導イヤホン。高性能チップを搭載し、複雑なサウンドも正確にチューニングできる。NC機能を備えるブームマイクにより、会話時のノイズを最小限に抑制する。

 

↑通話時の音声もノイズを抑えてクリア

 

↑2020年10~11月にクラウドファンディングを実施し、8200万円以上もの支援を集めた。同年12月に満を持して一般発売

 

【トレンドのツボ】第一人者のAfterShokzは骨伝導イヤホンシェア8割超え

同社は骨伝導イヤホンの販売シェア80%以上を誇る第一人者。昨秋にクラウドファンディングで4227名から8257万6116円もの支援額を獲得した同製品は、一般販売でも好調だ。

 

その4.発売→即完売が止まらナいッスネ

ゲーム機のPlayStationシリーズなどと組み合わせてテレビ番組の録画や視聴ができるとして2012年に発売され人気を博したnasneが、2021年春にバッファローから発売され話題に。

 

操作性抜群の定番NASがバッファロー製として再ブレイク

バッファロー

nasne NS-N100

実売価格2万9800円

2TB HDDと地デジ/BS/110度CSチューナーを搭載したネットワークレコーダー。放送中の番組や録画した番組を、スマホやタブレットを使ってインターネット経由で高画質試聴できる。テレビ番組表はサクサク素早い操作が可能だ。

 

↑PlayStationやスマホ、タブレットをnasneとつなぐアプリ「torne」の番組表。最大1週間ぶん表示できる番組表は見やすく、操作性も快適だ

 

↑内蔵HDDは2TBだが、最大6TBまで外付けデバイスで増設可能。ACアダプターが不要のポータブルHDD/SSDにも対応し、使い勝手が良い

 

【トレンドのツボ】SIEから継承して復活後はAmazonで17回連続完売

SIEから2021年3月よりバッファローが引き継ぎ、Amazon.co.jp内公式ストアで販売している。3月から計17回の受注受付を行い、いずれも24時間以内に完売するほど人気だ。

 

※記事中の価格はすべて2021年11月30日現在の実売価格です(編集部調べ)

 

→GetNavi×楽天コラボ『ポタ-1グランプリ2021』の特設ページはコチラ

ソニー、新世代のベーシックとなるフルサイズミラーレス一眼カメラ「α7 IV」発表

ソニーは12月2日、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α7 IV」を発表しました。ボディのみは12月17日発売で、市場推定価格は33万円前後(税込)。キットレンズ「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS」が付いたモデルは2022年春以降の発売で、市場推定価格は35万円前後(税込)です。

 

α7 IVは、ソニーの最先端のカメラ技術を凝縮した新世代のベーシックとうたうモデル。新たに開発した有効約3300万画素の35mmフルサイズ裏面照射型CMOSイメージセンサー「Exmor R」と、フラッグシップモデル「α1」に採用されている高速な画像処理エンジン「BIONZ XR」を搭載し、常用ISO感度100~51200のほか、15ストップのダイナミックレンジを実現。

 

また、ノイズを低減しながら、高い色表現力で、被写体細部の質感まで高精細に表現できるとのこと。さらに、従来モデルにあたる「α7 III」に比べて、撮像エリアの約94%とより広範囲に、759点の像面位相差AFセンサーを配置し、高速AFを追求。AF/AE追従で最高10コマ/秒の高速連写が可能としています。

 

これに加えて、AIを用いて被写体の顔や瞳を検出し続けるリアルタイム瞳AFが、鳥と動物の目の追跡もできるようになっているほか、5.5段光学式5軸手ブレ補正機能をそなえています。

 

動画撮影においては、全画素読み出し時で4K/60p、フルサイズ時で7Kオーバーサンプリングによる4K/30pの記録が可能。また、ソニーの映像制作用カメラブランド「Cinema Line」と同様のルック「S-Cinetone」を搭載し、シネマライクな表現もできるとしています。

↑10種類の設定されたルックから選択することでユーザーが好みの画作りを手軽に楽しめるクリエイティブルックも採用。このような作品を制作できます

 

これらの撮影したコンテンツをPCやスマホに共有する機能も強化されています。α7 IVとPCまたはスマホとUVC(USBビデオクラス)およびUAC(USBオーディオクラス)で接続するだけで、専用ソフト不要で4K/15pやフルHD/60pのライブ配信が可能です。

 

 

ボディデザイン面では、静止画/動画/S&Qの切り替えダイヤルを搭載。さらに、本体背面には横開きのバリアングルモニターを採用しており、自撮りなどにも対応しています。なお、モニターは約103万画素で、3型の液晶パネルとなっています。

↑静止画、動画の切り替えが簡単なダイヤル

 

ボディサイズは約131.3×96.4×79.8mmで、重さはバッテリーとメモリーカードを含めると約658gです。

2022年春サービス開始! ローカル5Gサービス「NURO Wireless 5G」

ソニーワイヤレスコミュニケーションズは、ローカル5G事業の第一歩として、個人利用者に、ローカル5Gを利用した集合住宅向けインターネット接続サービス「NURO Wireless 5G」の提供を、2022年春ごろから開始します。

 

 

同サービスは、ローカル5G商用免許での住宅向け固定インターネット接続サービスとしては日本初の取り組みで、10月1日よりプレサービスを開始。提供可能エリアに専用アンテナを設置することでサービスエリア化し、サービスエリア内の各住戸へ、無線通信によるインターネット接続サービスを提供します。

 

ローカル5Gは限られたエリア、限られた利用者向けの独自ネットワークで、アクセス集中が発生しにくく、安定した通信が可能。無線通信なので、配管などの建物設備上の問題で光回線を通線できない集合住宅でも、高速なインターネット接続サービスが利用可能となり、アンテナ設置済みのサービスエリアであれば、ホームルーターを設置するだけですぐに利用を開始できます。機器はレンタルで、購入は不要。

↑有線LANポート…2.5GBASE-T×1、1000BASE-T×3。無線LAN…IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax

 

同サービスは、利用者に通信速度や通信品質に納得してから利用してもらえるように、7日間の無償試用期間を用意。スタンドアローン構成にて4.8~4.9GHz帯の周波数帯で提供し、ミリ波への対応も検討中とのことです。

 

提供可能エリアは、北海道、関東(東京、神奈川、埼玉、千葉)、東海(愛知、静岡)、関西(大阪、兵庫、奈良)、九州(福岡)の一部となっています。

最新4Kテレビをプロがジャッジ! ソニー「A9S」は音と映像の一体感がすごい

日本のリビングにちょうどいいサイズとして人気が高まっている「48型サイズ」の最新4K有機ELテレビをプロの目線でチェックし採点します。今回はソニー「ブラビア A9S」シリーズの48型モデルを解説します。

※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がチェックしました!

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者、専門誌編集を経て独立。わかりやすい解説と核心を突いた評論で人気を博す。

 

画面から音が出て映像と音が一体化し映画館のような迫力

ソニー

ブラビア KJ-48A9S

実売価格24万2000円

高画質プロセッサー「X1 Ultimate」は、画面内のそれぞれの被写体に応じて最適に高精細化する「オブジェクト型超解像」に対応。より現実に近い質感を再現できる。Android TVを搭載し、映像配信アプリなどを追加できるほか、Googleアシスタントも利用可能だ。

SPEC●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×2●接続端子:HDMI×4、USB×3●サイズ/質量:W1069×H629×D255mm/17.6kg

 

4Kチューナー:2基

HDRフォーマット:3方式

4KVOD:7サービス

音声最大出力:25W

 

↑従来に比べ処理能力が約2倍にアップした高画質プロセッサー「X1 Ultimate」。より緻密な分析が可能になり、高画質化の精度が向上した

 

↑超解像エンジン「4K X-Reality PRO」を搭載。地デジ放送やネット動画などフルHD解像度以下の映像を4K相当にアップコンバートする

 

↑画面そのものを振動させて音を出す「アクチュエーター」と、重低音を再生する「サブウーファー」を搭載。臨場感たっぷりのサウンドを楽しめる

 

【Impression】

鮮やかな色再現と自然な色合いを両立できている

白を伸ばすという高コントラスト調の画作りはいかにもソニーらしい。ほんのりとピンクがかった健康的なフェーストーンも健在だ。色再現も鮮やかな志向だが、派手すぎず、不自然さはない。画面から音を出すことで映像と音の一体感が得られる「アコースティック サーフェス オーディオ」のユニークなサウンドも魅力的だ。

 

[5点満点で評価]

画質:4.0/5.0

音質:4.5/5.0

操作性:4.0/5.0

ネット機能:4.5/5.0

録画性能:4.0/5.0

 

ついにPS5に「torne」が! 11月24日配信開始……「nasne」アップデートも

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は、バッファローのネットワークレコーダー&メディアストレージ「nasne(ナスネ)」と組み合わせることで、PlayStation 5でテレビ番組を録画・視聴できるTVアプリケーション「torne(トルネ)」を、日本国内で11月24日に配信します。

 

今回配信となるtorneは、起動の高速化など、PS5ならではの機能でより快適な視聴が可能。ズームアウトの段階が従来からさらに1段階追加され目的のチャンネルが探しやすくなり、早送り、早戻し時の表示フレーム数も増加し、録画した番組中の目的のシーンを簡単に見つけることもできます。

 

torneの操作はDualSenseワイヤレスコントローラーのほか、PS5専用のメディアリモコンも利用できます。メディアリモコンを使うことで、TVリモコンと同じような感覚で、簡単に片手で操作が行えます。

 

また、nasneも同日にシステムソフトウェアのアップデートを行い、nasneに録画したテレビ番組データを、新しいnasneへダビングする「お引越しダビング」機能が利用可能となります。

 

同機能は、同一ネットワークに接続したnasne同士で、録画番組のダビングが可能となる機能です。nasne本体に録画したテレビ番組はもちろん、外付けハードディスクに録画したテレビ番組もダビングできます。データのダビングはバッファロー製nasneだけでなく、SIEが2019年まで発売したnasneからもダビング可能。同機能によって、故障予測機能「みまもり合図 for nasne」でハードディスクの異常を事前に察知した場合、データが壊れる前に録りためた録画番組を失うことなく、ダビングができるようになります。

データ容量20GB+一部SNSはカウントフリー! NUROモバイル「NEOプラン」

ソニーネットワークコミュニケーションズは、モバイル通信サービス「NURO(ニューロ)モバイル」にて、月間データ通信容量20GBを2699円で利用できる新プラン「NEO(ネオ)プラン」を開始しました。

 

同プランは、専用帯域を設けることでユーザーに快適で安定した通信環境を提供し、将来の通信量を予測して必要な帯域を自動で割り当てる、ソニーグループのAI技術を応用することで、高品質なモバイル通信を実現したとのこと。

 

また、対象のSNSサービスの通信量がカウントフリーになる「NEOデータフリー」に対応。LINE、Twitter、Instagramの利用についてはデータ容量を消費せずに使うことができ、SNSでのコミュニケーションなどを、容量を気にせず楽しめます。20GBのデータ容量は、ゲームや動画など、ユーザーの好きなコンテンツで自由に利用可能。データ容量を超過した場合も、最大1Mbpsの速度で通信でき、速度低下のストレスを軽減します。

 

当月に余った月間データ通信容量を翌月末まで繰り越して使える「データ繰越」や、同プランのユーザー間でデータを分け合える「パケットギフト」にも対応し、当月に余った月間データ通信容量を無駄なく利用できます。

 

「NUROモバイルでんわ」で、国内通話料金は、オートプレフィックス機能により半額の11円/30秒。専用アプリ不要で、安価に通話することができます。

 

現在、同プランの提供開始を記念して、利用開始月を含めた最大3か月間、月額基本料金が無料の「NEOプランお乗り換え特典」と、「Xperia 10 III Lite」をセットで申し込むと、利用開始月を除く6か月目に、2万円キャッシュバックされる「NEOプランXperia購入特典」の、2つの特典を実施しています。

↑NEOプランお乗り換え特典

 

↑NEOプランXperia購入特典

 

プランの詳細や、適用条件などは、NUROモバイルの公式サイトをご覧ください。

ソニー、独自技術満載で立体音響を楽しめるワイヤレスネックスピーカー「SRS-NS7」登場

ソニーは、Dolby Atmos対応コンテンツを「360(サンロクマル)立体音響」で楽しめるワイヤレスネックバンドスピーカー「SRS-NS7」を発表。10月29日に発売します。価格は3万3000円(税込)前後。

 

SRS-NS7は、4Kテレビ「BRAVIA」に搭載されているプロセッサー「XR」と接続することで、360立体音響を楽しめるワイヤレスネックバンドスピーカー。また、普段視聴しているテレビドラマなどの2chコンテンツも、前後左右のサラウンド音場に加えて高さ方向の音を体感できるため、臨場感と広がりのある立体的な音を楽しめるとしています。

 

本体には、ソニー独自の立体音響技術「360 Spatial Sound Personalizer」を採用。専用のアプリを使って、使用者の耳を撮影すると、その耳の形状から聴感特性を解析し、個人に合わせて最適化してくれます。これにより、より臨場感のある立体音響を体感できるそうです。

 

音質面では、独自の「X-Balanced Speaker Unit」を搭載し、小型サイズながらスピーカーユニットのサイズを最大化して、音圧を上げつつ歪みの少ないクリアな音を実現。本体から出力される音は、斜め前向きに配置したスピーカーユニットから耳元に広がり、迫力のサウンドに仕上がっているとのこと。これに加えて、低域を効果的に増強するパッシブラジエーターを左右にそれぞれ2基搭載した「デュアル・パッシブラジエーター方式」を採用。キレと存在感のある低音域で、映画からライブ映像まで楽しめるそうです。

↑搭載スピーカーのイメージ図

 

バッテリー容量は2900mAhで、連続使用時間は約12時間。また本体サイズは約幅244×高さ53×奥行き185mmで、重量は約318gです。

 

なお、SRS-NS7には専用のトランスミッター「WLA-NS7」が同梱。テレビとWLA-NS7はUSBと光デジタルケーブルで接続し、WLA-NS7とSRS-NS7はBluetooth接続となります。WLA-NS7は単体でも発売し、価格は7000円(税込)前後です。

日本のリビングにちょうどいい! 「48型有機ELテレビ」最新4モデルをプロがチェック

ここでは読者人気の高い家電カテゴリを取り上げ、“いま購入時に押さえておきたい“キーワード”とともに、製品それぞれの魅力を明らかにしていく。今回は「テレビ」を紹介!

※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

<テレビ>

Trend Keyword《48インチOLED》

比較的価格が手ごろになってきたことで、高画質のOLED(有機EL)テレビの人気が高まりつつある。なかでも、扱いやすいサイズで設置の自由度が高い48V型モデルは最近のトレンドのひとつ。個室用のサブテレビとしても最適な48インチOLEDをプロが評価した。

 

私がチェックしました!

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者、専門誌編集を経て独立。わかりやすい解説と核心を突いた評論で人気を博す。

AIを利用するエンジンで上位機種に劣らぬ画質を実現

OLED(有機EL)テレビは、液晶テレビに比べてコントラストの高さ、薄さ・軽さなどの点で有利。以前は大画面モデルが中心のため日本での普及は遅れがちだったが、昨年夏に登場した48V型の製品は、“ちょうどいい”大きさとして人気を獲得しつつある。

 

48V型モデルは、多くの製品バリエーションを誇る55V型モデルに比べると、やや割高な印象を受けるかもしれない。しかし、コンパクトであるがゆえに大画面モデルより画素の粗さが目立ちにくく、映像の緻密さ、きめの細かさが際立つ。それにより、階調性やS/N感にも余裕が生まれ、雑味の少ない高純度の映像が描き出されるのだ。55V型以上の大型パネルの製品に比べて、画質面の優位性はかなり高いと言えるだろう。

 

また、最近のトレンドであるAIを利用した高画質化エンジンは、このクラスでも採用。AIが映像に合わせて最適な画質に調整してくれて、フルHD以下のコンテンツも4Kクオリティで楽しめる。

 

【その1】映像本来の明暗や色彩を美しく映し出す

パナソニック

ビエラ TH-48JZ1000

実売価格21万1660万円

パナソニックとしては初の48V型有機ELテレビ。独自のパネル制御技術を駆使し、自然な階調性を獲得。メリハリの効いた映像を存分に楽しめる。映像製作者の意図を尊重した「Netflix画質モード」や、観戦の臨場感をアップさせる「スポーツモード」などを搭載。

SPEC●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×4、USB×3●サイズ/質量:W1069×H677×D245mm/約20.0kg

 

4Kチューナー:2基

HDRフォーマット:4方式(※)

4KVOD:7サービス対応

音声最大出力:30W

※:動画フォーマットのみ

 

↑スタンドは転倒防止仕様。オン(上)にすると吸盤がテレビ台の設置面に吸着し、倒れにくくなる。掃除や移動の際はオフ(下)にできる

 

↑明るさと色を個別に制御する「Dot Contrastパネルコントローラー」を採用。エリアごとの信号情報を解析してパネル制御に反映することで、より豊かな階調や色表現が可能になった

 

↑高出力アンプを搭載。剛性の高いスピーカーボックスで、迫力ある低音を鳴らす。音が映像のなかから聴こえるような位相補正も備える

 

【Impression】

AIによるディープラーニングでシーンに応じた最適な画質調整が可能

膨大な映像から生成されたデータベースをAIが学習し、シーンを自動認識。それぞれのシーンに応じて最適な画質に調整する自動画質調整を施すことで、より明るく、透明感に富んだ映像を描き出す。黒の締まりの良さ、ダイナミックレンジの広さを生かした画作りが特徴。ノイズの粒子が細かく、グラデーションも極めて滑らかだ。

 

[5点満点で評価]

画質:4.0/5.0

音質:3.5/5.0

操作性:4.0/5.0

ネット機能:4.0/5.0

録画性能:4.5/5.0

 

【その2】地デジ放送もネット動画も高精細に描写

東芝

レグザ 48X8900K

実売価格20万7900円

最新の映像処理エンジンの搭載により、高速レスポンスをはじめ、精度の高いノイズリダクションや快適な操作性を実現。おまかせ録画機能では、AIがユーザーの好みを学習し、オススメ番組を自動で抽出しレコメンドしてくれる。リモコンを利用した音声操作も可能。

SPEC●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×4、USB×3●サイズ/質量:W1068×H663×D229mm/16.5kg

 

4Kチューナー:2基

HDRフォーマット:4方式

4KVOD:5サービス対応

音声最大出力:72W

 

↑従来機より性能が高められた「レグザエンジンZR I」を搭載。多彩な高画質処理機能を備え、地デジ放送やネット動画も高精細に描写する

 

↑立体音響技術「Dolby Atmos」に対応。本体のスピーカーだけで、前後・左右・高さ方向の音を体感できる

 

↑「ネット動画ビューティZR I」を搭載。ネット動画の特性に合わせて高画質処理を施し、コントラストや精細感をアップさせる。低フレームレートのコンテンツも滑らかに描写可能だ

 

【Impression】

輪郭を不自然に強調せず細部の情報による緻密な画作りが秀逸

パネル表面の反射や映り込みを抑えたハーフグレア処理の有機ELパネルを採用し、黒の締まった落ち着きのある映像を描き出す。また、「レグザエンジンZR I」により、レグザ伝統の高画質技術とAndroid TVの多機能性が融合。高精細映像は、輪郭の強調に頼らず、細部の情報を積極的に掘り起こして調整するという緻密な画作りは健在だ。

 

[5点満点で評価]

画質:4.5/5.0

音質:3.5/5.0

操作性:4.0/5.0

ネット機能:4.5/5.0

録画性能:4.5/5.0

 

【その3】人の肉眼視に迫る忠実な色再現で美しい映像を実現

LGエレクトロニクス

OLED 48A1PJA

実売価格21万8900円

AIを統合した映像エンジンが数百万もの映像ソースを学習し、画質と音質を最適化する。操作システムには「webOS」を採用。マジックリモコンを上下左右に振ることで、画面をスクロールさせて多彩なコンテンツを選択できて快適だ。VODは韓流コンテンツも充実。

SPEC●チューナー:4K×1、地デジ/BS/110度CS×2●接続端子:HDMI×3、USB×2、LAN×1●サイズ/質量:W1071×H679×D271mm/15.3kg

 

4Kチューナー:1基

HDRフォーマット:3方式

4KVOD:5サービス

音声最大出力:20W

 

↑AI映像エンジン「α7 Gen4 AI Processor 4K」。映像のジャンルやシーンを自動認識して、最適な処理を行う

 

↑「Dolby Vision IQ」機能を搭載。Dolby Vision対応コンテンツ再生時、室内の明るさに応じて映像を自動で最適化する

 

↑立体音響技術「Dolby Atmos」に対応。高さ方向の音表現も可能で、映像に入り込んだような体感ができる

 

【Impression】

穏やかな輪郭・コントラストとナチュラルなサウンドが特徴

輪郭の出し方にしても、コントラストのつけ方にしても、総じて穏やかな仕上がり。ノイズの粒子が細かく、階調性も滑らかだ。ただ、自動画質設定での「スポーツ」モードは原色が強調され、ハイライトの白飛びも目立つのがやや気になる。サウンドはセリフやナレーション、ボーカルなど“声”の明瞭度が高く、楽器の響きもナチュラル。

 

[5点満点で評価]

画質:4.0/5.0

音質:4.0/5.0

操作性:3.5/5.0

ネット機能:4.0/5.0

録画性能:3.5/5.0

 

【その4】画面から音が出て映像と音が一体化し映画館のような迫力

ソニー

ブラビア KJ-48A9S

実売価格24万2000円

高画質プロセッサー「X1 Ultimate」は、画面内のそれぞれの被写体に応じて最適に高精細化する「オブジェクト型超解像」に対応。より現実に近い質感を再現できる。Android TVを搭載し、映像配信アプリなどを追加できるほか、Googleアシスタントも利用可能だ。

SPEC●チューナー:4K×2、地デジ/BS/110度CS×2●接続端子:HDMI×4、USB×3●サイズ/質量:W1069×H629×D255mm/17.6kg

 

4Kチューナー:2基

HDRフォーマット:3方式

4KVOD:7サービス

音声最大出力:25W

 

↑従来に比べ処理能力が約2倍にアップした高画質プロセッサー「X1 Ultimate」。より緻密な分析が可能になり、高画質化の精度が向上した

 

↑超解像エンジン「4K X-Reality PRO」を搭載。地デジ放送やネット動画などフルHD解像度以下の映像を4K相当にアップコンバートする

 

↑画面そのものを振動させて音を出す「アクチュエーター」と、重低音を再生する「サブウーファー」を搭載。臨場感たっぷりのサウンドを楽しめる

 

【Impression】

鮮やかな色再現と自然な色合いを両立できている

白を伸ばすという高コントラスト調の画作りはいかにもソニーらしい。ほんのりとピンクがかった健康的なフェーストーンも健在だ。色再現も鮮やかな志向だが、派手すぎず、不自然さはない。画面から音を出すことで映像と音の一体感が得られる「アコースティック サーフェス オーディオ」のユニークなサウンドも魅力的だ。

 

[5点満点で評価]

画質:4.0/5.0

音質:4.5/5.0

操作性:4.0/5.0

ネット機能:4.5/5.0

録画性能:4.0/5.0

 

●スペックにある「サイズ/質量」はいずれもスタンドを含む数値

数年前とは別格のサウンドが楽しめる! 完全ワイヤレスイヤホン最新4モデルをプロがチェック

ここでは読者人気の高い家電カテゴリを取り上げ、“いま購入時に押さえておきたいキーワード”とともに、最新モデルの魅力を明らかにしていく。今回は、完全ワイヤレスイヤホンを紹介!!

※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

<完全ワイヤレスイヤホン>

Trend Keyword《音質カスタマイズ》

人気沸騰中の完全ワイヤレスイヤホンでいま注目されている機能が、音質のカスタマイズ。スマホの専用アプリを使ってイコライザーやサウンドエフェクトを設定し、好みの音質に調整できるというものだ。これに対応する最新4機種の実力をプロがチェックした!

 

私がチェックしました!

AVライター

野村ケンジさん

ポータブルオーディオ、ヘッドホンに詳しいライター。年間300種以上の製品を試聴する。

サイズによる音質の制約をアプリを使った機能で克服

周囲の騒音を除去するアクティブノイズキャンセリング機能や、逆に周囲の音を聞こえやすくする外音取り込み機能は、完全ワイヤレスイヤホンの上位機種ではもはや必須となりつつある。

 

最新トレンドとして挙げたいのが、専用のスマホアプリを使っての音質カスタマイズだ。帯域ごとに音の大きさを変えられる「イコライザー」で、例えば低音やボーカルだけを強調するといった調整ができるモデルが増えている。また、「ポップス」や「ニュース」など聴くジャンルに応じて設定されたサウンドエフェクトを選択できる機種もある。あらゆる使用シーンで、より自分の好みに応じた音質で聴けるようになっているのだ。

 

サイズの制約がある完全ワイヤレスイヤホンは、有線タイプやネックバンドタイプに比べて音質的に不利なのは事実。しかし最新モデルでは、高音質コーデックの採用やサウンドチューニングの向上により、数年前とは別格の良質サウンドが楽しめるようになっている。

 

【その1】業界最高クラスのNC性能を実現

ソニー

WF-1000XM4

実売価格3万3000円

従来機に比べ、NC性能が低音から高音まで全域で向上。イヤーピースの遮音性と装着感も高められた。同社の立体音響技術「360 Reality Audio」に対応し、音質をユーザーごとに最適化した空間表現が可能に。

SPEC●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●伝送帯域(A2DP):20Hz〜40kHz(LDAC)●充電時間:約1.5時間●Bluetoothバージョン:5.2

 

ドライバー:φ6mm密閉ダイナミック型

連続再生時間:約12時間(NCオフ時)

防水性能:IPX4相当

質量:約7.3g

 

↑豊富な耳形状データを元に、耳の凹凸に干渉しにくい形状を実現。快適な装着感だ

 

↑同社専用の「Headphones Connect」アプリ。NCや外音取り込みのレベルを細かく調整可能

 

【Impression】

ハイレゾ音源の魅力をしっかりと感じられる良サウンド

新開発のイヤーピースで遮音性と装着感が向上。アクティブノイズキャンセリングの効き具合は自然で違和感がない。帯域バランスは低音がやや強めだが、高域がしっかりまとめられているのでとても聴きやすく、長時間リスニングも聴き疲れのない良サウンド。LDAC対応で、ワイヤレスでもハイレゾ品質を楽しめるのもイイ。

 

[5点満点で評価]

解像度:5.0/5.0

低音の迫力:4.0/5.0

装着感:4.5/5.0

アプリの操作性:5.0/5.0

機能性:5.0/5.0

 

【その2】一流アーティストがサウンドチューニングを手がけた異色作

 

 

ANIMA

ANW01

実売価格1万6980円

サウンドプロデューサーのTAKU INOUE氏がサウンドチューニングを監修。視聴環境や音楽ジャンル、生活シーンに応じたチューニングパターンを選択できる。音質プロファイルはダウンロードで追加可能。

SPEC●対応コーデック:SBC、AAC、optX●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP、SPP●充電時間:約1時間30分(イヤホン)●Bluetoothバージョン:5.1

 

ドライバー:φ6mmダイナミック型

連続再生時間:約6時間(aptX接続時)

防水性能:IPX7相当

質量:約4g

 

↑独自開発のドライバーで採用している「CoClear振動板」。小型軽量化と音質を両立した

 

↑アプリ「ANIMA Studio」。音質カスタム用データの追加やシステムボイスの変更などが行える

 

【Impression】

クラブミュージックが似合う心地良い重低音を響かせる

オートペアリング、Bluetooth 5.1の接続安定性、AAC/aptXコーデック対応による良音、MEMS型マイク搭載による聴き取りやすい通話音声、防水性能など、最新トレンドの多くを押さえた性能が光る。チューニング機能では、「NIGHT」は低音の響きが心地良い重低音、「MIDNIGHT」はキレの良い迫力の重低音が楽しめる。

 

[5点満点で評価]

解像度:3.5/5.0

低音の迫力:5.0/5.0

装着感:4.5/5.0

アプリの操作性:3.5/5.0

機能性:4.0/5.0

 

【その3】テクニクスの音響技術による高音質サウンドが魅力

テクニクス

EAH-AZ70W

実売価格2万7000円

テクニクスの音響技術による高音質とハイレベルのノイズキャンセリングを両立。Bluetoothアンテナとタッチセンサーを共用することで小型化と安定した接続性を実現した。高性能マイクの採用で通話も快適。

SPEC●対応コーデック:SBC、AAC●充電時間:約4時間(イヤホン+充電ケース同時)、急速充電:15分(約70分再生/NCオン時)●Bluetoothバージョン:5.0

 

ドライバー:φ10mmダイナミック型

連続再生時間:約6.5時間(NCオン時)

防水性能:IPX4相当

質量:約7g

 

↑振動板の素材や本体の構造は音響特性に優れ、原音の躍動感と豊かな空間性を実現

 

↑専用アプリ画面。好みの音質にカスタマイズできるイコライザーや、本体を探す機能を備える

 

【Impression】

ワイヤレスと思えない自然で良質な音を楽しめる

Bluetooth接続とは思えない良質な音が楽しめる。人間らしさを感じる生き生きとしたボーカル、自然な音色のアコースティック楽器など、テクニクスならではの音楽性の高いリアリティ志向のサウンド。接続安定性も高く、見通しの良い市街地では30m離れても接続が切れなかった。NCは自然で、オン/オフ時の音質差が小さい。

 

[5点満点で評価]

解像度:4.5/5.0

低音の迫力:4.0/5.0

装着感:4.0/5.0

アプリの操作性:4.5/5.0

機能性:4.5/5.0

 

【その4】ピュアオーディオの手法を応用して高音質化

NUARL

N6 Pro2

実売価格1万6500円

振動板やボイスコイルにこだわった「NUARL DRIVER[N6]v5Xモジュール」を内蔵。内部配線には損失の少ない銀メッキ加工の7N OCCを採用するなど、ピュアオーディオに用いられる手法を用いて高音質を実現した。

SPEC●対応コーデック:AAC、SBC、aptX、aptX Adaptive●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●充電時間:1.5時間●Bluetoothバージョン:5.2

 

ドライバー:φ6mm

連続再生時間:約10時間(SBC/AAC)

防水性能:IPX4

質量:約7g

 

↑左右共通の3ボタンで片側のみでも使用可能。通話が高音質で耳を圧迫しないため、テレワークにも適する

 

↑専用アプリ「N6 Connect」。音質カスタマイズのほか、ボタンの機能設定などが可能だ

 

【Impression】

利便性や安全性はそのままに音質がより向上している

シリーズ前モデルで好評だった「左右共通の3ボタン」や「安全なバッテリー」などの基本性能はそのままに、さらに音質を追求。サウンドはエネルギッシュで勢いがありつつ、細部の描写をしっかりと拾い上げる質の良さも併せ持つ。アプリからイコライザーの切り替えができるなど、手軽に音質カスタマイズが可能となっている。

 

[5点満点で評価]

解像度:4.5/5.0

低音の迫力:4.5/5.0

装着感:4.0/5.0

アプリの操作性:4.5/5.0

機能性:4.0/5.0

 

【Other Choice】

コレも注目! U-1万円は“超コンパクト”がトレンド

1万円以下で手に入るエントリーモデルは、“超”小型軽量化がトレンド。イヤホン本体だけでなく、充電ケースもコンパクト化が進んでいるが、チップの改良によりスタミナは十分だ。

 

【Choice.1】シリーズ最小モデルはスマホアプリでイヤホンを探せて機能も充実!

GLIDiC

Sound-Air TW-4000

実売価格8030円

本体も充電ケースもコンパクトでかわいらしい。カスタムイヤホンメーカー監修の独自イヤホンで、快適なフィット感も実現した。外音取り込み機能を備え、イヤホンを着けたまま周囲の音を聞き取れる。

 

ドライバー:φ6mmダイナミック型

連続再生時間:約6時間

防水性能:IPX4

質量:約4g

 

【Choice.2】リラックスできる、聴き疲れしない自然な音質

ag

COTSUBU

実売価格6480円

シリーズ最小・最軽量モデル。オートペアリングや自動片耳モードなど、使いやすい機能を追求した。オーディオブランドfinalがチューニングしたサウンドは、聴き疲れしない自然な仕上がりだ。

 

ドライバー:φ6mmダイナミック型

連続再生時間:約5時間

防水性能:IPX4

質量:約3.5g

 

【Choice.3】上位モデルの高音質を受け継いで小型軽量化

NUARL

N6 mini

実売価格9770円

同ブランドの上位機種にも採用される「”NUARL DRIVER” [N6]v3」を搭載。全帯域にわたってキレとパワフルさを両立させたサウンドを再生する。Bluetoothは高音質コーデックのaptXにも対応。

 

ドライバー:φ6mmダイナミック型

連続再生時間:約8時間(SBC/AAC再生時)

防水性能:IPX7

質量:約4.5g

 

●アイコンの「質量」はすべてイヤホン片耳の数値

没入感たっぷり! ヘッドホンやスピーカー1台だけで立体音場を体感できる「3Dオーディオ」

音に包み込まれるような体験ができる「3Dオーディオ」が、身近な機器や音源で手軽に楽しめるようになり話題を集めている。対応するヘッドホンやイヤホン、スピーカーがソニーやAppleから続々と登場し、爆売れ中だ。

※こちらは「GetNavi」 2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

私が解説します!

オーディオライター

山本 敦さん

精力的に取材を重ね、業界の最新動向に明るい。新製品や新技術が登場したら、まずは試してみることを信条とする。

 

動画やゲームに波及すればさらに大きなムーブメントに

かつては大がかりなシステムを必要とした3Dオーディオは、モバイル機器の高性能化や音楽配信サービスの普及により、ライトユーザーも楽しめるようになった。

 

「周囲から聞こえる感覚が自然の聴感に近いため、ステレオ再生よりコンテンツへの没入度が高いうえ、長時間リスニングでも疲れにくいのがメリットです」(山本さん)

 

このトレンドをリードするのは、ソニーとAppleの2社だ。ソニーの「360 Reality Audio」とAppleの「空間オーディオ」の規格に準拠した純正イヤホン、ヘッドホン、スピーカーはいずれもカテゴリ別の販売台数ランキング上位をキープし、品薄となっているモデルも多い。

 

「前者は足下にも広がる球体の音場感が特徴。後者も広がり豊かな立体感では引けを取りません。いま対応コンテンツは音楽が主流ですが、動画やゲームへ波及するとさらに盛り上がりそうです」(山本さん)

 

【トレンドのツボ】想定を上回る注文数で納期の遅延が発生中

ソニーの立体音響規格「360 Reality Audio」にスピーカーとして初めて対応したSRS-RA5000は、想定を大幅に上回る注文数により納期の遅延が発生。Appleの「空間オーディオ」に対応するAirPods Maxも発売後しばらくは在庫切れが常態化していた。

 

【ワイヤレススピーカー】2021年4月発売

ソニー

SRS-RA5000

実売価格6万3580円

ソニー独自の立体音響技術による「360 Reality Audio」を1台で体験できるスピーカー。上向きスピーカー3基、ミッドスピーカー3基、低音の迫力を生むサブウーファー1基という6.1chのシステムで、臨場感豊かで広がりのある音場を実現する。

 

↑上向きスピーカーが高さの音場を、ミッドスピーカーが水平方向の音場を再現。サブウーファーによる低音の迫力も十分だ

 

↑「360 Reality Audio」音源は、Amazon Music HDなどのストリーミングサービスで配信中。導入のハードルはかなり低い

ヘッドホンやイヤホンも対応!

【ヘッドホン】

WH-1000XM4

 

【イヤホン】

WF-1000XM4

 

↑「360 Reality Audio」に対応するヘッドホンやイヤホンもラインナップ。音の定位をしっかり再現でき、ライブ会場にいるような臨場感を味わえる

 

Appleの「空間オーディオ」も話題沸騰中!

Apple Musicでは今夏、ドルビーアトモスの立体音響「空間オーディオ」対応音源が多く投入。より手軽に楽しめるようになった。

 

【ヘッドホン】2020年12月発売

Apple

AirPods Max

実売価格6万7980円

左右ハウジングにH1チップを搭載。「空間オーディオ」の再生やアクティブノイズキャンセリングに対応する。独自設計の40mm径ドライバーによる深みのある高域、正確な中域、明瞭な高域も秀逸だ。

 

【スマートスピーカー】2020年11月発売

Apple

HomePod mini

実売価格1万1880円

直径10cm以下のミニサイズながら豊かな広がりのサウンドを実現し、「空間オーディオ」にも対応。2台以上設置して家族間で声のやりとりができるほか、HomeKit対応デバイスの操作も可能だ。

 

【コレもヒット間近!】1本で5.1.4ch再生を実現する超ド級サウンドのフラッグシップ

【サウンドバー】2021年7月発売

ゼンハイザー

AMBEO SoundBar

実売価格35万7500円

バータイプのワンボディで5.1.4chのサラウンド再生を楽しめるサウンドシステム。ドルビーアトモスや360 Reality Audio、DTS:Xといった先進の立体音響フォーマットに対応し、圧倒的な臨場感を味わえる。コアなホームシアターファンやHi-Fiオーディオマニアから熱視線を浴びる。

「音の解像度」は文句ナシ! ソニーの3万円超え完全ワイヤレスイヤホンの実力チェック

完全ワイヤレスイヤホンの最新モデルをプロが検証する企画。今回は、AVライターの野村ケンジさんがソニーの最新モデル「WF-1000XM4」を5項目でチェックした!

※こちらは「GetNavi」2021年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

業界最高クラスのNC性能を実現

ソニー

WF-1000XM4

実売価格3万3000円

従来機に比べ、NC性能が低音から高音まで全域で向上。イヤーピースの遮音性と装着感も高められた。同社の立体音響技術「360 Reality Audio」に対応し、音質をユーザーごとに最適化した空間表現が可能に。

SPEC●対応コーデック:SBC、AAC、LDAC●対応プロファイル:A2DP、AVRCP、HFP、HSP●伝送帯域(A2DP):20Hz〜40kHz(LDAC)●充電時間:約1.5時間●Bluetoothバージョン:5.2

 

ドライバー:φ6mm密閉ダイナミック型

連続再生時間:約12時間(NCオフ時)

防水性能:IPX4相当

質量:約7.3g

 

↑豊富な耳形状データを元に、耳の凹凸に干渉しにくい形状を実現。快適な装着感だ

 

↑同社専用の「Headphones Connect」アプリ。NCや外音取り込みのレベルを細かく調整可能

 

【Impression】

ハイレゾ音源の魅力をしっかりと感じられる良サウンド

新開発のイヤーピースで遮音性と装着感が向上。アクティブノイズキャンセリングの効き具合は自然で違和感がない。帯域バランスは低音がやや強めだが、高域がしっかりまとめられているのでとても聴きやすく、長時間リスニングも聴き疲れのない良サウンド。LDAC対応で、ワイヤレスでもハイレゾ品質を楽しめるのもイイ。

 

[5点満点で評価]

解像度:5.0/5.0

低音の迫力:4.0/5.0

装着感:4.5/5.0

アプリの操作性:5.0/5.0

機能性:5.0/5.0

 

AVライター

野村ケンジさん

ポータブルオーディオ、ヘッドホンに詳しいライター。年間300種以上の製品を試聴する。

「Xperia 10 III Lite」レビュー、5万円前後としては最強のエンタメスマホ

ソニー「Xperia」シリーズのラインアップに、高機能ながら手頃な価格を実現した5Gスマホ「Xperia 10 III Lite(エクスペリア テン マークスリー ライト)」が加わりました。ミドルレンジクラスながら、ソニーがオーディオ・ビジュアルの領域で培ってきた技術と経験値を受け継いでいるのが特徴です。そんな本機が、エンターテインメント利用でどれだけ魅力的なのか、実機に触れながら詳しく検証してみたいと思います。

↑ソニー「Xperia 10 III Lite」のオーディオ・ビジュアル機能をチェックします

 

Xperiaから5万円台の5Gスマホが2機種誕生。違いはストレージ容量とFM機能

Xperia 10 III Liteは8月下旬から楽天モバイルのほかIIJmio、mineo、goo Simseller、nuroモバイルで発売されています。本体販売価格は、楽天モバイルが4万6800円(税込)など、各社ともに5万円を切る価格帯で取り扱っているようです。

 

なお、今年の初夏には、スペックが近いソニーの5Gスマホ「Xperia 10 III」もNTTドコモ、au、ワイモバイルから発売されました。こちらの価格は、auだと5万3985円(税込)など、およそ5万円台です。

↑左がXperia 10 III Lite、右がXperia 10 III。外観はほぼ変わりません

 

Xperia 10 IIIに比べると、今回レポートするXperia 10 III Liteは内蔵ストレージが128GBから64GBに減っています。ただ、拡張ストレージメディアとしてmicroSDカードが使えるので、実用的にさほど不便はないと思います。

 

このほかXperia 10 III Liteは、Xperia 10 III では利用できるFMラジオ機能が省略されています。

↑外部ストレージとしてmicroSDカードが使えます

 

一方で、Xperia 10 III LiteにはソニーのXperiaシリーズとして初めてeSIM機能が採用されました。楽天モバイルなどのeSIM契約ができる会社の通信プランと相性のよいスマホだと言えます。

↑Xperia 10 III LiteはeSIMが使えるデュアルSIM対応の5Gスマホです

 

さらに、nanoSIMとeSIMによる通信を両方開通させれば、それぞれのSIMの電話番号にかかってきた着信が受けられる「DSDV」(デュアルSIMデュアルVoLTE)も活用できます。今は機会が少なそうですが、海外旅行や出張のときにこの機能があると便利です。ただし、5Gデータ通信ができるSIMはひとつに限られます。

 

その5G通信の周波数帯はSub-6に対応しています。このほか、本体はIPX5/IPX8の防水、IP6Xの防塵仕様。またカラーバリエーションにはブルー/ピンク/ホワイト/ブラックの4色をそろえています。

 

バッテリーは4500mAhと大容量でしかも3年使っても劣化しない

続いてスペックをチェックしていきましょう。Xperia 10 III Lite のSoCは、ミドルレンジクラスのスマホで採用される「Snapdragon 690 5G Mobile Platform」。これに加えてOSはAndroid 11、メモリーは6GBとなっています。

 

また、対応する無線LANの規格はIEEE802.11acまでで、最新のWi-Fi 6(IEEE802.11ax)には非対応。ですが、筆者宅の環境でNetflixやAmazonプライム・ビデオの動画、SpotifyやAmazon Musicの音楽ストリーミングをWi-Fi経由で再生したところ、スムーズに楽しめました。

 

バッテリーは4500mAhと容量が大きめなうえに、Xperia独自の「いたわり充電」と「充電最適化技術」により充電時にかかる負荷を軽減。使用開始から約3年が経過しても劣化しにくいバッテリーであることをソニーは強調しています。

 

このほか、本体サイズは約幅68×高さ154×厚さ8.3mm、重量が約169g。片手で持ちながらの画面操作を楽々とこなせます。

↑横幅は約68mm。片手で持ちながら軽快に画面操作ができます。スマホの大型化が進む中、片手で操作できるのはうれしいという人も多いのではないでしょうか

 

ディスプレイはブラビアのノウハウを受け継ぐ高画質

ここからは、Xperia 10 III Liteのエンターテインメント性能に深く切り込んでいきましょう。本機には画面サイズが6.0インチ、解像度がフルHD+、画面アスペクト比が21:9という細長い有機ELディスプレイが搭載されています。

 

有機ELディスプレイを採用するスマホは今や珍しくありませんが、Xperiaシリーズにはソニーがテレビのブラビアシリーズで培ってきた“画づくり”のノウハウが注入されているところがポイントです。

↑高精細な6.0インチ有機ELディスプレイを搭載

 

↑6.0インチの画面を分割して2つのアプリを同時に動かせる「マルチウィンドウ」にも対応しています

 

そのノウハウが、映像の色域再現を高める「トリルミナスディスプレイ for mobile」です。この技術により、鮮やかな色が描写可能。たとえば、NetflixやAmazonプライム・ビデオなどで配信されている映画やドラマを再生すると、その鮮やかな色彩や、メリハリを効かせた明暗の再現力がよくわかると思います。

 

特にNetflixのコンテンツでは「ストレンジャー・シングス 未知の世界」がおすすめ。暗い夜のシーンでは暗部がつぶれないうえに、強くきらめく光を自然に引き立たせます。

 

また、本機のワイドディスプレイは、21:9のアスペクト比で制作されている映画コンテンツを視聴する際、画面の上下に黒帯が挿入されない利点があります。これによって、画面全体に迫力あふれる映像が広がるため、画面に没入しやすくなります。

 

さらに、ディスプレイの画質設定を、ユーザーが好みに合わせて簡単にカスタマイズできる機能を備えていることも、ソニーのテレビのノウハウを受け継ぐXperiaシリーズならではと言えます。カスタマイズは、設定アプリから「画面設定」を選択して、さらに深く「画面設定」に入っていくと落ち着いた色バランスの「オリジナルモード」、または鮮やかで切れ味に富む「スタンダードモード」から選べます。

 

映画やドラマ系のコンテンツを視聴する際にはオリジナルモード、スポーツ系の動画や写真(静止画)の表示にはスタンダードモードがマッチすると筆者は感じました。

 

これに加えて、画面設定の「ホワイトバランス」に入ると、白色表示を「暖色/中間色/寒色」の3種類のプリセットとRGBのマニュアルバランス調整からカスタマイズができます。

↑ディスプレイのホワイトバランス調整も簡単にカスタマイズできます

 

ハイレゾ相当の音源を楽しめる3つの注目オーディオ機能

Xperiaには、WALKMAN(ウォークマン)やワイヤレスヘッドホン・イヤホンの開発で培ってきた高音質再生のための技術がぎっしりと詰まっています。Xperia 10 III Liteにもその技術が取り入れられており、さまざまな音楽コンテンツを楽しめるスマホですが、筆者は本機のオーディオ機能について、主に3つの点に注目しました。

 

ひとつめは、Xperia 10 III Liteがクアルコムの「aptX Adaptive」というBluetoothオーディオのコーデック(符号化技術)に対応していることです。同じaptX Adaptiveに対応するワイヤレスヘッドホン・イヤホンにペアリングすると、最大48kHz/24bitまでのハイレゾ音源を楽しめます。

 

また、aptX AdaptiveはBluetoothによるワイヤレス伝送の「遅延がとても少ない」ことでも評判の良いコーデックです。この特徴はモバイルゲームを楽しむ際、コマンド入力に対する音声の遅延が抑えられるところにもメリットがあります。

 

試しに筆者もピアノの演奏を楽しめるアプリを利用してみましたが、鍵盤を叩いて音が鳴るまでのギャップはほかのSBC/AACなどのコーデックで接続した場合に比べてとても少なく、自然な演奏を楽しめました。シューティング系や格闘系のゲームを楽しむ際にもメリットが発揮されるでしょう。

↑クアルコムの高音質・低遅延性能をあわせ持つaptX Adaptiveに対応

 

2つめは、Xperia 10 III Liteに搭載されている、どんな音源もCDを超えるハイレゾ相当の音質にアップスケーリングしながら再生する「DSEE Ultimate」という機能です。これは、「設定」アプリから「音設定」に入り、「オーディオ設定」に並ぶDSEE Ultimateをオンにすることで、音楽配信サービスのストリーミング、MP3形式などでダウンロードできる音楽ファイル、YouTubeのサウンドなど、圧縮された音声データを再生時にリアルタイム補完。圧縮された際に失われがちな中高音域の伸びやかさや、滑らかさをよみがえらせます。

 

このDSEE Ultimateでは、AI解析の技術を使って原音の属性に合わせた自然なアップスケーリングを行います。人の声は繊細なニュアンスを引き出し、楽器はそれぞれの特徴を捉えながら音色に彩りを追加。Xperia 10 III Liteに無線・有線どちらのヘッドホン・イヤホンを接続した場合でも効果がある機能なので、ぜひ常時オンで利用することをおすすめします。

↑音楽配信やCDからリッピングした音源をハイレゾ相当の音質にアップスケーリングするDSEE Ultimate

 

そして3つめに注目したいポイントは、本体の上側にある3.5mmイヤホンジャックです。イヤホンジャックからの出力は音質の劣化を伴いません。しかもXperia 10 III Liteはハイレゾ音源再生に対応しています。このため、Apple MusicやAmazon Music HD、mora qualitasなどのサービスで開始されているハイレゾやロスレスの音楽配信を最も高音質に、かつ手軽に楽しめるのです。ぜひハイレゾ対応の有線ヘッドホン・イヤホンをつないで試してください。

↑本体上部に3.5mmイヤホンジャックを搭載しています

 

一方でXperia 10 III Liteが内蔵するスピーカーは残念ながらモノラル仕様です。スマホの内蔵スピーカーによる再生にもこだわりたいのであれば、上位モデルの「Xperia 1 III」を選ぶべきでしょう。こちらの内蔵ステレオスピーカーは立体的なサウンド表現が可能なDolby Atmosや、ソニー独自の360 Reality Audioのような最先端の立体音楽再生にも対応しています。

 

カメラはタップするだけでベストショットを撮影できる点が魅力

本体背面に搭載するメインカメラは、16mm超広角/27mm広角/54mm望遠のトリプルレンズ仕様。カメラアプリから倍率を自由自在に変えながら静止画・動画をシンプルに撮影できます。また、動画撮影は4K/60p対応です。

↑超広角・広角・望遠対応のトリプルレンズカメラを搭載

 

上位モデルのXperia 1 IIIは、ソニーのデジタルカメラであるαシリーズやサイバーショットシリーズの開発で培った技術を満載しています。マニュアルで設定できる項目を細部まで決めながら、スマホでも気合いの入った写真や動画を撮りたいのであれば、迷わずXperia 1 IIIを選ぶべきです。

 

かたやスタンダードモデルであるXperia 10 III Liteの魅力はシャッターアイコンをタップするだけで、さまざまなシーンに合わせてベストな写真が撮れる「プレミアムおまかせオート」の完成度がとても高いことです。

 

その実力を確かめるために、価格が近い5万円台の5Gスマホ「Google Pixel 5a (5G)」と被写体を撮り比べてみました。

 

結果は、Google Pixel 5a (5G)は暖色系に仕上がり、Xperia 10 III Liteはよりナチュラルで落ち着いた色バランスに仕上がる印象を受けました。暗い場所ではXperia 10 III Liteの「ナイトモード」よりもGoogle Pixel 5a (5G)の「夜景モード」による写真撮影の方がやや安定していると思います。

↑左側のGoogle Pixel 5a (5G)と撮影比較をしてみました

 

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片手持ちサイズの最強エンターテインメントプレーヤー

Xperia 10 III Liteの映像・音楽再生、それにカメラの機能を見てきましたが、どれも完成度が高く、特に画質や音質のチューニングにおいては同価格帯クラスのスマホを圧倒するほどに成熟していると感じました。

 

また、片手で持ちながら操作をサクサクとこなせるスリムなサイズも好感触。男女を問わず、あらゆるスマホユーザーに「片手持ちサイズの最強エンターテインメントプレーヤー」としておすすめしたいスマホです。

 

これからの5Gの時代、高品位な映像・音楽エンターテインメントが主流になってもしばらくはXperia 10 III Liteで存分に楽しめそうです。ソニーにはぜひ本機の「SIMフリー版」も発売してもらいたいと思います。待望するファンも大勢いるのではないでしょうか。

 

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ソニー、有機ELディスプレイ搭載でハイレゾ音源対応の、エンタメ性能バッチリな「Xperia 10 III Lite」発表

ソニーは8月20日、6.0型のスマートフォン「Xperia 10 III Lite」を発表しました。発売は8月下旬以降の予定で、日本の一部の通信事業者から発売予定としています。

 

Xperia 10 III Liteはその名の通り、ソニーのミドルレンジスマホ「Xperia 10 III」に比べて、ストレージ容量が半分になったりFM非対応だったりと、スペックダウンしたモデル。

 

しかしながら、21:9のアスペクト比やHDRに対応した有機ELディスプレイ、有線はもちろん、LDAC対応によるワイヤレスでのハイレゾオーディオ体験など、エンターテインメント性能は引き継がれています。

 

 

また、カメラも1200万画素の広角、800万画素の超広角、800万画素の望遠の3眼構成は同じ。シーンを自動で判断して適した設定を選択する「プレミアムおまかせオート」や、夜景撮影に適した「ナイトモード」などのカメラ機能も備えています。

 

 

さらに、4500mAhのバッテリーを搭載するほか、約幅68×高さ154×厚み8.3mm・重さ約169gと手にフィットしやすいサイズと重量を実現しています。もちろん、5Gも対応です。

 

主なスペックは、CPUがSnapdragon 690、メモリーが6GB、ストレージが64GB。防水はIPX5/IPX8に準拠しています。また、Xperiaとしては初めてeSIMに対応。SIMを差し替えることなく、オンラインなどで開通手続きをして使い始めることができるうえに、nanoSIMとeSIMを利用して、1台でSIMを切り替えることなく、両方のSIMに紐づく電話番号の着信を受けられます。

 

なお、価格は現時点では不明。お手ごろ価格で販売されたら、エンタメスマホとして人気が出そうです。今後の価格情報に期待しましょう。

ソニーの新Vlogカメラは画質こだわり派に最適! レンズ交換式になった「VLOGCAM ZV-E10」

ソニーは、αシリーズ初のVlogなどの動画撮影に特化したレンズ交換式カメラ「VLOGCAM ZV-E10」を9月17日に発売します。実売予想価格はカメラ単体が7万8000円前後、16-50mmのパワーズームレンズを同梱したレンズキットが8万9000円前後(税込)。本体カラーはブラックとホワイトの2色が用意されます。

↑VLOGCAM ZV-E10

 

ソニーでは手軽に撮影できるレンズ一体型のVlogカメラ「VLOGCAM ZV-1」を発売していますが、より幅広い映像表現を望むユーザーに向け、レンズ交換型をラインナップに追加。撮影シーンや表現したい動画内容に応じてレンズを交換することで、多彩な映像表現を高画質で実現します。レンズはソニーのEマウントに対応しており、マクロレンズから超望遠まで多彩なレンズを使用可能です。

↑別売のシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を装着したところ

 

APS-CサイズのCMOSイメージセンサーExmor(有効約2400万画素)と、画像処理エンジンBIONZ XおよびフロントエンドLSIを搭載し、高速データ処理による高画質と高い描写性能を実現しています。また、動画撮影時に使用できる電子式手ブレ補正を搭載しており、手持ちによる歩き撮りなどさまざまな場面で、画質をそのままに手ブレを抑え安定した滑らかな映像を撮影できます。

↑手持ちでも手ブレの少ない映像を撮影できます(画像のシューティンググリップは別売)

 

αシリーズならではのオートフォーカス(AF)性能の高さが特徴で、AIを活用した物体認識アルゴリズムにより、色や模様、被写体との距離などの空間情報を高速処理し、高精度に認識、自動追尾し続けるリアルタイムトラッキングを搭載。高い精度を実現しながら高速性と追従性に優れたファストハイブリッドAFシステムにより、被写体が次々と変わるシーンでも被写体にピントを素早く移し、被写体を捉え続けることができます。これにより、フォーカシングはカメラに任せ、撮影者はフレーミングとトークに集中できます。

 

横方向に開くバリアングル液晶モニターにより、自撮り時に画角の確認ができるほか、頭より高い位置や地面近くからの撮影の際にもモニターを確認しながら撮影ができます。

↑バリアングル液晶で自撮り時も画面を確認しながら撮影できます

 

日常的な動画に加え、印象的なスローモーション動画や静止画をボタン一つで素早く切替えが可能で、撮りたい瞬間を逃さない撮影ができます。さらに、背景を「ぼけ」と「くっきり」に簡単に選択できる「背景ぼけ切り換え」や、商品レビュー動画撮影時に、顔と商品の間を素早くピント移動ができる「商品レビュー用設定」などの機能も搭載。多彩なVlog撮影を楽しめます。

 

音声面では、前方指向性の3カプセルマイクを搭載し、ノイズを低減するとともに話し手の声をクリアな音質で収音。また、スマートフォンやPCと接続し簡単に高画質かつ高音質のライブ配信を行うことも可能です。

↑webカメラとして使うことも可能

 

αシリーズの4K撮影機能搭載カメラとして最軽量の質量343gで、バッグに入れて手軽に持ち運ぶことのできるコンパクトデザインを実現。高いスタミナ性能により、連続撮影時間は最大125分を実現しています。充電端子はUSB Type-Cで、撮影中の充電や給電も可能です。

 

「VLOGCAM ZV-E10」は、これから動画撮影を始めたい方や、より高品質な動画を求める方に最適なVlogカメラといえそうです。

 

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映画のシーンに入り込んだような体験が可能に、ソニーが新ホームシアターシステム「HT-A9」などを発表

 

ソニーは、360度の立体音響体験を実現するとうたうホームシアターシステム「HT-A9」と、サウンドバーの最上位モデル「HT-A7000」を発表しました。HT-A9は8月7日発売で、市場想定価格は22万円(税込)前後、HT-A7000は8月28日発売で、市場想定価格は15万4000円(税込)前後です。

 

4基のスピーカーで、映画のシーンに入り込んだような体験が可能に

HT-A9は、フロントスピーカー2基とリアスピーカー2基による、4.0.4ch構成のホームシアターシステム。これらのスピーカーを、専用のコントロールボックス経由でワイヤレス接続できます。

 

↑HT-A9

 

また、4基のスピーカーによって広大な音場と臨場感を作る独自の立体技術「360 Spatial Sound Mapping」を採用しています。これは、それぞれのスピーカー間や天井までの距離などを内蔵マイクと測定波で計測して、スピーカーが置かれている空間を把握し、その位置情報に基づいて、4基のスピーカーから出力される音波を重ね合わせることで、最大12基の仮想スピーカーを作り出す技術です。

 

これにより、自分が映画のシーンに入り込んでいるかのような没入感のある音場で、360度の立体音響を体験できるとしており、家族や友人などの複数人が集まるシチュエーションにおいても、部屋のどこにいても迫力のある上質な音響を共有できるとのこと。

 

↑360 Spatial Sound Mappingのイメージ図

 

さらに、4基のスピーカーは「音場最適化技術」を採用しており、スピーカーが置かれている空間を把握し、その場所を前提に最適な音響空間を自動で生成。部屋の形状などにとらわれることがないため、従来のホームシアターシステムに比べて自由度の高いレイアウトが可能です。

 

コントロールボックスのインターフェイスは、HDMI入力/出力、光デジタル、USB Type-A、有線LANを装備。また、無線はWi-FiとBluetoothに対応しています。

 

4基のスピーカーのサイズは共通で幅160×高さ313×奥行き147mm、コントロールボックスは幅150×高さ52×奥行き150mmです。

 

これひとつで音の広がりと豊かな音響空間を楽しめるサウンドバー

HT-A7000は、天井からの音の反射で高さ方向の音を生み出すイネーブルドスピーカーと、独自のバーチャルサラウンド技術「Vertical Surround Engine」の採用で、没入感のあるサラウンドサウンドを体験できるサウンドバー。

 

↑HT-A7000

 

また、壁からの音の反射で横方向の表現力を得られる、新開発のビームツイーターと、フロントスピーカーだけで豊かなサラウンド音場を再現する「S-Force PRO フロントサラウンド」も搭載。これらの連携により、音の広がりとリアリティ豊かな音響空間を楽しめるとしています。

 

さらに、HT-A7000も設置した部屋の天井と壁の距離を計測し、部屋に最適化された音響を楽しむことができるとのこと。

 

このほか本体には、デュアルサブウーファーも搭載し、合計11基のスピーカーによる、7.1.2chのサラウンドシステムを構成しています。

 

↑本体内部のスピーカーレイアウト

 

インタ―フェイスは、HDMI入力/出力、光デジタル、アナログ入力、USB Type-A、有線LANを備えるほか、Wi-FiとBluetoothにも対応しています。本体サイズは、幅1300×高さ80×奥行き142mmです。

 

なお、両モデルともに、最新の音声フォーマット「ドルビーアトモス」「DTS:X」に対応。前後左右のサラウンド音場に加えて、高さ方向の表現を追加した3次元の立体音響技術により、全方位から音に包み込まれるような音響空間を楽しめます。これに加えて、HT-A9はサブウーファーを、HT-A7000はサブウーファーとリアスピーカーを別売りで用意しています。

ソニーの「ガラス管スピーカー」に最新モデルが出た!4万円切りで買える「LSPX-S3」を体験

ソニーは、独自技術でガラス管を振動させて音を出す「グラスサウンドスピーカー」シリーズの新モデル「LSPX-S3」を8月6日に発売します。実売予想価格は3万9000円前後(税込)。

↑LSPX-S3

 

大口径ウーファーで音質が進化

グラスサウンドスピーカーは、本体の有機ガラス管を振動させて音を出し、どの位置から聴いても聴こえ方が変わりにくい独特な音場感が楽しめることが特徴。LEDライトを内蔵しており、キャンドルの灯りのようなゆらめく光で雰囲気を演出します。

↑LEDライトを内蔵しており、キャンドルのようなゆらめく灯りを演出できます

 

新モデルの「LSPX-S3」は、ウーファーユニットの口径の大型化により豊かな中低音を実現。さらに、底面に備えたパッシブラジエーターで低域を増強しています。

↑スピーカーユニットを並べたところ。左が前モデルS2のもので、右がS3。ひと回り大きくなっているのがわかります

 

↑底面にパッシブラジエーターを搭載

 

独自のスピーカー駆動技術を進化させた「アドバンスドバーティカルドライブテクノロジー」により、加振器が有機ガラス管を振動させて音を水平方向に放出。加振器を支える土台に新たに亜鉛合金を使用し、クセや歪みの少ない音質を実現しています。

↑加振器の土台に新たに亜鉛合金を採用

 

このほか、圧縮音源で失われた高音域を補完する独自の高音質化技術「DSEE」により、音楽ストリーミングサービスなどもクリアな音質で再生するほか、低音を増強させる「ベースブースター」機能も備えています。BluetoothコーデックはSBC/AAC/LDACをサポート。なお、LSPX-S3は前モデルと異なり、ハイレゾ非対応となっています。

 

雰囲気あるライティングが可能に

LSPX-S3では、前モデルのサイズ感などは踏襲しつつ、インテリアになじみやすいマットなミネラルシルバーのカラーを採用。よく使用するボタンは側面に、それ以外のボタンは底面に配置するなど、ガジェット感のないデザインとなっています。

↑ガジェット感のないシンプルなデザイン

 

↑右が前モデルのS2。並べるとサイズ感はほぼ同じ

 

ガラス管内部にあるイルミネーションLEDの明かりがキャンドルのように揺らぐ「キャンドルライトモード」は、新たに音楽との連動や3段階の強弱設定が可能に。明るさは32段階で調整できます。新搭載のタッチセンサーにより、触れるだけで明かりのオン・オフや明るさの調節も可能です。

↑キャンドルのように光るLEDライトを内蔵しています

 

本体を2台用意すればステレオ再生が可能な「ステレオペア」モードや、最大100台までBluetoothスピーカーを連動できる「パーティーコネクト」モードも用意されています。

↑パーティーコネクト時には最大8台まで、光を時間差で連動させることも可能

 

バッテリー使用時の連続再生時間は最大約8時間。充電端子はUSB Type-Cとなっています。

 

Editor’s Eye

発売前に前モデルLSPX-S2を交えて試聴させて頂いたところ、S2に比べて解像感が向上し、音の輪郭がよりハッキリくっきりしたサウンドになっていると感じました。また、低音を増強する「ベースブースター」をオンにすると、振動が空気を伝わってくるほどの重低音を感じることができます。再生する音楽のジャンルなどによって使いわけるとよいでしょう。

 

どこから聴こえるのかわからない独特な無指向性の鳴り方は健在ですが、2台並べてステレオ再生すると、空間上にステージが浮かび上がるような不思議な音場が楽しめます。

 

キャンドルライトモードは新たに音楽連動が可能となり、音に合わせて光が強くなったり弱くなったりして、より音と光のコラボレーションが楽しめるようになっています。また、最低輝度時の明るさが前モデルより暗くなり、より雰囲気のあるムードを演出できるようになっているのもポイントです。

↑前モデルS2(左)とS3(右)の最低輝度の明るさの比較。S3のほうが暗くできるので、ムードのある雰囲気を演出できます

 

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ソニーのネックバンドスピーカー「SRS-NB10」は“音声”に特化したサウンドで聴きやすい

ソニーは、耳を塞がず音楽やテレビの音声を聴けるワイヤレスネックバンドスピーカー「SRS-NB10」を7月30日に発売します。カラーはチャコールグレーとホワイトの2色。実売予想価格は1万5000円前後(税込)。

↑「SRS-NB10」

 

「SRS-NB10」は、肩に乗せて使用するネックバンドタイプなので、イヤホンやヘッドホンのように耳を塞がず音楽やテレビ音声を楽しめることが特徴。テレワークをしながら音楽を聴いたり、家事をしながらテレビの音声を耳元で再生したり、様々なシーンで使用できます。

↑肩に乗せて使用するネックバンド型

 

本体には独自に開発されたフルレンジスピーカーユニットとパッシブラジエーターを搭載しており、低域から高域までバランスのとれたサウンドを再生します。また、スピーカーユニットを上向きに配置することで、ボリュームを大きくすることなく、快適な音量で音声や音楽を聴けます。

↑裏側にはパッシブラジエータを備えています

 

さらに、2つの高性能マイクと高度な音声信号処理を行う「高精度ボイスピックアップテクノロジー」により、自分の声を正確に拾ってクリアな音質で相手に届けます。スマホでのハンズフリー通話やオンライン会議などにも最適です。

 

本体には、音量ボタンや再生/通話ボタンを備えるほか、オンライン会議などで便利なマイクミュートボタンを搭載。ボタンひとつでマイクのON/OFFを切り替えられます。また、マイクOFF時は7秒間隔で小さな通知音が鳴るので、マイクのON/OFFを音だけで確認できます。

↑右側にマイクミュートボタンを搭載しています

 

軽量設計の軽快な装着感に加えて、約20時間の連続使用が可能な長時間バッテリーを搭載し、一日中快適に使用することができます。また、キッチンでも気兼ねなく使えるIPX4の防滴仕様となっています。充電端子はUSB Type-C。BluetoothコーデックはSBCとAACをサポートしています。

 

Editor’s Eye

ソニーでは、映画やゲームの音声を迫力の重低音と振動で楽しめるネックバンドスピーカー「SRS-WS1」をラインナップしていますが、WS1が臨場感のある音を楽しむ用途であるのに対し、NB10はよりカジュアルにテレビ番組の音声を聴いたり、通話やオンライン会議などで音声コミュニケーションしたりといった用途を主眼に置いており、住み分けがされています。

 

また、WS1は専用のワイヤレス送信機とセットとなっていましたが、NB10は汎用性の高いBluetooth接続なので、テレビだけでなくスマホやPCなどと組み合わせて使える点もポイント。

 

NB10の音質は、ニュース番組のアナウンサーの声やドラマのセリフを聴き取りやすくすることを第一に考えてチューニングされているのか、人間の声の音域がとても聴きやすいです。テレビの音が聴こえにくいと感じている高齢者の方にもオススメですね。その反面、低域の迫力や高域の伸びなどはあまり感じられず、映画やゲームをリッチなサウンドで楽しみたいならSRS-WS1の方がよいでしょう。

 

ウリである内蔵マイクの性能は高く、声をしっかり拾ってノイズの少ないクリアな品質で伝送してくれます。また、マイクミュート時の通知音も、会話を妨げない程度の音量で鳴るので、ずっとOFFにしていても気になりませんでした。長時間使っていても疲れにくいので、オンライン会議用に購入するのもアリですね。

 

↑SRS-WS1

 

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ソニーのロボットトイ「toio」がプログラミング授業で採用、千葉県流山市の小中学校に配備

ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、子どもの創意工夫を引き出すロボットトイ「toio」が、千葉県流山市教育委員会、東京理科大学、内田洋行による産官学連携プロジェクトに採用されたと発表。7月から小・中学校におけるプログラミング授業に活用されます。

 

流山市では現在、2020年に策定された「流山市GIGAスクール構想」に基づき、一人一台の端末および、子供の関心や能力に応じた教育環境の配備を進めている最中。これにともない、ICT教育推進顧問である東京理科大学・滝本宗宏教授が、小学校から中学校までの9ヵ年を対象に、先進的な統合型プログラミング教育を実践する計画を提案しました。

 

このプログラミング教育の授業でtoioを活用し、カリキュラムを東京理科大学 滝本研究室および内田洋行が共同開発するとのこと。なお、ソニー・インタラクティブエンタテインメントはtoioと技術サポートを提供するとしています。

 

授業では、toioを使ってロボットと命令カードでプログラミングの仕組みを直感的に理解できる冒険絵本「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」による、PCやタブレットを使わないプログラミング学習を提供。さらに、ビジュアルプログラミング、JavaScriptを用いたテキストプログラミングに至るまで段階的な学習体験を予定しています。

 

これにより、コンピューター外の世界から論理的に考えていく力や、身の回りの生活および社会の問題を解決する仕組みを理解・実践する力を拡げることを目指すそうです。

ソニー新イヤホン「WF-1000XM4」の実力は? 前機種・ライバル機と比べてみた

ソニーがアクティブノイズキャンセリング機能を搭載するハイレゾ対応の完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」を発売しました。音質やノイズキャンセリングの実力を1000Xシリーズの前機種や他社の人気モデルと比べながら確かめてみたいと思います。

↑ソニーの完全ワイヤレスイヤホンのフラグシップモデル「WF-1000XM4」

 

WF-1000XM4(以下:1000XM4)はソニーのオンラインストアでは3万3000円(税込)で買うことができます。アクティブノイズキャンセリング機能を搭載する完全ワイヤレスイヤホンとして人気の高いボーズの「Bose QuietComfort Earbuds」が3万3000円(税込)、アップルの「AirPods Pro」が3万580円(税込)なので、販売価格も近いライバル機として位置付けられると思います。

 

前機種から大幅に強化されたノイズキャンセリング性能

1000XM4にはフラグシップモデルらしい多彩な機能が揃っています。最も多くの方に注目されているのは、業界最高クラスの性能をうたうアクティブノイズキャンセリング機能ではないでしょうか。

 

2019年発売のWF-1000XM3と比べても効果はかなり強力になっています。1000XM4にはソニー独自設計の高性能システムICチップ「V1」が搭載されたことで、高音域のノイズキャンセリング効果が上がっているとのこと。例えば賑やかな場所で人の話し声や甲高いBGMのような環境騒音が聞こえにくくなっています。

 

新たに開発された低反発フォームタイプの「ノイズアイソレーションイヤーピース」は、S/M/Lの3サイズをパッケージに同梱しています。このイヤーピースも高音域の遮音性能を高めることに貢献しています。

↑フィット感を高めたノイズアイソレーションイヤーピースを同梱しています

 

筆者はどちらかといえば低反発フォームよりもシリコンタイプのイヤーピースが好きなのですが、本機のノイズアイソレーションイヤーピースは着け心地も良く、音に悪影響も与えないので、これをメインとして使いたくなります。イヤホンのノズルは互換性の高い形状なので、他のイヤーピースを付け替えて装着感や音質を好みに合わせてカスタマイズができます。

 

本機のために設計された6ミリ口径のドライバーユニットは、低音域の再生能力が高められています。音楽リスニングに不要な低音域のノイズを遮断する効果が高く、例えば室内の除湿機、バスのエンジン音など持続して響き続ける機械ノイズが見事に消えます。その効果は前機種の1000XM3と比べると、特に高くなった手応えがありました。

↑右がWF-1000XM3。ノイズキャンセリング性能は大きく向上していました

 

ボーズやアップルのノイキャン搭載イヤホンと比較

単純にノイズキャンセリング効果の「強さ」を比べるなら、1000XM4の性能はボーズのQuietComfort Earbudsに肩を並べていると筆者は感じました。さらに消音機能をオンにした状態での「クリアな音の聴こえ方」も評価に加味するならば、ソニーの方に軍配が上がります。

 

アップルのAirPods Proは外音取り込みモード時の音の聴こえ方がとてもクリアなイヤホンです。ソニーの1000XM4は専用アプリ「Sony Headphones Connect」を使って、外音取り込みの強弱をマニュアルで細かく調節できる機能が特徴。イヤホンを装着しているユーザーの行動をアプリが検出して、ノイキャンと外音取り込みのバランスを自動調節する「アダプティブサウンドコントロール」機能も搭載しています。

↑左がボーズのQuietComfort Earbuds、右がAirPods Pro

 

1000XM4のアンビエントモード(外音取り込み)をオンにすると、マイクに由来するノイズっぽさが感じられないことに驚きます。音楽再生のバランスも崩れません。ただ、低反発フォームのイヤーピースによるパッシブな消音効果が高いので、AirPods Proのようにまるで開放型イヤホンで音楽を聴いているような開放感とは手応えが少し違います。1000XM4は積極的にマイクで音を「拾っている」感覚があるのです。

 

ソニーの完全ワイヤレスイヤホンで初のLDAC対応

WF-1000XM4は、ソニーの完全ワイヤレスイヤホンとして初めて、Bluetoothワイヤレスオーディオでハイレゾ再生が楽しめるソニー独自のコーデック(圧縮伝送技術)である「LDAC(エルダック)」に対応しています。つまりハイレゾ対応のイヤホンです。

 

LDACの実力を引き出すためには、Bluetoothオーディオに対応する音楽プレーヤーやDAC内蔵アンプなど送り出し側のデバイスもLDACに対応している必要があります。ちなみに、iPhoneはLDACに対応していません。

↑LDACによるワイヤレス伝送の送り出しに対応する機器に接続すると、アプリにLDACで接続されていることが表示されます。Bluetooth接続品質は「音質優先モード」を選びましょう

 

今回筆者はLDACによるBluetoothオーディオ再生に対応したGoogle Pixel 5をリファレンスにして、音楽配信サービスのmoraで購入したハイレゾ楽曲を聴きました。

 

ピアニストの山中千尋のアルバム「ローザ」から「ドナ・リー」を再生すると、ピアノやエレキギターによる流れるようなメロディーのキレ味の良さが印象に残ります。新しい6ミリ口径のダイナミック型ドライバーによるサウンドは一体感に富んでいて、高音域から低音域までつながりがとてもスムーズです。

↑LDAC対応のPixel 5に接続してハイレゾ音源を再生してみました

 

1000XM3に比べるとベースの肉付きがとても良くなっている印象で、タイトで弾力感にも富んでいて、音からパワーが感じられます。非力なワイヤレスイヤホンで聴くと、まわりに騒音の多い場所ではベースラインが埋もれて聴こえなくなりがちです。1000XM4はベーシストによる力のこもった演奏をしっかりと拾い上げるイヤホンで、ドラムスのリズムも軽やか。シンバルやハイハットの余韻の滑らかさも心地よく感じられました。

 

YOASOBIのアルバム「THE BOOK」から「群青」も聴いてみました。エネルギッシュで熱量あふれるボーカルがとても魅力的です。楽器の演奏も定位がとても明瞭で、立体的な音場が広がります。コーラスやリズムセクションの音も分離がよく、音楽の情景は見晴らしにも富んでいます。力強くグルーブするバンドの演奏にぐいぐいと引き込まれました。

 

iPhoneでハイレゾ相当の高音質再生を楽しむ方法

音楽配信サービスなどの圧縮音源をハイレゾ相当の高音質にアップコンバートして聴ける「DSEE Extreme」も1000XM4が搭載するユニークな機能のひとつ。その設定は「Sony Headphones Connect」アプリから機能をオンにするだけ。iPhone版のアプリにも搭載されています。

 

Apple Musicから、早見沙織と芹澤 優のデュエットによる楽曲「恋のロシアンルーレット」を聴いてみました。アプリでオン・オフを切り換えながら効果を聴き比べてみると、ボーカルの艶っぽさや高域の伸びやかさがDSEE Extremeの効果によって向上する手応えがあります。高さ方向に空間の見晴らしが良くなる印象です。お気に入りのボーカリストの楽曲を楽しむ際には特に有効だと思いますが、むしろハイレゾの楽曲を再生する時以外はDSEE Extremeは「常時オン」でもいいと思います。

↑ハイレゾ相当の音質にアップコンバートするDSEE Extreme。iPhoneと接続した時にも楽しめます

 

1000XM3はハイレゾ対応ではないうえ、DSEEもひとつ前の世代のアップコンバート技術を搭載しているので単純な比較はできませんが、1000XM4との比較を総括すると、新機種は「サウンドがとても濃くなっている」と感じました。ボーズのQuietComfort EarbudsやアップルのAirPods Proと比べてみても情報量の豊かさはケタ違いです。

 

筆者も今までさんざん聴きこんできた楽曲を1000XM4で再生してみたら、また違う情景が見えてきました。本機はいまある完全ワイヤレスイヤホンの中で間違いなくトップクラスの音質に到達していると思います。

 

360 Reality Audioの立体音楽体験にも対応

前機種の1000XM3と比べて、1000XM4から進化したポイントとして筆者は以下の3つに注目しました。

 

ひとつはデザインがブラッシュアップされて装着感も向上したこと。イヤホン本体の内側が外耳と接触する面積が増えて、点ではなく面でバランスよく支えるエルゴノミック・サーフェス・デザインになりました。新開発のノイズアイソレーションイヤーピースのフィット感が筆者の耳に合ったことも幸運でしたが、やはりイヤホンがコンパクトになってユニバーサルフィットを実現できたことが大きいと思います。装着した時に耳から飛び出して見えないデザインもスマートです。

↑イヤホンが耳から飛び出して見えないデザインも好感触

 

2つめは本体がIPX4相当の防滴対応になったこと。夏場はスポーツをしていなくても、イヤホンを装着している状態でふつうに汗をかくこともあるので安心できます。筆者はジョギングをするときにもイヤホンを着けて音楽を聴くことが多いので、ふだん使いとワークアウトの境界をまたいで1000XM4を使い倒せるようになることが、とてもありがたいです。

 

そして最後に、1000XM4がソニー独自の立体音楽体験「360 Reality Audio」の認定イヤホンであることにも注目したいと思います。アップルは6月から独自の音楽配信サービス「Apple Music」で、没入感あふれる「空間オーディオ」のコンテンツ配信をスタートして話題を呼んでいます。ソニーの360 Reality Audioも没入感あふれる音楽体験がスマホとイヤホンの組み合わせで楽しめる新感覚のオーディオコンテンツを実現する技術です。

 

1000XM4のようなワイヤレスイヤホンとスマホによる組み合わせの場合は、現在音楽配信サービスのDeezerが邦楽を含むバラエティ豊かな作品を提供しています。月額1470円のDeezer HiFiに契約すると「360 by Deezer」アプリから360 Reality Audio対応のコンテンツが楽しめます。

↑Deezerで360 Reality Audioの楽曲を試聴してみました

 

スマホに360 by Deezerアプリを投入すれば、有線・無線を問わず様々なヘッドホン・イヤホンで360 Reality Audio対応のコンテンツを聴くことができます。1000XM4のような“認定イヤホン・ヘッドホン”で聴くと、さらにリスニング体験の迫力がアップ。今後はAmazon Music HDなど360 Reality Audioのコンテンツが楽しめる様々な音楽配信サービスが増えてくるはずなので、今が360 Reality Audio認定イヤホンでもある1000XM4の買い時だといえます。

 

1000Xシリーズの伝統に則って、WF-1000XM4にはブラックとプラチナシルバーの2色が揃いました。あえて筆者が本機について不満に感じる点を挙げるとすれば、この機にカラバリを増やしてほしかったことですが、これを除けば本機を今すぐに買わない選択肢はないように思います。筆者が2021年の暮れに「今年のベストイヤホン」として推すべき有力モデルに早くも出会ってしまったように思います。

↑ブラックとプラチナシルバーの2色展開

 

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意欲作が続々登場!注目の新作AV&デジタル機器10選

夏を前にして各社から新製品が続々リリース。今回は、その中でも特に注目すべきスマホ、完全ワイヤレスイヤホンから最先端ガジェットまでを一挙紹介。これまでにない意欲作が続々登場してきた!

※こちらは「GetNavi」 2021年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がチェックしました!】

テクニカルライター

湯浅顕人さん

オーディオからガジェット、アウトドアツールまで精通。アクティブにアイテムを活用する。

 

【その1】カメラもオーディオも極めた5Gフラッグシップスマホ

Androidスマホ

ソニー

Xperia 1 III

価格未定

6月中旬以降発売

世界初の可変式望遠レンズを含むトリプルカメラを搭載した旗艦機。新構造のスピーカーは最大音圧が向上し、映画や音楽を高い臨場感で再現する。21:9の4Kディスプレイは120Hz駆動&最大240Hzのタッチ検出に対応しており、ゲームも快適だ。

SPEC ●ディスプレイ:6.5インチ有機EL●CPU:Snapdragon 888●RAM/ROM:12GB/256GB●防塵/防水:IPX5/IPX8/IP6X●バッテリー:4500mAh●サイズ/質量:W71×H165×D8.2mm/188g

 

↑3.5mmステレオ端子を搭載するほか、最大音圧が40%向上したステレオスピーカーも装備。立体音響技術「360 Reality Audio」にも対応する

 

↑カメラアプリはシャッタースピードやISO感度などを設定可能な「Photography Pro」に一本化。設定の簡単な「BASIC」モードも備えている

 

【プロのインプレ!】広角から望遠まで撮影意図を反映できるカメラ性能がスゴい

「特筆すべきは広角16mmから望遠105mmまでカバーするカメラまわりの豪華さ。素早く正確なAFや低照度撮影の美しさ、さらに多機能な撮影アプリを備え、その性能は群を抜きます」(湯浅さん)

 

↑最下段に屈曲光学系を採用した望遠レンズを搭載。焦点距離を70mmと105mmの2段階で切り替えられる本格仕様だ

 

【その2】首元の熱を吸収する「着るエアコン」が進化!

ウェアラブルサーモデバイス

ソニー

Reon Pocket 2

実売価格1万4850円

ステンレススチール製の金属部を首筋に当てて冷やしたり温めたりできるデバイス。熱を吸収する電子部品「ペルチェ素子」を利用しており、この第2世代では従来比最大2倍の吸熱性能を実現した。新たに耐水・耐汗構造となり、モバイルバッテリーに接続したまま使える。

SPEC ●充電時間:約2.5時間●電池持続時間:COOL/約4時間(レベル1)~約1.5時間(レベル4)、WARM/約4時間(レベル1)~約2時間(レベル4)●使用温度範囲:5℃~40℃●サイズ/質量:W54×H20×D16mm/92g

 

↑別売のネックバンド(実売価格1480円)も用意。冷温部が首元にしっかり密着するフィット性の高い素材で、15gと軽い

 

↑専用アプリでは冷たさ・温かさのレベルをそれぞれ4段階から選ぶことが可能。冷温部の温度チェックや電源操作もできる

 

【プロのインプレ!】性能アップに加え対応ウエアが増えてさらに使いやすく

「冷感素材ではなく、実際に熱を吸収して体表面温度を下げてくれるのが魅力。従来は専用肌着と併せて使う必要がありましたが、ネックバンドが登場したことで使いやすさがアップ。さらに、アパレルメーカーからも対応ウエアが続々登場中です」(湯浅さん)

 

↑対応Tシャツは、セレクトショップ「エストネーション」などで販売中。いずれも首元に本製品の格納ポケットを備え、自然に装着できる

 

【その3】マグネットでiPhoneに固定できる新機軸バッテリー

モバイルバッテリー

Anker

PowerCore Magnetic 5000

実売価格3990円

容量5000mAhのモバイルバッテリー。最新iPhoneで採用されたMagSafeに対応しており、本体をしっかり固定して充電できる。USB Type-C端子を経由して各種機器への高速給電も可能。バッテリー本体の充電もUSB Type-Cケーブルで行う。

SPEC ●容量:5000mAh●USB Type-C入力:5V/2.2A(最大11W)●USB Type-C出力:5V/2A(最大10W)●ワイヤレス出力:5W●サイズ/質量:W93×H63×D16mm/133g

 

↑マグネット式ワイヤレス充電は、iPhone 12シリーズが対応。iPhone 12へは約3時間で最大95%まで充電可能だ(Anker調べ)

 

↑ケースがMagSafe対応なら、装着した状態でもそのままワイヤレス充電可能。いちいちケースを取り外す必要がない

 

【プロのインプレ!】薄型バッテリーで装着しながらでも端末を操作しやすい

「薄さ16mmのスリム仕様で、マグネット式ワイヤレス充電をしたままでもiPhoneを保持しやすいのがうれしい。ワイヤレス充電時に気になる、温度管理や過充電保護、異物検知といった安全機能をしっかりと備えた点は、さすがのAnker製品です」(湯浅さん)

 

↑ワイヤレス充電しつつiPhoneを使えるのが◎。強力なマグネットと滑り止めに加え、握りやすい形状のため片手でも安定して操作できる

 

【その4】後方カメラで追突事故もしっかり記録する

ドライブレコーダー

パイオニア

VREC-DH300D

実売価格2万5980円

前後2つのカメラと3.0型モニターからなるドライブレコーダー。衝撃検知時の録画は別フォルダに保存され、GPSで録画時の位置も記録してくれる。高感度な「STARVIS」搭載のCMOSセンサーで、暗い場所でも鮮明に撮影可能だ。

SPEC ●画素数:約370万(本体)、約200万(リア)●画角:水平112度、垂直60度(本体)/水平105度、垂直55度(リア)●サイズ/質量:W90.5×H101.9×D36mm/125g(本体)

 

↑操作メニューの画面位置は、側面の操作ボタンと連携している。大画面とあいまって、夜間でも操作しやすい

 

【プロのインプレ!】「記録の死角」を大幅に減らせる!

「車両事故で多くの割合を占める追突事故では、ドラレコがあっても後方カメラがないと意味がありません。本機は後方カメラもF1.8の明るいレンズと高感度イメージセンサーを搭載しているので安心できます」(湯浅さん)

 

↑高感度録画機能「ナイトサイト」に対応。スモークのリアガラス越しでも明るく撮れる

 

【その5】デザインを妥協したくない人に最適な健康管理トラッカー

スマートウオッチ

Fitbit

Fitbit Luxe

実売価格1万7990円

心拍数や体温、睡眠状態といった身体情報や、ウォーキングやサイクリングなどの運動量を記録できるスマートウオッチ。アプリと組み合わせ、健康状態の分析も可能。ガイドに従って行うリラックスできる呼吸セッションも用意する。

SPEC ●ディスプレイ:カラー有機EL●計測項目:呼吸数、安静時心拍数、心拍変動ほか●バッテリー持続時間:5日間●耐水性能:50m●サイズ/質量:W17.5×H36.3×D10.2mm/26.2g

 

↑ジュエリーのような輝きを持つ本体。金属射出成形デザインと金属気化技術で実現した

 

↑心拍数表示。有機ELディスプレイにより、明るい屋外でもしっかりと視認できる

 

【プロのインプレ!】男女も場面も問わずにいつでも身に着けていられる

「身体や活動の記録をとるトラッカーは、できれば24時間身に着けていたいもの。高品位なデザインのFitbit Luxeは、フォーマルでもカジュアルでもマッチ。シリコンベルトも装着感が良く、自宅でもずっと着けていられます」(湯浅さん)

 

↑スタイリッシュな外観で、様々なファッションに合わせられる。写真はブラック/グラファイトだ

 

【その6】一台置くだけで立体的な音響空間を創出

ワイヤレススピーカー

ソニー

SRS-RA5000

実売価格6万6000円

7基のユニットを搭載したワイヤレススピーカー。「360 Reality Audio」対応の配信サイトで対応コンテンツを再生すると、周囲360度と上方向から音が聴こえ、部屋のどこにいても音に包まれる感覚を味わえる。

SPEC ●スピーカー口径:約4mm(上向き)×3、約46mm(ミッド)×3、約70mm(サブウーファー)×1●方式:密閉型(上向き、ミッド)、バスレフ型(サブウーファー)●サイズ/質量:W235×H329×D225mm/4900g

 

↑入力切り替えボタン。Wi-Fi(音楽配信サイト)、Bluetooth、有線(ステレオミニ端子)の各接続を切り替えられる

 

↑スマホから本体設定や配信サイトの選択が可能。Amazon Music HDに「360 Reality Audio」対応の音源がある

 

【プロのインプレ!】多数のスピーカーやケーブルを使わずに立体音響を楽しめる

「周囲に多数のスピーカーを設置しなくても、一台置くだけで立体音響が楽しめるのは便利。映画などを6.1chサラウンドで視聴するような使い方はできませんが、2chの音源でも音場を広げてくれる『Immersive AE』機能を備えており、臨場感は十分優れています」(湯浅さん)

 

↑設置例。上方と水平方向に設置されたスピーカーが、反響も利用して立体音響を実現。部屋の形状に合わせて設定を最適化する機能もあり

 

【その7】左右が自動認識で切り替わり手探りでもサッと装着!

ワイヤレスイヤホン

EARIN

A-3

2万7800円

左右独立のワイヤレスイヤホン。耳にフィットするデザインで、長時間の装着でも快適。IP52の防塵・防水に対応する。充電はケースに装着して行い、USB Type-Cとワイヤレス充電を利用できる。4つのマイクでノイズレス通話も可能だ。

SPEC ●再生周波数帯域:20Hz〜20kHz●ドライバー型式:ダイナミック型●充電時間:1.5時間●最大再生時間:5時間●本体質量:3.5g(片方)

 

↑イヤーチップのないオープンタイプのため、非常にコンパクト。それでいてドライバーは14.3mmと大口径で、迫力のあるサウンドを楽しめる

 

↑耳にフィットするデザイン。左右ともにタッチセンサーを装備し、ダブルタップや長押しによって再生・停止などの操作が可能

 

【プロのインプレ!】左右自動認識で着脱が頻繁でもストレスフリー!

「2つのユニットに左右の区別がなく、装着すると配置が自動認識されて左右が割り当てられます。装着時にいちいち左右を確認しなくて済むのは本当に便利で、レジでの会計時などちょっとイヤホンを外すときなどで快適さを実感します」(湯浅さん)

 

↑バッテリーを内蔵したケース。充電時も左右を区別せずに収納できる。本体とケースを併用すると、3時間の充電で最大30時間の使用が可能だ

 

【その8】フォーマルとアクティブを2種類のストラップで使い分け

スマートウオッチ

OPPO

OPPO Band Style

実売価格4480円

心拍数や運動量などを記録するデバイス。ストラップはフォーマルな場にも合うスタイルタイプと、ワークアウト時などに使えるスポーツタイプの2種類が付属する。スマホと連携し、通知の確認や曲再生の操作なども可能。

SPEC ●ディスプレイ:1.1インチ有機EL(126×294ドット)●防水:5気圧●サイズ/質量:W40.4×H17.6mm(ストラップ幅11.45mm)/10.3g

 

↑文字盤の切り替えが可能。初期設定の5種類のほか、スマホアプリ経由で40種類以上を選択できる

 

↑スタイルストラップは付けたままで充電できる。最長12日間の使用が可能

 

【プロのインプレ!】この価格で“全部入り”に近い機能の充実ぶり

「基本的な機能に加え、新型コロナ対策で話題の血中酸素レベル測定や、サイクリングや水泳など12種類のスポーツモード、カメラコントロールなど機能が満載。どんな服装にもマッチする洒落たデザインも魅力です」(湯浅さん)

 

↑専用アプリ「HeyTap Health」。取得したデータの履歴を表示・分析できるほか、本体の設定も可能

 

【その9】暑く蒸れがちなマスク内の空気を循環させる

マスク取り付け型ファン

ライフオンプロダクツ

PRISMATE マスクエアーファン

1760円

マスクに取り付け、内部の空気を循環させるファン。本体には抗菌加工が施され、抗菌率99.9%を実現する。連続動作の通常運転モードと、間引き運転のリズムモードの2通りを備え、ダブルクリック方式の電源で誤作動を防止できる。

SPEC ●充電時間:5時間●連続使用可能時間:3.5時間(リズムモード使用時)●バッテリー容量:250mAh●消費電力:0.5W●サイズ/質量:W35×H18×D73mm/22g

 

↑装着例。本体はマスク内に隠れ、外から見えるのはクリップ部だけなので、目立ちにくくスマートだ

 

【プロのインプレ!】これからの季節少しでもマスクを快適に使いたい!

「本機を使えば、暑い夏でもマスクの着用が楽になります。マスク一体型ではないので、好みのマスクと組み合わせて使えるのが魅力的です。なお黒系のマスクを使いたい人には、オフィシャルストア限定でダークグレーも用意されています」(湯浅さん)

 

↑体表温度の違い(メーカー調べ)。ファン使用中は、未使用時に比べてマスク内の温度が大幅に下がっている

 

【その10】スマホの画面で耳の中が見えるハイテク耳かき

耳かき

ライフサイド

MieRu

実売価格7580円

先端に超小型レンズを装備した耳かき。耳穴内の映像をスマホでリアルタイム表示可能。先端のイヤースプーンは付け替え可能で、大人用・子ども用・360度環状が2本ずつ付属する。自動温度制御や鼓膜接近アラームなど、安全性にも配慮。

SPEC ●解像度:500万ピクセル●計測精度:0.02cm●フル充電時間:1.5時間●フル充電使用時間:約90分●サイズ/質量:W150×H30×D20mm/32g

 

↑先端部。耳穴内を明るく照らすLEDやCMOSレンズ、AIチップなどの超小型パーツが配置されている

 

↑スタイリッシュな収納ケースが付属。イヤースプーンも一緒に収納しておくことができ、紛失しにくい

 

【プロのインプレ!】耳穴の様子が詳細にわかって興味深い

「注意深さを必要とする耳掃除。本機は耳穴内とイヤースプーンの先端部分を360度のパノラマ映像で確認できます。3種類のイヤースプーンが2本ずつ付属しているため、家族でイヤースプーンを使い分けることも可能です」(湯浅さん)

 

↑スマホの「Time siso」アプリ。リアルタイム表示のほか、静止画や動画での記録も行える

進化したソニーの完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM4」はここがすごい

ソニーは、完全ワイヤレスイヤホンのハイエンドモデル「WF-1000XM4」を6月25日に発売します。カラーはブラックとプラチナシルバーの2色。実売予想価格は3万3000円前後です。

↑WF-1000XM4(ブラック)

 

↑WF-1000XM4(プラチナシルバー)

 

WF-1000XM4は、「WF-1000X」シリーズの4代目となるモデル。2019年に発売された前モデル「WF-1000XM3」と比較すると、デザインから中身までフルリニューアルされています。

 

まず目を惹くのが、充電ケースおよびイヤホンのサイズが大幅に小さくなったこと。充電ケースはバッテリーを小型化したことで前モデル比で約40%コンパクトに。イヤホンも約10%小さくなっています。ケースが自立できるようになったのも地味にうれしいポイントです。

↑左が前モデルWF-1000XM3の充電ケース。約40%コンパクトに

 

↑上から見るとこんな感じ。M4はケースが自立します

 

また、イヤホンのデザインもこれまでのWF-1000X~1000XM3まで3代続いたデザインから大きく変わり、丸みのあるデザインになっています。これにより、装着時に正面から見たときの耳からの出っ張りを抑え、よりスマートに装着できるとのこと。

↑WF-1000XM4のイヤホン

 

↑手前が前モデルM3のイヤホン。形状が大きく変わっているのがわかります

 

従来デザインでは、耳に接触する3点で支える「エルゴノミック・トライホールド・ストラクチャー」という構造を採用していましたが、1000XM4では接触面積を増やして面で支える「エルゴノミック・サーフェス・デザイン」を新たに採用しています。

 

さすがソニーのハイエンドと唸るノイキャン&音質

WF-1000Xシリーズといえば、ソニーが誇るノイズキャンセリング機能が特徴ですが、1000XM4ではもちろんその効果が強化されています。新たに「統合プロセッサーV1」を採用したことで、より高速なノイズ処理が可能となり、特に高音域でのノイキャン性能が向上しているとのこと。

 

↑統合プロセッサーV1

 

この「統合プロセッサーV1」は音声信号の処理やBluetooth信号の処理も行っており、より省電力で安定したワイヤレス接続の実現にも寄与しています。

 

また、1000XM4の大きなトピックとして、同社の完全ワイヤレスイヤホンとしては初めて、高音質ワイヤレスコーデック「LDAC」に対応しました。これにより、ハイレゾ音源などの高品質な音源データをハイレゾ相当のクオリティで楽しむことができます。

 

また、MP3などの圧縮音源もハイレゾ相当に補完する独自の高音質化技術「DSEE Extreme」も備えているので、音楽ストリーミングサービスやネット動画の音なども高音質で楽しめます。

 

Editor’s Eye

発売前に前モデルWF-1000XM3と並べてその性能を試させて頂いたところ、ノイズキャンセリング性能が大きく進化していることが実感できました。ノイズ環境として、「飛行機の機内」と「カフェのような賑やかな場所」の騒音を再現した空間で試しましたが、特にカフェ環境では人の声や食器のカチャカチャ鳴る音がかなり抑えられていると感じました。

また、イヤーピースが新たにフォームタイプのものに変わったことで、パッシブな遮音性が高まっていることもノイキャン効果の向上に寄与しています。ノイキャン完全ワイヤレスの決定版といっても過言ではない高い消音性能でしょう。

音質についても、LDAC接続時には情報量の多さが感じられ、ハイレゾ音源を再生すると「ああ、ハイレゾの音だ」と一聴してわかるほどの違いを感じることができました。いまではワイヤレス製品がコモディティ化して、低価格のモデルでもかなり音質がこなれてきましたが、それらとは一線を画す音のよさで、さすがソニーのハイエンドモデルだな、と納得のいく音質に仕上がっています。

完全ワイヤレスイヤホンでも音にこだわりたい、という方にぜひ試して頂きたいですね。

 

需要の高いマイク機能も強化

また、近年ではオンライン会議などの需要の増加に伴い、ワイヤレスイヤホンのマイク機能を利用することが増えていますが、WF-1000XM4では、4つのマイクとセンサーを駆使した「高精度ボイスピックアップテクノロジー」により、自分の発した声をしっかり拾ってクリアな通話を実現しています。

 

さらに、先行するワイヤレスヘッドホンWH-1000XM4で搭載された「スピーク・トゥ・チャット」機能も備わっており、自分の声を判別して自動で音楽を一時停止し外音取り込みモードに変えるので、イヤホンをつけたまま自然な会話が可能です。

 

連続再生時間はイヤホンのみで最大約8時間、充電ケース併用で最大約24時間。急速充電に対応し、約5分の充電で約60分使用できます。充電端子はUSB Type-C。Qi規格のワイヤレス充電にも対応しています(充電ケースのみ)。BluetoothコーデックはSBC/AAC/LDACをサポート。

 

パッケージは環境に配慮し、竹、さとうきび、市場で回収したリサイクル紙を由来とするソニー独自開発のオリジナルブレンドマテリアルを使用。ソニーから発売するヘッドホンのパッケージとして初めてプラスチックを全廃した包装を実現しています。

↑プラスチックフリーのパッケージを採用

 

ソニーらしい先進の機能性と、LDAC対応による高音質なサウンドを兼ね備えた、まさにハイエンドな完全ワイヤレスイヤホンは、2021年の注目モデルになること間違いなし! ぜひソニーストアやお近くの店頭で試してみて下さい。

 

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ソニーの「360 Reality Audio」はこれまでのサラウンド技術と何が違うのか? 開発者に聞いた

ソニーが推し進める「360 Reality Audio(サンロクマル リアリティ オーディオ)」(以下360 RA)は、対応するスピーカーやプレーヤー機器などのハードウェア、音楽配信サービスのアプリを組み合わせて立体的な音楽再生が楽しめる同社独自のエンターテインメントです。今回は春にソニーが発売した360 RA対応の新しいワイヤレススピーカーの試聴体験レポートとともにその魅力を紹介します。

 

ついに360 Reality Audio対応のワイヤレススピーカーが登場

360 RAは2019年に欧米からサービスが開始されました。ホームシアターやモバイル向けの立体音響技術としてはドルビー・アトモスやDTS:Xなども広く普及しつつありますが、ソニーの360 RAはユーザーの足もと方向を含む360度全天球に広がる仮想音響空間の中に、最大24個の音源を「オブジェクト」として配置してリアルな音楽体験が生み出せるところに大きな違いがあります。

 

筆者が本稿を執筆している2021年5月中旬時点で、日本国内で360 RAによる音楽体験に触れられる環境を整理してみます。

 

Wi-Fi接続のワイヤレススピーカーにはソニーが発売した「SRS-RA5000」「SRS-RA3000」の2機種以外にも、アマゾンのAlexaを搭載する「Amazon Echo Studio」があります。筆者が把握する限りでは海外にもまだ360 RA対応のワイヤレススピーカーは出ていませんが、HiFiオーディオブランドの米McIntosh(マッキントッシュ)が発売しているマルチチャンネル対応のAVプリアンプ「MX123」がファームウェア更新により初の360 RA対応ハイエンドアンプとして名を連ねたようです。

↑360 Reality Audioの技術に対応した最新のワイヤレススピーカー「SRS-RA5000」(左側)、「SRS-RA3000」(右側)をレポートします

 

スマホとヘッドホンによるポータブル再生にも対応

スマホで360 RAを楽しむ場合、音楽配信サービスのモバイルアプリが360 RA対応コンテンツの再生に対応する必要があります。アプリ(=音楽配信サービス)とコンテンツが360 RA対応であれば、スマホやタブレットの場合は一般的なヘッドホン・イヤホンにつないで立体音楽体験が得られます。

 

日本国内で360 RA再生が楽しめる楽曲は洋楽・邦楽を含めて約4000曲に上ります。現在、国内では「Sony ArtistConnection」のほか「Deezer」「nugs.net」のアプリが360 RA対応であり、それぞれに専用の楽曲を配信しています。Amazon Music HDの場合は360 RAコンテンツを楽しめる環境がまだスピーカー再生に限定されているため、モバイル対応はもう少し待つ必要があります。

 

モバイル環境の360 RA体験はANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)搭載ワイヤレスヘッドホン「WH-1000XM4」など一部ソニーが発売するヘッドホン・イヤホンで聴くといっそうリアルな立体感が楽しめます。その理由は「Sony | Headphones Connect」アプリから、ユーザー個人の耳に適した音場を再現する「個人最適化」技術が使えるからです。

↑ソニーのWH-1000XM4など360 Reality Audio認定ヘッドホンを使うとさらにリアルな立体音楽体験が楽しめます

 

スマホでアプリを立ち上げてから、インカメラでユーザーの耳写真を撮影し、その画像情報を元にクラウド上で個人の耳の形状に最適化したプロファイルをすばやく生成します。このデータをSony ArtistConnectionをはじめとするアプリと連動させることによって、それぞれの360 RAコンテンツの再現性が高まるという仕組みです。この個人最適化が利用できる「360 RA認定ヘッドホン・イヤホン」は、これからソニー以外のメーカーにも広がっていくようです。

 

360 RA対応スピーカーを聴いてきた

今回はソニーの試聴室を訪問して、新製品のSRS-RA5000とSRS-RA3000を試聴してきました。Amazon Music HDで配信されている360 Reality Audio対応作品を聴いています。

↑上位モデルのSRS-RA5000

 

Doul(ダウル)の楽曲「Howl」はスタイリッシュなビートを効かせたダンスミュージックですが、初めて360 RAの楽曲を聴く方は、きっと足もとから分厚い低音に包み込まれるような斬新なリスニング感に驚くと思います。ボーカルやギターの音像はとても力強く、中高音域が天井の方向へ伸びやかに広がります。

 

リスナーの360度全天球に広がる音場の中を、「音のオブジェクト」として配置された音源が縦横無尽に動き回る効果が楽しめるところも360 RAの技術的な特徴のひとつ。Little Glee Monsterのライブ収録の楽曲「好きだ。-5th Celebration Tour 2019-」では、ステージで演奏するアーティストの歌声の臨場感だけでなく、会場いっぱいに広がる歓声が作り出すライブの空気感までもが鮮やかに蘇りました。

↑Amazon Music HDで配信されている360 RA対応楽曲を試聴しました

 

大編成のオーケストラによる演奏と360 RAの相性も抜群に良いと感じました。豊かなスケール感と小音量で演奏される弦楽器の繊細な音色のコントラスト感に引きつけられます。

 

ハイレゾ作品が耳の肥えたオーディオファンをも魅了するリアリティを持つのに対し、360 RAは「360度全天球に広がる音場感」が誰にでもわかりやすいのが特徴といえるでしょう。一般にも広く新鮮な音楽体験として受け入れられる、豊かな可能性を持つ技術だと感じました。

 

ステレオ音源で立体再生が楽しめる機能も搭載

スピーカーに注目すると、上位モデルのSRS-RA5000は音場の広がりが豊かなだけでなく、空間を埋め尽くす音のつながりもきめ細かく再現できる特徴を備えていました。スタンダードモデルのSRS-RA3000もまたクリアで見晴らしのよい音場感が魅力的です。中高域の切れ味はRA5000よりもRA3000の方がシャープで煌びやかな印象。より大きな筐体に数多くのスピーカーユニットを内蔵するRA5000は低音の滑らかさ、立ち上がる瞬間の力強いインパクトと粘っこさが一枚上手だと思います。

↑スタンダードモデルのSRS-RA3000

 

どちらのスピーカーにもソニー独自のアルゴリズムにより、2chのコンテンツを擬似的に立体化して360 RAふうの臨場感が楽しめる「Immersive Audio Enhancement」という機能があります。本体のボタン押し操作、またはMusic Centerアプリから機能をオンにすると鮮やかな音の広がり感が楽しめます。

↑Immersive Audio Enhancementの機能を使うとステレオ制作の音源が立体的なサウンドで楽しめるようになります

 

ワイヤレスオーディオ再生のコンテンツに限らず、スピーカーが搭載するステレオミニ音声入力にテレビをつなげば、歌番組にスポーツ中継、紀行ものなどテレビ番組のサウンドにも豊かな没入感が加わります。

 

360 RA開発チームに技術の特徴を聞いてみた

スピーカー製品の音響設計を担当する関 英木氏は、今回ソニーとして初めて360 Reality Audioに対応するスピーカーを開発した際の苦労を次のように振り返ります。

↑スピーカーの音響設計を担当する関氏

 

「ステレオ再生のスピーカーと音場の再現技術等がまったく異なるため、開発者としても技術の概念を正しく理解したうえで、音楽クリエイターが意図する体験を正しく引き出すことに腐心してきました。SRS-RAシリーズはワンボックス筐体のスピーカーシステムなので、マルチチャンネルスピーカー環境をリファレンスとしている制作スタジオのサウンドを、ホームリスニング環境で再現できることも容易ではありません。様々な課題を乗り越えながら、時間をかけてこれがソニーの360 RAスピーカーであると胸を張れる製品をつくってきました」(関氏)

 

360 RA対応の楽曲を制作するための汎用コンテンツプロダクションツール「360 Reality Audio Creative Suite」も、いよいよこの春にリリースされました。ソニーがアメリカのソフトウェアメーカーであるVirtual Sonics社と共同で開発したツールは、メジャーどころといわれるDigital Audio Workstation(DAW)に追加可能なプラグインとして提供されます。クリエイターは日ごろ使い慣れているDAWソフトを使って360 RA対応の楽曲制作が可能になると、ソニーで360 RAのプロジェクトリーダーを担当する岡崎真治氏がメリットを説いています。

↑360 RAのプロジェクトリーダー岡崎氏

 

360 RA対応の楽曲制作については、クリエイターが自由な発想をベースに取り組めるように、特別なガイドラインはもうけていないそう。ただ、一方でクリエイターがコンテンツを制作する際の手引きを提供する手間は惜しまないと岡崎氏は語っています。ソニーからTIPSのような形でノウハウを提供しつつ、クリエイターから寄せられるフィードバックに素速く対応できる環境を整えることにも注力しているそうです。

 

様々なハードウェアに広がる360 RA体験

360 RAのコンテンツ制作は、音楽配信サービスが先行導入された欧米のスタジオやアーティストの側で先にノウハウが蓄積されてきました。日本国内でもまたソニー・ミュージックスタジオ、ソニーPCLスタジオ、山麓丸(サンロクマル)スタジオが次々に360 RAのコンテンツ制作をサポートする環境を導入しています。今後は360 RA対応の新作楽曲から、大滝詠一の名盤「A LONG VACATION」のように、過去にリリースされたコンテンツがますます充実することも期待できそうです。

 

ソニーの岡崎氏は「360 RAは当初オーディオ機器で再生する音楽コンテンツを中心に拡大しますが、近く動画付きの音楽ビデオにも広げていきたい」と意気込みを語っています。

 

ライセンスビジネス担当の澤志聡彦氏は、今後も360 RA対応のエコシステムをホームオーディオ、スマホを含むポータブルオーディオから、車載エンターテインメントにも広げていきたいとしています。

↑取材に答えていただいたソニー株式会社 ホームエンターテインメント&サウンドプロダクツ事業本部の岡崎氏、関氏。右側がライセンスビジネス推進室の澤志聡彦氏

 

2020年にソニーが発表したコンセプトカー「VISION-S」にはクルマの中で360 Reality Audioを体験できるシステムが組み込まれ話題を呼びました。現在自動車メーカーとの共同開発にむけた取り組みも動き始めているそうです。

↑ソニーのコンセプトカー「VISION-S」にも360 RA再生機能が搭載されています

 

↑車内で楽しむ立体音楽体験も圧巻

 

ハイレゾやサラウンドに続く、豊かな音楽体験の新技術としてソニーの360 Reality Audioにはこれからも引き続き注目したいと思います。

 

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プログラミング初心者も“プロ”に質問できる! toio公式コミュニティ「トイオ・クラブ」

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)は4月12日、同社のロボットトイ「toio」のユーザーやクリエイター、エンジニアと、toio開発者が直接つながり交流・共有する、toio公式無料オンラインコミュニティ「トイオ・クラブ」を、コミュニケーションツール「Slack」上に開設しました。誰でも参加が可能ですが、16歳未満は保護者を通じての利用となります。

 

トイオ・クラブは、toioの一般ユーザーから、toioが好きなクリエイターやエンジニア、プログラミングに興味がある家庭・親子などが集まり、toioの開発者と直接交流したり作品を共有したりできる、オンラインでの「クラブ活動」のような公式オンラインコミュニティ。

 

ロボットプログラミングがこれからという入門ユーザーでも、作りたいものをどう実現すればいいか、クリエイターやエンジニアや開発者に気軽に質問することができるコーナーや、作った作品の共有を通じて、ユーザー同士でディスカッションしたり制作のノウハウを共有したりできるコーナーも設けています。

 

また、toioを研究開発やアート作品などに応用するユーザーの高度な技術的ディスカッションや、ノウハウについて質問・議論できるチャンネルも用意。toio開発や技術情報は、これまでも様々なSNSやオンラインコミュニティで、開発者やクリエイターたちによって開発環境UnityやJavaScriptなどの作品が活発に開発・発表されてきました。今後はそれに加え、トイオ・クラブがtoioにまつわる横断的な技術情報の共有や作品発表の場所になると同時に、プロトタイプやノウハウの共有・蓄積、改善提案のディスカッションなどを通じた情報共有の場となることが期待されています。

 

トイオ・クラブ開設と同日には、プログラミングアプリ「toio Do」がChromebookに対応。すでに提供中のWindows・Mac両PCやiPadに加え、急速に普及が進むChromebookも追加され、マルチデバイスに対応となったtoio Doで、多様な教育現場の端末環境に応じたロボットプログラミングが楽しめるようになりました。トイオ・クラブでは、教育関係者向けにtoioやtoio Doの活用方法を共有できるチャンネルを設置する予定とのことです。

 

コミュニティの詳しい参加方法などについては、下記「関連リンク」の“「トイオ・クラブ」の詳細・参加について(toio公式ブログ)”をご覧ください。

【西田宗千佳連載】半導体リスクは「安全保障」問題に。そこで立ち回るアップルのパワーゲーム

Vol.101-4

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「世界的な半導体不足」。ソニーがPS5をすぐに大幅増産できない、その背景にある“原因”はいったい何なのか?

 

世界的な半導体不足。そのなかで、生産ラインの増強もすぐにはできない。

 

このことは、世界的なリスクになっている。それは、単に特定の製品、例えばPlayStation 5の在庫が足りなくて買えない……ということだけに止まらない。世界的な経済・安全保障上のリスクと見られるようになっている。

 

半導体やディスプレイパネルの製造は、その8割以上は中国・台湾・韓国に集中している。そして、そこに部材や製造機器を提供しているのは日本、という構図だ。日本から供給する半導体製造に必須の素材も潤沢な状況ではなく、それもまた半導体製造のスピードに影響している。

 

20年前、半導体は「開発したメーカーが生産する」スタイルだった。そのころと違い、今は開発メーカーと生産メーカーが分かれている。生産する企業は東アジアに集中しているため、ここでの需給が世界的な状況を左右しているのだ。つまり、昔と違って成長リスクは分散されたが、その代わりに今回のような「地域的リスク」が生まれたわけである。

 

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

そのため、アメリカは政府を通じて直接、TSMC(台湾新竹市新竹サイエンスパークに本拠を置く半導体製造ファウンドリ)に対して増産を要求しているし、今後はリスクヘッジのために、アメリカやヨーロッパにも先進半導体を中心とした製造ラインを作ろう……という話が出ている。元はといえばアメリカが中国との対抗上の理由で始めた政策によるリスク上昇なのだが、それはそれとして、だ。

 

かといって、そうした施策が有効に働き始めるには、まだ数年が必要だろう。現在目の前にある半導体不足の解消は難しい。ソニーが「PS5をすぐに大幅増産することができない」というのはそのためだ。

 

一方、そうした話があまり聞こえてこない企業もある。アップルだ。iPhoneやMacBook Airなどでは、TSMCの最新半導体プロセスを使ったアップルオリジナル設計のプロセッサーを多用している。だが、部品不足の話はそこまで聞こえてこない。

 

理由はシンプル。アップルが一定期間の大量調達を最初から持ちかけ、他社より早く、優先的に生産ラインを押さえているからだ。TSMCとしても、アップルは長年のお得意様であり、数量・金額的に非常に大きな存在である。

 

これは、企業戦略としては力技ではあるがストレートなやり方と言える。パーツが欲しいなら、製造ラインをカネの力で押さえてしまうのが一番だ。ゲーム機は大きな需要だが、数量ではアップルの需要に敵わない。自動車用半導体も、スマホなどとの競争になればいまは厳しい。

 

今後、短期的には、いかにTSMCのキャパを増やし、各企業が「自分向けの数量を確保させるか」というパワーゲームが続く。その間に、TSMC以外でも生産できる半導体は、早急に生産企業を増やしてカバーしていくことになるだろう。

 

メーカーと国家、両方のパワーゲームのなかで、半導体は文字どおり戦略物資として扱われることになるのだ。

 

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「半導体不足」は在庫できない半導体と生産ラインの関係で生まれる

Vol.101-3

 

半導体が不足したならば、製造ラインを増やせばいい……と考えがちだ。だが、半導体は投資判断が非常に難しい。理由は、半導体の製造ラインは「フルに動いている」形を維持するのが基本であること、そして、半導体の「作り溜め」が非常に難しいことにある。

 

半導体の需要がずっと続くならば話は簡単だ。製造ラインを増やしてもその需要は埋まるので、投資判断はしやすい。だが、需要は時期によって変わる。半導体生産ラインは、稼働率が常に80%から90%の間であることが望ましい、と言われている。80%を切ると効率が落ちて赤字が出やすくなり、90%を超えると需要を満たせなくなる可能性が高くなる。非常に微妙なコントロールだ。そもそも、半導体製造ラインの追加には数千億円単位の費用がかかるため、勝算のある計画を立てるのが難しいのだ。このあたりは、半導体だけでなくディスプレイパネルも事情が近い。日本企業は過去10年、この投資コントロールに失敗し続けて、「先端パーツ供給」の舞台から退いていった。なんとか競争力を維持できたのはソニーくらいのものだろうか。そのソニーも、常に需給コントロールが経営課題として語られる。

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

ならば、需要が少ない時期には「作り溜め」をして、需要が上がった時にはそれを出荷することで、工場からの出荷需要をコントロールすればいいのでは……。そんな風に思う人もいそうだ。半導体は野菜ではないのだから、腐りもせず作り置きできそうに見える。

 

だが、実際はそうではない。部品によっては長く備蓄できるものもあるのだが、半導体を使うプロセッサーなどのパーツはそうもいかず、数か月に渡るような長期間、在庫しておくのは難しい。

 

理由は、湿度などに弱いからだ。特に「錆」の問題は大きい。海の近くでもなければそんなには……と思われそうだが、電子部品は「組み立てる前」の場合、端子類が錆びやすい。各種耐久性は「正常に組み立てた後」を想定したものになっていて、すぐにはんだ付けなどで隠れてしまう部分の強度は、必ずしも高くない。それでも、輸送や保管の過程で工夫すれば1、2か月は持つが、需要期を待って倉庫に半年寝かせておく……といったことは、トラブルのリスクや検品コストを考えても難しい。

 

というわけで、半導体メーカーとしては「できるだけ在庫を積み上げずに流せて、しかも生産ラインも空きができない」ようにコントロールする必要に迫られる。自動車や家電、スマートフォンなどを作る最終製品メーカーとしても、在庫は最終製品として持ちたい(こちらなら部品で持つよりリスクははるかに小さい)ので、数か月以内の需要に基づいて発注するのが基本だ。

 

こうした事実が積み重なると、安易に「半導体不足だからすぐにラインを作って」とは言えないのが実情である。

 

このことは、世界的な生産におけるリスクになってきている。では、実際には今後どうなっていくのか? また、企業はどう対応しているのか? そのあたりは次回のウェブ版で解説したい。

 

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ゲームで遊びながらプログラミングを学べるソニーのロボットトイ! 「toio Do」で大人も満足のプログラミング体験

2021年3月20日で発売から2周年を迎えた、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)のロボットトイ「toio(トイオ)」。3月17日、“新たな展開”として、「toio Do(トイオ・ドゥ)」が発表されました。今回はtoio Doとは何なのか、toio Doでどんなことができるのか、実際に遊んでみます!

↑「toio Do」とは一体?

 

まずtoioとは何かを“おさらい”

toioは2019年3月に発売された、創意工夫する力を引き出すキューブ型のロボットトイ。楕円形のボディが特徴の「toio コンソール」、モーター内蔵で動き回ることのできる「toio コア キューブ(以下キューブ)」、キューブの動きを制御する2台のコントローラー「toio リング」で構成されています。toio専用タイトルが格納された「toio カートリッジ」(別売)を使えば、さらに遊びや学びの幅が広がります。toioのタイトルはこれまで「おんがくであそぼう ピコトンズ」や「大魔王の美術館と怪盗団」などが発売されています。

↑「toioコンソール」に収まっている四角い物体が、toio Doで重要な役割を果たすキューブ

 

toioはこれまでも、ビジュアルプログラミングでキューブを動かせたり、より本格的なプログラミングで複雑な動きをさせたりといったことができましたが、やはり素人がゼロからビジュアルプログラミングでプログラムを作っても、大半はきっと、単純にキューブが“動いて回ってしゃべるだけ”になるでしょう。

↑こちらはtoio Doを使わずに、ビジュアルプログラミングでゼロから作ってみたプログラミング(※記事内動画は筆者撮影)

 

今回リリースされたtoio Doは、「あそぶ」と「つくる」の2軸からプログラミングを楽しく学べるサービス。キューブとビジュアルプログラミングで、あらかじめ用意されたミニゲームやサンプルプログラムの構造を実際に見たり、その仕掛けを理解したり、直接プログラムの数値などを“いじる”ことで、ゲーム感覚でいつの間にかプログラミングが身に着いていくというサービスです。WindowsやMacだけでなく、iPad(アプリ)、そして4月からはChromebookでも利用できるようになります。

 

「プログラミングってなんだか難しそう!」「なにをどうすればいいのか正直よくわからない!」と思っていても、toio Doなら出来合いのサンプルをあれこれと見たり変えたりしていれば、遊びながら理解が深まって「プログラミングは楽しい」という結論に達するのですね。

 

豊富な“サンプル”も満足!

“あそぶ”のサンプルには、「キューブでお絵かき」「動くわなげ」「ブロックくずし」などのミニゲームや、「シンプルリモコン」「動きレコーダー」など、toioチーム制作の「シンプルゲーム&ツール」、さらに、じゃんけん・しりとり・トランプ・将棋などに“調味料”としてロボットのプログラムが加わった、ボードゲーム作家「ブルーパドル」制作の「あそびの調味料」が用意されています。

 

今回は1人用のゲームしかお試しできなかったのですが、サンプルというにはもったいないほどの、満足感のある遊び応え! サンプルのゲームは今後も追加されていくようです。

↑動くキューブと、それを見守る筆者

 

シンプルゲーム&ツールのひとつ、「シンプルリモコン」は、PCやiPadの画面上で、キューブをラジコンのように前後左右、自由自在に動かせるコントローラー。これはiPadのタッチ操作の方が動かしやすいかもしれません(ミニレースも同様)。

↑シンプルリモコンは“自由度”が高く、マットの上に障害物を置いて、ジムカーナのようなタイムアタックをやってみても楽しそう!

 

プログラムいじりに挑戦!

1.サンプルで遊んでみる

ブロックくずしは、キューブを左右に動かしながら、ボールを落とさないように操作するゲーム。2つあるキューブのうち、1つを自動で動かすことができます。このキューブ操作が意外と難しい! 勢い余って行き過ぎたり、逆にボールに届かなかったり、なかなか全部崩せなかったりします。そこで……

↑ブロックくずしに挑戦中

 

2.プログラムをいじってみる

全部崩せずに途中でゲームオーバーになってしまうのは、ボールが小さくて動きも速いからだと仮定して、じゃあボールが大きかったら、動きが遅かったら……と考え、プログラムを見て、ボールの大きさと速さの数値を変えてみました。

↑ビジュアルプログラミングの画面。プログラミングのヒントもところどころに書かれている

 

3.再び遊んでみる

試しにボールの大きさを初期値の倍(24)に、速さを初期値の半分(3)にそれぞれ変えてみたところ、ボールが大きく遅くなり、先ほどよりは善戦できました。このように、プログラムをいじって自分がクリアできるような仕様にしたり、自分好みの新しいルールに変えたりといった、オリジナルの“あそび”を、自由な発想で無限に創り出すことができます。

↑クリアできるまでボールの大きさや速さを変えてみよう

 

続いて、ミニゲーム「キューブさんのおしゃべり」をいじって、キャラクターがしゃべるアニメーションプログラムを作ってみました。キューブさんのおしゃべりは、キューブのキャラクター「キューブさん」が、様々なセリフをしゃべってくれます。

↑キューブさんのおしゃべり

 

キューブさんのおしゃべりをほぼコピーして、キューブさんの見た目と、セリフを変えた“おしゃべりフルーツボウル”を作ってみました!

 

こんな感じでアニメーションプログラムも簡単に作成できます。Scratchのような低年齢層のイメージが強いビジュアルプログラミングでも、大人が思わず唸ってしまうプログラミングが可能なのです。

 

なお、サンプルが用意されているのはゲームだけでなく、タイマーや分度器、ノギスといったユーティリティツールもあります。

↑「タイマー」は、アラーム音などを変更可能

 

料理を全然作ったことのない人が、例えばちょっとした総菜のアレンジレシピから料理に興味を持っていくように、プログラミングも「ちょっといじってみるか」から始まって、そこからぐんぐんと目覚めること間違いナシでしょう! ちなみにtoioは2020年秋から、ゲームエンジン「Unity」のSDK(開発キット)も無償配信されており、より本格的なロボットプログラミングに挑戦することができます。さらに興味が湧いたら、そこからUnityなどに手を出していくと、将来有望なゲームクリエイターになれるかもしれませんね。

 

しかしながら、イマドキの若い人は羨ましいですね。こんなに手軽にプログラミングを楽しめるなんて。なぜ20年以上前にtoio Doがリリースされなかったのだろう……もし筆者が10代のころにtoio Doと出会っていれば、今頃筆者は凄腕プログラマーになっていたはずなのに!?

 

というわけで、toioのキューブさえあれば無料で楽しめます。キューブ単体も税抜4480円なので、ゲームソフト1本分と変わらないですよ。ぜひ遊んでみてください。

↑toio本体セットを持っていなくても、キューブ1個だけでもtoio Doは遊べる!

 

写真/鈴木謙介

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

米中摩擦、そして自動車産業との半導体の取り合いがPS5に影響

Vol.101-2

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「PS5の品不足」。欲しい人になかなか行き渡らない、その背景にある“原因”はいったい何なのか?

 

 

PlayStation 5(PS5)やハイエンドGPUは、買いたくても市場にあまりない状態がつづいている。一義的には、こうした製品が人気であることが品不足の理由である。PS5は製品自体の魅力から人気があるし、ハイエンドGPUは、ゲームよりむしろ仮想通貨(暗号資産)のマイニングを目的に買われている。

 

もちろん本来なら、需要に合わせて増産されるのが基本である。だが現状、ハイエンド半導体を生産する台湾・TSMCの生産ラインのキャパシティはいっぱいであり、短期での大規模増産は難しい状況にある。

 

なぜそうなっているのか? ひとことでいえば奇妙な玉突き現象の結果である。遠因となったのは、米中摩擦の激化だ。

 

2018年まで、半導体業界は好調に沸いていた。だが2019年以降、アメリカ政府が対中制裁を強化したことから、変化が生まれた。特に影響が出たのは、2020年9月以降本格化した、中芯国際集成電路製造(SIMC)に対する制裁である。

 

といっても、SIMCが、ハイエンドGPUやPS5に使われるようなハイエンド半導体を作っていたわけではない。SIMCが作っているのは、技術的にはこなれた28nm(ナノメートル)から65nmというプロセスルールによる車載向け半導体が中心である。

 

これにより、現在、自動車向け半導体の分野では、PS5やハイエンドGPUと同様に「半導体不足」が深刻化している。各自動車メーカーが、自動車自体の生産量を減らさねばならないほどの、過去に類を見ない状況になっているのだ。

 

 

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

だが、前述のように、SIMCはハイエンド半導体を作っていない。それならPS5やハイエンドGPUには関係してこないように思える。なのになぜ、SIMCが作っていないようなハイエンド製品まで影響を受けるのか? それは、SIMCに製造委託できなくなったぶんを、TSMCが作らざるを得なくなったからである。

 

TMSCはあらゆる半導体の製造を請け負っている。ハイエンド製品が差別化の中心であり収益源でもあるが、世の中にあるのはハイエンド半導体でできた製品ばかりではない。むしろ数だけで言えば、こなれたプロセスで作られるもののほうが多い。

 

一方、ハイエンド半導体以外の生産ラインについては、積極的な拡大が図られているわけではない。投資効率で言えば、ハイエンドに投資し、それが次第に古くなって一般的な製品向けになっていくのが好ましいためだ。結果、稼働率が落ちていた古いラインを自動車のために回し、ハイエンド半導体向けのラインは維持、という方向になっている。

 

ただ、TSMCはあらゆる方向から半導体を求められるゆえ、これではまったく需要が追いついていないのである。

 

また、ハイエンド製品であっても、電源関連やメモリまわりなどは、すべてがハイエンド半導体ではない。自動車向けと同じようなプロセスで作られる部品もあり、ここは自動車との取り合いが発生している。CPUだけでなく、すべての部品が足りなければ、結局製造はできない。

 

では、その深刻さはどのくらいなのか? 解決の方法はあるのか?  そのあたりは次回のウェブ版で解説していく。

 

 

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PS5の品不足にも影響、メーカーを苦しめる半導体不足

Vol.101-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「PS5の品不足」。欲しい人になかなか行き渡らない、その背景にある“原因”はいったい何なのか?

 

PS5供給不足は世界中で発生している

 

昨年11月に発売されたPlayStation 5(PS5)は、いまだに入手困難な状況が続いている。ニュースなどでは、転売に関する問題が取りざたされることが多いが、そもそもの供給量が足りないことがこの問題の主な原因だ。これについて、ソニーは「2020年中に全世界で450万台を出荷した」と発表しており、いまも供給拡大に最大限の努力をしている、とアピール。だが、それでも世界中で品不足が起こっているのが現実だ。特に、日本の品不足は、供給されるPS5の多くが「世界向け」であり、日本への割当量自体が不足しているという側面もあるようだ。

 

だが、やはり本質的な課題は、「PS5の生産数を急激に拡大するのは難しい」という部分にある。ソニー・CFO(最高財務責任者)の十時裕樹さんは、2月に行われた2020年度第3四半期業績説明会にて「調達にはベストを尽くしているが、世界的な半導体不足の影響も大きい」とコメント。短期で生産計画を大きく上積みするのが難しい、という見解を示しており、供給不足解消の具体的な時期について言及するのを避けた。

 

ソニー・インタラクティブ エンタテインメント PlayStation 5/実売価格5万4978円

 

7nmプロセッサーの需給逼迫が品不足の原因

このようにPS5の大幅増産が難しい理由は、PS5に使われる半導体、特にメインプロセッサーの供給不足が大きく響いているからだ。PS5のメインプロセッサーはAMDとソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の共同開発によるもので、生産は台湾の半導体製造専業メーカー・TSMCが担当している。このプロセッサーには、製造プロセス(編注:半導体の製造に用いられる線の幅のこと)「7nm(ナノメートル)」のものが使用されている。重要なのは、同社の7nmの製造ラインは、PS5向けだけでなく、AMDのCPU「Ryzen 4000」「Ryzen 5000」シリーズ、そしてマイクロソフトの「X box Series X」「Series S」などでも使われているということだ。昨今は、テレワーク下での需要拡大により、ただでさえPCのプロセッサー需要が増えていた。そこに2つのゲームハードが同時に新型機を出した関係で、TSMCの7nmの製造ラインはかなり逼迫している状態なのだ。そのため、世界的に見ると、PS5だけでなく新型X boxも販売は好調なのだが、こちらも同様に生産数不足で需要を満たせていない事態に陥っている。

 

では、こうした供給不足はいつくらいに解消されるのか? AMDのリサ・スーCEO(最高経営責任者)は、「2021年上期はまだ供給がタイトだが、下期には供給量を上げられる。年間を通じては需要に見合う供給ができるだろう」と説明している。これはすなわち、今春から今夏くらいまでは、まだまだPS5の品不足は解消しそうにないということでもある。

 

ただ、そこで気になるのは、なぜプロセッサーの生産量を上げるのが難しいのか? という点だ。そもそも、昨年末に2つの新型ゲーム機が出るのは予定されていたことでもある。それでも生産ラインを増やせなかった理由、そしていまも増やしづらい理由には一体何があるのか? これについてはウェブ版で解説していくことにしよう。

 

 

 

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【西田宗千佳連載】プロ向けカメラには当面「5Gは搭載されない」。その理由とは?

Vol.100-4

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「Xperia PRO」。高価格にばかり目が行きがちな本機だが、そのコンセプトにこそ斬新さがあった。

 

Xperia PROは、自身の内蔵しているカメラ機能をそこまで重視していない。ミラーレスカメラや放送用機器など、より高度な映像を扱う機器と接続して使うことを前提としているからだ。

 

だが、ここでシンプルな疑問が浮かぶ。それらの放送用機器自体に通信機能を搭載するわけにはいかないのだろうか? ケーブルでつなぐのは面倒。最初からなかに通信機能が入っていればもっと楽なようにも思える。

 

だが残念ながら、今日では通信機能と専門的な機能は分けて設計するほうが良い、という考えが支配的だ。

 

理由は2つある。

 

ソニー Xperia PRO/実売価格24万9800円

 

一つは、機器の設計が難しくなることだ。通信機能を内蔵するのは簡単なことではない。Wi-FiやBluetoothのようにこなれていて、そもそも安定している通信ならばともかく、まだ発展途上の5Gなどを組み込むには、5Gの側でも組み込まれる機器(例えばカメラ)の設計の側でも、通常よりハイレベルなノウハウが必要になる。

 

二つ目は、「そこまでやっても、機器の売り上げにはプラスではない」という点だ。例えば、カメラは買ったら長く使うのが基本。だが、スマホは1~2年で技術が進歩していく。特に5Gのような、発展途上の技術の場合なおさらだ。カメラとしては十分にまだ使える状態なのに、通信機器としての技術面が陳腐化して先に機器としての寿命が来る……という可能性が高い。

 

こうしたジレンマは、カメラだけでなくテレビやゲーム機など、様々な分野に存在する。1つにまとめるべきか否かは機器によって異なるが、カメラのような製品では、なによりもまずカメラのクオリティが重要であり、通信などはその先の付加価値と言える。だからこそ、機器を1つにまとめようというアプローチはなかなかうまくいかないのだ。

 

過去には、コンパクトデジカメなどで、OSにAndroidを使った通信一体型カメラが出たこともある。しかし、結局は、大量に生産されて開発コストも十分に用意されるスマートフォン自体がコンパクトデジカメを圧倒してしまった。一方で、スマホやコンパクトデジカメと、フルサイズのセンサーを使ったミラーレスの間には、「物理的なサイズの差異」によって実現できる画質に大きな差がある。だからこそ、スマホがコンパクトデジカメを駆逐したなかでも、一眼レフやミラーレスは生き残った。そんな大型・プロ向けデジカメであっても通信と無縁ではいられないが、そこは「外部に機器をつなぐ」形が基本。これは、ソニーだけでなく、大手カメラメーカーのすべてが同様に考えていることでもある。

 

だから当面、「プロ向けカメラ」には通信機能は乗らず、Xperia PROのような「プロ向けカメラを意識した通信機器」がそれぞれ必要とされるのだ。

 

 

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【西田宗千佳連載】単体では儲けが少ないXperia PRO。それでもソニーが製品化を進めた理由

Vol.100-3

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「Xperia PRO」。高価格にばかり目が行きがちな本機だが、そのコンセプトにこそ斬新さがあった。

 

ソニーのXperiaといえば、日本では人気のスマホブランドだ。だが、世界的に見ると、スマホ市場におけるソニーはマイナーなメーカーになってしまっている。世界でのシェア争い、特にアメリカや中国といった大きなニーズを持つ国での競争に負け、現在は事業戦略として「販売台数を追わず、規模を縮小する」形を採っている。そのため、バリエーションをとにかく増やしたり、販売国を増やしたりするという状況にはない。

 

そのなかで、なぜ「Xperia PRO」のような製品を開発するに至ったのだろう? 実のところ、販売数量は多くはならない。業務用で売れる数量は限られており、個人向けスマホに比べると大きな商いとはいえない。

 

ビジネス向け・業務向けスマホの市場は確かに存在する。だがそれらは、Xperia PROのように特化した機能を備えているものというより、工事現場などのヘビーデューティーな要素が必須のものや、単純に法人市場向けにシンプル化したものが中心。要は「もっと数が売れるもの」が多いのだ。映像のプロ市場に向けたスマホは、そこまで大きな市場に向けたものではないと考えられる。

 

だが、それでもソニーがXperia PROのようなスマホを作ったのは「社内に連携する機器が多数あり、ビジネス上の価値が高い」からだ。

 

Xperia PROのデモでは、ソニーのミラーレスカメラである「α」シリーズとの連携が示された。Xperia PROの機能自体は別にαに特化した部分はないのだが、同じグループ会社同士の製品だから、アピールに使われるのも当然と言える。スマホに興味がある人は「αと連携できるのか」と思うし、カメラに興味があるひとは「αと連携するスマホがあるのか」と考える。スマホとカメラの両方でそれなりの認知度を持つ企業はほかにはなく、結果的にだが、これはソニーらしい連携となっている。

 

ソニー Xperia PRO/実売価格24万9800円

 

ソニーにとってのXperia PROの価値はそれだけにとどまらない。

 

ソニーは多くの「業務用映像機器」を作っている。テレビ中継用のカメラや機材などだ。撮影の現場ではソニーの業務用機器が多く使われており、それらと連携するものとして、通信機器も必要になる。

 

Xperia PROにつながる開発の過程では、アメリカの通信会社であるベライゾンと組み、アメリカンフットボールの本場・NFLの試合で、放送用カメラに5G端末を取り付け、放送局の編集室へと直接届ける試みも行われている。そうした組み合わせが放送業界に売り込めるなら、Xperia PROのようなデバイスは、スマホ単体の売り上げだけでなく、編集システムやカメラのビジネスとしても重要なものになる。

 

こうした連携は昔から「ソニーに必要なもの」と言われてきた。だが、それがちゃんとできていた例は意外なほど少ない。Xperia PROはそういう意味でも、ようやく生まれた「ソニー社内の横連携」の象徴でもあるのだ。

 

では、本機のような「他の機器とつなぐことを前提としたスマホ」の存在はいつまで続くのだろうか? それは次回のウェブ版で考察する。

 

 

 

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「CP+2021」総括レポート前編:初のオンライン開催で見えたカメラメーカーの「ある変化」

2020年2月25日から28日にかけて、日本最大の一般向けカメラ、映像機器の見本市である「CP+2021」が、コロナ禍の影響から初のオンラインで開催されました。昨年は同様の理由から中止となってしまったイベントだけに開催を喜ぶファンの声や期待が大きかった一方で、オンラインではカメラやレンズの実機に触れることができないなど、大きな制約がある中での開催となり、出展者であるメーカーがどのような工夫をしてくるかといったことにも注目が集まっていたイベントです。

 

本稿では、4日間に渡ったオンラインイベントの様子や主要出展各社の特徴、主だった新製品、全体としてのトレンドなどについて前後編の2回に分けてリポート。前編となる今回は、CP+公式サイトと主要カメラメーカーについてです。

 

CP+公式サイトはカメラメーカー特設ページのポータル的役割に

まず、CP+2021の公式サイトでは、主催者(一般社団法人カメラ映像機器工業会・CIPA)イベントとして、会期初日に「キーノートスピーチ」「CIPAデジタルマーケット・セミナー」「上級エンジニアによるパネルディスカッション」の3つを実施。フォトアワード「ZOOMS JAPAN 2021」の受賞作品発表なども行われました。

 

主催者イベントについては、主に現在のカメラ市況の分析やトレンドについて解説するもので、業界関係者やプレス向けの色合いが濃いイベントです。とはいえ、今回はオンラインとなったことで一般の方の視聴も行いやすくなったので、来年も視聴したいと思った人もいたのではないでしょうか? また、今回のイベントでは、CP+公式サイト以外は参加メーカーのサイト上に特設ページを設ける形で行われたため、CP+公式サイトは、そのポータルとして機能していました。各社へのリンクは、参加者の目的ごとの絞り込みができるほか、SNSの情報なども確認できるようになっていて、ポータルとしての使い勝手は、初のオンラインイベントとしては悪くなかったと思います。

↑CP+2021公式サイトのトップページ。公式チャネルでは、主催者イベントのほか、出展各社の注目コンテンツをリンクしていた。また、出展社のセミナーの検索も可能

 

それでは、今回参加したカメラメーカーについて、それぞれ見て行きましょう。

 

【カメラメーカー1】OMデジタルソリューションズ(オリンパス)

オリンパスの映像事業部門が独立する形で2021年1月に誕生した新会社で、OM-Dシリーズをはじめとした、マイクロフォーサーズのミラーレスカメラなどを展開。CP+2021では、目立った新製品の発表などはなかったものの、同社のYouTubeチャンネル「OLYMPUS LIVE」を活用して、新会社の決意などを表明しました。カメラ機材や交換レンズを活用している写真家のトークや、撮影テクニックを解説するセミナーなども多数配信。既存の「OLYMPUS LIVE」のコンテンツも充実しているため、同社製品のユーザーだけでなく、これからカメラを購入しよういうユーザーにも役立つものになっていました。

 

↑配信では、写真家の山岸 伸さんと海野和男さんのプレミアムトークのほか、吉住志穂さん、佐藤岳彦さんのトークなどを実施。画面は、吉住志穂さんによる「OM-Dで撮る花写真」

 

【カメラメーカー2】キヤノン

TOKYO FMとタイアップした番組形式の映像配信、「CP+2021 ONLINE Canon Imaging Channel」を実施。ラジオ・パーソナリティーによるトークを交えつつ、写真家やタレントのトーク、製品の活用テクニックなどを配信。同社のフルサイズ・ミラーレスカメラ、EOS Rシリーズや新コンセプトカメラであるiNSPiC REC、PowerShot ZOOMなどのコンセプトやデザインワークについてのトーク、開発者による解説なども行われました。イベントに合わせた製品発表などはなかったようですが、フルサイズミラーレスのEOS R5、R6、交換レンズのRF50mm F1.8 STMなど、比較的最近発表・発売された製品の展示が多く、ユーザーの注目度も高かったのではないかと思います。ライブ配信ではリアルタイムのアンケートなども実施し、インタラクティブ性が高く参加者も十分楽しめたのではないでしょうか。

↑ライブ配信中心のコンテンツで、各プログラムの合間には、TOKYO FMのパーソナリティーらがトークを行うという本格的な番組構成。一日中見ていても飽きない工夫がされていた

 

↑プログラムは、「Catch the Technique」「Catch the Future」「Catch the Fun」「Catch the Community」の4つのカテゴリーに分けられ、さまざまなトークやセミナーが展開された。画像は、ハービー・山口さんによるトーク「モノクローム写真の魅力」より

 

【カメラメーカー3】ソニー

α7/9シリーズや各種交換レンズについてのコンテンツもありましたが、やはり2021年1月に発表されたフルサイズミラーレスカメラ「α1」、同年2月に発表されたフルサイズセンサー採用の映像制作用カメラである「FX3」、2つの注目機種に関連したコンテンツが多かった印象。この2製品を軸に写真家や映像作家による、機材紹介や使いこなしについてのセミナーやトークが数多く実施されました。今回は特に映像関連のコンテンツが多くなっている印象で、FX3などの専用機はもちろん、α7シリーズなどの動画撮影機能も含め、同社のカメラとレンズが動画撮影にも適している点や、そのための機能が理解できる内容になっていました。

↑オンライン上に同社のブースを再現することで、新製品などを体感できるように工夫されていた

 

↑セミナーやワークショップは、AとBの2ステージ構成。およそ40名のさまざまなジャンルの講師が登場し、イベントを盛り上げた。画像は山下大祐さんによる「瞬間と一時と、マルチに魅せる鉄道表現」より

 

↑ソニーの新製品「α1」。有効約5010万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSセンサーを搭載し、約30コマ/秒の高速連写や8K 30pの動画撮影に対応するなど、現時点での“究極”とも言えるスペックのミラーレスカメラ。予想実売価格で88万円(ボディ)という超高価なモデルながら、プロだけでなく多くのハイアマチュアの注目を集めている。2021年3月19日発売予定

 

↑Cinema Line プロフェッショナルカムコーダー FX3。αシリーズミラーレスカメラと同じEマウント採用のプロ仕様ビデオカメラで、4K動画撮影対応で映像制作の現場に最適化した、豊富な機能を装備する。予想実売価格/50万4900円(ボディ)、2021年3月12日発売予定

 

【カメラメーカー4】ニコン

2020年後半に発売されたフルサイズミラーレスカメラ、NIKON Z 7II、Z IIとNIKKOR Zレンズの機能や特徴を中心に、写真家や映像作家などによるセミナーやトークを展開。Zシリーズの使い勝手の良さやレンズの写りの良さが伝わってくるコンテンツが豊富に用意されていました。今回は、写真だけでなく、映像制作の現場でZシリーズのカメラやレンズが適していることにも重点が置かれ、写真用にZシリーズを購入したユーザーにも、気軽に質の高い動画撮影を楽しんでもらおうといった方向性のコンテンツも用意。写真と動画の両方が高いレベルで楽しめるカメラとしてのZシリーズの魅力が伝わる内容になっていました。

↑オンラインステージはライブと事前収録のコンテンツを組み合わせて、4日間行われた

 

↑オンラインステージには19名の写真家や映像作家などが登場し、ニコンのカメラやレンズの魅力、現場での使いこなしなどについて解説した。画像は、動物写真家の半田菜摘さんの「Z シリーズで出会う北海道の野生動物」より

 

【カメラメーカー5】パナソニック

動画・映像制作Tipsサイト「Vook」とコラボし、ライブ配信プログラム「Creators Live! with LUMIX」を実施。2月26日は写真、27・28日は映像制作に主要テーマを分け、写真家や映像作家によるセミナーなどを配信しました。製品の紹介はもちろんですが、LUMIXを用いた写真や映像の作品制作の基本や、プロでも役立つ表現テクニックやTipsなども紹介。配信によるコンテンツは、ほとんどの内容がリアルタイム配信で、ためになる内容だけでなく適度に笑いありハプニングありの関西風味も加わって、長時間のコンテンツでも飽きずに見ていられる内容でした。

↑「Creators Live! with LUMIX」と題した、ライブ配信を実施。配信そのものは2月26日からの3日間だったが、内容が濃く、見応えのあるコンテンツが多かった

 

↑2月26日「写真を、究めよう。」、27日「動画を、はじめよう。」、28日「動画を、究めよう。」とテーマが設けられて配信された。3日中2日が動画関連となっていて、同社の動画への力の入れようが伝わる。画像は写真家・相原正明さんによるセッションより

 

【カメラメーカー6】富士フイルム

会期中のライブ配信によるコンテンツは用意されていなかったものの、発売になったばかりの新製品、FUJIFILM GFX100SをはじめとしたラージフォーマットカメラのGFXシリーズ、APS-CサイズカメラのXシリーズ、人気のインスタントカメラ“チェキ”など、製品タイプごとの動画コンテンツが用意され、特に同社の製品に興味のあるユーザーには、大変参考になる内容になっていました。また、同社の伝統ともいえるプリントサービスについても紹介され、プリントのお試しサービスも展開(2021年3月31日まで実施)。撮影からプリントまでを完結できる同社の総合力を実感できる内容になっていました。

↑FUJIFILM GFX100S、X-E4の2機種の新製品や人気のX-T4といったカメラだけでなく、プリントサービスについてのコンテンツも用意され、同社ならではの写真の楽しみ方が提案されていた

 

↑写真家によるトークなどのほか、上の画像のような開発者による対談なども実施。開発中のエピソードなども交えて、同社製カメラの使いやすさや魅力を伝えていた。画像は「X-E4 開発者トーク」より

 

↑FUJIFILM GFX100S。43.8×32.9mmの大型センサー採用で有効約1億200万画素の超高画素機ながら、約900gの軽量ボディを実現。5軸式で最大6段分の効果を持つ手ブレ補正を搭載し、超高画素で手持ち撮影が楽しめる。実売価格/76万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

↑FUJIFILM X-E4。携帯性に優れたスクエアなボディに、APS-Cサイズの有効約2610万画素センサーを搭載。ノイズが少なく高感度でも高画質に撮れるほか、4K動画撮影時も低ノイズだ。180度まで跳ね上げ可能なチルト式背面モニター採用で自撮りにも最適。画像のシルバーボディのほか、ブラックボディも用意。実売価格/10万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

【カメラメーカー7】リコー

動画配信としては、近日中の正式発表や発売が見込まれているAPS-Cサイズフラッグシップ一眼レフ「PENTAX K-3 MarkIII」や、シリーズ30周年を迎えた高級コンデジのGR、360度全天球カメラのTHETAに関連したコンテンツや写真家のセミナーが中心。このほか、ライブ配信を駆使して、PENTAX K-3 MarkIIIのオンライン・タッチ&トライ(予約制)が行われていたのは特徴的でした。また、新製品として2月25日発表の「HD PENTAX-FA31mm F1.8Limited」など3本のレンズや「J limited」と称されたPENTAX K-1markIIのカスタムモデル、開発発表が行われた「HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED PLM AW」(仮称)についても紹介されていました。

↑PENTAXのKシリーズ一眼レフ、リコーGRシリーズ、THETAシリーズの3つが同社の主力機種だが、やはり今回は、貴重な一眼レフの新製品、PENTAX K-3 MarkIIIの注目度が高かったようだ

 

↑4日間に渡り、ライブ配信を含めた数多くのコンテンツを配信。特に2本のCP+公式チャネル枠は、写真家・森山大道さんが登場したり、『一眼レフに未来はあるか?』と称した挑発的な対談企画が行われたりして、同社ユーザー以外の注目も集めていた。画像は佐々木啓太さんによるセミナー「HD FA Limited 新しい3姉妹と語る写心」より

 

↑PENTAX K-3 MarkIII。同社のAPS-Cサイズ機のフラッグシップとして開発が進められているモデル。発売日や価格などは未定だが、基本性能が高いことはもちろん、操作性やファインダーの見え味などにもこだわった注目の一眼レフだ

 

 

↑左から「HD PENTAX- FA43mmF1.9 Limited」「HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited」「HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」。アルミ削り出しの外観やシャープな写りと美しく柔らかいボケ味を両立した写りなどが特徴の高品質な交換レンズ。カラーは画像のシルバーのほか、ブラックも用意。4mm F1.9が8万7000円、77mm F1.8が12万円、31mm F1.8が15万6000円(各メーカー希望小売価格・税別)、2021年4月下旬発売予定

 

各カメラメーカーのオンライン発表を見て…

今回のカメラメーカーの出展内容は、写真撮影だけでなく、動画撮影に力を入れたものが多かったのが特徴的でした。これは、質の高い動画撮影が可能なフルサイズミラーレスカメラが普及し始めたこと、プロを含む映像作家がフルサイズミラーレスカメラを積極的に使い始めたことなどがあると思います。特にパナソニックは、イベントを行った3日中、2日を動画向けのコンテンツとしていたのは特徴的で、内容的にも動画撮影の初心者からプロの作家まで満足のできるものになっていて、勝負をかけてきたな……という印象。今回の出展社では、リコーだけが現行のミラーレスカメラを持っていない状況ですが、同社は一眼レフの新製品を出すことで、一眼レフや同社のファンの心を掴む方向で勝負をしていて、そちらも魅力的に感じられる内容でした。

 

後編ではカメラメーカーより、さらに配信でのアプローチが気になるレンズメーカーの出展状況からトレンドを見ていきたいと思います。

 

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【西田宗千佳連載】「プロによるスタジアムからの配信」に重要なミリ波のサポート

Vol.100-2

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「Xperia PRO」。高価格にばかり目が行きがちな本機だが、そのコンセプトにこそ斬新さがあった。

 

5Gは4Gと同じように、複数の周波数帯の電波を使ってサービスが展開されている。ただし、周波数帯による特性の違いは、4Gよりもさらに大きい。なかでも特別な扱いになっているのが「ミリ波」と呼ばれる、26GHz以上の領域を使った部分だ。以前にも本連載で解説したが、ミリ波はこれまで携帯電話向けにはあまり使われてこなかった周波数帯で、帯域がかなり広く用意できる。そのため、「実行通信速度で数Gbpsを超える」ような、4Gとはレベルの違う速度を実現するには、ミリ波対応であることが望ましい。

 

だが、ミリ波に対応しているスマートフォンは少ない。理由は、街中ではまだミリ波がほとんど使われていないからだ。ミリ波は非常に電波が届きづらく、いままでの感覚では使えない。搭載しても価値が出づらいので、ミリ波基地局の増加や技術の進化が実現するまで、マス向けのスマホにはなかなか搭載されないだろう。一般化するまで最低でも2年くらいはかかりそうだ。

 

だが、先日発売されたXperia PROはミリ波に対応している。ハイエンドな製品だから……というわけではない。「ミリ波がありそうな場所で活用することを前提とした」製品だからだ。

 

 

ソニー Xperia PRO/実売価格24万9800円

 

ミリ波がありそうな場所とは、野球やサッカーなどが行われるスタジアムだ。現状、ミリ波を一般的な街中で活用するのはなかなか難しい。将来、ノウハウが蓄積され、効率の良いインフラ構築と端末の開発が進めば別だが、いまはまだ、「ある程度ひらけた、特定の場所にミリ波の電波を集中的に降らせる」形がベスト。そうすると、スタジアムの席やプレスが使う撮影エリアに向けて、ピンポイントにミリ波のインフラを構築するというのは最適なやり方といえる。特に撮影エリアからは、ダウンロードよりも「アップロード」の速度を重視した用途が求められる。5Gの特徴として、4Gよりもアップロード速度を劇的に向上させられる点がある。それを考えても、「映像などをアップロードするニーズがある」撮影エリアに向けて、スタジアムでミリ波をサポートするのは非常に理にかなったものなのだ。

 

一方、そこで使う端末はどうするのか? これまでのミリ波対応端末は、ミリ波サポートを他国より早く開始しているアメリカ市場向けのハイエンド端末が多かった。だが、それらのスマホはあくまで「個人市場を狙ったもの」。そのため、発熱対策が不十分で、長時間大量の通信を続けるには困難があった。

 

そのあたりを意識して開発されたものとしては、2020年春にシャープが発売した「5G対応モバイルルーター」がある。本機はイーサネットのコネクタもあり、業務用を強く意識している製品だ。Xperia PROがミリ波対応したのも、同じような市場を狙ってのことである。「ミリ波を使ってスタジアムから写真や動画をアップロードする」用途は、プロ市場で大きな可能性を持っているのだ。

 

では、なぜソニーはそれをやるのか? そこには、スマホメーカーとしての顔以外の側面が大きく影響しているのだが、それについては次回のウェブ版で解説したい。

 

 

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【西田宗千佳連載】本当に「プロ」仕様だったXperia PRO

Vol.100-1

 

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回のテーマは、「Xperia PRO」。高価格にばかり目が行きがちな本機だが、そのコンセプトにこそ斬新さがあった。

 

名ばかりの「プロ」と一線を画す本気仕様

ソニーは2月10日、新スマートフォン「Xperia PRO」を発売した。価格は税込で約25万円。高いと感じるかもしれないが、本機は単純に高価で高性能だから「PRO」と名付けられたワケではない。

 

Xperia PROのハードウエアには、2つの特徴がある。一つ目は「HDMI入力端子がある」こと、二つ目は「ミリ波の5Gに対応している」ことだ。

 

Xperia PROは底面に、一般に使われる充電用のUSB Type-C端子のほかにmicro HDMI端子を備えている。これは一般的なHDMI出力端子、すなわちスマホの映像を外部に出力するためのものではない。HDMI出力対応の機器をつないで、Xperia PROの画面を「モニター代わり」にするための入力端子であることがポイントだ。接続するのは主にカメラ、それもミラーレス一眼のような、本格的なカメラが想定されている。

 

動画の場合、スマホ側にHDMI入力があれば、高画質なカメラを使って撮影した映像を即座に端末のディスプレイに表示するのと同時に、YouTubeなどに代表される動画配信サイトや、バックエンドにある編集スタジオに送ることができる。つまり、カメラ+スマホのセットで、直接映像配信ができてしまうということだ。また静止画の場合でも、同時にUSBケーブルでも接続することで、カメラから撮影データを直接受け取り、それをネット経由でアップロードすることができる。

 

こうした使い方に特化していることこそが、Xperia PROの「PRO」たる所以なのだ。現場からの中継機能など、多くの人にとっては不要な機能だろう。だが、プロカメラマンや放送の現場などでは、こうした機能の存在によって、機材や手間の削減が容易になる。そうしたターゲットにとって。本機は25万円という価格に見合う価値が十分にある、といえる。

 

一般的に、今日のスマホ市場では、「プロ」と名の付く端末は数多く存在している。だが、それらは別に「プロフェッショナルだけに向けた製品」というわけではない。あくまでハイエンド製品であることを示すためのネーミングで、「プロにも使える」という話でしかなかった。

 

だが、Xperia PROは過去にないくらい「プロ向け」のアイテムとして設計されている。本体がマット仕上げで滑らないようになっているのも、そのほうが撮影の現場ではプラスに働くから。ディスプレイの大きさなどよりも、そうした気配りのほうが重要になるのが「プロ向け」、ということなのだ。

ソニー Xperia PRO/実売価格24万9800円

 

5Gミリ波への対応はスタジアム中継のため

また、もう一つの要素「ミリ波対応」もプロ市場を考慮して採用されている。具体的には、スタジアムなどからの中継を考えてのものだ。現在、街なかにミリ波の設備はまだ少ないが、スタジアムなどでは先行して敷設が進んでいる。そうした場所から中継することを想定した作りになっているのだ。

 

では、なぜミリ波対応施設の敷設がスタジアムからスタートしているのか? 本機がほかのスマホに与える影響はどんなものか? そして、プロ向けスマホに市場性はあるのか? そのあたりをウェブ版で解説しよう。

 

 

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ソニー、フラッグシップミラーレス「α1」を発表! お値段80万円でも納得の理由

ソニーは1月27日、同社のフルサイズミラーレス一眼のラインナップにおいてフラッグシップにあたる新モデル「α1」を発表しました。発売は3月19日の予定で、市場想定価格は税別80万円(ボディ)。フルサイズミラーレスとしてはかなり高価なモデルですが、その驚愕のスペックを見ると思わず納得してしまうかも!?

↑ソニーα1。背面モニターは約144万ドットのチルト可動式液晶を搭載。メディアスロットは次世代記録メディアCFexpress Type AカードとSDカード両方に対応したスロットを2つ搭載している

 

有効約5010万画素の高解像と30枚/秒の高速連写を両立

α1は新開発の有効約5010万画素のフルサイズセンサーや、従来比約8倍の処理性能をもつ画像処理エンジンを搭載。この組み合わせにより、5010万画素という高解像ながら、同社のハイスピードモデル「α9」シリーズを上回るAF/AE追従最高30枚/秒のブラックアウトフリー高速連写(電子シャッター時)を実現しています。

 

従来から定評のある高速・高精度なAFもさらに進化。リアルタイム瞳AF(人物)はα9 II比で約30%検出能力が向上しているほか、動物への瞳AFでは従来の犬や猫などに加え、新たに「鳥」が追加されました。

 

電子ビューファインダーには約944万ドットの大型0.64型有機ELディスプレイを採用し、最高で240fpsでの表示にも対応。画像処理エンジンの高速処理性能も相まって、ファインダー内で被写体の動きをより滑らかに表示することが可能となり、動体撮影時も被写体を追いやすくなっています。

 

また、動画では8K30pでの高精細な動画記録に対応。温度上昇に配慮した放熱設計とすることで、8K30pで約30分の撮影を可能にしています。8K動画記録といえば昨年キヤノンが発売したフルサイズミラーレス「EOS R5」に搭載されたことで話題となりましたが、ついにソニーαも対応してきましたね。

 

そのほか、5G対応端末との連携や防塵防滴に配慮した堅牢なボディ、5.5段の光学式5軸手ブレ補正、縦位置グリップへの対応など、プロの撮影現場を想定したハイエンドな仕様になっています。

 

税別80万円でも高くない? 文句なしの総合的フラッグシップ機

冒頭で今回発表されたα1を「フラッグシップ」と紹介しましたが、実はソニーはこれまで同社のフルサイズミラーレス一眼において、フラッグシップという呼称を積極的に使用してきませんでした。というのも、高画素な「α7R」シリーズ、高感度や動画に強い「α7S」シリーズ、コスパに優れたスタンダードモデル「α7」シリーズ、高速連写など動体撮影に強い「α9」シリーズというように、それぞれ強み(特徴)をはっきりさせた複数のラインを展開しているからです。

 

そのため、どれが1番という位置づけをしてこなかったのだと思われますが、今回のα1は、動体撮影性能も画質も動画撮影機能もすべてがハイレベルで達成されており、文句なしの総合フラッグシップモデルと言えます。言い換えれば、1台に既存モデル複数台分以上のスペックが詰め込まれているということ。そう考えると、だんだんと税別80万円という価格も高くはないかな……と思えてきませんか?

 

 

 

SIMフリーのXperiaで裾野を広げる――Xperiaを軸にソニーストアが提案する体験価値

ソニーモバイルは国内主要キャリアに加えて、国内MVNOや海外のキャリアによる通信サービスもより手軽に利用できるSIMロックフリーモデルのXperiaを発売しています。5G対応の最新モデル「Xperia 1 II」のSIMロックフリーモデルも昨年秋に登場しました。

↑国内でXperia 1 IIのSIMロックフリーモデルが昨年10月から購入できるようになりました

 

Xperia 1 IIをはじめ、ソニーモバイルがSIMロックフリーの端末として販売を開始したプレミアムクラスにはソニーが誇る最先端のモバイルテクノロジーが惜しみなく詰め込まれています。その一つひとつの内容はどれも知るほどに興味を喚起されるものばかりですが、実際に端末を購入した後に上手く使いこなせなかったり、今こそ使えばXperiaをより便利に感じられるはずの生活シーンをうっかりスルーしてしまうことも有り得るでしょう。

 

その点でソニーストアでは、Xperiaに搭載された機能を、ソニーストアに展示されているオーディオやカメラの最新モデルと比べながらじっくりと体験できることがメリット。使用イメージを明快に描きながら納得して買い、隅々まで機能を使いこなせることもですが、実店舗だからこそ得られるデバイスの体験価値があるのではないか? また、昨年から余談を許さない状況にあるコロナ禍において、デバイスを体験できる場がどういった意味を持つのか? といった期待も含んだ疑問がわいてきます。

 

それらの期待を持ちながら、今回はソニーショールーム/ソニーストア銀座(以下:ソニーストア銀座)を訪問して、現在店舗ではどのようにXperiaのSIMロックフリーモデルが販売されているのか見せていただきました。

 

Xperia最新5GスマホのSIMロックフリー版について

ソニーモバイルは昨年8月に「Xperia 1」と「Xperia 5」、昨年10月に「Xperia 1 II」のSIMロックフリーモデルを発売。それぞれに先行して国内キャリアが発売した端末とスペックや機能は基本的に同じです。違いはSIMロックフリーの端末として発売されること以外に、1台のスマホに2枚のSIMカードを差し込んで使えるデュアルSIM対応機であること。2つのSIMのどちらも4G LTE通信とVoLTEの高品位通話が使える「Dual SIM Dual VoLTE(DSDV)」対応としています。

 

さらにXperia 1 IIのSIMロックフリーモデルには、NTTドコモとauから発売されている光沢感のあるブラックとは異なるマットな質感のフロストブラックのほか、ホワイトとパープルの3色が揃いました。

 

これらのモデルの発売以来、ストアに寄せられている反響を含めて、XperiaのSIMロックフリーモデルの魅力をソニーマーケティングの山口敬一氏、太田智博氏に聞きました。

↑インタビューに応えていただいたソニーマーケティングの山口敬一氏(写真右)と太田智博氏(写真左)

 

まず、ソニーストアがXperiaのSIMロックフリーモデルを扱うことに至った経緯を山口氏が次のように振り返ります。

 

「現在国内にも様々なスマートフォンが発売され普及が広がる中、ソニーから『SIMロックフリーのXperia』という選択肢をご提案したいと考えました。5Gの時代が到来して、これからもスマートフォンへの期待は伸び続けると思います。ソニーは本格的にSIMロックフリーの端末をお客様に販売する経験が少なかったため、まずはお客様により深く製品を知っていただき、安心してご購入・ご使用いただくためのサービスをオンラインとリアルの直販ストアに充実させることに注力しています。ストアは製品を直に体験いただきながら、スタッフに詳細を訊ねることもできるよい場所にしたいという思いです」(山口氏)

 

↑5Gスマホへの期待と注目が高まる中、ソニーモバイルとしてSIMロックフリーのモデルを含む様々なスマホの選択と楽しみ方を提案したいと山口氏が語っています

 

ここからはリアルに体験できるサービスの詳細について追っていきましょう。

 

ソニーのハイレゾ対応ヘッドホンと組み合わせたサウンドが楽しめる

Xperiaはソニーストア銀座の5階に特設コーナーを設けて、ヘッドホンやBluetoothスピーカーなどソニーのオーディオ製品と一緒にサウンドの体験デモを行っています。

↑ソニーのハイレゾ対応ヘッドホンとの組み合わせによるハイレゾサウンドが試聴できます

 

Xperia 1 IIは3.5mmオーディオジャックに有線接続のヘッドホン・イヤホンを接続して、CDよりも音質の良いハイレゾ音源の再生が楽しめるスマホです。ソニーにはハイレゾ対応のヘッドホン「WH-1000XM4」「WH-H910N」やイヤホン「WI-1000XM2」をはじめとした豊富なハイレゾ対応のラインナップがあり、ストアではXperia 1 IIにつないでハイレゾ音源をじっくりと聴ける環境が揃っています。

 

Xperia 1 IIにはBluetooth対応のワイヤレスヘッドホン・イヤホンで聴く音楽を、ハイレゾ相当の高音質にアップコンバート変換をかけながら再生する「DSEE Ultimate」が搭載されています。ソニーが発売した人気の左右独立型完全ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」とXperia 1 IIの組み合わせによる高品位な音楽再生は、体験しておいて損はないでしょう。

↑人気ワイヤレスイヤホン「WF-1000XM3」によるハイレベルなサウンドが楽しめるところもXperia 1 IIの大きな魅力です

 

αシリーズと比べてわかる、Xperia 1 IIの高機能カメラの実力

4階のフロアには、ソニーがデジタルカメラのαシリーズ、RXシリーズの開発により培った技術が注入されているXperia 1 IIで写真や動画を試し撮りできる展示があります。

↑ソニーのデジタル一眼レフカメラ、αシリーズのテクノロジーとXperia 1 IIのカメラ機能のつながりを体験により確かめることができます

 

ここでは特に「Photography Pro(フォトグラフィー プロ)」のアプリに要注目です。Xperia純正のカメラアプリとは別に独立して搭載されたフォトグラフィー プロは、よりユーザーのこだわりを盛り込んだ写真をXperia 1 IIで撮影するためのアプリです。画面の中央にプレビューを表示しながら、左側にはAutoのほか「P(プログラムオート)/S(シャッタースピード優先)/M(マニュアル露出)」へのモード切り換えダイヤルを配置。右側のアイコンから露出補正やホワイトバランス調整を細かく設定して、創意を凝らした写真をXperiaで簡単に撮影できます。

 

ソニーのデジタルカメラを使ったことがある方は、αやRX、サイバーショットとデザインを統一したフォトグラフィ プロのユーザーインターフェースがすごく使いやすく感じるはずです。Xperia 1 IIを横向きに構えて、シャッターボタンとして操作できる「カメラキー」が本体の右上側面に配置されています。デジタルカメラでは一般的な“半押し”操作で被写体にフォーカスを合わせたり、シャッターチャンスを待ち構えられる直感的な操作がスマホによる写真の“撮り損じ”を格段に減らしてくれるでしょう。

↑人物や動物など被写体の瞳の位置に自動でフォーカスを素速く合わせ込む「瞳AF」機能の体験コーナー

 

筆者もデモンストレーションを体験してみて、Xperiaとソニーのオーディオやカメラの先端技術がつながるイメージがより明快に見えたことが大きな収穫になりました。Xperia 1 IIのディスプレイにはソニーの4Kテレビの“ブラビア”の高画質化技術も注入されているので、テレビの展示と並べて見ながら画づくりの一貫性を確かめられることもポイント。ソニーのテクノロジーを詰め込んだ代表的なオーディオビジュアル製品と比べながら体験してみると、フラッグシップモデルのXperia 1 IIの実力が浮き彫りになります。

↑Xperiaによるフォトテクニックを学べるセミナーなども実施しています

 

ストアで体験できる安心感。手厚いXperiaケアプランにも注目したい

「商品に対する深い知識を持つスタッフが、Xperiaの特徴をお客様に直接ご案内できることも強み」なのだと太田氏が話しています。ストアにSIMロックフリーモデルのXperiaを求めて足を運ぶ人々からはどのような質問が多く寄せられているのでしょうか。

↑ストア担当の太田氏は、現在の店舗状況含めて展望を語ってくれました

 

「Xperia 1 IIの発売後まもない頃は端末やSIMロックフリーのスマホの扱い方を既に熟知している人も多くいらっしゃいました。SIMロックフリーとは何かをよくご存じない方も、店頭でご体験いただくと“結構簡単だね”というポジティブな反響もいただきました。SIMロックフリーのスマホをよくご存じない方々のために、Web向けに作成したSIMロックフリースマホの解説、初期設定の方法をわかりやすく紹介した動画を店頭で上映しています。今後、SIMロックフリーの選択肢が増えるほど、私たちもより丁寧にご説明しながらXperiaの魅力を広くお伝えしなければならないと気を引き締めています。」(太田氏)

 

↑SIMロックフリーのスマートフォンの使いこなし方を紹介する動画を上映中

 

スマホを携帯電話キャリアで購入することのメリットとして、修理・故障の相談、操作に関する質問にも応対してくれる手厚いカスタマーサポートが用意されていることを挙げる声も少なくありません。ソニーストアでは直営店でSIMロックフリーのスマホを安心して購入してもらえるように、本体の故障・水濡れ・全損などトラブルが発生した際に交換機を申し込むことができたり、負担金上限5000円で何度でも修理に出せる「Xperiaケアプラン」をXperia購入時に用意しています。

↑太田氏をはじめ、ソニーのエレクトロニクス製品を熟知するスタッフがXperiaの上手な楽しみ方をアドバイスしてくれます

 

また現在はオンラインに加えて、ソニーストアの直営店舗でも購入時に不要になったスマホを持ち込むと、査定後に買い取ってもらえる「スマホあんしん下取サービス」がスタートしています。山口氏は「SIMロックフリーのXperiaをより楽しんでいただける周辺機器のご提案も含めて、ソニーストアのサービスをさらに充実させていきたい」と抱負を語っています。

 

5Gの時代にはモバイルゲームの画質や音質が一段と向上して、ビジネスシーンではオンラインカンファレンスの通話品質にもクオリティアップが期待されるようになると言われています。今からXperia 1 IIのように5G対応の高機能なスマホを手元に用意しておくことも大切ですが、スマホに出来ることは手元で情報を表示することだけではありません。

 

特に総合的なエンタメ体験に長年注力しているソニーにとって、スマホは世界観の中核を担うハブのような存在。本記事で紹介したように最新のXperiaはディスプレイ、カメラ、サウンド面において他機種とは一線を画すスペックと、オリジナルの設計を備えています。

 

Xperiaを所有するということは、優れたスマホを持つ以上の価値がある――その真意はソニーの製品群と合わせて体験することで一層つかめていく事実でしょう。スマホとしてのXperiaに興味を持っている人も、かねてからソニーが提唱するエンタメ体験に触れてみたい人も、購入前には一度ソニーストアに足を運んでみて、Xperiaが繋ぐエンタメの世界観に触れてみてほしいです。

 

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「8K有機EL」に「骨伝導」--2021年のAVトレンドをプロが徹底予測

ここ数年のオーディオビジュアル分野のトレンドは、「4Kテレビ」や「完全ワイヤレスイヤホン」などが占めていましたが、2021年は最先端の技術から生まれたアイテムが続々登場すると見られています。今回は2人の専門家が、2021年に注目を浴びそうなアイテムを紹介します。

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちが解説します!

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者、専門誌編集者を経てフリーに転身。わかりやすい解説と核心を突いた評論で本誌をはじめ多媒体で人気を博す。

ジャーナリスト

西田宗千佳さん

モバイル機器、PC、家電などが観測領域。各種媒体に寄稿し、テレビ番組の監修も手がける。

 

【その1】手の届く「8K有機ELテレビ」

これまで8K有機ELテレビは88V型と77V型しかなかった。2021年に65V型が登場し量産されれば、1インチ=1万円を実現する可能性が高い。

LGエレクトロニクス

OLED 88ZXPJA

実売価格346万5000円

8Kチューナーを内蔵した88V型の8K有機ELテレビ。AIにより、2Kや4Kの映像も8K水準の画質に補正する。残像の少ない1msの応答速度で、ゲーミング用途にも最適。リモコンなしで操作が可能なハンズフリー音声認識も便利だ。

 

【ネクストヒットの理由】

「70V型以上では、4K有機ELは8K液晶に押され気味。そこで期待されるのが、65V型8K有機ELモデルの投入です。パネルの供給能力が上がってコストが下がり、『1インチ1万円』を実現すれば、国内メーカーの参入も期待できます」(藤原さん)

 

【その2】店頭デモ用などで普及「3Dディスプレイ」

専用メガネやゴーグルなしで立体映像が見られる3Dディスプレイが登場。3Dモデルの試作確認だけでなく、店頭ディスプレイとしても活躍しそうだ。

ソニー

ELF-SR1

実売価格55万円

専用メガネやゴーグルを使わずに立体映像が見られるディスプレイ。前面に装備した視線認識センサーで瞳の位置を検出し、視点に合った映像を描く。コンテンツ制作を行えるソフトも無償で提供されている。

↑015.6インチの4Kパネル。45度で設置し、30〜75㎝離れて視聴する。合計5.5Wのスピーカーも3基装備

 

↑独自のアルゴリズムで、左右の目の位置に連動した映像をリアルタイムに生成。上下左右前後に顔を動かしても、それに追随した立体映像が描かれる

 

【ネクストヒットの理由】

「iPhoneも測距センサーを搭載し、立体データを簡単に作成できるようになりました。2021年は個人用にヒットというよりは、店頭デモや展示などの用途で見かける機会が増えるでしょう」(西田さん)

 

【その3】耳をふさがない「骨伝導デバイス」

骨伝導とは、音を鼓膜で聴くのではなく、頭蓋骨に密着させて振動を伝えることで聴く方式のこと。耳穴を塞がないので、周囲の音を遮断することがない。外出先ではアナウンスやアラートを聞き取りやすく、自宅で音楽を聴いている際も同居人の声や物音に気づきやすい。また、長時間装着しても疲れにくいというメリットもある。

 

弱点は、その構造上、音漏れが大きくなりがちなこと。とはいえ、自宅やスポーツ時の利用ならさほど問題にならず使いやすい。

 

Boco

PEACE TW-1

実売価格2万1780円

完全ワイヤレス型骨伝導イヤホン。耳を挟む構造で落ちにくく、音漏れも従来比で50%低減した。IPX7等級の防水性能を備え、外出時も使いやすい。クレードル併用で約12時間再生が可能。ハンズフリー通話機能にも対応する。

 

Cheero

TouchBone CHE-628

実売価格6570円

Bluetooth5.0に対応した耳掛け式骨伝導イヤホン。ハンズフリー通話はノイズキャンセリング機能も装備。側面の操作ボタンで、再生・曲送り・音量などを操作できる。1.5時間の充電で約5〜6時間の再生が可能。AACにも対応する。

 

↑あらゆる方向からの噴流水に耐えるIPX5等級の防水機能を装備。フィットネス中の汗や雨などを気にせずに使用できる

 

【ネクストヒットの理由】

「耳に負担のかからない骨伝導式は、これまではスポーツ向けの需要が中心でしたが、ビデオ会議などの長時間利用する用途にも適しています。弱点の音漏れも自宅なら気になりません」(西田さん)

 

【その4】家中好きな場所で楽しめる「ワイヤレススマートテレビ」

アンテナケーブルも電源ケーブルも接続不要で、放送も録画番組も動画ネット配信も視聴可能なテレビ。長引くおうち時間をより楽しくしてくれる。

パナソニック

プライベート・ビエラ UN-19FB10

実売価格4万3380円

チューナーとモニターが別体の19V型液晶テレビ。バッテリーを内蔵し、チューナー部をアンテナに接続すればワイヤレスで放送を視聴できる。レコーダーなどHDMI入力機器の利用や配信動画の視聴も可能だ。

↑スタンドを畳むと薄さ52.2㎜となり、わずかな隙間にも収納できる。収納時の奥行きは462㎜で、高さも346㎜とかなりコンパクトだ

 

↑アンテナ線やUSB HDDなどはチューナー部に接続する

 

【ネクストヒットの理由】

「ケーブル接続不要なテレビは、デザイン的にもこれまでのテレビの枠を超えた斬新な提案が可能になります。いっそチューナーを排した、VOD視聴専用テレビができれば面白いですね」(藤原さん)

 

【その5】話題のPS5やるなら「ゲーミングテレビ」

次世代ゲーム機PS5やXbox Series Xが対応している4K解像度での倍速(120Hz)駆動。それを生かすには、4K/120Hz対応のテレビが必要だ。

LGエレクトロニクス

55NANO91JNA

実売価格10万3150円

4K/120Hzに対応した55V型の液晶テレビ。ゲーム向けのHDRプロファイルに準拠し、ゲーム画面の白飛びや黒つぶれを防げる。ゲーム機からの入力信号を高速処理して遅延を低減するため、精密さが要求されるゲームも快適にプレイできる。

 

【ネクストヒットの理由】

「PS5やXbox SeriesXが対応している『4K/120Hz』をサポートしたテレビはまだほとんどありません。2021年は、これらの性能を最大限に生かせるテレビの需要が高まると予想されます」(西田さん)

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

ガジェット好き御用達「トバログ」さんのお気に入りアイテム大公開!

モノに精通した各界の目利きたちにオススメアイテムを訊く「GN MEISTERS(ゲットナビ マイスターズ)」。今回は、動画やブログなどで自身のライフスタイルについて発信している鳥羽恒彰さんにインタビュー。最近購入したなかから、特にお気に入りのアイテムを教えてもらった!

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自分が好きなモノを嘘のない言葉でレビュー

鳥羽恒彰さん

ミニマリストの対岸から発信するガジェット好きクリエイター。最近買って良かったモノや、愛用している暮らしの道具、気になる友人のデスク環境の紹介などをブログ&YouTube「トバログ」で公開中。日々の暮らしのなかでちょっとした参考になるようなコンテンツを配信している。

トバログはコチラ:https://tobalog.com/

 

モノで生活がどう変わるかを重視

レビューでは、スペックなどの数値による評価は少なめ。そのアイテムはどんな使い方をできるのか、それによって生活がどう変わるのか、ライフスタイルの観点からモノの価値を見極める。

 

情報を伝えて人を喜ばせたい

鳥羽さんは子どものころから、自作のマンガやミニブログなどで友人を楽しませるのが好きだったという。いま発信するのも、自分が得た情報を共有することで人を喜ばせたい一心からだ。

 

気になる人の暮らしをのぞき見

人気コンテンツ「カバンの中身が好き」では、そのタイトルの通り、ゲストのカバンに入っているものを紹介。まだ見ぬ新しいモノとの出会いや、想像を膨らませる楽しみを演出している。

 

鳥羽さんの“買ってよかったモノ”

“ほぼタブレット”をポケットに入れて持ち運べるのは快適

サムスン電子

Galaxy Z Fold2 5G

実売価格25万9980円

二つ折りできるスマホ。メインディスプレイは開くと7.6インチの大画面で、最大3つのウィンドウを同時に立ち上げて、タブレット感覚で効率的に作業できる。カバー部にも6.2インチ画面を搭載。

 

ここがお気に入り

ディスプレイを折りたためるという先進のギミックに感激して購入しました。使ってみて、なんて便利なんだろうと改めて実感しています。広げたときの画面サイズは7.6インチでiPad miniと同じくらいなのですが、それをポケットに入れて持ち運べるというのはスゴいことですよね。

 

これを導入して生活は変わりました。最近、郊外に引っ越して電車での移動時間が増えたのですが、その間にブログ記事を書いたり、電子書籍で情報収集をしたり、マンガを読んでリラックスした……。時間を有効に使えています。

 

エレガントなブロンズカラーのボディもキレイで気に入っています。この色に合う純正ケースをeBAYで韓国から輸入しました。

 

動画の書き出しが劇的に早く、時間を有効活用できる!

日本HP

ENVY 15 クリエイターモデル

実売価格25万3000円~

第10世代インテルCore i9を採用。32GBのメモリと2TBのSSDを搭載し、動画の編集などPCへの負荷の高い作業をサクサク行える。シルバーのシンプルなボディもクリエイティブな雰囲気を醸成。

 

ここがお気に入り

動画の編集にさらに力を入れるようになって最近、ハイスペックなPCを探していたんです。CPU、ストレージ、ディスプレイなど、スペックの条件を設定して候補を絞っていたのですが、どうしてもかなり高価になり……。と、悩んでいたところ、セール+クーポン利用で21万円ほどだったこのPCを即買いしました!

 

何といっても、動画編集の効率が大幅に向上。それまで使っていた2018年モデルのMacBookでは、平均サイズの動画を書き出すのに8分ほどかかっていたのですが、わずか2~3分に短縮されました。ハイスペックなので、書き出しと同時に写真編集やサムネイル作成も可能。メイン端末として申しぶんのない働きぶりを見せています。

 

走りに惚れて選びましたが、その多機能さに驚いています

マツダ

CX-5 25T Exclusive Mode

379万5000円~

ターボエンジンSKYACTIV-G 2.5Tを搭載する「25T L Package」をベースとする特別仕様車。ナッパレザー製のシートや、運転席と助手席のベンチレーション機能など、インテリアの上質さを追求している。

 

ここがお気に入り

子どもが2021年1月に誕生予定で、生活がガラリと変わります。妻の産院への送迎、そして家族での移動のために購入しました。

 

マツダ車を選んだのは、以前同社のデミオを運転したときに、加速が気持ち良かったのが印象に残っていたから。デザインも気に入ってSUVのCX-5にしましたが、乗ってみて機能の豊富さに驚いています。CarPlayでiPhoneと連携できるのも便利だし、車間距離を自動調整する運転支援機能も快適。ボーズのスピーカー10基によるサラウンドシステムの迫力は圧巻です。

 

いまは生活を便利にするツールという位置づけですが、クルマの“沼”にハマって色々と凝りだすと散財しそうですね。適度な距離を保って乗りたいと思います(笑)。

 

いま気になっているモノは?

ソニー

wena 3 leather

実売価格3万3000円

現在メインのスマホとして使っているGalaxy Z Fold2 5Gは、NFCに非対応。そのためSuica機能を入れられないんです。そこで気になっているのが、腕時計のバックル部にスマートウオッチ機能を搭載したwena 3。好みの「ヘッド」(時計部)と組み合わせて使えるのが良いですね。

 

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ゲーミングチェアからスマートウォッチまで! だいせんせいが選んだ「2020年のベストプロダクト」TOP5

2020年を振り返り、今年個人的にヒットしたアイテムをGetNavi webの著者の方々に挙げて頂きました。今回は、“だいせんせい”こと工藤寛顕さんのベストプロダクトを5つ紹介します。工藤さんは、オーディオはもちろん、ゲーミングからデジタルガジェットまで様々なジャンルに造詣が深いため、幅広いアイテムを選んで下さいました。

 

【その1】 まさかのプレゼントなゲーミングチェア

noblechairs

EPIC

実売価格4万9800円

もともとデスクやチェアといった作業環境にあまり頓着がなく、適当に選んだものを使っていました。
しかし、今年1月に参加した格闘ゲームイベント『EVO Japan 2020』の会場にて、何気なく応募したプレゼントキャンペーンにまさかの当選!  期せずしてゲーミングチェアデビューとなりました。

 

正直「いい椅子って何が違うんだろう……」なんて思っておりましたが、1度腰掛けてみるとその差は歴然。座面から背もたれにかけてのフィット感や、リクライニングなどの可動域の自由さなど、様々な要素に「なるほど、これは良い椅子だ」と感心してしまいました。

 

ポータブルオーディオに関心の無い人が数万円のイヤホンを買わないように、僕もまた数万円の椅子には関心が無かったのですが、やはりこういう世界は1度触れてみてこそ魅力が実感できるもの。ついついほかの身の回りの環境なども買い替えたくなってしまいます……(笑)。

 

何より、今年の夏から自宅で仕事をしているので、この椅子があって本当に助かっております。デスクワークはもちろん、当然ながらゲームが快適に遊べるのも、ゲーマーとしては嬉しいところですね。

 

【その2】 憧れのEIZOのモニター

EIZO

FlexScan EV2760

実売価格6万8830円

今年からフリーランスになり、先述の通り自宅が職場となりました。作業環境を整えていくなかで、1番気合を入れて選んだのがEIZOのモニターかもしれません。というのも、僕は学生の頃からEIZOのモニターに憧れており、「もし自宅で仕事をするようになったらEIZOを買う」と決めておりました。そんななか訪れたフリーランスへの転身。買うならいましかない! と、半ば自分に言い聞かせるように購入いたしました。

 

27インチのモニターは僕の小さなデスク上でいっぱいいっぱいなのですが、おかげで作業領域が広く、動画編集などが快適に行えます。鮮やかで正確な色味と視野角の広さも素晴らしく、長年の憧れもあって惚れ惚れとしてしまいます。

 

動画編集や写真編集などの業務上でも非常に役に立っておりますし、趣味で映画やゲームなどを楽しむ時にも重宝しています。基本的にはMacと接続していますが、時には家庭用ゲーム機の画面を映して楽しむことも。あらゆる機器のグラフィックが日々向上していくなか、いいモニターを1台持っておくと、バッチリ活躍してくれるはずです。

 

【その3】 コスパのよいAPS-Cサイズのマクロレンズ

ソニー

SEL30M35

実売価格2万5410円

ポータブルオーディオを専門に扱う仕事柄、小さな製品を綺麗に撮影しなければならない、という場面が増えてきました。しかし手元にはマクロ撮影用のレンズがなく、何か手ごろなものはないか……と思って選んだのがこちらのレンズ。

 

使用しているカメラがフルサイズの「α7 III」なので多少クロップはされてしまうものの、web中心の用途としては十分。何より、同じソニーのフルサイズのマクロレンズと比べても半額以下で購入できるというコストパフォーマンスのよさに惹かれました。

 

もともと趣味でカメラを使っていたものの、ズームレンズやポートレート用の単焦点レンズしか持っていなかったのですが、このレンズのおかげでグッと寄った写真が撮れるように。また、レンズ自体が非常にコンパクト&軽量なため、持ち運びもラクラク。ちょっとした撮影なら、これだけを持って外出することもあるくらいです。

 

【その4】 祝・「ポタ-1GP 2020」グランプリ受賞!

アップル

AirPods Pro

実売価格3万580円

 

コンピュータはMac、スマホはiPhone、タブレットはiPad、手首にはApple Watch、テレビの横にはApple TV……と、(信者というわけではないものの)アップル製品を揃えてきた僕ですが、唯一所持していない製品が「AirPods」でした。

 

もちろんAirPodsも素晴らしい製品ではあるものの、やはりそこはオーディオライターという職業柄、ほかの魅力的な製品にも大量に触れているため、なかなか手を出す機会がなく……。

 

しかし、多くのメーカーが専用イヤーピースを発売したことや、アップデートで機能が追加されたこともあり、「これは試さねば!」というガジェット好き魂に火が点いて購入。優れた音質だけでなく、独自のフィッティングやiOSとの相性のよさも手伝って、気がつけば毎日使用するようになりました。今年はバタバタしていたこともあり、プライベートで新たにオーディオ製品を買う機会があまり無かったなか、文句なしのベストバイのひとつです。ポタ-1グランプリ受賞も納得!

 

【その5】 ついに買い替えたApple Watch

アップル

Apple Watch Series 6

実売価格4万7080円~

 

アップル続きで申し訳ありませんが(笑)、最後に紹介するのは「Apple Watch Series 6」です。実は今年、2015年から使い続けてきた初代Apple Watchがついに壊れてしまいました。周りからも「え、初代モデル!?」と驚かれるなか、「絶対に壊れるまで使ってやる」という思いを胸に頑張ってきましたが、いよいよ世代交代の時がやってきたというわけです。本当にお疲れさま……。

 

というわけでやってきた5年ぶりの最新モデルはスムーズ&サクサクと動作し、僕はさながら老人の如く「技術の進歩は凄いねえ」と感嘆するばかり。ガジェット好きはコロコロと手持ちの製品を買い替えていくものだから、意外とこういった感動を忘れがちなのかもしれませんね。

 

具体的には、同じサイズ感ながら38mm→40mmにサイズアップした画面の視認性の高さや、常時表示の利便性、バッテリーライフの向上、デジタルクラウンやサイドボタンのクリック感などなど。ある種当たり前な部分がブラッシュアップされるだけで、こうも印象が変わるものかと驚きました。こちらも壊れるまで使っていきたいと思います。

 

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アップル、ソニー、ボーズ。AVライターが選んだ「2020年のベストプロダクト」TOP3

2020年は私にとって何もかもがイレギュラーでした。2月に渡航を予定していたバルセロナへの取材を取りやめて以後、予定していた海外取材がバタバタとキャンセルになり、結局その後は1回も海外に出かけていません。毎年海外の展示会で見たり、触れたりした新製品やサービスをGetNavi webでレポートできることが私の楽しみでもあるので残念です。2021年はまた国内外のオーディオ・ビジュアルやデジタルガジェットの最新情報を色々ご紹介したいと考えています。

 

生活環境は大きく変わったものの、2020年も気持ちを明るくしてくれる魅力的な製品が数多く発売されました。私が特に満足したオーディオ・ビジュアル系の製品3点を振り返ってみたいと思います。

 

【その1】 ボーズらしい強力なノイキャン機能が魅力

ボーズが久しぶりに発売した、QuietComfortのシリーズネームを冠した左右独立型の完全ワイヤレスイヤホン「Bose QuietComfort Earbuds」は、しっかりと効く強力なアクティブ・ノイズキャンセリング機能がお気に入り。発売後も外出する時の定番イヤホンとしてバッグにほぼ入れっぱなしにして持ち歩いています。

ボーズ

Bose QuietComfort Earbuds

実売価格3万3000円

 

本体や充電ケースがやや大きいよねという声もあるようですが、筆者は装着バランスがとても安定するのであまり気になりません。ひとつ不満に感じていたイヤホンのリモコンからスマホで再生中の音楽のボリュームが変えられなかった点も12月のソフトウェアアップデートで解消されたので満足。

↑独特な形状のシリコン製イヤーピースのフィット感にも満足です

 

アクティブ・ノイズキャンセリング機能を搭載するワイヤレスイヤホンは、大きな騒音に囲まれる飛行機に乗って使ってみると力不足に感じてしまう製品が多かったので、空の旅には仕方なくノイキャン・ヘッドホンを手荷物に入れていました。QuietComfort Earbudsがあれば旅行の荷物がだいぶコンパクトにできそう。次に試せる日が待ち遠しいです。

 

【その2】 iPhone連携が便利すぎるスマートスピーカー

11月にアップルが発売したHomePod miniが、いまのところ私のスマートスピーカーの決定版です。

アップル

HomePod mini

実売価格1万1880円

 

サウンドが好みに合ったこともその理由のひとつですが、コンパクトで場所を取らないサイズ感と、iPhoneで再生中のサウンドをHomePod miniにデバイスを近づけるだけで素速く転送できるHandoff機能が便利すぎます。

 

使い方を紹介します。iPhone(iOS 13.2以降)の「設定」アプリを開いてから「一般」に入り、「AirPlayとHandoff」の「HomePodに転送」と「Handoff」をオンにして、iPhoneのWi-Fi/Bluetoothがオンなっていることを確認してから、端末をHomePod miniに近づけると、あらゆるアプリで再生中のオーディオ(動画系アプリも)がスマートスピーカーから聞こえてきます。

↑iPhoneで再生中の楽曲をHomePod miniにワンタッチで転送できるHandoff機能

 

聴きたい曲を音声操作でSiriにお願いすることもできるのですが、海外インターネットラジオのステーション選局を声による操作で成功させるのは至難の業。iPhoneで選択してからHomePod miniに転送する聴き方が確実です。HomePod miniを購入してから、スマートスピーカーは仕事机の手元近くに置いて使うスタイルが私のスタンダードになりました。

↑仕事机の手元近くにスマートスピーカーを置いて使うようになりました

 

【その3】 5G時代のスタンダードスマホ

ソニーは2020年に5G対応のXperiaプレミアムモデルを2機種発売しました。コンパクトな5Gスマホはアップルやシャープも発売していますが、6.1型の大きな画面サイズをキープしたまま本体をスリムにした「Xperia 5 II」は動画やゲームが楽しみやすく好感が持てました。このサイズ感は5G時代のオーディオ・ビジュアルエンターテインメントを最も快適に楽しめるスマホとして、スタンダードになりそうな気がしています。6.5型/4K対応の「Xperia 1 II」も良いんですけどね。

ソニー

Xperia 5 II

実売価格9万9000円(docomo online shop)

 

オーディオは3.5mmアナログイヤホンジャックが復活したので、わが家のハイレゾ対応イヤホンを直結して音楽再生が楽しめるのもうれしいところ。モバイルゲームのサウンドも操作とのタイムラグが発生しないので快適です。

↑3.5mmアナログイヤホンジャックが復活しました

 

ソニーは独自の立体音楽体験の技術「360 Reality Audio」を、海外ではAmazon MusicやTIDAL、Deezerにnugs.netをはじめとする音楽配信サービスと組んで、Xperiaをはじめとするスマホと一般的なヘッドホン・イヤホンによる組み合わせで楽しめるサービスも始めています。日本でも近くXperiaで360 Reality Audioのコンテンツが楽しめるようにぜひなってほしいものです。

 

2021年もまたオーディオ・ビジュアルの革新的な製品とサービスをこの場でご紹介したいと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

 

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価格帯別にオススメをピックアップ!「4Kテレビ」今冬の優良モデル3選

今冬の家電市場では、例年以上に魅力的な新製品が続々と登場している。ここでは、なかでも注目を集める7大ジャンルを取り上げて、価格帯別にトレンドと“買い”のポイントを解説。さらに、各価格帯でプロが認めたイチオシのアイテムも紹介していく。今回取り上げるのは、4Kテレビ。今冬の4Kテレビは、東京五輪に向けて発売された各社の自信作がズラリと揃う。なかでも55V型クラスは価格帯が10万円以下から25万円以上まで幅広く、選択肢が多い。そのなかで特に優れたモデルを識者がセレクトした。

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

★最新4Kテレビ、“買い”のポイント

4Kチューナーを2基内蔵し、4K放送番組の裏録に対応する

多くのネット動画配信サービスで4Kコンテンツを視聴できる

最新HDR方式をサポートし、より高画質な映像を楽しめる

 

私たちが解説します!

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者、専門誌編集者を経てフリーに転身。わかりやすい解説と核心を突いた評論で本誌をはじめ多媒体で人気を博す。

GetNavi編集長

川内一史

長年オーディオ・ビジュアル記事を担当。テレビ放送だけでなくネット動画の視聴も多く、アプリへの対応も重視する。

 

長期に渡り愛用するなら各社の旗艦モデルが狙い目

例年、テレビの冬モデルはボーナス期に合わせて各社が自信作を投入してくる。コロナ禍とはいえ、今季も4Kテレビ市場は十分に活気づいているようだ。

 

「2020年は、コロナ禍の影響で予定されていた東京五輪が延期に。しかし、各社は大会に照準を合わせて、入門機から上位モデルまで渾身の逸品を準備してきました。そのため、今季は例年以上の豊作と言えます」(藤原)

 

多士済々の4Kテレビだが、ベストの一台を選ぶにはどこに着目すれば良いのだろうか。

 

「かつて“高嶺の花”だった高画質な有機ELテレビの価格がこなれてきました。『松』クラスは各社の旗艦モデルとなるため音質や機能性も最高峰で、長く使えます。ミドルクラス以下の液晶を狙うなら、ネット機能の充実度は重視したい。対応するVODの数はもちろん、音声検索の精度も、ストレスなく使うためには大事です」(川内)

 

【《松》クラス】予算額25万円以上

各社4K有機ELのハイエンドモデルが並ぶ価格帯。いずれも、独自構造のディスプレイや高画質エンジンをだけでなく、高音質なスピーカーシステムなどを搭載し、高品位な“画”と“音”を存分に楽しめる。

 

【No.1】独自の有機ELディスプレイを採用し圧倒的な映像美を実現

パナソニック

ビエラ TH-55HZ2000

実売価格36万4820円

自社設計・組立の「Dynamic ハイコントラスト 有機ELディスプレイ」を搭載したハイエンドモデル。高級オーディオを手掛ける同社のテクニクスチームがチューニングしたテレビ一体型のイネーブルドスピーカーを備え、映画館のような立体音響を再現する。

SPEC ●画面サイズラインナップ:65V/55V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1225×H789×D350mm/約34kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 4方式(※)
音声最大出力 140W

※:静止画フォーマットを除く

 

↑特別素材の放熱プレートと貼付けシートを独自の構造で組み合わせたディスプレイを搭載。発光性能が高められている

 

↑上向きのイネーブルドスピーカーを採用。立体音響技術「ドルビーアトモス」との組み合わせで、臨場感あふれる音場を体感できる

 

↑底面に吸盤を備えるスタンドを採用。吸着をオンにすると、テレビ台との間が真空状態になり固定され、転倒を防止する

 

↑スイーベル(首振り)機能を搭載。左右それぞれ15度まで回転可能なので、テレビ背面の掃除もスムーズに行える

 

<クロスレビュー!>

映像の総合的な表現力はライバル機を圧倒

「ダイナミックレンジの広さが圧巻で、各部分の情報が浮き上がり、全体の階調描写が豊か。黒のなかのディテール描写が意欲的でハイライトの色付きも絶妙です。総合的な表現力は随一」(藤原)

 

映画館クオリティの迫力サウンドを堪能

「テクニクスが手掛けたオーディオシステムの品質がスゴい。厚みのあるサウンドに加えて、音の出ている位置がはっきりとわかるので臨場感が段違い。まさにシアタークオリティです!」(川内)

 

【No.2】ネイティブ4Kはもちろん地デジ放送も高画質で楽しめる

東芝

レグザ 55X9400

実売価格30万8000円

全録機能「タイムシフトマシン」を搭載した有機EL旗艦モデル。独自開発の高画質エンジンにより、4K映像だけでなく、地デジ放送やネット動画などを美しく描く。最大出力142Wのパワーアンプを採用したオーディオシステムによる迫力の音声も魅力。

SPEC ●画面サイズラインナップ:77V/65V/55V/48V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ×9、BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×7ほか ●サイズ/質量:W1234×H738×D279mm/32.5kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 5サービス
HDRフォーマット 4方式
音声最大出力 142W

 

↑高放熱インナープレートを挿入した、自社設計のレグザ専用有機ELパネルを搭載。明るく抜けの良い映像を実現した

 

↑番組レコメンドサービス「みるコレ」を採用。AI学習により、ユーザー好みの録画番組や放送予定の番組を勧めてくれる

 

<クロスレビュー!>

4Kアップコンが秀逸でスポーツ中継は大迫力

「地デジやBSの4Kアップコンバートでも、ネイティブ4Kに迫る精細感あふれる映像を描きます。スポーツ中継は全体にフォーカスが合い、輪郭が細く鮮度が高い。実際に観客席にいるようです」(藤原)

 

未知の番組と出会える「みるコレ」機能が魅力

「『みるコレ』はまだ見ぬコンテンツとの出会いがあり、テレビフリークにオススメの機能。『タイムシフトマシン』による全録機能は唯一無二の魅力ですが、地デジ番組のみ対応なのは少々残念」(川内)

 

【No.3】映像とサウンドが一体となった新しい視聴体験を与えてくれる

●写真は65V型

ソニー

ブラビア KJ-55A8H

実売価格26万4000円

パネル自体を振動させて音を出す独自の技術「アコースティック サーフェス オーディオ」を採用。倍速駆動対応の有機ELパネルと高画質プロセッサーにより、あらゆるコンテンツを美しく鮮明な映像で描写する。画と音の一体感を楽しめる一台だ。

SPEC ●画面サイズラインナップ:65V/55V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×2 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1227×H733×D326mm/18.6kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 30W

 

↑超解像エンジン「4K X-Reality Pro」を搭載。地デジ放送やネット動画などあらゆるコンテンツを高精細に描き直す

 

↑背面の左右にアクチュエーターとサブウーファーを配置した独自の音響技術を採用。映像と音の一体感を存分に楽しめる

 

<クロスレビュー!>

“化粧”の上手さはソニーならでは

「黒を引き締めて白を伸ばすという、ハイコントラストな画作り。色も細部までしっかりと乗せています。色調の歪みは少なく、ノイズも少なめ。やや“厚化粧”ですが、映える映像です」(藤原)

 

Android TV採用でネット利用が快適

「OSにはAndroid TVを採用し、ネット動画の視聴が快適。Googleアシスタントによるリモコンの音声検索は精度が高く、豊富なコンテンツをストレスなく楽しめるのがうれしいですね」(川内)

 

【《竹》クラス】予算額15万円〜25万円

有機ELのエントリークラスと液晶のハイエンドクラスが入り交じる価格帯。画質なら有機ELに分があるが、充実した機能や装備を求めるなら液晶がオススメだ。

 

【No.1】斜めから見ても高画質で楽しめる

ソニー

ブラビアKJ-55X9500H

実売価格22万円

部分駆動のバックライトを採用した液晶パネルや高画質プロセッサーなどを搭載し、画質をブラッシュアップ。広視野角技術「X-Wide Angle」により、斜めからの視聴でも正面と同レベルの高画質を楽しめる。

SPEC ●画面サイズラインナップ:75V/65V/55V/49V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×2 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1230×H779×D310mm/18.1kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 30W

 

↑処理能力の高い高画質プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載。高精細、滑らかな色表現、HDR相当の高コントラストを実現した

 

↑背面上部にツィーター、下部にフルレンジスピーカーを搭載。映像と音の一体感を高め、豊かな臨場感を楽しめる

 

<クロスレビュー!>

視野角が広いことでストレスを感じない

「斜めからの視聴でも、コントラスト感、色調ともに変化は少なく、ストレスを感じません。コントラスト感は多少犠牲になる印象ですが、視野角が広がるメリットのほうが勝ります」(藤原)

 

速い動きのスポーツもストレスなく視聴できる

「倍速駆動と独自のバックライト制御で、動きの速い映像の描写に強い。サッカーやバスケットボールなどの球技も、チラつきの少ない滑らかな画質で楽しめて、ゲームに集中できます」(川内)

 

【No.2】臨場感あふれる画質と音質を実現

パナソニック

ビエラTH-55HX950

実売価格20万6910円

独自の高輝度ディスプレイを搭載し、明るく色鮮やかな映像を描写する液晶最上位モデル。イネーブルドスピーカーの採用とドルビーアトモス対応により、天井に反射した音に包み込まれるような立体音響が楽しめる。

SPEC ●画面サイズラインナップ: 65V/55V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1231×H766×D350mm/約28.5kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 4方式
音声最大出力 60W

 

<クロスレビュー!>

高コントラスト・高輝度の映像が魅力

「高効率LEDバックライトなどで放熱構造を強化。同時に光学シートの最適化により、高コントラスト化、高輝度化を実現しています」(藤原)

 

使い勝手に配慮された細やかな設計がうれしい

「イネーブルドスピーカーがもたらすサウンドの臨場感はクラス随一。転倒防止スタンドの採用など、ビエラらしい使い勝手の良さも光ります」(川内)

 

【No.3】コンテンツに合わせてAIが画質を最適化

LGエレクトロニクス

OLED 55CXPJA

実売価格20万4240円

どんな映像も4Kレベルに変換するAIプロセッサー搭載の有機ELテレビ。コンテンツに合わせて最適な映像処理がなされ、地デジ放送もネット動画も美しい映像が楽しめる。音質もジャンルに合わせて最適化。

SPEC ●画面サイズラインナップ: 77V/65V/55V/48V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1228×H738×D251mm/23kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 4サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 40W

 

<クロスレビュー!>

グラデ−ションも滑らかに描き切る

「有機ELディスプレイでは滑らかなグラデーションの表現が難しいもの。しかし、本機はきめ細かなタッチで階調の推移を緻密に描写します」(藤原)

 

見たいコンテンツに音声ですぐアクセスできる

「高品位な画質の有機ELテレビが約20万円で買えるというだけで魅力的! 音声操作も快適で、見たいコンテンツにすぐアクセスできます」(川内)

 

【《梅》クラス】予算額10万円〜15万円

液晶のスタンダード〜ミドルクラスが連なる価格帯。上位機の高画質・高音質性能は省かれることもあるが、必要十分の機能を備え、大画面4Kデビューにピッタリだ。

 

【No.1】 8K開発で培った高画質技術を応用

シャープ

AQUOS 4T-C55CL1

実売価格14万3000円

新開発の4K高画質エンジンを搭載。高精細で色鮮やか、メリハリのある美しい映像が楽しめる。独自の高効率LEDバックライトシステムを採用。消費電力を抑えながら画面輝度を高め、明るくクリアな映像を実現した。

SPEC ●画面サイズラインナップ:55V/50V/43V/40V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1240×H806×D290mm/27.0kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 5サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 20W

 

↑同社8Kテレビの高画質技術を応用した4K画像処理エンジン「Medalist S1」を搭載。高精細で色鮮やかな映像を表現する

 

↑音声を前方に導く構造と、スピーカーネットをなくした前面開口の機構を採用。抜けの良い高レベルのサウンドが楽しめる

 

<クロスレビュー!>

地デジ放送もネット動画も鮮やかな4K画質で楽しめる

「エントリークラスのモデルにも、同社8K映像技術で培った画質処理エンジンを搭載。地デジ放送もネット動画も高精細な4K解像度で楽しめます。鮮やかな映像が好みの人にオススメの一台」(藤原)

 

ドラマやニュースの声が聞き取りやすい音質

「聞き取りやすいサウンドは、このクラスではトップレベル。特にドラマやニュース番組などのセリフが明瞭です。OSにAndroid TVを採用するため、音声で気軽に操作できるのもうれしい」(川内)

 

【No.2】あらゆるネット動画を最適な画質で表現する

東芝

レグザ55M540X

実売価格13万1390円

「レグザエンジンCloud」を搭載した液晶レグザのミドルクラス。様々なフォーマットが混在するネット動画を自動調整し、高画質に表現する。AIが視聴傾向から番組を勧めてくれる「みるコレ」も便利。

SPEC ●画面サイズラインナップ:75V/65V/55V/50V/43V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1230×H750×D207mm/15.5kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 2方式
音声最大出力 20W

 

<クロスレビュー!>

クセのないプレーンな画作りが好印象

「輪郭が細くすっきりとして、抜けの良い描写が特徴。コントラスト感よりも映像の精細感やキレ味を重視したプレーンなタッチの画作りです」(藤原)

 

映像マニアも納得の高画質技術がユニーク

「クラウドとの連携でAIが高画質処理を行う技術はユニーク。アニメなら監督や制作会社などの情報を基に処理されるなどマニアックな仕様です」(川内)

 

【No.3】ネット動画から4K放送まで色鮮やかな映像で楽しめる

ソニー

ブラビア KJ-55X8000H

実売価格14万3000円

高画質プロセッサー「HDR X1」を搭載。地デジ放送やネット動画など、あらゆる映像を高精細で色鮮やかな4K画質で楽しめる。Android TVに対応し、豊富なネット動画をサクサク快適に視聴可能だ。

SPEC ●画面サイズラインナップ:75V/65V/55V/49V/43V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×2 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1243×H782×D340mm/16.8kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 20W

 

<クロスレビュー!>

視野角が広くて明るく家族で楽しめる画質

「視野角が広く明るく抜けの良い映像が特徴。LEDバックライトは部分駆動ではありません。明るいリビングで家族と一緒に楽しめます」(藤原)

 

ドルビーアトモス対応で臨場感のあるサウンド

「立体音響技術『ドルビーアトモス』に対応。2基の内蔵スピーカーは下向き配置ながら、臨場感のあるクリアなサウンドを満喫できます」(川内)

 

【Topic1】有機ELテレビは「48V型」がアツい!

有機ELの高画質を手ごろなサイズで楽しみたい! そんな要望に応えて、各社から“ちょうど良い”48V型モデルがリリースされている。

 

【No.1】

東芝

レグザ 48X8400

実売価格23万1000円

 

【No.2】

シャープ

4T-C48CQ1

実売価格25万3000円

 

【No.3】

ソニー

ブラビア KJ-48A9S

実売価格25万3000円

 

パーソナルなスペースでも高画質で楽しめる

リビングだけでなくパーソナルなスペースでも高画質で楽しみたいという要望が増え、ソニー、シャープ、東芝などが48V型の有機ELテレビをリリースしている。液晶に比べるとまだ高価だが、市場での評判も上々で、今後さらにニーズが高まり、選択肢が増えそうだ。

 

【Topic2】イマドキのレコーダーは用途で選ぶ

外付けHDDへの番組録画が一般化しているが、機能は専用レコーダーに及ばない。ここで最新レコーダー2台の注目ポイントをチェックした!

 

【No.1】

パナソニック

おうちクラウドディーガ4Kチューナー内蔵モデルDMR-4CT401

実売価格14万4810円

 

【No.2】

東芝

タイムシフトマシンハードディスク D-M210

実売価格5万9400円

 

全録派はタイムシフトマシン、4K派はディーガがオススメ

東芝は、BDドライブ非搭載のHDDレコーダーを発売。最大6チャンネルの地デジ/BS/CS放送番組を約1週間ぶん全録できる。パナソニックはBDドライブ搭載で、新4K衛星放送(またはHD放送)3番組を同時録画可能。全録派は前者、4K派は後者がオススメだ。

 

●スペックにある「サイズ/質量」はいずれもスタンド含む数値

冬の新作スマホで“買い”なのは? 価格帯別オススメ3選

今冬の家電市場では、例年以上に魅力的な新製品が続々と登場している。ここでは、なかでも注目を集めるジャンルを取り上げて、価格帯別にトレンドと“買い”のポイントを解説。さらに、各価格帯でプロが認めたイチオシのアイテムも紹介していく。今回取り上げるのは、スマホ。国内では5Gサービスのスタートから半年以上が経過。新型iPhoneの発売を機に、不十分だった5Gエリアの整備の加速も期待されている。今日では、中級機以上のスマホであれば5G対応は当たり前といえる。

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

★最新スマホ、“買い”のポイント

新型iPhoneは全機種が対応! いまや5Gは常識

「とりあえずハイエンド」はNG。コスパ抜群の中級機が狙い目

低価格帯の端末でもカメラはデュアル構成以上が望ましい

 

私たちが解説します!

フリーエディター

有馬真一さん

スマホはSIMフリーモデルを中心にチェックする。5G対応製品が想定していたよりも安かったため5Gへ移行を検討中。

モバイルライター

まきはらとよかずさん

モバイルギア全般を愛するフリーライター。スマホは国内製品だけでなく、海外向け製品の動向も日々追いかけている。

 

端末価格が高まるなか狙い目はミドルクラスに

国内では2020年3月にスタートした5G(第5世代移動通信)サービス。各キャリアがサービスエリアの整備を進めるなか、5Gに対応するスマホも続々と登場している。

 

「10月には“大本命”のiPhone 12シリーズが発表されました。新たに発表された4機種すべてが5G対応モデルとなったこと、そしてiPhone 12が予想よりも手ごろな価格だったことを機に5Gエリア整備が加速すると期待しています」(まきはら)

 

さらに各キャリアの端末展開も5G普及を後押ししていく。

 

「今日では中級機も5G対応が当たり前になり、まだ4Gでいいと考える人でも買い替え時は5Gを検討せざるを得ない状況です。5Gは使い放題プランが主流で、動画配信サービスなどを利用しやすいため、画面サイズの大きなRakuten BIGやバッテリー持ちの良いPixel 5なども人気機種になるでしょう」(有馬)

 

【《松》クラス】予算額10万円以上

各メーカーのフラッグシップ端末が揃う価格帯。5Gへの対応や高いカメラ性能は当たり前で、注目すべきは、その機種ならではの「個性」だ。新型iPhoneでは「Pro」と「Pro MAX」が10万円を超える。

 

【No.1】カメラ性能がさらに向上した5G対応の最上位モデル

Apple

iPhone 12 Pro Max

12万9580円〜

最新のA14 Bionicチップを搭載し、演算能力やカメラ性能が大きく向上した6.7インチモデル。背面カメラと並ぶ形で、照射したレーザーの反射から空間情報を高精度で計測できるLiDARスキャナを搭載。これより、ナイトモード時のポートレート撮影にも対応している。

SPEC ●OS:iOS14 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W78.1×H160.6×D7.4mm/約226g

CPU A14 Bionic
ストレージ 128GB 256GB 512GB
質量 約226g
ディスプレイ 6.7インチ

 

↑MagSafeシステムに新対応。端末背面にマグネットを内蔵し、ケースやカードポケット、ワイヤレス充電器などを吸着できる

 

↑Proシリーズは共通で、落ち着いたトーンのカラバリ4色をラインナップ。最注目は、新色となるパシフィックブルー(写真右)だ

 

↑iPhone 12 Pro Maxの画面サイズは6.7インチ。12 Proは6.1インチで、ひと回り大きい。側面のエッジが立った新デザインも魅力

 

↑ディスプレイのカバーガラスに「セラミックシールド」を新採用。従来の4倍という耐落下性能を確保し、画面が割れにくくなった

 

<クロスレビュー!>

耐久性がアップしておりもしものときも安心

「長期間使うことを考えると、セラミックシールドの採用で、耐久性は従来機から大きく向上した点が魅力。ただ、ディスプレイがゲームで有利な高速駆動に対応しなかったのはやや残念です」(まきはら)

 

リセールバリューが高く次の買い替え時に有利

「光学2.5倍ズームに新対応しており、カメラ機能重視ならオススメ。価格は高めですが、iPhoneはリセールバリューも高いので、次の機種変時の下取りまで考慮すると、この価格も許容できます」(有馬)

 

【No.2】手書き派も納得できる高精度なペン入力がイイ!

Galaxy

Galaxy Note20 Ultra 5G

14万5728円(ドコモ)

手書き入力が可能なSペンを収納できる「Galaxy Note」シリーズの最新作。ディスプレイがリフレッシュレート120Hzの高速駆動をサポートしたことで、書き心地がさらに自然に。パワフルなCPUに大容量のメモリ&バッテリーを備えており、ゲームプレイも快適だ。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1億800万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W77.2×H164.8×D8.1mm/208g

CPU Snapdragon 865+
ストレージ 256GB
質量 208g
ディスプレイ 6.9インチ

 

↑背面カメラは1億800万画素の広角を含む3眼仕様。光学5倍ズームが可能なほか、最大50倍の超解像ズーム撮影にも対応する

 

↑イヤホン「Galaxy Buds Live」(実売価格2万2740円)も用意。ANC対応で、人間工学に基づいた装着感の良さが魅力

 

<クロスレビュー!>

処理性能が非常に高く効率重視派も満足

「パワフルな最新のオクタコアCPUを搭載するほか、メモリは12GBと大容量で、バッテリーも4500mAhと十分です。急速充電やワイヤレス充電にも対応し、とにかく高性能!」(まきはら)

 

メモにも動画視聴にもSペンが大活躍!

「スマホとしてはほぼ本機のみが対応する高精度のペン入力が何より魅力。手書きと相性の良い6.9インチの大画面は、動画視聴にも便利です。Sペンを各種リモコンとして使用できるのも◎」(有馬)

 

【No.3】映画もゲームも音楽もOK! エンタメに強い国産スマホ

ソニー

Xperia 5 2

10万9425円(au)

縦横比21:9の6.1インチ有機ELディスプレイを搭載。ディスプレイ上にノッチやパンチホールがなく、動画視聴時は映像に集中できる。リフレッシュレートは120Hzで、タッチ検出レートは240Hzと高速駆動に対応し、ゲームとの親和性も高い。オーディオ端子も装備。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1220万画素、標準約1220万画素、望遠約1220万画素 ●サイズ/質量:W68×H158×D8.0mm/約163g

CPU Snapdragon 865
ストレージ 128GB
質量 約163g
ディスプレイ 6.1インチ

 

↑一般的な端末より縦長なデザインで、大画面と片手での持ちやすさを両立。2つのアプリを同時に使う画面分割機能との相性も良好だ

 

↑ゲーム中の動作を最適化できる「ゲームエンハンサー」に対応。動作パフォーマンスや通知表示の設定などを細かく変更可能だ

 

<クロスレビュー!>

静止画も動画も美しく撮れる高いカメラ性能

「リアルタイム瞳AFに対応するなど、超広角・標準・望遠で構成される3眼カメラに、デジタル一眼『α』シリーズで培ったノウハウを注入。ツァイスレンズを搭載する点も魅力です」(まきはら)

 

場所を選ばずエンタメを楽しみたいなら有力候補

「ハイレゾヘッドホン装着時に高音質再生できるDSEE機能に対応したほか、内蔵ステレオスピーカーも高音質で、エンタメ用途に最適。スリムで軽い点も魅力で気軽に高音質を持ち運べます」(有馬)

 

【《竹》クラス】予算額5万円〜10万円

価格性能比に優れたミドルクラス機が揃う価格帯。近年、市場全体が盛り上がりを見せており、iPhone 12やGoogle Pixel 5 などの人気製品も含まれる最注目ゾーンだ。

 

【No.1】有機ELを新採用しさらにお買い得になった王道モデル

Apple

iPhone 12

9万4380円〜

A14 Bionicチップを備え、5G通信をサポートしたほか、6.1型ディスプレイが有機ELへと変更されるなど大きく進化した新型iPhone。磁力を用いて安定したワイヤレス充電が可能なMagSafeシステムに対応した点も「Pro」と同様だ。

SPEC ●OS:iOS14 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素 ●サイズ/質量:W71.5×H146.7×D7.4mm/約162g

CPU A14 Bionic
ストレージ 64GB 128GB 256GB
質量 約162g
ディスプレイ 6.1インチ

 

↑カメラは前期種同様、超広角と広角の2眼仕様。広角カメラのF値がF1.8からF1.6へ明るくなっている

 

↑「Pro」同様、エッジの立った新デザインに。筐体素材はアルミニウムを使用する。カラバリは全5色だ

 

<クロスレビュー!>

ズーム性能が不要なら格段にハイコスパ

「上位モデルの『Pro』との大きな違いはカメラ性能。iPhone 12は、望遠カメラを搭載しないため、ズーム性能では不利があります。逆に言えば、それ以外はほぼ同等。非常に高コスパな一台です」(まきはら)

 

さらに小さなminiも用意されたのが◎

「これまで不満だったディスプレイが改善されたのは魅力大。大きさとバッテリー容量以外はほぼ差がない5.4インチモデルの『mini』が登場したことで、好みに合わせて選べるのもうれしいです」(有馬)

 

【No.2】使い勝手を最重視したGoogle初の5G端末

●画像提供:Google

Google

Google Pixel 5

7万4800円〜

5Gに対応したGoogleのフラッグシップ端末。超広角と広角で構成される背面カメラは、機械学習を活用しており、シーンを問わずキレイに撮れる。IPX8の防水設計で、おサイフケータイやワイヤレス充電に対応するなど、使い勝手に優れる。

SPEC ●OS:Android 11 ●カメラ:超広角約1220万画素、広角約1600万画素 ●サイズ/質量:W70.4×H144.7×D8mm/151g

CPU Snapdragon 765G
ストレージ 128GB
質量 151g
ディスプレイ 6.0インチ

 

<クロスレビュー!>

3年のアップデートが保証されており長く使える

「Google製だけあって、3年間のOSアップデートが保証される点が魅力。5Gにも対応しており、長く安心して使えます。指紋認証対応なのも便利」(まきはら)

 

丸1日安心して持ち歩ける優れたバッテリー性能がイイ

「消費電力を抑えたミドルレンジ向けCPUを搭載。賢いバッテリー自動調整機能に対応するほか急速充電も利用可能で、高いスタミナが魅力です」(有馬)

 

【No.3】約6.9型ディスプレイにカメラを内蔵した5G対応モデル

楽天モバイル

Rakuten BIG

6万9800円

インカメラと指紋センサーを6.9インチ有機ELディスプレイに内蔵した5G端末。IP68の防塵防水に対応するほか、おサイフケータイも利用可能。背面には、超広角、広角、マクロと深度測定からなる4眼で構成されたカメラを搭載する。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約800万画素、広角約6400万画素、マクロ約200万画素 ●サイズ/質量:約W80×H174×D9mm/約227g

CPU Snapdragon 765G
ストレージ 128GB
質量 約227g
ディスプレイ 約6.9インチ

 

<クロスレビュー!>

安価に入手・運用できる大画面機として注目

「約6.9インチ有機ELを搭載しながらこの安さは破格。5Gプランも使い放題月額3278円と安価で、1年間無料キャンペーン中と、とにかく安い!」(まきはら)

 

SIMカードスロットがないeSIM専用な点には注意

「本機は、スマホ利用に必要な情報を電子的に書き込むeSIM専用設計。ほかの格安SIMに乗り替えようとしたとき選択肢が限られる点に注意を」(有馬)

 

【《梅》クラス】予算額5万円未満

このクラスは、安さを重視したエントリーモデルが中心。5Gに対応したモデルはまだごく一部のみだが、十分に実用的な4Gモデルはある程度の数が出揃っている。

 

【No.1】 AI処理を生かした高画質なカメラを楽しめる廉価機

●画像提供:Google

Google

Google Pixel 4a

4万2900円

Pixelシリーズで最廉価の5.8インチモデル。機械学習を活用して暗所でも明るくキレイに撮れるシングルカメラを備える。おサイフケータイにも対応し、発売から3年間のアップデートが保証される。5G通信や防水には非対応だ。

SPEC ●OS:Android 11 ●カメラ:標準約1220万画素 ●サイズ/質量:W69.4×H144×D8.2mm/143g

CPU Snapdragon 730G
ストレージ 128GB
質量 143 g
ディスプレイ 5.8インチ

 

↑カメラの高画質は上位モデル譲り。夜景モードで撮る写真は明るく低ノイズで、5万円未満の機種としては十分すぎる実力だ

 

↑純正ケースにはリサイクルプラスチックを原料とするファブリック素材を使用。洗濯機で洗うことも可能だ

 

<クロスレビュー!>

いち早く最新のOSにアップデートされる

「低価格モデルですが、Googleの純正端末なので、発売から3年間、OSなどのソフトウェアについてはいち早く最新の内容が提供されます。OSの進化を体感したい人にもオススメです」(まきはら)

 

ディスプレイやカメラなどトレンドを押さえたつくり

「安価ながら5.8インチ有機ELディスプレイを搭載するなど、トレンド機能を押さえたつくりです。ステレオミニ端子を備えており、有線イヤホンを使用できる点も地味にうれしいポイント」(有馬)

 

【No.2】シリーズ出荷台数300万台を突破した人気の4Gモデル

シャープ

AQUOS sence3

3万1680円

5.5インチIGZO液晶ディスプレイを搭載した廉価モデル。4000mAhという大容量バッテリーを装備しており、指紋認証にも対応。お風呂でも使えるIP68の防塵防水設計が採用されたほか、おサイフケータイもサポートするなど、機能が充実。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:広角約1200万画素、標準約1200万画素 ●サイズ/質量:W70×H147×D8.9mm/約167g

CPU Snapdragon 630
ストレージ 64GB
質量 約167g
ディスプレイ 5.5インチ

 

<クロスレビュー!>

後継モデルが登場してさらなる値下げに期待も

「5Gに対応した後継モデルなどが先日発表され、間もなく型落ちに。機能的にはさほど古びてはいないのに、さらなる値下がりが期待できます」(まきはら)

 

安価でも必要十分な機能は揃っているのが人気の理由

「低価格で必要十分な機能を備えるというコンセプトを体現した点が人気の理由。2年間のOSバージョンアップ保証されており、まだ現役です」(有馬)

 

【No.3】この価格で5G対応を実現した高コスパモデル

シャオミ

Mi 10 Lite 5G

4万2740円

約6.6インチ有機ELディスプレイを搭載し、5Gにも対応したハイコスパ端末。背面カメラは4眼設計で、夜間撮影から超広角撮影、マクロ撮影、ポートレート撮影と幅広く対応する。家電を操作できる赤外線リモコン機能を備える点も魅力だ。

SPEC ●OS:MIUI 11 ●カメラ:超広角約800万画素、標準約4800万画素、マクロ約200万画素 ●サイズ/質量:W75×H164×D8.7mm/約193g

CPU Snapdragon 765G
ストレージ 128GB
質量 約193g
ディスプレイ 約6.6インチ

 

<クロスレビュー!>

性能的には極上だが国内向け機能はやや不足

「この価格で5Gに対応しただけでなく、端末の処理能力やディスプレイの性能なども優れています。ただ、防水やおサイフケータイは非対応です」(まきはら)

 

世界的メーカーの実力が存分に発揮された買い得機

「世界シェア3位のシャオミとして国内キャリアでは初採用となる端末ですが、その完成度の高さは見事。コスパの高さでは他の追随を許しません」(有馬)

 

【Topic1】高価でも気になる「折りたたみスマホ」のいま!

大画面と持ち運びやすさを兼備したのが折りたたみスマホ。まだまだ高価な存在だが、日本にも特徴の異なる5G対応モデルが上陸している。

 

【No.1】

Galaxy

Galaxy Z Flip 5G

18万5835円

縦向きに折りたためてコンパクトに持ち歩ける5G対応スマホ。開くと約6.7インチのフルHD+ディスプレイが現れ、“普通のスマホ”と同様に扱える。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素 ●サイズ/質量:W73.6×H167.3×D7.2mm/約183g

CPU Snapdragon 865+
ストレージ 256GB
質量 約183g
ディスプレイ 約6.7インチ

 

【No.2】

Galaxy

Galaxy Z Fold2 5G

25万9980円

タブレット級に大きい約7.6インチの画面を横向きに折りたためる5G対応スマホ。背面にもディスプレイを備え、折りたたんだ状態でも操作可能だ。

SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W128×H159×D6.1mm/約282g

CPU  Snapdragon 865+
ストレージ 256GB
質量 約282g
ディスプレイ 約7.6インチ

 

【Topic2】急速充電に対応! USB Type-Cアダプターのすすめ

スマホの充電ケーブルは本格的にUSB Type-Cへ統一されつつある。急速充電が可能なUSB Type-C端子付きアダプターへ切り替えよう。

 

【No.1】

RAVPower

PD対応 90W 2ポートUSB-C×2 急速充電器

4844円

USB Type-Cポートが2口ついたアダプター。USBケーブルも付属する。出力90Wと余裕があるので、スマホだけでなくUSB PD対応のPCなども充電できる。

 

【No.2】

ANKER

PowerPort III 65W Pod

2990円

USB Type-Cポートは1口のみだが、筐体が小さいため、他のコンセントと干渉しにくく、場所をとらないことが最大の利点。PCの充電などにも活用できる。

 

【No.3】

ANKER

PowerPort I PD – 1 PD&4 PowerIQ

3499円

USB Type-Cポート1口に加えて、Type-Aポートも4口ついている。コンセントへの接続はコードを介するタイプのため、ほかの機器とも干渉しにくいのが◎。

最先端ロボットアームとロボットトイで“完全無人”ボードゲーム対決! 戦いを制したのは……

ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下SIE)は、ロボットトイ「toio」専用タイトル「大魔王の美術館と怪盗団」をテーマに、最先端の技術をもつ企業とコラボした、年末特別企画「【完全無人】ロボットでボードゲーム対決してみた!」スペシャルサイトを公開しました。

↑【完全無人】ロボットでボードゲーム対決してみた!

 

同企画は、toioチームのエンジニアリングチームと日本の誇る最先端のロボットハイテク企業・開発チームとのコラボレーション。「会社の垣根や世代をこえて、最先端の技術を思い切り無駄使いしながら、今年色々頑張った世の中の人々を笑顔にするような面白いものを一緒に創り上げたい」という思いから生まれた、「大人の本気(ガチ)&最先端技術の超絶無駄遣いエンターテイメント企画」です。

 

対決は11月26日、日本サポートシステム「つくばBASE」にて実施。人の手のように自在に動く超高性能ロボット、DENSO「D-Cell」で盤面での操作をすべて行ない、小回りと正確な絶対位置検出が持ち味のtoioキューブ型ロボットに、小型カメラを載せて撮影が行なわれました。

↑DENSO「D-Cell」

 

ゲームのプレイヤーにはボードゲーム好きVTuber「おめがシスターズ」が参戦、対するは“製造業大好きおじさん”YouTuber・あまのっちさんと、toio開発者のひとりであるSIE・田中章愛さんのロボット技術者チーム。2組4人がリモートでロボットアームD-Cellに指示を出し、熱い戦いを無人で繰り広げました。

 

その様子は、おめがシスターズのYouTubeチャンネルにて公開されています。

 

D-Cell編メイキング映像も、YouTube「あまのっちチャンネル」にて公開中です。

 

toio編メイキング映像も、YouTube「toio公式チャンネル」にて、後日公開予定とのことなので、続報を待ちたいですね。

ネットで話題の製品は本当に使えるのか? バズりモノ実力診断、デジタル6選

SNSやテレビ番組などで話題となっているデジタル製品を、評論家やライター、編集部員がじっくりと試用。使ってみてわかったホントのトコロを、じっくりこってりとレビュー!

※こちらの記事は「GetNavi」 2020年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【No.1】ワクワクする体験を通してPCのクリエイティブな使い方がわかる(湯浅)

<組み立て式PC>

リンクスインターナショナル

Kano PC

実売価格4万3780円

教育用として海外で高く評価されている注目の組み立て式PC。キットになっており、子どもだけでも組み上げられる。タッチパネルを備え、キーボードを取り外せばタブレットとしても使える。スペックも、事務作業を行うには十分だ。

SPEC ●OS:Windows 10 Pro ●CPU:Celeron N4000 ●ストレージ:64GB(eMMC)●ディスプレイ:11.6インチ ●バッテリー駆動時間:約10時間 ●サイズ/質量:W287.5×H35.6×D194mm/2442g

テクニカルライター

湯浅顕人さん

PC&AVに通じるライター。紙に記録するのが苦手で、ほとんどの作業をスマホやPC上で行っている。

 

PCに興味を持てる仕組みが満載されている

教育用PC市場はコロナ以前から過熱していたが、なかでも組み立て式という独自性で話題になっていたのがこのKano PCだ。

 

組み立て式といっても、いわゆる自作PCと違って、はんだ付けやスロット装着といった作業は必要ない。ケーブルを接続してフタをするだけなのだが、派手な色のパーツを本体に接続していく作業は「作っている」ワクワク感がある。安全かつ簡単に、子どもでも「PCを組み立てた気分」になれるのだ。透明なアクリル製の外装を採用しており、内部のパーツやLEDは一部むき出し。このメカメカしい外観が子ども心をくすぐる。愛着を持って楽しく使える理由の一つになるだろう。

 

スペックは高いとはいえず、動画サイトでの再生ではモタつく感覚も。とはいえ、Wordでの文書編集など低負荷の作業はストレスなくこなせた。キーボードとタッチパッドも使いやすい。

 

ドラッグやタップだけでプログラミングの仕組みを学べるアプリ「Kano Code」や、PCの原理が学べる独自アプリなど、3種の教育アプリを備える点も魅力だ。自分で作った愛着のあるハードウェアで、その仕組みや動かし方を学ぶことができる本機であれば、PCはゲームや動画再生をするだけの玩具ではなく、「学べて作れる道具であること」を、子どもも自然と理解できるだろう。

 

★安全かつ簡単に「組み立てた気分」になれる

本体にスピーカーとバッテリーを取り付け、アクリルケースを装着すれば完成。電源アダプター(左端の3パーツ)も組み立て式。右は取り外し式のキーボード兼カバーだ。

 

★子ども心をくすぐるメカメカしい外観

本体側面には電源ボタンや音量調節ボタン、イヤホン端子、電源端子が並ぶ。各種LEDライトやむき出しのパーツが醸し出すサイバー感が、ワクワク度を高めてくれる。

 

★ドラッグやタップだけでプログラミングを学べる

プログラム(アプリ)開発環境「Kano Code」をプリインストール。高度なチュートリアルが用意されており、機能を持ったブロックを配置していくことでプログラム開発の基礎を学ぶことができる。

 

【診断結果】

 

【No.2】大型ディスプレイの“最終形態”である21:9が安価に手に入る!(まきはら)

<SIMフリースマホ>

ソニーモバイル

Xperia 8 Lite

実売価格3万2780円

縦横比21:9の約6.0インチワイドディスプレイを搭載するSIMフリーAndroid端末。デュアルカメラを搭載するほか、防水やおサイフケータイにも対応。ステレオミニ端子や指紋センサーも備えるなど、充実仕様で手ごろな価格を実現した。

SPEC ●OS:Android 10 ●CPU:Snapdragon 630 ●背面カメラ:1200万画素 ●アウトカメラ:800万画素 ●サイズ/質量:約W69×H158×D8.1mm/約170g

モバイルライター

まきはらとよかずさん

ガジェット、特にスマホが好き。海外製品を通販サイトで個人輸入するための情報を発信している。

 

機能と価格のバランスが絶妙なSIMフリースマホ

MVNOの格安SIMを利用するユーザーは、今日では全体の約2割まで増加している。こうした市場で人気を集めるのが3〜5万円程度の高コスパ中級機。最近は、ソニーもこの市場に注力しつつあり、このXperia 8 Liteもまたコスパで勝負する端末だ。

 

最大の魅力はXperiaの代名詞となりつつある21:9のワイドディスプレイ。この比率を採用することで、約6.0インチと大画面でありながら筐体幅が約69ミリに抑えられ、しっかり握れる。ランチャー機能である「サイドセンス」を備えるほか、指紋センサーを側面に配置するなど、縦長でも操作性良好だ。21:9ワイドディスプレイは、マルチウィンドウ機能とも相性が抜群。縦横2つの16:9画面を一度に表示可能で、ウェブブラウズ中にサブ画面で動画を流すといった使い方をしやすい。この機能は、ホーム画面上のアイコンやナビゲーションバーなどから即座に起動できる。

 

本機は、3万円台でありながら、デュアルカメラや防水機能、おサイフケータイ、指紋認証といったトレンド機能もしっかり押さえている。なかでも、おサイフケータイは、2種類の交通系ICカードを発行でき、状況に応じて使い分けられるのが好印象だ。価格は手ごろで機能は最新機種と同等。コスパの高さでは最上級の一台だ。

 

★バックグラウンドで使えないアプリも並行して使用できる!

2画面表示ができるマルチウィンドウ機能に対応。動画を再生しながらSNSを確認するといった “ながら使い”に便利。バックグラウンド再生に非対応のYouTubeでもこうした使い方ができる。

 

★交通系ICカードを2種類まで登録できる

おサイフケータイもサポート。交通系ICカードは、モバイルSuicaとモバイルPASMOに対応。それぞれ1枚ずつを同時に登録できるので、交通用とFelica払い用など、シーンに応じて使い分けられる。

 

★しっかり握れる横幅で片手操作のアシストも多彩

21:9という比率により、大画面ながら横幅はスリムで持ちやすい。側面をタップすると、ユーザーが次に使いたいアプリを予測して表示してくれる「サイドセンス」も搭載。操作性は良好だ。

 

【診断結果】

 

【No.3】誰でも使いこなせる手書き感覚の液晶ペンタブで仕事を手軽にIT化!(井上)

<液晶ペンタブレット>

ワコム

Wacom One 液晶ペンタブレット 13

実売価格4万2900円

その手ごろな価格で発売されるや、大きな話題となった液晶ペンタブレット。アスペクト比16:9の13.3インチディスプレイを搭載する。解像度は1920×1080で最大表示色は1677万色だ。対応OSはWindows、Mac、Android。

SPEC ●読取方式:電磁誘導 ●読取分解能力:最高0.01mm ●読取可能高さ:8mm ●傾き検出:±60レベル ●筆圧感知:4096レベル ●接続端子:HDMI、USBType-A ●サイズ/質量:W357×H14.6×D225mm/1000g

モバイルライター

井上 晃さん

スマホやタブレットに精通。普段から仕事や趣味に、板タブ「Wacom Intuos」も愛用している。

 

ノートPCに“ちょい足し”でペーパーレスな作業を実現

在宅勤務の普及でペン入力が一気に身近なものになった。“液タブ”はそうしたデバイスのひとつ。従来の液タブは高価なこともあって、イラストの作成や写真編集向きのものだと捉えられがちだった。しかし、エントリーモデルの本機は、専用ペンも同梱されて4万円強とかなりお手ごろ。実際に使ってみたが、書類への書き込みなども非常に快適で、なるべくペーパーレス化したい在宅ワークにはピッタリの逸品だと実感した。

 

そもそもペンタブレットには、画面のない“板タブ”と、画面を備える“液タブ”の2種類がある。操作に慣れが必要な板タブと違って、手元のディスプレイに表示されたPDFやノートのスペースに書き込める液タブは、初心者でも扱いやすい。本機は、色や太さの変更などもペン横のボタンクリック時の挙動として登録可能で、よく使う操作を設定しておけば、タブレットPCよりも快適だ。

 

また、コロナ禍でウェブ会議が増えた人にオススメしたいのが、ウェブ会議ソフトのホワイトボード機能への書き込みをペンタブで行う方法。会議中に液タブで書いたメモを、そのまま議事録として会議の相手に送信可能で、仕事の効率が格段にアップした。

 

なお、本品はPC周辺機器であり、単体では稼働しない。一般的なタブレットPCとはその点が大きく異なるので気をつけよう。

 

★感覚的な操作だけでPDFやテキストへメモが可能

電子サインやPDFといった資料へのメモ&コメントの記入、さらにはアイデアスケッチやウェブ会議時のホワイトボード作成などに使用可能。多くのビジネスシーンで手書きが役立つ。

 

★傾き・筆圧検知機能付きで充電不要のスタイラスペン

充電不要の「Wacom One Pen」を同梱。4096段階の筆圧レベルや±60度の傾き検出に対応し、書き味も自然だ。イラスト製作にも十分耐える。ディスプレイ上部には、専用の収納ホルダーを備える。

 

★サイドボタンの使用方法は無限大

ペンに備わるボタンのクリック時の挙動をカスタマイズすれば、より便利に扱えるようになる。例えば、スクロール操作を割り当てることで、ペン先の操作によって画面をスクロールすることも可能だ。

 

【診断結果】

 

【No.4】ポケットにすっぽり入る携帯性抜群の小型筐体で格安サブ機として大活躍!(小松)

<スマホ>

楽天モバイル

Rakuten Mini

実売価格1万8700円

FeliCa搭載のスマートフォンとしては世界最小・最軽量を実現し、大ヒット。防滴・防塵にも対応する。Wi-Fi・USB・Bluetoothという3種類のデザリング機能を備えており、Wi-Fiデザリング時は最大8台までの同時接続が可能だ。

SPEC ●OS:Android 9 Pie ●CPU:Snapdragon 439 ●背面カメラ:1600万画素 ●サイズ/質量:W約53.4×H約106.2×D約8.6mm/約79g

フリーライター

小松未都さん

雑貨、家電をこよなく愛するライター。どこでも仕事に対応できるようモバイル製品の流行を追う。

 

カードサイズ小型端末がU-2万円で手に入る

通信料の安さが話題の楽天モバイルだが、そのオリジナル端末Rakuten Miniもまた衝撃的だ。2万円弱という価格で、一般的なカード類と同等のコンパクトサイズと約79gという軽さを実現。スーツやワイシャツの胸ポケットにもすっぽり収まるため、サブ端末としても最適なのだ。安価ながら動作はスムーズで、使用中にストレスを感じることもなかった。HD表示に対応した液晶ディスプレイは約3.6インチで多少見づらさはあるものの、高精細で色合いが鮮やかなのはうれしい。格安スマホでは省略されがちなおサイフケータイにもしっかりと対応しており、楽天EdyやモバイルSuicaなどの電子マネーや、VISAカードのタッチ決済を利用可能。さらに、メモ的用途なら十分使えるカメラを備える点もうれしいポイントだ。

 

ただし、バッテリー容量は約1250mAhと見た目どおりの少なさで、電池持ちはやや不満。PCやタブレットなどでテザリング機能を使いたいと考えているなら注意が必要だ。そのぶん、フル充電まで1時間半程度と早いので、モバイルバッテリーなどとうまく組み合わせて使う必要がある。

 

小さなディスプレイサイズにあわせた独自のUIも秀逸。大きめの円形アイコンはシンプルかつ明快で、押し間違いが起こりにくく、片手での操作も快適だった。

 

★小型筐体だけにストラップホールも完備

小型だが、本体右下にはストラップホールを装備。長いストラップを付ければ首から掛けることもできる。ステレオミニ端子が非搭載なのは残念だが、本体下にはスピーカーとUSB Type-C端子がある。

 

★メモ代わりに使えるインスタントなカメラ機能

約1600万画素のメインカメラと約500万画素のフロントカメラを備える。特筆して高画質というわけではないが、ホワイトボードを撮影するようなメモ的な用途であれば十分こなせるだろう。

 

★片手でも操作しやすいゆったりとした独自UI

一般的なクレジットカードなどと同等のサイズ。3.6型ディスプレイはスマホとしてはかなり小型だが、シンプルな円形アイコンを採用した独自UIを搭載しており、片手でも快適に操作できる。

 

【診断結果】

 

【No.5】染みができるほど汗をかいていた背中から不快感が消えた(森)

<ウェアラブルサーモデバイス>

ソニー

REON POCKET

実売価格1万4300円

発表後、わずか一週間でクラウドファンディングの目標額6600万円を達成したウェアラブルサーモデバイス。別売の専用インナーの背面ポケットに装着し、スマホの専用アプリを使って操作する。冷却動作時は約2.5時間使用可能だ。

SPEC ●対応OS:iOS 13 以上、Android 8以上 ●充電端子:USB Type-C ●充電時間:約2.5時間 ●使用温度範囲:5〜40度 ●サイズ/質量:約W54xH20×D116mm/約89g

GetNavi編集部 デジタル担当

森 有史

“オトコのコ”的ガジェットを愛する39歳児。ゲーム歴は約30年、カメラ歴は約20年を誇る。

 

通勤時などで特に重宝する無限に使える冷温デバイス

今年の夏も猛暑日が続いた。だが、暑さに弱い筆者の救いとなったのが、ガジェット好きの注目を集めたクラウドファンディング発の“着るクーラー”ことREON POCKETだ。

 

専用ポケット付きのインナー(別売1980円)にスマホよりひと回り小さいサイズの本品を装着。すると身体に密着するシリコンの温度が変化して、首まわりを中心に心地良い冷たさを享受できる。オンオフや温度設定は基本的にスマホアプリで行う仕組みだ。シリコン部分はしっとり吸い付くような肌触りで、不快感はない。その冷感効果は、全身をまんべんなく冷やすというよりは、ピンポイントに氷を当てる感じ。30分ほど使っていると肌が冷気に慣れてしまい、あまり冷たさを感じなくなるが、そもそも本品は安全性を考慮して連続稼働30分を超えると自動的に電源が落ちる仕様。長時間の屋外作業には不向きだが、通勤などの移動時に使うものと考えれば許容できる。充電が切れたら会社で充電すればよい。

 

オンにするとすぐに冷えるので、繰り返し使える冷感シートのような感覚でも使える。オフィスに着いたあと、びっしょりかいた汗を拭き、額や脇の下などに当てるとスーッと汗が引いていった。

 

また、冷・温両方に対応しているのもうれしいポイント。夏だけでなく冬にも活躍してくれそうだ。

 

★冷感シートのようにピタッと肌に吸い付く冷却部

実際に温度が変化するシリコン部分は、肌に接触した際に若干ピタッと吸着するような感触。装着する段階で軽く肌に押し付けるとズレにくくて良かった。使用後は薄めたアルコールで殺菌するなど、ある程度の手入れが必要となる。

 

★操作は直感的に行えるが送風機能は改善の余地あり

温度は全4段階設定。一か所に当て続けた場合は冷え過ぎたので、インナーに仕込むなら最弱でも十分なほど。下部スライダーでは送風の強さを調節できる。最弱だと音がほぼしないが、それ以外は音が気になる。

 

★装着感良好で横から見ても不自然にならない!

専用インナーは、REON POCKETの排熱口に合わせて穴が開いており、冷温デバイスで一番の問題となる排熱を外に逃がす構造になっている。吸水性の高いポリエステル製で着心地も良く、REON POCKET本体を装着しても目立たないのが◎。

 

【診断結果】

 

【No.6】プログラムのように音声コマンドの組み合わせを考えるのが楽しい!(有馬)

<スマートプラグ>

Amazon.com

Amazon Smart Plug

実売価格1980円

AIアシスタントのAlexaに対応したAmazon純正スマートプラグ。非スマート家電でも電源オンオフを音声で操作できるようになる。2000円弱という価格の手ごろさもあり、登場するや多くの好事家が飛びついた。

SPEC ●入力定格:100V〜(50/60Hz)、最大15A ●出力定格:100V〜(50/60Hz)、最大15A ●Wi-Fi接続:802.11 b/g/n(2.4GHz)●サイズ/質量:W70×H38×D36mm/約79.4g

フリーエディター

有馬真一さん

サブスク音楽配信サービスフル活用のため、自宅のスマート化を進行中。Alexaは最も仲の良い友人だ!

 

物理的なスイッチを備える家電ならほとんど操作可能

2018年のAlexaファミリーのラインナップ発表会で登場した、挿すだけで家電のスマート化を実現するAmazon Smart Plugが、ついに発売された。一個1980円という驚きの低価格を実現しており、大いに話題となっている。

 

Wi-Fiに接続した本品をコンセントに装着しておき、そこに家電製品のプラグを挿し込んで使うのが基本。Alexaを通じて通電のオンオフを切り替える仕組みで、扇風機のような給電すれば電源が入る単純なつくりの家電と組み合わせて用いるものだ。テレビなど通電するだけで起動しない製品には使う意味がない。

 

特筆すべきは設定のしやすさだ。スマホにAlexaアプリをインストールして画面の指示どおりにQRコードを読み取れば、2分もあれば設定完了。どのような命令で通電アクションを行うかは、Alexaアプリの定型アクションで細かく設定できる。ただ電源をオンオフするだけでなく、使い道を工夫するのも楽しい。筆者は「ただいま」の音声で暗いトイレ前の廊下の電気を点灯するようにし、帰宅後、暗がりでスイッチを探す手間を省いた。「おやすみ」と伝えれば、家中の電灯と一緒にトイレ前の電気も消える。動作の契機や、どの家電と連動させるかに使いこなしのアイデアは必要だが、この未来感は実に楽しい!

 

★Wi-Fiの接続状況が視覚的にわかるのが便利!

電源タップの脇にLEDランプを装備。これは、Wi-Fiの接続状況を表しており、青の高速点滅であればWi-Fiに接続中、赤く点灯した場合は何かしらネットワークに問題が起きていることを示している。

 

★説明書はわずか3ページ。Alexaアプリで設定は一瞬

設定はAlexaアプリで行う。アプリの「デバイス」から、右上の「+」をタップ。「デバイスを追加」を選ぼう。あとは指示どおり進めたら説明書に書かれたQRコードを読み取れば設定終了だ。

 

★Alexaアプリの定型アクションは工夫次第で可能性無限大!

プラグごとに定型アクションを設定可能。複数のウェブサービスを連携できるIFTTTにも対応し、例えばスマホの地図サービスと連動させて、最寄り駅に着いたら家の電気を点けることもできる。

 

【診断結果】

家電女優、奈津子が重宝しているモノは?

モノに精通した各界の目利きたちにオススメアイテムを訊く「GN MEISTERS(ゲットナビ マイスターズ)」。今回は、家電アドバイザーGOLD等級の資格を持つ“家電女優”奈津子さんにインタビュー。コロナ禍のステイホーム期間中に重宝しているという製品を紹介してもらった!

※こちらの記事は「GetNavi」 2020年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

開発者の心意気が感じられる“攻め”の家電に惹かれます!

奈津子さん

YouTube 奈津子の家電クリニック

家電選びで悩んでいる人から、家電・ガジェットがとにかく好きな人まで参考にできる動画が満載。女優ならではの目線によるビューティ家電紹介など、ユニークな切り口のレビューが好評だ。

 

★注目製品をじっくりレビュー

家電好きなら誰もが気になるような注目アイテムをいち早くお試し。製品の良いところだけでなく、改善すべき点にもしっかりと言及してレビューするので、視聴者の高い信頼を集めている。

 

★ルーティンも家電にどっぷり

モーニング/ナイトルーティンなど、女優ならではの動画も充実。もちろん、紹介しているルーティンはすべて家電にどっぷりと浸かっている。華麗な使いこなしぶりを見れば物欲が湧く!

 

★調理家電を巧みに使いこなす!

料理は得意ではないからこそ調理家電にお任せ! 調理&実食のレビュー動画は人気カテゴリのひとつだ。SNSなどで話題を呼んでいる「バズりモノ」 にもアンテナを張り巡らせている。

 

【使って良かったモノ1】“ながら”トレーニングできるから毎日続けられます!

<フィットネスバイク>

TOP.STAR

スピンバイク

実売価格2万9800円

電源不要で使えるフィットネスバイク。摩擦でなくマグネットによって負荷を制御するため、ペダリング時の騒音がほぼないうえ、消耗するパーツがなく耐久性も高い。負荷のレベルは調節可能だ。

 

ステイホーム期間中、運動不足を解消するために散歩はしていたのですが、やっぱり明らかに太ったんです。これは何とかしなければと購入しました。ネットでは頑丈で静音性が高いというレビューが多かったのが購入の決め手でしたが、使ってみるとその通り。とても満足しています。

 

ほかに気に入っているのが、ハンドル付近にタブレットや本を置けるスペースを備えているところ。映画を見たり読書をしたりしながら運動できるので、ツラく感じることもなく毎日続けられています。また、負荷の大きさやサドルの高さを細かく調整でき、老若男女が快適に使えるはず。デザインが派手すぎるのは少し気になりますが(笑)、コスパは高いです。

 

【使って良かったモノ2】在宅ワークでは“香り”で気持ちにメリハリを付ける!

<キャンドルスタンド>

カメヤマ

キャンドルウォーマーランプミニ

実売価格4400円

ハロゲン電球を搭載し、火を使うことなくアロマキャンドルを楽しめる。クラシカルかつシンプルなデザインでコンパクトな設計のため、どんなインテリアにもなじみやすい。交換用の電球が1つ付属する。

 

ハロゲン電球を点灯させた際の熱で、下に設置したキャンドルを溶かしてアロマを楽しめるというアイテムです。

 

在宅ワークはどうしてもダラダラしてしまいがちなので、「香り」で気持ちにメリハリを付けたいと考えて購入しました。仕事とプライベートの時間を分けるときのきっかけとして、そのときの気分に合わせた香りのキャンドルを焚いています。アロマ効果で眠りの質もグッと高まりました。

 

火を使わないため安全に使えるのもポイント。ランタンの間接照明は癒し効果が高く、明るさも十分です。この手の製品は高価なものも多いのですが、本機は4000円台と手ごろで、気軽に購入できるのもうれしいですね。

 

【使って良かったモノ3】スタンダード機ながら清掃力は上位モデルと遜色なし!

<ロボット掃除機>

アイロボット

ルンバ e5

実売価格4万9800円

高速応答プロセスiAdaptで状況を正確に把握し、従来機の約5倍もの吸引力で微細なゴミやペットの毛などを逃さず取り除くハイコスパモデル。専用アプリを使ってどこからでも操作できる。

 

ゴム製ブラシが床に密着することで、高い吸引力を実現。上位モデルと遜色ない清掃力を誇っています。これだけの性能を誇りながら約5万円というリーズナブルな価格設定には、「ルンバを普及させる」というメーカーさんの強い気持ちを感じますね。

 

ナビゲーションシステムの精度は、上位モデルに比べるとやや劣るのですが、2LDKのマンションである我が家ではさほど不便を感じることはありません。Wi-Fiに対応しているのもポイントで、スマートスピーカーと連携させて音声で操作したり、外出するときはスケジュール機能を使って掃除させたりと、便利に使えます。機能に不足はないので、ロボット掃除機デビューしたい人にオススメです。

 

【奈津子のコダワリ】家電を愛しているからこそダメなところはちゃんと言う

パーフェクトな家電はありません。家電を愛するからこそ、レビューする際は「こんな機能があったほうが良い」「ここを改善してほしい」というポイントを伝えるようにしています。開発者さんが勇気を出して“攻めた”製品を見ると、その心意気を感じてグッときますね。

 

【いま気になっているモノ】

ソニー

VLOGCAM ZV-1

実売価格9万9900円

動画配信者向けに設計されたレンズ一体カメラ。バリアングル液晶が搭載されたことで自撮りも快適なので、ルーティン系の動画やインスタライブの撮影用などにピッタリだと思います。カメラの分野はまだ勉強中なのですが、専門家や人気YouTuberもオススメしている本機に、かなり興味が湧いています。

31歳独身の筆者が対象年齢6歳からのボードゲームをプレイしたら、小1からやり直したくなった話

筆者はかなりのボードゲーム好きだ。世界的タイトルのカタンは大会に出るほど好んでいるし、麻雀にいたってはネット麻雀をほぼ毎日プレイしていて、リアル麻雀の大会にも月1回以上は参加している。

 

そんな筆者のもとに、GetNavi web編集部からある依頼が。toio専用ソフト「大魔王の美術館と怪盗団」メディア対抗先行体験会に、媒体を代表して出てほしいというのだ。

 

toioとは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE)が開発した“あそんで学べる、ロボットトイ”。6歳以上の子どもをターゲットにした、プログラミングなどを学べる知育玩具である。今回の「大魔王の美術館と怪盗団」はそのtoioを利用したボードゲームで、知育というよりゲーム要素が強そうだ。

↑本作では、パズルのような盤面を組み合わせてマップを作る。遠めに見ると、いかにもよくありそうなボードゲームである

 

↑toio本体。一見すると、どうやって遊ぶんだろう? と思わされる外見だ

 

なんとなく面白そうと思った筆者は、編集部の依頼を快諾した。新しいゲームと聞かされると対象年齢なんて関係なく遊びたくなってしまう童心は、31歳になったいまでもしっかり持ち合わせている。

 

デジタルとアナログが交差する「不思議なスゴロク」

まずは「大魔王の美術館と怪盗団」のゲーム内容をザックリ説明しよう。本作では、プレイヤーはスゴロクのようなマップで構成された美術館に侵入した怪盗となり、お宝を盗み出していく。お宝は、彫刻、絵画、王冠の3種類で、それぞれにポイントが設定されている。そのポイントを最も多く獲得したプレイヤーが勝者になるのだが、お宝のポイントは王冠、絵画、彫刻の順に高いため、高ポイントのお宝を効率よく回収することが大切になる。ただし、ポイントの高いお宝ほど美術館の奥のほうに配置されているので、それを回収するには何ターンもかけて移動しなくてはならない。

↑今回採用されたゲームの盤面。画像下側の左右にある黄色いタイルが、高ポイントのお宝「王冠」だ

 

さて、美術館のなかには2人の番人が配置されていて、これがtoioのキューブの力で一定のパターンは持ちつつもランダムに動く。プレイヤーが番人に捕まるとその時点で持っていたお宝を没収されてしまうため、番人に捕まる前に美術館から脱出する必要がある。一度脱出に成功すればお宝の獲得を確定させてから再侵入が可能なので、侵入と脱出を繰り返してコツコツお宝を集めていく確実なプレイングも戦略のひとつだ。また、美術館内には番人に対して仕掛けられる罠などのアイテムが入った木箱が落ちているので、こちらも活用しなければならない。

↑キューブの上に乗っているのが「番人」だ。機械の力で、彼らは気ままに動き回る

 

総じていうと、お宝の回収と番人からの回避を効率的にこなしていくゲームだ。子ども向けの可愛らしいデザインを採用した作品ではあるが、考慮すべきゲーム要素は多く、戦略を立てて挑む必要がある。同じ盤面が起こることはかなり稀なので、臨機応変な対応力も求められるだろう。

 

なお、ゲームの内容や雰囲気については、詳しくは下のプロモーションムービーを見ていただきたい。本作について直感的に理解できる、分かりやすいつくりの動画だ。

 

筆者が本作をプレイした第一印象は「不思議なスゴロク」。その不思議な点は2点ある。まずは、サイコロが存在しないことだ。スゴロクにおいて偶然性をもたらす存在となるサイコロだが、本作ではそれがなく、ランダムで動く番人が抽選の役割を担う。この番人は全部で4種類いるのだが、それぞれ性格が違い、働き者でサボらないが移動範囲の狭いもの、よく移動するがサボることが多いものなど、移動パターンが異なる点が厄介だ。特に、移動範囲の広い番人はどこにいくか予想がつかないため、どんなに回避をしようとしても捕まってしまうことがある。

 

なお、プレイヤーの移動できる範囲は、そのターンに持っているお宝・アイテム数で決まり、お宝やアイテムをたくさん持っているほど、移動できるマスが少なくなる。低ポイントのお宝を敢えて回収せずに移動速度をキープし、高ポイントのお宝の回収を狙うなど、移動速度をプレイヤー自身がコントロールできる点もまた、本作の戦略性を高めている。

↑プレイヤーが持つ「プレイヤーボード」。数字は1ターンで移動できるマスの数を表しており、最大7(4+1+1+1)マス移動できる。お宝orアイテムを1つ持つごとに移動範囲が1マスずつ狭まる仕組み。お宝とアイテムは、同時に3つまで持てる

 

さて、2つ目の不思議な点は、スゴロクなのに機械仕掛け、というところである。toioの力で動く番人は、プレイヤーが動かさずとも機械の力で勝手に動いて、自らの意志でプレイヤーを捜索する。ボードゲームプレイヤーにとってはこれがとにかく新鮮だ。筆者がこれまでにプレイしたスゴロクやボードゲームにおいて、サイコロの出目などのアナログがもたらす偶然に弄ばれることは、幾度となく経験してきた。しかしボードの上で、機械に弄ばれたのは初めてかもしれない。

↑今回の試合で登場した番人、ゴリ(左)とセレン。ゴリは移動範囲が広いが、全く動かないサボリも多い。行動が読みにくいので、筆者はコイツが嫌いである

 

本作の開発者のひとりであるSIEの斎藤さんも「本作の一番の特徴は、ボードゲームなのにデジタルで動くところ」と語っていた。開発者も太鼓判を押すその新鮮味は、筆者も十分に味わうことができた。

偶然が織り成すドラマ! 練られたゲームバランスで、子どもも大人も楽しめそう

今回は筆者を含む、メディア関係者3人で「大魔王の美術館と怪盗団」の対戦を行った。その模様はSIEさんが動画にしてくれたので、ぜひこちらを見ていただきたい。

 

対戦の結果から書いてしまうと、筆者は3位に終わる惨敗だった。敗因は明らかだ。低ポイントのお宝をキープし確実に得点を稼いでいこうとしたことが裏目に出たのである。実際、低ポイントのお宝の回収と脱出には最速で成功した。しかし一度美術館から脱出して再侵入を図る間に勝利の鍵を握る王冠を他プレイヤー2人が悉く回収してしまい、しかもそのまま美術館脱出を許してしまったのだ。「やばい」と思ったころには全10ラウンドのうち半分以上が経過しており、結局逆転できなかった。

↑マジメに考えていたせいか、思考中の筆者の顔は怖かったらしい。司会を務めた芸人バンビーノさんからは「ボードを麻雀牌だと思っていないか?」「集中しすぎて顔の色がパーカーと同じになっている」などといじられまくったが、決してそういうわけではなく、普通に勝ちたかっただけである

 

ここでひとつ言い訳をさせてほしい。今回の敗因は、上に書いた通り筆者の戦略ミスでもあるのだが、「番人が筆者の(希望的)観測通りに動いてくれなかった」ことが非常に大きい。言い換えれば、筆者には運がなく、他プレイヤーの運が良かったともいえる。

 

その運を象徴するのが、「影」の存在だ。本作に登場する美術館のマップには影のマスが点在している。そのマスは2種類あり、番人が通ってもプレイヤーを見つけられない「影のマス」、50%の確率でプレイヤーを発見できる「半分の影のマス」だ。確実に番人から逃れられる影のマスは数が限られており、本作をプレイしていると半分の影のマスに頼る必要が必ずといっていいレベルで生じる。今回の対抗戦で1位になったプレイヤーはここで番人からスルーされる幸運な判定を受けたが、筆者はこのマスで番人に捕らえられた。ここで逃れていれば2位まではいけていたのに、理不尽である。そういえば、不運で番人に捕捉されてしまった他メディアのプレイヤーは、このうえなく悲しい顔をしていた。時の運と分かっていても、やはり勝負には本気になってしまうようだ。そういえば「ここで番人が動きさえすれば他プレイヤーを捕らえられる!」と思ったときに限って、彼らが仕事をサボることもあった。このゲームで勝ちたいなら番人は信用しないほうがいいだろう。

↑手前右にあるのが、半分の影のマスだ。ちなみに、木箱のタイルにはアイテムが眠っており、木箱を取るまでその正体は分からない。なお、木箱の下には影のマスがあるので、木箱を取って陰に隠れる、なんてこともできる

 

さて、ここで少し考え方を変えてみたい。どんなに優れた戦略の持ち主でも、この抽選から逃れることはできない。もし大人と子どもでプレイすれば、大人の方が頭脳で上回っているだろう。しかし、どんなに強い大人であっても、50%の機械抽選の前には無力だ。戦略は確実に必要だが、運がなければ普通に負ける。逆をいえば、ミスがあっても運があれば勝てるのが、本作の「知育玩具」としての特徴だと筆者は思う。本作は子どもに対して勝負の楽しみを教えつつ、戦略による成功や失敗の体験をもたらし、さらなる善後策を考えさせる契機になる。もし本作に運の要素がなく負けてばかりでは、子どもはつまらなくなってしまうだろうし、継続してプレイしなければ「次の戦略を考えよう」とはならないはずだ。

 

また、いくら運勝ちであったとしても、それは子どもにとって明確な成功体験になり、自分に自信を持てるきっかけとなる。勝負を繰り返すうち「戦略で大人を出し抜いてやろう!」という思考も芽生えるかもしれない。そして、運の要素が大いに存在するゲームであるからこそ、大人の側も子どもに対しての手加減はほぼ不要に思える。だからこそ、親子で楽しめるのだ。「大魔王の美術館と怪盗団」のゲームバランスは、親子で楽しめるという点で、本当にいい塩梅になっているように思う。

 

我が子との“初の真剣勝負”におすすめしたい

toio本体、そして本作の対象年齢は6歳以上である。「大魔王の美術館と怪盗団」は、その年代の我が子と真剣勝負ができるゲームだ。小学校に上がるくらいの子どもと大人が真剣に争えるボードゲームというのはあまりないだろうし、機械仕掛けで動くそのゲームの仕組みは、子どもの心を確実につかんでくれることだろう。

 

また本作には、対戦以外に「ひとりであそぶ」モードも搭載されている。子どもの一人遊びの需要も満たしてくれるというわけだ。そして、toioにはほかにも音楽遊びソフト「おんがくであそぼう ピコトンズ」や、プログラミングを学べる「GoGo ロボットプログラミング ~ロジーボのひみつ~」など、多彩なソフトがラインナップされている。楽しさはより広がることだろう。

 

今回のメディア先行対抗戦で、本作は31歳児の心をしっかりつかんでくれた。願わくば、6歳児のときに出会っていたかった。もし筆者が人の親になったら、ぜひ我が子と本作を通して勝負したい。そんな日が自分に来ることを祈るわけだが、まずは結婚相手を探す必要がある。

 

まさかゲームの対抗戦で結婚願望を掻き立てられるとは夢にも思わなかった。本作は筆者の今後の人生を左右する……のかもしれない。

 

【製品情報】

ソニー・インタラクティブエンタテインメント

toio専用ソフト 大魔王の美術館と怪盗団

希望小売価格:5980円+税

 

toio本体セット

希望小売価格:1万6980円+税

Bluetoothでもイコライザーが使える! ソニーのストリーミングウォークマンがアップデート

ソニーは、Android OS搭載のウォークマン「NW-ZX500シリーズ」と「NW-A100シリーズ」のソフトウェアアップデートを10月1日より開始しました。このアップデートにより、ソニーの最新のアップスケーリング機能「DSEE Ultimate」が使用可能となるほか、Bluetooth接続時にも一部の音質設定が有効となります。

↑ストリーミングウォークマン「NW-ZX500シリーズ」と「NW-A100シリーズ」

 

【2020年10月1日のアップデート内容】

・DSEE Ultimateに対応(W.ミュージック使用時)

・Bluetooth出力時に音質設定が有効に

・セキュリティ更新(設定メニューのセキュリティパッチレベルが2020年9月になります)

・その他の機能向上

 

これまでの「DSEE HX」では、AI技術によって楽曲のサンプリング周波数拡張処理を行っていましたが、「DSEE Ultimate」ではサンプリング周波数に加えてビット深度の拡張処理にも対応。高音域の表現力や微細な音の再現性が向上しています。

↑DSEE Ultimateの効果のイメージ。従来は横軸(サンプリング周波数)のみのアップスケーリングでしたが、縦軸(ビット深度)にも効果が拡大しています

 

DSEE Ultimateが有効となるのは、有線イヤホン/ヘッドホンを接続し、音楽再生アプリ「W.ミュージック」を使って再生したときのみ(※)。それ以外のアプリで再生した場合は、これまで同様DSEE HXが適用されます。

※設定画面の表記はDSEE HXとなりますが、実際にはDSEE Ultimateが機能します

 

また、これまで有線接続時にしか有効にならなかった音質設定のうち、「ClearAudio+」(NW-A100シリーズのみ)「イコライザー」「ダイナミックノーマライザー」が、Bluetooth接続時も有効となります。さらに、Bluetooth接続時のボリュームステップが従来の16段階から32段階に増え、より細かく音量を調整できるようになりました。

 

このほか、W.ミュージックの検索機能に「アルバム検索」と「アーティスト検索」が追加されています。

 

Bluetooth接続時にイコライザーが有効になったのは、ワイヤレス派にはうれしい機能改善といえそうですね。該当機種をお持ちの方は、ぜひアップデートを行ってみて下さい。

 

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“気軽なフルサイズ一眼カメラ”需要に応える驚きのサイズ感! ソニーの新型ミラーレスカメラ「α7C」

ソニーは2020年9月15日、フルサイズCMOSイメージセンサーを搭載した光学式ボディ内手ブレ補正機構内蔵のデジタル一眼カメラとして世界最小・最軽量を実現した新型フルサイズミラーレスカメラ「α7C」を発表。発売は10月23日の予定で、参考価格(税込)はボディ22万9000円、同時発表の新標準ズームレンズ「FE 28-60mm F4-5.6」とのレンズキットが26万2900円となっています。

↑カラーはシルバーとブラックの2種類。ちなみに、同シリーズにおいてカラバリの登場は初となる

 

人気α7シリーズにまさかの新ライン登場

ソニーのフルサイズミラーレスカメラ「α7」シリーズには、高解像の「α7R」、高感度に強い「α7S」、スタンダードモデルの「α7」という3つのラインが存在しています。現在、α7Rは第4世代の「α7R IV」(2019年9月発売)、α7Sは「α7S III」(2020年10月発売予定)、無印α7は「α7 III」(2018年3月発売)となっており、順番的に次に登場するのはスタンダードモデルの第4世代「α7 IV」かと思われていました。

 

そうした大方の予想を裏切り、小型・軽量を追求した新ラインとして登場したのが今回の「α7C」です。同社のAPS-Cセンサー搭載ミラーレス一眼カメラ「α6600」とほぼ同等のサイズ感と質量を実現(α7Cのサイズ:約124.0×71.1×59.7mm、重さ:約509g ※バッテリー、メモリーカード含む)。それでいて、長時間の撮影でも安心して使えるスタミナ性能を備えています(静止画撮影可能枚数:ファインダー使用時は約680枚、液晶モニター使用時は約740枚)。

 

また、リアルタイムトラッキングやリアルタイム瞳AFといったソニー自慢のAIを活用した高性能AFや、最高約10コマのAF/AE追従高速連写、5.0段の光学式5軸ボディ内手ブレ補正など機能性も十分。動画性能にも優れ、AFの精度の高さやカスタマイズ性、フルサイズ機としては小型・軽量であること、自撮りも可能なバリアングルモニターを採用していることなどから、Vlog撮影での活躍も期待されます。

↑別売のショットガンマイクロホン「ECM-B1M」やシューティンググリップ「GP-VPT2BT」と組み合わせた場合の使用イメージ

 

時代は“コンパクトなフルサイズ機”を求めている

コンパクトなフルサイズミラーレスカメラというと、2019年10月発売の「SIGMA fp」を思い浮かべる方も多いでしょう。新製品発表の際、それまでのフルサイズカメラの常識を覆す小型軽量ボディが大きな話題となった製品です。実際、ボディ単体での大きさ・重さを比較すると、SIGMA fpのほうがコンパクトです。

<参考>

α7C・・・サイズ:約124.0×71.1×59.7mm、約124.0×71.1×53.5mm、重さ:約509g(グリップからモニターまで)

SIGMA fp・・・サイズ:112.6×69.9×45.3mm、重さ:422g

※重さはバッテリー、メモリーカード含む

 

ただし、SIGMA fpはα7Cには搭載されているファインダーやボディ内手ブレ補正が省かれており、モニターも固定式。握りやすくするためのグリップもありません。省けるものは可能な限り省き、必要に応じて外付けのアクセサリーなどで補っていくスタイルです。そうしたカスタマイズ性を楽しむカメラともいえます。

 

一方のα7Cは、一般的な撮影シーンで必要となる仕様はほぼ全部入りといっていい構成。加えて、キットレンズになっている「FE 28-60mm F4-5.6」もズームレンズとしてはコンパクトなので、トータルで考えて非常に機動力に優れたシステムとなっています。これからフルサイズデビュー、あるいは一眼デビューを考えている人にとって、フルサイズの描写性能と持ち歩きやすさを両立した本機は魅力的な選択肢となるでしょう。

 

今年は他メーカーからもコスパや小型化を意識した新モデルがいくつか発表されており、エントリー層向けの選択肢が充実してきました。今回、市場をリードするソニーからα7Cが登場したことで、「フルサイズミラーレスカメラ」というカテゴリがますます広がっていきそうです。

 

 

見た目とは裏腹に超本格的なシンセサイザー、toio「おんがくであそぼうピコトンズ」が面白すぎる

ソニー・インタラクティブ・エンタテイメント(以下SIE)は、toio専用タイトル第6弾「おんがくであそぼう ピコトンズ」(以下ピコトンズ)を、9月10日に発売します。価格は通常版が5980円(税抜)。

↑おんがくであそぼう ピコトンズ。「toio」とはなにか? についてはこの記事をご覧ください。

 

本作はSTEAM教育の要素を取り入れた製品。子どもたちに「おんがくの原体験」を提供し、音楽の3大要素「リズム・メロディー・ハーモニー」を学べる、「はじめての音楽あそび」にピッタリなタイトルです。toioのリアルタイム絶対位置検出センサーやイベント検出などを駆使し、「toio コア キューブ」で、付属の絵本やマットを使って300種類以上の効果音や楽器を奏でられます。

 

説明してもイメージが湧きにくいと思うのでまず、本製品でどんなことができるかを端的に示したサンプルムービーを作ってみました(正確にはピコトンズのスタッフの人に作ってもらいました)。

(c)SIE

 

すごくないですか? 要は様々な音を重ねて、自分だけの音楽が作れるのです。上のムービーまで到達するにはある程度の熟練が必要ですが、音を奏でて遊ぶという点は敷居は低い製品です。まずは、製品の概要と仕組みについて紹介していきましょう。

 

↑toioと「おんがくであそぼう ピコトンズ」パッケージ

 

ピコトンズは、toioカートリッジ(プレイブック編/えんそう編)、「ピコトンズ」フィギュア、プレイブック、「Mr.コンソール」カバー、「えんそう」マット2枚、「そうさ/オートプレイ」マット2枚のセットで構成されています。

↑toioカートリッジ(プレイブック編/えんそう編)

 

↑「えんそう」マット(表と裏)

 

↑「そうさ/オートプレイ」マット(表と裏)

 

しかしながら、こんなにいろいろあると、実際なにから始めればいいか、戸惑いますよね!? というわけで、まずは冷静に、Mr.コンソールを組み立てていきましょう。

↑「Mr.コンソール」カバー

 

Mr.コンソールのモデルは、ソニーが昭和末期~平成初期にかけて展開していた、子ども向けAV機器ブランド「マイファーストソニー」の、1993年に発売されたラジカセ「CFS-2050」です。どこかで見たことあるデザインだと思ったらマイファーストソニー! 懐かしいですね。

↑Mr.コンソールの組み立ては非常に簡単

 

↑toio本体にセットして完成!

 

使い方は“赤い本”が教えてくれる!

このプレイブックは、リズム、メロディー、コード、効果音、ひらがな、DJ、自動演奏、録音、書き出し……と、多彩な機能を持つ“伝説の楽器”である4枚のマットの使い方を、プレイヤーの分身である「Aくん」「Bくん」に、Mr.コンソールが優しく、時に厳しく(?)教えてくれる絵本です。

↑プレイブック

 

↑中身はこのような感じ

 

要はチュートリアルのようなもので、プレイブックに書いてあることをマスターすれば、本製品を理解できたと言っても過言ではないでしょう。ちなみにMr.コンソールの声は、「栗コーダーカルテット」の栗原正己さん。

↑プレイブックは栗原さんボイスで進行

 

プレイブックの内容は、まず“効果音を鳴らしてみよう”という感じで始まり、いろいろな声だったり、リズム楽器だったり、メロディーだったり、スケールやコードなども、可愛らしいキャラとともに学ぶことができます。

↑ポップで可愛らしいデザインと、わかりやすい説明が特徴

 

↑キャラクター紹介も

 

途中にはゲームも設けられており、「リズムに合わせて演奏しよう」「コードを弾いてみよう」「枠内に当てはまる詞を考えてみよう」など、各カテゴリのゲームをクリアするとスタンプをゲットでき、スタンプを集めると新たなる効果音を解禁できます。

↑Mr.コンソールが「上手だね~! スタンプゲット!」と褒めてくれる

 

↑ゲームの難易度はピンキリ!

 

↑“地獄”は大人でも心が折れる難しさ!

 

どういう仕組み?

さて、そしてこの不思議なマットですが、素材は何の変哲もない紙です。紙のマットを使ってどのように曲を作ったり演奏したりするのかというと、AくんとBくんになったキューブでマットをタッチすると、toio本体からサウンドが再生されます。キューブの下にセンサーが付いているんですね。

↑toio本体

 

↑キューブを包むようにAくんBくんをセットする

 

↑AくんBくんの下からうっすらと緑色の光が

 

楽器や効果音の種類を変えたり、テンポなど様々な調整をするときは、ツマミをひねるように回すと変更可能です。音の種類などは本体ディスプレイに表示されます。

↑水道の蛇口をひねるように回す

 

しかしながら、本当に豊富すぎるサウンドの種類があって、さらにボーカル曲も作ることができて、キーボード部分にはトランスポーズもあって、本当に幅広いバリエーションの曲作りができるのです。例えば筆者はチップチューンのような“ピコピコ系”の音楽が大好きなのですが、そういう曲も作れるのです! なので、ジャズ系とか、ヒップホップとか、ラテン系、さらには和風と、どんなジャンルの曲にも対応できる、隙のなさには度肝を抜かれましたね。作れない曲はないのでは……。

↑ボーカル部分は単語登録も可能

 

↑自由度が高すぎるのも悩む……

 

↑曲作りに悩んだらオートプレイにおまかせ?

 

レコーディング機能も本格的で、曲のパートをAメロ→Bメロ→サビという感じで3つに分けて作れるほか、ひとつのパートにつき、ボーカルパート、リズムパート……等々、4レイヤーまで録ることができます。さらに、音のタイミングを補正する「クオンタイズ」もできます。作った曲は「書き出し」機能で二次元コードからスマートフォンにダウンロードできるので、自作曲をYouTubeなどネット上に公開することもできます。

 

総評:“音楽あそび”の概念を超越した、完全無欠のシンセサイザー!

UIは子ども向けだけど、ビックリするほど本格的で、ここでは紹介しきれないほどいろいろなことができます。音を楽しむと書いて音楽と言いますし、子どもが使えば間違いなく音楽の楽しさに目覚めるでしょう。

 

筆者はエレキベースをほんの少し嗜んでおりますが(TAB譜しか読めないけれど)、今まではスケールやコードというものが、ベースの教本を読んでもいまいち理解できず、「ベースは下(ルート音)を弾く」と言われても「そうなんだ~」と曖昧な反応しかできませんでしたが、このピコトンズで漸く理解できたような気がします。このように、筆者のような“小学30年生”の大人が使っても、音楽の基礎知識が身に着くので、改めて音楽の楽しさに目覚めると思います。

↑音楽の楽しさに目覚めて、サボっていたベース練習を再開しようと思った筆者

 

また、DTMを始めたいけれど、“敷居が高い”とか、機材を揃えるのにお金が掛かりそうとか、様々な理由で二の足を踏んでいる人にも全力でおすすめしたい、“PCを使わない「アナログDTM」”だと思いました。デスクトップミュージックでPCを使わないというのも、何とも矛盾したたとえだけれども……(苦笑)

 

ゆくゆくは、ニンテンドーDSのソフトやiPhoneアプリなどモバイルガジェットを駆使して曲を作る「サイモンガー・モバイル」のような、ピコトンズ・アーティスト(ミュージシャン)も誕生するかもしれませんね。

 

 

ちなみにtoio公式Twitterでは、ピコトンズが抽選で当たるRTキャンペーンもおこなっているので、ピコトンズを始めたいと思ったなら、今がチャンスですよ!

 

 

撮影:我妻慶一

 

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噂のソニーEVコンセプト「VISION-S」に同乗試乗してみた!

ソニーは今年1月、米国ラスベガスで開催されたIT家電ショー「CES 2020」に4人乗りのEVコンセプト「VISION-S」を出展し、大きな注目を浴びました。その際、「次年度中に公道での実証実験を予定」とも説明されていましたが、それから8か月。その車両がついに日本国内で報道関係者に公開され、試乗体験もできることになったのです。

↑ソニー本社の敷地内を走るEVコンセプト「VISION-S」

 

「VISION-S」は実車化されるのか?

VISION-Sのボディサイズは、全長4895×全幅1900×全高1450mmとなっていて、ホイールベースは3000mmとメルセデスベンツ「Sクラス」並み。車格としてはかなりハイクラスを意識した造りとも言えます。パワートレーンは200kWのモーターを前後にそれぞれ1基ずつ配置した4WDのEVで、乗車定員は2+2の4名。フロントシート前方には横長の大型ディスプレイを配置し、タッチ操作や音声認識を活用することで、直観的な操作で様々なエンタテイメント系コンテンツを楽しめます。

↑完全独立の2+2の4人乗り。それぞれが独立してエンタテイメントが楽しめる

 

また、ソニーが競争領域としているセンサーも数多く搭載しました。車内外の人や物体を検知・認識して高度な運転支援を実現するために、車載向けCMOSイメージセンサーをはじめ合計33個を配置。特にセンサーの一つであるLiDARは自動運転の実現に向けて今後の普及が期待されているもので、ソニーとしてもこのVISION-Sを通してこの分野に新参入することをCES 2020で明らかにしています。

↑ソニーが新規参入するLiDARはフロントグリル内にその一つが装着されていた

 

このVISION-S、製造を担当したのは、自動車部品の大手サプライヤーであるマグナ・インターナショナルの子会社である「マグナ・シュタイア」です。この会社は委託に応じて自動車の開発や組み立てソリューションを提供しており、トヨタの「GRスープラ」もここで開発・製造されたことでも知られます。ソニーはオリジナルのデザインを反映させながら、ここに製造を委託することで公道走行を目指す初のEVコンセプトを開発したのです。

↑パワートレーン系はマグナ・シュタイアが用意するプラットフォームを活用したという

 

では、ソニーがVISION-S EVコンセプトを開発した目的はどこにあるのでしょうか。ソニーの執行役員 AIロボティクスビジネス担当の川西 泉さんは、「センサーでクルマの安全性を担保するには厳しい条件をクリアしなければなりません。VISION-Sを投入することで、実際にクルマを走らせてそのメカニズムを知っていくことが(ソニーにとって)メリットとなるのです」とコメントしました。つまり、VISION-Sでデバイスの信頼性を高めることで、自動車メーカーやサプライヤーなどへ自社技術をソニーとしてアピールしやすくなる。そんな思いがVISION-Sには込められているとみていいでしょう。

↑VISION-Sの統括責任者であるソニーの執行役員 AIロボティクスビジネス担当 川西 泉さん

 

さて、VISION-Sの体験会は、東京・品川にあるソニー本社の敷地内で行われました。車両を前にまず説明されたのはVISION-Sのデザインテーマ。その最大のポイントは、ボディから車内に至るまですべてが「OVAL(楕円)」で統一されているということです。たとえば、フロントグリルを中心にリアコンビランプにまで至るイルミラインは、スマホでドアロックを開閉すると同時に光が走る仕組みとなっていて、収納式ドアハンドルもそれに応じて動作します。このボディ全体を光のOVALで取り囲むことはソニーのデザイナーのこだわりだったそうです。

 

スマホでドアロックを解除すると、ボディ全体を包むイルミラインの光が走る

 

車内に入ってもOVALデザインのコンセプトは広がります。左右に広がるダッシュボードにはパノラミックスクリーンと呼ばれる高精細ディスプレイが乗員を包み込むようにレイアウト。各表示は必要に応じて左右へ移動してカスタマイズでき、目的地までのルート設定を助手席側でしたい時でも指先で左右へ画面をフリックすればOKです。また、走行中に動画コンテンツを見たいときでも、運転席からは見えにくい助手席側へとその映像を移動させられるのです。

↑VISION-Sの前席周り。車内は高品質感が隅々から伝わってくる造り込みがされていた

 

↑ルームミラーを含めミラーはすべてデジタル化され、夜間でも明るくして視認性を高めている

 

前席周囲ではダッシュボードのディスプレイが乗員を取り囲むように配置されている

 

オーディオについても車載用として初めて実装した「360 Reality Audio」がサウンドとしてOVALを表現しています。特にこの技術で驚くのは単なるサラウンドではなく、臨場感を伴いながらボーカルや楽器など演奏者の存在を明確にしていることです。しかも、これは各シートごとに再現されますから、乗員すべてが同じ条件で音楽を楽しめるのです。かつてソニーはウォークマンで音楽を聴くスタイルを変えたように、ソニーは再びドライブ中の音楽の聴き方を変えようとしているのではないでしょうか。

↑家庭用のサウンドボードやヘッドホンなどで展開する「360 Reality Audio」を車載用として初搭載した

 

そして、いよいよ試乗。この日はナンバーが取得できていないためにソニー本社の敷地内で実施されました。走行した場所は石畳が続いており、走る条件としてはプロトタイプの車両には少々きつい条件。それでもVISION-SはEVらしくスムーズにスタートし、ステアリングを切ってもしっかりとした感じが伝わってきました。一方で、ドアを閉める音や走行中に各所から響いてくるギシギシ音はプロトタイプであることを実感させましたが、内装の造り込みは半端じゃなく上質。それだけでの居心地の良さを感じさせてくれるものでした。

↑天井はガラスルーフが天井全体に広がり、車内の色彩とも相まってかなり明るい雰囲気だ

 

これまで世の中にないものを数多く生み出してソニーは多くのユーザーを魅了してきました。それだけに、ソニーに対して期待する声は大きく、「このクルマなら欲しい!」という人もいるのではないでしょうか。そう思って川西さんに訊ねると「今のところ販売予定はない」と残念な返事。ただ、プロトタイプを発表したことで自動車メーカーや自動車部品サプライヤーから問い合わせは数多く、ソニーの技術に対する期待値がかなり高いことは実感している様子です。

↑プロトタイプとはいえ、フルEVであることでスムーズに発進して敷地内を周回した

 

わずか数分ではあったが、日本国内でVISION-Sの初同乗試乗

 

そして最後に川西さんからは新たな情報がもたらされました。それはVISION-Sはこの1台で終わるのではなく、日米欧で公道試乗するために試作車両をマグナ・シュタイアに追加で依頼済みだというのです。VISION-Sを単なる思いつきではなく、真剣にクルマに関わり続けていく。川西さんの話からはそんな力強いソニーの思いを感じ取ることができました。ソニーが得意とするIT技術を結集し、21世紀に相応しい、アッと驚くようなクルマが登場することを期待したいと思います。

 

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