【文房具総選挙2024】お茶の香りが漂う紙製ホルダーに左利きでも書きやすい万年筆などSDGsに配慮した文房具12点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【トレンド部門】「SDGs文房具」部門にノミネートされた文房具12点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「SDGs文房具」部門】

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムの存在感が際立ちます。全12点がノミネート。

 

No.82

マックス
HD-10Dサステナブルモデル
各825円

プラスチックの端材を本体カバーに再生利用

耐久性に優れたロングセラーホッチキス「HD-10D」をベースに作った、環境配慮モデル。本体カバーに、プラスチック端材を再生利用しバイオマスプラスチックと混ぜた素材を使い、CO2削減に貢献している。

 

No.83

カウネット
カウネット×ライクイット A4ファイルボックス  by Loopla
920円

回収した使用済みプラ資源がファイルボックスに!

同社が新たに始めた、オフィスから出るプラ資源を回収・リサイクルするサービス「Loopla」から誕生。回収した使用済みのクリアホルダーを一部原料に使い、吉川国工業所と共同開発した。2個セット。

 

No.84

キングジム
紙製ホルダー(茶殻紙タイプ・10枚入り)
1012円

茶殻を再利用したほのかに香る書類ホルダー

伊藤園の「お〜いお茶」など、日本茶飲料の製造過程で排出される「茶殻」をアップサイクルした「茶殻紙」を使ったホルダー。通常の紙よりも紙原料を削減して作っている。お茶の香りをほのかに楽しめる。

 

No.85

三菱鉛筆
ジェットストリーム 海洋プラスチック
各242円

軸材に海洋プラスチックごみとコンタクトレンズの空ケースを使用

独自の配合技術により、軸材の再生材比率ほぼ100%を実現したボールペン。海洋プラスチックごみからできた再生樹脂と、使い捨てコンタクトレンズの空ケースを用いた再生樹脂を使っている。

 

No.86

三菱鉛筆
JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1
各3300円

家具の端材を再利用! 一点一点木目が異なり特別感満載

日本を代表する木製家具メーカー「カリモク家具」と「ジェットストリーム」のコラボ多機能ペン。家具の製造工程で出るナラ材とウォールナット材の端材を再利用したグリップは、一点一点木目が異なる。

 

No.87

ニチバン
セロテープ 小巻カッターつき 〈まっすぐ切れるタイプ〉 グリーンナノ配合
各242円

素材を見直しCO2排出量を66%も削減!

カッター本体に、燃焼時に発生するCO2を削減できる添加剤「グリーンナノ」を配合し、焼却時のCO2排出量を同社従来品比で66%も削減。天然素材が主原料の「セロテープ」と使えば、手軽にエコ活動ができる。

 

No.88

ゼブラ
BIOTUBE搭載 ジムノック
各132円

ついにリフィルまでサステナブルな素材に!

品質上、材質の選定が難しいリフィルに、業界で初めてバイオマスプラスチックを使用。リフィルを交換して使うと、CO2排出量を73%も削減できる。ペン本体、替芯のパッケージにもエコな素材を使用。

 

No.89

プラス
ホワイパー 紙ケース入り修正テープ
各275円

紙製ケースを使用した環境配慮型の修正テープ

ケースに紙を使い、プラスチック使用量を同社同等品より40%削減した修正テープ。引き心地はブランドの名に恥じぬ快適さ。紙製になったことでデザインの自由度が上がり、ラインナップが豊富に。

 

No.90

プラス
みんなのふせん 強粘着
2695円(各色2パッド・計10パッド入り)

色覚多様性に配慮したカラーユニバーサルデザイン

色の見え方の違いに配慮して、識別しやすい配色を採用。アイデア出しやブレーンストーミングの際に、書いた内容を色で分類しやすい。強粘着タイプで、紙やホワイトボードにしっかり貼れる。

 

No.91

共栄プラスチック
LIMEX ライティングシート
330円(B5 size)、385円(A4 size)

注目の新素材から生まれた業界初の下敷き

プラスチックや紙の代替品として注目を集めている石灰石生まれの素材「LIMEX」を、業界で初めて下敷きに使用。既存のプラスチック下敷きに比べ、プラスチック使用量を約72%削減できる。薄くても丈夫。

 

No.92

ラミー
LAMY safari 左利きのための万年筆
5500円

左利きの人もインクがかすれずまっすぐに書ける

1980年誕生のロングセラー万年筆の左利き用モデル。ペン先を押し出すようにして書く左利きの人でもかすれず書け、時計回りに巻き込む筆記グセがあっても、自然と真っ直ぐ書けるよう矯正される。白と黒の2色。

 

No.93

サンスター文具
Re:metacil
各990円(4月1日発売)

廃材から作られた削らずに書き続けられる鉛筆

削らずに書き続けられる「特殊黒鉛」を使った鉛筆のサステナブルモデル。ボディとキャップに、噴石や牡蠣やほたての殻などの廃棄物を粉砕して再生したアップサイクルプラスチック素材を使っている。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。

 

ひとつで両面テープとマスキングテープに対応! 片手で使えるテープカッター「プッシュカット」がアダプター内蔵でリニューアル

ニチバンは、テープカッター「ナイスタック プッシュカット」、「マスキングテープ プッシュカット」をリニューアルし、テープの巻心内径を調節できるアダプター付きで両面テープとマスキングテープの2種類が使える「テープカッター プッシュカット」として、11月27日から発売します。

 

「プッシュカット」は2020年に発売。テープの送り出しからカットまで、片手で簡単に使えるテープカッター。両面テープ「ナイスタック」一般タイプとマスキングテープの2種類をラインナップしています。1ショットで約12mmを均一に送り出すので、テープが一定の長さに揃えやすくなっています。テープを手で引き出し、好きな長さでカットすることも可能です。

 

ユーザーから「使用可能テープの種類を増やしてほしい」「ベーシックな本体カラーがほしい」という要望があったことから、複数種類のテープ巻心内径(35mm・38mm、25mm)に対応するアダプターを本体に内蔵し、両面テープとマスキングテープを使用できるようリニューアル。

 

「詰め替え用マスキングテープ」(テープ巻心内径25mm)、両面テープのナイスタック8種(テープ巻心内径35mm・38mm。※小巻15mm幅専用)、「プチジョア マスキングテープ」(テープ巻心内径25mm)を使うことができます。

 

本体カラーはホワイトで、使用するテープの色柄がわかりやすく、様々なシーンで利用できます。

 

価格は、テープカッター プッシュカット本体が1200円(税別)、詰め替え用マスキングテープが220円(税別)。

新カッター刃で「セロテープ」がまっすぐ切れる! 「セロテープ大巻 ハンドカッター(まっすぐ切れるタイプ)」

ニチバンは、「セロテープ 大巻 ハンドカッター」をテープの切り口をまっすぐに切れる「セロテープ大巻 ハンドカッター(まっすぐ切れるタイプ)」にリニューアル。1月26日より順次発売します。税別価格は550円。

 

新カッター刃の(まっすぐ切れるタイプ)は、これまで「セロテープ小巻 カッターつき」「セロテープ小巻 収納カッターつき」で展開。今回採用された新カッター刃は、刃先のギザギザ部分をより細かく密にするなど、刃の形状や角度を工夫したことにより、テープをまっすぐきれいに切ることができます。刃が細かく、ケガをしにくい設計になっています。テープの切り口がまっすぐなので、テープを剥がすときに裂けにくく、封緘やラッピング作業もきれいに仕上がります。

 

本体は、丸みのあるボディに仕上げ、握りやすく、使いやすい形になりました。また、はめ込み部分を改良し、衝撃に強く、詰め替えしやすくなりました。表面は凹凸模様を付けるシボ加工で、キズや指紋を目立ちにくくしています。本体カラーは昨今のトレンドである“くすみカラー”で、シックで落ち着いたデザインです。

使う分だけ引き金引いてワンハンドでカット! ニチバンの良作を復刻した「プッシュカット」はやっぱり快適だった

愛用していた文房具が、いつの間にか店頭から姿を消している。おかしいな? と思って調べると、メーカーサイトの製品リストからも消えている───そう、廃番(または製造終了)だ。

 

困ったことに、愛用しているからにはそれなりの“使っている理由”があって、つまり他に代替品となるものがないケースが非常に多い。なので、「待って待って、困るよー」とオロオロし、小売店やネットショップで在庫を探し回り、「なんで廃番にした!」と怒りに声を荒げることになる。

 

当然のことながら、メーカーだって好きで廃番にするわけではない。部材の供給が難しくなったり、そもそも単純に売れていなかったり、などと理由は様々にあるだろう。これほど次々に新製品が出ているのだから、その陰で消えていく製品も出ざるを得ないのだ。仕方ないことなのだ。ギギギ……。

 

とはいえ、ごく稀なケースではあるが、「祝! 復刻!」なんてこともないではない。それも「ユーザーの声に押されて復刻」なんてことになれば、廃番を惜しむ声(というか、怨嗟の声)を挙げた甲斐もあったというもの。今回は、まさにそういう復刻を果たしたばかりのおめでたい製品を紹介したいと思う。

 

片手で切り貼りできて快適なテープカッターが復刻

2011年、ニチバンの「ナイスタック ハンドカッター」「メンディング テープハンドカッター」という製品が販売終了となったのをご存じだろうか?

 

これらは、片手でテープが切り貼りできる携帯型テープカッターとして非常に優秀だったのだが、海外生産における部材の安定供給が難しくなったことで、最終的に市場から姿を消してしまった。で、そのハンドカッターが2020年に復刻! という形で、このほど同社から再びの新発売となったのが、「プッシュカット」である。

ニチバン
左:マスキングテープ プッシュカット
右:ナイスタック プッシュカット
各1200円(税別)

 

当時のハンドカッターは商品名の通り、メンディングテープとナイスタック(両面テープ)にそれぞれ専用で対応したものだったが、新発売のプッシュカットは、メンディングテープの代わりにマスキングテープがラインナップ入りした。

 

これは、ハンドカッター販売時のユーザーがDIY・クラフトホビー系や、プロの塗装業者に多かったことを受けてのことだそう。なるほど、特にそのあたりの層から、復刻を願う声が強かったのかもしれない。

 

販売時には、緑のボディにマスキングテープ、赤のボディにナイスタックがそれぞれ装填されているが、機構的に専用ということではなく、どちらのテープでも使用可能だ。

 

↑レバーを引くたびに約12mmずつテープが出てくる機構。動作はスムーズで、テープ詰まりなどのトラブルもなし

 

使い方は簡単。まず本体下のレバーを引くと、内蔵されたテープが約12mmずつ、にょろっと外に飛び出してくる。

 

何度かレバーを引いて必要な長さになったら、上部のボタンをギュッと押し込む。するとテープ排出口内側の刃が降りて、カットできるという仕組みだ。もちろん、レバーを引くのが面倒なときは、にょろっと飛び出たテープ先端を手でぐいっと引き出してもOK。

↑テープを切るにはボタンをギュッと押し込む。テープ断面がギザギザせずフラットに切れるので、塗装マスキングに使いやすい

 

しかも、レバーを引く回数を揃えれば、常に同じ長さのテープを取り出すことが可能となる。これなら、広い面積に複数枚の両面テープを揃えて貼る、といった作業が簡単になるはず。

 

レバー1回12mmというのもなかなか絶妙で、両面テープで“点付け”をするための、小さな正方形に近いテープ片を量産するのがとてもラクなのである。特にナイスタックのような高品質両面テープは、剥離紙が頑丈で小さく切りにくいが、それがサクサク切れる。実際にやってみると、これは非常に快適だ。

↑テープ幅は15mmなので、レバー1回でカットすれば15×12mmのテープ片が量産できる

 

ハンドカッターシリーズからの最大の変更点は、刃を降ろしてのカットがボタンプッシュに変わったところだ。

 

従来は「本体上部のスライダを後ろに引いて切る」だったので、手の動きを考えれば、よりスムーズに使えるようになっている。旧モデルで30分ほどテープを連続して切ったときなどは、親指がクタクタに疲れたもので、少なくともボタンを押し込むほうがはるかに疲労は少なそうだ。

↑旧モデル(ハンドカッター)は、上部のスライダを親指で引いて切る仕組みだった。これ、長時間繰り返しているとけっこうつらい

 

テープの装填は、透明カバーをパカッと外して持ち上げ、引き出したテープを排出口に通しながらリールにセットする。

 

このとき、テープを排出口からはみ出すぐらいの長さに伸ばしておくと、扱いやすい。はみ出した分は、リールにセットしてから巻き取ればいいのだ。また、本体内部でテープが少したるむようにしておかないと、透明カバーをハメたときに干渉してしまうので、その点は要注意である。

↑透明カバーは真上に持ち上げれば簡単に外れる

 

↑再装填時は、写真のパーツにテープが干渉しないよう注意。このパーツの下をテープが通ることで、スムーズなテープ送りができるようになっている

 

ちなみにテープの詰め替えは、マスキングテープ・両面テープともにニチバンの推奨品を使うように、と注意書きにある。これは、本体のテープ送り出し性能がテープの粘着特性に左右されるため、構造が推奨品に最適化されているからだ。

 

とはいってもニチバンのテープだから、両面テープは言うに及ばず、マスキングテープも車両塗装にまで使える高品質な製品である。あえて送り出し性能を落としてまで非推奨品を使う必要はないと思う。

 

↑カット用ボタンに加えて、本体後部にセーフティーコード用の取付穴も追加された。この辺りは工事現場などで使う道具として重要なポイント

 

実は筆者も、従来品のハンドカッターをヘビーに使っていたので、久々に使ってあらためて「やっぱりいい製品だな」と感じた次第である。同じく以前使っていたという人には待望の復刻だろうし、初見の人にも用途がハマれば間違いなく便利なはずだ。ぜひ長く愛用してやってほしい。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/