英航空会社で珍事! 機内食を提供できず、助けを求めたのは…

飛行機で出される機内食は、旅の楽しみの1つかもしれません。長距離フライトならなおさらですが、最近、ロングフライトの便で、「カーネルおじさん」でおなじみの「ケンタッキーフライドチキン(KFC)」のチキンが振る舞われるというハプニングが発生しました。

↑“非常食”として提供したのは…

 

その航空会社は、英国を拠点とするブリティッシュ・エアウェイズ。バハマの南東にあるタークス・カイコス諸島からロンドンまでを結ぶ、およそ12時間の長距離路線でこの珍事が起きたのです。

 

その理由は、機内食の冷蔵保存ができていなかったから。機内食は普段通りに用意されていたものの、乗客への提供ができないと判断され廃棄することになったそうです。乗客には早々に「機内食の提供は最小限になる」とアナンスされていたとのこと。

 

そして、経由地であるバハマの首都・ナッソーに立ち寄った際、地元のKFCから調達されたという乗客分のフライドチキンが積み込まれ、機内の乗客に配ったというのです。

 

この珍しい便に乗り合わせた乗客が投稿したSNSによると、客室乗務員がケンタッキーフライドチキンの大きなバケツとトングを手に、乗客にフライドチキンを配っていたのだとか。

 

ただし、急遽調達できたフライドチキンの数に限りがあったのか、乗客1人に配られたのはわずか1ピースだけ。目的地に到着した際に軽食用の食事券が配られたそうです。

 

機内食を楽しみに乗り込んだ乗客にとっては物足りないフライトになったのかもしれませんが、KFCファンにとっては思いがけない幸運だったかもしれません。

 

【主な参考記事】

People. Airline Passengers Were Served KFC After the Plane’s Catering Went Bad: ‘We Had to Wing It’. July 26 2023

フランス発の不思議な恋愛スタイル!「トロウプル」は新時代の愛の形!?

新しい恋愛スタイルの「trouple(トロウプル)」が、いまフランスで話題になっています。この言葉は3人組カップルのことを指し、まさに自由な恋愛先進国フランスの価値観を象徴しているとも言われます。不倫や浮気で社会的制裁を受ける日本とは、恋愛感に大きな差異があるようですが、一体どんなものなのでしょうか?

↑幸せな新しい三角関係

 

トロウプルは「trio (3人)」と 「couple(カップル) 」を縮めた言葉に由来し、一緒に暮らす(過ごす)ことを前提とした3人組の恋愛グループを指します。

 

特に10代〜20代前半の若者の間で支持されていて、「女×女×男」「男×男×男」など、構成される性別は無関係。3人の関係が平等であり、決めたルールを守り、愛し合っていることが重要とされています。

 

このように、日本であればひんしゅくを買ってしまう「二股」「浮気」という形が、フランスの若者の間では公認の新たな恋愛スタイルとして受け入れられているのです。

 

新時代の個人主義の影響

トロウプルが生まれた背景として、3つの社会的な要因が考えられます。

 

1つ目は、個人主義社会であるフランスの恋愛観。既婚者の場合は浮気や不倫が離婚の原因となり、場合によっては裁判になるものの、日本のように集団バッシングといった社会的制裁が発生するということは考えられません。

 

2つ目の要因は、新しい考え方が広がっていること。現在フランスではフェミニズムやジェンダーフリーへの関心が非常に高まり、「男性・女性の枠組みを超えた人間としての個を尊重すべき」という価値観が、10代〜20代の若い世代を中心に支持されています。

 

3つ目の要因として、フランスで同性婚が定着したことが挙げられます。養子を迎え入れる同性カップルも増えており、「女性×男性」というカップル以外の形が既に定着しつつあります。

 

このような背景の中で生まれたトロウブル。フランスにおいても新しい概念ですが、自由度のある恋愛スタイルを模索している一部のフランス人の間では大注目されています。フランス人の全てが恋愛に奔放な気質ではないものの、「それぞれの価値観の中で自らの恋愛スタイルを貫く」という考え方は、日本よりだいぶ進んでいるようです。

 

執筆/Mayumi Folio

中国の少年が「1分間縄跳び」で世界新記録! 日本人の記録がついに破れる

中国の16歳の少年が、1分間に縄跳びを374回行い、「1分間スピード縄跳び」のギネス世界記録を更新しました。

↑参った!

 

これまでの最高記録は、日本人の三村大輔さん(芸名:縄跳び超人みっちゃん)の348回で、10年間破られていませんでした。

 

しかし、今回のギネス新記録はこの少年の最高記録ではないそう。2022年に1分間で398回も跳んだことがあるといいます。

 

本人からすれば、まだまだといった感じでしょうか。恐るべし。

@guinnessworldrecords Most skips in one minute – 374 by Zhou Qi 🇨🇳 #guinnessworldrecords #skiptok #skipping ♬ original sound – Guinness World Records

 

【出典】

UPI. Chinese teen skips rope 374 times in one minute. July 26 2023

英国で「和食器」が静かなブーム。一流シェフやレストランを魅了する理由とは?

英国のヨークシャーは、森や丘など多くの自然に囲まれ、歴史ある小さな街が点在する英国らしいエリア。そこでいま、日本の和食器が静かに人気を集めています。大量生産された安価な陶器をたくさん持つことに疲れた英国人が、和食器に出会い、その美しさに共鳴。和食器を通じて「質の良い物を長く使い続けることが豊かな暮らしをつくる」というメッセージを発信しています。

↑英国人に響く美しさ

 

英国の食器には歴史があります。17世紀から陶器生産が始まり、ウェッジウッド、ミントンなどの有名ブランドが生まれました。英国の人々は陶器を愛してきましたが、その人気に便乗して陶器産業が繁栄した結果、とめどなく量産されるようになりました。

 

ヨークシャーで食器を扱っている「メイド・イン・ジャパン・テーブルウェア(MIJT)」のオーナーであるロージーとフィリップは、陶器産業から大量生産される食器にうんざりしていました。「品質が低くて退屈」と思っていたからです。そして、二人は「忙しい現代社会において日々の食事はもっと丁寧に味わうべき」との思いから、一つひとつ心を込めて作られる和食器に魅力を感じるようになり、そのシンプルさや美しさ、機能性にほれ込んだのです。

 

MIJTが取り扱う製品のほとんどは、岐阜県にある家族経営の窯で作られています。この家族は周りにある山などの自然からインスピレーションを得て、何世代にもわたって釉薬(ゆうやく)や器の形を改良してきたそう。

 

その窯で生まれる食器は輪郭や模様、質感などが少し不均一ですが、不完全さの中に美しさを見つけるという日本の「わび・さび」の考え方を取り入れています。シンプルで実用的な形状は、毎日の暮らしに寄り添い、食べ物を美しく見せ、まるで芸術作品のようだとMIJTのサイトで紹介されています。

 

求められるライフスタイルと調和

↑ヨークシャーには食器のお店が多い

 

同社は小売りだけでなく卸売りも手がけていて、国内の一流シェフやレストラン経営者の間でも人気があります。和食器は日本からヨークシャーの倉庫に送られ、英国全土に発送されているそうです。

 

大量生産・大量消費の時代が過ぎて「作る責任・使う責任」が求められる現在、英国では「上質な品を長く使い続け、丁寧に暮らす」というライフスタイルが支持されています。日本の陶芸家が作る和食器に共鳴する英国人が増えているのも、不思議ではないかもしれません。

 

熱波に襲われる英国が目を付けた「日本の小さなイノベーション」とは?

近年、欧米は熱波に襲われています。そんな中、英国メディアが日本の発明に注目。それは「ファンジャケット」です。

↑もっと小さいものがあります

 

英・ガーディアン紙は7月25日付の記事で日本の暑さ対策についてテクノロジーを中心に説明。ファン(扇風機)ジャケットについて同紙の東京特派員は「今年の夏、日本でぜひとも必要なジャケットは、後ろ側の下部に扇風機を2台取り付けているものだ」と述べています。

 

日本がファンジャケットを必要とするのは今に始まったことではありません。同記事ではジャケットの歴史を元ソニーのエンジニア・市ヶ谷弘司さんが1990年代後半に発明した「空調服」まで遡っています。2015年にはマキタが同社初のファンジャケットを発売。今日ではファンジャケットが十分なほど市場に出回っているといい、日本が開発したもう一つの暑さ対策イノベーションとして、ガーディアン紙はソニーのウェアラブルクーラー「REON POCKET」を取り上げています。

 

この記事に対する外国人の反応はさまざま。Twitterでは「素晴らしい」「この暑さが続けば、自分にも(ファンジャケとが)必要になるかもしれない」というコメントもあれば、「#Brave New World」とディストピア(?)のように捉える人もいます。一方で「ばかげている」という声もあり、より多くのバッテリーが使われ、ファン自体が熱を生み出すうえ、重い物を余計に持ち歩くようなものだと見えるようです。

 

しかし、扇風機やクーラーをここまで小さくする日本の技術や発想(例えば、空調服のコンセプトは空間全体ではなく身体だけを冷やすこと)は、海外ではあまり見られないでしょう。異常気象に直面する欧米においてエアコンの需要が伸びている中、日本の小さな技術への注目度も高まるかもしれません。

 

【出典】

The Guardian. The fan jacket: the Japanese innovation keeping workers cool in extreme heat. July 25 2023

153kmも離れていたのに! ワニは元いた場所に帰れることが判明

海に出たサケは生まれた川に戻ってくることがよく知られていますが、ワニにも同じような能力があることが最近の研究で明らかになりました。なかには、153km離れた場所から元いた場所まで帰ってきたワニもいたそうです。

↑遠くからでも帰れます

 

この研究は、米国のフロリダ魚類野生生物研究所が行いました。フロリダ州南部は、人間の数もワニの数も増えており、それによって人間がワニに襲われる事件が相次いでいる地域。そこで、ワニを遠方に移動させる対策が行われているのです。その効果について調べるため、捕獲した17頭のワニにGPSを装着し、7頭を遠隔地へ移し、残りの10頭は比較のために捕獲された場所でそのまま観察しました。

 

すると、遠く離れた場所に移した7頭のうち4頭は、捕獲された場所に自分で戻ってきたことが判明。そのうち3頭は、28km以内の場所に移動させたワニで2週間以内に捕獲された場所に戻り、もう1頭はなんと153km離れた場所に移したのに、2年半以上かかって元の場所に戻ってきたというのです。

 

戻らなかった3頭は、109km以上離れた場所に移したワニだったため、ワニが元いた場所に戻ってくる能力は移動距離に関連性があると見られるわけです。ただし、戻らなかった3頭については、GPSが「メキシコ湾に漂流」と表示されたことから、元いた場所まで戻ろうとして、その途中に死亡した可能性があるとのことです。

 

これまで、フロリダでワニの事件が起きるたびに、ワニを離れた場所に移動する措置が取られていました。しかし、今回の研究結果から、その対策は無意味である可能性が出てきているのです。

 

150kmといえば、東京から静岡くらいまでの距離ですが、そんな長距離を帰ることができるワニの能力には驚くばかりです。

 

【主な参考記事】

Yahoo! news. Florida crocodile relocated 95 miles away was back again 2.5 years later, study shows. July 19 2023

次のパンデミックが来たら…。従業員の幸せを守れる企業の条件とは?

コロナ禍は遠い記憶になりつつありますが、世界は次のパンデミックに備えています。では、企業はどうやって従業員を守るべきか? 経営の専門家がコロナ禍の英国、米国、インドにおける働く人たちの幸せについて調査し、3つの戦術を引き出しています(※1)。次のパンデミックにも勝てる組織の作り方とは?

↑次の危機に備えよ

 

1: 信頼の構築

組織のリーダーや管理職は、自分たちが信用に足る人物であることを部下に示すことが大切。常に従業員のことを思い、正直かつ誠実に行動することがリーダーには求められます。言動の一致も大切で、雇用を守ると決心していれば、実行に移すこと。また、状況が難しくなれば、危機感を共有すること。上司を信用する従業員は幸せの度合いが高くなり、危機的な状況でも物事に前向きに取り組むことができるようです。

 

2: サポート体制の充実と活用

サポート体制は2種類用意しておくべきとのこと。正式なものと私的なものです。前者には従業員援助プログラム(精神的ストレスやアルコール依存症など従業員が抱えている問題を企業が外部機関を使って治療する制度)や柔軟な労働環境、メンタルヘルスアプリがあります。一方、後者はマネージャーに秘密を打ち明けたり、仕事やストレスへの対処法を同僚と話したり、平たく言えば風通しの良い職場を指しています。従業員にとっては家族や友人と相談することも気分を楽にさせる方法です。

3: 生き残るためではなく、成功するために

危機において経営陣は、従業員の適合能力をただ育むだけではなく、従業員がもっと効果的に行動できるようにするために実用的な方法を模索することが必要。これには定期的な話し合いや日/週単位の振り返り作業が含まれます。このような活動を通して、従業員の働きがいを保つことができるそうですが、究極の目的は、従業員が人として成長すると同時に、地に足をつけて、状況に合わせて変化し、身を守ることができるようになること。

 

専門家は3つ目の戦術を英語で「adapt to thrive」と呼んでいますが、孫子風に解釈してみれば、リーダーは部下に愛情や温情をかけ、危機感を共有しながら、風林火山のように動く組織を目指すとなるでしょうか(※2)。全ての企業に当てはまる方法ではないと専門家は強調していますが、私たち一人ひとりが次のパンデミックに備えておいたほうが良さそうです。

 

【参考】
※1: Luke Fletcher and Nishat Babu. Three COVID-era lessons to help support employee wellbeing in times of crisis. The Conversation. July 24 2023

※2: 守屋淳(2014)『最高の戦略教科書 孫子』日本経済新聞出版社

狭い空間を生かすのが絶妙!「日本の布団」に英国が大注目

住宅価格と住宅ローン金利の急速な上昇や慢性的な住宅不足により、最近の英国人は狭い空間での暮らしを強いられています。そこで注目を集めているのが、小さなスペースでも豊かな暮らしを実現できる日本の家具。なかでも丸めて収納可能な寝具の「FUTON(布団)」が大人気です。

↑日本的ライフスタイルを広げるFUTON

 

英国のファミリー向け住宅は3〜4寝室がある家が人気で、ゲストルームを作れることが理想的とされます。しかし、最近は住宅価格やローン金利が高騰し、大きな家どころか住宅購入自体が難しくなっています。

 

それでも住宅を探す人は増え続けているため、一軒家を分割譲渡した物件やシェアハウスが増え、省スペースのタワーマンションの建設も加速。暮らしのスペースはどんどん狭くなっていると言えるでしょう。

 

狭い空間を最大限に生かす

そのような状況で注目されているのが、日本でよく見られる場所を取らない省スペース家具です。

 

1980年に英国で設立されたFuton Companyは、40年以上にわたって国内に高品質の布団や家具を提供。小さな場所を生かした日本の家具デザインに影響を受け、省スペースでの暮らし方を提案する店舗「FUTON」を展開し、革新的な商品を幅広く取り扱っています。

 

例えば「BED IN A BAG」は、丸めて収納ができる布団。日本では布団を畳んで収納するのは当たり前ですが、ベッド文化が定着している英国ではとても画期的なアイデアなのです。

 

また、畳や木で作られた和スタイルのパーテーションを利用し、部屋を仕切ってさまざまな用途に使うことを提案しています。

 

さらに、玄関周りの家具が充実しているのも大きなポイント。英国は土足文化のため、基本的に玄関に靴箱などの収納がありません。同社ではチェストや棚を置くことで、玄関の小さなスペースでも最大限に生かすように推奨しています。

 

FUTONの店舗を訪れていた現地の客は、「畳める布団はゲスト用にも使えるかもしれない」「タタミや木のぬくもりのおかげで小さなスペースでもリラックスできそう」など、商品に共感していました。英国の住宅難は今後も続く見通しのため、狭い空間を利用できる日本の家具や布団はより注目されていきそうです。

 

米レストランが従業員に「マスク着用禁止令」! 従わない場合は厳しい処分も

新型コロナウイルスが世界中に広がり、マスクの着用が当たり前だったこの3年間。医療機関はもちろん、飲食店をはじめとした多くの接客業で、マスクを着けることがいわばマナーとしてすっかり定着しました。しかし最近、米国ではついに「マスクの着用禁止」に踏み切る店が出てきたのです。

↑やっぱり接客は笑顔で

 

従業員のマスク着用を禁止したのは、カリフォルニアに拠点をおくファストフードチェーンの「イン・アンド・アウト・バーガー」。アリゾナ、コロラド、ネバダ、テキサス、ユタの5つの州にある店舗がガイドラインを刷新しました。「カスタマーサービスの重要性と、従業員の笑顔を見せる能力を高めること」を目標としており、「マスクを外して、お客様に笑顔を見せてサービスしていこう」という意向なのです。

 

従業員が健康上の理由でマスクを着けたい場合は、診断書を上司に提出する必要があり、そのうえで会社が支給する医療用のN95マスクを着用しなければなりません。もし会社の方針に従わない場合は、解雇などの処分を受ける可能性があるとのこと。

 

米国では、日本よりもかなり前の段階から、ほとんどの人がマスクを着けなくなっているものの、それでも接客業の人の中には現在もマスクを着けて仕事をしている人もいます。そんな接客を見かねて、イン・アンド・アウト・バーガーは「マスクを取ろう」という方針を打ち出しました。

 

日本ではマスクを着けないことに対して、衛生面での不安を感じる人が根強くいるかもしれませんが、「接客は笑顔があってこそ」という基本を思い出させるニュースではないでしょうか?

 

【主な参考記事】

News Nation. In-N-Out Burger bans protective masks for workers in five states. July 18 2023

アルゼンチンの砂浜に大量出現!「ペニスフィッシュ」とは?

淡いピンク色の細長い謎の物体。アルゼンチンの砂浜に大量に打ち上げられ、グロテスクで異様な雰囲気をかもし出しているのは、「ペニスフィッシュ」と呼ばれる生き物です。

↑「ペニスフィッシュ」と呼ばれるユムシ

 

アルゼンチンの南部にある都市、リオ・グランデ。ここにある砂浜に最近「ペニスフィッシュ」が大量に打ち上げられました。25㎝ほどの細長い形状で、全体が薄いピンク色に覆われ、ブヨブヨとした弾力のありそうな見た目で、なんとも不気味。

 

男性の性器にそっくりであることから、ペニスフィッシュと名前が付けられたのですが、正式には英語では「スプーンワーム」、日本語では「ユムシ」と呼ばれています。海岸の砂や泥の中に穴を掘って、そこで生息しているのだそう。

 

このアルゼンチンのビーチでも、普段は海底で生息していたものの、先日起きた激しい嵐で浜まで打ち上げられてしまったものとみられています。

 

2019年にもカリフォルニアの海岸で、嵐が起きたときに大量のペニスフィッシュが浜に打ち上げられたことがあったと報じられています。

 

ちょっぴり恥ずかしいニックネームを付けられているペニスフィッシュですが、韓国や中国などのアジアの一部では食用として販売されているのだとか。酢やコチュジャンベースのタレとよく合うのだそうです。

 

【3年前にカリフォルニアのビーチに打ち上げられたペニスフィッシュの動画】

 

【主な参考記事】

Mirror. 10-inch ‘penis fish’ swarm Multillar beach – leaving locals covering their eyes. July 19 2023

アフリカのために7日間泣き続ける! ギネスに挑んだ男がとんでもない目に…

いまナイジェリアでは、ギネス記録を打ち立てるというブームが訪れているそう。先日は「100時間連続で料理する」新記録をナイジェリア人シェフが達成。このギネスブームに乗って、今度はある男性が「7日間泣き続ける」というギネス記録に挑戦しました。しかし、チャレンジは想像以上に過酷で一時的に視力を失うという、とんだ災難を経験したそうです。

↑先が見えていなかった…(画像提供/Ghana Page〔YouTube〕)

 

この男性はギニア生まれのナイジェリア人、テンブ・エベレさん。インフルエンサーであるテンブさんは、7日間泣き続けてギネスに自分の名前を刻むという目標を立て、新記録樹立のチャレンジに挑んだのです。

 

しかし、その試みはあえなく失敗。BBCのインタビューを受けた彼は、「7日間泣き続けるのは、思ったよりも大変だった。もっと戦略を立てて、泣き叫ぶのは減らすべきだった」と語っています。

 

両手で頭を抱えながら泣き叫んだり、時には静かに涙を流したり。そんな状態を続けているうちに、頭痛を覚え、目は腫れていったそう。そして、45分ほどの間、目が見えなくなったというのです。時計が「5時間55分」を表示する頃、彼は力尽きるように床に座りこみ、「もう無理だ」とでもいうように顔を左右に振っている様子も。結局、6時間を過ぎたところでギブアップしたようです。

 

静かに涙が頬をつたう程度ならまだしも、声を上げて泣き叫ぶのは、かなりエネルギーを使う行為。頭痛に見舞われ、目が腫れて視界がぼやけるというのも、うなずけることかもしれません。

 

ちなみに、テンブさんの涙はアフリカの若者たちに向けたもの。「自分たちができることには限界がないことを示したい」と泣いていたそうです。7日間も連続して泣くという、無謀とも思えることに挑戦したテンブさんですが、その心意気は、十分にギネス記録に値するものだったのかもしれません。

 

【主な参考記事】

Hollywood Unlocked. Man Says He Went ‘Temporarily Blind’ After Attempting To Cry For 7 Days To Obtain Guinness World Record. July 17 2023

米夫婦、別荘の購入直後に宝くじに当せん! 思わぬ幸運に妻が絶叫

7月11日、米・ノースカロライナ州の男性がビーチハウス(海岸にある貸別荘)を購入した帰りに宝くじを購入。10万ドル(約1400万円※)が当たりました。
※1ドル=約139.5円で換算(2023年7月19日現在)

↑オーマイゴーッド!

 

この男性が当初購入しようと思っていた2枚の宝くじは売り切れていたので、代わりに違うものを買ったそう。それが幸運を呼び込みました。この男性は妻に宝くじを渡して運転。その間に妻がスクラッチを削ると大絶叫。クルマを側道に止めて、夫婦で頭の中を整理したそうです。

 

ご夫婦はこの10万ドルでビーチハウスのローンを完済し、リノベーションする計画のようです。

 

【出典】

UPI. Man wins $100,000 lottery prize after buying beach house. July 17 2023

約20年前の「瓶入り手紙」、大西洋を漂流しても無傷だった理由は?

2023年4月、米・ミシガン大学の学生、キャシディ・ビーチさんが、瓶入りの手紙を西インド諸島のサウス・ケイコスの人気のない崖で拾いました。

↑肝心な所は…

 

手紙を開けてみると、日付は2004年9月30日。この瓶は20年近く前に大西洋に投げられていました。執筆したのは、米・マサチューセッツ州のナンタケットという島の漁師・ぺンネル・エームスさん。ビーチさんがGoogle検索したところ、エームスさんは、瓶入りの手紙を海に投げ続けていたことが分かりました。

ビーチさんは、手紙に書いてある通りエームスさんに連絡を取り、ついに7月ご夫婦と対面。地元メディアもこの出来事を報道しています。

 

もともとはペンネルさんの趣味でしたが、エームスご夫婦は2000年に瓶入りの手紙を海に投げ始めたとのこと。しかし、瓶の多くは行方不明になったり、なかの手紙がカビだらけになったり、試行錯誤の連続だったと言います。そこで、ご夫婦は思い切ってプロ向けの打栓機と合成コルクを購入。すると、瓶を拾った人から連絡が来るようになりました。ご夫婦は6年間にわたりナンタケット沖でボートから数百本の瓶を投げていたそうで、これらの瓶はアイルランドやフランス、英国、キューバなどに漂着していました。

 

ビーチさんは、発見したときの瓶について「コルク栓でしっかり閉まっており、フジツボは全く付いていなかった」と話しています。この瓶は古いほうで、実際にご夫婦が瓶を拾った人と会うのはこれが2回目だったということで喜びもひとしお。不法投棄かどうかは置いておき、ご夫婦の瓶入り手紙道楽にはあっぱれです。

 

【出典】
Nantucket Current. Nearly 20 Years Later, Message In A Bottle From Nantucket Found In West Indies. July 17 2023

「ピンクバーガー」でさらに注目度アップ!「バービー」の驚くべき力とは?

2023年の夏は映画『バービー』が公開されるとあり、世界各国でバービー人形が話題になっています。最近でもブラジルのバーガーキングがバービーとコラボしてピンク色のバーガーなどを発売しました。でも、バービーは人形やテレビ、映画の中のキャラクターとしてだけ存在しているわけではありません。デジタル世界ではバーチャルインフルエンサーとして大成功しているのです。

↑昔も今も影響力は絶大

 

1959年に米国の玩具メーカー・マテルが作ったバービー人形は、2000年代初めにパソコンゲームに登場。2015年にはYouTubeで動画版のブログを開始し、最近ではTikTokにも参加しています。前者での登録者数は1140万人、後者では110万人。この結果、バービーは世界で最も成功しているバーチャルインフルエンサーの1人となっています。

 

ブランドマスコットをバーチャルインフルエンサーとして擬人化する企業は増えているようです。バービーはその一例ですが、ユーザーの意見や感情などに影響を与える珍しい力を持っているそう。マテル社では、6歳以上のユーザーがAmazonのアレクサを使ってバービーと会話ができるようにしています。

↑世界で話題の「バービーコラボメニュー」(画像提供/バーガーキング・ブラジルのInstagram)

 

映画『バービー』の予算は1億ドル(約138億円※)以上とされており、ノスタルジアを武器としたマーケティングを展開していると専門家は見ています。ブラジルのバーガーキングのバービーとコラボしたバーガーが本当に郷愁を誘うかどうかは分かりませんが、ソーシャルメディアでは賛否を呼んでいる様子。魅力的なバービーに惑わされない人もいるようです。
※1ドル=約138.2円で換算(2023年7月18日現在)

 

【出典】
Jul Parke. Barbie isn’t just a movie star now — she’s also a virtual social media influencer. The Conversation. July 17 2023

節約・時短・おしゃれ! ついに「魚の缶詰」が英国人のハートをつかむ

インフレが続き、西ヨーロッパで最も食品価格が上昇している英国。そんな状況でもグルメを楽しもうと、お手ごろ価格の魚の缶詰を木製ボードにおしゃれに並べるメニューがトレンドになっています。日本人と比べると英国人は魚をそれほど食べませんが、魚の缶詰に何が起きているのでしょうか?

↑こんなに素晴らしい食べ物だったとは…

 

日本の場合、缶詰は災害時など非常用のストックや酒の肴として買われることが多いと思います。ただ、地震の心配があまりない英国では、パンデミックによる長期ロックダウンが起こるまで、非常用に缶詰をストックする習慣はほぼありませんでした。

 

朝食メニューに使われるベイクドビーンズ、サラダに使うツナ、パスタに使うトマトなどの缶詰以外はどのように使えばよいのか分からない英国人も多く、缶詰自体がやや“ダサい”と見られていました。この20年間でグルメ志向が高まったとされる英国において、缶詰はやや忘れ去られた存在になっていたと言えます。

 

しかし2023年に入り、米国で誕生した簡単タパス風メニュー「#魚の缶詰でデートナイト」がトレンドとなって英国に上陸。お手ごろ価格の魚の缶詰を開け、そのままボードに置き、パンやピクルスを添えるだけで、SNS映えするメニューに大変身ということで、一躍話題になりました。

 

英国において、魚の缶詰はTikTokで広く知られるようになり、その後に新聞が取り上げたことで3月~4月頃に大きな話題になりました。アイデア一つで魚缶のイメージがガラリと変わるという驚きとともに、食品や外食費の値上がりに頭を抱えていた人々の心をつかんだのです。

 

物価高が長引いていることもあり、外食せずとも自宅で「節約・時短・おしゃれ」を実践できるということで、このトレンドは今も続いています。

 

また、英国人は陽光溢れるスペインやポルトガルなど、地中海地方への旅行が大好き。魚の缶詰ボードは休暇先で味わったタパスのようなおつまみ系料理に似ており、そのイメージを簡単に再現できるのも人気の一因のようです。これまで家飲みのおつまみはナッツやポテトチップスのような乾き物がメインでしたが、魚の缶詰の登場でバリエーションが広がったと言えるでしょう。

↑イメチェンしています(筆者撮影)

 

このトレンドを反映してか、かつては地味だったスーパーの魚の缶詰のデザインも、人気イラストレーターの手によっておしゃれにイメージチェンジ。デリにも魅力的なビジュアルの缶詰が増えています。

 

ハム、ソーセージ、パテなど肉の加工肉をボードに盛り合わせたフランスの「シャルキュトリー・ボード」にならい、「シーキュトリー(海のシャルキュトリー)」や「魚の缶詰シャルキュトリー」といった新語も生まれました。パンデミック期に保存食として再評価された缶詰ですが、しばらく進化は止まらないようです。

 

執筆/ネモ・ロバーツ

「ゴールデンレトリバー」誕生155周年! どんどん独特になる人間との関係

7月10日、数百匹のゴールデンレトリバーが世界中から英国のスコットランドに集まり、同犬種の誕生155周年を祝いました。参加者は米国、カナダ、ニュージーランド、日本を含む12か国から駆けつけたとのこと。

↑世の中はかなり変わった

 

ゴールデンレトリバーは1868年、スコットランド北部のグレンアフリックにあるグイシャカンハウス(Guisachan House)で狩猟犬として生まれました。レトリバーは「射止めた獲物をくわえて戻るように訓練されたイヌ」という意味。ブラッド・ハウンドと金色の毛色を持つ犬種を混血してつくられたとされています(参考:ブリタニカ国際大百科事典)。

 

The Scotsmanの記事(2023年6月23日付け)によると、英国における犬の人気ランキングは以下の通り。

1: ラブラドールレトリバー
2: フレンチブルドッグ
3: コッカースパニエル
4: ブルドッグ
5: ダックスフンド
6: イングリッシュスプリンガースパニエル
7: ゴールデンレトリバー
8: ジャーマンシェパード
9: スタッフォードシャーブルテリア
10: パグ

 

ゴールデンレトリバーは7位ですが、人気のある大型犬であることは間違いないでしょう。

 

155年の間に変わったことといえば、人間のペットに対する見方が挙げられるかもしれません。YouGovが2022年に行なった調査によると、犬を飼っている英国人1012人のうち自分を「オーナー(Owner)」と考えている人は最多の48%でした。次に多かったのが「親(ペアレント)」で37%。「親友(Best friend)」は28%で、「友達(Friend)」は19%。「Master(マスター)」は8%でした。YouGovのデータジャーナリストは、近年では親という考え方が増えている一方(特に犬を飼っている30代で顕著)、マスターはすっかり廃れたようだと述べています。

 

日本と同じように、英国でもペットの家族化が進行しているのかもしれません。人間と動物の交流を研究するある文化人類学者によれば、私たちは、人間の子どもやペットであれ、感覚のある他者を育てるために進化してきたとのこと。子どもの代わりにペットを飼う夫婦が増えたように、今日では「誰を・いつ育てるのか?」はかなり自由に考えることができます。これまで人類の歴史において、人間は全く異なる種の動物ではなく、人間自身の子どもを育てることに力を入れてきましたが、昨今では歴史的に「独特な」ことが起きているようです。

 

【主な参考記事】

UPI. Hundreds of golden retrievers gather in Scotland for breed’s anniversary. July 14 2023

The Scotsman. Britain’s Most Popular Dogs: Here are the 24 most popular breeds of dog according to the UK Kennel Club – from Frenchie to loving Labrador. June 23 2023

YouGov. Cat mums and dog dads: around one in three consider themselves their pet’s “parent”. May 6 2022

Shelly Volsche. New research suggests cat and dog ‘moms’ and ‘dads’ really are parenting their pets – here’s the evolutionary explanation why. The Conversation. October 28 2021

老後破産はありえない? 日本と対照的なニュージーランドの不動産事情

人生100年時代と言われる昨今、日本では老後破産という言葉が浮上し世間の不安を掻き立てています。ニュージーランドでも高齢化が進んでいますが、日本とは違い老後破産のリスクは極めて稀です。その理由は、日本と大きく違う不動産事情にあると言えます。

 

不動産購入は投資感覚で

↑あの家に投資しよう

 

ニュージーランドでは、一生に何度かマイホームを買い替えることが一般的です。若いうちに小さな家を購入し、家族が増えると大きめの家に買い替え、子どもが巣立つとダウンサイズするというのが王道のコースです。

 

日本のような「一生に一度の買い物」という考え方とは異なり、不動産投資の感覚がかなり強いため、ニュージーランド人は貯金が少ない割に持ち家比率が高いとされています。老後破産を防げる理由にはこの持ち家比率の高さが関係しているようですが、その背景を見ていきましょう。

 

老後破産を防げる2つの理由

不動産投資によって老後破産のリスクを抑えることができる理由の1つ目は、家を売るときの税金の違いにあります。

 

日本と違って、ニュージーランドでは不動産の売却税や相続税が課税されません。そのため、家を売却した際に得た利益をそのまま次の家の購入資金に充てることができるのです。

 

2つ目の理由としては、中古物件でも年々不動産価値が上がることが挙げられます。

 

新築物件重視の住宅市場である日本と対照的に、ニュージーランドでは中古物件の流通が市場の約90%を占めています。そして新築物件の平均価格が上がるにつれて、中古物件の価値も上昇するのです。

 

現に、中古物件を含めた全住宅物件の中央値を比較してみると、1992年から2023年までの30年間でなんと約11万ニュージーランド・ドル(約964万円※)から約88万ドル(約7710万円)になるなど、価格が驚異的に伸びています。中古物件であっても年々価値が上がっているため、資産を増やすことができるのです。

※1ニュージーランド・ドル=約87.6円で換算(2023年7月11日現在)

 

子どもたちが心配…

↑私は大丈夫だけど、子どもたちは…

 

このような理由により、ニュージーランドでは持ち家がある限り老後の見通しは明るいでしょう。しかし、世界的な物価の高騰や不景気の波はニュージーランドにも押し寄せ、現在では初めての住宅である「ファーストホーム」の購入が以前と比べて難しくなっているようです。

 

20代のマイホーム購入率は1991年から2018年の間に約61%から約44%まで下がりました。家を持てない若い世代が、将来を見据えて今後不動産投資以外にどのような資産運用をしていくのか、ニュージーランドとしても大きな課題であり、注目していきたいと思います。

「腕立て伏せ」で世界新記録! 桁違いの回数にびっくり

最近、オーストラリアの男性アスリートが腕立て伏せを1時間に3249回行い、ギネス世界記録を更新しました。

↑人間はそんなに腕立て伏せができるなんて知らなかった…

 

この快挙を達成したのはダニエル・スカリさん(30歳)。実は2022年4月、腕立て伏せを1時間に3182回を行い、世界新記録を樹立していました。しかし、その年の11月にオーストラリア人のライバルにその記録を破られていたのです(3206回)。

 

タイトルを奪還できた要因としてスカリさんは全身運動のバーピーを挙げています。このトレーニングをしながら彼の身体は未知の領域に挑んでいたそう。また、スカリさんは12歳のときに左腕を骨折し、それ以降ずっと痛いそうですが、バーピーのおかげでこの痛みとうまく付き合えていると言います。

 

次の目標は、体幹トレーニングのプランクで世界最長記録を更新すること(ここでもスカリさんは記録保持者だったそう)。健闘を祈りましょう。


【主な参考記事】

UPI. Athlete does 3,249 pushups in hour to break world record. July 13 2023

 

「店内で見るだけで5ユーロ」観光客に困ったバルセロナの酒店が苦肉の策

観光地はもちろん、珍しい景観の場所や絵になるスポットを訪れたら、スマホで写真を撮る方はきっと多いでしょう。でもそんなフォトジェニックな場所が店の中だったら、そのお店は迷惑と感じているかもしれません……。

↑記念写真だけなら770円

 

多くの観光客が訪れるスペインのある酒店が、自撮り客予防のためにお金を徴収するという苦肉の策を講じているそうです。

 

この酒店はバルセロナにあります。歴史を感じる古い建物の一画にある店で、高給ワインがずらりと並べられ、ワインのお供になるチーズや肉類なども販売しているそうです。1898年創業の老舗店で、重厚な趣のある店内にはカウンターや家具もあり、確かにおしゃれです。

 

そんな同店では、商品を買うつもりもないのに、店内を眺めるためだけに入って来る観光客が多いのだとか。十分な広さのある店なら問題はないのかもしれませんが、そうでないお店なら、本当に「ワインやチーズをゆっくり選びたい」と思っている客に迷惑をかけてしまいます。

 

そこでこの店では、こんな風に書いた1枚の貼り紙を掲示したのです。

 

「店に入って見るだけでも、1人5ユーロかかります。ご理解のほどよろしくお願いいたします」

 

商品を購入しないのに店に入ったり自撮りする方には、5ユーロ(約770円※)を徴収することにしたのです。

※1ユーロ=約154.5円で換算(2023年7月14日現在)

 

実際、このお店が、ただの冷やかし客や写真を撮るだけの客にお金を徴収したのかは定かではありません。しかし、バルセロナは近年、あまりにも多くの観光客が訪れ、オーバーツーリズムに直面しています。バルセロナ市は観光税の引き上げといった対策を行っていますが、このように独自の対策を行う店も増えているのかもしれません。

 

店に入るだけでお金を徴収するとは、少々行き過ぎと批判も起こりそうなこの対策。現地で暮らす人、商売をする人、そして観光客がうまく共存する方法が、世界各国の観光名所で求められています。

 

【主な参考記事】

Independent. Barcelona shop introduces €5 charge for tourists who take selfies instead of buying things. July 13 2023

昔は350万円、今は22億円。米の「プライベートアイランド」の価格が60年で660倍に

自分だけの島を持てたら——。そんなふうに思っている方は、少なくないかもしれません。米国のフロリダに浮かぶ小さな島が現在1650万ドル(約22.7億円※)で販売されています。この島は約60年の間に価格が660倍にもなっているというから驚きです。

※1ドル=約137.5円で換算(2023年7月14日現在)

↑投資してみる?

 

フロリダ半島に連なる島々、フロリダキーズから400mほど沖合にあるのが、現在売り出し中のプライベートアイランド「イースト・シスター・ロック・アイランド」。1.4エーカー(約5600平方メートル)の敷地に、3LDKの住宅が建てられ、飲料水用の貯水槽もあり、食料を持ち込めば1週間程度の滞在ならできそうです。

 

このプライベートアイランドの最初の所有者は、ニュージャージー州の医師、クラウス・メッケラーさん。もともとこの島は、ただの岩が水面から突き出ていただけだったとか。クラウス医師は、1970年代にこの土地を2万5000ドル(約350万円)で購入。建設業者を雇い、建設機械を持ち込んで岩山を平坦にし、居住できる島にしたのです。

 

研究の一環でサルを飼育できる場所にしようと考えていたとのことですが、その計画は頓挫し、結局、家族で休暇を過ごす場所として使ったのだとか。

 

その後、1995年に現在の所有者であるウィルフォード家に75万ドル(約1億円)で売却されました。そして、現在1650万ドル(約22.7億円)で売り出されているのです。もとはただの岩山だったところに、家などを建てたとはいえ、およそ60年の間に660倍の価格になっている計算になります。

 

ちなみに、現在は太陽光パネルや蓄電池付きのタービンが設置され、電力も供給できるそう。さらにセントラルエアコンと、海水を脱塩できる装置もあり、バケーションレンタルの施設として旅行者に貸し出し、利益を得ることもできると言います。

 

プライベートアイランドを持つという夢が膨らむ話ですね。

 

【主な参考記事】

The Philadelphia Inquirrer. A New Jersey doctor built his own island. It’s now on sale for $16.5 million. July 10 2023

 

25mプールは47秒。地球上最大のサメ「メガロドン」は泳ぐのが遅かった

1500万年前から360万年前に生息していたサメの「メガロドン」。地球上で最も大きく、最も強く、食物連載の頂点に立つ捕食者だったと言われています。しかし、そんなメガロドンの速度は、泳ぎの下手な人間と同程度だったことが最近の研究で示唆されました。

↑メグは泳ぎが遅い

 

メガロドン(通称「MEG(メグ)」)の体長は20メートル。体重は最大で100トンになったと言われており、地球上で最も巨大で、他の生物にとって脅威的な存在であったと考えられています。しかし、ある研究チームがこのメガロドンの泳ぎについて研究を行ったところ、「泳ぐ速度は決して速いわけではない」という結論に至ったのです。

 

これまでのメガロドンの研究では、化石の「歯」に着目するものがほとんどでした。しかし今回の研究では「鱗」に着目。そこから、メガロドンがどんな泳ぎをしていたか解析したのです。

 

すると、速く泳ぐサメに共通して見られる竜骨と呼ばれる特徴がないことが判明。そして、導き出したメガロドンの最高速度は時速1.9km。これまで推測されていた時速5kmをさらに下回る遅さであると示唆されたのです。

 

オリンピックで史上最多となる28個のメダルを獲得している元競泳選手のマイケル・フェルプス氏のトップスピードは、時速9.6kmになります。メガロドンの時速1.9kmは、25mプールを47秒かけて泳ぐ速さ。水泳選手ではない一般の人を考えても、決して泳ぎが上手とは言えないペースです。

 

サメといえば、素早い動きで獲物に襲いかかるというイメージがありますが、メガロドンには当てはまらないのかもしれません。

 

【主な参考記事】

MSN. The Meg could only swim at 1.2mph (5 times slower than Michael Phelps). July 11 2023

ミレニアル世代で顕著。米の夫婦の35%が経験する「睡眠離婚」とは?

「睡眠離婚」をご存知でしょうか? 米国で2000人以上を対象に行われた調査で、睡眠離婚している人が全体の3分の1以上に及び、特に若い世代はその割合が高いことが明らかとなったのです。

↑もう別々に寝れば?

 

睡眠離婚とは夫婦やカップルがそれぞれ別の部屋で寝ること。米国睡眠医学会が2005人の米国人に行った調査で、「いつも別の部屋で寝ている」は15%、「別の部屋で寝るときもある」は20%と、睡眠離婚している人が全体の35%に達していたことが分かりました。

 

世代別に見ると、睡眠離婚している割合は以下の通りです。

  • Z世代(18~26歳):28%
  • ミレニアル世代(27~42歳):43%
  • X世代(43~58歳):33%
  • ベビーブーム世代(59~76歳):22%
  • サイレント世代(77歳~):19%

 

離婚睡眠の割合が最も高いのは、ミレニアル世代で43%。Z世代を除き、世代が低くなるほど睡眠離婚の割合が高くなっているのが分かります。

 

「離婚」という言葉がついていることから、ネガティブなイメージをもたれるかもしれませんが、睡眠離婚にはメリットがあります。

 

パートナーのいびきや寝言などが原因で十分な睡眠が取れていないと、自分の睡眠不足の原因となる人に恨みがましい気持ちが生まれるかもしれません。「睡眠不足は気分を悪くし、パートナーと口論しやすくなることが分かっています。それが夫婦やカップルの関係に悪影響を及ぼすこともあります」と、米国睡眠医学会の医学博士は述べています。

 

実際、耳栓をして寝ている人は15%、アイマスクを付けている人は18%と、快適に快眠できるようになんらかの工夫をしている人が少なくありません。そのため、しっかり睡眠をとって毎日を元気に過ごすためには、睡眠離婚という選択肢を考えることもありなのかもしれません。

 

一方で、夫婦やカップルが一緒に寝ることにもメリットはあります。例えば、睡眠時無呼吸症候群やいびきなど、片方の睡眠状態に気づいて治療を早期に始めることができるかもしれません。また、ハグすることで「抱きしめホルモン」と呼ばれるオキシトシンなどが分泌され、幸福感を感じられることもあります。パートナーとの睡眠に問題がないのなら、ぜひ同じベッドで寝て、問題がある場合には別々に寝ると良いそうです。

 

【主な参考記事】

CBS News. More than a third of Americans have a “sleep divorce,” survey finds. July 11 2023

American Academy of Sleep Medicine. AASM Sleep Prioritization Survey

トウモロコシ畑で金貨700枚以上が見つかる。米国版「徳川埋蔵金」の価値は…

米国のトウモロコシ畑で、古い金貨が700枚以上も見つかるニュースが飛び込んできました。その中には、かつてオークションで10万ドル(約1390万円※)で落札されたことのある“お宝”も含まれているといいます。今回見つかった金貨の価値は、全部で一体いくらになるのでしょうか?

※1ドル=約138.5円で換算(2023年7月13日現在)

↑米国版の徳川埋蔵金

 

この金貨が見つかったのは、ケンタッキー州のトウモロコシ畑。この畑の持ち主である男性が、偶然、畑の中から大量の金貨を見つけたというのです。

 

出てきた金貨は全部で700枚以上。金貨には、1854年から1862年と製造された年号が刻まれていました。

 

ケンタッキー州は、1861年から1865年にかけて起きた南北戦争の間、激しい戦闘が行われた場所。当時、不透明な将来に不安を感じた富裕層が、持っていた金貨などを隠したと言われており、今回見つかった金貨も当時に隠されたものと考えられます。いわば、“米国版の徳川埋蔵金”とも言えるでしょう。

 

1863年製の20ドル金貨は、かつてオークションで10万ドルで落札されたことがあるそう。今回見つかった700枚以上の金貨は、1863年製も含め、同じ年代のものばかり。総額がいくらになるのか検討もつきませんが、現地のニュースでは早速「The Great Kentucky Hoard(ケンタッキーの埋蔵金)」と表現されています。

 

この金貨を見つけた男性の名前や場所は明らかにされていませんが、「正気とは思えない事態だ」と叫んでいるのだとか。予想もしないお宝に巡りあえば、誰でもぶっ飛んでしまいますね。

 

【主な参考記事】

National Post. Man uncovers more than 700 gold coins on his cornfield: ‘Most insane thing ever’. July 10 2023

英国人記者が見た日本の「コメ離れ」。2050年がヤバい

7月9日、英・ガーディアン紙が日本のコメ離れについて記事を掲載しました。英国人記者はこの問題をどう見ているのでしょうか?

↑かなりピンチ

 

この記事を要約すると、日本のコメ離れの原因は、主に社会の変化(核家族や共働き世帯の増加、少子化)と食の多様化(例えば、若い世代のパンを好む傾向)にあると述べています。特に「Gohan(ごはん)」の調理時間が長いことが問題視されており、共働き世帯の生活はとても忙しいため、「ごはんよりパンのほうが楽」と考える日本人が増えていると分析。有効な解決策もなく、日本は米の衰退を食い止めることができないだろうと悲観的に語っています。

 

確かにそうかもしれませんが、少し疑問が湧きます。まず、なぜガーディアン紙はこのタイミングでこの問題を取り上げたのでしょうか? 日本人がごはんを食べなくなっていることは今に始まったことではありません。同紙は高度経済成長期にコメ離れの種はまかれたと述べていますが、日本では異なる見方も存在しており、戦後、GHQ(連合国軍総司令部)が学校の給食にパンを導入したことによって、コメ離れが始まったという意見も根強くあります。

 

同紙は触れていませんが、日本でコメ離れという「危機」が長年にわたって進行している一方、世界では米危機(global rice crisis)が起きていると欧米のメディアは報じています。世界経済フォーラムによると、稲作は世界のメタン排出量の12%を、温室効果ガス排出量の1.5%を占めており、気候変動の一因となっているとのこと。そのため、稲作の「サステナブル化」が優先事項だと言います。そうだとすれば、AIやIoTなどのテクノロジーの実用化がこの分野で進むのかもしれません。

 

また、ガーディアンの記事では言及されていませんが、コメ離れがこのまま続くとすれば、どうなるのでしょうか? 2022年10月20日付の日本経済新聞の記事によれば、「農林水産省は2023年産の主食用米の需要量(23年7月~24年6月)が680万トンになる」と予測したとのこと。これは10年連続の減少になりますが、このトレンドはもっと続くかもしれません。2050年には350万トンになるという予測もあり、それとともに水田面積もさらに減るかもしれません。

 

世界中で進む食の「グレートリセット」の恐ろしい実態を明らかにしたジャーナリストの堤未果氏は『ルポ 食が壊れる 私たちは何を食べさせられるのか?』(文春新書)で、日本の水田について次のように述べています。

 

国土の7割を森林が占め、亜熱帯から亜寒帯まで幅広い気候を持つ島国、先進国で唯一野生の猿が生息し、四季の移り変わりを感じながら、細やかな虫の声を音楽のように聞き分ける私たち日本人の感性は、水田という小宇宙と共に育まれてきた。

その価値を、一体私たちは、この先どれだけ、次世代にバトンタッチできるだろう。

 

コメ離れは農業や経済だけではなく、文化や健康の問題でもあります。ガーディアンの記事では「NO RICE. NO LIFE」というメッセージの入ったシャツを着た日本人男性の写真が掲載されていますが、その意味は英国人記者が思うより重大かもしれません。

 

【出典】

Justin McCurry. ‘Bread is much easier’: how Japan fell out of love with rice. The Observer (The Guardian). July 9 2023

 

妻が家族を養ったら夫はどう思う? 英の調査で男の本音が明らかに

日本では、結婚している世帯の多くは共働きです。昨今ではワークライフバランスが奨励され、家事や育児を積極的にするパパが増えていますが、もし夫(男性)が働かなくなったらと考えてみてください。「妻(女性)が働き、夫が家庭」になった場合、この夫婦はどれくらい幸せになるのでしょうか? 英・バース大学で社会政策を教えるヘレン・コワレウスカ准教授が調べました。

↑本来なら俺が…

 

同准教授は、欧州9か国で生産年齢層の4万2000人を対象にアンケート調査を行い、自分の生活満足度を0〜10の10段階で評価してもらいました(0が最低、10が最高)。すると、多くの参加者が5〜8と回答したとのこと。

 

しかし、よく見てみると男女差が明らかになりました。まず男性の場合、妻だけが働いていると、失業中の夫の生活満足度は5.86でした。逆に自分だけが働いていると、夫の満足度は7.16に上がったのです。

 

一方、女性の場合、夫だけが働いてると、失業中の妻の生活満足度は6.33。逆に、自分だけが働いていると妻の満足度は7.10になりました。

 

これは「妻が働き、失業中の夫は家庭」という夫婦関係においては、男性のほうが精神的に参ってしまうことを示しています。この傾向はドイツで顕著だったようですが、英国やアイルランド、スペイン、フィンランドを含めて欧州全体で見られたとのこと。失業中の男性には、仕事に出かける妻を見送ることなどは耐えきれないため、「妻も働かなければ良い」とさえ思ってしまうそうです(実際、夫婦ともに失業している場合のほうが、男性の生活満足度は高くなるとのこと)。妻だけが働いている場合、仕事のない夫の満足度は最低になってしまうようです。

 

多くの国で、家族を養うことは、男性意識の中心を占めており、男性らしさや理想的なパパ像と密接につながっているとコワレウスカ准教授は述べています。失業している場合、男性にとっては世間の目もつらく、孤独感に苛まれ、メンタルヘルスに不調をきたします。そんな夫をそばで見ている妻にとっても、これはこたえます。

 

世界各国で中間層が没落している中、このようなジェンダー規範は、失業を乗り越えようとする夫婦の妨げになるとコワレウスカ准教授は論じています。「家族を養うこと」と「男性らしさ」の関係を断ち切ることは容易ではありませんが、この問題に挑み続けることが依然として不可欠であると同教授は強く主張しています。いつか男性は「家族を養う」という役割から解放されるのでしょうか?

 

【出典】
Helen Kowalewska. Couples in which the woman is the only earner report lower life satisfaction – new research. The Conversation. July 4 2023

妻が家族を養ったら夫はどう思う? 英の調査で男の本音が明らかに

日本では、結婚している世帯の多くは共働きです。昨今ではワークライフバランスが奨励され、家事や育児を積極的にするパパが増えていますが、もし夫(男性)が働かなくなったらと考えてみてください。「妻(女性)が働き、夫が家庭」になった場合、この夫婦はどれくらい幸せになるのでしょうか? 英・バース大学で社会政策を教えるヘレン・コワレウスカ准教授が調べました。

↑本来なら俺が…

 

同准教授は、欧州9か国で生産年齢層の4万2000人を対象にアンケート調査を行い、自分の生活満足度を0〜10の10段階で評価してもらいました(0が最低、10が最高)。すると、多くの参加者が5〜8と回答したとのこと。

 

しかし、よく見てみると男女差が明らかになりました。まず男性の場合、妻だけが働いていると、失業中の夫の生活満足度は5.86でした。逆に自分だけが働いていると、夫の満足度は7.16に上がったのです。

 

一方、女性の場合、夫だけが働いてると、失業中の妻の生活満足度は6.33。逆に、自分だけが働いていると妻の満足度は7.10になりました。

 

これは「妻が働き、失業中の夫は家庭」という夫婦関係においては、男性のほうが精神的に参ってしまうことを示しています。この傾向はドイツで顕著だったようですが、英国やアイルランド、スペイン、フィンランドを含めて欧州全体で見られたとのこと。失業中の男性には、仕事に出かける妻を見送ることなどは耐えきれないため、「妻も働かなければ良い」とさえ思ってしまうそうです(実際、夫婦ともに失業している場合のほうが、男性の生活満足度は高くなるとのこと)。妻だけが働いている場合、仕事のない夫の満足度は最低になってしまうようです。

 

多くの国で、家族を養うことは、男性意識の中心を占めており、男性らしさや理想的なパパ像と密接につながっているとコワレウスカ准教授は述べています。失業している場合、男性にとっては世間の目もつらく、孤独感に苛まれ、メンタルヘルスに不調をきたします。そんな夫をそばで見ている妻にとっても、これはこたえます。

 

世界各国で中間層が没落している中、このようなジェンダー規範は、失業を乗り越えようとする夫婦の妨げになるとコワレウスカ准教授は論じています。「家族を養うこと」と「男性らしさ」の関係を断ち切ることは容易ではありませんが、この問題に挑み続けることが依然として不可欠であると同教授は強く主張しています。いつか男性は「家族を養う」という役割から解放されるのでしょうか?

 

【出典】
Helen Kowalewska. Couples in which the woman is the only earner report lower life satisfaction – new research. The Conversation. July 4 2023

ハンバーガーはどこの国で生まれた? 米国人に聞いたら意外な答えが…

ハンバーガーは米国の代表的な料理ですが、この食べ物はもともとどこの国で生まれたと思いますか? YouGovが米国の成人3425人にアンケート調査を行い、7月4日に結果を発表。すると、意外な事実が明らかになりました。

↑どこから来た?

 

米国で生まれたと思っている人が最も多く、回答者の39%に上りました。次に多かったのが「分からない」(29%)。正しく「ドイツ」と答えた人は28%でした。4%は「他の国」と述べています。

 

【もともとハンバーガーはどこの国から来たと思いますか?】

↑Germany(ドイツ)、The U.S.(米国)、Somewhere else(他の国)、Not sure(分からない)

 

ハンバーガー(Hamburger)の語源は、ドイツ語の「ドイツの都市・ハンブルグから(from Hamburg)」。この言葉は米国で19世後半にドイツ人の移民が急増するとともにレストランのメニューで使用されることが増えたそうです。当初はメイン料理として、バンズがない「ハンバーガー・ステーキ」が提供されていましたが、次第にバンズで挟まれるようになると「ハンバーガー・サンドイッチ」と呼ばれるようになり、短くして「ハンバーガー」になったとされています(参考: American Heritage Dictionary)。

 

年齢層別に見てみると、「ドイツ」と回答した人が最も少なかったのは65歳以上で、逆に最も多かったのは30〜44歳の年齢層でした。しかし「米国」という回答に目を移すと、ここでも最多となったのは30〜44歳の年齢層で(43%)、その次に65歳以上が来ます(42%)。また、18〜29歳の場合、「米国」と「分からない」がともに32%で、「ドイツ」という回答は30%でした。45〜64歳と65歳以上と比べると、18〜29歳の年齢層のほうがハンバーガーの起源を正しく知っているようです。

 

【年齢層別に見た場合】

↑ドイツ生まれであることを知っているのは若い世代のほうが多い

 

ハンバーガーはドイツから米国にやって来て、米国の文化・社会に合わせながら変化を遂げ、同国を代表する「ファーストフード」として世界に普及していきました。ハンバーガーのように、もともと海外からやって来て、受け入れ国を代表するようになった食べ物は日本でも見られます(諸説ありますが、天ぷらはその一例)。このような側面が食べ物——広くいえば文化——の魅力の一つでしょう。

 

【出典】

YouGov. Do you believe the food known as hamburgers are originally from…? July 4 2023

日本も導入すべき! オランダの「地下収納ゴミ捨て場」が超合理的

オランダのごみ捨て場は、ごみ箱は地上にありますが、ごみ自体は地下に収納される形になっています。外からごみが見えないため景観も良く、臭いに悩まされることもなく、日本のようにカラスなどにごみ袋を荒らされる心配もありません。ごみ捨て場の課題を解決できる、オランダの画期的なごみ収集方法を紹介します。

 

景観を乱さず、臭わない

↑アムステルダムの地下収納ごみ捨て場(筆者撮影)

 

首都アムステルダムやロッテルダムのような都市では、ごみ捨て場に設置されたごみ箱が地下の収納庫とつながっています。地上のごみ箱にごみ袋ごと捨てると、そのまま地下に収納される仕組み。

 

地下に隠れている収納部分は深さ2メートルほどあり、収集員は収集車のクレーンを使って、ごみ箱ごと地下から引き揚げてごみ袋を回収。このシステムは自動化されているため、収集員は一人で済みます。日本のように複数の収集員が手作業で行う必要がないので、効率的なうえ人員不足も解消できます。

 

オランダがこのシステムを導入している理由としては、合理性や景観を重視する国民性が挙げられます。オランダのごみ収集は、住民にとっても効率的なのです。

 

まず、ごみ回収箱の種類は燃えるごみやプラスチックなどの普通ごみと、ビン類、紙類のみで、日本のように細かく分別されていません。細かい分別は住民ではなく、ごみ収集所で行うのです。

↑ごみ収集車がクレーンで収納庫を引き揚げる様子 (出典:@ami_huis https://note.com/katsuoweb_ami/n/n697e2c8f3980

 

また、地下収納のため、日本のようにごみ捨ての時間や曜日が限定されておらず、いつでも捨てることが可能。ごみ収集車が来るのも週2回ほどで、分別回収が必要な日本のように、ほぼ毎日ではありません。

 

日本ではきちんと分別していないごみは回収されないこともあり、放置されたごみが溜まってしまうこともあります。景観に悪く、周辺の住民も迷惑しますが、そもそもオランダでは「収集拒否」という考え方がないので、そういったトラブルは発生しません。

 

また、オランダでは多様な人種が住んでいるため、日本のような分別ルールを住民に同じように課す仕組みを運用するのは難しいという事情もあるかもしれません。それよりも、ごみ収集所で分別するほうが、はるかに合理的であり、景観も守られます。

 

このようなオランダのごみ収集方法は、ごみにまつわる住民の不便さや問題を解消できる画期的なシステムと言えるでしょう。日本も取り入れることができたら、住民のストレスやトラブルの軽減につながると思われます。

 

執筆/Etsuko Iwahori

裸は珍しい? 海外で入る前に必読の「世界のサウナエチケットマップ」

日本では、サウナに全裸で入るのが一般的でしょう(タオルは持っていきますが)。でも、国によっては全裸ではなく水着の着用が当たり前だったりします。そんなことを知らずに、海外のサウナに全裸で入ったら、赤っ恥をかくことになるかもしれません。そこで紹介したいのが、「サウナエチケットマップ」です。

↑サウナ好き必読のエチケットマップ

 

英国の大手スパ予約サイト・Spa Seekersが、世界中のサウナのエチケットをまとめました(データがないため、分からない国もあります)。世界各国のサウナの習慣を調べ、サウナの入り方を「全裸」「タオルを巻く」「水着」の3つに分類。それをマップ上にわかりやすく表しているのです。

 

では、世界はどのようにサウナに入っているのでしょうか?

 

【全裸】23か国

日本のように全裸でサウナに入る国は、全部で23か国。日本以外では、スウェーデン、ドイツ、チェコ、フィンランドなど、比較的ヨーロッパの国が多く含まれています。全裸が推奨される国では、水着などを着用することは「不衛生」と考える傾向があり、サウナで座るときはタオルを持っていくことが望ましいです。

 

【タオルを巻く】24か国

裸にタオルを巻いてサウナに入る国は、英国、ニュージーランド、カナダなど。水着を着用する必要はありませんが、全裸はNGで、タオルを巻く習慣があるそうです。

 

【水着】41か国

水着を着用したスタイルが求められるのは、米国、インド、中国、オーストラリア、フランスなどの国です。

 

調査の結果、世界で最も一般的なサウナの入り方は水着を着用するスタイルでした。これらの国のサウナで、いきなり全裸で入っていったら周囲に驚かれるし、どんな目で見られるか分かりません。

 

もちろん、各サウナごとにも独自のルールを敷いている場合もありますから、海外でのサウナにお出かけの際は、どんな入り方をするのか事前に確認することをお忘れなく。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. What people wear in saunas around the world: Fascinating map reveals the countries where you should put on a swimsuit – and where being naked is the rule. July 4 2023

Spa Seekers. What To Wear In The Sauna Around The World

10代に大ウケ! インドネシアのマクドナルドが「ウェディングパッケージ」を販売

熱烈なディズニーファンはディズニーランドで、鉄道ファンなら電車を貸し切って結婚式を挙げる……。ウェディングにはさまざまな形がありますが、最近そこに進出したのが、マクドナルドです。一部のマクドナルドファンは、声を上げて喜んでいるに違いありません。

↑斬新な組み合わせ

 

インドネシアのマクドナルドのインスタグラムアカウントで6月26日、発表されたのが「Wedding Mekdi」パッケージ。なかには、チキンバーガー100個と、4個入りのマックナゲットが100箱入っていて、価格は350万インドネシアルピア(約3万3000円※)。チキンバーガーとナゲットは200個以上から注文を受けるそうです。また、バーガーとナゲット以外にも、さまざまなメニューを選ぶことができるとのこと。

※1インドネシアルピア=約0.0095円で換算(2023年7月7日現在)

 

残念ながら、マクドナルドの店舗で結婚式を行えるプランではありませんが、ケータリングメニューとして利用できるシステムです。別料金でフードワゴン(屋台)を出すことも可能なようで、マクドナルドファンにはうれしいかもしれません。

 

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インドネシアでは、別のファストフードチェーンで店内での結婚式を行えるプランが登場しているそう。そんなことを追い風に、現地のマクドナルドもウェディング向けの商品を発表したようです。

 

「自分の人生の節目となる結婚式の日に、マクドナルドのハンバーガーを食べたい」と思っている熱烈なマクドナルドファンもきっといるに違いありません。このウェディングパッケージを紹介した投稿には、2万5000以上の「いいね」がつき、早速SNS上で拡散。特に10代の人たちが反応したと報じられています。

 

マクドナルドと結婚式の「マリアージュ」は米国を含め他国に展開される可能性もあるかもしれません。

 

【主な参考記事】

New York Post. McDonald’s launches $200 wedding package in historic menu change. July 5 2023

McDonald’s Indonesia Instagram. June 26 2023

楽しい海が突如パニック! 米の海水浴場に「サメ」が相次ぎ出現

海水浴客でにぎわう夏休みの海。その中に突然、サメが現れたら……。映画『ジョーズ』のワンシーンを彷彿させるような出来事が米国の各地のビーチで起きています。

↑映画じゃない

 

まずはニューヨーク州のロングアイランドにあるビーチ。州立公園地域局長によると、ドローンでビーチ周辺の監視を行っていると、浜から約180mあたりで、50匹近くのシロワニザメとみられるサメの大群が泳いでいることを発見したそう。

 

米国は現在、夏休みの真っただ中。辺りは多くの海水浴客で溢れていましたが、ビーチは一時閉鎖されることとなったのです。

 

また、フロリダのビーチでも、エメラルドブルーに輝く海の中、海水浴客の間を縫うようにサメが現れています。サメに気づいた周囲の海水浴客はパニックに。慌てて浜辺に戻ろうとする様子が動画でもわかります。

 

 

ニューヨークやフロリダなどでは近年、サメが浜に近づく報告が増えているそうです。先日報告された、ニューヨークのビーチにおける咬傷の報告は5件。サメの目撃談などから、これらはサメによるものの可能性が高いとされています。

 

サメが浜辺に現れる原因の一つとして、餌となる小魚が浅瀬に近づいていることが考えられるそうです。

 

【主な参考記事】

USA Today. Multiple suspected shark bites reported by New York beachgoers over Fourth of July weekend. July 5 2023

出だし絶好調! 米の男性、プロポーズ成功の1週間後に宝くじで5600万円に当選

恋人にプロポーズして見事に成功。おまけに、その1週間後には宝くじに当たるという二つの幸運に恵まれた男性がいます。

↑信じられないほど幸先の良いスタートを切ったニックさん

 

この男性は、ニック・ミラーさん、31歳。米・アイオワ州で家族とともに農業を営んで暮らしています。彼は6月23日に恋人にプロポーズし、彼女は快諾。2人は結婚を決めたのです。

 

そんな幸せの絶頂にいる翌日の朝、ミラーさんはコーヒーと朝食を購入しようとコンビニに立ち寄りました。すると「スーパー・7s・プログレッシブ」という宝くじが販売されていることに気づいたのです。これは蓄積型の宝くじで、最低でも5万ドル(約720万円※)の賞金があたるというもの。4月に当選者が出たのを最後に、ずっと当選が出ないまま賞金が倍増していました。

※1ドル=約144円で換算(2023年7月7日現在)

 

そこでニックは30ドル(約4300円)で宝くじを購入。その場で当選を確認できるため、自分のトラックに戻って当選番号と照合してみると、見事に番号が合致していたのです。何度も番号を見返して、宝くじのモバイルアプリでも確認しましたが、当選したことに間違いはありませんでした。当たった金額は、39万101ドル(約5600万円)です。

 

彼は、恋人と一緒にフロリダでの1週間の旅行を予定していたため、その間は恋人や家族にも当選したことを黙っていたそう。そして、旅行から戻った7月3日に宝くじの本部に出向いて、賞金を受け取ったのです。

 

これから結婚式を予定していて、新居も購入するというニック。宝くじの当選金はそれらに充てるそうです。今回の当選は、新婚カップルの新しい生活に向けて大きな弾みとなるでしょう。

 

【主な参考記事】

USA Today. After proposing to his girlfriend, Iowa man wins nearly $400,000 in the lottery. July 5 2023

KIRO7. What a weekend! Iowa man gets engaged, wins 390K lottery prize the next day. July 5 2023

ニューヨークの地上191mにバスケットボールコートが誕生! 誰がプレーできるのか…

おそらく西半球で最も高い場所にあるバスケットボールコート。そんな名所が、まもなくニューヨークの超高層ビルに誕生します。コートがあるのは、なんとビルの66階。誰が、何のために、こんな場所にバスケットボールコートを作っているのでしょうか?

↑地上最高のバスケコート(画像提供/The Brooklyn Tower)

 

このビルの名前は「ザ・ブルックリン・タワー」。2024年のオープンに向けて、ニューヨークのブルックリンで建設が進んでいる超高層ビルで、建物の高さは地上300m以上になる93階建てです。

 

もともと、現在は廃業した銀行の建物として建設されていましたが、それを買い取ったデベロッパーが、商業施設を併設した主に富裕層向けの新しい高層ビルとして再開発を進めているのです。

 

そして、66階の場所にできるバスケットボールコートは、このビルの居住者向けの施設として作られているそう。このビルの住居の販売価格は、最も安いスタジオ(ワンルーム)で87万5000ドル(約1億2600万円※)で、4ベッドルームは800万ドル(約11億円)。スタジオ(ワンルーム)の賃貸でも、月3591ドル(約51万円)という高額物件です。

※1ドル=約144.5円で換算(2023年7月6日現在)

 

当然ながら、ビルにある共用施設も豪華そのもの。屋外プールやフィットネスセンター、ピラテス&ヨガスタジオ、バーベキューエリア、ライブラリー、シアタールーム、レストランまで、ありとあらゆるものが揃っており、このバスケットボールコートもそんな共用施設の目玉の一つとして作られているのです。同じ66階には、ラウンジやバーもあり、ニューヨークの街並みを眺めながら思い思いのひとときを過ごせるのですね。

 

地上約191mにあるコートでプレイしたら、新しい優越感に浸れるのかもしれません。いつも以上に高くジャンプできた気がしたりして……。

 

【主な参考記事】

New York Post. NYC skyscraper to open one of the highest basketball courts in the world — at 629 feet. June 30 2023

きっと世界新記録! 米の病院で10組の双子が同時に誕生

世界では毎年、約160万人の双子が産まれていて、その割合は子ども42人に対して1人なのだとか。でも、ロサンゼルスのある病院では、空前の双子ブームが到来。同時期に10組もの双子が産まれたと、現地メディアが報じています。

↑双子ラッシュ!(画像提供/Fox 11 Los Angeles)

 

双子が次々に誕生したのは、米・ロサンゼルスにある「シーダーズ・サイナイ」という病院。7月3日に報じられたニュースによると、この病院で一度に10組の双子が産まれたというのです。現在、NICU(新生児集中治療室)には、10組の双子の赤ちゃんがすやすやと眠っているそう。

 

この驚きのニュースに、NICUの副看護師長も興奮。「もちろん、私たちは双子や三つ子などの出産には慣れていますが、一度にこれだけの双子が産まれたことは初めて。気が抜けません」と話しています。

 

双子の出産時の体重は900~2700グラムで、男の子の双子が多いそう。同時期に双子を出産したママやパパは、お互いに連絡先を交換するなどしているようです。

 

ちなみに、165か国に及ぶ双子の研究では、晩婚化や体外受精などの技術向上などにより、双子の数は昔と比べて増加傾向にあることが分かっています。

 

「一度に同じ病院で産まれた双子の数」なんていう世界記録はないかもしれませんが、今回の10組の双子の誕生は、世界的な記録に匹敵するハッピーなニュースであることは間違いないでしょう。きっと、この病院は今、たくさんの幸せで包まれているに違いありません。

 

【主な参考記事】

Fox11. ‘Twin boom’: Nearly a dozen sets of twins born at Cedars-Sinai simultaneously. July 3 2023

BBC. Twins peak with more born than ever before. Marck 12 2021

私たちはどれくらいのエネルギーを使って生活しているの?

7月4日、東京電力福島第一原発の処理水を海洋放出することについて、国際原子力機関は日本の計画が国際基準に合致していると報告しました。この判断を巡り、国内外ではさまざまな意見が出ていますが、そもそも私たち一人ひとりはどれくらいのエネルギーを使いながら生活しているのでしょうか? 海外と比べながら見てみましょう。

 

【一人当たりのエネルギー消費量(1965〜2021年)】

↑エネルギー消費量が最も多い地域はNorth America(北米)で、その後はEurope(欧州)、Japan(日本)、China(中国)、World(世界)、Asia(アジア)、South America(南米)、Africa(アフリカ)の順となる

 

Our World in Dataによると、2021年における日本の一人当たりのエネルギー消費量(※)は3万9545キロワットアワーとのこと。これは欧州とほぼ同じです。アジア諸国や世界の消費量が2万キロワットアワー前後なので、日本と欧州はその2倍程度となります。しかし日本と欧州、北米の3地域の消費量は、ピークの時期はそれぞれ異なるものの、緩やかに減少しているようです(北米は1980年頃、欧州は1990年頃、日本は2010年の前から減少傾向が始まっています)。
※電力だけでなく、交通や暖房、調理などで使うエネルギー消費も含まれる

 

一方、中国は右肩上がりを続けており、2021年には3万キロワットアワーを突破。日本と欧州のレベルに迫りつつあります。米国を含む北米のエネルギー消費量は突出しており、2021年は5万3945キロワットアワーになりました。

 

全体的に見れば、1965年以降、世界各国のエネルギー消費量は増えています。私たちの生活はエネルギー(特に石油)を使えば使うほど、物質的にはより豊かになりました。しかし現在、世界各地でエネルギー危機が起きていると同時に、グリーンエネルギーへの移行が急速に進められています。これからのエネルギーの使い方、消費量、そして私たちの生活は、従来と大きく変わるかもしれません。

 

【出典】

Hannah Ritchie, Max Roser and Pablo Rosado (2022) – “Energy”. Published online at OurWorldInData.org. Retrieved from: ‘https://ourworldindata.org/energy‘ [Online Resource]

「自営業」と「会社員」はどちらが良い? 米の調査で勝ったのは…

米シンクタンクのピュー研究所が米国人の仕事について世論調査を行い、最近その結果を発表しました。その内容は自営業者にとって良いことずくめとなりましたが、会社員は本当に悪いことだらけなのでしょうか?

↑あなたも独立してみる?

 

この調査では、自分の仕事を「楽しい(enjoyable)」「やりがいがある(fulfilling)」「ストレスが多い(stressful)」「手に負えない(overwhelming)」と思っている人は、自営業者と会社員でどれくらいになるかを明らかにしました。以下のグラフがその結果。

↑米国の自営業者はハッピー(画像提供/ピュー研究所)

 

自営業者の65%が「楽しい」「やりがいがある」と回答しており、どちらも会社員を上回っています。「楽しい」「やりがいがある」と回答した会社員はそれぞれ50%と47%で、極端に少ないわけではありません。しかし、それとは反対に今の仕事は「ストレスが多い」「手に負えない」と回答した会社員は、自営業の約2倍になりました。

 

これから米国で「楽しくて、やりがいのある」仕事をする自営業者や起業家は増えるのでしょうか? 必ずしもそうとは言えません。YouGovの調査(2023年1月。米国の成人462〜515人が対象)では、「今の仕事が好きで会社に残りたい」という人が50%以上いることがわかりました。「今の仕事は好きだけど、近いうちに別の会社へステップアップしたい」と思っている人はわずか11%。逆に、「今の仕事は嫌いで、転職したい」人と、「今の仕事は嫌いだけど転職する気はない」人は、2022年1月以降、両方とも11%から13%へと推移しています。つまり、これらは米国にでさえ「安定志向」の会社員が一定数いることを示しているでしょう。

↑米国にも「安定志向」(出典/YouGov ※グラフは編集部で作成)

 

この傾向は今後も続くかもしれません。現在、AIやIoTを用いた第4次産業革命が進行しており、それに伴うリスキリングの必要性が叫ばれ、インフレが終わりません。このように不安定な時代では、たとえストレスばかりで、仕事は手に負えず、あまり楽しくなくても、会社員でいることには、それなりのメリットがあるでしょう。それで仕事が好きになれば、なおさら良いですね。

 

【出典】
Pew Research Center. Self-employed people in the U.S. are more likely than other workers to be highly satisfied with their jobs. June 30 2023

YouGov. How Americans feel about their job. 2023年7月4日閲覧

4.86→2.32。日本と世界で「出生率」が70年間で激減

7月4日、日本で18歳以下の子どもがいる世帯の数が2022年に初めて1000万を下回ったことが、厚生労働省の調査で分かりました。1000万世帯を切ったのは調査が始まった1986年以来、初めてのこと。2022年には新生児の数も1899年以降、初めて80万人未満となっています。海外はどうでしょうか?

 

【出生率のグラフ】

↑日本だけでなく世界中で低下

 

世界を見渡せば、出生率は下がる一方です。Our World in Dataのデータ(上記)によれば、女性一人当たりの子どもの数は、世界平均が2.32人(2021年)。1950年の4.86人から半減しています。日本の場合は3.66人から1.3人に減少。人口が急増している他のアジア諸国やアフリカでさえ、出生率は低下しています。

 

世界的な出生率低下の3大要因とされているのは、女性のエンパワーメント(教育や社会進出など)、小児死亡率の低下、子育てにかかる費用の増加です。

 

【出典】
Max Roser (2014) – “Fertility Rate”. Published online at OurWorldInData.org. Retrieved from: ‘https://ourworldindata.org/fertility-rate‘ [Online Resource]

コロナ禍で一番大変だったのはどの世代? 英の調査でぎょっとする事実が発覚

ポストコロナの日本。現在、小さな子どもたちの間で、新型コロナウイルスを含む、さまざまなウイルスが流行していますが、時間が経つにつれ、コロナ禍は過去の物になりつつあります。「一体あれは何だったのか?」と当時を振り返る人もいるかもしれませんが、世界はコロナ禍についてどう考えているのでしょうか? 英国のデータを見てみましょう。

↑街から人が消えたときもあった…

 

ロックダウン(都市封鎖や行動規制)が日本より早く終わった英国では、YouGovが6001人の英国の成人を対象にパンデミック期間についてアンケート調査を行い、6月下旬に結果を公表しました。

 

【世論調査:振り返ってコロナ禍はどうだった?】

↑ Very Hard(とてもつらかった)、Fairly hard(なかなかつらった)、Not very hard(あまりつらくなかった)、Not hard at all(全然つらくなかった)、Don’t know(分からない)。(画像提供/YouGov)

 

ネガティブに捉えている人が多く、「とてもつらかった」と「なかなかつらかった」を合わせると53%に上ります。しかし反対の意見も少なくなく、「あまりつらくなかった」と「全然つらくなかった」を合わせると43%になります。

 

もう少し細かく見てみると、さまざまなことが浮かんできます。年齢層別に見てみると、全体的な傾向はそのまま当てはまりますが、いくつか特筆すべき点があります。「なかなかつらかった」という答えが最も多かった年齢層は65歳以上でしたが、「とてもつらかった」という回答が最も多かったのは25~49歳でした。

 

また、「全然つらくなかった」という回答は、18~24歳では8%だったのに対して、50~64歳ではその倍の16%になりました。逆に「なかなかつらかった」という回答は、18~24歳で39%だった一方、50~65歳では36%に少しだけ下がっています。後者は「全然つらくなかった」という回答でも最多の16%になりました。もしかしたら、この年齢層では少し余裕がある人が多いのかもしれません。

 

男女別に見てみると、「つらくなかった」という回答が総じて多かったのは男性。反対に「つらかった」という回答は女性のほうにより多く見られました。「なかなかつらかった」と「とてもつらかった」を見てみると、この差が顕著に表れています。

 

【男女別に見た場合】

↑「なかなかつらかった」と答えた人は男性が34%だったのに対して女性は41%、「とてもつらかった」の場合は男性が13%、女性は17%になる(画像提供/YouGov)

 

コロナ禍は過去の物になりつつあるとは言え、この英国のデータは、日本にも通じるさまざまな問題をあぶり出しています。

 

【出典】
YouGov. In retrospect, how hard would you say you found the COVID‑19 pandemic period? June 21 2023

プラスチックでも紙でもない! オランダが選んだ「ステンレス製ストロー」

環境意識が高いオランダでは、飲食店や家庭を中心にステンレス製ストローが普及しています。日本のコンビニで売られているようなストロー付きの飲料も、オランダではほとんどストローが付いてきません。洗って何回でも使えるステンレス製ストローは、オランダでは必須アイテムと言えます。

↑オランダで広く使われているステンレス製ストロー(左)。HEMAのストロー4本とブラシセット(画像提供/HEMAサイト)

 

プラスティックのストローは大量のゴミとなり海洋生物などに悪影響を及ぼすことから、オランダでも長らく問題視されてきました。プラスティックに代わる素材として紙のストローが普及し、大手カフェチェーンでも使用されるようになりましたが、環境への負荷削減にはつながるものの、使い捨てのためゴミになってしまうことは避けられません(紙のストローは飲みづらいという人も少なくないかも)。

 

その点、ステンレス製のストローは繰り返し使えるため、環境への負荷が少ないうえ、素材がしっかりしているので錆びたり劣化したりする心配もありません。従来のストローの欠点を克服したストローと言えるでしょう。

 

専用ブラシで洗う

ステンレス製ストローは専用の細いブラシと一緒に販売されているので、使用後にそのブラシで洗えば衛生面も問題はありません。丈夫な素材でさびる心配もなく、長く使用できるうえ、軽いので持ち運びにも適しています。いまやオランダでは、「マイ箸」だけでなく「マイストロー」も持ち歩く時代になりつつあるのです。

 

オランダで人気の日用品店HEMAでは、ステンレス製のストロー4本と専用の洗浄ブラシのセットを約700円で販売。オンラインショップでも購入することができます。

 

プラスティックのストローが一般的だったころは、環境に悪いと知りつつも代替品がないため、罪悪感を持ちながら使っていた人も少なくなかったのではないでしょうか? 筆者も環境に負荷のない素材でできたストローを待ちわびていた1人です。安心して使えるステンレス製ストローは今後、日本でも普及するかもしれません。

 

執筆者/Etsuko Iwahori

”He made a party”は誤りじゃない? 英語の新しい方言「スパングリッシュ」とは

“We got down from the car and went inside.”
“He made a party to celebrate his son’s birthday.”

 

米・フロリダ国際大学のフィリップ・M・カーター准教授によると、米国のフロリダ州南部で新しい方言が生まれつつあるそうです。それが「スパングリッシュ(Spanglish)」。上記の二文はその例です。標準英語との違いは後述しますが、この方言はスペイン語と英語の話者が接触を続けてきた結果できつつあると言います。

↑フロリダ州の南部で話されている

 

1959年に起きたキューバ革命以降、何十万のキューバ人が南フロリダに渡り、スペイン語と英語の言語接触(※)が起きていました。

※2つ以上の異なる言語が地理的に近接していたり、政治的、経済的理由により接触すると、片方がもう片方にさまざまな影響を与えること(参考:大修館書店『英語教育用語辞典』)

 

フロリダ州の人口の多数はバイリンガルです。例えば、同州のマイアミ・デイド郡では、65%以上の人口が自分のアイデンティティーをヒスパニックまたはラテンアメリカ人としています。同州のドラルやハイアリアといった都市では、その人口はそれぞれ80%と95%に達するとのこと。キューバ系米国人の中では、第2世代以降、スペイン語が話せなくなった子孫もいますが、今日でもマイアミでは英語と同様にスペイン語がかなりたくさん話されているのです。

 

この言語接触によって作られつつある方言は、専門用語で「翻訳借用/カルク(calque)」と言います。この用語は、ある言語が外国語の語を借り入れて用いるとき、その外国語の元の意味をなぞり、翻訳して取り入れることを指します(例:“airport”は「空港」〔air→空 port→港〕)。これは大昔からさまざまな場所、さまざまな言語で起きてきました。

 

ここでは、現在マイアミで起きている翻訳借用(スパングリッシュ)を具体的に3つ見てみましょう。

 

【例1】

標準英語:”get out of the car”(クルマから降りる)

マイアミのスパングリッシュ:”get down from the car”

借り入れ元のスペイン語は”bajar del carro”。これを英語に訳すと”get out of the car”になりますが、スペイン語の”bajar”は、英語で”to get down”を意味します。だから、多くのマイアミ人にとってクルマから「降りる」は、”getting out”ではなく、”getting down”と解釈してOKとなるのです。

 

【例2】

標準英語:”married to“(〜と結婚する)

マイアミのスパングリッシュ:”married with

こうなる理由は、スペイン語で「〜と結婚する」を指す”casarse con”は、英語に訳すと”married with”となるからです。

 

【例3】

標準英語:”give/have/hold a party”(パーティーを開く)

マイアミのスパングリッシュ:”make a party”

スペイン語で「パーティーを開く」は”hacer una fiesta”で、これを英語に訳すと”make a party”となります。

 

このように、キューバ人の米国への移民によって、英語では新しい語法が生まれています。英語は昔から他の言語の影響を受けてきましたが、いま特にスペイン語の影響が顕著になっているようです。

 

【出典】
Phillip M. Carter. Linguists have identified a new English dialect that’s emerging in South Florida. The Conversation. June 12 2023

エルトン・ジョンだけじゃない。30代からでもあり得る「声の老化」とは?

先日、英国で大規模野外音楽フェスティバルのグランストンベリー・フェスティバルが開催されました。最も大きな注目を集めた出演者の一人は、エルトン・ジョン。76歳でヘッドライナーを務め、同イベント史上最大の700万人以上がBBC(英国放送協会)で視聴したとされていますが、彼の演奏を見たある解剖学の教授は、その声が以前とかなり変わったことに気付いたそう。年を取ると、なぜ人の声は変わるのでしょうか?

↑年を取り、声が変わっても歌い続けるエルトン・ジョン

 

英・ランカスター大学のアダム・テイラー教授は、声の変化は老化とライフスタイルに関係していると言います。

 

まず、他の身体の部分と同じように声帯も年を取ります。年を取ると、喉頭(さまざまな軟骨に覆われており、内側に声帯がある)が硬くなっていき、軟骨というよりむしろ骨みたいになるとのこと。この変化に気づかない人も少なくないそうです、男性の場合、早ければ30代に始まると言います。

 

また、声帯を動かす筋肉も加齢とともに衰え始め、声帯を支える靭帯や組織は弾力がなくなり、喉頭と同じように硬くなるそう。発声器官ではその他の筋肉も同様に衰え、喉頭は衰えていくと言います。

 

人の声が変わる理由は、加齢だけではありません。ライフスタイルも関係しています。例えば、喫煙と飲酒は声帯の局部に炎症を起こし、粘液の分泌を増やすと同時に粘膜の表面がかなり乾いてしまうとのこと。

 

一部の薬も声を変えてしまいます。喉頭炎を抑えるための吸入ステロイド薬や筋肉弛緩剤、血液希釈薬などをテイラー教授は挙げています。

 

その一方、仕事で喉を使い過ぎることも声にとっては負担。歌手だけでなく、先生やインストラクターなど職業柄よく発声する人は気をつけたほうが良いそうです。

 

どうやって声を守る?

老化は防ぎようがないものの、できるだけ声を「若く」保つためには、エクササイズを続けることが役に立つとのこと。毎日、歌を歌ったり、声に出して本を読んでみたり。このような運動を続けることで、声の質や声帯の衰えを遅らせることは十分できるみたいです。

 

普段の生活では、できるだけいつも声帯を潤し、たばこやお酒の量を減らすことが大切。このような心掛けで、私たちが年を取っても、エルトン・ジョンみたいに歌っていられるかもしれません。

 

【出典】

Adam Taylor. Why our voices change as we get older. The Conversation. June 29 2023

43万円は無理! 家賃を抑えるために「米の大学院生」が取った驚きの手段とは?

平均家賃は1か月3000ドル(約43万円※)なんてざら。全米でもトップクラスに家賃が高いことで知られるのが、サンフランシスコです。一般的な学生にとって、そんな街で暮らしていくことはかなり厳しいもの。

※1ドル=約144.7円で換算(2023年6月30日現在)

 

サンフランシスコにある大学院に進学したものの、家賃の節約のために、およそ600km離れたロサンゼルスから「飛行機で学校に通う」という荒技を使った一人の学生がいます。

↑その手があったか!

 

ロサンゼルスのTV局、KTLAのインタビューに答えたのは、ビルと名乗るロサンゼルス在住の男性。ロサンゼルスは、地域にもよりますが、サンフランシスコに比べると家賃は低く、ビルも比較的余裕のある生活を送っているそうです。

 

しかし、サンフランシスコからクルマで30分ほどの場所にあるカリフォルニア大学バークレー校の工学修士課程に合格したことで、彼の生活は一変しました。

 

一般的には、進学先の学校の近くに引っ越すことを考えるはずですが、彼はサンフランシスコ周辺の家賃が高額であることと、大学院を卒業した後は再びロサンゼルスに戻る予定であることから、飛行機で通学することに決めたのです。

 

学校に通うビルの朝はこのようなスケジュールでした。

  • 午前3時:起床
  • 午前6時:ロサンゼルス国際空港発
  • 午前8時30分:サンフランシスコ着、BART(鉄道)に乗車
  • 午前10時:授業開始

 

ロサンゼルスの自宅に帰るのは夜中の12時近くになるそう。

 

片道4~5時間ほどかかる、無謀とも思えるこの方法。クラスメートや教授たちは、「きっと1週間で諦めるだろう」と思っていたそうですが、彼はこの方法で1年間、通学しきったのです。

 

ただし、気になるのが飛行機通学でかかる費用。ビルは詳細に費用をメモしており、それによると1年間の通学でかかった費用の合計は5592.66ドル(約81万円)。合計238回飛行機に乗り、9万2089マイルを飛行したそうです。

 

ビルが支払っていたロサンゼルスの家賃がいくらかは明らかにされていません。仮に1か月1500ドルを支払い、サンフランシスコでは3000ドルの家賃がかかるとした場合、サンフランシスコに引っ越すと、家賃だけで年間1万8000ドル(約260万円)も多く払うことになります。ビルがかかった通学費用と比べると、確かに“節約”になっていると言えるようです。

 

インタビューで「同じことをもう一度やる?」と聞かれたら、「Yes」と答えたビル。「人生のなかでも、おそらく最もクレイジーなことの一つだったと思う」と答えています。

 

【主な参考記事】

KTLA. California grad student commutes to class by plane to save on rent. June 29 2023

28歳のチンパンジー、初めて空を見る。言葉にならない表情に全米が感動

長年、研究所の施設の中に閉じ込められていたチンパンジーが、屋外に出て初めて空を見上げ、感極まる表情を見せている動画が米国で公開され、話題となっています。このチンパンジーに何があったのでしょうか?

↑この表情が全て

 

「バニラ」と名付けられた、28歳のチンパンジー。バニラは幼いとき、ニューヨークにある生物研究施設で小さなおりの中で暮らしていました。1995年にはカリフォルニアに移送されましたが、移送先の施設でも屋内のおりの中にいたとのこと。この施設の閉鎖に伴い、最近フロリダに移送され、チンパンジーのグループの一員に加わることになったのです。

 

そんなバニラがフロリダの新しい家で、初めて外に出てくる様子が動画に収められています。それを見ると、他のチンパンジーと抱き合っていたバニラがふと目線を上げ、空に気づくと、両目でしっかりと空を捉えながら、驚くような表情を見せたのです。一瞬、全ての動きを止めて空に見入る姿は、空の美しさに心を奪われているかのよう。この様子を米国の現地メディアは「畏怖の念を抱いていた」と表現しています。

 

その後もバニラは歩きながら、何度もチラチラと空を見上げていました。おそらく20年以上もの長い間、人工的なものに囲まれた空間にいたバニラにとって空はとても不思議で、なんとも言えない魅力にあふれていると感じさせるものだったのかもしれません。

 

米国では2015年にチンパンジーの医学研究が違法になるまで、バニラがいたような研究施設があったそう。それらの施設で飼育されていた何十頭にもなるチンパンジーの新たなすみかを見つけるのは困難で、保護団体などがその支援を行っているとのこと。

 

バニラの感動した様子を捉えた一方、今回の動画は、人間の研究のために多くの動物が犠牲になってきたことや、それによって動物本来の暮らしや自由を奪っているという悲しい現実を私たちに伝えています。

 

【主な参考記事】

CBS News. Chimpanzee caged for 28 years “in awe” after seeing sky. June 28 2023

USA Today. A 28-year-old chimpanzee was caged her entire life. Watch her see the sky for first time. June 28 2023

台湾で「ゴジララーメン」が話題! 食べる勇気はある?

ラーメンの器からはみ出ているのは一体……⁉ 思わずギョッとしてしまうこのラーメンは、その名も「ゴジララーメン」。台湾にあるレストランで登場して、話題になっています。

↑噂の“ゴジラ”ラーメン(画像提供/Nu Wu Mao Kuei. Facebook)

 

その店があるのは、台湾の雲林県東部にある斗六市(とろくし)の店「Nu Wu Mao Kuei」。“ゴジラの手”の正体はワニの前足で、台湾の東海岸にある台東市の養殖場から仕入れているのだそう。そのワニ肉を蒸したり煮込んだりして、ラーメンにのせているのです。

 

食べるのを躊躇しそうなこのラーメン。勇気を持ってトライした人は、地元のブロガーの何人かだけだそう。そのうちの1人によると、ワニ肉は、蒸してあるものは鶏肉に似ている一方、煮込んだものは豚足に近い味とのこと。スープには40種類以上のスパイスが使われているそうで、深みのあるスープに、ワニのだしが効いているのかもしれません。

ゴジララーメンの価格は1杯1500台湾ドル(約7000円※)。一日2食限定で、オンラインでの予約が必要です。“ゴジラ”にかぶりつきたいチャレンジャーは、台湾にお出かけしてみては?

※1台湾ドル=約4.65円で換算(2023年6月30日現在)

 

【主な参考記事】

Taiwan News. Taiwan restaurant launches ‘Godzilla’ crocodile ramen. June 26 2023

ただの水かと思いきや…。英国が驚いた魔法の水筒「エア・アップ」とは?

ただの水道水なのに、まるで清涼飲料水を飲んでいるような感覚を味わえる――。そんな体験ができる水筒「エア・アップ(air up)」が英国の子どもや若い世代の間で大人気です。一体どんな仕組みなのでしょうか?

 

だまされたと思って…

↑英国と欧州で話題沸騰のエア・アップ

 

エア・アップは水に味をつけるわけではありません。その仕組みは脳を騙すこと。香りを嗅ぐことで、あたかも味を感じているかのように脳を錯覚させているのです。香りがするフレーバーポッドを飲み口に取り付けることにより、香りが脳に働きかける効果を利用して味覚を感じさせるのです。

 

私たちの脳は味覚だけでなく、嗅覚からも食べ物や飲み物の情報を受け取っています。香り付きの気泡が水と一緒に口に入って鼻腔にも伝わることで、香りが「味」として感じられるのです。

 

理屈は簡単に聞こえますが、実際に製品化した例はあまりないかもしれません。このアイデアを考案したのはドイツの学生2人が始めたスタートアップ企業で、現在エア・アップの人気は英国だけでなく欧州大陸にも拡大。さらに世界的飲料メーカーのペプシコからの資金調達や、ハリウッド俳優で投資家としても知られるアシュトン・カッチャー氏の支援も受けて、米国にも進出しています。

 

香りは約30種類

↑さまざまな「味」が楽しめる

 

従来の清涼飲料水は砂糖やカロリーが気になりますが、エア・アップならば水だけでヘルシーなうえ、さまざまな「味」を楽しみながら水分補給が可能。専用のフレーバーポッドにはパイナップルやチェリーなどのフルーツ系から、アイスコーヒーやアイスティー、コーラまで約30種類の味が揃っています。

 

友人同士でフレーバーポッドを交換したり、水筒やストラップ、飲み口を好みの色にカスタマイズしオリジナルボトルを作ったりできるのも人気の理由。目隠しをして水の「味」を当てるTikTok投稿も人気。若い世代には清涼飲料水に頼らず楽しく水分補給できる水筒としてエキサイティングに映っているようです。

 

価格はフレーバーポッド2個付きのチャコールグレーボトルが29.99ポンド(約5500円※)で、他のカラーボトルは各34.99ポンド(約6420円)。別購入するフレーバーポッドの価格は味によって異なり、安くても3個入りで約4.99ポンド(約920円)となります。

※1ポンド=約183.4円で換算(2023年6月28日現在)

 

欧米では麦茶や緑茶のような冷たい無糖飲料を飲む習慣がほぼなく、清涼飲料水以外では水道水やミネラルウォーターが中心です。ただ、水ばかりでは飽きてしまうと感じる人も多く、エア・アップ人気は今後も広がることが予想されます。

 

執筆/ネモ・ロバーツ

 

「瞑想」が必修に! ニューヨークの公立学校がマインドフルネスを導入

目を閉じて静かに座り、自分の呼吸に集中して心を無にする「瞑想」。ストレスや不安を取り除き、心身にポジティブな影響を与えるといわれ、マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツなど、世界を牽引する事業家や有名人などが、こぞって行っています。そんな瞑想がニューヨークの公立学校で必修になりました。

↑無になれる?

 

これを発表したのは、ニューヨークのエリック・アダムズ市長。2023年初めに発表された市教育局のヨガ&マインドフルネス教師準備プログラムをもとに、ニューヨーク市内全域にある幼稚園から高校までの全ての公立校で、毎日2~5分間の瞑想を設けるというのです。

 

アダムズ市長は、「呼吸は神経を落ち着かせ、心を定め、バランス感覚や集中力を取り戻すのに役立つ」と、瞑想のメリットについて話しています。もともと瞑想を取り入れていたというアダムズ氏は、市長選での激しいストレスや不安を感じるときでも瞑想が役立ったと言います。

 

瞑想をどの時間に取り入れるかは、各学校の学校長や責任者に任せ、朝の時間や体育の授業中などが考えられるそう。また、子どもたちを強制的に瞑想に参加させるようなこともないと発表されています。

 

近年、米国の小学校ではマインドフルネスをカリキュラムに導入する動きが見られます。しかし、中学生や高校生ならまだしも、小学生や幼稚園の幼い子どもが、たとえ数分間という短時間であっても、じっと座って瞑想をできるかどうかは定かではないでしょう。それでも、小さいうちから毎日瞑想を行う習慣を続けていくことで、5年後、10年後に変化が生まれてくるのかもしれません。

 

【主な参考記事】

New York Post. Reading, writing and … breathing: Mayor Adams to require NYC public schools offer students 2-5 minutes of ‘mindful breathing. June 27 2023

なんて不幸な…。年収1000万円でも「低所得者」に分類される米国社会

年収1000万円でも「低所得者」に分類される……。日本以上の急激なインフレに見舞われてきた米国では、それに伴う生活費も上昇し、日本の感覚からすれば高収入と思われる金額であっても、不足のない生活は難しいのかもしれません。

↑幸せはどこにある?

 

米国では「アフォーダブル住宅」と呼ばれる住宅を建設している州があります。「アフォーダブル」とは「手頃な」の意味で、手の届く価格の住宅を人々に供給しようという取り組み。アフォーダブル住宅の申し込みには、たいてい所得制限が設けられており、その州や地域で中~低所得層のみを対象としているのです。

 

所得制限の金額は、毎年連邦政府のガイドラインによって見直しが行われ、カリフォルニア州では先日、2023年の所得制限を発表しました。カリフォルニア州南部の所得制限は、以下のとおりです。

 

【2023年の所得制限(単身世帯の場合)】

  • ロサンゼルス郡:7万650ドル(約1000万円※)
  • オレンジ郡:8万400ドル(約1160万円)
  • インペリアル郡:4万6200ドル(約660万円)
  • サンバーナーディーノ郡:5万2200ドル(約750万円)
  • サンディエゴ郡:7万7200ドル(約1110万円)
  • サンタバーバラ郡:8万2950ドル(約1200万円)
  • ベンチュラ郡:7万4400ドル(約1070万円)

※1ドル=約144.4円で換算(2023年6月29日現在)

 

カリフォルニア州住宅局では、この所得制限について、最新の所得データや世帯の中央値をもとに算出。アフォーダブル住宅などの住宅プログラムを受給できる人は、低所得から中所得層と位置付けています。

 

ご覧のように、郡によって所得制限の設定金額はかなり異なりますが、ロサンゼルス郡では年収が7万ドル(約1000万円)あったとしても「低所得~中所得」とみなされることが分かります。オレンジ郡やサンタバーバラ郡など、さらに高い金額が設定された郡もあります。

 

昨今の急激なインフレで、住居費から食費など、あらゆるものの価格が上がっている米国。当然、生活費も上がり、高収入と思われるような所得があったとしてもそれでは不十分なのかもしれません。日本では給料の水準が変わらないのに物価高に見舞われ、人々の生活が厳しくなっていると言われていますが、米国での暮らしも決して楽ではないようです。

 

【主な参考記事】

KTLA. Angelenos who make $70,000 a year are still considered ‘low-income’. June 26 2023

State of California. 2023 State Income Limits. June 6 2023

米マクドナルドのハンバーガーに「ダイヤ付の鼻ピアス」が入っていた!

およそ1か月ほど前に日本で相次いだ「カット野菜やサラダにカエルが入っていた」という食品へのカエル混入騒動。それ以外にもプラスチック片、ビニール片など、食品に異物が混入する報告は後を絶ちません。そんな中、米国から届いたのが「ハンバーガーの中に鼻ピアスが入っていた」というニュースです。

↑ダイヤモンドみたいでも気持ち悪い…

 

この混入事件が起きたのは、オハイオ州のマクドナルド。ある女性が、ボーイフレンドと3歳のめいと、3人分の食事をテイクアウトしました。自宅に帰ってハンバーガーを食べ始め、途中で口についたソースを拭きとろうとハンバーガーを箱においたところ、箱の中にコロンという音がしたそう。マヨネーズやソースを拭きとってよく見てみると、それは、なんと鼻ピアス。しかもダイヤモンドのような石付きだったのです。

 

彼女はすぐに食べていたハンバーガーを破棄して、鼻ピアスの写真を撮り、店に連絡を取りました。

 

彼女が鼻ピアスを飲みこまなかったことが、不幸中の幸い。「それに、幼いめいが食べているものに混入していたわけではなかったことに感謝した」と、彼女は語っています。ただし、誰かの鼻に挿入されていた鼻ピアスが混入していたという事実が分かったためか、彼女は2日間ほど胃の痛みに見舞われたそうです。

 

ちなみに、その後店からは何の連絡もなく、彼女は地元の公衆衛生局に事態を報告。公衆衛生局が問題のあったマクドナルドを検査し、従業員にも食品取り扱いのトレーニングを行ったとのことです。

 

【主な参考記事】

New York Post. McDonald’s customer says she found nose ring in her Quarter Pounder: ‘Stomach turned for like two days’. June 28 2023

競技発祥200周年のラグビー。英国でどれくらい人気がある?

ラグビーは競技発祥200周年を迎えています。このスポーツが生まれた英国の名門パブリックスクールのラグビー校では、6月24日に記念イベントが開かれましたが、現代の英国でラグビーはどれくらい人気があるのでしょうか?

↑母国のラグビー人気は?

 

世論調査などを行うYouGov社は「英国人が過去1年間にどのスポーツをしたか?」を2019年から毎年調査しています。1962~2015人の成人がアンケートに答えているとのこと。

 

そして、その一番新しいデータ(2022年9月)を見てみると、ラグビーをした人はたった1%。フットボール(サッカー)は10%、テニスとゴルフは5%、クリケットは2%となっています(なお、他のスポーツと答えた人は7%いた一方、「該当なし」という回答が76%でした)。

 

視点を変えて、「見るスポーツ」としてラグビーを見た場合、その人気は少し高まり、テニスやクリケットと並んで17%となりました(最新のデータは2022年9月)。しかし、フットボールの人気はその倍に及びます(38%)。

 

英国で大多数に愛されているとは言いづらいラグビーですが、近年の日本ではラグビーW杯が開催されたうえ、英国のパブリックスクール(ラグビー校を含む)が続々と開校しています。多くの近代スポーツが学校から生まれて普及していった歴史を踏まえると、日本におけるラグビーの人気に変化が生まれるかもしれません。

 

「フィアット」がカラー戦略を変更! 英国に衝撃が走る

イタリアの自動車メーカー・フィアット(FIAT)が最近、カラー戦略を変更しました。それに強い反応を示したのが英国メディア。なぜかといえば、ある色がなくなってしまうからです。

↑英国は寂しがる…

 

それはグレー。英・デイリー・メール紙によれば、フィアットはこの色を使ってクルマを生産することを止めたとのこと。その理由について、同社はグレーが「イタリアの文化」を体現していないからと伝えているそうです。

 

フィアットはブランドとしてこれから「喜び・色・楽観主義」の3つの価値観を強く打ち出していきたいそうですが、デイリー・メール紙は、この戦略は英国ではうまく行かないと述べています。なぜなら、近年の英国で販売されているクルマの中でグレーは一番人気がある色だから。同紙に掲載されている、2022年の英国におけるクルマの人気色ランキングを見てみると、グレーが25.7%で1位。2位は黒(20.1%)、3位が白(16.7%)。黒と白の人気は前年と比べたら少し下がった一方、グレーは0.9%増えています。

 

果たして、フィアットの決断は吉と出るか凶と出るか。楽観主義が試されます。

 

【出典】

Daily Mail. Fiat has stopped making cars in one particular colour because it doesn’t ‘embody the Italian way of life’ – but the decision could hammer UK sales. June 26 2023

 

 

 

「ベビー・トーク」は赤ちゃんの言葉の発達に役立つ? 役立たない? 豪の最新研究で分かったこと

育児中のパパ・ママの関心事の一つは、赤ちゃんがいつから話し始めるか? できるだけたくさん話しかけて、子どもが少しでも賢くなればと思っている人も少なくないかもしれません。

↑普通に話すだけではつまらない

 

幼児の世話をする人が、幼児に対して用いる言葉を「ベビー・トーク(baby talk)」もしくは「ケアテイカー・スピーチ」と言います。ベビー・トークのわかりやすい特徴として以下の3つが挙げられます(『英語教育用語辞典』〔大修館書店〕を参考)。

 

  • 短い文が多い
  • 明瞭な発音が用いられる
  • 誇張したイントネーションを伴うことが多い

 

実はこんなベビー・トークに関して研究者の間ではさまざまな意見があり、ベビー・トークは幼児の言語理解や習得を促進するという意見もあれば、逆にあまり役に立たないという人もいます。しかし、先行研究の多くは欧州の言語や中国の広東語、日本語を対象にしていたので、まだまだ研究の余地があります。

 

そこで、オーストラリアの研究チームが、同国の中央部で3000人以上に話されているワルピリ語のベビー・トークを調べ、最近その結果を発表しました。やはりベビー・トークは幼児の言語習得の役に立つと言うのです。

 

本稿で研究の内容に立ち入る余裕はありませんが、同研究チームによれば、ワルピリ語でもイントネーション(特に音の高さ)が変化することが初めて明らかになったそう。ワルピリ語のベビー・トークは英語のそれと似ているようですが、違う点もいくつかあったようです。

 

例えば、ワルピリ語のベビー・トークは音が高くなるうえ、母音の音がまるで幼児が発したかのような音に変わるとのこと。これによって幼児の注意が発話に向かいやすくなると考えられるそうです。また、ワルピリ語の話者は母音の音を変えることで、物に名前があることを幼児に教えていることも判明しました。このようにして、幼児は世界を認識していくのですね。

 

ワルピリ語の話者がこのようなベビー・トークをすることができるのは、母音の数が3つだからだと同研究チームは考えています(日本語は5つ)。つまり、母音の数によって、幼児の世話をする人たちが取るコミュニケーション戦略が変わるのです。

 

このような理由で、同研究チームはベビー・トークは役に立たないものではなく、幼児の言語習得を助ける大切なものであると述べています。今回の結果を踏まえれば、ベビー・トークは決して疎かにできませんね。

 

【出典】
Rikke Louise Bundgaard-Nielsen, et al. A new study of Warlpiri language shows how ‘baby talk’ helps little kids learn to speak. The Conversation. June 23 2023

文字VS絵。AIが芸術家に勝てないシンプルな理由

最近、AIは芸術にどんな影響を与えるのかという話が盛んに論じられています。AIを使うことで芸術家はもっと創造的になるのか? それとも悪い影響が出るのか……。さまざまな見方がある中、米・ラトガース大のエフマド・エルガマル教授は、AIを使うことで芸術家の創造力は抑えられてしまうと論じています。どういうことでしょうか?

↑しょせんアマチュア

 

コンピューターサイエンスを研究する一方、自身も芸術家であるエルガマル教授は、AIを使った芸術作品は以前から存在していたものの、新しいのは、画像生成AIツールに文字を入力することで(例えば「ヴァン・ゴッホ風の景色」という具合)画像を作ることだと論じています。つまり、DALL-EやMidjourneyといったAIツールにおいて、人間は言語を使って芸術活動を「制御(control)」していると言うのです。

 

そんなAIについて芸術家はどう思っているのでしょうか? それを知るため、同教授は、デジタル画像を生成するAIツールを使ったことがある500名の芸術家を対象にアンケート調査を行いました。

 

すると、画像生成AIツールがとても役に立つと回答したのは46%でした。その一方、32%はこのツールは便利であるものの、仕事に活かすことができないと言います。残りの22%は全然役に立たないと答えたそう。

 

芸術家にとってAIの限界点はどこにあるのか? それは、AIをきちんと制御することができないことにあります。AIを制御できる程度を10点満点で評価してもらったところ、多くは4~5点と回答。AIが作った画像は興味深いものの、仕事で活用するには不十分と見ています。プロの芸術家はAIを現実的に評価しているのですね。

 

もちろん、9割の回答者はAIの影響を受けると考えていますが、より重要な問題は、その影響がどんなものになるのか。プラスの効果を受けそうだと述べたのは、そのうちの46%であったのに対して、マイナスの影響と答えたのは7%。残りの37%は、どのような形でAIの影響を受けるのかは分からないと述べており、見方は一様ではありません。

 

このような結果の根本には、AIと人間のシンプルで決定的な違いがあります。AIの特徴は主に言語を使って画像を生成していること。対照的に、人間の芸術家はビジュアルで思考することが特徴であり、一般的に文字よりも絵——記憶や画集、写真集など——で創造力を働かせています。このような創造力と感性が本当に美しい作品を生み出し、芸術家にとっては自分と他を区別するアイデンティティーにもなり、逆に、この欠如がAIの限界であると同教授は論じています。AIに関する議論を考えるうえで、芸術作品を見る側である私たちも、この区別を頭に入れておきたいですね。

 

【出典】

Ahmed Elgammal. The folly of making art with text-to-image generative AI. June 23rd 2023. The Conversation

イタリアで「バカンスローン」が大人気! 2022年は96%も増加

「イタリア人はバカンスのために働いている」と言っても過言ではありません。だからバカンスを楽しむために、日本では聞き慣れない「バカンスローン」を組むことも一般的。コロナ禍では減少していましたが、旅行が解禁になった2022年の夏以降、このローンを組む人が急速に増えています。

↑こんなバカンスならローンを組む価値あり

 

イタリア人のバカンスは長く、最低でも2週間程度から1か月以上も休む人がいます。その分、宿泊費や食費、移動費、娯楽費などの費用がかさむため、イタリアの金融機関ではバカンス向けのローンが用意されているのです。

 

2023年のデータはないものの、2022年上半期のバカンスローンが興味深いトレンドを示しています。それによると、申し込み件数は7万件を超え、融資総金額は1億6000万ユーロ(約248億円※)に拡大。一人当たりの融資額は平均5597ユーロ(約87万円)で、ローン返済は毎月平均107ユーロ(約1万6600円)の約4年間・52回払いとなります。

※1ユーロ=約155円で換算(2023年6月19日現在)

 

また、バカンスローン申請数は2021年上半期と比べて96%増。コロナ禍の影響が縮小し、バカンスに行く人が増えたことが要因となったようです。ローン利用者の27.5%はコロナ禍により旅行を断念していた人たち。このことからもイタリア人がいかにバカンスを心待ちにしていたのかが分かります。

 

利用者の平均年齢は36歳である一方、30代以下が35%を占めるなど金銭的な余裕がない若年層が多いのが特徴。コロナ禍で結婚式やハネムーンを控えていた人たちもバカンスローンを使っており、その利用者を押し上げているとされています。

 

このように、ローンを使ってまでバカンスを楽しむイタリア人。今夏のバカンスローンの利用者はより一層増えそうです。

 

103歳でも現役続行! 米の「女性ロブスター漁師」が働き続ける理由とは?

米国に100歳を超えてもなお、船に乗りロブスター漁を続けている女性がいます。愛称は「ロブスターレディ」。ロブスター漁のキャリアは95年になり、先日103歳の誕生日を迎えました。

↑今日も漁に出るロブスターレディ

 

ロブスターレディとして親しまれているのは、バージニア・オリバーさん。1920年6月に、メイン州ロックランドに生まれました。メイン州はアメリカ北東部にある海に面した州で、ロブスターが名物として知られています。

 

バージニアさんは、8歳のときに父や兄と一緒にロブスター漁をはじめ、4人の子どもを育てながら漁を続けてきました。それから95年間、船に乗って漁に出ており、2023年シーズンのライセンスも更新したそうです。

 

そんなバージニアさんは、先日103回目の誕生日を迎え、家族や友達から祝福されている様子がニュースで報道されました。

 

笑みを浮かべたその表情からは健康そうな様子がうかがえます。船の舵を取り、巨大なロブスターを手にとり、さばいていく姿を見ても、とても100歳を超えた人とは思えません。地元ではバージニアさんをモデルにした「ロブスターレディ」という絵本もできているそうです。

 

バージニアさんは、現在でもロブスター漁を続ける理由について「水の上での自立した生活が気に入っているから」と語っています。責任を持って大好きな仕事を続けていること。それこそが、バージニアさんが生き生きと元気で暮らす秘訣なのかもしれません。

 

【主な参考記事】

News Center Maine. Maine’s ‘Lobster Lady’ celebrates 103rd birthday. June 22 2023

米の家族が古い1セント硬貨を100万枚も発見! 果たしてその価値は?

「将来、高い価値がつくかも」と思って、古い硬貨や紙幣をひそかに保管している人がいるでしょう。米国でも同じことを考える人がいるようで、ある一家の地下室で大量の古い1セント硬貨が見つかりました。その数は、なんと100万枚です。

↑地下室で大量に見つかった1セントの袋

 

この1セント硬貨を見つけたのは、カリフォルニアのレイズ夫妻。妻の父親と弟が数十年間住んでいた家を、父が亡くなり、弟が引っ越したことを機に、改築を計画。夫婦が掃除と片付けを行っていたある日、地下室の奧に、銀行の名前が印刷された大量の小袋を見つけたのです。中身を確認すると、出てくるものは1セント硬貨ばかり。さらによく見ると、1980年代に亜鉛製になった現在の1セントではなく、それ以前に使われていた銅製の1セントであることが分かったのです。しかもその数は、一つの小袋の重さから推定すると全部で100万枚。

 

地下室からすべての小袋をトラックに運び出すまで、何時間もかかったというレイズ夫妻。地元の銀行に紙幣に変更してもらえないか問い合わせしましたが、手数料として8%がかかるうえ、「1セント硬貨の在庫は十分にある」や「金庫室に余裕がない」などと、ことごとく断られてしまったのです。

 

そこでレイズ夫妻は、中古品の売買を行うフリマサイトに出品することにしました。販売価格は2万5000ドル(約357万円※)。硬貨だけの価値を考えれば、1万ドル(約143万円)ですが、現在は使われていない銅の硬貨であることから、それだけの価値を感じる人もいるかもしれないと考えたのです。

※1ドル=約143円で換算(2023年6月23日現在)

 

それから数週間が経ち、続報として報じられた地元ニュースによると、レイズ夫妻のもとには1000件近くの購入希望者が現れたのだとか。「メッセージが殺到して、圧倒された」という夫妻。最終的な売却額は明かされませんでしたが、無事に希望者に全てを売却したそうです。

 

この大量の硬貨を保管していたレイズ夫妻の父は、ドイツからの移民。戦時中に生まれ、物資が不足する時代を身をもって体験したことから、将来のために1セント硬貨の価値が上がるだろうと考え、収集を始めたのではないかと考えられるそうです。

 

【主な参考記事】

News Nation. Sold! California family sells 1 million pennies found in relative’s home. June 21 2023

KTLA. Family finds 1 million copper pennies while cleaning out Los Angeles hom. June 8 2023

まるでサメじゃないか…。海外の美容歯科で失敗した英国人モデルの嘆き

美容整形や植毛など、自国で行うと高額の料金がかかるけれど、海外に行けば格安でできるものがあります。しかし、安さにつられると思わぬ落とし穴があることも……。

↑痛すぎる…

 

海外で歯科治療したら、「歯がボロボロになって、逆に高額の治療費がかかることになった」と涙を流す、ある英国人男性のエピソードをご紹介しましょう。

 

マンチェスター出身のアック・ジェームズさん、22歳。彼は、モデルとして仕事をしていたことから、カメラ写りをよくしようと、歯の治療を行うことを決めました。しかし、英国での治療費は高額で、手に届かなかったため、トルコのイスタンブールで治療を受けることにしたのです。

 

アックさんが2022年9月に受けたのは、歯の表面を薄く削って、薄い“付け歯”をつけるラミネートべニア加工。費用は3000ポンド(約55万円※)でした。当初は、白く輝く歯を手に入れて大満足だったのですが、治療からおよそ8か月経った2023年5月頃、異変が現れたのです。

※1ポンド=約182円(2023年6月23日現在)

 

デンタルフロスをすると、歯茎から出血が起こり、ひどい口臭が出るように。慌てたアックさんは、マンチェスターの緊急医を訪ね、口の中に膿瘍ができて感染症にかかっていると診断されました。

 

白くきれいな歯はもう跡形もなく、先端が細くなったサメの歯のよう。「ホラー映画に出てくるようだ。診断した歯科医に『自分の歯はめちゃめちゃ』と言われた」とアックさんは涙を流して嘆いています。

 

この治療のために必要と言われた金額は、なんと2万ポンド(約360万円)。彼が最初に治療を受けたイスタンブールのクリニックでは、およそ4分の1にあたる4500ポンド(約82万円)を提示されたため、彼は再びイスタンブールにわたってラミネートべニアを除去するそうです。

 

海外にある医療・美容機関のすべてが悪いわけではないはず。しかし、アックさんは「海外に行く前に、よく調べるように!」と人々に警告しています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. I paid £3,000 to get my teeth done in Turkey, now I look like a shark. June 21 2023

米国で日本の「軽トラック」がブーム! 新たなマーケットになるか?

いま、日本の軽トラックが米国でブームになっています。購入価格の2倍以上の輸送費がかかっても、「手に入れたい!」という人が多く、ニューヨークのある輸入業者は、手始めに5台仕入れたところ、1週間で全て売れてしまったそうです。

↑米国へレッツゴー!

 

日本の軽トラック(以下、軽トラ)は軽自動車に分類され、自動車税などの維持費を安く抑えることが特徴。一方、米国のトラックといえば、日本の軽トラをそのまま大きくしたようなピックアップトラックが主流です。運転席や荷台は広く、大型家具なども楽々運ぶことができます。人間の体格も土地の広さも、日本とは格段に大きい米国では、日本の軽トラのような小型車はほとんど存在しないようなもの。だからこそ、日本のコンパクトな軽トラが脚光を浴びているのかもしれません。

 

ニューヨークで輸入自動車を販売するある会社では、ここ数年だけで300台以上の軽トラを売ったそう。別の会社では、受注する自動車のうち、およそ3分の1を軽トラが占めるほど人気が高く、過去7年間で毎年売上を伸ばしてきたとのこと。

 

ディーラーによると、軽トラが人気の理由は安くてコンパクトだから。顧客の多くは牧場や農場の経営者。中には身軽に移動したいというサーファーや猟師もいるそうです。

 

50万人以上のユーザーを持ち、自身で中古車販売会社を経営する、あるTikTokユーザーは、ホンダの軽トラを850ドル(約12万円※)で購入し、米国までの輸送費に2086ドル(約30万円)がかかったと明かしています。上述のニューヨークの自動車販売業者でも、取り扱う軽トラの販売価格はおよそ5000ドル(約70万円)で、その大半を輸送費が占めているといいます。

※1ドル=約143円で換算(2023年6月23日現在)

 

本体価格をはるかに上回る輸送費がかかっても、安くて使い勝手のいい日本の軽トラを欲しがる米国人。ただし、左ハンドルがスタンダードの米国では、右ハンドル車は運転しにくいといったデメリットもあります。昨今、日本で軽トラは衰退しているという見方もありますが、果たして、米国でその人気はどこまで伸びていくのでしょうか?

 

【主な参考記事】

Daily Mail. Move over tiny homes! Americans are now importing mini Japanese ‘Kei’ pick-up trucks that cost as little as $3,000 – but buyer beware…. June 21 2023

大昔はジャンプしていなかった!? 最新研究が明かす「カンガルー」の進化の過程

カンガルーといえば、優れた飛躍力を持った動物。後ろ足で地面を力強く蹴り、高くジャンプしながら、時速70km近くの速さで走行します。しかし、最近の研究によって、はるか昔のカンガルーはジャンプをせず、二足歩行していた可能性が出てきました。

↑ジャンプはかなり特殊

 

これは、英国のブリストル大学とスウェーデンのウプサラ大学の共同研究チームが、学術誌『Alcheringa: An Australasian Journal of Palaeontology』に発表したもの。彼らはカンガルーおよびワラビーなどの近縁種の過去2500万年間におよぶ化石から手や足の骨を中心に解析しました。その結果、昔のカンガルーは現代のカンガルーのようなジャンプをしていたものは稀で、二本足で歩いたり、四つん這いになったり、さまざまな方法で移動していた可能性があることが分かったというのです。

 

例えば、2500万年から1500万年前のカンガルーは体重が12kg以下の小型のものが多く、四足歩行をしていた可能性が高いそう。約1000万年前頃になると、体重が20㎏を超える大きな身体のカンガルーも現れるようになり、大きな身体でジャンプ力を獲得するか、それとも速いスピードで走行できるか、2つの形態に進化する可能性が生まれたそうです。枝分かれして現代のカンガルーになったというステヌリン系のカンガルーは二足歩行していたと、この研究チームは推測しています。

 

およそ5万年前、多くの大型動物が絶滅する時期がありました。その頃までカンガルーの歩き方は今日と比べて実に多様だった可能性が高く、その中でもジャンプをするカンガルーは稀だったとのこと。この研究を発表したブリストル大学のクリスティン・ジャニス教授は、「現代のジャンプするカンガルーは、カンガルーの進化における“例外”である」と述べています。

 

【主な参考記事】

The Indian Express. Some ancient kangaroos ‘skipped’ hopping, finds new study. June 22 2023

University of Bristol. Skipping evolution: some kangaroos didn’t hop, scientists explain. June 14 2023

 

米の富豪がドッグシッター探し。前代未聞の給料に応募殺到

英国で珍しい求人募集が話題となっています。米国のお金持ちの家族が、ペットの犬2匹の世話をするドッグシッターを探しており、給料は1年間で12万7000ドル(約1800万円※)。勤務地はロンドンの高級住宅街とあり、地元メディアが騒然としています。
※1ドル=約142円で換算(2023年6月21日現在)

↑ロンドンの絶景を眺める余裕はあるだろうか?

 

どんな仕事なのでしょうか? 応募条件には「ずばぬけたペットケアの技術と犬2匹へのきめ細かな気配り」とあるそう。具体的な仕事内容には、他の家の犬と遊ぶ手配を整えたり、エサの管理をしたり、獣医を予約したり、健康管理をしたりすることが含まれています。犬の栄養管理に関しても完ぺきな知識が求められており、それを基にそれぞれの犬に合った運動メニューを作るとのこと。採用されたドッグシッターは、この家族と一緒にロンドンの住宅で暮らし、この家族が旅行するときは、行き先がどこであろうが、ペットと一緒に必ず同行しなければなりません。

 

この仕事はかなりハードでしょう。ロンドンの人材企業でこの求人を担当する人は、今回の給料について「この業界では前代未聞」と述べています。しかし、ワークライフバランスは保証されていない模様。採用されたドッグシッターは全てにおいてこの仕事を優先し、プライベートは諦めなければならないと言われています。

 

それでも、現在の応募数はすでに300~400に上るそう。この人材会社は6月中に最適な人材を見つけたい考えです。

 

【出典】
Daily Mail. The paw-fect job? American billionaire family is hiring a ‘full-time dog nanny’ who’ll be paid $127,000 a year to pamper their two privileged pooches. June 20 2023

一体何なんだ…? キリギリスが米ネバダ州で大量発生

キリギリス科の昆虫であるモルモンクリケットが、米・ネバダ州で大量発生しており、町中に大混乱を引き起こしています。

↑モルモンクリケットの侵略(画像提供/AP通信)

 

モルモンクリケットは米国西部の乾燥地帯に生息しており、穀物の害虫です。5月下旬から6月上旬にかけて、その卵が何万個もかえりました。数週間にわたってネバダ州の北部に押し寄せており、特に人口約2万人の小さな町・エルコは大混乱に陥っている模様。モルモンクリケットは赤いため、州間幹線道路はまるで血で覆われたように見えるそうです。

 

ある住民はAP通信に対して「聖書にある災いのようだ」と冗談交じりに話しています。これは十の災いのうちの一つであるイナゴの災い(蝗害)を指しており、不吉な予感を覚える人も少なくないのかもしれません。万が一これで食料危機が悪化でもしたら、笑えないでしょう。

 

【出典】
AP. Blood-red crickets invade Nevada town, residents fight back with brooms, leaf blowers, snow plows. June 20 2023

 

英国で「生け花」がブーム! イングリッシュガーデンと何が違う?

5月下旬に開催された「マンチェスターフラワーフェスティバル」では、生け花のワークショップが大盛況でした。英国では現在、生け花が日本の代表的な文化としてブームになりつつあります。どうして英国で生け花が好まれるのでしょうか?

↑現代を象徴する日本文化

 

生け花は花を飾るだけではなく、草木の美しさや植物そのもの、ありのままの自然を表現しようとする独特のスタイルとして英国で注目を集めています。

 

西洋のフラワーアレンジメントは花をメインとし、緑を添えることで華やかさを演出するというのが主なスタイル。一方で日本の生け花は花だけではなく、草木の美しさを表現することを大切にしています。曲がった茎でも枯れかけた花でも、“わび・さび”として美を見い出します。

 

ワークショップに参加した英国人のフォトグラファーは、「英国であまり見かけないアレンジメントの色合いに惹かれた」とコメント。他の参加者も「独特で個性的なデザイン」「花や植物そのままの形を生かしていて、自然からのメッセージを感じる」と語っていました。

↑マンチェスターフラワーフェスティバルの様子

 

英国では、人の手を加え過ぎずにありのままの自然を生かす「イングリッシュガーデン」が愛されています。そのような国民性から、生け花が英国の草花愛好家に受け入れられたのも不思議ではありません。

 

生け花はできるだけ少ない花数や草木で、空間も上手に使って美を表現します。さらに、花の数が少なくても構わないうえ、スポンジではなく花を刺して繰り返し使える剣山を用いる点が「エコ」に通じるとことも英国で受け入れられている理由です。

 

人々が大量生産や大量消費に疑問を感じ、サステナブル意識が高まっている現代社会において、華美から離れ、質素な形で心の美しさを表現することができる生け花。そこから学ぶ日本文化の精神的な価値に、若者を含めて英国人は注目しています。

 

いまさら聞けない米国の「ジューンティーンス」とは? その意味や背景を説明

米国で6月19日は「ジューンティーンス」と呼ばれる日。同国では一番新しい祝日ですが、イリノイ州では銃乱射事件が発生したと報じられています。一体この祝日にはどんな背景があるのでしょうか?

↑ジューンティーンスの意味とは?

 

そもそもジューンティーンス(Juneteenth)とは何でしょうか? リーダーズ英和辞典によれば、語源は「June + nineteenth(6月19日)」で、この2語が混成してジューンティーンスという言葉になりました。その意味については、特にテキサス州で1865年に奴隷解放が発表されたことを記念して祝うと説明されていますが、同州では1862〜63年の奴隷解放宣言から2年以上が経ったときに奴隷が解放されたのです。

 

それから長い年月が過ぎた2021年、ジョー・バイデン大統領がこの日を米国の祝日として制定しました。その前年には「ブラック・ライブズ・マター(BLM)」運動が起きていますが、ジューンティーンスは人種差別問題への意識を高める役割を担っています。

 

しかし、ジューンティーンスにはさまざまな側面がある模様。まずは文化戦争。共和党の一部の政治家はジューンティーンスを米国の白人を悪者にでっち上げるための企みだと見ているそうです。かつての米国社会ではWASP(ホワイト・アングロ・サクソン・プロテスタント)が優位でしたが、今日そのヒエラルキーは大きく崩れつつあります。イリノイ州で発生した銃乱射事件の真相は不明ですが、2024年の大統領選挙を前に不穏な雰囲気が漂っていることが伝わってきます。

 

また、この祝日には商業的な側面も。企業の中には、ジューンティーンスを新たなマーケティング機会と捉える会社もあります。他方、一般の人々の中にはこの日の意味や歴史に関心を持つことなく、ただパーティーを開いて楽しむ人も少なくないそう。こうなると、日本のクリスマスと同じように見えてきます。

 

このように、複雑な背景があるジューンティーンス。米国の分断を象徴しているとも見れるでしょう。米・ハワード大学のグレッグ・カー准教授は、いみじくも次のように述べています。「ジューンティンスは米国の将来を占うリトマス試験紙である」

 

【参考記事】
NPR. Juneteenth, the newest federal holiday, is gaining awareness. June 19 2023
The Guardian. Juneteenth: how did the holiday start and how is it celebrated today?. June 19th 2023

 

 

非日常体験は確実! 地中419m「世界一深い場所にあるホテル」が英国に誕生

「世界一標高が高い場所にあるホテル」や「世界一大きなホテル」など、「〇〇なホテル」は数多くあります。先日、英国にオープンしたのが、「世界一深い地中にあるホテル」。客室があるのは、地上から1375フィート(約419メートル)の位置です。

↑他のホテルでは味わえない深さ

 

ホテルは、その名も「ザ・ディープ・スリープ・ホテル」。英国南西部ウェールズにあるスノードニアの山に作られました。ヴィクトリア時代に鉱山だった所です。

 

ホテルがあるのは地中約419mの位置。そのため、ホテルにたどり着くまでが一苦労。トロッコのレールや古い階段が残る暗い地下道をひたすら進んでいかなければなりません。地下水で足元が濡れたり、ときにはロープに捕まったりして、気分はまるで洞窟探検。そんな道のりを進んでたどりついた先に、少し開けた空間があり、そこに小さなログハウスのような客室が5つ作られているのです。

 

客室の中は、こじんまりとしたログハウスといった雰囲気。地中深くのごつごつとした岩場をそのまま活かしたベッドルームの部屋もあります。

 

気になる価格は、プライベートキャビンタイプが1泊2名で350ポンド(約6万1300円※)、洞窟を活かした部屋タイプは1泊2名で550ポンド(約9万6300円)。宿泊できるのは、土曜日と日曜日の週末に限られます。

※1ポンド=約175円で換算(2023年6月9日現在)

 

豪華な客室があるとは言い難いこのホテル。地中深くに泊まるということはもちろん、ホテルに到着するまでの道のりを含めて、非日常を体験できるスポットと言えるかもしれません。

 

このホテルに行くためには、ライト付きのヘルメット、長靴などの万全の装備が必要ですので、ご注意ください。

 

【主な参考記事】

Metro. World’s deepest hotel opens in the UK, with beds 1,375 feet below the earth’s surface. June 7 2023

仕事で教えなきゃいけないの!? ニュージーランドで起きるキャッシュレス化の副作用

日本でも普及が進むキャッシュレス決済ですが、ニュージーランドではとうの昔から当たり前。全く現金を使わない「完全キャッシュレス社会」へと移行することも、そう遠い未来の話ではなさそう。しかし、キャッシュレス化で先を行く同国ではその副作用も現れています。

↑いくらか数えられる?

 

ニュージーランドは、金融機関の口座残高内ならカード1枚で決済できる「EFTPOS(エフトポス)」を1985年に導入。それ以降、デビットカードのようなこの支払い方法が主流となっています。ニュージーランド準備銀行が2022年に発表したデータによると、15歳以上の国民のデビットカード保有率はコロナ以前の2017年でも96.2%と極めて高い比率でした。

 

スーパーなどでは現金の取り扱いがないセルフレジがほとんどで、銀行でさえ現金を扱わない店舗が増えています。飲食店でも現金の支払いは全体のわずか10%ほどで、大多数はEFTPOSやクレジットカード、Apple Payなどのキャッシュレス決済を使用。子どものころからカード決済に慣れ親しんでいて、現金を全く持ち歩かない大人も決して珍しくありません。

 

子どものころから現金知らずのツケ

お財布いらずの便利なキャッシュレス決済ですが、そのおかげでニュージーランドには現金の数え方がわからない人がたくさんいます。現金を数えることができなくても普段の生活ではあまり困らないため、親からも教わらないことが多いようです。

 

筆者自身、現地の飲食店のマネージャー業務に携わっていたことがありますが、スタッフのトレーニングで現金の数え方から教えなければならないのは日常茶飯事でした。世の中にキャッシュレス化が広く浸透し、「お金=現金」という感覚が薄くなった証拠と考えられるでしょう。

 

ニュージーランドで見られるこの副作用は、日本を含めキャッシュレス化が比較的ゆっくり進んでいる国でも起きる可能性があります。人間がこれまで当たり前にできていた計算能力がキャッシュレス化によって衰えるということは、ビジネスだけでなく社会にとっても大事な教訓と言えそうです。

 

執筆者/磯村さやか

奇跡!? エクアドルで葬儀中に棺桶の女性が息を吹き返す

大切な人が亡くなってしまったら、「もう一度目を覚まして」と願うことでしょう。でも、それが現実に起こったら、誰もが驚いてしまいますよね。そんなことが最近、エクアドルで実際に起きたのです。

↑安らかに眠っているはずだったが…

 

この出来事が起きたのは、ある76歳の女性の葬式の最中でした。その女性は医師によって死亡が確認され、家族が葬儀を行っていました。ところが、葬儀が始まってから5時間後くらいに棺桶の中から不思議な音が聞こえてきたそう。中を見てみると、この女性が息をしており、棺桶を叩いていたのです。家族は驚愕し、棺桶を放置して、彼女を連れて病院に直行したというのです。

 

米国の公共ラジオ放送・NPRの記事で、英国のアングリア・ラスキン大学医学部のスティーブン・ヒューズ医学博士は「亡くなったと思われた人が目覚めることは極めて稀なこと」と述べています。

 

ヒューズ博士は、人の死亡を確認する際、患者の反応をうかがい、脈拍、呼吸の有無を確認し、最後に目に光をあてて瞳孔が開くかチェックすると言います。しかし、例えば、冷たい水の中にいた人は脈拍も呼吸も低下し、死亡確認で見落としが起きる可能性もあるそう。また、患者をざっと診察しただけで死亡を判断するような医師や、教育が不十分な医師は、死亡の診断を見誤る可能性もあると言います。

 

実際、1月には米アイオワ州で、ホスピス患者が葬儀場に運ばれたものの、遺体の袋に入った患者が中で息をしていることがわかったそう。2月にはニューヨークで、老人ホームの老人が葬儀場で生きていることが発見されています。しかしヒューズ博士によると、このような例は「世界でも年間に3〜4件程度ではないか」とのこと。

 

エクアドルの76歳の女性は病院に戻ったものの、深刻な状況とされています。一方、今回の出来事を受けて、エクアドル政府はこの病院を調査しています。

 

【主な参考記事】

NPR. A woman in Ecuador was mistakenly declared dead. A doctor says these cases are rare. June 14 2023

AP. Woman declared dead in Ecuador revives during her wake; health authorities investigate. June 13 2023

グローバル企業の58%、AIの脅威は「誇張ではない」と回答。米イエール大の調査

最近、米・イエール大学チーフ・エグゼクティブ・リーダーシップ・インスティテュート(CELI)によるオンラインイベントで、AIに関する調査が行われました。参加したのは、コカ・コーラ、Zoom、ウォルマートなど、米国のみならず世界を牽引する大手グローバル企業のCEO。小売、製造、テック、製薬、メディアなど、さまざまな業界のビジネスリーダーが集まり、調査に答えています。

↑友達になれない?

 

その結果、CEOの34%が「AIが10年後に人類を滅ぼす可能性がある」と回答。8%は「5年後に人類を滅ぼす可能性がある」と答えたのです。また、AIがもたらす可能性のある悪影響について、58%が「誇張されたものではない」と答えたことがわかりました。

 

実は先日、テック関連のCEOが中心となり、AIの危険から社会を守るための措置が必要であると声明を発表したばかり。この声明に署名した人の中には、ChatGPTを開発したOpenAIのサム・アルトマンCEO、Googleの副社長を務めていたジェフリー・ヒントンのほか、Microsoftなどの幹部もいます。

 

しかも、AI開発の第一人者と言われるヒントン氏は最近、自分が開発に携わった技術が、いかに知能化が進んでいるかを懸念し、その技術に警鐘を鳴らすことを決意したそう。ヒントン氏はCNNのインタビューで、「AIが人間よりずっと賢くなったら、人間がかけた制限を回避するなど、操作が非常にうまくなるだろう」と語っています。

 

EU議会は、生体情報を使った監視技術の利用禁止や、AIが生成したコンテンツの開示義務など、AI規制案の策定を進めており、日本でもそれを参考に規制について議論が進んでいます。

 

AIが人間にとって脅威的な存在であることは、AIの開発に最前線で携わる人が最も強く感じており、各種の規制が必要な段階が迫っているようです。

 

【主な参考記事】

CNN. Exclusive: 42% of CEOs say AI could destroy humanity in five to ten years. June 14 2023

奈落の底へ落ちる究極の恐怖!「暗闇バンジージャンプ」がスコットランドで大人気

勇気を出してジャンプすれば、とてつもない爽快感を楽しめるバンジージャンプ。その上を行くスリルを味わいたい人に昨今評判となっているのが、夜間に行う暗闇バンジージャンプです。

↑暗闇に放り出される恐怖(画像提供/Highland Fling Bungee)

 

このバンジージャンプを行っているのは、スコットランドのパースシャーにある「Highland Fling Bungee」(HFB)。高さ40mのガリー橋にジャンプ台が設置され、およそ30m~35mの高さを一瞬で落下します。落下速度は時速80km以上になるそう。

 

通常は明るい日中に行われるバンジージャンプですが、寒過ぎずにちょうど良い気候になるという10月〜3月の限られた日にだけ、周囲が真っ暗になる午後6時から10時までに「ブラックアウト・バンジー」が行われているのです。「ブラックアウト」とは「真っ暗」の意味で、文字通り暗闇の中のバンジージャンプです。

 

このアトラクションを行っているHFBでは、新しいスリリングを提供するために、このブラックアウト・バンジーを始めたそう。地面や周囲が見える昼間のジャンプとは違い、暗闇では何も見えず、自分がどこに向かっているのか、どこまで落ちるのか、わからなくなるのだとか。だからこそ、昼間のジャンプに比べて何倍にも恐怖が増すそうです。

 

奈落の底に突き落とされるような究極の恐怖を味わえる、このブラックアウト・バンジージャンプ。年に数回しか行われないそうですが、ヨーロッパでは唯一暗闇でのバンジージャンプを楽しめる場所ということもあり、チケットはいつも完売しているそうです。

 

ブラックアウト・バンジージャンプの料金は、一人94ポンド(約1万6900円※)。バンジージャンプにハマってしまった人や、たまらない恐怖感を味わいたい人などはチェックしてみてはいかがでしょうか(YouTubeショートはこちら)?

※1ポンド=約179.3円で換算(2023年6月16日現在)

 

【主な参考記事】

Daily Mail. The double-decker airplane seat is back. Here’s what it looks like now. June 14 2023 

「完全なヴィーガンではない」75歳のアーノルド・シュワルツェネッガーが毎日の食事を明かす

筋骨隆々の肉体派俳優の先駆け的存在である、シュワちゃんこと、アーノルド・シュワルツェネッガー。『ターミネーター』『プレデター』などに出演し、鍛え抜かれた身体を披露してきました。75歳になった現在でも、最盛期に比べれば身体がやや小さくなった印象はあるものの、それでも分厚い胸板やたくましい二の腕など、年齢を感じさせないボディは健在。そんなシュワちゃんが、Netflixで公開されたドキュメンタリー『アーノルド』などで日々の食生活について明かしています。

↑ご自慢の身体の秘密は?(画像提供/Men’s Health)

 

筋力アップに欠かせないのが、筋トレと合わせて食事と栄養の管理。特にたんぱく質は筋肉の材料となるものなので、良質のたんぱく質を摂取することが身体づくりには大切です。シュワちゃんがお気に入りのたんぱく源として挙げたのが、卵、サーモン、鶏肉、ベジバーガー、レンズ豆などの豆類。

 

お気付きかもしれませんが、鶏肉以外に肉類が入っていません。シュワちゃんは以前よりも肉を食べる量が8割ほど減ったそう。「完全なヴィーガンではない」と言っているように、菜食主義者とは言わないまでも、野菜中心の食事を取っていることを明かしたのです。

 

「肉を食べず、野菜中心では筋肉がしっかりつかないのでは?」と思う方がいるかもしれませんが、シュワちゃんはある研究結果を紹介しています。その内容によると、筋トレ後にエンドウ豆由来のプロテインを摂取した人と、牛乳由来のホエイプロテインを摂取した人を8週間比較したところ、体力と筋力の向上に大きな差は見られなかったそう。つまり、植物由来のたんぱく質でも、動物由来のたんぱく質を摂取したときと同様に、筋力や体力アップが期待できるというのです。

 

ヘルシーな野菜中心の生活になったというシュワちゃんが、現在毎日食べているというメニューは以下の通りです。

 

  • 朝食:オートミールかギリシャヨーグルトにグラノーラをプラス。ワークアウトの後に食べているそう
  • 昼食:基本はサラダ。プラントベースのハンバーガーやサーモン、チキン、オムレツなどと一緒に食べることも
  • 夕食:スープ。一日の最後の食事は軽めにしているそう

 

実にシンプルで、特別なものはあまりありません。ちなみにシュワちゃんは、ときには豪快にステーキや肉汁が溢れるようなハンバーガーを食べても良いと語っています。普段から基本の食生活を送っていれば、イレギュラーな食事をしても、その影響をあまり受けることはなく、すぐに元の身体に戻せるのかもしれません。

 

【主な参考記事】

Men’s Health. Arnold Schwarzenegger Has Revealed His Go-To Proteins Now That He’s 80% Vegan. June 14 2023

別の警察官はちゃんと見ていた——。米の警察官がスピード違反で逮捕される

米フロリダ州オーランドで先日、出勤中の警察官がスピード違反で別の警察官に捕まえられるという珍しいニュースが報じられました。「警察官だから警察には捕まらない」という考えは通用しないようです。

↑警察官であってもスピード違反はスピード違反

 

捕まったのは、アレクサンダー・シャウニ巡査。ちょうど出勤するところで、パトカーに乗ってライトもサイレンもつけずに、時速80マイル(約129km)の猛スピードで駆け抜けていったそう。しかし、そこは制限速度が時速45マイル(約72km)の道路でした。

 

たまたま反対車線を走行中だった別の警察官がクルマを折り返して、シャウニ巡査のパトカーを追跡。時速100マイル(約161km)以上を出して、シャウニ巡査のパトカーに追いつくと、彼はパトカーのライトを点灯させ、いったん道路に停止したというのです。

 

「仕事に行くのに、なんで俺を止めようとするんだ?」と聞くシャウニ巡査に対して、「制限速度が時速45マイルのところ、時速80マイルで走っていたからだ」と答え、運転免許証の提示を求めると、シャウニ巡査はそれを拒否。再びパトカーに乗って走り去っていったのです。

 

結局、彼が乗っていたパトカーの番号や制服につけられていたバッジから、シャウニ巡査は特定されました。スピード違反に加えて、ライトとサイレンをつけているパトカーからの逃走、警官への抵抗などの内容で捕まることとなったのです。

 

シャウニ巡査には「警察官だから制限速度以上のスピードで走っても誰にも捕まらない」という考えがあったのかもしれませんが、そんな話はまかり通るわけがありません。警察官だからこそ交通ルールをしっかり守ってほしいもの。おとがめなしで済まずによかったですが、せめてシャウニ巡査には逃げないでほしかったと思うのは私だけでないでしょう。

 

【主な参考記事】

New York Post. The double-decker airplane seat is back. Here’s what it looks like now. June 14 2023

ツアー、婉曲表現、インフレ率…。ビヨンセにスウェーデンが困惑

世界的歌手のビヨンセさんが2023年5月から世界ツアーを行なっています。スウェーデンの首都・ストックホルムから始まったこの『ルネッサンス・ワールド・ツアー』ですが、そのおかげで同国の5月のインフレ率が上昇したのではないかというニュースが世界を駆け巡っています。

↑スウェーデンを惑わすビヨンセ

 

このツアーはストックホルムでは5月10〜11日の2日間行われ、合わせて9万人以上の観客を動員したそうですが、その影響でコンサート会場の近くにあるホテルの価格が高騰したと見られています。ダンスケ銀行のミカエル・ゲロンさんは、ビヨンセさんのコンサートがインフレ率を0.2ポイント上げたと推定。「こんなことは初めてだ」と述べています。

 

スウェーデンのインフレ率は4月が10.5%でした。5月には9.5%ぐらいまで下がるだろうという見方が市場では広がっていたようですが、実際には9.7%までしか下がらず、同国はがっかり。

 

この予想外の結果にビヨンセさんのコンサートが影響していると考えられていますが、スウェーデンの地元メディアを見てみると、ビヨンセさんが同国を落胆させたのは、これだけではないよう模様。

 

ルネッサンスはストックホルムの次に、ベルギーの首都・ブリュッセルでライブを行いました。そこでビヨンセさんはファンに向かって「これまでのところ、あなたたちが最高の観客」と言ったそう。これを聞いた観客の中には、「スウェーデンでのライブがそれほど盛り上がらなかったことを遠回しに批判している」と解釈した人もいたようです。この出来事はスウェーデンでニュースになったそうですが、いま同国はビヨンセさんからダブルパンチを食らった気分かもしれません。

 

【主な参考記事】
The Local. Bills, bills bills: Beyoncé blamed for Sweden’s inflation disappointment. June 14 2023

パリがネズミに敗北宣言! 600万匹と共生できるか?

花の都と呼ばれるパリ。そのイメージとは裏腹に、このフランスの首都は以前からネズミに悩まされてきたことをご存知でしょうか? これまでにパリはネズミを撃退しようと対策を講じてきたものの、あえなく敗れてきました。そして先日、戦略の見直しを発表。戦いを諦めたパリは、ネズミと共存する道を模索することにしたのです。

↑パリを制圧

 

パリとネズミの物語は大昔までさかのぼります。14世紀に中世ヨーロッパで腺ペスト(黒死病)が流行した際、ネズミはその原因とされました。しかし、19世紀後半に普仏戦争でパリがプロイセン王国に包囲された際、ネズミは貴重な食べ物になったそう。

 

近年では、パリにおけるネズミの数は600万匹前後で安定して推移していたとされていますが、それでもパリ市民にとっては不快でした。パリは2017年に170万ユーロ(約2億5700万円※)を投じて、対ネズミ計画を実施。この作戦では、密封されたゴミ箱をパリ中に導入したり忌避剤を広範囲にまいたりしました。しかし、この攻撃もネズミを倒すには不十分だったようです。
※1ユーロ=約151.2円で換算(2023年6月14日現在)

 

逆に、2023年春に発生したごみ収集員のストライキによってパリ中がごみだらけになり、ネズミが反撃に出たのではないかと見られています。

 

そして6月上旬、パリはネズミと平和に共存するための調査委員会を設置せざるを得なくなりました。この動きは賛否を呼んでいます。政治家の中には「パリはこれに甘んじてはならない」と落胆した声がある一方、動物愛護団体は今回の動きを前向きに評価し、「有害生物の駆除ではない方法を支持する」と声明を発表しています。

 

果たしてパリ市民はネズミとの共生社会を実現することができるのでしょうか?

 

【出典】

Politico. Paris needs to learn to live with rats, mayor concedes. June 9 2023

CNN. Can humans and rats live together? Paris is trying to find out. June 10 2023

 

イーロン・マスク「人間はすでにサイボーグだ」と発言。その根拠に注目集まる

実業家のイーロン・マスク氏が6月12日、「私たちはすでにサイボーグだ」とツイッターで発言しました。

↑人間はもうロボットなの? 教えて、AI

 

同日、あるツイッターユーザーが「なぜAIが世界を救うのか」という話題の中で、私たちがどれくらいAI化しているのかを計測している人はいるかと質問。これに対してマスク氏はそう反応し、少しだけ議論を展開しています。

 

私たちの記憶は驚くほどたくさんコンピューターにアウトソース(外部に委託)されており、コンピューターはそれら全てを非常に正確に覚えている、と同氏は言います。しかし、人間にできてAIにできないことが世の中にはまだたくさんあるので、私たちの思考のアウトソースは——いまのところ——はるかに少ないと論じています。

 

この見解に対して、別のツイッターユーザーは「人間が記憶をアウトソースするのは新しいことではない。何千年とカレンダーや紙、計算機、そろばんを使ってきた」と反論。記憶のアウトソースという前提だけでは説得力に欠けるようです。

 

世界各国がAI競争で遅れを取らないようにしつつ、どのように規制するかを議論していますが、市民レベルでは人間のサイボーグ化に反対する人や懐疑的な人は少なくありません。「私たちはすでにサイボーグだ」という発言によってマスク氏の認識は知ることができましたが、そう断言するのは論理の飛躍かもしれません。

 

【出典】

Mirror. Elon Musk claims people are ‘already cyborgs’ because machines maintain memories. June 12 2023

40歳でリタイアできる!? 米国の金融専門家が考えた方法に賛否両論

近年、定年退職の時期は60歳から65歳に、さらには70歳へと、どんどん遅くなっています。もはや60歳までに引退するというのは多くの人にとって夢物語になっていますが、最近、TikTokで「40歳でリタイアすることは可能だ」と主張する人が登場。米国を驚かせています。

↑超早く引退するのは諸刃の剣

 

40歳での引退を可能と主張するのは、金融の専門家であるマイク・テイラーさん。その考え方は、10代からとにかく節約に努め、40歳から楽をしようということ。レーザービームのような集中力が何よりも大切だと言います。

 

10代からの倹約には、さまざまな努力が必要。旅行や飲み会の誘いを断ったり、ワークライフバランスを諦めて仕事に専念したり。教育面で自分に投資をして自分の専門的な技術や知見を高める一方、若いうちから退職年金制度に投資をすることも有効と述べています。不動産でお金を運用するというアイデアも上がっていますが、とにかく若いうちから訓練してお金を貯めなければなりません。

 

「何事もそうですが、何かを犠牲にしなければ実現できません」とテイラーさんは言います。彼の動画はTikTokで1万回以上再生されているようで、賛同する声もあれば、もちろん反論もあるそう。老後のために若さを無駄にするなという意見もあるようです。

 

昨今では、AIが発展すれば、退職時期は早くなり、引退後の生活や余暇の時間がもっと長くなるという楽観的な見方がありますが、AIの力を活用してでも、40歳に引退できる人はそう多くないかもしれません。

 

【参考記事】
Newsweek. Finance Expert Shares Top Tips to Retire at 40—And You Need ‘Laser Focus’. June 9 2023

世界新記録を樹立! 米教授が100日間「海中で暮らす」ことに成功

6月9日、米・サウスフロリダ大学のジョセフ・ディトゥリ教授が100日間、海中で暮らすことに成功し、世界記録を更新。久しぶりに地上に姿を現しました。

↑海中で100日過ごしてわかったこととは?

 

「ドクターディープシー(Dr. Deep Sea)」とも呼ばれる同教授は、水深9.14mにある「ジュールズアンダーシーロッジ(Jule’s Undersea Lodge)」と呼ばれる非常に狭い空間でただ一人、水圧を調整せずに過ごしました。

 

これまでの最長記録は、2014年に米国の教授2人が同じ場所で樹立した73日2時間34分。今回の新記録はギネス世界記録に申請中とされていますが、元米海軍の将校で生体医用工学の博士号を持つディトゥリ教授は記録のためにやったわけではないと言います。「水中や極限状態に対する人間の忍耐力を高めることが目的だった」

 

人間の意識と身体が極限状態でどのような反応を示すかを調べるために行われたこのプロジェクトで、同教授は水中で毎日実験を行い、データを収集していました。2023年11月に英・スコットランドで行われる学会で発表する予定。今回の実験結果は海洋調査員や宇宙飛行士の役にも立つと見られています。

 

3月1日以来、太陽の光を浴びていなかったディトゥリ教授。5月に記録を更新した際、「一番恋しいのは太陽」と述べていましたが、私たちにも日の光のありがたさが伝わってきます。

 

【参考記事】

AP. Florida’s ‘Dr. Deep’ resurfaces after a record 100 days living underwater. June 10 2023
BBC. Florida professor breaks record for time spent living underwater. May 15 2023

どうして現金ではダメなの? キャッシュレス化した英国の12歳が語る新時代のお金感覚

世界各国でキャッシュレス化が進む中、10代の子どもたちがお金に対してどのような感覚を持っているのか気になりますよね。英国メディアが6月8日(現地時間)に掲載した記事の中で、12歳のアリシア・ランバートさんが現金よりカードのほうが良いと述べています。どうしてそう思うのでしょうか?

↑断然こっちでしょ

 

指紋認証決済を導入する学校

ランバートさんは学校で昼食を買うとき、現金を使いません。英国では多くの場所でカード決済しかできなくなっていますが、学校の中にはその先を行く所もあるそう。それが生体認証決済です。

 

ランバートさんが通う学校はその一つ。同校の制度では生徒の指紋と名前が紐づけられ、親がお金を振り込みます。利用制限は1日に5ポンド(約875円※)まで。親は子どもが何に・いくら使ったのかを確認することが可能。学校以外の場所でこのシステムは使用することができません。
※1ポンド=約175円で換算(2023年6月9日現在)

 

それでも、これがすごく便利。「指紋は家に忘れることがないから、学校で困らない」とランバートさんは言います。

 

監視というより管理

ランバートさんは12歳の誕生日を迎えた後に銀行で口座を開き、デビットカードを使い始めました。9か月間使ってみた結果、お金を管理するうえで、デビットカードは現金よりも簡単かつ安全だと考えるようになりました。

 

その理由の一つが、少し高価な物を買うとき、現金を持ち歩くより、銀行口座に預金しておくほうが安全だから。カードが盗まれた場合でも、カードの利用停止、再発行、身に覚えのない引き落としがあった場合には補償の手続きが簡単。現金が盗まれたら、そう簡単にお金を取り戻すことはできません。

 

さらに、ランバートさんは現金の場合、レシートをきちんと管理しない限り、どこで・いつ・何に・いくらお金を使ったのかを把握することは難しいと言います。それに対して、デビットカードはアプリで残金や支出、入金などの記録を簡単にチェックできると述べています。

 

プライバシーを重視する人にとっては、まさにこの点が現金の良さであると同時にデジタル決済の怖さなのですが、ランバードさんの世代の感覚は違うようです。

 

現金拒否

ランバートさんは現金で苦い経験もしたそう。ロンドンのウェンブリー・スタジアムに女子サッカーのFA杯決勝戦を観戦しに行ったとき、たまたまデビットカードを家に忘れてしまったそう。しかし、パパがお小遣いを現金で多めに持たせてくれたので「大丈夫」と思っていたら、あることに気が付きました。

 

ウェンブリースタジアムは完全にキャッシュレス化していた!

 

せっかく現金を使おうと思ったのに、現金で支払うことが全くできない。このときの経験がランバートさんをさらにカード派にしたようです。

 

主にデビットカードと現金を比べながら、前者の長所ばかりを取り上げているのがこの記事の弱点ですが、キャッシュレス化した子どもの感覚がよくわかります。きっと頭を悩ませている親は少なくないでしょう。

 

【出典】
This is MONEY. I’d rather not have cash (and the one time I relied on it I couldn’t spend it): A school student on why her generation prefers cards – and the best kids accounts. June 8 2023

中国の13歳少女、モバイルゲームに900万円近くを乱費! 親の貯金が空っぽに…

ゲームにはまってしまうと、昼夜を問わず夢中になって遊び続け、見境なくお金を注ぎ込んでしまう……。昨今そんな出来事が国内外で度々報じられています。最近、中国で起きた13歳の少女の場合も同じ。親のデビットカードで900万円近くも浪費してしまったというのです。

↑金銭感覚がなくなる…

 

両親がそのことを知ったのは、娘さんが通う全寮制学校の教師から来た1本の電話がきっかけでした。この先生は少女がモバイルゲームにはまっていることを心配し、両親に相談したそうです。それを受けて両親が銀行口座を確認すると、わずか7セント(約10円)しか残っていなかったとのこと。

 

結局わかったのは、少女が1月から5月までの5か月間で、およそ6万4000ドル(約891万円※)を使ったということ。ゲームのアカウント購入のために1万6800ドル(約234万円)、ゲームの課金に3万ドル(約417万円)。さらにクラスメート10人のゲーム購入にもお金を使っていたそうです。どうやらこの少女がゲームにどんどんお金をつぎ込んでいることから、クラスメートが彼女にゲーム購入をせびっていたようです。

※1ドル=約139.25円で換算(2023年6月9日現在)

 

少女のお金の出どころは、母親からもらったデビットカード。以前、買い物をする際にパスワードを教えられていたため、そのカードを使ったそうです。しかも、両親に見つからないように、カードの取引記録などはこっそり削除していたとのこと。

 

日本の平均年収をはるかに超える金額を、ごく短期間で使い果たしてしまった少女。「お金がどこから来るのか、いくら使ったか、わからなかった」と泣きながら話しているそうです。また、銀行口座にあったはずの貯金が空っぽになってしまった両親は唖然としているとのこと。

 

両親は、決済会社に連絡を取り返金を求めていますが、まだ全て回収できていないそうです。

 

【主な参考記事】

Insider. A teenage girl found her mom’s debit card and spent $64,000 on mobile games, wiping out her family’s life savings. June 6 2023

このままではサービスの一時休止も…。米国の郵便配達員の5300人が犬に噛まれていた

米国では、郵便配達員は危険を伴う仕事なのかもしれません。

↑犬が襲ってきたら、集配かばんで防御

 

米国の郵政公社が先日発表した内容によると、2022年に仕事中に犬に噛まれた職員は5300人以上。2021年は5400人以上もいたので、減少したとはいえ、かなりの数の配達員が怖い目に遭っているのです。

 

州別に見ると、最も多かったのがカリフォルニア州(675件)で、次いでテキサス州、ニューヨーク州、ペンシルベニア州でした。犬に噛まれた職員が多かった都市にはヒューストン、ロサンゼルス、ダラス、クリーブランドの名前が挙がりました。

 

配達員が犬に噛まれる住宅では、飼い犬が鎖につながれたり、柵の中にいたりするのではなく、庭で放し飼いにされている場合が多いと考えられます。

 

しかし、これだけ犬に噛まれる配達員が多いと、郵政公社もなんらかの対策を講じなければならないでしょう。犬を見つけても気軽に撫でるようなことはせず、敷地内に入るときはあえて音を立てることで人がいることを犬に認識させるなど、配達員に指導しているとのこと。また、犬が攻撃してきたら、集配かばんを盾にしたり犬よげグッズを準備したりする指示も出しているそうです。

 

それでも飼い犬によって郵便物の配達が難しい場合には、その地域一体の郵便配達サービスを一時休止し、住民は自分で郵便局まで郵便物を取りに行くなどの措置も考えなければならないとのこと。

 

それぐらいのことをしないと、郵便配達員の安全は守れないのかもしれません。

 

【主な参考記事】

NPR. Dogs attacked more than 5,300 mail carriers last year, the Postal Service says. June 4 2023

革新的でも思わぬ欠点が…。世界で賛否を呼ぶ「ダブルデッカー式エコノミークラス」

エコノミーの座席は、前の座席との間隔が狭く、両足を伸ばすことがなかなか難しいもの。そんな問題を解決しようと提案されているのが、高さが異なる座席を交互に並べたダブルデッカーの座席です。

↑名案?(画像提供/CNN)

 

この座席を提案しているのは、座席を設計する23歳のアレハンドロ・ヌニェス・ビセンテ。先日、ドイツで開催された「エアクラフト・インテリア・エキスポ」でこの座席スタイルを発表し、たちまち世界で話題を呼ぶことになったのです。

 

身長が188㎝と大柄のアレハンドロさんはエコノミー席を利用すると、いつも足元が窮屈で眠れずに過ごしたことが何度もあったそう。そこで、足元に余裕を持たせるために、このような座席を考えたのです。フランス語で「長い椅子」を意味する「Chaise Longue」と名付けられたことからも、その意図が伝わるでしょう。

 

座席は、高さの異なる2層式。数段のステップを上がって席につく上段と、ステップがなくそのまま座る下段が、交互になっているため、従来の形より足もとに余裕があります。すぐ後ろに人が座っているわけではないので、座席を後ろに倒しやすいメリットも。また、下段の座席は折りたためるため、そこを車いすの乗客のスペースとして利用することも可能。

 

従来のシートでは、前の座席の背面にディスプレイがついており、映画などのエンターテイメントを楽しむことができますが、それは乗客が持ち込むスマホなどのデバイスを利用することを想定しているそうです。

 

このニュースを見た海外ユーザーからは、「背が高い自分にはウェルカムだ!」「革新的なデザイン!」と歓迎する声が寄せられています。その一方で、「前の席の人のおならが近い……」と、下段に座った場合に上段に座った乗客のお尻が近くなることを懸念する声が少なくない模様。「もし前に座った人がおならをしたら、その臭いが直撃しそう……」と思うのかもしれません。

 

航空会社から見れば、この座席スタイルには座席数を増やせるメリットがあります。安全性の問題など、実現にはさまざまなハードルがあるようですが、もしこんな座席があったら利用したいと思いますか?

 

【主な参考記事】

CNN. The double-decker airplane seat is back. Here’s what it looks like now. June 6 2023

入学式や入社式にびっくり! なぜフランス人は日本の行事に驚愕するのか?

東京大学名誉教授の養老孟司氏が、2023年に出版した『ものがわかるということ』(祥伝社)で述べているように、日本と西洋では「自分」に対する考え方が違います。明治時代まで日本人は自分をことさら意識してこなかったのに対して、西洋人は自己をはっきり意識します。理論的にそうだとすれば、実際に欧米の社会はどうなっているのでしょうか? フランスを調べてみると、学校や会社における人々の行動が日本と全然異なることがわかりました。

↑入社や入学は個人の問題だと考えるフランス人

 

桜の開花とともに始まる日本の新年度は、社会全体が新しい生活を予感させるワクワク感に包まれているような気がします。そんな日本と違って、フランスの新年度は夏の気だるさを引きずりながら9月に始まります。

 

フランス人は入学式や入社式を人生の大事な節目と考えておらず、そのため、入学式や入社式といった、みんなが一緒に参加する儀式もありません。

 

新年度が始まる夏季休暇明けの9月に普段の職場の景色と違うことと言えば、こんがり日焼けした同僚たちと休憩時間にバカンスや夏の出来事についておしゃべりするぐらいです。

 

その一方、学校でも入学式や始業式はなく、子どもたちは普段通りに登校します。加えて、成長の早い子の飛び級は昔から特別ではないことが、日本の学校との違いとして挙げられます。

 

フランスの大学生には就職活動期間というものもなく、個人的に研修し会社側がタイミングを見て採用するのが一般的。転職やキャリアアップしてからの入社も多いため、新入社員の年齢や出社時期もさまざま。そのため、年度初日に新入社員が集団で出社するのは不要という考え方です。

 

このようなフランス人の行動の背後にあるのが、集団よりも個人を優先させる「個人主義」。フランスには日本のように社会全体で節目を大切にする習慣が特になく、それよりも個人の感覚や都合のほうが大切とされています。だから、新生活に向けた社会全体の高揚感や期待感もさほど高くはありません。

 

そんなフランス人に日本の入学式や入社式について説明すると、概ね反応は二通り考えられます。一つ目は「面白い」という反応。実際、フランスには日本の文化を紹介するウェブサイトがたくさんあり、その中には入学式を説明しているものもあります。もう一つの反応は「なんて大げさなんだ!」と驚かれること。フランス人はしばしば世界最高の「ペシミスト」と呼ばれますが、個人主義の対極にある考え方には悲観的なのかもしれません。

 

執筆者/Mayumi Folio

入学式や入社式にびっくり! なぜフランス人は日本の行事に驚愕するのか?

東京大学名誉教授の養老孟司氏が、2023年に出版した『ものがわかるということ』(祥伝社)で述べているように、日本と西洋では「自分」に対する考え方が違います。明治時代まで日本人は自分をことさら意識してこなかったのに対して、西洋人は自己をはっきり意識します。理論的にそうだとすれば、実際に欧米の社会はどうなっているのでしょうか? フランスを調べてみると、学校や会社における人々の行動が日本と全然異なることがわかりました。

↑入社や入学は個人の問題だと考えるフランス人

 

桜の開花とともに始まる日本の新年度は、社会全体が新しい生活を予感させるワクワク感に包まれているような気がします。そんな日本と違って、フランスの新年度は夏の気だるさを引きずりながら9月に始まります。

 

フランス人は入学式や入社式を人生の大事な節目と考えておらず、そのため、入学式や入社式といった、みんなが一緒に参加する儀式もありません。

 

新年度が始まる夏季休暇明けの9月に普段の職場の景色と違うことと言えば、こんがり日焼けした同僚たちと休憩時間にバカンスや夏の出来事についておしゃべりするぐらいです。

 

その一方、学校でも入学式や始業式はなく、子どもたちは普段通りに登校します。加えて、成長の早い子の飛び級は昔から特別ではないことが、日本の学校との違いとして挙げられます。

 

フランスの大学生には就職活動期間というものもなく、個人的に研修し会社側がタイミングを見て採用するのが一般的。転職やキャリアアップしてからの入社も多いため、新入社員の年齢や出社時期もさまざま。そのため、年度初日に新入社員が集団で出社するのは不要という考え方です。

 

このようなフランス人の行動の背後にあるのが、集団よりも個人を優先させる「個人主義」。フランスには日本のように社会全体で節目を大切にする習慣が特になく、それよりも個人の感覚や都合のほうが大切とされています。だから、新生活に向けた社会全体の高揚感や期待感もさほど高くはありません。

 

そんなフランス人に日本の入学式や入社式について説明すると、概ね反応は二通り考えられます。一つ目は「面白い」という反応。実際、フランスには日本の文化を紹介するウェブサイトがたくさんあり、その中には入学式を説明しているものもあります。もう一つの反応は「なんて大げさなんだ!」と驚かれること。フランス人はしばしば世界最高の「ペシミスト」と呼ばれますが、個人主義の対極にある考え方には悲観的なのかもしれません。

 

執筆者/Mayumi Folio

入学式や入社式にびっくり! なぜフランス人は日本の行事に驚愕するのか?

東京大学名誉教授の養老孟司氏が、2023年に出版した『ものがわかるということ』(祥伝社)で述べているように、日本と西洋では「自分」に対する考え方が違います。明治時代まで日本人は自分をことさら意識してこなかったのに対して、西洋人は自己をはっきり意識します。理論的にそうだとすれば、実際に欧米の社会はどうなっているのでしょうか? フランスを調べてみると、学校や会社における人々の行動が日本と全然異なることがわかりました。

↑入社や入学は個人の問題だと考えるフランス人

 

桜の開花とともに始まる日本の新年度は、社会全体が新しい生活を予感させるワクワク感に包まれているような気がします。そんな日本と違って、フランスの新年度は夏の気だるさを引きずりながら9月に始まります。

 

フランス人は入学式や入社式を人生の大事な節目と考えておらず、そのため、入学式や入社式といった、みんなが一緒に参加する儀式もありません。

 

新年度が始まる夏季休暇明けの9月に普段の職場の景色と違うことと言えば、こんがり日焼けした同僚たちと休憩時間にバカンスや夏の出来事についておしゃべりするぐらいです。

 

その一方、学校でも入学式や始業式はなく、子どもたちは普段通りに登校します。加えて、成長の早い子の飛び級は昔から特別ではないことが、日本の学校との違いとして挙げられます。

 

フランスの大学生には就職活動期間というものもなく、個人的に研修し会社側がタイミングを見て採用するのが一般的。転職やキャリアアップしてからの入社も多いため、新入社員の年齢や出社時期もさまざま。そのため、年度初日に新入社員が集団で出社するのは不要という考え方です。

 

このようなフランス人の行動の背後にあるのが、集団よりも個人を優先させる「個人主義」。フランスには日本のように社会全体で節目を大切にする習慣が特になく、それよりも個人の感覚や都合のほうが大切とされています。だから、新生活に向けた社会全体の高揚感や期待感もさほど高くはありません。

 

そんなフランス人に日本の入学式や入社式について説明すると、概ね反応は二通り考えられます。一つ目は「面白い」という反応。実際、フランスには日本の文化を紹介するウェブサイトがたくさんあり、その中には入学式を説明しているものもあります。もう一つの反応は「なんて大げさなんだ!」と驚かれること。フランス人はしばしば世界最高の「ペシミスト」と呼ばれますが、個人主義の対極にある考え方には悲観的なのかもしれません。

 

執筆者/Mayumi Folio

サッカー界でも多極化? メッシのMLS移籍で浮かび上がる「米国VSサウジアラビア」の対決

世界最高のサッカー選手の一人、リオネル・メッシが、米MLSのインテル・マイアミに移籍することになりました。メッシ選手は現在35歳。この年齢はサッカー界では「超ベテラン」になるかもしれませんが、この移籍の裏ではサウジアラビアが米国に挑戦状を叩きつけているようです。

↑サウジではなく米国を選んだメッシ

 

メッシ選手の移籍が決まった一方、フランスのスター選手、カリム・ベンゼマ(同じく35歳)がスペインのレアル・マドリードからサウジアラビアのアル・イテハドに移籍することが発表されました。2022年からサウジアラビアのアル・ナスルに所属するクリスティアーノ・ロナウド選手に続いて、新たなベテランのスター選手がサウジアラビアのクラブに移籍した格好です。

 

大ベテランのスター選手を次々に獲得するサウジアラビアの動きは何を意味するのでしょうか? スポーツ経済学を専門とするステファン・シマンスキー教授(米ミシガン大)は、MLSにとって痛手であると見ています。

 

これまでにも米国や日本、中国などが引退間際の世界的選手を獲得することで、国内リーグのレベルと認知度の向上を図ってきました。例えば、最近までJリーグのヴィッセル神戸には元スペイン代表のアンドレス・イニエスタ選手が在籍していました(神戸を退団することになった同選手はサウジアラビアへの移籍が取り沙汰されています)。MLSでは2007年にデビッド・ベッカムがロサンゼルス・ギャラクシーに移籍。それ以降、数々の大物選手が欧州から米国に渡り、MLSの人気は拡大したと言われています。

 

しかし、ここに来てMLSにサウジアラビアというライバルが出現。MLSもロナウドやベンゼマを狙っていた一方、サウジアラビもメッシが欲しかったと言われています。サウジアラビアの出現で、これからMLSは引退間際のスター選手を獲得するために、いままで以上に多くのお金を支払わなければならなくなるとシマンスキー教授は論じています。

 

スポーツ経済学から少し視点を変えれば、米国とサウジアラビアの関係は外交面でも転換期を迎えています。サウジアラビアは米国と距離を置き、中国やロシアに接近していると言われています。この世界の「多極化」とサッカー界の動向は重なっている部分があるように見えますが、MLSもサウジアラビアのプロリーグも、サッカー界で覇権を握る欧州に対抗することはすぐにできないとシマンスキー教授は示唆。とはいえ、サウジアラビアはサッカー界の勢力図を塗り替えるかもしれません。

 

【出典】
Stefan Szymanski. Messi is heading to the US as Saudi Arabia kicks off bidding war with MLS for aging soccer stars. The Conversation. June 7 2023

消費者の20%がボイコット。英で「シュリンクフレーション」との戦いがヒートアップ

商品の販売価格はそのままで、内容量が収縮していく「シュリンクフレーション」。日本でもこの経済現象は見られますが、英国では消費者の間で、シュリンクフレーションした商品への静かなボイコット運動が起きているようです。

↑中身だけ減った気がしたら、立ち上がれ!

 

英国ではシュリンクフレーションが続出している模様。例えば、同国を代表するマクビティのダイジェスティブビスケットは内容量が400gから360gに減りましたが、販売価格は変わらないそう(日本では同製品をアマゾンで購入することが可能で、価格は(2枚X6袋)X12個で4291円(税込)となっており、1個あたり358円と記載されています〔2023年6月7日現在〕)。ほかにもプリングルスが200gから185gに減ったと言われています。

 

ロンドンに拠点を置くバークレイズ銀行が調べたところ、ビスケットやポテトチップスなどで起きるこの現象に英国の消費者の3分の2は気付いていると言われています。さらに、消費者の20%はシュリンクフレーションした商品に見切りをつけ、代わりにまとめ買いをしたり、比較的お手ごろ価格で入手できる自社ブランド商品を買ったりしているようです。

 

この行動が「ボイコット」と表現されていますが、実際に消費者は暴力的な運動を起こしておらず、静かに戦っている様子。このようにシュリンクフレーションに抵抗することで、英国の消費者は製造業者に考え直すよう求めています。

 

スーパーに行って、いままでより中身が少なくなった商品を見つけたら、「気のせいかな……私の手が大きくなっただけ?」とは思わず、「中身が少なくなった商品にもっとお金を払うなんてマジでうんざり」と思え、とThe Guardianはユーモアを交えて言っています。世界各国で消費者とシュリンクフレーションの戦いは続きそうです。

 

【参考記事】

The Guardian. Shrinkflation boycotts: have you joined the uprising against downsizing?. 2023 June 6

Yahoo Finance UK. Shrinkflation and stagflation: What are they and how could they affect your finances. 2023 June 6

2年間、毎月27万円がタダでもらえると人間はどうなる? 英がベーシックインカムの実験を計画

これから英国のイングランドで初のベーシックインカム(※1)の実験が行われる可能性があり、賛否を呼んでいます。

※1: ベーシックインカムとは、国民に最低限度の生活を保障するために、無条件かつ定期的に現金を給付する政策(参考:現代カタカナ語辞典)

↑賛否両論のベーシックインカム

 

シンクタンクのAutonomyが計画しているこの実験では、30人の参加者に2年間、毎月1600ポンド(約27万7000円※2)が「タダ」で支払われます。参加者は全く働かなくてよく、仕事を探したり、働く意欲を見せたりする必要もありません。研究者は、このお金が参加者の生活や心身の健康にどのような影響を与えるかを観察する予定。
※2: 1ポンド=約173円で換算(2023年6月7日現在)

 

この実験に賛否両論が巻き起こりました。賛成の人たちはベーシックインカムのさまざまな長所を挙げます。貧困の撲滅につながったり、より多くの子どもたちが教育を受けることができるようになったり、犯罪を減らしたり。Autonomyの関係者は「ベーシックインカムには複雑な福祉制度を簡素化し、英国の貧困問題と戦う武器になり得る」と言います。

 

しかし、反対意見も少なくありません。この仕組みを維持するには莫大な費用がかかるという指摘もあれば、受給者はお酒やたばこなどにお金を無駄遣いするという声もあります。また、ベーシックインカムの金額はみんな同じとされていますが、受給者の住んでいる所は異なります。そのため、高級なエリアに住んでいる人にとってはメリットが少ないとも。

 

Autonomyはそのような短所を認めつつ、定期的な所得があることで、受給者はお金の使い方について長期的に考えるようになり、快楽消費は減ると見ています。

 

同シンクタンクでリサーチディレクターを務めるウィル・ストロング氏は「気候変動や破壊的技術、これから起きる産業革命を考慮すると、私たちはこれから何らかの形でベーシックインカムが必要になる」と述べています。

 

この実験が実施されて成功すれば、英国政府はどんどん大きくなりそうですが、その代償も気になるところです。

 

【主な参考】

This is MONEY. Sit around, do nothing… and get paid £1,600 a month! Universal income benefits trial will see people rake in cash for doing zilch. 2023 June 5

日本も無視できない新技術が登場! イスラエルで「空気から水を作る」競争が激化

人口の増加や気候変動、水紛争を原因とした「水の危機」が世界中で懸念されている中、注目を集めているのが「空気から水を作る技術」。イスラエルでは最近、その開発競争が激しくなっているようです。

↑イスラエルから水の衝撃

 

空気を水に変える奇跡の技術がイスラエルに現れたのは、さかのぼること2012年。「Watergen」というスタートアップが、空気を冷やし、液化して水にする、エアコンみたいな機械を開発しました。

 

それ以降、この技術の開発競争は加速。最近では、「H2oll」という同じくイスラエルのスタートアップが、Watergenの仕組みをもとにしつつ、同社と比べてより安く、より効率的で、より持続可能な技術を生み出しました。

 

H2ollの新しい所は、空気全体を冷やす代わりに、抽出した水分子だけを冷やして水に変えること。詳しい仕組みは不明ですが、濃厚塩溶液や「液体乾燥」と呼ばれる方法が使われているようです。

 

H2ollの「冷やす対象を絞った方法」では、エネルギーの節約が可能と言われています。それでも、空気から水を生み出す中では電気代がかなりの出費になるそう。この費用を抑えるために、同社は太陽光発電の導入を模索していると言います。

 

空気からできた水は、費用がペットボトルの水の半分で済むだけでなく、品質も水道水よりきれいだとH2ollのCEOは述べています。同社は、この技術を政府や潤沢な資金を持つ組織に販売したり、飲んだ分だけ支払う方式で提供したりすることを検討中。スーパーに導入される可能性もあるようです。

 

H2ollは、この新技術によって空気から水を作る分野を「劇的に変える」自信があるとのこと。イスラエル工科大学で政府の支援を受けながら研究されていたこの技術には、アメリカ軍のエンジニアも注目しているようです。

 

翻って日本では、水の危機と聞けば、「途上国の問題か」と無関係に思ってしまう人もいるかもしれませんが、水紛争の要因の一つには「水の所有権の問題」が挙げられています。その視点から見れば、日本でも水道民営化が起きており、水の所有権を真剣に考える時が来ているのですね。空気から水を生み出す技術は日本企業も持っており、最近エジプトに輸出されています。私たちも「どうやって水を守るのか?」と考えてみたら、この技術に対する見方が変わるかもしれません。

 

【主な参考】

NoCamels. New Generation of ‘Miracle’ Water-From-Air Machines. 2023 June 4

国土交通省. 水資源問題の原因. 2023年6月6日閲覧

朝日新聞. 全国初の上水道民営化、宮城で始まる 料金や災害復旧…残る不安. 2022年4月1日

ラグビーW杯まであと約3か月! 注目度が増す「フランス」の勘違いされている食文化

コロナ禍明けの日本で関心が高まりつつある海外旅行。日本旅行が2023年版海外旅行の人気ランキングを3月に発表していましたが、注目は第7位のフランス。2023年9月には日本も参加するラグビーワールドカップを開催し、これから注目度がどんどん上がりそうです。

↑え、道路でバゲットを食べるのはマナー違反?

 

同大会は外国から60万人の観戦者を受け入れる見込みで、試合を楽しむだけでなく、フランスの多様で豊かな文化を体験してほしいと考えているそう。では、世界中の人々はフランスの文化ついてどう見ているのでしょうか?

 

そこで、今回はフランスの食に注目しながら、主に英語圏の情報を調査。いくつか興味深い記事を見つけて、フランス人に確認してみました。すると、結構デタラメなことが判明。英語圏の人たちの思い込みが、ネット空間でフランスの食文化のイメージをある程度形成しているのではないかとさえ思えてきます。英語圏で語られているフランスの食を巡る「おかしな」マナーや文化を3つ取り上げましょう。

 

1: 路上で食べてはいけない

フランス人といえば路上でバゲットを食べるイメージがありますが、英語圏の情報でまず驚いたのが、「フランスでは路上で食べ物を食べてはいけない」という話。フランスを象徴する食べ物・バゲットだけは例外とも言われています。

 

しかし、実際にフランス人の男性やママさんに聞いてみたところ、「そんな話は聞いたことがないし、誰もそんなことは考えてないと思う。なんで路上で食べてダメなの?」とのこと。もしそのような条例やルールがあったとしても、フランス人は誰も守らないだろうと言われています。

 

2: 職場のデスクで食べない

路上での飲食と同じようなバイアスは、ビジネスシーンでも見られます。英語で書かれたこの記事によれば「フランスの職場ではデスクで食事をしてはいけない」とのこと。労働環境を整える観点から、従業員が仕事をする場所(例えば、パソコンデスク)で食事を取ることは法律で禁じられています(新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにこの法律は緩和されたと同記事は述べています)。

 

今回の調査でその法律を詳しく調べることはできませんでしたが、フランス人に確認してみたところ、実際は少し異なるようです。確かにフランス人はデスク(作業をする場所)で基本的に食べませんが、職場にはキッチンや休憩室のような場所があり、そこで食事を取ることが一般的。経営者側は食事を取る空間や休憩室を社内に設置することを国によって義務化されているのです。そのため、フランス人も職場で昼食を食べるのですね。

 

さらに、コロナ禍で変化したことは、フランス人の間で「職場にお弁当を持参する」という文化が根付いたこと。これまでのフランスでは「ランチは外食」が主流でしたが、コロナ禍明けの現在では、かなりの数のフランス人がお弁当持参に切り替わって、職場で食べることが主流になりつつあります。

 

3: お子さまメニューはない

海外のあるツアー会社が英語で書いた記事などによれば、フランスでは、子どもでもこのような自国の食文化を誇りに思っているそう。だから、フランス人は食事において大人と子どもを区別せず、「子どもは親と同じ料理を食べるのが当たり前」という考え方から、レストランなどではお子さまメニューがないと思われています。

 

しかし、フランス人に確認したところ、これは完全な間違い。どこのレストランでもお子さまメニュー(フランス語で「Menu enfant」)があり、ないところのほうが珍しいぐらいだと言います。一般的なお子さまメニューの内容は飲み物(ジュースやシロップ)、メイン(ハンバーグや魚フライ、フライドチキンなど)、副菜(インゲンソテーやサラダ、フライドポテトなど)とデザート。お店によっては、おまけや風船などのプレゼントがあります。

 

少し高級なレストランでメニューにお子さま向けの食事が記載されていない場合でも、予約時などに「子どもがいる」と事前に伝えておくと、特別メニューを考案してくれることが多いそうです。また、メニュー考案までいかなくても、その場でお客さんに頼まれれば、大人用メニューの半分の量で子ども向けプレートを作ってくれたり、その日お店にある子どもが好きそうな食べ物を使ってお子さま料理を作ってくれたり、臨機応変に対応してくれるとのこと。実際には、子どもにやさしい人や料理店がたくさんあるようです。

↑思い込みに振り回されないように

 

英語圏で誤って伝えられているフランスの食文化にまつわる話を3つ取り上げました。英語を使えば、情報量は増えますが、今回調べた限り、その中には英語圏の人々が持つフランスに対する先入観やバイアスが含まれていることがわかります。英語圏の一部の人たちはフランスの食文化に高尚なイメージを持っているように見えますが、フランス人の実際のライフスタイルとは少し違うようです。

ご近所がまるでスーパー…。シンガポールで「共同購入」を巡り悪夢のトラブル発生

シンガポールで、共同購入を巡る近隣トラブルが話題になっています。

↑共同購入の人たちは幸せ、私はイライラ

 

50代の女性のゴーさんは、2019年にフラット(集合住宅)に引っ越しました。その前からすでにご近所の人は共同購入の事業を行なっていたそう。

 

引越し当初はこのことが気にならなかったそうですが、2023年に入ると、この隣人が共同購入で取り扱う量が急増。1日に3〜4回、業者やお客が来るようになり、それが週に4〜5日も起きるようになりました。ある日には、隣人の家に40人近くも作業のために集まっていたそう。知らない人が家の近くで待っているのは、気持ちの良いことではありません。

 

平穏な生活を望んでいたゴーさんですが、現実は悪夢。通路では荷物が山積みにされ、ドタバタした作業の音が朝から晩(ときには夜遅くにお客が荷物を受け取りに来ることも)まで聞こえており、もはや我慢の限界。「『私はスーパーの隣に住んでいるのか』と本当に思っていました」と心境を話しています。

 

商品を集団で一括して注文して受け取る購入形態の共同購入は、日本でも以前から存在していますが(代表例は生協)、シンガポールではコロナ禍でその人気が高まりました。近隣同士の交流を図るだけでなく、小さな業者を助けるために、同国政府も支援するようになったそうです。

 

しかし、ゴーさんはそんな世の中のトレンドにうんざり。役所に相談した彼女は、そこの勧めで防犯カメラを自宅に設置。隣人の活動を映像で記録し、それを証拠にして行政に苦情を訴えたところ、隣人は静かになり、やがて姿が見えなくなったそうです。

 

静かな生活を取り戻したゴーさん。「家は倉庫や配送拠点になるべきではない」と述べています。隣人が少しでも気遣いができていたら、世間を騒がせることはなかったかもしれません。

 

【出典】
CNA. ‘Thought I was staying next to a supermarket’: When group buying becomes a neighbour’s nightmare. June 5 2023

『Mr. ビーン』が怒った! アトキンソン氏が「EV」に騙されたと思う理由は?

『Mr. ビーン』や『ジョニー・イングリッシュ』といったコメディ作品で世界的に知られるイギリス人俳優のローワン・アトキンソン氏が、「電気自動車(EV)に騙されたと思い始めている」と英ガーディアン紙で論じています。

↑EVにしてやられた「Mr. ビーン」

 

学生時代に電子工学を専攻していたアトキンソン氏は、『Mr. ビーン』では小さいクルマの「ミニ」に乗っていますが、私生活では高級車をたくさん所有していると言われており、クルマは大好きな様子。そんな同氏はEVにもいち早く乗り始め、大好きになったそうですが、最近その熱が冷めてきたとのこと。

 

その理由の一つ目は、EVは世間で言われているほど環境に良くないから。アトキンソン氏はVolvoのデータを使いながら、EVを生産する過程で排出される温室効果ガスの量はガソリン車より70%多いと述べています。その原因はリチウムイオン電池にあり、これがかなり重い。この電池を作るためにはたくさんのレアアースやエネルギーが必要なのに、大体10年しか持たないと説明しています。

 

同じように耐久性への視点から、同氏はクルマを巡る社会的な問題を指摘。クルマの販売は「ファストファッション」化し、もはや私たちは新車を購入しても、リース契約を結んでも、3年足らずでクルマを手放すようになった。しかし、現代のクルマは30年も走ることができるのだから、このような天然資源の無駄遣いは許し難いとアトキンソン氏は怒っているようです。

 

このような理由で、アトキンソン氏はEVに少し騙されたと感じるようになったわけですが、EVの開発をやめるべきとは言っていません。自動車業界の環境問題への取り組みについては、ほかにも検討すべき方法があると言いたいわけです。

 

そこで、アトキンソン氏は「合成燃料(石油代替燃料)」の開発を進めるべきだと提案。「環境問題におけるガソリン車の問題点はガソリンであって、エンジンその物ではない」と同氏は考えており、その観点から、まだまだ役に立つ従来のクルマをできるだけ長く生かすためには、水素を含めた合成燃料の開発を進めることが大切だと論じているのです。

 

EVは世間でイメージされているほど環境に良いわけではないのだから、従来のクルマをもっと長く大切に使っていこうよ、というアトキンソン氏の考え方には納得できますよね。しかし、大英帝国勲章を受章しているこの大物俳優は、EVのもう一つの特徴である自動運転については言及していません。最近では、テスラのイーロン・マスクCEOが、同車の自動運転技術には、もうすぐ「ChatGPT」のような時が来ると述べていますが、自動運転でさえ環境にあまり良くないという見方は以前から存在しています。Mr. ビーンだったら古いミニに乗り続けているかもしれません。

 

【主な出典】

Rowan Atkinson. I love electric vehicles – and was an early adopter. But increasingly I feel duped. The Guardian. June 3 2023.

「包む」対「破く」。日本と全然違うフランスの「贈る文化」

日本には独特の贈答文化がありますが、実はフランスにも面白い贈る文化があります。フランス人の贈り物に対する考え方や感情の表現方法について調べてみると、日本人と全く異なることがわかりました。フランスへの旅行や留学などを検討している人なら特に知っておくべき、フランス人のプレゼント習慣やコミュニケーション方法について紹介します。

 

すぐに破く!

↑大げさに開けて「メルシー」

 

近年ではだいぶ変わってきたようですが、日本では贈り物を受け取ってすぐに開封することはマナー違反とされていました。一度自宅に持ち帰り丁重に開封して、後日、いただいた品に見合った額のお返しを贈ります。そのうえ、「包む」ことにも伝統があり、パッケージも細部にわたり美しく、包装までとても丁重です。

 

しかし日本に比べて、フランスのプレゼントの包み方はかなり大雑把。さらに、驚くほど薄い包装紙でラッピングされています。

 

その理由は、「贈り物をもらったら本人の前で開封して感動とお礼を伝える」という贈り物に対するフランス式マナーがあるから。待ちきれないほどのうれしさを表現するように、とにかく勢いよく高速で開けるのが良しとされ、大きな音で包みを破きます。そして、プレゼントを見たらとことん感激し、お礼と感想をその場で相手に伝えます。

 

プレゼントが開けられたら、贈った人は「自分はどうしてそれを選んだのか?」「どんな所がその人にピッタリだと思ったのか?」などをその場で伝えます。贈る側も、相手が自分の選んだ品に感激してくれたことで、喜びを共有するのです。

 

お返しをしない理由

↑プレゼントの原則はあげたいからあげる

 

フランスでは、贈り物をもらった後にお返しをする習慣やマナーがありません。冠婚葬祭や出産祝いの贈り物でもお返しは不要で、日本とは大きく違います。

 

クリスマスや誕生日などのプレゼントを贈り合うのは、あくまでもお互いの「プレゼントを贈りたい」という気持ちが軸になります。そのため、お返しをすると「なぜ理由もないのに贈り物をもらうのだろう?」と不思議がられます。人によっては「この間の贈り物が迷惑だったのだろうか?」と気に病んだり、「借りを作りたくないのか?」と残念な気持ちになったりしてしまいます。

 

このように、フランスでプレゼントを贈るのは「自分が相手に贈りたいから贈る」ことが基本。もらったからという理由だけで義務のようにお返しをするのは、むしろマナー違反なのです。

 

プレゼントを贈られたら、すぐに開いて、その場で最大限の感謝の気持ちを相手に伝えるフランス人。日本人がフランス人からプレゼントをもらうときは、「オーバーリアクションぐらいがちょうど良い」ということを覚えておくと良いかもしれません。

 

執筆者/Mayumi Folio

気候変動でエベレストの死者が増加? 2023年は史上最悪になる見通し

世界最高峰のエベレスト登頂に挑む登山家たちを阻む壁に、気候変動があるかもしれません。2023年に入って史上最悪となる17人もの死者を出している理由について、専門家が気候変動を指摘しています。

↑天候が読みづらくなっているとされるエベレスト

 

ネパール観光局によると、2023年にエベレスト登頂によって死亡が確認された人は12人。さらに5人が行方不明になっており、すでに17人が死亡したと見られています。エベレストでは毎年、登頂に挑んだ人の5~10人ほどが不運にも亡くなっており、2014年には死者数が過去最高の17人となりました。しかし、2023年は既にそれと同じ数の死者が確認されており、エベレストでの死者数が史上最悪の年となると見られています。

 

その主な原因について、専門家は近年の気候変動を指摘。気候変動によって、天候が非常に変わりやすくなり、今シーズンはその傾向が強いと言います。天候の変化が読めずに、吹雪に巻き込まれたり雪崩に遭遇したりすることも考えられるのでしょう。

 

2022年の夏はヨーロッパが熱波に襲われ、厳しい暑さとなりました。日本を含め、世界各国の人々が異常気象を実感していますが、その影響はエベレストにも及んでいるようです。

 

その一方、ネパール政府が2023年にエベレストの登頂許可証を過去最多となる479件も発行していることにも批判が寄せられています。登頂許可証の発行は1枚1万2000ポンド(約209万円※)にもなり、ネパールのような小さな国では大きな収入源の一つになっているのだとか。登頂許可証が乱発されたことで、多くの登山家がエベレストを訪れ、それが山に圧力をかけていると指摘する声もあります。

※1ポンド=約174円で換算(2023年6月2日現在)

 

さらにエベレストでは、ベースキャンプの下にある氷河が温暖化で不安定になっていることや、登山者がごみを持ち帰らずに捨てていくことで、大量のごみが散乱していることなど、さまざまな問題が持ち上がっています。

 

エベレストの自然環境と登山家の安全を守ること。これらを両立させるためには規制が必要になるかもしれません。

 

【主な参考記事】

Ther Guardian. Climate change to blame for up to 17 deaths on Mount Everest, experts say. May 30 2023

米・イエローストーン国立公園で頻発。バイソンに近づき過ぎた女性が襲われる

野生動物に気軽に近づき過ぎると、動物の本能を刺激して思わぬ危険に遭うかもしれません。そんな一例として紹介するのが、米・イエローストーン国立公園で先日起きた事件。バイソンの身体を撫でようとした女性が襲われそうになる事件が起きたのです。

↑近づき過ぎるとバイソンは怒ります

 

バイソンは、ウシ科に分類される動物。体長は2.7メートル、体重は1000キロにもなる大型動物です。イエローストーン国立公園には、2300~5000頭のバイソンが暮らしていると見られています。

 

しかしバイソンは群れで生活しており、その群れに近づく者がいると、敏感に反応してすぐに興奮する性質があるのだそう。しかも、走る速度は最大で時速56キロにもなり、男性ですら簡単に空中に放り投げられてしまうと言います。

 

そんなバイソンの特徴を知らずに、近づき過ぎたことで、女性が危険な目に遭いました。この女性はバイソンに手を伸ばし、ウシやウマを撫でるように、バイソンの身体を撫でようとしました。すると、バイソンがその手を振り払うように頭を強く振ったのです。女性は悲鳴をあげてすぐに逃げ、幸いにもバイソンはそれ以上、女性と同行者を襲うことはしませんでした。

 

イエローストーン国立公園では、バイソン以外にも数多くの野生動物が生息していますが、バイソンに人間が攻撃される事件が一番多く発生しているとのこと。実際、2022年6月にも、同じイエローストーン国立公園で、バイソンに近づき過ぎた人が攻撃されることが報告されており、数か月間に3回も同じようなことが起きていたそうです。

 

イエローストーン国立公園では、野生動物を守るために、訪問者に厳しいルールを設けており、バイソンとは25ヤード(約23メートル)の距離を取るように規則を定めています。

 

野生動物には近づきすぎないことが鉄則。旅行に行くときは、現地のルールを事前にチェックして、それに従うことが大切です。

 

【主な参考記事】

Newsweek. Woman Almost Gored After Trying To Touch Bison in Yellowstone Park. May 30 2023

【6月3日午前1時から】史上初! 欧州宇宙機関が「火星」をYouTubeでライブ配信

莫大な資金はかかるものの、民間人が宇宙旅行に行けるようになった今日。NASA(アメリカ航空宇宙局)やJAXA(宇宙航空研究開発機構)などの宇宙開発機関が次に目指しているのは、火星です。そんな火星のライブ配信が今夜、世界で初めて行われます。

↑史上初YouTubeでライブ配信

 

火星のライブ配信を行うのは、欧州宇宙機関(ESA)。ESAは2003年6月2日に火星探査機「マーズ・エクスプレス」を打ち上げ、火星の研究を行ってきました。そして、ちょうど20年目を迎える本日(6月2日)、マーズ・エクスプレスの誕生日を記念して、YouTubeでライブ配信を行うことになったのです。

 

ライブ配信は、マーズ・エクスプレスに搭載されたビジュアル・モニタリング・カメラ(VMC)が撮影したものを地球に直接送信。それをYouTubeで配信するのです。

 

しかし、火星と地球の距離は、軌道によって異なるものの、平均すると約2億2500万キロメートル。火星の軌道にいるマーズ・エクスプレスが撮影した画像が地球に届くまでは約17分。さらに地球上のサーバーなどを通るのに1分かかり、全部で18分を要するそうです。そのため、厳密に言えば“リアルタイムでの配信”ではないのですが、マーズ・エクスプレスが約50秒ごとに撮影する画像が、YouTubeですぐに見ることができる予定です。

 

ESAのマネージャーは、プレスリリースで「これまでにない試みであり、100%うまく行くかはわからない」と述べています。

 

とはいえ、リアルタイムに限りなく近い火星の姿をYouTubeで誰もが見られるというまたとない機会。YouTubeではすでに「待てない!」「起きて見ないと!」など、世界中のさまざまな国からチャットにコメントが寄せられています。

 

ライブ配信は日本時間で6月3日午前1:00(中央ヨーロッパ夏時間で6月2日午後6:00)から1時間。ぜひ、YouTubeで火星を見てみてはいかがですか?

 

【主な参考記事】

IFLScience. You Can Watch The First-Ever Live Stream From Mars This Week. June 2 2023

ESA. Tune in for first Mars livestream. May31 2023

普通の旅行じゃない。21歳で全世界を巡った米女性の「行ってはいけない10の国」

現在、世界にある国の数は196。その全てを21歳で訪れた女性がアメリカにいます。平和な観光地とは程遠い国でさえも回ってきた彼女が「旅行に行くべきではない」と挙げた10の国はどこでしょうか?

↑楽しそうなアルフォードさんだが…

 

彼女の名前はレクシー・アルフォード、現在25歳。アメリカのカリフォルニア出身の女性です。まだ20代の若さでギネス記録を打ち立てるほど多くの国々をまわってきたのは、親が旅行代理店を営んでいたから。物心がつく前から、両親と共にさまざまな場所を旅してきたのだとか。その結果、21歳までに196か国を全て回り、ギネスに「地球上の全ての国を旅した最年少記録」と認定されたのです。

 

そんな彼女が紹介する「旅行に行くべきではない10の国」はどこでしょうか?

 

旅行に行くべきではない10の国

  • 1位 アフガニスタン
  • 2位 イエメン
  • 3位 マリ
  • 4位 シリア
  • 5位 ソマリア
  • 6位 中央アフリカ
  • 7位 南スーダン
  • 8位 リビア
  • 9位 バングラデシュ
  • 10位 北朝鮮

 

まず、ランキングの10位に挙がったのが北朝鮮。アルフォードさんは政府が主催するツアーで同国を訪れたそう。ただし厳重に監視されたツアーで、「夜ホテルに戻ったら、翌朝出発するまでは、外出などせず、そこに滞在したほうが安全」と彼女は話しています。

 

8位のリビアは、観光ビザを発行していない国であるため、アルフォードさんはビジネスビザを取得して訪れたそう。しかし、誘拐されたり、紛争に巻き込まれたりするリスクがあるそうです。

 

それ以外には、ミサイル攻撃が行われているような紛争地域の国々の名前が挙げられました。例えば、5位のソマリアでは、誘拐やテロに巻き込まれる可能性があり、武装した護衛を雇わないとどこにも行けないと言います。

 

そして、1位に選ばれたのがアフガニスタン。アルフォードさんは武装した護衛を雇い、セキュリティのしっかりしたホテルに宿泊。楽しく滞在できたそうです。しかし、2021年にイスラム過激派組織のタリバンが実権を握ると、状況は一変。「死にたいと思う人でない限り、行くべきではない」と話しています。

 

ちなみに、アルフォードさんは自身のサイトで、旅の資金源としてスポンサーを得たことはなく、親が経営する旅行代理店でコンサルタントとして働き、旅行中はフォトグラファーやブロガーとして仕事を行い、自己資金でまかなっていると話しています。

 

【主な参考記事】

Daily Mail. I’m a record-breaking traveller who’s visited every country and these are the 10 places tourists should NEVER visit – including one they shouldn’t go to ‘unless they have a death wish’. May 31 2023
Forbes. This 21-Year-Old Woman Is The Youngest Person To Travel To Every Country. June 4 2019
Lexie Limitles. Youngest Person To Travel To Every Country

摩天楼は重過ぎる。ニューヨークが毎年1~2mm沈んでいた

気候変動による海面上昇によって水没する可能性がある都市は世界各地にあります。しかし、それとは少し事情が異なるのが米・ニューヨーク。建物や人の重みが一因で沈下すると、最新の研究で発表されたのです。

↓摩天楼の思わぬ影響

 

先日、『Earth’s Future』誌に掲載された研究で指摘されたのが、ニューヨークの地盤沈下。1年で平均1~2mm程度沈んでいるというのです。

 

その一因として考えられるのが、都市全体の重量。ニューヨークには、マンハッタン、ブルックリンなど5つの区があり、そこには100万棟ものビルが建っています。研究チームはコンクリート、金属、ガラスなどを含めて、それらの建物の重量を計算し、およそ1兆7000億トンという数字をはじき出しました。これだけの重みに加え、人間やクルマなどの重さも地盤にかかっていることになります。

 

アメリカ地質調査所の主席研究員であるトム・パーソンズは、「地盤は下がり、海面は上がる。これは避けられない」と、この事実について表現しています。

 

ただ、マンハッタンではほとんどの高層ビルは岩盤の上に建てられているため、沈下の影響は少ない可能性があるそう。一方、ブルックリン、クイーンズなどのエリアでは、土壌が緩いため、同じニューヨーク内でも沈みやすくなると考えられています。

 

パーソンズ氏は今回の研究結果について、「ビルを建てるのをやめたほうが良いという意味ではない。都市の地盤沈下は、ビルの重量だけが原因ではなく、さまざまな要因が重なっている」と述べています。加えて、ニューヨークが、最近地盤沈下が激しいと言われるイタリアのベネチアのようになるには、数百年かかるとのこと。

 

そうは言っても、ニューヨークの都市が少しずつ沈んでいるのは、確かな事実。人間の知恵と技術が生み出した高層ビルがその一因になっているとは、皮肉なものかもしれません。

 

【主な参考記事】

AP News. As rising oceans threaten NYC, study documents another risk: The city is sinking. May 28 2023

モルディブで大人気の「ツナ缶」、日本のために蓋を変えていた

世界屈指のリゾート、モルディブ。コロナ禍が明けたアジアの観光業界の回復を牽引する存在であり、長年、日本とも友好関係を築いていますが、それを象徴しているのが、モルディブで大人気のツナ缶です。

↑モルディブではスーパーの棚にツナ缶がずらりと並ぶ

 

モルディブ料理の基本食材といっても過言ではないツナ缶は、種類がものすごく豊富。チリや玉ネギ入り、ブラックペッパー入り、さらにモルディブ伝統料理マスフニ(ツナにココナッツ、チリ、玉ネギを混ぜたもの)まで缶詰になっています。中身のツナはゴロっと大きく食べ応えがあるため、カレーや煮物などの料理で主役になれます。暑い国なので、常温で保存がきく缶詰はとても重宝されています。

 

以前のツナ缶は缶切りが必要なタイプでしたが、現在は全てプルトップ(缶切りを使わず、缶の蓋についている引き金を引っ張って開けるタイプ)になっています。そうなったきっかけは、2011年に起きた東日本大震災だったことはあまり知られていないかもしれません。

↑モルディブで当たり前となったプルトップのツナ缶

 

JICA(国際協力機構)によれば、東日本大震災で日本が大きな被害に遭ったことを知ると、モルディブはすぐに募金活動やチャリティーイベントを開催。モルディブ政府と国民から、義援金と約69万個のツナ缶が日本に送られました。

 

モルディブには、日本からの支援でつくられた防波堤や学校、さらに支援金で揃えた障害者用のタクシーや救急車などが数多く見られます。だからこそ、モルディブは東日本大震災が発生したとき、「今度は自分たちが日本を助ける番だ」と、素早く立ち上がってくれたと言われています。

 

缶切りを探して開けなければならないのは、被災地ではとても不便。そのため、モルディブは東日本大震災時に救援物資としてツナ缶を日本に送るため、缶をプルトップに変えたのでした。

 

その結果、モルディブ国内でもそのままプルトップのツナ缶が出回るようになったのです。しばらくはプルトップと古いタイプが混在して店頭に並んでいる状態でした。地方の島で売られている物も含め、全てのツナ缶がプルトップに変わるには2年近くかかったようです。

↑首都・マーレにあるラスファンヌビーチ

 

現在、モルディブのツナ缶はヨーロッパ方面への輸出が多く、残念ながら日本には輸出されていないそう。しかし、モルディブに旅行される日本人が現地でツナ缶を見つけたら、感慨深い気持ちになるかもしれません。

 

スマホを貯水池に落とした政府職員、池の水を200万リットル以上抜く! 批判が集まり停職処分に

サムスンのハイエンドスマートフォンGalaxy S 23 Ultraはお安くはなく、誰しも大切に扱うはず。しかし、インドの政府職員がうっかり貯水池に落としてしまい、回収するため210万リットルも放水したことで停職処分を受けました。

↑スマホを落としただけなのに

 

食品検査官のラジェッシュ・ビシュワス氏は、友人と自撮りをしていたところ、Galaxy S23 Ultraをカーカッタ貯水池に落としてしまいました。水深が深いため、上から見て場所を特定できるわけでもなく、深く潜ることも危険だったと思われます。

 

まずビシュワス氏は、灌漑局の職員に電話をかけ、スマホの位置を特定する許可を得ました。その際には3フィート(約90cm)だけ水を抜いて良いと言われたものの、ビシュワス氏はディーゼルポンプを借りて、3日間で200万リットル以上も排水してしまいました。

 

この量は、インドの灼熱の夏に少なくとも600ヘクタールもの土地を灌漑できるほどだそうです。もっとも、この池は約61億リットルもの貯水量があるため、「ぜんぶ抜く」ではありません。

 

その甲斐あってGalaxy S23 Ultraは回収できましたが、水没していた時間が長すぎたためか、起動すらしませんでした。ビシュワス氏はSNSで「排水された水の量は、周辺住民にとって何の役にも立たない」と説明する動画を拡散し、自分のイメージをよく見せようとしていたようです。

 

インドは頻繁に水不足が起こる国であり、水がなんの役にも立たないどころではありません。結局、水資源の浪費に批判が殺到したため、当局はビシュワス氏を停職処分にした次第です。「スマホを落としただけなのに」と嘆きたくなる場合でも、“池の水ぜんぶ抜く大作戦”はしないほうがよさそうです。

 

Source:The Times of India
via:Wccftech

初夏なのに窓は閉めっぱなし!? アメリカ人が「窓を開けない」3つの理由

初夏の季節となり、気温が高い日が増えてきました。一般的に日本人は暑いときや部屋の換気をするときなどに窓を開けますが、実はこの行動はアメリカ人にとって実に驚くべきことだったのです。

↑アメリカ人は窓を開けない

 

アメリカでは、窓を開けないのが一般的です。窓を開けて定期的に換気する人が少なく、年中閉めっぱなしという家も少なくありません。また、子どもたちの通う学校でも窓を開ける習慣がないのです。そんなこの国では「過去20年間、一度も開けたことがない」という強者もいるほどで、そもそも「窓=開けるもの」という認識がないようです。

 

2022年の調査によれば、アメリカにおいて窓を開ける習慣があるのは、エアコンを購入できない低所得層や、アジア人やヒスパニックなど他国にルーツを持つ人が多いとのこと。

 

逆に、窓を開けない傾向が顕著なのは、戸建てやエアコンを有している高所得者です。窓を開ける習慣がない要因には、24時間室内を適温に保つエアコンの存在、治安面、そして空気汚染が挙げられます。

 

アメリカ人が自宅の窓を開けない理由の1つ目が、エアコンの存在。アメリカでは、建物全体の温度を一定に保つ空調システムを組み込んだ住宅が多く、24時間いつでも適温で過ごすことができます。窓を開けなくても快適な生活が送れるので、わざわざ手間をかけて開けようと思わないのです。

 

また、室内より外気のほうが汚れているという考えもあります。空調システムの吸い込み口にはエアフィルターが取り付けられているので、室内の空気の汚れはある程度取り除いてくれます。一方、窓を開けると排気ガス、花粉、ほこりなどが室内に入り込んでしまうという理由で、窓を開けるのを嫌う人も少なくありません。

 

2つ目の理由は治安上の問題。アメリカでは強盗や誘拐といった事件が日々起こります。「自分の身は自分で守るべき」と考える人が多く、特に治安の悪い地域で窓はまず開けません。カーテンすら昼夜問わず閉めっぱなしという家もあります。

 

3つ目の理由は空気汚染で、近年、特に注目されています。これまで、空気汚染は呼吸器系疾患や心疾患といった健康被害をもたらすことが指摘されていましたが、2022年に発表された論文では鬱病や不安障害との関連性も明らかとなりました。

 

“アメリカン・ウェイ”は終わらない?

↑アメリカの学校でも窓は開けない

 

このような理由により、アメリカでは窓は開けないものと考えられていますが、はたして「それが正解なのか?」と言ったら、そうとも言い切れません。アメリカでも1日に1回は窓を開けて換気することが推奨されており、エアコンのフィルターが取り除ける空気中のゴミの量にも限界があります。

 

それどころか、建物から放出されるアレルゲンや化学物質、カビなどを考えると、定期的に窓を開けて換気するほうが室内の空気を循環できて良いのは明白でしょう。

 

今後、アメリカに窓を開ける習慣が根付くのかどうか気になるところですが、治安や空気汚染の問題が解決しない限り、窓を開けない家は逆にますます増えていくかもしれません。

 

執筆者/長谷川サツキ

 

UFO解明に光明? 米学者の37%が「未確認航空現象(UAP)研究」を「非常に重要」と回答

一般市民の「UFOを見た」という声は、話半分で捉えられるかもしれませんが、学者の声なら信ぴょう性があると受け止められるかもしれません。

↑多くの学者にとっても大事なテーマ

 

「未確認航空現象(UAP)」は、アメリカ政府がUFOの公式名称として使っている言葉で、正体が確認されていない飛行物体を指します。先日、学術誌『Humanities and Social Science Communications』に、そんなUAPに関する研究結果が発表されました。

 

この研究では、アメリカにある144の大学で、科学、人文科学、生物学、文学、芸術など14の分野において研究を行う1460人の学者に聞き取り調査を実施。「未確認航空現象を見たことがある、または見たことがある知り合いがいる」と答えた人が、18.9%に達しました。その中には自身が体験した目撃情報について詳細に答える人もいたそうです。

 

未確認航空現象やUFOについて「興味がない」と答えた人は17.19%のみ。「かなり興味がある」(15.27%)、「とても興味がある」(16.78%)、「まあまあ興味がある」(25.34%)、「少し興味がある」(25.41%)を合わせると、8割以上が未確認航空現象やUFOに興味を示す結果となりました。

 

さらに、未確認航空現象に関する学術研究について「非常に重要」と答えた人も37%に上りました。

 

もしかしたら、地球や私たち人類の存在を脅かすことになるかもしれない、未確認航空現象やUFOの存在。その研究は今後も欠かせないものなのかもしれません。

 

【主な参考記事】

Interesting Engineering. Nearly 20% of academics surveyed say they’ve seen a UFO, or know someone who has. May 22 2023

Humanities and Social Science Communications. Faculty perceptions of unidentified aerial phenomena. May 23 2023

「60日間ベッドに寝るだけで270万円」欧州宇宙機関が参加者を大募集!

ベッドに寝ているだけで270万円もらえる。そんな“おいしいアルバイト”が欧州で募集されています。一体どんな仕事で、なぜそんなに高額の報酬をもらえるのでしょうか?

↑そんなうまい話、本当にあるの?

 

この仕事に参加してくれる人を募集しているのは、ヨーロッパ各国が宇宙開発のために共同で設立した「欧州宇宙機関(ESA)」。宇宙で人の身体がどんなふうに反応するのかを調べる実験の一環として、12人の協力者を集めているのです。

 

参加者に求められるのは、60日間ベッドに寝ていること。ただし被験者はベッドに寝た状態のまま、エアロバイクをこいだり、遠心分離機のようにぐるぐると回転させられたりします。

 

これらの目的は、宇宙空間で人の身体がどう変化するかを観察をするため。宇宙の無重力空間では頭部の血流が地上にいるときよりも多くなり、身体の筋肉があまり使われません。そこで、宇宙空間にできるだけ近づけるため、頭の位置が水平より6度低くなるようにしたベッドに身体を横たえた状態で、ぐるぐる回転したり運動したりする必要があるのです。

 

その一方、別の被験者はエアロバイクなどの運動を一切行わずに、頭側を6度傾けたベッドに横たわったまま身体の変化を観察され、エアロバイクなどの運動を行った場合と比較されるそうです。

 

エアロバイク以外にも、さまざまな運動や医学的検査も行われる予定ですが、もちろん食事やシャワー・トイレ休憩つき。報酬は1万8000ユーロ(約270万円※)ですから、一日あたり4.5万円にもなります。

※1ユーロ=約150円で換算(2023年5月26日現在)

 

この仕事、あなたは“おいしい”と思いますか? それともお断りしますか?

 

【主な参考記事】

The US Sun. SLEEPING ON THE JOB Space experts are paying 12 people £15,000 to lay in BED for 2 months – but it’s not for the faint-hearted. May 24 2023
ESA. Around the bed in 60 days. May 23 2023

米航空会社のパイロットが「働き方」を巡り抗議。航空券代の値上げの可能性も

アメリカ国内の空港では、プラカードを手にしたパイロットが並び、静かな抗議活動を行っています。プラカードに書かれているのは「スケジュールを修正せよ!」「未来のパイロットたちが見ている」などのメッセージ。高給取りで人気の職種といわれるパイロットの間で、いま何が起きているのでしょうか?

↑働き過ぎてもう限界

 

現在、契約交渉を行っているのは、ユナイテッド航空、アメリカン航空、サウスウエスト航空のパイロット。彼らの要求は勤務スケジュールの改善とワークライフバランスです。

 

パイロットをはじめ、客室乗務員などは、仕事のために家を空ける時間がどうしても長くなります。アメリカでは、国内線でも長距離の場合、宿泊を伴う勤務になることもあるでしょう。あるパイロットは、月の半分は家を空け、クリスマスや家族の誕生日といった大切な日も休みを取れなかったと話しています。

 

もちろん航空会社の職員は、一般の人が休みの期間であっても働かなければならないこともあるでしょう。しかし、コロナ禍で大幅に従業員カットが行われた航空業界では、人手不足が深刻化。せっかく自分の勤務時間が終わっても、不足するパイロットをカバーするために、続けて勤務せざるを得ないような場合も多いそうです。あるパイロットの話では、以前なら1日、2日程度の出張で済んでいたのが、いまでは4日、5日と長期で宿泊を伴う勤務スケジュールが増えているとのこと。

 

また、人手不足だけでなく、近年の異常気象による悪天候も勤務スケジュール問題の一因です。天候が悪化すれば、フライトの遅延や欠航にもつながり、従業員の勤務体系がより混乱しやすくなるのです。

 

航空業界に精通するあるアナリストは、今後航空券代が高くなることを予測しています。それは、パイロットや客室乗務員、整備士などの給料が上がると予測されるから。旅行需要が回復するとともに、航空会社は従業員の労働環境を改善する必要があるようです。

 

【主な参考記事】

NPR. The latest workers calling for a better quality of life: airline pilots. May 22 2023