「PENTAX STATEMENT」を小型筐体に凝縮した、こだわりのフラッグシップデジタル一眼レフカメラ「PENTAX K-3 Mark III」

リコー、リコーイメージングは、APS-Cサイズのデジタル一眼レフカメラのフラッグシップモデルとなる「PENTAX K-3 Mark III」を、4月23日に発売します。予想実売価格は27万9800円(税込)。

↑PENTAX K-3 Mark III ボディキット(Black)

 

オリジナル仕様のほか、限定モデル「PENTAX K-3 Mark III Black Premium Kit」「PENTAX K-3 Mark III Silver Premium Kit」も、全世界各1000台限定で発売します。こちらの予想実売価格は31万9800円(税込)となっています。

↑PENTAX K-3 Mark III Silver Premium Kit

 

同製品は、「写真が好きだからカメラを造る。」「対話するように撮れるカメラを理想とする。」「撮影プロセスまで愉しめるカメラにこだわる。」「数値では測りきれない領域まで挑む。」「ユーザーの『写真体験』を資産とする。」という「PENTAX STATEMENT」を体現する製品として、一眼レフカメラの本質的な価値にこだわり、撮影のプロセスまで楽しめる機能・性能を備えたカメラとして開発。

 

クラス最高レベルの光学ファインダーをはじめ、イメージセンサー、画像処理エンジン、アクセラレーターユニットなどの基本デバイスも一新し、高画質画像の追求とともに、最高ISO感度160万という超高感度性能も実現。新開発のミラー駆動システムや位相差AFシステムを採用し、各種基本性能を向上させながら、APS-Cフォーマットならではの高い機動力を備えた小型堅牢設計が特長です。

 

発売に合わせ「PENTAX K-3 Mark III」刻印ロゴ入りペンタプリズムやロゴ入りオリジナルメタルホットシューカバーのプレゼントキャンペーンも展開。4月11日まで、東京・大阪のリコーイメージングスクエアで実際に同製品を手に取ることができるタッチ&トライイベントも開催中です。キャンペーンやイベントについての詳細は、下記「関連リンク」の当該ページをご覧ください。

↑K-3 Mark IIIロゴ入りメタルホットシューカバー

360度カメラ「THETA」に容量UPのハイエンドモデル登場!「RICOH THETA Z1 51GB」4月下旬発売

リコー、リコーイメージングは、ワンショットで360度の静止画や動画を撮影できる360度カメラ「RICOH THETA(リコー シータ)」の最上位機種として、内蔵ストレージを拡張した「RICOH THETA Z1 51GB」を、4月下旬に発売します。実売価格は13万2800円(税込)。

 

同製品は、2019年5月に発売した最上位機種「RICOH THETA Z1」の内蔵ストレージを拡張したモデル。基本性能はそのままに、保存可能な容量を従来機種の19GBから51GBへと大幅に増強しています。RAW+で約900枚、JPEGで約6350枚の撮影データを、本体ストレージに保存可能です。

 

前身機の特長は引き継ぎ、コンパクトなボディに1.0型の裏面照射型CMOSイメージセンサーを搭載。有効画素数約2000万画素のユニットを2基搭載し、静止画の出力画素で約2300万画素に相当する高精細な360度の静止画を撮影できます。

 

動画撮影時には回転3軸補正による強力な手ぶれ補正機能により、4K、30fps相当の、滑らかで臨場感あふれる360度の動画撮影が可能。“絞り優先”など多彩な撮影モードに対応し、屋外や暗所など撮影シーンを選ばずに高品質な映像が撮影できます。

 

本体には0.93型有機EL情報パネルとFn(ファンクション)ボタンを搭載し、電池残量、撮影モード、撮影残り枚数、F値やISO感度値などの各種情報が一目で確認できます。

 

撮影データはJPEGだけでなく、RAW(DNG形式)での保存に対応しているので、一般的なデジタル一眼レフカメラなどと同様の、本格的な画像編集が可能です。Androidベースのシステムを採用し、ファームウェアアップデートによる基本性能の向上だけではなく、リコー純正や一般開発者がリリースした、プラグインの追加インストールによる多様な機能拡張も利用できます。

「CP+2021」総括レポート前編:初のオンライン開催で見えたカメラメーカーの「ある変化」

2020年2月25日から28日にかけて、日本最大の一般向けカメラ、映像機器の見本市である「CP+2021」が、コロナ禍の影響から初のオンラインで開催されました。昨年は同様の理由から中止となってしまったイベントだけに開催を喜ぶファンの声や期待が大きかった一方で、オンラインではカメラやレンズの実機に触れることができないなど、大きな制約がある中での開催となり、出展者であるメーカーがどのような工夫をしてくるかといったことにも注目が集まっていたイベントです。

 

本稿では、4日間に渡ったオンラインイベントの様子や主要出展各社の特徴、主だった新製品、全体としてのトレンドなどについて前後編の2回に分けてリポート。前編となる今回は、CP+公式サイトと主要カメラメーカーについてです。

 

CP+公式サイトはカメラメーカー特設ページのポータル的役割に

まず、CP+2021の公式サイトでは、主催者(一般社団法人カメラ映像機器工業会・CIPA)イベントとして、会期初日に「キーノートスピーチ」「CIPAデジタルマーケット・セミナー」「上級エンジニアによるパネルディスカッション」の3つを実施。フォトアワード「ZOOMS JAPAN 2021」の受賞作品発表なども行われました。

 

主催者イベントについては、主に現在のカメラ市況の分析やトレンドについて解説するもので、業界関係者やプレス向けの色合いが濃いイベントです。とはいえ、今回はオンラインとなったことで一般の方の視聴も行いやすくなったので、来年も視聴したいと思った人もいたのではないでしょうか? また、今回のイベントでは、CP+公式サイト以外は参加メーカーのサイト上に特設ページを設ける形で行われたため、CP+公式サイトは、そのポータルとして機能していました。各社へのリンクは、参加者の目的ごとの絞り込みができるほか、SNSの情報なども確認できるようになっていて、ポータルとしての使い勝手は、初のオンラインイベントとしては悪くなかったと思います。

↑CP+2021公式サイトのトップページ。公式チャネルでは、主催者イベントのほか、出展各社の注目コンテンツをリンクしていた。また、出展社のセミナーの検索も可能

 

それでは、今回参加したカメラメーカーについて、それぞれ見て行きましょう。

 

【カメラメーカー1】OMデジタルソリューションズ(オリンパス)

オリンパスの映像事業部門が独立する形で2021年1月に誕生した新会社で、OM-Dシリーズをはじめとした、マイクロフォーサーズのミラーレスカメラなどを展開。CP+2021では、目立った新製品の発表などはなかったものの、同社のYouTubeチャンネル「OLYMPUS LIVE」を活用して、新会社の決意などを表明しました。カメラ機材や交換レンズを活用している写真家のトークや、撮影テクニックを解説するセミナーなども多数配信。既存の「OLYMPUS LIVE」のコンテンツも充実しているため、同社製品のユーザーだけでなく、これからカメラを購入しよういうユーザーにも役立つものになっていました。

 

↑配信では、写真家の山岸 伸さんと海野和男さんのプレミアムトークのほか、吉住志穂さん、佐藤岳彦さんのトークなどを実施。画面は、吉住志穂さんによる「OM-Dで撮る花写真」

 

【カメラメーカー2】キヤノン

TOKYO FMとタイアップした番組形式の映像配信、「CP+2021 ONLINE Canon Imaging Channel」を実施。ラジオ・パーソナリティーによるトークを交えつつ、写真家やタレントのトーク、製品の活用テクニックなどを配信。同社のフルサイズ・ミラーレスカメラ、EOS Rシリーズや新コンセプトカメラであるiNSPiC REC、PowerShot ZOOMなどのコンセプトやデザインワークについてのトーク、開発者による解説なども行われました。イベントに合わせた製品発表などはなかったようですが、フルサイズミラーレスのEOS R5、R6、交換レンズのRF50mm F1.8 STMなど、比較的最近発表・発売された製品の展示が多く、ユーザーの注目度も高かったのではないかと思います。ライブ配信ではリアルタイムのアンケートなども実施し、インタラクティブ性が高く参加者も十分楽しめたのではないでしょうか。

↑ライブ配信中心のコンテンツで、各プログラムの合間には、TOKYO FMのパーソナリティーらがトークを行うという本格的な番組構成。一日中見ていても飽きない工夫がされていた

 

↑プログラムは、「Catch the Technique」「Catch the Future」「Catch the Fun」「Catch the Community」の4つのカテゴリーに分けられ、さまざまなトークやセミナーが展開された。画像は、ハービー・山口さんによるトーク「モノクローム写真の魅力」より

 

【カメラメーカー3】ソニー

α7/9シリーズや各種交換レンズについてのコンテンツもありましたが、やはり2021年1月に発表されたフルサイズミラーレスカメラ「α1」、同年2月に発表されたフルサイズセンサー採用の映像制作用カメラである「FX3」、2つの注目機種に関連したコンテンツが多かった印象。この2製品を軸に写真家や映像作家による、機材紹介や使いこなしについてのセミナーやトークが数多く実施されました。今回は特に映像関連のコンテンツが多くなっている印象で、FX3などの専用機はもちろん、α7シリーズなどの動画撮影機能も含め、同社のカメラとレンズが動画撮影にも適している点や、そのための機能が理解できる内容になっていました。

↑オンライン上に同社のブースを再現することで、新製品などを体感できるように工夫されていた

 

↑セミナーやワークショップは、AとBの2ステージ構成。およそ40名のさまざまなジャンルの講師が登場し、イベントを盛り上げた。画像は山下大祐さんによる「瞬間と一時と、マルチに魅せる鉄道表現」より

 

↑ソニーの新製品「α1」。有効約5010万画素メモリー内蔵フルサイズ積層型CMOSセンサーを搭載し、約30コマ/秒の高速連写や8K 30pの動画撮影に対応するなど、現時点での“究極”とも言えるスペックのミラーレスカメラ。予想実売価格で88万円(ボディ)という超高価なモデルながら、プロだけでなく多くのハイアマチュアの注目を集めている。2021年3月19日発売予定

 

↑Cinema Line プロフェッショナルカムコーダー FX3。αシリーズミラーレスカメラと同じEマウント採用のプロ仕様ビデオカメラで、4K動画撮影対応で映像制作の現場に最適化した、豊富な機能を装備する。予想実売価格/50万4900円(ボディ)、2021年3月12日発売予定

 

【カメラメーカー4】ニコン

2020年後半に発売されたフルサイズミラーレスカメラ、NIKON Z 7II、Z IIとNIKKOR Zレンズの機能や特徴を中心に、写真家や映像作家などによるセミナーやトークを展開。Zシリーズの使い勝手の良さやレンズの写りの良さが伝わってくるコンテンツが豊富に用意されていました。今回は、写真だけでなく、映像制作の現場でZシリーズのカメラやレンズが適していることにも重点が置かれ、写真用にZシリーズを購入したユーザーにも、気軽に質の高い動画撮影を楽しんでもらおうといった方向性のコンテンツも用意。写真と動画の両方が高いレベルで楽しめるカメラとしてのZシリーズの魅力が伝わる内容になっていました。

↑オンラインステージはライブと事前収録のコンテンツを組み合わせて、4日間行われた

 

↑オンラインステージには19名の写真家や映像作家などが登場し、ニコンのカメラやレンズの魅力、現場での使いこなしなどについて解説した。画像は、動物写真家の半田菜摘さんの「Z シリーズで出会う北海道の野生動物」より

 

【カメラメーカー5】パナソニック

動画・映像制作Tipsサイト「Vook」とコラボし、ライブ配信プログラム「Creators Live! with LUMIX」を実施。2月26日は写真、27・28日は映像制作に主要テーマを分け、写真家や映像作家によるセミナーなどを配信しました。製品の紹介はもちろんですが、LUMIXを用いた写真や映像の作品制作の基本や、プロでも役立つ表現テクニックやTipsなども紹介。配信によるコンテンツは、ほとんどの内容がリアルタイム配信で、ためになる内容だけでなく適度に笑いありハプニングありの関西風味も加わって、長時間のコンテンツでも飽きずに見ていられる内容でした。

↑「Creators Live! with LUMIX」と題した、ライブ配信を実施。配信そのものは2月26日からの3日間だったが、内容が濃く、見応えのあるコンテンツが多かった

 

↑2月26日「写真を、究めよう。」、27日「動画を、はじめよう。」、28日「動画を、究めよう。」とテーマが設けられて配信された。3日中2日が動画関連となっていて、同社の動画への力の入れようが伝わる。画像は写真家・相原正明さんによるセッションより

 

【カメラメーカー6】富士フイルム

会期中のライブ配信によるコンテンツは用意されていなかったものの、発売になったばかりの新製品、FUJIFILM GFX100SをはじめとしたラージフォーマットカメラのGFXシリーズ、APS-CサイズカメラのXシリーズ、人気のインスタントカメラ“チェキ”など、製品タイプごとの動画コンテンツが用意され、特に同社の製品に興味のあるユーザーには、大変参考になる内容になっていました。また、同社の伝統ともいえるプリントサービスについても紹介され、プリントのお試しサービスも展開(2021年3月31日まで実施)。撮影からプリントまでを完結できる同社の総合力を実感できる内容になっていました。

↑FUJIFILM GFX100S、X-E4の2機種の新製品や人気のX-T4といったカメラだけでなく、プリントサービスについてのコンテンツも用意され、同社ならではの写真の楽しみ方が提案されていた

 

↑写真家によるトークなどのほか、上の画像のような開発者による対談なども実施。開発中のエピソードなども交えて、同社製カメラの使いやすさや魅力を伝えていた。画像は「X-E4 開発者トーク」より

 

↑FUJIFILM GFX100S。43.8×32.9mmの大型センサー採用で有効約1億200万画素の超高画素機ながら、約900gの軽量ボディを実現。5軸式で最大6段分の効果を持つ手ブレ補正を搭載し、超高画素で手持ち撮影が楽しめる。実売価格/76万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

↑FUJIFILM X-E4。携帯性に優れたスクエアなボディに、APS-Cサイズの有効約2610万画素センサーを搭載。ノイズが少なく高感度でも高画質に撮れるほか、4K動画撮影時も低ノイズだ。180度まで跳ね上げ可能なチルト式背面モニター採用で自撮りにも最適。画像のシルバーボディのほか、ブラックボディも用意。実売価格/10万8900円(ボディ)、2021年2月25日発売

 

【カメラメーカー7】リコー

動画配信としては、近日中の正式発表や発売が見込まれているAPS-Cサイズフラッグシップ一眼レフ「PENTAX K-3 MarkIII」や、シリーズ30周年を迎えた高級コンデジのGR、360度全天球カメラのTHETAに関連したコンテンツや写真家のセミナーが中心。このほか、ライブ配信を駆使して、PENTAX K-3 MarkIIIのオンライン・タッチ&トライ(予約制)が行われていたのは特徴的でした。また、新製品として2月25日発表の「HD PENTAX-FA31mm F1.8Limited」など3本のレンズや「J limited」と称されたPENTAX K-1markIIのカスタムモデル、開発発表が行われた「HD PENTAX-DA★16-50mm F2.8ED PLM AW」(仮称)についても紹介されていました。

↑PENTAXのKシリーズ一眼レフ、リコーGRシリーズ、THETAシリーズの3つが同社の主力機種だが、やはり今回は、貴重な一眼レフの新製品、PENTAX K-3 MarkIIIの注目度が高かったようだ

 

↑4日間に渡り、ライブ配信を含めた数多くのコンテンツを配信。特に2本のCP+公式チャネル枠は、写真家・森山大道さんが登場したり、『一眼レフに未来はあるか?』と称した挑発的な対談企画が行われたりして、同社ユーザー以外の注目も集めていた。画像は佐々木啓太さんによるセミナー「HD FA Limited 新しい3姉妹と語る写心」より

 

↑PENTAX K-3 MarkIII。同社のAPS-Cサイズ機のフラッグシップとして開発が進められているモデル。発売日や価格などは未定だが、基本性能が高いことはもちろん、操作性やファインダーの見え味などにもこだわった注目の一眼レフだ

 

 

↑左から「HD PENTAX- FA43mmF1.9 Limited」「HD PENTAX-FA31mmF1.8 Limited」「HD PENTAX-FA 77mmF1.8 Limited」。アルミ削り出しの外観やシャープな写りと美しく柔らかいボケ味を両立した写りなどが特徴の高品質な交換レンズ。カラーは画像のシルバーのほか、ブラックも用意。4mm F1.9が8万7000円、77mm F1.8が12万円、31mm F1.8が15万6000円(各メーカー希望小売価格・税別)、2021年4月下旬発売予定

 

各カメラメーカーのオンライン発表を見て…

今回のカメラメーカーの出展内容は、写真撮影だけでなく、動画撮影に力を入れたものが多かったのが特徴的でした。これは、質の高い動画撮影が可能なフルサイズミラーレスカメラが普及し始めたこと、プロを含む映像作家がフルサイズミラーレスカメラを積極的に使い始めたことなどがあると思います。特にパナソニックは、イベントを行った3日中、2日を動画向けのコンテンツとしていたのは特徴的で、内容的にも動画撮影の初心者からプロの作家まで満足のできるものになっていて、勝負をかけてきたな……という印象。今回の出展社では、リコーだけが現行のミラーレスカメラを持っていない状況ですが、同社は一眼レフの新製品を出すことで、一眼レフや同社のファンの心を掴む方向で勝負をしていて、そちらも魅力的に感じられる内容でした。

 

後編ではカメラメーカーより、さらに配信でのアプローチが気になるレンズメーカーの出展状況からトレンドを見ていきたいと思います。

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは閲覧できません。

●GetNavi web本サイトでフォトギャラリーをみる

生活に自然と溶け込む“ペン型ボディ”! 新コンセプトの360度カメラ「IQUI(イクイ)」発売

リコーは長年デジタルカメラ事業を続けており、高級コンパクトカメラ「GR」や一眼レフの「ペンタックス」、360度の全天球カメラ「THETA(シータ)」など、独自性の高い数多くのカメラを世に送り出してきました。そのリコーから飛び出したスタートアップが「ベクノス」です。世界初の民生用360度全天球カメラ「THETA」のプロジェクトリーダーを務めた生方秀直氏がCEOとなって2019年8月に立ち上げた企業で、全天球カメラや特殊カメラの製造・販売などを目的としています。

 

設立以来、どういった製品が登場してくるのか期待していたところ、ついに2020年10月15日に同社第1号の製品として超スリムなペン型の全天球カメラ「IQUI(イクイ)」が発売となりました。本稿では、事前に開催された製品発表会の様子を交えつつ、製品の詳細などについて解説します。

↑ベクノス株式会社として第一弾の製品となった全天球カメラ「IQUI(イクイ)」。約60gと軽量で、スリムなペン型のボディを採用。極めてシンプルなデザインで、さりげなく手に持って気軽に撮影できそうだ。本体価格は2万9800円(税別)

 

世界一美しく生活のなかに溶け込む全天球カメラを目指した

今回の新製品発表会では、ベクノス初の製品ということもあり、同社の生方CEOに加えて、親会社であるリコーの社長執行役員、山下良則氏が登壇しました。

↑ベクノス「IQUI(イクイ)」を手にする、株式会社リコー 社長執行役員の山下良則氏(右)とベクノス株式会社 CEOの生方秀直氏。IQUIは初期段階では日・米・中・独・英・仏で販売。「先行して本機を楽しめる6か国の皆さんは、本当に幸運に恵まれたと思います」(山下氏)と自信を見せる

 

まず最初に、山下氏がベクノス誕生の経緯などについて解説。それによると、現在のリコーの取り組みとして、従来からのコア事業(1)のほかに、社長直属で社内で新規事業を育てること(2)と、新事業の種子をカーブアウトさせ、オープンに出資者や協力者などを募りつつ社外でこれまでにない方法やスピードで事業化すること(3)の、いわば“一国三制度”での事業強化を実行しているとのこと。このうち、(3)の最初の事例が「ベクノス」であるとし、その期待の大きさについて語られました。

 

次に生方氏による新製品発表が行われました。今回の新製品開発にあたっては、最初の製品ということもあり、全天球カメラの価値をゼロから定義し直して再創造すること、加えて新しい価値の生み出し方をゼロから考えて構築することの2つのミッションがあったといいます。しかも、本機は2020年3月に開発意向表明が行われていたのですが、その時点ではエンジニアリングサンプルの状態だったそうです。そこから約半年という短期間で量産立ち上げに移行する必要があった一方で、コロナ禍により中国にある製品工場とのやりとりをフルリモートで行う必要があったことに触れ、まさに新しい時代に応じた、ものづくりスタートアップの1つのプロトタイプを構築できたのではないかと語りました。

 

製品については、名称を「IQUI(イクイ)」とし、世界一美しくて生活のなかに(ハードウェアとユーザー体験が)溶け込む全天球カメラを目指したといいます。詳細は後述しますが、コンパクトなペン型をベースに光学系を突き詰め、結果として4基のカメラを使うことでそのコンセプトを実現。操作部は電源ボタン、シャッターボタン、モード変更ボタンの3つにとどめ、あえてブランド名なども記さずに極めてシンプルなデザインにこだわっています。

 

スマホアプリについては、8月に先行して提供が開始された「IQUISPIN(イクイスピン)」に対応。アプリでは、モーションを付加するなどした写真をショートビデオ(MP4)に書き出すことで汎用性の高い映像にでき、操作もテンプレートを選んで書き出すだけ。これにより、そのままSNSなどにアップして共有することが可能になっています。ちなみに、IQUISPIN自体は、THETAを含む他社製の全天球カメラでも使用可能。

↑全天球カメラ用スマホアプリの「IQUISPIN」は、THETAを含むほとんどの全天球カメラで使用可能。これには、同社の「全天球写真の楽しみを広く、多くのお客様にお届けしたい」という思いが込められているという。ただし、バージョンアップ後のフル機能を使うにはIQUIが必要

 

全長139mm、最大径19.7mm、質量約60gのペン型360度カメラ

では、「IQUI」の基本スペックを改めてチェックしてみましょう。

 

カメラは、本体上部側面に3基、天面に1基の計4基を装備。各カメラで撮れた画像をつなぎ合わせて360度の全天周の映像が撮れるようになっています。各カメラの画素数は非公表ですが、出力解像度はつなぎ合わせた状態で静止画なら5760×2880ピクセル(約1659万画素)、動画なら3840×1920/30fps(4K)なので、民生用全天周カメラとしては標準的な記録画素数といえます。

↑最も太いレンズ部(本体上部)の最大径が19.7mmとなり、グリップ部の径は16mm。指先で負担なく持てる太さだ。ボディカラーはゴールドのみ

 

↑本体下部に接点が配され、ここに付属のUSBコネクターを装着することでUSB経由での充電などが可能になる。USBコネクターは、同じく付属の簡易スタンドを装着すると本体を立てて置くことができる

 

↑別売アクセサリーとしては、バッテリーチャージャーケース「BCC-1」が用意される。シンプルなデザインのケースだが、フタを開けるとIQUI本体がポップアップし、取り出しやすいように工夫されている

 

メモリーカードスロットは非搭載ですが、14.4GBのフラッシュメモリーが内蔵され、静止画なら最大約1500枚、動画なら合計記録時間で約30分の記録が可能(ただし、1回の記録時間は最大30秒まで)。電源は内蔵式充電池で、静止画なら約100枚、動画なら合計約30分程度の持ちということなので、連続して次々撮影するといった用途ではなく、気軽にスナップ撮影するような使い方に向くカメラといえそうです。そのぶん、小型・軽量になっていて、大きさは全長139mm、最大径19.7mm、質量は約60gとどんな場所にでも気兼ねなく持って行けるカメラに仕上がっているのが何よりの魅力といえるでしょう。

 

操作は、本体のボタンを使って行えるほか、本機に装備されたWi-Fi、Bluetooth機能を介して、前述のスマホ用アプリ「IQUISPIN(イクイスピン)」で撮影や詳細設定を行うことが可能。本アプリを使うことで、撮影した写真に動きを付ける「モーション」やハートマークやシャボン玉、花火の3D素材を付加する「エフェクト」、色調を変化させる12種類の「フィルター」などの付加機能も適用できます。

↑IQUISPINでの操作画面。アプリから写真と動画の撮影モード変更が行え、シャッターを切ることも可能だ

 

エフェクトについては、以下の公式PVをご覧いただくとイメージしやすいでしょう。

 

カメラを4基搭載することで画質を犠牲にせず小型化

実際にIQUI本体を見てみると、何よりその細さに驚かされます。民生用の360度全天周カメラの多くは、180度以上の範囲が写せる円周魚眼カメラを2基使用して360度の全天周を実現していることもあり、カメラ部が大きくなりがちです。なかにはカメラ部が小さめな製品もありますが、画質がイマイチといったケースが少なくありません。

 

その点本機は、カメラを4基(側面3基、上面1期)にすることで小型化に成功。各カメラの具体的な画角などは公表されていませんが、計算上カメラ1基あたり120度強の角度をカバーできれば360度を写せるので、レンズも画質を犠牲にせずに小型化しやすく、本体のスリム化に貢献しているのだと思われます。

↑カメラ(レンズ)は、本体側面に3基(上の写真)、上面に1基(下の写真)を装備。計4基にすることで、最大径19.7mmでも360度の円周撮影が可能。ちなみにレンズの明るさはF2.5

 

また、本体の操作部が前述のとおり電源ボタンとシャッターボタン、動画/静止画のモードボタンだけとなっていて、USB端子すら装備しないという割り切った仕様になっているのも驚きです。これにより、ペンのようなシンプルで滑らかな造形になっており、誰でも簡単・手軽に撮れるのが本体を見ただけでわかる秀逸なデザインだと感じます。

↑本体グリップ部に電源ボタンとシャッターボタン(上の写真)、静止画と動画の撮影モードボタン(下の写真)を配置。本体には、この3つのボタン以外の操作部はない

 

「THETA」との違いは?

ベクノスはリコーの子会社ということで、リコーの全天周カメラ、「THETA」との違いが気になる人も少なくないと思います。

 

まず何より、大きさや重さの違いは大きいでしょう。例えば、THETAのスタンダードモデルである「THETA SC2」は、大きさがW45.2×H130.6×D22.9mmで約104gとなっています。全長はTHETA SC2のほうがわずかに短いのですが、IQUIは円筒形で最大径19.7mmなので感覚的には半分以下の大きさ。しかも、60gと軽量なので持ち歩きがさらに容易です。

 

一方で動画の撮影時間を見ると、THETA SC2では1回あたり最大3分まで撮れ、30秒までのIQUIとは大きな差があります。バッテリーもTHETA SC2のほうが余裕があり、静止画で約260枚、動画で約60分撮れるようになっています。このほか、本体にUSB2.0端子や三脚穴が用意されているといった違いもあります。

 

そのため、本格的な全天周写真や比較的長めの全天周動画撮影を楽しみたいならリコーのTHETAシリーズ、全天周でのスナップ写真や動画クリップ撮影などをより手軽に行いたいならIQUIといったように、使い方の方向性にも違いがあるといえます。

↑リコー THETAシリーズのスタンダートモデル「THETA SC2」。同シリーズとしては軽量なモデルだが、本体下部に有機ELディスプレイを装備し、設定モードなどが確認できるようになっているなど操作性にも優れている。静止画は約1400万画素で動画は4K撮影に対応。ボディカラーが4色と豊富なのも魅力。発売/2019年12月13日、実売価格3万5540円(税込)

 

新会社ベクノスの製品第一弾である「IQUI」は、親会社であるリコーの「THETA」シリーズはもちろん、他社も含めた既存の全天周カメラとは異なる着眼点で小型・軽量化を実現。ライトユーザー層に向けた、使いやすくデザイン性にも優れたカメラに仕上がっています。

 

しかも、全天周カメラ用アプリ「IQUISPIN」を併用することで、ソーシャルメディアやショートメッセージなどでの共有も容易となるなど、スマホで撮った写真や動画同様、あるいは、それ以上の楽しみ方ができるように工夫されているのも魅力といえます。3万円前後という低価格を実現しているため、これまでとは少し違った写真や動画を撮ってみたいという人や、360度の写真や動画に興味はあるけれど敷居が高く感じていた人など、エントリーユーザー全般におすすめできる一台といえます。

【CP+2018/リコー】フルサイズ一眼レフ「PENTAX K-1 Mark II」と参考出品レンズの体験コーナーが大人気!

リコーブースでは、2月に発表された「PENTAX K-1 Mark II」と参考出品の35mmフルサイズフォーマット対応単焦点レンズ「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW(仮称)」を実際に試せるカウンターが大人気。また、触ることはできないがAPS-Cフォーマット用の超広角ズームレンズ「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW(仮称)」も参考出品され、こちらにも人だかりができていた。リアルレゾリューションシステムなどで超高解像度化したペンタックスKマウントのカメラに対応できる新レンズからは目が離せない。

 

20180303_y-koba1 (1)

カウンターには4月下旬発売予定の「PENTAX K-1 Mark II」がずらりと並んでおり、手に取って操作感などを試すことができる。エンブレム以外の外観は従来機「K-1」とほぼ同じで操作感もほぼ変わらないが、最高ISO819200を誇る高感度性能や5軸5段手ブレ補正、手持ちでも使えるようになったリアルレゾリューションシステムIIなど、その中身は大幅に進化している。

 

また、従来機「PENTAX K-1」にもアップグレードサービスが発表された。こちらはメイン基板を交換し「K-1」を「K-1 Mark II」相当にアップグレードするというサービス、2018年5月21日~2018年9月30日までの期間限定サービスだが、従来機ユーザーをサポートする同社の姿勢はユーザーにとってありがたい。

 

20180303_y-koba1 (2)

参考出展の「HD PENTAX-D FA★50mmF1.4 SDM AW(仮称)」は実際に触って試すことができる。本レンズは、リアルレゾリューションシステムで超高画素化する写真に対応するために、新基準で設計・製作された高画質スターレンズシリーズ初の製品だ。高解像度なレンズに仕上がっているが、ただシャープなだけではなく、ボケ味にもこだわっているという。レンズ構成は焦点距離50mm前後のレンズでよくある逆ガウス形ではなく、前群に補正レンズを持ったガウス形という珍しい形。実際手にしてみると、光学性能を重視しているためか標準50mmレンズにしてはサイズが少し大きいが、妥協のない絵作りを感じさせてくれるレンズだ。

 

20180303_y-koba1 (3)

新基準で設計・製作された2代目のスターレンズとなる「HD PENTAX-DA★11-18mmF2.8ED DC AW(仮称)」。APS-Cフォーマットに対応した大口径の超広角レンズだ。

 

20180303_y-koba1 (4)

F2.8という明るさを生かして天体写真や暗い場所での風景写真などで使われることを想定しており、任意の位置でピントを固定できるフォーカスクランプ機能や、レンズヒーター(天体撮影時の結露防止用品)を巻くための溝が設けられている。

 

20180303_y-koba1 (5)

また、レンズマウントは絞りレバーの付いたKAF3マウントで、初期のAPS-Cフォーマットのカメラにも対応している。

 

20180303_y-koba1 (6)

ブース前方の華やかなスペースでは、2017年9月に発売された360°カメラのハイエンドモデル「RICOH THETA V」のデモンストレーションが行われ、人だかりができていた。興味はあってもなかなか体験したことのない方にはぜひ試してみてもらいたい。体験コーナーはVR(バーチャルリアリティ)に対応、視聴者が見ている方向にあわせて音が変化するのも再現できるというシステムを体験することができる。実際に体験してみたが、飛行機が着陸する場面は迫力満点。見る方向を変えるのにあわせて音も変化、まさにその場にいるようなリアリティだった。

 

20180303_y-koba1 (7)

360°カメラ「RICOH THETA V」のファームウェアがアップデートされ、OTGケーブルを使うことで本体からUSBメモリーに直接データが転送できるようになった、会場ではデモを体験できる。

 

20180303_y-koba1 (8)

THETAの心臓部であるメインプロセッサー「Snapdragon」やレンズ内部など、各パーツのサイズや位置関係がはっきり見られる技術展示。メカファンにはとっても楽しいCP+名物のカットモデル展示だ。

 

〈写真・文〉青柳敏史

【総まとめ】9万円以下で買える「高級コンデジ」7モデルの良い点・惜しい点

昨今、コンパクトカメラ市場では特に小型軽量ながら高画質と高機能を兼ね備えた“高級コンデジ”と呼ばれるモデルが人気を集めています。なかでも9万円以下で購入できる比較的リーズナブルな高級コンパクトカメラを比較する本企画。最終回となる今回はその撮影機能をチェックしながら、各モデルの特徴をまとめてみました。

第1回(概要&基本スペック編):掘り出し物の宝庫!! アンダー9万円の高級コンパクトカメラおすすめ7選

第2回(サイズ感・操作性編):画質は折り紙付き、では使い勝手は? 「実売9万円以下」の高級コンデジ7モデルの「サイズ感」と「操作性」を比較レビュー

第3回(画質編):高級コンデジ自慢の「画質」はホンモノ!? 「実売9万円以下」7モデルで実際に検証してみた

20180215_y-koba5_0108_R↑上段左から、パナソニック「LUMIX TX1」、キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」、キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」、パナソニック「LUMIX LX9」、ソニー「Cyber-shot RX100M3」、リコー「GR II」、キヤノン「PowerShot G5 X」

 

【エントリー①】

キヤノン「PowerShot G5 X」

20180215_y-koba5_0109_R

左右のバランスが取れた一眼風デザインを採用した1型センサー機。レンズは開放値F1.8-2.8の光学4.2倍ズームで、撮像素子には有効2020万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「DIGIC 6」で、感度はISO125~12800に対応しています。実売価格は8万5030円(2018年2月時点)。

20180215_y-koba5_0110_R↑天面に露出補正ダイヤル、背面にコントローラーホイールを装備

 

20180215_y-koba5_0111_R↑バリアングル液晶を備え、カメラの横/縦位置を問わず自由なアングルで撮影できます

 

20180215_y-koba5_0112_R↑前面や背面のダイヤル、ボタン類のカスタマイズができます

 

【連写性能】

1コマ目でピントが固定されるワンショットAF時で約5.9コマ/秒、ピントが連続的に合うサーボAF時で約4.4コマ/秒。最近の1型センサー機に比べて数値的にはやや見劣りしますが、特に遅いというほどではありません。ただし、記録ファイル形式にRAWまたはRAW+JPEGを選んだ場合は、連写速度は大幅に低下します。

 

【動画/そのほかの機能】

動画は1920×1080/60pのフルHD記録に対応。動画撮影時の5軸手ブレ補正やマニュアル露出、自動水平補正なども可能です。そのほか、カメラ内で自動的に比較明合成が行える「星空」モードや、オートNDフィルター、MFピーキング、最短5cmのマクロモードなどの機能を搭載しています。

 

【まとめ】

●ココがうれしい
・EVFを搭載しつつ、バリアングル液晶も備えている
・キヤノンの一眼カメラ「EOSシリーズ」用の外部ストロボやリモートスイッチが使える

●ココが惜しい
・撮影可能枚数が約210枚と少ない
・ピクチャースタイルが非搭載

●こんな人にオススメ!
・縦位置でのロー/ハイアングル撮影を多用する人
・外部ストロボを使いたい人

 

 

【エントリー②】

キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」

20180215_y-koba5_0113_R

キヤノンの高級コンパクト「PowerShot G」シリーズの中位に位置する1型センサー機。撮像素子に1.0型有効2010万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「DIGIC 7」で、感度はISO125~12800に対応。光学4.2倍ズームを継承しながら画質とスピード、機能がさらに向上しています。実売価格は7万8580円(2018年2月時点)。

20180215_y-koba5_0114_R↑天面に露出補正ダイヤル、背面にコントローラーホイールを装備

 

20180215_y-koba5_0115_R↑液晶モニターを180度回転した状態。上方向だけでなく下方向にも動き、ロー/ハイアングル撮影時に役立ちます

 

20180215_y-koba5_0116_R↑レンズ鏡胴部のコントローラーリングや背面のボタンは、割り当てる機能を選択できます

 

【連写性能】

ワンショットAF時で最高約8コマ/秒。ピントが連続的に合うサーボAF時は、最高約5.4コマ/秒となります。JPEG/RAWを問わず、スピーディな連写が楽しめます。

 

【動画/そのほかの機能】

動画は1920×1080/60pのフルHD記録に対応。静止画をつなぎ合わせて動画に仕上げるタイムラプス動画や、5軸手ブレ補正、動画撮影時のマニュアル露出、自動水平補正なども可能です。

 

そのほか、被写体やカメラの動きを検知して最適なシャッター速度に自動設定できる「流し撮り」モードや、星の光跡が撮れる「星空」モード、オートNDフィルター、MFピーキング、カメラ内RAW現像、最短5cmのマクロモードなどの機能を搭載しています。

 

【まとめ】

●ココがうれしい
・明るい光学4.2倍ズームと、薄型軽量ボディを両立
・EOSと共通したメニューUIと発色傾向

●ココが惜しい
・EVFは非搭載
・外部ストロボには非対応

●こんな人にオススメ!
・サブカメラとして使いたいEOSユーザー
・薄型ボディでもテレ端(望遠端)100mm相当は欲しい人

 

 

【エントリー③】

キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」

20180215_y-koba5_0117_R

胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディの1型センサー機。撮像素子に1.0型有効2010万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「DIGIC 7」で、感度はISO125~12800に対応しています。光学3倍ズームや外観デザインを前モデルから受け継ぎつつ、画質や手ブレ補正の性能を高めています。実売価格は5万5610円(2018年2月時点)。

20180215_y-koba5_0118_R↑ボタンやダイヤルは最小限で、多くの操作は液晶タッチパネルで行います。慣れるまでやや違和感がありますが、スマホ世代のビギナーには取っ付きやすいかもしれません

 

20180215_y-koba5_0119_R↑鏡胴部のコントローラーリングは、割り当て機能のカスタマイズができます

 

20180215_y-koba5_0120_R↑今回のモデルのなかでは唯一、Bluetoothを内蔵。スマホやタブレットと常時接続ができ、Wi-Fiにも素早く切り替えられます

 

【連写性能】

ワンショットAF時は最高約8.1コマ/秒、さらにRAW撮影なら最高約8.2コマ/秒の連写が可能。ピントが連続的に合うサーボAF時では最高約5.3コマ/秒となります。JPEG/RAWを問わず、スピーディな連写が楽しめます。

 

【動画/そのほかの機能】

動画は1920×1080/60pのフルHD記録に対応。静止画をつなぎ合わせて動画に仕上げるタイムラプス動画や、5軸手ブレ補正、動画撮影時のマニュアル露出、自動水平補正なども行えます。

 

そのほか、被写体やカメラの動きを検知して最適なシャッター速度に自動設定できる「流し撮り」モードや、簡単に星の光跡が撮れる「星空」モード、オートNDフィルター、MFピーキング、カメラ内RAW現像、最短5cmのマクロモードなどを搭載しています。

 

【まとめ】

●ココがうれしい
・圧倒的な薄さと軽さ
・実売5万円台で購入できる価格

●ココが惜しい
・十字キーがなく、タッチパネル主体の操作
・ワイド端は24mmではなく28mm相当

●こんな人にオススメ!
・携帯性を最優先する人
・タッチパネルで操作したい人

 

 

【エントリー④】

ソニー「Cyber-shot RX100M3」

20180215_y-koba5_0121_R

人気機種「RX100」シリーズの3代目として2014年に発売された1型センサー機。撮像素子に1.0型有効2010万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「BIONZ X」で、感度はISO125~12800に対応。レンズは開放値F1.8-2.8の光学2.9倍ズームを装備します。実売価格は7万7330円(2018年2月時点)。

20180215_y-koba5_0122_R↑天面にモードダイヤル、背面にコントローラーホイールなどを装備

 

20180215_y-koba5_0123_R↑ポップアップ式の有機ELビューファインダーを搭載。側面のスイッチを押すと上にはね上がり、さらに接眼部をつまんで少し引き出して使用します

 

20180215_y-koba5_0124_R↑同社製品でおなじみの「PlayMemories Camera Apps」を搭載。同社サイトにアクセスし、さまざまな機能を追加できます

 

【連写性能】

ピントと露出が1コマめで固定される速度優先連続撮影モード時で最高約10コマ/秒。通常の連写モードの場合は約2.9コマ/秒となります。

 

【動画/そのほかの機能】

動画は最高で1920×1080/60pのフルHD記録に対応。電子補正を併用した強力な動画手ブレ補正「インテリジェントアクティブモード」や、XAVC S形式とMP4形式の同時記録、120pのハイフレームHD撮影、全画素超解像ズームなども利用できます。

 

そのほか、光量を抑えて明るい屋外でも開放絞りでの撮影を可能にするオートNDフィルターや、自分撮りセルフタイマー、スイングパノラマ、ステップズーム、瞳AF、最短5cmのマクロなどの機能を搭載しています。

 

【まとめ】

●ココがうれしい
・小型のEVFと上下に動くチルト液晶を両立
・軽量ながら24mmスタートの明るいレンズを搭載

●ココが惜しい
・タッチパネルは非搭載
・テレ端70mm相当はもの足りない

●こんな人にオススメ!
・薄型軽量ボディでもEVFが欠かせない人
・アプリを入れて機能拡張を楽しみたい人

 

 

【エントリー⑤】

パナソニック「LUMIX LX9」

20180215_y-koba5_0125_R

明るいレンズを搭載した高級コンパクト「LUMIX LX」シリーズの新モデルとして2016年に発売。レンズには開放値F1.4-2.8の光学3倍ズームを、撮像素子に1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「ヴィーナスエンジン」で、感度はISO125~12800に対応します。実売価格は8万2480円(2018年2月現在)。

20180215_y-koba5_0126_R↑天面にモードダイヤルや動画ボタン、後ダイヤルを搭載

 

20180215_y-koba5_0127_R↑鏡胴部には絞りリングを備え、絞り値をダイレクトに調整できます

 

20180215_y-koba5_0128_R↑30コマ/秒の高速連写に相当する4Kフォト機能を搭載。被写体の動きに応じて、3種類の4Kフォトモードが選べます

 

【連写性能】

1コマめでピントが固定されるAFSモード時で最高約10コマ/秒、ピントを合わせ続けるAFCモード時で最高約6コマ/秒に対応。電子シャッター使用時は、約50コマ/秒の超高速連写が使用できます。

 

【動画/そのほかの機能】

動画は最高で3840×2160/30pの4K記録に対応。カメラを動かさずに映像に動きを与える「4Kライブクロップ」や、フルHDでのスローモーション撮影、5軸ハイブリッド手ブレ補正などの機能も利用できます。

 

そのほか、AF測距点を自由に設定できるカスタムマルチAFや、星空AF、顔・瞳認識AF、最高1/16000秒の電子シャッター、最短3cmのマクロなどの機能を搭載しています。

 

【まとめ】

●ココがうれしい
・ワイド端F1.4を誇るレンズ開放値の明るさ
・薄型軽量ながら4K動画に対応

●ココが惜しい
・EVFは非搭載
・テレ端72mm相当はもの足りない

●こんな人にオススメ!
・レンズの明るさを重視する人
・4K動画が撮れるチルト液晶搭載機を求める人

 

 

【エントリー⑥】

パナソニック「LUMIX TX1」

20180215_y-koba5_0129_R

高倍率コンパクト「LUMIX TZ」シリーズと同等の薄型軽量を維持しながら、センサーの大型化を図った「LUMIX TX」シリーズの第1弾。撮像素子に1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「ヴィーナスエンジン」で、感度はISO125~12800に対応します。レンズは光学10倍ズームを装備。実売価格は6万6560円(2018年2月現在)。

20180215_y-koba5_0130_R↑天面にモードダイヤルや動画ボタン、後ダイヤルを搭載

 

20180215_y-koba5_0131_R↑背面の左上に0.2型のライブビューファインダーを装備。アイセンサーによって液晶モニターとの自動切り替えができます

 

20180215_y-koba5_0132_R↑本体に4か所、タッチ画面上に5か所のファンクションボタンを搭載。好きな機能を割り当てられます

 

【連写性能】

連写性能はLUMIX LX9とほぼ同等で、1コマめでピントが固定されるAFSモード時で最高約10コマ/秒、ピントを合わせ続けるAFCモード時で最高約6コマ/秒に対応。電子シャッター使用時に約50コマ/秒の超高速連写が使用できる点も同様です。

 

【動画/そのほかの機能】

動画は最高で3840×2160/30pの4K記録に対応。4Kで撮影しながらフルHD動画に切り出し、パンやズームイン/アウトの効果を加える「4Kライブクロップ」や、フルHDでのスローモーション撮影、5軸ハイブリッド手ブレ補正などの機能も利用できます。

 

そのほか、EVF使用時に液晶をなぞって測距点を動かすタッチパッドAFや、カスタムマルチAF、星空AF、顔・瞳認識AF、最高1/16000秒の電子シャッター、最短5cmのマクロなどの機能を搭載しています。

 

【まとめ】

●ココがうれしい
・テレ端250mm相当になる光学10倍ズーム
・高倍率ズーム+EVF搭載ながら小型軽量ボディ

●ココが惜しい
・液晶モニターは固定式
・視度調整ダイヤルが不用意に動きやすい

●こんな人にオススメ!
・広角だけでなく望遠でも撮影したい人
・4K動画が撮れるEVF搭載機を求める人

 

 

【エントリー⑦】

リコー「GR II」

20180215_y-koba5_0133_R

28mm相当の単焦点レンズを搭載したAPS-Cセンサー機。撮像素子にAPS-Cサイズの有効1620万画素CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「GR ENGINE V」で、感度はISO100~25600に対応。レンズやセンサー、薄型ボディを前モデルから継承しつつ、Wi-Fiの内蔵など撮影機能の強化を図っています。実売価格は7万3800円(2018年2月時点)。

20180215_y-koba5_0134_R↑背面には、各種機能を呼び出すためのADJ.レバーや、AFファンクション切り替えレバーを搭載

 

20180215_y-koba5_0135_R↑フルプレススナップの設定画面。ピント位置を事前に設定した「スナップ時フォーカス距離」に瞬時にセットできます

 

20180215_y-koba5_0136_R↑マイセッティング登録機能では、カメラの各種設定の状態を登録し、必要に応じて素早く呼び出せます。マイセッティングに名前を付けたり、SDカードに書き出したりもできます

 

【連写性能】

連写は約4コマ/秒に対応。JPEGで999コマまで、RAWで10コマまで続けて撮影できます。今回取り上げた他機に比べてやや弱いという印象はぬぐえません。

 

【動画/そのほかの機能】

動画については最高で1920×1080/30pのフルHD記録に対応。連写や動画のスペックは他機に比べて少々見劣りしますが、そもそも「GR」シリーズでは連写や動画の機能はあまり重視されていません。

 

それよりも、薄型ボディと単焦点レンズを生かして軽やかにスナップ写真を撮るための機能が充実しています。例えば、フルプレススナップ機能では、シャッターボタンを一気に押し込むと、AF作動がキャンセルされ、事前に設定した距離で素早く撮影ができます。また自分の撮影スタイルに応じて、ボタンやダイヤルの割り当て機能を細かくカスタマイズすることも可能です。

 

そのほか、カメラ内で比較明合成ができるインターバル合成機能や、最大5枚の画像を重ねて記録する多重露光、最短10cmのマクロ、オプションの外部ストロボによるワイヤレス発光などの機能を備えています。

 

【まとめ】

●ココがうれしい
・APS-Cセンサー&単焦点レンズが生み出す高画質
・外部ストロボや外部ファインダー、ワイコンなどに対応

●ココが惜しい
・手ブレ補正は非搭載
・暗所ではAFが合いにくい

●こんな人にオススメ!
・単焦点レンズによるストリートスナップを楽しみたい人
・四隅までのシャープでクリアな描写を求める人

高級コンデジ自慢の「画質」はホンモノ!? 「実売9万円以下」7モデルで実際に検証してみた

高級コンパクトカメラとは、1型以上の大きなセンサーを搭載しつつ、小型軽量で高品位なボディと、多彩な撮影機能を備えたカメラのこと。なかでも9万円以下で購入できる比較的リーズナブルな高級コンパクトカメラを比較する本企画。第3回となる本稿では、描写性能をチェックしてみましょう。

第1回(概要&基本スペック編):掘り出し物の宝庫!! アンダー9万円の高級コンパクトカメラおすすめ7選

第2回(サイズ感・操作性編):画質は折り紙付き、では使い勝手は? 「実売9万円以下」の高級コンデジ7モデルの「サイズ感」と「操作性」を比較レビュー

20180130_y-koba5_0066_R↑上段左から、パナソニック「LUMIX TX1」、キヤノン「PowerShot G5 X」、キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」、ソニー「Cyber-shot RX100M3」、キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」、リコー「GR II」、パナソニック「LUMIX LX9」

 

【エントリー①】

キヤノン「PowerShot G5 X」

20180130_y-koba5_0067_R

左右のバランスが取れた一眼風デザインを採用した1型センサー機。レンズは開放値F1.8-2.8の光学4.2倍ズームで、撮像素子には有効2020万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「DIGIC 6」で、感度はISO125~12800に対応しています。実売価格は8万9510円(2018年2月時点)。

 

[描写傾向]

20180130_y-koba5_0068_R

実写では、彩度とシャープネスがほどよく強調されたクリアな描写を確認できました。青空がややマゼンタ寄りになる、見栄え重視の傾向です。解像性能は、ズームワイド端の周辺がわずかに甘めですが、中央部ではシャープネスの高い写りが得られます。

20180130_y-koba5_0069↑上の写真の周辺部(左)と中央付近(右)を100%で表示

 

発色の調整機能としては「マイカラー」を搭載。より濃厚な色になる「くっきりカラー」や落ち着いた色合いの「すっきりカラー」など12種類の色調が選べます。今回の写真は、初期設定である「マイカラー:切」で撮影しました。レンズは広角24mm相当から中望遠100mm相当まで一般用途に使いやすいズーム域をカバーしています。

20180130_y-koba5_0070_R

20180130_y-koba5_0071_R↑上写真はワイド端(広角端)の24mm相当で、下写真はテレ端(望遠端)の100mm相当で撮影

 

最後は高感度画質をチェック。ISO800くらいまでは十分に実用的。ISO3200以上ではノイズ低減処理によって解像感が低下します。

20180130_y-koba5_0072↑高感度の画質。左上から右下にISO200、800、3200、12800

 

【エントリー②】

キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」

20180130_y-koba5_0073_R

キヤノンの高級コンパクト「PowerShot G」シリーズの中位に位置する1型センサー機。撮像素子に1.0型有効2010万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「DIGIC 7」で、感度はISO125~12800に対応。光学4.2倍ズームを継承しながら画質とスピード、機能がさらに向上しています。実売価格は7万8850円(2018年2月時点)。

 

[描写傾向]

20180130_y-koba5_0074_R

実写では、適度に鮮やかで見栄えのいい描写を実感できました。解像性能は、ズームワイド端の周辺がわずかに甘めですが、中央部ではシャープネスの高い写りが得られます。

20180130_y-koba5_0075↑上の写真の周辺部(左)と中央付近(右)を100%で表示

 

発色の調整機能としては「ピクチャースタイル」を搭載。オートやスタンダード、ポートレートなど8種類以上の色調が選べます。今回の写真は、初期設定である「オート」で撮影しました。本機のレンズもG5 X同様、広角から中望遠まで一般用途に使いやすいズーム域をカバーしています

20180130_y-koba5_0076_R

20180130_y-koba5_0077_R↑ワイド端(上写真/24mm相当)とテレ端(下写真/100mm相当)

 

高感度画質は、ISO800くらいまでは十分に実用的。ISO3200ではノイジーになりますが、シャープ感はあまり損なわれません。

20180130_y-koba5_0078↑左上から右下にISO200、800、3200、12800

 

【エントリー③】

キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」

20180130_y-koba5_0079_R

胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディの1型センサー機。撮像素子に1.0型有効2010万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「DIGIC 7」で、感度はISO125~12800に対応しています。光学3倍ズームや外観デザインを前モデルから受け継ぎつつ、画質や手ブレ補正の性能を高めています。実売価格は5万8540円(2018年2月時点)。

 

[描写傾向]

20180130_y-koba5_0080_R

実写では、彩度とシャープネスが高められた、見栄え重視の写りを確認できました。今回テストした7製品のなかでは最も高彩度な色合いです。調整機能である「ピクチャースタイル」を使って、自分好みの発色にカスタマイズすることも可能です。

20180130_y-koba5_0081↑上の写真の周辺部(左)と中央付近(右)を100%で表示

 

ピクチャースタイルは、オートやスタンダード、ポートレートなど8種類以上に対応。今回の写真は、初期設定である「オート」で撮影しました。レンズの焦点距離は28~84mm相当。薄型軽量ボディ優先のため、上のキヤノン機2モデルに比べるとズーム倍率が控えめとなっています。

20180130_y-koba5_0082_R

20180130_y-koba5_0083_R↑ワイド端(上写真/28mm相当)とテレ端(下写真/84mm相当)

 

高感度画質は、ISO800くらいまでは十分に実用的。ISO3200ではノイジーになりますが、シャープ感はあまり損なわれません。

20180130_y-koba5_0084↑左上から右下にISO200、800、3200、12800

 

【エントリー④】

ソニー「Cyber-shot RX100M3」

20180130_y-koba5_0085_R

人気機種「RX100」シリーズの3代目として2014年に発売された1型センサー機。撮像素子に1.0型有効2010万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「BIONZ X」で、感度はISO125~12800に対応。レンズは開放値F1.8-2.8の光学2.9倍ズームを装備します。実売価格は8万4390円(2018年2月時点)。

 

[描写傾向]

20180130_y-koba5_0086_R

実写では、クセのない澄んだ色合いと四隅までのシャープネスの高い描写を確認できました。発色の調整機能「クリエイティブスタイル」を利用して、自分好みの色合いにカスタマイズすることも可能です。

20180130_y-koba5_0087↑上の写真の周辺部(左)と中央付近(右)を100%で表示

 

クリエイティブスタイルでは、スタンダードやビビッド、ニュートラルなど14種類の色を選択できます。今回の写真は、初期設定である「スタンダード」で撮影しました。レンズは24~70mm相当をカバー。標準的なズーム倍率といえます。

20180130_y-koba5_0088_R

20180130_y-koba5_0089_R↑ワイド端(上写真/24mm相当)とテレ端(下写真/70mm相当)

 

高感度画質は、ISO800くらいまでは十分実用的。それ以上でも色ノイズは比較的少なめです。

20180130_y-koba5_0090↑左上から右下にISO200、800、3200、12800

 

【エントリー⑤】

パナソニック「LUMIX LX9」

20180130_y-koba5_0091_R

明るいレンズを搭載した高級コンパクト「LUMIX LX」シリーズの新モデルとして2016年に発売。レンズには開放値F1.4-2.8の光学3倍ズームを、撮像素子に1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「ヴィーナスエンジン」で、感度はISO125~12800に対応します。実売価格は8万3330円(2018年2月現在)。

 

[描写傾向]

20180130_y-koba5_0092_R

実写では、ナチュラルな色合いとズーム全域でのシャープな写りを確認できました。初期設定では、彩度強調を抑えた落ち着きのある色合いが得られます。

20180130_y-koba5_0093↑上の写真の周辺部(左)と中央付近(右)を100%で表示

 

発色の調整機能としては「フォトスタイル」を搭載。スタンダードやヴィヴィッド、ナチュラルなど7種類以上の色を選択できます。今回の写真は、初期設定である「スタンダード」で撮影しました。レンズは24~72mm相当をカバー。

20180130_y-koba5_0094_R

20180130_y-koba5_0095_R↑ワイド端(上写真/24mm相当)とテレ端(下写真/72mm相当)

 

高感度画質では、ISO800くらいまでは十分実用的。それ以上でも細部がつぶれず、解像感を維持している点には好印象です

20180130_y-koba5_0096↑高感度の画質。左上から右下にISO200、800、3200、12800

 

【エントリー⑥】

パナソニック「LUMIX TX1」

20180130_y-koba5_0097_R

高倍率コンパクト「LUMIX TZ」シリーズと同等の薄型軽量を維持しながら、センサーの大型化を図った「LUMIX TX」シリーズの第1弾。撮像素子に1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「ヴィーナスエンジン」で、感度はISO125~12800に対応します。レンズは光学10倍ズームを装備。実売価格は6万7850円(2018年2月現在)。

 

[描写傾向]

20180130_y-koba5_0098_R

実写では、ほどよく彩度を高めた見栄えのいい画質を確認できました。解像性能は、ズームテレ端で周辺がややソフトになる傾向がありますが、中央部はシャープな写り。また、レンズの焦点距離が長いので、滑らかで美しいボケの描写も楽しめます。

20180130_y-koba5_0099↑上の写真の周辺部(左)と中央付近(右)を100%で表示

 

発色の調整機能としては「フォトスタイル」を搭載。スタンダードやヴィヴィッド、ナチュラルなど7種類以上の色を選択できます。今回の写真は、初期設定である「スタンダード」で撮影しました。レンズの焦点距離は25~250mm相当と、このクラスの製品では抜群のズーム倍率を誇ります。

20180130_y-koba5_0100_R

20180130_y-koba5_0101_R↑ワイド端(上写真/25mm相当)とテレ端(下写真/250mm相当)

 

高感度画質は、ISO800くらいまでは十分実用的。それ以上でも細部がつぶれず、解像感を維持している点には好印象です。

20180130_y-koba5_0102↑左上から右下にISO200、800、3200、12800

 

【エントリー⑦】

リコー「GR II」

20180130_y-koba5_0103_R

28mm相当の単焦点レンズを搭載したAPS-Cセンサー機。撮像素子にAPS-Cサイズの有効1620万画素CMOSセンサーを搭載。画像処理エンジンは「GR ENGINE V」で、感度はISO100~25600に対応。レンズやセンサー、薄型ボディを前モデルから継承しつつ、Wi-Fiの内蔵など撮影機能の強化を図っています。実売価格は7万3800円(2018年2月時点)。

 

[描写性能]

20180130_y-koba5_0104_R

実写では、画像周辺部から中央部までシャープに解像するワンランク上の写りを実感できました。今回テストしたほかの6製品に比べると、画素数が約2割少ない1620万画素ですが、その代わりにセンサーサイズが大きいうえ、レンズの光学性能でも勝るため、結果として得られる細部描写力は一歩抜きん出たレベルといえます。発色は比較的鮮やかめ。青空はマゼンタ寄りになる傾向があります。

20180130_y-koba5_0105↑上の写真の周辺部(左)と中央付近(右)を100%で表示

 

発色の調整機能としては「画像設定」などを搭載。スタンダードとビビッドを選択できます。今回の写真は、初期設定である「スタンダード」で撮影しました。今回取り上げたなかでは唯一の単焦点レンズを搭載します(28mm相当)。

20180130_y-koba5_0106_R↑ワイド端(28mm相当)

 

1型センサー機に比べると、高感度ノイズは少なめ。ISO3200でも汚い印象は受けません。

20180130_y-koba5_0107↑左上から右下にISO200、800、3200、12800

 

【まとめ】画質はわずかな差、焦点距離に個性が出る

以上7モデルの実写を比較した率直な感想は、どのモデルでも撮影時にイメージした通りの美しい描写が得られ、その差はあまり大きくないということ。センサーサイズの大きいGR IIが細部描写力や高感度画質で一歩リードするものの、1.0型センサーを搭載した残り6製品の写りは、発色やノイズの傾向に若干の違いはあるものの、特に優劣はつけられません。

 

一方でレンズの焦点距離については、実写と数値を見てわかるように大きな違いがあります。ワイド端がやや弱い25mm相当のF2.8とはいえ、テレ端が250mm相当をカバーする「LUMIX TX1」はレンズの利便性で一歩リードした存在といえます。ただ、あえて28mm単焦点にこだわった「GR II」も非常に面白いカメラ。利便性を重視するか、面白さで選ぶか、あるいはその中間を取るか。悩ましいところです。

 

画質は折り紙付き、では使い勝手は? 「実売9万円以下」の高級コンデジ7モデルの「サイズ感」と「操作性」を比較レビュー

高級コンパクトカメラと聞くと「価格が高い」と考えがちですが、最新モデルにこだわらなければ、比較的リーズナブルに購入できる製品もあります。そんな財布に優しい高級コンパクトカメラ7製品を選りすぐり、その性能を比較する本企画。第2回となる今回は外観をチェックしてみましょう。

第1回(概要&基本スペック編):掘り出し物の宝庫!! アンダー9万円の高級コンパクトカメラおすすめ7選

20180112_y-koba7 (1)↑上段左から、パナソニック「LUMIX DMC-TX1」、キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」、ソニー「Cyber-shot DSC-RX100M3」、リコー「GR II」、キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」、パナソニック「LUMIX DMC-LX9」、キヤノン「PowerShot G5 X」

 

※記事内の価格は2018年1月現在の、編集部調べによるものです

 

【エントリー①】

キヤノン「PowerShot G5 X」

20180112_y-koba7 (2)

左右のバランスが取れた一眼風デザインを採用した1型センサー機。レンズは開放値F1.8-2.8の光学4.2倍ズームで、撮像素子には有効2020万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。発売は2015年。参考価格は7万4800円。

 

外形寸法は幅112.4×高さ76.4×奥行き44.2mm。質量は約377g。今回のモデルのなかでは最も重量があり、サイズもやや大きめ。胸ポケットに入れるのは困難です。とはいえ、EVFとバリアングル液晶を装備していることを考えれば、十分に小型軽量といえます。

20180112_y-koba7 (3)

前面には、電源に連動したレンズバリアや電子ダイヤルなどを装備。前面に縦向きで電子ダイヤルを備えるのは希少です。適度なクリック感があり、操作感は悪くありません。

 

20180112_y-koba7 (4)

背面には、EVFと液晶モニター、動画ボタンなどを搭載。液晶モニターの視認性は良好です。

 

20180112_y-koba7 (5)

天面には、モードダイヤルやホットシュー、露出補正ダイヤルなどを搭載。電源オフでも露出補正の状態がひと目でわかるのは便利です。

 

20180112_y-koba7 (6)

20180112_y-koba7 (7)

電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。外装には高品位な質感があります。

 

【エントリー②】

キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」

20180112_y-koba7 (8)

キヤノンの高級コンパクト「PowerShot G」シリーズの中位に位置する1型センサー機。2014年に発売された「PowerShot G7」の後継として2016年に登場しました。光学4.2倍ズームを継承しながら画質とスピード、機能がさらに向上しています。参考価格は6万7000円。

 

外形寸法は幅105.5×高さ60.9奥行き42.2mm。質量約319g。今回のモデルのなかでは平均的なサイズと重量です。

20180112_y-koba7 (9)

前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。グリップには突起があり、しっかりとボディを支えられます。

 

20180112_y-koba7 (10)

背面には、液晶モニター、動画ボタン、RING FUNC.ボタンなどを搭載。ボタン類は大きめで押しやすいといえます。

 

20180112_y-koba7 (11)

天面には、モードダイヤルや露出補正ダイヤルなどを搭載。鏡胴部のリングでは絞りやシャッター速度を素早く調整できます。

 

20180112_y-koba7 (12)

20180112_y-koba7 (13)

電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。起動は約1.2秒と素早く、ストレスを感じません。

 

【エントリー③】

キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」

20180112_y-koba7 (14)

胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディの1型センサー機。2015年に発売された「PowerShot G9 X」の後継として2017年に登場。光学3倍ズームや外観デザインを受け継ぎつつ、画質や手ブレ補正の性能を高めています。参考価格は5万9140円。

 

外形寸法は幅98×高さ57.9×奥行き31.3mm。質量は約206g。今回選んだモデルのなかでは最も薄くて軽い製品です。胸ポケットにすんなりと収まり、長時間入れたままで歩きまわっても苦になりません。

20180112_y-koba7 (15)

前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。両サイドには滑り止めの素材が張られており、小型ながらしっかりとホールドできます。

 

20180112_y-koba7 (16)

背面には、液晶モニターや動画ボタンなどを搭載。ボタン類の数は今回のモデルのなかで最も少なくシンプルで、ビギナーにも取っ付きやすいといえます。

 

20180112_y-koba7 (17)

天面には、再生ボタンやモードダイヤルなどを搭載。再生ボタンが背面ではなく天面にある仕様は珍しく、慣れるまではやや戸惑うかもしれません。

 

20180112_y-koba7 (18)

20180112_y-koba7 (19)

電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。側面のボタンによって素早くWi-Fi 接続ができるのが便利です。

 

【エントリー④】

ソニー「Cyber-shot DSC-RX100M3」

20180112_y-koba7 (20)

人気機種「DSC-RX100」シリーズの3代目として2014年に発売された1型センサー機。レンズには開放値F1.8-2.8の光学2.9倍ズームを、撮像素子には1型の裏面照射型CMOSセンサーをそれぞれ搭載しています。参考価格は8万2780円。

 

外形寸法は幅101.6×高さ58.1×奥行き41mm。質量は約290g。「PowerShot G9 X Mark II」の薄さと軽さには一歩及びませんが、EVFとチルト液晶を備えた1型センサー機としてはかなりの薄型軽量ボディです。

20180112_y-koba7 (21)

前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。外観デザインの面では歴代のRX100シリーズで大きな差はなく、ひと目で見分けるのは難しいでしょう。

 

20180112_y-koba7 (22)

背面には、液晶モニター、動画ボタン、Fnボタンなどを搭載。ボタン類は小さめで、手の大きな人はやや窮屈に感じることもあるでしょう。

 

20180112_y-koba7 (23)

天面には、ポップアップ式のEVFやモードダイヤルなどを搭載。天面の後方には段差があり、ボディの薄さを際立たせています。

 

20180112_y-koba7 (24)

20180112_y-koba7 (25)

電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。側面のFINDERボタンを押すとファインダーがポップアップするギミックは、RX100シリーズのなかでもこのMark 3から採用されています。

 

【エントリー⑤】

パナソニック「LUMIX DMC-LX9」

20180112_y-koba7 (26)

明るいレンズを搭載した高級コンパクト「LUMIX LX」シリーズの新モデルとして2016年に発売。レンズには開放値F1.4-2.8の光学3倍ズームを、撮像素子には1型の高感度MOSセンサーをそれぞれ採用しています。参考価格は8万8020円。

 

外形寸法は幅105.5×高さ60×奥行き約42mm。質量は約310g。今回のモデルのなかでは平均的なサイズと重量です。

20180112_y-koba7 (27)

前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。グリップが薄くホールド性は少々もの足りなく感じますが、デザイン的にはオシャレです。

 

20180112_y-koba7 (28)

背面には、液晶モニターや4Kフォトボタンなどを搭載。カスタマイズ可能なFnボタンの多さも、本機のメリットのひとつです。

 

20180112_y-koba7 (29)

天面には、モードダイヤルや動画ボタンなどを搭載。電源は他社とは異なり、レバー式です。電源スイッチの形状はボタン派とレバー派で好みがわかれますが、個人的にはレンズ交換式カメラと共通の仕様であるレバー式が好みです。

 

20180112_y-koba7 (30)

20180112_y-koba7 (31)

電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。精悍な雰囲気が漂うフルブラックの外装です。

 

【エントリー⑥】

パナソニック「LUMIX DMC-TX1」

20180112_y-koba7 (32)

高倍率コンパクト「LUMIX TZ」シリーズと同等の薄型軽量を維持しながら、センサーの大型化を図った「LUMIX TX」シリーズの第1弾。レンズは光学10倍ズームで、撮像素子には1型MOSセンサーを搭載。発売は2016年。参考価格は6万9430円。

 

外形寸法は幅110.5×高さ64.5×奥行き44.3mm。質量は約310g。今回のモデルのなかでは質量は2番めに重く、サイズも大きめです。胸ポケットに入れるのは厳しいでしょう。ただ、光学10倍ズームという抜きん出たズーム倍率を持つ1型センサー機としては、画期的な小型軽量ボディであることは確かです。

20180112_y-koba7 (33)

前面には、電源に連動したレンズバリアやセルフタイマーランプなどを搭載。DMC-LX9と同じく前面や天面に製品名が記されておらず、底面に小さく書かれているだけ。デザイナーのこだわりを感じます。

 

20180112_y-koba7 (34)

背面には、EVFと液晶モニター、4Kフォトボタンなどを搭載。EVFと液晶モニターはアイセンサーによる自動切り替えに対応。便利ですが、やや敏感すぎるのは気になりました。

 

20180112_y-koba7 (35)

天面には、モードダイヤル、動画ボタン。後ダイヤルなどを搭載。電源は他社とは異なり、レバー式です。動画ボタンの位置に関しては、背面派と天面派にわかれますが、個人的には録画スタート/ストップの際にボディがブレにくい天面が好みです。

 

20180112_y-koba7 (36)

20180112_y-koba7 (37)

電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。望遠端までズームアップすると、レンズの前玉部分はさらに数センチせり出しますが、そもそも小型軽量なので特にアンバランスには感じません。

 

【エントリー⑦】

リコー「GR II」

20180112_y-koba7 (38)

28mm相当の単焦点レンズを搭載したAPS-Cセンサー機。2013年に発売された「GR」の後継機として2015年に登場。レンズやセンサー、薄型ボディを継承しつつ、Wi-Fiの内蔵など撮影機能の強化を図っています。参考価格は6万9140円。

 

外形寸法は幅117×高さ62.8×奥行き34.7mm。質量は約251g。高さを抑えた横に長い薄型ボディです。重量は「PowerShot G9 X Mark II」に次いで2番めに軽く、ワイシャツの胸ポケットにも楽々と収まります。レンズは、電源オンでせり出す沈胴式ですが、光学ズーム機構がないため、使用中でもボディは比較的薄いといえます。

20180112_y-koba7 (39)

前面には、電源に連動したレンズバリアやAF補助光ランプなどを装備。Wi-Fiを搭載したため、前モデル「GR」に比べると天面がやや膨らみ、高さが1.8mm増しています。

 

20180112_y-koba7 (40)

背面には、液晶モニターやADJ.レバーなどを搭載。ADJ.レバーはやや小さめで回しにくい点が気になるものの、多機能を素早く設定できるのは便利です。

 

20180112_y-koba7 (41)

天面には、ホットシューやアップダウンダイヤル、モードダイヤルなどを搭載。ホットシューには外部ストロボのほか、光学式の外部ファインダーなどを装着できます。拡張したい人にはうれしいポイントです。

 

20180112_y-koba7 (42)

20180112_y-koba7 (43)

電源オフの状態(上)、電源オンの状態(下)。側面のEffectボタンでは「クロスプロセス」や「ハイコントラスト白黒」などの特殊効果を素早く呼び出すことができます。

 

【まとめ】携帯性はもちろん、ホールド感や装備とのバランスも考慮すべし

7モデル中、最薄・最軽量なのは「PowerShot G9 X Mark II」。装備を絞ったことで胸ポケットにもすっぽり収まる大きさとなり、携帯性は抜群です。ただし、他モデルもファインダーや可動液晶の搭載、あるいはレンズスペックといった点などでそれぞれ魅力があるので、譲れないポイントを決めて絞り込んでいくと良いでしょう。

 

撮影時のホールド感も重要なポイント。今回の7モデルを実際に手にしたときの印象は、グリップ部の突起が大きい「PowerShot G5 X」と「GR II」が特に持ちやすく感じました。「PowerShot G7 X Mark II」と「PowerShot G9 X Mark II」「LUMIX DMC-TX1」のホールド感もまずまずです。

 

一方、「Cyber-shot DSC-RX100M3」と「LUMIX DMC-LX9」はやや滑りやすい印象。いずれのモデルに関しても、持ちにくく感じる場合は、オプションのカメラジャケットを装着したり、サードパーティ製のグリップを探してみるのもいいでしょう。

 

外観デザインについては、いずれも物欲を刺激するような、高品位な雰囲気が漂っています。カラーバリエーションについては「PowerShot G9 X Mark II」のみがブラックとシルバーの2色を用意。個人的には、ラバーグリップがしっくりと手になじむ「GR II」と、カジュアルさと高級さをあわせ持つ「PowerShot G9 X Mark II」のデザインが気に入りました。

 

次回はいよいよ実写比較編です。

 

掘り出し物の宝庫!! アンダー9万円の高級コンパクトカメラおすすめ7選

画質に優れた小型軽量のカメラが欲しい。でも使える予算には限りがある。そんな人には、アンダー9万円の高級コンパクトカメラがおすすめ。そこで、スマホを超える高画質と高機能を備えつつ、携帯性や予算の面でも魅力の高い7製品を選りすぐり、その性能を比較してみました。本稿では、各モデルの概要と基本スペックをおさらいしていきます。

20180110_y-koba2 (1)↑上段左から、パナソニック「LUMIX DMC-LX9」、リコー「GR II」、キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」、キヤノン「PowerShot G5 X」、ソニー「Cyber-shot DSC-RX100M3」、パナソニック「LUMIX DMC-TX1」、キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」

 

そもそも「高級コンデジ」って何?

一般的に高級コンパクトカメラとは、1型以上の大きなセンサーを搭載し、小型軽量で高品位なボディと、多彩な撮影機能を備えたカメラのこと。通常のコンパクトカメラよりもグレードが上という意味で「高級」と呼ばれていますが、実際には最新モデル以外なら、実売4万円台の高級コンパクトカメラもあります。

 

そこで今回はあえて高価なモデルは除外し、9万円以内で購入できる高級コンパクトカメラをピックアップしてみました。よりハイスペックな最新モデルに飛びつくのも悪くないですが、カメラとの付き合い方はそれだけではありません。限られた予算内で最良のモデルを選択し、余ったお金で撮影旅行に出かける。そんな賢い写真生活を目指してみましょう。

 

ここからは、今回取り上げた7モデルの概要と基本スペックを見ていきましょう!

※記事内の価格は2018年1月現在の、編集部調べによるものです

 

【その1】

EVF&バリアングル液晶採用で撮影が快適

20180110_y-koba2 (2)

キヤノン
PowerShot G5 X
参考価格7万4800円

左右のバランスが取れた一眼風デザインを採用した1型センサー機。レンズは開放値F1.8-2.8の光学4.2倍ズームで、撮像素子には有効2020万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。発売は2015年。

20170111_G5X_2

 

注目したいポイントは、今回紹介する7製品のなかでは唯一バリアングル式の液晶モニターを採用していること。チルト式の液晶とは異なり、バリアングル式は上下だけでなく左右にも動くので、カメラの横位置/縦位置を問わず自由なアングルで撮影しやすいメリットがあります。

20180110_y-koba2 (3)↑レンズは光学4.2倍ズームで、センサーには1.0型有効2020万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (4)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは0.39型約236万ドット

 

【その2】

小型ボディにトレンド機能を過不足なく凝縮

20180110_y-koba2 (5)

キヤノン
PowerShot G7 X Mark II
参考価格6万7000円

キヤノンの高級コンパクト「PowerShot G」シリーズの中位に位置する1型センサー機。2014年に発売された「PowerShot G7」の後継として2016年に登場しました。光学4.2倍ズームを継承しながら画質とスピード、機能がさらに向上しています。

20170111_G7XMk2

本機ならではの特徴は、明るいレンズやチルト可動式液晶、タッチパネル、アナログダイヤルといった高級コンパクトのトレンドを過不足なく薄型軽量ボディに凝縮していること。

20180110_y-koba2 (6)↑レンズは光学4.2倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (7)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは非搭載

 

【その3】

胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディ

20180110_y-koba2 (8)

キヤノン
PowerShot G9 X Mark II
参考価格5万9140円

胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディの1型センサー機。2015年に発売された「PowerShot G9」の後継として2017年に登場。光学3倍ズームや外観デザインを受け継ぎつつ、画質や手ブレ補正の性能を高めています。

20170111_G9XMk2

ユニークなのは、コンパクトデジカメで一般的な十字キーがなく、主要な操作のほとんどをタッチパネルで行うこと。撮影機能としては、オートNDフィルターや星空モード、クリエイティブフィルターの「背景ぼかし」などを搭載しています。

20180110_y-koba2 (9)↑レンズは光学3倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (10)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは非搭載

 

【その4】

性能と価格のバランスに優れた人気シリーズの3代目

20180110_y-koba2 (11)

ソニー
Cyber-shot DSC-RX100M3
参考価格8万2780円

人気機種「DSC-RX100」シリーズの3代目として2014年に発売された1型センサー機。レンズには開放値F1.8-2.8の光学2.9倍ズームを、撮像素子には1型の裏面照射型CMOSセンサーをそれぞれ搭載しています。

20170111_RX100M3

シリーズ最新モデル「DSC-RX100M5」と比べた場合、AFや連写、動画などの性能はやや見劣りしますが、レンズやポップアップ式のEVF、チルト液晶モニターなどは同等ものを採用。実売価格も抑え目になっています。

20180110_y-koba2 (12)↑レンズは光学2.9倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (13)↑液晶モニターは3.0型約123万ドット。EVFは0.39型144万ドット

 

【その5】

開放値F1.4を誇る明るいレンズが魅力

20180110_y-koba2 (14)

パナソニック
LUMIX DMC-LX9
参考価格8万8020円

明るいレンズを搭載した高級コンパクト「LUMIX LX」シリーズの新モデルとして2016年に発売。レンズには開放値F1.4-2.8の光学3倍ズームを、撮像素子には1型の高感度MOSセンサーをそれぞれ採用しています。

20170111_LX9

最大の特徴は、ズームワイド端の開放値が、今回の7製品中で最も明るいF1.4を誇ること。薄暗いシーンでも感度をあまり上げずに高画質で撮影したり、比較的速いシャッター速度を使って手ブレや被写体ブレを低減したりできる利点があります。

20180110_y-koba2 (15)↑レンズは光学3倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (16)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは非搭載

 

【その6】

薄型軽量ボディと250mm相当の望遠撮影を両立

20180110_y-koba2 (17)

パナソニック
LUMIX DMC-TX1
参考価格6万9430円

高倍率コンパクト「LUMIX TZ」シリーズと同等の薄型軽量を維持しながら、センサーの大型化を図った「LUMIX TX」シリーズの第1弾。レンズは光学10倍ズームで、撮像素子には1型MOSセンサーを搭載。発売は2016年。

20170111_TX1

見どころは、薄型軽量ボディでありながら、250mm相当の望遠撮影ができること。遠景の被写体を大きく引きつけた撮影のほか、ボケを生かした表現が気軽に楽しめます。また、ワイド側で最短5cm、テレ側で最短70cmまで近寄れるマクロ機能もあります。

20180110_y-koba2 (18)↑レンズは光学10倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (19)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは0.2型約116万ドット

 

【その7】

画質と携帯性を重視して、あえて単焦点レンズ採用

20180110_y-koba2 (20)

リコー
GR II
参考価格6万9140円

28mm相当の単焦点レンズを搭載したAPS-Cセンサー機。2013年に発売された「GR」の後継機として2015年に登場。レンズやセンサー、薄型ボディを継承しつつ、Wi-Fiの内蔵など撮影機能の強化を図っています。

20170111_GR2_2

注目は、画質と携帯性を重視してあえて単焦点レンズを採用したことと、ユーザーの撮影スタイルに応じて細かくカスタマイズ可能な独自の操作系を備えていること。外部ファインダーやワイコン(レンズに装着することで画角を広げられるアクセサリー)など、オプションのアクセサリーが充実している点も見逃せません。

20180110_y-koba2 (21)↑レンズは単焦点レンズで、センサーには1型よりも大きなAPS-Cサイズの有効1620万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (22)↑液晶モニターは3.0型約123万ドット。EVFは非搭載

 

機能の豊富さという点ではほぼ互角

以上の7モデルに共通した特徴としては、フルオートからフルマニュアルまでの多彩な撮影モードを備え、リングやダイヤルの回転操作でシャッター速度や絞り値の調整ができることです。また、RAW撮影やUSB充電、Wi-Fi機能についても全モデルが対応しています。

 

搭載している機能の内容には違いがありますが、機能の豊富さという点ではほぼ互角といっていいでしょう。拡張性に関しては、天面にアクセサリーシューを備えた「PowerShot G5 X」と「GR II」の2台がやや有利です。

 

メニューのUIについては、キヤノンの3台は「EOS」シリーズに、ソニー機は「α」シリーズに、パナソニックの2台はミラーレスカメラの「LUMIX」シリーズにそれぞれ近いデザインを採用しています。一眼レフやミラーレスのサブ機として選ぶ場合は、同じメーカー内であれば取っ付きやすいといえます。リコー「GR II」に関しては独自のUIですが、従来のGRシリーズから受け継がれたものです。

 

次回以降、それぞれの外観や画質などをチェックしていきます。

 

 

掘り出し物の宝庫!! アンダー9万円の高級コンパクトカメラおすすめ7選

画質に優れた小型軽量のカメラが欲しい。でも使える予算には限りがある。そんな人には、アンダー9万円の高級コンパクトカメラがおすすめ。そこで、スマホを超える高画質と高機能を備えつつ、携帯性や予算の面でも魅力の高い7製品を選りすぐり、その性能を比較してみました。本稿では、各モデルの概要と基本スペックをおさらいしていきます。

20180110_y-koba2 (1)↑上段左から、パナソニック「LUMIX DMC-LX9」、リコー「GR II」、キヤノン「PowerShot G9 X Mark II」、キヤノン「PowerShot G5 X」、ソニー「Cyber-shot DSC-RX100M3」、パナソニック「LUMIX DMC-TX1」、キヤノン「PowerShot G7 X Mark II」

 

そもそも「高級コンデジ」って何?

一般的に高級コンパクトカメラとは、1型以上の大きなセンサーを搭載し、小型軽量で高品位なボディと、多彩な撮影機能を備えたカメラのこと。通常のコンパクトカメラよりもグレードが上という意味で「高級」と呼ばれていますが、実際には最新モデル以外なら、実売4万円台の高級コンパクトカメラもあります。

 

そこで今回はあえて高価なモデルは除外し、9万円以内で購入できる高級コンパクトカメラをピックアップしてみました。よりハイスペックな最新モデルに飛びつくのも悪くないですが、カメラとの付き合い方はそれだけではありません。限られた予算内で最良のモデルを選択し、余ったお金で撮影旅行に出かける。そんな賢い写真生活を目指してみましょう。

 

ここからは、今回取り上げた7モデルの概要と基本スペックを見ていきましょう!

※記事内の価格は2018年1月現在の、編集部調べによるものです

 

【その1】

EVF&バリアングル液晶採用で撮影が快適

20180110_y-koba2 (2)

キヤノン
PowerShot G5 X
参考価格7万4800円

左右のバランスが取れた一眼風デザインを採用した1型センサー機。レンズは開放値F1.8-2.8の光学4.2倍ズームで、撮像素子には有効2020万画素の裏面照射型CMOSセンサーを搭載。発売は2015年。

20170111_G5X_2

 

注目したいポイントは、今回紹介する7製品のなかでは唯一バリアングル式の液晶モニターを採用していること。チルト式の液晶とは異なり、バリアングル式は上下だけでなく左右にも動くので、カメラの横位置/縦位置を問わず自由なアングルで撮影しやすいメリットがあります。

20180110_y-koba2 (3)↑レンズは光学4.2倍ズームで、センサーには1.0型有効2020万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (4)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは0.39型約236万ドット

 

【その2】

小型ボディにトレンド機能を過不足なく凝縮

20180110_y-koba2 (5)

キヤノン
PowerShot G7 X Mark II
参考価格6万7000円

キヤノンの高級コンパクト「PowerShot G」シリーズの中位に位置する1型センサー機。2014年に発売された「PowerShot G7」の後継として2016年に登場しました。光学4.2倍ズームを継承しながら画質とスピード、機能がさらに向上しています。

20170111_G7XMk2

本機ならではの特徴は、明るいレンズやチルト可動式液晶、タッチパネル、アナログダイヤルといった高級コンパクトのトレンドを過不足なく薄型軽量ボディに凝縮していること。

20180110_y-koba2 (6)↑レンズは光学4.2倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (7)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは非搭載

 

【その3】

胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディ

20180110_y-koba2 (8)

キヤノン
PowerShot G9 X Mark II
参考価格5万9140円

胸ポケットにすっぽり収まる薄型軽量ボディの1型センサー機。2015年に発売された「PowerShot G9」の後継として2017年に登場。光学3倍ズームや外観デザインを受け継ぎつつ、画質や手ブレ補正の性能を高めています。

20170111_G9XMk2

ユニークなのは、コンパクトデジカメで一般的な十字キーがなく、主要な操作のほとんどをタッチパネルで行うこと。撮影機能としては、オートNDフィルターや星空モード、クリエイティブフィルターの「背景ぼかし」などを搭載しています。

20180110_y-koba2 (9)↑レンズは光学3倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (10)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは非搭載

 

【その4】

性能と価格のバランスに優れた人気シリーズの3代目

20180110_y-koba2 (11)

ソニー
Cyber-shot DSC-RX100M3
参考価格8万2780円

人気機種「DSC-RX100」シリーズの3代目として2014年に発売された1型センサー機。レンズには開放値F1.8-2.8の光学2.9倍ズームを、撮像素子には1型の裏面照射型CMOSセンサーをそれぞれ搭載しています。

20170111_RX100M3

シリーズ最新モデル「DSC-RX100M5」と比べた場合、AFや連写、動画などの性能はやや見劣りしますが、レンズやポップアップ式のEVF、チルト液晶モニターなどは同等ものを採用。実売価格も抑え目になっています。

20180110_y-koba2 (12)↑レンズは光学2.9倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (13)↑液晶モニターは3.0型約123万ドット。EVFは0.39型144万ドット

 

【その5】

開放値F1.4を誇る明るいレンズが魅力

20180110_y-koba2 (14)

パナソニック
LUMIX DMC-LX9
参考価格8万8020円

明るいレンズを搭載した高級コンパクト「LUMIX LX」シリーズの新モデルとして2016年に発売。レンズには開放値F1.4-2.8の光学3倍ズームを、撮像素子には1型の高感度MOSセンサーをそれぞれ採用しています。

20170111_LX9

最大の特徴は、ズームワイド端の開放値が、今回の7製品中で最も明るいF1.4を誇ること。薄暗いシーンでも感度をあまり上げずに高画質で撮影したり、比較的速いシャッター速度を使って手ブレや被写体ブレを低減したりできる利点があります。

20180110_y-koba2 (15)↑レンズは光学3倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (16)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは非搭載

 

【その6】

薄型軽量ボディと250mm相当の望遠撮影を両立

20180110_y-koba2 (17)

パナソニック
LUMIX DMC-TX1
参考価格6万9430円

高倍率コンパクト「LUMIX TZ」シリーズと同等の薄型軽量を維持しながら、センサーの大型化を図った「LUMIX TX」シリーズの第1弾。レンズは光学10倍ズームで、撮像素子には1型MOSセンサーを搭載。発売は2016年。

20170111_TX1

見どころは、薄型軽量ボディでありながら、250mm相当の望遠撮影ができること。遠景の被写体を大きく引きつけた撮影のほか、ボケを生かした表現が気軽に楽しめます。また、ワイド側で最短5cm、テレ側で最短70cmまで近寄れるマクロ機能もあります。

20180110_y-koba2 (18)↑レンズは光学10倍ズームで、センサーには1.0型有効2010万画素MOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (19)↑液晶モニターは3.0型約104万ドット。EVFは0.2型約116万ドット

 

【その7】

画質と携帯性を重視して、あえて単焦点レンズ採用

20180110_y-koba2 (20)

リコー
GR II
参考価格6万9140円

28mm相当の単焦点レンズを搭載したAPS-Cセンサー機。2013年に発売された「GR」の後継機として2015年に登場。レンズやセンサー、薄型ボディを継承しつつ、Wi-Fiの内蔵など撮影機能の強化を図っています。

20170111_GR2_2

注目は、画質と携帯性を重視してあえて単焦点レンズを採用したことと、ユーザーの撮影スタイルに応じて細かくカスタマイズ可能な独自の操作系を備えていること。外部ファインダーやワイコン(レンズに装着することで画角を広げられるアクセサリー)など、オプションのアクセサリーが充実している点も見逃せません。

20180110_y-koba2 (21)↑レンズは単焦点レンズで、センサーには1型よりも大きなAPS-Cサイズの有効1620万画素CMOSセンサーを搭載

 

20180110_y-koba2 (22)↑液晶モニターは3.0型約123万ドット。EVFは非搭載

 

機能の豊富さという点ではほぼ互角

以上の7モデルに共通した特徴としては、フルオートからフルマニュアルまでの多彩な撮影モードを備え、リングやダイヤルの回転操作でシャッター速度や絞り値の調整ができることです。また、RAW撮影やUSB充電、Wi-Fi機能についても全モデルが対応しています。

 

搭載している機能の内容には違いがありますが、機能の豊富さという点ではほぼ互角といっていいでしょう。拡張性に関しては、天面にアクセサリーシューを備えた「PowerShot G5 X」と「GR II」の2台がやや有利です。

 

メニューのUIについては、キヤノンの3台は「EOS」シリーズに、ソニー機は「α」シリーズに、パナソニックの2台はミラーレスカメラの「LUMIX」シリーズにそれぞれ近いデザインを採用しています。一眼レフやミラーレスのサブ機として選ぶ場合は、同じメーカー内であれば取っ付きやすいといえます。リコー「GR II」に関しては独自のUIですが、従来のGRシリーズから受け継がれたものです。

 

次回以降、それぞれの外観や画質などをチェックしていきます。