看板にほぼ偽りなし! フランス人のハートを捉えた万能家電「オートクック」を使ってみた

フランスに住む筆者が10数年来使用してきた超旧式の炊飯器が壊れてしまい、代わりになるものが欲しいと思っていた矢先、店頭で見かけたのがボッシュの「オートクック」でした。日本でも話題になっている自動調理鍋のヨーロッパ版といったところでしょうか。本稿では実際にオートクックを使ってみた感想をレポートします。

ボッシュのオートクックには16の調理法があり、調理プログラムが計48種類搭載されています。消費電力数が900ワット、大きさは横幅が30.5cm、奥行き38.5cm、高さは30.5cmで容量は5Lとなっています。 キャンペーン期間中の購入で、価格は78ユーロ(約1万円)でした。

 

同製品を購入すると、もれなく100種類を超えるレシピが掲載された冊子が付いてきます。料理に合わせたプログラムの選び方と使い方が明記されているので、折に触れて読むことになりそう。タイマー調理機能では、12時間前からの予約が可能です。

ほかの自動調理鍋と同様、オートクックはプログラムに調理をお任せできます。ただし、日本製品のように、機械が材料を混ぜてくれるような便利機能は付いていません。そのため、煮込む前に下ごしらえなどの作業が必要なレシピは、機械の蓋を開けたまま自分で行う必要があります。

 

「3D加熱システム」で素材本来の味と食感を引き出す

この点において、オートクックという製品名に反して、全自動調理とは言い切れない同製品。しかし、搭載されている「3D加熱システム」を使うと、従来の調理法では得られなかった食感や味わいを楽しむことができます。 ちなみに3D加熱システムというのは一定の温度でゆっくりと均等に火を通していく方法。このプログラムによって食材の水分を逃さずに、素材を最大限に活かした調理をすることが可能になります。

 

例えば、同機種で七面鳥や鶏の胸肉を使ったカレー煮込みや炒り鶏(筑前煮)を作りましたが、肉がパサパサにならず、ふっくらとした仕上がりに。根菜を含む野菜も蒸し焼きされた状態でホクホクと食感がよく、素材本来の味がしっかり味わえました。

さらに、レシピ本に載っていた、コンデンスミルクとレモンで作る「スペイン風ケーキ」(上の写真)も試してみました。こちらも3D加熱システムによって立体的に火が通り、食感がフワフワで、まるでカステラのよう。フランスにはあまりないタイプの新感覚ケーキに焼き上がり、家族や友人たちにも好評でした。使用後の手入れも簡単で、内窯や内蓋は食洗機に入れて洗うこともできます。

日本人には驚きのフランス式「炊飯方法」

ところで、同製品を炊飯目的で購入するという考えはフランス人にはありません。フランス人にとって、米はパスタと同じく「鍋で炊く(というより茹でる)もの」だからです。塩を加えた大量の水で米を茹で、火が通ったらお湯を捨て、まるで蕎麦かうどんを茹でるかのように、茹で上がった米を水で洗いぬめりを取る人までいるくらいです。

 

かくいう筆者も渡仏後5~6年くらいまでは、鍋でご飯を炊いていた時期があり、そのころは炊飯器を持つ必要性を感じていませんでした。しかし炊飯器があると、ガス台や調理コンロをふさがずに済むメリットがあり、バカンス先にさえ炊飯器を持参するほど米食の多い我が家にとっては、なくてはならない存在になりました。

オートクックには「米とシリアル」兼用のプログラムがあるので、炊飯器としての機能もしっかり果たしてくれます。付属の米料理のプログラムには「リゾット」があり、パエリアなどの炊き込みご飯もこのプログラムで作るように表示されます。

 

よい買い物をしたと満足している点が多いオートクックですが、欠点を挙げるとすれば持ち運びには、少し大き過ぎる点です。いままでのように炊飯器が必要だからと、バカンス先へ持参するのはちょっと難しいかなと考えてしまいます。

 

一台で何役も兼ねた万能家電

フランス人は基本的に調理家電が好きな人たちで、一時期は「自家製ヨーグルト製造機」が流行ったこともありました。オートクックは一台でヨーグルトも料理できる万能家電。キッチンが何台もの家電に支配されることなく、なるべく台所を汚したくない性分の国民性にもマッチしているのです。

 

下ごしらえさえ済ませれば、ほったらかしで煮込み作業が完了できるので、煮込み系の多いフランス家庭料理にとってオートクックは非常に重宝します。煮込む間の時間を有効活用でき、火の安全に気を遣う必要もありません。また、煮込み時間も鍋に比べて通常のおよそ60%くらいまで短縮できるので、時短料理としても最適なアイテムです。

 

ケーキ作りや炊飯器、ヨーグルト製造機も兼ねた「電気式圧力鍋」ともいえるオートクック。次は話題の真空調理にも挑戦してみたいです。

 

どのくらい使ってます? クルマとの会話を推進するボッシュの次の手は?

ドイツの大手自動車部品メーカーのボッシュはこのほど、新世代の音声アシスト機能を開発したと発表した。

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ご存知のとおり、音声アシスト機能は「Siri」や「Google」などのように、ユーザーの呼びかけに応じて各種機能が作動。タッチパネルやスイッチの操作をしなくても望んだ機能を働かせることができる便利な機能である。

 

ボッシュが開発した車載用音声アシスト機能は、運転中のドライバーの注意力低下を解消するために開発。音声アシスト機能によって、ナビゲーションシステムの操作やエアコンの設定といった各種操作を省くことで運転により集中できる環境をもたらし、ひいては交通事故の低減に寄与するとボッシュは考えている。ちなみに、このアシスタントには自分の好きな名前が付けられ、相棒のように会話することができる。1980年代に放映されたアメリカのカーアクションTVドラマ「ナイトライダー」ほどの仕事ぶりは望めないものの、かなり近づいたといえそうだ。

ボッシュの開発したこの音声アシスト機能は、世界30カ国での使用に対応している。各言語においてアクセントや方言の違いも認識することができるのは、音声制御の開発に10年の歳月を費やした成果だという。なお、音声アシスタントの声は44人の女性と9人の男性から選ぶことができる。

 

米国デトロイトで1月9日から開催されているコンシューマー・エレクトロニクスショー「CES」では、この新しい音声アシスト機能がボッシュのブースで披露されている。

 

 

 

サプライヤーの巨人、ボッシュがもたらす2輪車の未来とは?

ドイツの大手サプライヤー、ボッシュは11月6日、イタリア・ミラノで11月7日に開幕する国際2輪車ショー「EICMA2017」の出展概要を発表した。

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2輪車は現在、世界的に需要が大きく高まっている。2021年までに2輪車の世界生産は1億6000万台を超えると予想されている。その需要に応えていくために、作り手側はより多くのことを実現していく必要が迫られている。そんななか、ボッシュでは将来の2輪車に向けた技術をアピールする。

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コネクティビティの分野では、インテリジェントに接続されたオンボードシステム「コネクティビティコントロールユニット」が挙げられる。他の車両との通信を可能にし、すべての情報がつながっているライダーやクルマに伝達されるものだ。この装置はまた、車両安定性などを監視し、必要に応じて適切な処置によって車両の安全性を高める役割を果たす。さらに盗難の被害に遭った際には、位置情報を特定することも可能だ。

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安全運転支援システムでは、2輪車専用に開発されたABSやMSC(モーターサイクル・スタビリティ・コントロール)が挙げられる。このABSはこれまでのものに比べて30%小さく、45%軽くなっており、250ccまでの小型2輪車にも対応。走行中の車体の傾斜度合いを検出することによって前後輪の制動力を個別に分配する。この装備によって、ライダーは妥協せずに車両のダイナミクス性が味わえるとともに、事故のリスクを低減できる。

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「eBike ABS」は、世界で初めてABS(アンチロックブレーキシステム)を搭載した電動自転車。オートバイで培ったABSシステムを活用し、前輪ABSと後輪リフト機能の組み合わせにより安定性が向上。市街地からトレッキングまで、幅広いシーンで高い安全性をサポートする。

 

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都市のモビリティ向けとなる、軽2輪用の電動パワートレインシステムにも注目だ。3kWまでのパワーレンジと4kW以上のパワーレンジのモーターを備えたインハブドライブシステムは、モーターやコントロールユニット、バッテリー、充電器、ディスプレイ、アプリで構成。軽量なモビリティのための柔軟で多彩なシステムを提供する。

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