ノートにピタンと張り付くペン! デジタル時代だってとっさの筆記セットはゼブラ「ピタン」に決まりだ

文房具好きである筆者からすると、あまり理解できない話なのだが……多くの人は、日常的に筆記具を持ち歩いていないらしい。実際に筆記具を持ち歩いていない、という人に「えっ、じゃあ急に書類に署名が必要だったりしたとき、どうするの?」と訊ねたら、曖昧な反応が返って来た。

 

たしかに、情報の書き写しやスケジュールの管理はだいたいスマホでできてしまうので、手帳・メモ+ペンを持ち運ぶプライオリティは、ここ十数年でガクッと落ちてしまった感は否めない。とは言っても、打ち合わせ中にイメージや図を手書きして説明したり、ざっくりしたアイデアをスケッチしたりと、アナログの紙とペンが役に立つケースも、まだ多く残っているのではないだろうか?

↑ペンを “ノートにはさんで携帯する” ことがよくあるが、落としたりノート表紙が破れたりと、けっこうトラブルの元だったりするのだ

 

ノートにピタッとくっつく携帯ボールペン

ともあれ紙とペンはセットで使うものだし、一緒にして持ち歩いた方がラクなのは当たり前だ。手帳ならペンホルダーを備えていることも多いが、ハンドメモやノートはその限りではない。しかし、何か書きたいときに、まずカバンからノートとペンケースを取り出して、さらにペンケースからペンを出して……というのは非効率な気もする。机のない屋外などでは、さらに面倒くささが増すだろう。

 

そういう場合でも便利に使えそうなのが、ゼブラの携帯用ボールペン「ピタン」である。

ゼブラ
ピタン
1200円(税別
4色展開

 

上の写真だけでは、なにがどう携帯用か分かりづらいかもしれないので、実際に使うようにセットしてみると……。

↑ノートの表紙を付属の保護シートで挟んで、その上からホルダー本体の金属クリップでくわえ込む

 

↑これでセット完了

 

↑ノートとペンが一体化して、違和感無くペン1本を常時携帯できる

 

この通り、「ピタン」はノートなどと一体化させて携帯できるボールペンなのだ。セッティングは簡単で、ノートの裏表紙などにまずホルダーのクリップを挟みこむ。このときノートを傷めたくない人は、付属の保護シートを裏表紙に挟み、その上からクリップを装着すればいい。ホルダーとペンは磁石でくっついているだけなので、書くときはペンを持ち上げるだけで、ポコッと簡単に取り外せる。戻すときも、ペンを近付けるだけで貼り付く。シンプルな構造だ。

↑ペンは板状のホルダーに磁石でくっついているだけなので、つけ外しはかなりお手軽

 

↑筆記時には、軸後端のノブをノックして書き出すだけ

 

ノートに厚みがあると、ちょっとペンを取り外しにくいが、その場合はノックノブについているストラップをつまみ上げればOK。ベルトループに差し込むタイプのペンホルダーと比較すると、ペンのつけ外しは驚くほど簡単、かつ手っ取り早い。加えて、ペンを戻す際のパチンという音と感触が軽快で気持ちいいのもポイントだ。

 

イロモノ系? 運用してみたら実は意外と便利かも

「そこまでつけ外しが簡単ということは、意図せずペンが外れて落ちることもあるのでは?」と思った人もいるだろう。もちろん磁石2つで固定しているだけなので、外れないということはない。実際にカバンに入れて持ち運んだ際、カバンの中にペンが落ちていたこともあった。

 

とはいえ、思ったほどはポロ落ちしないなというのも正直な実感だ。特にページ数の多い厚めノートに装着すると、ペン部分に横方向の荷重がかかりにくいのか、かなり安定するようだ。上下方向に関しても、ホルダーに刻まれたストッパーでペンが必要以上にズリ動かないようになっているなど、よく考えられた仕組みだ。

↑磁石はホルダーのクリップの根元あたり(写真の赤色部分)に埋め込まれている

 

ちなみに、ペン自体は初期状態でゲルの0.5mmリフィルを内蔵している。端的に言えばJK-0.5こと「サラサ」芯である。日本国内で一番普及しているゲルインクリフィルなので、外出中にインクが切れても替えの入手はかなりラク。どんな小さな文房具店にだって、まず間違いなく売っているし、コンビニで「サラサ」を買ってリフィルだけ入れ替える、なんて力技でもOKだ。携帯用ボールペンとしては、これもまた充分すぎる強みと言えるだろう。

↑リフィルはお馴染みのサラサ芯。書き味の良さに加えて、気軽にどこでも入手できるのもありがたい

 

これをノートに装着して携帯すれば、ひとまず必要十分。ペンケースを持ち歩かなくても、手書き環境が手に入るというわけだ。見た目も、ノート表紙にペンクリップを挟むよりはかなりスマートで、違和感もほとんど感じない。

↑個人的には、A6〜B7のミニノート(もしくはハンドメモ)との組み合わせが軽快で良いと感じた

 

ペンの書き味にこだわりがあって、好みのペンだけ使いたい! というタイプの人には向かないが、とりあえず書けるものを手間なく持ち歩けたらいいかな、という場合なら抜群に効果を発揮しそうだ。ただし、表紙に挟んだクリップの厚みでページが少しモコッと盛り上がることがあるので、これが気になる人はいるかもしれない。そこだけは注意で。

 

ペン40本は余裕! 大量の文房具を持ち歩ける母艦ペンケース2選

【きだてたく文房具レビュー】きれいに並べたい人と片付けられない人、どっちも来いのペンケース

人間は大きく2つに分けられる。整理する人と、整理しない人。人間は大きく2つに分けられる。文房具をいっぱい持ち歩きたい人と、ちょっとでいい人だ。

 

こんな雑な分類ならいくらでも分け続けられるのだが、ひとまずここで留めて、全人類を4分割としてみよう。セグメントとしては[整頓する/文房具いっぱい][整頓しない/文房具いっぱい][整頓する/文房具ちょっと][整頓しない/文房具ちょっと]となる。

 

この4セグで何が表せるのかというと、それはもう単純な話で、オススメなペンケースのタイプだ。特に最近は[文房具いっぱい]な人向けのペンケースが人気傾向なのだが、その中でも最大級……ペン40本以上収納可能という母艦クラスのものから[整頓する][整頓しない]の区分で、それぞれ面白いものを紹介したい。

 

[整頓する/文房具いっぱい]人向けペンケース

まず整頓系母艦ペンケースの最新版として紹介するのは、LIHIT LAB.(リヒトラブ)の「ブックタイプペンケース トリプル」。ペン2~3本収納のペンケースを優美なヨットだとすると、これはまさに空母や戦艦に例えられる巨大さである。

↑LIHIT LAB.「ブックタイプペンケース トリプル」1620円(税込・以下同)

 

製品名のトリプルというのは、全容量を3ポケットに分割しているという意味。ファスナーをすべて展開すると、本のページのようにポケットをめくって中の文房具を探すことができるというのが、“ブックタイプ”の所以だ。

↑3つの収納スペースが本のようにめくれる、ブックタイプ収納

 

ページにあたる面には、ペン用の固定バンドやメッシュポケットがついており、ここにきっちりと収めるようになっている。中央のジッパースペースはさらに内部に1枚の仕切り板が入っているため、収納可能ページは表紙・裏表紙を除けば総ページ数は8ページ。1ページにペンを5本ずつ差すだけでもう、40本収納はクリアだ。

 

↑筆記具がきれいに並んで収納できるので、見た目もスッキリ

 

さらに、一般的な直径10~12㎜程度のペンなら1ページに8本が入る設計になっているので、ペン40本どころか、それにプラスして定規やハサミ、消しゴム、カッター、A7サイズのメモ帳ぐらいは収納できるようになっている。

↑小物用の3段メッシュポケットは厚めのマチ付きなので、消しゴムやふせん、マスキングテープなどもスルッと気持ちよく入る

 

ページごとにきちんと文房具を仕分けて収納すれば、先にも述べたとおりページをめくるように文房具を探せる閲覧性がブックタイプのポイント。大量の文房具が入る母艦ペンケースは、この閲覧性の高さこそが、使いやすさの最も重要な要素と言えるだろう。

 

↑筆記具45本+ハサミ、カッターナイフ、定規、消しゴム、マステなどなど。普通のペンケース3つ分ぐらいは余裕で飲み込む収納力!

 

ただし、もちろん使う側も「ここはカラーペンのページ」「ここはレギュラー筆記具のページ」ときちんと分類整理し、ひとつひとつ固定バンドやポケットに収める能力が必要だ。

 

そこさえきちんとできていれば、ブックタイプは大量の文房具をピシッときれいに揃えて持ち運ぶことができ、必要な文房具がすぐに取り出せる、最強の母艦ペンケースだと言えるだろう。

 

[整頓しない/文房具いっぱい]人向けペンケース

対して、整頓しない系のオススメは、クラックス「トレーBOXペンケース」。ブックタイプが使う人を選ぶペンケースとすると、こちらは全く人を選ばない。どんなガサツな人間でも大量の文房具が持ち運べる母艦ペンケースだ。

↑クラックス「トレーBOXペンケース」1382円

 

一見すると、サイズは少し大きめだがごく普通のポーチ型ペンケース。実際、ファスナーを開けて中の文房具を出し入れしているだけなら、機能的にも単なるポーチに過ぎない。

 

ちなみに容量的には、ペンだけ入れるなら40~45本ぐらい。ハサミや定規、消しゴムを含めてペン30本ちょっと、というのが実戦的な運用レベルといったところだろう。

↑内張りは明るいカラーなので、ファスナーを開けただけでも内部は比較的見やすい

 

さて、このペンケースのミソとなるのは、本体側面についたスナップ留めのポケット(の、ようなもの)部分である。プチプチとスナップをはずしてポケットを開けようとすると、予想をはるかに超えて大きくガバーッ!!と広がるのだ。

 

まるで深海魚の口のように大きく開くこの部分は、ポケットのようでポケットでない。実はポーチの中に素通しで直接アクセスできる、第二の開口部なのである。

↑側面をガバーッと開くと、中が一気に見渡せるペントレーに変身!

 

つまり、この開口部がガバーッと広がることで、大容量のポーチから一転、中身が見渡せるペントレーに早変わり、という仕組み。

 

ポーチ側からトレー底部に文房具をザラリと広げると、その重量でトレーが展開したまま安定する。トレーの側面フチは深めになっているので、広げた文房具が外にこぼれることもない。

 

↑筆記具33本+コンパクトなハサミ、カッターナイフ、定規など。これだけのものがサッと選んで取り出せるのは便利すぎ

 

トレー形態の何がいいかって、もちろんその閲覧性の高さだ。これだけ大きなポーチであれば中から必要な物を探して取り出すのもちょっと大変だが、トレーに広げてあればそれもたやすい。机が狭い場合はそのままポーチとして使い、広げられる場所があればガバーッ!と開けちゃってトレーとして使う。そういう両刀使いができるのはかなり便利だ。

 

なにより、ブックタイプのように整理収納を心がけなくても使えるのは、大雑把[整頓しない/文房具いっぱい]人間にとってはかなりありがたい。雑にポンポンと文房具を放り込んであっても、使いたいものが素早く取り出せるというのは、まぁ想像を超えた使いやすさなのである。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

書き殴り系待望の「極太フリクションの快感」をアルミ武装でさらに高めてみた

【きだてたく文房具レビュー】ビジネスマンが待ちに待った極太フリクション

“こすると字が消える”ボールペンと言えば、パイロットの「フリクションボール」。その“ノック”タイプとして、発売から10年の間に、もはや知らない人はいないレベルで普及したのが「フリクションボールノック」だ。もはやこれでないと仕事が出来ない、というほどに依存している人も多いのではないだろうか。

 

そのフリクションボールノックが、つい先日、新製品を出してきた。しかも、一部のユーザーが待ち望んでいたタイプのものということで、その登場に文房具好きが軽くザワついているのだ。

 

ということで今回は、そのフリクション待望の新アイテムを紹介したい。

 

ごんぶと! フリクションボール最太1.0

この4月に発売されたばかりのフリクションシリーズ最新版が、「フリクションボールノック 1.0」……つまり、ボール径1㎜のがっつり太字タイプである。

↑パイロット「フリクションボールノック 1.0」黒・青・赤・ブルーブラック 各248円

 

日本でいちばん普通に使われているボール径が細字の0.5㎜ということで、描線を比べてみるとまぁ確かに太い。筆者は基本的に0.38㎜の極細字を愛用しているもので、こういう機会に1.0㎜を使うと、その差にギョッとするぐらい。

↑もともとフリクションの黒はやや薄いが、1.0まで太くなると、やや薄さは気になる

 

漢字という面積当たりの情報密度が高い文字を使う日本では、先にも書いたとおり細字が好まれるのは道理。それでも太字でガシガシと書き殴りたいという需要は、多い……と言わないまでも存在する。

 

実際のところ、なにか適当に思いついたことを大きめのノートにフリクションボールノック1.0でガシガシと書いて、直したいところはザクザク消す、という使い方はかなり快適だ。細字で手帳などに書き込んだ内容を細かく修正する、というのがこれまでのフリクションの主な使い道だったはずだが、ここまでの太字が消せるとなると、また違う使い方が見えてくる。

↑現在発売されているフリクションボールノックの比較。すべての太さで後端のラバー色が違う(1.0はグレー)のに加えて、1.0のみクリップノックがインクと同系色クリアに

 

さらに、ここ数年で中高生がノートを取るのにボールペンを使うケースが徐々に増えているようで、そういう時に欲しくなるのが、強調文字を書くための太字なのである。

 

0.5㎜では目立たせ具合が物足りないアンダーラインや線囲いなんかも、1.0㎜ならハッキリと目に付くようになる。

↑1.0㎜はノートに使うとかなり目立つ。アンダーラインや太字には最適だ

 

ただし、問題もなくはない。

 

フリクションのインクは、“摩擦などで60度以上の熱を加えると透明化する”という特性を持っている。つまり消え去ってしまうのではなく、単にインクが透明になって見えなくなるだけなのだ。だから、0.5mmだとあまり気にならなかったのに、1.0mmの描線は透明化してもなんとなく消した跡が見えてしまうのである。

↑ここまで線が太いと、どうしても消し跡がうっすらと残る

 

とはいえこればかりは個人の感覚なので、この消し跡が気になるという人もいれば、大丈夫という人もいるだろう。

 

ともあれ「フリクションの太字を待ち望んでいた!」という人であれば、ひとまずは飛びついて試してみてもいいのではないか。

 

フリクションボールをアルミパーツでカスタム!

もう一点、フリクション関連商品を紹介したい。こちらは、フリクションボールノックを使いやすく、かつ見た目のグレードを大きく上げる専用カスタムグリップ『SMART-GRIP for frixionball knock』だ。

↑UNUS PRODUCT SERVICE「SMART-GRIP for frixionball knock」シルバー・ブラック・レッド・グレー・ブルー 各1050円

 

専用といってもパイロットの純正品ではなく、UNUS PRODUCTというプロダクトレーベルが発売しているもの(もちろんパイロットには認可済み)。医療器械などの精密部品を加工する工作機械で、アルミを削り出して作られたグリップである。

↑フリクションボールノックに装着した状態。これだけでかなり引き締まった印象になる

 

フリクションボールノックのゴムグリップをねじって外したら、SMART-GRIPに同梱のノックバネごとまるまる付け替えるだけ。交換には1分もかからないが、従来のぽってりと丸みを帯びた口金がスパッと真っ直ぐになるなど、全体的に見た目の印象はわりとスマートに変わる。

↑色を自由に差し替えられるのも楽しい。1.0㎜のグレーのラバーとグレーのグリップが良い感じにマッチ
↑口金の形状の違い。全体的な形状はそのまま、先端だけ直線的でシャープな印象になる

 

アルミ製で、ペン本体よりも高価なSMART-GRIPにわざわざ交換する理由は、見た目以外にもいくつかあるが、なにより最も大きいのはグリップ力の向上だろう。

 

もともとフリクションに搭載されているシリコンゴムグリップは滑りにくく書きやすいものだが、それでも素材の性質上、長らく使用していると加水分解など劣化は避けられない。対して削り出しのアルミ素材はそのような劣化がない。さらに表面の繊細なローレット加工が指にがっちり食い込むので、多少の手汗などではびくともしない安定感がある。

↑ローレットグリップは多少の手汗でも滑るような感じはゼロ。夏場でも安定したグリップ力が得られるのはうれしい

 

また、交換によって低重心化による書きやすさアップも見込める。

 

もともとのゴムグリップの重量が3g(ノックバネ含む)で、SMART-GRIPは7g。わずかな差と思われるかもしれないが、そもそもフリクションノックボールの全体重量が12gなので、それが4g増えるというのはなかなかの変化だろう。

 

その重量変化がペン先端に集中するので、取り付けるだけで重心は大きく下がることになる。使ってみても、グリップ力の向上と相まってかなりどっしりとした書き味が感じられるはずだ。

↑SMART-GRIPには、フリクションボールノック以外にも、フリクションボール4・3と三菱ジェットストリーム4&1の共用タイプ(1350円)と、フリクションボール2用(1050円)がある

 

数百円のペンに、1000円以上するグリップをつけるのは馬鹿らしいと思うかもしれないが、そもそも国産のボールペンは性能のわりに元の値段が安すぎるのだ。

 

ならば、たかだか1000円ぐらいのカスタムパーツをつけてやってもバチは当たらないと思うのだが、どうだろう。普段使いのペンにちょっとだけ贅沢させてやれば、愛着も増すし、書きやすさもアップするしでまったく損はしないと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

ペンがもの凄いことになっている!! 使うたびにワクワクするユニークペン4選

日常に欠かせないアイテムであるペン。シャーペンやボールペン、鉛筆など種類は豊富ですが、最近では書きやすさに特化した商品だけでなく、おもしろ機能が詰まったペンも続々登場しています。そこで今回は、使うたびにワクワクするユニークなペン4選をお届け。色が変化するペンや、ライトを照らすと線が立体化するペンなど、いますぐ使いたくなる商品をピックアップしたのでお見逃しなく!

 

出典画像:「GRAF VON FABER-CASTELL」公式サイトより

 

[その1]

8種類のペンを搭載した多機能筆記具

ぺんてる

スーパーマルチ8
ぺんてるの「スーパーマルチ8」は、8種類のペンを内蔵した筆記具。定番のシャーペン機能には、黒い芯以外にも「赤色」や蛍光色の「ピンク」と「イエロー」の“色芯”が備わっています。さらに書いた文字がコピーしても写らない「PPCノンコピー芯(水色)」は、いままでのシャーペンにはない画期的な機能です。書類作成などの仕事に活用すれば、効率がアップするかも!?

 

<注目ポイント>
・8種類の芯を内蔵した“本格派多機能筆記具”
・「赤」「蛍光ピンク」「蛍光イエロー」の色芯を用意
・印刷しても写らない「PPCノンコピー芯」
そのほかにもボールペンの「黒」や「赤」、「青」の定番機能を搭載。ボールペンと色芯を使い分ければ、スケジューリングやノートの記録を効果的に記入できます。8種類の芯を内蔵していますが、大きさは筆箱に入れても邪魔にならないコンパクトサイズ。この“本格派多機能筆記具”、ぜひとも手に入れてみたいと思いませんか?

 

[その2]

トラディショナルかつエレガントな鉛筆

GRAF VON FABER-CASTELL

パーフェクトペンシル
世界最古の鉛筆メーカー「ファーバーカステル」の「パーフェクトペンシル」は、滑らかな書き心地が特徴の鉛筆です。備えつけのキャップには、「鉛筆削り」や芯が短くなった時に役立つ「エクステンダー」機能を内蔵。さらに消しゴムもついているので、1本あればオールインワンで楽しめます。

 

<注目ポイント>
・世界最古の文具メーカーが開発したイチ押しの鉛筆
・滑らかな書き心地を実現
・キャップには「鉛筆削り」や「エクステンダー」機能を搭載
カラーバリエーションは、「ナイトブルー」や「ライトグレー」、「ブラウン」などの全5色を用意しています。削りやすい木材「カリフォルニアシダーウッド」を採用し、高級感が漂うエレガントな1本に仕上がっているので、鉛筆愛用者はぜひチェックしてください!

 

[その3]

描いたイラストがアクセサリーに変化!

メガハウス

3Dドリームアーツペン クリスタルアクセサリーセット(3本ペン)
描いた文字や模様がアクセサリーに変化するアートトイ「3Dドリームアーツペン」。ペンのインクには、可視光線で固められる特殊なアクリル樹脂を使用しています。描いた線を同商品の付属ライトで照らすと、徐々に線が“ぷっくり”と膨張。完全に固まるとめくれるようになるので、好きな場所に貼りつけて遊ぶこともできます。

 

<注目ポイント>
・描いたイラストがその場で3D化
・作り方はテンプレートをなぞるだけ
・新色の「パールピンク」と「ラメイエロー」を内蔵
「アクセサリーセット」を使うとオリジナルアクセサリーが作れます。作り方は簡単で、テンプレートの「3Dプリントパーツ」と「デザインシート」をなぞるだけ。また同封されている「ブレスレット」や「リングパーツ」に作った模様やイラストを貼りつければ、自分だけのアイテムが完成します。

 

[その4]

光が灯るように色が浮き上がる不思議なペン

出典画像:「寺西化学工業」公式サイトより

寺西化学工業
マジックグロー
定番の油性ペン・マジックインキを多数発売している「寺西化学工業」から、新作のペン「マジックグロー」が登場。黒い紙に使用すると、はじめは暗い色だった線が徐々に鮮やかな色合いに変化していきます。独自に開発された特殊インクには、暗い部屋でもくっきりと線が浮き上がる発色機能を採用。「マジックグロー」で手紙を書けば、相手はあっと驚くかもしれません。

 

<注目ポイント>
・描いた線が徐々に鮮やかな色に変化
・暗い部屋でも目立つ「発色性」
・豊富なカラーバリエーション
カラーバリエーションは、「クールブラック」や「グリーン」、「イエロー」などの全13色を用意。また本体を振ったりペン先をプッシュしなくてもスムーズにインクが出てきます。ペン先の形状は「1.6mm」と「0.7mm」の2種類があるので、好みの方を選んでくださいね。

これが4000年の賜物か!? 猫背になると自動で書けなくなる中華ペン

【きだてたく文房具レビュー】中国の宇宙開発技術によって? 強制的に姿勢矯正されるペン

最近のマイブームは、中国の通販サイト『AliExpress』(アリエクスプレス)での買い物だ。

 

基本的に料金後払い(商品到着後に確認ボタンを押すと支払いが確定する)だわ、送料もかなり安いわで、日本からでも意外なほどに安心して買い物ができるのがすごい。とはいえ通販にトラブルはつきものなので、あくまでも自己責任で。

 

文房具なんかも、「ハンドスピナーになるペン」とか「磁石でブロック玩具のように組み立てるペン」など、日本では買えないようなヘンなモノがいっぱいあって、見ているうちに気付くとサクサクと購入ボタンを押している次第である。

 

中でも最近で一番のヒットだったのが、「正姿護眼筆」(※護は、この簡体字である「手」偏に「戸」)というペン。これが、“ユーザーが書いている際の姿勢を検知し、姿勢が悪いと書けなくなる”という機能を備えたハイテク筆記具なのだ。

↑福州林文光電子科技有限公司「正姿護眼笔」3145円

 

で、そもそもどういう機構で“書いている姿勢を検知”するのかというと、(中国語の説明書を翻訳カメラアプリなどで読み解くに)後軸に内蔵したカメラユニットで使用者の姿勢を常時チェックしているらしいのだ。

 

そして、使用者の姿勢が正しければ普通に書くとができるが、猫背になるなど、いわゆる悪い姿勢を検知すると、ペン先が引っ込んでしまって筆記不可能になる、とのこと。それが本当なら、かなり未来!な筆記具である。

 

姿勢の悪い子供の矯正・近視予防用に開発されたというが、筆者だって年季の入った相当な猫背+ド近眼だ。なにより、大人だってそんなハイテクなやつ、使ってみたいじゃないか。

↑やたらとオプションが入っているのは、中国人がオマケ大好きだから。もちろん日本人だってうれしい

 

中国から届いた箱を開けてみると、中には正姿護眼笔の本体に加えて油性ボールペンユニット(青・黒 各2)、ゲルボールペンユニット(青・黒 各2)、0.7㎜シャープペンシルユニット+替え芯、電池が収まっていた。

 

ちなみにスイッチ的な物はなにもなく、本体軸にどれでもお好みのペンユニットを挿したら、あとは電池を入れるだけで自動的に機能するようになっている。

 

では、実際にちゃんと姿勢を監視してくれているのか、試してみよう。

↑背筋を伸ばした姿勢だと、この通りペン先は出たまま

 

まずは背筋をスッと伸ばした正しい姿勢で書いてみると……書ける。まったく普通。

 

筆記時に微妙なガタつきは感じる(ペンユニットが引っ込むギミックが入っているからだろう)が、とにかく書くことはできる。

↑机に頭を近づけると、本当に書けなくなった!

 

次に、頭をぐっと机に近づけた悪い筆記姿勢で書こうとすると……紙に触れた瞬間にフニャッとペン先が軸の中に入ってしまった。

 

正確に言うと、ペンユニットを内部で支えていたテンションがオフになり、ペン先が軸の中に戻ってしまう感じ。なるほど、これは確かに書くことができない。

↑後軸に内蔵されたカメラユニット。これでユーザーの姿勢を常時監視している

 

姿勢を元に戻すと、またペン先はテンションを取り戻し、書くことができる。どうやら姿勢を常時検出している、というのは間違いないようだ。といってもさほどたいした話ではなくて、カメラに大きく影がかかるとオフ、ぐらいのざっくりした処理だろうと思われるが。

 

ともかく、姿勢の悪い人というのは、だいたい無意識にそういう姿勢を取ってしまうものだ。いちいちペンの方で「この姿勢のまま書いちゃいけないよ」と警告を出してくれるというのはありがたい。これを使い続ければ、おそらく実際に姿勢矯正も可能だろう。

 

しかも特に機械的な動作音がするわけでもないので、学校の授業などで日常的に使っても問題はなさそうだ。

↑「30日使えば斜視・近視・猫背も完全に治る!」など華々しく謳われた裏面の惹句(じゃっく)

 

ちなみに、改めて箱書きの惹句を読むと、「人工衛星のリモートセンシング・マッピング技術を応用した360度全方位カメラを使い、常に正しい姿勢で書くように監督する」みたいなことまで書いてある。

 

リモートセンシング技術云々の真偽はさておき、360度全方位カメラはどうかというと、軸内のカメラユニットは素通しの軸でくるくる回転するようになっており、重量バランスによってレンズらしきものが常に上(使用者側)を向くようになっていた。

 

つまりここで言う360度全方位カメラとは、リコー「THETA(シータ)」のような全方位カメラで能動的に360度全周を撮影して、ユーザーの姿勢を監視するというわけではなく、単に「カメラが360度全方位をクルクル向くことができる」ということのようだ。嘘は言ってないからセーフだろう。

 

惹句の華々しさと現実のギャップは愛嬌として、しかし実際に名前通り「姿勢を正して目を護る」効果はきちんと発揮してくれた正姿護眼笔。これは間違いなく未来な筆記具である。純粋に驚いた。すごい。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

乾かない&段ボールが開く!? アスクルの新作マーカーにグッとクル

【きだてたく文房具レビュー】かゆいところに手が届いたオフィス通販の新製品

“オフィス通販”と聞くと、どうしても“まったく普通のアイテムを安く早くお届け”というイメージがある。

 

もちろんそういう一面もあるだろう。だが、実は最近のアスクルやカウネットなどオフィス通販会社は“まったく普通じゃない”機能を持ったオリジナル文房具の開発なんかもやっているのだ。なにせ、彼らはユーザーに直接製品を手渡す立場。製品のここがイヤ、ここを改良しろ、という文句もダイレクトに聞いている。開発にあたって、これほど役に立つものはない。

 

以前にも、そうやって開発された便利文房具を紹介したが、また新たにアスクルのカタログで面白いものが出ているのを見つけたので、さっそく紹介したい。

 

「キャップ開けっぱなしで3日間」に耐えるラインマーカー

アスクルとシヤチハタが共同開発したのが、「乾きにくいラインマーカー」。

 

名前そのものズバリ、キャップを開けたまま放置しても、ペン先チップが乾きにくいラインマーカーである。わかりやすさ前提のオフィス通販アイテムらしいネーミングだ。

↑アスクル/シヤチハタ「乾きにくいラインマーカー」1箱(10本入り/5色アソート)840円

 

ラインマーカーの書き込みは、ペン筆記のついでにやることが多いので、いちいちキャップを開閉するのが面倒くさい。とはいえ、うっかり開けたままにしておくとそのままキャップを閉め忘れて、結果、半日後に気付いた時にはもうペン先がカスカスに……ということも、筆者は経験している。

 

「そんなだらしないこと、しないよ!」という生真面目タイプの人であっても、キャップの開閉という作業自体には手間がかかるし、面倒だと感じているはず。キャップを閉めなくても問題ない、というのは、作業効率化に直結する便利さなのだ。

↑作業中、いちいちキャップを閉めずに済むというだけで、マーキングがかなりサクサク進む

 

シヤチハタは以前に、インクが乾燥時にペン先チップで薄い膜を張ることで乾燥から守る油性マーカー「乾きまペン」を出していた。今回のもそれと同じ仕組みかな? とはじめは思ったのだが、どうやら聞いてみると違うらしい。

 

今回のラインマーカーは新たに“水分を保持する特殊なインク”を搭載。これにより、ペン先で水分を失った顔料の粒子が目詰まりを起こす“ドライアップ”を防ぐようになっているそうだ。

↑放置3時間後でも5日後でも、ほとんど変わりのない線が引ける

 

実際に試してみたところ、確かに3日間キャップ開けっぱなしでもペン先がかすれた感じもなくスムーズにマーキングできた。5日後、1週間後でもこの通り。色が煮詰まって濃くなるということもなく、平常通りの筆記感だ。

 

もちろん、夏場ほど気温が高くないという現在の状況もあるだろうが、それでも能書きに偽りなし、といった感じである。

 

続いて、もうひとつの新製品が「書く」と「開ける」を合体した現場ワーク専用マーカーである。

「書く」と「開ける」が合体! 現場ワーク専用マーカー

もうひとつ紹介したいのが、お馴染み油性マーカーのド定番、ゼブラ「マッキー」の新アイテムとして登場した「マッキーワーク」だ。

 

こちらはアスクル限定ではなく、2018年8月までの先行販売という形になっている。

↑アスクル/ゼブラ「マッキーワーク」149円

 

流通センターや倉庫、引っ越し業者など物流の現場で作業する人が絶対に手放せないのが、油性マーカーと段ボールの開梱用オープナー。その二大アイテムが悪魔合体した!ということで、不便な要素が全く感じられない製品なのである。

↑黒々と視認性の良い、いつものマッキー。流通の現場での使用率は非常に高い

 

マッキー要素は従来の「ハイマッキー」と同じ、使い切りのツインマーカータイプだという点。

 

段ボールやビニールパッケージ、プラスチックまで素材を選ばずガシガシ書ける油性マーカーの代名詞として、現場ワーカーには欠かせない筆記具である。全世界の累計販売数8億本以上という、お馴染み過ぎるぐらいに手馴染みのある製品だけに、こちらに関してはもう今さら何も言うことはないだろう。

↑見慣れたキャップから生えた、見慣れない鍵型のパーツ

 

対してお馴染みでないのが、キャップから10㎜ほど伸びた黄色い樹脂パーツ。これがマッキー“ワーク”という名前の元になっている、段ボールオープナーだ。

 

先端が鍵のようになっており、尖ったカドの部分から梱包テープに突き刺してズバババッと切り引くと開梱できる。

↑横の少し尖ったところから突き刺すと、スムーズに開梱しやすい

 

刃はついていないので、ビニールテープ梱包だと切り開くのに少し力が必要だが、その代わりに中の荷物にダメージを与える危険性は少ない。また、ポケットにそのまま突っ込んでも安全だ。

 

あと、ラベルにも「使用上の注意」として記載されているが、使うときは軸だけでなくキャップまでしっかり持つこと。力を入れすぎてパコッとキャップが外れると、だいたい握っていた手の方に黒々と油性インクが付いてしまう。何度か試しても外れるようなことはなかったが、念のためそこは注意しておいた方がいい。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

エナージェルにサラサに……ド定番ボールペンの新作に萌える春

【きだてたく文房具レビュー】買い揃えたくなる定番ボールペンの新モデル

3月もいよいよ末日。3月と言えばもう立派に春であり、春と言えば新入学・新入社の時期であり、すなわち文房具のハイシーズンだ。メーカーももちろん春先に合わせてあれこれ放り込んでくるため、この時期は文房具屋さんの店頭には啓蟄(けいちつ)よろしく、新製品がにょきにょきと顔を出している。

 

そして文房具好きは桜の開花なんかよりも早くこの新製品ラッシュで新しい季節の訪れを感じ取れるわけである。つまり我々は一般よりも敏感に“春の雅”を検知できるセンサーを搭載した人種だと言えよう。

↑文房具好きにしか感じられないが、店頭はもう春!

 

ということで「春になったことだし、ひとつボールペンでも新しくしてみようか」とお考えの雅やかな皆さまに、ひとまずこれ買っといたらいいよ、という最新ペンを3本ご紹介しておこう。

 

今年の春も、面白い新製品がいろいろ出てるぞ。

 

気持ちが浮き立つ絶妙カラー&透明軸

抜群の速乾性と濃い発色で、エントリーシートを書くのに最適な“就活ペン”としても知られるぺんてる「エナージェル」シリーズから、限定発売の新作として登場したのが「エナージェル インフリー」。

 

これのどこがオススメかって、そりゃもう、とにかく見た目だ。

↑ぺんてる「エナージェル インフリー」0.4㎜/0.5㎜/0.7㎜ 各216円(限定販売)

 

透明度の高いクリア軸から、カラフルなインクリフィルが丸見え。しかもリフィルには、わざわざインク色と同じ色のフィルムを貼って着色しているので、透け感の中にもエナージェルっぽいキリッとした表情が感じられる。

↑インクカラーがはっきり分かる透明軸は、万年筆経由でいまちょっとしたブーム

 

200円+税でこれほどカッコいいボールペンというのも、なかなかないだろう。ここしばらく、万年筆でも透明軸がブームとなり、中のインクが透けて見えるのを楽しむというスタイルが流行ったのだが、インフリーもそれに近い楽しみ方ができるわけだ。

↑インクのイメージカラーで着色されたリフィル(芯)。エナージェルインクの鮮やかさが感じられて、使う前から気分が浮き立つ演出だ

 

0.5㎜には、従来のエナージェルには無かったブルーブラック、ターコイズブルー、オレンジの3色がラインナップ(0.4㎜、0.7㎜にもブルーブラックが入っている)。

↑やはりターコイズとオレンジの鮮やかさは特別感がある

 

そのままビジネスに使える濃厚なブルーブラックもいいが、個人的にはやはり、鮮やかなオレンジと深みのあるターコイズブルーがとてもキレイでいい。

 

浸透性が高く紙ににじみにくいエナージェルインクだけあって、多少淡い色合いでも書いた文字がぼやっとしない視認性の高さは、さすがだ。

 

続いてはシャーペンも使う派におすすめの新作。

シャーペンも使う派にオススメの2+S+消

トンボ鉛筆の新ボールペンは、「モノグラフマルチ」。普通のボールペンとほぼ太さの変わらないスリムな軸に、黒・赤の油性ボールペン+シャープペンシル+お馴染みMONO消しゴムを搭載した、回転式の多機能ペンだ。

↑トンボ鉛筆「モノグラフマルチ」648円

 

ポイントは、やはり軸後端をくりくり回すと出てくるロングタイプのMONO消しゴムだろう。

↑ここまで長い内蔵繰り出し消しゴム。硬めのタッチで手帳の書き込みを消すのもやりやすい

 

シャープペンシルの後ろに付いた消しゴムなんて、消しにくいのがデフォ、なんていうのはもうはるか昔の話。やや硬めでしっかりしたタッチの消しゴムは、いつもの四角い消しゴムと比べても全く遜色のない消字力だ。だって、あのMONOだもの。

 

というか、むしろスリムな分だけ細かい部分もピンポイントで消しやすいため、消しゴム単体としても使いやすいぐらいである。

↑1本にまとまった黒・赤・シャープ+消しゴム。これさえあればとにかく筆記具は大丈夫、という密度の高いペンである

 

黒・赤のボールペンは、トンボの超低粘度油性エアータッチインクを使用。スルッと軽くて走りのいい筆記感は、他社の低粘度油性インクと比べてもひけをとらない滑らかさだ。

 

しっかりとした消しゴムを内蔵している分だけややリアヘビーだが、むしろそのおかげで、低粘度油性が苦手な人にとっては取り回しをコントロールしやすい印象すらある。

↑上に繰り出し消しゴムがあるので、構造上この位置になってしまった切り替え表示。透明クリップでポジション合わせをするので、見えなくはないのだが……

 

ただ、これはデザイン上どうしてもしょうがないのだが、黒・赤・シャープの切り替え表示が少し見にくい場所に来てしまっている。特に黒・赤はペン先を見ても判断がつかないので、慣れるまでは使う度に切り替え表示を確認する方がいいかもしれない。

 

3つ目は、とにかくにじまないボールペン!

上から蛍光マーカーを引いてもにじまないペン

ゼブラのド定番ゲルインクボールペン、サラサシリーズに新しく登場したのは「サラサマークオン」。

 

水性/ゲルインクの欠点のひとつとして、書いた上から蛍光ペンでマーキングするとにじむ、というのがある。しかしサラサマークオンは「蛍光ペンでにじまない」ゲルボールなのだ。

↑ゼブラ「サラサ マークオン」0.4㎜/0.5㎜ 各324円

 

サラサマークオンは特殊なインクを搭載し、耐水性と紙への固着性をアップ。メーカーによると「文字を書いてから約5秒後に蛍光ペンで上から引いてもにじみません」とのことだが、確かに書いて5秒待てばこの通り、ほとんどにじみを感じられない仕上がりだ。

↑写真上は一般的なゲルボールペン。こちらは蛍光マーカーのラインが黒ずんで汚れてしまった。下のマークオンはきれいなまま!

 

清書ノートなどでせっかくキレイに字を書いたのに、最後に蛍光マーカーを塗った瞬間に台無し!みたいなことはまずないだろう。当然、マーカーのペン先がにじんだインクで汚れることもなし。

 

5秒と言われると「それだけ待つのかよ」と思ってしまうが、文字を書いてからペンを置いて、蛍光ペンのキャップを取って、上からマーキングして……で5秒ぐらいは充分に経っているはず。つまり感覚的にはほぼ、“書いてすぐでも平気”という感じだろう。

 

もちろん蛍光マーカーに強いだけでなく、がっつり水濡れにも強い。

↑水をたらしたハガキの宛名書き。他のゲルボールペンで書いた社名部分は、悲しいほどにじんでしまった

 

水性/ゲルインクにも染料系と顔料系という区分があり、基本的に顔料系のほうが耐水性は強い。実際、今回のテストで蛍光マーカーによりにじんでしまったペン(水性顔料インク)も、しっかり乾燥させてやればにじみはほとんどなかった。

 

それでも、やはり“書いて5秒でOK!”というのは圧倒的に強い。速乾性ならぬ速耐水性という表現が良いだろうか。蛍光マーカーを仕事で多用している人にとっては、かなりの安心材料になるはずだ。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

まるでスパイグッズ! さりげなく持ち歩きサッとメモれる“手ぶらメモセット”

【きだてたく文房具レビュー】IDフォルダさりげなく持ち歩けるメモセット

メモを取らなきゃ!という事態はそこかしこで起きうることなのに、常に備えをしている人は意外と少ない。

 

例えばトイレに行く途中で、すれ違った上司に呼び止められて「○○のミーティング、ちょっと別件入っちゃったんだけどさ。▲△日にリスケできるか先方に確認してみて」とか言われたとする。こんな時、取れる選択肢は、

1.自分の記憶力を信じてまずトイレにかけこむ
2.自分の膀胱力を信じてメモを取りに自席へ戻る

のふたつとなる。しかし、自分の記憶と膀胱、どちらも信頼しきれないという人もいるだろう。

 

そこでスマホでメモを取るという選択肢もあるが、いちいちメモアプリを起動して入力して、という手間を考えると、手書きの方が圧倒的に解決は早い。

 

要するに、普段から常にペンとメモを携帯してさえいれば、そんなあやふやな賭けに出ずに、

3.その場ですかさずメモを取ってからトイレに行く

という確実な行動が取れるのである。

 

普段の装備にペンとメモを紛れ込ませる

ペンとメモのセットを常時携帯する、ということはつまり、普段からずっと身に付けているものにペンとメモをくっ付けておけばいいということ。ゼブラ「ペモ アイディー」は、その解決方法として「IDカードホルダーにペンとメモを内蔵すればいいんじゃない?」という提案である。

↑ゼブラ「ペモ アイディー」1080円

 

↑見た目はまったく普通の、首から提げるIDカードホルダー

 

普段着がスーツであれば、ジャケットにペンとメモを入れておくぐらいは可能。ただ、女性や私服系の男性はそうもいかない。また、いつどこでペンとメモが必要になるかは分からないので、とにかくいつも身に付けている必要がある。であれば、会社にいる間は基本的に首から下げているであろうIDカードホルダーを使うのは、悪くないアイデアだ。

↑常にペンとメモが手元にあれば、生活内のリスクは減らせるのだ

 

ホルダーをパカッと開くと、中はこのとおり。

↑ペンとメモを内蔵しているから「ペモ」。製品名の脱力具合はすごいが、機能は必要充分

 

カードサイズに収まるような平らな形の油性ボールペン(赤・黒)と付箋(大・小)がセットされている。ケースの端からペンを引き抜き、付箋にメモを取る、という作業がこれひとつで完了するわけだ。カードホルダーを台にして書けるので、場所も選ばない。

↑慣れるまでは握り方にちょっと違和感のある扁平ボールペン。とはいえ、ちょっとしたメモ書き程度なら問題なく書ける

 

大付箋が貼られたシートは、インデックスのついた仕切りになっている。ここはメモをとった付箋を一時的に収納しておくのにもいいし、名刺なら予備を2~3枚ストックしておくことも可能。いつもランチに使っているお店のサービス券などを入れておく、なんてのもアリだ。

 

ちょっとした紙片を紛失することなく確実にとっておけるのは、日常生活の上で意外と便利なのである。

↑急な来客にも便利な、予備名刺ストッカー

 

実はこのペモ アイディー、元々は1980年代にゼブラから発売されたカード型ペンセット「カーディー」がベースになっている。’80年代といえばシステム手帳がブームになったタイミングであり、そのシステム手帳のカードポケットに収納しておけるカード型文具も一緒にブームになった、という経歴がある。

↑’80年代に各メーカーから発売されていたカード型文具の数々。中央がゼブラ「カーディー」

 

残念ながら、システム手帳ブームの終焉とともにカード型文具の存在も消えてしまったのだが、そこから30年以上経った今、IDカードホルダーという新たな居場所を見つけ、カード型文具が実用ツールとして再評価されるようになったのは、面白いものだと思う。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

価格は安いが書き心地はリッチだった! 高級路線の逆をいく100円台ボールペン

【きだてたく文房具レビュー】書き心地もグリップ感もリッチなボールペン

 

一昨年ぐらいからの流れなのだが、筆記具がちょっと高級化路線にいきつつあるようだ。

 

例えば、ゼブラの「サラサクリップ」が金属軸化して1000円の「サラサグランド」になったり、サクラクレパスが新しく出した大人のためのボールペン「Craft_lab 001」が5000円もしたり。

 

最近だと、お馴染みの三菱鉛筆「ジェットストリーム」に回転式の「ジェットストリームプライム回転式シングル」が出たが、これは本体3000円に加えて交換用のリフィルもパーカータイプ(海外ブランドのペンが多く適合する規格)で600円だというから、なかなかの“お高さ”である。

↑近年流行になりつつある、高級めのボールペン↑近年流行になりつつある、高級めのボールペン

 

ところが、こうして高級路線に流れた一方で、まるでバランスを取るかのように、低価格帯のボールペンにもオススメしたい良いものがいくつか登場している。特に、無意識に適当なものを買いがちな100円ちょっとのボールペンから、いまわりと目が離せないのである。

 

100円油性ボールの大ベテランがリニューアル

「スーパーグリップ」、と言えばパイロットの100円油性ボールペンとして永らく活躍した大ベテランだが、これが昨年末に「スーパーグリップG」と名を改めリニューアルされた。

↑パイロット「スーパーグリップG」ノック式(左)・キャップ式(右)各108円↑パイロット「スーパーグリップG」ノック式(左)・キャップ式(右)各108円

 

まず、大きく変わったのはインクだ。前モデルはいかにも昔ながらの油性! といったボッテリと重めのものだったのが、新しいスーパーグリップGは、いま主流のスルスルと軽い書き心地に大変身。

 

個人的な体感だが、スーパーグリップGの新インクは、同社の低粘度油性インク「アクロインク」の書き心地に近い気がする。

↑スルスルと、かなりなめらか系に寄せてきた新油性インク↑スルスルと、かなりなめらか系に寄せてきた新油性インク

 

もちろん150円でアクロインク搭載の「アクロボール」を売っている現状では、メーカーとしては、100円のスーパーグリップGにアクロインクを使うことはないだろう。だがこれでも、充分に軽くてなめらかで、書きやすいのだ。

 

以前のぼってりとしたザ・オールド油性インクにも固定ファンはいたはずで、そういう意味では「なんでもかんでも低粘度化すんなや」という意見はあるだろう。しかし、100円でこの書き心地が得られるのは、やはりスゴいことだとも思うのである。

 

↑タイヤのグリッドパターンのようなグリップ↑タイヤのグリッドパターンのようなグリップ

 

また、個人的にとても良かったのが新しいグリップ。

 

ゴム製のグリップに格子状の刻みをいれたグリッドグリップが、中指の側面に乗せるとシトッと気持ちいい吸い付き方をして、かなりのグリップ力を発揮する。多少の手汗程度では滑ることはないだろう。

↑先端までグリッドパターンでカバーしてあるので、どこを持っても安定する↑先端までグリッドパターンでカバーしてあるので、どこを持っても安定する

 

そしてなにより、このグリッドグリップがペン先ギリギリのところまでカバーしてあるのがとても良いのだ。筆者は、長時間筆記をする時などはペンのかなり先端のあたりを握ってしまうクセがあるのだが、そんな良くない手癖にも対応してくれるのはとてもありがたい。

 

ドバドバ系の液体ボールペン

100円台のオススメボールペンでもう一点挙げるとするなら、これも昨年秋に発売されたセーラー万年筆の「ICリキッドボールペン」だろう。

↑セーラー万年筆「ICリキッドボールペン」130円↑セーラー万年筆「ICリキッドボールペン」130円

 

リキッド……つまり液体ボールペンを名乗るこのペンは、従来のゲルインクよりも低粘度でサラサラとした書き味がある。というか、インクがもうめちゃくちゃドバドバと出るのだ。

 

インクがドバッと出てサラッと書ける感覚は、どちらかというと万年筆に近いほど。

↑ドバドバとインクが出て、しかもかなりの濃黒↑ドバドバとインクが出て、しかもかなりの濃黒

 

特に1.0㎜はちょっと笑えてくるぐらいのドバドバっぷり。これが本当に書いていて気持ちがいいのだ。税込み130円という価格でここまでリッチな書き味が楽しめると、スーパーグリップGと同様に、体感的なコスパはかなり高くなる。

↑指当たりが強めのフィングリップ↑指当たりが強めのフィングリップ

 

さらに、こちらもグリップに特徴がある。

 

フィン状のかなり独特なゴムグリップは、きつめに握ると指に跡がつくほど食い込む力が強く、指に乗せるだけでしっかり安定する。(形状的には好き嫌いがあるかもしれないが)グリップ径自体もすこし太めなので、握力が弱い人でもかなり握りやすいはずだ。

 

インクフロー、グリップともかなりクセの強いペンだが、ハマる人なら「数千円のペンよりこっち」と言うぐらいには価値のある130円だろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が3月2日発売。

 

油性マーカーでセンスが分かる? 「マッキー」がさりげなくオシャレを演出してくれるとは!

【「毎日、文房具。」が●●な人にすすめたい文房具】何の変哲もないクリアファイルでセンスを主張できる油性マーカー

 

仕事中も、何かと重宝する黒の油性マーカー。時には資料の分類のため、ラベルやクリアファイルに、これで書き込むことも多いのではないでしょうか。

 

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ただ、こうして黒の油性マーカーで書くと、なんだか事務的でおしゃれじゃない……と思ったことはありませんか? そんな時におすすめしたいのが、「マッキーペイントマーカー」です。

 

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油性マーカーの定番「マッキー」シリーズのひとつで、白・銀・黄・金・ピンクの5色展開。中でもおすすめのカラーは金と銀です。ただ書くだけで、マットな輝きが文字をセンス良く見せてくれるのです。

 

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こちらは、金のマッキーペイントマーカーでクリアファイルに書き込んだもの。写真ではわかりづらいかもしれませんが、実際に見ると黒の油性マーカーで書いたものよりずっとシックに、おしゃれに見えるのです。

 

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文字を目立たせすぎずに書きたい時は、銀のマッキーペイントマーカーで。角度によって、文字の表情が変わります。

 

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黒いものや色の濃いものに書いてもはっきりとした線が書けるので、黒の油性マーカーでは見づらくなるものに書き込むときにも便利。

 

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ノートに名前やタイトルを書き込むときに使っても、ぐっと見栄えがよくなりますよ。

 

また、ガラスや金属面にも書き込み可能なので、アイデア次第で使い方が広がりそうです。普通の油性マーカーよりもインクが乾くのに時間がかかりますので、そこは注意してくださいね。

 

もともと工作や園芸、工場や工事現場向けに開発された商品ですが、オフィスワークでも活躍するマッキーペイントマーカー。黒の油性マーカーでは味気ないとき、少しだけカッコよく見せたいときに、1本持っているとなにかと便利なアイテムです。

 

こんなあなたにおすすめ!

・黒い油性マーカーに飽きた方
・タイトルやラベリング、分類をおしゃれに見せたい方

 

【商品情報】

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ゼブラ「マッキーペイントマーカー 極細」価格248円(税込)

 

【筆者プロフィール】

毎日、文房具。

2014年9月に創刊した文房具の魅力を紹介するウェブマガジン。文房具が大好きなライターたちが、良いと感じた文房具を厳選して紹介するほか、最近では文房具売り場のプロデュースやメーカーとのコラボ企画の運営など、活躍の幅を広げている。