消せるボールペン「フリクション」が人気キャラとコラボした「FRIXION×Skater JOHN」数量限定発売

パイロットコーポレーションは、消せるボールペン「フリクション」シリーズと、スケートボードやストリートカルチャーをテーマにしたキャラクター「Skater JOHN(スケータージョン)」とのコラボレーション企画として「フリクションボールノックゾーン×スケータージョン」(税込1100円)と「フリクションシナジーノック×スケータージョン」(税込385円)を、2025年3月27日(木)より数量限定で発売します。

「FRIXION×Skater JOHN」シリーズ

 

記事のポイント

人気の消せるボールペン「フリクション」と、世界で人気の「スケータージョン」がコラボしたボールペンは、カジュアルなデザインで普段使いにピッタリ。ワンポイントで入ったイラストも◎!

 

今回「フリクション」シリーズがコラボレーションする「スケータージョン」は、日本のイラストレーター「シバチャン」により、2018年に生み出されたオリジナルキャラクターです。スケートボードやHIPHOPが大好きで、なぜ自分が犬なのかも考えず、自由気ままに趣味を楽しむ「スケータージョン」。そんな性別や年代を問わず親しみやすい「スケータージョン」と、「フリクション」の書いて消せる気軽さや自由さのイメージが重なり、今回のコラボレーションが実現したそう。

 

「フリクションボールノックゾーン×スケータージョン」は、より濃く、長く書けることが特徴の消せるボールペンです。ラインナップはシルバーとネイビーの2色で、光沢感のあるマット仕上げを施し、上品でシンプルなデザインに仕上げられています。ボディには「スケータージョン」のイラストをワンポイントであしらわれています。ボール径はどちらも0.5mmで、シルバーボディは黒インキ、ネイビーボディは青インキを採用しています。また、ペンケースやポーチとして利用できるビニール製のスライドペンケースに入れて販売されます。

「フリクションボールノックゾーン×スケータージョン」

 

「フリクションシナジーノック×スケータージョン」は、独自開発のペン先「シナジーチップ」により、細書きでありながら、なめらかな書き味が特徴のボールペンです。ボール径のバリエーションは0.3mm、0.4mmの2種類で、すべて黒インキを採用しています。ボール径それぞれに3タイプのデザイン、計6デザインを揃え、「スケータージョン」が趣味であるスケートボードやバスケットボール、音楽などを楽しむ様子のイラストがデザインされています。

「フリクションシナジーノック×スケータージョン」

 

さらに、「スケータージョン」のイラストが3枚入った「スケータージョン ダイカットステッカー3枚セット」(税込605円)も数量限定で同時発売されます。

「スケータージョン ダイカットステッカー3枚セット」

 

パイロットコーポレーション
「フリクションボールノックゾーン×スケータージョン」「フリクションシナジーノック×スケータージョン」
2025年3月27日発売
実売価格:1100円/385円(税込)

文具ソムリエール 菅未里が2024年度に注目する文房具トレンドベスト3と注目アイテム7選

2024年もすでに大量の良品がリリースされている文房具ジャンル。「自腹買い文房具」連載でおなじみの文具ソムリエール・菅未里(かん・みさと)さんに、2024年度に注目すべき、もしくは現在進行形でトレンドとなっているキーワードをピックアップしてもらった。

 

文房具トレンドとトレンドを代表する注目商品は?

もうすぐ2024年度が始まります。身の周りの文房具は揃ってきたでしょうか? 身近な存在である文房具のトレンドは気になるところ。引き続き文房具業界を席巻しそうなトレンドをチェックしていきましょう。

 

1.ニュアンスカラーブームが継続

ここ数年来、継続しているのがニュアンスカラーブーム。やわらかな色合いでプライベートシーンでも堅くなりすぎず、一方ビジネスシーンではカジュアルになりすぎない好バランスで、使い勝手の良さを発揮します。

 

・ミニクリップココフセン

フィルム付箋のさまざまなスタイルを提案し続ける、カンミ堂の「ココフセン」シリーズ。2023年11月に発売された最新作ミニクリップココフセンは、小さなクリップとココフセンが一体となったアイテムです。

↑くすみのやわらかなカラーでビジネスでも浮かない

 

カンミ堂
ミニクリップココフセン
各440円(税別)

 

これまでもパステルカラーなど優しい色合いのアイテムが多かった、同社のフィルム付箋。ニュアンスカラーはかわいくなりすぎず、とはいえやっぱりかわいらしい、という絶妙なバランス。

↑短めで小ぶりのフィルム付箋2色がセットされている

 

クリップ付きなので簡単に移動させられ、付箋を紛失しにくいので探し物が減るメリットもありますね。

 

・Waai

世界累計41億本を売り上げる消せるボールペン「フリクション」シリーズ。2023年11月に、最新シリーズの「Waai(ワーイ)」が発売されました。フリクションといえばビジネスパーソンがメインユーザーとなっているシリーズですが、Waaiは大学生をターゲットにした事務用品感のないおしゃれなビジュアルに注目。

↑従来品よりも細身のボディでやわらかな色合い

 

パイロットコーポレーション
Waai
各230円(税別)

 

また、インク色は赤、青といった一般的なカラーではなく、「ベルベットレッド」「ターコイズ」「チークピンク」などおしゃれなニュアンスカラーのラインナップ。発売当初は売り切れの店舗も出るほどの人気で、2024年も注目が続きそうです。

 

・awaii marker

2024年2月に発売されたばかりの新作。名前の通り「淡い」カラーのパッケージとニュアンスカラー8色展開のマーカー。

↑乳白色のボディ。インクごとに色が違うロゴもアクセントになっている

 

サンスター文具
awaii marker
各円(税別)

 

韓国コスメのような見た目がかわいらしく、ペン先がしなるタイプのマーカーで、分厚い参考書など曲面にもぴたっとフィットするペン先が特長です。

 

2.ノートや手帳は手のひらサイズが今らしさ

デジタルか? アナログか? と選択する時代は終わり、「デジタルもアナログも」どちらも上手く取り入れるのが、今の使い方。スマホの機能も使いながらアナログも上手に使うため、文房具のサイズにも変化が現れています。

 

・EDiT 手帳用紙を使った小さな方眼ノート

人気の手帳、EDiTシリーズは手帳だけでなくノートタイプも人気。特に今年の注目はB7サイズでしょう。

マークス
EDiT 手帳用紙を使った小さな方眼ノート B7変型
各1200円(税別)

 

タブレットやスマートフォンのスケジュール管理・メモ機能を使う人が増えるなか、必要最小限だけ紙の手帳やノートに記録したい人に人気です。

↑コンパクトで持ち運びやすい

 

・ポケットログ・ダイアリー(ラコニック)

今シーズンから発売が開始された日付フリーのダイアリー。日付がないので、年始だけでなくいつからでも日記や手帳として使用できます。小ぶりなポケットサイズのみの展開でメモ帳のようにさっと取り出してメモできる気軽さがいいですね。

↑左バンド付、右バンドなし

 

ラコニック
ポケットログ・ダイアリー
各1400円〜2500円(税別)

 

チェキの写真が入るポケットがついたものなど全14種類で、趣味別で記録を分けることもできます。チェキタイプは推し活にもぴったりなのだとか。

 

3.文房具メーカーがつくる防災グッズ

文房具という身近にあるアイテムを手がけてきた文房具メーカーは、コンパクトで使いやすい製品、縫製品が得意。オフィス用品とも相性がよく、文房具メーカーが作る防災グッズに注目が集まっています。

 

・災害常備ポーチ

「スーパードッチファイル」や「テプラ」などオフィスで使う文房具を手がけるキングジムからは、オフィスに備える防災用品の他、日常的に持ち運べるポーチタイプも販売。

↑バッグに入れられるサイズのポーチに非常時に使えるグッズがおさまる

 

キングジム
災害常備ポーチ
1900円(税別)

 

東日本大震災の後、防災意識が高まりオフィス用、車載用、個人用などシーンにあった防災グッズが揃っています。

 

・防災サコッシュ

オフィスのラベル用品で有名なヒサゴからは、サコッシュタイプの防災アイテムが販売されています。

↑サコッシュタイプは肩からかけられるので便利

 

ヒサゴ
防災サコッシュ
2850円(税別)

 

サコッシュの肩紐は光を反射し暗い場所でも目立ち、取り外してロープとしても活用できる優れもの。防寒アルシートや携帯トイレ、ホイッスル、マスク(大人用)など非常時に必要なものがコンパクトに入っていて安心です。

 

2024年度も文房具豊作の予感!

新型コロナウイルスの感染拡大防止のためオンライン授業やオンライン会議などデジタルツールが広い世代で活用されるようになりました。アナログの文房具は使わなくなるのでは? という声も聞かれるなか、トレンドは「デジタルとアナログ、どちらも使う!」です。

 

膨大な情報をコンパクトに持ち運べるデジタルの強みと、自由度が高く電源がない場所でも使えるアナログの強み。どちらもかしこく使い分け、2024年度も快適な文房具ライフを送りましょう。

 

フリクション史上最細の0.3mmが登場!「シナジーノック」に新搭載した“シナジーチップ”の正体とは?

“消せるボールペン” の代名詞、パイロット「フリクションボール」シリーズ。2007年の発売以降、世界中でシリーズ累計30億本以上が売れている大人気シリーズなので、もはや知らない人はいない、と言っても過言ではないだろう。

 

フリクションシリーズのスタンダードと言えば、初代がキャップ式「フリクションボール」(2007年〜)、2代目が現在でもお馴染みのノック式「フリクションボールノック」(2010年〜)である。そして、新たに3代目のザ・フリクションボールとなるのが、2024年3月に発売したばかりの「フリクションシナジーノック」だ。

↑2010年の発売以来、長きにわたってシリーズの中心だった「フリクションボールノック」

 

今回は、そんな超メジャーなボールペンのスタンダードモデルがついに代替わりする! ということをお伝えしつつ、その新スタンダードモデルの使い勝手を紹介していこう。

 

新スタンダードはフリクション×シナジーチップ

フリクションシナジーノック(以下、シナジーノック)は、シンプルなグレーの軸が外見的に目立つポイントとなっている。従来のフリクションは基本的に軸色=インク色だったが、今回からはインク色は半透明のクリップノック部で表示されることになるようだ。端的に言えば、共通部品を増やすことで生産コストを下げようという試みだろう。

パイロット
フリクションシナジーノック
各250円(税別)
全8色

 

カラーラインナップは、既存の全8色(ブラック・ブルーブラック・ブルー・ライトブルー・グリーン・オレンジ・ピンク・レッド)。個人的には、2023年発売の「フリクションWaai」から登場したベルベットレッドなどの新色もスタンダード化して欲しかったのだが、それはまた今後に期待したい。

 

何より注目なのが、その名の通り、ペン先に「シナジーチップ」を搭載していること。シナジーチップとは、同社のゲルボールペン「ジュースアップ」にも搭載されている、コーンチップとパイプチップを融合させたような、言わば “いいとこ取り” の高機能チップだ。インクフローが良好で、とにかくサラサラとなめらかな筆記感が特徴。これまでのフリクションシリーズでは、シリーズの傑作として名高い「フリクションポイントノック04」(以下、ポイントノック04)にも搭載されていた。

↑先端視界の良さと、たっぷりしたインクフロー性能を併せ持つ「シナジーチップ」

 

↑シリーズで初めてシナジーチップを搭載した、「フリクションポイントノック04」(写真左)と基本的な性能は近い

 

実際に書き比べて見ても、ポイントノック04とシナジーノックの書き味に違いは感じられない。いずれもたっぷりインクが出て、妙なクセもなく素直に書きやすい、といった印象である。インクがたっぷり吐出されるため、従来のフリクションボールノックより描線がやや濃い色に見える点も、一般的に発色が薄いフリクションインクだからこそありがたい。

↑近年のトレンドでもある “たっぷりめのインクフローでサラサラ書ける” タイプの書き味で、快適性は高い

 

なお、シナジーノックの登場によって、ポイントノック04は終売となるようだが、少なくとも書き味に限って言えばシナジーノックに不安を感じる必要はないだろう。ちなみに、ポイントノック04のデザインが好きという人は、軸だけ残しておけばリフィル交換で対応可能だ。

 

フリクション初の極細0.3mmが登場!

もう一つ大きなポイントとなるのが、ローンチ時点で0.5mm、0.4mm、0.3mmのボール径が揃うということ。なかでも、フリクションシリーズとして初となる激細0.3mmは、大注目株と言えるだろう。

↑画像左から、ボール径0.5mm、0.4mm、0.3mmの3種類がラインナップされる

 

そもそも、フリクションボールペンは、書き消しが可能ということで、手帳と組み合わせているユーザーが多い。加えて、昨今はM5などの小型手帳が人気ということもあり、より細書きできる性能が求められているのは間違いない。つまり「0.3mmは間違いなく売れるよね」という話である。

↑0.3mmは驚きの細さ。これなら手帳の3mm方眼にも書きやすそうだ

 

実のところ、フリクションのインクは粒子が大きいため、これまでは高フローのシナジーチップであってもここまで細いボールには対応できなかったという。そこで、パイロットは快適な書き心地を実現するために、0.3mm専用のシナジーチップを新たに開発した。

 

試しに0.3mmで書いてみると、こんなに細い線がフリクションで書けるのか! と驚愕したほど。シナジーチップらしいインクリッチな書き味……とまでは言いづらいが、それでも一般的な0.3mmゲルインクと書き比べると、明らかになめらかだと感じられるはず。ただし、筆記角度はわりとシビアで、意識して紙に対してほぼ垂直に立てないと、すぐにガリガリとした引っかかりを感じてしまうので、そこは要注意だ。

↑激細0.3mmだが、思ったよりもサラサラと気持ち良く書くことができる

 

ボール径の数値は軸に記載されているが、グレー地に白印刷なので、慣れないうちはパッと視認しづらいかもしれない。それであれば、軸後端のイレイザーが、0.3mm(白)、0.4mm(グレー)、0.5mm(濃いめのグレー)と色分けされているので、これに慣れるほうが良さそうだ。ちなみに、従来のフリクションボールノックでは、0.5mmが白イレイザー、0.7mmがインク色イレイザー、1.0mmはグレーのイレイザー+クリップノックがインク色、と表示パターンがバラバラだったので、シナジーノックのように、最初からパターンを統一してくれるのはありがたい。

↑ボール径は軸の印字か、イレイザーの色で判断する。ひとまず「色が薄いほうが細い」と、覚えておくといいだろう

 

↑リフィルは従来と共通。ボール径の数字の後に記載された「S」(synergy)が、シナジーリフィルの目印となる

 

個人的にも、ボールポイント04やジュースアップなどでシナジーチップの良さを体感していたので、今回のフリクション×シナジーチップのスタンダード化には、「パイロット、よくやった!」という思いが大きい。それに加えて、0.3mmという超極細フリクションは、筆者以外にも待ち望んでいたユーザーが多いはず。

 

とにかく、フリクションでカリカリと小さな字が書けて消せるというだけでもかなりのインパクトがあるので、店頭で見かけたらまずは手にとって試してみて欲しい。

 

赤インクが一押し! 学生向けと侮れない「フリクション Waai」を社会人も愛用したくなるワケとは?

手帳やメモ書きといった日常筆記にフリクションボールが手放せない、という人は多いだろう。うっかり誤字を書いてしまってもすぐに修正できるし、「間違って書いても消せる」という安心感の下で書けるのは、精神的にもラクなもの。一度この安心感を味わってしまうと、他のボールペンを使って長文を書くのが怖くさえなる。その結果、「フリクションが手放せなくなる」というわけだ。

 

そうした便利さから、高校生や大学生が板書用の筆記具にフリクションを使うことも増えているらしい。たしかに、文字が消せるのならシャープペンである必然性はないわけで、メーカーであるパイロットとしても、そういった層を早くから取り込み “フリクションが手放せないユーザー” を増やしたいと考えるのは、ある意味当然と言えるだろう。

 

ノート筆記に特化したフリクション新色

パイロットから11月に発売される「フリクション Waai(ワーイ)」は、ノート筆記に使いやすいように開発された新しいフリクションシリーズである。ラインナップは0.5mmのボールペン8色とラインマーカー6色。新規造形されたシンプルなオフホワイトの軸が特徴的だ。発売に先駆けて試すことができたので、今回は新色がラインナップされたボールペンをメインに紹介していこう。

パイロット
消せるボールペン「フリクション Waai(ワーイ)」
各230円(税別)
8色展開

 

パイロット
消せるマーカー「フリクション Waai(ワーイ) マーカー」※数量限定
各150円(税別)
6色展開

 

「フリクション Waai」は、ブラックを除いた7色が全てフリクションボールとして新色となる。視認性が良いのはもちろんアクセントカラーにもなるので、重要なポイントを色分けしてノートを作る際に便利だ。フリクションインクは、消せるという特性上、どうしてもやや薄めの発色になってしまいがちだったが、Waaiの新色は白地の紙に書いてもきちんと目立つ色になっている。

↑消せるボールペン「フリクション Waai」は、ブラック以外が全て新色インクとなっている

 

↑フリクションだから、もちろん文字をこすればきれいに消せる

 

実際に書いてみた印象では、筆記色として使いやすいのがブラック・ミニグレー・サンドベージュの3色で、どれもペーパーホワイトの上でもしっかり映えていた。ミニグレーはシャープペンシルのHB~B芯に近いグラファイトっぽさのある色で、シャープペンシルでノートを取るのに慣れた層にもばっちりハマりそうだ。

 

サンドベージュは褐色系ながら優しさのある色味で、これをメインの筆記色にすると、ノート全体がおしゃれな雰囲気になった。黒以外でメイン筆記色を選ぶ場合は、赤黒や青黒など濃いカラーブラックが中心だったが、このサンドベージュはブラック系統じゃない新しい筆記色として今後人気が高まりそうだ。

↑サンドベージュをメイン筆記にしても充分に読みやすい。さらに、紙面がちょっとおしゃれになるので気分も上がりそう

 

もうひとつ注目したい色が、ベルベッドレッド。従来のフリクションの赤はかなりアッサリとした色だが、新色のベルベットレッドはこってりと濃厚で深みのある赤になっており、視認性も上々。筆者は校正などの作業でフリクションの赤を長年愛用し続けていたが、今後はこのベルベットレッドに切り替えてもいいな……と考えているぐらいにはお気に入りの色である。

↑従来の赤(写真上)と比べて、濃く深みのあるベルベットレッドも注目カラーのひとつ

 

筆記色と組み合わせたいアクセントカラーにも、素敵な色が揃っている。特に爽快感のあるターコイズやチリーブルー、温かみのあるドライピーチなどは、確実にこの色を狙って買うファンが出てくるのではないだろうか。

 

色を組み合わせて使いたいけれど、失敗してチグハグしたノートになるのが心配……という人もご安心を。筆記色とアクセントカラーのボールペン各1色+マーカー計3本がセットになった『フリクション Waai マーカー 3本セット』(610円、税別)も数量限定で発売される。この3本はカラーコーディネートされているパックなので、ただ組み合わせて使うだけで見映えがするようになっているのだ。これなら、いちいち組み合わせを考える必要もないので、使ってみたい色があるなら、まずはその色が含まれている3本セットから試してみることをおすすめしたい。

↑限定の3本パックはカラーコーディネートされているため、失敗のない組み合わせとなっている。買うならまずここからがおすすめ

 

軸も優秀だが、使い慣れた「フリクションボール」軸に入れ替えも可!

「フリクション Waai」で注目すべきは、新色だけではない。スリムで握りやすい軸や、細かなところまで消しやすいイレイザーなど、軸もいろいろとブラッシュアップされているところも魅力のひとつだ。

↑軸径は従来のフリクションボールノックより6mmほどスリムになっている

 

↑コーン先端までカバーしたロンググリップで、握る場所を選ばない

 

とはいえ、従来のフリクションがどちらかというと、ビジネスパーソン向けを意識したようなソリッドなデザインが多かったので、オフホワイトの柔らかなデザインは馴染みづらいなぁ……という人もいるかもしれない。そんな場合は、リフィルが従来のフリクションボールと共通サイズなので、好みのデザインの軸に入れ換えて使ってもいいだろう。

↑後端のイレイザーは「フリクションボール ポイントノック04」(写真右)と同じスリムタイプで、細かなところも消しやすい

 

人気の機能を全部のせ!? 新「フリクション」が2022年の最注目ボールペンと断言する理由

2022年10月、文房具界隈にちょっとしたザワつきが起きた。というのも、YouTubeのパイロット公式チャンネルで「FRIXION 3.0 デビュー!」という旨のティザームービーが公開され、そこで新型の「フリクションボールノック」を11月に発売する、と発表されたのである。

 

2007年に発売された初代フリクションボールが“FRIXION 1.0”だとして、ノック式のフリクションボールノックが2.0になるのか、あるいは画期的なシナジーチップ搭載の「フリクションポイントノック04」を2.0とするのか、そこは分からない。

 

ただ、なににせよそれぐらいのインパクトがないと、ステージを一段上げた3.0などという表現はしないはず。つまり、とにかくすごい新フリクションが登場するに違いないのである!

 

新型フリクションボールは注目機能を全部のせ!?

……と、そこまで発売前にハードルをガン上げしてきた3.0こと「フリクションボールノックゾーン」(以下、ノックゾーン)が、いよいよ11月18日に発売となった。

 

昨年に比べてボールペンの話題がやや盛り上がりに欠けた2022年だが、このタイミングでいよいよビッグタイトル来たか! という感じである。

パイロット
フリクションボールノックゾーン ラバーグリップモデル
ボール径0.5mm(左)・0.7mm径(右)
各500円(税別)

 

ラインナップは、税別3000円のマーブル調樹脂グリップモデル税別2000円の木製グリップモデルと、写真のラバーグリップモデル(税別500円)があるが、今回は上位2モデルの用意が間に合わず、ラバーグリップモデルのみのレビューとなる。

 

とはいっても、主な違いはグリップと口金の素材だけであり、基本機能は共通だ。

↑全体的な雰囲気は従来のフリクションボールノックに近いが、細部にはあれこれ違いも見える

 

まずビジュアルだが、従来のフリクションボールノックと比較して分かりやすいのが、全長の違いと金属リングだろう。

 

長さはノックゾーンが4mmほど長くなっており、その分だけスマートに感じられる。加えて、最近のパイロットが「アクロ1000」「ILMILY油性ボールペン」など1000円前後のやや高額なシリーズに導入している軸中央の金属リングが、落ち着いた高級感を演出している。

 

つまり、パイロットとしては「ノックゾーンは高級フリクションですよ」とアピールしているようだ。最も安いモデルですら従来の2倍以上の価格なので、実際高級フリクションと言って、間違いはないだろう。

↑ノックゾーン(上)と従来のボールノック(下)の比較。ロゴも薄く落ち着いた雰囲気だ

 

↑後端の消去ラバーも、ノックゾーン(左)は先端から丸みが無くなり台形に

 

↑新型ラバーは先端カドを使って消せるので、コントロールしやすい

 

1.新インキ「プレミアムフリクションインキ」を充填した金属製レフィル

ノックゾーンに搭載された目玉機能は3つ。まず「プレミアムフリクションインキ」なる新インキを搭載した、金属製の「Ver.2レフィル」。これまでフリクションのインクは、「黒が灰色に見える」と言われてきたほどアッサリしたものだったが、プレミアムフリクションインキは従来よりもくっきり濃い発色に。

 

なるほど、黒で書き比べてみると、かなり濃くくっきりとした黒さが見て取れる。インクの薄さが苦手でフリクションを嫌うユーザーというのは意外と多かったようだが、これなら納得してもらえるのではないか。

 

シナジーチップの潤沢なインクフローによって、クッキリとした濃さを表現していたポイントノック04と比較しても、確実に黒くて濃い。

↑比べてみると、確実に濃いプレミアムフリクションインキ。メーカー公称で黒の濃度は30%アップしているという

 

しかも、その濃いインクを搭載したリフィルは、金属化によってパイプの肉厚を薄くすることで、インク容量を従来比70%増量。筆記継続距離も40%アップとなっている。

 

ただ、このリフィルはかなりずっしりとした重量があり、結果としてペン全体の重心がやや後ろ気味に来ているのは気になるところだ。

 

ちなみにこれは、ラバーグリップモデルの場合。サンプルを試してみた感じでは、木製グリップとマーブル調グリップなら、グリップ重量と相殺されて、ほどよいバランスとなっているように感じた。重心が気になるタイプの人は、高級グリップモデルの方を試してみると良いだろう。

↑金属製の Ver.2レフィルはインクたっぷり。ただし単体で500円(税別)ということで、単純なコスパは落ちている

 

↑従来の樹脂リフィルと比べると、重量はほぼ倍

 

ノック時の衝撃を吸収する「ノイズカットノック」

ノックノブを押し下げると、その手応えが柔らかいことに気付くかも知れない。それが静音性を高めた「ノイズカットノック」機能である。ノックパーツ内部にバネを追加することでノック時の衝撃を吸収。ノック音を従来比78%カットしたとのこと。

 

個人的な体感として、78%カットという数値的な部分はピンと来ないが、とはいえノックの高音域がバッサリとカットされて響きにくくなっているのは、聞けばすぐに分かると思う。

 

また、押し込んだ状態のノックノブを内蔵バネのテンションで固定することで、ペン自体を振ったときにノブがカチャカチャ鳴らないようになっている。これも地味に嬉しい効果だ。

 

 

↑ノック機構の中にバネを内蔵することで、衝撃を吸収してノック音を低減 ※画像はイメージ

 

3.ペン先のブレを抑える「チップホールドシステム」

3つめの機能が、ノック式特有のペン先のブレを抑制する「チップホールドシステム」。口金の中に三又形状の「チップホルダー」という新パーツを搭載し、これがノックON時のリフィル先端を、ギュッとホールドする仕組みである。

 

書いてみると、確かに先端ブレはほぼ完全に抑えられているようで、筆記感はスムーズ。特に細かな文字を密度高く書こうとすると、ブレはない方がありがたい。

↑特に30分以上の長時間筆記になると、ブレ抑制の安定感が手の疲労低減に効いてくる

 

↑透明口金の中に透けて見えるのが、新パーツの「チップホルダー」。これによってペン先がカチャカチャせず快適だ

 

2022年の最強ボールペンかもしれない

ところでこの3つの機能、なにか聞き覚えがある人もいるのではないだろうか? 例えば「Ver.2レフィル」のインク容量70%アップは、三菱鉛筆「ジェットストリーム 新3色ボールペン」に搭載された「長持ちリフィル」を思い出すし、「ノイズカットノック」もノックの静音性を高めるという方向性はぺんてる「Calm」と同じ(機構は別物だが)。もちろんペン先がブレない「チップホールドシステム」だって、ペン先がブレないゼブラ「ブレン」とよく似ているような……。

↑近年話題の機能を全盛り+フリクションインキは、まさに最強!?

 

つまり「ノックゾーン」は、ここ数年で注目された“強いボールペン”の機能を取り込んで合成した、いわば、特撮番組の最終回に登場する合体ラスボス怪獣のようなものなのだ。そこへ加えて、消せるフリクションインクという他の追随を許さない必殺ワザまで持ち合わせているわけで……これはシンプルに「ぼくがかんがえた最強ボールペン」そのものなんじゃないか?

 

文房具好きなら、なにはさておき入手しておくべき1本だと思うし、そうでなくとも「すごいフリクション」というだけで、ひとまず試す価値は充分にあるだろう。

 

フリクション由来の特殊部材搭載! 史上初のラメまで“消せる”ボールペン「ケセラメ」の消字性能は?

ボールペンとは、基本的に文字を書くための道具である。文字を書くことで、情報を後から読める形で残したり、他人に伝達することができるわけで……あらためて考えると、びっくりするくらい便利な道具なのだ。今さら驚くことでもないのだが。

 

情報として文字を残すためだけであれば、黒や青、赤といった視認性の良い色だけで事足りる。実際、昭和時代のボールペンは黒・青・赤の3色のみ! というラインナップがごく当たり前だった。

 

それが、発色の難しい油性インクでさえ、今や8色とか作れるようになっているうえ、インク内に大きな粒子を入れることが可能なゲルインクなら、白だのパステルだのラメ入りだの、まぁ好き放題、という感じ。

 

つまり現在のボールペンは、ただ文字情報を書き残すだけでなく、色や輝きといった、さらにリッチなデータも一緒に伝えられるようになっているのだ。

 

などと、やや面倒くさい調子の書き出しで始めてみたが、実のところは「また面白いラメインクのボールペンが出たから、紹介したいんですよ」と言いたいだけなのだ。なにが面白いって、フリクションボールのラメインクなのだから。

 

史上初! 消せる“ラメインク”ボールペン

この連載をいつも読んでくださっている皆さんには、もはや説明するまでもないことだろうが、「フリクションボール」というのは、パイロットのいわゆる“消せるボールペン”のこと。

 

65℃以上の熱で透明化する特殊なインクを搭載しているので、描線をこすって摩擦熱を加えると消えたように見える、という仕組みだ。

 

そして、2020年11月に数量限定で発売されたのが、“ラメフリクションボール”こと「ケセラメ」。名前通り、摩擦熱で消せるフリクションの技術を活用したラメインク搭載ボールペンなのである。

パイロット
ケセラメ
各230円(税別・全6色)

 

書いてみると、0.7mmの筆跡はたしかにラメだ。もちろん光の当たり方によって変化はあるが、ギラギラ光るというよりは、全体的に細かく光っている印象。ラメの粒子が小さいのだろうか? 正直、昨今のラメボールペンと比べると、ややおとなしいように感じた。

 

ついでにベース色も発色がやや薄い気もするが、とはいえその淡さと細かなラメの輝きは、うまくマッチしている。

↑しっかりとラメ感があって、テンションが上がる! 拡大して見ると、細かなラメがみっしりと入っているのが分かる

 

とはいえ、実際にラメの筆跡を見ると「本当にこれが消えるのか?」と疑問に思うが、ペン軸後端のラバーで擦ってみると……おお、消えた! まさに従来のフリクションボールの消す感覚と同じで、きちんと線が見えなくなっている。

 

それにしても、インクが消えるのはもはや当たり前として、あのラメも一緒に透明化したのだろうか? なかなか不思議な感じだ。

↑消す時の感触も従来のフリクションと変わらない。ラメはいったいどこへいった?

 

そこであらためてよく観察してみると、消えたはずのラメが、ペン軸後端のラバーにくっついているのを発見した。なるほど、インクは透明化させて消し、ラメ粒子は物理的にラバーでこすり取るという方式なのだ。いわば化学+物理攻撃の二段構えである。

 

分かってみれば単純かつ豪快な解決法だが、実際に消えているのだから文句はない。ただ、紙にも多少はラメ粒子が残るし、消した後のラバーを触ると指もキラキラする。これはまぁ、しょうがないところだろうが。

↑拡大撮影したラバー。表面にキラキラとした細かなラメがこびりついている

 

↑「ケセラメ」のラバーは従来より柔らかく粘りを感じるし、消しカスも少し発生する。どうやらラメをこすり取る用に作られた、専用ラバーのようだ

 

ちなみに今回発売されたカラーは、ラメゴールド、ラメシルバー、ラメピンク、ラメバイオレット、ラメブルー、ラメグリーンの6色。

 

パッと見の印象では、ゴールド、ピンク、ブルー、グリーンといった明るめの色と、ラメの輝きが相性良さそうだ。逆にシルバーとバイオレットはベースがやや暗めな分、輝きがちょっと目立ちにくい。

↑「ケセラメ」の6色ラインナップ。個人的にはピンクとブルーのトロッとした発色が好き

 

フリクションインク自体が、隠蔽力(いんぺいりょく。下地の色を隠す発色の強さのこと)が弱めなので、ラメインクの楽しみのひとつである「黒の紙に書いてキラキラさせる」のはダメかも? と思っていたのだが、やってみると思ったよりも輝いている。

 

インク色よりもラメの輝きが優勢になるためか、雰囲気はややパール寄りに白っぽくなるが、これはこれできれいだ。

↑予想していたよりも黒地にしっかりアピールできるラメ。可読性も充分だ

 

なによりラメインクが消せるというのは、他には絶対にないユニークな能力である。これからのクリスマスシーズンなど、失敗したくないカード作りなどにバリバリ効果を発揮するはず。なにしろミスっても消せるのだ。

 

なにより売り切りの限定製品ということなので、気になるという人は見つけたら即ゲットをおすすめする。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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書き殴り系待望の「極太フリクションの快感」をアルミ武装でさらに高めてみた

【きだてたく文房具レビュー】ビジネスマンが待ちに待った極太フリクション

“こすると字が消える”ボールペンと言えば、パイロットの「フリクションボール」。その“ノック”タイプとして、発売から10年の間に、もはや知らない人はいないレベルで普及したのが「フリクションボールノック」だ。もはやこれでないと仕事が出来ない、というほどに依存している人も多いのではないだろうか。

 

そのフリクションボールノックが、つい先日、新製品を出してきた。しかも、一部のユーザーが待ち望んでいたタイプのものということで、その登場に文房具好きが軽くザワついているのだ。

 

ということで今回は、そのフリクション待望の新アイテムを紹介したい。

 

ごんぶと! フリクションボール最太1.0

この4月に発売されたばかりのフリクションシリーズ最新版が、「フリクションボールノック 1.0」……つまり、ボール径1㎜のがっつり太字タイプである。

↑パイロット「フリクションボールノック 1.0」黒・青・赤・ブルーブラック 各248円

 

日本でいちばん普通に使われているボール径が細字の0.5㎜ということで、描線を比べてみるとまぁ確かに太い。筆者は基本的に0.38㎜の極細字を愛用しているもので、こういう機会に1.0㎜を使うと、その差にギョッとするぐらい。

↑もともとフリクションの黒はやや薄いが、1.0まで太くなると、やや薄さは気になる

 

漢字という面積当たりの情報密度が高い文字を使う日本では、先にも書いたとおり細字が好まれるのは道理。それでも太字でガシガシと書き殴りたいという需要は、多い……と言わないまでも存在する。

 

実際のところ、なにか適当に思いついたことを大きめのノートにフリクションボールノック1.0でガシガシと書いて、直したいところはザクザク消す、という使い方はかなり快適だ。細字で手帳などに書き込んだ内容を細かく修正する、というのがこれまでのフリクションの主な使い道だったはずだが、ここまでの太字が消せるとなると、また違う使い方が見えてくる。

↑現在発売されているフリクションボールノックの比較。すべての太さで後端のラバー色が違う(1.0はグレー)のに加えて、1.0のみクリップノックがインクと同系色クリアに

 

さらに、ここ数年で中高生がノートを取るのにボールペンを使うケースが徐々に増えているようで、そういう時に欲しくなるのが、強調文字を書くための太字なのである。

 

0.5㎜では目立たせ具合が物足りないアンダーラインや線囲いなんかも、1.0㎜ならハッキリと目に付くようになる。

↑1.0㎜はノートに使うとかなり目立つ。アンダーラインや太字には最適だ

 

ただし、問題もなくはない。

 

フリクションのインクは、“摩擦などで60度以上の熱を加えると透明化する”という特性を持っている。つまり消え去ってしまうのではなく、単にインクが透明になって見えなくなるだけなのだ。だから、0.5mmだとあまり気にならなかったのに、1.0mmの描線は透明化してもなんとなく消した跡が見えてしまうのである。

↑ここまで線が太いと、どうしても消し跡がうっすらと残る

 

とはいえこればかりは個人の感覚なので、この消し跡が気になるという人もいれば、大丈夫という人もいるだろう。

 

ともあれ「フリクションの太字を待ち望んでいた!」という人であれば、ひとまずは飛びついて試してみてもいいのではないか。

 

フリクションボールをアルミパーツでカスタム!

もう一点、フリクション関連商品を紹介したい。こちらは、フリクションボールノックを使いやすく、かつ見た目のグレードを大きく上げる専用カスタムグリップ『SMART-GRIP for frixionball knock』だ。

↑UNUS PRODUCT SERVICE「SMART-GRIP for frixionball knock」シルバー・ブラック・レッド・グレー・ブルー 各1050円

 

専用といってもパイロットの純正品ではなく、UNUS PRODUCTというプロダクトレーベルが発売しているもの(もちろんパイロットには認可済み)。医療器械などの精密部品を加工する工作機械で、アルミを削り出して作られたグリップである。

↑フリクションボールノックに装着した状態。これだけでかなり引き締まった印象になる

 

フリクションボールノックのゴムグリップをねじって外したら、SMART-GRIPに同梱のノックバネごとまるまる付け替えるだけ。交換には1分もかからないが、従来のぽってりと丸みを帯びた口金がスパッと真っ直ぐになるなど、全体的に見た目の印象はわりとスマートに変わる。

↑色を自由に差し替えられるのも楽しい。1.0㎜のグレーのラバーとグレーのグリップが良い感じにマッチ
↑口金の形状の違い。全体的な形状はそのまま、先端だけ直線的でシャープな印象になる

 

アルミ製で、ペン本体よりも高価なSMART-GRIPにわざわざ交換する理由は、見た目以外にもいくつかあるが、なにより最も大きいのはグリップ力の向上だろう。

 

もともとフリクションに搭載されているシリコンゴムグリップは滑りにくく書きやすいものだが、それでも素材の性質上、長らく使用していると加水分解など劣化は避けられない。対して削り出しのアルミ素材はそのような劣化がない。さらに表面の繊細なローレット加工が指にがっちり食い込むので、多少の手汗などではびくともしない安定感がある。

↑ローレットグリップは多少の手汗でも滑るような感じはゼロ。夏場でも安定したグリップ力が得られるのはうれしい

 

また、交換によって低重心化による書きやすさアップも見込める。

 

もともとのゴムグリップの重量が3g(ノックバネ含む)で、SMART-GRIPは7g。わずかな差と思われるかもしれないが、そもそもフリクションノックボールの全体重量が12gなので、それが4g増えるというのはなかなかの変化だろう。

 

その重量変化がペン先端に集中するので、取り付けるだけで重心は大きく下がることになる。使ってみても、グリップ力の向上と相まってかなりどっしりとした書き味が感じられるはずだ。

↑SMART-GRIPには、フリクションボールノック以外にも、フリクションボール4・3と三菱ジェットストリーム4&1の共用タイプ(1350円)と、フリクションボール2用(1050円)がある

 

数百円のペンに、1000円以上するグリップをつけるのは馬鹿らしいと思うかもしれないが、そもそも国産のボールペンは性能のわりに元の値段が安すぎるのだ。

 

ならば、たかだか1000円ぐらいのカスタムパーツをつけてやってもバチは当たらないと思うのだが、どうだろう。普段使いのペンにちょっとだけ贅沢させてやれば、愛着も増すし、書きやすさもアップするしでまったく損はしないと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

目肩腰の疲れに効く!? やさしく真っ直ぐピシッと引ける蛍光マーカー3選

【きだてたく文房具レビュー】疲れ目にも、ヨロヨロした手にも、あわてんぼうにもぴったりの蛍光マーカー

 

この年末に、インフルエンザに感染してしまった。とはいえ、かかってしまったものはしょうがなく、仕事関係の各方面にメールで詫びを入れたら、あとはベッドに入って薬が効くのを待つだけである。

 

どちらかというと問題は熱が下がってからで、せっかくの正月休みだというのに、体内にウイルスが残った生ける生物テロ兵器状態では、出歩くわけにもいかない。熱も無く咳も治まっているが、外には出られず。とはいえ年末の忙しい時期に寝て過ごした焦燥感だけはあるので、ぼんやり休む気にもなれない。

 

こういうときこそ……ということで今年は元旦から、しばらく溜め込んでいた資料を読み込んで、目に付いたポイントを蛍光マーカーで次々とチェックする、という作業に勤しんでいた。

 

で、せっかくの機会なので、各メーカーの蛍光マーカーをとっかえひっかえしていると、「やっぱりこのマーカーはいいな」「おっ、新製品の、悪くないぞ」などといくつか光るものがあったのである。そこで今回は、新旧取り混ぜて、おすすめの蛍光マーカーをいくつか紹介したい。

 

疲れた目にも優しいソフトカラー

使っていてまず感じたのが、前日まで39℃台の熱が出ていた目には、蛍光マーカーのパキッとした発色はけっこうキツい、ということ。もちろん目立たせるための製品だからそれでもいいのだけど、とりあえずもうちょっと柔らかい色でも問題ないだろう。

 

そこでほど良かったのが、パイロットの「フリクションライト ソフトカラー」だ。

↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円

 

お馴染み、こすって消せるフリクションシリーズの蛍光マーカーだが、このソフトカラーシリーズは名前の通り、発色がソフト。従来のシリーズと比べるとぼんやりと淡い色合いで、つまり紙の白とのコントラスト差が小さくなるので、目が疲れにくいということだ。

↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる

 

病み上がりの目にも優しい=仕事で疲れた目にも同じく優しいわけで、長時間紙面を見ていても確かに負担が少なく感じた。特にソフトイエロー、ソフトグリーンあたりは穏やかな色調で、目がチカチカせず心地よい。

 

とはいえ色はきちんと付いているので、後から見直しても自分のチェックした部分ははっきりと見分けられるし、使いにくさを感じない。

↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心

 

もちろん他メーカーからも同様のソフトカラーマーカーが発売されてはいるが、フリクションということで「間違ったら消せる」アドバンテージは非常に大きい。

 

どうせ後で消せるから、と思えばこそ、大胆にズバズバとラインを引いていけるのは気分的にもかなりラクなものだ。

 

窓付き&紙を選ばない万能マーカー

蛍光マーカーはチップが大きいため、自分がいま文章のどこまでラインを引いたのかが分かりにくい。そのため、ついついはみ出し・引き足らずが出てしまう。

 

そういうときに便利なのが、先端チップに透明な窓が付いた三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」だ。

↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円

 

この透明窓からチップの下が見えるので、いま自分がどこまでラインを引いたのかがはっきりと視認できる。

 

これは非常に便利な機能で、しばらくプロパス・ウインドウを使ってから別のマーカーに切り替えると「なんでチップの向こう側が見えないんだよ!」と不条理な怒りまで感じてしまう。一度この便利さになれてしまうと、もう戻れないのである。

↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない

 

もうひとつ便利なのが、速乾性の高いクイックドライインク。紙面のあちこちにラインを引いていると、気づかぬ間にまだ乾いていないインクの上をこすってしまい、手にインクが付着することがある。

 

クイックドライインクは、乾燥時間を従来の1/3にまで短縮できるため、そういったトラブルが少ない。

↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している

 

インクがあまり染み込まないコート紙などにラインを引いても、驚くほど早く乾くので、こすってしまったときの「あっ、しまった!」という焦りを感じずに済む。写真の多い企業パンフやカタログなどはコート紙が多いので、これは非常に助かるのだ。

 

蛍光マーカーが下手、という人にも安心

蛍光マーカーでラインを引くのが下手、という人は意外と多い。ヘラのような平たいチップだと、少し手元が狂っただけでガタガタとした線になってしまうのだ。

 

筆ペンタイプの蛍光マーカーならガタガタ線のリスクは減らせるが、今度は筆圧が変わると線の太い細いが変わってしまう。なんにせよ難しいのである。

 

そういう蛍光マーカー下手に優しいのが、ぺんてるから昨年末に発売されたばかりの「フィットライン」だ。

↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円

 

↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する

 

ツインマーカーの太字(ラインを引く方)チップに爪楊枝の後端のような溝が刻まれており、ここからぐにっと曲がるようになっている。これにより、不要な筆圧をクッションのように吸収し、安定した線が引けるのだ。

↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい

 

チップの硬さ自体は従来品と変わらないので、筆圧をかけても筆ペンのように線が太ることはない。一方で、クッション効果によって手元の傾きもある程度吸収するので、線のガタツキも減らせるのである。

 

病み上がりで手元がふらつく状態でも、実際にかなり安定した線を引くことができた。これなら、だいたいどんなシーンで線を引いても、きれいな線が引きやすいはずだ。

↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング

 

クッションチップのさらに大きなメリットとして、辞書など厚いページ物の曲がった紙面にもきれいに線が引きやすい。曲面を意識して、なぞるように線を引いていくことで、ページののど側のようなマーキングしにくい部分にもスパッとラインを引いていくことができるのだ。

 

不器用な人でも確実に効果が出るという意味で、かなり使いやすい蛍光マーカーと言えるだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。