期間限定「アサヒ 贅沢搾りプレミアムマスカット」!爽やかな酸味と甘み広がる、華やかフレーバー

アサヒビールは、「贅沢搾り」ブランドから、期間限定フレーバー「アサヒ 贅沢搾りプレミアムマスカット」を4月8日に全国で発売しました。

↑アサヒ贅沢搾りプレミアムマスカット

 

記事のポイント

「贅沢搾り」は、贅沢な果汁感が特徴のブランド。今回発売する「アサヒ 贅沢搾りプレミアムマスカット」は、食べごろのマスカットを味わっているような、芳醇な香りと甘みを楽しめそうです。日々のご褒美や、家族・友人とのパーティーにぴったりでは。

 

「アサヒ 贅沢搾りプレミアムマスカット」には、上品な香りが特徴の「マスカット・オブ・アレキサンドリア」の果汁を21%使用。爽やかな酸味と甘みが調和した、華やかな風味を楽しめます。

 

Welch’s”とのコラボレーションアイコンと、みずみずしいマスカットのイラストが目を引くデザインです。

 

アサヒ 贅沢搾りプレミアムマスカット
容量:350ml
アルコール分:4%
希望小売価格::201円(税込)

 

この記事のリンクから商品を購⼊すると、売上の⼀部が販売プラットフォームからGetNavi webに還元されることがあります。
※価格などの表示内容は掲載時点のものです。在庫切れなどによって変更の可能性もありますので、詳細は商品ページを確認してください。

【限定生産】糖質ゼロの辛口チューハイ! タカラ「焼酎ハイボール」5%<特製ウメサイダー割り>

宝酒造は、“タカラ「焼酎ハイボール」5%<特製ウメサイダー割り>”を、全国で1月28日に数量限定発売します。

記事のポイント
ウメチューハイといえば、酒場の定番メニュー。インテージSRI+「23年度チューハイフレーバー別販売実績(推計販売金額順)」によれば、チューハイのフレーバーでもレモン・グレープフルーツ・プレーン(ドライ)に続く人気のフレーバーだそう。「特製果実エキス」により香りと味わいを楽しめて、かつ飲みごたえもある一杯になっています。

 
同商品は、独自方法で製造した「特製果実エキス」を使用し、爽やかなウメの香りとみずみずしい味わいを実現したとのこと。ベースアルコールには「宝焼酎」を使用し、アルコール分5%でも飲みごたえのある辛口の味わいを楽しめます。
 

タカラ
「焼酎ハイボール」5%<特製ウメサイダー割り>
アルコール分:5%
参考小売価格(消費税別):350ml/159円、500ml/217円

ワンコインでいいの!? 管理栄養士監修ボリュームランチをカクテルテイスト飲料「スタイルバランス」と楽しみ尽くすチャンス

健康志向の高まりを受け、新しい飲酒文化の提案を目指すアサヒビール。2024年12月9日から13日までの期間限定で、東京・新橋において開催されるポップアップイベントでは、ノンアルコールカクテルテイスト飲料「アサヒスタイルバランス」を、管理栄養士監修の栄養バランスのとれたメニューとともに提供します。

なんとランチは500円、ディナータイムは300円と破格の価格設定で楽しめるとあって、行列必至! そのお披露目に立ち会い、ひと足先に体験してきたので、レポートします。

 

ボリュームたっぷりのお店ランチがワンコイン!?

今回の期間限定店舗「サクッと 食生活サポート スタイルバランス亭」は、新橋を中心に界隈で働く忙しいビジネスパーソンをターゲットに実施。ボリュームたっぷりの4品と「アサヒスタイルバランス」3種飲み比べセットをペアリングしたランチメニューは税込500円で提供され、またディナータイムにはスタイルバランスとおつまみセットが税込300円で楽しめる形に。

価格を抑えて健康的な食事へのハードルを下げつつ、カクテル気分を味わえるノンアル飲料とバランスのとれたメニューの魅力を強力アピール!

↑管理栄養士監修のランチは、栄養の土台となるタンパク質・脂質・炭水化物のバランスを考慮しつつ、「アサヒスタイルバランス」の爽やかな味に合わせた味付けになっている

 

昼から“チューハイ”!?「スタイルバランス」ってなに?

「アサヒスタイルバランス」は、アサヒビールが展開する、カロリーゼロ・糖類ゼロで“お酒気分”を楽しめるノンアルコールのカクテルテイスト飲料ブランド。アルコールを含まずに、ハイボールや柚子レモンサワー、カクテルのような本格的な味わいを再現しています。

特筆すべきは、すべて機能性表示食品で、前述のカロリーゼロや糖質ゼロに加え食生活や肌ケア、睡眠をサポートする健康機能も備えていること。2019年以降売り上げ規模を拡大し、ノンアルコールチューハイテイスト・カクテルテイスト市場で、3年連続で売上ナンバーワンを記録。特に翌日の予定に配慮して夜のお酒を控えるシーンや、健康志向の強い層に支持されています。

↑左から、「ハイボール ノンアルコール350ml」「ゆずサワー ノンアルコール350ml」「レモンサワー ノンアルコール350ml」。食事の脂肪や糖分の吸収を抑制するとされる、難消化性デキストリンを含み、普段の食生活をサポートする

 

↑スタイルバランス亭では、上の3種が各100ml提供される

 

「アサヒスタイルバランス」にはほかに、肌の潤いを守るのを助けるとされるセラミドを配合した、「アップルスパークリング」「カシスオレンジ」「シャルドネスパークリング」テイストや、睡眠の質の向上に役立つとされるGABAを配合した「グレフルサワー」テイストもラインナップしています。

 

アサヒビール
「アサヒスタイルバランス」

 

罪悪感ゼロ! 管理栄養士が考案したメニューって?

今回のメニューは、人気YouTuberで管理栄養士の「おすぎ」さんが監修したもので、栄養バランスを重視。

主菜の「鮭のてりやき七味風」は、お肉が多くなりがちなビジネスパーソンの食事に魚を取り入れ、タンパク質・脂質・炭水化物のバランスを整えます。副菜には、噛みごたえのある根菜を使用した「4種の野菜の和風マリネ」や、味噌やごまの風味でマイルドな味わいを楽しめる「ほうれん草の味噌マヨ和え」が並び、さらに主食の「もち麦ごはん」で食物繊維を強化し、血糖値の急上昇を防ぐ効果も期待できます。

このように、栄養バランスを整えながらボリュームたっぷりの満足感の高いメニューで、楽しみながら健康に配慮した食体験を得られるのです。

↑手前から時計回りに、良質なタンパク質と脂質をとれるシャケにほんのりピリ辛な七味でアクセントをつけた「鮭のてりやき七味風」、食物繊維とビタミンCがたっぷりで、かつお節によりうまみも加わった「4種の野菜の和風マリネ」、こんにゃくやちくわの食感やごまの風味が満足感を高める「ほうれん草の味噌マヨ和え」、食物繊維たっぷりの「もち麦ごはん」

 

↑ディナータイムは、ペアリングする「アサヒスタイルバランス」のラインナップはそのまま、もち麦ごはんをカットし全体量を抑えた食事が供される

 

↑栄養バランスが考えられたレシピ動画でYouTubeのチャンネル登録者数33万人超を誇る管理栄養士の「おすぎ」さん。食生活が乱れがちな12月にうれしい、おいしく身体にもやさしいメニュー構成を心がけたという

 

なぜ新橋で?

ちなみに、イベントの開催地に新橋が選ばれた理由には、“サラリーマンの街”という背景が。「アサヒスタイルバランス」のターゲット層である30~50代が多く、特に仕事が忙しく、健康やメタボを意識し始める世代が多いエリアともいえます。

一方で、カクテルは一般的に女性人気が高い飲料。新橋での「スタイルバランス亭」実施を通じて、健康意識を持つ男性にも訴求する狙いがあるのだそう。

↑お披露目に登壇した、アサヒビール株式会社 スマドリマーケティング部長 兼 スマドリ株式会社 代表取締役社長 高橋徹也氏。今回の取り組みは、「飲む人も飲まない人も楽しめる自由な飲み方」を提案し、健康的な食生活をサポートすることを目指す「スマートドリンキング」という同社独自のコンセプトに基づいているという

 

「サクッと 食生活サポート スタイルバランス亭」

営業期間:2024年12月9日(月)〜13日(金)
営業時間:ランチタイム 12:00〜14:00(L.O 13:30/ディナータイム 17:00〜21:30(L.O 21:00)
所在地:東京都港区新橋3-16-17
電話番号:03-6432-0148

 

どう考えてもお得で満足感の高いスタイルバランス亭の期間限定メニュー。平日の健康管理に立ち寄ってみてはいかがでしょうか?

 

取材・文・写真/和田史子(GetNavi web編集部)

冬にぴったり、期間限定のチューハイ! 「キリン 氷結」山形産ラ・フランスと、福岡産あまおう

キリンビールは、「キリン 氷結(以下、氷結)」ブランドから、「キリン 氷結 山形産ラ・フランス(期間限定)」、「キリン 氷結 福岡産あまおう(期間限定)」(350ml缶、500ml缶)を、12月3日に全国で発売します。

 

記事のポイント

「キリン 氷結 山形産ラ・フランス(期間限定)」は、「山形産ラ・フランス」の芳醇なおいしさと、スッキリ軽やかな炭酸感を、「キリン 氷結 福岡産あまおう(期間限定)」は、華やかないちごのおいしさとスッキリ軽やかな炭酸感をそれぞれ楽しめます。いずれも「冬ならではの限定商品」らしく、これからの季節にぴったりの味わいに仕上がっているようですよ。

 

・キリン 氷結 山形産ラ・フランス

熟したラ・フランスの、なめらかな果肉を思わせる芳醇な香りとジューシーな果汁感が特徴。

↑「キリン 氷結 山形産ラ・フランス(期間限定)」

 

・キリン 氷結 福岡産あまおう

ジューシーな甘みと、ほどよい酸味のバランスがよい、「福岡産あまおう」らしい果実感を楽しめます。

↑「キリン 氷結 福岡産あまおう(期間限定)」

 

キリンビール
「キリン 氷結 山形産ラ・フランス(期間限定)」、「キリン 氷結 福岡産あまおう(期間限定)」
アルコール分:4%
価格    :オープン

香り爽やか、ほどよいピール感の「クラフトチューハイ」出た!「寶CRAFT」<和歌山産 紀の川はっさく>地域限定で新発売

宝酒造は、地域限定のクラフトチューハイ“「寶CRAFT」<和歌山産 紀の川はっさく>”を、10月8日(火)に新発売。販売地域は、和歌山県を中心に販売します。

「寶CRAFT」は、日本各地のご当地素材を使用し、それらの個性を活かし、厳選した樽貯蔵熟成焼酎をあわせる「ひとてま造り」製法で丁寧に仕込んだクラフトチューハイ。

 

今回新発売する<和歌山産 紀の川はっさく>は、紀の川の温暖な気候と肥沃な土壌を最大限に活用した生産量日本一(※)を誇る「紀の川はっさく」の、ストレート混濁果汁やペーストなどを使用。すっきりとした味わいと爽やかな香り、程よいピール感を楽しめるといいます。

※和歌山県のはっさく収穫量は、全国の約72%を占める(令和3年産特産果樹生産動態等調査)。和歌山県内で栽培されるはっさくの約57%は紀の川市産。出所:紀の川市

 

また、厳選した樽貯蔵熟成焼酎を使用することで、深みのある味わいに仕上げ「もちがつお」や「ハモ」など和歌山特産の魚介類にあうクラフトチューハイです。

 

【商品概要】
商品名:「寶CRAFT」<和歌山産 紀の川はっさく>

アルコール分:8% 果汁分:3%
容量/容器:330ml/びん
参考小売価格(税抜):338円
販売地域:和歌山県を中心に販売

 

倉嶋紀和子オススメ「焼酎の美味しい飲み方」と“オリジナルチューハイ”の噺

提供:宝酒造株式会社

 

意外と知らない焼酎の噺15

2022年から始まった「意外と知らない焼酎の噺」では、「ホッピー」や「ホイス」といった割り材メーカーの代表者から歴史や美味しさの秘密を教えてもらったり、ディスペンサーメーカーにもお話を伺いました。今回も引き続き“総集編”として、荻窪(東京都杉並区)の「チューハイ倶楽部C」で、『古典酒場』編集長の倉嶋紀和子さんにチューハイの歴史や割材について振り返ってもらいつつ、「オリジナルチューハイ」を考案してもらいました。

【前回はコチラ

●倉嶋紀和子/雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名。令和4年(2022年度)「酒サムライ」の称号を叙任

 

 

倉嶋紀和子の「オリジナルチューハイ」

「『宝焼酎』はどの銘柄も、樽貯蔵熟成酒とのブレンド具合が絶妙ですよね。樽香があるからコクやうまみのフックを感じさせてくれますし、でも逆に樽香が強すぎると甲類焼酎の良さが消えて飲みにくくなってしまうと思うんです」と、魅力を振りかえる倉嶋さん。ここからは、倉嶋さん考案のオリジナルチューハイを教えてもらいます。

 

●「NIPPON×ホッピー」

まず1品目は「NIPPON×ホッピー」。長年、親交があるホッピーミーナさん(ホッピービバレッジ代表取締役社長の石渡美奈さん)と対談をした第8回の『ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺』を振り返りつつ、味の特徴を教えてもらいました。

 

私の場合『ホッピー』のベースアルコールは甲類焼酎。ちょっと気分を変えたい時にはフレーバード・ウォッカで割って呑んでいたのですが、、『NIPPON』と出会ってからは、甲類焼酎の桜樽熟成のものもいいなぁと。『NIPPON』がもつ、桜樽由来の甘やかな熟成香が、『ホッピー』の麦芽の風味に合うんです。そのうえ、桜ならではの上品なニュアンスがあって、贅沢な『ホッピー』になるんですよね」(倉嶋さん)

 

「ホッピーミーナさんと久々にゆっくりお話しができたのはよかったですね。もう10年以上親しくさせていただいてますが、ホッピーのルーツや、なぜ東京以外の横浜や横須賀にもホッピーの聖地があるのかなど、改めて勉強になりましたね」(倉嶋さん)

 

【関連記事】
【意外と知らない焼酎の噺08】ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺

 

●「極上〈宝焼酎〉×炭酸水×フローズン葡萄」

2品目は、丸ごと凍らせた葡萄の実をアクセントにした「極上〈宝焼酎〉×炭酸水×フローズン葡萄」。まずは、味わいについて語ってもらいました。

 

「フローズン葡萄を入れるきっかけは、2022年の春に発売された『極上〈宝焼酎〉の炭酸割りタンチュー』なんです。そのままでも『極上〈宝焼酎〉』の豊かなコクがフックになって美味しいんですが、ちょっとアレンジしてみようと思いまして」(倉嶋さん)

 

「それで、氷代わりにもなるからと、凍った葡萄を入れたらドンピシャだったんです。使うのは黒葡萄のほうですね。果実そのままだから甘すぎず、葡萄の風味も自然でちょうどいいバランスだなと。以来、特に夏は愛飲しています!」(倉嶋さん)

↑「チューハイ倶楽部C」店主の山下さんにニットクのディスペンサーでつくられた強炭酸を入れてもらい完成!

 

本シリーズでは「チューハイ」についても深掘りしてきましたが、倉嶋さんが印象に残っている取材について伺いました。

 

第12回で、チューハイディスペンサーを製造するニットクさんにお邪魔しましたね。強炭酸を楽しむには、ガスが弾け飛ばないように、注ぎ口をグラスに付け、氷に当たらないように傾けながら静かに注ぐなど、島田昭専務のお話はとっても勉強になりました」(倉嶋さん)。

↑ニットクでは、炭酸の注ぎ方のコツなども教えてもらいました!

 

「ほかにもチューハイについては、それぞれいろいろな方にお話しを伺いましたが、どの回も印象的です。藤原法仁さん(大衆酒場の有識者)とは『村さ来 中野北口店』で対談させていただき(第7回)、同店のチューハイの豊富なバリエーションには驚かされました。濃いめに注文できるのも魅力で、すごく楽しかったです。

 

第9回の『レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺』では、『居酒屋礼賛』主宰の浜田信郎さんと『もつ焼き ばん 中目黒本店』に行きました。とにかく同店発祥のレモンサワーが絶品で、もつ焼きや『激辛豚美(とんび)豆腐』といった名物にも合うんです。また、このレモンサワーをヒントに生まれた『ハイサワー(株式会社博水社)』の田中秀子社長にもお話を伺いました。米国への視察旅行で見たカクテルを飲む光景が、開発のきっかけだったというのは、なるほどと思いましたね」(倉嶋さん)

↑『もつ焼き ばん 中目黒本店』のレモンサワー

 

「『ハイサワー』の博水社もですが、『ホイス』(第10回)と『バイス』(第11回)も住宅街のなかにオフィスを構えていたのがなんとも下町的で素敵でした。『ホイス』の後藤竜馬社長(有限会社ジィ・ティ・ユー)は、創業者のおじいさまから受け継ぐ味をひとりでつくるという、まさに一子相伝だなと。それに、おじいさまが戦前にシベリア鉄道で欧州へ行った知見が『ホイス』の味につながっている、という話もロマンがありましたね」(倉嶋さん)

 

「『バイス(正式名称:コダマバイスサワー)』の池澤友博社長(株式会社コダマ飲料)は2代目で、初代で下戸のお父様と酒好きの2代目で一緒に開発したというお話が興味深かったです。また『コダマ』の由来が、池澤社長が幼少期に特急列車『こだま号』が大好きだったからというエピソードも、家族愛があってほほえましいですよね」(倉嶋さん)

 

ちなみに、倉嶋さんはレモンサワーもよくつくるとのことですが、その際はレモン系の香り成分を含むハーブなどを使った宝焼酎「レモンサワー専用」をベースにするのだとか。

 

【関連記事】
【意外と知らない焼酎の噺09】レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺
【意外と知らない焼酎の噺10】一子相伝で受け継がれる“幻”の割り材「ホイス」の噺
【意外と知らない焼酎の噺11】東京生まれ、 大衆酒場で人気の個性派割り材「バイスサワー」の噺

 

●「レジェンド×豆乳」

3品目は「レジェンド×豆乳」。第13回『「お茶割り」のプロに聞く「焼酎×お茶」組み合わせの妙を楽しむ噺』の取材の感想を交えながら語ってもらいました。

 

『レジェンド×豆乳』は、かつて西巣鴨(東京都北区)にあった老舗のもつ焼き酒場『高木』に甲類焼酎の『牛乳割り』というドリンクがありまして。それが大好きだったので、自分でもやってみようと思ったのがきっかけです。ただ牛乳より豆乳のほうがヘルシーということで、私の場合は豆乳。

 

特に、樽貯蔵熟成酒が20%使われた『レジェンド』で割ると、バニラやはちみつのような甘香ばしさが豆乳の甘みとマッチして、デザート感覚で飲めるところが好きです。それでいて、濃厚なもつ焼きも食べたくなるんですよね。この点は甲類焼酎の素晴らしさかなと」(倉嶋さん)

 

「第13回では、松ちゃん(松木恵美さん。倉嶋さん主宰のカルチャースクール『古典酒場』の生徒)が営む『酒と茶と 襤褸(らんる)』に行きましたね。一番興味深かったのは、同じお茶を使っても、焼酎が変わると味だけでなく色にも違いが出るところ。アルコール度数も一緒なのに、樽貯蔵熟成酒の量でpH(水素イオン指数)の値が異なるからではないかというお話でしたよね。やっぱりアルコールって奥が深いなと、勉強になりました」(倉嶋さん)

 

《酒噺のオススメ記事はコチラ》


ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺
今回のテーマは「チューハイ」と並んで甲類焼酎の飲み方として定番の「ホッピー割り」。東京で生まれて昔から焼酎の割り材として人気の「ホッピー」の歴史と変遷を“ホッピーミーナ”に伺います。

「チューハイ」ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺
これまで、焼酎の歴史や、造り方について深掘りしてきた本シリーズですが、ここからはその飲み方などの”実践編”。今回のテーマは「チューハイ」です。

 

家でより美味しく飲むためのコツ

最後は、甲類焼酎を家で美味しく飲むためのワンポイントアドバイスを紹介します。まず、ベースとなる焼酎やグラスは冷蔵庫で冷やしておきましょう。なぜなら、冷たいほうが氷が解けづらく、味が薄まりにくいから。

 

なお、チューハイの場合はロックアイスも用意。もちろん、お湯割りで楽しむ場合は冷やす必要はありません。ただ、事前に焼酎と水を前割りしておき、湯煎で温めておくとまろやかな口当たりになってより美味しく楽しめます。

 

チューハイをつくるための炭酸水は、ガス圧が強い強炭酸タイプがオススメ。注ぐ際は、勢いよくではなく、氷に当てないようグラス内側に沿わせるようにやさしく入れ、マドラーで混ぜるのもゆっくり1回程度で十分です。

 

焼酎は容量や容器にも様々な種類がありますが、冷蔵庫で保存しやすいタイプは、牛乳パックと同型の「900ml紙パック」。冷蔵庫のドアポケットにも収納しやすい形状となっています。

 

レモンサワーが好きな方は、カットしたレモンをそのまま凍らせることで氷代わりとなり、味が薄まりにくいレモンサワーを楽しめます。味を薄めないという点では、氷代わりになるアイスキューブを別途購入するのもアリ。また、役立ちツールとしては炭酸ガスを抜けにくくする専用のキャップも売っているので、適宜使ってみてください。

 

割り方で無限に楽しめる酒が焼酎だ

 

最後に再び、これまでの「意外と知らない焼酎の噺」を振り返った感想を倉嶋さんに聞きました。

 

「甲類焼酎の面白さは割り材との組み合わせにあり、その味わいを支えているのが、絶妙なバランスでつくられた宝焼酎。樽貯蔵熟成酒のブレンド比率などによって様々なつくり分けがされていて、そこからの掛け合わせで無限の美味しさが楽しめるという。本当にスゴいお酒です!」(倉嶋さん)

 

本シリーズによって倉嶋さんの焼酎知識が一層深まるとともに、吞兵衛人生の転機になったとも。読者のみなさんもぜひ奥深い魅力に触れ、より豊かな焼酎ライフを楽しんでください。

 

 

<取材協力>

チューハイ倶楽部C

住所:東京都杉並区天沼3-6-22
営業時間:17:00~24:00
定休日:月曜

 

撮影/鈴木謙介

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

・極上<宝焼酎>
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/lineup/gokujo-takara-shochu.html

・宝焼酎「レジェンド」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/legend/

・宝焼酎「NIPPON」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/nippon/

・極上〈宝焼酎〉の炭酸割りタンチュー
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/gokujo/tanchu/

 

【意外と知らない焼酎の噺】バックナンバーはこちら▼
【意外と知らない焼酎の噺01】「焼酎って何?」その定義やルーツをお酒の専門家に聞く噺
【意外と知らない焼酎の噺02】「甲類焼酎の製造方法」を工場で学ぶ噺
【意外と知らない焼酎の噺03】いろんな「甲類焼酎」を飲み比べて味わいの違いを実感する噺
【意外と知らない焼酎の噺04】芋焼酎のつくり方を知り、味わいを楽しむ噺
【意外と知らない焼酎の噺05】麦焼酎の歴史とつくりを知り、味わいを楽しむ噺
【意外と知らない焼酎の噺06】焼酎の味わいを決める「樽貯蔵熟成酒」について宮崎・高鍋で学ぶ噺
【意外と知らない焼酎の噺07】「チューハイ」ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺
【意外と知らない焼酎の噺08】ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺
【意外と知らない焼酎の噺09】レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺
【意外と知らない焼酎の噺10】一子相伝で受け継がれる“幻”の割り材「ホイス」の噺
【意外と知らない焼酎の噺11】東京生まれ、 大衆酒場で人気の個性派割り材「バイスサワー」の噺
【意外と知らない焼酎の噺12】「強炭酸チューハイ」をつくるディスペンサーの秘密に迫る噺
【意外と知らない焼酎の噺13】「お茶割り」のプロに聞く「焼酎×お茶」組み合わせの妙を楽しむ噺
コチラ

焼酎の奥深さを再確認! 倉嶋紀和子が改めて甲類焼酎を飲み比べる噺

提供:宝酒造株式会社

 

意外と知らない焼酎の噺14

『古典酒場』編集長の倉嶋紀和子さんがナビゲーターとなって探っていく「意外と知らない焼酎の噺」。今回は“総集編”(前編)として、荻窪(東京都杉並区)の「チューハイ倶楽部C」で、焼酎の基礎知識を振り返りつつ、改めて「甲類焼酎」の美味しい飲み方を紹介します。

●倉嶋紀和子/雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名。令和4年(2022年度)「酒サムライ」の称号を叙任

 

 

焼酎の基礎知識を振り返る

2022年から始まった「意外と知らない焼酎の噺」。焼酎の歴史やつくり方、千葉県と宮崎県の焼酎工場で蒸留や樽貯蔵のいろはを伺ったり、様々な角度から焼酎の魅力を深掘りしてきましたが、倉嶋さんに改めて感想を聞きました。

 

「第1回の『「焼酎って何?」その定義やルーツをお酒の専門家に聞く噺』では、『酒文化研究所』の狩野卓也さんから、勉強になる話をたくさん聞かせていただきましたね。例えば、連続式蒸留焼酎(甲類焼酎)が明治末期に日本に伝わったという話は印象に残っています。

 

第2回で伺った、松戸(千葉県松戸市)の工場見学も忘れられません。なかでも連続式蒸留機がものスゴい大きさでビックリ。本格焼酎をつくる単式蒸留機は見たことあったんですけど、連続式蒸留機は初めてで、国内最大級というサイズはとにかく圧倒されましたし、貴重な体験でした」(倉嶋さん)

↑十数本の蒸留塔を有する、宝酒造松戸工場の巨大な連続式蒸留機

 

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【意外と知らない焼酎の噺01】「焼酎って何?」その定義やルーツをお酒の専門家に聞く噺
【意外と知らない焼酎の噺02】「甲類焼酎の製造方法」を工場で学ぶ噺

 

「松戸工場ではテイスティング(第3回『いろんな「甲類焼酎」を飲み比べて味わいの違いを実感する噺』)も楽しかったです。でも、商品の味以上に驚かされたのは、蒸留前の『粗留アルコール』と蒸留後の『アルコール』との違いですね。連続式蒸留機で磨くとこうなるんだ、クリアな風味ってこういうことなんだ、と深く理解できました。

 

工場見学といえば、やっぱり第6回で行った高鍋(宮崎県高鍋町)の黒壁蔵は一生モノの思い出です。樽貯蔵熟成酒の巨大な貯蔵庫が圧巻でしたし、樽の再生加工現場での樽内部の焼成工程もスゴい迫力で。樽熟成にかける手間ひまや、ブレンド技術の高さ、そして『樽貯蔵熟成酒』の香り高さとそれぞれの違いにも驚かされました。最高に楽しかったです!」(倉嶋さん)

↑火力を上げ、炎が燃えさかるように焼き上げる「チャー」の仕上げ工程。このあと水で消火し、樽の組み直しを行います

 

↑黒壁蔵のラック式自動樽貯蔵庫。最大4200本の樽を収納可能。スケールの大きさに倉嶋さんも息を飲むばかり

 

【関連記事】
【意外と知らない焼酎の噺06】焼酎の味わいを決める「樽貯蔵熟成酒」について宮崎・高鍋で学ぶ噺

 

■甲類焼酎の基礎知識

①焼酎(蒸留酒)の誕生は紀元前。日本に伝わったのは14〜15世紀。

②焼酎は芋や麦などを発酵させたもろみを蒸留し、原料の風味やアルコールを凝縮させた蒸留酒である。

③連続式蒸留機で蒸留したアルコール分36度未満の焼酎が「甲類焼酎」(単式蒸留機で蒸留したアルコール分45度以下の焼酎が「本格(乙類)焼酎」)。

④主な原料はさとうきび糖蜜などをベースにした粗留アルコールである。

⑤甲類焼酎は明治末期(1910年)に誕生。当初は、連続式蒸留で得られたアルコールに粕取焼酎をブレンドした『新式焼酎』と呼ばれていた。

⑥一般的にピュアでクセがないお酒なので、割り材の味を生かすなど楽しみ方も多種多様である。

⑦樽貯蔵熟成酒などのブレンドによって様々な味わいの甲類焼酎がある。

⑧糖質、脂質、プリン体がゼロなので適量を守って飲めば翌朝の酔い覚めが爽やかである。

⑨消費は東高西低。東日本でよく飲まれている。

 

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「甲類焼酎の製造方法」を工場で学ぶ噺
今回のテーマは「甲類焼酎のつくり方」。そこで、日本最大級の焼酎製造場である宝酒造の松戸工場(千葉県松戸市)を訪問。工場長へのインタビューと製造現場の見学を通して、甲類焼酎の魅力に迫ります。

焼酎の味わいを決める「樽貯蔵熟成酒」について宮崎・高鍋で学ぶ噺
樽貯蔵熟成酒のブレンドによって甲類焼酎の味が大きく変わることを知った倉嶋さん。今回はその「樽貯蔵熟成酒」ができるまでを、宮崎県の高鍋町にある宝酒造 黒壁蔵で実際に見学してきました。

 

倉嶋紀和子オススメの甲類焼酎の飲み方

ここからは上記で学んできた基礎知識も元に、改めて多彩な甲類焼酎を飲み比べて倉嶋さんが「宝焼酎」「極上〈宝焼酎〉」「」「レジェンド」「NIPPON」の5銘柄の魅力を解説。テイスティングコメントをいただきながら、オススメの飲み方を提案してもらいました。

 

●宝焼酎

 

「キリッとしていて飲み飽きしない、これぞ安定の美味しさ! ピュアでまろやかな味が最高ですね。こうしてストレートで飲むと、ちょっと梅シロップを足したくなりますね。

 

割り方は、シンプルに炭酸(炭酸水)で割ったチューハイも美味しいですし、レモンを搾ってレモンサワーにしたり烏龍茶や緑茶で割ったりと万能な酒質。ペアリングとしてはやっぱり、もつ焼きを食べたくなります」(倉嶋さん)

 

●極上〈宝焼酎〉

「樽貯蔵熟成酒を3%ブレンドしているので、ほんのりと香る樽のニュアンスが、豊かな気持ちにさせてくれますね。甘やかな樽の香りがありつつも後口はすっきりとドライで、この絶妙なキレは、さすがひとクラス上のプレミアム焼酎です。

 

割り材はこちらも、何でも合うと思います。リッチな風味が出ているので、特に濃い味の割り材がいいかもしれません。あとは梅シロップをはじめとする甘いエキスよりも、苦みや渋味があるお茶などのほうがより合う気がしますね」(倉嶋さん)

 

●純

 

「まろやかなタッチや、バニラを思わせる甘やかな余韻が印象的です。11種類の樽貯蔵熟成酒を13%使用しているからこその華やかな香りは、炭酸で割る飲み方が最も感じられるのかも。炭酸の刺激によって、上品な香りがふわっと広がっていくような。ですので、炭酸割りでもシンプルなプレーンチューハイがいい気がします」(倉嶋さん)

 

●レジェンド

「自宅に常備しているので、思わず『ただいま』って言いたくなる美味しさ(笑)。芳醇でウッディな香味が、よりバニラやはちみつのような甘みを感じさせてくれて、たまらないんです。ロックなど単体でも十分に美味しいんですけど、私がハマってるのは豆乳割り。クリーミーな割り材によって、甘みが絶妙に調和されるんです。ぜひ多くの方に試していただきたいです」(倉嶋さん)

 

●NIPPON

 

「やわらかい花の華やかな香味は、陽気な春の印象。桜餅が食べたくなりますね。炭酸で割れば桜餅のようなほのかな甘い香りが楽しめますが、私としては、実は『ホッピー』のベストパートナーが『NIPPON』。独自の香ばしい風味が桜の香りと調和して、ちょっと可憐な味わいになるのが大好きなんです。ちなみに、その際に割る『ホッピー』は白のほう。イチオシですよ!」(倉嶋さん)

 

 

甲類焼酎といっても、その味わいは様々。倉嶋さんの提案も参考に焼酎ライフを楽しんでください! 次回(後編)は「ホッピー」や「ホイス」「バイス」などの割材について振り返りつつ、倉嶋さんのオリジナルチューハイを紹介します。

 

<取材協力>

チューハイ倶楽部C

住所:東京都杉並区天沼3-6-22
営業時間:17:00~24:00
定休日:月曜

 

撮影/鈴木謙介

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

・極上<宝焼酎>
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/lineup/gokujo-takara-shochu.html

・宝焼酎「純」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

・宝焼酎「レジェンド」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/legend/

・宝焼酎「NIPPON」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/nippon/

 

【意外と知らない焼酎の噺】バックナンバーはこちら▼
【意外と知らない焼酎の噺01】「焼酎って何?」その定義やルーツをお酒の専門家に聞く噺
【意外と知らない焼酎の噺02】「甲類焼酎の製造方法」を工場で学ぶ噺
【意外と知らない焼酎の噺03】いろんな「甲類焼酎」を飲み比べて味わいの違いを実感する噺
【意外と知らない焼酎の噺04】芋焼酎のつくり方を知り、味わいを楽しむ噺
【意外と知らない焼酎の噺05】麦焼酎の歴史とつくりを知り、味わいを楽しむ噺
【意外と知らない焼酎の噺06】焼酎の味わいを決める「樽貯蔵熟成酒」について宮崎・高鍋で学ぶ噺
【意外と知らない焼酎の噺07】「チューハイ」ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺
【意外と知らない焼酎の噺08】ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺
【意外と知らない焼酎の噺09】レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺
【意外と知らない焼酎の噺10】一子相伝で受け継がれる“幻”の割り材「ホイス」の噺
【意外と知らない焼酎の噺11】東京生まれ、 大衆酒場で人気の個性派割り材「バイスサワー」の噺
【意外と知らない焼酎の噺12】「強炭酸チューハイ」をつくるディスペンサーの秘密に迫る噺
【意外と知らない焼酎の噺13】「お茶割り」のプロに聞く「焼酎×お茶」組み合わせの妙を楽しむ噺

発売40周年!「タカラcanチューハイ」が期間限定で「40周年記念缶」を販売

宝酒造が1984年から製造・販売する、日本初の缶入りチューハイ“タカラcanチューハイ”が、2024年1月24日に発売40周年を迎えます。そこで、40周年を記念した“タカラcanチューハイ〈レモン〉「40周年記念缶」”を期間限定で発売。

↑左から、タカラcanチューハイ〈レモン〉「40周年記念缶」250ml、350ml、500ml、記念ロゴ

 

タカラcanチューハイ3つのこだわり

焼酎へのこだわり“樽貯蔵熟成酒”

宝酒造が保有する約2万樽・約85種類の“樽貯蔵熟成酒”の中から、厳選した11種類を絶妙にブレンドした贅沢な焼酎。

 

果汁へのこだわり“シチリア産手摘みレモン”

レモンの名産地であるシチリア産手摘みレモンにこだわり、その中でも世界的に高品質と定評がある冬期に収穫されるウィンターレモンのみを使用。

 

水へのこだわり“クリアな炭ろ過水”

活性炭でろ過したクリアな味わいの炭ろ過水を使用。「焼酎」と「果汁」の2つの味わいをさらに際立たせます。

 

長年親しまれてきたロゴデザイン

世界的なグラフィックデザイナー・松永真氏がデザインした、メタリックシルバーの缶に「can-CHU-HI」と記されたタイポグラフィは発売当時のまま。シンプルでありながらもインパクトのあるデザインで長年にわたって親しまれており、2013年にはグッドデザイン賞において「ロングライフデザイン賞」(※)を受賞。

※「10年以上継続的に提供されている、広く支持されている商品やサービス」を対象とし、これまでとこれからの暮らしを豊かに支える、スタンダードであり続ける力を持ったデザインに贈られる賞

 

商品名:タカラcanチューハイ 40周年記念缶
フレーバー:レモン
参考小売価格(いずれも消費税抜き):250ml/168円、350ml/222円、500ml/296円
発売日:2024年1月中旬より順次切替

【東京・沿線ぶらり酒】西荻窪の「戎ストリート」半世紀の歴史の噺

街を結ぶ沿線には、その地ならではの名酒場と酒文化がある――。本企画では、首都圏沿線の路線ごとに、奥深いカルチャーを探っていきます。ナビゲーターは『古典酒場』の倉嶋紀和子編集長。各沿線に縁のあるゲストとともに、街と酒場の魅力を語り尽くします。

 

まずはサブカルチャーの聖地も多いJR中央線から。そして第1回は、呑兵衛からも愛される街・西荻窪(東京都杉並区)にスポットを当てます。お招きしたゲストは、西荻窪(略称「西荻」ニシオギ)住民としても有名であり、倉嶋さんとも親しい作家の角田光代さん。インタビューは、お二人が大好きな名店「やきとり戎(えびす)南口本店」で行いました。

●角田光代(左)/1990年に『幸福な遊戯』で海燕新人文学賞を受賞してデビュー。2005年に『対岸の彼女』で直木賞受賞。そのほか受賞作や著書は数多あり、夫でミュージシャンの河野丈洋さんとの共著『もう一杯だけ飲んで帰ろう。』など酒や食に関する作品も多数。近著は短篇集『ゆうべの食卓』
●倉嶋紀和子(右)/雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名。令和4年(2022年度)「酒サムライ」の称号を叙任

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

「丁度いい村」西荻窪

二人 カンパーイ!

 

倉嶋 角田さん、今日は私たちが愛する西荻窪について、楽しくじっくり語っていきたいなと。よろしくお願いします!

 

角田 大好きな西荻(ニシオギ)と「戎」、最高の企画じゃないですか。しかも「戎」といえば、『古典酒場』で連載させていただいた『もう一杯だけ呑んで帰ろう。』第1回目の記念すべきお店!

 

倉嶋 懐かしいですよね。こちらこそ、その節はありがとうございました! ではさっそくですが西荻について。お住まいになられてから、結構経ってますよね?

 

角田 ええ。最初こっちに越してきたのが1993(平成5)年だから、ちょうど30年になります。

 

倉嶋 なんと、もう30年ですか! その前も中央線沿線住まいでしたっけ?

 

角田 中央線デビューは中野ですね。学生時代はアクセス的に便利な野方駅(西武新宿線)の近くに住んでいました。でも、卒業後はちょっと不便になったので中野駅方面に引っ越し、そこでディープな中央線の魅力に目覚めたんです。最初から中野駅近くでよかったなと。

 

倉嶋 そして徐々に西側へ引きずられていったと(笑)。

 

角田 まさに(笑)。中野から荻窪へ、あとは高円寺や南阿佐ヶ谷にも住みました。荻窪も好きで、その後また引っ越そうと思ったんですけどなかなか見つからず。それで西に来てみたらすごく気に入って、いまに至ります。

↑西荻窪は一般的に中央線の駅として親しまれていますが、土日祝日は停まらない(各駅停車のJR総武線は停まる)のでご注意を

 

倉嶋 私も杉並区在住ですからこの周辺は特に大好きなんですけど、西荻窪の魅力はどんなところですか?

 

角田 ひとことで言えば静かなところ。隣の吉祥寺や荻窪よりもこぢんまりとしていて、落ち着いた雰囲気があります。お店も、小さくても個性豊かな個人商店が多く、住民同士の距離感も近い。アットホームで、“村”のような街だと思いますね。

↑西荻南口仲通り会のアーケード

 

倉嶋 その感覚、よくわかります! 住んでいる方々が、地元の個人商店をすごく大切にする文化が根付いてますよね。では、ほかの中央線の街はどんな印象ですか?

 

角田 中野や荻窪も似た空気があって大好きですけど、西荻に来てからは、私にとっては賑やかすぎるかなと思うようになりました。高円寺は独特のカオスな空気がありますよね。阿佐ヶ谷は、いい意味でスノッブ。吉祥寺は都会なイメージですね。そういえば、倉嶋さんの中央線愛も強いですよね。杉並区は長いですか?

 

倉嶋 私もまあまあ長いですね。それこそ、中央線で最初に住んだのは西荻窪でした。学生時代は大学に近い護国寺(東京都文京区)に住んでいましたが、社会人となった1999(平成11)年に、当時の会社があった東中野の沿線ということで西荻にやってきたんです。

 

角田 どうしてこの街を選ばれたんですか?

 

倉嶋 特に理由はなく、ふと降り立った西荻窪駅で目の前の不動産屋さんに飛び込んで、紹介された1件目にそのまま住んだら大正解でした。その後も荻窪に引っ越したりと近場を転々としながら、杉並区内で行ったり来たりしています。

 

角田 他路線の選択肢はなかったですか?

 

倉嶋 興味はありましたけど、定住するまでには至らなかったです。角田さんはどうでした?

 

角田 実は、中野から引越すときの選択肢は荻窪か下北沢でした。結局家賃の都合で好物件が見つからず荻窪にしたんですけど、いま考えれば運命だったのかも。

 

倉嶋 私も、なんだかんだずっと中央線沿線で暮らしているのは運命だなって思います!

 

 

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ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺
今回のテーマは「チューハイ」と並んで甲類焼酎の飲み方として定番の「ホッピー割り」。東京で生まれて昔から焼酎の割り材として人気の「ホッピー」の歴史と変遷を“ホッピーミーナ”に伺います。

「チューハイ」ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺
これまで、焼酎の歴史や、造り方について深掘りしてきた本シリーズですが、ここからはその飲み方などの”実践編”。今回のテーマは「チューハイ」です。

 

西荻窪飲みのランドマーク「戎」の歴史

↑駅の南側には闇市の残り香が漂う小路がいくつかある。「戎」の存在とインパクト抜群の看板から、ここは通称“戎通り(ストリート)”とも。同店は母屋隣の建物や路地の向かいにある店舗も含めて「やきとり戎 南口本店」となっています(厳密には、母屋以外は通称「別館」)

 

角田 「戎」は駅から近く、しかも南北両方にお店があって、西荻のランドマークといえる存在ですよね。

 

倉嶋 ええまさに! しかも創業が1973(昭和48)年9月で、ちょうど今年2023年は50周年のアニバーサリーイヤーなんですよね。確か、当初は女人禁制だったとか。ちょっと、注文しつつお店の方に聞いてみましょう。

↑「戎」にまつわるお話を聞かせてくれた、西荻南口本店の鈴木店長(右)

 

店長 はい。そうなんです。最初は女人禁制で、カウンター17席のもつ焼きの店だったんですよ。飲み物も創業当時は瓶ビールと日本酒、「宝焼酎」のストレートだけでした。

 

角田 なんと、ストロングスタイル!

 

店長 そのうち焼鳥が加わり、築地の魚と野菜の直接仕入れや、スペイン食材の輸入も行うようになり、海鮮や洋風メニューも提供するようになりました。やがて創業10年後くらいからは隣(別館)もできまして。

 

倉嶋 その後、北口店を開業されるんですよね。

 

鈴木 はい。本店の拡大と同時に「女性も入れる『戎』を作って」と多くの要望があり、それで1985(昭和60)年に西荻北口店を開業しました。もちろん、いまでは全店どなたもご利用いただけます。

 

角田 50年経った今では通りの両側に店舗を広げ、西荻のランドマークと呼ばれる存在になったんですね。ちなみに、ほかの街には書店やビアホールもありますよね。

 

店長 さすが、よくご存じですね! 阿佐ヶ谷にある「書楽 阿佐ヶ谷店」は、うちが経営している書店で、1980(昭和55)年にオープンしました。当時は配本が少なかったなど、苦労話を社長からよく聞いています。吉祥寺の「戎ビアホール吉祥寺」は1989(昭和64/平成元)年にオープンしました。

 

倉嶋 社長は戎井 力(えびすい・ちから)さんですよね。

 

店長 はい。「戎」という店名の由来でもあります。

 

 

「戎」の料理とお酒の魅力

倉嶋 先ほど女性も入れるお店というお話がありましたが、私にとって「戎」は大切なお店で、実は初めてひとり飲みを経験したのが「やきとり戎 西荻北口店」なんです。

 

角田 北口店は私も大好き。確かにあっちは本店みたいに外の店先にテーブルが出ているわけではないから、ひとり飲みもしやすいかも。

↑「やきとり戎 西荻北口店」

 

倉嶋 当時は20代の女性がひとり飲みするのが珍しく、最初は緊張しました。でも、「戎」の常連さんって素敵な方が多くて、何を頼んでいいかわからずキョロキョロしてると、隣のお客さんがスポーツ新聞を見ながらコソッと「ここはもつ焼きだよ」なんて教えてくれるんですよ。しかもそれ以上は深入りして来ずで。

 

角田 粋なエピソードですね!

 

倉嶋 その距離感が心地よくて。だから私はひとり飲みにも抵抗感なくハマれたんだと思います。

 

角田 倉嶋さんの原点といえるかもしれませんね。

 

倉嶋 当時の私は「F1(モータースポーツのフォーミュラ1)」の速報誌を担当していたんですけど、ヨーロッパの時間に合わせて働くので深夜早朝に仕事して昼帰るみたいな。で、職場から西荻窪に着くと、平日の昼間から「戎」で常連の方々がニコニコ飲んでるわけですよ。

 

角田 わかります。えびす顔でね(笑)。

 

倉嶋 それがすごく羨ましかったんですよ。でも、平日の昼間から飲むためにはどうしたらいいんだろうと思ったときに、「そうだ! 私は編集者だから、酒場の雑誌を作れば取材と称して飲めるじゃんっ」て。そんな邪念も、『古典酒場』を作った理由のひとつです。

 

角田 素敵な邪念じゃないですか! ある意味、夢を叶えたってことですよね。

 

倉嶋 はい、おかげさまで(笑)。でもほんと、私にとって「戎」は宝物のようなお店です。角田さんはひとり飲みデビューは遅めなんでしたっけ?

 

角田 そう、昔はひとりで飲むのが怖くて。特に大衆酒場には、男友だちと一緒に行ってました。初めて「戎」に来たのは20代半ばで、そのときも数人でしたね。ひとりで飲むようになったのは、40歳を過ぎてからです。

 

倉嶋 角田さんは「戎」のどんなところに惹かれますか?

 

角田 ひとつは、価格と量がちょうどいいっていうのがありますね。串も1本から注文できるし、いろんな種類のおつまみを食べられるので重宝しています。

↑「戎」の串焼きは1本100円~。「定番5本盛」は480円とお得な価格

 

倉嶋 ポーションのサイズ感は、特にひとり飲みのときは大事ですよね。

 

角田 あとは、お気に入りのメニューが多いんです。「水ギョーザ」に「ラム串」、あと「イワシコロッケ」は絶対頼みますね。

 

倉嶋 角田さん、羊好きですもんね。

↑「ラム串」290円

 

角田 ええ、もう目がなくって! そして「水ギョーザ」に関しては、ここの味が好きなんです。ほかの店ではあまり水餃子は食べません。

 

倉嶋 それって、本場中国の水餃子以上に好きってことですよね。

↑「水ギョーザ(3ケ)」290円

 

角田 そうなんですよ。ポン酢で味わうんですけど、この相性と、ちゅるんとした食感、あと小ぶりなサイズ感がたまらないんです!

 

倉嶋 なるほど、確かに本格中華はポン酢で食べないですもんね。私もこの味、チューハイも進むし大好きです! そして「イワシコロッケ」といえば「戎」の名物ですけど、今日も裏切らないおいしさですね!

 

角田 オンリーワンですよね。最初は北口店にしかなくて、その後、南北共通で食べられるようになって。ハーフで注文できるのも嬉しいんです。

↑「イワシコロッケ(ハーフサイズ)」330円。レギュラーサイズは550円

 

倉嶋 確かに! 私はあと、季節のオススメも好きなんですよ。「戎」は旬の食材も積極的に仕入れていらっしゃって、主役は焼鳥なんですけど、お魚も新鮮でとてもおいしいんです!

 

角田 ええ、今日の「ハモ湯引き」もふわっとやわらかく、包丁技も冴えわたってますね。おいしい!

↑「ハモ湯引き」480円

 

倉嶋 和洋中とメニューが豊富でレベルが高く、それでいて良心的な価格。チューハイも進むし、改めてサイコーなお店ですね。

 

角田 はい! お酒もおいしいですし。

 

倉嶋 特にチューハイは、サーバーから注がれたものではなく、店員さんが一杯ずつ丁寧に作っているところにこだわりを感じます。

 

角田 いわばカクテル。職人技ってことですよね。

 

倉嶋 はい! それも、冷蔵庫ではなく氷水でキンキンに冷やした「宝焼酎」の一升瓶を使っていて。“どぶづけ”を思わせる昔ながらのスタイルに、老舗の心意気を感じます。

↑“どぶづけ”には、瓶ビールや「宝焼酎」の一升瓶が氷水でキンキンに冷やされている

 

↑「酎ハイ」370円。「戎」の「酎ハイ」は焼酎たっぷりなので飲みごたえアリ

 

角田 半世紀変わらないおいしさも、愛される理由のひとつかもしれませんね!

 

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レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺
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一子相伝で受け継がれる“幻”の割り材「ホイス」の噺
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2人がオススメの「西荻窪」酒場とは?

倉嶋 角田さんが西荻でお気に入りのお店はどちらですか?

 

角田 比較的新しいお店だと、「コノコネコノコ」です。多国籍料理のお店で、和洋中と実に多彩で絶品。羊を使ったメニューもあって、よく注文するのは羊肉の麻婆豆腐。また、すべてのメニューをハーフサイズにしてくれるのもポイントです。

 

倉嶋 お店の名前からして気になりますね。

 

角田 そう! 営んでいるご夫婦が猫を4匹飼っていて、私はもちろんお客さんも猫好きが多いですね。猫に関するお話をしているシーンもよく見かけます。

 

倉嶋 やっぱり猫好きなんですね。それは私にとってもたまらんです!

 

角田 昔ながらのお店だと、おでんの「千鳥」は落ち着いた雰囲気で、すごく好きです。名物のおでんはもちろん、お刺身をよく頼んでいます。それから以前、倉嶋さんに教えてもらった「スタンドキッチン ルポン」。移転して、広くなりました。私はここのレモンサワーが大好きで。

 

倉嶋 「千鳥」は私、まだお邪魔できてないんです。「ルポン」も移転してからはまだですね!

 

角田 そう、倉嶋さんがまだ行ったことのないお店はどこかなと思って。あとは韓国料理の「Onggi(オンギ)」もお気に入りで、ここで食べてから私のなかで韓国料理の概念が変わりました。お一人でやられているので、お任せコースだけのときもありますが、何を食べてもおいしいです。

 

倉嶋 気になります!

 

角田 ぜひ今度行きましょうね。では、倉嶋さんが好きなお店はどちらですか?

 

倉嶋 私もたくさんあるんですけど、やっぱり今日の「」は外せませんね。ちょっと贅沢したいときは「しんぽ」です。特にお魚と旬の食材を使ったお料理がおいしくって、こちらも西荻の有名店ですよね。

 

角田 はい、口開け(開店)からすぐ満席になるような大人気店で、私も大好きです。

↑この日の“沿線ぶらりハシゴ酒”、2軒目は「しんぽ」へ

 

倉嶋 あとは「善知鳥(うとう)」。こちらは燗酒が飲みたいときに行きたくなるお店です。お水を山のほうまで汲みに行くほどこだわっていて、料理は熟成させたクリーム帆立のおつまみが大好きですね。

 

角田 ちびちびやりたいですね。別ジャンルのお店だといかがですか?

 

倉嶋 例えば、アジア系のお店だと「ラヒ パンジャービー・キッチン」はすごくお世話になってます。深酔いしても許していただけるお店で、とにかく気遣いがあってやさしくて。

 

角田 西荻は、お店の方がやさしいですよね。

 

倉嶋 ほんとに。しかも、すごく粋なんですよね。自分からアピールはせず、さりげない自然体なサービスが心地よくて、オススメしたくなるお店が多いです。

 

角田 うんうん。街全体に、信頼感がありますよね。

 

倉嶋 そうなんです。私もこの仕事上、「酒場に連れてって」と、ありがたいお話をいただくこともよくあるんですけど、初めての方なら西荻がいいなって思いますね。

 

角田 ほかに西荻で倉嶋さん行きつけのお店ですと「燻製ビストロ みつ志」とか?

 

倉嶋 はい、たくさんある中でも、「みつ志」は燻製卵のサンドイッチが好物で。毎回いただくんですけど、お土産用もご用意してくださるんです。こういうおもてなしがうれしいんですよ!

 

角田 やさしいお店が多いのは、街がコンパクトで個人商店が多いからですかね。

 

↑西荻窪のカルチャーに深く根付いている個人経営の書店も

 

倉嶋 そうですね。角田さんがおっしゃった、“村”という表現にあらわれているのかなって思います。閉鎖的ではなく、いい意味で繋がりがある。店主さん同士やお客さん同士が顔見知りっていうことも多いですし。

 

角田 仲良くなりやすいんですよね。

 

倉嶋 はい。例えば1軒目で離れた席に座っていて、会話も交わしてないけど、3軒目でまたその方に会うみたいなことがあるんですよね。そこで「さっき会いましたよね!」なんて話が弾んで仲良くなる、みたいな。

 

角田 ええ。「また次も会いましょうね」って健全に言い合える街だと思います。

 

倉嶋 ちなみに、角田さんが初めて西荻で飲む方をお連れするとき、ゴールデンコースみたいなのはあるんですか?

 

角田 初めての方なら、やっぱり有名な「戎」や「しんぽ」は定番ですよね。でも私の場合、お酒は夕方からって決めてるので、「しんぽ」に口開けで行って、そのあと「戎」かな。

 

倉嶋 なるほど。私も初めての方を案内するなら、その2軒は入れたいですね。それで3軒目は「ルポン」でレモンサワーとか、「みつ志」でワインとか

 

角田 まさにそうですね。そんな話をしていたら、「しんぽ」に行きたくなりました!

 

倉嶋 いいですね、では行きましょうか!

 

大好きな西荻窪の街と酒場を語り尽くした倉嶋さんと角田さん。次回もディープな中央線沿線の駅で降り、街と魅力的な酒場について倉嶋さんがゲストと語り合います。お楽しみに!

撮影/鈴木謙介

 

 

<取材協力>

やきとり戎 南口本店

住所:東京都杉並区西荻南3-11-5
営業時間:日曜~木曜12:00〜22:00(L.O.21:30)、金曜土曜12:00〜22:30(L.O.22:00)
定休日:無休

※価格はすべて税込みです

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

「こだわり酒場のタコハイ」はなぜ販売単月で100万ケースを突破したのか?【2023年上半期売れたモノSELECTION フード編】

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。今回は「フード編」からサントリー「こだわり酒場のタコハイ」を紹介。販売単月で100万ケースを突破した人気のヒミツを探る。

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです

 

名門ブランド「こだわり酒場」から新たな味のサワーがまたヒット

サントリー
こだわり酒場のタコハイの素
715円

酒場で愛されるプレーンサワーの味わいを目指した、ソーダ割り用の濃縮リキュール。アルコール度数は25%で、好みの濃さで飲めるのも人気の理由だ。オススメの配合は、タコハイの素1に対し炭酸水が3。6%の濃さに仕上がる。

↑YouTube公式チャンネルには、作り方やアレンジレシピなどの動画がアップされている

 

サントリー
こだわり酒場のタコハイ
163円(350㎖)
220円(500㎖)

プレーンサワーの味を、より手軽に楽しめる缶商品。「タコハイの素」同様、ほのかな柑橘の爽やかなフレーバーと独自技術で、甘香ばしい風味を引き出した焼酎「焙煎麦焼酎」のコクが食事を引き立てる。

↑女優の田中みな実さんが「タコハイって何味?」とつぶやくCMが話題になった

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>フードライター・中山秀明さん
食のトレンドに詳しい。GetNavi webでは連載「サニーデイ・サービス 田中 貴のラーメン狂走曲」を担当。

 

家飲み食中酒の選択肢拡大にも貢献!!
「発売6週間で、同社の昨年のヒット商品『翠ジンソーダ缶』の初動を超える売れ行きを記録。これまで、食事に合うRTDといえばレモンサワーが鉄板でしたが、本品の登場により家飲み食中酒の選択肢が広がりました」(中山さん)

売れ行き:★★★★
革新性:★★★
影響力:★★★★

 

酸味や甘みを抑えコクは豊かポストレモンサワー的な存在に

サントリーが3月7日に発売した「こだわり酒場のタコハイ」は、販売単月で100万ケースを突破。年間計画も、2倍の500万ケースに上方修正するほど売れている。フードライターの中山秀明さんは、本品のヒットには複数の要因が絡んでいるという。

 

「昨今の外食で人気の業態が大衆酒場。昭和から続く老舗酒場と、その魅力を若手経営者が表現したモダンな酒場、どちらも好調です。これらの店の定番酒といえばサワー。レモンサワーも人気ですが、酸味や甘みが控えめなぶん焼酎のコクが豊かなプレーンサワーにもファンが多く、その味を再現しているのが本品です」(中山さん)

 

では、その他の要因とは何か。

 

「『こだわり酒場』シリーズは、2018年にレモンサワーの素、2019年にその缶商品がヒットしていて、ユーザーからの信頼が厚いんです。またここ数年、シティポップや平成レトロなどが流行り、レトロ回帰が世の中全体で続いていますよね。こうしたトレンドも、タコハイ人気を後押ししたのだと思います」(中山さん)

 

【コレもヒット!】
大衆酒場で愛される元祖酎ハイのような辛口をノンアルコールで実現

宝酒造
タカラ「辛口ゼロボール」
実売価格141円

下町の大衆酒場で愛される、元祖「焼酎ハイボール」のようなキレのある辛口の味わいをノンアルコールで実現。糖質、カロリー、プリン体、甘味料の4つがゼロなのもうれしい。

↑CMにはテニスのレジェンド・松岡修造さんを起用。Twitterキャンペーンも好評で、商品単体のアカウントながら5万フォロワーを突破している

【せんべろnet監修】ひとり飲み初心者にオススメなお店の噺

全10回にわたってお届けした「東京・大衆酒場の名店シリーズ」で、一連の酒場知識を習得したお酒好きタレント・中村優さん。今回からは実践編ということで、女性ひとり(初心者)でもできる「酒場」の楽しみ方を、「せんべろnet」管理人のひろみんさんに教えてもらいながら体験していきます。

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

ひとりで飲みに行きたいけれど……

「酒噺」の東京・大衆酒場の名店巡りで一連の知識を習得した中村さん。ここからは自立してひとりで酒場へ出掛けてみようと意気込んでいたところ、同じ「酒噺」で「せんべろnet」に聞く! 1000円で楽しめる「せんべろ」の噺という記事を発見。

 

すぐに「せんべろnet」のTwitterをフォロー。DMを送って「せんべろnet」管理人のひろみんさんと繫がることに。ひとり飲みの師匠として心酔し、LINEも交換してもらい、最初にオススメしてもらったのが、錦糸町(東京都墨田区)にある「立呑み みつぼし村」。今回は同店のひとり飲み体験レポートをお届けします。

 

【関連記事】
「せんべろnet」に聞く! 1000円で楽しめる「せんべろ」の噺

 

初心者でもひとり飲みしやすいお店とは?

↑JR錦糸町駅に到着! ここから「立呑み みつぼし村」までは徒歩約3分

 

ひろみんさんが「立呑み みつぼし村」をオススメした理由は、ひとり飲みに最適なお店だから。「まず、大きな窓から店内の様子がわかりやすく、表の看板にはメニューや価格も書いてあるなど、気軽に入れます。また、キャッシュオン(商品を受け取る際、その場で代金を支払う方式)なので、最初から予算を決められて、好きなタイミングで帰れるのも◎です」。

 

さらに「チューハイ200円、おつまみも110円~と『1000円札を握りしめて気軽に楽しめる安さ』、系列にイタリアンのお店もあり『低価格なのにおつまみが美味しい』こともポイントです!」とのこと。

 

こうして、「せんべろnet」の「立呑み みつぼし村」の記事で予習をしつつお店に向かう中村さん。「行ってきます!」とひろみんさんに伝えたところ、「もしわからないことあったら、気軽にLINEしてくださいね! ではでは~」との頼もしいメッセージが。

 

迷うことなく「立呑み みつぼし村」に到着した中村さん。まず店構えを観察すると、ひろみんさんの言う通り、窓越しに店内の様子がわかり、外の看板にはメニューと価格が書かれています。

 

↑看板に書かれているのは、メニューと価格、キャッシュオン式の会計であること、営業時間などです

 

~外観に見る「ひとり飲みしやすいお店」の条件~

・「大きな窓がある」「フルオープン」など、外から店内の様子が見えて、入りやすい店構え

・カウンターがある

・外の看板などにメニューと価格が書いてあり、おおまかな費用が把握できる

・「ひとり飲み歓迎」などが書いてあればさらに◎

 

いざ入店! テーブルに置かれたお皿はなに?

入店した中村さんはさっそくお酒を注文するも、気になったことをLINEでひろみんさんに質問します。

↑お店に入ると「立呑み みつぼし村6ヶ条」が。ルールがあり、安心して飲める。まずは読んでおこう!

 

 

↑「立呑み みつぼし村」ではこのお皿を会計に活用するとスムーズ

 

ひろみんさん曰く、立ち飲み店はキャッシュオンのお店もよくあるとのこと。その場合、お札は崩しておいたほうがベター。基本的に1000円札であれば問題なし。ただ、閉店時間が近くなるとお店の1000円札も溜まってくるため、その場合はまれに5000円や1万円札がありがたがられることもあるといいます。

 

~キャッシュオンについて~

・キャッシュオンとは商品を受け取る際、その場で代金を支払う方式のこと

・立ち飲み店はキャッシュオンの店も少なくない

・キャッシュオンのいいところは「今日はいくらまで飲む」と金額設定しやすく、明朗会計なこと

・お札は1000円札がベター

・テーブルに小銭入れがある場合はそこに入れておくと会計がスムーズ

 

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篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺
東京にある大衆酒場の名店を巡る企画の第2回。今回は、江戸川区・篠崎の「大林(おおばやし)」を訪れ、その魅力を探っていきます。

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【東京・大衆酒場の名店】の番外編として下町の大衆酒場の名物・焼酎ハイボールには欠かせない「炭酸水」について深堀りしていきます。

 

まずは、一杯!

中村さんが一杯目にオーダーしたのは「ゴールデンハイボール」(250円)。同店には通常の「焼酎ハイボール」(200円)もあるものの、壁に貼ってあった「ゴールデンハイボール」のポスターに心を奪われ、注文してみました。

壁には「うまさ、ゴールデン!!」のポスターが

 

↑「ゴールデンハイボール」(250円)

 

香りが甘く爽快感もしっかりとした「ゴールデンハイボール」のおいしさに感動した中村さん。その正体を知るために、ひろみんさんにLINEで質問してみました。

 

ひろみんさん曰く「『ゴールデンハイボール』のベースは宝焼酎『ゴールデン』。炭酸割りがよりおいしくなるようにブレンドされていて、甘い香りと絶妙なコクがポイントです。揚げ物からお刺身まで、大衆酒場の定番メニューとも相性抜群ですよ!」

↑「絶妙なコクがサイコーです!」と、「ゴールデンハイボール」を堪能する中村さん

 

~ひとり飲み(立ち飲み)ドリンクのポイント~

・関東の立ち飲みではプレーンの「チューハイ」が最安値(相場は300円前後)ということが多く、お店によって味の違いが楽しめたりもするのでオススメ

・お得にたっぷり飲みたい時にはホッピーセットがオススメ。「ナカ(焼酎)/ソト(割材)」スタイルで安価にナカをおかわりできる

・瓶ビールを注文して、ちびちびコップに注いで飲むのも楽しい!

 

 

ひとり飲みのおつまみは何品注文すればいい?

 

お酒が届いたところで、おつまみも選ぶ中村さん。気になったメニューをいったん2品注文したものの、分量の正解がいまいちわからない。注文のペースや一度にオーダーする数などはこんな感じで良いのか、ひろみんさんにLINEで確認してみることに。

 

↑「トマトサラダ」210円。「マヨネーズではなく自家製ドレッシングというひねりが素敵。キャベツ付きで箸休めにもイイですね!」と中村さん

 

↑「なめろう」230円。「刻み大葉とゴマが好アクセントで超おいしいです!」と中村さんも大絶賛

 

ひろみんさんの嗜み方は1品ずつ。特に初めてのお店の場合は分量がわからないことも多いため、まずは1品頼んで、そのお店のボリューム感を知るのだとか。

 

おつまみの選び方は、お店の名物があればそちらを優先することが多いそう。「立呑み みつぼし村」の場合、充実した鮮魚は必食で、特に「なめろう」はオススメとのこと。中村さんは野菜と魚をオーダーしたため、次はバランスよくお肉系のメニュ—を注文したいところ。

 

ひろみんさんのオススメは「ハムカツ」。さらに、「『ゴールデンハイボール』とも相性抜群!  別売りで『カットレモン』があるので、そちらを『ゴールデンハイボール』に入れるのもオススメですよ!」とのLINEがきたので、こちらもあわせて注文です。

↑「ハムカツ」230円

 

「ハムカツ」は自家製。揚げたてでサクサクと食感よく、食べ応えもあります。ここで、中村さんはひろみんさんがオススメした「カットレモン」でチューハイの“味変”に挑戦。さらに余ったレモンを「ハムカツ」にかけるというテクニックも披露!「ソースをかけるのもいいけど、そのままでもすごくおいしい! レモンを搾って余韻をすっきりさせるのもアリですね~」と中村さん。

↑「カットレモン」は100円。別皿に4切れで提供されるため、揚げ物に搾るなど自由に使ってOK

 

↑「『ゴールデンハイボール』にカットレモンを入れるとスッキリして、お酒がすごく進みます!」と中村さん

 

ちなみに、ひろみんさんが今回「立呑み みつぼし村」をオススメしたのは、ほかにも理由がありました。それは、ここが酒場の聖地をルーツにもつお店だから。

 

実は同店、赤羽(東京都北区)にあるせんべろの聖地「立ち飲み いこい」で修業した方が営んでいるのです。もちろん「立ち飲み いこい」も最高なのですが、聖地なだけあって、初めて行くなら「立呑み みつぼし村」のほうが緊張しないだろうという理由で選んでくれたのです。

 

 

↑ひろみんさんの最新作『せんべろnetのひとり酒場 家飲み手帖』(ワン・パブリッシング・刊)は2023年7月27日に上梓されたばかり

 

↑今回のお会計。「ゴールデンハイボール」2杯、「トマトサラダ」「なめろう」「ハムカツ」「カットレモン」で合計1210円也

 

~ひとり飲み(立ち飲み)のおつまみについて~

・店員さんが忙しい場合があったり、スペースを占領しないよう、注文は1品、多くても2品がオススメ

・お店の名物があるならぜひ味わってみて&近くの常連さんが注文したメニューを真似するのもアリ

・立ち飲みのお店はチャージ(お通し)がないところも多いので、その場合、おつまみを1品以上注文するのがベター

 

酒場のひとり飲み歩きは始まったばかり

ひろみんさんから、ひとり飲みの入門に最適なお店ということで教えてもらい、錦糸町の「立呑み みつぼし村」を訪れた中村さん。1000円程度の予算で、自分のペースで楽しむことができて、酒場探訪の楽しさを改めて実感したのでした。次回もひろみんさんのアドバイスをもとに、ひとり飲みにぴったりな人気店を訪問する予定ですのでお楽しみに!

 

 

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11月11日は「立ち飲みの日」!——達人が語る立ち飲みの魅力の噺
11月11日は「立ち飲みの日」。今回は『古典酒場』創刊編集長の倉嶋紀和子さんら達人たちの立ち飲み愛を東京・新橋の名店で語ってもらいました。

レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺
「意外と知らない焼酎の噺」。どうしてお酒を『割る』のか?「割り材」の歴史や種類について、「居酒屋礼賛」主宰の浜田信郎(はまだ しんろう)さんとともに探ります。

 

<取材協力>

立呑み みつぼし村

住所:東京都墨田区錦糸4-7-2
営業時間:平日16:00〜22:00、土曜日曜14:00〜22:00
定休日:水曜

※価格はすべて税込みです

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎「ゴールデン」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/golden/

 

撮影/鈴木謙介

「お茶割り」のプロに聞く「焼酎×お茶」組み合わせの妙を楽しむ噺

意外と知らない焼酎の噺13


『古典酒場』編集長の倉嶋紀和子さんがナビゲーターとなって探っていく「意外と知らない焼酎の噺」。今回のテーマは「お茶割り」。いまや酒場の人気メニューとなった焼酎の「お茶割り」について深掘りしていきます。

 

今回お話しを伺うのは、京都・宇治の茶舗や長野の酒蔵などを経て、昨年7月、東京都墨田区向島に「酒と茶と 襤褸(らんる)」を開業した松木恵美さん。倉嶋さん主宰のカルチャースクール「倉嶋紀和子の古典酒場部」の門下生でもあります。そして、「焼酎」および焼酎の「お茶割り」開発のスペシャリスト・宝酒造 商品第一部 副部長兼技術課長の高橋悠典さん(「高」ははしごだか)と、商品第二部 技術課長の大崎学さんにも同席いただき、解説してもらいます。

●倉嶋紀和子(左)/雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名。令和4年(2022年度)には「酒サムライ」に叙任された
●酒と茶と 襤褸(らんる)・松木恵美(右)/宇治の茶舗、クラフトビールで有名な長野の酒蔵、東京・門前仲町・酒肆一村(しゅしいっそん)など茶・酒・食に関するさまざまな職を経て2022年、墨田区向島に「酒と茶と 襤褸」を開業

 

「お茶割り」の歴史や定義とは?

実は「お茶割り」の成り立ちや、明確な歴史についてはよくわかっていません。静岡などのお茶どころでは、伝統的に焼酎の「緑茶割り」(「静岡割り」と呼ばれる)が飲まれている地域もありますが、全国的には1980年代に起きたチューハイブームを経て徐々に広まりました。また、この時期に缶入りの烏龍茶や緑茶飲料が誕生したことが、烏龍割り(ウーロンハイ)や緑茶割り(緑茶ハイ)など「お茶割り」の浸透に強く関係しているとも言われています。

 

近年は食文化とともにお酒の飲み方も多様化し、他方で抹茶は世界的な人気に。また、2016年にオープンした「茶割」(東京都・目黒区)が100種の「お茶割り」を提供する独自性で話題になるほか、2019年には「抹茶ハイフェスティバル」が開催されたり、2022年には「一般社団法人日本お茶割り協会」が設立されたり。すそ野はますます広がっています。

 

なお、「お茶割り」もチューハイやサワーと同様に明確な定義はありません。こちらについては本シリーズ「『チューハイ』ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺」で触れているので、ぜひ一読を。さて、以下から本題へ。松木さんに「緑茶」の基礎知識から教えてもらいました。

 

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「チューハイ」ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺
これまで、焼酎の歴史や、造り方について深掘りしてきた本シリーズですが、ここからはその飲み方などの”実践編”。今回のテーマは「チューハイ」です。

 

『緑茶』は日光の浴び方で大きく2種に分類される

倉嶋 松ちゃんには「古典酒場部」の講座を受講してもらっていますが、今日は私が生徒ということで、よろしくお願いします。まずは『緑茶』の種類から教えてください。

 

松木 はい。倉嶋編集長に教えるなんて大変おこがましいのですが。まず、種類はたくさんあるんですけど、大きく分けると2つ。茶畑に覆いをする「覆下園(おおいしたえん)」と、覆いをしない「露天園(ろてんえん)」があります。「覆下園」は日光を遮断するので、渋みは少ない一方うまみ豊かでまろやかな味に。「露天園」は日光を十分に浴びるので、渋みや爽やかさが特徴です。

↑覆下園(左)と露天園(右)

 

倉嶋 なるほど! 覆いをするかどうかで味が変わってくるんですね。

 

松木 はい。茶葉に含まれるアミノ酸のテアニンが変化するんですね。アミノ酸はうまみ成分ですが、日光を浴びることで渋味成分であるカテキンになるんです。

 

倉嶋 カテキンって、健康茶によく含まれてるやつですね。確かポリフェノールの一種で。

 

松木 そうそう、それです。で、より具体的なお茶の分類としては、「覆下園」には『玉露』『碾(てん)茶(抹茶)』『かぶせ茶』などがあります。「露天園」は『煎茶』や、九州や伊豆で主流の『玉緑茶(ぐり茶)』、『ほうじ茶』『玄米茶』『番茶』などですね。

 

品質の善し悪しを決めるポイントとは?

倉嶋 こうしてあらためて聞くと、種類が豊富ですね。

 

松木 ただ「覆下園」は覆いをする手間もかかるので、生産量として圧倒的に多いのは「露天園」です。

 

倉嶋 それに、価格も「覆下園」のほうが高いでしょ?

 

松木 基本的にはそうですね。また、同じ茶葉でも摘み方や製法によって価格はさまざまです。見た目だけでもかなり差があって、今日は比較でわかりやすいように2種類の『煎茶』を用意しました。

↑左が安価な茶葉。右が高級な茶葉

 

倉嶋 ほんとだ、左右でまったく違う! 右の、色ムラがなく濃いほうが高級でしょ?

 

松木 ええ、右の茶葉は3倍ぐらい高価ですね。グレードのチェックポイントとしては5項目。①形状、②ツヤ、③香気、④水色(すいしょく)、⑤滋味です。この違いは何で生まれるかというと、ひとつは若さ。大前提として、若い芽のほうが小さくて細く、ツヤがあります。

 

倉嶋 確かに。それに高級なほうは色の濃さだけではなく、パリッとした感じもありますね。でも、茶葉は小さいほうがいいのですか?

 

松木 大きくなると雑味に通じる繊維質が増えますし、針のようにきれいな形にならないんです。

 

倉嶋 そういうことなんですね。あと、高級なほうが茶葉を丁寧に選別してるということでしょうか?

 

松木 それもあります。こちらはその年の最初に生育した若い新芽、つまり一番茶だけを摘んでさらに選別したものですね。一方の安いほうは茶葉の若さや大小はあまり気にしていないのでバラつきがありますし、色の淡い茎の部分も入っています。

 

倉嶋 なるほど、このちょっと太くて淡いのは茎なんですね。

 

 

茶葉の味を比べてみる

松木 淹れて比べるとまた面白いですよ。ちょっと待っててくださいね。

↑茶こしで淹れている状態。左が安価な茶葉。右が高級茶葉

 

↑安価な茶葉(左)は色が濃く沈殿物も多い。高級茶葉(右)は色味も鮮やかで沈殿物が少ない

 

倉嶋 わっ、見た目は高級なほうがクリアで鮮やか。あと、沈殿が少ないんですね。

 

松木 沈殿しているのは茶葉から出る粉です。高級なほうは茶葉を選別する際に粉も取り除くんですよ。粉が少ないぶん、雑味も出にくくなっています。ちなみに、今日は比較用にあえて熱湯で淹れました。

 

倉嶋 比較するには熱いほうがいいんですか?

 

松木 適温は茶葉によって様々なんですけど、『煎茶』でうまみを豊かに感じるには70~80℃が目安なんです。ただ今日の『煎茶』を70~80℃で淹れると、若い茶葉のほうが良さが引き立つので、フェアじゃないというか。一方、90℃近い熱湯で淹れると苦みに通じるカテキンやネガティブな味覚成分が出やすくなって、茶葉そのものの実力を感じやすいんです。

 

倉嶋 なるほど、そうなんですね! そして確かに、味も全然違いますね。高級なほうが香りが清々しく、苦みも凛々しくて美味しいです。

 

松木 味が鮮明で、フレッシュなニュアンスもありますよね。

 

倉嶋 でも、こうしてじっくり味わってみると、意外に『緑茶』って酸味は感じないんですね。

 

松木 それは、よく言われる発酵の違いによるものです。日本の『緑茶』は“不発酵茶”なので、比較的酸味は少ないんですよ。有名な分類ですと、『紅茶』は“発酵茶”で『烏龍茶』は“半発酵茶”。これらは発酵されているぶん酸味を感じる特徴があります。

 

お酒に茶葉を漬け込んだ自家製の「お茶割り」

倉嶋 お茶については良く分かってきたので、いよいよ「お茶割り」が飲みたくなってきました(笑)。ちなみに、「襤褸」ではどのような「お茶割り」を出しているんですか?

 

松木 うちのお店は炭酸水を使う「お茶ハイボール」がスタンダードなんですけど、ベースのお酒は、甲類焼酎やジンにあらかじめ茶葉を漬けこんだ自家製。いくつかのフレーバーを用意し、メニューに応じて炭酸水で割って提供しています。

倉嶋 お茶とお酒を別々に合わせるわけではないんですね。そのベースのお酒はどのように作ってるんですか?

 

松木 酒燗器を使い甲類焼酎などの温度を上げることで、茶葉から狙った量の味わいを抽出しています。でもネガティブな成分が出ないよう、浸出する目安は5分ですね。

 

同じお茶でも焼酎が違うと味がガラッと変わる!

ここからは講師をいったんバトンタッチ。「宝焼酎」など「蒸留酒」の開発担当者である宝酒造 商品第一部 副部長兼技術課長の高橋悠典さんと、「宝焼酎のお茶割りシリーズ」や「寶 抹茶ハイ」など焼酎ベースの「ソフトアルコール飲料」を手掛けている商品第二部 技術課長の大崎学さんのおふたりです。

 

倉嶋 次は「焼酎×緑茶」についてということで、よろしくお願いします。

 

高橋 説明する前に、まずは飲んで頂きましょうか? そのほうがわかりやすいと思うので。今日は焼酎の違いで「お茶割り」の味がどう変わるかを体験いただきたく、当社の「極上〈宝焼酎〉」と宝焼酎「タカラモダン」を用意させていただきました。

↑宝酒造 商品第一部 副部長兼技術課長の高橋悠典さん

 

倉嶋 待ってました!

 

大崎 松木さんには事前にお願いして、2種類の「宝焼酎」に先ほどの高級茶葉をつけ込んだものを本日のベースのお酒として準備してもらっています。

↑宝酒造 商品第二部 技術課長の大崎学さん

 

倉嶋 ありがとうございます!

 

松木 では、作っていきますね。

 

 

高橋 「極上〈宝焼酎〉」は樽貯蔵熟成酒を3%ブレンドしており、まろやかな口当たりとコク深い味わいが特徴。「タカラモダン」は当社の独自技術でやわらかな味わいを表現しており、ほのかな甘みやカドのないクリアなキレが魅力です。アルコール度数はどちらも25%ですね。

↑「極上〈宝焼酎〉」(左)、宝焼酎「タカラモダン」(右)

 

松木 「タカラモダン」はピンク色のかわいらしいラベルデザインも素敵ですよね。編集長、まずはこの「モダン」のほうから飲んでみてください。どうぞ。

 

倉嶋 うん! 『緑茶』の清々しい香りがフレッシュで、爽やかな味わいですね。キレも良くてすっきりしているから、これは暑い日に飲みたい!

 

松木 茶葉の爽やかな風味を感じる「お茶割り」ですよね。では次に、「極上〈宝焼酎〉」のほうを飲んでみてください。

 

倉嶋 あっ、これはよりお酒のまろやかなコクを感じる味わいで、余韻に多層的な香りが伸びてきます。より「お茶割り」としての膨らみが出て、お茶の甘い香りと極上な宝焼酎の持ち味を感じる美味しさですね。

 

高橋 先ほど松木さんがおっしゃっていたように、『緑茶』にはうまみの素であるアミノ酸をはじめ、さまざまな成分が含まれているんですね。これは樽貯蔵熟成酒も同様で、うまみや甘み、香りなどさまざまなものが含まれます。その成分が調和して引き立て合ったり、一方で欠けている味を補ったりすることで美味しさが生まれているのだと思います。

 

大崎 補うというのは、例えば渋味のカドをまろやかな甘みでおいしい苦味に変えていくようなイメージですね。

 

倉嶋 樽貯蔵熟成酒は以前に宮崎の黒壁蔵で勉強させていただき、それまで甲類焼酎は無色透明で味わいに違いはないと思っていた私の価値観がガラリと変わりました。約85種類あるという樽貯蔵熟成酒は、宝酒造の甲類焼酎の味の要ですよね。

 

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焼酎の味わいを決める「樽貯蔵熟成酒」について宮崎・高鍋で学ぶ噺

 

松木 並べて比べて見ると、同じお茶と透明な甲類焼酎の組み合わせなんですけど、「モダン」のほうが少し色が濃いんですよね。これも面白いと思いました。

 

倉嶋 ほんとだ! これは何でですか?

 

高橋 「極上〈宝焼酎〉」のほうは樽貯蔵熟成酒が3%入っているためpH(※)などの微妙な違いが関係しているのかもしれませんね。

※水素イオン指数。溶液の酸性・アルカリ性の程度を表す物理量。

 

松木 なるほどー! でも今回2種試してみて、「お茶割り」にすることで焼酎の味の違いがよりわかる気がしました。

 

倉嶋 うん、それぞれの焼酎の特徴がはっきり出てくる印象ですよね。お酒好きの人には、どっしりとした「極上」のほうなのかなぁ。

 

松木 はい。1杯目に爽やかな「タカラモダン」のほうを味わって、あとはじっくり「極上〈宝焼酎〉」の「お茶割り」で楽しむのはいい流れだと思います。

 

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美味しい「お茶割り」を作るコツ

倉嶋 今日は最後、松っちゃんに美味しい「お茶割り」の作り方も教えてほしいです。

 

松木 すべてのチューハイに共通するのは、よく冷やすことですね。焼酎も割り材も冷やし、氷は溶けにくいロックアイスがオススメです。冷たいお茶に関しては、市販されているもので構いません。

倉嶋 そっか、お茶を淹れて冷やしてとなると、手間がかかりますよね。

 

松木 もし淹れる場合は、『緑茶』の湯温はやっぱりアミノ酸が出やすい70~80℃がオススメです。ただ、『ほうじ茶』は高温でもOK。『ほうじ茶』の場合は高温抽出すると香りが立ってくるのと、渋味のもとになるカテキンがそこまで出ないんです。

 

倉嶋 『緑茶』は水出しでもいいのでしょうか?

 

松木 いいと思いますよ! 水出しはまろやかな口当たりになる特徴がありますからね。あと、もし『玉露』を使うなら、『玉露』ならではのまろやかさがいっそう際立つ水出しはオススメです。

 

倉嶋 まろやかな味わいかぁ。「極上〈宝焼酎〉」とかスゴく合いそう。つまみはおにぎりかなっ!

 

松木 いいですねぇ! 編集長もご自宅で、ぜひ試してくださいね。

 

「お茶割り」は夢のような飲み物

大崎 もっと気軽に「お茶割り」を楽しみたいときは、ぜひ、宝焼酎の「お茶割りシリーズ」もお試しください。

 

倉嶋 そうですね! これなら、なんの準備もなく「お茶割り」を楽しめますね(笑)

 

高橋 「宝焼酎のやわらかお茶割り」は、アルコール度数を4%に設定していますが、『緑茶』の美味しさを引き立て、お酒としての飲みごたえが感じられるように、バランスを調和させていくのが腕の見せ所ですね。

 

大崎 「茶葉」は、うまみや渋味といった味わいに層がある、『煎茶』の一番茶を一部使用しています。そのうえで意識していることは、飲み飽きないクリアなおいしさですね。『緑茶』の清々しい香りや味が焼酎のコクと響き合う、清涼感のある美味しさを目指しました。

↑宝焼酎の「お茶割り」シリーズ

 

倉嶋 お酒感があって飲み飽きないなんて、お酒好きにはうってつけってことかぁ。

 

松木 源実朝(みなもとのさねとも・鎌倉幕府の第三代将軍)が二日酔いで苦しんでいたとき、お茶を飲んだら収まったなんていう話が『吾妻鏡』に書かれていると聞いた事がありますけどね。

 

倉嶋 糖質ゼロのお酒だし、おまけに酔い覚め爽やかとは、「お茶割り」は夢のような飲み物ですね(笑)。

 

今回は、お茶の種類の違いから、品質の善し悪しを決めるポイントをはじめ、焼酎メーカーと飲食店、双方からプロのこだわりを学んできました。「お茶割り」は、ベースとなる焼酎を変えるだけでもガラリと味が変わりますし、「ほうじ茶」や「玉露」など、自分で淹れたお茶で違いを楽しむのもアリ。今回学んだことを参考に、ぜひ皆さんもいろいろと試してみてくださいね。次回の「意外と知らない焼酎の噺」もお楽しみに!

 

 

<取材協力>

酒と茶と 襤褸 (らんる)

住所:東京都墨田区向島2-10-11 南山ビル 1F
営業時間:17:00~22:00(L.O.21:00)
定休日:水曜

※価格はすべて税込みです
※営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2023年6月7日)

 

撮影/我妻慶一

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・極上〈宝焼酎〉
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/lineup/gokujo-takara-shochu.html

・宝焼酎「タカラモダン」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takaramodern/

・宝焼酎のやわらかお茶割り
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/ochawari/

・宝焼酎の濃いお茶割り〜カテキン2倍〜
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/ochawari/

・宝焼酎の烏龍割り
https://www.takarashuzo.co.jp/products/soft_alcohol/ochawari/

 

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【意外と知らない焼酎の噺01】「焼酎って何?」その定義やルーツをお酒の専門家に聞く噺
【意外と知らない焼酎の噺02】「甲類焼酎の製造方法」を工場で学ぶ噺
【意外と知らない焼酎の噺03】いろんな「甲類焼酎」を飲み比べて味わいの違いを実感する噺
【意外と知らない焼酎の噺04】芋焼酎のつくり方を知り、味わいを楽しむ噺
【意外と知らない焼酎の噺05】麦焼酎の歴史とつくりを知り、味わいを楽しむ噺
【意外と知らない焼酎の噺06】焼酎の味わいを決める「樽貯蔵熟成酒」について宮崎・高鍋で学ぶ噺
【意外と知らない焼酎の噺07】「チューハイ」ってどんなお酒? その歴史や魅力を深掘りする噺
【意外と知らない焼酎の噺08】ホッピーミーナが語る! 焼酎のベストパートナー「ホッピー」の噺
【意外と知らない焼酎の噺09】レモンサワー発祥の店「もつ焼き ばん」で語る、焼酎「割り材」の噺
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【意外と知らない焼酎の噺12】「強炭酸チューハイ」をつくるディスペンサーの秘密に迫る噺

【東京・大衆酒場の名店】渋谷に復活!「立呑 富士屋本店」のカウンターで伝説の立ち飲みを楽しむ噺

東京にある大衆酒場の名店を巡る企画の第10回。今回は渋谷の「立呑 富士屋本店」を訪れ、立ち飲みスタイルと、そのカウンターの魅力を探っていきます。

 

大衆酒場は、その安さとウマさ、昔ながらの温かい雰囲気で、酒飲みの心をひきつけてやみません。なかでも東京では下町を中心に、根強い人気を誇る大衆酒場の名店が数多く存在します。そんな名店を巡り、お店の魅力と東京ならではの酒文化を深掘りしていくのが本連載。立石「宇ち多゛(うちだ)」篠崎「大林」京成曳舟「三祐酒場(さんゆうさかば) 八広(やひろ)店」八広「亀屋」四つ木「ゑびす」門前仲町「だるま」船堀「伊勢周」門前仲町「大坂屋」横須賀「お太幸」に続く第10回は、渋谷の「立呑 富士屋本店」にお邪魔します。

 

※本稿は、もっとお酒が楽しくなる情報サイト「酒噺」(さかばなし)とのコラボ記事です

 

定番の焼酎ボトルと割り材で自分好みのチューハイを楽しむ!

これまで数々の名カウンター酒場を紹介してきましたが、今回は本企画で初の立ち飲み店です。訪れた「立呑 富士屋本店(旧店名は「大衆立呑酒場 富士屋本店」)」は東京を代表する立ち飲み酒場で、渋谷の再開発により閉店していましたが2022年の11月に移転復活。

 

企画の講師はカウンター酒場に詳しい長谷川和之さんが担っていますが、今回は参加できず。代わりに酒場好きのフードアナリスト・中山秀明さんが長谷川さんから命を受け、生徒役のお酒好きタレント・中村 優さんに、同店の魅力や立ち飲みカウンターの楽しみ方をレクチャーします。

↑中村 優さん(左)は、タレントおよびマラソンランナーとして活躍。中山秀明さん(右)はフードアナリストの資格をもつライターで、食ジャンルを中心に取材執筆をしています

 

中村 中山さん、お久しぶりですね。今日は、師匠の長谷川さんが来られないので、ご指導よろしくお願いします! 「立呑 富士屋本店」は有名ですけど初めて来ました。渋谷の、しかもこんなに駅から近い場所にあったなんて!

↑店内には「L字型」と長めの「コの字型」の2つのカウンターがある。ハイテーブルも置かれ、すべてスタンディング(写真奥はコの字型カウンター)

 

中山 渋谷には系列店がこの桜丘町に3店舗あって、ほかに三軒茶屋や日本橋浜町にも展開していますね。なかでもこの「立呑 富士屋本店」はスタンディングの大衆酒場です。では、まずはお酒から注文しましょう。ちなみに、「立呑 富士屋本店」はボトル焼酎を好みの割り材で割って、多彩なチューハイを楽しめるスタイルなんですよ。

 

中村 あっ、好きな濃さで飲めるやつ! 確か連載初期に伺った「大林(篠崎)」もボトルではなかったですけど自分で割るスタイルでした。いいですね~!

 

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中山 それなら、まずは「立呑 富士屋本店」の定番「宝焼酎」360mlのボトルをお願いして、僕はホッピー割りでいきます。中村さんはどうします?

↑「宝焼酎25% 360ml」750円

 

中村 私は炭酸とレモンで「レモンサワー」にしようかな。では、注文しますね!

 

中山 「立呑 富士屋本店」は、焼酎のボトルは常温なので、冷えたグラスに氷と焼酎を入れマドラーでステアしてから炭酸を入れると、すべてが冷やされて(3冷)美味しく飲めますよ。

 

中村 なるほど!

↑マドラーでステアして焼酎を冷やす中村さん

 

↑「炭酸」150円、「カットレモン」150円

 

中村、中山 では、カンパーイ!

 

中村 おいしい! 私は酔いやすいので、自分好みの濃さ(薄め)に調節して飲めるのはうれしいです。

 

中山 そういえば、前回行った「お太幸(横須賀)」は焼酎が濃い“横須賀割り”の名店でしたね。あちらも力強くてメチャウマですけど。

 

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【東京・大衆酒場の名店】「お太幸」の変形カウンターで、横須賀の味わいを満喫する噺

 

中村 はい、確かに横須賀まで行く価値がありました! では続いておつまみも注文しましょう。オススメはどれですか?

 

中山 外せないのは「ハムキャ別」。ほかに移転前から定番の人気メニューには「なすみそ」や「ねぎぬた」、「スパサラ」などがありますよ。

↑お品書きは黒板のほか、紙のメニューリストも。なお、QRコードを読み取ってオーダーすることも可能

 

中村 おいしそうなメニューがたくさんありますね! では、まずは「ハムキャ別」と「スパサラ」を。あとはどうしよっかな?

 

中山 復活後に新しく加わったメニューも豊富で、なかでも「鰯海苔巻き」はイチオシです!

 

中村 イイですね~。ではその「鰯海苔巻き」と、あとは「あさりの酒蒸し」もお願いします!

 

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立ち飲みカウンターの嗜み方と作法

中山 今回のテーマは立ち飲みカウンターなんですけど、中村さんは立ち飲みのお店にも行きます?

 

中村 たまに行きますよ! サクッと飲めるところがイイですよね。

 

中山 はい! それに、なんといっても手ごろな価格で飲めて楽しめるところが最大の魅力ですね。

 

中村 お店側としては、イスが不要だから小規模のスペースで効率よく運営できるという利点もありますね。

 

<カウンター酒場マニア・長谷川和之のひとくちメモ ①>

立ち飲みの最大の魅力は、少し時間が空いたとき、ちょっとだけ飲みたいとき、おつまみも1品2品でいいというとき−−どんなタイミングでも、気軽に入れること。

長っ尻せず、1日の中の「句読点」のように立ち飲み屋に立ち寄って呑む。疲れやストレスをさっと洗い流す。ダラダラと飲んで、酔っ払うようなことはせず、サクッと飲んでサクッと退店。それがいいですよね。

「ひとり飲み」初心者の方も、まず立ち飲みからであればハードルは低いでしょう。自分に合わない店だなと思ったら1杯で会計してもOKです(笑)。

 

 

中山 そうですね。そして楽しみ方の作法としては、座席数という概念がないので、賑わってきたらたくさんの人が飲めるよう、スペースを詰めたり、お会計して退店したりという譲り合いの気持ちが大切です。あまり注文せずに長居するのはご法度ですね。

 

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中村 立ち飲みのお店は、まさに大人の社交場ってことですね。では「立呑 富士屋本店」のカウンターの特徴はどんなところにありますか?

 

中山 カウンター酒場マニアの長谷川さんによると「L字型」と長めの「コの字型」の2つのカウンターがあるのが特徴とのこと。1店でふたつの異なるカウンターが楽しめるお店は貴重で、その日の気分に合わせて、カウンターを選ぶのも楽しそうですね。

ちなみに、移転前は「ロの字型」のカウンターで、こちらはライブ感や一体感がスゴかったです。その雰囲気は復活後のここでも感じますね。広さも同じぐらいだし、どんどんお客さんが入ってきてすぐ賑やかになりますから。

 

中村 お店の外にも席が設けられているぐらいですもんね。

 

中山 それと、店内の間取りが横長なのは、もともと1店舗ぶんのスペースだったところを、隣の店が空いたので、壁を取っ払ったからなんです。

 

中村 なるほど! そういうことなんですね。

 

立ち飲みはテーブルの高さが重要

中山 これまで中村さんが訪れた大衆酒場の名店は、カウンターの形やテーブルの奥行きにフォーカスが当たっていたと思うんですけど、立ち飲みの場合は高さも重要なんです。テーブルの位置で、くつろぎやすさが変わりますから。

 

中村 確かにそうかもしれません。高すぎても低すぎても疲れちゃいますもんね。

 

中山 ちょっと、長谷川さんに習って「立呑 富士屋本店」のカウンターを測ってみましょう。

 

中村 任せてください! 今日は私がメジャーを持ってきました。

 

中山 おっ、さすがカウンター酒場5回目ともなると頼もしい! しかもかわいいメジャーですね~。

↑羊のぬいぐるみをモチーフにしたメジャーで測る中村さん

 

中村 え~と、高さは110cmです。

 

中山 立ち飲み店にしては少し高めですね。長谷川さん曰く、110cmという高さだと自然に背筋が伸びて、かっこいい立ち姿になるそうです。猫背でジョッキやグラスを口に持っていくのは、あまりおしゃれな見た目とは言えませんからね。ちなみに、カウンターの奥行はどれくらいですか?

 

中村  奥行きは55cmで、コーナーになると65cmですね。

 

中山 奥行きの長さは45~65cmが適正なので、「立呑 富士屋本店」は正統派の広さといえるでしょう。

 

中村 十分に奥行きがあるから肘を置いてゆっくりできますし、居心地も抜群です。

 

 

渋谷の伝説「富士屋本店」復活までのストーリー

中村 あ、移転前のお店の写真が飾ってありました。これが「ロの字型カウンター」! 歴史も深そうな雰囲気ですね。

 

↑移転前の「ロの字型カウンター」(写真提供:立呑 富士屋本店)

 

中山 開業は昭和46(1971)年。もともと100年以上、この地で酒販店を営んでいた「富士屋本店」が、自社ビルの地下に出店した立ち飲み酒場です。酒販店は山手線の線路側にあったそうで、地下にあった「大衆立呑酒場 富士屋本店」は、この坂を下りて線路側に少し歩いた路地裏に入口がありました。確か楽器店の手前だったかな。

 

中村 いまは大きな複合施設が建設中になっている場所ですかね。

 

中山 そうです。2018年の10月末に立ち退き閉店となり、最終日は100人〜200人の行列ができたとか。“渋谷の名物大衆酒場が伝説に”といった見出しで、ニュース番組でも報道されていた記憶があります。

 

中村 酒場好きの聖地だったと。それが復活とあれば、ファンにはたまらなくうれしいですよね。

 

中山 ええ。聖地であり、秘密基地であり。で、今日の「立呑 富士屋本店」はもともと「富士屋本店 ダイニングバー」だったんです。こちらも立ち飲みで、洋食つまみとハイボールやワインがウリでしたね。こちらを業態転換する形で、「立呑 富士屋本店」へとフルリニューアル。スペースも広くなり、2022年11月24日に新たなスタートを切ったんです。

 

<カウンター酒場マニア・長谷川和之のひとくちメモ②>

“先代”の地下にあった富士屋本店は、どちらかと言えば、昭和の雰囲気を色濃く残した古き良き大衆酒場でした。毎日通ったとしても、安く安心して飲むことができるおじさんたちのオアシス的な存在でした。

リニューアル後は、“先代”時代の人気メニューだけでなく、本格的な割烹やイタリアン、フレンチを彷彿とさせる手の込んだ料理が多数メニューに並んでいます。その割に値段は“先代”の大衆酒場のままという、お客さんにとってはとてもうれしい形での復活でした。

前のお店では、カウンターしかなかったのですが、新店舗にはいくつかテーブルが用意されています。1人でも2人でもグループでも立ち飲みを楽しめるようになったのは、最大の変化ではないでしょうか。

 

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往年の名作「ハムキャ別」ほか、お酒が進むおつまみが満載

中村 おつまみが来ましたね。あっ、これが「ハムキャ別」か~。こうして別々にしてハムが乗っかってるから“別”っていうことなんですかね。面白いし、見た目のインパクトもスゴい!

↑「ハムキャ別」400円

 

中山 「ハムキャ別」は食べごたえのあるロースハムと、ほんのりマヨネーズの効いた千切りキャベツのコンビネーションが神! 名物女将・ヨシ江ママ直伝のレシピが受け継がれている傑作です。ハムの仕入れ先も昔と変わっていないそうで、創業当時そのままの味が楽しめますよ。

 

中村 すごくおいしい! ちょっと厚めでお肉のうまみもしっかりしたハムがインパクト大で、絶妙な幅の千切りキャベツがベストマッチですね。これはお酒が進むわ~。

↑「スパサラ」300円

 

中山 「スパサラ」はキュウリ、玉ネギ、ニンジンが好アクセントになっていて、辛子マヨネーズのパンチもたまらない一品です。こちらはオリーブオイルも使うなど、あえて今風の味に進化させたそうで、よりお酒が進むおいしさになりました。

 

中村 確かに、どこか懐かしい味わいの奥にある、ピリッとした辛子マヨがクセになりますね。野菜のシャキッとした食感や、黒胡椒の風味もいいです!

 

↑「鰯海苔巻き」850円

 

中山 「鰯海苔巻き」は酢じめしたイワシと、紅生姜、キュウリ、青ネギ、薄焼き卵を閉じ込めたアテ巻きです。しっかり味付けされているので、そのままイケますよ!

 

中村 これは発明だ! ビジュアルからして最高ですね~。うん、味も抜群! イワシの脂と酢じめの酸味が絶妙で、紅生姜も大活躍。爽やかな後味で、レモンサワーにめちゃめちゃ合います。

 

中山 そして中村さんが気になっていた「あさりの酒蒸し」。こちらはニンニクとオリーブオイルで香りを立て、日本酒で蒸し上げた味付けも秀逸ですが、そもそも旬を迎えた春のアサリは、プリッとしていて間違いないウマさですよ!

↑「あさりの酒蒸し」650円

 

中村 わー、香りからして最高! ほんとはチビチビと味わうおつまみなんでしょうけど、止まんないおいしさです。

 

中山 つい、お酒も進んじゃいますよね。もうちょっと飲みたいときなど、焼酎をおかわりしたいときは、小さいカップの220mlサイズもあるので便利です。あと、ひとり飲みにもこちらがオススメですよ。

↑「宝焼酎 220mlカップ」500円

 

中村 あっ、これはコンビニでもおなじみのかわいいサイズですね!

 

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これまでの名カウンター酒場を振り返って

中山 これまで、いろんなカウンター酒場を巡ってきたと思うんですけど、振り返ってみていかがですか?

 

中村 どのお店も印象的で、すごく記憶に残っています。「だるま(門前仲町)」は「コの字型カウンター」の醍醐味を存分に楽しめるお店で、姉妹店主の笑顔も素敵でした。「伊勢周(船堀)」は「L字型」に加え、向かい合って座れる席配置もユニークで。「大坂屋(門前仲町)」は大工さんの技術も見事な「三日月型カウンター」がスゴかったです。“東京五大煮込み”に挙げられる名物料理と、女将さんのあたたかさも忘れられません。

↑門前仲町の「大坂屋」にて師匠の長谷川さんと

 

そして前回の「お太幸(横須賀)」は「コの字」と「L字」を組み合わせた、独特の「H型カウンター」でした。“横須賀割り”のパワフルなチューハイと、2階の桟敷(さじき)も圧巻でしたね!

↑横須賀「お太幸」の「H型カウンター」

 

中山 どのお店も個性的! セレクトが素晴らしいですね~。

 

中村 もちろん、今日の「立呑 富士屋本店」も素晴らしい酒場です! 気軽に飲める自由で開放的な雰囲気が最高ですし、お酒も料理も絶品! そのうえで今日あらためて思ったのは、カウンターなど店内の設計や構造の部分は、メニューと同じぐらい重要なんだなということです。

 

中山 ええ。席のレイアウトが変わるだけでも、お店の雰囲気はガラッと変わりますからね。

 

中村 お客さんにとっては、座る位置や目線の高さで見える景色も違いますし、視界に何が入ってくるかで楽しみ方が変わることもわかりました。

カウンターのことだけでなく、「三祐酒場八広店(京成曳舟)」、「亀屋(八広)」、「ゑびす(四つ木)」など、東京・下町の名店にも伺って、「焼酎ハイボール」の歴史や大衆酒場の奥深さも学ばせてもらいました。おかげで、大衆酒場がもっともっと好きになれそうです。読者のみなさんもぜひ、大衆酒場を楽しんでみてください!

 

 

 

撮影/鈴木謙介

 

<取材協力>

立呑 富士屋本店

住所:東京都渋谷区桜丘町16-10
営業時間:平日17:00〜22:00(L.O.21:30)、土曜16:00〜22:00(L.O.21:30)、日曜祝日15:00〜20:00(L.O.19:00)
定休日:なし

※価格はすべて税込みです
※営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2023年4月26日)

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/takarashochu/

 

「東京・大衆酒場の名店」バックナンバーはこちら▼

・第1回 【東京・大衆酒場の名店】この緊張感は何だ? 行列しても入りたい立石「宇ち多゛」の強烈な魅力の噺

・第2回 【東京・大衆酒場の名店】初心者女子と楽しく学ぶ! 篠崎「大林」の魅力と「下町酒場の成り立ち」の噺

・第3回 【東京・大衆酒場の名店】伝説の「三祐酒場」で聞く「元祖焼酎ハイボール」発祥の噺

・第4回 【東京・大衆酒場の名店】酎ハイ街道をゆく。八広「亀屋」の“ボール” 受け継がれる秘伝レシピの噺

・第5回 【東京・大衆酒場の名店】四ツ木「ゑびす」で、自家製ロックアイスのお茶割りを味わう噺

・第6回 【東京・大衆酒場の名店】門前仲町「だるま」で、コの字カウンター劇場を堪能する噺

・第7回 【東京・大衆酒場の名店】船堀「伊勢周」で、L字カウンターの機能美を楽しむ噺

・第8回 【東京・大衆酒場の名店】門前仲町「大坂屋」の“牛にこみ”を三日月型カウンターで堪能する噺

・第9回 【東京・大衆酒場の名店】「お太幸」の変形カウンターで、横須賀の味わいを満喫する噺

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・番外編 焼酎ハイボールに合う!「東京・大衆酒場の名店」のおつまみを、約5000円の調理家電で再現する噺

暑い夏にぴったりな爽やかさ!「サッポロ 三ツ星グレフルサワー 傑作ソルティ」数量限定発売

サッポロビールは、「サッポロ 三ツ星グレフルサワー 傑作ソルティ」を7月25日に数量限定で発売します。参考価格は350ml缶:178円、500ml缶:249円(税込)。

 

「サッポロ 三ツ星グレフルサワー」は、グレープフルーツ本来のおいしさを追求したグレープフルーツ専門ブランドです。圧倒的ジューシーな味わいとほとばしる香りを楽しめるのが特徴としています。

 

「サッポロ 三ツ星グレフルサワー 傑作ソルティ」は、アルペンザルツ岩塩を使用したジンフレーバー仕立ての爽やかな味わいと、三ツ星グレフルサワーブランドならではのジューシーさを楽しめるものとなっているそうです。

 

暑い夏のお供に「サッポロ 三ツ星グレフルサワー 傑作ソルティ」はいかがでしょうか。

タカラの焼酎ハイボールが岩下の新生姜とコラボ! さっぱり味の辛口チューハイ登場

宝酒造は、タカラ「焼酎ハイボール」<岩下の新生姜割り>を、6月6日(火)に全国で発売することを発表しました。数量限定です。

↑パッケージには、「岩下の新生姜」のイメージカラーのピンク色を基調としたデザインを採用

 

今回発売する<岩下の新生姜割り>は、宝酒造と岩下食品とのコラボレーションによって生まれた新フレーバーです。「岩下の新生姜」は大衆酒場のおつまみとして人気があり、「焼酎ハイボール」との相性の良さに加えて、ブランドの世界観とも親和性があると考え、今回の取り組みに至ったとしています。

 

飲むと「岩下の新生姜」らしい、さっぱりとした味わいと爽やかな香りを楽しめるとのこと。「焼酎ハイボール」のキレの良さも相まって揚げ物、こってりした味付けなどに相性抜群そうですね。

 

タカラ「焼酎ハイボール」は、チューハイ(酎ハイ)の語源にもなったと言われる昭和20年代後半の東京下町の大衆酒場で生まれた、元祖「焼酎ハイボール」の味わいを追求した辛口チューハイ。宝焼酎をベースとしたアルコール分7%の飲みごたえとキレ味爽快で辛口の味わいに加え、プリン体ゼロや甘味料ゼロといった特徴が、チューハイユーザーだけでなく健康意識の高いユーザーからも支持があるそうです。また、炭酸が強く爽快感が味わえる点も好評といいます。

 

【商品概要】
商品名:タカラ「焼酎ハイボール」<岩下の新生姜割り>

品目:スピリッツ(発泡性)①

アルコール分:7%

容量/容器:350ml/アルミニウム缶

梱包:24本段ボール箱入

参考小売価格:166円(消費税抜き)

発売地域:全国

発売日:2023年6月6日(火)

最旬サワーとチューハイ7種を徹底レビュー! メーカーの威光を感じた逸品とは?

本格的なアフターコロナのムードともに、キンキンに冷えたドリンクがおいしい季節が到来! それを見越してか、今春はメーカー各社からRTD(フタを開けてすぐにそのまま飲める飲料)の新商品が百花繚乱のにぎわいだ。本記事では、フードアナリストの中山秀明さんがレビューする、注目のサワーとチューハイをご紹介しよう。

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がレビューしました!

フードアナリスト 中山秀明さん

今年10月の酒税改正に伴う、ビールとRTDの新作発表に注目。「夏や秋にも大型の新商品がデビューする可能性は高い」と豪語する。

 

【最旬缶チューハイMAP】

 

贅沢なレモン感と リッチな泡立ちを味わえる

キリンビール
麒麟百年 極み檸檬サワー(Alc.5%)
オープン価格

キリンビールが100年以上の歴史で培った醸造技術を採用。ビール酵母で発酵させたレモン果汁をはじめ、皮ごと搾ったレモンエキスなどバランスよく組み合わせ、ギュッと詰まった贅沢なレモン感を実現している。

 

「きめ細かくボリューミーな泡は、これまでにないインパクト! 香りも鮮烈で、にごりのあるジューシーな味が絶品。甘さが控えめで食事によく合い、キリンの威光を感じます」(フードアナリスト 中山秀明さん、以下同)

 

飲み進めるほどにおいしくなるレモンのプロと開発した新サワー

サッポロビール
ニッポンの シン・レモンサワー(Alc.5%)
実売価格168円

1957年の「ポッカレモン」発売以来、長年レモンを研究してきたポッカサッポロフード&ビバレッジのレモンマイスターと協同開発。レモン本来よりも爽快な味わいで、飲み進めるたびにおいしさが増す。

 

「甘酸っぱさはあってもやりすぎず、ジューシーながら幼くない。まろやかなやさしさも感じます。個性はしっかり立っていながらカドはなく、好バランスで飲みやすい一本!」

 

昭和的な大衆酒場好きにご多幸なほんのり柑橘のプレーンサワー

サントリー
こだわり酒場のタコハイ(Alc.6%)
163円

古典的な大衆酒場で愛されるプレーンサワーの味わいを目指し、ほのかな柑橘の風味を表現。麦の甘香ばしさが豊かな独自の「焙煎麦」を蒸溜した麦焼酎によって、和洋中のどんな料理も引き立てる。

 

「昭和世代にはお馴染みの『タコハイ』が令和の時代に楽しめます!  鹿児島県にある大隅酒造の技術が生かされた焙煎麦焼酎が使用されており、たくましい焼酎感がお見事」

 

隠し味にみりんを使用したまろやかな甘酸っぱいテイスト

アサヒビール
まろハイ レモンチューハイ(Alc.5%)
実売予想価格171円
●中国・四国エリア限定で6月6日発売

料理のコクを深めて風味を豊かにする “みりん” を使うという、技アリな発想で生み出された意欲作。隠し味のみりんがレモンの酸味を和らげて、まろやかな甘酸っぱさとコク深い旨さが両立している。

 

「どこかはちみつレモン的な柔らかいニュアンスが印象的。みりんが醸し出すまろやかさが良い塩梅に効いています。カドのない酸味と、食事を邪魔しない適度な甘みもグッド!」

 

‒196℃製法をさらに進化させレモンそのもののおいしさを追求

サントリー
-196℃ 瞬間凍結〈無糖レモン〉(Alc.6%)
163円

独自の「–196℃製法」をアップデートし、果実本来のジューシーな爽快感を最大化。従来よりも低度数のウオッカに瞬間凍結で粉砕したレモンを浸漬し、皮や種に詰まった旨みまでじっくり抽出している。

 

「無糖でキレのあるドライなフレッシュさは、 “生搾り” レモンサワーを思わせる本格派。アルコール度数6%の十分なボディですが飲み口はクリアで、すっきりスイッといけます」

 

桃を丸おろししたような濃厚で上質な味わいが魅力

宝酒造
寶「丸おろし」 <ピーチ>(Alc.7%)
実売価格200円

桃を丸ごとすり潰し、滑らかなペーストやピューレを使用したフルーツサワー。果実に合わせて、約85種2万樽の熟成酒から厳選した宝焼酎によって、濃厚な果実味ながらもしっかりとお酒感を楽しめる。

 

「もぎたてのような力強い香りと、濃厚な果実感。それでいて甘ったるくなく、キレもあります。ボディも飲み応えも申し分なく、カクテル感覚で楽しめるのが良いですね」

 

皮ごと漬け込み香りを増幅させたみずみずしくエネルギッシュな味

アサヒビール
グレフルマニアオリジナル(Alc.5% )
実売価格171円
●九州エリア限定で発売

グレープフルーツの果皮ごと漬け込み減圧蒸留する製法により、みずみずしく果実感豊かな香りを実現。白ワインのような風味が特徴の「オリジナル」(写真)と「スイート」「ソルティ」の3種類を用意する。

 

「太陽の下で元気に育ったグレープフルーツを想像させる、エネルギッシュな風味が特徴。やさしい甘みのためビター感と酸味がほど良く際立って、暑い日にキュッといきたいです」

「強炭酸チューハイ」をつくるディスペンサーの秘密に迫る噺

意外と知らない焼酎の噺12

『古典酒場』編集長の倉嶋紀和子さんがナビゲーターとなって探っていく「意外と知らない焼酎の噺」。前回までは「ホッピー」「ハイサワー」「ホイス」「バイス」と「割り材」についてじっくり深掘りしてきました。

 

今回は、チューハイには欠かせない「炭酸水(以下は略して炭酸)」。しかも「強炭酸」を作り出す「チューハイディスペンサー」について、倉嶋さんがディスペンサーの製造販売を手がける株式会社ニットク(東京都小平市)にお邪魔してお話を伺います。

 

島田昭(左)/様々な飲料ディスペンサー(サーバー)の製造販売を行う株式会社ニットクの専務取締役
倉嶋紀和子(右)/雑誌『古典酒場』の創刊編集長。大衆酒場を日々飲み歩きつつ、「にっぽん酒処めぐり」(CS旅チャンネル)「二軒目どうする?」(テレビ東京)などにも出演。その他にもお酒をテーマにしたさまざまな活動を展開中。俳号「酔女(すいにょ)」は吉田類さんが命名。令和4年(2022年度)「酒サムライ」の称号を叙任

 

 

「強炭酸チューハイ」が作れるディスペンサーとは

倉嶋 島田専務、今日はよろしくお願いします。まずは、ディスペンサーとはなんぞやというところから教えてください。

 

島田 はい。ディスペンスは「出す・配る」といった意味で、ドリンクを供給する機械。供給ですから、サーバーとも言いますよね。業界では冷・温とあるのですが、当社は冷やす方に特化したメーカーでして、コールドドリンクのディスペンサーはほとんど取り揃えております。

 

 

倉嶋 なるほど。ディスペンサーの基本的な仕組みはどうなっているんですか?

 

島田 チューハイのディスペンサーは、炭酸ガスと浄水器を接続し、機械の中で混合して炭酸を作ります。つまり、ディスペンサー内のタンクに給水しながら炭酸ガスと混ぜ、冷却装置を介した管に通して炭酸を注出する仕組みになっています。ノズル部分で焼酎と炭酸を混合してチューハイができあがります。

 

チューハイ用のディスペンサー。機械とは別に、炭酸ガス、浄水器、焼酎が必要

 

倉嶋 それでは、ニットクさんのこだわりである「強炭酸」にするためのディスペンサーにはどんなポイントがあるか教えてください?

 

島田 大前提として液体は冷たい方がガスも溶けやすく、逃げにくい性質をもっているので、できるだけ低温で炭酸を作るようにします。そのうえで私たちは、炭酸ガスが逃げないような工夫を随所に施しています。例えば冷却させるための管ですが、これは長ければより冷えるのかというとそうでもありません。

 

倉嶋 そうなんですね!

 

島田 ですから、ガス圧と長さのバランスが大切なんですよね。そして、もうひとつ重要なのがノズル。注出部の先端では、あえてゆっくり流れるように絞るためのパーツを組み込んでいます。

 

倉嶋 なるほど。出る勢いが強すぎると、炭酸ガスも逃げてしまうと。

 

島田 はい。見た目では強そうですけど、勢いよく出ていると同時に炭酸も抜けているんです。このノズル部分は、当社の命といってもいい特許技術が含まれています。名称としては、その形から「ドングリ」と呼んでいます。

独自技術がつまっているノズル部分(キャップを外しています)

 

倉嶋 おお、この注出先端部のパーツが「ドングリ」ですか!

 

島田 炭酸はきわめてデリケートで、ガス圧を効かせるとそのぶん逃げるのも早くなります。ですから強く効かせることはもちろん、ガスができるだけ逃げないような工夫をしているのが当社のディスペンサーというわけです。

 

倉嶋 ガス圧を強く効かせるということですが、製品の方で圧力の強弱を変えることはできるんですか?

 

島田 飲食店さんの方で調整する場合ですよね。残念ながら炭酸のガス圧は変更できません。ただ、炭酸をより効かせるための重要なポイントがあるので、実際にディスペンサーを操作して、炭酸の強弱の違いを確かめたり、チューハイを作ったりしてみましょう。

 

倉嶋 待ってました! お願いします。

 

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注ぎたての「強炭酸チューハイ」を飲んでパワーをチェック

島田 先ほど強炭酸を作る要領について説明いたしましたが、もうひとつガスが抜けないようにするための秘訣があるんです。まずはそれからご体験ください。

 

倉嶋 秘訣ですか?

 

島田 はい。ズバリ、注ぎ方です。ゆっくり出す方がガスも逃げないとお話ししましたが、注ぎ方も同様。やさしく注ぐことで、より圧力の強いダイナミックな炭酸が楽しめるんです。まずはやさしく注いだものからどうぞ。

注ぎ口をグラスに付け、氷に当たらないように傾けながら静かに注ぐと、強炭酸が維持される

 

倉嶋 ホントだ! 炭酸が踊っていて、ノドへの刺激もバチバチ来ます。これはおいしい!

 

島田 よかったです。では、次はドバッと落下させるように勢いよく出しますね。見た目はこちらの方がパワフルですが、飲んでいただくとどうでしょう?

 

倉嶋 あぁ確かに! 先ほどのより、キック(炭酸がよく効いている)がおとなしいです。

 

島田 ですよね。当社でもこうした形で飲食店さんにアドバイスをしておりまして、実際に飲み比べていただくと違いに驚かれます。では次は倉嶋さんご自身で、焼酎が混ざった状態のチューハイで試してみてください。

 

倉嶋 喜んで! レバーは前後左右に動くんですね。

 

島田 はい。左に動かして、レバーを後ろに倒すと「焼酎」だけが出ます。一方、右に引っ張って後ろに倒すと「炭酸」だけが出て、手前に引くと焼酎と炭酸が混ざった「チューハイ」が出る仕様です。

 

倉嶋 やってみます。チューハイを氷に当てないことも、ガスを逃がさないコツですよね。

 

島田 さすが、その通りです。氷に当てるとどうしても表面で泡になりやすく、その際にガスが抜けてしまうので、なるべく氷を避けてやさしく注いでください。

 

倉嶋 ではいただきます……あー、ノド越しが抜群! シュワッとして気持ちイイです。注ぎ方でここまで変わるとはビックリ。泡の見た目も爽快ですし、チューハイの味も抜群においしいです!

 

 

島田 実感いただけてよかったです。私も強炭酸が好きで、お店で飲むチューハイも強ければ強いほど嬉しいですね。試していただいた注ぎ方でガス圧がしっかり強くておいしい「強炭酸チューハイ」を、どんどん広げていきたいと思っています。

 

倉嶋 ちなみに、例えばチューハイのアルコール度数が8%だったとしましょう。ベースの焼酎の度数が高くて濃い方が、割る炭酸の量は多くなりますよね。ということは、度数の高い焼酎で作ったチューハイの方がオススメなんですか?

 

島田 鋭いですね、その通りです。例えばディスペンサーにつなぐ焼酎のアルコール度数が25%と35%とでは、その機械の調整にもよりますが、同じ8%で注出するのであれば35%の方が焼酎の量は少ない。そのぶん炭酸の量は多くなるので、ガス圧も強くなります。

 

日本におけるディスペンサーのパイオニアがニットク

倉嶋 それでは、あらためてニットクさんの歴史を教えてください。

 

島田 1955(昭和30)年に有限会社五月商会として営業を開始し、当時は飲料水製造機のメンテナンスが事業の柱でした。2年後の1957(昭和32)年に日本特殊鋼器株式会社へ組織変更。やがてドライアイスを使用して炭酸を作る製法特許を取得するなど、事業を展開してまいりました。

 

倉嶋 当初はドライアイスで作っていたんですね!

 

島田 高度経済成長期でもあった1957年当時は、サラリーマンを中心にウイスキーハイボールが流行していた時期。ただ、当時の炭酸はびん入りがほとんどで、課題もあったそうです。

 

倉嶋 びんの課題ですか?

 

島田 ひとつが価格の高さで、もうひとつは大量にびんを冷やさなければならないこと。そしてびんのフタ。開栓してしまったら、早めに使い切らないと無駄になっちゃいますよね。ガスが抜けておいしくなくなっちゃいますし。

 

倉嶋 なるほど!

 

島田 そこで、当社の前会長が現役時代にいろんなお店を回って各店の声を拾い上げ、大量に安く炭酸を供給するために発明したのがドライアイス式の炭酸製造装置でした。こちらになります。

ドライアイス式の炭酸製造装置

 

倉嶋 マシン自体はなんだか可愛いらしいですね!

 

島田 仕組みはシンプルで、まずは20リットルの水を入れてドライアイスは100グラム入れます。フタをしたら100回以上左右に振らないといけなかったのですが、当時はもう画期的で。ホースをつないで炭酸を出す手法で、バーや喫茶店などに測り売りで提供したという記録が残っています。

 

倉嶋 ディスペンサー型炭酸のはじまりですよね。そしてこの最初のヒットが、のちの名機へつながっていくと?

 

島田 そうですね。次第に機械的な手法で何か作れないかということで、新たな炭酸製造装置の「ソーダミル」や、ドリンクを素早く効率的に冷却できる「コールドプレート」を開発し、国内で最初に製造販売を開始しました。

 

工場にて。熟練の技術で部品を組み立て、現在はディスペンサーをひとりで1日平均4台ほど製造

 

倉嶋 そしてチューハイをはじめ、様々なディスペンサーを手掛けていくわけですね。

 

島田 はい。チューハイのディスペンサーを国内で最初に製造販売したのも当社となります。そして関西支社のほか各地に営業所も開設し、1984(昭和59)年に社名が現在の株式会社ニットクとなりました。

 

倉嶋 では、ディスペンサーを製造するうえで、注意するべきポイントとは?

 

島田 第一に衛生面、安全性です。お客様の口に入るものとなりますので、ここは絶対に譲れません。次に味ですが、私どもの場合、炭酸の強さや心地よさが譲れないポイントです。こうした部分は社内で抜き打ちテストも行い、お客様はもちろん飲食店さんの期待に応えられるよう努力しています。

 

倉嶋 なるほど、ありがとうございました。お話しを伺って、ディスペンサーと強炭酸について、とてもよくわかりました! ではこのあと実際に、リアルな「強炭酸チューハイ」を飲みにお店へ行ってきます!

 

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木場の「江戸っ子」で「強炭酸チューハイ」を楽しむ!

こうして「強炭酸チューハイ」を楽しむべく倉嶋さんが訪れたお店は、木場(東京都江東区)の老舗「江戸っ子」。山形県出身の初代が東京(江戸)に憧れ、1965(昭和40)年に創業。現在は生粋の“江戸っ子”であるお孫さん兄弟が二代目として継いだ大衆酒場です。

木場にある大衆酒場「江戸っ子」

 

ここで長年愛されているのが、アルコール度数35%の宝焼酎「純」をニットクの強炭酸ディスペンサーにつなげて作る「強炭酸チューハイ」。そのこだわりや人気メニューなどを、南 順也店主に伺いました。

店内の手描きのメニュ—でも、35%の宝焼酎「純」がイチオシ!

 

倉嶋 「江戸っ子」さんのチューハイはバキバキのガス圧と「純」ならではのコク深いうまみが効いていて、絶品です! まずは、この「強炭酸チューハイ」を提供している理由から教えてください。

 

 おいしいってのが大前提なんですけど、なによりおじいちゃん(先代)から受け継いだ宝物が35%の「純」を使ったチューハイなんです。2010年に僕ら兄弟が店を継いだのですが、それ以前からの常連さんにもたくさんのファンがいて、このチューハイなしでは考えられないですね。

 

倉嶋 ということは、ディスペンサーへのこだわりも相当ですよね。

 

 

 はい。あいつ(ディスペンサー)は僕らより先輩なんです。おじいちゃんの代からずっとあって、いつから使ってるかわからないくらい。でもすごく頑丈で、頼もしい存在です。こだわりかはわかりませんが、ポイントは掃除やメンテナンスを欠かさず行うことですかね。

 

倉嶋 では、チューハイを作る際のこだわりは何でしょうか。

 

 やっぱり味わいのキーとなる35%の「純」は欠かせません。あとは注ぐ際に泡が壊れないようにやさしく、氷に当てないように注ぐことですね。

左から「チューハイ」(400円)、「ミドルチューハイ」(550円)、「大チューハイ」(750円)

 

倉嶋 なるほど。たしかに『純』は11種類の樽貯蔵熟成酒を13%使用しているので、香り高く、芳醇で贅沢な味わいが際立ちますよね。私も宮崎県の高鍋(宝酒造「黒壁蔵」)に行って実際に体験してきたのでわかります。あと、3サイズあって、ミドルジョッキでも他店の大ぐらい入っていて、量も粋ですよね。

 

 何よりお客さんに喜んでほしいので、なみなみと注いでいます。ミドルとかのサイズは僕が増やしました。いろんなサイズでお客さんに飲んでほしいなと思って。「メガ純ハイ」って書かれたミドルジョッキは、渋いデザインも好評です。

 

【関連記事】
【意外と知らない焼酎の噺06】焼酎の味わいを決める「樽貯蔵熟成酒」について宮崎・高鍋で学ぶ噺

 

倉嶋 では、このチューハイに合うおつまみをお願いします!

 

 では、おじいちゃんの代から名物の「にこみ」や「焼き鳥」など、いくつかお出ししますね!

下から時計回りに、「にこみ」(480円)、「焼き鳥」(1本110円)、「のりチーズ」(250円)、「焼きそば」(550円)

 

倉嶋 「にこみ」は牛モツとこんにゃくだけのストロングスタイル。濃厚な味噌味のシンプルさも最高です。「焼き鳥」も白モツをはじめ、このチューハイにすごく合う味わいですね。

 

 うちの2大名物は、仕入れ先もレシピもずっと変えていません。「焼き鳥」のタレもずっと継ぎ足しで、古くからの常連さんも公認の味わいです。

 

倉嶋 ええ、タレは深みがあっておいしい!「 焼きそば」は水分少なめの表面カリッと香ばしい感じが、呑兵衛の心をくすぐります。「のりチーズ」は大葉が絶妙です!

 

 お口に合ってよかったです!

 

倉嶋 そして何よりチューハイが進む進む! ボリュームの大きなジョッキですけどスイスイ飲めちゃいます。「江戸っ子」さんで飲むなら、ミドルまたは大ジョッキで決まりですね。

 

お店で楽しむチューハイの知られざる一面、ディスペンサーにスポットを当てた本記事、いかがでしたでしょうか。次回の「意外と知らない焼酎の噺」もお楽しみに。

 

 

<取材協力>

江戸っ子

住所:東京都江東区東陽3-20-2 林ビル1階
営業時間:16:00~翌1:00、日曜16:00~22:00
定休日:月曜

※価格はすべて税込みです
※営業時間等に関しましては、店舗にお問い合わせください(取材日:2023年2月17日)

 

撮影/我妻慶一

 

記事に登場した商品の紹介はこちら▼

・宝焼酎「純」
https://www.takarashuzo.co.jp/products/shochu/jun/

 

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【意外と知らない焼酎の噺02】「甲類焼酎の製造方法」を工場で学ぶ噺
【意外と知らない焼酎の噺03】いろんな「甲類焼酎」を飲み比べて味わいの違いを実感する噺
【意外と知らない焼酎の噺04】芋焼酎のつくり方を知り、味わいを楽しむ噺
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【意外と知らない焼酎の噺11】東京生まれ、 大衆酒場で人気の個性派割り材「バイスサワー」の噺

 

ビール復権の2023年、ビールに注力し続けてきたキリンが打ち出した策とは?

2023年のお酒トレンドでほぼ間違いないと予言できることは、「ビールの復権」。なぜなら、秋の酒税改正によりビールに追い風が吹く(ざっくり言うと、ビールが安くなる)からです。その見立てもあり、ビール大手が年初に行う発表会はどれもアツい内容でしたが、今回はキリンビールの事業方針発表記者会見の情報をもとに、商品周りの戦略を筆者の見解を踏まえてレポートします。

↑目玉施策のひとつがブランド力の強化。「一番搾り」と「スプリングバレー」シリーズを筆頭に、リニューアルなどを行いさらなる成長を目指すという

 

ブランドと人材を磨き、成長カテゴリーも強力プッシュ

2023年におけるキリンビールの戦略テーマは「ブランドと人材を磨き上げる」。「一番搾り」や「氷結」などボリュームゾーンの大きな商品はより強固に、「スプリングバレー」をはじめとするクラフトビールや自社のウイスキーなどは、新たな成長カテゴリーとして後押ししていくと打ち出されました。

↑キリンビールの堀口英樹代表取締役社長(右)と、山田雄一執行役員 マーケティング部長(左)

 

なお、お酒のカテゴリーとして追い風が吹くのはビールですが、「氷結」などの缶チューハイも引き続き伸長が見込まれるジャンルであり、ウイスキーもキリンビールが手掛ける「富士」や「陸」は、特に成長著しい銘柄です。

↑2022年の「氷結」ブランドは過去最高販売数量を更新。特に「氷結 無糖」は過去20年に発売したキリンブランド最速で5億本を突破するヒットに

 

なかでも具体的な施策が発表されたのは、やはりビールでした。ここでいう「ビール」とは、発泡酒や新ジャンル(第3のビール)ではないガチなビールのことを指しており、酒税改正で追い風が吹くのも、このガチなビールのことです(そのぶん発泡酒や新ジャンルは不利となります)。

 

どのように注力していくのか、詳しくレポートしていきましょう。まずは同社のフラッグシップ銘柄「キリン一番搾り生ビール」から。

 

主力銘柄を中心に、味とデザインが刷新される

「キリン一番搾り生ビール」は、近年では2017年、2019年、2021年とリニューアルを実施。ストレートに「おいしい」を訴求するコミュニケーションなども連動し、ビール離れがささやかれる昨今にあってもファンを増やしてきました。結果、直近の2021、2022年でも成長しているブランドです。そのうえで2023年もリニューアルが行われます。

↑リニューアルは、味とパッケージデザインともに行われる

 

味わいのポイントは、麦のうまみ向上と、仕込み工程の最適化。素材のポテンシャルを最大限に引き出すことで飲み飽きない味わいを実現し、さらに雑味や渋味を軽減することで、飲みやすい後味も実現したとか。

↑パッケージは右が進化版。ロゴやしずくが少し大きくなったり彩度が高められたり、全体の印象が明るくなったことで、よりおいしそうなデザインに

 

この新しい仕様へは、缶がこの1月から、ビンと生樽は2月製造品より順次切り替えられるとか。では次に、キリンのクラフトビールにおけるフラッグシップブランド「スプリングバレー」のポイントも紹介します。

↑左の豊潤<496>は味とパッケージが、右のシルクエール<白>は、パッケージがリニューアルされます

 

ビール離れといわれるなかでも、クラフトビールは全体的に好調なカテゴリー。かつては大型商品がなかったマーケットですが、2021年3月に「スプリングバレー 豊潤<496>」がデビューしたことで活性化され、以降の市場をけん引する存在となりました

↑パッケージは右のように刷新。シルクエール<白>も同様で、上部の3つのメダルをより大きく配し、ブランド名の印象が強く伝わるようにリニューアルされます

 

さらに2022年は9月に「スプリングバレー シルクエール<白>」が仲間入りし、クラフトビールカテゴリーの間口は過去最高水準に。とはいえ、クラフトビールの未飲消費者はまだ約4000万人いるそうで、2023年はさらなる認知と理解促進に向けて広告を売ったり、クラフトビールフェスを開催したり、家庭向けに「ホームタップ」・飲食店向けに「タップ・マルシェ」(後述)を展開するなど、包括的なアプローチをしていくそうです。

↑左が「ホームタップ」、右が「タップ・マルシェ」

 

また、厳密にはビールではないノンアルコールですが、この分野で注力していくビールテイストブランドが「キリン グリーンズフリー」。同銘柄は、2022年4月のリニューアル発売以降に販売数量が3800万本を突破し、前年同期比約2.7倍と、好調に推移しました。

 

また、自社のノンアルコール・ビールテイスト飲料商品と比較してノンアルビールを初めて飲む層や、しばらく飲んでいなかった層を多く獲得できており、カテゴリー全体の活性化に貢献したそうです。そこで2023年は前年比約2倍となる約210万ケースを目標に、中身とデザインリニューアルを実施する(1月製造品から順次切り替え)ほか、飲食店向けに336mlの小ビンが新発売されました。

↑デザインリニューアルと、小ビンはこの通り

 

「キリン グリーンズフリー」の販売強化により、ビールの代替として楽しむ消極的な飲用から、“リフレッシュしたい時に、飲み物の選択肢として好んで飲む”といった積極的な飲用のカテゴリーに進化させていくそうです。

 

個人的にはスプリングバレーの新作に期待!

個人的に今回の発表会で気になったのは、質疑応答時の「『スプリングバレー』ブランドの新フレーバー発売の可能性も模索している」との回答。というのも、「スプリングバレー」は缶としての銘柄は前述の豊潤<496>とシルクエール<白>のみですが、ビンでは黒ビールやフルーツビールなども展開されており、缶で商品化すること自体は難しくないはずなのです。

↑小瓶タイプの「スプリングバレー」は、キリン公式オンライン通販DRINXなどで販売中

 

なにはともあれ、まずは今春の各商品リニューアルに注目。そして本番となる、2023年10月1日の酒税改正に向けて、いっそうアツくなることでしょう。目が離せない2023年のビールシーン、GetNavi webでは今後も新商品発表などの際、積極的にレポートしていきます。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

こういうノンアルを待っていた!缶酎ハイの元祖・タカラの「辛口ゼロボール」の違和感ないウマさ

健康志向の高まりやソバーキュリアス(お酒をあえて飲まないライフスタイル)のトレンドなどによってノンアルコールドリンクの需要が高まっていますが、今回紹介する新作を飲んで、「こういうノンアルを待っていた!」「ノンアルが次のフェーズに入った!」と驚かされました。10月4日に発売された、タカラ「辛口ゼロボール」です。

 

↑宝酒造のタカラ「辛口ゼロボール」。350mlで117円(筆者調べ)

 

どうして驚かされたのか。その理由を、試飲インプレッションやアルコール入り商品との飲み比べ、フードペアリングなどを通してお伝えしていきます。

 

焼酎界の至宝が満を持して世に出した待望の新作

まずは商品特徴から解説します。タカラ「辛口ゼロボール」のポイントは大きく3点。下町の大衆酒場で愛される元祖“焼酎ハイボール”のようなキレのある辛口の味わい、タカラ「焼酎ハイボール」のおいしさを濃縮したエキスを使用していること、糖質、カロリー、プリン体、甘味料がすべてゼロ、これらが魅力となっています。

 

特にカギとなるのは、タカラ「焼酎ハイボール」のおいしさを濃縮したエキス。お酒好きなら、タカラ「辛口ゼロボール」を見て気付いたはず。デザインに関しても、タカラ「焼酎ハイボール」を踏襲したパッケージになっていて、あのおいしさをノンアルで楽しめるということなのです。

↑左がタカラ「辛口ゼロボール」、右がタカラ「焼酎ハイボール」のドライ。そもそもタカラ「焼酎ハイボール」が、下町の大衆酒場で愛される元祖“焼酎ハイボール”を再現した缶チューハイです

 

そしておいしさを濃縮したエキスとは、宝焼酎独自のコクとフレッシュな酸味、キレのある辛口テイストの集合体。あのオンリーワンなウマさを、アルコールゼロで実現させたのが、タカラ「辛口ゼロボール」というわけです。

↑パッケージの裏(右)にも、おいしさの秘密が書かれています

 

また、宝酒造といえば甲類焼酎の元祖(現在の甲類焼酎の原型「日の本焼酎」は、宝酒造の前身にあたる会社が販売してヒットさせた)であり、世界初の缶チューハイは「タカラcanチューハイ」。つまり、酎ハイのトップランナーが満を持して新発売したノンアルが、タカラ「辛口ゼロボール」でもあるのです。

 

甘くないうえにお酒的なボディが感じられる!

前段でさんざんあおりましたが、ここからは実際の味をレポートします。風味を存分に、そしてキンキンで味わうため、氷をたっぷり入れた大きめのグラスに移してひと口。おお~これはスゴい。何といっても、タカラ「焼酎ハイボール」よろしく甘くないのがすこぶるイイ!

↑ほんのり色味が付いていて、見た目でも飲みごたえの豊かさがわかります

 

そう、意外に甘くないノンアルって少ないんです。甘くないタイプはあっても、ビールテイスト系だったり、フレーバー炭酸水みたいにライトな味わいだったりするのですが、こちらは甘くないうえにお酒的なボディが感じられ、実に高い完成度。

↑爽快でクリアでありながら、決して軽くはなくて飲みごたえは抜群!

 

そしてアルコール入りのタカラ「焼酎ハイボール」の面影を感じさせる、本格的な酎ハイテイストもしっかり。この再現性を確かめるため、前述のタカラ「焼酎ハイボール」ドライと飲み比べてみました。

↑中身の見た目はやっぱり、かなりそっくり

 

うん、なるほど! アルコールがあるぶん、タカラ「焼酎ハイボール」のほうがどっしりしていてトップからラストまで高揚感をもったボディを感じますが、味わいの方向性はタカラ「辛口ゼロボール」も一緒。アルコールがあるか、ないかの違いだけで、基本的なおいしさは変わりません。

↑れっきとしたお酒、タカラ「焼酎ハイボール」と飲み比べても、タカラ「辛口ゼロボール」に違和感はありません。炭酸の強さもバキバキで、どちらも超爽快

 

ひとつの違いというか、筆者のセレクトミスの部分もあるのですが、酸味はタカラ「辛口ゼロボール」のほうが豊かです。というのも、今回飲み比べたタカラ「焼酎ハイボール」ドライより、タカラ「焼酎ハイボール」レモンのほうがタカラ「辛口ゼロボール」に近いはず。タカラ「辛口ゼロボール」パッケージにも、レモンのイラストが入っていますし。

↑ラベルにはレモンのイラスト。側面の成分表示にも、レモン果汁の表記があります

 

タカラ「焼酎ハイボール」ドライにもほのかな酸味はありますが、タカラ「焼酎ハイボール」レモンと飲み比べたほうがよりシンプルにアルコールの違いを感じられるかもしれません。そのあたりはどうぞ試してみてください。

 

甘くないうえキレがあるから料理と幅広くマッチ

アルコール入りのタカラ「焼酎ハイボール」の魅力のひとつが、甘くないゆえにどんな料理にも合う抜群の汎用性。そこで、タカラ「辛口ゼロボール」でもいくつかのフードペアリングを試してみました。大衆酒場的なつまみということで、まずは刺身から。

↑左から、ブリ、サーモン、マグロの3点盛り

 

甘めなレモンサワーなどは、ときに鮮魚とあまり合わないことがありますが、タカラ「辛口ゼロボール」は甘くないので刺身のやさしいうまみや脂を邪魔せずマッチ。繊細な和食全般に合うと思います。

↑どこにでもある唐揚げはどうでしょうか

 

アルコールが入ってなくても、タカラ「辛口ゼロボール」はキレがしっかりしているので、唐揚げのオイリーなパンチもしっかりキャッチ。ソーダの爽快さとともに、次のひと口に向けておいしくリセットしてくれます。ということで、揚げ物全般にイケますね。焼鳥や肉系にももってこいです。

↑ラストは居酒屋に街中華にファミレスと、もはや国民食といえる焼き餃子を

 

こちらは餃子の香ばしさと、タカラ「辛口ゼロボール」のほのかな酸味がイイ感じにマッチ。油分も前述の唐揚げ同様にすっきりと流し、ナイスなコンビネーションです。点心をはじめ、中華全般に合うでしょう。

↑運転がある人や休肝日を設けたい人は、ぜひお試しください

 

下町大衆酒場のチューハイが好きな人はもちろん、甘くないノンアルを探しているすべての人に強くオススメできるタカラ「辛口ゼロボール」。ノンアルコールの新たな選択肢として、ぜひチェックを!

1杯にここまでこだわったレモンサワーがあったか!? 中村アンも驚いた、新「麒麟特製」のつくり方とおいしさの秘密を開発者に直撃

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「とりあえずレモンサワー!」と1杯目から楽しむ人が増えている昨今。レモンサワーはレモンをぎゅっと搾っただけでできる“お手軽なチューハイ”というイメージのなかで、異彩を放つ存在がある。ブランド累計販売数量が5億本(※1)を突破した「麒麟特製 レモンサワー」だ。いったいどこまでやるの!? どうしてそこまでやるの!? 女優・中村アンも驚いた、そのこだわりぶりに迫っていこう。

※1:250ml換算(20204月リニューアル以降の累計販売数量) 


キリン 麒麟特製 レモンサワー

 

え、ただレモンを搾ってるだけじゃないの!? 中村アンが驚いた「麒麟特製レモンサワー」の味づくりの秘密

動画『中村アンが麒麟特製つくってみた篇』のなかで、中村アンさんが「麒麟特製 レモンサワー」のこだわりを実体験。「レモン搾るのってけっこう大変なんだなぁ」「(凍結レモンピールを削りながら)ハッ冷たいっ!」「12時間も煮込むの……」と、おいしさを生み出すための妥協を許さないこだわりに脱帽している姿が印象的だ。そしてラストの「そりゃ、美味しくなるわけだ。」の表情からは、彼女の納得感がよくわかる。

 

では、中村アンさんも驚いたこだわりの製法は、実際どのような味を生み出したのだろうか? 開発を担当した、キリンビールの松田莉央子さんに話を聞いた。

キリンビール マーケティング部 商品開発研究所/松田莉央子さん 「麒麟特製」ブランドは発売当初より担当。マーケティングから中味まで、商品の研究や開発を行っている

 

1.柑橘を12時間煮て味に厚みをもたらす「うまみエキス」

「麒麟特製 レモンサワー」をはじめ、「麒麟特製」ブランドすべてのフレーバーに使われているのが「うまみエキス」。これは複数の柑橘を12時間以上煮詰めたエキスで、その名の通りうまみを抽出して味の全方位に厚みをもたらしている。一般的なサワーには用いられない素材だが、その発想は「ビールやワインのような深いコクを、サワーでも表現できないか?」という思いから生まれたのだとか。

 

「サワーならではのクリアな味わいとともに、ふくよかなコク深さも表現したいと思いました。うまみによって味全体の輪郭を豊かにし、また嫌なアルコール感を抑えて飲みやすくするためにも『うまみエキス』が寄与しています」(松田さん)

 

12時間以上も煮詰めるという製法は、料理から着想を得たという。熱を加えることで、素材が持つ味わいのなかからコクや深みを引き出す。ジャムや、フルーツコンポートのようなイメージだろうか?

 

「そうですね。例えばアップルパイのりんごはシャキシャキな甘酸っぱさではなく、焼くことでりんごの酸味が穏やかになった、コクのある甘酸っぱさですよね。このような果実の魅力を、柑橘を煮込むことでサワーにプラスしたいと思いました」(松田さん)

↑果実に熱を加えることで、生の果実そのものにはない新しいおいしさを生み出したという(写真はイメージ)

 

2.レモンの多様なおいしさを表現する「レモン果汁」

レモンサワーにとって、きわめて大切な要素がレモン果汁だ。「麒麟特製 レモンサワー」では「磨きレモン果汁」に「まるごと搾り果汁」と、異なる2種の果汁を採用。それぞれの違いや、合わさることでどのような味になるのだろうか?

 

「『磨きレモン果汁』は爽やかで澄んだ酸味を。『まるごと搾り果汁』は、よりはっきりとしたレモンの香りに加え、レモンの果皮も含んでいるのでほろ苦さももっています。タイプの異なる果汁を調合することで、1種類の果汁では引き出せない複層性を生み、立体的なレモン感を実現しました。最初から最後まで、飲む経過とともにレモンの多様な風味を感じていただけると思います」(松田さん)

↑「磨きレモン果汁」に「まるごと搾り果汁」と、味わいの異なるレモン果汁を用いることで、レモンの香りや酸味だけでなく、心地よいほろ苦さや豊かな味わいも表現(写真はイメージ)

 

3.爽やかな風味を引き出した「凍結レモンピールエキス」

そして今回のリニューアルで新たに加わったエキスが「凍結レモンピールエキス」。厳選したレモンから果皮をはがしてすぐに凍結させ、丁寧にすりおろしてから低温で抽出したエキスである。こちらについても、素材の特長やレモンサワーの味への効果を聞いた。

 

「レモンがもつ魅力を、よりはっきり出したいと思い『凍結レモンピールエキス』に着目しました。厳選したレモンの果皮を凍結することで、香り高いレモンの風味を保ったまま引き出すことができます。また、低温でエキスを抽出することで、レモンピールの苦みや雑味をカットしています。それによって、爽やかなレモン感を高めつつ、雑味や苦みのない、よりクリアなレモンのうまみをつけることができました。こうして今回のリニューアルでは、さらに多彩なレモンのうまみを商品に込めることができ、いっそうおいしい『麒麟特製 レモンサワー』になりました」(松田さん)

↑厳選したレモンの果皮をまるごと凍結。豊かな味わいと香りが閉じ込められている(写真はイメージ)

 

複数の製法と多様なレモンの味わい表現。個性的な素材が合わさることで「麒麟特製 レモンサワー」のおいしさが生み出されているとのことだが、これだけこだわりが詰まっているとぶつかり合ってしまうことはないのだろうか?

 

「それぞれが独自の魅力をもっているので、使い方は苦労しました。例えば『まるごと搾り果汁』はレモンのしっかりした味を出せるのですが、レモン果皮由来の苦みもあるので扱いが難しい素材です。もちろんほかの素材も同様で、配合が少し変わっただけでも狙ったおいしさにはなりません。バランスに関しては常に意識しました」(松田さん)

 

各素材に関しても、酸味の種類、甘さの濃淡、レモンの質や香りのボリュームなどは異なる。それら一つひとつ、どういう素材を採用して組み合わせればよいかも考えて味覚設計したと松田さんは言う。

 

「バランスのよさは飲みやすさでもあり、おいしさに直結します。どう組み合わせたらお客様が求める味わいにつながるのかを考えながら足し引きを繰り返して調和させ、新しい『麒麟特製 レモンサワー』が完成しました」(松田さん)

 

目指したのは、心地よく幸せなひとときをつくるレモンサワー

いくつもの製法による特別な素材を調和させ、手間と時間をかけて作られた「麒麟特製 レモンサワー」。ここまでこだわったサワーは珍しい。どのような市場のニーズから生まれ、そして今回のリニューアルへ至ったのだろうか?

 

「数年前からレモンサワーブームが続く中、自宅でレモンサワーを楽しむお客様が増えています。その中でも、『より品質がいいもの、おいしいものを飲みたい』『自分のお酒を飲む大切な時間を楽しみたい』といったニーズは高まっていると考えています。その声にお応えできる、幸せな時間を過ごしてもらえる上質なお酒をつくりたいという思いが『麒麟特製 レモンサワー』の原点にあります」(松田さん)

 

ブームに伴って店の棚には多くの商品が並び、その味は“レモンサワー”といっても様々。アルコール度数が低かったり高かったり、無糖だったり濃厚タイプだったり。それは消費者の嗜好が多様化しているからといえるだろう。そのなかでも、「麒麟特製」のとことんこだわった上質なおいしさは異色な存在であるとともに、市場にもインパクトを与え大ヒットとなったのだ。

 

「飲用シーンとしては、食事にマッチすることはもちろん、食後などにそのまま飲んでも満足する味として設計しています。また、上質感のあるおいしさで、お客様自身に心地よく幸せな気持ちになっていただき、明日も頑張ろうと思えるレモンサワーを目指しました。味づくりにはこだわりつつ、商品はお客様自身が心地よい時間を過ごすための“そばに寄り添う脇役” 的な存在になれたらいいな、と思っています」(松田さん)

 

飲み手が主役になるためには、おいしさのインパクトはありつつも、酸味やボディといった個々の要素が過度に立たないように。この味覚設計はバランスのよさにも通じる。それもあって、「麒麟特製 レモンサワー」はアルコール度数が9%でありながら嫌なアルコール感がなく、深みがありじっくり飲みたくなる味わいに仕上がっているのだ。

 

レモンサワー市場をけん引する存在に

市場に様々なレモンサワーがあふれるなか、“上質でうまいレモンサワー”という無二のポジションを築き大ヒットしている「麒麟特製 レモンサワー」。商品コンセプトに「日本のレモンサワーを、新しく。」(※2)を掲げる理由にも納得だ。

 

2022年を迎えてさらにおいしく進化し、レモンサワートレンドのネクストステージをけん引する存在ともいえる。あらゆる食シーンに、そしてくつろぎのチルタイムに、ぜひゆっくり味わっていただきたい。

※2:麒麟特製が目指す姿勢

「麒麟特製レモンサワー」について詳しく知りたい方はこちらへ

 

取材・文/中山秀明 撮影/湯浅立志(Y2) 撮影協力/EASE

 

広告主:麒麟麦酒株式会社 広告主住所:〒164-0001 東京都中野区中野4-10-2 中野セントラルパークサウス 代表者:代表取締役社長 堀口 英樹 電話番号:03-6837-7002

「氷結無糖 レモン」にALC.9%が新登場! 甘くないから合うペアリングメシのおすすめはコレだ!

2001年のデビューから20年以上ものロングセラーとなっているキリンの缶チューハイ「氷結」。その新シリーズとして2020年の秋に登場したのが、甘くないおいしさを打ち出した「氷結無糖 レモン」です。

 

既存のアルコール度数4%、7%に加え、先日2月1日には9%が仲間入りしたこのヒット商品。それぞれ味の特徴はどうなのか、オススメのフ―ドペアリングは何か、といったところを飲み比べてレポートします。

↑「氷結無糖 レモン」(すべてオープン価格)。左のALC.9%が2月1日発売の最新商品です

 

ALC.4%、7%、9%それぞれのおいしさがある

まずはアルコール度数の低い順に飲み比べて、味の違いをチェックします。ということで4%から。一般的に日本の定番ビールが約5%なので、「氷結無糖 レモン ALC.4%」はそれより若干低いポジションにあります。

↑「氷結無糖 レモン ALC.4%」。どれもグラスに注ぐと泡がシュワッと舞い上がり、これは強炭酸の証です

 

味は、とにかくレモンのブライトな酸味がみずみずしくて超爽快。ボディが軽やかかつ甘さもないので、ゴクゴクいけるフレンドリーな飲み心地です。このスムースさは、高アルコールが苦手な人にもオススメです。

 

次は昨夏リニューアルしたALC.7%。スッキリとしたおいしさはそのままに、レモン本来の味わいがクオリティアップしています。

↑「氷結無糖 レモン ALC.7%」。しっかりとした飲みごたえと、冴えわたるレモンの果実味が特徴です

 

おっ、こちらは味を下支えするボディが豊かで、とはいえアルコール臭さは皆無ですね。レモンの酸味はさすがのみずみずしさで、コク深さとともにキリッとしたニュアンスをより強く感じます。

 

そしてニューフェイスのALC.9%。ポイントは、クリアな飲み心地でありながら、レモンの華やかな香りと酸味をしっかりと感じられること。9%ならではの力強さもチェックします。

↑「氷結無糖 レモン ALC.9%」。みずみずしく澄みきったレモン感、のどごしのよい強炭酸で、満足感のある味わいが特徴です

 

豊かなボディがありつつ、レモンの爽快な酸味で余韻はすっきり。ベースのウォッカ以外は基本的にレモンと強炭酸というシンプルな組み合わせながら、アルコール度数9%という強さのトゲを感じさせません。しっかりした飲みごたえと、クリアな飲みやすさの調和が見事です。

 

甘さがないぶん料理本来の味を引き立てる。だから合う!

「氷結無糖 レモン」を選ぶ際にALC .4%、7%、9%のどれにするかは、各自の求めるアルコールの強さや気分で決めればよいと思います。では、料理に合わせるならどれがいいのでしょうか。

 

甘くない=食事の味を邪魔しないというのはおおむね正解で、「氷結無糖 レモン」は基本的にどんな料理にも合います。それを前提のうえで、あえて「これがオススメ」という料理を、いくつか試したなかからピックアップしました。こちらもアルコールの低い4%から順に、合う理由とともに紹介していきます。

 

氷結無糖 レモン ALC.4%×パッタイ

“タイ風焼きそば”ともいわれるパッタイは、成城石井の人気定番麺料理となっているほどメジャーな一皿。多くのタイ料理は甘み、辛み、酸味に特徴があり、ナンプラーという魚醤(ぎょしょう)のくさみがおいしさでもありますが、そんなインパクト大の料理でも、「氷結無糖 レモン」なら抜群に合います。

↑パッタイはナンプラーのほか「ガピ」という海老ペーストの風味も強烈。とはいえ、タイ料理のなかでは辛さは控えめです

 

油っこさはほどほどながら、味付けにインパクトがあるパッタイには、「氷結無糖 レモン」のなかでもレモン感がみずみずしく爽快な4%がいいと思います。ライトなすっきり感は、ナンプラーやガピのクセとも調和。もしパクチーがのっていても、おいしくマッチするはずです。

 

なお、スープの有無にかかわらず、麺料理やご飯ものと一緒に味わうなら、同じくライトボディな4%がいいでしょう。

 

氷結無糖 レモン ALC.7%×春巻

揚げ点心の代表格といえば春巻。一説には、昔の中国で立春の時季に新芽を出した野菜を具材として巻いたことから春巻と名付けたそう。

↑春巻は英語圏で「スプリングロール」と直訳しますし、いまの季節にもぴったり

 

季節だけではなく、もちろん味としても「氷結無糖 レモン」にドンピシャ。カラッとパリッと揚がったほどよくオイリーな皮には、7%のキレと爽快感がよく合います。また、トロッと凝縮感のある濃厚な具材の味わいにも、シャープですっきりした「氷結無糖 レモン ALC.7%」がマッチ。

 

唐揚げ、カツレツ、フライドポテト、シーフードフライなど、世には様々な揚げ物がありますが、味が濃厚なタイプのフライには飲みごたえと爽快感が調和した7%が特に合うと思います。

 

氷結無糖 レモン ALC.9%×ガーリックシュリンプ

新作の9%にはガーリックシュリンプ。ニンニク、バター、オリーブオイルなどを使って香ばしく焼いたパンチのある味に、レモンの酸味を効かせるハワイ料理です。

↑香りも食感も味付けも力強い、ガーリックシュリンプ。濃厚な料理には9%が特にオススメですが、それには理由があります

 

オイリーで、なおかつニンニクがガツンと香るパンチの強い料理には、強めのアルコールで油っこさをすっきりさせつつ、レモンの爽快感で口内をウォッシュアウトさせる9%がオススメ。

 

口にジャンクな味が残っていると重く感じますが、「氷結無糖 レモン ALC.9%」はしっかりリセットするので、次のひと口もおいしく味わえるはず。濃厚な料理には9%を、ぜひお試しください。

 

今回の3品は味が濃いめの料理をセレクトしましたが、おばんざい、おでん、おにぎりのようなおしとやかな和食にも「氷結無糖 レモン」はマッチ。繰り返しますが、甘さがないぶん料理本来の味を引き立ててくれるのが、食事に合う大きな理由です。次の晩酌はぜひお好みの「氷結無糖 レモン」で乾杯を!