メンズ美容の活況で「美肌シェーバー」が人気に! 2022売れたモノセレクション

ここでは2022年に売れたモノを紹介! リモート会議などをきっかけに、中高年男性の間でもスキンケアへの意識が向上し、美肌シェーバーが人気に。

※こちらは「GetNavi」 2023年1月号に掲載された記事を再編集したものです

 

私たちが選びました!

家電ライター

平島憲一郎さん

本誌のほかウェブメディアなどで執筆活動を行う。掃除機や調理家電など生活家電全般の紹介記事を執筆。製品評価では特に使い勝手を重視する。

本誌副編集長

青木宏彰

本誌で生活家電・美容健康家電を長く担当。「家電コーディネーター」の資格を持ち、市場動向にも詳しい。製品評価では機能性に加えデザイン性も重視。

 

【美肌シェーバー】 メンズ美容の高まりを受けパナソニックが新製品を発表し、他社も続々参入

売上: 8/10

影響: 10/10

市場開拓: 9/10

ニーズをいち早くキャッチして20年に発表されたパナソニックのスキンケアシェーバーは、大きな話題に。22年には同社から新モデルが登場。ヤーマンとブラウンも追随して市場が活況だ。

 

使い続けることで肌質の変化を実感!

1週間ほど使い続けるだけで肌のモチモチ感が変わっていることを実感。美肌シェーバーを契機に、男性の間でも美顔専用器への注目度がより上がっていくかもしれません。(平島さん)

 

美肌に関心はあるが実践できない層にヒット

近年は若者だけでなく中高年男性の間でもスキンケアは常識に。この3機種はシェーバーとしての基本性能も十分で、美容に関心はあるがなかなか実践できない人にもトライしやすい!!(青木)

 

美容機器メーカーのシェーバー参入に弾み

コロナ禍を契機に美容クリニックを訪れる40歳以上の男性が大幅増。ヤーマンのような美容機器専業メーカーのシェーバー市場への参入も今後増えるかもしれません。(本誌家電担当・金子)

 

【その1】 日本初となるRF搭載で温めながら剃っていく新体験のシェービングを

【電動シェーバー】

2022年6月発売

ヤーマン トウキョウ ジャパン

温剃りシェーバー HOT SHAVE(ホットシェイブ)

実売価格4万4000円

エステサロンでも使われるRF(ラジオ波)で肌を温め、弾力をアップ。シェーバー部分は肌にやさしい回転式で、モチモチになった肌と密着してやさしく深剃りできる。継続して使うほどに肌の水分量が向上し、毛穴の大きさも縮小する。

 

↑水分に反応するRFが肌の深部まで温め、肌の水分量をアップ。ヒゲ剃りの肌ストレスを軽減するだけでなく、使うほどに弾力のある美肌に導く

 

【その2】 シェービングしながら保湿成分を肌に浸透させクリアな肌へと導く

【電動シェーバー】

2022年9月発売

パナソニック

スキンケアシェーバー「ラムダッシュ」 ES-MT22

実売価格2万6730円

イオンプレートを使ったスキンケア機能を搭載。手塗りと比べて化粧水や乳液の保湿成分の浸透量が1.7倍、ビタミンCの浸透量が1.3倍になる。パワーを自動制御するラムダッシュAIでやさしい深剃りが進化。

 

↑ヘッド側面のイオンプレートからの微弱電流で保湿成分の浸透性が向上。「スキンクリアモード」では、毛穴汚れや古い角質をコットンに吸着・除去できる

 

【その3】 ヘッドを替えれば美顔器に!! 深剃りとスキンケアを両立したい人へ

【電動シェーバー】

2022年9月発売

ブラウン

シリーズ9 Pro 9487cc-V マットシルバー

実売価格6万8800円

同社の最上位シェーバーに着脱式の美顔器ヘッドを同梱。磁力の反発とシェーバーの振動を利用した独自技術で、スキンケア成分が肌の奥まで浸透する。シェービング性能も非常に高い。

 

↑美顔器ヘッドのステンレス鋼から発生する磁力と高速のモーター振動で、化粧水成分が肌の奥の角質層まで浸透する。使い続けるほどうるおいのある肌に

 

ブラウンのAI搭載電動歯ブラシがなんと54%オフ! プライムデーの今が狙い目

Amazonでは、7月13日の23時59分まで、年に1度の大型セール「プライムデー」を実施中。ブラウンの電動歯ブラシ「オーラルB ジーニアスXF」が、なんと54%オフの1万5800円(税込み)で販売中です。

 

本製品は丸型の回転式ブラシを採用。歯の1本1本を包み込むように回転するため、歯ぐきの際まで歯垢を除去してくれます。また、「いま磨いている場所」を推定し、スマートフォンアプリでガイドすることで、磨き残しを防いでくれるという機能を備えています。

 

通常販売価格だと3万5000円近くなので、なかなか手を出しにくいかと思いますが、この価格なら本当にお買い得! 歯科医で磨いてもらったような、ツルッとした磨き上がりを、お得に楽しみましょう。

ブラウンの電動歯ブラシがこの価格なら超おトク! プロが選んだ「Amazon高コスパ家電」セレクション

いまやAmazonは、生活に欠かせないという人も多いショッピングツール。自力で良品を探し当てるのもAmazonの楽しみのひとつだが、手っ取り早く“買い”の家電を知りたい人は要チェック。今回は、あらゆる家電ジャンルに精通したプロ・平島憲一郎さんに、コスパ最強のオススメモデルを聞いた!

※こちらは「GetNavi」 2021年12月号に掲載された記事を再編集したものです。価格は2021年10月8日時点のもの(編集部調べ)

 

丸型ブラシの高速回転で手磨きの約2倍の歯垢除去力を実現

【電動歯ブラシ】

ブラウン

オーラルB すみずみクリーンやわらか

実売価格2273円

手軽に歯垢除去できる、同ブランドのエントリーモデル。丸型ブラシが歯の1本1本を包み込み、高速回転して歯垢を除去する。わずか2分のブラッシングで、手磨きの約2倍(※)の歯垢除去力を発揮。同ブランドの各種替えブラシ(別売)にも対応する。
※:P&G調べ

SPEC●電源方式:充電式●充電時間:約16時間●回転数:左右反転約7600回/分●質量(本体):115g

 

↑「やわらか極細毛ブラシ」を採用。通常毛と0.01mmの極細毛の組み合わせにより、歯茎にやさしく歯垢を除去できる

 

【平島’s Check!】 刺激の少ないブラシが付属し電動歯ブラシ入門に最適

独自の高速回転と歯を1本1本包み込む丸型ブラシによる口腔ケアを、この価格でトライできるのは魅力。付属のブラシは刺激が少なく、初めて電動歯ブラシを試す人にもオススメです。

家電ライター

平島憲一郎さん

掃除機や空調系、調理系など白物家電の記事を数多く執筆。雑誌やウェブ媒体での検証記事で活躍している。

電動歯ブラシの高級化ニーズを狙え! ブラウンが約3万円の新モデルで「はみがきスイッチ」運動を推進

P&Gジャパンは2021年10月1日、電動歯ブラシブランド「Oral-B by Braun」の新製品「オーラル B iO7 ブラックオニキス」を発売しました。市場想定価格は2万9800円(税別)で、最上位シリーズ「オーラル B iO(アイオー)」をより多くのユーザーに使ってもらうべく価格を抑えたモデルとなっています。また、来年の2022年1月28日にはさらに価格を抑えた「オーラル B iO6 グレーオパール」(市場想定価格2万4800円・税別)を発売する予定で、同社ではこれら新製品の発売を機に、手磨きブラシから電動歯ブラシへと切り替える「はみがきスイッチ」運動を推進していく考えです。

↑左から、2020年に発売になったフラッグシップモデルのオーラル B iO9、6モード搭載・3Dトラッキングシステム非搭載のiO8、新発売のiO7、2022年発売予定のiO6

 

マスク生活で口内環境に意識が高まる流れを受け、新モデルを投入

2020年秋に発売したフラッグシップモデルの「オーラル B iO9」は、スタート価格3万9800円(税別)という国内電動歯ブラシ市場における平均売価の4倍の価格にもかかわらず、2か月分の出荷予定数を1日で出荷するほどの人気となったそう。その理由は、新型コロナウイルスの蔓延で健康および衛生環境に対する意識が高まり、また、長期的なマスク生活で自分の口臭を気にするようになったことで、口腔環境に対して意識が高まったため。その結果、自宅でより質の高いオーラルケアを実践したいというニーズが増大し、高価格帯の電動歯ブラシに注目が集まったのでは、とP&Gでは分析しています。

 

この流れをさらに加速すべく、同社はより求めやすい価格のiO7を発売することとしました。本機は歯磨きという本質的な機能・性能は上位機種のiO9と同じ。歯の一本一本を包み込むようにフィットする丸型回転ブラシに、「遠心マイクロモーション」を加えることでブラシの毛一本一本が振動し、毛の先端までパワーを伝えて歯垢をこすり取ります。この「遠心マイクロモーション」を生み出すため、リニアモーターカーと同じ原理のリニアマグネティックシステムを搭載。モーターが生み出すパワーを余すところなく毛先に伝えます。

↑独特の丸型回転ブラシと、毛先まで振動して歯垢をこすり落とす遠心マイクロモーションにより、手磨きよりも高い歯垢除去力を発揮するとのこと

 

↑リニアモーターカーと同じ原理のリニアマグネティックシステムを搭載。磁気のパワーをそのままブラシの毛先まで伝達し、遠心マイクロモーションを生み出します

 

このほか、光るリングで最適なブラシ圧をガイドする「スマート押し付け防止センサー」も搭載。押し付け圧が強すぎると歯と歯ぐきを傷めてしまい、逆に弱すぎると歯垢がきちんと除去できませんが、同センサーによって最適な圧力を色の変化で教えてくれるので、強すぎず弱すぎない絶妙な力加減で磨くことができます。

↑スマート押し付け防止センサーにより、白(弱い)→緑(最適)→赤(強い・写真)に光るリングで最適なブラシ圧を教えてくれます

 

フラッグシップモデルよりお手頃価格になった理由

このように歯垢除去力はフラグシップモデルと同等ということですが、ではどこを削ることで価格ダウンを実現したのでしょうか? 1つはブラッシングモードを7つから5つに減らしたこと。「標準」「やわらか」「歯ぐきケア」「ホワイトニング」「しっかりクリーニング」は搭載し、「超やわらか」と「舌クリーニング」の2つのモードを省いています。さらに、iO9で搭載した、スマートフォンで歯磨きした位置を確認できる「3Dトラッキングシステム」も省略しています。

 

ただし、「人工知能ブラッシング認知機能」は搭載しているので、スマホでブラッシングの確認は可能。「3Dトラッキングシステム」は外側・内側・噛み合わせ面など16エリアに分割してブラッシングを立体的に捉えるのに対し、「人工知能ブラッシング認知機能」は6エリアに分割して検知するのみで、内側・外側といった立体的な把握はできません。このほか、表示パネルがカラーからモノクロになり、トラベルケースが充電非対応になったという違いもあります。

↑iO9ほど精緻ではありませんが、AIがリアルタイムでブラッシングを判断し、磨き残しを教えてくれます

 

なお、充電はiO7では急速充電対応のマグネット式を採用しており、3時間で満充電になります。一方、2022年に発売する「オーラル B iO6」は、充電台に従来の差し込み式を採用することで、さらにコストダウンを図っています。ただし、満充電までに最大12時間かかります。

↑iO7は急速充電対応のマグネット式充電スタンドとカバー付きブラシホルダーを付属

 

↑iO6は従来型の差し込み式充電スタンド(急速充電非対応)を付属

 

替えブラシに関しては、iO9が標準の「アルティメイトクリーン」2本を付属しているのに対し、iO7とiO6は「アルティメイトクリーン」1本に加えて新開発の「ジェントルケア」を1本付属。これは、2種類の凹凸毛を4000本密集させて歯ぐきのキワから歯間までを優しく磨き上げることができるブラシです。ブラシ自体がやわらかいので、「超やわらかモード」が省略された点をこの新付属のブラシでカバーできそうです。

 

iOシリーズで歯磨きの質が上がったのを実感

P&Gジャパンでは「はみがきスイッチ」運動の一環として、自社の社員約3500人にiOシリーズを無償提供したとのことです。まずは、社員がその魅力を知らなければ、ということですね。筆者も長年、電動歯ブラシを愛用していますが、手磨きに比べて少ない力と時間で歯がツルツルになる快感を味わってしまったため、手磨きにはもう戻れない身体となってしまいました。

 

筆者もiOシリーズを試してみたところ、歯の一本一本を包み込むように磨き上げる独特のブラシ形状と、光るリングで適切なブラシ圧を教えてくれる機能で、歯磨きの質がより上がったように感じます。緊急事態宣言は解除されましたが、まだしばらくはマスク生活が続くことでしょう。最上位の性能を持つiOシリーズが求めやすくなったこの機会に、みなさんも「はみがきスイッチ」を試みてはいかがでしょうか。

え、この剃り味で1万円台? 「究極の密着性」を目指したブラウンの新シェーバーが衝撃的

長引くコロナ禍の中で、ニューノーマルな生活にも慣れてきたころではないでしょうか。とはいえ、100%リモートワークの方でも、オンライン会議があるので身だしなみに気を使う必要があります。さらに、1日中デスクワークをしていると、何の気無しに自分の顔を触ることが増え、ヒゲの剃り残しが気になって仕方がない……という方も多いのでは? 筆者の場合、特に気なるのは顎下の剃り残し。ちゃんと剃ったつもりでも、ちょこちょこ残ってしまうんですよね。とはいえ、凹凸のある複雑な形状をした顎下をちゃんと剃れるのは、どうせ高額なフラグシップモデルだろうな……。

 

ブラウンが売れ筋のミドルレンジモデルを6年ぶりに一新

そんなユーザーの声に応えて、ブラウンはこのほどミドルレンジモデルで剃り味にこだわった新製品を発売しました。それがシリーズ5(実売価格1万1880円)・シリーズ6(同1万4080円)・シリーズ7(同1万7380円~)の3モデル。ブラウンにとって実に6年ぶりとなるミドルレンジモデルの新製品です。

 

ブラウンによると、シェーバー市場でもっとも売れているのが5000円~2万円までのミドルレンジモデルで、この価格帯のモデルのユーザーは性能と価格のバランスを求めているそう。新製品はその点を押さえつつ、「あご下の剃り残し」という消費者の長年の悩みに応え、「究極の密着性」を実現するとのこと。

↑ブラウンが6年ぶりにリニューアルしたミドルクラス3モデル。左からシリーズ6、シリーズ7、シリーズ5

 

3モデルに共通するのは、ヘッドが本体から独立していること。一般的にミドルレンジモデルはヘッド・本体一体型が多く、ヘッドは本体に対して真っ直ぐ上を向いて取り付けられています。これに対し、新製品の3モデルは15°前傾した独立ヘッドを搭載したことで、握り方にかかわらずヘッドが肌に密着する姿勢を保てるようになりました。また、人間工学に基づいた握りやすいボディシェイプと、握る部分はゴム製で滑りにくいことに加え、重量バランスに考慮した設計により、長時間のシェービングでも手が疲れにくくなっています。

 

このバランスを実現したのが新開発の小型モーター。パワーを維持しながら従来よりも50%小型化したことで、従来はヘッド近くに配置していたモーターをボディ寄りに下げることができました。ちょうど親指と人差し指で握る辺りに重心を置くことで、シェービングの際のバランスが格段に向上したのです。なお、3シリーズすべて、デープキャッチ網刃2+S字型トリマー刃の3連密着ブレードを搭載しています。

↑握り手の位置に重心を置くことでバランスが良くなり、長時間のシェービングでも疲れにくくなっています。実際にシェービングしてみると、軽く感じます

 

上位機種になるほどヘッドの可動域が増えていく

それでは各シリーズの特徴を見ていきましょう。シリーズ5は、ヘッドは固定して動かないものの、3連ブレードがそれぞれ4-5mmほど自在に浮き沈みすることで、ヘッドが肌の凹凸に合わせて密着する仕組みです。また、ヘッドを支えるネックの両側には穴が空いており、そこから直接水道水を流し込むことで、網刃を外さずにヘッドを簡単に水洗いできる「クイック洗浄システム」を採用。ヒゲを剃るたびにすぐに水洗いできるので、清潔さが保てます。なお、穴の中には水圧で開く弁があり、ヒゲ剃り中は閉じているので、シェービング中に細かなヒゲくずがこの穴から落ちることはありません。

↑シリーズ5は網刃が約4-5mm浮き沈みする3連密着ブレードを搭載

 

↑ヘッドの首の左右に穴をうがったクイック洗浄システムにより、網刃を外さずにすぐに水洗いができます

 

シリーズ6は、3連密着ブレードに加え、ヘッドが前後に動くことで、より顎下のラインに密着したシェービングができるようになっています。なお、クイック洗浄システムは採用していません。

↑シリーズ6はヘッドが前後にスイングし、シェービング時の縦のストロークに沿って肌に密着

 

ミドルクラスの中で上位モデルであるシリーズ7は、前後の動きに左右の動きも加わった360°密着システムを採用しました。さらに密着性が増し、喉元、顎下、顎から頬にかけての複雑なラインでも深剃りを実現します。また、シリーズ7は、フラグシップモデルに搭載している人工知能テクノロジーを採用。通常はヒゲが濃い人の場合、シェーバーの引っかかりが多くなってパワーが落ちてしまうところ。しかし、シリーズ7は人工知能テクノロジーによってヒゲの濃淡を検知し、ヒゲが濃い場合にはモーターパワーを上げることで、カットする力を落とさずにシェービングが続けられるのです。

↑ミドルクラスの上位モデルであるシリーズ7は、3連密着ブレードが浮き沈みすることに加えて前後左右にヘッドが動きます

 

↑ヘッドが本体から独立し、ネック部分の2本の稼働する支柱で支えることで前後左右の動きを可能にしています

 

↑シリーズ7の360°密着システムの動き

 

↑人間工学に基づいたフォルムは握りやすく疲れにくいとのこと

 

シリーズ7を使ってみたら、軽さと滑りの良さに驚いた

シリーズ7を実際に使ってみると、まずはその軽さに驚きます。物理的な軽さと、握りやすさ、そして重心がちょうど親指と人差し指で握る部分にあるので、筆者が使っている4枚刃モデルよりかなり軽く感じます。筆者はヒゲが濃いのでシェービングに時間がかかるのですが、これなら長時間シェービングしても腕が疲れません。3枚刃のヘッドは大きすぎず小さすぎずの絶妙なサイズ。3連密着ブレードと360°密着システムが加わって、顎下ラインにピッタリと吸い付きます。網刃の滑らかさは特筆もので、内刃の鋭い切れ味と相まってスムーズに肌の上を滑っていく感触は良好。筆者のような濃いヒゲでも、短時間で深剃りできました。

↑シリーズ7は顎下の複雑なラインにもピッタリ吸い付いて深剃りできます

 

↑右半分がシリーズ7を使った部分。2日伸ばしたヒゲも剃り残しなく短時間できれいに剃れました

 

新モデルでは、自動充電機能付きのアルコール洗浄システムセットもラインアップ。水ベースの洗浄液を採用しているメーカーが多いなか、ブラウンはアルコールベースの洗浄液にこだわっています。これは、シェーバーヘッドの中に入り込んだヒゲおよび皮膚の脂分を分解し、しっかり落とすことができるためです。なお、各種トリマーや交換ヘッドもオプション品として多数用意しており、本体1台あればチョイヒゲを切りそろえたり、ムダ毛を処理したりと、さまざまな用途に対応できます。

 

コロナ自粛の制限が徐々に緩和され、今後は少しずつ外出する機会も増えるはず。ここはひとつ、シェーバーを買い替えて心機一転、身づくろいに精を出そうじゃありませんか!

↑アルコール洗浄システムが付属するセットには専用洗浄剤が1個付属します

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

面倒なひと手間を省いてくれる!? 超便利な調理グッズ4選

毎日の料理は手間もかかるうえ、時間もとられて大変。できれば誰かに代わってほしいと常日頃から思っている人は多いでしょう。せめて面倒な作業の1つでも減らせれば、料理がずっと楽になるかもしれません。そこで今回は、そのひと手間を助けてくれる便利な調理グッズをご紹介。高性能なハンドブレンダーや、保温調理に対応した鍋などをピックアップしました。この機会にぜひチェックしてみてください!

 

出典画像:ブラウン 公式サイトより

 

[その1]

ミンチもすりおろしもお手のモノ! 高性能なハンドブレンダー

出典画像:ブラウン 公式サイトより

ブラウン
ハンドブレンダー マルチクイック9
手の動きに合わせてシャフトや刃が上下に伸縮する高性能なハンドブレンダー。従来品よりも撹拌範囲を2.5倍拡大し、全体をより細かくなめらかに仕上げることができます。「ミルブレード」と「ベル型シャフト」により、刃の中心部に溜まりがちだった食材を逃さず撹拌。さらに食材の行き来を促し、均一に潰して混ぜる技術を実現しました。

 

<注目ポイント>
・手の動きに合わせてシャフトや刃が上下に伸縮
・握る力を変えるだけでスピード調整が自由自在
・硬い食材も簡単に丸ごと撹拌可能
パワフルかつ自在なアプローチで、アボカドは種まで粉砕。またコーヒー豆を挽いたり、粘りのある山芋も一瞬でとろろにできます。業界初の「スマートスピードテクノロジー」が搭載され、握る力を変えるだけでスピード調整が自由自在に。好みの仕上がりに合わせてキメ細やかな調整ができるので、自分好みの食感も思いのままです。

 

[その2]

シンプル機能がうれしい単機能タイプのミニフードプロセッサー

出典画像:クイジナート 公式サイトより

クイジナート
ミニ・フードプロセッサー DLC-050J
コンパクトながら力強いパワーを誇る、単機能タイプのフードプロセッサーです。切る・刻む・混ぜる・おろしに対応したシンプルな設計が特徴。スイッチはLOW&HIGHの2つしか搭載されていません。1~2人分として使える0.5Lサイズで、ミンチならちょうどハンバーグ1個分です。

 

<注目ポイント>
・コンパクトサイズながら力強いパワー
・切る・刻む・混ぜる・おろしに対応
・スイッチを押さえている間だけ作動
野菜のみじん切りやお肉のミンチだけでなく、ドレッシングソース作りなど幅広く活躍してくれます。少量の下ごしらえや、離乳食作りに使っても良さそうですね。スイッチを押さえている間だけ連続運転するため、急な誤作動の心配もなく安全に使用できます。

 

[その3]

火を使わずに調理できる保温鍋!

出典画像:サーモス 公式サイトより

サーモス
真空保温調理器シャトルシェフ KBJ-3000
保温容器と一体化できる調理用鍋です。はじめに鍋を加熱して料理を一定時間沸騰させましょう。後は保温容器に移して蓋を閉めれば、熱源を使わず温めることができます。火を使わなければ鍋につきっきりになる必要もないので、自由な時間が作れるはず。

 

<注目ポイント>
・保温調理に対応した鍋
・食材がこびりつきにくいふっ素コーティング加工
・調理中に中が見える強化ガラス蓋
鍋にはふっ素コーティング加工が施され、食材がこびりつきにくい仕様。また調理中に中が見える強化ガラス蓋を採用しています。熱を閉じ込めて調理する保温容器で、調理に関わる時間とエネルギーが大幅に節約できるかも。

 

[その4]

電子レンジに対応したオシャレ圧力鍋?

出典画像:マイヤー 公式サイトより

マイヤージャパン
マイヤー 電子レンジ圧力鍋 2
スタイリッシュでカラフルなデザインが特徴の圧力鍋です。蓋の中心には大きなスイッチがついており、ワンタッチで開閉が可能。電子レンジに対応しているため、火を使わずに安心・安全調理ができます。

 

<注目ポイント>
・電子レンジ対応の圧力鍋
・ワンタッチで蓋の開閉が可能
・スタイリッシュでカラフルなデザイン
従来のステンレス製圧力鍋に比べてはるかに軽量で、手軽に扱えます。かなりコンパクトなので、収納場所も取りません。カラーバリエーションはレッド・オレンジ・グリーンの3色で、鮮やかな色合いはオシャレ調理グッズとしても目を引きます。

プロが全力レコメンド! 3万円以下の「高コスパ生活家電」ベスト5

高級モデルではないが、「これで十分」と思える安くていいモノを紹介するコーナー。今回は、3万円以下で買える生活家電のおすすめ製品をピックアップ。家電のプロのオススメコメントとともに紹介します!

 

その1 コードレス掃除機

吸引口にブラシはないがヘッド設計に工夫あり!軽い使い心地でスリムなデザインもうれしい

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アイリスオーヤマ

極細軽量スティッククリーナー

KIC-SLDC4-R

実売価格2万6784円

業界最軽量クラスの軽さを誇るコードレススティック掃除機。本体のスリム化や内部構造の見直しで質量約1.2㎏を実現し、高い場所もラクに掃除できます。ホコリセンサーでゴミの量を感知し、吸引パワーを自動調節可能。紙パック式なのでゴミ捨て簡単。ダストカップの掃除も不要です。専用紙パックは抗菌・防臭加工済み。

SPEC●使用時間:標準モード約20分、ターボモード約9分、自動モード約30分 ●充電時間:約3時間 ●集じん容積:0.3リットル ●サイズ/質量:W236×H1003×D162mm/約1.2kg

 

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壁置きパーツを使って壁際にスマートに収納。パーツは壁に両面テープで取り付けできる。本体とパーツは磁石で固定。

 

【ココがポイント】

回転する気流で床上のホコリを99%集じん

ヘッド内に回転気流を発生させる独自構造でダストピックアップ率99%を実現。ヘッドと床の隙間が狭く、大きなゴミは上からヘッドを被せて吸引するなど使い方のコツは必要です。

 

ライター・平島憲一郎のレコメンド

掃除・メンテ・収納の手間を軽減する工夫が満載

「ヘッドのブラシを省略しつつ、吸い付きが強い設計で集じん力は高い。デザインもスリムで、部屋置きしても部屋になじみます。本体裏に磁石があり、掃除の途中に冷蔵庫などに立てかけられるのも便利。しかも、メンテの手間が少ない紙パック式で、ユーザーの負担を極力減らしてこの価格はエライ!」(平島さん)

 

その2 シェーバー

ツイスト式のふたがギミック的に面白く、剃り味も携帯用・旅行用としては十分!

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ブラウン

モバイルシェーブ M-90

実売価格2260円

オフィスや出張先などで手軽に使える携帯型シェーバー。上位機種も採用するマルチパターン網刃が様々な方向に生えたひげを確実に捕らえます。キワゾリ刃装備で、口ひげやもみあげも手入れ可能。シェービング後にそのまま本体ごと水洗いできます。外出先でも出張先でも手間をかけずに手入れできます。

SPEC●刃の枚数:1枚刃 ●駆動方式:往復式 ●電源:乾電池式(単3形乾電池2本)●キャップ:ツイスト式 ●サイズ/質量:W57×H118×D23mm/120g

 

【ココがポイント】

浮き沈みする網刃である程度快適な深剃りが可能

一枚刃ながら網刃にはクッション性もあり、時間をかければまずまず深剃りができます。スライド式のふたを開けないと電源が入らず、誤作動を防げるのも◎。

 

【編集部家電担当・青木宏彰のレコメンド】

替刃を買うよりも安価でサブ機としては十分な剃り味

「深剃りでは1万円超えの機種に負けますが、サブとしては十分な剃り味。ひげが薄い人でこれをメイン使いする人も。替刃は販売していないですが、本体2000円強だし、替刃を買うより手ごろ!」(青木)

 

シェーバーならこちらもオススメ!

独立して沈む2枚刃で肌にやさしく深剃り

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パナソニック

メンズシェーバーツインエクス ES4815P

実売価格2790円

2枚刃がそれぞれ独立して沈み、肌にやさしいシェービングができる携帯シェーバー。「60°鋭角内刃」を採用し、濃いヒゲもスムーズに剃れます。水洗いで清潔さを保ち、切れ味も回復。

SPEC●刃の枚数:2枚刃 ●電源:乾電池式(単3形電池2本) ●キワゾリ刃:非搭載 ●サイズ/質量:W58×H101×D31mm/100g(乾電池除く)

 

その3 コーヒーメーカー

豆から挽いて抽出まで1台で叶う! 全自動で1万円台はおトクすぎ

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siroca

全自動コーヒーメーカーSC-A121

実売価格1万1200円

小型ながらミルを内蔵し、挽きから抽出まで全自動。ステンレスメッシュフィルターがコーヒー豆の油分まで抽出、蒸らし工程も入れ、コクのある味に仕上げてくれます。洗う部分は丸ごと取り外し可。

SPEC●抽出方式:ドリップ式 ●最大使用水量:0.58リットル ●消費電力:600W ●保温機能:30分 ●ミル段階:1〜4杯用(すべて中細挽き) ●サイズ/質量:W173×H270×D220mm/約2.2kg

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淹れる杯数に応じて「中細挽き」の挽き方を適切にチューニング。これにより、いつでも安定したおいしさになります。

 

【ココがポイント】

「蒸らし」の工程により味に深みが増す!

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抽出時に「蒸らし」を入れると、コーヒー粉の油脂分と水分がなじみ、お湯が全体に浸透しやすくなります。この“ひと手間”をプログラムしたことで、コーヒーが一気に深みを増しています。

 

【家電コーディネーター・戸井田園子さんのレコメンド】

コンパクトで場所を取らずボタンひとつで本格派の味に

「抽出されるコーヒーは中細挽きで、ややワイルドな味わい。一度に4杯まで淹れられるので、ファミリーでも使えます。設置場所を取らず、デザインもシンプル。これが1万円そこそことはお買い得です」(戸井田さん)

 

その4 炊飯器

象印お得意の圧力技術は非搭載ながら内釜とIHで十分おいしく炊き上がる!

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象印

IH炊飯ジャー 極め炊き NP-VJ10

実売価格1万9220円

IHの高火力と米が対流しやすい丸底の内釜でごはんをふっくら炊き上げます。吸水時間を長くし、お米の甘みを引き出す「熟成炊き」機能を搭載。白米の食感を「ふつう」・「やわらか」・「かため」の3種から選択可。

SPEC●炊飯容量:0.5〜5.5合 ●炊飯1回の消費電力量:156Wh ●保温1時間の時消費電力量:15.0Wh ●サイズ/質量:約W255×H205×D375mm/約4.0kg

 

【ココがポイント】

同社の基本的炊飯技術だけでもかなりウマい

 

圧力炊飯や南部鉄器なしでも、象印が長年蓄積してきた高いレベルの炊き上がりを実現できると証明。多彩な炊飯機能はありませんが、厚さ1.7mmで丸い形状の羽釜とIHの高火力により実においしく炊き上がります!

 

【家電コーディネーター・戸井田園子さんのレコメンド】

象印のIH炊飯の技術で上位機に迫る味わい

「象印お得意の圧力炊飯は非搭載ですが、厚さ1.7mmで丸い形状の内釜と、IHの高火力により、上位機種に迫るおいしさです。再加熱して炊きたて感を蘇らせる『あったか再加熱』も実用性の高い便利機能です」(戸井田さん)

 

その5 ドライヤー

ダブルファンによるパワフルな風でより早く美しく髪をブローできる!

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コイズミ

モンスターダブルファンドライヤーKHD-W720

実売価格8610円

2つのファンを搭載し、2.0㎥/分の大風量で素早く髪を乾かせるヘアドライヤー。短時間で乾かすことで髪へのダメージも軽減できます。4か所からマイナスイオンをたっぷり放出し、髪に広く行き渡ります。

SPEC●消費電力(100V):1200W ●風量切換:ターボ/ハイ/ロー/クール ●マイナスイオン発生部:4か所 ●コード長:約1.7m ●サイズ/質量:約W270×H280×D100mm/約685g

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押している間だけ冷風ドライになる「クールショットスイッチ」を搭載。デジタルスイッチ式で操作性も高め。

 

【ココがポイント】

形の異なる2つのファンでパワフルに風を押し出す!

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実売価格8000円台で毎分約2.0㎥の大風量を実現できたのがスゴいところ。形状の異なる2つのファンで風を強く押し出し、より多くの風をより早く髪に届けます。

 

【家電コーディネーター・戸井田園子さんのレコメンド】

運転音は結構大きいけれどとにかく早く乾く!!

「内部に送風ファンが2つあり、ダイソンに迫る風量。マイナスイオンも大量に出るようで、髪が早く美しく乾くと高評価を得ています。運転音が大きいのが玉に瑕ですが、早く乾くので許容範囲!!ボディカラーが3色あり、老若男女問わず選びやすいのも魅力です」(戸井田さん)

電動ハブラシで後悔しない「買いのポイント」がわかったぞ! 最新3大モデル「6項目徹底比較」を総まとめ

いつまでも歯の健康と美しさを保ちたいなら、ぜひ電動歯ブラシを検討すべき。歯垢除去やステイン(着色汚れ)のケアに高い効果を発揮し、時短にも役立ちます。本稿は電動歯ブラシの主要メーカー3社(ブラウン オーラルB、フィリップス ソニッケアー、パナソニック ドルツ)の最上位モデルを徹底検証した連載企画の第3回。第1回では「歯垢除去力」「磨き心地」「ブラッシングモードのバリエーション」をチェックし、第2回では、「サポート機能」「充電のしやすさ」「設置性」の6項目をチェックしてきました。今回はそれらの検証を踏まえたうえで、項目ごとに各モデルがどんなユーザーにおすすめか、考察していきたいと思います。

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【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

回転式の丸形ブラシで歯垢を浮かしすばやくかき出す

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ブラウン オーラルB

ジーニアス9000

D7015256XCTBK

実売価格2万4800円

歯科クリーニング器具から着想を得た丸形ブラシを採用した回転式モデル。「3D丸型回転テクノロジー」で、高速上下運動で歯垢をたたいて浮かし、 左右反転運動で浮いた歯垢をすばやくかき出す。押しつけ防止センサーを搭載し、ブラッシング時の圧力が強すぎるとランプが光って、歯と歯ぐきを傷めるのを防ぐ。歯磨き時のブラシのポジションを検知機能を装備し、歯ブラシとアプリを連携させることで、磨きグセを改善し、正しいブラッシングのガイドをしてくれる。歯垢をしっかり除去する「マルチアクションブラシ」と、歯ぐきをいたわりながら歯垢を取り除く「やわらか極細毛ブラシ」が付属。

SPEC●駆動方式:3D丸型回転(回転式)●最大左右反転数:1万500回/分●最大上下振動数:4万8000回/分●ブラッシングモード:6●充電時間:約12時間●使用時間:約48分(約12日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:2本●サイズ/質量(本体):W29×H241×D35mm/133g

 

エントリーその2

「音波水流」で歯間や奥歯など磨きにくい部分の歯垢も除去

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フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

3万8830円

ブラシの超高速振動と幅広い振幅で「音波水流」を発生し、毛先の届きにくい歯間部や奥歯などの歯垢も除去。手磨きと比べ10倍の歯垢除去力を誇る。歯垢除去、歯ぐきケアなどに特化した4本のブラシヘッドが付属。各ヘッドをハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、最適なモードに自動設定。専用アプリと連携し、上手なブラッシングや、一人一人のニーズに合わせたオーラルケアの方法を指導してくれる。ブラシの押し付けすぎやハンドルの動かしすぎを検知して注意喚起するセンサーを搭載。スタイリッシュなグラス型充電器も魅力のひとつ。

SPEC●駆動方式:音波式●ブラシ振動数:約3万1000回/分●ブラッシングモード:5●強さ設定:3段階●充電時間:約24時間●使用時間:約56分(約14日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:4本●サイズ/質量(本体):W30.5×H255×D27.8mm/約144g

 

エントリーその3

ヨコ振動×タテ振動の「W音波振動」で歯周ポケットと歯間をしっかりケア

20180129-s1 (9)

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

2万6330円

従来の横振動に新たにタタキ振動が加わった「W音波振動」で高い歯垢除去力を実現。2つのモーターを搭載し、横振動で歯周ポケットに潜む歯周病の病原菌をかきだし、タタキ振動で歯間部の歯垢を強力に除去する。モードは「Wクリーン」モードのほか「ステインオフ」など合計5つのモードを用意するうえ、付属の6種類のブラシを使って、トータルなオーラルケアが可能だ。また、パワーコントロール機能でしっかりとした磨き心地を実現しながら、磨きすぎ防止も実現。リングに本体を挿し込んで充電する「フロートチャージスタイル」は、台座がフラットで手入れしやすい。

SPEC●駆動方式:W音波振動(音波式)●ブラシストローク数:横振動約3万1000回/分、タタキ振動約1万2000回/分●ブラッシングモード:5●充電時間:約1時間(クイックチャージ:約2分)●使用時間:Wクリーンモード時約45分、その他モード時約90分●付属ブラシ:6本●サイズ/質量(本体):W29×H235×D35mm/約110g

 

【検証のまとめ】

[歯垢除去力]

歯並びが悪い人にはヘッドが小さいブラウン、パナソニック

「歯垢除去力」については、今回は各モデルでブラッシングしたあと歯垢染色剤を塗って磨き残しをチェック。筆者が行ったテスト結果では、僅差ながら最も磨き残しが少なかったのがパナソニック。次いでブラウン オーラルB、フィリップスの順番でした。

↑ヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです↑パナソニックのヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです

 

パナソニックとブラウン オーラルBはヘッドが小さく、歯の一個一個を、歯間と歯ぐきのキワを意識しながら磨きやすいこと、裏側の歯間など磨きにくい場所をピンポイントで狙いやすいことが好結果につながったようです。一方、フィリップスはヘッドが大きめで、意識しないでブラッシングすると歯磨きがやや雑になるのと、犬歯の隣の前歯の裏など大きなヘッドだと届きにくい場所があったために、やや磨き残しが多くなりました。ただし、これは歯並びが悪い筆者の場合です。

↑やわらか極細毛ブラシ。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します↑ブラウン オーラルBの「やわらか極細毛ブラシ」。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します

 

歯並びがキレイで歯ぐきに負担をかけたくない人はフィリップス

この結果を踏まえると、女性など歯が小さめな人や、歯並びが良くない人はパナソニックやブラウン オーラルBがおすすめ。歯並びが比較的キレイな人、また、大きなブラシだと圧力が分散されるので、歯ぐきに負担をかけたくない人にはフィリップスがおすすめといえます。

 

ただ、これらの差はブラッシングのちょっとしたテクニックで十分補えるもの。実際筆者は、磨き残しをしがちな部分を特に意識して磨くようにした結果、フィリップスでもすぐに他機種と遜色ない歯垢除去を実現できました。磨き残しをしがちな部分を知るには、後述するアプリが有効です。

↑プレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です↑フィリップスのプレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です

 

[磨き心地]

総合的な振動の強さはブラウン、パナソニック、フィリップスの順

ブラッシングの歯や歯ぐきにかかる圧力でいうと、最も強力だったのはブラウン オーラルBの「プロクリーン」モード。回転運動に上下振動も加わり、歯垢を力強く除去している印象でした。次に強力だったのはパナソニックの「Wクリーンモード」で、これもヨコ振動に上下振動(タタキ振動)が加わったモードですが、ブラウン オーラルBよりヨコ振動が強く、上下振動が弱い印象でした。一方フィリップスはヨコ振動のみで、総合的な振動強度は一番弱めですが、ヨコ振動のみの強さでは最も強力でした。

↑歯磨きは口の中を上部左、右、下部左、右の4パートに分け、それぞれ表側、裏側、噛み合わせ部の順番で磨いていきました ↑ブラウン オーラルBでのブラッシング

 

ちなみに、どの機種も基本の歯垢除去用モードでは3段階の強度が選べます。つまり、通常の歯垢除去をメインに考えるならどのモデルも弱く調整できるので、強い刺激が苦手な人でも安心です。

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

フィリップスはブラッシングが自動で切り替わるモードが便利

歯磨きモードのバリエーションは、どのモデルも基本的には同じ。基本の「歯垢除去」モードがあるほか、ホワイトニング、歯ぐきケア用モード、舌磨きモードなどを搭載しています。ブラウン オーラルBは「プロクリーン」など強さが3段階の歯垢除去モードに加え、「ホワイトニング」「歯ぐきケア」「舌クリーニング」の3モードを搭載。

 

一方、フィリップスは歯垢除去用の「クリーンモード」のほか、ステイン除去力の強い「ホワイトプラスモード」、歯垢除去運転と歯ぐきケアがセットになった「ガムヘルスモード」、歯と歯ぐきの間のケアに適した「ディープクリーンプラスモード」、「舌磨きモード」を搭載しています。付属のヘッド(4種類を用意)をハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、ヘッドに応じた最適なモードに自動設定する機能も便利です。「ホワイトプラスモード」と「ガムヘルスモード」は、2種類のブラッシングが組み合わされ、一定時間が経つと自動で切り替わるのが特徴。自分で切り替える手間が不要なのがメリットです。

↑フィリップスのモード↑フィリップスのホワイトプラスモード選択時。ホワイトプラスモードは、ステイン除去の動作のあと、歯を磨き上げるモードです

 

パナソニックは、歯垢除去用に「Wクリーン/ノーマル/ソフト」の3モードを搭載。さらに歯ぐきケアに適した「ガムケア」モードと歯の着色が気になる人向けの「ステインオフ」モードも搭載しています。なお、パナソニックはボタンが1つで、他の2モデルと違い、電源ボタンがモード選択ボタンを兼ねています。その1つのボタンが運転開始後、約5秒までは操作モードの切り替えボタンになり、5秒後からはOFFボタンに変わります。そのため、運転スタート後にすぐ止めたいとき、何度か連続でボタンを押す必要があるのです。停止した状態でモードが変えられないのもやや不便。ただし、そのぶん本体の重さは約110gと3モデルの中では最も軽く(ブラウン オーラルBは本体約133g、フィリップスは本体約144g)、ハンドル部分も細身で扱いやすいです。

 

パナソニックは多彩なブラシできめ細かいケアが可能

ブラウン オーラルBに同梱の歯ブラシは「マルチアクションブラシ」と「やわらか極細毛ブラシ」の2種類ですが、別売で歯間用ブラシやホワイトニングブラシも用意、よりきめ細かなオーラルケアに対応できます。一方、フィリップスは最初から「歯垢除去用」「歯ぐきケア用」「ホワイトニング用」「舌磨き用」の4種類のブラシを付属しています。

 

パナソニックは6種類の多彩なブラシを標準搭載。通常の歯垢除去から歯周ポケットケア、磨き残しの多い歯と歯のすき間を専用のブラシでより丁寧に手入れすることができます。さらにステインケアも歯垢除去と同時にできるブラシのほか、専用ペーストを使った集中ケアができるアタッチメントも付属。なお、歯ぐきケアは「シリコンブラシ」で、舌のケアはステインオフブラシの背面を使い、「ソフト」モードで行います。

↑写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています↑パナソニックの付属ブラシ。写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています

 

これら各モデルの違いを考えると、ブラウン オーラルBは手動でモードを切り替えて、歯垢除去もホワイトニング、歯ぐきケアもある程度自分のペースで行いたい人向き。フィリップスは電動歯ブラシまかせで効率的よくオーラルケアしたい人に最適です。一方パナソニックは、多彩なアタッチメントを使って、歯科医院でやってもらうようなしっかりしたケアを自宅でやりたい人におすすめと言えます。

 

[サポート機能]

時間経過の通知機能、押し付け防止機能は全モデルが装備

より磨き残しの少ない効率的なブラッシングをサポートする機能としては、歯磨きの時間経過を知らせる機能は各モデルが搭載。ブラウン オーラルBとパナソニックは30秒ごと、フィリップスは20秒ごとに音や振動の停止、ライトの点滅で通知します。口内を2分で歯磨きする場合、口の中を4分割して30秒ずつ、あるいは6分割して20秒ずつ丁寧に磨くことを意識しやすいメリットがあります。

 

また、歯や歯ぐきへの過度の負担を減らすブラシの押し付け防止機能も、3モデルすべて採用。ブラウン オーラルBとフィリップスはライトによる注意喚起型、パナソニックは自動で振動を弱めるタイプです。パナソニックに関しては、歯磨きのスタート時は弱い振動からスタートし、約2秒かけて設定の振動まで強める「ソフトスタート機能」を採用しているのがユニークです。

↑手の甲にブラシをギュッと押し当てると、センサーが反応↑ブラウン オーラルBの押し付け防止機能。手の甲にブラシをギュッと押し当ててみると、センサーが反応して本体のスマートリング(ブラシの根元のランプ)が赤く光ります

 

ブラウン、フィリップスはアプリで磨き残しやすい部分を推定できる

さらに、ブラッシングをサポートするうえで有効なのが専用アプリとの連携機能。ブラウン オーラルBとフィリップスがアプリ連携に対応し、歯磨きの達成度のおおまかな把握ができます。歯ブラシの位置情報による判定であり、実際に歯垢の取れ具合をチェックしているわけではないのですが、歯垢染色剤などを塗布する手間も不要で、どこに磨き残しが多いかを推定できるのが便利です。

↑センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です↑フィリップスのアプリ画面。センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です

 

また両機種とも、ブラッシング後にはデンタルフロスなどを行ったかまでリマインドしてくれます。電動歯ブラシの高級モデルは歯垢除去力が高いとはいえ、歯垢を完全に除去できるわけではありません。特に歯間には磨き残しが残りがちで、デンタルフロスを使った“仕上げ掃除”は重要。そういうことを理解はしていてもついつい面倒臭がる人に、リマインド機能は有効です。

↑メニューの設定画面。↑ブラウン オーラルBの設定画面。集中ケアの設定やデンタルフロス、舌クリーニングなどのリマインドも設定できます

 

一方、パナソニックはアプリとの連携はできません。ただ、アタッチメント豊富な同製品を使いたいという人は、オーラルケアへの意識が高いはず。電動歯ブラシのアプリには、丁寧な歯磨きへのモチベーションを喚起するため、という目的が多分にあるので、そうしたモチベーションをすでに持っている人には、アプリは特に必要ないともいえます。

 

以上のことから、よりきめ細かいオーラルケアを心がけたいと思いつつ、モチベーションを常に高く持ち続ける自信のない人はブラウン オーラルBやフィリップスがオススメ。多彩なアタッチメントを駆使してオーラルケアしたいというやる気が十分ある人にはパナソニックがオススメといえます。

 

[充電のしやすさ/設置性]

充電機能ではパナソニックが最も優秀

充電時間を比較すると、最も優秀なのは約1時間で満充電できるパナソニック。ブラウン オーラルBが12時間、フィリップスが24時間かかることを考えると、その差は歴然です。また、パナソニックは完全にバッテリー切れした状態から2分充電するだけで1回の歯磨きができるクイックチャージ機能を持ち、「充電忘れた!」というトラブルがあっても即座に対応できます。

↑充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます。ハンドルの底が浮いているので、水垢がつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れます↑パナソニックの充電中の状態。充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます

なお、今回の3モデルはどれもリチウムイオン電池を採用し、継ぎ足し充電してもバッテリー性能が劣化しにくいのが特徴。常にコンセントを挿している状態なら、特に充電時間を気にする必要はないでしょう。

 

フィリップスのグラス型充電器は見た目がオシャレ

充電の仕方で特徴的なのはフィリップスとパナソニック。フィリップスはハンドル収納用のグラスを充電器台の上に設置し、グラスにハンドルを入れるだけで充電が始まって見た目にもオシャレです。パナソニックは充電台のリングにハンドルを挿すフロート型(浮いている状態)でこれまたオシャレ。突起のある充電台と比べ、水滴や汚れをサッと一拭きできれいにできるのも魅力です。一方、ブラウン オーラルBは、ハンドル底部を充電台の突起に挿して立てるオーソドックスなスタイル。他の2モデルに比べるとオシャレ度は低めですが、「充電しやすさ」ではほとんど差はありません。

↑フィリップスのグラス型充電機↑フィリップスのグラス型充電器

 

ブラウンは充電器にブラシホルダーを一体化できる

充電台の設置性はどれも優秀。ブラシホルダー一体型のブラウン オーラルBはややスペースを取ります(約14×9cm)が、ブラシホルダーを外して使うなら充電台が約6.3×4.6cmと省スペース。また、フィリップスのハンドル収納用グラスは設置スペースは約8×8cm、パナソニックの充電台は直径約7cmとなります。なお、パナソニックはブラシスタンドと充電台が分かれており、ブラシスタンドは軽いので、安定感はいまひとつ。フィリップスはブラシホルダーが付属しないので、自分で用意する必要があります(ブラシホルダー付属モデルもあり)。

↑ブラシホルダーには最大4本のブラシを収納可能。ブラシの根元に付属の色付きのリングをつけておけば、どのブラシが誰のものかわかりやすいです↑ブラシホルダーと組み合わせた上体のブラウン オーラルBの充電器。ブラシホルダーを外して使うことも可能です

 

↑スタンドにブラシをセット。スタンドが軽量な割には安定していました↑8本のブラシが収納できるパナソニックのブラシスタンド

 

ブラウンはトラベルケースにスマホ充電用のUSB端子を装備

ちなみに、出張や旅行に持って行く場合、ブラウン オーラルBとフィリップスに付属するトラベルケースに充電機能がついていますが、パナソニックにはついていません。ただ、パナソニックもフル充電すればWクリーンモードで45分(1日2回2分の使用で約11日間)、その他のモードで90分(1日2回2分の使用で約22日間)使えるので、よほどの長旅でなければ心配なさそう。それでも心配な人は(充電台も持って行くか)ブラウン オーラルBかフィリップスを選ぶのがいいでしょう。なお、ブラウン オーラルBは、トラベルケースにスマホ充電用のUSB端子を装備しているのが便利です。

↑トラベルケースにはブラシを2本収納可能。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込んでスマホホルダーに。これを洗面台に置けば、ポジション検知機能も使えます↑ブラウン オーラルBのトラベルケース。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込むと、スマホのホルダーに。これを洗面台に置けば、アプリ機能も使いやすいです

 

【結論】3モデルの主なポイントまとめ

主なポイントをまとめると、ブラウン オーラルBは、歯が1本ずつ磨けるイメージの小さめのヘッドが好みで、より強い振動を求める人。オーソドックスなモードを手動で切り替えてじっくり磨きたい人。また、専用アプリで磨きのクセなどをチェックしつつ、ハブラシのモチベーションを高めたい人。安定感のあるブラシホルダーが付いたシンプルな充電器を好む人。充電機能付き&USB端子付きでスマホ充電もできるトラベルケースが欲しい人などにおすすめといえます。

 

続いて、フィリップスは、ブラシが大きめなので、歯並びが比較的キレイで、ブラシ圧力が弱めが好み、かつそこまで強い振動が必要ない人。モード切り替えはブラシのセットだけで自動設定できるほか、2種類のブラッシングを組み合わせたモードもあるので、ある程度モード切り替えの手間を省いてブラッシングしたい人。専用アプリで磨きのクセなどをチェックでき、充電器にもオシャレを求める人、USBで充電できるトラベルケースが必要な人などにおすすめです。

 

一方、パナソニックは、歯が1本ずつ磨けるイメージの小さめのヘッドが好みで、ある程度強めの振動が好みの人。オーソドックスなモードを手動で切り替えてじっくり磨きたい人。アプリは必要ないが、6種類の多彩なブラシで歯科医のようなしっかりしたケアをしたい人。オシャレで手入れのしやすい充電器を求めており、細身でコンパクトなボディが好み。かつ携帯ケースもなによりコンパクトさを重視する(充電機能は不要)という人などにおすすめとなります。

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歯は食べ物の味を左右し、見た目にも大きな影響を与える大事な部分。いったん傷めてしまうと、元通りに治すことはできないだけに、何よりも日ごろのケアが大事です。ぜひ本稿を参考として最適なケア・パートナーを選び、健康な歯を長くキープしてくださいね。

最新電動ハブラシの「アプリ連携」って実際どう? 「充電」の違いは? 3大ブランドの「磨き性能以外」徹底比較を8000字でレポート!

いつまでも歯の健康と美しさを保ちたいなら、電動歯ブラシを検討してみてはいかがでしょうか。本稿は、なかでも人気の3ブランドであるブラウン オーラルB、フィリップス ソニッケアー、パナソニック  ドルツの最上位モデルを取り上げ、その実力を比較・検証する連載企画の第2回。前回は各モデルの「歯垢除去力」と「磨き心地」、さらに「ブラッシングモードのバリエーション」をチェックしましたが、今回は「磨き」以外の部分を検証。より効率的で快適なブラッシングを実現する「サポート機能」と、各モデルの「充電のしやすさ」「設置性」について見ていきましょう。

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

回転式の丸形ブラシで歯垢を浮かしすばやくかき出す

20180129-s1 (2)

ブラウン オーラルB

ジーニアス9000

D7015256XCTBK

実売価格2万4800円

歯科クリーニング器具から着想を得た丸形ブラシを採用した回転式モデル。「3D丸型回転テクノロジー」で、高速上下運動で歯垢をたたいて浮かし、 左右反転運動で浮いた歯垢をすばやくかき出す。押しつけ防止センサーを搭載し、ブラッシング時の圧力が強すぎるとランプが光って、歯と歯ぐきを傷めるのを防ぐ。歯磨き時のブラシのポジションを検知機能を装備し、歯ブラシとアプリを連携させることで、磨きグセを改善し、正しいブラッシングのガイドをしてくれる。歯垢をしっかり除去する「マルチアクションブラシ」と、歯ぐきをいたわりながら歯垢を取り除く「やわらか極細毛ブラシ」が付属。

SPEC●駆動方式:3D丸型回転(回転式)●最大左右反転数:1万500回/分●最大上下振動数:4万8000回/分●ブラッシングモード:6●充電時間:約12時間●使用時間:約48分(約12日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:2本●サイズ/質量(本体):W29×H241×D35mm/133g

 

エントリーその2

「音波水流」で歯間や奥歯など磨きにくい部分の歯垢も除去

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フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

3万8830円

ブラシの超高速振動と幅広い振幅で「音波水流」を発生し、毛先の届きにくい歯間部や奥歯などの歯垢も除去。手磨きと比べ10倍の歯垢除去力を誇る。歯垢除去、歯ぐきケアなどに特化した4本のブラシヘッドが付属。各ヘッドをハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、最適なモードに自動設定。専用アプリと連携し、上手なブラッシングや、一人一人のニーズに合わせたオーラルケアの方法を指導してれる。ブラシの押し付けすぎやハンドルの動かしすぎを検知して注意喚起するセンサーを搭載。スタイリッシュなグラス型充電器も魅力のひとつ。

SPEC●駆動方式:音波式●ブラシ振動数:約3万1000回/分●ブラッシングモード:5●強さ設定:3段階●充電時間:約24時間(約14日間 ※1日2回、2分使用した場合)●使用時間:約56分●付属ブラシ:4本●サイズ/質量(本体):W30.5×H255×D27.8mm/約144g

 

エントリーその3

ヨコ振動×タテ振動の「W音波振動」で歯周ポケットと歯間をしっかりケア

20180129-s1 (9)

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

2万6330円

従来の横振動に新たにタタキ振動が加わった「W音波振動」で高い歯垢除去力を実現。2つのモーターを搭載し、横振動で歯周ポケットに潜む歯周病の病原菌をかきだし、タタキ振動で歯間部の歯垢を強力に除去する。モードは「Wクリーン」モードのほか「ステインオフ」など合計5つのモードを用意するうえ、付属の6種類のブラシを使って、トータルなオーラルケアが可能だ。また、パワーコントロール機能でしっかりとした磨き心地を実現しながら、磨きすぎ防止も実現。リングに本体を挿し込んで充電する「フロートチャージスタイル」は、台座がフラットで手入れしやすい。

SPEC●駆動方式:W音波振動(音波式)●ブラシストローク数:横振動約3万1000回/分、タタキ振動約1万2000回/分●ブラッシングモード:5●充電時間:約1時間(クイックチャージ:約2分)●使用時間:Wクリーンモード時約45分、その他モード時約90分●付属ブラシ:6本●サイズ/質量(本体):W29×H235×D35mm/約110g

 

【テストの内容はコチラ】

「サポート機能」はブラッシング/オーラルケアをより快適かつ適切に行えるようガイドしてくれる機能をチェック。特にスマホアプリとの連携機能については、詳しく見ていきます。

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「充電のしやすさ」については、充電時間や充電までの手順をチェックします。さらに「設置性」は本体と替えブラシの収納のしやすさ、設置場所がコンパクトに収まるかを吟味します。合わせて、収納ケースの機能もチェックしました。

 

【検証結果はコチラ】

ブラウン オーラルB

ジーニアス9000

D7015256XCTBK

[サポート機能]

「プロフェッショナルタイマー」が30秒ごとに時間経過を知らせる

本製品は口内を上下・左右に4分割、各30秒ずつ磨いて合計2分でブラッシングを終了するスタイルを推奨。そのために、30秒ごとに一瞬回転速度を緩め、ハンドル上部ライトを点滅させて、時間経過を知らせる「プロフェッショナルタイマー」を搭載しています。このほか、推奨ブラッシング時間の2分が経過すると、回転速度の変化とライト点滅で知らせる「2分間タイマー」に切り替えることも可能です。

 

また、本製品には歯や歯ぐきへのブラシの押し付けすぎを防止する「押し付け防止センサー」も装備。ブラシを強く押し付けるとライトが赤く点滅すると同時に回転速度に一瞬ブレーキがかかります。押し付ける強さは、かなり強めに押し当てないとライトが赤く光りませんでした。

↑手の甲にブラシをギュッと押し当てると、センサーが反応↑手の甲にブラシをギュッと押し当ててみると、センサーが反応して本体のスマートリング(ブラシの根元のランプ)が赤く光ります

 

アプリとの連携で歯の磨き残しや同じ場所の磨きすぎを防止

そして本製品最大の注目ポイントといえるのが、専用アプリとの連携機能。「Oral-B」アプリ内に歯磨き中のブラシのポジション検知機能を搭載し、本体に内蔵のモーションセンサーとスマホのカメラ機能を使って「いまどこを磨いているか」を検知。歯の磨き残しや同じ場所の磨きすぎが防げます。

↑メニューの設定画面。↑設定画面。集中ケアの設定やデンタルフロス、舌クリーニングなどのリマインドも設定できます

 

↑ブラッシング時には、洗面所の鏡にスマホ用ホルダーを取り付けます。吸盤式でしっかり貼り付き、安定感があります↑ブラッシング時には、洗面所の鏡にスマホ用ホルダーを取り付けます。吸盤式でしっかり貼り付き、安定感があります

 

また、ブラッシング終了後にデンタルフロスは行ったか、舌クリーニングはしたか、マウスウォッシュは行ったか、と聞かれるので、自然と口の中をトータルケアするようになります。すべての行程が終了した後には、歯の磨き方を採点してくれるので、毎日の歯磨きのモチベーションもアップ。ブラッシング時間の確認もできます。

↑アプリ上で「ポジション検知機能」を起動し、「カメラの設定」を押したあと、画面中央の円の中に顔が入るように顔の位置を調整します。設定後に磨き始めると、口内を6分割した青の円形表示が徐々に白く変化します。ときにはブラシの位置と白くなっている位置が微妙にずれることも↑アプリ上で「ポジション検知機能」を起動し、「カメラの設定」を押したあと、画面中央の円の中に顔が入るように顔の位置を調整します。設定後に磨き始めると、口内を6分割した青の円形表示が徐々に白く変化します。まれにブラシの位置と白くなっている位置が微妙にずれることも

 

↑アドバイスも↑ブラッシング時間のほか、「これらの場所は、もっとやさしくブラッシングしてください」などのアドバイスも表示してくれます

 

[充電のしやすさ/設置性]

充電方法はシンプルでトラベルケースが充実

充電は歯磨き終了後に、ハンドルを充電器の突起にセットするというシンプルな方法。約12時間で満充電になり、そこから約48分運転できます。毎日2回、2分ずつ使った場合、約12日間使えることになります。充電器は、単体だと約6.3×4.6cm(編集部実測値)。ブラシホルダーと一体化して設置することができます。その場合、設置スペースは約14×9cmです。

↑充電器。本体の根元を↑充電器の突起に本体の底を差し込む形で充電します

 

↑ブラシホルダーには最大4本のブラシを収納可能。ブラシの根元に付属の色付きのリングをつけておけば、どのブラシが誰のものかわかりやすいです↑ブラシホルダーには最大4本のブラシを収納可能。写真のように、充電器と組み合わせることも可能です。ブラシの根元に付属の色付きのリングをつけておけば、どのブラシが誰のものかわかりやすいです

 

また、本製品には充電ができるトラベルケースも同梱。USBポートも装備しており、同時にスマホの充電も可能です。旅先で電源が限られているときは便利ですね。また、ふた部分にスマホが挟めるので、旅先でもアプリと連携してオーラルケアができます。

↑高級感のあるトラベルケース↑高級感のあるトラベルケースが付属。大きさは幅約7cm×長さ23.4cm×高さ3.9cm(編集部実測値)

 

↑トラベルケースにはブラシを2本収納可能。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込んでスマホホルダーに。これを洗面台に置けば、ポジション検知機能も使えます↑トラベルケースにはブラシを2本収納可能。ケース側面に電源アダプター用の端子とUSBポートを搭載し、歯ブラシとスマホを同時に充電することができます。ふたのスリット部分にスマホを差し込むと、スマホのホルダーに。これを洗面台に置けば、ポジション検知機能も使えます

 

エントリーその2

フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

[サポート機能]

初めて使う人にうれしい「イージースタート機能」を搭載

本製品もブラッシングの時間経過を知らせる「ブラシペーサー機能」を搭載。20秒経つごとに運転が一瞬止まり、ビープ音が鳴ります。これにより、口内全体を同じペースで歯磨きすることが可能です。また、各モードごとにブラッシング時間が設定されていて、設定時間がくると自動停止するのも特徴。磨きすぎを防止するのが目的かもしれませんが、筆者のように設定時間よりやや長めにブラッシングしたいユーザーはいちいちボタンを押して運転再開しなければいけないのが面倒でした。「自動停止する」「しない」を選択できればよかったです。

 

さらに本製品は過圧防止センサーを搭載し、ブラッシング中に歯や歯ぐきに圧力をかけすぎると、ランプの点滅で知らせてくれます。手の甲に当てて確認したときは強めに押し付けないとランプが点滅しませんでしたが、実際に歯を磨いていると、ふとしたときにランプが点滅することが2~3度ありました。歯磨き中は、意外に力が入る瞬間があるようです。

↑過圧防止センサーが働くと、ハンドル底部のランプが紫色に点滅。同時にブラッシングの振動が変化します↑過圧防止センサーが働くと、ハンドル底部のランプが紫色に点滅。同時にブラッシングの振動が変化します

 

本製品は歯磨き時の振動の強さを3段階で調節できますが、そのほかに電動歯ブラシを初めて使う人で強い振動に慣れていない人のための「イージースタート機能」も搭載されています。この機能は使い始めは、最初の14回まで通常より弱い振動で歯磨きし、段階的に通常の振動まで強めていく機能です。

 

アプリ連携で磨き残しを減らし、より負担のないブラッシングに導く

また、本製品は「Philips Sonicare」アプリと連携し、より丁寧なオーラルケアをすることが可能。ハンドル部に内蔵されたセンサーが歯磨き中にどこを磨いているか検知するほか、ブラシの押し付けすぎや動かしすぎも記録して、より高精度で負担のないブラッシングに導いてくれます。

↑アプリの画面上で、磨くべき場所を白く囲って表示。ブラシを押し付けすぎるとアプリ内に注意喚起の赤いマークが現れます↑アプリの画面上で、磨くべき場所を白く囲って表示。ブラシを押し付けすぎるとアプリ内に「弱めてください」と注意喚起の赤いマークが現れます

 

ちなみにこのアプリでは、口内を6分割し、時間ごとに磨くべき場所を示すやり方を取っています。本製品が設定したペースに合わせて時間内に終了しなかった場合、リスタートしても「磨き残し」の判定がまたイチからになるので注意しましょう。

↑センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です↑センサーが口内各部位の歯磨き時間を計ってユーザーの歯磨きのクセをチェック。よく磨けた場所は白く、磨き残しのある場所は黄色で表示されます。歯の画像を3次元で表示することも可能です

 

アプリではこのほか、歯磨き終了後にデンタルフロスやマウスウォッシュ、舌磨きのリマインドも可能。また「爽やかな息」「健康な歯ぐき」「ホワイトニング」など、ユーザーごとに目標を設定すると、それに適したメニューを提示してくれます。

 

[充電のしやすさ/設置性]

スタイリッシュなグラス型充電器で設置スペースも少ない

本製品の収納・充電はとても手軽。充電器台の上に専用グラスをセットし、歯磨き終了後にハンドルを中に入れれば、自動的に充電が始まります。満充電までは約24時間かかり、約56分使用可能。1日2回、2分ずつ使うと、約14日間使えることになります。バッテリー切れから満充電まで丸一日かかるので、電源プラグはコンセントに挿したままにして、こまめに充電するほうが便利そうです。設置スペースは見た目にはグラス1個分と、とてもコンパクトです。ちなみに、グラスに水を汲んで口をすすぐ用途に使ってもOK。

↑専用グラスの底に窪みがあって、充電器台にぴったり装着可能。歯ブラシをグラスにただ入れているだけに見えるのに、しっかり充電もできるのがオシャレです↑一見するとただのグラスですが、専用グラスの底に窪みがあって、充電器台にぴったり装着可能。歯ブラシをグラスにただ入れているだけに見えるのに、しっかり充電できるのがオシャレです

 

設置スペースは充電器台が直径約6.6cmで、ハンドル収納用グラスが約8×8cm(編集部実測値)。ブラシホルダーは付属していなため、自分で収納用具を用意する必要があります。ちなみに「ダイヤモンドクリーン スマート」にはブラシホルダーが付属されている機種(HX9964/55など)もあるので、自分で用意するのが面倒な人はそちらを選んでもいいでしょう。

 

同梱のトラベルケースハンドルのほか、ブラシ2本が入ります。トラベルケースはUSB充電タイプで、パソコンなどの端子に繋いで充電が可能です。

↑トラベルケース。長さは約23×幅7×高さ5cm↑トラベルケース。幅約7cm×高さ約5cm×長さは約23cm(編集部実測値)

 

↑トラベルケースの底のフタを開けると給電用のUSBケーブルが↑トラベルケースの底のフタを開けると給電用のUSBケーブルが

 

エントリーその3

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

[サポート機能]

スタート時に振動を抑える「ソフトスタート機能」が面白い

歯の磨きすぎ防止については、本製品は注意喚起でなく、パワーを自動で弱める機能を採用。歯磨き中にブラシに強い圧力がかかると自動で振幅を抑制するため、普段はパワフルにブラッシングしつつ、歯や歯ぐきに過度な負担がかかることは回避できます。

 

歯磨き時間の通知は、30秒ごとに行います。運転開始後30秒経つと振動が一瞬停止してすぐ再開、これを2分まで続け、2分後には2回停止して、再び運転を続けます。筆者は口内を4分割して歯の表側、裏側、噛み合わせ部とブラッシングしますが、自分が30秒でどれくらい磨けるか、2分でどれくらい磨けるかがわかるのは便利でした。

 

そのほか、本製品で面白いのが「ソフトスタート機能」。これは歯磨きのスタート時は弱い振動からスタートし、約2秒かけて設定の振動まで強める機能。歯磨きが必ず弱い刺激から始められるので、適正なポジションを探るのに便利ですし、強い振動に慣れていない人でも使いやすいと感じました。また、この機能には歯磨き開始時の歯磨き粉の飛び散りを防ぐ目的もあります。

↑スタート時は↑「ソフトスタート機能」でスタート時に強く押し付けすぎる心配もありません

 

[充電のしやすさ/設置性]

充電時間の短さは圧倒的! 携帯ケースの携帯性はNo.1

本製品の充電台は直径約7cmの円形でとてもコンパクト。ハンドルを充電台のリングに挿すだけで充電を開始します。さらに驚くのは充電時間で、なんと1時間で急速充電でき、使用時間も「Wクリーン」モードで約45分、その他のモードで約90分と十分なスタミナです。万が一バッテリーがなくなっていても、2分充電すれば約2分間の使用(クイックチャージ)が可能です。

↑充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます。ハンドルの底が浮いているので、水垢がつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れます↑充電リングにハンドルをセットすると自動で充電し始めます

 

ハンドルの底が浮いているので、水垢がつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れますハンドルの底が浮いているので水アカがつきにくく、充電台についた水滴や汚れも、さっと拭き取れます

 

ブラシスタンドは4本をセットできるものが2個付属しています。充電台と一体型でないため置き場所は自由が、軽量ですぐ動いてしまうのは気になります。ただし、見た目より倒れにくい作りになっているのが特徴です。

↑スタンドにブラシをセット。スタンドが軽量な割には安定していました↑スタンドにブラシをセットした状態

 

携帯ケースは充電機能がないので、旅行に持って行くときは充電台も持ち歩くか、家でしっかり充電しておく必要があります。素材はプラスチック製で高級感には欠けますが、軽量なうえ長さが18cm台と他の2機種に比べてコンパクト。携帯性を第一に考えるならこの大きさはメリットです。

↑携帯ケースにはハンドル(本体)のほかブラシを2本収納できます。↑携帯ケースにはハンドル(本体)のほかブラシを2本収納できます。幅約5.7cm×高さ3.8cm×長さ18.4cm(編集部実測値)

 

今回の検証のまとめ】

時間経過を知らせる機能、押し付けすぎ防止機能は全機種が装備

サポート機能に関しては、いくつか共通する機能がありました。まず、ブラッシング時間の経過を知らせる機能は全機種が搭載。ブラウン オーラルBとパナソニックは30秒ごと、フィリップスは20秒ごとにライト点灯や振動の変化などで知らせてくれます。特にパナソニックは30秒ごとの経過と2分経過を識別しやすいのが便利でした。また、フィリップスは各モードごとの時間が経つと強制的に運転終了。筆者のように自分のペースで磨きたい場合はやや不便に感じますが、できるだけムダなく短時間で歯を磨きたい人には、便利です。

 

ブラシの押し付けすぎ防止機能は全機種搭載。ブラウン オーラルBとフィリップスはライトと音(振動)で注意を喚起、パナソニックは注意喚起でなく自動でパワーダンすることで、歯や歯ぐきへの負担を減らします。どちらのタイプを選ぶかは、刺激が強いのが好みか否かの問題でしょう。

↑手の甲にブラシをギュッと押し当てると、センサーが反応↑ブラウン オーラルBを強く押し当てると、スマートリングが赤く光ります

 

そのほか、パナソニックは「ソフトスタート機能」が優秀。振動自体が3機種の中で最も控えめなうえ、同機能の採用で、電動歯ブラシ主審者でも多くの人が導入しやすいと思います。

 

アプリ対応のブラウンとフィリップスは自分のクセを把握するのに便利

アプリ連携はブラウン オーラルBとフィリップスが対応。歯磨きの達成度については、歯垢自体の取れ具合をチェックしているのでなく、ブラシの位置から磨いた時間を判断しているので、あくまで「参考」であり、歯垢染色剤によるチェックには及びません。ただ、大まかな歯磨きの達成度やユーザーごとの“クセ”は把握でき、面倒な手間も不要なので、利用価値は高いと思います。デンタルフロスなど歯磨き以外のケアもリマインドしてくれるので、ズボラな性格だけどアプリに指摘されたらケアする、という人には最適でしょう。

↑ブラウン オーラルBの↑ブラウン オーラルBの「集中ケア」設定画面

 

↑フィリップスの↑フィリップスのアプリ画面

 

パナソニックは今回の中では唯一アプリ連携に非対応。ただ、本体だけで歯磨きペースの確認はできますし、前回紹介したように、ポイント磨きブラシなど、豊富なアタッチメントが揃っています。トータルなオーラルケアを意識的に行える人は、アプリなしでも問題ないのかもしれません。

 

充電時間の短さはパナソニックがダントツで優秀

一方、充電に関してはパナソニックがダントツで優秀。充電時間1時間はブラウン オーラルBの12分の1、フィリップスの24分の1時間で、バッテリーが完全に切れていても2分充電すれば1回磨けるというのも安心です。付属のトラベルケースに充電機能がついていないのが気になりますが、1時間のフル充電で「Wクリーン」モードで約11日、その他のモードで約22日(1日2回、各2分で使用するとき)使えるので、1週間程度の出張にはまったく差し支えないといえるでしょう。

↑↑パナソニックの充電台

 

充電の手軽さではグラスに立てかけるだけのフィリップス

充電のしやすさではフィリップスが特に優秀。グラスに立てかけておくだけで充電開始してくれるのがスマートです。他機種もリングに挿したりスタンドに立てるだけで、手間なく充電できます。また、全機種ともリチウムイオン電池を使っていて、こまめに充電しても充電容量が落ちにくいのもうれしい点。ということで、歯ブラシ使用後は常に充電させておく状態で使うなら、満充電に時間のかかるブラウン オーラルBやフィリップスも、それほど問題にはならないとも言えます。

 

充電台の設置性について見ると、3モデルともほぼ問題なし。ブラシホルダー一体型のブラウン オーラルBのみややスペースを取ります(約14×9cm)が、ブラシを頻繁に替えないなら、ブラシホルダーを外してもOK。その場合はブラウン オーラルBの充電台が約6.3×4.6cmです。また、フィリップスのハンドル収納用グラスは約8×8cm、パナソニックの充電台は直径約7cmとなります。

↑フィリップスのグラス型充電機↑フィリップスのグラス型充電器

 

ブラシの収納に関しては、「ブラウン オーラルBは充電台とブラシホルダー一体型にするとやや場所を取る」「フィリップスはホルダー非搭載で別途用意する必要あり」「パナソニックはブラシスタンドが独立しているが、軽量で動きやすい」という特徴があるので、家族で共用したい家庭はこの点を考慮しましょう。

 

次回は第1回、第2回のまとめとして、各モデルがどんな人に適しているかを考えていきたいと思います。

最新電動ハブラシを「汚れ落ち」と「刺激」順に並べてみたら? 3大ブランドの「磨きの違い」が劇的にわかる9000字レポート

いつまでも歯の健康と美しさを保ちたいなら、電動歯ブラシを検討してみては? 高速振動や音波振動で、歯垢を効率的に除去できる電動歯ブラシは、正しく使えばオーラルケアの強力なツールになります。なかでも、各メーカーがその技術を惜しみなく投入した最上位機種は、歯垢除去だけでなく歯ぐきケアや歯のホワイトニング、舌ケアなどお口全体のケアに対応し、時短にも効果的です。

 

そこで今回は、電動歯ブラシ業界の3大ブランドとして知られるブラウン、フィリップス、パナソニックの最上位モデルを取り上げて徹底的に比較・検証。磨き心地や歯垢の除去具合、搭載モードのバリエーションやスマホアプリとの連携機能、操作性や設置性などを2回に分けてチェックしていきたいと思います。第1回となる今回は、基本の歯垢除去能力や磨き心地の違い、ブラッシングモードのバリエーションを見ていきましょう!

20180129-s1 (16)

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

回転式の丸形ブラシで歯垢を浮かしすばやくかき出す

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ブラウン

オーラルB ジーニアス9000

D7015256XCTBK

実売価格2万7860円

歯科クリーニング器具から着想を得た丸形ブラシを採用した回転式モデル。「3D丸型回転テクノロジー」で、高速上下運動で歯垢をたたいて浮かし、 左右反転運動で浮いた歯垢をすばやくかき出す。押しつけ防止センサーを搭載し、ブラッシング時の圧力が強すぎるとランプが光って、歯と歯ぐきを傷めるのを防ぐ。歯磨き時のブラシのポジションを検知機能を装備し、歯ブラシとアプリを連携させることで、磨きグセを改善し、正しいブラッシングのガイドをしてくれる。歯垢をしっかり除去する「マルチアクションブラシ」と、歯ぐきをいたわりながら歯垢を取り除く「やわらか極細毛ブラシ」が付属。

SPEC●駆動方式:3D丸型回転(音波式)●最大左右反転数:1万500回/分●最大上下振動数:4万8000回/分●ブラッシングモード:6●充電時間:約12時間●使用時間:約48分(約12日間 ※1日2回、2分使用した場合)●付属ブラシ:2本●サイズ/質量(本体):W29×H241×D35mm/133g

 

エントリーその2

「音波水流」で歯間や奥歯など磨きにくい部分の歯垢も除去

20180129-s1 (5)

フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

3万8830円

ブラシの超高速振動と幅広い振幅で「音波水流」を発生し、毛先の届きにくい歯間部や奥歯などの歯垢も除去。手磨きと比べ10倍の歯垢除去力を誇る。歯垢除去、歯ぐきケアなどに特化した4本のブラシヘッドが付属。各ヘッドをハンドルに装着すると、5つのモードのなかから、最適なモードに自動設定。専用アプリと連携し、上手なブラッシングや、一人一人のニーズに合わせたオーラルケアの方法を指導してれる。ブラシの押し付けすぎやハンドルの動かしすぎを検知して注意喚起するセンサーを搭載。スタイリッシュなグラス型充電器も魅力のひとつ。

SPEC●駆動方式:音波式●ブラシ振動数:約3万1000回/分●ブラッシングモード:5●強さ設定:3段階●充電時間:約24時間(約14日間 ※1日2回、2分使用した場合)●使用時間:約56分●付属ブラシ:4本●サイズ/質量(本体):W30.5×H255×D27.8mm/約144g

 

 

エントリーその3

ヨコ振動×タテ振動の「W音波振動」で歯周ポケットと歯間をしっかりケア

20180129-s1 (9)

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

2万6330円

従来の横振動に新たにタタキ振動が加わった「W音波振動」で高い歯垢除去力を実現。2つのモーターを搭載し、横振動で歯周ポケットに潜む歯周病の病原菌をかきだし、タタキ振動で歯間部の歯垢を強力に除去する。モードは「Wクリーン」モードのほか「ステインオフ」など合計5つのモードを用意するうえ、付属の6種類のブラシを使って、トータルなオーラルケアが可能だ。また、パワーコントロール機能でしっかりとした磨き心地を実現しながら、磨きすぎ防止も実現。リングに本体を挿し込んで充電する「フロートチャージスタイル」は、台座がフラットで手入れしやすい。

SPEC●駆動方式:W音波振動(音波式)●ブラシストローク数:横振動約3万1000回/分、タタキ振動約1万2000回/分●ブラッシングモード:5●充電時間:約1時間(クイックチャージ:約2分)●使用時間:Wクリーンモード時約45分、その他モード時約90分●付属ブラシ:6本●サイズ/質量(本体):W29×H235×D35mm/約110g

 

【テストの内容はコチラ】

20180129-s1 (166)

歯垢除去に最も適したブラシでの歯垢除去力と磨き心地をチェック。「歯垢除去力」は歯磨き後、市販の歯垢染色剤を歯に塗布してうがいし、磨き残しをチェック。磨き時間は、筆者の通常の歯磨き時間と同様、すべて約3分で比較しています。磨き方は、すべての歯を表側、裏側、噛み合わせ部の3方向から磨きました。

 

磨き心地」は、奥歯や歯の隙間、前歯の裏側など磨きにくい部位の磨きやすさのほか、電動歯ブラシの振動の強さ、ハンドルの扱いやすさも吟味しました。

 

ブラッシングモードのバリエーション」は、内蔵するモードの種類と特徴を検証。付属する歯ブラシの種類と使い心地も合わせて見てみました。

 

【テストの結果はコチラ】

エントリーその1

ブラウン

オーラルB ジーニアス9000 D7015256XCTBK

[歯垢除去力/磨き心地]

3機種中で唯一の回転式で、歯と歯ぐきの間、歯間を同時に磨ける安心感あり

本製品には「やわらか極細毛ブラシ」と「マルチアクションブラシ」が同梱されています。「やわらか極細毛ブラシ」は約0.01mmの極細毛が歯のすき間や歯と歯ぐきの間に入り、歯垢を除去できるそう。一方「マルチアクションブラシ」は、ブラシ毛を16度に傾けて植毛しており、この角度により歯ぐきのキワまでブラシ毛が届いて歯垢を取り除けるとのこと。毛の硬さはマルチアクションブラシのほうが硬めです。

 

ともにメインブラシとして使える両ブラシですが、ブラウンは「やわらか極細毛ブラシ」をメインと考えているそうで、まずはこちらを使用。ブラッシングモードは回転力が最も速く、しっかり磨ける「プロクリーン」モードを選びました。

↑やわらか極細毛ブラシ。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します↑やわらか極細毛ブラシ。先端が青い、外側の柔らかなブラシ毛が歯ぐきのキワにやさしく入り込んで汚れを取ります。中央の白と青のブラシ毛は外側よりコシがあり、歯面の歯垢をしっかり除去します

 

ブラウンの歯ブラシの特徴はサイズが小さく丸いことです。上下計28本の歯を表側、裏側、噛み合わせ部と各約1秒ずつ、計約3分ブラッシング。ブラシがちょうど歯1本分のサイズ感なので、それぞれの歯を意識しつつ磨けました。

↑歯磨きは口の中を上部左、右、下部左、右の4パートに分け、それぞれ表側、裏側、噛み合わせ部の順番で磨いていきました ↑歯磨きは口の中を上部左、右、下部左、右の4パートに分け、それぞれ表側、裏側、噛み合わせ部の順番で磨いていきました

 

歯磨きは歯のすき間と歯ぐきのキワを磨くことを意識して、ブラシを歯に軽く当てつつ磨き進めました。ブラウンの電動歯ブラシは、「ガッガッ」という感じで、たたくような振動を強く感じますが、これは回転(左右反転)振動だけでなく、上下振動が加わっているため。ただし、ブラシ毛が柔らかいため、歯ぐきなどへの負担はそれほど感じられません。

 

歯磨き後に歯垢染色剤を塗ったところ、上の歯は表も裏も、ほぼ歯垢が取れていました。一方下の歯は、筆者の歯並びがかなり悪いせいもあり、犬歯の歯のすき間と犬歯の隣の前歯の裏、前歯の先端が赤く染まりました。

 

本製品は3機種中唯一の回転式で、ひとつの角度で歯に当てるだけで歯と歯ぐきの間、歯と歯の間を同時に磨ける安心感があります。また、前歯の裏を磨く際にブラシを立てても、回転運動なので歯ぐきや歯間に入り込む角度が同じなのもメリットだと感じました。

 

ブラシが小さいので奥歯の奥にもスムーズに入り込みます。重さは133gで、手に持った感じはパナソニックよりやや重めですが、比較しなければ重く感じることはまずないと思います。何より手磨きと違い、ブラシを細かく動かす必要がないので、3分使ってもまったく疲れはなく、もう少し磨き続けたいと感じるほどでした。

20180129-s1 (34)↑手に持ったイメージ。重く感じることはありませんでした

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

「ホワイトニング」「舌クリーニング」なども含む合計6つのモードを用意

本製品は計6つのモードを搭載。先述の回転速度が速く上下振動も強い「プロクリーン」のほか、歯垢除去用では日常の歯磨きにオススメの「クリーン」モード、回転と振動がソフトな「やわらかクリーン」の3モードが選べます。また、ステイン除去に効果的な「ホワイトニング」モード、歯磨きしながら歯ぐきもマッサージできる「歯ぐきケア」、「舌クリーニング」モードも搭載しています。「ホワイトニング」モードは回転数を周期的に変化させて、汚れを除去しやすくしているのが特徴。「歯ぐきケア」モードも回転数を少なくしたうえに周期的に強弱をつけ、歯ぐきに心地いい刺激を与えてくれます。

↑各モードは起動ボタンの下の「∨」ボタンを押して切り替えます。モード表示は上から「プロクリーン/やわらかクリーン/ホワイトニング/歯ぐきケア/舌クリーニング」。何も表示がないときは「クリーン」モードです↑各モードは起動ボタンの下の「∨」ボタンを押して切り替えます。モード表示は上から「プロクリーン/やわらかクリーン/ホワイトニング/歯ぐきケア/舌クリーニング」。何も表示がないときは「クリーン」モードです

 

ちなみに、本製品に同梱の「マルチアクションブラシ」は、「やわらか極細毛ブラシ」と比べるとやや当たりが強く感じます。気になる人は、振動が弱めの「やわらかクリーン」モードを使ったほうがいいでしょう。筆者は歯に当てる圧力を弱めることで調整しましたが、歯ぐきへの負担はそれなりに大きくなったと感じました。なお、歯垢除去能力については、両者にそれほどの差は感じませんでした。

↑マルチアクションブラシ。ブラシの中央部は外側よりやや毛の長さが短めです。また、歯ぐきに当たりやすい外側のブラシ毛は比較的柔らかく、中央に行くほど硬めの毛になっています↑マルチアクションブラシ。ブラシの中央部は外側よりやや毛の長さが短めです。また、歯ぐきに当たりやすい外側のブラシ毛は比較的柔らかく、中央に行くほど硬めの毛になっています

 

エントリーその2

フィリップス

ソニッケアー ダイヤモンドクリーン スマート

HX9934/05

[歯垢除去力/磨き心地]

ブラシがやや大きく、強めの振動を感じる

独自の「音波水流」技術を採用した本製品は、歯と歯の間など毛先が届かない場所もこの水流で磨けるのが特徴。歯垢除去に最適な「プレミアムクリーンブラシヘッド」はブラウンのオーラルBやパナソニックのドルツと比べると、やや大きめです。ブラシの毛もブラウンの「やわらか極細毛ブラシ」に比べるとやや硬めでした。

↑プレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です↑プレミアムクリーンブラシヘッド。フィリップス・ソニッケアーのブラシはどれも、中央部が窪んだ凹面型で、ヘッド先端の毛がやや鋭角にカットされているのが特徴です

 

本製品はブラシをハンドルにセットすると、そのブラシの種類を自動認識し、最適な振動数にセットされます。「プレミアムクリーンブラシヘッド」を挿してみると「クリーンモード」が選択され、振動強度は3段階の「強」になりました(強さの調整は可能です)。そのまま実際に磨いてみると、ブラウンのような「ガッガッ」と当たる感覚はありませんが、かなり強めに振動する印象。ただ、歯ぐきに負担を感じるほどの強さは筆者は感じませんでした。ちなみに、この振動を強すぎると感じる場合は、手動で「中」「弱」に振動強度を調整することもできます。

↑「プレミアムクリーンブラシヘッド」をハンドル部に装着すると、自動で「clean」表示が点灯し、振動強度が3段階の「3」に設定されました。ON/OFFスイッチの下にはモード切り替えスイッチを装備。停止中に押すと「clean」モード以外を選択することも可能です。また、運転中に押すと、振動強度が切り替えられます↑「プレミアムクリーンブラシヘッド」をハンドル部に装着すると、自動で「clean」表示が点灯し、振動強度が3段階の「3」に設定されました。ON/OFFスイッチの下にはモード切り替えスイッチを装備。停止中に押すと「clean」モード以外を選択することも可能です。また、運転中に押すと、振動強度が切り替えられます

 

歯の表側と裏側には歯と歯ぐきの間に45°の角度でブラシを当て、噛み合わせ部は垂直に、前歯の裏は歯ブラシを縦にして磨きました。取扱説明書には「ひとつの場所を約2秒ずつブラッシングして」と書かれているので、ブラシが大きめなこともあり、2本をまとめて磨きました。

↑ブラシがやや大きめなので、2本をまとめて磨くイメージです↑ブラシがやや大きめなので、2本をまとめて磨くイメージです

 

ブラッシング後に歯垢染色剤を使うと、ブラウン同様、犬歯と前歯のすき間に磨き残しが目立つ結果に。また、歯の裏側もブラウンに比べると磨き残しがやや多かったです。やはりブラシが大きめなため、細かい場所にブラシ毛が届きにくかったのではないかと推測します。重さは144gですが、ブラウン同様、手に持って重いと感じることはありません。磨いている間に疲れを感じることもまったくありませんでした。

↑握ったイメージ。ハンドルの太さはブラウンとほぼ同じながら、長さはソニッケアーがひと回り大きくなっています↑握ったイメージ。ハンドルの太さはブラウンとほぼ同じながら、長さはソニッケアーがひと回り大きくなっています

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

5種類のモードを用意し、ヘッドの交換で設定が自動で切り替わる

本製品には歯垢除去用の「クリーンモード」のほか、ステイン除去力の強い「ホワイトプラスモード」、歯垢除去運転と歯ぐきケアがセットになった「ガムヘルスモード」、歯と歯ぐきの間のケアに適した「ディープクリーンプラスモード」、「舌磨きモード」を搭載しています。

↑モードを切り替えてすぐは選択したモードのみ点灯。その後2秒ほど経つと全モードがうっすら点灯し、手動でモードを切り替える際に確認がしやすいです↑モードを切り替えてすぐは選択したモードのみ点灯。その後2秒ほど経つと全モードがうっすら点灯し、手動でモードを切り替える際に確認がしやすいです

 

「ホワイトプラス」モードは最初の2分間で2種類の振動が2秒ずつ切り替わりながらステインを落とし、その後振動数が細かく上下する運転モードが40秒続きます。最後に現れる運転モードにより、歯を磨き上げて光沢を与えるのだそうです。

 

「ガムヘルスモード」は、最初の2分間は「クリーンモード」と同じ運転が続き、その後2つの振動が重なった波打つような振動が1分20秒続きます。この“波打つ振動”で、歯と歯ぐきの境目に刺激を与えます。なお、その“波打つ振動”で初めからブラッシングできるのが「ディープクリーンプラスモード」。「ガムヘルスモード」では2分経つと自動的に“波打つ振動”に変わるので、自分のペースで歯を磨きたい人は、最初「クリーンモード」で歯を磨いてから「ディープクリーンプラスモード」に切り替えて歯ぐきケアしてもよいでしょう。

 

歯ブラシの種類は先に紹介した「プレミアムクリーンブラシヘッド」のほか、「プレミアムガムケアブラシヘッド」「プレミアムホワイトブラシヘッド」「舌磨きブラシヘッド」を同梱。どれもハンドルに挿すだけでブラシに合ったモードに自動的に切り替わるので便利です。

↑ヘッドはハンドルに挿すと専用モードに切り替わるのでヘッドの種類がわかりますが、ヘッドの根元にクリーンブラシは「C3」、ガムケアブラシは「G3」、ホワイトブラシは「W3」とイニシャルが書いてあり、これで識別することができます↑付属の4種類のブラシ。ヘッドの根元にあるアルファベットと数字の組み合わせは、ブラシ名と推奨の強さを示しています。クリーンブラシは「C3」、ガムケアブラシは「G3」、ホワイトブラシは「W3」、舌磨きブラシヘッドは「T1」(※Tはtongue=舌の意味)

 

↑舌磨きブラシヘッド。凹凸部分を水で濡らし、舌に当てて前後に動かして汚れを除去します↑舌磨きブラシヘッド。凹凸部分を水で濡らし、舌に当てて前後に動かして汚れを除去します

 

エントリーその3

パナソニック

音波振動歯ブラシ ドルツ

EW-DP51

[歯垢除去力/磨き心地]

「ノーマル」の刺激はソフト。ハンドル部は細身で扱いやすい

本製品は、これまでの横振動に加え、ブラシが上下に動くタタキ振動が可能になったのが特徴。タタキ振動により、これまで以上に歯間部の汚れを除去しやすくなったようです。ヘッドも日本人の歯に合わせて小さめに作られています。

↑ヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです↑ヘッドは小さめで、歯が1本ずつ磨けるイメージです

 

歯垢除去用には歯面、歯間の汚れを取りやすい「マルチフィットブラシ」と歯周ポケットの汚れ除去ができる「密集極細毛ブラシ」の2種類が付属。今回は「Wクリーン」モードで推奨される「マルチフィットブラシ」を選び、同モードで使用しました。

↑「マルチフィットブラシ」(左)と「密集極細毛ブラシ」(右)。どちらもブラシ毛の毛質は柔らかですが、「密集極細毛ブラシ」は先端に3mmの段差毛が採用されていて、歯と歯ぐきへの当たりがよりソフトになっています。また、段差毛は先端が細く尖っていて、歯周ポケット内により入り込みやすいそうです。↑「マルチフィットブラシ」(左)と「密集極細毛ブラシ」(右)。どちらもブラシ毛の毛質は柔らかですが、「密集極細毛ブラシ」は先端に3mmの段差毛が採用されていて、歯と歯ぐきへの当たりがよりソフトになっています。また、段差毛は先端が細く尖っていて、歯周ポケット内により入り込みやすいそうです。

 

「Wクリーン」モードは、「W音波振動」を使ったパワフルモードで、スタートから約2.5秒後にブラウンと同様のたたくような振動が始まります。ブラシの刺激の強さは3機種の中ではブラウンに次ぐ程度。フィリップス同様の磨き方で約3分磨いたあと、歯垢染色剤を塗布。下の前歯の噛み合わせ部の磨き残しはブラウン、フィリップスと同じ程度でしたが、犬歯周りの磨き残しは、3モデルの中では最も少なかったです。また、犬歯の隣の前歯の裏側も比較的きれいに磨けていました。

 

また、最初の1~2秒は弱い振動で運転スタートするので、電動歯ブラシに慣れていない人も比較的抵抗なく使い始められると思います。重さは約110gと3モデルの中では最も軽く、ハンドル部分も細身で扱いやすいと感じました。

↑ハンドルは持ち手の部分が細くデザインされ、手にすっぽりとなじみます↑ハンドルは持ち手の部分が細くデザインされ、手にすっぽりとなじみます

 

[ブラッシングモードのバリエーション]

強い振動の「Wクリーン」など5つのモードを搭載

本製品は、歯垢除去用に「Wクリーン/ノーマル/ソフト」の3モードを搭載。さらに歯ぐきケアに適した「ガムケア」モードと歯の着色が気になる人向けの「ステインオフ」モードも搭載。「ガムケア」モードは2種類の振動切り替えが反復して、歯ぐきを心地よく刺激してくれます。

 

少々気になったのは、ブラウン、フィリップスが電源のON/OFFとモード切り替えボタンが独立しているのに対し、パナソニックのみボタンが1個だったこと。パナソニックは、その1つのボタンが運転開始後、約5秒までは操作モードの切り替えボタンに。5秒後からはOFFボタンに変わります。そのため、運転開始してすぐに止めたいとき、何度か連続でボタンを押す必要があるのです。停止した状態でモードが変えられないのもやや不便。やはりボタン2個のほうが使いやすいと感じました。

↑運転中にボタンを押すたびにモードがチェンジ。ただし5秒以上経ってボタンを押すと運転終了になります↑運転中にボタンを押すたびにモードがチェンジ。ただし5秒以上経ってボタンを押すと運転終了になります

 

歯ブラシは6種類を付属し、3モデルの中では最も豊富。前述の「マルチフィットブラシ」「密集極細毛ブラシ」のほか、磨きにくい歯間用の「ポイント磨きブラシ」、歯ぐきケア用の「シリコンブラシ」、ステインケア用の「ステインオフブラシ」、ステイン集中ケア用の「ステインオフアタッチメント」が同梱されています。舌のケアはステインオフブラシの背面を使い、「ソフト」モードで行います。

↑写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています↑写真左からマルチフィットブラシ、密集極細毛ブラシ、ポイント磨きブラシ、シリコンブラシ、ステインオフブラシ、ステインオフアタッチメント。このほか、ステイン集中ケア用の「ステインクリーンペースト」も付属しています

 

【今回の検証のまとめ】

刺激はブラウンが最も強く、パナ、フィリップスが続く

20180129-s1 (26)

歯垢除去力に関しては、今回の検証で最も優秀だったのはパナソニック。次いでブラウン、フィリップスの順番でした。ただし、その差は小さく、また磨く人のクセによって、磨き残しの程度も変わってきます。逆に言えば、自分のクセを把握して、磨きにくい場所を念入りにブラッシングするよう意識するだけで、今回試した3モデルであれば、どれを使ってもほぼ汚れを除去できるでしょう。

 

磨き心地に関しては、最も刺激が強かったのがブラウン。次いでパナソニック、フィリップスといった順番。なお、パナソニックの「Wクリーン」モードは、たたくような振動があるぶん、性質としてはブラウンに似ています。また、どの機種も歯垢除去に関しては磨き強度を3段階で変えられます。

↑刺激が強めが好みなら、ブラウンがオススメ↑刺激が強めが好みなら、ブラウンがオススメ

 

1本ずつ磨く感覚が好みならブラウンかパナソニック

電動歯ブラシの扱いやすさに関しては、パナソニックが最も軽く、デザインもスリムで、より手にしっくりと収まる感覚がありました。とはいえ、他の2モデルも「扱いにくい」ということはありません。そもそも電動歯ブラシは手磨き用のブラシのように細かく動かす必要がないので、ブラウンやフィリップスの重さやサイズ感がそれほど問題になることはないと思います。

 

ただし、歯ブラシのサイズに関してはフィリップスが大きめで、初心者にはやや扱いづらい印象を持ちました。特に女性など歯が小さめの人は、歯の1本1本を意識しながらブラッシングしやすい丸型ヘッドのブラウンや小型ヘッドのパナソニックのほうが、使いやすいのではないかと思います。

 

ブラッシングモードはフィリップスが最も豊富

ブラッシングモードのバリエーションに関しては、その種類が最も豊富なのはフィリップス。表示されるモードは5種類と、ブラウンの6種類より少ないですが、ブラウンはそのうち3モードが「クリーンモード」の強度違いなのに対し、フィリップスは歯の部位と汚れの種類に応じたまったく異なる5モードを採用しています。さらにクリーンモードだけでなく、ホワイトプラスモードやガムヘルスモードなどすべてのモードで強度を3段階で変えられるのもメリットです。

↑フィリップスのモード↑フィリップスのモード選択時

 

パナソニックは多彩な付属ブラシが魅力

一方、パナソニックは、モードの数が5種類で、先述した通り、他の2機種と違って1つのボタンが電源のON/OFFとモード切り替えを兼ねており、やや不便を感じることも。ちなみに、5種類のモードのうち、「Wクリーン」モードがブラウンとよく似た刺激を実現しているのが特徴。刺激の種類としては、フィリップスとブラウンのどちらのタイプも搭載しているという見方もできるでしょう。また、歯ブラシの種類も豊富で、歯医者でやってもらうような丁寧な歯垢除去に対応できるのも魅力です。

 

次回は快適な歯磨きをサポートする機能、充電のしやすさや設置性、メンテナンス性について見ていきたいと思います。

↑パナソニックには6種類のブラシが付属↑パナソニックには6種類のブラシが付属

 

コレ、読まずに選んでホントにいいの? 電気シェーバー「ビッグ3」の違いがわかる「6項目徹底比較」を総まとめ

本稿は、電気シェーバーの主要3メーカー(ブラウン、パナソニック、フィリップス)の高級モデルを比較する連載(全3回)の最終回。第1回では、「シェービングの速さ」「深剃り」「肌への負担」を検証し、第2回では「操作性」「メンテナンス性」「付加機能」を比較検証してきました。今回はそれらの検証結果を踏まえ、各モデルがどんなユーザーにピッタリなのかを考えていきたいと思います。

20171230-s1 (3)_R

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

人工知能と多彩なカットシステムであらゆるヒゲを逃さず剃る!

20171227-s4

ブラウン

シリーズ9 9295cc

実売価格3万3700円

人工知能がヒゲの濃さを読み取り、自動でパワーを調整するモデル。5種類の独自のカットシステムが寝たヒゲやくせヒゲなど様々なタイプのヒゲを捕らえて剃り切ります。毎分1万回の音波振動でヒゲを外刃に取り込みやすくし、肌にやさしい深剃りが可能。お風呂剃りに対応し、使用後は水道で丸洗いもできます。

SPEC●刃の枚数:4枚刃●駆動方式:往復式●充電時間:60分●連続稼働時間:約50分●サイズ/質量(本体):約W66×H168×D44mm/約210g

 

エントリーその2

肌への密着度が増し、肌にやさしい深剃りができる5枚刃モデル

20171227-s2 (2)

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

実売価格4万5772円

肌への密着度が増したヘッドで剃り残しを防ぐ5枚刃モデル。従来型ヘッドの前後・左右・上下の動きに、ツイストと前後スライドの動きを加え、アゴ下の密着度が約10%アップしました。くし状の突起でヒゲの下に潜り込みやすいスリット刃も進化し、長い寝たヒゲの除去率が従来比約200%に向上。また、グリップを持つと自動でロック解除し、手を離すと約60秒後に自動でロックされる機能を搭載し、誤作動を防止します。

SPEC●刃の枚数:5枚刃●駆動方式:往復式(リニアモーター駆動)●充電時間:60分●連続稼働時間:約42分(1日1回約3分間の使用で約14日間使用可)●サイズ/質量(本体):W72×H167×D59mm/約215g

 

エントリーその3

肌にやさしい深剃りにこだわり、他機種の約5分の1の力でシェービング

20171227-s2 (3)

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

実売価格4万5155円

一般的な電気シェーバーの最上位機種と比べ、約5分の1の力で肌にやさしい深剃りができる機種。8方向に動く輪郭検知ヘッドで顔や首のあらゆる凹凸に密着し、滑らかな深剃りを実現します。外刃のスリット形状と内刃の形状をV字型にした「ダブルVトラック刃」を採用し、より少ないストロークで最大深剃り30%アップを実現。モーター駆動のスピードは好みに合わせて3段階から選べる。

SPEC●刃の枚数:3枚刃●駆動方式:回転式●充電時間:60分●連続稼働時間:約60分(1日1回約3分間の使用で約20日間使用可)●サイズ/質量(本体):W59×H164×D70mm/約169g

 

【検証のまとめ】

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電気シェーバーで誰もが第一にチェックする項目はシェービングの性能。前回までのテストではそれを「シェービングの速さ」「深剃り」「肌への負担」の3項目に分けて検証しました。今回はその結果をもとに、各モデルを選ぶべきユーザーのタイプを考えていきたいと思います。

 

また、切れ味維持に重要な役割を果たすシェーバーの「メンテナンス性」に関しては、どの機種も高い清浄能力を持っていた一方、ランニングコストや手洗いをする場合の快適性に差が出ました。そこでメンテナンスについても、各モデルとユーザーの相性を考えていきます。

 

さらに、毎日使い続けるうえで重要な要素である「操作性」と、利用シーンが広がる「付加機能」の種類も、改めて整理していきましょう。

 

<シェービング性能(シェービングの速さ/深剃り/肌への負担)>

「シェービング」に関しては、今回テストした3機種はどれもトップクラスの性能を誇っています。それを前提としたうえで、より厳密に各モデルとユーザーの相性を考えていきます。

 

とにかく深剃りしたいならパナソニック

まず肌に負担をかけずに高い深剃り性能を求めるなら、パナソニックがオススメ。同機は3種5枚の外刃であらゆるタイプのヒゲを捕らえられ、毎分1万4000ストロークの高速駆動で濃いヒゲもスパッと剃り切るうえ、「5Dアクティブサスペンション」であらゆる形状の肌にピタッと密着。肌への摩擦抵抗を抑えたシェーピングができます。

↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着

 

実際のところ、他機種でシェービングしたあとに本機を使うと、「チリチリ」とヒゲが剃れる音がしました。本機の使用後に他機種を使った場合も、音がする箇所はありましたが、本機を後に使ったときの方が「チリチリ」と音がする頻度が高かったです。

↑頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました↑パナソニックは、頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました

 

また、同機はシェービングの速さも秀逸。3機種の中でも最もバランスの取れた機種だと言えます。ただし、お風呂剃りには非対応。その意味では、シェービングフォームなどは使わず、ヒゲ剃りをさっさと済ませたい人に最適です。

 

肌にやさしい速剃りを求めるならフィリップス

一方、深剃りはある程度のレベルでいいのでとにかく手早くシェービングを済ませたい人はフィリップスが最適。可動域が広い3つの丸型ヘッドが独立して動くことで、顔のあらゆる部分で肌の広い面積に接触。ヘッドを円を描くように動かしてシェービングすることで、外刃の「くの字」スリットにあらゆる角度からヒゲを導きカットします。

↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます

 

また、敏感肌の人など、最も肌にやさしいシェーバーを探している人もフィリップスがオススメとなります。お風呂剃りやフォーム、ジェルを使ったシェービングにも対応し、「深剃り」以外はどれもトップクラスの性能を示しています。

20171227-s2 (15)↑フィリップスは、やや強めに押し付けても、頬全体に圧力が分散しているのがわかります

 

深剃り&お風呂剃りならブラウンがオススメ

深剃りでなおかつお風呂剃りやシェービングフォームを使ったヒゲ剃りを希望するならブラウンがオススメ。様々なヒゲに特化した5種類のカットシステムを搭載。毎分1万回の音波振動で普段皮膚の下に隠れたヒゲまで引き出してカットします。また、クッション性の高い4個の外刃がそれぞれ独立して可動し、顔の曲面に追随。また、本機は運転中の振動(運転音)は3機種中最も大きかったですが、振動によって網刃がよりヒゲを捕らえやすくなっている印象がありました。肌への負担はパナソニックと同レベルというイメージです。

↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります

 

↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です

 

<メンテナンス性>

メンテナンスの手間に関しては、洗浄充電器を使う場合は、各モデルともシェーバーをセットして洗浄ボタンを押せば終了。ほかに必要なのは定期的な洗浄液(カートリッジ)の交換だけです。洗浄機能についても3機種とも遜色ない性能を見せました。違いが出てくるのがランニングコストです。

↑各社の洗浄充電器。左から↑各社の洗浄充電器。左からブラウン、パナソニック、フィリップス

 

「週1でいい」なら洗浄コストが最も安いのはフィリップス

まず、最もコストが安く、かつ洗浄液カートリッジの交換も少なくて済むのはフィリップス。週に1度洗浄した場合のコストは年間3000円で、カートリッジの交換も3か月に1回で済みます。ただし、この数字はメーカーが推奨する「週に1度の使用」という前提があってのもの。これを他機種の洗浄充電器と同じ1日1回の使用で計算し直すと、年間ランニングコストが約7倍=約2万1000円となり、交換頻度が約13日に1回になります。メーカーも推奨しない毎日の洗浄は必要ないかもしれませんが、「週に1度」という洗浄頻度は、毎日清潔な状態でシェービングしたい人には物足りないかもしれません。

↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します

 

コストを抑えて毎日洗浄したいならパナソニック

シェーバーを毎日洗浄したい人で、洗浄のランニングコストを安く抑えたいなら、パナソニック・ラムダッシュES-LV9CXがオススメです。年間ランニングコストは約3200円。同機はカートリッジ交換式でなく、専用カップに水道水と洗浄剤を混ぜ入れて使うタイプで、洗浄液の交換目安は1か月に1回です。

↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します

 

高い除菌率にこだわるならアルコール洗浄採用のブラウン

毎日洗浄して、除菌にもこだわりたい人は、アルコール洗浄システムを採用し、除菌率99.9%のブラウンが最適。毎日使った場合、洗浄液カートリッジは3週間に1度の交換が目安で、ランニングコストは年間8660円程度になります。ちなみに、2日に1度の洗浄なら年間4330円になり、パナソニックにだいぶ近づきます(洗浄液のアルコールが気化する関係で、2か月以上の使用は推奨されていません)。

↑ブラウンの洗浄充電器↑ブラウンの洗浄充電器

 

ヘッドを駆動させる手軽な洗浄を望むならパナソニックかブラウン

一方、洗浄のランニングコストを限りなくゼロに近づけるならヘッドを水洗いするという選択になります。この場合のオススメはパナソニック。「音波洗浄モード」を搭載し、市販のハンドソープを使って汚れを落とせます。また、同機の洗浄充電器には「乾燥+充電コース」が搭載されているので、洗浄のみ自分で行い、乾燥と充電は機械任せ、という使い方もできます。またブラウンも、ヘッドに液体洗剤やハンドソープをつけてスイッチを入れながら洗浄&水洗いが可能です。

↑音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます↑パナソニックは音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます

 

一方フィリップスは、シェーバーを駆動させながらヘッドの水洗いはできません。同機の洗浄充電器はジェルやフォームの洗浄力が高いので、特にシェービングフォームやシェービングジェルを使う人は、通常は水洗いでケアし、週に1〜2回は洗浄充電器でしっかり汚れ除去するのがオススメです。

 

替刃のコストが最も安いのはフィリップス

ちなみに、替刃のコストがもっとも安いのは、交換目安が約2年で替刃の実売価格が5770円のフィリップス。次いで、網刃と内刃の交換目安が約18か月で、替刃の実売価格9980円のブラウン(2年に換算した場合は1万3306円)。最も高いのは、外刃(交換目安は約1年)の実売価格6804円、内刃(交換目安約2年)の実売価格は2916円パナソニックとなります(2年換算で1万6524円)。

 

<操作性>

操作性に関しては、毎日の使用感にも関わる重要項目。使い始めて「こんなはずでは……」とならないよう、ぜひチェックしておきたいところです。

 

ホールド感の高さで選ぶならパナかフィリップス

ブラウンは、他の2機種、特にフィリップスと比べると手に持ったときの重量感があり、デザインも無骨で、どちらかというと手が大きな欧米の人向けのサイズ感かなと感じました。ただ、シェービングしながら親指操作でヘッドの固定/解除ができるのは便利です。

↑グリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ↑ブラウンのグリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ

 

パナソニックは、重さはブラウンと同等で、サイズ感はブラウンよりやや細め。ただ、手に持つとホールド感の高いデザインで、ヘッドに重心があることもあり、ブラウンより操作感が軽く感じられました。親指が当たる部分にラバー素材を使うなど、きめ細かなデザインの配慮も伺えます。

↑本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能↑パナソニックの本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能

 

フィリップスは3機種の中で最も軽く、グリップも細身。手で持ったときにホールド感のあるデザインで、手が小さめな筆者は、最もスムーズにシェービングが行えました。このモデルのみ、ヘッドを固定する機能が付いていなかったので、鼻の下などを剃りにくく感じる人もいるかもしれません。

↑グリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます↑フィリップスのグリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます。なお、逆手での操作も快適

 

いずれにしても、手に持ったときの感触は個人差が大きいので、機会があれば、購入前に量販店などで1度手に取ってみることをオススメします。

 

バッテリー重視なら長持ち&表示が細かいフィリップス

充電に関しては、3機種とも1時間で充電が終了。万一バッテリーがなくなっていても数分で1回シェービングできるのも助かります。洗浄充電器を使った充電はどれも充電器にセットするだけと手間いらず。バッテリーの持ちは、1日3分の使用でフィリップスが約20日、ブラウンが約17日、パナソニックが約14日持ちます。シェービング後毎回洗浄・乾燥・充電する人にはあまり関係ないスペックですが、長期出張が多い人は、覚えておいてもいいかもしれません。

↑本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません↑フィリップスのバッテリー表示。本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません

 

またバッテリー残高表示は、ブラウンが5段階表示、パナソニックは0〜100%を10%単位で表示、フィリップスが0~100%を1%単位で表示します。これも常に洗浄充電器を使う人にはあまり問題にならない差ですが、手洗い派で、使用中にバッテリーがなくなってしまわないか気になる人は、表示が細かく変わるモデルのほうが安心できるでしょう。

↑バッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます ↑パナソニックのバッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます

 

↑シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです↑ブラウンのバッテリー表示は5段階。シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです

 

<付加機能>

ブラウンはキワ剃りしやすく、フィリップスは洗顔用アタッチメントが付属

追加機能も購入条件としての優先順位は低いとはいえ、知っておいて損はない情報です。付加機能で差が出たのはキワ剃り刃とお風呂剃り対応。ブラウンとパナソニックがキワ剃り刃を内蔵しています。使いやすさでは、キワ剃りしながら刃の先端が見やすいブラウンのほうが優秀でした。

↑キワ剃り刃リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います↑ブラウンのキワ剃り刃は先端が見えて便利。リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います

 

フィリップスは、キワ剃り刃は内蔵していませんが、アタッチメントでヒゲスタイラー(ヒゲトリマー)と洗顔ブラシヘッドが付いています。ヒゲスタイラーはヒゲの長さを5段階で揃えられ、洗顔ブラシヘッドは極細毛で毛穴に詰まった皮脂や角質をやさしく除去できます。シェービングだけでなく、フェイスケア全体への興味を喚起するフィリップスの独自の戦略が伺えます。

↑洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています↑フィリップスの洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています

 

一方お風呂剃りについては、「シェービング性能」の項でも触れましたが、ブラウンとフィリップスが対応し、パナソニックが非対応。パナソニックはお風呂剃り対応の3枚刃ラムダッシュも発売していますが、残念ながら、極上の剃り味が味わえる5枚刃はお風呂剃りモデルは発売されていません。朝シャワーを浴びるときにヒゲも剃りたいという人も多い昨今、お風呂剃り対応の5枚刃ラムダッシュの登場が待たれるところです。

 

高級電気シェーバー3モデルの検証企画は以上で終了。どの機種もシェーバーとしての実力は折り紙つきながら、細かく見ていくと様々な“違い”があることがわかりました。本稿を参考に、自分の肌質やシェービングの好み、お手入れスタイルに合った1台を選んでください!

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電気シェーバーの「年間メンテ代」って知ってる? 「ビッグ3」最新モデルの「剃り味以外」を徹底比較!

本稿は電気シェーバーの「ビッグ3」、ブラウン、パナソニック、フィリップスのフラッグシップモデルについて、性能や使いやすさを徹底検証する連載企画。「シェービングの速さ」や「深剃り」「肌へのやさしさ」をチェックした前回に続き、第2回となる今回は、「操作性」「メンテナンス性」と「付加機能」について検証していきます。

20171230-s1 (3)_R

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

人工知能と多彩なカットシステムであらゆるヒゲを逃さず剃る!

20171227-s4

ブラウン

シリーズ9 9295cc

実売価格3万3700円

人工知能がヒゲの濃さを読み取り、自動でパワーを調整するモデル。5種類の独自のカットシステムが寝たヒゲやくせヒゲなど様々なタイプのヒゲを捕らえて剃り切ります。毎分1万回の音波振動でヒゲを外刃に取り込みやすくし、肌にやさしい深剃りが可能。お風呂剃りに対応し、使用後は水道で丸洗いもできます。

SPEC●刃の枚数:4枚刃●駆動方式:往復式●充電時間:60分●連続稼働時間:約50分●サイズ/質量(本体):約W66×H168×D44mm/約210g

 

エントリーその2

肌への密着度が増し、肌にやさしい深剃りができる5枚刃モデル

20171227-s2 (2)

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

実売価格4万5772円

肌への密着度が増したヘッドで剃り残しを防ぐ5枚刃モデル。従来型ヘッドの前後・左右・上下の動きに、ツイストと前後スライドの動きを加え、アゴ下の密着度が約10%アップしました。くし状の突起でヒゲの下に潜り込みやすいスリット刃も進化し、長い寝たヒゲの除去率が従来比約200%に向上。また、グリップを持つと自動でロック解除し、手を離すと約60秒後に自動でロックされる機能を搭載し、誤作動を防止します。

SPEC●刃の枚数:5枚刃●駆動方式:往復式(リニアモーター駆動)●充電時間:60分●連続稼働時間:約42分(1日1回約3分間の使用で約14日間使用可)●サイズ/質量(本体):W72×H167×D59mm/約215g

 

エントリーその3

肌にやさしい深剃りにこだわり、他機種の約5分の1の力でシェービング

20171227-s2 (3)

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

実売価格4万5155円

一般的な電気シェーバーの最上位機種と比べ、約5分の1の力で肌にやさしい深剃りができる機種。8方向に動く輪郭検知ヘッドで顔や首のあらゆる凹凸に密着し、滑らかな深剃りを実現します。外刃のスリット形状と内刃の形状をV字型にした「ダブルVトラック刃」を採用し、より少ないストロークで最大深剃り30%アップを実現。モーター駆動のスピードは好みに合わせて3段階から選べる。

SPEC●刃の枚数:3枚刃●駆動方式:回転式●充電時間:60分●連続稼働時間:約60分(1日1回約3分間の使用で約20日間使用可)●サイズ/質量(本体):W59×H164×D70mm/約169g

 

【テストの内容はコチラ】

操作性」では、シェーバーの持ちやすさやボタン操作のしやすさ、運転モード数を確認。充電時間と連続稼働時間、バッテリー残量表示なども合わせて検証します。「メンテナンス性」はシェービング後のヘッド部分のお手入れの手間をチェック。特に、最上位機の売りである自動洗浄充電機の使い勝手を吟味していきたいと思います。さらに「付加機能」では、キワ剃り刃やアタッチメントなど、ヒゲ剃り以外の機能の有無と使い勝手を見ていきます。

 

【検証結果はコチラ】

エントリーその1

ブラウン

シリーズ9 9295cc

<操作性>

グリップはやや太く重めだがホールド感は良好

本機のグリップはかなり太めで、しっかり持って操作する必要があります。背面にはラバー素材が使われていて、ホールド感は良好でした。

↑グリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ↑グリップのラバー部分には独自のドット模様が施されています。この凹凸でホールド感がアップ

 

充電時間は1時間で約50分間の使用が可能で、1日3分の使用だと約17日、といったところです。バッテリーはリチウムイオン電池で、5分の急速充電で1回のシェービングが可能。毎回使用後の充電も問題なしです。

 

洗浄充電器での充電は、ヘッドを下向きにして充電器に置くだけ。充電ボタンを押すということもなく、自動で充電が始まります。また、本体に直接電源コードをつないでの充電も可能です。

 

本体のバッテリー残量表示は5段階で、残量がわずかになるとバッテリーマークが赤く点滅します。この状態でも1回分のシェービングは可能です。

↑スタートボタンを押すと5段階の目盛りでバッテリー残量が表示されます↑スタートボタンを押すと5段階の目盛りでバッテリー残量が表示されます

 

ちなみに、本体正面のスタートボタンの上には、ヘッドの首振りを固定できるスライドスイッチを付属。鼻の下を剃る際に、シェーバーを肌に当てたまま操作できるのは便利でした。

↑ON/OFFボタン上部のスライドスイッチが上側だとヘッドが可動↑ON/OFFボタン上部のスライドスイッチが上側だとヘッドが可動

 

↑スイッチを下にスライドすると、ヘッドが固定されます↑スイッチを下にスライドすると、ヘッドが固定されます

 

<メンテナンス性>

アルコール洗浄システムを採用し、除菌率が極めて高い

本機は、1台で充電、洗浄、刃の潤滑化、除菌、乾燥が行える「クリーン&リニューシステム」(洗浄充電器)を付属。“機械にお任せ”でシェーバーのメンテナンスが行えます。特に本機の洗浄充電器はアルコール洗浄システムを採用していて、99.9%という高い除菌率。実際に使ってみると、洗浄成分と循環システムのおかげか、ヒゲくずがキレイに落ちていました。

↑シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです↑シェーバーの液晶に、しずくマークが点灯したら洗浄のタイミングです

 

↑洗浄充電器のカートリッジ交換用ボタンを押すと本体が上がるので、そこにカートリッジをセットして、再び本体を下に押し下げます。洗浄液が汚れてくると洗浄液残量表示ランプが赤く点灯して、交換時期を知らせてくれます↑洗浄充電器のカートリッジ交換用ボタンを押すと本体が上がるので、そこにカートリッジをセットして、再び本体を下に押し下げます。洗浄液が汚れてくると洗浄液残量表示ランプが赤く点灯して、交換時期を知らせてくれます

 

洗浄時間の目安は約3分。その後40分程度乾燥運転します。また、シェーバーは「クリーン&リニューシステム」を使わず、洗面所で水洗いも可能です。付属のブラシを使って、シェーバーヘッドの台座部分の掃除も可能です。

↑ヘッドの洗浄時に研磨剤を含まない液体洗剤を使うと、汚れが落ちやすく、内刃・外刃も傷めません。泡を完全に洗い流したあとも、数秒間シェーバーをONのままにして水滴を除去します。その後、ヘッドから網刃と内刃を外して、乾燥させます↑ヘッドの洗浄時に研磨剤を含まない液体洗剤を使うと、汚れが落ちやすく、内刃・外刃も傷めません。泡を完全に洗い流したあとも、数秒間シェーバーをONのままにして水滴を除去。その後、ヘッドから網刃と内刃を外して、乾燥させます

 

なお、洗浄液カートリッジの交換は、毎日洗う場合は3週間に1度が目安。カートリッジの実売価格は2個入りで1000円前後なので、毎日洗浄する場合は年間8700円程度のランニングコストがかかる計算になります。網刃と内刃は約18か月ごとに交換することが推奨されており、こちらは9980円(F/C92S ※網刃・内刃一体型カセットタイプ)です。

 

<付加機能>

キワ剃り刃でもみあげなどを整えられるほかお風呂剃りにも対応

本体背面のキワ剃り刃で、もみあげや口ヒゲ、あごヒゲなどを整えることができます。スライド式で、使用時も刃がしっかり安定するのが魅力。また、刃がヘッドの上までくるため、剃っている部分が見やすくなっています。

↑キワ剃り刃リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います↑キワ剃り刃リリースボタンを押しながらキワ剃り刃を上部にスライドさせて使います

 

また、本機は耐水設計が施され、浴室での使用が可能。シェービングフォームやシェービングジェルを使い、肌にやさしいシェービングもできます。

 

エントリーその2

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

<操作性>

人差し指に重心が乗る独自のフォルムで安定して剃れる

グリップはブラウンに比べるとやや細めですが、フィリップスに比べるとかなり太く感じます。ただ、本体を順手で持ったときに人差し指にヘッドの重心が乗る形状になっているため、シェービング中の操作感はかなり高いです。T字カミソリのように逆手で持つ場合も薬指と小指がこのラウンド形状にうまくかかって、軽快に操作できます。グリップ部分はラバー製でホールド感も十分。

↑本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能↑本体を順手で持つと、人差し指に重心が乗ります。また、手の平と中指、薬指、小指にラバー製のグリップがすっぽり収まって、握りしめなくてもしっかりホールド可能

 

↑驚いたのは順手で親指が当たる位置にもシボ加工(シワ模様)のラバー素材が使われている点。細部まで配慮が行き届いていると感心しました↑驚いたのは順手で親指が当たる位置にもシボ加工(シワ模様)のラバー素材が使われている点。細部まで配慮が行き届いていると感心しました

 

本体は3機種中最も重い(とはいえブラウンとはわずか5g差)ですが、重心がヘッドのほうにあるぶん、操作感は軽く感じられます。

 

充電は1時間で、1日3分のシェービングが約14日間可能。ブラウン同様、洗浄充電器に本体をセットすれば、自動で充電が始まります。また、本体に電源コードを直接挿して充電もできます。バッテリー残量表示は100%~0%を10%単位で表示されます。残量が10%以下になるとバーが赤い点滅表示になるため、充電し忘れが防げて便利。

↑バッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます ↑バッテリー残量は「%」と6分割の円形バーの2種類で表示。毎回のシェービング後に、そのときのシェービング時間も表示されます

 

ちなみに、本機は「スマートロック機能」を搭載し、グリップを握ると、それを感知してロックを解除。手を離して約60秒後にスイッチが自動でロックされるため、旅行中にカバンの中でON/OFFスイッチが押されて誤作動する、という事態が防止できます。

 

<メンテナンス性>

本体に「音波洗浄モード」を搭載し手洗いでもしっかりケアできる

本機も付属の洗浄充電器を使って、シェーバーヘッド部の洗浄、乾燥、充電が行えます。洗浄に10分、乾燥に80分(室温が約15℃以下の場合170分)かかり、その後充電に移ります。洗浄後は内刃、外刃ともにヒゲくずがすっきり除去されていました。

↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します↑充電乾燥器は、本体を差し込むと自動的に「充電コース」に入ります。「SELECT」ボタンを押すと洗浄・乾燥・充電を行う「全自動コース」に、もう一度「SELECT」ボタンを押すと「乾燥+充電コース」に移行します

 

本機の洗浄液は水道水と専用洗浄剤を混ぜて使います。洗浄剤は3袋入りで実売価格800円前後。目安として、1日1回の使用で1袋約30日使えるので、年間のランニングコストは約3200円になります。また、外刃の交換目安は約1年で、実売価格は6804円(ES9177)。内刃の交換目安は約2年で、実売価格は2916円(ES9170)となっています。

 

ヘッドを手洗いする場合は、「音波洗浄モード」が便利。別売のクリーニング液のほか、市販のハンドソープが使えて経済的です。

↑音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます↑音波洗浄モードになると液晶画面がイルミネーション表示に。ON/OFFスイッチを2秒以上長押しすると約20秒間音波振動で泡立てします。その後外刃フレームを外し、外刃と内刃を流水ですすぎ洗いすれば、細かいヒゲくずもすっきり除去できます

 

なお、本体液晶画面にはバッテリー残量のほか、「洗浄催促マーク」と「刃点検催促マーク」も表示。「洗浄催促マーク」は刃のメンテが必要なときに点灯、「刃点検催促マーク」は本機の使用開始から約1年の使用で点灯します。

 

<付加機能>

切れ味のいい跳ね上げ式のトリマー刃を搭載

ブラウン同様、本機にもキワ剃り刃(トリマー刃)が搭載されています。45°鋭角刃を採用し、切れ味は文句なし。ヘッドの裏側に設置されているため、剃っている部分がやや見えづらいのが残念です。

↑本体背面のノブを押しながら櫛のマークが「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、トリマー刃が跳ね上がります↑本体背面のノブを押しながら櫛のマークが「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、トリマー刃が跳ね上がります

 

エントリーその3

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

<操作性>

スリムなグリッブと軽量設計で扱いやすさも文句なし

3機種の中で最もグリップが細くて持ちやすいのが本機。重さも約169gと軽く、T字カミソリのように逆手で持ってのシェービングもスムーズに行えます。

↑グリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます↑グリップは適度な太さで、本機が手の平にすっぽり収まります。親指と人差し指だけで、ヘッドを自在に操作できます

 

本体背面にはラバー素材が貼られ、ホールド感も十分。グリップ上部のラウンドした部分に人差し指(逆手の場合は中指)が乗って、安定感のある操作が可能です。

↑本機をT字カミソリのように逆手で持ってみました。グリップのくぼみに中指を置くように持つと操作しやすいです↑本機をT字カミソリのように逆手で持ってみました。グリップのくぼみに中指を置くように持つと操作しやすいです

 

充電時間は1時間。1回の充電で合計約60分のシェービングができます。これは1日約3分間の使用で約20日間使用可能ということです。

 

洗浄充電器での充電は、シェーバーを後ろ向きにセットし、洗浄充電器上部のキャップ(ホルダー)を押し下げてシェーバーのお尻と接続。他機種と比べるとひと手間かかる仕組みになっています。また、電源コードを本体につないでの充電も可能です。

↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します↑本体が後ろ向きになるようにセット。上部キャップを押し下げてシェーバーをロックすると充電モードに入ります。その後、洗浄充電器のON/OFFスイッチを押すと洗浄を開始します

 

バッテリー残量は100%~0%を1%刻みで表示されます。また、パナソニック同様本機もセンサーを装備、本体を持ち上げるとバッテリー残量が表示されます。

↑本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません↑本体が動くとセンサーが反応、バッテリー残量が表示されます。ただし、一定時間が経つとセンサーがスリープするようで、運転スタートするまで、残量表示は行われません

 

<メンテナンス性>

洗浄充電器でシェーバーについたジェルまでしっかり落とせる

付属の洗浄充電器を使い、シェーバーの洗浄、乾燥、刃の潤滑化、充電を自動で行えます。洗浄時間は約10分で、乾燥時間は約4時間が目安。洗浄後はヒゲくずがしっかり除去できていました。皮脂汚れやシェービングフォーム、ジェルも効率よく洗浄できます。

 

洗浄液カートリッジ交換の目安は週に1度の使用で約3か月。クリーニングカートリッジ交換ランプが赤色に点滅したら交換時期です。カートリッジは2個入りで実売価格は1500円前後。年間ランニングコストは3000円前後というところです。替刃の交換目安は約2年で、替刃(SH90/51)の実売価格は5770円です。

↑洗浄充電器側面の着脱ボタンを押して本体を上部に上げ、クリーニングカートリッジを前面から装着します↑洗浄充電器側面の着脱ボタンを押して本体を上部に上げ、クリーニングカートリッジを前面から装着します

 

ヘッドを水洗いする場合は、シェービングユニットを本体から外し、ユニットから上部ホルダーを外して洗います。

 ↑シェービングユニットの分解は最初少し戸惑いましたが、慣れれば簡単に取り外せます。シェービングユニットは細かく分解も可能↑シェービングユニットの分解は最初少し戸惑いましたが、慣れれば簡単に取り外せます。シェービングユニットは細かく分解も可能

 

シェーバー本体の液晶画面にはクリーニングや充電、ヘッド交換の催促表示など、様々な情報を表示。メンテナンスのし忘れを防げます。

 

<付加機能>

ヒゲトリマーと洗顔ブラシの2つのアタッチメントを付属

本機にはヒゲスタイラーアタッチメント(ヒゲトリマー)と洗顔ブラシヘッドを付属。ヒゲスタイラーはあごヒゲ、口ヒゲ、もみあげのケアに使います。使う際は。本体からシェービングユニットを外し、ヒゲスタイラーを装着。スタイラーコームを取り付けると、ヒゲの長さを1~5mmの5段階に刈り揃えることができます。コームなしでは、長さ0.5mmに仕上がります。

 

洗顔ブラシヘッドが付属しており、顔と毛をぬるま湯で濡らしたあと、毛に洗顔料をつけて回転させて洗顔が可能です。肌当たりはソフトで皮脂や古い角質を効果的に除去。洗い上がりもさっぱりで、手洗いよりも洗顔後の皮脂量の増加が抑えられるとのこと。

↑スタイラーの長さ調節レバーを左右に動かすと、スタイラーコームが前にせり出す長さを変えられます↑スタイラーの長さ調節レバーを左右に動かすと、スタイラーコームが前にせり出す長さを変えられます

 

↑洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています↑洗顔ブラシヘッドは、シェーバーと同じように、円を描くように顔の上を滑らせながら洗うとよいそうです。また、肌の洗いすぎ防止のため、ひとつの箇所を洗う時間は20秒以内にするよう推奨されています

 

また、本機はお風呂剃り対応で、シェービングフォームやシェービングジェルをつけてシェービングもできます。肌の滑りが良くなり、摩擦も少なくなるので、肌が弱い人には特にオススメです。

 

【今回のテストのまとめ】

<操作性>

軽さと細身グリップで最も操作感が軽いのはフィリップス

今回試した中で最も操作感が軽いのはフィリップスでしょう。重さ約169gは他の2機種より40g以上軽く、細身で順手でも逆手でもスムーズに扱えます。

↑逆手で持ったフィリップス↑逆手で持ったフィリップス

 

パナソニックは本体が215gと重めで、グリップもやや太めですが、重心がヘッド側にあり、また手に持ちやすいグリップ形状と素材を採用しているため、操作感は良好です。

 

一方、ブラウンは重さではパナソニックより5g軽いものの、手に持ったときの重量感はパナソニック以上。色々な角度でシェービングするときのホールド感も、他の2機種よりやや劣ります。ただし、シェービングしながらヘッドの動きをロックできる機能は、鼻の下などピンポイントのシェービングの際に便利でした。

 

充電時間に関しては3機種とも1時間と急速充電が可能。運転時間に関してはフィリップスが約60分と最も長く、ついでブラウンが約50分、パナソニックが約42分という順番でした。充電の仕方は、ブラウンとパナソニックは洗浄充電器にシェーバーを置くだけと簡単。フィリップスのみ、キャップを押し下げるひと手間がかかりますが、それで決定的に充電が面倒になるということはありません。

 

ちなみにパナソニックとフィリップスはセンサーが搭載されており、本体を手に持ったときにバッテリー残量が表示されて便利です。

↑パナソニックのバッテリー表示↑パナソニックのバッテリー表示

 

<メンテナンス性>

除菌力と乾燥の速さならブラウン、ランニングコストならパナとフィリップス

今回試した3機種は最上位機だけあって、どれも洗浄充電器が付属。洗浄、除菌、乾燥、刃の潤滑化、充電を全自動で行え、毎回清潔にシェービングできます。特にアルコール洗浄システムを採用したブラウンは、99.9%の高い除菌率が魅力。また洗浄性能についても、3機種とも問題なく汚れが落ちていました。

↑ブラウンの洗浄充電器↑ブラウンの洗浄充電器

 

乾燥時間に関しては、ブラウンは洗浄液にアルコールが含まれているせいもあり、乾燥が40分と早く済みます。逆に乾燥に一番時間がかかったのがフィリップスで約4時間。ただ、ヒゲ剃りはほとんどの人が1日に1回、多くて2回だと思うので、朝シェービングしてそのまま洗浄乾燥して翌日また使う、あるいは夜剃ったあと洗浄乾燥して翌朝使う、という使い方なら、乾燥時間はそれほど問題にならないと思います。

 

洗浄液のランニングコストは、ブラウンが年間8700円前後なのに対し、パナソニックが3200円、フィリップスが3000円前後と安く済みます。また、フィリップスは交換が3か月に1回とパナソニックの3倍長持ちし、交換頻度が少ないのもメリット。ただし、フィリップスの清浄液カートリッジは週に1度の使用を推奨しています。メーカー推奨の使用法でのランニングコストを考えると、フィリップスが最も安く、交換の手間も少なくなりますが、毎回清潔なシェービングを望むなら、パナソニックやブラウン、という選択肢に変わってきます。

 

替刃のコストがもっとも安いのは、交換目安が約2年で替刃の実売価格が5770円のフィリップス。次いで、網刃と内刃の交換目安が約18か月で、替刃の実売価格9980円のブラウン(2年に換算した場合は1万3306円)。最も高いのは、外刃(交換目安は約1年)の実売価格6804円、内刃(交換目安約2年)の実売価格は2916円パナソニックとなります(2年換算で1万6524円)。

 

 

手洗いでは「音波洗浄モード」がついたパナソニックが有利。市販のハンドソーブが使えるので、余計な買い物が不要なのも魅力です。せっかく最上位機を買ったのなら、洗浄充電器を使うのがオススメですが、ランニングコストを少しでも節約したい人は、「音波洗浄モード」で手洗いして、その後「乾燥+充電コース」を使うのもいいでしょう。

20171229-s1 (5)↑パナソニックの音波洗浄モード

 

ブラウンも専用モードこそついていませんが、電源スイッチを入れながら水洗いすることで、効率よく洗浄が可能。その際に液体洗剤を使えば、汚れ落ちがアップします。一方フィリップスはシェービングユニットを本体から外して洗うため、内刃や外刃を振動させながら流水洗いできないのがデメリット。特にシェービングジェルを使う人は、洗浄充電器を利用するのがオススメです。

 

ちなみにパナソニックとフィリップスは本体に充電催促や洗浄催促、ヘッド(刃)の催促表示出ます。こうしたメンテナンスのアシスト機能が豊富なのも、毎日清潔で快適なシェービングを望む人にはメリットとなるでしょう。

 

<付加機能>

機能の多彩さならフィリップスが一歩リード

付加機能に関しては、ブラウンとパナソニックはキワ剃り刃のみと標準的。実際の使い勝手は、筆者は刃先が見えやすいブラウンの方が使いやすいと感じました。

 

一方フィリップスは、ヒゲスタイラーと洗顔ブラシヘッドが付いているのが魅力です。ただし、本機では他機種で可能なキワ剃りができないのが残念。どうせならキワ剃り用のトリマーも付けてほしかったところ。

↑フィリップスのヒゲスタイラー↑フィリップスのヒゲスタイラー

 

お風呂剃りに関しては、パナソニックのみ残念ながら非対応。同社はお風呂剃り対応モデルを別途発売しています。浴室での使用を希望する人やシェービングフォーム、シェービングジェルを使いたい人は、ブラウンかフィリップスという選択肢になりるでしょう。次回はこれまでの検証を踏まえて、各モデルがどんな人に向いているかを考えていきたいと思います。

深剃りNo.1はどれだ? 最新電気シェーバー「ビッグ3」の剃り味を3項目で徹底比較!

「シェービングは手早く済ませたい」「でもしっかり深剃りしたい」という人には、何といっても高級電気シェーバーがオススメです。近年のモデルは深剃りだけでなく、肌への負担軽減にも配慮したものが多いのが特徴。また、専用の洗浄液を使って使用後のヘッド(刃)のケアも自動で行え、毎日清潔に使えるのも魅力です。

 

さて、高級電気シェーバーといえば、まずはブラウン、パナソニック、フィリップスが挙げられるのではないでしょうか。とはいえこの「ビッグ3」、名前は知っていても、いったいどれを選べばいいのか、わからない方も多いはず。そこで本稿では各ブランドの最上位機種を集め、性能と使い勝手を徹底的に比較検証。各ブランドの個性を洗い出していきます。第1回目となる今回は、ヒゲ剃りで最も気になる「シェービングの速さ」「深剃り度合い」「肌への負担」をチェックしていきます。

20171227-s2 (4)

 

【テストする機種はコチラ】

エントリーその1

人工知能と多彩なカットシステムであらゆるヒゲを逃さず剃る!

20171227-s4

ブラウン

シリーズ9 9295cc

実売価格3万3700円

人工知能がヒゲの濃さを読み取り、自動でパワーを調整するモデル。5種類の独自のカットシステムが寝たヒゲやくせヒゲなど様々なタイプのヒゲを捕らえて剃り切ります。毎分1万回の音波振動でヒゲを外刃に取り込みやすくし、肌にやさしい深剃りが可能。お風呂剃りに対応し、使用後は水道で丸洗いもできます。

SPEC●刃の枚数:4枚刃●駆動方式:往復式●充電時間:60分●連続稼働時間:約50分●サイズ/質量(本体):約W66×H168×D44mm/約210g

 

エントリーその2

肌への密着度が増し、肌にやさしい深剃りができる5枚刃モデル

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パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

実売価格4万5772円

肌への密着度が増したヘッドで剃り残しを防ぐ5枚刃モデル。従来型ヘッドの前後・左右・上下の動きに、ツイストと前後スライドの動きを加え、アゴ下の密着度が約10%アップしました。くし状の突起でヒゲの下に潜り込みやすいスリット刃も進化し、長い寝たヒゲの除去率が従来比約200%に向上。また、グリップを持つと自動でロック解除し、手を離すと約60秒後に自動でロックされる機能を搭載し、誤作動を防止します。

SPEC●刃の枚数:5枚刃●駆動方式:往復式(リニアモーター駆動)●充電時間:60分●連続稼働時間:約42分(1日1回約3分間の使用で約14日間使用可)●サイズ/質量(本体):W72×H167×D59mm/約215g

 

エントリーその3

肌にやさしい深剃りにこだわり、他機種の約5分の1の力でシェービング

20171227-s2 (3)

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

実売価格3万9090円

一般的な電気シェーバーの最上位機種と比べ、約5分の1の力で肌にやさしい深剃りができる機種。8方向に動く輪郭検知ヘッドで顔や首のあらゆる凹凸に密着し、滑らかな深剃りを実現します。外刃のスリット形状と内刃の形状をV字型にした「ダブルVトラック刃」を採用し、より少ないストロークで最大深剃り30%アップを実現。モーター駆動のスピードは好みに合わせて3段階から選べる。

SPEC●刃の枚数:3枚刃●駆動方式:回転式●充電時間:60分●連続稼働時間:約60分(1日1回約3分間の使用で約20日間使用可)●サイズ/質量(本体):W59×H164×D70mm/約169g

 

【テストの内容はコチラ】

「シェービングの速さ」は、顔のヒゲを、これ以上ほぼ剃れない状態(シェービング中の「チリチリ」という音がほとんどしない状態)までシェービングし、その時間を計測しました。ちなみに、筆者はもともとヒゲが濃いほうではなく、生えている場所も口の周りとあご下だけで、シェービング時間は一般の人より短めです。あくまで、比較の目安と考えてください。20171227-s2 (16)

「深剃り度合い」はシェービング終了後のヒゲの残り具合を見た目と手で触った感触で判断しました。「肌への負担」は同じくシェービング後の肌のひりつきの有無をチェックしました。

 

【検証結果はコチラ】

エントリーその1

ブラウン

シリーズ9 9295cc

<シェービングの速さ>

顔のより広い面積に密着し効率よくシェービング

本機でほぼシェービングを完了するまでの時間は134秒で、その後、口元などややザラつきのある場所を追加で剃りました(筆者の場合、普段のシェービングでも、口元が最も剃り残しの多い場所です)。筆者が所有するシェーバー(1万円前後の普及モデル)よりずいぶん早く終了したというのが実感です。

 

本機のヘッドを、形状の似ているパナソニックと比較すると、一番の長所は外刃部分のクッションの深さ。見た目ではパナソニックの倍近く深く沈み込みます。

↑ヘッド部の外刃を押し込むと3mmほど沈み込みます。見た目にもパナソニックの2倍程度沈み込んでいるように見えます↑ヘッド部の外刃を押し込むと3mmほど沈み込みます。見た目にもパナソニックの2倍程度沈み込んでいるように見えます

 

さらに、4枚の外刃が独立して動くことで、上唇の上やあご付近など緩やかに隆起している場所で、肌に密着する面積がパナソニックより広く感じました。一方、ヘッドの動きは前後のみのため、シェービング時はヘッドの角度を手で細かく調整する必要があります。1か所のヘッド走行回数は3~4回というところ。ゆっくり肌の上を移動しながらの、効率の良いシェービングでした。

 

<深剃り度合い>

4枚の多彩な外刃で頑固なくせヒゲまで捕らえて深剃り

ヘッドの外側に配置された2枚の「ディープキャッチ網刃」には900種類の異なる形状の穴が組み合わされ、さまざまな毛質のヒゲを捕らえられるとか。さらに網刃に毎分1万回の音波振動を加えることで、ヒゲを穴の中に呼び込みやすくなっています。本機は運転中の振動(運転音)は3機種中最も大きかったですが、振動によって網刃がよりヒゲを捕らえやすくなっている印象はありました。また、シェーバーを意識的にゆっくり動かすことでも、外刃がヒゲをキャッチしやすくなり、より剃り残しのない深剃りに繋がるようです。

 

シェービング後の剃り具合は、後述のパナソニックにわずかに及ばないものの、十分以上の深剃りに感じられました。筆者が普段使う電気シェーバーだと毎日のシェービングが不可欠ですが、本機だとそれが2日に1回でも大丈夫だと思わせる深剃りでした。

↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります↑2つの網刃の間に挟まれた部分が「人工知能デュアル連動刃」。2つの刃が連動して効率よくヒゲを剃ります

 

<肌への負担>

通常のシェービングなら肌のひりつきはほとんどなし

本機は3機種の中ではシェービングの振動が最も大きく、一見肌への負担が気になります。ですが、実際にシェービングし終わると、ヒリヒリ感もほとんど感じられませんでした。

 

本機の刃の部分のクッション性は他の2機種と比べるとやや強め。肌に強く押し付けても弱く押し付けても剃り味にはまったく影響がなかったので、肌のためには、シェービングの際はあまり強く押し付けすぎないように気をつけましょう。

↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です↑ヘッドのクッション性はやや強め。シェーバーを肌に押し付けると、ブラウンは圧力がよりピンポイントに掛かる印象です

 

エントリーその2

パナソニック

ラムダッシュ ES-LV9CX

<シェービングの速さ>

ピタッと密着するヘッドによりわずか93秒でシェービング完了!

本機で顔のヒゲをほぼ剃り終えるのに要した時間は93秒。その後、口元などをケアしました。ヘッドの動きも、5枚刃のクッション性も3機種の中で最も滑らかで、肌に当てた瞬間からピタッと密着する感覚があります。シェービングではヘッドをかなりゆっくり移動させましたが、あご下など凹凸の大きな場所も2~3往復で剃り終えた印象です。

↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着↑ヘッドは、前後・左右・上下の動きに加え、ひねりやスライドの動きも可能な「5Dアクティブサスペンション」を採用。ヘッドを指で動かしても本当にグネグネと可動します。このフレキシブルな動きで肌にピタッと密着

 

↑5枚刃の間にチタンコーティングを施した金色の「スムースローラー」を設置。これで肌への摩擦が約3分の2になり、すべりの良いシェービングが行えます↑5枚刃の間にチタンコーティングを施した金色の「スムースローラー」を設置。これで肌への摩擦が約3分の2になり、すべりの良いシェービングが行えます

 

ちなみに、本体背面にはヘッドの動きをロックするスイッチが付いていて、鼻の下などをシェービングするときに便利。ただ、筆者の場合はその機能を使うまでもなく、きれいに剃り切れていました。

↑本体背面、ヘッド下のノブを押しながら、「LOCK」と書かれたマークを外側の「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、ヘッドが固定されます↑本体背面、ヘッド下のノブを押しながら、「LOCK」と書かれたマークを外側の「●」マークと同じ位置にくるまで押し上げると、ヘッドが固定されます

 

<深剃り度合い>

見た目でも手触りでもその優秀な深剃り具体がわかる

一度で剃れる深さは3機種中トップ。シェービング後に肌を触り、鏡を見て深剃り具合を確認しましたが、わずかな差ながら、これも一番深く剃れている印象でした。

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また、他機種でシェービングしたあとに本機を使うと、「チリチリ」とヒゲが剃れる音がします。本機の使用後に他機種を使った場合も、音がする箇所はありましたが、本機を後に使ったときの方が「チリチリ」と音がする頻度が高かったです。

 

最も感心したのは、肌にヘッドを押し付けずに、当てただけの状態でもしっかり深剃りできること。3種5枚の外刃であらゆる形状のヒゲを捕らえる技術の高さを実感しました。

 

<肌への負担>

ほとんど圧力をかけなくてもしっかり深剃りできている

このように圧倒的な深剃りができると、肌への負担が気になりますが、筆者の場合はブラウン同様ほとんどひりつきを感じませんでした。

 

深剃りの項でも書きましたが、肌に押し付けずに深剃りできることで、肌への負担も明らかに軽くなっています。本機を使えば、シェービング時につい肌に圧力をかけてしまう人も、軽く肌に当てるシェービングが習慣づけられるでしょう。

↑頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました↑頬などで、肌にほとんど押しつけていない状態でシェーバーを動かしても、しっかりとヒゲが剃れていました

 

エントリーその3

フィリップス

Shaver series 9000 ウェット&ドライ電気シェーバー

S9731/33

<シェービングの速さ>

独特の3ヘッドは円を描くようにゆっくりシェービングすると効率よくヒゲが剃れる

特徴的な3つのヘッドを備えた本機は、シェーバーを円を描くように動かしてシェービングすることが推奨されています。実際、この動きでより多くの方向からヒゲが捕らえられるようで、わずか76秒でほぼシェービングを終了しました。またヘッド自体も滑りやすく、他の2機種よりスピーディーに肌の上を移動できる印象。ちなみに、本機を他機種のように上下に動かしてシェービングすると、終了までより長い時間が必要でした。

 

ヘッドの可動域を手で確認してみると、まず3つの丸型ヘッドを備えたシェービングユニットが前後左右に動きます。さらに、丸型ヘッドのひとつひとつが左右・内側の3方向に動き、顔のあらゆる形状に柔軟に対応。特に、内側への沈み込みが大きく、あごの先端も包み込むようにシェービングが行えます。また、ヘッド全体の幅が大きいのも、効率のよいシェービングができる要因でしょう。

↑3ヘッドの真ん中を押すと、間に大きな窪みができます。この窪みをあごの先端に沿わせて動かすとあごヒゲをヘッド全面で剃ることが可能↑3ヘッドの真ん中を押すと、間に大きな窪みができます。この窪みをあごの先端に沿わせて動かすとあごヒゲをヘッド全面で剃ることが可能

 

<深剃り度合い>

他の2機種にはやや劣るが、十分な深剃り力を持つ

本機はモーター駆動音がとても静か。使い始めは、本当にヒゲが剃れているのか心配になりますが、上にも書いたように、シェービングに要した時間は最も短かったです。

↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます↑9000シリーズは外刃の形状にも工夫が。外刃は外側に「くの字」型のスリットが施され、このカーブに沿ってヒゲが内側に導かれ、しっかり捕らえてカットされます

 

ただ、深剃りに関しては、他の2機種にいま一歩の印象。ブラウンやパナソニックの剃り上がりと比較すると、やや手で触ったときにザラつきを感じます。これは、ヘッドのクッションが極めて柔らかいためではないかと推測します。シェーバーを肌に押し付けても、他の2機種に比べて圧力が弱く感じるような、圧力が外に逃げるような感覚があるのです。

 

本機は後述する「肌への負担を軽減する」目的には最適ですが、かなりの深剃りが好みの人は、少々物足りなく感じてしまうかも。とはいえ、電動シェーバーとしては十分な深剃りの実力は備えているので、後述の通り、肌荒れが気になる人にはこちらが第一候補になります。

 

<肌への負担>

肌へのやさしさは文句なしでよりやさしいモードも搭載

一方、「肌へのやさしさ」という意味では、本機は文句なしでNo.1です。また、3機種の中では唯一、刃の回転数を3段階で変えられ、肌が極端に弱い人はセンシティブモード(弱モード)でのヒゲ剃りも可能です。

↑ON/OFFスイッチの左右の「+/-」のボタンでヒゲ剃り強度を3段階調節できます。普段使いに最適な「ノーマルモード」のほか、敏感肌の人に最適な「センシティブモード」、素早くシェービングしたい人向けの「ハイスピードモード」が搭載されています↑ON/OFFスイッチの左右の「+/-」のボタンでヒゲ剃り強度を3段階調節できます。普段使いに最適な「ノーマルモード」のほか、敏感肌の人に最適な「センシティブモード」、素早くシェービングしたい人向けの「ハイスピードモード」が搭載されています

 

【今回のテストのまとめ】

<シェービングの速さ>

どれも優秀だが特にフィリップスが秀逸!

シェービングの速さは、どの機種も十分速いというのが実感ですが、なかでも速かったのがフィリップス。3つに分かれた丸型ヘッドがあごの周辺でもより広い面積に密着できるのが、効率的なシェービングを生み出しているようです。

20171227-s2 (17)

一方、パナソニックは、少ない走行で着実にヒゲを剃り切る印象。シェービングではヘッドをかなりゆっくり移動させましたが、あご下など凹凸の大きな場所も2~3往復で剃り終えた印象です。ブラウンは鼻と口の間やあご付近など、緩やかな隆起がある場所での肌への密着度が大きく、一度に広い面積をシェービングできると感じました。

 

<深剃り度合い>

深剃り性能ではトップのパナソニックにブラウンが迫る状態

深剃りではパナソニックが優秀という結果に。これは、5枚刃と「5Dアクティブサスペンション」が、深剃りにも大いに寄与しているようです。

20171227-s2 (19)

ブラウンは見た目や手で触った感覚では、ほとんどパナソニックと変わらぬ深剃り度合い。ただ、シェービング後にパナソニックを使うとまだ剃れている音がするので、パナソニックのほうがより深剃りできると推測します。

 

フィリップスはパナソニックやブラウンに比べると、シェービング後のザラつき感がわずかに残ります。とはいえ、これはあくまで3機種を比較した結果であり、フィリップスも十分深剃りできていると感じました。ブラウンの項では、筆者の手持ちのシェーバー(1万円台の普及モデル)だと毎日のシェービングが不可欠だったところ、本機だと「2日に1回でも大丈夫に思えた」と書きましたが、それはフィリップスも同様(もちろんパナソニックも)です。

 

「少しでも深剃りできる機種がほしい」という人にはパナソニックがオススメ。そうでなければ、どの機種も満足できる深剃り性能を持っていると思います。

 

<肌への負担>

肌へのやさしさはフィリップスが優秀だが他の2機種も負担は少ない

今回検証した3機種は、どれも「深剃り」と「肌へのやさしさ」を両立できているといえます。なかでも特に肌への負担が少ないのはフィリップス。通常の使用では多少長時間シェービングしても、肌がひりつくことはありませんでした。

20171227-s2 (15)↑フィリップスは、やや強めに押し付けても、頬全体に圧力が分散しているのがわかります

 

他の2機種に関しても、「十分剃れた」と思うところまでシェービングを続けても、ほぼ肌にひりつきは感じませんでした。かなり肌が弱い人以外は、フィリップス以外の2機種でも問題なく使えると思います。次回は「操作性」「メンテナンス性」「拡張性」をチェックしていきましょう。