カドまで塗れる“液体のり”と癒される“スティックのり”!? テープのりとは別次元で快適さ極まるのり2選

筆者は以前から「のりと言えばテープのり」と主張してはばからない、強固な“テープのり推進派”である。とはいえ、液体のりやスティックのりをないがしろにしているつもりはない。それぞれ便利なのは否定できないし、なにより、数は少ないとは言えキチンと新製品が出続けているジャンルなのだ。

 

ということで、2023年になって発売された最新の液体のりとスティックのりを紹介しようと思う。それぞれ、自らの特性をより活かすためのバージョンアップだったり、「そこを突いてきたか……」という意外性があったりと、見逃せない進化をしていたのだ。

 

カドにピタッと合う爽快な「液体のり」

まず紹介するのは、液体のり。一般的に液体のりのメリットといえば、接着力の強さが挙げられる。乾燥して実用強度が出るまでに時間がかかるが、逆に一度乾いてしまえば、紙同士であればほぼ剥がれることはない。その接着強度をより引き出すためには、貼り合わせ面積をより広く取る必要がある。ところが、従来の丸いスポンジ塗り口だと、紙のカドまできれいに塗ることが難しかったりするのだ。

 

その塗り口を、丸から四角にすることでカド塗りをしやすくしたのが、コクヨの「GLOO 液体のり」である。そもそも「GLOO」は2019年から発売された新しい接着用品ブランドであり、同様に断面が四角くて塗りやすいスティックのりなどがラインアップされていた。基本的に四角い紙につかうものなのだから、のりも四角いほうが正解に決まってる。そこへ新たに液体のりにも四角い塗り口が追加された、という流れなのだ。

コクヨ
GLOO(グルー) 液体のり
シワなくキレイ
しっかり貼る
各200円(税別)

 

キャップを開けると出てくる四角いスポンジ塗り口は、キャップ面積の1/4ぐらいのコンパクトなもの。一見すると、思ったより小さいな? という印象だ。これで広い面積を塗っていくのは手間がかかりそうだが、帳簿に貼るレシートなどにチョチョッと塗るぐらいの作業にはジャストフィットしそう。なにより、やはりカド合わせてビシッと塗れるのは、シンプルに気持ちよい。

↑GLOO最大の特徴が、この四角い塗り口

 

こういった貼りモノはだいたいカドから剥がれてくるから、どこよりもカドをきっちり貼っておく必要がある。つまりその点で、四角い塗り口の液体のりは、必然性が高いというわけ。

↑外にはみ出すことなく、紙のカドぎりぎりまで攻められるのが使いやすい

 

キャップも“四角”にこだわる!

ちなみに、コクヨは2021年に子ども用の「カクノリ」で四角い塗り口の液体のりを初製品化していたのだが、キャップは円筒形であった。なぜなら、四角いと隙間ができやすく、密閉しづらいのだという。内部のドライアップを防ぐためには、円筒形にせざるを得なかったというわけだ。対して、GLOO 液体のりは、キャップも四角柱型となっている。これは、厚みのある四角柱キャップの内側を円筒形にして、さらに円形の内キャップをつけるという工夫により実現したものだ。

↑2年前に子ども用として発売された「カクノリ」(左)と並べると、キャップ周りが大幅にスッキリしているのが分かる

 

↑キャップ外側は四角いが、中は丸く抜かれている。黄色い部分が二重の内キャップにもなっており、これなら隙間もできにくく乾燥しにくい

 

ラインナップは「しっかり貼る」と「シワなくキレイ」の2タイプ。のり自体の性能は何かスペシャルな要素があるわけではなく、液体のりとして普通にちゃんとしてるなー、という感じ。つまり、この製品に関しては、四角い塗り口の使いやすさがとにかく便利! というのがポイントというわけだ。

↑「シワなくキレイ」タイプは、レシートなどシワになりやすい紙もピシッと貼れて気持ち良い

 

最新の香り付き「スティックのり」は超ナチュラル・フレーバー

続いて紹介するのはスティックのり。とはいえ、正直なところ、スティックのりは「接着力が弱い」「乾燥が早いとは言え速乾ではない」など、性能面で、液体のり・テープのりに対してやや弱めの立ち位置にある。この物理的な能力差を覆すのは、相当に難しい。というか、たぶん現時点では無理だと思う。

 

そこで改めて「スティックのりを使いたくなる要素ってなんだろう?」と考えた上で、のりそのものの能力ではなく、気分的なサムシングで勝負をかけてきたのが、プラス「香りプリット」である。キャップを開けた時点で、香りがふわりと漂い出す。そして、紙に塗っているとまたふわり。香りを楽しみながら、いい気分で作業ができるというアイテムだ。

プラス
Pritt 香りプリット
各140円(税別)
3種展開(左から、ユリ、バラ、オレンジピール)

 

特に「バラ」は強すぎない心地よいチューニングになっており、あの甘ったるい香りが苦手という人(男性に多いかも?)でもついウットリするクオリティだ。ちなみに、筆者は柑橘系の香りが好きなので、「オレンジピール」がお気に入り。スッキリとした香りによって、作業で疲れた脳や気分をリフレッシュしてくれる。

↑キャップを取るとふんわりと漂うナチュラルな香り。これなら作業中にもリラックスできそうだ

 

香りスティックのり自体は古くからある製品だが、やはり最新の製品は香料の品質が進化しているのか、 “いかにもな香料くささ” が薄く、その香りもかなりナチュラルな印象だった。「香りのり、ってこんなに進化してるのか」と改めて驚かされたほどである。

↑塗ったあとは紙にもしばらくほのかに香りが残る感じ。もちろん乾く頃には消えるので、TPOを気にせず使いやすい

 

もちろん、のりとしての性能は従来と変わらないのだけど……手元からいい香りが立ち上ってくることで、いつもよりもちょっと気分良く作業ができるのは間違いない。特に、昼過ぎでぼんやりするような時間帯などは、香りによるリフレッシュが効率アップにつながるかもしれないし。「香りが付いただけじゃん」なんて思わずに、ぜひ一度試してみてほしい。

 

プラス人気のアイテムが、シックで洗練された“オトナPLUS”カラーに! 海外でも発売「Classy Tone Series」

プラスは、同社の代表的文具を厳選し、洗練されたカラーにアレンジした「<数量限定>Classy Tone Series(クラッシー・トーン・シリーズ)」を、8月1日に日本国内のほか、台湾、韓国、シンガポール、香港、マレーシア、タイなどの海外でも発売します。

 

カラーバリエーションは、シックで上質感のあるダークブルー「Classy BlueClassy Blue(クラッシー・ブルー)」と、甘すぎず大人の雰囲気のグレイッシュなピンク「Classy Pink(クラッシー・ピンク)」の2色です。

 

ラインナップは、修正テープ「ホワイパーミニローラー」、テープのり「ノリノポッド」、家庭用はさみ「フィットカットカーブ」、携帯はさみ「ツイッギー」の4アイテム。

 

パッケージは、訪日外国人にも製品の魅力を伝えるため、オモテ面は日本語・英語の2言語、ウラ面は日本語・英語・中国語(繁体字)の3言語で表記。プラスロゴの下にはタグライン「stationery, and beyond」を記載し、世界に向けて「文具を超えた新しい価値を提供し、進化を続ける」という思いを表現しています。

 

ホワイパーミニローラーは、直進性が高く重ね引きに強い、先端の「ミニローラーヘッド」が紙面に密着し、軽くなめらかな引き心地を味わえます。「2WAY機能」で、1行修正だけでなく、本体を反転させて1文字修正も可能。左ききの人も使いやすい、利き手を問わないユニバーサル仕様です。テープはペン先で削れにくい薄さらテープを採用。価格は286円(税込)です。

 

ノリノポッドは、テープ容量10mで、テープたるみの発生を防ぐ「パワーギア」を搭載。独自開発の「テープ詰まり抑制機能」で、テープ巻き取りの不具合を検知して修正し、テープのたるみやからまりを未然に防ぎます。ヘッドと連動して閉じる「シャッターキャップ」により、ホコリが入り込むのを防ぎます。価格は330円(税込)。

 

フィットカットカーブは、軽い切れ味が特徴の「ベルヌーイカーブ刃」を採用。常に最適な刃の開き角度を保ち、刃の根元から刃先までどの位置で切っても対象物をしっかりキャッチし、軽くなめらかな切れ味を味わえます。柔らかく弾力性のあるエラストマー素材を使用した「低反発グリップ」は、握りやすく、長時間使用しても指が痛くなりにくいグリップです。「がたつき防止リング」は、すり鉢状の金具ピンに潤滑性と耐摩耗性のある樹脂を組み合わせて、がたつきを抑制します。価格は440円(税込)。

 

ツイッギーは、ペンケースやポーチなどにすっぽり収まり、持ち運びに最適なスリム設計が特徴。刃渡り42mm。簡単にロックと解除の操作ができる独自設計の「スマートハンドル」を搭載しています。価格は770円(税込)です。

紙の端ギリギリを狙えるホチキス形状! テープのり「ノリノスポット」が糊付け作業の失敗をなくせる理由

「修正テープ」と「テープのり」、形状や機構、使用感は近いものがあるが、もちろん用途は「修正する」と「紙を貼る」でまったく異なる。さらに両者の大きな違いとして、もうひとつ挙げたいのが「紙のどこに使うか」という問題だ。

 

修正作業は紙の上で文字が書かれている部分が使用箇所。これはだいたい紙の端よりも内側のはず。対してテープのりはというと、これは接着強度から考えると、できるだけ紙の端ギリギリに使いたいのである。

 

となると、端ギリギリなど気にしなくていい修正テープと形状や使用感が近いのって、どこかおかしい気がしないか。テープのり、根本的な部分で間違ってるのでは?

 

紙の端を攻めるための、挟んでスタンプ式テープのり!

ここで問題にしたいのは、従来のテープのりが「紙の端を攻める」ための形状をしていない、ということだ。じゃあ「紙の端に使うことの多い、貼る用の道具」って、他に何があるだろう? と考えて、まず浮かんだのがホチキスである。ホチキスは、紙を上下から挟みこむことで、端ギリギリを狙いやすくしている。これはわりと正しい形状ではないだろうか。

プラス
ノリノスポット
380円(税別)

 

↑テープは詰め替え式(税別270円)

 

……なんてことを開発者が考えたのかは分からないが、プラスの「ノリノスポット」は、まさにホチキスめいたフォルムで、紙の端を挟みこんで使うテープのりだ。本体下端に紙を挿し込むためのスリットが空いており、使うときはここに紙の端を入れて、ホチキス留めするのと同じように本体上部をグッと押し込む。

↑のり付けするときは、スリットの奥まで紙を入れて……

 

↑ホチキス留めの感覚で本体をグッと押す

 

すると、内部のヘッドが紙に接触すると同時にテープをガチャッと送り出して、作業完了。紙を抜くと、端にテープ幅8.4mm×6mmという四角形の「のり」が塗られているのが見えるだろう。「ノリノスポット」は、ハンコを捺すようにスポットのり付けを行う、いわゆるスタンプ式テープのりと呼ばれるタイプの製品なのだ。

↑紙の端ギリギリのところに四角くのりがスタンプされる

 

ガッチガチの接着強度が欲しいなら、のり面積の大きさが重要。つまり、従来のテープのりに多い、ヘッドローラーを転がした分だけ帯状にのり付けできるタイプが必要だ。しかし、ひとまずノートにプリント貼っておくか程度の話なら、スポットのり付けでも問題なし。だいたい紙のカド2~4点にのりをスタンプすれば、それで充分だろう。

↑プリント類などを貼るなら、カドを4箇所をのり付けすれば充分

 

なにより本当に紙の端ギリッギリの位置にのり付けできているので、のりの付いてない部分から力が加わって剥がれる、ということが起きにくい。スタンプ式の不安要素である接着強度をカバーする意味でも、この端ギリギリ性能は重要な要素なのである。

↑任意の場所にのり付けしたい場合は、ベースを開いてダイレクトにヘッドを押せばOK

 

とはいえ、端っこじゃない位置にのり付けしたいことだって、無くはないかも。そういう場合は、本体下のベースをガバッと180度開く。するとヘッド周りが露出するので、そこをのり付けしたい位置に合わせて置いてスタンプする。これなら紙の端に限らず、どこでもスポットのり付けができるという仕組みだ。

 

ホチキス形状ならではのメリット

実はホチキス形状のテープのりには、偉大な先輩がいる。コクヨの「ドットライナーホールド」は、封筒のタブを挟んで引き抜くことでタブの端ギリギリに帯状のり付けができる、封かん作業特化のテープのりだ。これは非常に優秀な製品で、発売からもう15年経つが、筆者も未だに封かん作業にこれ以外は使わない。なんなら詰め替え用テープだって箱買いしているほどのヘビーユーザーである。

↑ホチキス型テープのりの傑作、コクヨ「ドットライナーホールド」は、封かん作業に欠かせない

 

ただ、ちょっと残念なことに、構造的に短い距離ののり付けが苦手。例えばレシートのような幅の短い紙にスムーズにのり付けするのが、意外とやりづらいのだ。なので、そこを「ノリノスポット」でやっちゃう、というのが快適な役割分担となりそうだ。

↑机に置かずにのり付けできるので、貼り付けがサクサクと効率的に行える

 

また、ホチキス形状ならではの大きなメリットとして、紙を机に置くことなくのり付けできる、というのがある。机が散らかっていて、のり付けするスペースがない! というのは、ありえること。そういうときにいちいち片付けるのは面倒なので、中空でサッとのり付けできるのはなかなか便利なのだ。

↑ペンケースに入れて持ち運ぶなら、本体カバーを前にスライドさせて、ベースに当たるまで押し込む

 

↑カバーを元の位置まで後退させれば、ロックがかかった携帯モードに

 

毎年度末には、確定申告に向けてレシート・領収書をノートに貼り付けて整理する人も増えるはず。そういうとき、ホッチキス感覚でサクサクとのり付けできるテープのりがあれば、作業効率は確実に上がるだろう。快適のり付けツールとして、ぜひ試してみてほしい。

 

キャップの動きが斬新! コクヨの最新「テープのり」はコスパを極めた隙なしモデルだった

テープのりは、粘着剤に埃やゴミが付着すると使いものにならない。だから携帯時にゴミが付かないように、普段はヘッド周りをキャップでカバーする必要がある。

 

実はこのキャップが、テープのりを選ぶ上でけっこう大事な要素だという気がしている。

↑ヘッドの一部だけをカバーする簡易キャップ(左)と、しっかり密閉するフルカバーキャップ(右)。どちらにもメリット・デメリットはある

 

防塵性能の点では、隙間なくヘッド部を包み込むフルカバータイプのキャップが最強。ところが、貼り作業をする際には、大きなフルカバーキャップが邪魔になりがちだ。対して粘着剤のついたテープ面にフタをするだけの簡易キャップは邪魔になりにくい反面、携帯時に勝手に外れて粘着剤を汚すこともしばしば。

 

どちらが正解という話ではないが、とにかくキャップの性能は気にしておいた方が良いのである。

 

親指でスパッと開くフリックキャップが優秀!

2022年6月に発売された「ドットライナーフリック」は、コクヨのテープのり「ドットライナー」シリーズの最新版。

 

何がどう新しいかといえば、もちろん冒頭で延々と話した通り、キャップの性能が斬新でスゴいのである!

コクヨ
ドットライナーフリック
290円(税別)

 

「フリック」という名前の元になっているのが、フルカバータイプのフリックキャップ。まずキャップ基部に親指を当ててグッと前に押し進める。そのまま親指を横方向(左右どちらでもOK)に軽くずらすと、バネの力でキャップが勢いよくスパッと本体横に回り込む。これがキャップの開いた状態となる。

↑フリックキャップを開けて作業しているシーン。なにやら違和感のある光景だ

 

文章で説明するとやや複雑そうではあるが、実際に開けてみると一瞬のワンアクション。本当にスパッ! と爽快に開いてくれるのだ。爽快すぎて、用もないのについつい何度もスパッスパッと開け閉めしたくなる。

 

 

↑キャップがボディ側面に回り込んで開く、完全に新しい開閉方式だ

 

キャップを“前に押し進め”つつ同時に“横にずらす”、という複雑な動作が必要となるため、ペンケースの中で勝手に開くことが絶対にない、というのも大きなポイントだ。ただでさえ防塵性能の高いフルカバーなのに加えて、うっかりトラブルもありえないとくれば、これはかなり安心だろう。

 

使い勝手の点においても、キャップが本体横に回り込むという珍しい所作が、なかなかに効果的。

↑上にスライドするフルカバーキャップ(左)とフリックキャップ(右)では、ヘッド周りの視界がかなり違う

 

従来のフルカバーキャップは本体上側にスライドするタイプが多いのだが、これが作業時にヘッド周辺の視界を遮り邪魔になることもあった。キャップを自分から見て裏側に回り込むよう開ければ、ヘッドは常に隠れることがないので、細かなのり付け作業もスムーズだ。

 

使い切りタイプに近いコンパクトさも魅力

↑使い切りタイプでシリーズ最小の「ドットライナープチモア」と比較。全長だけ見ると差を感じるが……

 

↑幅や厚みはほとんど変わらない。つめ替えタイプでこのサイズ感はちょっと驚きだ

 

もうひとつ、つめ替えタイプながら使い切りタイプに近いコンパクトさも嬉しいポイントである。

 

同シリーズの使い切り最小「ドットライナープチモア」と比べると、全長はさすがに10mm以上大きいが、幅・厚みはほぼ変わらない。特に厚みはペンケースへの収納しやすさに関わる部分なので、これが変わらないのは優秀だと思う。つめ替えタイプとしては、まず間違いなく業界最小クラスと言えるだろう。

↑つめ替えは、ケースをパコッと外してユニットを入れ替えるだけ

 

それでいて、テープ長はなんと12mのロングテープを搭載。このサイズ群での詰め替えテープ長はだいたい8~11mが普通なので、たっぷり使えるのはありがたい。

 

メーカー資料によると、粘着剤と基材(テープ)を従来モデルより薄く作ることで、ロングテープ化したという。本来、粘着剤の層が薄くなると粘着力は弱くなりやすいが、「ドットライナーフリック」はテープ面でドット状にならんだ粘着剤の密度を上げる(従来比120%)ことで、強い粘着力を保っているのだそう。

↑従来の粘着剤(上)と比べると、フリック用粘着剤(下)の方がかなりドットが大きい。これで面積あたりの粘着剤の密度を高めているわけだ

 

高コスパの詰め替えタイプで、コンパクトで、ロングテープで、フリックキャップの使いやすさ! 正直「これはかなりすごいテープのりが出てきたなー!」という印象である。

 

それと何度も言うが、フリックキャップを開けるのがめちゃくちゃ気持ちいいので、機会があればそこだけでも試してみて欲しい。

 

ミニサイズなのに「最強モデル」出た! 社会人も常備すべきコクヨのテープのり「ドットライナープチプラス」

「テープのり」のメジャーなブランドといえば、やはりコクヨの「ドットライナー」、トンボ鉛筆の「ピット」、プラスの「ノリノ」の3ブランドだろう。大雑把に個人的な印象を言えば、ラインナップが多彩なドットライナー、粘着力のピット、安定性のノリノ、という感じ。

 

テープのり選びで迷ったときは、さしあたってこの3大ブランドのどれかを買っておけば安心……とはいえ、各社とも特徴のある製品を出しているため、意外にも選ぶのが難しいジャンルである。

↑テープのりの3大ブランドといえば、これ。左からトンボ鉛筆の「ピット」、コクヨの「ドットライナー」、プラスの「ノリノ」

 

実際のところ、「テープのり、どれを買ったらいいのか問題」を抱えている人はかなり多いのではないだろうか? 「自分の使い方に合ったものを」なんて言われたとしても、よく分からないし……。

 

だが、ただひとつ、ペンケースに入れてテープのりを持ち運びたいという需要に対してなら、今のところ明確な解答があると思う。ドットライナーシリーズの小さいものを買えばいいのだ。

 

ペンケースに入れて持ち歩くなら「プチモア」が答えだ

コクヨの「ドットライナープチプラス」は、ほぼ“消しゴム並み”というシリーズ最小のコンパクトさで、粘着力やのり切れが良く、テープ長も10mあって、さらにヘッドを密閉するスライド式キャップつき。つまり、携帯用としてはほぼ文句なしの優等生だ。

 

事実、日常的にテープのりを持ち歩く中学生~大学生の間での人気は非常に高い。そして筆者も、普段からペンケースに入れる用はこれ、と決めている。そこへ、そのプチプラスの最新バージョンとしてこのほど登場したのが、「ドットライナープチモア」である。

コクヨ
ドットライナープチモア
210円(税別)/テープ10m

 

↑消しゴムとほぼ同サイズで、ペンケースの負担になりにくいコンパクトさ

 

早速、どこが最強なのか、詳しく見ていこう。

使い進むほどに実感する引きの軽さ

プチプラスと新しいプチモア、並べて見てもどう変わったのかよく分からない。だが、実際にテープを引き比べると「あれあれあれ?」と驚いた。プチモア、やたらとテープが軽くスルスルスルスルーッと引けるのだ。

 

メーカーのコクヨによれば、内部ギア周りの設計を見直し、走行荷重(ヘッドを転がした際の抵抗)を大幅に軽減した、とのこと。誰が試しても確実に実感できるレベルで軽くなっているのは、なかなか凄い。

↑スルスル……と軽く引けるのがはっきり体感できる。テープカートリッジの使い終わり頃になると、従来との差はさらに大きくなる

 

テープのりは構造上、テープが減って使い終わりに近づくほど走行荷重が増えるのだが、プチモアはその増え幅も控えめ。試しに両方を10m使い切るまで引いてみたが、なるほど、こりゃ確かに別物だわーというレベルで、プチモアが軽い! 擬音にすると、ギリギリギリVSスルスルスル、という感じなのだ。

 

ケースの中を透かしてみると、なるほど、プチプラスにはなかった厚みのあるギアが、巻き取りリール(使い終わったテープが巻き取られる方)に見て取れた。おそらくこれが設計変更の一部なのだろう。ただ、その分だけ本体ケースがかすかに膨らみ、さらにテープ幅も7mm→6mmに変更されている。

↑新発売のプチモア(上)と、従来のプチプラス(下)。プチモアのほうがキャップがやや大きいことを除けば、パッと見には違いが分からないのだが……
↑真横から見ると、内部構造の変更のためか、プチプラスの方が約1mmほど厚いのが分かる

 

とはいえ、そこを変更するだけの価値はあるとメーカー側も判断したのだろう。テープ幅の減少も、極めて短い長さだと粘着力に差も出てしまうが、プリントをノートに貼るなど長く引いて使うならば、ほとんど問題にならないはず。

 

地味に助かるキャップの「スライドロック機構」

個人的にもうひとつ、諸手を挙げて「コクヨよくやった!」といいたい改良点がある。それが、ヘッドキャップの変更だ。

 

プチプラス・プチモアともにフルカバータイプのスライド式キャップが付いているのだが、プチモアには新たにスライドロック機構が追加されたのである。

↑プチプラスのスライドキャップは、指を乗せたまま作業をするとズルズルと下ってきて、ヘッドに当たる。新しいスライドロックはヘビーユーザーほど嬉しいはずだ

 

↑スライダー後端を上から押すと、ロック解除。片手でスムーズに操作できて、かつ意図せずには解除できないというのが優秀

 

前のプチプラスは、スライダー部に親指を乗せて引いていると、力が入った瞬間にスルッとスライダーが動いて、キャップがヘッドに当たってしまうことがあった。これは、優等生であるプチプラス唯一の欠点とすら言える問題で、これまでにも何度かイライラした覚えがある。

 

ところがロック機構があれば、スライダー後端に上から力を加えない限り、ビクともしない。これは圧倒的に便利!

 

このスライドロック追加だけでも、プチモアに買い替える価値は十分にあると思う。というか、ペンケースで持ち歩くテープのりの完全解とすら言えるかもしれない。

 

↑ちなみにラインナップには、かわいい柄入り(ハート/スター/フラワー)テープバージョンも。ただしテープ長は10m→8mと少なめ

 

最後に、「ドットライナー」シリーズからプチモアと同時にリリースされた、もうひとつ注目のテープのりを紹介したい。

13mロングテープでもコンパクトな携帯テープのり

もうひとつ、プチモアと同時にリリースされたのが「ドットライナースモール」。ボディサイズはプチ系よりは一回り大きいが、それでも十分コンパクト。ペンケース用としても問題ないサイズと言えるだろう。

コクヨ
ドットライナースモール
250円(税別)/テープ13m

 

このスモールの売りは、搭載テープが13mとかなり長くなっている点。使い切りテープのりのテープといえば、だいたいコンパクトなもので8m~10m。感覚的には、10mあればたっぷり使えるなと思えるぐらいだ。13mともなれば、気分的にも余裕で使えるはず。さらに価格も250円(税別)となれば、コスパ的にも相当ありがたい。

↑こちらもスライドロック付き。引きも軽く快適だ

 

加えて、プチモアと同様の走行荷重低減ギアとスライドロックキャップまで搭載。ペンケースに多少余裕があるなら、スモールを選ぶというのも選択肢としてありだと思う。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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