“指先舐め”は嫌われる! 使えば病みつきの書類めくりがサクサク進む指サック

【きだてたく文房具レビュー】カチカチガサガサ肌になりがちな冬場にありがたい文房具

 

いろいろと意見はあろうが、筆者にとって“冬場にありがたい文房具ナンバーワン”といえば、指サックだ(逆に、冬場にイヤな文房具のトップは金属軸のボールペン。冷たいから)。

 

体質なのか、とにかく冬の手荒れがひどく、指先なんか何度も皮が剥けた挙げ句に角質化してカチカチ。キーボードを打つのも憂鬱なぐらいである。で、そんな指のタイミングを見計らったかのように、3月発売予定の著書の校正紙が出版社から束でドカッと送られてきたのだが、こんなカサカサ・カチカチの指ではページをめくるだけでひと苦労。そこでお世話になるのが指サック、というワケなのだ。

 

この連載でも、以前に指サックのオススメを取り上げたことがある(その時も当時の著書の校正紙をめくるのにヒイヒイ言ってた)のだが、今回は先日発売されたばかりの「摩擦力2倍!」をうたう新製品を試してみたいと思う。

指先ペロリはもう古い! シールからクリームまで書類送りに便利な「進化系指サック」をレビュー!

↑プラス「メクリッコキャッチ」S・M・L 各4個入り 194円↑プラス「メクリッコキャッチ」S・M・L 各4個入り 194円

 

これまでの指サックといえば、シリコンやニトリルゴム製が基本だったが、プラスから発売された新しい指サック「メクリッコキャッチ」は、素材に摩擦力の高いソフトエラストマーを使用。「摩擦力2倍!」というキャッチは、このソフトエラストマーに由来しているようだ。

↑摩擦力2倍!とまでは分からなかったが、確かに軽い力でも紙に食いつくのは感じられた↑摩擦力2倍!とまでは分からなかったが、確かに軽い力でも紙に食いつくのは感じられた

 

実際に使ってみると、グリップ力は確かに強い。というか、軽く紙に触れた状態で指先を横に動かすと、そのまま紙がふわっとくっついて動く感じ。触れてさえいれば、ほぼ確実にサックの面が紙を捉えてくれるので、上滑りすることはほとんどなかった。

 

なにより良くできているなー、と感じたのが、この形状だ。立体形状になっており、横から見ると指の先端まで包むようになっているのが分かる。この形のおかげで、指の腹のどこで触れてもきちんとグリップするという安心感がある。

↑指先まで包み込むような立体形状で、指先までフルに使える↑指先まで包み込むような立体形状で、指先までフルに使える

 

実際、指の先端から腹まで指先全体を使ってめくり作業ができるというのは、かなり快適だった。

 

近年の流行である指輪のようなベルト型指サックだと、どうしても指の先を使った作業ができない。また、無意識にベルトの巻かれた部分だけを使おうとするので、指の動きがいささか不自由な感じになってしまう。

↑ベルト型は気軽に使えるが、指の腹しか作業領域がない↑ベルト型は気軽に使えるが、指の腹しか作業領域がない

 

じゃあ対して、昔ながらの指全体を包むようなタイプのサック型ならいいんじゃないかと思うが、こちらは指が蒸れて気持ち悪いのが難点だ(そもそも、それを解消するためにベルト型が登場したという経緯がある)。

↑ベルト型の普及でだいぶ見なくなったサック型。とにかく蒸れるので、長時間作業すると指がシワシワにふやける↑ベルト型の普及でだいぶ見なくなったサック型。とにかく蒸れるので、長時間作業すると指がシワシワにふやける

 

また、サイズにもよるがサック型は指の第一関節にまで干渉することがあり、これがまたなかなかに使い心地が悪いのだ。

↑第一関節に干渉しないよう、フチをえぐり込んだ形状。曲げ伸ばししても不快感はゼロ↑第一関節に干渉しないよう、フチをえぐり込んだ形状。曲げ伸ばししても不快感はゼロ

 

対してメクリッコキャッチは、根元がえぐれたような形になっており、関節の動きを邪魔しない。それに加えてサックの内側にも滑り止めのリブがついているため、指を曲げ伸ばししても、サックがズレたり回転したりないようになっている。形状が特殊なだけに、ズレ・回転があると不快だろうなと思っていたのだが、さすが、その辺りはきちんと解決されていた。

 

もちろん、爪側・腹側両方に通気穴があるので、試用中の1時間装着では蒸れるという感じもほとんどなかった。

↑通気穴に加えて、爪側が大きく開口しているので、爪を伸ばしていても装着できる。まさにリング型・サック型の「いいとこ取り」だ↑通気穴に加えて、爪側が大きく開口しているので、爪を伸ばしていても装着できる。まさにリング型・サック型の「いいとこ取り」だ

 

サイズはS・M・Lの3タイプ。どれが自分に合うか分からないという場合は、パッケージ裏面におよその指の目安が印刷されているので、そこに指を置いて判断してみて欲しい。

↑パッケージ裏のサイズ確認ゲージ。指を当ててみればだいたい合うかどうか判断できる↑パッケージ裏のサイズ確認ゲージ。指を当ててみればだいたい合うかどうか判断できる

 

 

筆者の指の太さはほぼ男性平均ぐらいだが、人差し指にはMサイズ、親指でLサイズがジャストフィット、という感じだった。素材的にはかなり弾力もあるので、厳密にきっちり合わせなくても問題はない。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。