「こんなに万能なファミリーカーはない」プロが絶賛したクルマって? 2024年ファミリー層にオススメの国産車5選

日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員の一人でもある、モータージャーナリストの岡本幸一郎さん。その岡本さんが2024年に登場したクルマのなかから、比較的手ごろな価格帯を中心に、ファミリー層におすすめしたい国産車を5台紹介します。

 

【その1】こんなに万能なファミリーカーはない

ホンダ

フリード

250万8000円(税込)〜

まずは、日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞したことでも知られるフリードだ。初代からずっと「ちょうどいい」とアピールしているとおり、狭い場所でも取り回しに苦労しない手頃なサイズでありながら、車内は3列目までしっかり使えるほど広々としている。スライドドアの開口部が幅広く高さも十分に確保されていて、ステップの段差もなく乗り降りしやすい。ファミリーカーとして、たしかにこれほど日本で「ちょうどいい」クルマはない。

 

さらにフリードは走りもいい。新たに搭載したホンダ独自のe:HEVと呼ぶハイブリッドシステムにより、スムーズで力強い走りを実現していて、大人数を乗せてもストレスを感じることもない。しかも燃費が抜群にいい。4WD性能も望外に高くて、降雪地の人も不安に感じる必要はないだろう。

 

一方のガソリン車は軽快な走りが持ち味だ。アクセルを踏み込むと、いかにもホンダらしい元気のいいサウンドを楽しめる。乗り心地が快適で、ハンドリングも素直で意のままに操れて、直進安定性も高く、ボディが小さいながらもロングドライブでも疲れ知らずだ。こんなに万能なファミリーカーはない。デザインは万人向けの「エアー」と、SUVテイストの「クロスター」が選べる。

 

【その2】この雰囲気を乗員全員が味わえると思えば割安にすら思える

マツダ

CX-80

394万3500円(税込)〜

SUVでファミリーカーなら、「CX-80」が最強だろう。ひと足先に登場したCX-60の3列シート版であり、後輪駆動ベースで、直列6気筒のディーゼルエンジンや本格的なPHEVの設定など特徴的な部分を共有しつつ、全長とホイールベースを延長。3列目の十分な居住空間の広さを実現しているのが他のクロスオーバーSUVにはないポイントだ。

 

内外装デザインもなかなか見応えがある。インテリアでこれほど高いクオリティ感を達成するには、ヨーロッパのメーカーだったら軽く1000万円を超えるに違いない。その意味では、CX-80も決して安くはないが、この雰囲気を乗員全員が味わえると思えば割安にすら思えてくる。

 

大柄なサイズで後輪駆動ベースのクルマらしく、ドライブフィールは重厚でありながらスポーティだ。特にいまや貴重な直列6気筒ディーゼルエンジンは、直列6気筒ならではの奥ゆかしい響きを味わわせてくれる。

 

【その3】懐かしいけれど新しいイメージの仕上がり

トヨタ

ランドクルーザー250

520万円(税込)〜

より本格的なクロスカントリー車が好みの人には、「ランドクルーザー250」がある。原点回帰を図り、あえて高級路線ではなく質実剛健を追求したところがポイントだ。中身は最新のSUVそのもので、装備も非常に充実していながらも、見た目や走りは新しいけれど懐かしく、懐かしいけれど新しいイメージに仕上がっている。

 

車内や荷室の広さも十分で、並のSUVに比べると座る位置が高い。着座姿勢も立ち気味で、高い目線から周囲を見下ろす形になるのも特徴だ。

 

悪路走破性はとてつもなく高くて、このクルマで走れない道は日本にはないと思っていいだろう。おそらく本領を発揮させる機会は、普通に過ごしている分には訪れないだろうが、それだけの実力を持ったクルマに乗れるのると思えるのは頼もしいことこの上ない。

 

【その4】アクティブなファミリーにもってこい

スズキ

スペーシア

153万100円(税込)〜

小さなファミリーカーには、各メーカーがそれぞれ腕によりをかけた力作が勢ぞろい。なかでも、2024年末の時点でのイチオシは、「スペーシア」だ。軽ハイトワゴンはどれも概ね同じような方向性でまとめられているなかでも、スペーシアはもっとも軽く、マイルドハイブリッドを搭載していて、軽快な走りとクラストップの低燃費を実現。先進運転支援機能が充実しているという強みもある。

 

車内には収納スペースが豊富に設けられていて、ひとつひとつがより使いやすいよう工夫されている。リアシートにリラックスして座れる「オットマンモード」、座面上の荷物の落下を防ぐ「荷物ストッパーモード」、安定した姿勢を支える「レッグサポートモード」という3通りのモードを選べる「マルチユースフラップ」というユニークな機能を採用したのもポイントだ。

 

SUVテイストのギアは遊び心のある内外装デザインのほか、撥水加工シートや防汚タイプのラゲッジフロアを採用しており、ステアリングヒーターが全車に標準装備されている。アクティブなファミリーにもってこいだ。

 

【その5】EV航続距離が100kmを超えた!

三菱

アウトランダーPHEV

526万3500円(税込)〜

電動化モデルに興味のある人には、マイナーチェンジした「アウトランダーPHEV」をすすめたい。大容量化と高出力化した新開発のバッテリーにより、EV航続距離が100kmを超えたのがうれしいかぎり。ふだんはBEVと同じように乗れて、ガソリンを使うのは遠出するときだけという付き合い方ができる。走りにも磨きがかかって、より静かでなめらかで力強くなり、乗り心地がよくなってハンドリングの一体感も増している。

 

新設定された最上級グレードなら、海外のプレミアムブランドにも負けない高級感あるインテリアや、ヤマハと共同開発したという高性能オーディオシステムの卓越したサウンドが楽しめるのもポイントだ。広くはないが、いざとなれば3列目シートもある。

 

電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)のバッテリーを活用し、家庭の電力供給源として機能させる先進技術V2HやV2Lにも対応。「走る蓄電池」のような使い方も可能だ。

 

 

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ファンでなくても欲しくなる「MAZDA RX-7」Tシャツ発売!

フェイスは、ノリモノ雑貨を扱うECショップCAMSHOP.JPより、「MAZDA RX-7」のイラストがプリントされたTシャツを発売しました。実売価格は3960円(税込)。

 

記事のポイント

3台のカラフルなRX-7が描かれたインパクトのある仕上がりで、RX-7ファンでなくても欲しくなるような遊び心たっぷりの仕上がり。ホワイトとチャコールの2色展開なので、両方買うのもオススメ!

 

本品は、マツダを代表するスポーツカー「RX-7」シリーズをプリントした半そでTシャツ。5.6オンスのヘビーウエイト生地を採用しており、1枚で着てもすっきりと着こなせるスタンダードなシルエットに仕上がっています。

 

カラーは清潔感のあるホワイトと、落ち着いた色合いのチャコールの2色をラインナップ。サイズはM/L/XLの3サイズ。

マツダ公認のライセンス取得商品です。

 

フェイス
「MAZDA RX-7 Tシャツ」
発売中
直販価格:3960円(税込)

 

マツダの“ロータリー”がMX-30でついに復活! 新時代の走りを体験レポート

マツダは2023年11月、実に11年ぶりともなるロータリーエンジンを発電機として搭載したシリーズ型プラグインハイブリッド(PHEV)「MX-30 ロータリーEV」を発売しました。今回はそのうちの「Modern Confidence」に試乗。その詳細をお伝えするとともに、試乗した印象なども含めてお伝えします。

↑「MX-30 ロータリーEV」の外観は、ほかのMX-30シリーズとほとんど違いはない

 

■今回紹介するクルマ

マツダ MX-30 ロータリーEV(試乗グレード:Modern Confidence)

価格:478万5000万円(税込)

 

ロータリーをPHEVの発電専用とした新世代のパワーユニット

そもそも「MX-30」は2020年10月、24Vマイルドハイブリッドと2.0L直列4気筒エンジンを組み合わせた「e-SKYACTIV G」を発売したのが最初です。この時点ですでにマツダは、MX-30を電動車として明確に位置付け、EVはもちろんのこと、ロータリーエンジンを発電機として使うPHEVもラインナップに加える構想を示していました。

 

構想はすぐに実行され、2021年1月にはEVモデルを追加。そして2023年11月には今回紹介するロータリーEVを投入することでラインナップの完成をみたのです。

 

注目はこのロータリーエンジンでしょう。エンジンは830ccの小排気量仕様(8C型)で、あくまで発電用としてのみ活用されます。つまり、このエンジンによる発電が加わるシリーズ型PHEVとすることで、EVモデルと同様に全領域にわたるモーター駆動を実現しつつ、EVを超える長距離走行を実現したのです。

↑パワーユニットをフロントに搭載し、バッテリーはフロアに、燃料タンクはリアシート下に配置した

 

↑ボンネット内のパワーユニット。ロータリーエンジン(8C型)は向かって右側に配置された

 

↑パワーユニットは、発電用ロータリーエンジン「8C」を高出力モーターに同軸状に配置してほぼ一体化されている

 

バッテリー容量は17.8kWhと「MX-30 EV」のちょうど半分ですが、それでも国産PHEVとしてはトップクラスの大容量。これによる航続距離は107kmを達成し、ロータリーエンジンでの発電を行えばカタログ値で航続距離は877kmにもなります。MX-30ならではのしなやかな足回りを考慮すれば、ロングツアラーとしての資質を十分備えていると言っていいでしょう。

 

ロータリーを採用した理由はコンパクトさにあった

ではマツダは、発電用にどうしてロータリーエンジンを採用したのでしょうか。その理由はロータリーエンジンならコンパクトで高出力が得られるからです。基本的にEVでは航続距離を稼ぐためにできるだけの軽量化が求められますが、シリーズハイブリッドともなるとエンジンに加えてガソリンタンクも搭載しなければなりません。

 

マツダによれば、発電用として開発した8C型ロータリーエンジンは71psのパワーを発揮しますが、これをレシプロエンジンで発生させるには1000cc・3気筒程度が必要になるそうです。EV用システムと組み合わせてこれを搭載するのはサイズの上からも難しく、一方でロータリーであればそのサイズは約3分の2で済みます。つまり、ロータリーエンジンをMX-30に搭載するのはPHEVとする上で必然だったとも言えるのです。

↑発電用ロータリーエンジン「8C」は軽量化のためにロータリー構造体のサイドハウジングをアルミ化し、従来比15kgの軽量化に成功した

 

MX-30 ロータリーEVはシリーズ型PHEVなので、外部からの充電機能が搭載されています。しかも、普通充電だけでなく、CHAdeMO規格の急速充電にも対応したことで、高速充電だけでなく自宅へ給電ができる「V2H」にも対応しています。

 

17.8kWhのバッテリーが満充電であれば、一般的な家庭の約1.2日分の電力供給が可能になるということです。これならアウトドアでの利用だけでなく、非常時の電源としても役立ちますね。

↑運転席側後方に配置されている充電口は、普通充電(左)とCHAdeMO方式の急速充電の両方に対応した

 

ところで、ロータリーEVだからといって、MX-30として特別な仕様が備えられたわけではありません。外観でほかのMX-30との違いがわかるのは、ロータリーエンジンが搭載されていることを示すバッジがあるのと、ホイールが専用品となっているぐらい。インテリアではメーター内がロータリーEV専用となるものの、基本的なレイアウトは三連式の同じものです。その違いはパワートレーン系が変わっただけとも言えるでしょう。

↑「MX-30 ロータリーEV」のリアスタイル。「ロータリーEV」を示すバッジと専用ホイールが装備した以外、ほかのシリーズとの違いはない

 

↑「MX-30 ロータリーEV」の三連メーター。バッテリー管理用表示があるものの、基本的なレイアウトはほとんど同じだ

 

↑「MX-30 ロータリーEV」の運転席周り。ほかのMX-30シリーズとの違いはほとんどない

 

スムーズな走りはBEVそのもの。高速域までひたすらストレスフリ-!

試乗コースは、横浜のみなとみらい→金沢八景の往復約50kmを、首都高と一般道を使い分け、1時間半ほどかけて走行しました。

↑「MX-30 ロータリーEV」を試乗する筆者

 

ドライブモードは、センターコンソールのスイッチにより、デフォルトの「ノーマル」、そして「EV」に「チャージ」という3つを選べます。ノーマルモードでは電池残量があるうちは基本的にBEVとして走り、電池残量が半分を切るとエンジンを適宜ONにしながらの走行となります。一方のEVモードにすると電池残量ぎりぎりまでBEVとして走ります。

↑ドライブモードはデフォルトの「ノーマル」、そして「EV」に「チャージ」という3つが選べる

 

ただ、この距離だと言うまでもなくBEVですべて走り切れてしまいます。その走りはBEVによく見られるような、特別に“速い!”ことはありませんでした。体感としては、MX-30 EVよりも動きに俊敏さがないようにも思いましたが、それはロータリーEVの方が、100kgほど車重が重いことが影響しているのかもしれません。

 

それとチャージモードでのエンジン音は思った以上に賑やかです。マツダによれば「ロータリーエンジンならではの効率の良さを引き出すために、高回転域で回していることが影響している」とのこと。ならばノイズキャンセラーなどで対策はできなかったのか? とも訊ねてみましたが、「ノイズの帯域が幅広く、ノイズキャンセラーでは対応しきれなかった」ということでした。

 

とはいえ、スムーズな走りはBEVそのもので、高速域まであっという間に到達。アクセルを踏み込んで、あえてロータリーエンジンをONにしても(足元からスイッチが入ったのを体感できる)、その快適な走りは変わらずストレスなし! エンジン音もノーマルモードで走っている分にはそれほど気になるものではなく、気持ちの良い走りが楽しめました。

 

そんな中で試乗を通して気になったのは、マツダコネクトのディスプレイサイズが8.8インチと小さめだったことです。特に周囲のベゼルにドライバーモニター用赤外線センサーが入っていることもあり、ディスプレイがとても小さく感じてしまうのです。その割にコンソール下に配置されたエアコンの表示は“巨大”な印象を受けます。

↑マツダコネクトで使われるディスプレイは8.8インチ。周囲のベゼルにはドライバーモニタリング機能も備わる

 

一方でマツダコネクトのコントローラーのリニアな動きは、操作する上でのストレスはまったく感じさせません。また、このグレードには標準装備となる12スピーカーの「ボーズサウンドシステム」も、EVモードで走ったときの静粛性と相まって心地よさを感じさせるものとなっていました。このサウンドはぜひ試乗しながら体験して欲しいと思います。

SPEC(Modern Confidence)●全長×全幅×全高:4395×1795×1595mm●車両重量:1780kg●パワーユニット:8C-PH型エンジン+電気モーター●最高出力:72PS(エンジン)、170PS(モーター)●最大トルク:112Nm(エンジン)、260(モーター)●WLTCモード燃費:15.4km/L(ハイブリッド燃費)

 

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撮影/松川 忍

もうすぐロータリー×PHEV版出ますが…マツダ「MX-30 EVモデル」の価値はどこにある?

昨今、世界の自動車メーカーから次々とEVが発表されている。そんななか、マツダは同社初の量産型EVとして、2021年1月に「MX-30 EVモデル」の国内販売を開始した。ハイブリッドモデルとなるMX-30が先行して登場しているが、併売する意義や販売的な成功はあるのだろうか。さらに、同クラスのSUVの多くがファミリーカーとして使われているなか、MX-30 EVモデルの使い勝手はどうか。発売から2年半経過した今、考察してみたい。

 

■今回紹介するクルマ

マツダ MX-30 EVモデル

※試乗グレード:EV・Highest Set

価格:451万~501万6000円(税込)

 

 

MX-30のEVモデルは遅れてきた本命

MX-30は現在日本で売れ筋となっているコンパクトサイズのSUVだが、ベースとなっているのは、同社のコンパクトSUV、「CX-30」である。そして、マツダにはさらに小型のエントリーモデル、「CX-3」もラインナップされている。棲み分けが難しいこの小さな領域において、マツダだけで3車種も販売している状態だ。

 

では、この3台で最も後出しとなるMX-30 EVモデルの存在意義とはなんなのかと言われれば、それはEVとして企画されたモデルであることにほかならない。2020年10月にマイルドハイブリッドモデルが先行して発売されたものの、EVであることを前提に開発された車種だけに、数か月後に発売されたEVモデルが「遅れてきた本命」というわけである。

 

観音開きのドアはファミリー向けの提案

デザインについても、CX-3やCX-30とは一風違ったテイストで仕上がっている。フロントまわりはEVらしくグリルが小さく、流行りの大型グリルの威圧顔とは違ったすました表情だ。全体的には現代的な曲線基調で、尖った部分はなくスッキリしており、上質さと同時に、親しみやすさを感じるデザインにまとめられている。

↑サイズは全長4395×全幅1795×全高1565mm。試乗モデルのカラーは特別塗装色のソウルレッドクリスタルメタリックで、ほか7色のカラーを展開しています

 

デザインではないが、「フリースタイルドア」と呼ばれる観音開き式のドアもこのクルマのポイントとなっている。フロントドアは通常通りの後ろ開きだが、リアのドアが前開き。つまり真横から見たら観音開きである。マツダで観音開きといえば、RX-8を思い出す好事家もいるに違いない。

 

この観音開き、実は構造的な“珍しさ”のほかにもメリットがある。それは、前席ドアを開けなければ後席ドアが開かないというもので、小さな子どものいる家庭では重宝される機能。ファミリー向けのクルマとして、ミニバン以外の選択肢に新たな提案というわけだ。

↑フリースタイルドアは専用設計のヒンジを採用しており、ほぼ垂直に近い角度まで開きます

 

↑ラゲージスペースは366Lの容量を確保

 

インテリアも非常に特徴的なデザインが採用されている。特に印象に残るのは、シフトノブの下部にスペースが設けられていること。これは一部輸入車などでも採用されていた構造で、見た目もスッキリするし、ドライブ中でも欲しいアイテムをすぐ手に取ることができて、足元に落ちる心配も少ない。また、センターコンソールに採用されたコルク素材も、現代的でオシャレである。

↑シフトノブとコマンダーコントロールは前方に配置。またセンターアームレストを高くしているため、肘を置きながら自然な腕の角度で操作できるようにしています

 

↑空間全体で包み込まれるような心地よさを実現したというシート

 

↑回生ブレーキの強さを変えられるパドルシフトが付いたステアリング

 

さらに、2022年10月の商品改良では、MX-30 EVモデルのバッテリーから電力を供給できるAC電源が追加装備されている。これで、アウトドアなどレジャーに出かけた先でも、電化製品を気軽に使うことができるため、アクティブなライフスタイルをサポートしてくれるに違いない。

コーナーも安心の乗り心地。航続距離の短さは日常使いであれば問題なし

もうひとつ、MX-30 EVモデルならではの美点がある。それは走りがいいことだ。EVならではのストップ&ゴーの気持ちよさはもちろん、乗り心地も優れている。しなやかなサスセッティングで道路に張り付くように走れるだけでなく、ドイツ車のようにタイヤの接地感が失われるようなことが少ないので、背の高いSUVでありながら高速道路のコーナーでも安心である。

 

一充電走行距離のカタログ値は256kmとなっているが、実質的には200kmくらいになるだろう。この距離をどう捉えるかだが、買い物や通勤など短距離移動を日常的にこなす人にとっては、不足感はないはずだ。

↑運転席寄りに搭載されたe-SKYACTIVEVユニット。モーターの最高出力は107kW(145ps)/4500~11000rpmで、最大トルクは270Nm(27.5kg-m)/0~3243rpmです

 

↑充電口には普通充電ポート(左)と急速充電ポート(右)をそろえています

 

さらに今後、プラグインハイブリッドモデルが発売される。電気モーターにプラスして、発電機を回す動力源としてのエンジンを搭載した「e-SKYACTIV R-EV(イースカイアクティブ アールイーブイ)」という名称のモデルが追加販売されるという。発売日はまだアナウンスされていないが、6月22日に広島の宇品工場で量産が開始されたことが発表されている。

 

この発電用エンジンというのが、なんとロータリーエンジンである。マツダにとってロータリーエンジンは特別なもので、コスモやRX-7に搭載されてきた象徴的な技術だ。RX-8生産中止以来、約11年ぶりのロータリーエンジンは、発電用であっても特有の高回転の快音が聞こえるのだろうか。だとすればファン垂涎のモデルでもあり、このモデルの投入でMX-30が一気にスターになる可能性も秘めている。今回紹介しているEVモデルの購入を検討していた人にとっては、悩ましい存在となるのかもしれないが……。

 

「人が乗ってないクルマ」「自分らしさを表現できるクルマ」を好む人が選ぶ

さて、このMX-30 EVモデルの最大のマイナス面を挙げるなら、価格が高いところだろう。ハイブリッドモデルと比べて、約200万円も高く設定されている。ハイブリッド車を検討している人からは、この価格を知っただけで見向きもされないかもしれない。

 

しかし、そもそもMX-30 EVモデルを選ぶ人は、人が乗ってないクルマや、自分らしさを表現できるクルマを好む人である。「EVに乗る生活」により早く移行できることからも、喜びを味わえるのではないだろうか。そこに加えて、CO2排出量を抑えることに意義を感じられるような人にはぴったりである。

 

同クラスのEVのなかでも、見事な“個性”を発揮しているMX-30 EVモデル。これからマツダマニア待望のロータリーエンジン搭載プラグインハイブリッドモデルが追加されることになる。ハイブリッドかEVか、はたまたプラグインハイブリッドか、人々がどのモデルを選ぶのか、今後はその経過を追ってみたい。

 

SPEC【EV・Highest Set】●全長×全幅×全高:4395×1795×1565mm●車両重量:1650kg●パワーユニット:電気モーター●最高出力:145PS(107kW)/4500-11000rpm●最大トルク:270Nm/0-3243rpm●WLTCモード一充電走行距離:256km

 

文/安藤修也、撮影/茂呂幸正

 

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専門家が厳選! スポーティな走りを楽しめるステーションワゴン6選

セダンの利便性はそのままに、荷室スペースを拡大した2ボックスモデルがステーションワゴン。その魅力は使い勝手の良さがおもにクローズアップされがちだが、美しいデザイン、そして低い重心がもたらすスポーティな走りこそ真骨頂。今回は、自動車ライター・海野大介さんに、低重心のスタイルが生む安定した走りが魅力な6台のステーションワゴンを選んでもらった。

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【私が選びました】

自動車ライター・海野大介さん

ウェブを中心に活動する自動車ライター。国内A級ライセンスと1級小型船舶という、趣味性の高い資格を保持。

 

水平対向エンジンを搭載するスポーティワゴン

SUBARU
レヴォーグ
310万2000円〜414万7000円

レガシィツーリングワゴンに代わるステーションワゴンとして2014年にデビュー。現行モデルは2020年にデビューした2代目になる。低重心を生み出すSUBARU伝統の水平対向エンジンを搭載し、スポーティな走りが魅力だ。

SPEC【GT-H EX】●全長×全幅×全高:4755×1795×1500mm●車両重量:1570kg●パワーユニット:1795cc水平対向4気筒DOHC直噴ターボ●最高出力:177PS/5200〜5600rpm●最大トルク:30.6kg-m/1600〜3600rpm●WLTCモード燃費:13.6km/l

 

↑運転支援システム「アイサイト」は全モデルに標準装備。グレードによってはより進化した「アイサイトX」を装備するモデルもある

 

↑荷室床下に290㎜の深さを持つ大型のサブトランクを装備。底面からルーフまでは最大1105㎜の高さがあり、大きな荷物も積載可能だ

 

↑主力エンジンは177PS/300Nmを発揮する1.8l直噴ターボ。低回転域から最大トルクを発揮するので扱いやすいのが特徴だ

 

【ココがスポーティな意匠】低重心のエンジンとAWDの安定した走り

なんといっても低重心を生み出す水平対向エンジンとSUBARU独自のシンメトリカルAWD。コーナー進入時もしっかりと路面を捉え続け、立ち上がりの良さも抜群だ。

 

マイルドハイブリッドが高い環境性能を実現

メルセデス・ベンツ
Cクラス ステーションワゴン
622万円〜1202万円

無駄を削ぎ落としたスポーティなデザインが魅力のモデル。現行モデルでは全グレードでマイルドハイブリッドを採用する。モーターによる高効率なエネルギー回生やブースト機能が、高度な環境性能と気持ち良い走りを実現。

SPEC【C 200 Stationwagon AVANTGARDE】●全長×全幅×全高:4755×1820×1455㎜●車両重量:1700kg●パワーユニット:1494cc直列4気筒DOHC●最高出力:204PS/5800〜6100rpm●最大トルク:30.6kg-m/1800〜4000rpm●WLTCモード燃費:14.2km/l

 

↑エンジンは1.5l直4ターボと2l直4ディーゼルターボの2つ。いずれも9速ATが組み合わされ、スムーズな加速を実現している

 

↑ディスプレイを多用したインパネ。正面は12.3インチ、コクピット中央のものは11.9インチだ。後者はドライバー側に傾けて設置される

 

【ココがスポーティな意匠】スポーツカー並みの旋回性能が楽しめる

メルセデスの特徴でもあるボディ剛性の高さは、足回りの安定感をより感じさせる。それはハンドリングの良さにもつながり、ロールの抑えられたコーナリングを楽しむことが可能だ。

 

伸びやかなルーフラインがスポーティさを強調

トヨタ
カローラ ツーリング
207万円〜304万8000円

いまや数少ないトヨタブランドのステーションワゴン。伸びやかなルーフラインがスポーティさを演出している。2021年にマイナーチェンジ。ガソリンエンジンとハイブリッドがあり、ハイブリッドのみE-Fourの4WDが設定される。

SPEC【W×B(ハイブリッド・2WD)】●全長×全幅×全高:4495×1745×1460mm●車両重量:1390kg●パワーユニット:1797cc直列4気筒DOHC+モーター●最高出力:98[95]PS/5200rpm●最大トルク:14.5[18.9]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:27.3km/l

※[ ]内はモーターの数値

 

↑すべての電動モジュールを刷新したハイブリッドシステム。モーター出力は従来比+16%を実現した。パワーと燃費の高バランスが特徴だ

 

↑後席はワンタッチで格納可能な60:40の分割可倒式を採用。G以上のグレードにはセンターコンソール背面にUSB端子が備わる

 

【ココがスポーティな意匠】アクセル操作に忠実なパワー出力が魅力

アクセルやステアリング操作に対する反応が素直で扱いやすく、低重心パッケージのシャーシ特性と相まって気持ちの良いコーナリングが楽しめる。意外に低いドラポジも魅力。

 

クリーンディーゼルの追加で魅力が増したワゴン

アウディ
A4 アバント
508万円〜693万円

アウディを代表する人気車種、A4のワゴン版がアバントだ。A4としては5代目になり、2015年にデビュー。2020年には大幅なマイナーチェンジを受けた。ディーゼルエンジン搭載車もラインナップに追加され、魅力がいっそう高まった。

SPEC【35 TDI advanced】●全長×全幅×全高:4760×1845×1435mm●車両重量:1610kg●パワーユニット:1968cc直列4気筒DOHCターボ●最高出力:163PS/3250〜4200rpm●最大トルク:38.7kg-m/1500〜2750rpm●WLTCモード燃費:17.1km/l

 

↑デザインは同じだが、アバントの後席はセダンよりも座面から天井までの高さがある。35TFSI以外は3ゾーンのエアコンを標準装備する

 

↑ラゲッジルームは後席を使用した状況で495ℓの容量を確保。40:20:40の可倒式後席を倒せば1495ℓの大容量荷室が出現する

 

【ココがスポーティな意匠】実用域でも楽しめるエンジンとハンドリング

ディーゼル特有の厚いトルクは低回転域での加速に優れ、クルマはステアリング操作に対し正確に反応する。正確だが穏やかなレスポンスなのでリラックスして運転できる。

 

独自の車両制御技術で卓越した操縦性を誇る

マツダ
MAZDA 6 ワゴン
296万2300円〜385万8800円

2019年のマイナーチェンジ時にアテンザから世界共通名のMAZDA 6に名称変更。現行モデルは2012年にデビューした。マツダ独自の車両制御技術により、ステーションワゴンながらスポーツカー並みのハンドリングが魅力だ。

SPEC【XD Sport Appearance】●全長×全幅×全高:4805×1840×1450mm●車両重量:1630kg●パワーユニット:2188cc直列4気筒DOHCディーゼルターボ●最高出力:200PS/4000rpm●最大トルク:45.9㎏-m/2000rpm●WLTCモード燃費:17.8km/l

 

↑ソフトパッドを多用し高いインテリアの質感も定評があるマツダ6。8インチのセンターディスプレイはスマホとの連携も可能だ

 

↑豊かなトルクで力強い走りを実現するディーゼルエンジン。それまでの回らないディーゼルの概念を変えたパワーユニットでもある

 

【ココがスポーティな意匠】ドライバーの意図に忠実で安定した挙動が堪能できる

ホイールベースが短くても安定した直進性を持ち、ドライバーの意図に忠実でリニアなステアリングフィールを誇る。安定した挙動はロードスターに通じる爽快感が感じられる。

 

PHEVが追加されたバカンスの国のワゴン

プジョー
308SW
362万1000円〜576万6000円

コンパクトモデルの308に設定されるワゴンがSW。現行モデルは2022年に発表され308としては3代目になるモデルだ。パワー・オブ・チョイスのコンセプトに基づいてガソリン、ディーゼル、PHEVと合計3つのパワートレインを設定する。

SPEC【GT・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4655×1850×1485mm●車両重量:1720kg●パワーユニット:1598cc直列4気筒DOHCターボ+モーター●最高出力:180[110]PS/6000rpm●最大トルク:25.4[32.6]kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:17.5km/l

●[ ]内はモーターの数値

 

↑インパネはステアリングの上下がフラットで包まれ感のあるi-Cockpitを採用。308のものはディスプレイを多用した最新進化版だ

 

↑シートの良さに定評ある308。現行モデルで採用されたシートはAGR(ドイツ脊椎健康推進協会)に認められた人間工学に基づくもの

 

【ココがスポーティな意匠】帰ってきた「ネコ足」は剛性感たっぷりで快適

一時はドイツ車的な固い足回りのセッティングだったが、柔らかく深くロールし、粘りのある走りが特徴の「ネコ足」が復活。高い剛性感が特徴だが、都市部でも快適に走行可能だ。

MAZDA2は旧来のデミオファンをも取り込むポップさと質感の高さを両立してるではないか!

2023年の春、MAZDA2が大幅に改良された。MAZDA2といえばマツダの根底を支えるコンパクトカーだが、はたしてどのような変更がなされたのか。本稿では、かつてのデミオを懐かしみながら、その魅力について解説していきたい。

 

■今回紹介するクルマ

マツダ MAZDA2

※試乗グレード:15BD・2WD

価格:152万2900~254万1000円(税込)

 

デミオ時代から数えて10年目を迎えるロングセラーモデル

2010年代からブランドイメージの転換を図ってきたマツダ。イメージカラーをメタリックレッドとブラックで揃え、販売ディーラーもプレミアムな雰囲気へと変貌させた。MAZDA2は、新時代のマツダのエントリーモデルだが、かつての名称「デミオ」と呼んだほうが、そのサイズ感や特徴を捉えられる人は多いかもしれない。

 

デミオは1996年にデビューしたコンパクトハッチバックで、小型車にしては高めの全高や広い荷室を特徴として人気を博し、スマッシュヒットとなった。以後、マツダの基幹モデルとして4代目まで販売されてきており、走りのスポーティーさやデザインの妙で、2000年以降、戦国時代となっていた日本のコンパクトカー市場でも独自の地位を確立していた。

 

しかしその後、2019年の改良時に名称変更がなされ、新車種のMAZDA2としてリボーンすることとなる。つまり、MAZDA2は4代目デミオであり、改良が施されたデミオと言ってもいいだろう。そして、この4代目モデルが登場したのは2014年であり、そろそろ10年目を迎えんとするロングセラーモデルとなっている。

↑新MAZDA2は2023年1月に大幅改良がアナウンスされました!

 

なかなかモデルチェンジされないのは、言い換えれば「いいクルマだから」長く売れ続けているとも言える。たしかに4代目デミオは、「魂動」デザインが取り入れられ、内外装ともに質感が高く、また当時のさまざまな新技術も採用されて機能性も高かった。

 

それらに加えて、デミオの時代に3回、MAZDA2になってからは1度、改良が施されてきた。また、その間に先進安全技術の拡充なども図られている。そして2023年、今回の商品改良は、メーカー自ら「大幅」改良と呼ぶほどで、外観のデザイン変更から、新素材の採用、グレード追加など、その範囲は多岐にわたっている。

↑試乗モデルのサイズは全長4080×全幅1695×全高1525mm、重量は1090㎏。なおボディカラーは全12色を用意しています

 

まず大きなところでは、「15BD」、「XD BD」という新グレードが追加されている。これらは、「自分らしく、自由な発想で、遊び心を持って」というテーマが掲げられたMAZDA2において、自分好みに選べるカラーバリエーションの楽しさを味わえるモデル。今回試乗したのは、前者の「15BD」の方で、1.0Lのガソリンエンジンを搭載するモデルである(XD BDはディーゼルエンジン搭載モデル)。

 

外装・内装にアクセントカラーを取り入れて違いを出す

外観デザインは、MAZDA2全モデルにおいて、フロント&リアのグリルやバンパーの形状が変更されるなど、グレードごとのキャラクターを立てる形で変更。グレードによってはフロントグリルとリアバンパーにはワンポイントのカラーアクセントが採用されていて、今回の車両はイエローのワンポイントが入っている。地味になってしまいがちなホワイト系のボディカラーでも、このようなアクセントが1点入るだけで、グッとオシャレさが増して見える。

↑フロントグリルの正面から少し右にイエローのワンポイント。遠くから見ても目立ちます

 

さらにこの15BDでは、ホイールにも非常に特徴的なデザインが採用されている。内部のスチールホイールの表面を隠すキャップ仕様でありながらも、2トーンカラーでシンプルかつクールさを演出。また、オプションパーツだが、ルーフ(車体天板)部分にはカーボン調のルーフフィルムが採用されており、スポーティーさをアピールしている。なお、このルーフフィルムはマツダ独自の新技術で、塗装回数を減らすことに貢献するという時代にも即したものになっているという。

↑ボディに合わせたカラーのアクセントが入ったホイールキャップ

 

↑俯瞰して見たときに、デザインに大きな変化を与えるルーフフィルム

 

従来からセンスの良かった上質な雰囲気の内装は、今回、ボディカラーに合わせて3色の配色がなされた。試乗したスノーフレイクホワイトパールマイカのボディカラーは、「ピュアホワイト」のインテリアパネルが採用されている。ボディ同系色を配置する手法は、海外のコンパクトカーでよく見られたものではあるが、やはり雰囲気を艶やかにしてくれる巧みな手法だ。

↑インテリアパネルがかなり目立つ内装。パネルは植物由来原料の材料を採用し、従来の塗装にはない質感を実現しつつ、環境に配慮しているそうです

 

↑運転席と助手席の間には「8インチWVGAセンターディスプレイ」を配置

 

↑試乗モデルのシートは見た目シンプルですが、座り心地にはこだわっており、「人間中心」の思想のもとで開発。心地よくフィットするとのこと

デミオのポップさと新時代のマツダを象徴する質の高さを融合

 

さて、走りに関して特段変更点はアナウンスされていないものの、久々に試乗してみたところ、相変わらず上質な雰囲気である。コンパクトカーというと、どうしても低価格で低コストなため、チープな走りを想像してしまいがちだが、MAZDA2は静粛性が高く、高級感のある走りを味わえる。

↑エンジンにはSKYACTIV-G 1.5に、燃料をしっかり燃やしきる独自技術を搭載。また、圧縮比率を14に高めることで環境性能と燃費を上げています

 

↑コントロール性能も進化。ドライバーのハンドル操作に応じて、スムーズで効率的に挙動する「GVC」は、ブレーキによる姿勢安定化制御を追加しています

 

さらに、筆者がいいなと思ったのは、チルト&テレスコピック機能がしっかり備わっていることだ。クルマにあまり詳しくない人にとっては何のこっちゃという言葉だが、これはステアリングホイールの位置を調整する機能のこと。チルトはステアリングの上下位置(高さ)を、テレスコピックは同様にステアリングの前後位置を調整できる。コンパクトカーといえばチルト機能はあってもテレスコまで備えているものは少なく、このあたりまでコストをしっかりかけているのは、マツダのドライバーへの配慮が感じられる部分である。

 

初代、2代目、そして3代目あたりまで、デミオの味といえば、快活さやポップな雰囲気であったが、4代目モデルでは新時代のマツダの特徴に沿うように、質感の高さを持ち味にしていた。どちらがいいかはユーザーの好み次第であったが、今回のMAZDA2最大の改良では、両者の魅力を兼ね備えたモデルとなった。旧来のマツダファンも裏切らない、ポップさを備えながらも、質感の高いコンパクトカーへと変貌を遂げている。

↑定員乗車時で280Lの容量を確保したラゲージスペース。荷室幅が約1000mmと広いので、荷物の出し入れもしやすそうです

 

SPEC【15BD・2WD】●全長×全幅×全高:4080×1695×1525mm●車両重量:1090㎏●パワーユニット:1496cc直列4気筒エンジン●最高出力:110PS(81kW)/6000rpm●最大トルク:142Nm/3500rpm●WLTCモード燃費:20.3㎞/L

 

文/安藤修也、撮影/茂呂幸正

 

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新たな価値観の構築へ! マツダの意欲作「CX-60」は随所にプレミアム感が満載

「NEW VEHICLE REPORT」はプレミアムブランドへの飛躍を模索するマツダの意欲作「CX-60」をピックアップ。「CX-60」のチャレンジングな新機軸に注目だ。

※こちらは「GetNavi」 2023年3.5月号に掲載された記事を再編集したものです

 

新たな価値観の構築を目指すマツダの意欲作は新機軸が満載!

【SUV】

マツダ

CX-60

SPEC【XD ハイブリッド・エクスクルーシブ・スポーツ】●全長×全幅×全高:4740×1890×1685mm●車両重量:1910kg●総排気量:3283cc●パワーユニット:直列6気筒DOHCディーゼル+ターボ+電気モーター●最高出力:254[16.3]PS/3750rpm●最大トルク:56.1[15.6]kg-m/1500〜2400rpm●WLTCモード燃費:21.1km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

新時代のマツダを予感させる意欲的な作りが好印象!

これまで“走る歓び”を追求してきたマツダが、“プレミアム”という領域に本格的に踏み込むため、直6エンジンとそれを縦置きしたFRベースのプラットフォームを新開発。その第1弾となるCX-60は、運転するほど元気になり、ユーザーの行動範囲を広げ、家族や仲間との新しい愉しさを提供する“ドライビングエンターテインメントSUV”という位置づけだという。

 

その優雅なスタイリングは、マツダ独自の“魂動デザイン”が進化したもの。大別して4つのグレードが用意され、インテリアでは西陣織に着想を得たという“プレミアムモダン”の斬新な表現や、“エクゼクティブスポーツ”の鮮烈なタンカラーの内装が目を引く。

 

パワートレインは直6ディーゼルおよびMHEVと、直4ガソリンおよびPHEVの計4種類のエンジンに新開発のトルコンレス8速ATを組み合わせている。まず、ディーゼルは3.3Lという大きめの排気量による余裕の動力性能を確保しつつ、燃費を大幅に向上させることに成功。ディーゼルらしい力強い走りと、直列6気筒らしく調律された迫力あるサウンドを味わうことができる。

 

MHEVは小さなモーターが発進直後に上手くアシストしてくれて軽やかな出足を実現している。PHEVは、大きなモーターと十分なバッテリー容量により最長で74kmの距離をEV走行できる点がポイントだ。

 

一方、足まわりはロードスターで培ったFR駆動のノウハウを生かしつつ、独自の着眼点で数多くの新たな試みにチャレンジ。現状では煮詰めきれていない部分も見受けられるが、マツダが目指すものには大いに期待できる。

 

また車内のカメラで運転者を認識し、記憶した設定を自動的に復元する「ドライバー・パーソナライゼーション・システム」を搭載。異常を検知すると停止までを自動制御する「ドライバー異常時対応システム」など、マツダ独自の取り組みによる運転支援装備をいち早く設定している点も注目に値する。

 

そんなCX-60は、さらなる高みを目指すマツダの渾身の意欲作であることは間違いない。

 

[Point 1]新開発のFR骨格は優美な外観作りにも貢献

縦置きのエンジン回りと後輪駆動という構成を基本とする、FRプラットフォームを新規開発。その効果は、ホイールベースの長さが印象的な優美さを感じさせる、CX-60のエクステリアデザインでも実感できる。

 

[Point 2]上質感の演出にも抜かりないインパネ回り

デジタル系の装備を網羅しつつ、デザイン自体は従来のマツダ車らしいスポーティなテイストを踏襲しているインパネ回り。トリムのステッチ類など、プレミアムなモデルに相応しい上質感も演出している。

 

[Point 3]走りへのこだわりを象徴するシート回り

質感の高さが印象的なシート。前席には最適な着座位置を設定できる「自動ドライビングポジションガイド」も装備される。後席もボディサイズ相応の広さが確保されている。

 

[Point 4]ミドル級SUVに相応しい使い勝手も実現

外観のイメージこそスタイリッシュだが、荷室回りの絶対的な広さはミドルサイズのSUVらしい水準を確保している。広い開口部をはじめ、使い勝手への配慮も行き届いている。

 

[Point 5]パワートレインは4タイプと多彩

パワートレインは2.5Lガソリンがベース。加えてディーゼルとそのマイルドハイブリッド版(MHEV、写真)など、合計で4種を揃える。

 

[Point 6]プレミアム級SUVらしく足元も重武装に

プレミアム級の風情を演出するSUV、ということで足元もスポーティな選択が可能。試乗車のホイールは大型の20インチを装着していた。

 

[Point 7]ディーゼルのMHEVは速さと高燃費を両立

3.3L直列6気筒ディーゼルターボに電気モーターを組み合わせるMHEV版は、大排気量ディーゼルターボらしい力強さと低燃費を両立。足回りはスポーティな味付けだ。

 

[ラインナップ]

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文/岡本幸一郎 撮影/市 健治、篠原晃一

2022年、プロがもう一度乗りたいとウズウズする国産車5選!スポーツカーばかりと思いきや……

新車試乗会以外にも、さまざまなクルマに乗る機会がある自動車評論家やライター。本稿では、さまざまなクルマを見て乗ってきた自動車評論家・岡本幸一郎さんに、今年(2022年)出会ったクルマのなかから、最も「もう一度乗りたくてウズウズする」国産車5台をピックアップしてもらいました。おすすめグレード付でお届けします。

 

【その1】FFなのにアクセルを遠慮なく踏める

ホンダ

シビック タイプR

「シビック タイプR」といえば、FF量販車で世界でも1、2を争う速さを身につけたクルマだけあって、まずエンジンフィールがすばらしいのなんの。アクセルと一体化したかのような俊敏なレスポンスと、踏み込んだときの力強い加速と、トップエンドにかけての痛快な吹け上がりと、控えめな中にも野太く吠えるエキゾーストサウンドに惚れ惚れ。2リッター4気筒エンジンとして世界屈指の仕上がりだ。

 

それを引き出すシフトフィールも、シフトを操ること自体にも喜びを感じられるほどよくできている。330PSのパワーを前輪だけで受け止めるとなると、普通なら空転してしまいそうなところ、トラクション性能も十分すぎるほど確保されているおかげで、遠慮なくアクセルを踏んでいける。

 

ハンドリングはまさしくオン・ザ・レールという言葉がピッタリ。意のままに気持ちよく操ることができて、舵を切った方向にグイグイと進んでいく。さすがは「2022-2023日本カー・オブ・ザ・イヤー」でパフォーマンス部門賞に輝いただけのことはある、最高にエキサイティングなクルマだ。

 

【その2】登場7年ですげーグレードが出た!

マツダ

ロードスター

おすすめグレード:990S

「ロードスター」は登場からまもなく7年というタイミングで、持ち前の走りの楽しさをさらに高めるための大きな動きがあった。ひとつはKPC(=キネマティック・ポスチャー・コントロール)という新技術の採用だ。これによりGが強めにかかるようなコーナリングでのロールが抑えられ、旋回姿勢が安定してドライバーとクルマの一体感がより高まった。

 

もうひとつは、軽さにこだわりある走りに特化した特別仕様車「990S」の追加だ。1トン切りを印象づけるモデル名のとおり、車両重量を990kgにとどめるとともに、軽量の鍛造ホイールの装着をはじめシャシーやエンジン、ブレーキなどが専用にセッティングされている。

 

軽量コンパクトなロードスターは、2シーターでホイールベースが短いことも効いて、もともと手の内で操れる感覚が高いが、「990S」はさらに軽やかで気持ちのよい人馬一体感を実現している。既存のロードスターでなんとなく感じられた、ステアリングとタイヤの間に何か挟まっているような感覚が払拭されて、よりダイレクト感のある走り味になっているのだ。グリップ感が高く、フラット感もあり、ロールだけでなくブレーキング時のピッチングも抑えられている。

 

こうした改良と特別仕様車の追加が効いて、売れ行きのほうも発売から時間が経過したスポーツカーではありえないような増え方をしているらしい。中でも件の「990S」の販売比率がかなり高いというのも納得だ。

 

【その3】FFベースでつまらなくなった? 全然そんなことない!

トヨタ

クラウン クロスオーバー

おすすめグレード:RS

ガラリと変わって話題騒然の新型「クラウン」は、それだけでも乗ってみたい気持ちになるのはいうまでもないが、中でも「RS」モデルは走りっぷりも予想を超えていて驚いた。

 

いかにも速そうな名前のとおりエンジンもモーターも強力なデュアルブーストハイブリッドは、272PSの2.4リッターターボエンジンと前後に約80PSのモーターを組み合わせ、システム最高出力で349PSを発揮するというだけあってけっこう速い。モーターならではのレスポンシブでシームレスな加速フィールも気持ちがよい。さらにコーナリングでは、リアモーターで積極的に後輪の左右の駆動力に差をつけるとともに、4輪操舵機構や電子制御デバイスを駆使することで、クイックな回頭性を実現しているのもポイントだ。

 

クロスオーバーの2.5リッター自然吸気エンジンにTHSを組み合わせた他グレードとは別物で、大柄でけっして軽くないクルマでありながら、加減速もハンドリングがとても俊敏に仕上がっている。そのあたり、FFベースになってつまらなくなったとは言わせたくないという開発陣の意地を感じる。スタイリッシュなルックスだけでなく、走りのほうも鮮烈な仕上がりだ。

 

【その4】最新CVTの実力、いい感じ

スバル

WRX S4

おすすめグレード:sport R EX

もとはモータースポーツ由来だった「WRX」が、時代の流れで今では高性能ロードゴーイングカーという位置づけに。本稿執筆時点では3ペダルのMTを積む「WRX STI」の販売が終了し、将来的にもラインアップされるかどうかわからない。しかし、2ペダルの「WRX S4」はしっかり進化している。

 

275PSと375Nmを発揮する2.4リッター直噴ターボのFA24型に、「スバルパフォーマンストランスミッション」と呼ぶ最新のCVTが組み合わされるのだが、これがなかなかのもの。駆動力の伝達にかかるタイムラグが払拭されているほか、従来とは比べものにならないほどダイレクト感があり、マニュアルシフト時のシフトチェンジも驚くほど素早い。エンジン回転が先に上昇して、あとから加速がついてくる感覚もほとんど気にならない。

 

さらにはリアよりに駆動力を配分するVTD-AWDも効いて、小さな舵角のままコーナーをスムーズに立ち上がっていけるのも、WRX S4ならでは。2グレードあるうち、44万円(税込)高い「STI Sport R」は、「GT-H」に対して装備が充実しているのに加えて、走りの面ではZF製の電子制御ダンパーが与えられるほか、SIドライブではなく、より細かく設定できるドライブモードセレクトが搭載されるのが大きな違いとなる。

 

【その5】サーキットのちょい乗りだけでもう惚れてます

日産

フェアレディZ

おすすめグレード:バージョンST

この往年の雄姿を思い出すスタイリングを目にしただけで、乗りたくてたまらない気持ちになる。実のところ本稿執筆時点では筆者はサーキットでちょっとだけ乗った程度なのだが、見た目の魅力はもちろん、400PSオーバーを誇るV6ターボエンジンの刺激的なパフォーマンスや、全面的に見直したという洗練されたシャシーチューニングにより、かなり走りもよさそうな雰囲気がヒシヒシと伝わってきた。だからこそ、もう一度乗りたくてうずうずしているところです……(笑)。

 

 

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「21世紀の傑作デザイン」という高い評価を得ているマツダ「ロードスター」を考察

世界中のスポーツカーは大型化、高級化傾向にあり、マツダ「ロードスター」のように小型軽量で手頃に買えるスポーツカーは珍しくなった。そもそもスポーツカー自体が希少なこの時代にあって、30年以上、4代に渡って販売が続いているのは、ひとえにロードスターが魅力的なクルマであることにほかならない。最新のRSグレードに乗って、そのあたりを考察してみた。

 

■今回紹介するクルマ

マツダ/ロードスター

※試乗グレード:RS・6速MT

価格:268万9500円~342万2100円(税込)

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まるでクルマと身体が一体になったような感覚が味わえる

ロードスターは、日本を代表するスポーツカーだが、トヨタ「スープラ」や「86」、あるいは日産「GT-R」や「フェアレディZ」とは決定的な違いがある。それは、ほかのスポーツカーと違って屋根を開けることができるオープンカーであるということだ。

 

一度でもオープンカーに乗ったことがある人ならわかるかもしれないが、屋根を開けて走ると周囲の風を感じられる。適度に風を浴びながら走ると、まるでクルマと身体が一体になったような感覚が味わえて、運転することの気持ちよさが、より深く感じられる。この感覚は、よく「人馬一体」などとも表現されるが、ロードスターはまさにこの「人馬一体」の権化のようなクルマである。

↑誰もが憧れるガラス製リアウインドー付ソフトトップ。屋根をオープンにすると「クー!! カッコいいっす」

 

「人馬一体」の感覚は、1989年に登場した初代モデルの頃からしっかり味わえた。そしてそこが高く評価されたこともあって、ロードスターは世界的な人気車となり、現在まで販売されるロングセラーモデルとなった。

 

もちろん、屋根が開くことだけで長く支持されてきたわけではない。ステアリングを握ってすこし走っただけで、「すばらしい」とため息がでるクルマはそう多くは存在しないが、このロードスターは、乗った後にそんな気持ちにさせてくれるクルマなのだ。きっと多くの人が、期待以上のものを得られるに違いない。

↑3本スポークのステアリングホイール。直径366mmで細身のグリップで操作もしやすい

 

ステアリングのフィーリングは若干軽めで、足まわりもソフトな味つけになっている。一見イージー過ぎてクルマ好きには物足りないかと思いきや、コーナーを攻めてみるとしっかり踏ん張るので、かなりの速度域でコーナリングが楽しめる。逆にいえば、誰でも操作しやすくて乗りやすい、ピュアなスポーツカーにしつらえられていて、“走りの楽しさ”というものを直球で味わえる。

 

エンジンは自然吸気式の1.5L、一種類のみだが、ボディが約1tと軽いため、加速感が気持ちいい。それに加えて、なんといっても重心が低いので、ノンターボの健やかな加速でもスポーティ感がたっぷり味わえる。走りの味付けとしては全体的に風情があって、ゆっくり走っていても楽しいのだが、これが屋根をあければ、2倍や3倍にも感じられるのだ。

↑直噴1.5Lガソリンエンジン「SKYACTIV-G 1.5」のみを設定

 

なんだかこれで結論のようになってしまったが、現行型ロードスターの美点は走りだけではない。英国の古き良きライトウェイトスポーツカーをモチーフにした初代モデルのデザインは、レトロな趣で現在でも高い評価を獲得している。次の2代目モデルはスポーティさを誇張してワイドになったが、現役時代はさほど評価を得られなかった。そして3代目では原点に立ち返り、初代モデルのような丸みを帯びたノスタルジックな形状になったがボディは大型化していた。

 

こういった流れを受けて、2015年に登場した4代目となる現行型では、まずなによりボディサイズが小型化された。そこに、引き締まったモダンなスポーティデザインがまとめられることになった。昨今の高級スポーツカーにありがちな“無駄”なラインが省かれており、とにかくシンプルで美しい。サイズ感にもピッタリ当てはまる。

 

フロントまわりには無駄なエッジがなく、シャープでありながらどこか彫刻的だ。サイドからリアにかけては微妙なうねりがあって、動物の肢体を想像させる有機的なデザインにまとまっている。つまり、顔は清楚でありながら、お尻はセクシーなのである。

↑ヘッドランプは自動的にロービームとハイビームを切り替える「ハイ・ビーム・コントロールシステム(HBC)」に

 

↑足元は16インチアルミホイール、大径ブレーキを標準装備

 

さらに、幌を閉じた状態で見てもスタイリッシュなのは、このクルマのバランスの良さや完成度の高さを物語っている。早くも「21世紀の傑作デザイン」という高い評価を得ているが、きっと10年経っても、20年経った後でも、高く評価されるに違いない。

↑ドライバーをクルマの中心に置き、すべてを自然な位置にレイアウトすること。徹底的にボディの無駄を削ぎ落として、全長は短く、全高は低く、ホイールベースはショートに

 

↑トランクは機内持込対応サイズのスーツケースを2個積載できる容量を確保。利便性にも配慮された

 

一旦離れても、いつかまた乗りたいクルマです

スポーツカーの延長線上にはスーパーカーがあって、それはカーマニアにとっての夢、最果ての地となっているが、スーパーカーを手に入れるにはとんでもない金額を支払う必要がある。結局は一部の富を持つ人のための嗜好品だ(中古車はのぞく)。しかしロードスターは違う。価格もサイズも、さらには使い勝手も実に合理的にまとめられている。

 

スポーツカーにとって使い勝手の良さや実用性が必要かどうかと言われれば、答えは「ノー」だ。あくまでも走ることを楽しむクルマだから、そのために実用性が犠牲になっている部分はある。だから普通の人はスポーツカーに乗らないというのもすごくわかる。しかしクルマには、家電やデジタルギアと違って、機能だけで語れない部分があるのだ。

 

走ることの楽しさというのは、実際に乗ってみればわかる。そしてそれはオーナーになってみればさらにわかる。実は筆者もかつてこのクルマ(初代モデル)に乗っていた1人だが、筆者を含め、筆者のまわりにいるオーナー経験者たちは、皆一様に「いつかまた乗りたい」というコメントを残してる。

 

かつて世界中のメーカーがこのロードスターを越えようと多くのライトウェイトオープンモデルを登場させたが、結局、ロードスターに匹敵するクルマは出現しなかった。そして、今でもほぼデビュー時のコンセプトのまま残っているのはロードスターだけである。このクルマが日本で生まれたことを誇りに思う。

 

SPEC【RS・6速MT】●全長×全幅×全高:3915×1735×1235㎜●車両重量:1020㎏●パワーユニット:1496㏄直列4気筒エンジン●最高出力:132PS/7000rpm●最大トルク:152Nm/4500rpm●WLTCモード燃費:16.8㎞/L

 

撮影/木村博道 文/安藤修也

 

 

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マツダ新型「CX-60」に試乗! 期待のラージアーキテクチャー第一弾の実力はいかに?

マツダはかねてよりラージ商品群の登場を示唆していましたが、ついにその第一弾が姿を現しました。それが縦置きエンジン+後輪駆動の新プラットフォームを採用した「CX-60」です。今回はその主力となる3.3L直6ディーゼルターボに48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた「XDハイブリッド」の試乗レポートをお届けします。

 

【今回紹介するクルマ】

マツダ/CX-60

※試乗グレード:XD-HYBRID Premium Modern

価格:299万2000円~626万4500円(税込)

↑マツダが「ラージ商品群」と呼ぶSUVの第1弾モデル「CX-60」

 

全4タイプのパワーユニットから3.3L直6ディーゼルターボが登場

CX-60は新開発された、マツダのラージアーキテクチャーを採用する新世代プラットフォームです。そのラインナップはとても幅広く、パワーユニットは全4タイプ、グレードは8タイプを用意し、すべてが組み合わせ可能ではないものの、多彩なニーズに応えられるラインナップになっています。

↑直6ディーゼルターボを搭載した「CX-60」の「プレミアムモダン」。リアバンパーコーナーパーツのボディおよびその下のエグゾーストガーニッシュに採用しているメタルの質感がスポーティさを感じさせる

 

中でもパワーユニットは、48Vマイルドハイブリッド機構を組み合わせた3.3L直6ディーゼルターボ核として、よりカジュアルな2.5L直4ガソリン、3.3L直6ディーゼルを用意。さらに2.5L直4ガソリンにプラグインハイブリッドを組み合わせたものも遅れて登場します。そのため、価格も299万円から626万円と倍以上の価格差を生まれるラインナップとなりました。

↑新開発3.3L直6ディーゼルターボを縦置きにし、駆動方式はFR。48Vマイルドハイブリッドを組み合わせた

 

つまり、CX-60は、これまでのCX-5から乗り換える人にも対応するだけでなく、新たにプレミアなユーザー層も取り込んでいく。そんなラインナップ構成となりました。

 

そんな中で試乗した3.3L直6ディーゼルターボの「XDハイブリッド」のグレードは、「エクスクルーシブスポーツ」と「エクスクルーシブモダン」、「プレミアムスポーツ」と「プレミアムモダン」の4タイプ。価格はエクスクルーシブスポーツとエクスクルーシブモダンが505万4500円(税込)、プレミアムスポーツとプレミアムモダンが547万2500円(税込)です。

 

試乗したプレミアムスポーツとプレミアムモダンの違いは、前者は全体に黒を基調としたスポーティな雰囲気を演出したものに対し、後者がメッキ類を多用し内装もホワイトを基本としたラグジュアリーな雰囲気にしたもので、あくまでデザインコンセプトの違いとなっています。

 

スタイリッシュなプロポーションに高品質なインテリア

CX-60を前にして感じた印象は、とてもスタイリッシュであることです。フロントは極端に短いオーバーハングを持ったロングノーズとなっていて、ボディサイドも波打つような筋肉質を感じさせる見事なプロポーション。全長4740mm×全幅1890mm×全高1685mmの大きめのボディサイズだからこそ実現できたデザインと言えるかもしれません。

 

インテリアの仕上がりにも相当こだわったようです。マツダによれば“マツダ車史上最上”としており、それだけCX-60がかつてないプレミアムゾーンを狙っていることは容易に推察できます。手に触れられるすべてがソフトパッドに覆われ、見た目にも触れた印象でも欧州車のハイグレードモデルと比べてまったく引けをとりません。個人的には、もはやそれを超えたといっても差し支えないと思っています。

↑プレミアムモダンのインテリア。欧州車のハイグレードモデルを超える高品質ぶりは満足度が高い

 

↑プレミアムスポーツのタン仕様はオプションとして用意されている

 

↑プレミアムモダンの前席。前席にはヒーターとベンチレーター機能が備わる

 

↑プレミアムモダンの後席。ピュアホワイトのナッパレザーにチタン色のアクセントラインが入る

 

中でも印象的なのが左右のシートに挟まれた中央のコンソールです。全体に高い位置にあり、それが否応なくCX-60がFR車であることを訴えています。しかも幅が広くその存在感は抜群です。左右両開きのコンソールボックスも深さこそないものの、幅が広い分だけ少しかさばるモノも対応できるでしょう。内部にはUSB-C端子が2つ備わっており、スマホの映像を映し出すのに使うHDMI端子もここにありました。

↑シフトノブ操作は一見スタンダードに見えるが、パーキングだけは右にシフトして使う

 

↑後席用に用意されたUSB-C端子とAC100W/150Wのコンセント

 

↑12.3インチのディスプレイを採用したマツダコネクト採用。スマホで設定した目的地の転送もできる。地図データは3年間無料更新付き

 

↑カウルサイドのウーファーボックス容量を4.8Lに拡大。プレミアムモダン、プレミアムスポーツはボーズ仕様が標準となる

 

一般道では突き上げ感を感じるも、高速での安定性は抜群

試乗は御殿場を起点に東名高速と、乙女峠を抜けた箱根界隈の峠道で試してみました。まず試乗会場から東名高速へと進むと、8速ATが小気味よくステップアップして速度を上げていきます。このトランスミッションは、スタート用クラッチに湿式多板ユニットを組み合わせたトルコンレスという特徴的な構造を採用していますが、従来のATと比べても違和感はまったくありません。その上、低負荷領域をモーターでアシストしているため、発進時の動きはとても身軽で、とても2t近いボディを動かしているとは思えないほどです。

 

高速での走行は車重の重さも手伝ってか、どっしりとした安定感があります。ICからICまでの一区間でしかありませんでしたが、走り始めに感じたコツコツとした突き上げ感も速度が上がるにつれて収まっていき、ステアリングの直進性の良さとも相まって気持ちの良いクルージングを楽しむことができました。

 

ただ、乙女峠方面に進むと再び突き上げの大きさが気になるようになりました。一般道にありがちな路面の凹凸をそのまま伝え、時にそれが大きめに感じるときがあったのです。一方でコーナリングのトレース性は極めて高く、狙った方向へ確実にハンドリングしてくれます。車体のブレも最小限に抑えられているようで、安定したポジションで峠道を右から左へとハンドルを切ることができたのです。ブレーキのタッチも良好で、少しハイスピードでコーナーに入っても不安感はほとんどなく通過できました。

 

試乗したグレードの価格帯は500万円を超えており、一般的に言っても十分にプレミアムカーの領域にあると思います。クルマとしての造りこそ、それに見合うものを持っていました。高速での走りはともかく、一般道での突き上げ感はもう少しいなしてくれる気遣いが欲しかったようにも思います。とはいえ、パワーユニットが多岐にわたるCX-60では、組み合わせによってまた違った印象を与えてくれるかもしれません。

↑CX-60には「ドライバー異常時対応システム(DEA)」を採用。このSOSボタンを押すか、エアバッグの作動で自動対応できる

 

直6ディーゼル+FRを気軽に楽しみたいなら「XD」もオススメ

そこで別のグレードを選んだ場合を考えてみました。その結果、直6ディーゼルを搭載したもっとも身近なグレードが「XD」であることがわかりました。2WDの価格は323万9500円(税込)。アダプティブヘッドランプやパワーシートといったプレミアムな装備はないものの、18インチアルミホイールは装備されます。写真で見る限り、見た目にもそれほど見劣り感がないのもいいと思います。手軽に直6ディーゼル+FRの基本スペックを楽しむのに「XD」はピッタリのグレードかもしれません。

 

SPEC【XD-HYBRID Premium Modern】●全長×全幅×全高:4740×1890×1685㎜●車両重量:1940㎏●パワーユニット:3283㏄水冷直列6気筒DOHCターボエンジン●最高出力:エンジン254PS/3750rpm[モーター16.3PS/900rpm]●最大トルク:エンジン550Nm/1500〜2400rpm[モーター15.3PS/200rpm]●WLTCモード燃費:21.1㎞/L

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

モノ選びのプロ集団がいま注目するアイテムはコレだ! GetNavi編集部員の超私的ヒット予想

常に最先端のトレンドに目を配りながらリサーチをするGetNaviの編集者が、次にヒットしそうなアイテムを独断の偏見で予想してみた。正統派からちょっとユニークなアイテムまでをラインナップ。気になる商品はいまから要チェック!

※こちらは「GetNavi」 2022年9月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

GetNavi編集長

川内一史がセレクト

 

高速・高精度・低価格で趣味用としてブレーク必至(川内)

【家庭用3Dプリンター/2022年冬発売予定】

アンカー・ジャパン

AnkerMake M5

9万9990円

溶かした樹脂を積み重ねるようにして立体造形を出力し、毎秒250mmの高速印刷が可能。高精度でセットアップが簡単で、価格も抑えられ、趣味用として購入する人が増えそう。

 

コレも注目!

ミズノ

オールマイティVH11L

実売価格9570円

いわゆる現場用の作業靴。抜群の通気性を実現し、猛暑をしのぎつつニオイも防げます。スニーカータイプのため幅広い職種に対応。

 

 

GetNavi副編集長

青木宏彰がセレクト

 

華奢で端正なビジュアルとONKYO監修の高音質が爆イケです(青木)

【スピーカー搭載ランタン/2022年3月発売】

シャープ

ポータブルスピーカーランタン any DL-FS01L

COCORO STORE直販価格2万円

スピーカー×LED照明の市場はソニーやバルミューダなど群雄割拠ですが、anyはハンドル含め華奢なデザインがイケていて推せる!! ONKYOの監修で音質も折り紙付き。欲しい〜。

 

コレも注目!

ドウシシャ

おうちdeスパ ODS-2201

実売予想価格1万8480円

フットマッサージャーやフットバスはよくあるが、本機はフットスチーマー。温風ミストにより自宅で“フットサウナ”が可能に。地味に流行るかも!?

 

 

GetNaviデジタル・クルマ担当

上岡 篤がセレクト

 

マツダのデザイン新時代に期待を寄せるモデル(上岡)

【SUV/2022年9月発売】

マツダ CX-60

299万2000円〜

最近同社のデザインは「スマート過ぎかな〜」と思っていましたが、CX-60は力強いフロントマスクを打ち出したデザインがグッド。すでに予約が殺到しているとのことです。

 

コレも注目!

ニコン

Z 30

実売予想価格9万7900円

カメラで錚々たる歴史を作ってきたニコン。Vlog向け撮影がメインの本機は小型軽量で、同社が誇る画質を、動画でも堪能できるモデルです!

 

 

GetNaviファッション・日用品担当

金矢麻佳がセレクト

 

ビジネススタイルに対応した2分割できるデイパック(金矢)

【デイパック/2022年5月発売】

ポーター

TWIN PACK DAYPACK(S)

4万7850円

シーンによって使い分けられるデイパック。ファスナーで仕切られた特殊構造により、分割して2つのデイパックとして使用できるのが特徴です。昨今、出社と在宅のハイブリットワークが高まっているので、使い勝手が良い本品が刺さりそう!

 

コレも注目!

セリマックス

BHA消しゴムピーリングパッド

1870円

余分な皮脂や古い角質を柔らかくするBHAを配合した、韓国発のトナーパッド。洗顔後に拭き取るだけの簡単さで、韓国では240万個を販売しました(※)。

※:2021年9月時点

 

 

GetNaviオーディオ・ビジュアル担当

松山葉南がセレクト

 

くるっと巻いてコンパクトに持ち運びやすさ◎(松山)

【首掛け扇風機/2022年6月発売】

ダンスーン

Rolling

4500円

小型ファンは暑い夏の必需品ですが、両手の空く首掛けタイプもスタンダードに。本機はネックバンドを巻き取るとコンパクトになるので、いつでもバッグに入れて持ち運べます。

 

コレも注目!

ドクターエア

エクサガン ハイパー

1万1880円

振動でトータルボディケアできるガンシリーズの新モデル。220gの軽量&コンパクトサイズで、旅行のお供にも。私はパールホワイトを愛用中!

 

 

GetNavi家電・文房具担当

金子麻衣子がセレクト

 

あの巨匠も使っていた!? メタルペンシルが令和に復活(金子)

【鉛筆/2022年6月発売】

サンスター文具

メタシル

990円

鉛などを芯にした金属製のペンは16世紀ごろまで使われ、レオナルド・ダ・ヴィンチもデッサン時に愛用。削らず16km筆記できるなど、時を経て進化した最新版はヒットの予感がします。

 

コレも注目!

シロカ

ポータブルコードレス扇風機 ANDON FAN

実売価格1万4800円

動力源と操作部を本体に集約したANDON構造。コードレスかつ防塵・防滴仕様で場所を選ばず使えます。キャンプ時も便利で需要が増えそう!

マツダ「CX-5」クリーンディーゼルは、プレミアムブランドのラグジュアリーモデルに乗った時のような万能感

発売から5年が経過した現行型CX-5だが、今も刷新され続け、商品力を高めている。今回は同車のクリーンディーゼルエンジン搭載モデルに試乗して、このクルマの存在意義と価値について改めて考えてみた。

 

【今回紹介するクルマ】

マツダ/CX-5

※試乗グレード:XD Sports Appearance

価格:290万9500円~407万5500円(税込)

 

クロスオーバーSUVとしてカテゴリー全体を成熟

昨今、クラウンにもフェラーリにもSUV(のような)モデルが誕生し、いつの頃からかSUVは、ブームからスタンダードな存在となった。そもそもトラックから派生した悪路を走れるクロスカントリーモデルが、乗り心地が乗用車並みに改善されてSUVと呼ばれるようになり、街の風景にも似合うスタイリングをまとって、2000年代以降に世界的なブームとなったのである。

 

日本でのターニングポイントは90年代だ。1994年のトヨタ「RAV4」のヒットでシティSUV人気に火がつき、1997年のトヨタ「ハリアー」がアウトドアをしない一般層にも好評を得たことなどが、SUVカテゴリーの過渡期を担った。そして、高級感と都会的な雰囲気を高めたクロスオーバーSUVとしてカテゴリー全体を成熟させたのが、2012年に発売されたマツダの初代「CX-5」だ。

 

初代モデルは、当時話題になった「SKYACTIVE(スカイアクティブ)」技術の全面的採用車ということで、燃費性能や走行性能の良さに注目が集まった。実際、クリーンディーゼルエンジン搭載車でリッター15km(実燃費)程度の数値は出せたし、同時期のSUVと比べてコーナリング時の挙動も高速道路走行時も安定感が高かったものだ。

 

そんなCX-5が2代目へモデルチェンジしたのが2017年2月。この頃になると日本でもSUVの販売台数は急増していたが、現行型となる2代目CX-5は、キープコンセプトながら全方向で進化を果たした。その後、毎年のように商品改良されて性能や魅力を高めてきたが、登場後約5年が経過した2021年11月、さらに大幅改良がなされている。

 

まず目につくのはデザインだ。CX-5は今やマツダのグローバル販売台数の約三分の一を占める基幹車種ということで、同ブランドを象徴するようなデザインでなくてはならない。そもそも2代目モデルになった時点で、海外のプレミアムブランドに勝るとも劣らない独自のプレミアム感を備えていた“魂動”デザインが、さらに進化している。

↑ドライバーとクルマの関係を、まるで愛馬と心を通わせるかのように、エモーショナルなもの。そのための造形を追い求めつづけるのが、マツダの「魂動デザイン」

 

フロントバンパー、およびグリルまわりの形状はスッキリして、より上質で凛とした雰囲気が感じられる。まるでギリシャ彫刻のような、美しさと躍動感に満ちた表現に仕上げられている。今回の改良ではなく、現行型になった時からそうだが、CX-5のデザインは国産SUV市場においてもう一歩足りなかったファッション性のようなものを獲得しており、そういった部分ではジャガーやBMWなど欧州プレミアムブランドのSUVに肩を並べるものがある。

↑またボディカラーは全8色。試乗車はソウルレッドクリスタルメタリックだった

 

今回、インテリアに変更点はなかったようだが、もとから洗練されているデザインが好印象だ。シンプルながら大人っぽい雰囲気で、運転姿勢のまま各操作部までしっかり手が届いて操作性が高い。このクルマは外から見ると大きく見えるが、実際にシートに座ってみるとそれほど車体が大きいと感じられず、このあたりは運転のしやすさにも繋がっている。さらに、サスペンションの改良もあってか比較的長い時間運転しても疲れは少なかった。

↑ダッシュボードの低い位置に水平基調のラインを作る最新流行を取り入れ、手が触れる部分の素材に柔らかいものを使用

 

↑座面には人間が不快に感じる振動だけをカットする性質を持ったウレタンを採用し、より快適な座り心地を実現

 

運動性能はシャープな印象で、その操作感は自然!

今回、新たなドライブモード「Mi-DRIVE(ミードライブ)」の採用で対応できる走行シーンを広げているが、ベースの運動性能はシャープな印象で、その操作感は自然である。こんな風に曲がりたいと思ってステアリングを操作すれば、思い通りに曲がってくれる感じだ。乗り心地に関しては、高速域でも低速域でも快適で、現行型登場時と比べて向上しているようだった。これらの感覚はあらゆる部分が作り込まれている証拠であり、まるでプレミアムブランドのラグジュアリーモデルに乗った時のような、万能感さえ感じられる。

 

また、今回試乗したのは2.2Lのクリーンディーゼルエンジン搭載車で、パワーユニットに関して改良点はなかったようだが、相変わらずスムーズでパワフルな加速感が魅力的だ。それでいて燃料代が安いという恩恵にもあずかれるのだからありがたいかぎりである。また、エンジンではなくボディ側の改良によるものだと思われるが、静粛性も向上している。つまり、目をギラギラさせて運転しなくても、ちょっと乗っただけでその良さが感じられるところが、このクルマの走りの魅力でもある。

↑CX-5はクリーンディーゼルエンジンとガソリンエンジンから選べる

 

そして現代のクルマにとって欠かせないのが安全性能だ。搭載される先進安全技術「i-ACTIVESENSE(アイアクティブセンス)」では、ミリ派レーダーとカメラを用いて衝突回避のサポートや被害軽減を図っている。当然のようにクルーズコントロールは全車速対応だし、歩行者や交通標識の検知、認識機能も備えている。そして今回、アダプティブ・LED・ヘッドライト(ALH)が改良され、LEDを20分割化したことで、夜間の視認性を高めていることも紹介しておこう。

↑225/55R19 99Vタイヤ&19×7Jインチアルミホイール(ブラックメタリック塗装)を履く

 

今回はクリーンディーゼルモデルに乗ったが、以前乗らせてもらったガソリンモデルも決して悪くなかった印象がある。このエンジンの違いで価格が約30万円ほど違ってくるので、どちらを選ぶかは各家庭の財務担当者とよく相談してほしい。ミドルサイズのSUVを買おうと思っていて、輸入車のような洗練されたデザインのクルマに乗りたいけど予算的に不安な人にとっては、今も最注目のモデルである。さらに、国産車の信頼性の高さというおまけも付いてくる。

↑定員乗車時もゴルフバッグ4つが入る大容量を確保。フロアボードは上下段にセットが可能です。荷室高:フロアボード上段セット時約750mm /フロアボード下段セット時約790mm×荷室幅:約1450mm×荷室長:約950mm

 

SPEC【XD Sports Appearance】●全長×全幅×全高:4575×1845×1690㎜●車両重量:1650㎏●パワーユニット:2188㏄直列4気筒ディーゼルターボエンジン●最高出力:200PS/4000rpm●最大トルク:450Nm/2000rpm●WLTCモード燃費:17.4㎞/L

 

撮影/木村博道 文/安藤修也

 

 

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クルマのバンパーをリサイクルしたスーツケースは、マツダとエースによる“両想い”の結晶だ!

2022年で創刊40周年を迎えた、押しも押されぬモノ誌の決定版「モノ・マガジン」と、創刊23年目を迎えたピチピチの“新卒世代”「ゲットナビ」、2誌の編集長が1つのモノにおのおのの角度から迫るコラボ連載は、今回で第4回。クルマのバンパーのリサイクル素材を使用したスーツケースにフォーカスします。

第1回 スバル「レガシィ アウトバック」
第2回 アディダス「TOUR360 22」
第3回 ワークマン「キャンプギア」

 

二つの目で見ればピントが合う!

ゲットナビ×モノ・マガジンの「ヒット」スコープ
– Target 4.エース「プロテカ マックスパスRI」–

エースの「プロテカ マックスパスRI」は、マツダ車のバンパー再生素材を外装部に100%使用した、サステナブルなスーツケース。マツダ株式会社の技術企画部でリサイクル領域を担当する渡辺通成さんと、エース株式会社MD統括部の吉原勇一さんのお2人に話をうかがいました。

 

↑マツダの渡辺さんは2014年からリサイクル領域を担当。広島本社に勤務しているため、この日は大画面越しにリモートで取材に対応してくれた

 

↑エースの吉原さんは入社以来16年ほどデザイン部門に所属したのちにMD統括部へ。モノ作りの酸いも甘いも嚙み分けている

 

樹脂のリサイクルは難しいのだ

時代はすっかりSDGs。あらゆる企業がこれを標榜してサステナブルな取り組みを行っており、マツダとエースは時代に先駆けてリサイクル資源を活用してきた企業です。特に膨大な素材が使われるクルマは、リサイクルの必要性が高い工業製品。そのなかでマツダは、1990年代より継続して「樹脂のリサイクル」という課題に向き合い、大型の樹脂部品であるバンパーのリサイクルに取り組んできました。

 

「マツダは、この自動車リサイクルの取り組みをより進化させるために、これまで社内で進めてきたバンパーのリサイクルを社外にも拡大する検討を開始しました。そして、使用済みバンパーを再生したポリプロピレン樹脂の新たな使用先を調査する過程で目を付けたのが、スーツケースだったんです」(マツダ・渡辺さん)

 

渡辺さんがスーツケースに目を付けたポイントは3つ。まず、バンパーと同じ「衝撃に耐える」という性能が必要であること。2つ目は、バンパーと同じポリプロピレン樹脂を使用していること。3つ目が、バンパー1本あたりの質量(約3~4kg)に近いこと。バンパーのリサイクル素材は、スーツケースに活用できるのではないか―――。2018年、渡辺さんは日本国内に製造拠点を持つエースに声をかけました。

 

↑エース赤平工場(北海道)。同社のスーツケース開発拠点だ

 

エースでも、回収したスーツケースの素材を燃料などにリサイクルする取り組みは行っており、すでに社内でシステムが確立されていました。リサイクル関連における他社との協業は前例がなかったものの、この話を受けてエースの吉原さんは「やってみよう」と思ったといいます。

 

「実はこの話を頂く少し前のタイミングで、当時の上司からマツダのデザイナー、前田育男さんの著書を勧められて読んでいたんです。その考え方に共感できるものがあったので、ぜひマツダさんと一緒にモノ作りをしたいと思いました」(エース・吉原さん)

 

珍しいインジェクション成型を採用

工程を追ってみましょう。バンパーのリサイクルはまず、ライトやボルトといった異素材を丁寧に取り外し、シュレッダーのような機械で破砕。次に、その破砕片の塗膜を剥離し、わずかに塗膜が残った破砕片を除去。最後に、ペレット状の再生素材に仕上げるのです。

↑バンパーを破砕したあと、塗膜を剥離するなどして精製。ペレット状の再生素材に仕上げる

 

「バンパーの製造では、できるだけ薄肉にして、素早く型に流し込む必要があるため、粘度が低いサラサラとしたポリプロピレンを使用しています」(マツダ・渡辺さん)

 

一方、スーツケースの製造には、いくつかの方法があるといいます。「一般的なのが、プラスチックのシートを加熱して軟化させてから、金型とシートの隙間を真空にして密着させる『真空成型』ですが、バンパーの再生素材はサラサラのためこれに適していませんでした。そこで今回は、金型に素材を流し込む『インジェクション成型』を採用。金型もゼロから起こすとなると金額的にも環境的にも膨大なコストがかかるため、2015年の『マックスパスHII』の金型を流用し、様々なテストを経て完成しました」(エース・吉原さん)

↑インジェクション成型のメリットのひとつが、金属パーツを削減できる点。そのため、この製品自体もリサイクルしやくすなっている

 

【こちらもインジェクション成型を駆使!】

アディダスの新作ゴルフシューズに、元ゴルフ誌編集者のGetNavi編集長も思わず感動の「ファーーー!」
https://getnavi.jp/sports/717707/

 

こうして誕生したのが「プロテカ マックスパスRI」。3辺の合計が115cmで、航空機内に持ち込めるギリギリのサイズながら容量は38Lを確保し、取り回しが抜群です。質量は3.5kgで、ちょうどバンパー1本分の素材から1つ作れる計算。内部構造はシンプルですが、インバッグが付属しており、これもポリエステルの再生素材を使用しています。価格は3万9600円(税込)と、比較的抑えられているのも魅力です。

 

「サステナブルの取り組みなので、あまり高価にして売れなかったら本末転倒ですから……。価格に関しては、マツダさんとエースの両社でかなり企業努力しました(笑)。おかげさまでお客様からの反応も良好です。とはいえ無理をしすぎるのもビジネスとしてサステナブルではありませんので、良い落としどころを見つけて、長く継続していきたいですね」(エース・吉原さん)

 

サステナブルには共通の志が必要

マツダとエースの両社にとって初の取り組みとなった今回のプロジェクトを経て、両者にその思いを聞きました。

 

「協業するにあたっては、まず同じ志、ビジョンを持つことが必要だと実感しました。そうでなければ、次々と直面する課題に対して、粘り強く向き合って解決することができなかったでしょう。そして、この取り組みは“一度きりの花火”にしてはならない、とも強く感じています。ビジネスとして持続可能な仕組みにしていきたいです」(マツダ・渡辺さん)

 

「今回の取り組みは3年以上にわたりましたが、これはスーツケースの開発としては異例の長さ。その間にコロナ禍になり、スーツケースを作ってもお客様に見てもらえるのだろうか……と不安になったこともありましたが、コミュニケーションを取り合いながら製品化することができました。長い間、両者の熱量が冷めず“両想い”でいられたことで、マックスパスRIは誕生したと思います」(エース・吉原さん)

 

マツダとエース、日本のモノ作りを支える2社の、“両想い”の結晶にぜひ注目あれ!

 

 

前田編集長のレポートは→ https://www.monomagazine.com/43066/

 

 

撮影/鈴木謙介

キャンピングカーからスポーツカーまで……本誌お馴染みの“プロ”が欲しいモノ4選

本誌でお馴染みの評論家やインフルエンサーたちに“いま欲しいモノ”をオールジャンルでリサーチ。今回は、アウトドア初心者でも扱いやすいストーブや、家族に最適なキャンピングカー、クルマ好きが一目置いているスポーツカーもイッキに紹介。新生活のお買い物計画に役立てていただきたい!!

※こちらは「GetNavi」2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

その1 手軽に火を起こせるペレットストーブが初心者にオススメ!

アウトドアライター佐久間亮介さんの買い物リスト

ライター、モデル、キャンプコーディネーター。全国250か所以上のキャンプ場を巡り、初心者向けの情報を発信する。

 

【ペレット燃料ストーブ】

UNIFLAME

UFペレットストーブ

4万9900円

ペレット燃料を投入し、炉内に置いた着火材に火を点けるだけの手軽なストーブ。薪ストーブのように組み直す必要もなく、扉を閉めると安定的に燃焼する。使用後は少量の残留灰を捨てるだけの簡単清掃で、後片付けもラク。

 

↑本体にねじ式の脚と煙突を取り付けるだけの簡単な組み立て式。脚と煙突8節はすべて炉内に収納でき、コンパクトにして持ち運べる

 

↑複数の給気口から新鮮な空気を取り込むことで、高い燃焼効率を実現。本体の燃焼炉には蓄熱性の良い鉄を採用し、高い暖房性能を叶えた

 

全国のキャンプ場に足を運びキャンプコーディネーターとして活動しながら、その知識を生かし初心者に向けた情報発信を行う佐久間亮介さんに、初心者でも使いやすいというペレットストーブの魅力を語ってもらった。

「本製品は燃料のペレットを入れて、着火剤に火をつければ10分ほど待つだけで火が起こせます。薪ストーブに比べて圧倒的な手軽さ。ペレットは薪よりも軽くて持ち運びやすい点も大きなメリットです。薪を上手に使って火を点ける薪ストーブももちろん良いですが、初心者は簡単に暖を取れるペレットストーブも選択肢に。燃焼効率が良く、灰の処理も簡便です」

初心者以外のキャンパーでは?

「面倒くさがりな人や、薪ストーブは難しいけれどアウトドアでストーブを使ってみたい人にオススメ。アウトドア用に小型化を図りながらも、価格を抑えている点には企業努力が感じられます」

 

【私はこう使う】天面を調理に活用して火を眺めながら晩酌

最大約350度に達する天面では、鍋やフライパンをのせて調理可能。ケトルをのせてお湯を沸かし、サイドから火を覗きながら、ウイスキーのお湯割りを楽しみたいです。

 

その2 コレも欲しい!

【オールインワン足湯】

DOD

ロケットサブマリン フットバス!!

2万4200円

ロケットストーブに足湯を組み合わせたその発想に脱帽。外気温3度の環境下でも、約30分で水から40度のお湯を沸かせるので、秋・冬の寒い時期のキャンプをさらに楽しめるアイテムです。

 

↑ロケットストーブから伸びる煙突の先には五徳を取り付け可能。足湯に浸かりながら、酒やソフトドリンクを温めて楽しめる

 

その3 子ども連れでも安心して新しいアウトドア体験を!

キャンプライター澄田直子さんの買い物リスト

キャンプ歴15年のベテランキャンプライター。夫と3歳の子どもとの3人家族で、近年は車中泊が定番スタイル。

 

【キャンピングカー】

AtoZ

AMITY

437万8000円~

コンパクトながら広々とした居住空間で、最大6人就寝できるキャンピングカー。ベッドが常設のため、就寝時に煩わしいセッティングが不要だ。車体カラーやインテリアの素材が異なる3つのタイプを用意(写真はFioreシリーズ)。

SPEC●全長×全幅×全高:4690×1950×2770mm●パワーユニット:1798cc直列4気筒●最高出力:102PS(75kW)/5300rpm●最大トルク:15.0kg-m(147Nm)/4000rpm

 

 

最近は家族での車中泊スタイルがマイブームというキャンプライター・澄田直子さんは、バンシェアサービスで出会ったキャンピングカーに心を奪われたという。

「車高や全長がほどほどのサイズで、日本の道路や駐車場での取り回しがラク。キャンピングカーにしては手ごろな価格も魅力です。広々とした車内にはテーブルとイスを備え電源も使えるので、キャンプ場でも高速道路の駐車場でも、好きな場所でテレワークができます。子どもが産まれてから冬のテント泊は難しいなと感じていましたが、たとえ屋外が氷点下でも快適に就寝できるキャンピングカーがあれば、子ども連れでも冬のアウトドアが可能。小さな子どもがいてキャンピングカーライフに興味があるなら絶対オススメです!」

 

↑エントランスドア上部に配備した、室内電源の集中スイッチは使い勝手良好。室内照明にはすべて、省電力のLEDを採用している

 

【私はこう使う】ホテル施設を利用しつつ車中泊の非日常を楽しむ

バンクベッドに登るだけでも子どもにとってはワクワク。子どもと一緒にたくさん旅をしたいです。最近は車中泊歓迎のホテルも多く、施設内のレストランや浴場を利用する新しい楽しみ方も◎。

 

その4 クルマ好きが最後に辿り着く日本の国宝級スポーツカー!

モータージャーナリスト清水草一さんの買い物リスト

フェラーリから軽自動車まで所有経験のある自動車ライター。道路交通ジャーナリストとしても活動している。

 

【スポーツカー】

マツダ

ロードスター 特別仕様車 990S

289万3000円

軽快な走りを楽しめる、ロードスターの特別仕様車。車名の通り、車体重量990kgまで軽量化を実現した。ダンパー、スプリング、電動パワーステアリング、PCM(エンジン制御ユニット)に専用のセッティングを施したプレミアムな1台。

SPEC【990S】●全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm●パワーユニット:1496cc直列4気筒●最高出力:132PS(97kw)/7000rpm●最大トルク:15.5kg-m(152Nm)/4500rpm

 

あらゆるクルマを知り尽くす清水草一さんでも、ロードスターは特別な存在だと語る。

「低い速度でも走りを楽しめる、パワーを追わない軽量スポーツカーは、いまや世界でロードスターだけになっています。本当に貴重な、日本が誇る“国宝”スポーツカーと言えます。常に注目してきたロードスターの特別仕様車がこの990S。車体重量990kgという軽さを保ったまま、ブレンボ製ブレーキキャリパーや高級アルミホイールを装備し、プレミアム性を高めたところが素敵です。色々なクルマに乗った末に辿り着く、終着駅のような一台。クルマ好きの中高年にとっては、最後の“青い鳥”になるのではないでしょうか」

 

↑インパネにはブルーのエアコンルーバーベゼルを採用。幌やブレンボ製ブレーキキャリパーなどにもブルーを用い、軽やかな印象だ

 

【私はこう使う】頬に風を感じながら空いた首都高を流す

ソフトトップを後方にスライドさせて簡単にオープンにできる仕様。空いた首都高をオープンで流したいです。日曜日の午前中、あるいは夜も良いですね。頬に風を感じながら思いきり走りたい!

頬に風を感じながら走りたい! “特別な存在”の「スポーツカー」

本誌でお馴染みの評論家やインフルエンサーたちに“いま欲しいモノ”をオールジャンルでリサーチ。今回は、モータージャーナリスト清水草一さんの買い物リストから、スポーツカーを紹介!

※こちらは「GetNavi」2022年3月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

クルマ好きが最後に辿り着く日本の国宝級スポーツカー!

モータージャーナリスト清水草一さんの買い物リスト

フェラーリから軽自動車まで所有経験のある自動車ライター。道路交通ジャーナリストとしても活動している。

 

【スポーツカー】

マツダ

ロードスター 特別仕様車 990S

289万3000円

軽快な走りを楽しめる、ロードスターの特別仕様車。車名の通り、車体重量990kgまで軽量化を実現した。ダンパー、スプリング、電動パワーステアリング、PCM(エンジン制御ユニット)に専用のセッティングを施したプレミアムな1台。

SPEC【990S】●全長×全幅×全高:3915×1735×1235mm●パワーユニット:1496cc直列4気筒●最高出力:132PS(97kw)/7000rpm●最大トルク:15.5kg-m(152Nm)/4500rpm

 

あらゆるクルマを知り尽くす清水草一さんでも、ロードスターは特別な存在だと語る。

「低い速度でも走りを楽しめる、パワーを追わない軽量スポーツカーは、いまや世界でロードスターだけになっています。本当に貴重な、日本が誇る“国宝”スポーツカーと言えます。常に注目してきたロードスターの特別仕様車がこの990S。車体重量990kgという軽さを保ったまま、ブレンボ製ブレーキキャリパーや高級アルミホイールを装備し、プレミアム性を高めたところが素敵です。色々なクルマに乗った末に辿り着く、終着駅のような一台。クルマ好きの中高年にとっては、最後の“青い鳥”になるのではないでしょうか」

 

↑インパネにはブルーのエアコンルーバーベゼルを採用。幌やブレンボ製ブレーキキャリパーなどにもブルーを用い、軽やかな印象だ

 

【私はこう使う】頬に風を感じながら空いた首都高を流す

ソフトトップを後方にスライドさせて簡単にオープンにできる仕様。空いた首都高をオープンで流したいです。日曜日の午前中、あるいは夜も良いですね。頬に風を感じながら思いきり走りたい!

運転操作をサポートする機能満載、ミズノとマツダが共同開発したドライビングシューズ登場

ミズノは、マツダと共同開発した新コンセプトのドライビングシューズ「マツダ/ミズノ ドライビングシューズ」の予約受注を、クラウドファンディングサービス「Makuake」で開始しました。

 

今回発売するドライビングシューズは、マツダのドライビングポジションをはじめとする意のままの走りを実現する技術と、ミズノが持つ幅広いスポーツ品開発で培ったテクノロジーを掛け合わせることで完成したモデル。

 

車の運転における足の動作には、床面にかかとを付け足首を伸ばして足裏でペダルを踏み込む、つま先を引き上げてペダルを戻す、床に付けたかかとを中心にペダルを踏みかえるなどがあります。マツダ/ミズノ ドライビングシューズは、こうした運転操作をサポートする機能により、人と車が一体となる走り心地、「クルマと通じ合う歓び」を提供するとしています。

 

足首の周りには競泳水着の姿勢制御技術を活用し、伸縮性の高いストレッチ素材を採用。ストレッチ素材の戻る力が、つま先を引き上げる動作をサポートすることで、アクセルペダルとブレーキペダルの踏みかえがしやすくなっています。また、踏み込み時には、ストレッチ素材の伸びを抑える力により、踏み込み加減の微調整がしやすく、ドライバーのペダルコントロール性がより緻密になるとのこと。

 

 

ソール部には、クッション性に加えて、トレーニングシューズ開発で培った、情報伝達技術を活用した足裏の感度を高める「MIZUNO COB」を採用。日常履きに使える快適さと運転時におけるダイレクトなペダルフィールを両立させています。

 

さらにアウトソールには、床面への足の接地を安定させる「ラウンドソール」を搭載。かかと部分に丸みを持たせてアッパーの側面から後方まで巻き上げることで、床面との接地面積を増やしています。これにより、かかと部分を軸に足を前後左右に動かしやすくなるため、安定したペダル踏み込み操作とスムーズな踏みかえ操作を追求したそうです。

 

 

一般販売予定価格は4万4000円(税込)ですが、Makuakeでは3万9600円(税込)で予約を受け付けています。サイズは24.5~28.0cmで、重量は27cmの場合で片方約270gです。すでにMakuakeでは人気を集めていますので、気になる人はおはやめに。

ホンダ・ヴェゼルと並ぶ実力派! 国内4強SUVの実力をプロがチェック!

フルモデルチェンジしたホンダ・ヴェゼルと同クラスの国内4強SUVの実力をプロがチェック。コンパクトサイズながら使い勝手を向上させた室内や走り、デザインなど、創意工夫が盛り込まれたモデルばかりだ。

※こちらは「GetNavi」 2021年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【私がチェックしました!】

モータージャーナリスト

清水草一さん

フェラーリ、ランボルギーニから軽自動車まで所有経験のある自動車ライター。常にコスパを優先して愛車をチョイスしている。

【エントリーNo.1】コレ1台あればあらゆるニーズを満たせる

トヨタ

ヤリス クロス

179万8000円〜281万5000円

2020年販売台数:15万1766台(※)

※:コンパクトカーのヤリスと合計の販売台数

●出典:一般社団法人 自動車販売協会連合会

大激戦のコンパクトSUV市場。そこにトヨタが投入したモデルがヤリス クロスだ。街なかで使い勝手の良いサイズと、エントリーモデルは180万円を切る価格設定、充実した装備が魅力だ。

SPEC【HYBRID Z・2WD】●全長×全幅×全高:4180×1765×1590mm●車両重量:1190kg●パワーユニット:1490cc直列3気筒+モーター●最高出力:91PS/5500rpm●最大トルク:12.2㎏-m/3800〜4800rpm●WLTCモード燃費:27.8km/L

 

さすがは天下のトヨタ! クルマづくりにスキがない

ヤリス クロスは、良くできたSUVというよりも、弱点のない実用車だ。後席やラゲッジスペースが狭いヤリスの弱点を補いつつ、車高を少し上げ、かつスタイルを万人向けにカッコ良く仕上げたクルマと言えば分かりやすいだろう

 

パワーユニットは、1.5Lのガソリンとハイブリッドの2種類。どちらもFFと4WDが選べる。グレードも合計14種類と豊富だ。価格帯は幅広く、全体的にリーズナブル。もちろん燃費も良い。内装だけは少々チープな感じが否めないが、ほぼすべての点で満足度が高く、誰が乗っても間違いない。さすがトヨタの人気SUVである。

 

【ヤリス クロスのココがスゴイ!】

走り、安全性能、荷室容量とすべてが最高レベルです!

「ヤリスシリーズならではの軽快な走りと先進の安全装備が自慢。コンパクトSUVとしては最大級の荷室容量で、後部座席を倒すことなく大型スーツケース2個を収納可能です」(トヨタ広報PR)

 

↑インパネの基本デザインはヤリスと同様。ヤリス クロスではセンターコンソールからディスプレイにかけて縦の流れを強調する

 

↑ヤリスよりクッション性が高く、高い天井など後席の快適性は◎。4:2:4の分割可倒式を採用するグレードもあり使い勝手も良い

 

【清水’s Check】

デザイン ★★★★

パワーユニット ★★★★★

乗り心地 ★★★★

使い勝手 ★★★★

コスパ ★★★★★

 

【エントリーNo.2】デザイン命のSUVはカッコ良さで選んで良し!

マツダ

CX-30

239万2500円〜371万3600円

2020年販売台数:2万7006台

CX-30はCX-3とCX-5の中間に位置するモデル。流麗なDピラーはクーペライクなデザインで、世界一美しいSUVを目指したというデザイナーの意気込みを感じる仕上がりだ。

SPEC【XD L Package・2WD】●全長×全幅×全高:4395×1795×1540mm●車両重量:1460kg●パワーユニット:1756cc直列4気筒+ターボ●最高出力:130PS/4000rpm●最大トルク:27.5㎏-m/1600〜2600rpm●WLTCモード燃費:19.2km/L

 

そのスタイルは美しくインテリアの上質さも破格

マツダは“デザインはクルマの命”と考えて、デザインを重視したクルマづくりを進めている。そのひとつの集大成がCX-30だ。このクルマのウリは、なによりもスタイルの美しさにある。買う側もデザイン優先で選ぶべきだろう。

 

エンジンは3種類あるが、オススメはマツダ自慢のクリーンディーゼルモデル(1.8L)だ。太いトルクはSUV向きだし、ロングドライブなら燃費性能もハイブリッド並みに良い。

 

サイズはライバルたちよりひと回り大きいが、デザイン優先ゆえ、室内の広さはほぼ互角。ただし、インテリアの上質感は断トツだ。

 

【CX-30のココがスゴイ!】

人が使う際の“ちょうど良さ”を考え抜かれた上品なインテリア

「ファミリーカーとしての”ちょうど良さ”です。サイズや走りの良さは当たり前。“人が使う”を考えたインテリアは上品さを演出。また、ライブ感ある音響が移動の満足感をより高めます」(マツダ広報PR)

 

↑メッキ加飾やソフトパッドを多用した室内。前席、後席とも広く窮屈さは感じない。後席背もたれは6:4の分割可倒式を採用する

 

↑新世代エンジンのSKYACTIV-X。ガソリンエンジンながらも圧縮着火を採用。さらにモーターを組み合わせて高い環境性能を誇る

 

【清水’s Check】

デザイン ★★★★★

パワーユニット ★★★★

乗り心地 ★★★

使い勝手 ★★★

コスパ ★★★

 

【エントリーNo.3】この安さは破壊力抜群! 走りや快適性にも不満ナシ

トヨタ

ライズ

167万9000円〜228万2200円

2020年販売台数:12万6038台

2020年に単一車種としては驚きの12万台超を販売。5ナンバー枠に収まる取り回しの良いボディサイズとSUVらしいデザインが特徴で、走りも軽快だ。SUVながら1tを切る軽さも魅力。

SPEC【Z・2WD】●全長×全幅×全高:3995×1695×1620mm●車両重量:980kg●パワーユニット:996cc直列3気筒+ターボ●最高出力:98PS/6000rpm●最大トルク:14.3kg-m/2400〜4000rpm●WLTCモード燃費:18.6km/L

 

ガソリンエンジンで十分じゃないか!

トヨタ・ライズは、小型車に強みを持つダイハツが開発・生産を担当している。サイズは4モデルのなかで最もコンパクトで、パワーユニットはガソリンエンジンのみ。すべてのニーズを適度に満たしつつ価格が非常に手ごろなので、ヤリス クロスの登場までは、SUV販売台数ナンバーワンだった。

 

3気筒の1Lターボエンジンはトルクがあり、軽量ボディを軽快に走らせる。角張ったデザインはサイズ以上の押し出し感もある。内装のチープ感は価格なりだが、4WDモデルも用意されていて死角はない。気軽に買えて不満のない、良くできたSUVだ。

 

【ライズのココがスゴイ!】

5ナンバーサイズを超える使い勝手と力強さが自慢

「5ナンバーサイズSUVながらクラストップレベルの荷室容量。ワンランク上の大径タイヤでSUVらしい力強いスタイルを叶えながら、小回りの利く優れた取り回しを実現しています」(トヨタ広報PR)

 

↑想像以上に広い後席。前後席の間隔は900mmと普通のセダンよりも余裕がある。またスクエアなボディで頭上スペースも余裕だ

 

↑荷室容量は369Lでアンダーラゲッジも装備する。デッキボードは2段階に高さを調整できて便利。4人ぶんの荷物を楽に収納できる

 

【清水’s Check】

デザイン ★★★★

パワーユニット ★★★★

乗り心地 ★★★★

使い勝手 ★★★★★

コスパ ★★★★★

 

【エントリーNo.4】進化形e-POWERで一点突破を狙う日産の刺客

日産

キックス

275万9900円〜286万9000円

2020年販売台数:1万8326台

2016年より海外で販売されているモデル。日本向けにe-POWERを搭載し、足回りを再チューニングして昨年発売が開始された。軽快な走りと、広く品の良い内装、使い勝手の良さが魅力だ。

SPEC【X】●全長×全幅×全高:4290×1760×1610mm●車両重量:1350kg●パワーユニット:電気モーター+1198cc直列3気筒●最高出力:129(82)PS/4000〜8992rpm●最大トルク:26.5(10.5)㎏-m/500〜3008rpm●WLTCモード燃費:21.6km/L

●( )内は発電用エンジンの数値

 

この静かさはまるで電気自動車だ

爆発的なヒットになったノートe-POWERのパワートレインを大幅に進化させて、SUVに積んでみました——。それがキックスの成り立ちだ。

 

エンジンで発電してモーターで走るハイブリッドだが、エンジン音がとても静かになったので、純粋な電気自動車のようにも感じる。日産自慢の安全運転支援システム「プロパイロット」も標準装備だ。

 

ただ、4WDの設定はなくFFのみ。グレードは事実上ひとつだけと選択肢が狭い。価格もライバルに比べると割高だが、走りは静粛かつ軽快なので、もっと売れて良いモデルだと感じている。

 

【キックスのココがスゴイ!

レスポンスの良い加速はやみつきになること請け合い

「日産独自のe-POWERを採用。100%モーター駆動ならではの力強くレスポンスの良い加速で、これまでにない軽快でやみつきになるドライビング体験をお楽しみいただけます!」(日産広報PR)

 

↑ゴルフバッグは楽に3つも入る荷室。後席を倒すとかなり大きな荷物も積載可能。トノボードも大きく、使い勝手も良い

 

↑室内は肌触りの良いシートなどのほかに、高品質の素材を使用したインパネやドアクロスを採用。ステッチはその質感にもこだわっている

 

【清水’s Check】

デザイン ★★★

パワーユニット ★★★★★

乗り心地 ★★★★★

使い勝手 ★★★★

コスパ ★★★

コンパクトカーの変貌ぶりを徹底ガイド!

コンパクトカーは取り回しの良さや燃費の面で有利なのは当然だが、スポーツカーばりのパワフルな走りを誇るモデルや、快適な装備や先進の安全運転装置を搭載するモデルも多くなってきた。その変貌ぶりは、これまでのコンパクトカーに対する概念を変える大きなインパクトだ。

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

ボディサイズが小さくても装備や使いやすさは向上

ひと昔前はコンパクトカーと言えば営業車という印象や、オシャレなモデルがあるものの実用車というイメージが多かったかもしれない。しかしいまはまったく違う。

 

コンパクトカーの取り回しの良さや使い勝手の良さに磨きがかかり、そこに先進安全装備のアシストも入れば苦手な車庫入れだってラクに完了。室内や荷室も工夫されているため大人4人でも余裕で乗れるし、ドライブを楽しく、ラクにする快適装備も充実している。コンパクトカーほどその進化ぶりに驚くクルマはないのだ。

 

【1】取り回しが良いボディサイズで運転がラク!

クルマのサイズが大きくなっても日本の道路幅はなかなか広がらないのが現状。その点コンパクトカーは小回り性能の基準となる最小回転半径が、ほとんどのモデルで5mを下回っている。狭い路地も、混み合うスーパーの駐車場も、ラクに運転することが可能だ。

横1695mm、縦1500mm
横3940mm

 

5ナンバーサイズで立体駐車場もラク!

コンパクトを謳うクルマでも全幅1700mmを超える3ナンバーサイズが多いが、トヨタ・ヤリスは5ナンバーサイズだ。立体駐車場も難なく利用可能。

 

↑クルマの小回り性能の目安となるのが最小回転半径。一般的には5m以下ならば小回りが利くとされる。ヤリスの最小回転半径は4.8mで取り回しがしやすい(ヤリス X・2WD)

 

【2】コンパクトなボディが生むインパクト大な走り

クルマは軽い方が良いというのは、レーシングカーも市販車も同じ。コンパクトカーは車重が軽く、キビキビした走りを味わえる。そこにパワフルかつレスポンスの良いエンジンを載せれば楽しくないはずがない。クルマが持つパワーを使い切る魅力もそこにはある。

 

価格良し、走り良し、軽くて税金も燃費も良しの優等生

走りの良さで多くの人を魅了するスズキ・スイフトスポーツ。軽量ボディ+ターボエンジンが刺激的なドライビングを実現する。

 

↑スイフトスポーツに搭載されるエンジンは1.4L直噴ターボで140PS/230Nmを誇る。実にリッターあたり100PSの大出力エンジンだ

 

↑スイフトスポーツの走りを支える超高張力鋼板と高張力鋼板を組み合わせたボディ。強靭なボディながら990kgという軽さを実現した

 

【3】燃料にかかるコストもコンパクト

排気量の小さなエンジンは燃費が良い。特にコンパクトカーは車重も軽くでき、同じ排気量の大きなクルマよりも燃費に分がある。ガソリン代ばかりでなく、自動車税などの税制面でも有利だ。また軽自動車よりも車両価格が安いモデルもあり、コストパフォーマンスが高い。

【コンパクトサイズSUV】トヨタ ライズ(ガソリン・2WD) WLTCモード燃費18.6km/L

 

【ミドルサイズSUV】トヨタ RAV4(ガソリン・2WD) WLTCモード燃費15.8km/L

 

【4】コンパクトカーにこそ搭載が進む安全装備

かつては高級車の高価なオプションだった先進安全装備が、コンパクトカーにも続々と標準搭載されている。コンパクトカーを選ぶ運転初心者や、運転に対して不安を感じる人、ミニバンなどからコンパクトカーに乗り換えるシニア層にこそ求められる装備だからだ。

 

マツダのエントリーモデルは安全装備が上級車並みに充実

最適なドライビングポジションやサスペンションにもこだわるマツダ2の安全性能。最新の安全装置も充実している

 

<コンパクトカー「マツダ2」でもこんなに充実!>

マツダ2にはハイ・ビーム・コントロール以外、多くが全モデルに標準装備される。その充実ぶりは高級セダンのマツダ6にも匹敵するものだ。

 

■アドバンスト・スマート・シティ・ブレーキ・サポート

ブレーキを自動制御し衝突回避を支援。対車両だけでなく対歩行者もカメラで検知している。

 

■AT誤発進抑制制御

前後進時にアクセルが一定以上踏み込まれると警告。エンジン出力を制御し加速を抑制する。

 

■リア・クロス・トラフィック・アラート

駐車場や路地などでバックする際、自車に接近する車両をドライバーに音などで警告する。

 

■SRSエアバッグシステム

側面から衝突された場合にも乗員を守るサイドエアバッグ、カーテンエアバッグを標準装備。

 

■車線逸脱警報システム

車線をウィンカーなしに踏み越えようとすると、音とステアリングの振動でドライバーに警告。

 

■ブラインド・スポット・モニタリング

自車に隣接する車線後方約50mを検知。接近車がいる状況でウィンカー操作を行うと警告する。

 

■ハイ・ビーム・コントロール・システム

対向車や先行車、ライトなどを検知して自動でハイビームとロービームを切り替えるシステム。

 

【5】これがコンパクトカー? と、驚く快適装備

ひと昔前のこのクラスの装備は上級モデルに明らかに見劣りし、エアコンひとつ見てもオートエアコンが付いていれば良いほうだった。それがいまや美肌効果も期待できるエアコンやUVカットガラスなど快適装備も充実。ひとクラス上の豪華装備を誇るクルマも多くなった。

 

使い勝手の良い室内空間に快適装備をトッピング

“皆に心地良い室内空間”を目指したホンダ・フィット。室内の広さが好評の同車をさらに快適にする装備が充実している

 

↑フィットでは、いまや必需品のUSBポートをセンタコンソールに用意。急速充電対応タイプの設定もある

 

↑スイッチでパーキングブレーキを操作できる電子制御パーキングブレーキ。フィット全モデルに標準装備

 

↑開口部の大きなフィットの荷室は豊富な後席のシートアレンジと相まって使い勝手◎。床面もほぼフラットに

 

↑イオンを放出して車内の空気を浄化するプラズマクラスター搭載エアコン。フィットではグレード別に設定

 

安全なクルマは好みで選べる!「カテゴリ別」安全+αの最適モデル指南

衝突被害軽減ブレーキをはじめとして安全性能についてはお墨付きのモデルのなかから、より便利に、楽しく使えるモデルをプロがチョイス。スタイルや走り、使いやすさなど自分の好みに合ったモデルを選んで、ワンランク上の快適ドライブを満喫しよう!

※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました

モータージャーナリスト

岡本幸一郎

高級輸入車から軽自動車まで幅広く網羅。各社の予防安全技術の多くを体験済み。日本・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員も務める。

【タイプ1】SUV

多くの新モデルが登場し、安全運転支援技術も最新のモノが搭載されることが多いSUV。走破性能や使いやすさで優れたモデルもあるが、総合性能で選ぶならトヨタ・RAV4だ。

 

【独創性で選ぶなら】クーペ的なシルエットとインテリアの心地良さが秀逸

マツダ

MX-30

242万円〜305万2500円

SUVでありながらクーペ的シルエットとフリースタイルドアが印象的なモデル。インテリアにはコルクやペットボトルなどサステナブルな素材を用いて心地良さを演出する。

 

↑同社のRX-8以来となる観音開きを採用したフリースタイルドア。ピラーがないぶん後席の乗降もしやすい

 

[岡本’sジャッジ]

 

【先進機能で選ぶなら】e-POWERとプロパイロットの先進性を1台で味わえる

日産

キックス e-POWER

275万9900円〜286万9900円

日産独自のハイブリッド方式であるe-POWERと、安心・快適なドライブを実現するプロパイロットという、2つの先進機能が1台で楽しめる。EV走行時の静粛性も特筆モノだ。

 

↑アクセルペダルひとつで加減速が行えるe-POWER Drive。アクセルとブレーキの踏み替え回数も減ってラク

 

[岡本’sジャッジ]

 

【使いやすさで選ぶなら】3列シートを備えたモデルは人も荷物も余裕で乗せられる

メルセデス・ベンツ

GLB

512万円〜696万円

コンパクトなサイズながら、身長168cmまでの人が座れる3列目シートが便利なモデル。3列目シート使用時でも130L、シート格納時では500Lの荷室を活用して積載できる。

 

↑大人数で乗車するときに便利な3列目シート。身長168cmの人までに限られるが、あるとやはり便利だ

 

[岡本’sジャッジ]

 

【走破性能で選ぶなら】ジープ最強モデルが誇る世界最高の悪路走破性能

ジープ

ラングラー

499万円〜621万円

高い最低地上高、大径タイヤなどの見た目から想起するとおりのオフロード性能を誇るモデル。なかでも悪路走破性能を強化したアンリミテッド ルビコンは世界最強と言われる。

 

↑マニュアルで切り替えるパートタイム4×4を搭載。自動で前後輪に駆動力を分配するフルタイム4×4も採用する

 

[岡本’sジャッジ]

 

【デザインで選ぶなら】デザインは軽快ながら操縦安定性の良さが光る

 

フォルクスワーゲン

T-Cross

303万9000円〜339万9000円

若々しいデザインとカラーバリエーションが魅力のコンパクトSUV。一見軽快なモデルだが、ドイツ車ならではの高い操縦安定性もポイント。2WDのみなのが少々残念ではある。

 

↑リアシートは140mmスライドが可能。後席の広さを自在に変え、同時にカーゴスペースの拡大にも役立つ

 

[岡本’sジャッジ]

 

【総合性能で選ぶなら】悪路も難なくこなすオールラウンダーSUV

トヨタ

RAV4

274万3000円〜402万9000円

前後左右のタイヤへのトルク配分を変更する独自のダイナミックトルクベクタリングAWDを採用し、悪路走破性が高い。もちろんオンロードでの快適さもトップクラスを誇る。

 

↑路面の状況に応じて最適なトルク配分を行うダイナミックトルクベクタリングAWD。高い走破性を実現する

 

[岡本’sジャッジ]

 

【タイプ2】コンパクトカー

コンパクトカーでトップを争うトヨタ・ヤリスとホンダ・フィットがモデルチェンジし、走りや使い勝手が一層向上。走りを楽しみたいならスズキ・スイフトスポーツも選択肢のひとつだ。

 

【使いやすさで選ぶなら】広々とした室内空間は使い勝手も良好!

ホンダ

フィット

155万7600円〜253万6600円

広々とした室内空間と快適な乗り味でコンパクトカーらしからぬ心地良さを提供してくれる。後席の座面をはね上げて背の高いモノを積載できるなど、使い勝手も抜群に良い。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【走りの良さで選ぶなら】強力ターボと軽量ボディが刺激的な走りを実現

スズキ

スイフトスポーツ

187万4000円〜214万1700円

1.4Lの強力直噴ターボエンジンと970kgの軽量ボディで刺激的な走りが楽しめ、コスパも抜群に良いモデル。クルマを操るのが好きな人にはうれしい6速MTも選べるのは◎。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【燃費の良さで選ぶなら】操縦安定性に優れた驚異的低燃費モデル

トヨタ

ヤリス

139万5000円〜249万3000円

新形プラットフォームの採用で高い操縦安定性を実現。36.0km/Lというハイブリッド車の驚異的な燃費に目が行きがちだが、ガソリン車でも最高21.6km/Lと優秀な数値だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【タイプ3】ミニバン

使い勝手の良い日産・セレナや、走りの良さを楽しめるホンダ・ステップワゴンに注目。独創的な三菱・デリカD:5のクロカン走破性能は他のミニバンにはない優位点だ。

 

【走りの良さで選ぶなら】低床設計が生み出すしっかりとした走りが魅力

ホンダ

ステップワゴン

271万4800円〜409万4200円

ホンダ独自のセンタータンクレイアウトが可能にした低床設計が、低重心のしっかりとしたフットワークを生む。ハイブリッド車の強力な加速と低燃費も大きな魅力だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【使いやすさで選ぶなら】シートアレンジが多彩で広い室内を自在に使える

日産

セレナ

257万6200円〜419万2100円

広い室内と、乗り方や使い方によって自由にアレンジできる3列シートが特徴。通常の約半分のスペースがあれば開閉できるハーフバックドアを設定するなど、芸が細かいのも◎。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【独創性で選ぶなら】個性的なフロントマスクと走破性能は唯一無二の存在

三菱

デリカD:5

391万3800円〜447万2600円

SUVとの融合を図った独創的なミニバン。話題となったコワモテのフロントマスクも印象的だ。走行シーンに応じてドライブモードを選択できるなど、ミニバン唯一無二の存在。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【タイプ4】軽自動車

販売台数No.1を誇るホンダ・N-BOXの牙城は揺るがないが、遊び心満点のスズキ・ハスラーとダイハツ・タフトが華々しくデビュー。安全で楽しく使える軽が充実した。

 

【快適性で選ぶなら】独特な愛らしさに快適な乗り心地がプラス

スズキ

ハスラー

128万400円〜179万800円

愛らしい独特のデザインはもちろんだが、軽自動車らしからぬ快適な乗り心地にも驚かされる。丸目のヘッドライトと大きな3連フレームを備えたインパネデザインは個性的だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【楽しさで選ぶなら】乗員スペースと荷室を分け多彩な使い方が可能

ダイハツ

タフト

135万3000円〜173万2500円

フロントシートをクルースペースとし、リアシートと荷室を荷物の積載スペースと位置付けることで、快適な室内空間を実現。開放的な天井のスカイフィールトップが魅力的だ。

 

[岡本’sジャッジ]

 

【使いやすさで選ぶなら】驚異の室内高が生む自由自在の室内空間

ホンダ

N-BOX

141万1300円〜212万9600円

センタータンクレイアウトによる低床設計で、子どもなら立ったままでも余裕で着替えられる室内高に驚き。両側スライドドアとスライドシートで、小さな子どもも乗せやすい。

 

[岡本’sジャッジ]

“クルマは充電”が新しいドライブ様式になる! EVメーカーの現在地

世界各国でエンジン車への規制が強まるなか、自動車メーカーは近年こぞってEVを開発し世に送り出している。走行可能な距離が短い、充電スポットが少ないという不安は、もはや過去のもの。これからのクルマは“充電”が新たなドライブ様式となる。スポーツカーで有名なポルシェも、誰もが憧れるラグジュアリーカーのロールス・ロイスやアストンマーティンもEVを発表。もはやどのメーカーも避けて通れないクルマの電動化は、いまどうなっているのか。自動車ジャーナリストの川端さんに話を聞くとともに、世界の自動車メーカーの現在地を解説!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車専門誌の編集部員に転身し、現在は、フリーランスのジャーナリスト。テクノロジーとエコロジーが専門。

 

排出ガス規制と政府の援助で着々と進むクルマの電動化

英語で“Petro Head”と言えばクルマ好きのこと。Petroとは石油のことだから、ひいてはエンジンとクルマは切っても切り離せない……というのはもう過去の話。多くの自動車メーカーがEVを発表する時代が来ている。その背景にあるのが、欧州委員会による「2050年までにカーボンニュートラル(※)を目指す」という発表だ。さらに、2030年までに自動車からの排出ガスによるCO²排出量を半分まで削減(2020年第3四半期比)し、2040年に新型車はほぼCO²を排出しないクルマだけになるというロードマップを描いている。

※ライフサイクルで見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる状態のこと。2017年にパリで開かれたワン・プラネット・サミットでカーボンニュートラル宣言が発出された

 

この動きは、中国やアメリカでも加速している。中国では政府が税の優遇などを設けて、電池を含めたEV産業全体を後押ししている。アメリカのカリフォルニア州では、2035年までに州内で販売されるすべてのクルマを排ガスゼロにするという意欲的な目標を打ち出している。世界は電動化に向けて、着々と進んでいるのだ。

 

世界EVメーカーシェアランキング】

テスラが約18%と圧倒的なシェア。これは2016年に発表され手ごろな価格で大人気となったモデル3の影響が大きい。日本メーカーがベスト10に入っていないのは残念。

● ウェブサイト「EV Sales」の2020年1月から8月までの販売台数ランキングデータより引用。

● 販売台数のなかにはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)も含まれる

 

《アメリカ》

EVの世界シェアで断トツのトップを走るテスラが市場を牽引。シボレーのボルトEVは2021年に次期モデルが登場する予定だ。

 

【No.1】世界シェアでトップを走る気鋭のEVメーカー

テスラ

起業家イーロン・マスクを中心に「自分たちが乗りたいカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起。スポーツカー、セダン、SUVに続き手ごろなモデル3と、新車を連発中だ。

 

【No.2】転んでもタダでは起きない⁉ GM渾身のEVで巻き返す

シボレー

リーマンショックで倒産の憂き目にあったGMだが、政府から低利の融資を受けて電池とEVのボルトを開発。高級車ブランドのキャデラックでも、2023年にEVを発売予定だ。

 

《アジア》

政府の援助を受けられるなどEVの開発環境が整えられた中国は、多くのメーカーが参入。元々は電池メーカーなど、異業種企業も多い。

 

【No.1】商用EVのトップメーカーから乗用車へも進出

比亜迪汽車(中国)

電池メーカーとして創業し、EVメーカーを買収。いまEV商用車では世界一だ。アウディからデザイナーを招聘し、王朝シリーズで乗用EVにも進出。トヨタとの合弁も開始した。

 

【No.2】洗練されたデザインを武器に欧米市場への進出を目論む

広州汽車(中国)

2025年までに全車種をEV化すると宣言。心臓部には日本電産製モーターを積むeAxleを搭載し、スタイリングは欧州高級車メーカーから引き抜いてきたデザイナーが担当する。

 

【No.3】年内上場を目指す注目のEVスタートアップ

威馬汽車(中国)

コネクテッド・カーや購入後のアフターサービスなどをウリにした“スマートカー”として話題。「中国版Google Map」を提供する百度と手を組んで、自動運転や車載AIも提供する。

 

【No.4】中国版イーロン・マスクが起こしたEVメーカー

上海蔚来汽車(中国)

中国経済界の若手カリスマであるウィリアム・リー氏が創業。大気汚染を解決しようと、「青空の訪れ」を意味する「蔚来」を社名にした。自社工場を持たず、SUVのES8を委託生産。

 

【No.5】自社生産と提携を使い分け世界への販路拡大を続ける

上海汽車(中国)

第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーのひとつ。自社での生産も手掛ける一方、他国の企業と提携を結び拡大。イギリスの名門ブランドMGのEVをフランスで発売した。

 

【No.6】委託生産の依頼や出資と共に自社EVも発売する多様な戦略

長安汽車(中国)

今後10年で27車種ものEVを発売すると意気込む。自社ブランドを拡大すると同時にEVメーカーの蔚来に生産を委託したり、愛馳に出資したりと、多様なEV戦略を目論む。

 

【No.7】ボルボの親会社はEV専用ブランドも立ち上げた

吉利汽車(中国)

中国系大手であり、ボルボの親会社であり、ダイムラーの大株主。EV専用ブランド「ジオメトリ」を設立し、テスラのモデル3をライバルと目論む小型セダン、Aを発表した。

 

【No.8】EVのラインナップを拡充し自動運転技術も磨く

ヒュンダイ(韓国)

コンパクトハッチ・コナのEV版の登場に続き、SUVの45を発売予定。3月にジョイスティックで操作し、自動運転への切り替えも可能なコンセプト「Prophecy」を発表した。

 

《日本》

日産と三菱が日本のEVを牽引してきたが、ホンダとマツダも参入。日産は新型アリアの販売を予定し、やっちゃえシェア獲得となるか。

 

【No.1】ハイブリッド王国ニッポンでピュアEVの道を突っ走る

日産自動車

世界に名だたる“ハイブリッド王国”であるニッポンだが、日産は一貫してEV開発を貫いている。リーフは2017年に2世代目となり、なんと累計50万台(!)を販売している。

 

【No.2】小さいながらもグローバルでEVを展開

三菱自動車

EV開発の歴史は1960年代から。早朝の新聞配達に静かなクルマが欲しいと考えた結果、EVを開発することになったという。コツコツと開発を続け、2009年に世界初の量産EVを発売。

 

【No.3】電気駆動になってもホンダ独自の走りの魅力は健在

本田技研工業

電気の時代においても、ホンダは走って楽しいクルマを作ることを重視している。Honda eでは、走行距離を200㎞と割り切りつつ、コンパクトでキビキビ走るモデルに仕立てている。

 

【No.4】クリーンディーゼルだけじゃない EVにもしっかり着手

マツダ

昨今のマツダはクリーンディーゼルが有名だが、電動化にも着手している。第1弾となるMX-30はヨーロッパで販売開始。日本では2021年にリース形式での販売を開始する予定だ。

 

《ヨーロッパ》

EU各国でCO2排出規制が発出されたことで、続々とEVが登場。目標年度を定めてEVへシフトするメーカーも多く、その動きに注目だ。

 

【No.1】EVでも最善の性能と快適性を提供する

メルセデス・ベンツ(ドイツ)

「最善か無か」を旨とするメルセデス・ベンツだけに、EVでも高性能かつ快適なクルマを開発する姿勢を崩さない。EQCでは、パワフルなモーターと自社製電池を搭載している。

 

【No.2】次世代に向けてイチから刷新したEVを開発

BMW(ドイツ)

バイエルン・エンジン製作所を略した社名のBMW。徹底したエンジン屋のBMWがイチから刷新したEVブランドのiでは、EV特有の気持ち良い走りをBMW流に仕立てている。

 

【No.3】壮大な販売目標を揚げてEV市場の席巻を狙う

フォルクスワーゲン(ドイツ)

2025年までに300万台のEVを販売するという意欲的な目標を掲げるフォルクスワーゲンは、続々とEVモデルを発売している。第1弾となるiD.3に続き、iD.4も発売されている。

 

【No.4】電動化を推し進める国の牽引役となるメーカー

プジョー(フランス)

国を挙げて電動化を推し進めるフランス。プジョーはその牽引役となっている。日本上陸を果たしたe-208では、パワフルなモーターと大容量電池を組み合わせた心臓部を持つ。

 

【No.5】日本にもEVがお目見えしEVの販売比率拡大を目指す

アウディ(ドイツ)

アウディの電動シリーズe-tron Sportbackが待望の日本上陸を果たした。さらにe-tron SUVが続く。2025年までに20車種のEVを発表し、40%のEV販売比率達成を目指している。

 

【No.6】欧州最多のEV販売台数を誇る

ルノー(フランス)

30万台のEV累計販売台数を誇るルノー。一番人気の小型車・ゾエは販売台数を伸ばしており、累計販売台数は10万台を超える。今年はカングーのEV版コンセプトモデルも発表。

 

【No.7】「あのポルシェが!」と世界を驚かせた

ポルシェ(ドイツ)

世界有数のスポーツカーブランドも、量産EVであるタイカンを発売。最高250km/h、0-100km/h加速2.8秒というハイパフォーマンスを誇る。2021年モデルも欧州で発表された。

 

【No.8】レースで鍛えたEVの技術を量産モデルにも投入する

ジャガー(イギリス)

F1のEV版であるフォーミュラーEに参戦しているジャガー。量産EVでもI-PACEを発売した。最大696Nmもの大トルクを発揮するモーターによって、スポーティな走りを実現する。

2021年はCAFE方式で生き残る、国産「ネオ・スポーツカー」に注目【3選】

エンジン車への規制が強まるなか、各社の威信を賭けたスポーツカーが生まれている。燃費規制という環境対応を見据えつつ開発されるのが、ネオ・スポーツカーだ。

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

環境に配慮した「ネオ・スポーツカー」

世界各国でエンジンを搭載したクルマへの規制が強まっている。アメリカや欧州で始まった「CAFE」という燃費規制が、日本でも2020年の燃費基準から導入されている。

 

CAFEとは自動車の燃費規制で、車種別ではなくメーカー全体で出荷台数を加味した平均燃費を算出し、規制をかける方式。ある車種では燃費基準を達成できなくても、そのほかの車種の燃費を向上させることでカバーできるというものだ。

 

燃費基準を大きく上回るEVやPHVなどを開発してCAFEの規制値をメーカー全体の出荷台数でクリアすれば良いので、規制値までの余剰分で走りやスタイルを楽しめる新たなスポーツカーが登場する。それが「ネオ・スポーツカー」である。

 

EVやハイブリッド、スタイルではSUVが全盛だが、2021年は注目モデルが続々登場する。メーカーが環境への対応を視野に入れるなかで登場する次世代のスポーツカーが与えてくれる夢に、期待せずにはいられない。

 

【その1】伝統のデザインを継承しパワフルな走りも健在

日産

フェアレディZ

価格・発売日未定

長いノーズと切り立つテールエンドは歴代フェアレディZのデザインそのもの。ヘッドライトは2代目の240ZGに用いられたドーム型レンズを再現するなど、レトロモダンなテイストだ。3.0L V6エンジンのパワーに期待したい。

↑ヘッドライトのティアドロップ形状は初代S30型を、LEDライトの2つの半円のデザインは、2代目240ZGをイメージしている

 

【ちなみに日産のエコカーの代表選手】

リーフ

332万6400円~499万8400円

初代モデルが登場してから10年を迎えた今年、累計販売台数が50万台を突破。2017年には62kWhバッテリーを搭載して航続距離を大きく伸ばしたリーフe+も登場している。

 

【その2】水平対向エンジンを継承し意のままに操れるFRマシン

スバル

BRZ

価格・発売日未定

力強い加速とフィーリングの良さを両立した、2.4L水平対向エンジンを搭載。新プラットフォームを基に生まれたボディは剛性が増し、ステアリング操作への応答性を高めている。アイサイトも初搭載となる。

↑高いホールド性とフィット感をもたらすスポーツシートを採用。疲れにくく、クルマの挙動を正確にドライバーへ伝えてくれる

 

【ちなみにスバルのエコカーの代表選手】

インプレッサ スポーツ

200万2000円~278万3000円

水平対向エンジンと電動技術を組み合わせたパワーユニット「e-BOXER」搭載モデルをグレード設定。スムーズな加速を実現している。

 

【その3】マツダの新たな歴史はこのモデルが作り出す

マツダ

RX-9

価格・発売日未定

2017年の東京モーターショーで世界初公開となったVISIONCOUPE。そのスタイルの流麗さに多くの人が魅了された。RX-9という名称が有力だが、100周年を迎えたマツダの新たな歴史を作る1台として期待したい。

↑インテリアも外観と同様にシンプルかつ流麗なデザイン。多くの人を魅了し、欧州では最も美しいコンセプトカーに選出されたほど

 

【ちなみにマツダのエコカーの代表選手】

マツダ3

222万1389円~368万8463円

ガソリンをディーゼルエンジンのように圧着点火させる「SKYACTIV-X」と、クリーンディーゼルエンジンモデルがラインナップ。環境性能に優れた1台だ。

 

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ガジェット好き御用達「トバログ」さんのお気に入りアイテム大公開!

モノに精通した各界の目利きたちにオススメアイテムを訊く「GN MEISTERS(ゲットナビ マイスターズ)」。今回は、動画やブログなどで自身のライフスタイルについて発信している鳥羽恒彰さんにインタビュー。最近購入したなかから、特にお気に入りのアイテムを教えてもらった!

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自分が好きなモノを嘘のない言葉でレビュー

鳥羽恒彰さん

ミニマリストの対岸から発信するガジェット好きクリエイター。最近買って良かったモノや、愛用している暮らしの道具、気になる友人のデスク環境の紹介などをブログ&YouTube「トバログ」で公開中。日々の暮らしのなかでちょっとした参考になるようなコンテンツを配信している。

トバログはコチラ:https://tobalog.com/

 

モノで生活がどう変わるかを重視

レビューでは、スペックなどの数値による評価は少なめ。そのアイテムはどんな使い方をできるのか、それによって生活がどう変わるのか、ライフスタイルの観点からモノの価値を見極める。

 

情報を伝えて人を喜ばせたい

鳥羽さんは子どものころから、自作のマンガやミニブログなどで友人を楽しませるのが好きだったという。いま発信するのも、自分が得た情報を共有することで人を喜ばせたい一心からだ。

 

気になる人の暮らしをのぞき見

人気コンテンツ「カバンの中身が好き」では、そのタイトルの通り、ゲストのカバンに入っているものを紹介。まだ見ぬ新しいモノとの出会いや、想像を膨らませる楽しみを演出している。

 

鳥羽さんの“買ってよかったモノ”

“ほぼタブレット”をポケットに入れて持ち運べるのは快適

サムスン電子

Galaxy Z Fold2 5G

実売価格25万9980円

二つ折りできるスマホ。メインディスプレイは開くと7.6インチの大画面で、最大3つのウィンドウを同時に立ち上げて、タブレット感覚で効率的に作業できる。カバー部にも6.2インチ画面を搭載。

 

ここがお気に入り

ディスプレイを折りたためるという先進のギミックに感激して購入しました。使ってみて、なんて便利なんだろうと改めて実感しています。広げたときの画面サイズは7.6インチでiPad miniと同じくらいなのですが、それをポケットに入れて持ち運べるというのはスゴいことですよね。

 

これを導入して生活は変わりました。最近、郊外に引っ越して電車での移動時間が増えたのですが、その間にブログ記事を書いたり、電子書籍で情報収集をしたり、マンガを読んでリラックスした……。時間を有効に使えています。

 

エレガントなブロンズカラーのボディもキレイで気に入っています。この色に合う純正ケースをeBAYで韓国から輸入しました。

 

動画の書き出しが劇的に早く、時間を有効活用できる!

日本HP

ENVY 15 クリエイターモデル

実売価格25万3000円~

第10世代インテルCore i9を採用。32GBのメモリと2TBのSSDを搭載し、動画の編集などPCへの負荷の高い作業をサクサク行える。シルバーのシンプルなボディもクリエイティブな雰囲気を醸成。

 

ここがお気に入り

動画の編集にさらに力を入れるようになって最近、ハイスペックなPCを探していたんです。CPU、ストレージ、ディスプレイなど、スペックの条件を設定して候補を絞っていたのですが、どうしてもかなり高価になり……。と、悩んでいたところ、セール+クーポン利用で21万円ほどだったこのPCを即買いしました!

 

何といっても、動画編集の効率が大幅に向上。それまで使っていた2018年モデルのMacBookでは、平均サイズの動画を書き出すのに8分ほどかかっていたのですが、わずか2~3分に短縮されました。ハイスペックなので、書き出しと同時に写真編集やサムネイル作成も可能。メイン端末として申しぶんのない働きぶりを見せています。

 

走りに惚れて選びましたが、その多機能さに驚いています

マツダ

CX-5 25T Exclusive Mode

379万5000円~

ターボエンジンSKYACTIV-G 2.5Tを搭載する「25T L Package」をベースとする特別仕様車。ナッパレザー製のシートや、運転席と助手席のベンチレーション機能など、インテリアの上質さを追求している。

 

ここがお気に入り

子どもが2021年1月に誕生予定で、生活がガラリと変わります。妻の産院への送迎、そして家族での移動のために購入しました。

 

マツダ車を選んだのは、以前同社のデミオを運転したときに、加速が気持ち良かったのが印象に残っていたから。デザインも気に入ってSUVのCX-5にしましたが、乗ってみて機能の豊富さに驚いています。CarPlayでiPhoneと連携できるのも便利だし、車間距離を自動調整する運転支援機能も快適。ボーズのスピーカー10基によるサラウンドシステムの迫力は圧巻です。

 

いまは生活を便利にするツールという位置づけですが、クルマの“沼”にハマって色々と凝りだすと散財しそうですね。適度な距離を保って乗りたいと思います(笑)。

 

いま気になっているモノは?

ソニー

wena 3 leather

実売価格3万3000円

現在メインのスマホとして使っているGalaxy Z Fold2 5Gは、NFCに非対応。そのためSuica機能を入れられないんです。そこで気になっているのが、腕時計のバックル部にスマートウオッチ機能を搭載したwena 3。好みの「ヘッド」(時計部)と組み合わせて使えるのが良いですね。

 

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アクアも意外に高評価! 自動車評論家が選ぶ国産コンパクトカー10傑

前回の記事では、ノート、ヤリス、フィットをガチ採点したが、国産コンパクトカーの注目モデルはそれだけにとどまらない。本記事では、自動車評論家の清水草一さんに登場いただき、最新モデルから登場から10年近く経つモデル末期のものまで、現行車種の中から、コンパクトカー十傑をピックアップした。

※こちらは「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

モータージャーナリスト

清水草一さん

編集者を経て自動車ライターに。大乗フェラーリ教開祖を名乗りつつ、道路交通ジャーナリストとしても活動。

 

【関連記事】

ノート、ヤリス、フィットーー「国内3強コンパクトカー」を厳しく採点! 一番よかったのは?

 

 

【ハッチバック編】

サイズに制限のあるコンパクトカーでも後席を倒して多くの荷物を積め、高い実用性を誇る。サイズ感もつかみやすく運転しやすい。

 

【その01】トヨタの定番小型ハッチバックは欧州で人気アリ!

トヨタ

カローラ スポーツ

216万9000円〜284万1000円

ワイド&ローのスポーティなシルエットのボディに用意されたパワーユニットは、ハイブリッドと1.2Lターボの2種。1.2LターボにはiMTと呼ばれるMTも設定。同社のコネクティッドカーとしての顔も持つ。

 

【ココがスゴイ!】バランスは抜群! 基本性能の高さに納得

カローラというと、日本ではツーリングが人気だが、欧州では断然コレ。ガソリン車にMTが用意されているのも欧州風味でイイ!(清水)

 

【その02】ホンダのEVは原点回帰のシンプルデザイン

ホンダ

Honda e

451万円〜495万円

ホンダの新型EVはタウンユースを強く意識し、1充電あたりの走行距離は最長283km。それまでのEVと違い走行距離を伸ばすよりも、短時間の充電で走れる距離を重視。その結果、わずか30分の充電で200kmを走行可能だ。

 

【ココがスゴイ!】後輪駆動ゆえの小回り性能に驚愕

航続距離は短めだが、それはシティコミューターに徹しているから。軽より小回りが利いて感動! デザインはシンプルの極致で美味だ。(清水)

 

【その03】スズキらしい個性が光る隠れた傑作!

スズキ

イグニス

 142万3400円〜203万600円

クロスオーバーSUV風のコンパクトカー。軽自動車並みの3.7mの全長は街なかで扱いやすいサイズだ。今年の仕様変更ではデュアルカメラブレーキサポートや助手席のシートヒーター、オートライトが全車標準装備となった。

 

【ココがスゴイ!】室内の広さよりも走りとデザインを優先

やんちゃな顔つきに大地を踏ん張る台形のフォルムは、いかにも走りそう。インテリアはイタリアの小型車みたいでセンス抜群だぜ!(清水)

 

【その04】クラス唯一のクリーンディーゼル搭載で我が道を行く

マツダ

マツダ 2

 145万9150円〜266万7500円

デミオから改称された同車は、パワーユニットは直噴ガソリンエンジンとディーゼルエンジンをラインナップ。特にディーゼルモデルはクラス唯一の搭載車種で、その静粛性能には定評がある。落ち着いたデザインも好評だ。

 

【ココがスゴイ!】唯一無二を掲げるマツダの真骨頂

ディーゼルエンジンを積んだコンパクトカーは、世界的に貴重になりつつある。豊かなトルクとしっかりした足周りは長距離向きだ。(清水)

 

【その05】痛快! そして便利! 国民車にもなれる万能型ホットハッチ

スズキ

スイフト スポーツ

 187万4400円〜214万1700円

エスクード用のエンジンに専用チューンを施した140PSを誇る1.4L直噴ターボを搭載。MT比率が比較的高いのも特徴のモデル。後席も使える実用性と軽快な走りは多くのユーザーが認めるところ。200万円以下からという価格設定も魅力だ。

 

【ココがスゴイ!】走りが楽しい! それでいて弱点なし

1.4L直噴ターボエンジンの加速は痛快そのもの。6速MTはもちろん、6速トルコンATでも十分楽しめる。広さや燃費にも不満ナシさ。(清水)

 

【その06】モデル末期でも魅力が褪せないハイブリッドカー

トヨタ

アクア

181万8300円〜219万8900円

2011年デビューのハイブリッド専用車。車両価格も手の届きやすいハイブリッドカーとしてロングセラーに。パワートレインは2代目プリウスをベースにし燃費面でも高評価。低重心で、シャープなハンドリングも意外な魅力だ。

 

【ココがスゴイ!】登場から10年でも売れ続けるモンスター

ものすごくフツーのクルマに見えて、実は重心が低く、曲がるのが得意。ハイブリッドバッテリーの重量配分の妙だ。いまだに魅力アリ!(清水)

 

【SUV編】

SUVは魅力的だけれども、大きなボディはちょっと……と考えるユーザーにはピッタリのコンパクトカー。その視界の良さは特筆モノだ。

 

【その07】無敵の小型オフローダーは世界中で大ヒット

スズキ

ジムニー シエラ

 179万3000円〜205万7000円

クロカンモデルらしい武骨なスタイリングやラダーフレームなど多くの“本格”装備を持つクルマ。ミッションは信頼性の高い5MTと4ATを設定する。欧州にも輸出されるモデルなので、高速走行も構えることなく巡行可能。

 

【ココがスゴイ!】無骨なデザインが走破性能とマッチ

“ミニGクラス”ともいえる武骨なデザインが、シンプルで実にカッコイイ。悪路の走破性能は世界の一級品。無敵の小ささも強力な武器だ。(清水)

 

【その08】ゴツい顔した優しいヤツ、地味だけど憎めないね

ダイハツ

ロッキー

 170万5000円〜236万7200円

ダイハツのクルマづくりの新コンセプト、DNGAに基づいたSUV。エンジンは1Lの直3ターボで98PS。組み合わされるミッションはCVTのみで、すべてのモデルに4WDが設定されている。トヨタ・ライズとは兄弟車。

 

【ココがスゴイ!】走りも居住性も満足のコンパクト

目立ったところはゼロだが、走りも乗り心地も居住性も適度に満足。SUVだと構えずに、フツーの小型車として買って間違いなし。(清水)

 

【その09】ヤリスに足りない部分をすべて満足させました

トヨタ

ヤリス クロス

 179万8000円〜281万5000円

ヤリスとメカニカルコンポーネンツを共有するSUV。コンパクトな分類に入るが全幅で1700mmを超えるので3ナンバーサイズだ。パワーユニットは1.5Lガソリンエンジンとハイブリッドの2本立てで先進安全装備も充実。

 

【ココがスゴイ!】コンパクトだけれど押し出し感は十分さ

大ヒット中のヤリスの弱点は、後席の狭さ。でもヤリス クロスならまったく問題ナシ。見た目もカッコイイし、4WDも選べるぜ。(清水)

 

【その10】オシャレな都会派ながらキラリと光るスバルイズム

スバル

SUBARU XV

220万円〜292万6000円

現行モデルは2017年登場。2020年9月に大幅な改良が加えられた。基本メカニズムはスバルの伝統、水平対向エンジンにシンメトリカルAWDを組み合わせたもの。スバルの先進安全装備アイサイトを全モデルに標準装備。

 

【ココがスゴイ!】オシャレSUVだが走りは本物

XVに乗っていると、オシャレでアクティブな遊び上手に見えるから不思議だよね。もちろんスバル車だけに、走りは地味に本物さ。(清水)

 

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今月の乗ってよかったクルマ3台ーーCX-3に、クラリティPHEVに、ポロGTI

本記事では、プロが最近乗って良かったと思ったモデルを厳選して、コンパクトにお届けします。今回は、マツダのクロスオーバーSUV、CX-3の大幅改良モデルをフィーチャー。そのほか、ホンダの燃料電池車に追加されたプラグイン・ハイブリッドや、人気のフォルクスワーゲン ポロのスポーティモデルGTIと、多彩なラインナップを試乗して紹介します!

 

 

その1

エンジンを一新して快適な走りを手に入れた

マツダ CX-3

(SUV)

SPEC【XD Lパッケージ(4WD/AT)】●全長×全幅×全高:4275×1765×1550㎜●車両重量:1370㎏●パワーユニット:1756㏄直列4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最高出力:116PS/4000rpm●最大トルク:27.5㎏-m/1600〜2600rpm●WLTCモード燃費:19.0㎞/ℓ

乗り心地が滑らかになりエンジンの力強さもアップ

CX-3は2015年に登場以来、早くも4回目のアップデートとなりました。今回の改良では初めて内外装のデザインをリニューアルしたことも話題となりましたが、注目したいのは何といってもエンジンが一新された点です。本車の主力となるディーゼルターボエンジンは、排気量1.5ℓから1.8ℓに拡大。さらに、昨年追加された2ℓガソリンエンジンも改良されています。足まわりの仕様変更、専用タイヤの採用、シート構造の見直しなどもあり、より快適な走りを手に入れました。

 

今回は、ディーゼルとガソリンの両方に試乗しましたが、いずれも従来モデルからの進化を実感できました。乗り心地は格段に滑らかになり、エンジンは日常域における力強さが大幅にアップしています。また、フロント/リアドアの外板や、リアドアガラスを厚くしたことで、静粛性を高めたのも好印象。スタイリッシュな外観のクルマという印象が強かったCX–3は、走りの質感と快適性が向上して、一層魅力的なモデルとなりました。

 

【注目ポイント01】操縦性はスポーティ

新開発タイヤの採用や足回りの仕様変更などの効果で、従来モデルと比べて乗り心地が格段に滑らかになりました。その一方で、持ち前のスポーティな操縦性は損なわれていません。

 

【注目ポイント02】質感も使い勝手も向上

室内では、前席の構造材が変更されたほか、パーキングブレーキを電動化したことでセンターコンソールのデザインを一新。質感に加えて使い勝手も向上しています。

 

【注目ポイント03】ディーゼルは1.8ℓターボに

ディーゼルエンジン(上)は、実用燃費の向上を図り1.8ℓに拡大。2ℓガソリン(下)も燃焼室や冷却まわりなど、細部を磨いて全域のトルク向上と燃費改善を実現しました。

 

 

その2

EV航続距離はPHEVのなかでもトップ

ホンダ

クラリティ PHEV

(セダン)

SPEC【EX】●全長×全幅×全高:4915×1875×1480㎜●車両重量:1850㎏●パワーユニット:1496㏄直列4気筒DOHC+モーター●エンジン最高出力:105PS/5500rpm●エンジン最大トルク:13.7㎏-m/5000rpm●モーター最高出力:184PS/5000〜6000rpm●モーター最大トルク:32.1㎏-m/0〜2000rpm●WLTCモード燃費:24.2㎞/ℓ●EV航続距離:101㎞

 

FCV仕様をはるかに凌ぐユーザビリティを獲得した

珍しいFCV(燃料電池車)として知られるホンダ クラリティに、プラグイン・ハイブリッド(PHEV)仕様が追加されました。そのシステムはガソリンエンジンに電気モーター、総電力量17kWhのバッテリーを組み合わせたものですが、最大の魅力はEV走行時の“アシの長さ”。JC08モードよりリアルに近いとされるWLTCモードで101㎞という航続距離は、数あるPHEVのなかでもトップの性能なのです。

 

実際に試乗すると、満充電時のEV走行はやはり最高でした。日常的な使用環境ならエンジンの出番はなく、室内は常に静粛。水素充填の不便さが否めないFCVに対して、本車が大きなメリットを持つことは間違いありません。

 

【注目ポイント01】室内はくつろぎ感をアピール

充電&給油口の開閉スイッチが3つもあるのはPHEVならではですが、室内の作りは基本的にFCVと同じ。バッテリーは床下に搭載されるが、室内空間の広さは十分です。

 

【注目ポイント02】容量はFCVより大幅にアップ

FCV仕様は巨大な水素タンクにスペースを取られてしまいますが、PHEVでは512ℓもの荷室容量を実現。後席が分割可倒式となるため、長尺な荷物の積載も可能です。

 

 

その3

パワフルな走りは“ホットハッチ”に相応しい

フォルクスワーゲン ポロ GTI

(ハッチバック)

SPEC●全長×全幅×全高:4075×1750×1440㎜●車両重量:1290㎏●パワーユニット:1984㏄直列4気筒DOHC+ターボ●最高出力:200PS/4400〜6000rpm●最大トルク:32.6㎏-m/1500〜4350rpm●JC08モード燃費:16.1㎞/ℓ

 

ボディサイズに見合わない重厚な乗り心地を味わえた

フォルクスワーゲンの高性能なスポーツモデルに与えられる伝統ある称号「GTI」を冠したポロが、日本に上陸しました。エンジンはゴルフGTIと共通の2ℓターボを採用し、最高200馬力&最高トルク32.6㎏-mのパワーを備えています。全長約4mのコンパクトボディでこれを実現したのは圧巻で、“ホットハッチ”に相応しい性能でしょう。

 

パワフルではあるものの、ドライビングフィールに粗さはありません。わずか1500rpmで最大トルクに到達するエンジンは、日常域での扱いやすさも感じさせました。引き締まった乗り心地は上々で、ボディサイズに見合わない重厚感をも味わえるほど。速いだけでなく、ちょっと贅沢なコンパクトカーとして、オススメしたい一台です。

 

【注目ポイント01】エンジンはゴルフ譲りの2ℓ

ポロGTIで初採用となる2ℓターボエンジンは、ゴルフ用がベース。先代に対して出力が8馬力、トルクは7.1㎏-m向上しています。ミッションはツインクラッチの新世代ATです。

 

【注目ポイント02】チェック柄シートなどを継承

GTIの伝統でもあるチェック柄のシートファブリックや、トリムパネルをはじめとするレッドのアクセントで、室内はスポーティな装いになります。快適装備も充実しています。

 

文/小野泰治 写真/宮門秀行

マツダが2018年のユーザー参加型イベントの協賛概要を発表

マツダは、マツダ車ユーザーが「走る歓び」を体感できるドライビングレッスンイベント、および参加型モータースポーツイベントの2018年における協賛計画を発表した。

マツダは’14年よりドライビングレッスンイベントや参加型モータースポーツイベントへの協賛を強化。より充実したカーライフを過ごせる機会づくりをサポートしているが、今年は昨年から引き続き「Be a driver.マツダ・ドライビング・アカデミー」「マツダファン・サーキット・トライアル」「マツダファン・エンデュランス」「ロードスター・パーティレースⅢ」「グローバル MX-5カップジャパン」の5つのイベントに協賛する。

 

この中で、ドライビングレッスンイベントの「Be a driver.マツダ・ドライビング・アカデミー」、モータースポーツイベントである「マツダファン・サーキットトライアル」と「マツダファン・エンデュランス」、そして「ロードスター・パーティレースⅢ」は、いずれもユーザーが愛車で参加できるイベント。日常運転に役立つ知識の習得から、サーキットでのスポーツ走行体験まで幅広くカバー。各イベントともに若年ドライバーからベテランまで、多くのマツダ車ユーザーが参加している。

 

また、「マツダ ロードスター(輸出名:MX-5)」による世界統一ワンメイクレースの国内シリーズ戦「グローバル MX-5カップジャパン」では、世界一のMX-5レーサーを目指すドライバーたちが、夢の実現に向けて真剣勝負を繰り広げている。

各イベントの紹介サイト、主催団体のURLは下記の通り。

 

■ドライビングレッスンイベント

概要紹介サイト:http://www.mazda.com/ja/innovation/drivingacademy/

Be adriver.マツダ・ドライビング・アカデミー

・主催: 株式会社ビースポーツ(岡山国際サーキット、スポーツランドSUGO、鈴鹿サーキットでの開催時)(公式ホームページ: http://driving-academy.mazda-fan.com/outline.html)

・主催: 富士スピードウェイ株式会社(富士スピードウェイでの開催時)
(公式ホームページ: http://www.fsw.tv/freepage/1513/

 

■参加型モータースポーツイベント
概要紹介サイト:http://www.mazda.com/ja/innovation/motorsports/

 

マツダファン・サーキットトライアル(MFCT)

・主管: 株式会社ビースポーツ
(公式ホームページ: http://circuittrial.mazda-fan.com/

 

マツダファン・エンデュランス(マツ耐)

・主管: 株式会社ビースポーツ
(公式ホームページ: http://endurance.mazda-fan.com/

 

ロードスター・パーティレースⅢ

・主催: 株式会社ビースポーツ

(公式ホームページ: http://www.party-race.com/

 

グローバル MX-5カップジャパン

・主管: 株式会社ビースポーツ
(公式ホームページ: https://mx-5cup.jp/

 

・販売代理店: 株式会社キャロッセ
http://www.cusco.co.jp/products/mazda_global_mx-5_cup.html

マツダの最新ガソリンエンジン技術の将来性がイタリアで高く評価

スカイアクティブXは技術史に名を残す?

マツダの次世代ガソリンエンジンである「SKYACTIV-X(スカイアクティブ・エックス)」が、イタリアのミラノにおいて、将来性が期待される自動車技術に贈られる「Q Global Tech Award」を受賞した。

 

「Q Global Tech Award」は、創刊1956年のイタリアの自動車専門誌「Quattroruote(クアトロルオーテ)」誌が主催する欧州の自動車業界の重要イベントのひとつ「Quattroruote Day」において選出されるアワード。これには「クアトロルオーテ」誌をはじめ、世界15カ国の自動車専門誌の委員が参加しているが、「SKYACTIV-X」は今年、技術史に最も名前を残すような革新的な技術として評価された。

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今回、受賞の対象になったマツダの「SKYACTIV-X」は、ガソリンエンジンならではの伸びの良さに、ディーゼルエンジンの優れた燃費・トルク・レスポンスといった特長を融合した革新の内燃機関。マツダ独自の燃焼方式「SPCCI(火花点火制御圧縮着火)」により、ガソリンエンジンにおいて圧縮着火を制御する技術の実用化に世界で初めてめどを付けることが可能となった。

 

その結果、シャープなレスポンスやトルクフルで爽快な加速感、これまで以上の低燃費・環境性能を高次元で両立、エンジン単体の燃費率を現行の「SKYACTIV-G」と比べて最大で20~30%程度改善することを目指している。

 

この受賞について、マツダの藤原 清志(ふじわら きよし)専務執行役員は、受賞に際して次のように述べた。「このような素晴らしい賞をいただき、本当に嬉しく思います。この技術の実現に向けてブレークスルーを成し遂げた私たちのエンジニアを心から誇りに思います。量産前のタイミングで、このような高い評価をいただけたことは、これから最後の機能開発や品質確認などを進めていくチームメンバーにとって大きな励みになります。皆さまからの大きな期待を励みとして、最後の作り込みをしてまいります」

マツダ・ビジョン・クーペが最も美しいコンセプトカーに選出!

マツダは2月1日、フランスのパリで開催中の「第33回フェスティバル・オートモビルズ・インターナショナル(国際自動車フェスティバル)」において、現地時間の1月30日に「マツダ VISION COUPE(ビジョン・クーペ)」が「Most Beautiful Concept Car of the Year賞」に選出されたことを発表した。

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この賞は、著名な建築家やファッションデザイナーなどの選考委員によって、その美しさ、デザインにおける創造性や新しいトレンドを最も体現しているコンセプトカーに贈られるもの。2016年に「Mazda RX-VISION」が同賞に選出されており、マツダでは次世代デザインを牽引するふたつのコンセプトカーでの受賞となる。

 

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マツダのデザイン・ブランドスタイルを担当する前田育男常務執行役員は受賞に際して次のようにコメントしている。
「ビジョン・クーペでは光のリフレクションで生命感を表現するという、魂動デザインの新しい方向性に挑戦しました。日本の繊細な美意識を反映したこのクルマが、RX-VISIONに続き芸術の都パリで認められ大変光栄に思います。今後も日本の自動車メーカーとしてのアイデンティティを持ち、世界を魅了する美しいクルマを作っていきたいです」

 

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ビジョン・クーペは、2017年に世界初公開されたマツダの次世代デザインビジョンモデル。デザインテーマ「魂動(こどう)-Soul of Motion」を日本の美意識にもとづき深化させ、伸びやかでシンプルなワンモーションフォルムを創造している。また、マツダのデザインヘリテージである「ルーチェロータリークーペ」などの美しさを礎として、エレガントで上質なスタイルを追求したものだ。

 

このビジョン・クーペはオテル・デ・ザンヴァリッドで開催中のコンセプトカー展示会において1月31日から2月4日(現地時間)まで展示された。

 

 

 

マツダ「RX-9」が450馬力の次世代ロータリー搭載で2019年発売へ!?

マツダ「RX-8」後継モデルとされる「RX-9」のテストミュールがついにニュルブルクリンク付近捉えられた。2017年10月の東京モーターショーでは見られなかったが、やはり「RX-9」は進行中なのである。

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テストミュールは「RX-8」でフロントエアダクトが拡大されているようだが、ボディの延長や拡大はされておらず、開発は初期段階のようだ。

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昨年からマツダは2個のターボチャージャーに、電動スーパーチャージャーを加えた3つの加給システムを持つ「トリプルチャージャー」や、ドアが5から15度上方に向けて開く「スワンウィングドア」、スポーツカー用格納式リアスポイラーなどの特許を申請しており、「RX-9」に採用される可能性もありそうである。

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しかし、何と言っても次世代ロータリーエンジン「SKYACTIV-R」が気になるところで、800cc×2の1.6リッターで450psものパワーを発揮するという。FRで全長4440mm、全幅1910mm、全高1180mm、車重は1300kg~1350kgと予想されている。

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ワールドプレミアは2019年内に「RX-VISION」のようなグラマラスな姿で登場することになりそうだ。

【1分でわかるマツダCX-8】“3列SUV”の至福を堪能せよ!インテリアの質感までこだわったマツダの最新作

これまでもSUVを出してきたマツダが、年末に新型モデルを投入しました。本モデルは「大人がきちんと座れる」をコンセプトに、インテリアにとことんこだわっています。ここでは、そんなこだわりの数々を紹介します。

 

色や素材の一つひとつに吟味を重ねたこだわりモデル!

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マツダ CX-8

319万6800円~419万400円

国内市場向けのSUVでは最上位となる3列シート・クロスオーバーモデル。3列目まで「大人がきちんと座れる」パッケージングを実現。デザインは風格や質感にこだわり、インテリアの色や素材の一つひとつに吟味を重ねています。

SPEC【XD Lパッケージ4WD】●全長×全幅×全高:4900×1840×1730㎜●車両重量1830㎏●パワーユニット:2188㏄水冷直列4気筒DOHC16バルブ直噴ターボ●カタログ燃費:17.6㎞/ℓ

 

20171224_bln05_2↑3列シートで6〜7人乗り。空間の広さに加え、質感の高いインテリアによって快適な乗り心地を実現します

 

20171224_bln05_3↑ボーズの音響システムをオプションで用意。ボーズとマツダのエンジニアが共同で丁寧に音作りを行っています

 

 

SUVのイメージを覆す快適かつ上質な空間を実現

17年2月にミドルサイズのCX-5、6月にはコンパクトなCX-3と、継続的にSUVをリリースしてきたマツダが、年末に“本命”の新型CX-8を投入しました。ファミリー向け3列シートといえばミニバンが定番ですが、取り回しの良い“3列SUV”は最近のトレンド。

 

とはいえ、どうしても“3列目”に割けるスペースが限られてしまうのが課題でした。CX-8では「大人がきちんと座れる」パッケージングを標榜し、快適な空間を実現。CX-5より全長は伸びましたが、取り回しの良さも上々。上質なインテリアも含めて、SUVのイメージを覆す意欲作といえます。

マツダのCMでおなじみ “Zoom-Zoom”ってどんな意味? 日常英語の豆知識

マツダの車のCMで「Zoom-Zoom」というフレーズが使われているのをご存知でしょうか? さらに昔のCMでは「♪Zoom Zoom Zoom♪」という曲が使われていたのを覚えている方もいらっしゃるかと思います。(私は当時「ズンズンズン」だと思っていました…)

 

この “Zoom-Zoom” ってどんな意味なのか、気になったことはありませんか?

 

“Zoom-Zoom” って何?

マツダのCMで使われている “Zoom-Zoom” というキャッチコピー。ご存知ない方もいるかもしれないので、念のため↓(動画が始まるとすぐに出てきます)

一瞬でしたね。分かりましたか?

 

この “Zoom-Zoom” はかなり前から使われているキャッチコピーで、CMでは車がちょっとアップで映し出されたりしているので、その「ズーム」かなぐらいに私は思っていました。

 

それが、10年以上経ったある日、その本当の意味を突然知ることになったのです。

 

“Zoom-Zoom” はカメラの「ズーム」ではない

“zoom” と言えばカメラの「ズーム」を思い出す人が多いと思うのですが、このマツダの “zoom-zoom” はちょっと違うんです。

 

私が “zoom” の意味を知るきっかけになったのは、ある英語の童謡を聞いた時です。

 

子どもが今よりも小さい頃に通っていた幼児クラスで、先生とお母さんたちが子どもたちに童謡を歌う時間がありました。

 

他のお母さんたちは自分が子供の頃から聞いたり歌ったりしている曲ばかりなのでスラスラ歌えるのですが、私は英語の童謡を全く知らなかったので、何が何だか分からずに、ただ聞いているだけでした。そんな時、ある歌にこんな歌詞が出てきたんです。

 

The wheels on the bus go round and round.
round and round.
round and round.
(中略)
The motor on the bus goes zoom, zoom, zoom.
zoom, zoom, zoom.
zoom, zoom, zoom.

 

この歌は『Wheels on the bus』という割と有名な歌で、擬音語がたくさん出てきます。「バスの車輪がぐるぐる回る」から始まって「バスのモーターがzoom zoom zoomと鳴る」という箇所が出てきます。

 

実はこの “zoom” は、車などがスピードをあげて走る時の「ブーン」を表しているんです。そして、この “zoom” こそがマツダのCMの “Zoom-Zoom” の正体なんです。

Mazda Miata (zoom-zoom)

 

“zoom” の意味とは?

“zoom” とは、何かがサッと早いスピードで動くのを表す単語で、車などの乗り物・ロケットなどによく使われます。Merriam-Webster Dictionaryによると、

 

(always followed by an adverb or preposition) informal;
to move quickly
・Cars were zooming[=speeding] down the highway.

 

と書かれています。動詞と名詞の意味がありますが、上の歌詞にあるように擬音語としても使われます。

 

そして、マツダの公式ブログにも “Zoom-Zoom” が使われている背景について、こんな説明がありました(以下、抜粋して引用します)。

 

マツダブランドの世界観を表現したメッセージ「Zoom-Zoom」。
実はこちら、英語で「ブーブー」を意味する子ども言葉なのです。

皆さんは、街ゆくクルマを飽きることなく目で追いかけていた日のことを今でも覚えていますか?
子どもの頃、「ブーブー!」と声をあげ、風を切って走り回った、あの楽しさ。
ビュンビュンと走っていく車を夢中で見ていた、あのわくわく感。

Zoom-Zoom「子どもの時に感じた、動くことへの感動 」は、動くことへの感動を愛し続ける全世界の方々と、走る歓びを分かち合うための合言葉。
マツダはZoom-Zoom感、走る歓びにあふれたクルマをつくりつづけていきたいと願っています。

 

ということなんだそうです。

 

“zoom” には「ズーム」の意味も

そして、英語の “zoom” は上で紹介した意味だけではなく、カメラが「ズームする」 という意味でも使われます。

 

The TV cameras zoomed in on the winner’s face.

I zoomed in on her face to show her reaction.

The camera zoomed out to show a wider view of the scene.

(Merriam-Webster Dictionary)

 

この意味で使う場合には “zoom in/out” という形になるんですね。ということで、今回はちょっとした豆知識をお届けしました。

 

【URL】
活きた英語のちょっとした使い方や覚え方などを紹介する日刊のウェブマガジン
「日刊英語ライフ」 https://kiwi-english.net/

トヨタとマツダにデンソーも加わりEV戦略の新会社を設立し、各ブランドにふさわしいEVの開発を進める

資本提携により次世代車の開発や米国での合弁生産など、幅広い提携に踏み切ったトヨタ自動車とマツダが、第1弾ともいえる協業に着手する。その内容は大方の予想どおり電気自動車(EV)の開発・生産に向けたもので、国内サプライヤー最大手のデンソーも参画。3社連合で世界的なEVシフトに対応する構えだ。

欧米メーカーがEV開発に経営資源を集中させる中、3社連合によりEV開発の体制を整え、全方位で次世代車の開発をスピードアップさせるのが狙いだ。

 

3社は共同出資で新会社「EV C.A.Spirit株式会社」を設立。資本金は1000万円と立ち上がりの規模はそう大きくなく、出資率もトヨタが90%、マツダが5%、デンソーが5%とトヨタ主導で、代表取締役にはトヨタ副社長の寺師茂樹氏が就任。本拠は名古屋のミッドランドスクエア内に置かれ、社員は各社から出向するエンジニア主体の40人程度とされている。

 

英国やフランスの政府がEVシフトを宣言し、中国がEV優遇政策を進め、アメリカでもカリフォルニア州がEV比率を高める政策を打ち出しているが、一方でいまだ世界におけるEVの販売比率は1%以下に過ぎない。とはいえ、今後EVの販売台数が増えていくのは確実で、今から手を売っておかないと競争に出遅れる可能性は高い。今回の3社連合もそうした将来を見据えたもので、お互いの開発技術や生産技術を出し合いながら、エンジニア同士の交流を図っておこうというものだ。

 

また、現時点では3社の協業ながら、他のメーカーやサプライヤーの参画も可能なオープンな体制を目指しており、トヨタの子会社のダイハツはもちろん、資本系列のあるスバルが加わってくる可能性は高い。当面は互いに出資した「EV C.A.Spirit」がEVに関する技術開発を手がけ、そこにトヨタとマツダが開発委託をする形となるが、同社がノウハウを蓄積しながら他メーカーの委託を受けるという形も考えられる。

 

機構が比較的単純なEVは、家電のような画一化に陥る恐れがあるとされており、それを防いで付加価値を持続するにも、それぞれのメーカーが持つ見識やセンスは欠かせない。独自にEVブランドを立ち上げている欧州メーカーに対し、トヨタ、マツダ連合がどんな具体策を出してくるのか!? 次の動きに期待したい。

 

 

 

【東京モーターショー2017】マツダからは「魁 CONCEPT」と「VISION COUPE」のふたつのコンセプトカーが初披露

「『走る歓び』でクルマを愛する人に人生の輝きを提供する」をブーステーマに掲げたマツダからはふたつのコンセプトカーがアンヴェールされた。

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ガソリンエンジンの新しい形とも言えるSKYACTIV-Xと次世代の車両構造技術を融合した「マツダ魁CONCEPT」が世界初公開。マツダが次世代のクルマ造りを具現化したコンパクト・ハッチバックだ。そして、将来のデザインビジョンを示した「MAZDA VISION COUPE」はマツダらしいエレガントな佇まいを醸し出す。

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また、発売日が12月14日とアナウンスされている3列シートのクロスオーバーSUVであるCX-8も展示されていた。

 

ガソリンエンジンならではの伸びの良さと燃費やトルク・レスポンスに優れたディーゼルエンジンの特徴を融合させたSKYACTIV-X。SPCCI(Spark Controlled Compression Ignition)というマツダ独自の燃焼方式によって、ガソリンエンジンで圧縮着火を制御する技術の実用化に初めて目処をつけた。そのメカニズムは、まず既存のガソリンエンジンより燃料の薄い混合気を圧縮し、その後スパークプラグで膨張火球炎を作りシリンダー内の混合気をさらに圧縮。すると混合気が急速かつ同時多発的に燃焼する。この火花点火と圧縮着火のシームレスな切り替えで圧縮着火の成立範囲を大幅に拡大できたことで動力性能と環境性能を妥協なく両立している。

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魁CONCEPT

20171030_hayashi_LV_08↑SKYACTIV-Xだけでなく、次世代車両構造技術「SKYACTIV-VEHICLE ARCHITECTURE」も採用することで洗練された走行性能の実現も目指すハッチバックモデルとなっている

 

VISION COUPE

20171030_hayashi_LV_09↑エレガントで上質なスタイルを伸びやかな4ドアクーペとしまとめた「VISION COUPE」。さらに、シンプルなフォルムながらマシンとしての性能の高さを感じさせるシルエットだ

 

 

電動化技術だけでなく内燃機関のブラッシュアップによって、それぞれを適材適所で展開するマルチソリューションが地球環境に対するマツダの回答だろう。