フレンチBBQはもう遅い! フランスでは「フレンチ鉄板焼」が台頭中

普通のBBQとは差別化し、日本でも「フレンチBBQ」という言葉ができるくらい、フランスではBBQは身近な存在。アメリカ人のように、フランス人も自宅は当然のことながら、公共のスペースでもBBQを行います。しかし、そんなフレンチBBQにも変化の兆しが――。本稿ではフランスBBQの最新事情や人気のBBQアイテム、フランス人のBBQ観をお伝えします 。

 

フレンチBBQの特徴

フランスのBBQは自宅や親・親戚宅の庭などで家族や友人たちと楽しむのが基本です。また、キャンプ場にBBQコーナーが設けられていたり、大規模な公園にBBQスペースがあったりします。

 

ただし公園などの場合は特に、衛生管理が行き届いていない状態で放置されていることも多く、地元の人たちはあまり利用しません。

 

一方で筆者が住むナント市では、毎年夏に”ナントへの旅”と題したアートの祭典が開催され、そのイベントの一環として市内の川辺に屋外BBQ場が約2か月間だけ登場します。

 

中央に複数のBBQ台が並び、周辺一体にテーブルとベンチが設置され、開始時間の夜7時を過ぎると、人々がそれぞれ焼きたい食材や飲み物を持って集まります。食材は各自で焼きますが、BBQ台で使う炭の管理は、係の人が2〜3人付いてお世話をしてくれるのです。さらにナント市による運営ですが、利用に際しての費用は一切かかりません。

 

フランス人にとってBBQというと、先述したように自宅などの庭で行うのが常でした。しかし家族の形も多様化し、集合住宅で庭がなかったり、複数の家族も集まれるほど自宅のスペースが広くなかったりする場合もあります。そのため大人数でやりたいときなどは、このような管理者がいる公共のバーベキュー場はとても便利で、アパルトマン在住時には友人たちと何度か利用しました。

 

筆者は、フランス人のBBQ好きを日頃から実感しています。というのも、春先から秋にかけ天気のよい日の夕方に住宅地を歩けば、必ずと言ってよいほどあちこちからBBQの匂いがするのです。

 

まるで「天気がよい日=BBQ日和」という公式があるかのように、週末になれば昼間から、平日でも夕方〜夜にかけて炭火をおこしています。この時期は、だれかを家に招待する際もBBQでもてなすことが多くなります。

「鉄板焼き」が人気上昇中

近年、炭焼きBBQと並んでフランスで支持を伸ばしつつあるのが、屋外用の鉄板焼きである「プランチャ」です。炭をおこす手間が省け煙も少なくて済むことや、使用後のお手入れが炭を使うBBQより、簡単であることが支持されている理由かもしれません。先日お呼ばれしたお宅でも、ホストがこのプランチャで「アンドゥイエット(フランスの代表的な腸詰料理)」などを焼いて振舞ってくれました。

 

上の写真のような卓上タイプは、80ユーロ(約1万400円)から。高いものになると1000ユーロ(約13万円)台と、様々なタイプの製品が揃っています。

 

プランチャの起源は、19世紀よりスペインにおけるキリスト教の宗教行事で大勢の人たちに料理をふるまうために使われ、その際、巡礼時にこの鉄板もフランスに持ち込まれたと伝えられています。プランチャ自体は古くから存在していたにも関わらず、なぜいま注目されているのでしょうか?

 

その理由の一つとして、プランチャが「食材を選ばず焼けること、適温調節をしながら食材の旨みを逃さず調理できること」が挙げられます。なかでも特に、従来の炭火焼BBQでは扱いにくいとされた魚などのシーフード類・脂身の少ない肉・野菜などの食材が美味しく焼けるため「ヘルシーBBQ」としての需要が高まっていることが注目のポイントでしょう。

 

この「食材の持つ旨みを逃さず」という点は、高熱の鉄板に水分を含んだ食材をのせることで水蒸気が生じるという「ライデンフロスト効果」の働きによるものです。これによって、鉄板の上で食材が水蒸気に包まれるために、旨みや水分が逃げにくくなるんですね。 ソーセージなど脂身の多い肉類が主流だった炭火焼BBQとは楽しみ方が違うものともいえるのかもしれません。

 

家電や調理器具販売店などで扱われているプランチャには電気式とガス式のものがあり、どちらも家庭で簡単に取り付けられる仕様になっています。

 

夏をとことん楽しむヨーロッパの流儀

その一方、従来型BBQのアイテムでもより簡単に楽しめているものが増えています。

 

下の動画で紹介しているような「BBQ用の切って洗える網」は最近よく出ているアイテムの一つ。これはBBQグリルのうえにのせて使う、目の細かい繊維状の網。グリルの大きさに合わせて網を切り、使用後に洗って再利用できるのが特徴です。

 

食材をこびりつかせず、炭の中に落とす心配もないと謳っている商品で確かに重宝しますが、実際に使用してみた感想は、案外もろいということ。使い方にもよるのでしょうが、筆者の場合は3~4回の使用で、中央に穴が開いてしまいました。こちらは10(約1300円)ユーロ前後で買うことができます。

 

フランス人にとってBBQは、家族や友人と、屋外で飲んで食べながらおしゃべりを楽しむこと。食べる内容そのものよりも「BBQをきっかけに皆で集まる」ことのほうが大事なのです。フランスに限らず、長く厳しい冬を過ごすヨーロッパの人たちにとって、屋外で食事ができること、そして、この短く限られた期間をとことん楽しむことが彼らの流儀。開放感のある屋外で太陽の光を浴び、外気に触れながら、気心知れた仲間たちと食事を楽しむことは、フランス人にとってこのうえない喜びでもあるのです。

 

本場の「BBQ」はただ楽しむものじゃない! 日本のお父さんがアメリカから学ぶべきこと

夏突入! バーベキュー(以下BBQ)の季節となりました。BBQの本場といえばアメリカ。筆者は在米4年になりますが、アメリカに住んでみて初めて知ったことがいくつかあります。渡米してからこの国ではBBQが生活の一部になっていることが皮膚感覚でわかるようになりましたが、そのなかでは日本と共通している文化も発見しました。本稿では、そんなアメリカ流の楽しみ方とBBQで使える便利グッズを個人的なエピソードを交えながらご紹介します。

 

アメリカBBQの特徴

アメリカでは、シーズン関係なく年中BBQを楽しみます。日本ではBBQといえば「夏」というイメージですが、アメリカでは夏に限らず、週末に天気が良ければいたるところでBBQをやっている家庭を見かけます。特に1年のうち「メモリアルデー(5月の最終月曜日)」と「インデペンデンスデー(7月4日)」は、「BBQの日」といっても過言でないほど。どちらの祝日でも家族が集まってBBQをします。

 

一口にBBQといっても、ホットドッグやハンバーガーを焼いて楽しむ「お手軽BBQ」と、前日から塊り肉に下味をつけ、一日かけて焼く「本気BBQ」があります。どちらも日本のように薄切り肉を焼いてすぐ食べるというよりは、時間をかけて焼いて、切りわけたものを「サイドアイテム」とともにテーブルへ並べ、みんなでいっせいに食べるというのが一般的です。

 

アメリカでは、日本でいうところのホットプレートのような感覚で、一家に一台BBQグリルがあります。そして鉄板奉行ならぬ、グリル奉行は「お父さんの仕事」。BBQを仕切る人をアメリカでは「ピットマスター」と言いますが、グリルの設置や火の管理など、熱くて力仕事の多いグリル周りの作業は男の仕事なのです。この点は鍋や鉄板料理をするときの日本の家族と同じでしょう。一方、母親はというと、エアコンの効いたキッチンでコールスローやマカロニチーズなどのサイドアイテムを作ります。肉が焼けるのを待つ間は、ビールを飲みながらチップスやディップなどをつまみます。

 

公園やアパートのコンドミニアム、プールサイドなど、いたるところにBBQグリルとテーブルセットがあるアメリカ。私も同僚たちとプールサイドでBBQをよく行います。事前に要るものリストを作り、そのなかから一人一品ずつ持ち寄り、残ったら持ってきた人、もしくはほしい人が持って帰るというシンプルなスタイル。現地集合・現地解散で、気も遣う、みんなでワイワイ楽しめます。ただ、公共の場所ではアルコールは基本的に禁止。この点は日本と違う点ですね。

 

BBQで食べる料理

アメリカでも主役はやはりお肉! ですが、日本のように海鮮や野菜を焼くことはありません。お手軽バージョンでは、ハンバーガーパティやブルストと呼ばれる大きな生ソーセージを焼いてバンズに挟んで食べます。これらのお肉は下味がついて焼くだけの状態になったものが売られているので、特別な準備もいらず、すぐに食べられます。このお手軽BBQは週末に限らず、ピットマスター(お父さん)が早く帰宅する平日でも行われます。渡米当初は、「え、いまからBBQグリル? 」とさすがにびっくりしましたが、在米4年目になる現在では、パティやブルストを常に冷蔵庫にストックしておき、夫や義父が早めに帰宅した日には「今日は任せたよ」としばしば夕食をお願いしています。

 

本気バージョンでは、前日からお肉の仕込みを行います。お肉は赤身の塊り肉を使用。牛ならブリスケット・リブ。豚ならプルドポーク。鶏肉ならドラムスティック、チキンウィングスなどが定番メニュー。なかでもオススメは、低温でじっくり焼き上げるリブ。粉末シーズニングが売っているので、前日にそれを肉にすり込み、当日に1日かけて焼きます。口に入れるとほろほろと崩れていくような柔らかさで、BBQソースと絡めながらいただきます。

 

そのまま食べても、バンズに挟んでもジューシーでたまりません。BBQソースも家庭によってこだわりがあり、スーパーのBBQソース売り場には50種類を超えるBBQソースが並んでいます。

アメリカの定番サイドメニューは、コールスロー、ポテトサラダ(日本のものよりも甘みが強く、水分が多めでマッシュポテトに近い)、マカロニチーズ、コーンブレッド(トウモロコシ粉で作ったスポンジケーキのようなもの)、ベイクドビーンズ(ネイビービーンズを甘辛く煮たもの)、フライドオクラ(オクラにトウモロコシ粉の衣をつけて揚げたもの)などです。どれも簡単に作れるものばかりで、フライドオクラ以外は、作り置きもできるので主婦にはありがたい限りのメニューです。

流行しているBBQグッズ

一家に1台のBBQグリルは「ガス式」と炭で火をつける「チャコール式」がありますが、ガスは大きいうえに値段も高いので、チャコール式が一般的です。「WEBER」というブランドの丸いUFO形をしたもの(写真)が定番中の定番で、これはグリルとして焼くだけでなく、蓋を閉めてスモークにしたり、長時間じっくり焼くのにも使えるようになっています。サイズによりますが価格も50ドル~とお手ごろです。また、父の日のプレゼントとして、グリルで使えるBBQ専用のナイフやトング、掃除用のブラシなども人気。

アメリカでは、BBQはイベントというより、むしろ生活の一部です。アメリカ人はBBQで家族団らんの時間を過ごす一方、ご近所や職場の同僚と和やかな雰囲気のなかでコミュニケーションを取っています。そして、BBQは父親の腕の見せ所! 普段はダラダラしているお父さんにとっては、ここぞとばかりに大活躍できる特別な日でもあるのです。日本のお父さんもグリル奉行で家族に威厳を示してみてはいかがでしょうか?

 

【オランダのうらやましいBBQ事情】バーベキューでワークライフバランスが向上する生き方

オランダは夏の日没時刻が22時頃と遅く、定時に仕事を上がってからでも、充分家族や友人と過ごす時間を取ることが可能。市販の下準備された食材と多彩なソースを使って楽しむ、オランダのカジュアルでシンプルなBBQはスペシャルディナーではなく、まさに日常の楽しみといった様相になっています。

 

オランダBBQの特徴

家族と過ごす週末の公園などはもちろんですが、オランダ人は、平日でも仕事が終わり帰宅した午後6時ごろから準備をして、家族や少人数の友人たちでBBQを楽しみます。お天気の良い日には、スーパーマーケットのなかで買い物かごを下げながら「今日ビール飲んでちょっとBBQしない?」と誘いの電話をしている姿をよく見かけます。

 

BBQを行うのは、庭、近所の公園、そしてベランダなど。ファミリー以外にも庭付物件は人気で、心地よいソファーとBBQセットは必須のファミリーアイテムといえるでしょう。BBQができる公園も多く、近くにごみ捨て場や炭専用のごみ箱も備え付けてあり、片付けも楽々。

 

狭いベランダにBBQセットを置いてベランダで肉を焼き、室内で食べているカップルも目につきます。「そこまでして炭火で焼きたいのだろうか?」という素朴な疑問を持ちつつも、それだけ日常食としてBBQが浸透している証拠なのかなとも思います。

BBQで食べる料理は?

5月になり気温が暖かくなると、どのスーパーでもBBQ用に串刺し処理された肉や魚のパッケージが並びます。ソーセージやスペアリブは定番ですが、チキン・白身魚・サーモンやニジマスのマリネなど、アルミケースごと焼いたり、そのまま食べたりと手軽で本格的な味が楽しめるものも多く、手をかけて準備はせず、手間なく気軽に食べられるような印象です。

また、日本などに比べ、焼いただけの食材をアレンジするためのソースがとても豊富です。たくさんの民族が集まるオランダは、フライドポテトでさえソースの種類が多い国ですが、BBQにもソースの多様性は反映されています。バーベキューソース、ケチャップ、マスタードはもちろんのこと、ヨーロッパらしくハーブを使ったソースから、レモンやトリュフ味のフレバーマヨネーズ、インドネシア風ピーナッツソース、タイ風のスイートチリソースまで、素材をアレンジできるソースも数多くあります。シンプルに塩コショウで焼いた食材も、このソースを使うと好みの味にアレンジできるため、みんなが自分の好きなおいしさを楽しむことが可能です。

流行しているBBQグッズ

↑HEMAのBBQグリル

 

アメリカやオーストラリアのように、大型のBBQ Grillを使うのではなく、木炭を使用する丸形のタイプが一般的です。オランダはツールもBBQも シンプルなものが好まれるようで、価格も安価なものから高価なものなどが揃っています。コンパクトで持ち運びが便利なものはアウトドアショップだけでなく、スーパーマーケットやHEMAというおしゃれ系雑貨店でも販売されており人気が高いようです。

さらに最近では「Kamado grill」と呼ばれる、日本のかまどからインスピレーションを得たと思われる陶器製のラグジュアリーなBBQグリルが注目を集めています(写真上)。ゆっくり時間をかけて加熱することで、食材から旨味を引き出すこのグリルは、燻製用のスモーカー、あるいはピザ用オーブンとしても使用できるマルチなアイテムです。

自分自身の余暇を楽しむことがとても上手なオランダ人は、市販の食材とソースを使って気の合う仲間と平日でも気軽にBBQを行います。そのシンプルでカジュアルなスタイルは、暮らしを楽しむオランダ人ならではのもの。これはワークライフバランスにも通じるものがあります。日常的にBBQを行うことで生活を充実させるというのも、よいのかもしれません。

準備の面倒なし! 初心者だけでも心配なし! おいしく楽しむ「スマートBBQ」の誘い

外遊びが気持ちいい季節になりました。アウトドアでバーベキューを楽しんでいる人たちもよく見かけます。でもバーベキューはキャンプと同様、専用のグッズが必要で、知識や経験がないと揃えるのも運ぶのも一大事。初心者が気軽に手を出しにくい印象があります。

 

そこで今回は、日本バーベキュー協会の上級バーベキューインストラクター、内山芳一さんに、初心者でも安心のバーベキューの楽しみ方について教えてもらいました。

 

 

楽しむことが最優先! 無理のない「スマートBBQ」とは?

日本バーベキュー協会では、「スマートバーベキュー」という概念を紹介しています。スマートバーベキューとは、言葉の通り“すべてをスマートに、面倒や手間だと感じることなくバーベキューするスタイルを目指すこと”なのだとか。使い勝手がよく、準備や片づけがスムーズにできるようなグッズを揃えたり、手ぶらで楽しめるようなレンタルグッズがセットになった公園で行ったりなど、手軽に楽しめる工夫を提案しています。

 

「バーベキューで一番大変なのは、実は最初なんです。テントやコンロを設営したり、荷物を降ろしたり、火おこしをするのに時間がかかったりする上に、お腹がすいていたらイライラしてきますよね」と、内山さんが強調するのは、準備段階の大切さ。

 

「ですから、火をおこす前にフィンガーフードや食前酒などを用意して、食べたり飲んだり話したり、それらを楽しみながら準備してみてください。たとえば、始まりには、袋を開けるだけのお菓子ではなく、クラッカーに生ハムやチーズをのせたり、マリネやカルパッチョなど、さっと出せる前菜を用意して。そのあとで肉や魚を焼き、デザートまでコースのように考えていくと、料理のプランニングもしやすいでしょう。焼き物も、自宅でチャック付き保存袋にお肉と調味料を入れて味付けをしておいたり、野菜は切って持っていったりすれば、現地でゆとりあるバーベキューを楽しむことができます」(内山さん)

 

バーベキューを楽にする「三種の神器」

バーベキューをスマートにするために欠かせないのは、火の扱いについて考えることです。炭に火がつくまでに時間がかかってしまったり、温度調節がうまくできなかったり、初心者にとってはなかなか思い通りにいかないもの。そこで、なるべく手軽に火を扱えるグッズを揃えてみましょう。

 

「火の扱いについては、下記のような三種の神器をおすすめしています。日本バーベキュー協会では、使用したあとの炭は埋めないことや、食べものを炭にしないこと、来たときよりも美しく終わることができる、などのルールを設けています。特に炭の扱いはあとから来た人や周囲に迷惑にならないよう、きちんと始末しておきましょう」(内山さん)

 

1.ラピッドチムニースターター

初心者でも簡単に火おこしできる必須アイテムです。
「筒状の部分に炭と新聞紙を入れ、火をつけて待つだけで簡単に火がおこせるので、初めての人でも手軽に火おこしができ、ゆとりのあるバーベキューが楽しめます」(内山さん)

LODGE「チャコールチムニースターター A5-1」5616円/A&F

 

2.水鉄砲

子どものおもちゃとしてのみならず、消火に使えます。
「肉の脂などが原因で火が燃え上がってしまうときの消火に使えるので、ひとつ用意しておくととても便利です。他にも、必ずバケツに水を汲んで備えておきましょう」(内山さん)

 

3.火消し壺

陶器やステンレスなどでできた火消し用グッズです。
「炭は赤く見えなくても熱く、消火に時間がかかるので、絶対に土に埋めたりしてはいけません。火がついたままの炭も壺に入れれば自然に消火できますから、環境への配慮も考えましょう」(内山さん)


LOGOS「ポータブル火消し壷」5724円/ロゴス コーポレーション

 

やっぱり手ぶらが楽ちん! 身ひとつで楽しめる「アーバンBBQ」

初めての人は、すべてが準備された場所で一度体験しておくことをおすすめします。

 

“手ぶら”といってもさまざま。グリルなどグッズだけをレンタルして食材などは持ち込みの場所、食材もグッズもその場でレンタル・購入できる場所など、いろいろな施設があります。手ぶらでバーベキューを体験しているうちに、自分に合ったグッズやおしゃれだなと思うもの、便利だと感じるものが見えてくるので、設備を参考にしてみるとよいでしょう。

 

「バーベキューというのは、屋外で焼き肉をしたりお酒を飲んで騒ぐことではなく、実はパーティー料理のことを言います。ですから、テクニックやノウハウ、グッズのことを考えて頭でっかちになるよりも、食事だけにとらわれず、集った人みんなが楽しめるパーティーと考えて、プランを立てていきます」(内山さん)

 

具体的に、手ぶらで楽しめる都内のバーベキュースポットをピックアップしてもらいました。

 

・夜もシーサイドで楽しめるキャンプスタイルのバーベキュー

「豊洲は銀座から電車10分ほどの都心で、会社帰りなどでも集まりやすく、海沿いでちょっとした旅気分が味わえる場所です。グランピングのようなティピータイプのテントや、トレーラーつきのプライベートサイトなど、キャンプ気分で手ぶらバーベキューが楽しめます」(内山さん)

「バーベキュー食材に飲み放題のついたプランや、生ビールサーバーのレンタルもあります。18時からのナイトプランも景色がきれいでおすすめですよ」(内山さん)

 

ワイルドマジック
所在地:東京都江東区豊洲6-1-23
問い合わせ:info@wildmagic.jp
アクセス:ゆりかもめ新豊洲駅徒歩1分/東京メトロ有楽町線豊洲駅徒歩10分
https://wildmagic.jp/

 

・都会の屋上でラグジュアリーなバーベキュー

「代官山徒歩2分という最高の立地で、食材や飲み物などもお店にお任せできるプランの他に、食材や飲み物の持ち込みもOKなので自由度が高く、集う仲間によってさまざまな楽しみ方が考えられます。立食ならば30人まで入れるので、会社の仲間や友だちの誕生日パーティーなど大人数での利用もおすすめです。屋根があって雨天でも中止にしなくてよいのも魅力的ですね」(内山さん)

GLAMS
所在地:東京都渋谷区代官山町18-7 代官山末廣ビル3F・4F
問い合わせ:03-6416-3925
アクセス:東急東横線代官山駅徒歩2分
http://d-glams.com/

 

・わからないことは教えてもらえるインストラクターつきバーベキュー

「庭の芝生でバーベキューをすることができるカフェです。食材や飲み物などすべて用意してもらえるのはもちろん、お肉の焼き方やバーベキューの知識などを、日本バーベキュー協会のインストラクターから教えてもらえます」(内山さん)

CAFE;HAUS(カフェハウス)
所在地:東京都江東区豊洲2-1-9
問い合わせ:03-5534-8025
アクセス:東京メトロ有楽町線豊洲駅徒歩3分
http://garden-bbq.jp/

 

慣れたら、グッズをレンタルしてバーベキューサイトに出かけたり、肉の種類にこだわってみたり、一歩進んだ楽しみ方を味わってみましょう。続いてはそのコツや、みんなに喜ばれるおいしくおしゃれなバーベキューレシピをお伝えします。

手ぶらに慣れたら、一歩進んだグッズでバーベキューを

手ぶらバーベキューより一段階進んだ形は、グッズをレンタルしてバーベキューサイトに出かけてみることです。火おこしやグリルに必要なものはレンタルし、食器や調理道具は、はじめからアウトドア用のものを買い揃えず、家で使っているものを持ち寄って使ってみてもよいでしょう。

「バーベキュー向きの食材を豊富に揃えたスーパーマーケットを展開している異国精肉店ザ・アミーゴスでは、本格的なアメリカンバーベキューに必要なグッズをまとめてレンタルできます。日本バーベキュー協会も推奨しているグッズなので安心ですよ。グッズレンタルのほかには、バーベキュー用のお肉や調味料も購入できます。

 

また、はじめからグリルや火おこしの道具を購入するのは敷居が高いので、折りたたんで小さくなるタイプのクーラーボックスだけでも買っておくとよいでしょう。折りたたみ式だと保管に困りませんし、来客がたくさんあったときに飲み物を冷やすのにも使えて便利です」(内山さん)

 

・精肉店で必要なグッズもまとめてレンタル!

バーベキューに適した塊肉や希少部位のお肉をオンラインストアで販売しているザ・アミーゴスでは、グリルに欠かせないグッズもレンタルできます。上は、「Weberプレミアケトル57cmレンタルセット」は、Weberのプレミアムケトル(22.5inch) 、チムニースターターL、Weber 3面グリル用ブラシ53cm、すぐ測れる温度計、ロック付きバーベキュー用トングに、水鉄砲とグローブの7点がレンタルできるセットです。

 

異国精肉店ザ・アミーゴス
HP:https://www.the-amigos.com/shop/
2泊3日レンタル価格:4980円(送料別途)

 

・折りたためて保管に困らないロゴスのクーラー

専用保冷剤を使うと、アイスクリームが約8時間保存可能という優れもの。タイヤがついていて持ち運びがスムーズで、半分以下の大きさに折りたたむことができるのも魅力的なクーラーです。

LOGOS「ハイパー氷点下トローリークーラー」1万5660円/ロゴス コーポレーション

 

簡単! おいしい! バーベキューおすすめレシピ

それでは実際にバーベキューをするとき、どんなものをつくったらよいのか、レシピを見ていきましょう。

 

日本バーベキュー協会会長・下城民夫さん監修によるバーベキューのレシピ本には、初心者でも気軽にトライできるものから、本格的な料理まで幅広く掲載されています。ここでは、比較的簡単につくることのできるレシピをご紹介します。

 

・にんにくのきいたジューシーなステーキ!

「ガーリック・ソルト・ポーターハウス」のレシピ(クリックすると拡大します)

 

・白ワインとハーブでしっかり漬けこむ!

「グリル・ハーフ・チキン」のレシピ(クリックすると拡大します)

 

・カリカリのトルティーヤで甘いおやつ!

「フルーツ・ピザ」のレシピ(クリックすると拡大します)

 

【書籍情報】


『バーベキューレシピ100選!』
下城民夫著 ネコ・パブリッシング刊 監修:日本バーベキュー協会

 

おうちバーベキューのときはご近所づきあいを大切にしよう

荷物の運搬がない自宅のテラスや庭でのバーベキューも、楽にできるバーベキュースタイルのひとつでしょう。ただし、煙の匂いや大人数での会話がご近所の迷惑になることもあり、注意が必要です。

 

「おうちバーベキューをする場合は、ご近所に対する気遣いを忘れないでください。普段からのおつきあいが大切なのはもちろんのこと、できあがった料理をおすそ分けしたり、一緒にいかがですか? と、お誘いしてみたり、周囲の人も楽しめるようなバーベキューの雰囲気づくりを心がけてみましょう。最近は無煙グリルもありますから、家では無理に炭でやらずガスグリルを使うのもよいと思います。無煙炭火BBQグリル“ロータスグリル”は、内部への送風量が調節できるので火加減も自在に操ることができ、着火も簡単なので、初心者にもぴったりです」(内山さん)

「無煙炭火BBQグリル ロータスグリル」2万736円〜

 

手ぶらで楽しめる都心のバーベキューサイトから、みんなに喜ばれるちょっとひねったレシピなど。参考になったでしょうか。

 

繰り返しになりますが、バーベキューは人と人とをつなぐコミュニケーションの場。火を扱いますが、最新のサービスを利用したりグッズを取り入れたりすることで、手軽に安全に楽しめるのです。昔は家族でバーベキューしていたんだけど大人になったらさっぱり……という人も尻込みしていた人も、今年はあらためて“スマートバーベキュー”をはじめてみませんか?

 

【プロフィール】

日本BBQ協会公認 湘南BBQ協会代表/内山 芳一さん

日本BBQ協会公認 上級バーベキューインストラクター。2012年、日本BBQ協会公認の地方協会として湘南BBQ協会を設立。2018年、日本で開催されたアメリカルール(SCA=Steak Cookoff Assocciation)のステーキコンテストにて優勝。現在、企業向けのケータリングやイベント出店で年間1トン以上のステーキを焼く。「ぐるぐるナインティナイン」をはじめ、TV、ラジオ、雑誌、WEB 媒体などに多数出演している。

 

取材・文/吉川愛歩 構成/Neem Tree

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