審査員を唸らせた名機がズラリ! 「ポタ-1グランプリ」審査員特別賞に輝いた“神エイト”を一挙紹介

昨年12月16日~17日にかけて開催された「ポタフェス2017 WINTER」において、GetNaviとe☆イヤホンのコラボによるアワード企画「ポタ-1グランプリ」の結果発表が行われました。読者投票によって選出された各部門賞のほか、審査員によって選ばれた“審査員特別賞”を含むアイテムがポタ-1ブースに展示され、来場者の注目を集めていました。

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今回は、ポタ-1グランプリで選ばれた審査員特別賞の受賞製品8アイテムを、審査員のコメント付きでご紹介します。

20171218-i01 (29)↑ポタ-1グランプリのステージでは審査員による審査員特別賞の選定理由も発表されました

 

フラッグシップの名に恥じない名機

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オーディオテクニカ/ATH-ADX5000

ADX5000は、オーディオテクニカの開放型ヘッドホンの新フラッグシップモデル。硬質樹脂成型のバッフル一体型58mm径ドライバーや、抜けのよい自然な音場を実現する「コアマウントテクノロジー(PAT.P)」を採用。六角形のメッシュが印象的な特殊ハニカムパンチングハウジングなど、デザイン性と機能性を両立したこだわりの詰まった仕様となっています。

 

審査員からは、「オーディオテクニカが長年培った技術が集結した名作。伸びやかで高い解像度のサウンドは、ほかではなかなか聴けない」、「実売26万円という価格もさることながら、細部まで作りこまれたデザインや音質に驚き」と高い評価を受けていました。

 

正統進化したハイレゾプレーヤー

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アステル&ケルン/AK70 MkII

AKシリーズのエントリーモデル「AK70」に、上位機種譲りの音質設計を取り入れてブラッシュアップされたハイレゾ対応のポータブル音楽プレーヤー。左右のチャンネルを個別のDACで処理するデュアルDAC構成に加え、アンプ部も強化されており、バランス接続時は従来の2倍近い出力を実現しています。

 

審査員からは、「一聴しただけで前モデルより音質が良くなっているとわかるほど進化している」、「最新のハイエンドモデルの開発思想や、前世代のミドルクラスの仕様を継承しており、エントリーモデルとしては破格のコストパフォーマンス」との評価が。イベント当日にはヨーロッパ限定カラーや新色のプロトタイプなども展示されたことから、「すでに持っているけど、新色も買わなきゃ」という声も聞かれました。

 

磨き上げられたノイズキャンセル機能

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ソニー/WH-1000XM2

ノイズキャンセル機能(NC)を搭載したBluetoothヘッドホン。新たに搭載された歩く・走る・止まる・乗り物に乗るなどの行動に応じてNCモードを変更する「アダプティブサウンドコントロール」や、個人の装着状態に応じてNCを調整する「NCオプティマイザー」などにより、シーンに応じて快適に音楽を楽しめます。独自の高音質コーデックLDACのほか、aptX HDにも対応し、ワイヤレスでも高音質で再生します。

 

審査員からは、「2017年はワイヤレス製品が多数登場したが、そのなかでも高い完成度の同モデルが光っていた」、「ノイズキャンセル機能だけでなく音質も向上しており、最新機能“全部入り”的なお得感がある」というコメントがありました。実際に展示ブースで試聴した来場者からも、「騒がしいイベント会場でもウソみたいに騒音が消えてビックリ」、「ソニーらしくデザインやカラーも洗練されているところが好印象」と、好評だったようです。

 

スマホの域を超えた高音質

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オンキヨー/GRANBEAT DP-CMX1

オーディオ視点で設計されたハイレゾ再生対応のSIMフリースマートフォン。独立したオーディオ基板や徹底したノイズ対策、デュアルDAC&アンプ仕様など、スマホのレベルを超えた高音質設計を採用しており、音楽や動画をハイクオリティなサウンドで楽しめます。

 

審査員のほとんどは同機種を使用しており、「音質の素晴らしさは折り紙つき。オーディオ業界の支持率No.1スマホです」との発言も飛び出しました。展示ブースで試聴した来場者からは、「前から気になっていたが、実際に音を聴くと機種変したくなってきた」、「ほかの機種にはない武骨なデザインも男心をくすぐりますね」との声が上がっていました。

 

ハイエンドブランドの音を身近にするお値打ちヘッドホン

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ULTRASONE/Signature DXP

「Signature DXP」は、DJや音楽制作の現場などでの使用に耐えるタフな仕様のプロフェッショナル向けモニターヘッドホン。50mm径のマイラードライバーやハウジング構造などは、上位モデルを踏襲。ヘッドバンドやイヤーパッドにはプロテインレザーを採用し、装着性や遮音性も高めています。

 

審査員からは「Editionシリーズなどハイエンドのイメージが強いULTRASONEですが、このSignature DXPは実売7万円前後と同ブランドのなかではかなりお手ごろ。憧れのハイエンドのサウンドが、手に届く価格で楽しめる点が画期的です」とのコメントがありました。ポタ-1ブースで実機を試聴した来場者からは、「細部までしっかりした作りで高級感がありますね」、「ブランドを知らなかったのですが、音の良さに驚きました」といったコメントが寄せられました。

 

初めての“完全ワイヤレス”におすすめの1台

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GLIDiC/SOUND Air TW-5000

1万円を切る低価格ながら、安定した装着性と高音質コーデック(AAC)に対応したハイクオリティなサウンドを実現した完全ワイヤレスタイプのBluetoothイヤホン。充電機能を備えた専用ケースから取り出すと自動的にペアリングが開始されるなど、ユーザーの使い勝手も考慮した仕様となっています。

 

審査員からは、「完全ワイヤレスイヤホンは、接続切れが起こりやすいといった問題を抱えたモデルもあるが、このSound Air TW-5000はかなり安定しているので人に勧めやすい」、「アンダー1万円という価格ながら基本は押さえているので、初めての完全ワイヤレスにぴったり」との評価が。実際に展示機を試した来場者からは、「完全ワイヤレスは“耳から落ちないか不安”というイメージがあったが、実際に装着してみるとすごい安定している。これなら通勤時に使ってみたい」、「他社の完全ワイヤレスイヤホンは、サイズが大きくて女性の耳には合わないものがあったけど、これは小型なので女性でも使いやすい」、「カラーがブラックだけじゃなくホワイトが用意されている点もうれしい」といった意見が聞かれました。

 

高いカスタマイズ性のソリッドなイヤホン

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JVC/SOLIDEGE 01 inner

JVCのハイエンドシリーズ「CLASS-S」のハイレゾ対応イヤホン「SOLIDEGE 01 inner」は、業界初となるノズルの交換により音色のカスタマイズが楽しめる「Jマウントノズル交換システム」が特徴。「チタニウム」「ブラス」「ステンレス」の3種の交換用ノズルが付属し、好みに合わせて各金属の音色の違いを楽しめるカスタマイズ性の高いイヤホンです。

 

審査員からは「ノズル交換システムに加え、リケーブル対応や、本体が360度回転する『ファインアジャスト機構』により、通常装着のほか耳かけ装着にも対応するなど、自由度の高い設計が魅力」、「木製パーツをふんだんに使った豊かな響きが特徴の『WOOD 01 inner』とは対照的に、メタルの硬質な響きを生かしたシャープでソリッドな音に仕上がっており、音の好みに応じて選択肢が広がるのがうれしい」と評価されました。

 

iPhoneのために生まれた画期的なイヤホン

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パイオニア/RAYZ Plus

「RAYZ Plus」は、Lightning接続によるiPhoneとの親和性の高さに加え、iPhoneから給電するためバッテリーを搭載せずともノイズキャンセル機能が利用できる点や、従来のLightning端子イヤホンの弱点でもあった充電しながらの使用も克服した世界初の「チャージングポート」などの画期的な機能が評価されました。また、低消費電力の第2世代のLightning Audio技術により、iPhoneのバッテリー消費を抑えながら長時間利用できる点にも注目。まさに、iPhoneユーザーのためのイヤホンといえるアイテムとなっています。

 

ブースで実機を試聴した方からは、「イヤホン端子がなくなるのが嫌で機種変をためらっていましたが、これならiPhone 7や8でも問題なく使えますね」、「バッテリーがないので充電の手間が省けるのがいい」、「iPhoneでノイズキャンセル機能が手軽に使えるのが魅力」との声が上がっていました。

 

いずれも審査員を唸らせたハイクオリティな製品ばかりですので、サウンドにこだわったオーディオ製品を購入したいと考えている方は、ぜひ参照してみて下さい。

挿すだけで音質を改善するUSBに真空ボトルスピーカーなど注目製品が目白押しだった「ポタフェス2017 WINTER」振り返り

昨年12月16~17日にかけて東京・秋葉原で開催された「ポタフェス2017 WINTER」。すでにアワードイベント「ポタ-1グランプリ」の模様をお伝えしていますが、今回はポタフェス会場で見つけた気になるアイテムピックアップして紹介します。

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ウワサのUSBコンディショナーなど注目アイテムはコチラ

1Fの通り側で目立っていたのは、もはやポタフェスの名物? ともいえる巨大ヘッドホンのアーチでお馴染みのオーディオテクニカブース。今年大躍進だったBluetooth対応のヘッドホンやイヤホンが並んでいました。オーディオテクニカはほかにもケーブルや超高級ヘッドホンなど、他のフロアでも展示しており、各所で注目を集めていました。

↑1Fのオーディオテクニカブース。Bluetooth対応のヘッドホンとイヤホンの試聴可能↑1Fのオーディオテクニカブース。Bluetooth対応のヘッドホンとイヤホンの試聴可能

 

次はクラリオンのフルデジタルサウンドヘッドホン「ZH700FF」です。デジタルアンプなどでデジタルアナログ変換された音をヘッドホンで再生するのではなく、ヘッドホンそのものでデジタルアナログ変換をします。デジタル音源をドライバーまでデジタル伝送することにより、高密度でクリアなサウンドを実現するとのこと。今回のポタフェスではゲットナビでもお馴染みのAVライターの野村ケンジ氏、アニソンプロデューサーの佐藤純之介氏、ガルパンなど数々のアニメ作品で音響監督を務めた岩浪美和氏、e☆イヤホンのヘッドホン王子こと岡田卓也氏によるサウンドチューニングによる視聴も楽しめました。ZH700FFはメーカーが用意されたチューニングで販売されていますが、今後は4人のチューニングの設定に調整するサービスなども計画しているようです。

↑同じ製品でも、チューニングする人によって、聴こえかたが違ってきます↑同じ製品でも、チューニングする人によって、聴こえ方が違ってきます

 

続いては、魔法瓶でおなじみサーモスブース。恥ずかしながら、筆者はサーモスが音響機器を作っていることを知りませんでした。注目アイテムは、円筒形のデスクトップスピーカー「MSA-380S」です。フォルムからわかるように、同社の主力製品ステンレスボトルの技術を使っています。真空二重構造により、剛性を持ちながら軽量なボディで、音質の向上にも一役買っているとのこと。

↑参考出品のMSA-380Sのハイレゾ対応モデル↑参考出品のMSA-380Sのハイレゾ対応モデル

 

パナソニックブースでは、噂のUSBパワーコンディショナー「SH-UPX01」が展示されておりました。これは、USB端子を通じて接続した機器のノイズを低減するというオーディオアクセサリー。いろいろな意味で話題となっていましたが、実物を見るのは初めて。しかも、実際に試聴もできるということで、寒いなかポタフェスに来てよかったと思いました。まあ、常人並、もしくは加齢によりそれ以下であろう私の耳では、音がよくなったような、変わらないようなって印象でしたが、それでもなんとなくノイズ感が減った気がしました。

↑SH-UPX01。一般的なUSBメモリーよりも厚みがありちょっと大きい感じです。重さも結構ずっしりでした。音に関しては是非とも体験すべきかと↑SH-UPX01。一般的なUSBメモリーよりも厚みがありちょっと大きい感じです。重さも結構ずっしりでした。音に関してはぜひ体験すべきかと

 

アニメコラボや新ブランドのDAPが登場

続いてコラボものをふたつ。まずはオンキヨーと「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」とのコラボレーションとなるBluetoothインナーイヤーヘッドホン「E200BT」です。小鳥遊六花がE200BTを装着した描き下ろしイラストの入ったパッケージとオリジナルイヤホンポーチがついており、ファンにオススメのアイテムとなっています。

↑E200BT「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」バージョン↑E200BT「映画 中二病でも恋がしたい! -Take On Me-」バージョン

 

もうひとつはパイオニアと「ガールズ&パンツァー 最終章」とのコラボ。ベースとなっているのはハイレゾ対応で、バランスコードが付属したヘッドホン「SE-MHR5」。ステンレス製のハウジングにレーザー彫刻が施されています。オリジナルパッケージ、ヘッドホンポーチ、描き下ろしタペストリー、アクリル製ヘッドホンスタンドが付いています。

 

↑ハウジング部は、高出力レーザーによる深彫りで加工。ヘッドホンは意外と置き場に困るのでヘッドホンスタンドは重宝しそう↑ハウジング部は、高出力レーザーによる深彫りで加工。ヘッドホンは意外と置き場に困るのでヘッドホンスタンドは重宝しそう

 

ほかにはハイレゾ音源配信サイト「groovers」から新ブランド「ACTIVO」が立ち上がり、デジタルオーディオプレイヤー「CT10」が発表されています。無骨なデザインが多いDAPにおいて、丸みのあるラウンドフォルムが印象に残ります。

↑Grooversの音響機器ブランドACTIVOからリリースされた小型軽量のDAP↑Grooversの音響機器ブランドACTIVOからリリースされた小型軽量のDAP「CT10」

 

ソニーは普及価格帯から超高級モデルまで豊富なラインナップで展示。Bluetoothに強いBoseも多くのBluetooth対応モデルを展示していました。

↑ソニーの超高級モデル群。ヘッドホンアンプが約25万、ヘッドホンが約20万、ウォークマンが約30万。総額75万↑ソニーの超高級モデル群。ヘッドホンアンプが約25万、ヘッドホンが約20万、ウォークマンが約30万。総額75万円なり

 

Boseの「SoundSport Free wireless headphones」は、はやりの完全ワイヤレスイヤホン。このタイプにしてはかなり大型ですが、耳から落ちないような機構になっているとのこと。

OLYMPUS DIGITAL CAMERA↑SoundSport Free wireless headphones

 

そのほかの注目アイテムをザッと紹介していきましょう。「サンダープラグス」はライブなどの大音響から耳を守りつつ、通常の会話もできる耳栓。子どもの耳を守るヘッドホンもあります。

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ヘッドホンの延長コードのように見えるこちらは、なんとハイレゾ対応のDAC。NextDriveの「SPECTRA」は、PCなどにUSB接続してハイレゾ音楽を楽しめます。

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11月のヘッドフォン祭にも参考出展されていたAstell&Kernの据え置き型ヘッドホンアンプ「ACRO L1000」は、スピーカー出力端子やXLR balanced jack、2.5mm、3.5mm、6.3mmの端子など、豊富な出力端子を搭載しています。

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レザー使いがシャレオツなKlipschのネックバンド型Bluetoothイヤホン「Xシリーズ」は音楽を聴くだけでなく、アクセサリーとして身に付けるのもありかも。

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このように、ポタフェスでは普段なかなかお目にかかれないレアなアイテムや、尖ったコンセプトの製品を実際に試聴できるので、ポータブルオーディオに興味がある方は、ぜひ今夏に開催される次回のポタフェスへ足を運んでみて下さい。