「デリカの軽が出る」予約だけで異例の大ヒット! 2023年「レジャー部門」ヒットセレクション

コロナによる制限が緩和して、賑わいが戻ってきた2023年はより豊かな体験ができるアウトドアアイテムが人気を呼んだ。GetNaviヒットセレクションのレジャー部門から、本記事では、話題沸騰中の軽自動車 三菱「デリカミニ」と新しい学習スタイルのラーケーション、そして4年ぶりに開催した隅田川花火大会をご紹介しよう。

※こちらは「GetNavi」 2024年1月号に掲載された記事を再編集したものです

 

私たちが解説します

モータージャーナリスト 岡本幸一郎さん
軽自動車から高級車まで続々と登場する新型車のほぼすべてに試乗し、原稿の締め切りに追われる生活を送る。消費者目線の評価が身上。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

トラベルライター 澄田直子さん
国内外のガイドブックを中心に取材・編集を行うトラベルライター。最近は北から南まで日本の島を中心に活動。念願叶って初上陸した秘島、青ヶ島はやはりすごかったです!

 

 

本誌乗り物担当 上岡 篤
2023年は撮影絡みのキャンプしかできず残念。仮にデリカミニを所有したらどんな体験ができるのだろうと想像を膨らませて、2024年こそはキャンプに出かけようと計画中。

 

【軽自動車】「デリカ」ブランドがスモールサイズで登場!

同車の登場が2022年11月に発表されてから “デリカの軽が出る” と話題に。2023年1月開催の東京オートサロンで初めて実車を展示。同年5月の発売までに1万6000台の予約注文が入るほどの人気となった。

売上:10/影響:9/市場開拓:9

 

オフローダースタイルとかわいらしいフェイスが魅力

三菱
デリカミニ
180万4000円〜223万8500円
2023年5月発売

トラックに端を発する同社伝統のオフロードモデルがスモールサイズの軽自動車になって登場。デリカらしい力強いデザイン、日常からアウトドアまで使いやすい車内空間、運転をサポートする走行性能や安全装備なども充実している。

↑ラゲッジルームは4人乗車時でも十分な広さ。後席は簡単に分割してスライド、格納できるので荷物に合わせてアレンジできる

 

↑樹脂仕様のラゲッジボードと塩化ビニール仕様の後席シートバックを設定。泥がついたアウトドアグッズもラフに積み込める

 

三菱らしいタフギア感とメジャーな名前も後押し

「SUVスタイルの軽自動車の人気が高まるなか、絶妙なタイミングで命名して注目の的に。価格は割高ですが、高くても良いモノを求めるユーザーから支持されました」(岡本さん)

 

【復活花火大会】夏の風物詩が全国各地で相次ぎ開催!

コロナ禍で中止が続いたが4年ぶりに開催。夏の東京の風物詩を楽しもうと多くの人が訪れ、初の100万人超えとなった。テレビ東京の生中継番組の視聴率も11.2%と同時間帯1位を獲得。

観客動員:10/影響:10/市場開拓:8

 

隅田川上空を彩る大輪が4年ぶりに満開に!

隅田川花火大会
2023年7月29日開催

1773(享保18)年に端を発する、両国の花火の伝統を受け継ぐ大会。混乱や事故を避けるための対策が施され、第1会場、第2会場から打ち上がる約2万発の花火が夜空を彩った。多くの人が4年ぶりの夏の風物詩を堪能。

↑大阪でも「なにわ淀川花火大会」が8月5日に開催。昨年は声出しの自粛要請のなか開催されたが、今年は制限のない大会に

 

各地で花火大会が復活今後は運営資金がカギに

「コロナによる規制が解け、全国各地で “制限のない花火大会” が復活。一方で花火の原材料の高騰などにより運営資金が不足する懸念も。有料席を設ける大会が増えました」(上岡)

 

【ラーケーション】自ら計画を立てて楽しみながら学ぶ学習スタイル

「ラーケーションの日」は公立小・中学校を対象に9月から愛知県内14の市町村で実施。10月には34市町村、11月には4市町と拡大。県内の体験学習施設などがラーケーションの場として人気を集めそう。

売上:―/影響:8/市場開拓:10

 

平日だからこそできる学習スタイルを応援!

週末に休みが取れない親と子どものふれあいの機会を提供するとともに、土・日、連休の旅行客の集中を分散させるため愛知県で始まった施策。あらかじめ申請することで忌引・出席停止扱いとなり、欠席にならない。

愛知県教育委員会ラーケーション
2023年9月開始

↑長久手市にあるトヨタ博物館。自動車の歴史やクルマを動かす仕組み、未来のモビリティについて学ぶことができる

 

↑小・中学生向けの「ラーケーションカード」。取得日、学ぶ場所、学ぶ内容を自ら考えて記入し、活動計画を立てる

 

旅のスタイルのニーズは学びや体験にシフト

「名所を巡ったりリゾートで過ごす旅から、歴史や地理などの学びや文化体験を求める旅に人気が変化しています。その土地ならではの体験ができるかがポイントです」(澄田さん)

話題沸騰中!三菱デリカミニの他の軽とは“ちょっと違う”部分とは?【クルマの神は細部に宿る】

ベテラン自動車ライターの永福ランプとフリーエディターの安ドが、深いような浅いようなクルマ談義をするクルマ連載。今回は話題沸騰中の軽自動車、三菱デリカミニの、他の軽とは“ちょっと違う”部分にフォーカスした!

※こちらは「GetNavi」 2023年11月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【PROFILE】

永福ランプ(清水草一)
日本中の貧乏フェラーリオーナーから絶大な人気を誇る大乗フェラーリ教の開祖。様々な自動車専門誌や一般誌、ウェブなどで、クルマを一刀両断しまくっている。初老となり運転支援装置の必然性を実感、クルマを評論する際に重要視するように。

安ド
元ゲットナビ編集部員で、現在ではフリーエディター。妻子を抱えても愛車はMTにこだわる。

 

【今月のGODカー】

 

三菱
デリカミニ

SPEC【Tプレミアム・4WD】●全長×全幅×全高:3395×1475×1830mm●車両重量:1060kg●パワーユニット:659㏄直列3気筒+ターボ●最高出力:64PS(47kW)/5600rpm●最大トルク:100Nm/2400〜4000rpm●WLTCモード燃費:17.5km/l

514万2000円〜648万8000円

 

デリカミニのオフロード感はあくまで雰囲気!?

安ド「殿、デリカミニ、良いですね!」

永福「うむ。良いな」

安ド「デリカD:5が他のミニバンとはちょっと違うように、デリカミニも、他の軽スーパーハイトワゴンとはちょっと違いますね!」

永福「うむ。ちょっと違うな」

安ド「オフロード感を打ち出していて、個性があってカッコ良いです!」

永福「同感だ。しかしSUVテイストの軽スーパーハイトワゴンなら他にもある。スズキのスペーシア ギアやダイハツのタント ファンクロスがそれだ」

安ド「そうですけど、デリカミニが一番本格的じゃないですか?」

永福「イメージ的にはそうだが、実はデリカミニにはFFモデルもある」

安ド「エッ! あるんですか」

永福「従来のekクロスに比べると、オフロード仕様ゆえにだいぶ最低地上高が高くなっているようにも見えるが、実はタイヤ径が1サイズ大きくなっただけで、車高は1cmしか変わっていない」

安ド「エッ! たったの1cmですか!?」

永福「つまりデリカミニのオフロード感は、スペーシア ギアやタントファンクロス同様、ほとんど雰囲気だけなのだ」

安ド「そう言えば、フェンダーガードっぽい黒い部分や、サイドステップガードっぽいシルバーの部分は塗装やステッカーでした」

永福「エエッ! サイドのアレはステッカーだったのか!?」

安ド「はい。触って確かめました」

永福「フロントやリアのアンダーガードっぽいシルバーの部分はどうだ?」

安ド「あれは本物でした。と言っても樹脂製ですが」

永福「ステッカーよりは良いがな」

安ド「走りも良いですね!」

永福「うむ。試乗したのは4WDターボモデルだったが、エンジンも足まわりも良かった」

安ド「軽スーパーハイトワゴンなので、あまり期待していなかったんですが、良く走ります!」

永福「良く走るな」

安ド「乗り心地がゴツゴツしているのかなって思ったら、ふんわり快適でした」

永福「うむ。ふんわり快適である」

安ド「車高の高さが良い方向に向いているのでしょうか?」

永福「三菱のエンジニアによると、従来よりタイヤ径を1サイズ大きくしたので、そのぶんサスペンションをソフトにしたそうだ」

安ド「それがプラスに働いたんでしょうか」

永福「そのようだ。首都高のカーブでも安定していたぞ。ステアリングの反応も思ったよりもダイレクトだ」

安ド「さすが三菱、オフロード車作りがうまいですね!」

永福「いや、デリカミニのオフロード感はあくまで雰囲気だ」

安ド「僕はオフロードは走らないので、雰囲気だけで良いです!」

永福「私もだ」

 

 

【GOD PARTS 神】ダイナミックシールド

ブランドの不文律に則っていなくても許せる

三菱のアイデンティティといえば「ダイナミックシールド」と呼ばれるフロントデザインがあります。カタチ的にはライトやグリルをメッキパーツで「X」型に形成したものですが、デリカミニでは「X」というより漢字の「八」です。上の部分が足りないのですが、このクルマのカッコかわいいキャラ的には合っています。

 

【GOD PARTS 1】ロールサンシェード

広いウインドウからの日差しをカット!

「プレミアム」系グレードの両側リアウインドウには、普段は巻き取られていて、使いたい時にサッと引き出せるサンシェードが搭載されています。デリカミニのようなスーパーハイトワゴンは窓面積が広すぎるのでこれは便利ですね。

 

【GOD PARTS 2】ヘッドライト

マンガのキャラのような目

まるでマンガのキャラクターのように、白目のなかに黒目があるように見えます。このデフォルメ感が親しみやすさを感じる所以かもしれません。なお、デザインの元となったデリカD:5のヘッドライトはもっとシュッとしています。

 

【GOD PARTS 3】デリ丸。

デリカミニの販売を後押しする人気者

イプサムの「イプー」など、過去にもクルマの宣伝のためにオリジナルキャラクターが作られたことはありましたが、この「デリ丸。」はかなり人気で、グッズを販売してほしいという声が殺到しているのだとか。写真は、契約者特典のぬいぐるみです。

 

 

【GOD PARTS 4】フェンダー

タイヤまわりを黒くしてオフロード車っぽく!

SUVでは、タイヤを囲っている部分に樹脂製のガードなどをつけてオフロード車っぽさを演出することがあります。デリカミニも黒いので別体の樹脂製か? と思いきや同体パーツで、色だけ変えています。ま、張り出してたら車幅オーバーしちゃいますしね。

 

【GOD PARTS 5】視界

さらに窓面積を増やして運転のしやすさを強化

サイドウインドウの前方には縦長のガラス空間があります。ここを1本の太い柱(ピラー)にしてしまうと視界が狭くなるので、2本の柱でガラスを囲んでいます。昔の三角窓のように開けられたらもっと良かったですね。

 

【GOD PARTS 6】リアシート

軽自動車最長クラスの後席スライド量

左右分割が可能で約320㎜もスライドできるので、後席スペースを広くしたり、荷室を広げたりと自由自在です。中央部分はファブリック素材のようですが、表面は撥水処理がされていて、多少の水分であれば弾いてくれます。

 

【GOD PARTS 7】アンダーガード

SUVらしさを高める前後バンパー

フロントとリアのバンパー下部は、黒とシルバーでギザギザのデザインが施されています。障害物にブツけても跳ね返しそうな、いかにもオフロード車っぽいデザインです。サイド(ドア下部)のものはステッカーです。

 

【GOD PARTS 8】ルーフレール

ギア感溢れるアクセサリー装備

オフロード車の定番装備であるルーフレールが、全グレードに標準搭載されています。スキーやスノボなどを収納するキャリアを取り付けられますが、このクルマは結構背が高いので取り付けに苦労するかもしれません。

 

【GOD PARTS 9】サーキュレーター

広すぎる空間の空気を循環!

リアシートの天井にはサーキュレーターが付いていて、後席まわりの広い空間にエアコンの冷気や暖気を循環させてくれます。空気清浄のプラズマクラスター付きで、「プレミアム」系のグレードに標準装備されています。

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

予約時で異例の大ヒット、イメチェンにも成功した三菱「デリカミニ」の乗り心地はどう?

https://getnavi.jp/vehicles/877011/?gallery=gallery-2_1今年の東京オートサロンで大きな注目を浴びた三菱自動車「デリカミニ」が5月25日、いよいよ発売を開始しました。昨今のアウトドアブームが後押ししたのか、5月24日時点での予約受注はすでに1万6000台超え! しかも全体の約6割が4WDモデルなのです。これはまさに、いかに多くのユーザーが三菱自動車らしいアウトドア志向の軽自動車を待ち望んでいたか、を示すものと言えるでしょう。

 

今回はそのデリカミニにいち早く試乗することができましたので、インプレッションをお届けします。

 

■今回紹介するクルマ

三菱/デリカミニ

※試乗グレード:T Premium

価格:180万4000円〜223万8500円(税込)

↑三菱自動車「デリカミニ」。試乗車はターボ付き「T Premium」の4WD車

 

ワイルド感を高めた“ヤンチャかわいい”顔つきが大きな話題に

デリカミニとはどんなクルマでしょうか。一言で表せば、高い人気を獲得している三菱のミニバン「デリカ」の世界観を、軽自動車で展開したものです。“ヤンチャかわいい”顔つきが話題のデリカミニですが、実は同社の「eKクロス スペース」をベース車としたマイナーチェンジモデル。そこにデリカならではのエッセンスを取り入れたクルマとなっているわけです。

↑ボディサイズは全長3395×全幅1475×全高1830mm。2WDの全高は1800mm

 

特に外観は従来のイメージを大きく変更し、フロントグリルには三菱車の共通アイコンである、“ダイナミックシールド”と呼ばれる痕跡を残したフロントフェイスを採用。半円形のLEDポジションランプ付きヘッドランプを組み合わせつつ、上位車であるデリカD:5との共通性をも持たせながら可愛らしさを演出しています。

 

しかも前後のフロントバンパーとリアガーニッシュには立体的な「DELICA」ロゴを浮かび上がらせたほか、光沢のあるブラックホイールアーチ、前後バンパー下にプロテクト感のあるスキッドプレートを組み合わせることでワイルドさを演出。このように、外観をがらりと変えたことによって今までのイメージを一新させ、人気獲得に結びついたというわけです。

↑フロントグリルには「DELICA」のロゴマーク。ヘッドライトはかわいらしい形状のLEDを採用

 

↑前後アンダー部とサイドに施したデカールによってワイルド感がいっそう増した

 

↑ワイルド感を高めるのに効果的なサイドデカール(3万3440円)はディーラーオプション

 

軽自動車はいまや日本で約半分を占める大きなマーケットです。その中でもスーパーハイト系ワゴンは最大の激戦区。ここには圧倒的強さを発揮するライバルが君臨しており、残念ながら三菱自動車はこれまでその一角に入ることができていませんでした。聞くところでは「候補の一つにも入れてもらえないことが少なくなかった」というのです。そんな中での大ヒット! 商品開発でのうれしい誤算となったことは間違いないようです。

 

オフロード走行を意識した足回りを4WD車に標準装備

用意された試乗車は、シリーズ中で最上位となるターボ仕様のデリカミニ「T Premium」の4WD車です。

 

車両本体価格は223万8500円。そこにメーカーオプションとして、オレンジのオプションカラー(8万2500円)とアダプティブLEDヘッドライト(7万7000円)を装備しています。さらにディーラーオプションとして、フロアマット(2万5960円)やサイドデカール(3万3440円)、ナビドラ+ETC2.0(36万9820円)などが加わり、総合計では282万7220円。諸経費を含めると300万円を超える見積りとなりそうです。

↑ディーラーオプションのナビドラ+ETC2.0(36万9820円)のナビゲーションは、手持ちのスマホとWi-Fi接続することで音声での目的地検索が可能になる

 

そのデリカミニを前にすると、やはりデリカ風のデザインがとってもカッコイイ! 試乗車のボディカラーがオレンジだったことも一つの理由だと思いますが、4WD車は車高が高くなったうえに、タイヤを標準グレードよりも一回り大きい165/60R15にしたこともカッコ良さを際立てているように感じました。さらに4WD車に限ってはダンパーにも手が加えられ、オフロードで快適な走行ができるように改良されているのです。

↑4WD車のタイヤには標準車よりも一回り外形サイズが大きくなる165/60R15を採用

 

一方で内装は黒を基調としており、基本的には従来のeKクロス スペースを踏襲したものです。とはいえ、デリカミニとしての独自色を上手に演出できており、運転席からの視界は比較的に高めで、周囲の見通しはかなり良いと言えるでしょう。ただ、ステアリングがチルトするのみでテレスコピックはなし。そのため、若干ハンドルを抱え込むポジションになってしまいました。それでもシートの座面にコシがあり、しっかりとしていることから疲れは感じないで済みそうです。

↑水平基調のインストルメントパネルはブラックで統一。着座位置は高めで視界はとても広い

 

↑シートは合皮とファブリックの組み合わせた通気性の良い撥水シートとなっている

 

レジャーを意識した装備も豊富です。たとえば寒い季節にありがたいステアリングヒーターは新装備されたもので、しかも全周囲を対象とする優れもの。また、天井に設けられたサーキュレーターはエアコンの効きを均一化できるほか、リアサイドウィンドウのロールサンシェードや助手席シートバックの折りたたみ式テーブル、さらにはUSB端子も装備されるなど、後席でも快適に過ごせるようさまざまな工夫が施されています。さらに、リアシートは320mmもスライドでき、出掛けた先でいろいろな活用法が見出せることでしょう。

 

【内装フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

ターボパワーは必要十分! ハンドリングも穏やかで乗りやすい

↑最高出力47kW(64PS)/5600rpm、最大トルク100Nm(10.2kgfm)/2400~4000rpmを発生させる直列3気筒DOHC 0.66リッターターボ+マイルドハイブリッドを搭載

 

走り出しは4WD車らしい、落ち着いたスタートを切ります。軽快さはあまり感じませんが、高速道路での流入でもそれほどパワー不足を感じることはないと思います。ただ、これがノンターボ車だと、おそらくかなり動きは鈍くなるのではないかと推察できます。その意味で、オススメはターボ付きモデルですね。

↑デリカミニに試乗中の筆者。高めの着座位置ということで運転のしやすさが印象的だった

 

ハンドリングも穏やかでスーパーハイト系ワゴンにもかかわらず腰砕けしないフィーリングは、乗りやすくコーナリングも安心して走れるという感じです。トランスミッションはパドルシフト機能付きCVTで、走行中に簡単操作でシフトを変えられるのもメリットと言えます。

↑デリカミニは、「DELICA」のロゴマークが従来の「eKクロススペース」とは異なる雰囲気を醸し出していた

 

もう一つ注目なのは、悪路での走破性です。前述したように、4WD車にはスムーズなダンピングと路面への追従性を高めたショックアブソーバーが装備され、そのうえでタイヤサイズを一回り大きくした165/60R15を組み合わせています。これにより、2WD車に比べて砂利道など悪路での走破性を高めているとのこと。この日の試乗では、悪路走行はキャンプ場内に限られたため、その効果をはっきり体感できるまでには至りませんでしたが、継続装備されたヒルディセントコントロールも含め、改めての試乗で確かめてみたいと思います。

↑砂利道など悪路での走破性を高めているとのことだったが、キャンプ場内ではその効果を十分に体感することはできなかった

 

可愛い『デリ丸。』のCM効果もあって、三菱の軽自動車としては異例の大ヒットをもたらしたデリカミニ。ここまで人気を集めればサードパーティの新たなパーツの登場も期待できそうです。かつてのパジェロミニがそうだったように、デリカミニとして新たな盛り上がりを期待したいところですね。

 

SPEC【T Premium(4WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1830mm●車両重量:1060kg●パワーユニット:直列3気筒DOHC+交流同期電動機●エンジン最高出力:64PS/5600rpm●エンジン最大トルク:100Nm/2400〜4000rpm●モーター最高出力:2.7PS/1200rpm●モーター最大トルク:40Nm/100rpm●WLTCモード燃費:17.5km/L

【フォトギャラリー】(画像をタップすると閲覧できます)

 

撮影/松川 忍

子育て世代の日常クルマが大変身! ダイハツ「タント ファンクロス」はアウトドアにぴったりの”軽”だ!!

継続するアウトドア人気を受けて、メーカーもその動きを意識したモデルを送り出している。今回はダイハツ「タント ファンクロス」をプロが診断する!

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【私が診断します】

自動車ライター・塚田勝弘さん

新車を中心に中古車やカー用品などを取材、執筆を行う。ゲットナビの元・編集部員で、乗り物担当だった。

 

家族に愛される定番モデルにアウトドア仕様を追加

ダイハツ
タント ファンクロス
168万8500円〜193万500円

2022年10月、タントの商品改良を機に追加。キャンプをはじめ、マリン&ウインタースポーツに向く撥水シート、防水加工シートバックを標準装備する。ルーフレールもファンクロスの専用装備で、荷物が多くなる趣味に対応。

SPEC【ターボ・2WD】●全長×全幅×全高:3395×1475×1785mm●車両重量:940kg●パワーユニット:658cc直列3気筒DOHCターボ●最高出力:64PS/6400rpm●最大トルク:10.2kg-m/3600rpm●WLTCモード燃費:20.6km/l

 

アクセントカラーがアウトドアで映える

↑センターメーターによりワイドで開放感のあるインパネを踏襲する。オレンジの加飾を随所に配することで、遊び心ある仕上がりに

 

助手席側の大開口ミラクルオープンドア

↑ピラーレス構造の「ミラクルオープンドア」により子どもからお年寄りまでラクに乗降可能。大きな荷物の出し入れも容易に行える。 ※写真はタント カスタムのもの

 

掃除もしやすい撥水シート生地を採用

↑ファブリックシートに撥水加工を施すことで、濡れや汚れに強く、掃除しやすい利点もある。後席シート裏にも防水加工が施してある

 

ファンクロス専用のカモフラージュ柄

↑シートはタントのベージュ系、タント カスタムのブラック系とは異なり、カモフラージュ柄。アウトドアに似合う雰囲気を醸し出す

 

【塚田’s Check】タフさと使い勝手を両立した巧みな設計

「子育て層から絶大な支持を集めてきたタントのイメージを覆す、アクティブでタフな内外装がポイント。キャンプを楽しむ開発担当者ならではの利便性の高い装備も出色です」

 

軽スーパーハイトワゴンに外遊びに便利な機能を追加

ダイハツも助手席側のピラー(柱)がない「ミラクルオープンドア」を最大の特徴とするタントをベースに、ルーフレールやタフな印象の前後バンパーを備えたファンクロスを追加。内装に遊び心あふれるオレンジの加飾やカモフラージュ柄のシートを採用し、撥水加工が施された後席シートバックは、汚れた荷物も積載しやすく、手入れも容易にできる。最大の見どころは上下2段調整式ラゲッジボード。上段にするとクーラーボックスなどの大きな荷物が積みやすく、背もたれ前倒し時に段差のない平らな空間が出現する。下段にすれば荷室高が稼げるため高さのあるモノにも対応する。さらにこのボードは着脱可能で、取り外せば車外でアウトドア用品などを置けるテーブルにもなる。

 

子育て世帯の日常クルマとして人気の同車が、外装と内装を変更することで進化。アウトドアにぴったりなモデルに仕上がっている。

2023年最注目の軽自動車「三菱・デリカミニ」をプロが診断!

継続するアウトドア人気を受けて、メーカーもその動きを意識したモデルを送り出している。なかでも軽自動車では三菱・デリカミニの登場で車中泊も快適に過ごせるモデルの人気に拍車がかかりそうだ。今回はそんな人気の「デリカミニ」をプロが診断する!

※こちらは「GetNavi」 2023年6月号に掲載された記事を再編集したものです

 

【私が診断します】

モータージャーナリスト・岡本幸一郎さん

守備範囲の広さは業界屈指。幼い二児との楽しいカーライフを目指し小さくて便利なクルマを物色中だ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。

 

万能ミニバンのDNAを受け継ぐ2023年最注目の軽自動車

三菱
デリカミニ
180万4000円〜223万8500円

伝統ある「デリカ」の名を冠した軽スーパーハイトワゴンが登場。軽自動車界でも異彩を放つタフでギア感のあるSUVスタイリングが目を引く。車内にもアウトドアでの使用を想定した機能的な装備が満載されている。

SPEC【T プレミアム・2WD】●全長×全幅×全高:3395×1475×1810mm●車両重量:1000kg●パワーユニット:659cc直列3気筒DOHCターボ●最高出力:64PS/5600rpm●最大トルク:10.2kg-m/2400〜4000rpm●WLTCモード燃費:19.2km/l

 

リアシートを最後端にすると広いスペースが出現

↑320㎜もの前後スライドが可能。アウトドアや小さな子どものいる家庭の使用を想定し、汚れにくく通気性の良い撥水シート生地を採用

 

使いやすく機能的で快適なインテリアを採用

↑ブラック基調で水平基調のインパネにライトグレーのアクセントを配する。トレイやドリンクホルダーも使いやすくレイアウトしている

 

後席は分割スライド式でたくさんの荷物を載せられる

↑後席は片側ずつスライドおよび前倒しが可能。助手席のシートバックには大小のポケットやテーブル、充電用USBポートなどを装備する

 

車内のいたるところに収納スペースを設定

↑助手席下にはシートアンダートレイを設定。何かと置き場所に困りがちな車検証もここに入れておくことができるようになっている

 

【岡本’s Check】使い勝手の良さは軽自動車として最上級

「軽自動車派ではないがこのクルマは気になる人は多いはず。まだ乗れていないので走りに関しては予想ですが、悪いはずがない。使い勝手は軽自動車としては最上級です」

 

日常生活では小回りが利きアウトドアでは本領を発揮

誕生から55年を迎える万能ミニバン「デリカ」のDNAを受け継ぐミニマムなクルマがついに現れた。

 

三菱が誇る「ダイナミックシールド」による力強い顔はインパクト満点! 大径タイヤもよく似合う。

 

コンパクトな外見からイメージするよりもずっと広い車内空間は、アウトドア好きや子育てファミリーがより便利に使えるよう細やかな配慮が行き届いている。さらには、好みにあわせて選べるオプションパーツも豊富に用意されている。

 

走りについても、すでにeKシリーズで定評のある三菱のことだから、良くできているに違いない。「デリカ」を名乗るだけあって4WD性能にも期待できそうだから、アウトドア好きで未舗装路を走る機会のある人や、降雪地帯に住む人にとっても心強いはずだ。

 

それでいて、軽自動車のサイズだから小回りが利いて、ちょっと出かけるのも億劫にならないし、先進運転支援装備も充実。高速道路を使った長距離のドライブでも疲れ知らずでより快適に運転できそうだ。

 

見るだけでも楽しめて、毎日の生活でも便利に使えて、休日のお出かけにも頼もしい。小さな車体に多くの要素を詰め込んだ実に欲張りな一台は、アウトドアはもちろん、様々なシチュエーションで楽しいカーライフを満喫させてくれること請け合いだ。

「ここまで人気を呼ぶとは……」大ヒットの予感、三菱「デリカミニ」発売前チェック

2023年1月の東京オートサロン2023で実車が初公開され、大きな注目を浴びたのが三菱の新型軽自動車「デリカミニ」です。正式発売は5月25日を予定していますが、3月上旬にはなんと7000台もの事前受注を獲得。三菱の広報担当者も「ここまで人気を呼ぶとは思っていなかった」というほど、予想以上の反響を集めているのです。

 

それほど人気を集めた新型デリカミニとはどんなモデルなのでしょうか。4月6日に明らかになった価格を含め、その詳細レポートをお届けしたいと思います。

 

■今回紹介するクルマ

三菱/デリカミニ

価格:180万4000円〜223万8500円(税込)

↑「デリカ」の世界観を軽自動車で再現した『デリカミニ』(手前)。写真はオプションの「アクティブトーンスタイル」仕様

 

オフロード4WDミニバン「デリカ」の世界観を軽自動車で実現

デリカミニを一言で言い表せば、高い人気を獲得している三菱のミニバン「デリカ」の世界観を軽自動車で展開するものとなります。

 

そもそもデリカは1960年代後半に商用車としてデビューしたのが始まりです。その後、1979年に登場した2代目「デリカ・スターワゴン」で本格的オフロード4WDシステムを搭載したミニバンとして定着。その伝統は現行の「デリカD:5」にまで引き継がれ、いまではオフロード4WDミニバンとして不動の地位を獲得しています。その“デリカ”で培ったイメージを軽自動車に再現したのが、新たに登場したデリカミニというわけです。

↑デリカミニ・G Premiumの標準仕様。ボディカラーは全12色あります。写真はアッシュグリーンメタリック×ブラックマイカ

 

東京オートサロンで初めてデリカミニの姿を見たとき、完成度の高さに思わず惹きつけられた記憶があります。デザインの表現にも限界がありそうな軽自動車というサイズながら、デリカの世界観が見事に再現されていたからです。

 

その特徴のひとつが最近の三菱車の共通アイコンである、ダイナミックシールドと呼ばれるフロントフェイスを採用していることです。半円形のLEDポジションランプ付きヘッドランプを組み合わせることで、フロント周りはデリカD:5との共通性を見事にキャッチアップ。加えて、フロントバンパーとリアガーニッシュには立体的な「DELICA」ロゴを浮かび上がらせたほか、光沢のあるブラックホイールアーチ、前後バンパー下にプロテクト感のあるスキッドプレートを組み合わせます。これらによってデリカならではの力強いミニバンを表現することに成功したのです。

↑デリカならではのSUVらしい力強さと高い質感を表現したというフロント(アクティブトーンスタイル装着車)

 

↑ドアの開口部を広げたことで乗降性や荷物の出し入れは極めてしやすくなっています(アクティブトーンスタイル装着車)

 

4WD車は専用ショックアブソーバーで足回りをチューニング

ただ、これだけだと「従来のekクロススペースとはデザインが違うだけ?」と思われてしまいそうですが、そこはしっかりとデリカミニとして新たな進化を遂げていました。

 

足回りは上位グレードに装備した165/60R15サイズの大径タイヤに加え、4WDにはデリカミニ専用チューニングを施したショックアブソーバーを装備。開発者によれば、これが路面をしっかりと捉えながら車内へ振動を伝えにくくするのに効果を発揮し、砂利道などの未舗装路での走行で高い安定性と快適性をもたらしているということです。

↑4WD車には165/60R15を組み合わせます。三菱の軽自動車ではもっとも大きい径です

 

また、室内装備としてステアリングヒーターも上位グレードに新装備されました。寒冷地でのスタートはとかく触れるものすべてが冷たいもの。そんなとき、ドライバーの手をこの機能が優しく温めてくれるのです。デリカミニらしい使われ方を想定してしっかりとここをサポートしています。

↑新たに「G Premium」「T Premium」に標準装備されたステアリングヒーター。軽自動車での装備例は数少ないです

 

一方、安全装備は基本的にekクロススペースから踏襲されました。滑りやすい路面での発進をサポートするグリップコントロールや、急な下り坂などを安心して走行できるヒルディセントコントロールを標準装備。さらに高速道路での同一車線運転支援機能として、“マイパイロット”をはじめ車線維持支援機能を搭載するなど、ロングドライブでの疲労軽減に対してもしっかりアシストしてくれるというわけです。

↑高速道路での同一車線運転支援機能として、センサーにはミリ波レーダーと単眼カメラを組み合わせています。中央の四角い部分にミリ波レーダーを収納(アクティブトーンスタイル装着車)

 

また、サポカーSワイドに対応する運転支援機能“三菱 e-Assist”の搭載や、メーカーオプションで光軸自動調整機構付アダプティブLEDヘッドライトも用意されていることも見逃せません。

 

グレードは「T」と「G」の2タイプ。2WD/4WDも選べる

インテリアも、アウトドアでも使いやすく機能的かつ快適な造りにしています。ダッシュボードはブラックを基調としながらも、中央にアイボリーのアクセントを加えることでワイド感を強調。シートはアウトドアでの使用や、小さな子どもがいる家庭での利用を想定して通気性を考慮したシート生地を採用し、座面や背もたれの中央部に立体的なエンボス加工を施すことで疲れにくさと座り心地の良さを両立させています。

 

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グレード体系は大きくインタークーラー付きターボエンジンの「T」と、自然吸気エンジンの「G」の2つで、それぞれに装備を充実した上級グレードの「T Premium」、「G Premium」を用意し、全グレードで2WDか4WDを選ぶことが可能となっています。

 

4月6日に明らかになった価格は以下の通りです。

【T Premium】3気筒ターボ付ハイブリッド/CVT

2WD/207万4600円  4WD/223万8500円

【T】3気筒ターボ付ハイブリッド/CVT

2WD/188万1000円  4WD/209万2200円

【G Premium】3気筒ハイブリッド/CVT

2WD/198万5500円  4WD/214万9400円

【G】3気筒ハイブリッド/CVT

2WD/180万4000円    4WD/201万5200円

 

↑ デリカミニ・G Premiumには、DOHC 12バルブ 3気筒インタークーラー付ターボチャージャー(ハイブリッド)を搭載(アクティブトーンスタイル装着車)

 

デリカらしさを際立たせるオプションパッケージも充実

デリカの一員として、デリカミニではアウトドアでの使用やカスタムでの楽しみ方もディーラーオプションパッケージとして提案しています。それが「アクティブトーンスタイル」と「ワイルドアドベンチャースタイル」です。

 

アクティブトーンスタイルは、都会での走行に似合うスタイリッシュさを強調するデザインとなっています。フロントマスクのダイナミックシールドとフロントバンパー&テールゲートガーニッシュをグロスブラックとし、フロントバンパーとテールゲートの“DELICA”エンブレムをホワイトレターに変更した「エクステリアパッケージA」はセット価格が7万5570円。“DOHC 12 VALVE”“INTERCOOLER TURBO”のサイドデカールは左右4点セットで3万3440円。ブラックのマッドフラップ(4万9940円)はデリカならではの世界観にマッチさせる格好とアイテムと言えます。※価格はいずれも取付工賃別

 

ワイルドアドベンチャースタイルは、冒険心をくすぐるカスタマイズアイテムです。フロントマスクのダイナミックシールドとフロントバンパー&テールゲートガーニッシュがシルバーとなり、フロントバンパーとテールゲートの“DELICA”エンブレムをブラックとする「エクステリアパッケージB」はセット価格が7万5570円。フロントアンダー、サイド/リアのアンダースキッドプレート風「デカールシール」を3点セットにした「デカールパッケージ」が6万75400円。さらに「タフネスパッケージ」では、三菱ファンにはたまらないレッドマッドフラップ、アルミホイールデカールなど4点をセット(7万1940円)にしました。※価格はいずれも取付工賃別

↑ディーラーオプションとして用意された「ワイルドアドベンチャースタイル」。フロントマスクやフロントガーニッシュ、テールゲートガーニッシュがシルバー塗装になります

 

↑「ワイルドアドベンチャースタイル」には、三菱ファンにはたまらないレッドマッドフラップも用意されます

 

↑「ワイルドアドベンチャースタイル」には、アウトドア好きにうれしいベースキャリアもラインアップ

 

SPEC【G /G Premium(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1800mm[3395×1475×1830mm]●車両重量:970kg /990kg[1030kg /1050kg]●総排気量:659cc●パワーユニット:直列3気筒DOHC+交流同期電動機●エンジン最高出力:52PS/6400rpm●エンジン最大トルク:60N・m/3600rpm●モーター最高出力:2.7PS/1200rpm●モーター最大トルク:40N・m/100rpm●WLTCモード燃費:20.9km/L[19.0km/L]

※[]内は4WDの数値

 

SPEC【T /T Premium(2WD)】●全長×全幅×全高:3395×1475×1800mm[3395×1475×1830mm]●車両重量:980kg /1000kg[1040kg /1060kg]●総排気量:659cc●パワーユニット:直列3気筒DOHC+交流同期電動機●エンジン最高出力:64PS/5600rpm●エンジン最大トルク:100N・m/2400〜4000rpm●モーター最高出力:2.7PS/1200rpm●モーター最大トルク:40N・m/100rpm●WLTCモード燃費:19.2km/L[17.5km/L]

※[]内は4WDの数値

 

 

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写真/松川 忍

満足度は間違いない! 三菱「アウトランダーPHEV」は輸入車の高級モデルばりの威厳を放つ!!

2021年12月に発売された新型「アウトランダーPHEV」。すでに発売から1年が経過したが、多くの自動車メディアや評論家が高く評価している。先代モデルは約9年と長きにわたって販売されロングセラーモデルだったが、はたして新型はユーザーが待ち望んだ進化を果たしたのだろうか。現在の三菱自動車のフラッグシップモデルの実力に迫った。

 

■今回紹介するクルマ

三菱/アウトランダーPHEV

※試乗グレード:P

価格:462万1100円~548万5700円(税込)

 

ハイブリッドカーの進化系であるPHEVがある

カーボンニュートラルの波は日本の自動車業界にもひしひしと迫っており、クルマの電動化はもはや避けられない事態となっている。特に政府関係者に望まれているのはピュアEV(電気自動車)だが、日本でまだ流行らない理由は、価格が高いこととインフラに不安があるからだ。

 

前者に関しては、政府から補助金が出ることでガソリン車と変わらないくらいの価格になっているし、普及が進めば徐々に価格も下がってくることが予想される。しかし後者に関してはなかなか深刻な問題だ。給電スポットを探して不安になりながら運転するというのは、一度経験した人なら二度と味わいたくないものに違いない。

 

また、給電時間の問題もある。やっと見つけた充電スポットに先客がいれば、その人と自分とで合わせて1時間近く充電待ちしなくてはならないこともある。とはいえ、インフラが充実するには相当な時間がかかる。現在のガソリンスタンドのように、当たり前のように街中に給電スポットが揃うのはいつになることか。この先、EVの普及台数が増えていけば、追いかけっこのような状態になりかねない。

 

では、インフラが普及するまでEVは買えないのか、EVの走りを味わうことはできないのか、といえば、そんなことはない。ハイブリッドカーの進化系であるPHEV(プラグインハイブリッドカー)がある。PHEVとは充電できるハイブリッドカーのことで、基本的にはEVとしてモーターで走り、電気がなくなったら(充電できなかったら)、ガソリンエンジンを積んでいるから普通のハイブリッドカーとしても走れるし、走行中に充電もされる。

↑アウトランダーPHEVのグレードはP、BLACK Edition、G、Mの4種。今回は最上級グレードのPを試乗

 

2022年末の現在、日本ではトヨタの「プリウス」、「RAV4」、レクサスの「NX」、三菱には「エクリプスクロス」、そしてこのアウトランダーにPHEVの設定がある。しかし、このアウトランダー(先代型)こそが“PHEVの権化”という時代があったのは事実だ。元々はミドルサイズのクロスオーバーSUV「エアトレック」の後継車で、2013年に2代目モデルに世界初の4WD&SUVのPHEVとして先代型が誕生して以降、他メーカーのPHEVは販売が振るわなかったのだ。

↑ボディカラーはPグレード専用色を含めて全12色。スタイリングをさらに引き立ててくれるダイヤモンドカラーシリーズは美しい

 

そして2021年に満を持して3代目アウトランダー(アウトランダーPHEVとしては2代目)が誕生したわけだが、ガソリンエンジン搭載モデルもラインナップされていた先代型と違い、新型はPHEVのみとなっている。これは、PHEVのみでも販売的に失敗しない、そしてそれだけの高い完成度を実現したという三菱の自信の表れでもある。

↑255/45R20 タイヤ+20インチアルミホイール(2トーン切削光輝仕上げ)を履く。※Pの場合

 

↑インテリアにはインストルメントパネルを貫く力強い水平基調のデザインを採用。Pのシート生地はブラック×サドルタンのセミニアンレザーが標準だが、試乗車はライトグレーのレザー生地になっていた

 

乗り心地もフラットで、極めて乗用車ライク!

パワーユニットの構成は、フロントにエンジンを搭載し、フロントとリアにそれぞれモーターを備えた4WDとなっており、前後で異なるモーターで駆動を制御する「ツインモーターAWD」を採用している。従来モデルと同構成ながら、出力が向上されたこのユニットによって非常に優れた加速を実現しており、体感的にもEV(モーター)特有の鋭い加速が感じられた。なお、バッテリー容量は先代型から約50%近く拡大されており、カタログ値で87kmもモーターのみで走行することができる。

 

↑手になじむ大型のダイヤルを回すことで直感的にモードの選択が可能

 

↑左のスイッチはペダルの踏み替えを減らす「イノベーティブペダルオペレーションモード」。右にあるのは4つのモードから、バッテリー残量をコントロールできるスイッチ

 

先代モデルと比べると、もう少し硬かった足まわりがだいぶしなやかになった。乗り心地もフラットで、極めて乗用車ライクなものになっている。また、先代型は車高の高いSUVらしくコーナリングで多少の不安があったが、より安定感の高いフィーリングを感じさせるようになった。

 

ステアリングフィールに関しては従来から重くはなかったが、さらに軽くなった印象を受ける。全体的な操作感覚としては何もかもイージーに生まれ変わったといえる。ボディサイズは全長、全幅とも拡大されているが、最小回転半径は5.5mとなっており、ボディサイズを考えれば非常に小回りが効くクルマに仕上がっている。

↑フロントよりリアのモーターのほうがパワフルなのも三菱PHEVの特徴

 

新型はPHEVのみになったにも関わらず、先代型のガソリンモデルでラインナップされていた7人乗り(3列シート)仕様が設定されている。単純に考えてガソリン車よりPHEVのほうがメカニズム部分の容積が大きくなってしまうはずだが、そこは設計や技術で補った形だ。

 

3列目シート自体は、背もたれ、座面ともに重厚になっていて、立派な印象を受ける。しかし実際に座ってみると筆者のような身体の大きめな男性では高さが足りず、また足を置く部分の床面積にも不満が残る。多くのミニバンと同じように、あくまでも3列目は子ども向けと割り切るべきだろう。

↑3列目シートは子ども専用ともいうべきスペース感

 

↑荷室は、3列目まで使用すると容量は最大284リットル。3列目シートを床下格納すると、最大646リットルまで容量は拡大する

 

最後に、デザインについては、三菱ブランドのフラッグシップ(旗艦)らしく、堂々としたたたずまいに仕上がっていて素晴らしい。何にも似ていない三菱オリジナルテイストのフロントまわりは、同社のデザインアイコンである「ダイナミックシールド」が採用されており、非常に押し出し感が強く、輸入車の高級モデルばりの威厳を放っている。インテリアについてもクラス以上の高級感に満ちていて、クオリティが高い。流行りのフォーマットをなぞっている印象のないクルマながら、クルマの未来を感じたい人にとって、最高の一台になり得るだろう。

↑フロントマスクには最新世代の「ダイナミックシールド」デザインを採用。頰の部分にある四角いユニットがヘッドランプ

 

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745㎜●車両重量:2110㎏●パワーユニット:2359cc直列4気筒エンジン+電気モーター●エンジン最高出力:98kW/5000rpm●フロントモーター最高出力:85kW/リアモーター最高出力:100kW●エンジン最大トルク:195Nm/4300rpm●フロントモーター最大トルク:255Nm/リアモーター最大トルク:195Nm●WLTCモード燃費:16.2㎞/L

 

撮影/木村博道 文/安藤修也

 

 

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静かでなめらかな走りに力強さもあり! 三菱「ek クロス EV」は軽EVのトップクラスの充実ぶり

気になる新車を一気乗り! 今回の「NEW VEHICLE REPORT」でピックアップするのは、軽自動車のEV作りで豊富なノウハウを持つ三菱の最新作となるekクロスEV。堅実なクルマ作りで、時代を反映するモデルの出来映えに期待大!

※こちらは「GetNavi」 2022年11月号に掲載された記事を再編集したものです

 

モビリティ新時代の到来を予感させる

【EV】

三菱

eK クロス EV

SPEC【P】●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm●車両重量:1080kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:20kWh●最高出力:64PS/2302〜10455rpm●最大トルク:19.9kg-m/0〜2302rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):180km

 

静粛だが力強い走りはEVに対する期待値通り

三菱と日産の共同開発で生まれた軽自動車規格のピュアEVが、揃って登場した。三菱版の位置づけとしてはeKシリーズの一員となり、内外装デザインは若干の差別化のみ。エクステリアはeKクロスならではのSUVらしくたくましいデザインが、EVになっても踏襲されている。

 

その走りは、非常に静かで滑らかだ。車両重量はガソリン車に対して200kgほど重くなったが、最大トルクがほぼ倍増しているので十分に力強く、レスポンスも俊敏でダイレクト感がある。また、バッテリーを車体の中央寄りの低い位置に搭載するため、重心が低く操縦安定性にも優れる。先進運転支援装備も、軽自動車としてはトップクラスの充実ぶりだ。

 

一充電あたりの最大航続距離は180km。大型のEVと比較すれば控えめだが、週末のドライブではなく日常の足として使うなら問題はない。実際、使ってみると軽自動車とEVというのは、実はかなり相性が良いものだと思えてくる。軽自動車の使用環境まで考慮すると、今後のモビリティとして注目すべき存在と言える。また、一見すると車両価格は安くないが、補助金を活用すれば実質的負担は売れ筋の軽自動車と大差ないことも、要注目ポイントとして念を押してお伝えしておく。

 

[Point 1]随所に電気駆動モデルらしさが見られる

正面のメーターには、7インチの液晶ディスプレイを採用。バイワイヤーのシフトセレクターやタッチパネルの操作系など、随所に電気駆動モデルらしさが散りばめられる。

 

[Point 2]SUVテイストをガソリン仕様から継承

外観はSUVテイストをeKクロスから受け継ぐ仕立て。ボディカラーがモノトーン5色、2トーン5色の全10色。駆動は2WDのみで、グレードは2タイプとシンプル。

 

[Point 3]広さはトップレベル!

前後スライド機構を持つ分割可倒式の後席をアレンジすれば、サイズ以上の使い勝手を実感できる荷室。容量もトップレベルだ。

 

[Point 4]充電環境にはフル対応

充電口は1か所にまとめられる。200Vの普通充電では約8時間で満充電に、急速(30kW以上)では約40分で80%までの充電が可能。

 

[Point 5]室内空間はほぼ同等

シート地はファブリックが標準だが、明るい色合いの合皮+ファブリックのコンビも選択可能。EV版でも室内空間はガソリン仕様と比較して遜色のない広さだ。

 

[ラインナップ](グレード:パワーユニット/駆動方式/税込価格)

G:電気モーター/2WD/239万8000円

P:電気モーター/2WD/293万2600円

 

文/小野泰治、岡本幸一郎 撮影/郡 大二郎、市 健治

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防災の日をきっかけに「アウトランダーPHEV」で備える災害対策、6つの観点。

 

9月1日は防災の日。GetNavi webでも日ごろから防災に役立つグッズを紹介していますが、今回はもう少し広い視野に立った対策を提案。たとえばクルマ。移動手段として欠かせない存在であるのに加え、近年では被災した際の備えとしても注目されています。

 

特に、プラグインハイブリッド車(PHEV)は外部から充電できることに加えて、ガソリンエンジンで発電することもでき、被災時でも大容量の電力を確保することが可能。避難生活を変えてくれる可能性があります。本記事では、その最有力候補である三菱自動車の「アウトランダーPHEV」にフォーカス。同車の「防災力」を紐解いていきましょう。

 

【今回紹介する車両】

2021年度PHEV販売台数ナンバーワン&オンリーワンモデル

↑Pグレード(7人乗り)、Gグレード(5/7人乗り)、Mグレード(5人乗り)の4タイプを用意。写真はPグレード

三菱自動車

アウトランダーPHEV

2013年に登場したクロスオーバーSUV「アウトランダーPHEV」は、昨年12月にフルモデルチェンジ。2021年度の販売台数は6267台となり、PHEVの車名別販売台数で1位を獲得しています(※1)。また、「P」と「G」グレードは3列シート7人乗りが設定され、パッケージングでも国産PHEVでオンリーワンの仕様が特徴。

※1:2021年4月~2022年3月 一般社団法人日本自動車販売協会連合会調べ

 

同車は20kWh駆動用バッテリーを搭載。燃料満タンからのエンジン発電で合計約100kWhの電力を外部機器に 最大1500W(100V AC電源)まで給電できます。これがどれだけ大容量なのかというと、近年、大人気のポータブル電源のバッテリー容量が2kWh前後(AC出力1500Wの機種の場合)で、100kWh÷2kWhで50個分に相当。なお、ポータブル電源の売れ筋である500Whモデル(最大同時出力600〜800W前後)と比較した場合は、なんと約200個分に相当します。

 

また、スマホアプリ「MITSUBISHI CONNECT」と連携してエアコンの遠隔操作ができるなど、IoTデバイスとしての性格も持ち併せています。

 

【アウトランダーPHEVの公式サイトでは本記事では

あまり紹介していない実写の画像が沢山! 詳細はコチラ

 

被災時の負担・ストレスを低減させる6つの能力

それでは、アウトランダーPHEVのバッテリーがどれだけ被災時の生活の支えになるか、6項目をチェックしていきましょう。

 

【その1】暑さ(寒さ)対策

まずは暑さ(寒さ)対策。被災したのが夏だった場合、停電時でも車内エアコンがエンジンをかけずに使える(※2)ので、身近な避難スペースになります。アウトランダーPHEVは3列シート7人乗りグレードが設定されるだけあり、人がゆったりと寝られるスペースを後席&荷室に確保。車内で過ごすことで昼夜の熱中症を防げます。

 

もちろん、バッテリーに貯めた電力で自宅の家電を動かすことも可能です。エアコンは最大約172時間(※3/消費電力目安は下部に記載)、扇風機は24時間回し続けても最大約160日以上動く計算です。エンジンをかけて発電せずとも給電できる仕組みなのも便利。さらに、アウトランダーPHEVの場合、そもそもバッテリー容量自体が大きいので給電できる時間が長い、という点もメリットになります。

 

また、冬の災害時にもエアコンで部屋を暖めて暖がとれることは大地震後の火災対策に有効ですし、余震の恐れがなければ石油ファンヒーターを動かせることもメリットです。さらに就寝時のスポット暖房として電気毛布を活用できるのも電気が使えればこそ。

 

特にファンヒーターやー電気毛布は暖房家電としては消費電力が少なく、灯油の備蓄があれば石油ファンヒーターなら24時間稼働し続けても最大約80日以上、電気毛布なら最大約120日ほど使え、寒さにこごえるリスクを減らせます。

※2:エンジン始動をしない暖房はヒートポンプ式エアコン装着車のみ
※3:【各家電の消費電力目安】●エアコン:580W(立ち上がり時に1400W前後の電力を消費するうえ、運転状態により消費電力が変動するためあくまで目安)●扇風機:25W●石油ファンヒーター:50〜200W(点火初期に400W前後の電力を使用するためあくまで目安)●電気毛布:35W

 

【その2】スマホの充電対策

スマホをメインにしたデバイスの充電を担保してくれるのもアウトランダーPHEVの頼もしいところ。平均的なスマホのバッテリー容量を約3000mAh(≒11.1Wh)、変換ロスを考慮して満充電に5000mAh(18.5Wh)必要だと考慮しても、単純に計算で最大約5400回以上の充電が可能です。

 

インパネには USB端子が搭載されているほか、フロアコンソール背面、ラゲッジルーム運転席側に電源コンセントを設置。ノートPCやタブレットのようなバッテリー容量が大きめなデバイスはAC式電源器を使って充電すると素早く充電ができます。上記イラストでは、スマホはインパネから給電、タブレットはフロアコンソール背面からAC式充電器で給電する使用方法を想定してみました。

 

被災時の情報収集や安否確認以外にも、夜間のライトとして使用したり、気分が沈まないようにBGMを流したりと、スマホは用途多彩なため充電を気にせず使えると安心感が違います。

 

なお、アウトランダーPHEVのバッテリーは、エンジン発電による充電時間は停車中チャージモードで約95分(満充電付近/非常時ということでアイドリングによる充電を想定)。夜間にエンジンをかけて稼働すると、不用心かつ近隣迷惑になることもあるので、夕方までに車両に貯めた電気で夜を過ごすのがいいでしょう。

 

【その3】最新情報収集対策

ラジオは災害時のライフラインのひとつ。スマホアプリでラジオを聞く場合はインターネットが通じていなければならず、長期停電などが生じ携帯基地局がダウンしているとラジオも聞けなくなります。アウトランダーPHEVにはAM/FMラジオと地上デジタルTVチューナーを標準装備しており、報道機関の情報を取得できます

 

夜間など自宅で過ごす際は充電式のラジオやランタンを室内で使い、日中など活動している時間帯は車両のラジオから情報を得るといった使い分けも可能です。

 

【その1】で紹介したように、自宅に電気を引き込めば停電時でも自宅でテレビが見られます(アンテナが故障していないことが前提)。二次災害や余震が危惧される際には、すぐに情報を確認できますし、テレビ自体が明かりの役割も果たしてくれます

 

広域の災害情報などはテレビで取得するのが分かりやすいですし、あるいは自宅のDVD・BDプレイヤーで映像コンテンツを楽しんだり、ゲーム機で遊んだりすることも可能になります。非常時でも平時と変わらないコンテンツに触れることで、心の安定を保つ心理的効果もあるとされています。災害時は周りで何が起こっているのか把握できず、孤独になりがち。情報が不安感を取り除いてくれるのです。

 

【コラムその1】自治体との災害時協力協定

三菱自動車では災害時にPHEVを貸し出す、災害時協力協定「DENDOコミュニティサポートプログラム」を全国200以上の自治体と締結。地域ディーラーが災害が起きたエリアにPHEVを貸し出す体制を整えています。災害時にPHEVを自治体へ貸与し活用した例もあり、人々の生活を支える存在になっています。

 

【三菱自動車では「災害にも強い三菱のPHEV」と題したサイトコンテンツを

公開しています。詳細はコチラ

 

【その4】食事・調理対策

被災時にアウトランダーPHEVが活躍するのは、「住」関連だけではありません。「食」でも力を発揮します。停電時でも電子レンジや炊飯器、電気ケトルといった消費電力の大きい調理家電が使えるのがメリット。電子レンジなら最大約67時間、炊飯器なら最大約70回、電気ケトルは最大約80時間使用可能になります(※4)。カセットコンロでお湯を沸かせば、レトルトやインスタント食品を食べることはできますが、アウトランダーPHEVがあればより安全に温かい食事をとれて、心を落ち着かせることができます。

 

「ホームベーカリー」を使うというのもひとつのアイデア。コロナ禍で大ヒットした家電で、自宅に持っているという人も多いと思います。災害時でも焼きたてのパンを食べられるのは、他の家電以上に喜びや安心感を与えてくれるでしょう。バターや牛乳なしで作れるレシピもあります。

 

また、自宅の冷蔵庫をそのまま稼働させ続けることも可能ですし、十分に冷やされた冷蔵庫は真夏であっても数時間程度停止しても冷気を保ちますので、電子レンジや炊飯器など消費電力の大きな家電を使う際は冷蔵庫を止めても大丈夫です。さらに人気上昇中のポータブル式の冷蔵庫なら、消費電力を気にせずに食材や飲み物を冷やしておくことができます。消費電力45Wのポータブル冷蔵庫なら使用可能時間は最大約2200時間(※4)となっています。

 

電気は災害による停電が発生しても、比較的復旧の早いインフラと見込まれています。しかし災害の規模が大きい場合や、局地的に復旧が遅れる場合は停電が長期化することも想定されるため、家庭における防災対策においては、最大で7日間程度の停電を見込んだ準備が必要となります。カセットコンロなどを準備するのもひとつの方法ですが、電気そのものを準備することができるならば、それが一番手軽かつ便利な対策となります。

 

アウトランダーPHEVは、AC1500W給電で平均的な家庭が1日で使う用電力(約10kWh)をまるごと最大約10日間賄うことができます(※5)。といっても災害が起こるタイミングによっては、発電するためのガソリンが足りないという状況に陥ることも……。家族の安全と健康を第一にしながら、どこに電力を使って生活するか、普段から頭のなかでシミュレーションしておくのがいいでしょう。

※4:【各家電の消費電力目安】●電子レンジ:1500W(30Lクラス)●炊飯器(5.5合炊飯時):1300W(1回の使用を1時間と想定)●電気ケトル:1250W ●ポータブル冷蔵庫:45W
※5:供給可能電力量は三菱自動車試算による

 

【その5】衛生&消毒対策

アウトランダーPHEVがあれば洗濯機も最大約500時間と十分に使うことができます(洗濯時/※6)。しかし、断水してしまうと家庭用洗濯機で洗濯するのは困難になります。こういった場合は、市販のポータブル洗濯機を用意しておけば少量の水でタオルやシャツが洗え、汗をかく夏場の衛生対策にもなります。

 

水を消費する家電でいうと、外付けの食洗機も優秀。少量の水で食器類をきれいにできるため、断水などで使用できる水が限られているケースで活躍します。(最大約130時間使用可能/※6)

 

また、地震で自宅内の食器や棚のモノが割れて散乱してしまった場合、掃除機で吸い込めば安全に生活できる状態に戻せますし、床の衛生状態もきれいに保てます。最近主流のコードレス式スティック掃除機の場合、30分程度でバッテリーが切れてしまうため、アウトランダーPHEVがあることで何度も使用することが可能です。

 

加えて、衛生面でいうと「消毒」も電気があると安心して行えます。消毒用の熱湯は電気ケトルで手軽に作れますし、乳児がいる家庭では電子レンジに哺乳瓶ケースと水を入れての熱湯消毒が可能。これは一般的ではないかもしれないですが、近年は深型のホットプレートが人気を博しており、電子レンジが故障した場合でもホットプレートで熱湯を作っての消毒も選択肢として考えられます。

※6:【各家電の消費電力目安】●洗濯機(ドラム式):200W(洗濯時)。なお、乾燥は1300W程度の電力を消費するため最大約71時間程度●ポータブル洗濯機:10W●食器洗い乾燥機:770Wh●ホットプレート:650W(小型・深底タイプ)●掃除機:1000W(強モード時)

 

【その6】自宅避難対策全般

最後は、バッテリーによる直接的な電気の恩恵ではないものの、災害時に想定されるケースをもとにアウトランダーPHEVの幅広い災害対策用途を紹介。

 

まず、大地震による津波や地震火災、台風や大雨による水害や土砂災害、火山の噴火など、自宅に留まると命に危険が生じる恐れのある場合は、迷わず「避難場所」へ逃げることが重要です。早期避難であれば自動車を使って移動しても構いません。一方、命を守った後に最寄りの「避難所」へ移動するかどうかは各家庭の判断にゆだねられます。

 

避難所はホテルや宿泊施設ではないため、基本的に環境はよくありません。物資は潤沢ではなく、夏の暑さと冬の寒さ、床の硬さ、集団生活による感染症リスクの増大や盗難を含むトラブルの発生、プライバシー確保の困難さなど、様々な問題を秘めています。

 

特に、家族に乳幼児や子ども、妊婦、高齢者、要介護者、障がい者、そしてペットなどがいる場合、避難所での共同生活は困難です。さらに近年の災害では、高齢者が避難生活により体調を崩し、最悪の場合は命を落とす「災害関連死」による被害も急増しています。避難所へ行かずに生活をできる準備があることは安心につながります。

 

そのため近年においては、車中泊などを実施したり、自宅が無事であり二次災害の恐れもない場合は、できるだけ自宅に留まる「在宅避難」という選択肢もあります。

 

アウトランダーPHEVなら、大人2人が横になる十分なスペースがあり、小さなお子さんであれば親子3人が同時に横になれます。また、自宅の照明への電源供給も容易なため、自宅が真っ暗で怖がってしまうこともありません。自分自身はもちろん、家族の精神的な不安を和らげてくれる選択肢を提供してくれます。

 

【コラムその2】「V2H」でさらにアウトランダーPHEVの力を引き出せる

アウトランダーPHEVはAC電源コンセントから最大1500Wを給電できますが、これ以上に大きな電力を家庭に一度に供給する方法も。それが「Vehicle to Home」を略した「V2H」。V2H機器を利用した場合は電力変換ロスが少なくなるため、最大で一般家庭12日分の電力を供給可能。より長期の災害対策を施すことができます。

*7:供給可能電力量は三菱自動車試算による(一般家庭での一日当たりの使用電力量を約10kWh / 日として算出、V2H機器等の変換効率は含みません)。住宅との接続にはV2H機器が必要です。V2H機器に接続している場合、エンジン始動による発電はできません。エンジンでの発電を行う場合は、V2H機器との接続を終了してください。V2H機器については、営業スタッフまたは各V2H機器取扱メーカーにおたずねください。

 

【まとめ】

ここまでは給電を中心とした利点に着目してきましたが、クルマとしての性能にも簡単に触れてまとめに入っていきます。

 

アウトランダーPHEVはツインモーター4WDに加えて、4輪の駆動力・制動力を最適に制御するS-AWC(Super All Wheel Control)を採用。走っては快適、路面状態の悪い場所でも安心して走行できるのが特徴です。

 

安心という意味では、先進支援機能も充実。衝突軽減ブレーキシステムや高速道路 同一車線運転支援機能マイパイロットなど、今の時代に必須のサポート機能を全グレードに標準装備しています。

 

ちなみにアウトランダーPHEVではなく、クロスオーバーSUV「エクリプス クロス」という選択肢もあります。スタイリッシュなクーペフォルムと機動力を融合させたクロスオーバーで、アウトランダーPHEV同様S-AWC やAC1500Wコンセントを装備し、V2Hにも対応。

 

ここまでで、アウトランダーPHEVの多岐にわたる活用術を通して、個々のグッズを揃える「点」の災害対策ではなく、体系的に災害に備える「面」の対策が施せることがお伝えできたかと思います。

 

防災の日をきっかけに、一度ライフラインが止まったときの生活を試してみてはいかがでしょうか。自宅の電気が使えなくなったら、生活にどのような支障が出るのか……。それを知っておくだけでも災害に対する心構えになります。そして、電気がないことで起きる支障の多くの部分はアウトランダーPHEVによって対策可能。大変心強い存在といえるでしょう。

 

【三菱自動車の公式サイトでは三菱のPHEVの歴史や詳細が

わかるコンテンツが充実! 詳しくはコチラ

 

まとめ/卯月 鮎、イラスト/tomoya、監修/高荷 智也(合同会社ソナエルワークス/備え・防災・BCP策定アドバイザー)

軽自動車の領域を超えた走りと居心地の良さに脱帽!三菱「eKクロス EV」試乗レポート

電気自動車(BEV)が相次いで市場に登場するなか、より身近な存在となる軽BEVが日産と三菱によって共同開発されました。それが日産「サクラ」と三菱「eKクロス EV」です。サクラは日産の新モデルとして、eKクロス EVはそれまでのeKクロスの派生モデルとしての位置付けです。ここでは、そのeKクロス EVの試乗ポートをお届けします。

 

【今回紹介するクルマ】

三菱/eKクロス EV

※試乗車:P

価格:239万8000円〜293万2600円(税込)

↑三菱「eKクロス EV」の最上位グレード「P」。外観はガソリン車のeKクロスとほぼ同一だが、よく見るとフロントグリルがガソリン車と違って網目になっていない

 

新型軽EVは「eKクロス」の派生モデルとしてラインナップ

今回、試乗したのは最上位グレードの「P」です。その実車を前にして感じるのは、フロントグリルやエンブレムに多少の違いはあるものの、外観はガソリンエンジン車とほぼ同一であるということです。サクラがウインドウやアウターミラー以外をすべて新設計にしたのに対し、eKクロス EVはちょっと見ただけではEVとは気付かないほどです。

 

これについて三菱の開発担当者は、「これはSUVをメインにラインアップしている三菱らしいアイデンティティで臨んだ結果」と話します。アウトランダーやデリカなどで培った三菱らしいデザインが好まれている今、そのデザインをあえて主張することでファンの心をつかもうというわけです。その意味で、新たなEVとして位置付けたサクラとはそもそものコンセプトが基本的に違っています。

 

ところで、eKクロス EVとガソリン車はどう見分ければいいのでしょう。最も簡単なのは運転席側のリアフェンダーにある充電用ソケットの有無です。すれ違うときにこの切れ込みがあればeKクロス EV、なければガソリン車です。これなら簡単に見分けられますね。

↑運転席側リアフェンダーにある充電ソケット。上が普通充電用、下がチャデモ方式の急速充電用

 

そんなeKクロス EVですが、その人気は急速が高まっています。三菱自動車によれば、7月3日までになんと4559台を受注。三菱の販売店は全国に550店舗(21年3月現在)ありますが、なんと1店舗当たり8.3台もの受注を獲得しているのです。しかも千葉県内の某販売店を取材すると「受注の半数は他社ユーザー」と話しており、まさにeKクロス EVは三菱のシェア拡大に大きく貢献していると言って間違いないでしょう。

 

ekクロス EVは2つのグレードがラインアップされました。標準グレードが「G」で、価格は239万8000円。フル装備の上級グレードが「P」で、価格は293万2600円。なかでも注目なのが標準グレードの「G」で、補助金55万円を差し引いて考えれば、実質1848000円となります。補助金は登録(軽の場合は届け出)してからの支払いとなりますが、これによって軽自動車の枠内でEVが買えるようになったとも言えるわけです。

 

セカンドカーとして位置付け、バッテリー容量は20kWhに

では、この価格はどうやって実現したのでしょうか。そのポイントは搭載バッテリーの容量にあります。BEVの航続距離はバッテリーの容量で大きく左右されますが、このバッテリーは高価で、容量を増やせば自ずと車両価格は高くなってしまいます。そこでサクラとeKクロス EVのような新型軽EVでは、この容量を20kWhとしました。これはBEVで先駆けた日産「リーフ」標準仕様が40kWhですから、そのちょうど半分に相当します。

 

リーフはこの容量で322kmの航続距離を実現していますが、対する新型軽EVは180kmにとどまりました。単純に半分になっていないのは車体重量が軽いことが幸いしているのだと思います。とはいえ、エアコンを使って走行すれば実質120~30km程度となってしまうでしょう。はたしてこの航続距離で不足はないのでしょうか。

 

確かにファーストカーとして使うには、この航続距離ではどう見ても役不足であるのは確かです。しかもBEVは充電するのに時間を要します。ガソリン車のように数分で満タンにできるわけではないのです。

↑普通充電中のeKクロス EV

 

そこで、新型軽EVはいずれもファーストカーではなく、セカンドカーとして割り切った使い方を提案しています。バッテリー容量を20kWhとしたことで航続距離は短くなりましたが、三菱によれば、軽自動車やコンパクトカーユーザーの約8割は1日あたりの走行距離が50km以下とのことで、大半のユーザーは2日間以上充電せずに走行できる計算になります。

 

しかもバッテリーの容量が小さければ、それは満充電までの所要時間が短くて済むということもあります。たとえば、セカンドカーとして近所での買い物や送迎を50km程度こなし、夜間は自宅で充電するという使い方を想定すれば、むしろこの少ない容量がメリットをもたらすというわけ。通勤先に充電スポットが用意されていれば、出社している間に充電をしておくという手もあるでしょう。ただ、昨今の電力供給ひっ迫を考えると夜間での充電が望ましいのかもしれません。

 

軽自動車の領域をはるかに超える上質さとトルクフルな走り

そんな使い方を思い描きつつ、eKクロス EVに乗り込みました。運転席に座って真っ先に感心したのは、フロアにバッテリーを搭載している感じが一切なかったことです。乗降性も自然で、ガソリン車のeKクロスと比べてもほとんど違いはありません。さらに後席も十分なスペースを確保しており、大人4人が乗車しても楽に過ごせそうです。

↑オプションの「プレミアムインテリアパッケージ」。インパネはEV専用のフル液晶。9インチ大画面のスマートフォン連携ナビゲーションが装備される

 

これを実現した背景として三菱の開発担当者は、「eKクロスの開発時に、バッテリーを搭載することも想定していた」ことを明かしてくれました。なるほど、だからこそ、BEVとしても優れたパッケージングを実現できていたんですね。

↑プレミアムインテリアパッケージのシートは、ダブルステッチで高級感たっぷりの仕様となる

 

↑「プレミアムインテリアパッケージ」のリアシート。ダブルステッチが施されるのはフロントと同様。大人二人がゆったり過ごせるスペースがある

 

内装はダッシュボードにソフトパッドが貼られ、スイッチ一つひとつにまで質感があります。軽自動車特有の室内幅の狭さを除けば、もはや軽自動車とは思えない上質さを感じるほどです。車載ナビも「アウトランダー」などと基本機能が同様なもので、スマホ連携やSOSコールにも対応した先進性に富んだシステムとなっています(“G”ではオプション)。

↑プレミアムインテリアパッケージでは、ダッシュボードの表面にタッチが心地よいソフトパッドが奢られる

 

↑シフトノブの右側真ん中には、回生ブレーキを利用してワンペダルでアクセルワークがコントロールできる「イノベーティブ・オペレーションモード」が備わる

 

いよいよ公道へと繰り出します。踏み込んだ瞬間、その力強さが半端ないことに気付きました。それもそのはず、最高出力こそ軽自動車の自主規制に合わせて47kW(64PS)にとどまっていますが、規制がない最大トルクはなんと195Nm(19.9kg-m)! これは軽自動車ならターボ付エンジン車の約2倍に相当します。しかも、これがスタート当初から発揮されるのです。この力強い走りは、もはや軽自動車の領域を遙かに超えているとみて間違いありません。実力としていえば2.5L車ぐらいのレベルはあるのではないでしょうか。

↑モーター系のユニットはボンネット内に収まる。モーターには「アウトランダーPHEV」のリアモーターと同一のものが使われている

 

フロアに搭載したバッテリーの効果もあり、乗り心地は常に上質です。BEVだから静粛性も極めて高く、オーディオを楽しむ人にとってもうれしい空間となることでしょう。カーブでは若干ロールがきつめに出ますが、シートがたっぷりとしたサイズで背もたれが包み込む形状なので、コーナリング中もしっかり身体を支えてくれて不安はありません。これなら、たとえ長く乗っても疲れにくいのではないかとも思いました。

↑フロア下に納められた20kWhのリチウムイオン電池(奥の白いユニット)。スペック上の航続距離は180kmを実現した

 

路面からの突き上げ感は低速域で少し強めに出ますが、それも不快な印象はまったくありません。とにかく、軽自動車でここまで仕上がったことにBEVならではのメリットを感じないではいられませんでした。

↑カーゴルーム下には付属の充電ケーブルを収納できる

 

おすすめグレードは「G」。これに適宜オプションを加えるのがベスト

最後に購入することを前提に、標準グレードの「G」と上級グレードの「P」、どちらが良いのかを考えてみたいと思います。

 

「P」は前述したように。スマホ連携カーナビやSOSコール、ステアリングヒーターなどを装備したフル装備モデルです。そのため、価格は293万2600円と300万円に迫る金額となります。ただ、これでも先行車に自動的に追従して走行するアダプティブ・クルーズ・コントロール(ACC)である「マイパイロット」は“先進安全快適パッケージ(PKG3)”としてオプションになります。走りの良さや車内の居心地の良さを考えると、ちょっと贅沢してみたくなりますが、考えてみるとそれを享受できるほどバッテリーの容量はないのも事実です。

↑ドライバーの運転操作を支援するためのシステム「マイパイロット」は、ステアリング右側のスイッチで設定する

 

↑マイパイロット設定中のインパネ内の表示。車線も認識してステアリングの制御も行う

 

これを踏まえると、あえて「P」よりも下位グレードの「G」を選び、そこに“寒冷地パッケージ(PKG6)”を装備して、ステアリングヒーターや前席シートヒーター(座面)、電動格納式ヒーテッドドアミラー、リアヒーターダクトを追加。さらにカーナビが欲しければ、ディーラーオプションの手軽な機種を組み合わせることで価格も抑えられます。この組み合わせで補助金を考慮すれば200万円前後に収まるはずです。これなら軽自動車の予算ギリギリで収まり、この「G」こそがeKクロス EVのコンセプトに叶った最良の選択になるのではないかと思いました。

↑「P」に標準装備される「スマートフォン連携ナビゲーション(9インチ)」。「G」でも“先進快適ナビパッケージ(PKG2)”のセットオプションとして装着できる

 

↑デジタルルームミラーは「P」、「G」ともにオプションとなる

 

↑「SOSコール」は、「P」に標準装備。「G」ではマイパイロットを含めたセットオプション“先進快適ナビパッケージ(PKG2)”として用意された

 

↑「マイパイロット パーキング」はACCと組み合わせたセットオプション“先進安全快適パッケージ(PKG3)”で装着できる

 

SPEC【P】●全長×全幅×全高:3395×1475×1655mm●車両重量:1080kg●パワーユニット:電気モーター●バッテリー総電力量:20kWh●最高出力:47PS/2302〜10455rpm●最大トルク:195N・m/0〜2302rpm●一充電最大航続距離(WLTCモード):180km

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると閲覧できます)】

アウトドアでの便利さに“惚れ”るクルマを深“掘り”! キャンプの相棒5選

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。ここでは専門家を魅了する5台のモデルを解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

選ぶならアウトドアで活躍する機能性と個性を重視

猛威を振るうコロナ禍の影響もあり、野外で楽しめる開放的なキャンプが爆発的なブームを迎えている。週末のキャンプ場が満員御礼の状態になっているいま、ほかのキャンパーとはひと味違うクルマを選ぶことで個性を主張するのもオススメだ。

 

しかし、形ばかりのクルマでは意味を成さず、スタイルに伴う性能を備えていなければならない。オートキャンプや車中泊での利便性、遊び道具を満載できる積載性能、悪路の走破力などアウトドアならではの使い勝手は欠かせない。そして、キャンプという非日常だけでなく、日々の暮らしで使える快適性を合わせ持った二面性を備えたクルマを選ぶことも重要なポイントだ。

 

尖り過ぎない実用性と快適性、そしてキャンプ使用で威力を発揮してくれる個性的なクルマ選びこそが、快適なキャンプには大切だ。それに適した5モデルを紹介しよう。

 

 

「現代アウトドアにピッタリなパワーソース」に“ホレ”る

【その1】家電も使える未来のクルマ電気の力でキャンプを満喫

三菱

アウトランダー PHEV

462万1100円〜532万700円

存在感を示すアウトランダー PHEVは、その名の通り、プラグインハイブリッドのメリットを生かした1台だ。バッテリーからは最大1500Wの電気がアウトップットでき、家庭用の電気調理器や暖房器具の使用を可能とする。

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列4気筒+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

 

↑フロアコンソールとラゲッジルームの2か所にACコンセントを備え、最大1500Wの電力を供給。ホットプレートや暖房器具も使える

 

↑4輪の駆動力、制動力を最適にコントロールするS-AWC。ツインモーターをと呼ばれる4WD機能が快適かつ安全な走行性能を提供

 

↑開口部の段差をなくした広大なラゲッジスペース。多彩なシートアレンジを可能とし、フラットにすることで荷物を満載できる

 

[ココに“ホレ”た!] 自然にもやさしいPHEVは万一の災害時でも実力発揮

災害時にも威力を発揮するのが大きな魅力。ガソリンが満タン状態なら通常の家庭で、エンジンで発電しながらV2H機器を介して約12日間分の電気を供給可能です!(並木さん)

 

 

「走破性と醸し出す雰囲気」に“ホレ”る

【その2】質実剛健な新型ラングラーでアウトドアの王道を突き進め

ジープ

ラングラー アンリミテッド

704万円〜743万円

2018年にJKからJLへと進化を遂げたものの、ラングラーとしての基本スタイルは踏襲。操縦性、安定性、質感を向上させることで先代モデルの不満を解消している。日常と非日常の楽しさを両立できる憧れの存在だ。

SPEC【RUBICON】●全長×全幅×全高:4870×1895×1850mm●パワーユニット:3604ccV型6気筒●最高出力:284PS(209kw)/6400rpm●最大トルク:35.4kg-m(347Nm)/4100rpm●WLTCモード燃費:8.0km/L

 

↑約800mmの奥行きを持つスクエアなラゲッジは荷物を積みやすい。セカンドシートを倒せば2000Lへと容量を拡大できる

 

↑独立したラダーフレームは負荷にも強く、悪路を走行するジープらしい設計。ボディ自体の耐久性も高くなりライフスパンが長くなる

 

[ココに“ホレ”た!] 年式を経ても味が出て一生付き合える良き相棒

ジープのイメージを踏襲し、時代や年式に左右されることなく乗り続けることができるロングライフは大きな魅力。4WDの走破性能が安心感を提供してくれます。(並木さん)

 

 

「フランス車らしい優雅さ」に“ホレ”る

【その3】キャンプをバカンスに変えるフランス生まれの人気モデル

シトロエン

ベルランゴ

335万8000円〜374万9000円

キュートなスタイルと実用的な室内アレンジを融合させた、フランスのエスプリが漂う一台。「マルチアクティビティビークル」をコンセプトに誕生したモデルだけに、アウトドアでの使い勝手はパーフェクトと言える。

SPEC【SHINE XTR PACK】●全長×全幅×全高:4405×1850×1850mm●パワーユニット:1498cc直列4気筒ディーゼル+ターボ●最高出力:130PS(96kw)/3750rpm●最大トルク:30.5kg-m(300Nm)/1750rpm●WLTCモード燃費:18.0km/L

 

↑約90cmの奥行きを誇るラゲッジ。床下にリヤシートを収納すれば1.7mの長尺モノも収納でき、容量は最大2126Lまで拡大する

 

↑エアチュープ構造のフレームを付属のポンプで膨らませる純正タープを用意。完成サイズはW2500×H1800×D2500mmとなる

 

[ココに“ホレ”た!] フランスは商用車もシャレオツであります!

フルゴネットという商用車をベースに開発され使い勝手は良好。「モジェット」と呼ばれるパノラミックガラスルーフとストレージを一体化した開放的なルーフは絶品です。(並木さん)

 

 

「カスタマイズ性の高さ」に“ホレ”る

【その4】商用車ながらも快適性は抜群でカスタムベースとしても最適!

トヨタ

プロボックス

149万1000円〜201万4000円

アウトドアフリークの間でただいま人気急上昇中なのが、商用ベースの本車。リフトアップキットやキャリアなどのカスタムパーツが続々とリリースされ、手を加えることで精悍なアウトドア仕様へとモディファイ可能だ。

SPEC【F・ハイブリッド】●全長×全幅×全高:4245×1690×1525mm●車両重量:1160kg●パワーユニット:1496cc直列4気筒+モーター●最高出力:74[61]PS/4800rpm●最大トルク:11.3[17.2]kg-m/3600〜4400rpm●WLTCモード燃費:22.6km/L

 

↑商用車として生産されたモデルだけに開口部も広く積載能力は高い。シンプルなラゲッジルームはフラットで、DIYにも最適な設計

 

↑カスタムのトレンドはアウトドアに似合う武骨なスタイル。バンパーガードや大型のパイプ製キャリア、リフトアップに加えマットな塗装を施すことも

 

[ココに“ホレ”た!] 商用バンを大変身させる絶妙なカスタムセンス!

キャンプでの実用性を考えれば商用車の選択もアリ。乗り心地の悪さは新型モデルでは解消されました。カスタマイズすれば快適なアウトドア仕様へ変身します!(並木さん)

 

 

「経済性と遊びゴコロ」に“ホレ”る

【その5】必要最低限とは呼ばせない軽バン王者の底力を知る!

ホンダ

N-VAN

127万6000円〜187万2200円

人気の軽バンとしてアウトドアマンたちからの信頼度は抜群。低床プラットフォーム助手席側のBピラーをなくしたことで利便性を拡大した。仕事に遊びに活躍してくれるモデルだ。

SPEC【+STYLE FUN・ターボ】●全長×全幅×全高:3395×1475×1960mm●パワーユニット:658cc直列3気筒+ターボ●最高出力:64PS(47kw)/6000rpm●最大トルク:10.6kg-m(104Nm)/2600rpm●WLTCモード燃費:18.8km/L

 

↑アレンジが多彩なシートは運転席以外のすべてに荷物が積める。テールゲートから助手席までフラットに設計された室内は使いやすさに優れる

 

↑フルフラットにできる車内は車中泊に最適。社外パーツも豊富で自分らしいスタイルへとカスタムする楽しさを持つ。コスパは抜群だ

 

[ココに“ホレ”た!] キャンプに最適な構造はオリジナリティが光る!

高い経済性と唯一無二のオリジナリティが光る傑作モデル。キャンプや釣り、サーフィンなどのソト遊びをサポートする“秘密基地”的な雰囲気が男心を刺激します。(並木さん)

 

 

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家電も使える未来のクルマ電気の力でキャンプを満喫

クルマはキャンプの相棒として欠かせない存在であり、より個性的なアウトドアライフを楽しみたいならキャンプギアだけでなく“クルマ選び”も重要なポイントになる。本稿では専門家を魅了する三菱「アウトランダーPHEV」を解説する。

※こちらは「GetNavi」 2022年6月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

私が選びました!

自動車ライター

並木政孝さん

元輸入車雑誌編集長である希代の自由人。アウトドアにも精通し、キャンプやカヌー、バス釣りにも傾倒する。

 

選ぶならアウトドアで活躍する機能性と個性を重視

猛威を振るうコロナ禍の影響もあり、野外で楽しめる開放的なキャンプが爆発的なブームを迎えている。週末のキャンプ場が満員御礼の状態になっているいま、ほかのキャンパーとはひと味違うクルマを選ぶことで個性を主張するのもオススメだ。

 

しかし、形ばかりのクルマでは意味を成さず、スタイルに伴う性能を備えていなければならない。オートキャンプや車中泊での利便性、遊び道具を満載できる積載性能、悪路の走破力などアウトドアならではの使い勝手は欠かせない。そして、キャンプという非日常だけでなく、日々の暮らしで使える快適性を合わせ持った二面性を備えたクルマを選ぶことも重要なポイントだ。

 

尖り過ぎない実用性と快適性、そしてキャンプ使用で威力を発揮してくれる個性的なクルマ選びこそが、快適なキャンプには大切だ。それに適したモデルを紹介しよう。

 

「現代アウトドアにピッタリなパワーソース」に“ホレ”る

三菱

アウトランダー PHEV

462万1100円〜532万700円

存在感を示すアウトランダー PHEVは、その名の通り、プラグインハイブリッドのメリットを生かした1台だ。バッテリーからは最大1500Wの電気がアウトップットでき、家庭用の電気調理器や暖房器具の使用を可能とする。

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列4気筒+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

 

↑フロアコンソールとラゲッジルームの2か所にACコンセントを備え、最大1500Wの電力を供給。ホットプレートや暖房器具も使える

 

↑4輪の駆動力、制動力を最適にコントロールするS-AWC。ツインモーターをと呼ばれる4WD機能が快適かつ安全な走行性能を提供

 

↑開口部の段差をなくした広大なラゲッジスペース。多彩なシートアレンジを可能とし、フラットにすることで荷物を満載できる

 

[ココに“ホレ”た!] 自然にもやさしいPHEVは万一の災害時でも実力発揮

災害時にも威力を発揮するのが大きな魅力。ガソリンが満タン状態なら通常の家庭で、エンジンで発電しながらV2H機器を介して約12日間分の電気を供給可能です!(並木さん)

 

 

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メーカー直系カスタムカーは完成度が抜群! 個性的な4ブランドを紹介

クルマ好きにとって愛車を自分流に仕立てることはひとつのテーマだ。アフターパーツメーカーも数多くあるけれど、それならばいっそのことメーカー直系のカスタムカーはいかが? 個性的な4つのブランドをここに紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

クルマにピッタリ合った完成度の高さが魅力

その昔、クルマのオプションはアルミホイールやフォグランプが大半だったころ、メーカーが直接カスタマイズしたクルマはショーモデルや競技車両がほとんどだった。レースではワークス、市販はアフターパーツと線引きされていたのだ。それが最近ではメーカー直系のチューニングパーツやコンプリートカーが購入可能になった。メーカー直系ということはメーカークオリティが保たれているということ。アフターパーツながらも品質保証がつくモノもあり、新車購入時にオーダーすれば納車時には希望のスタイルになっている。

 

メーカー直系のカスタムカーは大きなアドバンテージがある。例えばベース車両の開発段階から積極的に関われるため様々なテストデータなどを入手でき、クルマに合ったパーツが開発可能という点だ。またそのパーツは単体でもディーラーで購入可能。ベース車を知り尽くしているからこそ、バツグンの完成度を誇るカスタムカーが手に入るのだ。

↑メーカー直系カスタムのメリットは納車時には“完成”していること。オリジナルのシルエットを崩さないのも魅力だ

 

【その1】RALLIART

ラリーアート from 三菱

ラリーアートは三菱自動車のワークスチーム。同社のモータースポーツ活動を支えるブランドで、ギャラン、ランエボでのWRC、パジェロでのパリダカなどラリーやレースで大活躍した。

 

そんなモータースポーツのイメージを受け継ぎながら、自分らしい走りスタイリングを求めるユーザーにワクワク感を届けるべく、純正アクセサリーの販売を展開していくという。またモータースポーツへの参戦も再度検討するというから期待大である。

 

[History] 活動休止を経て復活したラリーアートに注目!

1984年に設立。三菱のモータースポーツ活動のブランドであり、自動車メーカーチームとして競技への参加や競技用部品の開発、ドライバーの支援などを行ってきた。2010年に活動を休止したが2021年、純正アクセサリーとして幅広いモデルへの展開で復活が発表された。

 

【イチオシモデル】復活ラリーアートのカスタマイズカーに注目!

アウトランダー RALLIART Style

パーツ価格未定

「昨年発売したアウトランダーのPグレードに、今春発売予定のラリーアート純正アクセサリーを装着した『ラリーアートスタイル』です。かつてのラリー活動からインスパイアした同ブランドを印象付ける、マッドフラップやサイドデカールで走りにかける情熱を表現。ブラックで統一されたホイールやルーフスポイラーとボディの赤いアクセントカラーで、スポーティなスタイルを提案しています!」(ラリーアート)

 

ラリーアートのコンセプトモデルが続々!

写真上はエクリプス クロス・ラリーアートスタイル。同ブランドの方程式に沿ったカラーリングやマッドフラップを装備。写真下はビジョン・ラリーアート・コンセプト。オンロードのイメージを強く出し、新しいラリーアートの可能性を表現する。

 

【その2】MODELLISTA

モデリスタ from トヨタ/レクサス

トヨタのメーカー直系カスタマイズブランド。イタリア語で“デザイナー”を意味するモデリスタの最大の特徴はそのデザイン。コンセプトは「Resonating Emotion~響感の創造~」で、感性に訴求するデザインだ。デザインをクルマと“響鳴”させて、新たな価値へと昇華させる。

 

ベース車の造形やデザインと対話して造られる同ブランドのエアロパーツは独創的なデザインが多い。また実用性重視のパーツも発売している。

 

[History] ユーザーの「もっと」に応える

“あなたの「もっと」に応えたい”をモットーにユーザーの願いを叶えるブランドとして1997年にスタート。設立当初は特別仕様のクルマ製造がメインだったが、2008年頃よりトヨタやレクサスなどのアフターパーツによるカスタムカーの製造がメインになった。

 

【イチオシモデル】躍動的で生命力のあるデザインがウリ!

ノア/ヴォクシー

パーツ価格3300円(税込)~26万4000円(税込)

「ノア、ヴォクシーともフロントフェイスに注目してください。ノーマルからガラリと印象が変化するパーツをリリースしています。またリアのイルミルーフスポイラーもオススメのパーツ。LEDライトがリアビューを先進的な雰囲気にドレスアップしているのがポイントです!」(モデリスタ)

 

↑東京オートサロン 2022で初披露されたモデリスタのノアとヴォクシー。メッキの加飾パーツがアクセントだ

 

【その3】AUTECH

オーテック from 日産

オーテックジャパンは日産グループ内の特装車メーカー。あの「西部警察」の劇中車を作っていた会社であり、生粋の技術者集団といわれる。初代社長はスカイラインの父として知られる桜井眞一郎氏だ。

 

カスタムカーブランドの「AUTECH」は同社のクラフトマンシップを継承しつつ、スポーティでありながらも高級感漂うスタイリングが特徴。ブランドアイコニックカラーは創業地である茅ヶ崎の海と空をイメージしたブルーだ。

 

[History] いまやNISMOも手がける名門

日産グループ内の特装車メーカーとして1986年に設立。当初はトラックなどの商用車中心だったが、のちに乗用車もラインナップ。いまも人気の「ハイウェイスター」は同社製が発祥。近年ではスポーツドライビング向けのNISMOシリーズの開発も行っている。

 

【イチオシモデル】高級感漂うスタイリングと細部までこだわったインテリアが自慢

ノート AUTECH CROSSOVER

253万7700円(税込)~279万6200円(税込)

「先進コンパクトであるノートをベースに、オーテックブランドのプレミアムスポーティなコンセプトとSUVの機能やスタイルを融合。内外装ともに専用品を盛り込んだオーテック仕様の、走りまでにもこだわった、すべてに上質感のあるコンパクトクロスオーバーモデルです!」(オーテック)

 

↑同社専用シートやウッド調のフィニッシャーなど上質さに定評がある。車内はクラスを超えた雰囲気を持つ

 

【その4】Modulo X

モデューロ X from ホンダ

ホンダの4輪車純正アクセサリーを手がけるホンダアクセスが作り上げたコンプリートカーブランドがモデューロ X。メインのコンセプトは、ホンダ車を知り尽くしたエンジニアが匠の技で熟成させたカスタムカー。開発アドバイザーはあの“ドリキン”こと土屋圭市氏だ。特にエアロ開発では実効空力を重視し、低速度域でも効果が感じられるエアロパーツを搭載。サスやホイールも専用に仕立てたもので、あらゆる路面環境でも高い接地感が魅力だ。

 

[History] アルミホイールのブランドとしてスタート

モデューロは、ホンダアクセスのアルミホイールブランドとして1994年に誕生。1990年代後半にはエアロパーツやサスペンションなどラインナップを拡大した。2013年にはHonda純正のコンプリートカーブランド、モデューロ Xシリーズがデビューした。

 

【イチオシモデル】空力効果のある“エアロ”と専用の足まわりで意のままに走れる

FIT e:HEV Modulo X

286万6600円(税込)

「FIT e:HEV Modulo Xは土屋圭市さんと開発担当者による徹底した走り込みによって完成しました。ビギナーから腕に覚えのある方までドライビングが楽しめる1台です。また年内発売を目指して、ヴェゼル e:HEVのモデューロ Xも開発中です。お楽しみに!」(モデューロ X)

 

↑パワートレインに手を加えず、エアロパーツ、ホイール、サスペンションで走りの質を高めることが信条だ

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

復活ラリーアートのカスタマイズカーに注目!

クルマ好きにとって愛車を自分流に仕立てることはひとつのテーマだ。アフターパーツメーカーも数多くあるけれど、それならばいっそのことメーカー直系のカスタムカーはいかが? 本稿では三菱自動車の「ラリーアート」を紹介する!

※こちらは「GetNavi」 2022年4月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

クルマにピッタリ合った完成度の高さが魅力

その昔、クルマのオプションはアルミホイールやフォグランプが大半だったころ、メーカーが直接カスタマイズしたクルマはショーモデルや競技車両がほとんどだった。レースではワークス、市販はアフターパーツと線引きされていたのだ。それが最近ではメーカー直系のチューニングパーツやコンプリートカーが購入可能になった。メーカー直系ということはメーカークオリティが保たれているということ。アフターパーツながらも品質保証がつくモノもあり、新車購入時にオーダーすれば納車時には希望のスタイルになっている。

 

メーカー直系のカスタムカーは大きなアドバンテージがある。例えばベース車両の開発段階から積極的に関われるため様々なテストデータなどを入手でき、クルマに合ったパーツが開発可能という点だ。またそのパーツは単体でもディーラーで購入可能。ベース車を知り尽くしているからこそ、バツグンの完成度を誇るカスタムカーが手に入るのだ。

↑メーカー直系カスタムのメリットは納車時には“完成”していること。オリジナルのシルエットを崩さないのも魅力だ

 

RALLIART

ラリーアート from 三菱

ラリーアートは三菱自動車のワークスチーム。同社のモータースポーツ活動を支えるブランドで、ギャラン、ランエボでのWRC、パジェロでのパリダカなどラリーやレースで大活躍した。

 

そんなモータースポーツのイメージを受け継ぎながら、自分らしい走りスタイリングを求めるユーザーにワクワク感を届けるべく、純正アクセサリーの販売を展開していくという。またモータースポーツへの参戦も再度検討するというから期待大である。

 

[History] 活動休止を経て復活したラリーアートに注目!

1984年に設立。三菱のモータースポーツ活動のブランドであり、自動車メーカーチームとして競技への参加や競技用部品の開発、ドライバーの支援などを行ってきた。2010年に活動を休止したが2021年、純正アクセサリーとして幅広いモデルへの展開で復活が発表された。

 

【イチオシモデル】

アウトランダー RALLIART Style

パーツ価格未定

「昨年発売したアウトランダーのPグレードに、今春発売予定のラリーアート純正アクセサリーを装着した『ラリーアートスタイル』です。かつてのラリー活動からインスパイアした同ブランドを印象付ける、マッドフラップやサイドデカールで走りにかける情熱を表現。ブラックで統一されたホイールやルーフスポイラーとボディの赤いアクセントカラーで、スポーティなスタイルを提案しています!」(ラリーアート)

 

ラリーアートのコンセプトモデルが続々!

写真上はエクリプス クロス・ラリーアートスタイル。同ブランドの方程式に沿ったカラーリングやマッドフラップを装備。写真下はビジョン・ラリーアート・コンセプト。オンロードのイメージを強く出し、新しいラリーアートの可能性を表現する。

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

三菱・新型「アウトランダーPHEV」は、電気駆動モデル最強のオールラウンダー!

今回は、三菱・新型アウトランダーPHEVをピックアップ。プラグイン・ハイブリッドで、加速するクルマの電動化を象徴するプレミアムなモデルだ。独自性は高い。

※こちらは「GetNavi」 2022年1月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自慢の車両制御技術で走りも十分楽しめる!

SUV

三菱

アウトランダーPHEV

SPEC【P】●全長×全幅×全高:4710×1860×1745mm●車両重量:2110kg●パワーユニット:2359cc直列気筒DOHC+ツインモーター●最高出力:133[116/136]PS/5000rpm●最大トルク:19.9[26.0/19.9]kg-m/4300rpm●WLTCモード燃費:16.2km/L●EV走行換算距離:83km

●[ ]内は電気モーター(前/後)の数値

SUVのプラグイン・ハイブリッド車としては、世界的ヒット作となった「アウトランダーPHEV」。2021年12月に正式発売となった2代目では、その万能選手ぶりに一層の磨きがかかっている。

 

まず、2.4Lガソリンエンジン+前後電気モーターという駆動システムの基本構成こそ先代と変わらないが、電気モーターは前後とも大幅に出力が向上。エンジンも高効率化されたほか、駆動用バッテリーは総電力量が13.8kWhから20kWhへと大容量化。EV走行時の最大航続距離は60km台だった先代を大幅に凌ぐ最大87kmを実現し、走行性能も底上げされた。また、電力の供給能力も最大では一般家庭の約12日ぶんに相当するという(先代は約10日ぶん)。

 

しかし、実際に試乗して何よりも新鮮だったのは電動化や4WD技術に長けた三菱の最新作らしい走りだ。実に7つもの選択肢を用意する走行モード切り替えは、走りのキャラクターを鮮やかに変化させてドライバーを楽しませる。今回は舗装路のみでの試乗だったが、例えばターマックモード選択時の身のこなしなどはSUVとは思えないほどスポーティ。その一方、通常時は走行性能も快適で質感も上々。このクラスのSUVとして、いかに魅力的な存在であるかは言うまでもないだろう。

 

[Point 1] 室内は上質感もアピール

シンプルなデザインだが、細部に至る作り込みで先代より質感が格段に向上。もちろん、最新モデルらしく運転支援システムなども充実している。走行モード切り替えはダイヤルを採用しワンタッチだ。

 

[Point 2] モード切り替えの恩恵を実感できる走り

今回はサーキットでの試乗のみだったが、舗装路用のモード切り替えだけでも走りのキャラクターは鮮やかに変化。SUVとは思えない楽しさを実感できた。

 

[Point 3] グレードによって7人乗りも用意

先代のPHEVモデルは5人乗りのみだったが、新型では3列シートの7人乗りも選択可能に。もちろん3列目は小柄な人向けだが、SUVとしては見逃せないメリットとなりそうだ。

 

[Point 4] 使い勝手も期待通り

荷室は、このクラスのSUVとしては十分に実用的。容量は3列目使用時こそ258〜284Lだが、3列目収納時では634〜646L、後席をすべて畳めば1373〜1390Lまで拡大する。

 

[Point 5] 三菱車の旗艦に相応しい仕立てに

駆動システムだけでなく骨格や足回りも着実に進化。外観も格段に存在感が高められた新型は、三菱のフラッグシップモデルという役割も担う。

 

[ラインナップ]

M:2.4L+前後電気モーター/4WD/462万1100円(税込)
G:2.4L+前後電気モーター/4WD/490万4900円(税込)(※)
P:2.4L+前後電気モーター/4WD/532万700円(税込)
※:7人乗りの価格は499万6200円(税込)

 

文/小野泰治 撮影/小林俊樹

 

 

【フォトギャラリー(画像をタップすると拡大表示されます)】

三菱「デリカD:5」が叶える夢! 家族でアウトドア、みんながやりたいコトは丸ごとおまかせ

悪路も難なくこなす高い走破性は家族揃ってのアウトドアに、運転のしやすさや広い室内は普段の生活に重宝する三菱のデリカD:5。それぞれのやりたいコトに応えてくれる広い懐を持つこのクルマは、家族みんなの夢を叶えてくれる“心強い相棒”だ!

 

【今回紹介するモデル】

三菱

デリカD:5

391万3800円〜448万9100円

独特のフロントマスクが力強さを演出するミニバン。より高い駆動力を後輪に伝えることで強力な直進性と高い走破力を発揮する4WDロックモードを搭載する。高いトルクを発生し、パワフルな走りを実現するクリーンディーゼルエンジンも、デリカD:5の魅力だ。

SPEC【P・8人乗り】●全長×全幅×全高:4800×1795×1875mm ●車両重量:1980kg ●パワーユニット:2267cc4気筒ディーゼルエンジン+ターボ ●最高出力:145PS(107kW)/3500rpm ●最大トルク:38.7kg-m(380Nm)/2000rpm ●WLTCモード燃費:12.6km/L

 

【三菱「デリカD:5」を写真で紹介!(画像をタップすると閲覧できます)】

 

三菱「デリカD:5」の詳細はコチラ!

 

毎日使えて楽しめるから、デリカD:5はフル稼働!

ミニバンは室内が広く多くの人が快適に乗れるクルマだが、ウチのデリカD:5はそれだけじゃない。川の源流近くにある好スポットへ行くためには凸凹の多い山道を通るが、高い走破性を備えた4WDのデリカD:5なら楽勝。息子も大物をゲットすると意気込んでいる。もちろん普段の買い物や送迎時にも大活躍。車高が高く、前の見切りが良いので運転しやすいとママからも好評だ。

 

テレワークが多くなった私も、デリカD:5の広い室内を生かして仕事をすることが増えてきた。2列目のシートに座れば、PC作業もラクに行える。クルマを走らせれば良い気分転換にもなり、仕事もはかどっている。

 

でも週末はバーベキューが何よりも楽しみ。料理に目覚めた娘は、自慢のウデを振るうそうだ。

 

家族みんなのやりたいことを実現できるデリカD:5は毎日フル稼働する心強い相棒。このクルマなしの生活は考えられない!

 

<週末はやっぱりバーベキューがやりたい!>

【パパがやりたい、こんなコト】

気分を変えて車内で仕事、次はキャンプ場でテレワーク

2列目シートは足下も余裕で、ゆったりした姿勢でPC作業ができるのがうれしい。今度はデリカD:5の高い走破性を生かして、山奥のキャンプ場でワーケーションをしてみたい!

 

【ママがやりたい、こんなコト】

買い物や送迎に大活躍! 好きな観葉植物も運べる

普段の買い物や子どもの送迎に便利。3列目シートもしっかりしていて、子どもの友だちも余裕で乗せられる。背の高い観葉植物も、室内高が高いデリカD:5ならラクに載せられ便利!

 

【ワタシがやりたい、こんなコト】

アウトドアに合うメニューで家族みんなを驚かせたい!

用意する食材が多くなりそうだけど、ママがデリカD:5ならたくさんの荷物を載せられるから平気だって。最近覚えたメニューで、アウトドアに合う美味しい料理を作ってみたい!

 

【ボクがやりたい、こんなコト】

みんなが知らない穴場で大物を釣り上げたい!

パパが川の源流に近い場所に絶好のポイントがあると教えてくれた。普通のクルマだと行けないポイントだけど、デリカD:5なら凸凹な道も平気。早く行って大物を釣り上げたい!

 

【プロも太鼓判!】デリカD:5は唯一無二のミニバンだ!

モータージャーナリスト
岡本幸一郎さん

初代デリカと同じ1968年生まれの日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。国内外のあらゆるカテゴリーを網羅する。

 

ミニバンとSUVのイイトコ取り、たっぷり載せてどこでも行ける

ミニバンとSUVを融合した独自のキャラがこれまでも多くの人から熱烈に支持されてきた1台。条件を問わず便利で快適に使えて頼りになる稀有な存在だ。最新版の洗練された走りや充実した装備には感心するほかない。

 

SUVと共通の電子制御4WD、最低地上高185mmを確保

外見はミニバンだが中身はSUVそのもの。本格的な四輪駆動システムを搭載し、最低地上高も185mmを確保しているのでどこでも行ける。

 

「AWC」と呼ぶ三菱独自の車両運動統合制御システム

前後の駆動力配分や4輪の駆動力と制動力を、個別にきめ細かく制御する独自システム。あらゆるシーンで正確に狙ったラインをトレース可能。

 

三菱初の尿素SCRを採用したクリーンディーゼルを搭載

パワフルでスムーズな新開発のディーゼルエンジンと8速のスポーツモードATの相乗効果は絶大。いたって軽やかな加速フィールも心地良い。

 

上質でプレステージ性へのこだわりを感じさせる空間

わかりやすい高級感のあるインテリア。快適装備類やインフォテインメント系も充実している。キルティング柄のシートは着座感も上々だ。

 

イラスト/安谷隆志(YDroom)

 

三菱「デリカD:5」の詳細はコチラ!

“クルマは充電”が新しいドライブ様式になる! EVメーカーの現在地

世界各国でエンジン車への規制が強まるなか、自動車メーカーは近年こぞってEVを開発し世に送り出している。走行可能な距離が短い、充電スポットが少ないという不安は、もはや過去のもの。これからのクルマは“充電”が新たなドライブ様式となる。スポーツカーで有名なポルシェも、誰もが憧れるラグジュアリーカーのロールス・ロイスやアストンマーティンもEVを発表。もはやどのメーカーも避けて通れないクルマの電動化は、いまどうなっているのか。自動車ジャーナリストの川端さんに話を聞くとともに、世界の自動車メーカーの現在地を解説!

※こちらは「GetNavi」 2020年12月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動車・環境ジャーナリスト

川端由美さん

工学修士。エンジニアから自動車専門誌の編集部員に転身し、現在は、フリーランスのジャーナリスト。テクノロジーとエコロジーが専門。

 

排出ガス規制と政府の援助で着々と進むクルマの電動化

英語で“Petro Head”と言えばクルマ好きのこと。Petroとは石油のことだから、ひいてはエンジンとクルマは切っても切り離せない……というのはもう過去の話。多くの自動車メーカーがEVを発表する時代が来ている。その背景にあるのが、欧州委員会による「2050年までにカーボンニュートラル(※)を目指す」という発表だ。さらに、2030年までに自動車からの排出ガスによるCO²排出量を半分まで削減(2020年第3四半期比)し、2040年に新型車はほぼCO²を排出しないクルマだけになるというロードマップを描いている。

※ライフサイクルで見たときに、二酸化炭素の排出量と吸収量がプラスマイナスゼロになる状態のこと。2017年にパリで開かれたワン・プラネット・サミットでカーボンニュートラル宣言が発出された

 

この動きは、中国やアメリカでも加速している。中国では政府が税の優遇などを設けて、電池を含めたEV産業全体を後押ししている。アメリカのカリフォルニア州では、2035年までに州内で販売されるすべてのクルマを排ガスゼロにするという意欲的な目標を打ち出している。世界は電動化に向けて、着々と進んでいるのだ。

 

世界EVメーカーシェアランキング】

テスラが約18%と圧倒的なシェア。これは2016年に発表され手ごろな価格で大人気となったモデル3の影響が大きい。日本メーカーがベスト10に入っていないのは残念。

● ウェブサイト「EV Sales」の2020年1月から8月までの販売台数ランキングデータより引用。

● 販売台数のなかにはPHEV(プラグ・イン・ハイブリッド車)も含まれる

 

《アメリカ》

EVの世界シェアで断トツのトップを走るテスラが市場を牽引。シボレーのボルトEVは2021年に次期モデルが登場する予定だ。

 

【No.1】世界シェアでトップを走る気鋭のEVメーカー

テスラ

起業家イーロン・マスクを中心に「自分たちが乗りたいカッコいいエコカーを作ろう!」と一念発起。スポーツカー、セダン、SUVに続き手ごろなモデル3と、新車を連発中だ。

 

【No.2】転んでもタダでは起きない⁉ GM渾身のEVで巻き返す

シボレー

リーマンショックで倒産の憂き目にあったGMだが、政府から低利の融資を受けて電池とEVのボルトを開発。高級車ブランドのキャデラックでも、2023年にEVを発売予定だ。

 

《アジア》

政府の援助を受けられるなどEVの開発環境が整えられた中国は、多くのメーカーが参入。元々は電池メーカーなど、異業種企業も多い。

 

【No.1】商用EVのトップメーカーから乗用車へも進出

比亜迪汽車(中国)

電池メーカーとして創業し、EVメーカーを買収。いまEV商用車では世界一だ。アウディからデザイナーを招聘し、王朝シリーズで乗用EVにも進出。トヨタとの合弁も開始した。

 

【No.2】洗練されたデザインを武器に欧米市場への進出を目論む

広州汽車(中国)

2025年までに全車種をEV化すると宣言。心臓部には日本電産製モーターを積むeAxleを搭載し、スタイリングは欧州高級車メーカーから引き抜いてきたデザイナーが担当する。

 

【No.3】年内上場を目指す注目のEVスタートアップ

威馬汽車(中国)

コネクテッド・カーや購入後のアフターサービスなどをウリにした“スマートカー”として話題。「中国版Google Map」を提供する百度と手を組んで、自動運転や車載AIも提供する。

 

【No.4】中国版イーロン・マスクが起こしたEVメーカー

上海蔚来汽車(中国)

中国経済界の若手カリスマであるウィリアム・リー氏が創業。大気汚染を解決しようと、「青空の訪れ」を意味する「蔚来」を社名にした。自社工場を持たず、SUVのES8を委託生産。

 

【No.5】自社生産と提携を使い分け世界への販路拡大を続ける

上海汽車(中国)

第一汽車、東風汽車と並び、中国の三大自動車メーカーのひとつ。自社での生産も手掛ける一方、他国の企業と提携を結び拡大。イギリスの名門ブランドMGのEVをフランスで発売した。

 

【No.6】委託生産の依頼や出資と共に自社EVも発売する多様な戦略

長安汽車(中国)

今後10年で27車種ものEVを発売すると意気込む。自社ブランドを拡大すると同時にEVメーカーの蔚来に生産を委託したり、愛馳に出資したりと、多様なEV戦略を目論む。

 

【No.7】ボルボの親会社はEV専用ブランドも立ち上げた

吉利汽車(中国)

中国系大手であり、ボルボの親会社であり、ダイムラーの大株主。EV専用ブランド「ジオメトリ」を設立し、テスラのモデル3をライバルと目論む小型セダン、Aを発表した。

 

【No.8】EVのラインナップを拡充し自動運転技術も磨く

ヒュンダイ(韓国)

コンパクトハッチ・コナのEV版の登場に続き、SUVの45を発売予定。3月にジョイスティックで操作し、自動運転への切り替えも可能なコンセプト「Prophecy」を発表した。

 

《日本》

日産と三菱が日本のEVを牽引してきたが、ホンダとマツダも参入。日産は新型アリアの販売を予定し、やっちゃえシェア獲得となるか。

 

【No.1】ハイブリッド王国ニッポンでピュアEVの道を突っ走る

日産自動車

世界に名だたる“ハイブリッド王国”であるニッポンだが、日産は一貫してEV開発を貫いている。リーフは2017年に2世代目となり、なんと累計50万台(!)を販売している。

 

【No.2】小さいながらもグローバルでEVを展開

三菱自動車

EV開発の歴史は1960年代から。早朝の新聞配達に静かなクルマが欲しいと考えた結果、EVを開発することになったという。コツコツと開発を続け、2009年に世界初の量産EVを発売。

 

【No.3】電気駆動になってもホンダ独自の走りの魅力は健在

本田技研工業

電気の時代においても、ホンダは走って楽しいクルマを作ることを重視している。Honda eでは、走行距離を200㎞と割り切りつつ、コンパクトでキビキビ走るモデルに仕立てている。

 

【No.4】クリーンディーゼルだけじゃない EVにもしっかり着手

マツダ

昨今のマツダはクリーンディーゼルが有名だが、電動化にも着手している。第1弾となるMX-30はヨーロッパで販売開始。日本では2021年にリース形式での販売を開始する予定だ。

 

《ヨーロッパ》

EU各国でCO2排出規制が発出されたことで、続々とEVが登場。目標年度を定めてEVへシフトするメーカーも多く、その動きに注目だ。

 

【No.1】EVでも最善の性能と快適性を提供する

メルセデス・ベンツ(ドイツ)

「最善か無か」を旨とするメルセデス・ベンツだけに、EVでも高性能かつ快適なクルマを開発する姿勢を崩さない。EQCでは、パワフルなモーターと自社製電池を搭載している。

 

【No.2】次世代に向けてイチから刷新したEVを開発

BMW(ドイツ)

バイエルン・エンジン製作所を略した社名のBMW。徹底したエンジン屋のBMWがイチから刷新したEVブランドのiでは、EV特有の気持ち良い走りをBMW流に仕立てている。

 

【No.3】壮大な販売目標を揚げてEV市場の席巻を狙う

フォルクスワーゲン(ドイツ)

2025年までに300万台のEVを販売するという意欲的な目標を掲げるフォルクスワーゲンは、続々とEVモデルを発売している。第1弾となるiD.3に続き、iD.4も発売されている。

 

【No.4】電動化を推し進める国の牽引役となるメーカー

プジョー(フランス)

国を挙げて電動化を推し進めるフランス。プジョーはその牽引役となっている。日本上陸を果たしたe-208では、パワフルなモーターと大容量電池を組み合わせた心臓部を持つ。

 

【No.5】日本にもEVがお目見えしEVの販売比率拡大を目指す

アウディ(ドイツ)

アウディの電動シリーズe-tron Sportbackが待望の日本上陸を果たした。さらにe-tron SUVが続く。2025年までに20車種のEVを発表し、40%のEV販売比率達成を目指している。

 

【No.6】欧州最多のEV販売台数を誇る

ルノー(フランス)

30万台のEV累計販売台数を誇るルノー。一番人気の小型車・ゾエは販売台数を伸ばしており、累計販売台数は10万台を超える。今年はカングーのEV版コンセプトモデルも発表。

 

【No.7】「あのポルシェが!」と世界を驚かせた

ポルシェ(ドイツ)

世界有数のスポーツカーブランドも、量産EVであるタイカンを発売。最高250km/h、0-100km/h加速2.8秒というハイパフォーマンスを誇る。2021年モデルも欧州で発表された。

 

【No.8】レースで鍛えたEVの技術を量産モデルにも投入する

ジャガー(イギリス)

F1のEV版であるフォーミュラーEに参戦しているジャガー。量産EVでもI-PACEを発売した。最大696Nmもの大トルクを発揮するモーターによって、スポーティな走りを実現する。

【2018年春版】激戦区「国産コンパクトSUV」で最も評価が高い一台は? 4大モデルを評論家がシビアに判定

SUVは世界のクルマ市場で大きなトレンドとなっていますが、日本での主流は使い勝手の良いコンパクトSUVです。トヨタ C-HRから王座奪回を狙うホンダ ヴェゼルは改良され、三菱はエクリプス クロスでスズキはクロスビーで参入。覇権を握るのはどれでしょうか? プロがシビアな目でチェックしました。

※採点はすべてガソリンエンジンの4WDモデルで行いました。グレードは、エクリプス クロスがG、ヴェゼルがG Honda SENSING、クロスビーがHYBRID MZ、C-HRがG-T

 

【解説する人】

モータージャーナリスト 岡本幸一郎さん

動画メディア出身の自動車評論家。今年2人目の子どもが誕生し、家族のためのクルマ選びを検討中です。

 

小型SUVのトレンドは個性的な“攻め”のデザイン

かつては大柄なモデルが主流だったSUVですが、ここ数年はダウンサイジング化が顕著。デザインも多様化しており、個性的なモデルが目立つようになりました。オーソドックスなスタイルのヴェゼルに代わって、スポーティなC-HRが2017年のSUV販売台数1位となったのは、その象徴です。

 

三菱自動車が満を持して送り出したエクリプス クロスは、シャープかつダイナミックな佇まい。スズキのクロスビーは、同社の軽自動車ハスラーを踏襲したポップな仕様。好き嫌いが分かれそうな“攻め”のデザインですが、いずれも高い人気を博しています。

 

【その1】三菱4年ぶりとなる新型車は大胆なデザインが特徴

三菱自動車

エクリプス クロス

253万2600円~309万5280円

同社では4年ぶりとなる新型車で、発売前から約5000台もの受注を集めた注目モデル。斬新なリアデザインが特徴です。●全長×全幅×全高/車両重量:4405×1805×1685㎜/1550㎏(4WD・G)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:1498㏄】【カタログ燃費:14.0㎞/ℓ(4WD)】

 

クーペのようなルーフ形状や大胆なサイドラインが特徴。上下2分割されたリアウインドウも印象的です。

 

運転席横にはタッチパッドコントローラーを搭載。運転姿勢のままでオーディオシステムなどの操作が可能です。

 

エンジンは1.5ℓ直列4気筒直噴ターボ。独自の四輪制御技術を採用し、安定感のある走りを実現します。

 

本車は世界約80か国で展開されるグローバルモデル。そのため、インパネデザインはコンサバ仕様です。

 

乗員まわりのスペースには十分な余裕を確保しています。リアシートはスライド&リクライニングが可能。

 

【JUDGEMENT】

独自技術で充実の走りと高い安全性能を実現する

衝突被害ブレーキシステム[FCM]など「Mitsubishi e-Assist」が高い安全性能を実現。デザインは好みが分かれそう。

 

【その2】走りと安全性を高めて王者への返り咲きを狙う

ホンダ

ヴェゼル

207万5000円~247万5000円

2013年登場のベストセラー車がマイナーチェンジ。安全運転支援システム「ホンダセンシング」が全車標準搭載となりました。●全長×全幅×全高/車両重量:4330×1770×1605㎜/1180㎏(4WD・G)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:1496㏄、1496㏄+モーター】【カタログ燃費:19.6㎞/ℓ(4WD・G)】

 

力強いSUVスタイルを磨いたデザイン。インラインLEDライトを採用するなど先進性も高められています。

 

ミニバンのヒットメーカーらしく使い勝手の良さが光る荷室空間。小型ボディながら容量を確保しています。

 

ハイブリッドシステムが改良され、加速フィーリングがスムーズに。ガソリンエンジン車も燃費が向上しました。

 

Apple CarPlayやAndroid Autoに対応。運転中のオーディオ再生や通話操作を容易にします。

 

形状が改良されたフロントシートはホールド性や快適性を向上。ステッチが変更され、質感も高められました。

 

【JUDGEMENT】

走りの課題を改善しつつリーズナブルな価格をキープ

足回りを改善し、乗り心地の硬さを解消。デザインには少し野暮ったさもありますが、200万円台で買えるのはおトクです。

 

 

【その3】大人の遊び心をくすぐるポップなデザイン

スズキ

クロスビー

176万5800円~214万5960円

同社の人気軽自動車ハスラーのデザインを生かしつつボディサイズを拡大。エンジンは1ℓターボのみで、4WDも用意します。●全長×全幅×全高/車両重量:3760×1670×1705㎜/960㎏(HYBRID MZ)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:996㏄】【カタログ燃費:20.6㎞/ℓ(4WD)】

 

ハスラー同様の丸いヘッドライトと横長グリルが特徴。ぶ厚いフェンダーモールがSUVらしさを強調します。

 

荷室の表面には撥水素材を採用し、濡れたものでも気にせず積み込めます。リアシートは5:5の分割可倒式。

 

1ℓ直3ターボエンジンは6速ATとの組み合わせ。最低地上高の高さも相まって、悪路走破性はまずまずです。

 

コンパクトですが全高を高くして乗員の居住性を確保。シートにはボディカラーとマッチしたパイピングが施されます。

 

 

ポップなデザインのインパネ。自動ブレーキや誤発進抑制機能など安全装備は十分。

 

【JUDGEMENT】

縦方向に広がりを感じる室内スペースは独自の魅力

荷室の奥行きが短く、装備の充実度で劣ります。ウインドウが立っていることで広さを感じさせる独特の居住空間が面白いですね。

 

 

【その4】プリウスと共通の車体構造で高い運動性能を実現

トヨタ

C-HR

251万6400円~292万9200円

現行型プリウスと共通の車体構造を採用し、ハイブリッドとターボエンジンを選べる。2017年の販売台数はSUVで1位に輝きました。●全長×全幅×全高/車両重量:4360×1795×1565㎜/1470㎏(G-T)【駆動方式:FF、4WD】【乗車定員:5名】【総排気量:1196㏄、1797㏄+モーター】【カタログ燃費:15.4㎞/ℓ(4WD・G-T)】

 

絞り込まれたスタイリングはダイヤモンドがモチーフ。ツートンカラー仕様(メイン写真)は昨夏に追加。

 

プリウスでも採用する同社の新型プラットフォーム(車体骨組)「TNGA」を採用。運動性能を高める効果があります。

 

1.8ℓエンジン+モーターのハイブリッド(写真)と、1.2ℓターボエンジンを用意します。

 

オーソドックスながらスポーティな雰囲気。衝突回避支援パッケージ「Toyota Safety Sense P」を備えます。

 

上級モデルでは、ファブリックと本革を組み合わせた上質なシートを採用。室内空間はさほど広くはありません。

 

【JUDGEMENT】

視界や居住性を犠牲にしてスポーティなデザインを実現

ハンドリング性能の高さが好印象。後方の視界や後席の乗降性は、デザインのために割り切って犠牲にしています。

 

日産「リーフ」の技術を移植した「軽EV」が2019に登場する!?

順調に行けば2019年にも発売されるという、日産初の軽・電気自動車の情報が入ってきた。開発は日産主導のもと行われ、傘下の三菱へOEM供給されることになるという。

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予想CGによれば外観は三菱「i-MiEV」を彷彿とさせる卵型のシルエットで、フロントにはVモーションの流れを持つワイドグリル、ヘッドライトはEVらしさを感じさせるブルーのLEDやホワイトの透過パネルを装着している。立体感を表現するラインが特徴的なサイドは高級感と上質さをアピールし、中央のアンダー部分を削ったデザインはフロント、リアともにタイヤハウスに迫力を増すのに貢献しており、これまでの軽自動車では見られない斬新なデザインになりそうだ。

 

ボディサイズは全長3440mm、全高1600mm程度と予想されており、最高出力は75ps、航続距離は200kmを新型リーフ搭載のEV技術を移植し、目指すという。