大型ビールブランド「アサヒ ザ・ビタリスト」誕生! キレある辛口、泡はクリーミー、柑橘感ある芳香…隙なしの仕上がりでこの価格とは

徐々に気温が上がり、ゴールデンウィークを過ぎれば初夏に突入。つまり、冷たいビールがいちばんおいしい季節がやってきました。そんな春、アサヒビールから注目の新ブランドが誕生。この「アサヒ ザ・ビタリスト」を中心に、今シーズンの同社の施策に迫ります。

↑4月15日発売の「アサヒ ザ・ビタリスト」。

アサヒビール
アサヒ ザ・ビタリスト
店頭想定価格(税込):350ml 237円前後/500ml 310円前後

 

アサヒとして7年ぶりの大型スタンダードビールが登場

筆者が参加したのは、アサヒビールの事業方針説明会。ビール類や缶チューハイを中心に、2025年の新商品や取り組みが紹介されました。なかでも驚いたのが、「アサヒ ザ・ビタリスト」です。

↑「アサヒ ザ・ビタリスト」のキービジュアル。通年販売の商品で、同社では7年ぶりとなるスタンダードビールだ。

 

ビール類の市場全体を見ても、2023年秋の酒税法改正により、発泡酒や第3のビールとの価格差が縮まりました。さらに2026年秋には酒税が一本化される予定で、ビール(狭義のビール)にとっては追い風が吹いている状況です。

↑経済産業省の資料より。

 

こうした流れを見越して、各社は「サントリー生ビール」や「キリンビール 晴れ風」といったスタンダードビールを新たに発売。スタンダードビールでいえばアサヒも、2023年10月に「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売しましたが、さらなる大型ブランドが登場するとは……これがひとつ目の“驚き”です。

↑虎ノ門ヒルズ駅では、発売約1週間前から「アサヒ ザ・ビタリスト」の広告が大量掲出。

 

もうひとつの“驚き”は、その印象的な黒いパッケージデザイン。深みのある漆黒で、視覚的インパクトは抜群。製造方法もユニークで、個性的なホップによるシャープかつフルーティーな苦みが特徴。さらに「アサヒスーパードライ」と同じ酵母で発酵させている点にも注目です。

↑副原料には米、コーン、スターチを使用。これら3つを使う製法は、日本のスタンダードビールに多く見られ、「アサヒスーパードライ」も同様。アルコール度数は6%。

 

使用されている酵母は「アサヒスーパードライ」と同じく、“辛口酵母”の愛称をもつ「318号酵母」。シャープなキレと繊細な香味を生み出す、アサヒの代表的な酵母を新ブランドに採用していることからも、本気度がうかがえます。

 

クラフトビール級の個性を、手頃な価格で

会場では試飲もできたのですが、これまた驚き。ホップの個性がしっかりと感じられる味わいに、思わず「こうきたか!」とニンマリ。柑橘感のあるフルーティーな苦みは、ホップの品種によるもので、「タラス」と「ヘルスブルッカー」が一部使用されています。

↑「アサヒスーパードライ」譲りのクリーミーな泡と、キレのある辛口。香りは柑橘を思わせる心地よいグラッシーなアロマ。

 

「ヘルスブルッカー」とはドイツの伝統的なホップで、日本のクラシカルなビールにも使用されていますが、苦みの中にスパイシーさや冷涼感を感じるのが特徴。一方「タラス」はアメリカ産の比較的新しい品種で、柑橘の皮やハーブのような爽快感ある香りと苦味が魅力です。

↑アサヒビールの資料より。

 

クラフトビールのような香味の秘密は? 担当者に話を聞いたところ、まずキーとなっているのが「ホップの使用量」だそう。複数使われているなかでも「タラス」の使用比率が高いとのこと。ビアスタイルはIPL(インディア・ペール・ラガー)で、下面発酵を採用。これは「アサヒスーパードライ」や「マルエフ(アサヒ生ビール)」と同じ発酵方法です。

 

なお、IPLやIPA(インディア・ペール・エール)など香りの強いビールでは「ドライホップ」という手法が用いられることが多いのですが、「アサヒ ザ・ビタリスト」ではこれを採用していないとのこと。

 

↑黒と金の配色で、味わいや世界観を表現したというデザイン。

 

伝統的な製法をベースにしながら、現代的な個性をまとった「アサヒ ザ・ビタリスト」。クラフトビールのような風味を持ちつつ、価格は一般的なスタンダードビールと同等というのも、大きな魅力でしょう。

 

「スーパードライ」は“冷たいウマさ”を体験できる企画を展開

「アサヒスーパードライ」からも今シーズンの注目企画が発表に。辛口のキレをより強調するため、「アサヒスーパードライ 示温(しおん)インキ デザイン缶」と「スーパードライ キンキン冷感タンブラー」を展開します。どちらも“キンキンに冷えた温度”がキーポイントです。

↑5月20日発売予定の「アサヒスーパードライ 示温インキ デザイン缶」。価格や販売店舗は通常商品と同様だが、数量限定のため取扱いがない可能性も。(アサヒビールの資料より)

 

「示温インキ デザイン缶」は、温度で色が変化する特殊インキを採用。冷蔵庫でしっかり冷やすと、缶の「辛口カーブ」が氷をイメージした青に変化し、一目で“冷えたスーパードライ”とわかる仕様です。

 

また「キンキン冷感タンブラー」は、冷えたビールを注ぐと、側面に描かれた「辛口カーブ」の色が変化。アルミ素材を使用することで冷たさが手に伝わり、五感で冷えを体験できます。

↑会場で試すことができた「スーパードライ キンキン冷感タンブラー」。ロゴ背景の「辛口カーブ」が青く変化。

 

 

春とはいえ、すでに夏日を記録する日もあり、これから猛暑・酷暑が続くことでしょう。そんな季節にぴったりなのが暑気払い。冷えたおいしいビールで夏を楽しんでみては。

 

AIと職人が作ったビール⁉ 20代~50代の個性を表現、NEC×コエドブルワリー「人生醸造craft」第2弾

NECとコエドブルワリーは、AI技術を活用して開発したクラフトビール「人生醸造craft」の第2弾を発表しました。20代~50代の価値観や特徴をAIが分析し、それをビールの味や香りに反映させたという、ユニークな試みです。4月1日に販売開始、6月5日から出荷予定。

記事のポイント

AIと職人が協議を重ね、世代間コミュニケーションを促進する目的で開発した個性豊かなビールです。自分の年代のビールを飲んで、「AIもなかなか人間のことがわかってるじゃないか」と思うのか、「この年代の複雑さを表現するのは難しいよね」と感じるのか……味が気になるところです。

「人生醸造craft」開発には、NECのAgentic AI「cotomi」が活用されています。20代から50代の各世代のイメージや特徴をAIが分析し、ビール職人がその情報を基にレシピを考案。AIと職人が協働することで、各世代の個性を表現した4種類のビールが誕生しました。

 

それぞれのビールの特徴を「cotomi」が解説しています。一部抜粋してご紹介。

 

人生醸造craft ~20’s PINK~ (発泡酒):「飲むたびにシェアが止まらない週末がやってくる」

ビアスタイル:Fruit Hazy Session IPA
「桃の甘酸っぱさとヘイジーIPAならではのジューシーな味わいが特徴です。ローアルコールでもボディをしっかり感じられるため、飲んだ後の心地よさは格別!」

 

人生醸造craft ~30’s BLUE~ (発泡酒):「一日の緊張をほどく、お疲れ様の1杯」


ビアスタイル:Session IPA
「瑞々しいグレープフルーツのようなフレーバーが爽快な味を演出するセッションIPAです。お米が演出した淡麗なキレは様々な料理の味と調和し、スピルリナの青色が健康を気遣うあなたの心をリフレッシュします。」

 

人生醸造craft ~40’s YELLOW~ (ビール):「40代としての見識深き世界を思わせる」


ビアスタイル:Hefe Weizen
「仕事や家庭の中で円熟味を増す40代が静かに自分を解き放つ瞬間に寄り添う、南ドイツスタイルのヘーフェヴァイツェンです。太陽のように明るく希望に満ちているイエローと、バナナを感じる甘い香りがあなたの五感を刺激します」

 

人生醸造craft ~50’s RED~ (ビール):「人生のレールを共に築く人々との物語を結びつける1杯」


ビアスタイル:Belgian Style Strong Dark Ale
「この深みを帯びた赤色のベルジャンビールは幾重もの波を乗り越えてきた今も、なお情熱を燃やし続ける50代のために作られました。芳醇なモルト とカラメル香の重厚さ、ほのかに感じるレーズンとベリー感と共に、軽やかな飲み心地を約束します。」

 

なお、開発プロセスは以下の通りです。

・ビール職人がAgentic AIに「20代日本人をイメージして、新しいクラフトビールのレシピを作成して」と指示。
・Agentic AIが現代の日本人の各世代の特徴や価値観を分析し、ペルソナを作成。
・Agentic AIがコエドブルワリー社内のレシピデータや世界中のオープンデータを検索・翻訳。
・AIが「レシピの説明」「年代イメージとの関係」「味」「香り」「色」「原料」「副原料」「苦味」「製法」「カスタマイズ案」の項目に落とし込んだレシピ案をビール職人に提案。
・ビール職人がAIにレシピ案の修正を依頼したり、アドバイスを求めたりしながら、共に協議を重ねる。

 

NEC
人生醸造craft
種類:全4種
販売:コエドブルワリー公式オンラインストア

AIと職人が作ったビール⁉ 20代~50代の個性を表現、NEC×コエドブルワリー「人生醸造craft」第2弾

NECとコエドブルワリーは、AI技術を活用して開発したクラフトビール「人生醸造craft」の第2弾を発表しました。20代~50代の価値観や特徴をAIが分析し、それをビールの味や香りに反映させたという、ユニークな試みです。4月1日に販売開始、6月5日から出荷予定。

記事のポイント

AIと職人が協議を重ね、世代間コミュニケーションを促進する目的で開発した個性豊かなビールです。自分の年代のビールを飲んで、「AIもなかなか人間のことがわかってるじゃないか」と思うのか、「この年代の複雑さを表現するのは難しいよね」と感じるのか……味が気になるところです。

「人生醸造craft」開発には、NECのAgentic AI「cotomi」が活用されています。20代から50代の各世代のイメージや特徴をAIが分析し、ビール職人がその情報を基にレシピを考案。AIと職人が協働することで、各世代の個性を表現した4種類のビールが誕生しました。

 

それぞれのビールの特徴を「cotomi」が解説しています。一部抜粋してご紹介。

 

人生醸造craft ~20’s PINK~ (発泡酒):「飲むたびにシェアが止まらない週末がやってくる」

ビアスタイル:Fruit Hazy Session IPA
「桃の甘酸っぱさとヘイジーIPAならではのジューシーな味わいが特徴です。ローアルコールでもボディをしっかり感じられるため、飲んだ後の心地よさは格別!」

 

人生醸造craft ~30’s BLUE~ (発泡酒):「一日の緊張をほどく、お疲れ様の1杯」


ビアスタイル:Session IPA
「瑞々しいグレープフルーツのようなフレーバーが爽快な味を演出するセッションIPAです。お米が演出した淡麗なキレは様々な料理の味と調和し、スピルリナの青色が健康を気遣うあなたの心をリフレッシュします。」

 

人生醸造craft ~40’s YELLOW~ (ビール):「40代としての見識深き世界を思わせる」


ビアスタイル:Hefe Weizen
「仕事や家庭の中で円熟味を増す40代が静かに自分を解き放つ瞬間に寄り添う、南ドイツスタイルのヘーフェヴァイツェンです。太陽のように明るく希望に満ちているイエローと、バナナを感じる甘い香りがあなたの五感を刺激します」

 

人生醸造craft ~50’s RED~ (ビール):「人生のレールを共に築く人々との物語を結びつける1杯」


ビアスタイル:Belgian Style Strong Dark Ale
「この深みを帯びた赤色のベルジャンビールは幾重もの波を乗り越えてきた今も、なお情熱を燃やし続ける50代のために作られました。芳醇なモルト とカラメル香の重厚さ、ほのかに感じるレーズンとベリー感と共に、軽やかな飲み心地を約束します。」

 

なお、開発プロセスは以下の通りです。

・ビール職人がAgentic AIに「20代日本人をイメージして、新しいクラフトビールのレシピを作成して」と指示。
・Agentic AIが現代の日本人の各世代の特徴や価値観を分析し、ペルソナを作成。
・Agentic AIがコエドブルワリー社内のレシピデータや世界中のオープンデータを検索・翻訳。
・AIが「レシピの説明」「年代イメージとの関係」「味」「香り」「色」「原料」「副原料」「苦味」「製法」「カスタマイズ案」の項目に落とし込んだレシピ案をビール職人に提案。
・ビール職人がAIにレシピ案の修正を依頼したり、アドバイスを求めたりしながら、共に協議を重ねる。

 

NEC
人生醸造craft
種類:全4種
販売:コエドブルワリー公式オンラインストア

SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレーブルワリー)リブランディングの狙いと意外にも変えなかったこと

キリンビールがチカラコブで推し進める“クラフトビール”事業。その缶ビール商品の大看板「スプリングバレー」が、新たに「スプリングバレーブルワリー」となり、伝説の第二章が幕を開けた。実は、中味は変えずにパッケージだけ変更したという。その「なぜ?」を探るべく、発表会場へ突入した!

 

国内クラフトビール市場が成長鈍化……その原因は?

キリンという大手が「クラフトビールやります!」と狼煙(のろし)を上げたのは2014年のこと。東京・代官山の「スプリングバレーブルワリー東京」を旗艦店に掲げ、ビールづくりと仲間づくりを展開。そして2021年には待望の缶製品を発売。今回の発表会は、この缶製品のリブランディングを発表する場であった。

↑キリンビール クラフトビール事業部マネージャーの久保育子さん。

 

国内におけるクラフトビール販売量は直近10年で4倍に伸長しているが、若干の足踏みも見られる。「国内でのクラフトビール販売量の半数に迫る『スプリングバレー』の果たす役割は大きく、スプリングバレーの伸び悩みが足踏みの一因だと感じています」とは、2024年キリンビールに新設されたクラフトビール事業部のマネージャー、久保育子さんだ。

↑「スプリングバレー」リブランディングの背景。発表会資料より。

 

クラフトビールをメジャー化する挑戦を託されたもう一人は?

クラフトビールとは、作り手の顔が見える“流派”のようなもの。いつでも安定した味わいを手頃に楽しめるレギュラービールに敬意を払いつつ、いつもとちょっと違う味わいを望むファンの“わがまま”(笑)を叶える存在である。

 

だから“クラフトビールをメジャー化する”というのは、実はかなりの無理難題。そこに風穴を開けようとするのが、“スプリングバレーという挑戦”なのである。

 

発表会では久保さんがリブランディングの概要を語ったのち、新CMに出演する俳優・坂東龍汰さんが登壇。ヘッドブリュワー(醸造責任者)の辻峻太郎さんとともに、3種のスプリングバレーブルワリーの特徴や注ぎ方、グラス選びの楽しみを軽快なトークで紹介。会場を沸かせた。

 

特に坂東さんの【うわ、美味しそう~。でも仕事中だから飲んじゃいけないよね。だめだめ自分】という表情がひどく印象的(笑)で、そんな本当のビールファンがスプリングバレーブルワリーのCMに登場するとは、これぞ最高の巡り合わせ!

 

とはいえ仕事は仕事。大規模なリブランディングを任された久保さんの両肩にかかる責任は大きい。

 

「2021年の缶製品発売から4年経ちますが、クラフトビール市場の難しさを痛感しています。当初は量販店で一気に展開して、テレビCMを大量投下する“垂直立ち上げ”を狙いました。でも結果として、クラフトビールにはもっと密なコミュニケーションが必要だとわかりました。今回のリブランディング以降は、そこを徹底していきます!」(久保さん)

 

一部のクラフトマニアからは、この大々的なPR手法に疑問の声もあるだろう。しかし、キリンが本気でクラフトビールに取り組む背景には、「たくさん売って儲けられるから」という打算以上に、ビール=ピルスナーと思ってきたビールファンに、もっと違うビール、もっとユニークなビール、そしてもっと新しいビールがあることを知ってほしい! というキリンビールの“想い”があったはずだ。そのため、大規模な店頭展開やCMを通じてのPRは、実はごく真っ当な選択肢だった。

 

↑シドニーで撮影されたCMのひとコマ。見て下さい、坂東さんの笑顔ったら! スプリングバレーにちなんで、しあわせが「湧きあがる」ワケです。

 

クラフトビールの真骨頂は?

初代「スプリングバレー」缶発売から4年。そこでつかんだ”何か”を活かした新しい「スプリングバレーブルワリー」が、いま船出した。キャッチフレーズは「しあわせ湧きあがるクラフトビール」。坂東さん出演CMのロケ地はシドニーだが、クラフトビールカルチャー盛んな彼の地で「スプリングバレーブルワリー」を楽しむ面々の笑顔がもう、タマラナイ! クラフトビールというとつい蘊蓄を語りがちだが、もっと楽しく、新しく、そしてTPO(時間・場所・機会)をまるごと味わうのが、クラフトビールのトリセツなのだ!

 

キリン
SPRING VALLEY BREWERY
(スプリングバレーブルワリー)
JAPANエール 香/豊潤ラガー 496/シルクエール 白(左から)
350ml各245円(500ml缶もラインナップする)

 

「定番の3本に加え、季節ごとの楽しさを新提案する『シーズナルビアコミュニケーション』を夏と冬に実施します。そして4月1日~5月31日まで、代官山の『スプリングバレーブルワリー東京』でビアガーデン『SVBピクニックテラス』を開催しますので、ぜひ足をお運び頂き、クラフトビールの魅力を新発見して下さい!」(久保さん)

 

ビール大国NIPPONに全力でクラフトビールを定着させようとするキリンビールの至宝「スプリングバレーブルワリー」。「ブランド始動から11年。缶製品発売から4年。今回のリブランディングをあらためての自己紹介の機会として活かしていきます!!」という久保さんの細腕繫盛記に期待、アンド乾杯だ!

↑これまでマーケティング部で「淡麗プラチナW」「グリーンフリー」ほか機能系飲料に携わってきた久保育子さん。「SVBの中でイチオシはJAPANエール 香です!」とのこと。また、それなりにアイドル好き、らしいです。

 

なぜ中味を変えなかったのか?

最後にタイトルの「実は……」について。「なぜ中味を変えなかったか?」への回答で、「実は……2024年に出品したビアコンペティションで合計24個、発売以来累計だと60個もの受賞メダルを頂いております。つまり、味についての評価が非常に高いため、敢えての不変なのです」と久保さん。小鼻を膨らませてえっへん、胸を張ったのでした。

 

【数量限定】「サッポロ生ビール黒ラベル EXTRA MOVE」!旨みが増した麦芽を一部使用

サッポロビールは「サッポロ生ビール黒ラベル EXTRA MOVE(エクストラムーブ)」を、全国で3月4日に数量限定発売。

 

記事のポイント

2025年の黒ラベルブランドは、独自の世界観とブランドメッセージ「丸くなるな、☆星になれ。」を体現する限定品を発売していくそう。その第1弾である「サッポロ生ビール黒ラベル EXTRA MOVE(エクストラムーブ)」は、大人の“挑戦”に寄り添うことを目指して生み出された商品。新生活やライフステージの変化によって、新しく“動き出す”ことが大きい時期にぴったりの一杯です。

 

本商品は、サッポロビール独自開発の「旨さ長持ち麦芽」に加え、収穫後1年間熟成し、旨みが増えた麦芽である「エイジングモルト」を一部使用。黒ラベルらしい「生のうまさ」は残したまま、さらなるを麦のうまみを追求することに“挑戦”した商品となっているとのこと。

 

パッケージは黒ラベルブランドのシンプルな世界観を保ちながら、赤いパッケージと大胆なテキストによって、ここでも“挑戦”を表現しています。

 

サッポロビール
サッポロ生ビール黒ラベル EXTRA MOVE(エクストラムーブ)
参考小売価格:オープン価格

サッポロ「SORACHI 1984」リニューアル!国産ホップ使用量が1.5倍に

サッポロビールは、「サッポロ SORACHI 1984」をリニューアルし、2月から順次製造を開始すると発表しました。

 

記事のポイント
「サッポロ SORACHI 1984」は、発売から今年で7年目を迎えるロングセラー商品。昨年は「ジャパン・グレートビア・アワーズ2024」のフリースタイル・ライトエール部門で金賞を受賞するなど、人気を博しています。将来的には、国産ソラチエースホップ100%の「サッポロ SORACHI 1984」をつくるという目標があるそう。動向に注目ですね。

 

「ソラチエース」は、サッポロビールが1984年に開発したホップです。その個性的な香りは、ヒノキやレモングラスに例えられ、世界中のブリュワーから注目を集めているそう。サッポロ SORACHI 1984は、この「ソラチエース」を100%使用(※1)したビールとして、2019年4月から通年販売しています。

(※1)本商品には、アメリカ産ソラチエースホップを多く使用しています。上富良野産は一部使用です。

今回のリニューアルでは、国産ソラチエースの使用量を1.5倍(※2)に増量しました。また、独自のドライホッピング製法に加え、麦汁を穏やかに煮沸することで熱エネルギーを低減。地球環境にも配慮した製法を採用しています。

(※2)2024年製造品比

 

サッポロビール
サッポロ SORACHI 1984
アルコール分:5.5%
パッケージ:350ml缶、樽10L
発売日・地域:2025年2月製造分より順次、全国
参考小売価格:350ml缶/245円(税抜)、樽/オープン価格

第一弾は即完売! 沖縄のクラフトビール醸造所「MAHOWBREW」の個性派缶ビール第二弾

クラフトビール醸造所・MAHOWBREW(沖縄県那覇市)は、第二弾となる缶ビール4種を2025年1月に発売。

 

毎月約4種類のビールをリリースしており、24年1月に発売した第一弾の4種は完売しています。今回も個性あふれるラインナップです。

 

記事のポイント

「ホップ」を大量に使用して作られる「IPA」をはじめ、シークヮーサーや島唐辛子、白麹を使った一杯、IPAよりさらにたくさんのホップを使う「DIPA」など、個性豊かな顔ぶれです。デザインも含め、お気に入りを見つけてみては。

 

苦味と、果実感あふれるアロマが楽しめる「V.I.T.R.I.O.L II(ヴィトリオール ツー)」

 

ノルウェーの伝統的な酵母「Kveik」を使用した、IPAシリーズの第二弾。

 

ホップはAmarillo、Strata、Tangoの3種類を使用。一次発酵中と一次発酵後の2回に分けて投入し、それぞれのホップがもたらすトロピカル、ダンク、マスカットのようなアロマを引き出しているそう。「ガツンとした苦味と、果実感あふれるアロマが調和した、飲みごたえのある味わい」を楽しめるとのこと。

 

V.I.T.R.I.O.L II
原材料   :麦芽(カナダ製造)、ホップ、糖類
ビアスタイル:DDH IPA
内容量   :340ml
アルコール分:7.5%
販売価格  :5040円(税込)※缶ビール6本

 

酸味・辛味・甘味・塩味が調和した「Kaguya(カグヤ)」

 

奈良県のブルワリー・CHORYO Craft Beerとのコラボビールです。名護市産シークヮーサー、中城村産島唐辛子、屋我地島産海塩、白麹を使用し、24年にリリースしたCHORYOの限定ビール「沖縄ゴーゼ」をオマージュしたImperial Goseに仕上げているといいます。

 

酸味・辛味・甘味・塩味が調和。シークヮーサーの爽やかな酸味と、島唐辛子のピリッとした辛さが引き立ち、白麹の風味が全体を深く豊かなものに仕上げているそう。「Imperial Goseならではの高いアルコール度数が飲みごたえを増し、心地よい余韻を残す」としています。

 

Kaguya
原材料   :麦芽(ドイツ製造)、糖類、小麦、シークヮーサー、白麹、島唐辛子、コリアンダー、塩、ホップ
ビアスタイル:Imperial Gose w/ White Koji, Shekwasha, Okinawan Chili Pepper
内容量   :340ml
アルコール分:8.5%
販売価格  :5040円(税込)※缶ビール6本

 

心地よい苦みと甘みが口の中に広がる「Dean Town(ディーンタウン)」

 

Maris Otter(モルト)と、East Kent Goldings(ホップ)という、英国エールらしいコンビネーションに、アメリカの代表的なCentennialホップを組み合わせた一杯。

 

香りには「紅茶や花のニュアンス、アーシーなホップ由来の要素と、ビスケットのようなモルト由来の要素」が感じられるそう。口に含むと穏やかな苦みとモルトの甘みが、絶妙に調和するのを楽しめると言います。

 

Dean Town
原材料   :麦芽(イギリス製造)、ホップ
ビアスタイル:English IPA
内容量   :340ml
アルコール分:6.5%
販売価格  :4500円(税込)※缶ビール6本

 

肉料理と相性の良い「The Cauldron (ザ カルドロン)」

 

Amarillo、Centennial、Mosaicといったホップを使用した、アルコール度数8%のAmerican DIPA。しっかりとした苦みがあり、ほのかなカラメルフレーバーを楽しめるのだとか。

 

「とてもドライでキレが良い」特徴がありながら、少し高めのアルコール感がボディを補完しています。食前・食間・食後などタイミングを選びませんが、特に肉料理と相性が良いそう。

 

The Cauldron
原材料   :麦芽(カナダ・ドイツ製造)、ホップ、糖類
ビアスタイル:American DIPA
内容量   :340ml
アルコール分:8.0%
販売価格  :4500円(税込)※缶ビール6本

たすきとコースが飲みながら確認できちゃう! サッポロ黒ラベル「箱根駅伝缶」の数量限定発売

サッポロビールはサッポロ生ビール黒ラベル「箱根駅伝缶」を11月26日に全国で数量限定発売。

 

記事のポイント

毎年恒例のサッポロ生ビール黒ラベル「箱根駅伝缶」。今回はコースマップもあしらわれた500ml缶も登場します。サッポロビールオリジナル「メモリアルセット」のプレゼントキャンペーンも実施中です。

 

パッケージには選手たちが走る姿や出場20校と関東学生連合1チーム(合計21チーム)の襷(たすき)をデザイン。例年は350ml缶のみの発売でしたが、2024年は500ml缶も発売。500ml缶のパッケージにはコースマップをあしらうなど、350ml缶と500ml缶それぞれを楽しめるデザインになっています。

 

サッポロ生ビール黒ラベル「箱根駅伝缶」

参考小売価格:オープン価格

※中味は通常の黒ラベルと同一です。

 

また、第101回大会を記念し、抽選で101名にサッポロビールオリジナル「メモリアルセット」が当たるプレゼントキャンペーンも実施。

【キャンペーン概要】

サッポロ生ビール黒ラベル 第101回箱根駅伝缶
サッポロビールオリジナル「メモリアルセット」プレゼントキャンペーン

■対象商品

サッポロ生ビール黒ラベル「箱根駅伝缶」350ml缶×6缶パック、500ml缶×6缶パック

■応募方法

対象商品のスリーブ内面に印刷された専用応募ハガキを郵送にて応募。500ml缶×6缶パックを購入、応募の場合は当選確率が2倍になります。

※専用ハガキ以外の応募は不可となります。

■賞品

サッポロビールオリジナル「メモリアルセット」を抽選で101名にプレゼント。

<オリジナル「メモリアルセット」内容>
・第101回箱根駅伝大会記録を刻印したオリジナルメモリアルプレート
・サッポロ生ビール黒ラベルと箱根駅伝のロゴ入りオリジナルペアタンブラー

■応募受付期間

2025年3月14日応募締切 ※当日消印有効

■応募宛先 

〒100-8691日本郵便株式会社 銀座郵便局 郵便私書箱116号

サッポロ生ビール黒ラベル第101回箱根駅伝缶サッポロビールオリジナル「メモリアルセット」プレゼントキャンペーン事務局

問い合わせ先:0120-300-116(フリーダイヤル)

・事務局開設期間:2024年11月26日~2025年4月30日
・受付時間:10:00~18:00 ※年末年始・土・日・祝を除く

■賞品のお届け

2025年4月中旬以降を予定

※やむを得ない事情により、発送が若干遅れる場合があります。

■応募資格

日本国内にお住まいの満20歳以上の方

数量限定、冬にしか出会えないビール! 上質な香りとコクを楽しめる「サッポロ 冬物語」

サッポロビールは「サッポロ 冬物語」を、全国で11月6日に数量限定発売します。

↑350ml、500mlで展開

 

記事のポイント

「サッポロ 冬物語」は、サッポロビールが販売する冬季限定の生ビール。パッケージは雪の結晶を思わせる質感を表現し、「冬だけの贅沢な味わい」を感じられるデザインに仕上げています。

 

本商品は、まろやかなコクとキレの良い後味が特徴で、冬の味覚によく合うとのこと。小麦麦芽を一部使用した滑らかな口あたりと、ザーツ(チェコ)産の最高級ファインアロマホップを増量することで、上質な香りとコクを引き立てています。

 

サッポロビール
サッポロ 冬物語
アルコール分:5.5%
価格    :オープン

数量限定でクリスマスイブに登場! 「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉夜香る黒エール」

サントリーは「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉夜香る黒エール」を、全国で12月24日に数量限定発売します。

 

記事のポイント

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉」シリーズは、日本人の嗜好に合う「フルーティな味わいと爽やかな香り」が特徴とのこと。新発売の夜香る黒エールは、黒麦芽による香ばしさとかろやかな余韻を堪能できるようです。発売はクリスマスイブなので、冬の澄んだ星空を眺めながら楽しめそうですね。

 

今回発売する「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉夜香る黒エール」は、黒麦芽由来の香ばしさと、上面発酵酵母およびファインアロマホップ使用によるフルーティな香り、かろやかな余韻を楽しめるといいます。

 

パッケージは、「夜香る黒エール」のネーミングにあわせ、冬の澄んだ夜空を表現しているそう。

 

サントリー
「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉夜香る黒エール」
容量・アルコール度数:350ml・6%/500ml・6%
*希望小売価格は設定なし

エモーショナルな商品名・パッケージが斬新!秋らしい「金麦〈帰り道の金木犀〉」が限定発売中

サントリー「金麦〈帰り道の金木犀(きんもくせい)〉」が9月10日から全国で、秋季限定で発売されています。

 

秋ならではの「金麦」を楽しんで

中味は、アロマホップを使用し、上面発酵酵母を用いて醸造することで、甘く爽やかな香りを実現。また、「金麦」がこだわって使用してきた「贅沢麦芽」に加え、「ロースト麦芽」を一部使用するなど、麦芽配合や醸造条件を調整することで、秋の夕暮れをイメージした液色に。パッケージは、夕暮れの空と金木犀のモチーフを配することで、秋の象徴的なシーンを表現。

 

季節によって味わいや炭酸の強さを変えている金麦。金麦〈帰り道の金木犀〉は、原材料に金木犀は使用しておらず、従来の金麦と味は変わらないが、情緒的に訴えることで新しい飲用スタイルを提案している。

 

サントリー
金麦〈帰り道の金木犀〉
実勢価格(税別):168円前後(350ml缶)

「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」がリニューアル。透明感のあるクリアな後味を追求!

アサヒビールは、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の中味とパッケージデザインを刷新し、8月上旬製造分から順次切り替えます。

 

発酵香気のコントロールでよりクリアな後味に

スーパードライ ドライクリスタルは、アルコール分3.5%のスーパードライ。今回のリニューアルでは、発酵によって付与される香り「発酵香気」に着目。発酵香気をコントロールすることで、スーパードライ ドライクリスタルの特徴である“透明感のあるクリアな後味”がより感じられる味わいを追求しています。

 

缶のパッケージは、表面のデザインはそのままに裏面を刷新。キラキラと輝くクリスタル(水晶)をイメージした背景に「SUPER“DRY”」と「DRY CRYSTAL」のロゴを大きく配置しています。また缶体下部には「#ドラクリ」と商品名の略称をSNSへ投稿する際に付けるハッシュタグの形式で記載することで“日常的な親しみやすさ”を表現しているとのこと。

 

アサヒビール

アサヒスーパードライ ドライクリスタル

遠野物語と河童の街から国産ホップの聖地へ。ビール好きが注目すべき現代“遠野”に加わったもうひとつの“伝説”

岩手県の遠野といえば、柳田国男の「遠野物語」でも知られるように民間伝承の聖地として有名。しかしいま、民話同様に盛り上がっているのが、ホップを中心としたまちおこしです。なぜ、東北の山里でこのようなムーブメントが起きているのでしょうか? ビールがおいしい季節に、その最前線に迫ります。

↑2016年開催時の遠野ビアツーリズムにて。左端はホップ博士として有名な村上敦司さん。(現、キリンホールディングス飲料未来研究所の技術アドバイザー)

 

雨にも風にも負けず、遠野とホップが歩んだ60余年

そもそもホップとはハーブの一種で、“ビールの魂”といわれるほど重要な素材。ビールの香り、苦み、泡立ちなどを左右するとともに、殺菌効果で腐敗から守る役目もあります。加えてホップは、近年のクラフトビール人気でいっそう注目が集まっており、新品種の開発も盛ん。ホップがなければ、あの多様的で個性あふれる味わいは生まれないともいえるでしょう。

↑収穫時季は晩夏。ちなみに岩手県はホップの生産量で日本一を誇ります。(シェア47.8%。2位は秋田県で28.6%/2022年)

 

そして、そのホップに長年心血を注いでいる企業がキリンビールです。日本産ホップに関しては、100年以上前から試験栽培に従事。購入量に関しても、日本産ホップの約7割は同社が仕入れています。

↑遠野市には随所に、キリングループが参画するホップ圃場(ほじょう)が点在しています。

 

他方、遠野とホップの歴史は約60年前までさかのぼります。とはいえ遠野はもともと雨風など冷災害が多く、農業をするにも作物を選ぶ地域。そのなかで目を付けたのが、隣の江刺(現・奥州市)で栽培されていたホップでした。その動きに賛同し、遠野がホップ栽培を開始した1963年に栽培契約を締結したのがキリンビール。互いに協力し合いながら、遠野で初めてとなる挑戦を推し進めていきました。

↑60周年を迎えた2023年には、地元のクラフトブルワリーである遠野麦酒ZUMONAが記念銘柄「IBUKI HOP IPA」を発売。遠野駅から徒歩数分のブルーパブ「遠野醸造タップルーム」にて。

 

しかし、世界的な品種の開発合戦とグローバル化のなかで日本産ホップは国際競争力を失っていくことに。高度経済成長期を迎えると、次第に広大な圃場をもつ外国産の安価なホップに押され、徐々に日本産は需要が減少。1983年をピークに、遠野のホップ農家も減少していきます。

↑近年の減少はよりダイナミックで、2008年に446tだった生産量は2022年には167tへと激減。

 

それでも受難のなか、キリンは2002年に遠野のフレッシュホップ(通常は乾燥ペレットにするところ、生のホップを凍結させて新鮮な香りをビールに凝縮させる)を使った「キリン 毱花一番搾り」を商品化。2004年にはいまも続く「一番搾り とれたてホップ生ビール」へと進化させ、秋冬の定番ビールへと成長させました。

↑発売20年目を迎えた、2023年版の「一番搾り とれたてホップ生ビール」。遠野で収穫したばかりの生ホップを収穫後24時間以内に凍結して使用した、フローラルな香りが魅力です。2024年はどんな味・香りになるでしょうか? 期待が高まります。

 

その後2007年には「ビールの里構想」を打ち立て、「TK(遠野×キリン)プロジェクト」を発足。遠野産ホップ使用ビールの推進、クラフトブルワリーの応援、ビールに合う遠野産食材の開発とPR、ホップ畑見学などビアツーリズムの展開、遠野ホップ収穫祭の開催など、ホップを中心にすえた企画を次々と打ち出していまに至ります。

↑遠野市で活動している、キリンビール社員の髙間陽佑さん。ホップ栽培のほか、ビアツーリズムや収穫祭のサポートなども行っています。

 

遠野が抱えるホップ生産の課題と対策

ホップ生産量の数値としては、遠野をはじめ全国的に低下していますが、近年のクラフトビール人気とともに日本産ホップの注目度はむしろ上昇中。土地の気候環境などを生かしたテロワール型ホップ作りに励む動きも盛んで、岩手以外の各地でも地元産ホップのクラフトビールが造られるようになっています。

↑キリンビールが品質向上を目的に、全国のクラフトブルワーを巻き込んで行う官能評価会にて。京都・与謝野産ホップで造られる、かけはしブルーイングの「ASOBI」(右端)など、テロワール型ホップのビールも。

 

また、遠野でも「ビールの里構想」を「ホップの里からビールの里へ」という新スローガンとともに広げ、クラフトブルワリーも誕生。前述の遠野麦酒ZUMONAは1999年に地元の老舗である上閉伊(かみへい)酒造が立ち上げたブルワリーですが、2017年には3人の移住者によって遠野醸造が設立されています。

↑遠野醸造の設立メンバーのひとりであり、ホップとビールによるまちづくりの推進など様々な企画をしている田村淳一さん。

 

田村さんは日本産ホップの盛り上がりを感じつつも、遠野の要でもあるホップ栽培は課題も山積みだと言います。特に大きいハードルが収益構造。ホップにおける新規就農を希望する人はいても、土地も農機具もない状態から経験を積みホップ栽培だけで生計を立てるのは簡単ではありません。

 

そこで、観光を起点とした地域経済の活性化と応援者の増加をはかり、ふるさと納税による寄付などによってホップ生産者の補助制度や収益構造の改善に取り組んでいます。

↑遠野におけるホップ収穫の重要拠点、遠野市農協ホップ加工処理センター。2023年には遠野市が中心となって大規模改修が始まり、施設利用料を下げることで収益構造を変えるべく計画が進行しています。

 

遠野へ行ったら妖怪はもちろん人と羊でもホッピングを!

遠野が「ホップの里からビールの里へ」を掲げたのが2015年。翌年には、ビールの里構想における地域おこし協力隊制度の導入が開始し、そのなかで移住したメンバーにはユニークに活躍している人も。そのひとりが、怪談師やライターなど多才に活動する小田切大輝(オダギリダイキ)さんです。

↑怪談師のときはオダギリダイキとして活動する小田切大輝さん。地元の人から現在約150話もの遠野怪談を集め、その他含め300ほどの噺(はなし)をもっているとか。

 

山梨県出身の小田切さんは大学卒業後、国立劇場・新国立劇場での広報宣伝・舞台制作業務を経て2020年に遠野へ移住。地域おこし協力隊から「ビールの里プロジェクト」のメンバーとして着任し、上記田村さんの下で寄付金の制度設計や取り組みなどを担当していました。

 

小田切さんが遠野にやってきた理由は、もともとビールが大好きで、民俗芸能や怪談にも興味があったから。その3つが揃っている遠野に惹かれて移住し、現在は様々な手法でこの地の魅力を発信しています。

↑小田切さんへのインタビューを行った「遠野ふるさと村」。この日は施設のイベントで舞踊を披露していたとのこと。

 

冒頭で述べたように、遠野は民間伝承の里として有名です。妖怪奇譚も数多いほか日本有数といえるカッパ伝説の地でもあり、最後の目撃情報は半世紀前の1974年。有名スポット「カッパ淵」を訪れる人は年間6万人を超えるそうで、観光地としても人気です。

↑遠野には民話を語る「語り部」も多く存在し、カッパのエキスパートといえば“カッパおじさん”として有名な運萬治男さん。運よく「カッパ淵」で会うことができました。

 

そんな遠野はホップとビールでも盛り上がっていますが、グルメも見逃せません。特に、昔から有名なのがジンギスカンです。ジンギスカンは北海道のイメージが強いかもしれませんが、実は遠野でも古くからソウルフードとして親しまれており、ここならではの特徴も。

↑遠野ジンギスカンの元祖といわれる「ジンギスカンのあんべ」と人気を二分する名店「遠野食肉センター」。写真は遠野本店。

 

ひとつは、ブリキのバケツに固形燃料を入れてジンギスカン鍋を熱するスタイル。これは、昔から盛んに行われてきた地域の祭事などで、屋外でも気軽に食べられるよう考案されたのだとか。

↑「遠野食肉センター 遠野本店」にて。店内は無煙ロースターで焼くスタイルが基本ですが、屋外の席ではバケツジンギスカンも楽しめ、売店で肉を買うとバケツや鍋を貸し出すサービスも。

 

そしてもうひとつの特徴が、肉を漬け込んだ味付けジンギスカンではなく、焼き上げた肉を各店自家製のタレにつける食べ方。昨今首都圏で人気のジンギスカン店はこのスタイルが主流ですが、当初からこの手法で食べていたのが遠野なのです。

↑冷凍ではなくチルドで仕入れたラム(仔羊)肉は厚切りでジューシー。タレも絶品で、白米やビールとの相性も抜群です。

 

遠野でジンギスカンが親しまれるようになった背景には、かつて軍需羊毛自給のため、めん羊が農家で飼育されていたという歴史も関係しています。しかし現在、遠野における羊飼いはいなくなってしまい、そもそも日本における羊飼い自体が希少な存在となっています。

↑日本の羊飼いを応援している、都内の超人気ジンギスカン店といえば「羊SUNRISE」。写真は同店オーナーの関澤波留人さん。

 

日本で羊飼いが少なくなった理由はいくつかありますが、高度経済成長期に羊肉、羊毛ともに輸入自由化の品目に指定され、外国産が増えたことが一大要因に挙げられます。この話、何かの悲劇に似ていませんか? そう、ホップです。

 

国内の羊生産者に目を向けると、少ないなかで飼育を始めようとする動きも。岩手では遠野にこそいない(試験羊畜の取り組みはあり)ものの、近年では江刺や滝沢市などで羊畜産農家が誕生しています。そこには食のグローバル化のほか、羊肉の美味しさに気付く日本人が増えていること、そこから転じて羊飼いを志す人も増えているという背景があります。遠野もいつか、“妖怪の里から羊(よう)飼いの里へ”と願ってなりません。

↑遠野麦酒ZUMONAは「ひつじとホップ」という銘柄も発売。遠野ジンギスカンとのベストペアリングを目指した、爽やかな白ビールです。

 

失われかけた里の恵みに光を当て、酒と食のイーハトーブ(岩手県出身の偉人・宮沢賢治が思い描いた理想郷)を目指そうとするエネルギッシュな息吹にあふれる遠野。妖怪好きはもちろんのこと、ビールや羊肉ラヴァーの人も、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?

アニエスベーがクラフトビール作っちゃった!スパイシーな「遊び心」加えた、セゾンスタイルの一杯

アニエスベーから、初のクラフトビール「b. BEER」が2024年7月に登場しました。350ml缶で、アルコール分は5%。価格はいずれも税込で、単品が880円、4缶セットで3520円です。

 

アニエスベー祇園店カフェ、渋谷店カフェ、京都BAL店、公式オンラインブティック、Hobo Beer Storeにて、7月12日から先行販売中です。

 

醸造家、Hobo Brewing協力のもと、香川県・高松の醸造所「SETOUCHI」で製造されている、「セゾン」スタイルのビールです。

 

ホップと酵母からなる、フルーツのようなフレーバーに、とれたての実山椒を加えることでフレッシュな青さとスパイシーさをプラスしています。普遍的でクラシックな要素と、少しの「遊び心」から生まれたとしています。

 

4缶セットは、カラフルな「b.」アイコンがデザインされたスペシャルボックス入り。ビールがひときわおいしい夏に、ギフトとしてぴったりですね。

↑アニエスベー公式オンラインブティックでは、4缶セットのみの取り扱いです

 

アニエスベーのカフェ店舗ではイートイン提供が始まっており、アニエスベー祇園店カフェ、渋谷店カフェ、Hobo Beer Storeなどで7月12日から楽しめますよ。そのほかアニエスベー松屋銀座Rue du Jour店 le café du jour、京都伊勢丹店カフェでも順次提供予定です。

ヱビス発祥の地に完成した「YEBISU BREWERY TOKYO」でしか味わえない!「Midsummer Brut IPA」が数量限定提供

サッポロビールは「Midsummer Brut IPA(ミッドサマー ブリュット アイピーエー)」を、ヱビスビール発祥の地である恵比寿における醸造施設を伴ったヱビスのブランド体験拠点「YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)」限定で、7月10日に数量限定発売します。

柑橘の香りとすっきりキレのある味わい

Midsummer Brut IPAは、3種のホップ「ソラチエース」「シトラ」「アマリロ」の特徴をレイトホッピング(※2)とドライホッピング(※3)を駆使して引き出した、立ち上がる柑橘の香りとすっきりキレのある味わいをもつビール。暑い夏を楽しく乗りきるためのビールと言えるでしょう。

※2:ビールの煮沸終了直前、又は終了時にホップを投入する手法。
※3:ビールの発酵終了後にホップを投入する手法。

サッポロビール
Midsummer Brut IPA(ミッドサマー ブリュット アイピーエー)
価格:1200円(税込)
発売日・地域 :7月10日・「YEBISU BREWERY TOKYO」内限定

“北海道限定”から全国へ! サントリー「金麦サワー」で2杯目はキマリ

“サワー”の味わいをビールの醸造技術で実現した「金麦サワー」が、10月15日から数量限定で全国発売されることが決定。

 

●この記事のポイント

サントリーのビール系飲料の売り上げ構成比でおよそ53%を占める主力ブランド「金麦」。第三のビール(発泡酒②)に分類される。“食中酒”が注目されるなか、ビール類とRTDを併飲する人が5年間で約1.5倍に増えているとの調査結果(※)から、このニーズに応えるべく開発された「金麦サワー」は発泡酒に分類され、サントリーからは約9年ぶりの発泡酒発売となる。すっきりさわやかな味わいは、ビールのあとに続く2杯目としてぴったりだ。(GetNavi web編集部・お酒担当)
※インテージSCI(n=51,515)調べ

 

麦のやさしいうまみと、柑橘系の爽やかな香りが調和した味わい

金麦サワーは、“サワー”の味わいをビールの醸造技術で実現した商品で、2024年4月に先行して北海道限定で発売しました。好評を受け、全国のユーザーに届けるべく10月に数量限定で発売されます。麦のやさしいうまみと、柑橘系の爽やかな香りが調和した味わいを楽しめますよ。

 

中味は、「金麦」こだわりの素材である「旨味麦芽(二条大麦麦芽の中でも、うまみ成分=たんぱく質を多く含む麦芽のこと)」を使用するとともに、希少なレモンドロップホップに加えシトラホップを使用することで、麦のやさしいうまみと柑橘系の爽やかな香りの調和を実現しました。香料や甘味料を使用せず、ビールの醸造技術でつくり込んだ自然な味わいも魅力です。

 

パッケージは、氷を入れた“サワー”のデザインを背景に、「金麦」のロゴと酒場をモチーフにした「キンムギサワー」の文言を配し、“金麦のサワー”であることがわかりやすく表現されています。

 

サントリー「金麦サワー」
店頭想定価格 350ml:190円前後(税込)

ビアガーデンに異変?GetNavi web編集長が知った今の時代の当たり前の選択肢とは

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「夏の親睦会はビールでしょ!」と、GetNavi webの山田佑樹編集長が編集部員を連れて向かったのは、ロケーションもナイスな「森のビアガーデン」。「とりあえずビール!」のつもりが、そこかしこにある文字が……?

↑訪れたのは明治神宮外苑「森のビアガーデン」。「バーベキュー飲み食べ放題」に今年初のアンガス牛と厚切りベーコンが盛り込まれたほか、ラム肉を楽しめるのもポイント。

 

ビアガーデンで起こっている異変とは?

↑ビアガーデンといえば、ビールにバーベキューが黄金の組み合わせ。そんな中、ある変化が……。

 

日ごろのねぎらいと親睦を兼ねて明治神宮外苑の「森のビアガーデン」へ。会場には想像以上に20~30代の女性も多く、幅広い年齢層がビールを楽しんでいる!

 

そんな中、気づいたのは「糖質ゼロ、はじめました。」という告知が会場のあちこちにあること。実際、周りを見渡してみると、多くのお客さんが糖質ゼロビールを飲んでいる。糖質ゼロビールって、高めの年齢層の人が楽しんでいるイメージでしたが、これは意外! トレンド情報を世にお届けする身として、糖質ゼロビールの人気は知っていましたが、まさかビアガーデンにまで浸透しているとは……

 

そもそもビアガーデンの主役と言えばビール。絶対的なおいしさが求められる場であり、そこで糖質ゼロビールが推されているということは、味わいにも自信ありということ……!?

↑ビールと食とコミュニケーションを楽しむ人々。年齢層は20代とおぼしき若者からベテラン勢まで、意外に幅広い。

 

なにはともあれ、この糖質ゼロビール「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を私も飲んでみることに。ただし飲む前に一瞬脳裏をよぎったのは、「これって本当に糖質ゼロなんですか?」という疑問。というのも、ビールの色がしっかり濃いんです。「森のビアガーデン」のスタッフさんに聞いたところ「間違いありません」とのことで、この時点で糖質ゼロビールの進化を再認識。

 

糖質ゼロって、糖質が低い分ビールの液色もライトだと思っていましたが、そんなことないんですね。でも液色は変わらなくても、味のほうはやっぱりライトなんじゃないの……?

ひと口飲んでみてさらにビックリ。うまみやコクがしっかりしていて、ビター感や爽快なのどごしも抜群。スゴくウマいじゃないですか!

 

“今の時代の当たり前の選択肢”の正体について

個人的には想像以上のおいしさを実感したものの、実際のビアガーデンではどのような評価を得ているの? 森のビアガーデンのスタッフさんに聞いてみました。

↑「森のビアガーデン」支配人を務める、ロイヤルフードサービスの吉原雄一さん。

 

「今年はよりハイクオリティなおいしさと、ビールとの多彩なフードペアリングをテーマのひとつに掲げ、選択肢を広げたいという思いから『一番搾り 糖質ゼロ』を新採用させていただきました。私自身も、味も泡立ちも通常の一番搾りと遜色ないと率直に感じており、そこに糖質ゼロも相まってお客様の魅力的な価値になると確信しています」

 

私のような感想を抱く人はかなりいるというわけですね。そりゃあ、これだけ十分なおいしさであれば、糖質ゼロを選ぶ人も多いでしょう。お客さんを観察すると、積極的に「一番搾り 糖質ゼロ」を選んでいますが、実際の反響は?

 

「当店でビールは全8種提供しておりますが、やはり人気だと実感しています。その理由はおいしさと糖質ゼロの両立に加え、ブルーを基調とした缶の色が涼しさを演出する効果もあるのかなと思います」

↑「森のビアガーデン」では、「一番搾り 糖質ゼロ」の缶を特設ブースで冷やし、店員さんが提供(7月31日まで提供予定)。キンキンに冷えた缶からそのままでもジョッキに注いでも、環境の効果もあいまっておいしさは格別でしょう。

 

「森のビアガーデン」に来てみて、想像以上に女子会が多く開催されている様子にも驚かされました。それに、若い女性にも糖質ゼロビールは人気なんですね!

 

「おいしさ以外の、パフォーマンス的な付加価値を求めていらっしゃると感じます。また、当店は様々なビールを自由におかわりできますから、飲み比べてご自身の好きな銘柄を探す楽しみも味わっているのかなと。この点においても、時代の多様化を私自身も感じています」

 

なるほど! 「一番搾り 糖質ゼロ」は多様化の時代にもマッチしたビールということですね。それに糖質ゼロビールは、ガマンや妥協をして飲むものではなく、今の時代に合った1つの選択肢になったのです。おいしいという理由で飲んでいるビールが、結果的に糖質ゼロだったらスゴくイイですよね。気分や食事に合わせて楽しむ、今の時代の当たり前の選択肢。それが「一番搾り 糖質ゼロ」なのです。

 

3つの変化によって糖質ゼロは“賢い選択”に!

ここまで「一番搾り 糖質ゼロ」が市民権を得ている理由はなぜなのか、自分なりに考えてみました。そこには3つの変化があると考えます。

 

1つめは、生活者意識の変化。転換点のひとつは、コロナ禍にあったといえるでしょう。世の中が便利になる一方で情報化が進むなどし、少なからず現代人はストレスを感じるようになったといわれます。そこに、コロナ禍という予期せぬパンデミックが起こりました。こうしたなかで、自分に心地よいものを選択したいと願う人は少なくないはずです。内閣府の調査においても、全世代においてコロナ禍の2022年よりもコロナ明けの2023年のほうが、Well-being(心身と、社会的にも満たされた状態)への関心が上昇。自身の心と体への関心の高まりがうかがえます。

 

2つめは、消費行動の変化。三省堂「今年の新語2022」で「タイパ(タイムパフォーマンス)」が大賞に選ばれるなど、様々なシーンで成果やパフォーマンスに注目する機運が高まっています。食においても、おいしさはもちろんのこと、同時に複数の価値や利益を追求するニーズが顕著に。同時に、パフォーマンスに優れたモノを選択することが賢いとされる時代だといえます。

 

3つめは、糖質ゼロビールそのものの変化。キリンが缶商品として国内初の糖質ゼロビール「一番搾り 糖質ゼロ」を2020年に生み出してからも、日進月歩で技術革新は進んでいます。進化を遂げるなかでおいしさが再評価され、糖質ゼロビールにネガティブな印象を持つ消費者はどんどん少数派に。本稿における私の糖質ゼロビール体験も、この進化によるおいしさがあってこそというわけです。

「一番搾り 糖質ゼロ」は、「キリン一番搾り生ビール」と同じ「デコクション製法」を採用することでコクと飲みごたえが向上。また、ホップを発酵中に漬け込むことで、香りがより華やかに。加えて、発酵条件の調整によって酸味や雑味が抑制され、さらに飲みやすいクリアな味へ進化した。

 

上記で挙げた、「心身平常欲求の拡大」「パフォーマンス追求」「糖質ゼロ技術の革新」。これら3つの変化により、糖質ゼロビールが“いまの時代に最適な賢い選択”になった。私はそう考えています。

 

今日は「一番搾り 糖質ゼロ」で乾杯!

長々と思案を巡らせてしまいましたが、とどのつまり、求められる時代にマッチしたビールこそが「一番搾り 糖質ゼロ」。今日は、“おいしい糖質ゼロ”でスマートに乾杯しましょうか!

 

キリンビール
キリン一番搾り 糖質ゼロ

国内初(※1)の糖質ゼロ(※2)ビールとして2020年10月にデビューし、2024年春に最新版へとリニュ―アル。コクや飲みごたえが強化するとともに、爽やかで華やかな香りもアップ。一方で酸味と雑味が抑制され、飲みやすさが向上したという。

※1:ビールで糖質ゼロを実現した国内初めての缶商品(Mintel GNPDを用いたキリンビール社調べ)
※2:食品表示基準による

 

 

写真/村田 卓 執筆/中山秀明

“ヱビス”なのに副原料使用!?ヱビスブルワリー醸造責任者が明かす新作ビールと新規開業「ヱビスブルワリートウキョウ」での挑戦とは

2024年は「ヱビスビール」に再び注目。4月3日に開業した「YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)」の来場者数は、開業1か月を待たずに3万5000人を突破し、工場限定ビールのほか、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW(クリエイティブブリュー)」にも新作が続々登場しています。

 

そこで、ブルワリーの醸造責任者兼、CREATIVE BREWの開発リーダーでもある有友亮太さんにインタビュー。各施策の特徴を解説するとともに、ヱビスブランドの戦略についてうかがいました。

↑有友亮太さん。YEBISU BREWERY TOKYO内の、“会える” MASTER BREWER’S ROOM(マスターブリュワーズルーム)にて。

 

まずは「ヱビスビール」の成り立ちをおさらい

「ヱビスビール」が誕生したのは1890(明治23)年。1887年に日本麦酒醸造会社(現、サッポロビール)が設立し、1889年に現在の恵比寿(住所は目黒区三田)に醸造場が完成。翌年2月に、ドイツ人醸造技師による本格的なドイツビールとして発売された「恵比寿ビール」がルーツです。

↑「恵比寿ビール」。1900(明治33)年のパリ万国博覧会では、30か国以上から出品されたビールのなかで金賞を獲得した。

 

やがて1901(明治34)年になると、大量のビールを出荷する専用の貨物駅「恵比寿停車場」が開設され、1906(明治39)年には恵比寿駅へと発展。その後1988(昭和63)年、工場は千葉へ移転することになり、跡地は1994年に現「恵比寿ガーデンプレイス」となりました。

 

そして移転から約35年の時を経て、恵比寿で再び醸造を開始することになったのが、新設された施設を備えたYEBISU BREWERY TOKYOです。

 

ここでしか飲めないビールが味わえる“ブルワリウム”

↑YEBISU BREWERY TOKYOがオープンしたのは、かつて「恵比寿ガーデンプレイス」内にあり、2022年に閉館した「ヱビスビール記念館」の跡地。

 

同館は入場無料。ゆとりのある天井高の空間に設計された開放的な施設となっており、ヱビスビールの歴史を展示したスペースや醸造設備を見学できるコーナーなど、見て回るだけでも楽しいコンテンツが充実しています。

↑歴史や過去の商品などが展示された「ミュージアムエリア」。隣には、ブランドのルーツを伝える写真や広告を展示した「ジャーニーラウンジ」も。

 

ビール好きなら、ブルワリー限定ビールを飲める「タップルーム」はぜひ立ち寄りたいところ。なかには期間や数量限定のヱビスビールもあり、訪れるたびに新鮮な出合いがあります。また、2024年5月15日からはガイド付きの有料ツアー「YEBISU the JOURNEY(ヱビス ザ ジャーニー)」もスタートし、いっそうにぎわうこと必至です。

↑写真左奥に見えるのが、リアルな醸造設備が配されたブルワリーエリア。右側はタップルームとなり、写ってはいないものの手前側にはギフトショップも。

 

ビールは、ここでしか飲めないヱビスビールが常時6種程度提供され、1杯1100円から。飲み比べるなら、4種セットの「ビアフライト」(1800円/各220ml)がオススメです。また、フィンガーフードを中心に数量限定のソーセージやスイーツといった一皿まで、軽食も400円からラインナップ。

↑「ビアフライト」。4種類のビールを少しずつ味わえるのが嬉しい。

 

ヱビスブランドから新ラインを立ち上げた狙いは?

一方、CREATIVE BREWは、2023年にヱビスの新ラインとして立ち上がったブランド。「つくろう、驚きを、何度でも。」を合言葉に、これまでのビールの概念にとらわれない新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦していくヱビスです。

↑CREATIVE BREWは基本的に期間限定発売。左端がブランド第1弾の「ヱビス ニューオリジン」で、1890年のヱビスビール発売当時に使用されていたとされる、ドイツ産ホップ「テトナンガー」に着目していることが特徴のひとつ。

 

より具体的に、通常の「ヱビスビール」との違いを挙げるなら、自由な発想で醸造すること。例えば、「ヱビスビール」はドイツのビール純粋令にならって麦芽とホップと水(と酵母)を原材料に造りますが、CREATIVE BREWシリーズではときに副原料も使用。

↑CREATIVE BREWの第4弾は、2024年夏季新作の「ヱビス ジューシーエール」。フルーツを用いた高級菓子から着想を得て、ブランドで初めて果汁が使用されている。(参考小売価格258円/税抜)

 

こうして、個性が光る味わいを生み出しているわけですが、歴史も長いヱビスブランドから新ラインを立ち上げた狙いはどこにあるのでしょうか? 有友さんは「ヱビスだからこそお届けできる価値があると考えています」と話します。

↑有友さんは、2012年サッポロビール入社。北海道工場でビール醸造を担当後、酒類技術研究所で酵母の研究に取り組む。2017年にドイツへ留学し、Brewmaster(ブリューマスター)の資格を取得。帰国後は新商品開発や研究を行い、今春からはYEBISU BREWERY TOKYOの醸造責任者も兼任。

 

「ヱビスには130年以上の歴史がありますが、『日本でビールを作るんだ』という立ち上げ当初のベンチャーマインドあふれていたからこそ、成長し続けてこれたのかなと思います。例えば、日本初のビアホールだったり、当時日本では珍しかった黒ビールの発売だったり、挑戦の連続だったと思うんです」(有友さん)

 

そういえば、今年のリニューアルで掲げられたヱビスビールの合言葉は「ヱビスは何度でも完成する。」このメッセージにも挑戦心を感じます。

↑ヱビスの広告に登場している、ブランドアンバサダーの山田裕貴さん。YEBISU BREWERY TOKYO グランドオープン記念イベントにて。

 

「近年でも、プレミアムビールという市場提案など、ビールにおける新たな価値を発信してきた自負があります。そんな、ヱビスがもつ革新性を、伝統を踏まえたうえで知っていただけたら。ヱビスの歴史を現代に紡ぐ、創造的なブランドをつくれたら。そんな願いからCREATIVE BREWは生まれました」(有友さん)

↑「ヱビスビール」は1980年代のリブランディングで「Premium」の文字を缶にデザイン。また、「ヱビス、ちょっと贅沢なビール♪」のキャッチコピーで提案するなど、日本におけるプレミアムビールの先駆けでもある。

 

「クリエイティブブリュー」が目指すもの

CREATIVE BREWでは醸造における自由度が高くなりますが、そのなかにおいても「やらないこと」はあるのでしょうか。判断基準は「お客様にとって価値につながるか否か」。この考え方はYEBISU BREWERY TOKYOのビール造りにも共通しているとか。

 

「どれだけユニークでも、期待から外れたようなビールだったら裏切りになってしまいますよね。結果として、革新的な味だけど軽すぎるとか、個性が強すぎて飲み切れないとか、そういった味の印象につながる造り方はないかなと思っています」

↑YEBISU BREWERY TOKYOの期間限定ビールのひとつ「Foggy ale(フォギーエール)2024」。クラフトビールで昨今大人気のヘイジーIPAを彷彿とさせるトロピカルな香りながら、ほどよくクリアで苦味もマイルド。

 

「一方で、『テトナンガー』だったり、第2弾の『ヱビス オランジェ』で採用したホップの分割添加だったりと、古典的な製法を振り返るようなアイデアは、ビールの面白さの再発見につながると考えており、今後も積極的にトライしていきたいですね」(有友さん)

 

ときにアートや音楽、料理といったクリエイティブを新しいビールレシピのヒントにすると話す有友さん。また、四季で変わるビールの感じ方も意識しており、季節に合ったスタイルを提案したいとも。ということは、夏のビアスタイルとして有名な「セゾン」や、濃厚で高アルコールの冬向けスタイル「ボック」などが今後登場する可能性も?

↑マスターブリュワーズルームには、有友さんのブリューマスターディプロマ(資格証明書)のほか、お気に入りのアートなども飾ってある。

 

「十分ありうると思いますね。ただし名称を含め、ビアスタイルとは違った方向性で提案したいと考えています。あえて枠組みから離れることで、これからのビアスタイルになるような、多彩で独創的なビールをお届けできたらと思います」(有友さん)

 

有友さんが言うビアスタイルとはある種、枠組みとしてのクラフトビールとも近しい観点。つまり、CREATIVE BREWをクラフトビールとは表現はしないということ。

 

「130年以上の知見があるヱビスならではの、上質で豊かなおいしさで、ビール自体の価値を高めていきたいと考えています」(有友さん)

 

有友さん自身はクラフトビールのカルチャーやブルワーにリスペクトを抱きつつ、ヱビスとしてのクラフトマンシップを持ち、独自の個性あふれるビールを造りたいと話します。

↑ここには銅製の仕込み設備が鎮座。ドイツ製で、年間130キロリットルのビールを製造できるとか

 

「YEBISU BREWERY TOKYOは小規模な醸造設備ですし、やっていること、目指す先は同じかもしれません。いずれにせよ、日本のビールをもっと面白くしたい、シーンを盛り上げたいと思う志は変わりませんし、クラフトビールをはじめとする多様性あふれるお酒の浸透によって、お客様の嗜好性も広がっています。そのなかで、私たちはヱビスの可能性をさらに追求し、より魅力的なビールを提案できるよう、これからも挑戦していきます。ご期待ください!」(有友さん)

↑手にしているビールは、第3弾の「ヱビス シトラスブラン」。ホップとレモングラスによる、清涼感あふれる上質な味わいに仕上げられている。(参考小売価格258円/税抜)

 

YEBISU BREWERY TOKYOが開業したことで、より多くの声を商品開発に生かせるようになったと微笑む有友さん。限定ビールは今後も続々発売されるので、ブルワリーにもCREATIVE BREWにも、いっそう注目です。

 

「YEBISU BREWERY TOKYO」
住所:東京都渋谷区恵比寿4-20-1 恵比寿ガーデンプレイス内
営業時間:平日12:00~20:00、土日祝11:00~19:00
定休日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始
https://www.sapporobeer.jp/yebisu/communication/yebisu-brewery-tokyo/

一番搾りとどう違う? キリンビール「晴れ風」の“飲みやすい”“新しい”味は…中華そばとかけて“塩ラーメン”と解く!

2024年4月2日に新発売の「キリンビール 晴れ風」が、発売直後は一時品薄になったほど売れています。味の特徴は、プレスリリースによると“「ビールとしてのうまみや飲みごたえ」がありながら「飲みやすい」、新しいおいしさ”とのこと。

 

とはいえ、「キリン一番搾り生ビール」をはじめとする国民的ビールはどれも、飲みやすいから万人受けしているはずでは? それにぶっちゃけ、同社の「一番搾り」がライバルになってしまうのでは……?

 

↑実に17年ぶりの、キリンのスタンダードビール「キリンビール 晴れ風」はコンビニで税込224円(350ml缶/筆者調べ)。500ml缶も用意されている。

 

そこで、より具体的な味の特徴を開発者にインタビュー。独特な商品名やデザインの秘密なども聞きました。

 

トレンドの逆を狙った“引き算”の繊細なビール

スタンダードビールのなかで新しさを出すことがゴールのひとつで、究極の飲みやすさに振り切ったビールをつくりたいという狙いが開発当初からありました」

 

と語るのは、キリンビールのマーケティング部商品開発研究所、中味開発グループの東橋鴻介(とうはしこうすけ)さん。コンセプトはスタート地点から大きく変わることなく、どのように味を具現化していくかに苦心したと話します。

 

↑東橋さんは2018年入社。過去に「スプリングバレー豊潤<496>」や「のどごし<生>」などビール類を担当。ソムリエ資格も持つ。

 

そう、特に今回聞きたかったのは、その“新しさ”や飲みやすさ”について。具体的には、どんな味わいを指すのでしょうか?

 

「例えば、飲み疲れないとか飲み飽きないといった、おかわりしたくなる味わい。また、単体はもちろん、食事と合わせても寄り添ってくれるおいしさ。様々な飲みやすさがあると思いますが、それらをとことん追求したのが晴れ風です」(東橋さん)

 

そのうえで着目したのが消費者の声。同社が「ビールを家庭で飲まない理由」を調査したところ、「味が好きではない」「苦味がありそう」といった味覚面が上位だったそう。そこで、雑味や不快な苦みを打ち消す製法を確立し、クリアな旨みや心地良い爽快感を付与。また、仕込みと発酵工程の工夫により、過度な酸味を抑えたスムースな口当たりを実現したといいます。

 

↑特徴的な素材が、ホップの半分以上に使っている日本産(具体的には秋田、岩手、山形)品種「IBUKI」。もともとキリンが開発したホップであり、同社でなければできない量を使っているとか。

 

「麦芽の甘みやホップの苦みと香り、余韻の刺激といったビールの代表的な魅力をあえて目立たせず、それでいて、各味覚のバランスを調和させているのがポイントですね。これはある種ビールのトレンドと逆行した引き算の中味設計であり、つまり新しいといえるのではないかと思います」(東橋さん)

 

1stサンプルは、「昔のビールのコピーでダメだ!」と無念の却下

なるほど。例えば一番搾りは麦汁の甘みや旨みを感じさせてくれるビールですが、そういったわかりやすい魅力をあえて打ち出さないのが晴れ風ということですね。でも、飲んでみると味が薄いわけではなく、むしろ満足感は高く、すごくビールらしい正統派のおいしさだと実感します。

 

↑晴れ風と一番搾りは、ともに麦芽100%でアルコール度数も同じ5%。ただ、味の方向性が異なるため、完全なライバルにはならないといえるかもしれない。

 

晴れ風は味の骨格がしっかりしていながら、全体的には繊細でやさしい味わい。でも正直、わかりやすい特徴を打ち消しているぶん、魅力を表現しにくいおいしさだとも思います。苦労もたくさんあったのではないでしょうか?

 

「はい。ひとつは、新しさの表現が難しかったです。弊社には数多くの知見がありますから、開発途中のサンプルは飲みやすい味わいになったとしても、どこか過去の製品と似通った味になってしまうというフェーズがありました」(東橋さん)

 

その味はキリンビールの“味の番人”である、マスターブリュワーの田山智広さん曰く「開発初期の試作品を初めて試飲した際には『あぁ、昔のビールのコピーだな。これはダメだ』と思ったこともありました」とのこと。

 

↑晴れ風のお披露目イベントに登壇した、田山さん(左)と東橋さん(右)。

 

中華そばで例えるなら「塩ラーメン」のようなビール

しかし、トライアンドエラーを繰り返すなかで、目指す味へのヒントを発見。例えば、ホップを使うタイミングや組み合わせを考えるなど、過去には採用しなかった製法にトライできたと言います。

 

「ほかに苦労したのは、工場におけるレシピの正確な再現ですね。研究室レベルの少量でつくるのと、工場で量産化するのでは、難しさが全然違います。晴れ風の繊細なバランスは少しでもズレが出ると本来のおいしさが生かされないので、工場とのチームワークにおいても綿密なディスカッションを重ねました」(東橋さん)

 

この話を聞いたとき、筆者の脳裏に浮かんだのは、塩ラーメンの味作りを語る職人さんの熱弁です。塩は、発酵によって旨みが豊かになる醤油や味噌よりも繊細な調味料。だからダシの素材選びや作り方がより重要であり、ごまかしが利かない。ヘタな人が作るとすぐバレる。そのぶん、腕の見せ所でもあるという旨です。

 

↑塩ラーメンの例え話に、「近しい部分はあるかもしれませんね」と笑う東橋さん。

 

では、味以外のブランディングについて。まず「キリンビール 晴れ風」という、ある種ポエティックな名称はどのような意図で決めたのでしょうか?

 

「まず、お客様にも世の中的にも、いい風を吹かせたいという思いがありました。また、事前の消費者アンケートでも『新規性が高く興味を持つ大きなフックになる』ですとか、『明るく爽やかなイメージがあり、気分よく飲めそう』など評価いただける声が多く、最終的に決めたという流れですね」(東橋さん)

 

田山さんは「晴れ風を手に取ったお客様に一番伝えたいことは、『考えなくていい、感じてほしい』ということです。このビールののどごしや香りだけでなく、音色や佇まいや口触り、あらゆる感覚を開放して楽しんでほしいです」とも語っていました。

 

↑筆者が過去の取材で田山さんからたびたび聞いたのが、「ビールづくりはメイキングではなくブリューイング。工業製品ではなく芸術品。アートなんです!」というアツい話だ。

 

晴れ風をあえて「一番搾り」「淡麗」「のどごし」のように味や製法をイメージするネーミングにしなかったのは、『考えなくていい、感じてほしい』という思いがあるからではないか、と筆者は考えました。世界的にも有名なブルース・リーの「Don’t think. Feel!(考えるな。感じろ!)」にも通じるわけですが、東橋さん、いかがでしょうか?

 

「そうですね。田山だけで決めるわけではありませんが、キリンの醸造哲学には『生への畏敬』『Brewingの精神』『五感の重視』の3原則がありますから、その理念が晴れ風にもしっかり反映されていると思います。それに味わい的にも晴れ風は、飲んでいただくことで魅力を実感できるビールですから」(東橋さん)

 

青緑色は缶ビールの最新トレンドカラー!

そしてもうひとつ、ブランディングで気になるのが、印象的な青緑色のパッケージ。近年、メジャーなビール類ブランドでは青や緑を積極的に使ったパッケージデザインが増えているといえるでしょう。

 

↑パッケージのQRコードも特徴。こちらは、売り上げの一部を活用して、桜や花火といった日本の風物詩を支援する「晴れ風アクション」専用サイトの入口となっている。

 

キリンの商品では、ノンアルコールの「キリン グリーンズフリー」が2022年に全面が緑系のカラーリングに刷新したことでも話題になりましたし、クラフトビールの「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」でも、鮮やかな青緑系の色が採用されています。晴れ風にはどういった意図があるのでしょうか?

 

↑東橋さんの後ろの棚には「キリン グリーンズフリー」や「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」も。

 

「ひとつはやはり、新しさですね。特に晴れ風はビッグネームが並ぶスタンダードビールのカテゴリーですから、お店などの売り場で並んだ際に目立つ存在でありたいという狙いがあります。なお、採用している色はターコイズブルーで、私たちとしては『晴れ風ブルー』と呼んでいます」(東橋さん)

 

ビールのパッケージカラーが青緑系というパブリックイメージは、ある意味新定番として認識されているともいえます。というのも、先日筆者が渋谷駅構内を歩いていたときに見た「渋谷スクランブルスクエア」の広告で、青緑色の缶ビールを持つイラストが描かれていたから。

 

↑渋谷駅の通路にて。缶ビールの色に注目!

 

冒頭で「一時品薄になったほど売れています」と触れましたが、事実晴れ風は発売約1か月で、キリンの過去15年のビール類新商品で最大の売り上げを達成。また、年間販売目標の4割を超える200万ケースを突破したとか。

 

ロケットスタートを切った晴れ風ですが、この旋風はどこまで強く吹くのでしょうか。夏はこれから、ますます目が離せません!

飲酒中・飲酒後のNG行為は?悪酔いせずお酒を楽しむ“適正飲酒”の基礎知識

心身ともに健康への注目が年々高まるなか、2024年2月には厚生労働省が「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表。飲酒に伴う社会的責任にも関心が集まっています。飲む人も飲まない人も、ともに理解を深めるための基礎知識をお届けしましょう。

 

『生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ』(主婦と生活社)や『名医が教える飲酒の科学』(日経BP・日経新聞社)などの著書をもつ酒ジャーナリストの葉石かおりさんに、酔いに関する豆知識や、悪酔いしない飲み方のコツなどを教えていただきました。

 

 

おさらい。
「酔う」ってどういう状態?

まずあらためて押さえておきたいのが、お酒に“酔う”とはいったいどういう状態なのか、ということ。

 

飲んだお酒に含まれるアルコールの多くは肝臓で処理され、分解されるなかで悪酔いや頭痛、動悸の原因にもなる成分アセトアルデヒドに。そして、分解される成分のひとつである酢酸は血液を介して全身を巡り、水と炭酸ガスに分解。やがて汗や尿、呼気中に含まれて外へ排出されます。
参考=アサヒビール「人とお酒のイイ関係」

 

アルコールは血液に溶け込んで脳へも運ばれ、神経細胞に作用することで麻痺が起こります。これが“酔い”の正体。その程度は、脳内のアルコール血中濃度によって6段階に分けられます。

 

「血中濃度が0.02~0.04の『爽快期』から、0.41~0.50の『昏睡期』までの6段階ですね。なお、一般的には肝臓でアルコール代謝されるのですが『イッキ』などでガブ飲みすると、代謝が追いつかずに血中アルコール濃度が急激に上昇します。

すると『ほろ酔い期』や『酩酊期』を飛び越して、一気に『泥酔期』『昏睡期』の状態にまで進み、場合によっては意識不明や呼吸困難など危険な状態に。これが急性アルコール中毒と呼ばれる症状です」(酒ジャーナリスト・葉石かおりさん、以下同)

 

資料提供=キリンホールディングス

 

なお、人種の遺伝的な性質により、日本人を含むモンゴロイド系の人々は、ヨーロッパ系やアフリカ系に比べてお酒に弱いといわれています。日本人にフォーカスすれば、約4割はお酒に弱いとも。
参考=キリンホールディングス「適正飲酒のススメ」

 

さらに、アルコールを分解する酵素が十分働かない若年層はもちろん、代謝能力が低下する高齢者も酔いやすい体質。さらに体格やホルモンの影響により、女性は男性よりも血中アルコール濃度が高くなりやすい傾向があります。成人でも、それぞれが体質に応じた飲み方を守っていくことが大切だといえるでしょう。

 

最近よく聞く「適正飲酒」の定義とは?

今回のテーマ「適正飲酒」とは読んで字のごとく、適量で節度ある飲酒のこと。日本は冒頭で述べたガイドラインによって、生活習慣病のリスクを高める1日あたりの「純アルコール量」を男性で40グラム以上、女性で20グラム以上の摂取、と定義しました。

純アルコール量は、大手酒類メーカーを中心に2021年ごろから記載されるようになっている。写真はオリオンビールの缶体表記。

 

参考=キリンホールディングス「適正飲酒のススメ」

 

「適正飲酒」が声高に推奨されるようになった背景には、急性アルコール中毒を防止しようという意識の高まりに加え、アルコールの過度な摂取が生活習慣病のリスクを高めるという社会課題も関係しています。

 

事実、各省庁によると国内のアルコール消費量は減少しているものの、アルコール摂取を要因とする死亡率は悪化。2022年にアルコール性肝疾患で亡くなった人は6296人で、20年前の2002年の3327人と比べ2倍近くに増えたとか。

 

その背景には、一部の多量飲酒者が極端にアルコールを消費している状況があるとされ、そこで作成されたのがガイドラインです。2022年に行われた第1回から全5回の検討会を経て、2024年2月19日に公表されました。

こうした取り組みには、日本と諸外国を比べた際の、お酒を取り巻く環境や文化の違いもあると葉石さん。「実は、日本は飲酒の取り締まりがやさしい国なんです」と指摘します。

 

「例えば飲食店における『飲み放題』というメニューは、私の知る限り欧米では提供されていません。また、日本は公園やビーチなどの公共の場における飲酒に寛容ですが、アメリカなど法律で取り締まっている国もありますし、時間帯によってお酒を販売しない国も多いです」

 

そのうえで葉石さんは、各国が指標とする適正飲酒量についても言及。

 

「日本がガイドラインで定義した、男性40グラム、女性20グラムという純アルコール量ですが、これは世界的にみるとまだ多いほうです。純アルコールの量はあくまで目安ですが、海外事例も踏まえたうえで、各人がお酒の摂取量を意識するべきでしょう」

 

例えばアメリカは男性28グラム、女性14グラム。スウェーデン、シンガポール、台湾は男性20グラム、女性10グラム 。なお、爽快期から昏睡期までの目安を知る、血中アルコール濃度は、=[飲酒量(ml)×アルコール度数(%)]÷[833×体重(kg)]という計算式で導き出せるので、ぜひ自身でもご確認を。

 

お酒を飲むなら実践したい!
悪酔いしないコツ

葉石さん『生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ』は、最新医学を踏まえた健康的な嗜み方が満載の一書。あらためて、悪酔いしないコツを教えていただきました。

 

・飲む前に食べておく

「空腹状態で飲酒すると、胃で多少とどまるはずのアルコールが一気に小腸へ。すると、血中アルコール濃度も早く上がってしまうため、悪酔いしやすくなります。オススメは、消化が遅くて胃のなかに長くとどまってくれる、油分が多い食べ物。例えばチーズや、ドレッシングで味わうサラダ、カルパッチョなどがいいでしょう」

 

・油分以外にオススメな食べ物

「油のほかに胃を守ってくれる成分のひとつがビタミンU(キャベジン)。キャベツやブロッコリーに多く含まれていますが、水溶性で熱に弱いため、生で食べましょう。肝臓の解毒作用やアルコール代謝を促進するアミノ酸に分解されるのが、たんぱく質。特にオススメなのは、ヘルシーかつ粘りが胃を保護してくれる納豆です。また、消化されずに大腸まで届く、きんぴらや切り干し大根といった食物繊維が豊富な料理。悪酔い防止には、肝臓での代謝を助けるタウリンや、ゴマなどに含まれるセサミンが効果的です」

 

・水を挟みながら飲酒する

「水には、胃腸内のアルコール濃度を薄める効果があります。また、アルコールには利尿作用があり、尿量が増えて脱水症状になりやすいため、それを防ぐためにも水を飲むことがオススメ。日本酒造組合中央会によれば、摂取する水は酒と同量程度を推奨しています」

 

・二日酔い対策にはオレンジジュース

「二日酔いは、酒を飲んだ翌日にも体内にアルコールが残っていたり、アルコール代謝が原因で体調不良を起こしたりする症状。飲み過ぎないことが前提ですが、もしつらいときはオレンジジュースがオススメです。それは、糖のなかでも特に吸収の早い果糖が豊富で、同時に水分も取れるから。また、アセトアルデヒドの分解を促進するビタミンCや、利尿効果を持つカリウムも豊富なのがオレンジです」

 

飲酒中・飲酒後のNG行為と間違った“常識”

悪酔いしないコツを実践したい一方で、NG行為もあります。飲酒運転や飲酒の強要はもってのほか、不安や不眠解消のための飲酒や療養中や投薬後の飲酒もNG。また妊娠中・授乳中の飲酒も避けたほうがいいでしょう。ただ、ほかに良かれと思って実践していた行為がNGだった、ということもあるようです。

 

・汗をかくとアルコールが抜ける?

→間違い。

「脱水症状となるため逆効果。汗をかいてもアルコールは抜けません。酔った状態で行う運動は、心臓に過度な負担がかかるとともに、発汗作用によって脱水症状になる危険性もあります。また、酔ったままの入浴も危険です。血圧が上昇して納所中や心臓発作の危険性があるほか、湯船のなかで寝てしまい溺死するリスクもあります」

 

・“ちゃんぽん”(さまざまな種類のお酒を飲む)は悪酔いする?

→避けるべきだが、理由が異なる。

「お酒の種類は関係なく、あくまでも酔いは摂取したアルコールの総量で決まるもの。ちゃんぽんが悪いのは、種類が変わることで純アルコール量(自分がどれだけ飲んだか)があいまいになるからです」

 

・牛乳を飲むと胃に膜ができて酔いにくくなる?

→もっと適切な対策を。

「完全なる間違いではない(乳脂肪やたんぱく質が含まれるため)ですが、であれば固形のチーズを食べるほうが効果的でしょう」

 

誤解に惑わされず、正しい知識で楽しく飲みたいものです。

 

新たな価値観「ソバーキュアリアス」って?

最近は、「ソバーキュリアス」ということばをしばしば聞くようになってきました。こちらは「sober(しらふ)」と「curious(好奇心)」を組み合わせた造語で、お酒をあえて飲まない日を楽しむライフスタイル。欧米の1980年〜1990年代半ば頃に生まれたミレニアル世代から、こうしたトレンドが生まれたといわれています。

 

日本でもその価値観が広まり、大手メーカーを中心にノンアルコール、低・微アル飲料が増加。コンビニでも買えるようなメジャーな商品を中心に、特徴や味わいを紹介しましょう。

 

 

アサヒビール「アサヒ ゼロ」
オープン価格
一度ビールを醸造した後にアルコール分を取り除く「脱アルコール製法」により、アルコール度数0.00%でありながら本格的なビールらしい味と飲みごたえを実現。2023年に近畿エリアで先行発売していたが、好評につき今春より全国展開へ。
アルコール度数=0.00%

 

サッポロビール「サッポロ ザ・ドラフティ」
オープン価格
2021年の秋にデビューしたアルコール度数0.7%の微アル飲料で、2023年1月製造分からリニューアル。ホップを3分割添加し、さらに氷点下熟成させた麦芽100%生ビール原料を新たに採用したことで、よりビールに近いおいしさに。
アルコール度数=0.7%

 

ヤッホーブルーイング「正気のサタン」
235.44円(税込)
国内クラフトビール界のトップランナーが、2022年の夏に新発売。クラフトビールで特に人気のあるインディアペールエール(IPA)の味を追求し、柑橘系のアロマホップが芳しい香りに仕上げた。
アルコール度数=0.7%

 

宝酒造「タカラ 辛口ゼロボール」
141円(税込)
2022年10月にデビュー。ノンアルコールながら、下町の大衆酒場で愛される味わいを、タカラ「焼酎ハイボール」のおいしさを濃縮したエキスで実現。糖質、カロリー、プリン体、甘味料がゼロなのもうれしい。
アルコール度数=0.00%

 

月桂冠「月桂冠 スペシャルフリー」
オープン価格
日本酒のなかでも人気の高い大吟醸の香味をイメージして開発された、ノンアルコール飲料。ブランドは2014年9月に発売された「月桂冠フリー」が前身で、コクのある「スペシャルフリー」と淡麗な「スペシャルフリー辛口」がある。
アルコール度数=0.00%

 

アサヒビール「koyoi ブリリアントベリー」
1650円(税込)
2021年9月に誕生した、低アルコールのクラフトカクテル「koyoi」の人気フレーバー。ラズベリーと炭酸をベースに、バニラが上品に香る。全商品が保存料、着色料、人工甘味料不使用で、素材本来のおいしさを最大限に引き出しながら飲みやすく仕上げられている。
アルコール度数=3%

 

メーカーも自ら立ち上がった!
適正飲酒にどう取り組んでいる?

「適正飲酒」に関してはメーカーも以前から啓発活動を行ってきました。ここではとくに積極的な3社の取り組みを紹介します。

 

・アサヒビール

2020年12月より、お酒を飲む人も飲まない人も楽しめる「スマドリ(スマートドリンキング)」を提唱。2022年1月にはアサヒビールと電通デジタルでスマドリ株式会社を設立し、「SUMADORI-BAR SHIBUYA」もオープン。5月23日には、スマドリに共感する人が集うファンコミュニティ「SUMADORI-LAB .」も開設されました。

アサヒビール「人とお酒のイイ関係」

 

2022年にオープン、2024年にリニューアルされた「SUMADORI-BAR SHIBUYA」。

 

・オリオンビール

肝疾患による死亡率が男女ともに全国ワースト1で、アルコール性肝疾患の死亡率は全国平均の約2倍となっている沖縄県。このような背景も受け、地元のオリオンビールは2019年末にストロング系と呼ばれる高アルコール商品を廃止しました。また、純アルコール量の缶体表記は2021年7月より開始(公式サイトでの表示は同年4月より)。適正飲酒の取り組みに関して、実に先駆的なメーカーといえるでしょう。 オリオンビール

 

・キリンビール

お酒を飲むときに、その雰囲気や流れる時を楽しんでもらうという新しい飲み方「スロードリンク」を2019年から提唱し、適正飲酒の啓蒙活動もより積極的に実施。2024年5月からは、団体向けに正しいお酒との付き合い方を学ぶ「適正飲酒セミナー」の展開もスタートしています。

キリンビール「適正飲酒のススメ」

 

最後に……お酒はやっぱり楽しい!

アルコールの過剰摂取は心身ともにリスクが伴います。ただし、適正に飲むなら「お酒はコミュニケーションツールであり、日常のストレスから解放してくれるメリットも大きいものです」と、葉石さんはお酒の“効能”も力説します。

 

これからの「スマートなお酒の楽しみ方」は、自身の適正飲酒量を知り、無茶せず楽しむ程度に嗜むこと。より詳しく知りたい人は、葉石さんの各著書も参考に、いつまでもおいしくお酒を楽しみましょう。

 

Profile

酒ジャーナリスト / 葉石かおり

エッセイストでもあり、「酒と心身の健康」「酒と食のペアリング」を主軸に各メディアにコラム、コメントを寄せる。各企業にて酒の健康的な飲み方、アルコールハラスメントについての社内研修も行っている。代表作に、シリーズ累計18万5000部を超える『名医が教える飲酒の科学』『酒好き医師が教える最高の飲み方』(ともに日経BP)があり、新著は『生涯お酒を楽しむ「操酒」のすすめ』(主婦と生活社)
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サッポロ生ビール黒ラベル「千葉ロッテマリーンズ缶」数量限定発売

サッポロビールは、サッポロ生ビール黒ラベル「千葉ロッテマリーンズ缶」を5月14日に千葉県および周辺1都7県にて数量限定発売する。

 

サッポロビールは大手ビールメーカーの中で唯一千葉県内に工場を有しており、1999年より「千葉ロッテマリーンズ缶」を限定販売することで同球団を応援している。

 

今年のデザインは、千葉ロッテマリーンズの本拠地「ZOZOマリンスタジアム」でマスコットキャラクターである「マーくん」が投球するシーンを表現。

 

また、同球団への応援メッセージである「勝ち取れ!! 千葉ロッテマリーンズ!」を記し,千葉工場で製造していることも表記している。

 

 

メーカー:サッポロビール

商品名:サッポロ生ビール黒ラベル「千葉ロッテマリーンズ缶」
※中味は通常の黒ラベルと同じ。

発売日:2024年5月14日

発売地域:千葉県・東京都・埼玉県・神奈川県・山梨県・茨城県・栃木県・群馬県・長野県
※一部取り扱いのない店舗もあり。

価格:オープン価格

沖縄県産素材を使用した「75BEER」シリーズ『CRAFT LAGER』『ALT』が5月8日から数量限定発売

アサヒビールは、オリオンビールが沖縄県産大麦を使用して製造するビール『アサヒオリオン 75BEER CRAFT LAGER』『アサヒオリオン 75BEER ALT』を、5月8日から数量限定で発売。

 

 

『アサヒオリオン 75BEER CRAFT LAGER』は、生産量が世界で1%未満の希少なホップである「ELLA(エラ)」と「ENIGMA(エニグマ)」を使用しています。ラガーならではの“のどごし”と低温でゆっくり発酵させることで生まれる、やわらかな口あたりが楽しめます。

 

『アサヒオリオン 75BEER ALT』は、ドイツ発祥の“アルト”というスタイルのクラフトビールです。アロマホップ100%使用による華やかな香りとローストした麦芽由来の芳醇なコクが楽しめます。

 

商品名: アサヒオリオン 75BEER CRAFT LAGER / アサヒオリオン 75BEER ALT

価格: オープン価格

2万4800円の工場見学!? “常陸野ネストビール”の木内酒造がビール・ウイスキー・日本酒全部載せのバスツアーで提供する贅沢体験の数々

日本におけるクラフトビールの黎明期からトップレベルの人気を博し、いまやウイスキーなども手掛けるビッグネームが「常陸野ネストビール」の木内酒造。その姿勢は、“大和魂”を重視しながら、実は海外交流にも超積極的。大胆な“攻め”の社風も特徴です。

 

そのポリシーが、個性派ビールやウイスキー事業の原動力にもなっているのですが、今度は“バー付きバスツアー”というユニークな事業を開始。お酒好きにはたまらない、贅沢体験の数々をいち早く体験してきました。

↑「BAR BUS HITACHINO(バーバス常陸野)」の車内。バータイムでは、同社の様々なお酒(炭酸水もあり)を自由に楽しめる。

 

ウイスキー、ビール、日本酒のつくり方を1日でチェック

「バーバス常陸野」は朝10時に東京駅を出発し、木内酒造が誇るビール、日本酒、ウイスキーの製造拠点を中心に見学し、19時半を目安につくば駅に到着するという日帰りのツアー。

↑この日のドリンクは、「常陸野ネストビール」の「ホワイトエール」「ラガー1823」や、「日の丸ウイスキー KOME」「日の丸ジン 蔵風土」など。「BAR BUS HITACHINO」と描かれたタンブラーは、オリジナルのミニエコバッグとともに持ち帰れる。

 

車内バータイムでのふるまい酒のほか、直営店でのランチとディナーも含み、大人1名2万4800円(税込)。移動はお任せで、多ジャンルの酒について学ぶことができ、ときに里山など大自然の景観に癒され、グルメ三昧! しかもオリジナルのお土産付きと、けっして高くないツアーだといえるでしょう。

↑最初に到着したのは、ウイスキーなどをつくる八郷(やさと)蒸溜所。敷地の畑には「金子ゴールデン」(木内酒造が積極栽培している、日本原産のビール用大麦)が植えられ、6月上~中旬ごろには収穫を迎える。

 

茨城県石岡市の八郷は良質な水に恵まれ、また盆地のため昼夜の寒暖差が大きく、熟成地としても理想的。また八郷地区は日本の里山100選に選ばれるなど日本の原風景が残る地域で、蒸溜所からは東の富士と呼ばれる筑波山の凛々しい眺望を望みます。

↑売店が併設された、一般開放もしているビジターセンター。ここでは木内酒造の歴史のほか、ウイスキーの素材や製造工程を展示パネルとともに学べる。

 

【ウイスキー】この蒸溜所だけの独自仕様がもりだくさん

ウイスキーは概して、製麦→糖化→ろ過→発酵→蒸溜→熟成→ブレンド(ヴァッテド)→瓶詰といった工程でつくられますが、それぞれ順に追ってスタッフが案内。特に木内酒造ならではのポイントというと、まず仕込み用タンクの独自性が挙げられます。

↑手前が「ろ過器」で奥が「糖化槽」。ウイスキーとしては珍しく、大麦麦芽以外に小麦、米、そばなど多様な原料の使用を想定しており、その糖化温度を管理しやすくするために、分けて導入している。

 

また、「培養タンク」や「発酵タンク」も特徴的。前者は自社培養酵母を造るための設備で、菌によってはバニラやココナッツのような風味が生まれるのだとか。そして後者は、ステンレス製のほかに木製も使用し、なおかつ材質を変えることで、より多彩な原酒をつくれるようになっています。

↑左がスロベニア産とフランス産のミックスオーク材、右がフランス産のアカシア材を用いた発酵タンク。イタリアのガロベット社製だ。

 

蒸溜所のシンボルともいえる「ポットスチル」(単式蒸溜器)は、スコットランドの名門・フォーサイス社製で、ストレートヘッド(ボディとネックが直線)の形状。ラインアームはやや下向きで、濃厚で香り高い酒質を狙っていることがわかります。

↑釜から上部に伸びる部分(ここはストレートヘッド)と、折れ曲がって伸びるパイプ(ラインアーム)の角度などが酒質を決めるひとつの要素に。写真手前が「初溜釜」、奥が「再溜釜」。

 

また、こちらは連続式蒸溜機を付設したハイブリッドスチルとなっていて、蒸溜室の奥にはその連続式も設置されています。一般的に、連続式蒸溜機はグレーン原酒用の設備となりますが、八郷蒸溜所では個性的なグレーン原酒をつくるために、ポットスチルでもグレーン原酒を蒸溜。この点もかなり独特です。

↑この連続式蒸溜機はジンのほか、グレーンウイスキーも蒸溜する予定だという。

 

そして熟成樽の材質にもこだわりが随所に。ジャパニーズウイスキーは日本原産の木材を珍重しますが、同社ではその定番であるミズナラ樽はあえて使いません。一方で重宝されているのはサクラ樽。サクラの熟成樽が特別珍しいというわけではありませんが、蒸溜所がある石岡市には県内屈指の桜の名所「常陸風土記の丘」があり、その点もサクラ樽を重用する理由です。

 

 

↑樽材によって異なる風味を、原酒のボトルと材質を並べることで紹介。左端がサクラの鏡板。

 

見学のあとは、ウイスキーをテイスティングしながらのランチ。樽や熟成年月などが異なる3種の原酒を飲み比べ、個性がどう変わるのかを自らの鼻と舌で体験します。

↑左から、2種の自社酵母を使ったバーボン樽の23ヶ月熟成。ジャマイカのラム樽で熟成をかけた32ヶ月もの。国産小麦を51%使用し、ラム樽で30ヶ月熟成したグレーンウイスキー。

 

味わえる料理は、蒸溜所内に2023年に開業した「常陸野ハム BARREL SMOKE」で製造する自家製シャルキュトリ(ハムやソーセージなどの加工肉)の盛り合わせと、自家製フォカッチャです。同社では近隣の養豚農家と提携し、飼料の一部に麦芽の搾りかすなどを使用し育てた特別かつ高品質な「常陸野ポーク」を一頭丸ごと購入。そのうえで自社加工し、燻製にもウイスキー熟成で使用した樽のチップでスモークしています。

↑シャルキュトリはポルケッタ、ビアシンケン、ピスタチオ入りハムなど様々。地元ブランド「常陸秋そば」のそば粉と天然酵母による自家製フォカッチャも美味!

 

なお木内酒造では「石岡の蔵」という、国内の蒸溜所でも珍しい製麦施設をもっており、ここではスコットランドの伝統製法であるフロアモルティング(いまや現地でも希少な、ハンドメイドの製麦)も行っているとか。このツアーにその見学は含まれていませんが、いつか見てみたいものです。

 

【ビール】海外で最も有名なクラフト“フクロウビール”の総本山

次にバスが向かったのは、「常陸野ネストビール」と「常陸野ハイボール」がつくられている、那珂(なか)市の額田(ぬかだ)醸造所。ウイスキーもビールも麦のお酒ではあるものの、製造は途中から大きく異なることが見学によって深く理解できます。

↑まずは、麦の種類や副原料の説明からスタート。

 

ウイスキーは、麦汁を発酵させたもろみを蒸溜するお酒。蒸溜によって濃度の高いクリアな酒質へ磨き、長期の樽熟成で風味付けを行いますが、ビールは麦汁にホップを添加して発酵、短期熟成という手順を踏むフレッシュな(なかには長期熟成ビールもあります)醸造酒であるため、より麦汁の方向性が味わいを大きく左右します。

↑“ビールの魂”と呼ばれるホップを、乾燥させペレット状にしたもの。防腐や香り付けに必要な、ある種最も味を左右する主原料だ。

 

それはつまり、ビールはウイスキー以上に麦の品種や焙煎度合い、副原料などが重要ということ。そのため額田醸造所では、まず原料の紹介に始まり、次に設備や各工程の解説へ進みます。

↑手前から糖化用のマッシュタン(タンク)と、煮沸用のケトル。ほかに濾過用のロイタータン、凝集物の除去用のワールプール。これらを使って麦汁を移動し、発酵工程へ。

 

澄んだ麦汁は、ワールプールから発酵タンクへ移動させます。この時点では、まだお酒になっていない麦ジュースの状態。酵母を加えて発酵させることにより炭酸ガスを含んだビールとなり、その後ラガー(下面発酵ビール)の場合は約1ヶ月間低温熟成させます。

↑発酵タンクがズラリ。1本6000リットルですが、クラフトビールのマイクロブルワリーとしてはかなり巨大(醸造所の生産量は1年約3000klで、330mlボトル900万本分)。

 

ちなみに「常陸野ネストビール」は、世界におけるジャパニーズクラフトビールとしては日本屈指の知名度を誇るブランドです。それは、他社に先駆けて海外展開を進めてきたから。いまや生産量の約半分が海を渡り、輸出先は40ヶ国以上。NYのマンハッタンではフクロウマークのトラックが走る姿を見られます。

↑見学後は、もちろん試飲もあり。写真のボトルはサンプルで、この日はタップから注いだ「ヒストリー1602」という限定のエール(上面発酵)ビールをいただいた。

 

テイスティング時には、ホップ品種の違いを、ペレットを比較しながら確認できます。個性が魅力のクラフトビールは、よりホップの使い方が重要。その違いを学ぶチャンスもここでは得られます。

↑右端のビールが「ヒストリー1602」。こちらは秋田県横手市産のホップ(生のチヌークホップなどを使用)と、地元那珂市産の「金子ゴールデン」を一部使用した、フローラルな香りが特徴だ。

 

【日本酒】蔵でも貫かれるバリエ―ション豊かな酒造り

そしてバスは、木内酒造の祖業である日本酒の蔵へ。醸造酒であるため製法の概要はビールと似ていますが、麦芽でなく蒸した米で仕込むなど、素材の種類や加工法には大きな違いがあります。

↑ブルワリーの額田醸造所と同じ那珂市にある「鴻巣の蔵」。木内酒造は江戸時代の1823(文政6)年に木内儀兵衛がこの地で酒造りを始め、「菊盛」などの銘酒を生み出してきた。

 

特に日本酒の場合、味の方向性を大きく左右するのが精米歩合(米を削る度合い)であり、食用米のコシヒカリと、酒米で有名な山田錦は何が違うのか(あえてコシヒカリで醸す日本酒もあります)、そして精米歩合が酒質をどう変えるのか、など実物を見ながら学べます。

↑山田錦と、その山田錦と日本最古の原生酒米・雄町(おまち)をルーツに持つ愛山を、精米歩合別に展示。削るぶんだけ小さくなる、粒の大きさに注目したい。

 

ほかにも、日本酒とビールの違いに挙げられるのが麹(こうじ)の有無(なかには、麴を使うビールもあります)。麹とは穀物に種麹(麹菌や、もやしともいいます)を付着させた日本ならではの発酵原料のことで、日本酒ではこの麹を作る「製麹」が最も重要な工程ともいわれます。

↑製麹したあとの米麹。左が、伝統的に日本酒や醤油、味噌などに用いられる「黄麹」で、右が焼酎に頻用される「白麹」(木内酒造の「淡雫(あわしずく)」など、白麹で醸す日本酒もある)。

 

この酒蔵でも、木内酒造ならではの製法が見られます。わかりやすい点を挙げるとすれば、発泡性をもたせる日本酒の貯蔵槽にビール用のステンレスタンクを使っていること。

↑右に見える「ビアサーマルタンク」が、発泡性日本酒用の貯蔵タンク。ビールを手掛ける木内酒造ならではといえるだろう。

 

その一方、仕込み蔵には木桶で仕込まれた米焼酎なども。自由な発想から、ときに伝統的に、そして革新的な製法で、バリエ―ション豊かな酒造りを行っていることがわかります。

↑こちらは、伝統的な杉の木桶。

 

製麹を行う麹室(こうじむろ)など、いくつか立ち入りできない場所もありますが、一連の醸造工程を見学したあとは、バーとショップが併設された「ききさけ処」に移動して試飲を体験。

↑左がフルーティーな「菊姫 純米大吟醸」で、右がきめ細かい発泡が楽しめる「菊盛 純米吟醸にごり酒 春一輪」

 

「ききさけ処」では多彩な日本酒のほかに「常陸野ネストビール」や焼酎などもラインナップしており、銘柄によっては試飲も可能。一般開放しているので、今回のバスツアーでなくても足を運んでみてはいかがでしょうか。

 

ディナーで社長が語ったモノづくりの流儀

見学の全行程を終えたラストには、「鴻巣の蔵」内にあるレストラン「蔵+蕎麦な嘉屋」でのディナーが待っていました。建物は、1924(大正15)年に建てられた蔵をリノベーションした空間。メニューは蕎麦のほか、使われる野菜や肉はすべて茨城県産の素材を厳選し、常陸野の美食と自慢の日本酒とのペアリングを楽しめます。

↑ツアーで提供される料理はおまかせの特別コースとなり、こちらはそのメインとなる「常陸野ポーク」のロースト。発酵玉ネギのソース、赤からし水菜、かぼちゃのピューレで味わう。

 

コースの料理は一皿ひと皿が、木内酒造の日本酒とのペアリングを考えて構成され、ラストには名物の蕎麦が登場。この蕎麦ももちろん「常陸秋そば」で、同社では「金子ゴールデン」の裏作期間を有効的に活用する意味で栽培しています。

↑「木内家秘伝のつけけんちん蕎麦」

 

「蔵+蕎麦な嘉屋」が提供するそばの割合は、外一(そば粉とつなぎの割合が10:1となる、九割そばの一種)。今回味わったメニューは、木内家に伝わるけんちん汁をつけ汁にしたもので、酒粕と味噌の風味、野菜の旨みがとけこんだコクのある味が、香り高い蕎麦にマッチします。

 

このディナーには木内酒造代表の木内敏之社長も加わり、バスツアーの狙いや今後の展望、使命感などを聞かせてくれました。

↑木内家九代目当主の敏之社長。日本のクラフトビール黎明期の1995年に「常陸野ネストビール」を立ち上げ、1996年より醸造開始。2016年にはウイスキーづくりも始めるなど、チャレンジングな同社をけん引する存在。

 

「よそが真似できないことをやるというのが、うちの理念のひとつにあり、このバスツアーもそうです。風土の景観や恵みを楽しんでいただきながら、私たちのモノづくりを知っていただきたいと思いました。

 

ただ、いろいろな冒険をしてきたなかで、私が次に注力したいのは日本酒なんです。理由は、自分自身が還暦を迎えたことで、あらためて祖業に向き合いたいと思ったから。また、蔵元の数が年々減少しているなど、市場が縮小しているから。であれば、うちならではのユニークな取り組みで業界を盛り上げたいと思ったんです。

 

ですから、このツアーでは最後に皆さんを『蔵+蕎麦な嘉屋』でお迎えし、ここではウイスキーやビールではなく日本酒を存分に味わっていただきたい。これからの木内酒造は、日本酒にもより注目ください!」(木内社長)

 

「バーバス常陸野」は運行開始を記念して5月末までは平日限定割引が適用となり、不定期で国内外のトップシェフによるプレミアムな料理を味わえるガストロノミーツアーが開催されたり、美術館でのアート鑑賞などを組み合わせた見学工程が行われたりと、特別な企画も。お酒好きはもちろん、旅好きの人も要チェックです!

 

「BAR BUS HITACHINO」
運行予定:木・土・祝(9:30受付)10:00発〜19:30着予定
料金:大人1名 2万4800円(税込)※運行開始記念により平日限定で大人1名2万1800円(税込)を2024年5月末まで実施
予約ページ
サービスサイト
※20歳未満は申し込み不可

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉海辺のエール」数量限定新発売

サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉海辺のエール」を6月4日(火)から全国で数量限定新発売。

 

“爽やかでフルーティな香り、かろやかな余韻”が楽しめるジャパニーズエール

「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉」シリーズは、「ザ・プレミアム・モルツ」ブランドこだわりの素材、当社独自の上面発酵酵母、醸造家の卓越した技術を掛け合わせることで実現した、日本人の嗜好に合う“フルーティな味わいと爽やかな香り”が特長です。

 

今回は、サファイアホップを使用した「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉海辺のエール」を限定発売します。

 

中味は、サファイアホップに加え、磨きダイヤモンド麦芽(※)を一部使用することで、“爽やかでフルーティな香り、かろやかな余韻”が楽しめる味わいが特徴です。パッケージは、夏の浜辺をモチーフに、波の動きをイメージした開放感あるデザインに仕上げています。

※穀皮を除去し、コクに寄与するたんぱく質を多く含むダイヤモンド麦芽

 

メーカー:サントリー

商品名:ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉海辺のエール

*希望小売価格は設定していません

 

「パーフェクトサントリービール」から〈エールビール〉が数量限定新発売 ! 

サントリーは、糖質ゼロ(※)のエールビール「パーフェクトサントリービール〈エールビール〉」を5月14日(火)から全国で数量限定新発売。

※食品表示基準に基づき、100mlあたり0.5g未満を「糖質ゼロ」としています

 

「パーフェクトサントリービール」は、“力強い飲みごたえ”と糖質ゼロによる“爽快な後味”を楽しめるブランド。今回は糖質ゼロのエールビール「パーフェクトサントリービール〈エールビール〉」を限定発売します。

 

中味は、上質で深いコクが特長の「ダイヤモンド麦芽」を一部使用し、「パーフェクトサントリービール」ブランドらしい飲みごたえを実現。また、エールビールの特徴である上面発酵酵母による醸造香と、ふんだんに使用したアロマホップによる香りを組み合わせることで、爽やかな香り立ちとフルーティな香りの余韻を楽しめます。

 

パッケージは、「パーフェクトサントリービール」のデザインを踏襲し、また爽やかな青のグラデーションを採用することで、エールビールらしい爽やかな味わいを表現しています。

 

メーカー:サントリー

商品名:パーフェクトサントリービール〈エールビール〉

発売期日:2024年5月14日(火)

※希望小売価格は設定していません

 

ヱビスブランド「CREATIVE BREW」から清涼感あふれるフルーティーな「ヱビス シトラスブラン」が期間限定で発売

サッポロビールは、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」第3弾商品「ヱビス シトラスブラン」の缶商品を2月20日に期間限定で、樽商品を同日に数量限定で発売(注1)。

(注1)樽商品は「YEBISU BAR」「TAPS BY YEBISU」「サッポロビール九州日田工場ウェルカム館」ほかで取り扱う予定です。

 

ホップとレモングラスのマリアージュ

「CREATIVE BREW」は、ヱビスで100年培ってきた技術と知見を活かしながらこれまでのビールの概念にとらわれない新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦していくヱビスブランドの新ラインです。

 

「CREATIVE BREW」の第3弾となる本商品は、春夏の季節にふさわしい爽やかで豊かなおいしさを実現するために、新たに爽やかな香りがするハーブ「レモングラス」に着目。ヱビスにふさわしい上質なおいしさのために産地から徹底して吟味したレモングラスを採用。柑橘のような香りのホップ「シトラ」とマリアージュさせることで、これまでにない、清涼感あふれる上質でフルーティーなヱビスが誕生しました。

 

パッケージは今回の味わい特長であるレモングラスのイラストを象徴的に表現するとともに、缶体に特殊加工を施すことで、独特の外観と手触りによる上質感を表現しています。

 

■メーカー:サッポロビール

■商品名:ヱビス シトラスブラン

■参考小売価格:258円(税抜・350ml缶)

 

スタイリッシュな缶容器で若年層にアプローチ『アサヒスーパードライ スマート缶』 2月27日数量限定発売

アサヒヒビールは、スタイリッシュな新容器を採用した『アサヒスーパードライ スマート缶』を2月27日から数量限定で発売。

2022年に、1987年の発売以来初めてフルリニューアルした「スーパードライ」。初めて中味の処方を変更し、特長である“辛口”のコンセプトはそのままに“キレのよさ”は維持しながら“飲みごたえ”を向上させました。

 

今回発売する『アサヒスーパードライ スマート缶』は、若年層でも手に取りやすいスタイリッシュな缶容器を採用。「スーパードライ」の特長であるシルバーをベースに、「SUPER“DRY“」のロゴが大きく描かれています。

 

シンプルながら洗練されたデザインにすることで、若年層の飲用喚起を図り、発売と同時に若年層から人気のコンテンツとコラボレーションしたプロモーションも予定。なお、中味は通常の『アサヒスーパードライ』と同様です。

 

■メーカー:アサヒビール

■商品名:アサヒスーパードライ スマート缶

■価格:オープン価格

生ジョッキ缶初のプレミアムビール『アサヒ食彩』3月5日から全業態で全国発売

アサヒビールは、全国の酒類取り扱いのコンビニエンスストア(※)限定で展開しているプレミアムビール『アサヒ食彩』を、3月5日から全業態で販売を開始。

※全国展開コンビニエンストアおよび公共交通機関系コンビニエンスストア限定。一部店舗では取り扱いがない場合があります。

 

ふたをあけると湧き上がる、“うつくしい”泡と華やかな香り

『アサヒ食彩』は、生ジョッキ缶の特性を最大限生かすことで実現した“まるでシャンパンで乾杯するような心躍るひととき”がコンセプトのプレミアムビール。ふたをあけると湧き上がる“うつくしい”泡が特長で、フランス産希少ホップ「アラミス」を含む5種ホップ使用による華やかな香りを楽しむことができます。

 

2023年7月11日にコンビニエンスストア限定で発売し、華やかな香りや濃厚な味わいなど中味のおいしさに加え、シンプルながら高級感を感じるパッケージデザインが好評で、今回、ふたを金色に変更することで、さらに高級感・贅沢感を感じられるデザインとなっています。

 

メーカー:アサヒビール

商品名:アサヒ食彩

価格:オープン価格

開業日には春夏限定の「Foggy ale 2024」も発売!「YEBISU BREWERY TOKYO」2024年4月3日開業決定!

サッポロビールは、ヱビスビール発祥の地である恵比寿における醸造施設を伴ったヱビスのブランド体験拠点「YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)」の開業日を、2024年4月3日に決定。

 

開業日には春夏限定の「Foggy ale 2024」も発売

開業日には、ブルワリー限定の通年フラッグシップ商品「ヱビス ∞(ヱビス インフィニティ)」「ヱビス ∞ ブラック(ヱビス インフィニティ ブラック)」だけでなく、春夏の期間限定で「Foggy ale 2024(フォギーエール 2024)」を発売。ビール開発を霧に形容したことを商品名の由来とした、2種のホップをドライホッピングしたことによるトロピカルな香りと、霧のようにかすんだ液色が特長的なビールです。

 

■YEBISU BREWERY TOKYO開業時提供ビール

①ヱビス ∞(ヱビス インフィニティ)<通年商品>

「Beer is ∞.(ビールは無限大)」。ビールの持つ無限の可能性を信じ、新たなビールの魅力に挑戦していくYEBISU BREWERY TOKYOのフラッグシップとして開発されたヱビス。恵比寿工場で使用されていたヱビス酵母を再選抜しこの時代に復活。1890年のヱビスビール誕生当時に使用されていたと思われるドイツ産ファインアロマホップ「テトナンガー」を一部使用し、過去に想いを馳せながらも現代ならではのおいしさに蘇らせた、YEBISU BREWERY TOKYOのフラッグシップ商品。ヱビスらしい王道感のある飲みごたえに加え、高貴で洗練された苦味と香りが特長。麦芽100%、テトナンガー一部使用、ヱビス酵母使用。

 

②ヱビス ∞ (ヱビス インフィニティ ブラック)<通年商品>

「Beer is ∞.(ビールは無限大)」。YEBISU BREWERY TOKYOのもうひとつのフラッグシップ商品。恵比寿工場で使用されていたヱビス酵母と、香ばしく芳醇な黒麦芽に、オレンジのような香りのホップ「マンダリナバーバリア」を組み合わせた、黒ビールらしい深みがありながらもフルーティーなホップの香りがきいた、驚きのあるブラック。麦芽100%、マンダリナバーバリア一部使用、ヱビス酵母使用。

 

③Foggy ale 2024(フォギーエール 2024)<期間限定販売>

「Beer is uncertainty. (ビールは不確かなもの)」。ビールには数千年にわたる長い歴史があり、さまざまなスタイルが存在するため、「ビール」という単語の表すものほど不確かなものはない。ビールの開発はその無数のスタイルが漂う霧の中から一つの答えを見出す作業のよう。2種のホップをドライホッピングしたことによる、トロピカルな香りと、霧のようにかすんだ液色が特徴。とろりとした不思議な飲み口ながらも、ビールらしい苦味とフルーティーな香り。ビールとはなにか、どこまでがビールなのか、そう考えさせられる1杯。麦芽100%、小麦麦芽一部使用、アマリロ一部使用、モザイク一部使用。

 

施設名称 YEBISU BREWERY TOKYO(ヱビス ブルワリー トウキョウ)

開業日 2024年4月3日

場所 東京都渋谷区恵比寿4-20-1 恵比寿ガーデンプレイス内(現:ヱビスビール記念館)
※ヱビスビール記念館は2022年10月末から休館。

営業時間 平日:12時~20時 土日祝:11時~19時/定休日:火曜日(祝日の場合は翌日)・年末年始

さらなる洗練を「ヱビスビール」8年ぶりのリニューアル

サッポロビールはヱビスビールを2024年2月製造分より順次リニューアル。

 

130年以上の歴史の中で、一層磨き抜かれたヱビスビールを

今回のリニューアルでは、ホップの最適な使用方法をさらに追求することで、麦の旨味を際立たせ、洗練させた味わいへ進化。また、パッケージも要素をそぎ落とし、より洗練されたデザインへ進化しました。

 

ヱビスビールは1890年の誕生以来、プレミアムビールの先駆者として、そのおいしさを磨き続けてきました。麦芽100%、ヱビス酵母、ふんだんに使用されたバイエルン産アロマホップ、そして長期熟成。吟味しつくされた原料と製法がつむぐ、旨味あふれるふくよかなコクにさらに磨きをかけています。

 

■商品名:ヱビスビール

■発売日・地域:2024年2月製造分より順次切替・全国

■参考小売価格:オープン価格

「ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」通常のアルミ缶と比較してCO2排出量25%削減となる缶を採用 

サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」を1月30日(火)から全国で数量限定新発売。

 

通常のアルミ缶と比較してCO2排出量25%削減

今回「ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」に採用したアルミ缶は、住友商事・住商メタレックス・神戸製鋼所・大和製罐が共同で企画・製造。グリーンアルミ(※1)をマスバランス方式(※2)により割り当て、通常のアルミ缶(※3)と比較してCO2排出量を25%削減すること(※4)ができます。

 

サントリーグループは主要な容器・包装について、商品設計から輸送、消費後のリサイクルまで、商品のライフサイクル全体での環境配慮を実践。ペットボトルにおいては独自の「2R+B(Reduce・Recycle+Bio)」戦略や「プラスチック基本方針」に基づき、循環型かつ脱炭素社会の実現に努めています。

※1:再生可能エネルギーによりCO2排出を抑制して製造したアルミニウム
※2:特性の異なる原料が混合される場合に、ある特性を持つ原料の投入量に応じて生産する製品の一部にその特性を割り当てる手法
※3:日本アルミニウム協会 飲料用アルミニウム缶のインベントリ調査報告書(2023年7月)にて公開されている350mlアルミニウム缶
※4:DNV ビジネス・アシュアランス・ジャパンにより、第三者の公平・中立的な立場からスキームの検証と妥当性を確認しています

 

■メーカー:サントリー

■商品名:ザ・プレミアム・モルツ(サステナブルアルミ)」

*希望小売価格は設定していません

 

クラフトビールの魅力を多くの人に「SPRING VALLEY」ブランドをリニューアル

キリンビールは、クラフトビールブランドの「SPRING VALLEY」を3月12日にリニューアル。

 

クラフトビールとの接点を拡大

「SPRING VALLEY 豊潤<496>」は中味をリニューアル。ホップの添加タイミングを複数回に分けることで、各々のホップが持つ豊かな香り・質の良い苦味を最大限に引き出し、豊潤さを維持しながらも飲みやすさをさらに高め、最後まで心地よく飲める味わいに進化しました。

 

また、「SPRING VALLEY 豊潤<496>」「SPRING VALLEY シルクエール<白>」「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」のパッケージも刷新。「おいしさ」「品質感」のイメージは維持しながら、クラフトビールを飲んだことがない人にも「親しみやすさ」を感じてもらえるデザインに。

 

■メーカー:キリンビール

■商品名: ①「SPRING VALLEY 豊潤<496>」/②「SPRING VALLEY シルクエール<白>」/③「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」

■発売日:2024年3月12日

■希望小売価格:350ml缶・242円(税別)、500ml缶・321円(税別)

「生のうまさ」は残したまま爽快な後味「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」数量限定発売

サッポロビールは「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」を3月5日に全国で数量限定発売。

 

洗練さを追求したもう一つの黒ラベル

 

「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」は「サッポロ生ビール黒ラベル」のおいしさの決め手の一つである、独自開発の「旨さ長持ち麦芽」を使用。一口目の麦のうまみや、何杯飲んでも飲み飽きない黒ラベルらしい「生のうまさ」は残したまま、爽快な後味を追求しています。

 

パッケージは、黒ラベルブランドの世界観を保ちながらも、爽快さを表現したブルーシルバーを基調とし、洗練さが際立つデザインとなっています。

 

■メーカー:サッポロビール

■商品名:サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー

■発売日・地域:2024年3月5日・全国

■参考小売価格:オープン価格

「生のうまさ」は残したまま爽快な後味「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」数量限定発売

サッポロビールは「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」を3月5日に全国で数量限定発売。

 

洗練さを追求したもう一つの黒ラベル

 

「サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー」は「サッポロ生ビール黒ラベル」のおいしさの決め手の一つである、独自開発の「旨さ長持ち麦芽」を使用。一口目の麦のうまみや、何杯飲んでも飲み飽きない黒ラベルらしい「生のうまさ」は残したまま、爽快な後味を追求しています。

 

パッケージは、黒ラベルブランドの世界観を保ちながらも、爽快さを表現したブルーシルバーを基調とし、洗練さが際立つデザインとなっています。

 

■メーカー:サッポロビール

■商品名:サッポロ生ビール黒ラベル エクストラブリュー

■発売日・地域:2024年3月5日・全国

■参考小売価格:オープン価格

これからの時代のビール「サントリー生ビール」リニューアル新発売

サントリーは、「サントリー生ビール」をリニューアルし、2月製造分から順次全国で新発売。また、飲食店でも“グッとくる飲みごたえと飲みやすさ”を楽しんでもらうために、新たに瓶と樽を3月5日から新発売します。

 

“グッとくる飲みごたえと飲みやすさ”に磨きをかける

 

 

今回は、「サントリー生ビール」の魅力をさらに向上させるべく、中味・パッケージを刷新。中味は、醸造条件を見直し、飲んだ瞬間の刺激感を強化するとともに、全体のバランスを調整することで、“グッとくる飲みごたえと飲みやすさ”にさらに磨きをかけています。

 

パッケージは「生」の訴求を強め、色調を明るく調整することで、より爽快な印象を強化。また、6缶パックや24缶ケースでは、「生」の訴求とともに、缶を中央に堂々と配置することで、パッケージとの連動を強化しています。

 

なお、これまでの「サントリー〈天然水のビール工場〉群馬」「サントリー〈天然水のビール工場〉京都」に加えて、2月からは「サントリー〈天然水のビール工場〉熊本・阿蘇」、9月からは「サントリー〈天然水のビール工場〉東京・武蔵野」での製造を開始し、ビール4工場すべてでの生産体制に切り替えるとのこと。

 

■メーカー:サントリー

■商品名:サントリー生ビール

*希望小売価格は設定していません

“生ホップ”の商品化で世界を驚かせた! 日本ビールの立役者“ホップ博士”が語るビールとホップと遠野の物語

キリンのクラフトビール「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、ブランド3本目の柱となる「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」が、10月24日に全国発売されました。特徴のひとつは、同社が品種開発した2種の日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN(ムラカミセブン)」と「IBUKI(イブキ)」を一部使用していること。

 

GetNavi webは今回、この立役者となる重要人物にインタビューする機会に恵まれました。

↑「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」。希望小売価格は、350ml缶が242円、500ml缶が321円(ともに税抜)

 

長年、この2種をはじめとするホップの研究に心血を注ぎ、日本を代表するホップ博士として有名な、同社OBの村上敦司(むらかみあつし)さんです。第一線は退いたものの、村上さんはいまもキリンホールディングス飲料未来研究所の技術アドバイザーとしてホップ業界に携わり、週末はジャズ喫茶「BrewNote遠野」のマスターとして充実した日々を過ごしています。

↑村上敦司さん。手にしているのは、2000年に「ホップの品質改良と品種分化に関する育種学的基礎研究」で農学博士号を取得した際の論文

 

ビールにおけるホップの存在感が年々高まるなか、今回は「BrewNote遠野」を訪れ、村上さんにインタビュー。なぜ近年ホップが注目されているのか、村上さんの名を冠した「ムラカミセブン」や「イブキ」はどのように生まれたのか、日本におけるホップの歴史などについて伺いました。

 

ビールの多様化がホップへの熱狂を生み出した

村上さんは、岩手県紫波郡紫波町出身。岩手大学農学部農学研究科修了後、1988年にキリンビールに入社し、1996年までは植物開発研究所(当時)でホップの品質改良に従事。その後、酒類技術研究所に異動し、ホップに焦点を当てた商品開発にも携わるようになります。

↑2016年に行われた、第1回フレッシュホップフェスト発表会時のプロフィール

 

そんな村上さんにまず聞きたかったのは、なぜホップなのか? ということ。そもそも、ビールには麦も欠かせない主原料です。なぜビールに関しては、ホップがやたらとクローズアップされるのでしょうか?

 

「もちろん麦も大事です。でも、ホップは苦みや香りを大きく左右しますし、味の多様性に関しては麦以上に振り幅が大きいんですよ。そのうえホップは麦より種類が多く、新品種がどんどん生み出されています。種類が多ければ多いほど組み合わせも増え、未知なる味の可能性も広がりますよね。だからホップのほうが注目されやすいのだと思います」(村上さん)

↑ホップ。生の状態はデリケートなため、左上の毬花(まりばな)を乾燥、加工し右上のようなペレット状にするのが一般的な使い方です

 

期待されて入社したと思っていたのに空回り

では、村上さんはどのような経緯でキリンビールに入社したのでしょうか?

 

「のちに私の師匠にあたる方が、残り4年でキリンビールを定年退職することになっていたんですね。同時に後継者候補を探しているということで、私が通っていた岩手大学に声がかかり、その縁で採用してもらったのがきっかけです」(村上さん)

1995年、32歳のときの村上さん(右後方)。「江刺ホップ農協40年史」より

 

大学では植物育種学を専攻していた村上さん。「ホップはまだ誰もやったことがない領域もあるし、これは品種研究の余地があるぞ!」と、ワクワクしながら取り組み始めたものの、入社した1988年は、やっと海の向こうでブルックリン・ブルワリー(米国NYを代表するクラフトブルワリーで、ブームの火付け役に数えられる一社)が産声を上げた時期。

 

35年前の日本におけるホップは、風味付け以前に「苦味の付与に必要なもの」といった認識しかされていなかったそうです。加えて、ホップを取り巻く環境は受難の時代を迎えていました。村上さんは、その歴史を次のように話します。

 

「日本では昭和30(1955)年代から国産ホップが急激に普及していきました。一番の理由は為替ですね。輸入ホップが高額だったため、大手ビール各社が日本産ホップを作り始めたんです。加えて高度経済成長とともにビールの消費量も伸びて好循環だったんですけど、昭和40年代からは為替が変わり始めちゃって。さらに昭和50年代になると、むしろ国産が高価になって減反政策に転じていきました

 

期待されて入社したと思っていたんですが、実はそうでもなかったんです。輸入ホップのほうが安くて品質も変わらなければ、それに越したことはないですから。私も、より香り高くて生産者さんが収穫しやすいホップに、と品種改良を重ねたんですけど、海外からも良質な品種が続々出てくるんですよ。国際競争力ではなかなか勝機が見出せず、シビアでしたね」(村上さん)

↑1953年から1954年にかけて、キリンビールが伝統的な日本原産ホップ「信州早生」から品種改良して生み出したのが「キリン2号」。その後2015年に名称を変え「IBUKI」となりました

 

フレッシュホップがもたらしたパラダイムシフト

1996年には、研究対象を農作物(植物開発研究所)から醸造(酒類技術研究所)へと移した村上さん。転機となったのは1999年、実験で造った“生ホップ”のビールが放つ香りでした

 

「それはまさに、フレッシュなホップの芳醇な香り。生で使う手法は海外のビールマニアが自家栽培で試していたという噂は聞いていましたが、決して美味しいという話ではなかったと思います。また、ビール醸造の最高学府のひとつである、ドイツ・ミュンヘン工科大学の研究でもフレッシュホップビールのレポートがありましたが、美味しくないという結論だったようなんですね。でも、私が造ったビールは手前味噌ながら美味しくて、香りの善し悪しは品種によるんだなと実感しました」(村上さん)

 

一方、社内では「ホップ臭が強すぎるのでは?」「いや、このホップ香は魅力だ!」と賛否両論。それでも「村上が面白いビールを造ったらしい」という噂は賛同者を増やすことに。そして、当社は難しいと思われていた大量生産のハードルも、仲間の協力でどんどん下がっていったとか。

 

「たとえば、原料調達部がホップ収穫用の巨大なカゴを一生懸命探してくれたり、ホップを凍結粉砕してくれるパートナーを見つけてきてくれたり。工場のメンバーもやる気満々でしたね。特に通常のホップ添加は機械で行うのですが、生のホップは水分が多いので、手作業で巨大な煮沸釜の麦汁に投入しなきゃならないんです。そこは手作業の経験が豊富なベテラン勢が『任せろ!』と中心になって、好意的に取り組んでくれました。とにかく関係者が一丸になって、商品化を阻む課題を一つひとつクリアしてくれて。そうして2002年に発売されたのが『キリン 毱花一番搾り』です」(村上さん)

↑「一番搾り とれたてホップ生ビール」の前身にあたる「キリン 毱花一番搾り」

 

「キリン 毱花一番搾り」のときから、フレッシュホップには遠野産が用いられています。その理由は設備的な環境にあります。東北では秋田の横手などもホップの一大産地ですが、一か所に集めて処理できる大型施設があるのは遠野だけ。フレッシュホップは鮮度が命なだけに、収穫や配送の拠点が点在していては非効率なため、遠野が最も適していたのです。

↑大量のホップを扱うことができる、遠野市農協ホップ加工処理センター

 

収穫時の鮮烈な香りを閉じ込めた「キリン 毱花一番搾り」は大ヒット。2004年からは「一番搾り とれたてホップ生ビール」と名称を変えて、毎年期間限定発売されるように。同時に、この成功事例は社内外に日本産ホップの可能性を知らしめていくきっかけとなりました

 

「たとえば、麦芽をたっぷり使った『キリン秋味』とはまた違う価値ですよね。しかも、それまで主役になることがなかった日本産ホップの、さらには生という新奇性。なおかつ遠野という地域性を前面に出すという。いまでは珍しくありませんが、ホップで稀少性とテロワールをうたう、新しい価値の打ち出し方だったんです。また、生のホップを使う手法は海外でも面白がってもらえました」(村上さん)

 

フレッシュホップを使ったビールが商品化された噂は、やがて海外に伝播。あるとき村上さんは、ドイツの醸造家から「少量のホームブリューイングならまだしも、大量に造って販売するなんて、キリンはクレイジーだね!」と言われたとか。

 

「キリンのなかでも『とれたてホップ』の取り組みがひとつの転換点になったと思いますし、ホップ研究が見直されたきっかけともいえるでしょう。そのあと日本でも少しずつクラフトビールが浸透していって、ホップの重要性も徐々に知られるようになりましたよね。一方で、アメリカをはじめとする海外ではホップ栽培がどんどん盛んになって、品種の数も増えていきました。いまや世界に300種以上もありますから」(村上さん)

 

博士の秘蔵っ子「ムラカミセブン」のデビュー秘話

村上さんが「とれたてホップ」の可能性に気付いてから「キリン 毱花一番搾り」が誕生するまでの間には、もうひとつ大きなティッピングポイントがありました。それが2000年、農学博士号を取得した論文「ホップの品質改良と品種分化に関する育種学的基礎研究」です。そしてこの研究成果が、のちの「ムラカミセブン」誕生へとつながっていくことになるのです。

↑「ホップの品質改良と品種分化に関する育種学的基礎研究」の、最重要ページ

 

「1991年から基礎研究の材料として交配させ、保存していた品種があったんですけど、2000年ごろになると、ホップを管理していた方が高齢のため引退すると。危うく廃棄寸前だったんですけど、ならばと約900あった個体から20種類だけ選別しました。学術的におかしくならないようランダムに抜き取って、それを遠野の隣町にある、キリンが管轄する岩手ホップ管理センターの裏庭に移し替えてね。そしたら、1本目の畝(うね)の7番目にすごく個性的な子がいたんです!」(村上さん)

 

村上さんがその個体を見つけたのは2006年のこと。放つ香りはいちじくやみかんのような、和のニュアンスを漂わせる印象的な果実感。ただ、日本産ホップの生産者が年々減ってくなか、新品種を積極的に開発することは難しいと思い、商品化までは考えていませんでした。

↑「ムラカミセブン」の毬花

 

しかし、2011年に起きた東日本大震災を期に、村上さんが考えた故郷への恩返しが、「とれたてホップ」に続く新品種の商品化でした。当時、醸造研究所の副所長であり、現在はマスターブリュワーとして活躍する田山智広さんに相談したところ「ぜひやろう!」と即決。増産が始まりました。

↑田山智広さん

 

「ムラカミセブン」の「ムラカミ」は、村上さんの苗字から。「セブン」は7番目の個体だったことから、スプリングバレーブルワリー初代社長の和田 徹さんが命名しました。村上さんは「恥ずかしいから別の名前にしません?」と言ったそうですが、「みんなリスペクトしてるんだからさ」となだめられてしぶしぶ納得したそうです。ホップの株はすぐに増えないため約5年の歳月がかかりましたが、2016年に実を結び「MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016」としてデビューとなりました。

↑「MURAKAMI SEVEN Fresh Hop 2016」。第1回フレッシュホップフェストの店舗限定で提供されました

 

独自の香りが魅力の「ムラカミセブン」ですが、優位性はほかにもあります。それは、少しでも生産者さんの負担を減らしたいという想いから村上さんが研究を重ねていた、収穫のしやすさ。「蔓下げ(つるさげ)」の必要がなく、省労力で単位面積当たりの収穫量が多いという利点があり、日本産ホップのスター品種としても期待されています。

↑2019年には「MURAKAMI SEVEN IPA」が製品化。現在は生産終了していますが、このDNAは「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」をはじめ多くの銘柄に受け継がれていくでしょう

 

ホップ、ステップ、スウィンギング!

キリン時代は勤務地だった横浜に長年住んでいた村上さんでしたが、定年退職を機に地元の岩手へ戻りジャズ喫茶を開業。学生時代はジャズ系のサークルではなく岩手大学合唱団で活躍していたそうですが、音楽はジャズに傾倒。じつは、岩手県は知る人ぞ知るジャズ喫茶の聖地。一関の「ベイシー」を知らないジャズファンはいないでしょう。

 

「『ベイシー』はいまちょっとお休み中ですけど、最初に行ったときの感動は忘れられません。やっぱり憧れですね。私自身も若いころからジャズのレコードやCDを少しずつ集めていって、気が付いたら数千枚の量になっていました。アンプやスピーカーも、元々持っていたサウンドシステムをこの店に設置しましたから、自分の部屋が引っ越してきたような感じです」(村上さん)

↑ジャズのなかでも好きなジャンルはビッグバンド。特にカウント・ベイシー・オーケストラがお気に入り

 

昔から、「たくさんのレコードや貴重な機材は、浪費じゃなく投資だから」と周囲によく言っていたと村上さんは振り返ります。

 

「でもこの前後輩から『村上さんはいつかジャズが流れるお店をやりたいって話してましたもんね』って言われました。『ああそうだったっけ? じゃあ夢が叶ったんだなぁ』としみじみ思いましたね」(村上さん)

↑「BrewNote遠野」では、もちろんビールも提供。写真は遠野におけるホップ栽培60周年を記念した限定銘柄、遠野麦酒ZUMONAの「IBUKI HOP IPA」800円

 

ホップ研究者として名を残し、ジャズ喫茶のマスターとしての夢を叶えた村上さんですが、まだまだやりたいことは尽きないと笑います。そのひとつが、ホップの名産地である遠野をいっそう盛り上げていくこと。

 

キリンは2015年から「ホップの里からビールの里へ」をスローガンとした遠野活性化の取り組みをスタートしましたが、村上さんはこの活動に協力しています。また、遠野ではさらなるホップの新品種が誕生しており、その開発にももちろん携わっています。地元のブルワリーでは試験醸造も始まっており、商品化もそう遠い話ではないでしょう。

 

遠野は有名観光地や郷土料理が多彩で旅行も楽しく、ふるさと納税の返礼品もビールを筆頭に充実しています。村上マスターに会いに行くもよし。ぜひ今度、訪れてみませんか?

↑「BrewNote遠野」は2020年6月に開業。文化施設「とおの物語の館」の敷地の一角にあり、蔵を改築した風情ある空間となっています

 

【SHOP DATA】

BREW NOTE 遠野

住所:岩手県遠野市中央通り2-11
営業時間:11:00~18:00
休業日:月~金曜
アクセス:JR「遠野駅」徒歩6分

 

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深いコクと贅沢な味わい! ファミリーマート限定のサッポロビール「ビアサプライズ コクの神髄」

※本稿はAIツールの要約を再編集した記事です。

 

ファミリーマートが、サッポロビールと共同開発した「サッポロ ビアサプライズ コクの神髄」を、全国のファミリーマートの酒類取扱店約1万6200店で、数量限定で発売中です。ただし、一部店舗では取扱いがない場合があります。

 

ファミリーマートとサッポロビールの共同ブランド「ビアサプライズシリーズ」は2023年6月に発売7周年を迎え、今回の「サッポロ ビアサプライズ コクの神髄」はその第13弾となります。高価格帯のビール需要が高まる年末に向けて、シリーズ初のプレミアムビールとして発売。深いコクと贅沢な味わいを引き出すために、サッポロビール史上初の「濃密ブレンド製法」を採用。

 

焙煎方法の異なる4種の麦芽を通常のビールの1.5倍使用し、さらに世界でも希少なフレーバーホップと厳選したビターホップをブレンドしました。麦のふくよかなコクと旨みに加えて、芳醇なホップの香りと上品な苦みが感じられます。パッケージは紫紺をベースとしながら、麦やホップのモチーフを明るく上品にあしらっています。

 

価格は350ml缶が241円(税別)、500ml缶は316円(税別)。

冬限定「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」、キリンビールから発売中!

※本稿はAIツールの要約を再編集した記事です。

 

キリンビールは、クラフトビールブランド「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、ブランド初となる缶商品の黒ビール「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」を冬限定で発売中です。

 

本商品は、2015年から「スプリングバレーブルワリー」直営店で販売している「Afterdark」をベースに、缶商品として開発したものです。「Afterdark」は「International Beer Challenge 2021」などの世界5大ビール審査会で金賞をはじめとする数々の賞を受賞し、その品質と美味しさは高い評価を受けています。

 

コーヒーのような香りと柔らかな甘みを感じることができ、黒ビールが苦手な人でも楽しむことができるようです。また、一般的に黒ビールの中で有名な“スタウト”のビアスタイルは華やかでしっかりした味わいの「エール」ですが、本商品はすっきりとした味わいが魅力の「ラガー」です。醸造家が厳選した特別な麦芽を使用し、焙煎することでコーヒーのようなロースト香を味わえます。

 

パッケージは金色×茶色のグラデーションで、黒ビールの「重そう・苦そう」というイメージを覆す、柔らかな味わいを表現しています。また、缶裏面には味覚特徴やクラフトビールならではの楽しみ方のヒントが記載されています。

 

そのまま飲むのはもちろん、グラタンやビーフシチューなどコクやとろみのある食事との相性が良く、また食事の後のチョコレートなどの濃厚なデザートとも好相性です。

 

価格は350ml缶が242円(税別)、500ml缶321円(税別)。

冬に飲みたい“ホット黒ビール”って? カレー鍋と楽しむ都会のキャンプイベント開催中

キリンビールはクラフトビールブランド「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、ブランド初となる缶商品の黒ビール「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」(以降「Afterdark」)を発売した。発売にあわせて、東京・代官山でアウトドアブランド「鎌倉天幕」とのコラボ企画を開催中。1日3組限定で「Afterdark」のホット黒ビールと欧風カレー鍋をテントのなかで味わえるキャンプ体験を楽しむことができる。

 

11月30日に開催されたメディア向け発表会では、一足先にホット黒ビールと欧風カレー鍋を堪能できた。特別感たっぷりのキャンプ空間で味わった、冬に “ホット” するメニューを紹介しよう。

 

 

最良の品質をお客様へ届ける

↑「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」のためにテラス席に用意されたキャンプシート

 

「SPRING VALLEY BREWERY(スプリングバレー・ブルワリー)」は、ノルウェー生まれのアメリカ人によって1870年の横浜に誕生した、日本で初めて商業的に成功したとされるビール醸造所の名前。その名を冠し、キリンビールが2014年にローンチしたクラフトビールブランド「SPRING VALLEY」は、さまざまな香りや味覚の要素が主張し合いながらも均衡した味わいの実現を目指し、「飲み飽きないおいしさ」のビールを生み出し続けて来た。またレストランを併設する醸造所、その名も「スプリングバレー・ブルワリー」を現在、東京・代官山と京都で展開している。

 

同ブランドから12月5日に発売されたのが、ブランド初となる黒ビールの缶商品「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」(350ml 242円/500ml 321円、税込、以下同)。

↑12月5日に発売された「SPRING VALLEY Afterdark<黒>」(350ml)

 

代官山のスプリングバレーブルワリー東京では、この発売に合わせて「鎌倉天幕」とのコラボ企画「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」を開催中。こだわりのテントの中で「Afterdark」のホット黒ビールと「『Afterdark』を使用した欧風カレー鍋」を楽しむことができる。期間は12月30日まで。コース料金は7000円、1日3組限定(4名~6名が入れるテント席 1組/2名~4名が入れるテント席 2組)のため要予約。

 

発表会に登壇したのは、スプリングバレーブルワリー代表取締役社長の井本亜香氏と、鎌倉天幕を展開するニューテックジャパン代表取締役の白石徳宏氏。

↑スプリングバレーブルワリー 代表取締役社長 井本亜香氏

 

テントやファニチャーを提供する「鎌倉天幕」は、ニューテックジャパンがアウトドアブランドのOEMメーカーとしてものづくりに携わった約30年の集大成ともいえるブランド。「企画・開発から生産までクオリティに妥協せず、持っていることを自慢できるものを」をコンセプトに、スタンダートながらもオリジナリティのあるアイテムを展開している。

 

今回店舗で使用される「鎌倉天幕」のイスやテーブルなどのファーニチャーは「家でも使える」がコンセプト。白石氏は「家の中に置いても恥ずかしくない質感にこだわっています。いろいろなシーズンや気候に対応できる汎用性の高さは、アウトドアをちょっとやられている人になら分かっていただけるはず」と、同ブランドアイテムのクオリティへの自信を覗かせた。

↑ニューテックジャパン 代表取締役 白石徳宏氏

 

今回のコラボ企画が実現した背景について、「私の方から声をかけさせてもらった」と言う井本氏。「ニューテックジャパンさんが掲げる『確かなものづくりと独創的な発想力』、そして『お客様に最良のものを届ける』というこだわりはクラフトビールに通じるものがあります」と語り、「1つの空間としてお客様に感じ取っていただくことができたら面白い」という思いから今回の企画実現に至ったことを説明してくれた。

 

都会のキャンプ空間で冬にぴったりの黒ビールを味わう特別体験

↑ラテのようにクリーミーでまろやかな味わいを、ホットではより深く味わえる

 

「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」で提供される「Afterdark」は、一般的な黒ビールが「エール」であるのに対し、すっきりとした味わいが魅力の「ラガー」である。特別な麦芽を使用し、穀皮を取り除いて焙煎することで苦みを抑えながら、コーヒーのような香りと柔らかな甘み、ラテを思わせるふくよかな口当たりと澄んだ飲み口が特徴だ。

 

「ホットにすることで炭酸が抑えられ、より味わいを楽しめる」と、ホット黒ビールの特徴を語った井本氏。保温保冷に優れた炭酸飲料運搬用ボトル・グラウラーで提供されるので、温かい状態で味わいを堪能できる。さらにハチミツやナツメグ、シナモン、ジンジャーなどを加え、自分好みにアレンジしてより “クラフト感” を味わうこともできる。

↑ホット黒ビールは炭酸飲料運搬用ボトル・グラウラーに入れて提供される

 

また、テラスキャンプ席のみの限定メニュー「欧風カレー鍋」は、隠し味に「Afterdark」を使用しているので、ほっと黒ビールとの相性も抜群。具材のキノコやローストした鶏肉なども黒ビールとの相乗効果で、よりうま味を感じられる仕上がりとなっていた。

↑隠し味に使用した「Afterdark」のコクも楽しめる「欧風カレー鍋」。鉄鍋で煮込んで調理する、キャンプ料理らしい一品だ

 

「自然の中で食事をするだけでご馳走。屋内では出せない空間の中で食べるご馳走は、さらに先を行くはずです」と、企画の魅力を改めて熱く語った白石氏。「この体験の楽しみ方は、キャンプ経験者かどうかは関係なく、万人に通じることだと思います。代官山の真ん中でこうした楽しみ方ができる機会は稀ですから、ぜひ楽しんでいただきたいです」とアピール。

 

井本氏も「驚きや発見を体験していただきたいなと思います。お酒が飲めない人やキャンプをしたことがない人にも、ぜひ来ていただきこの空間を楽しんでいただけたら嬉しいです」と、冬の自然の中で非日常を楽しむ体験を提供することへの意気込みを語り、締めくくった。

 

キャンプやクラフトビールの楽しみ方がさらに広がる新しい発見が出来る「SPRING VALLEY BREWERY “Afterdark”×鎌倉天幕」。冬の寒さを、温かい黒ビールとカレー鍋、そして大切な人と交流する温かい空間で楽しんでみてはいかがだろうか。

 

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年末年始の家飲みで“沖縄じかん”を堪能! オリオンビールの「沖縄じかんお楽しみ福袋」4種類発売中

オリオンビールは、「沖縄じかんお楽しみ福袋」を、オリオンビール公式通販サイトで注文受付中。

 

今回発売となる福袋は、「2023年の締めくくりと2024年の嘉例を祈願して乾杯!」がテーマ。沖縄では乾杯の掛け声に「嘉例(カリー)」という言葉があり、「めでたい先例。吉例。」という意味で、縁起の良いものとして使われています。

 

福袋は年末年始のそれぞれの過ごし方にあわせて選べる「極松」「松」「竹」「梅」の4種類のラインナップを用意しており、各セットで計8種類のバラエティ豊かなオリオンビールの飲み比べが楽しめます。

 

「梅セット」は、冬の風物詩「オリオン いちばん桜」や海外向けビールなどの限定品4種に加え、沖縄酵母OB-001を使用した「オリオン ザ・プレミアム」など定番品4種のほか、沖縄名護工場で製造したオリオンビール8種・12本入りです。

 

「極松セット」ではビール8種・24本に加えて年越しそば(沖縄そば)やおつまみのほか、手作りのオリジナル琉球ガラスが入った詰め合わせとなっています。

 

また、12月5日に発売予定のビール新商品「オリオン 75BEER BROWN ALE」(数量限定)も、各福袋に入っています。

↑オリオン 75BEER BROWN ALE

 

価格は、極松セットが1万5000円(税込)、松セットが1万円(税込)、竹セットが6940円(税込)、梅セットが4020円(税込)。

芳根京子が「バイトしたい!」と興味津々。アサヒ生ビール“マルエフ”の特製キッチンカーが全国巡回へ発進

アサヒビールは11月13日、「アサヒ生ビール(通称:マルエフ)」の飲用体験とブランドコンセプトの「ぬくもり」を全国1000万人に提供する「日本のみなさん、おつかれ生です。プロジェクト~全国 1000万人のまろやか体験~」の発表会を行った。同発表会では、CMキャラクターを務める女優の芳根京子さんと俳優の松下洸平さんが登壇。同プロジェクトで全国を周遊する特別仕様のキッチンカーに直筆メッセージを書き込んだほか、マルエフの魅力について語った。その一部始終をレポート。

 

マルエフのまろやかなうまみとぬくもりある世界観を伝える

↑「日本のみなさん、おつかれ生です。プロジェクト~全国 1000万人のまろやか体験~」で全国を周遊するキッチンカー「出張マルエフ横丁(マルエフカー)」

 

通称「マルエフ」こと「アサヒ生ビール」は1986年に登場し、 “まろやかなうまみのある” 味わいのビールとしてヒット。一般向け販売は1993年に終了となったが、その味わいが根強いファンに支持され、一部飲食店で飲める「幻のアサヒ」として愛され続けてきた。この「アサヒ生ビール」は、コロナ禍でもあった2021年に復活。同社は「厳しい時代だからこそ、ぬくもりのある人と人とのつながりを生み出したい」という思いから、これまで5回にわたり「マルエフ横丁」を各地域に設け、ぬくもりのある空間を提供してきた。

 

今回6回目にあたる「マルエフ横丁」は、2023年10月の酒税法改正でビール(狭義のビール)がより買い求めやすくなったこと、またコロナ禍が落ち着いたタイミングでもあることから、日本全国1000万人に「アサヒ生ビール」のブランド体験を届けるプロジェクト「日本のみなさん、おつかれ生です。プロジェクト~全国 1000万人のまろやか体験~」の一環として開催される。

 

開催場所は、11月19日までが大阪の阪急大阪梅田駅、21日~26日までが福岡の天神地下街イベントスペース。飲食店の賑わいを表現した会場では、「アサヒ生ビール」、「アサヒ生ビール黒生」に加えて、「ハーフ&ハーフ(アサヒ生ビール1:黒生1)」と「ワンサード(アサヒ生ビール2:黒生1)」が、マルエフとよく合うお通し3点とのセットメニュー(税込 500円)で提供される。

↑「アサヒ生ビール マルエフ横丁」各会場のイメージ

 

さらに、キッチンカー「出張マルエフ横丁(マルエフカー)」(以下、マルエフカー)が12月に九州エリアから出発し、全国各地を巡る。周遊中には、マルエフカーに来てほしい場所を募集するキャンペーンをX(旧Twitter)で実施予定。そのほか、街頭サンプリングの配布も行われる。

 

「おつかれ生です」の広がりにニッコリ。芳根京子と松下洸平が「マルエフ」と一緒に食べたいご当地グルメを推薦

↑左から、俳優・松下洸平さん、女優・芳根京子さん

 

同発表会では、CMキャラクターを務める女優・芳根京子さんと俳優・松下洸平さんがCMでおなじみの「日本のみなさん、おつかれ生です」のセリフと共に登壇。早速CM出演後の反響について質問されると「現場や知り合いからも『おつかれ生です』の声をかけてもらえて嬉しい」と二人とも笑顔で語った。

 

マルエフカーがまず九州からスタートすることに、松下さんは「舞台の九州ツアーに行ったとき、福岡のもつ鍋とビールが最高でした。マルエフカーにもついていきたい!」と語った。そのマルエフカーについて、芳根さんは「ぬくもりと優しさを感じるデザインが本当に可愛い! 私も一緒に同行してマルエフカーでバイトしたいです」と絶賛した。

↑「ポスターの写真と一緒に『おつかれ生です』の連絡もよくもらいます。一緒に飲んでいる気持ちになれて嬉しいです」と、反響の大きさを報告してくれた松下さん

 

さらに、「アサヒ生ビール」と一緒に食べたいご当地グルメは? という質問では、芳根さんが「夏に北海道に行ったときにジンギスカンを食べながらマルエフを飲んだんですけど、おにぎりも一緒に食べて。この組み合わせが最高だったので、ジンギスカンにおにぎりも追加で(笑)」と、はにかみながらも熱烈におすすめしてくれた。松下さんは「宮崎の地鶏炭火焼を食べたんですけど、マルエフと合わせたら最高だろうな、ぜひ一緒に食べたいなぁと思ってます」と、お店だけではなく自宅でもこの組み合わせで食べられないか “作戦” を練っていることを明かした。

↑芳根さんは「地方ロケの帰りにマネージャーとスーパー銭湯に行ったときも、お風呂上がりの『マルエフ』が最高でした!」と、明るい時間から「おつかれ生です」を楽しんだことも語ってくれた

 

 

周遊するマルエフカーには、二人の直筆メッセージとサインがあるのでこちらも必見だ。

↑「日本のみなさん、おつかれ生です」の音頭で乾杯をした、松下さん(左)と芳根さん(右)

 

アサヒビール株式会社 ビールマーケティング部 部長 倉田剛士氏は、「ビールがより手に取りやすくなったこのタイミングに、ぜひアサヒ生ビールをきっかけにして優しいつながりを作って欲しいです。出張マルエフ横丁の出張先も全国から募集しますので、地元の町おこしのイベントや親せきの誕生日のお祝いなど、ここぞというところで活用していただけたら」と、意欲を語った。

 

秋の深まりとともに日が短くなって、ふと心さみしさを感じることもあるかもしれない。そんなときには、マルエフ横丁でぬくもりのあるつながりを感じてみてはいかがだろうか。

 

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国産ホップを100%使用した「サッポロNIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」 数量限定発売

サッポロビールは、「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」を11月28日に全国で数量限定発売。

 

 

 

「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」は、北海道上富良野でホップの試験栽培を開始してから2023年で100周年を迎えることを記念して展開している、国産ホップを100%使用したサッポロNIPPON HOP(ニッポンホップ)シリーズの第4弾。

 

「フラノマジカル」はその名の通り、魔法のような鮮烈なトロピカルな香りが特長で、フルーティーな香りをもたらす成分の一つが世界最高レベル(注1)で含まれており、これまでの国産ホップの中でも極めて特長的な香りを持つ希少ホップ品種です。1990年代に選別の過程で一度落選していましたが、時代の移り変わりとともに、ホップの苦みだけでなく香りも重視されるようになり、その魅力的な香りとともに再発見されたストーリーを持つ奇跡のホップです。

 

「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」は国産ホップ100%のうち、香りづけに上富良野産フラノマジカルを一部使用しており、魔法のように華やかさあふれる香りを感じられる味わいが特長です。

(注1)文献「Development of a flavor hop (Humulus lupulus L.) cultivar,‘Furano Magical’,with cones rich in 4‐methyl‐4‐sulfunylpentan‐2‐one」において(2023年6月現在)

 

・メーカー:サッポロビール
・商品名:サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル
・参考小売価格:オープン価格

 

香りを楽しむ大人向けビール『アサヒ ザ・アロマイスト』「ASAHI Happy Project」にて11月20日まで限定発売

アサヒビールは、華やかな香りが特長のビール『アサヒ ザ・アロマイスト』(缶350ml×6本)を新商品のテスト販売サイト「ASAHI Happy Project」において1000セット限定で発売。

 

『アサヒ ザ・アロマイスト』は、上面発酵酵母と欧州産希少ホップ「カリスタ」を使用することで、華やかな香りが特長のビール。コリアンダーシード由来のスパイスを加えることで、すっきりとした爽やかな味わいに仕上げている。

 

「ASAHI Happy Project」は新商品を数量限定でテスト販売し、魅力的に思える商品の開発を目指すためのWEBサイト。購入者が商品の味やパッケージに関するアンケートに答えることで、顧客のニーズを把握し、今後の商品開発に生かしていく。

 

・メーカー:アサヒビール
・商品名:アサヒ ザ・アロマイスト
・発売品種:缶350ml×6本
・販売数量:1000セット(1セットあたり缶350ml×6本)
・販売期間:2023年10月2日(月)10:00〜2023年11月20日(月)17:00
・価格:2310円(税込・送料込)

ビールにおける“ホップ”の重要性は増しているのに…生産量半減の危機に瀕する国産ホップの今と解決への道筋は?

2023年10月に施行された酒税法改正からの値下げで盛り上がるビールの市場。そのビールの味を左右する原材料のひとつが、ホップです。ただ、このホップについてはよく知らない人も多いでしょう。そこで、今回はホップの種類や生産方法、日本の主な産地、国内ビールメーカー各社の取り組み、最新トレンドなどを解説していきます。

↑ホップはアサ科カラハナソウ属の多年草で、ハーブの一種。殺菌効果があるため、日本ではのど飴などにも活用されています。また、ユニークな例では今秋マクドナルドが限定発売した「N.Y.バーガーズ」のバンズにも

 

香りや苦みを生み、腐敗から守るハーブがホップ

ホップの原産地は西アジアだとされますが、ヨーロッパに伝来したのは8世紀半ば。ただ、この時点では栽培だけだったようで、ビールに使用したという正確な記録は残っていません。

↑毬花と、それをむいた根本。黄色い粒状の樹脂が、ビールの苦味や香りの元になる成分を含む「ルプリン」です

 

ビールの誕生は紀元前数千年までさかのぼるといわれ、ホップの登場前からビールには、「グルート」と呼ばれる調合したハーブが香り付けに使われていました。ホップを使ったビールの記録として有名なのは、12世紀初頭の修道院における書物。少なくともこの時代には、ホップがビールに使われるようになっていたといえるでしょう。

↑より有名な文献が、1516年にドイツで制定された『ビール純粋令』。「ビールは、麦芽、ホップ、水、酵母のみを原料とする」という法律で、日本でこの純粋令に則った代表的な銘柄がヱビスビールです

ホップを使う理由は、果実や香草を思わせる芳香や爽快な苦みをまとわせるため。また、泡立ちを良くしたり、菌の繁殖を抑える防腐剤としても重宝されます。

 

後者の“腐敗を防ぐ”目的に起因して生まれた有名なビアスタイルが、苦みの強い「IPA(インディア・ペールエール)」。18世紀にイギリスからインドまでペールエールを運ぶ際、腐らないようホップを大量に使って仕込んだことから生まれたとか。

↑イギリスで生まれた進化型IPAの代表格が、ブリュードッグ「パンクIPA」。日本で紹介された当初は、一般的なIPAで使うホップの40倍以上の量を使うことが謳い文句でした

 

代表的なホップ品種や日本の取り組みを解説

個性的な香りや苦みを放つIPAは、やがてアメリカで大ブレイク。これが近年のクラフトビールムーブメントのきっかけになり、アメリカを中心に世界中でホップの品種開発も盛んになります。

↑米国NY発のカリスマ、ブルックリンブルワリーのIPAといえば「ブルックリンディフェンダーIPA」。ホップには「Cascade(カスケード)」や「Simcoe(シムコー)」「Amarillo(アマリロ)」などが使われています

そのため、クラフトビール界におけるスターホップもアメリカ産が多め。特に有名なのは、「3C」と呼ばれる「Cascade」「Centennial(センテニアル)」「Columbus(コロンブス)」(あるいは「Chinook・チヌーク)」と頭文字に「C」が付く3品種。グレープフルーツを思わせる柑橘系のアロマとビターな刺激が特徴です。

 

一方で、日本におけるホップ生産は後継者不足などによって栽培面積や収穫量が減少しています(2008年→2022年の14年間でおよそ半数以下に)。ただ、ビールメーカーのCSV活動や、近年のクラフトビール人気にともない、造り手が地元産にこだわった「テロワール型ホップ」(筆者による造語)の需要増によって巻き返しがはかられている側面も。

↑キリンビールは2007年から、ホップ名産地である岩手県遠野市を支援。生産者をはじめ、国産ホップを盛り上げる取り組みに力を入れています。加えて、遠野産ホップを使った「一番搾り とれたてホップ生ビール」は2004年から毎年期間限定で販売

また、近年はフレッシュホップ(乾燥させ固めたペレットホップではなく、毬花<きゅうか・まりばな>を生もしくは冷凍させたホップ)を使ったビール造りが年々盛んになっているうえ、「フレッシュホップフェスト」という祭典も開催されています。

↑「フレッシュホップフェスト 2019」のキックオフイベントにて。ホップは8月末~9月が収穫期となるため、イベントはそこから仕込みなどを経て例年秋に開催されます

同イベントは2023年から「クラフトビール ジャパンホップフェスト」に改称され、メインイベントは代官山の「スプリングバレーブルワリー東京」で10月21日、22日に開催されます。

↑「クラフトビール ジャパンホップフェスト 2023」は9月1日~11月30日で開催しており、イベントは代官山で開催(写真は提供されるビールと料理の一例)

 

世界に存在するホップは300品種超

なお、世界中のホップ品種は300を超えるといわれており、日本原産のホップも存在します。伝統的な品種には「信州早生(しんしゅうわせ)」や「かいこがね(甲斐黄金)」があり、遠野では「信州早生」から派生した2種を組み合わせた「IBUKI」や、キリンビールOBのホップ博士・村上敦司さんが育種した「MURAKAMI SEVEN」が多く作られています。そして、世界的にも有名で個性的な日本原産ホップといえば「ソラチエース」。

↑前述のブルックリンブルワリーが惚れ込み商品化した「ブルックリンソラチエース」と、「ソラチエース」の生みの親である、サッポロビールの「SORACHI 1984」

 

日本産ホップに共通する香りの特性は、上品でどこかオリエンタルなニュアンスをもっていること。米国産を代表するホップのような派手さは控えつつも、いぶし銀的な香りを放ち、例えば「MURAKAMI SEVEN」には温州みかんのように和やかな柑橘香が、「ソラチエース」には、ひのきやレモングラスを思わせる個性があります。

 

トレンドは「日本産」や「フレッシュホップ」だが……

ビール大手メーカーでは前述したキリンビールとサッポロビールのほか、アサヒビール、サントリー、オリオンビールもホップ生産や支援を行っており、規模の大小はあるものの北海道から沖縄まで栽培自体は行われています。ホップ栽培は雨の少ない冷涼な気候が適しているといわれますが、沖縄での初収穫は2022年のことであり、多方面での可能性が期待されているといえるでしょう。

 

また、東京では武蔵野市や三鷹市、神奈川では横浜、川崎、湘南など首都圏の都市部でも、小規模ながらホップ栽培は拡大中。これらは主に、マイクロクラフトブルワリーの「テロワール型ホップ」にかける情熱から取り組まれているものですが、ホップは身近な存在になってきているのです。

↑ビアジャーナリスト協会代表であり、現在は京都府与謝野町に移住しホップ栽培にも尽力する藤原ヒロユキさん。西日本でテロワール型ホップ文化を牽引するひとりです

 

日本におけるクラフトブルワリーは年々増えており、その数はこの10年で約3.5倍の700か所以上に。付随してホップ栽培の熱も高まっており、「クラフトビール ジャパンホップフェスト」のイベントにおいても、参加ブルワリーは初回(2015年に開催された「第0回フレッシュホップフェスト」)の12ブルワリーから、2023年は20ブルワリーに増えています。

↑「クラフトビール ジャパンホップフェスト 2023」の代官山会場で提供されるビール一例。ブルワリーもビアスタイルも様々です

 

このように、ホップの主要なトレンドは「日本産」や「フレッシュホップ」であるといえるでしょう。とはいえ、まだまだ国産ホップの未来が明るいとは言い切れません。飲み手である私たちができることのひとつは、日本のホップを知って愛してビールを飲んだり、生産者を応援したりすることだと思います。

↑こちらは2022年版の「一番搾り とれたてホップ生ビール」。2023年版は11月7日から期間限定発売されます

 

何はともあれ、フレッシュホップを使ったビールはいまが旬! 缶ビール以外にも、瓶やクラフトビアバーにおける樽生で味わえる場合もあるので、ぜひこの機会にチェックしてみてください。

 

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【特集】この秋はビールに大注目! 酒税法改正の解説から各社の新商品をピックアップ

2023年で最も注目度の高いお酒カテゴリーは、断然ビール。なぜなら、10月に酒税法が改正され、ビールが実質安くなるから。では何がどう変わるのか? また、各社最新商品の味わいと飲みごたえにも迫っていきます。

 

【特集】酒税法改正で注目度アップ。今こそ、ビールが飲みたい!

 

酒税法改正でなにが変わるの?

2023年9月30日までは、ビールが70円、発泡酒は46.99円、新ジャンルは37.8円(すべて350mlの場合)の酒税がかかりました。それが2023年10月1日からビールは63.35円と減税、発泡酒は46.99円で据え置き、新ジャンルは46.99円と増税に。発泡酒と新ジャンルは同一の酒税になるとともに、ビールとの価格差が狭まるのです。

 

これによって店頭における各社ビール(プレミアムではないタイプ)の想定価格は、350ml缶が225円前後、500ml缶は293円前後になるとみられています。コンビニでは現状、350ml缶が230円前後、500ml缶が300円前後なので、たしかにビールの減税分(70円→63.35円)程度は安くなるといえるでしょう。

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10月以降のビールは酒税法改正でこうなる! 大手の全新作と戦略を解説

 

新発売6商品を一挙に飲み比べ!

大手ビールメーカー各社が同タイミングで新発売する旬な6銘柄を、フードアナリストが一挙にテイスティング。ぜひ、購入する際の参考にしてください。

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酒税法改正後の新作ビールはここに注目!フードアナリストが6商品をレビュー

 

ここからは、各社が注力する10月以降の新商品を紹介してきます!

 

アサヒ「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」

10月11日、アサヒビールは、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売。価格はオープン。

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キリン「キリン一番搾り やわらか仕立て」

10月10日、キリンビールは「キリン一番搾り生ビール」ブランドから、「キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)」を期間限定で全国発売。価格はオープン。

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サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」

サントリーは、糖質ゼロ黒ビール「パーフェクトサントリービール〈黒〉」を10月3日から数量限定で新発売します。価格はオープン。

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「糖質ゼロの黒ビール」が数量限定で登場! サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」

 

サッポロ「サッポロ生ビール ナナマル」

10月17日、サッポロビールは、糖質・プリン体70%オフの生ビール「サッポロ生ビール ナナマル」を発売。価格はオープン。

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キリン「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」

10月24日に、クラフトビールブランドである「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」缶商品(350ml缶、500ml缶)が新発売。価格は350ml缶が242円(税別)、500ml缶が321円(税別)。

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サッポロビール「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」

サッポロビールは、「サッポロ NIPPON HOP 奇跡のホップ フラノマジカル」を11月28日に全国で数量限定発売。価格はオープン。

 

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アサヒビール「アサヒ ザ・アロマイスト」

アサヒビールは、華やかな香りが特長のビール『アサヒ ザ・アロマイスト』(缶350ml×6本)を新商品のテスト販売サイト「ASAHI Happy Project」において11月20日まで1000セット限定で発売。価格:2310円(税込・送料込)。

 

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サントリー「ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 華やぐハラタウブランホップ」

サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ ホップセレクト 華やぐハラタウブランホップ」を11月14日から数量限定新発売。価格はオープン。

 

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「ヱビス オランジェ」

10月11日に期間限定で、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」第2弾商品である「ヱビス オランジェ」の缶商品を期間限定で、びん・樽商品を同日に数量限定で発売。価格は350ml缶が258円(税抜)、500mlびんが355円(税抜)。

 

サントリー「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール」

10月17日、サントリーは、「ザ・プレミアム・モルツ 〈ジャパニーズエール〉ゴールデンエール」を数量限定で新発売。価格はオープン。

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酒税法改正後の新作ビールはここに注目!フードアナリストが6商品をレビュー

2023年10月1日、3年ぶりの酒税法改正でビール飲料、「ビール」「発泡酒」「新ジャンル(第三のビール)」の価格差がいっそう小さくなりました。何がどうなったのかという詳細は先日公開した記事を読んでいただきたいところですが、この記事では大手ビールメーカー各社が同タイミングで新発売する旬な6銘柄を、一挙にテイスティング。ぜひ、購入する際の参考にしてください。

 

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10月以降のビールは酒税法改正でこうなる! 大手の全新作と戦略を解説

↑アサヒ、キリン、サッポロ、サントリーの新作6商品。特徴を解説しながら1本ずつテイスティング、レビューしていきます

 

サントリーの「PSB黒」は香りもコクも十分なウマさ

発売日順に紹介していきましょう。まずは10月3日発売の、サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」から。こちらは、2021年4月にデビューした「パーフェクトサントリービール」(しばしばPSBと略されます)の黒ビール版。“日本初の糖質ゼロ黒ビール”をうたう限定品で、黒ビールに期待される飲みごたえを叶えるべく、麦芽とホップの配合や醸造条件にこだわったそうです。

↑サントリー「パーフェクトサントリービール〈黒〉」は10月3日発売。アルコール度数は5%で、コンビニ実勢価格は税込211円(ライター調べ/以下同)

 

香りは糖質ありの黒ビールそのもの。ロースト麦芽の香ばしさとコク、甘みも十分にあって、糖質ゼロの違和感はありません。ライトテイストではありますが、軽快な味はキレや爽快感につながっていて、PSBのファンなら大歓迎なおいしさだと思います。

↑泡のボリュームは糖質ありのビールよりもおとなしめですが、許容範囲でしょう

 

なお、通常のPSBはアルコール度数5.5%で黒は5%ですが、同ブランドらしい飲みごたえは共通。黒ビールが好きな人の、新たな選択肢といえるでしょう。

 

キリン一番搾りの「やわらか仕立て」は麦汁の甘みが豊か

キリンビールの新作は2銘柄あり、まず紹介するのは「キリン一番搾り やわらか仕立て」。おなじみ「キリン一番搾り」のエクステンションとなり、数年前に発売された「一番搾り 小麦のうまみ」を進化させた商品です。

↑「キリン一番搾り やわらか仕立て」は10月10日より限定発売。アルコール度数は5%で、想定価格は225円前後

 

特徴は、原材料の一部に小麦麦芽を使っていること。小麦麦芽は「白ビール」といわれるビアスタイルに頻用されますが、その特徴はやわらかな飲み口や甘み。「キリン一番搾り やわらか仕立て」では一部使用に留まりますが、まろやかさや甘やかなうまみは確かに豊かで、泡もクリーミー。それでいて一番搾りらしさも感じるハイクオリティな仕上がりです。

↑苦味は控えめな印象で、そのぶんいっそう甘みが豊か。ほんのり酸味も感じ、ちょっとユニークな表現をするなら、ファンタジックな味わいです

 

特に小麦の甘みが相まって、「キリン一番搾り」ブランド最大のウリである麦汁のうまみがたっぷり。それでいて後口は軽やかで、好バランスな飲みやすいビールだといえるでしょう。

 

アサヒの「ドライクリスタル」は繊細ながら芯のある爽快感

アサヒもビッグネームのエクステンションで真っ向勝負。海外の酒類市場で伸長しているアルコール度数0~3.5%のカテゴリーに着目した、「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売します。

↑「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は10月11日発売。アルコール度数は3.5%で、想定価格は225円前後

 

その特徴は、アルコール度数3.5%のライトなボディと、冷涼感に優れたドイツ産ホップ「ポラリス」の一部使用。飲んだ第一印象は、「ゴクゴクッ……プハァッ」がよく似合うシャキシャキの爽快感。繊細な味わいながら、麦のうまみや苦みといった味の芯はあり、欧米やアジア圏の低アルライトビールとの違いも、この“大和魂”にあると感じました。

↑パッケージ下部には赤く「MID ALCOHOL」のアイコンが。上部のプルタブが赤いのも特徴です

 

「アサヒスーパードライ」ブランド特有の辛口な味わいやシャープなキレもあり、食事とも幅広く合いそう。ドライ党の人はぜひお試しを。

 

「ヱビスオランジェ」は明るい甘みとソフトな酸味が上品

ヱビスはサッポロビールが手掛けるブランドですが、その新しいラインが「CREATIVE BREW」。2023年2月に発売された第1弾の「ヱビス ニューオリジン」に続く「ヱビス オランジェ」が、今秋デビューします。

↑「ヱビス オランジェ」は10月11日発売。アルコール度数は6%で、参考小売価格は税別258円

 

一番の特徴は、オレンジピールを使っていること。ヱビスはドイツのビール純粋令にある「麦芽、ホップ、水、酵母のみを原料とする」に則るブランドですが、「CREATIVE BREW」では純粋令にとらわれず冒険していくということでしょう。小麦麦芽も使っており、明るい甘みとやわらかな酸味が上品に華やぎます。

↑白ビール系の淡いカラーかと思いきや、やや赤みのあるアンバー。このクリエイティブな独創性、好きです!

 

オレンジピールはベルギーで有名な白ビールに欠かせない素材ですが、「ヱビス オランジェ」は白ビールとはかなり違う方向性。味わいにもどっしりとしたうまみとコクがふくよかに感じられ、ヱビスらしさもしっかり。この個性は、クラフトビールファンにもオススメです。

 

サッポロの「ナナマル」はたくましさがある“細マッチョ”な味

次もサッポロの冒険心あふれる新作、「サッポロ生ビール ナナマル」です。特徴は、糖質とプリン体の70%オフ。こういった機能系は発泡酒や新ジャンルでは珍しくなかったのですが、実はビールでは存在しませんでした。ということで本商品は、糖質とプリン体の2つのオフを訴求する日本初のビールです。

↑「サッポロ生ビール ナナマル」は10月17日発売。アルコール度数は5%で、想定価格は225円前後

 

味を表現するなら細マッチョ、といったところ。すっきりしていながらもたくましく、うまみやコクもガリガリにそぎ落とされてはいません。苦味、キレ、爽快感もしっかり主張し、飲みごたえも十分です。

↑健康も意識しつつ、ビールのおいしさも楽しみたいというオフ系ユーザーのニーズを想定した「サッポロ生ビール ナナマル」。決してニッチではないでしょう

 

ありそうでなかった、オフで提案するビール。選択肢の幅が広がって、消費者にとってはうれしいところです。ぜひ、糖質ゼロのビールとも飲み比べてみてください。

 

キリンのクラフトビールは絶妙なビター感と温かみのある柑橘感

ラストはキリンが手掛けるクラフトビールブランド「スプリングバレー」の新作「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」。自社で品種開発した2つの日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」と「IBUKI」を一部使い、柑橘を思わせる爽やかな香りが広がる味に仕上げています。

↑「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」は10月24日発売。アルコール度数は6%で、参考小売価格は税別242円

 

どっしりとしたコクの先に広がる、甘さを含んだ酸味とやわらかい口当たり。ホップの苦味は爽やかな余韻を生み、柑橘のニュアンスはみかんやオレンジといった温かみのある方向性です。

↑<香>とあるように、ぜひグラスに注いで香りを楽しみましょう

 

ホップの生かし方はさすがにクラフトビール。アロマティックな香りに加え、ビターなエッジがしっかりありつつ、やりすぎない絶妙な苦さもいいですね。クラフトビールとしては価格も値ごろであり、入門にもオススメです。

 

食の秋だからこそ旬なビールを楽しもう

6本の新作ビールを紹介しましたが、どれも似たような味のビールではなく個性がバラバラなのも面白いところです。グルメの秋、ぜひ晩酌やパーティーでご馳走と一緒に、旬のビールを楽しんでください!

 


【特集】酒税法改正で注目度アップ。今こそ、ビールが飲みたい!

「J-CRAFT HOPPING」限定醸造のセッションIPA新発売!白ぶどうのような香りが特徴

三菱食品は、華やかなホップの香りと苦味のバランスが魅力のIPAスタイルを専門に展開する「J-CRAFT HOPPINGシリーズ」より、限定醸造として「J-CRAFT HOPPING セッションIPA」を10月17日(火)から全国発売します。

希少ホップ“ネルソンソーヴィン”を使用した軽やかなビール!

「J-CRAFT HOPPING」は、コーディネーターの田嶋伸浩氏と、ソムリエと利き酒師の資格を持つ三菱食品社員がデザインしプロデュースした、個性的なビールを創るブランドです。クラフトビールのおいしさをもっと身近にしたいと、味のイノベーションが盛んに行われているIPAに注目。ホップの香りを重視し、口から鼻に抜ける、“鼻ごし”の心地よい香りを表現しました。

 

10月17日(火)に発売する「セッションIPA」は、ニュージーランド生まれの希少ホップ、ネルソンソーヴィンを使用し、アルコール度数4.5%に仕上げた軽やかでドリンカブルな限定醸造のIPAです。HOPPINGらしく個性がありながらも、フルーティで飲み続けられる味が魅力です。

 

■IPAスタイル
India Pale Aleの略。18世紀末、インドがイギリスの植民地だったころ、インドにペールエールを送るためにつくられたレシピ。海上輸送中に傷まないよう、防腐剤でもあるホップを大量に投入したため香りと苦みが非常に強いですが、その味と香りが評判になり確立されたスタイルです。現在はさらに進化中。

 

■セッションIPA 
爽やかな香りのホップを使用しアルコール度数を抑えて飲みやすくしたIPAとして近年、セッションIPAがアメリカで着目されています。“drinking session=飲み会”から名付けられたビアスタイルで、飲み会中、飲み飽きることなくずっと飲んでいられるビールが由来とされています。

 

■メーカー:三菱食品
■商品名 :「J-CRAFT HOPPING セッションIPA」
■希望小売価格 :330円(税抜)

サッポロビールがオレンジ香る濃厚な「ヱビス オランジェ」期間限定で発売

サッポロビールは、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」第2弾商品である「ヱビス オランジェ」の缶商品を10月11日に期間限定で、びん・樽商品を同日に数量限定で発売します。

 

「CREATIVE BREW」は、「つくろう、驚きを、何度でも。」を合言葉に掲げ、ヱビスで100年培ってきた技術と知見を活かしながらこれまでのビールの概念にとらわれない新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦していくヱビスブランドの新ラインです。「CREATIVE BREW」の商品開発を担うのは、2024年4月開業予定の「YEBISU BREWERY TOKYO」で醸造を担当するChief Experience Brewerの有友 亮太(ありとも りょうた)です。若手醸造家ならではの感性や現代の製法や技術を取り入れながら、お客様に驚きを届け、新たな幸せ時間を創造していくことを目指し、ヱビスならではの上質なおいしさ、そして、独創的な商品をご提案していきます。

 

「CREATIVE BREW」の第2弾となる本商品は、ヱビスブランド130年以上の歴史の中で初めて「オレンジピール」に着目しました。徹底的に吟味したオレンジピールに、柑橘のような香りのホップを一部掛け合わせて実現した、これまでにない、オレンジ香る濃厚な味わいのヱビスです。ヱビスの香りとコクをより一層増幅させた、新たなおいしさのヱビスで、幸せなひとときを彩ります。

 

■メーカー:サッポロビール
■商品名:ヱビス オランジェ
■参考小売価格
・350ml缶:258円/本(税抜)
・500mlびん:355円/本(税抜)

 

10月以降のビールは酒税法改正でこうなる! 大手の全新作と戦略を解説

2023年で最も注目度の高いお酒カテゴリーは、断然ビール。なぜなら、10月に酒税法が改正され、ビールが実質安くなるから。では何がどう変わるのか? その解説に加え、大手メーカーの新作と各社の動向をレポート。また、話題を呼んだアサヒビールの「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」ほか、大手ビールメーカー4社の新作も紹介します。

 

ビールは安く、新ジャンルは高くなる……その価格差を解説

まずは酒税法改正について。ビール飲料は麦芽比率や原材料などの違いで「ビール」「発泡酒」「新ジャンル(第三のビール)」と分けられているのは周知の通り。

 

おさらいしましょう。麦芽比率に関しては、概要として50%以上ならビール、50%未満であれば発泡酒。新ジャンルには「その他の醸造酒(発泡性)」と「リキュール(発泡性)」があり、前者は麦芽を使わずホップや穀類を発酵させたビールテイスト飲料、後者は発泡酒に麦由来のスピリッツを加えたビールテイスト飲料のことを指します。

 

それぞれに価格差もありますが、その差を生む要因のひとつが酒税です。

↑2023年9月、都内のコンビニにて

 

2023年9月30日までは、ビールが70円、発泡酒は46.99円、新ジャンルは37.8円(すべて350mlの場合)の酒税がかかります。それが2023年10月1日からビールは63.35円と減税、発泡酒は46.99円で据え置き、新ジャンルは46.99円と増税に。発泡酒と新ジャンルは同一の酒税になるとともに、ビールとの価格差が狭まるのです。

 

なお、最終的に2026年10月には全ビール類の税率が54.25円に一本化され、RTD(チューハイなど)は現状28円ですが2026年10月には35円となる予定です。

 

↑アサヒビールの資料より

 

これによって店頭における各社ビール(プレミアムではないタイプ)の想定価格は、350ml缶が225円前後、500ml缶は293円前後になるとみられています。コンビニでは現状、350ml缶が230円前後、500ml缶が300円前後なので、たしかにビールの減税分(70円→63.35円)程度は安くなるといえるでしょう。

 

↑酒税改正は段階的に行われており今回は2回目。前回は2020年10月で、そのタイミングで世に出た斬新なビールが「キリン一番搾り 糖質0」です

 

一方で、逆風にさらされるのが新ジャンル。こちらはコンビニで現状、350ml缶が170円前後、500ml缶は240円前後ですが、10月以降はそれぞれ10円近く値上がるとみられています、この点を踏まえて先手を打ったのがイオングループです。

↑イオングループが3月に新発売した発泡酒「トップバリュベストプライス バーリアルグラン」。製造はキリンビールが継続して手掛けています

 

同社では今春、PB(プライベートブランド)だった新ジャンル(第三のビール)の「トップバリュ バーリアル」を終売し、原材料を大きく変えて、発泡酒の「トップバリュベストプライス バーリアルグラン」を発売しました。この刷新に伴い売価も30円近く上がりましたが、なんと発売3か月で5000万本を突破し、「バーリアル」の2倍近く売れているとか。

↑都内のまいばすけっとにて(2023年9月)

 

刷新にあたって、原材料としては「大麦スピリッツ」を使わなくなったことで新ジャンル(第三のビール)から発泡酒になったのだと推測できます。新ジャンル(第三のビール)のままでは10月に少なからず値上げせざるを得ない状況になりますから、30円値上がりしたとはいえ、イオングループの先手は功を奏したといえるかもしれません。

 

ここからは、ビール大手4社の秋冬動向を、最も早く会見を行ったサントリーから順に紹介していきましょう。

 

■ サントリーからは日本初の“糖質ゼロ黒ビール”がデビュー

サントリーは、10月の酒税に先んじて4月4日新発売の「サントリー生ビール」を積極展開し、スタンダードビールの存在感を高めていました。なお、同商品の販売へ集中するために終売となったのが「ザ・モルツ」です。

↑缶が終売となった「ザ・モルツ」(左)と「サントリー生ビール」(右)。「サントリー生ビール」は発売3か月で200万ケースを突破し、2023年の販売計画を400万ケースに上方修正しています

 

そのうえで注力するのが、限定品によるトライアルの最大化と、業務用での飲用接点強化。特に注目の新商品は、“日本初の糖質ゼロ黒ビール”をうたう限定発売の「パーフェクトサントリービール〈黒〉」です。黒ビールに期待される飲みごたえを叶えるべく、麦芽とホップの配合や醸造条件にこだわったとのこと。

サントリー
パーフェクトサントリービール〈黒〉
10月3日より限定発売

 

なお、業務用の戦略については、来春「サントリー生ビール」を瓶と樽で発売することが発表されました。また、ここまで述べたように10月の酒税改正でビールに追い風が吹きますが、見逃せないのが直前に起こるであろう新ジャンル(第三のビール)の駆け込み需要。

↑サントリーの新ジャンルといえば「金麦」。四季に合わせた味わいに整えている定番(左から2番目)があったり、季節限定のエクステンション(右端)を発売したり、独自のブランディングも特徴です

 

同社では、新ジャンル(第三のビール)のなかでは「金麦」は好調(2023年1~7月で101%)であることから、10月以降も継続して「金麦」の販促をしっかり行っていくとのことです。

 

サッポロは70%オフと大胆なヱビス戦略がアツい!

サッポロビールは、酒税改正に加えてコロナ禍を経た健康意識の高まりにも着目。そこで新たに開発したのが、糖質とプリン体70%オフを実現した「サッポロ生ビール ナナマル」です。これは、日本初の糖質とプリン体、2つのオフを訴求するビール。

サッポロビール
サッポロ生ビール ナナマル
10月17日発売

 

ゼロではなく70%オフで開発した理由は、消費者のニーズに差があるとみているから。ゼロ系ユーザーは、味わいと同等かそれ以上に健康や数値的なものを重視する一方、オフ系ユーザーは健康も意識しつつ、ビールのおいしさも楽しみたいというニーズをもっていると推測。「サッポロ生ビール ナナマル」は、後者のオフ系ユーザーを狙った商品であるとのことです。

 

また同社の注目新作ビールにはもうひとつ、10月11日発売の「ヱビス オランジェ」があります。こちらは2023年2月に発売された「ヱビス ニューオリジン」に続く、ヱビスブランドの新ライン「CREATIVE BREW」の第2弾となります。

サッポロビール
ヱビス オランジェ
350ml:258円/500ml:355円(税別)
10月11日発売

 

「CREATIVE BREW」は、長年ヱビスで培ってきた技術と知見を活かしながらも、これまでのビールの概念にとらわれない新たなビールのおいしさや楽しさに挑戦していくことがテーマ。「ヱビス オランジェ」では初めてオレンジピールに着目してホップと掛け合わせ、オレンジが香る濃厚な味わいに。ある意味、クラフトビール的なポジションともいえるでしょう。

 

ヱビスなのでプレミアムカテゴリーとなり、こちらは参考小売価格も発表。350ml缶は258円、500ml瓶が355円(ともに税別)です。

今後のブランド展開としては、2024年4月開業となる「ヱビス ブルワリー トウキョウ」にも注目。「ヱビス ブルワリー トウキョウ」では35年ぶりに恵比寿の地でビール造りが再開され、醸造設備やミュージアムの見学に加え、タップルームでここだけのビール「ヱビス インフィニティ」を飲むことも。ヱビスブランドの動向からも目が離せません!

↑2024年4月開業となる「ヱビス ブルワリー トウキョウ」。場所は現在のヱビスビール記念館

 

アサヒはアルコール3.5%の“逆輸入ドライ”でトライ!

アサヒビールが新たに着目したのは、グローバル市場の成長分野であるアルコール度数0~3.5%の飲料。同社ではこれを「ミドルレンジアルコール」とし、10月11日にアルコール度数3.5%の「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」を発売します。

アサヒビール
アサヒスーパードライ ドライクリスタル
10月11日発売

 

「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」の味わい特徴は、冷涼感に優れたドイツ産ホップ「ポラリス」を一部使用するとともに、通常の「スーパードライ」よりも発酵度を上げることで実現した、透明感と本格的な飲みごたえ。

 

2020年からアルコール度数4%のビール「アサヒスーパードライ ザ・クール」も発売されており、他社では2018年に「サントリー ザ・モルツ 麦香る3.5%」がコンビニ限定で発売されています。今回の3.5%が消費者にどう響くのか、注目といえるでしょう。

↑「アサヒスーパードライ ザ・クール」は2019年にアルコール度数5%でデビュー(左端)し、2020年に4%でリニューアル。2021年には缶でも発売されました

 

アサヒビールは、数年前からオーストラリア限定で3.5%のビールを販売しており、グローバルのトレンドについては、こういった自社展開を含めた海外事例を参考にしているはず。

↑オセアニア事業を統括するアサヒ・ビバレッジズ社は、オーストラリアで「Asahi Super Dry 3.5%」を昨夏発売しましたし、2015年には同じくオーストラリアで「アサヒ爽快」を発売しています(公式サイトより)

 

加えて、オーストラリアで最も売れているビール「グレートノーザン スーパー クリスプ」はアルコール度数3.5%であり、日本においても3.5%前後のビールに潜在的ニーズがあるのではないかと予想しているとのこと。

↑こちらはグローバルの市場。さすがにコロナ禍においては鈍化したものの、2022年はコロナ前の2019年を上回り過去最高値に

 

また、アサヒビールは2022年6月にノンアル/ローアルコールに特化した「スマドリバー シブヤ」をオープンしています。アルコール度数が低めの「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」は、同社らしい新商品であるともいえるでしょう。

 

キリンは一番搾りとクラフトビールが二大テーマ

キリンビールの戦略は、強固なブランド体系の構築と新たな成長エンジンの育成。前者の主力ブランドが「キリン一番搾り」、後者が「スプリングバレー」です。それぞれの新作と今後の具体的な取り組みが発表されました。

キリンビール
キリン一番搾り やわらか仕立て
10月10日より期間限定発売

 

新作の「キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)」は、数年前に発売された「一番搾り 小麦のうまみ」を進化させた商品。一部に小麦麦芽を使うことでやわらかな甘みとうまみを感じられ、後口は軽やかな飲みやすいおいしさになっています。

 

開発背景には、肩ひじ張らずに楽しめる飲みやすい味わいへのニーズが高まっていることが挙げられます。この点については「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」に近い考察を感じました。なお「キリン一番搾り」は、11月7日には毎年恒例となっている「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」も発売されます。

↑こちらは2022年版の「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」。同社のホップ施策については、後日詳報します

 

そしてもうひとつの柱「スプリングバレー」は、クラフトビール創造への取り組みの要となるブランド。新作は、第4弾銘柄となる「SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>」。自社で品種開発した2つの日本産ホップ「MURAKAMI SEVEN」と「IBUKI」を一部使い、柑橘を思わせる爽やかな香りが広がる味に仕上げました。

キリンビール
SPRING VALLEY JAPAN ALE<香>
350ml:242円/500ml:321円(税別)
10月24日発売

 

同社によると、ビール類市場におけるクラフトビール構成比は2022年時点で約1.6%。爆発的ではないながらも着々とシェアは拡大しており、新たな成長エンジンとして今後もクラフトビールならではの多様なおいしさと新しい楽しみ方を提案していくとのこと。ビール全体に追い風が吹く10月以降の伸長にも注目です。

 

なお、今回取り上げた各社の新作銘柄は、後日あらためてテイスティングのうえレビュー記事を掲載する予定です。ぜひ詳報をお待ちください。

 

取材・文=中山秀明 撮影=鈴木謙介

高田秋が家飲みを満喫! 夏季限定で新発売したビール3種のお味は?

飲み歩き大好きモデル・高田 秋が「家飲み」を追求! 今月は、夏季限定で新発売したビール3種を飲み比べた。共通点は夏向けの上面発酵ビール「サマーエール」であること。その味わいは?

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【10杯目】暑い日においしいビール サマーエールを飲み比べ

キリンビール スプリングバレー
サマークラフトエール<香>

273円
(写真左)

豪州産の希少なホップ「ギャラクシーホップ」を使い、夏らしいトロピカルフルーツのような芳香を実現。アルコール度数が4.5%と低めで、香りや味のボリュームは大きいながらも、ゴクゴク飲める爽やかさに仕上がっている。

 

ブルックリン・ブルワリー
ブルックリンサマーエール
385円
(写真中央)

NY発の人気クラフトビアメーカー「ブルックリン・ブルワリー」が夏に贈る、特別なビールが今年も登場。豊かな味とすっきりとした飲み口が両立し、料理はサラダ、シーフード、肉や野菜のグリルと特に相性抜群だ。

 

サッポロビール
ヱビス サマーエール
231円 数量限定
(写真右)

小麦麦芽を一部に使ってやわらかな口当たりを生むとともに、白ワインやオレンジのような香りのホップをブレンド。コク深く、爽やかで上質な果実味が華やぐテイストに仕上げた。

 

どれもパッケージがカワイイ♡ 飲む前からテンション上がります!

今日は飲む前からテンションが上がりました! だって、どれもパッケージがカワイイから♡ 青空や海をイメージさせるカラーリングやデザインですよね。持ってるだけで暑さも吹き飛んじゃうような。これは確かに、夏に飲みたくなりますよ〜。

クラフトビールは専門店のほか、旅行先で現地の素材を使ったビアスタイルがあると率先して飲みます。また、夏は爽快なのどごしはもちろん、フルーティーだったり、苦みがしっかりしていたりするタイプを飲みたくなるので、今回の3本もうってつけですね。

飲んだ感想は、「ヱビス」は柑橘を思わせる果実味深いコクと相まって、フルーティーなプレミアムビールという印象です。「スプリングバレー」は香りからしてトロピカルで、アルコール度数もやさしめだから20代の若い子にも人気が出そう。「ブルックリン」も香りが華やかですね。そのうえすっきりとしたキレも特徴的で、ゴクゴク飲んでも心地よさそうです。

おつまみも夏っぽいのを合わせたいですね。「ヱビス」は焼きとうきび、「スプリングバレー」はマンゴーとか南国果実のスイーツ、「ブルックリン」は夏野菜のマリネとか。バーベキューなど夏のアウトドアシーンに、今回のサマーエールを合わせるのも最高だと思います。ぜひ試してみてください!

 

高田 秋●たかだ・しゅう…1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明 撮影/千葉タイチ ヘアメイク/榊ひかる スタイリスト/江原優里

ビールの里・遠野の“とれたて生ホップ”のおいしさが楽しめる! キリン「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」

キリンビールは、岩手県遠野市で今年収穫したばかりの生ホップを急速凍結して使用する「一番搾り とれたてホップ生ビール(期間限定)」を、11月7日に発売します。価格はオープン。

 

同社は、遠野市と1963年にホップの契約栽培をスタートさせ、今年で60周年を迎えます。一方で、課題となっている日本産ホップの後継者不足を食い止めるべく、地域外からの新しい人材を受け入れるなど「ビールの里構想」に2007年より参画。持続可能なホップ生産地の確立を目指し、「ホップの里からビールの里へ」を合言葉に取り組みを続けています。

 

今回発売となる同商品は、麦のおいしいところだけを搾る「一番搾り製法」でつくる「一番搾り」ブランドからの限定商品。今年で発売20年目を迎え、累計販売数量は3.5億本以上です。(※350ml缶換算。2022年末時点)

 

今年岩手県遠野市で収穫したばかりの生ホップを収穫後24時間以内に凍結して使用。とれたてのホップの爽やかなおいしさを生かした、調和のとれた飲みやすい味わいに仕上げています。同社の特許技術により、とれたてのホップのフローラルな香りを引き出しています。

 

パッケージは、一番搾りブランドの品質感をベースに、「旬のホップを使ったビールの爽やかなおいしさ」や「今しか飲めない限定感」を伝えるデザインです。裏面には、発売から20年間の生産者の思いを込めたメッセージを入れています。

小麦麦芽を使用し「やわらかなうまみとかろやかな後味」が楽しめる「一番搾り」が期間限定発売! 「キリン一番搾り やわらか仕立て」

キリンビールは、「キリン一番搾り生ビール」ブランドから、「キリン一番搾り やわらか仕立て(期間限定)」を、10月10日から期間限定で全国発売します。価格はオープン。

 

同商品は、麦のおいしいところだけを搾る「一番搾り製法」はそのままに、通常使用する大麦麦芽に加えて小麦麦芽を使用することで、小麦のやわらかで繊細な甘みとうまみが感じられる、かろやかで飲みやすい後口が特徴。

 

麦汁ろ過工程で最初に流れ出る一番搾り麦汁を使う一番搾り製法により、小麦のうまみを感じながらも、苦み・雑味のない澄んだ味わいに仕上げています。特徴的な香りのホップを使用することで、爽やかでフルーティーな香りを感じられます。

 

パッケージは、やわらかで飲みやすいおいしさと心地よさを感じる色合いをベースカラーに採用。風になびくようなデザインのKIRIN BEER帯でかろやかな心地よさを表現し、味覚特長が一目で分かるコピーを裏面に記載することで、味わいを訴求しています。

ビールサブスクの注目度高まる! 各社のポイントと代表格「ホームタップ」を深掘り!

近年一気に広まった“家飲み”トレンドの一角が、お酒のサブスクリプションサービス。今回は、冷えたビールがおいしい季節到来! ということで、「キリン ホームタップ」を中心に、まるでお店のようなビールを楽しめるサーバータイプについて紹介していきます。

↑「キリン ホームタップ」。2023年春から「夢の1ヶ月お試しプラン」(月額費用5060円(税込)~)がスタート

 

レンタル代不要なタイプなど多種多様

大手メーカーが展開するビールサーバーのサブスクでは、「キリン ホームタップ」のほかに「アサヒ ドラフターズ」も注目。こちらは2021年の夏に「もはやお店!アサヒビールのサブスクサーバー「THE DRAFTERS」で家飲みに革命が起きちゃった!」で紹介しているのでぜひ一読いただきたい。

↑「アサヒ ドラフターズ」。2021年時よりデザインのバリエーションやビアスタイルが増えるなど、進化しています

 

また、大手メーカー以外で注目すべきビアサーバータイプは、2つのタップ(蛇口)が特徴の「ドリームビア」。全国の多彩なクラフトビールを楽しめるのも魅力で、現在72ブルワリー166銘柄(2023年6月21日時点)と種類豊富です。また、海外のメジャー銘柄を中心にラインナップした「ブレイド」もよく知られています。

↑「ドリームビア」。随時取り扱い銘柄が追加、拡大しています

 

他にもビールの生樽(ケグと呼ばれます)からそのまま飲める仕様にして届けるサービスもあります。これらはサーバー自体が不要なためレンタル代が発生せず、また電源がいらないのもポイント。国内クラフトビールを豊富に揃える「ビールの縁側」や、海外の有名ビールを中心に扱うドラフト・ケグ・ジャパンのサービスが有名です。

↑「ドラフト・ケグ・ジャパン」の「ハイネケン樽生5L」。同社はアウトレットのビールも扱っており、お得なプライスも特徴です

 

ホームタップの特徴や実力を知るべく体験会へ

ビアサーバーレンタルタイプのサブスクのなかで、パイオニアといえるのが2015年サービス開始の「キリン ホームタップ」(当時の名称は「キリン ブルワリーオーナーズクラブ」)。あらためてどんなサービスなのかを紹介していきましょう。

↑キリンビールの横浜工場で行われたメディア向け体験会に参加してきました

 

キリン ホームタップ」は、ペットボトルに入ったビールが届き、専用サーバーで注ぐ本格的な生ビール体験が楽しめるサービス。味にもこだわりが凝縮されており、そのひとつが鮮度。

 

ビールは鮮度が命であり、光や酸素、温度などですぐに劣化してしまいます。そのため、ペットボトルは工場造りたてのビールが冷蔵便で届けられ、容量は1Lの飲みきりサイズ。さらに配送も一度にまとめず、原則月2回(スキップなども可能)に分けて届けるシステムとなっています。

↑「キリン ホームタップ」のカバーを開けたところ。ペットボトルに装着するキャップやストローも、利用量に合わせて新しいものが月額料金込みで送ってもらえます

 

選べるビールの銘柄は数種類あり、定番は「⼀番搾りプレミアム」と「スプリングバレー 豊潤<496>」。キリン以外のブランドを飲むことができるのも特徴で「よなよなエール」で知られるヤッホーブルーイングや、山梨県小菅村に自社工場を構える「ファーイーストブルーイング」など、クラフトビールを中心に、毎月3~4種類の期間限定品を取りそろえています。

↑下段のボトルが協力会社による期間限定ビールの一例。配送予定6日前であれば、限定ビールのみを送料費なしで注文することもできます

 

キリンビールの横浜工場で行われたメディア向け体験会では、「⼀番搾りプレミアム」を試飲させてもらいました。さらに、そのビールがどのように造られているかの工場見学も。なお、この工場見学は一般消費者向けにも開放されており、こちらは「噂の“元が取れる”工場見学「キリン一番搾りツアー」へ。やっぱし、ビール好きの聖地でした」で詳報しているのでぜひご覧ください。

↑今回の工場見学にて。「キリン ホームタップ」のビール用に導入されたのが、このライン。「⼀番搾りプレミアム」をはじめ、多くのペットボトルビールができたてで詰められています

 

「一番搾りプレミアム」は、通常の「一番搾り」がもつコク深さや爽やかな苦みに加え、清々しく華やかな香りが印象的。このリッチなアロマは、東北産ホップ「IBUKI」によるものでしょう。なお、この商品はギフト限定のため近所の店などではなかなか入手できません。それが楽しめる「キリン ホームタップ」は、この点でも特別感があります。

↑泡もご覧の通り。シルキーな飲み口は「キリン ホームタップ」ならではの美点

 

記録を更新する暑さが続く2023年の夏。そうとなれば、暑気払いはやっぱりビール! あらためてサーバーから飲んでみると多幸感もあって激ウマです。ここで紹介したサービスは気軽に試せるものも多いので、ぜひトライしてみてはいかがでしょうか。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

自社栽培生ホップ×国産麦芽100%醸造! この秋限定の味わい「常陸野ネストビール フレッシュホップス2023」

木内酒造は、自社の額田醸造所に併設のホップ畑で栽培し収穫した生ホップと、国産麦芽100%を使用して醸造した「常陸野ネストビール フレッシュホップス2023」を、9月上旬より数量限定で発売開始します。350ml缶の価格は495円(税込)。

 

同商品は、茨城県那珂市にある自社のホップ畑で栽培し、今年収穫した生ホップを50%以上使用。カスケードやチヌークをメインとした複数品種のホップと、自社の製麦工場で製麦した国産麦芽100%を用いて、季節限定のフレッシュホップスに仕上げています。

 

同社は、麦を発芽させる加工「製麦(モルティング)」を行う製麦工場を、茨城県石岡市にある「木内酒造 石岡の蔵」敷地内に新設し、5月より試験運転を実施、7月下旬より本格稼働を開始しています。今回発売となる同商品は、自社製麦による茨城県那珂市産の「ミカモゴールデン」麦芽を100%用いて醸造が行なわれました。

 

また、同商品の一部は、茨城県那珂市「ふるさと納税」での返礼品として提供を予定しているとのことです。

メロンソーダとビールの「素」が大ヒット! 2023年上半期で売れたドリンク4選

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。今回は「フード編」から、カルディコーヒーファーム「メロンソーダの素」、サントリー「サントリー生ビール」、サントリー「ビアボール」、アサヒビール「ヨルビール」の4商品をピックアップ!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです

 

炭酸で割るだけで喫茶店の味を楽しめる

カルディコーヒーファーム
オリジナル
メロンソーダの素
522円

炭酸水で割るだけで、メロンソーダが完成。鹿児島県産のアールスメロンの果肉ペーストを贅沢に使い、自宅にいながらリッチなおうち喫茶店気分を味わえる。希釈せずに、バニラアイスやかき氷などにかけても美味。本品1に対して、炭酸水2の割合で希釈するのがオススメだ。

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>フードツーリズムマイスター・今西絢美さん
フードツーリズムマイスターの資格を持つライター。調理家電や食の記事も執筆する。

 

レトロブームが重なり1か月で約4万本販売
「レトロブームのいま、メロンソーダは“エモさ”の象徴。本品は喫茶店のメニューを自宅で作れると好評で、初回入荷ぶんは約2週間で完売。その後増産され、発売から1か月で約4万本も売れています」(今西さん)

売れ行き:★★★
革新性:★★★
影響力:★★

 

飲み応えと飲みやすさを両立した次世代缶ビール

サントリー
サントリー生ビール
実売価格218円(350ml)、286円(500ml)

酒税改正を10月に控えたこのタイミングで、大型新商品が登場。厳選素材とこだわりの製法で、グッとくる飲み応えと、かつてない飲みやすさを両立した。ビール樽がモチーフのスタイリッシュなパッケージも話題。

↑手間と時間がかかる「トリプルデコクション製法」で、素材のうまみを最大限に引き出している

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>フードライター・中山秀明さん
食のトレンドに詳しい。GetNavi webでは連載「サニーデイ・サービス 田中 貴のラーメン狂走曲」を担当。

 

印象的な味とデザインでビール好きの新たな選択肢に
「発売約1週間で販売数量100万ケースを突破し、直近20年における同社の缶ビール新商品で最速を記録。同社の『プレモル』の重厚で華やかな味とは異なるすっきりとした味で、ビールの選択肢が広がった!!」(中山さん)

売れ行き:★★★★
革新性:★★
影響力:★★

 

自分好みの濃さで味わえる炭酸水で割るビール

サントリー
ビアボール
実売価格768円

日本初の炭酸水で割るビール。培った醸造技術を結集し、同社のビールでは過去最高のアルコール度数16%を実現。時間が経っても味と香りのバランスが崩れない。

↑ビールを自分好みの濃さで飲めるのが新しい。メーカーのオススメ比率は、炭酸水3に対し、ビアボール1

 

エスプレッソの香りがくつろぎタイムに寄り添う

アサヒビール
ヨルビール
実売価格272円
●現在は販売終了

エスプレッソと黒麦芽を使った黒ビール。エスプレッソコーヒーの香りと深みのある味わいが特徴で、ゆっくりと時間をかけて自分のペースで楽しめる。セブン−イレブンで数量限定発売された。

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>編集者・鈴木翔子さん
本誌の元フード担当で現在フリーの編集者。バーでも働き幅広い年代のお客さんから情報を収集。

 

いまの時代にマッチした“自分らしく”楽しめるお酒
「『ヨルビール』は、くつろぎ時間に合うことを訴求し、想定の1.5倍売れ。3000万杯(※)突破の『ビアボール』は、他のビールよりも若年層の購買比率が高い。ともに自分らしく楽しめる点が時代にマッチ!」(鈴木さん)

※:家庭用・業務用を合算

売れ行き:★★★★
革新性:★★★★
影響力:★★★

なぜ「スーパードライ」は奇跡的なヒットとなったのか? 日本のビール、その波乱万丈の歴史~注目の新書紹介~

こんにちは、書評家の卯月鮎です。夏といえばビールの季節。ビアガーデンも最高ですよね! ……と言っても、私はシロナガスクジラが海水を丸呑みするように、ビールをガブガブやるのはあまり好きではありません。

 

せっかくビールごとに味も違うのに、もう少し味わって飲みなさいよ(笑)と思ってしまいます。美味しいおつまみと一緒にゆっくりビールを味わいたいタイプです。

ビール業界を知り尽くしたジャーナリスト

今回紹介する新書は日本のビールは世界一うまい!―酒場で語れる麦酒の話』(永井隆・著/ちくま新書)。著者の永井隆さんは東京タイムス記者を経て、現在フリージャーナリスト。企業、組織と人、最新の技術から教育問題まで幅広く取材・執筆しています。『キリンを作った男』(プレジデント社)、『究極にうまいクラフトビールをつくる』(新潮社)、『サントリー対キリン』(日本経済新聞出版社)などビール業界に関する著書多数。

 

「スーパードライ」、ヒットの秘密

日本の大手ビール会社の変遷をたどっていくいく本書。第1章「日本『麦酒』事始め」は、日本のビール醸造発祥の地・横浜からスタートです。日本初のブルワリーは1869年に横浜・山手に設立された「ジャパン・ヨコハマ・ブルワリー」。ついで、1870年に同じ山手で産声を挙げた「スプリングバレー・ブルワリー」のビールが評判を呼び、日本のビール産業の礎を築いたそうです。

 

その後、内紛で倒産した「スプリングバレー・ブルワリー」の跡地を買い取ったのが、1885年設立の「ジャパン・ブルワリー」。当時の三菱社長・岩崎弥之助も出資したこのブルワリーが、キリンビールの前身なのだとか。

 

そういえば、「スプリングバレー」は現在キリンビールのクラフトビールブランドのネーミングですね。こうした歴史を知っていると、味わいがより深くなる気がします。

 

ビジネスドラマのように当時の現場の空気がひしひしと伝わってくるのが、第4章「ビール市場の転換点」。1987年に発売されて空前の大ヒットとなった「アサヒスーパードライ」。名門ながらも、市場シェア3位と不振に陥っていたアサヒビールの起死回生の一撃。従来のビールづくりとはガラリと路線を変えたその開発コンセプトとは、20代、30代が飽きない辛口のビールだったそうです。肉料理など洋食化が進んでいた80年代の食事にピッタリ合う味だったのです。

 

そして躍進の裏には、アサヒ営業部隊による泥臭い営業があったとか。キリンは豊富な資金により、消費者調査などから「スーパードライ」の大化けを予測していたにもかかわらず、繁栄に慣れていたためそれを黙殺してしまった、と永井さん。

 

アサヒ側だけではなく、いち早くヒットを察知したキリンのリサーチャーや営業マンの視点も入り、当時の熾烈なビール戦争の様子がいきいきと描かれています。

 

なぜ日本のビールはドイツタイプだったのか? ビールにかかる税金が高い理由。長年キリンが市場1位だった裏側……。ビールに関するうんちくも数多く挟まっています。

 

日本のビール市場を牽引する大手4社の動きが時代ごとにまとまっていて、網羅的に日本ビール史の流れをつかめるのが本書のいいところ。第3章以降は、取材から得られたであろう現場の声も挟まって、各メーカーごとの戦略が臨場感をもって伝わってきます。人気ビールの開発秘話も読みどころ。本書をつまみにビールを堪能するのはいかがでしょう。

 

【書籍紹介】

日本のビールは世界一うまい!――酒場で語れる麦酒の話

著:永井隆
発行:筑摩書房

西のアサヒ、東のサッポロと言われた理由とは。キリンはなぜ独立を保てたのか。サントリーはどのようにビール市場に参入したのか。バブル期にドライはなぜ売れたのか。20世紀末の日本を席巻した「ドライ戦争」とは、どのようなものだったのか。そもそもラガーとエールの違いとは。麦芽の割合で何が変わる? 世界一うまいと絶賛される日本のビール。商品開発、市場開拓、価格など、熾烈な競争の背後にある発展史を一望して見えてきた秘訣とは。

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【プロフィール】
卯月 鮎
書評家、ゲームコラムニスト。「S-Fマガジン」でファンタジー時評を連載中。文庫本の巻末解説なども手がける。ファンタジーを中心にSF、ミステリー、ノンフィクションなどジャンルを問わない本好き。

 

暑気払いにはやっぱりビール! ビールラバーが厳選した今夏飲むべき My Best Beer

夏本番を迎え、暑気払いにはやっぱりビールが最適だろう。と言うわけで、そんなシーンをテーマに、大のビール好き5人がオススメを紹介!

※こちらは「GetNavi」 2023年9月号に掲載された記事を再編集したものです。
※本特集で紹介しているビールは、数に限りがあるため販売を終了している場合があります

 

【私が選びました】「GetNavi」編集部・鈴木翔子の4本

「GetNavi」フード担当・鈴木翔子
編集者兼バーテンダー。カレーとビールのセットが好き。黒ビールファンだが、夏は酸味のあるビールを欲する。

①Lambiek Fabriek
Organic Geuze Natur-Elle
3800円

■グーズ/Alc 6.2%

サワービールのルーツと言える、野生酵母ビール「ランビック」を手掛けるベルギーの気鋭のブルワリーによる一本。柑橘や干し草のような香りと酸味に、オークの温かみが調和している。

●一度飲むとクセになる個性派
「『ランビック』の新旧を混ぜて造る『グーズ』は、未知のビールに出会いたい人に薦めたいビアスタイル。なかでも本品は、土っぽい香りときれいな酸味、繊細な泡がクセになるおいしさです!」(鈴木)

 

②BLACK TIDE BREWING
Musubi Maru
3168円(4本)

■IPA/Alc 6.5%

気仙沼の名を世界に轟かせたブルワリーが、仙台・宮城の観光PRキャラクター「むすび丸」とコラボ。かわいいルックスとは裏腹に、個性派ホップのクライオをふんだんに使用したジューシーなIPAに仕上げている。

●夏夜の始まりはコレで乾杯
「強い苦味とトロピカル感のバランスが絶妙で、夏の宵の口に飲みたくなる味。チビチビ飲んで温度による味変を楽しむのもアリ。個人的には甘さがほのかに顔を出す少しぬるめも好き」(鈴木)

 

③キリンビール
スプリングバレー ジャズベリー
460円

■フルーツビール/Alc 5%

麦芽とともにラズベリー果汁を発酵させたフルーツビール。ワイン酵母がフルーティさとともに複雑味を生んでいる。パッションフルーツのような爽やかな香りが特徴のギャラクシーホップを使用。

●華やかな味わいの本格フルーツビール
「シャンパンのような華やかさが魅力。ほど良い甘味と酸味にホップが効いていて、ジュースのような甘いフルーツビールが苦手な人にもオススメ。酸味の強いチーズやローストビーフにマッチ」(鈴木)

 

④ベアードブルーイング
スルガベイ インペリアルIPA
実売価格450円

■インペリアルIPA/Alc 8.5%

2000年創業の同ブルワリーは、米国出身のベアード氏が日本でいち早く母国流のクラフトビールを発信したカリスマ。本品の弾けるようなホップの苦味は、駿河湾の夜空を彩る花火大会をイメージしている。

●どっしり構えた重さが心地良い
「苦味とコクが強い重めの味わいながらも、ほのかな甘さが残り、硬派ながら懐の深さを感じる味。度数が高いので、余韻を噛み締めゆっくり飲むのがベスト。つまみは焼きそばやイカ焼きが◎」(鈴木)

 

【私が選びました】「ビール女子」編集長・吉原咲子の3本

ウェブメディア「ビール女子」編集長・吉原咲子さん
記事の企画・編集やイベント運営を担当。20歳のときにベルギービール店で働きビールに魅了され、いまに至る。

①ISLAND BREWERY
ゆず麹エール
800円

■フルーツビール/Alc 5%

ブルワリーがある長崎県壱岐の名産のひとつ、柚子の果汁やピールを使った爽やかな一本。世界が認めた壱岐焼酎の製造に使われる白麹由来のクエン酸で、バランスを調えている。

●穏やかな柑橘香でリラックス
「同ブルワリーは、“魚に合うビールを”をコンセプトに2021年に生まれた醸造所。柚子は冬の果物ですが、オレンジのビビッドな香りとは異なるほっこり穏やかな柑橘香が、夏にも癒しをくれます」(吉原)

 

②KUNITACHI BREWERY
夏のあわい take3
900円

■サワーエール/Alc 5%

レッドプラムを副原料に用い、梅やベリー系果実のような甘酸っぱさを表現したサワーエール。フルーティーなアメリカ産ホップで果実味を底上げし、プラムのタンニンと強めの酸味が味を引き締めている。

●魅惑の色と甘酸っぱさにうっとり
「梅のような酸味と、ベリー系の甘味がかくれんぼしていて、酸味が恋しくなる夏にピッタリ。ルビー色の液色にうっとりしながら、複雑に絡み合う甘酸っぱさをぜひ堪能してみてください!」(吉原)

 

③Be Easy Brewing
Mantsukoi
650円

■モダンケルシュ/Alc 5%

青森県に移住した米国人ブルワーが、ドイツのビアスタイル「ケルシュ」を現代的に昇華。ニュージーランド産ホップでレモン、ライム、パイナップルのような華やかな香りを生かし、津軽弁でいう「まんつこい(=まぶしい)」味を表現した。

●夏疲れした身体を癒してくれる
「容赦なく降り注ぐ夏の太陽に身体が疲れてしまったときにオススメの一本。華やかな香りと、ドイツ生まれのビアスタイル『ケルシュ』ならではのスッキリした味わいで、癒し効果抜群です」(吉原)

 

【私が選びました】フードツーリズムマイスター・今西絢美の3本

フードツーリズムマイスター・今西絢美さん
フードツーリズムマイスターの資格を持つライター。ブルワリーからワイナリーまで幅広くチェックしている。

①ブルックリン・ブルワリー
ブルックリンサマーエール
実売価格385円

ペールエール/Alc 5%

NYを拠点に世界中で人気を博すブルワリーの、夏季限定ビール。ビーチやBBQなどでの飲用をイメージしたペールエールで、明るく華やかな香りとスッキリとした後味が猛暑も吹き飛ばしてくれる。

●夏の到来を告げる爽やかさ
「夏らしい爽やかさが特徴で、酸のある柑橘系の香りが際立つ逸品。飲み心地が強く、シーフードや肉・野菜のグリルと好相性。これを飲むと『今年も夏が来た!』という気持ちになります!」(今西)

 

②カーブドッチブルーイング
Croix La Mer
2420円

■サワーエール/Alc 6%

新潟県を代表するワイナリーが新たに手掛けたクラフトビールの一本。「Croix」はフランス語で海を意味し、あえて果物は使わずにフルーティな香味や酸味を醸し出している。ワイングラスで嗜むのがオススメ。

●苦味が控えめでビールビギナーに◎
「ワインのような酸と果実味が爽やかで、夏にピッタリ。炭酸は控えめで後味に少し苦味を感じる程度なので、普段ビールを飲まない人にもオススメです。酸味のある料理や甘いお菓子とマッチ!」(今西)

 

③ヤッホーブルーイング
インドの青鬼
323円

IPA/Alc 7%

長野県発、国内クラフトビールのビッグネームによるIPAの代表作。ホップのガツンとした苦味とグレープフルーツのような柑橘香が特徴で、濃い味付けのメニューや肉料理、スパイシーな一皿によく合う。

●夏の太陽によく合うフルーティな香り
「ホップの青々しい香りや苦味がしっかり感じられる人気のビアスタイルの一本。グレープフルーツのような香りが、夏の太陽によく合います。スパイシーな中華料理との相性がバッチリ!」(今西)

 

【私が選びました】フードライター・中山秀明の3本

フードライター・中山秀明さん
フード全般のトレンドに詳しく、お酒はクラフトビールが大好き。飲み比べや食べ合わせの取材経験も豊富だ。

①奈良醸造
COCO
実売価格726円

■ココナッツポーター/Alc 3.5%

伝統的な黒ビール系ビアスタイルの「ポーター」に、甘くまろやかなココナッツのニュアンスをプラス。缶内に窒素ガスが充填されており、ふわもこの泡によるクリーミーな口当たりと豊かな甘味を存分に楽しめる。

●低アル軽快でもコク深で夏に旨い黒
「ロースト麦芽ならではのチョコのような甘香ばしさに、乳糖やココナッツのミルキーさがナイス。南国調と低アルで軽やかな飲み口は、夏に最適。シルキーな泡は、ギネスビール好きなら垂涎!」(中山)

 

②リオブルーイング
トーキョーベイコースト セゾン
670円

■セゾン/Alc 6%

ベルギービールの名誉騎士に認定された福岡県出身の奇才が、ベルギーの伝統に革新的な手法を掛け合わせて醸造。直輸入のベルギー産麦芽と酵母のフルーティさやスパイシーさを感じる華やかな一本。

●ヘイジー好きにもオススメのセゾン
「夏の農作業時の飲用目的で生まれたベルギービールがセゾン。この伝統的なビアスタイルが、ジューシーに。爽やかな酸やコリアンダーのスパイス感もゴキゲンで、ヘイジーIPA好きにも◎」(中山)

 

③VERTERE
Passiflora
950円

■ヘイジー・IPA/Alc 7%

豊かな自然と水に恵まれた奥多摩に醸造所を構える、東京屈指の人気ブルワリーのヘイジーIPA。南国を思わせる甘く陽気なアロマとフレーバーに、やわらかな舌触りとほど良い苦味が響き合う。

●味はもちろんデザインも素晴らしい!
「香りは温かみのある柑橘や、パッションフルーツのような完熟果実。そこに、ハーバル感をまとったグラッシーな苦味が交わり絶品!! バテレはロゴやデザインもオシャレで、グッズもオススメ」(中山)

 

【私が選びました】GetNavi web副編集長・和田史子の3本

GetNavi web副編集長・和田史子
2023年よりお酒担当。目下の夢は、スコットランドのブリュードッグ直営ホテルで部屋のタップからビールを飲むこと。

Beer the First
Loop Marunouchi
743円

■アンバーエール/Alc 5%

東京都・丸の内エリアの災害備蓄菓子を活用し、香ばしさが特徴のアンバーエールに仕上げている。モルトの甘味と心地良いビター感、華やかなホップの風味が特徴だ。

●ホップの存在感が強く満足感抜群
「“丸の内の災害備蓄品をアップサイクルした”というストーリーがいまっぽい商品。ホップの香りも苦味も強めで、満足感たっぷり! そこへ焼き菓子の香ばしさと甘味が個性を与えています」(和田)

 

②ブリュードック
HAZY JANE
429円

■ニューイングランドIPA/Alc 5%

スコットランドを代表するブルワリーが造るニューイングランドIPA。苦味を抑えることでホップの華やかさを凝縮し、飲み口はスムース。パイナップルやマンゴーなど南国の果実のようなアロマが華やかだ。

●見て飲んで幸せになれる一本
「無濾過による濁りのある液色と、マンゴーや桃を思わせるフルーティな香り、苦味を抑えた軽やかな味わいが絶妙。通年で自宅にストックしていて、330㎖と少なめなのも個人的にちょうど良い」(和田)

 

③キリンビール
キリン スプリングバレー サマークラフトエール<香>
実売価格273円

■セッションエール/Alc 4.5%

アルコール度数の低い上面発酵ビールのことを指すビアスタイル、「セッションエール」を採用。オーストラリア産の希少なギャラクシーホップを使用し、南国のフルーツのような華やかな香りと心地良い苦味を楽しめる。期間限定販売。

●真夏にふさわしい香りと苦味
「ワインのような芳しい香りとバランスの良い苦味で、スッキリ飲みたい夏に◎。希少ホップを大量に使っているため、現時点では通年供給できないそうですが、その希少性にもそそられます!」(和田)

 

生ジョッキ缶第2弾!新ビールブランド「アサヒ食彩」はスーパードライ党も納得のプレミアムビールだ!

 7月11日に発売となった「アサヒ食彩」。フタが取れて泡がふくらむ「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」に続くフルオープンエンド仕様のフタを採用しており、しかもプレミアムビールということでも、大きな注目を集めています。いったいどんな狙いや味の特徴があるのか、レポートしていきます。

↑アサヒビール「アサヒ食彩」。340ml缶の店頭想定価格は税込284円。コンビニ限定で7月11日発売。サイズはほかに485ml缶もあり

 

「アサヒ食彩」誕生の背景……実はプレミアムビール市場に追い風が吹いていた

「アサヒ食彩」が発売された背景には、大前提として202310月の酒税法改正があります。これによってビールは実質安く、新ジャンル(第3のビール)は高くなるため価格の市場構造が変わり、ビールの需要が高まるのは間違いないでしょう。このビールへの追い風が吹く直前、そしてビール最盛期の夏に向けて「アサヒ食彩」がデビューしたのです。

↑「アサヒ食彩」の発表会で配布された資料より。なお2026年10月にはビール酒税が一本化されるため、さらにとんでもないことになると思います

 

加えて「アサヒ食彩」がプレミアムビールといえる理由は大きくふたつ。アサヒビールとしては、スタンダードビールでは「アサヒスーパードライ」と「アサヒ生ビール」(通称マルエフ)という二大スターが存在するため盤石だから。そして、プレミアムビールカテゴリーに追い風が吹いているから、です。

↑アサヒビールの調査によると、プレミアムビールの購入者は2020年と2022年比で117%も増えているとのことです(発表会配布資料より)

 

プレミアムビール市場が好調な背景には、テレワーク、インドア趣味、家飲みといった新しく習慣化した「家時間の過ごし方」、また中食の充実などに伴う「家ナカでの贅沢」があるとのこと。加えて、今後も予想される物価高騰のなかでメリハリをつけた消費が顕著になるとも。つまり消費の二極化が進み、節約する消耗品と、贅沢を惜しまない嗜好品にわかれるだろうとのことです。

↑さらにはタイムパフォーマンスのトレンドも関係しているとか。手軽に贅沢感を楽しめるビールを、という思いも「アサヒ食彩」の開発背景にあるのです(発表会配布資料より)

 

「アサヒ食彩」の味わい特徴……アルザスホップの優雅な果実味とキレのよさがイイ!

では、「アサヒ食彩」はどんな味わいの特徴をもったビールなのでしょうか。ひとつはフランス・アルザス地方産の希少ホップ「アラミス」を含む5種類のホップを使った華やかな香り。また、高濃度で麦汁を発酵させることによる濃厚なコクも持ち味です。

↑アルコール度数が5.5%でエネルギーは100mlあたり48kcal。なお「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」はアルコール度数5%で42ckalです

 

そのうえで生ジョッキ缶を採用しているため、泡のシルキーさは言わずもがなでしょう。とはいえ、論より証拠ということで、実際に開けて飲んでみました。

↑「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」の大ヒットですっかりおなじみの、フルオープンエンド仕様のフタがこちら

 

なお、缶のパッケージ裏面にイラスト付きで「アサヒ食彩の楽しみ方」が載っているのですが、飲み頃温度は4〜8℃。これは、泡をゆっくりもこもこと湧き上がらせるためにも必要な温度帯であり、十分冷やすことが欠かせません。これが不十分だと泡とともに炭酸が吹き出てしまい、具体的には12℃以上になるとこぼれやすくなるので注意が必要です。

↑これはまさに適温。かまくら型はんぺんのような泡のビジュアルが、実にウマそうです

 

泡はノンストップでどんどん肥大化するので、開栓したらすぐにゴクッといきましょう。味はもちろん抜群においしいのですが、口元をふわっと撫でるシルキーな泡の次に押し寄せる、ビールの豊かなうまみがたまりません。

↑フルオープン缶ならではの、広がるアロマも芳しい

 

香りは洗練された果実味が印象的。アルザス地方といえば、マスカット(ミュスカ)やリースリング、ゲヴュルツトラミネールといった白ワインぶどうの名産地ですが、どこかこうした白ワインのように優雅なフルーティーさを感じます。

↑香りの持続性や拡張性も魅力(アサヒ食彩HPより)

 

また、余韻がすっきりしていて、わざとらしい重さがないのも好印象。これは「アサヒスーパードライ」に採用されていることで知られる「318号酵母」による仕事だと思います。「318号酵母」の独自性といえば、きわめてキレに優れたビールを造り出せること。このシャープな爽快感は、“スーパードライ党”も納得できる味わい特徴だと思います。

↑黄金の液色。この香り高さはぜひお試しあれ

 

なぜ“食彩”?

なお、「アサヒ食彩」のネーミングの由来は、“泡と香りで食を彩る”。このコンセプトはパッケージにも書いてあり、つまりはフードペアリングがオススメということです。週末などにちょっといい晩酌を、コンビニ飯で楽しみたい時などには最適ではないでしょうか。はたまた夏祭りやキャンプ飯のご馳走に合わせるなど、思いおもいの食シーンで合わせてみてください。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

国産ホップ・アジアンブルワリー ・SDGs……クラフトビールの最前線を5つのトレンドでチェック!

サステナブルな取り組みが活性化されたり、グローバル化の波が一層大きくなったり。クラフトビールシーンの最前線で起きている、代表的な5つのトピックを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【Wave 01】国産ホップがアツい!

“ビールの魂”とも言われるホップは、生産者の減少などで日本産は危機的状況だったが、クラフトビールを愛する人々の力によって近年新たな息吹が! 有名銘柄を中心に紹介しよう。

 

世界を驚かせた日本生まれのホップの凛とした香りが力強く広がる

サッポロビール
サッポロ SORACHI 1984
実売価格272円

■北海道空知郡上富良野町産(※1)

同社が開発し、世界を驚かせたホップ「ソラチエース」100%で造ったビール。その一部に日本産ホップを使っている。ドライホッピング製法で引き出したヒノキやレモングラスを思わせる凛とした香りと、ふくよかに広がる味わいの余韻を楽しめる。

※1:一部に使用

 

国産ホップの繊細な面を生かし苦味を抑えたやさしいビール

サッポロビール
サッポロ ココロクラフト流れ星 ゴールデンエール
実売価格279円

■北海道空知郡上富良野町産

“夜空を眺めながら、一息つきたい”そんなココロに寄り添うビールブランドの第1弾商品。国産ホップ「ふらのほのか」の爽やかな香りと、苦味を抑えた軽やかな味が特徴だ。セブン&アイホールディングス限定で販売中。

 

上品で穏やかな香りが豊潤なおいしさをより昇華

キリンビール
キリン スプリングバレー 豊潤<496>
実売価格273円

■岩手県遠野市産(※2)

同社の叡智を結集した「スプリングバレー」ブランドの代表銘柄。ホップを5種類使用しており、そのうちのひとつが日本産の「IBUKI」だ。上品かつ穏やかな香りが特徴で、好バランスな味わいに寄与している。

※2:「IBUKI」のみ

 

関西が誇るホップ産地発の清々しい香りの一本

ASOBI BEER
ASOBI
2610円(6本)〜

■京都府与謝野町産

関西屈指のホップの産地・京都府与謝野のホップ活用と、天橋立の環境課題解決を目指し、2020年に設立されたブルワリーの第1弾銘柄。オレンジや若草を彷彿とさせる清々しい香りと、苦味に調和する麦芽の豊かな甘味を味わえる。

 

【Wave 02】アジアンブルワリーが続々上陸!

韓国や台湾をはじめアジアのカルチャートレンドは、音楽やドラマ、料理だけでなくクラフトビールにまで! 台風のごとく次々と上陸するなかで、熱狂の渦を生んでいる実力派をピックアップ。

 

【香港】多彩なビアスタイルをウリに日本に上陸し飲食店もオープン

carbon brews
カーボンブリューズ

2021年に日本上陸。ビールらしい味わいの定番からマニアックなビアスタイルまで多彩な銘柄が揃い、2022年には世界第1号店となるタップルーム「carbon brews tokyo」を東京都赤坂にオープンした。

↑専門店には、点心の一種「腸粉」やロースト肉「焼味」など、香港料理がズラリ

 

【韓国】研究開発所から生み出されるクリエイティブな味がモットー

KABREW
カブリュー

2000年の設立以来、韓国のクラフトビールシーンを牽引してきた実力派。研究開発所を併設し、進化を重ねるクリエイティブなビール造りが身上だ。2022年の冬に日本に上陸し、一部スーパーマーケットで発売中。

 

【シンガポール】新星ながら国際的な評価も高いシンガポール屈指のブルワリー

BREWLANDER
ブリューランダー

2017年の創業後、2019年にアジアのビールアワードで金賞に輝き、いまやシンガポールを代表するブルワリーに。2023年から日本での販売を開始。良質な原材料によるクリアな味が魅力だ。

 

【台湾】台湾と世界の食文化を融合させ独創的なビールを醸し出す

TAIHU BREWING
タイフーブリューイング

台湾の食文化をベースに海外の素材を調和させ、既成概念を打ち破るビール造りがテーマ。サングリアを手本にしたり日本の梅酒や桜を使ったり、氷割りを推奨する銘柄もあるなど自由な発想が光る。

↑2020年には東京都神楽坂に飲食店「Taihu Tokyo」を開業。ルーローほうれん草やカキの豆鼓炒めなど、ここならではの美食とのペアリングが楽しめる

 

【Wave 03】ビールで食品ロスを削減

SDGs推進の流れはクラフトビール業界にも。最近は特に廃棄予定の食材をアップサイクルする事例が顕著だ。専門的に行うブルワリーをはじめ、注目の3ブランドを紹介する。

もしもの災害用備蓄米を活用しドライでトロピカルな味わいに

Beer the First
ホワイト サム ライス
748円

アップサイクル専門ブルワリーの商品。本来使用する麦芽の20%を、廃棄間際の災害用備蓄食品のひとつ、アルファ米で代用している。ラガー酵母を使いホップの香りを高めたコールドIPA。

 

【編集部がお試し!】驚きをくれるユニークなビール

「薬草感のある香りが斬新!! ライトな苦味とキレでドライながらも艶のある甘い余韻が漂う、相反する要素を持った個性派。タレ味の焼き鳥や甘めのしょうゆラーメンなど甘香ばしい料理に合わせたい」(編集部)

 

廃棄豆抽出のコーヒーが香るコク深くフルーティな味わい

アサヒユウアス
蔵前BLACK
700円

アサヒグループの企業が手掛ける「UPCYCLE B」プロジェクトの一本。黒ビールを醸造したあとに廃棄コーヒー豆から抽出したコーヒーを加え、アルコール度数4.5%に仕上げている。

 

【編集部がお試し!】コーヒーの魅力が凝縮!

「口を近づけたときに感じる香りと余韻が、予想していた以上にちゃんとコーヒーでビックリ! 苦味と香ばしさがありながらも酸味が効いているので重さはなく、スッと飲めますが、飲み応えは十分」

 

名ブルワリーとタッグを組み、ジャー開発時のごはんをビールに

象印マホービン
ハレと穂
660円

炊飯ジャー開発時の炊飯試験のごはんを原料に、国内ブルワリーの雄「伊勢角屋麦酒」がビールを醸造。白ぶどう果汁を加えた爽やかな味わいで、和食の繊細な味付けにもよく合う。

 

【編集部がお試し!】和食のおいしさを底上げする味わい

「口に入れたときの炭酸感が心地良い、軽やかさが魅力。苦味が控えめで、ほのかに甘味がありながらも後味はさっぱり。寿司や刺身などの繊細な料理はもちろん、トンカツや天ぷらなどの揚げ物にもマッチ」

 

【Wave 04】アメリカではパイント缶ビールが主流に

クラフトビール先進国のアメリカでは近年、12オンス缶(355ml)よりパイント缶(473ml)が主流に。日本でもアメリカの輸入ビールを扱うショップで、取り扱いが増えている。たっぷり飲みたい人にオススメだ。

 

パイント缶にこだわり続ける西海岸ブルワリーの人気IPA

Pizza Port Brewing
スワミズIPA
942円

パイント缶の先駆的ブルワリーの看板銘柄。カラッとした苦味の米国西海岸系IPAで、ホップの爽やかなシトラス香と、モルトのビスケットのようなほのかな甘味が心地良い。

 

【Wave 05】魔法の粉“ファンタズムパウダー”がじわじわキテる!

最近米国で注目されているのが、ソーヴィニヨンブランというワイン向けのぶどうの皮を粉にした「ファンタズムパウダー」。香気成分を増幅させる作用があり、使用銘柄も増加中で、日本にも上陸し始めている。

 

5種のホップと“魔法の粉”でジューシーな果実味が鮮烈に

Topa Topa
TRIP THE LIGHT PHANTASTIC
1335円

ジューシーなIPAを目指し、ホップを5種使用。ファンタズムパウダーで、トロピカルフルーツやぶどうを思わせるフルーティな香りと味わいを強化している。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

秋の“定番”ビールが今年もやって来る! 発売33年目の「キリン秋味(期間限定)」

キリンビールは、今年で発売33年目を迎える秋季限定ビール「キリン秋味(期間限定)」を、8月22日から全国で発売します。価格はオープン。

 

同商品は、同社のキリンラガービールと比較し、麦芽を約1.3本分使用。原材料配合や製造工程を最適化し、アルコール度数6%で飲みごたえがありながらも、すっきりした後口に仕上げています。

 

パッケージは、「秋が訪れるよろこび」と「豊かな味わい」を表現したデザインで、「今しか飲めないおいしさ」であることを醸成する「限定醸造」のアイコンを配しています。

ファミマで限定発売中! 日本最古のビヤホール「銀座ライオン」監修「サッポロ 銀座ライオン ライオンエール」

ファミリーマートは、サッポロビールの新商品「サッポロ 銀座ライオン ライオンエール」を、ファミリーマートの酒類取扱店約1万6200店で数量限定発売しました。価格は、350mlが230円(税込)、500mlが301円(税込)。

 

同商品は、日本最古のビヤホールである銀座ライオンが監修する、夏向けの限定醸造生ビール。エールビールならではの華やかな香りと、爽快感ある味わいが楽しめます。昨年7月の発売時に、再販を望む声が多く好評だったことから、今年も発売に至ったとのことです。

 

パッケージは「黄」「黒」「赤」をベースに、銀座ライオンのロゴを中央にデザインしています。上半分全体を黄色にして、夏らしい解放感を表現しています。

タレント高田秋がプレミアムビール4種を飲み比べ! 特別な日は特別なビールで……

飲み歩き大好きなモデルでタレントの高田 秋(たかだしゅう)が、「家飲み」を追求するシリーズ。今回は、大手ビールメーカーのプレミアムビールを4種類飲み比べてレビューしてみた。

※こちらは「GetNavi」 2023年3.5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【5杯目】特別な日を彩る “プレミアムビール” を4種類飲み比べ!

特別なビールはシーンで飲み分けたい!

私にとってビールは、日常をうるおしてくれる存在。20代前半のころはホップの苦みが得意ではなかったのでいつもソフトドリンクを飲んでいました。ですが、早く大人の仲間入りをしたくちょくちょく飲んでいたら、すっかり大好きなお酒に。いまでは、ほぼ毎日飲んでいます。ロケ先では現地のクラフトビールを買いますし、プレミアムビールも必ず自宅にストックしてますね。

 

今回の4種類はどのビールもおいしくて、シーンによって飲み分けたいです。「ヱビスビール」はバランスが良く、どんな食事にも合いそう。「花鳥風月」はフルーティでラベルがカワイイから、女子会で開けたいな。香りが華やかで爽やかな「一番搾りプレミアム」は、連休前の仕事終わりのご褒美にキュッと。「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム〈無濾過〉」は大自然の恵みを感じるので、ひとりじっくり物思いにふけるときに味わいたいです。みなさんもぜひ、飲み比べてみてください!

 

 

今回飲み比べた4種類は?

アサヒビール
花鳥風月
実売価格229円 ●ギフト、東北限定で発売

2022年秋リニューアルし、上面発酵酵母による醸造法はそのままに、新たなホップを採用して濃色麦芽を増量。果実のように華やかな吟醸香とコクがアップした。

 

サッポロビール
ヱビスビール
オープン価格

130年以上の歴史を持つプレミアムビールの金字塔。1000種以上から厳選した「ヱビス酵母」や通常の1.5倍熟成などにこだわった、豊かな旨みとコクが魅力だ。

 

キリンビール
一番搾り プレミアム
実売価格3280円(12本セット)●ギフト限定で発売

一番搾り製法による甘みや旨みが濃縮された麦汁に、日本産ホップ「IBUKI」の第一等品をふんだんに掛け合わせて醸造。爽やかな苦みと果実味が華やぐ。

 

サントリー
ザ・プレミアム・モルツ
マスターズドリーム〈無濾過〉
実売価格 286円

ダイヤモンド麦芽やトリプルデコクション製法など、サントリーのDNAを生かした1本。無濾過仕上げで、柔らかな口当たりと濃密で上質な味わいを実現した。

 

 

高田 秋●たかだ・しゅう●1991年9月23日生まれ、北海道出身。立ち飲み屋巡りが趣味で、唎酒師などの資格を持つ。「町中華で飲ろうぜ」(BS-TBS)をはじめ、飲み歩き番組への出演も多数している。公式HPInstagramYouTube

 

文/中山秀明 撮影/千葉タイチ ヘアメイク/Hitomi Haga スタイリスト/江原優里 ●Cheekのワンピース1万2100円、PARIS KIDSのイヤリング300円

ドイツで開発製造されたヘイジーIPA! ドイツソーセージと相性抜群の「juicy & hazy IPA」

カイザーキッチンビールのSchmatz(シュマッツ)は、新商品「juicy & hazy IPA」を、シュマッツオンラインショップにて、7月14日に販売開始します。

 

ヘイジーIPAは、その名の通り濁った外観が特徴的なビールで、華やかなホップの香りとジューシーな味わいが特徴です。

 

今回発売となる同商品はドイツで醸造したシュマッツオリジナルのヘイジーIPA。リッチなマンゴー、パイナップル、オレンジを思わせる爽やかな香りが楽しめます。シュマッツレストランでは樽でもjuicy & hazy IPAを提供します。

 

価格は、6本セットが4500円(税込)、24本セットが1万6200円(税込)、同商品3本+ミックス3本セットが3550円(税込)です。

炭酸水で割るビール「ビアボール」が全国のご当地素材とコラボ! 全国6会場で「ビアボール祭り」開催

サントリーは7月6日、全国47都道府県の「地元ビアボール」を提供する「日本全国を巡る! 47都道府県 地元ビアボール祭り」の開催を発表した。この発表会では、女優の黒島結菜さんとお笑いコンビ・ダイアンのユースケさん、津田篤宏さんが登壇。地元ビアボールの感想を語ったほか、ビアボールづくりのレクチャーも行われた。

 

話題の東急歌舞伎町タワーで「ビアボール祭り」開催! 自由なビアボールを楽しめる

サントリーが発売している「ビアボール」は、日本初(※)の炭酸水でつくるビールで、好きな濃さで自由に楽しむことができる新しいビール。同社のビールとしては過去最高のアルコール度数16%を実現し、氷と炭酸水でつくって時間が経過しても崩れない味わいと香りのバランスが特徴だ。

※炭酸水で割ることを製品上で訴求する日本初のビール(Mintel GNPDを用いたサントリーの調査による 2022年5月時点)

 

今回発表された「日本全国を巡る!47都道府県 地元ビアボール祭り」は、この自由に楽しめるという特徴を活かして、全国の素材を使ったビアボールを提供するというもの。7月6日に東京・東急歌舞伎町タワー東側のシネシティ広場でスタートしたのを皮切りに、今後は10月までに愛知・福岡・宮城・大阪・広島でも順次開催される予定だ。

↑「日本全国を巡る!47都道府県 地元ビアボール祭り」東京会場の様子

 

東京会場では、定番の3種類(アルコール度数2%、4%、8%)に加えて、47都道府県の地元ビアボール全種類を販売する。そのほかの会場では、各地元素材のビアボールが提供される。実に多彩なラインアップが並ぶが、例えば東京は「クラフトコーラ」、愛知は「西尾抹茶」、大阪は「ミックスジュース」など。定番3種類は各300円、地元ビアボールは各400円で販売されるほか、缶つまやご当地おつまみも100円から用意されているので、小腹を満たしながら楽しむことができそうだ。(価格はいずれも税込み)

↑同発表会で行われた試飲会で提供されたビアボール。左から、東京「クラフトコーラ」、大阪「ミックスジュース」、定番ビアボール(アルコール度数4%)

 

地元ビアボール当てクイズ、黒島結菜が地元愛で見事正解!

同発表会では、黒島結菜さんとダイアンのユースケさん、津田篤宏さんが浴衣姿で登場。人生初だというベリーショートの髪型を披露した黒島さんに、ダイアンの2人は「とてもお美しい!」と大絶賛だった。その後、色と香りだけで地元ビアボールの素材を当てるクイズでは、黒島さんが地元沖縄の「アセロラ」と回答し、見事正解。沖縄方言で「でーじまーさん(とってもおいしい)!」と、大満足の様子だった。

↑ビアボールの素材当てクイズで、「アセロラ」を即答した黒島さん。「実家の祖父母の畑にアセロラがなっていて、そのまま採って食べていました」と正解の理由を笑顔で語ってくれた

 

さらに、ビアボールが初めてだというダイアンに黒島さんがビアボールづくりをレクチャー。定番ビアボールはビアボール1に対して炭酸水3だが、ダイアンのユースケさんは自分好みに調節できる点を活かして1:1で作り「濃い目に作ってもおいしい!」と大喜びだった。

↑「作ってるときもワクワクする」と、嬉しそうにがっつり濃いめのビアボール作りに挑戦したユースケさん

 

↑「この美味しさは~『ビアビアボー!』ビアボール差し上げます! 受け取ってください!!」と持ちネタ「ゴイゴイスー!」をもじったギャグも披露してくれた津田さん

 

同社のマーケティング本部イノベーション部の佐藤勇介氏は、「ビアボールならではの自由さを、よりお客様に楽しんでいただくために、47都道府県の素材を使ったビアボールを開発しました。このイベントを皮切りに、全国へビアボールの魅力を伝えていきたい」と、ビアボールを通じてビール市場の活性化を目指す意気込みについて語った。

 

【「日本全国を巡る!47都道府県 地元ビアボール祭り」各エリアのイベント一覧】

東京 7/6(木)~7/9(日)/東急歌舞伎町タワー シネシティ広場
愛知 7/15(土)~8月31日(日)/内海千鳥ヶ浜海水浴場
福岡 7/21(金)~8月6日(日)/福岡市役所前ふれあい広場
宮城 8/5(土)~6日(日)/夢メッセみやぎ本館展示棟
大阪 9/15(金)~9/18(月)/大阪城公園・太陽の広場
広島 9月下旬~10月上旬予定/開催場所未定

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

「サントリー生ビール」が超売れている理由は「トリプル生」だけじゃない! 知られざる魅力に迫る!!

2023年4月4日に新発売し、同月末までの累計販売数量が125万ケース(大ビン換算)と大ヒットしている「サントリー生ビール」。この販売数量は年間計画の約4割にあたるそうで、2023年を代表するヒット商品といっていいでしょう。では、なぜこんなに売れているのか? そしてそもそも、どのような味わいをもったビールなのかを、比較やペアリングを試しながら解説していきます。

↑↑「サントリー生ビール」。350mlは207円(税込)、500mlは274円(税込)で、アルコール度数はともに5%。※価格はどちらも筆者調べ

 

原材料の大胆刷新に着目すべし!

「サントリー生ビール」の味に関する特徴を生み出しているのが、パッケージにも記載されている「トリプル生」。これは、糖化工程において仕込釜で麦汁を煮出す「デコクション」を3回実施する「トリプルデコクション製法」のことです。

 

1回、2回が一般的であり、デコクションを3回行うビール(発泡酒ビールも含む)はそう多くありません。そこには手間が増えるなどいくつかの理由があると思いますが、デコクションを3回行うことで甘みやコク深さ、まろやかさがより豊かになるといわれています。

↑パッケージにおいて赤字で目立つ「トリプル生」の表記。とはいえ、筆者は原材料にも着目すべきだと考えています

 

ただ、筆者としては「ウリはトリプルデコクションだけじゃない」と感じます。むしろ着目すべきは「味わいの方向性を大きく変えるために原材料も大胆に刷新した」こと。

 

「サントリー生ビール」とバトンタッチする形で缶が終売(業務用の瓶や樽は継続販売)となった「ザ・モルツ」と対比させると、違いや狙いが明らかにわかります。さらにいえば、サントリーを代表するビール「ザ・プレミアム・モルツ(以下、プレモル)」と比べれば一目瞭然です。

 

簡単にいえば、「ザ・モルツ」と「プレモル」は麦芽、ホップ、水、酵母のみで造る、ビール大国・ドイツの「ビール純粋令」にのっとったビールですが、新しい「サントリー生ビール」はコーンと糖類も用いる仕様になったということです。

↑「サントリー生ビール」には、原材料にホップとコーンの記載がある

 

ちなみに、こうした副原料を使うビールは珍しくなく、むしろ日本では王道。「アサヒスーパードライ」と「サッポロ生ビール黒ラベル」には、米、コーン、スターチなどが使われていますし、「キリン一番搾り生ビール」も2009年までは副原料を使っていました。

 

では、なぜ副原料を使うのでしょうか。一般的に、米、コーン、スターチなどを使うとすっきりした味になりやすいといわれています。日本で最も飲まれているビール「アサヒスーパードライ」でも採用されていることから、いわば日本人好みの味を作りやすいともいえるでしょう。

 

「プレモル」は華やかな香りやリッチなコク、そして神泡がウリ。そして「ザ・モルツ」はうまみが特徴のビールです。一方で「サントリー生ビール」はゴクゴク楽しめる軽快さを優先し、ひと口目の飲みごたえや飲みやすい爽快感を前面に出しています。そのうえで、甘みやまろやかさなどを増強するために採用したのが「トリプルデコクション製法」だといえるでしょう。

 

サントリーの代表銘柄と飲み比べ! 味わいの違いは?

それでは「サントリー生ビール」の味わいにおける特徴にも迫っていきましょう。違いをわかりやすく紹介するため、「プレモル」と糖質ゼロの「パーフェクトサントリービール(以下、PSB)」を用意しました。なお、「トリプルデコクション製法」はこの「PSB」や、「プレモル」のさらに上位ブランド「ザ・プレミアム・モルツ マスターズドリーム」でも採用されています。

↑アルコール度数は左から、5.5%、5%、5.5%。ちなみに「PSB」は糖質ゼロビールであるものの、副原料には糖類が使われています

 

●「ザ・プレミアム・モルツ」

味わいは、それぞれのキャラクターが明確に違っています。「プレモル」はどっしりとしたリッチな濃さで、余韻までしっかり続くフルーティな香りも特徴。

↑ひと口目でわかる贅沢な味わいは、さすがプレミアムビールの雄。泡もグッドでありゴッドです

 

●「サントリー生ビール」

一方で「サントリー生ビール」はキレが強めで、そのぶんアタックが刺激的。苦みや香りもシャープで、爽快感がパワフルです。派手さはないものの、ド直球なビールらしさがあり、それが売れている理由なのかもしれません。

↑スカッとクリアな味わいや、ノドを鳴らすような爽快感が印象的

 

●「パーフェクトサントリービール」

そして「PSB」は、味の濃さこそ「プレモル」と「サントリー生ビール」に劣るものの、薄い印象は皆無。糖質ゼロながらキリッとした十分な飲みごたえと苦みで、ビールらしい麦のうまみやホップの香りもしっかり楽しめます。

↑味わいのトーンダウンはややあるものの、糖質ゼロなら十分なレベルのおいしさ。ボディ感や泡もちもよく、完成度の高さを感じます

 

それぞれにオススメのペアリングを提案

味わいは三者三様であるものの、どのビールもジャンルを問わず様々な料理と幅広くマッチすると思います。それを前提としながら、想定できるシーンとペアリングを考えてみました。ジャンルは、昨今、“街”や“ガチ”など存在感が増している中華から。「プレモル」は、やはり料理も少々手の込んだおつまみがマッチ。ご馳走にプレミアムビールを合わせることで、贅沢な気分も倍増します。

↑海老チリや黒酢酢豚などを提案。コンビニでも「金の○○」など、手軽にプレミアムな中華総菜が買えるので、ホームパーティーでもお試しを

 

餃子や麻婆豆腐といったド定番中華に合わせるなら「サントリー生ビール」です。ほかにシュウマイや春巻き、ユーリンチーやキクラゲ卵炒めなどでもいいでしょう。味が辛めだったり濃厚だったりしても、「サントリー生ビール」のシャープな味が調和しながら余韻でリセット。次の料理のひと口をおいしくさせてくれます。

↑スタンダードビールといえる「サントリー生ビール」。ペアリングにも万能さを感じました。晩酌にはこれでしょう

 

「PSB」を選ぶ人は、料理もヘルシーなものを合わせることが多いはず。そこでチョイスしたのはあっさり系のおつまみ。春雨サラダ、ピリ辛蒸し鶏、ザーサイを合わせましたが、「PSB」のほどよい麦のうまみやキリッとした飲み口が、しっかりと調和します。

↑糖質が気になる人は、ビールもおつまみもともにヘルシーなタイプを

 

初夏から夏へと、キンキンに冷えたビールがますますおいしくなるシーズン。スーパーなどでこれらのビールを見かけたら、ぜひこのペアリング例も参考にしてみてください。

↑10月には酒税改正があり、ますますビールが注目されるでしょう。ペアリングはもちろん、ビールの飲み比べもお試しください

 

キリンビール横浜工場のレストランが進化。激ウマフードに舌鼓でますますビールが進む!

2022年、脱コロナに向けて再開したキリンビールの工場見学をレポートしましたが、併設のレストランは休業中でした。それが、今春いよいよ復活。しかも店名の改称を含めたリニューアルオープンということで、内覧会に参加してきましたので、その模様をお届けします。

 

【関連記事】
噂の“元が取れる”工場見学「キリン一番搾りツアー」へ。やっぱし、ビール好きの聖地でした

 

↑2023年4月11日にリニューアルオープンとなった「キリン横浜ビアホール」。キリンビール横浜工場の見学入口から数歩の場所にあります

 

なぜ大胆リニューアルしたのかを考えた

横浜らしく、レンガ調の設えが印象的な建物。こちらは2015年より「スプリングバレーブルワリー横浜」として営業していましたが、コロナ禍により休業へ。そして今回を機に店名と内装、そしてドリンクとフードも刷新されました。

↑高い天井や大きな窓から眺められる緑の借景など、開放的な空間はそのままに一部の内装をリニューアル。さらにくつろげる空間へ

 

「スプリングバレーブルワリー横浜(以下、SVB横浜)」はクラフトビールがテーマでしたが、「キリン横浜ビアホール」はビアホールと銘打つだけあって、ビールの主役は「一番搾り」(650円・税込)をはじめとするおなじみの銘柄が中心。これには納得する部分もあります。

↑「一番搾り」をはじめ、できたてのビールをプロがとびきりおいしく注いでくれます

 

あくまでも筆者の想像ですが、理由はふたつ。ひとつはキリンビール横浜工場でつくられる主役の銘柄が「一番搾り」であり、工場見学で学ぶメインビールも「一番搾り」だから。「一番搾り」をじっくり学んだあとは、やはり「一番搾り」をガッツリ飲みたいというのが心情ではないでしょうか。

 

↑工場見学の特別体験のひとつが、一番搾り麦汁(左)と二番搾り麦汁(右)の飲み比べ ※写真は2019年取材時のもの

 

そしてもうひとつは、ブルーパブ(醸造所併設型のビアパブ)に特化する必要がなくなったから。SVB横浜が開業した2015年当時は、世の中へクラフトビールを発信する拠点としての意味合いもありましたが、いまではクラフトビールの認知度も上がり、その役目は終えたと考えたのではないでしょうか。とはいえ、クラフトビールも「スプリングバレー」ブランドの<豊潤496>とシルクエール<白>、そしてブルックリンラガーとよなよなエールの4銘柄は飲むことができます(800~850円・税込)。

↑店内入口から客席に向かう途中のスペース。ここにはSVB横浜時代からあった、ビールの歴史やギャラリーコーナーが残されています

 

料理にはビール由来の素材や地元食材を積極的に使用

料理も、工場直送の「一番搾り」とのベストマッチを考えた味わいへとリニューアル。加えて、ビールやホップなどビール由来の素材や、神奈川県の地域食材を積極的に使うことも料理のコンセプトに。横浜のビール工場ならではのメニュー構成へと刷新されました。スペシャリテから紹介します。

↑「ペアリングフード8種盛り」(3800円・税込)※写真は試食用で、実際はよりボリューミー。その名の通り、ビールとのペアリングを楽しむのに最適な一皿です

 

「ペアリングフード8種盛り」は、自家製スモークやシャルキュトリー(加工肉)など、渾身の前菜を少量ずつ組み合わせたプレートで、8種のほとんどは単品メニューとしてもラインナップしています。

↑「自家製スモーク盛り合わせ」(1280円・税込)。足柄牛レバー、チキン、ベーコン、半熟卵、ナッツの5品すべてが店内燻製で仕上げられています。ペアリングは「ハートランド」(700円・税込)がオススメ

 

↑「ベーコンと半熟卵のポテトサラダ」(680円・税込)。丹沢の赤卵と、神奈川銘柄豚「やまゆりポ-ク」のベーコンを使い、ニンニクマヨネーズで味付け。「一番搾り<黒生>」(700円・税込)がオススメ

 

盛り合わせプレートにないメニューとしてイチオシなのが、「富塚豆腐店の絹ごし豆腐 シラスと酒盗のバターソース」。こちらは神奈川・厚木の老舗から届く豆腐を湘南名物のシラスなどで仕上げた個性的な一皿です。

↑「富塚豆腐店の絹ごし豆腐 シラスと酒盗のバターソース」880円。大豆の味が濃厚かつ、とろけるような食感の豆腐に濃厚なソースがマッチ。ビールは「一番搾りプレミアム」と「スプリングバレー シルクエール<白>」がベストペアリング

 

そしてメインは、オススメの肉料理を盛り合わせた「ソーセージとポーク、チキンのミックスグリルプレート」。種類の異なる5本のソーセージと、スペアリブ、グリルチキンからなるボリューム満点の一品。

↑「ソーセージとポーク、チキンのミックスグリルプレート」(4980円・税込)。各肉メニューは単品でも用意されており、豚肉には「やまゆりポーク」を使用。どのビールとも相性抜群です

 

食事のイチオシは「ベーコン、チキン、ナッツのスモークピザ」。燻製チキンとベーコン、3種のナッツを使ったスモーキーな香りが特徴で、ケイジャンスパイスと粒マスタードによるクレオールマスタードのピリ辛感も絶妙です。

↑「ベーコン、チキン、ナッツのスモークピザ」2480円。25cmサイズで食べごたえ十分。生地は薄めのクリスピーなタイプでビールと合い、特に「一番搾り」と「一番搾り<黒生>」がマッチ

 

アフターコロナということで、これまでできなかったぶん積極的に外出したいと考えている人は多いはず。キンキンのビールがますますおいしく感じるこれからの季節、大人の社会科見学の代表格であるビール工場見学はいかがでしょう。そして横浜で工場見学する際には、ぜひリニューアルした併設レストランで至福のペアリングもお試しください。

↑日本のビール発祥地といわれる横浜で、ここならではのビール体験を

 

【SHOP DATA】

キリン横浜ビアホール

住所:神奈川県横浜市鶴見区生麦1-17-1 キリンビール横浜工場内
アクセス:京浜急行線「生麦駅」徒歩約10分
営業時間:平日11:00~21:00(L.O.20:00)、土日祝11:00~21:00(L.O.20:00)
定休日:月曜(祝日月曜の場合は営業し翌日休業)、年末年始

https://www.kirin.co.jp/experience/factory/yokohama/

手間ひまかけた「トリプルデコクション製法」採用! サントリーから新しい“生”「サントリー生ビール」発売

サントリーは、「サントリー生ビール」を4月4日から全国で新発売します。

↑「サントリー生ビール」350ml(左)、500ml(右)

 

中味は、厳選された麦芽に加え、コーングリッツを一部使用し、糖化工程において仕込釜で麦汁を煮出す「デコクション」を3回実施する「トリプルデコクション製法」を採用。「グッとくる飲みごたえと、かつてない飲みやすさ」を特徴としています。

 

パッケージは、ビール樽をモチーフに、商品名である「サントリー生ビール」を中央に堂々と配し、上部にサントリーのコーポレートロゴを大胆にあしらったデザインに仕上げています。

この感動を体験すべし! クラフトビール「スプリングバレー」とコンビニグルメのペアリングが目からウロコのハマり具合だった!

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こだわり抜いたおいしさなのにお手頃……そんな評判でクラフトビール人気をリードする「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」。しかも「食事との相性が抜群!」と聞き、実際どうなの? とGetNavi web編集長の私、山田佑樹がさまざまなコンビニグルメとペアリングして確かめてみました。

キリン

「スプリングバレー 豊潤<496>」
麦芽を「キリンラガービール」の約1.5倍、さらにホップを5種使用するなど素材を贅沢に使用。ホップを7日間漬け込む独自製法を活用し、豊潤な味わいとすっきりとした後味、ふわとろの泡を実現した。

「スプリングバレー シルクエール<白>」
小麦麦芽を使用し、無濾過で仕上げたにごりのある液色、きめ細かなふわとろの泡、まろやかな口当たり。ニュージーランド産の希少ホップを一部使用した、華やかな香りが特徴。

 

「スプリングバレー」を飲んでわかった4つの違い

「スプリングバレー 豊潤<496>」と「スプリングバレー シルクエール<白>」の両方をじっくり堪能して、特に印象的だと思った別格感は4つ。その違いを、ビールに詳しいフードアナリストの中山秀明さんにも、解説してもらいました。

↑左は、新商品レビューや生産現場のレポート、ブリュワーへのインタビューなどビールを題材に取材することが多く、ビールの最新事情に明るい中山さん。私、山田は冷蔵庫に常時缶や瓶をストックし晩酌に欠かさないビールラバーで、2023年はトレンドとしてもビールに注目しています

 

違い1.華やかな香り!

私がいつも飲んでいるビールと比べ、第一に違いを感じられるのが香り高さ。缶を開栓した瞬間にフルーティーなアロマが放たれ、グラスに注げばいっそう凝縮感豊かな芳香が広がります。

↑「シルクエール<白>」は、どこか白ワインを思わせる果実味も。ワイン同様、円を描くようにグラスを回す“スワリング”をしてまずは香りを楽しむべし

 

「『スプリングバレー』の香り高さは、ホップが大きく関係しています。例えば『豊潤<496>』なら上品な香味のIBUKI種など、『シルクエール<白>』なら白ワインのソーヴィニヨンブランを連想させるネルソンソーヴィン種など。これらを一部使用するとともに、ホップの香りを生かす独自の技術を用いることで、華やかで力強い香りを実現しています」(中山さん)

 

違い2.泡がふわとろできめ細かい!

シルキーでボリューミーな泡立ちにも驚かされました。これはグラスに注ぐことで、より堪能できそうです。注ぎ方にこだわれば、いっそうおいしさもアップ。オススメの注ぎ方は公式サイトでもくわしく解説されていますよ。

↑「豊潤<496>」は、最初に一瞬だけ勢いよく注いでたっぷりと泡を立てます。大きな泡が落ち着くまで待ち、グラスのフチに沿わせながらゆっくり注いでいくのがコツ

 

↑グラスで飲むと、いっそう香り、色、温度変化など、ビールの味わいを五感で楽しめます。専用グラスでなくとも、「スプリングバレー」を飲む際にはぜひグラスで味わいましょう

 

「『スプリングバレー』は泡立ちも段違い。ふわとろの泡はリッチな口当たりを演出するだけでなく、フタの役割をして優雅な香りや炭酸ガスを閉じ込める効果も。こうした泡のおいしさも、『スプリングバレー』の魅力です」(中山さん)

 

違い3.豊潤なのに後味はすっきり!

「スプリングバレー」を一口飲んでみてすぐ気づくのが、豊潤な味わい。麦のうまみが口いっぱいに広がります。とはいえ、けっして重たい感じはなく、後味もすっきりとしているので、飲み飽きない味わいとなっています。

↑豊潤な味わいの中に洗練された風味があり、余韻はすっきり。絶妙なバランスで仕上げられていることがわかります

 

「例えば『豊潤<496>』ならキリンラガーの1.5倍量の麦芽で厚みを持たせつつ、すっきりときれいな後味。一方の『シルクエール<白>』は、甘くやわらかな味にしつつ軽やかさをプラス。このような味の足し引きを適切なレベルで行うことで、エレガントかつ飲み飽きないおいしさに仕上げているのです」(中山さん)

 

違い4.クラフトビールらしい個性が食事と引き立て合う!

香り、泡立ち、コク深い味わい……どれも“いつものビール”との違いは明らかで、“クラフトビール”と銘打つだけのこだわりを感じさせるものでした。では食との相性は? ビールはやっぱりおいしい食事とともに楽しみたいけれど、個性が強いビールは食事とケンカしてしまうのでは……。それは杞憂でした。

 

「『スプリングバレー』は、実は食事と一緒に楽しむことでさらに魅力が際立ちます。それは、コク深さと爽快感が高いレベルで調和しているから。甘み、果実味、ビター感、酸味など多彩なニュアンスを持っており、さまざまな料理の味わい要素と結びついたり、または引き立たせたり。ペアリングの楽しみを盛り上げます」(中山さん)

 

続いて、今回山田が実際に試したフードペアリングをたっぷりと紹介します!

 

知っておくべし! ペアリングの3つの条件

スプリングバレーは、いったいどんな料理と合わせればいっそうおいしく感じられるのか? まずはフード選びの考え方を、中山さんに詳しく教えてもらいました。ヒントとなるのは、“3つの条件”だとか。

 

条件1.似た“色”同士を合わせる
濃い色の料理には濃い色のビール、逆に淡い色の料理には淡い色のビールが合うという法則。前者なら「豊潤<496>」が、後者なら「シルクエール<白>」が当てはまります。

条件2.似た“風味”同士を合わせる
味わいが個性豊かなクラフトビールは、銘柄ごとに甘み、苦味、果実味、酸味、塩味など多種多様な要素を持っています。その特性を、料理との共通点という観点から選んでみましょう。

条件3.異なる“風味”で互いを引き立たせる
例えば、甘酸っぱいソースのかかったフードにシャープな苦みのビールを合わせる。あるいは、クリームをたっぷり使ったスイーツに、ロースト香豊かなビールを合わせる、といった選び方。異なる風味同士だからこそ、互いの個性を引き立たせ合い、意外なおいしさが楽しめるのです。そして、このペアリングの妙がクラフトビールの面白さでもあるんですよ。

 

こうも合うとは! コンビニグルメとの王道&意外なペアリング 6選

今回はコンビニグルメとペアリング。バラエティが豊富かつお手頃なのはもちろん、昨今は味のクオリティが驚くほどハイレベル。上記の3条件を念頭に、「豊潤<496>」と「シルクエール<白>」のそれぞれと3品のコンビニフードを合わせ、ペアリングの妙味を体験してみました。

 

「スプリングバレー 豊潤<496>」は香ばしさを持つ料理とドンピシャ

「豊潤<496>」は香ばしい麦のうまみや深いコク、華やかな香りや心地よい苦味などが調和しており、マッチするストライクゾーンがきわめて広いと感じました。そのなかでも香ばしさを持つ料理とドンピシャに合い、濃厚系やこってり系も大得意! また、甘じょっぱい味付けのフードや、チーズなどの乳製品ともよく合います。

 

■ 王道だけに満点の組み合わせ「マルゲリータピザ」

まずはマルゲリータピザ。ビールとピザは王道の組み合わせですが、いつものおいしさを格上げしてくれるのが「豊潤<496>」です。豊潤な味わいが、マルゲリータのチーズのコク、トマトソースの甘さと相性抜群!

 

■ 甘辛ソースに加わる複層的な味わいが絶品「チキン南蛮」

チキン南蛮は、鶏肉とタルタルソースがジューシーで甘辛な味わい。そこに「豊潤<496>」のうまみ、甘み、香ばしさ、酸味、苦味が加わって、多層のレイヤー感が絶品です。こちらも同様に、味わいが重なってはいるものの重たくはありません。次のひと口がまた食べたくなるおいしさです。

 

■ ほろ甘さと苦味の組み合わせが至福「フィナンシェ」

フィナンシェの甘みと「豊潤<496>」のマッチングは想像以上! しかも、フィナンシェならではの焦がしバターの香ばしさとほんのりとした甘さが、ホップの苦味と絡み合うことで至福のおいしさに。これは食後のエンタメ鑑賞タイムのお供にあると、より充実した時間へと彩ってくれるのではないでしょうか。

 

「スプリングバレー シルクエール<白>」は繊細な味わい、フルーティなフードと好相性

「シルクエール<白>」は、上品な甘みや酸味が印象的。一部使用したネルソンソーヴィンホップの華やかな香りや、爽やかでいてまろやかな飲み口も魅力で、こちらも食事と合うストライクゾーンはかなり広そうです。野菜や魚介などの繊細な料理、フルーティーな甘酸っぱさを持ったフードは特に好相性ではないでしょうか。

 

シルキーな飲み口がプリプリ食感と合う「海老マヨ」

いつも飲んでいるビールと定番中華の組み合わせもいいけど、「シルクエール<白>」と海老マヨの組み合わせは、ひと味違う! マヨの甘み・酸味が「シルクエール<白>」の甘み・酸味と絶妙にマッチ。シルキーな飲み口はマヨネーズと海老のプリプリ感とも合致します。

 

■ 爽やかな風味がフルーティな香味と出会う「青じそドレッシングサラダ」

青じそドレッシングサラダは、麦の甘みやフルーティーな香味の上に、和の表情を持った青じその爽やかさが加わり、春の草原を連想させる清々しい余韻が広がります。

 

■ ビールの風味と柑橘感が絶妙「レモンピール」

レモンピールは意外に思えますが、合わせてみると非常にマッチ。フルーティーさやほのかな酸味を持った「シルクエール<白>」の風味と、ほろ苦くて甘酸っぱいレモンピールの柑橘感は、凸凹ピースがピタッと合うかのよう。

 

スプリングバレー×コンビニグルメのペアリングを堪能するチャンス!

全国のセブン-イレブン、ファミリーマート、ローソンで引き換えられる「スプリングバレー」無料クーポンが当たるキャンペーンがスタート! 引き換え時、ぜひともコンビニグルメもピックアップして、あなたも思いもかけないフードペアリングと出会ってみてください。

 

商品についての問い合わせ先:キリンビール株式会社

 

撮影/湯浅立志

ビール復権の2023年、ビールに注力し続けてきたキリンが打ち出した策とは?

2023年のお酒トレンドでほぼ間違いないと予言できることは、「ビールの復権」。なぜなら、秋の酒税改正によりビールに追い風が吹く(ざっくり言うと、ビールが安くなる)からです。その見立てもあり、ビール大手が年初に行う発表会はどれもアツい内容でしたが、今回はキリンビールの事業方針発表記者会見の情報をもとに、商品周りの戦略を筆者の見解を踏まえてレポートします。

↑目玉施策のひとつがブランド力の強化。「一番搾り」と「スプリングバレー」シリーズを筆頭に、リニューアルなどを行いさらなる成長を目指すという

 

ブランドと人材を磨き、成長カテゴリーも強力プッシュ

2023年におけるキリンビールの戦略テーマは「ブランドと人材を磨き上げる」。「一番搾り」や「氷結」などボリュームゾーンの大きな商品はより強固に、「スプリングバレー」をはじめとするクラフトビールや自社のウイスキーなどは、新たな成長カテゴリーとして後押ししていくと打ち出されました。

↑キリンビールの堀口英樹代表取締役社長(右)と、山田雄一執行役員 マーケティング部長(左)

 

なお、お酒のカテゴリーとして追い風が吹くのはビールですが、「氷結」などの缶チューハイも引き続き伸長が見込まれるジャンルであり、ウイスキーもキリンビールが手掛ける「富士」や「陸」は、特に成長著しい銘柄です。

↑2022年の「氷結」ブランドは過去最高販売数量を更新。特に「氷結 無糖」は過去20年に発売したキリンブランド最速で5億本を突破するヒットに

 

なかでも具体的な施策が発表されたのは、やはりビールでした。ここでいう「ビール」とは、発泡酒や新ジャンル(第3のビール)ではないガチなビールのことを指しており、酒税改正で追い風が吹くのも、このガチなビールのことです(そのぶん発泡酒や新ジャンルは不利となります)。

 

どのように注力していくのか、詳しくレポートしていきましょう。まずは同社のフラッグシップ銘柄「キリン一番搾り生ビール」から。

 

主力銘柄を中心に、味とデザインが刷新される

「キリン一番搾り生ビール」は、近年では2017年、2019年、2021年とリニューアルを実施。ストレートに「おいしい」を訴求するコミュニケーションなども連動し、ビール離れがささやかれる昨今にあってもファンを増やしてきました。結果、直近の2021、2022年でも成長しているブランドです。そのうえで2023年もリニューアルが行われます。

↑リニューアルは、味とパッケージデザインともに行われる

 

味わいのポイントは、麦のうまみ向上と、仕込み工程の最適化。素材のポテンシャルを最大限に引き出すことで飲み飽きない味わいを実現し、さらに雑味や渋味を軽減することで、飲みやすい後味も実現したとか。

↑パッケージは右が進化版。ロゴやしずくが少し大きくなったり彩度が高められたり、全体の印象が明るくなったことで、よりおいしそうなデザインに

 

この新しい仕様へは、缶がこの1月から、ビンと生樽は2月製造品より順次切り替えられるとか。では次に、キリンのクラフトビールにおけるフラッグシップブランド「スプリングバレー」のポイントも紹介します。

↑左の豊潤<496>は味とパッケージが、右のシルクエール<白>は、パッケージがリニューアルされます

 

ビール離れといわれるなかでも、クラフトビールは全体的に好調なカテゴリー。かつては大型商品がなかったマーケットですが、2021年3月に「スプリングバレー 豊潤<496>」がデビューしたことで活性化され、以降の市場をけん引する存在となりました

↑パッケージは右のように刷新。シルクエール<白>も同様で、上部の3つのメダルをより大きく配し、ブランド名の印象が強く伝わるようにリニューアルされます

 

さらに2022年は9月に「スプリングバレー シルクエール<白>」が仲間入りし、クラフトビールカテゴリーの間口は過去最高水準に。とはいえ、クラフトビールの未飲消費者はまだ約4000万人いるそうで、2023年はさらなる認知と理解促進に向けて広告を売ったり、クラフトビールフェスを開催したり、家庭向けに「ホームタップ」・飲食店向けに「タップ・マルシェ」(後述)を展開するなど、包括的なアプローチをしていくそうです。

↑左が「ホームタップ」、右が「タップ・マルシェ」

 

また、厳密にはビールではないノンアルコールですが、この分野で注力していくビールテイストブランドが「キリン グリーンズフリー」。同銘柄は、2022年4月のリニューアル発売以降に販売数量が3800万本を突破し、前年同期比約2.7倍と、好調に推移しました。

 

また、自社のノンアルコール・ビールテイスト飲料商品と比較してノンアルビールを初めて飲む層や、しばらく飲んでいなかった層を多く獲得できており、カテゴリー全体の活性化に貢献したそうです。そこで2023年は前年比約2倍となる約210万ケースを目標に、中身とデザインリニューアルを実施する(1月製造品から順次切り替え)ほか、飲食店向けに336mlの小ビンが新発売されました。

↑デザインリニューアルと、小ビンはこの通り

 

「キリン グリーンズフリー」の販売強化により、ビールの代替として楽しむ消極的な飲用から、“リフレッシュしたい時に、飲み物の選択肢として好んで飲む”といった積極的な飲用のカテゴリーに進化させていくそうです。

 

個人的にはスプリングバレーの新作に期待!

個人的に今回の発表会で気になったのは、質疑応答時の「『スプリングバレー』ブランドの新フレーバー発売の可能性も模索している」との回答。というのも、「スプリングバレー」は缶としての銘柄は前述の豊潤<496>とシルクエール<白>のみですが、ビンでは黒ビールやフルーツビールなども展開されており、缶で商品化すること自体は難しくないはずなのです。

↑小瓶タイプの「スプリングバレー」は、キリン公式オンライン通販DRINXなどで販売中

 

なにはともあれ、まずは今春の各商品リニューアルに注目。そして本番となる、2023年10月1日の酒税改正に向けて、いっそうアツくなることでしょう。目が離せない2023年のビールシーン、GetNavi webでは今後も新商品発表などの際、積極的にレポートしていきます。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

2023年のヒット確定!? 炭酸でつくる「ビアボール」が発売半年前から盛り上がった理由

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11月15日に一般発売されたサントリーの「ビアボール」が、早くも大きな話題となっている。実はこの商品、一部飲食店やイベントでは約半年前から提供され、例を見ない盛り上がりを見せていた。その理由とはいったい!? 味や製法、飲み方などをGetNavi webの編集部員がチェックし、探ってみた。

サントリー謹製 ビアボール

日本初(※)の、炭酸水でつくる自由なビール。炭酸水割りでおいしくなる香味設計により、麦の豊かな旨みとアロマホップ100%による華やかな香り、爽快感を実現している。アルコール度数は16%で、好みの濃さで楽しめるのも魅力。

※:炭酸水で割ることを製品上で訴求する日本初のビール(Mintel GNPDを用いたサントリー調べ2022年5月)

 

発売前からザワついている!?「ビアボール」の注目度

サントリーが「サントリー謹製 ビアボール(以降ビアボール)」を発表したのは2022年6月21日のこと。一般発売は業務用中瓶(500ml)が同年10月4日、家庭用小瓶(334ml)が11月15日で、かなり前倒しの発表だったが、その話題性は十分。高濃度のビール原液をハイボールのように炭酸水で割って飲むという革新性は、世の中に圧倒的なインパクトを与えた。

↑「SUMMER SONIC 2022」にブース出店し大盛況!

 

その注目度は、飲み手の声にも如実に反映。「ビアボール」は一部の飲食店やイベントなどで限定先行発売され、これがSNSを中心として大きな話題に。数字で見ても例えば、音楽フェスで有名な「SUMMER SONIC 2022」でブース出店された際は、東京と大阪の計2日間で約1万8000杯も売れる大盛況ぶり! ほかにも、若手俳優によるスポーツエンターテインメント「ACTORS☆LEAGUE 2022」では「ビアボール」のブースに1時間越えの大行列ができるほどだった。

 

「ビアボール」っていったい何モノ?

では、「ビアボール」の中味はどうなっているかというと……原材料は一般的なビールと同じく大麦麦芽やホップ、天然水など。麦芽の一部には深いコクを生み出すダイヤモンド麦芽、そして豊かなうまみをつくり出すミュンヒナー麦芽が使われており、こだわりを感じさせる。さらに、香りや苦みに起因するホップは華やかさを生み出すアロマホップ100%。なかでもリッチなファインアロマホップを一部使用することで、エレガントで爽やかな香りを実現した。

 

これをビール原液として好みの炭酸水で割れば、ハイボールならぬ「ビアボール」の完成だ。自由に楽しめる多様性が「ビアボール」の魅力とはいえ、まずは基本となるつくり方を紹介しておこう。

 

1.まずはグラスに氷をギッシリと! ハイボールやレモンサワーなどと同様で、グラス自体もしっかり冷やすこと。 2.「ビアボール」を注ぐ前に、炭酸水を注ぐ。なるべく炭酸ガスが飛ばないよう、やさしく注ぐのがポイントだ。

 

3.「ビアボール」もゆっくりと。目安として、まずは公式のオススメである「ビアボール」1に対して炭酸水3でトライすべし。 4.マドラーなどを使って、下から上に1回ステア。ここでも、やさしく回すのがおいしく作るコツだ。

 

5.完成! なお「ビアボール」は1回で飲み切らなくてもOK。付属の再栓キャップで閉めると、冷蔵で約2週間楽しめる。


 

一本でどこまで楽しめる? 3つの濃度で異なる味わいを楽しむコツ

「ビアボール」の味は実際どうなのか? そこでGetNavi webの編集部員からお酒好き2名を選抜。つくり方を変え、アルコール度数2%・4%・8%でそれぞれ飲んでもらった。

↑GetNavi webの動画担当、小山雅斗(左)と、美容家電担当の松永舞香(右)。いずれも20代後半の、「モノ」より「モノ起点の思い出」世代。

 

まずはアルコール度数4%で試飲し、全体的な味わいから。小山は「まさにビールとハイボールの良いとこ取り!」と好印象。

 

「飲み初めはビールの香りが炭酸にのってスーッと広がり、余韻にはビール特有の苦味はそこまで残らずさっぱり。喉越しにはビールのきめ細かい気泡と、ハイボール的な強炭酸の刺激、どちらの良さも感じられます。イメージとしてはビールのおいしさとハイボールの飲み心地を思わせる爽快感があって、すごくアリ!」(小山)

 

松永も、「クラフトビールを思わせる、にぎやかな味わいを感じます!」とおいしそうにゴクリ。

 

「スッキリとした飲み口ですが、コクもしっかり感じます。おつまみはサラダなどのサッパリ系から揚げ物などのコッテリ系まで、幅広く合いそう。また、華やかな香りや心地よい苦みもあって、ケーキなど甘いスイーツにも合うと思います」(松永)

 

次は2%や8%にもトライ。感想で共通していたのは、濃度によってアルコールの強さだけでなく、甘みや香りといった味わいの表情まで変わるユニークさです。そのうえで、お酒にそこまで強くない小山は自己流の楽しみ方を教えてくれました。

↑「食事や気分に合わせて変えられるのはいいですね!」(小山)

 

「ふだんは2%や4%がちょうどいいかな。でもたまにすごくリフレッシュしたいときは、濃いめでガツッと飲みたくなるかも。一般的なビールって4~5%ぐらいですけど、食事や気分に合わせて変えられるのはいいですね! あと、氷を入れて飲んでも違和感なくおいしいのはすごく嬉しいです。僕はビールをよく箱買いするんですが、冷やし忘れてしまうこともあるので」(小山)

 

一方の松永はお酒に強い体質で、濃いめの8%もお気に入り。

↑「しっかりとコクを楽しみたいときは8%で、料理と一緒なら4%。飽きが来ない味わいで、ちょうどいいリラックスタイムを過ごせると思います」(松永)

 

「ひとりで仕事終わりに飲むなら、8%ぐらいのアルコール濃いめでガツンと楽しみたいです。でも、料理と一緒にゆっくり楽しみたいときは4%かな。私の場合2%だと酔うのに時間がかかりそうですが、酔いが早い人には2%って嬉しいですよね。あと、こうして飲んでみると飽きが来ない味わいだとも感じました。お腹が膨れるような感じもなく、ちょうどいいリラックスタイムを過ごせると思います」(松永)

 

↑サントリーの推奨は「ビアボール」1:炭酸水3。これでアルコール度数が4%程度になる。

 

お酒に強い松永はいろいろ試すなかで、レモンを搾って飲むのもおいしいと力説。味わいがまろやかになり、より飲みやすい口当たりになるとのこと。「ビアボール」の公式サイトには「檸檬ビアボール」や「ビア・ロック」のレシピも載っているので、ぜひ参考に。


 

独自の醸造条件でサントリー史上最高のアルコール度数を実現

小山と松永はこのように評価した「ビアボール」の味わい。製法とともに、もう少し掘り下げてみよう。

 

「ビアボール」ならではのおいしさを生み出すカギとなったのが、独自の醸造条件の確立だったという。目指したのは、氷と炭酸水でつくってもしっかりと感じられるビールのおいしさと、時間が経過しても崩れない味わいと香りのバランス。それは、ただアルコール度数が高いだけでは成立しない。

 

ビール醸造で大切なのは、酵母をイキイキと醗酵させることで生まれる、うまみや香りや爽やかさ。ただし酵母はきわめて繊細な生き物であり、自身がつくりだしたアルコールであっても度数が高まると徐々に弱っていき、醗酵しづらくなる特徴があるのだ。その点を試行錯誤で解決し、アルコール16%まで元気に醗酵できるように独自の「サントリー式“酵母イキイキ製法”」を開発。この技術が「ビアボール」には生かされている。


 

いつ誰と楽しむ? 新しいビール習慣を考えてみた

まさに“サントリー謹製”。2人にあらためて、「ビアボール」を楽しみたいシチュエーションを聞いてみた。

 

「晩酌やお風呂上り、寝る前です。濃さは、やっぱりひとりのときはガツッとスカッと8%。特に『もうあとは寝るだけ』ってときは、気兼ねなく『ビアボール』で心地良く酔ってベッドに直行したいです!」(松永)

 

「僕もひとりの場合、食事や動画視聴時などのリラックスタイムですね。でも『ビアボール』って1本334mlで数杯味わえるので、2~4%で飲むなら残ったぶんを翌日に楽しむ手もアリですね。お得に楽しめるのもメリットだと思います」(小山)

↑「ひとりのときはガツッとスカッと8%」と松永

 

また、飲み手の好みで濃度を変えられる「ビアボール」は、パーティーシーンにもうってつけ、と両人。

 

「『ビアボール』は食事の邪魔をしない味わいですし、度数も調整できます。アルコールへの耐性を気にせず、知人と一緒にお酒の楽しさを体験できるのは嬉しいですね。あと、ウイスキーのハイボールを作る場合、分量を間違えると濃淡に違和感が出がちですけど、『ビアボール』はどんな濃さでもおいしい。失敗しないのも安心です」(松永)

 

「パーティーで楽しむ際は、ビアカクテルっぽい飲み方がウケそう。レモンを搾るのもいいし、ジンジャーエールでシャンディガフ風とか、トマトジュースでレッドアイ風とか。料理との相性もよさそうなので、これからの季節なら鍋に合わせてもおいしいと思います」(小山)

↑「ビアカクテルもアリですね!」と小山

 

好みで濃さを変え、様々な飲み方を楽しめる「ビアボール」は、価値観や嗜好が多様化する現代においては、まさにうってつけといえるだろう。これは今から2023年のヒット確定か!? 早くもそう予想される「ビアボール」、まずはお試しを!

 

ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転

[問い合わせ先]
サントリーお客様センター 
https://www.suntory.co.jp/customer/
サントリーブランドサイト https://www.suntory.co.jp/beer/beerball/

 

取材・文/中山秀明 撮影/高橋宣仁

ビールのお供に最高! 食のプロが厳選したドンキのコスパ最強なおつまみ

近年SNSで「コスパ最強!」として話題を集めているのが、ドンキならではのボリューミーかつハイクオリティなPBのおつまみ。フードのプロが実食して、 ビールにベストマッチするおつまみをピックアップ。コロッケや焼豚、みそにんにくなど、今すぐ一杯やりたくなる商品がズラリ!

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私がジャッジしました!

フードアナリスト

中山秀明さん

ドン・キホーテは学生時代、深夜営業の高コスパ店ということでヘビロテしていた。いまも、自宅から徒歩10分ほどの場所にあるため宝探し感覚でよく訪れる。

 

【その1】クセになるメリハリ食感と甘じょっぱい味付けが絶品

情熱価格

さきいか天

539円

素材の旨みを生かしつつ甘じょっぱく味付けしたさきいかを、熟練の職人技でカラッと天ぷらに仕上げた一品。サクサクの衣に、しっとりとした身がクセになる味わいだ。

 

「衣が厚めでクリスピーな食感が、ソフトなさきいかとのメリハリを生んでナイス。ビールはもちろん、酸味の効いたレモンサワーなどもよく合いますよ。お好みでマヨネーズを!」(中山さん)

 

【その2】香ばしさと甘めの味で杯が進む塊肉のボリューミーな焼豚

情熱価格

直火焼 焼豚

494円

ハムの名門「日本ハム」と「情熱価格」がコラボした焼豚。直火で香ばしく焼き、甘じょっぱいタレでしっかり味付けした。かたまり肉のため、たっぷり使えるボリュームがうれしい。

 

「スライスしておつまみにしたり、細かく刻んでチャーハンの具材にしたりと幅広い用途で活用できます。僕なら、目玉焼きを落としてチャーシューエッグに1票! 」(中山さん)

 

【その3】揚げたてのような食感で甘み豊かな味のお手軽コロッケ

情熱価格

牛肉入りコロッケ

386円

甘み豊かな牛肉と玉ねぎ、皮まで裏ごし製法をした旨みたっぷりなじゃがいもをブレンド。丁寧な三度揚げと素材の旨みで、ソースなしでも美味な味わいに仕上げた。

 

「レンチンですぐ食べられるうえ、中はホクホク、外はサクサクで驚き! ちょっとした一品料理やおつまみに最適です。そばやうどん、カレーなどのトッピングにもグッド」(中山さん)

 

【その4】しいたけのサクッと感と後引く旨みの余韻が最強!

情熱価格

しいたけスナック

646円

しいたけ愛に溢れる同ブランドの担当者が様々な産地や品種のしいたけを食べ比べし、素材選びから味付けまで追求。しいたけでは味わえないサクサク食感と、粉末醤油などを使用した甘じょっぱさがポイントだ。

 

「旨みの余韻が長く、さすがしいたけと感動モノ。和風というよりコンソメ系の味付けで万人受けしそうです。カリポリ食感と濃厚な味がビールにマッチ」(中山さん)

 

【その5】燻製フレーバーまでリアルなベーコンのジューシーさが美味

情熱価格

アスパラガススナック ベーコン味

430円

収穫直後の柔らかいアスパラを使用したスナックフード。アスパラ特有の繊維と旨みを残すため真空低温フライで加工し、食欲がそそるベーコンフレーバーで味付けした。

 

「クリスピーな食感と、燻製の香りまで表現されているベーコン味がウマくてハマります。黒胡椒のピリッとした辛さも絶妙で、ほかにはない野菜スナックでしょう」(中山さん)

 

【その6】甘めの味噌とかつお節が効いた歯応えの良いにんにく漬物

情熱価格

みそにんにく

105円

歯応えの良いにんにくを、まろやかな味噌と焼津産のかつお節で風味豊かに味付けした漬物。ごはんのおともや細かく刻んでマヨネーズと和えて調味料にするのもオススメだ。

 

「シャキッとした、フレッシュな食感が好印象。甘めの味噌とやさしいかつお節が、にんにくのパンチや辛みをほど良く中和しています。味が濃く、酒がよく進むつまみですよ」(中山さん)

 

※価格はすべて編集部調べ

泡立ち2倍以上の「生ジョッキ缶大生」誕生! 担当者が明かす物づくりの裏側

2021年のビール市場における最大のヒットといえば「アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶」(以降、生ジョッキ缶)。今年10月25日(火)から大容量の「生ジョッキ缶大生(だいなま)」(以降、大生)が仲間入りし、2サイズ展開になります。

 

2022年春には「アサヒスーパードライ」(以降、スーパードライ)が発売36年目で初のフルリニューアルを実施したことで、中味のおいしさにも磨きがかかっており、ますます見逃せません。「生ジョッキ缶」のヒットと「大生」の気になるポイントについて探っていきましょう。

アサヒスーパードライ 生ジョッキ缶大生

開栓するときめ細かい泡が自然発生し、飲食店の生ジョッキのようなおいしさが楽しめる世界初(※1)の商品。新作の缶485mlは、既存の缶340mlより泡立ちが2倍以上(※2)となり、満足感もアップ。

 

ふくらむ泡の楽しさや樽生ビールのようなおいしさで大ヒット

2021年4月に発売されると、たちまち社会現象ともいえる売れ行きを記録した「生ジョッキ缶」。想定を上回る注文に対し商品供給が追い付かず、一時休売となったことで“幻のビール”となったことも記憶に新しいでしょう。

 

ヒットの背景にあったのは、シルキーな泡が沸き出るようにふくらむ楽しさや、まるでお店で生ジョッキを飲んでいるかのような体験。コロナ禍によって、飲食店でビールを楽しみづらくなったことが、ニーズを掘り起こしたという側面もあります。

 

画期的な発明が生まれた舞台裏にある5つのこだわり

では、記憶に残る大ヒット作はどのようにして生まれたのでしょうか? アサヒビールの担当者に、物づくりへのこだわりを聞きました。

↑アサヒビール株式会社 マーケティング本部 ビールマーケティング部 宇都宮 敬(うつのみや けい)さん

 

1.泡立ちの仕組みはシャンパングラスと同じ発想だった

↑プルトップを開けた途端、白くきめ細かい泡が沸き上がる様子は見た目にも楽しめます

 

まず気になるのは、なぜ「生ジョッキ缶」はここまでクリーミーな泡が出続けるのか? ということ。その秘密は、特別に設計された缶にありました。

 

「ビールに限らず、炭酸飲料でも泡は出ますよね。あの泡は、開封時の気圧差による部分が大きいのですが、液体に含まれる炭酸ガスはデリケートで、刺激に敏感。その性質を最大限に生かしたのが『生ジョッキ缶』なんです」(宇都宮さん)

 

例えば、ガラス製で内面がツルツルのグラスと、陶器でザラザラしたグラス、それぞれにビールを注いだ場合、より泡がふくらむのは後者。また、シャンパングラスに注いだスパークリングワインの泡が底からきれいに上昇するのも同様の性質を利用したものであり、こうした構造が「生ジョッキ缶」にも活用されているとか。

 

「シャンパングラスの底をよく見ると、実は小さな傷がついているかと思います。液体内の炭酸ガスがこの凹凸に反応することで、泡が出続ける仕組みになっているのですが、こちらを応用しました。『生ジョッキ缶』も、缶の内部にきわめて小さなクレーター状の凹凸を設けることで、細かな泡が自然発生するのです」(宇都宮さん)

 

なお、この泡は通常の缶からグラスに注ぐときにできる泡の約1/5サイズのきめ細かさ! クリーミーな泡のテクスチャーによって、いっそう生ジョッキで飲むような口当たりが実感できるのです。

↑「生ジョッキ缶」の内側は、実は特殊な構造となっているんです

 

↑左はそれぞれ缶の内側を200倍に拡大した画像。上が一般的な缶の内側で、下が「生ジョッキ缶」の内側。アルミに特殊な塗料でクレーター状の凹凸を設け、沸き出るような泡立ちを実現しています

 

2.2つの独自技術が組み合わさって日の目を見た!

外観からも一見して“違い”を感じさせワクワク感を高めるのが、広口のフタ。

 

宇都宮さんに特殊な缶が生まれたきっかけを聞くと、それは約10年前にさかのぼるとか。開発秘話を教えてもらいました。

 

「私たちはビールをもっとおいしく、楽しくしたいという思いで、味に限らずさまざまな開発を行っています。そのなかで、10年ほど前に当社の研究所が生み出した技術が、全開できる缶ブタでした。ただそれだけでは実用には至らないということで、ひとつのアイデアとして温存することに。そこから約6年後、また新しい技術が開発されたことで、以前の遺産が生かされることになったのです」(宇都宮さん)

 

その新技術は、泡が自然と沸くように発生させる前述の凹凸構造。このときは一般的な缶ブタの小さい穴から泡を出す想定でしたが、やがて開発チームは「あれ、待てよ?」とひらめくのです。それが、全開できる缶ブタと組み合わせてダイナミックに泡を沸き出す発想でした。

 

「お客様調査のなかから、コロナ禍によって浮かび上がってきたのが『外で飲めない時期だからこそ、お店で飲むようなビールを自宅でも飲みたい』という声でした。お店で飲むビールのおいしさには、クリーミーな泡が欠かせません。その体験を、私たちの技術を組み合わせることで、叶えられるのではないかと。そうした経緯から、『生ジョッキ缶』が生み出されたのです」(宇都宮さん)

 

3.泡がさらに!?「大生」は泡立ち2倍以上(※2)で楽しめる!

↑大容量になった「大生」では、泡立ちがさらにアップしています

 

10月25日に新発売となる「大生」は、既存の340mlサイズの「生ジョッキ缶」よりも泡立ちが2倍以上(※2)に。飲み口全体が泡で覆われるまでの時間が大幅に短縮し、より開封してすぐに泡の魅力を楽しめるようになっています。

 

では、なぜ泡立ちを2倍以上(※2)にできたのでしょうか? その答えは、意外にもシンプルなものでした。

 

秘密は、缶の大きさです。缶340mlより缶485mlのほうが表面積は大きいですよね。そのぶん増幅させる面積も大きくなるので、泡立ちの勢いも増すのです。大容量な分、満足度も高いですから、ぜひゴクゴクと楽しんでいただきたいですね」(宇都宮さん)

 

泡立ちに関して、宇都宮さんは「“泡が泡を呼ぶ”イメージ」と言います。ビールの泡は、泡と接触すると増幅する性質があり、その泡の数が多くなる缶485mlのほうが、泡立ちのスピードも速くなるのだとか。

 

4.飲料缶で世界初! エッジには口や手が切れない構造に

↑缶ブタはきれいに取り去れます。このエッジにもアサヒビールの技術が注がれていました

 

缶のフタがフルオープンすると聞いて、気になるのが飲み口の安全面ではないでしょうか? その点も「生ジョッキ缶」は問題なし。縁の部分に特別な安全構造を採用することで、口や指を切ってしまうことはありません。

 

「飲み口の安全面に関しては、もともと存在した技術『ダブルセーフティ構造』を採用しております。一部の缶詰などで実用されているものですが、飲料缶では『生ジョッキ缶』が初めてですね」(宇都宮さん)

↑缶体とフタの両方のエッジに、切れない構造を採用

 

5.売れすぎて一時休売…結果、生産体制は当初の5倍以上に増強された!

「生ジョッキ缶」の発売当初、想定を上回る注文に対して商品供給が追い付かず、一時休売したことは前述しましたが、段階を経てついに2022年7月下旬から通年販売に。これは供給体制が整ったからでしょうか?

 

「はい。一時はお客様や販売店様などに大変ご迷惑をおかけしましたが、やっと通年販売させていただけるようにできました」(宇都宮さん)

 

一時休売になるほどの状況に、製缶メーカーにおける缶ブタの製造ラインを増設。当初の5倍以上にまで生産能力をアップさせることで、通年販売への態勢を整えたのです。

 

「今回、缶340mlに加えて缶485mlの『大生』も新たに展開するわけですから、その分の余裕ももって、当初の5倍以上へと拡充させました」(宇都宮さん)

 

ベストなおいしさで楽しむコツは温度にあり!

↑より泡立ちよく楽しむには?

 

「生ジョッキ缶」と「大生」ともに、泡のポテンシャルを最大限に生かして飲むにはコツが必要です。それは、しっかりと冷やすこと。

 

「飲み頃は4℃~8℃。温度が低いと泡は少なめ、温度が高いと泡が多めにと、温度によって泡立ちが変わります。ぜひ、お好みの泡を探していただきたいですね」(宇都宮さん)

↑適温に関しては、缶にも記載されています。10℃以上はふきこぼれに注意しましょう

 

シチュエーションに関しては、宇都宮さんは個人的にどのようなシーンで「大生」を楽しみたいですか?

 

「一番は乾杯のシーンですね。特に週末や、何か大きな仕事やチャレンジをやり遂げた、成功したときにゴクゴク、プハァーッと飲みたいです。自分へのご褒美に、自宅で乾杯というのもいいですし、チームの仲間と一緒に乾杯するシーンも最高ですね」(宇都宮さん)

 

国内外で認められているビール界の傑作

2021年度の「グッドデザイン賞」や、国際的なコンテスト「インターナショナルビアチャレンジ2021」の「デザイン&パッケージ部門」で金賞を受賞するなど、国内外で多数のアワードに輝いている「生ジョッキ缶」。まだ飲んだことがないという人も、ぜひ「大生」誕生をきっかけとして、驚きのおいしさを実感してみては?

 

※1:フルオープンかつ自然発泡する缶を用いた世界初の商品(2021年10月Mintel社製品データベースおよびアサヒビール調べ)
※2:開栓時8℃の状況における泡の生成速度を340ml缶と比較。冷やす温度により泡立ちは異なる(アサヒビール調べ) 

 

●商品に関するお問い合わせ/アサヒビール株式会社 お客様相談室
TEL 0120-011-121
https://www.asahibeer.co.jp/superdry/namajokkikan/

取材・文/中山秀明 撮影/湯浅立志(Y2) 撮影協力/TOP UP、EASE

「白ビールの時代が来た」と断定したい! ヱビスやプレモルなど主要な新作を飲み比べて解説

2022年は、白ビール(ホワイトビール)の当たり年といえます。なぜなら、大手メーカーから白ビールのビッグネームが続々と新発売されたから。なかでも極めつけは、9月13日新発売のキリン「スプリングバレー シルクエール<白>」でしょう。主要なブランドから4種集め、飲み比べるとともに商品特徴を解説します。

↑左から、「ヱビス プレミアムホワイト」(サッポロビール)、「スプリングバレー シルクエール<白>」(キリンビール)、「ザ・プレミアム・モルツ<ホワイトエール>」(サントリー)、「アサヒ ホワイトビール」(アサヒビール)

 

「白ビール」の特徴と名称の由来とは?

まずは白ビールの解説から。これはビアスタイルの一種で、大麦(大麦麦芽)のほかに小麦(小麦麦芽)も使うことが特徴のひとつ。小麦はたんぱく質のグルテンを多く含むため泡もちがよく、さらにほのかな酸味を伴うフルーティーな香味や、まろやかで爽やかな口当たりも生み出します。

 

なお、液色は明るいものの、ホワイトと断言できるほど白いわけではありません。しかしこのビールが世に広まった19世紀ごろまで、世界の主流は濃い褐色のビールだったため、この明るく淡い色のビールを白ビールと呼ぶようになったのです。

↑世界でもっとも有名な白ビールといえば、ベルギー生まれの「ヒューガルデン ホワイト」。1966年にヒューガルデン村出身のピエール・セリス氏が伝統レシピから商品化し、白ビールの存在を世に知らしめました

 

ここから、2022年注目の新作白ビールを紹介していきましょう。

 

●「スプリングバレー シルクエール<白>」
個性と飲みやすさが調和した好バランス

一つ目は、もっとも旬な「スプリングバレー シルクエール<白>」。クラフトビールの市場拡大をけん引する「スプリングバレー 豊潤<496>」に続く同シリーズの第2弾で、9月13日から全国で発売されています。

↑「スプリングバレー シルクエール<白>」。希望小売価格は248円(税抜)で、アルコール度数は5.5%

 

「ヒューガルデン ホワイト」に代表されるベルジャンホワイトと双璧をなすビアスタイルが、ドイツの「ヴァイツェン」や「ヘーフェヴァイツェン」。ヘーフェとは酵母のことで、ヘーフェヴァイツェンは無濾過により酵母を残した、よりまろやかなタッチとにごりのある液色が特徴です。

 

そして「スプリングバレー シルクエール<白>」も無濾過仕上げで、小麦麦芽のきめ細かなふわとろの泡とソフトな口当たりが特徴。またニュージーランド産の希少ホップ「ネルソンソーヴィン」を一部に使用した、華やかな香りも魅力です。

↑素材にコーンを使っている点も見逃せません。コーンは「キリンラガービール」をはじめ定番ビールにも使われており、すっきり飲みやすくするなどの役割をもっています

 

「スプリングバレー シルクエール<白>」は白ビールらしい上品な甘みや酸味があり、まろやかな飲み口もお見事。ボディは豊かでいて後味は爽快、余韻にはレモンや白ぶどうを思わせる甘やかな香りが残り、バランスのよさがピカイチです。個性があるのに飲みやすい、スプリングバレーらしいフレンドリーさをあらためて実感しました。

 

●「ヱビス プレミアムホワイト」
上質な香りと豊かなコクが美しく調和

お次はブランドのいちポートフォリオとして白ビールを進化させ続ける、ヱビスの「ヱビス プレミアムホワイト」。過去には「ヱビス 華みやび」などもありましたが、2022年は春に発売した「ヱビス プレミアムホワイト」が最新版です。

↑「ヱビス プレミアムホワイト」。オープン価格で、アルコール度数は5.5%

 

こちらもホップの一部に「ネルソンソーヴィン」を加え、白ワイン(ソーヴィニヨン・ブラン)を想起させる華やかな香りをプラス。また、柑橘のような爽やかな香りの「ミストラルホップ」も使用し、爽やかで上質な香りとコクが楽しめる味わいに。

↑味わいの芯にヱビスイズムを感じさせる、しなやかな爽快感が絶妙です

 

白ビールの魅力を感じさせつつ、プレミアムピルスナービールの雄である「ヱビス」らしい、堂々としたたくましさも感じます。苦味は今回のなかではビター感が特に豊かで、フルーティーな香りとの調和もナイス。説得力のあるおいしさです。

 

●「ザ・プレミアム・モルツ<ホワイトエール>」
豊かなボディの上で華やぐフルーティーなアロマ

次は“神泡”でもおなじみの「ザ・プレミアム・モルツ」。これまで季節などに応じて数々の限定フレーバーをリリースしていますが、実は白ビールは初。それが初夏に発売された「ザ・プレミアム・モルツ<ホワイトエール>」です。

↑「ザ・プレミアム・モルツ<ホワイトエール>」。オープン価格で、アルコール度数は6%

 

同商品はチェコやその周辺国で収穫、製麦された「ダイヤモンド麦芽」を一部に使い、天然水で醸造するなど、原材料や製法のベースはブランドの基本を踏襲。そのうえで小麦麦芽を一部使用し、エール(上面発酵)酵母で醸造しているのが特徴です。

↑液色は今回レビューした4商品中、もっとも濃いめ。アルコール度数も6%と高めです

 

どっしりとしたコクは、さすが「ザ・プレミアム・モルツ」。その土台の上で、洋なしやマスカット的な酸味のあるフルーティーなアロマが華やぎます。前述ヱビスでも感じましたが、ブランドのファンが飲んでも違和感を抱かせないであろう絶妙なチューニングがお見事。飲み応えも豊かでイイ!

 

●「アサヒ ホワイトビール」
フルーティーでハーバルなやさしい味わい

ラストは、アサヒビールが販路限定でリリースした「アサヒ ホワイトビール」。若者をコアターゲットに、エモーショナルな味「#エモ味」を表現したプロダクトからしてユニークです。

↑「アサヒ ホワイトビール」はアルコール度数5%。Amazonで販売(12本3158円)しているほか、東京都と神奈川県の一部「セブン-イレブン」でも限定発売しています

 

小麦麦芽を用いるほか、副原料にオレンジピールとコリアンダーシードを使ったベルジャンホワイトのビアスタイルになっていることも特徴。つまり「ヒューガルデン ホワイト」と近しい味わいであることがうかがえます。

↑製造工場は、実はアサヒビールではなく、クラフトビールの作り手「軽井沢ブルワリー」の醸造所

 

ふんわりとした華やかさと、やわらかな飲み心地が印象的。ベルジャンホワイト特有のバナナ香をふわりと感じる、フルーティーでハーバルな味わいです。奥ではシャープなドライさを感じつつも、ホップの苦みやコリアンダーシードのスパイシーさは抑えめで、若者にも刺さりそうなやさしい味わいだと思いました。

 

白ビールの豊作によるクラフトビールの盛り上がりに期待

あらためて白ビール、イイですね。苦味が控えめな一方でフルーティーな香りはしっかりしているので、ビールのエントリー層に刺さりやすく個性も伝わりやすいと思います。

↑各液色の比較。「スプリングバレー シルクエール<白>」と「アサヒ ホワイトビール」が、より淡いようです

 

「スプリングバレー 豊潤<496>」がクラフトビールの市場拡大をけん引したと語りましたが、「スプリングバレー シルクエール<白>」も注目されており、さらに今夏はオリオンビールが「75BEER-ベルジャンホワイト」を限定発売したうえ、「ヒューガルデン ホワイト」のノンアル版「ヒューガルデン ゼロ」も先日日本デビューしました(こちらは後日レポート予定)。ということで、白ビールきっかけからのクラフトビールの盛り上がりにいっそう期待したいところです。

 

田村 淳が新「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を絶賛!ーー「全然味違う、何これ! 糖質入りのビールと遜色ない…!」

Sponsored by キリンビール株式会社

 

今夏キリンビールが刷新した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、キリンビール過去10年のビール商品のリニューアルにおいて飛躍的な進化を遂げたと言います。本記事では、ビール好きであるとともに各メディアでも遠慮なしのトークで信頼を得ているタレントの田村 淳さんに、「キリン 一番搾り 糖質ゼロ」のリニューアル前後で飲み比べを実施。味の違いを語っていただきました。

 

キリン一番搾り 糖質ゼロ

国内初(※1)の糖質ゼロ(※2)ビールとして2020年10月にデビューし、2022年夏にリニュ―アル。独自技術「一番搾り製法」はそのままに「糖質カット製法」に磨きをかけ、麦芽を増量するとともにホップ配合を再構成。ひと口目に感じるビールの飲みごたえを向上させ、後味はすっきりと澄んだ味わいを実現した。

※1:ビールで糖質ゼロを実現した国内初めての缶商品(Mintel GNPDを用いたキリンビール社調べ)

※2:食品表示基準による

 

 

↑田村 淳さんにしっかりとキリン一番搾り 糖質ゼロを味わってもらいました

 

「糖質がないとビールの味がしないのでは?」--糖質ゼロビールへのイメージを率直に聞いてみた

自らのオンラインサロンでビールを造るなど、ビール好きな淳さんにとって普段からビールは身近な存在。食事でもフレンチ以外は基本的にビールからスタートし、オンとオフの切り替えにもビールでリセットをすることがよくあると言います。

 

「麦の香りが前面に出ているビールが好きです。もうひと口いきたくなる、みたいな。特に食事のときは、香りが強すぎずどんな料理にも合う爽快なタイプが好きですね」(淳さん)

 

聞けば、淳さんのお父さんは「キリンラガービール」の愛飲家であるとか。そのため淳さんも昔から、ビールといえばキリンというイメージが強いそう。では、糖質ゼロビールにはどんな印象をもっているのでしょうか?

 

「糖質は、ビールの味を構築するうえでスゴく大事というイメージ。最前線に出ているとか、あるいは縁の下の力持ちになっているみたいな。だから、糖質がないとあまりおいしくないんじゃないの? とか、糖質ゼロは味の大切なピースが欠けてるってイメージを持っています。でも、実は飲んだことがないのでわからないんですけどね」(淳さん)

 

淳さんが糖質ゼロビールを飲んだことがない理由は、前述のように味へのネガティブなイメージがあったから。また、本家「キリン一番搾り生ビール」が好きなので、キリン一番搾り 糖質ゼロを飲む必要性が感じられなかったからだと言います。

 

 

「全然違う!! スゴい! スゴく洗練されたおいしさで、素晴らしい完成度」--新旧「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を飲み比べ

糖質ゼロビールを飲んだ経験がないというのは、今回の企画主旨としては先入観がなくむしろ好都合。まずはリニューアル前の「キリン一番搾り 糖質ゼロ」を飲んでいただきました。初めての糖質ゼロビール、第一印象はいかがでしょう?

 

↑缶のデザインはどちらも似ていますが、並んで左の「新」というアイコンや「ALC.5%」と書かれているほうがリニューアル版です

 

「あっ、想像と違う! 失礼しました。麦のうまみと爽快感がありますね。すっきり爽快で、これは(リニューアル前の製品でも)十分うまいです!」(淳さん)

 

そして淳さんは水を飲んで口をリセット。次はいよいよ、リニューアルしたキリン一番搾り 糖質ゼロを飲んでいただきましょう。

 

「なるほど…あっ、こうきたかっ…って、全然違う!! なにこれ、スゴい! どうやってこのおいしさに進化できたんだろう? だって、糖質がある金色の一番搾りに近づいてる感じじゃないですか。旧タイプもおいしかったけど、本当にこっちは全然違うしめちゃくちゃうまい!」(淳さん)

 

↑違いの大きさに驚き、思わず満面の笑みに

 

味の進化には淳さんも驚きを隠せない様子。普段よく愛飲している「キリン一番搾り生ビール」に通じるおいしさだと言います。

 

すっきりして研ぎ澄まされた味わいは、いつもの一番搾りを超えてるんじゃないかって思うぐらい。本当にスゴく洗練されたおいしさで、素晴らしい完成度ですね。でもよかったです。というのも、もし新旧で違いがなかったら、正直には言うものの、なんて表現しようかと考えていたので。まあ、全然その必要はなかったですね(笑)」(淳さん)

 

進化した「キリン一番搾り 糖質ゼロ」は、ビールの色が濃くなった点もリニューアルの注目ポイント。淳さんも液色について言及します。

 

「僕、ビールの色ってけっこう気にするんです。例えばノンアルコールビールテイスト飲料って、比較的に色が薄いじゃないですか。視覚で味のイメージも引っ張られちゃうので、グラスに注がず缶のまま飲むことが多いんです。でもキリン一番搾り 糖質ゼロは糖質ありのビールと遜色ない濃さですから、グラスに注いで楽しめますね」(淳さん)

 

 

「なんでこんなに変わったの?」--田村 淳、キリン一番搾り 糖質ゼロを詳しく知る

「どうやってこのおいしさに進化できたんだろう?」とも驚く淳さん。答えはいつくもありますが、カギは、“糖質カット製法”という技術進化と、それによる味覚進化の検討の幅が広がったこと。試行錯誤の結果、使用する麦芽の増量に加え、アルコール度数を4%から5%へと比率を高めたことで、飲みごたえをアップさせました。さらにホップの増量と配合変更により、ビールならではの香りを強化するとともに、渋味や雑味のない味わいになったのです。

 

「なるほど! 麦芽の増量とアルコール度数が上がったことで、味に厚みが出てるんですね。それで、香りの部分はホップの効果が大きいと。確かに、余韻で鼻から抜ける爽快さもメチャメチャ心地いいんですよ。麦のコクと、清涼なホップの抜け感が調和していて」(淳さん)

 

さらに淳さんは、キリン一番搾り 糖質ゼロを「飲み飽きない味ですね!」と、飲みやすさに関しても大絶賛。

 

「わりと僕、ビールを最初に飲んでから焼酎やハイボールなどに変えてるんです。なんだかんだ糖質って気になるけど、これなら糖質ゼロですし、糖質入りのビールと遜色ないおいしさだからありがたいですよね」(淳さん)

 

↑キリンビール担当者による、リニューアルポイントの解説を熱心に聞く淳さん

 

「それに味がすっきりと洗練されているので、もう一杯飲みたくなります。僕みたいなビール好きは多いと思うんですけど、すごく嬉しいんじゃないかな。でも、ここまでおいしくするのって難しかったんじゃないですか?」(淳さん)

 

おっしゃる通り。開発期間が7年、試験醸造は450回、試飲テストは7000回と、試行錯誤の末にたどり着きました。(ブランド開発開始からの総計)

 

というのも、そもそも、ビールの糖質は主原料である麦芽に含まれており、キリン一番搾り 糖質ゼロをつくるには、その糖質をカットしながら麦のうまみを引き出す必要があります。ここが中々難しい技術なのですが、数多くの検証を繰り返した結果、糖質を最大限分解するなどで酵母が糖質を食べきる新しい「糖質カット製法」が開発されました。それによって、味わいのシミュレーションの幅が数十倍~数百倍にも広がり、糖質ゼロにも関わらず、「一番搾り」らしく、素材の良さを引き出すことができ、ビール本来の刷新されたおいしさに進化できたんです。

 

「わかります。僕、オンラインサロンでビールを造ったことあるんですけど、素材の掛け合わせ方やバランスって超難しいんですよね。狙ったレシピでいざ試してみても、飲んでみるとイメージした味と全然違うみたいな。でもキリン一番搾り 糖質ゼロは飽くなき挑戦で理想にたどり着いたんですもんね。納得ですよ。これはどんな料理にも合うでしょうし、改めてめちゃくちゃ良いビールだと思いました。開発期間も本当にすごい」(淳さん)

 

キリン一番搾リ 糖質ゼロ、おいしさのヒミツを解説!

淳さんがコメントしてくださった通り、糖質ゼロでありながら、より多くのお客様に満足していただける味わいをつくるのは苦労の連続だったそうです。しかし、「一番搾り」ブランドの目指すべき姿は「おいしさでお客様の毎日によろこびをつくり、社会とお客様に貢献すること」。そのためにはおいしさに一切妥協せずに、一番搾りで糖質ゼロビールを生まれ変わらせるという意気込みでチーム一丸取り組んだ結果だそう。

 

「おいしいビールはやっぱりうれしい」「食べたいものと一緒に気兼ねなく飲める」--そんな幸せに貢献する存在を「キリン一番搾り 糖質ゼロ」が担えたら嬉しいという思いが込められているのです。

今回のリニューアルで開発チームが意識したのが、糖質ゼロ・オフ系ビールはおいしくないと思っているお客様の先入観を覆すこと。おいしさの進化に注力し、原材料の選定から見直したりと大胆な刷新を図りました。これにより、圧倒的なおいしさ進化(※)をとげ、過去10年のキリンのビール商品史上最高のおいしさ進化※を実現したのです。

※自社内ビール商品のリニューアル前後の味覚向上幅において(キリンビール調べ)

 

そうした努力によって、発売前に行った消費者調査における味覚評価が、リニューアル前品から大きく向上しました。

 

 

 

キリン一番搾り 糖質ゼロが、糖質ゼロビールの解釈を変えていく

すっかりキリン一番搾り 糖質ゼロがお気に入りとなった淳さん。あらためて、どんな味わいに惹かれたのでしょうか。

 

麦のうまみやホップの香りをしっかり楽しめて、それでいてのど越しが冴えているところかな。すっきり爽快だけど、ビールらしい味と香りが心地良く続く、そこがイイですね。糖質という大事な要素を抜きつつも、それを上手に補強しておいしさを表現するという企業努力にも関心しました」(淳さん)

 

さらに淳さんは、今回のリニューアルによって、糖質ゼロビールの立ち位置が変わるのではないかとも言います。

 

「キリン一番搾り 糖質ゼロを飲む前は糖質ゼロってピースが欠けてるとか、足りないっていうイメージだったんですけど、全然違いますね。これは新しいピースで補ったパズルのような、構成要素の揃い方がまったく異なるおいしいビール。新しいキリン一番搾り 糖質ゼロによって、糖質ゼロビールの解釈が変わってくると思います。ゼロといっても、スタート地点のゼロみたいな」(淳さん)

 

これからは自身で愛飲するのはもちろん、知人にも教えてあげたいと目を輝かせる淳さん。皆さんもぜひ、生まれ変わって圧倒的においしくなったキリン一番搾り 糖質ゼロを試してみませんか。

 

 

 

田村 淳

1973年12月4日生まれ、山口県出身。1993年、ロンドンブーツ1号2号結成。コンビとして活躍する一方、個人でもバラエティー番組に加え、経済・情報番組など多ジャンルの番組に出演。300万人超のフォロワーがいるTwitter、YouTube「田村淳のアーシーch」の開設、オンラインコミュニティ「田村淳の大人の小学校」を立ち上げるなど、デジタルでの活動も積極的に展開。2019年4月に慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学。2021年3月修了。タレントの枠を超えて活躍の場を広げている。

 

商品についての問い合わせ先:キリンビール株式会社

 

撮影/ヒゲ企画 シズルコーディネート/塙 日沙世(topup)

最強のビールのお供が決定!? ちょいアレンジでもっとウマいおつまみスナック選手権

ここでは、ビールが進むコンビニのスナック菓子を紹介。昨今のスナック菓子は酒の進む名作が多いうえ、少しのアレンジでごちそうになる。フードにも詳しい酒好きが、カテゴリー別に王者を決定!

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちが投票します!

フードライター
中山秀明さん

 

フードツーリズムマイスター
今西絢美さん

 

GetNaviグルメ担当
鈴木翔子

 

第一試合 ≪がっつり濃厚≫部門

味が濃い、香りが強い、スパイシー、激辛などのジャンク系が激闘の名勝負を展開。

 

【第4位】バター風味「フリス(R)」が満足感のある後味を実現

カルビー

スーパーポテト サワークリーム&オニオン味

実売価格120円

口の中でバター風味「フリス(R)」の香りが弾けて旨みが増し、満足感のある後味を実現した厚切りVカットのチップス。サワークリームの酸味とコクのある甘みがガーリックのパンチを強化した。

 

【×クリームチーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「チップスが厚めなので、強い味付けでも芋の旨みが負けません。クリームチーズを足すとコクが増してごちそうに!」(中山)

「袋を開けたときの香りからイイですね。クリームチーズとの相性も良く、ポテトの旨みが出て高級感がアップしています」(今西)

「従来のサワークリーム系スナックよりも味の余韻が長くて濃厚。ライトなビールや柑橘感のあるホワイト系が合いそう」(鈴木)

 

【第3位】3種の辛味成分による辛さが途切れず襲いかかる!

ジャパンフリトレー

激辛マニア 辛味の三連獄

実売価格146円

強烈な唐辛子、舌がシビれる花椒、ビリッとした胡椒の異なる3種の辛味成分を配合。刺激が絶え間なく襲いかかる、手加減のないトリプルアタックだ。衝撃的な辛さで悶絶するほど。

 

【×とろけるチーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「どんどんブーストして口の中が炎上。特に唐辛子がえげつないデス。アレンジのチーズでコクが増す!」(中山)

「刺激という意味では覇者。とろけるチーズを加えると辛さが弱まり、シビれが際立ってクセになります」(今西)

「予想以上に辛くてビックリ(笑)。ビールが進む、というか飲み物がないと食べられない凶暴さです」(鈴木)

 

【第2位】カリッとサクッとクセになる軽快な食感!

湖池屋

スコーン やみつきバーベキュー

実売価格140円

35周年を迎え、“カリッとサクッとおいしい”への原点回帰を図り、より現代で支持されるような口どけの生地に進化。「やみつきバーベキュー」は牛肉の旨みと和風ソースがクセになる一品だ。

 

【×バーベキューソース】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「グレイビーなので、IPAや黒ビールが最適。アレンジのBBQソースは、元の味も楽しめる少量がオススメです」(中山)

「ビールと相性抜群の味付け。追いソースをするとパンチは出るのですが、スコーン本来の良さは消えてしまいます」(今西)

「コーンの甘味を隠しすぎないちょうど良い味わいで、万人受けしそう。深みのある濃厚なビールと合わせたいです」(鈴木)

 

【第1位】余韻のブラックペッパーがより旨みをアップ!

カルビー

大人のえだまりこ ブラックペッパー味

実売価格141円

枝豆を独自開発の「じゃがりこ製法」でカリッ、サクサクとした食感に。噛むほどに枝豆の風味が口の中に広がり、余韻にブラックペッパーの香りが追いかけてくる。ビールの肴として好相性だ。

 

【×フムス】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「枝豆の素朴な味に胡椒。王道のピルスナースタイルが合いますね。フムスは途中で味変に使うのが良さげ!」(中山)

「ブラックペッパーが絶妙。フムスに組み合わせるとスパイシーさは消えますが、ちょっとした一品感が出ます」(今西)

「枝豆の味が濃くてクリーミー。苦味があって後口がキレイなビールを合わせると、より粋な晩酌になりそう」(鈴木)

 

 

第二試合 ≪はんなり≫部門

素材の旨みや和の要素を感じさせるはんなり系は、バランスの良さが決め手だ。

 

【第3位】タン塩とねぎの香りを楽しめるねぎ油を使用

山芳製菓 

ねぎタン塩 実売価格173円

焼肉店で食べるような、ねぎタン塩の味を再現。ポテトチップスにねぎ油を直接かける特別な独自製法を活用したことで、本格感のあるジューシーなタン塩と、香ばしいねぎの風味が楽しめる。

 

【×レモンペースト】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「確かに牛肉とねぎの味! レモンペーストとの組み合わせで味を締めてくれます。苦み強めのビールに◎」(中山)

「後味が本物のねぎタン塩を食べたときと同じで、不思議な感覚に。ビールとの相性もバッチリです!」(今西)

「大量のねぎの輪切りを食べたときの、シャキシャキ食感を連想する味。レモンのほか、かぼすも合うかも」(鈴木)

 

【第2位】弾むような軽やか食感と春らしい味わいにこだわった

カルビー

春ぽてと あま旨塩味

実売価格165円

春らしい味わいを追求した、深切りVカットを採用。独自の形状によりサクッとホロッとした弾むように軽やかな食感が楽しめる。メープルシュガーのナチュラルな甘さも特徴だ。

 

【×ねり梅】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「甘さとふくよかな食感で和風。ねり梅との相性も良いです。ビールは定番の軽めかサワー系が合いそう」(中山)

「ねり梅との組み合せで一気に“和”の雰囲気に。上品ですが、ビールのおつまみとしては、ややパンチに欠ける印象です」(今西)

「甘じょっぱい味付けがポテトのホクホク感を引き出し、さつまいものような濃厚さを感じます。サワーエールと好相性!」(鈴木)

 

【第1位】無性に懐かしさを感じる駄菓子っぽい味わい

おやつカンパニー

くちどけ小路サクまろ ソースマヨ味

実売価格54円(小袋)

数種類のとうもろこし粉を組み合わせ、サクシュワッととろける食感に。味付けは駄菓子っぽいフレーバーながら、とうもろこしの自然な甘さも邪魔しない絶妙なバランスを生み出した。

 

【×きざみ紅しょうがペースト】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「酸味のある本品に、アレンジの紅しょうがを付けると一気に粉もんの味に。ビールはクラシカルな王道系が合いますね」(中山)

「どこか懐かしい味。紅しょうがを加えるだけで、余韻に酸味が出て、いくらでも食べられそうです。手が止まらない!」(今西)

「ソースをたっぷりつけた串揚げを食べているような気分。キレのあるザ ・日本の定番ビールが欲しくなります!」(鈴木)

 

 

第三試合 ≪明太子≫部門

今春は明太子味の新作ラッシュ。どのメンタイが一番食べタイ、タイコ判を押す味!?

 

【第3位】調和した海老と明太子が酒の肴にピッタリ!

カルビー

絶品かっぱえびせん 石垣の塩(R)と炙り明太子味

実売価格130 円

まろやかな石垣の塩が、海老の香ばしい風味を引き立てる一品。ピリッと辛い炙り明太子もマッチし、よく酒が進む味わいに。従来のかっぱえびせんより、やや大きく堅めな生地も特徴的だ。

 

【×大根おろし】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「通常タイプより濃厚。アレンジの大根おろしはほど良く濃さを中和し、止まらんウマさです。繊細なビールが◎」(中山)

「明太子の風味のあとに海老の香ばしさが素晴らしい。大根おろしと一緒に食べるとさっぱりし、おつまみ感がアップ」(今西)

「明太子が主張しすぎず、海老の香ばしさをうまく引き出せています。澄んだ味わいのビールと合わせたくなります」(鈴木)

 

【第2位】1つで“辛さ”と“旨み”の2段階の味わいが楽しめる!

カルビー

大人のじゃがりこ 辛子明太チーズ味

実売価格141円

口の中に入れると、ピリッとした唐辛子の辛味のあとから、明太子の旨みを楽しめる大人なじゃがりこ。2段階の味わいとユニークだ。噛むたびにチーズのコクが広がり、明太子の辛さと調和する。

 

【×明太マヨネーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「濃い味で、カリカリ食感とも合います。アレンジの明太マヨはギルティですが、酒のアテにはナイス。ビールは辛口で」(中山)

「明太チーズ、良い味わいですね。明太マヨはパンチが強くなり、おつまみだけでなく、おやつにもピッタリです」(今西)

「明太子らしさは一番。味が強すぎず良い塩梅で、後味のチーズがビールに合います。スタイルを問わない万能タイプ!」(鈴木)

 

【第1位】生地に加えた魚介のすり身で珍味らしい風味に!

おやつカンパニー

オヤツチンミ 辛子明太子味

実売価格130円

ベビースターで培った技術を応用した新感覚おつまみ。衣なしで揚げる製法により、カリポリ食感ながら粉や油が手に付きにくい。生地には魚介のすり身を練り込み、珍味らしい風味に。

 

【×マヨネーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「魚介の出汁と、細長いフォルムはイカの珍味的な世界観。マヨネーズで辛さを抑えられるので、食べやすいです」(中山)

「味が濃くてビールにピッタリ。追いマヨネーズでさらに駄菓子感が増して、軽く1袋をペロリと完食できちゃいます」(今西)

「3商品のなかで、最も辛い。お好み焼きのタネに混ぜてもおいしそう。濃厚なので味の濃いビールと合いそうです」(鈴木)

今夏は五感で楽しむクラフトビールで! GetNavi編集長が実感した「スプリングバレー」をちょっといい日に飲みたくなるワケ

Sponsored by キリンビール株式会社

2021年に発売、同年のクラフトビール市場を約1.6倍に拡大した「スプリングバレー 豊潤<496>」。夏といえばビールのおいしい季節だが、GetNaviの川内一史編集長は今夏も「スプリングバレー 豊潤<496>」が選ばれる! と断言。その理由は? 開発担当者との対談を交えながら魅力や楽しみ方を掘り下げる。

 

夏のリラックスタイムを特別なひとときに演出してくれる

子どもは夏休みに入り、大人にとってもお盆やその休みがあるなど、いつもとは違う時間の過ごし方をするのが夏です。家でゆっくり過ごすシーンでも、その時間を贅沢なものにしたいと考える人は多いはず。

 

そんな夏といえば、ビールがよりおいしい季節ですが、いつもより特別な機会が増えるからこそ、ビールも特別なおいしさの銘柄を選びたい。そこで私、川内がオススメするのが、クラフトビールの新定番と言っていいでしょう、「スプリングバレー 豊潤<496>」です。

↑「スプリングバレー 豊潤<496>」はひと口でわかるおいしさが魅力。個性的な香りや味わいと、おかわりしたくなる飲みやすさが調和した傑作です

 

私はそもそもビールに関してはあまり冒険しないタイプなのですが、以前の取材時に飲んで「スプリングバレー 豊潤<496>」のおいしさに感動。“個性的で気難しそう”というクラフトビールのイメージがガラッと変わりました。

 

香りやコクが力強く、エレガントさを感じられながらも重たすぎず後味はすっきり。バランスの良さで、キレや爽快感を求めるビール好きにも刺さる味わいに。この特別なおいしさがあるからこそ、今夏の特別なシーンにふさわしい一本だと考えています。


 

“晴れの日”はもちろん、日常を切り替えるトリガーにも

私が考える、“特別な夏のビールには「スプリングバレー 豊潤<496>」が最適”という選択に確信を得るべく、開発担当者の元を訪ねました。

↑キリンビール 事業創造部 スプリングバレーブランド担当の岡本理沙さん。9月13日に発売される新作「スプリングバレー シルクエール<白>」の開発も担当しています

 

まずは、昨今のトレンドやニーズから。「スプリングバレー 豊潤<496>」がデビューした2021年のクラフトビール市場は、約1.6倍(※1)に拡大しました。本商品はブームの立役者といえますが、ビール市場ではどんなポジションを築いているのでしょうか?

※1:2021年1-12月期、2022年1月キリン調べ。インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。

 

「ビールのニーズは多様化していますが、嗜好品としての価値は高まっています。“晴れの日”はもちろん、日常のなかでちょっと特別な時間を過ごすための一本として選ばれているのが、より飲みやすくて上質な、誰が飲んでもおいしいビール。そこに合致したのが『スプリングバレー 豊潤<496>』だと考えています」(岡本さん)

 

夏の“晴れの日”を例えるなら、お祭り。またお盆の時期でもあり、親族でご馳走を囲む家族も多いですが、そんな特別なシーンにマッチするのがまさに「スプリングバレー 豊潤<496>」。一方、ふだんでも在宅勤務が増えるなかで、日常生活は単調になりがちです。そこでオフタイムへのスイッチとしたいのもまた、「スプリングバレー 豊潤<496>」。贅沢なビールのおいしさが、マンネリ化しがちな日常を切り替えるトリガーになってくれるのです

 

「お祝いなど数人で集まるシーンはもちろん、おひとりでじっくり晩酌を楽しむときにも、味わいに発見や驚きのあるビールが『スプリングバレー 豊潤<496>』です。思い思いのシチュエーションで、特別なひとときを楽しんでいただきたいですね」(岡本さん)

 

五感すべてで堪能できる稀有なおいしさ

あらためて「スプリングバレー 豊潤<496>」をテイスティングしました。うん、個性がありながらもスッと飲みやすい味わいは、やはり感動的! 岡本さんは、これを“五感に響くおいしさ”だと言います。ひとつずつ教えていただきましょう。

・聴覚に響く!

↑缶は口が小さく、魅惑的な香りが鼻に届きにくくなるためグラスに注ぐのがオススメですよ

 

「まずは開栓時のプシュッという音。また、グラスに注ぐ際のコポコポ、シュワーッという音も魅力です。特に『スプリングバレー 豊潤<496>』はホップをたくさん使っているので泡立ちがよく、きめ細やかに弾ける炭酸ガス、飲んだときのゴクッという音も聴覚を刺激します」(岡本さん)

 

・触覚に響く!

↑泡でフタをすることで炭酸ガスが抜けにくく、最後のひと口まで爽快なおいしさを楽しめます

 

きめ細かな泡が、口に含んだ際に唇や舌をやさしく包み、いっそうリッチな気分に。また、口からのどを通る際の炭酸ガスが、触覚を心地良くなで上げます。また、パッケージには発泡インキという素材を使っており、ザラッとした手触りを感じられるのも隠れたこだわりとなっています」(岡本さん)

 

・嗅覚に響く!

↑一般的なビールとは一線を画す、アロマティックな香りが素晴らしい! これぞクラフトビールならではの魅力です

 

世界中から厳選した5種類のホップを効果的かつ、ふんだんに使うことで、フルーティーでフローラルな香りを実現しました。嗅覚に立体的に感じられる、『スプリングバレー 豊潤<496>』の持ち味のひとつです」(岡本さん)

 

・視覚に響く!

↑ひと目で違いがわかる、鮮やかで濃いビールの色。これをしっかり楽しむためにも、グラスに注ぐのがオススメなのです

 

通常の麦芽に加えて、渋さが出ない絶妙な配分で焙煎した麦芽をブレンド。さらにキリンラガー比で1.5倍の量を使い美しい琥珀色に仕上げました。視覚でも、このおいしそうな色味を感じていただけると思います」(岡本さん)

 

・味覚に響く!

↑そして岡本さんも一緒に乾杯。味覚で伝わるおいしさは言わずもがなです

 

「飲む前から目で楽しめて、注ぐ際には音と香りでも魅力を実感。そして飲んだときは味覚も含めた五感すべてでおいしさを堪能できる『スプリングバレー 豊潤<496>』。全方位で楽しめるところも、このビールの大きな特長だと自信をもっています」(岡本さん)

 

岡本さんにアテンドしていただきながらあらためて飲んでみると、たしかにこれは味・香り・音・感触・ビジュアルと、さまざまな角度からじっくり楽しめるビールです!

 

こうして堪能した「スプリングバレー 豊潤<496>」ですが、実は「スプリングバレー」ブランドのクラフトビールは、国内外のビアコンペティションで計109個のメダルを獲得しているといいます。特に「スプリングバレー 豊潤<496>」は、国際的なコンペティションである「ブリュッセルズ・ビア・チャレンジ 2021」で金賞を受賞(※2)。ビールの味覚におけるプロフェッショナルもこれだけの高評価を与えているとは、この夏のイチオシビールに選出した私の選択は、どうやら間違っていなかったようですね!

※2:リニューアル前の商品で受賞。

↑「ブリュッセルズ・ビア・チャレンジ 2021」のゴールドメダル。「ここで金賞を受賞できたのは大きな自信につながりました。世界中からあまたのビールが出品される大会で高評価をいただき、非常にうれしかったです」(岡本さん)

 

構想10年で試験醸造は250回。“聖域”に挑んだ不屈のビール

この誰もが頷く「スプリングバレー 豊潤<496>」のおいしさは、どうやってつくられているのでしょうか?

 

「さきほどご説明した麦芽へのこだわりに加え、ホップについては独自技術『ディップホップ』製法を採用しているのが大きなポイントです」と、岡本さん。

↑「ディップホップ」は2012年にキリンビールが開発

 

「『ディップホップ』とは、酵母と一緒にホップを添加して発酵中に漬け込む技術のこと。個性的かつトゲのない香り付けが可能となり、泡の保存性も高めてくれます。ただ発酵時のホップ添加は衛生面でリスクを伴うため、一般的には誰も手を付けない“聖域”。この『ディップホップ』を海外の醸造家に話した際、『クレイジー』と驚かれたほどでした」(岡本さん)

 

「スプリングバレー 豊潤<496>」の完成には10年、その間、独自製法開発のための試験醸造は250回にものぼったとか。たしかに若干“クレイジー”……でもそれは賛美でもあるでしょう。

↑こだわりは原料のホップにも。本商品では5種類のホップをブレンドし、上品で穏やかな香りを特長とする希少な日本産ホップ『IBUKI』など個性を活かしながらも、理想の香味を実現しています

 

こうしてつくられた『スプリングバレー 豊潤<496>』は、一般的なビールよりも味に個性があるからこそ、料理をいっそうおいしくします。フードペアリングについて考えてみると、例えば野菜を使った前菜や、淡麗な魚料理、ジューシーな肉料理、濃厚な炭水化物の食事やスイーツなど、ジャンルを問わずマッチ。料理に合わせることで、より特別な体験ができそうです。

↑旨み、甘み、香ばしさ、酸味、苦味など、様々な味覚をバランスよく備えた「スプリングバレー 豊潤<496>」。欧風メニューはもちろん、和食ともよく合うんですよ!

 

あらゆるシーンを楽しく彩る豊潤<496>で乾杯を!

単体で飲んでもおいしい上に、どんな食事とも相性抜群。特別な日の食シーンをより楽しく贅沢に彩ってくれることでしょう。今夏、ちょっといい日のお供には「スプリングバレー 豊潤<496>」を飲みませんか!

 

 

商品についての問い合わせ先:キリンビール株式会社

 

取材・文/中山秀明 撮影/湯浅立志

キリンのクラフトビール「スプリングバレー」から“白”が登場! 「SPRING VALLEY シルクエール<白>」

キリンビールは、クラフトビールブランド「SPRING VALLEY(スプリングバレー)」から、「SPRING VALLEY シルクエール<白>」缶を9月13日より全国で発売します。

 

税別価格は、350ml缶が248円、500ml缶が330円。また、缶商品の発売に先行して、8月8日からは「Tap Marche(タップ・マルシェ)」(3Lペットボトル)と「スプリングバレーブルワリー」直営店(15L樽)でも提供を開始します。

 

同商品は、無濾過で仕上げたにごりのある液色で、小麦麦芽を使用したきめ細かなふわとろの泡、まろやかな口当たりが特徴。ニュージーランド産の希少ホップ「ネルソンソーヴィンホップ」を一部使用し、華やかで心地よい香りに仕上げています。満足感がありながらも爽やかな味わいで食事にも合わせやすく、様々なシーンで楽しめます。

 

パッケージは、スプリングバレーブランドのベースデザインを踏襲しながら、白ビールの味わいが伝わるような、クリーム×ゴールドの色合いの組み合わせで、高い品質感と新しさを表現しています。

 

※Marcheeは、アキュートアクセント付きが正式な表記です

ビールに合う明太子スナックベスト3を決定! 1位は新感覚なスナック

ここでは、ビールが進むコンビニのスナック菓子を紹介。昨今のスナック菓子は酒の進む名作が多いうえ、少しのアレンジでごちそうになる。フードにも詳しい酒好きが、カテゴリー別に王者を決定! 今回は新商品が続々登場している明太子スナックの順位を決めていく。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちが投票します!

フードライター
中山秀明さん

 

フードツーリズムマイスター
今西絢美さん

 

GetNaviグルメ担当
鈴木翔子

 

≪明太子≫部門

今春は明太子味の新作ラッシュ。どのメンタイが一番食べタイ、タイコ判を押す味!?

 

【第3位】調和した海老と明太子が酒の肴にピッタリ!

カルビー

絶品かっぱえびせん 石垣の塩(R)と炙り明太子味

実売価格130 円

まろやかな石垣の塩が、海老の香ばしい風味を引き立てる一品。ピリッと辛い炙り明太子もマッチし、よく酒が進む味わいに。従来のかっぱえびせんより、やや大きく堅めな生地も特徴的だ。

 

【×大根おろし】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「通常タイプより濃厚。アレンジの大根おろしはほど良く濃さを中和し、止まらんウマさです。繊細なビールが◎」(中山)

「明太子の風味のあとに海老の香ばしさが素晴らしい。大根おろしと一緒に食べるとさっぱりし、おつまみ感がアップ」(今西)

「明太子が主張しすぎず、海老の香ばしさをうまく引き出せています。澄んだ味わいのビールと合わせたくなります」(鈴木)

 

【第2位】1つで“辛さ”と“旨み”の2段階の味わいが楽しめる!

カルビー

大人のじゃがりこ 辛子明太チーズ味

実売価格141円

口の中に入れると、ピリッとした唐辛子の辛味のあとから、明太子の旨みを楽しめる大人なじゃがりこ。2段階の味わいとユニークだ。噛むたびにチーズのコクが広がり、明太子の辛さと調和する。

 

【×明太マヨネーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「濃い味で、カリカリ食感とも合います。アレンジの明太マヨはギルティですが、酒のアテにはナイス。ビールは辛口で」(中山)

「明太チーズ、良い味わいですね。明太マヨはパンチが強くなり、おつまみだけでなく、おやつにもピッタリです」(今西)

「明太子らしさは一番。味が強すぎず良い塩梅で、後味のチーズがビールに合います。スタイルを問わない万能タイプ!」(鈴木)

 

【第1位】生地に加えた魚介のすり身で珍味らしい風味に!

おやつカンパニー

オヤツチンミ 辛子明太子味

実売価格130円

ベビースターで培った技術を応用した新感覚おつまみ。衣なしで揚げる製法により、カリポリ食感ながら粉や油が手に付きにくい。生地には魚介のすり身を練り込み、珍味らしい風味に。

 

【×マヨネーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「魚介の出汁と、細長いフォルムはイカの珍味的な世界観。マヨネーズで辛さを抑えられるので、食べやすいです」(中山)

「味が濃くてビールにピッタリ。追いマヨネーズでさらに駄菓子感が増して、軽く1袋をペロリと完食できちゃいます」(今西)

「3商品のなかで、最も辛い。お好み焼きのタネに混ぜてもおいしそう。濃厚なので味の濃いビールと合いそうです」(鈴木)

素材の旨み生かしたスナックでビールに合うのはどれ? ライターや編集者がチョイス!

ここでは、ビールが進むコンビニのスナック菓子を紹介。昨今のスナック菓子は酒の進む名作が多いうえ、少しのアレンジでごちそうになる。フードにも詳しい酒好きが、カテゴリー別に王者を決定! 今回ははんなり系のスナックの順位を決めていく。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちが投票します!

フードライター
中山秀明さん

 

フードツーリズムマイスター
今西絢美さん

 

GetNaviグルメ担当
鈴木翔子

 

≪はんなり≫部門

素材の旨みや和の要素を感じさせるはんなり系は、バランスの良さが決め手だ。

 

【第3位】タン塩とねぎの香りを楽しめるねぎ油を使用

山芳製菓 

ねぎタン塩 実売価格173円

焼肉店で食べるような、ねぎタン塩の味を再現。ポテトチップスにねぎ油を直接かける特別な独自製法を活用したことで、本格感のあるジューシーなタン塩と、香ばしいねぎの風味が楽しめる。

 

【×レモンペースト】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「確かに牛肉とねぎの味! レモンペーストとの組み合わせで味を締めてくれます。苦み強めのビールに◎」(中山)

「後味が本物のねぎタン塩を食べたときと同じで、不思議な感覚に。ビールとの相性もバッチリです!」(今西)

「大量のねぎの輪切りを食べたときの、シャキシャキ食感を連想する味。レモンのほか、かぼすも合うかも」(鈴木)

 

【第2位】弾むような軽やか食感と春らしい味わいにこだわった

カルビー

春ぽてと あま旨塩味

実売価格165円

春らしい味わいを追求した、深切りVカットを採用。独自の形状によりサクッとホロッとした弾むように軽やかな食感が楽しめる。メープルシュガーのナチュラルな甘さも特徴だ。

 

【×ねり梅】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「甘さとふくよかな食感で和風。ねり梅との相性も良いです。ビールは定番の軽めかサワー系が合いそう」(中山)

「ねり梅との組み合せで一気に“和”の雰囲気に。上品ですが、ビールのおつまみとしては、ややパンチに欠ける印象です」(今西)

「甘じょっぱい味付けがポテトのホクホク感を引き出し、さつまいものような濃厚さを感じます。サワーエールと好相性!」(鈴木)

 

【第1位】無性に懐かしさを感じる駄菓子っぽい味わい

おやつカンパニー

くちどけ小路サクまろ ソースマヨ味

実売価格54円(小袋)

数種類のとうもろこし粉を組み合わせ、サクシュワッととろける食感に。味付けは駄菓子っぽいフレーバーながら、とうもろこしの自然な甘さも邪魔しない絶妙なバランスを生み出した。

 

【×きざみ紅しょうがペースト】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「酸味のある本品に、アレンジの紅しょうがを付けると一気に粉もんの味に。ビールはクラシカルな王道系が合いますね」(中山)

「どこか懐かしい味。紅しょうがを加えるだけで、余韻に酸味が出て、いくらでも食べられそうです。手が止まらない!」(今西)

「ソースをたっぷりつけた串揚げを食べているような気分。キレのあるザ ・日本の定番ビールが欲しくなります!」(鈴木)

ビールにぴったりなジャンク系スナック選手権開催! 1位はカルビーのアレ

ここでは、ビールが進むコンビニのスナック菓子を紹介。昨今のスナック菓子は酒の進む名作が多いうえ、少しのアレンジでごちそうになる。フードにも詳しい酒好きが、王者を決定! 今回はがっつり濃厚部門の順位を決めていく。

※こちらは「GetNavi」 2022年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私たちが投票します!

フードライター
中山秀明さん

 

フードツーリズムマイスター
今西絢美さん

 

GetNaviグルメ担当
鈴木翔子

 

≪がっつり濃厚≫部門

味が濃い、香りが強い、スパイシー、激辛などのジャンク系が激闘の名勝負を展開。

 

【第4位】バター風味「フリス(R)」が満足感のある後味を実現

カルビー

スーパーポテト サワークリーム&オニオン味

実売価格120円

口の中でバター風味「フリス(R)」の香りが弾けて旨みが増し、満足感のある後味を実現した厚切りVカットのチップス。サワークリームの酸味とコクのある甘みがガーリックのパンチを強化した。

 

【×クリームチーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「チップスが厚めなので、強い味付けでも芋の旨みが負けません。クリームチーズを足すとコクが増してごちそうに!」(中山)

「袋を開けたときの香りからイイですね。クリームチーズとの相性も良く、ポテトの旨みが出て高級感がアップしています」(今西)

「従来のサワークリーム系スナックよりも味の余韻が長くて濃厚。ライトなビールや柑橘感のあるホワイト系が合いそう」(鈴木)

 

【第3位】3種の辛味成分による辛さが途切れず襲いかかる!

ジャパンフリトレー

激辛マニア 辛味の三連獄

実売価格146円

強烈な唐辛子、舌がシビれる花椒、ビリッとした胡椒の異なる3種の辛味成分を配合。刺激が絶え間なく襲いかかる、手加減のないトリプルアタックだ。衝撃的な辛さで悶絶するほど。

 

【×とろけるチーズ】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「どんどんブーストして口の中が炎上。特に唐辛子がえげつないデス。アレンジのチーズでコクが増す!」(中山)

「刺激という意味では覇者。とろけるチーズを加えると辛さが弱まり、シビれが際立ってクセになります」(今西)

「予想以上に辛くてビックリ(笑)。ビールが進む、というか飲み物がないと食べられない凶暴さです」(鈴木)

 

【第2位】カリッとサクッとクセになる軽快な食感!

湖池屋

スコーン やみつきバーベキュー

実売価格140円

35周年を迎え、“カリッとサクッとおいしい”への原点回帰を図り、より現代で支持されるような口どけの生地に進化。「やみつきバーベキュー」は牛肉の旨みと和風ソースがクセになる一品だ。

 

【×バーベキューソース】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「グレイビーなので、IPAや黒ビールが最適。アレンジのBBQソースは、元の味も楽しめる少量がオススメです」(中山)

「ビールと相性抜群の味付け。追いソースをするとパンチは出るのですが、スコーン本来の良さは消えてしまいます」(今西)

「コーンの甘味を隠しすぎないちょうど良い味わいで、万人受けしそう。深みのある濃厚なビールと合わせたいです」(鈴木)

 

【第1位】余韻のブラックペッパーがより旨みをアップ!

カルビー

大人のえだまりこ ブラックペッパー味

実売価格141円

枝豆を独自開発の「じゃがりこ製法」でカリッ、サクサクとした食感に。噛むほどに枝豆の風味が口の中に広がり、余韻にブラックペッパーの香りが追いかけてくる。ビールの肴として好相性だ。

 

【×フムス】でアレンジ!

 

【審査員講評】

「枝豆の素朴な味に胡椒。王道のピルスナースタイルが合いますね。フムスは途中で味変に使うのが良さげ!」(中山)

「ブラックペッパーが絶妙。フムスに組み合わせるとスパイシーさは消えますが、ちょっとした一品感が出ます」(今西)

「枝豆の味が濃くてクリーミー。苦味があって後口がキレイなビールを合わせると、より粋な晩酌になりそう」(鈴木)

世界のお酒とつまみで至高のおうち飲み! カルディのビール&ワインセレクション

「カルディコーヒーファーム」と「コストコ」は、国内外のウマいものが集まる人気店の代表格だ。グループ内で洋酒や輸入食品などを直輸入しているカルディは、お酒やつまみもハイレベル。ここではビールとワインのオススメ銘柄と、それぞれのベストなフードペアリングを提案しよう。

※こちらは「GetNavi」 2022年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【Tips】カルディコーヒーファーム

全国に480店舗(2022年5月現在)を展開。コーヒー豆の焙煎・卸売業を行うキャメル珈琲が、1986年に下高井戸で1号店をオープンした。世界中から集めた珍しい食材やリーズナブルなオリジナル品が所狭しと並び、店内で宝探しをするようなワクワク感を楽しめる。

 

ビール部門 3選

 

【その1】フルーティに香りボディは柔らかく高貴な味が魅力的

イネディット 330mL

429円

“世界一予約が取れない”と称された、スペインにある名レストランのシェフとソムリエがバルセロナ随一のブリュワリーと共同開発。フルーティで華やかな香りと柔らかいボディが魅力で、シャンパン代わりになる高貴な味だ。

 

BESTマリアージュはコレ!

オリジナル

ハモンセラーノスライス 55g

399円

豚もも肉をスペイン伝統の製法で塩漬けし、乾燥と熟成を経て仕上げた生ハム。脂の甘やかな風味と力強いコクが特徴で、香り豊かなビールとよく合う。

 

【その2】南国の陽気な味わいが特徴のジューシーな一本

ムーチョアロハ

ハワイアンスタイル・ペールエール 355mL

303円

旅先で飲んだベルギービールにハートを奪われ、ハワイ育ちのサーファーが立ち上げたブリュワリーの代表作。ホップの要素は苦み以上にトロピカルなシトラス感が豊かで、ジューシー感と爽快な飲みやすさが調和している。

 

BESTマリアージュはコレ!

オリジナル

スモークジャイアントコーン 45g

178円

歯応えの良いジャイアントコーンにビーフやしょうゆなどで味付けし、燻製風味に。香ばしさにワイルドなフレーバーが加わり、爽快なビールにマッチする。

 

【その3】白桃の果実味にホップの苦みがやさしく調和

台灣龍泉啤酒

ロンチュエン ピーチ 330mL

もぎたての白桃を思わせるみずみずしい香りに加えて、りんごと麦芽のアロマが繊細に広がる。クリーミーな泡に、際立つ桃の果実味とホップの苦味がほど良く調和した、フルーティな味わいの台湾産ビールテイスト飲料だ。

 

BESTマリアージュはコレ!

オリジナル

いぶりがっこオカキ 40g

140円

秋田の伝統漬物「いぶりがっこ」の味をおかきで表現。カリッとした粒は濃厚な味付けで、燻した香ばしさもたまらない。ジューシーなビールがよく進む。

 

 

ワイン部門 3選

 

【その1】フローラルかつスパイシーさが心地良く華やぐ

ファレスコ

ウンブリア・メルロー 750mL

798円

プラムやブルーベリー、ラズベリー的な香りに、すみれ、ブラックペッパー、バニラのニュアンス。豊かな果実味にほど良い酸味が調和し、余韻に続くスパイスとなめらかな渋味が心地良い、ミディアムボディのイタリア産赤ワインだ。

 

BESTマリアージュはコレ!

オリジナル

黒酢香る 上海風スペアリブ 140g

383円

豚の骨付き肉を、黒酢と紹興酒を使用した特製ダレで柔らかくなるまでじっくり煮込んで缶詰めにした一品。甘やかで熟した酸味に、中重口のワインがよく合う。

 

【その2】柑橘とハーブが絶妙に交わるフレッシュな味

ヴィッラ・デ・クロ

ソーヴィニヨン・ブラン 750mL

877円

柑橘系フルーツの香りにハーブやミネラルのニュアンスが加わる、やや辛口のフランス産白ワイン。フルーティなテイストにはソフトな酸も感じられ、フィニッシュには心地良い苦みのあるフレッシュさが絶妙だ。

 

BESTマリアージュはコレ!

オリジナル

ループスナック ジェノベーゼパスタ味 50g

306円

にんにくチップや乾燥チーズ、松の実などが入ったバジル風味のパスタスナック。ほど良い塩気と香草のニュアンスが、爽やかな白ワインとベストマッチだ。

 

【その3】繊細な香りに果実の甘みが効いた辛口の泡

ジョセフ・ドラーテン

リースリング・スパークリング エクストラ・ドライ 750mL

1078円

シトラス系のフルーツやアプリコットなどの繊細な香りに、心地良い果実の甘みを感じる口当たり。リースリング種ならではのエレガントで柔らかみのある、やや辛口のスパークリングワインとなっている。ドイツ産。

 

BESTマリアージュはコレ!

ブッラータ 125g

656円

モッツァレラチーズの袋に、生クリームと細かく裂いたモッツァレラが入っている。中からあふれる濃厚な乳の生地が、爽快なスパークリングワインと好相性だ。冷凍品。

フードアナリスト

中山秀明さん

食のトレンドに詳しいライター兼フードアナリスト。最近はインパクト大な自家製惣菜を販売するご当地スーパーの躍進に注目している。

 

●各商品は価格変動の可能性と在庫に限りがあります

「至福のキレ」ってどんな味? サッポロビール「ビアサプライズ」をビール好き編集部員たちが体感してわかったこと

ファミリーマートで期間限定発売されているサッポロの生ビール「ビアサプライズ 至福のキレ」。“キレ”といえば、喉越しもスッキリと流し込める辛口ビールのイメージだが、“至福の”と銘打っているだけに味わいにはこだわりと“サプライズ”が込められていそうだ。ビール好きのGetNavi&GetNavi web編集部員たちに、味わいを体感してもらった。

サッポロビール「ビアサプライズ 至福のキレ」

2017年8月に限定発売され好評だった、サッポロビール「ビアサプライズ 至福のキレ」が進化。ビールのおいしさをつかさどる要素のひとつ“キレ”を際立たせた、鮮烈でクールなキレと飲みごたえが特徴だ。

 

早速実践!“至福の時”に「至福のキレ」を注入したらどうなる?

人にはそれぞれ“至福の時”がある。それは趣味に没頭する時間だったり、チルタイムだったりと様々だ。そこでこの「至福のキレ」を飲んだら、より至福に浸れるのでは? ということで、働き世代代表として、お酒もコンビニも大好きな本編集部の部員を招集。それぞれのフェイバリットタイムに飲んで評価してもらった。

 

その1、ディープなカルチャー本を読み耽る時間

↑GetNavi web編集部の芦田隆介。お酒は味などをピンポイントで掘り下げるタイプ

 

「この前買った歴史本、書き手の文体も好みで大当たり! それに合わせたこのビール、味にインパクトがあるけどキレッキレで超すっきりしてるから、ひと口ごとにリセットされて読書にもちょうどいい。ほろ酔い気分でも本の内容が楽しめる、没頭するに最適な一本だな」(芦田)

 

その2、風呂上がりにほっとひと息ついた時

↑雑誌GetNaviのフード担当、鈴木翔子。お酒好きが高じてバーテンダーをしていた時期もあるほど

 

「やっぱりお風呂上がりのビールは最高! まったり楽しめるコク系の味わいもいいけど、このビールは強めの炭酸で爽快感が抜群だから、リフレッシュタイムにぴったり。ファミマ店頭で見かけたらすかさず手に取って、冷蔵庫にストックしてしまいそう」(鈴木)

 

その3、夜ふかしの背徳感を抱えながら映画を見る時間

↑GetNavi web編集部の玉造優也。お酒は好きだが体質的にあまり強くないので、厳選したお酒を少量楽しみたいと考えている

 

「寝たほうがいいのはわかってるんだけど、深夜の映画は没入感がアップしてより面白いんだよね……。このビールは味わいのパンチがあるけどスカッと抜ける爽快感も鋭くて、気分もいっそうアガる! 炭酸が強く、アルコール度数も適度な5.5%で、ちょうどいい刺激だな」(玉造)

 

その4、最高の焼き加減でステーキが焼けた時

↑芦田は料理も好きで、自分用の道具を揃え、仕上がりにもこだわるタイプ。塊肉を使ったステーキは得意ジャンルのひとつだ

 

「今日は得意なステーキで焼き加減も完璧。肉の香ばしい風味が、どっしりかつスカッとしたこのビールの味にもマッチ! それにこの超爽快な飲み心地が、達成感をより高めてくれるなあ」(芦田)

 

と、最上の至福を堪能した編集部員の3人。ここからは、ビールに詳しい鈴木が旗振り役となって「至福のキレ」の味についてレビューしていこう。「ビアサプライズ」とは? そして本商品最大の特徴である、本格的な「キレ」とは? すっかりほろ酔いながら、モノ系メディアの編集者視点を呼び覚まして語り合った。

 

「至福のキレ」はキレも厚みもあるリフレッシュタイムにぴったりのビール!

鈴木:飲む前はライトなキレ系ビールかと予想していたんですけど、いい意味で裏切られました。厚みがあってしっかりしていますよねそれでいて余韻がスカッと爽快なので、飲みごたえはあっても重すぎない。飲み疲れないから、また次の一本を飲みたくなります。

 

芦田:そうですね、ビールらしい味わいがしっかりありながら、鋭いキレで後味はすっきり変な苦みや雑味がなくクリアですよね。味の足し引きが見事に計算された、独特なポジションのキレ系ビールだと感じました。

 

玉造:音楽で例えるなら“ドンシャリ”っていうんですかね、味がどっしり来た後にサラッとクリアに晴れ渡るような爽快さ。炭酸が強いから、口に含んだときに味がしっかり舌に刺さって、ノドを通った後はくっきりリセットされる印象です。つまみを食べた後に飲むと、すっきりウォッシュアウトされて、次の料理のひと口が鮮明になるとも思いました。

 

鈴木:炭酸の強さも心地いいですよね。私はお風呂上がりに飲んだんですけど、リラックスというよりはリフレッシュタイムにぴったりなビールだなと思いました。みなさんはどうでしたか?

 

芦田:リフレッシュは確かにそうですね。お風呂上がりにもよさそう。僕は読書や料理シーンで飲んだんですけど、味にメリハリがあってなおかつクリアなビールだから、何かをしながら飲むビールにも最適だなと。あと、僕はビーフステーキに合わせたのですが、魚料理にもよさそうですし、揚げ物にもよく合うと思いました。

 

玉造:クリアってのはまさにその通りですね。味にも余韻にも深みがあるビールの場合、僕は飲み疲れちゃうんですけど、「至福のキレ」はキレがしっかり立っているから厚みがあっても飲み疲れない。だから2本目、3本目のビールでもアリですね。あとはすがすがしい香りというか、クールなニュアンスも感じました。

 

鈴木:玉造さんが感じたのは特別なホップの香りかもしれないですね。このビールは香り付けの一部に「ポラリス」という冷涼ホップと華やかな香りのドイツ産アロマホップを組み合わせ、さらに氷点下熟成製法で仕上げているから、余韻にひんやりした心地よさが残るんです。

 

芦田:なるほど! どこかハーバルな苦みを感じたのは、ホップによるものでしたか。

 

鈴木:「ポラリス」は、ミントのようなメントールの香りが特徴のホップなんです。また、世界的にも少量しか生産されていない希少価値も見逃せません。

 

玉造:スッキリと爽快な味が欲しくなる、これからの季節にぴったりですね。

 

「ビアサプライズ」は今回が第10弾!

↑2016年6月に発売された「サッポロ ビアサプライズ 至福の苦み」(最左)が第1弾。以降、毎年1~2商品が発売され、2021年9月発売の前作「至福のコク」(最右)でブランドがフルリニューアルされた

 

芦田:ところで、「ビアサプライズ」ってファミリーマート限定で販売しているシリーズですよね。以前違うキャラクターの商品を飲んだことがあります。あれも味が個性的だったような。

 

鈴木:芦田さん、そうなんですよ! 今回の「至福のキレ」は第10弾。過去には「至福の苦み」「至福のコク」など「至福の○○」というネーミングで発売されていて、ボディ感のある味わいをベースとしながら、ビールの味覚特徴のひとつを追求しているのが特徴のブランドなんです。

 

玉造:第10弾まで続いてるってスゴいですね! 人気が高い証拠じゃないですか。

 

鈴木:2021年でブランド誕生5周年を迎え、その際デザインを中心にフルリニューアルされました。本格的なビールって、円形の枠やエンブレムをモチーフに取り入れることが多いんですけど、「ビアサプライズ」でも採用したことで、より王道感漂うデザインになったんです。

 

玉造:よく見ると、確かに! 円形の枠って、瓶ビールのラベルをイメージさせますね。

 

玉造:ところで、ビールの味覚特徴として今回はキレに特化していると思うんですけど、ほかにどんな味覚があるんですか?

 

鈴木:代表的な味覚特徴は、“キレ”のほかに“苦み”“コク”“香り”の4種です。

 

芦田:今回の「至福のキレ」は、キレが際立っていながらコクもありますよね

 

「至福のキレ」は本格派の“キレ”!

芦田:口に含んだ瞬間にはコクと旨みが広がって、飲み込んだ時には喉を鮮烈に駆け抜ける炭酸がクッと刺激してリセットし、クールな香りが爽やかな心地よさ。まさに至福のキレ!

 

鈴木:キレに個性があっても味が薄いわけじゃないから、ひと口ひと口楽しめますよね。それにバランスがよくてクリアだから、こうして飲み続けていても疲れない。私の今シーズンのレギュラービールはこれに決まりです。

 

玉造:話を聞いてあらためて飲むと、いっそうウマいですね。コンビニで売ってるビールにここまで個性的なビールがあるとは、まさにサプライズです!

 

■商品名
ビアサプライズ 至福のキレ

■ブランドサイト
https://www.sapporobeer.jp/beersurprise/kire/

■お問い合わせ先
サッポロビール()お客様センター
TEL:0120-207-8000
https://www.sapporobeer.jp/

ストップ! 20歳未満飲酒・飲酒運転

 

取材・文/中山秀明 撮影/湯浅立志(Y2)

完全仕事モードでご帰宅… 俳優・小池徹平は「アサヒ生ビール黒生」でくつろぎを取り戻せるのか!?

1982年に誕生した日本初の缶の黒生ビール。それから30年、一時姿を消していた「アサヒ黒生ビール」が、ついに『アサヒ生ビール黒生』として復活した! 今宵、仕事に育児にと奮闘するリアル働き世代の俳優・小池徹平を待つのは、令和の世を癒すために再降臨した、その「黒生」である———

俳優・小池徹平

1986年1月5日生まれ。大阪府出身。第14回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞し、芸能界デビュー。2002年「WaT」を結成し(2016 年まで活動)歌手としての活動をスタート。同年、ドラマ『天体観測』(フジテレビ系)で俳優デビュー。ドラマ・映画・舞台などに幅広く出演し、俳優としての地位を確立。5月17日より主演ミュージカル『るろうに剣心 京都編』が上演。今年、俳優活動20周年を迎える。

 

小池さん、ずいぶんと疲れているみたいですね?

(現在、仕事に育児に大奮闘中の俳優・小池徹平さん。ある日の終わりを覗いてみました)

ふぅ……やっと1日が終わった。今日は朝から舞台の稽古があって、さすがにクタクタ……。次の舞台はアクションも歌も多いから、稽古もみっちり! これから今よりさらに忙しくなりそうだなあ。かといって、育児もおろそかにはできないからね。今日も長い戦いだったよ……。

なかなか忙しい毎日を送っている小池さん。さて、ここからやっと“くつろぎタイム”になるようです)

仕事から帰って、その日の家事も育児も全部終えたら、ここからが自分の時間。僕の楽しみ、晩酌しながらのくつろぎタイム! いつもはアサヒの糖質ゼロ(※)「スタイルフリー」を1杯目でグイッと飲むところなんだけど、今夜はコンビニで見かけた「アサヒ生ビール 黒生」同じシリーズで「マルエフ」は飲んだことがあったけど、黒ビールの方は初めてだな。ゴールドとブラックのちょっと高級感のあるパッケージが男心をくすぐるね! 1日頑張ったし、いつもとちょっと違う“プチ贅沢”で「黒生」を試してみようかな。(※食品表示基準による)

それじゃあ、さっそく……プシュッッッ!!! この缶を開ける音が、僕のくつろぎタイムへのスイッチなんだよね。いただきます!(ゴクゴクッ……)


「アサヒ生ビール黒生」

 

小池さん、「黒生」を飲んでみてどうですか?

んん~! これは美味しい!! 第一印象は、思ったよりもスッキリ。黒ビールなのに、爽やかで飲みやすいなあ。

まずは好印象のようです! さらに味わってもらうと……)

しかも、爽やかさの中にもしっかり“コク”があるところがすごい。舌で味わっていると“うまみ”がふわ~っと広がってくるから、これだけでグイグイ飲めちゃう。ビールによっては、スッキリ系でキレが強くて、おつまみが欲しくなることもあるけど、この「黒生」は後味まで“まろやかさ”が続く。じんわり麦の甘みが最後まで残っているから、「黒生」だけで全然イケちゃいそうです……!

堪能されているようですね。香りはいかがでしょうか?)

味はスッキリだけど、香りは黒ビールらしい麦の“芳ばしさ”がパーッと香ってきて、食欲をソソるんだよなあ~。リッチな風味がちゃんと香りにも表れているというか……。そもそも“黒ビール”と聞いて、味も香りももっと濃厚で強めな個性派ビールをイメージしていたんだけど、いい意味で裏切られたかも。苦味が抑えられていて、逆に甘みがあるこの味わい! 本当に飲みやすくて、黒ビールに苦手意識がある人にもぜひチャレンジしてほしいですね。あと、いつもコンビニで同じビールを選びがちな人もね(笑)。

まろやかで美味しい! 最高の晩酌だあ……。やっぱり、このくつろぎタイムがないとね。1日の終わりに美味しいお酒を好きに飲んで、張りつめた身体と空気を和らげる。この「黒生」のマイルドさは、ゆったり飲みたいときにちょうどいいな~。

 

すっかりくつろいだ小池さん! 復活した黒生がまろやかでうまい理由を知ってください。

(実はこの『黒生』は日本初の“缶の黒生ビール”として1982年に誕生した歴史あるビール。一度終売したものの、この度ファンの声に応えて復活を遂げたんです!)

ああ、たしかにこの昔のパッケージデザインは見たことがある! 懐かしい~。そういえば父親が飲んでいたなあ。自分の親世代から愛されてきたビールが復活して、こうやって自分も飲めるのは、ちょっと感動……。やっぱり価値あるものは、時代が変わっても受け継がれていくものなんですね。

↑かつての「アサヒ黒生」も、「アフター9のビールです。」というキャッチコピーが示すように、芳ばしさとすっきり飲めるうまみが持ち味だった

もちろん、中味の美味しさもしっかり受け継いでいますよ! 「黒生」は、数種類の麦芽をブレンドすることで、苦みが少ない甘味のある味わいを実現したり、長時間煮沸して黒ビールらしい芳ばしい香りやコクを生み出したりと、製造の段階から独自の工夫があるんです)

たしかに、アサヒビールといえば「スーパードライ」が代表的で、あのキレがある辛口な味わいが思い浮かぶけど、『黒生』はそれとは完全に真逆のテイスト。まろやかな甘みがかなり特徴的。ここまで違う味が同じメーカーで作られているのは面白いなあ。しかも、一般的な黒ビールとも全く違う、新しいタイプのビールって印象がありますね。

こだわり抜いてつくった過程って、意外とみんな知らないまま、美味しく飲んでいるもの。僕らの仕事ともちょっと似てますね(笑)。俳優って職業は、皆さんに見てもらうのは完成された華やかな舞台だけど、それまでには、稽古を重ねて苦労して役作りをしているんですよ。でも、それでいいんですよね、そんなところは伝わらなくて。結果的にみんなが楽しんでもらえれば、美味しく味わえれば、それだけで嬉しくて満足なんです。なんだか共感しちゃうな(笑)

 

黒生には、こんな楽しみ方もあるんですよ!

(さて、「黒生」のちょっと面白い楽しみ方を試していただきましょう。同シリーズの「アサヒ生ビール 通称マルエフ」とのハーフ&ハーフです。)

へえ、こんな飲み方もできるんだ! 新しいなあ。さっそく一口いただきます(ググッ……)

お、これもうまい! スッキリ感が増して、さらに飲みやすくなってる。だけど、黒のスモーキーな風味も絶妙に残っていて美味しい! 2杯目とかにいいんじゃないですか? 1杯目は「黒生」の味を楽しんで、2杯目はハーフ&ハーフでマイルドに……。僕は「黒生」を1杯いただいだ後は、マルエフとブレンドした味変を差し込みながら、じっくり楽しんじゃうかも。

(ハーフ&ハーフがオススメですが、ブレンドの割合はお好みでOKです)

それなら、僕は「黒生」多めが好みかな。黒多めの7:3くらいが、よりうまみを感じやすいんじゃないかな。しかも、黒ビールの香りと後味が引き立つから、爽やかだけど程よい余韻が楽しめると思います。いや~喧嘩しないで上手く混ざってるなあ。すごく相性が良い。なんの心配もなくブレンドして楽しめるし、継ぎ足し継ぎ足しして楽しんでもいい。うっかり飲み過ぎには注意ですね!

 

さて小池さん、今夜はくつろげました?

「黒生」との晩酌タイムはいかがでしたか?) 

すっかりほろ酔い気分(笑)。1日の終わりに必要なのは、いつだって自分へのご褒美タイム。小さい幸せかもしれないけど、それがあるからまた次の日も仕事に行けるし、気持ちを切り替えて頑張れる。もともとビール党だけど、今日は「黒生」のおかげで、ちょっと贅沢な気持ちが味わえたなあ。やっぱり長く愛されてきただけはある、特別なビールですね!

それは良かったです! ちなみに小池さんも俳優生活20周年ということで、ファンの方に愛されているなと感じる瞬間はありますか?)

それはもちろん、この仕事をやっていると常に感じてますよ! ずっと応援してくださる方って、どんなお仕事をやっても、どんなときでも見守ってくれていて。出会ったタイミングは違っても、今までみんなで一緒に成長して来れた感じがするから……幸せなことだなって。みんなのためにも、また明日から頑張らないといけませんね。

 

「はい! 最高にくつろいでます!」

 


アサヒ生ビール黒生を詳しく知るならこちら

 

 

撮影/岡村昌宏(CrossOver) 取材・文/kitsune 撮影協力/TOP UP、EASE

 

キリンが「ビール」で目指す、これまでにない新しいおいしさ。「ビールが、もう一度始まる。」とは?

3月14日、とある決意表明広告が出現した。「ビールが、もう一度始まる。」という意味深なメッセージである。定番のお酒として長く愛され続けるビール、それが「もう一度始まる。」とはどういうことなのか? メッセージの裏側にある思いをお伝えしよう。

 

ビールのおいしさの選択肢を広げる。 ビールの未来への決意

日本でビール産業が産声を上げてから約150年。その一翼を担ってきたメーカーがキリンビールだ。同社のスタンダードビールといえば「一番搾り」だが、同様に注力しているカテゴリーがクラフトビールである。キリンビールは、クラフトビールを「おいしさにこだわった造り手の感性と創造性が楽しめるビール」と位置付けており、その手間暇をかけたこだわりのおいしさには、ビールがもっと魅力的になる可能性が凝縮されていると考えている。 

 

「ビールが、もう一度始まる。」というメッセージからも、伝統と革新の両軸を重んじる姿勢がうかがえる。そして今回、メッセンジャーとして白羽の矢が当たったのが、日本を代表する俳優・吉永小百合。スケール感とキリンビールの本気度が伝わってくる。

 

この決意表明がなされた3月14日、キリンビールの堀口英樹社長は語った。ビール離れなどと言われて久しいが、ワクワクさせる何かが弱まっているのではないか。作り手がおいしさの新たな可能性を追求しきれず、消費者がビールへの興味を失ってしまったのではないか。一番愛されているお酒だからこそ、一番大胆に進化する必要がある。そう力強く訴えた、ビールの未来への決意表明ともいえるものだった。 

 

そして、その中核を担う存在がキリン渾身のクラフトビール、「スプリングバレー 豊潤<496>」である。

 

構想に10年かかった新時代のクラフトビール

「スプリングバレー」とは、キリンビールのクラフトマンシップを代表するブランドだ。素材や手間などに妥協せず、培った技術の粋を結集してクオリティのみを追求する。名称は1870(明治3)年に設立され、日本で初めて商業的に成功したビール醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」に由来。

 

新生「スプリングバレー」の構想は2011年にスタート。そこから10年かけて誕生した、新時代のクラフトビールが「スプリングバレー 豊潤<496>」である。飽くなき探求の末、行われた試験醸造は250回(※1)。麦芽は、1888(明治21)年から愛飲される「キリンラガービール」の1.5倍もの量を使用。さらに海外の醸造家から「クレイジー」とも評された独自技術「ディップホップ製法」を採用している。

※1:この商品の特長である製法の開発にかかった試験醸造の回数

 

幾多の困難を乗り越えて生み出された味わいは、クラフトビールならではの1杯で満足できる豊潤な味わいを追求しながら、さらにもう1杯飲みたくなるおいしさが特長だ。ユーザーからの評価も高く、昨年のクラフトビールブームの火付け役となって市場は約2倍(※2)に拡大。また、同商品を筆頭に「スプリングバレー」ブランドのクラフトビールは、国内外のビアコンペティションで計69個のメダルを獲得(2021年年間 ※3)している。

※2:20211-12月期、20221月キリン調べ。インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。
↑「スプリングバレー 豊潤<496>」は、ベルギーで開催される国際的なビアコンペティション「ブリュッセルズ・ビア・チャレンジ 2021」での金賞をはじめ、数々の栄冠を獲得
※3:受賞歴の詳細はこちら

 

進化した「スプリングバレー 豊潤<496>」の秘密を試飲レビューとともに解説

独自の「ディップホップ製法」を採用していることは前述したが、ホップは“ビールの魂”とも呼ばれるほどに重要。ハーブの一種であり、ビールの鮮度を保つとともに苦みや味わいをも左右する原材料である。

 

昨年の発売当時、「スプリングバレー 豊潤<496>」では、フルーティーでフローラルな品種を中心に、4種のホップを組み合わせて風味づけていたが、新たに「IBUKI」を追加。これは希少な日本産ホップであり、上品で穏やかな香りを特長としている。

↑「スプリングバレー 豊潤<496>」に使われる「IBUKI」は、貴重な日本産ホップ

 

計5種のホップを組み合わせるうえで、その香りをより印象づけるのが前述のディップホップである。具体的には、発酵過程で酵母とともにホップを同時に投入する製法だ。一般的な製法よりも豊かに香り立つうえ、クセやトゲのない、温和かつ個性的な香りづけが可能に。さらに、泡の安定化や保存性も高めてくれる。

 

また、5種のホップの配合割合を最適化し、トップからラストまで味と香りのバランスを向上。こうして「スプリングバレー 豊潤<496>」は、さらに洗練された豊潤な香りと味、スッキリとした余韻の飲み飽きないおいしさに進化した。

 

↑飲む前から鼻孔をくすぐる、甘香ばしくフルーティーなアロマ。シルキーでボリューミーな泡も貫禄十分だ

 

筆者も新生「スプリングバレー 豊潤<496>」を試飲。開封した瞬間にアロマティックな香りがあふれ、グラスに注ぐといっそう濃密な芳香を感じられる。

 

「スプリングバレー 豊潤<496>」を飲むたびに抱く感想は、“フレンドリーなおいしさ”。クラフトビールは総じて個性的であり、それが魅力でもあるが、ものによっては個性が強すぎる場合もある。その点「スプリングバレー 豊潤<496>」はバランスがよく、ドリンカビリティ(おかわりしたくなる飽きないおいしさ)が抜群なのだ。そして、この新生「スプリングバレー」は、さらにそのバランスが突き詰められている。

 

日本産ホップ「IBUKI」は、上品に華やぐフラワリーな柑橘感も魅力である。もともと「スプリングバレー 豊潤<496>」には華やかさやジューシーな風味があったが、「IBUKI」の追加でよりエレガントな香りに磨きがかかった印象も。だれが飲んでもおいしいと思える、わかりやすいクラフトビールだとあらためて感じた。

↑コク深いが重すぎず、苦みはあってもキツすぎず、余韻はすっきりしていてキレもしっかり。全体のまとまりがよく、ついつい杯が進んでしまう味わいだ

 

2021年春の発売からわずか半年で100万ケースを突破(※4)し、クラフトビール市場を約2倍に拡大させた(※5)ブームの火付け役が「スプリングバレー 豊潤<496>」。リニューアルも伴って、2022年はますます存在感を増すはずだ。ビールが、もう一度始まる。その決意にふさわしく、多くのビールファンに驚きと感動をもたらすだろう。

※4:キリンビール出荷実績(20213-9月大びん換算)2021年10月キリン調べ
※5:20211-12月期、20221月キリン調べ。インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。

 

キリン 「スプリングバレー 豊潤<496>」

 

感動体験ボックスプレゼントキャンペーン開催中【3月29日(火)23:59まで】


詳しくはこちらから

 

取材・文/中山秀明 撮影/湯浅立志(Y2)

 

36年目で初のフルリニューアル! 新「アサヒスーパードライ」はどんな味? 料理との相性もチェック!

日本を代表するビールのひとつ「アサヒスーパードライ」が、誕生36年目(1987年より発売)にして初のフルリニューアルを行ったことをご存知でしょうか? 2022年2月21日から新バージョンが全国出荷されています。

↑新しくなった「アサヒスーパードライ」350ml缶で207円(税込、ライター調べ)。味やデザインなど、変わったポイントを中心に解説します

 

そこで、旧バージョンと比較しながらどこがどう進化したのか、どんな料理が合うのかをレポートします。

 

“辛口”らしさはそのままに、明るく鮮やかな爽快感!

やはり一番気になるのは味。ということで、まずは新旧で飲み比べてみます。事前情報によると、中味の処方を初めて変更し、キレのよさは維持しながら飲みごたえを向上させたとか。

↑左が新で、右が旧。側面の栄養表示成分をチェックすると、数値はともにまったく同じです

 

また、麦汁の煮沸が終了する直前にホップで苦味と香り付けをする「レイトホッピング製法」の採用により、ほのかなホップの香りを新たに付与。さらに発酵開始時の酸素量を制御し、酵母の働きを調整することで発酵由来のビールらしい香りを向上させたのが主な変更点です。

↑それぞれグラスに注いでじっくりチェック(左が新作)。缶のデザインも多少変化があり、こちらについては後述します

 

新旧飲み比べた第一印象は、晴れ渡るような爽快さです。ドライでシャープな辛口の魅力はそのままに、新しいほうはホップの苦みに加えてすがすがしい香りがくっきり。また、ゴクッと飲んだときのアタックに厚みが増し、このボリューム感が余韻のスカッとしたキレをいっそう強く感じさせてくれます

↑味の特徴が、より明るく鮮やかに。「キレのよさは維持しながら飲みごたえを向上」という主張にも納得です

 

味わいのあとはデザインの変更点をチェック。新バージョンは、マットとツヤありの異なる質感のメタリックでシルバーを表現。そのうえで文字情報を減らしつつ、ロゴなどはサイズの大小でメリハリをつけることで、「Asahi」と「SUPER“DRY”」の視認性を向上させています。

↑左の新バージョンでは麦の穂のイラストがなくなり、八角形の黒い縁が淡くソフトなタッチになったことなども変更点です

 

また、新バージョンの裏ラベルには「新スーパードライ、始まる。」というメッセージとともに、味わいを視覚的に表現したグラフが描かれていることも特徴。このグラフは「辛口カーブ」というものだそうで、アサヒビールの一般的なビールとの違いもわかりやすく説明しています。

↑新バージョンの裏面。飲みごたえとキレが向上したことを、グラフを使って視覚的に伝えています

意外な組み合わせ、「海鮮丼」や「チョコケーキ」との相性をチェック!

「アサヒスーパードライ」といえば、日本で最も飲まれているビール。いわば、“最も間口が広い”ともいえそうですが、あえてビールのアテっぽくない料理でもしっかり合うのかチェックしました。

 

ひとつはサーモンとイクラの親子海鮮丼。この時季、ひなまつりのお祝いでちらし寿司を食べる家庭はあると思いますが、濃厚かつ魚介の風味も強いサーモンイクラは「アサヒスーパードライ」とマッチするのでしょうか?

↑つまみというより食事のイメージが強い海鮮丼を合わせます

 

合わせてみると、しっかりマッチすることを再確認。クリアな爽快感で魚や魚卵のうまみと酢飯の甘みを感じさせながら、油っこい部分はドライな辛口がリセット魚介の香りもホップの苦みとシャープなキレが抑えるので、双方のおいしさだけを楽しめます。

↑ナイスフィーリング、グッドヴァイブレーション!

 

もう一品はスイーツ。ホワイトデーを控えた時季でもあるので、チョコレートケーキを合わせてみます。チョコレート系にはそもそも、ロースト麦芽を使った黒ビール(ビアスタイルは「ポーター」や「スタウト」など)が合うのですが、通常の麦芽を使った黄金の「ピルスナー」スタイルである「アサヒスーパードライ」はどうでしょうか?

↑チョコクリームとスポンジによるシンプルなショコラケーキを合わせます

 

おお、これもアリです! 甘やかでコク深い黒ビールとは相性のフィット感が違うものの、チョコレートクリームの濃くオイリーな甘さを、「アサヒスーパードライ」の爽快感がシュワッとカット。次のひと口をスタート地点に戻してくれます。

 

↑「アサヒスーパードライ」はこの季節、桜花のデザインを配したスペシャルパッケージでも販売中(写真のピンク色の缶)

 

さすがは日本が誇る大定番ビール。「アサヒスーパードライ」はビールらしい苦みや爽快感があり、辛口ならではのキレによって料理ともよく合います。新旧の切り替え時には旧バージョンを販売しているお店もあるはずなので、ぜひ両方買って実際に飲み比べてみてはいかがでしょうか?

 

新しい大人になって「とりあえず一杯」をすこし知った話/ほろ酔い道草学概論 箸休め②

日本各地には、現地を訪れないとわからない魅力というものがあります。その土地ならではのお酒を飲むことも、そんな魅力のひとつ。本連載「ほろ酔い道草学概論」は、お酒好きOLコンビがお酒に酔って道草を食いながら、土地に根付く不思議な魅力に触れていくショートストーリーです。

 

【作品情報】

●ほろ酔い道草学概論 インドアな私が酒と街歩きにハマるまで

漫画:zinbei

刊行:ワン・パブリッシング

うまい酒とエモい散歩は学問だ――。日本全国の足を運ばないとわからない魅力を持った「土地」、その土地でこそ楽しめる「お酒」の楽しみを描いた、今までありそうでなかった「酒×街歩き」コミックがついに単行本に。作中で登場する日本酒やワイン、クラフトビール、健康センターのサワーなど、全て実在のもの。お酒と共に、土地々々の隠れた顔に迫る「エモい街巡り」が描かれます。コロナ禍以降、お出かけの解放感とお酒の楽しみから遠ざかった人、また少しずつでも足を伸ばしてみようと思っている人に寄り添う酒マンガの新境地!

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今回は、2021年最後の特別編になります! 主人公・千穂の「はじめてのお酒」との出会いについて、どうぞお楽しみください。

 

 

 

 

 

初めての「とりあえず」と言えば、生ビールですよね! そんなビールについてちょっとした豆知識を国際唎酒師でもある髙橋理人さんに教えてもらいました。

 

髙橋理人さん

全国の酒蔵のサポートおよび情報発信を行っている、酒蔵支援スタートアップ「株式会社蔵楽(クラク)」代表取締役。SSIインターナショナル認定「国際唎酒師」であり、一般社団法人日本ソムリエ協会認定「SakeDiploma」、「ワインエキスパート」とお酒関連の資格を幅広く持つ。大手化学メーカーに就職した最初の赴任地、新潟県糸魚川市にて感動的な日本酒に出会い、その魅力の虜に。日本酒普及に向けた活動を行い、オンラインセミナー「日本史と日本酒」、「日本酒都道府県旅」など日本酒と人を繋げる新たなアプローチを数多く試みている。

 

漫画のように、成人式で始めて飲んだ時に「苦い」と感じた方は多いと思います。でも、いつしかそれが「美味しい」と変わるから不思議ですよね。

大手ビールメーカーのアサヒビールさんが調査したところ、ビールを「うまい」と感じるようになる年齢は平均で23歳ということが明らかになっています。つまり、成人式では「美味しい」より「苦い」と感じる人が多いのも納得ですね。

 

また、初めてビールが「美味しい」と感じた場面で、もっとも多かったのが仕事などの「打ち上げ」でとのことでした。そして、約8割の方がはじめてビールを美味しく感じた瞬間を覚えているそうで、アサヒビールではその日を「ビールX-DAY」と呼んでいます。年末年始の飲み会の席で、各々の「ビールX-DAY」を話し合ったら盛り上がりそうですね。

 

2022年、新成人の皆様が素敵なお酒ライフを迎えることをお祈りしています!

 

【作品情報】

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漫画:zinbei

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【連載一覧はこちら】

ほろ酔い道草学概論

世界の超一流が認めた! 一切手加減なし、こだわりのおいしさ。2021年を代表するクラフトビール、キリン「スプリングバレー」

2021年、約200%(※1)の市場急拡大で盛り上がりを見せるクラフトビールの人気を決定づけた今年のヒット商品が、キリンビールの「スプリングバレー 豊潤<496>」だ。発売から約半年で出荷数100万ケース(※2)を達成し、クラフトビール市場の急拡大をけん引。コレを飲まずして、2021年は終われない! 今まさに飲むべき一本の魅力をお伝えしよう。

※1:2021年1-10月国産クラフトビール販売数:出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)2021年11月キリン調べ(クラフトビール市場:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています)
※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)202110月キリン調べ


キリン
スプリングバレー 豊潤<496>
税込実売価格272円(350ml)/363円(500ml)
「キリンラガービール」の約1.5倍の麦芽と、厳選した4種類のホップを贅沢に使用。ホップを7日間漬け込む「ディップホップ」製法により、豊潤な味わいとすっきりとした後味、ふわとろの泡を実現させた。

 

【この3人で検証しました】

GetNavi編集長/川内一史(左)
雑誌『GetNavi』を率いる。“酒=ビール”のビール好きだが、定番の味で満足するためクラフトはあまり飲まない。保守的なビール党。

GetNavi編集部 AV担当/松山葉南(中)
ビールは飲み会などの乾杯で嗜む程度。とはいえお酒は好きで、カクテルや果実酒、日本酒をよく注文する。

フードライター/中山秀明さん(右)
クラフトビール大好き人間。ブルワリーに取材することも多く、取材を通じて奥深い魅力に触れてきた。

 

クラフトビールのイメージがガラッと変わる!
誰もが納得するおいしさを実現

川内『スプリングバレー 豊潤<496>』が超売れているとは聞いていたんですが、ビールに関してはあまり冒険しないタイプなので、ついいつもと同じ定番銘柄に手が伸びてしまっていました。ですが、今日飲んで納得。これはマジでウマい! “個性的で気難しそう”というクラフトビールのイメージがガラッと変わりました」

松山「フルーティな香りと柔らかい飲み口が印象的で、リッチな甘味も感じますね。普段あまりビールを飲まない私でも、親しみやすくてすごく好きな味です」

中山「種類が豊富なクラフトビールのなかで、『スプリングバレー 豊潤<496>』は王道のスタイル。華やかな香りや豊かなコク、印象的な苦味が特徴ですが、一方で余韻の爽快感も抜群ですよね。バランスが良く、誰でもおいしく感じる味の設計になっています

川内「僕はゴクゴク飲めるビールが好きなので、クラフトは手が出にくいんです。でもこれはイイ! 味も香りも力強いですが、重たすぎず後味はすっきり。これがバランスの良さですかね」

中山麦芽をたっぷり使ってコクを深め、4種類のホップで香りや苦味を付けていますそこで活用されているのが、キリン独自の『ディップホップ』という製法。これにより、鮮烈でありながら温和な香りを実現しているんです

松山「『ディップホップ』は通常の製法と何が違うんですか?」

中山「一般的にホップを投入するタイミングは2つあり、1つは麦汁煮沸の終了直前。『レイトホップ』といい、穏やかな香りを付けられます。もうひとつは、煮沸した麦汁を発酵、貯蔵するときに入れる『ドライホップ』。貯蔵時に入れることで刺激的な香りを生み出せます。それに対し『ディップホップ』は両者の中間、発酵工程のときにホップを入れて7日間漬け込みます。つまり2つの良いとこどり。簡単そうに聞こえるかもしれませんが、発酵工程は品質管理が難しく、ホップを添加するのは至難の業。多くの醸造家が取り入れたいと夢に見ながらも手を出せなかった製法で、海外の醸造家には“クレイジー”とまで言われたそうです」

川内「なるほど! 良いとこ取りをしているから、味に個性を感じるのにスッと飲めちゃうんですね」

 

ここで、おいしさへのこだわりをチェック

1.世界的にも珍しい「ディップホップ」製法を採用!


発酵工程でホップを投入し7日間漬け込むという、革新的な製法を採用。ビール醸造の常識では考えられない製法であり、この実現を支えたのは、長年のビール造りによって培われた高い技術力と情熱だ。

 

2.厳選ホップと1.5倍量(※3)の麦芽を惜しみなく使用!


世界中から厳選した4種類のホップと、約1.5倍(※3)もの量の麦芽を使用。さらに全体の温度を徐々に上げる「インフュージョン」方式で麦芽を糖化し、濃厚な味わいとすっきりとした後味を両立している。

※3:キリンラガービール比

 

3.ビールづくりへの情熱を感じる「試験醸造250回(※4)以上」!


完成までにかかった歳月は、なんと10年。しかもその間に行われた試験醸造の回数は250回(※4)にものぼった。開発期間や試験回数だけを見てもクレイジーで、醸造家の夢が詰まったビールといえよう。

※4:本品の特徴である製法の開発にかかった試験醸造の回数

 

川内「すっかり1缶空いちゃいましたよ」

松山「早いですね! でも私もいつもより自然と杯が進んでます。あと、注いでから時間が経ちましたが、泡がまだしっかりあります」

中山クリーミーで持ちの良い泡も製法の特徴なんです

川内「泡の良し悪しは、ビールのおいしさだけじゃなく気分にも影響を与えるもの。これだけクリーミーだと気分がアガります!」

松山「注ぎ慣れていない私でも、キレイな泡ができました! 予想以上に簡単で、家でもできそう。缶とグラスで飲み比べてみると、泡の質感や香りのボリュームが違ってビックリ! 五感をフルに使っておいしさを存分に味わえる気がします」

 

ビール通直伝! おいしさをさらに引き出す「2度注ぎ」の極意

1.缶は口が小さく、魅惑的な香りが鼻に届きにくくなるためグラスは必須。アロマをよりしっかりと受け止めるには、口が広いタイプを用意しよう。ワイングラスもオススメ。きれいに洗って冷やしたグラスに、あえて泡が立つようにして注ぐ。グラスの約1/3まで泡で満たしたら、泡の粒が落ち着くまで数十秒待とう

 

2.缶の飲み口がグラスの縁に付くように当て、今度は泡を立てないようにできるだけやさしく注ぐ。グラスの内側に沿わせるように注ぐのがコツだ

 

3.最後はグラスの上部まで、やさしく一気に注ぐ。泡でフタをすることで炭酸ガスが抜けにくく、最後のひと口まで爽快なおいしさを楽しめるようになる

 

松山「今日はおつまみが豊富ですが、どんな料理が合いますか?」

中山「香味バランスが良いので、肉や魚、野菜、炭水化物と何にでも合いますよ。なかでもチーズなどの乳製品、トマト系のうまみや酸味が豊かな料理、甘味のあるソースには特にマッチします

川内「チョコレートなどの甘いものはどうですか?」

中山「いいですねー!『スプリングバレー 豊潤<496>』には甘やかなコクがあるので、スイーツにもよく合うんですよ

川内「これからパーティシーズンですが、前菜からメインにシメ、食後のスイーツまで、これ一本でずっといけますね。僕はこの年末年始、『スプリングバレー 豊潤<496>』で決まりです!」

松山「缶が華やかなデザインで、パーティの差し入れにもピッタリですし、ふわとろの泡でリッチな気分にもなれます。『ビールが飲みたい』ではなく、『“スプリングバレー 豊潤<496>”が飲みたい』と、指名買いしたくなるビールだなと感じました」

中山「山深い僕の実家のコンビニでは今までクラフトビールが手に入りませんでしたが、『スプリングバレー 豊潤<496>』のおかげで一変。身近なお店でこの味が手に入るのはうれしいですね。年末に帰省したらこの一本でお祝いしますよ。では改めて、乾杯!」

 

 

和牛・水田信二が回想する、料理人だったあの頃と「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」のエモい関係

かつてアサヒビールが、社の威信をかけて開発したという“伝説のビール”が、この秋、奇跡の復活を遂げた―――。それが「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」だ。実はこのビール、28年前に缶での販売が終売して以来、主に一部のこだわりある飲食店でしか味わうことができなかった“幻の生”なんだとか。

 

今回、そんなマルエフを味わってくれるのは、お笑いコンビ・和牛の水田信二さん。芸人になる前は、神戸の洋食店で料理人の仕事をしていたという水田さんは、どうやらマルエフに馴染みがある様子。マルエフを味わいながら、懐かしいあの頃を回想し始めて―――。

 

アサヒビール
「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」

アサヒビールの業績が低迷していた1986年、「アサヒの不死鳥のような復活を」との願いを込め生まれたのが、この“マルエフ”という開発記号をつけられた生ビール。“コクがあるのに、キレがある”という味わいが特徴的で、まろやかなうまみもあり、発売後ヒット商品に。翌年に発売された「スーパードライ」の大ヒットを受け、生産ラインを確保するために、1993年に缶は終売となったものの、その味わいは多くの飲食店から愛され続け、樽生のみ継続して販売してきた。多くの復活を望む声を受け、本年9月14日から缶(350ml・500ml)のマルエフが復活。一時休売となったが、11月24日より缶350mlが再発売となった。

 

和牛・水田が晩酌タイムに手に取ったのは?

ハァ~~、今日も仕事やりきった~。朝から晩までよ〜く働いたわ……ってことで、一日の終わりには家でゆっくりくつろぎたい。さっそく、晩酌タイムにしよか!

和牛・水田信二

お笑いコンビ・和牛のボケ担当。M1では5年連続決勝進出、3年連続準優勝。コンビで、「ヒルナンデス!」「おはよう朝日です」など地上波レギュラーや出演多数。神戸国際調理師専門学校を卒業し、調理師免許を取得。大阪の和食店・神戸の有名洋食店で、計7年間修行した経験を持つ元料理人だ。

 

今日のお供は、この「マルエフ」。コンビニで見かけて、気になって買ってはみたものの、どんな味なんやろ……「スーパードライ」とは違うみたいやし。レトロでリッチな雰囲気のパッケージに惹かれて、ついついレジまで持っていってしまったなあ(笑)。それに、新商品っぽい感じはするんやけど、この「マルエフ」って名前、どっかで聞いたことあるような……。

 

 

まあ、ともあれ物は試しってことで、さっそく1杯飲んでみよ。(プシュッ……ゴクリ……)

 

 

んん~! これはうまい!! 飲んだ瞬間、フワ~ッと口の中に芳醇な風味が広がってく感じ。ビールのうまみがじんわり舌に馴染んでくなあ。ガツンと爽快というよりは、“優しい味わい”や。コクとキレのバランスが絶妙で、まろやかな美味しさ。喉ごしも、普通のビールとはちょっと違う。ゆっくりまったり喉を伝わっていくような感覚で、めっちゃ飲みやすいなあ。それに、なんだかすごく懐かしい感じもして………ってあれ? 待った、この味、覚えがあるで……。

 

「マルエフ」を贈りたいのは“スーパードライ党”のあの人!

 

あ! もしかして、この「マルエフ」って、飲食店限定の樽生しか売ってなかったビールちゃう? 昔、料理人時代に通ってた行きつけの店にも置いてあったっけ。こだわりのお店にしかない、こだわりの生ビール……懐かしい味や。長いこと、缶では販売してなかったはずやのに、ついに復活したんか。今まで、お店でしか飲めへんかったビールが、これから自宅で楽しめるのはワクワクするなあ。このほっとさせてくれる優しい味は、仕事終わって帰ってきたときの最初の一杯にぴったりやし。癒されるわ~。

 

(本格的にくつろぎ始め、おもむろにジャケットを脱いだ水田さん。)

 

 

後味には、ちゃんとキレがあるところもええな。麦のうまみもコクもしっかりあるのに、飲んだ後すっきりしてるから、めっちゃ気持ちいい……。そうそう、キレがあるビールといえば、いつも飲んでるスーパードライやけど、これは全然別モノやなあ。ドライの後味はキレのある辛口やけど、マルエフはキレの中にもまろやかな余韻がある感じで……。

 

あ、そうや! スーパードライ大好きな親父にも、マルエフを勧めて試してもらおかな。ウチの親父、昔っからスーパードライしか飲まなくて、ドライが置いてない店には絶対入らへんし、ジョッキが冷えてないって分かってる店には、わざわざ保冷バッグでキンキンに冷えたジョッキを持参してたくらいやからな……。あれ、めっちゃ恥ずかしかったわ~(笑)。もうすぐ親父の誕生日やし、マルエフを贈ってみるのもいいかもしれへんなあ。

 

元料理人の腕と舌がうずく!? マルエフとのペアリングをお試し!

↑全国のコンビニで手軽に手に入る居酒屋メシを晩酌のお供に用意

 

さてと、そろそろ少し口寂しくなってきたところ……。ちょっと、おつまみでも合わせてみよかな~。今日は定番のおつまみをいろいろコンビニで買っておいたけど、マルエフって、柔らかい味わいでクセもないから、正直どんな料理でも合うかもしれへんな。焼き鳥の甘いタレとも調和しそうやし、おでんやったら出汁を殺さずにうまみを引き立ててくれそうな感じ。唐揚げとの相性は言うまでもない! 絶対うまいもんな~。

 

 

でも、この中やったら一番はこれやろ……「ポテトサラダ」! 元料理人の俺が言うんやから間違いない……はず! さっそくいただきま~す……(パクッ)。

 

んん~! やっぱり正解や! ポテトサラダって、例えば、キレ重視のスッキリ系のお酒と合わせると、ポテトのまろやかさと馴染みにくかったりする。でも、このマルエフはビール自体にコクがあるから、ポテサラのクリーミーな食感にもうまくマッチしてくれるんやな。これはどんどん箸が進むなあ。

 

 

食事中は、シャープな味わいのお酒やと、いったんそこで切って、口の中をリセットする感覚があるけど、このマルエフのマイルドな味わいは料理にうまく馴染んで、溶け込んでいく感じがする……。

 

そうや! これはおふくろ直伝のミートソースとも合うやろな。子どもの頃からの好物で、一人暮らしするときに唯一教えてもらったのが、おふくろのミートソースのレシピ。野菜をたくさん、ゆっくり炒めて、ゆっくり煮る。毎日食べれるぐらいの優しい味……。あ、それってマルエフと同じやんか。おふくろの料理を思い出す優しい味……まるで抱きしめられてるような、ぬくもりのある味やねんな……。

 

 

マルエフの味から思い巡らす、あの頃のエモい話

ああ~、なんだかほろ酔い気分になってきたわ……。これを飲んでると、どんどん懐かしい気持ちになって、料理人やったあの頃を思い出すなあ。神戸の老舗の洋食屋さんで働いてたあの頃。働き始めてすぐに、店長から「このソースがうちの“命”や」って教えられて。そんなセリフ、漫画以外で初めて聞いたもんやから、かっこいい!って感動したんよな。それに、俺もこのソースを守るためなら、つらくても続ける価値があるなって心に決めて。料理の世界も流行り廃りがあるけど、長年その味を変えずに信じて進んできた人たちを間近で見れて、何があっても“ブレない”ことの大切さを知ったんや。俺にとっては大きな経験やった。

 

 

それに、老舗の洋食屋やったから、長年通ってくれているお客さんもおったし、おじいちゃんから子どもまで家族代々来てくれていた人もおった。もちろん、新しくファンになってくれる人も。その人たちのためにも、毎日淡々と揺らぐことなく続けていく……それが一番大事で。しかもそれは、芸人になってからも全く同じことやった。いつも応援して支えてくれるお客さんのために、“ブレずに”芸を磨いていく。そして、舞台に立ってお客さんの笑ってる姿を見ると、ここまでやってきてよかったなって思って……。

 

そうや! それってマルエフも同じやんか。一度は缶が終売してしもたけど、応援してくれる飲食店に支えられて、こだわりのお店だけで飲めるビールとして生き残ってきた。そして、発売当時のまま“ブレず”にそのままの味で、新たに缶として復活……これは親近感を感じてしまうなあ。そう、俺たちも華々しくデビューしてそのままブレイクって訳やなかったし。でも、お客さんに支えられながら、ちょっとずつ、ちょっとずつやってきて、いまこうやってようやく大きな舞台にも立たせてもらってる。ほんまにいつも応援してくれてる人たちには感謝や……。

 

 

ハッ! 優しい味に浸ってたら、つい時間が過ぎてしまった。ほんま心地良い時間やったなあ。日頃、頑張ってる大人をゆったりと包んでくれるようなマルエフ。これからの生活には、この温もりあるビールが必要なのかもしれへんなあ。ぜひ、読者のみなさんも飲んでみてください。

 

「アサヒ生ビール(通称マルエフ)」の詳細はコチラから

 

 

●商品に関するお問い合わせ/アサヒビール株式会社 お客様相談室
TEL 0120-011-121
https://www.asahibeer.co.jp/asahinamabeer/

 

取材・文/kitsune 写真/湯浅立志(Y2)
スタイリング/神山トモヒロ ヘアメイク/守屋Kスケ
撮影協力/PROPS NOW、TOP UP

むしろ製品化を強く希望! 合計1万人に当たる「黒ラベル オリジナルビヤサーバー」のオーバースペックぶりを徹底検証

ビール好きに朗報! 現在、サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバープレゼント」キャンペーンが実施されている。黒ラベルを買ったレシートで応募すると、抽選で1万人に特別なサーバーが当たるというものだ。

サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」

 

となると気になるのは、使い心地や注いだ黒ラベルのおいしさである。そこで、あらゆる側面から本機の実力を徹底検証した。

 

[検証1] デザインへのこだわりはどうか?

目を引くのは、漆黒の本体に輝く金色の星。そう、「丸くなるな、星になれ。」の黒ラベルが誇る、ブランドコンセプトそのままのデザインだ。シックなカラーでリビングやキッチンにも馴染み、何より大人っぽくてクール。統一した意匠の台座が用意されている点も上品さを感じさせる。また、適度なサイズ感で持ち運びにも便利だ。

 

電源を入れると天面の星がライトアップされる演出も憎い。オンライン飲み会でも、ついつい自慢したくなるカッコよさに満ちている。

↑電源をオンにすると天面の星がライトアップされる仕掛け

 

【検証結果】シックで大人なデザイン。自慢したくなるカッコよさ!

 

[検証2] スムーズに注げるか?

操作は、本体に黒ラベルの350ml缶か500ml缶をセットして、専用の内蓋やチューブを取り付け、電源をオンにしてボタンを押すだけ。黒ラベルの缶をそのまま使えるシンプルな仕様で、きわめて簡単だ。

↑ボタンを押すとビールが出て、再度押すと止まるという簡単さ

 

なお、よりおいしく楽しむには準備が欠かせない。黒ラベルの缶はしっかり冷やし、グラスはしっかり洗浄し自然乾燥させて、きれいな状態にしてから注ぐべし。

 

【検証結果】シンプルなボタン操作で簡単に注げる

 

[検証3] きめ細かい泡を“黄金比”で後乗せできるか?

ボタンにはビールを注ぐ「ビールボタン」と、超音波の振動できめ細やかな泡を作る「泡ボタン」の2種類があり、好みで量の調整が可能だ。おいしく飲むための黄金比は、ビールが7で泡が3。泡はボタンひとつで後乗せでき、スマートに至福のひとときが楽しめる。

↑まずはグラスを45度に傾け、「ビールボタン」を押してなるべく泡を立てないようにビールを7分目まで注ぐ

 

↑次はグラスを垂直にし、「泡ボタン」を押して泡を乗せる。きめ細やかな泡に驚かされること間違いなし

 

↑見よ、まるで鏡面のような泡を! こうして、お店のような上質な黒ラベルを手軽に再現できるのだ

 

【検証結果】2つの簡単なボタン操作で7対3の黄金比も楽々実現

 

[検証4] 最高においしい温度で飲めるか?

温度はビールのおいしさを左右する大切な要素である。その点も、サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」なら問題なし。缶をセットする部分は冷たさをキープする真空断熱構造になっていて、保冷剤を兼ねたスペーサーを入れる仕様になっている点も秀逸だ。理想のおいしい冷たさを叶えてくれる。

↑ステンレス製のボトルは外気をシャットアウトする真空断熱構造で、長時間冷たさをキープ

 

↑本体に缶をフィットさせるスペーサーは、缶の容量に合わせて2種類用意。保冷材の機能も兼ね備えていて、事前に凍らせておけばより冷たいまま注げる仕組みだ

 

【検証結果】真空断熱構造と保冷剤で理想の温度をキープ

 

[検証5] 手入れは簡単か?

長く使うには手入れが欠かせない。その点、サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」はパーツを取り外して洗浄できるので衛生的、かつ実用的。乾電池をセットする「電子ユニット」以外は丸洗いでき、もちろんビールが通るチューブや配管パーツもしっかり洗える。また、接続パーツ、配管パーツ、保冷ケースなどはシンプルな構造なので手入れ自体も簡単。毎日でもストレスなく使える。

↑それぞれのパーツは簡単に分解でき、水やお湯でガンガン洗える

 

【検証結果】シンプルな構造で簡単。ストレスなく毎日使える。

 

[検証6] ユーザーの立場にたった工夫が凝らされているか?

サッポロ生ビール黒ラベル「オリジナルビヤサーバー」は至れり尽くせりといえるほど、さまざまなユーザー視点で考えられたプロダクトになっている。例えば「ビールボタン」には「BEER」、「泡ボタン」には「FOAM」と記載されているが、それぞれに「ビール」「泡」と書かれたシールが別添で用意されていて、これらを貼れば英語が苦手な人でも使いやすい。

↑各ボタンにぴったりのサイズで、クールなデザインを邪魔しない。用途に応じて日本語シールを貼ろう

 

また、チューブ先端からビールの液が垂れても周囲が汚れないよう、専用のマイクロファイバーハーフタオルが付いているのも親切だ。素材は吸水性に優れ、ブラックとグレーのツートンカラーもスタイリッシュ。そばに置いておきたくなること請け合いである。

↑専用のマイクロファイバーハーフタオル。黒い生地に浮かび上がるグレーのロゴもかっこいい

 

【検証結果】至れり尽くせりの嬉しい配慮が随所に

 

[検証7] 多彩なシーンで楽しめるか?

電源として使用するのは単3形アルカリ乾電池2本。コンセントにつなぐ必要がないので、庭やベランダはもちろん、キャンプやバーベキューといったアウトドアシーンでも活躍してくれる。

↑電池駆動なのでコードなどが邪魔になることはなく、スマートだ

 

持ち運ぶ際は、本機に付いてくる「専用ケース」を活用したい。マットブラックに、黒ラベルのロゴが黒色で配されたオールブラックのデザインは、非常にクール。内部には専用のスリット入りクッションが配され、本機をしっかりホールド。また、ストラップ付きなので片手でもなんなく取り扱える。もちろん、収納にも大活躍だ。

 

↑マットな質感で、いで立ちも凛々しい

 

↑内部のクッションには本機や電池の形にスリットが入っていて、がっちりとホールドしてくれる

 

【検証結果】電池仕様でケース付き。屋外でも気軽に使える

 

プレゼント品がこんなに豪華だなんて!

クールなデザイン、真空断熱二重構造と保冷剤を兼ねたスペーサーによる高い保冷力、ユーザー目線の親切設計、電池駆動でシーンを問わず持ち運びに便利なケース付きと、「プレゼント品がこんなに豪華でいいの!?」と驚くばかりのオーバースペックぶりであることを実感。もし抽選に漏れてしまったら悔しいほど! 早めに商品化してほしいと願うばかりだ。

 

この贅沢なビヤサーバーが1万人に当たる!

サッポロ生ビール黒ラベルブランドの350ml缶、もしくは500ml缶(限定商品も含む)を購入したレシートで応募すると、抽選で合計1万人に当たる。A賞とB賞があり、A賞は「オリジナルビヤサーバー」と「ビヤサーバー専用ケース」に、「オリジナルビヤグラス」も1点付いてくる。応募締切は2021年12月17日。

応募方法の詳細はコチラから

 

 

ストップ! 20歳未満飲酒・ 飲酒運転。

 

【問い合わせ先】
CLUB黒ラベル事務局
0120-300-116(受付時間:10:00~18:00/土日祝日・年末年始の休業日を除く)

 

取材・文/中山秀明 写真/湯浅立志(Y2)

おひとりさまでも盛り上がる! 小型で日常使いしたくなる「エンタメ調理家電」11選

自宅で食事をする機会が増え、おうちごはんがマンネリ化している人は多いのではないでしょうか。誰かにふるまうならまだしも、ひとり暮らしとなると、適当に済ませてしまうなんてことも……。そんな“おざなりおうちごはん”になっているならオススメしたいのが、卓上で調理自体を“エンタメ”として楽しめる調理家電。

 

これまで“エンタメ調理家電”というと、例えば写真の大型プールのウォータースライダーを模したタカラトミーアーツの流しそうめん器「そうめんスライダー」のように、大人数でワイワイ楽しめるアイテムがほとんど。

↑グループでワイワイ楽しめる、タカラトミーアーツ「そうめんスライダー」の最新モデル「ビッグストリーム そうめんスライダーメガラスベガス」(税込1万4960円)。スライダー総距離は3.476m! 4色のLEDが噴水部分を美しくライトアップします。(写真提供=タカラトミーアーツ)

 

それが、最近は少人数向けのアイテムも増えてきています。今回はそういった、ひとり、もしくは少人数でごはんを楽しめる卓上調理家電を、モノトレンド情報誌『GetNavi』の副編集長であり、家電コーディネーターの資格も持つ青木宏彰さんに紹介していただきました。

 

毎日の食卓に、軽い“遊び”を取り入れる

「いままで“エンタメ調理家電”というと、遊びの要素が強い子ども向けのものが主流でしたが、最近はユニークなギミックに加え、実用性も備えた商品や大人も使いやすいデザインの商品が増えています。そこへ、ここ数年のトレンドである単身者向けの“おひとりさま家電”が融合し、ひとりでも気軽に楽しめるコンセプトをもつ商品が登場してきています」(家電コーディネーター・青木宏彰さん、以下同)

 

青木さんによると、少人数向けのエンタメ調理家電は、大掛かりな準備なしで使えるものが多いのが特徴だそう。

 

「週末のホームパーティで使うというよりも、平日のマンネリ化した食事に軽い“遊び”を取り入れるぐらいの感覚で使えるものが多いんです。場所を取らずに使え、収納性に優れている点も魅力です。少人数向けの流しそうめん器『流しそうめん Pocket』はまさにその代表例ですね」

タカラトミーアーツ「流しそうめんPocket」2970円(税込)

手持ちの器(直径16~23cm)にモーターパーツを入れて、スイッチを押すだけという手軽さ。収納ケースはそばちょこ、フタは薬味入れとしても使えます。食器棚に並べやすいシンプルなデザインも特徴。

 

「『そうめんスライダー』で流しそうめんをするとなると大掛かりなイベントになりますが、これなら思い立ったときにすぐ使えます。“麺を水に流すだけ”なのに、いつものそうめんがよりおいしく感じられるので、特別感が抜群。ぜひ試してみてください」

↑「手のひらサイズで場所を取らないのもポイントです。また、よくできているなと思ったのは、水の流れを右回りと左回り、どちらにも設定できること。利き手に合わせて使え、多様性を求める時代のニーズが反映されているのを感じました」(写真提供=タカラトミーアーツ)

 

青木さんによると、今年は「流しそうめんPocket」以外にも、コンパクトな“エンタメ調理家電”が続々と登場しているとのこと。加えて、すでに発売から数年経った商品にも、あらためて注目すべきアイテムが多数あるそうです。ここからは今すぐ試してみたくなる、青木さんお墨付きのアイテムを紹介していきます。

家電プロのお墨付き! 注目すべき小型の“エンタメ調理家電”

「エンタメ性のある小型調理家電の大半は、卓上調理で使えます。BBQのように、食卓で調理をしながら食べるということ自体がすでにエンタメ。それに加えて調理工程が楽しかったり、使っていて気分が上がるデザインだったり、そんなアイテムを集めました」

 

・炙りものから熱燗まで! 一台で居酒屋メニューが完成

ライソン「せんべろメーカー」8250円(税込)

2020年末に発売され、お酒好きの間で大ヒットしたアイテム。おでん鍋、焼き鳥網、炙り網、熱燗鍋、とっくり、おちょこがセットになっていて、一台で熱燗と居酒屋メニューを楽しめます。本体が約32×11cmとコンパクトなので、小さなテーブルの上でも使用OK。(写真提供=ライソン)

 

↑「焼き鳥は生の食材から調理してもいいですが、コンビニなどで買ってきたものを温めるのもアリ。余分な油が下に落ちるのでヘルシーですし、電子レンジで温めるよりもふっくら仕上がりますよ。熱燗鍋は、湯豆腐やチーズフォンデュにも使えます」(写真提供=ライソン)

 

・食パン1枚を折りたたんで作る、食べきりサイズのホットサンド

ラドンナ「Toffy ハーフホットサンドメーカー」4500円+税

“食パン2枚+具材”で作る一般的なホットサンドは、量が多すぎて食べきれないという人もいるでしょう。そこで試してほしいのがこちら。1枚の食パンを折りたたみ、ハーフサイズのホットサンドを作れます。(写真提供=ラドンナ)

 

 

・生地にプレートをひたす新発想! 自宅で手軽にきれいなクレープが焼ける

アイリスオーヤマ「クレープメーカー PCM-800-W」2508円(税込)
※8月27日時点。アイリスオーヤマ公式通販サイト限定販売

クレープ生地のタネに加熱用のプレートをひたし、プレートに生地がついたらくるっと返すだけで、簡単に均一な薄さの丸いクレープ生地を焼き上げられます。タネを入れる専用トレー付き。(写真提供=アイリスオーヤマ)

 

↑「プレートの上にタネを広げるのではなく、タネにプレートをひたすという真逆の発想がユニーク。きれいな生地を何枚も作れるので、簡単にミルクレープを作ることもできます。ガレット生地を焼くのもオススメ」(写真提供=アイリスオーヤマ)

 

・卓上で揚げたての串揚げを楽しめる安全設計の小型フライヤー

和平フレイズ「ほんわかふぇ 電気卓上串揚げ鍋 HR-8952」6600円(税込)

卓上で串揚げ作りを楽しめるコンパクトなフライヤー。油の温度は約140~180℃の間で調整できます。電源コードはマグネットで本体にくっつけるタイプで、うっかり足を引っ掛けてもコードがすぐに外れるので安心。(写真提供:和平フレイズ)

 

↑「着脱式の串掛けリングが付いていて、串を鍋のフチにひっかけられます。リングを外せばミニ天ぷら鍋としても活躍! フタを閉めれば卓上での油ハネを気にせず使えますよ」(写真提供=和平フレイズ)

 

・煙を気にせずに室内BBQを楽しめる

ラドンナ「Toffy スモークレス焼肉ロースター」1万8000円+税

低煙性能を備えたロースター。焼き網と平面プレートが付属し、バラエティ豊かな焼き料理を楽しめます。網とプレートはフッ素加工済みで、汚れのこびりつきを防止。(写真提供:ラドンナ)

 

↑「煙の出にくさの秘密は、ヒーターを両側面に設置する『サイドヒーティング方式』。食材から出た水分や脂が熱源に触れず煙が出ません。キッチンやダイニングテーブルに出しっぱなしにしておいてもいい、クラシカルなデザインもおしゃれですよね」

 

・深さの異なる2枚のプレートで“焼く”と“煮込む”を同時に!

サンコー「よくばりホットプレート」5980円(税込)

深さ6cmの浅型と深さ20cmの深型、2種類のプレートを備え、2品同時調理が可能。左右の熱源が独立しているので、個別に火力を調節できます。最大火力は230℃。(写真提供=サンコー)

 

↑「焼き料理と煮込み料理を同時に作れるので、朝は目玉焼きとスープ、夜は餃子とラーメンなど、これ1台で丸1食分のメニューを作れます。すき焼きと焼き肉を同時に行う強者も。加熱がスピーディなので、サクッと食事を済ませたいときにも重宝します」(写真提供=サンコー)

 

・1000Wの高火力で一台6役をこなす、キュートな見た目の小型電気鍋

ラドンナ「Toffy コンパクトマルチ電気鍋」5000円+税

消費電力1000Wの高火力で、「煮る・焼く・蒸す・揚げる・炊く・炒める」の6種類の調理法をこなす多機能鍋。コンパクトな見た目に反し、容量が約2.8Lあるので、2〜3人分の鍋料理にも対応します。(写真提供=ラドンナ)

 

↑「蒸し料理用のプレートとガラス製のフタが付属。調理の様子を確認しながらシュウマイや蒸しパンなどを作れます。鍋本体と取っ手、電源コードが分離するので、鍋だけを流しで丸洗いできてお手入れも簡単」(写真提供=ラドンナ)

 

・食材のおいしさを保ったままスモーキーに香り付け

ライソン「メタルスモーカー」5500円(税込)

好みの食材にスモーキーな香りを付け、手軽に燻製料理を作れるアイテム。ガラス製の密閉容器を使えば煙が充満する様子を楽しめます。旧モデルは本体内部がプラスチックでできていたのに対し、今年8月に発売した新モデル(本品)では、熱に強いメタル素材を採用。(写真提供=ライソン)

 

↑「食材を加熱するわけではないので、食材の食感や鮮度を損なわずに香り付けできます。お試し用に3種類のスモークチップが付いていて、買ってすぐ試せるのも特長。乾電池式なので、おうちごはんだけでなく屋外でのBBQやキャンプなどでも活躍します」(写真提供=ライソン)

 

・新しいビールとの出会いを楽しめる、会員制生ビールサービス

キリンビール「キリンホームタップ」月額8250円(税込・4L)~

工場つくりたてのおいしさを楽しめるビールが、月に2回定期配送される会員制サービス。会員になるとクリーミーな泡を作れる専用ビールサーバーをレンタルできます。

 

↑「『一番搾りプレミアム』に加えクラフトビールや期間限定ビールなど、豊富なラインナップから届くビールを選べるのが魅力。洗浄が必要なパーツが1つしかなく、しかも約10秒水洗いするだけでOKというお手入れのしやすさもポイントです」(写真提供=キリンビール)

 

・限られたお店でしか飲めない氷点下ビールを楽しめる

アサヒビール「THE DRAFTERS」月額7980円(税込・4L)~

新鮮な「アサヒスーパードライ」とプロ仕様の「本格泡リッチサーバー」が自宅に届く会員制サービス、今年5月にサービスが開始された新サービスで、サーバー台数に限りがあるため現在は抽選方式で会員を募集しています。次回の応募開始は9月21日(2021年8月末時点)。(写真提供=アサヒビール)

↑「−2~0℃の氷点下でビールを抽出できる『エクストラコールド・モード』を搭載しているのがポイント。限られた飲食店でしか飲めない『アサヒスーパードライ・エクストラコールド』を自宅で楽しめます。キレとシャープな喉越しを堪能できますよ。グラスをキンキンに冷やしておくのがオススメ」(写真提供=アサヒビール)

 

 

【プロフィール】

家電コーディネーター / 青木宏彰

モノトレンド情報誌『GetNavi』副編集長。生活家電全般を担当し、調理系から掃除機、空調アイテムまで幅広いジャンルの家電製品をレビュー。「家電コーディネーター Basic」の資格も保持。

 

2021年を代表するヒット商品!「クラフトビール」ブームを象徴する「スプリングバレー」が100万ケース以上も売れている理由

※一部データを更新して再投稿しました

高付加価値への需要が高まるなか、造り手のこだわりが凝縮した「クラフトビール」がヒットしています。市場成長は約200%(※1)といわれますが、なかでもその勢いを牽引しているのが、キリンビールが2021年3月に発売した「スプリングバレー 豊潤<496>(ほうじゅん ヨンキューロク)」。わずか半年後の9月には、年間販売目標に掲げた約160万ケースの約6割にあたる100万ケースを達成(※2)。スプリングバレーが市場拡大に大きく影響していることがうかがえます。

 

では、なぜ今クラフトビールが、そして「スプリングバレー 豊潤<496>」が支持されるのでしょうか? 「スプリングバレー」ブランドを象徴する、東京・代官山にある直営店「スプリングバレーブルワリー東京」を訪ね、マスターブリュワーの田山智広さんに聞きました。造り手ならではのコツが詰まった「おいしい飲み方」も必見です。

 

(※1:2021年1-9月、10月キリン調べ。出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。)

(※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)2021年10月キリン調べ。)

キリン
スプリングバレー 豊潤<496>

麦芽を「キリンラガービール」の約1.5倍使用しているほか、4種類のホップを使用するなど素材を贅沢に使用。さらにホップを7日間漬け込む独自製法を活用し、豊潤な味わいとすっきりとした後味、ふわとろの泡を実現しています。

 

↑訪れたのは、東京・代官山で2015年にオープンした「スプリングバレーブルワリー東京」。ビール醸造所併設型レストランで、タンクや釜など醸造設備を眺めながら楽しめます

 

常識を覆す製法に挑み、海外醸造家から「クレイジー!」と評された

「スプリングバレー 豊潤<496>」の基盤となるのが、キリンの独自技術「ディップホップ製法」。まずはこの製法について、田山さんに教えてもらいました。

↑キリンビール マスターブリュワーの田山智広さん。1987年キリンビールに入社。工場、R&D、ドイツ留学等を経て、2001年よりマーケティング部商品開発研究所にてビール類の中味開発に携わる。2013年から商品開発研究所所長、2016年4月からキリンビールのビール類・RTDなどの中味の総責任者であるマスターブリュワーに就任

 

「『ディップホップ』は、2012年に当社が開発した製法です。それまでのホップの使用法は基本的に2つが主流でした。1つは、醸造工程における煮沸の後にホップを入れることで穏やかな香りをつける『レイトホップ』。もう1つは、ビール発酵後の貯蔵させるタイミングでホップを添加させ、刺激的な香りを付ける『ドライホップ』です。

 

『ディップホップ』はその2つの中間にあるタイミングで、酵母と一緒にホップを添加し、発酵中に漬け込みます。これによって『レイトホップ』よりも豊かでいて、『ドライホップ』で発生しがちなクセやトゲのない、温和かつ個性的な香り付けが可能に。さらに、泡の安定化や保存性を高めてくれるのが『ディップホップ』です」(田山さん)

 

↑「スプリングバレーブルワリー 東京」では、透明の発酵タンクで「ディップホップ」製法を見ることができます。※写真はイメージ。「スプリングバレー 豊潤<496>」は、キリンビールの工場で製造されています

 

「レイトホップ」と「ドライホップ」のいいとこ取りともいえる「ディップホップ製法」。これを知った海外の醸造家は、「クレイジー」と評したそう。それは、その発想が思い付かない技術だったからでしょうか?

 

「天才じゃないと思い付かないとか、そういう類ではないと思います。例を挙げれば『一番搾り製法』。これは麦汁の過工程で最初に流れ出る、一番搾り麦汁だけを使う製法です。醸造家であれば、一番搾り麦汁で造ればおいしくなるということは想像できるでしょう。ただしコストがかかりますから、大量生産を前提にしたナショナルブランドでの採用は、本来ありえないはずです。

 

『ディップホップ製法』も同様に、考え付くことはあったかもしれません。しかし、発酵させるタイミングでホップを添加することは衛生面でリスキーなんです。クリアするためには設備投資や管理の手間がかかるので、だれもやろうとは思わなかった。一般的なビール醸造では諦めてしまうことにも挑戦したことが、“クレイジー”と思えたんでしょうね」(田山さん)

 

そのクレイジーなこだわりは、原材料の厳選ぶりにも見てとれます。

 

・厳選した4種のホップを使用

「スプリングバレー」で使用するホップは、フルーティーでフローラルなホップを中心に、さまざまな組み合わせを何度も繰り返して4種を厳選。華やかな香りを創出しています。

↑ホップの圃場(ほじょう)。世界には数多くの品種のホップがあり、そのなかから最適な組み合わせを選び抜いて「スプリングバレー 豊潤<496>」に使用しています

 

・「キリンラガー」の1.5倍もの麦芽を使用

麦芽は「キリンラガービール」の約1.5倍もの量。その上ですっきり仕上げることで、「豊潤」と呼ぶにふさわしい濃厚な味わいとすっきりとした後味を両立。さらには見た目にもおいしそうな琥珀の液色に仕上げられています。

↑糖化方法は全体の温度を徐々に上げる「インフュージョン」を採用。これは一般的に、すっきりとしたビールに仕上げたいときに用いる製法です

 

構想10年・試験醸造250回(※3)を費やして味を造り上げた!

「スプリングバレー 豊潤<496>」が完成するまでにかかった歳月は、なんと10年。その間行われた試験醸造の数は250回(※3)と、いち商品の開発に対して行うには、まさに“クレイジー”といえる回数です。やはり、それだけ苦労したということでしょうか?

(※3:この商品の特長である製法の開発にかかった試験醸造の回数)

 

「そうですね。私たちがビール造りに一貫してこだわっているのは、飲み飽きず、また飲みたくなるようなおいしさ。『キリンラガービール』も『キリン一番搾り』も同様です。『スプリングバレー 豊潤<496>』も、クラフトビールならではの1杯で満足できる豊潤な味わいを追求しながら、さらにもう1杯飲みたくなるおいしさを追求しました」(田山さん)

↑究極の味のバランスを目指していることから、完全数である調和のシンボル「496」を商品名にしたといいます

 

「その上で缶で販売することも想定し、500mlを飲み切れて、酔い過ぎない設計にしたことも考慮した点です。また、大量生産できることも条件になりますから、安定してどのホップや麦芽を使えるかも重要でした。そのため、原材料の選定だけでも数え切れないほどの検討を重ねました。これは苦労したことの1つです」(田山さん)

 

250回(※3)の試験醸造では、どのような点をブラッシュアップしていったのでしょうか?

 

「まずは、あまたある完成図のなかから方向性を決めていきます。そこから、どのビアスタイルがふさわしいか。ホップや麦芽のほか、酵母はどう使ってどう組み合わせるのか。製法は何を採用してどう生かすかといったテストですね。原材料と製法の試験では性質が異なりますし、大枠が決まったあとは完成に向けた最終調整もあります。そういったさまざまな試験をカウントしていったら、結果的に250回(※3)になっていました」(田山さん)

(※3:この商品の特長である製法の開発にかかった試験醸造の回数)

 

開発チームは、あらゆるビアスタイルに精通しているビール造りのプロフェッショナル。過去の経験から、ある程度の完成図はイメージできると田山さんは言います。とはいえ、狙った味の基準に達するかどうかは、造ってみないとわかりません。しかも1回の醸造を始めてから完成するまでに、約1か月がかかります。同時に数パターンを試すので250か月かかったわけではありませんが、それはそれは長い道のりだったのです。

「スプリングバレー」のこだわりを動画でチェック

 

マスターブリュワー直伝! おいしさを余すところなく味わう作法とは

田山さんはじめ、ブリュワーたちのこだわりとクレイジーな挑戦がつまった「スプリングバレー 豊潤<496>」を、あますところなく堪能するには、どうしたらいいでしょうか? 田山さんに、よりおいしく飲むためのコツを聞きました。

 

1. グラスに注ぐべし!

「『スプリングバレー 豊潤<496>』の醍醐味である、華やかな香りを楽しんでいただくためには、グラスに注ぐことが大切です。缶は構造上、香りが鼻までダイレクトに届きませんから。ビールの琥珀色、コポコポと注がれて泡がプチプチ弾ける音。ぜひ、五感をフル活用して味わっていただきたいですね」(田山さん)

 

2. 口が広いグラスを選ぶべし!

「このような、口が広いタイプのものであれば基本的にどんなグラスでもOKです。ワイングラスのように口がすぼまったタイプも、凝縮感のある香りを楽しめていいですね。一方、凹凸があるようなグラスは泡が立ちすぎてしまうので、避けたほうがいいです」(田山さん)

 

3. グラスは冷やすべし!

「グラスは内部をしっかり洗ってください。汚れがあると、そこに泡が吸着してしまうんです。また、グラスを冷やしておくこともポイントですね。グラスとビールに温度差があると、これも泡が立つ原因になるからです。理想は氷水で冷やすことですが、冷水でも構いません」(田山さん)

 

4. 泡でおいしさを閉じ込めるべし!

↑最初はあえて泡を立てるように注ぎ、その後はグラスの縁に沿ってできるだけやさしくサーブ。炭酸ガスが抜けないように泡でフタをし、爽快なおいしさをしっかり閉じ込めるのです

 

そのクレイジーなこだわりは100年超えだった!

海外のビール醸造家から「クレイジー」と称賛された、スプリングバレーの製法。その根底には、おいしさへのあくなき探求心があると、田山さんは言います。

 

「目的は、とにかくおいしいビールをお客様にお届けしたい。この一心です。おいしくなるのであれば、いままでになかったおいしさを届けられるなら、どんな困難なハードルも超えますよ。その1つの手段が『ディップホップ』であり、結果的に“クレイジー”なものづくりになっているんでしょうね」(田山さん)

 

脈々と受け継がれる、キリンビールのクラフトマンシップ。その矜持は、商品名である「スプリングバレー」に込められていました。

 

↑「スプリングバレー」は、約150年前に横浜・山手で設立され日本で初めて商業的な成功を収めたビール醸造所「スプリングバレー・ブルワリー」のこと。そしてキリンビールの前身「ジャパン・ブルワリー・カンパニー」は、その跡地に設立されました。(写真:東京大学史料編纂所古写真研究プロジェクト 提供)

 

「『スプリング』は泉。『バレー』は谷。設立したのはノルウェー生まれのアメリカ人、ウイリアム・コープランドですが、彼は横浜の山手にビール造りに最適な水が湧いていることを発見したんでしょうね。ただ山手は丘陵であり、横浜港から近いわけでもありません。輸入した資材や原材料を運ぶのも大変だったはずです。でもおいしいビールを造るためには、良質な水が欠かせなかったんでしょう。そうした苦労の末、『スプリングバレー・ブルワリー』は日本のビール文化を切り拓きました」(田山さん)

 

そのものづくりへのこだわりや情熱が、キリンビールの源流にあります。おいしいビール造りを目指す“クレイジー”な探求心とともに、「スプリングバレー」の名のもとに受け継がれたキリンビールのクラフトマンシップ。先人が日本にビール文化をもたらしたように、クラフトビールで新たなビールカルチャーを根付かせたい、時代を変えたい。その熱い思いが、「スプリングバレー 豊潤<496>」には込められているのです。

 

田山さんの思いあふれる話を聞いて、あらためて筆者も「スプリングバレー 豊潤<496>」を飲んでみました。個性と飲みやすさが調和した味わいです。香りが華やかでコク深く、味のボリュームがありながらも後味はすっきり。飲み疲れがないフレンドリーなテイストに仕上がっています。田山さんが語るクレイジーなこだわりの数々を聞けば、腑に落ちる旨さです。

 

前年比約200%(※1)超の活況に沸くクラフトビール。でもその道はまだ半ば

クレイジーな情熱、クレイジーな製法から生まれた「スプリングバレー 豊潤<496>」は、発売からわずか半年で100万ケースを突破(※2)。しかも、2021年1〜4月で、クラフトビール市場は前年比約200%(※1)と伸長するなど、家庭でのクラフトビールニーズが大きく飛躍しているとか。

(※1:2021年1-9月、10月キリン調べ。出典:インテージSRI+(業務用酒販店含む)。クラフトビール市場について:大手5社以外の国産ビールに加えて、大手5社でクラフトビールと訴求している国産ビールをクラフトビールとして商品選定を行っています。)

(※2:キリンビール出荷実績(大びん換算)2021年10月キリン調べ。)

 

とはいえ、田山さんはクラフトビール飲用拡大への挑戦はまだまだ道半ばだと言います。

 

「『クラフトビール』という言葉の一般認知はすでに9割を超えているそうです。ただし、意味の理解までは十分に進んでいないと思いますし、飲用体験もまだまだ。また知ってはいるものの“身近な世界ではない”と思われている傾向もあります。

 

私たちは、クラフトビールには生活スタイルを変えるほどのインパクトがあると思っていますし、誰にとっても身近で日常的な存在になれると確信しています。これからもクラフトビールのおいしさを探求するとともに、魅力を発信し続けていきますよ!」(田山さん)

 

一部のコアなビール好きが飲むものだったクラフトビールが、すべてのビール好き、すべてのお酒好きの手に。広がりつつあるムーブメントの起爆剤がまさに「スプリングバレー 豊潤<496>」であり、事実として全国にファンが増えています。ビギナーからマニアまで、誰が飲んでも感動できる、ど真ん中のおいしさをもったこのクラフトビールこそ、ニーズを確実にとらえた、2021年を代表するヒット作といえるでしょう。

 

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抽選で合計50名に「スプリングバレー 豊潤<496>」感動体験キットが当たる!

 

 

取材・文=中山秀明 人物写真/湯浅立志(Y2)

販路拡大で爆売れ中! 伝説のホップ「SORACHI1984」担当者が語る日本のビールの可能性

「実は2~3年前、国内クラフトビール市場は勢いを失っていたんです」。そんな話をとある醸造家から聞き、筆者は耳を疑いました。というのもその時期はコロナ前。ビール専門店が地方でも開業する動きが活発化し、造り手も、酒販店も増えていたので、まさかと思いました。しかし、視点を変えれば踊り場に差し掛かっていた市場があるというのです。

 

その醸造家は「サッポロ SORACHI1984」のブリューイングデザイナー、新井健司さん。最新トレンドも含めて業界動向を詳しく聞かせてくれるということで、オンラインでインタビューを行いました。

↑新井さんが手掛ける「サッポロ SORACHI1984」。2019年にデビューして今春リニューアルしました。参考価格は350ml缶で税込267円です

 

「SORACHI1984」はクラフトビールを名乗らない

新井さんが「踊り場に差し掛かっていた」と話す市場は、スーパーやコンビニなどの小売り店のこと。クラフトビールは2015年頃に大きな盛り上がりを見せ、飲食店はもちろん小売り店を販路にもつ大手メーカーもクラフト向けブランドを立ち上げましたが、2019年頃から小売り商品の方は失速していったといいます。

↑サッポロビールの新井健司ブリューイングデザイナー(写真は2019年の取材時。撮影/我妻慶一)

 

筆者も、大手による小売り商品の話であれば納得。サッポロビールは2015年に「Craft Label」というブランドを立ち上げましたが、その後撤退しています。新井さんは「確かに全国各地で新しい醸造所やクラフトビールのレストランが開業していて、造り手も飲み手も増えたと思います。外食も含めた全体の市場で見れば落ち込んではいないでしょう」と言います。

 

いずれにせよ、スーパーやコンビニ向けのクラフトビールは外食シーンほど盛り上がりませんでした。より深掘りすれば、クラフトビールを飲みたい人は飲食店で楽しむので、スーパーやコンビニでは買わなかったということでしょう。

 

ただし、コロナ禍によって状況は一変しました。外で飲むことが憚れるようになり、家飲み需要が拡大したのはご存知の通り。落ち込んでいた小売りのクラフトビール市場は、2020年から息を吹き返したのです。

 

「ビアパブなどが好きだった方は、小売り店でクラフトビールを買う頻度が上がったことでしょう。一方、クラフトビールが特別好きでなかったとしても『せっかくだからちょっといいモノを選びたい』という心理により、いつも飲んでいるビールではなくクラフトビールを選ぶケースは増えたと思います」(新井さん)

 

2019年頃から停滞気味だった小売り向けクラフトビール市場。それも一因となり、「サッポロ SORACHI1984」の造り方や個性豊かな風味はクラフト的でありながらも、2019年のデビュー時からクラフトビールとは謳っていません。

↑最大の特徴は、サッポロビールが1984年に開発し、いまや世界中のブリュワーから人気となっている日本屈指の個性派ホップ「ソラチエース」を100%使用していること

 

「市場動向以上に、一番の理由はクラフトビールだと謳う必要がないからです。目的はビールの面白さや多様性を訴求して飲み手を増やすことなので、クラフトビールとしてカテゴライズすることはあくまで手段の一つに過ぎません。それに、願わくばクラフトビールだからという動機よりも、『サッポロ SORACHI1984だから』『ストーリーに共感するから』『ソラチエースが好きだから』という理由で選ばれるブランドになりたい。そのため、世の中の立ち位置的にはクラフトビールの扱いかもしれませんが、私たちからはクラフトビールだというコミュニケーションはしていないんです」(新井さん)

 

ホップで選ばれるようになれば、ビールはもっと楽しい

冒頭で述べた通り、今春リニューアルした「サッポロ SORACHI1984」。どこが進化したのかを聞くと、国産ホップの使用比率がアップしたことだといいます。

↑「ソラチエース」は北海道空知郡上富良野町産を一部使用。メインはアメリカ産ですが、その理由は日本産の絶対数が足りていないから

 

「国産の『ソラチエース』比率を上げていくのが私たちの使命の一つ。年々上がっているのですが、おかげさまで『サッポロ SORACHI1984』の販売数量も増えています。去年は共同契約の生産者さんの圃場(ほじょう。畑のこと)に植えて、今年から収穫していく活動も。そうやって、いつか日本産100%の仕様で届けることを夢見て今後も増やしていきます」(新井さん)

↑左が一般的なホップで、右が「ソラチエース」。ホップの球花(きゅうか)が大きいのも「ソラチエース」の特徴です

 

改めて、最新版を飲んでみました。やはり「ソラチエース」ならではの個性は健在。ハーバルで華やかな香り、柑橘系のジューシーな苦みの中に、ウッディな爽快感や南国的で陽気なニュアンスも。

↑泡立ちも良好。海外のホップに負けないジューシーな苦みがありながら、繊細なオリエンタルフレーバーがあって非常に好みな味わいです

 

筆者が個人的に気になっていたのは、最近セブン-イレブンでも見かけるようになったこと。聞けば5月から取り扱いがスタートし、「サッポロ SORACHI1984」の売り上げはさらに絶好調とか。そこで、セブン-イレブンのPBとのオススメペアリングを聞いてみました。

 

「繊細系から濃厚系まで様々なおつまみに合うと思いますが、意外性があってぜひ試していただきたいのが、セブンプレミアムのアップルマンゴーや、アップルマンゴーを使ったアイスです。というのも、以前『モザイク』というマンゴーのような香味特性をもつホップを使った限定商品「SORACHI1984 SESSION」を造ったことがあり、非常に互いの魅力を引き立て合う相性の良さだったのです」(新井さん)

↑「まるで完熟マンゴー」(税込138円)を合わせてみました。たしかに、マンゴーのトロピカルな余韻がビールの爽快な苦みと合わさって、双方がよりボリューミーなおいしさに

 

新井さんに今後の取り組みを聞くと、最近では有名な実演販売士・レジェンド松下さんによる商品紹介動画をYouTubeでアップするなど、ブランドの接点を増やしているとか。また、情勢を見ながら外食でもユニークな飲用体験を提案したり、北海道色の強いお店で訴求する活動をしていくそうです。

 

「長期的な夢は、ワインがシャルドネなどの品種で選ばれているように、ビールがホップの種類で選ばれるようになること。これは海外のビール先進国でもそれほど実現されていませんが、いつかホップの代表格に『ソラチエース』があるとうれしいですね。以前、キリンビールさんとコラボイベントを行いましたが、多くの造り手や生産者さんと協力しながら、ホップの魅力や可能性を伝えていきたいです」(新井さん)

↑「サッポロ SORACHI1984」の公式サイト。新たに、ホップに関する詳細なコンテンツが加わりました。2020年に植えた「ソラチエース」が育つ様子も見られます

 

まだまだ続くであろう家飲み需要と、家庭向けクラフトビールの消費拡大。「サッポロ SORACHI1984」を飲んだことがない人は、ぜひ一度お試しを。

【飲み比べ】リニューアルした「ヱビス」はどこが変わった?「4種の違い」を深掘りチェック

様々なお酒がある中、今改めて注目したいのがビール。話題の新作が続々登場するなど、ビール市場は大いに盛り上がっています。一方で既存ブランドの進化も見逃せません。今回紹介するのは、誕生131年目の今年、ブランドのリニューアルを実施したヱビス。プレミアムなビールとして愛され続けるヱビスは、どう変わったのか? リニューアルの詳細を多方面から深掘りします。

↑生まれ変わった通年販売3商品と、期間限定の1商品(右)をご紹介

 

130年以上の歴史を持つ、おいしいビールの代名詞

ヱビスビールの歴史は長く、誕生したのは1890年。ビール大国のドイツから醸造設備を運び、現地の技師も招いて本格的なビール醸造を開始しました。それ以来、130年以上もの間“本物のおいしさ”にこだわった本格派ビールの先駆けとして、市場をけん引してきました。かつてヱビスビールの工場があったことから、東京・恵比寿の地名が名付けられたことでも知られています。

 

ヱビスの特徴でもある”贅沢な味わい”は、こだわりの素材と手間暇を惜しまない製法によって造られます。まず、原料はドイツのビール純粋令に則り、厳選された欧州産麦芽、バイエルン産アロマホップ、そして独自のヱビス酵母のみを使用。副原料は使わず、華やかな香りと深みのあるコクを生み出します。

 

また、製造工程において通常のビールよりも同社比1.5倍の長期間熟成をさせることにより、麦芽100%のコクを引き出しつつ、雑味がなく丸みのある味わいと、爽やかなのど越しを実現しました。クリーミーな白い泡とクリアな黄金色も、長期熟成によるもの。様々なこだわりから生まれたヱビスは、今では上質でおいしいビールの代名詞として、その地位を不動のものにしています。

 

リニューアル後は“多彩な楽しみ方”を提案

そんな「ヱビス」が、2021年にリニューアルしました。ブランドコンセプトをこれまでの「ちょっと贅沢な、自分へのごほうび」から、「Color Your Time! YEBISU ビールの楽しさ、もっと多彩に。」に変更。嗜好が細分化して、より本物を求めるようになった消費者の期待に応えるため、プレミアムビールの多彩な楽しみ方を提案していくとのことです。

 

それでは、新しく生まれ変わったヱビスの、個性豊かなラインナップをチェックしていきましょう。

 

まずは「ヱビスビール」と「ヱビス プレミアムブラック」。通年販売の2品は、パッケージをリニューアルしました。YEBISのブランド名の下には、「BORN IN 1890, TOKYO」の文字。東京をベースに持つヱビスの歴史やストーリー、そして東京という都市の多様性をミックスしたコピーです。大きくあしらわれた伝統の恵比寿様のイラストが、その風格を感じさせる缶デザインになっています。

↑「ヱビスビール」350ml缶。ゴールドのカラーと、おなじみの恵比寿様が上質感を演出

 

↑「ヱビス プレミアムブラック」350ml缶。香ばしくて芳醇な黒ビール

 

続いて紹介するのが、パッケージだけでなく中味も刷新された「ヱビス プレミアムエール」。エールビールは、日本で一般的なラガービールに比べて、やや高めの温度(20~25℃)で発酵させたビール。豊かな香りや、奥深い味わいが特徴です。そこへ今回新たに、ヱビスこだわりのドイツバイエルン産アロマホップの香りを際立つ最適なタイミングで添加することで、ヱビスならではのエールらしい香りに進化している、とのこと。

↑「ヱビス プレミアムエール」350ml缶。濃密な香り、凛とした苦味を楽しめるエールビール

 

期間限定商品もリリースされています。2021年3月30日発売の「ヱビス プレミアムホワイト」は小麦麦芽を一部に使った、春夏の季節に適した爽やかなビールです。

↑「ヱビス プレミアムホワイト」350ml缶。これからの季節にもぴったりの、すっきりとした香りが華やぐ期間限定商品です

 

それぞれが個性的なヱビス。好みに合わせて上質なビール時間を

先ほど紹介した4商品を飲み比べてみます。

↑爽快系からボディの豊かなタイプまで、好バランスなラインナップです

 

1本目は王道の「ヱビスビール」から。副原料を一切使用せず上質な原料だけで造られた、あふれるうまみとふくよかなコクが特徴です。

 

飲んでみて感じられるのは、麦芽の豊かな甘味とすがすがしい苦味。どっしりした後のキレも十分で、きわめてバランスがよく、飲み疲れない王道のおいしさ。まさに定番にふさわしい、絶対的な一本といえるでしょう。

↑うまみとコクがありながらも、飽きさせないバランスはさすがの一言

 

2本目は「ヱビス プレミアムブラック」。炭焼きしたプレミアムロースト麦芽や、うまみを引き出す伝統的なトリプルデコクション(3回煮沸法)などを用いた、香ばしく芳醇なヱビスならではの黒ビールです。

 

ロースト麦芽の香ばしい甘味を醸し出しながら、濃密になりすぎないよう上品にまとめられていて飲み口はまろやか。泡持ちも良く、大人の風格を漂わせる仕上がりです。

↑ただ濃厚なだけじゃなく、まろやかさも感じられる上品な黒ビール

 

3本目は「ヱビス プレミアムエール」。カスケードホップ、バイエルン産アロマホップの2種類を使用して、濃密な香りと余韻、そしてふくよかなコクを実現。日本人の嗜好に合わせたエールビールです。

 

飲んでみると、エール特有の甘やかなコクが華やかさを感じさせつつ、苦すぎない上品なホップのビターさが、優雅な爽快感を演出。ひとまわり豊かなボディを感じつつも、決して重くなくて、杯も進みます。

↑ボディとビター感がしっかりありつつスムースで飲みやすい。絶妙な仕上がりです

 

ラスト4品目は限定醸造の「ヱビス プレミアムホワイト」。小麦麦芽と上面発酵酵母による、白ワインのように華やかな香りと心地いいコクが特徴です。

 

印象としては、小麦ビール特有のバナナフレーバーは抑えつつも、フルーティなアロマが前面に出た、ブライトでやさしい香味のホワイトビール。タッチや泡からはソフトなニュアンスが感じられる、繊細かつエレガントな仕上がりです。

↑のど越しが良くてフルーティ。爽やかでやさしい小麦ビール

 

ブランドのなかに多彩なフレーバーがラインナップされていて、それぞれの個性を楽しめるのもヱビスの魅力のひとつです。

↑自分の好みにマッチしたヱビスで、上質なビール時間を!

 

自分の嗜好や飲用シーンに合わせた1本を選ぶだけでなく、より贅沢な気分に浸りたいときは、ぜひ飲み比べも楽しんでみてください。

「淡麗グリーンラベル」の“カラダ、気持ちいいおいしさ”にビール党だった食のプロが納得した理由

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年末年始は、普段よりも“ごちそう”を食べる機会が多くなりますよね。そんなとき、やっぱりお酒は欠かせません。筆者も毎年、年末年始は思う存分楽しみ、お供はもっぱらビールやワイン。でも、おいしかったごちそうも、正月を過ぎればもう“お腹いっぱい”で、カラダも気になる……。とはいえ、やっぱり飲むならおいしいビールがいい……。

 

今回、「淡麗グリーンラベル」を飲む機会をもらいました。「淡麗グリーンラベル」は、2002年の発売以来、ロングセラー商品として愛され続ける発泡酒。糖質70%オフだし、ビールのようにおいしければ、もしかしてこの正月明けに飲むお酒にドンピシャかも!? ということで、あらためて飲んでみることにしました。

 

グルメを知り尽くした“おいしいものナビゲーター”が「淡麗グリーンラベル」を飲んでみた結果

筆者は「おいしいものナビゲーター」として活動しています。肩書きに恥じることなく“おいしいもの”を片っ端から試し、満足すれば記事で読者に感動を共有。気が付けば、おいしい食事とお酒を求めて国内外を旅行することがライフワークになりつつあります。

 

そして、家でも外でも1杯目はビールを選ぶ、いわゆる“ビール党”。ワインや日本酒も大好きですが、やっぱりなにはなくとも「ビール」なんです。ところが、これまでビール類の1カテゴリーでもある「発泡酒」を選択肢に加えることは、ほぼありませんでした。それは、「ビールのほうがおいしいにきまってる」という思い込みがあったから。私のような人はビール党に多いんじゃないでしょうか?

 

飲んでみたのはこれ。

キリンビール
淡麗グリーンラベル(350ml/500ml)
https://www.kirin.co.jp/products/beer/greenlabel/

原材料は麦芽、ホップ、大麦、コーン、糖類で、アルコール分は4.5%。糖質70%オフ(※)。(※日本食品標準成分表2015年版(七訂)による。)

 

まずはひと口、飲んでみて驚きました。正直、「え、いまの淡麗グリーンラベルってこんなにおいしいの!?」と。ビールよりちょっと安いのにおいしいからお得、という印象だったのですが、この「淡麗グリーンラベル」はそれだけではなかったんです!

 

最初に驚いたのは、香りです。

グラスに注ぐと華やかな香りが立ち上り、それだけで気持ちが高まります。普段、発泡酒を飲むときに香りを気にしたことがなかったのですが、「淡麗グリーンラベル」は特筆すべき香り高さ。ビールのなかでもクラフトビールは香りに特徴があるものも多く、それに近い印象を受けます。

 

そして飲み口は、非常に爽やかで、苦味は抑えめ。

ビールの苦味ももちろん好きなのですが、これはかなりライトな口当たり。とはいえ物足りなさを感じることはなく、むしろ「淡麗グリーンラベル」ならではのこのスッキリ感は、オンリーワンの味わいだと言えます。これからの季節なら鍋にも合いますし、ビールのお供としてお馴染みの揚げ物も、煮物のような家庭料理にも、さらに意外に刺身など生魚にも合いそうだと感じました。

 

↑全体的にクセがなく万人受けする飲み口。普段ビールを飲む人のなかでも、スッキリした口当たりや炭酸感がしっかり感じられるものが好きな人ほど、試す価値アリ

 

これまで「ビールが一番おいしい」と思い込んでいましたが、「淡麗グリーンラベル」を飲むと、ビールのような飲みごたえもありつつ、「淡麗グリーンラベル」にしかない爽やかさも感じられることに驚きました。また、数年前に飲んだときより確実においしくなっているのも確かです。

 

私がこれまで抱いていた発泡酒のイメージを大きく覆してくれた「淡麗グリーンラベル」。このおいしさは、どのようにして作られているのかが気になります。そこで、その秘密を知る人を、直接訪ねてみることにしました。

 

淡麗グリーンラベルの“カラダ、気持ちいいおいしさ”の理由を開発者に直撃してみた

その秘密を詳しく知る人は、横浜・生麦にあるキリンビール横浜工場にいるとのこと。どうしても話が聞いてみたいと思い、工場まで足を運びました。

↑おいしさの秘密を知るのは、キリンビール マーケティング本部 マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループの高橋康紘さん。もともと「淡麗グリーンラベル」の大ファンで、開発担当に抜擢。今も、帰宅すると家でおいしさを噛み締めているのだとか

 

早速、質問。

 

「淡麗グリーンラベル」のおいしさを引き出すために、何か特別な製法でも使っているんですか?

「実は、ビールと同じ醸造方法なんですよ」との返事が。え、発泡酒なのに、ビールと同じなんですか!? よくよく聞いてみると、ビールに必ずある「仕込」と「発酵」の工程で、「淡麗グリーンラベル」ならではの工夫をしているのだと言います。

 

「『淡麗グリーンラベル』に使われているのは、主原料は麦芽と水とホップですが、これらはすべてビールでも使われる原料です。違うのは、麦芽の使用比率ですね。発泡酒の場合、使える麦芽の量が決められているんです。使っている原料や製造工程はビールと同じなので、大きく違うのはこの麦芽の比率だけ、と言ってもいいぐらいなんです」(高橋さん)

 

麦芽の比率が低い、と聞くと本当にそれでおいしくなるの? と思ってしまいますが、「淡麗グリーンラベル」はそこでひと工夫。麦汁の比率が低いからこそのスッキリした飲みやすさを活かすことに力を注いでいるんだそう。

 

さらに、ビール特有の飲みごたえや爽快感を加えるために、もうひとつ、並々ならぬこだわりが込められていることがわかりました。

「『淡麗グリーンラベル』で一番こだわっているのは、ホップの使い方なんです。世界中から集めてきた複数のホップを、まるでカレーのスパイスのように配合率を考えながら組み合わせ、弊社の特許技術である“ホップアロマ”製法で爽やかな香りと味わいを生み出しています」(高橋さん)

 

通常のビール造りの工程では、麦汁を100℃の高温で煮ているところへホップを入れるもの。しかし、キリンの“ホップアロマ”製法では、もう少し温度が低い段階でホップを投入します。こうすることで、ホップのフルーティーな香りが引き出しやすいだけでなく苦味も抑えられるのだとか。

 

↑「このパッケージデザインも好きなんですよね」と高橋さん。リニューアルのたびにパッケージも進化しており、緑のキーカラーは維持しつつも、聖獣麒麟の大きさや、グリーンのリボンへグラデーションを追加するなどの変化を加えている

 

もうひとつ、筆者が気になっていたことが。

 

どのようにして糖質を70%もオフしているのでしょうか?

何か別の原材料を使っているわけでもなく、ビールと同じ工程でもあるのに、糖質をオフできるとは、何とも不思議な話ですよね。

 

「最初の麦汁には糖質が含まれています。酵母が発酵の工程で糖質を食べることで糖質が消え、アルコールと炭酸ガスが発生します。糖質オフは、そこで酵母に糖質をよりたくさん食べてもらうことで実現します。ただし、アルコール度数を上げすぎないためにも、もともとの糖質の量をうまく調整することで、適量を全部食べてもらうという感じですね。そのあたりも、我々の腕の見せ所です」(高橋さん)

 

ちなみにこの“70%”は、飲みごたえや味わいなど、最適なバランスを突き詰めたところ、この割合に落ち着いたのだとか。ビールとは違い、発泡酒は使える麦芽の量が決まっているので、ただ単に糖質を少なくするだけでは、おいしさが損なわれる可能性があるのです。おいしさを追求した結果の、糖質70%オフだったんですね。

 

「淡麗グリーンラベル」は誕生以来、リニューアルを重ね、“過去最高のおいしさ”を更新!

「淡麗グリーンラベル」は2020年春に、8度目のリニューアルを果たしました。今回のリニューアルでは、ホップの配合比と炭酸感を強化し、雑味のないすっきりした味わいと、満足感を目指したといいます。実際、筆者が飲んだ際も、キリッとした炭酸とたしかな飲みごたえを体感しました。

 

「開発に携わるようになって4年半経ちますが、リニューアルに関わったのは、2019年と2020年の2回です。もともと好きだった商品に手を入れるのは、緊張感がありますが、常に次の進化を考えて“どうすればおいしくなるか“を追求しています。ただし、あくまでもおいしくすることが目標であって、“ビールに近づけたい”わけではありません。爽快で飲みやすい”『淡麗グリーンラベル』らしさ“を追い求め、いまどの技術が必要なのかを見極めながら、これからも進化した『淡麗グリーンラベル』を作っていきたいと思っています」(高橋さん)

↑2008年入社。工場や研究開発などの業務を経て、2016年から現職。淡麗グリーンラベル好きが高じ、中味開発がしたいと自ら名乗り出たそう

 

そもそもは、年末年始を過ぎてカラダが気になる時期でもおいしいビールが飲みたい、と手に取った淡麗グリーンラベルですが、高橋さんにお話を聞いたことで、この1本に込められた、さまざまな技術に思いを馳せることになりました。

 

筆者のように、これまで“ビール党”だった人も、一度「淡麗グリーンラベル」を飲んでみれば、新鮮な驚きがあるはず。ビールの日もあるけれど、爽やかな味わいを楽しみたい、カラダを気遣いながらも楽しみたいという日は「淡麗グリーンラベル」というように、その日の気分に合わせたお酒の選び方をしてみませんか?

 

「淡麗グリーンラベル」の詳細はコチラから!

 

【プロフィール】

おいしいものナビゲーター / 今西絢美

編集プロダクション「TEKIKAKU」取締役。“おいしいものナビゲーター”として食にまつわる記事の執筆多数。唎酒師やフードツーリズムマイスターの資格も持つ。食品やお酒などの商品レビューのほか、自身で調理した食のレポートやレシピ考案も行う。仕事柄、日々カロリー過多になりがちなので、最近は月曜断食を試みるなど健康に気を遣い始めた。

 

撮影/湯浅立志(Y2)

 

あえての”ノンアル派”が急増中! プロが教える「ノンアルコールビール」の選び方

ノンアルコールビールといえば、”クルマを運転するときに選ぶ”という消極的な理由で飲むものだと思っていませんか? 実は、最近はそういったシチュエーションだけでなく、食事中やお風呂上がりなど日常生活で飲む人も増えているそうです。

 

とはいえ、「できるだけビールに近い味がいい」と思うのがビール好きの本音。かくいう筆者もノンアルはめったに飲まないので、”ビールに近いかどうか”が基準だと思っていたのですが、どうやらそうではないようです。

 

そこで、日本ビアジャーナリスト協会でも活動しているビアライターの富江弘幸さんに、ノンアルコールビールを飲み比べながら選び方のポイントを教えていただきました!

↑1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、新聞社勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める

 

 

一番搾り麦汁の香りと旨みが際立つ「キリン 零ICHI」

最初に富江さんに飲んでもらったのが、「一番搾り製法」を採用した「キリン 零ICH(ゼロイチ)」です。麦汁をろ過する際の二番麦汁を使わず、最初に流れ出た一番搾り麦汁だけを使用しています。

↑キリンビールの「キリン 零ICH(ゼロイチ)」

 

「ノンアルコールビールには珍しく、麦の香りや味がしっかり感じられます。一番搾りに比べると、スッキリ感がありますね。香りもフルーティー。全体的にはビールに近い印象ですが、甘みは控えめ。食事に合わせるのに良さそうです」(富江さん)

 

富江さんがビールとの違いについて触れましたが、その味に違いがあるのは当然のこと。なぜなら、ノンアルコールビールは普通のビールからアルコールを抜いているわけではなく、”まったく別の製法でビールに近いものを作っている”からなんです。そんな飲料をビールに近い仕上がりにする一番搾り製法は、技術革新の賜物と言えそうです。

 

 

透明な「オールフリー オールタイム」はサイダー感覚で

全国のコンビニ限定で販売されているサントリーの「オールフリー オールタイム」は、職場でも気兼ねなく飲めるようにと「透明」「ペットボトル入り」の2つの特徴を持ったノンアルコールビール。この見た目のインパクトで記憶している人も多いでしょう。

↑サントリーの「オールフリー オールタイム」

 

 

「香りはサイダーのようなフルーティーさがありますね。飲んでみると麦の感じはほとんどせず、酸味が少し強いめなのでスッキリします」(富江さん)

 

筆者も実際に飲んでみましたが、たしかにこれはサイダーみたい! ホップ由来の苦みも加えられているのですが、ほのかなライムフレーバーや強めの炭酸がサイダーのように感じさせるのかもしれません。

 

「視覚や嗅覚は味覚に影響を与えるのですが、オールフリー オールタイムはビールっぽさを求める人には少し合わないかもしれません。逆に、スポーツのあとや仕事の合間など、リフレッシュしたいときにいいですね」(富江さん)

 

 

フルーティーな香りが際立つ「サッポロ 麦のくつろぎ」

発酵由来の香り成分を組み合わせる「ナチュラル香味製法」で、ノンアル特有の「人工的な香りや後味」を改善したという「サッポロ 麦のくつろぎ」。富江さんもこのフルーティーな香りが気に入ったそうです。

↑サッポロビールの「サッポロ 麦のくつろぎ」

 

「サッポロといえば『サッポロ生ビール黒ラベル』がフラッグシップブランドです。黒ラベルはホップの爽やかな香りが立つ印象ですが、それに近いフルーティーな香りがします。この香りのおかげで、ビールの味にも少し甘みがあるように感じますね」(富江さん)

 

また、麦芽を使わずに苦味料でホップに近い苦味を出すなど、ビールっぽさをかなり意識しているようです。富江さんによると、「ビールよりは苦味が弱いものの、この苦味のおかげで喉が引き締められて次のひと口に切り替えやすい」とのこと。

 

 

苦味でビールらしさを演出する「アサヒ ドライゼロ」

ビールにはやっぱり苦味を重視するという人におすすめなのが、「アサヒ ドライゼロ」。普段から「アサヒ スーパードライ」を好んで飲んでいる人であれば、この再現性の高さに気付くはず。

↑アサヒビールの「アサヒ ドライゼロ」

 

 

「ほかのノンアルコールビールと比較すると、苦味が強いです。こうすることでビールらしさを出しているのでしょう。香りもスーパードライに近いですし、麦芽を使わないのにここまで近付けているのには驚かされます」(富江さん)

 

また、アサヒビールでは「アサヒ ドライゼロスパーク」という商品も8月末まで期間限定発売していました(現在は店頭在庫のみ)。ドライゼロと比較すると、炭酸の強さを130%に高めたペットボトル入りとなっています。

↑アサヒビールの「アサヒ ドライゼロスパーク」。8月末で販売終了

 

「味わいはドライゼロとほぼ同じですが、炭酸は非常に強いです。缶ビールや瓶ビールはグラスに注ぐ前提で作られているので、炭酸が強めに入っているのですが、これはグラスに注いでも缶から飲んでいるかのようですね」(富江さん)

 

 

どのビールの味に近いかで満足感が変わる

今回は5種類のノンアルコールビールを富江さんに飲み比べてもらいましたが、いずれもはっきりと特徴が異なりました。これだけ違うと、どう選べばいいのかがピンと来ていない人もいるでしょう。そこで富江さんが提案するのは、「自分がどのビールの味が好きかを知っておくこと」だといいます。

 

「そもそも”ビールの味”とひとことで言っても、アサヒスーパードライとサントリー ザ・プレミアム・モルツでは苦味、甘み、酸味、のどごし、香りがまったく異なります。そうなると、自分がどんなビールが好きなのか、どういった特徴をビールに求めているのかを意識することが重要なんです」(富江さん)

 

自分の好みを知るためにも、まずはいろんなビールに触れてみることが大切。さて、今夜も自分を知るためにいろんなビールを飲んでみるしかありませんね!

ビアライターが飲み比べてわかった!コスパ最強な「高アルコールビール」の正しい選び方と飲み方

 

巷で大ブームの高アルコール飲料。1缶飲めばある程度気分良く酔えるので、家飲みでのコスパの高さは最強といわれています。

 

最初は「RTD(Ready to Drink)」と呼ばれる”注いですぐ飲めるお酒”、その代表例である缶チューハイで高アルコールブームに火が付きましたが、ここ最近はビールにおいても高アルコールのものが続々と登場しています。とはいえ、チューハイとは違い、ビールの味の違いは飲み比べないとわかりづらいもの。

 

そこで、日本ビアジャーナリスト協会でも活動しているビアライターの富江弘幸さんに、主要メーカーの高アルコールビールを飲み比べてもらいました。そこで判明したのが、高アルコールビールの意外と知られていない新たな飲み方だったんです!

↑1975年東京生まれ。法政大学社会学部社会学科卒業。卒業後は出版社・編集プロダクションでライター・編集者として雑誌・書籍の制作に携わる。その後、中国留学を経て、新聞社勤務。現在は日本ビアジャーナリスト協会ウェブサイトや『ビール王国』などで記事を執筆するほか、ビアジャーナリストアカデミーの講師も務める

 

 

アルコール感の強さや麦っぽさに違いがある

今回飲み比べるのは、「キリン のどごし STRONG」「アサヒ グランマイルド」「サントリー 頂〈いただき〉」「サッポロ LEVEL9贅沢ストロング」の4種類。日本メーカーの一般的な缶ビールが4〜5%なのに対し、これらは7〜9%のアルコール度数となっています。

 

普段はクラフトビールを飲む機会が多いという富江さん。 そんな富江さんはどのようなジャッジをするのでしょうか?

 

 

キリン のどごし STRONG(アルコール度数:7%)

↑黒い缶が目を引く「キリン のどごし STRONG」。酒税法上の区分は「リキュール」。キャッチコピーは「ガツンときてスカッと爽快」

 

 

「通常の5%のビールに比べると、アルコール特有のピリッとした感じがします。いわゆる、第三のビールらしい味わいですね」というのが富江さんの第一声。そう、今回紹介する高アルコールビールの多くが、「ビール」ではなく「リキュール」に分類されているのです

 

「アルコール度数が高いお酒は味のバランスを保つために甘みを強くすることが多いのですが、これも少し甘みを感じます。最初に麦っぽい味わいはほとんど感じませんが、あとから穀物の味わいを感じます。発酵度を高めて甘味を強くしすぎないことで、後味がスッキリしている印象。軽い苦みを感じるので、次のひと口に進みたくなりますね」(富江さん)

 

【特徴】
パンチ力あり。アルコールがガツンと来るものの、軽い苦みが次のひと口を誘う。

 

 

アサヒ グランマイルド(アルコール度数:7%)

↑今回登場したラインアップのなかで唯一「ビール」に分類される「アサヒ グランマイルド」。キャッチコピーは「続くやわらかなコク」

 

「アサヒ グランマイルド」が登場した背景には、今年4月に酒税法が変更になったことが挙げられます。スパイスや果物などこれまでに認められていなかった副原料を使ったものも「ビール」と呼べるようになったので、ビールメーカー各社がさまざまな副原料を使用したビールを登場させており、その流れのなかで誕生した銘柄です。

 

「アルコール度数が7%というだけあり、しっかりしたビールの味わいです。とはいえ、アルコールの香りをレモングラスで上手くマスキングしていて、同じ7%のビールのように”ガツン”と来るアルコール感はありません」(富江さん)

 

また、高アルコールビールは一気に飲み干さずに少しずつ飲むことから、時間が経ってからの飲み心地も富江さんはチェック。

 

「通常、ビールは時間が経つと嫌な苦みや香りが出やすいのですが、アサヒ グランマイルドはそういったことはないですね。同社のアサヒ スーパードライともまったく違いますし、ビールの新しい可能性を感じさせてくれるビールです」(富江さん)

 

【特徴】
アルコールを感じすぎず、ちびちびと飲みやすい。爽やかさもあってバランスがいい。

 

 

サントリー 頂〈いただき〉(アルコール度数:8%)

↑「サントリー 頂〈いただき〉」の品目は「リキュール」。キャッチコピーは「最高峰のコク刺激」

 

今回飲み比べたなかで、富江さんが万人受けしそうだと話していたのが「サントリー 頂〈いただき〉」です。以前は7%だったアルコールを今年2月から8%にして、使用する麦芽を増量するなどのリニューアルを加えています。

 

「麦っぽくて甘みが強いですね。アルコールの刺激は舌にピリッと感じます。甘みとアルコールをしっかり感じられるので、満足する人は多そうです」(富江さん)

 

ちなみにパッケージには「コク」が強調されているのですが、ビールにおけるコクとはどういうことなのでしょうか?

 

「いろいろな味が複雑に絡み合っていることを指す場合が多いです。たとえば、出汁をそのまま飲んでもコクはありませんが、味噌や醤油で味付けするとコクが生まれます。ビールの場合は、ベースに甘みがあって、そこに苦みや酸味が加わることで”コクがある”と言うんです。このビールもまさにそうですね」(富江さん)

 

【特徴】
甘みとアルコール感が強い。味の良さとアルコール度数の高さを求めるときに◎。

 

 

サッポロ LEVEL9贅沢ストロング(アルコール度数:9%)

↑今回紹介するなかではもっともアルコール度数の高い「サッポロ LEVEL9贅沢ストロング」。分類は「リキュール」

 

「アルコール度数9%だけあり、アルコール感がしっかりあります。とはいえ、それに負けない麦感もしっかりあって、”麦のお酒”という感じがすごくしますね」と、「サッポロ LEVEL9贅沢ストロング」を飲んだ富江さんは語ります。

 

「アルコールの刺激はほかのものよりも強いので、ビアカクテルや氷を入れて飲むのがおすすめです。ほかの高アルコールビールよりも甘みが控えめなので、割っても味を邪魔することはないはず」(富江さん)

 

【特徴】
アルコールの刺激や麦感を求める人に向く。ビアカクテルとして飲むのもアリ。

 

 

ビアカクテルという選択肢が増えるのも高アルコールならでは

高アルコールビールは、柑橘系のジュースで割ってもいいですし、ジュースを凍らせて氷を作り、それをビールに浮かべてもいいのだとか。

 

「オレンジジュースやレモネード、グレープフルーツジュースなどを使うのがおすすめ。氷をジュースで作ることで、味が徐々に変化していくのを楽しめます。ほかにも、トマトジュースで割ってレッドアイにしてもいいでしょう。トマトの青臭さが消えて、トマトジュースが苦手な人でも飲めるはずです」(富江さん)

↑ビアカクテルを作る際は1対1の配分がベスト。もともとのアルコール度数が高い高アルコールビールなら3.5〜4.5%になる

 

 

高アルコールビールは”酔いたいときのお酒”という認識が強いので、富江さんのこの提案はなかなか意外じゃないですか? また、「ビールに近いかどうか」を選ぶ基準にするものだと思っていた人にとっても、「自分がおいしいと思えるかどうか」を軸にすれば、その選択肢の多さに気付くはず。楽しくおいしく酔えるお気に入りの高アルコールビールを探してみませんか?

 

 

 

これが酒税法改正の恩恵だ! 終わらない暑夏に飲むべきビールは副原料にこだわったニュータイプ

これまでビール飲料は、原料の違いによって「ビール」「発泡酒」「第三のビール」などと分けられてきました。ビールとは「麦芽比率が67%以上で副材料は米、麦、トウモロコシのみに限定されるアルコール飲料」のことです。そこに果実や香味料が含まれるものは、発泡酒。また、麦芽以外の原料でつくられたビール風味の飲料は、第三のビールと呼ばれ、新ジャンルを確立してきました。ところが、2018年4月の酒税法改正によってビールの定義が変わり、多くの副原料が認められるようになったことで、市場は新たな盛り上がりを見せています。

 

ビールがよりおいしく感じるシーズンに、その動向は気になるもの。そこで、今回の改正が消費者にどんな影響を及ぼすのか、どのようなビールが新登場したのか、フードアナリストの中山秀明さんに聞きました。

 

酒税法改正でビール飲料の価格差がなくなっていく

酒税法とは、そもそもお酒の税率について定められた法律。お酒は、原材料の比率やアルコール度数などによって、税率が変化します。

 

「これまでビールは約77円、発泡酒は約47円、第三のビールは約28円が酒税でした(すべて350mlの場合)。今後は2020年から段階的に、ビールの減税が計画されています。反対に他2種類は増税し、最終的に2026年には、すべてのビール類の税率が55円に一本化される予定なんです。この改正によって、商品の価格差がなくなっていくので、『ビールより安いから発泡酒を飲もう』という発想は変わるでしょうね。また、これまでのビールの価格も2020年以降安くなっていくと思うので、ビール党の人にはうれしい改正となります」(中山さん、以下同)

 

認められるようになった副原料は10種類

今回の新税制にともない、ビール類飲料に認められる原材料も見直されました。たとえば、これまで果実やハーブなどを副原料に使うと、ビールとして認められず発泡酒扱いになっていたのですが、今後は副原料を添加しても、その重量が麦芽の5%以下であればビールと認められるようになったのです。

 

「今回認められたのは、下記の10種類です。今までは、レモンを使用したものに“レモンビール”という商品名をつけることはできませんでしたが、これからはビールという名称が使えるようになります。これを受けて、副原料を使ったビールがより多く発売されており、消費者としてはバリエーション増によって選ぶ楽しみが増えるでしょう」

 

【ビールへの添加が認められるようになった副原料】
果実/コリアンダー・コリアンダーシード/胡椒や山椒などの香辛料/ハーブ/野菜/ソバやゴマ/はちみつや黒糖といった含糖質物・食塩・みそ/花/茶・コーヒー・ココア(これらの調製品を含む)/牡蠣・昆布・わかめ・かつお節

 

各社の新ビールは香りや味が豊か!

酒税法改正を受け、どのようなビールが発売されているのでしょうか? 早速、各社の商品を見ていきましょう。

 

・飲みやすいのに高アルコールの「アサヒ グランマイルド」

4月に発売されたアサヒビールの新しいビール「アサヒ グランマイルド」は、「ゆっくり時間をかけて楽しむお酒」をテーマに作られており、飲みごたえのあるアルコール分7%であることが最大の特徴。

 

「7%とアルコールはやや高めなのでパンチは強めですが、アルコール臭が控えめなので、とても飲みやすい印象があります。ビール独特のアルコール臭を軽減させ、飲みやすさを考えて副原料にスターチやレモングラスを使用しているのだとか。レモングラスの風味は意識しないと感じないレベルで、定義拡大ビールというよりは、正統派ビールに近い印象です」


アサヒビール「アサヒ グランマイルド 350ml」
225円(編集部調べ)
アサヒビールお客様相談室 Tel:0120-011-121

 

・ほうじ茶を使った香ばしい味わいの「HOJICHA Brown Ale」

キリンビールのクラフトビールブランドであるSVB(スプリングバレーブルワリー)のファンクラブ「CLUB SVB」の会員と、直接コミュニケーションを取りながら共創したビールです。旨味に着目して昆布や炒り玄米などの副材料を使って開発を進め、焙煎した麦芽とほうじ茶の香ばしさを感じられるように作られました。

 

「キリンは自社のクラフトビアブランドを持ち、個性的なビールの開発を積極的にしながらバリエーションを増やしています。また、お茶という意外な副原料を使っていながらも、ビールを飲んだという感覚をしっかり感じられます。飲んだ後に喉の奥から鼻に抜けるほうじ茶の香ばしさと、柔らかく漂う麦芽の風味が特徴的で、特にお寿司や和菓子などに合いそうです」


SVB「HOJICHA Brown Ale(330ml×6本)」
2332円
キリンビールお客様相談室 Tel:0120-111-560

 

・塩と胡椒が麦の旨味を引き出す「Innovative Brewer グルメビア」

マイルドな塩味でお馴染みの岩塩・アルペンザルツと、皮を削ってシャープな辛味になった黒胡椒で麦のおいしさを引き出したビールです。ライムピールを加え、爽やかな味わいが楽しめます。

 

「Innovative Brewerブランドは、昨年10月の立ち上げ以降、既存のビール概念に縛られない自由な発想でビールを発売しています。塩胡椒という挑戦的な味わいも、この会社ならではでしょう。一見、塩と胡椒でトガった味というイメージを持つかもしれませんが、塩胡椒は縁の下の力持ち的な立ち位置で、一口目から複雑さを持ったどっしりとした旨味を感じられます。また、ライムの酸味による後キレのよさがあり、余韻が爽快です」


ジャパンプレミアムブリュー「Innovative Brewer グルメビア 350ml」
288円(編集部調べ)
サッポロビールお客様センター Tel:0120-207800

 

・カリブ海を思わせる爽やかさ「海の向こうのビアレシピ〈柑橘の香りの爽やかビール〉」

6月から数量期間ともに限定で、コンビニエンスストアのみで発売されているこちらのビールには、数種類のホップとフレッシュな香りが楽しめます。

 

「サントリーは、新ブランドを立ち上げ、チャネルや数量を限定して多彩なスタイルを市場投入しています。こちらのビールも数量限定で、コンビニエンスストアのみの販売に絞っています。味は軽やかでスカッと爽快。シトラスがほんのり香るフレーバービールという印象です。フルーティさよりも、フレッシュさを強調するために柑橘が使われているように感じました。メキシコのピルスナービールの飲み方でおなじみの、ライムを入れて飲むビールを彷彿とさせる爽やかさです」


サントリー「海の向こうのビアレシピ〈柑橘の香りの爽やかビール〉350ml」
220円(編集部調べ)
サントリーお客様センター Tel:0120-139-310
※限定商品ですので店頭にない場合もございます。

 

このほかにも、各社からさまざまなビールが登場しています。たとえば、高知の生姜や静岡のわさび、緑茶、和歌山の山椒、沖縄の黒糖など、地元の名産を使ったビールなども新発売に。この夏は、たくさんのビールを飲み比べる楽しみがありそうですね。

 

【プロフィール】


フードアナリスト/中山秀明さん

フードアナリスト・ライター。なかでもビールに関する執筆が多く、大手メーカー、マイクロブリュワリー、ブリューパブ、クラフトビアレストランなど、小売り、外食問わず全国各地へ取材に赴いている。

 

取材・文=吉川愛歩 撮影=矢部ひとみ 構成=Neem Tree

 

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新潟「八海山」の蔵元がビールの新ブランドを発表! 41才独身、絶景のビール醸造所で我を忘れる 

金曜の午後。高台の窓辺から、ビールを片手に夏の風景を見渡す至福の時間(とき)。成功者となった筆者のプライベート…だったらいいのですが、単なる取材のワンシーンです。ここは、新潟県南魚沼市にある「猿倉山(さるくらやま)ビール醸造所」。銘酒「八海山」(はっかいさん)の醸造元・八海醸造が新たにオープンする施設です。

 

銘酒「八海山」の製造元が運営する、新ビール醸造所の取材見学会へ!

清酒の「八海山」といえば、1980年代の地酒ブームで全国にその名を轟かせ、以降は「淡麗辛口」(※)の代表格として地酒ファンに愛されています。その蔵元・八海醸造は現在、塩麹や麹ぽん酢などの調味料をはじめ、日本酒を使った洋菓子、スキンケア製品など、酒造りから派生する製品を積極的に製造・販売。近年は「麹だけでつくったあまさけ」を大ヒットさせ、酒蔵としては異例の成長を続けている企業です。

※淡麗辛口…甘味と酸味が少なく、さっぱりしている日本酒の味を表す言葉

↑清酒「八海山」の特別本醸造

 

そしてこの夏、八海醸造は、自らプロデュースした観光施設「魚沼の里」において、新たに「猿倉山ビール醸造所」をオープンさせ、地ビールの新ブランドを発表するとのこと。筆者は5年間、居酒屋で働いていた際、「八海山泉ビール」を扱っていたこともあり、それがいったいどう変わるのかは興味深いところです。また、八海醸造の好調ぶりを支えるものとは何なのか、自分なりに肌で感じてみたい……そんな思いもあり、新ビール醸造所の取材見学会に参加すべく、一路、魚沼に飛ぶことに致しました。

 

建物の傾斜と斜面の勾配を合わせ、自然環境との一体感を表現

ビール醸造所のある「魚沼の里」は、上越新幹線の浦佐駅からタクシーで15分、在来線の六日町駅からタクシー10分の場所に位置しています。筆者は浦佐駅からプレス向けに用意されたバスに乗り、「魚沼の里」に到着。やっぱり空気が違いますね。あたりには夏草のニオイがただよい、どこからかカナカナカナ……とひぐらしの音が聞こえてきます。「下から見える醸造所を、ぜひ撮影してください。下からが一番キレイなんです!」と広報さんがおっしゃるので、右手に茂る豊かな杉林を見ながら、しばらくアスファルトの坂道を登ることに。

おお「猿倉山ビール醸造所」が見えてきましたね。深緑の山を背景に建つ三角形の建物…確かに、これは印象深いです。下から見上げると、まるで1枚の洋画のような収まりのいい景観……これは計算し尽くされた気配がぷんぷんします。

 

実際、建物を設計した鹿島建設の星野時彦さんに話を聞いたところ、建築と地形の調和を目指したそうで、「建物の傾斜を斜面の勾配に合わせてひとつの山のように見せ、自然環境がそのままデザインになったような一体感を表現したかった」と話してくれました。ちなみに、星野さんは冬の醸造所もお気に入りだそうで、「雪にすっぽり埋まり、雪と一体になった姿を見てほしい」とのことです。なんだか訪れるのは大変そうなイメージですが、みなさんも機会があれば、ぜひ。

↑星野さんがスマホで見せてくれた醸造所の冬の姿

 

こんなにゆったりした配置で大丈夫? 店内の開放感がありすぎて少々心配に

中に入ってみると、カウンターの奥、ガラス張りの向こうのスペースに銀色の巨大なタンクが並んでいる様子が飛びこんできて、ああ、私はビール醸造所に来たのだな……という実感が湧いてきます。一方、タンクの反対側には、高さ3mはありそうな大きな窓があり、抜群の採光とパノラマビューを両立。天井は極めて高く、冷暖房費が大変そう…とこちらが心配になるほど。

 

少々色ムラがあるコンクリートの床の上には木製の家具が点在し、明るい色の木目のカウンターと相まって、モダンで温かな雰囲気が感じられます。しかし……なんと贅沢な空間の使い方でしょう。各テーブルの間隔がおかしい(広すぎ)です。特に飲食店はシビアに客席の間隔を詰めて利益率を上げるといいますが、こんなにゆったりした配置で大丈夫なのでしょうか?

 

ビール製造20年目を迎え、従来の製造設備を「魚沼の里」に集約

やがて、スピーチのために八海醸造の南雲二郎社長がマイクを持って登場。洗いざらしのシャツに色あせたジーンズというラフな姿からは、従来の蔵元はもちろん、通常の社長のイメージとはほど遠く、「ほかと同じにはならないぞ」という同社の気概を表しているようです。

 

「ビールの醸造所を造ったのは、平成10年(98年)のこと。なぜビールを作ったかというと、日本酒メーカーには『ほかのアルコール飲料を作ってみたい』という思いがどこかにあるんですよ。それが、規制緩和で(年間最低醸造量)60KL以上造れば、ビールメーカーになれるということになった。『だったら作ろうじゃないか』ということで始めたんです。

 

そして今年、ちょうどビールを造り始めて20年目を迎え、醸造設備が老朽化していまして。そろそろ改修する時期に来ていましたし、このまま150KLほどしか造れない設備だけでやっていると、需要期に思う存分売ることができない。そこで、日本酒や焼酎、その他アルコール飲料を造っている『魚沼の里』にアルコール事業を集約しようと。訪れた方に楽しみながら感じてもらえるビールメーカーになろうじゃないか、ということで、今回この建物と設備を増設したわけでございます」

 

ゆったり過ごしてもらうことで「品質以上の品質」を感じてもらいたい

この醸造所の移転により、醸造量は約150KLから約300KLに増えたとのこと。ただし、醸造所を作ったのは、単なる増産のためだけではないと南雲社長は語ります。

 

「もちろん、外に売っていくことが本業になるわけですけれど、やはりお客さまに製造の現場に来ていただいて、商品の質を確かめてもらうのも重要。どうせ飲んでもらうなら、ゆったりと充実した時間を過ごしながら飲んでいただきたい。そのほうが、『品質以上の品質』を感じてもらえる可能性があるわけで」

さらに南雲社長は、この場所に醸造所を作ろうと思った理由を語りはじめました。

 

「実はここは元々、南魚沼市のヘリポートだったんですよ。平らに整地されていて、よく空いた時間にここから魚沼盆地を眺めていました。ここから西へ目をやると、魚沼盆地の六日町がほとんど見渡せるんです。そういう特徴のある場所で、我々が造ったビールをソファにゆったりと座って飲んでもらいたいと思って。ここを作るとき、上ってくるのも大変なのに、大丈夫ですか? などと言われましたが、何か特徴的なことをやるには犠牲がいる。都会の人が、毎日の生活から解放されて、豊かな気持ちになって楽しんで帰ってもらいたい。その思いで、この高台に醸造所を作りました」

 

なるほど、あれほど間隔を空けた席の配置は、客にゆったり過ごしてもらい、疲れた心を癒してほしい、という願いが表れたものだったのですね。もうひとつ、これだけの環境でビールを味わえば、いやおうなく美味しく感じるはず。さきほどの南雲社長の言葉を借りれば、「品質以上の品質」を感じるわけで、製品のイメージアップにつながることは間違いありません。

 

新ブランド「ライディーンビール」の3種類を実際に試飲

さて、続いて、ビールの新ブランドのお披露目です。新ブランドの名は「RYDEEN BEER(ライディーンビール)」。その名を聞いた瞬間、YMOの楽曲「ライディーン」の電子音が脳内で流れ始めましたが、もちろんそちらは無関係。ブランド名は仕込み水の水源「雷電様の清水」に由来しているとのこと。

ライディーンビールのラインナップは「ヴァイツェン」「アルト」「ピルスナー」「IPA」の4種類。すべて330mℓで460円(税抜)。今後は季節の商品もいくつか投入していくといいます。

 

取材見学会では、9月末発売予定の「ピルスナー」を除いた3種類のビールを実際に味わうことができました。まずは、下くちびるを上の歯でしっかりと噛み締めて発音したい「ヴァイツェン」から。ほのかな甘み、爽やかな微炭酸に小麦の香り……キレイでのどごしが良く、ひっかかりがまるでありません。乾杯酒には最高ですね。

↑キレイな黄金色の「ヴァイツェン」

 

こはく色が目を引く「アルト」は、ローストした麦芽を使用したビール。アタックで心地よい甘みを感じますが、ボディは意外にライト。するする飲めるので、こちらを1杯目に選んでもバッチリですね。わずかにコーヒーを思わせるようなコクと酸味、無ろ過ならではのまろやかさも感じられます。

↑ライディーンビールの「アルト」

 

もうひとつ、緑色のラベルの「IPA」は、「ライディーンビール」になって追加された新商品とのこと。「IPA」とは「インディア・ペールエール」の略で、18世紀末、イギリスからインドへどうしたら腐らせずに送れるか?……との課題をクリアすべく、アルコール度を高め、防腐効果のあるホップを大量に入れたのが始まりだといいます。そんな「IPA」は、目が覚めるようなインパクト。なんという強いアロマか。そして、なんと鮮烈で心地よい苦みであることか……!

↑強いインパクトを持つ「IPA」。ギョーザやエスニック料理など、クセの強いものにも合いそうです

 

これらのビールは、醸造所の中央にある「猿倉山ビールバー」で、できたてを生ビールで味わうことができます(1杯430mℓで600円)。その生ビールを筆者は「味を伝えるため」との使命感から(途中からはただ飲みたいから)、決して少なくない量のおかわりをさせて頂きました。試飲を通して感じたライディーンビールの印象は、非常にキレイな味わいだったということ。爽やかで軽快、清澄。まるで山の冷たい清水を手ですくって飲んでいるような……フレッシュで生命力のある味わいでした。

↑生ビールを注ぐ「猿倉山ビールバー」のスタッフ

 

↑醸造所の奥はガラス張りになっており、ビール製造場のタンクが見えるようになっています

 

リカーショップやベーカリーも併設し、「4大エンタメ」が同施設で完結する

「猿倉山ビールバー」では、地元の食材を取り入れた料理も用意しています。雪ひかりポークを使ったホットドッグ(600円)や、黒埼(くろさき)茶豆(490円)、ソーセージ盛り合わせ(1500円)など。また、同バーを運営する企業「ロストアンドファウンド」がジェラート店を展開していることもあり、地元で生産される八色(やいろ)すいかやプラムなど、季節のフルーツを使った使ったジェラート(420円~)も提供しています。

 

このほか、醸造所の中にはウイスキーやジンなどの蒸留酒を中心とした「リカーショップ猿倉山」や「さとやベーカリー」も併設。酒と食、景観とおみやげという観光の4大エンタメが、すべてこの醸造所で完結するというわけですね。

しかしこの醸造所、建物といい、空間プロデュースといい、ビールや料理を含め、オシャレなのに軽薄な印象がなく、ホンモノ感があります。それぞれの分野のプロがしっかり作りこんでいるな……といった印象。その道のプロを巻き込んで、上手に分業できる点も同社の強みなのでしょう。

↑左から猿倉山ビールバーの運営元「ロストアンドファウンド」の覺張(がくはり)雄介氏、さとやベーカリーの運営元「ブランドゥブラン」の佐藤浩一氏、八海醸造の南雲二郎社長、鹿島建設の星野時彦氏

 

到着から2時間あまり、日が陰り始めたころに「猿倉山ビール醸造所」の取材見学会は終了。いやあ、楽しかった。お酒を飲みながら、絶景を前にボーっとする……何と幸せな時間なのでしょう。日ごろカサカサに乾いていた心が、うるおいを取り戻していくのがわかります。すでに同醸造所は7月20日にオープンしているので、みなさんもぜひ、訪れてみては。ちなみに、ビールを飲むからクルマで来られないのは痛いよねぇ…という方のために。八海醸造では8月11~15日、18、19日、25、26日は六日町駅と浦佐駅から無料シャトルバスを運行するそうです。どうせなら猛暑を逆手に、冷たーいできたてビールを存分に楽しんでみてはいかがでしょう。

 

【8月22日】「クラフトビール×コストコ食材」のマリアージュを堪能できる無料イベント開催決定!!

キリンビールがとことんこだわったクラフトビールシリーズ「グランドキリン」。ここ数年勢いを増しているクラフトビール市場において、特に存在感を放っている注目のブランドです。そのグランドキリンを試飲しながらクラフトビールについて学べる無料イベントが、8月22日(水)に開催されることが決定しました!

クラフトビール×コストコ食材のマリアージュを堪能

新作ビールを試せるだけでなく、本イベントではなんと、あのアメリカ発の会員制スーパー「コストコ」の食材を使った料理とのマリアージュも楽しめます! 料理を監修するのは、人気ブログ「コストコ通」の管理人で、コストコの第一人者としてテレビ出演や雑誌への寄稿なども行っているコス子さん。いったいどんなマリアージュが提案されるのか、非常に気になりますね!

※写真はイメージです

 

さらに、イベント内ではクラフトビールについて基礎から知ることができる講座も開催予定とのこと。こだわりのビールを片手に美味しい料理に舌鼓を打ちながら、クラフトビールのうんちくまで語れるようになる、しかも参加費は無料…!! 「クラフトビールについて知りたい」「コストコ食材とビールのマリアージュが気になる」「とにかく美味しいビールが飲みたい」などなど、少しでも気になるところがあれば要チェックのイベントと言えそうです。

 

【イベント概要】

日時:8月22日(水) 19時~21時ごろ

場所:GOBLIN代官山(代官山駅から徒歩3分)
https://goblinspace.jp/space/goblin-daikanyama/

参加費:無料

定員:40名(事前予約制/応募多数の場合は抽選)

参加は下記の応募フォームよりご応募ください。
https://pf.gakken.jp/user/op_enquete.gsp?sid=GNW&mid=003235Ez&hid=8CBVaBqIW_0

 

 

 

今夏のクラフトビールは「サワー」「副原料」、そして「ブリューパブ」というキーワードで読み解く

トレンドとともに少しずつ認知が広まるクラフトビールですが、より深掘りすると、そのなかでも最先端のトピックがあり、めまぐるしく更新されています。そこで今回は覚えておくと使える重要キーワードを3つ紹介。新商品や店舗といったとれたて情報と一緒にお届けしたいと思います。

 

ビーントゥバーとのコラボで生まれた意外すぎるサワーエール

最初に紹介するのは「T.Y.HARBOR BREWERY」(ティー・ワイ・ハーバーブルワリー)。こちらはクラフトビールブームのずっと前、1997年から醸造している天王洲の名門ですが、今回、画期的なコラボレーションビールを限定発売しました。それが「カカオサワーエール」。

 

 

手を組んだのは、チョコレート専門店の「Minimal」(ミニマル)。クラフト=手づくりといった意味がありますが、チョコレート業界でいえば「ビーントゥバー」がそれにあたるといっていいでしょう。これは、カカオ豆からチョコレートになるまでの工程を一貫して行った商品などのことを示しますが、国内の旗手といえるのが「Minimal」です。

↑昨年筆者が取材した際の「東武池袋 Metro Kitchen & Store」。本店は渋谷の富ヶ谷にあります

 

ビール×チョコといえば液色の黒いタイプを想像するかもしれません。実際にカカオのコクを生かしたビールは見かけます。でも今回はまったく違うビアスタイル。テーマは“夏に飲みたくなるカカオビール”で、見た目は淡い黄金色。味はフルーティで爽やかな、夏らしいテイストなのです。

↑余韻に残るフレーバーに、若干カカオのニュアンスも。ビールの温度が高くなると、よりカカオ風味を感じやすくなるそうです

 

使われているのは、カカオの果肉「カカオパルプ」と、フレーク状の「カカオニブ」というチョコレートの素材。個人的には「さすが『T.Y.HARBOR』!」と思いました。なぜなら、クラフトビール大国・アメリカではサワーエールに人気が出ており、日本でも愛好家を中心に広まっているからなのです。よく「アメリカではIPA(インディアペールエール。ホップを効かせた苦味が特徴で、アメリカでは柑橘的な苦みも)が人気」という話が挙がりますが、いまの米国はサワーエールのほうが新たなトレンド。日本でもいずれ浸透していくと思いますが、カカオのサワーエールはきわめて珍しく、この一杯は注目です!

 

↑天王洲のブルワリーに併設している「T.Y.HARBOR」のほか、系列店の「SMOKEHOUSE」(原宿)ではS(250ml)600円、M(420ml)980円で樽生を提供。「Minimal 富ヶ谷本店」ではボトル1本750円を200本限定で発売しています

 

 

【SHOP DATA】

T.Y.HARBOR (ティー・ワイ・ハーバー)

住所:東京都品川区東品川2-1-3 ボンドストリート

アクセス:りんかい線ほか「天王洲アイル駅」B出口徒歩5分

営業時間:11:30〜14:00 L.O.(土日祝〜15:00 L.O.)、17:30〜22:00 L.O.、17:00~22:00 L.O.(土日祝11:00~)

定休日:なし

 

 

副原料で飲みやすさや料理との相性まで追求する動きも

先ほどのサワーエールはカカオを使ったビールでしたが、今春に施行されたビールの定義拡大(これまで法的に発泡酒とされてきた一部が、ビールとして認められた)により、市販の缶やビンでもフルーツやハーブなどの副原料を使った商品が増えています。つまりは副原料のビールがトレンドのひとつなのですが、個人的に今夏注目した一本が「スプリングバレーブルワリー」(以下SVB)の「HOJICHA Brown Ale」。

↑「HOJICHA Brown Ale」。キリン通販サイト「DRINX」では330mlビン(右)×6本セットが2332円で、SVBの各店では360m(左)が880円で提供されています

 

最近登場している多くの副原料ビールは、果物やハーブなどこれまでにない組み合わせによる斬新なフレーバーが特徴。それに加えて「HOJICHA Brown Ale」は、「ドリンカビリティ」(「飲みやすさ」的な意味)やフードペアリングを追求しているのもポイントです。

↑開発者はSVB京都の三浦太浩ヘッドブリュワー。「HOJICHA Brown Ale」はSVBの新たなスタンダードを目指して造られたそう

 

同商品はファンコミュニティ「CLUB SVB」会員と意見交換しながら、SVB京都の三浦太浩さんが中心となって1年間かけて共創したビール。うまみに着目し、これまでほうじ茶のほかに昆布や玄米などを使って試作を重ね、最終的には「ほうじ茶の特徴をより前面に押し出してほしい」という意見を反映して完成させたそうです。

↑飲んだ後に喉の奥から鼻に抜けるほうじ茶の香ばしさと、やわらかくただよう焙煎した麦芽の風味が特徴的

 

個人的には以前SVBで実験的に提供されたほうじ茶ビール「あがりエール」の知見も生かされていると感じました。自宅で「HOJICHA Brown Ale」を楽しむなら、ぜひ寿司とのペアリングを楽しんでみていただけたらと思います。

↑過去にSVBの「寿司×クラフトビールフェス」で登場した「あがりエール」。ほうじ茶の香ばしさと渋味が、麦芽の甘みと調和してあなごの寿司にベストマッチしていました

 

今回「HOJICHA Brown Ale」の取材時、SVB東京ではビール注ぎの伝道師・福島“茶坊主” 寿巳さんがスタッフに研修中。ということで、特別に茶坊主さんにも最近のクラフトビールシーンについて話を聞いてみました。

↑レクチャーする福島“茶坊主” 寿巳さん。数々の飲食店で経験を積むほか、国内屈指のクラフトビアレストランでマネージャーとして活躍。独立後も研究を重ね、個人や企業に各種ビールセミナーを行っています

 

「クラフトビールの拡大で、様々なビアスタイルで飲むことはそれほど特別ではなくなりました。でも、スタイルによって苦みや爽快感など個性はバラバラですよね。そしてその味の特徴を最大限に楽しむには、ワイン同様に最適なグラスが不可欠であり、注ぎ方や温度にもベストがあるんです。いま、ブリュワリー(ビールの醸造所)や造り手はどんどん増えていますが、多彩なおいしさをしっかり感じていただくためには飲み方も非常に大切。僕ひとりの想いではなかなか難しいですが、提供現場のクオリティも底上げしていけたらと思います」(茶坊主さん)

↑SVBの定番ビール「496」で注ぎ分け。左が茶坊主さんで右が筆者。なるべく泡を立てないように注いだのですがこの結果に。違いは炭酸の密度や、ビール本来の味の強さなどではっきりあらわれました

 

筆者も注いでみたものの、大失敗。日本で最も飲まれている爽快な「ピルスナー」は泡もおいしさのひとつですが、今回試した「496」はコクや苦みが際立っているタイプで、泡はむしろ本来のおいしさを邪魔しかねない存在であることがわかりました。クラフトビールは特徴的なグラスに泡のない状態で注がれることがありますが、それはお店のこだわりのあらわれだといえるでしょう。

 

【SHOP DATA】

SPRING VALLEY BREWERY TOKYO(スプリングバレーブルワリー東京)

住所:東京都渋谷区代官山町13-1 ログロード代官山

アクセス:東急東横線「代官山駅」正面口徒歩4分、JRほか「恵比寿駅」西口徒歩8分

営業時間:月~土 8:00〜24:00(L.O.22:30)、日 8:00〜22:00(L.O.21:00)

定休日:なし

 

 

青山初のブリューパブは場所だけでなくメニューもお洒落!

ラストは、最近増えつつあるブリュワリー併設型のレストラン「ブリューパブ」です。特に、これまではあまりなかった都市型のマイクロブリュワリーが新設ラッシュ。今回はその最新店ということで、青山エリア初のブリューパブを紹介します。

↑「BEER& 246 aoyama brewery」の外観。右に見えるのが醸造タンクで、4本が鎮座しています

 

店名は「BEER& 246 aoyama brewery」(ビアランド ニーヨンロク アオヤマ ブリュワリー)」。“最高のペアリング体験”がコンセプトとのことですが、ペアリングに推奨しているフードがかなり特徴的です。一般的なおつまみもあるのですが、注目したいのはスイーツ。「東京ミッドタウン日比谷」への出店で話題の「Pâtisserie & Café DEL’IMMO」(デリーモ)のショコラティエ・江口和明シェフが考案したメニューがあるのです。

↑写真はイメージですが、「ブラックビールのガトーショコラ」650円や「ショコラオランジュ」950円など専門店レベルのスイーツが用意されています

 

オリジナルのビールは現在醸造中。完成までに時間がかかるため、11月ごろに提供開始とのことです。とはいえもちろんビールはラインナップされていて、シグネイチャーは6タイプ。すべて東京生まれの老舗クラフトビアブランド「アウグスビール」となっていて、価格は270mlが680円、360mlが980円。ちなみに醸造も「アウグスビール」のスタッフが行うとか。

↑左から、「ミックスベリージェノバモヒート」「ニューヨークキューカンバー」「東京グレナディン」。すべて780円

 

また、フルーツ、野菜、コーヒーなど、さまざまな素材を使って自分好みの味にアレンジができる「ビアサワー」も個性的。ホワイトビール×レモネードの「レモンビアサワー」やIPA×エスプレッソの「ポートランドエスプレッソ」など、見た目にも新感覚の味わいを楽しめます。

↑店内は暖色の明かりが灯る大人の空間。カウンター席もあります

 

 

【SHOP DATA】

BEER& 246 aoyama brewery(ビアランド ニーヨンロク アオヤマ ブリュワリー)

住所:東京都港区北青山2-3-1 B1

アクセス:東京メトロ銀座線「外苑前駅」徒歩5分

営業時間:平日11:00~14:00(L.O.13:30)/17:30~23:00(L.O.22:30)、土15:00~22:00(L.O.21:30)

定休日:日祝

 

 

ところで、この6月にアメリカのクラフトビール大手「ブルックリンブルワリー」の創業者であるスティーブ・ヒンディさんが来日しました。その際にヒンディさんは「アメリカのクラフトビールは、いまでこそ約15%を占めるようになりましたが、30年前まではほぼ市場に存在していませんでした。日本ではまだ数%と聞いていますが、アメリカ同様にこれから一層伸びていくと確信しています」と語っています。

↑スティーブ・ヒンディさん。米国クラフトビールカルチャーにおける最重要人物のひとりであり、「東京ビアウィーク2018」に合わせて来日しました

 

今回は、「サワー」「副原料」「ブリューパブ」と、抑えるべき最新クラフトビールトピックスを紹介しましたが、どれもアメリカではすでにおなじみのビアカルチャー。こうして、徐々にその存在を強めていくのでしょう。クラフトビールの最前線には今後も注目していきたいと思います!