スズキ「ジムニー ノマド」の人気は間違いなかった。2025年プロが注目する国産車5選!

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の一人でもある、モータージャーナリストの岡本幸一郎さん。その岡本さんがいきなり受注停止のスズキ「ジムニー ノマド」をはじめ、2025年に登場するかもしれない注目すべき国産車5台を紹介します。

 

【その1】発表からわずか4日で受注停止の人気車種

スズキ

ジムニー ノマド

265万1000円(税込)〜

もともと「ジムニー」は、小さいながらも高い走破性能を持つ世界最小の本格的クロスカントリー車として、その性能を本当に必要とする職業や一部のマニアックな層から絶大に支持されていたが、販売台数としてはそれほど多くなかった。ところが、2018年にモデルチェンジした現行型は、愛嬌のあるカジュアルなルックスをはじめ、従来に比べると大幅に改善された乗り心地や周囲に見劣りすることのない先進運転支援装備の採用などが効いて、いきなり一般ユーザーをも巻き込んだ大ヒット車となり、ずっと納車の遅れが伝えられるほどの状況になった。

 

その一方で、現行ジムニーには歴代ジムニーにはなかったロングボディの5ドア版が存在し、先に海外から導入されたことが知られると、日本での販売を望む声がヒートアップした。2025年1月30日、5ドアモデル「ジムニー ノマド」が日本で発売されるや注文が殺到し、発表からわずか4日後にいきなり受注停止という異常事態になった。ただでさえ人気のジムニーに実用性に優れる5ドアがあれば人気が出るのは確実と思っていたら、こんなに早くこうなるとは予想を超えていた。1日も早く受注が再開されるよう願いたい。

 

【その2】6代目フォレスターいよいよ発売!

スバル

フォレスター

価格未定

「日常から非日常まで使えるSUV」をコンセプトに、スバルSUVの中核モデルとしてずっと安定の人気を誇ってきた「フォレスター」。人気の秘訣は、ちょうどよいサイズとクセのないキャラクターとソツのない完成度と使い勝手のよさにある。フォレスターの伝統である、ほどよくスクエアなフォルムや、独自の水平対向エンジンを軸にすべてを左右対称にレイアウトしたシンメトリカルAWD(※)による優れた走行性能に惹かれるファンも少なくない。6代目となる新型もそのあたりをしっかりと受け継いでいる。すでに海外ではモデルチェンジした新型が発売済み。

 

先だって「クロストレック」に初めて搭載され、燃費がよくて力強いことからとても評判のよい2.5リッター水平対向エンジンに、トヨタの技術を応用したスバル独自のシリーズパラレルハイブリッド方式のシステムを組み合わせたストロングハイブリッド「S:HEV」がフォレスターにも搭載されることを期待している人も少なくないはずだ。また、スバルといえば運転支援システム・アイサイトに魅力を感じる人も多い。最新の機能を身に着けたアイサイトが、より安全で快適なドライブを提供してくれるに違いない。

※:スバルによって開発された常時4輪駆動システム

 

【その3】日本車で高級なワゴンがあったら欲しい

トヨタ

クラウンエステート

価格未定

現行16代目「クラウン」は4つの個性がラインアップされるうち、2025年春時点でセダン、スポーツ、クロスオーバーと3つのバリエーションが販売中。残るひとつの「エステート」もそう遠くないうちに発売されるはずだ。エステートと呼ぶとおり、ステーションワゴンとSUVをクロスオーバーさせた新しいタイプの機能的なSUVであり、大人の雰囲気で余裕のある走りとアクティブライフを楽しめるクルマを目指しているという。

 

肝心の荷室スペースは非常に広く、リアシートを倒すとフルフラットデッキになるなど、使い勝手にもこだわっている。パワートレーンは定番の2.5リッターのハイブリッドのほかに、長距離をどっしりゆったりと走れるように味付けされたPHEVが選べる。ワゴンとして見たときに、いまや日本車のワゴンは数えるほどしかないが、輸入プレミアムブランド車は一定の支持を得ていて、日本車で高級なワゴンがあったら欲しいという人は少なくないはずだ。

 

【その4】昭和のデートカーが令和に復活!

ホンダ

プレリュード

価格未定

元祖デートカーとして知られる「プレリュード」が復活するという情報に胸躍らせている人が続出しているようだ。かつて若い頃にプレリュードに乗っていた人たちが結婚し、出産を迎え、子育て時期にはファミリーカーに乗っていた。しかし、実は2ドアクーペに乗りたいと思っていた人は大勢いるだろう。そんな子離れしたタイミングを迎えた2ドアクーペ好きたちが、車名を聞いただけでテンションが爆上がりしそうな魅力的なクーペの登場となる。

 

実車をぜひ見てほしいと感じさせるよう、スタイリッシュさには大いにこだわったという。夫婦で旅行に出かけるときに荷物を積み下ろししやすいよう、過去のモデルとは違ってハッチバックの流麗なファストバックスタイルを採用するのも特徴だ。パワートレーンにはクルマのキャラクターに合わせて専用にチューニングしたハイブリッドのe:HEVを搭載し、4WDもラインアップされる見込みで、走りにも期待できそうだ。

 

【その5】東京オートサロン2025にコンセプトカーが展示されて話題に

ダイハツ

ミライース GRスポーツ

価格未定

東京オートサロン2025にコンセプトカーが展示されて話題となった「ミライース GRスポーツ。ベーシックな軽自動車である「ミライース」に、強力なターボエンジンと5速MTを搭載するとともに、全日本ラリー選手権の参戦マシンから流用したスポーティなデザインの前後バンパーをまとい、足まわりにはBBS鍛造ホイールとブリヂストンのポテンザRE050A、コクピットにはレカロ製スポーツシートなどを装着。走りに特化したホットハッチに仕立てたというクルマである。

 

位置づけとしては、コペンに続いてGRの一員となるとともに、ダイハツがかねてから力を入れている国内ラリー等のモータースポーツ向けのベースモデルとしても市販化に期待する声は小さくない。件のコンセプトカーの反響が非常に大きいので、おそらく市販されることになりそうだが、願わくはミライースがベースなことだし、価格があまり高くならないよう期待したい。

 

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ちょっとトガった魅力も併せ持つ丸目がイイ! イマドキの軽自動車&コンパクトカー6選

近年、素材整形技術の進化とともに、シャープなデザインを特徴とする“ツリ目”ライトのクルマが増えてきた。一方で、古くから存在し続けているのは“丸目”ライトを持つクルマたち。ファニーな印象を与えがちな丸目ライトだが、その瞳の奥に秘めたトガった魅力を分析していこう。

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

ワタシが評価しました!

自動車評論家

清水草一さん

これまで50台以上のクルマを愛車としてきたベテラン評論家。専門誌でデザインに関する連載を持っていたほどクルマの見た目にはうるさい。

 

【その1】ルーツのデザインを生かして軽自動車のスタンダードに!

ホンダ

N-ONE

159万9400~202万2900円(税込)

軽自動車販売台数7年連続ナンバーワンのN-BOXの兄弟車で、より低重心な運転感覚が味わえるトールワゴンモデル。デザインは初代モデル同様、ホンダ車の始祖であるN360がモチーフで、2代目となる現行型もレトロな雰囲気を持っている。

SPEC(Premium Tourer・FF)●全長×全幅×全高:3395×1475×1545mm●車両重量:860kg●パワーユニット:658cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:47kW/6000rpm●最大トルク:65N・m/4800rpm●WLTC燃費:23.0km/L

 

[ココはトガっている] 丸にこだわったホイールも選べる

丸目だからといってデザインすべてが丸系ではなく、全体的には四角や台形などとの組み合わせ。ただ、ホイールにはしっかり丸系デザインが用意されている。足元にも丸を配置することで楽しさを演出。

 

↑真正面や真後ろから見ると台形になっていて、安定感を演出している。ファニーな顔と裏腹に、踏ん張り感のある力強い造形だ

 

↑レトロっぽい外観に対して、インテリアはモダンなイメージでまとめられている。心地良く使いやすい空間に仕上がった

 

↑ターボエンジンに6速MTを組み合わせたスポーツグレード「RS」もラインナップ。スポーツモデルが得意なホンダの面目躍如だ

 

子どもが描いたようなたくらみのない愚直さ

N-ONEの丸目は本物の丸目、つまり真円だ。円形のヘッドライトは、照明の基本形。半世紀ほど前に四角いヘッドライト、つまり角目が登場するまで、クルマのヘッドライトは、すべて丸目だった。

 

つまりN-ONEの丸目は、昔のヘッドライトの形そのもの。昔は丸目のクルマしかなかったけれど、現在は丸目はレアだし、真円の丸目はさらに希少。それだけで人の「目」を引き付け、ホンワカした郷愁を感じさせてくれる。

 

加えてN-ONEのデザインは、N360など、半世紀前のホンダ車のデザインをモチーフにしている。当時のクルマのデザインは、今見ると子どもが描いた絵のようで、これまたホンワカした郷愁に浸ってしまう。いや、現代の子どもたちが描くクルマの絵はたいていミニバンらしいので、これまた「昔の子どもが描いた絵」と言うべきかもしれないが……。

 

細かいことはさておき、この、たくらみのない愚直なデザインが、N-ONEをちょっと特別なクルマに見せる。断面が台形で、大地を踏ん張る感やスピード感があるのも、一種のレトロデザインなのである。

 

【その2】オープンカーの楽しみを広げてくれる個性的デザイン

ダイハツ

コペン セロ

194万3700~214万7200円(税込)

2代目となる現行型コペンの、第3のスタイルとして2015年に追加された人気モデル。“親しみやすさと躍動感の融合”をテーマにしたデザインは、丸目のみの意匠で高い評価を得ていた初代コペンを彷彿させ、根強いファンが多い。

SPEC(セロS・5速MT)●全長×全幅×全高:3395×1475×1280mm●車両重量:850kg●パワーユニット:658cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:47kW/6400rpm●最大トルク:92N・m /3200rpm●WLTC燃費:18.6km/L

 

[ココはトガっている] デザインアレンジが自由自在!

現行型コペンは内外装着脱構造を備え、樹脂外板やヘッドランプなどを交換して、別のスタイルへ変更することが可能。クルマのデザインを自由に変更して自分らしさを表現できる。

 

↑リアコンビネーションランプの形状も丸! 前から見ても後ろから見ても、親しみやすさと躍動感を感じられるルックスだ

 

↑なんといってもコペンは軽自動車唯一のオープンスポーツモデル。風を感じながら爽快にドライブを楽しむことができる!

 

↑「アクティブトップ」と呼ばれる電動開閉式トップを採用。屋根を閉めてしまえば快適な室内スペースを確保できる

 

昔のクルマのようなカタチで運転の本来の喜びに浸る

創世記のフェラーリ、たとえば166MMといったクルマを見ると、「カマボコにタイヤを4個付けて、丸い目と四角い大きな口を描いたような形」をしている。NHKのマスコットキャラクター「どーもくん」の顔をつけたイモムシ、と言ってもいい。

 

コペン セロのデザインは、それに非常に近くはないだろうか?

 

目は真円ではなく微妙に楕円だが、真正面から見るとほとんど丸。テールランプも丸。ボディは斜めのエッジを付けたカマボコ型だ。

 

そして2人乗りのオープンカー。いまでこそオープンカーはゼイタク品だが、昔はオープンカーが標準で、雨の日のために幌が用意されていた。つまりコペン セロのデザインは、70年くらい前の標準的な自動車の形、と言えなくもない。

 

すなわち、コペンは特殊なドライビングプレジャーを提供するクルマだが、本質は本来の自動車そのものということ。だからデザインも、70年くらい前の自動車に似ているのである。そしてこのクルマで走れば、70年くらい前の人が感じたのと同じ、原初的なヨロコビに浸ることができるというわけだ。スバラシイじゃないか。

 

【その3】どんな道も力強く駆け抜ける古典的4WD車の最新形

スズキ

ジムニー

155万5400~190万3000円(税込)

約20年間販売された先代型に代わり、2018年にモデルチェンジした軽クロスカントリーSUV。登場するや否や爆発的な人気で1年以上の納車待ち状態に。オフロード向きのラダーフレーム構造と、最新の安全装備を採用している。

SPEC(XG・4速AT)●全長×全幅×全高:3395×1475×1725mm●車両重量:1050kg●パワーユニット:658cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:47kW/6000rpm●最大トルク:96N・m/3500rpm●WLTC燃費:14.3km/L

 

[ココはトガっている] 縦横無尽のオフロード性能!

初代モデルから一貫して採用されているのはパートタイム式の4WD。雪道、荒地、ぬかるみ、登坂路など、様々なシーンに合わせた駆動パターンを選ぶことができて、高い悪路走破性能を発揮する。

 

↑軽自動車ではなく1.5Lエンジンを搭載するワイドボディの「ジムニーシエラ」もラインナップ。よりパワフルな走りを求める人向け

 

↑シンプルにして機能性を徹底追及したインテリアデザイン。骨太なオフロードモデルを欲するユーザーにぴったりだ

 

機能に一極集中したパワフルなデザイン

ジムニーのデザインは、余計な工夫を何もしていない。悪路の走破性の高い、いわゆるジープタイプのカタチのまま作っている。

 

ヘッドライトも当然丸い。繰り返すが、ジムニーは余計な工夫を一切排除している。つまり、80年前のジープとまったく同じなのだ。この機能オンリーのデザインパワーは、すさまじい破壊力を持って、我々の心に食い込んでくる。

 

【その4】アクティブな乗り方に耐える現代仕様のタフデザイン

スズキ

ハスラー

136万5100~181万7200円(税込)

2020年に現行型となる2代目モデルへモデルチェンジした、クロスオーバーSUVタイプの軽自動車。使い勝手のいい軽ハイトワゴンに流行りのSUV風のデザインを施し、高レベルの低燃費性能と安全性能、小回り性能を備えている。

SPEC(HYBRID Xターボ・2WD)●全長×全幅×全高:3395×1475×1680mm●車両重量:840kg●パワーユニット:658cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:47kW/6000rpm●最大トルク:98N・m/3000rpm●●WLTC燃費:22.6km/L

 

[ココはトガっている] インテリアデザインはギア風!

従来の軽自動車では見たことがなかったような自由度の高いデザイン。インパネ正面に3つのサークルを設けるなど、どこかギアっぽさ、おもちゃっぽさを感じる作りになっている。

 

↑ポケットやトレーなどを備えたアウトドア向けのインテリア。買い物袋を提げられるフックやシート座面下の収納も搭載する

 

↑シート脇のラインなど、内装を彩るホワイト/オレンジ/ブルーといったカラーアレンジもグレードによって選ぶことができる

 

印象をガラリと変える目尻の付け足しがニクい

ジムニーは3ドアだが、ハスラーは5ドアなので実用性が高い。ジムニーはボディの角が角ばっているが、ハスラーは適度に丸みを帯びている。そして丸目の外側に目尻を付けたハスラーの顔は、ジムニーに比べるとグッとソフトで、ぬいぐるみっぽく感じられる。

 

つまり「ジムニー的な機能オンリーデザインのソフト&カジュアル版」というわけだ。

 

【その5】世界から愛されて50年超丸目の哲学を今に受け継ぐ

BMW

MINI

298万~516万円(税込)

長年にわたって販売されていたクラシック・ミニが、2001年にBMWによってリボーンさせられてからすでに3代目。独自の乗り味「ゴーカートフィーリング」はそのままに、メカは現代的にアップデートされている。

SPEC(クーパー・5ドア)●全長×全幅×全高:4025×1725×1445mm●車両重量:1260kg●パワーユニット:1498cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:100kW/4500rpm●最大トルク:22oN・m/1480〜4100rpm●WLTC燃費:15.6km/L

 

[ココはトガっている] クセの強い特別仕様車が続々登場!

ブランド力とファッション性の高さもあって、さまざまなカラーリングの特別仕様車が次々に登場している。写真は、英国のストリートアートの聖地の名を冠した「ブリックレーン」

 

↑ボディサイズは拡大されてきたものの、インパネ中央に丸い大型ディスプレイを配置したポップなデザインはいまも健在だ

 

↑伝統の3ドアハッチバックに加え、コンバーチブルやクロスオーバーSUV、ワゴン風のクラブマン、5ドアもあり

 

生まれたのはまだ丸目しかなかった時代

59年に誕生した元祖ミニは、最小のサイズで最大限の居住性を追求した偉大なる大衆車で、極限までシンプルだったから、当然ヘッドライトは丸目だった。

 

現在のミニのデザインは、あくまで元祖ミニを出発点としている。サイズは大幅に大きくなったが、フォルムはあくまで元祖を彷彿とさせる。ミニは元祖ミニっぽくなければ、ミニじゃなくなってしまうのだ。

 

【その6】ファニーフェイスでロングセラーモデルに!

フィアット

500

255万~324万円(税込)

3ドアハッチバックタイプのイタリア製コンパクトカー。かつての名車のリバイバルデザインで2007年に発表されたが、登場から約15年が経ったいまもファンから愛されており、ほぼ変わらぬデザインのまま販売され続けている。

SPEC(TWINAIR・CULT)●全長×全幅×全高:3570×1625×1515mm●車両重量:1010kg●パワーユニット:875cc直列2気筒ターボエンジン●最高出力:63kW/5500rpm(ECOスイッチON時57kW/5500rpm)●最大トルク:145N・m/1900rpm(ECOスイッチON時100N・m/2000rpm)●WLTC燃費:19.2km/L

 

[ココはトガっている] 待望のEVモデルがデビュー!

新型EV(電気自動車)として誕生した「500e」は、500のデザインを受け継いだモデルとして6月に発売された。ヘッドライトは上下に分割されて「眠そうな目」となる。価格は473万円から。

 

↑旧モデル同様、かたまり感のあるプロポーション。エンジンは1.2L直列4気筒に加え、875cc直列2気筒も設定される

 

↑室内空間にも丸をモチーフとしたデザインが散りばめられている。正面パネルのカラーパーツもキュート

 

レトロモチーフを現代に蘇らせた快作

現在のフィアット500は、ミニと同じく、半世紀以上前の大衆車がモチーフ。元祖は機能第一だったが、現在はファンカーで、実用性は二の次になっている。もちろんヘッドライトは丸目だ。

 

こうして見ると、現在の丸目カーは、すべて昔のクルマがモチーフ。丸目にすると激しく昔っぽくすることができる。目が丸いって、スゴいパワーなんですね!

 

 

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ダイハツ「コペン セロ」はオープンカーの楽しみを広げてくれる個性的デザイン

近年、素材整形技術の進化とともに、シャープなデザインを特徴とする“ツリ目”ライトのクルマが増えてきた。一方で、古くから存在し続けているのは“丸目”ライトを持つクルマたち。ファニーな印象を与えがちな丸目ライトだが、その瞳の奥に秘めたトガった魅力を分析していこう。

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

ワタシが評価しました!

自動車評論家

清水草一さん

これまで50台以上のクルマを愛車としてきたベテラン評論家。専門誌でデザインに関する連載を持っていたほどクルマの見た目にはうるさい。

 

ダイハツ/コペン セロ

194万3700~214万7200円(税込)

2代目となる現行型コペンの、第3のスタイルとして2015年に追加された人気モデル。“親しみやすさと躍動感の融合”をテーマにしたデザインは、丸目のみの意匠で高い評価を得ていた初代コペンを彷彿させ、根強いファンが多い。

SPEC(セロS・5速MT)●全長×全幅×全高:3395×1475×1280mm●車両重量:850kg●パワーユニット:658cc直列3気筒ターボエンジン●最高出力:47kW/6400rpm●最大トルク:92N・m /3200rpm●WLTC燃費:18.6km/L

 

昔のクルマのようなカタチで運転の本来の喜びに浸る

創世記のフェラーリ、たとえば166MMといったクルマを見ると、「カマボコにタイヤを4個付けて、丸い目と四角い大きな口を描いたような形」をしている。NHKのマスコットキャラクター「どーもくん」の顔をつけたイモムシ、と言ってもいい。

 

コペン セロのデザインは、それに非常に近くはないだろうか?

 

目は真円ではなく微妙に楕円だが、真正面から見るとほとんど丸。テールランプも丸。ボディは斜めのエッジを付けたカマボコ型だ。

 

そして2人乗りのオープンカー。いまでこそオープンカーはゼイタク品だが、昔はオープンカーが標準で、雨の日のために幌が用意されていた。つまりコペン セロのデザインは、70年くらい前の標準的な自動車の形、と言えなくもない。

 

すなわち、コペンは特殊なドライビングプレジャーを提供するクルマだが、本質は本来の自動車そのものということ。だからデザインも、70年くらい前の自動車に似ているのである。そしてこのクルマで走れば、70年くらい前の人が感じたのと同じ、原初的なヨロコビに浸ることができるというわけだ。スバラシイじゃないか。

 

[ココはトガっている] デザインアレンジが自由自在!

現行型コペンは内外装着脱構造を備え、樹脂外板やヘッドランプなどを交換して、別のスタイルへ変更することが可能。クルマのデザインを自由に変更して自分らしさを表現できる。

 

↑リアコンビネーションランプの形状も丸! 前から見ても後ろから見ても、親しみやすさと躍動感を感じられるルックスだ

 

↑なんといってもコペンは軽自動車唯一のオープンスポーツモデル。風を感じながら爽快にドライブを楽しむことができる!

 

↑「アクティブトップ」と呼ばれる電動開閉式トップを採用。屋根を閉めてしまえば快適な室内スペースを確保できる

 

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SUV志向を極めた新しいタント「ファンクロス」。走りも使い勝手の高い満足度!

今や軽自動車販売台数の約半数を占めるまでになったと言われるスーパーハイトワゴン。その元祖とも言えるダイハツ「タント」がこのほどフロントマスクを刷新するマイナーチェンジを図り、それに合わせてSUV風の新キャラクター「ファンクロス」を追加しました。今回はこの両車に試乗し、取材を通してわかった点などもご報告したいと思います。

 

【今回紹介するクルマ】

ダイハツ/タント ファンクロス

※試乗グレード:ターボ(2WD)

価格:172万1500円~193万500円(税込)

 

ダイハツ/タント

※試乗グレード:カスタムRS(2WD)

価格:138万6000円~199万1000円(税込)

↑タントをベースにアウトドア志向を極めた「ファンクロス」だが、デザインのバランスはとても良い

 

使い勝手抜群の「ミラクルオープンドア」を継続採用

ダイハツ「タント」の初代が登場したのは2003年のこと。当時は少しルーフが高いハイト系ワゴンが主流でしたが、ダイハツはここに箱形スタイルのタントを初投入しました。この時は空間の広さがポイントとなる程度でしたが、大ヒットを果たしたのが2007年に登場した2代目となってからです。そのヒットの理由は、センターピラーレスとスライドドアを組み合わせた「ミラクルオープンドア」を助手席側に採用したことでした。

 

センターピラーがなく、リアドアがスライドで後ろに下がると、そこには広大な空間が広がり、乗降性の向上はもちろん、シートのアレンジ次第でかさばるものも楽に入るというかつてない使い勝手を生み出したのです。以来、ミラクルオープンドアはタントの定番の装備となり、それは現行タントだけでなく、新キャラクター「ファンクロス」でもその魅力を引き継ぐこととなったのです。

 

では、新キャラクター「ファンクロス」はどのようなクルマなのでしょうか。

 

冒頭でも述べたように、ファンクロスはSUV風を取り入れることで「キャンプ場などでの“映え”を意識したデザイン」(ダイハツ)となっています。それを具体的に表現しているのが、ボディの四隅に施された変形六角形の樹脂ガードです。前後それぞれでこの樹脂ガードが左右を結んでそれがSUVらしい力強さを生み出しているのです。ルーフレールを装備したことで、タントよりも全高が5cm高くなっていることもポイントです。イメージカラーはサンドベージュメタリックで、他にもレイクブルーメタリックやフォレストカーキメタリックなど、自然に回帰したカラーリングが似合うデザインともなっています。

↑タント「ファンクロス」。リアエンドの処理がアウトドア志向を際立たせている。写真はサンドベージュメタリックカラー

 

SUVらしい使い方を実現するため、リアシートにこだわり

インテリアは、基本をタントと共通としたものの、各所にあしらわれたオレンジのアクセントに加え、シート表皮はカムフラージュ柄を織り込むなど、アウトドア指向のユーザーにマッチするデザインが施されています。これらは、少しクロカンチックな印象を受ける同社のタフトに近いデザインイメージと言っていいかもしれません。

↑インテリアは随所にオレンジの配色を施し、アウトドア志向を高めるデザインとなっている

 

ファンクロスで本気度を感じさせたのがリアシートです。実はこのシート、基本はベース車のタントと共通の機構を採用していますが、マイナーチェンジ前はリアシートの座面をフォールダウンして、たたむ機構を採用していました。そのため、たたんだ状態でもフロアが若干斜めに浮いた状態となっていました。それをファンクロスと新型タントでは座面は固定のまま単純に折りたたむ機構としました。そして、二段調節式となっている荷室のデッキボードと組み合わせることで、シートバックをたたんだときにフラットになるように工夫を加えたのです。ただ、この機構により、スペースの高さは5cmほど狭くなっているとのことでした。

↑カムフラージュ柄のシート。ピラーがない「ミラクルオープンドア」はアウトドア利用に大いに活用できそうだ

 

アウトドア用途に適するため、シートバックの平面は撥水加工を施した点もポイントです。荷室側からスライド調整ができる機構も新採用したことで、持ち込む荷物に応じた荷室サイズ変更にも対応できるようになりました。シートを単純に折りたためるようにしたことで、すべての操作が荷室側からできるようになったわけです。ただ、シートを前にスライドさせると隙間ができ、物が落ちやすいことには注意が必要ですね。

↑撥水加工を施したリアシートの背面。スライドドア用レバーには砂などが入り込むとやっかいかもしれない

 

一方でシートバックは垂直の状態で固定することもでき、これは箱物を積載するときに重宝するでしょう。他にもファンクロス専用装備として、後席に1か所USB端子を装備し、荷室内の照明も天井と側面に設置するなど、通常のタントにはない便利さも用意しました。

↑後席右側に装備されたUSB端子。ファンクロスだけの特別装備だ

 

↑ファンクロスの特別装備として、荷室の天井と側面には2つの照明が備えられている

 

ターボとD-CVTの組み合わせが静かでスムーズな走りを実現

試乗したのはインタークーラー付ターボエンジンにD-CVTを組み合わせた「ファンクロスターボ」(2WD)。D-CVTとは、CVTに「ベルト+ギア駆動」を組み合わせたトランスミッションで、なめらかな走りだけでなく、モード走行中のエンジン回転数を自由に変化させられるので燃費向上にもメリットがあります。ファンクロスではこのトランスミッションを標準化して、ドライバビリティ向上と経済性を両立させているのです。

↑ファンクロスターボには、インタークーラー付658ccターボエンジンを搭載。最大出力は47kW(64PS)、最大トルク100N・mを発揮する

 

走り出すと車体が軽々と前へと進みます。エンジン回転だけが先に上がって、速度が後から付いてくるようなCVTにありがちなラグはほとんど感じません。撮影のために大人3人が乗車したときも、そういった印象はなく、ひたすらスムーズに加速していく感じでした。CVT変速機は静かで、少し踏み込めば十分に力強いパワーが得られます。また、スーパーハイトワゴンは重心が高いため、本来ならカーブが苦手のはずですが、中速コーナーもしっかりとロールを抑えてくれていたのには感心しました。

↑タント「ファンクロスターボ」。D-CVTとの組み合わせによりスムーズな加速が体感できた

 

乗り心地の良さもファンクロスの特筆すべき点です。一般道の少し荒れた路面でもシートには不快な振動はほとんど伝わらず、路面にあるスリップ防止用舗装を通過したときの段差もきれいにいなしてくれます。この日は一般道だけの試乗でしたが、車内に届くロードノイズも許容範囲で、静粛性はタントと比べても十分なレベルに仕上がっていることを実感した次第です。

↑ファンクロス ターボのタイヤは、165/55R15を履く。ブランドはダンロップのエナセーブだった

 

一方でダイハツの予防安全機能「スマアシ」は、基本的にステレオカメラを使った従来からのシステムが踏襲されました。急アクセル抑制機能は搭載されていません。ただ、開発者によれば「ACC(アダプティブクルーズコントロール)の設定を、初期のタントよりもリニアに反応するタイプに変更した」ということです。従来のタントは料金所で一旦減速し、レジュームを押してからの立ち上がりがきわめて遅かった印象がありましたが、「タフトと同レベル」にまで立ち上がりを改良したと言うことでした。次回は高速道路で試してみたいと思っています。

 

新しい「タント カスタム」はより押し出し感を強めた

一方のタント。試乗車はターボエンジンを搭載した「カスタムRS」の2WDでした。フロント周りをより押し出しの強いイメージとし、ボンネットや前後バンパーのデザインに変更を加えました。アウタードアハンドルをクロームメッキ化したのも小さなことではありますが、印象深さがさらに増したのは見逃せません。インテリアはカスタム仕様にふさわしいブラックの人工皮革とブルー配色を織り込んだシートを採用しました。リアシートの機構はファンクロスと同様で、二段式デッキボードの採用も同じです。

↑フロントグリルの開口部を大型化し、より迫力を増したタント「カスタムRS」

 

乗り味はファンクロスと基本的に同じでした。アクセルを軽く踏むだけで気持ちよく速度が上がっていき、市街地の走行は実にスムーズ。路面の段差が生まれるショックも十分に吸収しており、乗用車としての満足度はとても高いと思いました。

↑ブラックの合皮とブルーのパイピングを組み合わせたカスタム専用のシート

 

SPEC【ファンクロスターボ(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1785㎜●車両重量:940㎏●パワーユニット:658㏄水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラターボ横置●最高出力:64PS/6400rpm●最大トルク:100Nm/3600rpm●WLTCモード燃費:24.3㎞/L

 

SPEC【カスタムRS(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1755㎜●車両重量:930㎏●パワーユニット:658㏄水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラターボ横置●最高出力:64PS/6400rpm●最大トルク:100Nm/3600rpm●WLTCモード燃費:21.2㎞/L

 

撮影/松川 忍

 

 

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軽トラ×荷台ボックスをセットでレンタルできるダイハツ「Nibako」に期待するもの

ダイハツは同社の軽トラックと荷台に設置可能な荷箱をセットで、移動販売事業者などにレンタルする「Nibako(ニバコ)」のサービスを開始しました。開始当初の対象地域は東京・埼玉・千葉・京都の4都府県で、対象も事業者に限られますが、将来的にはワーケーションなどへの対応も視野に入れているとのことで期待が高まります。

 

手軽に移動販売が始められる

レンタルの料金は車両(軽トラック)込みで、1日プランが1万3200円〜、1か月プランは6万6000円〜(ともに税込)。購入すると250〜500万円程度が必要とされる移動販売車なので、この料金はかなりリーズナブル。新しいライフスタイルの広がりとともに、店舗を持たず移動販売などを行いたいというニーズも増えているようですが、初期費用を抑えて開業できそうです。

↑同社の「ハイゼット トラック」に荷台のボックスがセットされた状態で貸し出される

 

「Nibako」のボックスは左右と後方の3方向が開ける構造となっており、小物類や食器類の物販から、衣料品、生花、野菜、お菓子など、さまざまな業種での利用が可能。ただし、キッチンカーとしての利用はできないので、調理しての営業販売には対応していません。貸し出しは同社の販売会社を通して行われ、販売会社の店舗にて毎回整備した上で貸し出されるという安心感も大きなメリットです。

↑左右のほか、後方の3面が開く構造を採用。ボックスのサイズは長さ1710×高さ1190×幅1300mm

 

↑側面はガルウィングのように開く形状で様々な業種での利用に対応する

 

「Nibako」には専用のWebサイトも用意され、出店に適した場所などの情報提供や、事業者同士がつながるコミュニケーションサービスなどが利用可能です。出店情報もWebサイトに掲載されるので、消費者に通知する機能も備えています。Webサイトは利用料無料で登録できるのもうれしいところ。

↑「Nibako」サービスの利用イメージ

 

↑単なるレンタルサービスではなく、事業者と消費者など人と人のつながりを作り出すのが「Nibako」の狙い

 

ワーケーションや車中泊などへの活用も広がる!?

今年度は事業導入のトライアル期として、150台を用意する予定とのことですが、来年度は1000台、2025年度には3500台の導入を目指します。当初は軽トラックとのセットになりますが、今後は「Nibako」単体での貸し出しや、移動販売タイプにとどまらない多様なタイプを導入予定とか。将来的にはワーケーションに対応したタイプなども導入したいとのことで、期待が高まります。

↑今後のサービスの展開スケジュール。多様なタイプの導入も検討されている

 

個人的に期待したいのは、ワーケーションだけでなく車中泊などにも利用可能になること。軽トラックの荷台に、車中泊できるタイプのボックスを搭載した「軽トラハウス」や「モバイルハウス」と呼ばれる車両は、実は車中泊ユーザーの中でも人気が高く、自作するユーザーもかなりの数存在します。キャンピングカーの中でも軽自動車をベースとする軽キャンパーは人気が高いですが、さらに導入費用が安く、ボックスを降ろせば普通の軽トラックとして車検にも対応できるのが魅力です。

↑筆者が過去に取材した「軽トラハウス」。ユーザーが自作することが多く、費用が抑えられる上、自分好みの仕様にできるのが人気の理由

 

車中泊仕様については、軽トラックの350kgという積載重量の関係から、どこまでの装備を備えることができるかなど検討課題としながらも、ダイハツでも検討はしているとのことで期待が高まります。個人的にはボックスのみのシンプル仕様のほうが、キャンプ用品などを活用して自分仕様にできるのではないかと思います。

 

モビリティを利用して暮らしを豊かにする「コトづくり」を目指してスタートしたという「Nibako」のサービス。今後の展開に期待したいところです。

 

 

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【保存版】20周年を迎えた「コペン」歴代25台を振り返ったら分かったこと

2022年6月、ダイハツのコペンが生誕20周年を迎えた。「軽自動車+オープンカー」という極めて強い個性が与えられ、最も身近なオープンモデルとして高い人気を獲得。6月に発表した20周年アニバーサリーモデル(限定1000台)はわずか5日で完売するなど、多くのファンに愛される一台だ。

 

本記事ではコペンの歴代主要モデル&グレード25台を紹介。コンセプトカーや派生モデルも数多くピックアップ。ちなみに、コンセプトカーや派生モデルは20周年記念公式サイトでもあまり紹介していないので、本記事オリジナル。モータージャーナリストとしてコペンを長年追いかけてきた岡本幸一郎さんの振り返りインプレとともにお届けしていこう。

 

【その1/最新コペン】COPEN 20th Anniversary Edition(2022年6月)

まずは直近のコペンに触れてから、過去に遡っていこう。本車は20周年を迎えて直営拠点「Copen Local Base Kamakura」でお披露目となった限定1000台のアニバーサリーモデル。人気モデル「セロ」をベースにMOMO製の本革巻ステアリングや本革巻シフトノブ、ロゴ入りの本革シート、自発光式の3眼メーターなどが与えられ、スポーティさと贅沢さを融合した仕上がりとなる。先述の通り、発表からわずか5日で受注分の受付を終了。価格は224万4000円〜(税込)となっていた。

 

↑ヘッドレストにはエンボス加工でCopenのロゴが刻まれている。上質な本革を使用。ファクトリーで丁寧に縫製され、ホールド性に優れたスポーツシートは圧巻だ

 

↑随所に配される記念プレートは匠の手により炭や砥石で磨き上げた金型から生まれており、芸術品といっても良い作り込みだ

【モータージャーナリストの目線】

「セロをベースに激シブ路線で来ました! お約束のBBSも履いているし、各部がアイボリーでコーディネートされたコクピットも魅力的な雰囲気があります。フロントのエンブレムがコペンの『C』ではなくダイハツの『D』となっているほか、リアにも初代を復刻した『Copen』ロゴを配するなどの演出も心憎い」(岡本さん)

 

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【初代コンセプトモデル~初代モデル編】

コペンは1999年にコンセプトモデルが初出展され、2002年に販売を開始。初代モデルは2012年まで生産が続けられ、10年にわたり愛され続けた。初代を象徴するのはやはり、ヘッドライト。まん丸ライトにコンパクトなボディで、単なるクルマを超えた存在感を醸していた。初代モデルは周年タイミングで特別仕様車が登場するというパターンが多く、プレミアムな装備が毎回与えられた。

 

【その2】第33回東京モーターショー参考出品「KOPEN」(1999年10月)

↑写真は「ル・ボラン」1999年12月号より

コンセプトモデルとして初めて登場したコペン。本段階では名称は「COPEN」ではなく、「KOPEN」と名付けられており、以降もコペンはコンセプトモデル段階では「K」が使われている。本モデルでは前後ダブルウィシュボーンが採用されていた。

 

【その3】第35回東京モーターショー参考出品「COPEN」(2001年10月)

↑写真は「ル・ボラン」2001年12月号より

市販化を前提とした参考出品モデル。電動格納式のアルミ製ハードトップを装備した、キャビンフォワードのボリューム感溢れる2シーターデザインが大きな特徴だ。パワーユニットにはレスポンス重視のターボチャージャー付きツインカム4気筒エンジンを採用。

 

【2002〜2012/初代モデル】

【その4】COPEN(初代/2002年6月)

初代コペンはコンセプトモデルとほぼ同じデザインで登場。電動開閉式ルーフの「アクティブトップ」と、脱着できる軽量な樹脂ルーフの「ディタッチャブルトップ」の2タイプを設定。専用チューニングを施したツインカム4気筒16バルブターボエンジンを採用することでパワフルかつスポーティな走りを披露する。

【モータージャーナリストの目線】

初代モデルの第一印象はデザインの良さに尽きる。軽自動車という制約が厳しい枠のなかでもバランスが良くオープンにしてもクローズにしても絵になるデザインは秀逸であり、唯一無二の存在感をアピールしていた。「小さく、軽く、速い」コペンは閉塞感に満ちていた当時の自動車業界にとって、一筋の光明であったことは間違いない。(岡本さん)

【その5】COPEN 1ST ANNIVERSARY EDITION(2003年7月)

コペンの発売1周年を記念した初の特別仕様車。アクティブトップを採用したモデルをベースに、上品なタンカラーのレザーシート(シートヒーター付)やドアトリム、MOMO製のウッド&レザーステアリングを採用。プレミアムな雰囲気が漂う。

 

【その6】COPEN 2nd ANNIVERSARY EDITION(2004年6月)

発売2周年を記念した特別仕様車。アクティブトップ仕様をベースにレカロシートやMOMO製の本革巻ステアリングを装備するほか、室内はモダンなレッドとブラックへと変更。ヘッドライトはディスチャージ式となった。ボディ色には既存の7色に加え、スチールグレーメタリックとシャンパンメタリックオパールの2色を追加。

 

【その7】COPEN ULTIMATE EDITION(2006年6月)

アクティブトップをベースにビルシュタイン製のショックアブソーバーやBBS製の15インチアルミホイールを採用。アルカンターラ素材を使用したオレンジとブラックのレカロシート、MOMO製のステアリングなど走る喜び、操る喜びを磨き上げている。

 

【その8】COPEN ULTIMATE EDITION II MEMORIAL(2007年9月)

ダイハツの創業100周年を記念した特別仕様車。人気のアクティブトップをベースにブラックメッキフロントグリルやクリアクリスタルリアコンビランプ、専用エンブレム、ホワイトメーターを装備。そのほかにも、BBS製の15インチアルミホイール、レカロシート、MOMO製ステアリングを装備するなど盛りだくさんの内容が特徴だ。

 

【その9】COPEN ULTIMATE EDITION S(2010年8月)

ユーザーがアルカンターラ素材のレカロシート(キャメル)または本革製スポーツシート(ブラック)、MOMO製の本革ステアリングまたはウッドステアリングから自由にチョイスすることができ、選ぶ悦びまで味わうことができる一台。そのほかの装備はアルティメットに準じる。

 

【その10】COPEN 10TH ANNIVERSARY EDITION(2012年4月)

2012年8月末の生産終了に伴い登場した記念モデル。アクティブトップをベースに10周年を記念したロゴとシリアルナンバーを刻んだアルミスカッフプレートカバーを装備。ほかにもブラックメッキフロントグリルや本革製スポーツシートを採用するなどプレミアムな仕様となる。

 

【モータージャーナリストの目線】

特徴的なフロントグリルとBBS製のホイールの相性が良く、インテリアは小さな高級オープンカーの風情が漂う。走りに関しては高性能な「S」系でなくてもハードな印象を受けたが、10年という歳月により熟成が進むことで角が取れたしなやかさを身に付けていた。より快適にオープンエアドライブが楽しめるようになっていたのを今でも覚えている。(岡本さん)

 

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【2代目コンセプトモデル~2代目モデル編】

2011年の東京モーターショーに出展され、大きな話題を呼んだコペンの次世代モデル「D-X」。2013年の東京モーターショーでは3台のコンセプトモデルを披露し、手応えを掴んだダイハツ陣営は2014年の6月、2世代目コペンを世に送り出す。COPENに込められた意味は「Community of OPEN car life」となり、その第一弾モデルとしてローブが発売され、同年にエクスプレイ、翌2015年にはセロを追加している。

 

【その11/12】KOPEN Future included Rmz/Xmz(2013年11月)

↑KOPEN Future included Rmz
↑KOPEN Future included Xmz

外装パネルをカバーケースのように自由に着せ替えられる、新たな発想をデザインした2台のコンセプトモデル。Rmzはエモーショナルな独創性を前面に押し出し、Xmzは異素材感覚で組み合わせたボディがタフさを強調。この発想が後の「ドレスフォーメーション」へとつながり、コペンの可能性を広げることとなる。

 

【その13/14/15】KOPEN FUTURE INCLUDED 「RM1」「RM2」「XM1」(2014年1月)

↑KOPEN future included Rm1
↑KOPEN future included Rm2
↑KOPEN future included Xm1

ダイハツは2014年の東京オートサロンに3台のコンセプトモデルを出展。量産型に近い「Rm1」、レーシングスタイルへとモディファイされた「Rm2」、そしてカーキ色のボディに異素材を思わせる質感を表現した「Xm1」は次世代を担う実験的な車両であった。また、コンセプトモデルである「Xmz」の名称を一般から募集するなど、大きな話題を提供した。

 

【2014‐2022/2世代目モデル】

【その16】COPEN Robe(2014年6月)

2世代目へと進化を遂げたコペンで初めて登場したのが「ローブ」。【その17】で紹介する「エクスプレイ」とともに内外装脱着構造の「ドレスフォーメーション」を採用する。また2代目モデルからは、生産ラインが見学できる工場として大阪府池田市にあるダイハツ本社の工場内に「コペンファクトリー」を新設。乗って楽しむだけでなく、見て楽しむ環境を構築した。

【モータージャーナリストの目線】

初代モデルとはデザインが大きく変わったが、後にセロが加わったことで新旧コペンファンが共存できるようになった。エクスプレイを含めて3つの個性が揃ったことで、コペンの存在感がより際立ったことは間違いない。時代のニーズで3気筒になったエンジンのパワフルさは格段に向上。ハンドリングの良さも好感が持てる。(岡本さん)

【その17】COPEN XPLAY(2014年11月)

一般公募によってネーミングされたエクスプレイ。2世代目コペンを飾る2つ目の意匠として登場したモデルは、ローブと骨格、足回りが同一ながらダイナミックな外観デザインを採用。内装は大胆なクロスフレームとなり、開発コンセプトであるタフ&アグレッシブを表現する。

 

【その18】COPEN Robe S(2014年12月)

初代モデルの「アルティメットエディション」と同様の位置づけとなるローブS。ローブをベースとしながらもビルシュタイン製のショックアブソーバーやレカロシート、MOMO製の革巻ステアリングなどを与えることでスポーツ性を高めたモデルに仕上がっている。

 

【その19】COPEN Cero(2015年6月)

2世代目コペンの3つ目の意匠となるセロ。初代コペンのイメージを踏襲したスタイルは流れるような雫を思わせる一体感のあるデザインとなり、親しみやすさと躍動感が融合する。内装は水平基調のストレートフレームのインパネを採用。同じタイミングで、エクスプレイの高性能版「COPEN XPLAY S」も登場した。

 

【その20】COPEN Cero S(2015年12月)

セロをベースに高い操縦安定性とフラットな乗り心地を追求した特別な一台。ビルシュタイン製のショックアブソーバー、スエード調レカロシート、MOMO製の本革巻ステアリング、マニュアル感覚のシフト操作を可能としたパドルシフトを標準装備。

 

【その21】COPEN Robe SHOOTING BRAKE CONCEPT(2016年1月)

東京オートサロン2016に出展されたコンセプトカーの中で注目を集めたのが、ローブをベースに製作されたシューティングブレーク。クール&ジェントルをデザインテーマにラゲッジを拡大し、伸びやかなキャビンデザインが大きな特徴となる。このタイミングでは【その23】で紹介するクーペ版のコンセプト「COPEN Cero COUPE CONCEPT」も出展。

 

【その22】COPEN Robe typeA(2016年4月)

ドレスフォーメーションの新たな提案として樹脂外板パーツの塗り分けにより個性的な外観をまとった特別仕様をローブ、ローブSにオプションとして設定。また、インテリアカラーの選択肢を広げることで選べる楽しさを拡充した。

 

【その23】COPEN Coupe(2019年1月)

東京オートサロン2016に出展されたコンセプトカーを商品化したモデル。セロをベースにCFRP製のハードルーフを装着したクーペスタイルはルーフからトランク、リアエンドまでが一体となった流麗なデザインが大きな特徴となる。

 

【その24】COPEN GR SPORT(2019年10月)

第4のモデルとして登場したGRスポーツは東京オートサロン2019に出展されたコンセプトカーを市販化したもので、TOYOTA GAZOO Racingの理念を基に開発。ボディ剛性の向上や足回りのチューニング、個性的なフロントバンパー、レカロシートなどを装備する。

【モータージャーナリストの目線】

クルマに乗って“楽しい”と感じる要素には、大きく分けて2つある。ひとつは“速さ”。絶対的な動力性能は、それだけで“楽しい”と感じさせてくれる。もうひとつが“意のまま”に動いてくれること。そのためにはクルマが小さくて軽いほうが有利。そしてコペンはその両面をもともと無理することなく身につけているクルマだ。本モデルは軽自動車で最強クラスの、64PSで92Nmのターボエンジンを搭載し、車両重量は800kg台半ばなので瞬発力も加速の伸びもあり、7000rpm付近までよく回る。足まわりの味付けも、スパルタンな雰囲気のS系とは異質の、しなやかさを極めることで、より意のままの走りを深く味わえるようにチューニングされている。

さらにGR SPORTは、BBS、レカロ、MOMOらメジャーなブランドのアイテムをふんだんに装備。カーボン柄のパネルを配した内外装など、所有する満足感とともに、乗るたびにコンプリートカーらしい特別感を味わうことができるだろう。

【その25】COPEN スパイダーVer.(2021年1月)

バーチャルオートサロン 2021で出展された一台。フロントウインドウが短く、古き佳きイタリアンピュアスポーツを連想されるデザインが特徴だ。オープン機構をなくすことで、ベースモデルより約100kgも軽量化されている。

 

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【まとめ】

本企画では車両の変遷をメインに迫ったが、コペンの魅力は車両だけにとどまらない。2014年にはコペン専用の工場である「コペンファクトリー(※)」を設立。ラインでの製造工程や検査過程など、コペンが生まれる姿を間近で見学できるようになった。

※:現在は新型コロナウイルス感染拡大防止のため見学は休止中

 

同年にはオーナー、非オーナーに関わらず利用できる直営拠点「Copen Local Base Kamakura」をオープン。2022年6月に惜しまれながらも閉店となったが「クルマがそばにある日常」を提案し、多くのファンから愛されたスポットになっていた。

 

またコペンのオーナーイベントである「LOVE SKY PROJECT」は複数回開催され、星空の鑑賞会やサーキットを使ったスポーツ走行など、盛りだくさんの内容で参加者を楽しませてくれた。実際に編集部でも愛知県蒲郡市のスパ西浦モーターパークで開催されたイベントを取材。181台のコペンとオーナーたちが集まり、その熱量は真夏のサーキットを越えるアツさであった。

 

コペンというクルマを介して人と人が繋がることで、コペンの楽しさは倍増する。コペンを中心に開催されるイベントや施設に共通していることはメーカーとファンの距離、ファン同士の距離、オーナーとコペンの距離のいずれもが近くて密接だと言うこと。コペンの周りにはコミュニケーションが発生し、刺激が生まれる。ありふれた言葉になってしまうが、「コペンは人生を豊かにしてくれる相棒」であり、新しい場所、新しい出逢いを届けてくれるナビゲーターでもあるのだ。

 

こんな感じでまとめてしまうと2世代目モデルも生産が終わってしまうようなニュアンスになってしまうが、それは杞憂である。ダイハツはコペン生誕20周年を機にこれからもコペンを作り続けて行くと力強く宣言をしてくれた。これからもコペンが提示してくれる世界をGetNavi webでは追いかけて行く。

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ターボも加わり、走りの魅力を増したダイハツ新型「ムーヴ キャンバス」試乗

ダイハツの「ムーヴ キャンバス」といえば、ポップなツートンカラーとスライド式の両側ドアを備え、親子での共用を視野に開発されたモデル。どちらかというと女性ユーザーの多い車種でしたが、今回のモデルチェンジでは従来のイメージを踏襲する「ストライプス」に加えて、単色の「セオリー」が追加に。新たにターボエンジンも選べるようになり、ドライブを楽しむクルマ好きの目線で見ても魅力的なクルマに仕上がっています。

 

【今回紹介するクルマ】

ダイハツ/ムーヴ キャンバス

※試乗車:セオリーGターボ(2WD)/ストライプスG(2WD)

価格:149万6000円〜179万3000円(税込)

↑ソリッドカラーの「セオリー」はシックな見た目となり、選択の幅が広がった。全7色

 

ツートンカラーとモノトーンボディの2本立てに

2代目となる新型ムーヴ キャンバスが大きく変わったのはモノトーンカラーでシックな外装の「セオリー」が追加されたこと。従来のイメージを踏襲するツートンカラーは「ストライプス」と名付けられ、イメージの異なる2種類がラインナップされることになりました。

↑ツートンカラーの「ストライプス」は従来のイメージを踏襲。丸みを帯びたデザインもそのままだ。全8色

 

↑リアのナンバープレート装着位置がバンパーまで下げられたことでスッキリした見た目に

 

両者のイメージは、外観だけでなく内装にも反映されています。「セオリー」のほうは、シートもストライプ以外はモノトーンでまとめられ、ダッシュボードもシックなカラーリング。フルファブリックのシートは、ソファのような座り心地を実現しています。

↑「セオリー」のシートはモノトーンで、おとなしめのカラー

 

↑「セオリー」のダッシュボードはツートンカラーだが、シックなイメージになっている

 

↑「ストライプス」のシートは明るめのツートンカラーで、ダッシュボードもイメージは共通

 

ドライブを快適にする装備も充実しています。近年、軽自動車でも増えている大画面のナビは9インチのものをメーカーオプションとして用意。ホットドリンクを良い温度でキープしてくれる保温機能付きの「ホッとカップホルダー」も軽自動車としては初採用しています。電動パーキングブレーキや、オートブレーキホールド機能も採用されました。

↑メーカーオプションの9インチスマホ連携ディスプレイオーディオ。10インチのメモリーナビも選べる

 

↑寒い季節に飲み物の温度を約42℃に保ってくれる「ホッとカップホルダー」を装備

 

↑電動パーキングブレーキを採用し、シートヒーターも装備している

 

ユーティリティの高さも魅力の1つ。両側パワースライドドアにはウェルカムオープン機能が新設定され、降⾞時にインパネのスイッチで予約しておけば、乗⾞時に電⼦カードキーを持ってクルマに近づくだけで、パワースライドドアが⾃動で解錠しオープン。両⼿がふさがっている時でも、キーを取り出すことなくスムーズに乗り込むことができます。後席に乗り込む際だけでなく、買い物の荷物を積み込むときに両手がふさがっている際にも重宝します。

 

従来から好評の後席の「置きラクボックス」も踏襲。シートアレンジやラゲッジの拡張機能も豊富で、コンパクトながら使い勝手は抜群です。さらに、運転席と助⼿席の背⾯についた「シートバックユーティリティフック」にリュックなどの荷物を、サッと掛けられます。ユーザーへのちょっとした心遣いが満載ですね。

↑後席の下に配置され、荷物を気軽に置ける「置きラクボックス」は、荷物を固定しやすいバスケットモードも備える

 

↑開口部の大きなスライドドアから望む車室内は、シートアレンジも豊富でリラックス空間に仕立てられる

 

↑リアシートを倒せばラゲッジスペースを拡大可能。車体から想像するよりはるかに広い

 

↑「ラゲージアンダーボックス」も備えていて、高さのある荷物や傘などを入れるのに便利

 

クルマ好きも満足できる動力性能

パワートレインにターボが追加されたのも、今回の注目点。車体にもDNGA(Daihatsu New Global Architecture)が展開され、約50kgの軽量化も果たしており、走りにも期待が高まります。

↑「Gターボ」グレードに搭載されるインタークーラー付きターボエンジンは64PS/6400rpmを発揮

 

「セオリー」に採用される本革巻のステアリングを握り、少し大きめにアクセルを踏み込むとかなり元気のいい加速感が味わえます。大きめの2眼メーターのタコメーターが俊敏に動き、気分も高揚。車体や足回りも剛性感があって、昔の軽自動車しか知らない人は驚くことでしょう。クルマ好きが乗っても、十分に満足できる走りを実現しています。

↑ステアリングだけでなくシフトノブも本革。足回りも頼りないところはなく、走りを楽しめる

 

↑ターボエンジンの動力性能は十分以上。登り坂や高速道路でもパワー不足を感じることはないはず

 

もちろん、衝突回避支援や駐車支援などの予防安全機能「スマートアシスト」も装備していて、ドライブの安心感や快適性を高めています。免許を取ったばかりの初心者が運転しても不安を覚えることはないはず。親子での共用だけでなく、クルマ好きが選んでも不満を感じることはないだろうと思えます。シックで落ち着いた印象を与えるセオリー、初代の持つかわいらしさを継承しているセオリー。どちらを選びますか?

 

【SPEC(Gターボ(2WD)[G(2WD)]】●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm●車両重量:900kg[880kg]●パワーユニット:658cc水冷直列3気筒12バルブDOHCインタークーラーターボ●最高出力:64PS/6400rpm[52PS/6900rpm]●最大トルク:100N・m/3600rpm[60N・m/3600rpm]●燃料消費率(WLTCモード):22.4km/L[22.9km/L]

 

撮影/松川 忍

 

 

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おめでとう「コペン」! 上質がキーワードの20周年記念特別仕様車を発表!!

ダイハツの軽オープンスポーツカー「COPEN(コペン)」は、2022年6月で2002年の初代「コペン」発売から20年を迎えました。それを記念して「コペン20周年記念特別仕様車」が登場。2022年9月に発売予定です。

↑コペン20周年記念特別仕様車(COPEN 20th Anniversary Edition)

 

みんなに愛されて20周年!

初代「コペン」は、誰もが気軽に楽しめる本格的オープン・スポーツカーとして開発され、ユニークな外観デザインや電動開閉式ルーフ(アクティブトップ)などの高い商品性と「持つ悦び、操る楽しさ」という新しい価値観が好評で、今もなお幅広いユーザーに愛されています。

 

2014年に発売した2代目では、コペンの象徴ともいえる電動式開閉ルーフは継承しつつ、新骨格構造 「D-Frame」、内外装着脱構造「DRESS―FORMATION」の採用により「感動の走行性能」と「自分らしさを表現できるクルマ」を実現しました。「Robe(ローブ)」、「XPLAY(エクスプレイ)」に加え、2015年に「Cero(セロ)」、2019年には第4のモデルとして「GR SPORT(ジーアール スポーツ)」を発売してきました。

 

コペン20周年記念特別仕様車は、丸目のヘッドランプが初代を想起させる「セロ」をベースに、全8色のボディカラーを用意。トランスミッションは5MTとCVTが選べます。

↑写真の「ブリティッシュグリーンマイカ」はヨーロッパ車を思わせるカラーリング

 

1台1台職人が手作りでつくりあげるコペンの上質さを際立たせる特別装備として、本革製のスポーツシートを採用。自然の中で美しく映える、アイボリーの内装色とシートのコーディネートに加え、20周年の記念エンブレムとシリアルナンバー入りのスカッフプレートで特別感を演出しています

↑アイボリーホワイトの上質な本革シート

 

このほかにも、MOMO製本革巻きステアリング、本革巻きシフトノブ、アイボリーインパネガーニッシュ、3眼メーターなどの専用内装や、外装にもブラック加飾のヘッドランプ、メッキアウターハンドルなど、特別感を高める装備を採用。気になる実車は6月26日まで「コペンローカルベース鎌倉」にて展示中。

↑スポーティな味付けをプラスするMOMO製本革巻きステアリング

 

↑初代コペンのロゴマークを使用

 

今回、20周年を記念して2代目として初となるTVCMの放映を開始するとともに、スペシャルサイトにて、これまでのコペンの歩みと特別仕様車の情報を公開します。この20周年記念特別仕様車は、1000台限定生産で、2022年6月20日より全国一斉に先行受注を開始。

 

 

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コンパクトサイズでも存在感は十分! ダイハツ「ロッキー」はハイブリッドも魅力的だった

1LクラスのコンパクトなSUVとして、兄弟車のトヨタ「ライズ」とともに人気を博しているダイハツ「ロッキー」。そんなモデルにハイブリッドモデルと、1.2Lのエンジンを搭載したモデルが新たに加わりました。特にハイブリッドモデルは、自社製の「e-SMART HYBRID」と呼ばれるユニットを搭載した意欲作です。

 

【今回紹介するクルマ】

ダイハツ/ロッキー

※試乗車:Premium G/Premium G HEV

価格:166万7000円〜236万7900円(税込)

 

コンパクトでも小さく感じない外観と室内

5ナンバーサイズのコンパクトなSUVである「ロッキー」。コンパクトSUVとしてはトヨタの「ヤリス クロス」と比較されることも多いですが、ヤリス クロスは3ナンバーサイズであることを考えると、ロッキーは並ぶもののない存在です。外観デザインは、SUVらしい車高を確保し、デザインもフェンダーの張り出しを強調したラインなど存在感のあるもので、見た目で小ささは感じません。

↑大きめのライトを中心にデザインされたフロントフェイスは迫力があるもの

 

↑ハイブリッドモデルはグリルのデザインも変更され、エンブレムはブルーとされる

 

↑兄弟車のトヨタ「ライズ」(右)も基本設計は同一ながらフェイスデザインは異なる

 

車内に入っても、意外なほど狭さは感じません。運転席からの視界が広く確保されていることが、車室内を広く感じるのに一役買っているようです。リアシートに移っても、前席との隙間が確保され、足元もヘッドスペースも狭さを感じさせないものです。ファミリーカーとして購入しても、後席から不満が出ることはないでしょう。

↑SUVとしてはコンパクトなサイズですが、視界が広い分狭さは感じない

 

↑リアシートは足元・ヘッドスペースともに十分確保されている

 

ラゲッジスペースは後席を使用した状態で369L(2WD/ガソリンエンジン車)と十分な容量を確保。アンダーラゲッジが深く、キャンプなどの荷物も詰め込むことができます。2段階可変式のデッキボードも設置でき、荷物を上下に分けて収納することも可能です。

↑深さのあるラゲッジスペース。コンパクト車を得意とするダイハツのノウハウが感じられる

 

↑ハイブリッド車と4WD車はアンダーラゲッジのスペースがやや狭くなる

 

↑デッキボードを設置し、6:4分割式のリアシートを倒すとフラットなスペースを作れる

 

ダイハツが自社開発したハイブリッドユニット

従来のパワーユニットは996ccの3気筒ターボのみでしたが、新たに1196cc3気筒NAエンジンと、ハイブリッドが追加に。特に注目されるのがダイハツが自社開発したハイブリッドユニットで、エンジンを発電機として用い、駆動はモーターで行うシリーズ式とされています。トヨタからの提供ではなく、自社で新たにハイブリッドシステムを開発したのは、将来的に軽自動車への搭載も視野に入れているためでしょう。搭載される「e-SMART HYBRID」では1196ccのエンジンを搭載していますが、発電機として使用するシリーズ式なら軽自動車にも転用しやすそうです。

↑「e-SMART HYBRID」のパワーユニット。新型の1.2Lエンジンを発電機として搭載する

 

↑ハイブリッド用のバッテリーは後席のシート下に搭載する

 

↑こちらは新型の1196cc3気筒NAエンジン。最高出力は87PS/6000rpm

 

駆動はモーターで行うため、出だしから機敏な加速が味わえます。バッテリー電力のみでの走行距離は限られていて、アクセルを少し踏み込むとすぐにエンジンがかかりますが、システムでの燃費はWLTCモードで28km/Lなので、1.2Lエンジンの20.7km/L、1Lエンジンの17.4km/Lと比べるとかなり伸びています。

↑メーターの表示は3種類から選べ、ハイブリッドシステムの運転状態がわかる

 

モーターの最高出力は106PS、最大トルクは170Nmとシリーズの中では最もパワフル。一般道から高速道路まで走行しましたが、コンパクトな車体をしっかり加速させ、追い越し加速でも余裕のあるものでした。アクセルに対するレスポンスの良さは、モーターならではのもので俊敏な加速が味わえます。アクセルを戻すと、回生ブレーキが効く設定で、停止までは行かないものの、ある程度はワンペダルでの走行も可能。加減速の多い街中では便利なシステムです。

↑信号待ちからの加速はモーター駆動の真骨頂。交通の流れをリードできます

 

1.2Lエンジンも試乗しましたが、こちらも低速トルクに余裕があり、NAエンジンらしい吹き上がりも感じられて一般道から高速道路まで不満は感じません。ハンドリングはSUVらしいストロークの長さが感じられ、それでいて車体はコンパクトなので狭い街中での取り回しも良好。SUVに乗りたいけれども、普段は細い道を走る機会も多いという人には、またとない選択肢でしょう。

↑SUVらしい視点の高さでキビキビ走れる取り回しの良さが魅力

 

コンパクトカーを得意とするダイハツらしい完成度の高さで、独自のシェアを築いている「ロッキー」。ハイブリッドが選択肢に加わったことで、さらに魅力を増しています。ハイブリッドモデルになると、価格的に「ヤリス クロス」も視野に入ってくるところですが、5ナンバーサイズに収まるボディは大きなアドバンテージ。夫婦でクルマを共用し、SUVがほしいけれど普段は奥さんが運転する機会が多いというような人には、ありがたい選択肢となるでしょう。

 

SPEC【Premium G/Premium G HEV】●全長×全幅×全高:3995×1695×1620mm●車両重量:980kg(1070kg)●パワーユニット:水冷1.2L直3気筒12バルブDOHC横置●最高出力:64kW[87PS]/6000rpm(60kW[82PS]/5600rpm【モーター78kW[106PS]/4372〜6329rpm】)●最大トルク:113N・m[11.5kgf・m]/4500rpm(105N・m[10.7kgf・m]/3200〜5200rpm【モーター170N・m[17.3kgf・m]/0〜4372rpm】)●WLTCモード燃費:20.7km/L(28.0km/L)

※()内はPremium G HEVの数値

 

撮影/松川 忍

 

 

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「買って間違いなし!」と断言する2021年コンパクトSUV5選。おすすめグレード付き

近年、「クロスオーバーSUV」の人気は高く、SUVといえばクロスオーバーSUVを指す場合も多く見られます。クロスオーバーSUVとはクロスカントリー車の高い走破性と、乗用車の快適性を「融合(クロスオーバー)させる」という意味が込められています。

 

そのクロスオーバーSUVのジャンルのひとつであるのが、コンパクトSUV。ボディサイズはミドルサイズSUVよりも小さくてコンパクトカーサイズ、欧州でいうとBセグメントにあたります。日本では近年、ラインアップが拡充しており、人気ジャンルのひとつとなっています。今回は自動車評論家の岡本幸一郎さんが断言する、2021年に登場した「買って間違いなし!」のコンパクトSUVを5台紹介します。

 

【その1】このサイズの中で考えられることはすべてやりつくした

ホンダ

ヴェゼル e:HEV Z(4WD)

311万8500円(税込)

2021年4月に「ヴェゼル」の2代目モデルが発売した。このサイズの中で考えられることはすべてやりつくしたという完成度が光る1台。手ごろなサイズを初代から踏襲しながらも、これがヴェゼル!? と思うほど雰囲気はガラリと変わって、まるで車格が上がったかのよう。流麗なクーペスタイルながらも車内は広く開放的で、独自のセンタータンクレイアウトによる低くフラットなフロアのおかげで高さのある荷物もラクに積み下ろし可能。エアコンの「そよ風モード」のようなユニークなアイデアも光る。

 

初代とは別物の「e:HEV」によるスムーズな加速と低燃費も魅力。乗り心地もいたって快適で、実は4WD性能も想像以上に高い。見た目のオシャレな「PLaY」も魅力的だが、なぜか4WDの設定がなく、納期にも時間を要することから、現時点では「Z」の4WDをイチオシとしたい。

 

 

【その2】カローラの名にふさわしくあらゆる面でそつのない仕上がり

トヨタ

カローラ クロス ハイブリッド(4WD)

279万9000円(税込)〜

トヨタは2021年9月、カローラシリーズ初のSUVである「カローラクロス」を発売した。コンパクトとミドルの中間的なサイズ感だが、充実した装備内容のわりに価格はコンパクトクラス並みにリーズナブル。一連のカローラシリーズとの共通性を感じさせるスッキリした内外装デザインをはじめ、各部の広さも走りもカローラの名にふさわしくあらゆる面でそつのない仕上がりで、なんら気になるところがない。

 

SUVとしてのニーズに応えるべく居住空間も荷室も十分な広さが確保されていて、リアシートを倒すとロードバイクだって積めるほどだ。ガソリン車とハイブリッドのどちらにもよさがあるが、イチオシはハイブリッドの後輪をモーターで駆動するE-Four。非常時給電モードを備えたAC100V/1500W電源コンセントが設定されているのも魅力。

 

 

【その3】ノートの魅力をさらに昇華させる上品さも感じられる

日産

ノート AUTECH CROSSOVER FOUR(4WD)

279万6200円(税込)

バリエーションを多彩に揃える新型「ノート」。そのラインアップのひとつとして加わったのがカスタムグレードの「AUTECH」で、コンパクトSUVクラスに数ある車種の中でも異彩を放っている。AUTECHブランドの一員と位置づけているのは、カタログモデルにはない特別感を表現するため。

 

とっつきやすいコンパクトなサイズ感はそのままに、専用に仕立てられた内外装は、並み居る競合車に対してひと味違う雰囲気を感じさせる。動力源をe-POWERのみにわりきったのも特徴で、内燃エンジン車にはない瞬発力のある加速はモーター駆動ならでは。さらに、従来車とは別でリアに高出力モーターを配した現行型の4WDは、ハンドリングの仕上がりも抜群によくなっていてオススメだ。

 

 

【その4】新型は粗削りだった走りも洗練された

ダイハツ/トヨタ

ロッキー ハイブリッド(2WD)/ライズ ハイブリッド(2WD)

211万6000円〜(税込)/216万3000円〜(税込)

ダイハツの5ナンバーサイズのSUVが「ロッキー」。トヨタ「ライズ」は、ロッキーのOEM車になる。貴重な5ナンバーのSUVであり、最小回転半径が5.0mと小回りが利きながらも、クロカンテイストのたくましいフォルムと、5ナンバーサイズながら車内や荷室の十分な広さが確保されているのが強み。予想していたとおり大人気を博す。

 

発売から2年が経過。これまでエンジンが1.0Lターボのみだったが、2021年に1.2Lの自然吸気とハイブリッドが加わった。当初は全体的に粗削りだった走りも最新版はずいぶん洗練されていて、「e-SMART」と名づけられたダイハツ独自のシリーズ式ハイブリッドは、バッテリー容量もモーター性能も控えめでエンジンは頻繁にかかるものの、モータードライブならではのスムーズで静かで上質な走りを実現している。

 

 

【その5】キャプチャーを選ぶなら「インテンス テックパック」

ルノー

キャプチャー インテンス テックパック

319万円(税込)

ルノー「キャプチャー」はすでに欧州ベストセラーSUVになったほどの実力の持ち主で、あらゆる点でクラスを超えている。スタリッシュな外観は見てのとおりで、内装の質感もなかなか高い。上級車からのダウンサイザーに向けて最適なスペースを確保すべく全長とホイールベースが長く確保されているほか、リアシートが16cmも前後にスライド可能で、荷室容量はクラストップの536Lと圧倒的な広さを誇る。

 

このクラスの量販モデルとしてはかなり速い154PSで270Nmを発揮する1.3L直4ターボエンジンは、4気筒らしい上質な吹け上がりを実現。極めて俊敏なハンドリングも持ち味。20万円差で操舵支援や電動レザーシートの付く「インテンス テックパック」を選ばない手はない。

 

 

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安全なクルマは好みで選べる!「カテゴリ別」安全+αの最適モデル指南

衝突被害軽減ブレーキをはじめとして安全性能についてはお墨付きのモデルのなかから、より便利に、楽しく使えるモデルをプロがチョイス。スタイルや走り、使いやすさなど自分の好みに合ったモデルを選んで、ワンランク上の快適ドライブを満喫しよう!

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました

モータージャーナリスト

岡本幸一郎

高級輸入車から軽自動車まで幅広く網羅。各社の予防安全技術の多くを体験済み。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。

【タイプ1】SUV

多くの新モデルが登場し、安全運転支援技術も最新のモノが搭載されることが多いSUV。走破性能や使いやすさで優れたモデルもあるが、総合性能で選ぶならトヨタ・RAV4だ。

 

【独創性で選ぶなら】クーペ的なシルエットとインテリアの心地良さが秀逸

マツダ

MX-30

242万円〜305万2500円

SUVでありながらクーペ的シルエットとフリースタイルドアが印象的なモデル。インテリアにはコルクやペットボトルなどサステナブルな素材を用いて心地良さを演出する。

 

↑同社のRX-8以来となる観音開きを採用したフリースタイルドア。ピラーがないぶん後席の乗降もしやすい

 

[岡本’sジャッジ]

 

【先進機能で選ぶなら】e-POWERとプロパイロットの先進性を1台で味わえる

日産

キックス e-POWER

275万9900円〜286万9900円

日産独自のハイブリッド方式であるe-POWERと、安心・快適なドライブを実現するプロパイロットという、2つの先進機能が1台で楽しめる。EV走行時の静粛性も特筆モノだ。

 

↑アクセルペダルひとつで加減速が行えるe-POWER Drive。アクセルとブレーキの踏み替え回数も減ってラク

 

[岡本’sジャッジ]

 

【使いやすさで選ぶなら】3列シートを備えたモデルは人も荷物も余裕で乗せられる

メルセデス・ベンツ

GLB

512万円〜696万円

コンパクトなサイズながら、身長168cmまでの人が座れる3列目シートが便利なモデル。3列目シート使用時でも130L、シート格納時では500Lの荷室を活用して積載できる。

 

↑大人数で乗車するときに便利な3列目シート。身長168cmの人までに限られるが、あるとやはり便利だ

 

[岡本’sジャッジ]

 

【走破性能で選ぶなら】ジープ最強モデルが誇る世界最高の悪路走破性能

ジープ

ラングラー

499万円〜621万円

高い最低地上高、大径タイヤなどの見た目から想起するとおりのオフロード性能を誇るモデル。なかでも悪路走破性能を強化したアンリミテッド ルビコンは世界最強と言われる。

 

↑マニュアルで切り替えるパートタイム4×4を搭載。自動で前後輪に駆動力を分配するフルタイム4×4も採用する

 

[岡本’sジャッジ]

 

【デザインで選ぶなら】デザインは軽快ながら操縦安定性の良さが光る

 

フォルクスワーゲン

T-Cross

303万9000円〜339万9000円

若々しいデザインとカラーバリエーションが魅力のコンパクトSUV。一見軽快なモデルだが、ドイツ車ならではの高い操縦安定性もポイント。2WDのみなのが少々残念ではある。

 

↑リアシートは140mmスライドが可能。後席の広さを自在に変え、同時にカーゴスペースの拡大にも役立つ

 

[岡本’sジャッジ]

 

【総合性能で選ぶなら】悪路も難なくこなすオールラウンダーSUV

トヨタ

RAV4

274万3000円〜402万9000円

前後左右のタイヤへのトルク配分を変更する独自のダイナミックトルクベクタリングAWDを採用し、悪路走破性が高い。もちろんオンロードでの快適さもトップクラスを誇る。

 

↑路面の状況に応じて最適なトルク配分を行うダイナミックトルクベクタリングAWD。高い走破性を実現する

 

[岡本’sジャッジ]

 

【タイプ2】コンパクトカー

コンパクトカーでトップを争うトヨタ・ヤリスとホンダ・フィットがモデルチェンジし、走りや使い勝手が一層向上。走りを楽しみたいならスズキ・スイフトスポーツも選択肢のひとつだ。

 

【使いやすさで選ぶなら】広々とした室内空間は使い勝手も良好!

ホンダ

フィット

155万7600円〜253万6600円

広々とした室内空間と快適な乗り味でコンパクトカーらしからぬ心地良さを提供してくれる。後席の座面をはね上げて背の高いモノを積載できるなど、使い勝手も抜群に良い。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【走りの良さで選ぶなら】強力ターボと軽量ボディが刺激的な走りを実現

スズキ

スイフトスポーツ

187万4000円〜214万1700円

1.4Lの強力直噴ターボエンジンと970kgの軽量ボディで刺激的な走りが楽しめ、コスパも抜群に良いモデル。クルマを操るのが好きな人にはうれしい6速MTも選べるのは◎。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【燃費の良さで選ぶなら】操縦安定性に優れた驚異的低燃費モデル

トヨタ

ヤリス

139万5000円〜249万3000円

新形プラットフォームの採用で高い操縦安定性を実現。36.0km/Lというハイブリッド車の驚異的な燃費に目が行きがちだが、ガソリン車でも最高21.6km/Lと優秀な数値だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【タイプ3】ミニバン

使い勝手の良い日産・セレナや、走りの良さを楽しめるホンダ・ステップワゴンに注目。独創的な三菱・デリカD:5のクロカン走破性能は他のミニバンにはない優位点だ。

 

【走りの良さで選ぶなら】低床設計が生み出すしっかりとした走りが魅力

ホンダ

ステップワゴン

271万4800円〜409万4200円

ホンダ独自のセンタータンクレイアウトが可能にした低床設計が、低重心のしっかりとしたフットワークを生む。ハイブリッド車の強力な加速と低燃費も大きな魅力だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【使いやすさで選ぶなら】シートアレンジが多彩で広い室内を自在に使える

日産

セレナ

257万6200円〜419万2100円

広い室内と、乗り方や使い方によって自由にアレンジできる3列シートが特徴。通常の約半分のスペースがあれば開閉できるハーフバックドアを設定するなど、芸が細かいのも◎。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【独創性で選ぶなら】個性的なフロントマスクと走破性能は唯一無二の存在

三菱

デリカD:5

391万3800円〜447万2600円

SUVとの融合を図った独創的なミニバン。話題となったコワモテのフロントマスクも印象的だ。走行シーンに応じてドライブモードを選択できるなど、ミニバン唯一無二の存在。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【タイプ4】軽自動車

販売台数No.1を誇るホンダ・N-BOXの牙城は揺るがないが、遊び心満点のスズキ・ハスラーとダイハツ・タフトが華々しくデビュー。安全で楽しく使える軽が充実した。

 

【快適性で選ぶなら】独特な愛らしさに快適な乗り心地がプラス

スズキ

ハスラー

128万400円〜179万800円

愛らしい独特のデザインはもちろんだが、軽自動車らしからぬ快適な乗り心地にも驚かされる。丸目のヘッドライトと大きな3連フレームを備えたインパネデザインは個性的だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【楽しさで選ぶなら】乗員スペースと荷室を分け多彩な使い方が可能

ダイハツ

タフト

135万3000円〜173万2500円

フロントシートをクルースペースとし、リアシートと荷室を荷物の積載スペースと位置付けることで、快適な室内空間を実現。開放的な天井のスカイフィールトップが魅力的だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【使いやすさで選ぶなら】驚異の室内高が生む自由自在の室内空間

ホンダ

N-BOX

141万1300円〜212万9600円

センタータンクレイアウトによる低床設計で、子どもなら立ったままでも余裕で着替えられる室内高に驚き。両側スライドドアとスライドシートで、小さな子どもも乗せやすい。

 

[岡本’sジャッジ]

アクアも意外に高評価! 自動車評論家が選ぶ国産コンパクトカー10傑

前回の記事では、ノート、ヤリス、フィットをガチ採点したが、国産コンパクトカーの注目モデルはそれだけにとどまらない。本記事では、自動車評論家の清水草一さんに登場いただき、最新モデルから登場から10年近く経つモデル末期のものまで、現行車種の中から、コンパクトカー十傑をピックアップした。

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

モータージャーナリスト

清水草一さん

編集者を経て自動車ライターに。大乗フェラーリ教開祖を名乗りつつ、道路交通ジャーナリストとしても活動。

 

【関連記事】

ノート、ヤリス、フィットーー「国内3強コンパクトカー」を厳しく採点! 一番よかったのは?

 

 

【ハッチバック編】

サイズに制限のあるコンパクトカーでも後席を倒して多くの荷物を積め、高い実用性を誇る。サイズ感もつかみやすく運転しやすい。

 

【その01】トヨタの定番小型ハッチバックは欧州で人気アリ!

トヨタ

カローラ スポーツ

216万9000円〜284万1000円

ワイド&ローのスポーティなシルエットのボディに用意されたパワーユニットは、ハイブリッドと1.2Lターボの2種。1.2LターボにはiMTと呼ばれるMTも設定。同社のコネクティッドカーとしての顔も持つ。

 

【ココがスゴイ!】バランスは抜群! 基本性能の高さに納得

カローラというと、日本ではツーリングが人気だが、欧州では断然コレ。ガソリン車にMTが用意されているのも欧州風味でイイ!(清水)

 

【その02】ホンダのEVは原点回帰のシンプルデザイン

ホンダ

Honda e

451万円〜495万円

ホンダの新型EVはタウンユースを強く意識し、1充電あたりの走行距離は最長283km。それまでのEVと違い走行距離を伸ばすよりも、短時間の充電で走れる距離を重視。その結果、わずか30分の充電で200kmを走行可能だ。

 

【ココがスゴイ!】後輪駆動ゆえの小回り性能に驚愕

航続距離は短めだが、それはシティコミューターに徹しているから。軽より小回りが利いて感動! デザインはシンプルの極致で美味だ。(清水)

 

【その03】スズキらしい個性が光る隠れた傑作!

スズキ

イグニス

 142万3400円〜203万600円

クロスオーバーSUV風のコンパクトカー。軽自動車並みの3.7mの全長は街なかで扱いやすいサイズだ。今年の仕様変更ではデュアルカメラブレーキサポートや助手席のシートヒーター、オートライトが全車標準装備となった。

 

【ココがスゴイ!】室内の広さよりも走りとデザインを優先

やんちゃな顔つきに大地を踏ん張る台形のフォルムは、いかにも走りそう。インテリアはイタリアの小型車みたいでセンス抜群だぜ!(清水)

 

【その04】クラス唯一のクリーンディーゼル搭載で我が道を行く

マツダ

マツダ 2

 145万9150円〜266万7500円

デミオから改称された同車は、パワーユニットは直噴ガソリンエンジンとディーゼルエンジンをラインナップ。特にディーゼルモデルはクラス唯一の搭載車種で、その静粛性能には定評がある。落ち着いたデザインも好評だ。

 

【ココがスゴイ!】唯一無二を掲げるマツダの真骨頂

ディーゼルエンジンを積んだコンパクトカーは、世界的に貴重になりつつある。豊かなトルクとしっかりした足周りは長距離向きだ。(清水)

 

【その05】痛快! そして便利! 国民車にもなれる万能型ホットハッチ

スズキ

スイフト スポーツ

 187万4400円〜214万1700円

エスクード用のエンジンに専用チューンを施した140PSを誇る1.4L直噴ターボを搭載。MT比率が比較的高いのも特徴のモデル。後席も使える実用性と軽快な走りは多くのユーザーが認めるところ。200万円以下からという価格設定も魅力だ。

 

【ココがスゴイ!】走りが楽しい! それでいて弱点なし

1.4L直噴ターボエンジンの加速は痛快そのもの。6速MTはもちろん、6速トルコンATでも十分楽しめる。広さや燃費にも不満ナシさ。(清水)

 

【その06】モデル末期でも魅力が褪せないハイブリッドカー

トヨタ

アクア

181万8300円〜219万8900円

2011年デビューのハイブリッド専用車。車両価格も手の届きやすいハイブリッドカーとしてロングセラーに。パワートレインは2代目プリウスをベースにし燃費面でも高評価。低重心で、シャープなハンドリングも意外な魅力だ。

 

【ココがスゴイ!】登場から10年でも売れ続けるモンスター

ものすごくフツーのクルマに見えて、実は重心が低く、曲がるのが得意。ハイブリッドバッテリーの重量配分の妙だ。いまだに魅力アリ!(清水)

 

【SUV編】

SUVは魅力的だけれども、大きなボディはちょっと……と考えるユーザーにはピッタリのコンパクトカー。その視界の良さは特筆モノだ。

 

【その07】無敵の小型オフローダーは世界中で大ヒット

スズキ

ジムニー シエラ

 179万3000円〜205万7000円

クロカンモデルらしい武骨なスタイリングやラダーフレームなど多くの“本格”装備を持つクルマ。ミッションは信頼性の高い5MTと4ATを設定する。欧州にも輸出されるモデルなので、高速走行も構えることなく巡行可能。

 

【ココがスゴイ!】無骨なデザインが走破性能とマッチ

“ミニGクラス”ともいえる武骨なデザインが、シンプルで実にカッコイイ。悪路の走破性能は世界の一級品。無敵の小ささも強力な武器だ。(清水)

 

【その08】ゴツい顔した優しいヤツ、地味だけど憎めないね

ダイハツ

ロッキー

 170万5000円〜236万7200円

ダイハツのクルマづくりの新コンセプト、DNGAに基づいたSUV。エンジンは1Lの直3ターボで98PS。組み合わされるミッションはCVTのみで、すべてのモデルに4WDが設定されている。トヨタ・ライズとは兄弟車。

 

【ココがスゴイ!】走りも居住性も満足のコンパクト

目立ったところはゼロだが、走りも乗り心地も居住性も適度に満足。SUVだと構えずに、フツーの小型車として買って間違いなし。(清水)

 

【その09】ヤリスに足りない部分をすべて満足させました

トヨタ

ヤリス クロス

 179万8000円〜281万5000円

ヤリスとメカニカルコンポーネンツを共有するSUV。コンパクトな分類に入るが全幅で1700mmを超えるので3ナンバーサイズだ。パワーユニットは1.5Lガソリンエンジンとハイブリッドの2本立てで先進安全装備も充実。

 

【ココがスゴイ!】コンパクトだけれど押し出し感は十分さ

大ヒット中のヤリスの弱点は、後席の狭さ。でもヤリス クロスならまったく問題ナシ。見た目もカッコイイし、4WDも選べるぜ。(清水)

 

【その10】オシャレな都会派ながらキラリと光るスバルイズム

スバル

SUBARU XV

220万円〜292万6000円

現行モデルは2017年登場。2020年9月に大幅な改良が加えられた。基本メカニズムはスバルの伝統、水平対向エンジンにシンメトリカルAWDを組み合わせたもの。スバルの先進安全装備アイサイトを全モデルに標準装備。

 

【ココがスゴイ!】オシャレSUVだが走りは本物

XVに乗っていると、オシャレでアクティブな遊び上手に見えるから不思議だよね。もちろんスバル車だけに、走りは地味に本物さ。(清水)

 

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新型「タフト」は日常の使い勝手と、アウトドアに出かけたくなる非日常のイメージを見事に両立!

今、世界的に人気が高まっているのがコンパクトSUV。その流れは軽自動車にも波及しています。その先駆的存在であるスズキ「ハスラー」のライバルに当たるのが、先日発売されたダイハツの「タフト」。そのターボとNAエンジンに試乗するとともに、内装やラゲッジスペースについてもチェックしてみました。

 

【今回紹介するクルマ】

ダイハツ/タフト

※試乗車:Gターボ/160万6000円~173万2500円

※試乗車:G/148万5000円~161万1500円

↑ボディカラーはフォレストカーキメタリック

 

アウトドアギア感のある外観と遊び心を感じるインテリア

タフトの外観デザインはなかなか存在感があります。一見すると軽自動車と思えないくらい。フェンダー部分をブラックアウトするなど、軽自動車サイズの中でうまくSUVの雰囲気を作り出しています。ライトやフェンダーのラインはスクエアで、丸目ライトを基調としたハスラーとは対極的ですが、この辺りは好みの部分でしょう。

↑ボディカラーはレイクブルーメタリック

 

↑最低地上高は190mmと高め。アプローチアングル27°、ディパーチャーアングル58°と未舗装路でも安心

 

タフトのボディカラーはレイクブルーメタリックやフォレストカーキメタリック、サンドベージュメタリックなどポップな色合いを含めて全9色設定されています。Xグレードのみ、選択できるボディカラーは5色。自分らしさを追求したいユーザーに向けて、さらにオプションのメッキパックなどを装着することでコーディネートが楽しめます。こういうのはダイハツらしい遊び心ですね。

↑シンプルなフェイスデザインとブラックのフェンダーがSUVっぽさを高めています

 

↑こちらはオプションの「メッキパック」装着車。より押しの強い印象に。他に「ダークブラックメッキパック」もオプションとして用意されています

 

↑リアゲートにもメッキのパネルが装備され、存在感が高まっています

 

インテリアデザインもユニークで遊び心を感じさせるものです。インパネのデザインは外観と同じくスクエア基調で、随所にアクセントカラーが配されています。このアクセントカラーはシートにも施され、座面の配色パターンと合わせてアウトドア感を高めてくれます。シートのホールド感も良好で、ドライバーズシートに座るとSUVらしい囲まれ感もあるコックピットです。

↑直線基調のコックピットにはカップホルダーや大型インパネトレイなど、ダイハツ車らしく小物入れなども充実

 

↑ホールド感も高く、長時間のドライブでも疲れにくそうなカモフラージュ柄のシート

 

インテリアのハイライトは全グレードに標準装備される「スカイフィールトップ」。固定式のガラスルーフですが、ルーフの前方まで広がっていてドライバーの視界に入るくらいなので、運転していても開放感が感じられます。ヘッドスペースもハイトワゴンに匹敵するくらい広いのですが、さらに広く感じさせる演出です。

↑その名の通り空を感じられるガラスルーフ

 

↑後席はスライド機構はないものの足元もヘッドスペースも広い

 

ラゲッジも広く車中泊も可能

ラゲッジスペースの広さやフレキシブルさも、SUVの名に恥じないものです。リアシート裏のスペースは、一般的な軽ハイトワゴンと同レベルですが、底面の「フレキシブルボード」を外すことで荷室を深くできます。このボードは底面に敷くことも、シートの背面に立てかけることもでき、底面に敷いた場合は140mm、立てかけた場合は165mm標準状態よりも荷室を深くすることが可能。高さのある荷物を収納する場合に重宝する機能です。

↑標準状態のラゲッジスペース。軽自動車としては十分広めです

 

↑「フレキシブルボード」を外して立てかければ荷室の深さを確保することが可能

 

後席を前方に倒せば、フラットで広大なラゲッジスペースを作り出すことが可能です。かさばるキャンプ道具などを積むのに都合が良さそう。後席は左右分割で倒すことができるので、2人乗車で荷室容量を確保することも、乗員を優先して3人乗車とすることもできます。

↑後席を倒してフレキシブルボードを上段にセットすればフラットなスペースが出現

 

前席をリクライニングさせれば、流行りの車中泊も可能です。フロントのシートバックとリアシートの座面がフラットになるので、クッションのある面に寝ることが可能です。大人2人は並んで寝ることができそう。ただ、ちょっと残念なのがハスラーは後席と前席をどちらも前に倒してフラットな面に寝ることも可能なのに対して、タフトはそのタイプのシートアレンジに対応していないことでしょうか。

↑フロントシートのヘッドレストを外してリクライニングすると車中泊可能なスペースが作れます

 

↑身長175cmの筆者の場合、真っ直ぐ寝るとリアシートに頭が当たりますが枕代わりになる感じ

 

小回りの効くハンドリングが心地いい

実際にドライビングシートに腰掛けてみると、視界はなかなか良好。SUVらしく着座位置が高めなのが効いているようです。スクエアな形状のボンネットは両端が視界に入るので、狭い道などでの見切りも良い。シートのホールド感も高いので、長時間のドライブでも疲れが少なそうです。

↑視界が広く「スカイフィールトップ」の開放感もあって気持ち良くドライブできます

 

今回は一般道での試乗が中心だったのですが、街中では取り回しの良さが光ります。聞けばタイヤが軽自動車としては大径な15インチであるにも関わらず、最小回転半径は4.8mに抑えているとのこと。SUVとしての走破性を高めながら小回りが効くので、キャンプ場に向かう狭い道などでも安心して運転できそうです。

↑SUVらしくストロークが長めのサスペンションでロールは大きめですが、タイトに曲がれるのが楽しい

 

エンジンはターボとNA(自然吸気)の2種類。最高出力は前者が64PS、後者が52PSですが、NAモデルも十分にパワフルで非力さを感じることはありませんでした。ターボモデルは出だしの加速が良く、高速道路の合流などでも余裕を持って走れるので、遠出を考えている人にはこちらがおすすめ。燃費に大きな差はないので、予算に余裕があればターボを選びたいところです。

↑ターボモデルの燃費は2WD車で20.2km/L、4WD車で19.6km/L(ともにWLTCモード)

 

↑NAモデルの燃費は2WD車で20.5km/L、4WD車で19.7km/Lと大きく変わりません(ともにWLTCモード)

 

↑近年のターボエンジンらしく低回転からの加速が俊敏です

 

カスタマイズ向けのアクセサリーパーツが豊富に用意されているのも「タフト」の魅力の1つ。ダイハツではメッキパーツを多用したものから、アウトドアイメージを高めたものやクラシカルな雰囲気のものなど、3つのスタイルを提案しています。

↑こちらはドアハンドルなどをブラックアウトし、ガンメタのホイールを履いた「マッドスタイル」

 

↑シルバーのホイールや、ドアハンドルなどメッキパーツを採用した「クロームスタイル」

 

↑ホワイト塗装のスチールホイールやキャリアなどを装備した「チルアウトスタイル」

 

↑前車を追従するアダプティブクルーズコントロールなど安全装備が充実しているのもうれしいところ

 

フラットなラゲッジスペースと、タイトなコックピットやドライブフィール、そして開放感のある車室など、遊び心を高めてくれる魅力を多く持った新型タフト。日常の使い勝手と、アウトドアに出かけたくなる非日常のイメージを絶妙に両立しているのが一番の魅力だと感じました。近年は新車販売台数の過半を占めるほど人気の高まっている軽自動車ですが、こうしたSUV的なイメージの選択肢が増えたことを歓迎するユーザーは多いはず。平日は買い物や足代わりに使える利便性があり、休日は荷物を積み込んでキャンプやアウトドアに出かけるといった使い方にピッタリの1台です。

 

SPEC【Gターボ(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1630mm●車両重量:840kg●パワーユニット:658cc直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:47kw[64PS]/6400rpm●最大トルク:100N・m[10.2kg・m]/3600 rpm●WLTCモード燃費:20.2km/L

 

SPEC【G(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1630mm●車両重量:830kg●パワーユニット:658cc直列3気筒DOHC●最高出力:38kw[52PS]/6900rpm●最大トルク:60N・m[6.1kg・m]/3600 rpm●WLTCモード燃費:25.7km/L

 

撮影/松川 忍

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

求むクルマ好き! 111周年を迎えたダイハツ工業に関する10のクイズ

ダイハツ工業が1907年に「発動機製造株式会社」として創業してから今年で111年。これを記念して、ダイハツに関わるクイズを10題作成しました! クルマ好きのあなた、全問わかりますか?

小さな車にこだわり続けた111年ーーダイハツ工業今昔物語

ダイハツ工業は1907年、「発動機製造株式会社」として創業した。そこから111年。同社は「人々の暮らしに寄り添うクルマ作り」を続けている。本記事では、代表モデルと歴史を振り返り、同社の躍進を紹介していこう。

 

 

国民の生活に寄り添うダイハツという強い味方

ダイハツはコンパクトで経済的なクルマ作りが得意だ。その歴史は古く、明治40年へと遡る。創立時の「発動機製造株式会社」は、農業国から工業国へとシフトするために設立されたガス発動機を製造・販売する会社であったが、のちに大阪にある発動機製造の「大」と「発」を取って「ダイハツ」へと変更。その後、小型車を中心に個性的なクルマを世に送り出すメーカーとして成長を遂げたことは周知の事実だ。

 

現在は日本国内にとどまらず、アジア圏を中心に生活を支えるクルマたちを送り出し、人々の生活を支えている。「絶対になくてはならないクルマ」。それこそがダイハツの魅力なのである。

 

 

【DNA1】働く人を支えるクルマ作り

ダイハツ ミゼット(1957年〜1972年)

ミゼットは軽三輪自動車。初代のDKA型は単座のバーハンドルを採用し、8PSを発揮する249㏄単気筒エンジンに3速MTを組み合わせていた。サイズは全長2540㎜×全幅1200㎜×全高1500㎜とコンパクト。

 

↑初代ミゼットはバーハンドル仕様。屋根は幌式となり、ドアも付いていないシンプルな構成だった

 

↑小さな荷台のように見えるが、最大積載量は300㎏。車両重量とほぼ同じ重量を積載できた。燃費は28㎞/ℓ

 

ミゼットが果たした役割——街のヘリコプターが経済成長を支えた

昭和の高度経済成長を支えた立役者。小回りが効き経済的なミゼットは商店や小さな町工場のトランスポーターとして大活躍。「街のヘリコプター」のキャッチコピーが話題となり、同車は大ベストセラーを記録した。

 

【最新モデルはコチラ】ハイゼットトラック

コンパクトなボディと荷台を持ち、高い経済性で人々の暮らしを支える軽トラックの最新作。ミゼットの意志を受け継ぐダイハツの根幹だ。

 

 

【DNA2】人々の生活を豊かにする小型車作り

ダイハツ シャレード(1977年〜2000年)

全長3460㎜×全幅1510㎜×全高1360㎜のコンパクトなボディに、60PSの最高出力を発揮する1ℓの直列3気筒SOHCエンジンをフロントに搭載したFFモデル。ラインナップは3ドアと5ドアがあった。

 

↑シートはカジュアルなチェック柄を採用。現在ではあまり見られなくなったデザイン手法で、新鮮に映る

 

↑FFならではの足元の広さが快適性を演出している。「5平米カー」のキャッチコピーが伊達ではない証拠

 

シャレードが果たした役割——小型FFモデルは3気筒エンジンの先駆け

FFコンパクトモデルへの挑戦として誕生した同車は、第二次オイルショックの影響もあり、ダイハツ始まって以来の大ヒットを記録した。新時代のファミリーカーとして1978年のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞。

 

【最新モデルはコチラ】トール

コンパクトなボディサイズながら、室内空間を最大化したトールワゴン。経済的な1ℓエンジンとクラスを越えた快適性が魅力だ。

 

 

【DNA3】ドライブの愉しさを具現化したクルマ作り

ダイハツ コペン(初代)(2002年〜2012年)

耐候性に優れたルーフを持つオープンモデル。約20秒という短時間でトランクへと収納可能だ。659㏄の排気量を持つ直列4気筒エンジンにツインスクロールのターボチャージャーを搭載し64PSの最高出力を発揮。

 

↑初代のコクピットまわり。シンプルな室内だが、3連メーターが特徴だ。ミッションは5速MTと4速ATを用意していた

 

↑ルーフトップをクローズにすれば、ラゲッジの容量は十分。初代(写真)からゴルフバッグを1個収納できる広さがあった

 

↑1965年、コンパーノ ベルリーナのオープンモデルとして登場したコンパーノ スパイダー。140㎞/hの最高速度を誇った

 

コペンが果たした役割——空との距離を近づけた本格ライトウェイトスポーツモデル

軽自動車という高い経済性を武器に誕生したコペンは、趣味性の高かったオープンカーを身近な存在へと押し上げた立役者だ。走る楽しさはもちろん、爽快感も素晴らしく、中古車市場ではいまもなお高値で取引される。

 

【最新モデルはコチラ】コペン(現行)

↑第二世代へと進化を遂げた現行モデル。樹脂製の外板パーツを交換して着せ替えが可能だ。全3タイプをラインナップ

生産ラインの間近で職人技を取材。コペンファクトリーに潜入!

ダイハツ本社工場内にあるコペンファクトリー。今回は一般公開されている最終工程を間近で取材させてもらった。

 

骨格だけのコペン入場!

エンジンなどの駆動系を装着した状態でコペンが登場。ここからは専門担当によって、最終組み立てと検査が行われる。

 

指示に従い外板パーツ装着

2人の作業者によって、ドア、ボンネット、ルーフ、シート、タイヤなどのパーツが手作業で組み付けられていく。

 

細部まで厳しく確認

ここからは検査工程。まずは車体に傷などがないかをチェック。専用ライティングが施されており、スタジオのような雰囲気。

 

アライメント調整も入念に!

ヘッドライトの光軸、前輪組み付け角を確認。サイドスリップテスターの上を通過させてチェックを行っていく。

 

足まわりも徹底的に確認

リフトで車両を持ち上げ、作業員が車両下に入ってチェック。足まわり部品の締め付け、油漏などを検査、確認していく。

 

最後は雨漏りチェック

台風や豪雨を想定し、毎分450㎖の水を2分間噴射。オープンカーには欠かせない雨漏り耐性検査を経て、完成となる。

 

【訪問した場所】ヒューモビリティワールド

ダイハツの本社内にある同施設は一般にも公開され、その歴史を体験型展示として楽しむことができる。発動機製造株式会社時代のポンプや三輪自動車のダイハツ号、貴重な初代ミゼットから最新モデルまでを展示。

↑全3フロア構成で、一番上のフロアでは同社の最新技術を学べるコーナーもある

 

大阪府池田市ダイハツ町1-1
午前の回 9:30〜12:00 (最終受付 11:00)
午後の回13:00〜17:00 (最終受付 16:00)、
ともに一般見学の場合(土曜日のみ)

コレを読めば111年がわかるダイハツの歴史

明治40年、発動機製造株式会社として産声を上げたダイハツ。大阪を代表する自動車メーカーの111年にわたる歴史を簡単にまとめてみた。

1907

「発動機製造株式会社」として大阪府西成郡中津村(現在の大阪市北区)にて創業し、国産初のガス発動機を完成させた。

 

1930

発動機メーカーから自動車メーカーに移行する一大転機となった、三輪自動車「ダイハツ号」が誕生。

1951

“大”阪にある“発”動機会社の略称で戦前よりユーザーから愛称として親しまれていた「ダイハツ工業株式会社」へ改称。

1957

小回りが利いて扱いやすく経済的な軽三輪「ミゼット」が誕生。「街のヘリコプター」のキャッチフレーズで小口配送などで大活躍。

1977

「広くて小さい快適な経済車」をコンセプトとした五平米カー「シャレード」が誕生。翌年には、海外の過酷なラリーに参戦し優秀な成績を収めた。

1978

海外現地生産を推進するため、現地資本との合弁会社「PTダイハツインドネシア」をジャカルタに設立し、翌年生産開始。

1980

広々空間と優れた居住性・経済性・イージードライブを実現した、軽自動車「ミラ クオーレ」が誕生。

1994

マレーシアの第二国民車プロジェクトの実現に向け、「プロドゥア社」を設立、94年から生産開始。

1995

「広くて楽しいマルチユースワゴン」をコンセプトに、大人4人がゆったり乗れる軽自動車「ムーヴ」が誕生。

2003

子育て女性の意見を反映し、利便性を徹底的に追求した、広々空間の新ジャンル軽自動車「タント」が誕生。

2011

環境意識や低価格志向の高まりを受け、誰もが乗れる「第3のエコカー」として、低燃費・低価格・省資源の軽自動車「ミライース」が誕生。

2017

創立110周年。これを機に、グループスローガンを「Light you up」に刷新。

 

 

問い合わせ:ダイハツお客様コールセンター ☎0800-500-0182

 

撮影/石上 彰(gami写真事務所)

【中年名車図鑑】80年代の軽自動車市場にさまざまな刺激を与えた“羨望”の一台

商用車の“軽ボンバン”が隆盛を誇っていた1980年代中盤の 軽自動車市場。ここにダイハツ工業は第2世代となるL70型系のミラを送り込む。1.3BOXと称する高効率のパッケージングを採用した新型は、ベーシックモデルのほかに高性能バージョンの「TR-XX」や多用途車の「ウォークスルーバン」を設定した。今回は豊富なラインアップで歴代屈指の人気を獲得した2代目(1985~1990年)の“羨望=MIRA”で一席。

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【Vol.45 2代目 ダイハツ・ミラ】

国内販売で32カ月連続して前年同月実績を上回るなど、大成功作に昇華したL55型系の初代ミラ。イタリア語で“羨望”を意味する車名を冠した軽ボンネットバンは、1985年8月になると第2世代のL70型系に移行した。

 

■1.3BOXの新パッケージを採用した第2世代

2代目ミラの最大の特長は、1.3BOXと称する高効率のパッケージングにあった。プラットフォームは新設計で、ホイールベースは従来比で100mm延長(2250mm)。パワーユニットが収まるフロントセクションを可能な限りコンパクトにまとめ、同時にボディ高を高めに設定してクラストップレベルの広さを誇るキャビンスペースを創出する。懸架機構には前マクファーソンストラット/後セミトレーリングアームの4輪独立懸架を採用(FFモデル。4WDモデルは5リンク)。ボディタイプは当初が3ドアハッチバックのみの設定で、1986年1月に5ドアハッチバックを追加した。

 

搭載エンジンは吸排気効率の向上や圧縮比のアップ、機械損失の低減などを図った新開発のEB型547cc直列3気筒OHCユニットで、自然吸気(34ps)と空冷式インタークーラー付きターボ(52ps)の2機種を設定する。組み合わせるトランスミッションにはフロアタイプの4速MT/5速MTのほか、フロアおよびコラムタイプの2速ATを用意。駆動機構はFFと4WDの選択が可能だった。

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クラス初の4面フルフラットシートやダブルハッチバックドアを装備。広くて快適な室内空間が話題にクラス初の4面フルフラットシートやダブルハッチバックドアを装備。広くて快適な室内空間が話題に

 

エクステリアについては、1.3BOXスペーシィシェイプデザインと称する新スタイルを採用したことが訴求点。具体的には、フラッシュサーフェス化した直線基調のボディやスラントした短めのノーズ、ルーフ後端を伸ばしてほぼ直立させたリアセクション、四隅に配したタイヤ、広めにとったグラスエリアなどによって実用的かつスタイリッシュなフォルムを実現した。一方で内包するインテリアは、リビング感覚を謳う広くて快適な室内空間に、低めに設定して有効な前方視界と開放感を演出したインパネを配して、明るく運転のしやすい居住スペースを構築する。また、クラス初の装備として4面フルフラットシートやダブルハッチバックドア(ガラスハッチのみとゲート全体での開閉が可能)、助手席クッショントレイ付きシート、クォーターボックス、ラゲッジボード、テンションレデューサー付ELRシートベルト、グラフィックモニターなどを設定していた。

 

■イメージリーダーは最強版のターボTR-XX

スポーツバージョンの「TR-XX」。フルエアロの外観にスポーティなインテリアを組み合わせるスポーツバージョンの「TR-XX」。フルエアロの外観にスポーティなインテリアを組み合わせる

 

1985年10月になると、スポーツバージョンの「TR-XX」が追加される。搭載エンジンは空冷式インタークーラー付きターボ(グロス52ps。後にネットで50psとなる)で、外装は専用バンパーやサイドステップ、リアハッチスポイラーといったフルエアロパーツで武装。内装には専用の3本スポークステアリングやガングリップタイプのシフトレバー、大型の速度&回転メーターとグラフィックタイプのターボインジケーター、固めのクッションを持つバケットシートなどを装備した。

 

2代目ミラのイメージリーダーに位置づけられたTR-XXは、後にデビューする鈴木自動車工業のアルト・ワークスや三菱自動車工業のミニカ・ターボおよびダンガンZZ、富士重工業のスバル・レックス・コンビVXスーパーチャージャーなどとともに“軽自動車第2次パワー競争”(第1次は1960年代終盤から1970年代初頭)を展開していく。TR-XXに関しては、1987年8月にインタークーラーの水冷化やAT車の追加などを実施。同年10月には燃料供給装置をEFI化したEB25型エンジン(58ps)搭載車を設定する。また、同エンジンを積むフルタイム4WD仕様も追加した。さらに1988年10月になると、最高出力を64psとしたEB26型エンジン搭載車が登場。内外装もよりスタイリッシュに刷新された。

アルト・ワークスやミニカ・ターボ、スバル・レックス・コンビVXスーパーチャージャーなどとともに“軽自動車第2次パワー競争”を展開していくアルト・ワークスやミニカ・ターボ、スバル・レックス・コンビVXスーパーチャージャーなどとともに“軽自動車第2次パワー競争”を展開していく

 

毎年のように進化を図っていった2代目ミラのターボモデル。一方で、燃料供給装置にキャブレターを組み込んだターボ付きEBエンジン搭載車も継続して設定される。スペック上ではEFIを採用する58ps仕様や64ps仕様に劣った50ps仕様。しかし、アクセルレスポンスのよさや吹き上がりの俊敏さなどは、50ps仕様が上回った。当時のECU技術では、このあたりにまだまだ壁があったのだ。絶対的なパワーよりもスポーツミニらしい軽快な特性を重視する走り好きは、あえて50ps仕様を選択する。こうした傾向をメーカー側も把握していたのだろう。地道な人気を誇るキャブターボは、2代目のモデル末期まで新車カタログに掲載された。

 

■隠れた名車「ウォークスルーバン」

L70型系の2代目ミラにはもう1台、隠れた名車が存在した。フロントセクション以降をパネルバンボディに変更した「ウォークスルーバン」だ。運転席から荷室へと歩いて移動できるウォークスルーバンがミラに最初に設定されたのは初代(L55型)のモデル末期の1984年5月で、2代目でも引き続きウォークスルーバンがラインアップされる。製造は優れた車体製造技術を持つ荒川車体工業(1988年よりアラコに変更)が担当。最大の室内容積と軽量化を両立させるために、乗降用ドアは左側のみの折戸式で、リアゲートには上下開き式と3枚折戸式を用意した。乗車定員は1名乗りが基本で、助手席はオプションで用意する。また、フロントガラスおよびAピラーは直立に近い位置にまで立て、サイドミラーには通常のフェンダータイプのほかに縦長タイプを設定。荷台部にはプレスラインやサイドガラスなどを組み込んだ。

 

軽自動車の規格内で成立させた稀有なウォークスルーバンは、そのユニークなルックスや使い勝手の良さから、デリバリーなどの商用としてだけではなく、バイク等のトランスポーターとして個人ユーザーからも高い人気を獲得する。また、ラウンディッシュなフロントガラスおよびAピラーに、上ヒンジ式ウィングドアを荷台部に配した移動販売車の「ミチート」も設定され、市場から好評を博した。

 

ミラ・ウォークスルーバンの人気に刺激を受け、鈴木自動車工業はアルトに、三菱自動車工業はミニカに、ウォークスルーバンを設定する。しかし、ボディ全体の造り込みや機能性の面でミラにはかなわず、販売台数は伸び悩んだ。結果として、1990年の軽自動車規格改定以降でウォークスルーバンをラインアップしたのはミラだけとなり、そのミラも次の規格改定である1998年に生産を中止した。ここで人気が衰えるかに見えたミラ・ウォークスルーバン。だが、コアなファンがその唯一無二のキャラクターを見逃さなかった。ユーズドカー市場では21世紀に入っても活発な取引が展開され、660ccエンジン搭載車のみならず2代目の550ccエンジン搭載車も長く生き残ったのである。

 

【著者プロフィール】

大貫直次郎

1966年型。自動車専門誌や一般誌などの編集記者を経て、クルマ関連を中心としたフリーランスのエディトリアル・ライターに。愛車はポルシェ911カレラ(930)やスバル・サンバー(TT2)のほか、レストア待ちの不動バイク数台。趣味はジャンク屋巡り。著書に光文社刊『クルマでわかる! 日本の現代史』など。クルマの歴史に関しては、アシェット・コレクションズ・ジャパン刊『国産名車コレクション』『日産名車コレクション』『NISSANスカイライン2000GT-R KPGC10』などで執筆。