氷上でも舗装路でも驚きのポテンシャル!ブリヂストンから新世代スタッドレスタイヤ「BLIZZAK WZ-1」登場!

「これが本当にスタッドレスタイヤなのか?」その凄さを実感させられるスタッドレスタイヤ「BLIZZAK WZ-1(ブリザック ダブルゼットワン)」が、ブリヂストンから9月より発売されます。このタイヤのポイントはブリザック史上、最強とも言える冬用タイヤとしての氷雪性能に加え、夏タイヤとしても驚愕のドライ/ウェット性能を実現していることにあります。今回はその実力を、夏真っ盛りの横浜で体験して参りました。

↑ブリヂストン「BLIZZAK WZ-1」。商品設計基盤技術「ENLITEN」をスタッドレスに初採用し、“究極のカスタマイズ”としてスノー/アイスだけでなく、ドライ/ウェット性能でも優れた走行性能を発揮する。

ブリヂストンの新作スタッドレスタイヤ「WZ-1」の新技術とは?

ブリザックは1988年に誕生したブリヂストンを代表する冬用タイヤでもあり、同時に北海道・北東北主要5都市においては装着率24年連続ナンバーワンを誇る、日本でもっとも知られたスタッドレスタイヤとも言えます。

そのブリザックの前モデルである「BLIZZAK VRX3」が登場したのが4年前。その間に市場は大きく変化してきました。特に近年はゲリラ豪雨ならぬゲリラ豪雪といった突然の気象状況の変化に見舞われる機会が増え、それに伴ってユーザーが冬用タイヤに求める性能もより幅広いものとなっています。

こうした状況に対応するため、ブリヂストンは今年の冬シーズンに向けて、“新たなプレミアム”と位置付ける商品設計基盤技術「ENLITEN(エンライトン)」を乗用車用スタッドレスタイヤに初搭載した「BLIZZAK WZ-1」を発売することとしたのです。

↑商品名には従来の“VRX”ではなく、新世代を示す「WZ-1」を採用。ENLITENの技術が含まれていることもサイドウォールの刻印からもわかる。

ENLITENとは、タイヤの軽量化と転がり抵抗の低減により、環境負荷を低減しつつ、運動性能も両立させるための技術。ガソリン車ではCO2排出量の削減、電気自動車にとっては航続距離延長をもたらし、結果として環境に配慮したモビリティ社会の実現に貢献するというわけです。

氷上での滑りを抑えるには、接地面で発生する水をいかにコントロールするかにかかっているのは言うまでもありません。そこでスタッドレスタイヤであるWZ-1に、このENLITENを活かすために様々な新技術が投入されました。

トレッドパターンではブロックまわりへの水の回り込みを抑制する「L字ブロック」と、水をスポイトのように吸い上げて貯め込んでブロック面への水の浸入を抑える「L字タンクサイプ」を採用。しかし、これでも接地面には水が残ります。

そこでWZ-1には業界初となる新技術「親水性向上ポリマー」を配合した「Wコンタクト発泡ゴム」を搭載しました。これにより、ゴムの気泡による水の除去に加え、このポリマーとわずかに残った水の分子間力が水をグリップ力へと変換させるのです。

↑除水効果を向上させた「L字タンクサイプ」、親水性を高めた発泡ゴム「Wコンタクトゴム」を組み合わせ、ここに分子レベルの機能を追加することで水を徹底して除去している。

正直、ブロックパターンやサイプの話は理解できるとしても、分子レベルの話になるともはや化学の世界で、文系出身の筆者には「へぇ~、そうなんだ」としか思えません。とはいえ、ブリヂストンによれば、従来品であるVRX3比でブレーキ制動性能が11%短縮、氷上旋回時のラップタイムは4%短縮。さらに氷上での車両挙動の安定性も向上することになったということでした。

猛暑の中で実施されたスタッドレスの体験試乗会。その意味とは??

さて、今回の試乗体験は、新横浜にあるアイススケートリンクを基点として開催されました。幸いだったのは、試乗がこのスケートリンクと屋外の一般公道の2部構成で行われたことです。

当日は梅雨明け前からの猛暑が続いており、屋外は“危険なほどの暑さ”。この中で試乗を終えてスケートリンクに入ると、リンク内の冷気で一気に身体をクールダウンすることができたのです。正直、これには助かりました。

それにしても、どうしてこんな猛暑の中で試乗会を開いたのか? スタッドレスタイヤだけに、今までなら真冬の積雪地で行うことが当たり前だったはずです。

しかし、提示された試乗メニューを見てその意味がわかりました。ドライ路面ではフリー走行以外に、開発者も同乗しながら夏タイヤである「NEWNO(ニューノ)」との比較試乗も含まれていたのです。これこそ、WZ-1の開発陣が氷上性能だけにとどまらず、ドライ路面での性能に並々ならぬ自信を持っていることの現れ。

つまり、WZ-1がスタッドレスタイヤながら夏タイヤとしても十分通用することをアピールしたかったというわけです。

最初はWZ-1を装着した日産「アリア」で、一般道と首都高速を乗り継いで横浜赤レンガ倉庫へ向かいました。走り出してすぐにわかったのが、スタッドレスタイヤとは思えない静粛性です。路面からの振動が抑えられているのは、ブロックが大きめのスタッドレスタイヤでよくあることですが、その一方でこれが災いしてロードノイズは大きめとなるのがこれまでの常識でした。しかし、WZ-1ではスタッドレスタイヤとは思えない静かさだったのです。

↑スタッドレスタイヤとは思えない高い静粛性にビックリ! ハンドルのキレも良好で、高速走行時の直進性も極めて安定していた。

しかもステアリングを切っても反応が実にシャープで、この傾向は一般道だけでなく首都高速に入ってからも変わることはありませんでした。直進性も良好でACCを使って走っていても不安はまったくなし。

むしろ、この日の猛暑によってゴムは柔らかくなっており、そこから得られる乗り心地によってコンフォートカーのような快適さで走ることができたのです。

↑猛暑によって柔らかくなったゴムにより、コンフォートカーのような快適さな乗り心地が得られた。

続いてはNEWNOを履いたトヨタ「ヤリス」で一般道での試乗です。最初はBEVであるアリアからの乗り替えだったこともあり、ヤリス特有のざらついたエンジン音がやや鬱陶しく感じたものの、普通に一般道での走りをこなしてくれました。

次にWZ-1装着車に乗り換えて驚きました。アリア同様、路面からの振動を上手に抑えつつ、キレの良いハンドリングを示していたのです。正直言えば「NEWNOを上回っている?」と思ったほどです。

特に発進時の加速感がスムーズで、キレも良好なので交差点での右左折もごく自然に曲がっていくことができます。これなら街中のストップ&ゴーが繰り返されるシーンでもストレスは感じずに済むかもしれません。スタッドレスタイヤがドライ路面で「ここまで追い込めるとは思わなかった」というのが正直な感想でした。

前モデル「VRX3」との差は、定常円旋回ではっきり体感できた

最後はスタッドレスタイヤとして本領を発揮するであろう、アイススケートリンクでの試乗です。メニューはVRX3とWZ-1との比較が基本。発進でじわり加速とベタ踏み加速を試し、フルブレーキでの制動能力チェック。さらに定常円での旋回でのグリップコントロールを試しました。

↑氷上の試乗コースはスケートリンクを使用。好条件下での試乗ではあったが、スタッドレスとしての基本性能の高さもしっかり確認できた。

結論から言えば、加速でも制動力でもVRX3との差を見つけるのは難しかったというのが正直なところ。若干、加速時でWZ-1の方がしっかりと路面をつかんでいる感はありましたが、これも筆者の運転で本当に同じ条件で操作できていたかは疑問。ですので、直線路でのグリップ力という観点では両者に大きな差は体感できなかったと言えるでしょう。

↑氷上での発進加速によるグリップ力をチェックしているシーン。VRX3との比較では速度の上がり方がややスムーズだった気がした。
↑氷上で行った急制動のシーン。ブレーキを踏むタイミングが一定でないこともあり、VRX3との差を見つけるのは難しかった。

一方で違いをハッキリと体感できたのが定常円旋回でした。速度を出しすぎるとどうしても外側に膨らんでしまうので、アクセルコントロールは結構難しい。それでも徐々に慣れてくると、WZ-1はVRX3と比べて外側へ膨らむことがグッと減っていることがわかったのです。

仮に外へ膨らんだとしても、WZ-1はトラクションを結構早めに回復させており、いざアイスバーンで滑り始めたらこの差は大きな安心感となるでしょう。

↑氷上での試乗を行ったアイススケートリンク。すでに他の試乗で旋回しているため、表面はピカピカのアイスバーン状態だった。

もちろん、今回の氷上での試乗はアイススケートリンクという、管理されたコンディションでの話、実際の一般道路で同じような効果が得られるのかは試してみないとわからないと思います。とはいえ、WZ-1となって氷上性能のポテンシャルアップにつながっていることは間違いないようです。

ただ、ウィンターシーズンでWZ-1を使い、ドライ路面での快適さを味わってしまうと、「オールシーズンこれでいいんじゃない?」と思う人が多数出てきてしまう可能性は否定できません。

ブリヂストンとしては「シーズンごとに夏タイヤと冬タイヤはこれまで通り取り替えて欲しい」と訴えますが、ここまで夏タイヤの性能が上がってくると果たしてユーザーがそう思ってくれるでしょうか。

とはいえ、WZ-1は氷上性能の高さだけでなく、ドライ路面で走る機会が多い人にとっても高い満足度が得られるタイヤであることは、今回の試乗を通してはっきりとわかりました。そうした意味でもWZ-1は従来の概念を覆す、新世代のスタッドレスタイヤと断言できる優れたポテンシャルを持ったタイヤであることは間違いないでしょう。

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

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【西田宗千佳連載】iPhoneへの過酷なテストからわかった“故障の原因になるもの”とはなにか

Vol.152-3

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はApple製品の信頼性を支える、同社の「堅牢性ラボ」の話題。iPhoneやMacの故障を減らすためにどんな試験が行われているのか。

 

今月の注目検査施設

Apple

堅牢性ラボ

↑Appleの「堅牢性ラボ」では、iPhoneの耐水性試験も行われる。あらゆる方向から大量かつ高圧で水をかけるという、現実では起こりにくい状況で試験が行われている。

Appleは、iPhoneやMacなど、同社製品の堅牢性を確認するための「堅牢性ラボ(Durability Lab)」という設備を、世界各地に設置している。製品に過酷なテストを課して、どこまで堅牢で、どんな時に壊れるのかを確認するための設備である。

限界をチェックするためのものなので、なかなかに痛々しいテストも多い。iPhoneに猛烈な水圧でホースから水をかけたり、高い場所から落としたりといったテストを、筆者は実際に見学している。見学の範囲で製品が壊れることはなかったが、見ているとなかなかに心が痛む。

しかし、こうしたテストを日々繰り返しているからこそ“ちょっとした不注意でスマホをお風呂の中に落とした”ような時でも、壊れることは少なくなっているのだ。もちろん、絶対に壊れないことを保証するものではなく、“故障する確率を減らすもの”という性質なのだが。

取材中に聞いた面白い話がいくつかあるので、参考までに紹介する。

1つ目はスマホの画面割れの話。スマホを落としてガラスを割る……という故障はよくあるものだが、この故障、“床などに落ちた時より、そこから跳ねて2度目に落ちた時に壊れることが多い”ことが、検証によって明らかになっているそうだ。だからといって“1回目で拾えば壊れない”という話ではないのだが、どこから落ちると壊れやすいのか、どんな落ち方をすると壊れやすいのか、といった情報を分析し、落下に強い製品を作るには重要なものだ。

2つ目が防水の話。iPhoneには防水機能があるが、すべてのシーンで問題がないわけではない。お湯の中に長時間浸けたりすることは対象外。同時に、石鹸などの物質が付着した場合には速やかに拭くことが推奨されている。

実は石鹸よりも苦手なのが「サンオイル」や「濃い香水」だそうだ。こうしたものは水というよりは油に近いもので、使っている素材によっては、スマホの防水に使われている封止用パッキンを侵す可能性がある。過去に比べて改善はされているようだが、サポート対象ではないので、やはりこちらも速やかに拭き取ることが望ましいだろう。

我々の日常には様々な条件がある。ポケットの中の埃や手に付着した水ですら、本来は機械にとっては苦手なものだ。iPhoneに限らず、どこのスマホもそうした問題に対処するために様々な工夫をしている。不運にもそうした努力を潜り抜けるようなトラブルがあったとき、スマホは故障してしまうことになる。

では、故障対策や長期的な利用について、現在のスマホメーカーはどのように取り組もうとしているのだろうか。そうした部分については、次回のウェブ版で解説する。


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大阪工場を取材…サントリージンが世界で評価されるワケは“和食”にあった!【2026年春工場見学開始】

「ROKU〈六〉」「翠(SUI)」などのジンをはじめ、さまざまな“洋酒”を製造している「サントリー大阪工場」が、2026年の春から一般見学ツアーを開始すると発表。GetNaviお酒・グルメアドバイザーの中山秀明氏が先立って行われた取材会に参加し、その一部を体験してきた。工場の内部やサントリーの戦略、さらにジンの最前線をお伝えする。

↑サントリーがつくるジンの代表的銘柄が、サントリージャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」。2017年の発売から8年で、世界第2位のプレミアムジンへと成長した(2024年販売数量/IWSR2025データより)。

ジンの歴史と概要。ジュニパーベリーとは?

ジンは、ラム、テキーラ、ウォッカと並び「世界四大スピリッツ(蒸溜酒)」に数えられる酒。諸説あるものの、一般論ではオランダの医学博士が1660年に薬用酒として研究開発した、ジュニパーベリー(西洋ねずの実)を主体とする薬用酒がルーツとされています。

↑ジュニパーベリー。ウッディーでビターな甘みのある香りが特徴で、熟した果実を乾燥させスパイスとして利用する。工場見学ツアーでは他のボタニカルを含め、実物を見たり嗅いだりできる。

ジンの語源も、ジュニパーベリーにあり。オランダやフランス語圏でジュニエーブル、イェネーフェルなどと呼ばれていたものが、イギリスに渡りジュネヴァと呼ばれ、やがて「ジン」の愛称に短縮され広まっていきました。

定義としても、ジュニパーベリーはジンに欠かせません。そのほか穀物由来のスピリッツであること(例:ラムなどで重用されるサトウキビなどの糖蜜由来の場合、他の要素を満たしていても一般的にジンとはいわない)、アルコール度数が37.5%以上であることなどが条件です。

↑ジンの製造工程一例。「サントリー大阪工場」取材時の動画モニターを撮ったもので、一般見学でも動画でわかりやすく解説してもらえる。

トレンドの背景に欧州で生まれた“クラフトジン”がある

ジンは近年、国内外で飛躍的に市場が成長した洋酒の代表格といえます。火付け役といわれているのが、クラフトジンのムーブメント。パイオニア的なブランドのひとつが、英国ロンドンで2008年に蒸溜所が設立された「シップスミス」です。

↑サントリーの資料より。右上の写真にあるボトルが「シップスミス」。

やがてその熱は日本にも伝播し、2017年にはサントリーもジャパニーズクラフトジン「ROKU〈六〉」を発売。スタートアップによる銘柄も続々誕生し、いまや国内の小規模蒸溜所は約140もあるとか。そしてトレンドの起爆剤となったのが、2020年に誕生した「翠(SUI)」です。

「翠(SUI)」は、ソーダ割りでフードペアリングを推奨する飲み方提案も支持を得て、その後2022年にデビューした「翠ジンソーダ缶」もメガヒット。いまでは各社から、缶のジンソーダやジントニックが発売されるほど定着しています。

↑サントリーが推計した国内のジン市場データ。「翠ジンソーダ缶」が発売された2022年に、大きく伸長している点に注目。

浸漬タンクとつながった巨大蒸溜釜が並ぶ様は圧巻

「サントリー大阪工場」内部へと話題を進めましょう。同工場の歴史は古く、1919(大正8)年に同社(当時は鳥井商店)草創期の大ヒットぶどう酒「赤玉ポートワイン」をビン詰めする工場として開設(当時の名称は築港工場)。やがてスピリッツやリキュール全般を製造開発する工場へと規模が拡大し、いまに至ります。

↑工場内には歴代の名酒とともに歴史を紹介するギャラリーも。「赤玉ポートワイン」は1907(明治40)年に誕生し、1973(昭和48)年に「赤玉スイートワイン」へと名称変更。

来春スタートが見込まれる工場見学において、目玉のひとつとなりそうなのが、蒸溜器が見渡せるデッキです。驚くべきは、その大きさと設備。筆者がこれまで、いくつかのジン蒸溜所を取材したなかでも、ここまで高さのある蒸溜器は初めてかもしれません。なおかつ、メインとなる蒸溜釜の形が、ウイスキー蒸溜で頻用されるような銅製の単式蒸溜器(ポットスチル)に似ている点もポイント。

↑種類の異なる4基の蒸溜器が稼働。複層階のフロアで構成されていることからも、その巨大さがわかる。

加えてもうひとつ珍しいのは、蒸溜釜に設えられた浸漬(しんせき)タンク。これは、生産能力増強と品質向上を目的に新設した、画期的なシステムです。従来は蒸溜釜内でボタニカルの浸漬と蒸溜を同時に行っていたところを、タンクで浸漬してから蒸溜釜へ移送する工程にしたことで、生産性向上を実現。さらには、浸漬温度、時間、攪拌(かくはん)を制御できるようになり、品質もアップしたといいます。

↑浸漬タンクと蒸溜釜が、パイプでつながっている。

4基の蒸溜器は今回新調した設備となりますが、それぞれ種類が異なる理由は、素材ごとに原酒のつくりわけをするため。例えば桜やバナナなどにはクリアで繊細な酒質を得やすい「減圧蒸溜釜」を、柑橘系の素材には精溜度の高い蒸溜ができる「ピール・レクチ」を、ただし柚子などには「ピール・スチル」を、ジュニパーベリーなどジンの伝統的なボタニカルには「ジン・スチル」を、と使いわけることで、各素材に理想的な原酒をつくり出します。

↑蒸溜器を一望できる、見学デッキの壁に設置されている展示。訪れた際は、4基それぞれがどの蒸溜器か見比べてみよう。

「クリエイションルーム」ではテイスティングやセミナーを予定

そしてもうひとつの目玉が、「クリエイションルーム」と呼ばれる会場。ここは360度のスクリーンに没入感のある映像を流せるシアターとなっていて、見学ツアーではジンに関するテイスティングやセミナーなどが予定されています。

↑「クリエイションルーム」。席も円形に設えられている。

取材会では矢野哲次工場長がサントリーのものづくり精神や大阪工場について、スピリッツ・ワイン商品開発研究部の伊藤定弘部長が「ROKU〈六〉」の魅力をテイスティング講座形式で教えてくれました。特に筆者が感銘を受けたのは、同社が思い描く「The Japanese Craft」の考え方です。

↑スピリッツ・ワイン商品開発研究部 部長の伊藤定弘さん。360度の映像は桜をはじめ、柚子、玉露なども。

一言で例えるならば「和食」。その哲学はジンのブレンドにも表れており、料理でいえば「炊き合わせ」が挙げられます。というのも、一般的なジンの製法は原料を一括で浸漬、蒸溜するところ、「ROKU〈六〉」や「翠(SUI)」では素材ごとにつくりわけた複数の原料酒をブレンドしているからです。

↑イメージとしての、「ROKU〈六〉」と一般的なジンとの製法の違い。

日本料理の「炊き合わせ」も、素材ごとに別々に調理して提供時にお椀で合わせる。これにより、各素材の味や色の個性を最大限に楽しめるのです。ラーメンで例えれば、豚や鶏の白湯と魚介ダシを一緒に煮込むのではなく、それぞれ炊きわけ提供直前に合わせるWスープの手法が、サントリー流のジンに通じるレシピといえるでしょう。

↑取材会では、ここでしか味わえない桜や柚子の原料酒もテイスティング。こうしてテイスティングすると、素材の個性がよくわかる。

冒頭でも触れたように、一般見学ツアーは2026年の春ごろを予定しており、具体的なツアー内容や、参加は予約制なのか、工場までのアクセスは、料金はいくらなのかといった具体的な内容は決まっていません。とはいえ着々と準備は進められており、遠くない未来に発表されることでしょう。

↑「サントリー大阪工場」の住所は、大阪府大阪市港区海岸通3-2-30。すぐそばには天保山運河。USJや2025大阪・関西万博会場から比較的近い場所にある。(写真提供/サントリー)

GetNavi webでもその動向を追い、情報を入手次第お伝えするので要チェック。ジンのトレンドにも引き続き注目です。

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【西田宗千佳連載】リチウムイオン充電池の「発火事故」に備えるスマホメーカーの努力

Vol.152-2

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はApple製品の信頼性を支える、同社の「堅牢性ラボ」の話題。iPhoneやMacの故障を減らすためにどんな試験が行われているのか。

 

今月の注目検査施設

Apple

堅牢性ラボ

↑Appleの「堅牢性ラボ」では、iPhoneの耐水性試験も行われる。あらゆる方向から大量かつ高圧で水をかけるという、現実では起こりにくい状況で試験が行われている。

近年、リチウムイオン充電池を使った機器からの発火による火災が増えている。

主な発火原因はモバイルバッテリーとなっているが、スマホも例外ではない。東京消防庁の調べによれば、2024年に起きた火災のうち、リチウムイオン充電池が原因と思われるものは106件(速報値)あったが、モバイルバッテリーが原因のものは35件。携帯電話(含むスマホ)が原因のものは10件だった。

リチウムイオン充電池は内部に可燃性の有機溶剤を使っている関係上、加熱に伴う発火事故が起きやすい。様々な事故防止の仕組みが組み込まれているものの、これだけリチウムイオン充電池が搭載された製品が世の中にあふれていると、事故の数も増えてきてしまう。

モバイルバッテリーなどの発火原因のトップは“充電中の異常加熱”だが、さらにその原因となる項目は多彩だ。バッテリー製造時の不良から生まれるものもあるが、モバイルバッテリーやスマホが落下した時に受けたダメージが内部でショートを誘発する場合が多い。だからこそ、“リチウムイオン充電池を搭載した製品に強い衝撃を与えるべきではない”ということになる。

とはいえ間違いがあって、落としてしまうこともあるだろう。そんな不注意からの事故を防止するため、スマホメーカーは、安全性確保の努力を続けている。

先日取材したAppleの「堅牢性ラボ(Durability Lab)」では、同社製品に対する“あらゆる外的要因”の影響が検証されていた。落下や振動の影響をチェックする施設もあったが、ここでは“落ちてガラスが割れる”といった基本的な部分の他に、“落ちた時にバッテリーにどのような影響があるか”のチェックも行われている。

バッテリー自体に対するダメージや周囲の温度、充電時の状況などの条件を変えつつ、大量のバッテリーでの充電・発熱状況をチェックし続けている施設もあった。そこではiPhoneなどの製品に“組み込まれる前”のバッテリー自体をチェックし、発売される製品にトラブルが起きないように確認が続けられているという。

こうした努力は、Appleだけが行っているものではない。程度の差はあれ、どのスマホメーカーも行っているものだ。そういう仕組みがあること、製造時のチェックがさらに厳密なことなどから、スマホはモバイルバッテリーに比べると事故が少なくなっている部分がある。やはり、安全性もコストに紐づいているのだ。

では、他にはどのようなテストが行われているのだろうか? そして、そこからはどんなことがわかっているのだろうか? その点は次回のウェブ版で解説していく。


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【西田宗千佳連載】リチウムイオン充電池の「発火事故」に備えるスマホメーカーの努力

Vol.152-2

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はApple製品の信頼性を支える、同社の「堅牢性ラボ」の話題。iPhoneやMacの故障を減らすためにどんな試験が行われているのか。

 

今月の注目検査施設

Apple

堅牢性ラボ

↑Appleの「堅牢性ラボ」では、iPhoneの耐水性試験も行われる。あらゆる方向から大量かつ高圧で水をかけるという、現実では起こりにくい状況で試験が行われている。

近年、リチウムイオン充電池を使った機器からの発火による火災が増えている。

主な発火原因はモバイルバッテリーとなっているが、スマホも例外ではない。東京消防庁の調べによれば、2024年に起きた火災のうち、リチウムイオン充電池が原因と思われるものは106件(速報値)あったが、モバイルバッテリーが原因のものは35件。携帯電話(含むスマホ)が原因のものは10件だった。

リチウムイオン充電池は内部に可燃性の有機溶剤を使っている関係上、加熱に伴う発火事故が起きやすい。様々な事故防止の仕組みが組み込まれているものの、これだけリチウムイオン充電池が搭載された製品が世の中にあふれていると、事故の数も増えてきてしまう。

モバイルバッテリーなどの発火原因のトップは“充電中の異常加熱”だが、さらにその原因となる項目は多彩だ。バッテリー製造時の不良から生まれるものもあるが、モバイルバッテリーやスマホが落下した時に受けたダメージが内部でショートを誘発する場合が多い。だからこそ、“リチウムイオン充電池を搭載した製品に強い衝撃を与えるべきではない”ということになる。

とはいえ間違いがあって、落としてしまうこともあるだろう。そんな不注意からの事故を防止するため、スマホメーカーは、安全性確保の努力を続けている。

先日取材したAppleの「堅牢性ラボ(Durability Lab)」では、同社製品に対する“あらゆる外的要因”の影響が検証されていた。落下や振動の影響をチェックする施設もあったが、ここでは“落ちてガラスが割れる”といった基本的な部分の他に、“落ちた時にバッテリーにどのような影響があるか”のチェックも行われている。

バッテリー自体に対するダメージや周囲の温度、充電時の状況などの条件を変えつつ、大量のバッテリーでの充電・発熱状況をチェックし続けている施設もあった。そこではiPhoneなどの製品に“組み込まれる前”のバッテリー自体をチェックし、発売される製品にトラブルが起きないように確認が続けられているという。

こうした努力は、Appleだけが行っているものではない。程度の差はあれ、どのスマホメーカーも行っているものだ。そういう仕組みがあること、製造時のチェックがさらに厳密なことなどから、スマホはモバイルバッテリーに比べると事故が少なくなっている部分がある。やはり、安全性もコストに紐づいているのだ。

では、他にはどのようなテストが行われているのだろうか? そして、そこからはどんなことがわかっているのだろうか? その点は次回のウェブ版で解説していく。


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【西田宗千佳連載】Apple製品を支える「堅牢性ラボ」の実情

Vol.152-1

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はApple製品の信頼性を支える、同社の「堅牢性ラボ」の話題。iPhoneやMacの故障を減らすためにどんな試験が行われているのか。

 

今月の注目検査施設

Apple

堅牢性ラボ

↑Appleの「堅牢性ラボ」では、iPhoneの耐水性試験も行われる。あらゆる方向から大量かつ高圧で水をかけるという、現実では起こりにくい状況で試験が行われている。

 痛々しいほどの試験が高い信頼性を生む

先日筆者は、米・カリフォルニア州クパティーノのApple本社の近くにある、同社の「堅牢性ラボ」を取材してきた。

堅牢性(デュラビリティ)ラボとは、iPhoneやMacなどのApple製品の堅牢性を検査し、故障発生の可能性をできるだけ減らしていくことを目的とした設備である。Apple社内でのテストは多岐に渡るが、今回は主に「落下試験」「耐水性試験」「対環境試験」「振動試験」「バッテリー試験」の5つを取材することができた。

どれも名前から、どんなテストかはなんとなくわかるだろう。

落下試験は1mの高さから製品を落としてその結果を見るもの。耐水性試験では大量かつ高圧の水をかける。振動試験では、様々な周波数での振動を再現できる機械に製品をくくりつけ、振動の結果で故障しないかをチェックする。対環境試験では、高い気温・湿度の中や強い紫外線のもとで何日・何週間と動かし続ける。

その様はまるで機械に対する拷問のようで、痛々しいほどだ。だが今回取材中に見たテストでは、故障・破損は起きなかった。製品によってテスト内容や基準は異なるものの、AppleはiPhoneやiPad、Apple Watchなど、販売するあらゆる同社製品で堅牢性テストを行っている。

もちろん、堅牢性ラボでの検証中には壊れることもある。一方で、ユーザーから寄せられた故障情報を元に検証のための条件が設定され、「どのような状況になると壊れるのか」、ギリギリの条件を検証するために使われることも多い。堅牢性ラボは「設計で定めた条件の中で壊れないことの証明」だけでなく、「どのような条件が重なると壊れるのか」を把握することにも使われているわけだ。

それらの情報は、ユーザーへの警告やサポート情報に使われることもある一方で、今後の製品の堅牢性を高めていくための情報としても使われる一面も持ち合わせている。

メーカーにとってラボは「必然」であり「必須」

この施設を取材できたのは大きなプラスだった。Apple が製品開発の裏で行っている努力の一端がよく理解できた。Appleは堅牢性ラボを世界中に設置しており、様々な地域でのトラブルに素早く対処する体制を整えている。

もちろん、それでも「絶対に壊れないスマホ」が作れることはない。しかし、日常的なトラブルを幅広く想定し「故障に結びつくリスク」をできる限り排除することで、長く使い続けられる製品を開発することが可能になるのである。

一方で誤解してほしくないこともある。こうした検査施設は多くのメーカーが持っており、Appleだけのものではない。各社が行っている検査の内容自体も似ている。トップメーカーにとって、堅牢性対策のラボを持つことは「必然」であり「必須」のことなのだ。

では、スマホメーカーはどこで苦労しており、検査を続けつつ製品作りをしているのだろうか? そして、Appleを含め、各社の特徴はどのように生まれるのだろうか? それらの点は次回以降で解説しよう。


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【新発売】プルーム・オーラ専用タバコスティックに「ベリー」「バナナ」の2種登場! 試喫レビューで味わいを解説

7月1日から全国のコンビニなどで発売された、JTの新型加熱式タバコ用デバイス「プルーム・オーラ(Ploom AURA)」。同時に、専用タバコスティック「エボ(EVO)」も3種類の銘柄でデビューを果たしましたが、8月1日に2種類の新フレーバーが発売されることが発表されました。ひと足先に、試喫レビューを交えて紹介します!

↑「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」。各550円(税込)。
「プルーム・オーラ」(カラーは左から、ローズゴールド、ネイビーブルー、ルナシルバー、ジェットブラック)。各2980円(条件により980円~)。

加熱式タバコ市場で注目の“トロピカル系”フレーバーとは?

8月1日に発売される新フレーバーは、ともに「トロピカル」と銘打っているように南国チックな味わいが特徴。JTの加熱式タバコには「メビウス」と「キャメル」もあり、これらも「プルーム・オーラ」で吸えますが、トロピカルなフレーバーは初であり、2種類が同時発売されることは異例といえるでしょう。背景には、市場トレンドが関係しています。

↑近年、加熱式タバコ市場ではトロピカルフレーバーの存在感が拡大。

新フレーバーの開発背景をJT担当者にインタビュー

JTの発表資料によると、近年フルーツフレーバーの中でもトロピカルの人気が高まっています。このニーズに応え発売されたのが、今回の2銘柄です。「エボ」新フレーバー発表&試喫体験会で登壇した、JTのRRP商品企画部 村谷泰志担当部長に、トロピカルフレーバーがなぜ人気なのかを聞きました。

↑村谷担当部長。

「タバコ葉を直接燃やすのではなく、デバイス内のヒーターで加熱するタイプのタバコは、メンソールの冷涼感やフルーティーな香りの表現を得意とします。他方、南国果実は甘味や酸味が濃厚な品種が多く、トロピカルな個性がデバイスとの親和性によって、より伝わりやすい。いわば、果実味のわかりやすさが受け入れられているのだと考えています」

今回の2銘柄はともに、爽快なメンソールに調和する完熟マンゴーの果実味がベース。そのうえで「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」は、みずみずしいベリーの魅力をカプセルに凝縮。「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」は、クリーミーなバナナの甘さをカプセルに閉じこめているのが特徴です。

↑JTが21歳以上の喫煙者30人に行った調査結果。

実際に試喫! 2種の「エボ」を吸ってみた

↑試喫もできる発表会はPloom Shop 銀座店で行われた。

実際に吸ってみると、2種類のフレーバーの個性が実感できます。メンソールのスースーとした冷涼感に、マンゴーのエネルギッシュな甘酸っぱさがブレンドされ、まろやかなタバコ葉のコクともマッチ。

エボ・トロピカル・ベリー・クリスタルの味わい

そのうえでカプセルをつぶすと、さらなる果実味が重なって複層的なおいしさに。「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」は、ブルーベリーを思わせる若々しい甘酸っぱさがマンゴーとひとつになって、口いっぱいに広がります。

エボ・トロピカル・バナナ・クリスタルの味わい

「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」は、より個性の強さを感じました。というのも、そもそもバナナフレーバーのタバコは珍しく、競合メーカーも発売していません。初体験ともいえる、インパクトのある味なのです。

以前販売されていた、JTの紙巻きタバコ「メビウス イーシリーズ メンソール サニーゴールド」がバナナ系のカプセルタイプだったと記憶していますが、ここに来て進化するとは、まさに「エボ(エボリューション=進化)」!

↑「プルーム・オーラ」でしか吸えない珍しいバナナフレーバー。

味わいは、マンゴーの甘酸っぱい南国風味にはない、ミルキーなニュアンスをもったバナナの、まろやかなトロピカルテイストが印象的。「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」より酸味がやさしいため、メンソールの爽快感もおとなしく、ただしそのぶんやわらかな甘みを豊かに感じます。

↑「プルーム・オーラ」の「ストロングモード」で、「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」をテイスティング。

「プルーム・オーラ」のヒートセレクトシステムでよりふくよかに

「プルーム・オーラ」はデバイスとスマホをBluetooth接続することで、様々な設定変更ができ、加熱モードは4種類から選択可能(ヒートセレクトシステム)。基本の「スタンダード」と「ストロングモード」とで吸い比べたところ、どちらのフレーバーも「ストロングモード」の方が、タバコ葉のコクもメンソールのミントやフルーツの果実味も、よりふくよかに感じられました。

↑「エボ」は全5種類のラインナップに。

加えてもう一点、新作で特徴的に感じたのは、ベースの果実味に別のフルーツフレーバーを加えるという重ね方。一般的に、カプセル式のフレーバー系メンソールは、ベースのミント風味にカプセルオンで果実味をプラスするのですが、今回の2銘柄は最初からマンゴーの味があって、そこにベリーまたはバナナを加えて“味変”できる仕様となっているのです。ダブルの果実味によるジューシーさも抜群で、フレーバー系が好きな人はぜひお試しを!

先行試喫できる「Ploom Shop」の詳細と限定ドリンク特典

今回紹介した「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」の発売は8月1日ですが、実は先行で試せる場所が存在。それが、全国7店舗のPloom Shop(札幌店、銀座店、東京駅店、名古屋店、なんば店、広島店、天神店)。各店では、新作2銘柄を含む全ラインナップのテイスティングができます(購入は8月1日より)。

↑Ploom Shop銀座店。同店はカフェを併設していて、8月31日までの期間は限定ドリンクキャンペーンを実施中。

そのうち、カフェ併設店舗(札幌店、銀座店、名古屋店、なんば店、天神店)では8月1日から8月31日まで、「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」を購入しアンケートに回答すると、「フローズン・マンゴー × ベリー」または「フローズン・マンゴー × バナナ」のどちらか1つがもらえます。

↑「フローズン・マンゴー × ベリー」と、「フローズン・マンゴー × バナナ」。

この限定ドリンクも試飲させてもらったところ、微細な氷のシャリッとした冷たさと、シェイクのように乳化したテクスチャーが絶妙。そこにフルーツの濃厚な甘酸っぱさが効いて、新作を吸いながら味わうと、実に至福のマリアージュ体験ができます。気になる人は、ぜひカフェ併設店へ行ってみてください!

Ploom Shop 銀座店
住所:東京都中央区銀座4-3-5銀座AHビル
営業時間:11:00〜21:00(L.O.20:30)
定休日:なし

よくある質問(FAQ)

Q. エボ・トロピカル・ベリー・クリスタルとバナナ・クリスタルの違いは?

A. ベリーは甘酸っぱく爽快、バナナはクリーミーでまろやかな味わいが特徴です。

「ストロングモード」の使い方は?

A. 専用アプリを使ってデバイスとBluetooth接続し、モードを切り替えることが可能です。

撮影/中山秀明、坂田邦雄

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【新発売】プルーム・オーラ専用タバコスティックに「ベリー」「バナナ」の2種登場! 試喫レビューで味わいを解説

7月1日から全国のコンビニなどで発売された、JTの新型加熱式タバコ用デバイス「プルーム・オーラ(Ploom AURA)」。同時に、専用タバコスティック「エボ(EVO)」も3種類の銘柄でデビューを果たしましたが、8月1日に2種類の新フレーバーが発売されることが発表されました。ひと足先に、試喫レビューを交えて紹介します!

↑「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」。各550円(税込)。
「プルーム・オーラ」(カラーは左から、ローズゴールド、ネイビーブルー、ルナシルバー、ジェットブラック)。各2980円(条件により980円~)。

加熱式タバコ市場で注目の“トロピカル系”フレーバーとは?

8月1日に発売される新フレーバーは、ともに「トロピカル」と銘打っているように南国チックな味わいが特徴。JTの加熱式タバコには「メビウス」と「キャメル」もあり、これらも「プルーム・オーラ」で吸えますが、トロピカルなフレーバーは初であり、2種類が同時発売されることは異例といえるでしょう。背景には、市場トレンドが関係しています。

↑近年、加熱式タバコ市場ではトロピカルフレーバーの存在感が拡大。

新フレーバーの開発背景をJT担当者にインタビュー

JTの発表資料によると、近年フルーツフレーバーの中でもトロピカルの人気が高まっています。このニーズに応え発売されたのが、今回の2銘柄です。「エボ」新フレーバー発表&試喫体験会で登壇した、JTのRRP商品企画部 村谷泰志担当部長に、トロピカルフレーバーがなぜ人気なのかを聞きました。

↑村谷担当部長。

「タバコ葉を直接燃やすのではなく、デバイス内のヒーターで加熱するタイプのタバコは、メンソールの冷涼感やフルーティーな香りの表現を得意とします。他方、南国果実は甘味や酸味が濃厚な品種が多く、トロピカルな個性がデバイスとの親和性によって、より伝わりやすい。いわば、果実味のわかりやすさが受け入れられているのだと考えています」

今回の2銘柄はともに、爽快なメンソールに調和する完熟マンゴーの果実味がベース。そのうえで「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」は、みずみずしいベリーの魅力をカプセルに凝縮。「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」は、クリーミーなバナナの甘さをカプセルに閉じこめているのが特徴です。

↑JTが21歳以上の喫煙者30人に行った調査結果。

実際に試喫! 2種の「エボ」を吸ってみた

↑試喫もできる発表会はPloom Shop 銀座店で行われた。

実際に吸ってみると、2種類のフレーバーの個性が実感できます。メンソールのスースーとした冷涼感に、マンゴーのエネルギッシュな甘酸っぱさがブレンドされ、まろやかなタバコ葉のコクともマッチ。

エボ・トロピカル・ベリー・クリスタルの味わい

そのうえでカプセルをつぶすと、さらなる果実味が重なって複層的なおいしさに。「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」は、ブルーベリーを思わせる若々しい甘酸っぱさがマンゴーとひとつになって、口いっぱいに広がります。

エボ・トロピカル・バナナ・クリスタルの味わい

「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」は、より個性の強さを感じました。というのも、そもそもバナナフレーバーのタバコは珍しく、競合メーカーも発売していません。初体験ともいえる、インパクトのある味なのです。

以前販売されていた、JTの紙巻きタバコ「メビウス イーシリーズ メンソール サニーゴールド」がバナナ系のカプセルタイプだったと記憶していますが、ここに来て進化するとは、まさに「エボ(エボリューション=進化)」!

↑「プルーム・オーラ」でしか吸えない珍しいバナナフレーバー。

味わいは、マンゴーの甘酸っぱい南国風味にはない、ミルキーなニュアンスをもったバナナの、まろやかなトロピカルテイストが印象的。「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」より酸味がやさしいため、メンソールの爽快感もおとなしく、ただしそのぶんやわらかな甘みを豊かに感じます。

↑「プルーム・オーラ」の「ストロングモード」で、「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」をテイスティング。

「プルーム・オーラ」のヒートセレクトシステムでよりふくよかに

「プルーム・オーラ」はデバイスとスマホをBluetooth接続することで、様々な設定変更ができ、加熱モードは4種類から選択可能(ヒートセレクトシステム)。基本の「スタンダード」と「ストロングモード」とで吸い比べたところ、どちらのフレーバーも「ストロングモード」の方が、タバコ葉のコクもメンソールのミントやフルーツの果実味も、よりふくよかに感じられました。

↑「エボ」は全5種類のラインナップに。

加えてもう一点、新作で特徴的に感じたのは、ベースの果実味に別のフルーツフレーバーを加えるという重ね方。一般的に、カプセル式のフレーバー系メンソールは、ベースのミント風味にカプセルオンで果実味をプラスするのですが、今回の2銘柄は最初からマンゴーの味があって、そこにベリーまたはバナナを加えて“味変”できる仕様となっているのです。ダブルの果実味によるジューシーさも抜群で、フレーバー系が好きな人はぜひお試しを!

先行試喫できる「Ploom Shop」の詳細と限定ドリンク特典

今回紹介した「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」の発売は8月1日ですが、実は先行で試せる場所が存在。それが、全国7店舗のPloom Shop(札幌店、銀座店、東京駅店、名古屋店、なんば店、広島店、天神店)。各店では、新作2銘柄を含む全ラインナップのテイスティングができます(購入は8月1日より)。

↑Ploom Shop銀座店。同店はカフェを併設していて、8月31日までの期間は限定ドリンクキャンペーンを実施中。

そのうち、カフェ併設店舗(札幌店、銀座店、名古屋店、なんば店、天神店)では8月1日から8月31日まで、「エボ・トロピカル・ベリー・クリスタル」「エボ・トロピカル・バナナ・クリスタル」を購入しアンケートに回答すると、「フローズン・マンゴー × ベリー」または「フローズン・マンゴー × バナナ」のどちらか1つがもらえます。

↑「フローズン・マンゴー × ベリー」と、「フローズン・マンゴー × バナナ」。

この限定ドリンクも試飲させてもらったところ、微細な氷のシャリッとした冷たさと、シェイクのように乳化したテクスチャーが絶妙。そこにフルーツの濃厚な甘酸っぱさが効いて、新作を吸いながら味わうと、実に至福のマリアージュ体験ができます。気になる人は、ぜひカフェ併設店へ行ってみてください!

Ploom Shop 銀座店
住所:東京都中央区銀座4-3-5銀座AHビル
営業時間:11:00〜21:00(L.O.20:30)
定休日:なし

よくある質問(FAQ)

Q. エボ・トロピカル・ベリー・クリスタルとバナナ・クリスタルの違いは?

A. ベリーは甘酸っぱく爽快、バナナはクリーミーでまろやかな味わいが特徴です。

「ストロングモード」の使い方は?

A. 専用アプリを使ってデバイスとBluetooth接続し、モードを切り替えることが可能です。

撮影/中山秀明、坂田邦雄

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リファービッシュ家電の品質って、ホントに良いの? 月2500台を新品同然によみがえらせる、CLAS倉庫潜入レポート

欲しい家電を少しでも安く手に入れたいとき、選択肢の一つが「リファービッシュ品」ではないでしょうか。新品と比べて安く利用できるのがメリットの一つで、昨今だとHHKBがリファービッシュ品を数量限定で発売してはすぐ売り切れるなど、注目度の高さがうかがい知れる例があります。ただ、実際の品質はどうなのかが気になりますよね。

家具・家電レンタル・サブスクサービス「CLAS(クラス)」の船橋倉庫に赴き、月間2500件ものリペア(修繕)・クリーニングを行う現場を取材。1年半使われ、かなり汚れている洗濯機が10分で白さを取り戻すさまは、見事の一言でした!

↑CLASの船橋倉庫内、家電のクリーニングエリア。壁には「ユーザーの気持ちに立ったクリーニング」というスローガンが掲示されていました(写真右奥)。

 

 

「クリーニング工程を経ないものは一つもありません」

リファービッシュとは「整備・修復された」の意味で、出荷・販売後にメーカーに戻された製品を新品同様の状態に戻すことを指します。CLASは「家具や家電を捨てずに再利用し、循環させるビジネス」を手掛けており、レンタルを終えて返却された製品は次のユーザーの手に渡る前に、専門スタッフによって動作確認とクリーニングが行われます。きれいにするだけではなく、できるだけ捨てないように直しているというのがスゴいですね。

倉庫長の笹川敦史さんも、「返却された商品は、まずはクリーニングされます。クリーニング工程を経ないものは一つもありません」と力強く断言。土日も含め、1日に約70個の商品を検品しており、月間にして2500個強、引っ越しシーズンの3月には3000個に達することもあると言います。なおこれは個人利用のみの数字で、法人利用の家具・家電を含めるとさらに多くなるとのこと。

↑小型家電のクリーニングエリアの様子。色々な角度から家電をチェックし、布と洗剤で汚れを丁寧に落としていました。

倉庫に返却される商品の汚れや破損は実にさまざま。「ガタつき、機能の不備から、日常使いによる生活汚れまで、本当に色々ですね」と笹川さん。利用期間の長さに比例する部分もあるようです。最短で当日返却もあり得ますが、大体のユーザーは最短でも4か月以上は使用しているとのこと。中には、冷蔵庫や洗濯機を購入せず、CLASでずっとレンタルし続けている人もいると言います。長期間利用後に返された家具は、汚れの落とし甲斐がありそうです!

専任者が目と手でチェックしてリペア。修理費用の負担は誰が?

故障している場合はクリーニングだけでは不十分で、「リペア」工程に回されます。家具担当3名、家電担当2名、計5名のリペア専任者が長年の経験を活かして、故障原因の特定や修復方法を見極めています。家具と家電とで、リペアのアプローチが大きく異なるそう。 

家具:修理箇所がわからないようにすることが重要。研磨、塗装、ツヤ合わせを行い、違和感がないように仕上げる。特に手間がかかるのがアルミの鏡面仕上げ。3時間以上かかることも
家電:機械的・電気的な部分、基板を交換するような作業が中心。最も時間がかかる工程は故障原因の特定で、一つ一つ問題をつぶして確認する必要がある

 「クリーニングの時点で違和感や迷いがあったら、すぐにリペア専任者やリーダーに確認してもらっています。リペア専任者が『自分が使いたいと思えるレベル』まで持っていくことが基準です。まさにサービスの命ですから」(笹川さん)

筆者が工場内に足を踏み入れると、ちょうどアロマディフューザーのリペアに取り掛かろうとしている専任者がいました。スイッチを押しても電源が入らなくなっているとのこと。原因は特定済みで、基盤を取り換えれば問題なく動作するはずだと言いますが……。

↑スタッフが慣れた手つきでアロマディフューザーのパーツを取り外し、内部を見せてくれました。故障原因と思われる部分に、黄色のマスキングテープが貼られています(写真右)。

「じゃあ始めますね」。そう言うや否や、問題部分の基盤を迷いなく取り外したリペア専任者。用意してあった替えの基盤に付け替えると、何事もなかったかのように電源がつきました。この間わずか1分程度。非常にスムーズです。 

今回は15分くらいで原因を特定できたものの、時にはメーカーに問い合わせて必要な部品を手配する必要があったり、どれだけ時間をかけても直せなかったりするケースもあるそう。それだけに「工数をかけたものが直った瞬間は本当にうれしい」のだとか。

ただ、あまりに専門的な知識を要する修理はメーカーに依頼することも。その際の費用はCLASが負担します。「明らかにお客様起因で壊れている場合は請求させていただくこともあります」(笹川さん)。

↑家具(木製イス)のリペアの様子。足のガタつきを直す過程で空けた穴をカモフラージュし、違和感がないように仕上げていました。

 “判断の目”が、倉庫に届く前から利くこともあります。配送ドライバーと連携し、「どう見ても汚れや壊れ具合が酷いものがあれば事前に画像を送ってもらい、倉庫へ商品が到着すると同時に廃棄や売却を決めるケースもあります」と笹川さん。倉庫内外で連携し、廃棄する場合にはそもそもクリーニングの段階にさえ進めないようにすることで、業務の効率化を図っているようです。 

蓄積した1年半分の汚れを、10分でほぼ落とす熟練技

「リペアは難しそうだけど、クリーニングはそこまで大変じゃなさそうじゃない?」……なんて思うかもしれませんが、そんなことはありません。 

大型家電のクリーニングエリアでは、18か月間のレンタルを終えて返却された全自動洗濯機を掃除する様子を見学させてもらいました。洗濯槽やパルセーターなど各パーツを取り外すと、底部分は思わず顔を背けたくなるような汚れっぷり! さっそくスタッフが、高圧洗浄機で汚れを洗い流していきます。

↑汚れが溜まりやすい「溝」が多いパーツも、無駄のない動きできれいにしていきます。

大型家電ともなるとパーツも大きく、分解したり洗浄する角度を変えたりするのも重労働に見えます。しかしノンストップで手際よく高圧洗浄を続けること10分、汚れやサビがここまで落ちました。それぞれ、左が洗浄前、右が洗浄後です。

↑左が洗浄前、右が洗浄後。
↑左が洗浄前、右が洗浄後。

既に見違えるようですが、これで完了ではありません。必要に応じて二度、三度とクリーニングを重ね、綿棒やメラミンスポンジなども使ってできる限りきれいにしてから送り出すそう。手元に届いた時に使用感はあっても汚れがそこまで気にならず、買うより断然安く使えるというなら、数年にわたって利用し続けたくなるのも頷ける話です。

もしサイズ感や使い心地を確かめたうえで、「レンタルはもう十分。ちゃんと買って使いたい」と思うことがあれば、「あとから購入」サービスで手軽にゲットできます。支払ったレンタル料金は購入価格から差し引かれるので、損はありません。 

大きな買い物の前に、リファービッシュ品でお試し

リファービッシュ現場は想像以上に高度な技術と経験、そして扱う商品への真摯な気持ちが必要なのだとわかりました。倉庫の至る所で、クリーニングやリペアに黙々と、手際よく取り組む職人たちの姿は頼もしかったです。さまざまな家具・家電のビフォーアフターを目の当たりにして、リファービッシュ品の質の高さに驚きました。

家具や家電はこまめに買い替える機会が少ないので、買った後でイメージと違ったり、そもそも使えなかったりしたときの心理的・金銭的ダメージが大きいもの。大きな買い物をする前のお試としてリファービッシュ品を活用し、出費を抑えるのは賢い手段なのでは。CLASでは様々なアイテムをレンタルできるので、まさしく「購入前にちょっとお試ししたい」ときに便利ですね!

※電気用品安全法に基づき、「あとから購入」対象外の商品があります

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リモワ・ゼロハリ超えてきた!「Magne」スーツケースの世界初マグネシウム合金ボディ&世界最軽量2.9kgから見えた勝ち筋とは?

金属製スーツケースと言えばリモワか、ゼロハリバートンか? それともMUJI? 競合ひしめくホットスポットに“世界最軽量”の旗印を掲げて参入したのが「Magne」(マグネ)だ。マグネシウム合金を主素材として重さ2.9kgの超軽量を達成した「Magne」の社長直撃インタビュー、お届けします。

一“持”瞭然の軽さだ

「『Magne』は金属製として世界最軽量、そして世界で初めて主素材にマグネシウム合金を採用したスーツケースです」

そう語るのは「Magne」を開発・発売する旅行ジャパン株式会社の猿渡歩社長。猿渡社長はモバイルバッテリーで有名なアンカージャパンの社長(兼務)でもあるが、両社に業務・資本関係はない。(以下「」内コメント同)。

↑旅行ジャパン株式会社の猿渡歩社長。

旅行用品の企画・製造・販売を手掛ける旅行ジャパン株式会社の立ち上げはおよそ1年前。「Magne」は「あなたの旅と行動力に、強さと軽さを。」をコンセプトとする日本発の旅行用品ブランドで、誕生の背景にはアフターコロナの旅行需要の高まりもある。

「スーツケースは旅行の必需品。ユニークな機能やデザインも増えてきた昨今ですが、「Magne」は頑丈で持ち運びやすいというスーツケースの基本性能にこだわりました」

↑金属製なのにヒョイっと持てる。これが2.9kgの実力!

持ってみれば、100人が100人「え?」と驚くだろう軽さである。特に同サイズの他社製品と比べればよくわかる。金属製スーツケースってこんなに重かったっけ? というくらいだ。

↑発表会当日並べられた他社の金属製スーツケース。同サイズながら重さの違いにびっくり。

「当初は2.0kgを切りたいと考えていましたが、それはさすがに無理筋だと(笑)協力メーカーに言われまして、じゃあどうする? 3.0kgなら軽いよね? いや2.0kg台じゃないとインパクトがないだろう……と社内で検討した結果が2.9kgなのです」

価格設定の裏話

ちょっと早口で「Magne」に対する思いや経緯を伝えようとする猿渡社長は、実はかなり正直な人でもあった。

↑セットアップ可能なボストンバッグとポーチは同時発売のオプション品。

「販売に関しては7月1日よりMakuake先行。オプションのボストンバッグ(9980円)とポーチ(4980円)をセットして総額で実質割引30%OFFとなる7万9840円(いずれも税込)となりますが、ちょっと高い……ですか? 開発スタート時はスーツケース単体5~6万円位を狙っていたのですが」

意地悪くも「超えちゃいましたね?」と尋ねると、

「ここ1~2年でモノ作りのコスト全体が上がりました。特にマグネシウム合金の加工費がかなりかかりました。しかし持った瞬間に『軽い!』と実感する“アハ体験”をしていただければ、この価値を感じて頂けると信じています」

なぜマグネシウム合金か。なぜ最軽量か。

軽量性だけを狙うなら樹脂素材を採用すればいいが頑丈さはどうか。またそこに後発として市場参入する意味があるのか? 樹脂スーツケースなら有名無名ブランドがあまたあり、価格も数千円(!)から選り取り見取りなのが実態なのだ。

↑スーツケースボディにマグネシウム合金を使うのは世界初。同じ強度の場合、マグネシウム合金はアルミの2/3、鉄の1/4の重さになるという。

旅行や仕事の移動は特別な体験だから、頑丈で軽く信頼できるモノを選びたくなるだろうし、金属製であれば所有欲も満たされるはず。「Magne」が世界初のマグネシウム合金(実用金属中の最軽量素材なのだ!)製スーツケースにこだわったのは、そこに勝ち筋を見出したからだ。

「最軽量を重視したこともありますが、昨今の便利機能満載のスーツケースに比べて『Magne』ではシンプルさを徹底しました。サイドハンドルも、内部の仕切りも設けていませんが、安心安全にものを運ぶというスーツケースの本質に立ち返り、装飾的な要素を省いたデザインです」

↑いわゆる移動する箱としてのシンプルネスに徹したインテリア。
↑そしてこちらはエクステリア。旅上手なら特にこれを評価するはず。

金属製スーツケースによくみられるリブもないし、実はブランドネームさえ本体にはない(トップハンドルに明記)。ただし静かでタフと定評あるエラストマーキャスターを採用するなど、部材選択にメリハリをつけている。

「これはアンカージャパンでの経験ですが、当初は大勢のモバイルバッテリー業者のひとつ。しかしより高性能で信頼できるモノづくりを続けると、レビューなどで評価が高まりブランドとなりました。ですから『Magne』も“頑丈で軽い旅行アイテム”にこだわってモノ作りを磨けば、ブランドとして育つのではないかと考えています」

↑ピタリと収まるオプションのポーチ。

「Magne」と一緒にどこへ行く?

インタビュー最後の質問として、「猿渡社長なら『Magne』と一緒にどこを旅したいですか?」と尋ねた。すると一瞬「え?」ともらしつつ「完全に、想定外の質問ですね(汗)」とこれまた正直な猿渡社長。

「そうですね。機内持ち込みサイズから言っても国内、飛行機、2~3泊の旅行。金属製スーツケースですから海や山のレジャーというより、都市部で観光やショッピングを思いっきり楽しむ上質な旅のイメージでしょうか。近場の海外も合うでしょうね」

モノにこだわるGetNavi web読者には、まず実際に「Magne」でアハ体験されることを願いたい。デザイン、使い勝手が自らに合うかどうかの検討は【金属製スーツケース世界最軽量2.9㎏】の実力に驚いてからでいい。

Magne公式 https://www.magne.co.jp
Makuake応援ページ https://www.makuake.com/project/magne/

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EVドライバーは知らなきゃソン! 年4万円以上の節約も見えてくる「電力会社マッチングアプリ」 が登場

「高騰する燃料代を節約したい」という動機から、電気自動車(EV)購入を検討している人は多いだろう。だがEVにも、電気という”燃料”が必要になる。では、EV導入によって、電気代はどれくらい上がるのだろうか。

EV充電器メーカー大手のパナソニックが行った調査では、実際にEVを導入し、主に一戸建ての自宅で充電を行っているというユーザーの約35%が「電気代が1.3倍以上に増加した」と回答した。EVの走行距離次第でかかる電気代も変動するが、EVの導入によって電気代が1.1倍以上になった家庭の割合は、約81%にのぼる。

実は、この電気代を節約する方法がある。それが、電気料金プランの変更だ。2016年からの電力自由化によって様々な企業が電力事業に参入し、多彩な電気料金プランが展開されている。そのなかには、EVユーザーが恩恵を受けられるプランも含まれているのだ。

パナソニックが行った別の調査によれば、適切な電気料金プランに変更したEVユーザーの40%以上は、年間4万円台の大幅な節約を実現している。これだけの効果があるのなら、EVの導入と同時に電気料金プランを見直すことはもはや必須といえる。だが、その見直しを行っているユーザーは少ないのが実情のようだ。本稿では、EVの導入時における電気料金見直しのメリットと、それをサポートする新たなアプリについてレポートする。

多くのEVユーザーが、知らないうちに高い電気代を払い続けている

冒頭に書いたパナソニックによる調査を、もう少し詳しく見てみよう。調査が行われたのは2023年11月。その対象は、20~60代の持家戸建住宅に住み、EV/PHEV(※)を所有する200名だ。自宅での充電を前提とした、いわば「標準的なEVユーザー」の実態調査といえる。

※外部から充電できるハイブリッド車のこと。電気とガソリンの両方をエネルギー源として活用できる

調査の結果を見ていこう。まず、調査対象者のうち、自宅にEVの充電器を設置しているユーザーは約97%で、ほぼ全数。また、EVの充電場所としては、約86%の人が自宅と回答している。一方で、自宅充電の電気代がどれくらいか知っているかと聞くと、割合は減って約70%となる。

↑EVユーザーのほとんどが、自宅で充電を行っている。なお、EV所有者の8割以上が戸建て住宅に住んでいるというのも、同社の調査で明らかになった。

EV充電にかかっている電気代を知っていると回答した人に対する「その料金がどの程度上がったか」という質問に対しては、「1.3倍以上」と答えた人が約35%。「1.2倍程度」が約24%、「1.1倍程度」が約22%と続き、電気代が1.1倍以上になった家庭の割合は約81%に達する。EVを導入すれば電気代が上がるのは当たり前ではあるが、それなりのインパクトのある額になっているようだ。

↑EVの導入によって電気代が高くなった層は、その上がり幅にも敏感になっている。

そしてパナソニックは、2024年11月にもEVユーザーに対する別の調査を行った。調査では「EVの購入後に電気料金プランや電力会社を変更したか」「電気料金プランや電力会社を変更したことで電気代がいくら安くなったか」という質問がなされたが、その結果が衝撃的なのだ。

まず、EV購入後に電気料金プランを変更したユーザーは、約30.7%にとどまっている。一方で、電気料金プランの見直しによるメリットは非常に大きく、それを行った人のうちなんと約40.5%が「年間4万円〜5万円未満」の節約効果があったと回答した。年間1万円以上の節約効果があった人の割合は約9割にものぼる。だがその裏には、7割近いEVユーザーが、電気料金プラン見直しのメリットに気づかず、高い電気代を払い続けているという実態があったのだ。

↑電気料金プランを乗り換えることで、97%以上の人が電気代の節約に成功している。

こうなっている最大の要因は、「電気料金プランの選択肢の多さがもたらす、わかりにくさ」にある。2016年の電力自由化以降、電力会社やプランの選択肢は飛躍的に増えた。しかし、どの会社のどのプランが自分の生活スタイルに最適で、EVの使用パターンにも合っているか、判断するのは大変だ。あまりの数の多さに、探すことすら億劫に感じる人も多いと推定できる。なかにはEV利用に最適化されたプランもあるが、その存在に気づいてすらいないEVユーザーも多いだろう。

EVユーザーと電力会社をマッチングするアプリ「おうちEV充電サービス」が登場

このような状況を受け、国内のEV充電器販売実績首位という実績を持つパナソニックは、スマートフォンアプリ「おうちEV充電サービス」を開発。単にハードウェアを売るだけでなく、EVユーザーの課題を包括的に解決するサービスに乗り出した。

アプリの中核となるのが、電力プランシミュレーション機能。ユーザーが現在の電気使用量、生活スタイル、EVの利用状況などを入力すると、最適な電気料金プランを提案してくれるというものだ。

↑「おうちEV充電サービス」の電気利用状況入力画面。

現在、このアプリは複数社の合計12の電気料金プランに対応している。たとえば、ミツウロコグリーンエネルギーの「EVスマトクプラン」は、11時〜13時の間に自宅でEVを充電すると、電気料金が割安になる。昼間にEVを充電するユーザーにはぴったりだ。

↑「おうちEV充電サービス」が対応する電気料金プランの一部。

なお、電気料金のシミュレーションは、すでにEVを使っている人に加え、EVの導入を検討中のユーザーも利用可能。ガソリン車からEVに乗り換えた際の下取り価格をシミュレートする機能も搭載しており、EV導入時のコストからランニングコストまで、まとめて可視化してくれる。その点、本アプリは、EVに乗っていない人にとっても有益なツールといえよう。

「おうちEV充電サービス」の開発に携わったパナソニックの山本悠斗さんによると「EVに関するアプリは多々あるが、電気料金プランと連動したものは初めてだと思う」とのこと。山本さんはもともと充電設備の商品企画を担当していたが、充電設備の改良だけでは社会貢献の幅が限られると考え、このアプリを開発したという。

↑パナソニック エレクトリックワークス社の山本悠斗さん。

本アプリとIoT EVコンセントを連携させれば、さらなる節約も可能だ。既存のEVコンセントに、Natureから発売予定のIoT制御モジュール・Nature EV switch(価格未定)を取り付けることで、充電器がインターネットに接続され、遠隔での充電器の操作や状況の確認などが可能になる。このモジュールがあれば、電気代が安い時間帯に充電できるオフピーク充電などの設定もできるので、節約効果がさらに高まる。IoT EVコンセントは東京都による助成金の対象であり、上限30万円の助成を受けられるので、都内在住のEVユーザーは要注目だ。本モジュールの発売予定日は、2025年10月31日となっている。

↑上にある黒い箱状の物体がNature EV switch。下は通常のEVコンセント。

ルート検索機能やポイント付与で、EVライフをさらに応援

「おうちEV充電サービス」の機能は、電気料金節約にとどまらず、EVライフを支える、多彩な機能が揃っている

たとえば、ドライブ中のルート検索機能。EVで長いドライブをする際は、道中での充電が必須になるが、本アプリでスタート地点と目的地を入力すると、途中の充電スポットを含めたルートを提示してくれる。各充電スポットにおける充電スピードの情報も網羅されているので、必要な充電時間やバッテリー残量のシミュレーションも閲覧可能。すぐに充電したいと思えば、現在地に近い充電スポットも案内してもらえる。この機能を使えば、バッテリー残量におびえることなく、ロングドライブを楽しめる。

↑「おうちEV充電サービス」のルート検索機能で表示された、東京駅から新大阪駅のルート。道中、静岡県内の充電スポットが示されている。

また、自動車保険の提案機能、アプリ利用によるポイント付与機能もある。このポイントはアプリの利用や日々の充電によって貯まっていくもので、Amazonポイントやdポイント、楽天ポイントなどに変換可能。EVドライバーのポイ活ツールとしても活用できる。

そして、本アプリの利用料は無料。パナソニックは、電力会社や保険会社などからの紹介料などを収入源として運営すると発表しており、ユーザーへの負担はかからない。電気代を節約したいEVドライバーはもちろん、EVの導入を検討している人にとっても、本アプリは“使い得”となりそうだ。

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うどんと砂糖ってこんなに合うの!? 丸亀製麺「シェイクぴっぴ」がおやつとして味も価格も優秀すぎる

スナック菓子かと思ったら、「揚げたうどん」!?

全国の丸亀製麺で6月24日から販売されている「丸亀シェイクぴっぴ」、もう食べましたか? 買った時にはプレーンの状態で袋に入っている「丸亀シェイクぴっぴ」に、店内に用意されている3つのパウダーから好きな味を選んでスプーン1杯分をかけ、袋をシャカシャカ振って味付けしてから楽しむスタイルです。

「ぴっぴ」とは、讃岐弁で「うどん」のこと。うどんと言えば「もちもち」が一般的なイメージですが、それを覆す「サクサク食感」が最大の特徴です。価格は1袋190円(税込)とお手頃で、おやつにもってこい! 発表会で試食したところ、パウダーがついた指をなめたくなるほどドハマりする事態に……。

「おぼれる」ほどのウマさ

フレーバーは「うまさ爆発無限コンソメ味」「おぼれる のり塩まみれ味」「甘い誘惑シュガーバター味」の3つです。

いざ実食! 一見シューストリングポテトのようですが、中には大きくうねった形もありユニークです。

まずはプレーン味のまま一口。「おいしいスナック菓子」という印象で、何も知らなければうどんだとはすぐにわからない軽やかな食感です。では、いよいよ3種類のフレーバーを食べ比べていきましょう!

・「うまさ爆発無限コンソメ味」

まさに「王道」のうまさです。チキンの旨みをベースに数種のスパイスを独自配合し、ガーリックの風味やブラックペッパーを加えているとのこと。「うどんとコンソメって合うの?」と心配になったのは一瞬だけでした。「無限」の名にふさわしく、次々に手が伸びてしまいます。

・「おぼれる のり塩まみれ味」

筆者イチオシのフレーバーがこちら。あおさの風味と塩味が絶妙にマッチしているうえ、白ごまと昆布の旨みも加わって、食べる手が止まりませんでした。パウダーそのものがあまりにおいしすぎて、「小1時間、粉だけなめていたい……」と思ったほど。パウダーだけで売っていたら買い溜めして、他にもいろいろな料理にかけたいです。

↑「おぼれる のり塩まみれ味」のパウダーは店内で丁寧に仕込んでいます。

・「甘い誘惑シュガーバター味」

ダークホース的フレーバーでした。「うどん×砂糖の甘み」がどうなるのか想像がつかなかったのですが、軽い食感に優しい甘さ、ほのかに感じられる塩味、そしてバターの濃厚な味わいが組み合わさって、やみつきになります!

筆者としては「おぼれる のり塩まみれ味」と「甘い誘惑シュガーバター味」とを交互に食べると、さらに旨みが増すように感じられて最高でした。毛色が違うからこそ、お互いに魅力をよく引き立て合っていると言えそうです。

軽い食感を生み出す「サクサク揚げアゲ製法」

いずれもパウダーでしっかりした味がついているのに食べ飽きないのは、食感の軽さのおかげである気がします。カギを握るのが、「サクサク揚げアゲ製法」。

発表会で説明に立ったトリドールホールディングス・商品開発課課長の浦郷裕介さんによると「丸亀シェイクぴっぴ」開発にあたり、生のうどんを揚げると20分以上かかり、塩辛くなってしまうのがネックでした。「讃岐うどんは加水率が高いため、フライヤーで揚げる際の揚げ時間と温度のコントロールが非常に難しい課題だった」と言います。

3、4年前から開発を始め、試行錯誤の末、うどん内部の水分を最適にコントロールする技術を確立したとのこと。茹でたうどん一本一本に丁寧に揚げ粉をまとわせて適度に塩分を抜きつつ、小麦本来の風味や旨み・甘さを閉じ込めたうえで、水分を丁寧に飛ばすことによって、「きめ細やかで軽いサクサク感」を実現したそうです。

提供から少し経つとしんなりしてきてしまうのは揚げ物の宿命ではありますが、自宅のオーブンで数分温め直したところ、提供直後のような「サクッと感」が戻りました。テイクアウトで楽しみたい時も安心ですね。

↑帰宅後にオーブンで温め直した「丸亀シェイクぴっぴ」。よみがえったサクッと食感がたまりません!

うどーなつ「アサイーベリー味」も登場

発表会では、「丸亀うどーなつ」の新味「アサイーベリー味」もおひろめされました。「丸亀うどーなつ」は昨年6月の発売から累計1700万食を突破した人気商品です。アサイーベリー味は7月17日から全国の丸亀製麺で販売し、価格は390円(税込)5個入り

トリドールグループのハワイアンレストラン「コナズ珈琲」監修のもと、本格的な「アサイーボウル」の味わいを再現しているとのこと。

↑うどーなつの表面にかかっているのは、甘酸っぱいアサイーベリー味パウダー。

うどんから出来たもちもちの生地に、ザクザク食感のグラノーラを練り込むことでできた、“ザクもち食感”が楽しめます。レジでもらえるブルーベリーの果肉入りディップソースにたっぷりつけて食べると、一つでもかなりの満足感がありました。酸味があるのでくどい甘さではなく、二つ、三つと食べ進めたくなります。

物価高に円安と、なかなか気軽に海外旅行しづらい昨今。手に取りやすいおやつで、ハワイ感を味わってみては?

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【西田宗千佳連載】「GoogleのAndroidであること」を最大限に生かすAndroid XR

Vol.151-4

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はGoogleが公開したAIを活用したスマートグラス「Android XR」の話題。これまでのスマートグラスと異なる点と新たな可能性を探る。

 

今月の注目アイテム

Google

AI活用型スマートグラス

価格未定

↑Google I/Oで公開された試作スマートグラス。カメラやマイク、スピーカー、右目のみ表示されるディスプレイが搭載されるが、見た目は普通のメガネと変わらない。

 

Android XR対応のデバイスとして、最初に世の中に出てくるのは「Project Moohan」だ。

前回の本連載で説明したように、Project MoohanはApple Vision ProやMeta Questの対抗製品という位置付けに近い。Google Playストア経由でAndroidアプリが使えて、Googleのサービス群がXR空間の中に最適化された形で用意されるのが大きな特徴。Vision ProとMeta Questそれぞれの要素をうまく取り入れた製品、という印象だ。

ただ、Android XRは複数形態のデバイスを開発できるプラットフォームとして作られており、Project Moohanのような「ヘッドセット型」はひとつの形でしかない。

このほかにGoogleは、「光学シースルー型ヘッドセット」「ARグラス」「AIグラス」を典型的なデバイスとして挙げている。

光学シースルー型は、Project Moohanに違いがビデオシースルーでない分、より簡易でコンパクトな製品になる。近い存在として、中国のXREALは「Project Aura」を開発中と公表している。グラス型のデバイスとなんらかの“本体”をケーブルでつないで使うもので、20206年以降の発売を目指している。

AIグラス・ARグラスは、今回のGoogle I/Oでプロトタイプが発表されている。Androidスマホと連動し、AIで周囲の状況や利用者の命令を受けながら、アシスタントとして働くメガネ型デバイスである。ディスプレイが内蔵されたものがARグラスで、ないものがAIグラスと考えればいい。まだプロトタイプの段階で、2026年以降に製品化の目処が見えてくる、というところだろうか。

実のところ、ここに挙げた4形態はかなり異なる特徴を持っている。Project MoohanとディスプレイのないAIグラスでは、必要なインターフェースも処理に必要な性能も大きく異なってくるし、全く同じアプリケーションを動かすのは難しい。開発手法自体も異なるだろう。開発者からは“それをひとつのプラットフォームでくくるのはある意味強引な話”という意見も聞こえてくる。

ただ、Googleは“開発の一貫性に配慮している”と説明しており、まったく違う開発環境が用意されるわけではないという。そのため、4つの形態それぞれに向いたアプリを、ひとつのサービスやコンセプトから作っていける。そして、同じ“Google Playストアから配信してビジネスができる”のが大きなことになるだろう。

特にProject Moohanのような製品の場合、スマホやタブレット向けの「Androidアプリ」をAndroid XRでも動かせるので、ビジネスチャンスが広がる。

Android XRは、“Googleであること”“Androidであること”を大きく生かしたプラットフォームであることを武器にして、他社と戦っていくことになるわけだ。

 

週刊GetNavi、バックナンバーはこちら

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【西田宗千佳連載】「GoogleのAndroidであること」を最大限に生かすAndroid XR

Vol.151-4

本連載では、ジャーナリスト・西田宗千佳氏がデジタル業界の最新動向をレポートする。今回はGoogleが公開したAIを活用したスマートグラス「Android XR」の話題。これまでのスマートグラスと異なる点と新たな可能性を探る。

 

今月の注目アイテム

Google

AI活用型スマートグラス

価格未定

↑Google I/Oで公開された試作スマートグラス。カメラやマイク、スピーカー、右目のみ表示されるディスプレイが搭載されるが、見た目は普通のメガネと変わらない。

 

Android XR対応のデバイスとして、最初に世の中に出てくるのは「Project Moohan」だ。

前回の本連載で説明したように、Project MoohanはApple Vision ProやMeta Questの対抗製品という位置付けに近い。Google Playストア経由でAndroidアプリが使えて、Googleのサービス群がXR空間の中に最適化された形で用意されるのが大きな特徴。Vision ProとMeta Questそれぞれの要素をうまく取り入れた製品、という印象だ。

ただ、Android XRは複数形態のデバイスを開発できるプラットフォームとして作られており、Project Moohanのような「ヘッドセット型」はひとつの形でしかない。

このほかにGoogleは、「光学シースルー型ヘッドセット」「ARグラス」「AIグラス」を典型的なデバイスとして挙げている。

光学シースルー型は、Project Moohanに違いがビデオシースルーでない分、より簡易でコンパクトな製品になる。近い存在として、中国のXREALは「Project Aura」を開発中と公表している。グラス型のデバイスとなんらかの“本体”をケーブルでつないで使うもので、20206年以降の発売を目指している。

AIグラス・ARグラスは、今回のGoogle I/Oでプロトタイプが発表されている。Androidスマホと連動し、AIで周囲の状況や利用者の命令を受けながら、アシスタントとして働くメガネ型デバイスである。ディスプレイが内蔵されたものがARグラスで、ないものがAIグラスと考えればいい。まだプロトタイプの段階で、2026年以降に製品化の目処が見えてくる、というところだろうか。

実のところ、ここに挙げた4形態はかなり異なる特徴を持っている。Project MoohanとディスプレイのないAIグラスでは、必要なインターフェースも処理に必要な性能も大きく異なってくるし、全く同じアプリケーションを動かすのは難しい。開発手法自体も異なるだろう。開発者からは“それをひとつのプラットフォームでくくるのはある意味強引な話”という意見も聞こえてくる。

ただ、Googleは“開発の一貫性に配慮している”と説明しており、まったく違う開発環境が用意されるわけではないという。そのため、4つの形態それぞれに向いたアプリを、ひとつのサービスやコンセプトから作っていける。そして、同じ“Google Playストアから配信してビジネスができる”のが大きなことになるだろう。

特にProject Moohanのような製品の場合、スマホやタブレット向けの「Androidアプリ」をAndroid XRでも動かせるので、ビジネスチャンスが広がる。

Android XRは、“Googleであること”“Androidであること”を大きく生かしたプラットフォームであることを武器にして、他社と戦っていくことになるわけだ。

 

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「スムージーが続かない人」必見! Ninjaのコードレス&センサー付きミキサーが便利すぎ

ミキサーといえば、購入してもしまい込みがちな調理家電の代表格。そんな中、シャークニンジャの小型キッチン家電ブランド「Ninja(ニンジャ)」が昨年発売したミキサーは、コンパクトで持ち運びできる独自の技アリ機能で高い評価を受けました。そのNinjaが、さらにパワーアップした新製品を2モデル発売。それが、コンパクトで持ち運びにも優れた「Ninja Blast Max コードレスミキサー」(以下、Blast Max)と、パワフルで賢い「Ninja Stealth iQ ミキサー」(以下、Stealth iQ)の2製品です。

↑コードレスで持ち運びもできる「Ninja Blast Max コードレスミキサー」。実売価格は1万4960円(税込)。
↑本格的な料理にも使いやすいパワフルな「Ninja Stealth iQ ミキサー」。実売価格は3万9600円(税込)。

水筒のように持ち歩ける大ヒット製品がより使いやすく進化した

シャークニンジャの小型キッチン家電ブランド「Ninja(ニンジャ)」は、2024年2月にアメリカから上陸。その最初の製品となったのが、持ち運びができるコンパクトミキサー「Ninja Blast コードレスミキサー」(以下、Blast)です。Blastはコードレスでどこでも利用できるほか、作ったスムージーをボトルから直接飲めるという手軽さから、昨年夏のヒット家電となりました。新製品の新Blast Maxはこれらの特徴はそのままにボトルが大容量化。さらに使い勝手が向上し、攪拌パターンも増えました。

↑コードレスタイプなのでアウトドアでも楽しめる新製品のBlast Max。ボトル容量が従来モデルの470mlから530mlにアップしています。

使い勝手で注目したいのが、ボトル部分を本体(モーター部)から分離できる「Twist&Go」機能です。従来モデルでも本体とボトルを分離させることは可能でしたが、分離に力が必要だったほか、分離後はボトル底にカバーを装着しなければならないなど面倒な作業が必要でした。一方、新Blast Maxは軽くボトルをひねるだけで、本体とボトルがカチッと分離。そのままボトル部分を水筒のように持ち歩くことができます。


↑スムージー作成後に本体とボトルを分離したところ。本体とボトルを合わせると約1110gの重量がありますが、重いモーター部を切り離すことでボトルの持ち運びが容易になりました。
↑ボトルのフタにはワンタッチでキャップが開く飲み口を配置。
↑持ち運びに便利なシリコン製のストラップもついています。ボトルとフタは食洗機で洗えるなど、使いやすさと手軽さにこだわりを感じます。

新モード追加で「液体がほぼない状態での攪拌」が可能に

コードレスミキサーは非力な製品も多いなか、Blastシリーズは凍らせた食材や、角氷までしっかり攪拌できるのもうれしいポイントです。さらに、新Blast Maxはボトル容量が大きくなったぶんモーターもパワフルに。さらに、従来6枚刃だったブレードが8枚刃になるなど、より強力な攪拌が可能になりました。


↑モーターがパワフルになったことで、充電には専用アダプターが必要になった点が唯一気になるところ。従来のUSB-Cによる充電より、やや面倒になりました。満充電でだいたい20回超の攪拌が可能です。

そして、見逃せない新機能が運転モードの追加です。従来モデルは「刃を一定速度で回転する」というシンプルな運転モードしかありませんでした。一方、新Blast Maxは3つの運転モードを搭載。従来と同じシンプルに刃を回転させる「Blend」のほか、断続的な動きを取り入れることで固形食材をしっかり混ぜて滑らかに仕上げる「Smoothie」、そして角氷などの硬い食材もパワフルに調理する「Crush」の3つのモードを搭載しています。


↑モードボタンを押すだけで、Blendモードなら約30秒、Smoothie/Crushモードは約34秒自動攪拌。よくあるミキサーのように、運転中にボタンを押し続けている必要はありません。

SmoothieやCrushといった断続的に刃を回転させるモードが追加されたことで、従来のBlastでは難しかった「液体がほぼない状態での攪拌」も可能になりました。このため、凍ったフルーツなどを利用すればシャーベットやジェラートのような水気の少ない料理も楽しめます。


↑冷凍フルーツとはちみつ、そして少量の牛乳を使ってジェラートのようなスムージーボウルを調理。ヘルシーな夏のオヤツとして楽しめます。

おまかせで好みの滑らかさに調整してくれる「Ninja Stealth iQ ミキサー」

料理などにも本格的にミキサーを利用したいなら、Blast Maxと同時発売されるStealth iQがオススメです。こちらは同社が昨年発売した「Ninja Twisti ミキサー」(以下、Twisti)の上位モデルとなる製品。1Lタイプの大容量ピッチャーと700ml容量の大きめカップのどちらも使えるパワフルなミキサーです。


↑「Ninja Stealth iQ ミキサー」は大型のピッチャー(写真)とカップどちらでも利用可能。
↑カップならパーツも少なく片付けが簡単です。

従来製品からの最大の進化点は、食材を検知して刃の回転速度や攪拌時間を自動的に調整する「BlendSenseテクノロジー」の搭載。食材をいれてスタートボタンを押すだけで、食材を検知して自動的に「良い感じ」の仕上がりにしてくれます。ちなみに、仕上がりは「標準」「ROUGH(粗め)」「SMOOTH(滑らか)」の3タイプから選択可能。同じ素材を攪拌しても、選ぶ運転モードで異なる食感が楽しめます。


↑アナログダイヤルの中央には液晶モニター画面が配置され、選択した運転モードがわかりやすいです。マニュアルモードでは1~10まで刃の回転速度を選べます。

新製品発表会ではROUGHとSMOOTHふたつのモードで作ったコーンスープを食べ比べることができました。SMOOTHは滑らかでスルリと喉を通るのに対し、ROUGHはコーンの皮のシャリッとした食感が楽しめました。


↑左がROUGH、右がSMOOTHで作ったコーンスープ。左はスプーンですくうとコーンの皮が若干残っているのがわかります。

フタを開けずに空回りを解消できるタンパーが便利

Ninjaならではの「タンパー」機能も従来モデルのTwistiから継続搭載しています。従来のミキサーでは、水分が少ない食材を混ぜる際、刃が空回りしてうまく攪拌できないことがありました。そのため、途中で何度もミキサーを止め、蓋を開けてヘラで混ぜてから再び攪拌する必要があったのです。しかし、Ninjaのミキサーに内蔵されるヘラ状の「タンパー」を使えば、ミキサー運転中でもピッチャー内の食材をかき混ぜることが可能。これにより、水分が少ない濃厚なソースやペーストなども、手間と時間を大幅に減らして作れるようになっています。


↑ピッチャー内に見える2本のヘラが「タンパー」。フタの上にあるダイヤルをぐるぐる回すことで、ミキサー動作中でもピッチャー内の食材をかき混ぜることができます。
↑サーモンのテリーヌのような水分の少ない食材も、タンパーを回すことでフタを開けることなく全体を滑らかに仕上げます。
↑完成したサーモンのテリーヌ。

ちなみに、従来モデルのTwistiは1100Wというミキサーのなかでもかなり強力なモーターを搭載。このため、殻つきの海老なども滑らかに攪拌できるパワフルさも魅力でした。新Stealth iQは消費電力は800Wになりましたが、モーターにBLDCモーターを使うことで従来より攪拌力はアップ。パワフルさと省エネを同時に実現しています。

持ち運び可能で手軽な「Ninja Blast Max コードレスミキサー」。ボタン一つでセンサーが仕上がりを調整してくれる 「Ninja Stealth iQ ミキサー」 。どちらのモデルも、一般的なミキサーのデメリットだった「面倒くささ」や「手間」を軽減してくれる新機能を搭載しています。いままで「ミキサーを買ったものの続かなかった」という人にこそ、一度チェックしてほしい製品ですね。

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ありそうでなかった!パナソニック本拠地で新EV充電器&新スポットライトが示した、電池と電気のちょっと未来

大阪府門真市と言えば、パナソニックの本拠地。この敷地内に新設された「Culture Base.」(以前は社食棟だったらしい)に招かれた取材班は、「電池=EV用充電器」と「電気=スポット照明」の(ちょっと先の)明るい未来とご対面したのだった!

お悩み解決型EV充電器、参上!

「はい、この中でEVもしくはPHEVに乗っている方は……あ、いらっしゃらない。日本でのEV普及率ってそんなもんです(笑)」とユーモアを交えて話す福々しい御仁こそ、パナソニックでEV用充電器の企画を担当する田中政行課長である。

↑パナソニック エレクトリックワークス社の田中政行課長。

ご指摘の通り「2035年にはすべての新車を電動化へ!」と政府の掛け声はあるものの、その進展が肌身に感じられることは少ない。事実、2024年新車販売における日本のEVやPHEV普及率はわずか2%。9%の米国、33%の欧州、38%の中国の背中は遠くなるばかりだ。

それでもクルマの未来は電池にある。燃費に比べ電費に優れる、環境性能が高い、有事の非常用電源にも使えるからだ。パナソニックでは2010年からEV、PHEV用普通充電器を手掛けており、もっとも手ごろな「EVコンセント」製品においては市場をほぼ占めているという。

↑3年連続国内軽規格EV販売台数№1「日産サクラ」。

「まだまだ、とは言いながらも、街中ではプリウスをはじめとするHVや三菱アウトランダーなどのPHEVはよく走っていますし、日産のリーフやサクラ、テスラなどのEVも見かけるようになってきました。そんな現ユーザーにもお悩みがありまして、たとえば『満充電まで時間がかかりすぎる』とか『車載充電ケーブルの出し入れが面倒』『充電器の仕様が設置場所の実態に合わない』。それらをまるっと解決するのが今回の新製品なのです!」と田中さん。

↑別体型となった新ELSEEV hekia S(左)と一体型の従来品(右)。

お悩み解決型EV用充電器「ELSEEV hekia S」2025年モデルの特長は以下の3点。

1.本体とコネクタホルダを別体に……これまで充電器本体と一体だったコネクタホルダを分離したことで設置自由度を向上! 

2.4.8kWhモデルを追加……普及している3kWhモデルに比べ出力をUPさせ、充電時間を約35%短縮!

3.リニューアルも簡単……3kWhから4.8kWhへのリニューアルは本体(場合によりブレーカーも)交換でOK!

特に家庭用ユーザーからの「充電って、思ったより時間かかるのよねえ~」という声は切実で、たとえば~夜遅く仕事から戻ったパパのEVを翌朝の保育園送迎に使ったら残量が残り少なく、出先で立ち往生しないか心配! なんてお悩みは「あるある」だそう。このあたりがEV乗り換えへの心理的なハードルとなっている。

↑盗電防止用カギ付きもラインナップ。

そこで充電器の出番! もっとも一般的な3kWhを出力が倍の6kWh充電器に換えれば単純に充電時間は半分になるが、この場合、宅内配線も6kWhに対応するタフ仕様にする必要がありかなり大掛かりな工事となってしまう。しかしその中間の4.8kWhなら本体の交換のみ(ブレーカー交換が必要な場合もある)で充電時間を約35%短縮できるのだから、「だったらウチもやっちゃう⁉」となること間違いなし!

↑住宅や施設などの建物から離れた駐車場へELSEEV hekia Sを設置するときに使用する専用Dポールも同時発売。

「複数の充電器を設置するため左右間隔を詰めたい」「右側ホルダだと左利きには使いづらい」といったお悩みに対してはコネクタホルダ別体化で応え、充電ケーブルの長さ変更も実現(前モデルは5mのみ)。充電器をふたつ取り付けできるポールの開発は、EVやPHEVなどのクルマ2台に1ポールで対応するためだ。これってシンプルだけど“患部によく効く!”改良なんだなあ~。

↑車庫の状況によりそい、使い勝手に即した設置ができる新「ELSEEV hekia S」。

「日本の普及率が低いことを伸びしろがあると捉えています。ビリビリ、いやバリバリ「ELSEEV hekia S」の応援よろしくお願いします!」と鼻息荒い田中さんでした。

↑田中さんをもう一度!

そのオフィス、照明で「あかぬけ」ちゃえ!

お次は明かりだ。

↑新・旧モデル、展示用スケルトンモデル勢揃いの図。

「照明は場の印象や雰囲気を変えることができる手段であるため、近年特に採用事例が増えています」。そう語るのはパナソニック ライティング事業部でオフィスライティング「TOLSO」の商品企画を担当する上田泰佑さんだ。

↑パナソニック エレクトリックワークス社の上田泰佑さん。

この日お披露目された「TOLSO+ BeAm Free」(トルソープラス ビームフリー)はそんなイマドキの明かり最前線と言えるだろう。なにしろ上田さんご自身「今までにないスポットライトです!」と、まるで久米宏のように宣言するのだから。

↑新製品「TOLSO+ BeAm Free」。カラーはブラックとホワイトをラインナップ。

スポットライトは対象物をピンポイントで照らしより魅力的に見せる照明器具で、これまで主に店舗照明として使われてきた。しかし近年オフィスでの採用が増えている。背景にあるのはエリア分けされたフリーアドレスオフィス=ABWオフィスの増加だ。ABWとはアクティビティ・ベースド・ワーキングオフィスのことで、目的ごとにエリアを分けて構成されるオフィス空間である。

ABWオフィスではスポットライトなどを活用した照明の種類、照度によるメリハリがシームレスにエリアを分ける。他方、中心部が集中的に明るいスポット照明の特性上、目が疲れやすいという意見もあった。え、オフィスには不向きなの?

↑左がベースライトを使用した均一照明。右がベースライト+スポットを使用したメリハリ照明の一例。

「スポットライトは光の均斉度(きんせいど)が低いため中心と周辺の明るさムラが大きく、実際、目が疲れやすいとも言われていました。そうしたオフィス導入における障壁を打破したのが「TOLSO+ BeAm Free」なのですよ!」と上田さん、照明のようにアツく語ります。

↑「TOLSO+ BeAm Free」。無線対応モデルもスタンバイ!

目が疲れやすいお悩みに対しては、従来品「TOLSO」に比べ約3倍の均斉度をもたせデスクなど作業面を広く照らすように。

↑均斉度の高い配光を実現した「TOLSO+」(左)と従来モデル(右)。

また「弁当箱みたいな電源部がデカいし視覚的にもちょっとなあ~」とのお声に対しては「やればできるじゃん!」(っていうか最初からやってよ!)の電源一体型を実現。

↑左・従来品。右・電源一体となりコンパクト化された新製品。

さらに配光角度を変えられる「BeAm Free」機構によって狭角度~広角度まで自在なライティングが可能だ。

↑左・挟角。右・広角。カメラのズームレンズのようにスポット幅調整は自在だ。

ここだけの話だが、実は「TOLSO+」となって威力を発揮したのがコスパ。

従来製品より広角度を照らせるため、2席を1台でまかなえるようになった。つまり設置台数を半減させられるから、イニシャルコストだって最大半減(どっかのスマホの宣伝みたいだが・笑)というわけ! 

昨今、企業においては社員=人財との認識が高まり、いかに優秀な人材にアプローチしうるかが課題となっている。その意味でも、スポットライトでめりはりのある「あかぬけたオフィス空間」「働きたくなるオフィス空間」を整えるニーズは高い。明かりが果たす役割は大きいのだ。

↑今回の発表会会場となった「CULTURE BASE」。基本、社食なのだけど社員の課外活動スペース(!)としても活用されるほか、ジェンダーフリートイレや祈禱部屋の設置など実験的要素も盛り込む。

大阪万博、昭和100年、ちょっと先の未来

ここわずか数年で、移動も働き方も大きく変わった。むろんその撃鉄はコロナショックだ。今年は昭和100年でEXPO70から55年目、二度目のバンパク絶賛開催中の2025年である。パナソニックが手掛けるEV充電器の刷新とあかりによる快適オフィスの提案は万博みたいな空想的未来ではなく、ちょっと先行く利便への水先案内となるはずだ。

パナソニック
EV・PHEV用充電設備「ELSEEV」
電源一体型スポットライト「TOLSO+ BeAm Free」

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