電動ハブラシで後悔しない「買いのポイント」がわかったぞ! 最新3大モデル「6項目徹底比較」を総まとめ

いつまでも歯の健康と美しさを保ちたいなら、ぜひ電動歯ブラシを検討すべき。歯垢除去やステイン(着色汚れ)のケアに高い効果を発揮し、時短にも役立ちます。本稿は電動歯ブラシの主要メーカー3社(ブラウン オーラルB、フィリップス ソニッケアー、パナソニック ドルツ)の最上位モデルを徹底検証した連載企画の第3回。第1回では「歯垢除去力」「磨き心地」「ブラッシングモードのバリエーション」をチェックし、第2回では、「サポート機能」「充電のしやすさ」「設置性」の6項目をチェックしてきました。今回はそれらの検証を踏まえたうえで、項目ごとに各モデルがどんなユーザーにおすすめか、考察していきたいと思います。

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【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

回転式の丸形ブラシで歯垢を浮かしすばやくかき出す

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ブラウン オーラルB

ジーニアス9000

D7015256XCTBK

実売価格2万4800円

歯科クリーニング器具から着想を得た丸形ブラシを採用した回転式モデル。「3D丸型回転テクノロジー」で、高速上下運動で歯垢をたたいて浮かし、 左右反転運動で浮いた歯垢をすばやくかき出す。押しつけ防止センサーを搭載し、ブラッシング時の圧力が強すぎるとランプが光って、歯と歯ぐきを傷めるのを防ぐ。歯磨き時のブラシのポジションを検知機能を装備し、歯ブラシとアプリを連携させることで、磨きグセを改善し、正しいブラッシングのガイドをしてくれる。歯垢をしっかり除去する「マルチアクションブラシ」と、歯ぐきをいたわりながら歯垢を取り除く「やわらか極細毛ブラシ」が付属。

SPEC●駆動方式:3D丸型回転(回転式)●最大左右反転数:1万500回/分●最大上下振動数:4万8000回/分●ブラッシングモード:6●充電時間:約12時間●使用時間:約48分(約12日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:2本●サイズ/質量(本体):W29×H241×D35mm/133g

 

エントリーその2

「音波水流」で歯間や奥歯など磨きにくい部分の歯垢も除去

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フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

3万8830円

ブラシの超高速振動と幅広い振幅で「音波水流」を発生し、毛先の届きにくい歯間部や奥歯などの歯垢も除去。手磨きと比べ10倍の歯垢除去力を誇る。歯垢除去、歯ぐきケアなどに特化した4本のブラシヘッドが付属。各ヘッドをハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、最適なモードに自動設定。専用アプリと連携し、上手なブラッシングや、一人一人のニーズに合わせたオーラルケアの方法を指導してくれる。ブラシの押し付けすぎやハンドルの動かしすぎを検知して注意喚起するセンサーを搭載。スタイリッシュなグラス型充電器も魅力のひとつ。

SPEC●駆動方式:音波式●ブラシ振動数:約3万1000回/分●ブラッシングモード:5●強さ設定:3段階●充電時間:約24時間●使用時間:約56分(約14日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:4本●サイズ/質量(本体):W30.5×H255×D27.8mm/約144g

 

エントリーその3

ヨコ振動×タテ振動の「W音波振動」で歯周ポケットと歯間をしっかりケア

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パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

2万6330円

従来の横振動に新たにタタキ振動が加わった「W音波振動」で高い歯垢除去力を実現。2つのモーターを搭載し、横振動で歯周ポケットに潜む歯周病の病原菌をかきだし、タタキ振動で歯間部の歯垢を強力に除去する。モードは「Wクリーン」モードのほか「ステインオフ」など合計5つのモードを用意するうえ、付属の6種類のブラシを使って、トータルなオーラルケアが可能だ。また、パワーコントロール機能でしっかりとした磨き心地を実現しながら、磨きすぎ防止も実現。リングに本体を挿し込んで充電する「フロートチャージスタイル」は、台座がフラットで手入れしやすい。

SPEC●駆動方式:W音波振動(音波式)●ブラシストローク数:横振動約3万1000回/分、タタキ振動約1万2000回/分●ブラッシングモード:5●充電時間:約1時間(クイックチャージ:約2分)●使用時間:Wクリーンモード時約45分、その他モード時約90分●付属ブラシ:6本●サイズ/質量(本体):W29×H235×D35mm/約110g

 

【検証のまとめ】

[歯垢除去力]

歯並びが悪い人にはヘッドが小さいブラウン、パナソニック

「歯垢除去力」については、今回は各モデルでブラッシングしたあと歯垢染色剤を塗って磨き残しをチェック。筆者が行ったテスト結果では、僅差ながら最も磨き残しが少なかったのがパナソニック。次いでブラウン オーラルB、フィリップスの順番でした。

↑ヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです↑パナソニックのヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです

 

パナソニックとブラウン オーラルBはヘッドが小さく、歯の一個一個を、歯間と歯ぐきのキワを意識しながら磨きやすいこと、裏側の歯間など磨きにくい場所をピンポイントで狙いやすいことが好結果につながったようです。一方、フィリップスはヘッドが大きめで、意識しないでブラッシングすると歯磨きがやや雑になるのと、犬歯の隣の前歯の裏など大きなヘッドだと届きにくい場所があったために、やや磨き残しが多くなりました。ただし、これは歯並びが悪い筆者の場合です。

↑やわらか極細毛ブラシ。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します↑ブラウン オーラルBの「やわらか極細毛ブラシ」。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します

 

歯並びがキレイで歯ぐきに負担をかけたくない人はフィリップス

この結果を踏まえると、女性など歯が小さめな人や、歯並びが良くない人はパナソニックやブラウン オーラルBがおすすめ。歯並びが比較的キレイな人、また、大きなブラシだと圧力が分散されるので、歯ぐきに負担をかけたくない人にはフィリップスがおすすめといえます。

 

ただ、これらの差はブラッシングのちょっとしたテクニックで十分補えるもの。実際筆者は、磨き残しをしがちな部分を特に意識して磨くようにした結果、フィリップスでもすぐに他機種と遜色ない歯垢除去を実現できました。磨き残しをしがちな部分を知るには、後述するアプリが有効です。

↑プレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です↑フィリップスのプレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です

 

[磨き心地]

総合的な振動の強さはブラウン、パナソニック、フィリップスの順

ブラッシングの歯や歯ぐきにかかる圧力でいうと、最も強力だったのはブラウン オーラルBの「プロクリーン」モード。回転運動に上下振動も加わり、歯垢を力強く除去している印象でした。次に強力だったのはパナソニックの「Wクリーンモード」で、これもヨコ振動に上下振動(タタキ振動)が加わったモードですが、ブラウン オーラルBよりヨコ振動が強く、上下振動が弱い印象でした。一方フィリップスはヨコ振動のみで、総合的な振動強度は一番弱めですが、ヨコ振動のみの強さでは最も強力でした。

↑歯磨きは口の中を上部左、右、下部左、右の4パートに分け、それぞれ表側、裏側、噛み合わせ部の順番で磨いていきました ↑ブラウン オーラルBでのブラッシング

 

ちなみに、どの機種も基本の歯垢除去用モードでは3段階の強度が選べます。つまり、通常の歯垢除去をメインに考えるならどのモデルも弱く調整できるので、強い刺激が苦手な人でも安心です。

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

フィリップスはブラッシングが自動で切り替わるモードが便利

歯磨きモードのバリエーションは、どのモデルも基本的には同じ。基本の「歯垢除去」モードがあるほか、ホワイトニング、歯ぐきケア用モード、舌磨きモードなどを搭載しています。ブラウン オーラルBは「プロクリーン」など強さが3段階の歯垢除去モードに加え、「ホワイトニング」「歯ぐきケア」「舌クリーニング」の3モードを搭載。

 

一方、フィリップスは歯垢除去用の「クリーンモード」のほか、ステイン除去力の強い「ホワイトプラスモード」、歯垢除去運転と歯ぐきケアがセットになった「ガムヘルスモード」、歯と歯ぐきの間のケアに適した「ディープクリーンプラスモード」、「舌磨きモード」を搭載しています。付属のヘッド(4種類を用意)をハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、ヘッドに応じた最適なモードに自動設定する機能も便利です。「ホワイトプラスモード」と「ガムヘルスモード」は、2種類のブラッシングが組み合わされ、一定時間が経つと自動で切り替わるのが特徴。自分で切り替える手間が不要なのがメリットです。

↑フィリップスのモード↑フィリップスのホワイトプラスモード選択時。ホワイトプラスモードは、ステイン除去の動作のあと、歯を磨き上げるモードです

 

パナソニックは、歯垢除去用に「Wクリーン/ノーマル/ソフト」の3モードを搭載。さらに歯ぐきケアに適した「ガムケア」モードと歯の着色が気になる人向けの「ステインオフ」モードも搭載しています。なお、パナソニックはボタンが1つで、他の2モデルと違い、電源ボタンがモード選択ボタンを兼ねています。その1つのボタンが運転開始後、約5秒までは操作モードの切り替えボタンになり、5秒後からはOFFボタンに変わります。そのため、運転スタート後にすぐ止めたいとき、何度か連続でボタンを押す必要があるのです。停止した状態でモードが変えられないのもやや不便。ただし、そのぶん本体の重さは約110gと3モデルの中では最も軽く(ブラウン オーラルBは本体約133g、フィリップスは本体約144g)、ハンドル部分も細身で扱いやすいです。

 

パナソニックは多彩なブラシできめ細かいケアが可能

ブラウン オーラルBに同梱の歯ブラシは「マルチアクションブラシ」と「やわらか極細毛ブラシ」の2種類ですが、別売で歯間用ブラシやホワイトニングブラシも用意、よりきめ細かなオーラルケアに対応できます。一方、フィリップスは最初から「歯垢除去用」「歯ぐきケア用」「ホワイトニング用」「舌磨き用」の4種類のブラシを付属しています。

 

パナソニックは6種類の多彩なブラシを標準搭載。通常の歯垢除去から歯周ポケットケア、磨き残しの多い歯と歯のすき間を専用のブラシでより丁寧に手入れすることができます。さらにステインケアも歯垢除去と同時にできるブラシのほか、専用ペーストを使った集中ケアができるアタッチメントも付属。なお、歯ぐきケアは「シリコンブラシ」で、舌のケアはステインオフブラシの背面を使い、「ソフト」モードで行います。

↑写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています↑パナソニックの付属ブラシ。写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています

 

これら各モデルの違いを考えると、ブラウン オーラルBは手動でモードを切り替えて、歯垢除去もホワイトニング、歯ぐきケアもある程度自分のペースで行いたい人向き。フィリップスは電動歯ブラシまかせで効率的よくオーラルケアしたい人に最適です。一方パナソニックは、多彩なアタッチメントを使って、歯科医院でやってもらうようなしっかりしたケアを自宅でやりたい人におすすめと言えます。

 

[サポート機能]

時間経過の通知機能、押し付け防止機能は全モデルが装備

より磨き残しの少ない効率的なブラッシングをサポートする機能としては、歯磨きの時間経過を知らせる機能は各モデルが搭載。ブラウン オーラルBとパナソニックは30秒ごと、フィリップスは20秒ごとに音や振動の停止、ライトの点滅で通知します。口内を2分で歯磨きする場合、口の中を4分割して30秒ずつ、あるいは6分割して20秒ずつ丁寧に磨くことを意識しやすいメリットがあります。

 

また、歯や歯ぐきへの過度の負担を減らすブラシの押し付け防止機能も、3モデルすべて採用。ブラウン オーラルBとフィリップスはライトによる注意喚起型、パナソニックは自動で振動を弱めるタイプです。パナソニックに関しては、歯磨きのスタート時は弱い振動からスタートし、約2秒かけて設定の振動まで強める「ソフトスタート機能」を採用しているのがユニークです。

↑手の甲にブラシをギュッと押し当てると、センサーが反応↑ブラウン オーラルBの押し付け防止機能。手の甲にブラシをギュッと押し当ててみると、センサーが反応して本体のスマートリング(ブラシの根元のランプ)が赤く光ります

 

ブラウン、フィリップスはアプリで磨き残しやすい部分を推定できる

さらに、ブラッシングをサポートするうえで有効なのが専用アプリとの連携機能。ブラウン オーラルBとフィリップスがアプリ連携に対応し、歯磨きの達成度のおおまかな把握ができます。歯ブラシの位置情報による判定であり、実際に歯垢の取れ具合をチェックしているわけではないのですが、歯垢染色剤などを塗布する手間も不要で、どこに磨き残しが多いかを推定できるのが便利です。

↑センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です↑フィリップスのアプリ画面。センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です

 

また両機種とも、ブラッシング後にはデンタルフロスなどを行ったかまでリマインドしてくれます。電動歯ブラシの高級モデルは歯垢除去力が高いとはいえ、歯垢を完全に除去できるわけではありません。特に歯間には磨き残しが残りがちで、デンタルフロスを使った“仕上げ掃除”は重要。そういうことを理解はしていてもついつい面倒臭がる人に、リマインド機能は有効です。

↑メニューの設定画面。↑ブラウン オーラルBの設定画面。集中ケアの設定やデンタルフロス、舌クリーニングなどのリマインドも設定できます

 

一方、パナソニックはアプリとの連携はできません。ただ、アタッチメント豊富な同製品を使いたいという人は、オーラルケアへの意識が高いはず。電動歯ブラシのアプリには、丁寧な歯磨きへのモチベーションを喚起するため、という目的が多分にあるので、そうしたモチベーションをすでに持っている人には、アプリは特に必要ないともいえます。

 

以上のことから、よりきめ細かいオーラルケアを心がけたいと思いつつ、モチベーションを常に高く持ち続ける自信のない人はブラウン オーラルBやフィリップスがオススメ。多彩なアタッチメントを駆使してオーラルケアしたいというやる気が十分ある人にはパナソニックがオススメといえます。

 

[充電のしやすさ/設置性]

充電機能ではパナソニックが最も優秀

充電時間を比較すると、最も優秀なのは約1時間で満充電できるパナソニック。ブラウン オーラルBが12時間、フィリップスが24時間かかることを考えると、その差は歴然です。また、パナソニックは完全にバッテリー切れした状態から2分充電するだけで1回の歯磨きができるクイックチャージ機能を持ち、「充電忘れた!」というトラブルがあっても即座に対応できます。

↑充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます。ハンドルの底が浮いているので、水垢がつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れます↑パナソニックの充電中の状態。充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます

なお、今回の3モデルはどれもリチウムイオン電池を採用し、継ぎ足し充電してもバッテリー性能が劣化しにくいのが特徴。常にコンセントを挿している状態なら、特に充電時間を気にする必要はないでしょう。

 

フィリップスのグラス型充電器は見た目がオシャレ

充電の仕方で特徴的なのはフィリップスとパナソニック。フィリップスはハンドル収納用のグラスを充電器台の上に設置し、グラスにハンドルを入れるだけで充電が始まって見た目にもオシャレです。パナソニックは充電台のリングにハンドルを挿すフロート型(浮いている状態)でこれまたオシャレ。突起のある充電台と比べ、水滴や汚れをサッと一拭きできれいにできるのも魅力です。一方、ブラウン オーラルBは、ハンドル底部を充電台の突起に挿して立てるオーソドックスなスタイル。他の2モデルに比べるとオシャレ度は低めですが、「充電しやすさ」ではほとんど差はありません。

↑フィリップスのグラス型充電機↑フィリップスのグラス型充電器

 

ブラウンは充電器にブラシホルダーを一体化できる

充電台の設置性はどれも優秀。ブラシホルダー一体型のブラウン オーラルBはややスペースを取ります(約14×9cm)が、ブラシホルダーを外して使うなら充電台が約6.3×4.6cmと省スペース。また、フィリップスのハンドル収納用グラスは設置スペースは約8×8cm、パナソニックの充電台は直径約7cmとなります。なお、パナソニックはブラシスタンドと充電台が分かれており、ブラシスタンドは軽いので、安定感はいまひとつ。フィリップスはブラシホルダーが付属しないので、自分で用意する必要があります(ブラシホルダー付属モデルもあり)。

↑ブラシホルダーには最大4本のブラシを収納可能。ブラシの根元に付属の色付きのリングをつけておけば、どのブラシが誰のものかわかりやすいです↑ブラシホルダーと組み合わせた上体のブラウン オーラルBの充電器。ブラシホルダーを外して使うことも可能です

 

↑スタンドにブラシをセット。スタンドが軽量な割には安定していました↑8本のブラシが収納できるパナソニックのブラシスタンド

 

ブラウンはトラベルケースにスマホ充電用のUSB端子を装備

ちなみに、出張や旅行に持って行く場合、ブラウン オーラルBとフィリップスに付属するトラベルケースに充電機能がついていますが、パナソニックにはついていません。ただ、パナソニックもフル充電すればWクリーンモードで45分(1日2回2分の使用で約11日間)、その他のモードで90分(1日2回2分の使用で約22日間)使えるので、よほどの長旅でなければ心配なさそう。それでも心配な人は(充電台も持って行くか)ブラウン オーラルBかフィリップスを選ぶのがいいでしょう。なお、ブラウン オーラルBは、トラベルケースにスマホ充電用のUSB端子を装備しているのが便利です。

↑トラベルケースにはブラシを2本収納可能。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込んでスマホホルダーに。これを洗面台に置けば、ポジション検知機能も使えます↑ブラウン オーラルBのトラベルケース。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込むと、スマホのホルダーに。これを洗面台に置けば、アプリ機能も使いやすいです

 

【結論】3モデルの主なポイントまとめ

主なポイントをまとめると、ブラウン オーラルBは、歯が1本ずつ磨けるイメージの小さめのヘッドが好みで、より強い振動を求める人。オーソドックスなモードを手動で切り替えてじっくり磨きたい人。また、専用アプリで磨きのクセなどをチェックしつつ、ハブラシのモチベーションを高めたい人。安定感のあるブラシホルダーが付いたシンプルな充電器を好む人。充電機能付き&USB端子付きでスマホ充電もできるトラベルケースが欲しい人などにおすすめといえます。

 

続いて、フィリップスは、ブラシが大きめなので、歯並びが比較的キレイで、ブラシ圧力が弱めが好み、かつそこまで強い振動が必要ない人。モード切り替えはブラシのセットだけで自動設定できるほか、2種類のブラッシングを組み合わせたモードもあるので、ある程度モード切り替えの手間を省いてブラッシングしたい人。専用アプリで磨きのクセなどをチェックでき、充電器にもオシャレを求める人、USBで充電できるトラベルケースが必要な人などにおすすめです。

 

一方、パナソニックは、歯が1本ずつ磨けるイメージの小さめのヘッドが好みで、ある程度強めの振動が好みの人。オーソドックスなモードを手動で切り替えてじっくり磨きたい人。アプリは必要ないが、6種類の多彩なブラシで歯科医のようなしっかりしたケアをしたい人。オシャレで手入れのしやすい充電器を求めており、細身でコンパクトなボディが好み。かつ携帯ケースもなによりコンパクトさを重視する(充電機能は不要)という人などにおすすめとなります。

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歯は食べ物の味を左右し、見た目にも大きな影響を与える大事な部分。いったん傷めてしまうと、元通りに治すことはできないだけに、何よりも日ごろのケアが大事です。ぜひ本稿を参考として最適なケア・パートナーを選び、健康な歯を長くキープしてくださいね。

最新電動ハブラシの「アプリ連携」って実際どう? 「充電」の違いは? 3大ブランドの「磨き性能以外」徹底比較を8000字でレポート!

いつまでも歯の健康と美しさを保ちたいなら、電動歯ブラシを検討してみてはいかがでしょうか。本稿は、なかでも人気の3ブランドであるブラウン オーラルB、フィリップス ソニッケアー、パナソニック  ドルツの最上位モデルを取り上げ、その実力を比較・検証する連載企画の第2回。前回は各モデルの「歯垢除去力」と「磨き心地」、さらに「ブラッシングモードのバリエーション」をチェックしましたが、今回は「磨き」以外の部分を検証。より効率的で快適なブラッシングを実現する「サポート機能」と、各モデルの「充電のしやすさ」「設置性」について見ていきましょう。

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

回転式の丸形ブラシで歯垢を浮かしすばやくかき出す

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ブラウン オーラルB

ジーニアス9000

D7015256XCTBK

実売価格2万4800円

歯科クリーニング器具から着想を得た丸形ブラシを採用した回転式モデル。「3D丸型回転テクノロジー」で、高速上下運動で歯垢をたたいて浮かし、 左右反転運動で浮いた歯垢をすばやくかき出す。押しつけ防止センサーを搭載し、ブラッシング時の圧力が強すぎるとランプが光って、歯と歯ぐきを傷めるのを防ぐ。歯磨き時のブラシのポジションを検知機能を装備し、歯ブラシとアプリを連携させることで、磨きグセを改善し、正しいブラッシングのガイドをしてくれる。歯垢をしっかり除去する「マルチアクションブラシ」と、歯ぐきをいたわりながら歯垢を取り除く「やわらか極細毛ブラシ」が付属。

SPEC●駆動方式:3D丸型回転(回転式)●最大左右反転数:1万500回/分●最大上下振動数:4万8000回/分●ブラッシングモード:6●充電時間:約12時間●使用時間:約48分(約12日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:2本●サイズ/質量(本体):W29×H241×D35mm/133g

 

エントリーその2

「音波水流」で歯間や奥歯など磨きにくい部分の歯垢も除去

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フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

3万8830円

ブラシの超高速振動と幅広い振幅で「音波水流」を発生し、毛先の届きにくい歯間部や奥歯などの歯垢も除去。手磨きと比べ10倍の歯垢除去力を誇る。歯垢除去、歯ぐきケアなどに特化した4本のブラシヘッドが付属。各ヘッドをハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、最適なモードに自動設定。専用アプリと連携し、上手なブラッシングや、一人一人のニーズに合わせたオーラルケアの方法を指導してれる。ブラシの押し付けすぎやハンドルの動かしすぎを検知して注意喚起するセンサーを搭載。スタイリッシュなグラス型充電器も魅力のひとつ。

SPEC●駆動方式:音波式●ブラシ振動数:約3万1000回/分●ブラッシングモード:5●強さ設定:3段階●充電時間:約24時間(約14日間 ※1日2回、2分使用した場合)●使用時間:約56分●付属ブラシ:4本●サイズ/質量(本体):W30.5×H255×D27.8mm/約144g

 

エントリーその3

ヨコ振動×タテ振動の「W音波振動」で歯周ポケットと歯間をしっかりケア

20180129-s1 (9)

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

2万6330円

従来の横振動に新たにタタキ振動が加わった「W音波振動」で高い歯垢除去力を実現。2つのモーターを搭載し、横振動で歯周ポケットに潜む歯周病の病原菌をかきだし、タタキ振動で歯間部の歯垢を強力に除去する。モードは「Wクリーン」モードのほか「ステインオフ」など合計5つのモードを用意するうえ、付属の6種類のブラシを使って、トータルなオーラルケアが可能だ。また、パワーコントロール機能でしっかりとした磨き心地を実現しながら、磨きすぎ防止も実現。リングに本体を挿し込んで充電する「フロートチャージスタイル」は、台座がフラットで手入れしやすい。

SPEC●駆動方式:W音波振動(音波式)●ブラシストローク数:横振動約3万1000回/分、タタキ振動約1万2000回/分●ブラッシングモード:5●充電時間:約1時間(クイックチャージ:約2分)●使用時間:Wクリーンモード時約45分、その他モード時約90分●付属ブラシ:6本●サイズ/質量(本体):W29×H235×D35mm/約110g

 

【テストの内容はコチラ】

「サポート機能」はブラッシング/オーラルケアをより快適かつ適切に行えるようガイドしてくれる機能をチェック。特にスマホアプリとの連携機能については、詳しく見ていきます。

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「充電のしやすさ」については、充電時間や充電までの手順をチェックします。さらに「設置性」は本体と替えブラシの収納のしやすさ、設置場所がコンパクトに収まるかを吟味します。合わせて、収納ケースの機能もチェックしました。

 

【検証結果はコチラ】

ブラウン オーラルB

ジーニアス9000

D7015256XCTBK

[サポート機能]

「プロフェッショナルタイマー」が30秒ごとに時間経過を知らせる

本製品は口内を上下・左右に4分割、各30秒ずつ磨いて合計2分でブラッシングを終了するスタイルを推奨。そのために、30秒ごとに一瞬回転速度を緩め、ハンドル上部ライトを点滅させて、時間経過を知らせる「プロフェッショナルタイマー」を搭載しています。このほか、推奨ブラッシング時間の2分が経過すると、回転速度の変化とライト点滅で知らせる「2分間タイマー」に切り替えることも可能です。

 

また、本製品には歯や歯ぐきへのブラシの押し付けすぎを防止する「押し付け防止センサー」も装備。ブラシを強く押し付けるとライトが赤く点滅すると同時に回転速度に一瞬ブレーキがかかります。押し付ける強さは、かなり強めに押し当てないとライトが赤く光りませんでした。

↑手の甲にブラシをギュッと押し当てると、センサーが反応↑手の甲にブラシをギュッと押し当ててみると、センサーが反応して本体のスマートリング(ブラシの根元のランプ)が赤く光ります

 

アプリとの連携で歯の磨き残しや同じ場所の磨きすぎを防止

そして本製品最大の注目ポイントといえるのが、専用アプリとの連携機能。「Oral-B」アプリ内に歯磨き中のブラシのポジション検知機能を搭載し、本体に内蔵のモーションセンサーとスマホのカメラ機能を使って「いまどこを磨いているか」を検知。歯の磨き残しや同じ場所の磨きすぎが防げます。

↑メニューの設定画面。↑設定画面。集中ケアの設定やデンタルフロス、舌クリーニングなどのリマインドも設定できます

 

↑ブラッシング時には、洗面所の鏡にスマホ用ホルダーを取り付けます。吸盤式でしっかり貼り付き、安定感があります↑ブラッシング時には、洗面所の鏡にスマホ用ホルダーを取り付けます。吸盤式でしっかり貼り付き、安定感があります

 

また、ブラッシング終了後にデンタルフロスは行ったか、舌クリーニングはしたか、マウスウォッシュは行ったか、と聞かれるので、自然と口の中をトータルケアするようになります。すべての行程が終了した後には、歯の磨き方を採点してくれるので、毎日の歯磨きのモチベーションもアップ。ブラッシング時間の確認もできます。

↑アプリ上で「ポジション検知機能」を起動し、「カメラの設定」を押したあと、画面中央の円の中に顔が入るように顔の位置を調整します。設定後に磨き始めると、口内を6分割した青の円形表示が徐々に白く変化します。ときにはブラシの位置と白くなっている位置が微妙にずれることも↑アプリ上で「ポジション検知機能」を起動し、「カメラの設定」を押したあと、画面中央の円の中に顔が入るように顔の位置を調整します。設定後に磨き始めると、口内を6分割した青の円形表示が徐々に白く変化します。まれにブラシの位置と白くなっている位置が微妙にずれることも

 

↑アドバイスも↑ブラッシング時間のほか、「これらの場所は、もっとやさしくブラッシングしてください」などのアドバイスも表示してくれます

 

[充電のしやすさ/設置性]

充電方法はシンプルでトラベルケースが充実

充電は歯磨き終了後に、ハンドルを充電器の突起にセットするというシンプルな方法。約12時間で満充電になり、そこから約48分運転できます。毎日2回、2分ずつ使った場合、約12日間使えることになります。充電器は、単体だと約6.3×4.6cm(編集部実測値)。ブラシホルダーと一体化して設置することができます。その場合、設置スペースは約14×9cmです。

↑充電器。本体の根元を↑充電器の突起に本体の底を差し込む形で充電します

 

↑ブラシホルダーには最大4本のブラシを収納可能。ブラシの根元に付属の色付きのリングをつけておけば、どのブラシが誰のものかわかりやすいです↑ブラシホルダーには最大4本のブラシを収納可能。写真のように、充電器と組み合わせることも可能です。ブラシの根元に付属の色付きのリングをつけておけば、どのブラシが誰のものかわかりやすいです

 

また、本製品には充電ができるトラベルケースも同梱。USBポートも装備しており、同時にスマホの充電も可能です。旅先で電源が限られているときは便利ですね。また、ふた部分にスマホが挟めるので、旅先でもアプリと連携してオーラルケアができます。

↑高級感のあるトラベルケース↑高級感のあるトラベルケースが付属。大きさは幅約7cm×長さ23.4cm×高さ3.9cm(編集部実測値)

 

↑トラベルケースにはブラシを2本収納可能。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込んでスマホホルダーに。これを洗面台に置けば、ポジション検知機能も使えます↑トラベルケースにはブラシを2本収納可能。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込むと、スマホのホルダーに。これを洗面台に置けば、ポジション検知機能も使えます

 

エントリーその2

フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

[サポート機能]

初めて使う人にうれしい「イージースタート機能」を搭載

本製品もブラッシングの時間経過を知らせる「ブラシペーサー機能」を搭載。20秒経つごとに運転が一瞬止まり、ビープ音が鳴ります。これにより、口内全体を同じペースで歯磨きすることが可能です。また、各モードごとにブラッシング時間が設定されていて、設定時間がくると自動停止するのも特徴。磨きすぎを防止するのが目的かもしれませんが、筆者のように設定時間よりやや長めにブラッシングしたいユーザーはいちいちボタンを押して運転再開しなければいけないのが面倒でした。「自動停止する」「しない」を選択できればよかったです。

 

さらに本製品は過圧防止センサーを搭載し、ブラッシング中に歯や歯ぐきに圧力をかけすぎると、ランプの点滅で知らせてくれます。手の甲に当てて確認したときは強めに押し付けないとランプが点滅しませんでしたが、実際に歯を磨いていると、ふとしたときにランプが点滅することが2~3度ありました。歯磨き中は、意外に力が入る瞬間があるようです。

↑過圧防止センサーが働くと、ハンドル底部のランプが紫色に点滅。同時にブラッシングの振動が変化します↑過圧防止センサーが働くと、ハンドル底部のランプが紫色に点滅。同時にブラッシングの振動が変化します

 

本製品は歯磨き時の振動の強さを3段階で調節できますが、そのほかに電動歯ブラシを初めて使う人で強い振動に慣れていない人のための「イージースタート機能」も搭載されています。この機能は使い始めは、最初の14回まで通常より弱い振動で歯磨きし、段階的に通常の振動まで強めていく機能です。

 

アプリ連携で磨き残しを減らし、より負担のないブラッシングに導く

また、本製品は「Philips Sonicare」アプリと連携し、より丁寧なオーラルケアをすることが可能。ハンドル部に内蔵されたセンサーが歯磨き中にどこを磨いているか検知するほか、ブラシの押し付けすぎや動かしすぎも記録して、より高精度で負担のないブラッシングに導いてくれます。

↑アプリの画面上で、磨くべき場所を白く囲って表示。ブラシを押し付けすぎるとアプリ内に注意喚起の赤いマークが現れます↑アプリの画面上で、磨くべき場所を白く囲って表示。ブラシを押し付けすぎるとアプリ内に「弱めてください」と注意喚起の赤いマークが現れます

 

ちなみにこのアプリでは、口内を6分割し、時間ごとに磨くべき場所を示すやり方を取っています。本製品が設定したペースに合わせて時間内に終了しなかった場合、リスタートしても「磨き残し」の判定がまたイチからになるので注意しましょう。

↑センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です↑センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です

 

アプリではこのほか、歯磨き終了後にデンタルフロスやマウスウォッシュ、舌磨きのリマインドも可能。また「爽やかな息」「健康な歯ぐき」「ホワイトニング」など、ユーザーごとに目標を設定すると、それに適したメニューを提示してくれます。

 

[充電のしやすさ/設置性]

スタイリッシュなグラス型充電器で設置スペースも少ない

本製品の収納・充電はとても手軽。充電器台の上に専用グラスをセットし、歯磨き終了後にハンドルを中に入れれば、自動的に充電が始まります。満充電までは約24時間かかり、約56分使用可能。1日2回、2分ずつ使うと、約14日間使えることになります。バッテリー切れから満充電まで丸一日かかるので、電源プラグはコンセントに挿したままにして、こまめに充電するほうが便利そうです。設置スペースは見た目にはグラス1個分と、とてもコンパクトです。ちなみに、グラスに水を汲んで口をすすぐ用途に使ってもOK。

↑専用グラスの底に窪みがあって、充電器台にぴったり装着可能。歯ブラシをグラスにただ入れているだけに見えるのに、しっかり充電もできるのがオシャレです↑一見するとただのグラスですが、専用グラスの底に窪みがあって、充電器台にぴったり装着可能。歯ブラシをグラスにただ入れているだけに見えるのに、しっかり充電できるのがオシャレです

 

設置スペースは充電器台が直径約6.6cmで、ハンドル収納用グラスが約8×8cm(編集部実測値)。ブラシホルダーは付属していなため、自分で収納用具を用意する必要があります。ちなみに「ダイヤモンドクリーン スマート」にはブラシホルダーが付属されている機種(HX9964/55など)もあるので、自分で用意するのが面倒な人はそちらを選んでもいいでしょう。

 

同梱のトラベルケースハンドルのほか、ブラシ2本が入ります。トラベルケースはUSB充電タイプで、パソコンなどの端子に繋いで充電が可能です。

↑トラベルケース。長さは約23×幅7×高さ5cm↑トラベルケース。幅約7cm×高さ約5cm×長さは約23cm(編集部実測値)

 

↑トラベルケースの底のフタを開けると給電用のUSBケーブルが↑トラベルケースの底のフタを開けると給電用のUSBケーブルが

 

エントリーその3

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

[サポート機能]

スタート時に振動を抑える「ソフトスタート機能」が面白い

歯の磨きすぎ防止については、本製品は注意喚起でなく、パワーを自動で弱める機能を採用。歯磨き中にブラシに強い圧力がかかると自動で振幅を抑制するため、普段はパワフルにブラッシングしつつ、歯や歯ぐきに過度な負担がかかることは回避できます。

 

歯磨き時間の通知は、30秒ごとに行います。運転開始後30秒経つと振動が一瞬停止してすぐ再開、これを2分まで続け、2分後には2回停止して、再び運転を続けます。筆者は口内を4分割して歯の表側、裏側、噛み合わせ部とブラッシングしますが、自分が30秒でどれくらい磨けるか、2分でどれくらい磨けるかがわかるのは便利でした。

 

そのほか、本製品で面白いのが「ソフトスタート機能」。これは歯磨きのスタート時は弱い振動からスタートし、約2秒かけて設定の振動まで強める機能。歯磨きが必ず弱い刺激から始められるので、適正なポジションを探るのに便利ですし、強い振動に慣れていない人でも使いやすいと感じました。また、この機能には歯磨き開始時の歯磨き粉の飛び散りを防ぐ目的もあります。

↑スタート時は↑「ソフトスタート機能」でスタート時に強く押し付けすぎる心配もありません

 

[充電のしやすさ/設置性]

充電時間の短さは圧倒的! 携帯ケースの携帯性はNo.1

本製品の充電台は直径約7cmの円形でとてもコンパクト。ハンドルを充電台のリングに挿すだけで充電を開始します。さらに驚くのは充電時間で、なんと1時間で急速充電でき、使用時間も「Wクリーン」モードで約45分、その他のモードで約90分と十分なスタミナです。万が一バッテリーがなくなっていても、2分充電すれば約2分間の使用(クイックチャージ)が可能です。

↑充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます。ハンドルの底が浮いているので、水垢がつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れます↑充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます

 

ハンドルの底が浮いているので、水垢がつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れますハンドルの底が浮いているので水アカがつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れます

 

ブラシスタンドは4本をセットできるものが2個付属しています。充電台と一体型でないため置き場所は自由が、軽量ですぐ動いてしまうのは気になります。ただし、見た目より倒れにくい作りになっているのが特徴です。

↑スタンドにブラシをセット。スタンドが軽量な割には安定していました↑スタンドにブラシをセットした状態

 

携帯ケースは充電機能がないので、旅行に持って行くときは充電台も持ち歩くか、家でしっかり充電しておく必要があります。素材はプラスチック製で高級感には欠けますが、軽量なうえ長さが18cm台と他の2機種に比べてコンパクト。携帯性を第一に考えるならこの大きさはメリットです。

↑携帯ケースにはハンドル(本体)のほかブラシを2本収納できます。↑携帯ケースにはハンドル(本体)のほかブラシを2本収納できます。幅約5.7cm×高さ3.8cm×長さ18.4cm(編集部実測値)

 

今回の検証のまとめ】

時間経過を知らせる機能、押し付けすぎ防止機能は全機種が装備

サポート機能に関しては、いくつか共通する機能がありました。まず、ブラッシング時間の経過を知らせる機能は全機種が搭載。ブラウン オーラルBとパナソニックは30秒ごと、フィリップスは20秒ごとにライト点灯や振動の変化などで知らせてくれます。特にパナソニックは30秒ごとの経過と2分経過を識別しやすいのが便利でした。また、フィリップスは各モードごとの時間が経つと強制的に運転終了。筆者のように自分のペースで磨きたい場合はやや不便に感じますが、できるだけムダなく短時間で歯を磨きたい人には、便利です。

 

ブラシの押し付けすぎ防止機能は全機種搭載。ブラウン オーラルBとフィリップスはライトと音(振動)で注意を喚起、パナソニックは注意喚起でなく自動でパワーダンすることで、歯や歯ぐきへの負担を減らします。どちらのタイプを選ぶかは、刺激が強いのが好みか否かの問題でしょう。

↑手の甲にブラシをギュッと押し当てると、センサーが反応↑ブラウン オーラルBを強く押し当てると、スマートリングが赤く光ります

 

そのほか、パナソニックは「ソフトスタート機能」が優秀。振動自体が3機種の中で最も控えめなうえ、同機能の採用で、電動歯ブラシ主審者でも多くの人が導入しやすいと思います。

 

アプリ対応のブラウンとフィリップスは自分のクセを把握するのに便利

アプリ連携はブラウン オーラルBとフィリップスが対応。歯磨きの達成度については、歯垢自体の取れ具合をチェックしているのでなく、ブラシの位置から磨いた時間を判断しているので、あくまで「参考」であり、歯垢染色剤によるチェックには及びません。ただ、大まかな歯磨きの達成度やユーザーごとの“クセ”は把握でき、面倒な手間も不要なので、利用価値は高いと思います。デンタルフロスなど歯磨き以外のケアもリマインドしてくれるので、ズボラな性格だけどアプリに指摘されたらケアする、という人には最適でしょう。

↑ブラウン オーラルBの↑ブラウン オーラルBの「集中ケア」設定画面

 

↑フィリップスの↑フィリップスのアプリ画面

 

パナソニックは今回の中では唯一アプリ連携に非対応。ただ、本体だけで歯磨きペースの確認はできますし、前回紹介したように、ポイント磨きブラシなど、豊富なアタッチメントが揃っています。トータルなオーラルケアを意識的に行える人は、アプリなしでも問題ないのかもしれません。

 

充電時間の短さはパナソニックがダントツで優秀

一方、充電に関してはパナソニックがダントツで優秀。充電時間1時間はブラウン オーラルBの12分の1、フィリップスの24分の1時間で、バッテリーが完全に切れていても2分充電すれば1回磨けるというのも安心です。付属のトラベルケースに充電機能がついていないのが気になりますが、1時間のフル充電で「Wクリーン」モードで約11日、その他のモードで約22日(1日2回、各2分で使用するとき)使えるので、1週間程度の出張にはまったく差し支えないといえるでしょう。

↑↑パナソニックの充電台

 

充電の手軽さではグラスに立てかけるだけのフィリップス

充電のしやすさではフィリップスが特に優秀。グラスに立てかけておくだけで充電開始してくれるのがスマートです。他機種もリングに挿したりスタンドに立てるだけで、手間なく充電できます。また、全機種ともリチウムイオン電池を使っていて、こまめに充電しても充電容量が落ちにくいのもうれしい点。ということで、歯ブラシ使用後は常に充電させておく状態で使うなら、満充電に時間のかかるブラウン オーラルBやフィリップスも、それほど問題にはならないとも言えます。

 

充電台の設置性について見ると、3モデルともほぼ問題なし。ブラシホルダー一体型のブラウン オーラルBのみややスペースを取ります(約14×9cm)が、ブラシを頻繁に替えないなら、ブラシホルダーを外してもOK。その場合はブラウン オーラルBの充電台が約6.3×4.6cmです。また、フィリップスのハンドル収納用グラスは約8×8cm、パナソニックの充電台は直径約7cmとなります。

↑フィリップスのグラス型充電機↑フィリップスのグラス型充電器

 

ブラシの収納に関しては、「ブラウン オーラルBは充電台とブラシホルダー一体型にするとやや場所を取る」「フィリップスはホルダー非搭載で別途用意する必要あり」「パナソニックはブラシスタンドが独立しているが、軽量で動きやすい」という特徴があるので、家族で共用したい家庭はこの点を考慮しましょう。

 

次回は第1回、第2回のまとめとして、各モデルがどんな人に適しているかを考えていきたいと思います。

最新電動ハブラシを「汚れ落ち」と「刺激」順に並べてみたら? 3大ブランドの「磨きの違い」が劇的にわかる9000字レポート

いつまでも歯の健康と美しさを保ちたいなら、電動歯ブラシを検討してみては? 高速振動や音波振動で、歯垢を効率的に除去できる電動歯ブラシは、正しく使えばオーラルケアの強力なツールになります。なかでも、各メーカーがその技術を惜しみなく投入した最上位機種は、歯垢除去だけでなく歯ぐきケアや歯のホワイトニング、舌ケアなどお口全体のケアに対応し、時短にも効果的です。

 

そこで今回は、電動歯ブラシ業界の3大ブランドとして知られるブラウン、フィリップス、パナソニックの最上位モデルを取り上げて徹底的に比較・検証。磨き心地や歯垢の除去具合、搭載モードのバリエーションやスマホアプリとの連携機能、操作性や設置性などを2回に分けてチェックしていきたいと思います。第1回となる今回は、基本の歯垢除去能力や磨き心地の違い、ブラッシングモードのバリエーションを見ていきましょう!

20180129-s1 (16)

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

回転式の丸形ブラシで歯垢を浮かしすばやくかき出す

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ブラウン

オーラルB ジーニアス9000

D7015256XCTBK

実売価格2万7860円

歯科クリーニング器具から着想を得た丸形ブラシを採用した回転式モデル。「3D丸型回転テクノロジー」で、高速上下運動で歯垢をたたいて浮かし、 左右反転運動で浮いた歯垢をすばやくかき出す。押しつけ防止センサーを搭載し、ブラッシング時の圧力が強すぎるとランプが光って、歯と歯ぐきを傷めるのを防ぐ。歯磨き時のブラシのポジションを検知機能を装備し、歯ブラシとアプリを連携させることで、磨きグセを改善し、正しいブラッシングのガイドをしてくれる。歯垢をしっかり除去する「マルチアクションブラシ」と、歯ぐきをいたわりながら歯垢を取り除く「やわらか極細毛ブラシ」が付属。

SPEC●駆動方式:3D丸型回転(音波式)●最大左右反転数:1万500回/分●最大上下振動数:4万8000回/分●ブラッシングモード:6●充電時間:約12時間●使用時間:約48分(約12日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:2本●サイズ/質量(本体):W29×H241×D35mm/133g

 

エントリーその2

「音波水流」で歯間や奥歯など磨きにくい部分の歯垢も除去

20180129-s1 (5)

フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

3万8830円

ブラシの超高速振動と幅広い振幅で「音波水流」を発生し、毛先の届きにくい歯間部や奥歯などの歯垢も除去。手磨きと比べ10倍の歯垢除去力を誇る。歯垢除去、歯ぐきケアなどに特化した4本のブラシヘッドが付属。各ヘッドをハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、最適なモードに自動設定。専用アプリと連携し、上手なブラッシングや、一人一人のニーズに合わせたオーラルケアの方法を指導してれる。ブラシの押し付けすぎやハンドルの動かしすぎを検知して注意喚起するセンサーを搭載。スタイリッシュなグラス型充電器も魅力のひとつ。

SPEC●駆動方式:音波式●ブラシ振動数:約3万1000回/分●ブラッシングモード:5●強さ設定:3段階●充電時間:約24時間(約14日間 ※1日2回、2分使用した場合)●使用時間:約56分●付属ブラシ:4本●サイズ/質量(本体):W30.5×H255×D27.8mm/約144g

 

 

エントリーその3

ヨコ振動×タテ振動の「W音波振動」で歯周ポケットと歯間をしっかりケア

20180129-s1 (9)

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

2万6330円

従来の横振動に新たにタタキ振動が加わった「W音波振動」で高い歯垢除去力を実現。2つのモーターを搭載し、横振動で歯周ポケットに潜む歯周病の病原菌をかきだし、タタキ振動で歯間部の歯垢を強力に除去する。モードは「Wクリーン」モードのほか「ステインオフ」など合計5つのモードを用意するうえ、付属の6種類のブラシを使って、トータルなオーラルケアが可能だ。また、パワーコントロール機能でしっかりとした磨き心地を実現しながら、磨きすぎ防止も実現。リングに本体を挿し込んで充電する「フロートチャージスタイル」は、台座がフラットで手入れしやすい。

SPEC●駆動方式:W音波振動(音波式)●ブラシストローク数:横振動約3万1000回/分、タタキ振動約1万2000回/分●ブラッシングモード:5●充電時間:約1時間(クイックチャージ:約2分)●使用時間:Wクリーンモード時約45分、その他モード時約90分●付属ブラシ:6本●サイズ/質量(本体):W29×H235×D35mm/約110g

 

【テストの内容はコチラ】

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歯垢除去に最も適したブラシでの歯垢除去力と磨き心地をチェック。「歯垢除去力」は歯磨き後、市販の歯垢染色剤を歯に塗布してうがいし、磨き残しをチェック。磨き時間は、筆者の通常の歯磨き時間と同様、すべて約3分で比較しています。磨き方は、すべての歯を表側、裏側、噛み合わせ部の3方向から磨きました。

 

磨き心地」は、奥歯や歯の隙間、前歯の裏側など磨きにくい部位の磨きやすさのほか、電動歯ブラシの振動の強さ、ハンドルの扱いやすさも吟味しました。

 

ブラッシングモードのバリエーション」は、内蔵するモードの種類と特徴を検証。付属する歯ブラシの種類と使い心地も合わせて見てみました。

 

【テストの結果はコチラ】

エントリーその1

ブラウン

オーラルB ジーニアス9000 D7015256XCTBK

[歯垢除去力/磨き心地]

3機種中で唯一の回転式で、歯と歯ぐきの間、歯間を同時に磨ける安心感あり

本製品には「やわらか極細毛ブラシ」と「マルチアクションブラシ」が同梱されています。「やわらか極細毛ブラシ」は約0.01mmの極細毛が歯のすき間や歯と歯ぐきの間に入り、歯垢を除去できるそう。一方「マルチアクションブラシ」は、ブラシ毛を16度に傾けて植毛しており、この角度により歯ぐきのキワまでブラシ毛が届いて歯垢を取り除けるとのこと。毛の硬さはマルチアクションブラシのほうが硬めです。

 

ともにメインブラシとして使える両ブラシですが、ブラウンは「やわらか極細毛ブラシ」をメインと考えているそうで、まずはこちらを使用。ブラッシングモードは回転力が最も速く、しっかり磨ける「プロクリーン」モードを選びました。

↑やわらか極細毛ブラシ。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します↑やわらか極細毛ブラシ。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します

 

ブラウンの歯ブラシの特徴はサイズが小さく丸いことです。上下計28本の歯を表側、裏側、噛み合わせ部と各約1秒ずつ、計約3分ブラッシング。ブラシがちょうど歯1本分のサイズ感なので、それぞれの歯を意識しつつ磨けました。

↑歯磨きは口の中を上部左、右、下部左、右の4パートに分け、それぞれ表側、裏側、噛み合わせ部の順番で磨いていきました ↑歯磨きは口の中を上部左、右、下部左、右の4パートに分け、それぞれ表側、裏側、噛み合わせ部の順番で磨いていきました

 

歯磨きは歯のすき間と歯ぐきのキワを磨くことを意識して、ブラシを歯に軽く当てつつ磨き進めました。ブラウンの電動歯ブラシは、「ガッガッ」という感じで、たたくような振動を強く感じますが、これは回転(左右反転)振動だけでなく、上下振動が加わっているため。ただし、ブラシ毛が柔らかいため、歯ぐきなどへの負担はそれほど感じられません。

 

歯磨き後に歯垢染色剤を塗ったところ、上の歯は表も裏も、ほぼ歯垢が取れていました。一方下の歯は、筆者の歯並びがかなり悪いせいもあり、犬歯の歯のすき間と犬歯の隣の前歯の裏、前歯の先端が赤く染まりました。

 

本製品は3機種中唯一の回転式で、ひとつの角度で歯に当てるだけで歯と歯ぐきの間、歯と歯の間を同時に磨ける安心感があります。また、前歯の裏を磨く際にブラシを立てても、回転運動なので歯ぐきや歯間に入り込む角度が同じなのもメリットだと感じました。

 

ブラシが小さいので奥歯の奥にもスムーズに入り込みます。重さは133gで、手に持った感じはパナソニックよりやや重めですが、比較しなければ重く感じることはまずないと思います。何より手磨きと違い、ブラシを細かく動かす必要がないので、3分使ってもまったく疲れはなく、もう少し磨き続けたいと感じるほどでした。

20180129-s1 (34)↑手に持ったイメージ。重く感じることはありませんでした

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

「ホワイトニング」「舌クリーニング」なども含む合計6つのモードを用意

本製品は計6つのモードを搭載。先述の回転速度が速く上下振動も強い「プロクリーン」のほか、歯垢除去用では日常の歯磨きにオススメの「クリーン」モード、回転と振動がソフトな「やわらかクリーン」の3モードが選べます。また、ステイン除去に効果的な「ホワイトニング」モード、歯磨きしながら歯ぐきもマッサージできる「歯ぐきケア」、「舌クリーニング」モードも搭載しています。「ホワイトニング」モードは回転数を周期的に変化させて、汚れを除去しやすくしているのが特徴。「歯ぐきケア」モードも回転数を少なくしたうえに周期的に強弱をつけ、歯ぐきに心地いい刺激を与えてくれます。

↑各モードは起動ボタンの下の「∨」ボタンを押して切り替えます。モード表示は上から「プロクリーン/やわらかクリーン/ホワイトニング/歯ぐきケア/舌クリーニング」。何も表示がないときは「クリーン」モードです↑各モードは起動ボタンの下の「∨」ボタンを押して切り替えます。モード表示は上から「プロクリーン/やわらかクリーン/ホワイトニング/歯ぐきケア/舌クリーニング」。何も表示がないときは「クリーン」モードです

 

ちなみに、本製品に同梱の「マルチアクションブラシ」は、「やわらか極細毛ブラシ」と比べるとやや当たりが強く感じます。気になる人は、振動が弱めの「やわらかクリーン」モードを使ったほうがいいでしょう。筆者は歯に当てる圧力を弱めることで調整しましたが、歯ぐきへの負担はそれなりに大きくなったと感じました。なお、歯垢除去能力については、両者にそれほどの差は感じませんでした。

↑マルチアクションブラシ。ブラシの中央部は外側よりやや毛の長さが短めです。また、歯ぐきに当たりやすい外側のブラシ毛は比較的柔らかく、中央に行くほど硬めの毛になっています↑マルチアクションブラシ。ブラシの中央部は外側よりやや毛の長さが短めです。また、歯ぐきに当たりやすい外側のブラシ毛は比較的柔らかく、中央に行くほど硬めの毛になっています

 

エントリーその2

フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

[歯垢除去力/磨き心地]

ブラシがやや大きく、強めの振動を感じる

独自の「音波水流」技術を採用した本製品は、歯と歯の間など毛先が届かない場所もこの水流で磨けるのが特徴。歯垢除去に最適な「プレミアムクリーンブラシヘッド」はブラウンのオーラルBやパナソニックのドルツと比べると、やや大きめです。ブラシの毛もブラウンの「やわらか極細毛ブラシ」に比べるとやや硬めでした。

↑プレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です↑プレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です

 

本製品はブラシをハンドルにセットすると、そのブラシの種類を自動認識し、最適な振動数にセットされます。「プレミアムクリーンブラシヘッド」を挿してみると「クリーンモード」が選択され、振動強度は3段階の「強」になりました(強さの調整は可能です)。そのまま実際に磨いてみると、ブラウンのような「ガッガッ」と当たる感覚はありませんが、かなり強めに振動する印象。ただ、歯ぐきに負担を感じるほどの強さは筆者は感じませんでした。ちなみに、この振動を強すぎると感じる場合は、手動で「中」「弱」に振動強度を調整することもできます。

↑「プレミアムクリーンブラシヘッド」をハンドル部に装着すると、自動で「clean」表示が点灯し、振動強度が3段階の「3」に設定されました。ON/OFFスイッチの下にはモード切り替えスイッチを装備。停止中に押すと「clean」モード以外を選択することも可能です。また、運転中に押すと、振動強度が切り替えられます↑「プレミアムクリーンブラシヘッド」をハンドル部に装着すると、自動で「clean」表示が点灯し、振動強度が3段階の「3」に設定されました。ON/OFFスイッチの下にはモード切り替えスイッチを装備。停止中に押すと「clean」モード以外を選択することも可能です。また、運転中に押すと、振動強度が切り替えられます

 

歯の表側と裏側には歯と歯ぐきの間に45°の角度でブラシを当て、噛み合わせ部は垂直に、前歯の裏は歯ブラシを縦にして磨きました。取扱説明書には「ひとつの場所を約2秒ずつブラッシングして」と書かれているので、ブラシが大きめなこともあり、2本をまとめて磨きました。

↑ブラシがやや大きめなので、2本をまとめて磨くイメージです↑ブラシがやや大きめなので、2本をまとめて磨くイメージです

 

ブラッシング後に歯垢染色剤を使うと、ブラウン同様、犬歯と前歯のすき間に磨き残しが目立つ結果に。また、歯の裏側もブラウンに比べると磨き残しがやや多かったです。やはりブラシが大きめなため、細かい場所にブラシ毛が届きにくかったのではないかと推測します。重さは144gですが、ブラウン同様、手に持って重いと感じることはありません。磨いている間に疲れを感じることもまったくありませんでした。

↑握ったイメージ。ハンドルの太さはブラウンとほぼ同じながら、長さはソニッケアーがひと回り大きくなっています↑握ったイメージ。ハンドルの太さはブラウンとほぼ同じながら、長さはソニッケアーがひと回り大きくなっています

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

5種類のモードを用意し、ヘッドの交換で設定が自動で切り替わる

本製品には歯垢除去用の「クリーンモード」のほか、ステイン除去力の強い「ホワイトプラスモード」、歯垢除去運転と歯ぐきケアがセットになった「ガムヘルスモード」、歯と歯ぐきの間のケアに適した「ディープクリーンプラスモード」、「舌磨きモード」を搭載しています。

↑モードを切り替えてすぐは選択したモードのみ点灯。その後2秒ほど経つと全モードがうっすら点灯し、手動でモードを切り替える際に確認がしやすいです↑モードを切り替えてすぐは選択したモードのみ点灯。その後2秒ほど経つと全モードがうっすら点灯し、手動でモードを切り替える際に確認がしやすいです

 

「ホワイトプラス」モードは最初の2分間で2種類の振動が2秒ずつ切り替わりながらステインを落とし、その後振動数が細かく上下する運転モードが40秒続きます。最後に現れる運転モードにより、歯を磨き上げて光沢を与えるのだそうです。

 

「ガムヘルスモード」は、最初の2分間は「クリーンモード」と同じ運転が続き、その後2つの振動が重なった波打つような振動が1分20秒続きます。この“波打つ振動”で、歯と歯ぐきの境目に刺激を与えます。なお、その“波打つ振動”で初めからブラッシングできるのが「ディープクリーンプラスモード」。「ガムヘルスモード」では2分経つと自動的に“波打つ振動”に変わるので、自分のペースで歯を磨きたい人は、最初「クリーンモード」で歯を磨いてから「ディープクリーンプラスモード」に切り替えて歯ぐきケアしてもよいでしょう。

 

歯ブラシの種類は先に紹介した「プレミアムクリーンブラシヘッド」のほか、「プレミアムガムケアブラシヘッド」「プレミアムホワイトブラシヘッド」「舌磨きブラシヘッド」を同梱。どれもハンドルに挿すだけでブラシに合ったモードに自動的に切り替わるので便利です。

↑ヘッドはハンドルに挿すと専用モードに切り替わるのでヘッドの種類がわかりますが、ヘッドの根元にクリーンブラシは「C3」、ガムケアブラシは「G3」、ホワイトブラシは「W3」とイニシャルが書いてあり、これで識別することができます↑付属の4種類のブラシ。ヘッドの根元にあるアルファベットと数字の組み合わせは、ブラシ名と推奨の強さを示しています。クリーンブラシは「C3」、ガムケアブラシは「G3」、ホワイトブラシは「W3」、舌磨きブラシヘッドは「T1」(※Tはtongue=舌の意味)

 

↑舌磨きブラシヘッド。凹凸部分を水で濡らし、舌に当てて前後に動かして汚れを除去します↑舌磨きブラシヘッド。凹凸部分を水で濡らし、舌に当てて前後に動かして汚れを除去します

 

エントリーその3

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

[歯垢除去力/磨き心地]

「ノーマル」の刺激はソフト。ハンドル部は細身で扱いやすい

本製品は、これまでの横振動に加え、ブラシが上下に動くタタキ振動が可能になったのが特徴。タタキ振動により、これまで以上に歯間部の汚れを除去しやすくなったようです。ヘッドも日本人の歯に合わせて小さめに作られています。

↑ヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです↑ヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです

 

歯垢除去用には歯面、歯間の汚れを取りやすい「マルチフィットブラシ」と歯周ポケットの汚れ除去ができる「密集極細毛ブラシ」の2種類が付属。今回は「Wクリーン」モードで推奨される「マルチフィットブラシ」を選び、同モードで使用しました。

↑「マルチフィットブラシ」(左)と「密集極細毛ブラシ」(右)。どちらもブラシ毛の毛質は柔らかですが、「密集極細毛ブラシ」は先端に3mmの段差毛が採用されていて、歯と歯ぐきへの当たりがよりソフトになっています。また、段差毛は先端が細く尖っていて、歯周ポケット内により入り込みやすいそうです。↑「マルチフィットブラシ」(左)と「密集極細毛ブラシ」(右)。どちらもブラシ毛の毛質は柔らかですが、「密集極細毛ブラシ」は先端に3mmの段差毛が採用されていて、歯と歯ぐきへの当たりがよりソフトになっています。また、段差毛は先端が細く尖っていて、歯周ポケット内により入り込みやすいそうです。

 

「Wクリーン」モードは、「W音波振動」を使ったパワフルモードで、スタートから約2.5秒後にブラウンと同様のたたくような振動が始まります。ブラシの刺激の強さは3機種の中ではブラウンに次ぐ程度。フィリップス同様の磨き方で約3分磨いたあと、歯垢染色剤を塗布。下の前歯の噛み合わせ部の磨き残しはブラウン、フィリップスと同じ程度でしたが、犬歯周りの磨き残しは、3モデルの中では最も少なかったです。また、犬歯の隣の前歯の裏側も比較的きれいに磨けていました。

 

また、最初の1~2秒は弱い振動で運転スタートするので、電動歯ブラシに慣れていない人も比較的抵抗なく使い始められると思います。重さは約110gと3モデルの中では最も軽く、ハンドル部分も細身で扱いやすいと感じました。

↑ハンドルは持ち手の部分が細くデザインされ、手にすっぽりとなじみます↑ハンドルは持ち手の部分が細くデザインされ、手にすっぽりとなじみます

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

強い振動の「Wクリーン」など5つのモードを搭載

本製品は、歯垢除去用に「Wクリーン/ノーマル/ソフト」の3モードを搭載。さらに歯ぐきケアに適した「ガムケア」モードと歯の着色が気になる人向けの「ステインオフ」モードも搭載。「ガムケア」モードは2種類の振動切り替えが反復して、歯ぐきを心地よく刺激してくれます。

 

少々気になったのは、ブラウン、フィリップスが電源のON/OFFとモード切り替えボタンが独立しているのに対し、パナソニックのみボタンが1個だったこと。パナソニックは、その1つのボタンが運転開始後、約5秒までは操作モードの切り替えボタンに。5秒後からはOFFボタンに変わります。そのため、運転開始してすぐに止めたいとき、何度か連続でボタンを押す必要があるのです。停止した状態でモードが変えられないのもやや不便。やはりボタン2個のほうが使いやすいと感じました。

↑運転中にボタンを押すたびにモードがチェンジ。ただし5秒以上経ってボタンを押すと運転終了になります↑運転中にボタンを押すたびにモードがチェンジ。ただし5秒以上経ってボタンを押すと運転終了になります

 

歯ブラシは6種類を付属し、3モデルの中では最も豊富。前述の「マルチフィットブラシ」「密集極細毛ブラシ」のほか、磨きにくい歯間用の「ポイント磨きブラシ」、歯ぐきケア用の「シリコンブラシ」、ステインケア用の「ステインオフブラシ」、ステイン集中ケア用の「ステインオフアタッチメント」が同梱されています。舌のケアはステインオフブラシの背面を使い、「ソフト」モードで行います。

↑写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています↑写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています

 

【今回の検証のまとめ】

刺激はブラウンが最も強く、パナ、フィリップスが続く

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歯垢除去力に関しては、今回の検証で最も優秀だったのはパナソニック。次いでブラウン、フィリップスの順番でした。ただし、その差は小さく、また磨く人のクセによって、磨き残しの程度も変わってきます。逆に言えば、自分のクセを把握して、磨きにくい場所を念入りにブラッシングするよう意識するだけで、今回試した3モデルであれば、どれを使ってもほぼ汚れを除去できるでしょう。

 

磨き心地に関しては、最も刺激が強かったのがブラウン。次いでパナソニック、フィリップスといった順番。なお、パナソニックの「Wクリーン」モードは、たたくような振動があるぶん、性質としてはブラウンに似ています。また、どの機種も歯垢除去に関しては磨き強度を3段階で変えられます。

↑刺激が強めが好みなら、ブラウンがオススメ↑刺激が強めが好みなら、ブラウンがオススメ

 

1本ずつ磨く感覚が好みならブラウンかパナソニック

電動歯ブラシの扱いやすさに関しては、パナソニックが最も軽く、デザインもスリムで、より手にしっくりと収まる感覚がありました。とはいえ、他の2モデルも「扱いにくい」ということはありません。そもそも電動歯ブラシは手磨き用のブラシのように細かく動かす必要がないので、ブラウンやフィリップスの重さやサイズ感がそれほど問題になることはないと思います。

 

ただし、歯ブラシのサイズに関してはフィリップスが大きめで、初心者にはやや扱いづらい印象を持ちました。特に女性など歯が小さめの人は、歯の1本1本を意識しながらブラッシングしやすい丸型ヘッドのブラウンや小型ヘッドのパナソニックのほうが、使いやすいのではないかと思います。

 

ブラッシングモードはフィリップスが最も豊富

ブラッシングモードのバリエーションに関しては、その種類が最も豊富なのはフィリップス。表示されるモードは5種類と、ブラウンの6種類より少ないですが、ブラウンはそのうち3モードが「クリーンモード」の強度違いなのに対し、フィリップスは歯の部位と汚れの種類に応じたまったく異なる5モードを採用しています。さらにクリーンモードだけでなく、ホワイトプラスモードやガムヘルスモードなどすべてのモードで強度を3段階で変えられるのもメリットです。

↑フィリップスのモード↑フィリップスのモード選択時

 

パナソニックは多彩な付属ブラシが魅力

一方、パナソニックは、モードの数が5種類で、先述した通り、他の2機種と違って1つのボタンが電源のON/OFFとモード切り替えを兼ねており、やや不便を感じることも。ちなみに、5種類のモードのうち、「Wクリーン」モードがブラウンとよく似た刺激を実現しているのが特徴。刺激の種類としては、フィリップスとブラウンのどちらのタイプも搭載しているという見方もできるでしょう。また、歯ブラシの種類も豊富で、歯医者でやってもらうような丁寧な歯垢除去に対応できるのも魅力です。

 

次回は快適な歯磨きをサポートする機能、充電のしやすさや設置性、メンテナンス性について見ていきたいと思います。

↑パナソニックには6種類のブラシが付属↑パナソニックには6種類のブラシが付属