「ここは文具の店だ。どんなようだい?」
2022年にスクウェア・エニックス×デザインフィルの共同開発によって発売されたのが、お馴染みドラゴンクエストがモチーフとなった文房具ブランド「ドラゴンクエスト文具屋」だ。これまでもドラクエをモチーフにした文房具は数多く発売されてきたが、こちらは「日常=冒険」がコンセプト。日々の生活がアレフガルドでの冒険のように感じられるアイテム(全16品)がラインナップしているとのこと。
そこで、中学時代にファミコン版「ドラゴンクエスト」をプレイして以来、ナンバリングタイトルは必ず発売日に購入して遊んできた筆者の目から、それらが「どれくらいドラクエか?」を基準に1点ずつチェックしていきたい。
「ここでそうびしていくかい?」
【手帳の章】日々の経験値を手帳に貯めてレベルアップ!(てれれれってってれー♪)
とにかく一番気になったのが、冒頭でも述べた「経験値ハビットトラッカー」である。
habit(習慣)tracker(追跡者)とは文字通り、普段の習慣を毎日記録していくための手帳記入法の一種。習慣化したい目標を立て、それが毎日できたかチェックを入れて管理し、習慣づけていく、というやり方が一般的だ。
つまりそれは、RPGでレベルアップのために経験値を積み上げていくのとよく似てるよね? という話だろう。
経験値ハビットトラッカー <スライム><ドットフィールド>
各 1320 円(税込)
基本的にはデザインフィルがこれまで出していたハビットトラッカーの紙面を転用しているのだが、日々のチェック項目がスライムになっていたり、月の表示をドット文字で書けるようになっていたり(ドット文字の見本ページもあるので、真似して書けばOK)と、ドラクエテイストの演出もぬかりなし。
↑レベルアップのために日常の経験値を貯めていこう!
↑レベルアップ目標のサンプル。ところどころ「それは現実世界での目標? ゲームで?」と突っ込みたくなるテーマが入っているのが楽しい
面白かったのが、「レベルアップしたいこと(目標)」のサンプルで、「半身浴をする」「○時間寝る」に並んで、「HPとMPを回復する」があったり、「500ゴールド貯金する」なんてのがあること。このあたりもドラクエっぽくて、つい試してみたくなるはずだ。
冒険ダイアリー2023 <スライムブルー><プレミアムブラック>
各 3850 円(税込)
手帳系ではもうひとつ、「冒険ダイアリー2023」は見た目のかわいさがとんでもないレベル。PUレザー素材のカバーがスライム型になっており、とにかく見た目のインパクトは抜群だ。
↑基本構成は週間バーチカル。方眼のメモスペースもしっかり取られて、使いやすそうな印象だ
↑密かに紙面のあちこちに隠された「ちいさなメダル」。貯めてもアイテムには変えてもらえないけど、見つけられると嬉しい
もちろん誌面の表記はドット文字ベースだし、週間バーチカルの右側にある3mm方眼も単なる方眼メモではなく「ドット絵の練習にも使ってみよう」と、いかにもな8ビット感を出してくれている。また、月間スケジュールページには各月1枚ずつ“ちいさなメダル”が隠されているので探してみよう! という仕掛けも、いかにもドラクエっぽくて楽しい。
【筆記具の章】これさえあれば誰でもスライムが描ける!?
筆記具は「真鍮ボールペン」が2本、スライムブルーとメタルスライムグレーの軸色がラインナップ。どちらもクリップ部のスライムがチャームポイントとなっている。
真鍮ボールペン <スライムブルー><メタルスライムグレー>
各 2970 円(税込)
ペン自体は真鍮の前軸がかなり長めにとられており、握ると思い切りズッシリとした重量感が感じられる構成だ。ちなみに搭載されたインクは油性で、リフィル形状からするとおそらくぺんてる製だろう。
2 本差しペンケース <スライムブルー>
1760 円(税込)
で、これらを装備するのに揃えておきたいのが、スライムブルーの「2本差しペンケース」である。ペンを2本入れてジャストなミニマムサイズで、差し込み口がスライム型に抜いてあるのがグッとくる感じ。先の真鍮ボールペンを差し込むと、スライムが2匹並んでさらにキュートだ。
↑スライム型の差し込み口からスライムが飛び出すのがかわいいので、できればペンとケースはセットで揃えたい
万年筆のニブから垂れたインクがスライムになっているメチャかわな意匠もあって、個人的にはこの文房具シリーズでもトップクラスに装備したい逸品と言える。これは絶対にかわいい。
スライムも描けるクリップ定規
1210 円(税込)
作りの細かさでもうひとつグッときたのが、手帳に挟んで持ち歩くのによさそうな薄型・クリップ付きの「スライムも描けるクリップ定規」だ。
内部のガイドスリットで等間隔の直線が引きやすいなど、シンプルに使いやすい定規なのだが……それよりなにより、ドラクエらしいテンプレートがギュッと密度高く詰め込まれているのが嬉しいところ。
↑これさえあれば誰でもスライム描き放題だ!
フリーハンドで描くと意外とうまくバランスがとれないスライムだって、溝に沿ってペンを走らせれば、簡単にあのぷっくりフォルムが再現可能。さらにはちいさなメダルやロトの紋章(ドラクエ好きの小中学生男子なら紋章はテンプレ不要で描けると思うけど)も描き放題だ。
【シール・スタンプの章】貼って捺して身の回りをモンスターハウスにしよう
ドラクエモンスターたちのかわいさを楽しみたいなら、紙モノ(貼りモノ)系もおすすめ。
「デコレーションシール」は手帳に貼るのにジャストサイズのフレークシールで、透け感のある「ドットデザイン」「スライムデザイン」と、ぷっくりした質感の「ぷっくりスライム」「ぷっくりドットモンスター」の4種類が揃う。
デコレーションシール
「ドットデザイン」「スライムデザイン」:各 385円(税込)
「ぷっくりスライム」「ぷっくりドットモンスター」:各 495円(税込)
※ 左から
透け感のあるシールはダイアリーの日玉に貼ったり、スケジュールを目立たせるように重ねたり、という使い方が楽しそう。ぷっくりシールはもちろん手触りの楽しさを活かしてカードのアクセントにしたり、小物に貼ってデコるのに最適。小さなスライムやモンスターがわちゃわちゃ集まってる雰囲気で、これもかわいいのである。
↑カラフルなモンスターたちは、紙面のにぎやかしに最適
ロールテープの「スライム」は、スライムとキングスライムがずらりと並んだダイカットタイプだ。スライム一匹ずつをカットして貼れるし、もちろん並んだまま貼ってもOK。密度高くみっちりスライムを貼って楽しむことができるので、シールと同様にデコ用途に良さそう。
ロールテープ <スライム><ドットフィールド>
各 858 円(税込)
↑スライム山盛りとフィールド柄のテープ。それぞれカットして貼れるのがポイントだ
もうひとつのロールテープ「ドットフィールド」は、ドラクエのマップ画面がそのままテープになったもの。無限につながるフィールドを移動する感じが、とても楽しい。
こちらもテープを等幅カットできる仕様なので、横だけでなく縦にも貼ってオリジナルマップを作っちゃうのも楽しそう。画面内でちょいちょいモンスターにエンカウントしちゃうのはご愛敬である。
浸透印スタンプ
<スライムがあらわれた!><キングスライム>
各1430円(税込)
浸透印スタンプは、正方形の付箋に捺して遊べるサイズになっている。戦闘画面を再現した「スライムがあらわれた!」スタンプは、ウインドウ内に書き込みができるため、伝言やメッセージ用に使いやすい。
ただ、平和的なメッセージならいいけど、上司からの呼び出しだったりすると「……戦闘開始か」という緊迫感が出てしまうかもしれない。
↑印面が大きいため、均等に捺すにはちょっとコツが必要かも(捺し方はパッケージ裏に詳しく記載)。油性インクなので、上から彩色もOK
「キングスライム」スタンプも、おなかにメッセージを書けばどーんと迫力が出そう。伝言で相手に圧をかけたい場合は、このスタンプが最適解かもしれない。
「ドラゴンクエスト文具屋」、基本的にはどれもドラクエのテイストをきちんと盛り込んでいるため、使う時のワクワク感がとても高い。少なくとも「柄だけなんとなくドラクエにしました」というレベルではないので、ドラクエ好きなら、どれを買っても確実に満足できる仕上がりではないだろうか。
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