寒い時期もあったか、ぐっすり眠れる優れモノ!マットレス・布団選びがカギを握る、快眠メソッド

春が近いとはいえ、まだまだ夜は寒い今日このごろ。手足が冷えて寝付きが悪い、温かい布団の中から抜け出せず、朝起きるのがつらい……など、寒さによって睡眠の質は低下しがちに。そこで、快眠できるように手助けしてくれるマットレスや布団を5つご紹介!

 

内から外からサポートして、睡眠の質を上げよう

一般的に室温が15℃以下になると、寒さで睡眠の質が落ちると言われている。それは、手足が冷えやすくなるから。人は深部体温(身体の中心の体温)を手足へ放熱して睡眠を促すホルモンを分泌する。しかし手足が冷えていると熱を放散できず、深部体温を下げられなくなり、寝付きが悪くなってしまうのだ。

 

しかも深部体温は、日中に比べて活動量が落ちる夜はどんどん下がっていく。したがって、睡眠の質を上げて快適な眠りをゲットするためには、冬は特に、就寝前に身体を適度に温めることが重要になってくる。

 

体内は寝る準備が万端に整っていても、しっくりくる寝姿勢を確保できていなければストレスに……。寝起き時、しっかり寝たのに疲れが取り切れていない、肩や腰が痛いなどの場合は、一度マットレスを見直してみてほしい。好みの硬さのものを使っていたとしても、体格・体型に合っていない可能性がある。

 

たとえば、柔らかな寝心地が魅力の低反発マットは体重が重いと(50キロ以上)身体が沈みすぎて、逆に腰に負担がかかることも。良質な寝姿勢を保つには、身体の1点に負荷が集中しないようなマットレスを選ぶことが大切だ。体圧分散性に優れ、自分に合った寝姿勢が保持できるマットレスを吟味してみて!

 

【マットレス】真冬は温かく、真夏は涼しく最適な温度・湿度を担保!

カドー
マットレスギア FOEHN GRASS
実売予想価格9万9000円(シングル)〜 ※2025年4月発売予定

 

布団内を快適な温度・湿度に調節する「インテリジェンス送風温度制御」を搭載。冬場はヒーターで床暖房のように寝床をホカホカに温め、快適な温度・湿度を保てる。夏は空気循環でムレを防ぎ、年中快適な睡眠環境が手に入る。

 

【SPEC】●消費電力:約180W ●サイズ展開:4サイズ(シングル・セミダブル・ダブル・クイーン) ●サイズ:W100×D195㎝(シングル)

↑布団乾燥機能も搭載している。55℃の温風でダニや余計な湿気を取り除き、清潔な状態で使い続けることができる

 

↑8層レイヤーで体圧分散し、身体を立体的にサポート。圧力による疲れを軽減しながら、快適な睡眠を維持できる

 

【ココがGood!】季節に応じた最適解の睡眠が実現!

「普段使っているマットレスや床の上に設置するだけで、季節に応じた快適な温度・湿度で眠れます。ダブルサイズ以上は左右で温度を変えられて、寒さの感じ方が異なる夫婦にもオススメ!」(編集部)

 

【マットレス】睡眠環境のサポートに特化した新感覚のマットレスギア

nishikawa×ドクターエア
3Dエアストレッチマット リッチスリープ
実売価格7万9860円

 

独自のエアバッグによるストレッチ体感ができる機能と、体圧分散で睡眠中の身体の負担を軽減する高性能マットが融合。睡眠前は姿勢をサポートし、起床時は身体の活性化を促すストレッチモードを搭載している。

 

【SPEC】●定格消費電力:36W ●タイマー機能:約10分 ●最大適応体重:約120㎏ ●サイズ/質量:約W97×T3.8×L195㎝/約5㎏(マットのみ)

 

↑プログラミングされたエアバッグの動作と空気量により心地良くストレッチができる。マットは体圧分散で体の負荷を軽減

 

↑日々の動きで姿勢が歪みがちに。就寝前にそれを整えることで理想的な寝姿勢へと導き、 心地良い睡眠時間を実現する

 

【ココがGood!】正しいストレッチをすると睡眠の質が変わる

「就寝前、起床直後に適切なストレッチをすると身体が整うのを実感! コチラは睡眠前後のストレッチ環境をバックアップしてくれるだけでなく寝心地も良く、QOL爆上がりです」(編集部)

 

【マットレス】低反発と高反発のMIXで、まるで雲の上かのような寝心地

コアラスリープジャパン
コアラマットレス SUPREME
実売価格14万9900円(シングル)〜

 

日本の気候やライフスタイルを徹底的にリサーチして開発されたマットレス。低反発と高反発を組み合わせた独自の高密度ポリウレタンフォーム「クラウドセル」を従来品より40%増量し、より贅沢で快適な寝心地を実現している。

↑トッパー裏表で好みの硬さを選択可能。どちらも7つのゾーニングサポートが正確に体圧を分散し、快適な寝姿勢へと導く

 

↑マットレスカバーはリバーシブル仕様。冬と夏で使い分けできる。冬面はふんわりとしたテンセル リヨセル素材に

 

【ココがGood!】マットレス迷子にオススメの逸品

「低反発と高反発のいいとこ取りで、体圧分散性がかなり優秀。自分に合った硬さがイマイチわからない方でも、最適な寝姿勢を開拓しやすいと思います。好みで硬さを選べるのも◎!」(編集部)

掛け布団

【掛け布団】独自開発素材を採用した、3WAYのハイスペック掛け布団

ブレインスリープ
ブレインスリープ コンフォーター パーフェクト ウォーム デュアル
実売価格5万5000円〜(シングル)

 

掛け布団と毛布を2枚合わせにしたデュアル構造が特長。掛け布団には一般的な粒わたの290%超の吸湿発熱力を持つ独自の粒わたを採用している。3WAYで使えるが、極寒期は2枚重ねで使用すると空気層ができて断熱効果が高まる。

↑毛布には吸った湿気を温かな熱に変換する独自素材が使われている。掛け布団と毛布を重ね使いすれば、冬の最強寝具に!

 

【ココがGood!】3通りの使い方ができて掛け心地も最高!

「秋冬春と適応可能な高クオリティの掛け布団と毛布がセットに。2枚合せても、1枚でも使い分けできるので、かなりコスパ良く快眠環境を得られます。羽毛布団のような掛け心地も魅力」(編集部)

 

【敷きパッド】身体から発する水分で発熱し、温かさを朝までキープ

ミズノ
ブレスサーモ敷パッド(シングル)
実売価格1万2100円

 

独自開発の吸湿発熱素材「ブレスサーモ」を中綿に30%含有した敷きパッド。身体から発生する水分を吸収して発熱し、その空気を繊維間に取り込んで保温する。3層構造の特別設計で、眠っている間も温かい状態で寝床をキープしてくれる。

↑吸湿性能が優れており、汗をかいてもムレを抑える。洗濯機で洗えるのもうれしい。カラーはグレーとブラウンの2色展開

 

【ココがGood!】NO暖房でもポッカポカ。温かく眠れる

「暖房をつけて寝なくても十分なほど温かく、朝まで気持ち良く眠れます。じわじわ温まる床暖房の上で寝ているような、そんな気持ち良さがありました。光熱費の節約にも一役買いそう!」(編集部)

 

※「GetNavi」2025月2・3月合併号に掲載された記事を再編集したものです

洋服の青山×ミズノがコラボ! シューズ用ポケットを備えたビジネスリュック「SPLIT-STRAP デイバッグ」

青山商事とミズノは、シューズ収納ポケットを備えたビジネス向けバックパック「SPLIT-STRAP(スプリットストラップ)デイバッグ」を共同企画し、1月23日(木)から洋服の青山店舗および公式オンラインストアで発売しました。実売価格は1万5290円(税込)。

「SPLIT-STRAP デイバッグ」

 

記事のポイント

2020年からスタートした青山商事とミズノのバックパックのコラボ企画は今回で6回目。これまでの“ビジネス特化”から視点を変え、シューズ収納ポケットを用意したイマドキのバックパックとなっています。収納力が高く、ジム通いや出張、旅行まで幅広いシーンで使えるバッグです。

 

本製品は、ビジネスシーンだけでなくプライベートでも使えるバックパック。バッグの下部分にシューズ1足が収納可能なスペースを備えることで、仕事終わりのジムなど荷物が多い日でも安心な仕様となっています。さらにフロントにはペットボトル4本分の大容量ポケットを用意し、出張や仕事終わりのジム、旅行など、シーンを選ばずマルチに使えます。

シューズ収納ポケットを搭載

 

ショルダーベルトには、ミズノがスポーツ用バッグに搭載し、特許を取得している「SPLIT-STRAP(スプリットストラップ)」を継続採用。左右2つに分割した独自構造により、重量感が分散され肩への負担を軽減(ミズノ従来品比)することに加えて、この分割したクッションが肩のさまざまな動きに対応しフィット感を向上させます。

「SPLIT-STRAP」の特徴

 

また、ショルダーベルトに備え付けているDカンストラップには使用されなかった硬式野球ボ―ルの革を、ポケット内側の一部に競泳水着の生地廃材を使用するなど環境にも配慮した商品です。

Dカンストラップに硬式野球ボール用革材を再利用

 

このほか、内部に15インチ対応PC専用ポケットを装備。背中部分にはキャリーケース用ベルトを搭載しています。

15インチ対応のPC専用ポケット

 

 

■青山商事担当者コメント

新社会人となる世代のお客様からは仕事にも、その後のプライベートにも使えるようなバックパックが欲しいという声が寄せられています。昨今仕事終わりにジムに行かれる方も増えてきており「専用のシューズを持っていきたいけど手荷物は増やしたくない」そんなお悩みも解決できるバッグがあればと思い企画しました。これまでにはない新たな視点でフレッシャーズの方にも使いやすいよう収納の多さにも拘りました。表地裏地に使用しているポリエステル素材には撥水加工を施しているため汚れや急な雨にも安心です。

 

■ミズノ担当者コメント

2020年からビジネス対応のバッグの共同企画をさせていただいておりますが、今回は新たにフレッシャーズ向けのバックパックを企画しました。今回の商品はビジネススーツだけでなく、ジャケット&スラックスにもコーディネートしやすいアイテムになっています。容量も約25ℓと1泊の出張やジム通いにも対応可能です。ビジネス以外のプライベートでもご使用いただけます。

 

青山商事
「SPLIT-STRAP デイバッグ」
2025年1月23日発売
実売価格:1万5290円(税込)

「ビギナーはハイテクを選んではダメ」ランシュー初心者が知るべき4つの条件とオススメモデルをプロが伝授!

箱根駅伝やニューイヤー駅伝の影響もあり、巷でもハイテクランニングシューズは話題となっているが、これから走り始めようとしているランニング初心者はそういったシューズを選ぶべきではない。本稿ではランニング初心者が選ぶべきシューズを5モデル紹介する。

 

ビギナーが選ぶべきシューズの特徴とは?

1.着地衝撃吸収性に優れていること

歩行時の脚部にかかる衝撃は体重の1.2~1.5倍程度なのに対し、ランニング時のそれは体重の3倍程度といわれている。それだけに脚力の充分でないランニング初心者が選ぶべきシューズは着地衝撃吸収性、すなわち優れたクッション性を持っていることが不可欠。

 

2.安定性に優れていること

上級者向けシューズは着地してから素早く蹴り出せるように、安定性はそれほど重視しされていない。その点、初心者は着地にぐらつきが感あるとケガや故障の原因となるので、安定性に優れたシューズを選びたい。

 

3.足にフィットしたシューズを選ぶこと

幅が広い、甲が高い、踵が狭いなど、人間の足の形状は千差万別。それだけに足とシューズのフィットはとても重要なので、購入するときは必ず試し履きをしたほうがいい。一部のモデルは足長だけでなく、ワイドタイプなどできるので適したものを選ぼう。

 

4.適度な反発性があること

ランニング初心者にとって最も重要なのは脚部の保護性能だが、それだけを重視したシューズで走っていると、ランニングの楽しさを感じられないのも事実。保護性能にプラスして適度な反発性能も備えたシューズのほうがモチベーションをキープできる。

 

ビギナーが履くべきシューズはコレ!

【その1】トータルバランスに優れたお買い得な1足

アディダス

スーパーノヴァ ライズ

1万5400円(税込)

日本のランニングシーンにおいて、アディダスのランニングシューズで真っ先に想起されるのは「アディゼロ」シリーズで間違いないであろう。一方で初心者にとってアディゼロシリーズはハイスペック過ぎるところもあったが、「スーパーノヴァ ライズ」は、クッション性、安定性、反発性の絶妙なハーモニーにより、ビギナーから中級のランナーまであらゆるレベルのランナーに対応してくれる。

 

ミッドソールには、新フォーム素材のDREAMSTRIKE+(ドリームストライクプラス)を採用。これはアディダスのハイパフォーマンスシューズに採用されているLIGHTSTRIKE PRO(ライトストライク プロ)にインスパイアされ、さらなるアップデートを施して開発された素材で、より効率的に着地衝撃を緩和できるようになった。加えて、アウトソールにEVA素材の「サポート ロッド システム」を組み込んでいるのも大きな特徴。これはランニング中の足の動きから着想されたテクノロジーで、高いサポート性と着地から蹴りだしまでのスムーズな体重移動を絶妙に両立している。

 

個人的にもアディダスのスーパーノヴァ ライズは2024年に最も履いた回数の多いランニングシューズのひとつ。トータルバランスに優れた1足なので、何度履いて走っても飽きがこなかった。1万5400円(税込)というリーズナブルなプライスもうれしい。

 

【その2】前作譲りの優れた走行性能に安定性をプラス

ニューバランス

フレッシュフォーム エックス 1080 v14

1万9800円(税込)

ニューバランスの1080シリーズは、初代モデルが2011年に登場して以来、同ブランドを代表するランニングシューズのひとつとなった。着地時に脚が極端に内側に倒れ込むことのないニュートラルランナーに向くモデル。前作「フレッシュフォーム エックス 1080 v13」は、柔らかいミッドソールを採用することにより、フワフワした走行感で大ヒットした。

 

大ヒット映画の続編が期待外れに終わることも少なくないが、今作はどうなのか……? 「フレッシュフォーム エックス 1080 v14」は、そんな不安を払拭するような完成度。単一フォームに凸凹のハニカム構造を融合させ、フレッシュフォームのミッドソールの硬度が上がったことで、特に着地安定性が大幅にアップ。前作はミッドソールの柔軟性を強調するために、中級以上のランナーからは「もう少し安定性があれば……」という声も聞かれたが、カチっとした着地安定性を提供することに成功しており、実際に履いたシリアスランナーからの評価も高い。ビギナーで特にクッション性と安定性を求めるランナーには特にオススメしたい1足だ。

 

【その3】昔ながらのベーシックな走り心地が嬉しい

ブルックス

ゴースト16

1万7600円(税込)

各ブランドがランナーを効率よく、楽に走らせるための機能競争をエスカレートさせることにより「最近のランニングシューズは目新しい機能を付けすぎて自分の足で走っている気がしない!」という声を聞くようになった。そのような状況で、いい意味で昔ながらの走り心地をキープしているのが、ブルックスの「ゴースト16」だ。ゴーストは、ブルックスというブランドのみならず、ランニングシューズ業界全体でもベストセラーの一角を占めるほどの人気シリーズ。あらゆるレベル、様々なタイプのランナーに対応してくれる汎用性の高さでも知られている。

 

第16弾となる今作は、ミッドソール素材に液化窒素ガスを混ぜ、臨界発泡させて成型したミッドソール素材「DNALOFT v3」を採用。これまでの同シリーズよりもソフトな走行感にアップデートされているほか、同シリーズ特有のバランスの取れた走り心地はしっかりとキープされている。一方、ミッドソールの硬度は柔らかくなったが、無駄な沈み込みはないので、安定性はしっかりと確保。最近トレンドのフワフワとした感触のシューズもいいが、初心者には走りの基本を習得しやすいゴースト16のようなトラディショナルなモデルもオススメだ。

 

【その4】シーズン毎に機能性アップを続けるロングセラー

ミズノ

ウエーブライダー28

1万6500円(税込)

ランニングシューズ業界でも屈指のロングセラーとなっているのが、ミズノのウエーブライダー。第28弾モデルは、ミッドソールをボリュームアップかつ硬度を柔らかくすることで、クッション性を強調した走り心地となっている。ミッドソールはMIZUNO ENERZYとMIZUNO ENERZY NXTを組み合わせることで、前作より反発性が15%、クッション性を20%向上させることに成功。それでいてウエーブプレートがミッドソールに内蔵されていることで、走行安定性も疎かになっていない。

 

以前からウエーブライダーを履いてきたランナーからすると、「ウエーブライダーなのに随分とボリューミーになったなぁ……」と思うかもしれないが、ウエーブライダーらしさはしっかりとキープしている。軽量性を追求することで「一昔前のランニングシューズと比較すると、どのブランドのシューズもアウトソールやミッドソールの耐久性が落ちたのでは⁉︎」という声を聞くことも増えたが、このウエーブライダー28の耐久性は心配なし。そういった意味では1足のシューズで、できる限り長い期間走りたいというランナーにも最適なセレクトとなるだろう。

 

【その5】長い距離を楽に走りたいランナーに最適

ヨネックス

カーボンクルーズXR

1万9800円(税込)

ヨネックスといえばバドミントンやテニスのイメージが強く、「ランニングシューズを展開しているの⁉︎」と驚く人も少なくないだろう。しかしながら、最近リリースされたプロダクトは、多くのランナーから支持され、その走行性能が評価されている。

 

今秋リリースされた「カーボンクルーズXR」もそのひとつ。ミッドソールにヨネックス独自開発の衝撃吸収反発素材「パワークッション プラス」を内蔵。ミッドソールの厚さが40mm以上という厚底クッション設計により、高い保護性能を実現するとともに、フラット形状のカーボンプレート「3Dパワーカーボン」を組み合わせ、筋肉負担軽減と優れた走行安定性を実現している。超厚底ながら安定性もしっかり確保しており、クッションによる高反発を好み、デイリーランやフルマラソンを思い切りエンジョイしたいというランナーに最適な1足。その快適な走行感により、ランナーに「いつまでも走っていられる!」と思わせるプロダクトとなっている。

 

ラケットスポーツで培ったカーボン加工技術をランニングシューズにも応用したカーボンクルーズ XR。初心者のランニングを、より一層楽しいものとしてくれるのは間違いない。

 

 

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ミズノの「スムーズ スピード プロジェクト」はステージ2へ突入。ジョグに注力したニューモデル「MIZUNO NEO VISTA」を発表

ミズノが2022年から始めている「SMOOTH SPEED PROJECT(スムーズ スピード プロジェクト)」はステージ2へ。「ジョグこそがスピードを生み出す」をコンセプトに、6月14日11時より発売されるジョグやスピード練習に適したニューモデル「MIZUNO NEO VISTA(ミズノ ネオ ビスタ)」が発表されました。

 

ゼロベースで「スムーズなランニングとは何か」を追求するプロジェクト 

1906年に創業者の水野利八氏が大阪で水野兄弟商店を始めてから、110年を超える長い歴史の中で数多くのプロダクト、テクノロジーを開発してきたミズノは、2022年より「スムーズ スピード プロジェクト」を推進しています。それは「スムーズなランニングとは何か」を考え、既成概念にとらわれずゼロベースですべてやる、いいことがあったら全部取り入れる、そんなプロジェクトです。

 

2022年にはプロジェクトの第1号商品として、フルマラソンではなく、ハーフのショートディスタンスで圧倒的な力を発揮するプロトタイプ「WAVE DUEL PRO(ウエーブ デュエル プロ)」を発表しました。以降、「デュエル プロ」をフルマラソンまでアップデートした「WAVE REBELLION PRO(ウエーブリベリオン プロ)」。2024年には、よりスピーディにアップデートチューニングした「WAVE REBELLION PRO 2(ウエーブ リベリオン プロ 2)」が発表されました。

 

「REACH BEYOND」のフィロソフィーの元、気合と愛情で突き進む

「『リベリオン プロ』が中心にあるスーパーシューズの開発はステージ1。このステージはどんどん続いていきますが、もう一つ新たな動きをします。それがレースシューズ開発で培った革新をデイリーランニングに持ち込む、それこそ今日のメインプロダクトとなるジョグにこだわった新モデルMIZUNO NEO VISTAです」と、今回の発表会で力強く語ったのは、シューズ企画担当の青井俊輔氏です。

↑自宅にはミズノのシューズ400足以上を所有する“ミズノ愛”に溢れる青井氏

 

ミズノのフィロソフィーには「REACH BEYOND」があります。これは「絶対に立ち止まらない。満足しない。とにかく次に進み続ける」という精神のもと、全社員が気合とミズノへの愛を持って「スムーズ スピード プロジェクト」を突き進めています。

 

「この2年少しの間にさまざまなプロダクトを出してきましたが、どれも非常に良好なセールスを記録しています。その間に我々は、2つのことをしてきました。素材の改革、それから構造の改革です」(青井氏)

↑なかでもスムーズな走りを生む底面構造は特許を取得、他社は決して真似ができない

 

素材では、これまで「Mizuno Enerzy(ミズノ エナジー)」という柔らかく、高反発な素材をランニングシューズに採用していましたが、今回はクッション性、E-リターン(高反発)、そしてライトネス(軽量性)の3つの重要な要素をバランス良く合わせ持った新素材「Mizuno Enerzy nxt(ミズノ エナジー ネクスト)」が採用されています。

 

また、この素材をソール全面に単に使うだけではなく、超大ボリュームで今回搭載しました。その厚みは前足部36.5ミリ、後足部にいたっては44.5ミリ。大ボリュームで新素材を使うことで、柔らかくて脚にかかる負担を軽減し、さらにエナジーリターンが強くて反発、推進力を感じることができます。

 

このことにより、以前発売されたシューズ「Wave Neo Ultra(ウエーブ ネオ ウルトラ)」と比較すると,クッション性でかかとが54%増、そして前足部が83%増し、柔軟な接地で脚にかかる負担を軽減します。

↑前足部では同社比83%もの負担を軽減。大ボリュームでも素材は軽量で片足265g(27.0cm)と軽量化も成功

 

また、2層構造のソールの間には、1997年にトタン屋根の波型から着想し開発され、同社の定番中の定番シューズ「WAVE RIDER(ウエーブ ライダー)」に28年間もの間に渡って採用されている「MIZUNO WAVE(ミズノ ウエーブ)」の改良版を搭載することで、高い安定性も実現しました。

↑前に進む推進力の指標となるエナジーリターンは後足部で35%、前足部が60%アップしている

 

他社の追随を許さない革新的な特許構造

革新的な素材の開発に続いて、他社では絶対に真似ができない同社独自の機能が、特許を取得している特徴的な底面構造、「SMOOTH SPEED ASSIST(スムーズ スピード アシスト)」です。

 

「『ウエーブ リベリオン プロ』から受け継いだこの構造は特許を取得しています。この特許構造がもうズバリ、楽に走れちゃう。これだけはもう他社さんがどんなに頑張っても特許で守られていて真似できない。我々独自のポイントになります」(青井氏)

 

ソールの支え台構造が、スムーズな走りを生み出す脚の角度維持をサポートします。その仕組みをシーソーに例えています。「スムーズ スピード アシスト」が搭載されているシューズは、足関節の回転運動における支点と作用点の距離、これを短くすることができます。短くすると力点にかかる力、これを低減させることができます。これが、マラソンディスタンスにおけるすべての歩数の中で発生してくるがゆえに、下腿三頭筋の伸張性収縮の一般的な指標とされる「底屈トルクの負の仕事」を低減することができるのです。

↑特許を取っている底面構造により、走行時常に最適な角度を維持することで、体重移動をサポート

 

「リベリオン プロ」では履いた時のシューズの中での足の角度は11度となっています。これは時速20キロ、マラソンでキロ3分ぐらいで走る高速ランナーに最適な立地の角度でした。今回の「ネオ ビスタ」が標準としたのは時速12キロ。キロ5分で走る際に理想的に支えることができる角度を追求した結果、5度に設定されています。

↑「リベリオン プロ」(左)はしっかりかかとが上がっているのが特徴。今回の「ネオ ビスタ」とは見た目にも大きく違う

 

「ふくらはぎがめちゃめちゃ楽になる。トレーニングで最後まで脚を残すことができ、ハードなトレーニングをして、また次の日もそれをこなすことができる。そういったところに繋がってくる機能になります」(青井氏)

 

箱根10区を区間賞で走るパワーを持ったホールド感 

アッパーには「WAVE DUEL NEO(ウエーブ デュエル ネオ)」で採用されたワンピースニット構造が採用されています。これは2020年の箱根駅伝10区、創価大学の島津雄大選手が区間賞を獲得した時に履いていたシューズとしても知られています。

 

「非常にしなやかでありながら高いホールド感。箱根10区を区間賞で走るパワーを持ったこのホールド感を生かしながら、デイリーランニングにも生かせるようによりしなやかに柔らかく開発。そして通気性を高める、履きやすくする、さまざまな改良を加えて今回のニットアッパーにたどり着きました」(青井氏)

 

現在はGMOインターネットグループで活躍する島津選手は「ネオ ビスタ」の開発にも携わっており、今回は動画メッセージが紹介されました、

↑「キロ6分ぐらいのジョグから、ハイペースの3分30ぐらいのレース走まで、幅広く使っています」と島津選手

 

「普段の練習だったり、ちょっと負荷を高めて少しハイペースで走ろうと思うときにも役立ちます。パーソナルでフルマラソンに出る方もいると思いますが、そういう場合でも『スムーズ スピード アシスト』がサポートしてくれて、結構スピードも出しやすいシューズだと思います。もちろんクッション性も優れているので、足の負荷という点も軽減できます。なので、練習からレースまで履くことを考えると市民ランナー、一般ランナーの方におすすめしたいシューズ」と、ネオ ビスタをどのような人にすすめたいかを語りました。

 

デイリーランナーからエリートランナーまで幅広く対応。次なるステージは……

ネオ ビスタはランを楽しむデイリーランナー(サブ5.0~/1キロあたり約7秒)、記録向上を目指すランナー(サブ3.0~4.0/1キロあたり約4秒15~5秒45)、さらにはエリートランナー(~サブ2.5/1キロあたり約3秒30)まで、幅広い層に対応しています。

↑メンズのほかに、ウィメンズ、ユニセックス(写真)の3モデル。価格はどれも2万2000円(税込)

 

「『ミズノ ネオ ビスタ』のネオは『新しい』、ビスタは『眺望』を意味します。見たことない景色を一人でも多くのランナーの方に、このシューズを通じて見られるかもしれない。実際に見ていただきたい。我々ミズノ自身も新しい世代にどんどん生まれ変わっていきます。そして『ミズノネオ』は単発では終わりません」(青井氏)

↑ステージ2に入った「スムーズ スピード プロジェクト」はさらに次のステージも用意されている

 

「ステージ1はスーパーシューズ、ステージ2ではスーパートレーナーを作りました。では次はなんだ? やはりステージ3があるんです。デイリートレーナーをここに持ち込んでいきます。近いうちにこのネオ ビスタの機能を持った、もう少しお買い求めやすい価格で、よりさまざまな方に使っていただけるモデルがどんどん出てくるので、ぜひ期待をしていただけたらと思います」(青井氏)

 

「ミズノ愛」と「REACH BEYOND」の元、次はどのような革新を見せてくれるのでしょうか。今後の「スムーズ スピード プロジェクト」からも目が離せません。

 

 

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落ち着いた柔らかな印象のカラーリングが素敵!「イル  ビゾンテ×ミズノ  スカイメダル」

ルックが展開するイタリア・フィレンツェ発バッグ・革製品ブランド「イル  ビゾンテ(IL BISONTE)」は、総合スポーツ用品メーカー「ミズノ(MIZUNO)」とコラボレーションしたスニーカー「イル  ビゾンテ×ミズノ  スカイメダル(IL BISONTE  ×  MIZUNO SKY MEDAL)」を、4月12日より発売します。

 

程よいスポーティ+都会的な印象

第4弾となる今回は1990年にトレーニングシューズとして登場し、現代ではファッションスニーカーとしての地位を築き上げた「スカイメダル(SKY MEDAL)」と第1弾以来のコラボレーションが実現。

↑「IL BISONTE × MIZUNO SKY MEDAL」1万9800円(税込)

 

ミズノの象徴“ランバード”マークにイル  ビゾンテの代名詞“ヌメ革”を配置。グレージュのトーン on トーンで細部まで配色にこだわり、落ち着いた柔らかなムードを演出しています。シュータンには初の試みであるイル  ビゾンテのロゴ刺繍を施し、ヒール同様に敢えて粗めのスエードをセレクト。程よいスポーティなイメージに、カジュアルかつ上質なエッセンスが加わり、都会的な印象に昇華しています。インソールには両ブランドロゴをプリントし、キャッチーなオレンジのカラーを配しています。

↑ボリュームのあるソールは、発売当時革新的であったテクノロジー“TRANSTAB(トランスタブ)”  を最新の機能素材を使ってアップデート。クッション性や反発弾性、そして安定性をテーマに開発されました

 

 

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テーマは“反発”!ミズノの「WAVE REBELLION」シリーズの進化が止まらない!

駅伝シーズンへ向けて選手たちが着々と調整を進めている一方で、この時期は各メーカーから多くの新製品が出てきます。そのようななかミズノは12月、2024年春夏新製品ランニングシューズ発表会を東京都内で開催し、「WAVE REBELLION(ウエーブリベリオン)」シリーズの第2弾、3モデルを発表しました。

 

「WAVE REBELLION」シリーズ、注目の第2弾が登場

現在、高反発ソールがシェアを広げているランニングシューズ市場ですが、こうしたなかでミズノの主力商品として位置付けられているのは、2023年1月に初代が登場したWAVE REBELLIONシリーズ。今回は、その後継モデルとして「WAVE REBELLION PRO 2(ウエーブリベリオンプロ2)」、「WAVE REBELLION FLASH 2(ウエーブリベリオンフラッシュ 2)」、「WAVE REBELLION SONIC 2(ウエーブリベリオンソニック2)」がそれぞれ発表されました。

 

本発表に際して、ミズノ コンペティションスポーツ事業部マーケティング部部長の太田友宏氏は、「革命的な製品でお客様にアプローチしていきたい」とコメント。第2弾のテーマは「反発」とのことで、「スピードランナーが求める反発を高い次元で今回レベルアップしています」と力を込めました。

↑コンペティションスポーツ事業部マーケティング部部長の太田氏

 

シリーズ最大の武器は前作と同様、「SMOOTH SPEED ASSIST(スムーススピードアシスト)」機能。同社グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課 課長の青井俊輔氏によると、実際にシューズを着用した選手からは、「短距離のスターティングブロックをずっと足の下につけている感じ」という驚きのフィードバックも得られたそうです。

↑グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課 課長の青井氏

 

踵から着地し前足部に抜けていくヒールストライク走法ではなく、前足部から中足部で着地するフォアフット走法にあわせて設計されたスムーススピードアシストは、中足部のソールを分厚くすることにより、踵の落ち込みを抑えるだけでなくシューズからの反発が得られ、ふくらはぎ周りにかかる筋肉の負担を軽減する効果も期待できます。

 

フルマラソンサブ2.5を目指すレース用トップモデル!

前作「WAVE REBELLION PRO」では、選手から高い評価が得られた一方、「1キロ3分を超える走行スピードでもう少し反発が欲しい」という意見も寄せられ、今回そのフィードバックを得て開発されたのが、WAVE REBELLION PRO 2です。その主なアップデートポイントは、3つあります。

↑「WAVE REBELLION PRO 2」2万5300円(税込)。約215g(片足27.0cm)、2023年12月22日発売予定

 

1つ目は、トップミッドソールに搭載されている独自の高反発ミッドソール素材「MIZUNO ENERZY LITE+(ミズノエナジーライトプラス)」の搭載量を約32%増やした点で、足入れをした瞬間により柔らかいクッション感が得られます。

 

2つ目の変更点は、設計を大きく見直したカーボン入りナイロンプレート「MIZUNO WAVE」の形状。前足部に突起を設けた今作は、中足部の左右が羽状に巻き上がった設計へと変化しており、これら2つの複雑な立体構造を組み合わせることによって、前作のプレートと比べて曲げ剛性が600%アップしました。

 

最後に3つ目は、すでに前述したスムーススピードアシストで、フォアフット走法のランナーが1キロ3分のスピードで走った際に、よりしっかりと踵の部分が地面につくよう角度を調整し、効果がより得られるように仕上げられています。

↑カーボン強化ナイロンプレートを内蔵(ミッドソール黒い部分)。最厚部分で66.6mmの厚みのあるソール(27.0cmの場合)

 

その他にも、接地面積の向上で安定感が増す設計となったアウトソール「G3」。エリアごとにデザインを変えたミッドソール素材、軽量化を追求したヒールカウンターの構造など、スピードランナーをサポートするために多くのアップデートが施されました。

↑前作でセパレート構造だったミッドソールは、繋ぎ合わせた形状へと変更されています

 

「国内外問わず選手に着用いただいている状況が生まれてきております。引き続きスムーススピードアシストという独自の機能を打ち出すことによって差別化を図り、すべてのランナーの自己ベスト達成をサポートしていきたいと考えております」(同社グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課の川西広朗氏)

↑グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課の川西氏

 

スピードを追求し、サブ3を目指すランナーへ

「3分40秒という走行スピードにおいて、我々のスムーススピードアシストがいい結果を出しました。これをより多くのランナーの方に届けたい、より幅広い方々に反発を届けたい、というのが『REBELLION FLASH』に課された使命です」。青井氏がそう語る今回のWAVE REBELLION FLASH 2は、前作と全く違うシューズに仕上がりました。イメージとしては、初代WAVE REBELLION PROを少しチューンナップしたような一足です。

↑「WAVE REBELLION FLASH 2」1万8700円(税込)。約245g(メンズ片足27.0cm)、2024年1月19日発売予定

 

こちらも主なアップデートポイントが3つありますが、最も大きいのは、スムーススピードアシストが搭載された点。フルマラソンを3時間未満で走る「サブ3」から4時間未満で走る「サブ4」まで、幅広いランナーに向けたマイルドな設計となっており、初代「PRO」を好んでいた方にもおすすめのモデルです。

 

2つ目は、トップミッドソールを「MIZUNO ENERZY LITE(ミズノエナジーライト)」からミズノエナジーライトプラスに変更したことで、クッション、反発がともに前作から50%以上アップしました。また、ボトムミッドソールには、引き続きミズノエナジーフォームを使用しているため、より柔らかくクセのない履き心地を求める方にマッチします。

↑厚み前足部35.5cm・後足部36.0cm(27.0cm)のソール設計。グラスファイバーで強化されたナイロンプレートを採用しています

 

そして3つ目は、シンプルな形状に進化したMIZUNO WAVE。WAVE REBELLION PRO 2と同じく、こちらも新たに左右の巻き上げ構造を採用していますが、違いとして注目したいのは、そのプレート幅。PRO 2と比べてもかなり幅が広く、安定性に自信がないという方も安心して走れる仕様になっています。

 

その他のポイントとしては、アッパーの主な仕様がPRO 2とほぼほぼ共通していますが、踵の構造が違い、オーソドックスなヒールカウンターを搭載しています。

↑前作のG3アウトソールではなく、あえてラバーを使用している点。これによって柔らかい接地感、よりクセのない接地感を実現しています

 

「前作と打って変わって非常に大きなアップデートをしていると思いますし、このシューズがスムーススピードアシストを今シーズン広げるにあたって非常に大事なシューズだと我々は意気込んでいます」(グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課の松木直人氏)

↑同社グローバルフットウエアプロダクト本部パフォーマンスランニング企画課の松木氏

 

接地感覚を鍛えるジョグ、LSDにもおすすめ

最後に紹介するのは、反発と安定を備えたレーストレーニングモデル、WAVE REBELLION SONIC 2。ランニングを始めてから少し時間が経ち、そろそろスピードを上げて走れるシューズを探している、というランナーにおすすめの一足です。今回は、細部の形状や素材にこだわり、前作から約20gの軽量化(片足27.0cm)に成功しました。

↑「WAVE REBELLION SONIC 2」1万4300円(税込)。約240g(メンズ片足27.0cm)、2024年1月19日発売予定

 

PRO 2、FLASH 2と違い、スムーススピードアシストは採用されていませんが、さまざまな使い方ができる便利な一足です。上位レーシングシューズと併用し、接地感覚を鍛える使い方もおすすめ。クッション性と反発性のバランスに優れたミッドソール素材ミズノエナジーフォームは、より軽やかな走りをサポートします。前足部24.0cm・後足部32.0cm(27.0cm)の程よい厚みです。

 

また、ミズノランニングの基幹モデル「WAVE RIDER 27」と同じ足型を使用しており、中足部から踵にかけてのウエーブプレートの形状も、同モデルをほぼ踏襲しているため、ライダー27からの履き換えを考えている方は、違和感なく移行していけるかもしれません。

 

2022年には、「SMOOTH SPEED PROJECT」を立ち上げ、スピードランナーの快適な走りを追求してきたミズノ。「『今までランニングシューズをこう作ってきました、その延長で物を作ります』ってことは絶対にしない」と青井氏が話している通り、既存のやり方に囚われず、ランナーのために革新的なシューズを開発し続けています。

↑WAVE REBELLION 2シリーズ。気になった方は、ぜひ一度足を通してみてはいかがでしょうか

 

 

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上りも下りも快適!!「ウエーブライダー27」は大人のクルージングモデル/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす!ランニングシューズ戦線異状なし

2023「ミズノ」秋の陣②「ウエーブライダー27」の巻(後編)

 

日本が誇る総合スポーツカンパニー、ミズノ。このミズノを代表するランニングシューズと言えば「ウエーブライダー」である。軟らかで、かつ高反発なミッドソール「ミズノエナジー」が着地衝撃を吸収して推進力に換え、硬質なプレートである「ミズノウエーブ」が走行を安定性させる。ランニング初心者から、42.195㎞のフルマラソン挑戦まで、幅広い走力に応える、まさにミズノのマスターピースである。

 

27代目となる最新ウエーブライダーの注目は、前モデル(26)で行われた“機能”の見直しを踏まえた、“履き心地”のアップデートにある。しかも、競合メーカーもビックリのお値段据え置き1万4850円という戦略的な値付けも話題となっている。

 

今回は、いよいよウエーブライダー27を実際に履いて、その実力を体感するレポートに移る。いつものように、ランニング初心者も含めた4つの目的別“ランナーあるある”のランレポをお届けしたい。

↑ミズノ「ウエーブライダー27(WAVE RIDER)」1万4850円(税込)。サイズ展開:メンズ24.5~29.0、30.0㎝、ウィメンズ22.5~26.0㎝。カラー展開:メンズ、ウィメンズ計10色。ソール厚:前足部25mm /かかと38.5mm。ドロップ(踵と前足部の高低差):13.5 ㎜。重量:280g(27㎝片足)

 

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やはり「ミズノの至宝」は違った! 価格据え置きの英断は自信があるから。/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

 

いよいよ、ウエーブライダー27を試走!

まずは、シューズに足を入れた感覚およびウォーキングのインプレから。次は「運動不足解消」が目的で走る1㎞を約7分(=キロ7分)の、の~んびり走。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分(=キロ6分)の、めらめらペース。最後は、距離ではなく、走り切る爽快感を重視した、1㎞約4分30秒~5分(キロ4.5~5分)の「スカッと走」である。

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感&ウォーキング)】

ミズノがウエーブライダー27のプロモーションで最もチカラを入れるのが、試履き体験。マラソン大会の会場や、その大会が行われる地域のスポーツ量販店にミズノの社員が赴き、シューズの履き方からレベルにあった選び方まで、訪れた人々とのコミュニケーションを通じたプロモーションを計画している。

 

ランニングシューズの正しい履き方は、改めて書くまでもなく、シューレース(靴ひも)を十分に緩めて、かかとに合わせて足を入れ、つま先を軽く上げて馴染ませるところから始まる。ウエーブライダー27のシューレースを丁寧に、きつ過ぎも、ゆる過ぎもせずに締める。すくっと立ちあがり、ミッドソール「ミズノエナジー」のクッションの快適さを感じたら、出来上がりである。

 

なるほど、ウエーブライダー27のかかとのホールド感は、さすがミズノが自信を持って語るだけの快適さ。足首回りを含め、アッパーも優しくフィットしている。一度シューズを脱いで、雑に履いてみると、どーにも違和感が生じる雲泥の差。シューズはちゃんと履こう! と改めて思い知らされる。

 

試しに26に履き替えると、27は同じアウトソールとミッドソールとは思えない“履き心地”だ。“さては、中敷きを換えたか……”と思い、インソール(中敷き)を引き出して、26と27を比べてみたが、色が違うだけで厚みや質感は変化なし。ケチな疑いを持った自分を恥じるほどだ(疑って、スミマセン……)。

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

ウエーブライダー27を履き、軽く前傾姿勢。つま先に重心を移すと、自然にカラダが前へ前へと走り出そうとなる。その理由は、ドロップが12㎜あるから。ドロップは、つま先とかかとの高低差を差すギョーカイ用語。かかと側が12mm高い構造のため、ほどよいドロップによって生まれる前傾姿勢で、カラダが前へ進むのだ。

 

ウエーブライダー27のドロップに導かれるまま、ゆっくり走り出す。ミッドソールの「ミズノエナジー」が着地の衝撃を快適に吸収してくれる。1㎞を7分かけて走る「運動不足解消ラン」のペース。いい感じに全身の筋肉をリラックスさせ、どこにも無理がないペースだ。一緒に走っている人とお喋りしても息も切れない。お散歩替わりのランである。

 

最初はウォーキングから。慣れてきても一気にペースを上げず、心肺機能も、内臓を支える筋膜も、骨や関節や筋肉たちも、ランを自然に受け止められるように慣らしてゆく。これからランニングシーズン初めにもってこいのペースだし、レースをガシガシ走る上級者が大会の翌日などに体調を整えるリカバリー走のペースにも合う。“履き心地”をアップデートしたウエーブライダー27、良い感じだ

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

脚の向くまま、気の向くまま走ったら自然にペースが上がり、1㎞を6分10秒。あくまで筆者の走力での話だが、シューズ設計で想定されたドンピシャのペースでもある。なるほど初心者からマラソン挑戦者まで、ウエーブライダー27の対応レンジの厚さに納得

 

お散歩(走)から、もうちょいペースを上げてもカラダが順応してくると、30分や1時間でもヘッチャラになってくる。そうなれば、体脂肪は腹回りから消え、ランニングのエネルギーへと供出される。という「痩せラン」でも、ウエーブライダー27は快適に走りを支えてくれる。

 

着地衝撃を優しく吸収してくれるミッドソールの「ミズノエナジー」に加え、中足部に内蔵されたプレート「ミズノウエーブ」が走行安定性を確保。内側への過度な倒れ込み(オーバープロネーション)を防止し、かかとの着地衝撃を、前足部の蹴り出しの反発へとアシストしてくれるのだ。と、構造として説明すると難しそうだが、要は、不安なく走れるってコト。

 

試しに、左足にウエーブライダー26、右足に27を履いてみる。(怖いので)歩くだけのつもりが、いつの間にやら「痩せラン」ペースに。機能面を共有しているので似ているけど、やはり違う。クールなお姉さん(兄ちゃん)と、愛嬌のある妹(弟)……(お好きな設定で、妄想ください)。

※インプレ用の走行テストのため、真似して走ることは推奨しません。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

走る目的は、自分に勝つため! 時間がない日の2㎞走の最後の50mだけでも、風を切ってゴール(自宅前)に駆け込みたい。そんな「スカッと走」に、ウエーブライダー27は応えてくれるだろうか?

 

せっかくなので、石畳のあるいつもの坂道へ。上り坂でペースを上げても、ウエーブライダー27はクロスオーバーSUVのようにしっかり加速に追従してくれる。さすが、軽量にして衝撃吸収性と反発性に富む「ミズノエナジー」である。

 

下り坂でも、ビックリの安定性。かかとから足首回りの抜群のフィッティングで、石畳の着地も怖さを感じない。加速によって、地面からの足裏への情報が増えているにも関わらず、安定した走りが得られる(26でも試したが、軍配は27である!)。

 

下り切って、フラットな道に入り、再度の加速。と、ここでの打てば響くような反応性は、残念ながらウエーブライダー27は持ち合わせていない。シューズの設計的にも、ウエーブライダーに採用されている「ミズノウエーブ」の構造的にも当然の反応である。

 

ウエーブライダー27は、打てば響く取り扱い要注意のレーシングタイプではなく、上りも下りも快適にこなす長距離でのクルーズ感を楽しむモデル(もちろんミズノはガチなレーシングタイプのラインナップも豊富だ)。

 

ということで、ウエーブライダー27での「スカッと走」は、上りゴール(もしくは下りゴール)がお薦め。誰かと競り合うのではなく、クルーズ感の延長、余裕で迎える大人のゴールこそ似つかわしい。

 

撮影/中田 悟

 

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やはり「ミズノの至宝」は違った! 価格据え置きの英断は自信があるから。/大田原 透の「ランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”が走って、試して、書き尽くす!「ランニングシューズ戦線異状なし」

2023「ミズノ」秋の陣①「ウエーブライダー27」の巻(前編)

 

“やる気” の全てを溶かし続けてきたモーレツな暑さも、やっと落ち着いてきた。暑さを言い訳に、全てを先送りした結果の腹部周囲は、さすがにヤバっ……。なのに、食欲だけは自分史上、空前の好景気! そんな今、多くの人々が自戒のために始めるのが、シューズを履いて外に出ること。そう、ランニングシーズンの到来である。

 

“世界的巣ごもり”を理由に、走る回数も、距離も控えていた方々も、今シーズンの体脂肪率は待ったナシ。さらに、中止が相次いでいたマラソン大会も、続々と募集を再開し、走らない理由は、どーやら、どーこにも見当たらなくなってきた。

 

と、さまざまな理由で走り始める人々を応援する本連載。今回は、日本が誇る総合スポーツカンパニーのミズノの東京フラッグシップストア「MIZUNO TOKYO」にお邪魔している。普段のトレーニングから、初レース完走などエントリー層のランナーを支え続けているミズノの至宝「ウエーブライダー」が、今年もアップデートされたのである。

↑今回お話を伺ったのは、ミズノのマーケティングチーム斉藤太一マネージャー(左)と加藤利行ディレクター(右)。そして聞き手(中央)は、10年以上ライダーを履き続けている筆者

 

値上げラッシュのご時勢なのに、価格据え置き!

何もかもが値上げのご時勢、並みいる競合も値上げラッシュのなか、価格据え置き1万4850円(税込)という驚異的な大盤振る舞いで、ミズノの「ウエーブライダー27」はギョーカイの話題をさらっている。で、その背景にあるランニングシーンの変化を含め、今回ミズノに話を聞きに伺った。

↑ミズノ「ウエーブライダー27(WAVE RIDER)」1万4850円(税込)。サイズ展開:メンズ24.5~29.0、30.0㎝、ウィメンズ22.5~26.0㎝。カラー展開:メンズ、ウィメンズ計10色。ソール厚:前足部25mm /かかと38.5mm。ドロップ(踵と前足部の高低差):13.5 ㎜。重量:280g(27㎝片足)

 

「コロナ禍前は、人気のマラソン大会には、応募抽選でなかなか出場できない状況でした。現在、マラソン大会の状況がコロナ禍前まで戻らないと思っている人が大半だと思います。たしかに最近では、集客に困っている大会は数多くあります。ただ、ランナーの数が多かったコロナ禍前でも、大会の数そのものが多過ぎて、大会の人気によって集客に大きな差が出ていました」

 

と語るのは、ミズノでランニングを含めた陸上競技などを統括するマーケチームの斉藤太一マネージャーだ。なるほどSNSの発達とともに、大会出場の申し込みサイトも人気の大会を重視するようになっていた。コロナ禍前に徐々に進んでいた変化が、一気に加速したと斉藤さんが捉えている現象は、多くのギョーカイ関係者も感じていたことだ。

 

「もちろん、単に3年の間が空いたので、新たに大会に出ようとエントリーする人が一時的に減っただけで、イベントの有無に左右されることなく、個人個人の目的意識を持って走る人口は、むしろ増えたという見方もあります」(斉藤さん)

↑斉藤さんは、スパイクを利用する陸上競技から、厚底シューズが席巻するランニング、さらにはフィットネス領域まで幅広く統括する

 

“これから走り始める人に”まさにジャストなタイミング

一方、この春に17年間在籍したサッカーのマーケチームから、ランニング部門に異動したミズノのランニング部門のディレクター加藤利行さんは、ギョーカイの慣習に囚われない客観的な目線で、日本のランニング市場を分析し、ミズノの可能性に明るい展望を抱いている。

 

「期待したいのは、コロナ禍を機に走り始めた人たちです。イベントそのものがない中でも走っているので、そもそも競技志向ではないのですが、最近“ハーフマラソンを走ってみようかなぁ”と話すのを聞くようになってきました。今、そのような方々にウエーブライダー27をお届けできるのは、すごくタイミングが良いと思っています」(加藤さん)

 

ウエーブライダー27は、前年にフルモデルチェンジされた26の新機能の数々を発展的に継承するモデルだ。26で刷新されたミッドソールの「ミズノエナジー」は、それまで(25)よりも2㎜厚くなったにもかかわらず、より軽く、より軟らかになり、着地衝撃の吸収は20%、反発性は30%向上。これは当然、27でも継承している。

 

さらにウエーブライダーの屋台骨とも言える「ミズノウエーブ」の形状も、このタイミングでモデルチェンジ。樹脂系のPEVA系の形状を進化させた。

↑グレーと白の「ミズノエナジー」のミッドソールが、かかとなどでの着地の衝撃を吸収し、前足部での快適な蹴り出しをサポート。ミッドソールの合間の波状のプレート「ミズノウエーブ」(ブルーとライトグリーンのグラデ部材)は、着地から蹴り出しに駆けた内側への過度な倒れ込みを防止し、安定した走りを実現する

 

“機能”の見直しではなく、“履き心地”のアップデートなのだ!

忘れてならないのは、ミッドソールの「ミズノエナジー」フォームだ。軽く、反発性に優れ、しかも軟らか。と、フルモデルチェンジによるウエーブライダー26の諸々の機能や構造は、27にも継承している。となると27は、26と何が違うのだろう?

↑今回見直されたかかとのヒールカウンター(ミズノランニングの象徴ランバードが羽ばたく、中央の薄いグレーの部材)。よりコンパクトに、踵骨(しょうこつ)を包み込む

 

「ウエーブライダー27のアップデートは、26で行ったような機能の見直しではなく、“履き心地”の見直しです。そのため、かかとを包み込むコンパクトなヒールカウンターに変更しました。フィッティングが増し、かつ軽量化しています。新たに採用されたアッパーのメッシュは、かかとから足首回りまで吸い付くような感覚に仕上がりました」(斉藤さん)

 

ミズノがウエーブライダー27で見直した“履き心地”は、3点。先述の、①小型でかかと包み込むヒールカウンター、②よりフィットするメッシュアッパー。これに加え、③足の甲を包み込む一体構造のガセットタングに変更している。

↑アッパーと一体になったガセットタング。かかとのヒールカウンターとともに、かかとから足首まで包み込むウエーブライダー27の核心部

 

実際に履いて走ったレポートは、次回にたっぷり紹介するが、ミズノは、これから本格的に走り始める人たちが増えるであろうタイミングに、フラグシップシューズの最新機能を、“履き心地”を重視したアップデートで熟成させ、しかもお手頃価格のウエーブライダー27として発表したのだ。

↑ウエーブライダー26から継続となった、アウトソール(靴底)。中心の溝の奥のブルーとライトグリーンのグラデのプレートが「ミズノウエーブ」。今回27の“履き心地”のアップデートに次は、全面的な機能性の見直しが予定されているはず……とギョーカイ関係者のもっぱらの噂だ

 

ウエーブライダー27の価格戦略の深淵を探る

「価格を上げる話は、もちろん大きな議題でした。しかし、今回は機能重視のモデルチェンジではなく、“履き心地”重視のモデルチェンジです。正直、ここまで変わるのか、と驚くと同時に、その良さを私たちは確信しています。ともかく履いていただくことが大切なタイミングなので、あえて価格維持に踏み切りました」(加藤さん)

 

ミズノの決断の裏には、現在のランニングシューズ業界の、苛烈な開発ラッシュによる消耗戦の実情がある。新技術を搭載したモデルチェンジが恐ろしい勢いで進み、従来のランニンシューズブランド以外からも、欧州勢など新ブランドが市場を席捲し続けている。数値化しやすい機能だけでなく、履く人の心まで設計されたシューズが求められている時代なのだ。

 

日本のモノ作りのミズノが、フラッグシップモデルのアップデートで日本のランナーに出したひとつの提案が、“履き心地”重視のモデルチェンジを“価格維持で行う”こと。ミズノの真摯なモノ作りへの自信を踏まえた選択なのだ。

↑サッカースパイクを背に、17年間全国を駆け回って試履きを続けてきたという加藤さん。お気に入りのウエーブライダー27のカラーを手に熱く語る!

 

推測の域を出ないので恐縮だが、この価格戦略にはもっと深い意味があると筆者は考えている。それは、日本のスポーツ用品市場では話題になっていないが、中国ブランドを始めとする日本以外のアジアのプレーヤーたちのシューズの存在だ。ミズノの価格戦略は、これからのプレーヤーたちの価格戦略への、ひとつの布石だと筆者は見ている。

 

ミズノお二人には答えをはぐらかされてしまったが、ユーロでの価格を見る限り、中国勢の価格の割安感は侮れない。欧米の多くのスポーツブランドは、中国を生産の拠点にしていた時期が長く、その技術力の高さに大きな遜色などない。欧米ブランドだけを見て高価格に振り過ぎると、かつての日本の家電の二の舞になることも、あながち夢物語ではないと思えてならないのだ。

↑筆者の暴走する妄想に、真摯に応えていただく斉藤さんと加藤さん。撮影場所にお借りした東京・神保町の「MIZUNO TOKYO」3階のランニングシューズ売り場には、最新ウエーブライダー27の全カラー10色が並ぶ!

 

ウエーブライダーである限り、ミズノウエーブは存続する

最後にどーしても避けられないのは、ウエーブライダーの命とも言える「ミズノウエーブ」の今後だ。安定性を担保するシューズの“骨”でもある硬いプレートの存在は、ウエーブライダーの安定性の源泉であり、多くのウエーブライダーファンの安心感の要でもある。昨今、競合他社が相次いで安定感を得るためのプレートの採用を行っておらず、ウエーブライダーの去就には注目せざるを得ないのだ。

 

「ウエーブライダー27の試履き会を行った際、一番評価が高かったのは安定性です。ウエーブプレートの存在があるからこその、グラつかずに走れる安定性の高さに、皆さん改めて気付いていただけたと感じています。ウエーブライダーのDNAであるミズノウエーブは、ウエーブライダーである限り、なくなることはありません」(斉藤さん)

 

と、ミズノランニングを支えるマーケのお二人の、熱~いウエーブライダー27話は尽きない。宴もたけなわではあるが、いよいよ最新ウエーブライダー27の“履き心地”のアップデート具合についてのレポートに移りたい。もちろん、次回のお楽しみだ!

 

撮影/中田 悟

 

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ミズノランニングの看板モデル「ウエーブライダー27」が登場! こだわりはアッパー構造にあり

1906年の創業以来“より良いスポーツ品とスポーツの振興を通じて社会に貢献する”という経営理念を掲げるドメスティックスポーツブランド「ミズノ」。そんな同ブランドからランニングシーンを長年支えてきた定番モデルの「WAVE RIDER(ウエーブライダー)」の最新作が登場。クッション性と前に進む反発力を高次元で兼ね備えた、快適な走行性で魅了する人気シリーズがどのように進化したのか、紹介していきます。

 

27代目となる「ウエーブライダー27」!

ウエーブライダーはミズノのデイリートレーナーモデルとして、1997年に登場。当時からミズノランニングが大切にしている滑らかな走り心地である「スムーズネス」を体現するために、「ミズノウエーブ」というプレートを搭載しています。

 

今でこそ当たり前となりましたが、この仕様の先駆け的な存在となり、誰もが認めるところのクッション性、反発性、安定性のバランスのいいシューズとして世界中のランナーを支える名作として定着しました。

↑商品説明はシューズ企画担当の川西さんが登壇。「ウエーブライダー」シリーズの歴史から、最新作のテクノロジーや機能性を紹介してくれました

 

そして、本作で27代目となるウエーブライダー。2021年に「ウエーブライダー25」、2022年に「ウエーブライダー26」とコンスタントにリリースされてきましたが、25年という長い年月の間でさまざまな進化を遂げてきました。昨今、物価の高騰により、さまざまなモノの値上がりが行われていますが、ミズノは初心者でも気軽にランニングを楽しんでほしいという思いのもと、プライスは前作と同じ据え置き価格となっています。

↑新作発表会では歴代のモデルをスライド形式で紹介。デザインがどのように変化していったのかをチェックできる贅沢な瞬間

 

続いて、ここからは「WAVE RIDER(ウエーブライダー)27」ではどこがアップデートされたのかを深掘りしていきます。

↑「ウエーブライダー27」1万4850円(税込)。カラーラインナップはメンズ用6色展開、ウィメンズ用4色展開。重さは約280g(片足27cmの場合)

 

最大のアップデートポイントはアッパー構造!

最新作でこだわったのがアッパーのスムーズネス。細部までこだわり微調整を行ったことで、さらなる進化を遂げました。

↑アッパーにはメッシュ素材をセレクト。優れた通気性により蒸れることなく、柔らかなフィット感でランニング時でも不快感を与えません

 

↑海の波を乗りこなすような流線形のデザインが施されたPUプリントはメッシュアッパーの補強としての役割も兼任。また、ベロ端部両側にストレッチ性の高い素材を付けて固定し、中足部のフィット感を高めるガセットタングを採用。段差の少ないステッチにより、ストレスも感じさせません

 

↑アッパーに改良に合わせて、ヒールカウンターも変更。従来よりも短くしたことで、柔らかくなったアッパーの良さを最大限に引き出し、フィット感も高めています。また、ヒールカウンターが小さくなったことで前作よりも5gの軽量化にも成功しています

 

↑実際使用されている踵のパーツ、ヒールカウンター

 

ソールは前作と同様、ミズノエナジーとミズノウエーブ!

アッパーの仕様変更が行われたウエーブライダー27ですが、ソールはウエーブライダー26と同じテクノロジーである「ミズノエナジー」と「ミズノウエーブ」を搭載。ミズノが誇る技術力で安定感を生み出しています。

↑まず「ミズノエナジー」をソール全面に搭載することで素材の搭載堆積を17%UP。これにより、シリーズ史上最高の柔軟性と反発性が生み出され、よりスムーズな走り心地でランナーをサポートしてくれます

 

↑続いて「ミズノウエーブ」はウエーブライダー26と同様、中足部のシャンクエリアを補強する3D形状のハニカムパターンを採用。そして、外側も巻き上げることで安定性も向上。体の横ブレが起きにくいのでスムーズな体重移動を促してくれます

 

2つのテクノロジーに合わせてアウトソールは屈曲溝と耐久性の高いラバーを採用。こちらも過度な屈曲を抑え、スムーズな体重移動をサポート。また、前足部と踵内側には、微発泡ラバーを採用し、柔らかさと軽量性を追求しているのもポイントです。

↑アウトソールのデザインもウエーブライダー26と同様

 

機能性以外で注目したいのは、ミズノのサステナビリティ活動。ウエーブライダー27においてもアッパーや裏地、インソールには90%以上のリサイクル素材を使用。シューズの要となっているウエーブプレートも植物由来のPebax Rnew(R)を使うなど、地球環境にも配慮しているんです。

 

そんなミズノが自信を持って世に送り出すウエーブライダー27。前作のテクノロジーを生かしつつ、アッパーへのこだわりでさらなる快適な走りを提供してくれる意欲作と言えるでしょう。気になる発売日は8月25日。ブランドファンのみならず、ランニングを楽しんでいる人、これから始めたいと思っている人はぜひ手に取って、そのクオリティを体感してみてください。きっと27代目という貫禄が感じられるはずです。

 

撮影/編集部

 

 

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ミズノが「nonnative」と初コラボ! ゴアテックス搭載のアウトドアテイストシューズ

ミズノは、ファッションブランド「nonnative」とコラボレーションしたゴアテックスファブリクス搭載スニーカー「WAVE MUJIN TL MID GTX nonnative(ウエーブ ムジン ティーエル ミッド  ゴアテックス ノンネイティブ)」を一部のミズノ直営店(MIZUNO TOKYO 、ミズノオオサカ茶屋町、 ミズノショップ京都新京極)、ミズノ公式オンラインで4月15日に発売します。

↑「WAVE MUJIN TL MID GTX nonnative」2万9700円(税込)

 

このカラーはタウンユースでも馴染むな!

WAVE MUJIN TL MID GTX nonnativeは、ミズノのスポーツスタイルシューズ「WAVE MUJIN TL GTX」をベースに、nonnativeの スタイルに合うようにアレンジしたモデルです。<ゴアテックスファブリクスを搭載したミッドカットのブーツシルエットで、シューレースのないスニーカー>づくりをコンセプトに、約4年の製作期間を費やして完成したシューズは、見た目にも新しいだけでなく、機能性も優れたシューズです。ゴアテックスファブリクスの防水透湿性能を備えながらも、アッパーは伸縮性に優れているので、着脱も容易にできます。また、ヴィンテージカーキのワントーンで仕上げることでコーディネートの幅も広がり、シーンを選ばず履けます。

↑アウトソールにはミシュラン製ラバーソールを使用

 

 

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【独占取材】ミズノ世界戦略の秘密基地 「MIZUNO ENGINE」潜入・体験レポート!

大阪・南港でひときわ目立つ、日本が誇る総合スポーツ用品メーカーミズノ大阪本社ビル。このビルに隣接して、2022年11月イノベーションセンター「MIZUNO ENGINE(ミズノエンジン)」が誕生した。MIZUNO ENGINEは、ミズノの商品やサービスの研究開発を強化するイノベーションの拠点。まさに、ミズノのモノづくりのエンジンとなる施設である。

↑南港にそびえるミズノ本社(写真中央)の左側にあるのが、新設されたイノベーションセンター「MIZUNO ENGINE」。総工費50億円、2階建てで、床面積は約6500㎡。オープンな造りながら、もちろん一般公開はしていない

 

今回、GetNavi web編集部は、真新しいMIZUNO ENGINEの施設内にカメラを入れ、どんなワクワクが生まれるのかを体験取材させてもらえる、特別な許可を得た。レポート役は、GetNavi webでランニングシューズのレビュー連載を担当する、業界猛者オータワラ。ご案内いただくのは、MIZUNO ENGINEを統括する佐藤夏樹さんである。

↑MIZUNO ENGINEを統括する、グローバル研究開発部の佐藤夏樹部長。ミズノを代表するランニングシューズ「ウエーブライダー」の開発をかつて手掛けるなど、ミズノのイノベーションを体現する人物のひとりである

 

「MIZUNO ENGINEは、それまで点在してきた社内各部署のスペシャリストの知見と最先端設備を集結し、スポーツによる社会イノベーション創出の加速をミッションに掲げています。なんといっても、大阪のヘッドクォターの隣りという立地で、アイデアを瞬時にカタチにし、それを実際に使って、製品化へのデータを採取する、『はかる』『つくる』『ためす』の一連のプロセスがシームレスに、しかも高速回転できるのがメリットです」(佐藤さん)

 

本来、マル秘の施設(MIZUNO ENGINE)が、スケスケ!

MIZUNO ENGINEのエントランスを入って、まず目に飛び込むのは、クライミングウォールと、その奥のランニングのテストコース。驚くべきは、発売前のシューズのプロトタイプの製品テストをするテストコースが、来客者の目の前にあるという点だ。シャッターさえ無しの、丸見え! モノづくりの会社にとって最高レベルのセキュリティを要求される場所が、スケスケ……。丸見えのスッケスケには、正直、腰を抜かさざるを得ない。

 

↑エントランスの吹き抜けにある、フリークライミングのウォール

 

↑吹き抜けの奥には、トラックのレーンとアスファルトの路面がある。マットの下のサーフェイスには、地面反力を測る踏力センサーが埋め込まれている

 

↑開放的なエントランスの全景

 

「たしかに、ランニング用のトラックやトレッドミル、野球用のマウンドも、オープンです。なぜなら、オープンな空間を全社員が共有することで、アイデアの化学反応や新しい価値の創出、創造などを期待しているからです。MIZUNO ENGINEのミーティング空間も、オープンな造りになっています」(佐藤さん)

 

ミズノは、競技スポーツだけでなく、楽しく体を動かすことを“スポーツ”と定義している。MIZUNO ENGINEは、こうした広い意味でのスポーツで、人々を幸せにすることを目指す施設なのだ。それをひも解くのが、「ミズノミライビジョン」という5つの研究開発ビジョンだ。

 

ミズノ変革の要! 「ミズノミライビジョン」

①競技:スポーツで人の限界に挑戦する

②健康:スポーツで心身ともに健康な人を増やす

③環境:スポーツで地球環境を良くする

④教育:スポーツでたくさんの子どもたちを育む

⑤ワーク:スポーツで働く人を元気にする

 

なるほど、「ミズノミライビジョン」は、これからのミズノのモノやサービスづくりの指標となる、ミズノ版SDGsとも言えよう。佐藤さんによるMIZUNO ENGINEの設立経緯を聞けたところで、いよいよ体験取材の始まりである!

 

マーカーレスモーションキャプチャーで、高齢者の動きを測定!

まずは、足腰が弱くなった、高齢者の状態を疑似体験! この時のカラダの使い方を、最新のマーカーレスモーションキャプチャーで撮影することとなった。マーカーレスモーションキャプチャーは、文字通り、カラダに取り付けるマーカーなしで、カラダの動きを三次元でデータ化できるシステムだ。計測を担当してくれるのは、ミズノの矢野勇貴さんである。

 

体育館に設置された12台の専用カメラで人間の動きを撮影し、体型のシルエットから骨の位置を類推し、動画として3次元の映像にできる。骨の位置はあくまでバーチャルだが、複数の人間がいっぺんに動いても全ての人の解析が可能だ。これは、凄い! カメラに映し出されたのは、立派な爺さんの私。トボトボと歩く姿は、 “おぬしも老けたものよの~”と我ながら切なくなってくる。

↑12台のカメラを駆使するマーカレスモーションキャプチャーの測定担当、矢野勇貴さん

 

↑高齢者のカラダの状態を体験するキット。関節の動きを制限するサポーター、体幹と手足に付けるウエイト、曲がった腰を再現する固定具から成る

 

もちろんこのシステムは、老いを感傷的に測定するためでなく、新製品やサービスを開発するために使われる。現在も、ある高齢者向け商品のプロトタイプのテストが予定されているのだとか。マーカーレスモーションキャプチャーを使って、高齢者の動作を解析、これを基に仮説を立て、サービスや製品のプロトタイプを作り、テストして、実際の製品にする一連のプロセスを高速で回すのだ。

↑専用カメラは壁の高い位置にあり、マーカーも付けないので、カメラを意識せず、動きに集中できる

 

「今回は高齢者体験のキットで測定しましたが、実際に壮年と高齢者の歩き方のデータを比較すると、高齢者は、カラダの後ろ側が使えていないことが分かります。筋力または関節の可動域のいずれか、もしくは両方の低下で、カラダの後ろ側が使えなくなるのです。高齢者向けの製品を開発する際は、20~30代向けの製品とは求められる機能が全く異なるのです」(矢野さん)

 

12台のカメラで撮った画像を3次元の動画にまとめ、骨の位置を類推して動きを数値化。上は高齢者体験キットの筆者で、下は壮年の筆者。

 

なるほど、老いても活き活きと歩けるよう、今から準備しておくべきは、カラダの後ろ側の筋力と、ストレッチ。さらに、MIZUNO ENGINEで今後研究開発されるであろう、高齢者向けの製品を手に入れれば、鬼に金棒だ!

 

センサー内蔵球「MA-Q(マキュー)」で、ボールの回転数を丸見え化!

続いて訪れたのは、スポーツパフォーマンスラボという部屋。室内に用意された野球用のブルペンには甲子園と同じ土が盛られ、人工芝は西武ドームやナゴヤドームと同じモノが使われているという。筆者を待っていてくれたのは、ミズノの柴田翔平さんである。

 

「この部屋では、ゴルフクラブや野球バット、テニスラケットなどの試打計測などを、高速カメラや床反力計などを用いて行えます。今回ご用意したのは、複数のセンサーが内蔵された硬式球『MA-Q(マキュー)』です。MA-Qは、専用のアプリを使って、球速だけでなく、回転数や、回転軸の角度も解析できる回転解析システムです。実際に投げてみて、プロのピッチャーの球と比較していただきます」(柴田さん)

↑ミズノオンラインショップなどで購入できる「野球ボール回転解析システムMA-Q」。センサー本体(ボール)は、3万2780円(税込)。非接触の黒い充電器は別売りで、1万6500円(税込)。専用アプリは無料。毎晩、さっさと家に帰ってボールを投げたくなる楽しさ満載!

 

 

さっそくMA-Qを手に取ってみる。ステッチの色こそ青なので見慣れないが、持った感じは素人目には全く普通の野球ボールと見分けがつかない。それもそのはず、コアの部分にセンサーが入っている以外、重量、バランス、革、縫い目の高さまで普通の硬式球と全く変わらないのだとか。では、イッチョ、投げてみよう!

 

「投げていただいた結果は……。残念ながら大田原さん、球速、回転数ともに、小中学生以下でした(苦笑)。ボールの回転も、イメージはピストルの弾やドリルのような回転に近く、ボールが平均より沈むような球筋です。一方、プロ投手の球は、縦方向に回転するので、揚力が生まれ、ボールが伸びます。今までは球速ばかりを話題にしてきましたが、MA-Qを使って回転に着目すると、さらにいろいろなことが分かってきます。この施設では、MA-Qアプリの操作性を高めるテストも行っています」(柴田さん)

↑筆者の山なりのへなちょこボールをキャッチしてくれた、MA-Q計測担当の柴田翔平さん

 

ボールの回転数で分かる、ピッチャーの適性

柴田さんによると、回転数と球速の関係には、3つのタイプがあるという。

 

①回転数と球速が平均的なタイプ:よくあるタイプの球なので、打たれやすい。

②回転数が高いタイプ:実際の球速以上に球が伸びて見えるので、三振、フライになりやすい。

③回転数が低いタイプ:球速が上がれば、打ちにくいため、ゴロで打たせるタイプになりやすい。

 

飲食店に例えて書くなら①は、チェーン店のようにハズレがないが、大当たりは期待できない。次の、剛速球でカーブも使いこなす②は、いわば高級店。肘を痛める可能性があるが、味(球筋)は一流である。そして③は、商店街の街中華といったところ。外見からは判断できないが、当たれば大満足である! 柴田さんによると、筆者の球は③タイプに向いているという。回転数は上げず、球速を上げるような意識付けを行うと良い、とのアドバイスを受けた。データ的には小学生以下なので、伸びしろしかない。あとは、MA-Qを買って秘密トレ、味わい深い街中華を目指すだけである。

↑ちなみに、筆者の球速は約54㎞、回転数は1000rpmにも満たない。小中学生の平均が球速97㎞/h、回転数1434rpm (國學院大學神事先生取得データより)だという。今さらリトルリーグの小6に勝てる気はしないが、ちょっと悔しい

 

「MA-Qでのデータを活用すれば、子どもたちを含めた投手の適性や、今後の育成の方向を客観的に把握できます。無理に投球数を増やすことや、肘への過度な負荷を防ぐことにも役立てられます」(柴田さん)

 

ちなみに、MA-Qを使ったピッチングマシンの回転数コントロールのサービスは、まだ存在しないとか。対戦相手のピッチャーの球種に応じ、球速だけでなく回転数も似せたボールを再現できたら、勝利の確率が上がるのではないか……。素人じみた筆者の発想だが、そんな妄想が生まれるのがMIZUNO ENGINEのMIZUNO ENGINEたるところ! ミズノの各競技の専門家たちによる、MIZUNO ENGINEを起点とした製品やサービスのイノベーション。今から楽しみである。

 

フラットだけど、箱根のアップダウンを疑似体験!

最後に訪れたのは、モーションキャプチャーのラボ。赤外線光のカメラ12台が、反射マーカーを付けたカラダの動きを360度で捉え、3Dとして解析を行うことができる。反射マーカーは最小4㎜の間隔まで検知できるため、足関節の骨や、顔の表情筋の動きも忠実にデータ化できるという。計測のご担当は、古川大輔さんである。

 

さらにこの部屋には、日本ではMIZUNO ENGINEにしかない、あるメーカーのトレッドミルが設置されている。このトレッドミルには、地面にかかる力が計測できるセンサーが、走路全面に内蔵されている。これにより、走行時の着地の衝撃が、足裏のどの部分に、どれだけの強さで加わっているのかが瞬時に分かる。シューズ開発の肝である、ミッドソールのクッション性や反発性を測るための強力な武器なのだ。

↑左は、箱根の平均斜度6%。右は、最大斜度の13%。ジムにあるようなトレッドミルと異なり、走行面は硬く、オンロードのように走りやすい

 

「日本に1台しかない、このマシンが優れている点は、傾斜を可変させられる上に、逆回転ができることです。つまり、平地にいながら、坂道を上るだけでなく、下るテストまで可能です。スピードは、時速25㎞まで出ます。今日はせっかくなので、箱根の平均的な6%斜度と、箱根の最大斜度13%を再現してみますので、ぜひ、最新のランニングシューズ『ウエーブライダー26』を履いて、ウエーブライダー史上最高のクッション性を体感してみてください」(古川さん)

 

13%の坂を時速25㎞(1㎞を2分33秒)でアップダウンしたら、瞬時にトレッドミルの餌食になってしまう……。高級国産車が1台余裕で買える最新マシンを、筆者のテストで壊す愚行は避けたいところ。しかも反射マーカーは1個3000円。これまたお釈迦にするワケにはいかない。

↑最新の「ウエーブライダー26」の価格は1万4850円(税込)。プラス1個3000円という反射マーカーを全身に34個付けて走る。なんだかゴージャス!

 

 

「計測データが出ました。データ的にも、大田原さんの下りの動きは、スネの前脛骨筋(ぜんけいこつきん)という筋肉が酷使される運動であることが分かります。反対に上りの動きは、ふくらはぎに負荷がかかりやすくなります。上りや下りでは、同じ『走る』という動作でも、平地を走ることとは全く異なるのです」(古川さん)

 

ランニングシューズ開発は、さまざまな走力を持つランナーに対して、それぞれに合ったクッション性と反発性を持つ最適解のシューズを提供することに尽きる。そのため、平地や下りでいかに衝撃を吸収し、地面反力を推進力に換えて前に進む、優れたミッドソールの開発が各社の最大の課題となっている。このテストも、シューズ開発の最前線を彷彿させる、まさにトレンドのテーマなのだ。

↑長年トレーニング施設を取材してきたが、下りのトレッドミルは初めての体験だ。左が箱根の平均斜度で、右は最大斜度。不慣れなので、目が泳いでしまい、脚運びが安定しなかった

 

古川さんによると、近年のミズノによる調査で、ランナーの走り心地の好み(感性)には大きく2つのタイプがあることが分かったという。

 

「1つ目のタイプは、『柔らかくフカフカとした走り心地』を好むタイプです。このタイプのランナーは、ソール全体が柔らかくて厚く、かかとからつま先にかけての傾斜(ドロップ)が比較的小さいシューズを好みます。2つ目のタイプは、『かかとからつま先までスムーズに転がる走り心地』を好むタイプです(筆者だ!)。このタイプのランナーは、ソールのとくにかかと部分が柔らかく、ドロップが比較的大きいシューズを好みます」(古川さん)

 

こういったスポーツをする人たちのメンタル面の研究も、MIZUNO ENGINEが掲げる大きなミッションだ。

 

なお、MIZUNO ENGINEには、シューズのミッドソール部材の物性試験を行う特殊な検査機械に加え、製造や加工を行う施設まで備えている。2日もあれば、プロトタイプを作って試し、改良のための検査を行う体制が、本社のすぐ隣に完備されているのだ。「はかる」「つくる」「ためす」の一連のプロセスがシームレスに、しかも高速回転するMIZUNO ENGINEの可能性は、まさに計り知れないのである。

↑MIZUNO ENGINE設計時から導入が決まっていたという、最新のトレッドミルでの計測を担当する古川大輔さん。ランニングの話だけに一晩中聞いていたい話ばかり! う~む、書ききれない

 

ということで、膨大な取材データにお腹も一杯、喉もカラカラだ。今回のレポートでは、MIZUNO ENGINEで誕生した新製品にはお目にかかれなかったが、レポートできる日は遠くない。スポーツの世界を拡げるアッと言うような新製品やサービスを取材すべく、またMIZUNO ENGINEにお邪魔させてくださいませ!

↑カラダを張った取材の後は、ミズノと南信州ビールが共同開発した、ビアテイスト炭酸飲料「PUHAAH(プハー)」でリラックス。フルーティなアロマホップで、飲みやすく、贅沢な気分に浸れる!

 

 

撮影/中田 悟

 

 

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クッション性と安定性を高めたソールと、高反発素材でスムーズな歩き心地! ミズノ、ウォーキングシューズ「WAVE XE-1」を発売

ミズノは、「MIZUNO WAVE(ミズノウエーブ)」と、高反発素材「MIZUNO ENERZY FOAM(ミズノエナジー フォーム)」を搭載し、スムーズな歩き心地を目指したウォーキングシューズ「WAVE XE-1(ウエーブ クロスイーワン)」を発売しました。

 

同製品は、「歩く」という動作で、かかと外側から接地する人が多いことに着目し、かかと部分にひねりを施した新設計ソールMIZUNO WAVEを採用。MIZUNO WAVEは、硬さの異なる2層のミッドソールを、境界面が波形状になるように重ね合わせています。下層には上層よりもやわらかいミッドソールを配置し、かかと後端部のみ外側から内側にかけてミッドソールの境界が下り傾斜になるよう、ひねりを施しています。これにより、かかとの外側ではよりやわらかいミッドソールの厚みを増やすことができ、接地時の衝撃を緩和できることが期待できるとしています。かかとの内側は、比較的硬さのあるミッドソールの厚みを増やすことで安定性を増し、横ブレを緩和してスムーズな体重移動へ導くことを期待されています。

↑かかと接地直後(左)、かかと全面接地時(右)

 

後足部から前足部にかけて、より柔らかく反発性の高いMIZUNO ENERZY FOAMを使用することにより、後足部では接地時の衝撃を緩和し、前足部への体重移動をサポート。前足部では高い反発性による力強い蹴りだしをサポートし、接地から蹴りだしまでスムーズな足運びを期待できます。

 

どんなウエアを着ていても合わせやすいシンプルなデザインに仕上げており、履き口部分は、肌触りがいいメッシュ生地を表側まで広げることで、足を入れた際にやわらかい履き心地になるように工夫が施されています。インソールにはポリウレタン系のやわらかい素材を採用しています。

 

税込価格は1万1000円。サイズ展開はユニセックスが22.5cm~28.0cm、メンズが25.0cm~28.0cmです。

驚きのデザイン!ミズノ「WAVE REBBELION PRO」がフォアフット走行で記録を狙えるワケ

新年の風物詩、箱根駅伝が今年も行われ駒澤大学が2年ぶり8回目の総合優勝。様々な感動のドラマがありましたが、トップアスリートだけでなく、市民ランナーの関心を集めているのが厚底のランニングシューズです。各メーカーが趣向を凝らしたシューズを開発している中、個性的なシューズを生み出しているミズノが、斬新な厚底シューズを発表しました。

 

長距離ランナー向けシューズ「WAVE REBBELION」シリーズが登場!

長距離ランナーのシューズは軽量で薄底という常識が覆され、現在の主流となっているのが厚底シューズです。そこでミズノは昨年8月、厚底に推進力を持たせ、踵がない斬新なデザインの「WAVE DUEL PRO(ウエーブデュエルプロ)」を発売しました。

 

ウエーブデュエルプロがコンセプトシューズだったのに対し、2023年新たに、ウエーブデュエルプロで生まれた新機能をさらに進化させた「WAVE REBBELION(ウエーブリベリオン)」シリーズ、3モデルを発表。3モデルとも1月20日に発売します。

↑ウエーブリベリオンシリーズは、サブ2.5のエリートランナー向け「PRO(プロ)」(写真中央)、サブ3向け「FLASH(フラッシュ)」(右)、サブ3.5を目指す「SONIC(ソニック)」(左)の3種類を展開

 

「近年、ランニングシューズ、特にスピードシューズの領域がかなり大きく変化しています。ミズノも独自のアプローチでランナーのパフォーマンスをサポートする商品を発売します。ときには個性的すぎるという言葉もいただきますが、いままで世の中になかった感覚、感触、パフォーマンスを持ったウエーブリベリオンが、スピードを求めるランナーの選択肢になってくれると非常にうれしいです」(グローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部部長、竹下豪氏)

 

「WAVE REBELLION PRO」はスムーズ、スピード、アシスト!

スピードランナー向けランニングシューズ・ウエーブリベリオンプロは、「いかに効率良くスタートからゴールまで足を運ぶか」に着目。ゼロベースから考え直したときに、「軽い」「フィットがいい」そして「前へ進む推進力の高さ」の3つの要素が前提となりました。

 

しかし「それだけでは世の中にあるシューズと変わらない。これ以上にパフォーマンスを向上させるものはないか。その結果が『SMOOTH SPEED ASSIST(スムーズスピードアシスト)』機能でした」(パフォーマンスランニング企画課課長・青井俊輔氏)

↑「合言葉は『ゼロベース』。今までやったことがなかったこと、これまで常識と思っていたことをすべて疑う」ことから始めたと話す青井氏

 

見た目で分かるように、あらかじめフォアフットストライドの角度に設定された前足部、大きく拡張されたミッド部、そしてカットアウトさせた踵形状。この独特な形状が「スムーズスピードアシスト」を構成します。

↑「ウエーブリベリオンプロ」2万4200円(税込)。ウエーブリベリオンシリーズの中で一番デザインが特徴的!

 

着目したのは前足部から中足部で着地するフォアフット走法。その走法は、踵から着地し前足部に抜けていくヒールストライク走法に比べ、より速く走ることができます。ウエーブリベリオンプロに搭載したスムーズスピードアシストは、スムーズにフォアフット走法をサポートします。

 

「前足部はフォアフットで自然に着地しやすい角度に設定。この機能によって、しっかりと中足部を支えることでふくらはぎ周辺の筋肉の負担を減らし、地面からの反発を効率良く伝えていきます」(パフォーマンスランニング企画課・吉村憲彦氏)

↑「フォアフットでもしっかり安定感をサポートするために十分な接地面積を設けています」と吉村氏

 

↑左が従来モデル、右がウエーブリベリオンプロ。足首の支点と地面と接地する作用点の距離が短いほど、少ない力でスピードを発揮することができます

 

↑ミッドソールは2重構造。トップミッドソールに「ミズノエナジーライトプラス」、ボトムミッドソールには「ミズノエナジーライト」を搭載しています。踵はフォアフット走法で接地した際に、踵の落ち込みを抑える独自のエッジ形状

 

「どこからその発想はきたのか」をよく聞かれるそうですが、元になっているのは陸上の短距離用スパイクでした。

 

「短距離用スパイクは、ごく限られた距離で人類をもっとも速く走らせるために生まれたギア。必要なものだけが詰め込まれた純粋な道具です。このエッセンスを持ったシューズが5キロ、10キロ、そしてフルマラソンの距離を走りきることができたら。そんなストーリーから開発が始まりました」(青井氏)

↑すでに海外では結果が現れています。昨年9月に行なわれたアムステルダムマラソンでのハーフマラソンではトップ10選手中、6選手が「ウエーブリベリオンプロ」を着用して好タイムを記録しました

 

↑カーボン繊維で強化されたプレートを全面に搭載することで、クッション性と安定性を両立させます

 

↑前足部の中央に穴を設けることで、柔らかい材料を採用したミッドソールの柔らかさが蹴り出し時にも感じられます

 

サブ3、サブ3.5ランナー向けの「WAVE REBBELION」シリーズ

記録の向上を目指すすべてのランナーのために、ターゲットタイム別モデル2種もラインナップ。25年以上も進化を続けているプレート「MIZUNO WAVE(ミズノウエーブ)」を採用し、それぞれの走りを効率良くアシスト。この2モデルには、足幅の広いランナーに対応するワイドタイプも展開しています。

↑「ウエーブリベリオンフラッシュ」 1万7600円(税込)。ほど良い硬さのウエーブプレートが走行に必要なクッション性と安定性・反発性を高めます

 

↑軽量でグリップ性が高く、しっかりと地面を捉え、パワーロスを抑える「G3」アウトソールを採用

 

↑「ウエーブリベリオンソニック」 1万3750円(税込)。着地時の安定性とクッション性を高めるウエーブプレートを全面に搭載し、スムーズな加速をサポート

 

↑前足部と踵部のアウトソールの耐久性を高める「X10」ラバーを採用することでより長く使用できます

 

↑自身最後の箱根路に臨んだ創価大学4年の嶋津雄大さん(写真中央)も登壇。卒業後はGMOインターネットグループの選手としてウエーブリベリオンプロでフルマラソンに挑戦する

 

目がとまる独特の形状、カラーリングも爽やかなウエーブリベリオンプロを筆者が実際に履いてみると、自然と前傾姿勢になり推進力の高さが体感できます。また、見た目以上に軽く、クッション性の高さにも驚き。「人を最速で走らせるために、いかにスムーズなスピードランニングを考えるか」というプロジェクトを今後も続けるミズノが、現在の最新技術を凝縮させたランニングシューズ。

 

その異次元の感触を一度実感してみてはいかがでしょうか。

 

撮影/編集部

 

 

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ミズノ「ウエーブネオ ウインド」。今どきイケメンシューズの素顔!/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣③「ウエーブネオ ウインド」の巻

 

シューズ好きも、ランニング好きも、必読! 最新のランニングシューズを、開発担当者に聞いて、実際に履いて走ってレビューする本連載。日本が誇るミズノにフィーチャーする3回目は、ミズノの基幹シューズ「ウエーブライダー」のDNAを継ぐ「WAVE NEO WIND(ウエーブネオ ウインド)」である。

↑「ウエーブネオ ウインド」日本のみならず、グローバルで展開中。カラーは、ホワイト×ブルーのみ。メンズ、ウイメンズともに2万2000円(税込)

 

純白のボディに、ブルーの差し色。ファッションユースと見まごう、今どきのイケメンシューズの素顔や、いかに⁉ 今回も、企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った上で、実走レビューを行おう!

↑3回にわたってお話を伺ったのは、「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニングの吉村憲彦さん。東京・神田小川町「MIZUNO TOKYO」3階にある、ランニングシューズ売り場にて撮影

 

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ミズノ「ウエーブライダー26」はランシュー界の高級SUV /「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

 

ミズノ初の“CO₂オフセット”シューズ!

いつもは、機能を中心にシューズのインプレを行う本連載。しかし、今回の話題の中心は、その製造から流通に至る、全ての工程だ。ミズノが、本気で環境負荷低減に取り組んだ「ウエーブネオ ウインド」。どんなシューズなのだろう?

 

「ウエーブネオ ウインド(以下、ウインド)の原材料には、CO₂排出量を抑制するため、リサイクルポリエステルや植物由来など、環境に配慮した素材を使っています。印象的な白のアッパーはニット(編み物)ですが、環境負荷低減のため、染色工程で水を使用しておりません」(吉村さん)

↑ウインドは、シュータンからシューホールまで一体になったようなシームレス構造

 

さらに、シューズの流通や最終的な廃棄までのライフサイクルを視野に入れ、CO₂を吸収する木々の植林も行われたという。

 

「ウインドに使用されている、クッション性と反発性に優れたミッドソール(ヒールウエッジ)のフォーム材『ミズノエナジー』には、安定感の要となるプレートの『ミズノウエーブ』にも、植物由来の原材料を使用しています。水辺にも繁殖している藻類を回収し、原材料として使っています」(吉村さん)

↑ミッドソール下部に通常のミズノエナジー、上部に軽量なミズノエナジーライトを搭載

 

ミズノ欧米攻略のための、新たな橋頭堡

ウインドの主なターゲットは、ミレニアム世代やZ世代。欧米を中心に、これらの世代はサステナビリティにも高い関心を持っているという。

 

「環境意識の高い欧米のミレニアム世代やZ世代に向けて、ミズノのメッセージをきちんと伝えることで、ブランドの認知度を上げることも視野に入れています。そのため欧米では、かなりの数のウインドを展開しています」(吉村さん)

 

ウインドのイケメンぶりは、ファッションではなく、まさに環境への配慮そのものだ。しかも、そんなイケメンを単なるイケメンで終わらせず、走り心地をしっかりと追求している点もミズノたるところ。開発のコンセプトは、“フルマラソンにも使用可能なパフォーマンスランニングシューズの機能をそのままに、環境への負荷を低減するシューズを生み出すこと”なのだ。

 

「ウインドは、42.195㎞のフルマラソンを3時間30分以内で走る、いわゆる“サブ3.5”のランナーが履くシューズと同等のスペックです。前回取り上げていただいた『ウエーブライダー26』が、サブ4ぐらいのスペックですので、たしかにウインドの方が速い位置づけですね」(吉村さん)

 

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ライダーのDNAを持った韋駄天=ウインド

実は、このシューズのベースとなったのは、2021年度まで展開していた「ウエーブライダーネオ ウインド」だったという。今回紹介するウインドにも、「ウエーブライダー26」に搭載されたウエーブと同じスペックのものを搭載。まさにライダーの系譜を継ぐシューズなのだ(2022のコレクションからはライダーの名称が外されている)。

 

さらに、ウインドのミッドソールには、「ミズノエナジーライト」というエラストマーのフォーム材も採用されている。ミズノエナジーライトは、標準的なミズノエナジーよりも、軽量かつ反発性に優れており、レーシングシューズなどで使用されている。

 

「ウインドは、あくまでランニングシューズです。なので、カジュアルに対応させようとは考えていません。しかし、プロトタイプを見たとき真っ白で“めっちゃいい”って、私も思いました(笑)」(吉村さん)

 

パっと見のウインドは、“今風のイケメンだから、カジュアルでも受けるだろう”という程度の印象だった。しかし、話を聞いてみると、けっこうな韋駄天だ。“イケメンのナイスガイは、けっこうな瞬足”なんて、人間だったら嫉妬するところ。でも、ランニングシューズなら、ズルいほど◎だ!

 

いよいよ、ウエーブネオ ウインドを試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ウインドの試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行った。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。今風のイケメンがどこまで走れるのか、とくとご覧あれ!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

ニットのブーティ構造は、履くのが少し面倒。しかし、いったんシューレース(靴ひも)を締めてしまえば鬼に金棒。抜群のフィッティングが得られる!(もちろん、サイズや足型が自分の足に合っている前提だが……)。

 

かかとをシューズに合わせたら、はと目(シューレースを通す穴)ひとつひとつ丁寧に、平ひもが捻じれないように締めていこう。ウインドの特盛のミッドソールは、歩く際に、左右のシューズがこすれるほどだが、走り出せば心配無用だ。

 

立ち上がると、ソールから足に伝わってくるのは、筆者好みの程よい硬さ。2020年に発表された「ミズノエナジー」以前の頃の、往年のライダーの乗り心地を彷彿とさせる。今風のイケメンのくせに、昔気質のハングリーさもありそう。これは侮れない……。

↑アウトソールには軽量性とグリップに富んだG3ソールを全面に搭載。足裏も爽やかさが漂う!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

ゆっくり走り出す。前回のライダー26と同日にインプレをしたが、着地はライダー26より硬め、前足部で地面をがっちり捉えている印象。もしかして、ウインドの前足部の面積は、ライダー26よりも広い? と思い、ウインドとライダー26を比べるが、全く一緒だ。しかも、安定性の要となるウエーブのスペックは、ライダー26もウインドも同じだという。

 

両者の際立つ違いは、ウインドのミッドソールに「ミズノエナジーライト」を採用している点だ。ミズノエナジーライトは、読んで字の如く、ミズノエナジーよりも軽く、しかも衝撃緩衝性と反発性に優れている。さらに、中足部からかかとにかけては、ミズノエナジーも採用。ミズノエナジーで着地衝撃をソフトに緩衝し、ミズノエナジーライトで大きな推進力に変えている。

 

ウインドは、全体的にはライダー26よりもソールが硬めだが、ミズノのランニングのコンセプトである“スムーズさの追求”を忠実に再現している。ある意味で、ライダー以上に、ライダーらしいシューズなのかもしれない。それを明らかにすべく、スピードを上げてみよう。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

地面をがっちりつかむ感触は、どうやらアウトソールの素材も影響しているようだ。ウインドには、実業団選手レベルのシューズに採用されている「G3」という、軽量でグリップ性が高いパーツが使われている。試しに、石畳の坂道を登るが、驚くほど路面を捉える。そのまま駆け下り、下り直後のコーナーリングでも、スリップの不安がない!

 

ちなみに、ウインドを履いて、何も考えずに心地よく走ってみた際の速度は、1キロ5分45秒ほど。同日インプレをしているライダー26は、6分20秒。同じスペックのウエーブを搭載しているが、なるほどウインドは明らかに速い! 運動不足解消でスタートしたジョギングが、いつしかダイエット目的も加わって体脂肪が落ち、距離を走る楽しさを感じられるようになってきたら、ウインドはピッタリな一足になっているはずだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

環境に配慮した無染色のホワイト地に、ブルーの差し色。日本国内での流通が限られたシューズだけに、周囲の目線がチラチラ筆者の足元に集まる。ここは自宅からほど近い、とある10㎞のローカルレース会場。インプレ3日目の本日は、レースでの実戦で試すことに。おしゃれ感覚の今どきイケメンシューズと思いきや、一連のインプレで、実戦投入の腹が定まった。ウインド、期待できそうだ!

 

で、よく晴れた、少し暑いくらいのレース本番。あくまでインプレが目的なので、5分を少し切るペースで走ってみる。しかしながら、ペースダウンを意識しないと、“もっと走らせろ”と加速モードに、スグに入ってしまう。ウインド、なかなかの若武者ぶりだ。

 

ゴール前2㎞、さらに加速してキロ4分巡航。すぐ前を走っていた地元の国会議員をぶち抜くべく、最後はキロ3分を切ってみたが、全ての加速にウインドはきれいに反応してくれる。シーズン初めに無理は禁物なのだが、ウインド、やっぱり侮れない。

 

で、結論。ウインドは、気持ちが前向きになる“スカッと走”に最適だ。今風のイケメンのルックスも、前向きの気持ちを後押ししてくれる。42.195㎞のフルマラソンなら、初参戦や完走を目指すよりも、2回目や3回目の自己ベスト更新のチャレンジに合っている。

 

最後に蛇足ながら、ミズノさんにお願い! こうした環境配慮型のシューズに合った、今どきイケメン風、しかもレースへの実戦投入可能で、かつファッション性に優れたホワイト&ブルーのカラーコーデもバッチリのアパレルを作ってくださいませ。ベースレイヤーやライナーも工夫し、リサイクル+天然素材など機能性を大きく損なわない提案ができるかと。期待しています!

 

撮影/石原敦志

撮影協力/10 over 9「ランキューブ」(東京・神田錦町)

 

 

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ミズノ「ウエーブライダー26」はランシュー界の高級SUV /「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

ギョーカイ“猛者”大田原 透が、走って、試して、書き尽くす! ランニグシューズ戦線異状なし

2022-23「ミズノ」冬の陣②「ウエーブライダー26」の巻

 

ランニングシューズブランド自慢の逸品を、走って、試して、書き尽くす本企画。今回は、日本で開発され、世界中で支持される、ミズノランニングの基幹シューズ。26代目となる「WAVE RIDER(ウエーブライダー)」である。

↑「ウエーブライダー26」全10ラインナップ(メンズ⦅2E相当⦆3モデル、メンズスーパーワイド⦅4E相当⦆3モデル。ウイメンズ⦅2E相当⦆2モデル、ウイメンズスーパーワイド⦅4E相当⦆2モデル)、いずれも1万4850円(税込)

 

では、前回に引き続き、ウエーブライダー26(以下、ライダー26)の企画担当の吉村憲彦さんにお話を伺った上で、実走レビューを行おう!

↑3回にわたってお話を伺ったのは、「ウエーブライダー26」企画担当、ミズノのグローバルフットウエアプロダクト本部、企画・開発・デザイン部パフォーマンスランニングの吉村憲彦さん。東京・神田小川町「MIZUNO TOKYO」3階にある、ランニングシューズ売り場にて撮影

 

【関連記事】

ミズノには、ライダーがある。ライダーには、ウエーブがある。/「大田原 透のランニングシューズ戦線異状なし」

 

“ウエーブライダー史上最高のクッション性”とは?

今回注目するのは、最新ウエーブライダー26である。最新ライダーは、昨今のトレンドである、高いクッション性を得られるモデルだ。2020年からミズノが肝入りで展開する衝撃緩衝性と反発性に優れたフォーム材=「ミズノエナジー」の厚みは、前作よりも2㎜アップ(サイズ27cm)。キャッチコピーは、“ウエーブライダー史上最高のクッション性”である。

 

長年ライダーを履き続けてきた筆者にとって、26作目のミッドソール厚の変更は大変興味がある。たかが2mmながら、されど2mmである。なぜなら、ライダーの最大の魅力は、ミッドソールに配された、適度な硬さのプレート材「ミズノウエーブ」による安定性だから。つまり、フォームが厚くなれば、かえってウエーブによる安定性を損なう可能性が高まる。

 

この2つの両立を、届けるべきターゲットに向け、バランスよく仕上げる。書くのは容易だが、実現は簡単ではない。シューズの開発コンセプトと設計、機能性の高い部材の組み合わせという、正解のないジグソーパズルの答えは、無数にあるからだ。

 

「ライダーの良さは、中足部のプレートである『ミズノウエーブ』による安定感と、その反発性です。そこは、今後も変えずにいきたいと思っています」(吉村さん)

 

“ライダーの良さ”は、ウエーブに宿る

担当者・吉村さんの言葉は、“ライダーイズムの継承”の決意と言える。時代のニーズに合わせてクッション性を担保しつつ、それでも変わらぬ“ライダーらしさの答え”もまた、ウエーブによって導き出したという。

 

「ライダー26では、ウエーブの形状を変えています。25では、ウエーブ左右の両端の巻き上げは、内側にだけ施していました。一方の26では、両サイドを巻き上げています。さらに26では、着地の安定性に影響しない範囲で、かかと側のプレート長を短くすることで着地時の柔らかさをより感じられるようにしました。しかも、(軽量化の工夫をしながら)ウエーブの形状を変えて、強度を高めました。これらの変更はすべて、ミッドソールを2mm厚くしたことに対応する、ライダーの安定性の確保のためです」(吉村さん)

↑ミッドソールのフォーム材に挟まれたブルーのプレートが「ミズノウエーブ」

 

ライダー26では、シューズの裏面のアウトソールも変更。前足部と中足部にかけてのラバーを、セパレートでなく一体化させている。ミッドソールへの過度な屈曲を抑え、スムーズな体重移動をサポートするためだ。さらに、アウトソールの前足部と踵内側には、微発泡ラバーを採用。軟らかさと軽量性を追求した。

↑ライダー26のアウトソール。ガイドラインの溝の奥に見えるのもウエーブプレートだ

 

「ライダーのレンジ幅は、ミズノエナジーによって、さらに拡がりました。日常生活を快適に過ごす普段履きはもちろん、運動不足解消のジョギングにも、ダイエットを目指す方にも、初めてのフルマラソンや、マラソンを4時間以内で走り切る目標を持つ方たちまで、ライダー26はさらに幅広く対応できるようなったのです」(吉村さん)

 

いよいよ、ウエーブライダー26を試走!

開発の話をたっぷり聞いたところで、ライダー26の試走スタート! まずは、シューズに足を入れた感覚のインプレを行う。そして、初心者も含め、多くの方々がランニングシューズを履く、3つの理由に合ったペースで実際にフィールドを走ってみた。

 

最初は、「運動不足解消」が目的、1㎞を約7分で走る(=キロ7分)の~んびりペース。続いて、脂肪を燃焼させる「痩せラン」に適した、1kmを約6分で走る(=キロ6分)ゆっくりペース。最後は、距離ではなく、走る爽快感重視の、1㎞約4分30秒~5分で走る(キロ4.5~5分)「スカッとラン」。気になるライダー26のポテンシャルを、引き出してみた!

 

【まず、履いてみた!(走る前の足入れ感)】

走り出すには、心のウォーミングアップも必要だ。まずは、丁寧にシューズを履いてみよう。ライダー26の平ひものシューレースは、たっぷり緩める。シューズの中まで、新鮮な空気で満たそう。ランニング用の薄手のソックスをまとった足を、シューズに通す。つま先を上げて、かかとをシューズに合わせる。大振りのかかとの部材(ヒールカップ)がしっかり足を包むはずだ。

 

シューレースは丁寧に、きっちり締める。頃合いは、きつ過ぎず、ゆる過ぎず。気持ちを“走るモード”に切り替えるべく、左右均等に締めよう。もちろん、結び目の大きさも揃えたい。徐々に、ライダー26で走り始める心のウォーミングアップが整ってくるはずだ。

 

ゆっくり立ち上がる。前作より2㎜厚くなったミッドソールのフォーム材「ミズノエナジー」の優しい厚みを感じよう。続いて、かかとに重心を移す。かかとには、中足部に配されたプレート「ミズノウエーブ」が及んでいない。その分、ミズノエナジーの心地よい沈み込みを堪能できる。

↑前モデル(ウエーブライダー25)からクッション性は約20%、反発性は約30%向上

 

今度は、つま先重心。前傾姿勢になると、すぐに走り出したくなる。その理由は、シューズの設計にある。つま先とかかとの高さを比べた際、かかと側が12mm高い構造だからだ(ランニングシューズ界隈では、この落差をドロップと呼ぶ)。ほどよいドロップによって生まれる前傾姿勢は、カラダを前へ進めることに役立つ。たしかに、過度に高いドロップは膝への負担を高めがちだが、低いドロップのシューズ=快適に走れるとも限らない。

 

話とともに、重心を、ニュートラルに戻そう。アーチ(土踏まず)は、中足部に配されたプレート=ミズノウエーブがしっかりとホールドしている。今、走り出せば、ウエーブによって、さらなる安定感を得られるはずだ。準備完了! あとは、走り出すだけ!

 

【運動不足解消ジョグ(1㎞を7分で走るペース)】

1㎞を7分かけて走る。ランナーは、時速ではなく、「キロ〇分」という表現で、自分たちの速度をカウントする。ちなみに、キロ7分は、時速にすると8.75㎞/時。歩きの時速は4㎞/時ほどなので“超速”っぽいが、実際走ってみると、キロ7分なら、運動不足解消のジョギングペース。一緒に走るひととおしゃべりできる、の~んびりランである。

 

キロ7分での、ライダー26。着地の瞬間、「ミズノエナジー」の軟らかさが、かかとから足の裏全体に伝わってくる。ミッドソールが2㎜厚くなって、なるほど今どき流行のソフトな着地感を堪能できる。

 

運動不足の解消が目的、公園まで往復3~5㎞程度のジョギングであれば、ライダー26はもちろん申し分ない。実際、何も考えずに、気持ちいいと感じるペースで走ると、1キロ走るのにライダー26では6分20分秒。あくまで筆者の走力でのインプレなのだが、ライダー26の設計上のポテンシャルとも、まさに噛み合ったペースと言える。

 

【痩せラン(1㎞を6分で走るペース)】

続いて、1㎞を6分で走るペース。時速に直すと、ジャスト10㎞/時。1時間走り続ければ、10㎞進む計算になる。大雑把な目安だが、ランニングで消費されるエネルギーは、距離×体重で計算できると言われている。体重70㎏の人が、10㎞走ると700キロカロリー。700キロカロリーは、そば一杯分程度なので、ランチを食べなかったくらいのダイエット効果がある。1㎞6分のペースだと、消費カロリーの約半分は、脂肪が使われる。距離を伸ばせば伸ばすほど、つまり、お腹周りは軽くなるのである。

 

ペースを上げても、さすが26代目となるライダー、余裕の安定感だ。試しに、ダラダラ上る坂道に突入。2㎜厚くなったミズノエナジーの反発性がいかんなく発揮される。体力以上に、ぐいぐい登る。乗り物でいうと高級SUVや、クロカンMTBの上級モデルのような、スムーズな登坂力だ。ただのチカラ任せではなく、サスペンションを含めた躯体の構造でガシガシ前に進む、あの感覚が得られる!

 

下りも快適。アウトソールの一体化された広いラバー面、さらにウエーブのおかげで、安定感も抜群だ。昨今ブームの厚底&プレート無しのシューズだと、内側のフォーム材を厚くして安定感を出すタイプもあるため、下りでの安定感に不安を覚えることも。その点、プレートのあるライダー26は、そんな不安とは無縁だ。

 

インプレに要する絶対的な時間が必要なので、断定こそできないが、フルマラソン以上の距離でも、最新ライダー 26はポテンシャルを発揮するはずだ。特に、いっぺんにまとめて70㎞~100㎞走るウルトラマラソンなどの、いわゆるエンデュランス系のイベントにも合うだろう。筆者も、過去のモデルのライダーで、100㎞のウルトラマラソンを何度も走っている。ウルトラマラソンには、コースにアップダウンが組み込まれているため、ウエーブの安定性は後半の救いの綱となるはずだ。

 

【スカッと走(1㎞を4.5~5分で走るペース)】

下り坂でペースアップしたので、そのまま走り続ける。坂道の位置エネルギーによる慣性は、平地に戻ると、あっという間に終わる。その後の立ち上がりは、脚力の勝負。MTBであればギアを落とし、サスペンションをロックして、立ち漕ぎでもがいて加速するシーンだ。

 

ライダー26のミズノエナジーの反応性も、決して悪くはない。時間をかけてペースを上げるなら、十分すぎるスペックだ。しかし、打てば響く、まさにレースで使う加速性能は、持ち合わせていない。ライダー26の反応速度は、レースに勝つためではなく、あくまでランを楽しむためのものと言えよう。

 

実は、ミズノエナジーには、さらに上位スペックの「エナジーライト」、「エナジーコア」がある。これらは、さらなる衝撃緩衝性と高い反発力を持つフォーム材だ。ハイスペックなフォーム材は、使い方を誤ると怪我のリスクにもなる。上位スペックを含めたミズノエナジーの全貌は、いずれまた、この企画で紹介する機会を設けたい。

 

ライダー26の魅力は、“スカッと走”よりも、運動不足解消や脂肪燃焼ランに向く。さらに、ウルトラマラソンなどの過酷な環境でのランニングに適していると言える。ライダーが目指しているのは、安定性に優れ、バランスの良い“誰からも愛されるシューズ”なのだ。

 

次回の予定は、ライダーのDNAを受け継ぎ、ライダー26と同じスペックのウエーブを採用している「ウエーブネオ ウインド」。今どきのイケメン風のシューズ素顔やいかに! 乞うご期待である。

 

撮影/石原敦志

 

 

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「ミズノ」のテクノロジーにファッション要素を融合させた「WAVE PROPHECY B」!

1906年に大阪で創業したスポーツブランド「ミズノ」。野球やバレーボール、バスケットボールなど様々な競技用アイテムを展開している、日本を代表するスポーツブランドですよね! そんなミズノはシューズも競技用のイメージが強いですが、実はライフスタイルモデルもしっかりとリリースしているのです。そのひとつが「WAVE PROPHECY B(ウエーブプロフェシー ベータ)」です。

 

【ミズノ「WAVE PROPHECY B」の写真を先見せ(画像をタップすると閲覧できます)】

 

攻めのデザインに惹かれちゃいます!

本作は、ミズノのテクノロジーを結集したランニング向けのフラッグシップモデル「WAVE PROPHECY」をベースにした、ライフスタイル仕様アレンジモデルです。ソールはオリジナルの特徴的なソールテクノロジー「ミズノ ウェーブ」の進化系「インフィニティ ウェーブ」を搭載。そしてアッパーは以前リリースした、アーティスト「空山基」氏とのコラボレーションモデル「WAVE PROPHECY SORAYAMA」からインスパイア。優れた機能性と、独創的なデザイン性が一体になった一足と言えます!

↑アッパーは合成繊維のファブリックのインレイと、スエードのマッドガードによるオーバーレイで構成して、フューチャリスティックな印象の中に、シックな雰囲気も散りばめています

 

↑サイドにはミズノのお馴染みのマーク、通称“ランバード”をオン

 

↑ミッドソールは2枚の波型プレートだけで形成する、最新のインフィニティ ウェーブを搭載。着地時の衝撃を、しっかりと推進力へと変換してくれる他、従来のスポンジを削減することで、耐久性を強化しています

 

↑アッパーとシュータンが一体になったブーティ構造で、足を包み込むようなフィッティングを提供

 

 

ほかのブランドでは見られない、フューチャリスティックなルックスが魅力的ですね。しかも、本格的スポーツブランドで知られるミズノが、こんなに独創的なシューズをリリースしていたことが、意外だった方も多いかと。ミズノはほかにもシックなデザインの「Mライン」や、90年代トレーニングシューズの復刻モデル「スカイメダル」などもリリースしているので、ぜひともチェックしてみて下さい!

ミズノ

WAVE PROPHECY B

2万7500円(税込)

 

 

ミタスニーカーズ

https://www.mita-sneakers.co.jp

運転操作をサポートする機能満載、ミズノとマツダが共同開発したドライビングシューズ登場

ミズノは、マツダと共同開発した新コンセプトのドライビングシューズ「マツダ/ミズノ ドライビングシューズ」の予約受注を、クラウドファンディングサービス「Makuake」で開始しました。

 

今回発売するドライビングシューズは、マツダのドライビングポジションをはじめとする意のままの走りを実現する技術と、ミズノが持つ幅広いスポーツ品開発で培ったテクノロジーを掛け合わせることで完成したモデル。

 

車の運転における足の動作には、床面にかかとを付け足首を伸ばして足裏でペダルを踏み込む、つま先を引き上げてペダルを戻す、床に付けたかかとを中心にペダルを踏みかえるなどがあります。マツダ/ミズノ ドライビングシューズは、こうした運転操作をサポートする機能により、人と車が一体となる走り心地、「クルマと通じ合う歓び」を提供するとしています。

 

足首の周りには競泳水着の姿勢制御技術を活用し、伸縮性の高いストレッチ素材を採用。ストレッチ素材の戻る力が、つま先を引き上げる動作をサポートすることで、アクセルペダルとブレーキペダルの踏みかえがしやすくなっています。また、踏み込み時には、ストレッチ素材の伸びを抑える力により、踏み込み加減の微調整がしやすく、ドライバーのペダルコントロール性がより緻密になるとのこと。

 

 

ソール部には、クッション性に加えて、トレーニングシューズ開発で培った、情報伝達技術を活用した足裏の感度を高める「MIZUNO COB」を採用。日常履きに使える快適さと運転時におけるダイレクトなペダルフィールを両立させています。

 

さらにアウトソールには、床面への足の接地を安定させる「ラウンドソール」を搭載。かかと部分に丸みを持たせてアッパーの側面から後方まで巻き上げることで、床面との接地面積を増やしています。これにより、かかと部分を軸に足を前後左右に動かしやすくなるため、安定したペダル踏み込み操作とスムーズな踏みかえ操作を追求したそうです。

 

 

一般販売予定価格は4万4000円(税込)ですが、Makuakeでは3万9600円(税込)で予約を受け付けています。サイズは24.5~28.0cmで、重量は27cmの場合で片方約270gです。すでにMakuakeでは人気を集めていますので、気になる人はおはやめに。

ミズノ史上最高の高反発ソール素材「MIZUNO ENERZY」、使った印象は?

ミズノ史上最高の高反発ソール素材といわれる「MIZUNO ENERZY」をご存知でしょうか? 私、中村 優もすでに同素材を搭載したシューズを何足か試しており、その素晴らしさを体感済みの逸品です。本記事では、10月中旬に開催されたメディア向け勉強会をベースにMIZUNO ENERZYの詳細と、実際の履き心地を深掘りレポートしていきます。

 

MIZUNO ENERZYには3タイプがある

まず、MIZUNO ENERZYの概要について紹介していきましょう。MIZUNO ENERZYは、柔らかさによってためた接地時のエネルギーを、ロスを少なく反発させるミズノ独自の新素材。使用シーンなどに合わせて、最も柔らかさと反発性を高めた「MIZUNO ENERZY CORE」、軽量性を追求した「MIZUNO ENERZY LITE」、標準的な「MIZUNO ENERZY」の3タイプで構成されています。例えば、MIZUNO ENERZY搭載シューズのフラッグシップモデルである「WAVE RIDER 24(ウエーブライダー 24)」には、MIZUNO ENERZYが採用されています。

↑ウエーブライダー 24(1万4190円/税込)

 

↑MIZUNO ENERZYを搭載しているウエーブライダー 24と、MIZUNO ENERZY LITEを搭載しているウエーブデュエル ネオ。カラーラインナップも豊富

 

ここで、ウエーブライダーについて触れておきましょう。ミズノのランニングシューズといえば「WAVE RIDER」と言っても過言ではないほど、アイコニックなシリーズ。実際、1997年のデビュー以来、累計販売数は1000万足超! 私も今までで一番多くの種類を履いてきたのが、同シリーズです。もう7年前になるので記憶が曖昧ですが、たしか初めて履いたのは2013年の「WAVE RIDER 17(ウエーブライダー 17)」あたりだったかな……。

 

そこから今年9月に発売されたウエーブライダー 24まで、同シリーズはずっと安心感を持って履けるランニングシューズとして信頼を置いています。特にフルマラソンを走る時、最後まで脚をサポートしてくれるクッション性、ブレない走りを実現する安定感のあるシューズ、というイメージです。

↑フラッグシップモデルのウエーブライダーがパワーアップした、ウエーブライダー 24

 

ウエーブライダーシリーズに従来から搭載しているウェーブテクノロジーは、ソール部に波型形状を取り入れることで、縦方向の衝撃を吸収し横方向のズレには安定性を発揮する、というもの。ウエーブライダー 24には、そのウェーブテクノロジーに加え、従来のソール素材と比較し柔らかさが約17%、反発性が約15%向上した新素材MIZUNO ENERZYを踵部に搭載しているということで、よりスムーズで滑らかな走り心地を追求しています。

 

軽量性を追求した「MIZUNO ENERZY LITE」はファンランナーにも合う

MIZUNO ENERZY搭載シューズで飛び抜けて軽量なのが、MIZUNO ENERZY LITEを採用している「WAVE DUEL NEO(ウエーブデュエル ネオ)」です。ウエーブライダー 24が約257g(27.0cm片方)なのに比べ、ウエーブデュエル ネオは約195g (27.0cm片方)という驚きの軽さ。創価大学の嶋津雄大選手が2020年の箱根駅伝で区間新記録(10区)を出したときに、このシューズのプロトタイプモデルを着用していたことでも話題になりました。

↑「ウエーブデュエル ネオ」(2万5300円/税込)。ローカットモデルの「ウエーブデュエル ネオ ロー」(2万900円/税込)もあります

 

箱根駅伝出場選手が履くくらいなので、フルマラソンでいうとサブ3を目指すようなランナー向け、ということなのでしょうが、ゆるゆるファンランナー代表の私もウエーブデュエル ネオを所有。驚きの反発性で、1km6分以上かけて走る私でも気持ちよく走れます。私のレベルだとウエーブデュエル ネオで長距離を走るのは向かないかもしれないけど、地面をしっかり掴んで蹴る気持ち良さが感じられて好きな履き心地で、気分転換にスピード出して走りたい時なんかに履こうと思っています。

 

勉強会の最後には、ランニング雑誌 & WEBマガジン「Runners Pulse」および、ミズノランニングマガジン「AHEAD」編集長の南井さんがユーザーを代表して、ミズノ シューズ企画担当に鷲見さんへ質問。その内容を抜粋してお届けしましょう。

↑スニーカー界のご意見番、南井さん(右)と、今回レクチャーしてくれたミズノ シューズ企画担当 鷲見さん(左)。本勉強会は神保町のMIZUNO TOKYOで行われました

 

「ウエーブライダーを初めて履いた時の印象が、安定性と衝撃吸収性と反発性の3つのバランスが良いなということでした。しかし、『MIZUNO ENERZY』を搭載して柔軟性がアップしたことによって、安定性が損なわれることにユーザーからは不安が出るのでは!? と思いますがどうでしょう?」(南井)

 

「ソールが柔らかくて反発性が良いというのに越したことはないです。ウエーブライダーシリーズの1番のポイントは安定性! ブレない! ということなので、そこはかなり注意しました。安定性に関しても絶対的な自信を持っていますし、従来のライダーに比べても匹敵するくらい安定性を維持できていると思います」(鷲見)

 

南井さんも、実際ウエーブライダー 24を履いて計100kmくらい走ってみたそうですが、柔軟性もありつつバランスの良さは損なわれていないな、と感じられたそうです。

 

では、実際に「ウエーブライダー 24」で走ってみましょう

最後に、MIZUNO TOKYOから徒歩約5分のところにあるランニングステーション「RUNCUBE」へ移動して、ウエーブライダー 24を履いて皇居ラン1周してきました。

 

ウエーブライダー 24を履いて感じることは、足入れした時の履き心地の柔らかさに加えて、スムーズな足運びができることです。ランニング時の“スムーズさ”が、ミズノがブランドとして最も大事にしている要素。まさにその通りですね。

 

また、ウエーブライダー 24は、私が履いてきたウエーブライダーシリーズで最もスムーズさを感じられた気がします。踵で衝撃吸収されてそのまま滑らかに前足部へと流れていく感じ。縦方向に配置された溝が、体重移動をスムーズにしてくれるようです。

 

また、アッパーにステッチを使わないことで履き心地の良さも叶えています。しっかり固めて安定感を出していたような感覚だったのが、優しく柔らかくホールドされるイメージに変わりました。いつものように1km7分前後でのんびり走るのも安定感抜群で気持ちいいですが、1km5分台までペースを上げるのも簡単でストレスがなかったです。

 

ランニング初心者はもちろん、スピードを求めるランナーのジョグ用にも使えるみたいですね。ランニングが気持ち良い季節になったので、大活躍してくれそうです。ミズノランニングマガジンAHEADでもウエーブライダー 24について語っていますので、良ければチェックしてみてください。

 

【INFOMATION】

●中村優イベント

ランニングイベント「中村優とはしろう!」が半年ぶりに復活。12月5日、荒川で10km計測会を開催致します! 計測会なので、ランニング初心者からご参加できます。お気軽にお申込みください。https://crossx.tokyo/event201205-2/

●中村優 YOUTUBE

https://www.youtube.com/channel/UCh4kNcPSiOs76I8pXa8N15Q

●中村優 Instagram

https://www.instagram.com/nkmr_yu/?hl=ja

●中村優 Twitter

https://twitter.com/nkmr_yu_2020

 

 

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ミズノ新プロジェクト第1弾はミタスニーカーズとのコラボモデル!! 「陸上競技場」と「アスファルト」をボーダレスに!

スポーツブランド「MIZUNO(ミズノ)」は、スニーカーショップ「mita sneakers(ミタスニーカーズ)」と初のコラボモデル「WAVE RIDER 1 “NO BORDER”(ウエーブライダー1 ノーボーダー)」を発売。カラーはブルー、ホワイト、グレー、イエローの4色展開で、価格は1万7800円(税別)。取り扱い店舗は「mita sneakers」(上野)と「BEAMS JAPAN」(新宿)です。

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ミズノは、日本語の“家族”から命名されたグローバルプロジェクト「KAZOKU (カゾク)」を2018年に始動。これは未来に向けて新しい価値を創造していきたいという想いを元に起ち上げられたもので、本プロジェクトのトップバッターとして、国井 栄之 (クニイ シゲユキ)がクリエイティブディレクターを務める世界的にも有名なスニーカーショップ、ミタスニーカーズとのコラボが実現しました。

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今回発売されたコラボレートモデル「WAVE RIDER 1 “NO BORDER”」は、ミズノとミタスニーカーズそれぞれのメインフィールドである「陸上競技場」と「アスファルト」をボーダレスにすることをコンセプトにデザインされており、1997年に革新的なソールテクノロジー「MIZUNO WAVE(ミズノ ウエーブ)」を搭載したランニングシューズとして登場した「WAVE RIDER(ウエーブライ ダー)」をベースにしています。

 

アッパーには、陸上競技場のブルーランニングトラックや一般道に設置されている交通標識からインスパイアされたブルーを配し、通気性に優れたナイロンメッシュや上質なスウェード、光沢感のあるパテントレザー、そして夜間の視認性を向上させるリフレクター(反射材)の素材を採用しています。

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つま先には、ブルーランニングトラックに引かれている分割線や車道の区画線から着想を得たホワイトラインでシームを跨いでプリント。さらに、アスファルトをイメージしたミッドソールにはグレーベースに斑点模様を施しています。

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また今モデルのアイコニックな機能の「WAVE PLATE(ウエーブプレート)」は昼夜別の表情を魅せる「GLOW IN THE DARK(グローインザダーク)」に仕上げるなど、コラボならではの魅力が詰まっています。さらにインソールにはそれぞれのロゴマークとミタスニーカーズのアイコンである「CHAIN LINK FENCE(金綱)」柄と「東京改」の文字を配し、オフィシャルコラボである証が記されています。気になった人は、ぜひチェックしてみてください。