現時点で最強ビジネスリュック!?降ろして即仕事を開始できる「移動文房」がまさに“移動する書斎”だった

筆者もそうだが、日常の移動にビジネスリュックを使う人は多いだろう。昔と比べてノートPCやガジェット類など、持ち運ぶモノの重量が大幅に増え、“手提げのビジネスバッグ”では対応できなくなった、というのが大きな理由のひとつ。スマホを使うのに両手を空けておきたいからリュックを選ぶというケースもあるらしい。

 

とはいえリュックにはデメリットもある。とっさに中身を取り出しづらかったり、荷室が深すぎて整理しづらかったり……というのは、リュックユーザーなら誰しも感じたことがあるはずだ。入っていたはずの物が見つからず、リュックの口を大きく開けてゴソゴソとかき回すというのは、あまりカッコいい姿とは言いがたい。バッグインバッグや増設ポケットなどでアクセス性を改善するのも手段のひとつだが、それならいっそ根本的に、欲しいものがすぐ取り出せるリュックに切り替えてみる、というのも手ではないだろうか?

 

背負って持ち運べる“書斎リュック”

ビジネスリュックを肩から降ろして一番に取り出すものといえば、ノートPCが挙げられる。次いで、ケーブル類やマウス、モバイルバッテリーといった小物類だろう。つまり仕事に使うツールを取り出す機会が圧倒的に多いのだから、それらの取り出しに特化したリュックこそが便利である、と考えられる。

 

そこで、これまでに数多くの文房具を生み出してきた“文具王”こと高畑正幸氏が考案したのが、「肩から降ろしてすぐ仕事が始められるリュック」こと「移動文房」である。“文房” というのは中国語で仕事部屋や書斎を指す。つまり、書斎の作業環境を丸ごと背負って移動できるから、移動文房というわけだ。

SUPER CLASSIC
移動文房
2万7000円(税別)

 

フォルムはリュックとしてはかなり薄型で、ビジネスリュックとしてもコンパクトな部類と言える。当然ながら容量も少なめだが、その分、整理収納に関してはかなり思い切った方法を取っている。その最大のポイントとなるのが、面ファスナーで留まった上面フラップをめくると現れるコンテナ型のガジェットケースだ。

↑サイズは約40×32×12cm。電車移動もあまり気にならないスリムさだ

 

ダブルファスナーを引いてフタを開けると、ACアダプタやケーブル、マウス、モバイルバテリー、名刺ケース、アイウェアなどが入るケースになっている。さらに面ファスナーによる可動式の仕切り板で内側の整頓も可能だ。ひとまず日常的に使うツールは、だいたいここにまとめておけばOK。必要なときにケースごとドンと机の上に取り出せば、ツール類をゴソゴソ探す手間はもう必要なさそうだ。

↑上面フラップをめくれば最速でアクセスできるガジェットケース

 

↑ガジェットケースは深さ10cm。これだけあればだいたいのガジェットは収納できるだろう

 

↑作業に必要なツールがあっという間に取り出せる仕組みは、快適そのもの

 

ちなみにノートPCの収納スペースは、上面フラップを開けた背中側のスリットにある。リュックを降ろした状態から、ノートPCとガジェットケースを取り出すのには30秒もあれば充分。つまり、それだけの時間で仕事環境がだいたい整ってしまうというというわけ。この効率の良さは、外出先での作業も多い筆者にとってとてもありがたい。

↑背中側に配置されたノートPC用のスペース。16インチサイズまで収納できる

 

ノートPCとガジェット類以外は、前面のファスナーフラップからアクセスできるメイン荷室に収納することになる。この荷室はガジェットケースの直下に位置しており、A4ファイルを横に倒したぐらいのサイズ感。容量はかなりコンパクトなので、個人的にはやや物足りなく感じたが、フラップがガバッと大きく開くため内部の見通しは非常に良い

↑前面フラップの裏側にはメッシュポケット付き。消毒用アルコールスプレーやポケットティッシュなど、取り出す頻度の高い物をいれておくと便利だ

 

また、メイン荷室自体が硬い芯材で囲われた構造のため、自重でクタッと型崩れを起こさず、中身の出し入れがしやすいのもポイント。この構造のおかげで、リュックが自立するので、狭いスペースに立てて置くことができるのも使いやすかった。

 

ビジネスリュックとしての基本性能も充実

容量少なめということで、長距離移動や一泊程度の出張の場合は、キャリーケースと組み合わせて使うことになるだろう。そういうときは、背面のベルトにキャリーのハンドルを通せば、簡単に固定ができて移動がラクになる。持ち運び時のちょっとしたコツとしては、ショルダーストラップを表側にめくり返して固定すると見た目にもスマートだ。

↑最近のビジネスリュックにはマストな装備といえるハンドル通しベルト

 

↑肩ストラップを裏返して固定しておけば、カートを引く手元でブラブラしない

 

もうひとつ、ユニークな装備として、両側面にある深めのサイドポケットにも触れておきたい。普段はスナップボタンと面ファスナーで口を絞られているが、スナップを外すと一気にマチが広がる特殊な構造になっている。どれぐらいの広マチかというと、1Lサイズのペットボトルがすっぽりと収まり、3段の折り畳み傘も余裕で収納可能。加えて、ポケット上部には面ファスナーのベルトがあり、傘の柄や小型三脚のようにポケットから突き出すほど長いものは、このベルトで縛って固定できる。これなら、移動時にポケットから抜け落ちるような心配も無しだ。

↑普段はマチのないサイドポケットが、開放することでペットボトルや折りたたみ傘を収納できる超広マチに変形

 

このリュックを2か月ほど試用しているが、ノートPCを広げて仕事に戻るまでのスピード感には、未だに驚かされるほどだ。特に、リュックにガジェットケース専用の設置場所があることで、出し入れの効率が大きく違うことを実感している。気の効いたサイドポケットの装備があることで、仕事以外での使い勝手もとても快適。いろいろなビジネスリュックを使ってきたが、この移動文房は今のところ考えられる最強リュックのひとつかもしれない。

 

累計17万個を販売したace.の人気ビジネスリュックに6つの新機能を追加した「ガジェタブル HG」が9月発売

 

エースは、バッグブランド「ace.」から、電車内で邪魔になりにくい前持ちに適したビジネスリュック「ガジェタブル」のハイグレード版「ガジェタブル HG」を発表。9月中旬から発売します。

 

ガジェタブルは2018年の発売以降、シリーズ累計販売個数17万個を突破する人気モデル。スリム・機能性、使いやすさのバランスを取りながら、余計なものをそぎ落としたミニマルデザインが特徴です。

 

また、交通各社の推奨する持ち方に対応した設計を取り入れているのもポイント。手で持つためのトップハンドルや、棚に上げるときに使うサイドハンドルやベルト簡易収納機能、体の前に抱えたときに中身の持ち物を取り出しやすいファスナーやポケットを搭載しています。

 

ガジェタブル HGは、これらの機能はそのままに6つの新機能を採用。肩からのズレ落ちを軽減する滑り止めや、貴重品を管理できるリュック背面のセキュリティポケット、メイン収納部上部に着脱可能な吊り下げ式ポーチ、ファスナースライダーから出る金属音を軽減するスライダーカバー、抗菌・抗ウイルス加工を施したバーテクト ポケットが追加されています。

 

 

ラインアップは13.3型ノートPCが入るリュック小、15型ノートPCが入るリュック中、15.6型ノートPCが入るリュック大を用意。価格はリュック小が2万5300円(税込)、リュック中が2万7500円(税込)、リュック大が2万9700円(税込)です。

ビジネスバッグは“大容量”と“ON/OFF対応”が人気! リモートワーク時代のオススメモデル10選

働く環境の多様化が進むなか、ビジネスバッグのトレンドも大きく変わりつつある。いま、特に注目を集めているのが、仕事道具をまとめて持ち運べる大容量モデルだ。そこで今回の「GetNavi FASHION LABO」は、リモートワーク時代にマッチした最新のリュックとトートバッグを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2021年5月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

大容量とシンプルな外観がビジネスバッグの決め手

ここ数年、ビジネスウエアのカジュアル化に伴い、ビジネスバッグに対するニーズも大きく変わってきた。リュックやトートが一般的に使われるようになり、素材も定番のレザーに代わり、ナイロンが人気を獲得している。

 

そこで今回は、リモートワークの普及で、オン/オフのボーダーラインがより曖昧になりつつある昨今、どちらのシーンでもシームレスに使える最新のリュックとトートバッグを集めてみた。

 

こだわったのは、収納力の高さとデザインのシンプルさ。そして、素材は軽さや機能性に優れつつ、見た目の上質感も両立していること。いずれもバッグ専業メーカーのアイテムなので、クオリティの高さは折り紙付きだ。これを機に、自分に合った“大容量”のバッグを探してみてほしい。

 

【TOPIC】プロが教える!ビジネスバッグの選び方

●素材は上質感のあるものを選ぶ

●色は黒などシックなものに

●形状は四角いフォルムがベター

防水加工などの付加価値よりも、ビジネス用途では素材の上質感が重要。色は服装を選ばない黒が無難だ。書類やPCが入れやすいスクエア形状を選ぶべし。

 

[SELECTION 1] より快適に進化した高機能リュック

その1.汗汚れ問題を解決する“洗えるビジネスリュック”

ace.

WP パック

2万9700円

●サイズ:W280×H390×D110mm

身体に触れるパッド部分を取り外して洗える画期的な機能を搭載。ショルダーパッドは荷物量などに応じて、負荷軽減とズレ落ち軽減の2タイプから選べる快適設計を採用した。

 

↑背面に保護パッド付きのPC用スペースを装備。フロント側にはスマホサイズのポケットを2つ備える

 

↑背胴からショルダーハーネスまでを取り外せる仕様。汗汚れが気になるパッド部分を洗濯機で丸ごと洗える

 

その2.リモートワークに必要な一式をまとめて収納&取り出し可能

マスターピース

wall

3万6300円

●サイズ:W270×H410×D95mm

本体表面にテフロン加工を施し、優れた撥水性・防汚性を実現。メイン収納部に付属した脱着式のワークパッドを使い、PCやペンを分けて収納できる。背面のスタンドで自立するのも魅力。

 

↑ワークパッドには電波を遮断する特殊な生地を使ったポケットを搭載。スキミングによるデータ窃盗が防げる

 

↑フロント下部に横長のファスナーポケットを装備。底部がPVCメッシュなので、濡れた傘の収納にも最適だ

 

その3.創業25周年を飾る新作多機能リュック

オロビアンコ

SEMPRE

4万7300円 4月中旬発売予定

●サイズ:W290×H420×D170mm

シーンを選ばないデザイン性と実用性を両立した、オロビアンコ創業25周年目の新作。横持ちできるサイドハンドルの搭載に加え、キャリーケースとのセットアップも可能など利便性が高い。

 

↑フロント部にはポーチのような形の立体的なポケットを3つ装備。使用頻度の高いアイテムを出し入れしやすい

 

↑本体生地にはワッシャー加工を施したナイロンツイルを採用。ナチュラルな風合いと高級感が共存する

 

[SELECTION 2] 自転車通勤にも最適!ON/OFFリュック

その1.イギリスの注目ブランドにサイズ感や素材をイチから別注

シーシックス×アーバンリサーチ

Oppenheimer バックパック

2万2000円

●サイズ:W290×H420×D85mm

「TOKYO PACK」がコンセプト。電車で邪魔にならないサイズ感をはじめ、都市生活での使用を目的に、アーバンリサーチがデザインや素材をイギリスのバッグブランドにイチから別注した。

 

↑大きく開く2層式で、荷物へのアクセスが容易。どちらも前後にポケットを備え、小物類の収納がしやすい

 

↑フロントの大型ポケットはマグネット式フラップを採用。スマホや財布を必要なときに素早く取り出せる

 

その2.シームレスに使えるブリーフィング別注モデル

ブリーフィング×グリーンレーベル リラクシング

NEO URBAN PACK

2万4200円

●サイズ:W295×H430×D153mm

グリーンレーベル リラクシングによるブリーフィングの別注モデル。素材には500Dコーデュラナイロンを使い、様々なシーンでシームレスに使えるデザインと機能性を実現した。

 

↑PCスリーブやファスナーポケットを多数装備。シューズスペースをつなげれば、メイン室内の拡張が可能だ

 

↑バッグ下部にシューズを入れるスペースを完備。ジム通いの際にトレーニングシューズを持ち運ぶのに便利だ

 

その3.特別な配色を採用した店舗限定デイパック

ポーター

PX TANKER デイパック

4万8400円

●サイズ:W305×H415×D140mm

「タンカー」シリーズを展開するコンセプトショップ「ポーター エクスチェンジ」の限定モデル。充実した収納スペースに、表面の生地と異なる色のテープを組み合わせた特別な配色がポイントだ。

 

↑メイン層とクッション材を入れた後層の2層式。両サイドには小物収納に最適な各種ポケットを備える

 

↑スナップボタンによる開閉式のサイドポケット。内部にはビニールポケットとメッシュポケットが付属する

 

[SELECTION 3] こだわり素材の本格派 ON/OFFトートバッグ

その1.フライングスーツの機能的なディテールをバッグにアレンジ

ポーター

ポーター フライング エース 2Way トート バッグ

4万5650円

●サイズ:W355×H360×D100mm

1950年代初頭に製造された米空軍のナイロン製飛行服のディテールをモチーフにしたトートバッグ。生地から金具にいたるまで、耐久性に優れた素材を日本の高い技術力で新開発した。

 

↑内装に吊りポケットやPC用スペースを設置。ハンドルは長めで、アウターの上から肩にかけても余裕がある

 

↑ファスナーの開閉でマチ幅の拡張が可能。荷物の容量に合わせて、メイン収納部の広さを調整できるのもうれしい

 

その2.人気のブラスボタンシリーズに世界初の新素材ver.が登場

トフ&ロードストーン

ブラスボタン27

3万7400円

●サイズ:W400×H305×D135mm

撥水加工処理を含浸させた、東レによる世界初の新素材2.7mm厚ポリエステルスエードを採用。美しい1枚仕立てが品の良さと洒落感を演出する。手洗いが可能な点も同素材ならではの特徴。

 

↑内装にはスマホサイズのオープンポケットを2つ搭載。外ポケットはファスナー付きで、財布の収納にも向く

 

↑ブランドのアイコンでもある真鍮金具。モダンなデザインと調和し、さりげなくエレガントな表情を加える

 

その3.レーベル初登場となるレザーハンドル採用のトート

マンハッタンポーテージブラックレーベル

ペリートートツイルバッグ

4万2900円

●サイズ:W380×H345×D160mm

大人のアーバンライフ向けラインより、レザーハンドル採用の舟形トートが初登場。幅広いシーンに適応する収納力に加え、天ファスナーを搭載しているのでセキュリティも高い。

 

↑フロント側と背面に1つずつポケットを装備。内装には、小物を仕分けしやすい各種ポケットを備える

 

↑背面にはオリジナル仕様のカラビナが付属。家やクルマのキーを掛けておけば、バッグの中で見失う心配がない

 

【NEXT TREND】カスタマイズできる拡張式のバッグに注目!

街なか/アウトドア、ワンマイル/旅行など用途に応じて拡張する新発想のバックパックがブレイクの兆し。本体各部に備えられたナイロンテープやウェビングテープ部分に複数のポーチを装着することで、カスタマイズが楽しめる。

 

ブリーフィング

AT-SLIM PACK

2万2000円

●サイズ:W280×H420×D145mm

 

(左)AT-BOX POUCH L

9350円

●サイズ:W220×H140×D60mm

 

(中)AT-FLAP POUCH TALL

7150円

●サイズ:W100×H220×D60mm

 

(右)AT-FLAP POUCH M

7150円 4月下旬再入荷予定

●サイズ:W130×H160×D50mm

 

<装着時>

 

【フォトギャラリー(画像をタップするとご覧いただけます)】

スリムなのに立つ! コクヨが挑戦した「ビジネスリュック」がテレワーカーに絶賛されそうな理由

文房具レビューを連載している筆者だが、実は文房具好きであると同時にカバン好きでもある。とくにリュック系。ライターという仕事柄、取材であちこちへ移動が多いため、快適に荷物を持ち運びたいから……というのが理由だ。

 

そのため、クラウドファンディングのサイトで面白そうな機能がついたリュックを見つけると、ついつい購入してしまう。ちなみにここ最近気になっているのは、ハンモックを内蔵したトラベルリュックだ(いま購入を迷っているところ)。

 

そんなこんなで、自宅にはリュックだけでも20個近くあって、収納スペースを圧迫している。「モノを入れるモノを入れておく場所がない」というのは、冷静に考えるとなかなか無駄の多い話ではある。

 

そんなリュック好きかつ文房具好きにとって、ちょっと聞き逃せない話を耳にした。なんと、お馴染みの文房具メーカー、コクヨが「リュックを作る」というのである。

 

コクヨは、これまでにもポーチやフリーアドレス用バッグをオフィス向けに発売してきたが、リュックというのはさすがに初耳。さらに、リュック以外の製品ラインアップも加えて、2021年3月から「THIRD FIELD」という新ブランドとして全国展開するとのこと(一部店舗では2月10日より先行販売中)。うーむ、どんなものか、気になるに決まっている。

 

今回はありがたいことに、件のリュックを発売前から1か月以上に渡って試用する機会を得たので、同じく「コクヨのリュック気になる!」という方に向けてレポートしてみたい。

 

コクヨのリュック、大地に立つ!!!

あらためて、新ブランドのTHIRD FIELDについて。これはいわゆるサードプレイス(自宅でも職場でもない、第三の居場所)に近い意味合いで、新たに仕事をする空間を快適にしつらえるツールとして展開していくらしい。

 

その中でも注目したいのが、“コクヨのリュック”こと「STAND BACKPACK」である。

コクヨ
THIRD FIELD(サードフィールド)
STAND BACKPACK
13.3インチモデル 1650015.6インチモデル 19000円(ともに税別)
※写真は13.3インチモデル

 

ビジネスリュックとしては定番のややスリムなフォルムで、サイズは13.3インチと15.6インチの2展開。つまり「それぞれノートPCのサイズに合わせた荷室がありますよ」ということで、よくあるリットル容量表記よりも分かりやすく、現実的だ。

 

スリムな分だけ容量は少ないが、都市部での電車移動を考えると、むしろこれぐらいスリムじゃないと困る、というケースも充分に考えられる。13.3インチモデルで厚みの実測が100mmほどだったので、これなら電車内でも周囲への影響は最低限に抑えられそうだ。

↑背負った状態で周りに圧迫感を与えにくいスリムさ

 

上下分割コンパートメントがメインの収納

荷室は、まずサイズ表記の元ともなっているノートPCの収納がひとつ。それに加え、PC収納と同じトップファスナーからアクセスできる上部荷室と、両サイドのファスナーからアクセスする下部荷室の、上下分割コンパートメントがメインの収納となっている。

 

さらにトップポケット、背面パッド脇のサイドポケット、フロントポケットと計3か所のポケットを備えており、小物は適宜振り分けて入れておくという感じだ。

↑ジッパーでガバッと開く上部荷室には、ペンケースやACアダプタなどがすっきり収まる

 

↑上部荷室からアクセスできるPC収納。クッションは内蔵していないので、PCケースに入れるか、底にウレタンクッションを引くなどしたほうが安全かもしれない

 

↑上部荷室に近いトップポケット。内張はメッシュ素材なので、収納物が上部荷室からも透けて確認できる。メガネケースやワイヤレスイヤホンケースがここにちょうど良く収まった

 

スリムなボディに自立機能を搭載

そして最大の特徴が、自立機能。なにしろ“自立型ペンケース”を生んだコクヨだけに、スリムなリュックだって立たせてしまうのだ。

 

立たせ方は簡単で、バッグ前面の下をつまんで引っ張るだけ。マグネットで固定されていたカバーがパクッと開いて支えになることで、しっかり立つという仕組みである。戻すときは、リュックを持ち上げるだけで、勝手にマグネットがくっついて元通り。

↑普段はマグネットで固定されているスタンド用カバー。ここを開いた状態で置くと……

 

↑スリムリュックが安定して自立するのだ!

 

リュックが自立してなにかイイかというと……例えばカフェのベンチ席に立てて置けば上部荷室とPC収納からの出し入れがラクだ。

 

他にも、出先の会議室で荷物を置く場所がないときにも、立たせてしまえば邪魔になりにくい。カウンターだけのラーメン屋で荷物は床に置くしかないという状況でも、立たせておけば汚れる心配は最小限で済むだろう。

 

何も考えずにサッと置けるというだけで、かなりストレスフリーなのである。

↑カフェに床置きしたまま、サッとPCが取り出せる。このスリムではなかなかできないぞ

 

↑ワークスペースでも立たせておけば荷物の出し入れがスムーズだ

 

これまでは壁や椅子の脚に立てかけるなど、状況に合わせてなんとなく乗り切ってきたわけだが、今後はもうその場しのぎでリュックの場所を考える必要がなくなるのだ。自立しなくてもリュックとしては成立するけど、それでもあった方がなにかと嬉しいタイプの機能だろう。

 

実際に、これを1か月ほどメインバッグとして使ってみた体感としても、リュックを立たせておきたいというシーンは日常的に意外とあったんだなあ、という印象だ。

 

物申したいところも……

ただし、収納については、個人的には下部荷室へのアクセスがもうちょっと使いやすいとありがたかった。

↑収納量が一番大きい下部荷室がこれだけしか開口(左サイド)しないのは、ちょっと使いにくい。中もよく見えないので、出し入れは手探りになる

 

サイドファスナーはそれなりに大きく開く構造になってはいるものの、全体を通して最も大きい荷室へのアクセスとしては不十分。手を突っ込んでの出し入れが面倒なので、あまり使う気持ちになれないのである。そこはちょっと惜しいし、容量的にももったいない気がする。

 

対して上部荷室は、ファスナーでフルオープンになるので、アクセス良好。ノートPCと一緒に使うACアダプタやモバイルバッテリーなど、頻繁に使うものは全部こちらに放り込んでおきたい。

 

……などと文句はあるものの、メーカーとして初のリュックと考えれば、この完成度の高さはたいしたものだと思う。

↑右サイドの開口は下部荷室アクセスと兼用でドリンクホルダーにも変身する。これはちょっと面白い機構だ

 

特に「ノートPCとケーブル類、あとは飲み物と文房具一式あればどこでも仕事OK!」というタイプの人……つまり、すでにノマド的な働き方ができている人なら、このリュックはかなり使えるはず。なにより、どこでもワークなスタイルと、自立して「邪魔になりにくい・置き場所で悩まず済む」機能との相性が良すぎだ。

 

価格的にはけっしてお安い方ではないが、他にないタイプのリュックである。気になるのであれば、機会をみてぜひ試してみて欲しい。

ドキュメントバッグも「こいつ……立つぞ!」

THIRD FIELDブランドには、他にツールポーチやPCバッグなどがラインアップされている。その中でも使ってみて面白かったのが、書類ホルダーの「STAND DOCUMENT BAG」だ。

コクヨ
THIRD FIELD
STAND DOCUMENT BAG
3000円(税別)

 

サイズ的にはA4+、具体的には角2封筒がすっぽり収まってまだ余裕があるくらい。硬い表紙と裏表紙の内側には、インデックス付きの仕切りが2枚と透明ポケットが付いており、書類の分類収納ができるように作られている。この仕切りとポケットはタテヨコ両対応なので、どちらの向きに書類を入れても抜け落ちない。

 

ちなみに、閉じた状態ではマグネット内蔵フラップで挟んで固定できるので、カバンの中で勝手に開いて書類がバラ落ち、なんてトラブルもなさそうだ。

↑マグネットフラップを外して表紙を開くと、透明ポケット+黒いインデックス2山が見える。さらに表紙を閉じたままでも、封筒感覚で書類が出し入れ可能だ

 

リュックが立つし、名前にも「STAND」が入っているし、当然のように書類ホルダーだって自立するんだろ? と思ったら、案の定だ。

 

立たせ方は、表紙を開いて中央の折り線から折り曲げて戻すだけ。これで自立して置いておける書類スタンドのできあがり! マグネットフラップは、180度折り返して表紙に貼り付けると邪魔にならない。

↑よっこいしょ、と表紙を三角に折ってホルダー部の後ろに差し込む

 

↑自立して、狭いスペースでも使える書類ストッカーに変形

 

書類ホルダーが自立すると、書類をそのまま机に広げるのに対して半分ぐらいの面積で済むので、かなり省スペース。狭い机で仕事をする場合は、これは作業効率に効いてくる部分なのだ。

 

なにより「STAND DOCUMENT BAG」はサイズが大きめなので、13インチのノートPCを開いた後ろに置いても、インデックスがしっかり見えて、書類を出し入れできる。特に横幅の狭いカフェ机では、この前後配置によって、思った以上にスマートな作業環境ができあがるのだ。

 

コップの結露で平置きした書類を濡らすこともないし、なかなかに快適!

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

いまの時代、ビジネスリュックは「背負う」だけじゃない!! 満員電車の「持ち方マナー」に着目した「ガジェタブル」

満員電車など人が多い場所でリュックを背負うことは、「荷物が人にぶつかる」「通行の邪魔になる」などの理由から問題視されており、鉄道各社もポスターなどで「リュックサックは前に抱えるか、網棚に置くなど他の方の迷惑にならないように」と持ち方マナーを喚起しています。そこで、バッグメーカーのエースは、前に抱えた際も使いやすいビジネスリュック「ガジェタブル」を開発。直営店ならびに全国の主要百貨店・専門店、オンラインショップで販売中です。

↑カラーはブラック、ネイビー、カーキの3色展開

 

ガジェタブルは、エース ジーンレーベルから誕生した、スリムなボディに収納力を凝縮した新ビジネスリュック。背負ったときはもちろん、身体の前に回し前抱えたときも物の出し入れがしやすく、身体の横にはみ出して邪魔になりにくいシャープなスクエアデザインとなっています。

↑縦からも横からも取り出しやすいようにポケットを配置

 

↑縦・横どちらからも取り出せるPC 収納スペースを装備

 

↑吸水速乾ボトルホルダーも縦・横どちらからでも取り出せます

 

種類は「ガジェタブル」と「ガジェタブル WR」の2種類。ガジェタブルは、光沢感があり上品な印象のナイロンツイルを採用。ガジェタブル WRは、耐水性に優れたウォーターレジストタイプです。価格は、9Lタイプ1万7000円、13Lタイプ1万9000円、15Lタイプ2万円、 14Lタイプ2万1000円、16Lタイプ2万2000円(いずれも税別)。

 

本製品は前抱えした際に使いやすいデザインが特徴で、抱えた際に縦からも横からも収納物を取り出しやすい位置にポケットが設けられています。リュックの持ち方マナーに着目した「ガジェタブル」なら、通勤時の混雑した電車内でも快適に過ごせそうですね。

究極の「完全防水バックパック」だ! 温度と湿度をモニタリングしてカビにとどめを刺す「Inrigo」

便利なデバイスがどんどん登場し、誰しもカバンのなかに最低1つはタブレットやカメラ、ラップトップコンピュータなどが入っているのが普通になりました。それに合わせて完全防水のリュックへのニーズも高まり、たくさんの製品が市場に出されてきました。

 

そんななかKickstarterで開発資金を募り始めたのが、「雨に打たれて川を渡るような熱帯雨林の移動でも安心な完全防水スマートバックパック」の「Inrigo」です。

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Inrigoが他の完全防水リュックと大きく違うのはスマートフォンとBluetoothで接続できる点です。カバンのなかの湿度と温度をモニタリングして、カバンの外側のディスプレイに常時表示。設定した湿度や温度を越えたり下回ったりするとスマホに通知してくれる仕組みです。

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精密な機械にとっては湿度や温度は最大の敵。特にカメラのレンズにはカビが生えてしまう危険性があり写真家は細心の注意を払っています。防水リュックはデザイン上熱や湿気がこもってしまいがちですので、カメラやレンズを守るための機能のせいでレンズがダメになってしまうという皮肉な事態もあり得るわけです。

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そうかと言って乾燥しすぎてもゴム部分の劣化などにつながるので、「最適な湿度・温度域をキープ」することが大事になります。Inrigoのスマホ通知機能があれば、高温多湿な地域で撮影に熱中していてもアプリを通して気づかせてくれるので、ありがたいですよね。

 

Bluetoothで通知してくれるのは湿度と温度だけではありません。本製品から一定の距離以上離れたときもスマホに通知が送られます。なので、被写体を追いかけているうちにカバンを置き忘れるという失敗も未然に防止。撮影中でなくても高価な機材が入っているカバンのモニタリングという意味でも安心です。

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内部に入れるカメラケースも付いた「ProPak」は約2万円(日本への発送料は約3900円)で乾燥剤200グラムが2つ付いてきます。自分がすでに使っているカメラケースをカバンに入れたいという人向けの「LitePak」は通常約1万7600円(日本への発送料は約2200円)となっています(どちらも2018年5月の配送予定)。

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もちろんスマートなだけがセールスポイントではありません。カメラ2台、レンズ5つを収納できる35リットル容量のカバンとなるとかなりの重量になりますが、腰の部分をしっかりと巻いてくれるランバーサポート・ストラップで重い機材の腰への負担を軽減してくれます。カバンの外側にはフックとして使えるストラップがついているのでドローンや寝袋、三脚などを取り付けるのも簡単です。

 

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そして、完全防水(保護等級はIP78であり、継続的に水のなかに沈んでも内部に浸水しません)でありながらパッと開くことができるジッパー構造も非常に魅力的です。防水バッグというと、二つ折りにしてフタを付けるという複雑なデザインのために開閉が面倒なものも多いですが、Inrigoの場合はそれがありません。一番上を全開にできて簡単に中身を取り出すことができるため、シャッターチャンスを逃すこともなさそうです。

 

さらに空気をなかに送りこむためのバルブもついています。ポンプを使ってカバンを膨らませておくことで、予想外の衝撃からカメラを守ってくれます。これは賢いデザインですよね。

 

Kickstarterでは目標金額の144万円を上回る資金を獲得。従来の防水リュックを越えるInrigoは高い期待を集めながら、多くのバッカーに届きます。