クレセント錠やシリンダー錠など「錠前」の留め方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(15)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

*蝶番の基本構造についてはコチラをチェック!

*蝶番の基本的な取りつけ方はコチラをチェック!

*ラッチ・掛け金の基本とバリエーションはコチラをチェック!

 

Hardware 05 錠前

住宅などの防犯対策に欠かせない金具。毎日開け閉めする場所なので、ゆるんでいたらすぐに補修・交換を!

 

シリンダー錠。外側から鍵を回すとデッドボルトが飛び出してドアをロックする。内側からの施錠はサムターン式、プッシュ式などがある

 

引き違い窓用の鍵としてよく使われるクレセント錠。右・左側用があるので購入する際は要注意

 

使い勝手を考え、掛け金やチェーンなどには「南京錠」、小物入れの扉には「パッチン錠」といったスタンダードな錠前で十分だが、玄関などの外と内を隔てるドアには防犯性を高めるために必ず強固な錠前をつけるようにしたい。錠前としては一般的な「シリンダー錠」のほかに、ノブと鍵が一体になったものが使われることが多い。なお、引き違いの窓の錠前には、半円盤の突起(受け)にフックを引っかけて施錠する「クレセント錠」が多くの住宅に使われている。空き巣・泥棒に狙われにくくするために、二重ロック式や、ふたつ以上の鍵をつける(ツーロック)のがおすすめだ。

 

クレセント錠の取りつけ例

 

シリンダー錠の取りつけ例

 

その他の錠前

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*掲載データは2014年8月時のものです。

取っ手・レバー・ノブの留め方を徹底解説!/蝶番&金具辞典(13)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をこれまでお届けしてきた。

蝶番以外の金具も種類が豊富で、これらを上手に使いこなせば、建具&家具作りの幅を広げてくれる。今回からは、そんなラッチ、落とし、戸車、ステー…といった建具・家具に使うアイテムを紹介。

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Hardware 04 取っ手・レバー・ノブ

扉や引出しの開け閉めに必要になるのがこの金物。使い勝手や動作をイメージするのがポイント。

 

一般的なタイプのドアノブ。室内用のドアによく見られる。持ち手が円筒状になったものもある

 

取っ手は、戸の形態と開け閉めする際の動作に合わせて選ぶのが大事。手で握るタイプには「取っ手」や「ノブ」などがある。指先を引っかける「手掛け」や「引き手」、さらに指でつまむ動作の「ツマミ」など、種類やデザインはかなり豊富にある。指先を使うタイプの金物は、小さな力で開け閉め可能な扉や引出しに使うようにしたい。取り付け方はノブ以外はじつに単純で、建具の表側と、裏側から留めるタイプの2種類に分けられる。

 

取っ手のバリエーション

 

取っ手(裏ネジ式)の取り付け例

 

回転取っ手の取り付け例

 

ドアノブの取り付け例

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*掲載データは2014年8月時のものです。

平蝶番の使い方がまるわかり!蝶番の取りつけ穴の補修はこうやる!/蝶番&金具辞典(4)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

今回は平蝶番をモデルに、蝶番の取りつけ穴の補修方法を紹介。

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*建具の取りつけ手順はコチラをチェック!

 

Hinge1-4 平蝶番

平蝶番の取りつけ穴の補修例

蝶番自体は頑丈な金属製なので、それ自体が壊れるということはあまりないが、蝶番が固定されている木部の方は、想定外の力が加わったり、長年の使用でもろくなったりして傷んでしまうことがある。きちんと蝶番が固定できないと、他の部分も傷んでくるので、トラブル部分は早目に補修したい。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2014年8月時のものです。

平蝶番の使い方がまるわかり!建具の取りつけ手順を解説/蝶番&金具辞典(3)

蝶番&金具を使いこなせば、作品の幅が広がる! グレードがアップする!

最もベーシックな平蝶番を筆頭に、自由蝶番、フラッシュ蝶番、バネ蝶番…といった、機能性・デザインの異なるさまざまな蝶番の特徴と使い方を解説した、不定期連載企画をお届け。

今回は平蝶番をモデルに、蝶番の基本的な取りつけ方を詳しく紹介。

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Hinge1-3 平蝶番

基本的な建具の取りつけ例(窓編)

 

基本的な建具の取りつけ例(ドア編1)

 

基本的な建具の取りつけ例(ドア編2)

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*掲載データは2014年8月時のものです。

アルミサッシ網戸の網交換はDIYで簡単にできます!/暮らしに生かすDIYメンテナンス(15)

アルミサッシ網戸の交換は業者に依頼すると、都内で1枚1800円からというのが現在の相場。これをDIYでやれば、最初の1枚は専用ローラーなどの工具代も含まれるので1枚1000円程度になるが、2枚目からは網と押さえのゴムの代金だけなので1枚500円程度で交換できる。自分でやればセーブ・マネー。これこそお得で楽しいDIY。

 

<アルミサッシ網戸各部名称>

 

<網戸交換作業の主な手順>

  1. 古い網を押さえている網押さえゴムをはずす
  2. 古い網をはずす
  3. 大きさを合わせて新しい網を枠に置く
  4. 一方の長辺(イラストのA)の網を網押さえゴムで押さえる
  5. 向かいの長辺(イラストのB)の網を網押さえゴムで押さえる
  6. 一方の短辺(イラストのC)の網を網押さえゴムで押さえる
  7. 向かいの短辺(イラストのD)の網を網押さえゴムで押さえる
  8. 周囲にはみ出した網を切り取る

 

アルミサッシ網戸の網は、サッシ枠の溝に専用の網押さえゴムで張られているだけなので、道具をそろえ、基本的な作業手順を覚えてしまえば、誰でもDIYで交換ができる。実際に自分で1回交換を体験して、手加減をつかめば、2回目からは、どんなサイズのアルミサッシの網も交換ができるようになる。

作業の大きな流れは、古い網押さえゴムをはずし、網をはがし、新しい網を張り、新しい網押さえゴムで固定すれば、交換は完了する。作業中の細かいポイントは左ページの写真で説明する。専用の工具は網戸用ローラーで、ホームセンターで300円程度。ほかの工具は下の写真のように、どこの家庭にも常備される一般的なものばかりだ。

古い網をはずすには、網押さえゴムを引っ張り出してはずせば、ぱらりと網ははずれる。このとき網押さえゴムは2分の1周ずつ2本取れるので、同じ長さで新しい網押さえゴムも2本用意する。網をはずした溝は古い歯ブラシなどで掃除しておくとよい。

古い網をはずした開口部に新しい網をかぶせ、あまりピンと張らずに、溝から3~10cm外側で、開口部に沿って網を切り分けておく。

溝の線と網の線を合わせたら、網が3~10cmはみ出すようにして、網を網押さえゴムで押し込むように溝にはめていく。網押さえゴムでの固定はまず両長辺からはじめ、次に残った短辺を押さえていく。まだ網が固定されていない長辺に網押さえゴムをはめるときは、網を押さえてくれる助手がいると作業がはかどるが、いないときには、写真のようなクリップで軽く押さえるとやりやすい。

長辺と短辺のすべての網押さえゴムを固定したら、枠の内側にカッターを当て、枠の立ち上がりに沿って余分な網を切り取れば、できあがり。

 

<使用した道工具>

左上から時計回りに、メジャー、目玉クリップ、歯ブラシ、網戸用ローラー、カッター、ハサミ

 

交換用の網と、網押さえゴムは事前に用意する。網は張ってある状態より、天地、左右が5~10cm以上大きいものを用意する。網押さえゴムには太さの種類があるので、同じ太さのものを手に入れること

 

STEP1 古い網を取りはずす

 

STEP2 新しい網を取り付ける

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*掲載データは2012年6月時のものです。

アジアン風プライベートバーのリフォーム術を公開!/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(4)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File04 和室をアジアン風のプライベートバーに大胆リフォーム

よくバーに通っていて、奥さんとふたりで呑む機会も多いそう。完成後はこのプライベートバーで晩酌を楽しんでいる

 

改装前の状態。左のガラス引き戸がある場所にこのバーカウンターは作られた

 

<DATA>
製作者…Tさん(49歳)
DIY歴…8年
製作費用…約3万円
製作期間…7日間

 

自宅改装計画の一環でまず初めに製作したというTさん宅のバーカウンター。以前住んでいたマンションでは備えつけのカウンターをバーのように演出して使っており、新居でも欲しくなったTさんは、キッチンと和室の境にバーカウンターを設置することにした。

当初は市販のカウンターを置こうと家具店を巡ったが、思ったより高価でサイズも合わない…ということで、以前から使用していた食器棚を土台に自作することを決意。バーカウンター作りで最も時間をかけたのは塗装だったようで、汚れが目立つ食器棚はベージュから白へ塗り替え、天板として使ったヒノキの一枚板は油性のウレタンニスを2度塗りしている。

その後は天井や壁にカーテンを設置し、ウッドカーペットを敷いたりして部屋全体を演出。元は昭和の香りが漂う純和風の部屋だったとは思えないほど、見事、おしゃれなプライベートバーに仕上がった。

 

POINT1 食器棚+銘木一枚板で作るアイデアバーカウンター

バーカウンター裏側。収納スペースはたっぷりある。高さは約1200mm

 

DIYビギナーもすぐにトライできそうな、T邸のアイデアバーカウンター。作り方はまず、通常は重ねて使う食器棚を横並びにしてアングルとフラットバーで接続。食器棚の裏側(カウンターバーの正面)はガーデン用のラティスで目隠しをする。そして、カウンター天板受けとなるL字の金折金具を取りつけ、ホームセンターの銘木コーナーで見つけたヒノキの一枚板を固定すればもう完成だ。

 

ラティスのサイズは900×1800mm。直接ビス留めし、天板と同じ塗料で塗装した。高さの不足分はレンガで埋めている

 

製作中の1枚。ちょうど天板を固定する前の状態

 

天板のサイズは幅1820×奥行250〜350×厚さ35mm。価格は4650円と格安な値段で入手できたそう

 

土台となった食器棚は並べたときに約250mmの段差が生じるため、端材ですき間を埋めてからアングルを併用して天板を取りつけた

 

POINT2 小物や照明を効果的に使いアジアンテイストのバーに演出

天井や壁に設置した長いカーテンもアジアン風の演出で重要な役割を果たしている

 

バーといえば洋酒のボトルをずらーっと大量に並べた光景を思い浮かべるが、カクテル用のリキュールは色が鮮やかでボトルもおしゃれなものが多いため、並べておくだけでも雰囲気は十分に出る。さらにTさんは、家具店や雑貨店で集めたアイテムで周辺を積極的に装飾。一見雑多なようで不思議とアジアンテイストにまとまっている印象だ。また、バーっぽさを高めるために頭上や天板下に照明を追加しているのもポイント。

 

鴨居にはスパイスラックを取りつけ、洋酒のミニボトルなどをディスプレイ

 

イルミネーション用の電球が、足元を照らす

 

バーカウンターの頭上に作った吊り下げ棚。グラスハンガーも設置済み。青いロゴのネオンライトと赤いダウンライト風の光がワイングラスを照らす

 

写真◎佐藤弘樹/製作者提供

*掲載データは2017年12月時のものです。

仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(3)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File03 仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋

ロフトには自作のハシゴをかけて上がる。広さは1階部分のおよそ半分(約3畳)。1階からの高さは2050mmあり、圧迫感もない

 

玄関の障子戸は築100年以上の古民家の解体時に出た頂きもの。デッキの屋根やフェンスには竹を使ってデザインのアクセントに

 

<DATA>
製作者…Wさん(47歳)
DIY歴…5年
製作費用…約30万円
製作期間…約2年

 

地域の消防団仲間と一緒にWさんが建てた囲炉裏小屋。自宅から少し離れた畑の中に建つこの小屋の場所には元々古い納屋があり、当初はただ単に農具を入れるための物置に作り変える予定だったが、みんなでアイデアを出しながら作業を進めていったら、いつの間にか毎週のように仲間が集える飲み場所ができあがってしまった。

これまでWさんはDIYの経験がほとんどなかったため、構造は日本の伝統的な在来工法ではなく、より作りやすい2×4工法を採用。実際に各地にある古民家を訪れては完成イメージを膨らませ、以前のロフト部分以外にもあえて梁を見せるように渡したり、一部は土間にして納屋の解体時に出た古材を壁に張るなどして古民家風に演出した。また、単調なデザインにならないように、外壁はスギ板の鎧張りと漆喰の壁塗り仕上げをミックス。内壁は耐火性を持たせるために石膏ボードを使い、腰壁と漆喰(天井は珪藻土)で仕上げている。内壁・床・天井にはすべて断熱材を入れているので、囲炉裏で火を熾せば冬でも快適に過ごせるそうだ。

 

POINT1 小屋のメインとなる囲炉裏は防火性にこだわる

炉縁はケヤキ材で製作。サイズは内寸700mm角、深さ約200mm

 

約6畳ある室内の床張り部分(約4.5畳)の中央には埋め込みタイプの囲炉裏を設置。床を開口後、コンクリートブロックで立ち上げた土台にレンガを敷き詰め、さらに万全を期してケイカル板を入れてから灰を充填している。さらに換気扇、サッシ窓を多めに設置し、防火・排煙にはとくに注意を払った。

 

天井から吊るしている自在鉤はオークションで入手。木彫りの魚は友人からもらったものを取りつけた

 

POINT2 畳敷きのロフトはマルチに使えてとっても便利

ロフトは梁に下地となる合板を張り、琉球畳を敷き詰めて製作。家族連れの子どもたちの遊び場、飲み過ぎた人の休憩所、さらには漆喰の白い壁をそのままスクリーンに映画を楽しんだりと、当初の構想ではロフト製作する予定はなかったが、さまざまな形で活躍しているようだ。

 

フェンスの一部には竹を使用。窓も多く明るい印象だ

 

POINT3 味のあるアイテムで収納&水回りを作る

シンクはステンレス製の箱の形をした廃材を改造したもので、底に穴をあけ、排水口と排水ホースを取りつけ、木材で枠と脚を組んで製作した。水源はポリタンク。主に手洗い場として使っているので構造はシンプルだ。さらに、解体前の納屋にあったという古い収納箱を食器棚兼食品庫として使用。どちらも見た目にいい味が出ており、古民家風の演出にひと役買っている。

 

木製の古い収納箱。扉がすべてはずれてしまうので、今後改良する予定なのだとか

 

水回り。なお、シンク下にある銀色の箱は古い氷式冷蔵庫。骨董品屋でひと目ぼれして購入したものだが実際に使ったことはまだないそう

 

写真◎清水良太郎/製作者提供

*掲載データは2017年12月時のものです。

廃材を活用したアートなコミュニティバー/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(2)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File02 廃材とセッションして作り上げるジャンクでアートなコミュニティバー

さまざまなところから集まった樹種も用途もバラバラだった廃材。そんな廃材を組み合わせることで生み出す唯一無二のくつろぎ空間

 

<DATA>
製作者…傍嶋飛龍さん(41歳)
DIY歴…6年
製作費用…ほぼタダ!(ビス、金具代のみ)
製作期間…約1年(現在も進化中)

 

芸術家やユニークな活動家が集まる神奈川県の藤野で「廃材エコヴィレッジゆるゆる」を主宰する傍嶋飛龍さん。その名のとおり、敷地内に作られている作品の材料はすべて廃材。メイン棟に作られたこのバーもしかり。味のある古材に囲まれた空間とお酒の相性は抜群。一度テーブルについたら最後、帰りたくなくなってしまう居心地のよさだ。

個人宅ではなく、コミュニティスペースなので酒棚に並ぶのはみな仲間が持ち寄った酒。日本酒、焼酎、ワインにウイスキー…大衆的なお酒から高級酒までバラエティあふれるラインナップが並ぶのはこのバーならでは。カウンターに立てば、見知らぬ人ともすぐに打ち解けるというものだ。またこの場所には水道が引かれていないので、近隣住民から許可を取り、山から流れる川の水を引っ張って給水。調理にはカセットコンロを利用している。

ちなみにパイプスモーカーであり、燻製好きの傍嶋さん。ときにはバーに煙好きな仲間が集まり、材料を持ち寄って煙がけを楽しむ「燻製バー」が開かれることもあるのだとか。年齢や職業、性別の異なる人々が集まるこのコミュニティバーでは、刺激的な出会いがあふれていると傍嶋さんは語る。

美味い酒に、旨いツマミ、落ち着ける空間。グラスを傾けてはもう何杯酒を注いだことだろう。あぁ、今日もまた家に帰れなくなってしまった…。

 

POINT1 自然の水を利用したお手軽タライシンク

大きなタライで作ったミニシンク。水は近くの川からホースで引いているので、基本的には出っぱなし。荒天などで一時的に水が枯れた際は右側のタンクに飲料水を入れて使用する

 

廃材バーの水回りを支えるのがこのタライシンク。水源は近くの川から許可を得てホースで引っ張ってきている。見てのとおり、シンクには大きなタライを利用。中央に排水穴をあけ、じょうごを介して排水ホースへとつなげている。排水は地中にある浄化槽へ向かうのだが、傍嶋さんの場合、使用した食器や調理器具はキッチンペーパーでよく汚れをふき取り、洗剤を使用せずに洗っている。

 

100円ショップで買ったというお米用のじょうごを排水パーツとして使用

 

POINT2 カウンター内部の面白整理術を拝見

バーカウンター内部。室内に壁に沿うように廃材でやぐらを立て、その下部分をキッチンスペースとしている

 

調理道具や食器などが収められたカウンター内部。背面は建物の壁を利用し棚や作業台を製作。バーに必要な雑多な道具類をきれいにまとめている。カウンター裏の調理台にはステンレス板を敷き、その上でコンロなど火器を使用する。音響機器やスピーカー、冷蔵庫などの電化製品もすべて廃材。「冷蔵庫は暑い季節しか稼働させない。普段はただのキャビネット」と傍嶋さん。

 

お皿やグラス、カトラリーは給食用のアルミケースで整理整頓。表面に書かれたクラス番号が懐かしい

 

流木をポールにして、番線を折り曲げたフックで鍋やパンなど吊り下げ収納

 

POINT3 実は材を接いでいるカウンターテーブル

スタンディングスタイルのカウンターテーブル。幅は3400mmで高さは920mm

 

バーカウンターのテーブルには肉厚の板材を使用。一見、長い一枚板を固定しているように見えるが、実は材を接いでいる。接いだ部分の切れ目は見えないよう、銅板でカバーすることで見た目がきれいなうえ、ユニークさもアップ。なおテーブル高さはいろんなレストランやバーを調べ、一番しっくりくる高さに決めたのだとか。

 

実はこのカウンターテーブル、一枚板ではない。長さが若干足りなかったので、他の材で延長し、材の切れ目を銅板でカバー

 

POINT4 耳付きの棚板と煤竹でシェア酒棚をオシャレに

さまざまな酒が並ぶリカーラック。荒々しい耳付き板と煤竹が琥珀色の液体を引き立てる

 

カウンター上部の酒棚には、あえて存在感のある耳付き板をチョイスして、華やかさを演出。こぼれ止めに古民家から出たという煤竹を使っているところもニクい。煤竹と柱の固定には、トタン瓦をサドルバンド形状にカットしたものを使用。

 

酒棚の支柱には流木を使用。自然の造形がバーの雰囲気作りにひと役買っている

 

POINT5 ゆっくりくつろげるテーブル席もあります

廃材バーにはスタンディングスタイルだけではなく、テーブルシートも用意。大きなベンチは廃業したレストランから引き上げたものをそのまま使っているのだとか。薄暗いシートを頭上から照らすのは工事現場用の作業灯。不思議とこの雰囲気にぴったりマッチしている。

これまた味のあるテーブル席。アナログなブラウン管テレビが懐かしい

 

POINT6 カセットコンロにコーヒー焙煎機をドッキング

たまたま手回し式のコーヒーロースターをゲット。この形を見てピンときた傍嶋さん。L字金具でカセットコンロの上にロースターを固定。オリジナルのコーヒー焙煎機に。煎りたてのドリップコーヒーが味わえる…居心地のいいバーの必須アイテムです。

カセットコンロと焙煎機を合体!

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2017年12月時のものです。

古民家を大胆改装!移動式ビールサーバーもある囲炉裏バー/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(1)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File01 古民家を大胆改装!移動式ビールサーバーもある囲炉裏バー

和洋、新古が入り混じり、独特の雰囲気が漂う空間だが、酒好きは総じてそそられるのでは…

 

<DATA>
製作者…中山茂大さん(48歳)
DIY歴…10年
製作費用…約6万円
製作期間…約2週間

 

東京・奥多摩の山中の古民家を購入し、大がかりなリノベーションを成し遂げた中山茂大さん。その模様は2012年に『笑って!古民家再生』(山と渓谷社刊)という本にまとめられたが、その後も中山さんのリノベは続行。ここで紹介する囲炉裏バーも、本の出版後に完成した部分だ。

なお囲炉裏そのものは元々あったので、DIYのハイライトは、キッチンとの間仕切り壁を撤去してカウンターとボトル棚を設置したこと。これにより絶妙なバランスの和洋折衷となり、個人宅はもちろん飲食店でもあまり見かけない独特の雰囲気が生まれた。

視線を落とせば日本酒や焼酎の似合う囲炉裏があって、ふと見上げればダウンライトに照らされた洋酒のボトルがずらりと並んで…酒好きなら思わず混乱してしまいそうなほどに贅沢なシチュエーションだ。

さらに中山さんは移動式のビールサーバーまで自作して、いつでも生ビールが飲める状態に。これでよく真人間でいられるものだ、というのは冗談だが、仲間が集まったときの盛り上がりに拍車がかかるのは必至。ときには大人数が集まることもあるが、各者が嗜好に合わせて楽しめる、懐が深い囲炉裏バーなのだ。

 

POINT1 古民家の囲炉裏を復活させてフル活用

鍋に焼き魚…。暖まりながら味わう囲炉裏料理は最高だ

 

古民家に元々あった囲炉裏は、購入時には掘りごたつに転用されており、中山さんもしばらくそのまま使っていたが、囲炉裏として復活させようと決意。コンクリートで成形された炉箱の表面にガルバリウム平板を折り曲げてかぶせ(ただし、この作業は不要だったのではないかと、中山さんは今では思っているとか)、園芸用の軽石を詰めてかさ上げしてから灰を充填した。灰と、梁から吊るした自在鉤は古道具店で入手したそう。

 

古道具店で購入した自在鉤を吊るしている。価格は4000円だったそう

 

囲炉裏のサイズは内寸750mm角、外寸1000mm角。深さは300mm程度

 

もともとついていた炉縁は、ホゾ組みで接合されている

 

POINT2 間仕切り壁を撤去してボトル棚&カウンターに

棚壁面は、残した柱の間に骨組みを作り、石膏ボードを張って漆喰を塗っている。幅は2430mm、高さは910mm。床からカウンター天板までの高さは390mm、天板の奥行は最大550mm。カウンターの向こうにキッチンが見通せる

 

囲炉裏部屋と隣室のキッチンとの間にあった壁は、柱を残して撤去。新たに上部にボトル棚を作り、下部にはカウンターを設えた。棚板やカウンターには、この家をリノベーションしたときの廃材を使っているため和風な趣もあるが、ダウンライトに照らされた洋酒のボトルや、棚壁面の色粉を混ぜた漆喰の色合いが洋風な雰囲気を醸し出している。

 

カウンターの出っ張り部分は90mm角材で支えている。その角材は柱にボルト留め。また、カウンターは反りを矯正するために角材にボルト留めしている

 

カウンターを照らすように、ボトル棚の底面にダウンライトを仕込んでいる

 

一枚板のように見えるカウンターは、端材を継ぎ接ぎしたもの。継ぎ接ぎ部分のすき間をパテで埋めている

 

棚板の奥行は130mm程度。棚間は360mm。棚は100円ショップで入手した棚受け金具で支えるほか、壁の下地にビスで固定している。こぼれ止め金具はホームセンターで購入

 

ちなみに棚壁面の裏側(キッチン側)にはキャビネットを作りつけている

 

POINT3 移動式ビールサーバーを自作

天板はリノベーションで出た廃材。75mm厚で重厚感がある。手すり用のパイプをつけて移動用の持ち手に。側板は15mm厚のランバーコア板

 

生ビール注ぎ放題!…では決してないけれど、自宅にビールサーバーがあるとそんな気分になりそう

 

古道具店で使い古しのビールディスペンサーをもらったのをきっかけに、中山さんはビールサーバー作りにトライ。ドラフトタワー、炭酸ボンベなど必要なものをそろえ、ディスペンサー内のビールが固着した銅管を湯でクリーニング。さらに室内で自由に動かせるようキャスター付きのボックスを作り、移動式ビールサーバーに仕上げた。

 

ボックスの中にディスペンサー(左)、炭酸ボンベ(右奥)、ビール樽(右手前)が収まり、ホースでつながっている。底板を左右に分け、それぞれスライドレールで引き出せるようにしているのがポイント。ビール樽は10L入りで、中身がなくなったら取り扱う酒店で交換する

 

ディスペンサーが発する熱を逃がすため、背板には有孔板を使用

 

ドラフトタワーは天板裏までボルトを通してナットで固定するタイプ。ネットオークションで2万円ほどで入手。「思いのほか高かった…」と中山さん

 

飲食店用グッズを販売する店で入手したサインボードを張ってムードを高めている

 

扉は15mm厚のランバーコア板にモールディングを張って化粧している

 

POINT4 憧れの生ハム原木とグラスハンガーを導入

生ハムの原木は、台とナイフがセットで販売されていたそう。それにしても贅沢な眺め…

 

グラスハンガーはネット通販で購入

 

せっかく素敵な空間ができたのだから、憧れていたことを実現しようと中山さんが設置したのが、生ハムの原木とグラスハンガー。生ハムは2本目を仕入れるほど気に入っているが、グラスハンガーは「取りつける場所が悪かった。ここだと邪魔。頭をぶつけてグラスを落として割ったこともあります」とのこと。皆さん、グラスハンガーの設置場所はよく検討しましょう。

 

写真◎門馬央典

*掲載データは2017年12月時のものです。

使い方に合わせて取りはずしできる間仕切りを作ってみた/祝・成長!子ども部屋に間仕切りを(3)

「大きくなった子どもに自分の部屋を与えたい」。そんなお父さんたち必見の空間改造術を公開!

 

File03 使い方に合わせて取りはずしできる間仕切り

右側がお兄さん、左側が弟さんの部屋。計7枚の引き戸を製作した

 

 

中学2年生と小学3年生の息子たちのために、2階にある12畳のスペースを間仕切りして6畳×2部屋に個室化。間仕切りは完全な壁にするのではなく、梁にレールを張り、引き戸を取りつけて仕切る方法をとった。引き戸は上吊式を採用。そのため簡単に取りはずしができ、床面はフラットな状態のままなので、個室と開放的な空間を使い分けることができる。家の雰囲気に合うようシンプルに仕上げたデザインは子どもたちも気にいってくれたようで、大満足のリノベーションとなったようだ。

 

引き戸の下端部分。L字形のガイドは床にビス留め。引き戸の溝加工は丸ノコで行なった

 

弟さんの部屋からの眺め。入口引き戸を開け閉めした様子。引き戸は24mm厚のシナランバーコア合板を使い、自然系塗料のクリアオイルを塗装

 

使ったのは上吊式引き戸金具。パイン材(幅70×厚さ10mm)で戸当たりや下地を作り、専用レールを装着した

 

Before

手前側を個室化。中央の柱と梁を敷居として引き戸を取りつけた

 

<Renovation Data>
製作者…Aさん(43歳・生活支援員)
リノベ開始時のDIY歴…12年
家族構成…夫婦、子ども2人
物件形態…戸建て
築年数…7年
施工期間…14日
材料費…14万円

*掲載データは2018年2月時のものです。

幼い兄妹のためにゆるやかに空間を分ける間仕切りを作ってみた/祝・成長!子ども部屋に間仕切りを(2)

「大きくなった子どもに自分の部屋を与えたい」。そんなお父さんたち必見の空間改造術を公開!

 

File02 幼い兄妹のためにゆるやかに空間を分ける間仕切り

上部を吹き抜けにした間仕切り。壁の高さは、Bさん自身が「背伸びをしないと覗けない程度」を目安に決めた。オーク材をさまざまな長さにカットして乱尺張りで仕上げている

 

 

ライフスタイルの変化に応じて間取りを変えられる、間仕切りの少ない家を建てたBさん。2年前、長男が小学生になるのを機に、2階の10畳ほどのスペースに間仕切り壁を立て、部屋を作った。といっても、まだ幼い子どもたちのスペースを完全に仕切りはしない。1面は開放したままで、間仕切り壁の上部は吹き抜けにしてある。間仕切り壁の反対側はもうすぐ、3歳違いの妹さんの部屋になる予定。つながりを感じられる間仕切り壁は、仲のよい兄妹にほどよい安心感と自立感をもたらすだろう。

またBさんは、間仕切り壁により長男の部屋に窓からの光が届きにくくなったと、既存の壁を切り抜いて固定窓を設置。親心によるキメ細かいフォローが効いている。

 

長男の部屋。完全に仕切られてはいないが、すっきり片づいた様子に、自分のスペースとしての愛着を感じる。ベッドの横に増設した固定窓がある

 

間仕切り壁の反対側は、もうすぐ妹さんの部屋になる予定

 

Beforeその1

10畳ほどある2階の1室。以前は多目的に使っていたスペース

 

2×4材でフレームを組む。下辺の材を切り欠いて柱を差し込み、さらにビスで固定。部屋の床にもしっかり固定している

 

フレームの完成。端の柱を梁まで伸ばし、金具を介して固定

 

壁の高さを少し上げることにして、フレームに合板を張っていく。また、笠木として2×6材を取りつけた

 

合板の継ぎ目とビス頭をパテで埋めて平らに仕上げる

 

2.2mm厚のオーク材を両面テープと速乾接着剤で張っていく。最初、水性の木工用接着剤を使ったが、板が反ってしまったため、水性ではない速乾接着剤に変更した

 

Beforeその2

間仕切り壁によって暗くなった部屋に、明かり取りのための固定窓を増設する。まずはマスキングテープを張って窓の位置を確定する。裏側は階段で、壁に窓がついているので、その光を取り込む

 

壁は業者に抜いてもらった(奥さんの希望による。Bさんいわく「当時はまだ自分のDIY経験が浅くて信頼がなかった。今ならまかせてもらえるはず…」)。その後、開口部の四辺のすき間にスギ板をはめ、メッシュテープを張ってパテを塗ってから漆喰塗り。さらにアクリル板を固定する枠を取りつけた

 

枠にぴたりとあてたアクリル板を挟むように、手前側にも枠を取りつけて固定する

 

<Renovation Data>
製作者…Bさん(35歳・医療系専門職)
リノベ開始時のDIY歴…3年
家族構成…夫婦、子ども2人
物件形態…戸建て
築年数…3年
施工期間…約1カ月
材料費…約6万円

*掲載データは2018年2月時のものです。

吊りベッドに大型クローゼット!姉妹の要望に応えた間仕切りを作ってみた/祝・成長!子ども部屋に間仕切りを(1)

「大きくなった子どもに自分の部屋を与えたい」。そんなお父さんたち必見の空間改造術を公開!

 

File01 吊りベッドに大型クローゼット!姉妹の要望に応えた間仕切り

RoomAは長女(19歳)の部屋。仕切り壁の前にベッドとデスクを組み合わせたスタイル

 

RoomAはベッド下を利用してデスク付きの学習スペースに。頭上のベッド裏にはLEDライトとスピーカーを仕込んだ。壁には漆喰「うま~くヌレール」を塗装

 

ベッドはロフトわきを走る梁に吊り下げるようにして固定。強度を出すためにシンプソン金具を使用

 

ベッド横の壁に作った小さなニッチ。目覚まし時計を置くスペースにぴったり

 

自宅新築の際、子ども部屋を分割できるよう、最初から壁に補強下地を入れていたというNさん。それから13年、次女が高校生になるタイミングで間仕切りプロジェクトがスタート。

仕切り壁自体の製作は簡単。小屋の壁のように2×4材で壁パネルを作り、部屋の真ん中に固定すればいい。Nさんが面白いのはその壁を利用して、それぞれの部屋の設えまで作ったところ。デスクやニッチに加え、長女の部屋には上部から吊り下げるベッド、次女の部屋にはクローゼットと仕切った空間をうまく活用している。

また音響用スピーカーや色の変わるLEDライトなど、年ごろの女の子が喜びそうなアクセサリーをうまく組み込んでいるのはお見事。こりゃ娘さんたちも喜んじゃいますよね。

 

 

RoomBは次女(17歳)の部屋。仕切り壁を利用し、幅1800、高さ2000mmという大容量のクローゼットを据えつけた

 

RoomBは仕切り壁の前に大きなクローゼットを製作。集成材などで内側の棚を組み、既製品の折れ戸を取りつけることで仕上げている

 

クローゼット側面と学習机をつなぐコーナーには、合板を使いアールをつけることで空間に柔らかさをプラス

 

仕切り壁とロフト床面の間を利用し、頭上にLEDライトとスピーカーを仕込んだ1×4材を固定。ライトはリモコンで色を変更可能。気分に合わせて部屋の雰囲気を変えられる

 

デスクわきのニッチにスマホ置き場を製作。ニッチにはケーブルを引き込んであり、頭上のスピーカーに接続でき、いつでも好きな音楽をかけることができる

 

Before

2×4材で仕切り壁のフレームを作り、壁に固定。RoomAの梁にはベッドを吊り下げるための角材も固定

 

壁パネルに石膏ボードを固定する。こちらはRoomB。デスク天板やクローゼットの棚板など、壁上から固定したいものに合わせて、パネルの内側に横桟を入れておくのがポイント

 

RoomB。仕切り壁ができたら、その上からクローゼットや棚、ニッチを作っていくというわけ

 

<Renovation Data>
製作者…Nさん(46歳・機械メーカー営業)
リノベ開始時のDIY歴…13年
家族構成…夫婦、子ども2人
物件形態…戸建て
築年数…13年
施工期間…約3カ月
材料費…約12万円

写真◎谷瀬 弘、製作者提供

*掲載データは2018年2月時のものです。

解体するための道具の種類と使い方・後編/超実践的DIY道具ラボ(21)

住宅用家屋の解体というと急に敷居が高くなってしまうが、今回はDIYで作った小屋や物置、模様替えのための室内などをターゲットに、道具とその使い方、解体手順を紹介しよう。

作業服選び&解体の3大道具などを解説した前編はコチラ

 

解体作業で持っていると便利な道具

在来工法であれ、2×4工法であれ、解体には前編で紹介した「チェンソー」「はつり機」「バール」の3アイテムがあれば、大体の工程をクリアできる。だが、廃材をリサイクルしたいからていねいに解体したい、古民家によくあるホゾ組みを生かしたままにしたい、高所での解体作業をより安全に行ないたいという場合には、以下の道具が役立つので覚えておくといい。

 

<プライヤー>

ネジ頭の溝がつぶれたり、途中で折れたビスを無理やりこじり取るときに便利

 

<インテリアバール>

片手で扱いやすいサイズ(250mm程度が多い)のバール。へら部分が広いので、すき間をこじってはがす作業で活躍する。反対側はクギ抜きとしても使える

 

<インパクトドライバー>

木材からビスをはずすときに使う。錆びついていたりビス頭の溝が埋まっていてはずせないときは、ビットをネジはずし専用のものに替えるといい

 

<ハツリハンマー>

クサビ状のヘッドが特徴的な解体用ハンマー。ホゾ組みの柱をはずす際に衝撃を与えたり、ブロックやモルタルをはつる(壊したりはがしたりする)作業に使用する。重さは450g、700gが一般的

 

<折り込みノコギリ>

折りたたみ式ノコギリ。刃の長さは150mm程度が扱いやすい。持ち運びしやすく、細かな切断が必要な場面に使用する

 

<脚立>

天井など高い箇所の解体時に活躍する。足場板が広いモデルなどバリエーションが豊富。一番上に乗ってぎりぎり届くのではなく、中段ぐらいでも安全に作業できるサイズを選びたい

 

<ガラ袋>

解体で出た廃材を分別して廃棄するのに便利なポリプロピレン製の袋。サイズは600×900mm規格

 

小型重機ミニユンボをレンタルして使う

廃材を再利用するためにきれいに解体する必要がない、周囲に十分なスペースがあるということであれば、小型重機を解体作業に使う手も。1トン未満のミニユンボでも物置ぐらいなら簡単に壊すことができ、基礎の撤去から整地まで、短時間で作業することができる。こうした重機は自動車と同じで、私有地で私用に使う限り免許が不要。しかし、レンタル業者から借りる場合は、技能講習修了書の提示を求められる。購入して独学で操作方法を学んでもいいが、確実な操作と安全のためにも、建設機械メーカーなどが主催する専門の教習所で講習修了証を取得しておくのが得策だ。

3トン未満の小型重機なら扱うのもそれほど難しくはない。講習修了証は1~2万円程度で取得できる

 

解体作業の基本手順を知る

ここでは建築申請のいらないDIY小屋や物置を例に基本的な解体手順を紹介。解体といっても、やみくもに壊しては現場がグチャグチャになって整理がつかなくなる。基本的には組み立て時の手順と逆に進めていけばいい。なお、外装材解体(STEP4)と、屋根の解体(STEP5)の順番はどちらを先に行なってもいいので、天候や作業のしやすさに応じて決めよう。また、各工程を終えるごとに、各廃材は分別して整理しておくと片付けがラクになり、作業スペースも確保しやすくなる。

 

STEP1 現場の準備
住宅街なら近所に粉じんが飛び散らないか、ほこりが舞わないか確認。必要なら建物周囲に足場を立て、養生シートを張ろう。解体中に粉じん、ほこりが多く出そうならホースで散水してくれる助手も用意したい

 

STEP2 建具を取りはずす
室内の家具類はすべて運び出し、窓やドアなどを取りはずす。ていねいに作られた建具は、エイジングされたアンティーク風の作品として再利用できるし、金具類も状態がよければ、保管して次の製作に利用することができるので、細かくチェックしながら解体したい

 

STEP3 内装材を解体する
壁紙、壁板、床板、断熱材などを解体。天井から床(上から下)の順に作業を進める。はがす作業が多いので使う工具はバールがメイン。上下水道、電気、ガスを引いている場合は業者に撤去を依頼するのが確実だ

 

STEP4 外装材を解体する
外壁、窓枠、ドア枠などをはがしてしまう。部材に合わせて各種電動工具を使うとはかどる。解体した廃材からビスや金具を取りはずし、材質ごとに分別してガラ袋に収まる長さ(900mm程度)に切断してまとめておく

 

STEP5 屋根材や屋根下地を解体する
アスファルトシングルやスレートなどの屋根材をはがし、屋根下地も解体していく。高所での作業となるので、転落防止の安全対策には十分な注意が必要だ。可能なら、解体した廃材は取りあえず地面に落としてしまい、後で整理すればいい

 

STEP6 構造材を解体する
チェンソーを使って解体する。途中で崩れないように解体する部位、順番に注意し、バランスよく進めていく。基本は上から解体していくが、必要であれば突っかい棒をかますなど安全策をとる。長い材は解体したら運びやすい長さ(ガラ袋に入るサイズ)にカットしておこう

 

STEP7 基礎石を撤去して整地する
モルタルなどで固定した場合はハツリ機を使うとスムーズに粉砕、解体できる。現場に残った細かな屑を掃除し、地面を平らに均して整地する。なお、一連の作業で発生した大量の廃材は、たとえ木材でも焚き火で処分することは多くの自治体で規制されているので、近くのごみ処理場や環境センターに持ち込んだり、産廃業者に頼んで処分してもらおう

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2017年10月時のものです。

解体するための道具の種類と使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ(20)

住宅用家屋の解体というと急に敷居が高くなってしまうが、今回はDIYで作った小屋や物置、模様替えのための室内などをターゲットに、道具とその使い方、解体手順を紹介しよう。

 

作業服は動きやすくてケガを防ぐウエアで決める

解体作業中は材が頭に落ちてくる、床を踏み抜く、すき間に手をはさむといった予期しないアクシデントに見舞われることがある。そんなトラブルを安全にやり過ごせるようなウエアを身に着けることが大事。今回のテーマになっているDIY小屋や物置の解体では、それほど大げさなウエアは必要ないが、それでもこれらのポイントを押さえておくことで、快適に作業することができる。

 

 

とび職が愛用するニッカポッカも、作業服としてのズボンにおすすめ。太ももの上げ下げ、ひざの屈伸が快適だそう

 

粉じんやほこりから身を守るには、とにかく皮膚を露出しないようにし、汚れても気にならない服を着用する。コットン生地のTシャツは、汗をかくと粉じんや小さな木端がくっついて身体がかゆくなることがある。ジーパンは丈夫でいいが、汗をかくとひざが上がりにくくなって動きにくい。暑い季節でも半袖、短パンはケガのもととなるので避けておきたい。寒い時期には、少し大きめのつなぎを重ね着してもいい。また、服装以外の小物装備にもこだわろう。

 

<ヘルメット>

頭をぶつける可能性、物が落ちてくる可能性のある場所、屋根上などの高所では必須となる装備

 

<防護メガネ>

切断、はつり、引きはがしなどの作業では、くずが飛び散るので目の防護が大切。視野が広くとれるものを着用したい

 

<手ぬぐい>

汗をふくためというよりも、首に巻いて粉じんが衣服の中に入らないために着用する

 

<防塵マスク>

粉じん、ほこりが出る工程では必需品。呼吸がしやすく、顔にフィットし、しっかり防塵できるタイプを選びたい

 

<グローブ>

軍手でもいいが、写真のような作業用グローブのほうが性能がいいのでおすすめ。バリエーションも豊富

 

<安全靴>

つま先はもちろん、クギの踏み抜きから足裏を保護してくれるモデルをセレクトする

 

解体作業で使う3大道具

実際の木造住宅の解体作業を見ても、メインとなる道具は案外とシンプルだ。壁材や屋根材をはがすバール、柱など構造材を切るためのチェンソー、基礎を砕いて解体するためのはつり機の3アイテムが主に使われる。なお、構造材の切断に丸ノコは使わないようにしよう(解体後の木材カットなどには使ってもいい)。丸ノコは下に置いた材を上から切るものなので作業が進めづらく、横向きや上向きにして使うのは危険。構造材の解体には、いろいろな方向から切ることができるチェンソーのほうが適している。

 

<チェンソー>

柱材など構造部分の解体に使う。住宅街なら音の静かな電動チェンソーのほうがおすすめ。大排気量のエンジンチェンソーと比べるとパワーは劣るが、十分使うことができる

 

<はつり機>

ハンマードリルや電動ハンマーとも呼ばれている小型の削岩機。コンクリートにこびりついたモルタルなども比較的簡単にかき落とすことができ、コンクリートブロック、レンガを粉砕したいときにも使える

 

<バール>

長いバール(900mm程度が使いやすい)はテコの原理で、はがす、こじる、持ち上げるといった使い方をする。多少荒っぽい作業となる解体現場で活躍

 

小回りの利くレシプロソーで作業スピードアップ!

構造材に2×4材や垂木など、比較的薄い材を多く使っている場合は、レシプロソー(またはセイバーソー)と呼ばれる小型の電動ノコギリが便利。チェンソーでは作業がしづらい場所で手ノコを使うよりもすばやく解体できる。ブレードを交換すれば金属系の素材も切断できるので、1台あると非常に心強い。

チェンソーとは違って片手で操作でき、写真のような隅っこや狭い場所でも安全に使える

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2017年10月時のものです。

解体するための道具の種類と使い方・前編/超実践的DIY道具ラボ(20)

住宅用家屋の解体というと急に敷居が高くなってしまうが、今回はDIYで作った小屋や物置、模様替えのための室内などをターゲットに、道具とその使い方、解体手順を紹介しよう。

 

作業服は動きやすくてケガを防ぐウエアで決める

解体作業中は材が頭に落ちてくる、床を踏み抜く、すき間に手をはさむといった予期しないアクシデントに見舞われることがある。そんなトラブルを安全にやり過ごせるようなウエアを身に着けることが大事。今回のテーマになっているDIY小屋や物置の解体では、それほど大げさなウエアは必要ないが、それでもこれらのポイントを押さえておくことで、快適に作業することができる。

 

 

とび職が愛用するニッカポッカも、作業服としてのズボンにおすすめ。太ももの上げ下げ、ひざの屈伸が快適だそう

 

粉じんやほこりから身を守るには、とにかく皮膚を露出しないようにし、汚れても気にならない服を着用する。コットン生地のTシャツは、汗をかくと粉じんや小さな木端がくっついて身体がかゆくなることがある。ジーパンは丈夫でいいが、汗をかくとひざが上がりにくくなって動きにくい。暑い季節でも半袖、短パンはケガのもととなるので避けておきたい。寒い時期には、少し大きめのつなぎを重ね着してもいい。また、服装以外の小物装備にもこだわろう。

 

<ヘルメット>

頭をぶつける可能性、物が落ちてくる可能性のある場所、屋根上などの高所では必須となる装備

 

<防護メガネ>

切断、はつり、引きはがしなどの作業では、くずが飛び散るので目の防護が大切。視野が広くとれるものを着用したい

 

<手ぬぐい>

汗をふくためというよりも、首に巻いて粉じんが衣服の中に入らないために着用する

 

<防塵マスク>

粉じん、ほこりが出る工程では必需品。呼吸がしやすく、顔にフィットし、しっかり防塵できるタイプを選びたい

 

<グローブ>

軍手でもいいが、写真のような作業用グローブのほうが性能がいいのでおすすめ。バリエーションも豊富

 

<安全靴>

つま先はもちろん、クギの踏み抜きから足裏を保護してくれるモデルをセレクトする

 

解体作業で使う3大道具

実際の木造住宅の解体作業を見ても、メインとなる道具は案外とシンプルだ。壁材や屋根材をはがすバール、柱など構造材を切るためのチェンソー、基礎を砕いて解体するためのはつり機の3アイテムが主に使われる。なお、構造材の切断に丸ノコは使わないようにしよう(解体後の木材カットなどには使ってもいい)。丸ノコは下に置いた材を上から切るものなので作業が進めづらく、横向きや上向きにして使うのは危険。構造材の解体には、いろいろな方向から切ることができるチェンソーのほうが適している。

 

<チェンソー>

柱材など構造部分の解体に使う。住宅街なら音の静かな電動チェンソーのほうがおすすめ。大排気量のエンジンチェンソーと比べるとパワーは劣るが、十分使うことができる

 

<はつり機>

ハンマードリルや電動ハンマーとも呼ばれている小型の削岩機。コンクリートにこびりついたモルタルなども比較的簡単にかき落とすことができ、コンクリートブロック、レンガを粉砕したいときにも使える

 

<バール>

長いバール(900mm程度が使いやすい)はテコの原理で、はがす、こじる、持ち上げるといった使い方をする。多少荒っぽい作業となる解体現場で活躍

 

小回りの利くレシプロソーで作業スピードアップ!

構造材に2×4材や垂木など、比較的薄い材を多く使っている場合は、レシプロソー(またはセイバーソー)と呼ばれる小型の電動ノコギリが便利。チェンソーでは作業がしづらい場所で手ノコを使うよりもすばやく解体できる。ブレードを交換すれば金属系の素材も切断できるので、1台あると非常に心強い。

チェンソーとは違って片手で操作でき、写真のような隅っこや狭い場所でも安全に使える

イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2017年10月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/漆喰を塗る!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

*Pettern2「壁を抜く!」はコチラ

*Pettern3「畳をフローリングに張り替える!」はコチラ

*Pettern4「壁紙を張る!」はコチラ

 

Pettern5 漆喰を塗る!

漆喰の持つ柔らかでナチュラルなテイストは、部屋の居心地を格段にアップさせる。難しそうに見える壁塗りは、実は遊び感覚満載のDIYターゲット。気がつけば、左官作業の面白さに手が止まらなくなるはずだ。

Before

 

After

 

<使用材料>
うま~くヌレール(仕上げ用/オレンジ)

<使用道具>
コテ、コテ板、角コテ、ビニール手袋、マスカー、マスキングテープ、ファイバーテープ、ヘラ、スポンジなど

 

Point1 DIYでは下練り不要の漆喰がおすすめ

今回の撮影で使用したのは「うま~くヌレール(仕上げ用)」。面倒な下練りの必要がなく、フタをあけたらすぐに塗れるので、ほんとに簡単!ビニールクロスや砂壁などの古壁、プラスターボードの上から、直接塗れる漆喰だ。

 

Point2 壁の素材に合わせて下塗り用の漆喰を

合板やモルタル壁、タイルなど、そのまま漆喰が塗れない壁は、下塗り用のうま~くヌレールを使えばOK。これを塗れば、シーラーやラスシートなど面倒な処理なしで、室内外の壁塗りを楽しむことができるのだ!

モルタル壁に下塗り用のうま~くヌレールを塗っている様子。下塗りの翌日以降に仕上げ用の漆喰塗りに取りかかろう

 

Point3 プラスターボードの継ぎ目処理

プラスターボードの壁に漆喰を塗る場合、ボードの継ぎ目に漆喰をそのまま塗ると、乾燥後にひび割れしてしまう。継ぎ目には、ファイバーテープを使った下地処理を必ず施しておこう。

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

<作業手順>

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簡単で個性的な仕上げパターンBest3

下地処理をした壁に仕上げの漆喰を塗っていこう。ここではビギナーでも楽しめる、コテを使わないパターンを紹介!

パターンをつける際は、コテで二度塗りをしながら進めていこう

 

超簡単で味がでる!ビニール手袋仕上げ

 

台所用品が大活躍スポンジ仕上げ

 

水平な線が美しいクシ引き仕上げ

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*掲載データ2014年8月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/壁紙を張る!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

*Pettern2「壁を抜く!」はコチラ

*Pettern3「畳をフローリングに張り替える!」はコチラ

 

Pettern4 壁紙を張る!

施工が簡単で、効果は絶大。モダンで落ち着いた部屋から、ポップでカラフルな部屋まで、空間のイメージをガラッと変えたいなら、壁紙を張ってみよう。用意する道具は、のりとハケとカッターでOK。この快感、ぜひ味わってください。

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…間口3.5×高さ2.3m
作業人数…1人
所要時間…約2時間
材料費…約2万円(壁紙2ロール、専用のり)

 

<使用道具>
バケツ(ローラーバケ用トレイ)、ローラーバケ、ハケ、撫でバケ、竹ベラ、地ベラ、カッター、ジョイントローラー、スポンジ、メジャーなど

 

Point 使用する道具と材料はシンプル!

壁紙張りに電動工具は一切必要なし。写真のとおり、専用のりと数種類のハケ、カッターがあれば、誰でも気軽に始めることができる。ハケをはじめ、ヘラなどは手持ちの道具を代用してもいいだろう。なお、これら道具は壁紙を販売するウェブショップなどで、セットになって販売されていることが多い。そこで一気にそろえてもいい。

今回の施工に使用した道具類と一部材料。左上から時計回りに、バケツ、撫でバケ、地ベラ、ローラーバケ、カッター、ハケ、ジョイントローラー、竹ベラ、フリース壁紙専用の粉のり

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データ2014年8月時のものです。

賃貸物件にも導入可能!国産スギの木材をフル活用して、部屋の一角にワークスペースを作る!

編集長の身に年一ペースでやってくる腰痛による寝たきりの日が再び訪れるのを阻止すべく、編集部メンバーが立ち上がった!

 

After

 

Before。これがドゥーパ!140号で編集長が製作したスタンディングデスク。天板の高さは、編集長の身長180cm+スリッパを履きながら立つことを想定して106cmに設定してある

 

最近、とある事情で編集部2階の和室をリノベーションした。床は畳からフローリングに、障子や襖はリメイク、壁は漆喰塗り……と、なかなかに大規模な作業となったため、リノベ開始前に本誌140号の同企画で編集長・設楽が導入した、腰痛持ちの同士に捧げるスタンディングデスクは撤去されてしまった(前述写真参照)。

リノベは昨年秋ごろから始め、今年の1月半ばに作業は完了。その期間、本誌編集長はデスクワークで半日ぐらい座りっぱなしという日も何度かあったはずだ。これではまた腰がいつ爆発(ギックリ腰)してもおかしくない。一刻も早くスタンディングデスクを復活させなくては。

 

ホームセンターでおなじみ加工しやすいスギ無垢材!
中国木材の建材でお手軽リノベ

<カフェ板>

木端(板の側面)の「目隠し加工」が特徴。三角形の凸部と凹部を重ねていくことで簡単にすき間なく材を並べることができる。サイズは30×200×2000mm。参考価格1400円

 

<リノベ柱>

カフェ板がぴったりはまる溝を設けた、2×4サイズの柱材。サイズは38×89×3000mm。溝は幅31×深さ18mm。参考価格1200円

 

<ムクボード>

国産スギ材をはぎ合わせた板材。サイズは24×910×1820mm。参考価格5000円

 

●問い合わせ…中国木材
TEL:0120・707・141

 

<木取り表>*リノベ柱2本、カフェ板5枚、ムクボード1枚使用

材の種類 長さ(単位はmm) 数量 使用部位
カフェ板 1000 7
600 2
580 1 棚板
リノベ柱 2355 2
ムクボード 600×1200 1 天板
垂木材(30×45mm) 435 2 脚(下横)・天板受け
985 2 脚(縦)
515 1 脚(上横)

<その他の材料>
ラブリコ2×4アジャスターアイアン×2セット、棚受け金具150mm×2個、ビス55mm、オールドウッドワックス(スモークグレー)、キシラデコールインテリアファイン(カスタニ)

<主な使用道具>
丸ノコ、ジグソー、インパクトドライバー(プラスビット1番/2番)、プラスドライバー、カナヅチ、角度定規、メジャー、鉛筆、ハケ、スポンジ、マスカー

材料費…約1万6000円(塗料は除く)

 

製作ダイジェスト

*すべての部材を木取りしたら、あらかじめ塗装しておくこと

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

POINT
柱の溝に壁材がうまく入らないときは、壁材の角をサンドペーパーで削ったり、カナヅチで叩いてへこませる(木殺し)とはまりやすくなる

 

というわけで製作したのがこのミニワークスペースだ。せっかくなので今回は中国木材の建材を使い、以前よりもちょっとグレードアップさせてみた。

作り方は、リノベ柱と突っ張り金具で柱を立て、カフェ板で仕切り壁を作り、ムクボードの天板を角材で作った脚と受けに固定するだけ。作業は丸一日あれば完成できるはず。壁や床にビス留めはしていないので賃貸物件でもOKだ。リモートワークで集中するための空間としてはもちろん、ちょっとしたDIYの作業場として使うのもおすすめですよ!

DIYで家を遊ぶ「セルフリノベの強化書」特集!『ドゥーパ!』2022年4月号(147号)発売

日本で唯一のDIY雑誌の最新号「ドゥーパ!2022年4月号」(発行:株式会社キャンプ)が3月8日に発売!

 

第1特集 DIYで家を遊ぶ -セルフリノベの強化書-

リノベーションの常識にとらわれない、遊び心あふれたセルフリノベが大集合! 昭和民家改装したモダンハウス、廃工場を改装したガレージハウス、自然エネルギーを活用した自給する家、クライミングウォールがある型破りな平屋……DIYだからこそ実現できる個性豊かな空間作りの実践術とその魅力的な暮らしぶりを解剖する。

 

 

風景を作るリノベーション・KITORIの空間創造術にズームアップ!

リノベーションは暮らしを便利にするという実利だけでなく、暮らしを楽しくさせる創造的なもの作りである。本企画では「物語を感じる空間」をテーマに、クリエイティブなリノベーションを手掛けるKITORI・山上一郎さんをフューチャー。作例はもちろん、そのデザインや発想の思考法、資材の入手方法や施工方法までを徹底取材。

 

第2特集 捨てない暮らしの作り方 ~循環するもの作りの場を訪ねて~

物をただ捨ててしまうのではなく、循環させることにより、よりよい暮らし・生き方を実践する動きが日本各地で起こり始めた。それは単なるもの作りや建築だけに留まらず、コミュニティをもビルドする。本特集ではそんな静かな生活革命を実践する人々とその暮らしぶりを紹介。物や人を循環させる「循環工場」、自然と寄り添うパーマカルチャーヴィレッジ、廃材を使った建築・家具工房という3つのスポットから、アップサイクルな暮らしの作り方を学ぶ。

 

バラエティあふれる連載にも注目!

車中泊や旅を楽しむための軽バンカスタム、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイなど読み物も充実。こちらもぜひお楽しみください!

 

<商品概要>
ドゥーパ!2022年4月号(No.147)
著者: ドゥーパ!編集部
定価: 1,100円(税込)
発売日: 2022年3月8日
判型: A4変形

 

<本書のご購入はコチラ!>

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楽天市場

 

リノベーション・パターンBest5完全攻略/畳をフローリングに張り替える!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

*Pettern2「壁を抜く!」はコチラ

 

Pettern3 畳をフローリングに張り替える!

畳をフローリングに変えれば、イメージチェンジ効果は絶大。お気に入りのフローリング材を張れば、部屋にいるだけで気分が盛り上がるだろう。作業はいたってシンプル。コツコツと繰り返し、ウッディな床を手に入れよう。

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…8畳
作業人数…2人
所要時間…約8時間
材料費…約7万7000円(フローリング材=約5万2000円)

 

<使用道具>
充電式集じん丸ノコ、インパクトドライバー、カナヅチ、クギシメ、カッター、定規(アルミアングルで代用)、メジャー

 

Point1 畳(廃棄物)の処分方法を決めておこう

撤去した畳、再利用の方法があればベストだが、そうもいかず置き場に困るという場合は、あらかじめ処分方法を決めておきたい。まずは施工場所の市町村に問い合わせること。適切な方法を指示してくれるはずだ。ちなみに今回の施工場所、埼玉県日高市では、近辺の産業廃棄物処分業者を数件紹介された。各業者に問い合わせたところ、畳の引き取りが可能か否か、こちらからの持ち込みが可能か否かなど、業者によって違いがあり、畳を引き取る業者では、畳1枚の処分代は2000~2500円が相場だった(その他に運搬費が必要な場合あり)。

 

Point2 根太や合板の厚さの決め方

畳(Before)とフローリング(After)の高さは、同じに仕上げるのが無難。高さを変えてもいいが、その場合、ドアが床に当たったり、気になる段差ができたりして、余計な手間がかかることも。同じ高さにするなら、「畳の厚さ」=「根太+合板+フローリング材の厚さ」ということになる。今回、各材の厚さは下図のとおりとした(できれば合板は12mmが理想だが…)。

 

Point3 フローリング材もビス留めで時間短縮!?

フローリング材の固定には、サネを組み合わせるときに邪魔にならないよう、頭の小さいフロアクギを使うのが定説だが、それなりの作業時間を要する。そこで、せっかちな編集部員がビス留めを試してみたところ、雄ザネを割らないよう一定の角度とスピードでビスを打ち込めば、問題ないことが判明(35mmスリムビス使用)。これにより作業時間の短縮が実現できた。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データ2014年8月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/壁を抜く!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

*Pettern1「天井を抜く!」はコチラ

 

Pattern2 壁を抜く!

部屋の仕切り壁を抜いて、広々とした空間を創出するのは、リノベーションの定番パターン。石膏ボードなど両面の壁材を取りはずし、下地の間柱を撤去するというのが、基本的な作業手順だ。施工後はがらりと景色が変わり、大いなる達成感を得られるに違いない。

Before

 

After

 

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…間口1.8×高さ2.3m
作業人数…2人
所要時間…約4時間
材料費…0円

 

<使用道具>
ドライバードリル(ドライバービット、15mm径ドリルビット)、引き回しノコ、インテリアバール、バール、カナヅチ、クギ抜き、金切りノコ、ブルーシート、養生テープ、脚立

 

Point 構造材の撤去はタブー

基本的に、間柱とは壁の下地として立っている細い材のことで、壁を撤去するなら、一緒に撤去しても問題ない。ただし、通し柱や管柱、スジカイといった構造材を撤去するのは絶対にダメ。撤去したいものが構造材かどうか見極める自信がない場合は、大工さんや建築士など専門家に相談したほうがいいだろう。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データ2014年8月時のものです。

リノベーション・パターンBest5完全攻略/天井を抜く!

代表的な5つのリノベーション・パターンに編集部員がチャレンジ。で、作業後の率直な感想は「どれも特別な技術は必要なし! やる気さえあれば十分にDIYでできる!」。この5つのパターンを組み合わせれば、かなり大幅なリノベーションが可能なはず。やってみよう!

 

Pattern1 天井を抜く!

天井を抜けば、頭上の開放感が大幅にアップ。構造材むき出しのラフな雰囲気が味わい深い。作業上の注意点といえば、電気配線を傷つけないようにすることくらい。使う道具も限られ、ペースをつかめばガンガン作業が進んでいくはずだ。

Before

 

After

 

<Renovation Data>
広さ…3畳
作業人数…2人
所要時間…約3時間
材料費…0円

 

<使用道具>
ドライバードリル(15mm径ドリルビット)、引き回しノコ、インテリアバール、カナヅチ、クギ抜き、ブルーシート、養生テープ、脚立

 

Point1 頭と顔をしっかり保護!

上を向いて天井を解体していると、常に細かい粉じんが降ってくるし、予期せぬものが落下してくることも考えられる。必ず、頭、目、鼻、口をしっかりと保護して作業に臨むこと!

 

Point2 石膏ボードの撤去に大事な道具はこのふたつ!

石膏ボードを撤去する際の切断作業には、ドリル穴に差し込めて、曲線切りもしやすい引き回しノコがあると便利。また、石膏ボードを引きはがすには幅広のインテリアバールが使いやすい。クギ抜き一体型なら言うことなしだ。

引き回しノコ

 

クギ抜き一体型のインテリアバール

 

Point3 断熱材はきれいに取り外したい

天井を撤去することで、室内の断熱性、防音性が低下することは避けられない。それでも、改めて屋根下地に断熱材を張り直せば、低下を軽減することができるだろう。その場合、天井裏の断熱材をきれいに取り外しておけば、再利用しやすい。ちなみに今回の現場では、断熱材は野縁にタッカーで留められていた。

 

<作業手順>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

*掲載データ2014年8月時のものです。

壁をぶち抜いてキッチンとリビングをつなげたらとっても快適だった!/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File9「取り壊す」編 M邸のDIY壁リノベーション

壁を抜いて開放的な空間になったキッチン&リビング。アーチも印象的だ。天井は白い水性塗料で塗り、壁は漆喰で仕上げた

 

古民家好きのMさん。住まいは当然古民家だ。しかし、現在住む古民家は以前から退去することが決まっており、3年ほど前に引っ越し先を探し、出合ったのが目下リノベーション中のこの家。

築63年の古民家で、「4年後(探した当時)に住む家」と目標を掲げ、MさんがほぼひとりでDIYしている。

60年以上前に建てられただけに、間取りも古い。キッチンとリビングが壁で仕切られていて、部屋が狭く感じるし、また暗かった。開放的な空間にするため、思い切って壁をぶち抜くことにした。

壁はハンマーやバールを使って破壊。柱に接合されていた胴縁はノコギリで切り、壁上部にあった鴨居と欄間も撤去した。その後、鴨居と欄間があった部分にアーチを製作。アーチ形に切った合板を、回り縁と柱に取り付け、それに漆喰を塗って仕上げた。和風の部屋が見事洋風建築風の空間に変身!

 

アーチの型枠と柱、床と柱の境目はモールディングで隠した

 

<DATA>
Mさん(40歳)/DIY歴…12年
製作期間…3年(実働3カ月)
製作費用…約30万円(ほかの部屋も含む)
住宅形態…戸建て(築63年)

 

製作ダイジェスト

使用した主な道具…ハンマー、バール、ノコギリ、インパクトドライバー、丸ノコ、ジグソー、サンダー、充電式タッカー、クギ打ち機、カッター、ボードヤスリ、メジャー、コテ、コテ板

 

<壁を壊す>

 

<アーチ作り&壁面の仕上げ>

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

*掲載データは2015年10月時のものです。

書斎コーナーの仕切り壁&現状回復OKなテレビ固定用の壁の作り方/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File9「作る」編 K邸のDIY壁リノベーション

キャットウォークを兼ねた書斎コーナーの仕切り壁。手前右の壁に固定されたオレンジの板は猫の踏み板。カーペットでくつろぐ愛猫も書斎の壁を愛用している

 

10年ほど前、ほぼひとりで自宅マンションの大規模なDIYリノベーションを行なったKさん。その一環で製作したのがこの書斎コーナー。コの字形に立てた壁はキャットウォークも兼ねており、壁上は猫が不自由なく歩けるすき間を確保している。壁が天井まで密着しておらず、開放感ある見た目だが、中に入るとほぼ個室。存分に集中力を発揮できるとか。

 

リフォーム前の様子。この壁と敷居、畳を撤去した

 

壁の骨組みができたところ。写真右の壁が本棚になっており、壁が安定して立つ。この後、壁下地材を張り、珪藻土を塗って仕上げた

 

File10「作る」編 S邸のDIY壁リノベーション

ウッドタイルがかっこいい壁。テレビのほかに収納も柱に取り付け、スッキリとした印象

 

DIYのきっかけは「賃貸でもテレビを壁にかけたい」だった。設置できる壁がないなら作ればいいと、2×4材で柱を作ることができるパーツ(ディアウォール)を活用して壁を作ることに。

作業は柱の設置から開始。ディアウォールで柱を4本立て、テレビと収納を仮組みし、取り付け位置を決める。位置が決まったら壁材を張る。壁材は木片で作ったウッドタイルを張りつけた合板。壁材を張り終えたら、テレビ&収納を取り付ける。

思い描いたとおりに壁にテレビを固定でき、さらに部屋のアクセントになるウッドタイル張りのモダンな壁まで誕生した!

 

 

Sさんの製作ダイジェスト

01 まず柱を4本立てる。テレビと収納を仮設置して墨つけする。このとき配線なども整理しておく

 

02 柱に壁材(ウッドタイルを張った合板)を張り付ける。壁材はディアウォールを隠せるように張った(前述図参照)

*掲載データは2015年10月時のものです。

壁にニッチを作って飾り棚や収納棚を設置してみた/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File8「切り抜く」編 H邸のDIY壁リノベーション

キッチンの仕切り壁に作ったニッチ。奥行が45mmしかないため、飾り棚として活用している

 

写真右側にあるのがキッチンのニッチ。仕切り壁は引き戸の戸袋も兼ねている。冷蔵庫横のすき間収納もHさんのDIY

 

結婚を機に築28年の実家を譲り受けたHさん。家が古いからこそ好きなようにDIYリノベーションできると、以前から憧れていたニッチを作ることに。

ニッチは壁の一部分をくぼませて作る飾り棚のこと。2本の間柱を探し出し、その間に作る。ただし、スジカイの入った壁(耐力壁)に作るのは避けたほうが無難。耐力壁の位置は自宅の図面で確認してみよう。

Hさんが作ったニッチはトイレの壁面とキッチンの仕切り壁。間柱の位置を見つけて、開口部を墨つけし、ドリルドライバーで壁に穴をあける。そこを起点に石膏ボード用のカッターで開口していく。開口したサイズに合わせて側板、底板、上板を用意し、それらを取り付けたらほぼ完成。Hさんは見栄えよくするため、漆喰を塗って仕上げた。

 

<DATA>
Hさん(32歳)/DIY歴…4年
製作期間…2日
製作費用…1500円程度
住宅形態…戸建て(築28年)

 

製作ダイジェスト

使用した主な道具…サシガネ、下地探し、ドライバードリル、石膏ボード用カッター、木工用接着剤、カッター(ここでは漆喰の下地に使った壁紙に使用した)、中塗りコテ

 

<間柱を探して壁を切り抜く>

 

<開口部に板を張り、化粧する>

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*掲載データは2015年10月時のものです。

 

家族が心地よく住めるように壁を作って間取りを変えてみた/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File7「作る」編 T邸のDIY壁リノベーション

明かり取りのガラスがはめ込まれた壁。ガラスは引き戸に使われていたものを使った。下部には猫の抜け穴が作られている

 

右下の開口部は愛猫のための窓

 

Tさん一家は、夫婦とお子さんふたりの4人家族。平成20年に賃貸住宅を引き払い、中古の家を購入した。

「予算的に難しいというのもあったけど、新築は意見がまとまらずあきらめた」と奥さんは笑う。古い家だから躊躇なく好きなように変えていけるのはよかったそう。

DIYリノベーションは家族総出で行なった。その過程で壁を作ったり、壊したりして間取りを変えている。特に多かったのが壁作り。お子さんの部屋、台所の壁、トイレの壁など。

作り方は、柱を立て、胴縁を固定して壁の骨組みを作る。そこに石膏ボードや合板を張って壁本体を作るというもの。Tさんは、仕上げに珪藻土を塗った。

こうして壁を作って変えた今の間取りはTさん家族にとって、最適なものになっている。

 

前述の新設した壁は写真右端の部分。以前の間取りでは正面の開口されている部分に壁があった。キッチンが薄暗かったため壁を壊した。右の壁を作ったところにはガラス戸があった

 

子供部屋。ここの壁も新たに作った。以前は壁の部分が引き戸だった

 

<DATA>
Tさん夫婦/DIY歴…8年
製作期間…2日(この壁のみ)
製作費用…1万円以下(この壁のみ)
住宅形態…戸建て(築38年)

 

製作ダイジェスト

使用した主な道具…インパクトドライバー、丸ノコ、ノコギリ、メジャー、サシガネなど

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*掲載データは2015年10月時のものです。

墨を入れた漆喰でコンクリートっぽい壁を作ってみた/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File6「塗る」編 S邸のDIY壁リノベーション

コンクリート風に仕上がった壁。アイアンのハンギングバーやフックとの相性もバッチリ!

 

吊り戸棚の戸に黒板壁紙(ジョイフル本田で購入)を張っている。冷蔵庫を隠す壁もSさんのDIY。漆喰を塗って仕上げた

 

<DATA>
Sさん(34歳)/DIY歴…6年
製作期間…半年(実働3カ月※壁塗り以外も含む)
製作費用…約4万円
住宅形態…戸建て(築7年)

 

 

Sさんの家は建売住宅で、「いろんなところが好みじゃなかった」と言う。好きな空間に変えるため、入居当初から洗面所、寝室などをセルフリノベーションしてきた。

このキッチンリノベは、娘さんのために始めたそう。「お手伝いしたいと言ってるのに作業台が狭くて、なんとかしたいなと思いました」とSさん。

レストランの厨房をモチーフにDIYスタート。まず大きな食器棚を撤去し、シンク上に取り付けられていた吊り戸棚を移設。その真下に作業台兼棚を作った。吊り戸棚と作業台の間の壁はコンクリートっぽくしたい!と、漆喰(うま~くヌレール)に墨汁を混ぜたものを塗っている。

さらに冷蔵庫を業務用風にしたいと銀色に塗装。厨房感満載のキッチンに仕上がっている。

 

製作ダイジェスト

使用した主な道具…コテ、コテ板、ウエスなど *吊り戸棚や棚作りに使用した道具は省略

 

<棚の移設と棚作り>

 

<漆喰を塗る>

 

壁塗りの基本テクニック

平面仕上げは自由に塗ることができ、DIYに最適。作業は、大胆なコテ使いで広範囲に塗り広げることを意識しながら行なうといい。なお、高い場所から塗り始めるのが壁塗りの基本。また、右利きの場合は、左から右へ作業を進めるとやりやすい。

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*掲載データは2015年10月時のものです。

壁紙を張って和室を洋室に変える/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File5「張る」編 nao&hiro邸のDIY壁リノベーション

夫婦の寝室。襖にはシャビーな雰囲気の板壁の壁紙を張っている。鴨居や敷居の塗装もDIY

 

<DATA>
naoさん&hiroさんご夫婦/DIY歴…ほぼ初めて
製作期間…実働2カ月
製作費用…約13万円
住宅形態…マンション(築22年)

 

廊下に面した引き戸(上面図参照)に、飾り棚を兼ねた戸袋をDIYした

 

飾り棚を兼ねた戸袋に使用した材はサネ加工された壁材。棚板を固定し、雑誌や小物を飾っている

 

 

naoさんとhiroさんは、ご夫婦と大学生になる息子さんの3人暮らし。住まいは3LDKのマンション。年頃の息子さんにプライベートな空間をと、夫婦が寝室として使っていた洋室を譲ることにした。

ふたりの新しい寝室になるのが和室。それをDIYで洋室に改造しようと思い立つ。テーマはブルックリンスタイル。とはいえ、壁全体にブリックタイルを張るのは難儀。そこで、資材にはレンガ柄の壁紙を選んだ。

壁紙張りは、1枚目を張ったら、それを基準に2枚目を張っていく。ただ、レンガ柄は縦横に目地がある。これを可能な限りキレイな水平&垂直に仕上げたかったという。そのため、何度も慎重にチェックしながら作業を行なった。その甲斐あって、壁紙はパーフェクトな仕上がりになっている!

 

製作ダイジェスト

使用した主な道具…撫でバケ、地ベラ、ジョイントローラー、ハサミ、スポンジ、カッターなど

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*掲載データは2015年10月時のものです。

超簡単にレンガ調の壁に変身させた壁面2選/DIYで壁リノベーション!

もっと簡単にブリックタイルを張ったり、意外な材料でブリックタイルを作る方法がある!そんなふたつのブリックタイルアイデアを紹介したい。

 

File3「張る」編 M邸のDIY壁リノベーション

愛猫による爪とぎキズをあっという間に補修

愛猫なっちゃんと補修された壁

 

猫の爪とぎスポットに陥りやすい壁の角。Mさんの壁は新築購入からわずか1年でターゲットになってしまった。インターネットで補修資材を探し、猫雑誌にも紹介されていた両面テープで簡単に張れるブリックタイルを発見。これは最適!と購入。5カ所ほどあったキズがわずか1時間で補修された。壁のアクセントにもなり、Mさんも大満足!

 

Before。キズをつけられてしまった壁。このようなキズが5カ所あったそう

 

After。レンガ敷きの敷きパターンのひとつであるハーフバスケット風に張られている

 

File4「張る」編 A邸のDIY壁リノベーション

100円ショップのカラーボードでレンガ風の壁ができる!

壁張り専用タイプの両面テープで壁に張った

 

カラーボードは板状の発泡スチロールのこと。この材で作られたレンガ風の壁をインターネットで発見し、「数百円でできるならやるしかない!」とDIY。カラーボードに下書きし、下書きに沿ってハンダゴテで溶かすだけ。ただし、作業中は臭いが出るので屋外作業がおすすめだそう。

 

<製作ダイジェスト>

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

*掲載データは2015年10月時のものです。

ブリックタイルを張ってレンガ調の壁を表現/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File2「張る」編 F邸のDIY壁リノベーション

ブリックタイル上の壁は漆喰を塗った。リビングの空間に合うようにドアを白く塗装した

 

<DATA>
Fさん(41歳)/DIY歴…3年
製作期間…3週間
製作費用…約1万5000円
住宅形態…マンション(築12年)

 

目地は浅目地で仕上げた。アンティークレンガ風のブリックタイルによく似合う

 

Fさんの自宅は築12年のマンション。購入当時は、新築だったのでDIYしようとも思わなかったという。しかし、10年経ち、もう手を加えてもいいなとDIYを決意。

ブログや雑誌などでブリックタイルを張った壁の作例を見て、リビングの腰壁の材に採用することに。通販サイトなどで資材を物色し、アンティークレンガ風の白いブリックタイルをチョイス。

作業はシンプル。タイル用の接着剤をタイルに塗り、壁面に張るだけ。完全に接着されたところで、目地を埋めていけばOK。目地袋を使って目地を入れ、表面が少し乾いたら指で押し込んでならしていったそう。

 

製作ダイジェスト

使用した主な道具…金切りノコギリ、目地袋、ゴム手袋、ヘラなど

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*掲載データは2015年10月時のものです。

味気ない壁を木装して山小屋風に変身/DIYで壁リノベーション!

ほんのちょっと手を加えるだけで部屋の印象ががらりと変わる「壁」。壁紙を変えて一新させるもよし、思い切って間取りを変えてもいい。実行に移せば1、2、3で、思い描いた部屋になっているかも!

 

File1「張る」編 H邸のDIY壁リノベーション

板材を横張りし、下見張り風に仕上げた。板材の樹種はスギ。赤みが強かったため白い色の塗料で拭き塗りした

 

<DATA>
Hさん(43歳)/DIY歴…4年
製作期間…1週間
製作費用…約1万8000円
住宅形態…戸建て(築7年)

 

キッチンを囲う壁を木装した。写真左の棚もHさんのDIY

 

壁紙から板壁へDIYリノベーションしたHさんは建築設計士。「本当は自分で自宅を設計したかったんです」とHさん。しかし、予算的に厳しかったため、建売住宅を購入することになった。

建売住宅は収納が少なかったりするそうで、収納は入居後すぐにDIY。ひと段落ついたところで、味気なかった白い壁紙を木装することにした。

 

キッチン入口部分。ニッチにブリキ波板を張った。ジャンクな雰囲気にしたかったのだとか

 

資材は安価で売られていた仕掛かり品と呼ばれる節穴などの処理がされていない厚さ5mmの板材。壁材に最適で見た目のジャンクな雰囲気にもひかれたそう。

作業は、まず壁紙&幅木の剥がしからスタート。その後はひたすら板材張り。接着剤を塗った板材を壁に張り、仮クギで打つ。接着剤が乾いたら仮クギを外すだけ。この簡単DIYで、あっという間に山小屋のような壁に変身させられるのだ!

 

棚受けを逆さに固定し、棚板を吊り下げるように取り付けた。飾り棚の板材は足場板

 

製作ダイジェスト

使用した主な道具…ペンチ、カナヅチ、バール、カッター、波板切りバサミなど

<壁に板材を張る>

<ニッチにブリキ波板を張る>

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*掲載データは2015年10月時のものです。

 

壁紙の張り替え/暮らしに生かすDIYメンテナンス【8】

今回は壁紙の張り替えを紹介。いくつかある壁紙の張り替え方法のなかでも、既存の壁紙の上からも張れるタイプの壁紙をチョイス。基本的な張り方の手順を解説。

 

ポイントは天井から正確に垂直に張る作業

壁紙を張る方法にはいくつかあるが、基本として共通することは、壁紙を真っすぐに張ること。

壁紙を真っすぐに張るには、壁に垂直線を設定して、そこに壁紙の端をぴったり合わせて作業する。垂直線の設定には糸を結んだ下げ振りを壁の上端から下ろして垂直線を得る方法や、垂直をマーカーできるレーザーレベラーで壁に垂直線を投射する方法がDIYでは多く使われる。壁紙を張るスタート部分が建具、例えばドア枠、窓枠などの垂直線部分を利用できれば、それらを利用して垂直線を設定してもいい。

垂直線が設定できたら、この垂直線に沿って壁紙を張る。壁紙を張る範囲にスイッチやコンセントがある場合、そのカバーははずしておく。壁紙を張ったあとで、カッターで周囲を切り取るので、コンセントのほうは適当なボール紙などで、コンセント穴をカバーをして万が一の感電を予防しておくといいだろう。

今回張った壁紙は、アクセント壁紙と呼ばれる、裏にノリのついたタイプの塩ビの壁紙。裏側の保護フィルムをはがして壁に張り、なでべラで空気を押し出すようにしてしわにならないように張ればいい。均等に張れたらスイッチの周囲を切り取りカバーを元に戻し、上下の余分を切り離せば、作業は完了する。アクセント壁紙は張った後でもノリ残しなしではがすことができるので、賃貸の部屋の模様替えにも使えるのが特徴だ。賃貸も含み現代住宅の壁紙はほとんどが表面が塩ビなので、相性もいいだろう。

 

【壁紙張りの作業例】

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継ぎ目の目立たない壁紙の張り方

壁紙を並べて張っていく場合、気になるのは継ぎ目。不自然に継ぎ目にすき間があると、非常に気になるし、見た目も悪い。これを解消する継ぎ方が突き付け張り。

突き付け張りは、一方の壁紙を重ね張りして、重ねた部分の中心を一度に切り、余分な切れ端を取り除いてから、元のように張り直すことで、重なり分がなくなり、切断した線で継ぎ目が目立たなく張れるというわけだ。壁紙張りの基本となるテクニックのひとつなので、本番前には少し練習して身につけておきたい。

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すぐにできる!断熱障子の作り方/断熱DIYアイデア&テクニック

手軽にチャレンジできて、効果も実感しやすい、建具断熱DIYを実践リポート。手工具だけで設置できるから超簡単。さっそく自宅に取り入れてみよう!

 

3層の空気層を持つ断熱障子を作る

 

After。中空ポリカが中に入っているとは、見た目にはわからない仕上がりに。プラスチック系障子紙は傷にも強いので、ペットを飼っているお宅にもおすすめだ

 

窓からの放射を遮る障子にはもともとある程度の断熱効果があるが、障子紙部分の空気層を増やせば、より断熱性を高めることができる。構造は下記図を参考にしてほしい。

ポイントは障子の桟・框(以下、枠)内に、収まるように資材を用意すること。組子から枠の奥行を測り、はめ込む中空ポリカと角材の厚みを決めよう。今回施工した障子は、13mmの余裕があったので、4mm厚の中空ポリカ+9mm角材を使った。また、最後に張る障子紙は、丈夫で両面テープで張れる、通気性がないため断熱性能が高い、プラスチック系のものを使うのがおすすめだ。

 

放射温度は約2℃アップ!(11月撮影)

障子設置前の窓の放射温度は13.2℃

 

断熱施工前の障子の放射温度は19℃

 

断熱施工後の障子の放射温度は21.1℃

 

[用意した資材]
9㎜角ヒノキ材(長さ1800mm)15本
中空ポリカ-ボネート(厚さ4×幅900×長さ1800mm)2枚
プラスチック系障子紙(幅940×長さ2150mm)2ロール

[その他の材料]
両面テープ(障子紙に付属)、細クギ、クリアテープ

[主な使用道具]
メジャー、サシガネ、ノコギリ、カッター、マジックペン、カナヅチ、サンドペーパー、カンナなど

材料費…約1万2000円

 

作業手順

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橋本岬樹 Misaki Hashimoto

建築会社「サガセール」の工事部リーダー。東京都内を中心に住宅や店舗のリフォーム業を請け負う。http://sagasale.net/

*掲載データは2019年12月時のものです。

すぐにできる!二重窓の作り方/断熱DIYアイデア&テクニック

手軽にチャレンジできて、効果も実感しやすい、建具断熱DIYを実践リポート。手工具だけで設置できるから超簡単。さっそく自宅に取り入れてみよう!

 

内窓キットで二重窓を作る

Before。今回の取りつけ場所はダイニングキッチンにある出窓。窓枠の奥行は約105mmあり、内窓を取りつけるには十分なサイズ

 

After。既存の窓枠の色に合わせて、ブラウンをチョイスした。窓ガラスはすりガラスタイプだったので、中空ポリカでも景観的には問題なし

 

「エコな簡易内窓キット」(アクリサンデー)という製品で既存の窓の内側に、二重窓を作る。樹脂製のフレームに中空ポリカをはめ込んだ簡単な作りではあるが、断熱性アップの効果は高い。資材のカットは大型刃タイプのカッターが1本あればOK。3時間程度で作業を終えられるので、この冬の断熱対策としてチャレンジするにはぴったりだ。

作業時は事前に窓枠の幅、高さ、奥行を測り、サイズが内窓キットと対応しているか確認しておこう。もし、幅や奥行が広くてキットの対応外だったり、窓が小さくて端材がもったいないなどという場合は、左記のセット内容と同様のパーツを、ホームセンターで別々に購入すればいい。面材に使う資材は、セット内容と同じ中空ポリカが、性能・コスト・加工性が良いのでおすすめ。

 

放射温度は約3℃アップ!(11月撮影)

設置前の窓の放射温度は16.5℃

 

設置後の二重窓の放射温度は19.2℃

 

[用意した資材]
エコな簡易内窓キット Mサイズ 1セット
[セット内容]
中空ポリカーボネート(ハモニカーボ・厚さ3×幅900×長さ900mm)2枚
上レール(幅21×長さ1800mm)1本
下レール(幅21×長さ1800mm)1本
横カバー(幅21×長さ900mm)2本
フレーム取っ手つき・縦用(幅6.5×長さ900mm)4本
フレーム・横用(幅6.5×長さ900mm)4本

[その他の材料]
両面テープ、タッピングネジ(どちらもキット付属品)

[主な使用道具]
メジャー、サシガネ、ノコギリ(プラスチック用)、カッター、マジックペン、プラスドライバー(ドライバードリルでも可)、ウエスなど

材料費…約7000円

 

作業手順

*一部SNSでは表示されません。本サイトでは閲覧いただけます

 

橋本岬樹 Misaki Hashimoto

建築会社「サガセール」の工事部リーダー。東京都内を中心に住宅や店舗のリフォーム業を請け負う。http://sagasale.net/

*掲載データは2019年12月時のものです。

断熱DIYのポイントはこの4カ所!/断熱DIYアイデア&テクニック

断熱とは、室内外の「熱」の移動を「断つ」こと。外は寒くても家の中は暖かく、外が暑くても家の中は涼しい。そんな春の陽気のように年中快適なマイホームをDIYで手に入れよう。今回は、DIYのポイントを建築のプロに伝授していただきました。

 

location1 窓ガラス → 二重窓で空気層を作るかガラスにシートを張る

・二重窓を作る

外気の影響を受けやすい窓の断熱は、内窓を取りつけてもともとある窓との間に空気層を作るのがもっとも効果的。木材を枠にガラスをはめ込んで一から自作してもいいが、アルミレールと中空ポリカがセットになった簡易内窓キットを使うのもおすすめ。

 

内窓キットの「エコな簡易内窓」(アクリサンデー)。フレームの色はホワイトとブラウンの2色で、サイズも豊富にある

 

窓枠の形状が特殊だったり、内窓キットのサイズが合わないときは一から自作にチャレンジしよう

 

・シートを張る

窓に直接シート状の透明フィルムを張るパターン。もっとも手軽に窓の断熱ができるが、デコボコした意匠性の高いものや、ワイヤー入りのガラスには使えないこともあるので注意しておこう。

 

窓に張るだけで二重ガラスの構造が作れる透明フィルム。断熱に加え、紫外線をカットしてくれる効果も。シールタイプと水に濡らして張るタイプがある

 

プチプチ(気泡緩衝材)のような構造をしたシートもある。細かい空気層があるため、断熱性が高い。張りつけ後は外の景色が見えなくなるので、すりガラスなどに最適

 

location2 壁 → 断熱材を入れて放射熱をコントロールする

・充てん断熱工法

柱や梁の間に断熱材を詰めていく工法。建物を建てたあとからでも施工がしやすい。ただ、スジカイが入った壁や配線が通った部分などはすき間ができやすく、しっかり詰め込まないと断熱効果が得られないだけでなく内部結露
の原因にもなるので注意が必要だ。資材はグラスウールやロックウールといった繊維系断熱材、吹きつけによる発泡ウレタンフォームなどがよく使われる。

 

・外張り断熱工法

柱や梁の外側から断熱材で覆っていく工法。配線などの障害物の影響を受けないのですき間ができにくい、結露しにくいというメリットがある。その反面、充てん工法よりもコストがかかる。資材は発泡スチロール(EPS)、スタイロフォーム、ネオマファームといった発泡プラスチック系断熱材がよく使われる。

 

DIYで使われる主な断熱資材

・グラスウール

溶かしたガラスを細く綿状に加工した繊維系断熱材。繊維系断熱材のなかでも比較的価格が安く、断熱性も高い。袋詰めされたタイプならそのままの状態で詰め込むことができ、軽いため施工しやすいのも特長

 

・スタイロフォーム

一般名称は押出法ポリスチレンフォームと呼ばれる、発泡プラスチック系断熱材。熱伝導率が非常に小さく、断熱性が高い。ホームセンターでも入手しやすく、発泡スチロールの一種なので加工もしやすいのがうれしい

 

・防風 防湿透水シート

壁用の防水紙。壁内の湿気を屋外に出し、結露を防ぐ効果があるので、湿気に弱い繊維系断熱材と併用して使いたい。また、風の流入を防ぐ効果もあるので断熱性もアップする

 

断熱DIYお役立ちアイテム

 

location3 建具のすき間 → すき間テープを使って外気の侵入を防ぐ

・窓のサッシに張る
ポイントは窓枠の横や、引き違い窓の中央部分(縦桟が重なる場所)。このわずかなすき間から冷気が入ってくるのを防ぎたい。テープの素材はポリウレタンフォームタイプ、モヘアタイプなどが主流。内窓を設置するスペースがないというときに有効な方法だ。

弾力性に富んだ毛足がついたモヘアタイプのシールを、引き違い窓の中央に張った例。不均等なすき間もバランスよくふさいでくれる

 

・ドアの下部に張る
冷気の侵入経路としてよくあるのが、ドアと床のすき間。家によっては、かなりのすき間があいているのでチェックしておきたい。テープの素材は弾力性のあるゴム、ドア下端にはめ込むモール材などが主流。

ゴム(アクリル系エラストマー)を両面テープでドアの下端に張った例。弾力性があるので床にこすれても傷がつかない

 

location4 天井・床 → 断熱材を入れて熱の上昇気流をなくそう

足もとから冷たい空気を入れない&暖かい空気を天井から逃がさない
暖かい空気は上昇する性質がある。床と天井の断熱性が低いと、足もとはいつまで経っても寒く、暖かい空気は天
井から抜けてなかなか室内に留まってくれない。熱の上昇気流を抑えることで、部屋全体を快適な温度に保ちやすくなる。

屋根の野地板の裏側、垂木の間にグラスウールを詰め込んで天井断熱を施した例。梁がある構造の建物なら、天井裏に断熱材を敷き詰めるだけでも効果がある

 

古い家屋の場合、畳下の床下地が古くなって、すき間ができてしまっていることがあるのでェックしておきたい。ここに防水透湿シート、アルミシート(または薄いスタイロフォームなど)を敷けば、冷気の侵入が防げる

 

河野 直 Nao Kouno

設計事務所「つみき設計施工社」代表。施主参加型の家づくりを提案し、定期的に道具の使い方ワークショップを開催。DIYマインドを持った建築家。http://tsumiki.main.jp/

 

*掲載データは2019年12月時のものです。

イラスト◎丸山孝広

プロに聞く断熱の仕組みとコツ/断熱DIYアイデア&テクニック

断熱とは、室内外の「熱」の移動を「断つ」こと。外は寒くても家の中は暖かく、外が暑くても家の中は涼しい。そんな春の陽気のように年中快適なマイホームをDIYで手に入れよう。今回は、快適な部屋づくりへの第一歩となる断熱の基本を解説。

 

POINT1 断熱を高めるメリットはこんなにある!

・夏は涼しくて冬は暖かいからいつでも快適

断熱性が高い家だと、夏は外からの熱を遮断、冬は室内の暖かい空気が外に逃げなくなる。家の隅々まで均一な温度に保てるため、天井が熱を持ってロフトがすごく暑い……、部屋の足もとが寒い……、部屋間で温度差がある……といったことをなくすことができる。「頭熱足寒」から「頭寒足熱」の快適な空間作りを目指そう。

 

・暖房器具の稼働時間を減らせてエコ

断熱がしっかりとした家では、エアコンやストーブといった冷暖房の効きがよくなり、日によっては使わなくても快適に過ごせる場合も。電気代や燃料を使う量を減らせるため、体にもお財布にも優しいエコな暮らしへとつながる。

 

・室内に冷えた場所を作らず表面結露を防ぐ

冬は窓が曇ったり水滴がつく「表面結露」が発生することがあるが、断熱が不十分だと壁の表面にも結露が現れることがある。とくに冷えやすいコーナー部分、家具の裏側などは要注意。結露はカビやダニの発生源となり、ぜんそくやアレルギーを引き起こす要因になるので、建物全体の断熱性を高めて家の中に冷えた部分を作らないようにしたい。

 

・冬場に多いヒートショックの対策になる

気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こるヒートショックと呼ばれる現象。暖かいリビング→寒い廊下や脱衣所、浴室→熱いお湯のはった浴槽に入ることで起こるケースがもっとも多いが、トイレでの発生例もあるので、お風呂以外でも温度変化のある場所には注意したい。断熱がしっかりされていると家全体の温度差が少なくなるため、ヒートショックが起きる心配をなくすこともできる。

 

POINT2 熱の伝わり方は3通り

熱は高温側から低温側に向かって移動するが、そのルートには種類がある。物質によって運ばれる「伝導」、温度差によって生じた液体や気体によって運ばれる「対流」、電磁波によって運ばれる「放射(輻射)」の3パターン。断熱でとくに意識しておきたいのは対流と放射で、すき間をなくして風の流れをなくすこと、窓や壁の表面温度を上げることが大事になる。

 

・触れることで感じる温度「伝導」

物質の中の熱が高い部分から冷たい部分に徐々に移動する現象で、肌に直接触れることで感じとれる。とくに熱伝
導率の高い金属は、そのまま触れてもヒンヤリとしているが、熱せられたトタン屋根などを触ると熱く感じるのはこのため。熱の伝わり方が遅いほど「断熱性が高い」資材となる。

 

・熱が空気や液体によって運ばれる「対流」

熱を蓄えた空気や液体が移動することで他の物質に伝えること。暖かい空気や水は熱による膨張で比重が軽くなり、上昇する性質がある。「暖房をつけても室内の上だけ暖かくて足もとが寒い」「お風呂を追い炊きしたら上だけ熱くて底のほうは冷たかった」と感じるのはこの現象のため。

 

・熱エネルギーが体に直に届く「放射(輻射)」

離れた物質から電磁波によって感じる熱さ。日陰だと寒いが、日なたにいると暖かく感じるのは、一帯の気温が変化しているのではなく太陽の熱エネルギーが放射によって直に体に届いているから。ストーブや焚き火などに手をかざすと暖かく感じるのもこのため。

 

POINT4 大事なのは室温よりも体感温度

熱の移動ルートで忘れがちなのが「放射(輻射)」で、これが体感温度に密に関わってくる。体感温度は左の計算式で求めることが可能。たとえば下のイラストのように、同じ室温でも窓や壁の表面温度が低い、つまり断熱性が低い状態だと体感温度は下がるというわけだ。

右が断熱性が低い家、左が断熱性が高い家

 

放射温度を測ってみよう!

放射温度を測るには、赤外線式のサーモメーターが便利。安いものならネットで2000円程度から購入できる

 

POINT4 動かない空気層を作ることが断熱

熱は、固体>液体>気体の順に伝わっていきやすいという性質がある。多くの断熱材は内部に小さく区切られた気泡、つまり動かない空気の層を持っており、熱の対流を防ぐことで断熱性能を高めることができる。断熱材とは建物の洋服ともいえるので、以下のようにイメージしておくとわかりやすい。

河野 直 Nao Kouno

設計事務所「つみき設計施工社」代表。施主参加型の家づくりを提案し、定期的に道具の使い方ワークショップを開催。DIYマインドを持った建築家。http://tsumiki.main.jp/

 

*掲載データは2019年12月時のものです。

イラスト◎ヒラノマキコ

DIYで小屋作りを楽しむ「超実践的!小屋作りガイド」〜『ドゥーパ!』2021年8月号〜

日本で唯一のDIY専門誌『ドゥーパ!2021年8月号』(発行:株式会社キャンプ/代表取締役社長:豊田大作)が7月8日に発売!

 

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特集の目玉はセルフビルドリポート3本立て! 人気急上昇のサウナを編集長自らが2×4工法で作る、サウナビルドドキュメントを筆頭に、軸組工法で作る東屋風小屋、資材材と廃材で作るドームハウスをラインナップ。いずれも図面や使用資材や材料費、加工方法など実践的な情報満載でお届けします。三者三様、工法はもちろん、デザインや用途によって変わる構造やテクニックの違いもお楽しみに。

DIY実例集は「小屋を作り、小屋で暮らす」と題し、実際に小さな小屋を作って暮らしを営む2組の夫婦を紹介。その他、新潟のユニークなセルフビルドプロジェクトや古材・廃材をメインにした小屋作りも。「読めば作れる」にこだわった、実用情報満載のリポートにもご注目ください!

 

・第2特集は「古民家リノベ成功術」
地方移住やデュアルライフのベースとして、注目が高まる古民家。本特集では、現代住宅にはない魅力を持った古民家を、DIYでオンリーワンの住まいに変えるアイデア&テクニックを一挙公開! 基礎・土台・床、外壁・内壁、キッチン・トイレ・浴室など、スペースごとにズームアップ。古民家ならではのトラブルや注意点も併せて紹介しています。DIYリノベで古民家のポテンシャルを引き出し、オンリーワンの住まいを作ろう!

 

 

・バラエティあふれる連載にも注目!
溶接を駆使したアイアンDIY、トリマー&ルーター木工、さらにはレザーソーイングやグリーンウッドワークなど、さまざまなジャンルのもの作りの魅力を個性あふれる作家とともにお届けします。その他、自給自足の田舎暮らしエッセイやDIYにまつわる法律相談など読み物も充実。こちらもお見逃しなく!

 

【書籍概要】

著者:ドゥーパ!編集部

定価:1100円(税込)

発売日:2021年7月8日

判型:A4変形