DIYとは思えないほどハイクオリティなキャンピングチェアが大集合!/自作アウトドア道具20連発!(椅子編)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

*テーブル編・その2はコチラ!

 

File06 フレームが美しいモスチェア

製作者 Fさん/サイズ 幅480×奥行560×高さ660mm/材料費 約3000円/製作期間 約1日半

チョコレートカラーの座面からMoth(蛾)と名付けられたモスチェア

 

「バタフライ(蝶)ならぬモス(蛾)」

金属のフレームで作られた市販のバタフライチェアを見て「これを全部木で作ってみたい」と製作した折りたたみチェア。帆布で作った座面の色がまったく蝶らしくなかったので、モスチェアと名付けたのだとか。木で作られたフレームをきれいに折りたたむための金具は、リサイクルショップにあったキャンピングチェアをバラして拝借したもの。大きさの違う座面をいくつも用意しておくことで座り心地を変えられるのもポイント。

 

File07 背中にフィットする焚き火用ローチェア

製作者 Nさん/サイズ 幅590×奥行840×高さ580mm/材料費 約3000円/製作期間 約3日

いくつものスティック状の材が並ぶチェアはデザイン的にも面白い。仕上げにはワトコオイル(クリア)を使用

 

「体が包まれるようにフィットする」

ケンタッキーチェアの背もたれをヒントに作ったという焚き火用のチェア。試作段階では背もたれの後ろに横桟を入れていたが、どうにも背中が痛い。そこで気持ちのいい座り心地を追求し、スティック状の背もたれと座面はあえてロープで接続。中央がくぼみ、曲線状になることにより、体が椅子に包まれるようにフィットするというわけだ。座面の広さや高さ、背もたれの角度、フィット感など、満足するまで何度も試しては作り直したという力作だ。

 

File08 BR風チェア&オットマン

製作者 Gさん/サイズ 幅400×奥行600×高さ640㎜(チェア)、幅330×奥行250×高さ330㎜(オットマン)/材料費 約3000円/製作期間 約3日

ブルーリッジスタイルのスモールチェアとオットマン。フィールドでリラックスするのにもってこい

 

「ブルーリッジの家具に憧れて」

もはや手作りギアの登竜門といってもいいほど、キャンパーに人気のあるブルーリッジ(BR)スタイルのチェア。これにオットマンを組み合わせることで、より快適なチェアセットとした例。チェアの作り方はごくシンプル。角材を突きつけて、座面と背もたれのフレームを作り、布地を張り付ければ終わり。カモ柄のテキスタイルを使うなど、布のデザインで遊ぶのも面白い。かわいい布地を張れば、子供用のガーデンチェアにぴったり。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

キャンプメシのお供にぴったりなローテーブルが大集合!/自作アウトドア道具20連発!(テーブル編・その2)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

 

File03 Z字脚が特徴的なロールトップテーブル

製作者 Fさん/サイズ 幅900×奥行600×高さ400mm/材料費 約3000円/製作期間 約1日半

ボルト以外はほぼすべて木で作られたウッディなテーブル。Z字の脚が特徴的

 

「Byerのテーブルがモデル」

ポイントは折りたためるフレームの構造。バタフライチェアに使われる金具を参考に、Zステー(Z字の接続パーツ)を合板から切り出し、ジョイントコネクターボルトで脚と横桟をつなぎ合わせることで、折りたたみ構造を実現した。天板は40mm幅に割いたパイン材を並べ、コットンテープで固定。クルッと巻き込んで収納できるので“ロールトップ”というわけだ。

 

File04 軽量グリルスタンド

製作者 Gさん/サイズ 幅500×奥行380×高さ200mm/材料費 約2000円/製作期間 約3日

熱々に温めたダッチオーブンやスキレットなどを載せられるグリルスタンド。テーブルの脇に1台置いておくと便利

 

「木のフレームでより軽く」

市販品のグリルスタンドはすべて部材がアイアン。「これをもっと軽量化できないか」と考えたのが、木のフレームにエキスパンドメタルの天板をはめ込んだオリジナルグリルスタンド。材の接合にクギやビスは使わず、木ダボとジョイントコネクターボルトを使用し、見た目もスッキリ。

 

File05 ミニキッチンテーブル

製作者 Yさん/サイズ 幅400×奥行300×高さ143㎜/材料費 タダ!/製作期間 約半日

調理するときは、市販のローテーブルを脚にして使用。背の高いガス缶も安定して使えるのがうれしい

 

「テントの中でも調理OK」

ガスストーブとガスランタンをセットできる引き出し付きのボックス。このボックスと食材があれば、テントの中はもちろん、庭や縁側でも、どこでも料理ができちゃうというわけ。使用した材料は合板の端材のみと製作費がリーズナブルなのもうれしい。自宅の庭でちょっとしたツマミをパパッと作りたい、お酒好きDIYerにもおすすめ。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

おしゃれで機能的なローテーブルが大集合!/自作アウトドア道具20連発!(テーブル編・その1)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

 

File01 アイアン&ウッドのキャンピングテーブル

製作者 Gさん/サイズ 幅850×奥行560×高さ310mm/材料費 約4000円/製作期間 約5日

100Vの溶接機でチャレンジできる、オシャレなキャンプ用ローテーブル

 

脚を折りたたんだ状態のテーブル。製作者のGさんいわく「次はもっと薄いアングルを使って軽量化を図りたい」とか

 

「人とかぶらないテーブルを作りたい」

アイアンとウッドを組み合わせた男前な作品が自作派キャンパーの世界にも登場。ポイントはやはりアイアンの使い方。アングルを溶接して作った天板受けに、角パイプの脚を固定。天板受けにはコの字に曲げた四角棒を溶接することにより、シェラカップやフックをかけるハンガーに。天板には幅89mmと40mmの板材を交互に並べ、端に黒く塗装したアルミアングルを取り付けることで、ウッドの天板をアイアンの脚部に違和感なく溶け込ませているところも見逃せない。

 

File02 バーナースタンド付きキッチンテーブル

製作者 Kさん/サイズ 幅900×奥行460×高さ400mm(キッチンテーブル)、幅450×奥行460×高さ400mm(バーナースタンド)/材料費 約2000円/製作期間 約3日

左のテーブル天板はフィールドキッチンテーブル竹のものを流用。自分の好きなブランドのギアをより使いやすくアレンジした好例だ

 

30mm角の角材と1×2材のみで作られたテーブルフレーム(左)とバーナースタンド(右)

 

「スノーピークのギアをロースタイルでも」

スノーピークのフィールドキッチンテーブル竹をロースタイルで使えるよう、木製スタンドを製作。それに合わせ、同じくスノーピークのギガパワープレートバーナーをセットできるスタンドをドッキングした、ロースタイルのキッチンテーブル。テーブル、バーナースタンドともに脚部はジョイントコネクターボルトと蝶ネジで固定し、折りたたみが可能。バーナーを使用しないときはスタンドにも天板を載せて、ロングテーブルとしても使用する。

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*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

シラカバの木をくり抜くように削って、カップ(ククサ)を作ってみた!/男心を刺激するアウトドア小物を作ろう(3)

アウトドア気分が高まる季節。今年は自作のアイテムを伴って、いっそう味わい深い時間を過ごそう。意外と簡単に作ることができ、手にすれば大いに心を満たしてくれるアウトドア小物の作り方を紹介!

 

CRAFT3 木でカップ作る

親しみやすいアウトドアアイテムといえば、木のカップ。ブロック状の木材をひたすら手工具で削るという、シンプルな作業で作り上げる。削り作業に没頭する時間、手作業で作ったものならではの味わい…満足度120%!

*金ヤスリのアウトドアナイフ作りの様子はコチラ!

*革でのナイフ用シース作りの様子はコチラ!

フィンランドに古くから伝わるククサというカップをイメージしたデザイン。手で削ったからこその素朴な表情がいい

 

自然の中に身を置き、手作りナイフで切った肉を頬張る…。ワイルドだ…。そんな自分にいっそう酔いしれるためにも欲しくなるのがウイスキーやワイン。器はやっぱり手作りじゃなきゃね。というわけで、木のカップ作りに突入。実践してくれるのは、シース作りに引き続き、長野修平氏。フィンランド伝統の「ククサ」タイプのカップを作る。地道に手工具で削る作業、ハマりますぞ~。

 

<カップ作りの道具と資材>

 

<1、内側を削る>

 

<2、外側を大まかに成形する>

 

<3、塩煮をする>

 

<4、形を仕上げる>

 

<5、クルミ油を塗る>

*掲載データは2013年4月時ものです。

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写真◎佐藤弘樹

革でナイフのシース(さや)を手作りしてみた!/男心を刺激するアウトドア小物を作ろう(2)

アウトドア気分が高まる季節。今年は自作のアイテムを伴って、いっそう味わい深い時間を過ごそう。意外と簡単に作ることができ、手にすれば大いに心を満たしてくれるアウトドア小物の作り方を紹介!

 

CRAFT2 革でナイフシースを作る

前回、完成したナイフにぴったり合うシース(さや)が欲しい。手作りシースの定番は革か木だが、ここではあえて本誌で馴染みのないレザークラフトを取り上げよう。初心者でも十分楽しめる内容なので、皆さんぜひチャレンジを!

*金ヤスリのアウトドアナイフ作りの様子はコチラ!

手作りナイフにぴったり合うシースが完成した。革だけに、時とともに味わい深さが増すだろう

 

革のシースを作りたくて訪ねたのは、クラフト作家の長野修平氏。趣旨を伝えると、「カンタン、カンタン!」と頼もしい返事。「要はナイフの形状に合わせて革を切り、筒状に縫い合わせればOK」との説明を聞くと、確かに手軽な感じがする。というわけで、長野さんにシース作りを実践してもらったところ、菱目打ちやスピーディースティッチャーといった特殊な道具が登場したものの、やっぱり作業はいたって単純。もちろん、熟練度によって仕上がりに差はあるだろうが、味わい深い革のシース、初心者だって間違いなく作れます!

 

<レザーシース作りならではの道具と資材>

 

<1、ナイフに合わせて型紙を作る>

 

<2、革をカットする>

 

<3、各部材を加工する>

 

<4、ベルトループを仮留めし、縫い穴をあける>

 

<5、ベルトループを縫う>

*縫い方の詳細は記事の最後も参照してほしい!

 

<6、本体を仮留めし、縫い穴をあける>

 

<7、本体を縫う>

 

<8、ナイフに合わせて形をつける>

 

<9、仕上げ剤を塗る>

 

針でも、スピーディースティッチャーでもどっちでもOK!

今回は2種類の縫い方を紹介するため、ベルトループは針、本体はスピーディースティッチャーと使い分けたが、すべて針で縫っても、スピーディースティッチャーで縫っても、もちろんOK。2種類の縫い方の手順をイラストでも掲載しておこう。

 

  • 針で縫う

 

  • スピーディースティッチャーで縫う

*掲載データは2013年4月時ものです。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎佐藤弘樹

金ヤスリを熱して、叩いて、研磨して、アウトドアナイフを作ってみた!/男心を刺激するアウトドア小物を作ろう(1)

アウトドア気分が高まる季節。今年は自作のアイテムを伴って、いっそう味わい深い時間を過ごそう。意外と簡単に作ることができ、手にすれば大いに心を満たしてくれるアウトドア小物の作り方を紹介!

 

CRAFT1 金ヤスリでアウトドアナイフを作る

鉄工用の金ヤスリが、なんとナイフに変身する。簡単レンガ炉で熱し、ハンマーで叩いて、ディスクグラインダーで成形・研磨するという流れ。はじめてでも1日あればできてしまうナイフ作りをリポート!

金ヤスリから作ったナイフ。刃の長さは約90mm。ハンドルはヒメシャラの木

 

そもそもこの特集の発端となったのが、阪口カメラマン発案の「鍛造ナイフを作ろう!」企画。さすがは自宅を在来工法でセルフビルドするほどディープなDIYerの阪口カメラマン、「わしはネパールのグルカ族村の鍛冶屋のナイフ作りだって見たことがある!」などとスゴイのかどうかよくわからないことを並べたてるのは聞き流すとして、「炉はレンガで簡単に作れるし、材料は鉄工用の金ヤスリでOK」という、ドゥーパ!的な親しみやすさを感じさせるアピールに惹かれ、やろうやろう!ということに。なんとも男心をくすぐるMYナイフ作り。本当にできるのか〜!? 興奮するぜ〜!

 

<使う材料はコレだけ!>

材料は鉄工用の金ヤスリ。長さは150mm

 

<ナイフ作りで大活躍の道具一覧>

 

<1、炉を作る>

 

人力では無理がありました……

最初は板切れであおいで炉の温度を上げようと頑張ってみた編集部豊田。2時間ほどネバったが思うように温度が上がらないまま体力が切れ、エアダスターのお世話になることに。体力自慢のDIYerは、一度挑戦してみてもいい……かも。

 

<2、鋼を熱して叩く>

 

<3、焼きなましをする>

 

<4、成形する>

 

<5、焼き入れをする>

 

<6、焼き戻しをする>

 

<7、刃を研ぐ>

 

<8、ハンドルをつける>

*掲載データは2013年4月時ものです。

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写真◎阪口 克

傾斜地に建てたガレージの基礎はボイド管でガッチリ作りました/みんなのガレージ&工房(4)

田舎暮らしがきっかけで製作したガレージ。スライドドアに描いたひまわりがアクセント! 小屋と地面の段差をなくすため、アプローチまで作った。

 

<記事内ギャラリー>

 

スライドドア上に鳥の巣箱がたくさんつけられている。ローラーとレールは近所の金物店で購入。レールは下側にもつけたがゴミがたまりやすく、なくてもよかったかも…

 

愛車はヤマハドラッグスター250のカスタマイズ。安価で手に入れたカワサキのバイクのリアフェンダーを加工して前面カウルをつけた。右隣は奥様の愛車リトルカブ

 

<DATA>
施主…Sさん(55歳・デザイナー)
DIY歴…37年
製作費用…43万4000円
実働製作期間…5カ月
面積…約17㎡

 

バイクのためにアプローチもDIY

2006年に、Sさんは東京から田舎暮らしを楽しめる場所を求めて、山梨県に移住。

東京時代は愛車のバイクを野天駐車するしかなかった。それだけに、土地にゆとりがある場所に住むなら、ライダー憧れのガレージを作るしかないとDIY。

製作地が斜面だったため、ベタ基礎を予算の都合で断念し、ボイド管の独立基礎を採用。30〜40cmほど穴を掘って、砕石を敷き、捨てコンを入れ、鉄筋をさし、ボイド管をセット。そこにモルタルを流して固めた。この基礎石を12個作り、さらに安定度を高めるため、基礎には鋼製束を3個も設置している。

躯体は2×4工法で製作。床材は12㎜厚合板を2枚敷いた。屋根は採光のため、熱線遮断タイプのポリカ波板を使用。ひまわりイラストが印象的なスライドドアはOSBで作った。小屋を明るい雰囲気にさせているこのイラストは、近所に映画の撮影で使われるような有名なひまわり畑があり、遊び心で描いたのだとか。

小屋完成後にバイクを出し入れするためのアプローチを製作。コンクリートブロックとレンガで縁を作り、砂利を敷いたものだ。これが肉体的にいちばんハードなDIYだった。一輪車に砂利を載せては敷き、載せては敷きを繰り返す作業。「何往復したことか…。一輪車の容量は意外と少ないことを経験で学びました(笑)」

完成後はバイクガレージ、DIYの拠点、物置とフル活用。作り付けの棚作り、防虫対策など、実際に使いはじめてわかる問題点を解決しながら機能性を向上させている。

 

スライドドアのひまわりイラストはSさんのガレージのシンボル

 

横から見たアプローチ。縁を見ると、砂利埋めの大変さが想像できる。砂利がガレージ内に入っていかないようにレンガを敷いた

 

床下に枯れ葉が入らないようにするため、網で覆った。中に入ると、湿気が発生しやすく、カビが生えやすくなるのだとか

 

長い材の出し入れをしやすくするために側面部にドアを設置

 

チェンソーの刃の目立てのための自作の台。2×材に埋め込んだ万力でバーを固定させて使う

 

小屋の窓のストッパーは枠の溝に収められる。閉めているときは窓のデザインの一部のように見せることができる

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2013年2月時のものです。

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(5)屋根張り~壁つけ編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

*step5~6・床板~桁の設置編はコチラ!

*step7~8・垂木と桁の続き~桟と幕板の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step9 屋根を張る

骨組みの上に屋根を張っていく。屋根材はいろいろあるが、ここでは中空ポリカを使用する。

アクリル板や標準タイプのポリカーボネート板など、平板状の屋根材なら、同様の手順で施工すればいい。

なお、波板状の屋根材を使用する場合は、骨組みに横桟を追加する必要がある(後述参照)。

 

屋根上の作業は合板に乗って行なう
合板などを敷き、その上に乗って作業すれば中空ポリカを傷めない

 

下列と上列が重なる部分をコーキングする
下列の中空ポリカに、桟に沿ってコーキングを施してから、上列を重ねる。下列と上列の重ね幅は200mmほどが目安

 

中空ポリカの継ぎ目をコーキングして上にアルミ板を張る

 

さらに防水に念を入れたい場合は、雨押さえを使う手もアリ

雨漏り対策を万全にしておきたいという場合には、雨押さえを追加してみては。雨押さえは、本来、戸袋や土台の上に雨が回り込むのを防ぐ資材だが、今回のケースでは家の壁と屋根材の接点のカバーとして、効果を発揮する。

 

やっぱり定番は捨てがたい!?
波板を屋根材に選ぶなら…

自作屋根や簡易的な屋根で使われる屋根材といえば、もっともポピュラーなのが波板。なんといっても安価なのが魅力だ。材質は塩ビ、ポリカーボネート、トタン、ガルバリウムなど、いろいろ選べる。

前述で触れたように、波板を屋根材に選ぶなら、骨組みに横桟を追加する必要がある。波板がたわむのを抑えるため、横方向にこまめにクギを打たなければならないからだ。

また、波板の場合は、形状的に、平板よりも壁との接点をコーキングするのが難しい。接点の上に2×4材などをかぶせ、その材と壁との接点をコーキングするなどして雨漏り対策をしよう。前述で紹介した雨押さえをつけるのも有効だ。

Step1 垂木の上に横桟を接合する

Step2 波板を張る

 

波板ミニカタログ

ひとくちに波板といってもいろんな種類があり、見た目も性能もさまざまだ。

 

Step10 壁をつける

最後に、あらかじめ立てておいた壁用の支柱と屋根の支柱に1×4材などを張り、簡易な壁とすれば、適度なプライベート感を得られるし、空間を演出するための素材としても使える。

さらに、壁をつけることで構造物全体の強度が上がるというのも重要な点だ。

高い位置まですき間なく板材を張っていけば、まさに壁のようになるし、低めにしたり、板と板の間にすき間を空けたりすれば、壁というよりもフェンスと呼ぶほうがふさわしくなる。そのあたりは、周囲の環境も踏まえてプライベート感と開放感のバランスを考慮したり、デザイン的な好みを反映させたりして決めるといいだろう。

壁をつけ終わったら、いよいよ完成。これからこの空間をどのようにアレンジするかは、オーナーのセンス次第だ。

壁アレンジ術ウォッチング

「さて、完成した半野外空間をどのようにアレンジしようか。とりあえずテーブルとチェアを持ち出して、照明を吊るして…」と、アイデアはいろいろ広がるに違いないが、そこで忘れちゃいけないのが壁。ぜひ壁を上手に活用して、居心地バツグンの空間を作ろう。というわけで、壁のアレンジ例を少しだけご紹介。

 

  • とにかく飾る
植物もオブジェも照明もプレートも、とにかくお気に入りのアイテムを飾りまくって、眺めているだけでうれしくなるような壁にする。板のすき間を少しあけ、そこにフックを引っ掛けているのがポイント

 

  • 棚をつける
柱を切り欠いて板を収め、棚を作る。プランターや小物を並べたり、ミニテーブル代わりに使ったり。もちろん切り欠きが難しければ、棚受けを使ってもいいし、ビスを斜め打ちして固定してもいい。同様の方法で、ベンチを作ることもできるだろう

 

  • キッチンをつける
壁を背板代わりにして、側板、前板、天板をつければ、作りつけの箱ができあがる。これだけでも収納や作業台として使えるが、さらに給排水の配管をして、天板に蛇口とシンクをつければ、キッチンの完成だ。ここまでやれば、もう無敵!?

 

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(4)垂木と桁の続き~桟と幕板の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

*step5~6・床板~桁の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step7 垂木と桁をつける

桁に垂木を接合する。もちろんビスの斜め打ちなどで接合する方法もあるが、ここではできるだけ簡単に強固な接合を行なうため、シンプソン金具を使った接合を紹介する。

シンプソン金具は2×材用の接合金具。さまざまな接合箇所に対応するよう、いろんな形状のものがラインナップされている。ウェブサイトの他、一部ホームセンターなどで入手可能だ。

垂木の長さは、柱側の桁より適度に張り出すように設定しよう。 垂木をつけてから、柱の内側の面に桁をつける。

<家側の桁と垂木の接合手順>

<柱側の桁と垂木の接合手順>

 

Step8 桟と幕板をつける

垂木の間に、屋根を張るための桟をつける。屋根材の継ぎ目になる位置に、垂木の間隔に合わせてカットした2×4材を接合していく。続いて、垂木の先端に幕板を接合する。これで屋根の骨組みの完成だ。

<桟の接合方法>

 

ちょっとハイレベル!切り欠きを使って屋根の骨組みを作る

各接合箇所に切り欠きを使えば、金具なしでも頑丈な骨組みが作れる。すっきりとして見栄えもいい。ただし、やはりそれなりに手間がかかるし、きれいに仕上げるにはある程度ウデも必要だ。匠の骨組みを目指して、挑戦してみよう。

Step1 垂木を接合する位置に合わせて家側の桁を切り欠く
Step2 垂木を接合する位置に合わせて柱側の桁を切り欠く
Step3 桟を接合する位置に合わせて垂木を切り欠く
Step4 各部材を組み、接合部をビスで留める

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(3)床板~桁の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

*step3~4・基礎と束柱の設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step5 床板を張る

根太に床板を張る。

屋根のないデッキの場合は、デッキ上に雨がたまるのを防ぐため、わずかに間隔を空けながら張っていくが、今回は屋根つきという前提なので、間隔を空けなくても問題ない。もし間隔を空ける場合は、3~5mm程度がいい。それより広いと、ものを落としたり、子どもが指をひっかけたりするおそれがある。

柱と干渉する部分は、ジグソーやノコギリ、ノミなどを使って切り欠いて収めよう。

柱と干渉する部分の切り欠き方

 

床板は根太に沿ってビスで留める

端から1枚ずつ張っていく場合は、根太の位置を確認しながらビスを打てる。一方、あらかじめ全体的に床板を並べてしまい、チョークラインで根太の位置を墨つけして、一気に張っていくという方法もある。

先端の針を材の端にさし、糸を張った状態で持ち上げてはじくと、材に直線を墨つけできる

 

材が反っている場合はバールで矯正する

長さのあるSPF材は反りが激しいものも少なくない。その場合はバールを使い、テコの原理で反りを矯正しながら張っていく。

バールを使って板を寄せる

 

まず平らなデッキを作って後から柱を立ててもOK!
~または既存のデッキに屋根&壁をつける方法~

今回のモデルケースでは屋根や壁を支える柱を基礎石の上に直接立てているが、ひとまず平らなデッキを作って、その床の上に柱を立てる方法もある。柱と床面を金具で接合する方法だ。

この方法なら、柱の長さを計算する必要も、床板を切り欠く必要もなくなる。

また、既存のデッキに屋根や壁をつけることも可能になる。

というわけで、編集部がホームセンターなどで見つけた、柱の接合に使える金具を紹介。

 

パーゴラ支柱用金具。まず金具をビスで床面に固定し、金具に柱を固定する。90mm角用と75mm角用がある

 

フェンス後付け用金具。90mm角用。コーナー用とセンター用がある

 

バフクローム巾広金折れ。鉄製の補強金物。写真のように4個使い、柱を立てられる

 

Step6 桁をつける

柱と家の壁に桁をつける。桁の長さは、両端の柱より少し外に出るように設計するといいだろう。

まず、柱の外側の面に、柱と上端をそろえて桁を1本つける。

続いて、家の壁に桁をつける。屋根に雨流れの勾配をつけるため、柱につけた桁より高い位置につける必要がある。勾配は2%(1mにつき2cm上がる)~3%(同3cm上がる)以上あったほうがいいが、正確に測る必要はない。ちなみに、勾配が大きいほうが雨流れはよくなり、勾配が小さいほうが屋根張りの作業がしやすい。見た目の好みも判断材料にして、適当な高さにつけるといい。

ただし、垂木は、家側では桁と同じ高さに設置し、柱側では桁の上に載せるため、両方の桁の高さの差が、そのまま屋根の高低差にはならないことに注意しよう。

このあと柱の内側の面にも桁を1本つけるが、これは垂木を載せてから現物合わせで行なう。

防水のためにコーキングする

家の壁にビスを打つ場合は、そのためにあいた穴のわずかなすき間から水が浸入し、家の構造材を腐らせるおそれもあるので、コーキングしておきたい。ビスを打つ前に下穴をあけ、そこにコーキング(シーリング)剤を注入してからビスを打つと、ビスにコーキング剤がからんで密閉される。続いて、桁と壁の接点をコーキングしておけば万全だろう。

 

コーキング剤はカートリッジで販売されているので、コーキングガンという専用注入器にセットして使う。ガンの引き金を引くとコーキング剤が出る

 

 

壁の裏の柱を見つける方法

家の壁に桁をつけるには、柱がどこに立っているのかを知る必要がある。方法はいくつかあるが、どの方法が有効かは住宅の構造などによっても異なる。複数の方法を組み合わせて調べるのもいいだろう。柱の位置が1カ所わかれば、そこから455mmの間隔で隣の柱が立っていることが多いので、それを目安に見当をつけるといい。もし間違って柱のない場所に穴をあけてしまったときは、きちんとコーキングしてふさいでおこう。

 

方法1 下地センサーなどを使う

柱までの距離が短いはずなので、掃き出し窓近くの内壁側で柱の位置を知り、それを外壁に反映させればいいだろう。壁面に針を突き刺して柱を探す器具もあり、こちらはセンサーよりも安価だ。

下地センサー。壁面で徐々に横にずらしていくと、柱がある位置で点灯する
下地探し。柱がない場所では、針が突き刺さり、先端パーツが最後まで縮む。針が柱に当たると、そこで先端パーツの縮みが止まる。先端パーツの目盛りによって、壁から柱までの距離がわかる

 

方法2 掃き出し窓を手がかりにする

掃き出し窓の両わきには、大抵、柱が立っているはずなので、それを頼りに柱の位置を特定する。同様の方法として、室内のコンセントを手がかりにする方法もある。コンセントも左右のどちらかが柱に固定されていることが多い。

ここでは掃き出し窓のわきに柱があることを示すために下地センサーを使用しているが、掃き出し窓を手がかりに柱の位置の見当をつけるなら、特別な器具は必要ない

 

方法3 外壁のビス頭やクギ頭の位置を手がかりにする

サイディングなどを留めているビスやクギの頭が見えているところに、柱があることも多い。ただし、柱ではなく、サイディング用の下地材にビスやクギを打っていることもあるので、絶対ではない。

外壁材を留めているクギの頭が見える。この奥に柱がある可能性は高い

 

家の外壁に穴をあけたくない場合は……柱の上に桁を載せる

屋根つきデッキは欲しいけど、家の壁に穴をあけたりビスを打ったりするのには抵抗がある…。そんな場合は、家の壁側にも柱を立てて、その上に桁を載せるといい。

桁には柱と同じ4×4材を使い、接合金具やビスなどを使って柱に接合。柱と桁の間には、やはり4×4材を使って方杖と呼ばれる斜めの補強材を入れる。

続いて、桁の上に垂木を載せて屋根材を張り、屋根材と壁の接点をコーキングする。

桁を家の壁に直接留める方法に比べて、家の壁と屋根を密着させづらくなるため雨が漏る可能性は増すが、半野外である以上、いずれにせよ強雨の際の吹き込みなどは避けられない。多少の雨漏りは許容するのも現実的な選択といえるだろう。

むしろ、それ以上に見落としてはならないのが、桁を家の壁に留める方法に比べて、構造物全体の強度が落ちるということだ。この方法で製作するなら、ぜひとも頑丈な壁やフェンスをつけるなどして、柱の強度を高めたい。

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(2)基礎と束柱の設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

*step1~2・根太の仮設置編はコチラ!

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step3 四隅に基礎石と柱・束柱を設置する

根太の四隅の下に穴を掘り、砕石を入れて突き固め、羽子板つき基礎石を設置して、柱・束柱を立てる。

穴は広めに掘っておくと、柱・束柱が垂直になるよう調整する際に、基礎石を動かしやすい。砕石を突き固めるには、タンパーを使うと作業しやすい。

家から遠いほうの2本の柱の長さは、屋根の高さを基に決める。この2本の柱と上端がそろうように桁をつけ、その上に垂木を載せ、その上に屋根を張るから、思い描く屋根の高さから垂木の厚さを差し引けば、床面から上の柱の高さとなる。それに基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な柱の長さをはじき出せる。

家側の柱のうち一方は、壁を張る際の支柱にするため、思い描く壁の高さに、基礎石から床面までの高さを加えれば、必要な長さがわかる。

家側のもう一方の束柱は、上に床板を張るので、根太の上端より10mm程度低くなるよう長さを決める。

 

 

羽子板つき基礎石と柱・束柱の設置手順

タンパーは自作も可能

地面や砕石を突き固めるために使う道具、タンパー。もちろん市販品は効果抜群だが、枕木など重量のあるものに持ち手として垂木などをつけた自作品でも代用できる。

自作のタンパー

 

市販のタンパー

 

柱の長さ=床面から上の高さ(自分で設定)+基礎石から床面の高さ(実測)

床面から上の高さは、自分が設定した屋根の高さや壁の高さから計算できる。基礎石から床面の高さは、実際に基礎石から根太の上端までの高さを測り、さらに床板の厚さを加えたもの。これらを合わせれば、必要な柱の長さとなる。

たとえば、屋根の高さが2200mm、屋根の下の垂木の厚さが89mm、床板の厚さが38mm、基礎石から根太上端までの高さが175㎜とすると、(2200ー89)+38+175=2324で、柱の長さは2324mmとなる。

基礎石から根太上端までの高さは、1カ所ごとに測る

 

Step4 すべての基礎石と柱・束柱を設置する

四隅以外の位置に基礎石(コンクリート平板)と柱・束柱を設置する。

束柱の間隔は600~1200mmが目安なので、それに合わせてまんべんなく配置する。

束柱の長さは、1カ所ごとに基礎石から根太上端までの高さを測り、それより10mmほど短くする。

なお、桁をつける2本の柱と同一線上に、壁の支柱となる柱を1本立てておく。

基礎石(コンクリート平板)と束柱の設置手順

 

ゆっくりコツコツ派はこちら!
根太を1本ずつ設置して土台を完成させる方法

ここまで紹介してきた土台作りの方法は、まず根太を組んで、一気に全体の水平を出すという、いわば力技。早さは抜群だが、デッキの面積が巨大な場合や人員が少ない場合には、やりづらいかもしれない。

そこで、土台作りの方法をもうひとつ紹介しておこう。根太を1本ずつ設置していくので、少人数でコツコツ作業するには適した方法といえる。最初に施工する家側の列だけ先に基礎石と束柱を設置するが、あとはやはり根太を基準にして基礎石と柱・束柱を設置していく。

なお、この方法では、最初に設置する列のみ、すべて羽子板つき基礎石を使用したほうが作業しやすいだろう。

 

Step1 家側の列に基礎石と束柱を設置後、根太を水平に仮留めして墨つけする

Step2 根太と束柱をいったんはずし、墨線に合わせて接合する

Step3 再び束柱を基礎石に固定、長い柱と基礎石を設置する

Step4 2本目の根太を水平に仮留めする

Step5 2本目の根太に柱・束柱と基礎石を設置する

Step6 同様にして残りの根太を組み、柱・束柱と基礎石を設置する

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

暑さも雨もしのげる!屋根つきウッドデッキの作り方を図解で解説(1)根太の仮設置編

ウッドデッキを作るなら、あるいは既にデッキをお持ちなら屋根をつけて、雨天でも使える空間にしてみてはいかがだろうか。

さらに、ちょっとした壁をつければ、適度な開放感とプライベート感を両立する半野外空間が生まれる。

内でもなく、外でもない、風が通り抜ける居心地のいい場所。きっとそれは、ライフスタイルを変えてしまうほどに、効果的なスペースとなるだろう。

そして、そんな魅力的な空間は、十分、DIYで作ることができる。

方法はいろいろあるが、ここでは創刊以来14年にわたってノウハウを蓄積してきた本誌が、もっとも現実的と考える手順を、モデルケース図を使って詳しく紹介していこう。

 

 

<記事内ギャラリー>

 

Step1 根太(床の下地)を組む

まず、床=デッキを作る。

デッキを作るというと、地面の整地から始めて基礎→束柱→根太というように、下から上へと作業を進めなければならないと考えるかもしれない。しかし、もともと水平ではない地面の上に水平なデッキを作るには、この手順では非常に手間がかかる。

それより、先に根太を組んで、設計した高さに水平に仮置きし、それに合わせて束柱と基礎を設置したほうが、作業が早い。

そのため、最初に行なう作業は根太を組むことだ。

デッキの面積にもよるが、組み上がった根太を運ぶため、人員が4人いると申し分ない。

 

 

コーススレッドの基礎知識

コーススレッドはビスの一種で、ネジ山のピッチが比較的大きく、締め込みやすいのが特長。今回のモデルケースにおける接合作業は、特記のない限り、コーススレッドを、ドライバービットを装着したインパクトドライバーで締め込んで行なうのが作業性がよく、おすすめだ。

厚さが38mmの2×4材、2×6材を使ったデッキ作りでは、材の厚さの2倍に近い65mm、75mm程度のものを使うといい。壁材に厚さ19mmの1×4材を使うなら、38mm程度のものが適している。材質はメッキを施した鉄が一般的。予算に余裕があれば、ステンレス製が錆びにくくていい。

上から75mmステンレス、75mmユニクロメッキ、65mmユニクロメッキ、38mmユニクロメッキのコーススレッド

 

木材の基礎知識

木材は、インチ単位で規格化された2×材が使いやすい。1×4材は木口(断面)が約19×89mm、2×4材は38×89mm、2×6材は38×140mm、4×4材は89×89mm。モデルケースでは、根太、床板、桁に2×6材、垂木、桟、幕板に2×4材、柱、束柱に4×4材、壁に1×4材を使用している。

樹種については、SPFがもっとも安価で、大抵のホームセンターで販売されていて入手しやすい。やわらかく加工しやすいのも利点だ。ただし、耐久性は低いので、最初にしっかりと塗装するのはもちろん、定期的に再塗装してできるだけ長持ちさせたい。束柱や根太など地面に近い部分には、あらかじめ防腐処理が施されたものを使うのもいいだろう。

SPFより耐久性が高いウエスタンレッドシダーも、加工性がいいソフトウッドで、デッキ材として定番だ。

塗装不要なほどに耐久性が高いのが、サイプレス、ウリン、イペ、セランガンバツーなどのハードウッド。2×規格ではないが、デッキ材としてそれに近いサイズで販売されている。硬いため、加工しづらい面もあり、ビスを打つにはあらかじめ下穴をあける必要がある。

また、最近では上記以外の樹種や人工デッキ材なども目立つようになり、選択肢が広がっている。

 

SPFの2×材の木口。他に1×6材(木口サイズ約19×140mm)、2×8材(38×184mm)、2×10材(38×235mm)などさまざまなサイズがある

 

Step2 根太を仮置きする

組んだ根太を、設置場所に仮置きする。

基礎石やコンクリートブロックなどを下に置いて、根太を仕上がりの高さに持ち上げる。その際、根太の上に床板の厚さが加わることを計算に入れておくこと。

根太がほぼ思い通りの高さになったら、次は水平になるよう調整する。根太の上に水平器を置いてチェックしながら、端材で作ったクサビを根太の下にはさんで微調整していく。

なお、この作業の後、根太の四隅の下に穴を掘って基礎石を設置するので、ここでは四隅付近には基礎石やコンクリートブロックを置かずに空けておく。

根太の高さを決める際は床板の厚さが加わることを忘れずに

床面の高さは、掃き出し窓の水切りの下にちょうど収まるぐらいか、それよりやや低く設定するのが一般的。

 

塗装の基礎知識

SPF材を使う場合は、必ず塗装して耐久性を高めよう。

使用する塗料は、「木部」および「屋外用」と表記されているもの。その中で、水性か油性か、そしてステイン系かペンキ系かを選ぶことになる。それぞれ、どちらを選んでも問題ないので、好みを生かせばいい。

水性は溶剤が水で、油性は溶剤がシンナー、アルコールなどの油性のもの。扱いが手軽なのは水性だ。

ステイン系は木材に浸透し、内側から木を保護する。一方、ペンキ系は木材の表面に塗膜を作り、表面で木を保護する。そのため、見た目でも、ステイン系は木目を生かし、ペンキ系は木目を隠すという違いが出る。

塗装のタイミングは、完成後だと、ちょっとしたすき間や隅など塗りにくい部分ができる。その上、色を塗り分けるとなるとマスキングが必要になるなど手間が増える。組み立て作業に入る前に、材を作業台に並べて一気に塗ってしまうほうが効率がいいだろう。ただし2度塗りをする場合は、製作前と完成後に1回ずつ塗るのが一般的だ。

 

組み立て前に、作業台に材を並べて一気に塗装する。ハケで塗る他、ウエスで拭き込むようにして塗り広げるのも有効な方法

 

塗装した材を切断した場合は、あらためて木口を塗装する

 

*掲載データは2011年2月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

気分はインディアン!誰でも簡単に作れる!ティピーの製作を実践!/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(実践編)

ティピー=インディアン・テントは、庭やキャンプ地などで、わんぱくキッズの人気DIYアイテム。

今回は、ホームセンターで簡単に手に入る素材を使った、誰でも簡単に、しかもリーズナブルな予算でできる作り方を紹介してみよう。

 

 

用意する材料

  • 防炎シート(白色、半径175cmの半円形が型取りできる、1.8×5mサイズのものを用意。ホームセンターで2,500円程度で入手可能)
  • 荷造りひも(ハトメに入る細めのロープならなんでもOK。白いシートに映える派手めの色がおすすめ。今回は青色を用意)
  • 両面ハトメ(12㎜径、適宜。大手ホームセンターで入手可能)
  • 竹(細めのもの、長さ250㎝程度のものを6本用意)
  • クレパス(オイルクレパス。ビニールシートに楽しい絵を描けるものならなんでもOK)
  • テント用ペグ(7〜8本。なければ、木の枝で代用可)

 

用意する道具

  • ハトメパンチ(12mm径用)
  • 皮ポンチ(12mm径)
  • ハサミ(またはカッター)
  • ノコギリ(できれば竹用がベスト)
  • メジャー
  • ハンマー(ペグ打ち用。なければ石などで代用可)

 

 

ティピーの作り方手順

 

ハトメは簡単に作れます!

ハトメ=鳩目とは、靴や服、ブルーシートなどにある、ヒモを通す、環状の金具のついた穴のことだ。実は、このハトメ、今回、防炎シートの縁にいくつも作ったように、専用ツールとハトメの材料さえあれば、誰でも簡単に作れるのだ。

用意するのは、「ハトメパンチ」と呼ばれる専用工具と「皮ポンチ」と呼ばれる皮細工用の道具。それにハトメの材料となるアルミ製の金物。すべて大手ホームセンターなどで入手可能の品物だ。なお、今回は12mm径のものを使ったが、より小さな径のものも用意されている。なお、今回使用したハトメパンチは1000円くらい、皮ポンチは350円、ハトメ用金具は100セットで800円くらいで入手できる。

 

いよいよ組み立て開始!

まず、240cmほどにカットした6本の竹をこのように立てて骨組みを作る。ロープで束ねる位置は、シートの長さに合わせて決めること

 

シートをかぶせ、シートの端を地面にペグでしっかりと固定する。ハトメの穴にペグをいれてハンマーで打ち込むだけ。ぐるりと6〜7カ所くらいでいいだろう

 

扉の両側は長めのロープを使うと、飾りにも見える

 

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2009年6月時のものです。

製作協力◎サム・リード(ガーデンデザイナー、ルネッサン荘所属)
衣装製作◎さやか・リード(服飾デザイナー)
写真◎伊勢和人、編集部

夏休み短期集中連載!ピザ窯・パン窯を自分で作るための8つのポイント(3)

窯作りに挑戦する皆さんのために、押さえておくべきポイントをまとめて解説。これさえチェックすれば、あなたの頭の中では、すでに立派な窯ができあがってるはず。ほら、意外と簡単に作れそうでしょ?

*ピザ窯・パン窯の基本とPOINT1・2はコチラ!

*ピザ窯・パン窯の形状や煙突などのPOINT3・4はコチラ!

 

<記事内ギャラリー>

 

POINT5 断熱層

とりあえずピザやパンが焼ければOKなら、耐火レンガでひと周り囲んだだけの窯で問題ない。

ただ、より長時間、窯料理を楽しみたいなら、さらに、その外側に断熱層を設けて、蓄えた熱が逃げにくくするといい。冷めにくい窯は、ひと晩おいても使えるほどだ。

断熱層の資材に求められる耐火性は、窯内部ほどシビアではなく、普通レンガを使用するケースが多い。

また、外壁を普通レンガで仕上げ、その内側に砂や小石、割れたレンガなどを詰めたり、あるいはすき間を設けて空気層にしたりして、断熱層をより分厚くする方法も見られる。

 

Kさん製作の窯を上から見た状態。耐火レンガで作った窯内部と赤レンガで作った外壁の間に砂を詰めて、断熱層としていることがわかる

 

窯内部からすき間をあけ、外側に赤レンガを積んで仕上げた。そのすき間も断熱のための空気層として機能している(山梨県・Hさん製作)

 

耐火レンガの外側に粘土を塗って断熱性を高めた。粘土層の中には使い古しのナベやヤカンを詰め、かさ上げしている(Oさん製作)

 

POINT6 扉

窯が温まり、食材を入れたら、窯口をふさいで熱が逃げないようにする。ピザなら窯口をふさがなくても焼けるが、パンを焼く場合は必ずふさぐ。

最も手軽なのは、耐火レンガや鉄板で窯口をふさぐ方法。窯を使用するときの作業性や、見た目にこだわるなら、扉をつけるといい。

扉は、鉄板を加工して作ったものが定番だ。本格的でかっこよく、耐火性も問題ない。

DIYで鉄製扉に挑戦するのも面白いが、道具ぞろえも含めて敷居が高いと感じるなら、扉の製作だけは鉄工所に頼むというのも現実的な選択といえる。

 

窯口の形に合わせて鉄板で枠を作り、その枠に蝶番を介して扉をつけている。扉に温度計を差し込めるようにすれば、温度管理が容易になる(前出・Kさんの友人製作)

 

窯口部分の耐火レンガに鉄枠をかぶせている。床の耐火レンガは鉄枠施工後に敷いたもの

 

あらかじめ耐火レンガの目地に蝶番の一部を埋め込み、その蝶番を介して扉をつけている(前出・Oさんの友人製作)

 

窯口の形状に合わせ、耐火レンガを加工して作った扉(Sさん製作)

 

耐火レンガを並べて窯口をふさげば扉代わりになる

 

POINT7 土台

窯は、ピザやパンを焼くときに作業しやすいように、適当な高さに設定しよう。低すぎる窯は思いのほか不便なので、土台を設けて腰あたりに窯口がくるようにしたい。

土台は、コンクリートブロック(重量ブロック)で作るケースが多い。表面を塗り壁材で仕上げれば、デザイン性が上がる。また、強度を保つ程度にすき間をあけておけば、薪や道具の置き場として活用できる。窯より広めに作れば、作業台や食材置き場になる。

なお、窯の重量は数百㎏に及ぶことも珍しくない。そんな場合は、土台の下に頑丈な基礎を打っておくと安心だ。

 

重量ブロックを3段積み、コンクリート平板を載せた土台。塗り壁材で仕上げ、窯の雰囲気にマッチしている。すき間は薪置き場として活用(木村グリーンガーデナー&ドゥーパ!編集部製作)

 

自然石を積み重ねた土台。手間はかかるが、ナチュラルな雰囲気で人気が高い(鹿児島県・Mさん製作)

 

食材などが置けるよう、窯の手前を広くした土台。重量ブロック3段積みの上に、型枠にモルタルを流し込んで固めたものを載せた。モルタルの中にはワイヤーメッシュを入れている(京都府・Tさん製作)

 

ケヤキの丸太を大胆に使った土台。土台のデザインでオリジナリティーを出すのも面白い(Iさん製作)

 

POINT8 屋根

窯の上には、屋根を作りたい。雨で濡れた窯は、使用時に温めるのに時間がかかる。それに、もし使用中に雨が降ってきたら、屋根のない窯は冷えてまともに使えなくなるし、食材の片づけなどにも不便だ。

また、繰り返し雨で濡れた窯は、耐久性が低くなる。レンガ類は水濡れと高温の状態を繰り返すことでもろくなり、粘土などは一度の雨で崩れることもある。

屋根のシンプルな作り方は、四隅に柱を立て、柱に桁と垂木をつけて屋根材を載せるというもの。要は、窯が雨で濡れるのを防ぎ、十分な強度があることだ。

さらに、屋根の下に道具を収納できるようにするなど、工夫するのも面白い。

 

窯を覆うように作った屋根。骨組みは足場用の細い丸太、屋根材はスギ板を使用。柱にフックをつけるなどして、道具をうまく収納している。薪置き場としても活躍(千葉県・Yさん製作)

 

まさに必要最小限の屋根。廃材を利用した柱は、土台のブロックにボルトで固定。そもそも高さがないので、さほど強度を心配する必要もない。手軽な屋根作りのお手本だ(新潟県・Fさん製作)

 

トタンの波板で壁を張り、もはや小屋と呼ぶ方がふさわしい。ここまでやれば少々の雨でも快適にピザパーティーを楽しめるだろう(千葉県・Nさん製作)

夏休み短期集中連載!ピザ窯・パン窯を自分で作るための8つのポイント(2)

窯作りに挑戦する皆さんのために、押さえておくべきポイントをまとめて解説。これさえチェックすれば、あなたの頭の中では、すでに立派な窯ができあがってるはず。ほら、意外と簡単に作れそうでしょ?

*ピザ窯・パン窯の基本とPOINT1・2はコチラ!

 

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POINT3 ドーム型か、アーチ型か、スクエア型か?

 

窯は、内部の形状によって空気の流れが変わり、薪の燃え方、熱の回り方が変わる。つまり、ピザやパンの仕上がりに影響を及ぼすことになる。

が、それはあくまで「突き詰めれば…」の話。形に関わらず、窯で焼いたピザやパンは十分においしいはずだ。大まかな焼き具合なら、薪やオキ火の位置によって調整することもできる。

ちなみに理想は、横から見て丸く尻上がり、上から見ると滴のような形状だといわれている。粘土を使えば可能だが、耐火レンガで作るには難しい形だ。

 

ドーム型
耐火レンガをドーム型(半球型)に組んだ窯。壁、天井の各部から中心までの距離が均一なので、ムラの少ない焼け具合になる(兵庫県・Kさん製作)

 

ドーム状の型を合板で作り、その型に合わせて、カットした耐火レンガを並べていく

 

ドーム型に組むには、耐火レンガひとつにつき、3面をカットする。スライド丸ノコがあれば比較的作業が速いが、それでも手間はかなりのもの。なお、レンガや石材のカットはディスクグラインダーでもできる

 

アーチ型
上部が半円状のため、熱が回りやすいアーチ型。DIYでは最もポピュラーなタイプ。壁を積み上げ、天井をアーチ状に組む。ここでは手前の列にはアーチ用の扇形レンガを使い、奥の列には標準形のレンガをそのまま使用。扇形の目地は真っすぐになり、標準形の目地は上が広がる

 

アーチ状(カマボコ状)の型を作り、さらに目地分のスペーサーを合板などで作って並べていけば、アーチ型に組める。組み終わったら、目地に耐火コンクリートを流し込みながら、スペーサーを抜いていく(神奈川県・Mさん製作)

 

スクエア型
四角い箱のような単純な形。これでも十分にピザやパンが焼ける(木村博明さん&ドゥーパ!ワークショップ参加者製作)

 

幅が広い耐火材を壁の上に渡せば完成。実に簡単だが、薄いと割れやすいので注意。二層式窯の上段の床と同様の資材を使うといい

 

DIYで作る窯のほとんどは、ドーム型、アーチ型、スクエア型のいずれかに分けられる。

この中では、ドーム型が熱の回りがいい。ただし、作るのは最も大変なはずだ。ドーム型の木型を作り、レンガをひとつずつ加工するという手間がかかる。

アーチ型も標準形の耐火レンガを使えば、ドーム型と同様の手順で作ることになる。ただドーム型ほど複雑な形状ではないので、比較的作業は楽だ。さらに、もともと扇形をしたアーチ用の耐火レンガも販売されているので、それを使えばグッと手軽になる。

スクエア型はもっとも単純。前項で紹介した二層式の上段の床と同じように、板状の資材をのせて天井を作ればいい。

どの形状にもいえるのは、窯口を小さくすれば熱が逃げにくいということ。

とはいえ、小さ過ぎると、空気の流入が少なくなって薪が燃えにくくなる(煙突をつければ解消できる)。また、ピザやパンだけでなく、ピール、トレー、ダッチオーブンなど、出し入れするもののサイズも考慮しなければならない。

なお、窯本体のサイズは、ピザ、パン、ダッチオーブンなどのサイズから見当をつければいいが、大きいほど温まるまでに時間がかかり、小さいほど薪が燃えにくくなるということは知っておこう。

 

窯口を小さくする場合は、カットして形状を合わせた耐火レンガを、耐火コンクリートで接着する。耐火コンクリートが硬化するまで、クランプなどで押さえて固定する

 

POINT4 煙突

窯に煙突があれば、空気の流れがスムーズになり、薪がよく燃え、煙の抜けもいい。

煙突は細め(100~150mm程度)で、真っすぐ立ち上がっているほうが、空気の流れが強くなり、薪が燃えやすい。

煙突がうまく働けば、窯口が小さくても薪が燃えるため、熱が逃げにくい窯を作ることができる。

熱が逃げにくい窯を目指すなら、煙突にはダンパーを装備したい。ダンパーは煙突を遮断する板のこと。薪を燃やす間は開放して空気を流し、窯が温まったら遮断して熱が逃げるのを防ぐというわけだ。

もともと空気をよく取り込み、薪がしっかり燃える窯なら、窯口から煙が出ることにはなるが、必ずしも煙突は必要でない。

 

資材の選択が面白い煙突。本体は2本の土管を連ねて耐火セメントで接着。土台は穴あきレンガで、笠はボウル。薄いレンガを抜き差ししてダンパーとしている(栃木県・Iさん製作)

 

DIY窯の煙突資材で最もポピュラーなのは、薪ストーブ用の煙突。簡単に組み立てられ、安価なのが魅力。あらかじめ窯に開口部を設けておき、煙突を差し込んで、耐火コンクリートなどで固定する(京都府・Hさん製作)

 

窯の天井に開口部を設け、耐火レンガで簡単に囲っただけの煙突。ダンパーは耐火レンガをスライドさせるだけ。とても単純だが、立派に役目を果たしている(長野県・Sさん製作)

 

煙突側面の目地部分に鉄板と鉄筋で作ったダンパーを差し込んでいる。レンガを積んで作る煙突は、手間はかかるが、窯との一体感があって完成度が高まる。雨が入りにくいよう、煙の排出口を側面に設けていることに注目(千葉県・Mさん製作)

イラスト◎丸山孝広

夏休み短期集中連載!ピザ窯・パン窯を自分で作るための8つのポイント(1)

窯作りに挑戦する皆さんのために、押さえておくべきポイントをまとめて解説。これさえチェックすれば、あなたの頭の中では、すでに立派な窯ができあがってるはず。ほら、意外と簡単に作れそうでしょ?

 

<記事内ギャラリー>

 

introduction 窯を作る前に知っておきたい基本のトコロ

Q.どうして窯で焼いたピザやパンはおいしいのか?

対流熱と遠赤外線で焼くから、おいしいんです

 

これでおいしいピザやパンが焼けるのは、窯が温まると、ふたつの効果が生まれるから。

ひとつは、窯内部に熱風の対流(対流熱)が生まれること。その対流がピザやパンを一気に包み込んで、うまみや水分を逃がさずに効率よく焼き上げる。

もうひとつは、熱を蓄えた窯(耐火レンガなど蓄熱する材)が、遠赤外線(輻射熱)を出すこと。なんと遠赤外線は、ピザやパンに浸透して、内部から加熱をする。

このように、ピザやパンの外側は対流熱によって、内側は遠赤外線によって同時に加熱することで、外はパリパリ、中はふっくらモッチリのおいしいピザ、パンが焼けるのだ。

以上のことから言えるのは、とにかく耐火レンガなど蓄熱性のある資材できっちりと囲めば、その空間は、おいしいピザやパンが焼ける窯になるということ。

そう考えると、窯作りのハードルはグッと下がるはずだ。

さぁ、窯の設計に取りかかろう。

 

 

こんなカンタンな窯だってしっかりピザ、パン焼けるんです

このページで説明している通り、窯って、とても単純なもの。その証拠に、こんなにカンタンに作れる窯でも、おいしいピザ&パンが焼けるのだ。まずは、超お手軽に窯ライフを始めてみますか?

 

千葉県のNさんが製作したドラム缶窯。耐火レンガで作った窯も所有するNさんだが、「ピザを焼くだけなら実はドラム缶窯のほうが速くて便利です。ちょっとスモーキーになりますけどね」とのこと

 

 

以前、編集部で製作した超カンタン窯。20個の耐火レンガを並べて床と壁を作り、天井にはバーベキュー用の鉄板を載せただけ。これで、おいしいピザもパンも焼けちゃいました

 

耐火レンガ32個と天井用の大谷石2枚を積み木のように重ねるだけで窯にした例

 

扇形の耐火レンガ30個と標準形の耐火レンガ10個を使って、アーチ型の窯を作った例。耐火レンガの数を増やしてアレンジするのも簡単

 

POINT1 主要資材は耐火レンガ

火が直接当たる窯内部には、耐火性のある資材を使う。石や粘土でもいいが、圧倒的にポピュラーなのは耐火レンガ。入手しやすく、定形なので設計・組み立てにも都合がよく、洋風なルックスも人気がある。なお、普通レンガも焼成されたものではあるが、高温に長時間さらされると割れることがあるので、避けるのが無難。

 

フランスレンガという名称でホームセンターで販売されるフランス産耐火レンガ。ふぞろいな焦げ跡はデザインにも活きる。サイズは約220×105×54mm

 

耐火レンガは普通レンガよりやや大きいものが多い。耐火性能を刻印しているものもある。SK-32は耐火性能が1200度くらい、SK-34は1400度くらいということを表す。写真は約230×114×65mm

 

長さが半分の耐火レンガ。約115×114×65mm

 

厚さが半分の耐火レンガ。約230×114×30mm

 

ひとつずつ形も色も違うアンティーク耐火レンガ。できあがった窯もアンティークな雰囲気になること間違いなし。サイズは約220×110×65mm

 

耐火レンガの接着(目地)にはコテ塗り用の耐火コンクリート(キャスタブル、不定形耐火物ともいう)または耐火モルタルを使う。普通モルタルは、高温にさらされると割れてしまう。

耐火コンクリートは、通常のセメント同様に、水で練って施工し、常温で1日おけば硬化するので扱いやすい。なお、コテ塗り用ではない骨材の大きいタイプは、目地には適さない。

耐火モルタルは、高温で加熱するまで硬化しない熱硬性タイプが一般的。800℃程度で熱しないと硬化せず、硬化後でも水に弱いため、ピザ&パン窯には使いにくいのが実情だ。使用する場合は、普通セメントを15~20%程度混ぜると多少施工しやすくなる。

 

耐火コンクリート、アサヒキャスターCA-13T。25㎏入り

 

耐火コンクリート、イワキキャスタブル(コテ塗り用)。25㎏入り

 

耐火モルタル。25㎏入り

 

POINT2 単層式か、二層式か?

ピザ&パン窯では、単層式か二層式が一般的。

作るのが簡単なのは単層式だ。天井をどんな形状にするかが、製作上のポイントになる。

単層式の場合、ひとつの床で、薪を燃やす火床と、ピザやパンを置く焼き床を兼ねる。

一方、二層式の場合は、下段は火床、上段は焼き床と分けられるため、ピザ、パンを焼きながら薪を燃やして温度を上げることができる。あるいは、上段を火床兼焼き床とし、窯が温まったら下段にオキ火を移して上段でピザ、パンを焼くという使い方をすれば、オキ火を外にかき出す場合に比べ、より長く窯内部を高温に保つことができる。

二層式を作る場合は、上段の床をどう作るかがポイントだ。標準サイズの耐火レンガを空中に並べて作るのが難しいことは、容易に想像できるはず。

現実的なのは、左右の壁に渡せるサイズの材料を使うこと。もちろん耐火性のある資材だ。たとえば、600×300mmなど大判の耐火レンガ、大谷石、耐火コンクリートで自作した板が挙げられる。

 

300×600×65mmの耐火レンガを前後に2枚並べて床にした窯(茨城県・Fさん製作)

 

なんと三層式の窯。上2段の床はどちらもアサヒキャスターCA-13Tで作っている(Iさん製作)

 

全体的に赤レンガで覆った窯だが、上段の床に大谷石を使っていることがはっきりとわかる(岐阜県・Kさん製作)

 

二層式窯の上段の床にはコレがイイ

超カンタン!並べるだけで床が作れる

大判で厚みのある耐火レンガや大谷石を、左右の壁に渡して並べれば、簡単に床を作れる。

 

約900×300×120mmの大谷石

 

約600×300×65mmの耐火レンガ

 

わがまま設計OK!都合のいい寸法で床が作れる

前項で紹介した耐火コンクリートで板を成形し、床として使うことも可能だ。板の広さにもよるが、厚さは60mm以上あれば割れにくいだろう。

イラスト◎丸山孝広

トイレにシャワー、寝室まで完備した木工房を作っちゃいました/みんなのガレージ&工房(4)

趣味のスピーカーや家具作りのために作った工房&趣味部屋。寝泊まりできる設備もついて、製作に没頭できるし、宴会だって楽しめる! 至れり尽くせりな空間。

 

<記事内ギャラリー>

 

大型の木工機械が置かれた工房内。200V電源を入れている。床はコンクリート土間。ペンキで塗装した

 

チューダー様式風に張った白い胴縁がアクセントになっている

 

<DATA>
施主…Kさん(53歳・設計士)
DIY歴…約15年
製作費用…120万円
実働製作期間…約6カ月
面積…約85㎡

DIYの拠点は没頭しすぎてもほろ酔いしてもOK!

畑の一角に立つKさんの工房&趣味部屋。農家からこの土地が売りに出ていると教えられ、趣味のスピーカーや家具作りの生産拠点にと購入し、セルフビルドした。

キットハウスのカタログを参考に小屋のイメージをかためる。設計は、資材を安価に抑えることを目標に行なった。

基礎はベタ基礎で、小屋は2×4工法。先に工房を完成させ、シャワーやトイレなどの水回りスペースと寝床を備えた趣味部屋を建て増しした。

2×4材と構造用合板で作った壁パネルを立ち上げ、2×4材で作った屋根トラスを900mm間隔で載せ、屋根材を張っていく。自然光を取り入れるため、屋根の中央部はポリカ波板を張った。外壁は住宅の外壁仕上げ材に使われる骨材入りの塗料をスプレーガンで合板に吹き付けて仕上げている。

建て増しした趣味部屋側は、内装を作るため、配線の修正が容易にできなくなる。事前の設計は工房以上に念入りに行なった。また、地下に浄化槽を埋めるなど、地下スペースへの施工があり、工房を建てたときより手間が掛かった。

自作スピーカー、家具などを販売することがKさんの目標。泊まり込んで作業に没頭できる場所ができ、目標がグッと近づいた。なにより「飲んじゃっても大丈夫」なのでちょっといい気分で作業できます。

 

趣味部屋の壁も吹き付け仕上げ。壁をスクリーンにしている。天井は見切りを使わなくて済むように格子状に板を張りつけた

 

屋根トラスの梁部分は2本の2×4材を接ぎ合せて作った。接触面積が大きいほど強い材になるのだとか。斜辺と水平の材が交わる付け根に合板を張った。面でしっかりと支えるため、張りつけには接着剤とビスを使用

 

手作りの作業台。天板の側面にバイスを取り付けているほか、天板面に材の固定に便利なベンチドックなどを差し込める穴なども作られている

 

自動カンナから排出される細長い木くずだけが入るダストボックス。ブロワーの入り口で詰まったため、自動カンナの木くずのみ分離するようにした

 

集じんシステムは200Vで稼働する。100Vのリモコンスイッチ&マグネットスイッチで遠隔操作できるようにした

 

趣味部屋に置いている椅子用のジグ。ひじ掛けの高さ、座板の幅と奥行きの調節が可能で体に合った椅子を作れる

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2013年2月時のものです。

無理のない自給のアイデアを提案!移住と里山ライフの実践的カルチャーマガジン『Soil mag. (ソイルマグ)』第2号が発売!

DIYライフマガジン『ドゥーパ!』のMOOK本として、地方移住と里山ライフをテーマにした雑誌『Soil mag. (ソイルマグ)』を2021年9月30日(木)に創刊。そして、2022年6月30日に、待望の第2号が発売!

第2号の特集テーマは、「“ 小さな自給” のカタログ」。さまざまな不安が渦巻く現代社会。本質的な豊かさを求め、自分の手で衣食住をつくる暮らし方、生き方を模索する人々が増えています。美しい里山を舞台に、季節の恵みを活かし、暮らしをつくっていく楽しみやストーリー、実践的なノウハウについて紹介します。

 

 

<記事内ギャラリー>

 

混迷の時代のなか、本質的な“ 豊かさ” を求めて、都市から地方へと居を移す人の流れが加速しています。また、「田舎でのリモートワーク」「二拠点生活」「ワーケーション」など 多様なライフスタイルが一般化し、 世の中には自分らしいオリジナルの暮らし方、場所を求める機運もこれまでになく高まっています。 住む場所も、生き方も、自分の心のままに選ぶ。自然の営みに寄り添いながら、自らの手で暮らしをつくる。コツコツと、日々を楽しみながら。「Soil mag. (ソイルマグ)が目指したのは、そんな心豊かなライフスタイルへの道筋を照らす、小さな灯台です。

 

 

雑誌タイトルの「Soil」は、Sustainable(持続可能な)、Organic(自然体の)、Innovative(革新的な)、Local(自然に囲まれた地方)というキーワードから頭文字を抽出したもの。もちろん、私たちの暮らしを支える「土」という意味もあります。地球環境への影響を誰もが意識するようになった現在、 自然に優しい暮らし方を模索する人々は急増しています。『Soil mag. 』は、 自然に囲まれた環境で、自分らしく生きるスタイルを見つける、そして、築いていくための具体的なアイディアをグラフィカルに提案する、新しいメディアです。

 

 

◆CONTENTS
002 植物を見て、知る、不思議な共生関係。 —農学者・木嶋利男との対話—
004 漫画 And thenそれから、わたしたちは。
006 理想の土地を求めて。それぞれの移住ストーリー/千葉県南房総市 「AMBESSA&CO」君島悠矢さん・阿久里さん
014 特集 暮らしをつくる、つくるを楽しむ “小さな自給”のカタログ
016 自給農と小さな自給のススメ 無肥料栽培家・岡本よりたか
024 “結い”がある場所へ 〜古民家七代・米山永子さんが紡ぐ、手ざわりのある暮らし〜
030 山の恵みとともに 〜狩猟家・安田佳弘さんが追究する、持続可能な縄文的生き方〜
036 暮らしに、野の草を 〜野草宙が提案する、野草のある暮らし〜
041 里・山・海で紡ぐ、20人の小さな自給術
062 探訪、自給自足の王国 〜食+住+遊+エネルギー 京都・『田歌舎』にみる、暮らしの構築〜
068 繕う、つくる、暮らしの道具〜パーマカルチャーデザイナー・四井真治さんの持続可能な道具考〜
072 蜂と一緒に暮らすには?〜養紡屋・塩見亮太さんに聞く、養蜂を始めるための8ヶ条〜
076 庭先養鶏で自給率UP! ニワトリの恵み
080 生活用品の自給アイデア ヘチマ活用術/服部雄一郎 化粧水、ヘアケア用品、美容オイル/参田あゆみ てづくりほうき/まつもと
086 坂口恭平が描く、畑のある風景
090 [食]と[自給自足] その壮大な変遷 〜縄文、弥生、江戸、大正。時を超えた、仮想インタビューFile〜
094 すでに到来した、「食料がお金で買えない時代」 東京大学大学院・鈴木宣弘
098 電力を自給しよう!オフグリット生活のABC
104 経済思想史研究者・斎藤幸平×SHO Farm 仲野晶子 トークセッション/農の現場で考える、先端的[農ライフ]のありかた。
110 日本全国移住体験ツアー セレクション
114 日本全国地域おこし協力隊File
116 日本全国移住支援策NAVI
120 広葉樹の森に住みたい。
125 DIY雑誌「ドゥーパ!」に聞く LIFE of DIY
126 移住と、私と、クリエイティブ 木工作家・高橋綾子
127 読者プレゼント
128 写真家が焦がれた風景 宇賀神拓也

 

●編集部:株式会社ミゲル
●HP:soilmag.jp
●公式Instagram:@soilmag

 

[商品概要]
Soil mag.(ソイルマグ)02
著者: 株式会社ミゲル
定価: 1,100円(税込)
発売日: 2022年6月30日
判型: A4変形

 

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セブンネット

アスレチック遊具のようなお城小屋を作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(6)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File06 アスレチック遊具のような小屋で一国一城の主になった気分♪

高床式の小屋は高さ5mもある。幅2.6×奥行4m の1階デッキ部分は、ぐるりと1周できるように作られた。壁に使われた材は、キットハウスの梱包材のパレットを使っている

 

床下の電線用ドラムがミニ迷路で、4、5歳の子どもが遊べるサイズ。小屋の周囲に落ち葉を敷きつめ、クッションにしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(53歳・オートキャンプ場オーナー)
DIY歴…15年
作った期間…40日間
作った費用…10万円

 

15年ほど前からキャンプ場のオーナーを務めるSさん。昨年、キャンプ場に来る子どもたちが〝楽しく遊べる城〟のようなもの作りたいと考え、高床式の小屋を製作した。

「キャンプ場なので自然の中で遊ぶのが当然なんだけど、遊べる建物があってもいいだろうと思ったんです」(Sさん)

使用資材は、防腐処理済み材や廃材など。また、ツリーハウスのようにするため、敷地に生えていた4mほどのスギの丸太を大黒柱に使っている。作業は、この大黒柱の設置からはじめ、デッキ、展望台、デッキ上に小屋と製作していく。もっとも苦労したのが、大黒柱の設置だった。重機を使用しながら作業をしたが、ひとりで行なったため、なかなか垂直にならず、苦戦を強いられたという。

高床式の小屋は40日ほどで完成した。ロッククライミングを楽しめる壁、ミニ迷路など子どもが楽しめる仕掛けでいっぱいだ。一国一城の主になりきり、ひとり占めする子もいるとか。製作のきっかけ通り「子どもが楽しめる城」になっている。

 

中央のランプは夜になると点灯する。展望台から屋根に出てしまう猛者がいたため、緑のネットを張った

 

子どもたちは器用にロッククライミングの壁をよじ登っていく。壁の手足をかけるホールドは、2×4材の端材を使用している。サイズは、幅1.8×高さ2.7m

 

1階小屋内部に作られたロープを使えば、電線用ドラムのミニ迷路まで降りられる

 

1階デッキ部分につながる梯子は、DIYシリーズ『我が家に手作りガーデンハウス』(学研刊)を参考に作った

 

ドラム缶を使った基礎

高床式の小屋製作で、唯一コンクリートを使用したのが、この丸太の柱の設置。子ども向けの建物なので、頑丈な作りにするため、柱の基礎にドラム缶を使用している。丸太をドラム缶に差しこみ、コンクリートを流し入れて固めた。ドラム缶は地中に3分の2程度埋められている。

がっちりとした作りが印象的なドラム缶の基礎。コンクリートのトッピングに使われたビー玉や粘土の型抜きがかわいい

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎冨士井明史

ジャングルジムのように遊べる2段ウッドデッキを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(5)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File05 がんばって登った達成感を味わえる2段デッキ

1段目のデッキ下の空洞で、洞穴探検を楽しめる。80cm出っ張って作られたデッキテラスの支柱は、2本の2×4材を使用した

 

<DATA>
製作者…Oさん(65歳・自営業)
DIY歴…35年
作った期間…2週間
作った費用…約10万円

 

水道局の跡地に作られたさぎ沼なごみ保育園は、水道局の名残である高さ2mほどの塀を門柱に使っている。

週に1度、園で木工教室などを開く大前武さんは、その門柱を隠すデッキテラスをDIYしたいと考えた。

「製作にあたり、園長から〝できるだけ登りにくいデッキ〟を提案され、階段がないものにしました」(Oさん)

園庭に高さがある箱を置き、子供たちが登る様子を確認する。60cmからはじめて、最終的に登るのに手こずっていた90cmに決めた。そして、2×材を縦、横とも90cmのユニットにしてサイコロ状に組みあわせてデッキを製作する。

完成したデッキは2段デッキ。2段目に上がると高さ約2mの世界だ。子供たちは、がんばらないと見られない風景を楽しんでいる。

 

門柱の幅は約2m。門柱の上部は巨大なプランターになっている

 

デッキテラスにはプランタースペースが作られた。蔓科の植物が、植えられており、夏場は日陰が作られる。デッキの広さは幅5.4×奥行3.6m、デッキ材は防腐処理済み材

 

45度の角度切り

2段デッキは、どの面からも木口を出さないように製作された。そこで、2×材のユニット部分は、ユニット同士が接する面すべてに45度の角度切りがされている。この加工によって、どこから見ても同じ形になり、デザイン性も保たれた。また、「縦横の方向性がなく、子どもの引っかかりが少ないかも」と、Oさん。

きれいに角度切りされた接合面。1段目床下は、空洞になっている

*掲載データは2009年6月時のものです。

組み立てから楽しめるお店屋さんごっこのためのキッズハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(4)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File04 組み立てから楽しめる手作りのお店屋さん

柱にTさん手作りのインターホンを設置した。パーゴラの桟につけられたダボに、日よけシートのはと目をひっかけて屋根にしている。作品サイズは、幅100×奥行き130×高さ140cm

 

<DATA>
製作者…Tさん(63歳・自営業)
DIY歴…約30年
作った期間…16日
作った費用…約1万円

 

京都で半田舎暮らしを楽しむTさんは、年に数回程度遊びに来る、神奈川県で暮らすふたりのお孫さんと過ごすのを楽しみにしている。

端材や木の枝、ドングリなどを使って、お店屋さんごっこを楽しむお孫さんの姿を見て、外でも、室内でも使える組み立て式のお店屋さんを作ることにした。

使用した材は、2×材と1×4材。無駄がでないようにできるだけ96cm、86cmにカットして使った。材に切り欠きをいれたり、桟を使って、プラモデルのように組み立てられるようにしている。

年に数回オープンするお店屋さんの組み立ては、Tさんとお孫さんがいっしょに行なう。ままごとの楽しみはもちろん、作る楽しみも味わえるのだ。

 

組み立て前のお店屋さん。遊ぶときは、これをTさんと緑ちゃんがふたりで組み立てていく

 

L字型に作られた柱には、格子の棚をのせる板材がつけられている

 

ままごと遊び充実のディテール

お孫さんの要望でお店屋さんには、レジやキッチンが設けられている。すべてがTさんの手作りだ。さらに、蛇口が動いたり、お札やコインもTさんが作ったオリジナル! お孫さんはもちろん、Tさんの奥さんや、お孫さんのお母さんまで「子どもの頃に欲しかった」と、好評を得ている。

市販ものはシンクのみで、竹製の石鹸置き場を使っている

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎製作者提供

キットガレージをDIYで自分スタイルにアレンジしてみました!/みんなのガレージ&工房(3)

愛車を格納するガレージをキットで購入。ひとりでこつこつと組み立て、内部は趣味のDIYに使いやすくアレンジ。休日を木工三昧で過ごすスペースに作り上げた。

 

<記事内ギャラリー>

 

二段こう配二面切り妻のギャンブレル屋根が特徴的なSさんのガレージ工房。見えている内部壁面が工房のスペース

 

<DATA>
施主…Sさん(59歳・会社員)
DIY歴…10年以上
製作費用…約70万円
実働製作期間…約50日
面積…約22.5㎡

 

オーバーヘッドスライダーを閉じた状態。ガレージ工房の塗装はSさんのオリジナル。ガレージ工房の奥には新しく建てたキットハウスが見える

 

 

オーバーヘッドスライダーも自分で設置

紹介するガレージは施主のSさんが、2005年に約半年かけて手作りしたグリーンベルのキットガレージ「ヒューロン」。製作前にはグリーンベルの主催する組み立て講習会にも参加し、2×4工法で組み立てるキット製作のノウハウを学び、万全の体制で組み立てにのぞんだという。

基礎だけは業者に頼んだが、基礎から上はすべてSさんひとりによる作業。規格化された2×4工法のキットとはいえ、ひとりDIYで建物の組み立てというのはなかなか大変で、高所作業や暑い真夏に重なってしまった屋根のシングル張りは、果てしない作業に思えたそうだが、それだけに充実した組み立ての経験になったということだ。
ガレージドアはアメリカで見て以来あこがれていた電動式のオーバーヘッドスライダー。

ドアの材はガレージ本体と同じサイディング材を使って組み立て、リモコン付き電動オープナーはアメリカから輸入して取り付けた。

屋根垂木の間には断熱材を入れ込んだが、効果のほどは少ないという。その屋根部分の高さを生かして、屋根の内側に沿ってぐるっとロフトを設置。大容量の物置きとして活用している。壁の一面には手前から奥まで幅50cmの作業台を設置し、反対側の壁にはサブロクサイズの折りたたみ式作業台を取り付け、車を出せば広々とした工房として使えるようにアレンジしている。収納には壁収納を目一杯に活用し、多くの道具、工具を収納している。

いい作品づくりのイメージが浮かんだ週末は、このガレージにこもってDIY三昧に過ごすのが、Sさんお気に入りの休日の過ごし方だ。

 

ガレージ工房の片方の壁に沿って入り口から奥まで幅50cmの作業台が作りつけられている。収納は壁面を目一杯利用する

 

独自に雨ドイを設置。これで耐久性が大きく改善される

 

出入り用の側面のドアはアルミサッシ。ウッディな感じに改造したいという

 

内側から見たガレージドア。ガレージ本体と同じサイディングボードを使っている

 

下から見上げた屋根方向。屋根の内周を全部ロフトにして収納力をアップ。真ん中の梁に吊り下げられているのがドアオープナーのモーター部分

 

片側の壁にはサブロクサイズの合板をそのまま1枚天板にした作業台。サブロクサイズにしたのは天板が痛んできたら、簡単に交換できるため

 

写真の作業台。実は折りたたみ式になっていて、車を入れる場合は壁面に収納する

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年12月時のものです。

思い出のカシの木に多機能ツリーハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(3)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File03 思い出のカシノキに作ったジイジのツリーハウス

孫たちのために作ったツリーハウス。床の高さ2.5m。床下にブランコや鉄棒をつけた。まだ1歳半になる孫娘さんだが、ツリーハウスに登るのが大好き。ひとりで登ってしまうというから驚く

 

材料は丸太の端材、2×材の端材などを駆使し、ほとんど費用はかかっていない

 

ツリーデッキの上にこんなかわいい家ができた。屋根は樹皮を葺いたもの。孫娘さんも中に入ってご機嫌

 

<DATA>
製作者…栗田宏武さん(55歳・ログビルダー)
DIY歴…物心ついたころから
作った期間…2日
作った費用…0円(端材利用のため)

 

わが国のチェンソーカービングの第1人者でもある栗田宏武さんが、自宅の敷地内に作ったツリーハウスはブランコと鉄棒がついた多機能ツリーハウスだ。

「僕が子どものころ、ここに縁台があってよく遊んでいた。この思い出のカシノキに孫たちが集まって遊んでほしかった」(栗田さん)

材料は庭に転がっていた丸太の端材や2×材。お金はほとんどかかっていない。2本の大きなカシノキとモチノキの周囲に柱を立て、地上高2.5m、床面積6畳ほどもある不定形のツリーデッキを立ち上げ、そこに梯子をかけ、樹皮の屋根のついたかわいいミニミニハウスをのせた。

木の幹や大きな枝があたるところは、デッキの床をくり抜き、樹を傷つけることはまったくない「地球にやさしいツリーハウス」だ。

現在、孫は小学校5年生、1年生のふたりの男の子、それに1歳半になる女の子の計3人。ジイジからの贈り物を思う存分楽しんでいる。栗田さんがそうであったように、大きなカシノキの下で遊んだツリーハウスの記憶は、3人の孫たちの大切な宝物になるに違いない。ジイジがくれた夏の日の鮮やかな記憶……。

 

床下の様子。基礎柱は方杖で補強されている。根太の位置も樹の位置によりバラバラなのがわかる

 

床は樹の幹や枝を避けて、くり抜かれている

 

樹の幹にやさしいロープフェンス

ツリーデッキの端に張られたフェンス代わりのロープは、よく見ると入り組んだ樹の枝や幹に繋がれており、風に揺られてふらふらと動く。ロープが枝といっしょに動くことによって、ロープにテンションがかからず、樹木を傷めないですむそうだ。これってグッドアイデア? なお、ロープは網の目にようになっているので、ロープが動くことで、孫たちが危なくなることもないのだとか。

太いロープを網の目のように枝に巻きつけてフェンス代わりにしている。ロープのそばにある豚のログカービング作品は栗田さんの作品

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎冨士井明史

蛇口の水漏れの修理方法を詳しく解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(16)

蛇口の先からぽたりぽたりと止まることなく続く水漏れ。イライラするし、長引けば水道代にも影響あり。作業前の止水をきちんと行ない、水道管内の水を抜いておけば、作業自体は簡単なもの。使う道具も簡単なものだけでメンテナンスできる。自分でやれば200円。

 

洗面台の場合はシンク下に止水栓があることが多い

 

<蛇口の構造>

 

今回は蛇口を閉めてもぽたぽたが止まらない蛇口からの水漏れをDIYでメンテナンス。

いくらハンドルを閉めても、蛇口の口からぽたぽたと水が止まらない場合は、蛇口の中で、開閉や水量を調節するパッキンとなるコマ(ケレップというのが本来の名称)がへたっているためで、これを新しいものに交換する。

水道関係のメンテナンスでは、まず水を止めてから作業を開始すること。水を止めるには止水栓というバルブを閉めて、水の流れを止める。

止水栓は戸建ての住宅では、屋外の母屋寄りの地下に、ケースに入って納められている。集合住宅では戸別の玄関近くにある配管スペースの中にある。洗面台、キッチンのシンクでは洗面台の下に止水栓があることも多い。

 

止水栓の状況。これは戸建住宅の例

 

これは集合住宅の例

 

止水栓を完全に閉めて、水を止めたら蛇口のハンドル下にあるパッキング押さえを緩めて、ハンドルごとスピンドルを取り出す。パッキング押さえを緩めるには、ウォーターポンププライヤーやカランレンチといった水道工事専用の、かみ合わせ部が平なレンチを使うが、家庭にあるプライヤーやペンチを使う場合はかみ合わせ部にガムテープを巻いたり、ゴム板などをあてがい、パッキング押さえを傷つけないように作業する。

パッキング押さえを緩めたら、蛇口本体からハンドルごとスピンドルを取り外す。スピンドルを取り外した穴からへたったコマをつまみ出し、新しいコマと交換する。まれに、スピンドルにコマがくっ付いて出てくることもある。

コマは家庭用のものなら、ほとんどが13用というタイプで大丈夫だが、念のため本作業前に一度今の手順で分解してコマを取り外し、コマを持ってホームセンターで現物合わせで確認してから購入するのが安全だ。

蛇口本体に新しいコマを差し込んだら、スピンドルを戻して、パッキング押さえを戻して締める。ここは締めすぎるとハンドルが回せなくなるし、緩いとパッキングから水漏れするので、あんばいが大切だ。ハンドルを回しやすく、水漏れもない状態で固定する。最後に止水栓を開けて、蛇口を開け閉めして具合がよければできあがり。

 

使う道具は口金の平らなモンキーレンチ、ピンセットの2点

 

コマ(ケレップ)の例。左が節水コマ、右がゴムパッキン付きコマ

 

パッキング押さえを傷つけないように口金にギザギザのない工具を使う(上)モンキーレンチ、(下)片口スパナ

 

<蛇口内のコマ(ケレップ)交換手順>

  1. 止水栓を閉じる
  2. 水の停止を確認
  3. パッキング押えを緩める
  4. 蛇口本体からスピンドルを引き出す
  5. コマを取り出す
  6. コマを交換する
  7. スピンドルを戻す
  8. パッキン押さえを締める
  9. 止水栓を開く

 

洗面台の蛇口の水漏れ修理の例

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年8月時のものです。

庭にプライベート砂場&雨でも楽しめるエアホッケー台を作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(2)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File02 砂場とエアホッケーを作ってくれた自慢のパパ!

平板と耐火レンガで作られた砂場。Tさんの愛娘は、幼稚園から帰ってきても、自分の家に砂場があるためとても喜んでいる

 

使用しないときは、木枠に金網を張り、砂に落ち葉や猫のフンが入らないようにしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(33歳・整備業)
DIY歴…8年
作った期間…約2週間
作った費用…1万円

 

Sさんは、5歳の娘さんと10カ月の息子さんのパパである。砂遊びが好きな娘さんのために、自宅の庭に砂場を製作したのが2008年3月のこと。これには、娘さんも大喜びしていた。

しかし、砂場製作後の雨が降ったある日、「娘の友達が遊びに来ていたんですが、暇そうにしていたんです」(Sさん)。そんな姿を見て、〝雨の日も楽しく遊べるもの〟を作らなければと思い立ち、同年5月にエアホッケーをDIYした。

資材には、枠板に1×6材、天板と底板に針葉樹合板を使用した。ラケットが滑るように、天板の針葉樹合板の上にアクリル板をのせている。エアは、天板と底板の間に高さ5cmの空間を作り、シロッコファン(送風機)で送風し、天板にあけた穴から出る風量でパック(玉)が浮く仕組みだ。

これで、どんな天気でも、友達と楽しく遊べるようになった娘さんは、「お父さんが作ったんだよ!」と、友達に自慢しているのだとか。こんなことを言われたら、うれしくて作りすぎてしまいそうだ。

 

底板と天板の間に5cmの空間を作り、シロッコファンで送風できるようにしている。これで、パック(玉)が浮く。「どういう作りなのかをよく聞かれるので、側板の両端までトリマーを走らせました」と、Sさん

 

エアホッケーで遊ぶSさん親子。シロッコファンは、ファンコイルの熱で火傷しないようにボックスで囲っている。内部が視認できるように、天板はアクリル板を使った

 

ボックス内で熱がこもり、コイルが焼損しないように、チューブでコイルにエアブローさせている。チューブは、ステー材がなかったため、アクリル天板にチューブ径の穴を2カ所あけ、穴に通して固定した

 

シロッコファンの送風口の形状にあわせて、側板に穴をあけ、はめあわせて止める

 

まだまだある! 子どものためのDIY作品!

子どもの日に、娘さんにプレゼントした折りたたみ式のストラックアウト。娘さんが数日で飽きてしまい、今は親戚のもとにある。資材は、フレームに30mm角アングル鋼材、的に振動吸収ゴム、ずれ止めに強力マグネットを使用。2枚のフレームをボルトで固定して、開閉させる。フレームに切り欠きを数箇所いれて、組立てたときの角度を微調整できるようにした。

2枚同時落としができる、ストラックアウトの引受人。ソフトボールクラブに所属している

 

たたんだときにボルトが邪魔にならないように、接地部分は切り欠きを大きく取っている。写真奥の2本のアングルは、フレームの支柱

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎篠永智

アルミサッシ網戸の網交換はDIYで簡単にできます!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(15)

アルミサッシ網戸の交換は業者に依頼すると、都内で1枚1800円からというのが現在の相場。これをDIYでやれば、最初の1枚は専用ローラーなどの工具代も含まれるので1枚1000円程度になるが、2枚目からは網と押さえのゴムの代金だけなので1枚500円程度で交換できる。自分でやればセーブ・マネー。これこそお得で楽しいDIY。

 

<アルミサッシ網戸各部名称>

 

<網戸交換作業の主な手順>

  1. 古い網を押さえている網押さえゴムをはずす
  2. 古い網をはずす
  3. 大きさを合わせて新しい網を枠に置く
  4. 一方の長辺(イラストのA)の網を網押さえゴムで押さえる
  5. 向かいの長辺(イラストのB)の網を網押さえゴムで押さえる
  6. 一方の短辺(イラストのC)の網を網押さえゴムで押さえる
  7. 向かいの短辺(イラストのD)の網を網押さえゴムで押さえる
  8. 周囲にはみ出した網を切り取る

 

アルミサッシ網戸の網は、サッシ枠の溝に専用の網押さえゴムで張られているだけなので、道具をそろえ、基本的な作業手順を覚えてしまえば、誰でもDIYで交換ができる。実際に自分で1回交換を体験して、手加減をつかめば、2回目からは、どんなサイズのアルミサッシの網も交換ができるようになる。

作業の大きな流れは、古い網押さえゴムをはずし、網をはがし、新しい網を張り、新しい網押さえゴムで固定すれば、交換は完了する。作業中の細かいポイントは左ページの写真で説明する。専用の工具は網戸用ローラーで、ホームセンターで300円程度。ほかの工具は下の写真のように、どこの家庭にも常備される一般的なものばかりだ。

古い網をはずすには、網押さえゴムを引っ張り出してはずせば、ぱらりと網ははずれる。このとき網押さえゴムは2分の1周ずつ2本取れるので、同じ長さで新しい網押さえゴムも2本用意する。網をはずした溝は古い歯ブラシなどで掃除しておくとよい。

古い網をはずした開口部に新しい網をかぶせ、あまりピンと張らずに、溝から3~10cm外側で、開口部に沿って網を切り分けておく。

溝の線と網の線を合わせたら、網が3~10cmはみ出すようにして、網を網押さえゴムで押し込むように溝にはめていく。網押さえゴムでの固定はまず両長辺からはじめ、次に残った短辺を押さえていく。まだ網が固定されていない長辺に網押さえゴムをはめるときは、網を押さえてくれる助手がいると作業がはかどるが、いないときには、写真のようなクリップで軽く押さえるとやりやすい。

長辺と短辺のすべての網押さえゴムを固定したら、枠の内側にカッターを当て、枠の立ち上がりに沿って余分な網を切り取れば、できあがり。

 

<使用した道工具>

左上から時計回りに、メジャー、目玉クリップ、歯ブラシ、網戸用ローラー、カッター、ハサミ

 

交換用の網と、網押さえゴムは事前に用意する。網は張ってある状態より、天地、左右が5~10cm以上大きいものを用意する。網押さえゴムには太さの種類があるので、同じ太さのものを手に入れること

 

STEP1 古い網を取りはずす

 

STEP2 新しい網を取り付ける

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2012年6月時のものです。

みんなの手を借りてツリーハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(1)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File01 園長先生、パパと子どもたち、皆で作った木の上の遊び空間

根太は、木の枝にあたらないように斜めに張られている。写真右の縄梯子は、板材とロープをボルトで止めて作ったもの。子供たちは、竹のスベリ棒から慣れた手つきで降りてくる

 

枝が食い込んでいるため、右側の小屋の壁を張らずにいる。小屋はいずれログハウス風に仕上げたいそう

 

<DATA>
製作者…Kさん(51歳・幼稚園園長)
DIY歴…16年
作った期間…1日
作った費用…5万円

 

2009年の3月に新調したのツリーハウスは、設置場所である幼稚園の園長先生・KさんがDIYした。金子さんにとっては、2棟目の作品にあたる。2001年にも、同じイチョウの木の上にツリーハウスを作っていたが、そのツリーハウスの傷みが激しくなり、園児の父母の協力を得て作り直すことに。

ツリーハウス作り経験者のKさんをリーダーに、2×材を使ってDIYスタート。木の上に作るから、当然足場なんてない。水平とりに苦労しながら大引きの受け木を4つ枝に取りつける。そこに、大引きを置き、根太、床板、小屋の順に施工していった。木材への塗装は、園児たちが行なったのだそう。

完成したツリーハウスは、ロープと木の幹を使って登り、竹のスベリ棒で下りる。2階もあるし、ハンモックもついているのだ。すべり台やブランコなどの定番遊具以上に、子どもたちの「楽しい」を触発させる唯一無二の遊具になっている。

 

2階部分はデッキのみで、2001年に作られたもの。広さは1階部分が約10㎡、2階部分は約3㎡

 

ハンモックには、2階のデッキから入る。使われたネットはゴルフ練習用のもの

 

誰もが登れるわけじゃない!?

1940年代ころヨーロッパで広まった「自分の責任で自由に遊ぶ」を信条にした子どもの遊び場。ツリーハウスはこの信条のもと、あえて簡単に登れないように作られた。地上約3mの位置にデッキ部分があり、大人でも勇気がないと登れない。「自力で登れるようになった子は、自分で考えて降りてきます」とKさん。子どもたちにとってツリーハウス登頂が、卒園までの目標になっているのだそう。

だいたいの子どもたちが年長クラスになると、登れるようになる。登れずに卒園した子が「登れたよ!」と報告に来ることも

 

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎小山修司

シックな振り子時計の作り方を解説!/トリマーで作る!アメリカンヴィンテージファニチャー(3)

トリマー&ルーターを使いこなす、『ドゥーパ!』本誌でも大人気の本格木工企画より抜粋。今回は振り子時計作りをレクチャー。

幕板のデザインカット、飾り面取りをしたモールディングで、クラシカルな家具っぽさを演出した。一定の周期でゆっくりと揺れる振り子が、流れる時間に癒しをプラスしてくれる。

 

 

ポイントとなるトリマー&ルーターテクニックはこの3つ!

 

今回の振り子時計の形状は、壁掛けも直置きもできる箱型タイプを採用。

ビスを使ったのは蝶番とマグネットキャッチの固定のみ。本体の組み立てにはさまざまな継ぎ手を用いて強固に接合。ぴたりと収まった継ぎ手の美しさが作品に高級感をもたらしてくれる。

天板、棚板、底板は単純な突き合わせではなく、4枚刃ビットを使って通し大入れ継ぎで接合。また、背板と文字盤は小穴作りと呼ばれる継ぎ手を用いた。これは背板と文字盤の板厚と同じ4mm径ストレートビットで彫った溝に材をはめて組むのだが、背板だけは時計を調整するために、スムーズに上げ下げできるようにしたいので、側板の後方上部の溝は5mm径ストレートビットで彫っている。

扉枠の直角接合は、レール&スタイル ビットを使った框組み(かまちぐみ)で行なう。これはドアパネル作りによく用いられる継ぎ手で、今回は枠内にはめ込む板(鏡板)の代わりにアクリル板と中空ポリカを使い、中が見える構造にしている。

 

 

<木取り表>

材の種類 サイズ(単位はmm) 数量 使用部位
パイン材(18mm厚) 60×300 1 天板A
65×300 1 棚板B
70×300 1 底板C
70×590 2 側板D
30×250 1 幕板E
50×250 1 幕板F
40×590 2 幕板G
40×187 3 扉横枠H
40×506 2 扉縦枠I
60×約414 1 モールディングJ
60×約130 2 モールディングK
50×約366 1 モールディングL
50×約106 2 モールディングM
パイン材(25mm厚) 30×約380 1 モールディングN
30×約113 2 モールディングO
シナ合板(4mm厚) 302×245 1 背板P
303×291 1 背板Q
303×231 1 文字盤R
アクリル板(3mm厚) 186×186 1 窓S
中空ポリカ(4mm厚) 186×236 1 窓T

 

<仕上がりサイズ>
幅約414×奥行約130×高さ610mm(組み立て時)

<主な使用道具>
テーブルソー、インパクトドライバー(ドライバービット、センタードリルビット、10/13mm径ドリルビット)、ジグソー、ビスケットジョイナー、トリマー、トリマー用平行定規、ルーター、ルーターテーブル、ランダムサンダー(サンディングパッド100番/180番/240番)、耐水ペーパー(1500番)、金切りノコギリ、メジャー、留めスコヤ、クランプ、サシガネ、ノミ、カナヅチ、直定規、筆、ウエス、マスキングテープ、ハケ

<その他の材料>
フラッシュ蝶番(長さ50mm)2個、プッシュ式マグネットキャッチ(26×42mm)1セット、ビス(16mm)、ビスケット(10番)、木工用接着剤、瞬間接着剤

 

 

振り子時計の製作に必要なパーツはオフ・コーポレイションでそろえられる

今回使用したのは、SKC振り子ムーブメント(924円)、振り子玉セットゴールド(550円)、時針・分針74㎜黒(176円)、秒針88㎜金(88円)、文字盤用数字セット20㎜ゴールド(253円)。これらは木工ツールのウェブショップ、オフ・コーポレイションで購入できる。文字盤の数字はブラック、シルバー、ゴールドの3色。針のデザインは10種類以上あるので、作りたい作品に合わせてチョイスしよう。*価格はすべて税込

 

Step1 天板、棚板、底板、側板、幕板の加工

 

Step2 背板、文字盤の加工と各部材の塗装

 

Step3 各部材の組み立てとモールディングの加工

 

Step4 扉を作る

 

Step5 扉の取りつけと文字盤の仕上げ

 

村上英敏 Hidetoshi Murakami

正統派パイン家具にこだわる家具職人。アメリカで家具作りを学んだ経験から、さまざまな工具を合理的に活用する技術は折り紙つき。千葉県柏市にオーダー家具ショップ「ポプリローカルファニチャー」を構える。トライトンスーパーマイスターとして、さまざまなイベントでトライトン製品の講習も行なっている。YouTubeチャンネル「Triton Super Meister村上英敏の家具作り教室」でプロのテクニックを発信中!
https://www.popurri.co.jp/

 

写真◎佐藤弘樹

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2020年6月時のものです。

趣味の木工とカー&バイクのメンテが楽しめるマイガレージライフに迫る!/手作りガレージ&工房(2)

老後の生活拠点として購入した那須の別荘。

母屋横のガレージ兼工房からは、週末ともなれば電動工具の小気味のいい機械音が響きわたる。

孫のために作る木工作品は、どれも愛情たっぷりの作品なのだ。

 

Case2 週末は趣味の木工とカー&バイクのメンテナンス。別荘に建てたハーフビルドのマイガレージ

ガレージ内、左半分が駐車スペース、右半分が木工用の工房

 

緑に囲まれたS邸のガレージ。シャッターのついた開口部の位置は自由に設定できるのだとか

 

<記事内ギャラリー>

 

<オーナーDATA>
製作者…Sさん(62歳・ホームセンターパート・DIY歴10年)
製作期間…5日間
製作費用…約180万円(基礎別)
ガレージスタイル…ハーフビルドによる木工房

 

 

基礎・構造は業者に、わずか5日間で完成!

将来の永住の地として購入した那須の別荘に、木工用の工房兼ガレージを建てたSさん。

「以前はオーディオが大好きで、スピーカーなんかも自作していたんです。それもDIYといえばDIYですよね」

自作のテーブルソー前で、笑顔で語るのがSさん。お孫さんの誕生をきっかけに、今はすっかり木工の魅力にはまってしまっているのだとか。自宅では思うように作業もできず、別荘購入の際、「木工もできるガレージを建てよう」と考えたのだという。

今回紹介するガレージは、Sさんにとって2棟目のガレージで、イソダウッドワークスのもの。基礎は地元の業者に依頼し、ガレージ材の搬入時1日だけ業者に躯体づくりを依頼した。「こつこつと時間をかけるのが苦手」というSさんは、その他の作業を独力で一気に5日間で仕上げてしまった。

「サイディングにはすべてスクリュークギを使用したのですが、これがなかなか打ち込みづらくて苦労しました」

ガレージ内は半分が木工用の工房で、もう半分は駐車スペース。もともと自動車ディーラーでメンテナンスの仕事をされていたことから、ガレージ内には当時使用していた工具類もずらりと並んでいる。

定年退職後は地元のホームセンターでパートタイマーとして働き、休日ともなれば奥様とこの別荘にやってくる。時間を忘れて木工三昧のSさん、奥様も趣味の裁縫に没頭し、「食事の時以外は顔をあわさない」と笑う。お孫さんが喜ぶ顔を思い描きつつ、今日も小気味の良い機械音を響かせている。

 

自作のテーブルソーで工作中のSさん。「道具を甘く見ると大けがをする」(Sさん)と、事故防止用のアクリル板も取りつけた

 

母屋デッキ上から見たガレージ。「やれることは自分で」がモットーのSさん。もちろん、このウリンのデッキもDIYによるもの

 

天井高も十分にあり、いずれはロフトを作って資材置場にする予定

 

現在製作中の“トトロの家”。もちろんこれもお孫さんのためのものだ

 

床面は整備工場用の特殊塗料を使用

ガレージの強度を考慮して、コンクリートのベタ基礎にしたSさんのガレージ。当初はコンクリート面むき出しのまま作業をしていたが、木屑とホコリに大苦戦。試行錯誤した結果、カーメンテナンスの仕事をしていた頃を思い出し、一般工場や修理工場などの床に使用される特殊塗料を使用することに。油にも強く掃除も楽になったという。

昔はモトクロスの選手だったというSさん。現在も50ccのバイクを1台所有

写真◎高島宏幸/取材協力◎イソダウッドワークス

*掲載データは2009年6月時のものです。

外メシが楽しめるガーデンキッチン付きウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(6)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case06 外での食事を気軽に楽しめる!ガーデンキッチンがあるウッドデッキ

タープをつけたデッキ。写真左は物置兼自転車置き場

 

施主のNさんと奥さん。家族だけでバーベキューを楽しむときは、写真のようにバーベキュー台&ガーデンシンク前の掘りごたつ式ベンチに集う

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

Nさんの自宅は山を切り開いた住宅地。土地の性質で、赤土や粘土が多かった。そのため、雨が降ると庭がぐちゃぐちゃになってしまう。また、夏になれば、抜いたそばから雑草が生え、穴を掘ると石がゴロゴロ出てくるかなり酷い状態だった。そこで、家族みんなで楽しく過ごせる庭を作ろうと、NさんはウッドデッキDIYに着手する。

「予算もDIYの知識もない中で始めたので、まず庭全体のデザインを考えるのに苦労しました」とNさん。本誌を読み、ホームセンターに通い詰め、DIYの知識を少しずつ得ながら作業にあたり、6カ月かけてデッキを作り上げた。製作費は25万円ほど。

完成したデッキは、リビングの延長になるように、デッキとリビングの段差をできるだけなくし、スリッパのままで出られるようにした。広さ約17㎡のデッキ上にはあえて、テーブル&チェアを置かず、小学6年生と5年生のお子さんふたりが側転の練習をしたり、夏にビニールプールを出して遊べるようにしている。また、ガーデンキッチンをデッキ横に設け、気軽に外で食事を楽しめるような作りになっている。

「みんなで集まってバーベキューをしたり、天気のいい日に昼寝をしたりして過ごしています。蚊に刺されますけどね(笑)」(Nさん)

Nさん家のウッドデッキは、家族が集え、子供が活発に遊ぶことができ、さらに大人のくつろぎ空間にもなる。シチュエーションに合わせて、いろいろな表情を見せる外リビングだ。

 

コンクリートブロックで作ったガーデンキッチン

コンクリートブロックで作り、ベルアートという塗り壁材で化粧を施したバーベキュー台とガーデンシンクがついたガーデンキッチン。アクセントとして、レンガを使い、おしゃれに仕上げている。本体に鉄板を取りつけ、焼き網は鉄板上に置いている。ガーデンシンクは、デッキ側とテラス側で使えるようにした。

 

床が掘りごたつ式ベンチになる

ガーデンキッチン前の床の一部が取りはずし可能になっている。取りはずした床は座面にして掘りごたつ式ベンチとして使用する。家族でバーベキューをするときはチェアやテーブルを用意しなくてもこのベンチだけで十分!

 

デッキ材は樹脂製を活用

Nさんがデッキ材に使用したのは樹脂製の人工デッキ材で、サンワカンパニーの「デッキアルト」というもの。耐久性とメンテナンスを考えて利用を決めたそうだが、「なんと言っても木材より安かったんです(笑)」とNさん。

 

鋼製床束と手作り基礎石

デッキ土台の基礎石は合板で作った型枠にコンクリートを流して製作したもの。根太にはC型鋼を使っている。製作手順は、C型鋼に鋼製床束を固定し、並べてコンクリートで束を固定。コンクリートが硬化したところで、C型鋼のレベルを調整して、土台部分を完成させた。

 

取り出し簡単! プランターカバー

ウッドデッキのステップと一体化したプランターカバー。側板と上部板を蝶番でつないでいるため、上部板は開閉式。上部板をパカッと開けると、カバー内に入れたプランターをラクに取り出せる。

 

プライバシーを守る背が高い塀

塀本体は、端太角材を柱に使い、サイディングボードを張り、塗り壁材(ベルアート)を塗って仕上げた。塀上部は、隣家に圧迫感を与えないように、ポリカーボネートを使用している。塀は高さ202cmある(塀本体部の高さは137cm)。

 

デッキ上は土足厳禁!

リビングの一部ととらえているため、室内リビングからデッキへスリッパで何気なく出られるようにデッキ上は原則土足厳禁にしている。デッキを囲うタイル敷きペイビングスペースが土足スペースだ。

写真◎竹内美治

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

バリエーション豊かな電動工具「サンダー」の基本を徹底解説・後編/DIY工具使いこなし術(7)

日本では、あまり注目される工具ではないけれど、欧米ではカンナに代わる研磨道具として活躍する工具。

モデルのバリエーションも多く、研磨の種類に合わせていろいろ使い分けることも可能だ。

サンディングすれば作品の質が一気に上質になるぞ!

*電動サンダーの基本とオービタルサンダーの使い方を解説した前編はコチラ

 

電動サンダー4種。手前はデルタサンダー、中右からオービタルサンダー、ランダムサンダー、後ろがベルトサンダー

 

小さな角までカバーできるオービタルの発展型・デルタサンダー

名前の通りサンディングディスクがデルタ(三角州)型になっているサンダー。サンディングディスクの動きはオービタルサンダーと同じだが、サンディングディスクがデルタ型になっているために、写真のように作品の角部まできっちりと研磨することができる。

研磨力はオービタルサンダーと同様におだやかなので、広く木工一般から、複雑な構造の作品まで、利用することができる。

ただし、専用のサンディングパッドを使うことになるので、サンディングパッドを交換するごとに専用のサンディングパッドを購入することになる。

 

回転研磨でよりパワーアップ!・ランダムサンダー

ランダムサンダー(ランダムアクションサンダー)は、オービタル振動する研磨面が回転することによって、よりパワフルに研磨できるようにデザインされている。研磨面全体が回転するために、ランダムサンダーの研磨面はすべて円形になっている。基本的な運動にもうひとつの運動を加えてパワーアップするというのは、インパクトドライバーの考え方と同じだ。

オービタル振動しながら回転して研磨するため、研磨した粉の排出性もよく、目詰まりしにくいので研磨力も大きい。中ぐらいの番手のサンディングディスクをつければ、塗装のはがしも平滑にできるし、粗目のサンディングディスクをつければ、少々の材を削り取ることもできる。

パワーの必要なエクステリアの木工作品の仕上げ研磨や塗装はがしには最適なモデルだが、サンディングディスクが専用品となり、少し価格が張るのと、円形のディスクのため、入り組んだ部分が研磨しにくいというのが、ネックといえる。

 

ランダムサンダーの作動パターン

 

作品の段差をランダムサンダーで解消する

作品ができあがったら、端のほうに1mm程度の段差ができていたというとき、ノコギリの刃が段差に掛かれば、切り取れるが、刃がはずれてうまく切れないときに、ランダムサンダーのサンディングディスクを粗目に交換して研磨すれば、きれいに段差を解消できる。

 

大きな研磨で威力を発揮・ベルトサンダー

ベルト駆動でロール状のサンディングベルトを、キャタピラのように回して研磨するサンダー。手持ちで使うサンダーとしては大きなモデルで、作業中はしっかり保持しておかないと、力のない女性などだと、サンダーに引っ張られてしまう。また、ベルト面を上にして、作業台に固定して据え置き式として使うこともできる。

ベルトサンダーはパワーがあるので、研磨だけでなく、砥ぎ減らしのような、削る作業もできる。付属の定規を取り付けて、材の角度を一定にして研磨すれば、手押しカンナをかけたような、平面出しや角度出しの加工もできる。木工では、ベルト面を上にして固定して使われることが多い。

 

ベルトサンダーのベルトの流れ

 

力の強いベルトサンダーは両手でしっかり保持する

 

ベルトサンダーを作業台に固定して使う

ベルトサンダーは、ほとんどのモデルがベルト面を上にして作業台などに固定できる金具が付属している。研磨する材を手でもって作業するほうがやりやすい場合などに便利だ。

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、ブラック&デッカー、ボッシュ、リョービ

*掲載データは2012年2月時のものです。

バリエーション豊かな電動工具「サンダー」の基本を徹底解説・前編/DIY工具使いこなし術(6)

日本では、あまり注目される工具ではないけれど、欧米ではカンナに代わる研磨道具として活躍する工具。

モデルのバリエーションも多く、研磨の種類に合わせていろいろ使い分けることも可能だ。

サンディングすれば作品の質が一気に上質になるぞ!

 

電動サンダー4種。手前はデルタサンダー、中右からオービタルサンダー、ランダムサンダー、後ろがベルトサンダー

 

モーターの力で素早くきれいに材を研磨できる

電動サンダーは、モーターで本体に取り付けるサンドペーパーを、振動、または回転、もしくは両方を合成して細かく動かして、材を研磨する工具。他にもベルトコンベアーのようにベルト駆動するものや、円筒を回転させてそこに材を当てて研磨するなど、目的によって特化されたモデルも存在する。単純な加工から、塗装前の仕上げ研磨まで、木工の工程の中でも、ひんぱんに使われるべき工具だが、日本の日曜大工では、登場する機会が少ない工具だ。

日本では工作用に販売されている材が、きれいにカンナがけされたものが多く、仕上がりも白木が好かれているので、必ずしもサンダーが必需品ではないと考えられているからともいわれる。

しかし、木工の常識として、研磨した面を作ってから最後に塗装して本当の仕上がりとなるのだし、市販の材がカンナがけ済みといっても、自分でサンダーを使って研磨すれば、よりきめ細かい面を作ることもできる。よりよい作品づくりのために、ぜひサンダーに注目してほしい。

 

サンダーに共通する使い方

一般的なサンダーは振動スピードを調節するスイッチなどはついていない。研磨の程度は振動の速度ではなく、サンディングペーパーやサンディングパッド、サンディングベルトの交換で調節する。

サンディングペーパー類は、細かい目から粗い目まで段階的に作られていて、交換することで粗い研磨から、細かい研磨まで使い分けられる。目の程度は番号がつけられていて、目が粗いほど番号が小さくなる。木工では80番から400番までの間の番手が多く使われる。

研磨する材や作品は動かないように固定しておく。サンダーは研磨したい部分にサンディングディスクを当て、サンダーが十分に振動できるように、あまり強くは握らず、軽く押さえる程度で作業する。材の木端など細い部分の研磨では、研磨中にサンダーが傾かないように支えて作業する。

 

サンダーは研磨面に対して平らに持つこと!傾くとどんどん斜めに研磨されてしまう

 

木工用サンダーのスタンダードモデル・オービタルサンダー

ベテランの間では仕上げサンダーとも呼ばれるモデル。研磨面がオービタルダイヤと呼ばれる微小な軌道を描きながら、細かく振動してサンドペーパーを動かして、材を研磨する。

電動サンダーの中では、一番おだやかな動きをするサンダーで、木工では、塗装時の木地調整や、切断面の簡単な研磨に使いやすい。材の形を変えるほどの大きな研磨はしにくいが、粗目のサンドペーパーを使えば、面取りなどに不自由はない。

他のサンダーが、専用のサンディングパッドを使うのに対して、四角い研磨面のオービタルサンダーは、市販のサンドペーパーを使うことができるので、ランニングコストの面でも有利だ。

またメーカーではオプションでサンドペーパーに、集じんの穴をあけるためのアクセサリーがあるので、これを使ってサンドペーパーに穴あけすれば集じん機能を生かすこともできる。

研磨作業では、あまり強く押し付けることはせず、サンドペーパーが自由に振動できる程度に押さえ、木目に沿って研磨するのがコツだ。オービタルサンダーは、長時間作業しても腕が疲れることが少なく、女性でも保持しやすいスタンダードなサンダーといえる。

 

オービタルサンダーの作動パターン

 

オービタルサンダーで塗装前の木肌調整をする

木肌調整とは、なめらかな塗装に仕上がるように、作品を研磨する作業。塗装自体より木肌調整のほうが、きれいな塗装のためには重要といわれる工程。細かな振動のオービタルサンダーに向いた作業だ。

 

オービタルサンダーに市販のサンドペーパーを取り付ける

*小さい写真はクリックすると大きく表示されます。

写真◎冨士井明史/取材協力◎白井 糺、ブラック&デッカー、ボッシュ、リョービ

*掲載データは2012年2月時のものです。

はじめてのDIYで完成した夢のマイガレージライフに迫る!/手作りガレージ&工房(1)

趣味の車いじりを思いっきり楽しみたい! でも、住まいはマンション。愛車はしがない青空駐車……。

「ガレージが欲しい!」、そんな夢をついに叶えたKさん。

ピッカピカのガレージには2台の愛車が気持ちよく納まっていた。

 

Case1 夢にまで見たガレージライフを実現!はじめてのDIYで完成したマイガレージ

開口部は4.8mあり、車2台が余裕で入る。サイディングに耐水合板を使用したことで、コストも抑えられている

 

<記事内ギャラリー>

 

<オーナーDATA>
製作者…Kさん(35歳・会社員・DIY歴 1年)
製作期間…3カ月
製作費用…約170万円(基礎別)
ガレージスタイル…車庫兼作業場

 

 

DIY初心者でも出来たハーフビルドガレージ

車いじりが大好きなKさんにとって、ガレージの設置は以前からの夢だった。2008年4月、現在の場所に中世ヨーロッパの建物を彷彿とさせるような瀟酒な母屋を新築した。

「実はこのガレージが欲しくて家を建てたようなものなんです」と笑うKさんの後ろには、約40㎡のガレージが。庫内には、チューンナップされた愛車のミニとパンダ、SRバイクが並んでいる。

「ここに越す前はマンション住まいで、車は青空駐車。雨が降ってしまうと車いじりができなくて、せっかくの休みも台無しになっていたんです」(Kさん)。ならばと、ガレージも設置できるような場所に家を建ててしまおうと考えたという。

これまでDIYにはまったく縁のなかったKさんだったが、どこか一部だけでも自分の手でガレージ作りができないものかと考え、ハーフビルドのガレージをネットで探しはじめた。そこで目に止まったのがイープランのハーフビルドガレージだった。

「基礎は地元の業者に頼み、ガレージの骨組みだけイープランさんに作ってもらいました」

とはいえ、これまで電動工具など一切触れたこともなかったKさん、それなりに不安もあったはずだが……。

イープランでは、はじめてハーフビルドに挑戦する施主には、〝ガレージインストラクター〟を派遣して、工具の使い方やガレージの組み立て方を丁寧に指導してくれるのだという。

こうしてKさんのイメージどおりに完成したガレージは、新築の母屋にもぴったりマッチしたものに。

「まだ完成したばかりで、ガレージ内もちょっとさびしいのですが、DIYで内部もどんどん充実させていきたいですね」と目を輝かせた。

 

屋根材はアスファルトシングルを使用。もちろん、すべてKさんがひとりで張りあげた

 

渋めの母屋にガレージがよくマッチしている。ガレージ右奥には空地があり、これからDIYで庭づくりに挑戦するという

 

2台の愛車がすっぽり納まった。車の後ろにはバイクも1台収納されている

 

アルミ製のスライディングドアは軽くて丈夫、しかも開閉が楽だ

 

ガレージ正面。真っ白のスライディングドアが眩しい

 

室内にはまだまだゆとりが。「内装にも凝りたい」とKさん

 

天井にはロフトも製作中。すべて端材で作った

 

イープランオリジナルのルーバーウインドウ。サイドのつまみを上げ下げするだけで、簡単に開閉できる

 

ゴム製床敷マットで作った作業台

無事ハーフビルドのガレージが完成して、愛車もいれた。でも、ちょっと殺風景!? てなわけで作ったのが、端材の2×材を使用したこの作業台。2×4材をテーブル状に組んでみたが、何か物足りない。そこで思いついたのが黒いゴム製の床敷マットを天板に張りつけること。タッカーで張りつけただけの簡単なものだが、これをつけたことで、ぐっとガレージアイテムっぽくなった。

DIYに目覚めたKさん自慢の作業台

写真◎高島宏幸/取材協力◎イープラン

*掲載データは2009年6月時のものです。

野外囲炉裏つきの個性的なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(5)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case05 ウッドデッキの床板を開くと野外囲炉裏が登場する面白ギミック!

庭の中心に作られた異形のウッドデッキ。アオハダ、ソヨゴ、西洋シャクナゲ、モミジなど雑木との相性も抜群。自然をうまく取り入れる方法も庭づくりの参考にしたい

 

ウッドデッキは野外囲炉裏にチェンジ!

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

静かな住宅街にあるS邸。門から一歩踏み出すと、モダンかつ和風テイストの独特な空間が広がっている。

Sさんは自宅を新築する際、庭の施工もプロにオーダーしようとネット上で検索。すると雰囲気のいい庭とウッドデッキを発見。ビビッときたSさんはすぐ施工を依頼。それが今回S邸の庭を施工した木村グリーンガーデナーとの出会いだった。

庭のデザイン・施工を担当した木村博明氏は「若い夫婦と小さな子供が楽しく遊べる庭をイメージして作りました」と語る。

なにより目を引くのは庭の中央に位置する異形のウッドデッキ。実はこれ囲炉裏が組み込まれたデッキなのだ。

「囲炉裏まわりの材料は枕木、囲炉裏のフタはウエスタンレッドシダー、外側は椎の木を使って作ったBBQのできるウッドデッキです。」(木村氏)

デッキ中央のフタを四方に開けば、中にはレンガ積みの火床が出現する。このギミックには子供だけでなく、大人も目を輝かせるだろう。

デッキの右側には、ちょっとした洗い物に便利なガーデンシンクも取りつけた。子供が足を洗えるようにとシンクの右側にも蛇口がついているという細やかな配慮がうれしい。

「人が集まってワイワイとパーティーするのに最適。わざわざキャンプに行かなくなりました。庭でアウトドアを楽しめますから」(施主のSさん)

 

枕木囲炉裏のフタは開閉式!オープン時は座椅子に早変わり

デッキの中心にあるフタを四方に開くと、中から現れるのはレンガを積み上げて作られた火床! フタになっているウエスタンレッドシダーは開けば座椅子になるというデッキアイデアに思わず唸る。通常は普通のウッドデッキとして使用し、家族や友人との集まりには、野外BBQパーティーができるという楽しくておいしいウッドデッキ。花びらが開いたようなデザインも面白い。

 

枕木のアプローチはデッキへの道しるべ

母屋と囲炉裏デッキの間には枕木のアプローチを設置。母屋からウッドデッキへ自然に足が進むようにデザインされている。御影石や枕木の流れを感じさせる配置は、いわばデッキへの道しるべ。

 

照明はプランターとビー玉を使ってオシャレに仕上げる

ガーデンシンクの上部にはデッキを照らす照明が設置されている。照明は素焼きのプランターにビー玉を埋め込んだものをカバーに使用。夜の使用時はビー玉からほのかな明かりが輝く仕組み。ホームセンターで手軽に手に入るアイテムを使ったアイデアガーデンライトだ。

 

ガーデンパーティーに必須のシンクはウッドデッキ脇に配置

囲炉裏テーブル=週末は家族とBBQパーティー三昧、ということでデッキ横にはレンガ積みのガーデンシンク兼収納ボックスを設置。ここで野菜を洗ったり、食材の準備をしてすぐにBBQができるというわけだ。このガーデンシンクがあるだけでデッキが立派なガーデンキッチンになる。シンクの横にも蛇口がついているので、小さな子供やペットの足洗い場としても使える点も見逃せない。

 

母屋からあえてデッキを離して作った理由

通常、ウッドデッキというと母屋に直結して作られるという例が多いが、このデッキは完全に母屋から独立している。「デッキから庭を眺めるのも面白いけど、デッキから母屋を眺めるのも新しいかなぁと思って」と木村さん。デッキを作る位置で庭の印象が大きく変わる。あなただったら庭のどこにデッキを作る?

 

フェンスは互い違いに組むだけで雰囲気がバツグンにUP

丸太を支柱にして、1×4材の横板を編み込むように交互に取りつけたガーデンフェンス。手軽に作れて、庭に雰囲気の出るビギナーにオススメのアイデアフェンスだ。

 

デッキ基礎は床束&基礎パッキンで補強

デッキ基礎の一部にはレンガと鋼製床束を使って、補強を施すと同時にデッキの高さをそろえるよう調整。また束柱と束石との間に基礎パッキンを入れて、腐食対策も行なっている。プロのデッキを長持ちさせるテクニックは見逃せない。

写真◎佐藤弘樹/施工◎木村グリーンガーデナー

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

「第24回ドゥーパ!DIY大賞」の各部門賞&審査員賞の受賞作品が決定!豪華賞品は誰の手に!?

5月15日に応募締め切りを迎え、例年同様編集部には多くの作品が届いた。5月下旬に編集部一同が全作品に目を通し、「これは!」という作品をよりぬき、6月初旬に最終審査会を実施した。

 

<記事内ギャラリー>

 

ゲスト審査員にお招きしたのは木工家の朝山隆氏、庭師の木村博明氏、ユニディ狛江店で講師を務めるDIYアドバイザーの掃部関真紀氏。それに本誌編集スタッフも加わって審査を行ない、メーカー賞を除く各賞が決定。

応募作品は例年以上に循環や再生をテーマにしたSDGsな作品が多く見受けられたのが特徴で、いずれも完成度が高くDIYの技術力の向上も実感。また、webからの応募が多数を占める中、郵送や宅配便で届く応募資料は作者を映すかのようにその個性を存分に発揮。たびたび審査員を爆笑の渦に巻き込んでいた。

さて、そんな数ある作品からグランプリに選ばれたのは石田昌樹さん(北海道・47歳)の「焚き火小屋」。石材を敷いた土間、宙に浮かぶ焚き火台などの室内造作も注目を集めたが、やはり「ロード・オブ・ザ・リング」のホビットの小屋を思わせる圧倒的なたたずまいが審査員各氏の心をとらえた。

 

地面からはえたような小屋

 

準グランプリに選ばれたのは池内友さん(愛知県・35歳)の「Food truck & Shop BAND WAGON」。シェルの内装が見えるスケルトンなデザインと作品の仕上がりの美しさが審査員の好評を得た。

 

アクリル窓でスケルトンなシェルが印象的なフードトラック

 

その他、受賞作品は下記の通りです。
たくさんのご応募ありがとうございました!

※車DIY部門は該当作品なしとなりました。

※メーカー賞は150号(10月号/9月8日発売)で発表します。

※各部門の賞品はコチラでチェック!応募要項は次回開催の参考にどうぞ!

※詳しくはドゥーパ!2022年8月号(149号)でも紹介しています。本の詳細はコチラをご覧ください!

 

【朝山 隆賞】
ヨーロッパ風収納小屋 & 自転車ポート(福岡県・関本賢一さん)

「建物のスケールアウトが独特の視覚効果を生んでいて、目を引きました。パーゴラ屋根と小屋のバランスがよく、まとまりあるように感じました」(朝山さん)

 

【木村博明賞】
流木パズルウッドデッキ(福岡県・今橋 修さん)
「DIY歴1年で道具もない中、このウッドデッキを製作したことに天晴と思いました。また、流木運搬用のカートも流木で作ったというのも好印象を持ちました。ぜひ、入賞賞品で新作を作ってください」(木村さん)

 

【掃部関真紀賞】
マキビト café ほぼ完全セルフビルドな薪カフェ(奈良県・小野正晴さん)

「さまざまなものづくりにチャレンジする姿勢がとてもいいと思いました。なによりDIYを楽しんでいるところがよいです。このスケールは本(応募資料)でしか表現できないです。本から焚き火の香りが漂ってきたのもグッときました」(掃部関さん)

 

【dopa 賞】
ウッドデッキサウナ(宮城県・佐藤 真さん)
「ウッドデッキにサウナ、しかも熱源は電熱ストーブ! タイマー機能で起床後0分の朝ウナも楽しめるし、火の後始末も心配ない。ロウリュの蒸気がよく回るよう、室内天井を曲線で仕上げているところも、わかってらっしゃる! このために200V電源工事したという決断に拍手。今から入るの楽しみにしています」(ドゥーパ!編集長・設楽)

 

【dopa 賞】
北海道の町中で平屋をセルフビルド(北海道・藤田博恵さん)
「ご夫婦でゼロからさまざまな資格を取って家作りをされたこと、そのバイタリティと実行力、本当に素晴らしいです。セルフビルドマイホームの愛着も相当深いだろうなと想像しています。これからさらに進化していくのが楽しみです」(ドゥーパ!編集長・設楽)

 

【小屋・ガレージ部門賞 】
ガーデンハウス『アーニャのお家』(奈良県・岡田真司さん)

【DIY家具部門賞 】
こだわりの猫の長いす(千葉県・十河政明さん)

【外メシ部門賞】
ロケットストーブ式万能調理石窯(神奈川県・松山昌弘さん)

【エクステリア部門賞】
ナチュラル gazebo(奈良県・岩井ゆかりさん)

【DIYリノベーション部門賞】
トカイナカの古民家で囲炉裏を楽しむ(兵庫県・長谷川省三さん)

【クラフト部門賞】
しゅつどう ウルトラ警備隊!(北海道・斉藤雅史さん)

【溶接部門賞】
サウナ薪ストーブ(静岡県・北川さん)

【ノンセクション部門賞】
ほこら(千葉県・佐藤秀夫さん)

【審査員特別賞】
自作 RC 草刈機(長野県・長橋 学さん)

【審査員特別賞】
妻と造った雑木林に佇む古民家風和小屋「く庵」(熊本県・箙 裕治さん)

【審査員特別賞】
カジュアル屋台(和歌山県・川端潤一さん)

CAT HAMMOCK(ニャンモックスタンド)の作り方/愛猫のための家具をDIYで作ろう(2)

「猫ってどんな家具を使うんだろう?」と考えてDIY。ごはん台を作ってみよう、トイレカバーを作ろう。なになにニャンモックなんてものがあるのかと、いろいろなものを作ってみる。製作中は迷惑そうにしているけれど、完成後はいつも好奇心を持って迎え入れ、そして思い切り使ってくれる。DIYが好きな飼い主冥利につきるよ。

 

CASE02 CAT HAMMOCK(ニャンモックスタンド)

ハンモックが猫の体を包み込み、リラックス効果も期待できます

 

「猫ってよく寝るって言いますよね?僕もそうなんです。よく寝ます。ソファや座布団のふんわりも最高だけど、気持ちいいなぁと思ったら小さなダンボールの中でまったりしちゃうんだ。でさ、僕、SNSでニャンモックっていうのを知ったわけ。宙に浮いたベッドで仲間がスヤーッとしている姿を見たら僕も寝てみたいって思ったんだ」

 

<木材サイズ表>*単位はmm

木材の種類 サイズ 数量 使用部位
2×4材 450 1 貫A
320 2 土台B
1×4材 380 4 柱C
25mm径丸棒 450 2 ニャンモック掛けD
布(普通地) 500×500 2 ニャンモック

 

<使用した主な資材>
2×4材(1820mm/1本)、1×4材(1820mm/1本)、25㎜径丸棒(910mm/1本)、55mm・75mmスリムビス

<その他の資材>
布(普通地)、パラコード、60番普通地用ミシン糸、ペンキ系水性塗料

<使用した道具>
【接合・下穴あけ】インパクトドライバー(+2番ドライバービット、25mm径フォスナービット)
【切断・切り抜き】ジグソー(曲線切り用ブレード*木材用ブレードでも可)、ノコギリ、ハサミ
【固定】クランプ
【計測】メジャー、サシガネ、モノサシ
【塗装】ハケ、マスカー
【ソーイング】家庭用ミシン

 

<製作MEMO>
ニャンモックスタンドの土台と貫は2×4材を使ってどっしりと作りました。愛猫がジャンプして飛び乗っても安定感があります。1×4材で作る柱の角度は現物に合わせて決めました。ノコギリで柱の角度切りをするときはしっかりとクランプで固定してから行ないましょう。ニャンモックの紐通し部分はジグザグ縫いをして補強しています。

製作したニャンモック。引っ掛ける紐はパラコードなど丈夫なものを選ぼう

 

STEP1 土台を作る

 

STEP2 貫を作る

 

STEP3 土台と貫を接合する

 

STEP4 柱を作る

 

STEP5 貫と柱を接合する

 

STEP6 ニャンモック掛けに溝を彫る

 

STEP7 塗装する

 

STEP8 ニャンモックを作る

写真◎門馬央典、福島章公、編集部、製作者提供/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2021年1月時のものです。

 

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日差し対策にタープを張った快適なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(4)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case04 日差し対策にタープを張って快適な簡易屋根つきデッキ!

施工主のKさんの奥さんと愛犬さくらちゃん。ガーデニング用の日よけを桁に取りつけ、タープに使う

 

しっとりと落ち着いた雰囲気のK邸のウッドデッキ

 

業者に依頼して行なった自宅リフォームがきっかけで、Kさん(51歳)がDIYしたウッドデッキ。リフォーム中に出た廃材(ヒノキの角材や床柱など)を捨てるのがもったいないと感じ、「ウッドデッキでも作れたらいいなぁと思ったんです」(Kさん)。

また、リフォーム完了と同時に飼うことになった犬が、デッキ作りへ拍車をかけた。犬は運動大好きなボーダーコリーの「さくら」。「犬小屋はもちろん、さくらのために(庭に)遊べるスペースを確保したい!」 と思ったのだとか。

DIYほぼ未経験だったKさんにとって、本誌がDIYの助けになった。「偶然、書店で知って、図書館でバックナンバーを読みあさりました。作業の手順や製作方法、いろいろな実例作品からアイデアを収拾しました(笑)」(Kさん)。そして、アレもコレも取りいれたいと考える内に、「どうせなら庭をまっさらな状態にして一から作ってみよう」と思い至る。

作業は、まず庭の植木の伐採から始め、整地を行ない、ウッドデッキのシンボルツリーとなる紅葉を植えた。そして、コンクリートを打ち、ウッドデッキ製作を行なう。ウッドデッキはおなじみの手法で作られた。

完成したウッドデッキは、犬小屋と一体化しており、愛犬はデッキで自由に遊べる。また、デッキは南向きにあって日差しが強く、日常的にタープを設置。簡単な屋根つきデッキという趣がある。「大きな部屋がひとつ増えた感じかな」というKさん。よく晴れた日にお昼ごはんを食べたり、お茶を飲んだり、昼寝をしたりとデッキライフを満喫しているそうだ。犬も人も楽しめる場所になっている。

 

いろんな収納システムを兼ねた犬小屋

愛犬さくらちゃんの犬小屋は、バイクガレージとウッドデッキの間に作られている。使われた資材は、ヒノキ材や廃材など。犬小屋上がKさんの道具収納棚になっている。サイズは幅110×奥行き75×高さ170cm。また、側板には飾り棚スペースが作られており、おしゃれな雰囲気だ。

 

カウンター&スツール

犬小屋横に作られたフェンス上はカウンターテーブルになっている。お茶のみスペースとして重宝しているそうだ。手作りのスツール2脚は背もたれ部が緩やかな曲線で仕上げられている。

カウンターテーブル天板はキハダを使用

 

タープを使って簡単な屋根に

南向きにあるデッキは日差しが強いため、普段からタープを張って日陰を作り過ごしやすい空間にしている。タープは桁に固定させた。桁は相欠き加工されている。

タープ用の桁の右側の柱は、フェンスとベンチ型室外機カバーの柱も兼ねている

 

シンボルツリーと格子のフェンスで和風モダンテイスト

KさんがDIYでいちばん初めに手をつけたシンボルツリーの紅葉。木製の格子フェンスの見た目も手伝って和風モダンな雰囲気になっている。

 

デッキフェンスと合体したベンチの室外機カバー

キハダとヒノキ材、廃材を利用して作られたベンチ型の室外機カバーは、重厚感のあるつくりが印象的。デッキフェンス支柱をベンチの脚部に利用しているユニークな作品だ。

 

廃材利用のフェンス支柱

カウンターテーブル下のデッキフェンスの支柱には、自宅リフォーム工事で出た廃材(床柱)を利用した。木の凸凹した質感が面白く、また、和風な雰囲気を与えている。

写真◎清水良太郎

*掲載データは2011年2月時のものです。

自転車のパンクの直し方を詳しく解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(14)

現在タイヤチューブの穴あきによるパンクの修理料金はひと穴1000円から1500円程度。これが、タイヤレバー2本(プラスチック製200円程度)と、パンク修理キット(100円ショップで110円)を用意しておけば、あとは日曜大工の道具を利用してDIYで修理できる。

 

パンク修理はやればやるほど慣れてきて簡単に行なえるようになる

ここで紹介しているパンク修理は、英式バルブというバルブ形式のチューブを使う自転車のパンク修理の仕方。ママチャリと呼ばれる一般自転車、実用車に利用できる。

朝見たら、空気が抜けていたという場合、パンクと同時にバルブの破損という線も疑ってみる。バルブの虫ゴムを交換するだけで、大丈夫という場合もある。

自転車はひっくり返し、車輪を上にして作業するとやりやすいが、ハンドル上にランプやアクセサリー類が付いているときは、傷付かないように養生するか、外しておく。

まず、最初にブレーキを緩めて、タイヤまわりでチューブを自由に動かせるスペースを作っておく。チューブはリムに引っ掛けたり、かまれたりしないようにていねいに取り出すこと。修理したチューブをタイヤに入れるときは、捻じれたり、タイヤ内で折りたたまれたりしないように注意する。急がず、焦らず、ていねいに作業するのがコツだ。

 

購入したパンク修理キット。写真右から紙ヤスリ、虫ゴム2本、専用接着剤、パッチ4枚がセット。収納用のケース付き

 

長さ10cm程度の自転車用タイヤレバー。平らなプラスチック製が使いやすい(写真下)

 

STEP0 バルブの補修

 

STEP1 ブレーキを解除する

 

STEP2 チューブをはずす

 

STEP3 パンクを修理する

 

STEP4 チューブをタイヤに入れる

 

STEP5 ブレーキを元に戻す

*掲載データは2012年4月時のものです。

ヨーロッパの街並みをイメージさせるモコモコしたピザ窯のポイントは?/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(8)

Case08 モコモコッとした質感のモルタルに緩やかなアールの相性が抜群

ヨーロッパの街並みをイメージさせるような淡い山吹色のピザ窯。窯口の扉や化粧板にまでアールが取り入れられた柔らかいデザインが特徴。

山吹色のモルタルが塗られた窯は随所にアールを取り入れた柔らかいデザイン

 

<記事内ギャラリー>

 

<Aさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W1200×D1300×H1400mm
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ約90個、コンクリートブロック、コンクリート平板、2×材、1×材、耐火コンクリート(アサヒキャスター)、鉄筋(10㎜径)、モルタル、カラーモルタル、砂、化粧砂利など
  • 製作費用
    約12万円
  • 製作期間
    実働14日間
  • 窯製作のきっかけ
    フェンスやペイビングだけの庭ではさびしい。また子供が大きくなった今、石窯があればみんなで楽しくピザパーティーができていいなと思っていた
  • 窯設計までの経緯
    ピザ窯を作ろうと思ったもののなにもわからないので、石窯づくりの本を3冊買いそろえ、通勤時に読みふけった
  • 窯の特長・ポイント
    材料をほとんど切らずに済むサイズに窯を設計したこと。保温のためピザ窯全体をモルタルで塗装したことなど
  • 土台
    基礎の50mm厚のモルタルの上にコンクリートブロックを4段積み上げた。土台の正面には2×材でドア枠、1×材でドアを取り付け、中を薪の保管庫にしている
  • 屋根
    なし
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    燃焼室が大きく窯がなかなか暖まらない。今回は2×材で窯口の扉を作ったが、次回は両開きの鉄扉をつけたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    DIYで出た端材や親戚の持つ敷地の間伐材などを利用している。調達先をもっと開拓したいと考え中
  • 使用時に出る煙についての注意
    煙はやはり心配。朝早く、夜遅くの使用は控えるようにしている
  • 窯まわりに欲しい設備
    料理の調理ができるような野外キッチン
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    生地作りはいとこ夫婦にお願いしているが、はやく自分でも作れるようになりたい…
  • ピザ窯の魅力
    「わいわいがやがや」人がどこからか集まってくるところ

 

 

背面もきれいにモルタルが塗られている。基礎の周りには化粧砂利が敷かれ、すっきりした印象

 

右側に薪や端材を収納。左側には棚を取り付け、トングやピールなどピザ作りに必要な道具を収納している

*掲載データは2011年8月時のものです。

草刈り達人になろう!刈り払い機の正しい使い方、教えます/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(22)

「夏は雑草との闘いである」。これが菜園ライフや里山暮らしをする人の一致する意見だ。太陽の熱射を受け、ムシムシする空気の中で、刈り払い機を持ち、長袖&長ズボン姿で伸び盛る草に挑む。これが実にツライ。でも、草刈りが終わった後、ひとッ風呂浴びて飲む冷えたビールって、実にカンドー的!

 

 

【記事内ギャラリー】

 

「田舎」と呼ばれている地域では、刈り払い機(草刈り機)の常備が当たり前だ。農家では「一家に1台」どころじゃない。「ひとり1台」のケースだって珍しくないのだ。千葉県いすみ市の里山にあるドゥーパ!のガーデンスタジオも例外ではない。2サイクルのエンジン式と電動式バッテリータイプの2種類の刈り払い機を用意しており、夏が近づくと、とにかく草刈りに追われる。人気はやはりバッテリータイプだ。スイッチひとつで始動するし、軽くて取り回しが楽で静か。ただし、バッテリーが20分ほどでなくなるから、充電する時間帯が必要で、これを休憩時間にしている。

これに対してエンジン式は、ポンピングで燃料を送り込んだり、チョーキングしたり、スターターを引っ張ったりして、始動までにするべき手続きがいろいろある。パワフルだがうるさいし、振動も大きい。やや重い。排気ガスも充満する。ただし中には、エンジン式にこだわる人もいる。聞くと「あの振動とピーキーな2サイクル音がいいのだ」という。確かに、エンジン式刈り払い機で草刈りに集中していると、つい夢中になっちゃって、最後に気持ち悪くなるなんてこともあった。実は、これはかなりヤバイ状態なのだ。独立行政法人「国民センター」によると、刈り払い機の作業中の事故は、60歳代が最も多く、次いで70歳代、50歳代とか。事故の内容も、「刈り刃のキックバックで指を切断」「軍手が絡まり、巻き込まれて指を切断」「刈り刃の回転による飛散物が目に混入」「転倒して刈り刃が身体に接触」など、実にさまざまだ。

そこで、夏の草刈りシーズンを控えた今、気をつけたい草刈り作業をまとめてみた。

 

 

服装について

前述の写真を参照すること。頭のてっぺんからつま先まで油断禁物。刈り払い機の刈り刃による事故のほか、スズメバチへの対策も怠ってはいけない。また、草むらに入るときはマムシに注意すること。

 

作業時間

1日2時間以内、連続30分以内、休憩5~10分を基本にしよう。振動障害予防のためもあるし、熱中症対策にもなる。疲労による事故も防げる。

 

刈り刃に接触する事故対策

キックバックを避けるために、刈り刃の左右往復刈りを避けること。右から左に振りながら、刈り刃の先端から左側の3分の1の部分を使って刈ること。刈り刃の先端から右側の3分の1の部分が障害物にあたるとキックバックを起こしやすい(上写真参照)。できれば、切り株や岩、狭い場所などがある場所では、刈り刃が障害物にあたってもキックバックしにくい、ナイロンコードに変えたほうがいい。ベテランの中には、草などが絡むのを嫌がって、飛散防止カバーをはずす人がいるが、これは飛散物の事故の原因にもなるのでやめること。

 

刈り払い機(草刈り機)と刈り刃の種類と一般的な特徴

 

刈り払い機の草刈り、スペシャル情報

これ、おすすめ!斜面の草刈りで大活躍の「土手歩き」

一度やった人ならわかるはずだが、急斜面での草刈りはけっこう辛い。足元が不安定で、滑ったり、足が痛くなったり、体勢を立て直すために各所に力が入り、疲労の度合いもハンパじゃない。そこで使ってみたのが「土手歩き」という斜面専用草刈りスパイクだ。靴を載せるとほぼ水平になるように、角度をつけた鉄板を組み入れたもので、斜面でも足首を曲げずに作業できる。20~45度位までの斜面に対応でき、靴の脱着も簡単。本誌が実際に試した結果、ホントに楽だし、安全に作業できることがわかった。(イーハトーブ合同会社

これが「土手歩き」(左足用)。山側にスパイクが2本ついていて、地面をしっかりとらえる。靴を履いたまま、下駄の上に載せるようにして固定するだけ

 

谷川の足に「土手歩き」を装着して斜面の草刈り作業をする。驚くほど楽だった。斜面を平行に歩き、山側から刈り降ろしながら進むのが基本

 

肩掛けベルトを2点吊りベルトにすると作業が楽になる

これも「土手歩き」を考案した同社のアイデア。刈り払い機を1点で吊っている肩掛けベルトに1mほどのロープを結んで延長し、ハンドルとシャフトの交差位置に縛って2点吊りベルトにすると、刈り払い機がより自由に動かせ、作業が楽になるとか。一度試す価値あり?

 

チップソーの目立てで切れ味をアップ!

あまり聞いたことはないが、古いチップソーは、ダイヤモンド砥石をつけたディスクグラインダーで目立てすれば、驚くほど切れ味がよくなるそうだ。コツは砥石をほんの1秒くらいずつ、チップソーのチップの「逃げ面」と「すくい面」にあてることらしい。強くあてると削りすぎでチップソーの寿命が短くなってしまうとか。

 

刈った草を「まとめながら」刈る

刈り刃を右から左へ動かして刈り進むとき、左端で刃先を少し左側に倒してやると、刈った草がそこにまとまるので、刈り跡がきれいになるばかりか、あとで刈った草を集めるときに都合がいい。地域住民総出で行なう村道の草刈り作業のときは、これであなたはヒーロー?

左側で少し刃を傾けて、刈った草を寄せておく。これポイントです

 

文・写真◎脇野修平/取材協力◎金綱良行

参考文献/農家が教えるラクラク草刈り・草取り術(農文協刊)

*掲載データは2015年4月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

DIYで楽しむアウトドアリビング&ピザ窯・パン窯特集!『ドゥーパ!』2022年8月号(149号)の中身を紹介

日本で唯一のDIY雑誌の最新号「ドゥーパ!2022年10月号」(発行:株式会社キャンプ)が7月8日に発売!

 

 

【記事内ギャラリー】

 

第1特集は「ウッドデッキから始める、僕らの野外基地作り」

「ウッドデッキ作りがアウトドアリビングを実現する第一歩」をテーマに、小さな庭に作るささやかな(でも最高な)くつろぎ空間から、子どもの頃の夢想をそのまま実現したような、憧れの野外基地とその作り方を紹介。冒険心をくすぐる大人の秘密基地が大集合!

 

 

編集部のDIY実践リポートは、今も続くウッドショックの中、その存在感を増してきた人工木を使ったウッドデッキ作りと、継ぎ手を駆使した方形屋根のガゼボ作りの模様をお届け。板葺き仕上げのリゾートライクな“離れ”的くつろぎ空間の作り方をご覧ください。

 

 

ブーム真っただ中のサウナや開放感満点の露天風呂は、野外基地との相性抜群。極上の癒し空間を手に入れたDIYerとその作品を紹介します。さらに前項の製作リポートで紹介したデッキ&ガゼボを編集部が自ら露天風呂化! ポイントはもちろん、失敗やトラブルも包み隠さず公開した、汗と涙のDIYドキュメントをお楽しみください。

 

 

第2特集は「手作りピザ窯・パン窯のある暮らし」

3例の自作薪窯とその活用法をとおし、ピザ窯・パン窯のある暮らしの魅力を伝える本特集。材料や構造の違うそれぞれの窯の特徴から、ピザだけではない窯料理のアイデアまで、ドゥーパ!らしく細部まで掘り下げて紹介。ぜひじっくりとご覧のうえ、あなたも口福な熱中時間を愉しんでください。

 

 

バラエティあふれる連載にも注目!

車中泊や旅を楽しむための軽バンカスタム、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイなど読み物も充実。こちらもぜひお楽しみください!

 

※本書内、P058に掲載いたしました「屋根下地の構造図」上に、画像解像度が低い旨の指示文が残ったまま掲載したことを確認いたしました。読者の皆様、関係各位にご迷惑をおかけしましたことを深くお詫び申し上げますとともに、ここに訂正させていただきます。

 

[商品概要]
ドゥーパ! 22年8月号(NO.149)
著者:ドゥーパ!編集部
定価:1,100円(税込)
発売日:2022年7月8日
判型:A4変形

<本書のご購入はコチラ!>
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セブンネット

プライベート感と開放感を両立!屋根&フェンスつきウッドデッキの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(3)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case03 プライベート感と開放感を両立させる屋根&フェンスの絶妙なサイズ

ベランダが、ウッドデッキと屋根、フェンスにより、居心地のいい“部屋”となった。骨組みにはサイプレス、床材にはささくれにくいイタウバを使用。ナチュラルな雰囲気になるよう、あえて無塗装とした

 

リビングルームから続く半野外空間は使い勝手がよく、使用頻度はとても高いという

 

H邸では、ベランダにウッドデッキと屋根、フェンスを設けることで、プライベート感が増し、リビングルームを延長したかのような空間となった。

屋根はベランダ全体ではなく必要十分な面積のみを覆い、フェンスは目隠しとして機能する最小限の高さに抑えたため、心地いい開放感が保たれているのが、この空間の特長。周囲の環境に合わせながら、どのようにプライベート感と開放感のバランスをとるかが、半野外空間作りのポイントになると思われるが、その点、このベランダはちょうどいい。

完成前から、まさにリビングルームのように日常的に使える空間をイメージしていたという施主は、イメージ通りの生活が送れていると満足げ。

「サンルームにするという案も一瞬浮かんだけど、やっぱり風が通る空間、空気が動く空間がいいなと思って、こうなりました。思ったとおり、最高の居場所になりましたね」

天気のいい日、デッキの上で愛犬たちがくつろぐ姿を見るのも幸せだという。

 

オーニング利用で開閉式の屋根に

屋根は、日差しや小雨を遮りたいときには閉じ、青空を感じたいときには開けられるよう、オーニングをつけた。選んだのはドイツのメーカー、マルキルックス製。収納部分が丸くスマートなのが気に入ったそう。防水仕様だが、できるだけ長持ちさせたくて、そこそこの雨のときはたたむようにしているとのこと。

屋根を全開にすると、いわばパーゴラの状態になる

 

ベランダを横から見た状態。垂木の上にオーニングのフレームが載っている

 

ハンドルを回してオーニングを開け閉めする。所要時間はほんの数秒

 

外壁にビスを打たずに桁と垂木を組む

上のオーニングの説明写真で、屋根とフェンスの全体の骨組みの様子がわかるが、家の壁側に組んだ柱と桁は、壁には接合していない。柱を自立させ、その上に桁を載せているのだ。さらに桁の上に垂木を載せ、垂木の上にオーニングを載せている。雨が漏れるのは覚悟の上で、外壁にビスを打つのは避けたいという施主の要望に応えた構造だ。なお、壁に接合していないため、柱まわりの骨組みを頑丈にしてある点にも注目したい。

柱と桁はホゾ組みの上、ビス留めしてある。垂木は45mmほどザボリして、90mmビスで桁に固定。オーニングのフレームは垂木にステンレスのコーチボルトで留めている

 

できるだけ開放感のある骨組みに

ちょっと変わった骨組みのデザインは、強度を確保しつつ、オーニングをたたんだときに最大限の開放感を得られるよう考えたもの。真ん中付近の垂木の間隔を広くして、先端の2本の横桟を省いたことで、狙いどおりの仕上がりに。

中央先端付近が、とても“抜けのいい”骨組みデザイン

 

便利に使い分け!たためるフェンス

通常は、目隠しとして機能する高さに設定したフェンス。その一部を、ラッチと蝶番を使って下向きにたためるようにしているのが面白い。大きな荷物をベランダから運ぶことを想定したアイデアだそうだが、気が向いたときだけフェンスをたたんで外の様子を感じられるというのも便利に違いない。

通常の状態。たためる部分は、上部にラッチ、下端に蝶番がついている

 

たためる部分は2分割しているので、2段階でたためる。片方だけたたんだ状態

 

両方たたむと開放感はかなり増す

 

S字フックが大活躍

居心地のいい空間にするには、好みの演出を施したいもの。H邸では、その演出にS字フックが大活躍だ。屋根の骨組みやフェンスにフックをかけて、プランターなどを吊るしている。2本のフックの間にバーを渡して布をかけた日よけも、この空間には欠かせないアイテムだとか。

フェンスには、雑貨店で見つけた額縁風のプランター置き

 

日よけの布は、夏にはもっと大きくて厚く、アジアンな柄のものに変わるそう

 

邪魔にならない小さなテーブル

フェンスの一部に、少し広めの板をつければ、それだけでテーブルのできあがり。これぐらいのサイズなら、あまり邪魔にならないわりに、グラスやコーヒーカップ、読みかけの本などを置くには十分で、使い勝手がいい。

柱と板を相欠きして作ったミニテーブル

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

DIYの基本切断工具「丸ノコ」を使いこなそう!・基礎知識編/DIY工具使いこなし術(4)

手で挽くノコギリと同じく直線を切るという作業を、ノコギリより大幅に素早くこなせるように生まれた電動丸ノコ。DIYでも大量の材を切断するなど、基本的な工程で大活躍してくれる電動工具だ。

 

基本は刃径165mmモデル

DIYの現場で使われる切断工具の主役が丸ノコ。材料を切り分ける木取りという作業で、正確に素早く材を切断するためには欠かせない電動工具だ。

2×4材を切るにしても、完全に切断するのに手で挽くと1分程度かかるが、丸ノコを使えば数秒で切り落とすことができ、作業の効率を大幅にアップしてくれる。

丸ノコは円盤型のチップソーと呼ばれるノコ刃の大きさで、本体が大中小いくつかの大きさに分けられるが、DIYの現場ではチップソー直径が165mmのモデルが使いやすい。165mmチップソーの丸ノコは、プロの現場でも多く使われるスタンダードモデルといえる。165mmのチップソーを取り付けるタイプの丸ノコの、最大切り込み深さは、モデルによるが57mmから66mmと十分な深さがある。これだけの切り込み深さがあれば、薄い合板から厚さ38mmの2×材まで余裕を持って切断することができる。

丸ノコは直線切りの専用機という電動工具だが、直角の直線切り以外に、傾斜した直線切りができるように、チップソーを傾ける機能がついている。また、材の木目に沿って縦に長く切るときに、切り線が曲がらないように丸ノコをガイドする、ソーガイドや平行定規と呼ばれるガイドバーが付属することも多い。

 

ベースプレートと刃は直角に

家庭用の100V電源を電源にする丸ノコは、出力1000W以上のモーターとチップソーが組み合わされ、ハンドルと安全カバーのついた本体部分が、ベースプレート(定盤)の上に載っている構成で、基本的には、ベースプレートの面に直角にチップソーがセットされている。

 

丸ノコで切断作業するときの基本的ポジション。丸ノコの真後ろより少しずれて、墨線と墨線目盛りは真上から見える位置に立ち、右手をハンドルに添え、左手はモーターハウジングを支えるように置く。コードは自分の後ろに流れるように肩かけして背中に回しておく

 

作業の前には刃とベースプレートが正確な直角になっているか確認する。傾いている場合は、その丸ノコの説明書にしたがって修正する。説明書は取り出しやすいところに保管しておく

 

一般的な丸ノコは片側に45度の角度まで傾斜できるようになっていて、傾斜のついた直線も切ることができる。

ベースプレートは材料の上に載り、回転するチップソーをしっかりと支える重要なパーツで、精度の高さと頑丈さが必要とされる。鉄板製とダイキャスト製があるが、一般的にダイキャスト製のほうが性能は高く、ダイキャストのベースプレートのついた丸ノコは高級機とされる。

 

ベースプレートの前後についた蝶ボルトを緩めるとベースプレートを45度までの角度で傾斜させることができる

 

丸ノコに取り付けて木工用に使われるチップソーの刃。写真のように刃先はタングステンカーバイトなど超硬チップが使われることが多い

 

安全に丸ノコを使いこなすポイントのひとつは、電源プラグの管理。材を切る直前までプラグを抜いておくことを習慣づければ、思わぬ事故を予防することができる(バッテリー式なら電池をはずす)

 

モーター周りには、モーターを回すためのカーボンブラシが入ったホルダーがあり、カーボンブラシを交換するためのブラシキャップが2カ所ついている。カーボンブラシはモーターを回転させるためのパーツで、自動車のタイヤのように目印まで磨り減ったら交換する消耗品だが、週末だけの日曜大工での使用なら5~6年は交換しないで使えるので、日常的に心配はいらない。ただし交換するときは、2個一緒に交換する。また、最近の丸ノコには、チップソーの切断部分を照らすライトがついたモデルも多く、多少暗くなっても正確に墨線を追うことができる。

 

オプションの集じんノズルをセットすれば集じん機に接続することもできる

 

四角いブロック状のものがカーボンブラシ、モーターを回転させるために欠かせないパーツ。長年使っていた丸ノコが突然止まった場合、これが磨り減っていることが多い

 

丸ノコの刃(チップソー)の取りつけ方

古いチップソーを新しく交換したり、別の用途の刃と入れ替える場合は、写真のようにノコ刃交換レバーを押して、刃が回らないようにしながら、センターの固定ボルトを緩めてフランジをはずし、交換する刃を取り外して、シャフト側フランジの凸部に合わせて新しい刃を取り付ける。写真では刃のついていない丸ノコに新しいチップソーを取り付ける手順を紹介している。取り外し手順は写真の逆の手順で進めればいい。作業中は必ず電源プラグを抜いておく。

<木工用チップソーで切断できる材の一例>
木材、集成材、木質合板、MDFボード、木質フローリング、OSB合板、スタイロフォーム、ケイカル板、石膏ボード、ラスボード、ラスカットボード、パーチクルボード、竹材、ファイバーボード、インシュレーションボード等

 

写真◎冨士井明史

*掲載データは2011年10月時のものです。

焼き室は独立式!ほぼ廃材で作られたピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(7)

Case07 廃材で作ったピザ窯は焼き室が独立式

自宅の解体や仕事で出た廃材をコツコツ集めて作ったピザ窯は、焼き室が独立した設計。燃焼室で焚いた火が焼き室全体を暖めて、こんがりとピザを焼く。

周囲に積み上げられた自然石や吊り下げられたランタンが秘密基地のような雰囲気を思わせる。右上にあるのは手作りスモーカー

 

<記事内ギャラリー>

 

<Oさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W550×D750×H1050mm
  • 使用した主な素材
    普通レンガ約140個、断熱レンガ6個、耐火コンクリート(アサヒキャスター)、モルタル、砂、砂利、鉄板、特注した鉄扉、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約5万円
  • 製作期間
    実働20日間
  • 窯製作のきっかけ
    新婚旅行で訪れたイタリアで食べたピザの味が忘れられず。お金はあまりかけず、あるものを使ってピザ窯を作りたいと思っていた
  • 窯設計までの経緯
    本にはなかなか自分の思うような連続燃焼式窯がなく、以前の『ドゥーパ!』を参考にして作った。レンガは「いつかなにか作るときのために」と中古レンガをもらってためていた
  • 窯の特長・ポイント
    焼き室は下段の燃焼室とはつながっておらず独立式で、煙が入ってこない。使用時の保温力を高めるために窯の周りに自然石を積み上げている
  • 土台
    地面を50mm掘ってコンクリートを打設し、その上に中古レンガ&鉄板を設置
  • 屋根
    燃えにくい6尺の平トタン2枚を使い、片流れ屋根にした。煙突が熱を持つので、屋根との接合部分は陶器のトイを使って煙突を囲い、雨漏り防止に耐熱パテを使用した
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯使用時、天井部の耐火コンクリート(アサヒキャスター)がかなり熱を持ってしまう。次はもっと厚く塗るか、違う方法を考えたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    自分の家を解体した際の廃材を敷地内においていて、ピザ窯や薪ストーブに使っている
  • 使用時に出る煙についての注意
    隣家とは距離があるので、心配していない。初めは洗濯物に煙の匂いがついたので、煙突を継ぎ足した
  • 窯まわりに欲しい設備
    ピザ窯の右上側に燻製ボックスを作ったが、ピザ窯の保温を兼ねたものに改良したい
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    シンプルなトッピングのほうが窯で焼いた生地の味を楽しめると思う
  • ピザ窯の魅力
    ピザ窯の火入れをして、煙突から煙を出すだけで癒される。自分で作ったピザ窯で焼きたてのピザが食べられるだけで大満足

 

 

焼き室は独立した箱なので、燃焼室の煙は入ってこず、ピザやパンが煙り臭くならない

 

窯を雨から守る屋根にはトタンを使用。防火のため煙突には陶器のトイを巻いている

 

トタンとの接合部分には雨漏り防止のため耐熱パテを使用した

*掲載データは2011年8月時のものです。

夏休み目前!猛暑に備えた「涼を創るカーテン作り」(2)/竹&単管パイプのサウンドカーテン編

いよいよ夏本番、じっとしていても暑い日本の夏がやってきた。じっとしていても暑いなら、むしろ体を動かして涼しさを呼び込むグッズを手作りしてしまおう。そこで、「カーテン」をキーワードに編集部員が五感で涼むカーテンのDIYにトライ。どんな作品ができたのか?

 

作品2 風が心やすらぐ癒しの音を奏でるサウンドカーテンを作る

 

暑い夏を乗りきるには「癒しの音しかないでしょ!」と息巻くのは編集部設楽。縁側に座り、セミの鳴き声と涼しげなウインドベル(つまり風鈴)の音に耳を傾け、かき氷を食べる……これしかない!

作ったウインドベルの種類はふたつ。ひとつは銀色に輝くボディがUFOを連想させる単管パイプを使ったもの。もうひとつはその乾いた音から懐かしさを感じさせる竹を使ったバンブーベルだ。

まずUFO風ウインドベルだが、パイプをしっかり挟みこんで固定する土台を、適当な端材で作るのがポイント。ディスクグラインダーでパイプを切断する際、パイプがきっちり固定されていないと非常に危険だ。またキックバックにも気をつけること。切断の際は火花が飛び散るのでエプロンなどで対策をしっかりしたい。

サウンド的な工夫としては、切断した単管パイプ内部にいらないボルトやナットをたこ糸で仕込んだ。これでベルが風で揺れたとき、内側からも涼しげな音がする。

バンブーウインドベルは、作り方の基本はUFO風ウインドベルと一緒。あまり太くない竹を選ぶと作品がスマートな感じになる。また和風の雰囲気を出すため、ここではたこ糸ではなく、麻ひもを使用した。

材料に特殊なものがなく、作り方も簡単。まさに親子で作る夏休みの自由研究に持ってこい! ペイントするとより楽しめるのでみんなでワイワイ作ってほしい。

 

<使用した材料>

青竹(外径30×長さ1500mm程度)2本、単管パイプ(外径25×2500mm程度)1本、角材(200×300×1000mm)1本、ステンレスのボウル(170mm径)、たこ糸・麻ひも適宣、ボルト・ナット・ワッシャー適宣

 

<使用した道具>

ディスクグラインダー(金属用切断砥石装備)、電動ドリル(3mm径の鉄鋼用ドリルビット装備)、クランプ、竹切りノコギリ、ノコギリ、カッター、マーカー、その他やすりなど

 

<UFO風ウインドベルの作業手順>

 

<バンブーウインドベルの作業手順>

写真◎伊勢和人/作◎ナマステ設楽

夏休み目前!猛暑に備えた「涼を創るカーテン作り」(1)/竹のウォーターカーテン編

いよいよ夏本番、じっとしていても暑い日本の夏がやってきた。じっとしていても暑いなら、むしろ体を動かして涼しさを呼び込むグッズを手作りしてしまおう。そこで、「カーテン」をキーワードに編集部員が五感で涼むカーテンのDIYにトライ。どんな作品ができたのか?

 

作品1 庭に渓流の涼しさを呼びこむウォーターカーテンを作る

 

流れる水の周囲は涼しい。そこで小宮は考えた。山道で渓流の側を歩くときに感じる、自然な涼しさをDIYで再現しようと。それがこの作品のテーマ。

材料は編集長宅の端材ボックスにあった40mm径程度の竹、長さは1200mm程度のもの。ここに細かい穴をあけ、節を抜いてホースを差しこみ、水を流せば岩肌を流れ落ちる白糸の滝といった趣となるのだ。

ポイントは竹にあける穴のサイズと、ホースと竹筒との接合方法。

竹にあける穴は、接合部から離れるほど大きくすると水の流れは均一になる。竹筒の長さを大体3等分して、ホースに近い3分の1の穴は2mm径、真ん中の3分の1は2.5mm径の穴、ホースから一番遠い端の3分の1は3mm径の穴をあけている。物体の内部にかかる水圧はどの方向にも均一なはずなので、穴の大きさは均一でいいはずなのだが、たぶんどこかで水が漏れるかしていたのだろう。ホース接合部より離れるにしたがって穴を大きく調整したほうが水の流れは均一になった。

また接合部は思いがけず水圧がかかるようなので、節を抜く径を正確に加工して、ねじこみ式のバルブなどを使ってがっちり取りつければ、作品としての完成度は増すだろう。

半日でできる工作なので、興味のある方はぜひ作ってみてください。うまくいくと気持ちいいですよ。

 

<使用した材料>

青竹(40mm径×長さ1200mm程度)1本、透明ホース(内15mm径×5m、使用する蛇口径にあわせる)1本、ビニールテープ1巻、ペットボトル用給水キャップ(給水くん)1個、麻ひも適宜、接着剤(木とゴムに対応するタイプ)

 

<使用した道具>

竹がまわらず置ける台または木工万力やクランプ、インパクトドライバー、2mm/2.5mm/3mmドリルビット(鉄工用)、鉄筋または全ネジを1m程度、竹切りノコギリ、ノコギリ、カナヅチ、クギシメ、メジャー、チョークライン、マーカーペン

 

<製作手順>

写真◎伊勢和人/作◎ビッグマン小宮

CAT BOWL(ごはん台)の作り方/愛猫のための家具をDIYで作ろう(1)

「猫ってどんな家具を使うんだろう?」と考えてDIY。ごはん台を作ってみよう、トイレカバーを作ろう。なになにニャンモックなんてものがあるのかと、いろいろなものを作ってみる。製作中は迷惑そうにしているけれど、完成後はいつも好奇心を持って迎え入れ、そして思い切り使ってくれる。DIYが好きな飼い主冥利につきるよ。

 

CASE01 CAT BOWL(ごはん台)

フードを入れる器と飲料水を入れる器を並べて置けます

 

「私たち猫って吐きやすい動物なんです。ごはんを食べ終えてすぐに吐いちゃうこともあります。フードの器が低いと頭を下げて食べることになって、食道が折れて苦しくなっちゃうんだ。フードの器は頭を下げずに食べられる高さにしてもらえるとうれしいな。そしたらいっぱいごはんを食べられるよ!」

 

 

 

 

 

<木材サイズ表>*単位はmm

木材の種類 サイズ 数量 使用部位
15mm厚パイン集成材 150×350 1 天板A
150×85 2 側板B
8mm径丸棒 適宜 4 ビス頭隠し

 

<使用した主な資材>
15mm厚パイン集成材、8mm径丸棒、30mmスリムビス

<その他の資材>
ステンレス製のミニボウル、ペンキ系水性塗料

<使用した道具>
【接合・下穴あけ】インパクトドライバー(ダボ錐ビット、10mm径ドリルビット、+2番ドライバービット)
【切り抜き】ジグソー(曲線切り用ブレード*木材用ブレードでも可)
【研磨】サンダー*サンドペーパーでも可
【ビス頭隠し】アサリのないノコギリ、カナヅチ
【固定】クランプ
【計測】メジャー、サシガネ
【塗装】ハケ、マスキングテープ

 

<製作MEMO>

天板にあけた円形の切り抜き穴に器をセットするため、縁つきのものを選びました。縁つきの器ならずれにくく、猫が安定して食事をできます。製作時のポイントはセットする器の型紙作りです。型紙を作って切り取り線を引くことで器にフィットした切り抜き穴を作れます。

使用した器は縁がついたステンレス製のボウル。縁が持ち手になり、開口部にはめたとき器がずれにくく安定する

 

天板に円形の切り抜きを作る

 

<ごはん台を組み立てる>

 

もっと手軽にごはん台を作るなら

天板と脚をビスで接合しただけのお手軽ごはん台。塗装をしたり、フードマットを敷くだけで見映えがよくなります。

天板に1×6材、脚に2×2材を使い、ビスによる接合だけで作ったごはん台

写真◎門馬央典、福島章公、編集部、製作者提供/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2021年1月時のものです。

 

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DIYで作る猫のごはん台「CAT BOWL」

 

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ポリカ屋根とシンクを備えたウッドデッキリビングの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(2)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case02 ポリカ屋根とシンクを備えた一家のユーティリティースペース

骨組みにサイプレス、床材にセランガンバツーを使用した屋根つきウッドデッキ。奥に流し台が見える。ポリカ屋根が明るい光を通す、開放的な空間だ

 

柱の上に桁を載せ、桁の上に垂木を載せている。柱と桁はホゾ組みで接合し、桁と垂木は金具を介して接合。スジカイ型のフェンスが構造物全体の強度を高めている

 

家の周囲の半分ほどをウッドデッキで囲んだA邸。比較的幅が狭いデッキが廊下のようにL字型に続き、突きあたり部分に約2.5×3.2mのスペースがある。このスペースがポリカーボネートの屋根を備えた、全天候型のデッキリビングとなっている。

屋根をつけたのは、スポーツに明け暮れる息子さんたちの大量の洗濯物を、天候にかかわらずに干せる場所にしたかったから。

さらに、ここで靴が洗えればなおよしと、流し台も装備することになった。

そんなわけで、そもそも、毎日の家事をスムーズに行なえるよう設計されたウッドデッキなのだが、完成後の活躍ぶりは、もちろんそれだけにとどまらない。

昼は奥様の友人を招いてフラワーアレンジメントを楽しみ、夜はワインパーティーを楽しみ、休日は息子さんたちの友人が集まってバーベキューを楽しみ…と、家族や来客とともに楽しい時間を過ごす場として、欠かせないデッキリビングとなったのだ。

屋根があるから多少の雨なら影響ないし、流し台があるからその場で食器などを洗える。その横に作業台代わりになる収納ボックスがあるのも便利だ。こんな快適で機能的な空間、友人たちもほっとかないだろう。

 

廊下のように長く続くデッキの突きあたりに、屋根つきの半野外空間がある

 

ポリカ屋根の継ぎ目はサイプレスの桟でカバー

屋根材は厚さ3mmのポリカーボネート。透明だから開放感があり、光を通すため洗濯物の乾きも速い。ポリカ板の継ぎ目は、455mm間隔で並べた垂木の上にあり、その上にサイプレスの角材をかぶせてビスで固定。ポリカは温度の変化によって伸縮するため、継ぎ目には3〜4mmのすき間を空けているという。なお、約3mある屋根の奥行きに合わせた特注サイズのポリカ板を使っているため、縦向きには継ぐ必要がなく、横桟は不要となっている。

家の壁との接点にもサイプレスの桟をかぶせ、さらに桟と壁の接点をコーキングしている

 

敷地を目一杯使うための垂木デザイン

敷地いっぱいにデッキを作り、そのデッキを完全に屋根で覆いたい。しかしもちろん、垂木を隣家の敷地に張り出させるわけにはいかないし、さらにいえばデッキ屋根からの雨だれを隣家に落とすわけにもいかない。というわけで、垂木の先端が独特のデザインとなった。

垂木先端の上部を切り欠き、そこに雨どいを収めた。切り欠くことを考慮して、垂木には175mmと幅広の材を使用

 

垂木は桁からはみ出ない長さに設計。L字型の金具を介して桁に接合している

 

イタウバで作った物干し竿差し

ドリルで穴をあけたイタウバの板材を、柱に差し込んで接合した物干し竿差し。A邸では、屋根つきデッキ作りのきっかけが洗濯干し場にするためだから、重要な設備だ。

イタウバは、ひびが入りにくいのが特長のハードウッド

 

立水栓もデッキ材でコーディネート

屋根つきのスペースからは少し離れたデッキ上にある立水栓を、デッキにも使用するサイプレスでカバーし、空間全体の統一感を高めている。

細部へのこだわりが空間全体の印象に影響を及ぼすことは珍しくない

 

収納を兼ねる流し台

デッキの端に備えた流し台は、サイプレスで作ったボックスの天板にシンクと蛇口を取りつけたもの。ボックスの中には給排水の配管があるだけだから、収納庫としても使える。流し台の横には、やはりサイプレスで作った収納ボックスがあり、そのフタは作業台代わりにもなる。

水道と別に雨どいの水が、このシンクに流れ込むようになっている

 

流し台下の収納庫は、デッキリビングで使う道具類をしまうのに便利

 

ヒモを持って開閉する収納ボックスのフタは、頑丈な作りで、作業台代わりになる

 

靴干し専用台まで完備

こちらもイタウバを使った靴干し台。靴を引っ掛けやすい形状にカットし、面取りしたイタウバの板材を、柱にビス留めしている。

デザイン的なアクセントにもなっている

 

何かと便利な作りつけベンチ

幅広の板材と柱を、このように相欠きで接合すれば、作りつけベンチとなる。大人数が集まったときに重宝するのはもちろん、テーブルや作業台代わりにも使えて便利だ。プランターなどを並べる飾り棚にするという手もある。

骨組み全体の補強材としての役割も果たしている

 

ネコの巣にしないために…

デッキの床面が比較的高い位置にあり、デッキ下がゆったりとしているため、そこが野良ネコの巣にならないように、板材を縦張りしてふさいでいる。同様の心配がある人は参考にしてみては?

これにより、デッキの強度も上がることになる

 

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

ウッドデッキの洗浄と再塗装のコツを徹底解説!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(13)

出来たてのころはぴかぴかだった自慢のウッドデッキも、2~3年経過すると塗料も抜けて、がさがさになるし、つやも消えてしまう。そんなときは洗浄と再塗装でリフレッシュ。

 

ウッドデッキの洗浄のコツ

洗浄には、クオファームの木部専用洗浄剤ウッドリバイバーを使用した。この洗剤は木部の変色、汚れや水垢、カビ、日焼けを洗浄するエクステリア専用の洗浄剤。

作業はウッドデッキ上に椅子やテーブル、植木鉢などがあれば、それらをすべてどかして、ウッドデッキ上に何も置かれていない状態にして掃き掃除。土ぼこりや枯れ葉など完全に掃き出してしまう。

掃き掃除が終ったら、ウッドデッキ全面に水をまいて、軽くブラシで洗浄する。ここまでが前段階。

ウッドリバイバーをバケツにあけたら、ブラシにウッドリバイバーをつけて本洗い。ごしごし擦れば、泡だってくるので、ウッドデッキ全面が泡だらけになるように、十分な量のウッドリバイバーを使って洗浄する。ウッドリバイバー1Lで約10平米が洗浄できる。

洗剤で洗浄したら、大量の水で洗剤分をよく洗い流す。泡が見えなくなるまで洗い流す。これで洗浄は完了だ。

 

ウッドデッキの再塗装のコツ

再塗装の前には洗浄したウッドデッキを完全に乾かすことが大切。洗浄から一晩置いて、デッキ面が完全に乾いてから再塗装に取り掛かる。

ウッドデッキの再塗装で一番気をつけることは、塗る色の選択。ウッドデッキに使われるオイルステインは浸透性の塗料なので、塗り重ねるたびに色は濃く黒くなっていく。ちょうど色つきのセロハン紙を重ねていくと、どんな色を重ねても濃く黒く見えるようになるのと同じだ。なるべく同じ色味で再塗装したい場合はナチュラルやクリヤーといった色味の薄いカラーを選ぶ。今回使ったインウッドというステイン塗料ではナチュラル色というもっとも色味の薄いタイプを使用している。それでも若干色は濃くなる。

ウッドデッキ面の乾燥を確認したら、後は再塗装するだけ。面の塗装がほとんどなので、ハケはローラーバケが使いやすい。ローラーバケには長い柄をつけて、あまり腰を曲げずに作業できるようにすると、体も楽だし、塗るスピードもアップする。

塗装に使用したオイルステインはアメリカ製のインウッド。粘度が低く塗りやすく、1度塗りで十分に染み込み、乾けば抜群の撥水性を見せる絶妙のブレンドオイルを使い、ホルムアルデヒド放散なしのフォースター認定も受けている。使用者の評価も高いオイルステインだ。

作業は、塗料がびちゃびちゃしないように、ウッドデッキ面を拭くように塗っていく。塗料が乾くまで塗装面には乗れないので、事前に塗るコースを考えて、必ず脱出できるコースを決めてから作業にかかること。全体が均等に塗りあがったら塗装作業は完了。道具を片付けて、乾燥に一昼夜待てば、よみがえったウッドデッキを堪能できる。

*掲載データは2012年2月時のものです。

商用バンをシンクつきの快適ルームにカスタム!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(7)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【記事内ギャラリー】

 

File07 商用バンの後部をシンク付き快適マイルームに

右側奥にシンクがある。右側手前下のボックスの中にはサブバッテリー(キャンピングカー用ディープサイクルバッテリー)が収まる

 

この外見からは中の様子は想像できない

 

<DATA>
製作者…Kさん(DIY歴15年)
ベース車…トヨタ・プロボックス
製作費用…約5万円(サブバッテリーシステム15万円を除く)
製作期間…約20日

 

キャンピングカー仕様へのカスタム経験が豊富なKさん。以前は大型車をベースにしていたが、新たに目を付けたのがトヨタ・プロボックス。「外見は変哲のない商用バン。でもドアを開けてビックリ!ってのが面白いでしょ」という狙いだが、実際にカスタムしてみて、シンプルな形状でスペース効率のいい商用バンはキャンピングカーのベースに向いていると感じたそう。

後部座席の背もたれをたたんで荷室とフラットにした床は、12mm厚の合板を敷いて市松模様のクッションフロアでカバー。側面の収納ボックスやシンクは18mm厚のパイン集成材で組み立て、黒の合皮を張っている。モノトーンで都会的な空間は、確かに地味を極めた車体デザインからはちょっと想像できない仕上がりだ。

なお、登録上はあくまで4ナンバーの商用車。車検時には荷室の開口サイズが適合するように側面の製作物を一部撤去したり、シンクやサブバッテリーシステムを取り外したりして対応しているとのこと。

 

リアゲートを閉じた状態。リアゲートの内側は合皮張りの薄ベニヤで覆っている

 

2列目シートの背もたれをたたみ、合板を載せてクッションフロアを張っている。合板の木口はメッキモールでカバー

 

キャンピングカー用のシンク部品を使用。シンク下には上水用、下水用に各10Lのタンクを置き、上水用には電動ポンプをセットしている

 

集成材同士を接合するビスはスナップキャップで隠している

 

収納ボックスの固定にはコーナーブロックを多用。ビスを打ってからフタをする。集成材を車体に直接ドリルビスで留めている部分もあるそう

 

外部電源からサブバッテリーに充電できるようにソケットをつけている

 

サブバッテリーの電力を使うためにコンセントを装備

*掲載データは2017年2月時のものです。

寒冷地でもへっちゃら!基礎深さ550mmのガッチリ基礎ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(6)

Case06 寒冷地仕様のピザ窯はなんと基礎の深さが550mm!

凍てつく北国の地盤の凍結深度にあわせた基礎は深さ550mmでガッチリ施工。燃焼室は江別産レンガと耐火レンガの二重構造で、ピザをこんがり焼き上げる!

 

イタリアン・トリコロールカラーのモザイクタイルが張られたTさんのピザ窯

 

<記事内ギャラリー>

 

<Tさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W900㎜×D900㎜×H1240mm *煙突除く
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ93個、外装用レンガ(北海道・江別産レンガ)116個、コンクリートブロック40個、モザイクタイル、耐火コンクリート(アサヒキャスター)4袋、砂利、砂、乾燥砂、セメント、鉄筋、ワイヤーメッシュ、温度計、特注したスチール扉、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約13万円
  • 製作期間
    実働35日間
  • 窯製作のきっかけ
    もともとダンボールとアルミホイルを使った簡易ピザ窯を作るほどのピザ好き。自分で生地から練ってピザを食べること、子供が喜ぶことが嬉しかった
  • 窯設計までの経緯
    『ドゥーパ!』を参考に、連続燃焼・二重構造の窯にこだわり、レンガ・石窯のヒントを探しに図書館へ。ウエブ上の作品もチェック
  • 窯の特長・ポイント
    二重構造の焼き室&燃焼室。スチール建具工場に製作を頼んだ本格的なスチール扉(耐熱硝子付き、耐熱塗料を塗装)。窯正面にはイタリアン風のモザイクタイルを張りつけた
  • 土台
    北海道は凍結深度が深いため、基礎深さを550mmとり、砂利(200mm厚)とワイヤーメッシュ入りのコンクリート(70mm厚)を打設。その上に鉄筋入りのコンクリートブロックを4段積み上げている
  • 屋根
    屋根なしのため、不使用時はブルーシートで覆っている
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    上部焼き室の空間の高さを下げ、熱効率を高め、上部からの輻射熱を出したい。扉の高さも少し低くして、あけた時に熱を逃がさないようにする
  • 使用する薪の種類・調達方法
    ウェブショップにて皮なしのケヤキを調達
  • 使用時に出る煙についての注意
    近隣が共同住宅の為、ほとんど炭(安価なマングローブ炭と火持ちのいいオガ炭を混合)を使用。窓をあけない春先と晩秋のみ薪を使用している
  • 窯まわりに欲しい設備
    物置。炭、薪、ピール、火かき棒などなど収納スペースがほしい
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    パン生地はとにかくよく練ること。伸びる生地づくりがポイント。ピザを焼いた余熱で、塩コショウでもんだ豚モモ肉をローストするのもオススメ
  • ピザ窯の魅力
    暇な休日、家族や知人の集まる日は大活躍。みんなでワイワイ食べる幸せを感じる

 

 

窯本体の外装は江別レンガで覆われている。内部は耐火レンガの二重構造

 

お隣さんに迷惑がかからないよう、窯使用時はほとんど炭を使用。窓をあけなくて済む春先と晩秋のみ薪を使用している

 

煙突に取り付けるダンパー部分の型枠を製作

 

耐火コンクリート(アサヒキャスター)を流し込んでダンパーのできあがり

 

アサヒキャスターで作った火床(80mm厚)。上部凸部分の両脇から燃焼室の熱気が上に上がってくる仕組み

 

レンガを積む時は均等な目地幅と水平を出すために、アルミのコノ字棒(高さ10mm)を使用

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

おしゃれで快適!エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ/全天候型快適デッキを作ろう(1)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case01 おしゃれで快適!ベテランDIYerの
エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ

広い庭全体を見渡せるデッキに、パーゴラ+オーニングとおしゃれなコンサバトリーを作った。愛犬もここがお気に入りの場所

 

パーゴラは2×6材を組んで作った。母屋やコンサバトリーとのマッチングもいい

 

写真ではわかりにくいが、オーニングの両サイドのパーゴラの垂木に洗濯用の棒を取りつけ、オーニングの骨組みを前後にスライドさせるようにしている。オーニングがスム-スに開閉できるようにするためだ

 

Yさん自作のコンサバトリー。コンサバトリーは、18世紀のイギリスで、南から持ち込んだフルーツの保存場所として発達したが、本来の温室の役目とともに、ガーデンリビング空間としての機能を持つようになった。Y邸では、観葉植物を置いてあるほか、昼寝やお茶を楽しむ場所になっている。ガラス張りの開放的な空間が素晴らしい。床はテラコッタ敷き

 

デッキ上の半野外空間は、屋根をつけ、壁をつけることで実現する。

ベテランDIYerのYさんは、ボイド缶を使って基礎石まで作ったというセルフビルドのウッドデッキ上に、ナバホホワイトカラーのおしゃれなコンサバトリーを作った。友人からもらったサイディングとペアガラスつきのアルミサッシで覆ってある。総予算80万円、施工期間1カ月という労作だ。その隣りには、2×材で組んだパーゴラとオーニングがある。オーニングはインターネットで購入したもので、手動で巻き取りができるタイプ。

コンサバトリーは、本来の使い方である植物の温室としてのほかに、寒い日の昼寝や奥さまとのコーヒーブレイクなどで大活躍。友人が訪ねてきたときには、オーニング下でのランチも楽しみだ。もちろん全天候型。芝生の庭に出て、自慢の石窯で焼いたピザをご馳走することも多いが、雨の日や日差しの強い日は、デッキがリビングルームになる。

 

 

階段デッキの縁にパイプを設置、そこにパラソルを差し込んで日陰を作る。これもアイデアだ

 

取りはずしできる階段デッキ

コンサバトリーの前の階段デッキは取りはずしが可能

 

このように簡単に動かせる

 

デッキの下は長尺物の収納場所になっている

 

デッキ下の布基礎はもちろん、ボイド管を使って円筒形の基礎石も自作した(写真:Yさん)

 

デッキ上のサウナ小屋

家のサイドまで続く回廊のようなデッキを進むと母屋と同じサイディングを使った小さな小屋に行きつく。これも完全手作りというサウナ小屋だ

 

内装に無垢のレッドウッドを使い、薪ストーブを使った本格的な作りで、数人が一度に入れる広さを持っている。Yさんはほぼ毎日入っている

 

芝生用パラソルスタンド

芝生をできるだけ傷めたくないので、ピンポイントで地面に受けのパイプを差し込み、パラソルを立てている

 

こんなパイプを溶接して自作した

 

物干し棒スタンド

物干し台のコンクリートの土台が嫌いなので、土台をはずし、サドルバンドでデッキフェンスに固定した。ここにもこだわりが見られる

 

庭の奥にガーデンシェッド、その隣りにパン窯、その隣りに薪ストッカーを作った。これは以前、本誌でも紹介した。このコーナーも青天井のガーデンリビング空間だ

写真◎佐藤弘樹/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2011年2月時のものです。

 

着脱可能な屋根つき!プチブリックで彩ったドーム型ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(5)

Case05 プチブリックを飾りつけたピザ窯は取りはずし可能な屋根つき!

スタイリッシュな外見にこだわったピザ窯は、燃焼室のレンガをひとつずつ削って積み上げ、ドーム型の窯に仕上げた力作。副燃焼室ではスモーク料理も楽しめる。

 

プチブリックで化粧されたかわいらしいピザ窯。無骨で男っぽいデザインはあえて避けたそう

 

<記事内ギャラリー>

 

<Tさんの窯データ>

  • 窯の種類
    ドーム型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W1140×D1095×H1690mm
  • 使用した主な素材
    焼き過ぎ煉瓦128個、フランス煉瓦65個、耐火レンガ(SK32)50個、耐火レンガY2(扇形)/6個、同Y3(扇形)/7個、プチブリック260個、コンクリート平板(60×990×200mm)1枚、同(60×990×300mm)3枚、大谷石(60×300×900㎜)3枚、モルタル、砕石、砂など
  • 製作費用
    約8万円
  • 製作期間
    実働7日間
  • 窯製作のきっかけ
    食べ物までがスピード優先になってしまったこの時代に、これと対極の「面倒がかかるが心を込められる食べ物」を作りたいという気持ちがあった。また、石積みのアーチに憧れていた
  • 窯設計までの経緯
    まず本を買って勉強。大きさ、構造を決め、一度はアーチ型でピザ窯を設計。しかし大谷石の送料が意外に高く、ドーム型にすると内部の容積が少なくでき、大型の大谷石を使わないでできるとわかり、設計をやり直した
  • 窯の特長・ポイント
    燃料の節約のためには、内部の容積を小さくするのが有効なので、最低限の大きさで設計。焼き床兼火床の下部に副燃焼室を作り、取り除いたオキ火を置くスペースとした。窯口、副燃焼室のフタは大谷石で作り、なるべくすき間のないようにしてスモーク料理にも対応できる仕組みにした
  • 土台
    焼き過ぎレンガを11段積み上げ、コンクリート平板を設置
  • 屋根
    ひとりで取り外しができる屋根を製作。骨組みは2×4材を半分にカット。屋根材はポリカーボネイトの波板。接合部はビスケット・ジョイントとコーススレッドで固定した
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯床の大谷石の両側に膨張スペースを残すべきだった。燃焼時に大谷石が膨張して窯を押し広げるので、煙突の開口部に簡単にクラックが入り、煙突はさっそくやり直しに…
  • 使用する薪の種類・調達方法
    以前は薪屋さんで調達。昨年冬は薪の原木をもらい、チェンソーと斧で小割りした。樹種にはこだわらず、広葉樹であればなんでもOK
  • 使用時に出る煙についての注意
    隣は留守が多く、一声かける程度。煙は温度が上がってしまえばそんなには出ないので特に気にしていない
  • 窯まわりに欲しい設備
    屋外用の小さなテーブル
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    ピザは見る見るうちに焼き上がるので、目を離さずにこまめに回してやればたいていうまく焼ける。裏側を適度に焦がすために溶岩のプレートを使用している
  • ピザ窯の魅力
    「原始的なゆったり感」。懐かしさのようなものを感じる。人間は炎が好きなのだと思う

 

 

ピザ窯本体を覆うような小さな屋根を、2×材とポリカーボネイトの波板で製作。ひとりで取り外し可能

 

ピザ窯背面。レンガがきれいにドーム状に積まれているのがわかる。お見事!

 

窯口のフタとダンパーには60mm厚の大谷石を使用

 

ちょうどアルファベットのCをどんどん小さくするようにして、ドーム型の窯を作っていった

 

溶岩石に乗せて焼いたピザは裏側もほどよくこんがり焼ける

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

軽トラの荷台に角パイプでボート用のフレームキャリアをつけました!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(6)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【記事内ギャラリー】

 

File06 分解できる角パイプフレームでカートップボートを楽々運搬

サンドベージュ色に塗装したNさんの軽トラ。普段は通勤や薪ストーブ用の薪運びで活躍しているそう。ボートを載せても荷台に船外機や釣り竿が積めるのが便利

 

<DATA>
製作者…Nさん(DIY歴35年)
ベース車…スズキ・キャリイ(DC51T)
製作費用…約1万円
製作期間…約1日

 

休日はカートップボートでの海釣りを楽しむNさん。これまでボートの運搬に使用していたスバル・レガシィを手放したのを機に、6年前に知人から格安で譲ってもらった軽トラにキャリアを製作した。

主な使用資材は平鋼と角パイプ(40、50mm角)で、なるべく軽くなるようにと厚さは1.6mmをチョイス。鉄鋼の技術職が本業のNさんは、半自動溶接機(SUZUKID アーキュリー80ルナⅡ)で各パーツを作った。製作で重視したのは、約80kgのボートが載るための強度はもちろんのこと、シンプルで簡単に分解できるという点。そこで、パーツの接合部分は差し込み式にし、固定にはボルト留めでガッチリと組む構造にしたのが特徴的だ。

 

フロント側。角パイプを軽トラの鳥居にボルトで固定している

 

フレームキャリアのみのサイズは幅1405×長さ2080×高さ約1070mm

 

接合部。50mm角パイプの穴に40mm角パイプを差し込み、ボルトで固定して組んでいく

 

リア側のフレームは荷台床面にボルト留めしている

*掲載データは2017年2月時のものです。

太陽熱を利用したソーラークッカーで簡単クッキング!/太陽を連れて歩こう!~太陽熱編~

大変な時代になった。これまで当たり前と思っていた電気の供給が危ないというのだ。もしかしたら、「大節電時代」の到来!?

そんな不安を解消するためにも、ぜひ、チャレンジしてほしいのが自分でできる太陽エネルギーの活用。ここでは、太陽熱と太陽光を利用した自作エネルギーの作り方を紹介。簡単かつとってもお役立ち、しかも、場所を選ばない携帯性もある画期的な方法を提案してみた。

今回製作したソーラークッカーは、予算、なんと1000円! 製作時間60分でできたカンタン太陽熱調理器で、美味しいランチを作った! 日照30分で、お米が炊けた!

 

ソーラークッカーを作れば、電気やガスをいっさい使わないで本格的な調理ができる。製作を指導してくれたのは富岡裕子さん。「にこネットつくば」副代表としてソーラークッカー紹介はもちろん、環境教育・国際理解教育のための活動を幅広く行なってきている。ソーラークッキング協会の会員でもある

 

アフリカでも大好評だった
富岡式ソーラークッカー「サンピース」を作ってみた

太陽熱を利用して調理するソーラークッカーには、大きく分けると【1】パネル型、【2】ボックス型、【3】パラボラ型の3種類がある。熱効率からいうとパラボラ型が一番すぐれているが、DIYとなるとややハードルが高い。そこで、熱効率は落ちるが、段ボールやアルミシートなど身近な材料で簡単に製作できるパネル型やボックス型がDIY向きということになる。

そこで、今回はチョーお手軽なパネル型クッカー「サンピース」を紹介したい。発案したのは、環境教育や国際理解活動を推進しているグループ「にこネットつくば」の富岡裕子さんだ。

富岡さんがパネル型のオリジナルソーラークッカーを発案したのは2009年のことだった。もちろん、それまでさまざまな形のソーラークッカーが発案され、また販売もされてきていたのだが、富岡さんは「被災地や途上国でも簡単に作れる」ということを前提において考えた。

そのための基本方策のひとつが、「定規で計らずに作れる」だった。そうしてできあがったのがここで紹介する「サンピース(SUN PEACE)」だ。昨年の夏には、アフリカのマダガスカルを訪れ、現地で仲間とサンピースの講習会を開き、大好評を博したという。作り方を知っておくと、庭でも、アウトドアでも、もちろん被災地でも、大活躍するに違いない。

 

サンピースの製作に準備する主な材料、道具など>

プラスチック段ボール900×900mmくらいの正方形(紙の段ボール板でもOK)、防災用アルミシート(アルミホイルや非常用のアルミブランケットなどでもOK)、ガムテープ、梱包用の透明ガムテープ、梱包用のビニールひも、両面テープ、目玉クリップ4個、カッター(ハサミ)、マジックペン、定規(なくてもOK)

 

プラスチックダンボールの加工

 

アルミシートを張る

 

いざ調理実践!「お日様があれば、そこがキッチン」だった!

ソーラークッキングを始めるにあたって、いくつか注意点がある。

まず、熱効率をあげるためにできるだけ外側が黒っぽい鍋を用意しよう。金属性で薄手のものがベスト。さらに、保温のためにOPP袋(ラッピング用の透明な袋)のような耐熱袋で鍋を包み、鍋の下には魚焼き網などを置き、鍋が直接クッカー本体に触れないようにするとよい。

調理時間は、もちろんメニューによっても違うが、天気によって変わってくるのがソーラークッカーの特徴。気温の高低よりは湿気が少なくすっきり晴れる天気のほうが、効率はいいようだ。

また、太陽は移動するので、太陽と正対するようにマメにクッカーの位置を動かして調節することも大切だ。もちろん、何かの影が入るのは避けたい。鍋は熱くなるので軍手もあると便利。また、ソーラークッカーの反射光は直接目に入らないよう注意しよう。できればサングラスをかけて作業したい。

 

ご飯・ゆでタマゴ・ポテトサラダ・プリンを作る

 

いろいろあります!ソーラークッカー・ウォッチング

パネル式<鳥居式携帯用ソーラークッカー>

本誌27号(2002年4月号)で紹介した鳥居ヤス子さん(日本ソーラークッキング協会会長)が発案したパネル型ソーラークッカー。簡単に作れる上、折りたたんで携帯できるのが便利(日本ソーラークッキング協会)

 

パネル式<エデュクッカー003>

足利工業大学の中條祐一教授が設計したソーラークッカー。富岡さんが参考にしたクッカーだ。使わないときは写真のように折りたたむことができる(昭和理化学機械株式会社)

 

ボックス型<サンオーブン>

アメリカ製のボックス型ソーラークッカー。箱の内部に熱を閉じ込めて調理するため、煮込み料理に適しているようだ。反射板を折りたたんでしまうとトランク状になり持ち運びも便利(アンテロープ)

 

パラボラ型<かるぴかIP8C>

ベランダクッキングで手軽に利用できる軽量型(3.1kg)のパラボラ型ソーラークッカー。太陽への照準操作が簡単にできる照準器がパネル内部についている。収納するときは、三脚をはずすのでパラボラ型にしては意外とコンパクトだ(工房あまね)

 

取材・文◎オフィスインクベリー/写真◎伊勢和人

*掲載データは2011年6月時のものです。

幅1400mmのビックサイズ!三部屋構造の重厚なピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(4)

Case04 幅1400mmの重厚なピザ窯は灰落ち室、燃焼室、焼き室の三部屋構造

高さ1750mmのピザ窯の中身はなんと三部屋にわかれた構造。屋根のアーチ部分にはモザイクタイルと貝殻を埋め込んで夕陽と海岸の波をイメージ。

 

外側に普通レンガ、内側に耐火レンガを積んだ重厚な雰囲気のピザ窯。それもそのはず幅1400×高さ1750mmのビッグサイズ

 

<記事内ギャラリー>

 

<Aさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W1400×D1200×H1750mm
  • 使用した主な素材
    普通レンガ約300個、自然石20個、耐火レンガ約140個、コンクリートブロック、大理石、耐火モルタル、セメント、砂、モザイクタイル、貝殻やサンゴのかけら、鉄筋、鋼板、鋼管(15mm径)、鉄工所に特注した扉、ステンレス製煙突(100mm径)など
  • 製作費用
    約9万円
  • 製作期間
    実働25日間
  • 窯製作のきっかけ
    自分の干支が寅で昨年は年男。この年に記念になるものを作ろうと思い、妻のリクエストのピザ窯を作ることに。ちなみに妻は当時、パン教室に通っていた
  • 窯設計までの経緯
    インターネットや雑誌で石窯に関する記事を読みこんで、独自に設計。もともと仕事柄、建築士の資格を持っており、設計はさほど難しくなかった。扉と煙突のダンパーは鉄工所にオーダーした
  • 窯の特長・ポイント
    灰落ち室、燃焼室、焼き室の三部屋構造。燃焼室、焼き室の内側に耐火レンガ、外側に普通レンガを積み、壁厚を200mm以上とって保温性を高めている。屋根のアーチ部分はモザイクタイルで夕陽と海岸の波をイメージ。故郷である種子島の貝やサンゴのかけらも埋め込んだ
  • 土台
    鉄筋入りのコンクリートの上に、コンクリートブロックを積み上げ、表面を自然石で化粧
  • 屋根
    作業小屋の2階デッキの下に石窯を製作。煙突は外に出るように取り付けた
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    耐火モルタルの取り扱いが難しい。次回は焼き室にスモーク食材を吊るせるようバーを設置したい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    薪は家の周りの木を切っているが、広葉樹が火持ちがよくススも出ないように思える。しっかり乾燥させれば煙があまり出ません
  • 使用時に出る煙についての注意
    自宅が民家から離れた山の中にあるので心配していない
  • 窯まわりに欲しい設備
    やっぱり調理台
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    生地に好きな具をたくさんのせて、焼きたてのピザの味を楽しむこと!
  • ピザ窯の魅力
    自然の火で食べ物ができあがる楽しさ、スモークされた味の深みが最高

 

 

ピザ窯の上部側面にはモザイクタイルで夕陽と海岸の波をイメージ。Aさんの故郷である種子島の貝やサンゴのかけらも埋め込んだそう

 

ピザ窯の設置箇所は窯が雨ざらしにならない作業小屋の2階デッキの下。煙突は外に出るように取り付けた

 

窯の土台は自然石とコンクリートブロック。基礎はしっかり鉄筋を入れたコンクリートで固めた

 

火床部分の中心には200×300mmの穴があけられ、使用し終わった灰を下に落とせる仕組みになっている

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

移動式ソーラーパネルをDIYして発電をしよう/太陽を連れて歩こう!~太陽光編~

大変な時代になった。これまで当たり前と思っていた電気の供給が危ないというのだ。もしかしたら、「大節電時代」の到来!?

そんな不安を解消するためにも、ぜひ、チャレンジしてほしいのが自分でできる太陽エネルギーの活用。ここでは、太陽熱と太陽光を利用した自作エネルギーの作り方を紹介。簡単かつとってもお役立ち、しかも、場所を選ばない携帯性もある画期的な方法を提案してみた。

今回の太陽光編では、太陽光パネル架台+バッテリー収納一体式移動ボックスを作り、どこでも発電所を実現! 12V用の車載機器はもちろん、安価な車用のDC/ACインバーター導入で、フツーの100V家電やUSB機器も使える!

ライフラインのない場所で優雅に電気のある時間を楽しむ

 

太陽光を受けるためのパネルは、屋根の上に固定するというケースが多いが、それは「1日3〜4時間以上の日照時間」を確保できる場所に限られた話だ。ドゥーパ!が提案するのは、その条件を満たせないさまざまな場所でも太陽光発電の恩恵に浴せるアイデアだ。

そのために、考えたのが簡単木工でできる「太陽光パネル架台兼用のフタつき・移動式バッテリー収納ボックス」だ。

 

 

まず、太陽光パネルは角度を調整できる架台(フタ)に固定。太陽光を受けられる場所に移動し、太陽光を受けやすい角度に架台を起こしてやればいい。この架台は、収納ボックスから取り外しができ、パネルとコントローラーを結ぶケーブルの長さの範囲内なら、架台だけを移動できる。つまり、太陽光を受けやすい位置にパネルのみを動かすことができるというわけだ。

キャスターつきの移動式ボックスには、ディープサイクルバッテリーが収められているばかりでなく、底板にチャージコントローラーが、外側には12Vシガープラグが刺せるコンセントボックスが取り付けられている。これで12V用の電気機器が使用可能。通常の100V用家電を使いたい場合は、コンセントボックスに車のシガーソケットにつないで使うタイプのインバーターを介せばOK。パネルとコントローラーは、脱着が簡単な長い(今回は10m)ケーブルでつながっている。

なお、収納ボックスの作り方は簡単。板材を単純にカットしたり、木ネジで接合する程度の技であっという間に完成するはずだ。(後述参照)

 

覚えておきたい、ソーラー発電の豆知識

太陽光パネル(太陽電池)の発電量は…?

太陽光パネルの発電量は、地域や季節によって日照条件が異なるので一概にはいえないが、国内の日照時間の平均を1日あたり4時間程度と考えた場合、太陽光パネルの定格出力の4時間分くらいだと思えばいい。たとえば、今回の太陽光パネルのような40Wのパネルであれば、1日あたりの発電量は40W×4h=160Wh(ワットアワー)となる。設置場所は南向きが基本で、夏場は水平~30度くらい、冬場は40~60度くらいの設置角度にしたい。

チャージコントローラーの役割は?

チャージコントローラーの役目は、バッテリーの過充電防止と電流の逆流防止。なお、チャージコントローラーとバッテリー間の電線ケーブルは、できるだけ太い物を使って短く接続したい。

なぜ、ディープサイクルバッテリーなの?

ィープサイクルバッテリーは、通常の車用バッテリーに比べ、充電、放電の容量が多く長寿命。今回のバッテリーは、内部が液状でなく密閉タイプなので、液漏れの心配がない。こうした理由で太陽光発電には、ディープサイクルバッテリーが使われることが多い。 容量はAh(アンペアアワー)という単位で表されるが、実際に使用できる容量はその半分程度。今回使っている85Ah容量のバッテリーだと、40Ah程度となる。なお、バッテリーは雨に濡れない、換気のいいところに置いておきたい。

DC/ACインバータの役目は…?

DC/ACインバーターは、バッテリーに蓄電された直流電気を、家庭用電源と同じ交流100Vに変換するための機器。ただし、エネルギーの変換ロスがあるので、直流12V をそのまま使える電気機器を使うほうが理想的だ。

 

いつでも太陽光に正対し、場所移動も簡単にできるために
こんなバッテリー収納ボックスを作ってみた

バッテリー収納ボックスを製作していただいた堀口丈夫さん。東京・世田谷で「みんなの木工房D.I.Y好き。」を主宰

 

<バッテリー収納ボックスの製作に準備する主な資材、金物など>

コンパネ(12×600×1800mm・2枚)、2×4材(1820mm・2本)、キャスター(100mm径・自在&ロックつき・4個)、横長丁番(1個)、六角フランジタッピング(8×25mm・4個入り袋・4袋)、L型金具(4個)、ステンレスコーススレッド(38mm・適宜)、水性工作用塗料(黄色)

 

<木取り表>

材の種類 サイズ(mm) 数量 使用部位
12㎜厚コンパネ(12×600×1800㎜) 600×650 1 フタ兼太陽光パネル架台A
576×626 1 底板B
650×300 1 側板C
576×300 1 側板D
2×4材(SPF) 626 2 キャスターをつける材E
2×4材(SPF)を半分の幅に割いた板 248 4 コーナー材F
630 2 太陽光パネルを受ける材G
490 2 フタを収めるときの留め材H
530 1 太陽光パネル架台の角度調整脚I

 

ボックスの製作

 

太陽光パネル架台(フタ)の製作

 

キャスターの取り付け断面の保護塗装など

 

太陽光パネルの固定

 

*掲載データは2011年6月時のものです。

 

太陽光発電システムの配線&セット

 

さっそく12V用の扇風機と野外ランタンをコンセントボックスにつなげて通電、見事成功でした!

 

いざ通電実践!お日様のある場所で、発電開始!

配線が終了し、いよいよ発電実験。太陽光を十分に受けている状態で、まず、シガーライターソケット用のプラグのある12V用の扇風機や電気ランタンをコンセントボックスに接続してスイッチオンしてみる。見事に通電!

次に車載用のインバーターをコンセントボックスにつなぎ、100Vのパソコンや携帯用充電器をつないでみると、もちろんこれもバッチリ。さらにと調子にのり、アンプをつないでエレキギターをかき鳴らしてみると、もちろんこれもバッチリ。

今回の取材でいろいろと教えていただいたオフグリッドソーラーのスタッフによれば、「インバーターの最大出力(今回は350W)を超えない消費電力の電気機器だったら、まず大丈夫」だとか。

常識的にいえば、通常の明かりやテレビやラジオ等の通信機器、ゲーム機器なら、今回設置したレベルで十分。消費電力が大きい電子オーブンや冷蔵庫、エアコン、調理機器等は難しいということになりそうだ。

 

夏はパネルを上向きにした状態で太陽光を受ける

 

冬はパネルを立て、太陽光を受ける

 

車にもコンパクトに積めるから、
山川やキャンプ場、ガレージでの〝出張発電〟もOK

今回目指した太陽光発電システムは、なによりも携帯性、機動性ということがあげられる。そのため、太陽光パネルの架台とバッテリー収納ボックスとが一体になって移動できたり、あるいは別々でそれぞれが移動できたりという作りにした。

たとえば、車に積んで、ライフラインのないアウトバックに移動して「電気のあるアウトドアライフ」を楽しむこともできるし、家の中にバッテリー収納ボックスを置き、パネルだけ太陽光のあたる場所、2階のベランダなどに移動させたりすることもできる。

ただし、パネルとバッテリー収納ボックスとの距離は、ケーブルの長さの範囲内に限る。今回作った手作り太陽光発電システムは、キャンプや夜釣り、夜のガーデンパーティー、庭での演奏会など、いろいろな場面で大活躍するに違いない。

バッテリー収納ボックスとパネル架台を離し、陽の当たる時間帯を選んで、バルコニーにパネル架台を移動させるということもできる

 

写真◎佐藤弘樹、伊勢和人/取材協力◎ネクストエナジーアンドリソース

荷室を余すことなく活用!丈夫な2段棚+吊り下げ棚をDIY/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(5)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【記事内ギャラリー】

 

File05 丈夫な2段棚+吊り下げ棚で荷室を余すことなく活用

取り出しやすいように種類ごとに分けて収納している。半透明のボックスとメッシュのカゴを使っているので、どこに何が入っているのかが一目瞭然

 

<DATA>
製作者…Iさん(DIY歴20歳から)
ベース車…ホンダ・ステップワゴン(RG)
製作費用…約6000円
製作期間…約1日

 

沖縄で補修業を営むIさんが、仕事用に購入したステップワゴンをカスタムした例。塗料や接着剤、コンプレッサーなど大量の資材と工具類を持ち運ぶ必要があるため、車の3列目のシートを撤去し、2種類の棚を作って荷室を立体的に使えるようにした。

棚は25mm角パイプを溶接した棚受けに、表面にメラミン化粧板を張ったランバーコア合板(18mm厚)を載せるというシンプルかつ頑丈な作りに。カゴやボックスが10個以上も収納できる収納力の高さが自慢だ。また、900×1800mmサイズのベニヤ板やメラミン化粧板を運ぶために、25×13mmの角パイプと金属メッシュで車内用キャリアを製作。材は荷室と後部座席の頭上に収めることができ、資材店やお客さんから「こんなところに板材が入るんだ!」といつも驚かれるそう。

 

荷物を降ろした状態の荷室

 

荷室の床板はパネコート。友人がジグソーで荷台の形に沿って切り出してくれた

 

棚受けは角パイプを溶接で接合したもの。固定方法は床板にビス留め

 

車内用キャリアに荷物を積むときは、ゴムバンドを巻いて落下を防止。また、ボイド管を長物の収納に使っている点もポイントだ

 

キャリアはタッピングビスや結束バンドで組み、アシストグリップにU字金具を引っかけてつり下げ式にしている

*掲載データは2017年2月時のものです。

窯に五右衛門風呂を使用!ワイルドな双子ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(3)

Case03 五右衛門風呂を窯に使ったワイルドなピザ窯ツインズ

倉庫に眠っていた五右衛門風呂が驚きの変貌を遂げた!ラフでワイルドな男らしいピザ窯は、材料にほとんどレンガを使わない個性的な構造。

 

右側が1号機、左側が2号機。ピザ窯の雨よけ屋根は、足場材とビニールハウスのL型フレームを用いて骨組みを作り、上部にトタンを2枚かけて製作した

 

<記事内ギャラリー>

 

<Wさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W900㎜×D900㎜×H1650mm
  • 使用した主な素材
    1号機…五右衛門風呂、普通レンガ、鉄工所から譲ってもらった鉄骨のアングル、鉄板(4mm厚)2枚、溶岩石(600×600mm)、御影石(20mm厚)、ジョイント敷き材、ガーデニング用のウォール材、セメント、砂、温度計、ステンレス製煙突、など
    2号機…五右衛門風呂、普通レンガ、オーストラリアレンガ、スギの丸太、クリの丸太、エルペット(ビニールハウスの骨組み)、植木鉢観賞用のコンクリート平板(32mm厚)、砕いた瓦、御影石(20mm厚)、ジョイント敷き材、ガーデニング用のウォール材、セメント、砂など
  • 製作費用
    約2万円(窯ひとつにつき)
  • 製作期間
    実働7日間
  • 窯製作のきっかけ
    元々バーベキューが好きで家族で楽しんでいた。妻が野菜ソムリエ、娘がイタリアンレストランのコックであることも影響あり
  • 窯設計までの経緯
    ディズニーシーのピザ窯から近所に住んでいるシェフが作った石窯まで、4~5件を実際に見てまわり研究した
  • 窯の特長・ポイント
    昔、民宿を営業していたことから使われていない五右衛門風呂がふたつあり、この廃材を使って、ピザ窯を作っていること
  • 土台
    1号機…鉄工所から引き取った脚状の鉄骨
    2号機…スギの丸太とエルペット(ビニールハウスの骨組み)を接合したもの
  • 屋根
    骨組みに足場材とエルペット、屋根材にトタンを使用して組み立てた
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    1号機を作る際、五右衛門風呂の周囲をジョイント敷き材で覆ったがモルタルがやや少なかった。2号機のときはよりモルタルを多く塗って、窯の保温性を高めた
  • 使用する薪の種類・調達方法
    友人の大工からもらう端材や、庭の雑木を刈ったものを使用
  • 使用時に出る煙についての注意
    自宅が民家から離れているので心配していない
  • 窯まわりに欲しい設備
    バジルやローズマリーの鉢植えなどを近くに置いて育てておくと、採れたてのトッピングができる
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    なんでもかんでもトッピングするのではなく、具材をシンプルにまとめるのがおいしいピザを作るコツ
  • ピザ窯の魅力
    もともとバーベキューが好きだったが、ピザ窯を作るようになってからさらに仲間との集いが増えた。庭でピザパーティーができるって珍しいからね

 

 

五右衛門風呂の窯の表面は、ガーデニングで使うアールのついたウォール材とネットでつながったジョイント敷き材をモルタルで張り付けて仕上げた

 

1号機の背部。煙突を取り付けた部分は一度ひび割れてしまったのでモルタルで修復

 

2号機には煙突はつけず、もともと排水用にあいていた穴を残した

 

窯口が幅350×高さ300mmと広いので、ダッチオーブン料理もOK!

 

鶏のもも肉もこのとおり、ジュ~シ~に焼けちゃう♪

写真◎冨士井明史

*掲載データは2011年8月時のものです。

ドライバードリル&インパクトドライバーでのビス打ちテクニックを解説!/DIY工具使いこなし術(3)

ビス打ちテクニック編

ビス打ちはドライバードリル、インパクトドライバーのもっとも一般的な作業。両工具のデザインもビス打ちを基本に考えられているのだ。

 

ビス打ちを極める者は、ビスにもこだわる!
木工に多用されるスリムビス(細ビス、なげしビスとも)。長さは28mm程度から120mm程度まで各種がある。左が錐先付きビス。右が割れ防止機能付きビス、共に長さ40mmのプラス2番

 

きれいなビス打ちのやり方

 

ビスの斜め打ちのやり方

 

溝をなめたビスを抜くビット

 

 

穴あけテクニック編

ドリルビットを使う穴あけテクニック。ここではより正確な穴あけや、ちょっと変わったテクニックを紹介。

 

ドリルガイドを使った穴あけのやり方

 

蝶番用ドリルビットで蝶番のビス穴センターに下穴をあける方法

 

ホールソーで少し大きな穴をあける方法

 

ドリルスタンドを使った穴あけのやり方

 

あると便利なドリルビット

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2011年12月時のものです。

シンプルかつ実用的!軽ワンボックスの荷室棚を大改造!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(4)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

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File04 シンプルでいて実用的!軽ワンボックスの荷室棚

仕事道具を2段に分けてきれいに整理している

 

<DATA>
製作者…Tさん(47歳/DIY歴20年)
ベース車…スズキ・エブリイワゴン
製作費用…約2万円
製作期間…約2日

 

山梨県北杜市を拠点に森林整備などを行なっているTさんのエブリイワゴンは、ランバージャック(木こり、木材切り出し作業員)仕様。荷室を半分に分けるように棚をつけ、チェンソーをはじめとする仕事道具をきれいに整理して収めている。

棚受けとなる板は、荷室側面にもともとあいていたボルト穴を使って固定。構造はシンプルだが、棚板の前後にこぼれ止めをつけたり、すべり防止のゴムマットを敷いたりと実用面での抜かりはない。

また、荷室の床面には合板を敷いているが、その隅を丸くカットしたり、端部に木目調のプラスチックアングルをかぶせたりして、角やバリで収納物が傷まないようにしている。

ヘビーデューティーな愛用品へのいたわりが伝わってくる荷室収納だ。

 

棚材はウエスタンレッドシダー。両サイドの棚受けのほか、支柱を1本入れている

 

床に敷いた合板の前端は隅を丸め、後端部にはプラスチックアングルをかぶせて、角やバリで布製のバッグなどが傷まないようにしている

 

もともとあいていた穴にボルトを差し込んで棚受けを固定

 

棚に敷いたゴムマットは、後端のこぼれ止めに鋲で固定

 

棚の両脇にはワイヤーネットを設置。グローブやロープをつるしている

 

床面がフラットになるよう、前端裏面に細材を留めて調節

 

*掲載データは2017年2月時のものです。

長い煙突で煙をしっかり吸い上げる!大谷石を使ったピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(2)

Case02 本体に大谷石を使用した窯は長い煙突で煙をしっかり吸い上げる

土台に化粧ブロック、火床兼焼き床には溶鉱炉で使われていたという耐火レンガを使用。窯口に扉は固定せず、横にスライドさせて窯内の空気量を調節する。

 

本体に大谷石を使用したアーチ型のピザ窯。ピザ窯はみんなで楽しむ場所作りにもってこいだと製作者のIさんは語る

 

<記事内ギャラリー>

 

<Iさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W900×D1200×H1470mm
  • 使用した主な素材
    大谷石(W300×D900×H150mm)約13個、中古の耐火レンガ、化粧ブロック、コンクリート平板、鉄筋、モルタル、耐火モルタル、砂、L字型アングル、鉄板(450mm角、3mm厚)、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約5万円
  • 製作期間
    約2カ月間
  • 窯製作のきっかけ
    千葉県に土地を購入し、みんなでもの作りをして遊べる場所を作っている。初めはそば打ちなどもやっていたが、ピザのほうが生地をのばしたり、具をトッピングしたりとイベント性が高く、老若男女で楽しめるため
  • 窯設計までの経緯
    伊豆のペンションに行ったり、東京・恵比寿でピザ屋をやっていた人を訪ねたり、実際に色んな種類の窯を見て研究した
  • 窯の特長・ポイント
    窯本体には大谷石を使用。ディスクグラインダーで適宜カットしながら窯を組み上げていった。窯口の扉はあえて観音開きはさけ、横にスライドできるようにしてある
  • 土台
    基礎はモルタル(100mm厚)+鉄筋。その上に化粧ブロックを積み上げた
  • 屋根
    屋根は見栄えが悪くなるからつけていない。使わないときはゴムマットをかけて雨よけとしている
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯口の高さをもう少し上の位置に設計すれば、ピザが焼きやすかったかも。また窯内部が広すぎた。次にピザ窯を作るのであれば土台の高さを上げ、焼き室はもう少しコンパクトにしたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    もの作りで出た端材(防腐剤や塗料が塗装されたものはのぞく)など。マツやスギなど匂いの出る樹種はさけている
  • 使用時に出る煙についての注意
    近隣に家がないので問題なし。煙突の長さを長くとり、煙をきちんと吸い上げるようにし、薪を完全燃焼させるのがポイント
  • 窯まわりに欲しい設備
    すぐ近くにスモーカーとカマドをDIY。調理テーブルもあるので、今は特になし
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    温度チェック。230~250℃の間に窯の温度を保つと、ピザが香ばしくパリッと焼ける
  • ピザ窯の魅力
    ピザを作る楽しさ、焼く楽しさ、食べる楽しさ。子供にも女性にも楽しんでもらえる

 

 

ピザ窯側面。窯のまわりに組まれた木枠は煙突をしっかり支えるための補強。ここにフックをつけてピザピールやトングを収納している

 

大谷石の上にアーチ状に並んだレンガは、ひとつひとつディスクグラインダーでY字型に加工した

 

窯口の扉は、窯口の前に3mm厚の鉄板をレールがわりに敷き、扉を横にスライドさせる仕組み

 

ピールや火かき棒も鉄筋と鉄板、L字アングルを使った手作り

 

窯上部アーチ部分のレンガの目地などには耐火モルタルを使用。「扱いが難しくなかなかうまくいかなかった」とIさん

 

煙突の長さが薪を完全燃焼させるポイント。全長が1800mmある窯の煙突からは白い煙が出ない

 

Iさんのオススメピザはおもちをトッピングした和風ピザ! 色んな食材を組み合わせるのもピザ作りの楽しみのひとつ

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年8月時のものです。

強力なパワーでサクサクビス留め!インパクトドライバーの基本の使い方/DIY工具使いこなし術(2)

ドライバードリルと同様、ビス打ちはもちろん、ビスの下穴をあけたり、丸棒を通す穴あけなど、ドライバーとしてもドリルとしても活躍!作品の組み立てにかかわる作業の中心的存在になるのがこの電動工具。

 

より強力なパワーが必要な場面で威力を発揮する! インパクトドライバー

インパクトドライバーは、より強力なパワーを必要とする現場で多く使われている。大工はドライバードリルはほぼ使わず、もっぱら動きやすいコードレスのインパクトドライバーを愛用している。

先にも少し触れたが、インパクトドライバーは長さ60mm以上のビスを多量に打つ必要があるエクステリアの作品づくりの場面で威力が発揮される。

長いビスを素早く確実に打つために、インパクトドライバーにはインパクト機能が内蔵されている。インパクト機能はビットに負荷が掛かると、ビット軸の回転方向に打撃が加わって、より強い力でビスを回すことができる。長さ40mm程度の短いビスでは負荷がかからず、ドライバードリルのようにスッと打ててしまうが、長さ60mm以上のビスでは打ち込みの途中ぐらいからダラダッ、ダラダッと打撃音を発する。これがインパクト機能が効いている状態だ。

 

インパクトドライバーの操作部分は通常トリガースイッチと正逆回転切り替えスイッチだけとシンプル

 

ビットは2面幅6.5mm(=4分の1インチ)の六角軸のインパクトドライバー専用のものを使う。以前はインパクトドライバー用のドリルビットは少なかったが、現在は入手できるドリルビットの種類も増えて、ドライバードリルと同様に、ビス打ちにもドリル作業にも使えるようになっている。ボルトナットを締めるときも、インパクト機能が効き、しっかりと締めることができる。電源もドライバードリルと同様で家庭用100Vを使うモデルと、充電式の電池を使うコードレスモデルがある。

インパクトドライバーに使用できる六角軸ビットの例、左からソケットレンチ、六角レンチ、マイナスドライバー、プラス2番ドライバー、プラス1番ドライバー

 

<ビットの装着手順例>

 

エクステリア作品に使いやすい!
ハイパワーでコードレスなインパクトドライバー
14.4Vという高電圧、大容量の電池を電源とするインパクトドライバー(現在は18Vを超えるものもある)。コードレスでハイパワーなので、長いビスを使うことが多い野外でのエクステリア作品づくりにちょうどいい

 

1カ所に止まって作業するならいいが、エクステリアの作品づくり、特にウッドデッキのような面積のある作品の作業ではコードレスのインパクトドライバーがイチ押し。それも14.4Vや18Vという高い電圧、大きな容量を持った電池を使うモデルなら、屋外で長時間使っても、長いビス打ちの連続にもへこたれず働いてくれる。もちろん、野外で連続作業するときは予備の電池を充電状態にしてスタンバイしておくことも大切だ。

 

エクステリアでの作業では工具を写真のように横に構えることも多い

 

ウッドデッキ材の連続ビス打ちのような作業で活躍

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2011年12月時のものです。

木工を変えた!ドライバードリルの基本の使い方/DIY工具使いこなし術(1)

ビス打ちはもちろん、ビスの下穴をあけたり、丸棒を通す穴あけなど、ドライバーとしてもドリルとしても活躍、作品の組み立てにかかわる作業の中心的存在になるのがこの電動工具。

 

DIY木工に劇的な変化をもたらした! ドライバードリル

ドライバードリルの普及によって、それまでの材の木部同士で組む継ぎ手や、カナヅチとクギで組み立てるという方法が、広くビスを使った組み立てに変化したといわれる。現在ではDIYからプロの木工作家まで、作品の組み立てはドライバードリルやインパクトドライバーを使ったビス打ちによるのが一般的となるほど広く普及している。

ドライバードリルはモーターの力で、先端に装着する先端工具(ビットと呼ぶドライバーやドリルのこと)を素早く強力に回転させてビスを締めたり、穴をあけたりできる。

ドライバードリルは電源に家庭用100Vを使うモデルと、充電式の電池を使うコードレスのモデルがある。本体には締め付け力やスピードを調節するスイッチがあり、材の硬さやビスの締め込み具合、ドリルの回転スピードなどをかなり細かく調節できる。

同じ仕事をする電動工具には、次に紹介するインパクトドライバーがあるが、基本的な使い分けとしては長さ50mm以下のビスを多用し、細かなパワー調節が必要な家具作りにはドライバードリル、長さ60mm以上のビスを多用し、多くのビスを連続打ちするウッドデッキなど、エクステリアの作品づくりにはインパクトドライバーが向いているといわれる。

10.8Vのモデル(右)とそれよりも小さい3.8V充電式ドライバードリル(左)。ビットは付属品の専用ビットを使う。本格木工用というよりは組み立て家具や、家庭内のちょっとした修理などで使いやすい

 

ドライバードリルでは工具の先端にあるチャックと呼ばれる口金にくわえるビットを交換することで、1台のドライバードリルで、いろいろなドライバーやドリルとして使うことができる。

ビットの交換は、工具先端のチャックを必要な口径にゆるめ、ビットを口金の底まで差し込み、チャックを締めてビットを固定すればいい。

作業はビス頭や墨線をビットの先端で真っすぐに押さえたら、トリガースイッチを引き、ビットを真っすぐに押し込んでいく。ドライバードリルを保持する力が弱い女性などは、写真のように、片方の手でドライバードリルを後ろから押すように手を添えるといい。

ドライバードリルでは丸軸、六角軸両方のビットを使うことができる

 

<ビットの装着とビス打ちの例>

 

ボール盤はドリル用据え置き式工具

写真の工具はボール盤と呼ばれる据え置き式電動工具。ドリルビットを取り付けて、穴あけ、座ぐりに使われる。加工する材は、定盤と呼ぶ台の上に置かれ、レバーの操作で、ビットのついたチャックが下に下がってきて材に穴をあける。精度の高いポールで支えられているため、芯が振れることなく穴をあけることができる。DIY用の卓上ボール盤ならば、ドライバードリルより価格が安いものもあるので、家具作りの穴あけ専用として工房に設置すると便利だ。

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2011年12月時のものです。

スニーカーの寿命を延ばすメンテ術を伝授!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(12)

軽く、歩きやすいので、誰もが履いているスニーカー。ソールが減って、穴があいたらそこで寿命として捨てちゃうのが一般的。でも、簡単なメンテナンスで、スニーカーの寿命は何倍にも延ばせるのだ!

 

はがれたソールのメンテナンス

スニーカーのソール(靴底)は強力な接着剤で接着されているが、年月を経ると歩行時にかかるねじれや、湿気、といったものによって、ソールがはがれてしまうことがある。ひどいものでは、歩いている最中にはがれることもあるので、くたびれたスニーカーを愛用している方は注意が必要だ。

ソールのはがれた部分はできるだけきれいに掃除して、泥やほこり、水分を取り去っておく。接着剤を使った接着では、接着面がしっかりと乾燥していることが大切だ。次に接着面にヤスリをかけてカサカサにしておく。

接着剤は接着する両面に薄く均一に塗り(ヘラが付属している)、5~10分おいて、両面を合わせてクランプなどできちっと固定する。クランプがなければガムテープでぐるぐる巻きにしておいてもいい。温度25℃、湿度50%あれば数時間で実用強度に達し、2〜3日で完全に接着される。

 

<はがれたソールの修理手順(スーパー多用途超強力を使用)>

 

すり減ったかかとの補修

かかとが減って捨てるということも多い。しかし補修材を使えば、簡単な作業でかかとを再生することができ、スニーカーの寿命を延ばせる。

まず、かかと部分の汚れを落としたら、補修材付属のやすりで補修面を粗くする。次に写真のように補修材がたれないようにかかと周りをダム状にカバーする。ダムはクリアーファイルを切って使うと具合がいい。ダムの高さをソールの高さに合わせてテープで固定したら、そこに補修材を入れて均していく。均すには付属のヘラを水で濡らして使うと、やりやすい。この補修は一度にあまり厚く塗らず、厚くともかかとのふちで5mm以内にしておいて、1日おいて塗り重ねていくようにする。十分な厚さで固まったらダムをはがして、埋まり損ねた部分を修正すればできあがりだ。はみ出して硬化した部分はハサミなどで形を整える。

 

<すり減ったかかとの補修手順(シューグーを使用)>

 

すり減ったソールを直す

歩けば歩くほど減るのはソールの運命。ソールが減ってつるつるになると、雨の日は滑るし、ソールが薄くなってでこぼこした場所では足の裏が痛い。そこで、さっそくメンテナンス。すり減ったソールの補修は、専用の補修材を使うとやりやすい。

作業は、掃除と面を粗すことから。磨り減った部分を周囲まで、広めに掃除して、ゴミと水分を完全に取り除いてしまい、補修材の接着をよくするために付属のやすりで補修材を塗る面全体をこすっておく。

面の用意ができたら、補修材をソールに5mm程度の厚さで塗る。あまり厚く塗るとなかなか固まらなかったり、たれてしまうので、厚く塗る場合は1日おいて補修材が固まってから塗り重ねる。

1日おいて補修材が固まったら、カッターや彫刻刀を使って滑り止めを刻めば、補修は完了だ。

 

<すり減ったソールの補修手順(シューグーを使用)>

*掲載データは2011年12月時のものです。

後部座席を活用!ゆったり仕様の鉄製フレームの簡易ベッド/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(3)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【ギャラリー一覧】

 

File03 鉄製フレームの簡易ベッドは後部座席も使ってゆったり仕様に

車内。細い単管パイプと角パイプで組んだフレームに、エアーキャップ+革張りしたコンパネ(12mm厚)を載せただけのベッドがある

 

ベッド下は収納スペースとして使用可能

 

元は白色だった車体をウレタン樹脂塗料で黄色にオールペン。バックドアのハシゴや自転車用キャリア兼足場もDIYしたもの

 

<DATA>
製作者…Nさん(40歳/DIY歴20年)
ベース車…ニッサン・ダットサントラック(キングキャブAX 32D)
ベース車…トヨタ・ハイエース(100系・ロング)
製作費用…約3万円
製作期間…約4年

 

鉄工、電子工作、料理、バイクいじりといったモノづくりを楽しんでいる様子をホームページで日々発信しているNさん。約20年前から本業の溶接工のスキルを活かしてカスタムしたスバル・サンバーを愛車に各地を旅したり、アウトドア趣味を楽しんだりしていたが、積載量と車内の広さに限界を感じ、ハイエースへの乗り換えを決意した。

ハイエースは約8年前に中古で購入。まず荷台床にコンパネを張り、鉄の廃材で組んだフレームにコンパネを載せた簡易ベッド、屋根付きルーフキャリア、照明など、以前のサンバーのときと同様に装備を充実させていった。

その後は子どもの成長に合わせ、後部座席もベッドの一部として使えるように改造。車内では最長で6泊過ごしたというから居住性は上々のようで、家族と道具を運ぶハイエースとして活躍中なのだが、「ごちゃついている配線を一度見直したいんですよね。まだいろいろやりたいことがあるから、こうなったらいっそ一から作り直そうかな…」と、Nさんはまだまだハイエースのさらなる進化をもくろんでいるようだ。

 

後部座席の背もたれ裏には板が張ってあり、座席を倒すとベッドの増床部分がお目見え

 

元々のベッド部分と後部座席との間に生じたスペースには、フレームを追加して板を載せている

 

ベッド床は4分割にしたことで、取り扱いが楽になり、床下収納の荷物も取り出しやすくなった

 

また、床がたわまないように中央にくる部分を裏側からアングルで補強している

 

ベッドのフレームの素材は角パイプ。簡単に取り外すことができる。フレームの脚は細い単管パイプを組んだパーツをコンパネの床にビス留め

 

フレームの高さはタイヤハウスよりも高くなるように設計した

 

ルーフキャリアの屋根はFRPで製作。キャンプ用品をまとめて収納している

 

ルーフキャリアの取り付け金具も、市販品を参考にベンダーを駆使して鉄板から自作した。溶接工が本業のNさんでもかなり苦戦したそう

 

*掲載データは2017年2月時のものです。

鶏小屋の作り方をニワトリ愛に目覚めたログビルダーに教えてもらいました!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(21)

べべ、マリリン、オードリー、ナタリー、イングリッド…。かつて、銀幕をにぎわせた名女優たちの名前がつけられた5羽の雌鶏(メンドリ)たちが元気に庭を走り回っている。「かわいいでしょ…」と目を細めるのは里山新住民のログビルダー、Hさん。そんなHさんに教えてもらった鶏小屋の作り方。

 

「名前つけちゃったら、もうかわいくて…」とHさん。ちなみに、ニワトリはホームセンター(ジョイフル本田八千代店)で、生後2日のヒヨコのときに買ってきた。1羽800円だった。種類はアメリカ種のボリスブラウン

 

ドゥーパ!のガーデンスタジオがある千葉県いすみ市には、都会からの移住者が多く住んでおり、DIY熱も実に高い。その中でもトップクラスのDIYerがHさん(70歳)だ。2年半かけ、独力で本格的な丸太小屋を自作し、さらに怒濤の勢いで物置、薪小屋、露天風呂などを建てた。先日、ふと気がつくと、いつ作ったのか、立派な鶏小屋ができていて、小屋の周りで若い雌鶏が走り回っていた。近づくと、一見コワモテのHさんが、猫なで声で「マリリンちゃん、おいで…」などとつぶやいているのだ。聞けば、3カ月前、ホームセンターで生後2日のヒヨコを5羽購入し、往年の名女優たちの名前をつけて溺愛中だという。両手に雌鶏を抱え、「だって、かわいいよ…」と、ニタニタと笑っているHさんを前に、「マ、タシカニ…」などと若干ヒキ気味に答えるしかないのだが、それにしても、ニワトリ愛に目覚めたログビルダーか…。間違っても「ツブして、鶏鍋にしますか!」などと言っちゃいけない。

でも確かに、全国の新・里山住人には、できればニワトリを飼ってみたいと思う方が相当いるんじゃないか。そんな気持ちもあって、さっそくHさんに鶏小屋の建て方を教えてもらった。この鶏小屋は、朝日があたるように東向きに建てられ、幅2300×奥行1200×最大高さ1500mm。

基本的な建て方は通常の物置や小屋と同じ。基礎石を並べ、根太を組み、柱や桁を組んでから、床、壁、垂木、屋根、金網、建具(ドアやニワトリの出入口)を作る。最後に小屋内部の寝床や止まり木、エサ箱などを作ってやる。最後に外まわりの塗装をしてもいい。

 

<Hさんの鶏小屋平面図>*単位はmm

 

外敵に備え、コーキング剤を使ってすき間をなくす

ポイントは、いくつかある。まず、イタチやハクビシン、ヘビなどの外敵の侵入を防ぐために絶対にすき間を作らないこと。骨組み(柱や桁)の接合部をすべて相欠きにしたのは、金網を張るときにぴったり張って、すき間ができないようにするためだ。金網もしっかりしたものを選びたい。イタチは金網を破って侵入することがあるし、壁の下の地面を掘って侵入してくることもある。ヘビは高いところも平気で上ってくるので、屋根の下地の垂木の間のすき間もコーキング剤などを使って、バッチリ塞ぐこと。

また、ニワトリは暑さに弱いので、風通しをよくすることもポイント。屋根はブリキやトタンではなく、断熱性の高いガルバリウム鋼板にしたのはそのためだ。

その他、小屋内部のレイアウトや設備。これは先ほどのイラストや後述の施工手順写真を見てもらえばわかるように、寝床と止まり木を用意してやればいい。

また、ニワトリ自身が自由に出入りするための出入口をドアとは別に用意した。ニワトリを自由に運動させることも大切だからだ。

購入した資材は、金網、ガルバリウム鋼板、コンパネ、基礎石くらいで、骨組みの木材の多くは、建築現場からもらってきたもの。鶏小屋は小さな構築物だし、こう作らねばならないというものではないから自由度も高い。廃材や端材をうまく利用するのも鶏小屋作りの醍醐味なのだ。

某日某朝。もうすぐ食べられる美味しい生みたて卵を楽しみに、今日もニワトリ愛を貫くHさんの朝が始まった。「べべちゃん、ご飯だよ…。オードリー、こっちこっち…」。

 

<Hさん流・鶏小屋の作り方>

文・写真◎脇野修平

*掲載データは2018年8月時のものです。

 

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ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

ガーデンシンク併設の本格仕様ピザ窯をガレージ内に製作!/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(1))

Case01 ガレージがパーティー会場に変身!ガーデンシンク併設の本格仕様

ガレージに設置したピザ窯の背面は、スギ板でアイボリーカラーの壁を製作。空間を含めてデザインされた、リラックス&ナチュラルテイストなピザ窯だ。

 

ピザ窯と同時にガレージ壁、ガーデンシンクもDIY。見事にオシャレでおいしい空間を演出

 

<記事内ギャラリー一覧>

 

<Sさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W800×D800×H1200mm
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ約100個、ブリックヤードレンガ約25個、コンクリートブロック24個、鉄筋(10mm径)2m、モルタル、耐火モルタル、砂、L型アングル2m、耐火ボード、鉄板(0.3mm厚、2mm厚)、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約4万円
  • 製作期間
    約3カ月間
  • 窯製作のきっかけ
    庭のレンガ積みを検討中にネットでピザ窯の記事を発見。一目ぼれした
  • 窯設計までの経緯
    経験者のHPを参考に、可能な限りローコストで作れる窯の設計を目指した
  • 窯の特長・ポイント
    施工場所がガレージであること。焼き室の全方位から輻射熱効果でピザを焼くために、焼き床は耐火コンクリートではなく、すべて耐火レンガを使用。L字型のアングルを並べて、その上に耐火レンガを並べていった。(アングルの上に置くレンガの溝はジグソーで加工)
  • 土台
    コンクリートブロックを積み上げ、手作りのコンクリート平板(鉄筋入り)を設置
  • 屋根
    ピザ窯をガレージに設置にしてあるので不要
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    燃焼室、焼き室ともに容積が大きくなりすぎてしまい、冬場は窯が暖まるまでに時間がかかる
  • 使用する薪の種類・調達方法
    DIY端材。窯が暖まってからは流木(カシ、ナラ、クヌギ)など。堅い木は火のもちがいい
  • 使用時に出る煙についての注意
    近くの民家に風呂を薪で炊くところがあり、それに混じって甘えさせてもらっている
  • 窯まわりに欲しい設備
    調理台とシンクは取り付け済みでパーティーの際はかなり便利。欲しいのはハウス栽培の畑。ピザを焼き、自分の畑で採った野菜やハーブをトッピングしたらなんと贅沢なことか!
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    オーブンで焼くときよりも、ほんの少し固めの生地にすると焼き上がりがもっちもちに
  • ピザ窯の魅力
    子どもに火の魅力を伝えられること

 

 

ガーデンシンクの脇には折りたためるテーブルがつく。本体はブロックを積み上げ、天板には2×6材、流し台に鉢を使用

 

ピザ窯の側面には、「La vita e piacevole e lo spende=人生楽しく過ごす」とメッセージが込められている

 

燃焼室扉は、0.3mmのうす~い鉄板を耐火ボードに張り付けている。椅子の座板に布を張り付けるように折り返して釘で固定した

 

ピザ窯が接する壁部分は窯に合わせてコンパネをくり抜き、窯とコンパネのすき間を4cmぐらい空けて、すき間に耐火モルタルを塗り、その上に、ラス網+白セメント(耐火煉瓦粉塵混入)を塗布した

 

ガレージの外から見たピザ窯背面。現在はコンクリートブロックを積んだだけの構造だが、今後きれいに仕上げていく予定

 

ダンパーは耐火レンガにステンレス板を取り付けて作ったオリジナル

 

写真◎清水良太郎

*掲載データは2011年8月時のものです。

おしゃれなアンブレラスタンド(傘立て)を作ろう/トリマーで作る!アメリカンヴィンテージファニチャー(2)

欧米諸国では傘だけでなくステッキを立てかける場所としても使われていたそう。柱と前板・背板にデザインカット、底板はモールディングビットで飾り面取りを施し、ヴィンテージ感を演出した収納家具で玄関をおしゃれに彩ろう。

 

村上英敏 Hidetoshi Murakami

正統派パイン家具にこだわる家具職人。アメリカで家具作りを学んだ経験から、さまざまな工具を合理的に活用する技術は折り紙つき。千葉県柏市にオーダー家具ショップ「ポプリローカルファニチャー」を構える。トライトンスーパーマイスターとして、さまざまなイベントでトライトン製品の講習も行なっている。YouTubeチャンネル「Triton Super Meister村上英敏の家具作り教室」でプロのテクニックを発信中!
https://www.popurri.co.jp/

 

ポイントとなるトリマー&ルーターテクニックはこの3つ!

 

今回は、アパートやマンションなどの狭小玄関でも使いやすいようにスリムなサイズ感で製作。通常の長傘なら、一列に約6本立てられる。手持ちの傘の数や、玄関の空きスペースなど住環境に合わせて設計してほしい。

前板・背板と幕板の接合は20番のビスケット、柱と幕板の接合には0番のビスケットを使用した。ただ、幕板の幅は60mmと、ビスケットを入れるための溝彫りを行なうにはギリギリのサイズで、精細な作業が求められるため、ビスケットジョイナーの扱いに慣れていない場合はダボ継ぎで接合してもいいだろう。

底板、脚の固定は裏側から28mmビスで行なった。なお、今回は補強材には端材を使用したので、最低限必要な長さで細かく木取りしたが、脚の内側全周に行き渡るように長く木取りしてもOKだ。

また、底板の上に置く受け皿(水受け)は、2種類の工作材を瞬間接着剤で組み立てて製作。メンテナンス性を考えて本体には固定せず着脱式にし、中心にアイアン製の取っ手を取りつけて取り出しやすくしてある。今回は自作することにしたが、ちょうどいい大きさのトレーがあればそれで代用したり、トレーのサイズを基準にして設計してもいい。

 

<アンブレラスタンドの構造図> *単位はmm

 

<主な使用道具>
テーブルソー、インパクトドライバー(ドライバービット、4mm径ドリルビット、皿取り錐つき2.8㎜径ドリルビット)、ビスケットジョイナー、トリマー、トリマー用平行定規、tritonオービタルサンダー(サンディングパッド100番/180番/240番)、スピンドルサンダー、9mm厚合板(テンプレート用)、サンドペーパー(180番)、耐水ペーパー(1500番)、メジャー、留めスコヤ、クランプ、ハタガネ、ノギス、直定規、筆、ウエス、ハケ

 

<その他の材料>
ビスケット(0番/20番)、アイアン製取っ手、木工用接着剤、瞬間接着剤

 

<用意した塗料>
油性ステイン(ウォルナット)、水性ウレタン塗料(クリア)

 

<使用したトリマービット>

 

Step1 柱の加工

 

<ビスケットの溝、前板・背板と幕板の固定位置>*単位はmm

 

Step2 幕板、前板・背板の加工と組み立て

 

Step3 底板の加工

 

Step4 脚の加工と組み立て

 

Step5 各部材の組み立てと塗装&受け皿の加工

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2021年4月時のものです。

ビオトープ前でのんびり!デッキつきカーポート一体型ガレージを作っちゃいました/みんなのガレージ&工房(2)

ビオトープ観賞用のデッキを作るはずだったが、バイクや車がかわいそう……と、ガレージ、カーポートを次々にDIY。愛車を雨からガッチリ守る、理想の空間を作り上げた。

 

ガレージとカーポートは屋根の勾配を合わせてある。出入り口にはスロープを作ってバイクを出し入れしやすくした

 

<DATA>
施主…Tさん(46歳・会社員)
DIY歴…約10年
製作費用…約30万円
実働製作期間…約6カ月
面積…約9㎡

 

ビオトープ側にミニデッキを作った。ビオトープは穴を掘り、ビニールハウスのビニールを二重に敷き、その上にブルーシートを敷いて、土を埋め戻して形成した。水草はコウホネや菖蒲。コイが住んでいる。「いろいろなトンボが飛んできますよ」(Tさん)

 

金具を使ってカーポートを一体化

10年ほど前に自宅庭にビオトープを作り、観賞用の簡単なウッドデッキを作った。それが朽ちてきたため、改めてデッキを作ろうと考えていた矢先、書店でガレージを紹介する本を見かける。雨ざらしのバイクがかわいそうだし、デッキ付きのガレージにしてしまおう!とひらめき、Tさんはガレージ作りを始めた。

「デッキだけのはずが、知らぬ間に壁や屋根がついたガレージになってたんですよ(笑)」とTさんの奥さん。

本誌50号の「ガーデンシェッドを作る」やDIYシリーズ『日曜大工で作る!ガーデン収納&物置小屋』を参考に製作した2×4工法のガレージ。コンクリート平板の基礎の上に根太枠を置いた土台に、24mm厚合板の床下地、床板を張る。床板は、壁に使ったスギ板をプレーナー加工したものを使用した。ガレージ完成後には、車が不憫になりカーポート屋根を製作。一体化したような造りにするため、ガレージと屋根をシンプソン金具でつないだ。

現在は、ガレージのトタン屋根を屋上デッキに作り替える計画を立てている。「ここは群馬県内でも暑い地域。デッキ屋根にすれば空気の層ができるし、今よりは快適になるはずです!」と夢を膨らませている。

 

バイクはカワサキのTR。エンジンとフレーム以外を改造した。電気は母屋の屋外コンセントから引いて、50Aまで使用できる

 

壁面収納のドアに市販の鏡を使用

 

ガレージドアを開けると、ビオトープを臨め、室内の雰囲気が変わる

 

ドアを閉めた状態。外壁にいろいろな看板を張ってアメリカンスタイルに仕上げた

 

ガレージとカーポート屋根の接続部

 

換気扇のフード。ガレージ内に熱がこもりやすいため、暑さ対策に換気扇を設置

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年8月時のものです。

三角屋根のかわいいキャンパートラックで自由気ままな旅へ!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(2)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

File02 パネル工法と軸組工法をミックス!三角屋根のかわいいキャンパートラック

赤いダットサントラックをベースにした三角屋根のキャンパーシェルは、ひと目見たら忘れられないインパクト。シェルのサイズは幅1800×長さ4800×高さ2000(地上高2900)mm。屋根についた流線形のドーマーもユニーク

 

100Wのソーラーパネルが2枚載せられた屋根。骨組みの上に4mm厚の合板(すき間をパテ埋め)、透湿防水シートを張り、ビールの空き缶で作ったアルミルーフとベニヤのウロコ板で仕上げている

 

キャンパーシェルの後部。停車中はアオリを下げ、木製のデッキを張り出すことで多目的に使えるスペースを創出

 

<DATA>
製作者…Aさん(61歳/DIY歴45年)
ベース車…ニッサン・ダットサントラック(キングキャブAX 32D)
製作費用…約30万円
製作期間…約5カ月

 

入口正面から見たキャンパー内部。トラックのルーフ部分が寝室となっている

 

ベッドから出入り口に向かって見たキャンパー内部。左右壁面を余すことなく収納に使用。右側には折り畳み式のテーブルおよびキッチンシンクを設置

 

東日本大震災をきっかけに、動く非常持ち出し袋をコンセプトにした軽トラキャンパーを製作したAさん。そんな彼が次に製作したのが、ダットサントラックをベースにしたキャンパートラックだ。

気になるシェルの作り方だが、手近にある木材をあらかじめ、20mm、40mm、80mm幅に加工。自ら扱いやすいサイズの規格材を作って組み立てをスタート。シェルのフレームはパネル工法で組み立てているのだが、そのパネルの組み立てには継ぎ手とボルトを多用し、各部をがっちり接合。パネル工法と軸組工法をミックスしたユニークな作り方で、走行時の振動や強風に負けないシェルを作り上げた。また壁パネルには単管パイプを通してあるのだが、このパイプがシェルを補強すると同時に積み下ろしの際にも役立つアウトリガーに変身するのがミソだ(詳細は後述参照)。

また、パーマカルチャー講師を務めるAさんのキャンパーにはオフグリッドなアイデアも満載。屋根にソーラーパネルを載せ、太陽光エネルギーを室内の照明や電化製品に利用するのはもちろん、天ぷら廃油を燃料に走行できるよう改造された地球に優しいキャンパートラックでもあるのだ。

 

正面飾りに書かれた「PADDLE FOR THE PLANET」のメッセージがなんともAさんらしい。なおシェルの壁面は柿渋で塗装されている

 

小さなキッチンシンク。普段はフタをしてミニテーブルとしても使用できるよう工夫されている

 

キャンパーシェルと運転席上部のルーフには、木材で台座を差し込み固定。走行中のシェルの揺れを軽減

 

シェルはアイボルトとターンバックルを使い、荷台にしっかりと固定している

 

屋根材に使われたビールの空き缶の数はなんと700本。「自分が飲んだものしか使わない」とルールを決め、半年で飲みきったのだとか

 

扉が丸く仕上げられたアッパーキャビネット。頭をぶつけるのを防いだり、空間を広く見せる、狭小空間ならではの工夫だ

 

「狭いシェル内でのベンチレーションはかなり重要」とAさん。背面後部2カ所に換気口を固定。これに加え、前後左右の窓を開閉することにより、室内の換気を行なう

 

2枚のソーラーパネルで作られるエネルギーは、MPPT制御方式のチャージコントローラーを介し、115Ahのディープサイクルバッテリー2個に蓄えられる。写真は壁面に取り付けたチャージコントローラー類

 

シェルの積み降ろし方法

Aさんのキャンパーシェルは、左右壁面に取り付けられた計4本のアウトリガーを地面に直立させることで自立させることが可能。これで簡単にシェルを脱着できてしまうというわけだ。

 

Aさんのキャンピングシェル製作ダイジェスト

パネル工法と軸組工法をミックスしたという、Aさんのシェル本体の製作を大公開!

写真◎佐藤弘樹、製作者提供

*掲載データは2017年2月時のものです。

軽トラの荷台にスッポリはまるDIYキャンピングシェルの作り方/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(1)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような、自作の荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のキャンピングカーとなるDIYカスタム術が学べます!

 

【ギャラリー一覧】

 

File01 水対策バッチリ!荷台にスッポリはまるDIYシェルは機能が充実

シェルの後部ハッチのオレンジ色がアクセントになっている。固定は荷締めベルトのみだが、シェルの床下収納箱は荷台に収まっているのでずれることはないそうだ

 

シェルのサイズは幅1430×奥行2110×高さ1550mm。室内では寝る・座ることができればよかったのでコンパクトに収めた(室内高1400mm)

 

<DATA>
製作者…Wさん(65歳/DIY歴45年)
ベース車…スバル・サンバートラック(5MT・セレクティブAWD)
製作費用…改造を繰り返しているので不明
製作期間…約3カ月〜完成未定

 

屋根上には換気口とソーラーパネル(100W2枚)が見える。室内照明、炊飯器、PC、iPadの使用の電力が十分賄えているそう

 

後部ハッチは跳ね上げ式。扉を軽い力で持ち上げられるようにガススプリングをステーとして使用

 

これまで、荷台に1人用のテントを張った「1号機」、3枚重ねにしたスタイロフォームをカプセルのように三角に組んだ「2号機」で、たびたび軽トラの荷台泊にチャレンジしていたWさん。だが、どれも使い勝手は良いとは言えなかったので、2015年の秋頃から本格的なシェル作りに着手した。

荷台には普段、大工道具や草刈り機などを積んでいたため、3号機はアオリの上に載せるタイプに。壁は角材で組んだフレームにスタイロフォーム(30mm厚)を入れ、両面に合板(3mm厚)を張り、2×4工法のようにパネルにして組み立てた。屋根はさらにルーフィングを巻き付け、アルミ板を見切り材として使用。「軽トラキャンピングカー自作の難点は水対策に尽きる」と話すWさんは、継ぎ目のコーキングは念入りにし、外壁はベランダや屋上に使う防水塗料を塗り、1液水性ウレタン塗料で化粧。屋根は平らだと水が溜まりそうで嫌だったのでアーチ状にしたそうだ(後述参照)。

その後は、ベンチレーターの取り付け、多機能なキャビネットの設置、荷台部分があいたため床下に収納箱をつけるなど、改良を繰り返したことで居住性がアップ。現在は「3号機改」として、Wさんの旅のお供に活躍している。

 

シェル内部。右側のあいている部分にマットを敷いて寝る

 

コルクシートを張った床パネルは取り外しができ、床下収納として活用できる

 

就寝時、運転席側の窓はコルクシートのパネル、それ以外の窓にはスタイロフォームをはめている。スタイロフォームには銀マットを張ることで、より効果的に外からの光が遮られるそう

 

シェルにはハシゴを引っかけて乗り降りする。アズサ(カバノキ科。ミズメとも呼ばれる)の木で製作

 

普段はシェル内部の壁面に立てかけている

 

キャビネットの天板にはピアノ蝶番を取り付け、天板全体が開くようにしている

 

床パネルを立てて天板を置けば、キャビネットが掘りごたつのようなテーブルに早変わり!

 

走行中、引き出しが勝手に開かないように、奥にネオジウム磁石を取り付けているのもポイント

 

10Lの水が入るタンクと、漬物用のバケツ&ステンレスボウルで作った簡易シンク

 

簡易シンクの横にはカセットコンロ台が。木材で組んで表面にステンレス板を張った

 

デッドスペースになりがちな頭上も収納に活用。奥には太陽光発電の充電コントローラがあり、バッテリーは床下に収納している

 

シェルの積み降ろし方法

積み降ろしには単管パイプで組んだ架台を使用。両側のアオリを開いてシェル本体の床下に単管パイプを渡したら、架台のスタンドジャッキを回してリフトアップし、軽トラを出し入れする。

 

Wさんのキャンピングシェル製作ダイジェスト

Wさんの木工スキルが光るシェル本体の製作を大公開!

*掲載データは2017年2月時のものです。

自作ガレージに自作工房をドッキングしちゃいました!/みんなのガレージ&工房(1)

毎回、読者自慢のガレージ&工房を紹介するコーナー。オリジナリティーにあふれた、DIYならではの、世界にひとつだけの作品を紹介していく。第1回目は、週末を過ごす別荘に作った自作ガレージ&工房だ。

 

ガレージ&工房の前側全景。左側がガレージ、右側が工房となる

 

<DATA>
施主…Kさん(65歳・自営業)
DIY歴…約6年
製作費用…約50万円
実働製作期間…約4カ月
面積…約39平米

 

ドアを閉めた状態。ドアはクリア塗装されている

 

ガレージ側面に工房をドッキング

南アルプスの名峰を望む高原にキットガレージを改造した別荘をDIYで建てたKさん。現在ガレージになっているスペースは、その母屋を作るための資材や工具を置いておく小屋が必要ということから、母屋作りと同時進行で建てられた。

母屋を作りながら、家づくりの腕を上げていったKさん、ガレージ作りでは、自分で図面を引き、材木、資材をそろえて、週末ごとに現地に通い、完全DIYで製作し、資材置き場、工具倉庫、工房などとして使っていた。

このスペースを愛車のガレージとするのを機会に、ほこりを避けて愛車をきれいに保管したいので、新たにガレージ横に工房を増設し現在に至っている。

Kさんの作る建物は、基本的に2×4工法。このガレージ&工房もコンクリートのベタ基礎の上に土台を回し、その上に壁を立てこんでいくという工法で作られている。屋根、壁には断熱材を入れることで、夏の炎熱も防ぐことができる。

新しく増設した工房部分のメインドアはオーバーヘッドスライダー。専門業者に問い合わせると、組み立て作業も込みでないと注文できないということで、Kさん、自ら図面を引き、材料を発注し、自分で組み立ててしまったという力作だ。自作ガレージと工房は週末別荘暮らしの大切な設備として有効に使われている。

 

工房の前面ドアは自作のオーバーヘッドスライダーが取り付けられている(開けたシャッターを下から見た状態)

 

ケーターハムをガレージ奥まで入れるために、ロフトスペースを作って荷物や工具を上げてしまう

 

工房の天井には集じんシステムのパイプが取り付けられ、工房奥の集じん機で集じんできる

 

工房の室内作業台のスペースを大きく取った、長細いレイアウト。左に見えるドアでガレージと行き来する

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年6月時のものです。

梅雨のシーズンに備える!雨どいのトラブル予防術を伝授/暮らしに生かすDIYメンテナンス(11)

今回は、どこの住宅にもあり、目立たないけれどトラブルを起こすと面倒な、雨ドイ(雨樋)のメンテナンスがテーマ。簡単なメンテナンスが、手に負えないトラブルを予防する。

 

雨ドイの構造と掃除方法

<雨ドイの基本構造例>

軒先に設置され、屋根の雨水を受けて、まとめて排水するのが雨ドイ。

雨ドイは、年に一度程度、落ち葉の季節が終わったころに、軽く掃除をしてやるだけで、トラブルを未然に防ぐことができ、雨ドイ全体の寿命を延ばしてやることができる。取り付けてから5年以上、何もしていないという場合は、ぜひ、目で見て状態を確認してみたい。

掃除自体は、軒トイに溜まった枯れ葉や塵をホウキで払い、縦ドイの内部を、イラストのような、長い針金の端に雑巾をつけた手作りの掃除用具を使って掃除するだけと、いたって簡単な作業だが、雨ドイは軒先という高所にあるため、ハシゴをかけて作業することになる。このためハシゴを掛け間違えて、肝心の雨ドイ自体を壊してしまったり、作業する人が、ハシゴ上でバランスを崩して落下してケガするということも心配だ。安全には十分気をつけて、個人の責任において慎重に作業したい。

雨ドイは耐候性の高い樹脂で作られているが、屋外で使われる樹脂の宿命で、10年を過ぎれば、劣化が進み、接合部分にヒビが入ったり、割れることもある。全体の強度が落ちてくれば、高温や、雪の重みに耐えられずゆがんだり、ごみが溜まって雨水の重みで金具が曲がる、錆びるなどのトラブルが起きる。

雨ドイは細かいパーツに分かれているので、こうしたトラブルが単発で起きているものなら、パーツ単体の交換で対応できる。雨ドイのパーツは円筒の樹脂タイプのものなら、メーカーごとにサイズが規格化されているので、補修する雨ドイの径を正確に測定するか、補修部分を取り外して現物合わせで確認すれば、間違いはない。

<縦ドイの掃除例>

 

縦ドイの割れのメンテナンス

物をぶつけて縦ドイがひび割れることは、確率の高いトラブルだ。大きな割れの場合は縦継ぎ手を使って、割れた縦ドイ部分を交換することになる。雨水がしみ出る程度のヒビの場合は、雨ドイ用補修テープ(雨ドイの色に合わせて何色かバリエーションがある)を縦ドイに巻いて補修すればいい。

<ひび割れの補修例1>

<ひび割れの補修例2>

 

軒トイの交換方法

例えば、軒トイが垂れ下がって、雨がジャブジャブあふれてしまうなら、トイ受け金具とトイ受け金具の間で軒トイを切り取り、新しい軒トイを、軒継ぎ手を使って取り付ければいい。軒トイ、軒継ぎ手は、ホームセンターの雨ドイ売り場で売っている雨ドイ用接着剤で固定する。

<軒トイの交換例>

 

集水器の詰まりのメンテナンス

雨水の詰まりが起こりやすいのは、集水器の部分。ここは、いくつかの軒トイが集まる部分なので、詰まりやすい。詰まるものは、枯れ葉が土ぼこりや飛び砂と混ざって固まったものが多いようだ。風で飛ばされてきたレジ袋が詰まっていたという例もある。

イラストのような棒に、太さ2mm程度の腰のある針金(針金を曲げたハンガーなど)を取り付けた棒で、集水器の上から、詰まった部分を突きまわすと、詰まりを取ることができる。土ぼこりがふやける、雨の降っているとき作業すると有効だ。

 

取り付ける箇所の木部の補修方法

古い木造家屋の場合、雨ドイのトイ受け金具は、イラストの金具のように、軒の垂木や、鼻隠しに、直接打ち込む金具で取り付けられていることがある。トイが破損して、雨水が漏れ、金具を伝わって、金具を錆びさせた上、伝わった水分が木部分を腐らせてしまうというトラブルがある。日本家屋の場合、トイの打ち込まれた部分が、家を支える主要な柱構造の部分でなければ、腐った部分を切り取って、材を継ぎ足し、新しい金具と取り換え、トイの破損部分を差し替えるという日曜大工の作業で補修することができる。

<取り付け木部の補修例>

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2011年8月時のものです。

バーベキュー炉つきヘキサゴンガゼボ&カントリー調のサークル囲炉裏を作っちゃいました!

イメージしたのはアジアン風!バーベキュー炉つき!ヘキサゴンガゼボ

六角形のガゼボ&バーベキュー炉。支柱には丸太、フレームには角材と2×材を使用。床にはインターロッキングを敷きつめ、枕木でエッジングした

 

<DATA>
Tさん(62歳)
DIY歴…10年
製作期間…約3カ月
製作費用…約5万円

 

Tさんお手製のガゼボ構造図

 

「ワイワイガヤガヤ!」約20人ほどの仲間と同時にバーベキューが楽しめる六角ガゼボを作ったのはTさん。

たまたま農作業小屋に余っていた300mm径×長さ8mの丸太に着目し、これをガゼボの支柱に使用。半径2mの円を描き、そこから2m間隔に塩ビパイプを埋めることにより、支柱の基礎を作ることに成功した。「六角形という構造上、垂木の角度切りなどは苦労しました」と製作を振り返る。

イメージはアジアン風ということから、屋根の内側によしずを張り、材にはすべて黒色の防腐剤を重ね塗りするというこだわりぶり。

ガゼボ内部は、床部分にインターロッキングを敷きつめ、砂決めで仕上げ。中心の炉の部分は瓦チップを詰めて、この上で炭を熾して、鉄板焼きやバーベキューを楽しむのだ!

 

基礎は中心から半径2mの位置に、2m間隔に30mm径の塩ビパイプを地面に埋め込む。ここに支柱の丸太を入れ、水平垂直を調整し、モルタルで固定

 

屋根の内側はよしずを張り、アジアの雰囲気を演出。垂木の角度切りには苦労したとか

 

ガゼボの屋根の下はインターロッキングを敷きつめ、砂決めで仕上げた。角や隅はディスクグラインダーでカットしたものをはめ込んだ

 

ガゼボの中心に作った1m径のバーベキュー炉。灰のかわりに瓦チップを敷きつめてあり、この上で炭を熾す。炉の上には丸棒を溶接したロストルをセット

 

四角でも和風でもない!常識を覆すカントリーデザインのサークル囲炉裏

直径72cmの鉄の大鍋を囲炉裏の炉として使用。五徳の上にはエキスパンドメタルで作った焼き網をセット。ここに鍋を置いたり、スルメなど渇き物をあぶったりするそう

 

<DATA>
Yさん(68歳)
DIY歴…50年
製作期間…約3カ月
製作費用…約2万円

 

「四角くて和風」という囲炉裏の常識を覆す洋風囲炉裏がこちら。囲炉裏の炉として直径72cmの鉄の大鍋を利用したサークル型のテーブル囲炉裏だ。

炉を支える台は鉄丸棒を溶接して製作し、ここに補強を兼ねた装飾を溶接。これだけで洋風なテイストがグンとアップ! テーブル囲炉裏の天板は、円形にカットした木材を白くペイント。炉に灰を入れてゴトクをセットすれば、あら不思議。カントリーテイストのポットもぴったりな爽やかなテーブル囲炉裏が完成。

なお天板と炉台の鍋を取り外すことができるので、屋外でも室内でも好きな場所に設置できるのも特長。夏は野外でバーベキューパーティー、冬は屋内で鍋をつつく…なんて1年中遊べる囲炉裏なのだ!

 

大理石の天板を載せればガーデンテーブルに。なおテーブルを囲むアイアンチェアもYさんのDIY

 

このように室内でテーブル囲炉裏として使ってもOK

 

囲炉裏なのに、こんなカントリーデザインのポットでも違和感なし!

 

テーブル天板は下地に黒を塗り、白を重ねた後、ペーパーで木目が出るよう研磨。仕上げに2液ウレタン(半ツヤ)でコーティング

 

天板を支える台は、13mm径の鉄丸棒を溶接して自作したもの

 

写真◎伊勢和人、製作者提供

*掲載データは2012年12月時のものです。

ジャッキはエライ!傾いた小屋&デッキが簡単に修復できたのだ…。/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(20)

おそらくどんな車にもついている車載用のジャッキだが、1度も使ったことがないという人がけっこういるわけで、これは実にもったいない話。そこで今回は、使い方ひとつで、車載ジャッキは男のDIYの重要なツールになるという実証ドキュメント。ジャッキを使わずして、何が男ぞ!

 

傾いたデッキを修復、これで鉄製の重い焚き火台を置いても大丈夫

 

ジャッキ活用で復活した掘っ立て小屋

いきなり恥をさらすようだが、私の息子は、夏用と冬用のタイヤの交換を自分でやらない。1本1000円払ってガソリンスタンドでやってもらうという。つまり車のジャッキアップをしたことがない。私は怒った。そんな教育をしたつもりはない! 自分でやれ! すると、そのほうが楽だし安全だもん~などとチャラ顔で答えるのだ。どう思います?

まず、金を払えばいいという根性が気に入らない。もし、人の来ない荒野で、タイヤがパンクしたらどうするのか? JAFなんか来ないぞ! クマなんかもいるぞ! 日が暮れてくるぞ!ど~するんだ? え~!? と私は声を大にして言いたいのだ。

ま、いい。つまらないところで興奮してはいけない。そんな奴は、北の極地で、タイヤ交換ができないで、死んじゃえばいいのだ。それよりも、私は、とてつもない実力を持ちながら、その能力を発揮するチャンスにも恵まれず、暗いトランクの奥でじっと待機している車載ジャッキの復権を声を大にして叫びたいのだ。というのには理由がある。

実は、編集部で、数年前に建てた掘っ立ての高床式の小屋がある。基礎石を使っていないこともあるが、さすがに基礎柱が腐ってきて、小屋全体が傾き始めたのだ。これをなんとかせにゃと閃いたのが、車載のパンタグラフ型ジャッキを使った修復だった。まず腐った柱に支えられた根太をジャッキアップ、柱が浮き上がり、根太を水平に戻したところで、柱周りの四方に当て木をして補強した。当て木の下には砂利を敷き、平板を敷き、柱が沈まないようにした。こうして修復は万全に行なわれ、以後、小屋はまったく傾いてない。

このとき感動したのが、想像を超えたジャッキの力だった。小型ながら最大使用荷重が800kg。2坪程度の小屋の端っこを数cm持ち上げるのなんか笑っちゃうくらい簡単だった。敷石の上にジャッキを置き、ジャッキのハンドルを回すとメリメリいいながら小屋の傾きが直っていく。ジャッキは便利だと心から思ったのだ。

これに味をしめ、今回やったのが、根太が腐って傾き始めたパーゴラ付きウッドデッキの修復。普通なら、床材を剥がし、腐った根太を取り替えればいいという話なのだが、四隅にパーゴラの柱が載っているのがネックで、この柱をそのままにして、パーゴラごとデッキの傾きを直すという厳しい作業になる。そこでパーゴラの柱が載る部分を残して床材をすべて剥がし、パーゴラの柱にできるだけ近い大引をジャッキアップすることにした。

 

車載のパンタグラフ型ジャッキ。自分でタイヤ交換するとき以外、ほとんど使われることもない。ジャッキハンドルを回すと、計り知れない力を発揮する。タッパ(立端)が足らないときは、写真のように角材を載せてジャッキアップすればいい

 

柱が腐って沈み込んでいた掘っ立て小屋の柱をジャッキアップして修復した跡。腐った柱の周りに板材を当てて補強したほか、近くに新たな柱を追加した

 

パーゴラつきデッキ、簡単にジャッキアップしました…

 

まず、地面を平らにならし、枕木とコンクリート平板を置き、その上にジャッキをセット。さらにタッパ(立端)が足らないので4寸角の角材をジャッキに載せて、大引にかませる。ジャッキのハンドルを回すと、当然ながら簡単に大引が持ち上がり、沈み込んでいたデッキが一挙に水平に戻った。その状態のまま、あとは、新しい束柱に交換、ついでに束柱の数を増やし、床材を新しい材に張り替えたのだ。結果は見てのとおり。微妙に傾いていたパーゴラも正常に戻った。これはもう間違いなくジャッキの圧勝といっていい。

近年、確かにタイヤ交換を自分でやるという機会は劇的に減ったかもしれない。それにしたがって、車載ジャッキの存在感が薄まってきたのかもしれない。しかしだからこそ私は言いたいのだ。小さいけれど力持ち、普段は薄暗い車のトランクの片隅にひっそりと佇み、ここぞ!というときに一挙に爆発する陰のモンスターツール、ジャッキを忘れるなと。たとえば、小屋の根太を水平に立ち上げるときなんか、ジャッキを使って調整すると便利だと私は思うよ。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2018年6月時のものです。

 

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ピザ窯作りのスタンダードな作り方を大公開!/ピザ窯・パン窯の作り方web上講座・後編

ピザ窯・パン窯を作る前に“知っておきたいこと”を解説した記事はコチラ

 

「これがピザ窯作りのスタンダードな手順です」(K県Mさんの場合)

手作りによるピザ窯の製作は、難しいともいえるし、簡単だともいえる。なぜか。手順をしっかりと踏めばピザ窯は誰でも簡単にできる。これは間違いがない。

しかし、だからといって、そこで美味しいピザやパンが焼けるかというとその保証はない。

最終的には偶然も支配するという火加減や熱加減になるわけで、そのあたりがピザ窯の奥の深さに通じるということなのだろう。

ここで紹介したいのがK県在住のDIYer、Mさんのケース。二層式ピザ窯を作った彼の記録を中心に見ながら、基本的な手順を説明してみよう。

 

手順1 土台を作る

窯を支える土台作りが最初の手順。基本的には現場を掘り下げ、砕石や砂利を打ち、地盤を固めてから土台を積んでいく。土台を薪のストック場所として使いたい場合はブロックを周りに積み、空間を作っておくといいだろう。そうじゃない場合は、ブロック、コンクリート、石材、自然石などを積み、場合によっては土や砂、ガラなどを詰めて土台を作る。予定している窯のサイズよりも大きめに作りたい。窯の重量がハンパじゃないので、がっちり作ること。ブロック積みは鉄筋を入れるほうがベター。

 

手順2 火床(燃焼室)を作る

土台の上に火床を作る。ここは直接薪を燃やすところなので耐火性が要求されるので、耐火レンガや大谷石、前述のアサヒキャスターなどが使われる。まず、土台の上に頑丈な板(コンクリート平板や石材、頑丈な角材など)を載せ、その上に耐火性資材を載せて火床にするというケースが多い。

 

手順3 窯の壁積みを始める

いよいよ窯作りスタート。火床の両サイドと後に耐火レンガを積み始める。接着材は素人には手に負えない耐火モルタルではなく、アサヒキャスターを使うほうが安心。蓄熱性を高めたいならば、レンガをダブルに積んで壁を厚くすればいい。耐火レンガの外側がそれほど高温にならないので、通常のレンガを積んでいる例も多い。

05 耐火レンガを積んだ。内側にいくつかのレンガが飛び出しているのは、この上に後述の焼き床を載せるため。レンガの接着はアサヒキャスターで行なった

 

手順4 焼き床を作る

二層式(連続燃焼式)では、窯の中段に焼き床が必要になる。焼き床は耐火性が要求されるので、大谷石や耐火レンガ、アサヒキャスターなどを使用する。アサヒキャスターによる焼き床作りは、型に流し込んで固めて作るという方法がスタンダードだ。流し込んでから24時間後にはカチンカチンに固まっている。これを焼き床として中段に載せる。

 

手順5 窯の壁積みと天井、煙突を作る

耐火レンガやアサヒキャスターを使って、窯をドーム状、あるいはかまぼこ型にするときは「型」が必要だ。ドーム状にするときには、砂を山のように盛ってその上にアサヒキャスターを流すという手法もあるが、一般的なのはやはりベニヤ板などで型を作る方法。型に沿ってレンガを積み、並べていく。レンガをかまぼこ型に並べて積んでいくにはくさびをうまく挟んでいくのがポイントだ。なお、目地材はやはりアサヒキャスターがおすすめ。

 

手順6 窯口の扉を作る

窯口が大きすぎると温度が上がらなくなるので、レンガを加工し、アサヒキャスターをうまく使って、窯口を適当な広さまでふさぐ。扉は鉄製の立派なものじゃなくても実用上何の差し支えもない。燃えにくい堅木を窯口の形に加工し、ピザ窯使用時のみに窯口を塞いでもいい。多少焦げるが、これが嫌だという人は、内側に防火効果のあるケイカル板や石こうボードを張ってもいい。もし、鉄板の加工や溶接に挑戦したいという人がいれば、鉄製の扉を作ってもいい。

 

*掲載データは2010年6月時のものです。

ピザ窯・パン窯を作る前に知っておきたいことを徹底解説/ピザ窯・パン窯の作り方web上講座・前編

その1 ピザ窯・パン窯の構造って、どうなっているの?

いろいろな言い方がある。石窯、パン窯、ピザ窯…。基本的にはみんな同じだ。石で作ったパン窯やピザ窯は石窯だし、レンガを多用したピザ窯やパン窯もある。ピザを作ればピザ窯だし、パンを作ればパン窯。とにかくみんな同じ。重要なことは、輻射熱(余熱)=遠赤外線を利用して調理できるから、料理がうまいということ。だから、みんな庭に窯を作りたがる。とりあえず、そう考えてよろしい。

で、どんな仕組み=構造になっているかだが、これも驚くほどシンプルだ。

 

まず、図Aを見てほしいのだが、火床=薪を燃やすところがあって、熱を蓄えるところがある。さらに、蓄えた熱は外に逃げないように断熱する。これが基本。燃やした薪をどかし、濡れ雑巾などできれいにして、そこにピザ生地を置けば、美味しいピザやパンが焼けるというわけ。

それからもうひとつ。今度は図Bを見てほしいのだが、これが二層式とも連続燃焼式とも呼ばれるもので、火床とピザ生地を置くところ(焼き床)が別になっている方式で、煙を抜く煙突があるのが一般的だ。この方式だと、ピザ生地を置いたまま、連続して薪を投入し、燃やし続けることができるというわけ。

この発展形として、これまで紹介した実例のように扉をつけたり、窯の形をドーム状にしたり、かまぼこ状にしたり、外観をおしゃれに仕上げたり、雨対策に屋根をつけたり、いろいろなバリエーションがあるが、手作りのピザ窯の場合、このふたつの方式を頭に入れて事に臨めばいいだろう。

また、窯口の形状もいろいろで、正面から見て半円形であったり、台形であったりするが、少なくとも、ピザを出し入れするときに使うピールと呼ばれるヘラが自由に出入りできるだけの大きさがほしい。

 

その2 どこにどんな素材を使ったらいいの?

両横綱は耐火レンガと大谷石

ピザ窯作りで、まず最初に悩むのが素材選びだ。とくに熱のかかる火床(燃焼室)や焼き床、窯内部の素材は、ピザ窯そのものの性能に関わるのでとても重要だ。

要するに、ピザやパンを焼く温度(約200〜300℃)の耐熱性を持ち、しかもある程度の蓄熱性のある素材ということになるのだが、さまざまな手作り窯の実例を見てみると、メイン資材としては耐火レンガと大谷石が両横綱といえそうだ。どちらも熱に強く、加工もしやすいというのが理由だ。耐火レンガは、ホームセンターやウエブ通販での入手が簡単だが、大谷石は近年、ホームセンターでの流通が少なくなり、ウエブ通販が主流となりつつあるようだ。また近年、関東での大手ホームセンターで売り出したイタリアからの輸入石「タフ・ステンストーン」も耐熱性が高く、大谷石と同様の使い方ができそうだ。

また、粘土も比較的ポピュラーなピザ窯の素材だ。比較的蓄熱性も高く、成形もしやすいので、窯の外壁などによく使われる。ただし、雨に弱く、崩れる場合もあるので、屋外に作る場合、窯を雨から守る屋根組みが必要になる。

フランス産の耐火レンガ。ふぞろいの焦げ跡がいい味になっている。 220×105×54mm、約198円

 

JIS規格の刻印が入っている耐火レンガ。約227×110×60mm、約128円

 

タフ・ステンストーン。イタリアからの輸入石。熱に強く、軽く、加工しやすい。370×200×110mmの基本が約480円、370×110×110mmが約380円

 

ピザ窯作りの救世主は、アサヒキャスター?あるいはSic棚板?

耐火セメントや耐火モルタルと呼ばれるものが市販されているが、これらはDIY向きではないというのが多くのプロ職人の意見だ。これらの多くは通常のセメントやモルタルのように水を加えても常温では硬化せず、かなり高度の熱を加えてはじめて硬化するという特性を持っているため、扱いが非常に難しいのだ。そこで、本誌編集部がおすすめするのが、「築炉業界のインスタントセメント」とも呼ばれる「アサヒキャスター」という耐火コンクリート資材だ。1300~1500℃に耐える強固な耐火性能を持ち、耐火レンガの目地材として、流し込んで作る焼き床の資材として、もちろん、ピザ窯の壁、天井にも使えるし、BBQ炉や囲炉裏、暖炉、陶芸窯などにも使える。なによりも扱いが簡単で、通常のセメントのように水を加えて練るだけ。24時間後にはカチンカチンに固まっている。さらに入手も楽だ。

アサヒキャスターには、いくつかの種類があるが、メーカーがDIY向きということですすめているのが「アサヒキャスターCA‐13T」という製品。原則として一般店頭での扱いはなく、すべて代金引き換えの通販による購入となる。(発売元:AGCセラミックス

また、本誌に寄せられた情報によれば、陶磁器の焼成に使うSic棚板=カーボランダム棚板と呼ばれる人工鉱物(炭素とケイ素の結合物)が焼き床の素材として使われていることがあるという。熱伝導率も非常に高く、遠赤外線放射も高いといわれる。価格的にはたとえば600×600×14mmで、約1万6400円(編集部調べ)と、やや高いが、使用感はいいという。興味のある人は「陶磁器焼成用棚板」で検索してチェックしてみることをおすすめしたい。

アサヒキャスターCA-13T。1袋25㎏入り。1袋分に水を加えて流し込むと、590×480×45mmのコンクリート板ができ、これを焼き床にすることも多い

 

大谷石。栃木県の大谷町付近で採掘される軽石凝灰岩の1種。熱に強く柔らかいので加工しやすい。外壁材として利用されている。等級によって価格はバラバラだが、2級クラスで、約450×150×90mmで1500円前後が目安(編集部調べ)

 

陶磁器を焼成するSic棚板=カーボランダム棚板を焼き床にしている例(H邸の例)

 

耐火レンガにもグレードがあるのだ

耐火レンガにもいろいろなグレードがある。なにも刻印されていないノーブランドのアンティーク品もあるが、通常は、耐火レンガのグレードは、JIS規格により、レンガに刻印されている番号で表される。例えば、よく出回っている「SK32」は1350℃までの耐火性能、「SK34」は1400℃まで、「SK38」が1560℃までの耐火性能を表している。

「SK32」の刻印がある国産の耐火レンガ。1350℃までの耐火性能がある

 

熱のかからない部分は好みの資材好みのデザインで…
以前、本誌が作ったピザ窯。土台はブロック積みで、センプラムで仕上げた

 

全面レンガを積み上げた本格的なパン窯(岩手県大船渡市寿限無の会の手作り作品)

 

Wさんが長野の別荘に作ったピザ窯。ドーム状の窯の表面には地元で調達した小さな丸石と粘土が盛られている。また、粘土は雨に弱いので屋根が架けられている

 

ブロックを積み上げて作ったパン窯。窯部分のみ耐火レンガを使っている。扉は縞鋼板を加工して作った(Wさんの手作り作品)

 

火床に鉄板を使うというケースもまれにみるが、熱による変形や膨張を考えると避けたほうが無難。ただし、縞鋼板や厚めの鉄板を窯口の扉(蓋)に使っているケースはよく見かける。その場合でも、内側にはケイカル板や石こうボード、アサヒキャスターなどを入れて、鉄板が過熱するのを防ぐことが多い。

その他、熱のあまりかからない部分には、施主の好みや事情によって、さまざまな素材が使われている。たとえば土台などは、窯の重量を支えることが重要なわけで、よく見るのは重量ブロックを積むという方法だが、他にも枕木や自然石、平板コンクリート、木材などが使われる。

さらに、土台の化粧や熱のあまりかからない窯の表面などはさらに自由度が増す。市販の壁塗り材や粘土、細かい自然石や乱張り石、貝殻など、好みの素材、好みのデザインで、ピザ窯のある庭作りを楽しんでほしい。

 

ピザ窯の土台は、重量ブロックで作ることが多い。3段積み程度で鉄筋入りが前提。頑丈にするために空洞部にガラやモルタルを詰めることもある

 

枕木は、ピザ窯の土台にも使える。写真は、防虫・防腐処理されたACQ枕木。180×100mm角で、長さ600mmが約980円、長さ900mmが約1480円、長さ1200mmが約1980円

 

新品枕木。防腐加工済みで、200×140mm角で、長さ900mmが約2380円、長さ1200mmが約2980円、長さ2100mmが約4980円

 

スペイン産の大理石粉末入り塗り壁剤、センプラム。ガーデンウオールなどに使われ、エキゾチックなテイストを作り出す。ピザ窯作りではブロックなどで作った土台の化粧などに最適

*掲載データは2010年6月時のものです。

アジアン風プライベートバーのリフォーム術を公開!/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(4)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File04 和室をアジアン風のプライベートバーに大胆リフォーム

よくバーに通っていて、奥さんとふたりで呑む機会も多いそう。完成後はこのプライベートバーで晩酌を楽しんでいる

 

改装前の状態。左のガラス引き戸がある場所にこのバーカウンターは作られた

 

<DATA>
製作者…Tさん(49歳)
DIY歴…8年
製作費用…約3万円
製作期間…7日間

 

自宅改装計画の一環でまず初めに製作したというTさん宅のバーカウンター。以前住んでいたマンションでは備えつけのカウンターをバーのように演出して使っており、新居でも欲しくなったTさんは、キッチンと和室の境にバーカウンターを設置することにした。

当初は市販のカウンターを置こうと家具店を巡ったが、思ったより高価でサイズも合わない…ということで、以前から使用していた食器棚を土台に自作することを決意。バーカウンター作りで最も時間をかけたのは塗装だったようで、汚れが目立つ食器棚はベージュから白へ塗り替え、天板として使ったヒノキの一枚板は油性のウレタンニスを2度塗りしている。

その後は天井や壁にカーテンを設置し、ウッドカーペットを敷いたりして部屋全体を演出。元は昭和の香りが漂う純和風の部屋だったとは思えないほど、見事、おしゃれなプライベートバーに仕上がった。

 

POINT1 食器棚+銘木一枚板で作るアイデアバーカウンター

バーカウンター裏側。収納スペースはたっぷりある。高さは約1200mm

 

DIYビギナーもすぐにトライできそうな、T邸のアイデアバーカウンター。作り方はまず、通常は重ねて使う食器棚を横並びにしてアングルとフラットバーで接続。食器棚の裏側(カウンターバーの正面)はガーデン用のラティスで目隠しをする。そして、カウンター天板受けとなるL字の金折金具を取りつけ、ホームセンターの銘木コーナーで見つけたヒノキの一枚板を固定すればもう完成だ。

 

ラティスのサイズは900×1800mm。直接ビス留めし、天板と同じ塗料で塗装した。高さの不足分はレンガで埋めている

 

製作中の1枚。ちょうど天板を固定する前の状態

 

天板のサイズは幅1820×奥行250〜350×厚さ35mm。価格は4650円と格安な値段で入手できたそう

 

土台となった食器棚は並べたときに約250mmの段差が生じるため、端材ですき間を埋めてからアングルを併用して天板を取りつけた

 

POINT2 小物や照明を効果的に使いアジアンテイストのバーに演出

天井や壁に設置した長いカーテンもアジアン風の演出で重要な役割を果たしている

 

バーといえば洋酒のボトルをずらーっと大量に並べた光景を思い浮かべるが、カクテル用のリキュールは色が鮮やかでボトルもおしゃれなものが多いため、並べておくだけでも雰囲気は十分に出る。さらにTさんは、家具店や雑貨店で集めたアイテムで周辺を積極的に装飾。一見雑多なようで不思議とアジアンテイストにまとまっている印象だ。また、バーっぽさを高めるために頭上や天板下に照明を追加しているのもポイント。

 

鴨居にはスパイスラックを取りつけ、洋酒のミニボトルなどをディスプレイ

 

イルミネーション用の電球が、足元を照らす

 

バーカウンターの頭上に作った吊り下げ棚。グラスハンガーも設置済み。青いロゴのネオンライトと赤いダウンライト風の光がワイングラスを照らす

 

写真◎佐藤弘樹/製作者提供

*掲載データは2017年12月時のものです。

仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(3)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File03 仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋

ロフトには自作のハシゴをかけて上がる。広さは1階部分のおよそ半分(約3畳)。1階からの高さは2050mmあり、圧迫感もない

 

玄関の障子戸は築100年以上の古民家の解体時に出た頂きもの。デッキの屋根やフェンスには竹を使ってデザインのアクセントに

 

<DATA>
製作者…Wさん(47歳)
DIY歴…5年
製作費用…約30万円
製作期間…約2年

 

地域の消防団仲間と一緒にWさんが建てた囲炉裏小屋。自宅から少し離れた畑の中に建つこの小屋の場所には元々古い納屋があり、当初はただ単に農具を入れるための物置に作り変える予定だったが、みんなでアイデアを出しながら作業を進めていったら、いつの間にか毎週のように仲間が集える飲み場所ができあがってしまった。

これまでWさんはDIYの経験がほとんどなかったため、構造は日本の伝統的な在来工法ではなく、より作りやすい2×4工法を採用。実際に各地にある古民家を訪れては完成イメージを膨らませ、以前のロフト部分以外にもあえて梁を見せるように渡したり、一部は土間にして納屋の解体時に出た古材を壁に張るなどして古民家風に演出した。また、単調なデザインにならないように、外壁はスギ板の鎧張りと漆喰の壁塗り仕上げをミックス。内壁は耐火性を持たせるために石膏ボードを使い、腰壁と漆喰(天井は珪藻土)で仕上げている。内壁・床・天井にはすべて断熱材を入れているので、囲炉裏で火を熾せば冬でも快適に過ごせるそうだ。

 

POINT1 小屋のメインとなる囲炉裏は防火性にこだわる

炉縁はケヤキ材で製作。サイズは内寸700mm角、深さ約200mm

 

約6畳ある室内の床張り部分(約4.5畳)の中央には埋め込みタイプの囲炉裏を設置。床を開口後、コンクリートブロックで立ち上げた土台にレンガを敷き詰め、さらに万全を期してケイカル板を入れてから灰を充填している。さらに換気扇、サッシ窓を多めに設置し、防火・排煙にはとくに注意を払った。

 

天井から吊るしている自在鉤はオークションで入手。木彫りの魚は友人からもらったものを取りつけた

 

POINT2 畳敷きのロフトはマルチに使えてとっても便利

ロフトは梁に下地となる合板を張り、琉球畳を敷き詰めて製作。家族連れの子どもたちの遊び場、飲み過ぎた人の休憩所、さらには漆喰の白い壁をそのままスクリーンに映画を楽しんだりと、当初の構想ではロフト製作する予定はなかったが、さまざまな形で活躍しているようだ。

 

フェンスの一部には竹を使用。窓も多く明るい印象だ

 

POINT3 味のあるアイテムで収納&水回りを作る

シンクはステンレス製の箱の形をした廃材を改造したもので、底に穴をあけ、排水口と排水ホースを取りつけ、木材で枠と脚を組んで製作した。水源はポリタンク。主に手洗い場として使っているので構造はシンプルだ。さらに、解体前の納屋にあったという古い収納箱を食器棚兼食品庫として使用。どちらも見た目にいい味が出ており、古民家風の演出にひと役買っている。

 

木製の古い収納箱。扉がすべてはずれてしまうので、今後改良する予定なのだとか

 

水回り。なお、シンク下にある銀色の箱は古い氷式冷蔵庫。骨董品屋でひと目ぼれして購入したものだが実際に使ったことはまだないそう

 

写真◎清水良太郎/製作者提供

*掲載データは2017年12月時のものです。

「南京結び」完全習得!これであなたも半径5mのヒーロー!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(19)

いろいろなロープテクニックがあるが、ここでは「南京結び」1本に絞りたい。軽トラに荷物を載せ、しっかりと固定するための代表的なロープテクニック。暗闇の中でも、目をつぶっても、すばやくできるようになれば、周囲のリスペクト、独り占めだ!

 

 

ロープはただの便利アイテムじゃない

アウトドア関連の書物やネットなどでチェックすれば、いやになるほど出てくるのがロープテクニックだ。連続写真やイラストなどでていねいに解説され、その種類も実に多彩。だが、どうだろう。その多彩さのため、その場で覚えることを後回しにして、とりあえずあとで役立たせるための「資料」としてとっておき、そのまま現在に至ってはいないだろうか? つまり、何も身についていない、という方はいないだろうか?

何を隠そう、最近までの筆者がそうだ。

たとえば、実際に車に荷物を固定するときにそれまでどうしていたのかというと市販の「タイダウンベルト」を使っていた。歯止めのついたベルトを引っ張るだけで簡単に荷物を固定できる。歯車を組み合わせたラチェット式のものだとさらに簡単に固定できる。大した力のいらない確実な方法だ。じゃあ、それでいいじゃないかと思うかもしれないが、それは違う。タイダウンベルトはただの便利アイテムだが、ロープは里山に生きる男のシンボリックな武器でもある。つまり、ロープ1本を自在に使いこなすことで得る利便性に加え、「俺はロープさえあればダイジョブさ…」という男としての構えがアピールできる。

で、前述の話に戻るのだが、じゃあ、多彩なローピングテクニックのなかで、ひとつだけ覚えるとしたら何がいいか? もちろん、迷わず「南京結び」を選びたい。またの名を「万力結び」、英語では「トラッカーズヒッチ」と呼ばれる、トラックなどの積載物をしっかり固定するためのローピングだ。当然ながら、トラックを使う職人さんや運送業者の方なら、ほぼ100%身についているローピングでもある。レンタルトラックなどで資材を運ぶDIYerにとってもめちゃくちゃ役に立つテクニックで、図解などを見れば、誰もが簡単に覚えられる。だが、しつこいようだが、覚えても身につかなければダメ。

では、身につける秘訣を伝授しよう。

 

軽トラに材木を固定するときの南京結びの手順例

 

まず、前述の手順写真を見ながら3~4回、次に実際に軽トラに資材を積んで実施すること5回。その後、これを使うチャンスが2週間に1回程度ほしい。これで、もう大丈夫。あとは、ギャラリーの前でさりげなくその技を披露するチャンスを待つだけだ。いつの日か、「おっ、やるじゃない」と思わせれば大成功。半径5mのヒーローの誕生だ。もし、これでいい気持ちになったら、ほかのローピングを覚えればいい。欲張らず、とりあえず「南京結び」1本に絞れば、必ずワンステップ進めます。

PS:もしこれで身につかなかったら…やっぱりタイダウンベルトしかないね、一生。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2018年2月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

廃材を活用したアートなコミュニティバー/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(2)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File02 廃材とセッションして作り上げるジャンクでアートなコミュニティバー

さまざまなところから集まった樹種も用途もバラバラだった廃材。そんな廃材を組み合わせることで生み出す唯一無二のくつろぎ空間

 

<DATA>
製作者…傍嶋飛龍さん(41歳)
DIY歴…6年
製作費用…ほぼタダ!(ビス、金具代のみ)
製作期間…約1年(現在も進化中)

 

芸術家やユニークな活動家が集まる神奈川県の藤野で「廃材エコヴィレッジゆるゆる」を主宰する傍嶋飛龍さん。その名のとおり、敷地内に作られている作品の材料はすべて廃材。メイン棟に作られたこのバーもしかり。味のある古材に囲まれた空間とお酒の相性は抜群。一度テーブルについたら最後、帰りたくなくなってしまう居心地のよさだ。

個人宅ではなく、コミュニティスペースなので酒棚に並ぶのはみな仲間が持ち寄った酒。日本酒、焼酎、ワインにウイスキー…大衆的なお酒から高級酒までバラエティあふれるラインナップが並ぶのはこのバーならでは。カウンターに立てば、見知らぬ人ともすぐに打ち解けるというものだ。またこの場所には水道が引かれていないので、近隣住民から許可を取り、山から流れる川の水を引っ張って給水。調理にはカセットコンロを利用している。

ちなみにパイプスモーカーであり、燻製好きの傍嶋さん。ときにはバーに煙好きな仲間が集まり、材料を持ち寄って煙がけを楽しむ「燻製バー」が開かれることもあるのだとか。年齢や職業、性別の異なる人々が集まるこのコミュニティバーでは、刺激的な出会いがあふれていると傍嶋さんは語る。

美味い酒に、旨いツマミ、落ち着ける空間。グラスを傾けてはもう何杯酒を注いだことだろう。あぁ、今日もまた家に帰れなくなってしまった…。

 

POINT1 自然の水を利用したお手軽タライシンク

大きなタライで作ったミニシンク。水は近くの川からホースで引いているので、基本的には出っぱなし。荒天などで一時的に水が枯れた際は右側のタンクに飲料水を入れて使用する

 

廃材バーの水回りを支えるのがこのタライシンク。水源は近くの川から許可を得てホースで引っ張ってきている。見てのとおり、シンクには大きなタライを利用。中央に排水穴をあけ、じょうごを介して排水ホースへとつなげている。排水は地中にある浄化槽へ向かうのだが、傍嶋さんの場合、使用した食器や調理器具はキッチンペーパーでよく汚れをふき取り、洗剤を使用せずに洗っている。

 

100円ショップで買ったというお米用のじょうごを排水パーツとして使用

 

POINT2 カウンター内部の面白整理術を拝見

バーカウンター内部。室内に壁に沿うように廃材でやぐらを立て、その下部分をキッチンスペースとしている

 

調理道具や食器などが収められたカウンター内部。背面は建物の壁を利用し棚や作業台を製作。バーに必要な雑多な道具類をきれいにまとめている。カウンター裏の調理台にはステンレス板を敷き、その上でコンロなど火器を使用する。音響機器やスピーカー、冷蔵庫などの電化製品もすべて廃材。「冷蔵庫は暑い季節しか稼働させない。普段はただのキャビネット」と傍嶋さん。

 

お皿やグラス、カトラリーは給食用のアルミケースで整理整頓。表面に書かれたクラス番号が懐かしい

 

流木をポールにして、番線を折り曲げたフックで鍋やパンなど吊り下げ収納

 

POINT3 実は材を接いでいるカウンターテーブル

スタンディングスタイルのカウンターテーブル。幅は3400mmで高さは920mm

 

バーカウンターのテーブルには肉厚の板材を使用。一見、長い一枚板を固定しているように見えるが、実は材を接いでいる。接いだ部分の切れ目は見えないよう、銅板でカバーすることで見た目がきれいなうえ、ユニークさもアップ。なおテーブル高さはいろんなレストランやバーを調べ、一番しっくりくる高さに決めたのだとか。

 

実はこのカウンターテーブル、一枚板ではない。長さが若干足りなかったので、他の材で延長し、材の切れ目を銅板でカバー

 

POINT4 耳付きの棚板と煤竹でシェア酒棚をオシャレに

さまざまな酒が並ぶリカーラック。荒々しい耳付き板と煤竹が琥珀色の液体を引き立てる

 

カウンター上部の酒棚には、あえて存在感のある耳付き板をチョイスして、華やかさを演出。こぼれ止めに古民家から出たという煤竹を使っているところもニクい。煤竹と柱の固定には、トタン瓦をサドルバンド形状にカットしたものを使用。

 

酒棚の支柱には流木を使用。自然の造形がバーの雰囲気作りにひと役買っている

 

POINT5 ゆっくりくつろげるテーブル席もあります

廃材バーにはスタンディングスタイルだけではなく、テーブルシートも用意。大きなベンチは廃業したレストランから引き上げたものをそのまま使っているのだとか。薄暗いシートを頭上から照らすのは工事現場用の作業灯。不思議とこの雰囲気にぴったりマッチしている。

これまた味のあるテーブル席。アナログなブラウン管テレビが懐かしい

 

POINT6 カセットコンロにコーヒー焙煎機をドッキング

たまたま手回し式のコーヒーロースターをゲット。この形を見てピンときた傍嶋さん。L字金具でカセットコンロの上にロースターを固定。オリジナルのコーヒー焙煎機に。煎りたてのドリップコーヒーが味わえる…居心地のいいバーの必須アイテムです。

カセットコンロと焙煎機を合体!

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2017年12月時のものです。

古民家を大胆改装!移動式ビールサーバーもある囲炉裏バー/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(1)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File01 古民家を大胆改装!移動式ビールサーバーもある囲炉裏バー

和洋、新古が入り混じり、独特の雰囲気が漂う空間だが、酒好きは総じてそそられるのでは…

 

<DATA>
製作者…中山茂大さん(48歳)
DIY歴…10年
製作費用…約6万円
製作期間…約2週間

 

東京・奥多摩の山中の古民家を購入し、大がかりなリノベーションを成し遂げた中山茂大さん。その模様は2012年に『笑って!古民家再生』(山と渓谷社刊)という本にまとめられたが、その後も中山さんのリノベは続行。ここで紹介する囲炉裏バーも、本の出版後に完成した部分だ。

なお囲炉裏そのものは元々あったので、DIYのハイライトは、キッチンとの間仕切り壁を撤去してカウンターとボトル棚を設置したこと。これにより絶妙なバランスの和洋折衷となり、個人宅はもちろん飲食店でもあまり見かけない独特の雰囲気が生まれた。

視線を落とせば日本酒や焼酎の似合う囲炉裏があって、ふと見上げればダウンライトに照らされた洋酒のボトルがずらりと並んで…酒好きなら思わず混乱してしまいそうなほどに贅沢なシチュエーションだ。

さらに中山さんは移動式のビールサーバーまで自作して、いつでも生ビールが飲める状態に。これでよく真人間でいられるものだ、というのは冗談だが、仲間が集まったときの盛り上がりに拍車がかかるのは必至。ときには大人数が集まることもあるが、各者が嗜好に合わせて楽しめる、懐が深い囲炉裏バーなのだ。

 

POINT1 古民家の囲炉裏を復活させてフル活用

鍋に焼き魚…。暖まりながら味わう囲炉裏料理は最高だ

 

古民家に元々あった囲炉裏は、購入時には掘りごたつに転用されており、中山さんもしばらくそのまま使っていたが、囲炉裏として復活させようと決意。コンクリートで成形された炉箱の表面にガルバリウム平板を折り曲げてかぶせ(ただし、この作業は不要だったのではないかと、中山さんは今では思っているとか)、園芸用の軽石を詰めてかさ上げしてから灰を充填した。灰と、梁から吊るした自在鉤は古道具店で入手したそう。

 

古道具店で購入した自在鉤を吊るしている。価格は4000円だったそう

 

囲炉裏のサイズは内寸750mm角、外寸1000mm角。深さは300mm程度

 

もともとついていた炉縁は、ホゾ組みで接合されている

 

POINT2 間仕切り壁を撤去してボトル棚&カウンターに

棚壁面は、残した柱の間に骨組みを作り、石膏ボードを張って漆喰を塗っている。幅は2430mm、高さは910mm。床からカウンター天板までの高さは390mm、天板の奥行は最大550mm。カウンターの向こうにキッチンが見通せる

 

囲炉裏部屋と隣室のキッチンとの間にあった壁は、柱を残して撤去。新たに上部にボトル棚を作り、下部にはカウンターを設えた。棚板やカウンターには、この家をリノベーションしたときの廃材を使っているため和風な趣もあるが、ダウンライトに照らされた洋酒のボトルや、棚壁面の色粉を混ぜた漆喰の色合いが洋風な雰囲気を醸し出している。

 

カウンターの出っ張り部分は90mm角材で支えている。その角材は柱にボルト留め。また、カウンターは反りを矯正するために角材にボルト留めしている

 

カウンターを照らすように、ボトル棚の底面にダウンライトを仕込んでいる

 

一枚板のように見えるカウンターは、端材を継ぎ接ぎしたもの。継ぎ接ぎ部分のすき間をパテで埋めている

 

棚板の奥行は130mm程度。棚間は360mm。棚は100円ショップで入手した棚受け金具で支えるほか、壁の下地にビスで固定している。こぼれ止め金具はホームセンターで購入

 

ちなみに棚壁面の裏側(キッチン側)にはキャビネットを作りつけている

 

POINT3 移動式ビールサーバーを自作

天板はリノベーションで出た廃材。75mm厚で重厚感がある。手すり用のパイプをつけて移動用の持ち手に。側板は15mm厚のランバーコア板

 

生ビール注ぎ放題!…では決してないけれど、自宅にビールサーバーがあるとそんな気分になりそう

 

古道具店で使い古しのビールディスペンサーをもらったのをきっかけに、中山さんはビールサーバー作りにトライ。ドラフトタワー、炭酸ボンベなど必要なものをそろえ、ディスペンサー内のビールが固着した銅管を湯でクリーニング。さらに室内で自由に動かせるようキャスター付きのボックスを作り、移動式ビールサーバーに仕上げた。

 

ボックスの中にディスペンサー(左)、炭酸ボンベ(右奥)、ビール樽(右手前)が収まり、ホースでつながっている。底板を左右に分け、それぞれスライドレールで引き出せるようにしているのがポイント。ビール樽は10L入りで、中身がなくなったら取り扱う酒店で交換する

 

ディスペンサーが発する熱を逃がすため、背板には有孔板を使用

 

ドラフトタワーは天板裏までボルトを通してナットで固定するタイプ。ネットオークションで2万円ほどで入手。「思いのほか高かった…」と中山さん

 

飲食店用グッズを販売する店で入手したサインボードを張ってムードを高めている

 

扉は15mm厚のランバーコア板にモールディングを張って化粧している

 

POINT4 憧れの生ハム原木とグラスハンガーを導入

生ハムの原木は、台とナイフがセットで販売されていたそう。それにしても贅沢な眺め…

 

グラスハンガーはネット通販で購入

 

せっかく素敵な空間ができたのだから、憧れていたことを実現しようと中山さんが設置したのが、生ハムの原木とグラスハンガー。生ハムは2本目を仕入れるほど気に入っているが、グラスハンガーは「取りつける場所が悪かった。ここだと邪魔。頭をぶつけてグラスを落として割ったこともあります」とのこと。皆さん、グラスハンガーの設置場所はよく検討しましょう。

 

写真◎門馬央典

*掲載データは2017年12月時のものです。

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【自作サウナを使い続けて半年経ったので、自分で修理してみました!】
DIYマガジン『ドゥーパ!』編集長設楽が、自作サウナを使い続けて半年……。小屋の内壁に使っていた杉板が反ってしまったので、その修理の模様をお伝えしている動画。なお、このサウナ小屋の作り方は『Sauna Builder ~DIYでサウナを作る本~』でリポートしているので、ぜひ!

 

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愛する猫のために、ごはん台を手作りしてみませんか。 ちょっとした材料で誰でも簡単に作れる猫のためのごはん台の作り方をご紹介します。 この動画で紹介しているCAT BOWL(ごはん台)の作り方は、 『DIYで作る猫との暮らし』 でも詳しく解説しています。

 

【グリーンウッドワーク・足踏みロクロの使い方】
ドゥーパ!6月号(148号)連載「green wood work & life」で作り方を紹介している、「足踏みロクロ」の基本的な使い方を解説します。ぜひ本誌と合わせてご覧ください!

 

DIYをもっと楽しく!もっと詳しく!あなたも「セルフビルダーズ」に!
dopa YouTubeチャンネルのメンバーシップ登録をして一緒にDIYを楽しみませんか?

『dopa』は、読者の皆さんと一緒に創っていくメディアになりたい。

その想いを形にすべく、YouTubeのdopaチャンネルで、メンバーシップ「セルフビルダーズ」プログラムをスタートさせました。

セルフビルダーズとは、「自ら築き上げる人」という意味です。庭作りだけでなく、暮らしや生き方そのものも自身の手で築き上げる人たち。

そんな面々が『dopa』を通して集う場を一緒に創っていきませんか。

皆さんのご参加を楽しみにお待ちしています!

 

「メンバーになる」とこんな面白いことがあります!

「なりたいセルフビルダーズ」…月額490円

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2カ月に1回、「dopaミーティング」に参加!
dopa編集部のweb会議に参加できます。最新号dopaのさらに詳しいDIY解説や、誌面では紹介できなかった裏技のほか、資材購入のお得情報などをお伝えします。普段は聞けないあなたのDIYの疑問に編集部員がその場でお答えします(ミーティングは、偶数月第1週に開催予定。後日、メンバー限定で録画配信予定)!

<特典2>
セルフビルダーズ限定のイベントに参加できる!
dopaが主催するイベントに参加することができます。太陽光発電ワークショップ、小屋作りイベント、グリーンウッドワーク、サウナ体験などを企画していきます。(別途参加費が必要になります)

 

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*特典1、2のほかに、以下の特典がつきます。

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最新号のdopaをご自宅に(ご希望の送付先へ)お送りします。書店さんに置いてない、買い忘れてしまった! ということもありません。

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全国各地のロケットストーブライフ実例集/庭でロケットストーブを愉しもう!(3)

自作ストーブのバリエーションのひとつとして、まだまだ根強い人気を誇るロケットストーブ。以前にも本誌で少しだけDIY事例を紹介したが、簡単に手作りできて、機能性も上々と好評の様子。そうなるとじっとしてられないのが、われらドゥーパ!編集部。庭で火を愉しみ、アウトドアクッキングを堪能すべく、ロケットストーブ作りに挑戦だ~!

Version A 一斗缶&薪ストーブ用煙突による簡易型ロケストの作り方はコチラ
Version B 耐火レンガ&コンクリートの常設型ロケストの作り方はコチラ

 

File1 どっしり固定型!自然石で覆ったワイルドストーブ

by Mさん(長野県)

石積みの中に2本の燃焼部が並ぶ、威力抜群のロケットストーブ。カレーもご飯も一気にイケるぜ!

 

ロケットストーブをテスト製作したところ、想像以上に燃焼効率がよく感動。ガーデンコンロとして活用するために石積みの固定型を作った。燃焼部は煙突部材のT曲と直筒を組み合わせて製作。周りを灰と自然石で囲って断熱層にした。石を積んでは灰詰めを繰り返し、大きめのすき間にはモルタルを流し込んで固定している。

 

製作中の様子で燃焼部の構造がわかる。内側には灰がたっぷり詰まっている

 

File2 持ち運べる!アイアンロケットストーブ

by Sさん(山口県)

煙突上端の四隅に取り付けた鉄筋は五徳。持ち手と脚も鉄筋で作った

 

12.5cm角の鉄パイプ材で作ったロケットストーブは、奥行き34×高さ56cm。持ち運べる小型サイズだ。冬場は垂直部が冷えて燃焼効率が悪くなるため、トタンを巻いて使う。が、「手元にあった廃材で作ったんだけど、もっと断熱性を考慮した方がよかった…」とか。最適な資材を調達して、再挑戦したいそう。

 

小さくても火力はバッチリ!

 

長い薪も燃やせるよう、鉄筋で作った補助具を焚き口にセットして使う

 

石焼きイモは40~45分で焼き上がるそう

 

File3 煙突高90cmで調子上々!据え置き型キッチンストーブ

by Uさん(北海道)

煙突上端は右がレンガ、左がメガネ石を敷いている。左の羽釜では米を炊いているところ。米に十分に水を吸わせ、強火で一気に沸騰させたら弱火(燃料を足さない)で15分。十分に蒸らせば美味しいごはんができあがるそう

 

森の中でガスコンロのように普通に使えるものにしたいと、ふた口・据え置き型のロケットストーブを製作。据え置き型だが、メンテナンスしやすいように、地面に固定していないのがポイントだ。外壁材(サイディングボード)と木材で枠を作り、その中に燃焼部となる煙突を仕込んで、火山灰を詰めている。煙突の高さは90cm。炎の引きがよく調子がいいそう。

 

枠の中にはこのように煙突が収まる。空いたスペースに火山灰を充填したらほぼ完成

 

こちらはUさんが初めて作ったロケットストーブ。高さ60㎝で炎の引きが悪かったため、高さ90cmのものを製作することにしたようだ

*掲載データは2012年12月時のものです。

実践!モルタル造形3つのテクニック/枕木ドア&錆びたポストの壁の造形編

ここからは実際にモルタル造形が作られていく過程とそのノウハウを紹介する。プラスターからレンガがのぞく壁、乱積みされた自然石の壁、枕木ドア&錆びたポスト、代表的な3パターンを製作。

*まずはこちらをチェック。モルタル造形の基礎知識編はコチラ

*テクニック1「レンガ&プラスター壁の造形」はコチラ
*テクニック2「乱積みされた自然石風の壁の造形」はコチラ

 

テクニック3 枕木ドア&錆びたポストの壁

 

各作業の共通の流れ

<モルタル造形>

  1. ギルトセメントをかくはんする
  2. ギルトセメントを薄く(5mm厚)圧着させる
  3. 造形用にギルトセメントを15mm程度塗り重ねる
  4. 作りたいものの形をレイアウトする
  5. デザインを元にカービングする

<エイジング塗装>

  1. 表面を清掃し、シーラーを塗る
  2. ベースとなる色の塗装
  3. ダークな色で全体に陰影を与える
  4. 乾いたハケと塗料で素材感を出す
  5. 全体の色調の調整
  6. クリア塗装で仕上げ

 

下準備

ギルトセメントと水をあわせて、よく混ぜ合わせる。目安は1袋に対し、5L

 

左官ひしゃくやコテ板にのせてダレない程度に水の量を調節しよう

 

モルタル造形の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

エイジング塗装の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。

ベッドを2台完備したDIYキャンピングカー/拝見!自慢の車中泊カスタム(5)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File5 ベッドを2台完備した収納力たっぷりのキャンピングカー

ノーマルモード。走行時はこんな感じ。Iさんの旅のお供である自転車が2台積載できる

 

フルオープンモード。ベッド、テーブル類を展開した様子

 

<User&Car Data>
製作者…Iさん(71歳)
ベース車…トヨタ・ハイエース
製作費用…約10万円
製作期間…約20日

 

長年ヨット遊びに興じていたIさんだったが、年齢とともにヨットに乗るのが体力的にきつくなり、車での旅行を趣味にすることを計画。しかし、自分の旅には大型の本格的なキャンピングカーである必要性を感じなかったので、ハイエースを車中泊カスタムすることにした。

製作には以前乗っていたヨット内の装備を参考にした。床は断熱材としてグラスウール、コンパネ(9mm厚)を敷き、フローリング材を張った。キャビネット付きベッドはコンパネと集成材(20mm厚)で製作。左側面には折りたたみ式のベッドもあり、奥さんとふたりでの旅行のときに使っているそう。これらの固定は木装した壁と床にビス留めしている。Iさんはほかにも網戸、ソーラー発電システム、オーニング付きのルーフキャリアなどを自作。そんな充実装備のDIYカーでこれまでに20回以上、全国各地の車中泊旅行を楽しんでいる。

 

自転車の車輪留めは、アルミ製のチャンネル材(幅80×深さ40×長さ1500mm)を床材にビス留めし、溝の前後に丸棒を取りつけている

 

キャビネット一体型のベッド。ベッド下にはバッテリーや寝袋などのキャンプ用品を収納。キャビネット側面には折りたたみ式のテーブルがある

 

自転車を降ろせば予備のベッドが展開できる。折りたたみテーブルを設置してくつろぎスペースとして使うことも多い

 

ルーフキャリアもIさんがDIY。アルミの角パイプとアングルで組み、ソーラーパネルを載せている。側面にあるのは塩ビパイプを加工して作ったオーニングケース

 

Iさんの車中泊エピソード

実際に車中泊で使ってみることで改善するところが見つかりますね

「この車では地方ごとに分けた旅行を23回行ないました。なかでも北海道には4回(最長45日間)行きましたが、とくに道東がよかったですね。製作期間は20日くらいですが、『ベッド上段の荷物置き場は折りたためるようにしたほうが、ベッド下の荷物が取り出しやすくなるな』とか、旅行中に改善ポイントが見つかるたびに、手を加えていきました。とくにキャビネット側面のテーブルは、コンロとコップ置き場としての出番が多いので重宝しています」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

DIYで楽しむ「車中泊&バンライフ」特集!『ドゥーパ!』2022年6月号(148号)発売

日本で唯一のDIY雑誌の最新号「ドゥーパ!2022年8月号」(発行:株式会社キャンプ)が5月7日に発売!

 

 

第1特集は、DIYで楽しむ車中泊&バンライフ情報が満載!「旅とクルマとDIY」

2022年も衰えるどころか勢いを増す気配をビンビン感じる車中泊&バンライフムーブメント。

軽トラ、軽バン、ハイエースにモバイルバス……今年もさまざまなベース車のDIYカスタム実例を集め、それぞれの車にまつわるテクニックやアイデアを大公開。

その他、人気コミック連載「車のおうち」特別編やDIYライターが伝授する車中泊カスタムの基礎知識も収録。

 

 

 

 

編集部のDIY実践リポートは、スズキ・エブリイをベースにした軽バンキャンパー作りの模様を紹介。

Vol.1は車内天井を断熱、木装、電装を施し、本場アメリカのバンライフ車のような車内カスタムを実現。

Vol.2はキャリアを利用したルーフデッキ作りの模様をお届け。

車中も車上も120%楽しむ、ドゥーパ!ならではの旅車カスタムをご覧あれ!

 

 

 

 

第2特集は「自然エネルギーと自然素材の家」

自然エネルギーと自然素材を活用した3件の家を徹底解剖。

オフグリッドでエネルギー自給のシステムを備えた家は、まさに温故知新。

昔からの建築テクニックを取り入れつつ、現代に合わせてアップデートされた家とその暮らしは、これからのセルフビルドやリノベーションのヒントが満載です。

 

 

 

 

 

バラエティあふれる連載にも注目!

トリマー&ルーター木工、レザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。

その他、自給自足の田舎暮らしエッセイなど読み物も充実。こちらもぜひお楽しみください!

[商品概要]
ドゥーパ! 22年6月号(NO.148)
著者:ドゥーパ!編集部
定価:1,100円(税込)
発売日:2022年5月7日
判型:A4変形

<本書のご購入はコチラ!>
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セブンネット

荷室をフル活用!長旅仕様のDIY軽キャンパー/拝見!自慢の車中泊カスタム(4)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File4 約2.5平米の荷室をフルに活用した長旅仕様の軽キャンパー

通常モード。運転席後部に遮光カーテン、窓にはお手製の断熱シェードでプライベートの確保はばっちり

 

フルオープンモード。収納付きベッドとテーブルを展開した様子。リア側がくつろぎスペースになる。頭が天井にあたらないギリギリのサイズに設計されている

 

<User&Car Data>
製作者…Fさん(65歳)
ベース車…スバル・サンバーバン
製作費用…約25万円
製作期間…約3カ月

 

長年の夢だった日本一周の旅に向け、リタイアを機に軽商用車の車中泊カスタムを始めたFさん。12mm厚合板+クッションフロアによる床張り、シンクとソーラーシステムを組み込んだギャレー、収納付きスツールなどを製作し、まずは10日間のお試し車中泊。すると、車中泊生活をするうえではいくつか改善が必要だと感じ、本番の旅に出る前に大幅な改装を施した。

それまでは床にマットを敷いて寝ていたが、就寝前の車内の整理整頓が思った以上に手間で、マット自体も大きな荷物に。衣類や生活用品といった大量の荷物がしまえるスペースを増やす意味も込めて、収納付きのソファベッドを製作。そして、キャンプ場以外では炊事を行なうことがなく、汚水の処理も長旅では面倒だったためギャレーは撤去。ソーラーシステムの収納ボックス兼テーブルに作り変えた。

改装を終えたあとはいよいよ本番。東西に分けて全国を回り、旅は約9カ月かけて見事に達成。現在もそのときの経験をもとに、のんびりと2周目の旅を楽しんでいるそう。

 

収納ボックスはもともと車内にあった荷物固定用のフックに引っかけて固定。扉がテーブルの天板になる。脚は裏面の受けに丸棒をはめる仕組み

 

収納付きソファベッド。跳ね上げ式の側板を展開すると、幅700×長さ1700mmのベッドになる。マットは天板にウレタンチップスポンジ(20mm厚)、高弾性ウレタンスポンジ(10mm厚)の順に重ね、厚手の布でカバー。取りはずすと収納ボックスとして使える

 

車内右側面にアイソレーター(走行充電器)、350Wのインバータ、チャージコントローラ、電流測定用シャント抵抗器、80Ahのディープサイクルバッテリーなどを収納。使用パネルは80Wの多結晶系で、パネルのコードはバックドアの側面から引き入れている

 

シェードも自作品。キルティング生地と遮光カーテンの裏地を縫い、窓のサイズに合わせて裁断。縁はバイアステープで処理。最後に固定用の吸盤を取りつけた

 

こちらが改装前の車内。右側にあるのがシンクとソーラーシステムを組み込んだギャレー

 

Fさんの車中泊エピソード

日本一周で気づいた点に手を加えて2周目にチャレンジしています

「車中泊場所は道の駅がほとんどでした。北海道は無料のキャンプ場が多く、同じ旅人からいろんな話が聞けたし、訪れたのが5~8月だったので花がきれいで非常によかったですね。夏~冬前は西日本を回りましたが、車中泊は暑さがつらいです。スライドドアに取りつける網戸と換気扇も作りましたが、どうしようもないときはビジネスホテルやネットカフェに避難することもありました。また、寒い時期はシェードや遮光カーテンだけでは窓の結露は防げなかったので、何か対策できないかと考えています」

「電気は走行充電も行なっていましたが、それでも電力不足になることがしばしばありました。古いノートパソコン(消費電力40W)、さらに旅の後半はポータブル冷蔵庫(エンゲル製)も使っていたからでしょうね。パネルとバッテリーはなるだけ容量の大きなものを選択したほうがいいと感じました」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

実践!モルタル造形3つのテクニック/乱積みされた自然石風の壁の造形編

ここからは実際にモルタル造形が作られていく過程とそのノウハウを紹介する。プラスターからレンガがのぞく壁、乱積みされた自然石の壁、枕木ドア&錆びたポスト、代表的な3パターンを製作。

*まずはこちらをチェック。モルタル造形の基礎知識編はコチラ

*テクニック1「レンガ&プラスター壁の造形」はコチラ

 

テクニック2 乱積みされた自然石風の壁

 

各作業の共通の流れ

<モルタル造形>

  1. ギルトセメントをかくはんする
  2. ギルトセメントを薄く(5mm厚)圧着させる
  3. 造形用にギルトセメントを15mm程度塗り重ねる
  4. 作りたいものの形をレイアウトする
  5. デザインを元にカービングする

<エイジング塗装>

  1. 表面を清掃し、シーラーを塗る
  2. ベースとなる色の塗装
  3. ダークな色で全体に陰影を与える
  4. 乾いたハケと塗料で素材感を出す
  5. 全体の色調の調整
  6. クリア塗装で仕上げ

 

下準備

ギルトセメントと水をあわせて、よく混ぜ合わせる。目安は1袋に対し、5L

 

左官ひしゃくやコテ板にのせてダレない程度に水の量を調節しよう

 

モルタル造形の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

エイジング塗装の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。

こどもの日特別企画!子ども部屋のDIY家具実例集・収納&リフォーム編

机、椅子、ベッド、収納から部屋の仕切りまで。パパ、ママ、ジイジが愛情込めて作った子供のための家具は、どれもDIYならではの独創的なものばかり!

*机&椅子編はコチラ
*ベッド編はコチラ

 

File8 大人も欲しくなる!書類収納に便利な仕切り板つきランドセルラック

小学校に入学する息子さんのために作ったランドセルラック。当初、既製品の購入を検討していたが、高価だったためDIYすることに。

デザインは購入を検討していたものに合わせた。棚の仕切り板を縦横自由に変えられたり、引き出しも深さの異なるものを設け、実用的なものになっている。また、引き出しを使いやすくするため、上段は上、下段は下に引手の切り欠きをした。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅960×奥行640×高さ1100mm
製作者…Iさん(42歳)
DIY歴…約2年
製作期間…3カ月
制作費用…約1万5000円

 

File9 椅子まで内蔵!ままごとキッチン型収納

姪御さんにプレゼントするため、DIYしたままごとキッチン。大人になっても使えるように作られている。ままごとキッチンの天板は収納部にネジで固定されており、ネジをはずして収納用の天板に付け替えるだけでシンプルな収納に早変わり! さらに一番下の収納は椅子としても使えちゃう、盛りだくさんな作品だ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅450×奥行300×高さ600mm
製作者…Kさん(41歳)
DIY歴…約10年
製作期間…1カ月半
制作費用…約7000円

 

ままごとキッチン型の天板と収納用の天板をつけかえるだけで、このようなシンプルな引き出し収納になる

 

File10 子犬が親犬に収まる犬形ハンガーラック

犬形デザインのハンガーラック。子犬はキャスター付きで動く

 

親犬がくわえている骨に服を掛ける子ども用ハンガーラック。かわいいデザインなら娘も喜ぶはずとDIYした。親犬頭部に棚があり、耳はフックになっていてバッグなどを掛けられる。セットで作った子犬はキャスター付きの小物入れ。片づけるときは、親犬の中に子犬を収納する。

 

<Data&Profile>
親犬:幅500×奥行300×高さ900mm
子犬:幅300×奥行250×高さ450mm
製作者…Mさん(37歳)
DIY歴…約3年
製作期間…3日
制作費用…3000円

 

親犬の底板に犬の足跡形の滑り止めフェルトがつけられている

 

File11 壁・天井を傷つけずに設置!本棚つき仕切り壁

写真上が長女、写真下が次女の部屋。壁は全体を木材で覆うと、北側の部屋(写真下)が暗くなってしまうため、上側は中空ポリカのはめ込み窓にして明かり取りにした

 

大きくなったら部屋を仕切ることを想定して、ふたり娘が10畳間を使用していた。成長し、いよいよひとり部屋が欲しい!と懇願され、部屋を仕切ることに。

仕切り壁は、壁や天井に直接ビスやクギを打たず、傷をつけずにすむ方法を考えてDIY。仕切り壁があたる部位にコルクボードを張り、仕切り壁の枠を作る。仕切り壁の縦枠の材は長めに設置し、突っ張らせた状態で上枠に固定した。これによりビクともせず収まったのだとか。その後、壁材を張り、本棚を作った。それぞれの希望や趣味に合わせて作り、とても喜ばれたそうだ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅2600×奥行270×高さ2400mm
製作者…Yさん(44歳)
DIY歴…7年
製作期間…5日
制作費用…8万円

 

製作時の写真。仕切り壁の縦枠と上枠はL字金具で固定した

 

コンセントは仕切り壁に移設。幅木などに当たる部位は切り欠いた

 

File12 強度も安全対策も万全!ミニロフトは秘密基地

ミニロフト。洋書に出てくるような部屋をイメージして製作した。階段は引き出し収納になっている。床からロフト床までの高さは1290mm

 

おばあさんが住んでいた家に引っ越し、リノベーションにすっかりはまったIさん。その勢いのまま「息子のためにワクワクするような子供部屋も作ってやろう!!」と秘密基地風のミニロフトをDIY。

やんちゃな男の子のために作ったため、十分な強度を持つように心がけた。柱を4本立て、ロフト床板を受ける土台も作った。さらに階段側は間柱を2本設置した。ロフトの床板は通気性をよくするため、スノコ状に張っている。また、安全性も考慮し、窓にアイアン製のフェンスを取りつけた。

今では、おもちゃを持ちこんで楽しむほど息子さんお気に入りの場所になっている。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1905×奥行1010×高さ1090㎜(ロフト部分のみ)mm
製作者…Iさん(35歳)
DIY歴…約10年
製作期間…1カ月弱
制作費用…約3万円

 

製作時の写真。2×4材の柱にロフトの枠を取り付けている

 

階段を製作中。ロフトに壁も張られている。安全に上り下りできるように手摺りも作った

 

床はスノコ状に張った

 

引き出しにはキャスターをつけてスムーズに引き出せるようにしている

*掲載データは2015年2月時のものです。

こどもの日特別企画!末永京さんが作る、絵本から出てきたようなかわいらしい子ども家具実例集

DIYママ・末永京さんが作る子ども家具は、ランドセルラックやテーブル&椅子などのベーシックなものから、レゴのためのテーブルといったユニークなものまで多岐にわたる。絵本に出てくるような雰囲気をテーマに作られた家具は、どれも曲線的なフォルムでかわいらしい。それらにちょこっと足された遊び心のあるアイデアは楽しく、DIYの参考になるはずだ。

次女と遊ぶ末永さん。子ども部屋は家具のほか、天井に木目柄の壁紙を張ったり、壁に漆喰を塗ったりとDIYリフォームもしている

 

<末永 京さんProfile>
3児のママ。DIYアドバイザーの資格を持ち、埼玉県川口市で『シェアショップ ToiToiToi Apartment』を経営。著書に『シェルフを作ろう はじめてのDIY』(パッチワーク通信社刊)がある。
ブログ「ママに嬉しい木工**子供に優しい木工

 

末永さんの子ども家具作りのポイント
  1. 角をなくし、丸くなるように仕上げる。
  2. 塗料は自然派塗料を選ぶ。
  3. できるだけダボでビスを隠して安心して使えるようにする。
  4. 子どもの好みも意識しつつ、空間に似合うものを作る。

 

File1 テーブルが半分になる!円形テーブル&椅子

脚を白く塗装し、天板、座板をワックスで仕上げた。おままごとセットのようでかわいらしい

 

兄妹や友達みんなで一緒に使える円形テーブルとチェア。テーブルはひとりで使うことも想定して作られており、中央から半分に分かれて半円形になる。円形にするときのテーブルの固定はボルト&ナット。テーブルの天板は18mm厚パイン集成材、脚は2×2材。チェアは脚が2×2材、座板が1×4材。

[サイズ]
円形テーブル:直径760×高さ445mm
椅子:幅340×奥行267×高さ460(座面高270)mm

 

ボルト&ナットで天板受け同士をつないで円形にする。接合面の天板と天板受けはフラットに

 

天板受けにボルトの穴があいている

 

ひとりずつ使うときはこのように半円形にする

 

File2 子どもと一緒に成長する!? 3wayチェア

座面高140mmで使用しているところ。使用した材は座板&背板にパイン集成材、脚に2×2材

 

子どもが大きくなって1年もたたずに使えなくなっちゃった……。なんてことがないミラクルな椅子。子どもの成長に合わせて、使える椅子なのだ! 上下を逆さにするだけで座面高が変わり、背板を上面にすれば座卓として使用できる。保育園で使われることもあるデザインなのだとか。

[サイズ]幅340×奥行270×高さ340mm

 

座卓として使うとこんな感じに

 

File3 自然木がアクセント!綿菓子みたいなランドセルラック

棚の内寸は、ランドセルに合わせて、幅410×奥行345mm。1段目の棚の高さはランドセルに合わせて305mm、2段目の棚の高さは大判の絵本に合わせて315mmとした

 

小学校に入学する長男のために作ったもの。ひとり分だけ作ると妹がうらやましがるため、2個DIYした。綿菓子のようにモコモコとカットされた側板が印象的なデザイン。ランドセルを置く1段目の棚は床面から700mm程度。身長110cm前後で胸のあたりにくるので、楽に出し入れできる。棚本体は18mm厚シナ合板(背板は2.5mm厚合板)、引き出しはファルカタ集成材(底板はシナ合板)。

[サイズ]幅446×奥行400×高さ1100mm

 

引き出しは上の段が高さ95mm、下の段が170mm。引き出しの取っ手はインターネットで購入したものを使用

 

引き出しには文具や好きな小物を収納している

 

大きくなったら天板にランドセルを置けるように桟と縁を設けた。桟は子供たちとドングリ拾いに出かけた先で、拾ってきた自然木

 

側板には体操着を入れた巾着などがかけられるフックが取り付けられている

 

File4 押し入れに収納可能!遊べるレゴテーブル

拡張部分の天板は長さ280mm。テーブル下の収納はレゴボックスに合わせたサイズ。脚は2×4材。そのまま使うとゴツイ印象になるのでジグソーで曲線カットした

 

レゴにハマった長男のために作ったテーブル。長男と相談し、「レゴで遊べて、収納できるテーブル」をテーマにDIYした。天板は黒板塗料を塗った。道や街並みを描いて、レゴの車や人を動かして遊ぶなんてこともできる。天板は長男の「大きくしたい」と末永さんの「コンパクトに収納」の両方を叶えるため、バタフライテーブルにした。

[サイズ]幅750×奥行500×高さ470mm *天板を折りたたんだ状態のサイズ

 

天板につけたダボを、天板受けのダボ穴が受ける

 

天板受けと脚は蝶番で接合している

 

折りたたむと押し入れに収納可能に。作ったレゴを壊さずに収納するため、テーブル天板と押し入れの前カマチとの間を大きくした。天板に革の取っ手をつけている

 

File5 合板で製作できる!木製レール用転車台

転車台につけられた連結部品を通じて、木製レールがつながる。内側の円形の材が回転部分で、外側の八角形の部分がレール連結兼土台

 

木製レールで電車遊びをするときに使う転車台。車両の向きをクルッと変えてほかのレールに移したり、Uターンさせるためのアイテムで、市販のものは高い! ならば、作っちゃおうとDIY。使用した材料は合板(4mm厚)のみで、組み立てに使ったのは木工用接着剤だけ。回転台とレール連結兼土台を作り、最後にふたつを割りピンでつなげばできあがり。

 

製作ダイジェスト。まず、合板3枚を八角形に切り、墨つけする

 

カットを終えた材。土台とレール連結部の受けとレール連結部の部材、回転台と回転台の受けをそれぞれ木工用接着剤で接着し、回転台とレール連結兼土台を作る

 

連結部品が入る穴は糸ノコで切った。回転台とレール連結兼土台は割りピンでつないだ。ダボで回転させる

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2015年2月時のものです。

こどもの日特別企画!子ども部屋のDIY家具実例集・ベッド編

机、椅子、ベッド、収納から部屋の仕切りまで。パパ、ママ、ジイジが愛情込めて作った子供のための家具は、どれもDIYならではの独創的なものばかり!

*机&椅子編はコチラ

 

File4 飛び跳ねても大丈夫!わんぱくキッズの2段ベッド

ハシゴの1段目と4段目の踏み板はベッドの枠板。2段目と3段目の踏み板は1×4材2枚を凸型に組み立て、2×4材の柱と1×4材のハシゴの柱に固定している

 

息子さんふたりのために作った2段ベッド。サイズは寝てしまった子どもを抱いて上の段に載せられる高さ、ドアの開け閉めに干渉しないこと。さらに、IKEAの子どもサイズのベッドマットに合うようにした。

まず、ベッドのスノコ床板から製作。枠を作り、桟を固定し、そこに床板を張る。スノコ床板ができたら、柱、ベッドガードをつけてできあがり。

桟と床板を多めに使い、わんぱくな子どもたちが跳びはねてもOKなベッドに仕上がった。「お母さんと一緒じゃないと寝れなーい」と言っていた下の子まで、ひとりで寝られるようになったそうだ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1600×奥行780×高さ1400mm
製作者…Mさん(39歳)
DIY歴…1年
製作期間…約1日
制作費用…約8000円

 

「日曜大工支援3D設計ソフト2xBuilder」という木取り表まで出してくれる設計図アプリで設計し、それを元にホームセンターで材のカットを済ませた

 

まずスノコ床板を作る。長辺の枠に2×4材を使った。それ以外は1×4材

 

ビス打ちしやすいようにスノコ床板を立てて、2×4材の柱を固定した

 

File5 既製品のベッドを有効活用!収納と一体型のベッド

両サイドの収納がベッドの土台。ベッド前の飾り棚は収納同士の固定と、落下防止柵を兼ねて作ったもの

 

お子さん3人分の寝床と収納をひと部屋に集約させるために、末息子専用の収納一体型のベッドが作られた。

ベッドは既製品で、そのベッドの土台となる収納をDIY。使用したのは18mm厚パイン集成材。収納の高さは、ハシゴなしでベッドによじ登れて、さらに既製品の収納ケースに合うように作られている。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1970×奥行1100×高さ670mm
製作者…Uさん(44歳)
DIY歴…約10年
製作期間…約1週間
制作費用…不明

 

大きな引き出しの底板にキャスターがついており、スムーズに動く

 

製作時の写真。ベッドの土台の収納と既製の収納ケースのサイズがピタリとそろっている! 収納ケースは前後を入れ替えるだけで衣替えが済むそう

 

File6 ゆりかごみたいに使える!?移動式ベビーベッド

便利機能満載のベビーベッド。床からベッド面の高さは640mm

 

娘さんの出産祝い&孫娘の誕生祝いを兼ねて作ったベビーベッド。市販のベビー用布団に合うサイズで製作した。赤ちゃんが使用するため、ダボでビスの頭を隠している。娘さんが赤ちゃんのお世話を楽にできるように前枠は開閉式で、移動できるようにキャスター付き。さらにベッド下にはベビー用品を収納できる棚もありと、各種機能を備えたベビーベッドだ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅960×奥行640×高さ1100mm
製作者…Gさん(60歳)
DIY歴…約25年
製作期間…約2日
制作費用…約2000円

 

ベッド側面。孫娘がウサギ年のため、ウサギ形にくりぬいた

 

前板を閉じるときは丸落とし金具で留めておく

 

File7 狭小部屋にベッドも机も置けた!畳利用のロフトベッド

ベッドガードのデザインは、弟さんのイニシャルのHがモチーフで、この部分は弟さんによるDIY。延長コードが取り付けられている板は補強材

 

ハシゴの踏み板に滑り止めの溝を掘った。支柱と踏み板は大入れ継ぎで組み立てた

 

同室だったお兄ちゃんの「ひとり部屋が欲しい」がきっかけで、弟さんが3畳の納戸へ引っ越すことに。

狭いけどベッドも机も置きたい! その希望を実現させるため、ママと子のふたりでロフトベッドを作ることになった。

まず、ベッドの枠板を作り、4隅に立てた柱に枠をビス留めして、躯体を製作。ベッドの枠内は床板をスノコ状に張り、柱には補強材と棚板を取り付けた。最後にベッドガードをベッドに取り付け、マットレス代わりの畳を載せて完成。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1980×奥行1115×高さ1900mm
製作者…Kさん(41歳)
DIY歴…11年
製作期間…24日
制作費用…2万円

 

ロフトベッド下に補強を兼ねた本棚が作られている(写真最上段部分)。学習机の卓上棚とセットで使用している。補強のため、ベッド枠と柱にシンプソン金具の棚取り付け金具を取り付けている(写真右上)

 

ベッドのサイズの決め方

ベッドは直接体に触れるマットレス選びが重要なポイント。しかし、人は1回の睡眠で20回程度は寝返りを打つ。小さすぎると寝返りが打てず、睡眠の質が落ちる可能性が高い。ここでは、そんなベッドの最適なサイズを紹介したい。

*掲載データは2015年2月時のものです。

こどもの日特別企画!子ども部屋のDIY家具実例集・机&椅子編

机、椅子、ベッド、収納から部屋の仕切りまで。パパ、ママ、ジイジが愛情込めて作った子供のための家具は、どれもDIYならではの独創的なものばかり!

 

File1 学習机に変身するままごとキッチン

ままごとキッチン状態のとき。シンク前には蛇口も作られている。シンクは100円ショップで買ったバット。BOOK STOREの看板がついた本棚は学習机完成後に製作したもの

 

娘さんの2歳の誕生日プレゼントにDIYしたもの。せっかく作るなら長く愛用してもらえるようにしたいと、ままごとキッチンから学習机に変身するものを作った。

市販の学習机の機能をすべて兼ね備えながら、デザインは超ユニーク。テーブルがコンロ&シンク、椅子がキャビネット、デスクキャビネットがオーブン、上部棚が電子レンジと、すべてキッチンツールになっている!

今、ままごとキッチンで遊んでいる娘さんが、数年後に勉強用で使ってくれるのを楽しみにしているそう。

 

<Data&Profile>
机:幅950×奥行470×高さ1400mm
椅子:幅540×奥行420×高さ370mm
製作者…Nさん(44歳)
DIY歴…7年
製作期間…1週間
制作費用…不明

 

天板を裏返しにすると学習机モードになる。椅子の下は収納でランドセルを入れられる。デスクキャビネットは天板も開閉する

 

製作時の写真。天板部分の構造はこのようになっている。角材にコンロ&シンク面、学習机の面を固定している

 

File2 指を挟まない机&キャスター付きの椅子

角度のついた机。紙が落ちないようにストッパーが取り付けられている

 

息子さんの小学校入学に合わせて、机に向かう時間を少しでも作れるようにとDIYした。製作するときに参考にしたのは、ノスタルジックな小学校の机と椅子。

机は美術室などで使われるような角度のついたタイプで天板が開閉する。天板で指を挟んでケガをしないようにドアダンパーを取り付けた。これにより、ゆっくりと閉まっていく。

また、椅子が重く上手に引けなかったため、椅子にキャスターをつけたり、机と椅子の脚を金物でつなぎアシスト機能をつけた。安全かつ快適に使えるように、工夫が施されている。

 

<Data&Profile>
机:幅670×奥行470×高さ650mm
椅子:幅310×奥行320×高さ600(座面高330)mm
製作者…Oさん(45歳)
DIY歴…1年
製作期間…2日
制作費用…2000円

 

天板をあけたところ。万が一、指を挟んだときに備えて、クッションをつけている

 

ドアバンパー部分

 

可動式のストッパーを立てれば、机を水平状態にして使うことができる

 

両脇にあるのが可動式のストッパー

 

素朴なデザインの椅子にはキャスターがつけられている。また、椅子をスムーズに引くためのアシスト機能を机の脚と椅子の脚につけている

 

アシスト機能は蝶番と鉄板、角パイプを溶接して作ったもの

 

File3 天板が折りたためるライティングビューロー

壁にピタッとつけているので背板はなし。使用した材はパイン集成材。ワトコオイルのウォールナット色を塗り、仕上げに蜜蝋ワックスを塗った。机面高は670mm。天板下の収納部は幅600×奥行370×高さ160mm

 

勉強や工作などをリビングで行なう小学生の息子さんのために作った机。「自分で片づけがしやすい」、「リビングのほかの家具に合うデザイン」をテーマにDIY。

使わないときはスッキリとした印象になるようライティングビューロータイプにした。側板に天板、棚板、上板をビス留めすれば本体のできあがり。天板と扉兼デスク面は長蝶番(長さ450mm)で、収納部の観音開き扉はスライド蝶番でそれぞれ組み立てた。

天板下の収納のほか、天板上にも教科書やペン立てなどを置くスペースがある。息子さんは「使いやすいし、片づけるのも楽になった」と、喜んでいるそう。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅640×奥行400×高さ1120mm
製作者…Iさん(40歳)
DIY歴…5年
製作期間…2日
制作費用…8000円

 

側板にフックをつけてランドセルを掛けられるようにしている。扉兼デスク面のサイズは幅600×奥行450mm

 

扉兼デスク面を閉じる際はマグネットキャッチで保持する。天板上の積み木風の棚は教科書やペン立て、工作道具などのサイズに合わせて作った

 

椅子と机のサイズの決め方について

まず椅子を作ることから始める。机はその椅子に合わせて作る。サイズは、子どもと大人では人体比率が異なるので、単純に大人の家具を縮尺して作ろうとすると使いにくくなってしまう。心地よいものにするには、子どものサイズを元に作るといい。サイズの決め方は表のとおり。ただし、成長期を過ぎてからも継続して使用することを想定する家具は既製品のサイズを参考に作ることをおすすめしたい。

*掲載データは2015年2月時のものです。

工具なしで組める木製ベッドをDIY/拝見!自慢の車中泊カスタム(3)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File3 工具なしで原状復帰できる組み立て式の木製ベッド

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finish!ベッド展開後の車内。ふたりが楽に寝られる広さだ。業者に張ってもらったベッドのマットは肌触りがよく寝心地も良好!

 

<User&Car Data>
製作者…Eさん(65歳)
ベース車…トヨタ・ヴェルファイア
製作費用…約7万円
製作期間…約20日

 

スポーツオリエンテーリングで全国各地に訪れる機会が多くなったことをきっかけに、車中泊に目覚めたEさん。20代のころからダイナ→コースター→ハイエースを乗り継ぎ、たびたび車中泊を楽しんでいたが、2年半前に大型ミニバンのヴェルファイアを購入。本格的に使用状況に応じてレイアウト変更ができる組み立て式ベッドを後部座席に製作した。

作り方はまず、跳ね上げたサードシートを囲うように集成材Aでカバー。次に床のセンターにベースとなるプレートBを敷き、セカンドシートを倒したらシート間に集成材Cを立ててそれぞれを固定。最後にA、B、Cを利用して角材でフレームを組み、マットを載せればベッドの完成だ。マットはカットした4枚のコンパネを業者に持ち込んで、ウレタンとベロア調のシートをきれいに張ってもらった。カバーはターンバックル、フレームは各パーツに埋めた鬼目ナット(Eタイプ)に蝶ボルトを手で回して固定する仕組み。そのため、工具がなくてもすべて簡単に脱着できるようになっている。

 

リア側から見たベッド展開後の様子。ベッド下には旅のお供である自転車を積んでいる

 

ソロキャンプのときは片方のセカンドシートを起こしてくつろぎスペースに。コンソールボックスとフックにミニテーブルを引っかけて、ミニバーの雰囲気を演出

 

サードシートのカバーはターンバックルのみで支えている

 

アングルと鬼目ナットを埋めた骨組みパーツ類。これらを蝶ボルトで接合して組み立てる

 

自転車を2台積み込むときはベッドを解体し、サードシートのカバーに取りつけたフックとバーを利用して自転車を固定

 

Eさんの車中泊エピソード

自転車での全国制覇まであと4県!夏場は無理せず素直に宿に泊まっています

「以前の車ではファミリーキャンプもしていましたが、1年前ぐらいにリタイアしてからはソロキャンプにハマっています。また、約10年前からチャレンジを始めた、自転車での全国制覇(50km以上走ったらその県は回ったことにしている)の旅の足&宿泊場所としても活躍しています。制覇まであと4県まできました!」

「何日か泊まるときは、宿と車中泊を組み合わせることもあります。事前に車中泊スポットをネットで調べてから行くので、行き当たりばったりはありませんね。また、車中泊ではエンジンをかけないので夏がつらいです。寒いのは寝袋や衣服でなんとかなりますが、暑さはしのげないので夏は宿泊オンリーです」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

すごいぞ丸太のロケットストーブ!簡単なチェンソーワークで作れます!/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(18)

玉切りにした丸太に、チェンソーで簡単な加工を施すだけで、ものすごいロケットストーブができるって知ってますか? 実は、たいしたことないだろうと思って試したら、びっくり仰天! その威力、ハンパじゃありませんでした! 里山の間伐推進のためにも、ぜひ、おすすめします!

 

 

仲間が、これはいい!と感動

2016年秋、八ヶ岳の麓で開催した本誌主催のフリマイベント「Dʼsマーケット」で出会ったOさん(長野県伊那市在住・72歳)から、ヒノキの丸太で作ったロケットストーブをいただいた。これを持ち帰り、使ってみたときの衝撃が忘れられない。点火口に乾燥したスギの葉を敷いて着火すると、ものの2~3分で火柱が上がり、耳を傾けると「ゴーッ」という音さえする。さっそく水を入れた鍋を載せてみると3分で沸騰し、その後、約2時間火柱を出し続けたあと、燃え尽きた。その場にはふたりの仲間がいたが、それぞれが「これ、使える…」「チェンソー1本でできるんだ…」と、ちょっと感動した様子だった。

これに似たログトーチとかスエーデッシュトーチとか呼ばれるものもあるが、多くは丸太の天頂部からチェンソーで切れ目を入れ、上から着火するタイプのもの。Oさんの丸太のロケットストーブは、丸太を2分割、あるいは3分割し、芯部分を削り取り、さらに点火のためのすき間(横穴)を最下部に作ったあと、カスガイを使って、再び丸太に戻し、天頂部には、五徳代わりのカスガイを打ち込んであるというもの。つまり下のすき間から着火すると、煙突効果によって、ものすごい勢いで火柱があがる。強力な調理機器にもなるし、暖房機器にもなる。もちろん、災害時の緊急熱源としても有効に違いない。

ちなみに、先日、前出のOさんのお宅に伺い、実際に丸太のロケットストーブ作りを見せてもらったが、前述の方法以外にも、いくつかの加工パターンがあることもわかった。要は、丸太を分割し、丸太の芯部分を削って、煙突のような溝を作り、なおかつ丸太の根元近くに点火口(横穴)を作ればいいわけだ。さらに、丸太の分割はチェンソー1本でもできるが、場合によっては、クサビを使うとさらに楽だということも知った。

ここでは、チェンソーとクサビを使って、丸太を3分割し、次に3分割したうちのひとつに溝(煙突部)と点火口の加工をするという方法を紹介してみたが、他にもチェンソーでツッコミ切りするとか、大口径のドリルビットを使うとか、いろいろな方法がありそうだ。

 

丸太のロケットストーブの作り方

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

こんな加工パターンもあります

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2017年8月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

シンクやトイレまでも搭載したキャンピング・バン/拝見!自慢の車中泊カスタム(2)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File2 シンクやトイレまでも搭載した“キャンピング・バン”

Bed room

 

Utility room。リアゲートをあけると水回りスペースがお目見え。トイレやシンクは側面にすっぽりと収まるように合板で設置台を製作。表面は木目調のシートで化粧した

 

<User&Car Data>
製作者…Kさん(57歳)
ベース車…日産・NV350キャラバン
製作費用…約60万円
製作期間…約2週間

 

以前からミニキャンピングトレーラーや軽キャンパー(スバル・サンバーバン)を自作して、たびたび車中泊をしていたKさん。しかし、天体観測、釣り、キャンプなど多趣味なKさんには収納スペースが足りなく、さらに軽キャンパーのときよりも楽に寝泊りしたいという思いも強くなったため、立体駐車場にも入れる商用バンでキャンピングカーを製作することにした。

モーターホーム(大型キャンピングカー)並みの静粛性と設備を目指したということで、車内には連結式のベッド兼収納ボックス、折りたたみデスク、ソーラー発電システム、カセットトイレ、シンク付きギャレーと充実した装備が並ぶ。また、間仕切り壁(21mm厚の合板)によって寝室と水回りスペースに分かれているのが特徴だ。寝室の床はランバーコア合板を敷いたあとにグレーの木目調のクッションフロアでカバー。シンク&トイレ前の床には防水パン(穴なし)を敷いた。

なお、これらの装備はすべてユニット化され、簡単に脱着できるので、車検時や仕事で多くの荷物を運ぶときは、製作物を撤去することで対応している。

 

ランバーコア合板で製作した収納ボックスのフタがベッドのマットになる。ベースマット(ジョイントマット15mm厚)に固めのウレタン(50mm厚)を重ね、ビニールレザーを巻いてタッカーで固定した

 

トイレ使用時はあけたドアが間仕切り壁を塞ぐドアになる

 

 

間仕切り壁は、もともと車内にあけられていた穴(ラゲッジユーティリティナット)にアングルとボルトで固定

 

右側面には折りたたみ式デスク。こちらも固定には、もともと車内にあけられていた穴を利用した

 

インバータは1000Wと350Wの2種類。チャージコントローラは最大入力電圧50V以下用を使用。115Ahのディープサイクルバッテリーは収納ボックス内にあり、ソーラーパネルは155Wの多結晶系を屋根に装着。なお、走行充電も兼用しているので、電力は十分確保できているそう

 

ギャレーの天板にはキッチンパネルを後張り。スライド扉をあけると、上下水用のポリタンクが現れる。また、水が流れっぱなしにならないようにフットスイッチを接続したのも大きなポイント

 

Kさんの車中泊エピソード

商用バンの車中泊カスタムはおすすめ!電力・節水・換気に気をつけて快適に過ごしています

「キャンプではキャンピングトレーラーをけん引して参加することが多いので、車中泊スペースは主に仕事の移動事務所、出先でのショートステイ場所として活躍しています。キャンピングカーだと壁が薄いからなのか、SAなどでトラックのエンジン音がうるさいときがあるのですが、この“キャンピング・バン”なら騒音も問題なし。商用車としては乗り心地もいいし、車中泊カスタムは大成功です!」

「あと、シンクのポリタンクは10~20Lのサイズをよく見かけますけど、経験上30Lは欲しいですね。フットスイッチのおかげで必要範囲内の水が手軽に出せるようになったので、補充しなくても2~3日は持つようになりました。また、換気も重要ですね。自分の場合はリアワイパーがついていた穴に小型ファンをつけ、トイレの臭気抜きとしてオプション品の排気管を床下から車外に延ばしています」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

実践!モルタル造形3つのテクニック/レンガ&プラスター壁の造形編

ここからは実際にモルタル造形が作られていく過程とそのノウハウを紹介する。プラスターからレンガがのぞく壁、乱積みされた自然石の壁、枕木ドア&錆びたポスト、代表的な3パターンを製作。

*まずはこちらをチェック。モルタル造形の基礎知識編はコチラ

 

テクニック1 レンガ&プラスター壁

 

各作業の共通の流れ

<モルタル造形>

  1. ギルトセメントをかくはんする
  2. ギルトセメントを薄く(5mm厚)圧着させる
  3. 造形用にギルトセメントを15mm程度塗り重ねる
  4. 作りたいものの形をレイアウトする
  5. デザインを元にカービングする

<エイジング塗装>

  1. 表面を清掃し、シーラーを塗る
  2. ベースとなる色の塗装
  3. ダークな色で全体に陰影を与える
  4. 乾いたハケと塗料で素材感を出す
  5. 全体の色調の調整
  6. クリア塗装で仕上げ

 

下準備

ギルトセメントと水をあわせて、よく混ぜ合わせる。目安は1袋に対し、5L

 

左官ひしゃくやコテ板にのせてダレない程度に水の量を調節しよう

 

モルタル造形の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

エイジング塗装の作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。

パイプ+コンパネのお手軽ベッドをDIY/拝見!自慢の車中泊カスタム(1)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File1 運転席までフルフラット!パイプ+コンパネのお手軽ベッド

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finish!ベッドの床面にはビニールレザーを張ったおかげで高級感のある仕上がりに。サードシートは床下に格納して4人乗りで使っており、後部は荷物の収納に活用している

 

<User&Car Data>
製作者…Iさん(44歳)
ベース車…トヨタ・エスティマ(GSR50W)
製作費用…約4万円
製作期間…約20日

 

年に数回の家族旅行の際、もっともお金がかかる宿泊費を少しでも抑えるために車中泊をするようになったIさん。ただ、後部座席のキャプテンシートを倒してもこの車は完全にフラットな状態にはならない。そこで快適に寝られるように、フラットな組み立て式のベッドを自作することにした。

骨組みに使ったのはスペーシアパイプという製品。手で締められるネジ式のジョイントパーツで接続できる点が、採用の決め手になったそうだ。スペーシアパイプはパイプカッターを使って長さを調整した。ベッド床面は、車内の壁の形状に合わせて切り出したコンパネの裏面に厚手のアルミマットを張り、薄いアルミシートを巻く。最後にシワにならないように注意しながらビニールレザーを巻き、タッカーで固定したらパーツの完成だ。

 

運転席までベッドを延ばすときは、ハンドルを上げてから展開。車内をフルに使った車中泊スペースだ

 

ジョイントのナット部分を回せば、取りつけと分解が簡単に行なえる

 

なるべく端材が出ないように切り出したので、天板の数は11個と多め。また、シートが破れないように、あらかじめコンパネの角を丸く加工しておくのもポイント

 

車中泊に欠かせないシェードはダンボールで自作。少し大きめに作り、内側から窓枠にはめるだけと、これまたお手軽仕様

 

各パーツはルーフボックスに入るようにサイズを調整。未使用時はここに収納している

 

Iさんの車中泊エピソード

組み立て時間は4人用テントを設営するのと同じくらいです

「旅行は東北地方(2泊3日程度)に行くことが多いです。車で北海道に向かったりすることもあるので、けっこう費用の節約になっていると思いますね。ベッドの展開は荷物の片付けも含めると、40分ほどかかります。寝るだけならとくに問題はないのですが、空間の高さに余裕がないのが気になっています。普段の乗り心地を考えてセカンドシートははずしたくないし、車に加工はしたくないので、解決はなかなか難しいかな…。あと、運転席までベッドを延ばすと、朝すぐにエンジンをかけたいときに面倒だったり(笑)。でも、おおむね満足しています!」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

モルタル造形テクニック・これだけは知っておきたい!基礎知識編

中世ヨーロッパの石積みの街並み、ロンドンのようなレンガ造りの建物……。そんな外国の風景や理想のイメージを形にできるモルタル造形の世界。実はDIYでも十分製作可能である、そのノウハウをここに紹介する。

 

モルタル造形ってどんなもの?

造形用の特殊なモルタルを用いて、自然石や大木などの自然素材から、レンガや枕木、鉄扉といった人工的な素材の形を彫りだし、塗料で着色していく技法のこと。まるで中世ヨーロッパの石積みの壁や経年変化が起こった味のある枕木などを造形することができる。テーマパークや店舗の内外装などに用いられているので、誰でも一度は目にしたことがあるはず。主に床面から壁を造形する。DIYであればフェンスやゲート、小屋の壁などをターゲットにするのがオススメ。

こちらはDIYerが作った自転車小屋。外、内ともに壁面に造形用モルタルと珪砂を混ぜたモルタルを用い、アンティーク風に仕上げている。(埼玉県/H邸)

 

壁から屋根にいたるまですべてモルタル造形で作られた小屋。イギリス・コッツウォルズをイメージ。(埼玉県/ミズムラデザイン)

 

ガレージ扉の壁面と屋根、それに続く門扉にモルタル造形を用いた例。このように瓦なども造形できる。(奈良県/T邸)

 

どんな材料を使うの?

ギルトセメントというモルタル造形を行なうために開発されたプレミックスモルタルを使用する。ダレずに厚塗りができ、表面をしっかり削り取ることができるので、ダイナミックでシャープな造形が可能。また硬化反応が緩やかなため、時間をかけた造形ができるのが特長だ。その種類も豊富で、色が白く着色が容易で明るい仕上げになる「TS1-W」、擬岩や彫刻など細かな造形に向いた「レリーフ」などのさまざまなタイプをラインナップ。

写真はTS1-W。25㎏入りで定価3960円。20mm厚で約1平米の範囲を塗ることが可能。なお、販売元のギルトバンクではモルタル造形用の塗料、道具も購入することができる

株式会社ギルドバンク

 

通常のモルタルに比べて粘性があり、ダレない。使用しているのはTS1-W

 

必要な道具は?

モルタル造形の作業工程は、モルタルを作りたいものに造形する作業とそれを本物のように着色していくエイジング塗装の作業のふたつに分かれる。まず造形に必要になるのは、大小のコテや千枚通し、刷毛跡をつけるブラシなど。塗装に必要なのは、大小の刷毛と色を伸ばすためのウエス、霧吹きなど。塗料はホームセンターに売っている水性塗料を使用するので、誰でも簡単に道具をそろえることができるはずだ。

造形に使用する道具。左から時計回りに、ブラシ、刷毛、コテ板、カービング用のポイントツール、千枚通し、中塗りゴテなど

 

大量のモルタルを練るにはかくはん機は必須。その他、トロフネや左官バケツも用意しておくといいだろう

 

塗装に使用する道具。左から時計回りに、パレット(合板の端材)、海綿、ウエス、ビニール手袋、塗料カップ、バケツ、霧吹き、各種刷毛など

 

使用する塗料は通常の水性塗料でOK。写真のように何色かカップに出しておくと、調色しやすい。絵の具を混ぜる要領で自然に近い色を作ろう

 

下地はどうなっているの?

モルタル造形を作る前の下地は、作品によりさまざま。小屋壁に塗る場合、合板に防水シートを張り、ラス網、珪砂や砕いた発泡スチロールを混ぜた下地用のモルタルの上に、ギルトセメントを塗ることになる。既設のコンクリートブロックの上から造形する場合は、高圧洗浄機などで表面をきれいにした後、下地用のモルタルにガラスメッシュをふせ込めばOK。その他、スタイロフォームを下地にすれば、好きな形を切り出すことも可能だ。

枕木を造形した作品。このように庭のアクセントになる小物を作ることも可能。なおこれは塗装前の状態

 

裏返すと下地の発泡スチロールが見える。スタイロフォームや発泡スチロールを好きな形に切り出して、ラス網を張れば、軽くて見栄えのある枕木や自然石を作ることができる

 

屋根の瓦を製作中の1枚。防水シートを張った下地の上に、瓦の形にカットしたスタイロフォームを並べ、ラス網をかけた後、下地用のモルタルを塗っている。(奈良県/T邸)

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2012年12月時ものです。