全天候型や冷感持続ウェア、艶やかな花柄デザインも。「テーラーメイド」2023春夏コレクションを見てきた!

2023年もテーラーメイドアパレルは、プロゴルファーのスイングモーションデータを活用して動きやすさを追求した『ツアー テーラーメイド』と、着心地と機能性を確保しながらもトレンドを取り入れたデザインで日常使いも可能な『クラブ テーラーメイド』の2つのラインを展開していきます。

 

1日着られるレインウェア

ツアーラインで今季イチオシアイテムが全天候型ウエア「TMWS(テーラーメイド・ウェザープルーフ・システム)」。ゴルフは小雨程度ならばプレイするし、夏にはにわか雨にも遭遇します。雨が降りそうな天候の場合は予めレインウェアを持って行き、雨が降ったら急いで着用するのですが、一般的なレインウェアはゴワゴワして動きづらかったり、夏は蒸し暑かったり、デザイン的にイマイチだったり、そもそも脱いだり着たりが面倒だったりします。

 

TMWSはその不満を解消したウェア。3層構造の防水透湿ストレッチ素材の採用により不快なゴワゴワ感がなく、動きやすさも確保しているので、雨天時だけでなく好天時にも着用し続けることができます。

 

TMWSを採用した「ツアーTMオールウェザージャケット」(3万1900円・税込)は、初期耐水圧10,000mm、透湿性10,000g/平方メートル/24hrs。レインウエアながらタイトなシルエットでデザイン性もあり、高いストレッチ性で動きやすい。ダブルジッパー式なので上だけで留めて着ることもでき、開放的になり体から出る蒸気と熱を逃がせます。袖も脱着できるので、梅雨の蒸し暑い時に便利。カラーはホワイト、ブルー、ブラック、ツアーレッドの4色。

 

TMWSを採用した「ツアーTMオールウェザーパンツ」(2万3100円)も用意しています。初期耐水圧と透湿性能はジャケットと同等。ジャケット同様、ストレッチ性のある柔らかい素材なので、オーバーパンツとしてだけでなく、普段のプレイ用としてそのまま着用可能。カラーはブラック、ツアーレッド、ブルー、ライトグレーの4色展開。防水性の高いパンツは、早朝プレイ時に朝露で足元がびしょ濡れにならずに済むというメリットもあります。

↑TMWSを採用した、ツアーTMオールウェザーパンツとツアーTMオールウェザージャケット

 

↑ツアーTMオールウェザージャケットの袖は、メッシュタイプのハーフライナーと一体型になっており、汗で蒸れたりベタついたりするのを防ぐ。脱着もファスナーで簡単

 

TMWSではこのほかに、高撥水の「パッカブルレインハット」(7150円)と「ウォーターリペレントソックス」(3300円)も用意しています。

↑パッカブルレインハットは小さく折り畳めるのでカートバックに入れて持ち歩ける

 

↑ウォーターリペイントソックスは水を弾く。雨天時に、シューズに水が侵入した際の不快感を軽減する

 

汗をかき続ければずっと涼しい

もう一つの目玉が、クーリング機能の「T-ICE」。一般的な冷感ウエアは、触れた時だけ瞬間的に冷たく感じる接触冷感ですが、T-ICEは生地の内側にプリントされた温度調節マイクロカプセルとキシリトール系給水冷却材が汗に反応して冷却し続ける仕組みです。吸湿速乾とも違う、新しい冷感素材なのです。

 

「T-ICE ワードグラフィックS/Sモック」(1万4300円)はホワイト、ブラック、イエローの3色展開、「T-ICE ベンチレーションパンツ」(1万9800円)はライトグレー、ブラック、ブルーの3色展開となっています。

↑T-ICE ワードグラフィックS/Sモックと、T-ICE ベンチレーションパンツ。シャツは幾何学的な模様が都会的でおしゃれ。パンツは名前のとおり、サイドにベンチレーションジッパーを備え、体から出る熱を放出できる

 

今年のテーマはマスターズの花

クラブラインの春夏コレクションは、前半と後半で別のテーマを設定しています。前半はザ・ガーデンシティ。マスターズ・トーナメントを開催するアメリカのオーガスタ・ナショナルゴルフクラブからインスピレーションを受け、花柄やグリーンをあしらったデザインのポロシャツを発売します。オーガスタは各ホールにカメリアやピーチフラワーなど花の名前がつけられており、マスターズ開催期間の4月上旬はコース上に花が咲き乱れ、美しいコースとして有名です。

↑左は「フラワージャガードS/Sポロ」(1万5400円)で、オーガスタ・ナショナルゴルフクラブの10番ホールを飾るカメリアをイメージ。中央と右が「バンドカラーS/Sポロ」(1万4300円)。中央は3番ホールの名称であるピーチフラワー、右はオープニングホールを飾るティーオリーブをイメージ

 

↑「ヤーンダイボーダーS/Sポロ」(1万4300円)はグリーンのボーダーデザイン

 

後半はニューヨークのメトロポリタンをイメージしたデザイン。5月の全米プロゴルフ選手権がニューヨーク州での開催となるため、マンハッタン島の航空写真をデザイン化したものです。

↑右が大都市の航空写真をグラフィック化した「MET GRAOHIC S/S POLO」(1万5400円)、左は高ストレッチの「テックスブリツドベーシックパンツ」(1万2100円)

 

リバティ社、ユナイテッドアローズとのコラボ製品も発売

イギリスの老舗デパート、リバティ・ロンドンを経営するリバティ社とのコラボデザインも発売します。リバティ社のデザイナーが手書きした花柄をあしらったショートスリーブ・ポロ「リバティファブリックS/Sポロ」(1万7600円)はホワイト、ネイビー、ブラックの3色展開です。

↑イギリスの老舗ブランドとコラボした「リバティファブリックS/Sポロ」

 

また、昨年実施したユナイテッドアローズとのコラボを今年も展開します。今年は「NO BOUNDARIES」「GENDERLESS」「STREET」をテーマに、男女兼用でタウン着としても使えるデザインとなっています。「ストレッチ テーラード ジャケット」(3万800円)は軽量かつストレッチ素材を採用し、リラックス感のあるシルエットで着心地がよく、街中でもおしゃれに着こなせます。内側の大胆なメッセージグラフィックプリントも遊び心を刺激して楽しい気持ちになります。

↑「ストレッチ テーラード ジャケット」は都会的なデザイン。最近ではジャケット着用を義務付けるゴルフ場は減ったが、おしゃれとして着こなしたい

 

夏向けにはT-ICE素材を採用したシャツを用意しています。メッセージグラフィックを背面下部にプリントした「メッセージ クーリング S/S ポロ」(1万8700円)と「メッセージ クーリング S/S モック」(1万6500円)。

↑襟付きのシャツ「メッセージ クーリング S/S ポロ」は背面下部にアクセントとしてメッセージグラフィックをプリント

 

↑モックネックの「メッセージ クーリング S/S モック」は背面に大胆なメッセージグラフィックがプリントされている

 

↑ユナイテッドアローズコラボのキャップとソックスも発売。パステルカラーで春を感じるデザインに仕上がっている

 

これから春に向かい、ゴルフ場はより賑やかになっていくでしょう。テーラーメイドアパレルの新作は、テーラーメイドらしい正統派デザインをベースにしながらも、機能性と遊び心を盛り込んだラインも増え、ラウンドに華を添えてくれる存在になりそうです。

 

 

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テーラーメイドの新ゴルフクラブ「ステルス2」 はより遠くまで飛び、よりやさしく扱いやすい

昨年、50年続いた金属製フェースの時代に終止符を打つべく、満を持してカーボン製フェースドライバー「STEALTH(ステルス)」を発売し、ゴルフ界の話題をさらったテーラーメイド。2023年モデル「STEALTH 2」のカーボンフェースドライバーはさらに磨きをかけ、より遠く、より優しくなりました。今年もテーラーメイドの新年発表会に参加してきましたので、その模様をレポートします。

 

やさしく・遠く「FARGIVENESS」が合言葉

「2022年はテーラーメイドにとって信じられない1年になりました。ステルスドライバー発表後の最初の週末において、ドライバー販売部門で市場シェア80%を獲得という前例のない記録を打ち立て、年間でもハードグッズジャンルで販売シェア1位となったのです」と、冒頭あいさつに立ったマーク・シェルドン-アレン社長は興奮気味に話します。

↑マーク・シェルドン-アレン社長

 

そこまで大人気となったステルスドライバーが今年はどう進化したのでしょうか。「テーラーメイドは2023年、“ファーギブネス(FARGIVENESS)”を提唱します」と高橋伸忠ディレクターは高らかに宣言します。この聞き慣れない言葉はテーラーメイドによる造語で、遠くを意味する“FAR”と、やさしさ・寛容性を意味する“FORGIVENESS”をかけ合わせたものです。つまり、より遠くまで飛び、よりやさしく扱いやすいクラブへと進化したのです。

↑高橋伸忠ディレクター(ハードグッツプロダクト)

 

ステルスドライバーはカーボン化によってボールが当たるフェース面が軽くなり、エネルギー伝達効率が向上しました。フェース面を軽くなることはすなわち、ボディに重量を割り振ることができるので、インパクトの瞬間、遠心力で加速してきた重いボディが後ろからフェースを強い力で押し出し、ボールをより遠くに飛ばすことができるのです。

↑フェースをカーボンにしたことで、国際ルールで決められたヘッド重量の9割をボディに割り振ることができ、慣性モーメントが向上した

 

新ゴルフクラブ「ステルス2」

2022年のステルスドライバーは2021年のチタンフェースドライバーに比べて重量を40%も削減することに成功しています。しかし、新発売のステルス2シリーズは前年比2gの重量削減にとどまっています。「たかだが2gかと思うでしょうが、昨年に43gから26gに大幅削減したものをさらに絞るのはボクサーの減量並みに大変なことでした」(高橋氏)。

 

今年の場合、重量よりも構造の変化に注目です。ステルスツーではフェースのカーボン積層を改良しています。中心部をやや厚く、周辺部をやや薄くすることで、ボールの初速を上げるホットゾーンが昨年モデルより広くなっているのです。これらにより、前モデルに比べてより遠く飛び、よりやさしくなったのです。

↑フェースのカーボン積層を改良することで、新製品ではホットゾーンが拡大した

 

ステルスツーシリーズは3種類を用意。前年モデルも3種類を用意していましたが、今年はモデルごとの差異をはっきりとさせ、より自分に合ったクラブ選びがしやすくなっています。

 

まずはショップ限定で販売する「ステルス2 プラス ドライバー」(9万6800円~11万6600円、税込)。これはスコア90を切り、ストイックにゴルフを追求するアスリート向けモデルです。ロフト角を調整できる「FCTロフトスリーブ」、いわゆるカチャカチャは3モデル全てに搭載しますが、ヘッド左右方向の重心位置を調整できる「15gスライディングウェイトシステム」はこのモデルのみの搭載となり、より自分のスイングに合った、自分が目指したい軌道に調整できます。

 

「ステルス2 ドライバー」(9万3500円~11万3300円)は、100前後のスコアで安定してラウンドするアベレージゴルファー向け。ソールのウェイトをややヒールよりにすることで、ドロー傾向をやや強くしています。

 

「ステルス2 HD ドライバー」(9万3500円)のHDはハイ・ドローの略で、高弾道でつかまりやすく、ミスヒットに対する寛容性の高い、やさしいクラブ。シャフトを1/4インチ短くしており、前モデルに比べてスイートスポットが広がっていることも併せて、扱いやすく、100切りを目指すゴルファーのよき相棒となるでしょう。

↑ステルス2 ドライバーは昨年同様3モデル用意。バックウェイトの重量と、ソールウェイトの位置を変えることでそれぞれの特性を引き出している

 

↑ステルス2 プラス、無印、HDに行くに従い、やさしいクラブになっている

 

なお、前年モデルは3タイプともに同じライ角でしたが、今年は2度ずつ変化をつけています。ライ角が大きいほどにボールがつかまりやすくスライスがしにくくなるため、スライスに悩む初心者にとってHDモデルはより扱いやすくなっているのです。

↑3モデルそれぞれの前年モデルとの違い。3モデルともに慣性モーメントが増加しており、より飛ぶクラブになっている。HDはドロー傾向を強く、ライ角をアップ、クラブを短くすることでよりやさしいクラブになっている

 

フェアウェイウッド・レスキュー・アイアンにもHD

ドライバーと併せて、フェアウェイウッド、レスキュー、アイアンも発表されました。フェアウェイウッドはドライバー同様にスイートエリアが拡大し、ミスヒットに対する寛容性が向上しています。

 

アスリート向けの「ステルス2 プラス フェアウェイウッド」(6万500円~8万300円)はソール部分にウェイトを前後に調整できる「スライディングウェイト50g」を搭載し、ロフト・ライ調整機能との組み合わせでボールの打ち出し角とスピン量を自分好みに調整できます。

 

新たにラインアップに加わった初心者向けの「ステルス2 HD フェアウェイウッド」(5万8300円)はドライバー同様にハイ・ドロー弾道の“上がってつかまる”クラブで、テーラーメイド史上最も優しいフェアウェイウッドとなっています。

↑フェアウェイウッドも3種類。アスリート向けのプラスは前後に動くスライディングウェイトにより自分好みの弾道を作れる

 

↑プラスモデルの可変域。ロフト、バックスピン量ともに広い

 

↑HDモデルは上下幅が狭いシャローヘッド設計により、重心が低くなり“上がる”クラブに仕上がっている

 

レスキューに関しては、従来のアイアン型の新製品「ステルス2 プラス レスキュー」とウッド型の新製品「ステルス2 レスキュー」に加え、こちらもHDシリーズが新たにラインアップしました。ハイロフト設計、ボールが上がりやすく左右のミスに強いシャローヘッド設計、および低重心化でより高く大きく飛ばすことができます。

↑レスキューも3種類。プラスモデルはアイアン型、無印とHDモデルはウッド型

 

↑レスキューもHDモデルはシャローヘッド設計。ビギナーの“ボールが上がらない”問題の解消を狙う

 

さらに、アイアンにもHDシリーズが加わりました。テーラーメイドでは米国、日本、欧州さまざまな地域でたくさんのゴルファーに対して「アイアンではどんな球を打ちたいか」というヒアリングをした結果、高い弾道でつかまりがよく、スピンがかかって、グリーンに落ちた時に転がらずに止まる球を打ちたい、というのは万国共通の願いでした。このニーズに答えるべく今回、アイアンでもHDシリーズを新たに導入したのです。

 

「ステルス HD アイアン」(6番~PWの5本セットで13万7500円/12万1000円)は、ソールの幅が拡大したワイドソールを採用、重心を低く、後ろにもっていくことで、高弾道でバックスピン量の多い打球を打ち出せるようになっています。また、継続販売となる上位モデルの「ステルス アイアン」に比べて5番からピッチングまでのロフト角を大きくし、高く“上がる”ようにしています。なお、アイアンもHDモデルはシャローヘッド設計を採用しています。

↑「ステルス HD アイアン」はシャローヘッド設計、ワイドソールにより低重心化が実現し、高弾道でバックスピン量の多いショットが打てる

 

↑上位モデルに比べてロフト角が大きくなり、高い打ち出し角を保てる

 

テーラーメイドではビギナー・エンジョイ層向けには「ステルス グローレ」シリーズを展開していますが、ステルスシリーズの中でも比較的やさしいHDシリーズがドライバーからアイアンまで揃ったことで、ステップアップ意識の高いユーザーを幅広く取り込めるようになりました。

 

少し前まではゴルフ人口の減少が危惧されていましたが、新型コロナウイルスの流行で若者たちが密にならないアウトドアアクティビティに興味を示し、ゴルフでも若年層のプレイヤーが急激に増えています。中にはステルスドライバーを手に持つ若者もいます。うかうかしていると若者にあっという間に抜かれてしまうので、もっと練習しなければ(笑)。

 

 

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ゴルフを楽しく華やかに。「テーラーメイド」のアパレル2022S/Sは初のカジュアルラインを投入!

ゴルフギアのトップブランドである、テーラーメイドゴルフは2022年春夏シーズンから大きく舵を切りました。従来は、どちらかというとアスリートゴルファーを意識し、機能性と洗練されたデザインの融合をテーマとしたウェアを世に送り込んできましたが、今シーズンは従来路線を踏襲しつつも、新たにカジュアルなシリーズも追加し、幅広いユーザーに訴求する戦略を打ち出しています。

 

アスリート向けのウェアは契約プロと共同開発

テーラーメイドが今シーズン投入するのは「TOUR TAYLORMADE」と「CLUB TAYLORMADE」の2ライン。TOURラインはベストスコアを目指す時、スポーツとしてのゴルフに真摯に向き合う時に身にまとうウェア。一方、CLUBラインはプレイおよびプレイ前後を含めた1日まるごとを楽しめるウェアです。一緒にプレイするメンバーや、プレイする日の気分によって2つのラインを使い分けることもできます。

 

TOURラインは、諸見里しのぶプロと塩見好輝プロの契約ツアープロ2人の協力を得て開発しているのが大きな特徴。プロ2人のスイングを3Dスキャンとモーションキャプチャーによりデータ化、プロの3Dアバターにウェアを着せ、スイングデータと掛け合わせてウェアにかかる着圧(負荷)をシミュレーションしていきました。そうして出来上がった試作品をプロに着用してもらい、機能とデザインの両面でプロ2人と議論を重ねて作り上げて完成したものです。

↑契約プロのスイングをデータ化し、ウェアにかかる負荷をシミュレーションしてプレイの邪魔にならない素材を開発

 

TOURラインから2月登場となる「ハイブリッドジャケット」は、前身頃と肩、背中の3か所にレインウェアに匹敵する防水性能を持つ素材を採用しています。防水ながら透湿性も高く、ストレッチ性能やUV性能、防風性能も兼ね備え、それでいて柔らかく、レインウェアのようにカサカサしない着心地の良さを保っています。両脇はより軽く柔らかく、ストレッチ性の高い素材で身体の動きを阻害しない素材を採用、袖口と腰の部分はニット素材で伸縮性を保ちながらバタつきを抑えるように工夫しています。

↑右の赤いジャケット2体がTOUR TAYLORMADEラインの「ハイブリッドジャケット」。左の青いポロシャツ2体が「アシンメトリーS/Sポロ」

 

テーラーメイドアパレルの大きな特徴として「マルチマテリアルデザイン」という製法があります。ドライバーなどゴルフクラブでも採用されている製法で、異なる性質の素材を複数組み合わせることで複数の機能を同時に実現しているものです。ハイブリッドジャケットの場合は、マルチマテリアルデザインにより雨風を凌ぐウインドブレーカーとして機能しながら、決してプレイの邪魔をしない動きやすさを確保しており、まさにアスリート志向のゴルファーに最適なジャケットになっています。同ジャケットは女性用も用意されており、価格は男女ともに3万800円(税込、以下同)です。

↑ハイブリッドジャケットのメインカラーは、ドライバーの新作「ステルスドライバー」と同じ赤黒。前身頃と肩に防水・透湿素材を採用、袖はニット素材でバタつきを抑えてスイングの邪魔にならないよう工夫

 

↑脇はストレッチメッシュで通気性を確保してムレを防ぐ。腰の後ろ身頃部分もソフトストレッチのニット素材でスイング時のストレスを軽減する

 

パンツは、アドレスの際に最も自然な姿勢を保てるよう立体裁断した「ハイブリッド3Dパンツ」がキーアウトフィットとなります。前面は撥水機能を持つ張りのある素材で型崩れを防ぎ、ふくらはぎ部分はストレッチ性の高い素材により、スイングの際に力が入っても突っ張り感を防ぐというように、こちらもマルチマテリアルデザインを採用しています。膝上に入ったラインは、スタンスの確認にも良さそうです。価格は2万2000円(男性用)。なお、女性用のスコートはストレッチ素材にプリーツを組み合わせた、スポーティーの中にもフェミニンな要素を取り入れたデザインになっています。価格は1万7600円です。

↑立体裁断のハイブリッド3Dパンツは前面が撥水加工で少々の雨や朝露を弾く。膝上のラインは「ステルスドライバー」をイメージしたカーボン調のワンポイントで、スタンスの確認に良いと感じた。奥に見えている女性用スコートはプリーツがフェミニンな印象を与える

 

4月から登場となる「アシンメトリーS/Sポロ」もマルチマテリアルデザインです。青い部分はスーパーストレッチ素材を採用していますが、斜めに裁断してあるのは意味があります。多くのゴルファーは右利きであり、バックスイングの際に左の肩甲骨から広背筋にかけて最も負荷がかかります。この部分にストレッチ性の高い素材を採用することで、バックスイングの際のストレスを解消し、気持ちよくフルスイングできるようにしているのです。ただ、ウェア全体をスーパーストレッチ素材にしてしまうと形状を保てないため、黒い部分に張りのあるストレッチ素材を採用して型崩れを防いでいます。価格は男女ともに1万7600円。

↑アシンメトリーS/Sポロの斜め裁断は、体の動きをウエアが邪魔せずにストレスなくスイングするためのもの

 

↑裏に縫い目のないシームレス加工で着心地がよい

 

↑4月登場となる「バックメッシュS/Sポロ」も注目。背中に大きなメッシュを装着して通気性を確保している。価格は1万7600円

 

男性用の「ハイブリッドメッシュパンツ」は、メイン素材として撥水ストレッチ素材を採用したほか、ウエスト部分と膝裏からふくらはぎにかけてメッシュ素材を採用して暑い時期でも快適にプレイできるよう工夫しています。価格は1万9800円。

↑ハイブリッドメッシュパンツの膝裏から下の部分はメッシュ加工によりムレを防ぐ

 

大胆だけど派手すぎないモダンプレッピースタイル

今シーズン初めて投入する「CLUB TAYLORMADE」ラインは、生き生きとした色合いとデザインで遊び心を表現しています。自宅から着て行き、クラブハウスのロッカールームで着替えることなくコースに出て、そのまま帰ってくることができるデザイン。最近、クラブハウス内でのジャケット着用を義務付けないゴルフ場が多くなり、思い思いのファッションで訪れるゴルファーが増えていますが、CLUBラインなら、そうしたシチュエーションにも対応できます。

 

ここからは、CLUBラインの2月登場となるアイテムを紹介します。トップスの「クラシックロゴスウェットフーディ」(男性用)は、コットンと化繊素材の混紡により、肌触りの良さとストレッチ性を両立したパーカー。一般的なパーカーと異なるのが肩周り。フロントがブロックショルダー、バックはラグランスリーブと変形カッティングを採用することで、肩周りに窮屈さを感じたり、逆に服がダボついて邪魔になるといったことなく、スムーズにスイングできるよう工夫しています。また、胸には1990年代までドライバーに使用していたクラシックロゴをあしらい、レトロの中に新しさを感じるデザインに。特徴的なピンクの他にグリーンやネイビーなども用意。価格は1万4300円。

↑これがテーラーメイド!? と初見では驚くほどカジュアルな「CLUB TAYLORMADE」ライン。2月登場となる「クラシックロゴスウエットフーディ」はタウン着としても使用できるデザインながら、高いストレッチ性と肌触りの良さでゴルフも気持ちよくプレイできる

 

↑前はブロックショルダー、後ろはラグランスリーブという変形カッティングで肩周りの可動域を確保している

 

パンツの「スウエットジョガー」も特徴的です。フーディと同じコットンと化繊の混紡により、着心地の良さと動きやすさを両立しています。ジョガーパンツというとかなりカジュアルなイメージですが、最近のゴルフ場ではよく見かけるファッションで、スリムテーパードのスッキリしたシルエットは精悍な印象を与えてくれます。ウエストはドローコード付きで、タウン着として使用する際にはラフに着こなせますが、ゴルフ場ではベルト着用がマナーなので、そのためのベルトループも備えています。男性用で価格は1万3200円。

↑スウエットジョガーパンツはカジュアルチックだが、ベルトループやスペアボールなどを入れるサイドポケット付きのゴルフ場仕様となっている

 

4月には「カラーブロックS/Sポロ」が登場。2022年春夏のシーズンカラーを大胆に配置しているのが特徴です。価格は1万3200円。

↑大胆な色使いの「カラーブロックS/Sポロ」クイックドライ、UVカット、ストレッチと機能性も高い

 

↑「カラーブロックS/Sポロ」の色違いと男性用の半ズボン「ウインドウペンショーツ」(1万3200円)の組み合わせ

 

↑女性用の「カラーブロックS/Sポロ」と「センタースリットスコート」(1万5400円)の組み合わせは、まさにモダンプレッピースタイル

 

テーラーメイドが初めて投入したCLUBラインは、カジュアルですが派手になりすぎない、モダンプレッピースタイルをテーマとしています。“友人同士、恋人同士でワイワイ楽しむファンゴルフスタイルでも、エレガントさやスタイリッシュさを忘れずにいて欲しい。”そんな願いを込めたデザインに仕上がっています。ゴルフはスポーツであると同時に社交場的な性格も持ち合わせています。気のおけない仲間や仕事関係との社交の場でファッションを楽しむ、それもゴルフの醍醐味です。

 

なお最後に、その他の注目アイテムも紹介しておきます。

↑CLUBラインから5月登場となる、男性用「ディンプルグラフィックS/Sポロ」(1万5400円)と「ソフトシェルショーツ」(1万1000円)。そして、女性用「ユナイトカラーC/Sポロ」(1万1000円)と「ディンプルグラフィックスコート」(1万4300円)

 

↑テーラーメイド初のワンピース「クラブTMワンピース」(2万4200円)

 

↑男性用「TMスタッフS/Sポロ」(1万3200円)。右胸にパター名機の「スパイダー」をイメージしたマーク、左袖にはボールのブランド「TP5」のロゴ入り

 

↑男性用「ラインドパンツ」(1万7600円)。防透け素材を採用しており、ホワイトモデルながら下着が透けません。表面は撥水加工が施されているので汚れも落ちやすい

 

↑ソフトな撥水ストレッチ素材を採用した、男性用ジャケット「ソフトシェルスウイングトップ」(1万9800円)

 

 

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ドライバーの常識を覆す究極の1本! テーラーメイドがカーボンフェースウッドを発売

「新しい時代の幕開けです」と、テーラーメイドゴルフの高橋信忠ハードグッズプロダクトディレクターは開口一番、高らかに宣言しました。昨年発売した「SIM2ドライバー」の完成度が高く、今年はどのような進化を遂げるか期待を持って説明会に望みましたが、その冒頭でのこの発言。どんな驚きの新製品が飛び出すのでしょう。1月中旬に都内で開催されたテーラーメイド2022新作発表会の模様をレポートします。

↑「2022年がドライバー新時代のスタートラインです」とテーラーメイドゴルフの高橋氏

 

テーラーメイドが実現したカーボンフェース

「新製品はフェースにカーボン素材を使用しているのが最大の特徴です。今日を境に、今後発表するフラッグシップドライバーはすべてカーボンフェースになります」と高橋氏。1979年にテーラーメイドが世界で初めてステンレス製メタルウッドを開発し、それまで100年続いたパーシモンウッド(柿の木)の時代に終止符を打ちましたが、その後、チタンに取って代わるものの、この50年間は金属フェースの時代が続いてました。そして今度は、金属時代を終わらせるのです。

 

新ドライバーの名前は「STEALTH(ステルス)」。2月4日から発売となります。このネーミングには理由があります。実はテーラーメイドがカーボンに目をつけたのは2000年。20年以上も前に金属フェースの次はカーボンだと予測し、この間、どこにも漏れることなく、誰の目にもとまることなく水面下で密かに開発を続けてきたのです。だから「ステルス=隠密」。

↑ステルスドライバーのフェースの色は赤。新時代の幕開けにふさわしい、情熱的な赤を採用したとのこと

 

↑クラブを構えると、真っ黒なクラウンに情熱的な赤いフェースがチラリと見え、高揚感が高まります

 

開発に20年もの歳月をかけたのは、カーボンフェースの実現が困難を極めたからです。カーボンの利点は軽く、強く、自由に成形できること。その利点を活かし、既にシャフトやドライバーヘッドのクラウン(ヘッド上部)、ソール(ヘッド下部)などにカーボンが使われています。ただ、強度が高いといっても引っ張り方向に対しての強さであって、1点にかかる強い衝撃には比較的弱いという特性があります。そのままではボールが当たるフェースには採用できないため、カーボンの上からチタンを貼ったり、ポリマーコーティングをしてみたりと強度を上げるべく様々な方法を試したものの、打ち出すボールのスピン量が安定せず、ボールを打ち出す初速もチタンに比べると遅かったりと、実用には適さないものばかりでした。

 

そこでまず、カーボン自体の強度を上げるため、60層のカーボンシートを採用。地面に衝突して強い衝撃を受けることがあるソールでさえもカーボンシートは9層にとどまっていますが、それを遥かに上回る枚数です。60層の中には星型にクロスしたシートを3層組み込んであります。これにより中心が肉厚になり、スイートエリアが拡大する効果が生まれました。

↑60層ものカーボンシートの組み合わせ。3組の星型シートを組み込むことで中心が肉厚になり、スイートエリアが拡大する効果が得られました

 

強度は得られましたが、そのままでは、フェースが乾いた状態の時にはスピンがかかりすぎ、濡れた状態では逆に大きくスピン量が激減してしまうと現象が起こりました。そこで、フェースの表面にポリウレタンコーティングと、ナノレベルの微細な表面加工を施すことでドライ・ウエットの両方の状態でも最適なスピン量を維持することが可能になりました。

↑カーボンシートの一番上にポリウレタンコーティングとナノレベルの微細な加工でスピン量が安定

 

これらの結果、チタンフェースに比べて44%の軽量化に成功しています。しかも、チタンに比べてフェース面積を20%拡大してなおの軽量化。フェース面積が大きくなるということはスイートエリアが拡大し、よりミスヒットに強くなるということです。

↑60層ものカーボンシートを採用してなお、チタンフェースに比べて大幅な軽量化に成功

 

↑フェース面積は、チタンフェースの初代SIMドライバー(2020年モデル)に比べて20%も拡大

 

カーボンを採用したのはただ単に軽量化するためだけではなく、慣性モーメントを高める狙いがありました。慣性モーメントが高いと、芯を外した時にヘッドのブレが少なくなり、ボールの曲がりや飛距離のロスを防ぐことができます。つまり、優しいクラブとなるのです。慣性モーメントを高めるには長いシャフトに重いヘッドをつければよいのですが、それではスイングしづらくなります。ステルスドライバーは、カーボンの採用によってフェースを軽量化できたことで相対的に後ろのボディ部分が重くなり、ヘッドの重量を変えることなく慣性モーメントが高めることに成功したのです。

↑ドライバーヘッドの全体重量のうちフェースが占めるのはわずか10%。残り90%の重さを持つボディによって慣性モーメントが高まり、安定したボールを打ち出せる

 

フェースの軽さはエネルギーの伝達効率も向上させました。ボールにインパクトした瞬間、軽いフェースと重いボディの間にはスピードの差が生まれます。軽いフェースの後ろから重いボディが強い力で押し出し、一瞬遅れたフェースがその力を利用してボールを弾き出すのです。「その結果、チタンでは絶対に成し得なかった高いエネルギー伝達効率を生み出し、圧倒的なボールの初速を生み出します。チタンフェースは既に進化の限界にきていました。カーボンフェースにはさらなる未来が待ち受けています。今日がそのスタートラインです」(高橋氏)。

↑従来のチタンフェースに比べて圧倒的なボール初速を生み出す

 

なお、カーボンフェースというとインパクト音が気になるところです。ドライバーショットの爽快感は飛距離だけでなく、音と打感が伴ってこそのものですが、テーラーメイドではステルスドライバーのためだけに米サンディエゴ本社にサウンドエンジニアリングチームを組織して、徹底的に研究したそうです。その結果、打った時の手応え、音ともに従来のSIMドライバーに匹敵する爽快感となっており、言われなければこれがカーボンフェースだとは気づかないほどです。

↑ステルスドライバーのラインアップ。新製品はモデルによって性格がかなり異なるため、店頭で試打をして自分に合ったモデルを見つけましょう

 

ステルスドライバーは4種類の発売となります。プラスマイナス2度調節可能な“ロフトスリーブ”を搭載したアベレージゴルファー向けの「STEALTH」は8万6900円(税込)〜。ロフトスリーブ、左右スライディングウエイト(10g)を搭載したハードヒッター/アスリート向けの「STEALTH PLUS+」はテーラーメイド・セレクトフィットストア限定で9万200円(税込)〜。高弾道でよりつかまりのよい、初心者向けの「STEALTH HD」もロフトスリーブ搭載で8万6900円(税込)。女性向けの「STEALTH Women’s」は8万6900円(税込)。いずれもテーラーメイド独自のミスヒットに強い“ツイストフェース”機構、ヘッドの空気抵抗を減らしてスイングスピードを上げる“イナーシャジェネレーター”を搭載しています。

 

 

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アベレージゴルファーの強い味方、テーラーメイドの新作「SIMグローレ」はよく飛ぶ!!

筆者のメインドライバーはテーラーメイドの「M GLOIRE(エム グローレ)」です。日本人のために日本人が開発した日本規格のドライバーで、誰が打っても上がる・つかまる・飛ぶ、やさしいドライバーとして、2018年の発売時には11週連続でトップセールスを記録した人気モデル。そのグローレシリーズがさらに進化した「SIM GLOIRE(シム グローレ)」が2020年10月に発売されました。今回、新製品を試打することができたので、その感想とともに進化のポイントをレポートします。

 

筆者は昨年、Mグローレに乗り換えましたが、それまで使っていたドライバーも初心者向けの優しいモデルだったため、大きな違いは感じられませんでした。左右に大きなバラケはなく、安定して真っ直ぐは飛ぶものの、飛距離に大きな変化はなく、キャリーで175ヤード、ランで200ヤードくらい。ところが、以前レポートしたように、「テーラーメイド銀座店」でのクラブフィッティング体験の際にグローバルモデルの「SIM MAX-D」を試したところ、キャリーで195ヤード、ランで約220ヤードを出すことに成功。SIMドライバーの性能に驚愕したものです。ただ、「SIM MAX-D」はグローバルモデルで中上級者向けのため、初心者の筆者にはとっては安定性に欠け、クラブに振られているという感覚が残りました。

 

新製品のSIMグローレはその名の通り、グローレシリーズとSIMシリーズの良さを合体させた、まさに理想のドライバー。やさしさはそのままに、より“飛ぶ”仕様になっています。

↑SIMグローレのドラーバーとフェアウエイウッド

 

風を切ってヘッドスピードを上げる

まずは、SIMドライバーの代名詞である「イナーシャジェネレーター」をグローレシリーズに初めて搭載しました。ダウンスイングからインパクトにかけての最もクラブが加速する局面において、クラブフェースにぶつかる空気を後方に整えて流すことで、クラブの加速を止めない仕組みです。SIMドライバーではソールに流線型のウエイトを取り付けましたが、SIMグローレはボールのつかまりをよくするためにソールのヒール側にウエイトを寄せ、ソール側と段差を設けることで風の流れを整えています。このウエイト「イナーシャジェネレーター」を取り付けることで重心を低い位置に維持でき、ボールを上げることができます。また、「イナーシャジェネレーター」により低重心が確保できるため、クラブのソールを持ち上げてより空気抵抗が少ない流線型に近づけることができました。これらによりヘッドスピードの向上が図れます。

↑SIMドライバーはソール中央に台形のイナーシャジェネレーターがついています

 

↑新作のSIMグローレはつかまりをよくするためヒール側にイナーシャジェネレーターを寄せました

 

↑ソールを上げて風の流れを整え、空気抵抗を減らしてヘッドスピードアップを図ります

 

↑写真では分かりづらいですが右側に段差があり、これが空気の流れを整えてヘッドスピード上げるイナーシャジェネレーター

 

次に、弾道を整える機能です。いわゆる、つかまる機能。クラブヘッドのヒール寄りに23.5gのドローバイアスウエイト、バックウエイトも23.5gと合計47gのウエイトにより、大きめの重心角30度を実現しました。これによりヘッドの返りがよくなり、ボールがつかまるのです。スライスに悩むビギナーに最適です。

↑2つのウエイトにより重心角30度をキープ。ヘッドが自然に返ってボールをつかみます

 

独自のチタン素材ツイストフェースで真っ直ぐぶっ飛び

ボールの初速を上げるため、フェースも改良しました。テーラーメイド独自素材の「ZATECチタン」をフェース全面に採用、硬くて極薄のフェースにより反発係数をルールの最上限まで高めるとともに、どこで打ってもハイスピードボールが打ち出せるようになります。

↑新素材ZATECチタンを採用、強くて薄いフェースによりハイスピード化

 

また、SIMドライバーの特徴として、一度ルールを超えた反発係数のヘッドを作り、その後、ヘッドにレジンを挿入することでルール限界値まで戻す「スピードインジェクション」テクノロジーを採用していますが、このレジンの注入口を塞ぐためのネジがフェース前面下部に2つ設置されています。SIMグローレではレジンの注入口をトウ側に穿つことでフェース面のネジを廃止しました。これにより、フェース下部の反発性能を落とさずにすみます。さらに、フェースとボディの金属同士が接触しない貫通型のスピードポケットも採用しており、フェース下部にボールが当たった際の初速のロスを抑えます。これらの結果、前モデルよりもスイートエリアが拡大し、よりミスに強いドライバーに進化しました。

↑側面からレジンを注入することでフェース面には穴がなくなり、フェース下部の反発係数を維持できました

 

↑スイートエリアが大幅に拡大し、ミスに強く、どこで打っても飛ぶやさしいクラブに

 

実際にコースで打ってみると、ミスヒットに対するカバー性能の高さと飛距離の向上が実感できます。もともとテーラーメイドのドライバーは「ツイストフェース」という、ねじれたフェース面によりミスヒットに強いとされています。トウ寄り、ヒール寄りに当たっても真っ直ぐ飛ぶように弾道を補正してくれる機能です。SIMグローレも当然ツイストフェース搭載なのですが、スイートエリアが拡大したことで、よりミスヒットに強くなった印象です。トウ寄り・ヒール寄りで打ち、ボールが右や左に飛び出していっても空中でククッと曲がり、フェアウエイへと戻るシーンが多々ありました。

 

また、飛距離も伸びています。力を入れず、クラブに任せるよう打ってみると、鋭い打ち出しからの高い弾道で真っ直ぐ飛び、ランもしっかり出ます。正確には測っていませんが、目測で230ヤード近くは飛びました。ゴルフを始めてまだ4年、現在54歳の筆者にとって230ヤードは小さな夢だったのですが、クラブを変えただけで叶ってしまったのは嬉しいことです。

↑通常のラウンドでの使用だったため、他のプレーヤーに迷惑がかからぬよう撮影はアドレスのポーズをしたところですが、実際に打ってみると構えやすく、振り抜きやすく、ボールは真っ直ぐ高く上がりました

 

↑シャフトはフジクラがテーラーメイド用に開発したエアスピーダー。軽量化して振りやすく、先端にしなりをもたせたことでつかまりがよくなっています

 

↑レディースはおしゃれなコーラルブルーのヘッド

 

アイアンは1番手上の飛び

テーラーメイドでは、ドライバーと同時に「SIMグローレ」ブランドのフェアウエイウッド、レスキュー、アイアンも発売しました。フェアウエイウッドは重心角30度、貫通型スピードポケット、ツイストフェースと、ドライバーとのマッチングに重点を置き、スイングの連続性を高めるとともに、ソール形状の変更により摩擦を減らして芝生からの抜けを高めてスピードアップ。さらにヘッドサイズを大型化して飛距離性能と寛容性が向上しました。

↑フェアウエイウッドも重心角は30度なので、ドライバーからのつながりがとてもよい

 

アイアンは、ソールに49gのタングステンウエイトを埋め込んだことで、テーラーメイド史上最低重心となり、ワイドソール形状と相まって芝生からの抜けの良さを実現。多少手前から入ってダフリ気味でもソールが滑り、ボールの芯を捉えて高い弾道で打ち出します。ワイドスイートエリア、貫通型スピードポケットでミスヒットにも寛容。ヘッド、シャフトともに軽量化を図っており、非力なシニアでも振りやすいアイアンです。

↑ワイドソールと低重心でミスに強く、高く上がるアイアン

 

実際にコースで打ってみると、低重心ゆえ弾道が高く、直進性も高い印象。何より、飛距離の伸びを実感しました。普段は7番アイアンでグリーンを狙える距離が、いつもどおりに打つとグリーンオーバー。感覚的に1番手上の飛びです。飛びすぎてアプローチの感覚を掴むのにちょっと苦労しましたが、慣れたらパーオンの強い味方になりそうです。バンカーからサンドウエッジも打ってみましたが、こちらはしっかりとスピンが効いてグリーン上でピタッと止まります。SIMグローレシリーズは総じて扱いやすく、ゴルフが楽しくなります。

↑キャビティバックながら野暮ったさはなく、洗練されたデザインのSIMグローレアイアン

 

↑SIMグローレシリーズの価格一覧。ドライバー 9万2400円/フェアウェイウッド 5万3900円/レスキュー 4万2900円/アイアン5本セット 14万3000円(すべて税込)

 

筆者はシニア向けと言われるやさしいクラブセットを使っていますが、SIMグローレシリーズはそれよりも扱いやすく、飛距離も伸びました。100切りも夢じゃないかもしれません(笑)。さすがにフルセットは買えないけど、自分へのプレゼントとしてドライバーだけでも買おうかなと悩み中。

 

 

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