“遊びの空間”が “もっと遊べる空間”へ! 3代目ルノー・カングーの進化をチェック

今回は日本で華開いた商用車ベースMPV、ルノー・カングーをピックアップ! 3代目になって一層際立った進化を紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自慢の使い勝手にはさらなる磨きがかかった!

RENAULT
KANGOO

SPEC【クレアティフ(ディーゼル)】●全長×全幅×全高:4490×1860×1810mm●車両重量:1650kg●パワーユニット:1460cc直列4気筒SOHCディーゼル+ターボ●最高出力:116PS/3750rpm●最大トルク:27.5kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:17.3km/L

 

「遊びの空間」と銘打ち、2世代に渡るヒット作となったカングーが3代目へとスイッチ。新型では謳い文句も「もっと遊べる空間」へと変化したが、中身をチェックすると進化は確かに全方位的だ。

 

まず、ボディサイズは先代比で全長と全幅がそれぞれ210mmと30mm拡大されたが、それに伴い自慢の荷室は一層広大に。容量は後席使用時でも775L、後席をたたむと2800Lに達し、数値上はいずれも先代を100L以上上回る。また、良くも悪くも商用車然とした先代までに対し、新型の内外装は乗用車らしい質感も獲得。加えて、運転支援系の装備も最新モデルに相応しい充実ぶりだ。

 

日本仕様のエンジンは、1.3Lガソリンターボと1.5Lディーゼルターボの2種。ミッションは、いずれも7速DCTを組み合わせるが、動力性能は必要にして十分というところ。ガソリンでは日常域の快適性が、ディーゼルは充実したトルクによる扱いやすさや力強さが実感できるので、どちらを選ぶかはユーザーの好みや用途次第だろう。先代と比較すると価格まで大幅に“成長”したのは少し気になるが、新型は操縦性や乗り心地といったシャーシ性能も着実に進化。その意味では、輸入車MPVとして相変わらず狙い目の1台であることは間違いない。

 

力強さと経済性ならディーゼル優位だが……

ガソリン仕様(上)の燃費は15.3km/lとディーゼル(下)より控え目。だが24万円の価格差、快適性の違いを考慮してガソリン仕様を選ぶ意義はありそうだ。

 

運転支援系の装備は格段に充実!

室内は、相変わらずボディサイズ以上の広さ。走行時の車線維持支援など、安全性を高める運転支援関連の装備も大幅に充実している。

 

好評だったアイコン的装備は継承!

左右に開くダブルバックドアは、カングーらしい装備のひとつ。無塗装のバンパー仕様が選べるのも特徴的だが、この組み合わせは日本向けにしか存在しないとか。その走りは先代より洗練された。

 

“もっと遊べる”ことは間違いなし!

先代比では後席使用時で115L、後席をたたんだ際は132Lも容量が拡大された荷室。絶対的容量の大きさに加え、スクエアな形状も魅力的。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

 

クルマの神は細部に宿る。【ルノー カングー編】走りは完璧な新型の問題点とは?

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は、キャンプやペット生活を楽しむ人たちの間で大人気のカングーを取り上げる。顔が一新された新型の評価は?

※こちらは「GetNavi」 2023年7月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【PROFILE】

永福ランプ(清水草一)
日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感、クルマを評論する際に重要視するように。

安ド
元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】

RENAULT
KANGOO

SPEC【クレアティフ・ディーゼル】●全長×全幅×全高:4490×1860×1810mm●車両重量:1650kg●パワーユニット:1460㏄直列4気筒ディーゼルターボ●最高出力:116PS(85kW)/3750rpm●最大トルク:270Nm/1750rpm
●WLTCモード燃費:17.3km/l

481万円〜850万円

 

走りは問題なし! 問題はボディカラーの少なさ?

安ド「殿! 今回は新しいカングーを紹介します!」

永福「問題の新型カングーだな」

安ド「えっ、問題とは?」

永福「カングーはここ日本で、フランス人もビックリの人気を誇ってきた。質素でオシャレで実用的なフランス製ミニバンとして、数多くのファンを持っている」

安ド「独特のどんぐりまなこが良かったですよね!」

永福「ところが新型は、フランスの公務員のような顔になった」

安ド「なるほど、それが問題ですか。でも今回の撮影車は、日本向けにわざわざ黒い樹脂バンパーを付けた質素なグレードで、これなら悪くないと思います!」

永福「確かに悪くない」

安ド「僕が乗っていたフィアット・ムルティプラの整形顔を思い出しました。商用車風のスチールホイールもカッコ良いです!」

永福「扁平率が60の分厚いタイヤも良いな」

安ド「乗ってみると、走りも良いのでビックリしました。カングーってこんなに操縦安定性が良かったでしたっけ?」

永福「最近のルノー車らしい、タイヤが路面に吸い付くような安定感抜群の走りだな」

安ド「今回は1.5lのディーゼルエンジン仕様でしたが、静かで実用的で良く走りますね!」

永福「燃費も良いぞ。首都高を軽く流したら、22km/lも走った」

安ド「凄いですね! 燃料は軽油ですし!」

永福「走りには文句なしだ」

安ド「じゃ問題は顔だけってことですね?」

永福「いや、まずボディカラー。黒い樹脂バンパーの質素仕様は、白か黄色しか選べない」

安ド「ええっ! たったの2色ですか!?」

永福「いくらなんでも4色くらい揃えてほしいぞ」

安ド「そのうち増えるんじゃないでしょうか?」

永福「だと良いな」

安ド「ほかにもありますか?」

永福「ある。大幅な値上げだ。先代カングーは250万円くらいから買えたのが、新型は384万円から。今回のクレアティフ・ディーゼルは419万円だ」

安ド「エエ〜ッ! 先代カングーって安かったんですね……」

永福「確かに、いま考えるとものすごく安かった。だから人気があったのだな」

安ド「でも、カングー人気は日本でも定着してますから、高くなってもファンは買うんじゃないでしょうか?」

永福「とは思うが、現在はシトロエン・ベルランゴというライバルが出現している。コンセプトもサイズも値段もほとんど同じ。そしてデザインや装備はベルランゴのほうがかなり上だ。私ならベルランゴを選ぶな」

安ド「ベルランゴのボディカラーは何色ですか?」

永福「5色だ」

安ド「カングー、ピンチですね!」

 

【GOD PARTS 神】インパネアッパーボックス

フランスの働く人たち御用達の便利機能

運転席正面に小物入れがあるのは普通ですが、カングーにはここから伸びるスマホホルダーがオプション設定されています。内部にはUSB端子もあって充電もバッチリ。さらに同じものを左右両側につけることも可能で、これは母国フランスで仕事用とプライベート用でスマホを2つ使用するユーザーが多いそうで、そこへの配慮らしいです。

 

 

【GOD PARTS 01】ダブルバックドア

 

日本では見かけないが欧州の香りを感じる

いわゆる「観音開き」です。日本のミニバンではほとんど採用されていませんが、逆にこういうところは欧州の香りが感じられて好ましいです。写真のように180度全開にできますが、途中の90度で一度止まる構造になっているので安心して開くことができます。

 

【GOD PARTS 02】ラゲッジスペース

 

広大すぎる空間を自由に使い倒せる

通常時でも775l、リアシートを前方に倒せば床はフラットになったうえ、2800lもの大容量スペースが出現します。なお、リアシートは6:4の分割可倒式になっていて、トノカバーと合わせて、空間を仕切るなどして自由に使い倒すことができます。

 

【GOD PARTS 03】チャイルドミラー

 

隠された小さなミラーで運転中でも後席が確認可能

前席頭上のオーバーヘッドコンソール中央には小さなミラーが隠されています。なぜ2つもバックミラーがあるのかというと、こちらは後席の子どもなどを見るための車内用。使わない時は裏返して格納できるので邪魔になりません。

 

【GOD PARTS 04】両側スライドドア

初代モデルから受け継ぐ使いやすいドア構造

日本のミニバンではおなじみですが、海外ではあまり多くないスライドドア。カングーはルーツが商用車であるため、初代モデルから採用されてきました。開口部が広くて乗りやすいうえ、荷物も積み込みやすくなっています。

 

【GOD PARTS 05】スチールホイール

安っぽさをウリにするハーフキャップデザイン

従来モデルではキャップレスのスチールホイールを履かせていたオーナーもいましたが、新型の「クレアティフ」グレードでは、商用車っぽいハーフキャップの16インチホイールが設定されています。チープな雰囲気が逆にイケてます。

 

【GOD PARTS 06】オーバーヘッドコンソール

頭上にモノを置くというスペース活用術

普通のクルマにはあまり付いていませんが、カングーではおなじみとなっているのが頭上の物入れ。手を伸ばせばスッとモノを取り出せるので重宝します。左右両側はつかめるようになっていて、アシストグリップとして使えます。

 

【GOD PARTS 06】ヘッドライト

 

幼かったイメージを大人っぽくするライト

初代と2代目はつぶらな瞳(ライト)だったカングーですが、新型は直線基調のキリッとしたまなざしに変更されました。顔の印象は大人っぽくなり、スポーティでワイド感があって、こちらのほうが好きという方もいるようです。

 

【GOD PARTS 07】ブラックバンパー

この感じが好き! という人の声が取り入れられた

本来、塗装のされていない黒い樹脂パーツというのは、商用車などでコストを抑えるために採用されるものです。しかし、この野暮ったさが良いというファンの声が取り入れられ、日本にも導入されることになったとか。ルノー首脳部の英断に拍手!

 

【GOD PARTS 08】パワーユニット

内燃機関モデルに乗れる喜び

新型には今回の1.5lディーゼルのほか、1.3lガソリンエンジンもラインナップされています。電動化がマストとなりつつある欧州ブランドながら、内燃機関を充実させているのはカーマニア的にはウレシイ限りです。

質実剛健がウリだったけど大丈夫? 3代目「ルノー カングー」乗って試す

フランスのルノー「カングー」と言えば、質実剛健な造りが日本でも人気を呼び、多くのファンを生み出したクルマです。そのカングーが2020年11月に3代目としてフルモデルチェンジを果たし、それから3年を経て日本での販売をスタート。サイズアップして乗用車としての乗り心地や使い勝手を高めた新型カングーをご紹介します。

 

■今回紹介するクルマ

ルノー/カングー

※試乗グレード:インテンス(ガソリンモデル)

価格:384万円〜424万5000円(税込)

↑1.3Lガソリンターボエンジンを搭載した「インテンス」。より乗用車ライクな外観を特徴とする

 

人気の秘密は質実剛健なコンセプト。3代目で「豪華になった」のは大丈夫?

カングーは高い実用性を持つ“乗用車”として、日本でも人気を集めているフランス車。わざわざ乗用車を“”で囲ったのには理由があって、もともとカングーは商用車として登場しているクルマだったからです。

 

カングーが誕生したのは1997年のことです。商用車らしく背を高くして十分なカーゴスペースを確保しながら、直進安定性やハンドリングなどが乗用車並みに優れていると高い評価を獲得。加えて当時の商用車としては数少ないABSや4つのエアバッグを標準搭載するなど、高い安全性も確保したことで、日本だけでなく世界中で人気モデルとなりました。

 

日本で初代が発売されたのは2002年。最初はバックドアを跳ね上げ式のみとしていましたが、翌年に実施されたマイナーチェンジを機に観音開き式のダブルバックドアが選択可能となりました。以降、カングーは使い勝手の良さから一躍人気モデルとなったのです。

 

そのカングーが今回のモデルチェンジで3代目となり、より大きく豪華なクルマへと進化を遂げました。ただ、“豪華になった”と聞けば、質実剛健さがウリだったカングーにとって果たして良いことなのか? そんな心配をする声も当然出てくるでしょう。ですが、その心配は基本無用と私は感じました。むしろ、走行中の安全性や使い勝手が進化したことで、実用車としての能力が一段と高められたのではないかと思ったのです。

 

全長が210mm長くなり、スタイリングにも余裕が生まれた

今回試乗したカングーは、カラードバンパーを採用し、より乗用車らしさを追求したグレード「インテンス」です。外観は、フロントグリルが従来のカングーとは大きく違ったデザインになり、以前よりも一段とルノーっぽさを感じさせます。ボディは前モデルに比べて全長が210mm長くなり、それによりAピラーを大きく傾斜させています。室内空間を狭めることなく伸びやかさを感じるデザインです。

 

一方でキャビンから後ろ方向を見ると、サイドのグラスエリアを細めにして、相対的にルーフ部分の厚みが増しています。これは商用車として荷物の積載に配慮したものですが、ここに本来のカングーっぽさを感じ取ることができます。

↑ガラスエリアを狭めたことから商用車としての基本構造が伝わってくるが、乗用車としても十分納得がいくデザインだ

 

さらに、3代目のラインナップには、フロントとリアがブラックバンパーになっている「クレアティフ」も用意されました。ホイールをセンターキャップのみともしており、よりカングーらしい質実剛健さを求めたいユーザーには格好のグレードと言えるでしょう。

↑ブラックバンパーやホイールが特徴的なグレード「クレアティフ」

 

全長が210mm伸びたことで、実感できたのが室内空間の広さです。特に「広いなぁ」と感じるのが後席で、一人ずつ専用シートが割り当てられている3座独立タイプとなっており、身長168cmの筆者が座っても十分なゆとりを感じます。フロアもフラットであるため、ゆったりと座ることができました。

↑シートサイズもたっぷりとしたサイズで、乗用車としての質感も申し分ないレベルに仕上がっていた

 

↑リアシートは3人分を専用シートで区切ってあるうえに、足元が広いために大人3人がゆったりと座れる

 

ただ、リアスライドドアは左右ともに完全な手動式で、国産なら今どき軽自動車でも電動化を実現していることを踏まえると残念に思うかもしれません。しかし、これがカングーだと思えば許せちゃうところが不思議です。

 

運転席に座って、変わりように驚いたのがインパネのデザインです。ダッシュボードは水平基調でデザインされ、中央にはフローティングされた8インチのディスプレイを配置。その下にはクロームで縁取られた空調用ダイヤルをはじめ、シフトレバーと電動パーキングブレーキがすっきりとまとめられています。

 

【運転席まわりのフォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

商用で使うならパーキングブレーキは引き上げるタイプの機械式が良かったのではないかと思いますが、時代の流れなのでしょう。もちろん、乗用として使うならより使いやすいと感じるはずです。

 

ダッシュボード中央の「8インチ・マルチメディア EASY LINK」は、カーナビこそ装備されていませんが、スマートフォンを接続することで、iPhoneならCarPlayで、AndroidならAndroid Autoによってさまざまなアプリが使えます。なので、iPhoneならGoogle マップやYahoo!カーナビが使え、AndroidならGoogle マップがメインとなるでしょうか。

↑カーナビは搭載していないため、スマホにインストールしてあるカーナビアプリを使うことになる。写真はアップルのCarPlay

カングーならではの圧倒的な収納力と使い勝手の良さ

そして、カングーならではの真骨頂が優れた収納力です。ダッシュボードのアッパーには開閉式の収納ボックスが用意され、ここにはUSB端子2基とシガーライターソケットを装備。また、おなじみのオーバーヘッドコンソールも引き継がれ、その手前には巨大なアシストグリップが装備されました。これまで親しまれてきたチャイルドミラーはくるりと回転すると現れるようになり、これまた使いやすさを高めています。

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

一方で、後席用のオーバーヘッドコンソールはなくなり、代わりに前席背後に使い勝手が良い折り畳み式テーブルが装備されました。

↑前席シート背後には新たに折りたたみ式テーブルが備えられた。後席に座った人には重宝する装備だ

 

ラゲッジスペースは当然の広さ。その容量は5名乗車時でも先代モデル比で115Lプラスとなる775Lを実現。後席は6:4分割で折りたたむことができ、すべてをたためば先代モデル比で132Lプラスの2800Lにもなります。しかもフロアは出っ張りがほとんどないフルフラット状態。フロアの地上高も低いために、重い荷物でも楽に積み込めそうです。

 

さらに、カングーの美点でもある観音開きのダブルバックドア。左右のドアは右が小さく、左が大きく左右非対称となっており、片方ずつ開いて荷物の出し入れができるのです。ドアの開閉は90度まで開き、必要ならロックを外すことで180度のフルオープンにすることもできます。状況に応じてさまざまなスタイルでドアの開閉ができるのは、いざというときに役立つでしょう。

 

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

エンジンは2モデル用意。ガソリンモデルは走りが軽やかで、乗り心地も◎

最後に、新型カングーの走りを検証したいと思います。エンジンは従来の1.2リッターから1.3リッターへ排気量アップしたガソリンターボを搭載しています。インテンスではほかに1.5リッターのディーゼルターボも選択可能。トランスミッションはどちらも湿式7速となったデュアルクラッチを備えるEDC(エフィシエントデュアルクラッチ)を採用。従来の乾式6速より機能面も耐久性も大幅にアップしたということです。

↑1.3L直4・ガソリンターボエンジンは最高出力96kW(131ps)/5000rpmを発揮する

 

ガソリンである試乗車は、想像以上に軽やかに発進し、そのまま滑らかに加速。ボディが大きくなったことなど、まるで感じさせない余裕を体感できます。高速域に入っても力不足を感じることはなく、安定した走りっぷりです。これなら定員乗車してたっぷり荷物を積んでも不満は感じないでしょう。

↑試乗したのはガソリン車。軽やかに発進し、そのまま滑らかに加速していく様はスムーズそのものだった

 

なかでも感心したのが市街地での走行フィールで、加減速が滑らかであるためにギクシャクする様子などまったく見せません。コーナリング中のロールもしっかりと抑えられており、これなら同乗者にも歓迎されるでしょう。

 

乗り心地も大幅に向上しました。これまでは道路の継ぎ目などをしっかり拾っていたものですが、新型ではそれを上手にいなしてくれ、高速走行時の安定した走りとも相まって格段に乗り心地がレベルアップしたことを実感させてくれます。静粛性も十分に高く、全ガラスの厚みを増したこともあり、同乗者の音声も1割ほど聞きやすくなったということです。そのためか、運転中は生い立ちが商用車であることなどすっかり忘れてしまうほど快適に走ることができました。

↑道路の継ぎ目も上手にいなすことで乗り心地は大幅に向上した。写真は.3Lガソリンターボエンジンを搭載したインテンス

 

素晴らしい仕上がりを見せた、ACCなどの先進安全装備

また、さまざまな先進安全装備の搭載も見逃せないポイントです。

 

アダプティブクルーズコントロール(ACC)とレーンセンタリングアシストを組み合わせることで、ステアリングに手を添えているだけで高速道路のコーナーを曲がっていってくれます。渋滞で停止しても電動パーキングブレーキが停止を自動的にホールド。再発進はクルコンのスイッチを押すか、アクセルを軽く踏むだけで設定はすぐに復帰されます。この一連の使いやすさはカングー初の装備とは思えない素晴らしい仕上がりでした。

↑多彩な運転アシストによりロングドライブをしっかりサポート。ACC制御も自然で違和感を覚えることはほとんどなかった

 

↑新たに搭載されたブラインドスポットモニター。隣接する車線に車両がいるとミラーでその存在を知らせてくれる

 

今回はディーゼル車の試乗は間に合いませんでしたが、低速域の力強さはガソリン車を上回るものがあると聞いています。ディーゼルということでノイズこそ高まる可能性はありますが、長距離を走ることが多い人ならこちらの選択を考えても良いのではないでしょうか。

 

とはいえ、前述したようにガソリン車でも走りで不満は感じません。新型は今までのカングーに愛着がある人も、乗用車的な使い方をしたかった人にとっても満足度が高い選択となることを実感した次第です。

 

SPEC【ルノー カングー インテンス(ガソリン)】●全長×全幅×全高:4490×1860×1810mm●車両重量:1560㎏●パワーユニット:1333Lターボチャージャー付き筒内直接噴射 直列4気筒 DOHC16バルブ●最高出力:131PS/5000rpm●最大トルク:240Nm/1600rpm●WLTCモード燃費:15.3km/L

 

撮影/松川 忍

 

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新型「ルノー カングー」は観音だし広くなったし静かだしココロオドルぜぃ!

ルノー・ジャポンは、広大な室内空間と豊富なユーティリティ、そしてひと目でカングーとわかるデザインが特徴の「ルノー カングー」をフルモデルチェンジ。すでに全国のルノー正規販売店で販売をスタートしています。

 

新型カングーはもともと広かった室内空間がさらに広がり、2種類のパワートレーン、先進の運転・駐車支援システムを採用。「LUDOSPACE(ルドスパス)=遊びの空間」が「もっと遊べる空間」へと進化しています。

 

大きく進化したポイントを紹介!

【その1】快適で楽しい時間を過ごすためのインテリア

形状が見直されたフロントシートは一回り大きくなり、サポート性も向上しています。3座独立タイプ、6:4分割式リアシートには、大人3人がしっかりと乗車することが可能。

 

さらに新型カングーでは、静粛性が大きく向上しています。ダッシュボードには3層構造の防音材を使用し、エンジンルーム、前後サイドドアにも防音材を追加。全ての窓ガラスの厚みも増しました。この結果、可聴音声周波数が10%向上し、室内での会話が聞き取りやすくなっています。室内での会話が弾むこともカングーの特徴ですから、この点は嬉しいポイント。

 

【その2】たくさん積めて、自在に使える

新型カングーのボディサイズは、全長が4490ミリ、全幅が1860ミリ、全高が1810ミリと、前モデルに比べて全長が210ミリ長く、全幅が30ミリ大きくなりました。ホイールベースは2715ミリと前モデルに比べて15ミリ長くなりました。最小回転半径は5.3メートルです。

 

この大きくなった全長によって、荷室の床面長も通常時で1020ミリ(前モデル比+100ミリ)、後席を折りたたむと1880 ミリ(+80ミリ)と拡大。これに伴い荷室容量は通常時で775リッター(前モデル比 +115リッター)、後席を折りたたむと2800 リッター(前モデル比+132リッター)に、荷室の積載量が大きく増えました。

 

数字が並びましたが、端的に言うと、たくさん荷物を乗せられて、居住空間も広くなってもっと快適になっています。

 

【その3】直噴ガソリンターボとディーゼルエンジンの2タイプ

搭載されるエンジンは、新たに1.3リッター直噴ガソリンターボエンジンと1.5リッターディーゼルターボエンジンがラインナップされ、好みに合わせて選ぶことができます。1.3リッター直噴ガソリンターボエンジンは、1600rpmの低回転から240N・mの最大トルクを生み出し、最高出力131PS/5000rpmを発揮します。

 

一方の1.5リッターディーゼルターボエンジンは、最高出力116PS/3750rpm、最大トルク270N・m/1750rpmを発揮します。どちらのエンジンも、組み合わされるトランスミッションは高効率な電子制御7速AT(7EDC)です。

 

ドライブを安心して楽しめるよう、アダプティブクルーズコントロール、レーンセンタリングアシスト、アクティブエマージェンシーブレーキ。そして、日本導入モデルでは初となるエマージェンシーレーンキープアシスト、ブラインドスポットインターベンションなどの先進の運転・駐車支援システムが、数多く装備されま した。

 

特別仕様車で心躍る!

新型カングーの発売を記念し、ルノー カングー クレアティフの特別仕様車 ルノー カンクグー プルミエール エディションを同時に販売。ルノー カングー プルミエール エディションは、 ルノー カングー クレアティフには設定のないボディカラーのブラウン テラコッタ M、グリ ハイランド M、 ブルー ソーダライト M にペイントされた、特別なモデルです。

 

■ガソリンモデル

ルノー カングー インテンス 395万円(税込)

ルノー カングー クレアティフ 395万円(税込)

ルノー カングー ゼン(受注生産車) 384万円(税込)

ルノー カングー プルミエール エディション(特別仕様車) 400万5000円(税込)

 

■ディーゼルモデル

ルノー カングー インテンス 419万円(税込)

ルノー カングー クレアティフ 419万円(税込)

ルノー カングー プルミエール エディション(特別仕様車)  424万5000円(税込)

 

新型カングーで何と言っても嬉しいのは、観音式のバッグドアが新型にも採用になっている点。本国フランスの乗用モデルはハッチバック式になっており、商用モデルのみに搭載されており、日本だけのスペシャルな使用になっています。

 

また、黒のバンパーも本国では商用モデルのみの設定となっているので、従来モデルのカングーに惹かれていた人は引き続き購入できる内容になっています。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

いまこの仏車にAttention! オシャレで機能も十分なモデルをプロがピックアップ

オシャレで機能的、燃費性能や安全運転支援技術も進化しているフランス車のなかでも、特にオススメのモデルをプロが「エレガントなフレンチ」「小粋なフレンチ」の視点でピックアップ。ピュアスポーツとして名高いアルピーヌも紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【その1】ルノー

私が選びました!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

納得の完成度を誇る欧州ナンバー1SUV

キャプチャー

309万円〜389万円(税込)

キャプチャーは2021年に欧州で一番売れたSUV。躍動感あふれるスタイリング、上質で使いやすいインテリア、ルノーらしく自然で安定した走りが人気の理由だろう。日本の道路事情に合ったコンパクトなサイズもうれしい。

SPEC【E-TECH ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm●車両重量:1420kg●パワーユニット:1597cc4気筒DOHC+モーター●最大出力:94PS[49PS]/5600rpm●最大トルク:15.1kg-m[20.9kg-m]/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑コンパクトSUVながら広いラゲッジスペースを確保。後席使用時でも536L、リアシートを倒せば最大1235Lにまで拡大する

 

↑E-TECH HYBRIDはエンジン側に4速、モーター側に2速のギアを搭載。計12通りの組み合わせでシームレスな変速を実現する

 

↑360度カメラを搭載し、真上から見下ろしたような映像をスクリーンに表示してくれる。ギアをリバースに入れると自動で起動する

 

[ココにAttention!] F1技術を注いだハイブリッドも登場

ハイブリッド仕様が最近追加。F1のノウハウを注入したE-TECH HYBRIDは、輸入車SUVナンバー1の燃費をマークしつつ、ハイブリッドらしからぬダイレクトな走りも魅力。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

トゥインゴ

225万円〜254万円(税込)

3代目でリアエンジンに変身したベーシックルノー。5ナンバーに収まるサイズ、驚きの小回り性能、独特のハンドリングなど、国産コンパクトとはひと味違った魅力がいっぱいだ。

 

↑エンジンはリアラゲッジ下に効率良く配置。リアエンジンの採用でタイヤを車両の四隅に配置でき、後席の足元空間にも余裕が生まれる

 

↑シンプルにまとめられた運転席まわり。電子制御6速ATと0.9L3気筒ターボエンジンの組み合わせで、力強い走りを実現している

 

↑インテンス MTには5速マニュアルトランスミッションを採用。1.0Lの自然吸気エンジンとの組み合わせで、小気味良く操ることが可能

 

[ココにAttention!] 往年の名車がモチーフ!

キュートなのに存在感あるスタイリングは、1970〜80年代に活躍したミッドシップのラリーカー、5ターボがモチーフ。それをベーシックカーに反映する発想がまたスゴい。

 

【その2】プジョー

私が選びました!

モータージャーナリスト
飯田裕子さん
自動車メーカー在職中に培ったレースや仕事経験を生かしつつ、カーライフの“質”や“楽しさ”を提案する。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

デザインで選びたくなるプジョープライドを体現

508SW

598万9000円〜704万3000円(税込)

プジョーのフラッグシップ508のステーションワゴン。機能的なワゴンをデザインで選びたくなるようなスタイルに磨きをかけ、上質さや快適性、ドライバビリティが高められた。3タイプのパワーチョイスには新たにPHEVが加わった。

SPEC【GT BlueHDi】●全長×全幅×全高:4790×1860×1420mm●車両重量:1670kg●パワーユニット:1997cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:177PS/3750rpm●最大トルク:40.7kg-m/2000rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L

 

↑伸びやかなフォルムの前後にはLEDライトを採用し、最新のプジョーらしさを上質さとともに表現。デザインで選ぶ人がいても納得

 

↑期待以上の機能美をプジョーらしく象徴するラゲッジ。スクエアでフラットなスペースは先代を上回る収納量530〜1780Lを誇る

 

[ココにAttention!] 燃費性能に優れるディーゼルは優秀

3種類のパワーソースが揃う。特に快適指数も高く燃費にも優れるディーゼルの力強く扱いやすい動力と、しなやかなドライブフィールが、美しい508SWの行動意欲をかき立てる。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

208

284万5000円〜460万2000円(税込)

コンパクトカー作りの名手プジョーが、ブランドの特徴を凝縮し、若々しくスポーティな走りやデザインを体現。独創的かつ最先端の「3D i-Cockpit」の機能性にも注目したい。

 

[ココにAttention!] EVもガソリン車も走りを楽しめる!

208をピュアEVで楽しめる時代に突入。一方、国産コンパクトと競合するピュアガソリン車のプジョーらしい走りも、優れたパッケージやデザインと並んで捨てがたい魅力だ。

 

【その3】シトロエン

私が選びました!

自動車・環境ジャーナリスト
川端由美さん
エンジニアから自動車専門誌の編集記者を経て、フリーのジャーナリストに。エコとテックを専門に追う。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

広大な空間を持つMPVながらエレガントな雰囲気はキープ

ベルランゴ

367万6000円〜404万5000円(税込)

広大な室内空間を持つクルマで家族と一緒に出かけたいけれど、所帯じみて見えるのは避けたい。いや、むしろ、エレガントに乗りこなしたい! という人にオススメ。フランス車らしいエレガントなデザインに目を奪われる。

SPEC【SHINE BlueHDi】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●車両重量:1630kg●パワーユニット:1498cc4気筒DOHCディーゼル+ターボ●最大出力:130PS/3750rpm●最大トルク:30.6kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:18.1km/L

 

↑収納スペースが豊富なのがベルランゴの特徴。天井部にも収納スペースが用意され、小物を効率良くまとめて置いておけるのが◎

 

↑コラボ企画で生まれた車中泊用純正アクセサリー。リアシートを倒しエクステンションバーを伸ばすと、フラットなベッドに早変わり

 

[ココにAttention!] 3列シートモデルの登場に期待したい!

小柄なボディながら、オシャレな内外装と、大人5人がくつろげる室内空間と広大な荷室を両立。全長4.4mのコンパクトさは維持しつつ、3列シート7人乗りの「XL」も年内発売予定だ。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

C3

265万8000円〜291万3000円(税込)

フランス車のなかでも、特にアヴァンギャルドで、お国柄が色濃いシトロエン。そのエスプリは、末っ子のC3でも存分に味わえる。小型車でも、細部まで妥協がない。

 

[ココにAttention!] 個性的なカラーと扱いやすさがイイ

個性的なボディカラーに、ルーフとドアミラーをツートーンでコーディネートすることもできる。全長4m未満と街なかで扱いやすいボディサイズだが、後席にも十分に大人が座れる。

 

PICK UP!

航続距離70kmでも欧州で爆売れ! 「アミ」はシトロエンのマイクロEV

シトロエンの超小型EV「アミ」。フランスでは普通免許が不要で、原付のような位置付けだ。220Vの電圧で約3時間で充電可能で、航続距離は70km。残念ながら日本未発売だが、パリの街では目立つ存在になりつつある。

 

【その4】ディーエス オートモビル

私が選びました!

モータージャーナリスト
岡本幸一郎さん
1968年生まれ。フランス車ではプジョー205GTIの所有歴がある。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

パリで育まれた感性が光るDSのフラッグシップSUV

DS 7 CROSSBACK E-TENSE 4×4

754万1000円(税込)

プレミアムブランドとしてシトロエンから独立したDSが初めてイチから開発したモデル。パリ生まれの優美な内外装デザインに最新のテクノロジーを融合した高級SUVで、E-TENSEはリアを強力なモーターで駆動するプラグインハイブリッド車だ。

SPEC●全長×全幅×全高:4590×1895×1635mm●車両重量:1940kg●パワーユニット:1598cc4気筒DOHC+ターボ+モーター●最大出力:200PS[110(前)112PS(後)]/6000rpm●最大トルク:30.6kg-m[32.6(前)16.9(後)kg-m]/3000rpm●WLTCモード燃費(ハイブリッド燃料消費率):14.0km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑エンジンを始動するとエレガントなデザインのB.R.M社製の高級アナログ時計がダッシュボード上に現れる。自動時刻修正機能も搭載

 

↑高級腕時計に用いられる高度な技法“クル・ド・パリ”を採用したセンターコンソール。多数のピラミッドが連なっているように見える

 

[ココにAttention!] 路面状態を認識し足回りを最適化

これから通過する路面の凹凸をフロントカメラで認識して足まわりのダンパーを最適に電子制御する「DSアクティブスキャンサスペンション」を搭載。乗り心地は極めて快適だ。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

DS 4 TROCADERO PureTech

398万円〜(税込)

年頭に開催された国際自動車フェスティバルでは、”世界で最も美しいクルマ”を意味する「Most Beautiful Car of the Year」を受賞。最廉価版なら400万円を切る価格にも注目。

 

[ココにAttention!] デザインも良いが走りもスポーティ!

受賞実績でも明らかなとおりデザインが素晴らしいのは言うまでもないが、走りも素晴らしい。新世代プラットフォームによる走りは快適性とスポーティさを見事に両立している。

 

【TOPIC】ピュアスポーツとして名高いフランス車が「アルピーヌ」だ

私が解説します!

モータージャーナリスト
清水草一さん
1962年東京生まれの自動車ライター。これまで50台以上の自家用車を購入している。

軽量ボディと適度なパワーで思い通りに操れるのが魅力

1960年代から70年代にかけて、リアエンジン・リアドライブレイアウトの軽量ボディでラリー界を席巻したのがアルピーヌA110。あの伝説のマシンが、40年の歳月を経て現代によみがえった。それがアルピーヌA110であり、そのパワーアップ版がA110Sだ。

 

現在のアルピーヌは、ルノーブランドのひとつ。新型アルピーヌは、エンジンを車体中央に横置きするミッドシップレイアウトに変更されている。いわゆる「スーパーカーレイアウト」だ。

 

フェラーリやランボルギーニなど、現代のスーパーカーはあまりにも大きく、パワフルになりすぎていて、性能を使い切ることが難しいが、アルピーヌは軽量コンパクトでパワーも適度。純粋に走りを楽しむことができるモデルだ。

 

最適パフォーマンスが光る“手ごろなスーパーカー”!

アルピーヌ

A110 S

897万円(税込)

1100kgしかない軽量ボディに252馬力の1.8L4気筒ターボエンジンを搭載し、2017年、アルピーヌA110の名で40年ぶりの復活を遂げた。A110Sは最高出力が300PSに増強された、よりスポーツ色が強いバージョンだ。

SPEC●全長×全幅×全高:4205×1800×1250mm●車両重量:1110kg●パワーユニット:1798cc4気筒DOHC+ターボ●最大出力:300PS/6300rpm●最大トルク:34.6kg-m/2400rpm●WLTCモード燃費:14.1km/L

 

↑3種類のドライブモードから選択可能。ステアリング右下の赤いボタンを押すと、即座にスポーツモードとなり、走りがスポーティに

 

↑アルピーヌA110は軽さが命。ボディの骨格はオールアルミ製だ。1100kgという車両重量は、コンパクトカー並みの軽さを誇る

 

↑車両底面にフタをしてフラットにすることで、空気をスムーズに流し、高速域ではダウンフォースを発生させている

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

納得の完成度を誇る欧州ナンバー1SUV、ルノー「キャプチャー」【いまこの仏車にAttention!】

オシャレで機能的、燃費性能や安全運転支援技術も進化しているフランス車のなかでも、特にオススメのモデルをプロが「エレガントなフレンチ」「小粋なフレンチ」の視点でピックアップ。今回はルノーを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

RENAULT(ルノー)

私が選びました!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

キャプチャー

309万円〜389万円(税込)

キャプチャーは2021年に欧州で一番売れたSUV。躍動感あふれるスタイリング、上質で使いやすいインテリア、ルノーらしく自然で安定した走りが人気の理由だろう。日本の道路事情に合ったコンパクトなサイズもうれしい。

SPEC【E-TECH ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm●車両重量:1420kg●パワーユニット:1597cc4気筒DOHC+モーター●最大出力:94PS[49PS]/5600rpm●最大トルク:15.1kg-m[20.9kg-m]/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑コンパクトSUVながら広いラゲッジスペースを確保。後席使用時でも536L、リアシートを倒せば最大1235Lにまで拡大する

 

↑E-TECH HYBRIDはエンジン側に4速、モーター側に2速のギアを搭載。計12通りの組み合わせでシームレスな変速を実現する

 

↑360度カメラを搭載し、真上から見下ろしたような映像をスクリーンに表示してくれる。ギアをリバースに入れると自動で起動する

 

[ココにAttention!] F1技術を注いだハイブリッドも登場

ハイブリッド仕様が最近追加。F1のノウハウを注入したE-TECH HYBRIDは、輸入車SUVナンバー1の燃費をマークしつつ、ハイブリッドらしからぬダイレクトな走りも魅力。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

トゥインゴ

225万円〜254万円(税込)

3代目でリアエンジンに変身したベーシックルノー。5ナンバーに収まるサイズ、驚きの小回り性能、独特のハンドリングなど、国産コンパクトとはひと味違った魅力がいっぱいだ。

 

↑エンジンはリアラゲッジ下に効率良く配置。リアエンジンの採用でタイヤを車両の四隅に配置でき、後席の足元空間にも余裕が生まれる

 

↑シンプルにまとめられた運転席まわり。電子制御6速ATと0.9L3気筒ターボエンジンの組み合わせで、力強い走りを実現している

 

↑インテンス MTには5速マニュアルトランスミッションを採用。1.0Lの自然吸気エンジンとの組み合わせで、小気味良く操ることが可能

 

[ココにAttention!] 往年の名車がモチーフ!

キュートなのに存在感あるスタイリングは、1970〜80年代に活躍したミッドシップのラリーカー、5ターボがモチーフ。それをベーシックカーに反映する発想がまたスゴい。

 

 

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納得の完成度を誇る欧州ナンバー1SUV、ルノー「キャプチャー」【いまこの仏車にAttention!】

オシャレで機能的、燃費性能や安全運転支援技術も進化しているフランス車のなかでも、特にオススメのモデルをプロが「エレガントなフレンチ」「小粋なフレンチ」の視点でピックアップ。今回はルノーを紹介する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

RENAULT(ルノー)

私が選びました!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

エレガントなフレンチを狙うなら!

キャプチャー

309万円〜389万円(税込)

キャプチャーは2021年に欧州で一番売れたSUV。躍動感あふれるスタイリング、上質で使いやすいインテリア、ルノーらしく自然で安定した走りが人気の理由だろう。日本の道路事情に合ったコンパクトなサイズもうれしい。

SPEC【E-TECH ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm●車両重量:1420kg●パワーユニット:1597cc4気筒DOHC+モーター●最大出力:94PS[49PS]/5600rpm●最大トルク:15.1kg-m[20.9kg-m]/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

↑コンパクトSUVながら広いラゲッジスペースを確保。後席使用時でも536L、リアシートを倒せば最大1235Lにまで拡大する

 

↑E-TECH HYBRIDはエンジン側に4速、モーター側に2速のギアを搭載。計12通りの組み合わせでシームレスな変速を実現する

 

↑360度カメラを搭載し、真上から見下ろしたような映像をスクリーンに表示してくれる。ギアをリバースに入れると自動で起動する

 

[ココにAttention!] F1技術を注いだハイブリッドも登場

ハイブリッド仕様が最近追加。F1のノウハウを注入したE-TECH HYBRIDは、輸入車SUVナンバー1の燃費をマークしつつ、ハイブリッドらしからぬダイレクトな走りも魅力。

 

小粋なフレンチを狙うなら!

トゥインゴ

225万円〜254万円(税込)

3代目でリアエンジンに変身したベーシックルノー。5ナンバーに収まるサイズ、驚きの小回り性能、独特のハンドリングなど、国産コンパクトとはひと味違った魅力がいっぱいだ。

 

↑エンジンはリアラゲッジ下に効率良く配置。リアエンジンの採用でタイヤを車両の四隅に配置でき、後席の足元空間にも余裕が生まれる

 

↑シンプルにまとめられた運転席まわり。電子制御6速ATと0.9L3気筒ターボエンジンの組み合わせで、力強い走りを実現している

 

↑インテンス MTには5速マニュアルトランスミッションを採用。1.0Lの自然吸気エンジンとの組み合わせで、小気味良く操ることが可能

 

[ココにAttention!] 往年の名車がモチーフ!

キュートなのに存在感あるスタイリングは、1970〜80年代に活躍したミッドシップのラリーカー、5ターボがモチーフ。それをベーシックカーに反映する発想がまたスゴい。

 

 

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日本にようこそ! フランスを代表するMPV、新「カングー」が待望のフルモデルチェンジ

本国での発売から1年半が経過した3代目のルノー「カングー」。その日本での発売時期が迫ってきている。フランスを代表するMPVはどんな変化を遂げたのか解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

プラットフォームが一新してロングランもさらに快適!

ルノー

カングー

価格未定 近日発売予定

フルゴネットと呼ばれる小型貨客両用車の進化形としてカングーが登場したのは1997年。2代目ではボディが大型化されたが、日本では個性的かつ孤高の存在であり、輸入車としては割安だったこともあって大人気モデルになった。

SPEC【Equilibre TCe 100 BVM(欧州仕様)】●全長×全幅×全高:4486×1860×1838mm●車両重量:非公表●パワーユニット:1333cc4気筒DOHC+ターボ●最大出力:102PS(75Kw)●最大トルク:20.4kg-m(200Nm)●WLTP(新欧州複合基準)モード燃費:18.9km/L

 

3代目は直線基調となりメカニズムも進化した!

日本におけるルノーの代表モデルとして親しまれているカングーが、まもなく3代目となる新型に切り替わる。

 

やさしい丸みで描かれたボディが特徴の先代とは対照的に、新型は直線基調の機能的なフォルムとなることがわかっている。これは先代モデルの登場後、ルノー・デザインのチーフが現在のローレンス・ヴァン・デン・アッカー氏に代わったことが大きいだろう。同社の「ルーテシア」や「キャプチャー」などとトーン&マナーの統一を図りたいという気持ちはあったはずだ。

 

それ以上に注目したいのは、先進運転支援システムやパワーユニットがバージョンアップされること。どちらもルーテシアやキャプチャーと同じものになりそうで、ロングランはさらに快適になっているだろう。元々定評のある走りもさらに磨かれており、裏切らない1台になることは間違いない。

↑現行のカングーと比較してボディサイズは全長+206mm、全幅+30mm、全高+28mmと拡大。ホイールベースも+16mm長くなっている

 

↑後席部分は当然のごとくスライドドアを採用。開口部は最大で615mmと広く、2列目シートへの乗降性や荷物の積載性が向上している

 

↑ウッド張りのダッシュボードが目を引くフロントシートまわり。スマホとの連携機能を備えた8インチのタッチスクリーンも備える

 

↑荷室は2列目シートの使用時でも775L、収納時は最大で約3500Lまで拡大する。リアハッチゲートは観音開きから跳ね上げ式に変更された

 

【Column】3年ぶりにカングー ジャンボリーが開催!

日本じゅうのカングーファンが一堂に集う「カングー・ジャンボリー」が10月16日(日)に山梨県の「山中湖交流プラザ きらら」で開催。駐車には駐車券(1000円)が必要で、最大収容台数は2100台となる。

 

 

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オシャレさと力強さを兼ね備えた仏車をフィーチャー!! いま注目の“トレビアン”な4社の真実に迫る

いまフランス車の評価が高まっている。美しく、エッジの効いたデザインはもちろん、フランス人の合理主義が生み出す使い勝手の良さも魅力のひとつ。ハイブリッドやEVだって豊富に揃う。世界で最もトレビアンなクルマなのだ!

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

 

アナタの知らない仏車

世界的にも評価が高まる同国車の真実に迫る!

オシャレなイメージが先行しているフランス車は、それぞれのメーカーの魅力が語られないことも多い。意外と知られていない真実を解明すべく、フランス車が大好きで、フランス車に精通するモビリティジャーナリストが解説する。

 

私が解説します!

モビリティジャーナリスト
森口将之さん
これまで所有した愛車の3分の2がフランス車。渡仏経験も多く、クルマ以外のモビリティにも詳しい。

 

【その1】フランス車にはどんなメーカーがある?

RENAULT/ルノー

センスの良さが光る生活のパートナー

1898年にパリ近郊で創業したルノーは、第二次世界大戦後しばらく国営企業だった。いまもフランス政府が日産とともに筆頭株主。それもあって生活に根付いた実用車が中心だ。しかしデザインは洗練されていて、センスの良いデザイン雑貨を思わせる。F1に熱心なのも特徴。

 

PEUGEOT/プジョー

ライオンの強さと切れ味良い走り

プジョーは1889年にクルマ作りを始める前から金属製品を手掛けていた。エンブレムのライオンは強さや切れ味を表現すべく、そのころから使われている。本拠地はドイツ国境に近いアルザス地方。そのためかフレンチ風味は濃厚ではなく、切れ味良い走りがウリだ。

 

CITROEN/シトロエン

独創と快適へのこだわりはピカイチ

1919年にクルマ作りを始めたシトロエンは、欧州でいち早く大量生産を実現し、前輪駆動の量産車を送り出すなど、昔から革新的。ハイドロニューマチックに象徴される乗り心地へのこだわりも特徴で、個性的なデザインと併せて、フランス車の象徴と言われることが多い。

 

DS AUTOMOBILES/DS オートモビル

パリの先鋭と洗練が息づくプレミアム

最初はシトロエンのなかのプレミアムラインという位置づけだったが、人気の高まりによって2015年に独立。パリの先鋭と洗練、匠の技をクルマに織り込んだプレミアムブランドで、モータースポーツではブランド設立直後からフォーミュラEに参戦している。

 

【その2】個性あふれるデザインにインテリアも独創的

いわゆる「沈没船ジョーク」で、船長が日本人には「皆さんはもう飛び込みましたよ」と言うが、フランス人には「決して飛び込まないでください」と言えば逆に飛び込むといわれる。フランス車のデザインが個性的なのは、ここに理由がある。つまり人と違う発想を評価するのだ。でも結果としてのデザインは使いやすく心地良い。それを知ってさらに好きになっていく。

↑スタイリッシュなモデルが多いDS オートモビル。なかでもDS 4はオートモービル国際審査委員会主催の第37回フェスティバルにおいて、最も美しいクルマに選出された

 

↑DS 9はDS オートモビルのフラッグシップモデル。シートには最上級の一枚革を巧みな技法で仕上げた、ウォッチストラップデザインのナッパレザーが使われている

 

【その3】ミニバンではなく「MPV(マルチパーパスビークル)」と呼ぶ理由は?

ミニバンという言葉はアメリカ発祥。実際、日本はもちろんフランスでも「ミニ」ではないし「バン」でもない。なのでマルチパーパスビークルという呼び名はむしろしっくりくる。背は高いものの2列シートが多いので、多用途に使えるという部分を強調しているのかもしれない。人生は楽しむものという彼らの考え方が、クルマの呼び方にも反映されている気もする。

↑プジョーのMPVであるリフター。1.5LBlueHDiディーゼルエンジンは130PS/3750rpmの高いパフォーマンスを発揮する。大容量の荷物を積載してもパワフルな走りを実現

 

↑リフターのラゲッジルームは5人乗車時で約597L。ラゲッジトレイを外してリアシートを折りたためば、最大で約2126Lに拡大する。荷室開口部は低く、荷物も載せやすい

 

【その4】使い勝手は抜群! 最新車は操作性も向上

世界で初めてハッチバックを発表し、欧州でいち早く3列シートの乗用車を送り出すなど、フランス車は昔から使い勝手へのこだわりは強かった。フランスならではの独創性から生まれた装備も多く、プジョー、シトロエン、DSに使われているスライド式ATセレクターレバーは代表例だ。加えて最近は日本車などを研究して、運転席まわりの小物入れが充実している。

↑ルノー・ルーテシアはコンパクトハッチバックながら荷室容量は391L(E-TECH HYBRIDは300L)と十分なサイズ。後席シート背面は6:4分割可倒式で長尺物の積載も可能

 

↑プジョー・208のガソリンモデルには、指先だけでシフト操作ができるトグルタイプのオートマチックセレクターを採用。よりストレスフリーなドライビングを実現している

 

【その5】長距離ドライブ時こそわかる乗り心地の良さ

フランスはバカンスの国として知られる。夏になれば家族みんなで遠くに出かけてゆったり過ごすシーンが思い浮かぶ。だからなのか、ロングランを快適に過ごすことができる乗り心地には、並々ならぬこだわりがある。いまでもシトロエンやDSでは、シートやサスペンションに独自の技術を投入。「魔法の絨毯」と言われる移動の快感を、現代に受け継いでいる。

↑シトロエンのC4。ショックアブソーバー内にセカンダリーダンパーを組み込むことで、従来のシステムでは吸収しきれなかったショックを抑制し、フラットライドを実現する

 

↑C4に備わるシトロエン独自のアドバンストコンフォートシート。表面には15mmの厚さがある特別なフォームを採用する。身体を柔らかく包み込み、ホールド性も両立している

 

【その6】燃費性能も向上してEVモデルにも積極的

フランス車は昔から小型車が多く、エンジンも小さめで経済志向だった。現在日本で販売されている量産フランス車の排気量は最大でも2Lだ。最近は電動化が進み、プジョー、シトロエン、DSでは電気自動車やプラグインハイブリッド、ルノーではフルハイブリッドが登場。経済的な車格のおかげもあって、輸入車でトップレベルの環境性能をマークしている。

↑ルノー・ルーテシアに加わったE-TECH HYBRIDは、輸入車で唯一のフルハイブリッドモデル。ハイブリッド燃料消費率は、輸入車でNo.1となる25.2km/Lを誇る

 

↑プジョーはフランス車のなかでも特にEVに積極的なメーカー。現在日本で購入できる9モデルのうち、7モデルでガソリン、ディーゼル車とともにEVをラインナップしている

 

【その7】安全運転支援技術も国産車並みのレベルに

少し前までは「安全性」がフランス車のウィークポイントだったが、いまは多くのモデルがアダプティブクルーズコントロールや衝突被害軽減ブレーキ、360度カメラなどを標準装備。国産車と比較検討できるレベルになった。それ以前から備えていた高水準の直進安定性や乗り心地などを含めて考えれば、長距離を安全快適に乗れるクルマへアップデートされたと言えるだろう。

↑最近のプジョー車で採用されているのが「3D i-Cockpit」。ドライブ中の情報を3Dで表示する3Dデジタルヘッドアップインストルメントパネルは、表示形式のカスタマイズも可能

 

↑ルノーは日産、三菱とのアライアンスを生かした先進装備が特徴。360度カメラのほか、駐車可能なスペースを検出して自動でステアリングを操作するパーキングアシストも搭載

 

 

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特徴的な走りのハイブリッド車に試乗! ルノー「アルカナ E-TECH」とホンダ「シビック e:HEV」独自の魅力に迫る

気になる新車を一気乗り! ハイブリッド車は高い燃費性能など経済性のメリットに注目が集まるが、今回の「NEW VEHICLE REPORT」で紹介するルノー・アルカナ E-TECHとホンダ・シビック e:HEVは、走りのキャラクターも特徴的。かつてはF1でしのぎを削っていた両ブランド最新作の、その独自の魅力は何か?

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【その1】F1譲りのハイブリッド技術で独自の走りが楽しめる!

【ハイブリッド】

ルノー

アルカナ E-TECHハイブリッド

SPEC●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm●車両重量:1470kg●総排気量:1597cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:94[49/20]PS/5600rpm●最大トルク:15.1[20.9/5.1]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

ドグミッションの採用でダイレクトな走りを実現

F1では速さ、市販車では燃費が追求されるハイブリッド技術だが、高度なエネルギー制御が要求される点は同じ。ルノーによれば、E-TECHにはF1で得られたノウハウが惜しみなく投入されている。また、機構面で要注目なのは、トランスミッションに同じくモータースポーツではお馴染みの、ドグミッション(※)を組み合わせていること。軽量&コンパクトで高効率化にも有効な反面、快適性に難があるため市販車では敬遠されてきた構造だが、E-TECHでは電気モーターを駆使してシフトショックなどを排除。ATらしい洗練された変速を実現した。

※:通常のマニュアルミッション(シンクロミッション)と違ってクラッチを切らずにシフトアップ&ダウンが可能になるシステム。シフトチェンジの速さが魅力で、モータースポーツではよく使われている。デメリットには、シフトショックが大きい、音が大きいなどがある

 

その走りはアクセル操作に対するダイレクトな反応が印象的で、スポーティと評しても差し支えない軽快な身のこなしだ。カタログ上では若干控えめな燃費も、実際には市街地で20km/L近く、高速では23km/L以上をマーク。国産勢とはひと味違う個性派ハイブリッド車として、魅力的な選択肢であることは間違いない。

 

[Point 1]最新モデルらしいインターフェイス

画像化されたメーターや、7インチタッチスクリーンが備わるセンター部など、インパネ回りはハイブリッドらしい作り。運転支援系の装備も充実している。

 

[Point 2]SUVらしい使い勝手

室内は前後席ともに十分な広さ。前席にはシートヒーターも装備される。荷室容量もフランス車らしく、通常時で480Lと余裕たっぷりだ。

 

[Point 3]E-TECHは選択肢が拡大中

走りは意外なほどスポーティな味付け。アルカナはE-TECH仕様(429万円)のみだが、日本向けルノー車ではすでにルーテシアにも設定済み。

 

[Point 4]E-TECHは軽量&コンパクト

E-TECHは、1.6Lガソリン+2モーターにドグミッションを組み合わせ、本格派ハイブリッドながら軽量&コンパクト化を実現。幅広い車種に対応している。

 

 

【その2】実感するのは“デジタル時代のスポーティ”!

【ハイブリッド】

ホンダ

シビック e:HEV

SPEC●全長×全幅×全高:4550×1800×1415mm●車両重量:1460kg●総排気量:1993cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:141[184]PS/6000[5000〜6000]rpm●最大トルク:18.6[32.1]kg-m/4500[0〜2000]rpm●WLTCモード燃費:24.2km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

センスの良さを感じさせる「音」と「視覚」のチューニング

昨年、先行発売されたガソリン仕様もスポーティな味付けで話題を呼んだシビックだが、新たに追加されたe:HEVも乗る人を楽しませるハイブリッド車に仕上げられている。その構成は、2Lガソリンエンジン+2モーター内蔵電気式CVTという組み合わせで、カタログ上の燃費は24.2km/L。その大柄なボディサイズを思えば、最新エコカーに相応しい“少食”ぶりを実現している。

 

だが、その真価は積極的に操った際のほうが実感しやすい。まず、効率最優先のハイブリッド車ではエンジンの情緒など二の次というのが相場だが、2L直噴ユニットは回そうという気にさせる仕上がり。これには車内のスピーカーから軽快感などを演出する音を付加するASC(アクティブサウンドコントロール)、加減速時の見え方まで吟味したパワーメーターの貢献度も高い。お見事なのは、それらの演出が単なる“ガソリン車風”ではなく、適度なデジタルテイストに調律されていること。

 

それを受け止めるシャーシも、積極的な走りに応える仕上がりだ。入力に対して正確に反応する操縦性、堅牢なボディはスポーティなセダンとして通用する水準にある。その点では、経済性と趣味性を両立したいオトナのクルマ好きにも狙い目な1台と言えそうだ。

 

[Point 1]電動車らしさは視覚面で演出

インパネ回りは、ガソリン車のタコメーター風にも動くパワーメーター、センターディスプレイのパワーフロー表示。ハイブリッドらしさを演出する。

 

[Point 2]スポーティにして実用的な仕立て

室内の使い勝手は、ハイブリッド版でもガソリン仕様と同等。前後席は、ミドル級セダンとして十分に実用的な広さ。荷室容量は後席を使用する通常時でも404Lを確保する。

 

[Point 3]e:HEVの主張は最小限

まもなく発売されるスポーツ仕様、タイプRは専用ボディを採用するが、e:HEVの外観は基本的にガソリン仕様と同じ。モノグレードで価格は394万200円。

 

[Point 4]高効率ぶりは最強レベル

2L直噴エンジンは、新長期規制に対応する環境性能の高さと一層の高効率化、静粛性の向上など、全方位的に進化している。最大熱効率は41%に達する。

 

文/小野泰治 撮影/市 健治、宮越孝政

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ルノー「アルカナ E-TECH」はF1譲りのハイブリッド技術で独自の走りを実現!

気になる新車を一気乗り! ハイブリッド車は高い燃費性能など経済性のメリットに注目が集まる。今回の「NEW VEHICLE REPORT」ではルノー・アルカナ E-TECHを紹介。その独自の魅力は何か?

※こちらは「GetNavi」 2022年10月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

F1譲りのハイブリッド技術で独自の走りが楽しめる!

【ハイブリッド】

ルノー

アルカナ E-TECHハイブリッド

SPEC●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm●車両重量:1470kg●総排気量:1597cc●パワーユニット:直列4気筒DOHC+電気モーター●最高出力:94[49/20]PS/5600rpm●最大トルク:15.1[20.9/5.1]kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

●[ ]内はモーターの数値

 

ドグミッションの採用でダイレクトな走りを実現

F1では速さ、市販車では燃費が追求されるハイブリッド技術だが、高度なエネルギー制御が要求される点は同じ。ルノーによれば、E-TECHにはF1で得られたノウハウが惜しみなく投入されている。また、機構面で要注目なのは、トランスミッションに同じくモータースポーツではお馴染みの、ドグミッション(※)を組み合わせていること。軽量&コンパクトで高効率化にも有効な反面、快適性に難があるため市販車では敬遠されてきた構造だが、E-TECHでは電気モーターを駆使してシフトショックなどを排除。ATらしい洗練された変速を実現した。

※:通常のマニュアルミッション(シンクロミッション)と違ってクラッチを切らずにシフトアップ&ダウンが可能になるシステム。シフトチェンジの速さが魅力で、モータースポーツではよく使われている。デメリットには、シフトショックが大きい、音が大きいなどがある

 

その走りはアクセル操作に対するダイレクトな反応が印象的で、スポーティと評しても差し支えない軽快な身のこなしだ。カタログ上では若干控えめな燃費も、実際には市街地で20km/L近く、高速では23km/L以上をマーク。国産勢とはひと味違う個性派ハイブリッド車として、魅力的な選択肢であることは間違いない。

 

[Point 1]最新モデルらしいインターフェイス

画像化されたメーターや、7インチタッチスクリーンが備わるセンター部など、インパネ回りはハイブリッドらしい作り。運転支援系の装備も充実している。

 

[Point 2]SUVらしい使い勝手

室内は前後席ともに十分な広さ。前席にはシートヒーターも装備される。荷室容量もフランス車らしく、通常時で480Lと余裕たっぷりだ。

 

[Point 3]E-TECHは選択肢が拡大中

走りは意外なほどスポーティな味付け。アルカナはE-TECH仕様(429万円)のみだが、日本向けルノー車ではすでにルーテシアにも設定済み。

 

[Point 4]E-TECHは軽量&コンパクト

E-TECHは、1.6Lガソリン+2モーターにドグミッションを組み合わせ、本格派ハイブリッドながら軽量&コンパクト化を実現。幅広い車種に対応している。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

輸入車としてはお得ですこと! ルノー「ルーテシア E-TECH ハイブリッド」

ルノーがハイブリッドに本気だ。ハイブリッド王国ともいえる日本でこれまで輸入車がフルハイブリッドを販売してこなかったなか、2022年になると、アルカナを市場投入し、続けてルーテシア、キャプチャーと発売。提携関係にある日産の「e-POWER」とも異なる、独自のハイブリッドシステム「E-TECH(Eテック)」とはどんなシステムか、ルノーの勝算とは?

 

【今回紹介するクルマ】

ルノー/ルーテシア

※試乗グレード:E-TECH ハイブリッド

価格:266万9000円~344万円(税込)

 

ハイブリッド王国日本への挑戦!?

ガソリン価格が高騰している。執筆時点ではピーク時よりやや下がっているが、政府は石油元売り各社に、リッターあたり40円もの補助金を出して価格を抑えている。つまり補助金がなければ、レギュラーでリッター200円を超えているのだ!

 

ここまでガソリンが高くなると、やっぱり燃費のいいクルマに乗りたくなりませんか? EVならガソリンとは無縁だけど、値段が高いし、補助金の予算が尽きそうだし、充電が心配だし、まだちょっと早い気がする。結局、大本命はハイブリッドってことになる。

 

日本はハイブリッド王国だ。国産各メーカーは、こぞってハイブリッド技術を競っている。これほどまでにハイブリッドカーが普及している国はない。実際のところ、ハイブリッドカーの燃費は感動的だ。「ヤリスハイブリッド」なんて、ヘタすりゃ40km/Lを叩き出す。ほとんどスーパーカブじゃないか!

 

対する海外メーカーは、ハイブリッドを飛ばしてEV化を進めている。ハイブリッド技術では日本車に勝てっこないと踏んでの、政治的な思惑もあるだろう。これまで登場した輸入ハイブリッドカーは、どれもこれも中途半端なマイルドハイブリッドで、値段が高いわりに、燃費の向上をほとんど実感できなかった。ハイブリッドカーを買うなら日本車に限る! それはもうクルマ業界における絶対前提。輸入車で低燃費を狙うなら、ディーゼルターボ一択だった。

 

そんななかルノーは、今頃になって、輸入車初のガソリンフルハイブリッドを開発したのだから驚くじゃないか。正直、半信半疑だった。EV化に突き進んでいる欧州のメーカーが、なぜいまさらフルハイブリッドを出したのか? 日本のハイブリッドに敵うとでも思ってるのか? ルノーは狂ったのか!?

 

乗り味では日本製ハイブリッドを上回っている部分もある

ルノーは狂ってなかった。それどころか本気だった。ルノーが「いまさら」開発した「E-TECHハイブリッド」は、燃費で日本製ハイブリッドに迫りつつ、乗り味では日本製ハイブリッドを上回っている部分もあったのだ! これには本当に驚いた。

 

ルノーのハイブリッドは、まずSUVの「アルカナ」に搭載されて登場し、続いて「ルーテシア」にも採用された。アルカナはどこか不思議なプロポーションをしたSUVで、ルックスにはあまり惹かれなかったけれど、ルーテシアはいかにもフランス車的な、スタイリッシュなコンパクトハッチバック。価格も手頃で、ガソリンモデルも十分魅力的だったけれど、ハイブリッドはもっとよかった!

 

ルーテシアのサイズは、トヨタ「アクア」や日産「ノート」とほぼ同じ。つまりルーテシアハイブリッドは、国産ハイブリッド勢の本丸とガチでぶつかるわけで、比較のし甲斐がある。では、ルーテシアハイブリッドの何がいいのか? 一言でいえば、走りのダイレクト感があるってことだ。

↑クーペのようなフォルムを実現

 

たとえばトヨタのハイブリッドシステムは、究極の効率を目指した結果、エンジンとモーターが混然一体となり、無段変速でヌエ的に加減速するので、ダイレクト感が全然ない。ところがルノーのEテックハイブリッドは、エンジン側に4段のギア、モーター側に2段のギアを持ち、それらを組み合わせて変速しつつ走る。ギアチェンジは、100%ダイレクトな「ドッグクラッチ」を使っているので、アクセルと車輪は常に直結されており、トヨタのハイブリッドのような「モワ~」と滑るフィーリングがない。

↑シフトをBモードに入れると強力な回生ブレーキが発生し、クリーピング速度まで事実上のワンペダルドライブが可能となる

 

効率では、さすがにトヨタのハイブリッドシステムには及ばない。アクアが30km/L近く走るところを、ルーテシアハイブリッドは20km/L強というところだ。加えてルーテシアハイブリッドは、輸入車なのでハイオク指定。純粋にガソリン代を比べれば、アクア対ルーテシアハイブリッドの勝負は、アクアの完勝である。

 

ただ、高速道路の巡航に関しては、この勝負、きわめて僅差になる。高速道路を一定速度で走る場合、通常のガソリンエンジンやディーゼルエンジンでもかなりの低燃費で走れるので、ハイブリッドのアドバンテージは小さくなり、逆にダイレクト感のなさが「運転していてつまらない」と思わせる。

 

ところがE-TECH ハイブリッドは、常に直結なので、普通のガソリン車のようにダイレクトに走ってくれる。そこからアクセルを踏み込むと、パワフルなモーターが加速を強力にアシスト。結果、ガソリン車よりも燃費がいいのはもちろん、アクアにも肉薄。ノートを上回るのだ!

↑メインモーターであるE-モーターとHSG(ハイボルテージスターター&ジェネレーター)という2基のエレクトリックモーターと、1.6L 4気筒自然吸気エンジンで構成

 

ノートに積まれる日産のハイブリッドシステム「e-POWER」は、エンジンを発電機役に専念させ、モーターの加速のみで走るから、ダイレクト感は100%。つまり一般道での加減速に関しては、「E-TECH ハイブリッド」よりもさらにダイレクトで楽しいのだが、これまた高速巡行を苦手としている。モーターにギアがないため、高速域ではモーターが過回転気味になり、摩擦抵抗が増大。徐々に元気がなくなり、燃費も悪化してしまう。

 

つまりE-TECH ハイブリッドは、ハイスピードでの高速巡行が多いヨーロッパ向けに開発された、地消地産型ハイブリッドシステムだったのだ!

 

ルーテシアハイブリッドは、一般道では国産ハイブリッドとそれほど遜色ない低燃費で走りつつ、ダイレクト感はトヨタ製ハイブリッドより上。高速巡行では完全にリードする。日本でも、ロングドライブの多いユーザーにはうってつけだ。

 

加えて、見た目もインテリアも、さすがおフランス車。サイズがデカくなる一方の輸入車ながら、ルーテシアの全幅は1725mmで、アクアよりは広いけどノートオーラよりちょっと狭く、取り回しがラクチン。室内の広さもごく普通に実用的だ。これで329万円からというお値段は、国産車よりは高いけど、輸入車としてはかなりお安いのではないだろうか!

↑フランス人が日常使いの心地良さを大切にして作ったという室内空間。いたってシンプルだ

 

↑前席には寒い冬に体を温めてくれるシートヒーター機能付き。ヘッドレストは、後方からの視界に配慮した薄型のデザインを採用

 

SPEC【E-TECH ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4075×1725×1470㎜●車両重量:1310㎏●パワーユニット:1597㏄直列4気筒エンジン+電気モーター●エンジン最高出力:91PS/5600rpm●エンジン最大トルク:144Nm/3200rpm●メインモーター最高出力:49PS/1677-6000rpm●メインモーター最大トルク:205N・m/200-1677rpm●サブモーター最高出力:20PS/2865-1万rpm●サブモーター最大トルク:50N・m/200-2865rpm●WLTCモード燃費:25.2㎞/L

 

撮影/茂呂幸正

 

 

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独自開発のハイブリットシステムが驚異的! ルノーの新型SUV「アルカナ」を分析

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、ルノーの新型SUVを取り上げる。欧州では珍しいフルハイブリッドカー完成度の高さにオドロキ!?

※こちらは「GetNavi」 2022年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

 

【レビュアーPROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感し、クルマを評論する際に重要視するように。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】ルノー/アルカナ

SPEC【R.S.ライン E-TECH HYBRID】●全長×全幅×全高:4570×1820×1580mm●車両重量:1470kg●パワーユニット:1.6L直列4気筒エンジン+2モーター●エンジン最高出力:94PS(69kW)/5600rpm●エンジン最大トルク:20.9kg-m(148Nm)/3600rpm●WLTCモード燃費:22.8km/L

429万円(税込)

 

グイグイ力強い走りと低燃費を兼備した“神秘的”な1台

安ド「殿! 今回はルノーの『アルカナ』というクルマです!」

 

永福「不思議な名前だな」

 

安ド「ホントに“あるのかな”って感じですね!」

 

永福「ラテン語で“神秘”という意味だそうだ」

 

安ド「どうりで神秘的なデザインだと思いました! クーペ風のSUVですが、これってカッコ良いんでしょうか?」

 

永福「欧州では、このテのデザインがいま人気らしい」

 

安ド「そうなんですね! しかもアルカナは、ヨーロッパ初のフルハイブリッド『Eテックハイブリッド』を採用しているんですね!」

 

永福「てっきり日産eパワーのルノー版かと思ったら、ルノーの独自開発と聞いて驚いた」

 

安ド「そ、そうなんですか!?」

 

永福「ルノーは日産eパワーの採用も検討してテストしたが、欧州で当たり前の130km/hでの高速巡行時ではパワーも燃費も物足りないということで、あえて独自開発したそうだ」

 

安ド「そうなんですか! 確かにフルハイブリッドなのに、エンジンでグイグイ走る感じでした!」

 

永福「エンジン側には4段のギアがあり、アクセルを踏み込むと自動的にシフトダウンするからな。しかしグイグイ走る感じは、そこに加わるモーターのトルクだろう」

 

安ド「そうなんですか? これはあまり燃費を気にしないセッティングなんでしょうか」

 

永福「とんでもない。WLTC燃費は日産のキックスeパワーをやや上回っている。実際、テキトーに走って19km/Lくらいはいくぞ」

 

安ド「日本製ハイブリッドより上なんてビックリですね! トランスミッションが複雑な構造らしいですが、そのおかげですか?」

 

永福「たぶんそれもあるな。ドッグクラッチを使っているから、滑りロスはゼロ。ドッグクラッチは通常レーシングカーに使うもので、ギアをつなぐ際には『ガツン!』というショックがあるが、回転を自動的に完全に同調させているので、実にスムーズだ」

 

安ド「これまた神秘的ですね!」

 

永福「説明を聞かなければ、なにをどうしているかサッパリわからんが、とにかく驚くほど良く走る」

 

安ド「それにしても、なぜルノーはいまになって、ハイブリッドを作ったんでしょう」

 

永福「ルノーはディーゼルエンジンの新規開発をやめたので、当面はその代わりだそうだ。たしかにアルカナはディーゼルターボに引けを取らない加速だし、燃費も驚くほど良い」

 

安ド「でもヨーロッパは、近いうち全部EVになるんですよね?」

 

永福「その予定だが、バッテリーの供給不足などで、それが予定通りに進まなかった場合の保険の意味合いもあるだろう」

 

安ド「ますます神秘的ですね!」

 

永福「EV化は政治的な決定。つまりこのクルマは、宮廷政治の副産物だな」

 

安ド「良い副産物ですね!」

 

【GOD PARTS 1】カーボンパネル

スポーティさと質感の高さが同居

スポーティなイメージの強いカーボンパネルがインパネ横一面に採用されていて、走りの雰囲気を高めてくれます。さらに同パネルの上段には赤いラインが、下段には光るラインが引かれていて、質感の高さも強調されています。

 

【GOD PARTS 2】トランスミッション

マニアックな技術は世界最高峰のF1譲り

ルノー独自のフルハイブリッド車には専用システムが必要ということで、F1でも使用される軽量&コンパクトな「ドッグクラッチ」が採用されています。これにより唯一無二のトランスミッションに仕上げられました。

 

【GOD PARTS 3】フロントブレード

フロントのイメージはフォーミュラカー!

40年以上もの長きにわたってF1に参戦してきたメーカーだけに(現在は「アルピーヌ」ブランドで参戦中)、アルカナにもF1のイメージが受け継がれています。下部グリル内のブレード板はまるでF1のフロントウイングです。

 

【GOD PARTS 4】ステアリング

スポーツモデルの証を小さくアピール

日本車だと右側が多いですが、運転支援装置のスイッチ類はステアリング左側にゴソッとまとめられています。下部にある黄色い2つの菱形は、ルノーのスポーティモデルの証で「R.S.(ルノー・スポール)」のロゴマークです。

 

【GOD PARTS 5】シートベルト

気持ちを高めてくれる赤いライン入り

日本仕様はまだワングレードしか設定のないアルカナですが、内装の各所に赤いラインが入っていてスポーティムードは抜群です。シートはもちろん、シートベルトにまで赤いラインが入っているのは珍しく、カッコ良いですね。

 

【GOD PARTS 6】インパネ

運転席を中心に考えられたスポーティな作り

コンパクトカーを主力とするルノーですが、クルマの味付けはスポーティなことが多いです。アルカナのインパネも、全体を引いて見てみるとちょっとだけ右傾化していて、しっかりとドライバー中心の設計がなされています。

 

【GOD PARTS 7】バックドア

開口部が広くて大きな荷物も積みやすい

荷室はトランクではなく、室内スペースと繋がっているハッチバック構造ですが、ルーフ部分が長いため、バックドアもかなり長くなっています。開口部が広いので、大きな荷物を積み込みやすいという利点があります。

 

【GOD PARTS 8】ルーフライン

トレンドを意識しつつ独自性もあり

弧を描くようになだらかなルーフラインはいまやSUVのトレンドですが、アルカナは後端がストンと下へ落ちるデザインになっていてオリジナリティに溢れています。左右に張り出したフェンダーはSUVらしい力強さを感じさせます。

 

【GOD PARTS 9】デジタルメーター

美しくも神秘的なビジュアル

ドライバーの目の前に備え付けられた10.2インチのメーターは、近年のトレンド通りフルデジタル式になっています。走行中の各種情報とともに、中央には地平線に向かって走る自車の美しいグラフィックが表示されています。

 

【これぞ感動の細部だ!】ハイブリッドシステム

まさかの独自設計で優れた燃費と走りを両立!

2030年までに販売車の9割を電動化すると発表済みのルノーによるフルハイブリッドシステム「E-TECH HYBRID」です。日産を傘下に収める同社ですから「e-POWER」を使うのかと思いきや、独自でシステムを開発しました。1.6Lの自然吸気エンジンに2つのモーターが組み合わされ、巧みな動力の使い分けで力強い走りと低燃費を共存させています。

 

撮影/我妻慶一

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「買って間違いなし!」と断言する2021年コンパクトSUV5選。おすすめグレード付き

近年、「クロスオーバーSUV」の人気は高く、SUVといえばクロスオーバーSUVを指す場合も多く見られます。クロスオーバーSUVとはクロスカントリー車の高い走破性と、乗用車の快適性を「融合(クロスオーバー)させる」という意味が込められています。

 

そのクロスオーバーSUVのジャンルのひとつであるのが、コンパクトSUV。ボディサイズはミドルサイズSUVよりも小さくてコンパクトカーサイズ、欧州でいうとBセグメントにあたります。日本では近年、ラインアップが拡充しており、人気ジャンルのひとつとなっています。今回は自動車評論家の岡本幸一郎さんが断言する、2021年に登場した「買って間違いなし!」のコンパクトSUVを5台紹介します。

 

【その1】このサイズの中で考えられることはすべてやりつくした

ホンダ

ヴェゼル e:HEV Z(4WD)

311万8500円(税込)

2021年4月に「ヴェゼル」の2代目モデルが発売した。このサイズの中で考えられることはすべてやりつくしたという完成度が光る1台。手ごろなサイズを初代から踏襲しながらも、これがヴェゼル!? と思うほど雰囲気はガラリと変わって、まるで車格が上がったかのよう。流麗なクーペスタイルながらも車内は広く開放的で、独自のセンタータンクレイアウトによる低くフラットなフロアのおかげで高さのある荷物もラクに積み下ろし可能。エアコンの「そよ風モード」のようなユニークなアイデアも光る。

 

初代とは別物の「e:HEV」によるスムーズな加速と低燃費も魅力。乗り心地もいたって快適で、実は4WD性能も想像以上に高い。見た目のオシャレな「PLaY」も魅力的だが、なぜか4WDの設定がなく、納期にも時間を要することから、現時点では「Z」の4WDをイチオシとしたい。

 

 

【その2】カローラの名にふさわしくあらゆる面でそつのない仕上がり

トヨタ

カローラ クロス ハイブリッド(4WD)

279万9000円(税込)〜

トヨタは2021年9月、カローラシリーズ初のSUVである「カローラクロス」を発売した。コンパクトとミドルの中間的なサイズ感だが、充実した装備内容のわりに価格はコンパクトクラス並みにリーズナブル。一連のカローラシリーズとの共通性を感じさせるスッキリした内外装デザインをはじめ、各部の広さも走りもカローラの名にふさわしくあらゆる面でそつのない仕上がりで、なんら気になるところがない。

 

SUVとしてのニーズに応えるべく居住空間も荷室も十分な広さが確保されていて、リアシートを倒すとロードバイクだって積めるほどだ。ガソリン車とハイブリッドのどちらにもよさがあるが、イチオシはハイブリッドの後輪をモーターで駆動するE-Four。非常時給電モードを備えたAC100V/1500W電源コンセントが設定されているのも魅力。

 

 

【その3】ノートの魅力をさらに昇華させる上品さも感じられる

日産

ノート AUTECH CROSSOVER FOUR(4WD)

279万6200円(税込)

バリエーションを多彩に揃える新型「ノート」。そのラインアップのひとつとして加わったのがカスタムグレードの「AUTECH」で、コンパクトSUVクラスに数ある車種の中でも異彩を放っている。AUTECHブランドの一員と位置づけているのは、カタログモデルにはない特別感を表現するため。

 

とっつきやすいコンパクトなサイズ感はそのままに、専用に仕立てられた内外装は、並み居る競合車に対してひと味違う雰囲気を感じさせる。動力源をe-POWERのみにわりきったのも特徴で、内燃エンジン車にはない瞬発力のある加速はモーター駆動ならでは。さらに、従来車とは別でリアに高出力モーターを配した現行型の4WDは、ハンドリングの仕上がりも抜群によくなっていてオススメだ。

 

 

【その4】新型は粗削りだった走りも洗練された

ダイハツ/トヨタ

ロッキー ハイブリッド(2WD)/ライズ ハイブリッド(2WD)

211万6000円〜(税込)/216万3000円〜(税込)

ダイハツの5ナンバーサイズのSUVが「ロッキー」。トヨタ「ライズ」は、ロッキーのOEM車になる。貴重な5ナンバーのSUVであり、最小回転半径が5.0mと小回りが利きながらも、クロカンテイストのたくましいフォルムと、5ナンバーサイズながら車内や荷室の十分な広さが確保されているのが強み。予想していたとおり大人気を博す。

 

発売から2年が経過。これまでエンジンが1.0Lターボのみだったが、2021年に1.2Lの自然吸気とハイブリッドが加わった。当初は全体的に粗削りだった走りも最新版はずいぶん洗練されていて、「e-SMART」と名づけられたダイハツ独自のシリーズ式ハイブリッドは、バッテリー容量もモーター性能も控えめでエンジンは頻繁にかかるものの、モータードライブならではのスムーズで静かで上質な走りを実現している。

 

 

【その5】キャプチャーを選ぶなら「インテンス テックパック」

ルノー

キャプチャー インテンス テックパック

319万円(税込)

ルノー「キャプチャー」はすでに欧州ベストセラーSUVになったほどの実力の持ち主で、あらゆる点でクラスを超えている。スタリッシュな外観は見てのとおりで、内装の質感もなかなか高い。上級車からのダウンサイザーに向けて最適なスペースを確保すべく全長とホイールベースが長く確保されているほか、リアシートが16cmも前後にスライド可能で、荷室容量はクラストップの536Lと圧倒的な広さを誇る。

 

このクラスの量販モデルとしてはかなり速い154PSで270Nmを発揮する1.3L直4ターボエンジンは、4気筒らしい上質な吹け上がりを実現。極めて俊敏なハンドリングも持ち味。20万円差で操舵支援や電動レザーシートの付く「インテンス テックパック」を選ばない手はない。

 

 

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「カングー×アウトドア」の専用キットBOXが登場! 気になるその中身

ルノー・ジャポンは、アウトドアのスペシャリストとしても活躍するアウトドアスタイリスト近澤一雅さん監修のもと、ルノー カングーでアウトドアを楽しむための特別なグッズを専用コンテナにまとめた「カングー アウトドアキット BOX」を、10セット限定で、4月30日午前10時から、専用ウェブサイトで販売します。

 

【カングー アウトドアキット BOXの中身をフォトギャラリーで見る(画像をタップすると閲覧できます)】

 

 

カングー アウトドアキット BOX は、アウトドアを楽しむために選んだ特別なグッズを専用コンテナにまとめたもので、ルノー カングーの荷室に積んでおけば、思い立ったらすぐにでもアウトドアに出かけて行くことができます。このコンテナに、自分のこだわりグッズを加えれば、ライフスタイルに合わせたオリジナルのキット BOXを作ることも可能です。また、災害が発生した場合には、防災グッズとしても活躍します。

↑「カングー アウトドアキット BOX」4万9000円(税込)※予定数量に達し次第終了

 

↑アウトドアスタイリスト近澤一雅さん。メンズ誌、アウトドア専門誌を中心に、ブランドカタログやディレクション等で活躍。クルマの年間走行距離は3万キロを超える。現在の愛車は、ルノー カングー(大好きなイエロー)

 

BOXの中身は焚き火台やロゴ入りミニチェア、タープにも使えるロゴ入りシート。本格的なコーヒーが楽しめるコーヒーミルにホットサンドメーカー、スマホの充電などに便利なソーラーパネル、手巻きラジオなど、盛りだくさんですぐにでもキャンプに出かけたくなるキットです。キット内容は以下の通り。

↑「プライウッド/ ORI-CON SHELF 50L」。パッケージに含まれる全アイテムを収納できる50Lの折り畳みコンテナ。正面とサイドから取り出し可能な扉付きで、ちょうど良いサイズ、使い勝手のいいつくりが特徴です。お気に入りのアウトドアギアも追加で収納できます

 

↑「UCO/レスシャイ」。卓上の光源や車内用の光源として雰囲気抜群です。ハンディライトとしても使え、非常に重宝するミニLEDランタン

 

↑「mont-bell/H.C.マルチラジオ」。ハンドチャージャーで充電でき、FM/AMに加え有事に活躍する短波放送も受信できます。お守り代わりに常備しておきたい商品。※ソーラーパネルによる充電は補助的な物です

 

↑「アンカー/PowerSolar 3-Port 24W」。スマートフォンやモバイル機器などを3台同時に充電できるソーラーチャージャーです。コンパクトで軽量なので常備しやすいのが特徴。※バッテリー機能として蓄電はしません

 

↑「ハイマウント/キャンピングフィールドシート」。レジャーシート、急な防寒着、雨よけの簡易タープとして幅広く使用できます。荷台での汚れ防止としてもアウトドアのマストな1枚。※収納時の折り込み、濡れたまま収納などの劣化でロゴ部分が剥がれてしまうことあり

 

↑「UCO/フラットパックグリルS」。コンパクトに焚き火を楽しめる焚き火台で、開くだけの簡単設営タイプです。付属の網でプチBBQグリルとしても楽しめること間違いありません。 ※使用場所によっては難燃シートなど耐火対策も必要

 

↑「BAREBONES/クラシックワークグローブ」。質も良く、耐久性に優れたフルグレインレザーを使用したワークグローブです。作業などする際には汚れや怪我防止の必須アイテムとして必ず使って欲しい一品。 ※耐熱ではないので火傷には注意してください

 

↑「SOTO/レギュレーターストーブ」。外気の冷えに影響されにくく、外で簡単にお湯を沸かしたり、調理したりと高出力で便利なカセット缶専用シングルバーナーです。 ※車内や室内では使用できません。専用のカセットガス缶を使用してください。ガス缶は車内で保管しないでください

 

↑「SOTO/アルミクッカーセットM」。煮る、炒める、温めることができ、そのまま食器としても使えるアルミクッカーです。使えば使うほどに自分仕様な味がでるアイテム

 

↑「ハイマウント/ホットサンドメーカーダブル」。何を挟んでも美味しくなる魔法のクッカーとも言われるホットサンドメーカー。アレンジ次第でフライパンとしても活用できます

 

↑「belmont/OUTDOORコーヒーミル」。取手が取り外せ、簡単に収納できるコーヒーミル。外で楽しむ挽きたてのコーヒーは最高の時間を演出してくれます

 

↑「ナチュラルスピリット/バカンスチェア 2脚」。背もたれのあり無しで2通りのパターンで座れるコンパクトチェア。子どもでも持ち運べるサイズです

 

「カングー×アウトドア」の専用キットBOXが登場! 気になるその中身

ルノー・ジャポンは、アウトドアのスペシャリストとしても活躍するアウトドアスタイリスト近澤一雅さん監修のもと、ルノー カングーでアウトドアを楽しむための特別なグッズを専用コンテナにまとめた「カングー アウトドアキット BOX」を、10セット限定で、4月30日午前10時から、専用ウェブサイトで販売します。

 

【カングー アウトドアキット BOXの中身をフォトギャラリーで見る(画像をタップすると閲覧できます)】

 

 

カングー アウトドアキット BOX は、アウトドアを楽しむために選んだ特別なグッズを専用コンテナにまとめたもので、ルノー カングーの荷室に積んでおけば、思い立ったらすぐにでもアウトドアに出かけて行くことができます。このコンテナに、自分のこだわりグッズを加えれば、ライフスタイルに合わせたオリジナルのキット BOXを作ることも可能です。また、災害が発生した場合には、防災グッズとしても活躍します。

↑「カングー アウトドアキット BOX」4万9000円(税込)※予定数量に達し次第終了

 

↑アウトドアスタイリスト近澤一雅さん。メンズ誌、アウトドア専門誌を中心に、ブランドカタログやディレクション等で活躍。クルマの年間走行距離は3万キロを超える。現在の愛車は、ルノー カングー(大好きなイエロー)

 

BOXの中身は焚き火台やロゴ入りミニチェア、タープにも使えるロゴ入りシート。本格的なコーヒーが楽しめるコーヒーミルにホットサンドメーカー、スマホの充電などに便利なソーラーパネル、手巻きラジオなど、盛りだくさんですぐにでもキャンプに出かけたくなるキットです。キット内容は以下の通り。

↑「プライウッド/ ORI-CON SHELF 50L」。パッケージに含まれる全アイテムを収納できる50Lの折り畳みコンテナ。正面とサイドから取り出し可能な扉付きで、ちょうど良いサイズ、使い勝手のいいつくりが特徴です。お気に入りのアウトドアギアも追加で収納できます

 

↑「UCO/レスシャイ」。卓上の光源や車内用の光源として雰囲気抜群です。ハンディライトとしても使え、非常に重宝するミニLEDランタン

 

↑「mont-bell/H.C.マルチラジオ」。ハンドチャージャーで充電でき、FM/AMに加え有事に活躍する短波放送も受信できます。お守り代わりに常備しておきたい商品。※ソーラーパネルによる充電は補助的な物です

 

↑「アンカー/PowerSolar 3-Port 24W」。スマートフォンやモバイル機器などを3台同時に充電できるソーラーチャージャーです。コンパクトで軽量なので常備しやすいのが特徴。※バッテリー機能として蓄電はしません

 

↑「ハイマウント/キャンピングフィールドシート」。レジャーシート、急な防寒着、雨よけの簡易タープとして幅広く使用できます。荷台での汚れ防止としてもアウトドアのマストな1枚。※収納時の折り込み、濡れたまま収納などの劣化でロゴ部分が剥がれてしまうことあり

 

↑「UCO/フラットパックグリルS」。コンパクトに焚き火を楽しめる焚き火台で、開くだけの簡単設営タイプです。付属の網でプチBBQグリルとしても楽しめること間違いありません。 ※使用場所によっては難燃シートなど耐火対策も必要

 

↑「BAREBONES/クラシックワークグローブ」。質も良く、耐久性に優れたフルグレインレザーを使用したワークグローブです。作業などする際には汚れや怪我防止の必須アイテムとして必ず使って欲しい一品。 ※耐熱ではないので火傷には注意してください

 

↑「SOTO/レギュレーターストーブ」。外気の冷えに影響されにくく、外で簡単にお湯を沸かしたり、調理したりと高出力で便利なカセット缶専用シングルバーナーです。 ※車内や室内では使用できません。専用のカセットガス缶を使用してください。ガス缶は車内で保管しないでください

 

↑「SOTO/アルミクッカーセットM」。煮る、炒める、温めることができ、そのまま食器としても使えるアルミクッカーです。使えば使うほどに自分仕様な味がでるアイテム

 

↑「ハイマウント/ホットサンドメーカーダブル」。何を挟んでも美味しくなる魔法のクッカーとも言われるホットサンドメーカー。アレンジ次第でフライパンとしても活用できます

 

↑「belmont/OUTDOORコーヒーミル」。取手が取り外せ、簡単に収納できるコーヒーミル。外で楽しむ挽きたてのコーヒーは最高の時間を演出してくれます

 

↑「ナチュラルスピリット/バカンスチェア 2脚」。背もたれのあり無しで2通りのパターンで座れるコンパクトチェア。子どもでも持ち運べるサイズです

 

欧州で大人気のモデル「ルノー」新型ルーテシアに迫る!

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、欧州で同クラス中、2020年に最も売れたモデルとなった、ルノーの新型ルーテシアを取り上げる!

※こちらは「GetNavi」 2021年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【PROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】ルノー/ルーテシア

SPEC【インテンス】●全長×全幅×全高:4075×1725×1470mm ●車両重量:1200kg ●パワーユニット:1.3L直列4気筒ターボエンジン ●最高出力:131PS(96kW)/5000rpm ●最大トルク:240Nm(24.5kg-m)/1600rpm ●WLTCモード燃費:17.0km/L

236万9000円〜276万9000円

 

エンジンフィールが最高でゴルフより100万円安い

安ド「殿! フランス車も進歩しましたね! 新型ルーテシアには、衝突被害軽減ブレーキやACC(先行車追従型クルーズコントロール)が付いてました!」

 

永福「プジョー/シトロエンには2〜3年前から付いてたぞ」

 

安ド「そうでしたっけ?」

 

永福「しかし同じフランスのルノーは驚くべきことに、いままでADAS(先進運転支援システム)が何も付いてなかった。日本車なら、いまや軽でも付いててアタリマエなのに、だ」

 

安ド「僕は、フランス車はそういうハイテクが苦手なんだと思っていました!」

 

永福「苦手と言えば苦手だろう」

 

安ド「でも、初めてのACCにしては、加速も減速もスムーズで、精度が高かったですよ!」

 

永福「当然だ。中身は日産のプロパイロットだからな」

 

安ド「そ、そうなんですか! 考えてみればルノーは日産の親会社ですもんね!」

 

永福「なぜいままで親会社が子会社の技術を導入していなかったのか、それが不思議だ」

 

安ド「まったくです!」

 

永福「ルノーと日産の協業は、以前からいまひとつうまくいってなかった気もする」

 

安ド「ゴーン逮捕前からですか?」

 

永福「そういうことになるな。しかしそんなことはどうでも良い。我々はいいクルマに乗れればそれで良いのだから」

 

安ド「そうですね! 新型ルーテシアはこのクラスで欧州人気ナンバー1とのことですが、確かにスイスイとスポーティに走れて楽しかったです!」

 

永福「非常に良くできておる。足まわりも良いが、何よりエンジンフィールが最高だ」

 

安ド「4気筒の1.3Lターボエンジンですね」

 

永福「エンジンに関しては、以前からルノーと日産で共同開発しているが、このエンジンは日産GT-Rの技術によって、エンジン内部の抵抗が抑えられているという」

 

安ド「GT-Rの技術ですか!」

 

永福「そのおかげかどうかわからんが、回転の伸びがスバラシイ。日常走行もトルクフルで気持ちイイ。しかもお買い得だ」

 

安ド「エッと、一番安いグレードは約237万円ですから、国産車と大差ないですね!」

 

永福「ヘタするとフォルクスワーゲンのゴルフより100万円安い」

 

安ド「100万円もですか!」

 

永福「しかし日本ではゴルフのほうが断然売れる。ゴルフにはフォルクスワーゲンというブランド力があるが、ルノーはディーラー数が少ないし、普通の人は名前もよく知らない。ルノー車を買おうなんてあまり考えないだろう」

 

安ド「そうでしょうね……」

 

永福「実は今度、生まれて初めてルノー車を買うことにした。ルーテシアではなく、中古のトゥインゴだが」

 

安ド「殿ですら初めてですか!」

 

永福「生涯51台目にしてな」

 

【GOD PARTS 1】ラゲッジルーム

そうは見えないけどだいぶ大きくて使いやすい

パッと見たところあまり大きくは感じられない荷室ですが、数値を見る限り、先代モデルの330Lから同クラス最大級の391Lへと格段に広くなっています。さらに床面の下にも収納スペースがあり、ボードを外せば天地方向に広く使えます。

 

【GOD PARTS 2】リアドアオープナー

先代モデルから受け継ぐデザイン重視のアイテム

全体的に先代モデルとそっくりですが、リアのドアオープナー(ドアノブ)の窓枠に隠れるようなデザインは、先代から受け継がれたファッショナブルな部分です。欧州ではいまでも2ドアのほうがファッショナブルという価値観があるのです。

 

【GOD PARTS 3】センターディスプレイ

スマホと連携して本来の力を発揮する

インパネ中央に設置される7インチのタッチスクリーンでは、「Apple CarPlay」や「Android Auto」などと連動したスマホアプリを操作したり、運転モードを選択したりできます。日本車のようなカーナビは現状搭載されていません。

 

【GOD PARTS 4】乗り味

このクラスとしては十分に合格レベル

ルノー&日産グループに三菱も加わってから初の共同開発となる新型骨格「CMF-B」が採用されています。スポーティでありながら乗り味はしなやかで、ハンドリングもレスポンスが良く、高速コーナーでの安定性も高くなっています。

 

【GOD PARTS 5】ATシフトノブ

操作しやすく質感も高い

インテリアはドライバー中心のデザインが施されていて、センターコンソールはシフト部分が盛り上がった特殊な形状をしています。サッと手が届くので操作しやすく、周囲に配置された白いソフトパッドが質感を高めています。

 

【GOD PARTS 6】オーディオ操作スイッチ

ここだけのアナログ感が好印象

全体的に先代モデルより質感が上がったインテリアのなかで、ステアリング右奥に設置されているスティック状のスイッチだけ、(良い意味で)アナログ感があります。これはオーディオの操作部で、指先の感覚だけで操作できます。

 

【GOD PARTS 7】ヘッドライト

ルノーブランドの最新トレンドを採用

近年のルノーのトレンドであるCの字型が採用されています。全体的なボディデザインが先代型と非常に似ているので、見分けるにはこのライト形状が重要なポイントになります。LEDのデイタイムランプも搭載されています。

 

【GOD PARTS 8】カードキー置き場

白いカードキーを常に眺められる

ルノーでは特徴的なカード状のキーが採用されていますが、パーキングブレーキの電動化によりスペースに余裕ができたためか、センターコンソールにこのカードキーを置くスペースがあります。白なので見栄えがカッコイイです。

 

【GOD PARTS 9】エンジン

このサイズなら十分パワフルに走れる

1.3ℓの直列4気筒ターボエンジンは131馬力と、ひとクラス上のパワフルさを備えていて、このサイズの車体をスポーティに走らせるには十分過ぎる代物です。スポーツモードに変更すれば、出力特性がより高回転型に変化します。

 

【これぞ感動の細部だ!】先進運転支援システム

フランス車のエントリークラスも日本の常識に追いついた

全車速対応アダプティブクルーズコントロール(ACC)はもちろん、衝突被害軽減ブレーキ、車線逸脱警報機能などが安全装備が満載されています。さらにトップグレードのインテンステックパックでは、車線中央維持支援装置や360度カメラなども追加されます。これまで欧州のエントリークラスの小型車には標準装備されていなかったので、日本のユーザーにとっては待望の安全装備充実が実現しました。

新型ルノー「キャプチャー」は何が進化したの? クルマ視点とモノ視点、2人のプロが語る超濃厚レポート

ルノーのコンパクトSUV「キャプチャー」が2代目へとフルモデルチェンジした。先代は全世界で170万台をセールスし、コンパクトSUVのパイオニアともいえるモデルだ。新型モデルは2019年から本国フランスをはじめヨーロッパで販売されており、こちらも大ヒット中! 2020年のヨーロッパ販売台数では、SUVではナンバーワンを獲得している(※1)。

※1:2020年1~12月 ヨーロッパ27か国におけるSUVモデルの販売台数。JATO Dynamics Ltd 調べ。

 

本記事では、2月25日からスタートする国内販売を前に、エクステリアデザイン、インテリアデザイン、走行&動力性能、使い勝手、先進技術の5方向から同車を解説。本サイト編集長の山田佑樹と、モータージャーナリストの岡本幸一郎さんによるダブルインプレで魅力を掘り下げていく。

 

【今回紹介するモデル】

ルノー

キャプチャー

299万円(インテンス)〜319万円(インテンス テックパック)

SPEC【インテンス テックパック】●全長×全幅×全高:4230×1795×1590mm ●ホイールベース:2640mm ●車両重量:1310kg ●パワーユニット:1.3L直列4気筒直噴ターボエンジン ●最高出力:154PS(113kW)/5500rpm ●最大トルク:270Nm/1800rpm ●WLTCモード燃費:17.0km/L

 

【新型ルノー キャプチャーのディテールをギャラリー形式で紹介!(画像をタップすると詳細が表示されます)】

 

新型ルノー「キャプチャー」の詳細はコチラ

 

【その1:エクステリアデザイン】

「360度全方位、スキがなくなった」(岡本)

「シームレスであり、ニューノーマルな一台」(山田)

新型ルノー キャプチャーでまず触れたいのがエクステリアデザインである。よりSUVらしいダイナミックさを獲得しながらも、洗練された都会的な佇まいはキープ。これについて岡本さんは「初代譲りのやわらかな面と、初代にはなかった鋭い線が織りなすボディパネルの面構成が絶妙。360度全方位、スキがなくなった印象」と解説。

↑ボディサイドは絞り込まれるような複雑な面構成をしていて洗練された印象を醸し出す

 

↑ボンネットにはプレスラインが入り、こちらも躍動感を感じさせる

 

山田もこのデザインは感銘を受けた模様。

「フォーマルもカジュアルもイケるデザイン。高級ホテルのエントランスでもサマになるし、オートキャンプ場でも絵になる。一方で、スーパーの駐車場に止めても溶け込みます。ひとつの要素をやりすぎず、すべてが調和しているから風景と調和。シームレスな存在であり、シームレスはニューノーマルの時代の重要な要素です」(山田)

 

より細かい箇所に関しては山田と岡本さんのミニ対談をご覧いただきたい。

山田「SUVでデザイン的な個性を出そうとすると、エグさというかやりすぎちゃうことありますよね」

岡本「ですね。奇抜なデザインも悪くないですが、キャプチャーはあくまでオーソドックス。わざとらしい感じがしない」

山田「それはどのあたりが肝になっていますか?」

岡本「結局、ひとつひとつの積み上げなんですよね。C型をした前後ランプ類のデザインで統一性を出す/フロントパンパーのダクトでクルマをよりワイド&ローに見せてアクティブさを出す/リアパンパーにもダクトパーツを装着して統一感を出すなど、すべてに意味があります」

↑Cシェイプのライトシグネチャー
↑フロントバンパーのエアディフレクター
↑リアのランプもCシェイプで、リアバンパーにはエアアウトレットの造形を採り入れている

山田「フレンチSUVは1日にしてならず、ですね」

岡本「ええ。しかも、フロントバンパーの機構はフロントホイールハウス部分を整流し燃費を稼ぐ効果もあって、ちゃんと機能も持ち併せています」

山田「機能美もあるということですね。ちなみに、モノ目線で言うと、オン・オフ問わないは最新のキーワードなんです。近年、スポーツブランドが次々とビジネスウェアを出していて、ジャージのような着心地のスーツが流行っています。オン(=ビジネス)なんだけど、オフ(=プライベート)もイケる。キャプチャーもまさにそんな感じ」

岡本「なるほど」

山田「だから、フォーマルな場に連れていっても、カジュアルな場所に連れていっても映える。同時に、年齢もシームレスなんですよね。カップルやファミリー層にも合う、子育て卒業世代にも合う。ベースがエグくないから、使い方の色付けは、その人それぞれ、白紙のキャンバスみたいなクルマです」

↑ホイールの意匠もやりすぎない程度に個性を主張。タイヤサイズは前後とも215/55R18

 

【その2:インテリアデザイン】

「フライングセンターコンソールの素晴らしさ」(岡本)

「廃れることのないハンドスピナー」(山田)

新型ルノーキャプチャーで最も変わったのはインテリアだろう。運転席側に少しだけ向いたコクピット、肌に触れる部分に多用されるソフトパッド、ピアノブラックで引き締まったデザインのディスプレイ、デジタル化したメーターなど、見るべきポイントがたくさんある。

 

↑デジタルメーターは、運転モードや照明をカスタマイズできる「ルノー・マルチセンス」で表示を変えられる。写真は中央を速度計にしたもの

 

↑7インチ マルチメディア イージーリンク。スマホとつなげてApple CarPlayやAndroid Autoを利用できる

 

ただ、これらは、ベース車両となるルーテシアでも同じ手法で進化。新型ルノー キャプチャーではさらに、キャプチャーらしいこだわりが随所に仕込まれている。岡本さんが挙げたのは、シフトがまるで宙に浮いたような造形の「フライングセンターコンソール」だ。

 

「フライングセンターコンソールは見た目にも印象的なうえ、機能面でも実に合理的。SUVらしくアップライトなドライビングポジションにも合っています。ちょうど良い高さにシフトノブがあるので、運転時にわざわざ見なくても操作ができます」(岡本)

↑フライングセンターコンソール。シフト部分が宙に浮いたような造形が特徴的

 

↑シフト下の空間は小物入れになっており、ワイヤレス充電に対応

 

山田の感想はどうだろうか。

キャプチャーは触覚に訴えかける稀有なモデル。ソフトパッドの質感がとにかく気持ちいい。例えるなら、廃れることのないハンドスピナーのよう。ハンドスピナーは一時的なブームで終わってしまったが、こちらはずっと触っていたくなる。肌に触れるところが気持ちいいと空間全体の居心地がよくてずっと居たくなる」(山田)

↑ドアトリムやグローブボックス上部、肘掛け部分など肌が触れる場所に柔らかな手触りのパッドを配置

 

ここでも、より細かい箇所に関しては山田と岡本さんのミニ対談をご覧いただきたい。

岡本「いまやBセグメント(※2)でもアンビエントライト(室内の間接照明)が使われるようになったことに時代を感じます」

※2:プジョー208シリーズ、フォルクスワーゲン ポロ、国産車ではトヨタのヤリスやホンダのフィットが当てはまるコンパクトカーの分類

山田「そこから来ますか! 確かに、Bセグはあくまで実用車であり『演出する』というのは、二の次でした」

岡本「そうなんです。いま、フランスのBセグ車は『良い戦い』をしています。かつてBセグは、小柄なBセグのほうがよい人はもちろんとして、Cセグを買えない人が選ぶ意味合いが大きいクラスでした。ところが最近、大きくなり過ぎたCセグを嫌って、積極的にBセグを選ぶ人が増えています」

山田「なるほど」

岡本「それを受けて、各社がBセグに力を入れるように。際立つのがフランスのブランドです。ドイツ勢はどちらかというとCセグ以上がメインですが、フランス勢はBセグは譲らないとばかりに力を入れて、Cセグのダウンサイザーが購入しても不満に感じないよう、質感や装備を磨き上げてきました。そうして開発されたBセグのニューモデルがいま続々と市場に登場しています。なかでも、もともとSUVのベストセラーであるキャプチャーは、そのポジションを確固たるものとすべく、すべてにおいて進化を果たしたと感じています」

山田「それは走りの面や、使い勝手や居住性でも同じことが言えそうですね」

岡本「まさにそうです」

山田「私は、岡本さんも挙げてくれた『フライングセンターコンソール』が気に入っています。これは、キャプチャーオリジナルでルーテシアにはない。ベース車両があるモデルだと小手先だけのデザイン変更というケースも多いですが、圧倒的に違う。ルノーのこだわりが見て取れます」

 

新型ルノー「キャプチャー」の詳細はコチラ

 

【その3:動力性能&走行性能】

「トルクウエイトレシオが効いている」(岡本)

「セグメントの考え方を置き去りにする」(山田)

新型ルノー キャプチャーはBセグメントのコンパクトSUVというラベルを覆すようなしっかりとした、走らせて楽しい仕上がりになっている。このパートは、モータージャーナリスト視点で岡本さんに徹底的に語っていただこう。

 

キャプチャーのエンジンは1.3Lの直噴ターボエンジン。この排気量帯では3気筒を採用するメーカーも増えていますが、やはり4気筒のほうが好みです。エンジン音に安普請な印象がないし、振動が小さく不快感がありません。

↑最高出力は154PS(113kW)/5500rpm、最大トルクは270Nm/1800rpm。これは、ルーテシアに比べて、23PS、30Nmのアップ

 

1.3Lながら力強く加速し、体感的にも十分な速さを引き出しているのはたいしたもの。レッドゾーンの6500rpmまできっちり回ります。

 

スポーツモードにすると、よりアクセルレスポンスが増して盛り上がりのある加速をします。レスポンスがよく扱いやすいので、常時これを選んでおいてよいのではと感じたくらい。むしろ、アクセルをあまり踏まなくても加速するので、燃費もそれほど悪化しないはず。

↑スポーツモード時にメーター。中央のメーターがタコメーターになり、車両の反応もクイックに

 

ベースのルーテシアよりも100kgほど重くなっているのに、パワー&トルクが引き上げられたことで、それ以上に速くなったように感じます。パワーウエイトレシオ(※3)はもちろんとして、トルクウエイトレシオ(※4)が高いことが効いています。余力のある動力性能のおかげで、高速巡行が主体のロングドライブもよりラクに走れることでしょう。

※3:車両重量を最高出力で割った数値。数値が小さいほど加速力が高いとされる ※4:車両重量を最大トルクで割った数値。数値が小さいほど加速力が高いとされる

 

7速EDC(※5)はつながりをマイルドにして扱いやすくしていて、ダイレクト感をあえて落としている印象。ギクシャク感は小さく、シフトチェンジがおだやかで、機構的な負荷も小さくトラブルも起こりにくくなるはず。

※5:奇数段と偶数段の2つの軸に配されたギアを交互に切り替える仕組みで、瞬時かつシームレスなギアチェンジが可能な機構
↑シフト自体の造形もベースのルーテシアと異なっている

 

足まわりは、ストローク感があるけど適度にダンピングが効いて引き締まっています。ロールが小さく抑えられているので、コーナリング中にいまクルマがどのような状況にあるのか掴みやすく、ちょうどよい味付け。また、ステアリングギア比がクイックになったことで、より俊敏なハンドリングを楽しむことができます。

 

ルノー・日産・三菱のアライアンスで新設計されたプラットフォームは剛性が非常に高いです。サスペンションの取り付け剛性も十分に確保されているおかげで、足まわりが理想的に動いて仕事をこなしている印象。タイヤがしなやかに路面に追従してしっかり接地している感覚があります。

 

ステアリングの中立位置から微妙に切りはじめたところから正確に応答し、切った通りに車両が反応してくれます。このクラスでこの領域の動きがちゃんとできているクルマは少ないです。これにより修正舵が少なくなり、長時間のドライブでも疲労感が小さくなります。

↑任意のギアにするにはステアリング裏にあるパドルシフトを使用する

 

【その4:使い勝手】

「ファミリーカーとしても十分」(岡本)

「Boseがあるおかげで書斎にもなる」(山田)

新型ルノー キャプチャー、室内の広さやラゲッジの広さはどうなのだろうか? 数字から見ていこう。フロントシートの座面長が15mm長くなり、よりサポート性がアップ。一方、シートバックの形状を工夫することで、後席乗員の膝周りスペースは17mm長くなって、221mmになっている。同時に初代から好評だった、リアシートの前後スライドも継続。前後に最大160mmスライドできる。

 

前席、後席とも初代よりも車内空間が広くなっているように感じました。このクラスでこの広さはなかなかありません。ファミリーカーとしても十分に使えます」(岡本)

↑後席にもエアコン送風口とUSB端子を搭載。広さだけでなく、快適に過ごせる装備も充実

 

また、インフォテイメントも充実。ここではデジタルデバイスに造詣の深い山田に語ってもらおう。

 

「Apple CarPlayとAndroid Autoが使えるから、いつもの環境で地図を見たり、音楽を聞いたり、ストリーミングサービスを利用できます。これ自体は他のクルマでもできるので特筆することではないけれど、キャプチャーはここにBoseのサウンドシステムが加わるから、一気に特別な空間になります。イベントやライブがオンライン化していくなかで、より高音質な体験をしたい人は増えているはず。

 

自宅でプレミアムな音響システムを構築しようとすると、金額もうなぎ上りになるし、配線が増えて家族の同意を得ることも必要。だけど、キャプチャーなら標準装備。書斎としても活躍するでしょう」(山田)

↑超小型ながらBoseサウンドを鳴らす「Fresh Air Speaker」を搭載。サブウーファー、4つのウーファー、4つのトゥイターの合計9つのスピーカーから構成される

 

これ以外にも使い勝手の見所は満載。ミニ対談で余すことなくお伝えしよう

岡本「ラゲッジの広さに驚きました。同じくBセグでこの広さにはビックリ。ゲート開口部も広く、使い方に合わせてアレンジできるのも重宝します」

↑ラゲッジは6:4の分割可倒式。536L〜最大1235Lまで拡大する

 

山田「リアシートのスライドが絶妙にいいんですよね。このスペースにアウトドア用のテーブルがちょうど入る。キャンプやBBQは効率よく荷物を積めるかがポイント。隙間なく積めたらドライブも気持ちいいですし、積んだものが動かないので安心度も上がります」

↑リアシートはスライドが可能。上の写真に比べて後席を前にスライドさせている

岡本「アウトドアという側面でいえば、ドアがサイドシル下まで回り込んで開閉するおかげで、下から泥などが侵入しにくくサイドシルが汚れないので、ズボンのスソを汚す可能性が低いのがありがたいです」

 

新型ルノー「キャプチャー」の詳細はコチラ

 

【その5:先進安全技術】

「一気にセグメントのトップランナーになった」(岡本)

「文字通り、死角なし!」(山田)

次は、最近のクルマでは欠かせない先進安全技術面を掘り下げていこう。新型ルノー キャプチャーでは最新装備をカバー。代表的なものでいえば、アダプティブクルーズコントロール、歩行者・自転車対応の衝突被害軽減ブレーキ、360°カメラ、後側方車両検知、車線逸脱防止支援、車線逸脱警報、交通標識認識機能。インテンス テックパックにはさらに、レーンセンタリングアシストを装備し、車線の中央をキープしてくれる。

 

岡本さんの評価としては、「一気にセグメントのトップランナーになった印象です。日産とのアライアンスによる恩恵でしょう。なかでも、レーンセンタリングアシストと、レーンキープアシストといった、高速巡行時に役立つ機能が設定されたのは大歓迎。長距離ドライブでドライバーにかかる負荷を格段に引き下げてくれるでしょう」と高評価。

↑先進運転サポート系はステアリング左側の操作ボタンから行う

 

これは山田も同意見だ。

キャプチャーはエイジレスですが、ダウンサイジングして乗り換えるという面で考えると、50代以上のユーザーも少なからずいるはず。まだまだ元気な年齢ですが、肉体的な衰えも出てくる年代なので、運転サポート機能を満遍なく取り揃えているのは心強いです。アクティブだからこそ、そのアクティブを心置きなく発揮させてくれるクルマ。文字通り死角なしです!」(山田)

 

【まとめ】

「安グルマ」という印象はまったくありません(岡本)

ベースグレードがアンダー300万円の衝撃(山田)

ここまで新型ルノー キャプチャーを5つに分けて解説してきたが、最後に総括していこう。

「7年分の中身の大幅な進化はもちろん、初代でもウケのよかったスタイリングも持ち前のよさを大きく変えることなく、それでいて新鮮味もある、ちょうどよいデザインに仕上がっています。これほど内容が充実しながらも、価格設定も非常に頑張った」(岡本)

 

「インテンスグレードの価格は299万円。ベースグレードとはいえ、安全装備やBoseなどほぼ全部入りでこのプライスは結構衝撃的。実にお得です」(山田)

 

新型ルノー キャプチャーの発売は2月25日。デビューフェアは2月27日〜3月7日。ぜひ、ディーラーまで足を運んで欲しい一台だ。

 

新型ルノー「キャプチャー」の詳細はコチラ

 

撮影/茂呂幸正

量産FF車最速記録を更新したルノー「メガーヌ R.S.」を深掘り

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、ドイツのニュルブルクリンク北コースで、量産FF車最速記録を更新したメガーヌR.S.を掘り下げる!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【PROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】ルノー/メガーヌ R.S.

SPEC【トロフィー MT】●全長×全幅×全高:4410×1875×1435mm ●車両重量:1450kg ●パワーユニット:1.8L直列4気筒ターボエンジン ●最高出力:300PS(221kW)/6000rpm ●最大トルク:400Nm/3200rpm ●WLTCモード燃費:13.4km/l

448万1000円〜499万円

 

ルノーのエンジニアが日本の道路事情に合わせてチューニング

安ド「殿! このクルマ、最高ですね!」

 

永福「安ドは速いクルマが好きだな」

 

安ド「300馬力のパワーと、ターボエンジンのぶっといトルクを味わいながら、滑るように走れました!」

 

永福「滑るようにとは、乗り心地のことか?」

 

安ド「そうです! このスポーツ性とコンフォート性のバランスは素晴らしいと思います!」

 

永福「確かに、車名にトロフィーと付くハイパフォーマンス仕様にしては、乗り心地は悪くない」

 

安ド「ですよね!」

 

永福「日本には熱狂的なマニアが多く、メガーヌのR.S.に限っては、世界で何番目かによく売れている国だそうだ」

 

安ド「そうなんですか!」

 

永福「スポーツカー熱は冷め切っているように見えるが、実は日本は、スポーツカーマニアが非常に多い国なのだ」

 

安ド「良かったです!」

 

永福「わざわざルノーのエンジニアが来日し、入念に日本の道路事情を調査して、それに合わせたサスペンションチューニングをしたという」

 

安ド「そうなんですか!」

 

永福「具体的には、首都高のジョイント。ああいうものは欧州にはないので、通過した時の乗り心地に特に配慮したそうだ」

 

安ド「マジですか!」

 

永福「なぜ欧州にああいうものがないかというと、地震が少ないからだ」

 

安ド「あれは地震対策なんですか!」

 

永福「大地震の際、橋げたが分割されていたほうが、力を逃がしやすいのだ」

 

安ド「さすが、殿は首都高研究家ですからね!」

 

永福「話がそれた。私はやはり、こういうクルマはMTに限ると思ったぞ」

 

安ド「やっぱりMTは楽しいですね!」

 

永福「2年前のR.S.日本導入時はATしか設定がなく、なんだかあんまり楽しくなかったのだ」

 

安ド「そうなんですね!」

 

永福「あの時は『MTを出す予定はない』と聞いたが、その後ルノーは考えを変えたらしい」

 

安ド「良かったです!」

 

永福「こういうクルマはラクして速く走りたいわけではない。存在そのものが趣味なのだから、やることは多いほうがいい」

 

安ド「デザインもカッコいいですよね! フォグランプとかフロント中央、ルノーのエンブレム下のトロフィーデカールの位置とか、細かいところまで凝ってます!」

 

永福「神は細部に宿る、だな」

 

安ド「5ドアなので、実用性もあります!」

 

永福「限定車の『トロフィーR』だと、5ドアなのに後席がないぞ」

 

安ド「えっ! なぜっすか!?」

 

永福「軽くするためだ」

 

安ド「僕は後席アリがいいです!」

 

【GOD PARTS 1】スポーツエキゾーストマフラー

切り替えて楽しめる迫力のスポーツサウンド

マフラーには「アクティブバルブ」をR.S.モデル史上初搭載。これはサウンド切り替え機能で、スポーツモードにすれば、エンジンパフォーマンスを向上させながら、迫力のサウンドも楽しめます。パンパン鳴ってちょっとヤンチャですが(笑)。

 

【GOD PARTS 2】R.S.ビジョン

クルマ好きなら気になるチェッカーフラッグ型

フォグランプのデザインはチェッカーフラッグ型で、カーマニアの気持ちを高ぶらせてくれます。ちなみに「R.S.」は「ルノー・スポール」の略で、ルノーがこれまでレース活動で培ってきた知見が注ぎ込まれたモデルであることを示しています。

 

【GOD PARTS 3】インパネ

赤いステッチがドライバーの気持ちを高める

ステアリングやシートなど、各部に赤いステッチが施されているのはR.S.専用で、いかにもスポーティな雰囲気です。さらにカーナビの設定がないところもストイックで、運転に集中したいマニア向けのポイントではないでしょうか。

 

【GOD PARTS 4】5ドアボディ

ドアが左右2枚ずつ増えて使い勝手が良くなった

先代型メガーヌの「R.S.」は、3ドア、つまりボディ左右のドアが1枚ずつでした。しかし今回は5ドアです。この結果、使い勝手や利便性が向上しました。もちろん肝心のスタイルもスポーティ感を損なうことなく、きれいにまとめられています。

 

【GOD PARTS 5】エアアウトレット

空気の排出口が前にも後ろにも存在?

       

前後のフェンダー(タイヤの周囲を取り囲むボディのふくらみ)には、それぞれ後方にエアアウトレット(空気の排出口)が備わっています。ただよく見ると、フロントは穴が開いていますが、リアは穴がふさがっていてハリボテのようです。

 

【GOD PARTS 6】1.8Lターボエンジン

元から強力なエンジンをさらにパワーアップ!

ベースの「R.S.」がすでに279馬力なのに、「トロフィー」は専用チューニングが施され、300馬力にまで向上されています。組み合わせられるトランスミッションに6速MTの設定があることもうれしいですし、フィーリングも優れていて扱いやすいです!

 

【GOD PARTS 7】走行モード

ボタンひとつでよりハードなマシンに

   

ディスプレイ下に設置されている「R.S.ドライブ」ボタンを押せば、スポーツモードやレースモードへと切り替えられます。トランスミッションや車両制御装置、ステアリングなどのプログラムが変更され、走りがよりハードに変わります。

 

【GOD PARTS 8】ハンズフリーカードキー

ビックリするほど軽くてちょっと厚めのカードキー

現代のトレンドでもあるカードキーが採用されていますが、実際に持ってみるとかなり軽くてビックリします。カード型にしては少し厚みがあるので、ポケットに入れているとかさばりそうです。裏側に施錠/解錠ボタンが付いています。

 

【GOD PARTS 9】バケットシート

老舗が作った特製シートは触り心地も良し

バケットシート界の老舗ブランド「RECARO(レカロ)」社の特製シートがトロフィー専用装備として搭載されています。表面生地も、高級素材の代表的な存在であるアルカンタラが使用され、スウェードのような柔らかな感触を味わえます。

 

【これぞ感動の細部だ!】足まわり

硬めでも乗り心地は悪くないベストセッティング

乗ってすぐに感じられる、サスペンション設計の素晴らしさは感涙モノです。スポーツモデルらしく硬めですが、乗り心地は決して悪くありません。きっとカーマニアなら「快適!」と絶賛することでしょう。もちろん、サーキットでは素晴らしいコーナリング性能を引き出してくれます。さらに後輪操舵機能「4コントロール」も搭載されていて、小回り性能と安定性を両立しています。

量産FF車最速記録を更新したルノー「メガーヌ R.S.」を深掘り

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をする「クルマの神は細部に宿る。」。今回は、ドイツのニュルブルクリンク北コースで、量産FF車最速記録を更新したメガーヌR.S.を掘り下げる!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【PROFILE】

永福ランプ(清水草一)

日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。2018年以降、ペンネームを「MJブロンディ」から「永福ランプ」へ変更している。

 

安ド

元GetNavi編集部員で、現在ではフリーエディター。永福ランプを慕い「殿」と呼んでいる。

 

【今月のGODカー】ルノー/メガーヌ R.S.

SPEC【トロフィー MT】●全長×全幅×全高:4410×1875×1435mm ●車両重量:1450kg ●パワーユニット:1.8L直列4気筒ターボエンジン ●最高出力:300PS(221kW)/6000rpm ●最大トルク:400Nm/3200rpm ●WLTCモード燃費:13.4km/l

448万1000円〜499万円

 

ルノーのエンジニアが日本の道路事情に合わせてチューニング

安ド「殿! このクルマ、最高ですね!」

 

永福「安ドは速いクルマが好きだな」

 

安ド「300馬力のパワーと、ターボエンジンのぶっといトルクを味わいながら、滑るように走れました!」

 

永福「滑るようにとは、乗り心地のことか?」

 

安ド「そうです! このスポーツ性とコンフォート性のバランスは素晴らしいと思います!」

 

永福「確かに、車名にトロフィーと付くハイパフォーマンス仕様にしては、乗り心地は悪くない」

 

安ド「ですよね!」

 

永福「日本には熱狂的なマニアが多く、メガーヌのR.S.に限っては、世界で何番目かによく売れている国だそうだ」

 

安ド「そうなんですか!」

 

永福「スポーツカー熱は冷め切っているように見えるが、実は日本は、スポーツカーマニアが非常に多い国なのだ」

 

安ド「良かったです!」

 

永福「わざわざルノーのエンジニアが来日し、入念に日本の道路事情を調査して、それに合わせたサスペンションチューニングをしたという」

 

安ド「そうなんですか!」

 

永福「具体的には、首都高のジョイント。ああいうものは欧州にはないので、通過した時の乗り心地に特に配慮したそうだ」

 

安ド「マジですか!」

 

永福「なぜ欧州にああいうものがないかというと、地震が少ないからだ」

 

安ド「あれは地震対策なんですか!」

 

永福「大地震の際、橋げたが分割されていたほうが、力を逃がしやすいのだ」

 

安ド「さすが、殿は首都高研究家ですからね!」

 

永福「話がそれた。私はやはり、こういうクルマはMTに限ると思ったぞ」

 

安ド「やっぱりMTは楽しいですね!」

 

永福「2年前のR.S.日本導入時はATしか設定がなく、なんだかあんまり楽しくなかったのだ」

 

安ド「そうなんですね!」

 

永福「あの時は『MTを出す予定はない』と聞いたが、その後ルノーは考えを変えたらしい」

 

安ド「良かったです!」

 

永福「こういうクルマはラクして速く走りたいわけではない。存在そのものが趣味なのだから、やることは多いほうがいい」

 

安ド「デザインもカッコいいですよね! フォグランプとかフロント中央、ルノーのエンブレム下のトロフィーデカールの位置とか、細かいところまで凝ってます!」

 

永福「神は細部に宿る、だな」

 

安ド「5ドアなので、実用性もあります!」

 

永福「限定車の『トロフィーR』だと、5ドアなのに後席がないぞ」

 

安ド「えっ! なぜっすか!?」

 

永福「軽くするためだ」

 

安ド「僕は後席アリがいいです!」

 

【GOD PARTS 1】スポーツエキゾーストマフラー

切り替えて楽しめる迫力のスポーツサウンド

マフラーには「アクティブバルブ」をR.S.モデル史上初搭載。これはサウンド切り替え機能で、スポーツモードにすれば、エンジンパフォーマンスを向上させながら、迫力のサウンドも楽しめます。パンパン鳴ってちょっとヤンチャですが(笑)。

 

【GOD PARTS 2】R.S.ビジョン

クルマ好きなら気になるチェッカーフラッグ型

フォグランプのデザインはチェッカーフラッグ型で、カーマニアの気持ちを高ぶらせてくれます。ちなみに「R.S.」は「ルノー・スポール」の略で、ルノーがこれまでレース活動で培ってきた知見が注ぎ込まれたモデルであることを示しています。

 

【GOD PARTS 3】インパネ

赤いステッチがドライバーの気持ちを高める

ステアリングやシートなど、各部に赤いステッチが施されているのはR.S.専用で、いかにもスポーティな雰囲気です。さらにカーナビの設定がないところもストイックで、運転に集中したいマニア向けのポイントではないでしょうか。

 

【GOD PARTS 4】5ドアボディ

ドアが左右2枚ずつ増えて使い勝手が良くなった

先代型メガーヌの「R.S.」は、3ドア、つまりボディ左右のドアが1枚ずつでした。しかし今回は5ドアです。この結果、使い勝手や利便性が向上しました。もちろん肝心のスタイルもスポーティ感を損なうことなく、きれいにまとめられています。

 

【GOD PARTS 5】エアアウトレット

空気の排出口が前にも後ろにも存在?

       

前後のフェンダー(タイヤの周囲を取り囲むボディのふくらみ)には、それぞれ後方にエアアウトレット(空気の排出口)が備わっています。ただよく見ると、フロントは穴が開いていますが、リアは穴がふさがっていてハリボテのようです。

 

【GOD PARTS 6】1.8Lターボエンジン

元から強力なエンジンをさらにパワーアップ!

ベースの「R.S.」がすでに279馬力なのに、「トロフィー」は専用チューニングが施され、300馬力にまで向上されています。組み合わせられるトランスミッションに6速MTの設定があることもうれしいですし、フィーリングも優れていて扱いやすいです!

 

【GOD PARTS 7】走行モード

ボタンひとつでよりハードなマシンに

   

ディスプレイ下に設置されている「R.S.ドライブ」ボタンを押せば、スポーツモードやレースモードへと切り替えられます。トランスミッションや車両制御装置、ステアリングなどのプログラムが変更され、走りがよりハードに変わります。

 

【GOD PARTS 8】ハンズフリーカードキー

ビックリするほど軽くてちょっと厚めのカードキー

現代のトレンドでもあるカードキーが採用されていますが、実際に持ってみるとかなり軽くてビックリします。カード型にしては少し厚みがあるので、ポケットに入れているとかさばりそうです。裏側に施錠/解錠ボタンが付いています。

 

【GOD PARTS 9】バケットシート

老舗が作った特製シートは触り心地も良し

バケットシート界の老舗ブランド「RECARO(レカロ)」社の特製シートがトロフィー専用装備として搭載されています。表面生地も、高級素材の代表的な存在であるアルカンタラが使用され、スウェードのような柔らかな感触を味わえます。

 

【これぞ感動の細部だ!】足まわり

硬めでも乗り心地は悪くないベストセッティング

乗ってすぐに感じられる、サスペンション設計の素晴らしさは感涙モノです。スポーツモデルらしく硬めですが、乗り心地は決して悪くありません。きっとカーマニアなら「快適!」と絶賛することでしょう。もちろん、サーキットでは素晴らしいコーナリング性能を引き出してくれます。さらに後輪操舵機能「4コントロール」も搭載されていて、小回り性能と安定性を両立しています。

“クルマは充電”が新しいドライブ様式になる! EVメーカーの現在地

世界各国でエンジン車への規制が強まるなか、自動車メーカーは近年こぞってEVを開発し世に送り出している。走行可能な距離が短い、充電スポットが少ないという不安は、もはや過去のもの。これからのクルマは“充電”が新たなドライブ様式となる。スポーツカーで有名なポルシェも、誰もが憧れるラグジュアリーカーのロールス・ロイスやアストンマーティンもEVを発表。もはやどのメーカーも避けて通れないクルマの電動化は、いまどうなっているのか。自動車ジャーナリストの川端さんに話を聞くとともに、世界の自動車メーカーの現在地を解説!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車専門誌の編集部員に転身し、現在は、フリーランスのジャーナリスト。テクノロジーとエコロジーが専門。

 

排出ガス規制と政府の援助で着々と進むクルマの電動化

英語で“Petro Head”と言えばクルマ好きのこと。Petroとは石油のことだから、ひいてはエンジンとクルマは切っても切り離せない……というのはもう過去の話。多くの自動車メーカーがEVを発表する時代が来ている。その背景にあるのが、欧州委員会による「2050年までにカーボンニュートラル(※)を目指す」という発表だ。さらに、2030年までに自動車からの排出ガスによるCO²排出量を半分まで削減(2020年第3四半期比)し、2040年に新型車はほぼCO²を排出しないクルマだけになるというロードマップを描いている。

※ライフサイクルで見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる状態のこと。2017年にパリで開かれたワン・プラネット・サミットでカーボンニュートラル宣言が発出された

 

この動きは、中国やアメリカでも加速している。中国では政府が税の優遇などを設けて、電池を含めたEV産業全体を後押ししている。アメリカのカリフォルニア州では、2035年までに州内で販売されるすべてのクルマを排ガスゼロにするという意欲的な目標を打ち出している。世界は電動化に向けて、着々と進んでいるのだ。

 

世界EVメーカーシェアランキング】

テスラが約18%と圧倒的なシェア。これは2016年に発表され手ごろな価格で大人気となったモデル3の影響が大きい。日本メーカーがベスト10に入っていないのは残念。

● ウェブサイト「EV Sales」の2020年1月から8月までの販売台数ランキングデータより引用。

● 販売台数のなかにはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)も含まれる

 

《アメリカ》

EVの世界シェアで断トツのトップを走るテスラが市場を牽引。シボレーのボルトEVは2021年に次期モデルが登場する予定だ。

 

【No.1】世界シェアでトップを走る気鋭のEVメーカー

テスラ

起業家イーロン・マスクを中心に「自分たちが乗りたいカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起。スポーツカー、セダン、SUVに続き手ごろなモデル3と、新車を連発中だ。

 

【No.2】転んでもタダでは起きない⁉ GM渾身のEVで巻き返す

シボレー

リーマンショックで倒産の憂き目にあったGMだが、政府から低利の融資を受けて電池とEVのボルトを開発。高級車ブランドのキャデラックでも、2023年にEVを発売予定だ。

 

《アジア》

政府の援助を受けられるなどEVの開発環境が整えられた中国は、多くのメーカーが参入。元々は電池メーカーなど、異業種企業も多い。

 

【No.1】商用EVのトップメーカーから乗用車へも進出

比亜迪汽車(中国)

電池メーカーとして創業し、EVメーカーを買収。いまEV商用車では世界一だ。アウディからデザイナーを招聘し、王朝シリーズで乗用EVにも進出。トヨタとの合弁も開始した。

 

【No.2】洗練されたデザインを武器に欧米市場への進出を目論む

広州汽車(中国)

2025年までに全車種をEV化すると宣言。心臓部には日本電産製モーターを積むeAxleを搭載し、スタイリングは欧州高級車メーカーから引き抜いてきたデザイナーが担当する。

 

【No.3】年内上場を目指す注目のEVスタートアップ

威馬汽車(中国)

コネクテッド・カーや購入後のアフターサービスなどをウリにした“スマートカー”として話題。「中国版Google Map」を提供する百度と手を組んで、自動運転や車載AIも提供する。

 

【No.4】中国版イーロン・マスクが起こしたEVメーカー

上海蔚来汽車(中国)

中国経済界の若手カリスマであるウィリアム・リー氏が創業。大気汚染を解決しようと、「青空の訪れ」を意味する「蔚来」を社名にした。自社工場を持たず、SUVのES8を委託生産。

 

【No.5】自社生産と提携を使い分け世界への販路拡大を続ける

上海汽車(中国)

第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーのひとつ。自社での生産も手掛ける一方、他国の企業と提携を結び拡大。イギリスの名門ブランドMGのEVをフランスで発売した。

 

【No.6】委託生産の依頼や出資と共に自社EVも発売する多様な戦略

長安汽車(中国)

今後10年で27車種ものEVを発売すると意気込む。自社ブランドを拡大すると同時にEVメーカーの蔚来に生産を委託したり、愛馳に出資したりと、多様なEV戦略を目論む。

 

【No.7】ボルボの親会社はEV専用ブランドも立ち上げた

吉利汽車(中国)

中国系大手であり、ボルボの親会社であり、ダイムラーの大株主。EV専用ブランド「ジオメトリ」を設立し、テスラのモデル3をライバルと目論む小型セダン、Aを発表した。

 

【No.8】EVのラインナップを拡充し自動運転技術も磨く

ヒュンダイ(韓国)

コンパクトハッチ・コナのEV版の登場に続き、SUVの45を発売予定。3月にジョイスティックで操作し、自動運転への切り替えも可能なコンセプト「Prophecy」を発表した。

 

《日本》

日産と三菱が日本のEVを牽引してきたが、ホンダとマツダも参入。日産は新型アリアの販売を予定し、やっちゃえシェア獲得となるか。

 

【No.1】ハイブリッド王国ニッポンでピュアEVの道を突っ走る

日産自動車

世界に名だたる“ハイブリッド王国”であるニッポンだが、日産は一貫してEV開発を貫いている。リーフは2017年に2世代目となり、なんと累計50万台(!)を販売している。

 

【No.2】小さいながらもグローバルでEVを展開

三菱自動車

EV開発の歴史は1960年代から。早朝の新聞配達に静かなクルマが欲しいと考えた結果、EVを開発することになったという。コツコツと開発を続け、2009年に世界初の量産EVを発売。

 

【No.3】電気駆動になってもホンダ独自の走りの魅力は健在

本田技研工業

電気の時代においても、ホンダは走って楽しいクルマを作ることを重視している。Honda eでは、走行距離を200㎞と割り切りつつ、コンパクトでキビキビ走るモデルに仕立てている。

 

【No.4】クリーンディーゼルだけじゃない EVにもしっかり着手

マツダ

昨今のマツダはクリーンディーゼルが有名だが、電動化にも着手している。第1弾となるMX-30はヨーロッパで販売開始。日本では2021年にリース形式での販売を開始する予定だ。

 

《ヨーロッパ》

EU各国でCO2排出規制が発出されたことで、続々とEVが登場。目標年度を定めてEVへシフトするメーカーも多く、その動きに注目だ。

 

【No.1】EVでも最善の性能と快適性を提供する

メルセデス・ベンツ(ドイツ)

「最善か無か」を旨とするメルセデス・ベンツだけに、EVでも高性能かつ快適なクルマを開発する姿勢を崩さない。EQCでは、パワフルなモーターと自社製電池を搭載している。

 

【No.2】次世代に向けてイチから刷新したEVを開発

BMW(ドイツ)

バイエルン・エンジン製作所を略した社名のBMW。徹底したエンジン屋のBMWがイチから刷新したEVブランドのiでは、EV特有の気持ち良い走りをBMW流に仕立てている。

 

【No.3】壮大な販売目標を揚げてEV市場の席巻を狙う

フォルクスワーゲン(ドイツ)

2025年までに300万台のEVを販売するという意欲的な目標を掲げるフォルクスワーゲンは、続々とEVモデルを発売している。第1弾となるiD.3に続き、iD.4も発売されている。

 

【No.4】電動化を推し進める国の牽引役となるメーカー

プジョー(フランス)

国を挙げて電動化を推し進めるフランス。プジョーはその牽引役となっている。日本上陸を果たしたe-208では、パワフルなモーターと大容量電池を組み合わせた心臓部を持つ。

 

【No.5】日本にもEVがお目見えしEVの販売比率拡大を目指す

アウディ(ドイツ)

アウディの電動シリーズe-tron Sportbackが待望の日本上陸を果たした。さらにe-tron SUVが続く。2025年までに20車種のEVを発表し、40%のEV販売比率達成を目指している。

 

【No.6】欧州最多のEV販売台数を誇る

ルノー(フランス)

30万台のEV累計販売台数を誇るルノー。一番人気の小型車・ゾエは販売台数を伸ばしており、累計販売台数は10万台を超える。今年はカングーのEV版コンセプトモデルも発表。

 

【No.7】「あのポルシェが!」と世界を驚かせた

ポルシェ(ドイツ)

世界有数のスポーツカーブランドも、量産EVであるタイカンを発売。最高250km/h、0-100km/h加速2.8秒というハイパフォーマンスを誇る。2021年モデルも欧州で発表された。

 

【No.8】レースで鍛えたEVの技術を量産モデルにも投入する

ジャガー(イギリス)

F1のEV版であるフォーミュラーEに参戦しているジャガー。量産EVでもI-PACEを発売した。最大696Nmもの大トルクを発揮するモーターによって、スポーティな走りを実現する。

今年は208やルーテシアが入ってきたので「欧州コンパクトカー」Best 5を決めてみた

2020年は7月にプジョーの208が、11月にルノーのルーテシアが導入されるなど、ヨーロッパのコンパクトカーの主力モデルが相次いで上陸。都市部の石畳、山岳路、そして高速道路と、ヨーロッパの道はかなりシビアだ。そんな環境で生まれ鍛えられたヨーロッパのコンパクトカーのなかから、気になる3台をそれぞれチョイス。プロたちがナットクした珠玉の5台がコレだ!

※本稿は「GetNavi」 2021年2月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【採点した人】

5人それぞれで1位から3位を選出。1位10点、2位7点、3位5点のポイントとし、獲得ポイントの合計で1位から5位までの順位を決定した。

岡本幸一郎さん(モータージャーナリスト):若いころにはホットハッチを乗り継いだことも。世界のあらゆるカテゴリーのクルマを網羅し豊富な知識を持つ。

清水草一さん(モータージャーナリスト):生涯購入したクルマは合計50台。フェラーリのみならず、使い勝手が良く走りの楽しい小型車も愛する。

安藤修也さん(自動車ライター):モーター誌をはじめ、一般誌、マンガ雑誌などで手広く活動中。数年前に欧州の道路を1000km走破した経験を持つ。

塚田勝弘さん(自動車ライター):フリーランスとして新車、カー用品を中心に執筆・編集に携わって約16年。元・GetNavi本誌のクルマ担当。

上岡 篤(GetNavi本誌クルマ担当):小気味良く走るヨーロッパのコンパクトカーは大好き。最近は乗ることが少なくなったMT車を渇望している。

 

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【第5位】★獲得ポイント:10

 乗った人を必ず魅了するゴーカートフィーリング

MINI MINI 3ドア

267万円〜470万円

意のままに操ることが可能なワイドトレッドやショートオーバーハングが魅力の、MINIの伝統を最も良く受け継いでいる3ドアモデル。アプリを通じて広がるMINI Connectedの採用など、伝統のなかにも革新が宿っている。

SPEC【COOPER S】●全長×全幅×全高:3860×1725×1430mm●車両重量:1270kg●パワーユニット:1998cc直列4気筒●最高出力:192PS/5000rpm●最大トルク:28.5kg-m/1350〜4600rpm●WLTCモード燃費:14.5km/L

【ポイント内訳】安藤修也 3位(5ポイント)/岡本幸一郎 3位(5ポイント)

 

普遍的なアイコンだが一番の魅力は走りにあり

MINIの代名詞にもなっている「ゴーカートフィーリング」という言葉がある。乗車位置が低いため、まるでゴーカートのように路面の状況を克明に感じ取れるリアリティのある乗り味。そして、ボディ四隅にタイヤが配置されていることで、キビキビとした軽快な操舵フィーリングが味わえる。誰もが一度は欲しいと思うクルマだが、支持される理由はキュートなルックスだけではない。実際に運転してみるとそれが間違いだと気づく。そう、このクルマはなにより走りが楽しいのだ。(安藤)

↑COOPER S搭載の1998cc直噴ターボエンジン。余裕あるパワーとトルクでパワフルな走りを実現する

 

【第4位】獲得ポイント:17

まるでレーシングカー!? これぞ羊の皮をかぶった狼

フォルクスワーゲン ポロ GTI

386万円

ラジエーターグリルやブレーキキャリパーの赤色が特徴のポロGTI。力強い走りを生み出す2.0Lの直噴ターボエンジンのパワーを6速DSGトランスミッションが受け止めて最適な駆動力を発揮し、快適な走行を実現する。

SPEC●全長×全幅×全高:4075×1750×1440mm●車両重量:1290kg●パワーユニット:1984cc直列4気筒+ターボ●最高出力:200PS/4400〜6000rpm●最大トルク:32.6kg-m/1500〜4350rpm●JC08モード燃費:16.8km/L

【ポイント内訳】清水草一 1位(10ポイント)/上岡 篤     2位(7ポイント)

 

2リッターターボの気持ち良さにビックリ仰天

ポロGTIには本当に驚いた。2.0Lとそれほど大きな排気量でもないエンジンが、まさかこんなに気持ちイイなんて〜! アクセルを床まで踏み込むと、まるでレーシングカーのようなサウンドがあぁぁ〜〜〜〜! 実際にはそれほど速くありませんけどね、運転の楽しさは天下一品! それでいてボディはポロそのものなので、同社のゴルフよりもコンパクトで取り回しが良くて室内の広さもちょうどいい。まさに欧州コンパクトカーの王道ですな! これに乗っときゃ間違いないぜ。(清水)

↑ノーマルに加えエコ、スポーツ、カスタムの各モードを選択可能。ステアリング、エンジン特性も変更される

 

【第3位】獲得ポイント:19

パワフルさとサウンドはフィアット500とは別モノだ!

ABARTH アバルト

595 300万円〜400万円

フィアット500をベースに、強烈なパワーを生み出す1368cc直列4気筒ターボエンジンを搭載したホットハッチ。しっかりと固められた足周りやホールド感が高い専用のシートにより、スポーツ走行の楽しさを実感できる。

SPEC【コンペティツィオーネ・5MT】●全長×全幅×全高:3660×1625×1505mm●車両重量:1120kg●パワーユニット:1368cc直列4気筒+ターボ●最高出力:180PS/5500rpm●最大トルク:23.5kg-m/2000rpm(スポーツモード時25.5kg-m/3000rpm)●JC08モード燃費:13.1km/L

【ポイント内訳】安藤修也 2位(7ポイント)/塚田勝弘 2位(7ポイント)/上岡 篤 3位(5ポイント)

 

スポーツモードON時の圧倒的なトルクは強烈!

ナリはフィアット500だが、その中身はまったくの別モノであるアバルト。エンジンに火を入れればブロロンッ! とうなる覚醒的なサウンドに心躍らされる。圧巻は、スポーツモードボタンをONにした瞬間。メーターのグラフィックが変化し、過給圧計のSPORTの文字が点灯。数値はノーマル時と比較して2.0kg-mのアップでしかないが、トルクは圧倒的に異なる。街なかで似合うのはフィアット500だが、ワインディングロードを駆け抜けるなら断然アバルトである。(上岡)

↑インパネのSPORTボタン。押すとスポーツモードに切り替わり、数値以上のトルク感アップを実感できる

 

【第2位】獲得ポイント:22

クラスを超えた中身が光る実力派フレンチコンパクト

ルノー ルーテシア

236万9000円〜276万9000円

力強くスポーティで、シャープな印象を与えるフロント部を中心に優美なデザインを実現した新生ルーテシア。手に触れるインテリアの多くにソフトパッドを使用し、上質さと滑らかな触感をもたらしている。

SPEC【インテンス テックパック】●全長×全幅×全高:4075×1725×1470mm●車両重量:1200kg●パワーユニット:1333cc直列4気筒+ターボ●最高出力:131PS/5000rpm●最大トルク:24.5kg-m/1600rpm●WLTCモード燃費:17.0km/L

【ポイント内訳】岡本幸一郎 1位(10ポイント)/清水草一 2位(7ポイント)/塚田勝弘 3位(5ポイント)

 

前作のRSを凌ぐ動力性能で速さはホットハッチ並み

見た目も中身もクラスを超えた1台。内装では本革シートやソフトパッドまで採用し、前後席も十分に広く、391Lを確保する荷室容量など実用性にも優れる。

 

日産や三菱とのアライアンスに基づいた新規プラットフォームによる走りは軽快で快適。それにメルセデスを加えた仲で開発されたエンジンは1.3Lながら相当に速い。静粛性も高く、乗りやすくて快適なうえ、刺激的な走りを楽しめるのだから思わず感心してしまう。日産のプロパイロットにルノー独自の制御を盛り込んだという先進運転支援装備も充実している。 ユニークなデザインに加えて優れた要素を身に付けた、超実力派のフレンチコンパクトだ。(岡本)

↑低回転域から24.5㎏-mの最大トルクを発生させる直噴ターボエンジン。余裕のある走りを実現している

 

↑運転モードが選択できる「ルノー・マルチセンス」。エンジンの出力特性やステアリングフィールも変更可能だ

 

 

【第1位】獲得ポイント:32

街なかでの小気味良さと高速域の安定性を備えた傑作

プジョー 208

239万9000円〜423万円

躍動感のあるフォルムに、3本爪のモチーフを前後ライトに採用したスポーティな外観、新世代の「i-Cockpit」を採用した内装が目を引く。衝突被害軽減ブレーキやアダプティブクルーズコントロールなどの先進装備も充実。

SPEC【208 GT Line】●全長×全幅×全高:4095×1745×1465mm●車両重量:1170kg●パワーユニット:1199cc直列3気筒+ターボ●最高出力:100PS/5500rpm●最大トルク:20.9kg-m/1750rpm●WLTCモード燃費:17.0km/L

【ポイント内訳】塚田勝弘 1位(10ポイント)/上岡 篤 1位(10ポイント)/岡本幸一郎 2位(7ポイント)/清水草一 3位(5ポイント)

 

昔の“猫足”ではなくても木綿豆腐のようなしなやかさ

新型208は、Bセグメントで現在ベストといえる走りを堪能できる。小径ステアリングもあってフットワークは軽快そのもので、高速域の安定性も兼ね備えている。交差点ひとつ曲がっただけで楽しいと思える味付けを濃厚に感じさせながら、ボディはあくまでミシリともいわずしっかりしたものだ。

 

208も含めて最近のプジョーは、“猫足”と表現された昔のしなやかな乗り味一辺倒ではないが、以前のドイツ車へのコンプレックスを感じさせた硬さもない。100PS/20.9kg-mの1.2Lターボは数値以上に力強く感じるし、トルコン付のATはダイレクト感のある変速マナーで、楽しさとスムーズさを兼ね備えている。(塚田)

↑PSAグループ最新の「CMP」を採用。軽量化や、空力性能の向上、駆動系や足周りの転がり抵抗の低減を叶える

 

↑「インターナショナルエンジンオブザイヤー」に5年連続で選出。燃費も改善し、WLTCモードは17.0km/L

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

 

【1分理解】限定車からカタログモデルへルノー「トゥインゴGT」ってどんなクルマ?

注目モデルをコンパクトに紹介するこのコーナー。今回は卓越した走りが魅力のルノー トゥインゴGTを取り上げます。

 

即完売した限定車がカタログモデルに昇格 

ルノー

トゥインゴGT

SPEC【MT】●全長×全幅×全高:3630×1660×1545㎜●車両重量:1010㎏●パワーユニット:897㏄直列3気筒DOHC+ターボ●最高出力:109PS/5750rpm●最大トルク:17.3㎏-m/2000rpm●カタログ燃費:非公表

 

AT車とは思えないほどの痛快な走りを堪能できる

トゥインゴGTは、昨年MT仕様の200台限定モデルとして登場し、あっという間に完売したことで話題となりました。この人気を受けてカタログモデルへと昇格を果たし、それに伴い新世代ATである6速EDC仕様が追加。持ち前のスポーティな走りを、より気軽に楽しめるようになりました。

 

ルノーの「武闘派集団」と言われるルノー・スポールがチューニングを手がけただけあって、その走りは痛快そのもの。RR駆動(リアエンジン・リアドライブ)ゆえに鼻先が軽く、ハンドリング性が抜群でした。少し走っただけで実感できる“身のこなし”の良さは、まさにスポーツカーのそれです。エンジンの味付けも絶妙で、AT車でもMT派も納得できる仕上がりでした。

 

【注目ポイント01】随所にオレンジのアクセント

室内の随所にオレンジのアクセントを入れたスポーティな仕立て。MTのシフトノブは適度な重さがある合金(ZAMAC)製で操作感は上々です。

 

 

【注目ポイント02】左側のインテークとホイールがGTの目印

リアエンジンを強調するサイドインテークや、ショーモデルに通じる17インチホイールなどがGT独自のパーツ。ボディカラーは2色を用意しています。

ルノーの新作SUV、カジャーが正式発売

ルノー・ジャポンは4月5日、新型SUVの「ルノー・ カジャー」を4月12日より発売すると発表した。「インテンス」の1グレード展開で、税込車両価格は347万円である。

 

 

カジャーは欧州Cセグメントに属するコンパクトSUV。街を離れ、自然の中でさまざまなアクティビティを楽しむフランス人のライフスタイルから生まれた、アクティブにバカンスを満喫するためのSUVとして誕生した。ボディサイズは全長4455×全幅1835×全高1610mm。ホイールベースは1645mm、最低地上高は200mmだ。

 

 

パワートレインは131ps/205Nmを発揮する1.2リッター直列4気筒ターボエンジンとデュアルクラッチの7速EDCの組み合わせで、前輪を駆動する。

 

 

スタイリングは、ダイナミックさや力強さに加え、情熱と洗練を感じさせるフレンチスタイルのデザインが大きな特徴。フロントにはデイタイムランプを組み合わせるCシェイプLEDヘッドライトや、フルLEDのリアランプが個性を際立たせている。タイヤサイズは225/45R19が標準だ。ボディカラーはルージュフラム・メタリックやブルーコスモス・メタリックを含む全4色が設定された。

 

 

上質で快適な空間が広がるインテリアでは、ナパレザーを用いたステアリングホイールやシフトノブ、前席にシートヒーターが備わるレザーシート、ダブルステッチのインナーハンドルが上質感を高めている。センターパネルには、マルチメディアや運転支援システム(ADAS)の設定を直感的に操作できる7インチマルチファンクションタッチスクリーンが備わる。

 

 

ラゲッジスペースの使い勝手の良さもカジャーの美点。後席は60:40の分割可倒式で、レバー操作によって荷室側からシートバックを簡単に倒すことができる。容量は通常時で527L確保され、最大時は1478Lに広がる。

 

 

ラゲッジには前後2枚のラゲッジボードが開口部と同じ高さに設置され、通常時はラゲッジが上下2分割されている(イージーフォールディング機能)。この状態でリアシートを倒すと、フルフラットのラゲッジスペースとなる(フラットモード)。

 

 

また、フルフラットの状態から、2枚のラゲッジボードをラゲッジ床面に設置すると、ラゲッジ容量はさらに拡大できる(最大積載モード)。さらにリアシートを起こした状態で、2枚のラゲッジボードのうち奥側1枚をラゲッジ床面に設置し、 手前の1枚をラゲッジ中央に垂直に設置すると、ラゲッジが前後に2分割され、スーパーマーケットの買い物袋などの転がりやすいものを収納するのに便利なスペースを作り出すことができる(垂直モード・2分割)。

 

 

【東京モーターショー2017】ルノーF1参戦40周年を記念し、メガーヌR.S.(ルノースポール)を中心にスポーツモデルを全面に打ち出す!!

ブース奥の壁面に展示されたルノーのF1マシンの横には、F1参戦40周年を記念したロゴが配されている。1977年の初参戦からエンジン提供のみを含めて12回のコンストラクターズチャンピオンに輝いたルノー。今回は、ルノースポール(R.S.)を中心としたスポーツモデルのみが並んでいる。技術面では直結していなくてもF1参戦の情熱が各車に注がれていて、それが表現されたのが今回の展示だという。

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また、ルノーは、フランス語を使ったボディカラーと、フランスらしい色にこだわっているのも特徴で、ブース全体を見渡すとほかにはないカラフルな展示で心が浮き立ってくるはずだ。

 

メガーヌR.S.

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20171031_hayashi_LV_03↑新型メガーヌR.S.は、新型ルノー メガーヌ GTよりもフェンダーを拡幅し、フロントが60㎜、リアが45㎜ワイドになっている。タイヤは245/35R19サイズのブリヂストン・ポテンザS001を装着し、専用アルミホイールからはブレンボ製のレッドキャリパーがのぞく。専用ボディカラーの「オランジュ トニック」で、光の当り方により見え方がガラリと変わる。マフラーの出口はスクエアな形状で、センター出しにより存在感を強調する

 

最大の注目は、先のフランクフルトモーターショーで初公開された新型メガーヌR.S.で、モーターショー前に発表されたばかりのメガーヌGT/スポーツ・ツアラーGTとともに出展されている。年間5000台超とまだシェアは大きくはないが、毎年業績を伸ばしているだけに、看板モデルのカングーなしでも存在感を抱かせるブースになっている。

 

メガーヌGT

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トゥインゴ GT

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