俳優として多くの話題作に出演する堀未央奈さんの主演ドラマ『女優めし』が現在FODにて配信中。「グルメドラマに出演することが夢の一つだった」と語るほど、自身も“食”に大きなこだわりを見せる彼女。ドラマの見どころも含め、料理への思いをたっぷりとうかがった。

【堀 未央奈さん撮り下ろし写真】





美味しい料理を食べて涙を流しそうになる撫子には共感しかない!
──主演ドラマ『女優めし』の配信されました。出演のオファーがあったときはどんなお気持ちでしたか?
堀 原作コミックのことはもともと知っていたんです。オファーをいただいてから改めてしっかりと拝読したのですが、美味しそうな食べ物がたくさん出てくるので、その画を見ているだけでぽかぽかと幸せな気持ちになって(笑)。私も食べることが大好きなので、“こんなすてきなドラマに出られるんだ!”と喜びしかなかったです。
──普段からよくグルメ漫画やグルメドラマをご覧になるのですか?
堀 はい! 家族全員が大好きで、実家にいた頃はみんなでよく見ていましたね。アニメだと『舞妓さんちのまかないさん』、ドラマだと『きのう何食べた?』が大好きでした。美味しそうな料理が登場する作品は、アニメやドラマに限らず、今もひと通りチェックするようにしています。
──どこにそれほど惹かれるのでしょう?
堀 私の場合はきっと、誰かが食事をしていたり、料理を前に幸せそうな表情をしているのを見るのが好きなんだと思います。例えば、大好きな『サザエさん』の中で、カツオがお土産でもらってきたお寿司を自分の机の引き出しに隠して、こそこそと食べる話があるんですね(笑)。そのエピソードが強烈に印象として残っていて。さすがに真似しようとまでは思いませんでしたが(笑)、そこまで美味しいものに執着するカツオにちょっと共感したんです。
──なるほど。となると、今回のドラマで演じた和泉撫子にも共感する部分が多かったのでは?
堀 ありました。むしろ共感しかなかったです!(笑) 撫子は“最後の大和撫子”と称されるほどの国民的女優で、人前ではいつも凛とした姿を見せているのですが、プラベートでは大衆食堂に一人で入り、ビールを片手に自分の好きなものを食べるような普通の女の子なんです。私も一人で外食するのが大好きですし、 “今日は何を食べようかな?”って考えている時間が本当に幸せで(笑)。実際に仕事を終えて食べたい料理を口にできたときは、それだけで一日のご褒美になるので、撮影しながらずっと撫子に感情移入していましたね。
──確かにドラマの中で撫子が料理についての感想や喜びを語るモノローグは、思わず頷いてしまうものが多いです。
堀 そうなんです! 私も美味しい料理を口にした瞬間は、撫子のようにその幸せ感を誰かと共有したくなります。でも、一人で食事をしているときはなかなか隣にいる見知らぬ方に話しかける勇気がないので(笑)、頭の中で、“そうそう、これ! この味が最高なんだよ!!”って悶絶しながら食べてます。
──まさに撫子そのままですね(笑)。
堀 ですね(笑)。撫子みたいに、美味しい料理を食べると思わず泣きそうになるのも、私の中の“あるある”ですし。それに、彼女は料理だけでなく、料理人さんに対しても、ものすごくリスペクトをしている。そこがすてきなところであり、私も演じながらすごく共感していました。
定番メニューばかりじゃなく“もっと冒険しなきゃ”って勉強に(笑)
──今回のドラマの撮影で特に印象に残っている料理はなんですか?
堀 どれも美味しくって、幸福感しかなかったですね(笑)。驚いたのは豚丼。それまで豚丼といえば、脂身たっぷりの分厚い豚肉がご飯の上にこんもり乗っているというイメージだったんです。でも、撮影で食べたものは想像と違い、あっさりした味付けで。そのことでご飯の旨味も一緒に楽しめたんです。ご飯好きの私としては最高のバランスでした。それと、初めて経験したという意味では、イカ墨のもんじゃ焼き(第3話)も驚きの味でした。
──意外な組み合わせで、新鮮さを感じました。
堀 私も食べる前はイメージできなかったんです。でも、すっごく美味しくて。普段、友人ともんじゃを食べに行くと、やっぱり定番の明太もちもんじゃあたりを頼んでしまうんですね。なので、たまには冒険しなきゃなって勉強になりました(笑)。
──(笑)。また、外食に限らず、撫子が自宅で料理を楽しむエピソードも登場しますね。
堀 パンの回(第4話)ですね。普通の食パンなのに、撫子がいろんな食べ方を披露するので、トッピングや味付け次第でまるで違う料理になるんだなと実感しました。
──また、ドラマに登場するお店や料理はどれも気軽に味わえそうなものばかりですが、堀さん自身は普段、どういったお店に行くことが多いですか?
堀 私も撫子と同じで、ふらっと立ち寄れるお店が大好きです。こだわった食材で料理を提供してくださるお店もすてきですが、リーズナブルなお値段で、そのお店ならではの味付けやレシピにこだわった料理が楽しめるお店にすごく惹かれるんです。例えば、よく通っている大好きなパスタ屋さんでは、パスタはもちろん、サラダにつけるオリジナルのドレッシングがすごく美味しかったりして。そのお店ではドレッシングの販売もしているので、いつも買って帰ります。
──ちょっとわかります。最近になってようやくドレッシングの大切さがわかってきたところがあるので。
堀 あ、それは気づけてよかったです(笑)。ドレッシングってほんと偉大なんです。ドレッシングが美味しいといつものサラダが劇的な料理に変化することもありますし、その日の気分によって味を変えると毎日飽きずに楽しめる。もっと多くの方にドレッシングの良さを知っていただきたいです!
第2弾、第3弾へとつながっていくとうれしいなと思っています
──普段、ご自身でも料理は作るんですか?
堀 作るのは大好きです。得意料理はお味噌汁で、「美味しい!」って褒めてもらえることも多く、ときどき友人たちとおにぎりパーティーをして楽しんでます。それぞれが食べたい具材を使って好みのおにぎりを作り、お味噌汁は私が担当して。
──ものすごく興味深いパーティーですね。お味噌汁はやはり味噌にこだわりがあるんでしょうか?
堀 味噌自体もそうですが、美味しさの秘訣はレシピにあるんです。埼玉県の酒屋さんが販売しているお味噌がありまして。そこで合わせ味噌と赤味噌をいつも試食してから購入しているんですが、それらを4:3で合わせるのがポイントですね。
──堀さんは岐阜の出身ですから、愛知の八丁味噌に愛着があるのかと思っていました。
堀 もちろん、八丁味噌も大好きです。八丁味噌はしっかりとした塩気があるので、少量でも味がちゃんとつくんです。それ以外の赤味噌だと塩気がほとんどない種類もありますので、そういうときは合わせ味噌を少し多めにしてみたりして。やはり東海民なので、好みとしてはちょっと濃い目のお味噌汁が大好きです(笑)。
──料理好きらしいこだわりを見せますね(笑)。
堀 また、お味噌を使った岐阜の料理といえば、やはり朴葉味噌。葉っぱの上に味噌を乗せてお肉や野菜を焼く郷土料理ですが、これが絶品なんです。
──岐阜は地域によって気候が異なりますし、それぞれに美味しい郷土料理があるので大好きです。
堀 うれしいです! “岐阜”と“食”ってなかなかイメージとして結びつかない方が多いようなので、ここで声を大にして、岐阜にはいろんなグルメがあるんだぞということをお伝えしたいです(笑)。飛騨牛や鮎が有名ですが、もっと山のほうにいくとジビエも堪能できますし。秋になると栗や柿も味わえて、季節ごとにいろんな食べ物があるので、ぜひ遊びに来ていただきたいです!
──また、先ほどおにぎりパーティーの話がありましたが、堀さんが一番好きな具材は?
堀 梅干しです。東京の日本橋に大好きな梅干し屋さんがあって、なかでも塩分が高い梅干しがお気に入りなんです。甘い梅干しも好きですが、やはりしょっぱいものを選んじゃう。私がおにぎりを作るときは、その梅干しを入れて、ご飯にも天然塩をいっぱいつけ、おにぎり屋専門店で買ってきた海苔で巻く。それが定番です。
──今の説明を聞いているだけで、おにぎりが食べたくなってきます。目の前でドラマの『女優めし』を観ている気分になりました。
堀 食べることが本当に大好きなので、食について語りだすと、どうしても熱量が高くなっちゃいますね(笑)。それに、私はすべての料理の中でおにぎりとお味噌汁の組み合わせが世界一だと思っていまして。実家に帰って、「ご飯何がいい?」って聞かれると、いつも「おにぎりとお味噌汁がいい」って答えるほどなんです(笑)。あの組み合わせに勝るものはないです!
──お話をうかがっていると、ますます堀さんが撫子にしか見えなくなってきました(笑)。
堀 ありがとうございます。本当に楽しい撮影でしたし、撫子のお芝居を通して私の料理への愛もたっぷり伝わっていると思いますので、ぜひ多くの方に見ていただきたいです。そして第2弾、第3弾へとつながっていくとうれしいなと思っていますので、ドラマを観て楽しんでいただけたら、いろんな方におすすめしてもらえたらと思います!
ドラマ『女優めし』(全8話)
FODにて全話配信中(※1話無料配信)
(STAFF&CAST)
原作:『女優めし』藤川よつ葉/漫画:うえののの(集英社「週刊ヤングジャンプ」連載)
脚本:遠山絵梨香
音楽:菅野みづき
演出:小林和紘/朝比奈陽子
主題歌:「weather」持田香織(avex trax)
出演:堀未央奈/SUMIRE/小方蒼介/永瀬真梨(RainTree)ほか
(STORY)
最後の“大和撫子”とも称されるほど才色兼備の和泉撫子。彼女は日本でいちばん国民から愛されている女優であり、撮影現場のスタッフからも慕われている。ところが、そんな撫子には知られざる一面があった。撮影が終わると普段着へと着替え、街の中に溶け込んでいく彼女。その行く先は大衆的なグルメを楽しめる極普通のお店だった……。
公式HP:https://www.joyumeshi.com/
FOD配信ページ https://fod.fujitv.co.jp/title/805b/
(C)藤川よつ葉・うえののの/集英社 フジテレビ
撮影/河野優太 取材/文・倉田モトキ