世界中で選ばれる「テスラ」の凄さってなんなんだよ! 現行4車種のお値段と憧れポイントを教えます

世界で最も電気自動車(EV)を販売している会社といえば、アメリカのテスラ社です。2023年の世界シェアでは2割近い19.3%を達成し、2位には中国の比亜迪(BYD)が、3位には中国の上海汽車集団(SAIC Motor)が迫っているものの、同社がグローバルで安定した人気を保っているのは間違いありません。

 

そんなテスラ社が日本で展開する乗用車は計4車種。すべてをEVとし、価格は「Model S」がデュアルモーターAWDで1266万9000円から。SUVとなる「Model X」になると1416万9000円からとなります。一方でもっとも安価な「Model 3」のRWDは531万3000円からで、そのSUVである「Model Y」が533万7000円からとなっています。今回はこのテスラについてご紹介します。

 

そもそもテスラとは?

そもそもテスラ社は2003年、米国テキサス州オースティンにおいて、電動輸送機器やクリーンエネルギーの開発・販売をする会社として設立されました。世間ではEVばかりが注目される同社ですが、実は蓄電池や太陽光発電など電力インフラ系でも世界的な企業として成長しているのです。

 

そのテスラ社の有名人といえば、今や誰もが知っているイーロン・マスクCEOでしょう。2008年にCEOに就任したあとは、積極的にEVの開発や販売を手掛けたほか、宇宙ベンチャーのスペースXへの投資など、その言動や一挙手一投足が常に注目を浴びる存在となりました。EV事業でも順調に実績を残し、今に至っているのは冒頭で述べたとおりです。

 

さて、そのテスラ車、ラインナップ全般でポイントとされるのが、すべてがEV専用ボディとなっていること。そのため、そのデザインはガソリン車にありがちないかついフロントグリルはなく、見た目はかなりスマートです。これは熱源となるエンジンがボンネット内に存在しないからで、バッテリー用のラジエーターにしてもエンジン車に比べればかなりコンパクト。それがスマートなデザインを生み出した理由となっています。

 

また、環境に配慮したパーツを積極的に採用しているのもポイント。たとえばシートをはじめとするインテリアには、石油由来の素材や動物の皮革を使うことなく、植物性樹脂を用いた“ヴィーガンレザー”を採用するなど、サステナブル性を重視した対応を採っています。まさに走行中の排出ガスをゼロとする、EVならではの環境への配慮といえるでしょう。

 

クルマとしての先進性においても目を見張るものがあります。今や高度な運転アシスト機能(ADAS)を備えることは決して珍しくありませんが、テスラ車はこの分野でもAIを活用した先進性を発揮しているのです。センシングは基本的にカメラだけで行いますが、ここにAIを組み合わせることで、広範囲にわたって優れた認知性能を発揮しているのです。

 

【その1 Model 3】テスラ車の魅力を体験するには最適!

現時点(2024年12月時点)でテスラが製造するもっともコンパクトで身近な価格帯となっているEVとなります。とはいえ、国産車のようなコンパクトカーとは一線を画した存在です。なにせボディの全幅(ミラー含まず)は1850mmもあり、この寸法は日産・スカイラインの1820mmを超えます。ただ、それでもテスラ車で唯一、日本の機械式駐車場に入れられるサイズなのはメリット。

 

しかも、この幅の広さが幸いして、後席には大人3人が楽に座れます。運転席回りは、テスラらしく操作ボタンはほとんどなく、スタートボタンすらありません。エアコンをはじめとする様々な車両設定は15.4インチのディスプレイ上で行い、後席に備えた8インチディスプレイからもエアコンなどの設定が行えます。こうしたUIからも先進性を実感するでしょう。

 

また、フロントシートはベンチレーテッド機構付きとなっており、これは事前にスマホからエアコンと連動して作動させることが可能。デュアルサブウーファーを含む最大17スピーカーのオーディオシステムやワイヤレス充電が2台分備わっているのも注目です。

 

Model 3で素晴らしいのはその動力性能です。最大出力は208KW(283PS)で、EVならではのトルク特性により、停止状態から100km/hまで4.4秒(ロングレンジAWD)で到達。高級スポーツカー並みの加速力を発揮します。まさにModel 3は外観からは想像もつかないような走りを身近に味わえるものとなっているのです。

 

身近な価格とはいえ、「RWD」でも531万3000円となりますが、国の補助金65万円を加味すればユーザーの実質負担額は470万円ほど。これに自賠責などの諸経費を加えても500万円以内に収まります。その意味で、Model 3のRWDは、テスラ車の魅力を体験するエントリーモデルとしては最適な一台となりそうです。

 

【その2 Model Y】SUVでパフォーマンスの高いEV

Model 3をベースにSUVとしたのがModel Yです。全長4760mm、全幅(ミラー含まず)1925mmとModel 3を上回るボディサイズとなりましたが、その分だけユーティリティ性を高めているのがポイント。シートは2列/5人乗りで、大人が5人乗車してもゆったりとした空間を確保しています。

 

特にリアシートは折りたためばフラット状態にできるだけでなく、5人乗車時でのラゲッジルームの容積は854L、後席を折りたためば2041Lもの空間が生まれます。加えて、フロントボンネットには117Lの収納スペースが用意され、ラゲッジボードの下にも収納スペースが確保されています。この辺りはまさにEVならではのメリットといえますね。

 

車内では何といっても、空の景色が見通せるパノラマルーフが広々とした風景をもたらし、ドライブの楽しさを盛り上げてくれます。静粛性も高く、ドライブの快適性が一段と高められています。ただし、ホイールベースが2890mmと長くタイヤも太いため、最小回転半径は6.05mとなってしまいました。狭い路地では取り回しが大変かもしれません。

 

コクピットはテスラ車共通で物理スイッチは一切なし。あるものといえば法規上必要となるウィンカーレバーや、コラム式のシフトセレクターぐらい。オーディオや空調など、ほとんどの車載機器はセンターにある液晶パネルで設定するか、音声コマンドで操作する仕組みです。こうした先進的なUIがテスラファンを生み出している理由でしょう。

 

動力性能では、上位グレードの「パフォーマンス」の実力に驚かされます。なにせ158(前)/235(後)kWのシステム出力を発揮しており、これを馬力換算すると535PS! それだけに0→100km/hはわずか3.7秒で到達します。さらに、一充電走行距離も595km(WLTCモード)という長さ。それだけに価格も697万9000円となりますが、それも十分納得できるパフォーマンスといえるでしょう。

 

ではベースモデルの「RWD」はどうかといえば、リア駆動のみでも220kW(300PS相当)と、これでも十分なパフォーマンス。価格も533万7000円とグッと身近になってきます。SUVでパフォーマンスの高いEVを手軽に欲しい人にはマッチするグレードかもしれません。なお、国の補助金はModel Yすべてが65万円となります。

 

【その3 Model S】テスラ初の量産型として誕生したモデル

テスラ初の量産モデルとして誕生したモデルSは(SLA/SLP)は、フラッグシップモデルとなる4ドアセダンタイプの電気自動車。発売当初は後輪駆動モデルのみでしたが、後に前輪にもモーターを追加したAWDが発売され、2017年以降のモデルはすべてAWDとなっています。全長4978mm×全幅1964mm×全高1440mmのボディサイズでありながら、高出力モーターによる圧倒的な加速性能は、大排気量エンジンを搭載したスーパーカーにも勝ります。価格はデュアルモーターAWDが1266万9000円、対して最強グレードのPlaidは1566万9000円!

 

室内を覗いてみると、上半分がない近未来的なステアリングを採用し、センターコンソールに配置される17インチシネマティックディスプレイは2200×1300の解像度、超高輝度、トゥルーカラーを誇り、素早い応答性を見せます。また、左右に傾けられる機構を備えたことで、どこからでも画面が見やすくなっています。リアトランクは実用性に優れるハッチバック形式で、容量は約750Lもある。

 

ちなみに今年の6月4日、モデルSの最強グレードPlaidが、ドイツ・ニュルブルクリンク北コースでタイムアタックを行い、7分25秒231のラップタイムを計測した、と発表しました。これは量産EVの最速記録になるとのこと。

 

【その4 Model X】アメリカンなサイズを体験するのも悪くはない!

現在、テスラ車が販売するEVの最上位モデルがModel Xです。グレードは「デュアルモーターAWD」(1416万9000円)と「Plaid」(1636万9000円)の2つで、価格も最上位モデルにふさわしい設定となっています。補助金はいずれも52万円。特に、リアドアが上に開く“ファルコンウイングドア”となっており、しかも開くときはドアが中折れし、車体との空間が30cmあれば乗り降りできるよう工夫されているのがありがたいですね。

 

とはいえ、そのサイズは全長5057mm×全高1690mm×全幅(ミラー含まず)2000mmにもなり、まさに“巨大”ともいえるサイズというほかはありません。重量も2.5tに近い重さ。当然、狭い道はもちろん、駐車をはじめとする普段の取り扱いにも苦労するのは間違いないでしょう。米国生まれのEVだけに、どうせならこのアメリカンなサイズを体験するのも悪くはないです。

 

しかも、Model Xにはテスラ車で唯一6人乗りに加えて7人乗りもラインナップ。つまり、テスラ車でミニバン的な使い方ができるのもModel Xだけなのです。シートをたたむと最大2614Lもの巨大な空間が生まれます。Model Xなら多めの家族や仲間とともに、テスラならではの圧倒的なパフォーマンスが楽しめるわけです。

 

最上位モデルだけに、そのパフォーマンスも群を抜いています。最上位のPlaidは重量が2470kgとなりますが、発揮するパフォーマンスは最大出力が623kWで馬力換算だとなんと1020PS! 最高速度は262km/hに達し、0→100km/hは2.6秒しかかかりません。また、ベースモデルでも最大出力は503kWで馬力換算すると670PS。0→100km/hは3.9秒という高いパフォーマンスを発揮するのです。

 

車内に目を移せば、運転席のステアリングには先進的かつ斬新な「ヨーク型」がオプションで選べるほか、世界最大のパノラミックウィンドシールドと最大7人乗りの広々としたキャビンが楽しめます。また、センターディスプレイは2230×1300ドットの高解像度設計の17インチモニターで、これを22個のスピーカーと組み合わせたオーディオシステムがドライブの楽しさを盛り立てます。

 

テスラの先進性と圧倒的パフォーマンスをすべてにおいて体験したいのなら、Model Xが唯一無二選択となるのは間違いありません。

 

 

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テスラの公式アプリ、Apple Watchで使えるようになった!

テスラの車両が「Apple Watch」の公式アプリからコントロールできるようになりました。

↑Apple Watchでテスラ公式アプリが使える(画像提供/テスラ)

 

テスラの車両はスマートフォンのアプリにより、さまざまな機能をコントロールすることができます。同様のことをApple Watchで行うためには、「Watch for Tesla」などのサードパーティ製アプリを使用する必要がありました。

 

テスラによれば、今月後半に配布されるアップデートにより、スマートフォンアプリと同様の機能がApple Watchでも利用できるようになるとのこと。車両のロックを解除したり施錠したり、トランクやフロントトランクを開閉したり、バッテリー状態を確認したり、空調を設定したり、さまざまなことがApple Watchで行えるようになります。

 

テスラによれば、Wear OSを搭載したスマートウォッチに同様のアプリが提供されるかどうかは未定とのこと。テスラを公式アプリでコントロールしたいドライバーは、しばらくiPhoneとApple Watchを使うことになりそうです。

 

Source: Tesla/X via MacRumors

「テスラか、それ以外か」と思わせるほど「モデルY」のバッテリーと乗り心地は素晴らしい

日本ではあまりうまくいっていないEV(電気自動車)の普及。しかし北米の雄・テスラは、日本以外での鮮やかすぎる販売的成功をもとに、日本にトドメとなる1台を展開させてきた。人気モデルである「モデル Y」の航続距離を強化したバージョンは、日本の市場にどれだけ食い込めるだろうか?

 

■今回紹介するクルマ

テスラ モデル Y

※試乗グレード:デュアルモーターロングレンジAWD

価格:652万6000円

 

「加速は必要ないが、長い距離を走りたい」人に最適な選択肢

テスラと言えば世界一のEVメーカー。そのテスラのなかで現在一番売れているモデルが、SUVの「モデル Y」だ。

↑フロントは目立つグリルなどがない。それがかえって先進性を醸し出している

 

SUVと言っても、最低地上高が特に高いわけではなく、セダンタイプのモデル 3の全高をこんもりと上げ、そのぶん室内を広くしたモデルだと考えればいい。そもそもセダンの販売は世界的に絶不調。そんななかでモデル 3は健闘していたが、モデル Yの生産が本格化したことで、そちらに主役の座を譲ったわけだ。

 

日本で販売されるモデル Yには、従来2つのグレードがあった。ベーシックなRWD(563万円)と、デュアルモーターAWDパフォーマンス(727万円)だ。WLTCモードの航続距離は、RWDが507km、パフォーマンスが595km。パフォーマンスのウリはスーパーカー以上のバカ加速だが、一般ユーザーには性能過剰だった。

 

そこに今回、中間的存在の「デュアルモーターAWDロングレンジ」が加わった。価格は652万円とちょうど両車の中間で、航続距離は605km。パフォーマンスより価格が75万円安いので、「バカ加速は必要ないが、安心して長い距離を走りたい」というユーザーには、最適な選択となる。今回は、発売間もないこのクルマに試乗した。

↑高速に乗って長い距離を試走

 

バッテリーマネジメントが優れた、EV界のエリート

モデル Yロングレンジに限らないが、テスラのEVには、ドアに鍵穴もタッチセンサーもない。キーを登録したスマホを持つオーナーが近づくだけで、自動的にドアロックが解除される。

 

運転席に乗り込んでも、ボタンがほとんどない。電源ONのボタンすらない。これまた、キーを登録したスマホを持ったオーナーが乗り込むだけで、自動的に電源が入るのだ。ステアリング右に生えたレバーを下げるとDレンジに入り、発進が可能になる。

↑ボタン類をほとんど排除したシンプルなインテリア。中央のディスプレイは15インチと大きめ

 

この、ほとんどボタンがない操作系には、中高年は大抵ビビッてしまう。不安で不安でたまらなくなる。でも、慣れれば気にならなくなる。初めてのスマホのようなものだ。

 

ステアリング右のシフトレバーと左のウィンカー以外のあらゆる操作は、中央のディスプレイで行なうことになる。運転中のタッチ操作は結構難儀でイライラするが、声で操作することも可能だ。音声認識はスマホ並みに優秀なので、ナビの設定やエアコンの温度変更は、声で操作するのが吉。

 

いよいよ走り出そう。充電100%で電源ON、エアコンもONの状態で、ディスプレイに表示される航続距離は525kmだった。WLTCモードの605kmよりは短いが、公称の87%に当たる。通常EVの実際の航続距離がWLTCモードの7掛け程度なのに比べると、かなり長い。さすがテスラだ。

 

テスラは、バッテリーのマネジメントが非常に優れている。つまり充放電の制御が上手なので、同じバッテリー容量でも、より長い距離を走れて、バッテリーの寿命も長い。最初に表示される「525km」という数字からも、それがうかがえる。さすがEV界のエリートである。

サスペンションがしなやかで、乗り心地は快適

走り始めると、まさにEVそのもの。音もなくスムーズに加速する。驚いたのは、新車の割にサスペンションがしなやかだったことだ。ボディも猛烈にしっかりしているので、乗り心地は素晴らしい。

 

以前乗ったモデル 3は、サスペンションがハードすぎて乗り心地は最悪レベルだったが、今回のモデル Yは雲泥の差だった。もともとテスラ車は新車時のサスのあたりが固い傾向があったが、改良されたらしい。

 

市街地で気になるのは幅の広さだ。全長は4760mmなのでちょうどいいが、全幅は1925mmもあり、取り回しには多少気を遣う。

 

そのぶん室内は広い。セダンのモデル 3と比べると、全高は180mm高く、全長も65mm長いのだから当然だ。パノラミック・ガラスルーフが標準装備なので、開放感もある。ラゲージ容量は、リアシートの後ろ側で854L。これで足りない人はまずいないと思うが、リアシートの背もたれを倒すと、2041Lという巨大な空間になる。フロントのボンネット下にも117Lの容量のトランクがある。実用性は十分だ。

↑本体サイズは約全長4760×全幅1925×全高1625mm。カラーは試乗モデルのパールホワイトのほかに、オプションで4色をそろえている

 

↑コックピットはシートポジションが高く、ダッシュボードは低いため、よく見渡せるようになっている

 

駆動用モーターは、前後に1基ずつ搭載。詳細な出力は非公開だ。モデル Yパフォーマンスに比べると加速は控え目だが、それでも十分すぎるほど速い。

↑試乗モデルは、静止状態から時速100kmまで約5.0秒の加速を実現している

 

ライバルに対して優位に立つ航続距離の長さ

テスラ車の美点は、速度を上げてもあまりバッテリーを食わない(電費がいい)点にある。新東名の120km/h制限区間を120km/hでブッ飛ばしても、100km/hのときとあまり電費が変わらないのだ。空気抵抗は1.4倍に増加しているはずなのに、不思議で仕方がない。EVは速度を上げると急激にバッテリーを食うものだが、なぜかテスラはその割合が小さい。これも優れたバッテリーマネジメントの賜物だろうか? テスラは技術的な情報をほとんど公表しないので謎だが、そう考えるしかない。

 

東京から240km先の浜松SAで折り返し、富士川まで合計340km走った段階で、バッテリーにはまだ34%電力が残っていた。つまり、100%使い切れば500km走れた計算だ。残り20%まででも、約400km走れることになる。さすがロングレンジ。ここまで航続距離の長いEVは、この価格帯にはほかに存在しない。ライバルに対して、2~3割は優位に立っている。

 

富士川のテスラスーパーチャージャー(テスラ専用の急速充電スポット)の250kW器で30分間充電したところ、87%まで回復した。推定充電量は40kW。平均充電速度は80kWhだ。最大50kWがスタンダードのチャデモ(CHAdeMO)の急速充電器よりはるかに速い。しかもテスラスーパーチャージャーは、一か所のスポットに4~6器の充電器が並んでいるから、充電待ちもまずない。

↑スーパーチャージャーでは、15分間で最大275km相当の充電が可能

 

テスラスーパーチャージャーは、現在国内70余か所、300器強が整備されている。なにしろテスラ専用なので、気分は貴族。この充電速度で、この利便性。EVは「テスラか、それ以外か」で、天と地の差があると認めざるを得ない。

 

SPEC【ロングレンジ AWD】●全長×全幅×全高:4760×1925×1625mm●車両重量:1980kg●パワーユニット:デュアルモーター●最大出力:250kW●最高時速:217km/h●航続距離:605km

 

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撮影/池之平昌信

イーロン・マスクが大家に? 従業員向け住宅を建設の報道

実業家のElon Musk(イーロン・マスク)氏が従業員向けの「カンパニータウン」をテキサス州に建設しようとしていることが、The Wall Street Journal(ウォール・ストリート・ジャーナル)によって報じられています。

↑Kathy Hutchins / Shutterstock.comより

 

Musk氏といえば、電気自動車のTesla(テスラ)だけでなく、宇宙開発企業のSpaceX(スペースX)や採掘会社のBoring(ボーリング)を手掛けていることでも知られています。もちろんそれぞれの会社には、数多くの従業員がいます。

 

今回の報道によれば、Musk氏はテキサス州オースティンから約35マイル(約56km)離れたBastrop郡に、「Snailbrook」と呼ばれるカンパニータウンを建設する予定とのこと。そして110軒の住宅を建設するようなのです。

 

すでにBoringは住宅の募集を昨年公開しており、2~3ベッドルームで800ドル(約11万円)前後からの価格が提示されています。これは、市場価格の中央値の2200ドル(約29万円)の半分以下の価格です。

 

カンパニータウンの計画には、学校の改築も含まれています。一方で住民からは、プロジェクトが環境に与える影響への懸念の声もあがっているようです。

 

従業員向けに「社宅」を提供しようとしている、Musk氏。住宅以外にどのような福利厚生が用意されているのかも、気になるところです。

 

Source: The Wall Street Journal via Engadget

米テスラ、36万台以上をリコール。自動運転システムが事故を起こす恐れから

米電気自動車メーカーのテスラは、完全自動運転システム(FSD)に事故を引き起こす恐れがあるとして、36万台以上にリコールを行うことが明らかとなりました。

↑テスラ車、36万台以上をリコール

 

米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)は「制限速度を超えたり、違法または予測不能なやり方で交差点を走行すると、衝突の危険性が高まる」 ことを理由として挙げています。

 

テスラの発表によると、リコール対象となるのは「完全自動運転ベータ版(FSDベータ版)ソフトウェアを搭載、または搭載待ち」の車種とのこと。具体的には2016年以降のモデルSとモデルX、2017年以降のモデル3、および2020年以降のモデルとされています。

 

NHTSAはテスラ車が高速道路で死傷者を出したり駐車中の消防車に衝突する事故が相次いだことから、2021年夏に自動運転システムの調査に乗り出していました

 

その調査は当初、予備的なものに留まっていたものの、昨年6月にエンジニアリング分析へと拡大 。それによりテスラにリコールを要求できるようになり、今回の事態に至ったしだいです。

 

米Reuters報道によると、テスラはこの問題を修正するため、ユーザーに無償でOTAアップデートをリリースする予定とのこと。今回の発表を受けて、16日(米現地時間)同社の株価は5.7%も下落しています。イーロン・マスクCEOはTwitterでも悪戦苦闘中ですが、テスラの仕事に集中できるよう、代わりの人材を急いで探す必要があるかもしれません。

 

Source:Tesla,Reuters
via:Engadget

実用的な最新EV! スポーティなBMW 「i4」とフレッシュなテスラ「モデルY」に試乗

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」で試乗したBMWの「i4」とテスラ「モデルY」は、実用的な一充電あたりの航続距離を確保する最新EV。しかしそのキャラクターは、両ブランドならではの持ち味が表れており対象的だ。i4はBMWらしいスポーツ性を、モデルYは新種のクルマらしい新しさを体感できる。

※こちらは「GetNavi」 2022年12月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【その1】EVでもBMWらしいスポーティさは健在!

【EV】

BMW

i4

SPEC【i4 eDrive40】●全長×全幅×全高:4785×1850×1455mm●車両重量:2080kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:83.9kWh●最高出力:340PS/8000rpm●最大トルク:43.8kg-m/0〜5000rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):604km

 

高性能版のMモデルでは血の気が引く速さも体感

BMWのEVラインナップでは、「iX3」に続いて伝統的なエンジンモデルのイメージを色濃く残しているのが「i4」。ベースは4シリーズ・グランクーペで、遠目から眺める限りでは外観の違いはほとんどない。一方、室内に目を転じるとメーター回りはi4独自のデザインとなっており、EVらしさを実感できる仕上がりだ。床下にバッテリーを搭載する構造ゆえ、乗り込むとガソリン仕様より若干フロアが高くなった印象もあるが、4ドアモデルとしての実用性は上々。前後席は十分な広さを確保しており、荷室容量もガソリン仕様と変わらない。

 

その走りは、静粛にしてスムーズというEVらしさを実感させつつ、BMWに期待されるスポーツ性も兼ね備えている。電気駆動モデルらしいダイレクトなレスポンスは、モーターがリアのみとなるeドライブ40でも満足できるもの。フロントにもモーターが追加されるM50では、血の気が引くような衝撃的な速さも堪能できる。

 

[Point 1]メーター回りは専用デザインに

インパネ回りは、メーターとセンターディスプレイを一体化させたi4独自のデザインを採用して新しさを演出。前後席は、4ドアモデルとして実用的な広さが確保されている。

 

[Point 2]外観はあくまでさりげなく

遠目から見ると、外観は4シリーズ・グランクーペと見分けがつかない仕立て。スポーティな佇まいは、伝統的なBMWらしさが実感できる。写真はeDrive40のMスポーツ。

 

[Point 3]荷室容量はグランクーペと同等

後席を使用する通常時の荷室容量は470Lと4ドアモデルとしての実用性は十分。この数値は4シリーズ・グランクーペと同じだ。

 

[Point 4]M50ではフロントにもモーターを搭載

Eドライブ40のフロント(写真)は補器類のみとなる。最高出力が500PSを超えるM50では、この下にもモーターが収められている。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

i4 eDrive40:電気モーター/2WD/750万円

i4 eDrive40 Mスポーツ:電気モーター/2WD/791万円

i4 M50:電気モーター×2/4WD/1081万円

 

 

【その2】圧倒的に新しく、走りは楽しい!

【EV】

テスラ

モデルY

SPEC【RWD】●全長×全幅×全高:4751×1921×1624mm●車両重量:1930kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:非公表●最高出力:299PS●最大トルク:35.7kg-m●一充電最大航続距離(WLTCモード):507km

 

EV本来の実力に加えガジェット的な魅力も最強

高性能ゆえに高額なイメージがあったテスラだが、「モデル3」はグッと身近になって大ブレーク。日本でも目にする機会が多くなった。さらにファンを増やしそうなのが「モデルY」だ。モデル3と基本構造を共有しながら、人気のミッドサイズSUVとなれば、引く手数多になるのも当然だろう。

 

リア駆動のスタンダードは643万8000円で、一充電走行距離が507km。4WDは833万3000円で、その走行距離は595km。後者は0〜100km/h加速が3.7秒とスーパースポーツ並みの速さを誇る。

 

試乗したのはスタンダードだったが、それでも0〜100km/hは6.9秒でちょっとしたスポーツカー並みに速く、アクセルを踏み込めばモーター特有の太いトルクでグイグイと、しかも静かにスムーズに走っていく。乗り心地は少しだけ硬めなものの、その代わりに俊敏かつ安定性の高い超ハイレベルなシャーシとなっているので、SUVの背の高さを感じさせない。ハンドリングが楽しいのも、実はモデルYならではの魅力なのだ。

 

スマホ的なユーザーインターフェイスは、ユニークかつストレスフリーで一度使い始めるともう普通のクルマに戻れなくなりそう。ガジェットとしての魅力は、他の追随を許さないほど進んでいる。

 

[Point 1]モデル3同様シンプルで新しい

インパネ回りはモデル3と同様にシンプル。基本的な操作は、タブレットのようなセンター部分のディスプレイですべて行える。独創的なインターフェイスはテスラならではだ。

 

[Point 2]SUVでもシンプル&スポーティ

外観は兄貴分のモデルXをコンパクトにしたような仕立て。ただしリアドアの開き方は標準的な横開きになる。ミドル級SUVという位置付けだが、丸みを帯びた造形はシンプルにしてスポーティだ。

 

[Point 3]ユーティリティはハイレベル

荷室容量は5名乗車時でもトップレベルの広さを実現。モデル3と同じく収納スペースはフロントにも備わり、前後トータルでの容量は実に2100Lと、使い勝手にも優れる。

 

[Point 4]前後空間もSUVらしく広々

前後シートはたっぷりとしたサイズで、座り心地は上々。リアシートにはリクライニング機能も備わっている。内装のカラーは2タイプがラインナップされる。

 

[Point 5]スマホでの遠隔操作も可能

最新のEVらしく、専用アプリを活用すればスマホから各種機能(遠隔操作での車両の前進&後退も可能)をコントロールできるのはテスラならでは。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

RWD:電気モーター/2WD/643万8000円

パフォーマンス:電気モーター×2/4WD/833万3000円

 

文/石井昌道、小野泰治 撮影/篠原晃一、郡 大二郎

 

 

Teslaの3デバイス同時無線充電アクセサリが便利そうだけど、アップルを思い出す

電気自動車メーカーのTesla(テスラ)は、3台のデバイスを同時充電できるワイヤレス充電アクセサリ「Tesla Wireless Charging Platform」を発表しました。

↑Teslaより

 

Tesla Wireless Charging Platformは、Qi規格に対応したデバイスを最大15Wにて充電することが可能です。「FreePower」機能によりデバイスは特定の場所に置く必要はなく、どこにおいても充電することができます。また充電マットの角張ったデザインは、電動トラック「Cybertruck」にインスパイアされたもの。表面はなめらかなアルカンターラ素材で、着脱式のマグネットスタンドにより斜めの場所にも設置することができます。

 

ところで、どこでも3台のデバイスをチャージできる充電マットと聞くと、アップルが2017年に発表した「AirPower」を思い出す人もいるはず。AirPowerは当時としては野心的なプロダクトでしたが、発熱や干渉の問題から、2019年に発売中止が正式に発表されました。その後の技術の進歩により、同様のデバイスが各社から発売されるようになったのは感慨深いものがあります。

 

Tesla Wireless Charging Platformの海外向け価格は300ドル(約4万円)。なおAirPowerとは異なり、Teslaの充電器では「Apple Watch」は充電できない点はお気をつけください。

 

Source: MacRumors

テスラがSteamとApple Musicに対応! 車内で『Cyberpunk 2077』が遊べる

テスラが最新アップデート「Holiday Update」の配信を開始しました。車内でSteamのゲームをプレーしたり、Apple Musicを再生したり、いくつかの新機能が追加されています。

↑車内のエンタメがもっと充実(画像提供/Tesla)

 

すでにテスラは『Cuphead』や『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』などのゲームを多数提供していますが、イーロン・マスクCEOは7月にテスラ車とSteamの統合を「進めている」とツイートしていました。それから数か月後、ようやく公約が実現されたのです。

 

テスラ公式アカウントはSteamを「新型」のModel SとXで利用できると述べていますが、公式リリースノートでは「16GBのRAMを搭載した2022年モデル以降のSとX」とあり、条件を明確にしています。

 

テスラはSteamで「数千もの」ゲームを遊ぶことができると述べていますが、どのゲームがプレーできるのかは公開していません。ただしPVでは、最近アニメ版の『サイバーパンク:エッジランナーズ』が注目を集めた『Cyberpunk 2077』が大きく取り上げられています。

 

それに加えて、ついにApple Musicがテスラ車に搭載されました。先月、米ロサンジェルスの自動車博物館に展示されているモデルSで動いているのを発見されていましたが、公式アップデートとして広く展開されることになりました。

 

最新アップデートには他にも複数の機能が含まれており、その中には複数のテスラ車が連携してヘビメタ版『蛍の光』に合わせてトランクやパワーウィンドウ、ドアなど電動パーツを動かして合奏(?)するライトショーモードまであります。日本では、これほど多くのテスラ車が集まるのは大変かもしれませんが……。

 

Source:note a tesla app
via:The Verge

テスラの高級電動トラック「Semi」がやっと納車開始! ペプシに100台

電気自動車メーカーのテスラの電動トラック「Semi」の、量産車の納車が開始されました。最初の顧客は飲料メーカーのペプシで、100台の納車が予定されています。

↑テスラより

 

Semiは2017年に初披露された電動トラックで、300マイル(約480km)版が15万ドル(約2000万円)、500マイル版が18万ドル(約2400万円)で販売されます。これはディーゼル燃料のトラックよりもかなり高額ですが、電動化により20%高効率な走行が可能なことから、100万マイル(約160万キロ)の走行で最大25万ドル(約3400万円)の節約が可能だとアピールされています。

 

Semiは1MWの巨大なバッテリーパックを搭載し、最大8万ポンド(約36トン)の荷物を牽引可能。時速60マイル(約時速96km)まで20秒で到達し、0〜80%までわずか30分で充電できます。さらに強化型オートパイロットのほか、ジャックナイフ軽減システム、ブラインドスポットセンサー、車両管理用データロガーが搭載されています。

 

これまで出荷がたびたび延期されてきたものの、とうとう納車を開始したSemi。その省エネ性能がどれだけ市場から評価されるのかに注目です。

 

Source: Engadget

テスラ車の完全自動運転(FSD)、一般向け利用が可能に

電気自動車メーカーのテスラを率いるイーロン・マスク氏は、自動運転機能「FSD(Full Self Driving Beta)」を北米向けに一般提供すると明かしました。

↑Jose Gil / Shutterstock.comより

 

テスラの電気自動車には、標準機能として搭載されている運転支援機能の「オートパイロット(Autopilot)」と、より高度なFSDがあります。FSDでは都市部での自動操縦や自動駐車、スマート車両召喚、信号・停止標識の認識といった「より積極的なガイダンスと自動運転を提供するようデザインされた、さらに高度なドライビング アシスト機能」が利用可能です。

 

これまでFSDのベータ版は、安全運転の実績がある一部のドライバー向けに、1万5000ドル(約210万円)にて提供されてきました。しかし今後は、FSDのオプションを購入すれば車両のディスプレイから誰でも利用可能になったのです。

 

マスク氏は以前からテスラ車両における手放しでの完全な自動運転の実現を約束していましたが、現時点ではそのような機能は提供されていません。また米国運輸省道路交通安全局(NHTSA)はテスラ車両における自動運転関連の事故について調査をすすめており、FSDの名前が示すような完全自動運転の実現は、まだまだ先となりそうです。

 

Source: Elon Musk / Twitter via Engadget

イーロン・マスクCEO、テスラの株式総額はアップルを超えられる! と豪語

電気自動車(EV)大手テスラのイーロン・マスクCEOは、自社の時価総額がいずれアップルを超えられるとの見通しを豪語しました。

↑テスラ

 

10月19日(米現地時間)、テスラは2022年第3四半期決算を発表。その売上高は過去最高を記録したものの、市場予想を下回っています。同社はここ数か月、株価が苦戦を強いられており、今回の決算もその助けにはならなかったようです。

 

そのためか決算発表後、マスクCEOはアナリスト向け電話会見で自らマイクを握り、投資家を安心させようとする姿勢を鮮明にしました。そこでは取締役会で議論した結果、50~100億ドルの自社株買いを進めることで意見が一致したと発表されたしだいです。

 

自社株買いプログラムは、企業が市場価格で自社株を購入すること。一般的には「自社株が割安だ」と考えていることを示すポーズであり、株価を押し上げるために行われます。まだ計画は決まっていないと述べられているものの、近々に自社株買いを始めるようです。

 

その発表後に飛び出したのが、「テスラの価値がアップルを超えられる」発言です。自社の時価総額につきマスク氏は「少し前の決算説明会で、私は『テスラが当時約7000億ドルの価値があったアップルよりも時価総額が高くなるかもしれないと思う』と述べました」とコメント。

 

さらに「私は今、アップルの現在の時価総額をはるかに超えることができると思っています。テスラがアップルとサウジアラムコを合わせた以上の価値を持つようになる道筋を考えているのです」と述べた格好です。

 

ちなみに10月21日時点でのテスラ時価総額は約6500億ドル。そしてアップルは2兆3000億ドル、サウジアラムコは2兆ドル程度の価値があり、合計で4兆3000億ドルといったところ。ざっとテスラを7倍ほど成長させる必要がありそうです。

 

さてマスクCEOの発言に戻ると、たとえ不況のもとでも、テスラは来年も「相当なキャッシュ」を生み出せると強調しています。それゆえ自社株買いプログラムを始めるのは理に叶っている――というのがマスク理論です。

 

テスラには人型ロボット「オプティマス」という切り札もあります。何年後にマネタイズできるのかは不明ですが、いつの日かiPhone以上にテスラロボを街で見かけるようになるのかもしれません。

 

Source:Electrek

テスラの人型ロボが歩いて踊る!? オプティマスのプロトタイプが初公開

米テスラは現地時間9月30日にイベント「AI Day」にて、人型ロボット「オプティマス(Optimus)」の動作するプロトタイプを披露しました。

↑テスラより

 

オプティマスは2021年にその構想が発表された人型ロボットで、身長は約170cm、体重は約58kgと、ほぼ人と同じサイズ。28個のアクチュエーターを内蔵し、約20kgの荷物を持ち運ぶことが可能で、人が行う単純作業を代替するのがその目的です。

 

 

今回初めて動作するプロトタイプが公開されたオプティマスは、イベント会場のステージを歩いたり、さまざまなポーズやちょっとしたダンスを披露。

 

システムにはテスラの電気自動車のオートパイロットにも用いられるAI(人工知能)ビジョンを採用し、オフィスや工場で人と一緒に作業をすることができます。さらに、人の声による指示を理解することも可能です。ロボットには2.3kWhのバッテリーパックが搭載され、1日の作業が可能だとしています。

 

テスラは、2022年までにオプティマスの実用的なプロトタイプを完成させる予定だとしてます。また大量生産した場合の価格は、2万ドル(約290万円)以下になるとの発言も。職場や私達の家庭に人型ロボットがやってくる未来は、そう遠くないのかもしれません。

 

Source: テスラ/YouTube via Engadget

「テスラの自動運転技術は人をはねない」ことを自分の子どもでテストした動画、YouTubeに削除される

今月初め、テスラのEV(電気自動車)「Model 3」で自動運転技術のFSD(Full Self-Driving)を使い、路上に置いた子どもの背丈のマネキンにぶつかるかどうか試したところ、3回のテストで3回とも衝突した上に、そのまま加速した動画が衝撃を呼んでいました。ほか、子どもを模したダミーを紐で引っ張り道路を横断するシチュエーションを再現したところ、こちらも減速も回避もせずはね飛ばす結果となっています

↑自動運転は危険? 安全?

 

これらの検証結果に対して、テスラ車のFSDは安全だと主張する人物が、自分の子どもをクルマの前に立たせてテストした動画を公開したところ、YouTubeが削除することになったと報じられています。

 

テスラに投資しているタッド・パーク氏(資産管理会社Volt EquityのCEO)は、自分の子どもをクルマの前に立たせてFSDベータ版による自動運転をテストした「テスラのFDSベータは本当に子どもを轢くのか?」と題された動画をYouTubeに公開しました。どれだけFDSが素晴らしいか、それを鮮やかに示す方法と思われたようです。

 

しかしYouTubeは「未成年が危険な活動に参加する様子を映したコンテンツや、未成年に危険な活動を促すコンテンツ」「危険なスタント、挑戦、イタズラなど、怪我につながる可能性がある有害な状況に未成年を置く」ことを許可しないと強調し、動画を取り下げたしだいです。

 

米CNBCの取材に対して、パーク氏はモデル3を時速8マイル(約13km)で走らせて「クルマが子どもを認識した」と述べています。さらにWhole Mars CatalogのYouTubeチャンネルでは、「だから子どもを検知してくれる自信はあるし、ハンドルも握っているからいつでもブレーキをかけられる」とも語っています。

 

8月14日に投稿されたパーク氏の動画は、削除される前に6万回も再生されることになりました。またツイッターへの投稿は一部残っており、まだ見ることができます。

 

 

この件に関しては、米国家道路交通安全局(NHTSA)もクルマのテストに子どもを巻き込まないように警告を発しています。「誰も自分や他人の命を危険にさらして、自動車技術の性能を試してはいけません」「消費者は独自のテストシナリオを作ろうとしたり、実際の人間、特に子供を自動車技術の性能テストに使ったりしてはならない」とも付け加えています

 

テスラの自動運転技術は危険すぎるとして反対運動が起きており、子どもサイズのダミーを轢くという広告も出ていることから、テスラ車を愛する人やテスラに投資している人々がそれにブレーキを掛けようとしている面もあるようです。そうした大人の利害のために、子どもの命を危険に晒さないよう願いたいところです。

 

 

Source:CNBC

サイバートラック開発で忙しいテスラ、保有ビットコインを75%も売却

米テスラを率いるイーロン・マスク氏は、開発をすすめる電動ピックアップ「サイバートラック(Cybertruck)」が2023年半ばにも納車できるとの見通しを明かしました。一方、同社は保有していたビットコインの75%の売却も明かしています。

 

サイバートラックはまるで屋根のような傾斜したルーフが特徴の、電動ピックアップです。2019年に正式発表されたものの、その納車時期は度々延期されてきました。またマスク氏は以前、その巨大なワイパーのデザインに関する懸念に触れたこともあります。

 

同氏によれば、現時点ではサイバートラックの量産時期は未定だとしています。

 

一方でテスラは昨年、15億ドル(約2000億円)分のビットコインを購入。さらに、支払い方法としてもビットコインを受け付けると発表しました。しかしビットコイン支払いは、その直後に撤回されています。

 

そしてテスラは今回のビットコインの売却により、9億3600万ドル(約1300億円)の現金を調達。これにより、今期は22億6000万ドル(約3100億円)の利益を計上できるとしています。また同社は、現在の残りの「デジタル資産」は2億1800万ドル(約300億円)だと表明しています。

 

以前には「(ビットコインの取り扱いについて)ポンピングはするかもしれないが、ダンピングはしない」と語ったマスク氏。今後も継続的に仮想通貨への関わりを続けるのか、注目が集まります。

 

Source: The Verge 1, 2

もうすぐテスラ車でSteamゲームが遊べる? イーロン・マスクがTwitterで予告

最近ではツイッター社の買収(と撤退希望)でおなじみのイーロン・マスク氏ですが、本来は米EV(電気自動車)メーカー・テスラのCEOです。そのテスラ車につき、マスク氏がSteamゲームがもうすぐ遊べるようになると示唆しています。

↑もうすぐテスラ車でSteamゲームが遊べる?

 

マスク氏はツイートへの返信で「(テスラ車と)Steamの統合を進めている」と述べ、おそらく来月にはデモを見せられるとの趣旨を述べています。

すでにテスラ車では内蔵の「テスラアーケード」を通じて「Cuphead」などが提供され、昨年末にはシリーズ第1作目の「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」がプレイ可能となっています。また「Beach Buggy Racing 2」など、テスラ車のハンドルとアクセル/ブレーキペダルでプレイできるレーシングゲームもあったりします。

今のところSteamのデジタルショップで提供されるのか、より統合が進んでユーザーは車に座ったままゲームを買ったり遊んだりできるのか、サポートされないSteamタイトルがあるかどうかは不明です。

 

マスク氏は、新型のModel SとXのゲーム性能は「PS5レベルと同等」と述べていました。さらに、それらで「Cyberpunk 2077」等が遊べると約束していました が、未だに実行に移されていません。しかし、Steamと統合を進めていくなかで、いずれ約束が守られる可能性もありそうです。

 

今年2月にマスク氏は、「Steamゲームをテスラ車で動かす一般的なケースと特定のタイトルを比べながら作業している」とツイートしていました。つまりマスク氏はAAAタイトルを1つずつ移植するのではなく、Steamを通じて遊べることを目指していると思われます。

 

テスラ社は昨年、運転中にも遊べるゲームがあることが判明して非難が殺到していました。さらにNHTSA(米国運輸省道路交通安全局)からの批判を受けてこの機能を封印していましたが、Steamゲームについても厳しく監視されることになりそうです。

 

Source:Elon Musk(Twitter)
via:The Verge

走るだけで悪路をデータ化! テスラ車両に道路のスキャン機能が配信される

↑Mike Mareen/Shutterstock.com

 

米テスラの電気自動車に、道路をスキャンし穴などを見つける機能の配信が開始されたと、海外テックメディアのElectrekが報じています。

 

もともと、テスラを率いるイーロン・マスク氏は「将来、テスラのオートパイロット機能は道路の穴を発見し、それを記録して回避するミニマップを作成できるようになる」と語ったことがあります。今回の新機能は、それが部分的に実現したことになります。

 

新しいソフトウェアアップデートに含まれる新機能「Tesla Adaptive Suspension」では、テスラの車両が道路の穴をスキャンし、それにあわせてサスペンションを調整することで、車両へのダメージを回避することができます。機能は新型の「モデルS」や「モデルX」のような、アダプティブ・サスペンションを搭載した車種で利用可能です。

 

さらにリリースノートによれば、「テスラ車両が生成した大まかな道路地図データを車両がダウンロードし、利用状況に応じてさまざまな場所で利用する可能性がある」としています。つまり悪路の情報は、テスラ車両が道路を走行すればするほど、より洗練されていくことが期待されるのです。

 

現時点ではこの悪路のスキャン機能はサスペンションの動作にしか反映されませんが、将来的にはオートパイロットや完全自動運転(FSD)にて、穴などを回避できるようになるかもしれません。ネットワークの力でますます賢くなる、テスラ車の今後の発展に期待です。

 

Source: Electrek

テスラ車にCarPlayを(ラズパイを使って)力尽くで導入するソフトウェアが公開される

米テスラ製の電気自動車ではアップルのCarPlayが利用できず、車のオーナーらが強く要望しても叶えられる気配がありません。そのため、誰もがテスラ車で(Raspberry Piを経由して)CarPlayを導入できるソフトウェアを公開した人物が現れました。

 

ポーランドの開発者Michal Gapinski※氏は今年初め、自らのTesla Model 3にCarPlayを導入できた(車本体のタッチパネルを使って操作)ことを報告していました。

 

 

さらに約半年かけて、他の人も使えるソフトウェア「Tesla Android」のアルファ版をGithubに初公開。

 

 

この回避策は、LTEモデムとWi-Fi機能を持つRasberry Piを使い、Androidベースのカスタムファームウェアを実行させ、さらにマイクロHDMI-HDMIケーブルとイーサネットケーブルを使ってテスラ車に繋いでいます。つまりRasberry Pi側から出力したCarPlayのインターフェースを車載ブラウザに表示させ、マップやApple Musicなどのアップル製アプリを使えるようにしたわけです。システムは走行中でも動作し、テスラのステアリングホイールにあるメディアボタンで操作もできるそうです。

 

Gapinski氏は、最新アルファ版の主な狙いはユーザビリティ(使いやすさ)にあると語っています。「このプロジェクトが拡大し、テスラコミュニティで人気を勝ちえるためには、レスポンスのよいAndroid体験を提供する必要があります」とのこと。そうでなければユーザーは使ってくれないため、と説明しています。

 

現時点では機材の用意もインストールも簡単とは言えませんが、いずれ「ほんの数分で導入できるものに簡素化し、コストと参入障壁の両方を減らす」ことを目指すと述べられています。

 

2020年にはテスラがApple Musicのサポートを検討している手がかりも見つかっていましたが、結局は実現していません。テスラCEOのイーロン・マスク氏も、CarPlayを搭載して欲しいとの要望をスルーしているようでもあり、テスラ車のオーナーは自力で望みを叶えるしかなさそうです。

 

Source:Michal Gapinski(Twitter)
via:MacRumors

 

※Michallはストローク付き、Gapinskiのnはアキュートアクセント付きが正式な表記です

新しいドライブ様式は300万円台から始められる! 価格帯別イチオシEVガイド

排出ガス抑制のための規制強化が進むなか、世界の自動車メーカーはこぞって新たなEVを登場させている。ここではいま日本で購入できるEVを価格帯別に厳選して紹介。さぁ、新たなドライブ様式を始めよう!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が紹介します

GetNavi編集部 クルマ担当

上岡 篤

EVに乗ってみて、その静かさと圧倒的な加速に驚くばかり。本気で欲しいと思うが、集合住宅住まいなので充電の方法に悩んでいる。

《300万円台》

最先端の技術や最新の素材の採用により、まだまだ“高嶺の花”と思われがちなEV。しかし新車で300万円台と比較的リーズナブルなモデルもあるのだ。もちろん実用性も問題ない。

 

【No.1】日本を代表するEVは電源としても活用できる

日産

リーフ

332万6400円〜499万8400円

2017年にモデルチェンジして2代目になったリーフ。40kWhと62kWhの2タイプのバッテリー容量が選べるが、いずれも一充電で300km以上の走行が可能。住宅に電気を供給する電源としても活用できるのが特徴だ。

SPEC【e+G】●全長×全幅×全高:4480×1790×1565mm ●車両重量:1680kg ●最高出力:218PS(160kW)/4600〜5800rpm ●最大トルク:340Nm(34.7kg-m)/500〜4000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):458km

 

★ここがイチオシ!

日本を代表するEVであるリーフは、プロパイロットなど安全運転支援技術も充実。電源として使えるのはいざという時に安心だ。

 

【No.2】タウンユースにぴったりなコンパクトモデル

三菱

i-MiEV

300万3000円

i-MiEVは2018年に衝突時の安全性確保のため全長が8cm拡大し、それまでの軽自動車規格から登録車規格になった。満充電時の最長航続距離は約164km。タウンユースなら気兼ねなく使えるコンパクトさもメリットだ。

SPEC【X】●全長×全幅×全高:3480×1475×1610mm ●車両重量:1100kg ●最高出力:64PS(47kW)●最大トルク:160Nm(16.3kg-m)●一充電走行距離(JC08モード):164km

 

★ここがイチオシ!

ステアリングのパドルで回生ブレーキの強弱を操作すれば、スポーティな気分も味わえる。年内で生産終了のウワサもあるので注意。

 

《400万円台》

この価格帯から欧州のプレミアムブランドのエントリーモデルが選択可能に。満充電時の走行可能距離は350kmを超え、遠距離ドライブ時の充電場所の不安から大きく解放されるのも選択基準のポイントとなる。

 

【No.1】小型SUVながら高いトルクでグイグイ走る

 

プジョー

e-2008

429万円〜468万円

プジョーのEVの歴史は1941年のVLV(航続距離は約80km)から始まる。そんなプジョーが今年の9月に小型SUVタイプのe-2008を導入。ガソリンエンジンで2.6L相当の260Nmのトルクを誇るモーターを搭載する。

SPEC【GT Line】●全長×全幅×全高:4305×1770×1550mm ●車両重量:1600kg ●最高出力:136PS(100kW)/5500rpm ●最大トルク:260Nm(26.5kg-m)/300〜3674rpm ●一充電走行距離(JC08モード):385km

 

★ここがイチオシ!

小型SUVのEVということで話題性は抜群。ボディは大きく見えるが全高を1550mmに抑えており、立体駐車場も安心して駐車できる。

 

【No.2】バッテリー容量がアップし走行距離もアップ

BMW

i3

499万円〜608万円

i3は2014年にデビューしたRRの完全EV。昨年リチウムイオンバッテリー容量が、従来より30%大きくした120Ahに変更された。バッテリーに充電するエンジンを搭載したレンジ・エクステンダーモデルも選べる。

SPEC【i3 Edition Joy+】●全長×全幅×全高:4020×1775×1550mm ●車両重量:1320kg ●最高出力:170PS/(125kW)/5200rpm ●最大トルク:250Nm(25.5kg-m)/100〜4800rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):360km

 

★ここがイチオシ!

まずは個性的なデザインが◎。BMWの正確なハンドリングはEVでもしっかりと味わえる。希少となった観音開きのドアも魅力的だ。

 

《500万円台》

EVもこの価格帯になれば最新のインフォテイメントシステム、豪華な内装、力強いパワーユニットなどが魅力のひとつだったり、選ぶ決め手のひとつだったりする。来年発売予定のアリアに注目が集まっている。

 

【No.1】日本のデザイン意匠をふんだんに採用し急速充電性能も向上

日産

アリア

実売予想価格500万円強〜 2021年発売

アリアコンセプトのショーカーがほぼそのまま発売予定になった日産のニューフェイス。駆動方式も2WDと4WDが用意される。バッテリーは水冷式で細かな制御が可能となり、耐久性も向上。来年の発売が待ち遠しい。

SPEC【2WD 90kWhバッテリー搭載車】●全長×全幅×全高:4595×1850×1655mm ●車両重量:1900〜2200kg ●最高出力:242PS(178kW)●最大トルク:300Nm(30.6kg-m)●一充電走行距離(WLTCモード):610km(社内測定値)

 

★ここがイチオシ!

日本のDNAを表現したデザインは秀逸。急速充電への耐久性も向上し、30分の充電で375km走行可能。EVの充電としてはかなり早い。

 

【No.2】洗練されたインテリアに加え静粛性もポイント

DS オートモビル

DS3 CROSSBACK E-TENSE

534万円

PSAグループの高級車ブランド、DS オートモビルから初のEVが登場。DS3 CROSSBACKの上質感プラスEVならではの乗り心地と静粛性が味わえるのは大きな魅力だ。気になる最大航続距離も398kmと申し分ない。

SPEC【Grand Chic】●全長×全幅×全高:4120×1790×1550mm ●車両重量:1280kg ●最高出力:130PS(96kW)/5500rpm ●最大トルク:230Nm(25.4kg-m)/1750rpm ●一充電走行距離(JC08モード):398km

 

★ここがイチオシ!

低重心化と独特のサスペンションで上品な乗り心地が味わえる。ガラスも通常よりも厚いものや音響ガラスを使用するこだわりも◎。

 

《900万円台》

市場が大きく変わって輸入車が安くなったと言われても、この価格帯の輸入車はやはりブランド力を持っている。老舗ブランド初のEV、世界トップシェアが放つベンチャー企業の中核的モデルと好対照だ。

 

【No.1】テスラの中核的モデルは圧倒的な加速性能が自慢

テスラ

テスラ モデルS

989万9000円〜1699万9000円

テスラが最初に日本に導入したクルマがモデルS。駆動方式は4WDを採用。走行距離が610kmのロングレンジモデルでも100km/hに到達するまでにわずか3.8秒という、世界トップレベルの加速性能が自慢だ。

SPEC【ロングレンジ】●全長×全幅×全高:4979×1964×1445mm ●車両重量:2215kg ●最高出力:475PS(350kW)●最大トルク:750Nm(76.4kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):610km

 

★ここがイチオシ!

テスラの代名詞的存在の自動運転支援システムやEVパッケージによる室内の広さがウリ。またリモート駐車など新しい装備は魅力だ。

 

【No.2】スポーツカーに匹敵する加速性能をもちながら走行可能距離も十分

ジャガー

I-PACE

976万円〜1183万円

ジャガー初のEVはSUVスタイルで登場。200PSを誇るモーターを前後に2つ搭載し、スポーツカー顔負けの加速性能を持つ。それだけのパワーを持ちながらも満充電で438kmの走行が可能というスペックを誇る。

SPEC【S コイルサスペンション仕様】●全長×全幅×全高:4695×1895×1565mm ●車両重量:2230kg ●最高出力:400PS(294kW)/4250〜5000rpm ●最大トルク:696Nm(70.9kg-m)/1000〜4000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):438km

 

★ここがイチオシ!

ジャガーの魅力である、キャットウォークと呼ばれる乗り心地とハンドリングは健在。前後重量のバランスも50:50と理想的だ。

 

《1000万円超》

この価格帯はメーカーの提案するEVのイメージリーダーでもある。高機能なデバイス、新しいプラットフォーム、贅を尽くしたインテリアなど、いずれもメーカーの威信をかけたフラッグシップモデルなのだ。

 

【No.1】800Vの電圧システムを採用し効率よく充電可能

ポルシェ

タイカン

1448万1000円〜2454万1000円

ポルシェ初となる完全EVモデル。前後にモーターを配しミドルグレードのターボで最大出力680PSを発生させる。他のEVが400Vなのに対してタイカンは800Vシステムの電圧を採用しており、より効率的に充電が可能だ。

SPEC【4S パフォーマンスバッテリー搭載車】●全長×全幅×全高:4963×1966×1379mm ●車両重量:2140kg ●最高出力:435PS(320kW)●最大トルク:640Nm(65.2kg-m)●一充電走行距離(独自基準値):333〜407km

 

★ここがイチオシ!

800Vシステム採用で、わずか22分で80%の充電量にまで到達。最大走行距離は約450km。十分に実用的なポルシェの哲学が生きている。

 

【No.2】ガルウィングドアを採用したテスラ初のSUV

テスラ

テスラ モデルX

1059万9000円〜1299万9000円

テスラ初のSUVとなるモデルX。ロングレンジモデルでの走行距離は507kmを誇る。後席ドアはガルウィングで、身長の高い人でも乗り降りがラク。もちろん最新自動運転支援システムやインフォテインメントも装備する。

SPEC【ロングレンジ】●全長×全幅×全高:5037×1999×1680mm ●車両重量:2459kg ●最高出力:422PS(311kW)●最大トルク:660Nm(67.3kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):507km

 

★ここがイチオシ!

上方に開く後部座席のガルウィングドアは注目度バツグン。3列シートで大人7人がゆったり乗れる余裕の室内スペースも自慢だ。

 

【No.3】メルセデス初のEVは走行状況を判断する頭脳派モデル

メルセデス・ベンツ

EQC

1080万円

メルセデスブランド初の量産EV。ベースはSUVのGLCで、後席も大人がゆったりくつろげるスペースのヘッドルームを確保している。前後にモーターを搭載する4WDだが、低負荷時はFFにもなり走行距離の延長に寄与する。

SPEC【400 4MATIC】●全長×全幅×全高:4770×1925×1625mm ●車両重量:2500kg ●最高出力:408PS(300kW)/4160rpm ●最大トルク:765Nm(78.0kg-m)/0〜3560rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):400km

 

★ここがイチオシ!

ロードノイズが抑えられており、Sクラスを超える静粛性能は秀逸。走行距離400kmも実用的。自動運転支援システムも魅力だ。

 

【COLUMN】名車チンクエチェントがEVになって復活!

↑↓バッテリーはフロントに搭載。5.5kWhと10kWhの2種類が用意されている。走行距離は前者が約40km、後者が80kmとなる

 

チンクエチェント博物館

FIAT 500 ev

506万円〜550万円

1957年に登場し1977年までに400万台以上が販売された2代目フィアット500。このモデルをベースにEVへと仕立て上げたのが、私設自動車博物館である、名古屋のチンクエチェント博物館。後部のエンジン位置に搭載されたモーターは約18PSと、エンジンモデルと変わらない出力にこだわった。名車がEVに変貌を遂げるという、クルマの保全の一端を担うという側面もある。

SPEC【ONE BATTERY】●全長×全幅×全高:2980×1320×1320mm ●車両重量:590kg ●最高出力:17.7PS(13kW)●最大トルク:160Nm(16.3kg-m)●一充電走行距離:約40km

「このEVに乗りたい!」プロが乗りたいモデル4選

コンパクトモデルから大型SUVまでEVが選べるようになったいま、プロが魅力を感じる珠玉の4モデルを紹介。EVならではの加速力はもちろん、バッテリー性能など、それぞれのモデルが有する特徴はEVならではのものだ。

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【Model.1】清水草一さん(モータージャーナリスト)

モータージャーナリスト

清水草一

自動車ライター。フェラーリを愛し、生涯EVは買わないつもりだったが、家庭用蓄電池も兼ねるならアリな選択と思い始めている。

 

家庭用電源として使えて耐久性も高い!

ホンダ

Honda e

451万円〜495万円

ホンダ初の量産EV。EVの大きなボディや航続距離の短さを改善して「街乗り」に特化した。ラインナップは154PSのアドバンスと136PSの標準モデルの2種。いずれも駆動方式はRRで最大航続距離は250km以上を誇る。

SPEC【Advance】●全長×全幅×全高:3895×1750×1510mm ●車両重量:1540kg ●最高出力:154PS(114kW)/3497〜1万rpm ●最大トルク:315Nm(32.1kg-m)/0〜2000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):259km

 

都市型コミューター&家庭用蓄電池にはベスト

私の場合、自宅でソーラー発電をしていて、電力の固定価格買取がそろそろ終わる。なので災害対策も兼ねて蓄電池の導入を考えているのだが、実は蓄電池としてはEVが一番コスパが高い! ただし、V2H(ビークル・ツー・ホーム)ができるのは国産EVのみ。つまりリーフとHonda eのみだが、Honda eのバッテリーは水冷式で、おそらくバッテリーの寿命がずっと長い。だから中古価格も下がりづらい(はず)。航続距離は実質せいぜい200㎞だけど、都市型コミューターとしては十分。しかもいま買える世界中のEVの中で一番シンプルでカッコいいと思う。以上の理由で私はHonda eを選択する!

↑容量は小さめだが、ラジエター方式(水冷)の温度管理システムを搭載している。バッテリーの劣化は気にしなくていいはずだ

 

↑家庭用の蓄電池としても使えるのは、いまのところ国産EVのリーフかHonda eの2択。前述の水冷バッテリーが選択のキモとなった!

 

【Model.2】会田 肇さん(カーITジャーナリスト)

カーITジャーナリスト

会田 肇

クルマやカーナビ、カーオーディオをはじめ先進交通システムにも造詣が深い。海外モーターショーにも積極的に足を運んでいる。

 

高揚感を呼ぶ先進性とトレーシング性の高さは圧巻

アウディ

e-tron Sportback

1327万円〜1346万円

スタイリッシュなクーペ風のシルエットが印象的な、日本初上陸となるアウディのEV。駆動方式はアウディ伝統のクワトロ(4WD)だが、通常は主にリアのモーターのみを駆動させてエネルギー消費を抑える。2.5tを超える車重ながら、0〜100km/h加速は5.7秒という優れたトルク性能を誇る。

SPEC【55 quattro 1st edition】●全長×全幅×全高:4900×1935×1615mm ●車両重量:2560kg ●最高出力:407PS(300kW)●最大トルク:664Nm(67.7kg-m)●一充電走行距離(WLTCモード):405km

 

先進性が高いメカニズムと高い操挓感が魅力のEV

アウディQ3をベースに先進技術を盛り込んだ、日本初導入となるアウディのEV。象徴的な装備が、ドアミラー代わりの「バーチャルエクステリアミラー」で、カメラで捉えた後方映像をインテリア側の有機ELモニターに表示する。解像度が高く、光学ミラーと比べても遜色がない。

 

コックピットのデザインも近未来的で高揚感を昂らせるのに十分。走ればライントレース性が高く、とても2.5t近くの重量車とは思えないほど楽に操れる。充電効率も極めて高く、航続距離もそれほど心配なさそう。この先進性と走りの良さを見事に両立させるe-tronSportsbackで、EVの真価を試したいのだ。

 

↑高解像度な電子ミラーシステムで昼夜を問わず鮮明に後方を映し出す。左右のカメラをボディ外寸内に収めているのも見事だ

 

↑3つの大型ディスプレイに取り囲まれ、左右には後方確認用OLEDモニターが備わる。この先進性がドライバーを高揚感で包み込む

 

【Model.3】川端由美さん(自動車・環境ジャーナリスト)

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美

自動車専門誌の編集記者を経てフリーに。現在では自動車の環境技術や次世代モビリティについても取材活動を行っている。

 

電動モビリティの牽引役が誇る凛としたスタイルのEVが日本上陸!

プジョー

e-208

389万9000円〜423万円

208が完全EVをラインナップに加えて8年ぶりにモデルチェンジ。FFホットハッチのイメージ通り、フロントにモーターを配して重量物のバッテリーは床面に置くなど低重心化し、走行性能を高めている。立体的な視覚効果が特徴である「3D i-Cockpit」など印象的な内装も特徴だ。

SPEC【GT Line】●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm ●車両重量:1500kg ●最高出力:136PS(100kW)/5500rpm ●最大トルク:260Nm(26.5kg-m)/300〜3674rpm ●一充電走行距離(JC08モード):403km

 

プジョーらしい凛としたスタイルに目が奪われる

プジョーといえば、“フランス製のおしゃれなクルマ”というイメージが強い。しかしプジョーの親会社であるPSAグループは電動モビリティの牽引役であり、最先端技術を続々と開発している。

 

e-208と出会ったのは、昨年3月のスイス・ジュネーブでのこと。コンパクトなボディサイズながら、凛としたスタイリングに目を奪われた。中身に目を向ければ、新開発の「e-CMP」なる電動プラットフォームを内包する。

 

こんなクルマで郊外に向けてハンドルを切れば、プジョーらしい猫足でひたひたと走り抜けるんだろうなあ、と想像をかき立てられる。早く乗りたい! の一言に尽きるEVである。

 

↑最新世代の車両プラットフォーム CMP(Common Modular Platform)を採用。バッテリー容量は50kWhとこのクラスでは大容量だ

 

↑デジタルヘッドアップインストルメントパネルには「3D i-Cockpit」を採用。ホログラムによる情報投影が行われ、多彩な情報を確認可能

 

【Model.4】岡本幸一郎さん(モータージャーナリスト)

モータージャーナリスト

岡本幸一郎

高級輸入車から軽自動車まで幅広く網羅。続々登場するEVのほとんどの車種をすでに試乗済み。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

最大走行距離560kmと0-100km/h加速3.4秒は驚異的!

テスラ

テスラ モデル3

511万円〜717万3000円

世界中が注視するEVに特化した新興勢力のテスラ。これまでは高価な車種が多かったところ、昨年日本上陸を果たした普及版のモデル3は現実的な価格帯に。日本仕様は標準+αの性能の後輪駆動仕様と、デュアルモーターAWDの高性能版、および走行距離重視仕様の3タイプ。

SPEC【スタンダードレンジ プラス】●全長×全幅×全高:4694×1933×1443mm ●車両重量:1612kg ●最高出力:286PS(211kW)●最大トルク:350Nm(35.6kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):409km

 

現実的な価格帯ながら秘められた実力は驚異的

全幅こそそれなりに大きいものの、テスラに共通する流麗なフォルムを持つボディは、日本でもあまりもて余すことなく使えそうなサイズ感。先進的な装備の数々を搭載した室内は、全面をガラスで覆ったルーフにより極めて開放的なのもうれしい。

 

走りの実力もかなりのもので、最速で0-100km/h加速がわずか3.4秒という瞬発力は、この価格帯のクルマでは類を見ない。最大で約560kmという長い走行距離も強みだ。さらには世界に先駆けて半自動運転を実現したオートパイロットや、定期的にクルマが新しくなるワイヤレスソフトウェアアップデートなど、テスラならではの魅力を凝縮している。

 

↑超シンプルなインパネ。大型ディスプレイにナビや車速等すべての情報が表示され、空調等の機能の操作も行う。運転以外はすべてココで完結

 

↑CHAdeMO(チャデモ)よりもはるかに扱いやすく高速で充電できるテスラ独自規格のスーパーチャージャーが全国の要所に設置されている

“クルマは充電”が新しいドライブ様式になる! EVメーカーの現在地

世界各国でエンジン車への規制が強まるなか、自動車メーカーは近年こぞってEVを開発し世に送り出している。走行可能な距離が短い、充電スポットが少ないという不安は、もはや過去のもの。これからのクルマは“充電”が新たなドライブ様式となる。スポーツカーで有名なポルシェも、誰もが憧れるラグジュアリーカーのロールス・ロイスやアストンマーティンもEVを発表。もはやどのメーカーも避けて通れないクルマの電動化は、いまどうなっているのか。自動車ジャーナリストの川端さんに話を聞くとともに、世界の自動車メーカーの現在地を解説!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車専門誌の編集部員に転身し、現在は、フリーランスのジャーナリスト。テクノロジーとエコロジーが専門。

 

排出ガス規制と政府の援助で着々と進むクルマの電動化

英語で“Petro Head”と言えばクルマ好きのこと。Petroとは石油のことだから、ひいてはエンジンとクルマは切っても切り離せない……というのはもう過去の話。多くの自動車メーカーがEVを発表する時代が来ている。その背景にあるのが、欧州委員会による「2050年までにカーボンニュートラル(※)を目指す」という発表だ。さらに、2030年までに自動車からの排出ガスによるCO²排出量を半分まで削減(2020年第3四半期比)し、2040年に新型車はほぼCO²を排出しないクルマだけになるというロードマップを描いている。

※ライフサイクルで見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる状態のこと。2017年にパリで開かれたワン・プラネット・サミットでカーボンニュートラル宣言が発出された

 

この動きは、中国やアメリカでも加速している。中国では政府が税の優遇などを設けて、電池を含めたEV産業全体を後押ししている。アメリカのカリフォルニア州では、2035年までに州内で販売されるすべてのクルマを排ガスゼロにするという意欲的な目標を打ち出している。世界は電動化に向けて、着々と進んでいるのだ。

 

世界EVメーカーシェアランキング】

テスラが約18%と圧倒的なシェア。これは2016年に発表され手ごろな価格で大人気となったモデル3の影響が大きい。日本メーカーがベスト10に入っていないのは残念。

● ウェブサイト「EV Sales」の2020年1月から8月までの販売台数ランキングデータより引用。

● 販売台数のなかにはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)も含まれる

 

《アメリカ》

EVの世界シェアで断トツのトップを走るテスラが市場を牽引。シボレーのボルトEVは2021年に次期モデルが登場する予定だ。

 

【No.1】世界シェアでトップを走る気鋭のEVメーカー

テスラ

起業家イーロン・マスクを中心に「自分たちが乗りたいカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起。スポーツカー、セダン、SUVに続き手ごろなモデル3と、新車を連発中だ。

 

【No.2】転んでもタダでは起きない⁉ GM渾身のEVで巻き返す

シボレー

リーマンショックで倒産の憂き目にあったGMだが、政府から低利の融資を受けて電池とEVのボルトを開発。高級車ブランドのキャデラックでも、2023年にEVを発売予定だ。

 

《アジア》

政府の援助を受けられるなどEVの開発環境が整えられた中国は、多くのメーカーが参入。元々は電池メーカーなど、異業種企業も多い。

 

【No.1】商用EVのトップメーカーから乗用車へも進出

比亜迪汽車(中国)

電池メーカーとして創業し、EVメーカーを買収。いまEV商用車では世界一だ。アウディからデザイナーを招聘し、王朝シリーズで乗用EVにも進出。トヨタとの合弁も開始した。

 

【No.2】洗練されたデザインを武器に欧米市場への進出を目論む

広州汽車(中国)

2025年までに全車種をEV化すると宣言。心臓部には日本電産製モーターを積むeAxleを搭載し、スタイリングは欧州高級車メーカーから引き抜いてきたデザイナーが担当する。

 

【No.3】年内上場を目指す注目のEVスタートアップ

威馬汽車(中国)

コネクテッド・カーや購入後のアフターサービスなどをウリにした“スマートカー”として話題。「中国版Google Map」を提供する百度と手を組んで、自動運転や車載AIも提供する。

 

【No.4】中国版イーロン・マスクが起こしたEVメーカー

上海蔚来汽車(中国)

中国経済界の若手カリスマであるウィリアム・リー氏が創業。大気汚染を解決しようと、「青空の訪れ」を意味する「蔚来」を社名にした。自社工場を持たず、SUVのES8を委託生産。

 

【No.5】自社生産と提携を使い分け世界への販路拡大を続ける

上海汽車(中国)

第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーのひとつ。自社での生産も手掛ける一方、他国の企業と提携を結び拡大。イギリスの名門ブランドMGのEVをフランスで発売した。

 

【No.6】委託生産の依頼や出資と共に自社EVも発売する多様な戦略

長安汽車(中国)

今後10年で27車種ものEVを発売すると意気込む。自社ブランドを拡大すると同時にEVメーカーの蔚来に生産を委託したり、愛馳に出資したりと、多様なEV戦略を目論む。

 

【No.7】ボルボの親会社はEV専用ブランドも立ち上げた

吉利汽車(中国)

中国系大手であり、ボルボの親会社であり、ダイムラーの大株主。EV専用ブランド「ジオメトリ」を設立し、テスラのモデル3をライバルと目論む小型セダン、Aを発表した。

 

【No.8】EVのラインナップを拡充し自動運転技術も磨く

ヒュンダイ(韓国)

コンパクトハッチ・コナのEV版の登場に続き、SUVの45を発売予定。3月にジョイスティックで操作し、自動運転への切り替えも可能なコンセプト「Prophecy」を発表した。

 

《日本》

日産と三菱が日本のEVを牽引してきたが、ホンダとマツダも参入。日産は新型アリアの販売を予定し、やっちゃえシェア獲得となるか。

 

【No.1】ハイブリッド王国ニッポンでピュアEVの道を突っ走る

日産自動車

世界に名だたる“ハイブリッド王国”であるニッポンだが、日産は一貫してEV開発を貫いている。リーフは2017年に2世代目となり、なんと累計50万台(!)を販売している。

 

【No.2】小さいながらもグローバルでEVを展開

三菱自動車

EV開発の歴史は1960年代から。早朝の新聞配達に静かなクルマが欲しいと考えた結果、EVを開発することになったという。コツコツと開発を続け、2009年に世界初の量産EVを発売。

 

【No.3】電気駆動になってもホンダ独自の走りの魅力は健在

本田技研工業

電気の時代においても、ホンダは走って楽しいクルマを作ることを重視している。Honda eでは、走行距離を200㎞と割り切りつつ、コンパクトでキビキビ走るモデルに仕立てている。

 

【No.4】クリーンディーゼルだけじゃない EVにもしっかり着手

マツダ

昨今のマツダはクリーンディーゼルが有名だが、電動化にも着手している。第1弾となるMX-30はヨーロッパで販売開始。日本では2021年にリース形式での販売を開始する予定だ。

 

《ヨーロッパ》

EU各国でCO2排出規制が発出されたことで、続々とEVが登場。目標年度を定めてEVへシフトするメーカーも多く、その動きに注目だ。

 

【No.1】EVでも最善の性能と快適性を提供する

メルセデス・ベンツ(ドイツ)

「最善か無か」を旨とするメルセデス・ベンツだけに、EVでも高性能かつ快適なクルマを開発する姿勢を崩さない。EQCでは、パワフルなモーターと自社製電池を搭載している。

 

【No.2】次世代に向けてイチから刷新したEVを開発

BMW(ドイツ)

バイエルン・エンジン製作所を略した社名のBMW。徹底したエンジン屋のBMWがイチから刷新したEVブランドのiでは、EV特有の気持ち良い走りをBMW流に仕立てている。

 

【No.3】壮大な販売目標を揚げてEV市場の席巻を狙う

フォルクスワーゲン(ドイツ)

2025年までに300万台のEVを販売するという意欲的な目標を掲げるフォルクスワーゲンは、続々とEVモデルを発売している。第1弾となるiD.3に続き、iD.4も発売されている。

 

【No.4】電動化を推し進める国の牽引役となるメーカー

プジョー(フランス)

国を挙げて電動化を推し進めるフランス。プジョーはその牽引役となっている。日本上陸を果たしたe-208では、パワフルなモーターと大容量電池を組み合わせた心臓部を持つ。

 

【No.5】日本にもEVがお目見えしEVの販売比率拡大を目指す

アウディ(ドイツ)

アウディの電動シリーズe-tron Sportbackが待望の日本上陸を果たした。さらにe-tron SUVが続く。2025年までに20車種のEVを発表し、40%のEV販売比率達成を目指している。

 

【No.6】欧州最多のEV販売台数を誇る

ルノー(フランス)

30万台のEV累計販売台数を誇るルノー。一番人気の小型車・ゾエは販売台数を伸ばしており、累計販売台数は10万台を超える。今年はカングーのEV版コンセプトモデルも発表。

 

【No.7】「あのポルシェが!」と世界を驚かせた

ポルシェ(ドイツ)

世界有数のスポーツカーブランドも、量産EVであるタイカンを発売。最高250km/h、0-100km/h加速2.8秒というハイパフォーマンスを誇る。2021年モデルも欧州で発表された。

 

【No.8】レースで鍛えたEVの技術を量産モデルにも投入する

ジャガー(イギリス)

F1のEV版であるフォーミュラーEに参戦しているジャガー。量産EVでもI-PACEを発売した。最大696Nmもの大トルクを発揮するモーターによって、スポーティな走りを実現する。

テスラ青山で宇宙ドライビング気分を!( 2/12まで)

アメリカ時間の2月6日午後(日本時間7日未明)、米スペースX社のロケット「ファルコンヘビー」によって、テスラの最初となる市販EV、初代テスラ・ロードスターが火星に向かって旅立った。このテスラ・ロードスターは、打ち上げから6時間ほど飛行したのち、地球と火星の公転軌道を遷移する楕円軌道に向かい、半永久的に太陽を周回。スペース・ドライビングのBGMは、デビッド・ボウイの「 Life on Mars? 」。テスラ・ロードスターは宇宙空間でドライブされる史上初のクルマとなった。

 

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初代テスラ・ロードスターは、2008年に発売され(日本は2010年) 世界限定2500台を生産、2012年に販売を終了した。化石燃料依存の社会から、再生可能エネルギー主導の社会への移行を加速するために創業されたテスラは、このロードスターで、ガソリンをイチバン消費しているスポーツカーオーナーから電気自動車に対する認識を変えようとした。その後、同社はスポーツカー並みのパフォーマンスを実現したセダンの「モデルS」とSUVの「モデルX」、さらにアメリカでは「モデル3」を市場に送り出し、その役目を終えた初代ロードスターは火星へ。同社では2020年以降には新しいテスラ・ロードスターを販売開始の予定で現在予約を受付中である。

 

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なお、火星をドライブをするテスラ・ロードスターのドライバー気分を日本の地上の皆さんにも少し楽しんでいただくべく、2月12日(月祝)まで、テスラ青山 (東京都港区南青山2-23-8)に初代ロードスターを展示している。

 

テスラモーターズ ジャパン=0120-982-428/japan@tesla.com

 

 

何かとお騒がせなテスラの近況

コンパクトモデル「テスラ3」のデリバリーが遅れている状況をよそにロードスターの次期型と同社初となるトレーラー牽引用電動トラック「セミ」を11月中旬に発表し、何かと話題に事欠かないテスラ。果敢な商品攻勢は、同社のイーロン・マスクCEOの手腕のなせる技なのだろうが、モデル3の件によって、今後を不安視する声も聞こえてきそうだ。

 

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それはともかく、2020年に正式発表を迎える次期ロードスターは、EVとして大きな進化を果たしているようだ。すでに公表されているのは、10000Nmを引き出すモーターで4輪を駆動し、2.1秒の0-100km/h加速、400km/h以上の最高速を標榜する一方で、1000kmの後続距離を実現するという。

 

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ボディは2ドアオープンながら4名掛けのキャビンを持つ点が特徴。公開された写真では、ガラス製のルーフが開くのは前席部分のみになる。

 

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ちなみに日本の公式ウェブサイトでも、すでに予約を受け付けているようで、ベースモデルの予約価格は568万4000円と明記されている。新型ロードスターが正式に発表されたあかつきには、大きな話題を呼びそうだが、まずはその前にモデル3をオーダーしたカスタマーのもとに一刻も早くクルマが届くことを願いたいところである。