サイズも重さも新しい! オンライン会議仕様の「ペーパーフリップボード」がホワイトボードの常識を変える!?

2022年のISOT(国際文具・紙製品展)では最新のホワイトボードがいくつか出展されており、特にオンライン会議に使用する前提で設計された、手持ちタイプのものが人気だった。

 

実際、ここ2年ほどの間で、オンライン会議の進め方はかなり洗練されてきた感がある。その中で「手持ちのノート型ホワイトボードで情報をまとめる」というスタイルが、一定数の人に定着してきたのだろう。つまり、需要が増えたわけだ。

 

その証拠になるかは分からないが、文房具関係で国内最大のアワードである「日本文具大賞」デザイン部門で今年グランプリを受賞したのも、手持ちのホワイトボードである。今回はそのホワイトボードを実際に試して、使い勝手などをレビューしてみたい。

 

正方形が意外とオンライン会議にハマる!?

2022年で31回目となった日本文具大賞でデザイン部門グランプリに輝いたのが、コスモテックの「wemo paper flip board」(以下、ペーパーフリップボード)だ。

 

wemoといえば、腕に巻き付けて使うシリコン製のメモで知られるが、今回はウェアラブルではなく、手持ち製品となっている。

 

コスモテック
wemo paper flip board(ウェモ ペーパーフリップボード)
3500円(税別)

 

従来の手持ちホワイトボードといえばノートタイプが基本で、ほとんどがA4~B6などの定型用紙サイズをベースにしていた。対してこちらは288×288mmと大きめの正方形。ボード色が白ではなく薄いグレーという部分も含めて、いきなりルックスからしてユニークである。

↑手持ちボードとしてはかなり大きめ。表面には5mmのドット方眼が印刷されている

 

↑ホワイトボードならぬ“グレーボード”だが、黒のマーカーで書いた際の視認性に問題はない

 

もちろんこの正方形+大きめフォルムは、見た目のインパクトを追求したものではなく、オンライン会議に用いた際に「ボードと顔が一緒にフレームインできて視認しやすい」ように考えられているという。成人男性の顔が平均して縦231mmだそうで、つまり「ペーパーフリップボード」の縦寸に近い。なので、ボードと顔が並んで横長のフレームに収まったとき、違和感が少ないというわけだ。

↑ボード+顔が無駄なくフレームに収まるため、スッキリした印象を与える

 

従来のノート型ホワイトボードは、横型に使う前提(というより、「ホワイトボードは横長で使う」というイメージで固定されがち)である。そのため、ボードを大きくフレームインさせようとすると顔が入らず、顔を一緒に写そうとするとボードが小さくなって見えづらい。縦使いすれば写りは改善されるが、その代わりに横方向へ書き進めるスペースが足りなくなる。

 

そう考えていくと、オンライン会議用ホワイトボードのフォルムは、顔に近いサイズの正方形が正解に近いのではないか、と思えてくるのだ。

 

持ち上げ続けられる軽さ

「ペーパーフリップボード」のもうひとつのポイントが、ダンボールにフィルムコーティングをしたボードであるということ。他のノート型ホワイトボードと比べて厚みがありながら、軽いのである。このサイズで実測97gは、意識せずに持ったときに「え、軽っ?」と声が出るレベル。

↑側面から見ると、ダンボール製なのが分かる。この軽さも納得だ

 

オンライン会議中、他のメンバーに見えるようにボードを手で持って掲示し続けるシーンは、よくありがち。そういう場合、軽さはシンプルに正義と言えるだろう。

 

ホワイトボードとしての筆跡の消し心地はどうか?

↑ボードは筆跡のこびりつき感が薄く、スルッと消えるのが楽しい

 

ボード表面のコーティングに関しては、とにかく「筆跡の消し心地」に特化した、高性能なフィルムコーティングが施されているとのこと。そもそもコスモテックは、液晶パネルなどに使われる機能性フィルムのメーカーなので、そのあたりの技術は間違いないところだろう。

↑10分〜96時間経過の筆跡で消字テストを実施

 

↑まずは従来のホワイトボード。96時間ぐらいなら消えないわけではないが、ゴシゴシと強めにこすらないと、このように定着跡が残ってしまう

 

↑対して「ペーパーフリップボード」は、普通にこするだけで96時間経過の筆跡までスルッと消えた

 

ホワイトボードマーカーは、インクがボード表面で薄い塗膜になるため、それをイレイザーでこすってはぎ取れば、消すことができる。これが、ホワイトボードが書き消しできる仕組みだ。

 

しかし、書いてから長く時間が経つとインクがボードに定着してしまい、消しづらくなることも多かった。そこで試しに一般的なノート型ホワイトボードと比較してみると、なるほど、消字能力の差は歴然。これが消し心地にこだわったフィルムコーティング(おそらく平滑度を高めたもの)の性能なのだろう。

 

↑ちなみに、付属のマーカーホルダーもイレイザーとして使用可能。ただし汚れてしまうので、個人的にはオススメしない

 

気になった点といえば……

ただ、このフィルムの平滑度の高さが仇となって、ボード表面がやたらと光を反射するのは、使いづらさを感じてしまった。

 

例えばオンライン会議で顔写りを良くしようとして照明を使うと、角度によってはボードが強くテカッてしまい、視認性が大幅に下がってしまうのだ。加えてボードがグレーカラーなのも、光の反射が目立つ要因のひとつだろう。

 

ボードの「消し心地」と「テカリの少なさ」はトレードオフの関係なので、つまりはどちらを選ぶかという話。個人的には、テカらない方がありがたいのだけど……。

↑グレーのボードは、蛍光灯やLEDなど白色光の反射が目立つ

 

↑ボードへの写り込み(写真では窓から外の風景が写り込んでいる)で個人情報が露呈することもあるので、要注意だ

 

ノート型ホワイトボード自体が出回りだして10年以上が経つが、オンライン会議のシステムと組み合わされたのは、冒頭で述べた通りまだおよそ2年前のこと。形状やサイズなども含めて、「これが大多数のオンライン会議にマッチしたボードである!」という仕様は、まだ固まっていないのである。

 

しかし、「ペーパーフリップボード」の正方形フォルムや軽さは、かなり最適解に近いようにも感じた。オンライン会議用ホワイトボードが今後どういう進化をするかは分からないが、少なくとも現時点で最も要チェックな製品なのは間違いないだろう。

 

フリクションで書けるホワイトボードノート「バタフライボード noteX」は新発想のペンループで書きたい瞬間を逃さない!

以前、この連載でノート型ホワイトボードと細字ボードマーカー各種を紹介したばかりなのだが、正直なところを告白すると、個人的には苦手なのだ。ホワイトボードとボードマーカーの組み合わせが。書き消しできるのはいいし、消しカスが出にくいのもいい。くっきりして、筆跡の視認性も高い。だがあのツルツルした筆記感が、どうしても苦手。

 

そもそも悪筆とホワイトボードは、相性が最悪なのである。字が汚い人間が使うと、ペン先チップが滑りすぎてコントロールできず、自分でも後から解読できないレベルの字になってしまう。氷上をスリッパで走るが如きあのツルツル感で、どう丁寧な字を書けというのか。

 

だから、ホワイトボードにきれいな字が書かれているのを見ると、言い知れない敗北感に襲われてしまう。たまにいるよね、ものすごく整った字で会議の内容をボードに書く人。

 

だから、以前ああやってドヤ顔で紹介はしたものの、自分ではノート型ホワイトボードを使いこなすには至っていないのである。でも、使いたい。駆使できれば便利なのが頭じゃ分かっているので、ちゃんと使いこなしたいのだ。

 

ホワイトボード? それともノート? 不思議な「notesX」

……と、いつもの悪筆コンプレックスをこじらせて鬱々としていたところ、GetNavi編集部から「じゃあ、これとかどうスかね。んでレビューよろしくですー」と、一冊のノートが送られてきた。

 

それが、現在クラウドファンディングサイトのMakuakeで先行販売中の、バタフライボード「notesX」である。ああコレ、確かに興味はあったんだ。

バタフライボード
notesX
一般販売予価 7200円(税別)

 

「バタフライボード」についてまず説明しておこう。ノート型ホワイトボード「バタフライボード」から始まったメーカーだ。そして2019年には、メモタイプのホワイトボード「notes」がMakuakeでクラファン達成率9000%超という、とんでもない数字を叩き出した。

 

で、今回の「notesX」はその「notes」の発展型という立ち位置で作られたもの。期待値は当然高く、早割でも7000円近い価格ながら、ファンド開始10日間で達成率3500%超えという爆速スタート。ファンド残り20日となった現在は、達成率が5600%に上っている。

 

↑開いたところはごく普通のノートのようだが、実は綴じ方に秘密がある

 

「notes」は測量野帳(コクヨのポケットタイプのスケッチブック)に近いサイズのハードカバーメモだったが、「notesX」は少々サイズアップ。A5(より少しスリム)な大きさで、ノートとして使うにも問題ないサイズだ。

 

表紙を開くと、薄く5㎜方眼が印刷されたページが始まり、ぺらぺらとめくっていくと、6枚(12ページ)の紙……というか、薄いボードが綴じられている。

 

この表紙とページが、引っ張るとそれぞれがこの通り、ポコッと外れて分解できてしまうのだ。これが、初代「バタフライボード」から最新の「notesX」まで共通の、マグネットヒンジを使ったスナップバインディング構造である。

↑引っぱるだけで簡単にページが分離する

 

↑各ページと表紙はマグネットでくっついているので、分離・結合が自由自在

 

ページのノド側(綴じられている側)2か所に極薄のマグネットを内蔵しており、普通のノートのように違和感なくページもめくれるし、リングノートのように表紙を360度折り返して使うこともできる。

 

さらにはページを外してスチール面に貼り付けられるほか、2枚外してくっつければ、ほぼ正方形のボードとしても運用可能だ。バタフラボードシリーズ独自の、かなり面白い機能と言えるだろう。

↑360度折り返せて、邪魔なリングもない。これは快適だ

 

そしてなにより興味深いのが、「notes」「notesX」のページとして採用されている「シンセティックペーパー」だ。

 

従来のホワイトボードと違って、かなりサラッとマットな手触りがあり、テカりもかなり少ない。それでもジャンルとしてはホワイトボードになるので、当然ながら書いて消してが可能……なのだが、書くのにホワイトボードマーカーは使わない。なんと、お馴染みのフリクションボール(など、いわゆる消えるペン系)を使うように作られているのだ。

↑フリクションボール(0.5mm)が付属。思ったよりも紙に近い書き味だ

 

通常のホワイトボードでは、表面でボールペンのボールが空転し、きちんと書くことができない。しかしシンセティックペーパーは、樹脂と鉱物を原料に作られた耐水紙で、表面に無数の微細な孔がある。この微細孔がほどよい引っかかりとなって、ボールペンでも書けるマットな紙面を生んでいるのだ。

 

もちろん、コピー用紙などと比べればやや滑りはするが、それでもホワイトボード+マーカーの不安なほどのツルツルさはない。印象としては、だいぶ紙っぽい。「7割ぐらい紙かな」という感じである。なによりボールペンなので、細字マーカー以上に細い字が書けるのも嬉しいところ。これなら「notesX」を普通にノート感覚で運用することだって、充分にできるはずだ。

 

フリクションなので当然のことながら、1文字だけ消したい場合は、軸後端のラバーで擦って消すことができる。さらにある程度まとめて消したいときは、濡らしたキッチンペーパーやウェットティッシュで撫でると、きれいに拭き取ることができるのだ。

↑まとめて消したい時は、ウェットティッシュでサーッと!

 

↑指に水分が付いてなければ、擦っても大丈夫。夏場は汗で流れる可能性がありそう

 

チマチマと拭くのが面倒くさいなら、いっそ水道からページ全体にダバーッと水をかけてやってもいい。これで一気に全部洗い流せてオールクリア。うーん、なかなか気持ちいいぞ。

 

フリクションインクは乾燥しても水に弱いという性質を持っているので、こういうことも可能なのだ。

↑流水でインクがきれいに落ちるのが楽しい

 

もうひとつ面白いのが、ペンを携帯するために備わっている「バタフライループ」。単に2本のゴムベルトが交差しているだけに見えるが、これが直径9~15mmのペン軸に対応した万能ペンループとして機能するのだ。

 

手帳やノートカバーのペンループと言えば、ユルユルすぎてペンが抜けたり、多色ペンだとキツくて入らなかったりと、ちょうどよくペンが入ることがあまりない。それがバタフライループなら、だいたいのペンがクリップを使わずにピタッと固定できて、抜け落ちる心配もない。うまく装着するのには少し慣れが必要かもしれないが、それでも良くできているんじゃないだろうか。

↑交差しているゴムベルトの中央にペンを挿し込んで……

 

↑パタンと表紙を閉じればペンが固定される。太さに関係なく使えるのはナイスアイデアだ

 

ノート型ホワイトボードを超えて、もはやノート感覚

さて、ひとまず一週間ほど手元で使い続けてみたのだが、慣れるほどに「ノート型ホワイトボードを使っている」という感覚は薄れてくる。というか、もうほぼノートだわ。これはやはり、シンセティックペーパーのマットさによるところが大だろう。

 

アイデアノートとしてあれこれ雑に書き込んで、必要な部分はiPhoneの「メモ」アプリでスキャンして取り込み。あとはざっくりウェットティッシュで拭き取って(一気に洗い流すのは楽しいけど、あとで水気を拭うのが面倒になってきた)、また書いて……という運用が、なかなか快適だ。

 

さらには、リモート会議用の小型ホワイトボードとしても充分に実用的。この場合はサインペンタイプのフリクションカラーズがマッチする。

↑摩擦で消えるインクであれば問題なく使える。特に、カリカリ感があってインクも濃く出る「フリクションポイントノック04」(パイロット)との相性は最高だと思う

 

↑消す前提で運用するノートなので、保存したいものはスキャンしておくといい。iPhoneなら「メモ」アプリが手軽だ

 

価格は、たしかにノート/ノート型ホワイトボードとしてはかなり高額かもしれない。しかし個人的には、それだけの価値はあるかもなー、とも感じる。

 

クラウドファンディング終了後には、これまで通り一般発売もされるはずだが、気になるのであれば、割引の効く先行販売中に買っちゃったほうが良さそうだ。

 

 

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会議やブレストを快適化するのはどれ!? ホワイトボードマーカーと最新ホワイトボードノートを比較レビュー

Zoomなどのツールを使ったオンライン会議をしている最中、「あぁ、今、ホワイトボードがあれば」と思うことがけっこうある。というより、今までの“会議におけるホワイトボードの重要性”を軽く見過ぎていたということかもしれない。出てきた意見を列記するだけでも、会議の参加者が「どこに話を着地させればいいのか」の目安にもできるので、話がまとまるまでにかかる時間が短いように思うのだ。

 

そういうときに意外と重宝するのが、ノート型の携帯用ホワイトボード。ノートのように綴じた紙に特殊加工を施し、ホワイトボードマーカーで書き消しができる、というものである。これは、すでにいくつかのメーカーから発売されており、A4からB6、小さいもので新書版サイズまで、幅広く展開している。

 

多くは、個人でアイデアをまとめるアウトプットツールとして作られたものだが、オンライン会議にも実は重宝する。書記役の人が手元で書きとめて、必要な時にカメラに向けて見せれば、それなりに従来のホワイトボードに近い使い方ができるのだ。

 

ここで気にしたいのが、まずはホワイトボードマーカー。なにしろ、ボードがノートサイズなので、従来のマーカーのような太さでは、あっという間に紙面が埋まってしまうし、そもそも書きづらい。できれば、線幅1mm以下の極細を使いたいところ。

 

そして、もうひとつ重要なのがイレイザー(イレーザー、イレーサーとも呼ぶ)だ。手元でチマチマと書く関係上、大きなイレイザーは邪魔。持ち歩く可能性も考えれば、マーカーのキャップに小さなイレイザーがくっついたタイプがベストだろう。

 

ということで今回は、各社から発売されているイレイザー付き極細ホワイトボードマーカーをあれこれ試してみたい。

 

極細ホワイトボードマーカー3種を比較

ノート型ホワイトボードに使いやすい条件である「線幅1mm以下」「イレイザー付き」を満たすものとして適当だろう、という3本をピックアップしてみた。

※上から
欧文印刷「nu board ホワイトボードマーカー」3本1000円
パイロット「ボードマスターS 極細」150円
コクヨ「ホワイトボード用マーカー(PM-B100D)」100円(すべて税別)

 

まず確認したいのは線幅と書き味、ということで書き比べてみよう。

 

線幅は一目瞭然、公称値で線幅0.6mmの「nu board ホワイトボードマーカー」(以下「nu boardマーカー」)が細い。次に細いのが、線幅0.8mmの「ボードマスターS」で、最も太いのが線幅0.7~1mmの「PM-B100D」となった。ここはそのまま、メーカーの公称値通りの結果と言える。

 

もちろん細い方がより優秀というわけではなく、ボードのサイズや使い方でそれぞれマッチする線幅がある。ここはあくまでも参考まで。

↑線の濃さ、細さは圧倒的にnu boardマーカーが優秀。書き味はすべり過ぎず、比較的紙に書いているのに近い感覚がある

 

書き味に関しては、ペン先に細字サインペンと同様のプラチップを使っている「nu boardマーカー」が快適だ。細くカリッとした書き味で、ボードに対してツルツルすべらず安定しやすい。「ボードマスターS」と「PM-B100D」は、マーカー系の太い繊維チップなので、やはり早書きするとすべりを感じてしまうのだ。

 

ただし「nu boardマーカー」はチップが硬いため、紙製のボードに筆圧をかけて書くと表面を掘ってしまう(消しても筆跡が溝になって残る)ことがある。そこは要注意だ。

↑コクヨ「PM-B100D」はチップが柔らかいのか、文字を書くとかなり太くなる気がする

 

純粋に書くだけなら「nu boardマーカー」がいいような気もするが、イレイザーで消してみると、また印象が変わってくる。

↑イレイザーを並べてみた写真(左からnu boardマーカー、ボードマスターS、PM-B100D)。nu boardマーカーのイレイザーはかなり硬く、密度が高い。他2つはフワッとした感触で消し感もソフト

 

「nu boardマーカー」は乾燥がやたらと早く、一度乾いてしまうと筆跡の皮膜がカリッと硬くなる。そのため、イレイザーでこすって消そうとしてもなかなか消えないし、黒いカスも発生しやすいのだ。

 

「ボードマスターS」と「PM-B100D」はどちらもスルッと消えて快適。書き消しを頻繁に行うなら、やはりこれくらい軽く消えてくれないと使いづらいかもしれない。

↑nu boardマーカーはやたらとボードに固着して、軽くこすったぐらいではなかなか消えない。硬いイレイザーでこすり取る、という感覚に近い

 

とはいえ、先にも述べた通り、ホワイトボードマーカーは自分の使い方にマッチしたものを選ぶのが最重要。ノート型ホワイトボードをまさにノート的に使うなら、細かく書き込めて、こすったぐらいでは消えない「nu boardマーカー」がベストだろうし、会議用ホワイトボードとして使うなら「ボードマスターS」と「PM-B100D」の消しやすさが生きてくる。

 

ちなみに全体的なバランスで言うなら、「ボードマスターS」が、シーンをあまり選ばず使いやすそうに思った。

 

さて続いては、今回のマーカー比べで試筆用に使った、ノート型ホワイトボードも紹介しておこう。実はこれに付属したホワイトボードマーカーが“大穴”ともいえる出来だったのだ。ノートの特色と合わせてチェックしてほしい。

ノート型ホワイトボードの注目商品も要チェック!

今回のマーカー比べで試筆用に使った、ノート型ホワイトボードも合わせて紹介しておこう。学研ステイフルから、2020年11月に発売された「Write White」だ。

学研ステイフル
Write White(ライトホワイト)
B5サイズ 1200円/B6サイズ 800円(すべて税別)

 

↑一見すると普通のリングノートだが、ホワイトボードマーカーで書いて消すことができる

 

サイズがB5とB6の2種類がラインアップされているが、意外にもこれまでなかったのがB6サイズ。さすがに「書き消しが手軽なアイデアまとめノート」という用途には小さ過ぎるのだが、実はこれ、目の前にあるウェブカメラに向けて写すのに、ちょうどいい感じのサイズなのである。

 

カメラからわざわざ身体を引くといった気も遣わず、ホイと見せればそれでボード面全体がフレームに収まって、自分の顔が写る隙間もちょっと残るくらい。これがオンライン会議にはとても使いやすいのだ。

↑B6サイズをヒョイとノートPCの内蔵カメラに向けると……

 

↑フレームに丁度いい感じに収まる。文字も充分に読み取れるので、しっかり実用に足るだろう

 

B6サイズは、表紙端に滑り止めが付いているのもポイント。表紙を折り返して立てれば自立するので、卓上の常時表示ボードとしても使いやすい。

 

今日のToDoやスケジュールを書き出しておくと便利だし、電話受けの卓上メモとしても機能する。個人的には、このB6サイズが大きすぎず小さすぎずのほど良さで使いやすく、お気に入りだ。

↑山型に折り返して置けばきちんと自立。個人用の常時掲示のボードとしてもいいサイズだ

 

このホワイトボードマーカーがベストかも!?

もうひとつ見逃せないのが、付属のマーカーである。見た目からは、さきほど紹介したコクヨ「PM-B100D」のマグネット抜きバージョンかな? と思ったものの、キャップを開けてびっくり。ペン先チップが、より細いものになっているのだ。

 

これ、探してもコクヨ製品としては販売されていないようなので、おそらく「Write White」用に別注されたカスタム品だろう。書いてみると、線の細さは「nu boardホワイトボードマーカー」に近いもの(表示スペックは0.8mm)で安定した書き味があり、かつインクはコクヨ製なので消しやすくクズも少ない。

 

正直なところ、筆者の好みとしてはこれがノート型ホワイトボード用のマーカーとしてベスト! というレベル。このマーカー目当てで「Write White」を買うのすらアリという気がするし、できれば別売してほしいぐらいだ。

↑外見的には、軸の印刷とイレイザー裏のマグネットがないだけが「PM-B100D」との違い。ただしキャップを開けると、まったく別もののチップが現れる

 

↑線幅も非常にシャープで細かく書き込める。nu boardマーカーよりも黒が薄いが、そのぶんきれいに消せるのはメリット

 

他の仕様はB5、B6ともにボード4枚(8ページ)+各ボード間に透明シートと、ノート型ホワイトボードとしては一般的。ペンホルダーには先述のナイスなマーカーが付属している。

 

ホワイトボードとしての性能は先行の製品とさして変わらないが、オンライン会議に使いやすいサイズ感とマーカーは優秀。もし現時点でノート型ホワイトボードを探しているなら、候補として確実にアリだろう。

 

 

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無限のアイデア出しツール、ホワイトボードノート「Write White」は細部まで隙なしの完成度

ノートといえば、書いたらあとで見返す“ストック”型のツール。でも、アイデア出しや思考を整理する際など、書いたり消したりを自在に繰り返せるホワイトボードの機能を、ノートタイプに落とし込んだ「ノート型ホワイトボード」が近年注目されており、「NUboard」や「バタフライボード」「ノーツ・ホワイト」など、選択肢が増えています。

 

会議やブレストなど複数のメンバーが集って使うホワイトボードなら、参加者が同時に確認できるサイズが便利ですが、思考を整理するなど自分ひとりでのブレストには、持ち運びも容易なノート程度のコンパクトサイズで十分。さらに、まさにノートとして綴じられていれば、ページを繰っても使える上、広げればサイズアップもできて重宝しますよね。

 

2020年11月に、新たなノート型ホワイトボードが発売されたので紹介しましょう。

 

学研ステイフル
ホワイトボードノート「Write White(ライトホワイト)」
B5/B6
1200円/800円(税別)

学習帳サイズのB5と、手帳サイズのB6の2種。カラーはネイビー、ブルー、イエロー、レッドの4色がラインナップ。ページをホールドするゴムを備えています。

 

Write Whiteのポイントは?

1. 8面が使えるリングノートタイプ

表紙裏の見返しも含めれば、8面が使えます。書いたあと次のページを繰れば、消す手間をかけることなく、また新たに書き始められます。

 

2. 便利な透明シートを装備

各ページ間には、硬さのある透明シートを備えており、書いた文字の保護カバーに。複合機などでスキャンする際に、投影面を汚さずに済みます。また、透明シート自体にも筆記が可能なので、資料への追記などにも活用が可能。

 

3. 付属のマーカーは0.8mmの極細タイプ

付属のペンは、0.8mmの極細マーカーを採用しており、詳細な書き込みや図表の作成にもぴったり。本体サイドのペンホルダーに挿しておけるので、落としたり失くしたりする心配はありません。キャップのトップにイレーサーが付いています。

 

4. B6版には滑り止め付き

B6サイズは、表紙と裏表紙の小口(ページの断面側)に滑り止めが付いています。開いた状態で立てておきたい場合に、デスクの上で姿勢を固定してくれます。

 

5. 用途に応じて選べる2サイズ

本体サイズは、B5とB6の2種をラインナップ。B5は、アイデアを書き出したり思考を整理したりしたいときなどに、思う存分たっぷりと書ける学習帳サイズ。また、B6はバッグやドキュメントホルダーなどに挟んでの持ち運びがしやすく、狭いデスクにも立てかけやすい手帳サイズです。

 

6. シーンやファッションに合わせて選べる4色

ひらめきやアイデアを書き留め、煮詰める作業に最適で、まさに表紙に書かれた「light up your idea」を体現するツールと言えそうです。