見た目はセダンとSUVのイイとこ取り! 軽快な走りが魅力な「プジョー 408」をチェック

今回はプジョーのクロスオーバーモデルとなる408を紹介。独自性にあふれた内外装に注目してみた。

※こちらは「GetNavi」 2023年10.5月号に掲載された記事を再編集したものです

 

PEUGEOT 408

SPEC【GT】●全長×全幅×全高:4700×1850×1500mm●車両重量:1430kg●パワーユニット:1199cc直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:130PS/5500rpm●最大トルク:23.5kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:16.7km/L

 

ベーシックな1.2L版でも動力性能の高さは特筆モノ!

これまで中国や南米をメインの市場としてきた408が3代目でガラリと変わり、日本にも上陸を果たした。ご覧の通り、その外観はリアにハッチゲートが備わるファストバックボディにSUV要素をプラス。事実上、308のセダン版だった従来型はもちろん、かつて日本でも発売されていた407とも車名的なつながりを意識させる要素はない。

 

基本的な構成要素は308と多くを共有化しているが、ボディサイズはずっと大きく全長は4.7mと308より20cm以上長い。リアピラーを大きく傾斜させ、グラスエリアをタイトに仕上げた外観は輸入車で近年流行りの4ドアクーペ風。一方、最低地上高は170mmもありハイトが高い19インチのタイヤを組み合わせるなどして、ボディ下半分はSUVらしさをアピールする。佇まいはSUV的セダン/クーペといったところで、イメージはトヨタのクラウン・クロスオーバーが一番近い。

 

そんな、一見スタイリング重視な外観ながら、実用性への配慮に怠りがないのはプジョーらしいところ。前後席の空間は、セダンとして申し分ない広さを確保。荷室に至っては後席使用時でも536L(ガソリンモデル)の容量を誇り、最大では1611L(同)と本格派のワゴンに匹敵する広さを実現している。その意味では、セダン/クーペ風の見た目でもSUVに要求される使い勝手はしっかりとクリアされているわけだ。

 

搭載するパワーユニットは、1.2Lガソリンターボと1.6Lガソリンターボに電気モーターと総電力量12・4kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせたプラグインHVの2タイプ。今回の試乗車は前者だったが、その動力性能は排気量から想像される以上の高さが自慢だ。低回転域から十分なトルクを発揮するエンジンと高効率な8速AT、そして1.5tを切る比較的軽量なボディの効果もあるのか、日常域ではサイズ以上の軽快感すら味わえる。

 

それを受け止めるシャーシも完成度は高い。“ネコ足”と評された往年のプジョーとは趣が異なるが、日常域ではフラットで快適な乗り心地、積極的に操る場面では素直な操縦性を披露する。その意味では、近年ますます選択肢が少なくなっているセダンの代替としても自信を持ってオススメしたい。

 

室内の広さはサイズ相応インパネには眺める楽しみも!

極端な小径ステアリングに代表されるプジョー独自の「iコックピット」は、凝ったグラフィックのメーター回りなどエンタテインメント性も高い。前後席はセダンとして十分な広さを誇る。

パワートレインは2タイプを用意

エンジンは、66㎞のEV走行を可能とするプラグインHV(写真)と1.2Lガソリンターボの2タイプ。組み合わせるトランスミッションは、いずれも8速ATとなる。

 

最新のプジョーらしくエッジの際立つスタイリング

タイヤはグレードを問わず55扁平の19インチを採用。足元はSUV的な力強さを演出する。外観は随所が308と共有化されているが、見た目の印象は完全に別モノ。ボディカラーは、写真のブルーの他に3色が用意される。

 

フランス車らしく荷室の広さもトップ級

実用性を重視するフランス車らしく荷室は広い。写真のプラグインHVは通常時471/454L、最大時は1545/1528Lとガソリン仕様より容量が減少するが、絶対値としてはこちらも十分。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

プジョー「408」試乗。トップクラスの質感! 走ればスポーティなハンドリングで楽しい

一目見て「カッコイイ!」そう思わせたのがフランス生まれの新しくなったプジョー「408」です。セダンとクーペ、そしてSUVを融合させたファストバックモデルで、プレスカンファレンスにはアンバサダーに起用された森山未來さんが登場してそのファッショナブルな出で立ちをアピール。近年稀に見る格好良さと存在感を実感した次第です。

 

今回はそのベーシックモデルとなるガソリン車の「408 GT」の試乗レポートをお届けします。

↑新型プジョー「408」のイメージキャラクターには俳優の森山未來さんが務めることになった

 

■今回紹介するクルマ

プジョー/408

※試乗グレード:408 GT

価格:429万円〜669万円(税込)

 

質感の高さはCセグメント中トップクラス!

408 GTのボディサイズ(全長4700×全幅1850×全高1500mm)は、基本骨格こそ308と共通ですが、ホイールベースで110mm、全長では280mm延長されています。それでいて、フロントグリル周りのプジョーらしい精悍なデザイン、205/55R19の大径タイヤを履くことによる引き締めた足元とも相まって、よりスポーティな印象を伝えてきます。

 

ボディデザインはハッチバックゲートを持ち、伸びのあるクーペスタイルと力強いフェンダーラインを特徴とした、いわばクーペ的なデザインを持つSUVとして位置付けられています。全高を1500mmに抑えることでタワーパーキングにも対応しながら、室内に入ればリヤシートの足元も広々。SUVらしくラゲッジスペースもたっぷり取っており、まさに“スタイリッシュSUV”という表現がぴったりです。

 

【ボディデザインをフォトギャラリーでチェック】(写真をタップすると閲覧できます)

 

インテリアは、ダッシュボードやシートなど基本デザインを308と共通のものとしています。ただ、驚くのはその品質レベルの高さで、レザーやスエード、ソフトパッドを場所によって巧みに使い分けており、その仕上がり感はCセグメントでもトップクラスにあるといって間違いありません。

 

小径ステアリング越しに見るメーターからセンターコンソールに至るダッシュボードは、ドライバーを囲むコックピット感が満載。スポーティさも十分に感じられ、この雰囲気作りは「さすがフランス車!」と思える仕上がりレベルです。

↑高品質感が伝わってくる前席まわり。小径・扁平のステアリングホイールでクイックな操作が可能だ

 

一方で、前席の余裕ある空間に対して、後席はヘッドまわりに若干の狭さを感じました。それでも、前方の見通しはそこそこあり、閉塞感を感じさせないあたりは巧さを感じさせますね。

↑「腰に優しく長時間運転しても安心」なシートとしてのお墨付きをもらった前席

 

↑後席に座るときはヘッドレストを引っ張り出すスタイルとなる。後席用ベンチレーターも備わる

 

ただ、インターフェースはイマイチの印象です。空調系は物理スイッチで操作感が伝わってくるものなのに、インフォテイメント系は完全なタッチパネル。それでいて押したときに何の反応もないのは要改善だと思いました。ハザードスイッチも用途を考えたら、空調スイッチと並べずに独立させるべきでしょう。

 

【インターフェースをフォトギャラリーでチェック】(写真をタップすると閲覧できます)

低回転域から発揮する高トルクが力強い走りを実現

ではいよいよ試乗開始です。パワーユニットは、ガソリンエンジン搭載車には1.2L 3気筒ガソリンターボエンジンを、PHEVには1.6L 4気筒ガソリンターボエンジンを採用。今回は残念ながら、試乗するはずだったPHEVにセキュリティ系のトラブルが発生し、代わりにガソリン車の408 GTに試乗することとなりました。

↑ガソリン車には1.2L 3気筒ガソリンターボエンジンを搭載。最高出力130ps(96kW)/5500rpm、最大トルク230Nm/1750rpm

 

↑駆動方式はFF。タイヤサイズは205/55R19とした

 

実は試乗するに際し、「ターボ付きとはいえ、1.2L エンジンでこの大きめなボディに対して、十分なパフォーマンスを発揮できるのか?」と、内心不安があったのも否定できません。そして確かにアクセルを踏み込んだ瞬間は、何となく動きににぶさを感じます。しかし、そんな不安もつかの間。走り出せばすぐに力強い走りを見せてくれたのです。

 

そのワケはこのエンジンが発揮する130ps/5500rpm、230Nm/1750rpmのスペックにありました。最大トルクはほぼ2.5リッターエンジンクラスで、しかも最大トルクは1750rpmという低回転で発生します。加えて、3気筒ならではのレスポンスの良さと、組み合わされる8ATとのマッチングも良好。これが、街中でのキビキビとした動きにつながっていたのは間違いありません。そのうえで、アクセルを踏み込めばターボらしい力強い加速で、一気に車体を高速域まで引っ張り上げてくれたのです。

↑1.2L3気筒ターボエンジンの排気量からは想像できない力強い加速を発揮した新型プジョー408 GT

 

ハンドリングも素晴しいです。交差点を通過するときも、狙ったラインを正確にトレースするので安心感が極めて高い印象。しかも、そのときのフィーリングもしっとりとして気持ちがいい。大径タイヤを履くと、どうしてもバネ下重量が気になる傾向にありますが、そんな心配も一切ありません。思わず408で峠道を楽しんでいる自分の姿を想像してしまったほどです。

 

SUVテイストを発揮しつつ十分なパフォーマンスを発揮

一方で乗り心地は多少、タイトな印象を受けました。サスペンションのストロークが十分にあるのはわかりましたが、車体の高剛性なプラットフォームが影響しているのか、一般道にありがちな段差を超えるときはショックが強めに出る傾向にあったのです。とはいえ、ショックのいなし方が巧みなので不快な印象はありません。むしろ、このハンドリングを踏まえれば、このぐらいの固さはキビキビとしたスポーティさに一役買っているように思いました。

↑路面からはややタイトさを伝えてくるが、しなやかさを伴うことで不快感はまったくない

 

人気のSUVテイストをしっかりと発揮しながら、プジョーならでは乗り味を堪能できる、十分なパフォーマンスを備えた新型プジョー408。価格が499万円(408 GT)と、このクラスのガソリン車としては高めの設定となりますが、装備そのものは輸入車の常でほぼフル装備に近い状態です。国産車は価格が高くなっているにも関わらず、オプションが多いのは相変わらず。その意味でも408 GTは満足度の高い選択となることでしょう。

↑新型プジョー408にはガソリン車の「GT」以外に、PHEVの「408 GT HYBRID」(写真)がラインナップされる

 

SPEC【408 GT】●全長×全幅×全高:4700×1850×1500mm●車両重量:1430kg●パワーユニット:ターボチャージャー付き直列3気筒DOHC●エンジン最高出力:130ps/5500rpm●エンジン最大トルク:230Nm/1750rpm●WLTCモード燃費:17.1km/L

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

撮影/松川 忍

クーペ+SUVなプジョー「408」、ベストグレードはPHEVではなく…

プジョーの中核を担うモデルでもある408が、フルモデルチェンジでスタイリングを一新した。新型モデルはSUV! 昨年、国産車ではクラウンのSUVが登場して大きな話題となったが、奇しくもプジョー408もセダンからSUVヘと変貌を遂げていた。スタイリッシュなニュースタイルとなったフレンチミドルモデルを、プジョー車オーナーでもある清水草一はどう評価するか?

 

■今回紹介するクルマ

プジョー 408

車両価格:Allure/受注生産 429万円〜、GT 499万円〜、GT HYBRID 629万円〜、408 GT HYBRID First Edition 669万円〜(今回試乗)

 

SUVだが圧倒的に低い全高

世界的なSUVブームにより、現在、全世界で販売されている乗用車の約半分はSUVになった。日本では軽やミニバン(どちらも日本独自のカテゴリー)が強いのでまだ3割程度だが、海外ではSUVが乗用車の絶対的スタンダード。SUVの枠のなかで、さまざまなボディタイプが生まれている。

 

今年日本への導入が始まったプジョー408は、SUVのスポーツクーペ、つまりクーペSUVだ。408のデザイン上の最大の特徴は、全高が1500mmしかなく、SUVとしては非常に低いこと。クーペは重心を低くするために全高が低いものだが、その文法に完璧に沿っているのである。1500mmという全高は、BMWのクーペSUVであるX4(1620mm)に比べても格段に低い。408は、SUVとしては世界で最も背の低い部類に入る。そのぶんスポーティで、古典的にカッコよく見える。

↑機械式駐車場にも入る全高1500mm

 

現在ヨーロッパでは、クーペSUVがかなりの人気を集めている。本物のスポーツクーペは室内がだいぶ窮屈だが、SUVならそれなりの広さを確保できて、実用性とカッコよさを、いい具合にバランスさせることができるからだろう。

↑408 GT HYBRID First Editionの場合、荷室容量は454L。2列目を倒した状態では1528Lになる

 

↑リアシート。リアのニースペースは188mmでゆったりと座れる空間が用意されている

 

408のベースになったのは、ハッチバックの308だが、コロンとしたフォルムの308とは、見た目の印象がまったく異なる。408はカッコを優先したシャープなスタイリングで、若い頃からスポーツクーペに憧れ続けてきた中高年世代としては、「こんなSUVを待っていた!」と言いたくなる。ちなみに全長×全幅×全高は4700mm×1850mm×1500mm、ホイールベースは2790mm。全高に比して全長が長いので、自然とフォルムはシュッとするわけだ。

↑最低地上高は170mm

 

パワートレーンは、1.2L直3ガソリンターボと1.6L直4ガソリンターボ+PHEVの2種類。前者の最高出力130psに対して、後者はシステム最高出力225psと、大きな差がある。前者は3気筒1.2Lゆえに、SUVとしては軽量(1430kg)なのに対して、後者は12.4kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載しており、車両重量は1730kgとかなりの重量級。見た目はほとんど同じだが、中身はまるで違うのだ。

 

価格も3気筒ガソリンの「GT」が499万円なのに対して、PHEVの「GT HYBRID」は629万円。この2台は別のモデルと考えてもいいくらいだ。今回試乗したのは、高いほうの「GT HYBRID」の、さらにお高い「ファーストエディション(669万円)」である。

 

508のPHEVは期待ハズレだったが…

正直なところ、プジョーのPHEVにはあまりいい印象を抱いていなかった。508のPHEVはやたらと車体が重い印象で、加速は重ったるく、本来の軽快な操縦性も損なわれていた。

 

ところが408のPHEVはまったく違っていた。モーターだけでもスルスルと軽やかに加速するし、コーナリングもシャープでスポーティ。どうやら以前試乗した508のPHEVは、初期ロットゆえの熟成不足か、あるいは「ハズレ個体」だったらしい。

 

ちなみに私は現在、508のディーゼルモデルを所有しているが、そちらと比べても408 GT HYBRIDは動きが軽く、直進安定性も操縦安定性も高かった。エンジンがかかった状態でも、驚くほど静かで快適なのだから恐れ入る。

 

ただ、プジョーのPHEVは、ハイブリッドと言うよりもEV+エンジンに近く、バッテリーが残っている間は基本的にモーターで走行し、バッテリーをほぼ消耗し尽くしたらエンジン主体にバトンタッチする単純なシステムだ。

↑満充電までの時間は普通充電器(200V 3kW)で約5時間

 

WLTC燃費は17.1km/Lにとどまり、国産ハイブリッドカーに比べるとかなり見劣りする。スポーツモードにするとエンジンがかかりっぱなしになって、そのぶんパワフルになるが、その状態もあまり魅力的とは言えない。そこを考えると、「やっぱりハイブリッドカーは国産だな」と言わざるを得ない。

 

インテリアは308とほぼ同じだが、質感は十分高く、オシャレでステキなクルマに乗っている感がある。プジョーの定番である小径の楕円ステアリングや、ステアリングの上側から見るメーターなどのインターフェイスは、408のカッコマンなスタイリングとよくマッチしている。

インパネは削り出したような造形が特徴的。インフォテイメントは「i-Connect Advanced」搭載でコネクテッドにも対応

 

408 GT HYBRIDは、見ても乗っても非常に気持ちのいいクルマだが、価格も含めて考えると、3気筒1.2Lガソリンエンジンの「GT」がオススメだろう。プジョーの3気筒ガソリンターボは、1.2Lとは思えない低速トルクがあり、日常域のドライバビリティが素晴らしくイイ。1430kgくらいの車両重量は問題なく走らせるはずだ。そちらに試乗した同業者は、「軽々と走ったよ!」とベタホメだった。WLTC燃費は16.7km/Lなので、GT HYBRIDとほとんど変わらない。

 

ちなみにディーゼルエンジンは、408には本国でも用意されていない。ヨーロッパの乗用車は、ガソリンエンジンより先に、まずディーゼルエンジンと決別する決意を固めているのだ。ディーゼルファンとしては残念だが、今後ディーゼルモデルが追加される可能性がないと聞けば、「ならガソリンだな」と割り切りやすいかもしれない。

 

SPEC【GT HYBRID】●全長×全幅×全高:4700×1850×1500㎜●車両重量:1740㎏●パワーユニット:1598cc直列4気筒ターボエンジン+電気モーター●エンジン最高出力:180PS(132kW)/6000rpm●エンジン最大トルク:250Nm/1750rpm●モーター最高出力:110PS(81kW)/2500rpm●モーター最大トルク:320Nm/500-2500rpm●WLTCモード燃費:17.1㎞/L●一充電EV走行距離:65km

 

文・撮影/清水草一

専門家が厳選! スポーティな走りを楽しめるステーションワゴン6選

セダンの利便性はそのままに、荷室スペースを拡大した2ボックスモデルがステーションワゴン。その魅力は使い勝手の良さがおもにクローズアップされがちだが、美しいデザイン、そして低い重心がもたらすスポーティな走りこそ真骨頂。今回は、自動車ライター・海野大介さんに、低重心のスタイルが生む安定した走りが魅力な6台のステーションワゴンを選んでもらった。

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【私が選びました】

自動車ライター・海野大介さん

ウェブを中心に活動する自動車ライター。国内A級ライセンスと1級小型船舶という、趣味性の高い資格を保持。

 

水平対向エンジンを搭載するスポーティワゴン

SUBARU
レヴォーグ
310万2000円〜414万7000円

レガシィツーリングワゴンに代わるステーションワゴンとして2014年にデビュー。現行モデルは2020年にデビューした2代目になる。低重心を生み出すSUBARU伝統の水平対向エンジンを搭載し、スポーティな走りが魅力だ。

SPEC【GT-H EX】●全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm●車両重量:1570kg●パワーユニット:1795cc水平対向4気筒DOHC直噴ターボ●最高出力:177PS/5200〜5600rpm●最大トルク:30.6kg-m/1600〜3600rpm●WLTCモード燃費:13.6km/l

 

↑運転支援システム「アイサイト」は全モデルに標準装備。グレードによってはより進化した「アイサイトX」を装備するモデルもある

 

↑荷室床下に290㎜の深さを持つ大型のサブトランクを装備。底面からルーフまでは最大1105㎜の高さがあり、大きな荷物も積載可能だ

 

↑主力エンジンは177PS/300Nmを発揮する1.8l直噴ターボ。低回転域から最大トルクを発揮するので扱いやすいのが特徴だ

 

【ココがスポーティな意匠】低重心のエンジンとAWDの安定した走り

なんといっても低重心を生み出す水平対向エンジンとSUBARU独自のシンメトリカルAWD。コーナー進入時もしっかりと路面を捉え続け、立ち上がりの良さも抜群だ。

 

マイルドハイブリッドが高い環境性能を実現

メルセデス・ベンツ
Cクラス ステーションワゴン
622万円〜1202万円

無駄を削ぎ落としたスポーティなデザインが魅力のモデル。現行モデルでは全グレードでマイルドハイブリッドを採用する。モーターによる高効率なエネルギー回生やブースト機能が、高度な環境性能と気持ち良い走りを実現。

SPEC【C 200 Stationwagon AVANTGARDE】●全長×全幅×全高:4755×1820×1455㎜●車両重量:1700kg●パワーユニット:1494cc直列4気筒DOHC●最高出力:204PS/5800〜6100rpm●最大トルク:30.6kg-m/1800〜4000rpm●WLTCモード燃費:14.2km/l

 

↑エンジンは1.5l直4ターボと2l直4ディーゼルターボの2つ。いずれも9速ATが組み合わされ、スムーズな加速を実現している

 

↑ディスプレイを多用したインパネ。正面は12.3インチ、コクピット中央のものは11.9インチだ。後者はドライバー側に傾けて設置される

 

【ココがスポーティな意匠】スポーツカー並みの旋回性能が楽しめる

メルセデスの特徴でもあるボディ剛性の高さは、足回りの安定感をより感じさせる。それはハンドリングの良さにもつながり、ロールの抑えられたコーナリングを楽しむことが可能だ。

 

伸びやかなルーフラインがスポーティさを強調

トヨタ
カローラ ツーリング
207万円〜304万8000円

いまや数少ないトヨタブランドのステーションワゴン。伸びやかなルーフラインがスポーティさを演出している。2021年にマイナーチェンジ。ガソリンエンジンとハイブリッドがあり、ハイブリッドのみE-Fourの4WDが設定される。

SPEC【W×B(ハイブリッド・2WD)】●全長×全幅×全高:4495×1745×1460mm●車両重量:1390kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒DOHC+モーター●最高出力:98[95]PS/5200rpm●最大トルク:14.5[18.9]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:27.3km/l

※[ ]内はモーターの数値

 

↑すべての電動モジュールを刷新したハイブリッドシステム。モーター出力は従来比+16%を実現した。パワーと燃費の高バランスが特徴だ

 

↑後席はワンタッチで格納可能な60:40の分割可倒式を採用。G以上のグレードにはセンターコンソール背面にUSB端子が備わる

 

【ココがスポーティな意匠】アクセル操作に忠実なパワー出力が魅力

アクセルやステアリング操作に対する反応が素直で扱いやすく、低重心パッケージのシャーシ特性と相まって気持ちの良いコーナリングが楽しめる。意外に低いドラポジも魅力。

 

クリーンディーゼルの追加で魅力が増したワゴン

アウディ
A4 アバント
508万円〜693万円

アウディを代表する人気車種、A4のワゴン版がアバントだ。A4としては5代目になり、2015年にデビュー。2020年には大幅なマイナーチェンジを受けた。ディーゼルエンジン搭載車もラインナップに追加され、魅力がいっそう高まった。

SPEC【35 TDI advanced】●全長×全幅×全高:4760×1845×1435mm●車両重量:1610kg●パワーユニット:1968cc直列4気筒DOHCターボ●最高出力:163PS/3250〜4200rpm●最大トルク:38.7kg-m/1500〜2750rpm●WLTCモード燃費:17.1km/l

 

↑デザインは同じだが、アバントの後席はセダンよりも座面から天井までの高さがある。35TFSI以外は3ゾーンのエアコンを標準装備する

 

↑ラゲッジルームは後席を使用した状況で495ℓの容量を確保。40:20:40の可倒式後席を倒せば1495ℓの大容量荷室が出現する

 

【ココがスポーティな意匠】実用域でも楽しめるエンジンとハンドリング

ディーゼル特有の厚いトルクは低回転域での加速に優れ、クルマはステアリング操作に対し正確に反応する。正確だが穏やかなレスポンスなのでリラックスして運転できる。

 

独自の車両制御技術で卓越した操縦性を誇る

マツダ
MAZDA 6 ワゴン
296万2300円〜385万8800円

2019年のマイナーチェンジ時にアテンザから世界共通名のMAZDA 6に名称変更。現行モデルは2012年にデビューした。マツダ独自の車両制御技術により、ステーションワゴンながらスポーツカー並みのハンドリングが魅力だ。

SPEC【XD Sport Appearance】●全長×全幅×全高:4805×1840×1450mm●車両重量:1630kg●パワーユニット:2188cc直列4気筒DOHCディーゼルターボ●最高出力:200PS/4000rpm●最大トルク:45.9㎏-m/2000rpm●WLTCモード燃費:17.8km/l

 

↑ソフトパッドを多用し高いインテリアの質感も定評があるマツダ6。8インチのセンターディスプレイはスマホとの連携も可能だ

 

↑豊かなトルクで力強い走りを実現するディーゼルエンジン。それまでの回らないディーゼルの概念を変えたパワーユニットでもある

 

【ココがスポーティな意匠】ドライバーの意図に忠実で安定した挙動が堪能できる

ホイールベースが短くても安定した直進性を持ち、ドライバーの意図に忠実でリニアなステアリングフィールを誇る。安定した挙動はロードスターに通じる爽快感が感じられる。

 

PHEVが追加されたバカンスの国のワゴン

プジョー
308SW
362万1000円〜576万6000円

コンパクトモデルの308に設定されるワゴンがSW。現行モデルは2022年に発表され308としては3代目になるモデルだ。パワー・オブ・チョイスのコンセプトに基づいてガソリン、ディーゼル、PHEVと合計3つのパワートレインを設定する。

SPEC【GT・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4655×1850×1485mm●車両重量:1720kg●パワーユニット:1598cc直列4気筒DOHCターボ+モーター●最高出力:180[110]PS/6000rpm●最大トルク:25.4[32.6]kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:17.5km/l

●[ ]内はモーターの数値

 

↑インパネはステアリングの上下がフラットで包まれ感のあるi-Cockpitを採用。308のものはディスプレイを多用した最新進化版だ

 

↑シートの良さに定評ある308。現行モデルで採用されたシートはAGR(ドイツ脊椎健康推進協会)に認められた人間工学に基づくもの

 

【ココがスポーティな意匠】帰ってきた「ネコ足」は剛性感たっぷりで快適

一時はドイツ車的な固い足回りのセッティングだったが、柔らかく深くロールし、粘りのある走りが特徴の「ネコ足」が復活。高い剛性感が特徴だが、都市部でも快適に走行可能だ。

最近減ったディーゼルエンジン車は買い? プジョー「308」をちょい辛で評価

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回はプジョーのミドルサイズコンパクトカー、308を取り上げる。先代よりシャープになったデザインの評価は?

※こちらは「GetNavi」 2023年3.5月号に掲載された記事を再編集したものです

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感。クルマを評論する際に重要視するように。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわっている。

 

【今月のGODカー】プジョー/308

SPEC(GT BlueHDi)●全長×全幅×全高:4420×1850×1475mm●車両重量:1420kg●パワーユニット:1498cc直列4気筒ターボディーゼルエンジン●最高出力:130PS(96kW)/3750rpm●最大トルク:30.6kg-m(300Nm)/1750rpm●WLTCモード燃費:21.6km/L

320万6000円〜515万1000円(税込)

 

走りのバランスが良いもののデザインは刺さらなかった

安ド「殿! 今回はプジョー308のディーゼルモデルを取り上げます!」

 

永福「そうか」

 

安ド「殿はプジョー508ディーゼルのオーナーですから、308もお好きなのでは?」

 

永福「いや、あまり好きではない」

 

安ド「ええっ! すごく良いクルマじゃないですか。安ド的には、歴代308で一番カッコ良いと思っております!」

 

永福「歴代308は、どれもあまりカッコ良くない。新型の308もイマイチだ」

 

安ド「でも新型は、シャープでネコ科の動物っぽい雰囲気が……」

 

永福「かなり太ったネコだな。同じプジョーでも208や508は非常にカッコ良いので、308にも期待していたのだが」

 

安ド「インテリアもシンプルでムダがありません。メーターまわりのサイバーな雰囲気に全体がマッチしていて好きです!」

 

永福「プジョー定番の楕円ステアリングは、クイックに操作できるので私も好きだ」

 

安ド「乗った感じも、バランスが良いなと思いました。すべてがマッチしていて、先代ゴルフに乗ったときのような感覚がありました」

 

永福「確かに走りのバランスは良いと思うぞ」

 

安ド「殿は、先代308のディーゼルモデルを、『最も現実的かつ理想的なディーゼル車だ!』と高く評価されてました。新型のディーゼルエンジンも、先代と同じ1.5Lですよね?」

 

永福「そう。エンジンも実用的で素晴らしいぞ」

 

安ド「ディーゼル乗用車は、ガソリンエンジンより早く、近い将来消滅すると言われていますが、いま買っても大丈夫でしょうか?」

 

永福「だからこそ、いまのうちに買っておくべきだ。ディーゼルの太いトルクと低燃費は、何ものにも代え難い。この快感を知ってしまったら病みつきだ」

 

安ド「そんなに良いですか。軽油がスタンドから消えたりする心配もないですか?」

 

永福「トラックはそう簡単にEV化できないから、むしろガソリンより長く買えるんじゃないか」

 

安ド「なるほど!」

 

永福「308が良いクルマなのは確かだが、デザインにフランス車らしい小粋さが足りないし、あまりにもボディが大きくなりすぎてしまった。全幅が1850mmもあるのはイカン」

 

安ド「殿の508のほうが、ずっとデカいじゃないですか!」

 

永福「508は、ちょいワルオヤジのためのスカしたスポーツセダンだからそれで良い。しかし308は実用ハッチバック。フランスの実用車は、もっと小粋でコンパクトであってほしい。よって個人的には、プジョー208のほうがオススメだ」

 

安ド「208にはディーゼルの設定がありません!」

 

永福「このクラスでディーゼルにこだわるなら、VWのゴルフだな」

 

【GOD PARTS 1】オートマチックセレクター

スタイリッシュで収納スペースも確保

2022年春登場の208に続き、新型308でも、指先で操作できるトグルタイプのオートマチックセレクターが採用されています。見た目のスッキリさはもとより、センターコンソールまわりの収納スペースも確保できます。

 

【GOD PARTS 2】エンブレム

ブランドの新たなアイデンティティ

従来の“2本足で立っているライオンのアウトラインをかたどった”エンブレムは、この新型308から“顔だけ”に変更されました。60年代にも横顔エンブレム時代はありましたが、こちらは平面的になり、モダンな雰囲気を感じさせます。

 

【GOD PARTS 3】エンジン

高出力から低燃費まで充実のラインナップ

撮影車のエンジンは最高出力130馬力を発揮するディーゼルターボ。ほかにも1.6L直列4気筒ターボエンジン+モーターのプラグインハイブリッド、1.2L直列3気筒ガソリンターボもラインナップされて、選べるのがうれしいです。

 

【GOD PARTS 4】マフラー

大胆アピールかと思いきや隠された排気口

リアの下部は黒くて、ボディの厚みを感じさせるデザインになっていますが、左右にシルバーで囲まれた箇所があります。コレ、マフラーかと思いきや完全なるダミーで、実物は底面から1本だけちょこっと出てました。

 

【GOD PARTS 5】リアシート

先代と比べて足元空間が拡大

先代からホイールベース(前輪と後輪との間の距離)が拡張されたことで、後席の足元のスペースも約30mmほど拡大されました。このクラスのコンパクトカーにとって、意外と使われるリアシートまわりの広さは重要ですからね。

 

【GOD PARTS 6】ホイール

足元を引き締めるサイバーなイメージ

フロントまわりのシャープな雰囲気に似合うサイバーなデザインです。ブラックとシルバーを組み合わせてスポークが細く見えるように工夫されています。また中央部にはカバーのようなものが付いていて、ナットが直接見えないように工夫されています。

 

【GOD PARTS 7】ヘッドライト

後方までまっすぐ伸び続けるプレスライン

先代と比べてボディサイズは拡大されましたが、フロントデザインは直線基調でシャープです。特に超薄型マトリクスLEDヘッドライトは特徴的ですが、ライト後端からフロントドアまで伸びたプレスラインは、実は先代から受け継いでいます。

 

【GOD PARTS 8】リアコンビネーションランプ

ライオンの爪で引っ掻かれた跡

フロントにならってリアライトも薄型です。そして斜めに入ったこのラインはライオンのかぎ爪で引っ掻かれたイメージなんだとか。ライオンのエンブレムをつけたプジョーのライオンへのこだわりが感じられるデザインですね。

 

【GOD PARTS 9】センターディスプレイ

タッチパネル式で未来感あふれる造形

インパネ中央には大型ディスプレイが鎮座していて、タッチ操作や声で呼びかけて操作できる「iコネクトアドバンスト」を採用。デジタルメーター「iコックピット」とサイバーな雰囲気で統一されています。

 

【これぞ感動の細部だ!】ステアリング

クイックな操作感が好印象

スポークが左右2か所のみというスポーティなデザインが採用されています。また、上端が平らになっているのも特徴で、ステアリングの上からメーターパネルが見える設計になっています。さらに、スタンダードなステアリングと比べて小径なので、操作感がクイックです。

 

撮影/我妻慶一

いまこの仏車にAttention! オシャレで機能も十分なモデルをプロがピックアップ

オシャレで機能的、燃費性能や安全運転支援技術も進化しているフランス車のなかでも、特にオススメのモデルをプロが「エレガントなフレンチ」「小粋なフレンチ」の視点でピックアップ。ピュアスポーツとして名高いアルピーヌも紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【その1】ルノー

私が選びました!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

納得の完成度を誇る欧州ナンバー1SUV

キャプチャー

309万円〜389万円(税込)

キャプチャーは2021年に欧州で一番売れたSUV。躍動感あふれるスタイリング、上質で使いやすいインテリア、ルノーらしく自然で安定した走りが人気の理由だろう。日本の道路事情に合ったコンパクトなサイズもうれしい。

SPEC【E-TECH ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm●車両重量:1420kg●パワーユニット:1597cc4気筒DOHC+モーター●最大出力:94PS[49PS]/5600rpm●最大トルク:15.1kg-m[20.9kg-m]/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑コンパクトSUVながら広いラゲッジスペースを確保。後席使用時でも536L、リアシートを倒せば最大1235Lにまで拡大する

 

↑E-TECH HYBRIDはエンジン側に4速、モーター側に2速のギアを搭載。計12通りの組み合わせでシームレスな変速を実現する

 

↑360度カメラを搭載し、真上から見下ろしたような映像をスクリーンに表示してくれる。ギアをリバースに入れると自動で起動する

 

[ココにAttention!] F1技術を注いだハイブリッドも登場

ハイブリッド仕様が最近追加。F1のノウハウを注入したE-TECH HYBRIDは、輸入車SUVナンバー1の燃費をマークしつつ、ハイブリッドらしからぬダイレクトな走りも魅力。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

トゥインゴ

225万円〜254万円(税込)

3代目でリアエンジンに変身したベーシックルノー。5ナンバーに収まるサイズ、驚きの小回り性能、独特のハンドリングなど、国産コンパクトとはひと味違った魅力がいっぱいだ。

 

↑エンジンはリアラゲッジ下に効率良く配置。リアエンジンの採用でタイヤを車両の四隅に配置でき、後席の足元空間にも余裕が生まれる

 

↑シンプルにまとめられた運転席まわり。電子制御6速ATと0.9L3気筒ターボエンジンの組み合わせで、力強い走りを実現している

 

↑インテンス MTには5速マニュアルトランスミッションを採用。1.0Lの自然吸気エンジンとの組み合わせで、小気味良く操ることが可能

 

[ココにAttention!] 往年の名車がモチーフ!

キュートなのに存在感あるスタイリングは、1970〜80年代に活躍したミッドシップのラリーカー、5ターボがモチーフ。それをベーシックカーに反映する発想がまたスゴい。

 

【その2】プジョー

私が選びました!

モータージャーナリスト
飯田裕子さん
自動車メーカー在職中に培ったレースや仕事経験を生かしつつ、カーライフの“質”や“楽しさ”を提案する。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

デザインで選びたくなるプジョープライドを体現

508SW

598万9000円〜704万3000円(税込)

プジョーのフラッグシップ508のステーションワゴン。機能的なワゴンをデザインで選びたくなるようなスタイルに磨きをかけ、上質さや快適性、ドライバビリティが高められた。3タイプのパワーチョイスには新たにPHEVが加わった。

SPEC【GT BlueHDi】●全長×全幅×全高:4790×1860×1420mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1997cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:177PS/3750rpm●最大トルク:40.7kg-m/2000rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L

 

↑伸びやかなフォルムの前後にはLEDライトを採用し、最新のプジョーらしさを上質さとともに表現。デザインで選ぶ人がいても納得

 

↑期待以上の機能美をプジョーらしく象徴するラゲッジ。スクエアでフラットなスペースは先代を上回る収納量530〜1780Lを誇る

 

[ココにAttention!] 燃費性能に優れるディーゼルは優秀

3種類のパワーソースが揃う。特に快適指数も高く燃費にも優れるディーゼルの力強く扱いやすい動力と、しなやかなドライブフィールが、美しい508SWの行動意欲をかき立てる。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

208

284万5000円〜460万2000円(税込)

コンパクトカー作りの名手プジョーが、ブランドの特徴を凝縮し、若々しくスポーティな走りやデザインを体現。独創的かつ最先端の「3D i-Cockpit」の機能性にも注目したい。

 

[ココにAttention!] EVもガソリン車も走りを楽しめる!

208をピュアEVで楽しめる時代に突入。一方、国産コンパクトと競合するピュアガソリン車のプジョーらしい走りも、優れたパッケージやデザインと並んで捨てがたい魅力だ。

 

【その3】シトロエン

私が選びました!

自動車・環境ジャーナリスト
川端由美さん
エンジニアから自動車専門誌の編集記者を経て、フリーのジャーナリストに。エコとテックを専門に追う。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

広大な空間を持つMPVながらエレガントな雰囲気はキープ

ベルランゴ

367万6000円〜404万5000円(税込)

広大な室内空間を持つクルマで家族と一緒に出かけたいけれど、所帯じみて見えるのは避けたい。いや、むしろ、エレガントに乗りこなしたい! という人にオススメ。フランス車らしいエレガントなデザインに目を奪われる。

SPEC【SHINE BlueHDi】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●車両重量:1630kg●パワーユニット:1498cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:130PS/3750rpm●最大トルク:30.6kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:18.1km/L

 

↑収納スペースが豊富なのがベルランゴの特徴。天井部にも収納スペースが用意され、小物を効率良くまとめて置いておけるのが◎

 

↑コラボ企画で生まれた車中泊用純正アクセサリー。リアシートを倒しエクステンションバーを伸ばすと、フラットなベッドに早変わり

 

[ココにAttention!] 3列シートモデルの登場に期待したい!

小柄なボディながら、オシャレな内外装と、大人5人がくつろげる室内空間と広大な荷室を両立。全長4.4mのコンパクトさは維持しつつ、3列シート7人乗りの「XL」も年内発売予定だ。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

C3

265万8000円〜291万3000円(税込)

フランス車のなかでも、特にアヴァンギャルドで、お国柄が色濃いシトロエン。そのエスプリは、末っ子のC3でも存分に味わえる。小型車でも、細部まで妥協がない。

 

[ココにAttention!] 個性的なカラーと扱いやすさがイイ

個性的なボディカラーに、ルーフとドアミラーをツートーンでコーディネートすることもできる。全長4m未満と街なかで扱いやすいボディサイズだが、後席にも十分に大人が座れる。

 

PICK UP!

航続距離70kmでも欧州で爆売れ! 「アミ」はシトロエンのマイクロEV

シトロエンの超小型EV「アミ」。フランスでは普通免許が不要で、原付のような位置付けだ。220Vの電圧で約3時間で充電可能で、航続距離は70km。残念ながら日本未発売だが、パリの街では目立つ存在になりつつある。

 

【その4】ディーエス オートモビル

私が選びました!

モータージャーナリスト
岡本幸一郎さん
1968年生まれ。フランス車ではプジョー205GTIの所有歴がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

パリで育まれた感性が光るDSのフラッグシップSUV

DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4

754万1000円(税込)

プレミアムブランドとしてシトロエンから独立したDSが初めてイチから開発したモデル。パリ生まれの優美な内外装デザインに最新のテクノロジーを融合した高級SUVで、E-TENSEはリアを強力なモーターで駆動するプラグインハイブリッド車だ。

SPEC●全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm●車両重量:1940kg●パワーユニット:1598cc4気筒DOHC+ターボ+モーター●最大出力:200PS[110(前)112PS(後)]/6000rpm●最大トルク:30.6kg-m[32.6(前)16.9(後)kg-m]/3000rpm●WLTCモード燃費(ハイブリッド燃料消費率):14.0km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑エンジンを始動するとエレガントなデザインのB.R.M社製の高級アナログ時計がダッシュボード上に現れる。自動時刻修正機能も搭載

 

↑高級腕時計に用いられる高度な技法“クル・ド・パリ”を採用したセンターコンソール。多数のピラミッドが連なっているように見える

 

[ココにAttention!] 路面状態を認識し足回りを最適化

これから通過する路面の凹凸をフロントカメラで認識して足まわりのダンパーを最適に電子制御する「DSアクティブスキャンサスペンション」を搭載。乗り心地は極めて快適だ。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

DS 4 TROCADERO PureTech

398万円〜(税込)

年頭に開催された国際自動車フェスティバルでは、”世界で最も美しいクルマ”を意味する「Most Beautiful Car of the Year」を受賞。最廉価版なら400万円を切る価格にも注目。

 

[ココにAttention!] デザインも良いが走りもスポーティ!

受賞実績でも明らかなとおりデザインが素晴らしいのは言うまでもないが、走りも素晴らしい。新世代プラットフォームによる走りは快適性とスポーティさを見事に両立している。

 

【TOPIC】ピュアスポーツとして名高いフランス車が「アルピーヌ」だ

私が解説します!

モータージャーナリスト
清水草一さん
1962年東京生まれの自動車ライター。これまで50台以上の自家用車を購入している。

軽量ボディと適度なパワーで思い通りに操れるのが魅力

1960年代から70年代にかけて、リアエンジン・リアドライブレイアウトの軽量ボディでラリー界を席巻したのがアルピーヌA110。あの伝説のマシンが、40年の歳月を経て現代によみがえった。それがアルピーヌA110であり、そのパワーアップ版がA110Sだ。

 

現在のアルピーヌは、ルノーブランドのひとつ。新型アルピーヌは、エンジンを車体中央に横置きするミッドシップレイアウトに変更されている。いわゆる「スーパーカーレイアウト」だ。

 

フェラーリやランボルギーニなど、現代のスーパーカーはあまりにも大きく、パワフルになりすぎていて、性能を使い切ることが難しいが、アルピーヌは軽量コンパクトでパワーも適度。純粋に走りを楽しむことができるモデルだ。

 

最適パフォーマンスが光る“手ごろなスーパーカー”!

アルピーヌ

A110 S

897万円(税込)

1100kgしかない軽量ボディに252馬力の1.8L4気筒ターボエンジンを搭載し、2017年、アルピーヌA110の名で40年ぶりの復活を遂げた。A110Sは最高出力が300PSに増強された、よりスポーツ色が強いバージョンだ。

SPEC●全長×全幅×全高:4205×1800×1250mm●車両重量:1110kg●パワーユニット:1798cc4気筒DOHC+ターボ●最大出力:300PS/6300rpm●最大トルク:34.6kg-m/2400rpm●WLTCモード燃費:14.1km/L

 

↑3種類のドライブモードから選択可能。ステアリング右下の赤いボタンを押すと、即座にスポーツモードとなり、走りがスポーティに

 

↑アルピーヌA110は軽さが命。ボディの骨格はオールアルミ製だ。1100kgという車両重量は、コンパクトカー並みの軽さを誇る

 

↑車両底面にフタをしてフラットにすることで、空気をスムーズに流し、高速域ではダウンフォースを発生させている

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

デザインで選びたくなるプジョープライドを体現「508SW」【いまこの仏車にAttention!】

オシャレで機能的、燃費性能や安全運転支援技術も進化しているフランス車のなかでも、特にオススメのモデルをプロが「エレガントなフレンチ」「小粋なフレンチ」の視点でピックアップ。今回はプジョーを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

PEUGEOT(プジョー)

私が選びました!

モータージャーナリスト
飯田裕子さん
自動車メーカー在職中に培ったレースや仕事経験を生かしつつ、カーライフの“質”や“楽しさ”を提案する。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

508SW

598万9000円〜704万3000円(税込)

プジョーのフラッグシップ508のステーションワゴン。機能的なワゴンをデザインで選びたくなるようなスタイルに磨きをかけ、上質さや快適性、ドライバビリティが高められた。3タイプのパワーチョイスには新たにPHEVが加わった。

SPEC【GT BlueHDi】●全長×全幅×全高:4790×1860×1420mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1997cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:177PS/3750rpm●最大トルク:40.7kg-m/2000rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L

 

↑伸びやかなフォルムの前後にはLEDライトを採用し、最新のプジョーらしさを上質さとともに表現。デザインで選ぶ人がいても納得

 

↑期待以上の機能美をプジョーらしく象徴するラゲッジ。スクエアでフラットなスペースは先代を上回る収納量530〜1780Lを誇る

 

[ココにAttention!] 燃費性能に優れるディーゼルは優秀

3種類のパワーソースが揃う。特に快適指数も高く燃費にも優れるディーゼルの力強く扱いやすい動力と、しなやかなドライブフィールが、美しい508SWの行動意欲をかき立てる。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

208

284万5000円〜460万2000円(税込)

コンパクトカー作りの名手プジョーが、ブランドの特徴を凝縮し、若々しくスポーティな走りやデザインを体現。独創的かつ最先端の「3D i-Cockpit」の機能性にも注目したい。

 

[ココにAttention!] EVもガソリン車も走りを楽しめる!

208をピュアEVで楽しめる時代に突入。一方、国産コンパクトと競合するピュアガソリン車のプジョーらしい走りも、優れたパッケージやデザインと並んで捨てがたい魅力だ。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

オシャレさと力強さを兼ね備えた仏車をフィーチャー!! いま注目の“トレビアン”な4社の真実に迫る

いまフランス車の評価が高まっている。美しく、エッジの効いたデザインはもちろん、フランス人の合理主義が生み出す使い勝手の良さも魅力のひとつ。ハイブリッドやEVだって豊富に揃う。世界で最もトレビアンなクルマなのだ!

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

 

アナタの知らない仏車

世界的にも評価が高まる同国車の真実に迫る!

オシャレなイメージが先行しているフランス車は、それぞれのメーカーの魅力が語られないことも多い。意外と知られていない真実を解明すべく、フランス車が大好きで、フランス車に精通するモビリティジャーナリストが解説する。

 

私が解説します!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

【その1】フランス車にはどんなメーカーがある?

RENAULT/ルノー

センスの良さが光る生活のパートナー

1898年にパリ近郊で創業したルノーは、第二次世界大戦後しばらく国営企業だった。いまもフランス政府が日産とともに筆頭株主。それもあって生活に根付いた実用車が中心だ。しかしデザインは洗練されていて、センスの良いデザイン雑貨を思わせる。F1に熱心なのも特徴。

 

PEUGEOT/プジョー

ライオンの強さと切れ味良い走り

プジョーは1889年にクルマ作りを始める前から金属製品を手掛けていた。エンブレムのライオンは強さや切れ味を表現すべく、そのころから使われている。本拠地はドイツ国境に近いアルザス地方。そのためかフレンチ風味は濃厚ではなく、切れ味良い走りがウリだ。

 

CITROEN/シトロエン

独創と快適へのこだわりはピカイチ

1919年にクルマ作りを始めたシトロエンは、欧州でいち早く大量生産を実現し、前輪駆動の量産車を送り出すなど、昔から革新的。ハイドロニューマチックに象徴される乗り心地へのこだわりも特徴で、個性的なデザインと併せて、フランス車の象徴と言われることが多い。

 

DS AUTOMOBILES/DS オートモビル

パリの先鋭と洗練が息づくプレミアム

最初はシトロエンのなかのプレミアムラインという位置づけだったが、人気の高まりによって2015年に独立。パリの先鋭と洗練、匠の技をクルマに織り込んだプレミアムブランドで、モータースポーツではブランド設立直後からフォーミュラEに参戦している。

 

【その2】個性あふれるデザインにインテリアも独創的

いわゆる「沈没船ジョーク」で、船長が日本人には「皆さんはもう飛び込みましたよ」と言うが、フランス人には「決して飛び込まないでください」と言えば逆に飛び込むといわれる。フランス車のデザインが個性的なのは、ここに理由がある。つまり人と違う発想を評価するのだ。でも結果としてのデザインは使いやすく心地良い。それを知ってさらに好きになっていく。

↑スタイリッシュなモデルが多いDS オートモビル。なかでもDS 4はオートモービル国際審査委員会主催の第37回フェスティバルにおいて、最も美しいクルマに選出された

 

↑DS 9はDS オートモビルのフラッグシップモデル。シートには最上級の一枚革を巧みな技法で仕上げた、ウォッチストラップデザインのナッパレザーが使われている

 

【その3】ミニバンではなく「MPV(マルチパーパスビークル)」と呼ぶ理由は?

ミニバンという言葉はアメリカ発祥。実際、日本はもちろんフランスでも「ミニ」ではないし「バン」でもない。なのでマルチパーパスビークルという呼び名はむしろしっくりくる。背は高いものの2列シートが多いので、多用途に使えるという部分を強調しているのかもしれない。人生は楽しむものという彼らの考え方が、クルマの呼び方にも反映されている気もする。

↑プジョーのMPVであるリフター。1.5LBlueHDiディーゼルエンジンは130PS/3750rpmの高いパフォーマンスを発揮する。大容量の荷物を積載してもパワフルな走りを実現

 

↑リフターのラゲッジルームは5人乗車時で約597L。ラゲッジトレイを外してリアシートを折りたためば、最大で約2126Lに拡大する。荷室開口部は低く、荷物も載せやすい

 

【その4】使い勝手は抜群! 最新車は操作性も向上

世界で初めてハッチバックを発表し、欧州でいち早く3列シートの乗用車を送り出すなど、フランス車は昔から使い勝手へのこだわりは強かった。フランスならではの独創性から生まれた装備も多く、プジョー、シトロエン、DSに使われているスライド式ATセレクターレバーは代表例だ。加えて最近は日本車などを研究して、運転席まわりの小物入れが充実している。

↑ルノー・ルーテシアはコンパクトハッチバックながら荷室容量は391L(E-TECH HYBRIDは300L)と十分なサイズ。後席シート背面は6:4分割可倒式で長尺物の積載も可能

 

↑プジョー・208のガソリンモデルには、指先だけでシフト操作ができるトグルタイプのオートマチックセレクターを採用。よりストレスフリーなドライビングを実現している

 

【その5】長距離ドライブ時こそわかる乗り心地の良さ

フランスはバカンスの国として知られる。夏になれば家族みんなで遠くに出かけてゆったり過ごすシーンが思い浮かぶ。だからなのか、ロングランを快適に過ごすことができる乗り心地には、並々ならぬこだわりがある。いまでもシトロエンやDSでは、シートやサスペンションに独自の技術を投入。「魔法の絨毯」と言われる移動の快感を、現代に受け継いでいる。

↑シトロエンのC4。ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組み込むことで、従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑制し、フラットライドを実現する

 

↑C4に備わるシトロエン独自のアドバンストコンフォートシート。表面には15mmの厚さがある特別なフォームを採用する。身体を柔らかく包み込み、ホールド性も両立している

 

【その6】燃費性能も向上してEVモデルにも積極的

フランス車は昔から小型車が多く、エンジンも小さめで経済志向だった。現在日本で販売されている量産フランス車の排気量は最大でも2Lだ。最近は電動化が進み、プジョー、シトロエン、DSでは電気自動車やプラグインハイブリッド、ルノーではフルハイブリッドが登場。経済的な車格のおかげもあって、輸入車でトップレベルの環境性能をマークしている。

↑ルノー・ルーテシアに加わったE-TECH HYBRIDは、輸入車で唯一のフルハイブリッドモデル。ハイブリッド燃料消費率は、輸入車でNo.1となる25.2km/Lを誇る

 

↑プジョーはフランス車のなかでも特にEVに積極的なメーカー。現在日本で購入できる9モデルのうち、7モデルでガソリン、ディーゼル車とともにEVをラインナップしている

 

【その7】安全運転支援技術も国産車並みのレベルに

少し前までは「安全性」がフランス車のウィークポイントだったが、いまは多くのモデルがアダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、360度カメラなどを標準装備。国産車と比較検討できるレベルになった。それ以前から備えていた高水準の直進安定性や乗り心地などを含めて考えれば、長距離を安全快適に乗れるクルマへアップデートされたと言えるだろう。

↑最近のプジョー車で採用されているのが「3D i-Cockpit」。ドライブ中の情報を3Dで表示する3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルは、表示形式のカスタマイズも可能

 

↑ルノーは日産、三菱とのアライアンスを生かした先進装備が特徴。360度カメラのほか、駐車可能なスペースを検出して自動でステアリングを操作するパーキングアシストも搭載

 

 

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乗って体感! プジョー新型「308」はフランス車特有の実用性はそのままで走りも高満足度

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、幅広いパワートレインを用意するプジョーの新型308。堅実なクルマ作りに定評があり、時代を反映するモデルの出来映えに期待大!

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

「定番」では物足りない欲張り派に最適

【ハッチバック】

プジョー

308

SPEC【GT ブルーHDi】●全長×全幅×全高:4420×1850×1475mm●車両重量:1420kg●総排気量:1498cc●パワーユニット:直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:130PS/3750rpm●最大トルク:30.6kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:21.6km/L

 

最新のプジョーらしく内外装は個性的な仕立てに

欧州のハッチバックとしては、フォルクスワーゲン・ゴルフのライバルにあたるプジョー308。新型ではガソリン、ディーゼル、PHVという3種のパワートレインを用意して、幅広いユーザーのニーズに対応している。また、最新のプジョーらしく内外装も個性的で、特に小径ステアリングをはじめとするインパネ回りはエンタテインメント性にも優れる。その一方、フランス車らしく室内や荷室の広さといった実用性に関する作りの出来映えも申し分ない。

 

今回の試乗車は1.5Lのディーゼルターボだったが、その走りも満足度は高い。動力性能は必要にして十分で日常域では扱いやすく、同時にディーゼル特有の音や振動を意識させない。また、それを受け止めるボディや足回りも堅牢でスポーティな味付け。このクラスの定番である、ゴルフとも正面から渡り合える実力を持つだけに、実用性と独自性を両立したいという欲張りなユーザーには狙い目なモデルと言えそうだ。

 

[Point 1]個性的にして先進性も十分!

小径ステアリングとデザイン性の高いインパネ回りは最新プジョーならでは。運転支援装備も充実している。前後席の空間を筆頭に実用性に富んだ作りもハイレベルだ。

 

[Point 2]外観はスタイリッシュな装い

先代と比較すると、ボディサイズは前後方向に拡大。最新のプジョーデザインに倣い、実用的なハッチバックながらエクステリアはスタイリッシュな風情も漂わせている。

 

[Point 3]使い勝手の良さはフランス車の伝統!

フランス車というと荷室が広いことでも定評があり、新型308は通常時で412Lを確保。容量的にもライバルのゴルフを凌いでいる。

 

[Point 4]パワートレインはニーズに応じて3タイプ

パワートレインは1.2Lガソリンターボと1.5Lディーゼルターボ、そして最大64kmのEV走行が可能なPHVの3タイプが用意される。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/ミッション/税込価格)

アリュール:1.2Lガソリン+ターボ/2WD/8速AT/320万6000円

アリュール・ブルーHDi:1.5Lディーゼル+ターボ/2WD/8速AT/344万1000円

GTブルーHDi:1.5Lディーゼル+ターボ/2WD/8速AT/416万7000円

GTハイブリッド:1.6Lガソリン+ターボ+電気モーター/2WD/8速AT/515万1000円

 

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フランスの“二枚目”、プジョー「508」に迫る! 今年新登場のハイブリッドモデルはどう?

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、今年新たにプラグインハイブリッドモデルが追加されたプジョーの508を取り上げる!

※こちらは「GetNavi」 2021年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】プジョー/508 GT ハイブリッド

SPEC【GT HYBRID】●全長×全幅×全高:4750×1860×1420mm●車両重量:1790kg●パワーユニット:1.6Lターボエンジン+モーター●エンジン最高出力:180PS(133kW)/6000rpm●エンジン最大トルク:30.6kg-m(300Nm/3000rpm)●EV航続可能距離:56km

607万8000円(税込)

 

シャープな王道デザインは魅力的だが、日本ではガソリン車に軍配が上がる

安ド「殿! 今回は殿が希望していたプジョー508 GT ハイブリッドを借りてきました!」

 

永福「うむ。やはり508 GTはカッコいいな」

 

安ド「ちょっとふくよかなのに、シャープな印象を受けますね」

 

永福「それは、ショルダーを深く取っているからだ。重心も低く見えるから、結果的にシャープな印象になる。これぞスポーツセダンの王道デザインだ!」

 

安ド「なるほど! セダンのようで実はハッチバックというのも、オシャレさんですよね」

 

永福「例えれば、背広でキメたフランスのギャング。このクルマはアラン・ドロンだ」

 

安ド「ドロンパですか?」

 

永福「それはオバケのQ太郎。アラン・ドロンはフランスの超二枚目俳優だ」

 

安ド「失礼しました! ところでこの508 GTはプラグインハイブリッドですが、急速充電はできないんですね」

 

永福「充電は、自宅や会社の普通充電器で行う。ヨーロッパではそれがスタンダードらしい」

 

安ド「そうなんですか!」

 

永福「あちらでは、会社が幹部社員に通勤用のクルマを買い与えるケースが多く、そういう需要に応える設計になっている」

 

安ド「なるほど。会社に普通充電器があれば、急速充電でなくてもEVモードで通勤できるってことですね」

 

永福「わざわざ急速充電したところで、EVモードの航続距離は、実質的に50kmくらいだしな」

 

安ド「EVモードで走っていると、アッという間に航続距離が減っていくので、ソワソワしちゃいます」

 

永福「ヨーロッパでは、1日の平均走行距離は40kmだから、50km走れれば良いのだそうだ」

 

安ド「そうなんですね! でも、ガソリン車より100万円くらい高いですけど、元が取れるんでしょうか?」

 

永福「いまやあちらの会社は、社用車でガソリン車を選んでいると、“投資不適格”とされてしまう。補助金もかなり出るので、こういったプラグインハイブリッド車の需要が大きいのだ」

 

安ド「そういう事情があったんですか!」

 

永福「しかし日本では通用しない」

 

安ド「通用しませんか!」

 

永福「会社がクルマを買い与えてくれることなんてないし、自宅にも会社にも普通充電器はまずない。補助金もたいして出ない。マイカーとして買うなら、ガソリンやディーゼルの508 GTのほうが良いに決まっている」

 

安ド「決まっていますか!」

 

永福「私はガソリンエンジンの508 GTが大好きなのだ。身のこなしが羽毛のように軽やかで、最高の二枚目だ。しかもこのハイブリッドは300kgも重い。その見返りはほんのわずか。充電してない状態だと、燃費も12km/Lくらいしかいかないしな」

 

安ド「目からウロコです!」

 

【GOD PARTS 1】ガラスルーフ

クルマの美観を高めるちょっと贅沢な装備

購入時のみに選択できるオプションのガラスルーフは、まさに伊達男な装備。見た目もルーフラインにアクセントを与えるので、ファストバックスタイルの508 GTならさらに映えます。もちろん日差し除けのシェードも付いています。

 

【GOD PARTS 2】サッシュレスウインドウ

窓枠をなくしてボディサイドを美しく見せる

窓枠がないサッシュレスウインドウが508 GTにも採用されています。これにより、ボディ側面のデザインがスッキリ美しく見えます。ボディ強度が不安視された時代もありましたが、きっと最新技術で克服されているのでしょう。

 

【GOD PARTS 3】モニタースイッチ

ピアノの鍵盤のような美しさで車内の美観を高める

大型のセンターモニターの下には、まるでピアノの鍵盤のようなスイッチ類が並びます。これらは1枚1枚シルバーで加飾され、押した感触も良く好印象。モニターは若干ドライバー側に傾けられていますが、助手席からも見て触れられる素敵な装備です。

 

【GOD PARTS 4】8速AT

モーターとエンジンのための専用システム

通常の「トルコンAT」ではなく、プラグインハイブリッド専用のATが取り付けられています。8速とはいっても変速時にショックのない無段変速機のようなもので、モーターとエンジン、2つの動力をうまくミックスしてくれます。

 

【GOD PARTS 5】充電ソケット

急速じゃないけど充電できます

給油口のようなフタの下には充電ソケットがあります。日本では「外出先では急速充電で」という流れになりつつありますが、欧州ではあまり急速充電が求められていないようで、このモデルも普通充電のみ対応となっています。

 

【GOD PARTS 6】センターコンソール

トンネルの下にスマホなどを置ける

プジョーやボルボなど、ちょっと気の利いたデザインのブランドで採用されている、トンネル式のセンターコンソールが採用されています。ちょっと出し入れしにくいですが(笑)、トンネル下にはスマホの充電装置も設置されています。

 

【GOD PARTS 7】ファストバック

美しいラインが特徴の独特なスタイリング

後席があり4枚ドアというセダンタイプの構造でありながら、滑らかなラインを描く美しいルーフラインも備えています。その理由は、荷室が後席部分まで繋がっているファストバックタイプだから。大きな荷物も積みやすいです。

 

【GOD PARTS 8】フロント&リアライト

ライオンの牙と爪痕がエンブレムを想起させる

フルLEDのフロントライトの下には、まるで獣の牙のようなLEDデイライトが。リアも縦方向に赤いラインが浮かび上がるデザインで、こちらは爪痕なのだとか。ライオンのブランドモチーフを大事にするプジョーならではのデザインです。

 

【GOD PARTS 9】シートステッチ

上質かつスポーティなしつらえと形状

質感の高いレザーシートが全車標準で搭載されています。ステッチも個性的かつ上品なしつらえで、ラグジュアリーでありながら、シート自体の形状も相まってスポーティな印象を受けます。伊達男なクルマですから、これくらい当然なのかもしれません。

 

【これぞ感動の細部だ!】ハイブリッドシステム

追加されたハイブリッドモデルはEV走行が得意!

508 GT自体は2018年から販売されていましたが、今年6月にプラグインハイブリッドモデルが追加されました。「プラグイン」というのは、充電できるということで、電気モーターのみを使用したEV走行(エレクトリックモード)も可能。毎日、充電満タンで航続可能距離内の走行であれば、ガソリンが減りません。ただし、スポーツモードにすると普通に減ります。急速充電には対応していません。

 

撮影/我妻慶一

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

新しいドライブ様式は300万円台から始められる! 価格帯別イチオシEVガイド

排出ガス抑制のための規制強化が進むなか、世界の自動車メーカーはこぞって新たなEVを登場させている。ここではいま日本で購入できるEVを価格帯別に厳選して紹介。さぁ、新たなドライブ様式を始めよう!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が紹介します

GetNavi編集部 クルマ担当

上岡 篤

EVに乗ってみて、その静かさと圧倒的な加速に驚くばかり。本気で欲しいと思うが、集合住宅住まいなので充電の方法に悩んでいる。

《300万円台》

最先端の技術や最新の素材の採用により、まだまだ“高嶺の花”と思われがちなEV。しかし新車で300万円台と比較的リーズナブルなモデルもあるのだ。もちろん実用性も問題ない。

 

【No.1】日本を代表するEVは電源としても活用できる

日産

リーフ

332万6400円〜499万8400円

2017年にモデルチェンジして2代目になったリーフ。40kWhと62kWhの2タイプのバッテリー容量が選べるが、いずれも一充電で300km以上の走行が可能。住宅に電気を供給する電源としても活用できるのが特徴だ。

SPEC【e+G】●全長×全幅×全高:4480×1790×1565mm ●車両重量:1680kg ●最高出力:218PS(160kW)/4600〜5800rpm ●最大トルク:340Nm(34.7kg-m)/500〜4000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):458km

 

★ここがイチオシ!

日本を代表するEVであるリーフは、プロパイロットなど安全運転支援技術も充実。電源として使えるのはいざという時に安心だ。

 

【No.2】タウンユースにぴったりなコンパクトモデル

三菱

i-MiEV

300万3000円

i-MiEVは2018年に衝突時の安全性確保のため全長が8cm拡大し、それまでの軽自動車規格から登録車規格になった。満充電時の最長航続距離は約164km。タウンユースなら気兼ねなく使えるコンパクトさもメリットだ。

SPEC【X】●全長×全幅×全高:3480×1475×1610mm ●車両重量:1100kg ●最高出力:64PS(47kW)●最大トルク:160Nm(16.3kg-m)●一充電走行距離(JC08モード):164km

 

★ここがイチオシ!

ステアリングのパドルで回生ブレーキの強弱を操作すれば、スポーティな気分も味わえる。年内で生産終了のウワサもあるので注意。

 

《400万円台》

この価格帯から欧州のプレミアムブランドのエントリーモデルが選択可能に。満充電時の走行可能距離は350kmを超え、遠距離ドライブ時の充電場所の不安から大きく解放されるのも選択基準のポイントとなる。

 

【No.1】小型SUVながら高いトルクでグイグイ走る

 

プジョー

e-2008

429万円〜468万円

プジョーのEVの歴史は1941年のVLV(航続距離は約80km)から始まる。そんなプジョーが今年の9月に小型SUVタイプのe-2008を導入。ガソリンエンジンで2.6L相当の260Nmのトルクを誇るモーターを搭載する。

SPEC【GT Line】●全長×全幅×全高:4305×1770×1550mm ●車両重量:1600kg ●最高出力:136PS(100kW)/5500rpm ●最大トルク:260Nm(26.5kg-m)/300〜3674rpm ●一充電走行距離(JC08モード):385km

 

★ここがイチオシ!

小型SUVのEVということで話題性は抜群。ボディは大きく見えるが全高を1550mmに抑えており、立体駐車場も安心して駐車できる。

 

【No.2】バッテリー容量がアップし走行距離もアップ

BMW

i3

499万円〜608万円

i3は2014年にデビューしたRRの完全EV。昨年リチウムイオンバッテリー容量が、従来より30%大きくした120Ahに変更された。バッテリーに充電するエンジンを搭載したレンジ・エクステンダーモデルも選べる。

SPEC【i3 Edition Joy+】●全長×全幅×全高:4020×1775×1550mm ●車両重量:1320kg ●最高出力:170PS/(125kW)/5200rpm ●最大トルク:250Nm(25.5kg-m)/100〜4800rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):360km

 

★ここがイチオシ!

まずは個性的なデザインが◎。BMWの正確なハンドリングはEVでもしっかりと味わえる。希少となった観音開きのドアも魅力的だ。

 

《500万円台》

EVもこの価格帯になれば最新のインフォテイメントシステム、豪華な内装、力強いパワーユニットなどが魅力のひとつだったり、選ぶ決め手のひとつだったりする。来年発売予定のアリアに注目が集まっている。

 

【No.1】日本のデザイン意匠をふんだんに採用し急速充電性能も向上

日産

アリア

実売予想価格500万円強〜 2021年発売

アリアコンセプトのショーカーがほぼそのまま発売予定になった日産のニューフェイス。駆動方式も2WDと4WDが用意される。バッテリーは水冷式で細かな制御が可能となり、耐久性も向上。来年の発売が待ち遠しい。

SPEC【2WD 90kWhバッテリー搭載車】●全長×全幅×全高:4595×1850×1655mm ●車両重量:1900〜2200kg ●最高出力:242PS(178kW)●最大トルク:300Nm(30.6kg-m)●一充電走行距離(WLTCモード):610km(社内測定値)

 

★ここがイチオシ!

日本のDNAを表現したデザインは秀逸。急速充電への耐久性も向上し、30分の充電で375km走行可能。EVの充電としてはかなり早い。

 

【No.2】洗練されたインテリアに加え静粛性もポイント

DS オートモビル

DS3 CROSSBACK E-TENSE

534万円

PSAグループの高級車ブランド、DS オートモビルから初のEVが登場。DS3 CROSSBACKの上質感プラスEVならではの乗り心地と静粛性が味わえるのは大きな魅力だ。気になる最大航続距離も398kmと申し分ない。

SPEC【Grand Chic】●全長×全幅×全高:4120×1790×1550mm ●車両重量:1280kg ●最高出力:130PS(96kW)/5500rpm ●最大トルク:230Nm(25.4kg-m)/1750rpm ●一充電走行距離(JC08モード):398km

 

★ここがイチオシ!

低重心化と独特のサスペンションで上品な乗り心地が味わえる。ガラスも通常よりも厚いものや音響ガラスを使用するこだわりも◎。

 

《900万円台》

市場が大きく変わって輸入車が安くなったと言われても、この価格帯の輸入車はやはりブランド力を持っている。老舗ブランド初のEV、世界トップシェアが放つベンチャー企業の中核的モデルと好対照だ。

 

【No.1】テスラの中核的モデルは圧倒的な加速性能が自慢

テスラ

テスラ モデルS

989万9000円〜1699万9000円

テスラが最初に日本に導入したクルマがモデルS。駆動方式は4WDを採用。走行距離が610kmのロングレンジモデルでも100km/hに到達するまでにわずか3.8秒という、世界トップレベルの加速性能が自慢だ。

SPEC【ロングレンジ】●全長×全幅×全高:4979×1964×1445mm ●車両重量:2215kg ●最高出力:475PS(350kW)●最大トルク:750Nm(76.4kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):610km

 

★ここがイチオシ!

テスラの代名詞的存在の自動運転支援システムやEVパッケージによる室内の広さがウリ。またリモート駐車など新しい装備は魅力だ。

 

【No.2】スポーツカーに匹敵する加速性能をもちながら走行可能距離も十分

ジャガー

I-PACE

976万円〜1183万円

ジャガー初のEVはSUVスタイルで登場。200PSを誇るモーターを前後に2つ搭載し、スポーツカー顔負けの加速性能を持つ。それだけのパワーを持ちながらも満充電で438kmの走行が可能というスペックを誇る。

SPEC【S コイルサスペンション仕様】●全長×全幅×全高:4695×1895×1565mm ●車両重量:2230kg ●最高出力:400PS(294kW)/4250〜5000rpm ●最大トルク:696Nm(70.9kg-m)/1000〜4000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):438km

 

★ここがイチオシ!

ジャガーの魅力である、キャットウォークと呼ばれる乗り心地とハンドリングは健在。前後重量のバランスも50:50と理想的だ。

 

《1000万円超》

この価格帯はメーカーの提案するEVのイメージリーダーでもある。高機能なデバイス、新しいプラットフォーム、贅を尽くしたインテリアなど、いずれもメーカーの威信をかけたフラッグシップモデルなのだ。

 

【No.1】800Vの電圧システムを採用し効率よく充電可能

ポルシェ

タイカン

1448万1000円〜2454万1000円

ポルシェ初となる完全EVモデル。前後にモーターを配しミドルグレードのターボで最大出力680PSを発生させる。他のEVが400Vなのに対してタイカンは800Vシステムの電圧を採用しており、より効率的に充電が可能だ。

SPEC【4S パフォーマンスバッテリー搭載車】●全長×全幅×全高:4963×1966×1379mm ●車両重量:2140kg ●最高出力:435PS(320kW)●最大トルク:640Nm(65.2kg-m)●一充電走行距離(独自基準値):333〜407km

 

★ここがイチオシ!

800Vシステム採用で、わずか22分で80%の充電量にまで到達。最大走行距離は約450km。十分に実用的なポルシェの哲学が生きている。

 

【No.2】ガルウィングドアを採用したテスラ初のSUV

テスラ

テスラ モデルX

1059万9000円〜1299万9000円

テスラ初のSUVとなるモデルX。ロングレンジモデルでの走行距離は507kmを誇る。後席ドアはガルウィングで、身長の高い人でも乗り降りがラク。もちろん最新自動運転支援システムやインフォテインメントも装備する。

SPEC【ロングレンジ】●全長×全幅×全高:5037×1999×1680mm ●車両重量:2459kg ●最高出力:422PS(311kW)●最大トルク:660Nm(67.3kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):507km

 

★ここがイチオシ!

上方に開く後部座席のガルウィングドアは注目度バツグン。3列シートで大人7人がゆったり乗れる余裕の室内スペースも自慢だ。

 

【No.3】メルセデス初のEVは走行状況を判断する頭脳派モデル

メルセデス・ベンツ

EQC

1080万円

メルセデスブランド初の量産EV。ベースはSUVのGLCで、後席も大人がゆったりくつろげるスペースのヘッドルームを確保している。前後にモーターを搭載する4WDだが、低負荷時はFFにもなり走行距離の延長に寄与する。

SPEC【400 4MATIC】●全長×全幅×全高:4770×1925×1625mm ●車両重量:2500kg ●最高出力:408PS(300kW)/4160rpm ●最大トルク:765Nm(78.0kg-m)/0〜3560rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):400km

 

★ここがイチオシ!

ロードノイズが抑えられており、Sクラスを超える静粛性能は秀逸。走行距離400kmも実用的。自動運転支援システムも魅力だ。

 

【COLUMN】名車チンクエチェントがEVになって復活!

↑↓バッテリーはフロントに搭載。5.5kWhと10kWhの2種類が用意されている。走行距離は前者が約40km、後者が80kmとなる

 

チンクエチェント博物館

FIAT 500 ev

506万円〜550万円

1957年に登場し1977年までに400万台以上が販売された2代目フィアット500。このモデルをベースにEVへと仕立て上げたのが、私設自動車博物館である、名古屋のチンクエチェント博物館。後部のエンジン位置に搭載されたモーターは約18PSと、エンジンモデルと変わらない出力にこだわった。名車がEVに変貌を遂げるという、クルマの保全の一端を担うという側面もある。

SPEC【ONE BATTERY】●全長×全幅×全高:2980×1320×1320mm ●車両重量:590kg ●最高出力:17.7PS(13kW)●最大トルク:160Nm(16.3kg-m)●一充電走行距離:約40km

「このEVに乗りたい!」プロが乗りたいモデル4選

コンパクトモデルから大型SUVまでEVが選べるようになったいま、プロが魅力を感じる珠玉の4モデルを紹介。EVならではの加速力はもちろん、バッテリー性能など、それぞれのモデルが有する特徴はEVならではのものだ。

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【Model.1】清水草一さん(モータージャーナリスト)

モータージャーナリスト

清水草一

自動車ライター。フェラーリを愛し、生涯EVは買わないつもりだったが、家庭用蓄電池も兼ねるならアリな選択と思い始めている。

 

家庭用電源として使えて耐久性も高い!

ホンダ

Honda e

451万円〜495万円

ホンダ初の量産EV。EVの大きなボディや航続距離の短さを改善して「街乗り」に特化した。ラインナップは154PSのアドバンスと136PSの標準モデルの2種。いずれも駆動方式はRRで最大航続距離は250km以上を誇る。

SPEC【Advance】●全長×全幅×全高:3895×1750×1510mm ●車両重量:1540kg ●最高出力:154PS(114kW)/3497〜1万rpm ●最大トルク:315Nm(32.1kg-m)/0〜2000rpm ●一充電走行距離(WLTCモード):259km

 

都市型コミューター&家庭用蓄電池にはベスト

私の場合、自宅でソーラー発電をしていて、電力の固定価格買取がそろそろ終わる。なので災害対策も兼ねて蓄電池の導入を考えているのだが、実は蓄電池としてはEVが一番コスパが高い! ただし、V2H(ビークル・ツー・ホーム)ができるのは国産EVのみ。つまりリーフとHonda eのみだが、Honda eのバッテリーは水冷式で、おそらくバッテリーの寿命がずっと長い。だから中古価格も下がりづらい(はず)。航続距離は実質せいぜい200㎞だけど、都市型コミューターとしては十分。しかもいま買える世界中のEVの中で一番シンプルでカッコいいと思う。以上の理由で私はHonda eを選択する!

↑容量は小さめだが、ラジエター方式(水冷)の温度管理システムを搭載している。バッテリーの劣化は気にしなくていいはずだ

 

↑家庭用の蓄電池としても使えるのは、いまのところ国産EVのリーフかHonda eの2択。前述の水冷バッテリーが選択のキモとなった!

 

【Model.2】会田 肇さん(カーITジャーナリスト)

カーITジャーナリスト

会田 肇

クルマやカーナビ、カーオーディオをはじめ先進交通システムにも造詣が深い。海外モーターショーにも積極的に足を運んでいる。

 

高揚感を呼ぶ先進性とトレーシング性の高さは圧巻

アウディ

e-tron Sportback

1327万円〜1346万円

スタイリッシュなクーペ風のシルエットが印象的な、日本初上陸となるアウディのEV。駆動方式はアウディ伝統のクワトロ(4WD)だが、通常は主にリアのモーターのみを駆動させてエネルギー消費を抑える。2.5tを超える車重ながら、0〜100km/h加速は5.7秒という優れたトルク性能を誇る。

SPEC【55 quattro 1st edition】●全長×全幅×全高:4900×1935×1615mm ●車両重量:2560kg ●最高出力:407PS(300kW)●最大トルク:664Nm(67.7kg-m)●一充電走行距離(WLTCモード):405km

 

先進性が高いメカニズムと高い操挓感が魅力のEV

アウディQ3をベースに先進技術を盛り込んだ、日本初導入となるアウディのEV。象徴的な装備が、ドアミラー代わりの「バーチャルエクステリアミラー」で、カメラで捉えた後方映像をインテリア側の有機ELモニターに表示する。解像度が高く、光学ミラーと比べても遜色がない。

 

コックピットのデザインも近未来的で高揚感を昂らせるのに十分。走ればライントレース性が高く、とても2.5t近くの重量車とは思えないほど楽に操れる。充電効率も極めて高く、航続距離もそれほど心配なさそう。この先進性と走りの良さを見事に両立させるe-tronSportsbackで、EVの真価を試したいのだ。

 

↑高解像度な電子ミラーシステムで昼夜を問わず鮮明に後方を映し出す。左右のカメラをボディ外寸内に収めているのも見事だ

 

↑3つの大型ディスプレイに取り囲まれ、左右には後方確認用OLEDモニターが備わる。この先進性がドライバーを高揚感で包み込む

 

【Model.3】川端由美さん(自動車・環境ジャーナリスト)

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美

自動車専門誌の編集記者を経てフリーに。現在では自動車の環境技術や次世代モビリティについても取材活動を行っている。

 

電動モビリティの牽引役が誇る凛としたスタイルのEVが日本上陸!

プジョー

e-208

389万9000円〜423万円

208が完全EVをラインナップに加えて8年ぶりにモデルチェンジ。FFホットハッチのイメージ通り、フロントにモーターを配して重量物のバッテリーは床面に置くなど低重心化し、走行性能を高めている。立体的な視覚効果が特徴である「3D i-Cockpit」など印象的な内装も特徴だ。

SPEC【GT Line】●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm ●車両重量:1500kg ●最高出力:136PS(100kW)/5500rpm ●最大トルク:260Nm(26.5kg-m)/300〜3674rpm ●一充電走行距離(JC08モード):403km

 

プジョーらしい凛としたスタイルに目が奪われる

プジョーといえば、“フランス製のおしゃれなクルマ”というイメージが強い。しかしプジョーの親会社であるPSAグループは電動モビリティの牽引役であり、最先端技術を続々と開発している。

 

e-208と出会ったのは、昨年3月のスイス・ジュネーブでのこと。コンパクトなボディサイズながら、凛としたスタイリングに目を奪われた。中身に目を向ければ、新開発の「e-CMP」なる電動プラットフォームを内包する。

 

こんなクルマで郊外に向けてハンドルを切れば、プジョーらしい猫足でひたひたと走り抜けるんだろうなあ、と想像をかき立てられる。早く乗りたい! の一言に尽きるEVである。

 

↑最新世代の車両プラットフォーム CMP(Common Modular Platform)を採用。バッテリー容量は50kWhとこのクラスでは大容量だ

 

↑デジタルヘッドアップインストルメントパネルには「3D i-Cockpit」を採用。ホログラムによる情報投影が行われ、多彩な情報を確認可能

 

【Model.4】岡本幸一郎さん(モータージャーナリスト)

モータージャーナリスト

岡本幸一郎

高級輸入車から軽自動車まで幅広く網羅。続々登場するEVのほとんどの車種をすでに試乗済み。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

最大走行距離560kmと0-100km/h加速3.4秒は驚異的!

テスラ

テスラ モデル3

511万円〜717万3000円

世界中が注視するEVに特化した新興勢力のテスラ。これまでは高価な車種が多かったところ、昨年日本上陸を果たした普及版のモデル3は現実的な価格帯に。日本仕様は標準+αの性能の後輪駆動仕様と、デュアルモーターAWDの高性能版、および走行距離重視仕様の3タイプ。

SPEC【スタンダードレンジ プラス】●全長×全幅×全高:4694×1933×1443mm ●車両重量:1612kg ●最高出力:286PS(211kW)●最大トルク:350Nm(35.6kg-m)●一充電走行距離(WLTPモード):409km

 

現実的な価格帯ながら秘められた実力は驚異的

全幅こそそれなりに大きいものの、テスラに共通する流麗なフォルムを持つボディは、日本でもあまりもて余すことなく使えそうなサイズ感。先進的な装備の数々を搭載した室内は、全面をガラスで覆ったルーフにより極めて開放的なのもうれしい。

 

走りの実力もかなりのもので、最速で0-100km/h加速がわずか3.4秒という瞬発力は、この価格帯のクルマでは類を見ない。最大で約560kmという長い走行距離も強みだ。さらには世界に先駆けて半自動運転を実現したオートパイロットや、定期的にクルマが新しくなるワイヤレスソフトウェアアップデートなど、テスラならではの魅力を凝縮している。

 

↑超シンプルなインパネ。大型ディスプレイにナビや車速等すべての情報が表示され、空調等の機能の操作も行う。運転以外はすべてココで完結

 

↑CHAdeMO(チャデモ)よりもはるかに扱いやすく高速で充電できるテスラ独自規格のスーパーチャージャーが全国の要所に設置されている

“クルマは充電”が新しいドライブ様式になる! EVメーカーの現在地

世界各国でエンジン車への規制が強まるなか、自動車メーカーは近年こぞってEVを開発し世に送り出している。走行可能な距離が短い、充電スポットが少ないという不安は、もはや過去のもの。これからのクルマは“充電”が新たなドライブ様式となる。スポーツカーで有名なポルシェも、誰もが憧れるラグジュアリーカーのロールス・ロイスやアストンマーティンもEVを発表。もはやどのメーカーも避けて通れないクルマの電動化は、いまどうなっているのか。自動車ジャーナリストの川端さんに話を聞くとともに、世界の自動車メーカーの現在地を解説!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車専門誌の編集部員に転身し、現在は、フリーランスのジャーナリスト。テクノロジーとエコロジーが専門。

 

排出ガス規制と政府の援助で着々と進むクルマの電動化

英語で“Petro Head”と言えばクルマ好きのこと。Petroとは石油のことだから、ひいてはエンジンとクルマは切っても切り離せない……というのはもう過去の話。多くの自動車メーカーがEVを発表する時代が来ている。その背景にあるのが、欧州委員会による「2050年までにカーボンニュートラル(※)を目指す」という発表だ。さらに、2030年までに自動車からの排出ガスによるCO²排出量を半分まで削減(2020年第3四半期比)し、2040年に新型車はほぼCO²を排出しないクルマだけになるというロードマップを描いている。

※ライフサイクルで見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる状態のこと。2017年にパリで開かれたワン・プラネット・サミットでカーボンニュートラル宣言が発出された

 

この動きは、中国やアメリカでも加速している。中国では政府が税の優遇などを設けて、電池を含めたEV産業全体を後押ししている。アメリカのカリフォルニア州では、2035年までに州内で販売されるすべてのクルマを排ガスゼロにするという意欲的な目標を打ち出している。世界は電動化に向けて、着々と進んでいるのだ。

 

世界EVメーカーシェアランキング】

テスラが約18%と圧倒的なシェア。これは2016年に発表され手ごろな価格で大人気となったモデル3の影響が大きい。日本メーカーがベスト10に入っていないのは残念。

● ウェブサイト「EV Sales」の2020年1月から8月までの販売台数ランキングデータより引用。

● 販売台数のなかにはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)も含まれる

 

《アメリカ》

EVの世界シェアで断トツのトップを走るテスラが市場を牽引。シボレーのボルトEVは2021年に次期モデルが登場する予定だ。

 

【No.1】世界シェアでトップを走る気鋭のEVメーカー

テスラ

起業家イーロン・マスクを中心に「自分たちが乗りたいカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起。スポーツカー、セダン、SUVに続き手ごろなモデル3と、新車を連発中だ。

 

【No.2】転んでもタダでは起きない⁉ GM渾身のEVで巻き返す

シボレー

リーマンショックで倒産の憂き目にあったGMだが、政府から低利の融資を受けて電池とEVのボルトを開発。高級車ブランドのキャデラックでも、2023年にEVを発売予定だ。

 

《アジア》

政府の援助を受けられるなどEVの開発環境が整えられた中国は、多くのメーカーが参入。元々は電池メーカーなど、異業種企業も多い。

 

【No.1】商用EVのトップメーカーから乗用車へも進出

比亜迪汽車(中国)

電池メーカーとして創業し、EVメーカーを買収。いまEV商用車では世界一だ。アウディからデザイナーを招聘し、王朝シリーズで乗用EVにも進出。トヨタとの合弁も開始した。

 

【No.2】洗練されたデザインを武器に欧米市場への進出を目論む

広州汽車(中国)

2025年までに全車種をEV化すると宣言。心臓部には日本電産製モーターを積むeAxleを搭載し、スタイリングは欧州高級車メーカーから引き抜いてきたデザイナーが担当する。

 

【No.3】年内上場を目指す注目のEVスタートアップ

威馬汽車(中国)

コネクテッド・カーや購入後のアフターサービスなどをウリにした“スマートカー”として話題。「中国版Google Map」を提供する百度と手を組んで、自動運転や車載AIも提供する。

 

【No.4】中国版イーロン・マスクが起こしたEVメーカー

上海蔚来汽車(中国)

中国経済界の若手カリスマであるウィリアム・リー氏が創業。大気汚染を解決しようと、「青空の訪れ」を意味する「蔚来」を社名にした。自社工場を持たず、SUVのES8を委託生産。

 

【No.5】自社生産と提携を使い分け世界への販路拡大を続ける

上海汽車(中国)

第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーのひとつ。自社での生産も手掛ける一方、他国の企業と提携を結び拡大。イギリスの名門ブランドMGのEVをフランスで発売した。

 

【No.6】委託生産の依頼や出資と共に自社EVも発売する多様な戦略

長安汽車(中国)

今後10年で27車種ものEVを発売すると意気込む。自社ブランドを拡大すると同時にEVメーカーの蔚来に生産を委託したり、愛馳に出資したりと、多様なEV戦略を目論む。

 

【No.7】ボルボの親会社はEV専用ブランドも立ち上げた

吉利汽車(中国)

中国系大手であり、ボルボの親会社であり、ダイムラーの大株主。EV専用ブランド「ジオメトリ」を設立し、テスラのモデル3をライバルと目論む小型セダン、Aを発表した。

 

【No.8】EVのラインナップを拡充し自動運転技術も磨く

ヒュンダイ(韓国)

コンパクトハッチ・コナのEV版の登場に続き、SUVの45を発売予定。3月にジョイスティックで操作し、自動運転への切り替えも可能なコンセプト「Prophecy」を発表した。

 

《日本》

日産と三菱が日本のEVを牽引してきたが、ホンダとマツダも参入。日産は新型アリアの販売を予定し、やっちゃえシェア獲得となるか。

 

【No.1】ハイブリッド王国ニッポンでピュアEVの道を突っ走る

日産自動車

世界に名だたる“ハイブリッド王国”であるニッポンだが、日産は一貫してEV開発を貫いている。リーフは2017年に2世代目となり、なんと累計50万台(!)を販売している。

 

【No.2】小さいながらもグローバルでEVを展開

三菱自動車

EV開発の歴史は1960年代から。早朝の新聞配達に静かなクルマが欲しいと考えた結果、EVを開発することになったという。コツコツと開発を続け、2009年に世界初の量産EVを発売。

 

【No.3】電気駆動になってもホンダ独自の走りの魅力は健在

本田技研工業

電気の時代においても、ホンダは走って楽しいクルマを作ることを重視している。Honda eでは、走行距離を200㎞と割り切りつつ、コンパクトでキビキビ走るモデルに仕立てている。

 

【No.4】クリーンディーゼルだけじゃない EVにもしっかり着手

マツダ

昨今のマツダはクリーンディーゼルが有名だが、電動化にも着手している。第1弾となるMX-30はヨーロッパで販売開始。日本では2021年にリース形式での販売を開始する予定だ。

 

《ヨーロッパ》

EU各国でCO2排出規制が発出されたことで、続々とEVが登場。目標年度を定めてEVへシフトするメーカーも多く、その動きに注目だ。

 

【No.1】EVでも最善の性能と快適性を提供する

メルセデス・ベンツ(ドイツ)

「最善か無か」を旨とするメルセデス・ベンツだけに、EVでも高性能かつ快適なクルマを開発する姿勢を崩さない。EQCでは、パワフルなモーターと自社製電池を搭載している。

 

【No.2】次世代に向けてイチから刷新したEVを開発

BMW(ドイツ)

バイエルン・エンジン製作所を略した社名のBMW。徹底したエンジン屋のBMWがイチから刷新したEVブランドのiでは、EV特有の気持ち良い走りをBMW流に仕立てている。

 

【No.3】壮大な販売目標を揚げてEV市場の席巻を狙う

フォルクスワーゲン(ドイツ)

2025年までに300万台のEVを販売するという意欲的な目標を掲げるフォルクスワーゲンは、続々とEVモデルを発売している。第1弾となるiD.3に続き、iD.4も発売されている。

 

【No.4】電動化を推し進める国の牽引役となるメーカー

プジョー(フランス)

国を挙げて電動化を推し進めるフランス。プジョーはその牽引役となっている。日本上陸を果たしたe-208では、パワフルなモーターと大容量電池を組み合わせた心臓部を持つ。

 

【No.5】日本にもEVがお目見えしEVの販売比率拡大を目指す

アウディ(ドイツ)

アウディの電動シリーズe-tron Sportbackが待望の日本上陸を果たした。さらにe-tron SUVが続く。2025年までに20車種のEVを発表し、40%のEV販売比率達成を目指している。

 

【No.6】欧州最多のEV販売台数を誇る

ルノー(フランス)

30万台のEV累計販売台数を誇るルノー。一番人気の小型車・ゾエは販売台数を伸ばしており、累計販売台数は10万台を超える。今年はカングーのEV版コンセプトモデルも発表。

 

【No.7】「あのポルシェが!」と世界を驚かせた

ポルシェ(ドイツ)

世界有数のスポーツカーブランドも、量産EVであるタイカンを発売。最高250km/h、0-100km/h加速2.8秒というハイパフォーマンスを誇る。2021年モデルも欧州で発表された。

 

【No.8】レースで鍛えたEVの技術を量産モデルにも投入する

ジャガー(イギリス)

F1のEV版であるフォーミュラーEに参戦しているジャガー。量産EVでもI-PACEを発売した。最大696Nmもの大トルクを発揮するモーターによって、スポーティな走りを実現する。

今年は208やルーテシアが入ってきたので「欧州コンパクトカー」Best 5を決めてみた

2020年は7月にプジョーの208が、11月にルノーのルーテシアが導入されるなど、ヨーロッパのコンパクトカーの主力モデルが相次いで上陸。都市部の石畳、山岳路、そして高速道路と、ヨーロッパの道はかなりシビアだ。そんな環境で生まれ鍛えられたヨーロッパのコンパクトカーのなかから、気になる3台をそれぞれチョイス。プロたちがナットクした珠玉の5台がコレだ!

※本稿は「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【採点した人】

5人それぞれで1位から3位を選出。1位10点、2位7点、3位5点のポイントとし、獲得ポイントの合計で1位から5位までの順位を決定した。

岡本幸一郎さん(モータージャーナリスト):若いころにはホットハッチを乗り継いだことも。世界のあらゆるカテゴリーのクルマを網羅し豊富な知識を持つ。

清水草一さん(モータージャーナリスト):生涯購入したクルマは合計50台。フェラーリのみならず、使い勝手が良く走りの楽しい小型車も愛する。

安藤修也さん(自動車ライター):モーター誌をはじめ、一般誌、マンガ雑誌などで手広く活動中。数年前に欧州の道路を1000km走破した経験を持つ。

塚田勝弘さん(自動車ライター):フリーランスとして新車、カー用品を中心に執筆・編集に携わって約16年。元・GetNavi本誌のクルマ担当。

上岡 篤(GetNavi本誌クルマ担当):小気味良く走るヨーロッパのコンパクトカーは大好き。最近は乗ることが少なくなったMT車を渇望している。

 

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【第5位】★獲得ポイント:10

 乗った人を必ず魅了するゴーカートフィーリング

MINI MINI 3ドア

267万円〜470万円

意のままに操ることが可能なワイドトレッドやショートオーバーハングが魅力の、MINIの伝統を最も良く受け継いでいる3ドアモデル。アプリを通じて広がるMINI Connectedの採用など、伝統のなかにも革新が宿っている。

SPEC【COOPER S】●全長×全幅×全高:3860×1725×1430mm●車両重量:1270kg●パワーユニット:1998cc直列4気筒●最高出力:192PS/5000rpm●最大トルク:28.5kg-m/1350〜4600rpm●WLTCモード燃費:14.5km/L

【ポイント内訳】安藤修也 3位(5ポイント)/岡本幸一郎 3位(5ポイント)

 

普遍的なアイコンだが一番の魅力は走りにあり

MINIの代名詞にもなっている「ゴーカートフィーリング」という言葉がある。乗車位置が低いため、まるでゴーカートのように路面の状況を克明に感じ取れるリアリティのある乗り味。そして、ボディ四隅にタイヤが配置されていることで、キビキビとした軽快な操舵フィーリングが味わえる。誰もが一度は欲しいと思うクルマだが、支持される理由はキュートなルックスだけではない。実際に運転してみるとそれが間違いだと気づく。そう、このクルマはなにより走りが楽しいのだ。(安藤)

↑COOPER S搭載の1998cc直噴ターボエンジン。余裕あるパワーとトルクでパワフルな走りを実現する

 

【第4位】獲得ポイント:17

まるでレーシングカー!? これぞ羊の皮をかぶった狼

フォルクスワーゲン ポロ GTI

386万円

ラジエーターグリルやブレーキキャリパーの赤色が特徴のポロGTI。力強い走りを生み出す2.0Lの直噴ターボエンジンのパワーを6速DSGトランスミッションが受け止めて最適な駆動力を発揮し、快適な走行を実現する。

SPEC●全長×全幅×全高:4075×1750×1440mm●車両重量:1290kg●パワーユニット:1984cc直列4気筒+ターボ●最高出力:200PS/4400〜6000rpm●最大トルク:32.6kg-m/1500〜4350rpm●JC08モード燃費:16.8km/L

【ポイント内訳】清水草一 1位(10ポイント)/上岡 篤     2位(7ポイント)

 

2リッターターボの気持ち良さにビックリ仰天

ポロGTIには本当に驚いた。2.0Lとそれほど大きな排気量でもないエンジンが、まさかこんなに気持ちイイなんて〜! アクセルを床まで踏み込むと、まるでレーシングカーのようなサウンドがあぁぁ〜〜〜〜! 実際にはそれほど速くありませんけどね、運転の楽しさは天下一品! それでいてボディはポロそのものなので、同社のゴルフよりもコンパクトで取り回しが良くて室内の広さもちょうどいい。まさに欧州コンパクトカーの王道ですな! これに乗っときゃ間違いないぜ。(清水)

↑ノーマルに加えエコ、スポーツ、カスタムの各モードを選択可能。ステアリング、エンジン特性も変更される

 

【第3位】獲得ポイント:19

パワフルさとサウンドはフィアット500とは別モノだ!

ABARTH アバルト

595 300万円〜400万円

フィアット500をベースに、強烈なパワーを生み出す1368cc直列4気筒ターボエンジンを搭載したホットハッチ。しっかりと固められた足周りやホールド感が高い専用のシートにより、スポーツ走行の楽しさを実感できる。

SPEC【コンペティツィオーネ・5MT】●全長×全幅×全高:3660×1625×1505mm●車両重量:1120kg●パワーユニット:1368cc直列4気筒+ターボ●最高出力:180PS/5500rpm●最大トルク:23.5kg-m/2000rpm(スポーツモード時25.5kg-m/3000rpm)●JC08モード燃費:13.1km/L

【ポイント内訳】安藤修也 2位(7ポイント)/塚田勝弘 2位(7ポイント)/上岡 篤 3位(5ポイント)

 

スポーツモードON時の圧倒的なトルクは強烈!

ナリはフィアット500だが、その中身はまったくの別モノであるアバルト。エンジンに火を入れればブロロンッ! とうなる覚醒的なサウンドに心躍らされる。圧巻は、スポーツモードボタンをONにした瞬間。メーターのグラフィックが変化し、過給圧計のSPORTの文字が点灯。数値はノーマル時と比較して2.0kg-mのアップでしかないが、トルクは圧倒的に異なる。街なかで似合うのはフィアット500だが、ワインディングロードを駆け抜けるなら断然アバルトである。(上岡)

↑インパネのSPORTボタン。押すとスポーツモードに切り替わり、数値以上のトルク感アップを実感できる

 

【第2位】獲得ポイント:22

クラスを超えた中身が光る実力派フレンチコンパクト

ルノー ルーテシア

236万9000円〜276万9000円

力強くスポーティで、シャープな印象を与えるフロント部を中心に優美なデザインを実現した新生ルーテシア。手に触れるインテリアの多くにソフトパッドを使用し、上質さと滑らかな触感をもたらしている。

SPEC【インテンス テックパック】●全長×全幅×全高:4075×1725×1470mm●車両重量:1200kg●パワーユニット:1333cc直列4気筒+ターボ●最高出力:131PS/5000rpm●最大トルク:24.5kg-m/1600rpm●WLTCモード燃費:17.0km/L

【ポイント内訳】岡本幸一郎 1位(10ポイント)/清水草一 2位(7ポイント)/塚田勝弘 3位(5ポイント)

 

前作のRSを凌ぐ動力性能で速さはホットハッチ並み

見た目も中身もクラスを超えた1台。内装では本革シートやソフトパッドまで採用し、前後席も十分に広く、391Lを確保する荷室容量など実用性にも優れる。

 

日産や三菱とのアライアンスに基づいた新規プラットフォームによる走りは軽快で快適。それにメルセデスを加えた仲で開発されたエンジンは1.3Lながら相当に速い。静粛性も高く、乗りやすくて快適なうえ、刺激的な走りを楽しめるのだから思わず感心してしまう。日産のプロパイロットにルノー独自の制御を盛り込んだという先進運転支援装備も充実している。 ユニークなデザインに加えて優れた要素を身に付けた、超実力派のフレンチコンパクトだ。(岡本)

↑低回転域から24.5㎏-mの最大トルクを発生させる直噴ターボエンジン。余裕のある走りを実現している

 

↑運転モードが選択できる「ルノー・マルチセンス」。エンジンの出力特性やステアリングフィールも変更可能だ

 

 

【第1位】獲得ポイント:32

街なかでの小気味良さと高速域の安定性を備えた傑作

プジョー 208

239万9000円〜423万円

躍動感のあるフォルムに、3本爪のモチーフを前後ライトに採用したスポーティな外観、新世代の「i-Cockpit」を採用した内装が目を引く。衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどの先進装備も充実。

SPEC【208 GT Line】●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm●車両重量:1170kg●パワーユニット:1199cc直列3気筒+ターボ●最高出力:100PS/5500rpm●最大トルク:20.9kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:17.0km/L

【ポイント内訳】塚田勝弘 1位(10ポイント)/上岡 篤 1位(10ポイント)/岡本幸一郎 2位(7ポイント)/清水草一 3位(5ポイント)

 

昔の“猫足”ではなくても木綿豆腐のようなしなやかさ

新型208は、Bセグメントで現在ベストといえる走りを堪能できる。小径ステアリングもあってフットワークは軽快そのもので、高速域の安定性も兼ね備えている。交差点ひとつ曲がっただけで楽しいと思える味付けを濃厚に感じさせながら、ボディはあくまでミシリともいわずしっかりしたものだ。

 

208も含めて最近のプジョーは、“猫足”と表現された昔のしなやかな乗り味一辺倒ではないが、以前のドイツ車へのコンプレックスを感じさせた硬さもない。100PS/20.9kg-mの1.2Lターボは数値以上に力強く感じるし、トルコン付のATはダイレクト感のある変速マナーで、楽しさとスムーズさを兼ね備えている。(塚田)

↑PSAグループ最新の「CMP」を採用。軽量化や、空力性能の向上、駆動系や足周りの転がり抵抗の低減を叶える

 

↑「インターナショナルエンジンオブザイヤー」に5年連続で選出。燃費も改善し、WLTCモードは17.0km/L

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

清水草一がプジョー3008を徹底解剖! 「殿、珍しく絶賛ですね!」

ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。SUVブームに先鞭をつけたプジョーの3008に試乗してみました!

 

[PROFILE]

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】プジョー 3008

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SPEC【GTライン】●全長×全幅×全高:4450×1840×1630 ㎜●車両重量:1500㎏●総排気量:1598㏄●パワーユニット:直列4気筒DOHCターボ●最高出力:165PS(121kW)/6000 rpm●最大トルク:24.5㎏-m(240Nm)/1400〜3500rpm●カタログ燃費:14.5㎞/ℓ 357万〜429万円

 

「俺ならそれでもディーゼルにする」

安ド「殿! やっぱりフランス車はオシャレでカッコいいですね!」

清水「うむ。プジョーのデザインは長らく低迷していたが、この3008でかなり復活した印象だ」

安ド「どのあたりがいいですか?」

清水「デカすぎる『口』などの過度な小細工を廃し、適度に攻撃的なイメージを、こじゃれた細部で引き立てている」

安ド「インテリアもいいですね! 従来のプジョー車って、クオリティの足りなさをデザインでごまかしてた印象があったのですが(笑)、これは車格なりか、それ以上に質感が高いと思いました!」

清水「まさにドイツ車的なクオリティに近づいています。それでいてオシャレ感も高い」

安ド「特にステアリングやシフトまわりなどがいいです!」

清水「個人的には、楕円形の小径ハンドルがスバラシイ。車幅のあるSUVをクイクイと曲げてくれる」

安ド「メーターはハンドルの上から見えますね」

清水「近年のプジョー車の定番だな。これに違和感を覚える人も少なくないようだが、なにせハンドルが小さいので、ハンドルの中にメーターを収めるのはムリ。私は好きだぞ」

安ド「殿、珍しく絶賛ですね! 走りはどうですか」

清水「SUVを感じさせない軽快さがあり、乗り味も適度にフンワリしている。フランス車らしく、もう一段フンワリでもいいと思うが」

安ド「ボディも剛性感があって、いかにも力強いSUVという感じで、頼もしかったです。ドイツ車みたいでした!」

清水「世界中のクルマがドイツ車化しているからな。昔のプジョーとは似ても似つかぬ頼もしさだ」

安ド「エンジンはどうですか? 今回は1.6Lのガソリンターボモデルです」

清水「このエンジンは、愛車だったシトロエンC5で堪能したが、可もなし不可もなしだ」

安ド「燃費は約11㎞/Lでした!」

清水「うむ。SUVでそれだけ走れば問題なかろう」

安ド「きっとディーゼルはもっと速いと思いますが、これはこれで十分と言えます」

清水「ディーゼルは2L。断然速いし、燃費もいい。ただ価格がかなり高い」

安ド「429万円です」

清水「ガソリン車より30〜60万円高い。俺ならそれでもディーゼルにするが」

安ド「それとこのクルマ、プジョー車としては初めて、ドイツ車並みの高性能な自動ブレーキを搭載したんですよね!」

清水「しかも標準装備です。BMWなどと同様の単眼カメラ&ミリ波レーダーの組み合わせで、歩行者も検知できるのだから、これまでのフランス車とはまるで違うぞ」

安ド「ひょっとしてこのクルマ、フランス車の革命では?(笑)」

清水「それでいてオシャレ。オススメできる!」

 

【注目パーツ01】小径レザーステアリング

スポーティな走りを実現するハンドル

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近年のプジョー車のトレンドですが、径を小さくすることで握りやすくし、ドライバーがスポーティに運転できるよう設計されています。また、上下面をフラットにして、視界と足元スペースが広く取れるようにしているのも特徴です。

 

【注目パーツ02】パノラミックサンルーフ

開ければ圧倒的開放感! ボタンひとつで電動開閉

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この電動開閉機能付きの大型サンルーフは、プジョー初搭載の機能なんです。爽快な風を感じさせてくれるサンルーフをいままで開けずにいたとはもったいないかぎりです。サイドウインドウの面積が小さいだけに貴重な装備です。

 

【注目パーツ03】1.6リットルターボエンジン

トレンドを踏襲した小排気量仕様

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世界のトレンドは小排気量ターボ。3008も、ボディサイズのわりに小さ過ぎるんじゃないかと思わせる小排気量ターボエンジンを搭載しています。もちろん、想像以上にパワフルで軽快な走りを実現してくれます!

 

【注目パーツ04】ウエストライン

ワイルドな風合いを 醸し出すサイドライン

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ボディサイドの窓の下のライン、いわゆるウエストラインは、車高が低いわりに高い位置にデザインされています。ドライバーの見切りは多少悪くなりますが、マッチョな感じが増して、SUVとしては成功しているのではないでしょうか。

 

【注目パーツ05】デジタルヘッドアップインストルメントパネル

デジタル表示で近未来感をアピール

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全面デジタルディスプレイになっていることから、デザインの異なる4つのディスプレイモードを選べます。ちなみにそのメニュー表示は、なんと日本語に対応!  プジョーも親日的になったものです。

 

【注目パーツ06】ヘッドライト

明るく見やすくハイデザイン

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ヘッドライトの中央部分が、見てのとおりものすごくえぐれています。このような複雑な形状にするとコストがかかると思うのですが、デザインへのこだわりと先進性を感じさせます。もちろんフルLEDを採用しています。

 

【注目パーツ07】ATシフト

まるで飛行機のようなシフトノブ

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トランスミッションは高効率な6速ATが採用されていますが、それを操るシフトノブは飛行機の操縦桿のような形をしています。プジョーはこのインテリアを「i-Cockpit」と呼んでいるので、このような形状になったのでしょうか。

 

【注目パーツ07】大型フロントグリル

顔の中心でこだわりを見せつける

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プジョーは「大型グリル」と謳っておりますが、近年の大型グリルブームのなかでは比較的小型であります。特筆すべきはその独特な形状で、横から見るとえぐれており、このこだわりの造形がクルマファンを唸らせます。

 

【注目パーツ01】トグルスイッチ

ピアノの鍵盤のような美しさ

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「トグルスイッチ」とはつまみ状のレバーを上下に倒す構造のものですが、プジョーのトグルスイッチは、このように近未来的な形状です。実用的でありながら、整然としていて工業製品ならではの美しさも備えています。

 

これぞ 感動の細部だ!安全運転支援システム

最新の運転支援デバイスを網羅

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アクティブセーフティブレーキやレーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニター、ドライバーアテンションアラート、アクティブクルーズコントロールなど、カメラ(写真左)とレーダー(写真右)をベースとした安全運転支援機能がてんこ盛り。もちろんその完成度は実用に値するレベルで、決して日本車やドイツ車にも負けてないです。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

清水草一がプジョー3008を徹底解剖! 「殿、珍しく絶賛ですね!」

ベテラン自動車ライターのMJブロンディとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載です。SUVブームに先鞭をつけたプジョーの3008に試乗してみました!

 

[PROFILE]

永福ランプこと清水草一

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。自動車評論家としてはもはやベテランの域で、様々な自動車専門誌や一般誌、Webなどに寄稿し、独自の視点でクルマを一刀両断しまくっています。本連載をまとめた「清水草一の超偏愛クルマ語り」も先日発売に。

 

安ド

元ゲットナビ編集部員のフリーエディター。MJブロンディを慕い「殿」と呼んでいます。

 

【今月のクルマ】プジョー 3008

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SPEC【GTライン】●全長×全幅×全高:4450×1840×1630 ㎜●車両重量:1500㎏●総排気量:1598㏄●パワーユニット:直列4気筒DOHCターボ●最高出力:165PS(121kW)/6000 rpm●最大トルク:24.5㎏-m(240Nm)/1400〜3500rpm●カタログ燃費:14.5㎞/ℓ 357万〜429万円

 

「俺ならそれでもディーゼルにする」

安ド「殿! やっぱりフランス車はオシャレでカッコいいですね!」

清水「うむ。プジョーのデザインは長らく低迷していたが、この3008でかなり復活した印象だ」

安ド「どのあたりがいいですか?」

清水「デカすぎる『口』などの過度な小細工を廃し、適度に攻撃的なイメージを、こじゃれた細部で引き立てている」

安ド「インテリアもいいですね! 従来のプジョー車って、クオリティの足りなさをデザインでごまかしてた印象があったのですが(笑)、これは車格なりか、それ以上に質感が高いと思いました!」

清水「まさにドイツ車的なクオリティに近づいています。それでいてオシャレ感も高い」

安ド「特にステアリングやシフトまわりなどがいいです!」

清水「個人的には、楕円形の小径ハンドルがスバラシイ。車幅のあるSUVをクイクイと曲げてくれる」

安ド「メーターはハンドルの上から見えますね」

清水「近年のプジョー車の定番だな。これに違和感を覚える人も少なくないようだが、なにせハンドルが小さいので、ハンドルの中にメーターを収めるのはムリ。私は好きだぞ」

安ド「殿、珍しく絶賛ですね! 走りはどうですか」

清水「SUVを感じさせない軽快さがあり、乗り味も適度にフンワリしている。フランス車らしく、もう一段フンワリでもいいと思うが」

安ド「ボディも剛性感があって、いかにも力強いSUVという感じで、頼もしかったです。ドイツ車みたいでした!」

清水「世界中のクルマがドイツ車化しているからな。昔のプジョーとは似ても似つかぬ頼もしさだ」

安ド「エンジンはどうですか? 今回は1.6Lのガソリンターボモデルです」

清水「このエンジンは、愛車だったシトロエンC5で堪能したが、可もなし不可もなしだ」

安ド「燃費は約11㎞/Lでした!」

清水「うむ。SUVでそれだけ走れば問題なかろう」

安ド「きっとディーゼルはもっと速いと思いますが、これはこれで十分と言えます」

清水「ディーゼルは2L。断然速いし、燃費もいい。ただ価格がかなり高い」

安ド「429万円です」

清水「ガソリン車より30〜60万円高い。俺ならそれでもディーゼルにするが」

安ド「それとこのクルマ、プジョー車としては初めて、ドイツ車並みの高性能な自動ブレーキを搭載したんですよね!」

清水「しかも標準装備です。BMWなどと同様の単眼カメラ&ミリ波レーダーの組み合わせで、歩行者も検知できるのだから、これまでのフランス車とはまるで違うぞ」

安ド「ひょっとしてこのクルマ、フランス車の革命では?(笑)」

清水「それでいてオシャレ。オススメできる!」

 

【注目パーツ01】小径レザーステアリング

スポーティな走りを実現するハンドル

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近年のプジョー車のトレンドですが、径を小さくすることで握りやすくし、ドライバーがスポーティに運転できるよう設計されています。また、上下面をフラットにして、視界と足元スペースが広く取れるようにしているのも特徴です。

 

【注目パーツ02】パノラミックサンルーフ

開ければ圧倒的開放感! ボタンひとつで電動開閉

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この電動開閉機能付きの大型サンルーフは、プジョー初搭載の機能なんです。爽快な風を感じさせてくれるサンルーフをいままで開けずにいたとはもったいないかぎりです。サイドウインドウの面積が小さいだけに貴重な装備です。

 

【注目パーツ03】1.6リットルターボエンジン

トレンドを踏襲した小排気量仕様

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世界のトレンドは小排気量ターボ。3008も、ボディサイズのわりに小さ過ぎるんじゃないかと思わせる小排気量ターボエンジンを搭載しています。もちろん、想像以上にパワフルで軽快な走りを実現してくれます!

 

【注目パーツ04】ウエストライン

ワイルドな風合いを 醸し出すサイドライン

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ボディサイドの窓の下のライン、いわゆるウエストラインは、車高が低いわりに高い位置にデザインされています。ドライバーの見切りは多少悪くなりますが、マッチョな感じが増して、SUVとしては成功しているのではないでしょうか。

 

【注目パーツ05】デジタルヘッドアップインストルメントパネル

デジタル表示で近未来感をアピール

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全面デジタルディスプレイになっていることから、デザインの異なる4つのディスプレイモードを選べます。ちなみにそのメニュー表示は、なんと日本語に対応!  プジョーも親日的になったものです。

 

【注目パーツ06】ヘッドライト

明るく見やすくハイデザイン

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ヘッドライトの中央部分が、見てのとおりものすごくえぐれています。このような複雑な形状にするとコストがかかると思うのですが、デザインへのこだわりと先進性を感じさせます。もちろんフルLEDを採用しています。

 

【注目パーツ07】ATシフト

まるで飛行機のようなシフトノブ

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トランスミッションは高効率な6速ATが採用されていますが、それを操るシフトノブは飛行機の操縦桿のような形をしています。プジョーはこのインテリアを「i-Cockpit」と呼んでいるので、このような形状になったのでしょうか。

 

【注目パーツ07】大型フロントグリル

顔の中心でこだわりを見せつける

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プジョーは「大型グリル」と謳っておりますが、近年の大型グリルブームのなかでは比較的小型であります。特筆すべきはその独特な形状で、横から見るとえぐれており、このこだわりの造形がクルマファンを唸らせます。

 

【注目パーツ01】トグルスイッチ

ピアノの鍵盤のような美しさ

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「トグルスイッチ」とはつまみ状のレバーを上下に倒す構造のものですが、プジョーのトグルスイッチは、このように近未来的な形状です。実用的でありながら、整然としていて工業製品ならではの美しさも備えています。

 

これぞ 感動の細部だ!安全運転支援システム

最新の運転支援デバイスを網羅

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アクティブセーフティブレーキやレーンキープアシスト、アクティブブラインドスポットモニター、ドライバーアテンションアラート、アクティブクルーズコントロールなど、カメラ(写真左)とレーダー(写真右)をベースとした安全運転支援機能がてんこ盛り。もちろんその完成度は実用に値するレベルで、決して日本車やドイツ車にも負けてないです。

 

【参考にした本】

タイトル:清水草一の超偏愛クルマ語り

価格:926円+税

 

【1分でわかる】プジョー 5008ってどんなクルマ?

注目モデルをコンパクトに紹介するこのコーナー。今回は実用性の高さが光る7人乗りフランス産SUVの新作をピックアップしました。

 

ミニバンから7人乗りSUVに転身

 

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プジョー
5008

SPEC【GTブルーHDi】 ●全長×全幅×全高:4640×1860×1650mm ●車両重量:1690kg ●パワーユニット:1997cc直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ ●最高出力:180PS/3750rpm ●最大トルク:40.8㎏-m/2000rpm ●カタログ燃費:17.3km/リットル

【LINE-UP】

<アリュール>
エンジン:1.6ℓ+ターボ/駆動方式:FF/駆動方式:6速AT/価格:404万円

<GTブルーHDi>
エンジン:2.0ℓディーゼル+ターボ/駆動方式:FF/駆動方式:6速AT/価格:454万円

 

見た目は個性的でも「使える」 プジョーらしい仕上がり

5008は実直なコンパクトミニバンから一転、3列シートを備えたSUVへとクラスチェンジを遂げました。その外観は3008譲りの精悍な顔つきが印象的ですが、プジョーらしさを感じるのは実用性の高さ。2人掛けとなる3列目シートは狭そうに見えるものの、大人でも快適な広さを確保。加えて、荷室の使い勝手はこの種のSUVでは間違いなくトップレベルの水準に仕上げられていて、アクティブに乗りたい人にも自信を持ってオススメできます。

 

日本仕様のエンジンは1.6リットルのガソリンターボと2リットルディーゼルターボの2種ですが、動力性能は前者でも十分に実用的。後者ならより力強い走りを堪能できます。トレンドになりつつある「3列シート SUV」のなかで、デザインにも実用性にもキャラクターを感じられるモデルです。

 

【注目ポイント01】3008のボディ後部を大幅に延長

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フロントドアより前は3008と共通ながら、そこから後ろはオリジナルの形状を採用。全長は3008比で190㎜の延長となります。

 

【注目ポイント02】個性的な仕立てはプジョーならでは

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極端に小径のステアリングは、最新プジョーでは定番。インパネ回りはデザイン性の高さも魅力です。

 

【注目ポイント03】荷室の使い勝手はトップレベル!

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荷室は3列目を格納した状態で702ℓ。最大では1862ℓに達するという大容量を実現しています。

 

プジョーが電動マウンテンバイクを発表!

プジョーはこのほど、新型電動マウンテンバイク「プジョーeM02 FS パワーチューブ」を発表した。

この電動マウンテンバイクは、フレームに500Whのコンパクトなバッテリーを搭載し、合理化された電動バイクのスタイルを提案するもの。バッテリーは最大で125kmの航続距離を実現しているという。ちなみに車名はe=電気、M=マウンテン、02=ミッドレンジ、FS=フルサスペンションの意味が込められている。

バッテリーをフレームに内蔵して低重心化が図られたことにより、バランスのいい走りを実現。また、オフロードなどでの走行中には、バッテリーをフレームが保護する効果もある。

この新型電動バイクは、プジョー・ラフター4×4コンセプト(SUVのテイストをもつスライドドア付きMPVのコンセプトモデル)とともに、3月6日に開幕するジュネーブショーに出品される。

プジョーがジュネーブでSUVテイストのコンセプトカーを発表

プジョーは3月に開催されるジュネーブ・ショーにおいて、スライドドアを持つマルチパーパスビークルの新型車「リフター」を初公開する。リフターはシトロエン・ベルリンゴの姉妹モデルだ。

 

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そしてこのリフターをベースにSUVのテイスト加えたコンセプトモデル「リフター4×4コンセプト」も、ジュネーブ・ショーで初披露される。

 

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このコンセプトモデルはネーミングの通り4輪駆動を採用するが、コンソールのダイヤル操作によって2WDでの走行も可能としている。最低地上高はベースモデルより80mm引き上げられたほか、オフロード用タイヤを装着し、悪路走破性を高めている。

 

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フロントウインドウ上部に装着されたLEDのライトやボディ前後のマッドガード、そして内外装の随所にあしらわれたイエローのアクセントカラーが目をひく。ボディ後部には専用アタッチメントによってプジョーの新型電動MTBが装着できるようになっている。

 

さらに専用設計のキャンバス製折りたたみ式テントの装着を可能としており、アウトドアシーンでの使い勝手を高めるコンセプトが表現されている。

 

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コンセプトとしては、少々乱暴だがプジョー版のデリカD:5といった趣。ベース車のリフター、そしてその姉妹車のシトロエン・ベルリンゴとともに、日本でも確かなファンを獲得しそうなモデルとして、導入に期待したい。

 

 

 

東京モーターショー2017|プジョーとDS、シトロエンのフレンチ3ブランドはニューモデルを披露

プジョーは308がジャパンプレミアとして発表(と同時に発売開始)されたほか、ヨーロッパ各国で2017カーオブザイヤーを獲得した5008や3008といったミニバン、SUVモデルを中心に展示。

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プジョー308
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308GTiには270psの出力を誇る1.6リッター直列4気筒ターボエンジンを用意。そのほかにも1.2リッター直列3気筒ガソリンエンジンや1.6リッターと2リッターをラインナップする4気筒クリーンディーゼルなど豊富なバリエーションが揃う。

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2014年に創設されたDSオートモビルズからはDS 7 クロスバックが東京モーターショーで日本向けにアンヴェール。さらにラグジュアリーブランドらしくDSオーナーに対してのホスピタリティサービスである「DS ONLY YOU」も日本国内への導入もアナウンスされた。

 

DS 7 クロスバック
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カメラセンサーで自車の5~20m前方の路面状況をスキャンし、その情報を元にダンパーを4輪それぞれに電子制御する「DS ACTIVE SCAN SUSPENSION」を搭載。

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一方、新たなブランドシグネチャー「INSPIRED BY YOU」を掲げたシトロエンは、西展示棟アトリウム会場で個性的なデザインと快適性を兼ね備えたCITROEN GRAND C4 PICASSOとC3を披露。

 

シトロエンC3
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オンボードカメラが搭載され風景などを写真やムービーとして撮影し、スマートフォンを介してシェアできるシトロエン・コネクテッドカムを搭載。自動車としては世界初の装備となっている。

 

(レポート:山中知之)