親指の爪に付いているこれは何だ!? ロレアルが生み出した最新紫外線センサー「UV Sense」

頭脳に直接ケーブルをつないだり、皮膚に埋め込まれた半導体にアクセスをしたり、SF映画では人体とコンピューターが限りなく融合された姿が描かれてきました。そんな近未来のファンタジーにどんどん現実が近づいていると実感させられるプロダクトがロレアルによって発表されました。

 

それは親指の爪の上に乗るサイズの極薄の紫外線センサー「UV Sense」です。

 

画像を見ていただくとわかりますが、厚さはなんと2ミリ以下。直径9ミリのUVセンスは装着していることを忘れてしまいそうなウェアラブルになっています。バッテリーを持たないからこそ可能な脅威のサイズです。

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テクノロジーの小型化でウェアラブルはかなり小さなものになってきましたが、身に付けていることを忘れさせてくれるものはなかなかありませんよね。

 

ユーザーの皮膚が浴びている紫外線量データを3か月分保存できる性能を持っているとのこと。爪の上にマニキュアのように装着し、2週間連続して使用することができるそうです。

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紫外線のデータは近距離無線通信(NFC)によってユーザーのスマートフォンに常に送信されます。アプリを通して紫外線量をチェックすることはもちろん、紫外線から自分の皮膚を守るためのアドバイスや豆知識なども提供されます。

 

紫外線が人体に与えるダメージについては広く知られるようになりましたが、実際に自分の生活圏や旅行先でどれほど紫外線を浴びているかはあまり分かっていませんよね。UV Senseはスマホに取り付けるデバイスではないので、わざわざ太陽光にさらすといった手間も必要なし。気軽に使えるので、とりあえず装着してみるかという気になります。

 

よりカジュアルなMy UV Patch

一方、ロレアルは2年前に発表した紫外線センサー「My UV Patch」の新バージョンも発表しました。UV Senseよりもさらにカジュアルに使えるデザインになっています。

本製品は従来のハート型から幾何学模様になっており、日常の服装にもうまくブレンドしそうです。大人のユーザーにとってはありがたい改善ではないでしょうか。

 

My UV Patchは紫外線に反応して色を変えるため、気になった時にパッチを見るだけで紫外線の強さを確認できます。パッチを装着したまま寝たりシャワーを浴びたり水泳をしたりしても大丈夫。おまけに日焼け止めを上から塗ることも可能ですが、UV Senseと違って、数日間しかもちません。

 

専用のアプリを使ってパッチをスキャンすれば、皮膚のタイプやロケーション、紫外線量を読み取ってくれます。そのデータが特別なアルゴリズムによって分析され、日焼け止めをいつ塗るべきか、どのような日差し対策をするべきかといったアドバイスを教えてくれるそうです。

 

My UV Patchのユーザーが参加した研究によると、利用者の34%はMy UV Patchのおかげで日焼け止めをより頻繁に塗るようになった一方、37%は直射日光ではなく日陰の中に入るようになったと報告しています。こういったデータを知ると、本製品は良い習慣を身に付けるきっかけになりそうですね。

 

さらに、この研究によって消費者がより小さく、より長く装着できて、その上リアルタイムでデータをチェックできるウェアラブルを求めていることも分かったそうです。これを受けてUV Senseは開発されたわけですね。納得です。

 

自分の日常生活における紫外線量をチェックするためにはUV Senseを、スマートフォンをあまりチェックしたくない短期の旅行先ではMy UV Patchといった具合に使い分けることができそうです。

 

発売時期や価格はどちらも未発表ですが、2018年後半にはマーケットに送り出される予定とのこと。2019年の夏からはデータに基づいた賢い紫外線対策ができそうですね。