ソニー「BRAVIA 9」シリーズ登場。4K BRAVIA史上最高の輝度で自宅での映像鑑賞がもっとリッチに

ソニーは、より鮮やかな色彩と、きめ細やかで明暗がはっきりした描写を実現する、Mini LEDバックライト搭載の4K液晶テレビ「BRAVIA 9」シリーズなどを発表。8月10日から順次発売します。

 

今回登場したのは、Mini LEDモデルやQD-OLEDモデル、4K有機ELなど合わせて全4シリーズ12機種。いずれの製品にも、クリエイターが意図した映像を忠実に再現できる「スタジオ画質モード」や、各種コンテンツの信号をテレビが識別し、最適な画質に自動調整する「Prime Video 画質モード」が搭載されています。

 

サイズや型名、発売日などは以下の通りです。

商品名 シリーズ名 サイズ 型名 発売日 価格
 

Mini LEDバックライト搭載
4K液晶テレビ

 

BRAVIA 9
(XR90)

85V型 『K-85XR90』  

8月10日

 

 

 

 

 

 

オープン価格

75V型 『K-75XR90』
65V型 『K-65XR90』
 

Mini LEDバックライト搭載
4K液晶テレビ

 

BRAVIA 7
(XR70)

85V型 『K-85XR70』  

8月31日

75V型 『K-75XR70』
65V型 『K-65XR70』
55V型 『K-55XR70』
 

QD-OLEDパネル搭載
4K有機ELテレビ

 

A95L

65V型 『XRJ-65A95L』  

8月10日

55V型 『XRJ-55A95L』
 

4K有機ELテレビ

 

BRAVIA 8
(XR80)

77V型 『K-77XR80』  

8月31日

65V型 『K-65XR80』
55V型 『K-55XR80』

 

フラッグシップモデルのBRAVIA 9は、ピーク輝度を最大約1.5倍に高め、4K BRAVIA史上最高の輝度を実現。さらに、新開発のLEDドライバー「XR バックライト マスタードライブ」を搭載し、より緻密にMini LEDバックライトを制御することで、きめ細やかで明暗がはっきりした描写が堪能できるようになっています。

 

音の立体感、クリアさも強化されています。テレビ本体のスピーカーに、音を壁と天井に反射させて上方向から届ける「ビームトゥイーター」を追加したうえ、サウンドバーなどとの接続時に、テレビをセンタースピーカーとして使用できる「アコースティックセンターシンク」機能も進化し、より高精度な音響調整を行えるようになりました。

↑テレビ背面の「ビームトゥイーター」と、テレビのフレームを振動させて高音域の音を前に届ける「フレームトゥイーター」のイメージ

 

「BRAVIA 7」シリーズは、2023年発売のフラッグシップモデル「X95L」シリーズと同じバックライト制御技術「XR バックライト マスタードライブ」を搭載しています。さらに、LEDバックライトの分割数やピーク輝度についても、X95Lシリーズと同等の性能を備えているといいます。

 

「A95L」シリーズは、従来機種の「A95K」シリーズと比較し、ピーク輝度が最大2倍に向上しています。QD-OLEDパネルの純度の高い発色と、プロセッサー「XR」の映像処理技術「XR トリルミナス マックス」を掛け合わせ、より明るく鮮やかな色彩を繊細に表現できます。

 

「BRAVIA 8」シリーズは、プロセッサー「XR」が有機ELパネルの能力を最大限に引き出し、ピーク輝度を最大1.2倍に向上させています。明暗がくっきりとした、高コントラストな映像表現が可能です。壁掛けにも適した薄さで、リビングに溶け込む美しいデザインです。

 

ソニーのブラビアでFF16を体験、驚いちゃうくらい映像美がすごい!

ソニーでゲームといえば真っ先に思い浮かぶのはPlayStationでしょう。しかし、これだけゲームが盛り上がりを見せている中で、家庭用コンソール機だけに注力しているわけではもちろんなく、ほかのカテゴリでも力を入れています。そのひとつがテレビです。

 

今回、ソニーがブラビアのゲーミング機能にフォーカスした体験会を実施。その様子をレポートしていきます。

↑大画面の有機ELブラビアでFF16を体験

 

高画質なブラビアでゲームを楽しむ新機能を公開

ブラビアといえば、高画質/高音質に力を入れてきたブランドです。2023年の主なラインナップは、赤・緑・青がそれぞれ独立して発色する「QD-OLED」パネル搭載のフラッグシップモデル「A95K」シリーズを含めた4K有機ELテレビ3シリーズ、miniLEDバックライト搭載の「X95L」を含む4K液晶テレビ6シリーズとなっています。

 

なかでも、4K有機ELテレビ3シリーズと、液晶テレビの上位モデルX95L、「X90L」、「X85L」の3シリーズには、独自のプロセッサー「XR」を搭載。人が映像を見るときに注視するポイントを検出し、カラーやコントラストといったさまざまな要素を個別にではなく、横断的に分析・処理することで、人の目が感じる自然な美しさを表現してくれます。このXR搭載ブラビアは、特に高画質なシリーズといえるでしょう。

 

こうして培ってきた高画質をゲームでも楽しめるように、ソニーは2023年に新機能として「ゲームメニュー」をリリースしました。利用できる機能に若干の差はあるものの、2022~2023年に登場したブラビアにこのゲームメニューを対応させています。

 

ゲームメニューの機能は、表示画面のサイズを変更できる「画面サイズ調整」、FPSなどで的を狙いやすくする「クロスヘア/クロスヘアタイプ」、画面を明るくしてゲーム内の暗所を見やすくする「ブラックイコライザー」、映像の乱れを低減する「残像低減」の4つ。このうち画面サイズ調整はまだ非対応で、今後のソフトウェアアップデートで利用可能になる予定です。

↑ブラビアのリモコン操作で、画面下部に表示されるゲームメニューの設定を変更できます

 

それぞれの機能を利用できるシリーズは下記のとおり。

画面サイズ調整 クロスヘア/クロスヘアタイプ ブラックイコライザー 残像低減
4K有機ELテレビ A95K、A90K、A80K、A80L A95K、A90K、A80K、A80L A80L A95K、A90K、A80K、A80L
4K液晶テレビ X95L、X90L、X85L、X80L、X75WL、X95K、X90K、X85K、X80K、X80WK X95L、X90L、X85L、X80L、X75WL、X95K、X90K、X85K、X80K、X80WK X95L、X90L、X85L、X80L、X75WL X95L、X90L、X85L、X80L、X75WL、X95K、X90K、X85K、X80K、X80WK

 

体験会ではブラックイコライザーをメインに試用しました。

 

ぱっと見の明るさがわかる液晶、息をのむ映像美を楽しめる有機EL

体験会に用意されたブラビアは、4K液晶の最上位であるX95Lと4K有機ELのA95K。また試用ゲームタイトルは『FINAL FANTASY XVI』(FF16)です。スクウェア・エニックスはブラビアのうち、4K有機ELのA95K/A80L、4K液晶のX95L、X90L、X90Kシリーズを「公認画質」に定めています。FF16を楽しむうえで、最適な画質を有しているというお墨付きを与えているわけです。

↑85V型のX95L
↑77V型のA95K

 

公認するだけあって、どちらのブラビアも文句なしの画質でした。以下、体験した編集長・山田のコメントを交えながらレポートしていきます。

 

X95Lを見たときに、すぐにわかるのは明るさです。薄暗いレンガ造りの中を進むシーンでは、薄暗さを表現しつつも見えづらくなることはなく、ゲームプレイに支障をきたさない明るさを保っています。このあたりは、miniLEDバックライトによる恩恵を受けているものと感じられます。

↑X95Lで見たときの、城の中を移動している最中の画面。明かりが少ないため本来であればもっと暗く、見えにくいはずですが、全体的に明るく表示されているので、画面の奥の方まで見通せます

 

一方のA95Kは、夜の漆黒の闇と、そこで揺らめく炎や魔法のまばゆい輝きを体感できます。その両方を同時に表現し切るパフォーマンスを備えているので、特にストーリーを展開するムービーシーンは、まさに息をのむ映像美として画面に没入できます。

↑A95Kで見たときの、夜の屋外のムービーシーン。炎で明るく照らされた場所と、建物周辺の影や月明かりによるレンガの色表現が見事に描き分けられています

 

↑A95Kで見たときの、夜の屋外で戦闘しているシーン。写真だと見えにくいかもしれませんが、左奥の松明の間に木製の扉があり、そのあたりが黒く潰れることなく表現されているのが特徴的です

 

編集長・山田のレポ

4K液晶→4K有機ELの順番で矢継ぎ早に視聴したのだが、最初、液晶だと気づかなかったぐらい高コントラスト。あとで有機ELの画面を観てようやく、「さっきのって液晶でした?」となったのは驚き。

 

また、新製品のブラビアの多くのモデルがFF16公認画質ということで、ゲームをするときの画質は圧巻。古いレンガや木の経年劣化した感じ、鎧の鈍い金属の質感、人物の髪1本1本にわたる微細な表現などが余すことなく描かれていると感じた。

 

画面全体の明るさを持ち上げるブラックイコライザー

続いて、ブラックイコライザーをオンにしたときのゲーム画面を視聴してみました。

 

先に述べたように、液晶テレビのX95Lはそもそも画面が明るく、体験会中、ゲーム画面で暗くて見えにくいシーンはありません。それでもブラックイコライザーをオンにすると、画面の明るさが持ち上がることがはっきりとわかりました。

 

ブラックイコライザーは、画面の暗い場所を明るくするものではなく、画面全体を明るくします。そのため、明かりのない暗所では視認性が上がり、特に効果を感じられます。ただ、気になる点でいうとノイズです。これはテレビによるものなのか、ゲームによるものなのかははっきりしませんが、暗いところが明るくなると画面のノイズが目立つ場面がありました。ですので、ゲームの映像を楽しみたいときは、あえて暗いままにしておくなど、要所で切り替えて使うのがよさそうです。

 

【ブラックイコライザーが効いた画面をまとめてチェック】(画像をタップすると閲覧できます)

 

 

クリエイター向けながら、ゲーム用途で注目集まるモニターヘッドホン

体験会では、5月に発売されたクリエイター向けのモニターヘッドホン「MDR-MV1」も用意されていました。発売後、立体的な空間表現による音の定位のよさが、「敵の足音がわかりやすそう」「音の方向性がわかる」などの理由からゲーム用途で注目を集めているそうです。また、長時間使用にも適した装着性も、長い時間ゲームを楽しむ人にとってはうれしいところ。実際にゲーム用に購入する人もいるといいます。

↑MDR-MV1は主に、音響エンジニアやクリエイターが音楽制作する際に活躍するヘッドホン

 

そこで、普段からゲームを楽しむ山田が体験してみました。

 

編集長・山田のレポ

体験してみてわかったのは、音を「演出」するのではなく「情報」として捉えるのに適したヘッドホンだということ。ゲーマーからの草の根で評価が広がっていっていると聞いたが、それも納得できる、素直でシンプルな音が聞こえてくる。ひとつひとつの音が独立して聞こえてくるため、たとえばシューターゲームで銃声の位置なども把握できそうに感じた。

 

ソニーだとゲーミングブラントとして、INZONEのヘッドホンもあるが、こちらは「しっかり演出が施された、わかりやすい音」。音の鳴りがさすがで、たとえばレーシングゲームのエンジン音やエキゾースト音が耳いっぱい、頭いっぱいに広がり、高揚感が断然アップする。どちらを選ぶべきかはゲームジャンルや、どのように作品を楽しみたいかによるだろう。

 

画質や音質で、普段接しているコンテンツの印象が変わるのはよくあること。普段何気なく遊んでいるゲームでも、ブラビアで楽しむか別で楽しむかで体験としては変わってくるでしょう。とはいえ、ゲームを楽しむのに高価なブラビアは……、と踏みとどまる人も多いはず。そうした人の背中を押す機能が、今回のゲーミング機能といえそうです。

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

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2.5cmの距離から80型の映像を投写できるアイテムも! 極上ビジュアルを堪能できるビジュアル機器3選

テレビ放送をはじめ、ネット配信サービスやBDソフトなど……近年のビジュアル機器では多様なコンテンツ視聴が可能に。それらの上質な映像を独自の技術により、快適かつ極上に描き出す最新機器を紹介する! 今回はソニー「ブラビア XRJ-65X95L」とエプソン「dreamio EH-LS800W」、LGエレクトロニクス「32SQ730S-W」をピックアップ!

※こちらは「GetNavi」2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【私が選びました】

テクニカルライター・湯浅顕人さん

AV機器をはじめ、PC・ガジェットなどデジタル全般に明るい。本誌ではテスターとして多くの機器を検証する。

 

次世代液晶パネルと独自回路が異次元の画音を創出

●写真は75V型(XRJ-75X95L)

【4K液晶テレビ】

ソニー
ブラビア XRJ-65X95L

実売格47万3000円

Mini LEDバックライト搭載モデル。進化した認知特性プロセッサー「XR」がバックライトを自在に制御し、従来機よりもハイコントラストな映像を実現する。サウンドも、フレーム自体を震わせて高音域の音を出す独自の音響技術により映像との定位感が向上している。

SPEC●画面サイズ:65V型●チューナー:BS4K/110度CS4K×3、地デジ/BS/110度CS×3●接続端子:HDMI×4、USB×2ほか●サイズ/質量:W1443×H846×D
341mm(標準スタイル)/33.7kg

 

↑従来の約1/100サイズのMini LEDバックライトを搭載。XRプロセッサーや駆動技術などにより高コントラストな映像を実現した

 

【この超絶ワザで酔いしれる!】Mini LED+認知特性プロセッサー

人の目が感じる自然な美しさを再現

「バックライトに微細粒子のMini LEDを搭載。それを認知特性プロセッサー『XR』が制御することで、“人間が観て美しいと感じる映像”になるように輝度や色合いを調整します。制御システムの改良により、前モデルよりコントラスト・輝度ともに向上しました」(湯浅さん)

 

壁際約2.5cmの設置で80インチの大画面投影が可能

【ホームプロジェクター】

エプソン
dreamio EH-LS800W

実売価格45万1000円

超短焦点レンズの採用により、壁から約2.5㎝離して置くだけで80インチの大画面投影が可能な4K対応プロジェクター。面倒な歪みやピント補正がアプリで簡単に行える。ヤマハ製の2.1chスピーカーを搭載し、本体だけで迫力の3Dサラウンドを体感可能。

SPEC●方式:3LCD●スクリーン解像度:4K相当●明るさ:4000ルーメン●コントラスト比:250万:1●OS:Android TV●サイズ/質量:W695×H145×D
341mm/約12.3kg(突起部除く)

 

↑「Epson Setting Assistant」を採用。投写画面をスマホのカメラで撮影することで、自動的に画面の歪みを補正できる

 

【この超絶技巧で酔いしれる!】超短焦点

壁前の設置で最大150インチの投写が実現

「レンズを投写面からわずか約2.5cm離すだけで80型の映像を投写できるという超短焦点を実現。従来のような部屋の中央や反対側の壁際ではなく、『投写したい壁』の壁際に設置できます。間隔を約28.5cmにすれば、さらに150型の大画面に対応するのも魅力」(湯浅さん)

 

VODの視聴もPC作業もコレ1台あればOK!

【PCモニター】

LGエレクトロニクス
32SQ730S-W

実売価格8万2800円

独自のwebOS 22を搭載した、31.5インチの4K液晶ディスプレイ。本体のみでYouTubeをはじめNetflixやAmazon Prime Video、Disney+などのVODコンテンツが楽しめる。チルト角や高さの調整も行え、USB Type-C端子も備えるので、PCモニターと兼用するのも◎。

SPEC●画面サイズ:31.5インチ●パネルタイプ:VA●輝度:250cd/㎡●視野角:水平・垂直178°●接続端子:HDMI×2、USB×3ほか●サイズ/質量:W714×H487-597×D260mm/9.1kg

 

↑メインの端子は背面にレイアウト。ゲームコントローラーやPC周辺機器との接続用のUSB2.0ダウンストリーム端子は側面に配備する

 

【この超絶技巧で酔いしれる!】新パーソナルディスプレイ

1台2役で活躍するパーソナルデバイス

「独自OSの搭載で、VODやアプリのダウンロード追加が可能。将来新しいVODサービスが登場した場合にも対応されることが期待できます。マウス接続でPCのように操作でき、「PCモニター」としても「チューナーレステレビ」としても使える製品です」(湯浅さん)

価格帯別にオススメをピックアップ!「4Kテレビ」今冬の優良モデル3選

今冬の家電市場では、例年以上に魅力的な新製品が続々と登場している。ここでは、なかでも注目を集める7大ジャンルを取り上げて、価格帯別にトレンドと“買い”のポイントを解説。さらに、各価格帯でプロが認めたイチオシのアイテムも紹介していく。今回取り上げるのは、4Kテレビ。今冬の4Kテレビは、東京五輪に向けて発売された各社の自信作がズラリと揃う。なかでも55V型クラスは価格帯が10万円以下から25万円以上まで幅広く、選択肢が多い。そのなかで特に優れたモデルを識者がセレクトした。

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

★最新4Kテレビ、“買い”のポイント

4Kチューナーを2基内蔵し、4K放送番組の裏録に対応する

多くのネット動画配信サービスで4Kコンテンツを視聴できる

最新HDR方式をサポートし、より高画質な映像を楽しめる

 

私たちが解説します!

AV評論家

藤原陽祐さん

新聞記者、専門誌編集者を経てフリーに転身。わかりやすい解説と核心を突いた評論で本誌をはじめ多媒体で人気を博す。

GetNavi編集長

川内一史

長年オーディオ・ビジュアル記事を担当。テレビ放送だけでなくネット動画の視聴も多く、アプリへの対応も重視する。

 

長期に渡り愛用するなら各社の旗艦モデルが狙い目

例年、テレビの冬モデルはボーナス期に合わせて各社が自信作を投入してくる。コロナ禍とはいえ、今季も4Kテレビ市場は十分に活気づいているようだ。

 

「2020年は、コロナ禍の影響で予定されていた東京五輪が延期に。しかし、各社は大会に照準を合わせて、入門機から上位モデルまで渾身の逸品を準備してきました。そのため、今季は例年以上の豊作と言えます」(藤原)

 

多士済々の4Kテレビだが、ベストの一台を選ぶにはどこに着目すれば良いのだろうか。

 

「かつて“高嶺の花”だった高画質な有機ELテレビの価格がこなれてきました。『松』クラスは各社の旗艦モデルとなるため音質や機能性も最高峰で、長く使えます。ミドルクラス以下の液晶を狙うなら、ネット機能の充実度は重視したい。対応するVODの数はもちろん、音声検索の精度も、ストレスなく使うためには大事です」(川内)

 

【《松》クラス】予算額25万円以上

各社4K有機ELのハイエンドモデルが並ぶ価格帯。いずれも、独自構造のディスプレイや高画質エンジンをだけでなく、高音質なスピーカーシステムなどを搭載し、高品位な“画”と“音”を存分に楽しめる。

 

【No.1】独自の有機ELディスプレイを採用し圧倒的な映像美を実現

パナソニック

ビエラ TH-55HZ2000

実売価格36万4820円

自社設計・組立の「Dynamic ハイコントラスト 有機ELディスプレイ」を搭載したハイエンドモデル。高級オーディオを手掛ける同社のテクニクスチームがチューニングしたテレビ一体型のイネーブルドスピーカーを備え、映画館のような立体音響を再現する。

SPEC ●画面サイズラインナップ:65V/55V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1225×H789×D350mm/約34kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 4方式(※)
音声最大出力 140W

※:静止画フォーマットを除く

 

↑特別素材の放熱プレートと貼付けシートを独自の構造で組み合わせたディスプレイを搭載。発光性能が高められている

 

↑上向きのイネーブルドスピーカーを採用。立体音響技術「ドルビーアトモス」との組み合わせで、臨場感あふれる音場を体感できる

 

↑底面に吸盤を備えるスタンドを採用。吸着をオンにすると、テレビ台との間が真空状態になり固定され、転倒を防止する

 

↑スイーベル(首振り)機能を搭載。左右それぞれ15度まで回転可能なので、テレビ背面の掃除もスムーズに行える

 

<クロスレビュー!>

映像の総合的な表現力はライバル機を圧倒

「ダイナミックレンジの広さが圧巻で、各部分の情報が浮き上がり、全体の階調描写が豊か。黒のなかのディテール描写が意欲的でハイライトの色付きも絶妙です。総合的な表現力は随一」(藤原)

 

映画館クオリティの迫力サウンドを堪能

「テクニクスが手掛けたオーディオシステムの品質がスゴい。厚みのあるサウンドに加えて、音の出ている位置がはっきりとわかるので臨場感が段違い。まさにシアタークオリティです!」(川内)

 

【No.2】ネイティブ4Kはもちろん地デジ放送も高画質で楽しめる

東芝

レグザ 55X9400

実売価格30万8000円

全録機能「タイムシフトマシン」を搭載した有機EL旗艦モデル。独自開発の高画質エンジンにより、4K映像だけでなく、地デジ放送やネット動画などを美しく描く。最大出力142Wのパワーアンプを採用したオーディオシステムによる迫力の音声も魅力。

SPEC ●画面サイズラインナップ:77V/65V/55V/48V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ×9、BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×7ほか ●サイズ/質量:W1234×H738×D279mm/32.5kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 5サービス
HDRフォーマット 4方式
音声最大出力 142W

 

↑高放熱インナープレートを挿入した、自社設計のレグザ専用有機ELパネルを搭載。明るく抜けの良い映像を実現した

 

↑番組レコメンドサービス「みるコレ」を採用。AI学習により、ユーザー好みの録画番組や放送予定の番組を勧めてくれる

 

<クロスレビュー!>

4Kアップコンが秀逸でスポーツ中継は大迫力

「地デジやBSの4Kアップコンバートでも、ネイティブ4Kに迫る精細感あふれる映像を描きます。スポーツ中継は全体にフォーカスが合い、輪郭が細く鮮度が高い。実際に観客席にいるようです」(藤原)

 

未知の番組と出会える「みるコレ」機能が魅力

「『みるコレ』はまだ見ぬコンテンツとの出会いがあり、テレビフリークにオススメの機能。『タイムシフトマシン』による全録機能は唯一無二の魅力ですが、地デジ番組のみ対応なのは少々残念」(川内)

 

【No.3】映像とサウンドが一体となった新しい視聴体験を与えてくれる

●写真は65V型

ソニー

ブラビア KJ-55A8H

実売価格26万4000円

パネル自体を振動させて音を出す独自の技術「アコースティック サーフェス オーディオ」を採用。倍速駆動対応の有機ELパネルと高画質プロセッサーにより、あらゆるコンテンツを美しく鮮明な映像で描写する。画と音の一体感を楽しめる一台だ。

SPEC ●画面サイズラインナップ:65V/55V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×2 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1227×H733×D326mm/18.6kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 30W

 

↑超解像エンジン「4K X-Reality Pro」を搭載。地デジ放送やネット動画などあらゆるコンテンツを高精細に描き直す

 

↑背面の左右にアクチュエーターとサブウーファーを配置した独自の音響技術を採用。映像と音の一体感を存分に楽しめる

 

<クロスレビュー!>

“化粧”の上手さはソニーならでは

「黒を引き締めて白を伸ばすという、ハイコントラストな画作り。色も細部までしっかりと乗せています。色調の歪みは少なく、ノイズも少なめ。やや“厚化粧”ですが、映える映像です」(藤原)

 

Android TV採用でネット利用が快適

「OSにはAndroid TVを採用し、ネット動画の視聴が快適。Googleアシスタントによるリモコンの音声検索は精度が高く、豊富なコンテンツをストレスなく楽しめるのがうれしいですね」(川内)

 

【《竹》クラス】予算額15万円〜25万円

有機ELのエントリークラスと液晶のハイエンドクラスが入り交じる価格帯。画質なら有機ELに分があるが、充実した機能や装備を求めるなら液晶がオススメだ。

 

【No.1】斜めから見ても高画質で楽しめる

ソニー

ブラビアKJ-55X9500H

実売価格22万円

部分駆動のバックライトを採用した液晶パネルや高画質プロセッサーなどを搭載し、画質をブラッシュアップ。広視野角技術「X-Wide Angle」により、斜めからの視聴でも正面と同レベルの高画質を楽しめる。

SPEC ●画面サイズラインナップ:75V/65V/55V/49V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×2 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1230×H779×D310mm/18.1kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 30W

 

↑処理能力の高い高画質プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載。高精細、滑らかな色表現、HDR相当の高コントラストを実現した

 

↑背面上部にツィーター、下部にフルレンジスピーカーを搭載。映像と音の一体感を高め、豊かな臨場感を楽しめる

 

<クロスレビュー!>

視野角が広いことでストレスを感じない

「斜めからの視聴でも、コントラスト感、色調ともに変化は少なく、ストレスを感じません。コントラスト感は多少犠牲になる印象ですが、視野角が広がるメリットのほうが勝ります」(藤原)

 

速い動きのスポーツもストレスなく視聴できる

「倍速駆動と独自のバックライト制御で、動きの速い映像の描写に強い。サッカーやバスケットボールなどの球技も、チラつきの少ない滑らかな画質で楽しめて、ゲームに集中できます」(川内)

 

【No.2】臨場感あふれる画質と音質を実現

パナソニック

ビエラTH-55HX950

実売価格20万6910円

独自の高輝度ディスプレイを搭載し、明るく色鮮やかな映像を描写する液晶最上位モデル。イネーブルドスピーカーの採用とドルビーアトモス対応により、天井に反射した音に包み込まれるような立体音響が楽しめる。

SPEC ●画面サイズラインナップ: 65V/55V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1231×H766×D350mm/約28.5kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 4方式
音声最大出力 60W

 

<クロスレビュー!>

高コントラスト・高輝度の映像が魅力

「高効率LEDバックライトなどで放熱構造を強化。同時に光学シートの最適化により、高コントラスト化、高輝度化を実現しています」(藤原)

 

使い勝手に配慮された細やかな設計がうれしい

「イネーブルドスピーカーがもたらすサウンドの臨場感はクラス随一。転倒防止スタンドの採用など、ビエラらしい使い勝手の良さも光ります」(川内)

 

【No.3】コンテンツに合わせてAIが画質を最適化

LGエレクトロニクス

OLED 55CXPJA

実売価格20万4240円

どんな映像も4Kレベルに変換するAIプロセッサー搭載の有機ELテレビ。コンテンツに合わせて最適な映像処理がなされ、地デジ放送もネット動画も美しい映像が楽しめる。音質もジャンルに合わせて最適化。

SPEC ●画面サイズラインナップ: 77V/65V/55V/48V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4、USB×3ほか ●サイズ/質量:W1228×H738×D251mm/23kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 4サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 40W

 

<クロスレビュー!>

グラデ−ションも滑らかに描き切る

「有機ELディスプレイでは滑らかなグラデーションの表現が難しいもの。しかし、本機はきめ細かなタッチで階調の推移を緻密に描写します」(藤原)

 

見たいコンテンツに音声ですぐアクセスできる

「高品位な画質の有機ELテレビが約20万円で買えるというだけで魅力的! 音声操作も快適で、見たいコンテンツにすぐアクセスできます」(川内)

 

【《梅》クラス】予算額10万円〜15万円

液晶のスタンダード〜ミドルクラスが連なる価格帯。上位機の高画質・高音質性能は省かれることもあるが、必要十分の機能を備え、大画面4Kデビューにピッタリだ。

 

【No.1】 8K開発で培った高画質技術を応用

シャープ

AQUOS 4T-C55CL1

実売価格14万3000円

新開発の4K高画質エンジンを搭載。高精細で色鮮やか、メリハリのある美しい映像が楽しめる。独自の高効率LEDバックライトシステムを採用。消費電力を抑えながら画面輝度を高め、明るくクリアな映像を実現した。

SPEC ●画面サイズラインナップ:55V/50V/43V/40V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1240×H806×D290mm/27.0kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 5サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 20W

 

↑同社8Kテレビの高画質技術を応用した4K画像処理エンジン「Medalist S1」を搭載。高精細で色鮮やかな映像を表現する

 

↑音声を前方に導く構造と、スピーカーネットをなくした前面開口の機構を採用。抜けの良い高レベルのサウンドが楽しめる

 

<クロスレビュー!>

地デジ放送もネット動画も鮮やかな4K画質で楽しめる

「エントリークラスのモデルにも、同社8K映像技術で培った画質処理エンジンを搭載。地デジ放送もネット動画も高精細な4K解像度で楽しめます。鮮やかな映像が好みの人にオススメの一台」(藤原)

 

ドラマやニュースの声が聞き取りやすい音質

「聞き取りやすいサウンドは、このクラスではトップレベル。特にドラマやニュース番組などのセリフが明瞭です。OSにAndroid TVを採用するため、音声で気軽に操作できるのもうれしい」(川内)

 

【No.2】あらゆるネット動画を最適な画質で表現する

東芝

レグザ55M540X

実売価格13万1390円

「レグザエンジンCloud」を搭載した液晶レグザのミドルクラス。様々なフォーマットが混在するネット動画を自動調整し、高画質に表現する。AIが視聴傾向から番組を勧めてくれる「みるコレ」も便利。

SPEC ●画面サイズラインナップ:75V/65V/55V/50V/43V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×3 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1230×H750×D207mm/15.5kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 2方式
音声最大出力 20W

 

<クロスレビュー!>

クセのないプレーンな画作りが好印象

「輪郭が細くすっきりとして、抜けの良い描写が特徴。コントラスト感よりも映像の精細感やキレ味を重視したプレーンなタッチの画作りです」(藤原)

 

映像マニアも納得の高画質技術がユニーク

「クラウドとの連携でAIが高画質処理を行う技術はユニーク。アニメなら監督や制作会社などの情報を基に処理されるなどマニアックな仕様です」(川内)

 

【No.3】ネット動画から4K放送まで色鮮やかな映像で楽しめる

ソニー

ブラビア KJ-55X8000H

実売価格14万3000円

高画質プロセッサー「HDR X1」を搭載。地デジ放送やネット動画など、あらゆる映像を高精細で色鮮やかな4K画質で楽しめる。Android TVに対応し、豊富なネット動画をサクサク快適に視聴可能だ。

SPEC ●画面サイズラインナップ:75V/65V/55V/49V/43V型 ●チューナー:BS 4K/110度CS 4K×2、地デジ/BS/110度CS×2 ●接続端子:HDMI×4ほか ●サイズ/質量:W1243×H782×D340mm/16.8kg

4Kチューナー 2基
4K VOD 6サービス
HDRフォーマット 3方式
音声最大出力 20W

 

<クロスレビュー!>

視野角が広くて明るく家族で楽しめる画質

「視野角が広く明るく抜けの良い映像が特徴。LEDバックライトは部分駆動ではありません。明るいリビングで家族と一緒に楽しめます」(藤原)

 

ドルビーアトモス対応で臨場感のあるサウンド

「立体音響技術『ドルビーアトモス』に対応。2基の内蔵スピーカーは下向き配置ながら、臨場感のあるクリアなサウンドを満喫できます」(川内)

 

【Topic1】有機ELテレビは「48V型」がアツい!

有機ELの高画質を手ごろなサイズで楽しみたい! そんな要望に応えて、各社から“ちょうど良い”48V型モデルがリリースされている。

 

【No.1】

東芝

レグザ 48X8400

実売価格23万1000円

 

【No.2】

シャープ

4T-C48CQ1

実売価格25万3000円

 

【No.3】

ソニー

ブラビア KJ-48A9S

実売価格25万3000円

 

パーソナルなスペースでも高画質で楽しめる

リビングだけでなくパーソナルなスペースでも高画質で楽しみたいという要望が増え、ソニー、シャープ、東芝などが48V型の有機ELテレビをリリースしている。液晶に比べるとまだ高価だが、市場での評判も上々で、今後さらにニーズが高まり、選択肢が増えそうだ。

 

【Topic2】イマドキのレコーダーは用途で選ぶ

外付けHDDへの番組録画が一般化しているが、機能は専用レコーダーに及ばない。ここで最新レコーダー2台の注目ポイントをチェックした!

 

【No.1】

パナソニック

おうちクラウドディーガ4Kチューナー内蔵モデルDMR-4CT401

実売価格14万4810円

 

【No.2】

東芝

タイムシフトマシンハードディスク D-M210

実売価格5万9400円

 

全録派はタイムシフトマシン、4K派はディーガがオススメ

東芝は、BDドライブ非搭載のHDDレコーダーを発売。最大6チャンネルの地デジ/BS/CS放送番組を約1週間ぶん全録できる。パナソニックはBDドライブ搭載で、新4K衛星放送(またはHD放送)3番組を同時録画可能。全録派は前者、4K派は後者がオススメだ。

 

●スペックにある「サイズ/質量」はいずれもスタンド含む数値

これがソニーの最高画質! 有機EL&液晶ブラビアのフラッグシップ「A9F」「Z9F」登場

ソニーは、次世代高画質プロセッサーを搭載した4Kブラビアのフラッグシップモデルとして、有機ELテレビ「A9Fシリーズ」と液晶テレビ「Z9Fシリーズ」の2シリーズ4機種を10月13日に発売します。

 

ラインナップは、有機ELの「A9Fシリーズ」が65型「KJ-65A9F」(実売予想価格65万円前後)と55型「KJ-55A9F」(同45万円前後)の2機種、液晶の「Z9Fシリーズ」が75型「KJ-75Z9F」(同90万円前後)と65型「KJ-65Z9F」(同60万円前後)の2機種となります。

 

次世代プロセッサーを搭載した新フラッグシップ

今回発表された2シリーズは、ソニーが独自に設定した厳しい内部基準をクリアした最高峰モデルにのみ付与される「MASTER Series(マスターシリーズ)」として位置づけられるブラビアのフラッグシップモデル。

↑IFA2018に出展されたMASTER Series「A9F」

 

両モデルとも最新の高画質プロセッサー「X1 Ultimate」を搭載しており、そのリアルタイム処理能力は従来の「X1 Extreme」の約2倍に向上。より細部まで高精細化する「オブジェクト型超解像」や、デュアルデータベース分析による高性能なノイズリダクション、より細部まで高コントラスト化する「新HDRリマスター」といった高画質化技術の性能が大幅に強化されています。

↑高画質プロセッサー「X1 Ultimate」

 

高輝度になった有機ELと高視野角/高コントラストを両立した液晶

4K有機ELテレビ「A9Fシリーズ」は、深い黒から高輝度映像までも忠実に再現する独自のパネル制御技術「Pixel Contrast Booster」を新たに搭載。高輝度時の色表現をより鮮やかにし、有機ELパネルのポテンシャルを最大限に発揮します。

 

また、画面そのものを振動させて音を出す「Acoustic Surface」を進化させた「Acoustic Surface Audio+」により、従来の2.1ch(実用最大出力50W)構成にセンターと左右のサブウーファーを加えた3.2ch(同98W)構成へ強化され、立体的な音質が楽しめるようになりました。

↑A9Fの背面

 

さらに、新機能の「センタースピーカーモード」により、AVアンプやホームシアターシステムと組み合わせればA9Fをセンタースピーカーとして利用可能に。サラウンドシステム構築時でも画面から音が聴こえる体験を維持します。

 

4K液晶テレビ「Z9Fシリーズ」は、動きの速い映像で明るさを保ったまま残像感を低減できる独自技術「X-Motion Clarity」のほか、高コントラストなパネルで広視野角を可能にする新技術「X-Wide Angle」を採用。ななめから見てもクッキリとした画質で映像を楽しめます。

↑4K液晶の「Z9F」

 

↑Z9Fの背面

 

両シリーズに共通する仕様として、Android 8.0に対応しているほか、テレビ本体にマイクが内蔵されており、ブラビアに話しかけるだけで、テレビの電源のオン/オフやチャンネルの切り替え、テレビ番組やインターネット動画を検索できるなど、ハンズフリーによる音声操作・検索が可能。

 

また、Googleアシスタントに対応したソニーの機器や他社の対応機器をGoogle Homeアプリで連携させると、対応機器の音声操作が可能になります。Amazon Alexaにも対応し、Amazon EchoなどのAmazon Alexa搭載デバイスに話しかけることで、ブラビアのボリュームコントロールや電源のオン/オフなどの操作も行えます。

 

さらに、従来モデルと比較し、Netflixアプリは最大約1/4、YouTubeアプリは最大約1/2の起動時間を実現。Netflixと共同開発した、クリエイターの制作意図を忠実に再現する「Netflix画質モード」も搭載しています。

 

なお、いずれもBS/CS 4Kチューナーは搭載しておらず、12月1日からスタートする4K放送を視聴するには外付けチューナーが必要となります。

 

BS/CS 4K放送が楽しめる外付けチューナーも

テレビの発表に合わせて、BS/CS 4K放送を受信できる4Kチューナー「DST-SHV1」(実売予想価格5万5000円前後)も11月10日に発売されることが決定しました。HDMI端子を備えた4Kテレビと接続することで4K放送を高画質で視聴できます。本機には、BS/CS 4Kチューナーを2基搭載しており、4K放送を視聴しながら、別の4K放送の裏番組の録画が可能です。

↑4Kチューナー「DST-SHV1」

 

4Kチューナーこそ搭載していないものの、次世代プロセッサーの採用やAndroid 8.0の採用など、確実なブラッシュアップが施されたソニーの新フラッグシップ機「A9F」「Z9F」シリーズに注目が集まりそうです。

4Kテレビ購入を考えているアナタにおくるメーカー別全モデル比較【ソニー編】

メーカー各社の薄型テレビをハイエンドからエントリーまで一挙に紹介し、テレビの購入や買い替えをサポートする連載企画。前回のパナソニックVIERA(ビエラ)に引き続き、第2回目はソニーのBRAVIA(ブラビア)を紹介していきます。

 

独自のバックライト制御技術で液晶テレビを高画質化

前回紹介したパナソニックのビエラは、有機ELテレビをフラッグシップモデルとし、その下に4K液晶テレビやフルHD/HDモデルが続くラインナップとなっていましたが、ソニーは長年開発を続けてきた液晶テレビにもアドバンテージがあるとして、有機ELテレビと液晶テレビのそれぞれにフラッグシップモデルをラインナップしています。

 

それを体現しているのが、同社の4K液晶テレビのフラッグシップ機「Z9D」シリーズに搭載されている「バックライト マスタードライブ」という技術。これは、高密度に配置されたすべてのLEDバックライトをひとつずつ完全に独立駆動させ、細かい範囲で明暗を緻密にコントロールするというもので、2016年1月のCESで発表され話題を呼びました。

↑

 

従来から、バックライトをエリアごとに区切り、細かく駆動して画質を向上させる技術は活用されてきましたが、この「バックライト マスタードライブ」はLEDひとつひとつを個別に駆動させるという、これまでの常識を超えたバックライト制御を行うもの。細かく配置されたLEDがまるで自発光パネルのように見え、有機ELテレビに肉薄する美しいグラデーションや暗部表現を実現しています。

↑↑左が従来のエリア駆動のイメージ。これをひとつずつ個別に駆動するのが「バックライト マスタードライブ」(右)

 

20180130-i03 (4)

4K液晶ブラビア Z9Dシリーズ

サイズ:100型(受注生産品)、75型、65型

実売価格59万8000円(65型)

 

このほか、Z9Dには「X1 Extreme」という同社の最新プロセッサーが搭載されており、なめらかな映像を作り出す「Super Bit Mapping 4K HDR」やHDR非対応の映像をHDR化する「HDRリマスター」などの映像処理を可能にしています。

20180130-i03 (19)↑ブラビアのフラッグシップ機に搭載される映像プロセッサー「X1 Extreme」

 

有機ELテレビも独自技術で差をつける

一方、有機ELテレビ「A1」シリーズにも、他社にはない独自の技術を投入しています。

20180130-i03 (1)

有機ELブラビア A1シリーズ

サイズ:77型、65型、55型

実売価格59万5000円(65型)

 

それが、画面を直接振動させることで音を再生する「アコースティック サーフェス」。これまでガラス管を振動板としたスピーカーシステムを開発してきた同社ならではの技術により、テレビの画面自体を振動させ、映像と音がリンクした臨場感のあるサウンドを体感できます。

20180130-i03 (3)↑画面から音を出す「アコースティック サーフェス」

 

ベゼルを極限まで薄くし、スタンドが正面から見えないようにすることで映像だけが浮かんでいるような感覚を引き起こす独特のデザインも特徴。ソニーらしい尖ったスタイルは、これまでのテレビの概念を超える斬新なものとなっています。

 

20180130-i03 (2)

 

なお、2つのフラッグシップ機はいずれ劣らぬ高画質を誇りますが、Z9Dは液晶ならではの「明るさや精細感」を生かしリビングなど明るい部屋で日常的なテレビ視聴を行うのにオススメ。A1は有機ELの特徴とされている「引き締まった黒色と暗部の豊かな階調感」を堪能できる映画鑑賞に向いています。どちらにするか迷っている方は、自分の視聴スタイルを考慮して選ぶとよいでしょう。

 

個性豊かな4K液晶テレビをラインナップ

4K液晶テレビは、Z9Dのほか高音質モデルの「X9500E」や狭額ベゼルの「X9000E」など4モデルをラインナップ。さっそく見ていきましょう。

 

「X9500E」シリーズは、サイドにツイーター+ウーファー+パッシブラジエーターのスピーカーを、スタンド部にサブウーファーを備えた高音質モデル。内蔵スピーカーだけで迫力のサウンドを再生できるため、ホームシアタースピーカーなどを利用しなくても映画やスポーツを臨場感のある音質で楽しむことができます。

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4K液晶ブラビア X9500Eシリーズ

サイズ:65型、55型

実売価格22万9800円(55型)

 

ソニーのオーディオ製品にも採用されるデジタルアンプ「S-Master HX」や、すべての音源をハイレゾ相当にアップコンバートする「DSEE HX」、ノイズのないクリアな音声に整えるデジタル音声処理技術「Clear Phase テクノロジー」など、同社ならではの高音質化技術を惜しみなく投入。高度なデジタル演算処理により、後方のサラウンドスピーカーの音までも再現するバーチャルサラウンド機能「S-Force PROフロントサラウンド」も備えています。

20180130-i03 (7)↑サイドスピーカーの分、サイズはやや大きめ

 

「X9000E」は、4K高画質プロセッサー「HDR X1」や、高コントラストな映像を実現する高輝度技術「X-tended Dynamic Range PRO」などを搭載。4Kならではの高精細で美しい映像を楽しめます。

20180130-i03 (8)

 

4K液晶ブラビア X9000Eシリーズ

サイズ:65型、55型、49型

実売価格17万9800円(55型)

 

狭額ベゼルを採用しており、映像だけが浮いているような浮遊感を演出。壁掛け設置にも対応します(別売の壁掛けユニットが必要)。

20180130-i03 (9)↑壁掛け設置にも対応

 

「X8500E」は、4K/HDR対応のスタンダードモデル。超解像エンジン「4K X-Reality PRO」や広色域を実現する「トリルミナスディスプレイ」、さらなる高画質を実現する4K高画質プロセッサー「HDR X1」により、リアリティー豊かな映像美を再現します。

20180130-i03 (10)

4K液晶ブラビア X8500Eシリーズ

サイズ:75型、65型、55型

実売価格14万6800円(55型)

 

「X8000E」は4K液晶テレビのエントリーモデル。選べる2色のフレームカラーにより、部屋の雰囲気に合わせてテレビを設置できます。超解像エンジン「4K X-Reality PRO」や「トリルミナスディスプレイ」も搭載しており、フルHD映像なども4Kにアップコンバートして視聴できます。

20180130-i03 (11)

4K液晶ブラビア X8000Eシリーズ

サイズ:49型、43型

実売価格11万9800円(49型)

 

サブ機として使うならフルHD/HDモデルもオススメ

リビングに置くメインテレビなら大画面で高精細な映像が楽しめる4Kモデルがオススメですが、寝室や子ども部屋用のサブ機として使うのであれば、小型のフルHD/HDでも十分。価格も手ごろです。

20180130-i03 (15)↑32型のW500E

 

「W730E」シリーズは、無線LANを内蔵し、ネット動画も試聴できるフルHDモデル(1920×1080ドット)。43型と32型の2サイズを用意しており、設置する部屋の大きさに応じてサイズを選べます。

20180130-i03 (13)

液晶ブラビア W730Eシリーズ

サイズ:43型、32型

実売価格6万3800円(43型)

 

HDモデル(1366×768ドット)は、32型の「W500E」と24型の「W450E」の2モデル。いずれも外付けHDDへの録画機能を備えています。

20180130-i03 (14)

液晶ブラビア W500E

サイズ:32型

実売価格4万6600円

 

20180130-i03 (16)

液晶ブラビア W450E

サイズ:24型

実売価格

 

独自の高画質・高音質化技術を多数備えるソニーのブラビアシリーズ。どの機種を購入するか迷っている方は、ぜひ参考にしてみて下さい。