「世界一豪華なクリスマスツリー」がドイツに出現! キラキラの正体は…

ドイツに登場した、高さ3メートルのきらびやかなクリスマスツリー。使われているのは、2000枚以上の金貨。「世界で最も高価なクリスマスツリー」と呼ばれています。

↑眩しすぎる…(画像提供/The Manila Times/YouTube)

 

貴金属を扱う「Pro Aurum」のミュンヘン本社に登場した、このクリスマスツリー。同社の35周年を記念して期間限定で展示されたものです。

 

使われた金貨は全部で2024枚。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の記念金貨で、24カラットの特大サイズです。コレクターに人気があり、1枚数十万円以上するというこの金貨を、オーストリア国立造幣局の協力のもと、ピラミッド状になった透明の型にきれいに並べていき、高さ3メートルのゴールドのクリスマスツリーが完成しました。

 

気になる総額は、驚きの550万ドル(約8億4000万円※)。数日間限定で展示されていましたが、眩しすぎて、ゆっくりと眺めることすらできないかもしれませんね。

※1ドル=約152.5円で換算(2024年12月12日現在)

 

【主な参考記事】

New York Post. This blinged-out Christmas tree is worth a whopping $5.5 million — and it’s still not the most expensive one ever. December 6 2024

ドイツ観光局、「AIインフルエンサー」の導入が裏目に出た理由とは?

賛否両論があるAIキャラクターの登場。先日、ドイツ観光局が導入したAIキャラクターに対しては反発の声のほうが大きいようです。

↑エマは旅の本質をわかっていない?(画像提供/germanytourism/YouTube)

 

ドイツ旅行を宣伝するために、同国の観光局が導入したのがAI旅行インフルエンサー。「エマ」と名付けられ、肩までのびたブロンドのボブヘアと、笑顔がかわいい女性インフルエンサーです。

 

エマがドイツの見どころを訪れて、ドイツの魅力を広く宣伝していく……という物とみられますが、エマのインスタグラムの投稿はまだ一つだけ。それなのに、はやくも反発の声が高まっているのです。

 

「偽の人間による動画から旅行のヒントを得たいと思う人はいない」「これはまずい。素晴らしい本物のコンテンツクリエイターがいるのに」といった批判が続出。旅の魅力を紹介するインフルエンサーがたくさん実在するのに、「なぜAIインフルエンサー?」という意見が多いようです。

 

旅行は、日常を離れて新しい世界に足を踏み入れるもの。好奇心を刺激し、自分の常識の枠を超える新しい価値感を知り、“生身の体験”を得られるもの。だからこそ旅という分野では、AIによる旅行ではなく、本物の人間によるリアルな声のほうが私たちの心には響くと感じられるのでしょう。「実在しない人物よりも、実際に存在する人物を宣伝するほうが絶対にいい」というコメントが、まさに核心を突いていると言えます。

 

「エマは本物のインフルエンサーの代わりではなく、彼らを補完するもの」と、ドイツ観光局は述べています。このAIインフルエンサーのキャンペーンは、そんな観光局側の意に反して、ドイツに対する関心を引き起こすのではなく、人々に反発心を抱かせてしまったようです。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. ‘So weird’: German tourist board introduces AI ‘travel influencer’ – and the REAL-LIFE influencers do not like her one bit…. October 18 2024

エアコンなしでどう暮らすの!? 米女性に衝撃を与えた「ドイツの文化」7選

スーツケースと2匹の猫を連れて、2年前に夫とともに米国からドイツに移住した米国人女性。「憧れの欧州に暮らす」という夢を叶えたわけですが、実際に生活してみると、「これはカルチャーショック!」と思うことがいくつもあったそうです。

↑ドイツと米国の違いは?

 

1: エアコン

ドイツの家のほとんどにはエアコンがなく、ある調査によれば、同国の世帯ではエアコンの普及率が8分の1程度にとどまるとのこと。この米国人女性は最初の家探しの段階でこのことに気づき、「現地のライフスタイルに適応するしかなかった」と話しています。

 

2: 移動手段

マサチューセッツ郊外で育った彼女にとってはクルマ社会が当たり前。でもドイツでは、電車を簡単に利用できて便利さを感じているよう。ドイツの運転免許証も取得しましたが、移住から2年間、運転したことはないそうです。

 

3: 日曜日の営業

ドイツでは、日曜日にほとんどの店が閉まります。観光地やガソリンスタンドなどは例外ですが、この習慣を知らなかったときは「食料の買い出しができず、フードデリバリーサービスを利用するしかなかった」とのこと。

 

4: 賃貸物件のキッチン

ドイツの賃貸の家では、キッチンに何もないのが普通。対照的に、米国では冷蔵庫やオーブン、食器洗い機などが備え付けになっているのが一般的です。そんな空っぽのキッチンを見て「驚いた!」と話しています。

 

5: 現金

ショッピングモールやスーパーなどではクレジットカードもデビットカードも利用できますが、カードの手数料削減やセキュリティ上の懸念から、現金しか対応しないレストランや店もあるのだそうです。

 

6: チップ

米国はどんなことにもチップをプラスする習慣がありますが、ドイツでは、チップを渡すと喜ばれますが、「絶対」というわけではないとのこと。初めて美容院を訪れたとき、20%のチップを払うつもりでいたけれど、スタイリストから「ありがたいけれど、5~10%が一般的」と諭されたそうです。

 

7: 炭酸水

ドイツでは炭酸水が一般的で、レストランに行くと黙っていても炭酸水が出されるのだとか。この女性いわく、この炭酸水を「氷と一緒に頼んだら米国人という印」なのだそうです。

 

一般的に日本では、欧州と米国を「欧米」と一括りにしがち。でも、現地で暮らす人から見れば、ライフスタイルや価値観が大きく違うのですね。

 

【主な参考記事】

Yahoo! news. I moved from the US to Germany 2 years ago. Here are the 7 biggest culture shocks I’ve experienced. September 4 2024

ドイツで15世紀の「呪文が刻まれた板」が見つかる! 誰が悪魔を呼んだのか…

恋愛や嫉妬、金銭絡みのいざこざなど、人が誰かに恨みを持ち、呪いをかける……。そんな行為は古くから行われてきたのでしょう。先日、ドイツで見つかった金属片に、呪いの言葉とみられるメッセージが彫られていたことがわかったのです。

↑ドイツで見つかった呪文が刻まれた板(画像提供/New York Post/YouTube)

 

それが見つかったのは、ドイツ北部の都市ロストックの建設現場。そのトイレの底から、鉛の板のようなものが見つかったのです。最初に見つかったときは単なる金属片と思われたのですが、よく見てみると、肉眼ではほとんど見えませんが、ゴシック様式の小さな文字が刻まれていたのです。

 

鉛に書かれていたのは、「sathanas taleke belzebuk hinrik berith(サタナス・タレケ・ベルゼブク・ヒンリク・ベリス)」という言葉。専門家によると、これはタレケという女性とヒンリクという男性に向けて、ベルゼブクとべリスという悪魔を呼び寄せている呪いのメッセージのようなのです。この言葉を鉛に刻んだ誰かが、タレケとヒンリクの関係を壊そうとしていたのか……。

 

この発見を主導したドイツのグライフスヴァルト大学の考古学者によると、これは15世紀のものと見られるそう。これまで、紀元前800年から西暦600年までの古代ギリシャ、ローマ地域で、同じような呪いの言葉が書かれた石板が見つかっています。そのため、今回見つかった呪いのメッセージも、決して不思議なことではないのかもしれません。

 

誰かが誰かを呪う。そんな黒い行為は、昔も今も続いていくのものなのかも……。

 

【主な参考記事】

Live Science. Medieval ‘curse tablet’ summoning Satan discovered at the bottom of a latrine in Germany. December 15 2023

ドイツで緑色の子犬が生まれていた! 原因はあざと同じ?

数年前、ドイツのある一家で誕生した1匹のゴールデンレトリバーは「モヒート」と名付けられました。それはミントを使ったカクテルのように、全身が緑色だったから。一緒に生まれた8匹は、クリームやゴールドの色をしているのに、なぜモヒートだけ緑色だったのでしょうか?

↑いつもこの色で生まれるとは限らない

 

ドイツ北部のヴェルメルスキルヒェンに暮らすジョアンナ・ジャスティスさんの家で2019年、飼い犬のゴールデンレトリバーが出産しました。生まれた子犬は全部で9匹。元気に生まれた子犬たちの中で、1匹だけ全身が緑色に染まった犬がいたのです。

 

そのときの写真を見ても、顔からしっぽまで全身が薄い緑色に染まっていて、他の8匹と違うのは明らか。ジョアンナさんはとても心配したそうです。

↑英ミラー紙に掲載されたモヒートの写真(出典:Mirror)

 

原因は何か? 胆汁に含まれるビリベルジンという物質が関係しているとみられています。ビリベルジンは緑色の色素で、身体にあざができたときに、青緑色っぽくなるのもこの色素が原因。モヒートはビリベルジンが多く、それによって全身が緑色がかってしまったというのです。

 

犬の専門家によれば、ビリベルジンが多くなっても無害で、だいたい数週間程度で自然と緑色は薄れていくとのこと。ただし、稀なことは確かだそうです。

 

ちなみに、2022年には米国でも同じように緑色のフレンチブルドッグが生まれたことが地元のニュースで報道されています(以下の動画を参照)。

 

【主な参考記事】

Mirror. Golden Retriever gives birth to green puppy called ‘Mojito’ due to unusual condition. December 3 2023

WBRC. Alabama French bulldog puppy born green. September 26 2022

ルフトハンザ航空のCEOが客室乗務員を初体験! 現場で何を見た?

企業の規模が大きくなればなるほど、現場と経営陣のギャップは大きくなるものかもしれません。そんな溝を埋めるためか、先日、欧州の大手航空会社のトップが空の現場に出向き、社員と共に働いたことが海外の航空業界専門メディアで注目されています。

↑現場の視点から見えることは?

 

ルフトンハンザドイツ航空は、グループ全体の従業員数は10万人を超える大手企業。その最高経営責任者(CEO)を務めるイェンス・リッター氏が先日、フランクフルトからサウジアラビアの首都リヤド、そしてバーレーンまでを結ぶ国際線に搭乗しました。

 

同CEOが乗ったのは、乗客としてではなく、客室乗務員のアシスタントとして。行きはビジネスクラスで、帰りはエコノミークラスで乗客にサービスを行ったのです。

↑現場でアシスタントとして働いたイェンス・リッターCEO(画像提供/LinkedIn)

 

この経験について、CEOは自身のLinkedInに投稿。「私はルフトンハンザグループで長年働いていますが、客室乗務員として働く機会は一度もありませんでした」と、初めて現場に出たことを明らかにしました。そして、「メニューに記載されている食事と、機内に積み込まれた食事が合わないなど、計画通りに行かないことがいかに多くあることかと驚いた」と、社員たちが直面する現場での苦労や課題について身をもって体感したようです。

 

このCEOは、以前パイロットとして勤務していた人物。そのため、フライトの現場でのことはある程度経験して知っていることも多かったでしょう。それでも、夜の飛行時は睡魔と闘ったりするなど、たくさんの発見があったよう。「びっくりするほど多くのことを学べた」と言うCEO。「現場に出たことで、今後オフィスで決定を下す際は変わってくると思う」

 

単なるPR活動に終わらず、実際にルフトハンザのサービスがより良くなることに期待しましょう。

 

【主な参考記事】

One Mile at a Time. Lufthansa CEO Works Trip As A Flight Attendant. Aug 21 2023

LinkedIn. https://www.linkedin.com/feed/update/urn:li:activity:7098227992987852800/

ベルリンの壁と関係!? 旧東ベルリンの人気地区が「シリコンアレー」となったワケ

ベルリンの壁の崩壊以降、空洞化していたベルリン経済にミラクルを引き起こしたのが、実はスタートアップ企業たちでした。2017年のベルリンGDPは1366億ユーロと崩壊後の約3倍を記録し、ベルリンは「貧しい首都」のイメージを変えつつあります。そのスタートアップ企業の立地ですが、一体ベルリンのどこに位置しているのでしょうか? 本稿では「シリコンアレー」「ベルリンバレー」と呼ばれる、ベルリンのスタートアップ密集地を紹介し、ベルリンの壁との関係について考察してみます。

 

ベルリンの東側に集中するスタートアップ

ドイツ経済になくてはならない存在となったスタートアップ企業。約1800のスタートアップがベルリンで活動しているといわれます。ジョブプラットフォームを提供する「Honeypot」では、そのなかで成功している約10%を抽出して企業のロケーションを調査。その結果を見ると、多くはベルリンの東側に集中しています。

 

特に多いのが旧東ベルリンのプレンツラウアーベルク地区で、「Zalando」や「Wooga」など成功したスタートアップ企業もこの地域にあります。そのなかで最も集中しているのが、地下鉄駅「ローザ・ルクセンブルク・プラッツ(Rosa-Luxemburg-Platz)」の近くにある「トール通り(Tor Straße) 」沿い。ベルリンのシリコンバレー、通称「シリコンアレー」と呼ばれているのがこの通りです。

エコノミストのクリストファー・モラー氏は、トール通りが「シリコンアレー」になった理由として、クールなカフェやバー、映画館などが多く、ファウンダー(会社の創始者)がクリエィティブで都会的な雰囲気を好むためだと言います。また、周辺にファウンダーの居住地が多いことも理由に挙げています。

↑トール通りの位置。南に1.4キロ(or電車で6分)行くとベルリンの中心街になる。

 

ベルリン・コワーキングスペースの先駆けの1つとしてすっかり有名になった「ザンクト・オーバーホルツ(St.Oberholz)」もトール通り沿いに位置しています。

また、ベルリンの東側にあるものの、旧西ベルリンに属していたクロイツベルク地区にもスタートアップ企業が集まっています。この地域とプレンツラウアーベルク地区はかつて壁があった場所に近く、多くのカフェやレストラン、クラブがあるベルリン市民に人気のエリアです。

↑クロイツベルク地区の位置。北に約3.2キロ(or電車で約20分)行くとベルリンの中心街になる。

ベルリンの壁と関係があった? ベルリンの歴史的魅力

さて、そもそもなぜベルリンがスタートアップの聖地となったのでしょうか? まず、他国の大都市と比べて、当時はベルリンの家賃や生活費が安かったこと、カフェやレストラン、クラブ、映画館やコンサートホールなどの文化施設、そして魅力的なイベントが多いこと、英語が話せる人が多く、ドイツ語が必要ないことなどの理由が挙げられます。

 

しかし、ここでは、ベルリンの壁が与えた影響について考えてみたいと思います。ベルリンが辿ってきた特殊な歴史が起因する一種独特の自由な雰囲気は、スタートアップのロケーションにも影響を与えていると言えるでしょう。

壁の建設で、西ベルリンは四方を壁で取り囲まれた街――「東ドイツに浮かぶ孤島」――となりました。西ドイツの他都市に行くためには東ドイツを経由する必要があり、当時西ベルリンにあった企業は、地の利が悪いことから西ドイツの他の都市に移転。ベルリン経済は深刻な影響を受けました。

 

そこで政府は、西ベルリンを魅力的な都市にするために様々な特典を与えました。そのなかでも特に若者に魅力的だったのが、兵役の免除とカフェやクラブなどの閉店時間がないこと。壁で囲まれ孤立した西ベルリンは自由かつ一種変わった空間を提供していたようで、アナーキストや左翼のほか、海外からもデビッド・ボウイを始めとする多くのミュージシャンやアーティストたちが集まり、ナイトライフが盛んになっていました。

壁が崩壊すると、西ベルリンのバーやクラブはこぞって家賃の安い東ベルリンに移動。かつて壁があったエリアはしばらくアナーキーな無法地帯になりましたが、そこにある自由で前衛的な雰囲気からベルリン特有のテクノ文化やクラブが生まれました。

 

現在ファウンダーに人気のある場所はまさに、旧東ベルリンや元壁があった近くのカフェやクラブがあるエリア。いまはなき西ベルリンの文化や壁が崩壊した後のアナーキーな時代の名残を残す場所なのです。既存の企業に迎合せず、自分を信じ新しい生き方を作るスタートアップのファウンダーたちは、アナーキーな時代に「存在していた何か」に魅力を感じているのかもしれません。

ベビーブームのドイツで待機児童問題が深刻化! 「企業内ミニ保育所」は救済主となるか?

人口減少が続いていたドイツが最近、「ベビーブーム」に沸いています。難民や移民による多産国の母親の急増、政府の家族政策の成功、ドイツ経済の好調などが背景にありますが、喜ばしいニュースの一方で深刻化しているのが、託児所や幼稚園不足による「待機児童問題」。この問題を解決するため、中小企業向けに「企業内ミニ保育所」をお膳立てするスタートアップが登場しました。

 

「企業内ミニ保育所」サービスってどんなもの?

ドイツで深刻化する待機児童問題。ドイツ国内には約30万人の待機児童がいると言われていますが(2017年時点)、その数は州により格差があります。特に多いのが、ドイツ経済を牽引するノルトライン・ヴェストファーレン州で約7万8000人。同州はデュッセルドルフやケルン、ドルトムント、エッセンなどの工業都市を有しています。東西で比較すると、旧西ドイツの待機児童数が圧倒的に多く、30万人中約26万人(約86%)は旧西ドイツなのです。2013年には1歳以上の子どもは全員保育施設への入所権利が与えられるという法律ができたものの、受け入れ施設が圧倒的に足りず裁判も起きているという有様。

 

さて、まずはドイツの保育状況について少しご説明しましょう。ドイツでは、日本のように保育園と幼稚園に分かれておらず、その代わりにその2つを合わせた「Kita(Kindertagesstätteの略)」で保育が行われます。日本で言うこども園のような施設ですが、Kitaに入所できない場合には、保育者が自宅など家庭的な環境で子どもを預かる「ターゲスフレーゲ(Tagespflege)」という手段もあります。

Kitaでは専門教育を受けた者が保育を行うのに対し、ターゲスフレーゲでは「ターゲスムッター」とよばれる親代わりの人が保育に当たります。Kitaと比べると開設しやすいこともあり、ミニ保育所の数は増加中。州や両親の収入によりますが、費用の援助もあります。

 

そんななか、スタートアップ企業「Sira」は、ターゲスフレーゲのメリットである「少人数制のミニ保育」と、Kitaのメリットである「専門教育を受けた保育者による保育」を組み合わせた「ミニ保育所(Mini Kita)」というサービスを展開しています。企業に勤務する友人が、「保育所をみつけるのが難しい」と話しているのにヒントを得て創設。大企業は独自の保育所を保有する会社が多いものの、中小企業はほとんどなかったことから、後者に絞ったサービスを始めたそうです。

不動産探しから教育者の手配、役所への届け出、補助金の計算や申請まで、保育所開設にあたり必要な作業のすべてを引き受け。企業内に空きスペースがある場合はそれを利用、または企業近くにテナントを借ります。一般的には、100〜150平方メートルの空間が必要だされ、不動産が保育所としての条件を満たしていない場合は、建築家と話し合いリフォームをすることも。子どもの人数が少ない場合は、近所にある他の企業と共同でミニ保育所を開設することも検討します。

企業と保護者双方にメリットあり!

Siraは保育者を直接雇用し、保育所自体の運営も行います。8人から10人の子どもに対して保育者の数は2~3人。ターゲスフレーゲでは保育する子どもの数が最大5人までと法律で制限されていますが、数人が共同で保育する場合は、それに応じて子どもの人数を増やすことも可能。それでも保育者1人に対して子どもの数が少ないので信頼関係を作りやすく、親の満足度も高いのです。実際にターゲスフレーゲに預けていた筆者の友人も、「小さいうちはキーパーソンを持つことが大切。教育者の質も大切だけれど、それ以上に家族の一員として受け入れてもらい、我が子と同じように愛情をかけてもらえたので満足している」と話しています。

 

妊娠中からKitaに申し込んでも入所できるかどうかわからないと言われるなか、企業内に保育所があると安心して出産、仕事に復帰できます。送迎時間も少なくて済み、子どもが病気になった場合などもすぐに駆けつけられるため、安心して仕事ができるなど、両親にとって多くのメリットがあります。

 

企業にとってもメリットがあります。スタートアップの社長・ジーカチェック氏は、「ドイツでKitaを開設するには各州が定めた細かい条件をクリアしなければならず、平均で1.5年かかりますが、Mini Kitaは6~9か月くらい 」と話します。制約が緩やかなターゲスフレーゲの形態を取るため開設までの時間を短縮できるのです。

 

企業内保育所は、育児への理解がある企業としてイメージアップにつながりますし、このサービスを使うことで煩雑な作業を省略できるのも魅力。若くて優秀な従業員離れ防止にもなるのですが、はたして企業内ミニ保育所はドイツ待機児童問題の救済主となるのでしょうか? 今後の展開に注目です。

ゆるキャラ・くまモンが著作権問題に直面!? Amazonランキングにビジネス書が数多くランクイン!

世間で注目を集めている商品が一目でわかるAmazon「人気度ランキング」。さまざまなカテゴリの注目商品がわかる同ランキングだが、商品数の多さゆえに動向を追いかけられていない人も少なくないだろう。そこで本稿では、そんなAmazon「人気度ランキング」の中から注目の1カテゴリを厳選。今回は「本」のランキング(集計日:1月19日、昼)を紹介していこう。

 

効率良く働いて残業をなくそう!

●1位『THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS U149(2) SPECIAL EDITION(サイコミ)』(廾之・著/バンダイナムコエンターテインメント・原著/講談社・刊/2268円)

●2位『最上もが2nd写真集「MOGAMI」』(最上もが・著/桑島智輝・写真/集英社・刊/2376円)

●3位『Stagefan Vol.1(メディアボーイMOOK)』(メディアボーイ・刊/880円)

●4位『三省堂国語辞典 第七版 阪神タイガース仕様』(見坊豪紀、市川孝、飛田良文、山崎誠、飯間浩明、塩田雄大・編集/三省堂・刊/3240円)

●5位『仕事の「生産性」はドイツ人に学べ 「効率」が上がる、「休日」が増える』(隅田貫・著/KADOKAWA・刊/1512円)

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

他の先進国と比較して労働時間が多いのが日本。対してドイツの仕事時間は日本よりも年間300時間少ないが、生産性は日本の1.5倍だという。同書はドイツのビジネス業界に20年身を置いた著者が、一流ビジネスパーソンの生産性の秘密を公開。

 

SNSやネット上では日本の残業問題や会社の改善すべき点を多くの人が指摘しており、核心を突いた発言が拡散されて注目を浴びることも多い。現在は、情報メディアのアカウントが1月18日に呟いた「残業しても幸せにはなれない。幸福感をストレスが上回ってしまう」というツイートが話題を集めている。

 

小さい球状の「幸福感」を手にした人が、幸福感より遥かに大きい「ストレス」の球に押し潰されているイラストも合わせてアップ。残業から生まれるストレスの大きさに比べれば、残業代で得られる幸福感は遥かに小さいと説明する内容に多くのユーザーが共感した。「お金だけで幸せにはなれない、辛いだけです」「仕事に目的が見出せない人は尚更だよなあ…」という声が続出。

 

刺激を受けたユーザーが自身の働き方を改めようと、購入に駆けつけたのかもしれない。

 

大人気のゆるキャラが著作権問題の渦中に!?

●6位『はじめての著作権法(日経文庫)』(池村聡・著/日本経済新聞出版社・刊/972円)

出典画像:Amazonより出典画像:Amazonより

 

著作権法の基礎知識を身につけるための、入門書に最適な1冊がランクイン。著者は著作権法に精通した弁護士で、文化庁で著作権調査官として働いた実績も。著作権といえば、今注目を集めているのはゆるキャラのくまモン。

 

熊本県は今年から、くまモンのイラストの利用を海外企業にも解禁した。くまモンの知名度を世界に広めたいといった狙いからの試みだが、地元の企業からは非難の声が続出。自分たちでくまモンの公式グッズを作れるようになった海外企業から、取引キャンセルが相次いでいるという。

 

くまモンの非公式グッズはこれまでに海外でも多く作られている。そのため、1月17日放送の「モーニングショー」ではコメンテーターの玉川徹が「中国で偽物作る企業が著作権料払いますかね?」と苦言を呈する場面も。ネット上でも「著作権料きちんと徴収できるのか疑問」「ちゃんと著作権とか対策立てないと、悪用される未来が見える」と話題になった。

 

●7位『haru*hana(ハルハナ)VOL.46』(東京ニュース通信社・刊/980円)

●8位『田園発 港行き自転車 上(集英社文庫 み 32-8)』(宮本輝・著/集英社・刊/799円)

●9位『田園発 港行き自転車 下(集英社文庫 み 32-9)』(宮本輝・著/集英社・刊/799円)

●10位『できる課長は「これ」をやらない!』(安藤広大・著/すばる舎・刊/1620円)

 

生産性や著作権法に関する本が上位に揃った今回のランキング。果たして次はどんな結果になるのだろうか。