博多大吉インタビュー−『たまむすび』のイズムを受け継ぎ始めたポッドキャストの魅力とラジオへの愛

博多大吉さんがパーソナリティを務める『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』は、今年3 月、11年の歴史に惜しまれながら幕を閉じた『たまむすび』(TBSラジオ)のイズムを受け継いだ番組だ。水曜日パートナーとして、メインパーソナリティの赤江珠緒アナと伴走した大吉さんらしく、番組は『たまむすび』のエッセンスを含みながらも、大吉さんの魅力たっぷりの内容に。5月某日、番組収録後の大吉さんに番組の経緯や想いを詳しくうかがった。

 

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:牛島フミロウ)

 

博多大吉(はかた・だいきち)/1971年03月10日福岡県生まれ。趣味:プロレス、プロレスの知識(福岡県大会2位)、ゲーム

 

ラジオとポッドキャストは別物

──先ほど番組収録を見学させていただきました。非常にリラックスして臨まれていたように見えましたが、お気持ち的には『たまむすび』とはまた違うものですか

 

博多大吉(以下、大吉)「全然違います。ポッドキャストを始めた当初は変な感じでしたね。『たまむすび』だとリアルタイムで聴いている方がいらっしゃるので、僕とか赤江(珠緒)さんが喋っている内容についてすぐにリアクションが届くんです。Twitterだったり、卓越しのスタッフのリアクションがあるけど、ポッドキャストでは何にもない。スタッフさんも『たまむすび』の方は5、6人いたけど、ポッドキャストでは基本2人しかいないですしね。だから、内輪ネタの扱い方は“大丈夫かな”と考えながらやってますね」

 

──というのは?

 

大吉「ラジオって身内のメディアだと思ってるんです。リスナーさんは、番組の裏側のような自分たちだけがわかる話題ってお好きだと思うんです。その“内輪ネタ”のさじ加減が、リアルタイムのリアクションがないと難しくなるんだっていうのは感じますね。相変わらず勉強です」

 

――リアクションがないとやりにくさがありますか?

 

大吉「やりにくいっていうか、不安ではありましたね。NHKで『あさイチ』をやってますけど、あっちもリアルタイムで反応が来る番組なので、それに体が慣れてるんでしょうね。この番組のように少人数のスタジオで、今日録ったものを何日か後に配信するっていうのは初めてなので」

 

――逆に収録ならではのやりやすさはあったりしますか?

 

大吉「編集が入るから、失敗しても噛んでもいいっていうのは、すごく気楽ですよね。特に今日なんかは勝手知ったるメンバーなので(注※見学したのは元『たまむすび』スタッフをゲストに招いた回)もう喫茶店で喋っているような感覚でしたね。これが、あんまりお会いしたことがない方とかだと、こっちも心構えがいると思うんですけど」

 

大吉さんのラジオ愛

──このポッドキャストは、『たまむすび』の元プロデューサー、阿部さん(通称“アベコP”)からご提案があったとか?

 

大吉「そうです。“ポッドキャストをやります”ということは、アベコちゃんから言ってもらいました。『たまむすび』が終わるって発表があってからだから今年2月とか、その頃やと思います。実は、僕も頭の中でポッドキャストとかできないのかなとは思ってたんですよ」

 

──大吉さんもポッドキャストを考えてらっしゃった?

 

大吉「考えてました。だから『え、やらせてもらえるの?』みたいな感じでした」

 

――ちなみにどんなことをしたいと考えていたんですか?

 

大吉「『たまむすび』を続けたいっていうのはもちろんあったし、赤江さんの居場所を作っておくという理由もあるんですけど、僕が好きなラジオを続けたかったんです。『たまむすび』を11年間やって、ラジオって本当に楽しいなって思ったんですね。本当に多くの方がおっしゃるんですけど、 芸人ってやっぱりラジオをやりたいんですよ」

 

――確かに皆さんそうおっしゃいます。それはどういった理由なんでしょうか?

 

大吉「僕ら芸人って、エピソードトークをしたり、リスナーさんのメールとかハガキを読んで臨機応変に喋ったりする練習をまずやるんですね。ラジオ番組風に30分喋る“電波のないラジオ”を、デビューした頃にやらされます」

 

──トークスキルの練習みたいなものでしょうか?

 

大吉「そうです。会議室で(博多)華丸と2人で向き合ってやったって、面白くもなんともないですよ。でも、実際初めてラジオの仕事をいただいた時に、会議室で練習したのと全く違う面白さに気づくんです。だから僕、『ラジオは結構です』っていう芸人はあんまりいないと思うんですよね。みんな本当に喉から手が出るほど欲しい仕事はラジオだと思います」

 

──練習との一番の違いというのは何でしょうか?

 

大吉「やっぱりリスナーさんとのコミュニケーションでしょうね。単純に笑ってくれる方もいれば、こんなこともありますよっていう反対意見ももちろん来る。ちゃんとお客さんがいるっていう状況はなんでもそうですけど、その繋がりが醍醐味です」

 

──先ほどおっしゃったリアクションという点も含め、ラジオはお客さんと繋がれる魅力があるんですね。

 

大吉「ラジオがなくなるっていうのは、自分の中でもどうしたものかなと。たとえば相方の華丸は、役者という軸が漫才師以外で1個あるんですよ。僕は漫才師以外の自分自身の軸がラジオだったので、それがなくなるのはすごくしんどい。今後のことを考えたら、これは何かやっとかんと大変なことになるんじゃないかな、と思ってました。なので、このポッドキャストの話がなかったらYouTubeをやろうと思ってましたから」

 

――そういったお考えがあったんですね。

 

大吉「僕もポッドキャストを考えていたとは言っても、お話がないからには、こっちからやらせてよっていうのはちょっと違うかなと思ってたので、TBSラジオから言っていただいて良かったです」

 

――じゃあこのポッドキャストはまさに大吉さんの軸足というわけですね。

 

リスナーからの反響に驚く

――第8回で特集されていましたけど、4月12日配信の第1回で、大吉さんがリスナーに番組のBGMやテーマ曲を募集したところたくさん来すぎちゃった、ということでした。このリスナーの反応をどう感じていますか?

 

大吉「良くも悪くも予想外でしたね。こんなにみんなが食いついてくれるとは正直思ってなかったんです。博多大吉がポッドキャストを始めるんだってことで、『たまむすび』の残り香があるぞと、多少なりともお客さんは来てくれると思ったんですよ。でも、こんなにも多くのリスナーさんが来てくれるとは思いませんでした」

 

──テーマ曲の募集というのも良かったのかもしれませんね。リスナーが制作陣と一緒に番組を作り上げていく、といったワクワク感もあります。

 

大吉「そうですね。僕のひとり喋りでやることも考えたんですけど、『たまむすび』は僕一人のものじゃないので、ゲストやリスナーとうまい具合に半々でやっていこうと思ったんすよ。赤江珠緒の『たまむすび』は月から木まで4曜日あって、僕はそのうちの一つの曜日のパートナーなので、僕一人でやるっていうのはある意味おかしな話ですから」

 

――大吉さんらしいお考えだと思います。

 

大吉「『たまむすび』の雰囲気を残しつつ、赤江さんがいつか来てくれたらいいなみたいな感じで、好きなプロレスの話したりとか、お笑いの話したりとか、そういうことをやっていこうと思ってたんです。で、ほんとに軽い気持ちでテーマ曲を作ってくれませんかと話したらもうドーンと来たので……あ、これはうかうか自分の好きなノア(プロレス団体)の話とかできないぞと(笑)」

 

――リスナーの多さと熱さに驚いた、みたいな(笑)。

 

大吉「そうですね。これも、リアルタイムならノアの話をして、Twitterのハッシュタグを見れば、そんなに盛り上がってないなとか、盛り上がってるなとかが分かるんですけど、ポッドキャストだとないので、おっかなびっくり話してますね」

 

――番組開始から約2か月経ちますが、ほかに何か反応はありましたか?

 

大吉「業界内でというか、芸人さんや、スタッフさんレベルでも、“ポッドキャストやるんだね”とかはすごく言われました」

 

――第1回配信で、『たまむすび』にゆかりがある方々の出演を募集してますとおっしゃってましたけど、その後なにか動きは?

 

大吉「具体的にはないかな。みんな恥ずかしいのかな(笑)。まあ、プチ鹿島さんとかはもういつでも! っていう感じでスタンバイはしてくれてます」

 

――プチ鹿島さんが来たら、マニアックなプロレス話になりそうですねー。

 

大吉「そうなんですよ、だからまだお呼びするのは早いかなと、今は止めてます(笑)」

 

――今日の収録中にも、「まだ始まったばかりなんだからゆっくりやろう」と大吉さんがおっしゃってましたね。

 

大吉「そうなんですよ。ポッドキャストを聴いてもらっている方は物足りないと思うかもしれないですけど、“いやいや、まだ基礎工事の段階だから”と。家づくりで例えたら、赤江さんが来るのは餅まきの日。今はまだコンクリートを固めて土台を作ってるところですから、ここで手は抜けないぞって思います」

 

あのゲストはいつくる?

――『大吉ポッドキャスト』の今後について伺いたいのですが、考えている企画だったり、こんなことしてみたいなというのはありますか?

 

大吉「このポッドキャストはすごく長いスパンで考えてるんです。番組でも言いましたけど、10年後(にもう1回『たまむすび』をやる)っていうのを一応の目処にしてるんです。だから、“これから10年あるからな”っていう意識はあります。もちろんこれから1個ずつやっていこうと思ってるんですけどね」

 

――なるほど~。

 

大吉「僕が言うこっちゃないかもしれないですけど、ポッドキャストってビジネスモデルとしてまだ確立してないので、ゲストを呼ぼうとしても、予算なりスケジュールで誰かが無理をしないと作れないんです。僕がどこまで口出しできるかわかんないですけど、発起人のアベコちゃんとか、ディレクターの御舩くんと考えながら、必要とされればイベント的なものをやるのが最初になるのかなと思いますね。公開録音じゃないですけど、そういうのは僕自身がやってこなかったことなので」

 

――逆に言うと、アイデアがあればいろんなこと挑戦できそうな気もします。

 

大吉「そうなんですよね。おそらくリスナーから一番期待されてるのが、やっぱりピエール瀧さんとか、赤江さんがいつゲストに来るのかっていうことだと思うんです。それも視野に入れながら、でもそれが当たり前になると、じゃあなんで『たまむすび』が終わったんだってなりますし」

 

――確かにその通りです。

 

大吉「ポッドキャストだから、時間に自由がきくからできるっていう面もあるでしょうし、だからこそ、あんまり先にも引っ張れないとも思います。皆さんの“ゲストに来るのはいつだ”っていう気持ちを」

 

――大吉さんのポッドキャストには、『たまむすび』にゆかりがあった方が登場されるということで期待されているリスナーも多いかと思います。まぁでも焦ってやってもですね。

 

大吉「そうなんですよ、だってまだ10年ありますから」

 

――最初の1年で燃え尽きたんだなとなってもいけないですもんね。

 

大吉「だから、年内に1回は来てほしいかなと思いましたけど、メッセージだけでもいいかなとか。赤江さんも別に引退したわけじゃないし、きっとどこかのメディアには出てるでしょうから」

 

――じゃあ皆さんの登場は期待しつつちょっと首を長くして待つ、という感じですね。

 

大吉「(カンニング)竹山とか、山ちゃん(山里亮太さん)とかもね。そう、春風亭一之輔師匠はぜひって言ってくだってるみたいです」

 

――楽しみですね。著名な方や文化人のゲストも当然面白いのですが、番組スタッフさんとかへのインタビューもいいですよね。普通の人って言ったら失礼かもしれないですが、人間誰もが持ってる歴史やドラマを大吉さんが聞き出すと、ちゃんとコンテンツ化するなっていう印象があります。

 

大吉「本当ですか。そう言っていただけるのはすごく嬉しいですね。今のポッドキャストの段階では、ゲストに来た人を片っ端から私が事情聴取する(笑)っていうのをひとつの柱にしようと思ってたので。『あさイチ』で、ゲストとのプレミアムトークのコーナーはもう6年やってますからね、そこで鍛えられたのかもしれません」

 

ポッドキャストで大事にしていること

――ラジオとポットギャストでは、話す内容とかも変わったりしますか?

 

大吉「変えるのもかっこ悪いなとは思ってるんですけど、そこまで気にはしなくなりましたね。この話題どうかなとか、これを言ったら各所で問題が起こるかなとかいうのは、あまり気にせず気兼ねなく言えるようにはなりました」

 

――編集もあるし、ポッドキャストの方がラジオよりも若干緩いところがあるんでしょうか?

 

大吉「だぶんそうだと思います。たとえば、第8回で話した『THE SECOND』についても(注※取材の数日前に放送があった)、仮に今も『たまむすび』が続いていたとしたら、『THE SECOND』について一言って振られても、答えられなかったと思いますね。でも、ポッドキャストだったらいいかって感じです」

 

――大吉さんがそうやってリラックスした感じでお話しされると、ゲストの方もいろんな話をしやすいかもしれないですね。

 

大吉「はい。お互い様なんで、ゲストにもいっぱい喋ってもらって」

 

――ラジオとポットキャストで共通して大吉さんが大事にしていることは何でしょうか?

 

大吉「どちらも聴いてくれている方がいるからできてることなので、その方々をおざなりにしないことですね。だから、さじ加減が難しいんですけど、内輪ネタのラインの引き方であったりとか、『たまむすび』から続く“モヤモヤお焚き上げ”のコーナーもやってますけど、来たお便りをあんまり真面目にやっても重くて面白くなくなっちゃうんで、最終的にどこかで着地点作ったりするのを、しっかりやらないといけないなと思いますね」

 

――リスナーあってのラジオであり、ポッドキャストであると。

 

大吉「ポッドキャストだとリアルタイムな反応がないから、“こんなとこでいいか”で終わらせず、“こんなとこかな”からもう2段階ぐらい考えて喋るようにはしてるつもりです」

 

――リスナー目線を大事にされているんですね。

 

大吉「でも、あまりにもリスナーさんを重視すると、こっちがやりたいことができなくなるので、そのバランスは考えてます。それこそ“赤江さん出せ”“瀧さん出せ”って言われても、できないもんはできませんし“いや、まだです”と言うしかない。その辺はうまいことやらなければいけないと思ってます。お互いあうんの呼吸で、聞いてくれてる方とそういう関係を作れるように、頑張りたいですね」

 

――多くのリスナーが「大吉先生がやってくれて良かった」と言っているのは、そういった姿勢でいてくれるからですね。

 

「やりたいんならやればいい」

大吉「意志を継いでいくって、もう本当に余計なお世話なのはわかってましたけど、でも『たまむすび』があと1回ぐらいやってもいいんじゃないとは思ってますね。オンエアでも言いましたけど、甲本ヒロトさんがおっしゃった『やりたきゃやりゃいいじゃん』っていう言葉がすごく心に残ってて」

 

――いろんなこと考えちゃいますからね、邪魔なんじゃないかとか。

 

大吉「そうそう。でも、なんかしら場所があったほうがもう1回やりやすい。なんもなしで10年後……たとえば再来年ぐらいでもいいんですけど、『たまむすび』が復活しますとか言ったところで、そんなに機運は盛り上がるのかな、赤江さんも出てくれるのかなって。じゃあ、赤江さんに会いたければ会えばいいじゃないって思いますから、会える場所は残しておきたいですからね」

 

――ポッドキャストをやると発表された際も「赤江さんがいつでもフラッと帰って来られる場所をつくる」とおっしゃってました。

 

大吉「大切な空き地があったとして、何も手をつけなくてそこにマンションが建ってしまったとしたら、もうその場所で会えないじゃないですか。だから、この空き地にだけはポンっとポストを1個置いとこうっていう感じです」

 

――聖火じゃないけど、ずっと火をともし続けていく気概が感じられます。

 

大吉「ちゃんとそれで煮炊きもやってますんで(笑)」

 

――いろんな名番組、伝説的な番組がありますけど、そういった再建に向けてのアクションをしたという話はなかなか聞かないですよね。

 

大吉「おそらくいろんな事情で、やりたくてもやれなかったことが多かったと思うんです。今回はたまたま図々しいアベコと僕と御舩くんっていう3人がいたっていうだけだと思いますけどね」

 

――『たまむすび』が終わって心に空洞ができたまんまの「たまロス」の方も多いと思います。そんなリスナーを救ってくれた大吉さんとスタッフさんたちに感謝しないといけないですね。

 

大吉「いやいや、感謝するのは僕のほうでございます」

 

――これからも頑張ってください、配信楽しみにしています!

 

大吉「ありがとうございます!」

 

どこまでも謙虚に、言葉を選んで話してくださった大吉さん。ポッドキャスト開始時は「恩返しのつもりだったが出しゃばってしまったかな」と不安を漏らしてもいたが、リスナーから番組に届くメッセージを聴くにつけ、大吉さんの英断にエールを送りたくなる。コンテンツがすごいスピードで大量消費される時代に、作ったコンテンツを守る、意志を継いでいくっていうのは言うほど簡単ではないはずだ。

 

リスナーにも作り手にも愛されるコンテンツがどんなものかを知りたい方は、ぜひ『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』を聴いてみてはどうだろう。

 

【番組情報】

TBSラジオ『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!
毎週水曜17時頃配信
Spotify、Amazon Music、Apple Musicほか、各プラットフォームで配信中!

公式Twitter

 

ANN Xパーソナリティ就任!緑黄色社会・長屋晴子が目指す番組の形とは?

深夜ラジオの代名詞として全国のリスナーを惹きつけ続ける、ニッポン放送の『オールナイトニッポン』(ANN)。55周年イヤーに突入する今年4月から、各時間帯&各曜日のパーソナリティーがリニューアル。そんななか、今年1月22日放送『ANN 0』の週替りパーソナリティに抜擢され話題となった緑黄色社会・長屋晴子が、4月から『オールナイトニッポンX(クロス)』(ANN X)の火曜パーソナリティに就任することが発表された。単独では初となるレギュラーラジオ番組への思いと共に、「すごく内向的」「根暗」だという自身のキャラクターについても迫る。

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:有山千春)

 

●長屋晴子(ながや・はるこ)/愛知県出身4人組バンド「緑黄色社会」のボーカルとして活躍中

 

ANN 0は楽しかった

ーーANN Xパーソナリティのオファーが来たときの心境を教えてください。

 

長屋晴子(以下、長屋)1月22日にオールナイトニッポン0(以下ANN 0)で単発パーソナリティをやらせていただきましたが、そのとき、本当に不安だったんですよ。ひとりで2時間もラジオをやるのは初めてだし、そんなに喋れるのかという不安があったんです。

でもいざやってみると、時間が過ぎるのがあっという間で、放送が終わったあとも興奮して寝られないくらい、とにかく楽しかったんです。

それで今回のオファーをいただいたので、「この楽しい時間がこれからもまだ続くんだ!」という気持ちが、不安よりも勝っている状態です。

 

ーーANN 0は、手応えや反響はいかがでしたか?

 

長屋 手応えは……正直わからないです。うまくできたかどうかもわからないし。ただ、楽しかったと思えたことが大きな収穫でした。

放送後は、たくさんの人から「聴いたよ」という言葉をもらいました。「この人も聴いてくれたんだ!」という、意外なところからもそういう話をいただいて。オールナイトニッポンってそれだけリスナーがいる番組なんだなと実感しましたね。

それに、私のファンの方はもちろん、オールナイトニッポンの番組ファンの方もその回を聴いてくださって、それで私を知ってくれたというパターンもとても多くて。オールナイトニッポンならではだなと思いました。

 

ーーANN 0では淀みなく喋っていらっしゃったので、経験者かなと思いました。

 

長屋 メンバー全員でやったことはあるんですけど、ひとりは本当に経験ないです。そもそもリスナーのみなさんが、近い距離で来てくださるんですよ。それで私も心が開けたのが大きいですね。

 

ーー喋る内容は、事前に用意されていたんでしょうか?

 

長屋 台本がまったくなくて、ざっくりとした進行とコーナーがあることだけが伝えられていた状態で、ある程度は用意していたんですけど。それよりも、リスナーさんからのメッセージ内容で話がどんどん転がっていくパターンのほうが多かったです。

 

ーー普段はよく喋るタイプですか?

 

長屋 聞き上手ではまったくなくて、話すことはすごく好きです。話がすごく飛んでしまうんですよね。自分の頭の中では繋がっているんですけど、それが相手には伝わらないので、「なんでその話からその話になったの?」ということはよくあります。

 

ーー頭の中に言葉がいっぱいあるんですね。

 

長屋 湧いちゃうんです。

 

電話が苦手な内向さをストロングポイントに

ーー今回ANN Xでレギュラー放送になりますが、プレッシャーはありますか?

 

長屋 ANN 0は単発だからよかったものの、長い期間続くとなると、「私、話すこと、ちゃんとあるのかな……」みたいには思っています。

 

ーー日常から拾ってきたり?

 

長屋 そうですよね。日々、面白いことや感動すること、悔しいことや泣いたりすることってたくさんあると思うんですが、どうしても過ぎ去ってしまうことが多いじゃないですか。だからインタビューで「そういうことがありましたか?」と聞かれたとき、思い出せないんですよ。

なので、なるべくメモを取る癖をつけたいなと思っています。本当はたくさんあるはずなのに、言えないことが多いので。

 

ーー緑黄色社会の歌詞は長屋さんが書かれているものも多いですが、歌詞はどうやって書いていますか?

 

長屋 歌詞は降りてきた瞬間にメモして残しています。でも、歌詞って自分の中だけで理解していればいいものだったりするんですけど、ラジオで話すネタとなると、私だけが理解したり面白いと思っているだけではよくないかもしれない、と。もうちょっと幅広い視点で考えられたらな、と思います。

 

ーー長屋さんのラジオのストロポングポイントは、どんなところでしょう?

 

長屋 私自身すごく内向的なので、逆にそれを強みに頑張っていけたらなと思います。たぶん、同じような方がたくさんいらっしゃると思うので。そのうえで、逆にそうではないリスナーの方からはアドバイスをもらいつつ、人間として成長できるようになりたいです。

 

ーーANN 0でも、ご自身で「根暗だ」とおっしゃっていましたね。どんなところがそう思いますか?

 

長屋 そもそも家から出ないのと、あと最近すごく思うのが、病院や飲食店の予約がすっごく苦手だなあって。特に電話が苦手です。メンバーやスタッフから電話がかかってきても、すぐに出られないんですよ。少し時間を置いて、自分の心の準備をしてから、掛け直すことが多いです。いつも心の準備が必要ですね。

 

ーー今後、リスナーに電話をするコーナーもやるかと思いますが(笑)。

 

長屋 うわーーー……はい……。

 

ーーどうしますか(笑)。

 

長屋 電話……緊張しちゃいますね……。

 

ーーそんな緊張感のある長屋さんの姿も感じられるラジオ、ということですね。

 

長屋 そうですね(笑)。

 

“リョクシャカの長屋晴子”として、”リョクシャカ”を知ってもらいたい

ーーやりたいことはありますか?

 

長屋 生放送というのがポイントだと思うので、リスナーの方となるべくリアルタイムで繋がりたいと思っているんですよね。コーナーを用意するのも楽しい一方で、その場で起きる化学反応を楽しみたいと思っています。私の発言にどんどん突っ込んでほしいし、転がっていきたいです。

 

ーー呼んでみたいゲストはいらっしゃいますか?

 

長屋 まずこういう業界にお友達が少ないのでだいぶ限られちゃうんですけど……思い当たるところのお友達は全員呼びたいのと、ガチなお友達も呼んでいいんですかね?

 

ANNスタッフ お友達がよければ。

 

ーー長屋さんのプライベートがダダ漏れになっちゃいますね。

 

長屋 そういうのもいいんじゃないですかね(笑)。

 

ーー長屋さんご自身は、学生時代にラジオを聴いていた思い出はありますか?

 

長屋 2013年、高校生のときに『SCHOOL OF LOCK!』(TOKYO FM)主催の閃光ライオットという10代限定の音楽フェスティバルに出させていただいて、準グランプリをいただいてからの”今”があるので、ラジオはすっごい聴いていました。

 

ーーラジオは原点とも言えますね。

 

長屋 そうですね。だからこそ、ミュージシャン的な一面も出していけたらと思っています。

 

ーーそれでは最後に、ANN 0での今後の目標を教えてください。

 

長屋 ”リョクシャカの長屋晴子”として出させてもらうので、オールナイトニッポンというすてきな番組を通して私たちのバンドを知っていただきたいです。そして、ひとりでやらせてもらうことに理由があると思うので、ラジオでたくさんのことを吸収して、リョクシャカに持ち帰りたいですね。バンドに還元できるものは還元したいので、なるべくいろいろなことを挑戦したいと思っています。

 

ーームチャなことを振られても……?

 

長屋 ANN 0で「即興でトークする」こと自体がすでにムチャな挑戦だったと思うので(笑)。これからもいろいろやっていきたいです。

オズワルドが洋楽アーティストをイジりまくり?「〝知らないですね〟を連発してます」茨城発の〝自由すぎる〟音楽番組について直撃! 

 今年、ノリに乗っているお笑いコンビ・オズワルド。2人が、5月よりLuckyFM 茨城放送で担当している音楽ランキング番組『レバレジーズ presents MUSIC COUNTDOWN 10&10』(毎週日曜・15:00~)が、「音楽を知らなくても面白い!」「2人のイジりが自由すぎる(笑)」とひそかに話題になっている。一体どんなトークが展開されているのか? オズワルドの2人に番組の裏話から、音楽の思い出、さらに今年の『M-1グランプリ』についてなど、がっつり語ってもらった。 

 (構成・撮影:丸山剛史/執筆:kitsune)

●オズワルド  畠中悠(ハタナカユウ・1987年12月7日、北海道生まれ)と伊藤俊介(イトウシュンスケ・1989年8月8日、千葉県生まれ)の吉本興業所属のお笑いコンビ。NSC東京校17期の同期で2014年11月に結成。2019年、2020年と「M-1グランプリ」で2年連続決勝進出を果たす。今年2021年の「第42回ABCお笑いグランプリ」では見事優勝に輝いた。

 

縁もゆかりもない茨城で音楽番組「何かの間違いかと思いました」 

――今年5月にLucky FM茨城放送でスタートした『レバレジーズ presents MUSIC COUNTDOWN 10&10』ですが、当初、茨城という縁もゆかりもない土地で番組がスタートすることが話題になっていました。どういった経緯でオファーが来たんですか? 

 

伊藤 いや~どうして僕らに来たのかは、全くわからないんですよね(笑) 

 

――伊藤さんは、お隣の千葉県ご出身ではありますよね。 

 

伊藤 そうです。近いこともあり、茨城自体には馴染みがありました。昔、少年サッカーのコーチをやっていたんですが、その時の合宿で、めちゃくちゃ茨城に来ていましたね。さしま少年自然の家というところに計50回くらいは行ったと思います。 

 

畠中 一応、茨城放送のオーナーさんと社長さんが、何かで僕らのことを知ってくれていて、会見で会ったときに、ぜひオズワルドの2人に頼みたいと思っていたとは言われました。本当か嘘かわからないんですけど。 

 

伊藤 どうせ嘘だと思うけどね~。 

 

――そうだったんですね(笑)。茨城放送さんからのオファーも意外でしたが、さらにそれが音楽番組だったのも驚きでした。 

 

伊藤 そうなんですよ。茨城どうこうよりも、俺らに音楽番組……?っていう方がびっくりしました。何かの間違いかと思いましたね。 

 

畠中 衝撃的でした。ラジオの音楽番組って、DJが流暢な英語でランキングをかっこよく発表していくイメージがあったので。もし、そのイメージで僕らにオファーしてくれたなら、1か月くらいは練習させてもらいたいなと……。 

 

伊藤 いや、さすがにそのイメージではないっしょ(笑)。  

 

畠中 流行りの音楽に疎いので、僕らで大丈夫なのかと不安ではありましたね~。 

 

知識ゼロの洋楽はイジる「本人に届くことが100%ないからね」 

――この番組では、邦楽と洋楽のトップ10をオリジナルランキング形式で発表していますよね。番組の雰囲気や進行について、何か指示はありましたか? 

 

畠中 いや、それが、こうしてほしいっていう依頼はなくて。自由にやってくれと言われたんです。 

 

伊藤 しかも「わからなかったら、わからないって言って良いですよ」と言われました。なので、最初のころはマジで「知らないですね~」を連発していました。普通ありえないですよね。 

 

畠中 邦楽はまだしも、最近の洋楽のアーティストなんて一切知らなかったので。名前がわかったのは、ジャスティン・ビーバーくらい。 

 

伊藤 でも、そのジャスティン・ビーバーすら、それっぽい人たちの写真を並べられたときに、どれがジャスティン・ビーバーか選べなかったですけどね。 

 

畠中 それぐらい洋楽には縁がなかったんですよ。しかも、長い名前の方が多くて全然読み上げられなくて。噛み噛みでしたね。 

 

――それを聞いたリスナーさんの反応はどうでしたか? 

 

伊藤 放送時間2時間のうち、80分は噛んでいたんで。内容よりも「すごい噛んでるけど大丈夫?」みたいな心配のお便りばかりで……。 

 

畠中 不安の声がたくさん届いていましたね~。そこから、読みやすい名前のアーティストは好きになって覚えました。例えば、ラッパーのポロGやリル君(リル・ナズ・X)とか。 

 

伊藤 名前を覚えたアーティストが出てきたら、「知ってるぞ!」となれるので、毎週その人たちをイジっていくスタイルが確立していったんです。 

 

――曲に対して批評を述べる番組は多くありますが、イジる番組は他にないと思います(笑) 

 

畠中 そうですよね。もしこれが邦楽だったら、下手なこと言うと批判される可能性がありますが、海外アーティストなら、絶対聞いてないので安心です。 

 

伊藤 本人に届くことが100%ないからね。最初はどこまでイジっていいんだろうと思っていたんですけど、意外に止められることがなかったので。 

 

畠中 スタッフさんもこんな番組になるとは、予想してなかったと思います。 

 

――唯一無二の音楽番組だと思います…! 

 

伊藤 そうかもしれません。汚い言葉で言うと、外タレイジりの番組です()。 いい意味で変な番組だとは思いますね。 

 


イジりすぎて親近感「オリヴィア・ロドリゴはもう友達の感覚です」 

――今まで洋楽を聞いていた時期はありましたか? 

 

伊藤 僕は何年もキャバクラのボーイをやっていたので、そのころのユーロビートやクラブミュージック系の音楽は、店内でガンガン流れていたのでよく聞いていましたよ。フロー・ライダーとかが流行っていたころですね。あと地元では、車内の至るところにテレビのモニターをつけてるヤンチャな奴がいて、そいつの車に乗ると爆音でめちゃくちゃ聞かされていましたね~。 

 

畠中 僕は、20歳くらいのころに、洋楽を聞いているとかっこいい……と思った時期がありまして、そのころはコールドプレイとかグリーンデイなどバンドサウンドの海外アーティストが好きでした。他にも、2PACとかラップ系も聞いていたんですよ。それ以降は、全く聞いていませんでしたが。 

 

――そうなんですね。でも、番組が始まって半年近く経って、そろそろ最新曲にも詳しくなってきたんじゃないでしょうか。 

 

伊藤 そうですね。街を歩いているときに、誰の曲か気づくようになりました。渋谷∞ホールに行く途中、センター街でオリヴィア・ロドリゴが流れていたときは、周りを見て「あ、オリヴィアじゃん。みんな知ってる?」みたいな気持ちに。ちょっと優越感を感じながら生活できるようになったんですよ。 

 

――頻繁にランクインしてくるアーティストの曲は、自然に覚えますよね。 

 

畠中 そうなんです。なんなら、イジりすぎて、もう友達の感覚ですね。たぶん、ゲストにオリヴィアが来ても全然緊張しないと思う。 

 

伊藤 余裕でタメ口でしょ。18歳で年下だし、芸歴は俺らのが長いしね。先輩風吹かせちゃうでしょうね~。 

 

畠中 あと最近は、ファンの方も、僕らと同じペースで洋楽に詳しくなっている感じが伝わってきて、楽しいですね。 

 

伊藤 例えば、イタリアのモーネスキンというバンドをイジっていたら、だんだんリスナーさんも好きになってきて、9月にはエンディングテーマにまでなりましたからね。 

 

――リスナーさんを交えて、一緒に番組が進んでいる感じがして素敵です。最近は、どんなコメントが届きますか? 

 

畠中 「音楽を通して、オズワルドの知らなかった一面が見れて楽しい」とか。たしかに、他のラジオでは話していないようなことが話題に上ったりするんです。音楽の思い出や曲の感想を通して新しい僕らを知ってもらっている感じがして、うれしいです。 

 

妹・伊藤沙莉がきっかけ!出囃子でも使うT字路sとコラボ生演奏 

――普段はどんな音楽をお聞きになるんですか? 

 

畠中 番組にゲストで来てもらったヒグチアイさんはもちろん、カネコアヤノさん、竹原ピストルさんなどシンガーソングライターの方が好きです。そのルーツとしては、親が中島みゆきさんと長渕 剛さんをよく聞いていて、それがずっと染みついているんですよね。番組で自分のリクエスト曲が流せるコーナーがあるんですが、それがいつも楽しみです。 

 

伊藤 僕はやっぱり90年代の曲が好きなんですよね。日本が一番元気だったころです。LINDBERGさんとかをよく聞いていました。番組でも逞しくてパワーのある曲を流したくなっちゃうんですよ。ZARDの『負けないで』をかけてみたりとか。 

 

――選曲には好みのアーティストやジャンルも反映されているんですね。ちなみに、畠中さんはご自身の曲を流したり、歌われたりもしていますよね。 

 

畠中 去年の自粛期間中から、同居人のナミダバシ・太朗に教えてもらいながらギターを始めたんです。それから自分で曲を作るようになりました。 

 

――昨年から始めて曲作りまで!すごいです。 

 

畠中 先日、僕らが出囃子で曲を使わせてもらっているT字路sさんがゲストで来たんです。その時に、出囃子の『これさえあれば』とともに、僕のオリジナルソング『コンビニエンスマン』を生演奏して頂いたんですよ! こんなにうれしいことはなかったです! 

 

伊藤 畠中が『コンビニエンスマン』を作ってきたときに「あ、こいつ天才かもしれない」と思いました…。でも、T字路sさんに演奏してもらって「全然違うじゃん……!」と。プロに弾いてもらうのは、さすがにワケが違う。凄かったです。 

 

――長年、出囃子にしていたアーティストさんとのコラボは、うれしいですね。 

 

伊藤 音楽番組ならではのコラボができたので、良かったです。実は、T字路sさんのことは妹の沙莉が最初に教えてくれたんですよ。当時出演していた映画の監督さんの過去作品で、T字路sさんの曲が使われていて、これはスゴイ!と。僕も一発聞いて、すぐに出囃子にしようと決めました。 

 

――そうだったんですね。ちなみに、沙莉さんは番組のことはご存じでしょうか? 

 

伊藤 多分、これがどんなラジオなのかは分かっていないと思うんです。彼女もけっこう音楽好きではあるんですが、まさか僕らが音楽番組をやっているとは思っていないでしょうね()。 

 

今年もM-1が始まり、忙しい日々「仕事を言い訳にしたくない」 

――今年は、第42ABCお笑いグランプリ優勝おめでとうございました! リスナーさんの反応はいかがでしたか? 

 

伊藤 おめでとう祭でした。たくさんメッセージを頂いてうれしかったですね。 

 

畠中 番組スタッフさんや茨城放送のスポンサーの方からもたくさん応援して頂いてありがたい限りです。 

 

伊藤 お祝いコメントばかりでしたが、エゴサーチしていて1つ「カベポスターの方がよかったけどな」というのを見つけたんで、それだけは絶対忘れないっすね……! 

 

――()。ABCの興奮冷めやらないままですが、もう今年もM-1が始まっていますね。手応えや感覚はいかがでしょうか? 

 

伊藤 それに関してはマジで何も言いたくないです……! 仕上がっているって噂が出回っても嫌だし、全然ダメって話が回るのもアウトだし……。M-1は、情報戦から始まってるんですよ! 

 

畠中 そうなんですよね。すごい仕上がっているといわれているコンビが噂だけ独り歩きして、ハードルが上がって……というパターンを何度も見てきているので。僕たちは粛々とやるだけですね。 

 

伊藤 原因と思われるような噂とか言動をゼロにしておきたいんですよね。万が一、負けたときに許せなくなるので……すみません、頑張ります! 

 

――わかりました、応援しています! でも、ここ最近はかなり忙しいんじゃないでしょうか? 

 

伊藤 あのー、売れてるとかでもないんですけど、駆けずり回っている感じはあります。 

 

畠中 僕らはライブが主戦場なので、そういった意味では忙しくさせてもらってますね。 

 

伊藤 8月は、95ステージ立ったんですよ。1日3ステ平均ですね。 

 

――そんなにですか!?

 

伊藤 でも仕事のことは、もちろん言い訳にしたくないです。和牛さんや、かまいたちさんとか、みんなやってきたことなんで。駆け抜けたいですね。 

 

夢は茨城でフェス開催!全国にリスナーを増やしたい 

――番組では、それぞれのコーナーがありますが、今後こうしたいという願望は何かありますか? 

 

伊藤 僕は川柳のコーナーを持っていて、自分も最後に書いて発表するんです。初めは芸人的にふざけた川柳をわざと出していたんですけど、ここ数回の放送では完全に才能が開花しましたね! 

 

畠中 いやいや、目も当てられない川柳だったのが、たまたま最近及第点くらいだっただけでしょ? そんなに素晴らしいものじゃないですからね。 

 

伊藤 こんなこと言ってますけど、クオリティの高さに脇汗びっしょりだったと思いますよ…? お笑いにするために、褒められないだけで。これから僕はどこまでレベルアップしてしまうのか……。皆さんをアッと驚かせていきたいですね~。 

 

――楽しみにしています……! 畠中さんはいかがですか? 

 

畠中 僕は悩み相談のコーナーがあるんですが、多くの方たちを救って来たという自覚があるのでね。今は毎週1人だけですが、より多くの方を救っていきたいので、相談件数は増やしていきたいですね。 

 

伊藤 いやいや、畠中はさ、相談してきた人の状況を気にせずに、自分が話したいことを語ってるだけだからね。 

 

畠中 でも、結果的にそれで救われている人がいるわけだし。 

 

伊藤 救われてる人がいるって決めつけてるじゃん()。 

 

畠中 実際に感謝の言葉も頂いてますしね。自分のおかげで…とか思ってないですが、この番組にお便りを送ってくれたことで、その方の人生のちょっとした転機やきっかけになってくれたらうれしいですね。それで、僕も救われますしね。 

 

伊藤 なんでお前まで救われるんだよ…! 

 

――()。ではコーナーだけでなく、番組全体として今後やりたいことは何かありますか? 

 

伊藤 最終的には、『MUSIC COUNTDOWN 1010』のフェスを茨城でやりたいですよね。アーティストさんと親交を深めて。なんなら、洋楽のアーティストもどんどん呼びますよ。 

 

畠中 オリヴィア・ロドリゴとかジャスティン・ビーバーにも来てもらわないとね。これだけ話題にしてるんだから。 

 

伊藤 グラミー賞を差し置いて、10&10フェス優先で出てもらいたいですね。 

 

畠中 あとは、このラジオを聞いてくれるリスナーさんをもっと増やしていきたいです。まずは、茨城県の人に僕らのこと知ってもらえたら。現在、1都6県で聴取できるのですが、そのうち北海道から沖縄まで全国の人が、茨城放送を聞きたい!と思ってもらえるように盛り上げていきたいです。なんなら有料でもいいからとradikoプレミアムに登録したくなるように。 

 

伊藤 この番組が楽しくて辞めたくはないので、そのためにはリスナーさんを増やしていきたいです。長く続けていきたいですね。 

 

――最後にメッセージをお願いします。 

 

伊藤 音楽に詳しい人も楽しめる……音楽に詳しくなくても楽しめる……番組……です!! 

 

畠中 オズワルドと一緒に、音楽に詳しくなろうよ、みんな……!! 

 

――()! ありがとうございました。 

 

 

 

『レバレジーズ presents MUSIC COUNTDOWN 10&10』

LuckyFM 茨城放送 毎週日曜15:00~17:00放送中 

Twitter:@mc1010_luckyfm 
メール:mc1010@lucky-ibaraki.com
HP:https://lucky-ibaraki.com/ 

 

 

 

5月5日の深夜に復活!「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」をより楽しむために読んでおきたい番組オフィシャルブック

2005年から2008年までの約3年半、毎週火曜日深夜に放送されていた「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」。番組終了から12年経った今でもたくさんのリスナーに愛され続けている番組ですが、なんと5月5日(水)25時から特番復活が決定!

 

「くりぃむしちゅーのANNはやばい」「伝説のラジオだ」なんて話は聞いたことがあったものの……私自身リアルタイムで聴いたことがなく「いつかこの耳で聴きたい」そう思っていた時にめちゃくちゃうれしいニュースでした! やったー!

 

この伝説のラジオ番組が復活した背景には、4月に発売された『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』(ナチュラルエイト・監修/ニッポン放送・協力/総合法令出版・刊)があるのだとか。今回は、5月5日の放送を何倍にも楽しくしてくれるこの番組オフィシャルブックをご紹介いたします。

 

タイトルコールをなかなか言わせてもらえなかった上田さん

『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』では、上田さんと有田さんに当時を振り返ってもらいながら楽しい思い出を語ったインタビューが掲載されています。

 

私自身はリアルタイムリスナーではないのですが、タイムスリップできるならその時に戻って聴いてみたい! と思ってしまうほど楽しそうなエピソードがたくさん掲載されていました。上田さんは、高校時代からオールナイトニッポンを聴いていて、芸人になってパーソナリティになるのが夢だったのだとか。レギュラーが決まった当時はその念願が叶ってうれしかったそうですが、あることができず歯がゆい思いもしていたそう……。

 

初期の頃に『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』っていう番組タイトルコールを有田が僕にやらせないやり取りがあったんですよ。だから「何だよ、タイトルコール言いてぇのに。何で言わせてくれねぇんだよ」っていう歯がゆい思いをしていましたね(笑)。

(『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』より引用)

 

これまでにオールナイトニッポンを聴いたことがある人はわかるかと思いますが、オープニングトークをして、タイトルコールをすると「ビタースウィート・サンバ」が流れる定番のアレです。オールナイトニッポンに憧れている人なら、絶対タイトルコールしたいですよね(笑)。

 

しかしそんな歯がゆい思いをしていた上田さんも、“とある事件”でタイトルコールができることに! リスナーだった方には定番かもしれませんが、この事件もしっかりオフィシャルブックに書かれてあります。5月5日のタイトルコールは誰がするのか、今から楽しみです。

 

このラジオの魅力は、ふたりのフリートーク

『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』を読めば読むほど、この番組はリスナーに愛されていたんだなぁと感じます。高校時代からの同級生コンビのくりぃむしちゅーだからこその掛け合いには、文字起こしを読んでも阿吽の呼吸で繰り広げられるトークテンポの良さが伝わってきます。

 

書籍の中では、この番組を支えていた歴代ディレクターや構成作家にもインタビューしているのですが、作っていた人たちもみんなこの番組が好きだというのが、言葉のひとつひとつから伝わってきます。特にラジオブースの中に入って、一緒に番組を盛り上げていた構成作家の石川昭人さんのインタビューには、裏話がたくさんあって、読んでいてワクワクしました。ぜひ現役リスナーさんだった人には読んでもらいたい!

 

冒頭で「番組作りで心掛けていたところは?」と質問されるのですが、石川さんは意外な答えをしています。

 

何もしないようにすることを心がけていました。僕はこの番組でしたことってあまりなくて、ただ笑っていただけなんですよ。

(『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』より引用)

 

色々としたくなっちゃうところを、「ただ笑っていただけ」と言えるのは本当すごいことですよね。石川さんのインタビューを読むと「それだけじゃない」ことも十分に伝わってくるのですが、熱い思いをもったスタッフさんあってこその番組だったのだな〜と感じました。

 

たった3年半のレギュラー放送でしたが、ここまで熱烈なファンを作り、10年以上経った今でも注目されるほど愛されている番組はなかなかありません。今回の復活でも、石川さんの笑い声が聴けると思うとうれしくなりますね。

 

今回は特番だけど……レギュラー復活の可能性もゼロじゃない?

実は「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」は、2008年に一旦の最終回を迎えてから何度か復活を遂げています。2020年に一夜限りの復活をした際には、「くりぃむANN」や「#ariue」がTwitterのトレンド入りを果たすなど、引き続き熱いリスナーたちがいることを感じさせてくれました。

 

オフィシャルブックのインタビューで、有田さんは2020年に復活した日のことを振り返りつつ、こんなことを語っていました。

 

この前の放送の後にもスタッフにちゃんと言いました。「ちょっとこれじゃあダメだよ。この前と内容が同じだから」って。だからせめて年に3、4回ぐらいは放送して、もうちょっと新しい展開を作っていきたい。だってレギュラー放送の時はフリートークのなかから何かネタが生まれたり、とんでもない角度からハガキが来て、それが次の週につながったりしていたんですよ。

(『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』より引用)

 

どこまで有田さんの本心かわからないけど、年3〜4回は期待しちゃう頻度(笑)。もしかしたら5月5日以降もやってくれるのかな? そんな気持ちになりますね。

 

このままレギュラー番組として復活してくれても「かまわんよ」と思いつつ、今回も有田さんのどんな「いや、まいったね……」から始まるのかワクワクです。

 

ちなみに、入り待ち・出待ちは禁止とのことですので、お家のレディオの前で『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』を片手に楽しみましょう!

 

【書籍紹介】

くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック

著者:ナチュラルエイト(監)ニッポン放送(協力)
発行:総合法令出版

2005年~2008年までレギュラー放送された深夜ラジオ番組『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』は、有田哲平さんと上田晋也さんが織りなす“部室トーク”で人気を誇り、レギュラー放送終了から12年経った今でも、オールナイトニッポン好きのリスナーから伝説のラジオ番組として絶大な支持を集めています。
今回、そんな同番組を“初”の書籍化。くりぃむしちゅーへのロングインタビューをはじめ、3年半の放送期間における神回や名言などを掲載。記録性の高いものとしつつ、制作関係者への取材も実施し当時の裏事情などを紹介して、ファン垂涎の1冊となっています。

楽天ブックスで詳しく見る
Amazonで詳しく見る

 

5月5日の深夜に復活!「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」をより楽しむために読んでおきたい番組オフィシャルブック

2005年から2008年までの約3年半、毎週火曜日深夜に放送されていた「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」。番組終了から12年経った今でもたくさんのリスナーに愛され続けている番組ですが、なんと5月5日(水)25時から特番復活が決定!

 

「くりぃむしちゅーのANNはやばい」「伝説のラジオだ」なんて話は聞いたことがあったものの……私自身リアルタイムで聴いたことがなく「いつかこの耳で聴きたい」そう思っていた時にめちゃくちゃうれしいニュースでした! やったー!

 

この伝説のラジオ番組が復活した背景には、4月に発売された『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』(ナチュラルエイト・監修/ニッポン放送・協力/総合法令出版・刊)があるのだとか。今回は、5月5日の放送を何倍にも楽しくしてくれるこの番組オフィシャルブックをご紹介いたします。

 

タイトルコールをなかなか言わせてもらえなかった上田さん

『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』では、上田さんと有田さんに当時を振り返ってもらいながら楽しい思い出を語ったインタビューが掲載されています。

 

私自身はリアルタイムリスナーではないのですが、タイムスリップできるならその時に戻って聴いてみたい! と思ってしまうほど楽しそうなエピソードがたくさん掲載されていました。上田さんは、高校時代からオールナイトニッポンを聴いていて、芸人になってパーソナリティになるのが夢だったのだとか。レギュラーが決まった当時はその念願が叶ってうれしかったそうですが、あることができず歯がゆい思いもしていたそう……。

 

初期の頃に『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』っていう番組タイトルコールを有田が僕にやらせないやり取りがあったんですよ。だから「何だよ、タイトルコール言いてぇのに。何で言わせてくれねぇんだよ」っていう歯がゆい思いをしていましたね(笑)。

(『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』より引用)

 

これまでにオールナイトニッポンを聴いたことがある人はわかるかと思いますが、オープニングトークをして、タイトルコールをすると「ビタースウィート・サンバ」が流れる定番のアレです。オールナイトニッポンに憧れている人なら、絶対タイトルコールしたいですよね(笑)。

 

しかしそんな歯がゆい思いをしていた上田さんも、“とある事件”でタイトルコールができることに! リスナーだった方には定番かもしれませんが、この事件もしっかりオフィシャルブックに書かれてあります。5月5日のタイトルコールは誰がするのか、今から楽しみです。

 

このラジオの魅力は、ふたりのフリートーク

『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』を読めば読むほど、この番組はリスナーに愛されていたんだなぁと感じます。高校時代からの同級生コンビのくりぃむしちゅーだからこその掛け合いには、文字起こしを読んでも阿吽の呼吸で繰り広げられるトークテンポの良さが伝わってきます。

 

書籍の中では、この番組を支えていた歴代ディレクターや構成作家にもインタビューしているのですが、作っていた人たちもみんなこの番組が好きだというのが、言葉のひとつひとつから伝わってきます。特にラジオブースの中に入って、一緒に番組を盛り上げていた構成作家の石川昭人さんのインタビューには、裏話がたくさんあって、読んでいてワクワクしました。ぜひ現役リスナーさんだった人には読んでもらいたい!

 

冒頭で「番組作りで心掛けていたところは?」と質問されるのですが、石川さんは意外な答えをしています。

 

何もしないようにすることを心がけていました。僕はこの番組でしたことってあまりなくて、ただ笑っていただけなんですよ。

(『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』より引用)

 

色々としたくなっちゃうところを、「ただ笑っていただけ」と言えるのは本当すごいことですよね。石川さんのインタビューを読むと「それだけじゃない」ことも十分に伝わってくるのですが、熱い思いをもったスタッフさんあってこその番組だったのだな〜と感じました。

 

たった3年半のレギュラー放送でしたが、ここまで熱烈なファンを作り、10年以上経った今でも注目されるほど愛されている番組はなかなかありません。今回の復活でも、石川さんの笑い声が聴けると思うとうれしくなりますね。

 

今回は特番だけど……レギュラー復活の可能性もゼロじゃない?

実は「くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン」は、2008年に一旦の最終回を迎えてから何度か復活を遂げています。2020年に一夜限りの復活をした際には、「くりぃむANN」や「#ariue」がTwitterのトレンド入りを果たすなど、引き続き熱いリスナーたちがいることを感じさせてくれました。

 

オフィシャルブックのインタビューで、有田さんは2020年に復活した日のことを振り返りつつ、こんなことを語っていました。

 

この前の放送の後にもスタッフにちゃんと言いました。「ちょっとこれじゃあダメだよ。この前と内容が同じだから」って。だからせめて年に3、4回ぐらいは放送して、もうちょっと新しい展開を作っていきたい。だってレギュラー放送の時はフリートークのなかから何かネタが生まれたり、とんでもない角度からハガキが来て、それが次の週につながったりしていたんですよ。

(『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』より引用)

 

どこまで有田さんの本心かわからないけど、年3〜4回は期待しちゃう頻度(笑)。もしかしたら5月5日以降もやってくれるのかな? そんな気持ちになりますね。

 

このままレギュラー番組として復活してくれても「かまわんよ」と思いつつ、今回も有田さんのどんな「いや、まいったね……」から始まるのかワクワクです。

 

ちなみに、入り待ち・出待ちは禁止とのことですので、お家のレディオの前で『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック』を片手に楽しみましょう!

 

【書籍紹介】

くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン 番組オフィシャルブック

著者:ナチュラルエイト(監)ニッポン放送(協力)
発行:総合法令出版

2005年~2008年までレギュラー放送された深夜ラジオ番組『くりぃむしちゅーのオールナイトニッポン』は、有田哲平さんと上田晋也さんが織りなす“部室トーク”で人気を誇り、レギュラー放送終了から12年経った今でも、オールナイトニッポン好きのリスナーから伝説のラジオ番組として絶大な支持を集めています。
今回、そんな同番組を“初”の書籍化。くりぃむしちゅーへのロングインタビューをはじめ、3年半の放送期間における神回や名言などを掲載。記録性の高いものとしつつ、制作関係者への取材も実施し当時の裏事情などを紹介して、ファン垂涎の1冊となっています。

楽天ブックスで詳しく見る
Amazonで詳しく見る

 

かが屋、冠ラジオを語る!【加賀復帰記念】独占インタビュー

第7世代屈指のコント師といわれ、大人気のお笑いコンビ・かが屋(加賀 翔・賀屋壮也)。実は、2020年6月より加賀が体調不良により芸能活動を休業していた。それを受けて、相方・賀屋はここ半年ほどピンで活動を続けてきたのだった。そして、ついに先日3月5日に生放送されたラジオ番組『かが屋の鶴の間』(RCCラジオ)で加賀が見事に復帰。ファンからは喜びの声が上がった。

 

今回はかが屋の2人に、復活の場に選んだ冠ラジオ『鶴の間』のエピソードを中心に、加賀の復帰に至るまでの秘話や、賀屋が孤軍奮闘してきた半年間の思いを語ってもらった!

(構成・撮影:丸山剛史)

↑かが屋。加賀 翔(左)賀屋壮也(右)

加賀、実はラジオ好き「誰にも言わずに投稿していました()

 

――この度は、コンビ活動再開おめでとうございます! まずは、復帰の場に選んだラジオ番組『かが屋の鶴の間』について教えてください。

 

賀屋 『鶴の間』は、僕が広島出身であるご縁から中国放送(RCC)さんで放送している30分のラジオ番組なんです。最初は特番で声を掛けてもらって、2019年にスタートしました。

 

加賀 月1 のレギュラー番組になってからは、丸2年になりましたね。当時は、2時間の生放送だったのですが、RCCの東京支社から中継機材を使って、広島本社にデータを送ってから放送していたので、通信トラブルもよくあって、放送が止まっていましたね(笑)

 

賀屋 万が一に備えてってことで、トラブルになったとき用に放送する素材も録っておいたんですけど、普通に全弾放出してしまって!

 

加賀 ついに「今日通信トラブルになったら素材ありません! よろしくおねがいします」ってスタッフさんに言われる日がきて(笑)。あのころが懐かしいですね~。

 

賀屋 その後、昨年の4月から週に1回の収録番組になったんです。

 

――お二人は、もともとラジオはお好きだったんですか?

 

加賀 ラジオはすごい聴いていました。『JUNK(ジャンク)』(TBSラジオ)なんかは、よく聞いていましたね。木曜のおぎやはぎさんの『メガネびいき』、金曜のバナナマンさんの『バナナムーンGOLD』は特に。

 

賀屋 僕もそうですね。木金は熱かったですね~。

 

加賀 メールも出してましたよ。誰にも言ってないですけど!

 

賀屋 そうだ、採用されたりしてたんだっけ。

 

加賀 どんなラジオネームだったかとかも誰にも言わず(笑)

 

――そうだったんですね。でしたら、ご自分のラジオ番組が持てるとなって、やりたい企画がいろいろあったんじゃないでしょうか?

 

加賀 いや~、やれるだけで十分だったというのはあります。ただ、メールはたくさんもらえればうれしいな、という気持ちはありました。生放送中に、リアルタイムでリスナーさんにイジッてもらいたいな、と。

 

賀屋 いままで聴いてきたラジオみたいにね。それができたらいいな、とは思っていました。

 

ハイレベルな俳句が続々……「僕が詠んでる場合じゃない!」

――リスナーさんの投稿といえば、「自由律俳句」のコーナーは作品がどれもハイレベルですよね。
(※毎週、加賀の趣味である自由律俳句をリスナーから募集するコーナー。紹介されたものの中から、一句が翌週のオープニングコントのテーマとなる)

 

加賀 そうなんです。皆さんの作品がすごく面白いんですよ。だから、以前は僕も俳句を書いていたんですけど、最近出していなんです。僕が詠んでる場合じゃないなって!

 

賀屋 いつもけっこうな量の作品が来てるんですよ。どのくらい来てるんでしたっけ?

 

番組スタッフ 4500句くらいです。

 

加賀 すごっ! 本当にありがたいですね。

 

――自由律俳句の上手いなって基準は何かあるんでしょうか?

 

加賀 いろいろありますよ。自由律とは言いつつも、音の気持ち良さやパーツごとの組み合わせとか、何となくルールがあるんです。575ではなくても、音数の作法があるので、それに倣っているといいですよね。僕の感覚では、音数のほかにも、お笑いに振られすぎている句もどうなのかな、と思っていたりも。一言ネタにならないように、バランスが大事ですよね。

 

――リスナーさんも、ちゃんと理解して応募してくださっている方が多いんですね。すごいです。

 

加賀 またこれも秘密なんですが(笑)、僕が参加していたインターネット句会があって、そこで面白い! と思った方が応募してきてくれてたこともあって驚きましたね。

 

――おお、そんなこともあったんですね! ちなみに、賀屋さんも俳句についてはだんだん覚えられたんですか?

 

賀屋 リスナーさんと一緒ですね。なんとなく感覚を覚えてきた感じです。リスナーさんも各々で調べながら応募してきてくれていると思います。良さが伝わっていると思うとうれしいですね。

 

加賀 広まってる感じはいいですよね。普通の俳句よりは取っ付きやすいと思うので、ひとつでも好きな句を見つけてみることから、始めてくれたらうれしいですね。

 

EXITがゲストで出演「何かあったら力になるよ!」

――昨年4月から週1レギュラー番組になりましたが、6月から加賀さんが体調不良でお休みになってしまいました。最初、休業するときはどのように報告されたんですか?

 

賀屋 まずその時期に、加賀がちょっと辛そうだったんですよ。

 

加賀 それで、軽い気持ちで病院に行ったんです。そしたら、ソッコーで休んでください! と言われてしまって。早期発見できればという気持ちで行ったんですけどね。悪い芽が出る前に摘んでおこうと。でもね、もう、花が咲いてしまっていたんです。

 

賀屋 病気を花で例えるの綺麗すぎるでしょ(笑) 聞いたときはびっくりしましたね~。それからラジオも僕だけでやることになりました。

 

―― 一人で進めることになって、どんなお気持ちでしたか?

 

賀屋 一人で話すなんて、どうしようという感じでした。実際、どこを見て話せばいいかわからないし、話の繋ぎも上手くいかずに「ね~……う~ん……そうですね~」って繰り返して、恥ずかしいことになっていましたね(笑)

 

加賀 賀屋一人の最初のラジオを聞いたんですが、めっちゃビビッた覚えがありますね……。やっぱりふわふわしてるなと思って、なんだか怖くなりました(笑)。不安になりそうだったので、そこからもう聞かないようにしましたね~。

 

――お一人でやっていた時のラジオを聞いても、そこまで迷っている感じはしませんでしたが……。

 

賀屋 いや~もうカットしまくりですよ。傷跡だらけ! だいぶ良くなったものを放送していましたから!

 

――そうだったんですね。それから半年ほどお一人でラジオを続けられて、感覚は掴んできたんでしょうか?

 

賀屋 作家さんと話し合いながら、少しずつですね。どこ見て話せばいいかも分かってきて(笑)。一人で話している方のラジオも聞くようにしていました。山里さんとか伊集院さんのラジオとか……。

 

加賀 参考にするのが、ビッグすぎるでしょ(笑)

 

賀屋 あと、『情熱大陸』(TBS系)で神田伯山さんのラジオの収録風景を放送していたんです。伯山さんて同じ内容を2本とか収録するんですよ! それで、どちらか良い方を放送する。うわ~これは見るんじゃなかった! って思いました(笑)。ビビりましたね。そんな感じで一人でやってる方の間の埋め方やメールの読み方を参考にさせて頂いていました。

 

加賀 でも、しばらく経って聞いてみたときに、賀屋がすごい落ち着いていてびっくりしましたね。良くも悪くも自分ひとりでできることをやろう、という姿勢が見えてよかったんじゃないかと思います。

 

――お一人のときは、EXITさんはじめ、ゲストの方もいらっしゃってましたね。

 

賀屋 ありがたいですよね~。EXITさんは、8月ごろテレビで共演した時に、りんたろー。さんが「何かあったら力になるよ」と声をかけてくれたんです。そのとき初めて、りんたろー。さんとがっつりお話したのですが、それで「ぜひラジオ来てください!」と言ったら「いいよ、全然行く!」と言ってくれたんです。そのときはリップサービスなのかな、とも思っていたんですけど、後でまた「ラジオの件、どうなってる?」とりんたろー。さんの方から話を出してくれて、兼近さんも一緒に「マジで行くよ!」と。いや、かっこよすぎる……!と思いましたね。それで実際に来て、自由律俳句まで考えてくれて!(笑)

ゾフィーのサイトウさんや、ママタルトさんとかいろんな方が来てくれて、毎回盛り上がりましたし、孤独ではなかったですね。

 

――皆さん、気にかけてくださっていたんですね。

 

加賀 でも、めちゃくちゃ落ち込んでた時期が、ちゃんとあったらしいですよ。仕事がうまく行かなくて、一日の最後がラジオの収録だったらしいんですけど、普段は終わったら即帰るのに、その日は賀屋が全然帰らなかったらしくて(笑)

 

賀屋 ははは! そう、その日は終わった後にディレクターさんとマネージャーさんにずっと話しかけてて……帰りたくなくなっちゃったんですよね(笑)

 

加賀 メンタルケアも『鶴の間』でしてもらってたんだよね。

 

賀屋 それで、落ち込んだときも包み隠さず「ラジオで話せればいいですね」ってスタッフさんたちに言ってもらいました。そこからは、少しラクになりましたね。

でも、ラジオ中に「しんどい」って話をすると、リスナーさんから「賀屋は大丈夫か?」「明らかにテンションが低いぞ」って心配されて(笑)。逆に、ゲストさんが来たときは楽しいから「賀屋が楽しそうでよかった」「やっぱり一人は寂しいんだ」ってメールが来て、恥ずかしかったですね~。

 

復帰に賀屋が号泣!「涙腺が馬鹿になっちゃったんです

――スタッフさんやリスナーさんの力添えもあったんですね。そして、ついに3月5日生放送で加賀さんの復帰を迎えたわけですね。

 

加賀 不思議な感じでしたね。みんなふわふわしてたんじゃないかと思います。なぜか僕がすごいイジられる流れになっていましたし。

 

賀屋 どうすればいいか、わからなかったんでしょうね。だから〝新しく来たヤツをいじめようぜ〟みたいなテンションになっちゃった(笑)

 

――リスナーさんからの反応も大きかったんじゃないでしょうか。

 

加賀 皆さん、待っていてくれたみたいで「加賀くんだー!」とか「二人のラジオだ!」とか放送中にたくさん届いてうれしかったですね。

 

――実は、生放送より先に〝本当の復帰1本目〟も収録していたんですよね。テレビ復帰の『シンパイ賞』(テレ朝系)でもそうでしたが、賀屋さんが感極まっていたのが印象的でした。

 

賀屋 大丈夫だと思ってたんですよ。会ってなかったわけでもないので。でも、なんかきちゃってね……そこからね、涙腺が馬鹿になっちゃったんです(笑)

 

加賀 ほんっとにひどいんですよ! びっくりしましたね。僕は涙もろいので、『シンパイ賞』ではやっぱり泣いてしまったんですが、放送見たら賀屋も泣いてて。そこから、別のライブでも泣いてたんですよ! もう赤ん坊になっちゃったんです(笑)

 

賀屋 涙もろいタイプではなかったんですけど、一人でラジオをやってきた期間を経て、感情が出やすくなったんじゃないかと思います……。以前は〝感情を出さない方がかっこいい〟くらいに思っていたんですが、話すネタがなくなって来ると、結局は自分の考えや思いを掘り起こして話すしかないんですよね。

 

――改めて、お二人でのラジオが再開されていかがでしょう。

 

賀屋 いや~、いまは『鶴の間』がすごく楽しいですね! もう一人じゃないですし、以前まではラジオに苦手意識もあったので。何を話そうかな、エピソードを探さないとな、と毎日悩みながら過ごしていましたし……。

 

加賀 だから、びっくりしたのが、最近の放送で賀屋が、がっつりエピソードトークを持ってきたんですよ! 「〝それだけですか!?〟って思った話があるんですけど……」と勢いよく話し出して、エピソードトークらしい入りでね。いい話だったんですけど、それよりも今まで賀屋が悩んできた姿を見てきたので、現場がちょっと感動しちゃってて!

 

賀屋 ははは! たしかに、考えたらあんな話し方したことないもんね。

 

加賀 こっちも構えちゃったもんね~。全然雰囲気が変わっていました。

 

賀屋 自分らの冠ラジオで〝かかる〟っていうね(笑)。体験したことの熱量そのままに行ったら、周りと温度差が生まれちゃいました……。

 

加賀 これからリスナーさんには、以前との変化もいろいろと感じ取ってもらえるかな、と思いますね。

 

休業中に起きた〝賀屋フライデー事件〟も「全部掘り下げたい!」

――今後、ラジオを続けていくにあたり、やりたいことなどはありますか?

 

賀屋 また、生放送をやりたいですね。リアルタイムで話をするドキドキ感は、本当に楽しくて。この前の放送も体感3分くらいでした。

 

加賀 やりたいですね~。生放送は何にも代えがたいものなので。

 

賀屋 あとは、コロナが落ち着いたら広島でイベントがやりたいですね!

 

加賀 そうですね。前はお客さんとコミュニケーションが取れる機会もよくありましたけど、今は難しいのでね。はやく雑談するイベントとかやりたいです。

 

――リスナーさんも楽しみにしていると思います。番組本編でやりたいことはありますか? 今後、呼びたいゲストさんとか。

 

加賀 あ~、それなら高田ぽる子ですかね(笑) 僕の知らない間にマセキに入っていて、僕の知らない間に、R-1で賀屋のライバルとして戦っていたので! 会って話してみたいというのがあります。

 

賀屋 僕はまたルシファー吉岡さんを呼びたいですね。3人で話したら絶対楽しいと思うので。

 

――前回、出演されたときの反響はいかがでしたか?

 

賀屋 ちょうど僕がフライデーされた週の出演だったんですよ(笑)。いいタイミングで来てくれて、イジッてくれて。「またフライデーされたら、俺のこと呼んでよ」って言ってましたね。

 

加賀 次回は、僕も混ざりたいですね。休んでたせいで全然その件について話せなかったので、付き合った経緯から、全部掘り下げていきたいです! 改めて、賀屋のフライデー事件を考えてみよう、ということで。

 

賀屋 いいよ、もう話さなくて(笑)

 

――楽しみにしています! さて、今後の『鶴の間』の目標は何かありますか?

 

加賀 まずは『鶴の間』のネット局を増やして、全国ネットの番組にしたいですね。最近は山口での放送が始まったので、ここからどんどん広げたいです。

 

賀屋 そうですね。長く番組を続けていきたいです。次、どちらかが休んだらさすがに終わりな気がするんで!

 

――最後に、リスナーさんにメッセージをお願いします。

 

加賀 広島の方、いつも聞いてくださってありがとうございます。そして広島以外の方、radikoプレミアムに登録してお金を払って聞いてくれていること一秒も忘れてません! これからも応援よろしくお願いします。

 

賀屋 罰ゲームで作った番組の「自腹ノベルティグッズ」が完成しました! ぜひチェックしてほしいです。これからもよろしくお願いします。

 

――ありがとうございました!

 

 

 

『かが屋の鶴の間』

RCC中国放送で毎週金曜日23:30~24:00放送中!

毎週土曜日19:30~20:00再放送

そのほか、以下の局で放送中

RSK山陽放送、毎週土曜日27:00~27:30

KRY山口放送、毎週月曜日18:30~19:00

 

◆HP
https://radio.rcc.jp/kagaya_tsurunoma/

◆YouTube
https://www.youtube.com/channel/UC8JuHscw3y6dn_K-HAjcrJg

◆Twitter
@kagayatsurunoma

◆note
https://note.com/kagaya_tsurunoma

 

ぺこぱ独占インタビュー「ラジオでしか見られない僕らを見せたい」オールナイトニッポン新ブランド始動!

深夜ラジオの代名詞として、近年ますます勢いを増すニッポン放送の『オールナイトニッポン』(ANN)。その新ブランド『オールナイトニッポンX(クロス)』が3月29日(月)よりスタートすることが発表された。25時から放送されているANN、27時から放送の『オールナイトニッポン0(ZERO)』(ANN0)に加えて、24時からの新たな番組枠で始動するという『ANNX』。縦のラインが強化され、豪華なパーソナリティたちによる番組リレーや新しいコラボレーションに、リスナーの期待も大きく膨らんでいる。

 

今回は、『ANNX』の木曜担当に抜擢された、人気お笑い芸人・ぺこぱにインタビューを敢行。ラジオへの思いやパーソナリティとしての抱負を語ってもらった。

(構成・撮影:丸山剛史/執筆:kitsune)

 

 

ネタメールにも期待!「ファミリー感」でやっていく

――今回は、『オールナイトニッポンX』のパーソナリティ就任おめでとうございます。番組をやることが決まった時はどう思いましたか?

 

シュウペイ いや~はやく言いたかったです! 待ちに待ったという感じですね。

 

松陰寺 2月くらいに決まって「うわ~やった~!」ってなったんですけど、ちゃんと記者会見あるんで黙っててください、といわれて。

 

シュウペイ ちゃんと黙ってましたよ!!

(※おなじみのシュウペイポーズを応用した〝クロスポーズ〟で)

 

――木曜日を担当されるということで、ANNにはナインティナインさん、ANN0はマヂカルラブリーさんが担当されています。お笑いデーのトップバッターということで、意気込みはいかがですか?

 

松陰寺 ナイナイさんは、何年もオールナイトニッポンを続けていますし、マヂラブさんもM-1優勝してかなり勢いがありますし、すごい日に入ったなと思いますね! 負けないように頑張りたいっすね!!

 

シュウペイ ちょっと(松陰寺は)力入りすぎっすね……! (笑) お笑い3組といっても、みんな色が違うので。それにリスナーの方の色も違いますし。自分たち2人とリスナーさん含めて、僕らの時間をどう楽しむかだと思います。あまり気にせずにやりたいです。

 

――リスナーさんと一緒にやりたい企画などはありますか?

 

松陰寺 ラジオはよく聴いていたので、いろいろやりたいことはありますね。リスナーさんからは、ネタメールをたくさん募集したいです。例えば〝松陰寺をオフィシャルでイジれるコーナー〟とか……。職人さんのメールが楽しみです。

 

――面白そうです! シュウペイさんは?

 

シュウペイ 僕は、ラジオでどんなことができるか、あまり詳しくないので、そこは相方に任せています。ただ、いかに〝ぺこぱらしさ〟を出していくかっていうのは考えていきたいですね。あとは、リスナーさんのメールが面白いのは確かなので、そういう部分は盗んで、ぺこぱのネタに入れちゃおうかなと……!

 

松陰寺 はははは! それ使っちゃうんだ?(笑)

 

シュウペイ 「あ、おれのネタ、テレビでやってる!」とかね。みんなで作っていく感じも面白いかと思います。ファミリー感でやっていきたいですね!

 

――ぺこぱファミリーですね。

 

松陰寺 〝悪くないだろう〟のコーナーとかね。どんな話でも、何を言ってもよくて、最後に〝悪くないだろう〟ってつけて終わる。どう考えても悪いだろうって話の最後にも〝悪くないだろう〟で締めればOK!……とか。

 

――(笑)。企画アイディアがいろいろありますね。松陰寺さんは、ラジオっ子だったとお聞きしましたが。

 

松陰寺 ラジオっ子ってほどじゃないんですけどね。芸人さんのラジオをひとりでずっと聴いていた時期がありましたね。例えば、オードリーさんのオールナイトニッポンとか、有吉さんの番組とか。

 

――オードリーさんの番組には、昨年ゲスト出演されてましたね。

 

松陰寺 そうなんです! いや~感動しましたね。あの空間に俺らがいる……! って。いろんなお話をさせてもらって。良い思い出なので、今でも聴き返してしまいますね。

 

テレビでは見られない〝裏のぺこぱ〟も?

――ゲスト出演以外にも、昨年は『オールナイトニッポン0(ZERO)』の週替わりパーソナリティも担当されましたよね。2人で番組を進めていくことについてはどうですか?

 

シュウペイ そうですね。2人で話したら止まらなくなるんで、1時間じゃ全然足りないですね。

 

松陰寺 足りないと思いますね~。ネット番組でも1時間語り合う企画があったんですけど、もう終わりか~ってくらいで。

 

シュウペイ あっという間だったもんね~。1つのテーマについて話し始めると長くなるので、その点については、ラジオではバランスよくやりたいな、とは思いますね。どこを伸ばしていくかは、考えながら進めていきたいです。

 

――なるほど。ラジオならではの、ぺこぱの魅力というのは何かありますでしょうか?

 

シュウペイ かなりあると思います。例えば、僕なんかはテレビだとボケて、適当なことをやってたりしますけど(笑)、ラジオでは仕切ったり、回したりもやりたいので、普段とは全然違う面が見られることもあるかと思います。松陰寺さんも同じく、逆にボケたり、ラジオならではの話したいことがあるので、そこは2人で上手く進行していけたらと思っていますね。

 

――発表会見のときも雰囲気が違いましたね!(笑)

(※シュウペイが真面目に抱負を語ったところ、フワちゃんに〝ポジション理解しろ!〟とツッコまれる場面があった)

 

シュウペイ あれもラジオ用だったんですよ!〝シュウペイ、ちゃんとしゃべれるじゃん!〟って部分を見せていきたいなって思って。だから、昨年からテレビでもそういった部分をチョイ出ししているつもりはありました……まあ、松陰寺さんは聞いててツッコミたかったみたいですけど。でもアレは、うまくツッコめなかったっていうのが反省点ですね!

 

松陰寺 あははは! 俺がダメ出しされるのか!

 

――テレビとはまた違ったシュウペイさんに、ファンの方も驚くんじゃないでしょうか。

 

シュウペイ 両方楽しんでいただければうれしいですね。どっちもできるぞ、というのが強みかと思うので、うまくバランス取ってやっていきたいです。

 

松陰寺 1時間通して、キャラクターっぽく話すのは大変でもあるのでね。普段と違う抜けた部分も見てもらえれば。

 

シュウペイ テレビの感じでラジオやったらつまんないと思いますし……少なくとも俺はつまんないと思う(笑)

 

松陰寺 そうですね~。あ、逆に〝ネガティブなことしか言わないコーナー〟とかどうすかね? なんならもう〝人を傷つけるコーナー〟でもやってやろうかな……(笑)

 

シュウペイ ふはははは!

 

――普段と真逆ですね(笑)

 

松陰寺 それぐらい裏表を見せていければ、という話で。テレビとは違った雰囲気でできれば面白いんじゃないかな、と思っています。

 

別ジャンルの「意外なゲスト」を呼びたい

――たとえば、ゲストで呼びたい人とかいますか?

 

シュウペイ 僕は芸人だけではなく、いろんなジャンルの方を呼びたいですね。テレビで冠番組を持っていない限り、ゲストさんと話す機会ってないじゃないですか。そういった意味では、あんまり会話したことない人や〝ぺこぱ、この人たち呼ぶんだ!〟って思ってもらえるような人に来てもらいたいですね。

 

松陰寺 共演だけ多いのに、〝プライベートの深い話をしたことないランキング1位〟のみちょぱ(池田美優)とかね(笑)

 

シュウペイ たしかに。よく絡むけど、実際俺たちのことどう思ってるのか気になるよね~。そのほかにも、僕ら音楽好きなのでアーティストさんたちも呼びたいですね。

 

松陰寺 Ayase(YOASOBI)くんとかね。同じANNX勢としてね!

 

シュウペイ それは普通に来てくれそうだけど(笑)。それこそ松陰寺さんは、GLAYのTERUさんを呼んでみればいいんじゃない?

 

松陰寺 うわ~いいなあ。TAKUROさんも呼んで、『HOWEVER』どうやって作ったんですか、とか聞きたいっすね~。

 

――いいですね。普段は絡みのない方や共演できない方とコラボしたいと。

 

シュウペイ 自分たちもどういう話をするのかなっていうのは楽しみな部分なので、意外なゲストさんをお呼びしたいです。

 

――最後に、番組を通じて達成したい目標や夢があれば教えてください。

 

松陰寺 まずは、街を歩いていて声をかけられるときに、「テレビ見てます」以外に「いつもラジオ聴いています」と言われてみたいですね。

 

シュウペイ そうですね。ラジオからファンになってくれた人とかも欲しいです! あとは、番組の外のことも。オードリーさんなんかは、イベントやってたりするもんね。

 

松陰寺 そうそう、武道館とか全国ツアーを開催されてたり、グッズ作ったり。

 

シュウペイ やってみたいですね。公開収録なんかも楽しそうだなあ。

 

松陰寺 ラジオをいつも聴いてる人だけで、会場が埋め尽くされてるのは面白そうっすよね。まずは、ラジオのファンの方を増やせるように、頑張っていきたいと思います。

 

――ありがとうございました!

 

 

『オールナイトニッポンX(クロス)』

ニッポン放送で、3月29日よりスタート

毎週月曜~金曜24:00~24:53放送

【出演】

月曜:ENHYPEN
火曜:YOASOBI
水曜:フワちゃん
木曜:ぺこぱ
金曜:週替わり

 

 

 

16年目突入の『SCHOOL OF LOCK!』新レギュラーの2人に聞くこれからのビジョン

中高生をメインターゲットにした『SCHOOL OF LOCK!』は放送開始から16年目を迎える人気番組。そこに新しい校長と教頭として今年4月から就任したのが、サンシャイン・坂田光とGENERATIONS from EXILE TRIBE・小森 隼だ。コロナ騒動で世界中が混乱する中で波乱含みの幕開けとなったが、生徒(=リスナー)たちの良き兄貴分として正面から向き合っている。そんな2人が振り返るこの半年の苦労と、これからのビジョンとは……?

(構成・撮影:丸山剛史/執筆)

 

『SCHOOL OF LOCK!』はリアルな学校

──お2人は今年4月からパーソナリティに就任しましたが、『SCHOOL OF LOCK!』自体は放送開始から16年目を迎える長寿番組です。どういう印象を持っていました?

 

坂田 この番組が始まったとき、ちょうど僕は高校生だったんです。もともと僕はラジオ大好き人間で、それこそ高校のときなんてラジオばかり聴いていたんですよね。僕の場合、芸人がやっているAMの深夜放送がメインだったんですけど。そんな中、『SCHOOL OF LOCK!』の存在は女子の友達に教えてもらいました。そういう経緯もあったので、「キラキラした10代の女子が聴く番組」というイメージが強かったです。くすぶって卑屈な青春時代を送っていた自分からすると、まぶしい存在でしたね(笑)。

 

──自分がいる世界とは違うと感じた?

 

坂田 う~ん、ただ番組自体からは熱い匂いも感じたんですよ。それに僕は音楽が好きだから、登場するゲストや曜日ごとに出演するミュージシャンが豪華なこともうれしかったですし。もっとも自分がパーソナリティをやるなんて、そのころは1ミリも想像していなかったですけど。

 

小森 僕は自分が高校生のとき、『SCHOOL OF LOCK!』をバリバリ聴いていたんです。だからグループの一員になってデビューしたとき、「いつかあの番組に出てみたいな」と考えていましたね。実際、GENERATIONS from EXILE TRIBEのメンバーとしてゲスト出演したときはめちゃくちゃテンション上がりましたし。

 

坂田 そうだろうなぁ。自分が実際に聴いていた番組に出られるわけだから。

 

小森 さっき校長(坂田)は「キラキラしている」「同時に熱さがある」という印象を挙げていましたよね。逆に10代の自分は『SCHOOL OF LOCK!』を聴いていると妙にセンチメンタルな気分になったことを覚えています。

 

坂田 センチメンタル? なんでまた?

 

小森 10代特有の悩みが番組にいっぱい寄せられるじゃないですか。学校生活のこと、部活のこと、恋愛のこと、家族のこと、受験のこと……。若い子の悩みにここまで正面から取り組んでいる番組、他にはないですよ。もちろん自分が高校生のころも悩みやすい年ごろだったし、ちょっと傷ついたときに聴くと安心できるような番組でした。

 

──坂田さんの高校生活はくすぶっていたということですが、小森さんの場合はダンスもあったしリア充そのものだったのでは? 悩みなんてあったんですか?

 

小森 もちろんありましたよ! まず僕は高校が普通科じゃなくて通信科だったんですね。だから他の高校生みたいに毎日学校で友達と顔を合わせることもなかったし、その前の段階として学校で友達もできない。もちろんそれは自分で選んだ道だし、ダンスに青春を捧げていたから後悔はないんですけど、それでもやっぱり他の高校生がうらやましいなという気持ちは強かったです。だから『SCHOOL OF LOCK!』はある意味で僕にとってリアルな学校。この番組を聴けば、学校の仲間と一緒に時間を過ごせるような気持ちになれました。

 

プレッシャーが半端じゃない!

──番組で一緒になるまで、お2人はさほど面識もなかったんですよね?

 

坂田 そうですね。だから小森くんと一緒にやると知ったときは、「えっ、教頭はあのGENERATIONSの小森くん!? 俺みたいな泥芸人が一緒でいいの!?」って恐れ多くなりました。なんなら今でも申し訳ない気分でいっぱいで……。

 

小森 よくそんなことが言えますね(笑)。番組では完全に僕をリードしてくれているじゃないですか。大体、最初に顔合わせしたとき、僕からすると校長はめちゃくちゃ怖かったんですよ。

 

坂田 え~!? どこが怖かったの!?

 

小森 なにか謎の威圧感があるというか……。「よろしく!」みたいなことを口にしていましたけど、その言い方が高圧的だったんですよ(笑)。内心、僕は怖い人だなぁって怯えていましたから。

 

坂田 おいおい、やめてくれよ~! ニュアンス的には矢沢永吉さんの「よろしく!」よりは、「何卒よろしくお願いいたします」って感じの完全へりくだり型だったじゃん(笑)。

 

小森 でも真面目な話をすると、熱い人だなというのが第一印象でありましたね。そのときに校長がご自身で書かれた小説も渡してくれたんですけど、読んでみたら文章も熱血なんですよ。番組の内容的に10代の若者を正面から受け止めるようなところがあるから、本当にピッタリだと思いましたし。

 

坂田 うれしいこと言ってくれるじゃないの。

 

小森 僕自身が普通科の学校にも行っていないし、部活もやらなかったし、大学受験も経験していないから、10代の生徒と向き合えるか不安だったんですよ。その点、校長はバリバリ剣道も部活でやっていたし、同じ女の子に5回告白して5回振られるという青春時代特有の苦い経験もしている(笑)。そういうエピソードだって、10代の若い生徒たちからしたら親近感を覚えるでしょうしね。この2人でやると決まる前の段階で、すでに僕の中で「この人と一緒ならやっていけるかもしれない」というイメージが沸きましたから。

 

──オンエアで2人の息が合った様子を聞いていると、タッグを組んで半年というのが信じられないくらいですけどね。長年ずっと一緒にやっているような安定感があって。

 

坂田 半年は半年だけど、かなり濃い半年でしたからね……。

 

小森 濃かった! 僕なんて今年に入ってから、自分がいるグループのメンバーより校長と会っている時間のほうが長いくらいですし。

 

坂田 俺も同じだな。プライベートも含め、今年一番メシ食っている相手が小森くんだよ。とにかく始めるにあたってプレッシャーが半端じゃなかったんですよ。番組自体が15年も続いているうえに、先代の校長・グランジの遠山大輔さんは10年もやっていた。そんなの絶対に前と比べられるじゃないですか。

 

小森 たしかに多かったですよね、「前のほうがよかった」みたいな声は。

 

坂田 「もう聴きません。卒業しました」とかね(苦笑)。エゴサなんてしなくても、勝手にそういうネガティブな意見が飛び込んでくる。それに加えて、ちょうどコロナ騒動が直撃し始めた時期で……。それも僕らの混乱に輪をかけたんですよ。右も左もわかっていない段階なのに、いきなり2日目からはアクリル板設置とマスク着用になって、2週間後にはリモートでの出演になっていましたし。

 

小森 本当に毎日、試行錯誤していました。まず生放送が始まる1時間前から綿密な打ち合わせ。2時間の本番が終わると、今度は2時間くらい反省会。「あの生徒の悩みには、もっとこう応えたほうがよかったんじゃないか」みたいな意見を出し合うんです。僕自身も「校長はこの『SCHOOL OF LOCK!』をどうしていきたいんですか?」みたいなことを問い質しましたし。

 

坂田 スタッフも含め、みんなが真剣勝負で臨んでいるんです。

 

小森 放送事故が起きず、“それなり”の内容になればいい……そんなふうに誰も考えていないんですよ。少しでも10代のリスナーに届くようにしたいし、その点では妥協したくないですから。16年目の『SCHOOL OF LOCK!』がこれからも続くなら、僕も校長も1日でも長く続けたいと考えているんです。これまで歴代の校長・教頭がこの番組を作り上げたことは重々わかっているんですけど、やっぱり僕らとしては新しいカラーを打ち出していきたいので。

 

大人のジャケットは着ない

──単なるバラエティではなく、10代が相手というということで意識していることはありますか?

 

坂田 一番は目線を生徒に合わせることですよね。ただ、今年はとにかくコロナの問題が大きかったじゃないですか。そうすると、届くメールも切実なものが多くなるんですよ。コロナに関しては、今まで人類が経験したことないことが現実に起こっているわけじゃないですか。誰もどうしていいのかわからない。大人が自分の経験をもとに語れることではないんです。

 

小森 僕らGENERATIONSも全部のライブが中止になって、今年やろうとしていたことが全然できてなかったという現実があるわけですよ。僕は職業柄エンタメ業界の人たちに目が向きがちなんですけど、はっきり言って今はどこもつらいですよね。でも10代の子たちの声を耳にすると、自分たちが直面している問題とは別の問題も見えてくるんです。たとえば甲子園。正直、今まで僕の生活には甲子園なんてまったく関係なかったです。だけど、野球に全人生を懸けていた生徒たちの青春はどこに行ってしまったのか? そのことを想像すると、もう本当にいたたまれないですよ。言葉が出なくなる。もちろんそれはインターハイや合唱コンクールでも同じことが言えますけど。

 

坂田 中学生活が3年間、高校生活が3年間。時間は限られているわけです。だから彼ら・彼女らは常に“今”しかないんですよ。すごく覚えているのは、自分が悩みの多い中高生だったときに周りの大人たちから「お前も大人になったらわかるよ」って言われたこと。実際に自分が大人になった今、たしかにその通りだなって納得する部分も多いんです。だけど、10代の僕が求めていた答えはそれじゃなかった。もっとこっち側に寄り添った答えが欲しかった。今の僕もついつい生徒に「お前も大人になれば……」って言いたくなるときがあるんですけど、その言葉はグッと呑み込んでいますね。

 

小森 うん、大人のジャケットは着ないように僕も意識していますね。自分は大人で25歳。エンターテインメントの世界でデビューしてCDも出した。そういった経験だけで話すと、どうしても上から目線になりがちですから。だからそこはGENERATIONSの小森というより、ひとりの人間・小森 隼として丸裸でぶつかるしかないのかなと思っています。「今はつらいかもしれないね。だけど、これからもいっぱい同じようなことはあるから頑張ろうぜ」みたいに本音で語りかけることはありますけどね。

 

坂田 たとえば「好きな子に告白しようかどうか悩んでいます」というメールが届きますよね。僕ら大人からすると「何回でも告白すればいいじゃん」「ダメだったら他の子もいるよ」ってわかったような口もききたくなるんだけど、当人たちにしてみたら“人生初の告白”だったり“一生に一度の告白”だったりする。もう切実さが違うんですよ。若いうちって、その一瞬がすべてだから。

 

小森 でも、コロナによって10代の悩みが変わったことは間違いないです。「家族と上手くやっていけません」といった声も届きますし。

 

坂田 考えさせられたのは、不登校の生徒から「リモート授業になって精神的にすごく楽です」という意見が出たこと。その生徒にしてみたら、学校に行かなくていい大義名分ができたわけですからね。学校に行けないということで悩んでいる生徒がいる一方で、行かなくて済むことですくわれている生徒もいる。そんなことがあるなんて想像もしていなかったですよ。

 

小森 9月入学制のことも番組では取り上げたんですけど、これも本当に単純な話ではなくて……。たとえば9月入学制が導入されたら、資格の関係から希望する大学に進めなくなるという生徒がいたんです。これはもはや国の教育システムの話になるから、僕なんかが軽はずみに「頑張れよ」なんて言えることじゃない。いずれにせよ、この番組を始めてから世の中のいろんな出来事にアンテナを張るようになりましたね。

 

──ただ番組はシリアスな話題も取り上げますけど、基本はハイテンションのトークで進みますよね。

 

小森 そこが校長の偉大なところなんですよ。笑いで人を救うことができるというのは、僕にとってもすごく大きな発見でした。進路や家庭について生徒の深刻な悩みを聴きつつ、校長がふざけた言葉を返すと、最終的にはその悩んでいた子も「ホントにバカですね、校長は」と大笑いしながら電話を切る。隣にいながらもハッとさせられますよ。今まで僕はEXPG(LDHが経営するダンススクール)の子たちから悩みを相談されても「つらいかもだけど頑張れ」「絶対に夢を諦めるな」みたいに当たり前の言葉しか返せなかったですから。笑いというのは生きるうえですごく重要な要素だなって再確認しました。

 

坂田 とにかく今は世の中が悲しすぎますから。俺らだけでも、この番組だけでも楽しく笑わせていこうというのは基本の考えとしてあります。一方で面白おかしくやるだけだと、本当にシリアスに悩んでいる人たちには響かないでしょうから。そのあたりのバランスは難しいところなんですけど。

 

「リアル」を知ってもらいたいからラジオを聴く

──ところでコロナ禍でラジオを聴く人が増えているらしいのですが、これはどうしてだと分析されますか?

 

小森 ラジオって他のメディアに比べてもリアル感があるんですよ。特に『SCHOOL OF LOCK!』は生放送だから、その傾向が強いんですけど。その場で誰かに電話して、そこで相手が何を言い出すか分からないヒリヒリ感があって、さらにその発言に対して他のリスナーからも意見を求める。みんなで作り上げている感覚があるし、まさにライブだなって感じます。

 

坂田 「同じ時間を共有している」という感覚はテレビよりも確実に強いですよね。自分が高校時代、ラジオを夢中になって聴いていたときも「俺だけにマンツーマンで話しかけてくれている」という喜びがありましたし。僕は特に『ナインティナインのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)が好きだったんですけど、テレビでは出さないような2人の本音がそこには詰まっていたんです。なんだか秘密基地を見つけたような感覚でした。

 

小森 そういう「自分たちだけの部屋」という感覚があるからこそ、ラジオでは本音で悩みを打ち明けられるのだと思いますし。

 

──そこが不思議なんです。今はSNSに何でも書ける時代だから、若い子はわざわざ公共の電波で自分の気持ちを出す必要も感じないのかと。

 

小森 そこはやっぱりリアルな“声”を聴いてもらいたいという発想なんだと思う。結局、SNSって文字だけの世界ですからね。同じリプが表示されていても、それが共感して涙を流しながら書いているのか、あるいは冷やかしで書いているのか本当のところはわからないじゃないですか。文字からは温度が感じづらいので。だけどラジオで流れている声は、どうしたってそこに人間の感情が出てしまう。もちろんその声にリアクションする僕や校長の声も感情が出ますしね。どんなに文明が発展しようとも、人間が放つエネルギーの可能性は変わらないんじゃないかな。

 

──こうして話していても、2人とも本当にラジオが好きなんだなと再確認できました。ちなみに今、注目しているラジオ番組はありますか?

 

小森 あります! ズバリ注目すべきはTOKYO FMで金曜12時から放送している『JUMP UP MELODIES TOP20』! パーソナリティは鈴木おさむさんと自分の後輩でもあるTHE RAMPAGEの陣くんで、内容的にはSpotifyでヒットした曲を紹介していくんですけど。実はこの前身番組、僕も鈴木さんと一緒にパーソナリティを務めていたんですよね。『JUMP UP MELODIES TOP20』は洋楽・邦楽問わずチャート順に曲を紹介していくんですけど、Spotifyということもあって情報感度がかなり高くなっているんです。今、若い人の間で何がリアルに流行っているのか、この番組を聴けばわかってしまう!

 

──かつて自分も携わっていただけあって、ものすごく番宣が上手ですね(笑)。

 

小森 いやいや(笑)。でも、いわゆる業界関係者もチェックしている方が多いんですよ。この番組で流れていた曲が、しばらく経ってから『MUSIC STATION』(テレビ朝日系)で披露されるなんていうこともありますし。他にもTikTokでバズったYOASOBIさんとか瑛人さんの『香水』とか、この番組で繰り返し流れてから世の中に浸透したイメージがありますし。

 

坂田 ラジオファンとして言わせてもらうと、長く続けている方の番組はどれも面白いですよね。ナイナイさんのほかには『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』とか『JUNK 伊集院光 深夜の馬鹿力』とか……!

 

──TBSラジオばかりじゃないですか! この取材場所はTOKYO FMなのに(笑)。

 

坂田 TOKYO FMだったら『TOKYO SPEAKEASY』はマジで面白いですよ。取ってつけたようで申し訳ないけど(笑)。1対1対談形式のトーク番組なんですけど、「まさか!」と思うような組み合わせが多いんです。RADWIMPS・野田洋次郎さんと元欅坂46の平手友梨奈ちゃんとか、ノリさん(木梨憲武)とさっしー(指原莉乃)とか、貴乃花光司さんと松村邦洋さんとか……。これはひとえに秋元 康先生のマッチング力でしょうね。

 

──最後に今後、番組でやっていきたいことはありますか?

 

坂田 イベントをやりたいですよね。コロナがあるから今は難しいのもわかっているんですけど、できるなら生徒と直に触れ合う場を設けたいなと考えています。夏フェスで楽しんだりしながら、その子たちの青春に少しでも印象に残るようなことができたら最高じゃないですか。それこそ、この番組が本当の学校になっていくと思うんですよ。一緒にめっちゃ笑って、めっちゃ泣きたいです。

 

小森 僕は番組の本を出したいです。これまでも『SCHOOL OF LOCK! DAYS』というシリーズの本が4冊出ているんですけど、普通の番組本とは作りがちょっと違うんです。たとえば自殺志願者だったりニート・ひきこもりの生徒と校長・教頭が会話を続けて、そういったテーマごとにまとめているんですね。生徒がどういう悩みを抱えてきて、『SCHOOL OF LOCK!』という番組はどのように生徒と向き合ってきたか? それを記録するのはすごく意味があることだと僕は考えているんです。

 

坂田 僕ら2人ならではのエピソードも5冊目の『SCHOOL OF LOCK! DAYS』には収録されることになるでしょうしね。

 

小森 コロナ問題が終わってから変わってしまった世界と、そこで負けずに頑張る生徒たち。やっぱりそこは形にして、少しでも多くの人たちに広めていきたいですね。

 

 

【information】

“全国の蒼き若者たちの未来の鍵(LOCK)を握るもうひとつの学校!”をコンセプトに、パーソナリティのさかた校長・こもり教頭が人気アーティストらをレギュラー講師陣に迎え、TOKYO FM をはじめとするJFN38局ネットで放送中のラジオ番組です。2005年10月の番組開始以来、若者を中心に支持を得ている人気番組です。

出演:さかた校長、こもり教頭、Perfume、Mrs.GREEN APPLE、Official髭男dism、Eve、[Alexandros]、LiSA、サカナクション、豆柴の大群
放送日時:毎週月曜日~金曜日22:00~23:55
放送局:TOKYO FMをはじめとするJFN38局ネット(※一部 東京ローカル)

番組HPはこちら

Bluetoothスピーカーとしても使える! JVCのワイドFM対応ラジオ「RA-C80BT-B」

テレワークの普及により、音楽よりも邪魔にならず適度に聴き流せるラジオ放送の需要が高まっているそうです。また、ラジオはアウトドアや災害時などの情報取得手段としても見直されています。

 

そんななか、JVCケンウッドは、JVCブランドからBluetoothスピーカーとしても使えるホームラジオ「RA-C80BT-B」を8月下旬に発売します。実売予想価格は8000円前後(税抜)。

↑「RA-C80BT-B」

 

「RA-C80BT-B」は、コンパクトなサイズでベッドサイドなどに置けるポータブルFMラジオ。AMラジオ番組をFM放送で楽しめるワイドFM(FM補完放送)に対応しています。AC電源駆動のほか、単3乾電池4本で25時間の長時間再生ができ、アウトドアや非常時に持ち出して使用可能。

 

スマートフォンやタブレットの音楽をワイヤレスで楽しめるBluetooth機能を搭載。また、ライン入力端子も装備しているので、手元用のスピーカーとしても使えます。

 

本体上面には、4つの放送局をプリセットしてすぐに呼び出せるワンタッチボタンを搭載。また、操作部はわかりやすい日本語表記を採用し、使いやすさにこだわっています。そのほか、表示部の明るさを3段階で切り替えできるディマー機能付きLCDディスプレイを備えており、ディスプレイの明るさを抑えたい深夜にベッドサイドで使用する際などに便利です。

↑操作ボタンは上面に集約

 

指定時刻にブザー音やラジオ放送を流せるアラーム再生や、指定時間に電源が切れるスリープタイマーなどの機能も搭載しています。

 

在宅業務時のBGMとして、就寝時のお供として、また非常時の情報取得用として使えるBluetooth機能搭載のホームラジオは一家に1台あると便利ですね。

 

【この記事を読んだ方はこちらもオススメ】

“パリピ”感強め! 大口径ウーファーと7色LEDライト搭載の重低音スピーカーシステム「RV-NB250BT」

これ1台でラジオもライトもスマホの充電もOK――大容量バッテリー搭載の災害用ポータブルラジオ「MIGHTY」

AM/FMラジオも聴ける! 防災用品として用意しておきたい約8000円のポータブルテレビ

サンワサプライは、FM/AMラジオとしても使用できるアンテナ内蔵のコンパクトなポータブルワンセグテレビ「400-1SG005」を直販サイト「サンワダイレクトで発売しました。価格は7980円。

↑ポータブルワンセグテレビ「400-1SG005」

 

本製品は、ワンセグ電波が入るならどこでもテレビやラジオを楽しめる、2.8インチ液晶搭載のポータブルワンセグテレビ。1台でワンセグテレビからAM・FMラジオまで視聴でき、さらにワイドFMにも対応しています。

 

裏面のスタンドを引き出せば、自立も可能で、手ぶらで視聴することも可能。音声出力はスピーカーから、もしくはイヤホン端子に接続したイヤホンからの2パターンに対応しており、字幕放送や副音声の再生にも可能です。

 

電源は単3乾電池3本、またはモバイルバッテリーやUSB-ACアダプタからの給電でも使用できます。付属品として引っ掛けて使えるストラップや、汚れや傷つきから守る収納ポーチが同梱されます。

↑イヤホンで音声を聴くことも可能

 

外出先や職場でのスポーツ観戦に、また、もしもときの防災用品として、1台用意しておくと便利なポータブルワンセグテレビです。

【今日の1冊】ラジオを聞いて映画を見よう――『町山智浩の「アメリカ流れ者」』

学生時代も社会人になってからも、そんなに映画を見てこなかったのですが、ある方を知ってからむさぼるように映画を見始め、今では週に1本は自宅や劇場で映画を見ないとソワソワしてしまう人格になってしまいました。その方とは、映画評論家・ 町山智浩さん。1995年に雑誌「映画秘宝」を創刊し、渡米。現在は、カリフォルニア州バークレーのご自宅からラジオ番組「たまむすび」(赤江珠緒さんおかえりぃー!)の毎週火曜日にご出演され、約30分アメリカの最新事情を交えながら「アメリカ流れ者」というコーナーで映画を紹介されています。

 

 

今回は、TBSラジオ大好きリスナーである私が責任を持って! 『町山智浩の「アメリカ流れ者」』(町山智浩・著/TBSラジオ「たまむすび」・編/スモール出版・刊)の魅力をお伝えさせていただき、ラジオを聞いて映画を見ようキャンペーンを勝手に進めちゃおうと思っています。

 

町山さんの魅力その1「豊富な知識」

『町山智浩の「アメリカ流れ者」』はラジオでお話していたことを元に、書籍化された一冊です。会話調で読みやすくわかりやすいので、映画あまり見たことないという方でもとてもとっつきやすい内容だと思いました。個人的にオススメなのが、マシュー・ヴォーン監督の『キングスマン』(2014年)。この映画は、何も知らずに見てもめちゃめちゃアガって楽しめるスパイ映画でしたが、町山さんのこの一言があるかないかで、映画の見方が大きく変わったと感じました。

 

さらに面白いのは、マシュー・ヴォーン監督の父親が昔スパイを演じていた俳優だということです。彼の父親はロバート・ヴォーンという俳優で、60年代のスパイドラマ『0011 ナポレオン・ソロ』で主役のナポレオン・ソロを演じていました。「洋服屋の試着室がスパイの秘密基地への入り口になっている」という設定は、『ナポレオン・ソロ』へのオマージュです。

(『町山智浩の「アメリカ流れ者」』より引用)

 

へー! ってなりません?(笑)

 

規模がでかい話ではありますが、映画で親子の思いを引き継いでいるなんてかっこよすぎる! しかしDNA鑑定をしたマシュー・ヴォーン監督、血縁上の父親はイギリス貴族のジョージ・ドゥ・ヴィア・ドラモンドという人だったということがわかったんだとか(笑)。その辺も含めて『キングスマン』を見てみると主人公が監督のようにも思えてしまって、好きな映画がより大好きになったエピソードなのです。

 

他にも、若くして亡くなってしまったスタローンの息子さんの話や、アカデミー賞を受賞するまでのディカプリオの話など、「どうやってその知識手に入れたんだ?」と思うことがたくさん。せっかく教えてもらった情報ですから、「これ町山さんが言ってたんだけどね」と映画通ぶって、友達に自慢しちゃいましょう!

 

町山さんの魅力その2「少年のようなテンション」

『町山智浩の「アメリカ流れ者」』の中で、個人的に楽しみにしているのが今回の映画の中に「男性俳優のヌードがあるか」という情報です。例えばこんな感じ!

 

(『X-MEN:フューチャー&パスト』の紹介より)

ウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンも、いつもと同じくお尻を見せてくれます。マグニートー役のマイケル・ファスベンダーが、今回は全然脱いでいないのが残念ですが。

(『町山智浩の「アメリカ流れ者」』より引用)

 

だから何? って情報かもしれませんが、これを話す時の町山さんの熱量は、私にとってどの映画を観るか決める基準になっているくらい重要情報です。もちろん『X-MEN:フューチャー&パスト』も劇場へ行きましたが、大スクリーンでお尻を観れたときには「あ! お尻!!」と異様にテンションが上がりました。

 

他にも…

 

・『オデッセイ』では、ちゃんとマット・デイモンのフル・モンティがあります。後姿ですが、完全にオールヌードです!

・ドニー(ジョナ・ヒル)はパーティーで美女を見かけると、その場でチンチンを出してしまうような男です。(『ウルフ・オブ・ウォールストリート』)

・そして今回の映画のポイントをもう1つ。ブラッド・ピットが脱ぎます!(『フューリー』)

 

こんな感じで楽しそうに映画を紹介されちゃったら、そのシーンを見たくなるじゃないですか(笑)。映画というと小難しいとか、知識がないとついていけないとか、色々と御託並べたくなりますが、単純に楽しい! 面白い! でも全然いいんだよ、ということを町山さんに教えてもらっているような気になってきます。これからラジオを聞いてみようかな〜という方は、町山さんの少年のようなテンションにもご注目? ご注耳? してください!

 

町山さんの魅力その3「ネタバレせずに引きつける言葉力」

映画でよく聞く「ネタバレ」。ラストのオチを言われてしまったら「ふーん」で終わってしまいますし、オチだけでなくラストにつながる重要な場面だったりもあまり言われたくないですよね。でもどうして町山さんの解説を聞いてしまうのか? それは、ネタバレを絶対にしない! と安心して解説を聞けるからです。

 

しかし、ネタバレをペロリと言ってしまった映画があります。それは、本誌には紹介されていませんでしたが、2014年ゴーストライター騒動で世間をわかせた佐村河内守さんのドキュメンタリー『FAKE』(2016年)です。

 

しかもこの映画の「ラスト12分は絶対に口外するな」という条件が付いているのにも関わらず「スペシャルウィークだから言っちゃいます!」と、核心には触れないギリギリラインでネタバレさせます。ぜひなんちゃらチューブにアップされている音源を聞いてもらえれば幸いです(笑)。

 

私は、町山さんの解説を聞くまでこの映画の存在を知りませんでしたが、知ってからは見たくて見たくて仕方なくなってしまいました。どうしてこんなに見たくなってしまうんだろう…町山マジックですね!

 

人からオススメされることに慣れた時代だからこそ

町山さんへの愛が強すぎて、若干うざくなってきてしまいましたが、最後にこの言葉をご紹介させてください。

 

映画は、

何も知らずに観ても面白い。

でも、知ってから観ると100倍面白い。

観てから知っても100倍面白い。

(『町山智浩の「アメリカ流れ者」』より引用)

 

今はキュレーションメディアだったり、待ちの姿勢でもどんどん情報が入ってくるようになりました。そんな情報に溢れている時代だからこそ、自分で選ぶ力が大切になってくると感じています。本や映画、ラジオは娯楽ですから、これらがなくなっても生きていけますが、この娯楽が自分の「選ぶ力」を養ってくれるのではないかと思うのです。まずは騙されたと思って、『町山智浩の「アメリカ流れ者」』に掲載されている映画をご覧になって見てください。どんどんハマっちゃうこと間違いなしです。ラジオが聞けるアプリ「radiko」のタイムフリーであれば、最新の「アメリカ流れ者」が聞けちゃいますよ。

 

【書籍紹介】

町山智浩の「アメリカ流れ者」

著者:町山智浩
発行:スモール出版

映画は、何も知らずに観ても面白い。でも、知ってから観ると100倍面白い。観てから知っても100倍面白い! 人種差別・戦争・ドラッグ…映画が映し出す光と闇。合計21本の傑作コラムを収録!

Amazonストアで詳しく見る
楽天ブックスで詳しく見る