2021年10月、GoogleおよびAlphabetのCEOサンダー・ピチャイ氏が、アフリカに10億ドル(約1137億円※)を投資することを発表しました。自身を「テクノロジー・オプティミスト」と称するピチャイ氏は「テクノロジーがアフリカの未来を大きく変革できる」という力強いメッセージを発しており、Google for Africaでアフリカ投資に向けた施策を数多く展開しています。
PTP Company Limited 代表取締役社長。2010年より2年間、JICAの地域開発プロジェクトに従事するためラオスに赴任。その後2012年にPTP Company Limitedを立ち上げ、ホテル業、ツアー業、コンサルティング業を中心に事業を開始した。2012〜2015年にはJICAの「南部ラオスにおける地域モデルによる⼀村⼀品推進プロジェクト」にも参画。2015年には日本の日用消費財を輸入販売する小売業にも参入し、店舗拡大を続けている。
IMF – World Economic Outlook Databases (2021年10月版)より
Parkson(パクサン)ショッピングモール
富裕層の増加とライフスタイルの都市化が日本食ニーズの追い風に
現在、守野氏は、変化するラオス人のライフスタイルに対応すべく、日本の食材や日用品を扱う「Phin Tokyo Plaza」というスーパーを国内に4店舗展開しています。
「現地法人を設立した当初は、ホテルやツアーなどの観光業がメインでしたが、並行してJICAの事業にも参画していました。地域住⺠の⽣計向上と産業振興を目的に、地方の手工芸品や農産加工品などの特産品を開発し、都市部で販売するプロジェクトです。その一環としてラオスで日本米を作ったのですが、それがすごく人気で。これなら日本の食材のニーズがあるかもしれないと思ったのが小売業立ち上げのきっかけです。年々富裕層が増えていると感じていましたし、当時はまだ、直接日本から商品を輸入して販売している会社がなかったのでビジネスチャンスだと思いました」その読み通り、「Phin Tokyo Plaza」は順調に売り上げを伸ばしています。
「写真もなく、中身も見えず、文字だけのパッケージは、すごく売りにくい商品です。ラオスではスルーされてしまいますから、パッケージは参入の際の大事なポイントですね。タイからの情報が入ってきますので、タイのSNSでバズったものが、ラオスでも人気になるというようなことも多々ありますが、それでもまだ、“いい商品がない”というより、“いい商品が何かわからない”というのが実状」と守野氏。商品を見る目が養われておらず消費者としても発展途上の国。だからこそ「Phin Tokyo Plaza」では、商品情報を伝える手段としてSNSを活用しています。
「Phin Tokyo Plaza」は、スーパーマーケットの中にオフィスを構え、お客様からも全従業員が見えるように店舗を設計。「現地のラオス人が知識のない外国商品を購入する場合、誰かが説明してあげなければ売れるはずがない」という考えの元、お客様の質問にも対応しやすくしています。特に日用消費財のような商品は、お客様との距離を近くして、商品の良さや使い方を説明することが重要です。お客様との距離が近い昔ながらの商店のような良さとSNSを活用した現代的なコミュニケーションを両立させた手法が、日本食材の普及に一役買っています。マーケティング活動において、新規顧客を獲得するだけでなく、既存のお客様との関係づくりの必要が高まっている今、注目すべきポイントが多い事例です。
●高野友理/大学卒業後、青年海外協力隊として2年間スリランカに赴任。その後、民間企業でベトナム拠点の立ち上げに尽力したのち、アイ・シー・ネットに転職。民間企業の進出コンサルティングや、スリランカ拠点の立ち上げに携わり、2021年2月にはIC NET LANKA (PVT) LTD.を設立。現在は同社で代表を務めている。
今、タイで、急速に高齢化が進んでいます。既に2005年に「高齢化社会」に突入しており、2022年には「高齢社会」入りする見込み。さらに、経済産業省の調査などによって、2040年には2018年の日本と同程度の「超高齢社会」になることが予測されています。なぜタイでここまで急速に高齢化が進むこととなったのか。現在、どのような高齢化対策が行われているのか? タイならではの課題や伸びているサービスとは一体どのようなものなのか……? アイ・シー・ネットのタイ拠点(タイIC Net Asia Co.,Ltd.)代表者として長年、タイの社会経済開発に関わってきた岩城岳央氏に話を聞きつつ、「タイの高齢化に関する今とこれから」について紐解きます。
金沢大学にて経済学を専攻。民間の電機メーカーに2年間勤務したのち、アジア経済研究所開発スクールを経て、イギリスにてRural Developmentの修士号を取得する。大学院修了後は、ネパール及びタイ東北部の日系NGOプロジェクトに参加。2002年にIC Net Asiaに入社。2009年からは同社の代表を務めている。
そこで問題になるのが、「対策が追いつかない」という点です。タイで20年以上暮らし、タイの社会経済の変化を体感してきたIC Net Asia Co.,Ltd.の岩城岳央氏は、「タイのような開発途上国や新興国の場合、高齢化社会の他にも注力すべき社会経済課題が山積していることが多くあります。経済対策にも力を入れなければならないし、インフラも作らなければならない。社会福祉制度や健康保険制度もまだまだ。教育や産業育成の仕組みも整えなければいけません。様々な開発課題があり、先進国に比べて財政基盤や社会的基盤が弱い中で、同時に人口の高齢化にも対応しなければならない。社会経済対策をしながら急激に進む高齢化対策をしなければならないという、難しい舵取りが求められています」とその現状や難しさについて話します。