ジンジャー、クローブ、ブラックペッパー…専門家が教える体を温めるスパイスとホットドリンクレシピ

寒さが本格化するなか、飲み物もお茶やコーヒーなど温かいドリンクを欲するもの。とくにスパイスを使ったホットドリンクは、体の内側からぽかぽかに温めてくれます。とはいえ「スパイス」というと専門的で種類も多く、何をどう選べばいいかわからない人も多いはず。

 

自宅で手軽に作れて、おいしくて、体が温まるスパイスドリンクとは? 家に常備したいスパイスから店頭での選び方、そしてドリンクレシピまでを、東京・中野に店を構える「東京スパイスハウス」の川久保美希店長に教えていただきました。

 

スパイスの定義とは?

国内では珍しいという、生のグリーンペッパー。

 

スパイスというと辛いもの、香りや刺激の強いものというイメージがあります。そもそもスパイスとはどのようなもののことをいうのでしょうか?

 

「私の考えるスパイスの定義は“自然界にある、お料理をワンランクアップさせるもの”。植物の実や樹液、根、葉、花などはすべてスパイスだと考えています。そのため、塩もいうなればスパイスですし、日本の食卓でよく使う乾燥シイタケもスパイス。香りがよく、食欲増進など漢方としての役割も果たしてくれます。漢方ほど難しくないので、日々の食事や生活に取り入れやすいですよ」(東京スパイスハウス・川久保美希さん、以下同)

川久保美希さんが営む東京スパイスハウスには、ご主人とともに長年かけて作ってきた世界各国の人との繋がりによって、世界中の良質なスパイスが集まっています。

 

そのスパイスには、世界中に何千、何万もの種類があるといいます。インターネットでさまざまな情報が手に入るようになったことで、日本に輸入されるスパイスの種類も日々増えているのだとか。

 

「昔は海外へ買い付けに行ってスパイスを仕入れていましたが、今はインターネットがあればネット販売で手に入るし、情報も手軽に得ることができます。そのため、今までなかったスパイスの情報がどんどん入ってきているんです。最近では、ブータンからスパイスが仕入れられるようになりました。でも、私はブータンに行ったことがないですし身近にブータン人の知り合いがいないので、現地でどういう使い方をしているかがわからない。そこで独自の使い方を研究しています。つぶしたり、かじったり、香ったり、煮たり、炒めたり……。そうすることで、『あの料理に入れるとおいしいかも』とか、『魚の匂い消しに使えるかも』とか、使い方のアイデアが浮かんできます。現地と違う使い方をしているかもしれませんが、そうした日々の研究により使えるスパイスの種類は増えています」

 

冬に使うと効果的な
体が温まるスパイスは?

スパイスの効果は、千差万別。体を温めるものもあれば冷やすものもあるので、それぞれの特徴を知っておくことが大切だそう。まずは、体を温めるために取り入れたい代表的なスパイスを教えていただきました。

 

・ジンジャー

ジンジャーパウダー。柑橘系の爽やかな香り。

 

「おすすめしたいのは、血行をよくして体を温めてくれる『ジンジャー』です。ただ注意したいのは、生のジンジャーは体を冷やしてしまうということ。例えば夏に、冷ややっこに生姜(しょうが)を刻んでのせますが、あれは体を冷やすためなんです。
体を温めたい冬は、蒸してから天日干しにしたジンジャーを取り入れるといいですね。ジンジャーは、加熱や乾燥させることで体を温めるスパイスに変化します。天日干しにしたあと粉末状にしたジンジャーパウダーだと使い勝手がいいですよ。白湯に溶いて飲むだけで体の内側からぽかぽかしてきます」

 

体を温めるスパイスは、ほかにもこんなものがあります。

 

カシア…シナモンに近い、常緑樹の皮のスパイス。甘くて清涼感のある香りがします。
クローブ…花が咲く前のつぼみを乾燥したもの。カレーやチャイに使われます。
ブラックペッパー…日本でもなじみ深い、コショウ科のスパイス。
スターアニス…別名は八角(はっかく)。中華料理に欠かせません。

 

カシア(右)。左隣のシナモンのように、くるっと丸めて棒状にして販売しているものも。

 

「体が冷えるときは、これらのスパイスを積極的にとり入れてみましょう。まずは使い勝手の良いジンジャーパウダーやブラックペッパーがおすすめです」

 

日常的にとり入れたい
身近にあるスパイスは?

体を温める以外にも、日常的にとり入れることでうれしい効果が期待できるスパイスがたくさんあります。川久保さんにおすすめとその効果を聞いてみました。

 

・ターメリック

「日本では『ウコン』とも呼び、古くから親しまれているスパイスです。ターメリックは抗酸化作用や免疫力を高める効果が期待できます。人間は空気を吸っているだけで体が酸化していくので、抗酸化作用のあるターメリックを日常的に取り入れることで、アンチエイジングなども期待できます。
使い方もさまざまで、白湯に混ぜて飲むだけでもいいですし、炒め物やみそ汁を作るときに加えたり、ごはんを炊くときに入れるのも手軽にできておすすめ。
体への効果だけでなく、入れることで料理のまとめ役にもなります。ちょっと苦みのあるスパイスなので、味を引き締めてくれるんですね。料理も鮮やかな色に変えてくれますし、毎日使いたいスパイスです」

 

・クミン

「クミンはカレーに欠かせないスパイスですが、炒め物にも合います。キャロットラペにも入っていますよね。普段ご家庭で作るカレーでも、玉ねぎを炒めるときにクミンを入れてみてください。このひと工夫だけでおいしさが変わりますよ。胃を元気にしてくれる健胃作用も期待できるので、胃もたれに効果的です。食欲をそそる香りも特徴です」

 

・コリアンダー

「コリアンダーとはパクチーの実のこと。カレーのスパイスというと、香りが強いクミンをイメージしがちですが、実はコリアンダーがカレーの主成分です。鎮静作用が期待でき、軽く熱が出たときや、頭痛が起こりそうな天気の日にとり入れてみるとよいですよ。こちらも白湯に溶いて飲むだけでOK。頭痛薬までは飲まなくてよいけれど、ちょっと気になるときに試してみてください。爽やかな香りも特徴的です」

パウダー状のコリアンダー(左)とクミン(右)

 

・フェンネル

胃が弱っているときはフェンネルを食べてみてください。インド料理店に行くと、レジ横にカラフルなチョコレートでコーティングされたフェンネルが置いてあることがありますが、あれは消化をよくするためなんです。日本でも、漢方胃腸薬の主成分になっていたりします。そのまま食べてもいいですが、ココナッツシュガーなどでコーティングすると食べやすいですよ」

東京スパイスハウスでは、ココナッツシュガーでコーティングされたフェンネルを持ち運びしやすい缶とセットで販売。

 

知っておきたい
スパイス選びのポイント

販売されているスパイスには、形状にもホール状やパウダー状や棒状などがあり、メーカーもさまざまです。何を重視して選べばいいでしょうか?

 

「当店のようなスパイス専門店だと、香りをかいだり店員さん聞いたりしながら選べますが、スーパーなどの小売店だとそうもいきませんよね。見た目でいえば色がきれいなものは新鮮なものが多いので、選ぶときには意識してみてください。例えばカルダモンは茶色くなると時間が経っている可能性があるので、鮮やかな緑色を選ぶといいと思います。
スパイスの形状は、ホール状のものを選ぶのがおすすめ。スパイスは植物の種からできているものが多いので、殻からとり出してパウダー状にしてしまうと、時間の経過で香りが飛んでしまうのです。できればホール状で購入し、使うときに家にあるコーヒーミルなどで粉にして使うのがおすすめです」

大量摂取はNG!
スパイスを使うときの注意点

体に良い効果をもたらすスパイスですが、使い方には注意点も。「組み合わせてはいけないスパイスはありません。ただ、とりすぎてはいけないものはあります。代表的なのは、『サフラン』や『フェンネル』。また、『カルダモン』にも注意点があります」

 

サフラン……ホルモンバランスを整えるとされていますが、妊娠中の方は控えるようにしてください。逆にホルモンバランスを整えたい方や、更年期の方がお茶にして飲むといいスパイスです。

 

・フェンネル……とりすぎてしまうと精神的に不安定になることも。とはいえ一度に大さじ一杯分を口にするなど、たくさんとらなければ問題ありません。

 

カルダモン……発汗作用があり、体を冷やす効果があるので、体を温めたいときはとりすぎない方がいいでしょう。

 

「暑い国の人たちは汗をかくことで体を冷やしています。発汗作用のあるスパイスは体を冷やすために使っている、ということですね。勘違いしやすいところだと、日本でも人気のマサラチャイ。本場インドでは汗をかいて涼しくするため、チャイにカルダモンを入れて飲んでいます。そのため日本でチャイを作るときは、カルダモンの入れすぎに注意を。香りを楽しむ程度にしておくといいでしょう。
スパイスをたっぷりと入れる火鍋は、韓国では夏の食べ物として人気になりました。同じく発汗作用で体を冷やし、夏を乗り切るためなんですよ」

体が芯から温まる!
ホットスパイスドリンク 3

スパイスは料理に使ってもそのまま食べてもいいですが、ホットドリンクにすると体を温めてくれるだけでなく、気持ちもほぐれます。また、数種類のスパイスを入れることでさまざまな成分を一度にとり入れられる点もメリット。誰でも簡単にできて体が温まる、スパイスドリンクのレシピ3品を川久保さんに教わりました。

1.「シナモン」と「カシア」が香るホットリンゴジュース

【スパイシー度 ★☆☆】
やさしいスパイスの香りと、温かなリンゴジュースに癒される一杯。比較的手に入りやすいスパイスを使うので、どなたでもチャレンジしやすいレシピです。「風邪のときにおすすめのドリンクです。消化促進の効果も期待できます」

 

【材料】

・リンゴジュース……150cc程度
・水……150cc程度
・シナモン……3cm程度
・カシア……小サイズ1~2かけ
・スターアニス……2かけ
・ブラックペッパー……少々
※スパイスの量はお好みで調整してください。

【作り方】

1.鍋に水を注ぎ、沸騰するまで温める。

2.沸騰したら、シナモン・カシア・スターアニスを入れ、5分程煮出す。

シナモンはちぎって入れると香りが立ちます。

 

3.リンゴジュースを入れてひと煮立ちしたら、濾しながらカップに注ぐ。

4.ブラックペッパーを入れて完成。

 

2.やさしい甘さに癒される「ジンジャー・オーツミルク」

【スパイシー度 ★★☆】
使うスパイスは5種類。オーツミルクはクセが少なく比較的あっさりしているので、牛乳が苦手な方にもおすすめです。「消化を促進させるために作ったレシピです。胃腸が弱っているときに飲んでいただくとよいですね。免疫力も高めてくれますよ」

 

【材料】

・オーツミルク……200~250cc程度(多めでOK。必要量に応じて調整してください)
・水……150cc程度
・きび糖……小さじ1程度
・コリアンダーシード……30粒程度
・ジンジャーパウダー……小さじ1/2
・クローブ……2個
・アニスシード……小さじ1/3
・フェンネル……小さじ1/3
※スパイス・きび糖の量はお好みで調整してください。

【作り方】

1.鍋に水を注ぎ、沸騰するまで温める。

2.沸騰したら、すべてのスパイスを入れ、5分程煮出す。

3.オーツミルクを入れ、沸騰したらきび糖を加える。

4.再び沸騰したら一度火から降ろし、沸騰が落ち着いたら火にかける。これを何度か繰り返したら濾しながらカップに注ぐ。

何度か火にかけて温めます。煮詰めすぎないのがポイント。

 

3.たっぷり入れて煮出すだけ! 川久保流スパイスチャイ

【スパイシー度 ★★★】
たっぷりと7種類のスパイスを使います。加えてローズを入れて香り高くさせるのが川久保流スパイスチャイのポイント。必要量を購入できるスパイス専門店だと調達しやすいです。「チャイというと、通常は紅茶を煮出してミルクを入れて作りますが、ミルクや紅茶を入れなくてもおいしいので、私はスパイスのみで作ります。スパイスは濾さずに飲むのと香りも見た目も楽しめますが、少し飲みにくいので濾しながらカップに注いでください」

 

【材料】

・水……250cc程度
・きび糖……小さじ1と1/2程度
・カシア……5~6かけ
・クローブ……1個
・スターアニス……2かけ
・キャラウェイ……小さじ1/4~1/3
・ジュニパーベリー……2個 ※潰して使用します。
・ジンジャー……小さじ1個
・ローズ(ドライハーブ)……小さじ1/2
・カルダモン……1個
※スパイス・きび糖の量はお好みで調整してください。

【作り方】

1.水を鍋に注ぎ、沸騰するまで温める。

2.沸騰したら、すべてのスパイスを入れ、5~6分程煮出す。

色が出るまで煮出すことで、スパイスの香りと味がしっかりと出てきます。

 

3.紅茶のような色が付いたらきび糖を加える。

4.濾しながらカップに注ぐ。

 

体も心も幸せになる
スパイスの魅力

結婚を機にご主人の家業を手伝ったことから、スパイスの世界に足を踏み入れたという川久保さん。現在は料理教室も主宰していますが、意外にももともと料理は得意ではなかったのだとか。そんな川久保さんが感じる“スパイスの魅力”とは?

 

「料理が好きではなかった私にとって、店を継いだときは試行錯誤の連続でした。でもスパイスを調理しているときのアロマのような香りに癒されて、次第に料理も楽しくなりました。『こういう色味の料理にしたいな』と思いスパイスを加えるとそうなってくれるし、食後も体が軽くなる。料理中も食事中も、食事のあとさえも幸せな気持ちになれる。それがスパイスの魅力なんです」

 

今の川久保さんに、スパイスは欠かせないものになっているそう。

 

「『今日は少し疲れているから、このスパイスを入れたお茶を飲もう』とか、体の調子を整えるのにも役立ちます。これから日本はますます高齢化社会になっていきますし、それにしたがって体の不調を感じる人も多くなるでしょう。スパイスの知識を伝えることで、皆さんが健康的に年齢を重ねていくことができたらと願っています」

 

Profile

東京スパイスハウス オーナー / 川久保美希

夫の家業の手伝いからスパイスの世界へ。現在は40年以上の歴史を持つスパイス専門店「東京スパイスハウス」を東京・中野で営む。スパイスのプロフェッショナルとしてレストランシェフ等へのアドバイスを行うほか、スパイスを使った料理教室やワークショップ、講座等を開催し、スパイスの魅力を日々伝えている。毎週土・日曜は青山ファーマーズマーケットに出店。そのほか百貨店の催事にも度々出店している。
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薬草調合師が受け継ぐ先人の知恵…「薬草のちから」を気軽に暮らしに取り入れるには

近年、自然由来のものの価値や、自然のままであることの大切さが再評価されるようになっています。それにともなって、私たちの身近に存在する植物の一種である “薬草” にも、あらためて注目が集まっていると話すのは、10年ほど前から薬草を研究している “薬草調合師” で『薬草のちから -野山に眠る、自然の癒し-』を出版した新田理恵さん。そこで、そもそも薬草とは何か? ハーブとは何が違う? など基本的な情報から、薬草がもたらす効果などを教えていただきました。

 

聞き手は、@Livingでもおなじみのブックセラピストで、キャンプやハイキングを楽しむうちに薬草にも興味をもつようになったという元木忍さんです。

『薬草のちから -野山に眠る、自然の癒し-』(晶文社)
ドクダミ、ヨモギ、ナツメ、葛(くず)、当帰など、海辺から山里まで最適な場所に根づいてきた薬草。古来、医食同源といわれもっとも身近で暮らしと健康を支えた植物の “ちから” を、薬草調合師であり食卓研究家である著者が自ら当地に足を運んで得た知見をもとに解き明かす。

 

身近なようで意外と知られていない “薬草” という存在

元木忍さん(以下、元木):コロナ禍をきっかけとしたアウトドアブームやナチュラル思考の高まりによって、野に咲く薬草にあらためて注目が集まっているように感じます。そんななかで、新田さんが薬草に注目し、研究するようになったきっかけは何だったのですか?

 

新田理恵さん(以下、新田):私が薬草と出会ったのは、かれこれ10年以上前のことになります。家族の一人が糖尿病を患い、食生活の大切さを痛感したのがきっかけです。体に負担をかけずに、少量できちんと体をケアしてくれる “スーパーフード” のようなものがないかと薬膳の勉強をしているうちに、どうやら身近な薬草が近いのでは? と気づきました。

↑『薬草のちから -野山に眠る、自然の癒し-』の著者である新田理恵さん

 

元木:薬草といえば、なんとなく口に苦いものというイメージがありますが、そもそも薬草とは何なのでしょう? ハーブとの違いも気になります。

 

新田:薬草は “薬用に用いる植物の総称” とされています。自分の体を整えるための “薬になる植物” ですね。草という漢字が使われていますが、葉っぱも枝も実も使います。主に草の部分のみを使うハーブと比べると、植物の使用する部位は多いかもしれません。

 

元木:なるほど。かなり広義に解釈していいわけですね。それにしても、薬膳のことならともかく薬草についての専門書も少なそうですし、どうやって学べばいいか想像がつきません。

 

新田:薬草の使い方は、民間療法の一種として口伝されていることが多いように思います。私の場合は全国各地に足を運び、その地域の薬草の使い手に手ほどきを受けました。

 

元木:おじいちゃんおばあちゃんの “生活の知恵” みたいな形で言い伝えられているわけですか?

 

新田:そうなんです。なかには生業としていらっしゃる方もいます。各地で学んだこと、経験したことを元に薬草を取り入れてみると、きちんと身体の変化を感じられて面白いですよ。

 

元木:例えばどのような変化を感じましたか?

 

新田:薬草をおすすめした友人によく言われるのは、肌荒れや関節痛が和らいだというものです。なかには不妊が改善したという声も……。薬草のちからってすごいなと思っています。

 

元木:口伝が多い薬草の知見をまとめたとなると、あらためて貴重な本ですね。

 

野山に生きる薬草は、地域のアイデンティティそのもの

元木:新田さんは普段、薬草をどこで手に入れていますか?

 

新田:私は山野草を扱う園芸店か、インターネットで購入することが多いです。ただ、本来もっともおすすめなのは、野山に自生する薬草ですね。

 

元木:野山の薬草は、パワーが違う?

 

新田:そうですね。畑で栽培されている薬草よりも環境が過酷なぶん、含まれる有効成分が多かったり、密度も高いと感じます。水も雨に恵んでもらうしかないし、他にもライバルみたいな植物がたくさんいる中で育っているので。地域の特性が反映されるのも興味深いです。例えば、風が強く吹くところでは、根をしっかり張ることで栄養をたっぷり蓄えた薬草が育つとか。それぞれの地域の魅力をその身をもって表現してくれていると考えると尊い存在だなぁと思います。

 

元木:その土地でしか育たないわけだから、ある意味では繊細だし、とても貴重ですよね。

↑ブックセラピストの元木忍さん

 

新田:はい。地域性が強く現れるので、その地域で暮らす人のアイデンティティともなり得るのではないでしょうか。野山の野草を特産品のように考えると、私たち外部の人間からすれば、旅をする理由にもなりますし。

 

元木:こんなに面白いものがこの地域にあったんだ! という発見に繋がりますね。

 

新田:地元ならではの薬草を知ることで、地元を、ひいては日本を好きになるきっかけになると思います。ただし、野外で薬草を採る際は、絶滅危惧種などの採取してはいけない植物や、どなたかの土地や国定公園など採ってはいけない場所を事前に調べておきましょう。

 

薬草文化を持続させるには、消費者のニーズが必要不可欠

元木:地域の魅力が詰まった薬草ですが、西洋のハーブと比べると、まだまだ知られていない気がします。

 

新田:そうなんです。これには少なからず、歴史的な背景があると思います。明治政府の西洋化政策によって、鍼灸や漢方などの日本の伝統的な医学は隅に追いやられてしまったところがあるので。そういった歴史的ハンデを負いながらも、何とか受け継がれている状態です。

 

元木:さきほどもお話されていた、地方のおじいちゃんおばあちゃんの口伝だったり、生業として薬草づくりをしている人が頼みの綱ということですね。

 

新田:そうですね。飛騨に足を運んだ時に、アルコールの消化を助けてくれるという「葛の花の丸薬」づくりを見せてもらって、実際に飲ませてもらいました。手作業で正露丸サイズに丸めて固められたものをお酒の前に飲むと、いつもより多めに飲んでいるのに全然酔わないんです。材料が調達しやすく家庭でも作れて、体の調子を整えてくれる薬草は、家庭の知恵の結晶だと実感しています。

 

元木:今では、近代西洋医学と伝統医学を組み合わせて行う統合医療も注目されるようになってきましたから、薬草文化もこれから取り入れる人が増えてくるかもしれませんね。

 

新田:消費者のニーズが高まれば、文化として紡いでいける機運もあると考えています。そのためにも、各地の薬草づくりをお手伝いしたり、薬草づくりのワークショップを開催したり、薬草文化にふれられるような仕組みづくりが大切です。草の根的な活動を続けていけば、ゆっくりですが、着実に薬草を使用する人は増えていくと思いますし、使える人が周りの人を癒やすと、健やかな連鎖が生まれていいなと思います。

 

薬草を「楽しく、おいしく飲むこと」

元木:薬草を日常生活に取り入れるためには、どういった方法がありますか?

 

新田:私のおすすめは薬草茶です。薬草を乾燥させるだけで簡単に作れますよ。カップとお湯があれば手軽に淹れられますし、特別な道具も必要ありません。お食事と合わせたり、ちょっと一息をつく時の楽しみになります。

 

元木:生活習慣に取り入れやすく、朝昼晩問わず飲めるお茶はぴったりですね。まずは、気軽に市販の薬草茶から試そうと思った場合、どの薬草から選べばいいですか?

 

新田:薬効を調べて選んでいただいてもいいのですが、やはり、自分がおいしい! と思ったお茶を選ぶ方法をおすすめしています。ワークショップで名前や効能がわからない状態で、いくつかのお茶を飲み比べてみていただくこともあるのですが、 その中で一番しっくりくるものこそ、体が欲しているお茶です。これはブラインドテイスティングといって、体質に合うものは自分の直感が知っているという考え方を元にしています。

↑新田さんが経営するお茶ブランド「伝統茶{tabel}」がラインナップする薬草茶

 

↑夏に蓄積した疲れを吹き飛ばすのにうってつけな薬草茶がグァバ茶。鹿児島県徳之島で栽培されるグァバの葉を使ったビタミンCたっぷりの茶葉で、夏の厳しい日差しを浴びた肌、お酒をたくさん飲んだ後にもおすすめだそう。糖質の吸収を抑えてくれるので、地元の人からはダイエットティーとして親しまれているといいます

 

元木:自分に必要なものを認識していなくても、本能的に選びとれるのは、面白いですね。

 

新田:また、もう少しスケールを広げて、自然界の理(ことわり)を人間の体に結びつけてお茶を選んでみてください。薬膳の基礎にあたる中医学では、木、火、土、金、水といった自然界のエレメンツを “五行” と呼び、人間の五つの臓器(肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓)に当てはめて働きを捉えます。不調の出やすい体の部位や臓器に対して必要な食材は何なのか、その時の感情から季節までまとめた表が「五行色体表」です。

↑五行色体表(書籍『薬草のちから -野山に眠る、自然の癒し-』より)

 

新田:表には、パッと見て症状が現れやすい部分、つまり五行の不調が出る部分をまとめてあります。自分の姿や状態と照らし合わせながら薬草を選ぶと効果的です。

 

■ 目、爪のトラブル
爪に縦の線が入ったり脆かったり、目が疲れやすいなど。もしくは、涙もろい、怒りっぽいなどの時は、トマトやニラなどの肝に良い食材、薬草をとるのがおすすめ。ストレスが溜まってないかも一緒にチェックしましょう。

 

■ 顔色
ほんのり赤みがかった健康的な顔色をしているか? 顔色が悪いなと感じたら、心に良いとされる食材(小麦やゴーヤなど)、薬草をとる。気になるなら、貧血になっていないかもチェック。目の下を指で引き下げ、下まぶたの裏が赤くなっているかを見ます。白っぽかったりしたら血液が少なめになっている証拠。
山芋類は、おなかが疲れている時の特効薬。粘り成分のムチンが胃腸の働きのサポートをしてくれます。特に大和芋(生薬名は山薬)は、胃腸系の漢方薬の材料になるほど。日持ちもするので、冷蔵庫にストックしておくと便利です。

 

■ 唇のトラブル
唇が乾燥している時は、体温が上がっているか、疲れているケースが多いもの。脾に良いものをとり、お粥などの消化にやさしい料理で働きっぱなしのお腹を少し休めましょう。

 

■ 肌のトラブル
乾燥しがちな肌や皮膚の代謝がうまくいかずフケなどが出やすい時、肺が潤う食材(大根や梨など)を積極的に取るのがおすすめ。肺は唯一外気に触れている五臓なので、肌と同じグループに分類。肺を潤すことで肌の力を引き出すことができます。

 

■ 髪のトラブル
毛先が裂ける、白髪が増える、抜け毛が増えたなどの髪のトラブルは、腎臓が疲れている可能性が。もしかして、睡眠不足になっていませんか? 睡眠によってしか回復できないからだのエネルギー(後天の気)もあり、腎臓も影響を受けるので、睡眠はきちんととれるように。薬膳の世界では黒い食べ物が良いとされ、黒胡麻、黒豆、黒きくらげがおすすめ。クコの実も手軽に腎の元気を補給できます。

 

元木:ブラインドテイスティングがある一方で、そういった五行をベースにして自分の体にあった薬草を選び取る方法も、おぼえておきたいですね。

 

新田:人間も自然の一部として考えれば、自然界で起こりうることは、応用できるということですね。こういった考え方を「天人相応」といいます。効能から選ぶにせよ、ブラインドテイスティングや五行を活用するにせよ、楽しく選ぶのが一番! 習慣として定着するのも早い気がします。これからも、薬草の魅力をもっと多くの人へ届けられるように、そして作り手と買い手の懸け橋になれるように、薬草茶の商品化やワークショップなど、双方の拠り所を作っていきたいです。

 

元木:期待しています! 今日はありがとうございました。

 

プロフィール

薬草調合師 / 新田理恵

TABEL株式会社代表。管理栄養士と国際中医薬膳調理師の資格を持ち、古今東西のハーブやスパイスを研究しながら “日本の食卓のアップデート” を目指す。近年はとくに薬草に注目し、日本各地からときに海外まで足をのばしてリサーチを行ってはワークショップを開いている。
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ブックセラピスト / 元木 忍

学研ホールディングス、楽天ブックス、カルチュア・コンビニエンス・クラブに在籍し、常に本と向き合ってきたが、2011年3月11日の東日本大震災を契機に「ココロとカラダを整えることが今の自分がやりたいことだ」と一念発起。退社してLIBRERIA(リブレリア)代表となり、企業コンサルティングやブックセラピストとしてのほか、食やマインドに関するアドバイスなども届けている。本の選書は主に、ココロに訊く本や知の基盤になる本がモットー。

キッチンが家庭菜園に! 秋冬でもベビーリーフやスプラウトで楽しむ「ハーブ」栽培

自分で育てたハーブを摘んで、その日の料理に使う。そんな暮らしに憧れたことはありませんか? 家にいる時間が長くなるこれからの季節はなおさら、料理にもこだわりたいところ。でも、室内での植物栽培は光や水の加減が難しく、なかなかうまくいかないことも多いのです。

 

今回は、そんなキッチンハーブの上手な育て方と、冬に向かうこれからの季節でも種を撒けるハーブの種について、グリーンフィールドプロジェクトの代表・松崎英さんに教えていただきました。

 

秋冬に撒くハーブはベビーリーフとして活用する!

一般的に植物は、春夏に芽を増やしてぐんぐんと生育していくもの。気温が下がる秋冬は、どんな植物でも成長スピードが遅く、ハーブ栽培にもコツが必要です。

 

「春夏に芽を出すものであれば、数個の種を撒いて元気に伸びた一株を大事に大きく育てていきます。一株だけ育てても、成長にスピードがあるので、収穫して食べたらすぐにまた次の葉が生えてくる……というサイクルがうまくいくんですよね。

 

一方、秋冬はどうしても温度(気温)と光(日光)が足りなくなるので、成長が緩やかになり、うまく育てられなかったりします。ただ、9月から10月の初旬にかけての、まだ20度ほどの暖かい日が続く時期であれば、寒くなっても耐えられるくらいの大きさに成長させることができるでしょう。10月中旬以降で寒さが感じられるようになってからは、発芽しても成長が遅いために耐寒性が弱い品種の場合は育たずに終わってしまう可能性がありますが、そのような環境の中でもハーブをベビーリーフとして収穫する方法であれば育てやすく、食べる楽しみも味わえます」(グリーンフィールドプロジクト代表・松崎英さん、以下同)

 

・ベビーリーフとは……
芽が出てから10〜30日ほどの、まさに“葉っぱの赤ちゃん”のこと。やわらかく栄養価も高いとされ、葉物野菜ではルッコラ、ホウレンソウ、ミズナなどが多く出回り、サラダにもよく使われます。

 

↑ベビーリーフとして楽しめるハーブはさまざま。松崎さんが販売しているオーガニックシードを見せていただきました

 

「いろいろありますが、イタリアンパセリ、レモンバーム、コリアンダー(パクチー)、バジルなどが、ベビーリーフとして収穫し楽しめるハーブです。まだ若くて柔らかい葉を収穫し、サラダに入れたりスープに散らしたり、レモンバームはハーブティーとして楽しむこともできます。ほかに、ビオラやカレンジュラは食用花として活用できるので、サラダにのせたり、ゼリーやケーキなどの飾りにしたりしても華やかです。芽が出るまでは日陰で育て、芽が出たら、窓際など光が入ってくる暖房の風があまり当たらないところで育ててください

 

※写真は、春に種を撒いて育てたウィンターサボリー

 

「ウィンターサボリーやタイムなどは、ローズマリーのようにしっかり育つと茎が細枝のようになっていき、とても丈夫で育てやすいハーブです。ウィンターサボリーは聞き馴染みがない植物かもしれませんが、煮込み料理ととても相性がよく、使い勝手のいい植物です。酢やオイルに漬け込んでおき、ドレッシングにするのもおすすめ。この2種類なら、秋に撒いても比較的元気に育ちやすいと思います」

 

小型のポットにハーブの種を撒く方法

実際に、ポットにハーブの種を植えるところを見せていただきましょう。キッチンなど家の中のちょっとしたスペースに置けるものというと、小型のポットになります。

 

「準備するのは、3.5号のポットとハーブ用の土です。ポットは、大きいほど植物がのびのびと育つことができるので、本来は置き場の許す限り大きなポットやプランターに撒いてほしいのですが、キッチンに置けるサイズとなると、現実的にはこのくらいの大きさでしょうか。土は、安価なものも売っていますが、やはり生育状態には違いが出る可能性があるので、園芸センターなどで『ハーブ用』と書かれた土を買いましょう。粘土質でないフワフワした土なので、水はけがよく、根腐れする心配がありません」

 

今回使った種は、コリアンダー(パクチー)です。一般的にコリアンダーの種は、芽が出るまでに1週間から10日ほどかかり、けっして発芽が早い品種ではありません。しかし、グリーンフィールドプロジェクトのベビーリーフ用のコリアンダーの種は、56日で芽が出るように種の一部を半分に割って(スプリット)販売しています。

↑コリアンダー(パクチー)の種は小さな球状をしていますが、グリーンフィールドプロジェクトのものは半球に割れています

 

「種を買ってみて丸いままのものだったら、ちょっと割ってみてから植えたり、ひと晩水に漬けておいて、殻を柔らかくしてから植えるという方法もあります」

 

【植え方】

1. ポットに土を入れる

まずはポットの8割くらいを目安に、土を入れていきます。「このとき、土をぎゅうぎゅう押して詰めてしまうと、せっかくフワフワだった土が硬くなり、水や風の通りを悪くしてしまうんです。でも、あまりにスカスカになってしまうのもよくないので、手で軽く押さえていきます」

 

2. 表面を平らにならす

土が入ったら、表面を軽く撫でて土を平らにならしていきます。「このときも押しつけてしまわないように行いましょう。土に根がするすると伸びていきやすいように、適度な密度にしていきます」

 

3. 水を入れる

ここで一度水を入れて土全体を湿らせます。「ポットの下から水が滴るので、水を入れたらいったん鉢を持ち上げてしっかり水を切ります。土が乾燥していると水を弾いてしまい、少し水をあげたくらいでは全体に行き渡らないこともあります。下から水が抜けるのをきちんと確認できるまで、水をあげましょう。また、このまま受け皿に置いてしまうと、お皿の中に水が溜まってしまうので、きちんと水切りしてから置きます」

 

4. 種を撒く

土の上に、種を撒いていきましょう。指の腹にいくつか持って、指をひねるようにして種を置いていきます。「このポットのサイズなら20〜30粒くらいは撒くことができます。密集しないよう、広げて撒いていきます」

 

5. 種に土をかぶせる

種の上から土をかぶせていきます。深さはあまりなく、種が見えなくなればOK。「土に指で穴を開けて種を入れていく方法もあるのですが、種の数が多いときにはこちらの方法の方が、上手に撒くことができます。土をかぶせたらまたそっと平らにならし、もう一度表土を湿らせる程度に水をかけておきます」

 

発芽するまでは日陰に、発芽したら日光が当たる窓際などの場所に置き、日々観察してみましょう。「芽が出るまで、スプリットされたものなら5日ほどかかります。植物を育てはじめたときは、うれしくてつい水をたくさんあげてしまうのですが、表面を触ってみて湿っていたら水は控えます。完全に表土が乾いていると感じたら、最初にあげたときのようにたっぷり水を入れ、下から滴り落ちる水をしっかり切って、受け皿に戻します」

 

「ベビーリーフでも、このくらい大きなプランターで育てると、植物はより快適に根をのばすことができるので、場所があるならぜひ、大きい土地で育ててあげてください。このくらいの大きさだと、サラダとしてしっかり満足できる量を育てることができます。ハーブを一株しっかり育てたいなら、直径30cmほどで深さ20cmくらいのプランターで栽培するのがいいでしょう」

 

一方、葉物を育てるのはなんだか難しそう、土を家の中に持ち込みたくない……という人におすすめなのが、スプラウトです。

もっと手軽にキッチン栽培を楽しむなら「スプラウト」がおすすめ

一方、葉物を育てるのはなんだか難しそう、土を家の中に持ち込みたくない……という人におすすめなのは、スプラウトの種を撒くこと。

 

・スプラウトとは……
種や豆種を食用に発芽させた新芽。撒いて2日ほどで芽が出はじめ、1週間〜10日で食べられるくらいのサイズに成長します。

 

「スプラウトは水耕栽培でも育てられ、とても簡単な上、栄養価の高い野菜としても知られています。土に触りたくない方や、家に土を持ち込みたくない方にもおすすめです。季節を問わずに育てられますが、夏場の高温多湿期は腐りやすいので、秋冬には特におすすめです。こちらは赤ラディッシュの種ですが、スプラウトにもいろんな種類があって、お料理の香りや味づけにもってこいのものもあるんですよ」


【有機種子・固定種】赤ラディッシュ(スプラウト)
314円+税(15g

 

もうひとつ見せていただいたのは、ガーリックチャイブのスプラウト。一般には、「ロックチャイブ」という名前で売られています。ヒョロヒョロとした容姿なのですが、1本食べただけでガーリックの強い香りが口中に広がるくらい、しっかりとした味と香りがあります。


【有機種子・固定種】ガーリックチャイブ(スプラウト)
314円+税(3.5g)

 

水耕栽培の専用ポットも販売されています。これさえあれば、あとは種を変えていくだけでさまざまな種類・味のスプラウトを楽しめます。


おうちでベジ~スプラウト栽培専用容器~
361円+税
※写真右の種は付属しない

「バジルやディル、コリアンダー(パクチー)などもスプラウトで育てられるので、料理の仕上げに飾ると本当においしいですよ。なかでもいちばんよく売れているのは、ブロッコリースプラウトです。栄養価が高いという認知もされていて、サラダに混ぜたり料理に和えたりして使っていただいています。ほかにも、胡椒草やルッコラ、ケール、チアシードなどもスプラウトで育てられます。秋冬なら、一日一度か二度水を変えればいいだけなので、本当に手軽です」

 

料理のアクセントに、豆のスプラウトにもチャレンジ!

こちらはハーブではありませんが、“栽培”というほどの日数もかからず、2〜3日ですぐ収穫し食べられる豆の栽培キットも。青えんどう豆やレンズ豆に水をあげて栽培し、発芽した豆をいただきます。

 

「何か育てて食べるという経験をしてみたい方や、小さいお子さんにも楽しんでいただけます。発芽させることでギャバが格段に増え栄養が豊富なので、日々の食生活に栄養不足を感じている方にもおすすめですよ。こちらは初日に豆を浸水させるだけで、あとは毎日豆を水で洗って置いておくだけ。発芽したら食べられます」


左:発芽豆栽培キット~選べる5タイプ(緑豆、フェヌグリーク、レンズ豆、ひよこ豆、青えんどう豆)
1226円+税(専用ジャーと豆1種がセット)
右:クリムゾンレッドレンズ豆(スプラウト)【有機種子】
663円+税(120g)

 

種から選び、自分で育てていただく楽しさを、ぜひ体験してみてください。

 

【プロフィール】

グリーンフィールドプロジェクト 代表 / 松崎 英

アメリカの大学で経済学を学び、卒業後は外資系金融機関に勤務。メキシコ駐在時代にフェアトレードや有機農産物などに関心を持ち、2009年には農業分野への転身を決意。友人が経営する熊本県天草市の種苗店で働きはじめる。ヨーロッパの有機種子の情報を入手したことが大きな転機となり、2012年に有機種子販売会社を設立。日本初で唯一のヨーロッパ有機認証を取得した有機種子の輸入・販売会社となる。持続可能な農業の実現のために有機種子の販売に注力しているほか、日本の在来種を継承することを目的とした「SAVE THE SEEDプロジェクト」を立ち上げた。