モンベルの「電動アシMTB」? どれぐらい凄いのか、オンオフ路を駆け回った

「モンベル」は本格的なキャンプ・登山用品を加え、タウンカジュアルとしても評価の高い機能的なウェアをラインナップする、日本生まれのアウトドアブランドです。同ブランドが経験と実績を詰め込んだ電動アシスト付きMTB「シャイデックMT-E」をリリース 。話題のモデルを借り出し、本稿では心行くまで走り回ってみました!

 

見て、このゴツいスタイリング! これだけでワクワクしてきません?

↑アスファルト路面では極太のブロックタイヤのパターンノイズを発するが、それほど気になるレベルではない。1充電で140km(エコモード)を走る実力は日常生活においてもシティコミューターとしても活躍してくれる

 

今回のモデルは2014年からオリジナルのバイクブランドとして立ち上げた「シャイデック」のラインナップのひとつで、アップダウンの激しいアウトドアシーンで活躍するモデルとして注目を集めています。

↑2020年のニューカマーとしてシャイデックシリーズに加わった「MT-E」は、シマノ製のアシストモーターを搭載した電動アシストMTB。27.5インチの極太タイヤと個性的なフレームワークが迫力を醸し出す

 

MT-Eは、シャイデックシリーズのMTB「MT-A」にアシスト機能をプラスしたことで、より快適なトレイル性能を楽しめるモデルです。バッテリーと絶妙な融合を見せるアルミ製のフレームと130mmのストローク量を持つフロントサスペンションを備え、アシストモーターには実績のあるシマノ製「STePS E8080」を採用。バッテリーは36V/14Ahの大容量となり、エコモードでは最大140kmの距離を走ることができます。

↑SR サンツアー製のフロントショック。130mmのトラベル量を持ち、整地路ではストロークをロックすることでペダリングのパワーロスを抑えることも可能。剛性感の高さも乗り心地の良さに貢献

 

↑アシストの源となるドライブユニットはシマノSTePS E8080

 

↑シマノ製のアシストモーターを支える大容量のバッテリー。フレームと絶妙なマッチングを見せ、スタイルと融合している。脱着は左サイドのロックキーで解除できる。本体下部にはケーブルを接続することも可能

 

アシストの切り替えはハンドルバーの左にあるスイッチで行い、専用のサイクルコンピューターにデータが表示されます。エコ、ノーマル、ハイの3モード切り替え表示とともに、速度、バッテリー残量、走行距離のほか、ケイデンス(クランクの回転数)までを網羅。走行中の情報が集約されます。サイクルコンピューターは脱着可能で、駐輪時の盗難を気にすることがないのはうれしい限り。

↑電動アシストの必要な情報だけでなくケイデンスまで表示する本格的なサイクルコンピューター。視認性も良く視線を大きく外さずに情報を認知できるのもうれしい。盗難防止に役立つ着脱式

 

悪路での走破性は豪快そのもの!

試乗へと連れ出したMT-Eの存在感は、素晴らしいのひと言。まず、目を惹くのがファットなタイヤ。フロントサスペンションを備えたフレームは太めのデザインですが、それに負けない27.5インチの2.80という極太のブロックタイヤは電動アシストを武器に荒れた大地をグリップします。

 

アスファルト路面ではパターンノイズが大きく感じるものの、泥濘や草地などのフィールドでは大きな味方になってくれます。また、アシストを上手に使うためにはギア選択も重要になりますが、シマノ製の11速ギアはワイドレシオな設定となり、軽いギアを使って勾配のきつい上り坂も軽々と走り抜くことができました。変速はハンドルバーの右手側で行い、グリップを握りながら親指と人差し指で行うタイプ。操作感も軽く荒れた路面でも戸惑うことはないはずです。

↑ハンドルバーの左にはモード切り替え、表示切り替えのスイッチ。モードの切り替えはスイッチを上下させることで操作できる

 

↑右側にはギアのチェンジレバー。変速のタイムラグが少なく素早いギアチェンジが可能。操作感も軽い

 

↑リアの11速カセットは11-46T。軽いギアが設定されているので急勾配でもケイデンスを上げて登坂することができる

 

フロントにはサンツアー製のサスペンションを備え、130mmのトラベル量は必要にして十分。整地された路面ではアブソーバーの上部に備わるロックをONにすれば、ペダリングのパワーが分散することもなく快適に走ることができます。電動アシストの印象はトルク重視の印象があり、低いギアで踏み込んで行くことでミューの低い路面でも安定した走りを楽しむことができました。基本的に日本での電動アシストバイクはアシスト速度が24km/hまでとなり、スピードを求めるロードバイクよりも低速での使用が中心となるMTBにはアシストモーターの恩恵は大きいでしょう。

 

今回の試乗では地面が柔らかい草地を選んでみましたが、トルクフルなアシストによりパワーをロスすることなく走り回ることができました。また、同モデルには前後共にディスクブレーキが装備され確実な制動力を実感。急勾配のダウンヒルでも姿勢を乱すことなくゆっくりと下ることができるのはアウトドアシーンでは重要なファクターでしょう。

↑ペダルを踏み込んだ時のトルク感が頼もしく、パワーロスが激しい柔らかな地面でもグイグイとアシストしてくれることで簡単に走破できる。バッテリーの容量が大きく、最もパワフルなハイモードで95kmを走れるのは、アウトドアで使用するMTBとして大きなアドバンテージになる

 

↑シマノ製のディスクブレーキを採用。通常のリムブレーキとは異なり、雨や汚れに強く高い制動力を発揮する。勾配の強いダウンヒルでも安心してライドできるのはうれしい限りだ

 

溢れるトルク感とそれを受け止めるブレーキ性能を合わせ持つモンベルのシャイデック MT-Eは、自転車メーカーとは異なる大地へのリスペクトが込められています。外遊びの達人が手掛けた電動アシストMTB……その実力を一度味わってもらいたいですね。

↑シャイデック MT-Eの価格は、40万7000円(税込)。カラーはブラックネイビーの1色展開

 

【SPECIFICATION】●フレーム素材:アルミニウム合金 ●フロントフォーク:SR SUNTOUR ZERON35 BOOST LO-R ●クランクセット:SHIMANO E8000 ●ブレーキ:SHIMANO DEORE(前180mm/後160mm) ●スプロケット:SHIMANO SLX 11-46T 11速 ●ホイール:WTB STPi40 ●タイヤ:MAXXIS REKON+ 650B×2.8 ●ドライブユニット:SHIMANO STePS E8080 ●バッテリー:SHIMANO E8010(36V/14Ah) ●充電時間:約5時間 ●重量:21.8kg

 

 

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【日用品実用大賞】「機能性下着」4メーカーを3項目で採点! 最も保湿性と速乾性に優れるのは?

シャツの乾きやすさは製品購入時に大いに気になるものの、通常店頭ではこれらを試すことはできません。ここではそんな重要なポイントをスタイリストの佐々木 誠さんが実際にチェックし、ガチにインプレッションしました。3項目を各5点満点で採点していきます。

 

【テストした人】

スタイリスト 佐々木 誠さん

本誌をはじめモノ&ファッション誌を中心に活動。幅広いジャンルのスタイリングを手掛けている。

 

佐々木さんによると2点が重要だと言います。

「下着は普段から身につけるものだから“肌触り”が重要。例えばメッシュのサラサラ感が好きだったり、コットンの柔らかい感じが好きだったりと、肌触りの好みは大きく異なります。パックに入った下着でも素材は表記されているのでぜひチェックしましょう。また、機能も保温に限らず、速乾性など多機能化が進んでいます。これは上のテストでじっくり確かめたので、この2点に着目して選びましょう」(佐々木さん)

 

【エントリーNo.01】ユニクロ ヒートテック シームレス VネックT(半袖)

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発熱機能や保温機能など機能性に優れた製品。静電気防止機能もあり、これからの季節に最適です。実売価格1620円。

 

【透けにくさ】4点

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よく見ると多少見えるという程度で、全体的にほとんど透けません。普段使いには十分なレベルです。

【通気性】4点

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衣服内の余分な湿気を吸収し、外に放湿する吸放湿機能が優秀。蒸れをあまり感じず、暖かいです。

【乾きやすさ】5点

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吸汗速乾効果により10分でスムーズに乾きました。抗菌加工も施されており、生乾きの臭いを抑制。

 

【エントリーNo.02】イオン トップバリュ ピースフィット ムレにくくあたたかい インナー Vネック半袖

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保温性が高く、吸放湿性に優れた素材を使用。ムレにくく、汗をかいても素早く乾きます。実売価格1058円。

 

【透けにくさ】4点

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袖口と首まわりはやや透けて見えます。しかし胸元や肩付近はあまり目立たず、気になりません。

【通気性】3.5点

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汗を吸ってくれるものの、通気性自体はやや弱め。とはいえ、ムレるというほどではありませんでした。

 

【乾きやすさ】3.5点

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濡れた跡がやや表面に残りました。とはいえ、湿気自体は生地を触ってもほとんど感じませんでした。

 

【エントリーNo.04】セブン&アイグループ オーガニックコットン 混インナー

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綿素材の持つ保温性によるやさしい温かさが◎。着たての柔らかさが持続し、高いフィット感が楽しめます。実売価格855円。

【通気性】5点

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外見からは下着を着用しているようには見えません。見えやすい鎖骨付近もあまり透けませんでした。

【通気性】4.5点

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コットンの通気性を生かし、着心地は良好。汗を吸収して放出するので、長時間の着用でも快適です。

 

【乾きやすさ】3.5点

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胸の部分を触るとほんのりとした湿り気が残っていました。一方で、水の跡はほとんど抜けていました。

 

【エントリーNo.04】モンベル ジオライン L.W. VネックTシャツ

 

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軽量で速乾性に優れており、一年を通じて活躍します。暖かい空気を繊維内に保持し、高い保温性を実現。実売価格2880円。

【透けにくさ】4.5点

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首回りから鎖骨にかけてうっすら透けて見えました。腕や胸はほとんど気にならないレベルです。

【通気性】5点

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高い通気性で快適でした。繊維に織り込んだ銀イオンの効果で、気になる体臭も対策できます。

【乾きやすさ】4.5点

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速乾機能を備えており、10分ほどでほとんど濡れた部分の見分けがつかないぐらいに乾きました。

 

【機能性下着大賞】モンベル ジオライン L.W. VネックTシャツ

シャツの一部を水で濡らして10分程度で乾かすというせっかちなテストにも関わらず、優れた速乾性を発揮したモデルが顔を揃えました。なかでもジオラインが通気性や透けにくさなどで高い評価を獲得し、大賞に決定。

 

「ジオラインは特に通気性が優秀で、一年にわたって快適に着用できます。心地のいい肌ざわりもたまりません。さらに、マイクロファイバーによる高い保温性も兼ね揃えているので、ムレにくさと保温性が大切になってくる秋冬のアンダーウェアにピッタリです」(佐々木さん)。