社会人こそ活用すべき!新形態ルーズリーフ「フラリーフ」を使ってわかったスリムでスマートな使い心地

ルーズリーフと聞くと、「中高生のノート」というイメージが強いかもしれない。学生時代に使っていた記憶があるため、大量のリーフを挟み込んで分厚くなったものを思い浮かべるのも無理はない。しかし、スリムなバインダーに適度な枚数をセットすれば、携帯性に優れ、社会人の仕事用ノートとしても十分に活用できる。

 

さらに、ページの並びを自由に編集できるため情報整理がしやすく、必要なページを抜き出してスキャンすれば情報共有も可能。綴じノートやリングノートにはないメリットが多数ある。仕事用ノートとして、意外と使い勝手が良いのだ。今回は、社会人でも使いやすいスリムな設計に加え、リングを使用しないフルフラット仕様が特徴の最新ルーズリーフバインダーを紹介しよう。

 

4本のベルトで綴じる超薄型フラット・ルーズリーフ

ナカバヤシの「フラリーフ」は、リーフを綴じるリングが存在しないという、非常にユニークなルーズリーフバインダーだ。リングがないため、バインダー自体を極限まで薄く設計できる。さらに、紙面を見開きにしても中央にリングがないので、手が引っかかることもない。これだけで、ルーズリーフのネガティブな要素が大きく軽減されている。

ナカバヤシ
フラリーフ ロジカル・フラットバインダーノート
B5サイズ
650円(税別)

 

↑リングを用いない独特な綴じ方によって、見開きがとてもスッキリして見えるのが特徴

 

実際に見開きにすると、確かに邪魔なリングがなく、紙面はフルフラット。リングに手が乗り上げる心配がないのはもちろん、ノド(中央部分)ギリギリまで書き込むこともできる。リングがないことで、見た目もスッキリし、紙面が広々と感じられるのも大きなメリットだ。

↑一般的なルーズリーフバインダー(左)との比較

 

↑手の邪魔になるリングが無いことで、書き込みやすさは大幅にアップしている

 

リングなしでどう綴じる? その仕組み

リングがないのに、どのようにリーフを固定しているのか?

 

よく見ると、リーフのリング穴には4本のベルト状のパーツが通っている。これこそが「フラリーフ」の独自技術である。

↑リーフを綴じているのは、厚さ1mm以下のフラットバーと呼ばれる固定具

 

このパーツは「フラットバー」と呼ばれ、結束バンドに似た樹脂製のベルト。表紙側から2本、裏表紙側から2本がそれぞれ交互に配置されている。各バーの先端を表紙や裏表紙の穴に差し込むことで固定されており、リーフを抜き挿しする際は、まずこのバーの先端を引き出す必要がある。

 

リーフは26穴のうち4穴にバーが通ることで固定される仕組み。バーを抜けば、従来のバインダーでいう「リングを開いた状態」となり、リーフの抜き差しが自由にできる(最大50枚まで綴じることが可能)。

↑表紙・裏表紙の穴に挿し込まれたフラットバーを引き抜いていく

 

「フラリーフ」のスリムな魅力

↑フラットバーをすべて解放した状態。この状態でリーフの抜き挿しを行う

 

従来のルーズリーフバインダーは、リングの直径がバインダーの厚みに影響するため、極端に薄くすることが難しかった。

 

一方で「フラリーフ」は、そもそもリングが存在せず、リーフを束ねているのはフラットバーのみ。そのため、バインダーの厚さはほぼリーフの枚数次第。適度にリーフを減らせば、書類を入れたクリアホルダーと同じような感覚で持ち歩けるのも大きな利点だ。

↑リング綴じのバインダーと比べると、スリムさは圧倒的だ

 

ただし、使い始めて気になったのは「ページのめくりにくさ」

フラットバーでしっかり固定されている分、リーフの穴の隙間が少なく、無理にめくろうとすると端が折れたり破れたりする可能性がある。そのため、ページをめくる際は、バインダーを少し閉じ気味にして角度をつけると、バーとの隙間が生まれ、スムーズにめくれるようになる。

↑開いた状態ではリーフがフラットバーで押さえられているため、バインダーの開きに角度を付けてバーを浮かせないとめくりづらくなる

せっかくならリーフにもこだわりを

せっかくこだわりのバインダーを仕事用に使うなら、リーフにもこだわりたい。そこでおすすめなのが、ナカバヤシの「ロジカル・ルーズリーフ」だ。

ナカバヤシ
スイング・ロジカル・ルーズリーフ
B5サイズ A罫/B罫 各100枚
350円(税別)

 

↑横罫をドット罫で分割した、ナカバヤシ独自のロジカル罫

 

このリーフは、一見すると普通の横罫だが、よく見ると罫線の間に細かいドットが配置されている。これは、ナカバヤシの綴じノートブランド「スイング・ロジカルノート」でお馴染みの「ロジカル罫」と呼ばれるもの。

 

横方向のドット罫は1行を3分割し、行間を意識して適度なスペースを確保しやすくする。議事録やインタビューのように長い文章を書く際、後から読み返しやすくなるのがメリットだ。

↑ドットで罫線間の上1/4を空けて行間を作ることで、文章が読み返しやすくなる

 

また、縦方向のドット罫は、行頭を揃えたり、ざっくりとした表組みを作ったりするのに便利。実線と組み合わせれば方眼のように使うこともでき、手書きの図やスケッチにも向いている。

↑タテのドット分割は行頭を揃えるのにとても便利。ガタつきなく見やすい紙面が作りやすいのだ

 

このロジカル罫は発売から15年以上経つロングセラーだが、意外と知名度が低い。まだ試したことがない方は、新型バインダーと合わせてぜひ使ってみてほしい。

 

ルーズリーフ1パック分入り! タイパ・コスパを求めるZ世代向けバインダー「CLEAN TONE」

マルマンは、タイパ・コスパを求めるZ世代向けのルーズリーフバインダー「CLEAN TONE(クリーントーン)」を、2024年10月25日に発売しました。

CLEAN TONE(クリーントーン)

 

記事のポイント

初めからルーズリーフ1パック分(50枚)が入っているので、購入してすぐ使い始められるコスパとタイパの良さが魅力。たくさん綴じられるワイドタイプと、コンパクトで省スペースなスリムタイプの2種類から選べるのもうれしい。

 

Z世代は、効率的に時間を使い、趣味や好きなことに時間やお金を費やしたいというコスパ・タイパのニーズが強い傾向にあることから、Z世代向けに「書きやすいルーズリーフ」がまるまる1冊分入ったバインダー「クリーントーン」を開発。

 

マルマンルーズリーフは、一般的なルーズリーフに比べ紙に厚みがあり、消しゴムでしわになりにくく筆圧で裏がボコボコしにくい仕様です。また、インクがウラ抜けしにくいので、好きなペンを使うことができます。

 

教科や項目ごとに仕分けができて、勉強のタイムパフォーマンスがアップするインデックスが付属しています。インデックスは、シャーペンで書き込みができるうえに、長持ちする丈夫なラミネート加工が施されています。

インデックスは数回程度の書き直しが可能

 

サイズはB5サイズで、たくさん綴じられる「ワイドタイプ」と、携帯に便利な「スリムタイプ」の2種類をラインナップ。カラーはモノトーン調のブラック・ホワイト・グレー・ライトブルーの4色を展開します。背表紙にはホログラム加工を施しており、シンプルさの中に悪目立ちしないワンポイントを施しています。

モノトーン調のブラック・ホワイト・グレー・ライトブルーの4色展開

 

マルマン
ルーズリーフバインダー「CLEAN TONE(クリーントーン)」
2024年10月25日発売
実売価格:ワイドタイプ990円、スリムタイプ825円(税込)

ビジネスパーソンのノートにこそルーズリーフが便利! キングジム「ルーズリーフイン」で持ち運び問題も解決

社会人が使うノートとして「意外とルーズリーフがいい」という話は、この連載でも以前から何度か書かせてもらっている。というのも、社会人がノートに書きとめたい情報は、スケジュールやアイデアメモ、議事録などなど多岐に渡り、しかもそれが混ぜこぜになりがちだからだ。

 

それらを後から見返しやすくまとめるのは、綴じノートでは難しい。ページ編集が可能なルーズリーフのほうが圧倒的に合理的と言えるだろう。

 

ただ、ルーズリーフ用バインダーは、基本的に分厚かったり重かったりと、カバンに入れて持ち運ぶには少し面倒がある。だから、できれば日常的には“1日な必要な量のルーズリーフ用紙だけバラで携帯して、帰宅/帰社してからバインダーに綴じ直す”というフローが楽なのだが……これはこれで、用紙を汚さずスマートに持ち運ぶのが難しい。また、書き込んだ用紙を別に保管するのも手間だ。

↑ルーズリーフ用紙を袋のままで持ち運ぶと、折れジワや汚れがつきやすい。きれいに使いたいなら、やはり用紙ストッカーは必須だ

 

しかし、用紙をバラで携帯しやすく、かつ記入済み/未記入を分類しておける用紙ストッカーがあれば、話は別だ。さらに、ペラペラとページをめくるようにして閲覧できるときたら、これはもう社会人がルーズリーフを運用する上で、ちょっと革命的じゃない? というぐらい便利なのである。

 

ペラペラめくれる閲覧機能付きのルーズリーフストッカー

その革命的に優秀なルーズリーフ用紙ストッカーというのが、キングジム「ルーズリーフイン ホルダータイプ」。一見すると、まったくなんと言うこともない地味~なファイルなのだが、実は非常にユニークな機能を持っているのだ。

キングジム
ルーズリーフイン ホルダータイプ
500円(税別)

 

↑中はホルダーポケット(左)と用紙ストッカー(右)に分かれている

 

まずルーズリーフ用紙をストックする機能だが、これは裏表紙の内側にあるポケットが担っている。このポケットはかなり厚めのマチ付きで、メーカー公称で最大60枚まで用紙を収納しておけるもの。

 

ただ、あまりギチギチに詰め込むと取り出す時に少し難儀するので、ストックは多くても50枚ほどに止めておく方が快適だと思う。むしろ軽快に持ち運びたいのであれば、10枚ほどを入れて、こまめに補充する使い方のほうがオススメだ。

↑用紙50枚ほどを収納した図。マチ幅にはまだ余裕はあるが、これくらいにしておいたほうが出し入れはしやすい

 

記入済みのリーフをストックできるポケットがポイント

ここまでは、従来にもあった用紙ストッカーとなんら変わるところのない部分。「ルーズリーフイン ホルダータイプ」がユニークなのは、表紙側に備えた4連のホルダーポケットである。

 

これは用紙や書類を挟んで保持しておくためのもので、記入済み用紙を分けてストックしておくのに役に立つ。

 

↑記入済みのルーズリーフ用紙はホルダーポケットに挟んで収納

 

↑挟んでいるだけなので、リング穴がない書類も一緒にまとめておける

 

収納は、ポケットにそのまま挟むように挿し込むだけ。クリアホルダーとほぼ同じような使い勝手と手軽さだ。ノド側には脱落防止のストッパーがあるので、ただ挟んでいるだけでもそれなりに安定する。勝手にポロポロと用紙が抜け落ちる心配はあまりなさそうだ。

 

ちなみに、容量は1ポケットあたりルーズリーフ10枚ほど。収納に関しては、案件単位で分けたり、議事録用・アイデアメモ用など用途別に分類したりするなど、自分の運用方法次第である。

 

↑写真の赤線で強調した部分が、用紙の抜け落ちを防ぐストッパーだ

 

さらにフラップでポケットを閉じることで、より確実に中身の脱落防止となるのに加えて、ポケットのページ化が果たせるようになる。

 

どういうことかというと、例えばスケジュールやToDoなど何度も確認する必要のあるものを単独で挟んでおけば、いつでもページのようにペラッとめくって閲覧することができるのだ。従来のストッカーは、記入済み用紙の情報へアクセスしにくいのが弱点のひとつ。が、このポケットを使えば、その辺りの問題はクリアできるだろう。

 

↑フラップをひっかけることで、ホルダーポケットはきっちりと閉じた状態になる

 

↑バインダーに綴じることなくペラペラとめくって閲覧できるのは、なかなか快適だ

 

もちろん書き込んだ用紙すべてを閲覧しやすくするなら、バインダーに綴じるほうが良いに決まっている。ただ、ひとまず1~2枚ぐらいをめくって見られるように綴じて、あとはざっくり保存しておけばOK! という状況であれば、このやり方のほうが間違いなく軽快だ。

 

学生ほど書き込み枚数が多ければまた話は違うが、社会人のノートとしては、これぐらい割り切った作りの方が運用しやすいのではないだろうか?

 

 

第三のノート誕生! 入れ替え可能な“綴じ”ノート「SlideNote」は“アイデア出しは手書き”派の最適解!?

一般的に“ノート”として扱われているものには、超大きくざっくり分けて2つある。紙束を綴じた、いわゆる「ノート」と、開閉可能なリングで専用の用紙を綴じた「ルーズリーフ」だ。

 

もちろん前者のノートと言うだけでも、糊や糸で綴じたもの、リング綴じのものといろいろあるし、細かく分類していったら面倒くさいことになる。とりあえずここは、ノートとルーズリーフの2つだ、と思ってもらいたい。

↑左がノート、右がルーズリーフ

 

この2つにはそれぞれ、使う上でメリットとデメリットがある。(今さら! と言う人は、この段落は読み飛ばしてOK)

 

ノートは、軽くスリムなので携帯しやすい。また、基本的に価格が安い。一方デメリットは、ページの編集(入れ替え)ができないので、基本的に1つの系列順にしか記入しづらい(これがメリットになるケースもあるが、今回は述べない)。

 

対してルーズリーフは、ページ編集ができるのが最大のメリット。インデックスを使えば1冊で複数の系列が扱えるのも便利だし、横罫・方眼などタイプの違う用紙の混在も可能。その代わり、開閉リングを備えたバインダーは分厚くて重い。

 

あくまでも個人の考え方や好みで選ぶものなので、どっちがベストという話ではない。だが、それだけに「自分に合ったノート選び」というのは難しいのである。しかも昨年末には、“ノート”にもう一つ選択肢が加わり、さらにどれを使うべきか悩ましいことになったのだ。

 

第三のノート、誕生!
———PageBase「SlideNote」

ノートでもルーズリーフでもない、新しい第三の選択肢というのが、印刷会社を母体とした新ブランドPageBaseの「SlideNote」だ。

 

製品名で自らノートを名乗っているものの、使い方はルーズリーフっぽくページ編集が可能で、そのくせ用紙にリング穴は不要というのだから、かなり異質な存在と言える。

PageBase
SlideNote A4サイズ
2020円(税別)

 

↑表紙を開いた印象は、ほとんど綴じノートのよう。この状態では「ルーズリーフ感覚で使える」と言われてもピンとこないかもしれない

 

初手からタネを明かしてしまうと、これ、“ノートっぽく使えるファイルバインダー”なのである。

 

ただ、中に綴じリングやクリアポケットはない。表紙を開けばページが始まっているので、意識しなければ、まったく普通にノートとして使うことができる。だが、このページは自由に取り外したり、差し替えたりが可能となっているのだ。

↑ページをバインダー本体から抜いた様子。上質紙で最大30枚ほどがセットできる

 

どういうことかというと、実は背の部分に2か所、スライド式の金属クリップが埋め込まれているのだ。

 

背の部分をつまんで外向きに引っ張ると、クリップがオープン。適当に紙を差し込んだら、背を再びスライドさせて戻す。するとクリップが紙を挟んで固定する。これで元通り、ノートとして使える状態になるという仕組みだ。

 

実のところ、既存のレールファイルを使えば似たような使い方もできるのだが、背を少しスライドさせるだけで開閉できるのは、圧倒的にラク。

↑本体の背パーツをつまんで……

 

↑軽く引っぱるだけ。これでクリップ(写真内の金属部)が開放され、自由にページ編集ができるようになる

 

ノートのページとして使う用紙は、専用サイト「Paper&Print」から購入できる。先に述べた通り、発売元のPageBaseは母体が印刷会社なので、紙と罫線タイプを自由に組み合わせての注文が可能だ。

 

紙は、一般的な上質紙から、高級ノート用の「OKフールス」、手帳で人気の「トモエリバー」、銀行業務用の「バンクペーパー」など12種類。罫線は横罫や方眼から五線譜、400字詰原稿用紙を含む8種類。罫線に関しては希望を伝えてのカスタムも可能なので、まぁ好き放題という感じだ。

 

これなら、紙にうるさい文房具好きも黙るだろ、という揃えとなっている。

↑「Paper&Print」で選べる罫線は、現時点で8種類。試合の記録などに使えるスポーツフォーマットがユニークだ

 

↑筆者はお気に入りのレターペーパー「コンケラーレイド」×5mm方眼を購入してみた。ザラッとした紙質は、鉛筆で書くと気持ちがいい

 

しかし、勘のいい人ならとっくにお気づきだろう。「ん? そもそもこれ、専用用紙とか要らなくない?」

 

そう、ある意味ではそれも正解かも。紙と印刷精度にこだわらなければ、例えば上質紙に普通のプリンターで罫線を裏表印刷したヤツでも、挟んでしまえば自由に使える。どころか、無罫線でよければコピー用紙の束をそのままガチャッと入れちゃっても問題なし!

 

当然ながら、穴の空いたルーズリーフ用紙だってそのまま挟み込みOK。要するに、A4の紙ならもうなんだって挟んで持ち歩けるわけだ。

 

とはいえ、紙質や罫線を気にしたいなら、やっぱり専用紙を注文したほうが幸せになれるとは思うけど。

↑端をクリップで挟むだけの固定なので、サイズや穴の有無は関係なし。どんな紙でも、挟めばノート綴じになるワイルドさが面白い

 

さらに、ファイルバインダー要素を強めに考えれば、ノート用紙以外にも、プリントアウトした資料や小冊子も挟んでファイリングが可能だ。議事録をとったノートページの次に、もらった資料を挟む、といった使い方をすれば、一冊で仕事内容を集約した業務ノートだって簡単に作れるのである。

 

世の中的に“紙”と言えば、ほとんどがA4サイズを基準に動いている。つまりA4サイズの「SlideNote」があれば、だいたいの紙モノは自由にノートっぽく使えるということだ。

↑家電マニュアルのような小冊子だって、このとおり綴じ込めてしまう

 

ここまでの話だと「すげー、もうこれ一択じゃん!」って気分にもなるが、もちろん、実際に使ってみるといくつか良くない部分も見受けられた。

 

まず、クリップを背パーツで押さえる構造のため、表紙の開閉がかなり硬い。机に置いて180度開くだけでも、手でグイッと押さえる必要があるのだ。そのため、ノド側(ページを見開いた際の中央付近)への書き込みがかなりやりづらい。もしかしたら、筆記時は紙をバラして使って、書き終わったものを閲覧用に再クリップする、というのがラクなのかも。

 

もうひとつ、背パーツにロック機構がないので、カバンから取り出すときにうっかりスライドさせてしまい、中の紙がまとめてバサッと落ちてしまうこともあった。これはちょっと困る。

↑クリップの“くわえ”が約20mm(写真の赤い部分)とかなり大きいのも不満のひとつ。印刷物を挟むと端の文字が読めないこともある

 

……などの不満はいくつかあるが、とはいえ第三のノートとして期待するだけのポテンシャルは十分にあると思う。

 

ファイルバインダーなんだけど、クリアホルダーぐらいの手軽さで紙を持ち運べて、ノートにもなる。これは紙の運用を考える上でかなり面白い選択肢になり得るのではないだろうか。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

ビジネスマンこそ使うべき!「ルーズリーフバインダー」はスマートな大人のノートだった

【きだてたく文房具レビュー】大人こそ使いたいスマートなルーズリーフバインダー

文房具は、小学生から高校生時代と社会人以降で大きくラインナップが変わる、という傾向にある。

 

例えば筆記具でいえば、それまで鉛筆・シャープペンシルしか使わなかったのに、社会人になった途端にボールペン生活に切り替わった、とか。それ以外にも諸々と例はあるが、筆記具並に顕著なのが、ノート類ではないだろうか。

 

もっと端的に言うと「社会人になってからルーズリーフ使わなくなってない?」という話である。

↑筆記用ノート各種。社会人にはなぜかルーズリーフは不人気だ

 

紙の入れ替えや追加が容易だし、作業に合わせて罫線の有無や方眼を混在させるなど応用も利く。ルーズリーフは大人にとっても、なかなか優秀な存在なのである。

 

以前もこの連載で使いやすいルーズリーフ用紙とバインダーをおすすめしたことがあったが、今回はあらためて、社会人向けのルーズリーフバインダーを紹介したい。

 

「360度折り返せる」が社会人向けルーズリーフに欲しい機能

従来のルーズリーフバインダーが社会人にとって使いにくい存在だった理由のひとつに、折り返して使えない、ということがある。

 

他のクライアントとの打ち合わせ内容など、目の前のクライアントに見せたくない情報が前ページに書かれていたりすると、まさかドーンと見開いたまま、机に広げることもできないだろう。

 

そこで便利なのが、LIHIT LAB.(リヒトラブ)から発売されている「コンパクトバインダー」だ。

↑LIHIT LAB.「コンパクトバインダー」B5サイズ 40枚綴じタイプ(左)410円/100枚綴じタイプ(右)540円

 

↑360度折り返せる珍しいバインダー。表紙がワイドなので、ふせんやインデックスを貼っても外にはみ出しにくい

 

このコンパクトバインダーの最も大きな特徴が、360度折り返せる、ということ。

 

従来製品は背表紙側にベタ付けされたリングが干渉して折り返しができなかったところ、コンパクトバインダーは裏表紙側の中央に1軸で可動するリングを配置。これにより何の違和感もなく360度の折り返しが可能になっているのだ。

 

先に述べたような「見開きで机に置きたくない」という以外でも、カフェの狭い机でちょっと仕事をするといったシーンで360度折り返しは役に立つだろう。

↑一般的なバインダー(左)とコンパクトバインダー(右)のリング比較

 

リングは、底部のプッシュレバーをクイっと押し上げるだけできれいに開く。スリムなプラ製リング+中央の小さなバネ1本だけで、このオープン機構が実現されているのは、なかなか感心させられる。

 

これは、同社お得意の“ツイストリング機構”(開閉自在のリングノート用リング)がベースにあっての技術だと思う。

↑レバーを軽く押し上げると、リングが開く

 

↑つまんだまま指を滑らせて閉めると、パチパチとリングが噛み合っていく。ジップ袋を閉じる感覚とよく似ている

 

逆にリングを閉じる時は、リングを端からつまむようにして指を滑らせていく。従来の金属リング+板バネ機構のように、一気にバカッと閉じることはできないが、やり方に慣れれば特に面倒はないはず。

 

なにより、100枚綴じタイプでも本体重量は100g以下と、金属リングバインダーの1/3以下という軽さである。ただでさえ重くなりがちな社会人のカバン事情において、この軽さはかなりのアドバンテージになるのではないか。

もはやリングノート感覚のルーズリーフバインダー

いや、それでもまだ重い、というのであれば、もうこれしかない。コクヨ「スマートリングBiz」だ。

↑コクヨ「スマートリング Biz」B5サイズ 810円/A5サイズ788円

 

↑使い勝手もほぼ“リングノート”と同様なので、当然のように360度折り返しが可能

 

背表紙なしで、表紙・裏表紙とプラ製リングのみ、という思い切った構成は、もはやルーズリーフバインダーの最小構成限度だろう。見た目はほぼリングノートといった感じ。使い勝手もリングノート感覚で、当然のように360度折り返しが可能となっている。

↑レバーを押すとリングが開く。ちょっと強めに押し込むのがコツ

 

リングを開ける時は上部のプッシュレバーを押し込み、閉じる時はリングをどこか一か所をつまむだけで、全体が閉まるようになっている。

 

ただ、リング自体のかみ合わせがやや弱いのか、実際に使っているとカバンの中でごくたまにリングが外れていたり、紙が抜けていたりということがあった。この辺りは、リングが常に露出しているという構造上の問題もありそうだ。

↑閉じるときは、リングをどこか一か所つまむと全体が閉じる。クリック感が少なく、慣れないうちは「ちゃんと閉じたかな?」と不安になる

 

表紙は、書いた内容が外から透けて見えない不透明仕様。また裏表紙には、クリアホルダーのような書類ポケットと、名刺が挿し込んでおけるミニポケット付きになっている。この辺りの細かな作りは、「Biz」(コクヨ製品のビジネスモデルシリーズ)ならでは、といったところだろう。

↑裏表紙側には書類などが一時保管できる全面ポケットと、名刺用ポケット付き。あれば重宝する

 

本体重量は25枚収納タイプで約86g。収納枚数は「コンパクトバインダー」よりも少ないが、学生のように毎日がっつり板書を取るわけでもなし、これで充分ということもあり得る。むしろこの軽さの方が重要、ということならば、こちらを選んで間違いないだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。近著にブング・ジャムのメンバーとして参画した『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(スモール出版)がある。