新モデル続々登場! 価格帯別「スポーツeバイク」“買い”3選

今冬の家電市場では、例年以上に魅力的な新製品が続々と登場している。ここでは、なかでも注目を集めるジャンルを取り上げて、価格帯別にトレンドと“買い”のポイントを解説。さらに、各価格帯でプロが認めたイチオシのアイテムも紹介していく。今回取り上げるのは、スポーツeバイク。趣味性の高さと気軽に楽しめる走行性能で人気沸騰中のスポーツeバイクは、多くのメーカーから新モデルが続々と登場。楽しさと快適性、エコロジーを融合した新ジャンルの乗り物を手に入れない理由はない!

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

スポーツeバイク、“買い”のポイント

・本格的なロードバイクを手掛けるメーカーのモデルが続々と登場

・デザイン性を重視したフレーム内蔵バッテリーモデルも狙い目

・十分なバッテリー容量で遠距離ツーリングも快適に楽しめる!

 

私たちが解説します!

GetNavi編集部 乗り物担当

上岡 篤

これまで数多くのe-bikeを紹介するにつれ、どうしても欲しくなり最近購入。坂道もスイスイで行動範囲が広がった。

自転車ライター

並木政孝さん

乗り物好きで自転車にも精通するフリーライター。週末はロードバイクやMTBで輪行するが自慢の貧脚は一向に進化せず。

 

どのモデルも性能は高レベル、デザイン重視で選ぶのも◎

環境に優しく健康にも良いパーソナル・モビリティビークルとして注目を集めているeバイク。

 

「最近は、クロスバイクのスタイルを持つスポーツモデルがトレンドの中心。各メーカーがデザインや性能を競い合い、驚くべき速さで進化しています」(並木)

 

価格帯も幅広いが、どんな点に注目して選べば良いだろうか。

 

「ドライブユニットやバッテリーの性能はすでに高いレベルにあるので、デザインを重視してみるのもポイントのひとつ。バッテリーを内蔵したモデルやダウンチューブにバッテリーを装着するモデルなど、スポーツバイクらしいデザインが増えています。そこそこ長く乗るモノですから、見た目も重視したいですね」(並木)

 

メーカーも試乗会などを積極的に開催している。足を運んで、スポーツeバイクの楽しさを肌で感じ、自分の相棒となる1台を選んでみることをオススメする。

 

【《松》クラス】予算額30万円以上

決してお手ごろな価格ではないが最新のテクノロジーを満載したモデルはガジェット好きの好奇心を満たしてくれるはず。先進の電動アシストでワンランク上の満足感を享受するべし!

 

【No.1】ダウンチューブに内蔵されたスマートなバッテリーが秀逸!

トレック

Powerfly 5

53万3500円

アメリカンブランドの雄、トレックのハイエンドe-MTB。コンパクトなボッシュ製ドライブシステムや、アルミフレームに内蔵された脱着式一体型バッテリーなど、最新のテクノロジーが満載だ。2021年モデルには待望のXSサイズを追加。

SPEC【M(29インチホイール)】●全長×全幅:1920×770mm ●適応身長:161〜175cm ●アシスト可能距離:ターボモード99km、EMTBモード124km、ツアーモード127km、エコモード175km

バッテリー容量 625Wh
最大アシスト距離 175km
変速 外装12段
重量 23.0kg

 

↑地形に合わせて変動する脚力に応じてアシスト量を制御する「EMTB」モードを搭載。急勾配や段差の乗り越えも安心だ

 

↑バッテリーの違和感をなくしたフレーム内蔵型を採用。力強さを与える太いダウンチューブを魅力に変えた秀逸デザインだ

 

<クロスレビュー!>

2.30という太めのタイヤで街乗りにも合いそうなMTB

「フロントにサスペンションを搭載した本格的なMTBですが、サイズM以上は2.30という太めのタイヤ。29インチのホイールと相まって乗り心地も良く、街乗りでも快適に乗れそうです」(上岡)

 

秘めた実力は想像を超えるお値段以上……トレック♪

「本格的なトレイルライドにも対応する実力派モデル。ダウンチューブに内蔵したバッテリーと75Nm(XSは85Nm)の最大トルクを発揮するBOSCH Performance Line CXが最大の魅力です」(並木)

 

【No.2】バッテリー切れの心配なくロングライドが楽しめる!

スペシャライズド

Turbo Vado SL 5.0

46万2000円

14.9kgという軽量さを武器に軽やかな走りを披露する人気モデル。また130kmの航続距離はロングライドを実現させ、ドリンクホルダーに収まるレンジエクステンダーを追加することで、さらに65kmの距離を伸ばすことができる。

SPEC【M】●全長×全幅×全高:1791×680×790mm ●適応身長:165〜175cm ●アシスト可能距離:エコモード約130km

バッテリー容量 320Wh
最大アシスト距離 約130km
変速 外装12段
重量 14.9kg

 

↑レンジエクステンションと呼ばれる予備バッテリーを搭載することで航続距離を伸ばすことができる。最長195kmのロングライドが可能だ

 

↑通常のMTBと同等の14.9kgという軽量さは大きな魅力。ステムに内蔵されたフロントサスペンション「Future Shock」も軽量化に貢献する

 

<クロスレビュー!>

14.9kgという軽さに驚き! 軽さが生む軽快さも魅力的

「スポーツeバイクながら約15kgという軽さに驚きで、持ち運びするのも苦になりません。何より車体の軽さがモーターのアシストを、効果的に高めてくれるので、軽快に走れます」(上岡)

 

スマホと連携させることでアシストレベルを自動調整

「スマホと連携したミッションコントロールを採用し、ルート設定に対して適切なアシストを自動調整してバッテリー残量を確保。故障時にはリモートで診断も受けられるのがスゴい!」(並木)

 

【No.3】最大ケイデンス値を向上させた最新のパワーユニットを搭載!

ジャイアント

FASTROAD E+

38万5000円

扱いやすいフラットバーハンドルを採用したロードモデル。軽量なアルミフレームに、ヤマハとの共同開発によるパワーユニット「シンクドライブ・スポーツ」をバージョンアップして搭載した。バッテリーをダウンチューブに内蔵することでスッキリとしたデザインを実現。

SPEC【M】●全長×全幅:1730×660mm ●適応身長:165〜180cm ●アシスト可能距離:スポーツモード89km、アクティブモード100km、ツアーモード137km、エコモード205km

バッテリー容量 13.8Ah
最大アシスト距離 205km
変速 外装10段
重量 19.4kg

 

↑ヤマハと共同開発したシンクドライブ・スポーツモーター。膨大なデータを検知するスピードセンサーを採用し、スムーズかつ緻密なアシストを実現

 

↑ステアリング剛性と軽量さを両立させたe-bike専用のアルミ製フロントフォークOVERDRIVE FORK。快適なライド感を支える要となる

 

<クロスレビュー!>

十分すぎるアシスト距離とキックスタンド標準装備は◎

「ECOモードで最長205km、標準的なTOURモードでも137kmという十分すぎるアシスト距離は魅力的。手軽に街なかで停めることができるキックスタンドが標準装備とはうれしい!」(上岡)

 

ハイケイデンスクライムに対応した新ユニットが魅力!

「最大出力は70Nmのままだが最大ケイデンス(※)値を110から140にバージョンアップしたパワーユニットを搭載。『弱虫ペダル』の小野田坂道クンばりのハイケイデンスクライムを楽しめます」(並木)

※:ケイデンスとは1分間あたりのペダルの回転数のことで、単位はrpm(回転数/分)。個人の漕ぎ方や道の傾斜によって理想のケイデンスは異なるので、自分がラクに漕げる回転数を見つけることが大切となる

 

【《竹》クラス】予算額20万円〜30万円

現実的な価格でありながらハイエンド機に迫る性能が大きな魅力。クロスバイクとして気軽にライドすることができ、アシストの力を借りてのサイクリングは行動範囲を大きく広げてくれる。

 

【No.1】信頼性に優れたシマノ製のドライブユニットを採用!

ミヤタサイクル

Cruise6180

29万5900円

36V/11.6Ahの大容量リチウムイオンバッテリーを採用し、エコモードで105kmのロングライドを実現。ドライブユニットには信頼性の高いシマノSTEPSのE6180を採用し、最大60Nm、250Wの高出力で快適なペダリングをサポートする。

SPEC【フレームサイズ49cm】●全長×全幅×全高:1760×645×1020mm ●適応身長:170〜190cm ●アシスト可能距離:ハイモード70km、ノーマルモード85km、エコモード105km

バッテリー容量 11.6Ah
最大アシスト距離 105km
変速 外装10段
重量 18.4kg(49サイズ)

 

↑シマノ製STEPSのミドルレンジに位置するE6180を搭載。パワフルさよりも軽量かつ軽快なライド感に貢献

 

↑シートステーに固定されたサークルロックを装備。気軽にロックできるのでちょっとした駐輪の際便利だ

 

<クロスレビュー!>

軽量なドライブユニットで漕ぎ心地の軽さを実感できる

「60Nmの高いトルクを生むドライブユニットは軽量で、漕ぎ心地の軽さを実感できます。スポーツeバイクのラクさにスピード感も欲しい人に、このスタイリッシュなモデルはオススメです」(上岡)

 

軽めのギアをクルクル回して気軽にサイクリングを楽しむ

「ケイデンスを高めにライドすることでアシストの恩恵をより強く感じられるセッティングは好感が持てます。油圧式ディスクブレーキが雨天時でも確実な制動力を発揮してくれるのも魅力的」(並木)

 

【No.2】後輪軸にモーターを内蔵した個性的なシステムが際立つ!

FUJI

MOTIVATOR

25万1900円

シティバイク然としたスマートさが魅力の一台。ボトムブラケットではなく後輪のハブ部分にアシストモーターを搭載することで、軽量かつフロントギア周辺をスッキリとデザインした。5段階でアシストモードを切り替えられる。

SPEC【M】●全長×全幅×全高:1730×560×556.3mm ●適応身長:170〜180cm ●アシスト可能距離:モード5 25km、モード3 37.5km、モード1 50km

バッテリー容量 5.0Ah
最大アシスト距離 50km
変速 外装9段
重量 16.5kg

 

<クロスレビュー!>

スポーツeバイクらしからぬスマートなデザインが魅力的

「ペダル部分ではなく後輪にモーターを搭載、そしてバッテリー内蔵型のフレームを採用。スマートなデザインはどこへ行くにも合いそう!」(上岡)

 

軽量さを武器にキビキビと走行できる注目の一台!

「Mサイズでも16.5kgという軽さを誇り、街なかでキビキビとした走りが楽しめます。ディスプレイに備えたUSBポートでスマホの充電も可能」(並木)

 

【No.3】ロードバイクの実力を備えた快速電動アシストクロス!

ヤマハ

YPJ-EC

28万6000円

ロードバイクを日常生活に合わせてフラットバーハンドル化した、人気の電動アシスト付きクロスバイク。ドライブユニットには欧州で好評を得た自社製のPW series SEを搭載し、長距離ツーリングやスポーツライドにも対応する。

SPEC【M】●全長×全幅×全高:1760×590×890〜1000mm ●適応身長:165cm以上 ●アシスト可能距離:ハイモード89km、スタンダードモード109km、エコモード148km、プラスエコモード222km

バッテリー容量 13.3Ah
最大アシスト距離 222km
変速 外装18段
重量 19.8kg(M)

 

<クロスレビュー!>

スタンダードモードでも100kmを誇るアシストは魅力

「スタンダードモードでも100kmを超えるアシストが可能で、ロングライドでも安心。充電の回数も減るので、デイリーユースにもぴったりです」(上岡)

 

電アシのパイオニアらしい高い実用性と信頼性が光る!

「ハイケイデンスに対応したアシストセッティングは秀逸。日常使いだけでなくロングライドでの使いやすさにもヤマハらしい真面目さが垣間見えます」(並木)

 

【《梅》クラス】予算額約20万円以下

20万円以下の予算はファーストeバイクとして狙い目のゾーンとなるが、その実力と信頼性はプライスレス。電動アシストモーターによる快適さは一度味わったら病み付きになるはずだ!

 

【No.1】1充電で最大130kmをアシストする実用性と快適性を持つ毎日の相棒

ブリヂストンサイクル

TB-1e

14万2780円

通勤通学用として人気急上昇中のモデル。シンプルなデザインと、最大130kmを走破する実力を誇る。アシストモーターをフロントホイールのハブに装備し、前輪を電動アシスト、後輪をマンパワーで駆動する両輪駆動仕様。

SPEC ●全長×全幅×全高:1850×575×985mm ●適応身長:151cm以上 ●アシスト可能距離:パワーモード54km、オートモード90km、エコモード130km

バッテリー容量 14.3Ah相当(※)
最大アシスト距離 130km
変速 外装7段
重量 22.3kg

※:一般的な25.2Vに合わせて算出した参考値

 

↑DUAL DRIVEと呼ばれる両輪駆動方式を採用。クルマの四輪駆動のように力強い走りを実現する

 

↑シンプルに仕上げたスマートワンタッチパネルで操作を行う。アシストモードは3モードから選べる

 

<クロスレビュー!>

独自の回生充電で伸びたアシスト距離が最大の魅力

「走行中でもバッテリーに充電できる回生充電により伸びたアシスト距離が最大の魅力。フルサイズの泥除け装備など、毎日の通勤にも使える一台。4色が揃うカラバリも魅力的です」(上岡)

 

ブリヂストンサイクルらしい個性を凝縮した実用モデル!

「両輪駆動、モーターブレーキなど独自の個性が満載。発進時にフロントが引っ張られるような独特のライド感は、上り坂や荷物積載時の漕ぎ出しの軽さにもつながります」(並木)

 

【No.2】近未来感が漂う意匠と秘められた性能に感動!

ベスピー

PSA1

20万3500円

グッドデザイン賞にも輝いた独特のフォルムが目を引くコンパクトな電動アシストモデル。軽量なアルミフレームを採用したミニベロタイプでありながらも、10.5Ahの高性能バッテリーの恩恵により最大90kmの走行が可能だ。

SPEC【M】●全長×全幅×全高:1540×595×1100mm ●適応身長:153cm以上 ●アシスト可能距離:パワーモード60km、ノーマルモード74 km、エコモード90 km

バッテリー容量 10.5Ah
最大アシスト距離 90km
変速 外装7段
重量 19.6kg

 

<クロスレビュー!>

直線的なフォルムが生むほかにない個性が魅力的

「直線的なフォルムが生む独特のスタイルが魅力ですが、そこにムダを感じさせないのもポイント。サイクルコンピューター機能も魅力的です」(上岡)

 

コンパクトなサイズは旅先での足としても活躍

「ミニベロタイプらしいコンパクトサイズが特徴。加えて車両重量は19.6kgなので、クルマに積んで旅先でのサイクリングを楽しめます」(並木)

 

【No.3】爽快感を手軽に味わえるエコなシティコミューター

パナソニック

ジェッター

16万5000円

2020年8月のモデルチェンジによりアルミ製のフレーム内部にワイヤーを通したスッキリデザインへと生まれ変わった人気モデル。ダウンチューブにバッテリーを積載することでスポーティな雰囲気を演出している。

SPEC【BE-ELHC339】●全長×全幅×全高:1855×590×975mm ●適応身長:144cm〜181cm ●アシスト可能距離:ハイモード約45km、オートモード約54km、エコモード約85km

バッテリー容量 12.0Ah
最大アシスト距離 約85km
変速 外装8段
重量 21.1kg

 

<クロスレビュー!>

新設計のバッテリー搭載でよりスポーティなスタイルに

「ダウンチューブに取り付けるバッテリーの採用でスポーティなモデルに進化。幅172mmのワイドサドルで疲れにくく、長距離もラクに走れます」(上岡)

 

何気ない日常に刺激を与えるビギナー向けのクロスバイク

「軽快な走りが日常を楽しくする電動アシストタイプのクロスバイク。外装8段のギアとアシストモーターで自転車本来の爽快感が味わえます」(並木)

 

【Topic】ビジカジにぴったりなヘルメットが増加中!

安全にスポーツeバイクに乗るならヘルメットは必須。最近では尖りすぎないデザインのヘルメットが増え、通勤でも十分使える!

 

【No.1】

ブリヂストンサイクル

クルムス

7150円

安全基準への適合を証明するSGマークを取得。ビジネススタイルにも合わせやすいスタイリッシュなデザインで、カラーは3色から選べる。

 

↑ビジネススタイルはもちろん、カジュアルファッションにもぴったりなデザインだ

 

【No.2】

モカ

クモア

1万450円〜1万1550円

ライナーの外に最高グレードの超高耐衝撃性AES樹脂を使用し、多少雑に扱っても平気な丈夫さと高い耐久性を実現。カラバリも8種類と豊富に揃っている。

 

↑ベースボールキャップ風スタイルで気軽に着用可能。カジュアルなファッションに合う

 

Withコロナだからこそ「本当に使えるクロスバイク&ロードバイク」に乗りたい!――2人の目利きが本気で選んだ逸品

キャンプやリモートワーク、料理のデリバリーなど、コロナ禍の中で注目されているものは数多くありますが、自転車もそのひとつ。「適度な運動によって免疫力が高まる」「移動時の”密”を回避できる」など、いま自転車ブームが訪れています。

 

GetNavi web編集部にもそのブームは到来し、ウェブ編集長・山田は夫婦ふたりで使える「ちょうどいいクロスバイク」を物色中。また当サイトのフィットネス系企画でおなじみ、タレント・中村優さんも、自転車でエクササイズを楽しみたいと考えていました。そんな話を聞きつけたのが編集部の自転車バカこと副編集長・尾島。あらかじめふたりの要望を聞いて、それぞれにおすすめの自転車を用意しました。

↑スポーツ自転車初心者のふたりにぴったりな自転車は見つかるのか?

 

編集長・山田の場合――「通勤」メインだが、休日にも使いたい

ウェブ編集長・山田佑樹

現在は週1〜2回オフィス出勤の際や、週末の移動や買い出しも自転車メイン。いまのところ、娘が使っているミニベロや、シェアサイクルを活用しているが、ミニベロだと推進力がなくて、シェアサイクルはバッテリー残量などを含めて当たり外れが多いため、そろそろきちんとしたモデルを検討中。

 

編集長・山田が希望する使い方は以下のとおり。

・「密」が気になるので自転車を通勤に使いたい

・休日は気軽にポタリングしたいし、買い物にも使いたい

・長く使いたいから丈夫な自転車がいい

・クロスバイクはほしいが、スピードはそこまで求めない

 

これらを聞いて副編集長・尾島がセレクトしたのはブリヂストンのクロスバイク「TB1」と、「TB1」をベースに電動アシスト機能を付けた「TB1e」の2台。どちらも通勤や通学、買い物など街乗りで使用することを考えて作られた自転車です。

 

ブリヂストンサイクル TB1

価格4万6800円(税別)

シティサイクル(いわゆるママチャリ)の実用性とクロスバイクの走行性・デザインのいいとこ取りをした、ブリヂストンの人気モデル。丈夫なアルミ製フレームにパンクに強いタイヤをセットし、サビに強いチェーンを採用するなど、自転車初心者にも最適な一台です。

●乗車可能最低身長:146㎝~(サイズ420mm)、157cm~(サイズ480 mm) ●シフト段数:外装7段 ●重量:15.0kg(サイズ420mm)、15.2kg(サイズ480mm) ●カラーバリエーション:全7色(P.Xスノーホワイト、E.Xスモークブルー、F.Xピュアレッド、M.Xオーシャンブルー、E.Xブラック、T.Xマットグレー、T.Xネオンライム)

 

ブリヂストンサイクル TB1e

価格12万9800円(税別)

TB1の使い勝手の良さをそのままに電動アシスト付きとしたTB1e。前輪にモーターを搭載したフロントドライブ式を採用、リアの“人力”駆動と併せて前後両輪が駆動することでパワフルな走りを実現しました。TB1同様にカギ、スタンド、フロントライトなどがデフォルトでセットされ、購入後パーツを買い足すことなくそのまま走り出せます。

●適正身長:151cm以上 ●シフト段数:外装7段 ●1充電あたりの走行距離(※):130km(エコモード)、90km(オートモード)、54km(パワーモード) ●バッテリー:14.3Ah相当 ●充電時間:約4時間10分 ●重量:22.3kg ●カラーバリエーション:全4色(E.Xブラック、T.Xマットグレー、M.Xオーシャンブルー、T.Xネオンライム)

※標準パターン/業界統一基準

→TB1eの詳細インプレッションはこちら

 

実際に両方を乗り比べてみた

実車を目の前にしてみると、山田が今までクロスバイクに持っていた印象と、いい意味で違ったようです。

「街で走っているのを見るともっと華奢な感じだと思っていたのですが、意外と頑丈そうですね。あとスタンドやドロヨケが付いているのにデザインがすごくすっきりしていて、使いやすいと思います。スポーツっぽいのも嫌いじゃないんですが、派手過ぎるのは普段使いしにくいかなと思っていたので」(山田)

↑シンプルなデザインだからジャケットスタイルで乗っても違和感がない(試乗車サイズ:480mm、山田の身長:177cm)

 

「頑丈そう」という指摘は、なかなか鋭い! TB1シリーズは、シティバイクの実用性と、クロスバイクの走行性・デザインを併せ持つ自転車。街での「使いやすさ」に特化しているので、山田の要望にぴったりなのです。

「まずは電動アシストのないTB1に乗ってみたのですが、自転車にハマる人が多いのも分かりますね。走りの軽さが違う! ママチャリとは別の乗り物です。そんなにペダルに力を加えていないのにラクに速く走れます」

↑TB1(写真左)もTB1e(右)もどちらもフラットハンドルを使用し、スポーツバイクに慣れていなくても簡単に乗ることができる

 

「フラットハンドルはとても使いやすかったですね。シフト操作にもすぐに慣れたのでまったく問題なし。ブレーキの効きもよくて、速いだけじゃなくてすごく安心感のある乗り物だと思います。安心感というところで言えば、頑丈なカギがついているのもありがたいです。スポーツバイクは通常カギが付属していないから、結局はワイヤー錠などを購入する必要がありますからね」

↑両車には頑丈なサークル錠を標準装備。さらに3年間の盗難補償が付くので、安心して使うことができる

 

加えて山田が感銘を受けたのは、TB1のコスパの高さ。

「ちょっといいクロスバイクだと5万円がひとつの目安だけど、TB1はライト、スタンド、カギ、泥除けなど、これだけ装備が充実しているのに5万円を切っているというのはやはりお買い得ですよね」

 

次に山田が試乗したのは電動アシスト機能が付いた「TB1e」。乗った瞬間に「これはすごい!」と思わず声を漏らしたほど。

「TB1も軽快だと思いましたが、また別の軽快さがありますね。ペダルを踏み込んだ以上にグングン進んでいきます。このパワフルさは、乗る前の想像をはるかに超えて快適ですね」

↑前輪の電動アシストモーターが走行中のエネルギーをバッテリーに戻して充電を回復させる「走りながら自動充電(※)」機能を備える。大容量バッテリーとの組み合わせにより、1回の充電でなんと最長130kmの走行が可能(標準パターン/業界統一基準/エコモードでの走行時

※バッテリーが満充電の時、低温や高温時には作動しません

 

↑両輪駆動のパワフルな走りにすっかり魅せられた編集長・山田。「夏場でも汗をかかずに移動できそう!」

 

TB1eは前輪にアシストのモーターをセットしたフロントドライブ式を採用。チェーンで駆動する後輪と合わせて、前後両輪が駆動するので自動車の四輪駆動のようにパワフルに走ってくれます。

「原付バイクだと駐車場の問題がありますが、自転車ならそこまで駐輪するのは難しくはない。TB1eは、気軽に、そしてラクに都内の移動……となるとベストな交通手段かもしれませんね」

↑スタンド、頑丈なカギが装備されているから、ちょっとした買い物でも気兼ねなく駐輪できる

 

中村優さんの場合――トレーニングにも使える軽快な自転車がほしい!

中村優(なかむら ゆう)

ミスマガジン2005でデビュー。ランニングに魅せられフルマラソンのベストタイムは4時間10分27秒。ラントレーニングばかりではヒザに負担がかかるので自転車の購入を考えているという。

 

中村優さんが自転車に求める要素は以下のとおり。

・ランばかりだとヒザの故障が気になるので、故障を気にせずエクササイズをしたい

・軽い自転車で軽快に走ってみたい、たまにはロングライドもしてみたい

・あまり派手ではないデザインが好き

・信頼性の高いものが欲しい、日本のブランドなら安心かも

 

これらを聞いて副編集長・尾島がセレクトしたのは、ブリヂストンのスポーツバイクブランド、アンカーの「RL3 FLAT」と「RL3 DROP」の2台。レースシーンで活躍するフラッグシップモデルの技術を活かしながら、価格を抑えたエントリースポーツバイクです。

 

ANCHOR RL3 DROP(左)

SORAモデル 価格10万7000円(税別)/CLARISモデル 価格8万4000円(税別)

アンカーのドロップハンドル付きロードバイクの中でもっともお手頃な価格のエントリーモデル。しかしレーシングモデルのテクノロジーを生かして設計され、ブレーキ、クランクなど細部まで有名メーカー、シマノ製のパーツを採用しており、妥協のないスペック。上位モデル同様の快適性を誇りながらも、ロードバイクならではのスポーティな走りを楽しめる。

●適正身長:146㎝以上 ●シフト段数:フロント2段×リア8段 ●メインコンポーネント:シマノ ソラ/クラリス(試乗車はクラリス)  ●タイヤサイズ:700×28C ●重量:10.1kg(490mm、クラリス搭載モデル)

 

ANCHOR RL3 FLAT(右)

価格 7万6000円(税別)

「RL3 DROP」をベースにハンドルをフラットバー仕様に変更し、ラクな乗車姿勢に調整したモデル。ドロップハンドルに抵抗がある人、手軽に”スポーツ”を楽しみたい人におすすめしたい1台。ドロップハンドルへと換装しロードバイクとして使用することもできるため、スポーツ自転車の入門モデルとしては最適です。

●適正身長:146㎝以上 ●シフト段数:フロント2段×リア8段 ●メインコンポーネント:シマノ クラリス  ●タイヤサイズ:700×28C  ●重量:9.8kg(490mmサイズ)

 

すごくスムーズ! 滑るように走っていく!!」

はじめに中村さんがテストしたのは、フラットバーハンドルを装着する「ANCHOR RL3 FLAT」。普段はマウンテンバイクに乗っているものの、その走行性能の違いに驚いた様子。

「あたり前ですが……いつもの自転車と全然違いますね。タイヤが転がって走るというよりも、スーッと滑っていくような感じ。うまく乗れるか不安もあったのですが、まっすぐなハンドルなので特に問題ありませんでした」(中村さん)

↑フラットバーモデルは前掲姿勢がキツくないため、クロスバイク初体験の中村さんもまったく抵抗なく乗りこなせた

 

「RLシリーズ」はアンカーの自転車の中で長距離走行を快適にこなすことができるラインナップ。スムーズに走れるだけではなく、路面からの振動を逃がしたり長時間乗っていても身体に痛みを感じにくい設計・工夫が施してあります。ひざの負担が大きいランのトレーニング代わりに使用するには最適な1台といえるでしょう。

↑フラットバーに加え、フレーム設計そのものが乗りやすい構造になっている

 

↑「色々なウエアを着ても違和感なくコーディネートできそうなシンプルなデザインも気に入りました」(試乗車サイズ:490mm、中村さんの身長:169cm)

 

次にテストしたのはドロップハンドルを装着した「ANCHOR RL3 DROP」。基本的なフレーム設計はフラットバーモデルと同様ですが、大きく違うのはドロップハンドルを装着しているところです。中村さんもドロップハンドルは初めての体験なので少し緊張気味。

↑ブレーキやシフトチェンジの方法などを、ブリヂストンサイクル商品企画課の村河さんからきっちり教わる

 

ハンドルに体重をかけすぎない、などドロップハンドルならではのコツを教わりつつ、いざ試乗。

「ドロップハンドルの操作に不安がありましたが、意外と問題ありませんでした。フラットバーモデルよりも前傾姿勢が深いですが、ハンドルを握れる場所がたくさんあるので疲労感が軽減できる気がします」

 

普段の精進により基礎筋力がしっかりしているのか、ドロップハンドルにも抵抗なく馴染みました。上級モデルにはついていないアシストブレーキの存在も、ハードルを低くしているようです。

「アシストブレーキのおかげでハンドル上部に手を置いたままブレーキをかけられるから、思ったよりも態勢的にきつくないですね。それでいてフラットバーモデルよりも体幹を使うことも意識できるし、これならいきなりドロップハンドルでもいいかなと思いました」

↑自転車の重量は9.7kg。「フレームは軽くてデザインも細身。すごくスピードが出そう!」

 

↑スムーズなシフトチェンジと耐久性を誇るシマノ製のコンポーネントをセット。その気になればレースイベントにも使用できるスペックを持つ

 

アルミフレームの自転車は軽く耐久性に優れる反面、手に伝わる振動によって疲労感が高まることもありますが、RL3シリーズには路面からの振動を吸収するカーボンフォークが標準装備されています。これによってボディブローのようにじんわり体力を奪っていく振動を抑え、長い距離もラクに走ることができるように乗り手をサポートしてくれます。

↑トップモデルと同様の振動吸収性に優れたカーボンフォークを採用して快適性を確保。さりげないグラデーションをあしらったシンプルなデザインが好評だ

 

↑ブレーキとシフトレバーが一体になったSTIレバーをセット。さらにハンドル上部にはアシストブレーキを採用しているので、色々なポジションで走行ができる

 

↑普段からランニングしているためか、初めてのドロップハンドルでも楽しく乗りこなすことができた(試乗車サイズ:490mm、中村さんの身長:169cm)

 

どれも魅力的すぎて1台を選べない!?

TB1のアシストなしモデルと電動アシストモデルを試乗した編集長・山田と、アンカーRL3のフラットハンドルモデルとドロップハンドルモデルに試乗した中村優さん。「街乗りに最適なモデル」と「本格的スポーツバイク」という違いこそありますが、二人ともすっかり自転車の楽しさを味わい、なんならこのまま乗って帰りたいくらいのハイテンションです。

 

「丈夫で耐久性があって、ライトもドロヨケもカギもスタンドも、必要な装備がちゃんと付いていて、それでいて走りはすごく軽快。短い距離や平坦なルートをスイスイ走るならTB1、長い距離を走る、あるいは坂道が多いルートを走るならTB1eですかね。5万円を切るTB1の価格も捨てがたいし、やっぱりどちらか簡単には決められないです(笑)」と両方とも買ってしまいそうな山田。

 

一方の中村さんは「RL3のフラットとドロップ、う~ん私もどちらか選べないですね。どっちも速くて快適なので(笑)。フラットバーモデルからドロップハンドルにステップアップするのもいいし……すごく悩みます。ただ困ったのが、ランニングだけじゃなくて自転車にも興味がわいてしまったところですかね。本当に羽が生えたかのような軽い走りと滑るような滑らかさ。次はもっと長距離を走ってみたくなりました!」

 

とはいえ「自転車選び」が今回の企画趣旨なので、やっぱりちゃんと選んでもらわないと困ります。というわけで無理やり今日の1台を選んでもらったのが下の写真。さあ、これから幸せな自転車生活のスタートです!

↑試乗したモデルのどれもが魅力的すぎてなかなか決められなかったものの、最終的に選んだのは――中村さんが「ANCHOR RL3 DROP」、山田が「TB1e」という結果に

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

バッテリー約28%増強でより長く乗れる! 初めての1台にぴったりな子ども乗せ電動アシスト自転車「ビッケポーラーe」

ブリヂストンサイクルは、バッテリー容量を約28%増加して走行距離を伸ばした子ども乗せ電動アシスト自転車「ビッケポーラーe」の2019年早期モデルを6月上旬に発売します。価格は13万7800円(税抜)。

↑ビッケポーラーe(E.BKブルーグレー)

 

ビッケポーラーeは、フロントチャイルドシートを標準装備している子ども乗せ電動アシスト自転車。最低サドル高は70cm、全高は103.5cmで、フロントチャイルドシートを標準装備しているタイプの電動アシスト自転車としては、最も視界良好のフレーム設計となっており、「久しぶりに自転車に乗る」「運転に自信がない」「安定感を重視したい」という方に最適なモデルとなっています。

 

今回の新モデルでは、電池容量を従来モデルの12Ahから約28%増の15.4Ahとし、エコモード時の走行距離を78kmに伸長。さらに、自転車本体の軽量は維持し、広くてゆったり乗れる幅広チャイルドシート「スマートシート」も採用しています。

 

このほか、数字でバッテリー残量を表示する「デジタル3ファンクションメーター」や、雨の日でもしっかり止まる「スマートコントロールブレーキⅡ」などうれしい機能も搭載。アシストモードは、強・標準・オートエコ・アシストオフの4モードから選択できます。

 

カラーは、T.レトロブルー(ツヤ消しカラー)、E.BKブルーグレー、E.BKダークグレー、E.BKホワイト、T.レトログレージュ(ツヤ消しカラー)、T.レトロレッド(ツヤ消しカラー)、T.レトログリーン(ツヤ消しカラー)の全7色をラインナップ。

 

初めての子ども乗せ電動アシスト自転車にピッタリなモデルですので、購入を検討されている方はチェックしてみてはいかがですか?