ペンを収納しながら“飾る”新発想!「フレームペンケース」の潔さを支える細部の仕掛けとは?

ペンケースは、筆記具などの文房具を収納して持ち運ぶためだけのもの……と、思っている人がほとんどだろう。もちろん、基本的にはそれで間違ってないのだが、近年では、ペンケースが高機能化するにしたがって、その目的も多様化している。

 

例えば、「文房具を持ち運ぶ」という部分ひとつを取っても、「2~3本の筆記具をコンパクトに」と「筆記具+ハサミや定規、カッターナイフなどをまとめて」では達成すべき目標が大きく違う。そうした場合、フォルムや機能から完全に別物になるのも当然だろう。

 

さて、そんなペンケース多様化のなかで、いまやトレンドと言っても過言でないのが、いわゆる “見せペンケース” というもの。透明素材で中身が外から見えるようになっているものが主体で、自分が使っている文房具を周囲に見せられることが特徴だ。Instagramなど画像主体のSNSで、中高生が自分の学習ツール環境をアピールする用途で人気となっているそう。

 

今回紹介するのは、その最前線アイテム。「見せペンケースの最新版はこうなっている」という話である。

 

自慢の一本を飾って楽しむ専用ペンケース

レイメイ藤井から発売された「フレームペンケース」は、一見すると学童用の汎用性高めの箱形ペンケースのようなフォルムだが、そのコンセプトは特異だ。 “お気に入りの筆記具をきれいに飾る” という部分に機能を全振りした、かなりピーキーな製品なのである。

レイメイ藤井
フレームペンケース

3300円(税別)
全5色

 

上面はフレームで囲まれたPVC製の大きな透明窓になっており、中が完全に見えている状態だ。ただし、透けているのはこの上面のみ。底と側面はフレームと同じく合皮素材なので、見え方はかなり限定的である。

↑上面窓はPVC(塩ビ)製で、透明度はかなり高め

 

上面は磁石によってフタ状に閉じられているので、端から持ち上げるとパカッと開いて、中にアクセスできる。そして、ゴムバンドに自慢の筆記具を挟んで固定し、再びフタを閉じると、まるでショーケースにいれたような形で筆記具を飾ることが可能になる、というわけ。例えば、大事な万年筆や宝物のシャープペンシル、プレゼントにもらったボールペンなど、特別な筆記用具を収納すると、まるで展示、もしくは額装したような印象になる。

↑磁石で貼り付いている上面フタをパカッと持ち上げてオープン。本体とはベルトで連結されたヒンジレス構造となっている

 

↑筆者愛用、一点物の木軸ボールペンを飾ってみた。見た目にも「いいものを飾ってる」感が高まって嬉しい

 

一般的な透明素材の “見せペンケース” は、全周が透けていることが多い。つまり、持っている文房具をまとめて見せることができるのだが、「こう見せたい」という意図での見え方を決めることが難しい。

 

対して、フレームペンケースは、最初から見せたい筆記具を1~2本飾るだけ、という使い方に限定することで、より確実に「見せたい・魅せたい」方へとフォーカスして中身を見せることができる、という仕組みだ。

↑ごく普通の150円ボールペンも、フレームペンケースで飾ればこの通り、高級感があるように見える

 

“見せ”要素に特化した、ペンを運ぶこともできる展示ケース

ちなみに、フタは本体にベルトで接合しているので、そのまま裏側に折り込むことも可能。フルオープンで固定できるので、筆記具の出し入れがしやすいペントレーとしても使うことができる。とはいえ、そもそもが収納量が少ないので、トレーになったから実用的というわけでもないが、机の上に置いておくだけで、高級感や特別感を与えてくれるアイテムになるのは嬉しいところ。

↑フタを360度折り返すようにすると、ペントレーに変身

 

↑フチが高いのでトレーとして使いやすいとは言い難いが、置いておくだけでちょっとデスク周りが高級っぽくはなるかも

 

使用するにあたり個人的に気になるのは、PVC窓の耐久性である。PVCは擦り傷に弱いため、使用しているうちに細かな擦り傷が付いてしまうのは避けられないだろう。その結果、傷によって窓がくもってしまうと高級感はガクンと下がってしまうし、飾っていても楽しくなくなってしまう。基本的に塩ビのくもりを元に戻すのは不可能なので、できる限り気をつけて使う、というシンプルな使用方法が正解らしい。

↑底面はベロア調の柔らかな起毛素材で、大事なペンを傷つけにくい仕様だ

 

文房具の運搬コンテナとして考えると、当然ながら機能的にはかなり劣っている。何故なら、筆記具1〜2本しか収納できないのだから、それは仕方がない。ただし、筆記具を高級感のある雰囲気で飾る機能に関しては、これまでにないほど優秀……というか、ここまで “見せ” 要素に特化したペンケースは他になく、非常にユニークな製品と言える。

↑ペンケースとして携帯するとこんな感じ。少し仰々しいぐらいに高級感ある雰囲気になるところが面白い

 

大事な筆記具の展示収納ケースとして使うとウットリするぐらい格好良いので、ぜひデスク上でのマイコレクション展示に使ってみて欲しい。

 

ペンからスマホ・イヤホンまでまとめて斜めがけ! クツワ「文具エプロンバッグ ミニ」は高機能サコッシュの決定版では?

日常的に携帯しておく必要のあるもの、というのは人それぞれだと思う。例えば筆者の場合、まず何はなくともスマホは絶対に必要だし、それに加えてペンとメモ帳、ペン型ハサミ、ワイヤレスイヤホンあたりは常に身近にないと困る。これらのツールは基本的にすぐ使いたいものなので、「使いたい」と感じて2〜3秒以内には手元に取り出せているのが望ましい。

 

単に携帯したいだけなら、ポーチやペンケースにまとめてカバンに突っ込んでおけばいいのだが、問題はこの「すぐ使いたい」というところ。必要なものはサクッと取り出して、シュッと元に戻したい。そこでオススメなのが、いわゆる “腰袋” と呼ばれるタイプの収納ポーチだ。

 

スマホ+文房具が常時携帯できる「腰提げペンケース」

腰袋は、一般的に建築現場などで、作業をしている人の腰にぶら下がっている「工具類がいろいろ入ったポーチ」のことを指す。もしくは、美容師がハサミやクシなどを何本も腰袋に提げているのも、わりとお馴染みの光景だと思う。要するに、腰からぶら下げることのできるポーチであり、増設タイプのポケットみたいなものだと考えてもらえばいい。

 

ということで、今回オススメしたいのが、クツワ「文具エプロンバッグ ミニ」。工事現場用や美容師用の腰袋はどうしてもサイズが大きくなってしまうが、こちらは文房具メーカーが作ったものだけに、スマホ+文房具がいくつか収納できるぐらいの、ちょうど欲しかったサイズ感(H175×W145×D20mm)なのである。

クツワ
文具エプロンバッグ ミニ
1600円(税別)

 

感覚的には、腰から提げるペンケース、といった感じだろうか。ちなみにこの製品は2023年秋にリニューアルされたが、ネットショップなどではまだ以前の旧タイプも併売されているので、そこは要注意。今回は新モデル準拠で話を進めさせてもらおう。

 

収納部の構成だが、まず最後面にマチ付きの大ポケット(内部に仕切り付き)があり、その次が一段低い中ポケット幅の狭い小ポケット、そして最前面がメッシュポケットになっている。サイズが合えばどこに何を入れても自由だが、とりあえず大ポケットはスマホを収納しておくのに良さそう。筆者は6.7インチのiPhone 12 Pro Maxを入れているが、特にキツいとかはみ出すようなこともなく、スポスポと出し入れできている。

↑新モデルは最前面のポケットがメッシュタイプになっているのが識別ポイント

 

↑大ポケットは、6.7インチのiPhone Pro 12 Maxが入ってもこれぐらいの余裕がある。取り出す際に指もズボッと入れやすい

 

中ポケットはマチがないため、基本的には薄物用と考えた方が良さそう。リングメモや小型の手帳のほか、IDケースを一時的に収納するなんて使い方もいいだろう。高さは、標準的なボールペンを挿して、クリップがちょうどポケットのフチにかかるぐらいとなっている。

 

小ポケットは幅狭なので、収納物をちょっと選ぶ感じ。事務職の人ならシヤチハタ印を入れておくと便利かもしれない。ちなみに、筆者は冬場には手放せないリップクリームをここに入れている。

↑リップクリームやボールペンなど、いざというときにサッと使いたいツール類がまとめて携帯できる

 

リニューアルで新たに設けられたメッシュポケットは、フチゴムの弾力のおかげで、厚物を入れてもポロ落ちしにくいのがポイント。例えば、ワイヤレスイヤホンの充電ケースはコロンとした形状で意外と携帯しづらかったりするが、このメッシュポケットならピタッと収まってくれるのだ。

↑厚物を落とす心配なく収納できるメッシュポケット。正直、これがあるからリニューアル版を推しているところはある

 

腰への装着方法は3種類から選択可能

腰袋というからにはもちろん腰から提げて使うわけだが、この提げ方に関しては、(1)カラビナ (2)ベルトループ (3)専用ベルト(別売 550円)の3種類から選ぶことができる。この辺りは個人的な運用方法や好みもあるので、どれがベストかは一口に言うことはできないが、それぞれ使用感がかなり変わってくるので、できれば一通りは試してみるのが良さそうだ。

↑大きめのカラビナとベルトループは背面に備わっている

 

カラビナはベルトやベルト通しにひっかけるだけなので、装着は最も簡単。気軽に使うならばこれがベストだ。ただし1点で吊すのに加えて、腰からちょっと離れた位置にくるため、ブラブラと揺れやすくなってしまう。歩いているだけでもかなり揺れるので、それが気になる人には向かないだろう。

↑カラビナをパンツのベルト通しに引っ掛けて装着。手っ取り早いが、ブラブラと揺れるのが少し気になる

 

対してベルトループは2本のループにベルトを通すので、安定感はとても高い。揺れもほぼ発生しないし、身体の重心に近いところに固定できるので、腰袋自体の重さを感じにくいのもありがたいところだ。唯一の難点は、装着時にベルトが必須なこと。女性だとパンツやスカートにベルトを通さないことも多いので、その時点でこの方法は使えないわけだ。

↑本体ループにベルトを通して装着。これは文句のない安定性だが、咄嗟にベルトから外すことができないのが惜しい

 

筆者が普段から使っているのは、専用ベルトである。この専用ベルトの両端を本体左右のD環に付けることで、簡易的なヒップバッグのように運用することが可能になる。これなら装着は比較的簡単だし、ブラブラと揺れることもない。もちろんベルトを使わない衣服でも装着できるし、ベルトの長さを調節すれば、サコッシュのように肩掛けで使うことも可能だ。ベルトが別売りなのでコストはかかるが、個人的にはこれが一番使いやすいと思っている。

↑専用ベルトを腰に巻いて装着。安定性と装着の手軽さを両立するならこれがオススメ

 

↑肩掛けで使うと、スマホはさらに出し入れしやすくなる

 

普段からジャケットを着用しない人は、とにかくスマホの携帯場所に困りがち。パンツポケットに入れると型崩れするし、カバンに入れておくと、とっさに電話がかかってきても対応しづらい。そうなると、やはり腰袋の使用がベストアンサーではないかと思うのだ。スマホ+文房具に素早くアクセスできる携帯タイプのペンケースとして、「何かスマートな持ち運び方法はないかな~」と思っていた人や腰袋未体験の人にはぜひ試してもらいたい。

 

ハサミも入る大容量なのに倒れないなんて!自立するペンケース「エアピタファスナー」がデスクワークに勧めたい4つの理由

2006年発売のコクヨ「ネオクリッツ」を元祖とした自立型ペンケースは、15年以上経った現在でも人気が高い。むしろ、今やペンケースのひとつのジャンルとして定着した感がある。何と言っても、狭い机の上でも場所を取らないうえに、使いたいペンにすぐ手が届くアクセスの良さは、一度慣れるともう普通のポーチ型ペンケースには戻れないほどである。なかでも、“倒れない” 機能を備えたペンケースは特に人気である。

 

その代表的な商品のひとつに、2020年に発売し、第9回文房具総選挙「収納する」部門で堂々の1位にも輝いたクツワ「エアピタがある。同商品は底面に吸盤を備えており、これで机の天板にピタッと吸着して自らを固定することで倒れなくなるという仕組みである。それだけで使いやすさが大幅にアップするのだが、このシリコン製のファニーな外見が、大人としてはちょっと使いづらいなーと感じる人も多かったのではないだろうか。

↑吸盤でピタッとくっつく、2020年に発売されたクツワの自立型ペンケース「エアピタ」

 

社会人でも気兼ねなく使える、
吸盤で立つ自立型ペンケース

個人的にはシリコンがま口のエアピタはかわいくて好みではあるのだが、一般的な社会人がオフィスで使っていると、人によっては意外性からチラッと二度見ぐらいはされるかもしれない。もちろん、どんなデザインを使おうと自由ではある。だが、シャイな社会人にとっては、なかなかに使いづらいデザインでもある、ということ。便利なだけにもったいないなーと思っていたら、案の定そういうニーズがあったようで、このほど新たに布タイプの「エアピタファスナー」が登場した。

クツワ
エアピタファスナー
1800円(税別)

 

エアピタがシリコン素材に金属フレーム入りのがま口開口だったのに対して、エアピタファスナーはポリエステル生地にファスナー開口に。素材の軽さに加えて内部フレームを廃したことで、重量が約半分(176g→90g)にまで軽量化されたのは、地味に嬉しいポイントだ。

 

自立させるときは、ただトンと机の上に置くだけ。実はこの時点ですでに吸盤が機能しており、あとは本体を揺らそうが、大きく傾けようが、ピタッとくっついたままという優れものだ。

 

狭い机の上だと、立たせていたペンケースにノートPCのモニターが当たって倒れる、というケースもよくあるが、当然その程度の衝撃ではビクともしない。なんなら、そのまま逆さまにする勢いで本体を曲げても、くっついたままになるほどの吸着力である。

 

吸盤の役割を果たしているペンケース底の薄いシリコンの円盤は、一見すると「こんなペラペラでくっつくの!?」と疑念が湧いてしまうが、実際に立ててみると、その強力さを実感できる。エアピタシリーズを初めて触った人は、だいたいこの時点で「くっつけるつもりが無かったのに、持ち上げられない!」と慌てるはずだ。そう、そのぐらいにしっかり、ピッタリと吸着してくれるというわけ。

↑平面に置くだけで吸着する、底部のシリコン吸盤

 

「そんなに強力じゃ、剥がすときに面倒なんじゃない?」と思う人もいるだろうが、ご安心を。吸盤を剥がすときは、底部正面の「air pita!」と刻印されたタブを軽く押しながら持ち上げればOK。これだけで吸盤内に空気が入って、簡単に持ち上げることができる。

 

逆に言うと、このタブを押さない限り、ただ垂直に引っぱるだけでは簡単には剝がれない。実際に計測してみたわけではないが、筆者の経験から考察するに、まず耐荷重2kg以下ということはないだろう。

↑吸盤の耐荷重は公表されていないが、約500gのタブレットを吊り上げるぐらいは造作もない

 

使いたいペンにサッと手が届く

ファスナー(両開きできるWファスナー)を開けると、内部は大きな荷室+上部に消しゴムなどの小物を収納するポケット1つという構成。荷室の容量は、ボールペン15〜20本ぐらいが余裕で飲み込めるサイズとなっている。吸盤のおかげで、ハサミやカッターなどの重量物を多めに入れても倒れにくいので、工作用のツールポーチとしても使いやすそうだ。

↑ペン15本を収納した状態

 

↑エアピタファスナーから新たに追加された小物ポケット

 

さらに、フタをガバッと開けて本体に押し付けると、内蔵のマグネットで開いたままで固定することも可能だ。これによって中身の出し入れはとてもスムーズ。閲覧性も高く、使いたいペンにサッと手が届くはずだ。ただし、ファスナーの開き具合によってはマグネットが上手く効かず、フタが戻ってしまうこともあった。磁力そのものはさほど強くはないので、開けっ放しにしたい場合はフタを本体にグッと押し付けるようにするのがコツだ。

↑フタは内蔵磁石でくっつけて固定できる。ただし磁力は弱めなので、フタを意識してしっかり折り曲げるのがコツ

 

スマホの縦置き・横置きに対応

フタの端にあるベロにスマホを引っ掛けるようにして置くと、縦置き・横置きどちらでも安定して立たせられるスマホスタンドとしても機能する。狭い机の上が書類やノートPC、文房具などでゴチャゴチャしていると、スマホの置き場所に困ることもよくある。ゆえに、ペンケースにスマホスタンド機能があると、意外とありがたいのだ。もちろん、動画視聴やビデオ会議にも間違いなく重宝するだろう。

↑スマホの置き場として重宝するスタンド機能。仕事の気分転換に動画を眺めるときにも便利だ

 

ちなみに、これは筆者の主観に過ぎないのだが、これまでに発売されていた「倒れない自立型ペンケース」は、透明プラだったり、エアピタのようにシリコンでパステルカラーだったりと、なぜかファニー要素強めのものが多かった。その点、エアピタファスナーは、初の「オフィスでも使いやすい、倒れない自立型」と言えそうだ。

 

機能的にはとにかく便利なのは間違いないので、これまで遠巻きに眺めているだけだった人も、ぜひエアピタファスナーを導入して吸盤でピタッとくっつく快適さを体験してほしい。

 

手帳に“着せる”という新発想! 収納ポーチ「手帳のはらまき」の包容力に気持ちまで温まる!

例えば社内の会議室でミーティングがあったとして、そこにあれこれ荷物を抱えて移動するのは面倒くさいもの。できるだけ身軽な状態でサッと行けた方が良いのは当然だろう。

 

叶うならば  “手帳ひとつ持っただけ” ぐらいが理想なのだが、ペンケースやスマホはどうしても必要だし、それならアレも、コレも……などと考えてるうちに、バッグをまるごと抱えて移動していたりする。

 

結局のところ「持ち歩く容量はここまで!」ときちんと決めない限り、どうしても荷物は増えてしまう。だから、例えば社内移動用に小さめなミーティングバッグを導入して、ここから溢れるものはもう持ち歩かない、と自分でルール決めしてしまうのが有効だったりする。よりミニマム化を検討するなら、手帳にプラスオンできる収納ポーチが面白そうだ。これならまさに “手帳ひとつ持っただけ” の軽快スタイルが実現できるのではないだろうか。

 

手帳に着せる “腹巻き” みたいな収納ポーチ

デザインフィルから発売された「手帳のはらまき」は、その名の通り、手帳にかぶせるニットの腹巻きみたいな収納ポーチだ。素材としては、ニットの産地として知られる新潟県五泉市の五泉ニットを使用。厚みは春秋用ニット靴下ぐらい、と言えば伝わるだろうか。ぼってりと厚いわけではないが、伸縮性がありつつもしっかり丈夫そうな手触りだ。

デザインフィル
手帳のはらまき
2600円(税別)
4色展開

 

ラインナップは、単色でソフトな雰囲気のケーブル編みと、ツートーンでシンプルなリブ編みの各2色で全4色展開。編みのタイプで機能は変わらなそうなので、ここは単純に好みで選んで良さそう。愛用の手帳(対応サイズはA6〜B6)に着せてあげると、お腹の冷えない暖かそうなルックスになって、めちゃくちゃかわいい。正直、この見た目だけでも欲しくなってる人は多いのではないだろうか。

↑ラインナップは全4色。上段:ケーブル編み(紺/黄色)、下段:リブ編み(ツートーン薄紫/ツートーン水色)

 

使い方はいたってシンプル。手帳のはらまきをスポッとかぶせることによって、手帳が勝手に開かないよう、ブックバンドとして機能する。もちろん、スナップやゴムベルトだけのブックバンドと違って、いちいち脱ぎ着させてやらねばならず、作業としては少々面倒くさい。しかし、バンドより腹巻きのほうが絶対にかわいいので、そこは許してほしい。とはいえ、PVCの透明カバーで角が尖っている手帳だと、脱ぎ着させる際にどうしても引っかかりを感じてしまう。これを何度も繰り返すと、ニットだけに擦り切れる可能性はどうしてもありそうなので、そこは注意したい。

↑B6スリムサイズの手帳に装着中……といっても、単にスポッとかぶせるだけ

 

↑腹巻きを着たMy手帳。ホカホカした見た目がかわいい

 

↑こちらは、A6サイズの手帳に着せてみた図。上から詰めるように丈を調整できる

 

ポーチとしての収納力は意外とたっぷり

さて、この手帳のはらまきは、フタのようになっている折り返し部分をめくり上げると、ポケットが現れる。ここを収納に使うことで、ポーチとして機能するというわけだ。ポケットは、表側が細/広の2分割、裏側が分割無しの全面収納になっている。ペン類なら細いポケットが安定するし、サブ手帳やスマホは広い全面ポケットがちょうどいいサイズだ。

↑広いポケットはiPhoneのPro Maxがジャスト幅

 

↑裏側のポケットは全幅なので、スプレーボトルなど多少厚みがあるものでも飲み込んでくれる

 

ニットなのでかなり伸縮性があり、思った以上に収納力もある印象。完全ワイヤレスイヤホンのケースなど、ころんと厚みのあるものでも余裕で収納できた。フタを被せれば手帳を逆さにしても簡単には中身が落ちないので、そのまま持ち歩く場合もなかなかの安心感があった。

↑どれぐらい入るか試してみた状態。これだけパンパンに膨らんでいても、フタのおかげでこぼれ出るような心配はない(見た目はさすがに目一杯という感じで苦しそうだが)

 

↑ちなみに上写真はこれだけのものが入っていた。ほぼサブバッグ感覚の収納力と言えそう

 

ただし、できれば入れない方が良さそうなのが、ノック式のボールペンとシャープペンシルである。

 

ノック式ボールペンはフタをかぶせた上から圧が掛かることでノックが押されてしまい、気付かぬ間にペン先が出てポケット底がインクまみれ……というトラブルが発生する可能性が高い。シャープペンシルはガイドパイプがニットをあっさり突き破るので、ポケット底にダメージを与えるし、なによりこのケースだとうっかり手に刺さる危険性もある。

 

なので、ノック式のペンを入れる場合は、上から押されにくいサイドノックの多色/多機能ペンの方が相性が良さそうだ。

↑ノック式ボールペンを収納すると、フタをかぶせたときにうっかりノックが押し込まれてしまう危険あり

 

話を聞いていると「使うのちょっと面倒そう……」と、感じてしまう人もいるかもしれない。正直なところ、もろ手を挙げて万全に便利! というタイプの製品でないのは確かなのだが……しかし、手帳に着せたときのかわいさを一度目にしてしまうと、ただ使いにくいというだけでは否定できない魅力もあるのだ。愛用の手帳がニットの腹巻きをしているところを想像してみたら、ほら、やっぱり最高にかわいくない!?

↑持った時のニットの手触りも大きなポイントのひとつ

 

さらに、温もりのある手触りなのも嬉しいところ。手にした時にひんやりしないというのは、寒い季節には特にありがたみが増すというもの。冬本番を迎えて、思わず肩をすくめてしまう寒さが続くなか、見た目も手触りも暖かな手帳のはらまきは、今シーズンイチ推しの手帳オプションと言えそうだ。

 

ペンケースなのにそんな機能が!? フッカフカの動物たちが果たす「リララペンケース」の意外な役割と使い心地とは?

「便利なペンケース」とひとくちに言っても、その “便利” がどこにかかっているかで、印象は違ってくる。例えば、整理収納しやすくて便利ということもあれば、筆記具が取り出しやすくて便利ということもあるだろう。場合によっては、扇風機が付いているから夏場は涼しくて便利ということだって考えられる(実際にそういうペンケースも存在する)。

 

つまり、ユーザーが何を求めるか次第で、便利なペンケースにもいろいろあるね、という話なのだが。数ある便利なペンケースのなかで今年、筆者が「おっ、便利だな」と思ったのが、クツワの「リララペンケース」である。

 

ぶっちゃけて言えば、ペンケースとしての容量は少ないし、中身の出し入れもしづらい。しかし、ある一点においては従来のペンケース全てに勝る便利さがあると感じたのだ。

 

手首を乗せると快適な、おそらく唯一無二のペンケース

あらためて紹介すると、2023年3月に発売されたリララペンケースは、これまでになかった特殊な機能を備えたペンケースだ。機能だけと侮るなかれ。このペンケース、ルックスがすごくかわいいのだ。

クツワ
リララペンケース
1800円(税別)
全6種(ナマケモノ/カワウソ/シロクマ/柴犬/サバトラ/ハチワレ)

 

リララは、6種類の動物モチーフがラインアップされたぬいぐるみ系ペンケースであり、どれを選んでもかわいい(二度目)。定番の柴犬やハチワレのほかに、ナマケモノやカワウソなどの変わり種で、でも間違いなくかわいいコ(三度目)たちがラインアップされているのは、なかなかにいい感じである。彼らのボディには綿がみちっと詰まっているので、フッカフカなのも大変にかわいい(四度目)。

↑犬・猫といったベーシックラインに加えて、ちょっと変わり種がいるのも楽しい

 

とはいえ、ただかわいいだけのペンケースなら他にいくらでもあるだろう。リララペンケースが唯一無二なのは、あくまでもその機能によるものだ。ということで、早速機能の説明をしていこう。

 

まず、使う際には、内蔵マグネットで二つ折りに固定されていた本体を伸ばして、PCのキーボード前に置く。その上に手首を乗せると、いわゆるリストレストになるという仕組みだ。

↑マグネットでくっついているところをはずして、伸ばして……

 

↑リストレストに早変わり!

 

↑フカッと柔らかく手首を支えてくれるので、長時間のタイピングもラクなのだ

 

これまでに数多のペンケースを見てきたが、リストレスト機能を持つ製品は初見だ。中綿にかなり弾力があるので、手首を乗せたときのフカフカ感と安定感は抜群。さらに、表面が柔らかなストレッチ生地なので、サラサラとした滑らかな肌触りも気持ちよい。シンプルに、携帯リストレストとしてけっこう優秀な印象である。

↑綿の弾力とストレッチ素材のサラサラ感がとても気持ちいい

 

カフェなどでPC作業をするとき、机の高さが低すぎるために手首が反って痛くなる、というケースは地味に多いと思う。リストレストはその対策としては間違いないが、だからといって都度持ち歩くか? と問われると、そこまでではない、というのが正直なところ。だが、ペンケースとして持ち歩いているものがリストレストとして兼用できるというなら、それは意外とありがたいのではないだろうか。

 

容量は少ないけど、それなりに使えそう

ペンケースの機能としては、冒頭でも述べたとおり、便利とは言い難い。ファスナーで側面までガバッと大きく開口はするが、中身が綿の圧力でムギュッと押し潰されているため、スムーズに中身を出しにくいのだ。

↑側面いっぱいに続くファスナーを開けるとこんな感じ。開口は大きいが、綿のボリュームで中までの見通しがききづらい

 

パンパンに詰まった綿のせいで、見た目のサイズに比して容量も少なめ。収納スペースはふたつに振り分けられているが、それぞれペン3本入ればいいところだろう。

 

とはいえ、社会人の平均的な筆記具運用を考えると、それぐらいで充分じゃない? という考え方もできる。例えば片側にはペンを数本入れ、もう片側にはUSBケーブルやビデオ会議用のイヤホンマイクを入れておく、というのもアリかも。

↑ペンを3〜4本ほど入れると、もうギュウギュウになってしまう

 

↑厚みのあるものを収納するには向いていないので、USBケーブルぐらいがちょうど良さそう

 

ちなみに、「リストレストとして使うときに、中のモノの感触が手首に伝わるんじゃないの?」という疑問もあるかもしれない。確かに、ペンの硬さが手首に響いてしまうと、せっかくのフカフカ感が台無しになりそうだが、実際に試してみた実感としては、中身の感触はほとんど気にならなかった。もちろん厚みは増えるが、綿のボリュームがしっかりしているからか、ペンの硬さなどが完全に吸収されるようだ。今後ずっと使い続けて綿がヘタッてくればタッチも変わってくるだろうが、ひとまず当分は問題無さそうに感じた。

↑ペンなどをしっかりと収納した状態で試用中。少し高さが出るぐらいで、中身の感触はほぼ感じられなかった

 

もうひとつ、これは使用感には直接関係ない部分なので、余談として。開口用のジッパーに尻尾のようなチャームが付いているのだが、これの手触りがフワッフワで、めっっっっちゃくちゃ気持ちいいのである。筆者は重度の手触りフェチなので、このフワフワを撫で始めると止まらなくなってしまう。それはもう、かなり意識して止めようとしないと、止まらないレベルで。

↑手触りフェチにはたまらない、フワッフワのチャーム。本当に気持ち良すぎて撫でるのが止められないのだ

 

リララはかわいらしいデザインが特徴なので、年齢・性別・社会的な立場などで「こんなかわいいの、恥ずかしくて使いづらいよ」と感じる人も多いかもしれない。が、逆に「見た目がかわいい! 好き!」と思ったり、「尻尾チャームのフワッフワが気になる!」と感じたりしたのであれば、これはもう買って、かわいさも手触りも堪能してみてほしい。もし、人目が気になるのなら、一人でコソッと使ったって構わない。なぜなら、かわいくて手触りの良いものを諦める方がずっとストレスフルなはずだから。

 

マグネットでここまで便利になるとは!厚さ15mmのナカバヤシ「neoformマルチペンケース」が社会人向けと断言する理由

ここ数年の内に発売された機能性ペンケース(ペン立てやトレーに変形するなどの機能を持つもの)は、学生を想定して作られているのか、容量が筆記具10本以上という大ぶりなものが多かった。ラインマーカーやカラーペンを大量に携行する学生にはそれが正解なのだろうが、筆記具が数本で事足りる社会人にとっては明らかなオーバースペックと言えるだろう。

 

また、学校と自室が主な作業空間である学生と違って、社会人は外出先などさまざまな場所でペンケースを広げることが想定される。つまり、学生と社会人では、ペンケースに必要とされる容量と機能が全く別物なのである。では、社会人に便利なペンケースはなにか? というと、まずは低容量コンパクト。さらには、さまざまな局面で広げやすい機能も欲しいところだ。

 

ジャストサイズの「こういうのが欲しかった」ペンケース

冒頭で述べたとおり、便利な機能性ペンケースはどうしても大容量になりがち。そんななかで2023年5月に発売されたナカバヤシ「neoformマルチペンケース」は、ペン数本+αぐらいの必要充分容量ながら便利な機能が盛り込まれた、「そうそう、こういうのが欲しかったんだ」的な製品なのである。

ナカバヤシ
neoform マルチペンケース
2200円(税別)
4色展開

 

まずありがたいのが、本体の薄さ。ケース自体のマチ厚が約15mmと、ペンを入れても手帳とさほど変わらない程度の厚みだ。これなら、パンパンに膨らんだ仕事カバンにでも、なんとか隙間に詰め込めるのではないだろうか。

↑横から見た厚み。約15mmなので、カバンの中でも場所をそれほど取らない

 

薄いだけあって、収納力はペンが横一列+定規のような薄物が入っていっぱい、ぐらい。使用感は、ペン5本と定規を入れて少し余裕があるぐらいがジャストの印象だ。縦型ポーチ形状なので、消しゴムやシャー芯といった小物類は、底に沈まないように専用スペースに通しておくと使いやすい。

↑無理に詰め込んで膨らませると使いづらいので、収納はこれぐらいにしておくのがコツだ

 

↑底に沈みそうな小物は、ここに差し込んでおくべし

 

使う場所に合わせてマルチに展開

このペンケースがユニークなのは、あちこちにマグネットが仕込まれている、というところ。まず平置きして使いたい場合は、ジッパーを開けて前面フタ(小物スペースのある側)を折り返す。すると、内蔵されたマグネットでピタリと開けっ放しに固定され、フタが生地の弾力で戻ってくることがないので、常に安定すると言う仕組みだ。

↑赤で示した部分にマグネットが入っており、折った前面フタを押し当てるとピタリと固定可能

 

また、背面フタも折り返しながら真ん中で山折りにすると、これもマグネットでくっつくことで自立する支えとなってペンスタンドに変形完了。平置き時に比べて、底面シルエットが半分ぐらいに減るので、狭い机でもコンパクトに展開できるわけだ。

↑背面フタを真ん中からつまむように折ると……

 

↑ペンの出し入れがしやすいペンスタンド形状にも早変わり

 

自立中に小物スペースを引き出してスマホを乗せると、スマホスタンドにも早変わり。作業しながらビデオ会議に参加したり、休憩中に動画を観たりするときなど、これもわりと「あると嬉しい」系の機能だと思う。

↑小物スペースにスマホを乗せて動画を見たり、Web会議に参加したり。スマホスタンド機能はわりと重宝する

 

コワーキングスペースなどで周囲にパーテーションがある環境なら、このペンケース自体をマグネットで壁面にぺたりと貼ってしまう、という使い方もできる(もちろん金属パーテーション限定だが)。宙に浮かしておけばもちろん最強の省スペース化なので、これもまた便利である。

↑スチール面に貼り付けての吊り下げ使用もOK。耐荷重は約150gとなっている

 

トレー/スタンド/吊り下げ、と3タイプに展開できることで、作業スペースをかなり有効活用できるのは間違いない。そもそもコンパクトだから小回りも効くし。なにより、「ペン数本でいいんだよ」というライトユーザー層向けに作られた機能性ペンケースは、これまでほとんど無かったので、「機能性ペンケース、デカすぎるよ~ッ」とはまってなかった層にとって、今後注目されるジャンルになるかもしれない。

 

ペンケースに進化の余地がまだあったのか! ナカバヤシ「スマウス」のPC横を定位置にしたくなるもうひとつの機能

かつては単なる “筆記具を入れて持ち運ぶ箱” に過ぎなかったペンケースだが、近年、その進化が止まらない。例えば、コクヨ「ネオクリッツ」は、自立してスリムなペンスタンドになるという変形機能があり、ノートPCやタブレットを置いて狭くなった作業スペースが有効に使える、と人気となったアイテムだ。類似の機能を持ったペンケースが各社から多数発売されており、今や自立ペンケースは一大ジャンルとして成立しているほどである。

 

とはいえ、デジタル機器に追いやられて省スペース化前提のデザインばかり、というのは少々寂しい気持ちになる。PCに寄り添うことで、別方向の生存戦略として生き残るというのもありではないだろうか?

 

PCに寄り添うことで真価を発揮する機能性ペンケース

2023年10月末にナカバヤシから発売された「スマウス」は、まさにPCとセットで使うのを前提に作られた新しいペンケースだ。見た目には太めの三角柱型セミハードケースなので、一見すると省スペースで使えるようなタイプには思えない。

 

ナカバヤシ
スマウス
2500円(税別)

 

ではデスクのどこに配置すればいいのか? というと、答えはズバリ、PCの真横。なんとこのペンケース、変形してマウスパッドになるという予想外な飛び道具を持っているのである。使う際には、三角柱側面に折りたたまれたタブをパタパタと展開していく。すると、このタブがそのままマウスパッドに早変わり、という仕組みだ。

↑磁石で本体に貼り付いていたタブをめくるように開く

 

パッド面は幅200mm×奥行160mmとコンパクトだが、実際に使ってみたところ、小さめなマウスを使う限りは特に操作しづらいと感じることもなかった。

↑ワンアクションでマウスパッドに変形。コンパクトだが使いやすさは十分だ

 

フリーアドレスのオフィスでは、マウスパッドをセットで持ち運ぶのは面倒くさい。かといって、机の上でダイレクトにマウスを動かすと、机の天板にぶつかってカツカツと硬い音がうるさく感じるし、天板の材質によっては光学/レーザー式マウスがうまく反応しないということもありうる。そういう場合にはやはりマウスパッドは欠かせないので、ペンケースと一体化して持ち運べる点は充分に価値があるといえよう。これによって省スペース化できるわけではないが、置き場所が常にピタッと決まる点はなかなかスマートだ。

 

パッド面はフェルトのようなマットな手触りで、レーザーマウスの反応も良く、手触りもなかなかに気持ち良い。パッドとして敷いている裏面にはエラストマーのすべり止めラインが入っているので、使っている間にズレ動いてイラつくようなこともないはず。

↑ペンケース表側に入っていた2本線のエラストマーがすべり止めになる。ケース底部にも同機能が備わっているので、使用中にズレる心配もない

 

さらに、パッド上部に付いている小さな合皮製のタブを活用すれば、スマホスタンドとして使用することも可能。ビデオ通話やWeb会議、動画閲覧など、PCと合わせて作業する際にこれは便利だ。

↑程よい角度で画面が見やすい、スマホスタンド機能も備わっている

 

ペンケースとしてはちょっと不満も……?

ちなみに、ペンケースから中身を取り出す場合は、三角柱の頂点をパカッと開くだけ。開閉部分は磁石でピタッととまるので、カバンの中などでもパカパカと開くことはない。底面幅は約80mmとかなり大きく、容量も充分以上といった印象。筆記具だけでも20本ぐらいは収納できるので、ペンケースとしての物足りなさは感じないだろう。とはいえ、入れすぎると重量がかさんで、開閉用の磁石が耐えきれず勝手に開いてしまうことはあるかもしれない。実際に使ってみた体感としては、ペン10本前後が程よい量かな、という感じ。小さなガジェットやケーブル類を収納するポーチとして使うのも良さそうだ。

↑開閉は磁石でくっついている三角形の頂点をパカッと割り開く方式

 

↑写真は、ペン7本+シャープ芯+消しゴムを入れた場合。まだかなり余裕があるが、これぐらいの方が開閉しやすく使い勝手は良い感じだった

 

ただし、机に置いたままの状態だとやや開きにくく、また開いたままで固定できない点は、やや使いづらさを感じるかもしれない。このようにペンケースとしての不満点はいくつかあるが、マウスパッド兼用ペンケースという機能は他に類を見ないものだ。マウスパッドとしてはさほど不満もないので、使ってみたら意外と便利! と感じたのも事実。

↑使用中に気付いたテク。マウスパッド端を支点に本体を傾けて口を開くと、中身が見渡せて出し入れもしやすい

 

さすがに万人にオススメとは言い難いが、「ペンケースとマウスパッドが合体したやつ、待ってた!」という人はきっといるはずなので、そんな人にこの記事が届くことを願っている。

 

ファスナー式とスリット式の2ポケット仕様! メッシュペンケース「slish(スリッシュ)」は実際どう使うのが正解?

透明ペンケースが2022年から2023年にかけてトレンドとなっているが、「気軽には試しづらいな」と感じている人も多いのではないだろうか? PVC(塩ビ)素材のペカペカしたチープさが苦手だったり、女子中高生が使うものだろうという思い込みもあったりして、“大人” が使うにはなかなかハードルは高いものだ。(ちなみに、筆者が使っても周囲からはさほど気にされないが)

 

とはいえ透明ペンケースは、運用上のメリットが意外なほど大きい。中が丸見えなので使いたいペンを探すことなくサッと取り出せたり、小物の紛失にすぐ気付けたりと、実用的にも、流行っているのは伊達ではない。まずは「いい歳した大人でも使いやすいデザインの透明ペンケース」から、その価値を試してみてはいかがだろうか?

コクヨ
ペンケース<slish(スリッシュ)>
800円(税別)
全4色展開

 

大人でも使いやすい、透け感が魅力のメッシュペンケース

コクヨの「slish(スリッシュ)」は、ジャンルとしては透明ペンケースだが、PVCではなくナイロンメッシュ素材が採用されている。ツルツル・ペカペカせずしっとりとしたマットな見た目なので、カラーさえ選べば、全年齢で使いやすい雰囲気といえるだろう。

 

有り体に言えば “網戸” みたいなものなので、中身もそれなりに透けて見える。どのペンがどこに入っているのか? 消しゴムはどこにあるのか? 放り込んでおいたはずのUSBメモリは間違いなく入っているのか? それらがすべて、いちいちファスナーを開けてゴソゴソ探すことなく一目瞭然、というわけだ。特に忘れ物や小物の紛失が多いタイプの人には、これだけでも使うメリットが大きいのではないだろうか。

 

↑PVCほどの透明感はないけど、それでも中になにが入っているのか一目瞭然だ

 

ケースは表裏の二面構造で、表面は一般的なファスナー式ポケット。対して裏面は、中身が出し入れしやすいようスリット式を採用している。スリット部分はファスナーレスで、いわばポケットティッシュの開口部のような感じ。ここへダイレクトに指を入れて、ペンをつまみ出すことができるというわけ。メッシュ素材だから必要なものがサッと見つかり、さらにスリットからスムーズに取り出せる。これは使ってみるとかなり便利に感じるはずだ。

 

↑ユニークなスリット式の開口ポケット。いちいちファスナーやボタンで開け閉めする手間がなく、使いやすい

 

↑スリット辺にぬい付けられたフチが板バネ口金のように機能して、ペンなどの落下を防ぐ構造が面白い

 

スリット辺には厚めにフチが縫い付けてあり、程良いバネのような弾力が開口を押さえつけてくれる。これにより、スリットが開いて中身が勝手に転がり出るような危険性も少なくなる……という仕組みだ。ただし、ポーチが膨れるほどにペンを入れると、厚みによって口が開きやすくなってしまう可能性もあるので、容量的にはペン2~3本+α程度に止めておくのが良さそうだ。

 

文房具専用に設計されたサイズ感も高評価

一方、表面のファスナー式ポケットはもう少し容量に余裕があり、だいたいペン4〜5本+消しゴムやテープのりなどの小物を収納することができる。実際に使った感覚としては、使用頻度の高いメイン筆記具+αをスリット側に、予備や頻繁には使わないマーカー類をファスナー側に入れると使いやすいと感じた。

 

↑ファスナーを開け閉めする手間はあるが、容量は表面のほうが余裕がある

 

ただ、試しに使ってみて少し戸惑ったのが、 “表裏どちらに物が入っているかが分かりづらい” という現象だ。スリットポーチとファスナーポーチ、どちらも同素材同色のメッシュなので、パッと見ただけだと、どちら側にものが入っているのか判断しづらいのである。せっかく閲覧性が高くても、どっちのポケットに入っているか見分けが付かなければ意味がない。良くできたペンケースだけに、そこはちょっともったいないな、と感じた部分である。

 

↑例えば赤のフリクションボールがどちら側に入っているか、とっさに判断できるだろうか? この分かりづらさはちょっと残念なポイントだ

 

↑写真上は一般的なメッシュポーチ。ペンケースとして使うにはやはり「slish」ぐらいのサイズが使いやすいと思う

 

これまでの一般的なメッシュポーチは容量が大きすぎて、ペンケースとして使用するには持て余してしまう傾向があった。その点、「slish」は最初から文房具専用として設計されているだけあって、容量は必要充分というところ(個人的には、むしろもっと小さくても良い)。さらにスリット開口の出し入れしやすさ+透明素材ならではの高い閲覧性によるシナジーは、間違いなく快適。

 

透明ペンケースが気になっていた “大人” は、まず「slish」から始めてみることをオススメする。

 

大きく開いて中身が見やすい! 筆記具と小物を分けて収納できる「ツイニーペンケース」

レイメイ藤井は、「ツイニーペンケース」を10月初旬に発売します。税別価格は1500円。

 

同製品は、大きく開き中身が見やすいツイン収納ペンケース。メインポケットはトレーのように手前が大きく開き、中身が取り出しやすくなっています。軸径10mmのペンなら最大30本、軸径12mmのペンなら最大23本収納可能で、色鉛筆やカラーペンのセットを入れたりするのに適しています。

 

スリムポケットは独立した収納スペースで、小物を入れるのに最適なサイズとなっており、筆記具と一緒にイヤホンや充電ケーブルなどを仕分けて収納できます。

 

カラーバリエーションは、ブラック、グレー、ネイビー、グリーン、バイオレットの5色です。

メッシュ素材の「ペン&ツールポーチ」が進化! 内ポケット付きとマチ有りを両立した価値とは

ペンケースに関する昨今のトレンドといえば、間違いなく“透明化”だろう。全体が透明のPVC(塩ビ)製のものや、一部が透明窓になったものなど、タイプはいろいろあるが、ともかく“中に何が入っているのか、外から視認できる”という部分が共通のギミックだ。

 

中身の視認性が良いということはつまり、ペンケースの中をゴソゴソ探す手間なく、使いたいペンやマーカーなどに素早く手が届く、ということと同義。このアクセス性の高さは、ペンケースを快適に使う上でとても重要な機能と言える。

 

今回はそんな透明ペンケースの中から、さらに使いやすさに一工夫をこらした最新の製品を紹介したい。

 

メッシュ素材で内ポケットの中まで見せるペン&ツールポーチ

透明ペンケースというと、素材にPVCを使ったツヤツヤ・テカテカのものがほとんど。ただ、ナイロンメッシュ素材で透けて見えるタイプも、透明ペンケースにカテゴライズされる。メッシュはもちろん透明度でPVCに劣るが、テカテカしすぎない質感で派手すぎず、使う人を選びにくいというメリットがある。

ミドリ
ペン&ツールポーチ マチ付きタイプ
880円(税別)

 

ミドリ「ペン&ツールポーチ マチ付きタイプ」は、名前の通り、以前にこの連載でも紹介したメッシュ素材の「ペン&ツールポーチ」に大きなマチがついたもの。これによって、文房具の収納によりマッチした形状になった、というのが大きな変更ポイントだ。

内ポケットが色分けされたメッシュポーチ「ペン&ツールポーチ」の考え抜かれた機能とは?

 

↑マチ無しタイプのポーチ(左)との比較。よりペンケースに近いスタイルになっている

 

↑三角柱のような大きなマチで、容量は超たっぷり

 

先代ポーチは筆記具の収納をペンポケット(容量2~3本)で賄っていたのに対して、新しいマチ付きタイプはポーチ全体で筆記具を収納し、ポケットは小物用に割り振っている。全体的な容量で言えば、筆記具で20~25本ぐらい。なかなかの大容量と言えるだろう。マチが大きいため、ACアダプタやメガネケースなど、厚みのあるものも収納しやすくなっている。

↑ACアダプタ+ペン10本でも、まだまだ余裕!

 

↑中が丸見えなので、筆記具がいっぱい入っていても、使いたい1本にすぐ手が届く

 

なにより「ペン&ツールポーチ」シリーズで特徴的なのが、ポーチ自体のメッシュとは別で色分けされた2つのポケットだ。

 

このポケットがポーチと同色だった場合、例えば消しゴムがポーチの底にあるのか、ポケットに入っているのかがとっさに見分けづらい。ところが、ポケットが色分けされていれば、この見分けが瞬時に可能。出し入れのアクセスもしやすくなるという仕組みである。

↑底面に接しない&色分けのメッシュポケットは、高い視認性をキープしつつ、ポーチ全体の中身と混ざらない隔離性も持つ

 

ポケットは、カードサイズ/小物用の2種類。基本的には、筆記具に埋もれると取り出しにくいものが中空に吊り上げておける、と考えると運用しやすい。消しゴムやネーム印、ふせん、USBメモリはもちろん、目薬やリップスティックなどが衛生的(ポーチ底に溜まりやすい埃・汚れに触れない)に収納できるのも嬉しいところだろう。

 

また、カードポケットに自分の名刺を入れておけば、どこかにポーチを置き忘れたとき、善意の取得者から連絡をもらえるかもしれない。メッシュはPVCよりも透明度が低い=名刺の個人情報が“うっすら見える”レベルに止まるため、こういった使い方もしやすいのだ。

↑名刺を入れると、外から名前は見えるけど電話やメルアドなどは見えない、ぐらいの隠れ具合

 

もちろん、見えていることは自覚しておく必要がある。が、うっかり紛失が多い人にとっては、これも意外と重要な要素と言える。

 

↑上から覗き込んでもポケットの色分けははっきり見えて、出し入れが簡単

 

従来の透明ペンケースだと、ポケットが透明なので見分けづらかったり、ポケットの素材が不透明で中が見えなかったり、と整理収納がやりづらいものが多い。むしろポケットがない方が使いやすいほどなのだ。

 

とはいえ小物を入れるならポケットは欲しいところ。このメッシュ色分けポケットは、視認性を保ちつつ整理収納もできる、他の透明ペンケースにはない優れた工夫というわけだ。

 

【文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具】大容量ペンケース「エルガバ」はL字にガバっと開いて文房具以外も整理しながら収納できる

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。文房具の新作からロングセラーまでを知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具とは?

 

ガバっと開いて何でも放り込める大容量ペンケース

どんなに道具が優秀でも、それを収める容れ物が不便では、煩わしさが軽減されない・・・・・・私が常々感じていることです。特に使用頻度の高い筆記具をおさめるペンケースは、使う人にとって最適なものでなければいけません。

 

ペンケース、その名前の通りペンだけを入れている人もいるでしょう。しかし、なかにははさみ、クリップ、SDカード、イヤホン、常備薬などペン以外の物を入れている人も多いのではないでしょうか。

 

今回は何でもとりあえずペンケースに入れておきたい人におすすめのペンケースを紹介します。

 

↑シンプルな見た目のエルガバ。落ち着いたくすみカラーが使いやすい

 

クツワ
エルガバ
1500円(税別)

 

取っ手のように長く飛び出たジッパーが目立つ、このペンケースの名前は「エルガバ」。L字でガバっと開くので「エルガバ」です。

 

ジッパーを開くと手で支えなくても蓋が開いた状態を保ち、ペンケースの中身がしっかり見えるようになっています。

↑シンプルな見た目からは意外な三段構造

 

ペンケースの中はトレー、フラップ、蓋の三段構造になっていて、大きな物を入れるトレーと小物を入れる蓋、もしくはフラップと、入れる物のサイズによって収納場所を分けられるようになっています。

 

収納力抜群の三段構造

トレー部分にはペンはもちろん、ハサミなどスペースをとる文房具も入れられます。トレータイプは、ペンケースの中身を俯瞰して見られる一覧性があり、何が入っているのかすぐにわかって取り出しやすく効率的です。

↑三段構造の全体が見やすい

 

蓋とフラップには、メッシュのポケットがついているので、小物の収納に向いています。リモート会議で必要なイヤホンやデータを入れたSDカード、乾燥対策のリップクリームや常備薬なども入れられます。

↑トレー部分に入れるとごちゃごちゃしがちな小物を入れられる、メッシュポケット付き

 

快適な仕事環境を作るためには、文房具以外にも必要な物がたくさんありますから、使用頻度が高いものをすべてペンケースにまとめられるのは便利ですね。

 

外装にも工夫がいろいろ

そして気になるこの長く延びたジッパー、ただの飾りではないんです。

↑エルガバの特徴でもある側面に飛び出たジッパー

 

机の上のスペースをより広く使うために、フックに引っかけて使うこともできますし、社内を移動する時に手にかけることもできます。

 

会議室に行くために資料の上にペンケースを乗せて運んでいたら、バランスを崩してペンケースだけ滑り落ちてしまったという経験はありませんか? エルガバならスマートに社内移動できますよ。

 

さらに、エルガバはやや硬さがあるため、鞄の中で潰れてしまうということが起きにくいのも安心です。

↑セミハードで長方形。カバンの中ですっきり綺麗に収まります

 

カバンの中でペンケースがぺちゃんこに潰れてしまい、ペンケースが見つかりにくいといったこともなく、さっと取り出せるのも嬉しいですね。

 

このように、社会人にも使いやすいペンケース、メーカーのクツワによるとコスメポーチや工具入れにもおすすめだとか。使いやすいペンケースは、ペンを入れる用途以外でもさまざまに活躍しそうです。

 

 

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ

ポーズを自在にとって自立する!「ポーズー」のペンケースとは思えない愛おしさに大人も沼落ち注意

自立する、中身の出し入れに工夫がある、整理収納できる……などなど、ペンケースの高機能化が止まらない昨今である。もちろん便利な方がいいのは当たり前だし、ペンケースの使い勝手によって作業効率が変わってくるケースも充分に考えられるだろう。

 

だが、ちょっと待って欲しい。ペンケース、ただ単に便利なだけで良いのだろうか?

 

実のところ、少し大きめの文房具店でペンケースコーナーを見てもらえば、今の疑問の意味は伝わると思う。並んでいるペンケースのうち3〜5%ぐらいが、いわゆる“ぬいぐるみペンケース”なのだ。そんなバカな! と思われるかも知れないが、実際に現場は「えっ、ここ玩具売り場じゃなくて?」というぐらい、ぬいぐるみペンケースが並んでいるのである。

↑我が家にある、ぬいぐるみペンケース(の一部)。ビーバー、鵜、ツチノコ、ザリガニなんてものまでペンケース化されている

 

つまり我々がよく知らないだけで、機能性絶無のぬいぐるみペンケースには、需要がガッツリある。便利じゃなくたって、かわいければ間違いなく売れるのである。

 

中でも、6月にキングジムが発売した新しいぬいぐるみペンケースは、かわいさを超大幅にアップさせるギミックを搭載。アラフィフおじさんも「やだ、欲しいかも…(トゥンク)」と思わずときめくレベルなのだ。

 

かわいさ倍増!? 骨格でポージング自在のペンケース「ポーズー」

ぬいぐるみペンケースとは文字通り、綿入りでフカフカしたぬいぐるみの中に文房具が収納できるようになっているもの。ベーシックな動物型から鳥、魚、昆虫、植物など種類は多いが、おしなべて機能性は皆無。とにかくかわいければそれで良し! というジャンルである。

 

そこへキングジムが新たに打ち出してきたのが、「<ポーズー>ペンポーチ」シリーズ。

キングジム
「ポーズー」ペンポーチ
トラ・ライオン・ネコ・パンダ・レッサーパンダ
各2250円(税別)

 

5種類の動物が並んでるだけでも確実にかわいいのだが、とはいえこの時点では、従来のぬいぐるみペンケースと見た目はなんら変わらない。まぁ普通にかわいいよねー、ぐらいの感じだ。

 

↑背部のジッパーで開口してペン類を収納。胴体にもみっちり綿が詰まっているので、出し入れはしにくい

 

「ポーズー」が従来と違うのは、外からは見えない身体の内側。なんと背中と両手足に“骨格”を内蔵しているのである。この骨格は、フレキシブル三脚によく見られる多関節構造で、グネグネと自由に折り曲げることが可能。これによって、綿が詰まっているだけのぬいぐるみでは絶対に不可能なポーズ固定ができるようになったのだ。

 

単にボサーッと伸びているだけの素立ち姿と、しなやかで躍動感のあるポーズ、どちらがよりかわいいかなんて、考えるまでもないだろう。

↑多関節骨格で思うようなポージングが取れる!(※骨格の画像は実際のものではなく、あくまでイメージ)

 

↑勇ましいファイティングポーズや……

 

↑グラビア風、雌豹のポーズ(ライオンだけど)も自在。背骨が動かせるのがかなり楽しい

 

使ってみて気付いたのは、このかわいさに思ったより機能性があるな、ということ。机の上でかわいいポージングをさせておくだけで気持ちが和むし、なんなら疲れたときのリフレッシュ・ツールとしても有効。冒頭で「機能性は絶無」なんて書いちゃったけど、ごめんなさい。かわいいの、仕事にも役立つかも。

↑「仔ライオンが甘えて仕事の邪魔をするのが困る」という設定でポージング。気分が半端なく和むのだ

 

↑自立型ペンケースとして、狭いスペースでも置ける

 

↑机の端にぶらさげると、より省スペースに使えそうだ

 

機能性の話で言うと、ポーズをつけて、狭い机のスペースを有効活用するべく自立させておく、というのもありだ。筆記具の出し入れが効率的になるわけではないので、自立させて特に便利になるわけではないが、かわいいから良しとしたい。

 

また、スマホを抱え込ませることでスマホスタンドとして使えるのは、意外なメリットだ。休憩時間に動物動画を見るときは、ぜひこの姿勢を有効活用したい。

↑四肢でがっちり掴んでくれるので、スマホスタンドとしての安定感も抜群!

 

ただ、ペンケースとして筆記具を収納してしまうと、背骨の骨格を曲げることはできなくなる。つまりポーズの自由度は大幅に下がってしまうということ。考えてみれば当然なのだが、かわいさを取るかペンケース機能を取るかのトレードオフが発生してしまうのは悔しいところだ。

 

そこはもう「かわいいからしょうがない」と言い切るしかないのだけれど。

 

2月22日「猫の日」に繰り出したい、猫じゃらし&じゃらされ系文房具2選

2月22日は「にゃん、にゃん、にゃん」の語呂合わせで、猫の日である。もちろんこれは日本限定の話であって、ロシアでは3月1日、ユーロ圏では2月17日、台湾は4月4日、アメリカ10月29日が猫の日として制定されているそうだ。あと、8月8日はインターナショナル・キャットデー(世界猫の日)。

 

世界全域でこうして記念日を制定してしまうぐらいだから、人類はとにかく猫が好きで好きで、もうほんとガチ好きでたまらないニャー、と言って間違いないだろう。

 

これは文房具業界を見ても分かることで、猫柄・猫モチーフの“猫文具”は、動物モチーフという区域を飛び越えて、完全にひとつの別ジャンルとして確立しているほど。そんな中でも、サンスター文具が2月22日の猫の日に向けて発売した「nyanko’s DAY」文房具シリーズがとりわけかわいかったので、ここは世界の全人類に向けて紹介しておこう! と思った次第である。

 

仕事や勉強には絶対に向かない、猫のためのボールペン

コロナ禍によって自宅時間が増えたためか、いま、ペット……特に猫を飼う人が大幅に増えているという。もちろん、気軽に飼っちゃってからの飼育放棄も増えるなど、いろいろと問題も出ているようだが……とはいえ、自宅でウツウツとしている時間にかわいい猫が加わることで、精神的な安らぎを得た人も多いと思うのだ。

 

で、そんな安らぎを在宅ワークしながらもっと感じたいよね、という欲張りな需要を満たすのが、「nyanko’s DAY」シリーズの「じゃらしペン」である。

サンスター文具
nyanko’s DAY じゃらしペン
900円(税別)

 

見た目は、耳かきの梵天(ふわふわした毛玉)っぽいのが付いただけのボールペンだが、実はその名の通り、猫をじゃらすことができる機能を搭載している。

 

というのも、後端の梵天から軸中央にかけて、弾力のあるシリコンゴムになっており、軽く振るだけでぷりぷりと動くようになっているのだ。で、この動きが猫の遊び欲をめいっぱい刺激する、というわけ。

↑ふわふわの梵天がシリコンの弾力で勢いよく揺れる。お、これは猫の好きそうな動き……!

 

↑中身は1.0mmの油性ボールペン。ペンとしてはかなりレガシーで、書きやすくはない

 

例えばこのペンでメモなんかを取ると、筆記するのに連動して、梵天がぷりぷりと動く。すると猫がつられて、ちゃい、ちゃい、とじゃれて邪魔してくるので、仕事にならず大弱り。というか、この時点ですでにかわいすぎて仕事どころじゃないのだ。(正直なところ、わざわざこのペンを使っている時点で、そもそも仕事する気はないな、と判断されても仕方ないんだけど。)

 

↑このペンで書いていると、自動的に猫が邪魔をしにくる仕組み

 

もちろん猫の中でも、大きくゆらーっとした動きが好きな猫や、硬い棒がしなるような動きが好きな猫、ちょろちょろと細かいアクションでじらされるのが好きな猫など、好みはいろいろ。だから、猫全般が確実に「じゃらしペン」に反応する、という保証はないので、念のため。

 

ちなみに我が家の猫2匹は、アグレッシブ気質なジム(オス・12歳)はぷりぷり動く梵天をヒャッハー! とハイテンションに追っかけてくれたが、ぼんやりと隅っこ暮らしを好むリリー(メス・12歳)は完全に無反応だった。

猫の手も借りたい人のための肉球付きペンケース

「じゃらしペン」は、猫を飼っている人が猫に向けて使う前提の文房具だ。対して同じ「nyanko’s DAY」シリーズの「ネコの手ペンケース」には、猫を飼っていない人でも猫と一緒に暮らす気分が味わえる(ような気がしないでもない的な感じ?)……という効果がある。

サンスター文具
nyanko’s DAY ネコの手ペンケース(茶トラ、三毛、サバトラ、白黒)
1800円(税別)

 

↑裏面にはこのとおり、立派な肉球が。ぷにっと感触が心地よい

 

要するに、猫の手形のペンケースなのだが、サイズ感がちゃんと程よく実物大。ふわふわとした毛並みの手触りも、それなりにリアルだ。もちろん手のひらにはぷにっとしたシリコン製の肉球も備えており、万全とは言えないまでも、まぁわりと猫っぽい。

↑容量は見た目よりたっぷり。筆記具なら15本以上は入って実用性も充分だ

 

なので、これをデスクに置いて作業をしている際、ふとしたときに視界に入ると「おっ、猫?」と思ってしまうのである。

 

↑在宅ワーク続きで荒んだ心を癒してくれる猫がいないなら、もうペンケースでもいいんじゃないか?

 

可能なら、いったん自分がこのペンケースを買ったことを忘れるぐらい作業に没頭すると、より効果的。もちろん、ペンケースが勝手に動いたりじゃれたり仕事の邪魔をしたりするわけではないが、ただ猫の手のようなものに対して「猫かな?」と思うだけでも、気持ちが充分に安らぐのは間違いない。猫は猫であるだけで尊いし、なんならもう猫っぽいだけでも充分に良いのだ。

 

住環境の都合などで猫が飼えないという場合は、こういったペンケースを導入するのも、ひとつの手じゃないだろうか。

 

 

筆者・きだてたく文房具レビューのバックナンバーはこちら

【菅未里の自腹買い文房具】透明なケースを2個くっ付けた奇抜なペンケースが実は理にかなっている理由

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

“クリア系文房具”が人気

ここ数年、透明で中身が見える“クリアボディの文房具”が人気です。ペンケースでは「Kept」(レイメイ藤井)、「クラシカルポーチ クリア」(コクヨ)などが有名です。ペンでは、おなじみの「フリクション」(パイロット)からも「透明ボディシリーズ」が発売されましたね。

 

クリアカラー人気は、ファッション業界の影響を受けたものかもしれませんし、さらに文房具メーカーの技術力アップも関係しているかもしれません。

 

そんな中で、クリアボディのペンケースには、複数の収納スペースを持つタイプが出てきています。「ピープ」(コクヨ)や「ミッテ」(サンスター文具)は、全体としてはクリアカラーなのですが、中に非クリアカラーの収納スペースが設けられており、外に見られたくない物を分けて入れられる作りになっています。

 

というわけで、今回紹介する「ツインペンケース」(キングジム)も、透明ながら2つの収納スペースを併せ持つペンケースです。

↑最近流行のクリアカラー。5色ラインナップしていますが、「ミドリ」は青みがかっていて涼しげですね

 

キングジム
チアーズ ツインペンケース
1250円(税別)

 

仕様頻度によって使い分ける

発売前に知る機会があったので、すぐに私がやっていたInstagramでのライブ用にサンプルを入手したのですが、色味が実にいいのです。全5色なのですが、どれもいい。私は悩みに悩んで「ミドリ」を購入しましたが、どの色を買っても正解だったと思います。

 

この商品、2つのペンケースがくっついているような、不思議な形をしていますね。この2つを持ってパカっと“割る”ようにすると、2つに分かれ、それぞれの中身にアクセスできるようになります。2つのスペースは、マグネットでくっついているんですね。

↑割るように90°開くと、それぞれのケースの入り口が現れます

 

↑すると、2つのペンケースからそれぞれ中身を取り出せるようになります

 

このようにスペースが分かれていることで何に役立つかというと、“使用頻度によって使い分けられる”ということです。クリアの方はファスナーで開閉しますが、クリアカラーの方(写真ではミドリの方のケース)にはファスナーがないので、すぐに中身を取り出せるのです。だから私は、こちらには普段よく使うペンを入れています。

 

↑色付きのケースには蓋がないオープンタイプのため、すぐに中身を取り出せます

 

もう一方の透明なスペースにはファスナーがついていますから、たまに使う付箋や修正テープ等を入れています。スペースはかなり大きく、マスキングテープなら通常の太さで10本が入ります。大容量も、この手のペンケースの魅力ですね。

↑この通り大容量でさまざまな文房具がたっぷり入りますが、スペースが2つに分割されているため、中身を整理し、取り出しやすいのです

 

↑15mm幅のマスキングテープもこの通り、すっきり入ります

 

大容量なのに取り出しやすい

一方、色のないクリアなケースは、ファスナーがきちんと側面まで来ているのもポイントです。こうなっていると口が大きく開くので、中身を取り出しやすいのです。コストダウンのためにファスナーが短いペンケースも少なくないので、ここは要チェックです。

↑ファスナーが側面まで来ています。取り出しやすさを考えたとき、見逃せないポイントです

 

さらに、ファスナーまで透明になっているのがわかりますか? 芸が細かいですね。

 

個性的なデザインはもちろん、大容量で、しかも2つのスペースがあるため無駄な出し入れも最小限。中身が見えるので取り出しやすいのもいいですね。「2つのペンケースをくっつけた」と聞くと奇想天外に思えますが、実は非常に理にかなっていて便利なのです。

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

大容量でも倒れない! 自立するペンケース「エアピタ」の吸着力を検証【動画ダイジェスト】

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する「文房具総選挙」。2021年の文房具総選挙で、機能別部門「収納する」部門の部門賞に輝いたのが、クツワ「エアピタ」です。

 

GetNaviのYouTubeチャンネル「GetNaviチャンネル」では、同イベントで各部門の1位に輝いたアイテムを新人編集部員・小山雅斗(以下、小山くん)がレビューする動画を公開中。今回は、この「エアピタ」のレビュー動画をダイジェストでお届けします。

↑今回レビューする「エアピタ」を手にする小山くん

 

検証した商品はコレ!

クツワ
エアピタ
1540円(税込)

 

幅広い用途で使える!吸着力抜群なシリコンケース

一見普通のシリコンケースに見える「エアピタ」は、底の部分に吸盤がついており安定して自立させて使えるアイテムです。

 

小山くんいわく、見た目以上に使用用途が多いのもポイントだそう。

 

例えば、ペンケースとして使えば、勉強机を広々と使用できる上に、折り返した蓋をスマホスタンドとして使えるとのこと。

 

この使い方について小山くんは「オンライン授業のときに、ここで映像を流しながらノートを取ることもできますし、スマホのタイマーアプリを使えば時間の区切りをつけながら勉強に取り組むこともできます」と提案。

 

さらに「ペンケースとしてだけではなく、例えば化粧品ケースとして使えば、外出先の洗面所で立てかけながら使うこともできますし、シリコン素材なので水捌けもよく中身が濡れる心配もありません」と小山くん。なるほど!

 

気になる吸着力を検証

吸盤付きのシリコンケースとのことで、気になるのはその吸着力。小山くんはMacBookにエアピタをくっ付けてみたようです。

「(土台の)材質によるものの、MacBookが持ち上がるくらいの吸引力があるので机の端で使用しても安心です」と話していました。

 

また、大容量なのもエアピタの魅力とか。実際に、小山くんの自宅にあったペン20本分が余裕で入るほどの大容量だと紹介していました。

 

もちろん大量のペンが入った状態で、スマートフォンをくぼみに置いても、全く倒れない様子。

試しに押してみても、全く倒れませんね。

 

ちなみに、スマホは横置きも可能。「動画も見やすいようになっています」と小山くん。

 

一方、吸着力は強力ですが、取り外しは意外と簡単。

ケースの底にある「PUSH」と書いている部分を押すだけで、簡単に取り外せるそうです。

 

ペン20本が入った状態で振っても、がまぐちが開くことはありません。

 

小山くんが実際に使用した感想

実際の商品を試した後で「学生さんのペンケースから、旅行先の化粧品ケースとしても使えますね」と小山くん。

 

そうして導き出された、小山くんの結論。

 

詳しくは動画をご覧ください

 

文=於 ありさ

【菅未里の自腹買い文房具】コワモテなのに内面はペンへの優しさに溢れたペンケース

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

大切なコレクションを傷から徹底防御するペンケース

文房具店の伊東屋には、「ロメオ」というオリジナルブランドがあります。ボールペンが有名な高級ブランドなのですが、ペンケースもラインナップしていることをご存知でしょうか? 今回、私が個人的にお勧めしたいのはこのペンケースです。

ロメオ
クロコ型押し コレクションペンケース(6本用)
1万5000円(税別)

 

牛革にクロコの型押しを施したペンケースです。いかにも大人っぽく、高級感あふれるデザインですが、実はこの内側に、おすすめしたい特徴があるのです。

 

起毛加工がペンを傷つけない

↑内側には起毛加工が施されているため、ペンが傷つきません

 

内側が起毛になっているのがわかりますか? 収納したペンに傷をつけない作りになっているのです。このケースにふさわしいペンに、傷などつけたくないですよね。

 

ペンが傷つく原因は、おもに2つ。落としたりぶつけたりすることと、ペンケース内でベン同士がぶつかることです。前者は気を付ければいいのですが、後者は、ペンケースによっては避けられません。

 

しかし、このロメオのペンケースなら大丈夫。上記のとおり、ケースの内側がやわらかい起毛になっていることに加え、ペンを個別にベルトで固定するので、互いにぶつかることもありません。

 

しかもこのベルト、横から引っ張ると締め付けることができます。つまり、太さが異なるペンを一緒に収納することが可能だということです。

↑このベルトを引っ張ると、ペンを締めつけることができます。太さが異なるペンも収納できます

 

さらには、上下にはフラップが付いています。これも、ペンがファスナーとぶつかって傷がつかないようにするためでしょう。なんと厳重な守りなのでしょうか。

↑上下に同じ素材のフラップがつき、ペンのキャップ部分と、尻軸をカバーしてくれます

 

ペン好きな方への贈り物にも

傷から手厚くペンを守るこのペンケースは、大切なペンを安全に持ち運びたい方にお勧めです。12本入りのケースもあるのですが、私は持ち運びが現実的な6本ケースのほうをお勧めしておきます。

 

高級感があるだけではなく、ペンをしっかりと守る実用性もあります。持ち運びもしやすいですし、価格も税込1万6500円と、中に入れるペンのことを考えると高すぎるわけでもない。

 

大切なペンを収納するのはもちろん、ペン好きの方への贈り物にしても喜ばれるのではないでしょうか?

↑ケースを開くと大切なペンを一覧でき、自慢のコレクションを持ち歩く際にもぴったりです

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
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規格外の大容量と閲覧性の良さを両立した無敵ペンケース「デテクールコンボ」が文句なしの便利さだった

これは“最近の傾向”といえるほど明確な話ではなく、あくまでも筆者の肌感覚でしかないのだが。最近、ペンケースには比較的容量が求められているような気がするのだ。これには、「ペンのカラーラインナップ増加」と「在宅ワーク」という、2つの要素が前提となっている。

 

まず、昨今発売されたゲルインクボールペンはやたらとカラフル化しており、筆記具メーカー各社とも、主力のゲルインクはだいたい10~50色以上のボリュームになってきている。もちろん、それ全部買う! という人はそういないだろうが、とはいえ気になる色があれば手に入れたいわけで、結果的に手持ちのペンが増えて、ペンケースも大型化するという流れだ。

 

在宅ワークに関しては、自宅に仕事専用のデスクがない場合、ワークスペースまで「文房具+PC周りの小物」をまとめて持ち運びたい、ということになる。文房具だけなら小さいペンケースでもなんとかなるかもしれないが、ノートPC用のマウスやACアダプタなどのかさばる物もまとめるとなると、やはりガジェットケースを兼ねられるサイズの方がありがたい。

 

ということで、大容量ペンケースを求める人がわりと増えているんじゃないか、と思うのだ。

 

 

容量・機能ともに文句なし! の超大型ペンケース「デテクールコンボ」

さすがにメーカーもそのあたりはとっくに汲み取っているようで、ペンケースの大型化は着々と進んでいるように見える。とはいっても、単にたっぷり入るというだけであれば、極端にいえばビニール袋だってかまわないはず。やはりそこは、ペンケースならではの機能性っていうのも欲しいだろう。

 

その点も合わせて興味深いのが、2021年10月に発売予定のレイメイ藤井「デテクールコンボ」だ。

レイメイ藤井
デテクールコンボ
4500円(税別)

※写真右は、比較用に置いた従来品「デテクールモバイル」

 

ぶっちゃけ、かなりデカい。形状的なものもあって「小ぶりのランドセル?」と思ってしまうようなサイズ感。

 

さすがにこれを“ペンケース”と言い切るのはそれなりに度胸がいるが、とはいえ機能的には間違いなくペンケースだし、そもそもが同社の自立型ペンケース「デテクール」シリーズの最大モデルという立ち位置なのである。

 

↑前面カバーをペロリとめくって、後ろに回す。カバーの端を後部下端に当てるだけで、磁石で固定される

 

↑左側がペンケースユニット、右側が小物ケースユニットに分割されている

 

使用する際は、まずダブルジッパーを引き上げて、前面カバーをめくり上げる。めくったカバーを後ろに回すと内蔵する磁石でピタッと固定される、という仕組みは、シリーズ共通だ。

 

内部はざっくり2分割。ペンケースユニットと小物ケースユニットに分かれており、それぞれ下段は「デテクール」にお馴染みの、30度に傾いて出てくるバスケットになっている。

↑バスケットに指をかけて引き出すと、中身の出し入れがしやすい30度に傾く

 

↑スタンバイ完了。これだけたっぷり入っていても、どこに何が入っているのかひと目で確認できて、使いやすい

 

バスケット自体が自分の方に向かって差し出されている状態なので、ペンなどもスッと取り出しやすく、戻すのも投げ込むようにすれば簡単だ。

 

この出し入れの快適さ・効率の良さは他に類がなく、一度「デテクール」シリーズに慣れてしまうと、なかなか他のペンケースを使う気になれないほど。

↑机に肘をついたままの体勢で、手首に負担を掛けずにスッとペンが抜き取れる。このラクさは「デテクール」シリーズならでは

 

↑小物ケースユニットのバスケットは、ノートPC用のACアダプタもそのまま入る収納力をもつ

 

もうひとつ、バスケットは中で2つに仕分けられているが、直立したままだと奥側には視線が届きにくい。

 

ところが、傾ければ全体が見渡しやすくなるため、閲覧性が高まるというのもメリットだ。視線が行き渡らなければ、単に収納したまま死蔵するペンやツールが増えるだけ。大容量ペンケースには、この“閲覧性の高さ”が絶対に必要なのである。

↑上段には、ケーブル類や小物を放り込んでおけるトレーを配置

 

↑不要なら、トレーは外してしまってもOKだ

 

小物ケースユニット上段は平トレーで、バスケットに入れると沈みそうな小物を入れておくのに最適だ。さらに、マジックテープで固定しているので、バスケットに背の高いものを入れたい場合は設置高を調整できるほか、不要なら取り外してしまっても良い。ここは自分の使い方によってカスタムできる仕様だ。

 

↑ペンケース側上段ポケットには厚みのあるものが入るので、比較的応用が利く

 

また、ペンケースユニット上段はポケットになっている。消しゴムやテープのりなど、こちらも同様に、バスケットに入れてしまうと沈んでしまう小物を収納するのにちょうどいい。

 

↑ユニット単位で分離可能。本体が大きすぎて置く場所がない、なんていう場合にも便利だ

 

カスタムといえば、もうひとつ。実は、ペンケースユニットと小物ケースユニットは、それぞれが本体から単体で分離できるようになっている。例えば自宅内で使う場合、「今日は文房具は使わないな」と思ったら、小物ケースだけ出して持ち運べば済むという話である。

 

なにしろ本体サイズが大きいだけに、テーブルが狭いなど、置き場に困るシーンもあるだろう。分離させたユニット単位で運用できるなら、助かることも多そうだ。

 

筆者は実際、どう活用しているかというと……?

↑工作ツールを入れて運用している例。小物バスケットに「ポキステーション」(カッターの刃折りケース)がすっぽり入るのは、我ながらナイス発見だった!

 

ちなみに筆者は現在のところ、「デテクールコンボ」を工作用のツールを持ち運ぶためのケースとして運用してみている。ヤスリやカッターナイフ、ドライバーなど使用頻度のある程度高いものを入れてあるため、これがなかなか活躍してくれている。閲覧性の高さで「あのツールどこに入れたっけ?」みたいなトラブルがおきにくいこともあって、普通の工具入れよりも使いやすいぐらいだ。

 

ただ、工作用ツールは文房具よりも全体的にサイズが大きいため、できれば同じ構造で二回りほど大きい「デテクールギガコンボ」が欲しくなってしまうんだけど。

 

 

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開閉の仕組みと分割構造が画期的! 透明で中身を探しやすい「ペンケース」の注目作2モデルをレビュー

これまでにも、自立型やら分割収納やら、さまざまな流行があったペンケース。ここ一年ほどで特に注目が高まっているのが“透明”なタイプだ。

 

ファッション業界においても、近年はPVC(ポリ塩化ビニル)素材の透明バッグが大流行しており、その流れで透明ペンケース(クリアペンケースとも言われる)も人気に……というのが、まず一つの要因だろう。

 

もちろん、Instagramなどでノートやペンが写り込んだ画像を載せる中高生(いわゆる“勉強垢”)の間でも、透明ペンケースの人気は高い。ただ写真を撮るだけでペンケースの中身が丸ごと見えるので、視覚情報が増える。端的に言えば“映える”わけだ。

 

さらには、そういった流行の話でなくても、透明ペンケースには利点がある。先にも述べた通り中身が丸見えだから、必要なペンなどを取り出す際に見つけるのがラクなのだ。閲覧性・視認性の高さはペンケースの機能でも重要なポイントであり、つまりは透明というだけで充分に有利というわけ。

 

そこで今回は、人気の透明ペンケースの中でも特に「これいいぞ」というものを紹介したい。

 

 

透明+分割収納=おしゃれで高機能なペンケース

そんな方程式が成立するのが、キングジムが2021年6月から展開を始めた「CHEERS!(チアーズ)」。ポップなカラーと透明感をテーマにしたステーショナリーシリーズだ。

 

初見では、同社既存のルーズリーフファイル「テフレーヌ」やバッグインバッグ「フラッティ」のポップカラーバージョン、というだけかな? と思っていたのだが、あらためて確認すると、全くの新顔である透明ペンケース「チアーズ ツインペンケース」がラインナップされていた。

 

で、これが触ってみると、なかなか面白い作りになっていたのだ。

キングジム
チアーズ ツインペンケース
1250円(税別)

 

完全クリアとクリアカラーの細長い直方体2つが組み合わせられた、ソフトなボックスタイプ。ただ不思議なことに、外からでは、ファスナーやスナップといった開け口が見つからないのである。

 

ではどうやって中身を出し入れするのか? というと、クリアとカラーのボックスを継ぎ目から割るようにパカリと開くと、それぞれの開け口が露出するという仕組みだ。

↑ペンケースを開けるときは、まずそれぞれのボックスを両手でつかむ

 

↑するとパカッと割れて、カラー側のボックスが開く。接続はマグネット式なので、開閉自体は簡単だ

 

クリアのボックスはファスナー、カラーのボックスは素通しの開口という形式。つまり、クリア側の本体自体が、カラー側のフタを兼ねているというわけだ。

 

カバンの中で勝手に開いてしまう可能性を考えると、ファスナーのついたクリア側に消しゴムやシャープペンシルの芯といった小物を、カラー側に筆記具を、という分け方が安心だろう。当然ながら、分けて収納することで、中がゴチャつかず出し入れがしやすくなる、というメリットもある。

↑一般的なサイズのペンケースが2つ合体しているわけで、容量的にはかなりゆとりがある

 

見た目のおしゃれさと、こういった「今のペンケースに求められている機能性」を上手く共存させているあたりは、なかなか感心させられた。

 

ただ、カラー側の開口がさほど大きくないので、筆者のように指が太めの人には筆記具の出し入れが少しやりづらいように思う。これはおそらく、手指のゴツいおっさんは最初からターゲットじゃないよ、ということなのかもしれない。

↑閲覧性が良くても、手の大きい人には出し入れがしづらい開口。これは少々残念なポイントだ

 

それでも、透明ならではの閲覧性の高さ+分割収納の機能性は優秀。夏っぽいルックスも含めて、いま買うべきペンケースと言えるだろう。

 

さて、この透明ペンケースのメリットをほどよく取り入れたペンケースが、同社にはある。

透明バッグインバッグ「フラッティワークス」にペンケースタイプ登場

とは言っても、PVCのチープなツルツル感ってどうも子どもっぽくて持ちづらいな……と感じる人はいるだろう。透明ペンケースの優位性は理解できても、自分に似合うかどうかや好みの問題もあるので、導入にハードルが高いというのも理解できる。

 

それなら、もうちょっと落ち着いた雰囲気で使える透明ペンケースはどう? ということでオススメするのが、同じくキングジムの「フラッティワークス ペンケース」だ。

キングジム
フラッティワークス ペンケース
スタンダードサイズ
1100円(税別)

 

こちらは、以前にもこの連載で紹介したバッグインバッグ「フラッティワークス」のペンケース版に当たる。

【関連記事】カオスなカバンにはこれ一つあればいい! キングジム「フラッティワークス」は“絶妙”を体現するバッグインバッグ
https://getnavi.jp/stationery/535720/

 

全体は厚手のしっかりした帆布製で、前面のみがPVCの透明窓という構成なので、チープな印象はほとんど感じられないのではないだろうか。それでいて、大きな透明窓によって、透明ペンケースのメリットである閲覧性は充分にあるわけで、良いとこ取りと言える構成だ。

↑透明窓は前面だけだが、これでも中は充分に視認できる

 

↑マチ幅は約35mmで、中身が入っている状態なら自立も可能

 

パッと見では薄くて容量が足りないような気がするかもしれないが、底面のマチが約35mmもあるため、意外としっかり入る。ボールペンやカラーペンなら10本程度は問題なく飲み込むし、さらに奥側には定規やハサミなどが入るワイドポケットも備えている。よほどゴチャゴチャと持ち歩かない限りは、これで必要充分と言えるんじゃないだろうか。

↑ささやかながら小物の整理ができる内ポケットを備える

 

↑本体裏側にもポケットが。名刺やカード類の一時保管に使えそうだ

 

マグネットスナップ留めのフラップを開くと大きく開口するので、閲覧性の良さと合わせて、中身の取り出しやすさも問題なし。

 

透明ペンケースの閲覧性は魅力的だが、あのツルツルした感じはちょっと……という人には、これが最適解だと思う。

 

 

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内ポケットが色分けされたメッシュポーチ「ペン&ツールポーチ」の考え抜かれた機能とは?

「もし、無人島に何か1つだけ持って行けるとしたら?」という、定番の問いかけがある。ナイフだとか火起こしツールだとか、回答からはそれぞれ個人の死生観が見える気がするのだが、ともあれ筆者はこの場合、「カバン」一択だ。

 

何しろ人間には手が2つしかないのだから、持ち歩ける道具の数も限られてしまう。もし原生の食料を見つけたって、カバンなしでは収穫できる量も限られる。人間が生きていくのに必要な荷物は多く、それをひとまとめに収納して持ち歩ける袋(=カバン)というのは、意外と偉大な発明なのだ。

 

少々大げさな前振りから始めてしまったが、荷物を収納して携行するための入れ物……カバン、リュック、ポーチ、トート、袋などは、無人島じゃなくたって重要だろう。

 

異世界転生ものラノベの主人公がだいたい「無限収納」スキルを持っているのだって、つまりはそういうものがないと話がいきなり詰んじゃうからで。そういったチートを持たない我々が、できるだけ収納力があって中身が取り出しやすい袋を探し求めてやまないのも、ある意味、生存本能に基づく事案だからしかたがないのである。

 

ということで今回紹介するのは、文房具や小物をイイ感じに整理収納できるポーチだ。(話が一気にキュッとコンパクトになったな……)

 

中身が丸見えのポーチは、それだけで価値がある!

せっかく荷物がたっぷり入る袋があったところで、必要なタイミングで使うものが素早く取り出せないようでは、意味がない。「四次元ポケットがあろうと、パニック状態のドラえもんは役に立たない」なんて、我々日本人なら誰でも知っていることだ。

 

逆に言えば、多少容量が少なくたって、使いたいものがサッと取り出せる収納は優秀なのである。

ミドリ
ペン&ツールポーチ
968円(税込)
グレー、ピンク、黄緑、水色の全4色。写真はグレー。

 

ミドリの「ペン&ツールポーチ」は、その点で優秀だ。何しろ全体がメッシュのスケスケなので、中身が丸見え。何がどこに入っているのかが即座に把握できるわけで、いちいち使いたいものを探ってゴソゴソとかき回す無駄がない。

 

これは以前この連載で紹介した、キングジム「フラッティワークス」(前面が透明窓になったポーチ)も同様で、実際に使ってみると、中身が見えるというのはかなり大きなアドバンテージだと理解できるだろう。

【関連記事】カオスなカバンにはこれ一つあればいい! キングジム「フラッティワークス」は“絶妙”を体現するバッグインバッグ

 

↑収納状態。横幅はB6ノートがちょうど収まるぐらいだ

 

↑筆者は現在、アルコールスプレーや除菌ウェットティッシュなど、衛生用品を携行するために運用中。アルコールの残量が外からでも分かるので重宝する

 

とはいえ、ただメッシュ素材のポーチというだけなら、無印良品をはじめ、すでにいくつも発売されている。何を今さら便利アピールを? と思われるかもしれないが、実はそういった既存製品と大きな差を付けるポイントがあるのだ。

 

それが、ポーチ内部に備え付けた2つの色分けポケットである。

 

2つの色分けされたポケットのメリットを徹底解説

もちろん、内ポケット付きのメッシュポーチだって珍しくはない。ポイントとなるのは、“色分けされている”という部分だ。

↑ポーチ内部にはポケットを2つ備え、異なる色(茶/濃グレー)に色分けされている。ピンク/紫など、もっと見やすく色分けされたモデルもある

 

メッシュ素材は視認性が良いが、ポケットまで同じメッシュだと、見分けが付きにくくなってしまう。例えばボールペンが入っているとして、それがポーチ本体に入っているのか、ポケットに入っているかが、とっさに見分けづらい。対して、ポケットのメッシュが本体と違う色だと、識別のラクさが全く違うのだ。

 

↑他メーカーのメッシュポーチ(左)と「ペン&ツールポーチ」(右)の比較。色分けされたことで、視認しやすさが大きく変わる

 

ポケットは、浅い小物用と、深い長モノ用の2種類。浅い方はカードサイズなので、名刺やふせん、買い物のレシートなどを入れておくのにちょうど良い。ジッパーに近いところに配置されているため、取り出しも簡単だ。

 

ポケット自体がポーチの底と接せず宙に浮いているので、視覚的にもポーチの中と混じりにくくなっている。色分け効果も加わって、見分けやすさは抜群なのだ。

↑ポケットはだいたいペン3本ぐらいが適量。

 

長モノポケットは、主に筆記具などを入れるためのペンポケットとして機能。筆記具は、ポーチにそのまま入れると底に横たわってガチャガチャし、けっこう邪魔になる。ポケットに立てて整理できたほうが、取り出しやすさの点でもありがたいのだ。

 

また、メッシュポーチにシャープペンシルのような先端が細く鋭いものを入れると、メッシュを突き破ってしまう問題がある。

↑ポケットはこれくらいポーチ底から浮いているので、突き破る心配はかなり低い。よく配慮された作りだと思う

 

しかし、この長モノポケットは、小物ポケットと同じく底と接していない(数mmだけ浮いている)ので、もしポケットの底を突き破ったとしても、ポーチの底までは届きにくくなっている。これはなかなかよく考えられている。

 

筆者は以前、他社製のメッシュポーチを使っている際、突き出したシャープペンシルの先端で指を刺して痛い思いをしたので、ここはこだわりたいところである。

↑比較してみると、他メーカーの同サイズポーチと比較して20mmほど天地が高い。これはなぜか、というと……

 

↑筆記具類をきちんと収納できるサイズに設計されているから。さすが文房具メーカーの作ったポーチと言えるだろう

 

ポーチ全体としてはほぼA5サイズ(内寸はB6判が収まるぐらい)ということで、容量はさほど大きくはない。何でもかんでも放り込んでおこう的な使い方だと、すぐに膨れあがってしまうはずだ。

 

そのため、カバンに入れると他と紛れてしまいがちな小物用バッグインバッグとするか、手帳&筆記具+α用の携帯ポーチとして使うのがいいだろう。そもそも、たっぷり入れてしまうと、中身が見えるというアドバンテージも失われてしまう。そのあたりのバランスを考えるのが、うまく使いこなすコツと言える。

 

 

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スマホの角度自在! サンスター文具「SMAND(スマンド)」は“ペンケース付きスマホスタンド”というべき安定感

御多分に洩れず、筆者も携帯電話をこの春から始まったオンライン契約専用の新プランへと、早々に乗り替えた。これまでは、段階制プラン+できるだけ3~5GB程度の使用量に抑えることで通信料金をケチってきたのだが、それが一気に20GBまで従来より安く使えるようになったわけで、非常に助かるのだ。おかげで、出先でちょっと時間が空いたときも「スマホで動画でも観とくか」という選択肢をとりやすくなって、まぁありがたいことである。

 

すると、今まで使ってこなかったモノがひとつ必要となってきた。動画を観る際にスマホを立てかけておける、スタンド的なツールだ。

 

スマホを横位置に構えたまま、観やすいように手で保持し続けるのはなかなかダルいので、やはりちょうどイイ感じに固定しておきたい。もちろん、コンパクトな折りたたみスタンドなんてものは、探せばいくらでもあるが……ちょうどそういった用途に良さそうな文房具が発売されていたような気がするな? アレ、使えるんじゃないだろうか。

 

スマホを立てかけるのにちょうどいいペンケース

そこで、試しに入手してみたのが、サンスター文具のペンケース「SMAND(スマンド)」だ。この名前は、おそらく「スマホスタンド」からの造語であろう。つまりは、ペンケース兼スマホスタンドとして機能するというものである。

サンスター文具
SMAND
1595円(税込)

 

形状は、シンプルに三角柱をゴロンと寝かせたもので、5面すべてに硬めの芯材が入ったセミハードタイプだ。

 

開閉はダブルファスナーで、三角注の上辺がガバッと大きく開く。そこそこ大きいので容量もたっぷりあるが、さらにこの大きな開口で中の見晴らしも良好。できれば開口状態で固定できると、なお便利だったが、これでも充分に使いやすい。

↑矢印ペン10本+消しゴム+テープのりを入れても、まだ余裕

 

ところで、肝心のスマホスタンドはどこに……? と思ったら、「SMAND」のネームタグがついたカバーパーツが、それらしい。指をかけてペラッとめくると、マグネットで本体に貼り付いていたカバーが、そのままフタが開くように展開した。感覚的には、三角のおにぎりから海苔を剥がしたみたいな雰囲気である。

↑このネームタグをつまんで引っぱると……

 

↑側面カバーがめくれて、スマホスタンド形態に変形!

 

この“海苔を途中まで剥がしたおにぎり”ことSMANDを机に置いたら、三角柱の傾斜にスマホをもたれかけさせれば、スマホスタンド形態の完成。

 

“剥がした海苔”=ベースの裏面には、ストライプ状に何本もゴムの滑り止めが走っているため、スマホを乗せてもズルズルと滑り落ちることがない。これなら、画面が見やすい角度に角度を調整することも可能だ。

↑スマホは置くだけ。これでしっかり止まって安定する

 

↑ベースの上なら、どの角度に配置してもピタッと止まる

 

↑ポイントは、ベースにびっしり配置されたゴムの滑り止め(斜線、紫の帯状部分)

 

タテ置き・ヨコ置きも自由自在だし、スマホスタンドに変形させるシークエンスが“開くだけ”と、非常にシンプル。

 

設置スペースは単機能のスマホスタンドよりも必要だが、そもそもペンケースを机に出している前提であれば、そこに新たに別のスタンドを置くよりも場所を取らないし、何よりイチイチ単機能のスタンドを持ち歩く手間もない。

 

動画視聴だけでなく、オンライン会議や授業にも万全

学生なら動画授業の視聴に便利だし、仕事で使うにも、ノートPCを広げずにスマホでサクッとオンライン会議に出席できる。

 

そう考えれば、机に出ていることの多いペンケースとスマホスタンドのマッチングは、なかなかに優れているんじゃないだろうか、と思った次第だ。現実的には、「スマホスタンドが欲しい」+「いま使っているペンケースを買い替えても構わない」という層にしかリーチしないので、ちょっと難しい製品だとは思う。しかし、使ってみるとなかなかに便利な製品なのは、間違いない。

↑1万2000mAhのモバイルバッテリーも収納可能。これなら電源を気にすることなく動画視聴が可能だ

 

最後に、蛇足かもしれないが、SMANDはガジェットポーチとして使うのもアリ、というのはお伝えしておきたい。先にも述べたように容量的には余裕があるので、モバイルバッテリーとケーブル類をまとめて収納しておくにも実用範囲だ。

 

しかも、バッテリーを収納したままでスマホに接続し、立てかけての動画視聴だって可能なのだ。(本体内のバッテリー劣化につながるので、良くない使い方ではあるけれど。)

 

 

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ポータブルなペン立てが旬! 最新の“自立型ペンケース”は収納力も中身の見やすさも申し分なし!

文房具に対して、文房具好きと一般ユーザーとの間には、さまざまな“認識の違い”というものがある。文房具好きならば家に備えていて当然と感じているものが、一般的な家庭にはなかったり。そういった類いのことだ。

 

そして以前、筆者が一般ユーザーに分類される知人のお宅にお邪魔して、「え! うそ! ないの?」と驚いたのが、ペン立てである。

 

「オフィスでは、ボールペンとかマーカーとかあれこれ使うからペン立てを使ってるけど、家庭内ではそんなにペンもないし。あるだけ邪魔だわ」ということらしい。なるほど、そのご意見も確かにごもっとも。当時はそう納得したのである。

 

とはいえ、昨今のテレワークの機会増加で、自宅でも文房具を使う機会が増えた人も多いはず。仕事がノートPCだけで完結するなら問題ないが、まだまだ紙の書類や資料を手にすることはあるだろう。

 

ただ、それなら家で仕事するスペースにも、ペン立てさえあればイイ……となるわけではないのが、難しいところだ。なにしろそこは、仕事をしていない時は普通のリビングテービルだったりコタツだったりする確率が非常に高い。つまり、ペン立てを常備すると邪魔になる率も高いわけで。

 

ということならやっぱり、“持ち運びができてペン立てにもなる自立型ペンケース”が便利だと思うのである。

 

そこで今回は、最近発売されたばかりの最新自立型ペンケースを2点紹介したい。

 

絶対に倒れない! 不動のシリコンペンケース「エアピタ」

クツワ初の自立型ペンケースとなる「エアピタ」は、ツルツルしたシリコン製のボディに巨大ながま口がついて、見た目は相当にファニーだ。しかし、使ってみると意外なほどに実用的なのである。

クツワ
エアピタ
1400円(税別)

 

件の巨大がま口には金属製のフレームが入っているので、カパッと開けると、そのままスムーズに大きく開口する。

 

ボディの半分程度が開く構造なので、中に入っている筆記具などが丸見え。中身の一覧性はペンケースの使いやすさに直結するが、これはまず申し分ないレベルと言えるだろう。開口部は、下端の高さが約95mmとそれなりに低いので、ペン型ハサミなどもだいたいのものは頭が出るはずだ。

 

ただし、他の自立型ペンケースでは定番機能になっている“消しゴムやふせん類を分けて収納できるポケット”がないのは、ちょっと残念なポイントと言える。

↑容量はボールペンで最大25本ほど。ボディが大きめで中仕切りもないので、かなりたっぷりとペン類を飲み込む

 

最大に開いたがま口のフタ側は、受け皿として機能するので、ここに一時的にストックしておきたい小物などを置いておくことが可能。さらにスマホを立てかけておくこともできるので、Zoom会議やビデオ通話にも使いやすい。シリコンゴムの摩擦とがま口の口金を使えば、縦置き・横置きどちらでも大丈夫だ。

↑幅内寸は約80mmで、縦に長いMax系iPhoneでもすっぽりと収まる。ただし、置いている間は中身が取り出せなくなるが……

 

そしてもっとも特徴的なのが、なにをどうやっても倒れない、という点。

 

自立型ペンケースは、機構上どうしてもタテに細長く、接地する面積が狭い。“狭い場所にも置ける”というのが最大のメリットなので仕方ないのだが、それは同時に、倒れやすいというデメリットも含んでしまう。

 

ペンケースの中身がザラザラとこぼれてしまうと、もうそれ以降テンションはダダ下がり。しかし「エアピタ」は、トンと置くだけで自動的に底面の吸盤が机にピタッとくっついて安定し、倒れないのだ。

↑単なる薄いゴム板に見えるが、実はやたらと強力な底面の吸盤(ピンクのパーツ)だ

 

↑中が空であれば、この通り逆さまにしてもしっかりと吸着している

 

この吸盤が本当にやたらと高性能で、一度ツルツルの面に吸着したら、逆さにしたって剥がれ落ちないレベル。これなら手が当たろうが、ノートPCのカドがゴン! と当たろうが(筆者がよくやるミス)、まず倒れることはないはず。試しに無理矢理倒そうとすると、先にペンケース本体がぐにゃっと曲がってしまった。

 

他社製の自立型ペンケースにも底面吸盤を備えたものはあるが、吸着強度は圧倒的にこちらの勝ちと言える。

↑狭い場所で使うと意外と頻発する、“ノートPCが自立ペンケースにガチャーン!”事件。でも吸盤でくっついていれば安心だ

 

↑取り外すときは「PUSH」ボタンを軽く押すだけ

 

そんな強力な吸盤、剥がすときはいったいどうするの? という話なのだが、正面底に見える「PUSH」と表記されたパーツを軽く押しつつ持ち上げれば、スルッと取れる仕組みになっている。こういった取り扱いのラクさも、実用的だと感じるポイントのひとつだ。

 

あの30度傾きペンケース「デテクール」がコンパクトになった!

もう一点紹介したいのは、レイメイ藤井の「デテクールモバイル」。以前にこの連載でも紹介した「デテクールペンケース」のコンパクト版として、2021年1月に発売されたばかりだ。

 

単にサイズが小さくなっただけなので、もちろん、あの特徴的な30度傾き機構もそのまま搭載している。

レイメイ藤井
デテクールモバイル
1600円(税別)

 

ご存じない方には「あの30度傾き機構」と言われてもなんのこっちゃ!? という感じだろうから、あらためて説明しよう。

 

使用時には、まずダブルジッパーをそのまま上端まで上げ、開いたフタをめくって、背面底部にくっつける(フタ先端をマグネットで固定する)。

 

そして、中におさまった、ペンなどを収納しているケースを指で引き出す。すると、ケースが30度ほど傾いた状態に変形。つまり、立っているペンの後端をこちら側に差し出すように保持してくれる、という仕組みなのだ。

↑ケースが傾く、かなり独特なギミック

 

30度傾斜のペン立ては、中身の出し入れがスムーズなのがメリット。一般的なペン立てがペンを垂直(真上)に出し入れするのに比べると、腕の動きに無理がなく、やりやすいのである。

 

特にペンを戻す動作は、机にヒジを置いたままの姿勢でポイッと投げ込むようにできるので、非常にラクだ。

↑傾くことによって、垂直方向よりも腕の動きが少なくペンが出し入れできるのは、大きなメリット

 

コンパクト版となる「デテクールモバイル」は、元の「デテクール」と比べて、およそ90%に縮小したサイズ感となっている。セミハードケース、かつそこそこ大きかった「デテクール」は、カバンに収納しにくい、という意見がメーカーに寄せられたようで、確かに筆者も、前回のレビューでそう感じた旨を書いていた。

 

正直に言えば、「デテクールモバイル」もそんなに小さくはないのだけれど……。縮小化は容量とトレードオフになるし、さらには底面積が減ることで転倒しやすくなるというデメリットもある。そういう意味で、これくらいがちょうどいいのでは? というメーカー判断なのだろう。

↑ベースとなる「デテクール」(写真左)と比較すると、一回り小さいかな? というくらいのサイズ

 

コンパクト化で、メイン収納のケース容量は減っているが、その代わりに小物収納ポケットが増やされている。以前と同じ上部のポケットに加えて、ケース前面にもふせんやボールペンの交換リフィルが入るポケットを装備。さらに、本体の両側面と背面にも、薄物を収納するポケットが追加された。

 

側・背面のポケットは、ケースには入れづらい定規などがちょうど収納できそうだ。

↑小型化で収納が減った分をフォローできる外部ポケット

 

↑ケースに入れると底に沈んでしまう小物は、前面ポケットがありがたい

 

テレワークでどれくらいの量の筆記具を使うかは、職種によってまちまちだとは思うが、例えばボールペン1本、ラインマーカー2本、サインペン1本、シャープペンシル1本……という程度の構成であれば、大きなペンケースは単に置き場所の無駄となる。であれば、「デテクールモバイル」で充分に余裕のある運用ができるし、しかも出し入れがラクなのは便利だろう。

 

そういう意味では、「高機能なペンケース」を、自分の運用に合わせてサイズから選べるのは、ありがたいことだと思うのだ。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

【文房具総選挙2021】“立つ”ペンケースを中心に収納力を究めた「収納する」文房具13点がノミネート

仕事や作業の効率をアップさせる高機能な文房具、「はかどり文房具」の年間ナンバーワンを決定するアワード、「文房具総選挙2021」がスタートしました。ここでは【機能部門】「収納する」部門にノミネートされた文房具を紹介していきます。

「文房具総選挙2021」の全貌
https://getnavi.jp/stationery/585036/

 

【ノミネート商品をまずは写真でざっとチェック!】


投票は4/25 23:59まで・結果は5/24に発表します

 

【機能部門】収納する 部門

今年は省スペースで使えるだけでなく、中身の取り出しやすさにもこだわった“立つペンケース”が多数ノミネート。雑貨のような素材やデザインの収納アイテムもトレンドです。13商品がノミネート。

 

No.87

クツワ
エアピタ
1650円

底面に吸盤を備えた、倒れないペンケース。逆さにしても落ちないほどの吸着力だが、「PUSH」部分を押せばすぐ外せる。中身を取り出しやすいがま口仕様で、スマホスタンドにもなる。

 

No.88

ナカバヤシ
CAPOTTOシリーズ
1870円

スタッキングできる収納ツール。ペンスタンドは、ペンを最上段の切り欠き部分に立て掛けると、必要なときに取り出しやすい。下段には付箋などの小物が入り、段ごとにロックできる。

 

No.89

LIHIT LAB.
CUBE FIZZ 「ホルダーファイル<ワイヤ式>」
858円

クリアーホルダーを綴じられるファイル。一般的なクリアーホルダーの背側の底部にある隙間に付属のワイヤを通し、ワイヤの上下を綴じ具に挿し込んでファイリングする仕組みだ。

 

No.90

学研ステイフル
クロスタンドペンポーチ
1430円

広げて山折りにすると机の上に立つペンケース。ペンがクロスして立ち、目的のものを見つけやすい。ポケットは、細身のペン用と多色ペンなどの太めのペン用、小物用のポケットがある。

 

No.91

キングジム
サンドイット
319円(カードホルダー)、638円(ドキュメントホルダー A4)

ゴムの力で書類をサンドし、最適な厚さで持ち運べる。A4タイプはクリアーホルダーごと入り、コピー用紙は約250枚まで収納できる。書類の分類に便利なインデックスが2枚付いている。

 

No.92

LIHIT LAB.
CUBE FIZZ「カードケース」
308円(10枚収容タイプ)、363円(20枚収容タイプ)

目的のカードを見つけやすいケース。底面内側に傾斜があり、収容したカードの高さが1〜2mmずつズレて段差状に並ぶ。フタが大きく開くため閲覧しやすく、出し入れもスムーズだ。

 

No.93

キングジム
SPOT 「ハルファイル」
880円〜

吸盤で壁などに貼り付く収納ファイル。表紙を閉じればホワイトボードとしても使える。書類をパラパラめくれる状態で収納できるタイプや、表紙に書類を挟んで掲示できるタイプなど4種展開。

 

No.94

サンスター文具
SMAND
1595円

前面に滑り止め付きのフラップを備えた、スマホスタンドになるペンケース。スマホをタテ・ヨコ自由な角度で置いたまま、中身を取り出せる。収納本数が約23本と大容量なのも魅力だ。

 

No.95

レイメイ藤井
デテクールペンケース
1870円

ペンスタンド部分を手前に引くと、斜めに約30度飛び出す構造のペンケース。中身がよく見え、背の低いものも見つけやすい。付箋やクリップなど、小物の収納に便利な内ポケット付き。

 

No.96

ライオン事務器
PPカラーホルダー<PELTO>
385円

フタとホックが中身の抜けを防ぐ書類ホルダー。2辺がL字に開くため書類の出し入れがしやすく、クリアーホルダーごと収納できる。不透明な素材を使用し、大切な書類も安心して持ち運べる。

 

No.97

カミオジャパン
FUKU ROLL
880円

小容量のゴミ袋を内蔵したカラビナ付きのポーチ。袋は、20枚綴りのロール状になっており、前面の口から引き出し、ミシン目で切り離して使う。3ロールセットになったリフィルも用意。

 

No.98

キングジム
かさばらないバッグインバッグ「フラッティワークス」
935円〜

人気のバッグインバッグの帆布生地タイプ。マチが35mmと従来品の1.5倍あり、厚みのある小物も入れられる。新たにポケット付きの可動式の仕切り(A5サイズ、A4サイズのみ)も追加した。

 

No.99

ミドリ
ペン&ツールポーチ
968円

内側にカードサイズのポケットと、筆記具などを入れやすい縦長のポケットを備えたメッシュ素材のポーチ。アイテムに合わせてポケットを使い分けでき、小物をすっきりまとめられる。

 

トレンドと機能で分類した8部門・99商品!

たった今の世の中の流れが見える「トレンド部門」3部門と、機能によって分類した5部門の、合計8部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品が選出され、合計99もの商品がノミネートされました。

【トレンド部門】
仕事がはかどる! テレワーク&フリーアドレス文房具 部門

コロナ禍で特に需要が広がったのが、本部門のアイテム。仕事道具をまとめる収納ツールから、狭いデスクでも使える省スペースアイテムまで、快適な環境構築を助ける商品が目白押し! 12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585389/

 

【トレンド部門】
勉強がはかどる! 学生応援文房具 部門

昨年に引き続き、ノートをきれいに取れる、使っていてモチベーションが上がるなど、学習効率を高めてくれる文房具が数多く登場。資格取得などに向けて勉強中の大人も要注目! 13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585398/

 

【トレンド部門】
デジタルと連携してはかどる! デジアナ文房具 部門

スマホやPCと連携することで、機能を拡張できる文房具が増加中。本部門では、それらの商品に加え、デジタル機器の使い心地を向上させる周辺アイテムもピックアップしました。9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585400/

 

【機能部門】
書く・消す 部門

人気ブランドから待望の多色・多機能ペンや細径モデルが登場するなど、ボールペンを中心に熾烈な戦いが予想される本部門。インク色にこだわった商品にも、ぜひ注目してみてください。19商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585405/

 

【機能部門】
記録する 部門

白でも黒でも書けるノートや、油性ペンで書き込めるホワイトボード、半分に折りたためる手帳など、常識を覆すユニークかつ画期的なアイテムが満載。いままでにないフォーマットを採用した手帳も話題です。11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585407/

 

【機能部門】
分類する・印をつける 部門

付箋を中心に、9アイテムがラインナップ。名前の読み方を彫った印鑑や、メモを取れるIDカードホルダー、定規やマーカーペンの代わりに使える付箋など、新発想の商品が多く選出されています。9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585409/

 

【機能部門】
切る・貼る・綴じる 部門

コロナ禍で増えた荷物の梱包・解梱作業の効率アップを図るアイテムを中心に、多彩な商品が集結。携帯はさみをはじめ、コンパクトながらも使い勝手を極めた商品が増えています。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585415/

 

【機能部門】
収納する 部門

今年は省スペースで使えるだけでなく、中身の取り出しやすさにもこだわった“立つペンケース”が多数ノミネート。雑貨のような素材やデザインの収納アイテムもトレンドです。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/585417/


投票は4/25 23:59まで・結果は5/24に発表します

立つペンケースの新種に死角なし! レイメイ藤井「デテクールペンケース」の斜めに出てくーるケースが自宅ノマドを救う!

先日、仕事関係の知人(テレワーク中)とビデオ会議をしていたときの話。彼が、15分おきぐらいの頻度で「すいません、ちょっと場所変えます」と言っては、ノートPCを抱えてちょっと歩いて別のところに落ち着く、という行動を繰り返すのである。背後はずっとバーチャル背景なので、何が起きているのかこちらからでは分かりづらいのだが、後ろから聞こえてくる声や物音でなんとなく見当はついた。家の中で子どもが動き回るのに合わせて、居場所を転々と追われているようだ。

 

詳しく聞くと、自宅内のかろうじて仕事道具が広げられる場所3拠点をぐるぐるとローテーションしているとのこと。そのたびにPCや資料、文房具を抱えて動かねばならず、それがなかなかのストレスだとも……。

 

うーん、そりゃキツそうだ。我が家は子どもがいないので、場所の取り合いと言えば猫2匹と椅子の占有権を争うぐらいが関の山。もちろんこちらが勝つことはないので、結局は猫に居場所を追われてスゴスゴと仕事できるスペースを探して移動するんだけど。

 

子どもにせよ猫にせよ、場所争いに勝てないのは確定事項。ならば次にすべきは、自宅内移動をスムーズにする方策を探ることだろう。となれば、最新の機能性ペンケースが役に立ちそうなので、紹介しておきたい。

 

移動式文房具スタンドとしてはかどるペンケース

レイメイ藤井から2020年9月に発売となった「デテクールペンケース」(以下、デテクール)は、自宅内の狭い場所をウロウロ移動する“家ノマド”(なんて悲しい響きだろう……)に最適なペンケースである。

レイメイ藤井
デテクールペンケース
1700円(税別)

 

形状としては、もはやペンケースの形としてひとつ基本形ともなりつつある、自立するスタンドタイプ。立たせたままで使えるので、まずは狭い場所でも使いやすいという点がメリットだ。

 

使う際にはダブルファスナーを下端から上端までグイーッと一気に引き上げる。

↑ハンドルをつまんで引き上げると、2つのファスナーが開く

 

すると開口部の細長いフタがペローンと浮くので、それを持ち上げて裏面にペタリ。フタ先端とケース裏は磁石でくっつくようになっているので、これで邪魔にならないように固定ができるわけだ。

↑開いたフタは、裏側の下端に内蔵磁石でペタッと固定

 

↑収納部を手前に引き出すと、このとおりペンスタンドに変形

 

あとは、ケース内部に前後に2分割された収納部があるので、それを前に引き出すように倒すと……約30度に傾いたペンスタンドが出来上がる。こちら側に文房具の端部を差し出すような形になっているので、従来のペン立てよりも文房具の出し入れはスムーズなのである。

 

収納量としては、普通のペンであれば前後合わせて20本程度。見た目のサイズからすると少し少なめな気もするが、まず不満はないだろう。さらに上側にポケットも備えており、ここには消しゴムや付箋などの小物を収めておける。ちょっとしたスペースだが、こういう部分もあると便利なのだ。

 

↑手前にせり出しているだけでも、出し入れのしやすさは大幅にアップ。視認性も良好で、使いたいものにスッと手が届く

 

↑上部のポケットは消しゴム1個プラスアルファ程度のサイズ。ないよりはだいぶマシだが、できれば小物収納はもう少し欲しかった

 

似たような形状では、据置型の「ツールスタンド」(カール事務器)があるが、あれも同様に、収納が傾いているのが使いやすいのである。具体的には、机に肘を突いた姿勢でも中身が取り出せるし、さらに戻すときもナナメにポイッと投げ込めるのがラク。ツールスタンドは筆者もデスクに置いて愛用しているが、そのラクさをペンケースでも体感できるようになったのは、かなり嬉しい。

↑デスクで愛用中のツールスタンド(右)。このナナメせり出しタイプは個人的にかなり好みだ

 

家の中で移動しなきゃならない場合は、出してあった文房具をポイポイと投げ込んで、ファスナーを閉める。そうしたらあとは上部のタブを指にひっかけてサッと移動、という流れだ。もちろん他の自立型ペンケースでも同様のことはできるが、展開時の使いやすさで言えば、かなり優秀だと言えるだろう。

 

↑家の中での持ち運びに地味に便利だったタブ。こういう細かい気遣いが施されていると嬉しい

 

収納がナナメになることで倒れやすくなっていないか? と思ったのだが、使ってみるとこれはまったくの杞憂。ケース全体、および収納部に硬い芯が入っているため、かなりガッチリとした安定感がある。そのため、収納をナナメにしても倒れそうな気配はまるでなかった。わざと倒そうとしない限り、普通に使う分にはまず転倒の心配は不要だ。

↑多少は前重心っぽくなるけど、安定性にはなんの問題もなし

 

気になったのは、そのサイズ。高さ195×幅95×厚み65mmとかなり大きめなので、カバンに入れて持ち運ぶにはちょっと躊躇する。さらに全体が硬くて変形しないのも、携帯には不向きだ(もちろん常時携帯しても問題はないけど)。

 

つまりこれは、「家の中やオフィス内で移動運用しやすい文房具スタンド」として使うのが正解なんだと思う。まさに、子どもや猫に居場所を追われる家ノマドの推奨装備なのである。

 

移動の手間を避けようがないのであれば、せめて腰を下ろした時間だけでも快適に作業ができたほうがありがたい。ということで、同じ悲しみを背負った大人は、試してみてほしい。使いやすさはホント、間違いないから。

 

 

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ペン40本は余裕! 大量の文房具を持ち歩ける母艦ペンケース2選

【きだてたく文房具レビュー】きれいに並べたい人と片付けられない人、どっちも来いのペンケース

人間は大きく2つに分けられる。整理する人と、整理しない人。人間は大きく2つに分けられる。文房具をいっぱい持ち歩きたい人と、ちょっとでいい人だ。

 

こんな雑な分類ならいくらでも分け続けられるのだが、ひとまずここで留めて、全人類を4分割としてみよう。セグメントとしては[整頓する/文房具いっぱい][整頓しない/文房具いっぱい][整頓する/文房具ちょっと][整頓しない/文房具ちょっと]となる。

 

この4セグで何が表せるのかというと、それはもう単純な話で、オススメなペンケースのタイプだ。特に最近は[文房具いっぱい]な人向けのペンケースが人気傾向なのだが、その中でも最大級……ペン40本以上収納可能という母艦クラスのものから[整頓する][整頓しない]の区分で、それぞれ面白いものを紹介したい。

 

[整頓する/文房具いっぱい]人向けペンケース

まず整頓系母艦ペンケースの最新版として紹介するのは、LIHIT LAB.(リヒトラブ)の「ブックタイプペンケース トリプル」。ペン2~3本収納のペンケースを優美なヨットだとすると、これはまさに空母や戦艦に例えられる巨大さである。

↑LIHIT LAB.「ブックタイプペンケース トリプル」1620円(税込・以下同)

 

製品名のトリプルというのは、全容量を3ポケットに分割しているという意味。ファスナーをすべて展開すると、本のページのようにポケットをめくって中の文房具を探すことができるというのが、“ブックタイプ”の所以だ。

↑3つの収納スペースが本のようにめくれる、ブックタイプ収納

 

ページにあたる面には、ペン用の固定バンドやメッシュポケットがついており、ここにきっちりと収めるようになっている。中央のジッパースペースはさらに内部に1枚の仕切り板が入っているため、収納可能ページは表紙・裏表紙を除けば総ページ数は8ページ。1ページにペンを5本ずつ差すだけでもう、40本収納はクリアだ。

 

↑筆記具がきれいに並んで収納できるので、見た目もスッキリ

 

さらに、一般的な直径10~12㎜程度のペンなら1ページに8本が入る設計になっているので、ペン40本どころか、それにプラスして定規やハサミ、消しゴム、カッター、A7サイズのメモ帳ぐらいは収納できるようになっている。

↑小物用の3段メッシュポケットは厚めのマチ付きなので、消しゴムやふせん、マスキングテープなどもスルッと気持ちよく入る

 

ページごとにきちんと文房具を仕分けて収納すれば、先にも述べたとおりページをめくるように文房具を探せる閲覧性がブックタイプのポイント。大量の文房具が入る母艦ペンケースは、この閲覧性の高さこそが、使いやすさの最も重要な要素と言えるだろう。

 

↑筆記具45本+ハサミ、カッターナイフ、定規、消しゴム、マステなどなど。普通のペンケース3つ分ぐらいは余裕で飲み込む収納力!

 

ただし、もちろん使う側も「ここはカラーペンのページ」「ここはレギュラー筆記具のページ」ときちんと分類整理し、ひとつひとつ固定バンドやポケットに収める能力が必要だ。

 

そこさえきちんとできていれば、ブックタイプは大量の文房具をピシッときれいに揃えて持ち運ぶことができ、必要な文房具がすぐに取り出せる、最強の母艦ペンケースだと言えるだろう。

 

[整頓しない/文房具いっぱい]人向けペンケース

対して、整頓しない系のオススメは、クラックス「トレーBOXペンケース」。ブックタイプが使う人を選ぶペンケースとすると、こちらは全く人を選ばない。どんなガサツな人間でも大量の文房具が持ち運べる母艦ペンケースだ。

↑クラックス「トレーBOXペンケース」1382円

 

一見すると、サイズは少し大きめだがごく普通のポーチ型ペンケース。実際、ファスナーを開けて中の文房具を出し入れしているだけなら、機能的にも単なるポーチに過ぎない。

 

ちなみに容量的には、ペンだけ入れるなら40~45本ぐらい。ハサミや定規、消しゴムを含めてペン30本ちょっと、というのが実戦的な運用レベルといったところだろう。

↑内張りは明るいカラーなので、ファスナーを開けただけでも内部は比較的見やすい

 

さて、このペンケースのミソとなるのは、本体側面についたスナップ留めのポケット(の、ようなもの)部分である。プチプチとスナップをはずしてポケットを開けようとすると、予想をはるかに超えて大きくガバーッ!!と広がるのだ。

 

まるで深海魚の口のように大きく開くこの部分は、ポケットのようでポケットでない。実はポーチの中に素通しで直接アクセスできる、第二の開口部なのである。

↑側面をガバーッと開くと、中が一気に見渡せるペントレーに変身!

 

つまり、この開口部がガバーッと広がることで、大容量のポーチから一転、中身が見渡せるペントレーに早変わり、という仕組み。

 

ポーチ側からトレー底部に文房具をザラリと広げると、その重量でトレーが展開したまま安定する。トレーの側面フチは深めになっているので、広げた文房具が外にこぼれることもない。

 

↑筆記具33本+コンパクトなハサミ、カッターナイフ、定規など。これだけのものがサッと選んで取り出せるのは便利すぎ

 

トレー形態の何がいいかって、もちろんその閲覧性の高さだ。これだけ大きなポーチであれば中から必要な物を探して取り出すのもちょっと大変だが、トレーに広げてあればそれもたやすい。机が狭い場合はそのままポーチとして使い、広げられる場所があればガバーッ!と開けちゃってトレーとして使う。そういう両刀使いができるのはかなり便利だ。

 

なにより、ブックタイプのように整理収納を心がけなくても使えるのは、大雑把[整頓しない/文房具いっぱい]人間にとってはかなりありがたい。雑にポンポンと文房具を放り込んであっても、使いたいものが素早く取り出せるというのは、まぁ想像を超えた使いやすさなのである。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。

パコッ! のワンアクションでOK。中身に優先順位をつける高機能ペンケース

【きだてたく文房具レビュー】トレーの構造や本体の切り分けで収納した文房具に優先順位をつけるペンケース

新年度がスタートしてしばらく経つわけだが、異動やら配置換えで仕事環境が今までと変わってしまった、という方も結構おられるんじゃないだろうか。外回り中心から内勤になったとか、これまでフリーアドレス制だったのに固定デスクになった、とか。そういう環境の変化に合わせて替えるといい文房具が、ペンケースだ。

 

可搬性重視の軽いペンケース、狭い机で使いやすい立つペンケース系など、ペンケースは使う場所に合わせると作業効率がアップするものが多いのである。

 

今回は、そんな中でも使うシーンを絞って機能を向上させた「機能特化型ペンケース」を紹介したい。

 

文房具を“取っ替え引っ替え”使いたい人のためのペンケース

必要なものにすぐ手が届く、トレー変形タイプのペンケースは、いま文房具好きの間で密かに人気が高まっている。

 

一昨年ごろから流行した、いわゆる「立つペンケース」よりも面積が要るため場所は選ぶが、消しゴムやふせんなど小さなモノも探しやすいというメリットがある。

 

そんなトレー変形型でも、ちょっと変わったギミックで注目の製品が、カミオジャパンの「パコトレー」だ。

↑カミオジャパン「パコトレー」1620円

 

収納状態ではごく普通のポーチ型だが、ジッパーを開くと同時に中央部のポケットだけが持ち上がり、立体的な2段ペントレーになるという機能付き。

 

フルオープンにすると、底部に仕込まれた磁石同士がパコッとくっついて、開いたままの状態を維持する仕組みとなっている。(ただし、ポーチ状態でスチールデスクにパコトレーを置くと、この磁石が机面にくっついてしまうのがちょっと鬱陶しい)

↑ジッパーを全開にすると……

 

↑中央ポケットが持ち上がって、中の文房具が取り出しやすいように変形

 

必要なものにアクセスしやすいと言っても、実のところ、中の文房具全部にすぐ手が届く必要はない。例えば、いつも使っているペンと蛍光マーカー、ふせんだけすぐ使えれば、あとはまぁ入っていればいいや、程度だということもあるだろう。

 

パコトレーの2段トレーは、まさにそういう使い方向き。トレー型のアクセスの良さをさらに特化させ、中央ポケットに入っているレギュラー文房具数点に絞って、取り出しやすさをアップさせているのだ。

↑取り出しやすさに関して、かなり割り切った作りになっている

 

いつもの文房具を「どうぞお使いください」と捧げ持ってくれているようで気分もいいし、実際にアクセスもいい。

 

会議用と外出用を使い分けられるペンケース

社内で会議に出るならペン数本持てば充分だが、外出用にはもうちょっとしっかり装備を揃えておきたいもの。

 

社内外ともに移動が多いタイプの人だと、やはりひとつのペンケースで満足感を得るのは難しい。かといって複数のペンケースを備えておくのも大仰すぎる気がするし。

 

キングジムの「イッツイ フルオープンタイプ」はそういう人向きの、「使うシーンを絞らない」ことに機能を絞ったペンケースだ。

↑キングジム「イッツイ フルオープンタイプ」2138円

 

見た目は、手帳サイズの四角いペンケースにポケットが付いたような感じ。実はこのイッツイ、本体と小さなペンシースのふたつが一体化しているペンケースなのだ。

 

磁石でくっついているだけなので、分離するときは本体からペンシースをパコッと取るだけ。そして合体させるには同じ場所に戻すだけ。非常にシンプルなので、使い方に悩むということはまずないだろう。

↑本体と分離・合体が可能なペンシースの組み合わせ。日常的にはシースだけで充分、というシチュエーションも多い

 

ペンシースは、メインのボールペンと赤ペン、蛍光マーカーぐらいの組み合わせがちょうどいいぐらいの容量だ。

 

例えば社内の会議とか、上司に呼ばれたときなんかは、本体からこのペンシースをもぎ取って手帳と一緒に持てば、充分に対応可能だ。なにより荷物が少なくなるので、身軽に移動できるのがありがたい。

↑フルオープンにした本体。フルフラットになるので、必要なものが取り出しやすい

 

本体(大ペンケース)は、ジッパーを全開にすることでフラットに開口して、ペントレーとしても使えるようになっている。

 

開いた右側はペンを挿しておくペンポケットになっているが、せっかくのトレー型なので、ペンはそのままザラザラと放り込んでおいた方が使いやすいように思った。

 

左側は仕切り板で2段に仕切られており、定規やハサミ、カッターなどを収納するのに丁度いい感じ。また、板にはわりとしっかりした芯材が入っているので、ポケットに名刺やふせんなどを入れておいても曲がらず、安心感がある。

↑ホームセンターなどで売っている磁石シート(ちょっと強めがいい)を仕込んで、ノートカバーとも合体可能に

 

あと、これは小技的なものだが、社内でいつも使っているノートカバーのポケットに磁石シートを忍ばせることで、ペンシースとノートも一対で使用できるよう改造してみた。

 

キングジムの製品には、磁石内蔵タブで表紙を挟み込んでノートと一体化できるペンケースとして「ペンサム」がすでに存在するが、それよりも取り回しが良い感じで、なかなか使いやすい。

ただそうなってしまうと、本体とペンシースで「イッツイ(一対)」ではなくなってしまうので、改造版はなにか新しい名前を付けた方がいいかもしれない。本体とノートの都合のいい方にくっつく「コウモリ」、というのは語感が悪すぎるか……。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。ブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)が発売されたばかり。

授業や会議で指されたくない人へ! 悪目立ちを防ぐパイロットの縦横無尽ペンケースをレビュー

【きだてたく文房具レビュー】悪目立ちしないペンケース

 

仕事柄、友人知人からの文房具の相談に乗ることが多い。この間も、仕事関係では先輩に当たるライターの方から「なんか使いやすいペンケースってない?」という非常にザックリとした相談を受けた。

 

「なんか使いやすい」も何も、アンタが今どんなペンケースを使ってて、どこが不満なのか分からない以上は、何も言えねぇよ! という言葉は社会人として飲み込んで、「そうですね、最近は立つペンケース系がすごい流行ってますねえ」と、当たり障りのない回答をすると、あちらが「うーん……」と妙に渋い反応をする。

 

あれ? 想定外の反応に「どうしたんですか?」と聞くと、「立つペンケース、使ったことあるんだけど、会議とか打ち合わせの時に使うと変に目立ってイヤなんだよね」とのこと。

 

なるほど。考えたこともなかったが、たしかにテーブルの上に自分のペンケースだけがにょっきり立っている状態を、“悪目立ち”と受け取る人はいるのかも知れない。そして、そういうことならこちらにも解決案がないことはない。

↑パイロット「Tatemo」全9色 各1296円↑パイロット「Tatemo」全9色 各1296円

 

“立つペンケース”系は、立たせて使うことで中の筆記具を取り出しやすい、さらに狭い机でも省スペースで展開できる、という大きなメリットがあるが、今回の先輩ライター氏は、場合によっては立たせたくないこともあるという。

 

ならぱ、立たせても寝かせても便利なものがあれば良いのだろう。ということでオススメしてみたのが、パイロットの立つペンケース「Tatemo」である。

↑フタを開いて自立させた状態。これだけで充分に安定して立つ↑フタを開いて自立させた状態。これだけで充分に安定して立つ

 

使用時は、斜めに切られた前面の開口部をファスナーで開けてガバッと展開させる。するとフタと本体がマグネットで固定され、三角のくさびのような形に変形するので、これでペンスタンドのように立たせることができるようになる、というもの。

 

変形によって底面積は1.5倍ほどに増えるので、使っていてもまず安定して自立する。これならカフェのテーブルなど狭い机で作業をする時も、場所が広くスッキリ使えるというわけである。

↑立てた状態なら、狭い机でも仕事がしやすい↑立てた状態なら、狭い机でも仕事がしやすい

 

Tatemoの面白いところは、この三角のくさび型の状態で立たせるだけでなく、寝かせてペントレーのように平らに使うこともできる、というところ。といっても、さほど特殊な仕掛けがあるわけではない。単に、背面もフラットになっているから寝かせても安定している、というだけの話である。

 

しかし、実は立つペンケース系の中でこれは意外にレアな特性なのだ。基本的に立たせて使うことを前提としているので、他の製品は寝かせた状態ではペンが取り出しにくかったり、広い開口部がキープできなかったりするものが多い。

↑寝かせた状態でも中の文房具へのアクセスはスムーズ↑寝かせた状態でも中の文房具へのアクセスはスムーズ

 

対してTatemoは、寝かせたトレー形態でも開口が充分に大きく、ペンが取り出しやすくなっているのがポイントだ。また、ファスナー周りに少しフチが残るようになっているので、トレーとして寝かせた時もザラッと中からペンが出てくる心配もない。

 

縦・横どちらにしても安定するので、自分の使用環境に合わせて置けば快適に使うことができるだろう。

↑会議中に立てた状態。確かにちょっと悪目立ちするかも?↑会議中に立てた状態。確かにちょっと悪目立ちするかも?

 

↑寝かせた状態。これなら注目も受けずにやりすごせるはず↑寝かせた状態。これなら注目も受けずにやりすごせるはず

 

フタには、立つペンケース系ではすっかり定番になった面ファスナー付きポケットが付いており、消しゴムやふせんなどの小物はここに収納可能。立たせたとき底に沈まないように、という工夫である。

↑フタ側についたメッシュポケット。決して使いやすいわけではないので、あまり使わない類のものを収納する方がいい↑フタ側についたメッシュポケット。決して使いやすいわけではないので、あまり使わない類のものを収納する方がいい

 

ただ、このポケットは口が狭く、決して使いやすいわけではない。使用頻度の高い消しゴムなどはペン型のものを使うなどして、ここにはボールペンの替えリフィルのような、いざという時の備品を収納するのがベターだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。