「クルトガ」シリーズ初、木製グリップ軸シャーペン!より安定した書き味「KURUTOGA Wood」

三菱鉛筆は、シャープペンシル「クルトガ」シリーズから、初の木製グリップを採用した「KURUTOGA Wood(クルトガ ウッド)」を2025年3月21日より店頭で順次発売。天然木ならではの温かみと、アルミ製の後軸が調和した上質なデザインが魅力です。

 

記事のポイント

クルトガは、芯が回転することで偏減りを防ぎ、常にトガった芯で書き続けられる点が特徴。2008年の発売以来、学生を中心に人気を集めています。デザイン性もさることながら書き味も良いので、自分用にはもちろん、ギフトにしても喜ばれそうですね。

 

「KURUTOGA Wood」は木製グリップ部分に、美しい木目と重厚感のある黒褐色が特徴の“ウェンジュ”を採用。天然素材のため、一本一本異なる色みや木目を楽しめます。また、グリップはペン先に向かって太くなる形状で、握りやすく滑りにくい仕様です。

 

後軸は「KURUTOGA Metal」と同様のアルミ製で、ブラスト処理により洗練された外観に。木と金属の異素材を組み合わせることで、スタイリッシュな印象に仕上がっています。

より安定した書き味も魅力です。筆記中のブレを軽減する「クルトガエンジン」に加え、「KURUTOGA Metal」で好評の樹脂製パーツ「ニブダンパー」を搭載。これにより、筆記時の衝撃を和らげるそう。

 

三菱鉛筆
KURUTOGA Wood(クルトガ ウッド)
軸色:フォレストグリーン、スチールグレー
芯径:0.5mm
参考価格:1本 3850円(税込)

インクから作り直した「uniball ZENTO(ユニボールゼント)」が水性ボールペンの課題を全解決! その実力を徹底解剖

ボールペンのインクは、「油性・ゲル・水性」の3種類に大別される。文房具好きなら、この区分はお馴染みだろう。発色を司る着色剤(顔料または染料)を、どの溶剤で溶いてインクにするか、による分類だ。油性インクは有機溶剤を、ゲルインクと水性インクは水を溶剤として使用する。ゲルインクにはゲル化剤が添加され、粘度が高められているため、厳密には水性インクの一種に分類される。

 

これら3種のインクには、それぞれメリットとデメリットがあり、一概にどれが最良とは言えない。しかし、文房具業界にはトレンドが存在し、ここ10年はゲルインクが主流だった。

 

その流れが変わりつつある。2024年には進化した油性インクの新製品が相次ぎ登場し、話題を集めた。そして2025年は、水性インクが注目されるかもしれない。

 

新しい水性ボールペン、どのモデルを選ぶ?

水性ボールペンは、サラリとした書き味と鮮やかな発色が特徴。しかし、にじみやすさ、裏抜け、乾燥の遅さ、耐水性の低さといったデメリットから、一般的な人気は伸び悩んでいた。

↑水性ボールペンは、書き味の気持ちよさはあれど、いくつかのデメリットのせいでいまいち人気の出ないジャンルだった。

 

そんななか、2025年2月に三菱鉛筆から発売された「ユニボール ゼント」は、従来の水性インクの課題をほぼ克服し、快適な書き心地を実現。さらに、新型水性インクを搭載するため、3つの価格帯で4タイプのボディが用意されている。

特に筆者が注目しているのは、高価格帯の「シグニチャーモデル」と、普及価格帯の「ベーシックモデル」だ。

三菱鉛筆
uniball ZENTO(ユニボール ゼント) 0.5mm/0.38mm
(左から)シグニチャーモデル 3000円/フローモデル 1000円/スタンダードモデル 250円/ベーシックモデル 3色 各250円(すべて税別)

 

・「シグニチャーモデル」は、高級感と書き味を両立

シグニチャーモデルは、ラインナップ中唯一のキャップ式。一見ショート軸だが、マグネットキャップを外し、万年筆のように軸後端に装着すると、バランスよく持てる設計になっている。

↑高級感あるキャップ式のシグニチャーモデル。ずっしりと手に収まり、所有欲をそそられる。

 

そもそも水性ボールペンは筆圧をほとんど必要とせず、万年筆に近い書き味。キャップ装着によって重心位置を軸中央に置き、力を抜いてペン先をゆったり動かせるように設計しているのも、それをイメージしているのだろう。前側を握ってカリカリッと早書きをするのは向いていない。

↑マグネットキャップを抜き挿しする「カチャ」という感触が心地よい。

 

約22gの重量感があり、毛細管現象でスムーズにインクが流れる。この落ち着いた書き心地は、「水性ボールペンの象徴(signature)」というモデル名にふさわしい。

 

・「ベーシックモデル」はシンプルな使いやすさがメリット

ベーシックモデルは、新開発の「ZENTOインク」の書き味をシンプルに楽しめる仕様。外観は同社のゲルボールペン「ユニボール ワン」に似ているが、細部に違いがあり、リフィルの互換性もある。

↑インク色に合わせた軸色をもつベーシックモデル。

 

コーン(ペン先の三角錐)と前軸の段差がなくフラットなこと、ノックパーツの軸系が約1mmほど太いこと、ワイヤークリップのベースの形状、そしてノックパーツ基部が少し盛り上がっている点が異なる。そのほかはほぼ同じで、実はリフィルすら入れ替えが可能だ。

↑同社の人気のゲルボールペン「uniball one」とベーシックモデルの比較。細部にちょっとした違いはあれど、基本的にはそっくり。

 

つまり、すでに「ユニボール ワン」で評価されている軸には今さら文句の付けどころがなく、あとはシンプルに水性インクの書き味に没頭できるというわけだ。

 

↑3色のインクを使い分けたいなら、軸色が分かりやすいベーシックモデルがおすすめだ。

 

インク色に応じた黒・赤・青の3色の軸が用意されており、複数の色を使い分けたい人には便利。シンプルなデザインと手頃な価格で、水性ボールペンの魅力を気軽に味わえる。

 

水性ボールペンの新たなファンを開拓しそうなZENTOインク

「ユニボール ゼント」に採用された新開発のZENTOインクは、従来の水性インクとは異なるアプローチを取る。

 

なめらかさを成分で解決

従来の水性ボールペンは、なめらかさを確保するためにインクフローを多くし、その結果、にじみやこすれによる汚れ、裏抜けが発生しやすかった。そこでZENTOインクは、なめらかさを“インクフローの量”に頼らない、という方針をとっている。

↑インクの出る量はさほど多くないが、特殊な成分の配合でいかにも水性インクらしいなめらかさが得られているのがポイント。

 

POA界面活性剤(シャンプーや洗剤などの成分に近いもの)を配合し、紙とペン先の間でクッションの役割を果たすことで、摩擦を軽減。また、着色剤を引き寄せる「引き寄せ粒子」により、にじみや裏抜けを抑え、シャープな描線を実現している。

↑ZENTOインクには、従来にない工夫が詰まっている。

 

書いてみると、なるほどたしかに、水性ボールペンのように筆跡が濡れてツヤツヤしていない。書き味は、一般的なゲルボールペンに近いフロー量ながら、水性ボールペン特有の滑らかさを維持。この絶妙なバランスによって、誰でも快適な書き心地を得られるだろう。

 

にじみにくさの進化

さらに、従来の水性インクと比較すると、にじみにくさが格段に向上。そもそも水性インクは、紙に浸透しやすいためににじみやすい。

 

ZENTOインクには“引き寄せ粒子”なるものが配合されており、これがインクの着色剤を互いに引き寄せ合うことで、にじみや裏抜けを抑制しているという。たしかに吸水性の高い紙や紙ナプキンでも、インクが広がりにくく、線が太って見える現象が抑えられているようだ。

↑にじみやすい紙ナプキンでの筆記比較。上の従来水性と比べて、ゼントはにじんだ様子がほとんど見られない。

 

リフィル交換で長く使える

ボール径は、ローンチ時点で0.5mmと0.38mmの2種類がラインナップされており、基本的な書き味の方向性は同じだが、0.5mmの方がフローが多く、よりなめらかな書き味を楽しめる。一方、0.38mmでも十分にサラッとした筆記感を得られる。

 

線幅の好みに応じて選ぶのがベストだが、可能であれば店頭で試し書きをするか、別売のリフィルを購入して自宅でじっくり比較するのもおすすめだ。

↑替えリフィルは120円(税別)。水性ボールペンはインクが早く減るので、どちらにせよ予備を買っておくことをおすすめしたい。

 

まとめ

「ユニボール ゼント」は、従来の水性ボールペンの課題を克服し、書き心地と実用性を両立したモデルだ。シグニチャーモデルは高級感と筆記バランスを求める人向け、ベーシックモデルはシンプルに水性インクを楽しみたい人に最適。

 

ZENTOインクの新たな書き味は、水性ボールペンを敬遠していた人にも響くはず。2025年、水性ボールペントレンドの幕が開くかもしれない。

 

三菱鉛筆が6年かけて開発した次世代の水性ボールペン「uniball ZENTO」

三菱鉛筆は、すいすい書ける新感覚の水性ボールペン「uniball ZENTO(ユニボール ゼント)」 を、2025年2月3日に発売します。ラインナップは「Signature model」「Flow model」「Standard model」「Basic model」の4モデル展開。

「uniball ZENTO」シリーズ

 

記事のポイント

油性ボールペン「ジェットストリーム」やシャープペンシル「クルトガ」などの革新的な筆記具を開発してきた三菱鉛筆が、約6年の歳月をかけて本気で開発したという次世代の水性ボールペン。海外では先行発売されており、満を持して日本国内で展開されます。その特徴は、とにかくなめらかですいすいと軽い書き心地とのことなので、売り場で見つけたらぜひ試し書きしてみてください。

 

「uniball ZENTO」は、シンプルで上質なデザインと、新感覚のすいすいとした書き心地を特徴とする水性ボールペンです。従来の水性インクの書き心地をそのままに、にじみや速乾性を改良した新開発の水性インクを使用。クッション成分となるPOA界面活性剤を配合する等、筆記時のストレスを大幅に軽減し、新感覚の書き心地を実現しています。

 

製品開発には6年ほどかかっており、日本では売り場で存在感を失いつつある水性ボールペンの復活を目指して開発されたとのこと。また、ストレスや目まぐるしい変化のなかで、「書く」を通じて「気持ちがととのう」時間を大切にしてほしいという思いが込められているそう。

店頭販売ディスプレイのイメージ

 

【ラインナップ】

1.Signature model(シグニチャーモデル)(3300円/税込)

「かく」瞬間に完成するカタチ

マグネット式キャップを採用した最上位モデル。色はシルバー、メタリックブラックの2色。

 

2.Flow model(フローモデル)(1100円/税込)

手のひらに私のこだわり

アルマイト塗装を施したアルミ製のグリップと軸色に合わせた可動式カラークリップを採用。適度な重量感が流れるような書き心地を生み出します。色はフローライト、アガット、ジェード、ヘマタイトの4色。

 

3.Standard model(スタンダードモデル)(275円/税込)

“今”に合う色を選ぶ楽しみ

指や手が当たる場所を広くカバーするロングラバーグリップで、握りやすく安定した書き心地を実現。軸の素材には再生材を使用しています。色はラベンダー、クラウド、アドビ、シー、ミスト、コースタル、アイボリー、カナリアの8色。

 

4.Basic model(ベーシックモデル)(275円/税込)

基本のインク色

さまざまな場面で広く使われる3色のインク色を揃えたベーシックモデル。色の識別性を高めたミニマルな外観でどんな場面にも自然となじみます。色は黒、赤、青の3色。

 

ノック式、キャップ式のどちらにも搭載可能なリフィルは、0.38mmと0.5mmの各々に黒・赤・青インクが用意されます。交換時に品番が確認しやすいように、文字の視認性を高めた表記が施されています。価格は132円(税込)。

リフィル

 

メーカーが行った事前調査では、さらさらとなめらかな書き心地やかすれにくさが評価されており、従来の水性インクの弱点だったインクの乾きの遅さも改善されてストレスなく書けた、という声が集まったそう。

 

新しい筆記体験を多くの人に体感してもらうため、店頭を中心とした筆記体験イベントなどのプロモーションも積極的に行われる予定です。

 

三菱鉛筆
水性ボールペン「uniball ZENTO」
2025年2月3日発売
実売価格:275円~3300円(税込)

数量限定「ジェットストリーム プライム 3色ボールペン」など! ちょうどいい上質感にリニューアル

三菱鉛筆は、「JETSTREAM PRIME(ジェットストリーム プライム)」シリーズより、「ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン」、「ジェットストリーム プライム 3色ボールペン」を、一部数量限定で12月18日に発売します。

 

高級感のあるボールペンの質感はそのままにカジュアルさをプラスし、“ちょうどいい上質感”へリニューアルしています。

↑左から「ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン」 、「ジェットストリーム プライム 3色ボールペン」

 

記事のポイント

2013年にジェットストリームシリーズ初、ビジネスシーンをイメージした高級感のあるボールペンラインアップとしてデビューした「JETSTREAM PRIME」。時代の変化に伴って働き方が多様化した現代、フォーマルな装いをする機会は減っています。ビジネスシーンでも、カジュアルな装いや個性を表現できるものが好まれるようになっていることを踏まえてのリニューアルです。使う場所、服装を選ばないボールペンを一本持っておくだけで、安心感が違いますね。

 

・ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン

使いやすさと持ち運びやすさに配慮しています。ボディは、回転繰り出し式の採用により、ノック棒のないプレーンですっきりとしています。

↑ボディは従来品より短くなっており、小さな手帳やカバンにも合わせやすい新設計

 

筆記抵抗を減少させた、かろやかな書き心地が特徴の「JETSTREAM Lite touch ink(ジェットストリーム ライトタッチインク)」を搭載しています。

 

カラーは、数量限定の2色を含め6色展開。日常的に使うものに合わせやすく、かつ、さりげなく個性を表現できるラインナップとのこと。

 

・ジェットストリーム プライム 3色ボールペン

ワントーンカラーに統一したボディ、マットな質感のクリップが目を引きます。フォーマルなシーンで使えるデザインを踏襲しつつ、ビジネスカジュアルなどにも合わせやすいボールペンです。

 

片手でも操作しやすいように、ノック棒が落ち込まず流れるような機構になっており、スマートに使えます。

 

カラーは、ベージュ、ローズピンク、ダークネイビー、ブラック、スモーキーグリーン。従来のプライムシリーズからの特徴だという「高級感のあるラインアップ」はそのままに、さらに幅広くパーソナルなシーンも支える色展開です。

 

三菱鉛筆
ジェットストリーム プライム 回転繰り出し式3色ボールペン
インク色:黒、赤、青
ボール径:0.5mm
軸色  :クラウディーホワイト、アイビーグリーン、コットンピンク、シトロンイエロー(継続)コージーブルー、ブリックオレンジ(数量限定)
参考価格:1本 2750円 (税抜 2500円)

 

ジェットストリーム プライム 3色ボールペン
インク色 :黒、赤、青
ボール径 :0.5mm/0.7mm
軸色0.5mm:ベージュ、ローズピンク、ダークネイビー/0.7mm:ブラック、スモーキーグリーン(全て継続)
参考価格  :1本 3850円 (税抜 3500円)

数量限定「カリモク家具」と「ジェットストリーム」コラボ第2弾! 「大人の積み木」がテーマの多機能ペン

三菱鉛筆は「ジェットストリーム」シリーズから、多機能ペン「JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1」を、11月5日に数量限定発売します。カリモク家具とのコラボレーション第2弾です。

↑「JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1」。左から、ピンク、インディゴブルー、グレイグリーン

 

記事のポイント

二社コラボのこだわりが、素材やカラーリング、デザインにまで細かに配されています。遊び心がありつつも、日常使いできる一本です。インク色は黒、赤、青、緑の4種類。「柔らかく上質な触り心地を実現している」とある通り、書き心地だけでなく、使い心地にもこだわっています。

 

テーマは「大人の積み木」。木製家具製造の過程で生まれた端材の中から、「ナラ材」を木製グリップに採用しています。

 

カリモク家具が展開するブランド「Karimoku New Standard」で実際に家具への塗装に使われているカラーチャートから色選定を行っており、木目や質感を生かした、大人向けの積み木イメージの塗装に仕上げています。

 

ボディ部分には、ソフトフィール調の塗装を採用。カラーリングをグレージュに統一することで、木製カラーグリップを引き立てるデザインとなっています。クリップには「JETSTREAM × karimoku」のロゴがさりげなく配され、カリモク家具とのコラボレーションであると示しています。

 

JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1
参考価格:3630円/本 (税込)
ボール径:0.5mm
シャープ芯径:0.5mm
ジェットストリーム 替芯 SXR-80-05 参考価格: 110円(税込)

クルトガ誕生から16年…フルメタル軸採用の「クルトガメタル」を“クルトガの完成形”と評価する理由

昨今、中高生の間でとにかく人気が高いのが、シャープペンシルだ。彼ら彼女らにとっては日常で最も使用頻度の高いツールだから、こだわりを持つのは当然だが、それにしたって我々大人からすると「えっ、そんなに!?」と驚くほどの注目度合いなのである。

 

実際、シャープペンシルの新製品が発売された直後にちょっと大きめの文房具店へ行くと、中高生(どらちかというと男子が多いが、女子もいる)が、「売り場にあのシャープペンシルが無いが、売り切れか?」「次の入荷日はいつか?」「予約は可能か?」「取り寄せは可能か?」……などと店員に詰め寄っているシーンをほぼ確実に見ることができる。あまりにアツすぎて、製品によっては1人1本制限は普通だし、店頭で抽選販売となっているケースだってザラなのだ。

 

このシャープペンシルブームの火付け役はといえば、それはまず間違いなく2008年に発売された三菱鉛筆「クルトガ」シリーズと言って間違いないだろう。書く度に少しずつ自動で芯先を回転させる「クルトガエンジン」を搭載し、偏減りなく鋭い筆跡が得られるこのシャープペンシルは、今でもとにかく人気が高い。

 

そんなクルトガシリーズに新たに金属軸モデルがラインアップしたということで、今回は(筆者が発売日の朝から店頭に並んでなんとかゲットしてきた)その最新版クルトガを紹介しよう。

 

クルトガにハイグレードなフルメタル軸登場

4月に発売された「クルトガメタル」は、その名の通り、フルメタル軸を採用した高級モデルだ。

 

クルトガの高級モデルといえば、2022年に発売された「クルトガダイブ」を思い出す人も多いだろうが、正直なところ「ダイブ」は本来のクルトガシリーズよりはるかに高度な機構を搭載しており、系統的にちょっと別物では? といった感もある。対してこの「クルトガメタル」は、機構やルックスも含めて“現行クルトガの正統ハイエンド”と言えるものだ。

三菱鉛筆
クルトガメタル 0.5mm
2,500円(税別)

↑雰囲気はKSモデルを踏襲しつつ、ワンポイントでダイブっぽさを取り入れた印象。

 

ルックスは、2023年発売の新しいスタンダード版「クルトガKSモデル」の雰囲気を継承しつつ、金属軸ならではのスリムさがあり、さらにクリップ部は「クルトガダイブ」と同様のシンプルな板バネクリップを採用。このあたりは、端的に「スタンダードに高級感をプラス」という方向性のデザインなのだと思われる。

 

加えて、軸表面には全体に微細な溝の切削とブラスト加工が施されており、これが程よく光を拡散させることでテカテカ感を打ち消し、ドッシリとした重厚感の演出になっているようだ。

↑軸表面は全体に細かな溝が彫り込まれており、光を穏やかに反射している。

 

↑グリップはサラサラしているが、指先に力を入れて握るとジワッと吸い付く感じ。とても不思議なグリップ感だ。

 

グリップは一見するとシンプルに溝を彫っただけのようだが、握るとその見た目以上にがっちりとすべり止めが効いている。これは、先に述べた微細溝加工がグリップにまで入っており、大きな溝と組み合わさることで、まるで指紋に食い込むかのような強いグリップ感を生んでいるのだ。

 

筆者はメタルグリップとはとにかく相性が悪い(手汗でスルスルとすべる)のだが、これは文句の付けようがない安定感で、今まで握った金属軸の中でも間違いなくトップクラスに握りよいグリップだと感じた。

↑後ろ側に搭載されているクルトガエンジンと、重量感のある真ちゅう製口金とでバランスが取れている。

 

握った際の重心位置は、「KSモデル」と比べるとわずかに前重心気味といったところ。バランス的には特に不満はなく(もうちょっと低くてもいいが)、グリップ感の良さと相まって、手の中にしっとりと収まる感じがとても心地よい。

 

「KS モデル」以降はクルトガエンジンが軸後方に配置されているため、やや重心位置が上がるのだが、対抗して口金に真ちゅうを使うなどして重さを調えているようだ。重量は17.6gと重めだが、コントロールも十分に利いて、握り心地の満足度は非常に高いように感じた。

 

「これこそクルトガの完成形では!?」と驚く筆記感

肝心の筆記感はどうかというと、これがまた想像以上に良かった。クルトガは芯を自動回転させる構造上、どうしても書く度に微妙なカチャカチャとしたブレが発生してしまう。正直、筆者はこの芯先のブレが苦手で、クルトガを長らく避けていたぐらいだ。

 

しかし、新スタンダードこと「KSモデル」はこのブレをかなり抑制できており、筆記感は大幅に向上していた。

↑芯先のブレの少なさはKSモデル以上で、これは本当に優秀。

 

↑ツヤのある樹脂パーツがニブダンパー。こんな小さなパーツだがブレ抑制効果はかなり大きい。

 

では「メタル」はというと、ブレの抑制具合は「KSモデル」以上で、体感的にはほぼ普通のシャープペンシルといった感じ。ブレによる不快感もほぼ無く、これはかなり驚かされた。機構的に「KSモデル」と同じクルトガエンジンを積んでいるのは間違いないだろうが、それに加えて、口金とペン先の間に挟まれた樹脂製の“ニブダンパー”というパーツが効果を発揮しているらしい。

 

正直なところ、このパーツがどういう理屈で効いているのかはハッキリ分からないが……おそらくはパーツ間の隙間をほどよく埋めることでカチャつきを伝わりづらくしているのではないだろうか。

↑クルトガに苦手意識を持っていた筆者ですら「これで書きたい!」と思うほどの筆記感。間違いなく“買い”の1本だ。

 

バランス良く、握りやすく、筆記感も文句なし。かつ、クルトガならではの芯先の鋭さのおかげで、整った文字が書きやすいというメリットも確実に享受できるんだから、とても優秀な筆記具であることは間違いない。

 

超人気製品ということでしばらく品薄は続きそうだが、ともあれ見つけたら即確保すべきだろう。

 

【文房具総選挙2024】お茶の香りが漂う紙製ホルダーに左利きでも書きやすい万年筆などSDGsに配慮した文房具12点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【トレンド部門】「SDGs文房具」部門にノミネートされた文房具12点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「SDGs文房具」部門】

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムの存在感が際立ちます。全12点がノミネート。

 

No.82

マックス
HD-10Dサステナブルモデル
各825円

プラスチックの端材を本体カバーに再生利用

耐久性に優れたロングセラーホッチキス「HD-10D」をベースに作った、環境配慮モデル。本体カバーに、プラスチック端材を再生利用しバイオマスプラスチックと混ぜた素材を使い、CO2削減に貢献している。

 

No.83

カウネット
カウネット×ライクイット A4ファイルボックス  by Loopla
920円

回収した使用済みプラ資源がファイルボックスに!

同社が新たに始めた、オフィスから出るプラ資源を回収・リサイクルするサービス「Loopla」から誕生。回収した使用済みのクリアホルダーを一部原料に使い、吉川国工業所と共同開発した。2個セット。

 

No.84

キングジム
紙製ホルダー(茶殻紙タイプ・10枚入り)
1012円

茶殻を再利用したほのかに香る書類ホルダー

伊藤園の「お〜いお茶」など、日本茶飲料の製造過程で排出される「茶殻」をアップサイクルした「茶殻紙」を使ったホルダー。通常の紙よりも紙原料を削減して作っている。お茶の香りをほのかに楽しめる。

 

No.85

三菱鉛筆
ジェットストリーム 海洋プラスチック
各242円

軸材に海洋プラスチックごみとコンタクトレンズの空ケースを使用

独自の配合技術により、軸材の再生材比率ほぼ100%を実現したボールペン。海洋プラスチックごみからできた再生樹脂と、使い捨てコンタクトレンズの空ケースを用いた再生樹脂を使っている。

 

No.86

三菱鉛筆
JETSTREAM × karimoku 多機能ペン 4&1
各3300円

家具の端材を再利用! 一点一点木目が異なり特別感満載

日本を代表する木製家具メーカー「カリモク家具」と「ジェットストリーム」のコラボ多機能ペン。家具の製造工程で出るナラ材とウォールナット材の端材を再利用したグリップは、一点一点木目が異なる。

 

No.87

ニチバン
セロテープ 小巻カッターつき 〈まっすぐ切れるタイプ〉 グリーンナノ配合
各242円

素材を見直しCO2排出量を66%も削減!

カッター本体に、燃焼時に発生するCO2を削減できる添加剤「グリーンナノ」を配合し、焼却時のCO2排出量を同社従来品比で66%も削減。天然素材が主原料の「セロテープ」と使えば、手軽にエコ活動ができる。

 

No.88

ゼブラ
BIOTUBE搭載 ジムノック
各132円

ついにリフィルまでサステナブルな素材に!

品質上、材質の選定が難しいリフィルに、業界で初めてバイオマスプラスチックを使用。リフィルを交換して使うと、CO2排出量を73%も削減できる。ペン本体、替芯のパッケージにもエコな素材を使用。

 

No.89

プラス
ホワイパー 紙ケース入り修正テープ
各275円

紙製ケースを使用した環境配慮型の修正テープ

ケースに紙を使い、プラスチック使用量を同社同等品より40%削減した修正テープ。引き心地はブランドの名に恥じぬ快適さ。紙製になったことでデザインの自由度が上がり、ラインナップが豊富に。

 

No.90

プラス
みんなのふせん 強粘着
2695円(各色2パッド・計10パッド入り)

色覚多様性に配慮したカラーユニバーサルデザイン

色の見え方の違いに配慮して、識別しやすい配色を採用。アイデア出しやブレーンストーミングの際に、書いた内容を色で分類しやすい。強粘着タイプで、紙やホワイトボードにしっかり貼れる。

 

No.91

共栄プラスチック
LIMEX ライティングシート
330円(B5 size)、385円(A4 size)

注目の新素材から生まれた業界初の下敷き

プラスチックや紙の代替品として注目を集めている石灰石生まれの素材「LIMEX」を、業界で初めて下敷きに使用。既存のプラスチック下敷きに比べ、プラスチック使用量を約72%削減できる。薄くても丈夫。

 

No.92

ラミー
LAMY safari 左利きのための万年筆
5500円

左利きの人もインクがかすれずまっすぐに書ける

1980年誕生のロングセラー万年筆の左利き用モデル。ペン先を押し出すようにして書く左利きの人でもかすれず書け、時計回りに巻き込む筆記グセがあっても、自然と真っ直ぐ書けるよう矯正される。白と黒の2色。

 

No.93

サンスター文具
Re:metacil
各990円(4月1日発売)

廃材から作られた削らずに書き続けられる鉛筆

削らずに書き続けられる「特殊黒鉛」を使った鉛筆のサステナブルモデル。ボディとキャップに、噴石や牡蠣やほたての殻などの廃棄物を粉砕して再生したアップサイクルプラスチック素材を使っている。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。

 

【文房具総選挙2024】集中力がアップする暗記シートや文字が読みやすい下敷きなど大人でも見逃せない「キッズの勉強がはかどる」文房具15点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2024」がスタートしました。ここでは、【トレンド部門】「キッズの勉強がはかどる文房具」部門にノミネートされた文房具15点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

文房具総選挙2024の投票はこちらから

 

【「キッズの勉強がはかどる文房具」部門】

赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる全15点がノミネートしました。

 

No.59

クツワ
エアピタファスナー
1980円

置くだけで机にピタッとくっつく倒れないペンケースの軽量タイプ

底面に備えた吸盤が机にくっつき、揺らしても倒れない立つペンケースの新型。布製で90gと従来品の約半分に軽量化している。内側上部にポケットがあり、消しゴムや付箋などの小物が取り出しやすい。

 

No.60

クツワ
カクシート
638円(スリム)、748円(A5)

繰り返し書いて覚えるメモスペース付きの赤シート

繰り返し書き消しできるメモスペースを備えた暗記用の赤シート。黄色いメモスペースは、ペンのキャップや指先などで書き込め、シートをめくると文字が消える。A5サイズとスリムサイズの2種。

 

No.61

コクヨ
キャンパス 青色シートで覚える 暗記用ペンセット
308円

集中に効く(※) “青色” を採用した暗記専用ツール

集中力維持が期待できる青色を採用したシートと、オレンジマーカー、水色ペンのセット。マーカーは、重要な箇所を目立たせながらも可読性を下げない明るいオレンジ。シートを重ねるとマークした文字が隠れる。

 

※:青色の効果は心理評価によるものであり、個人差や環境により効果は異なります

 

No.62

KYOKUTO
X-ZONE『付箋』
各550円

学びを深める問いや見出しが書かれた勉強用付箋

「どうして間違えたの?」「間違えない方法は?」などの問いや、「ここは覚える!!」「余談だけど……」といった見出しが書かれた付箋。書き込むことでミスの対策を考えたり、学びを深堀りしたりできる。

 

No.63

パイロット
ザ・ドクターグリップ(0.3mm)
各990円

芯出し機構にロックがかかる静音設計の細書きシャープペン

ボディを振ると芯が出る人気シャープの0.3mmタイプ。芯を繰り出すときの操作音を従来品の約半分に抑える静音設計で、移動中の衝撃などで芯が出るのを防ぐ「フレフレロック」機構も搭載している。

 

No.64

ソニック
速暗! 2色で書いて覚える 暗記用ペン&4枚シートセット
660円

書き込み内容を2段階で隠して暗記効率アップ!

2色のシートとペンのセット。答えをオレンジ、ヒントをピンクのペンで書き、オレンジシート(答えのみが隠れる)を使って問題が解けるようになったら、次に赤シート(答えとヒントが隠れる)を使う。

 

No.65

レイメイ藤井
超観察スコープ
2310円 (3月下旬発売)

シーンに合わせて変形する水陸両用の拡大鏡

レンズフードを拡張できるシリコン製の拡大鏡。観察物に近づけて観察できる「ルーペスコープ」、観察物の上からかぶせて使う「虫かごスコープ」、水中を観察できる「アクアスコープ」の3つに変形する。

 

No.66

クツワ
ノートぴったりに切れる定規
418円

プリントをノートサイズに切れるガイド付き定規

学習プリントをノートサイズに切るためのガイドが付いた定規。目盛り側の側面に45度の傾斜が付いており、定規で押さえた紙を手前に引くときれいにカットできる。折り畳み式で、伸ばすと30cm定規に。

 

No.67

ソニック
ポジットペンシル
各935円

指を入れて書くだけで正しい握り方が身につく

握り方トレーニング用のシャープ。リングに指を入れると、自然と正しいポジションで握れる。シャープペンのため、削るたびに外すという手間がない。芯は0.7mmと1.3mmの2種で、右手用と左手用がある。

 

No.68

サンスター文具
metacil school
各330円

削らずに書き続けられる新感覚の鉛筆が学生仕様に!

芯の摩耗が少ない「特殊黒鉛」を使った鉛筆の学生向けモデル。芯の濃さはF鉛筆相当で、削らずに約5km、漢字練習帳約18冊ぶん書き続けられる。軸には成長が早いサステナブルな竹を使用し、約3gと軽い。

 

No.69

クツワ
モジサシ下じき
286円

文章がスラスラ読めるリーディングマーカーにもなる!

教科書などに書かれた文章の1行分だけ色が異なり、読んでいる行を強調してスラスラ読めるようにするリーディングマーカー付きの下敷き。上と左の側面には目盛りがあり定規としても使える。

 

No.70

ヤマト
ヤマト糊 タピコ
319円

ロングセラー糊が手を汚さずに塗れるチューブタイプに

手を汚さずに容器から直接塗れるチューブタイプのでんぷん糊。小さな穴が開いたキャップと、子どもでも握りやすい柔らかな容器を採用。原料は、ロングセラーの「ヤマト糊」と同じタピオカでんぷん。

 

No.71

三菱鉛筆
uni タブレット授業えんぴつ
924円(1ダース)

新開発の特殊な芯で濃く書けて反射もしにくい

従来品より濃くはっきりとした文字を書ける2B鉛筆。黒鉛筆芯特有の反射を抑え、明るい照明の下でも視認性が高い。書き込んだノートを写真に撮ったときに反射せず、撮影者の影が写っても見やすい。

 

No.72

サンスター文具
ヨコピタ ギガテクト
各2200円

ランドセルの隙間にも入れられる耐衝撃型の筆箱

柔軟性のあるエラストマーフレームとリブ構造で、従来品よりも耐衝撃性や歪み強度を高めた筆箱。コンパクトサイズで、教科書を入れたランドセルの上部に横向きでピッタリ収まる。鉛筆削りも付属。

 

No.73

サクラクレパス
ライトルシャープ
各550円

視認性の高い細いペン先を完全収納できる新機構を搭載

ペン先を完全に収納できる「ダブルノック機構」を搭載。細いパイプ型のペン先は、視認性が高い一方でペン先を収納できないタイプが多く、携行時に折れや曲がりが生じやすい。その点本品なら安心だ。

 

※価格は全て税込みで表示しています。

 

「文房具総選挙2024」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した9部門・100商品!

「文房具総選挙2024」は、機能によって分類した5部門に加え、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした  “トレンド部門”  には、1年ぶりに復活した「SDGs文房具」など3部門、さらに “特別部門” として、2013年発売以降5年以上売れ続けている学生向け文房具に絞った「キッズの勉強がはかどるプチロングセラー文房具」部門の、計9部門。総数100点もの商品がノミネートされています。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
人気ブランドの多色・多機能ペンを中心にラインナップ。ペン先の線幅を変えることで使い心地を向上させた、アイデア商品にも注目だ。 “くすみカラー” のトレンドは今年も健在で、すっきりとした見た目のアイテムが多い。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949724/

■ 記録する 部門
今年は、「キャンパス」、「ロルバーン」、「ニーモシネ」、 「プロジェクトペーパー」とロングセラーブランドの新作が相次いで登場。 新機構を搭載し多機能化したクリップボード類もアツい! 全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949766/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
ダンボールの開梱ツールを筆頭に2Way、3Wayで使えるアイテムから、 袋や封筒を開ける単機能特化型アイテムまでバラエティに富んだアイテムが集合。 教科書や手帳を広げた写真をアップするSNSトレンドの影響も見られる。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949796/

■ 収納する 部門
昨年は書類入れのノミネートが多かったが、今年は筆記具や PC小物を収納するツールが豊作。広がったりくっついたり立ったりと、 ペンケースが変形するのはもはや当たり前の時代に。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949833/

■ 印をつける・分類する部門
「その手があったか!」と膝を打ちたくなる画期的な捺印アイテムを中心にラインナップ。本来の機能を十分に発揮しながらも、 日常に馴染むオシャレなデザインのアイテムが多い。全9商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949864/

 

【トレンド部門】

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
赤シートやでんぷん糊、鉛筆など、ゲットナビ読者世代には懐かしい あの定番商品たちの最新モデルがズラリ。なかでも暗記シートの新作が豊富で、 「まだ、進化の余地があったのか!」と驚かされる。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。全15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/949948/

■ キッズの勉強がはかどる環境をつくる文房具 部門

子どもたちの集中力ややる気をアップさせる環境整備アイテムがノミネート。なかでも半数を占める「タイマー」は、 “タイパ” を上げ、 ダラダラ勉強を防げるツールとして昨今人気だ。全8商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950024/

■ SDGs文房具 部門

2022年に創設され、1年ぶりに復活した本部門。脱プラ、CO2排出量削減、 ユニバーサルデザインなど、SDGsに配慮するだけでなく、 あえて選びたくなるようなデザイン性に優れたアイテムが増えている。全12点がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950095/

 

【特別部門】

■ キッズの勉強がはかどる プチロングセラー文房具  部門

文房具総選挙が初開催された2013年以降に発売され、5年以上売れ続けている 文房具のなかで、昨今需要が高まっている学生向け商品に絞った新部門。 エポックメイキングかつ、いまなお現役の全7商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/950177/

 

「ジェットストリーム」にカリモク家具コラボ多機能ペンが新登場! 家具の端材をグリップに再生利用した「JETSTREAM × karimoku 4&1」

三菱鉛筆は、油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、カリモク家具とコラボレーションした多機能ペン「JETSTREAM × karimoku 4&1」を11月28日に新発売します。価格は3000円(税別)で、軸色はサンセットオレンジとスチールブルーの全2色。

 

今回発売するのは、国内生産の木製家具メーカーのカリモク家具とコラボレーションし、「暮らしに、木の温もりと彩りを。自分らしさを飾る、道具選びを。」をコンセプトとした、木製家具の製造工程で生まれる木の端材をグリップに再生利用した多機能ペン。

 

木製家具製造の過程で生まれた端材の中から、サンセットオレンジにはナラ材、スチールブルーにはウォールナット材をグリップとして採用。家具と同様のウレタン塗装を施し、手に優しくなじむ仕上がりとなっています。木目や色合いに天然木ならではの違いがあり、それぞれの個性が楽しむことができ、端材と端材との継ぎ目が模様として現れるグリップもあります。グリップの側面には、「karimoku」ロゴを刻印し、カリモク家具とのコラボレーションを象徴しています。

 

カリモク家具のラインナップなどから着想を得た、深みのあるトーンのカラーを取り入れ、トレンドを感じながらも日常的に使えるデザインに仕上げています。カラー塗装部分には、ファブリック家具のように、しっとりと柔らかな手触りが印象的なソフトフィール調の塗装を採用。

 

パッケージには、本体と色を合わせたデザインが印象的な、古紙を再生利用した紙製パッケージを採用しています。

 

ボールペン4色とシャープが1本に搭載されている多機能ペンで、日常的に使いやすく、ノートや手帳、書類、資料への色分けしての書き込みに最適です。ボールペンのインク色は黒、赤、青、緑。

神秘的な輝きを帯びたオーロラカラー! 自動で芯が出るシャープペンシル「KURUTOGA DIVE」に新色「オーロラパープル」登場

三菱鉛筆は、書き始めから書き終わりまでノックすることなく書き続けられる世界初の機能が搭載されたキャップ式シャープペンシル「KURUTOGA DIVE(クルトガ ダイブ)」の新しい軸色オーロラパープルを、11月24日に発売します。芯径は0.5mm。価格は5000円(税別)です。

 

KURUTOGA DIVEは、“芯が回ってトガり続けるシャープ”「クルトガ」シリーズから、“「書く」にのめり込む”をテーマに開発され、「のめり込む」を意味する「DIVE」から名付けられています。没入できるような雄大な景色や情景を想起させる軸色を採用することで、テーマである“「書く」にのめり込む”の世界観をより濃く表しています。

 

今回発売する新軸色オーロラパープルは、クルトガシリーズで初となる偏光塗装を施し、オーロラが浮かぶ神秘的な夜空を表現。見る角度によって鮮やかな表情から深みのある色味まで見え方が変化する仕様です。

 

筆記に合わせオートマチックに芯が繰り出される機構を搭載しているので、筆記中のノックによって思考が途切れるといったことがなくなります。一定の画数で芯が自動的に繰り出されることで、パイプが紙面に当たることがなく、筆感を損なわずにそのままの書き心地で書き続けることができます。

 

筆記時の芯の摩耗量は、使う人の筆圧の強弱や、シャープ芯の硬度の種類、使用シーンによって様々であるため、自分好みの書き心地に合わせて、芯の自動繰り出し量を5段階で調節できます。

 

キャップの中には新開発の初筆芯繰り出し機構を搭載し、キャップを外す所作と同時に一定量の芯が繰り出されるので、筆記前のノックや、芯の長さを調節する煩わしさを軽減しています。キャップ式にすることにより、落下時の衝撃等から繊細なペン先を保護する機能も併せ持っています。キャップは吸着感のあるマグネット式でスムーズに閉めることができ、「カチリ」という音とともにクセになりそうな心地よさも演出。

 

クルトガシリーズの特徴である自動芯回転機構「クルトガエンジン」を搭載し、書くたびに芯が少しずつ回転することで、芯先が“いつもとがった状態をキープ”でき、一定の筆記描線で、精密にくっきりと、滑らかに書き続けることが可能です。

文房具総選挙2023で大賞受賞!「1冊でも倒れないブックスタンド」が想像以上の大ヒット

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。本記事では「文房具編」から、リヒトラブ「1冊でも倒れないブックスタンド」、三菱鉛筆「ユニボール ワン P」、伊藤手帳「3STEP日記」を紹介。人気の秘密を、文房具ライターのきだてたくさんにたっぷり教えてもらいました!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

【私が解説します】

文房具ライター きだてたくさん
機能派からイロモノまで文房具全般に精通。ユーザーニーズを捉えたレビュー記事で人気だ。

 

【ブックスタンド】

ブックスタンドのプチストレスを画期的な構造で解決!

リヒトラブ
1冊でも倒れないブックスタンド
1100円
2022年10月発売

少ない冊数でも本が倒れず、本の出し入れがしやすいブックスタンド。両サイドにジョイントを備え、置くスペースに合わせて複数台連結させられる。本誌主催の「文房具総選挙2023」でも堂々の大賞を受賞。

 

 

【ヒットのシンソウ】

コロナ禍が明け作業空間の再構築に最適

「半年で年間目標の約3倍売れの大ヒット。コロナ禍が明け作業空間の再構築を始める企業も増えているので、まだまだ需要は広がりそう。本を抜いたときに周りの本が倒れないのは本当に快適!」

売れ行き:★★★
革新性:★★★★
影響力:★★★

 

【ボールペン】

フォルムのかわいさと書き心地の良さを両立

三菱鉛筆
ユニボール ワン P
550円
2023年3月発売

黒は一層濃く、カラーはより鮮やかに発色する独自インクを搭載した「ユニボール ワン」シリーズの新モデル。手のひらに収まる短寸ながらも、低重心で書きやすい。リフィルがシリーズ共通で使える点も好評だ。

 

↑クリップは、手に当たらないようスタンダードモデルの「ユニボール ワン」(写真下)よりも短め・幅広にリデザイン

 

【ヒットのシンソウ】

かわいいモノ好きに加え小型手帳ユーザーも注目

「ころんとしたかわいいフォルムが女性を中心に人気を集め、単月における販売目標比は241%で推移。トレンドのM5サイズの小型手帳とシンデレラフィットする点も、ヒットを後押ししています」

売れ行き:★★★
革新性:★★
影響力:★★★

 

【3STEP日記】

現役大学生が考案! 3ステップで自分が育つ日記帳

伊藤手帳
3STEP日記
1500円
2022年12月発売

1日3行書くだけで、自己成長を促せる日記帳。同社と愛知大学キャリア支援センターが産学連携し、学生発のアイデアを商品化した。就職活動を控える学生はもちろん、自分を成長させたい社会人にも好評を得ている。

 

 

【ヒットのシンソウ】

“タイパの良さ” でZ世代を中心にヒット!

「わずかな時間と作業量で、自己分析から次の目標設定までできてしまう “タイパの良さ” がZ世代にウケて、発売4か月で予定数の5倍の冊数が売れ完売。現在、追加再々生産ぶんを販売中とのこと」

売れ行き:★★★
革新性:★★★
影響力:★★

即完売の大人気「オートマチックシャープ」、ヒットの秘密をプロが徹底解説!

『GetNavi』が選ぶ「2023年上半期売れたものSELECTION」。本記事では「文房具編」から、人気の “ノックなしで芯が出る” オートマチックシャープ「オレンズAT デュアルグリップタイプ」と「クルトガ ダイブ」をピックアップ。ヒットの背景には何があったのか? 筆記用具として今注目したいボールペン「mute-one」の紹介もあわせて、文房具ライターのきだてたくさんと放送作家・ライターの古川耕さんに解説してもらいました!

※こちらは「GetNavi」 2023年8月号に掲載された記事を再編集したものです。

 

自動シャープの選択肢が増え約10年続いたトレンドが変化

文房具業界では10年ほど、芯が折れないシャープペンがトレンドだったが、今年はノックなしで芯が出る “オートマチックシャープ” の波が来ている。その筆頭は、昨年、限定発売され、即完売した三菱鉛筆の「クルトガ ダイブ」。

 

「3月に定番化しましたが、それでも抽選販売を行う店や数分で完売する店が続出しました。1月発売のぺんてるのオートマチックシャープ『オレンズAT デュアルグリップタイプ』も、発売4か月で20万本売れと好調です」(きだてさん)

 

オートマチックシャープというジャンルは、17年に発売されたぺんてるの「オレンズネロ」によって作られたが、「クルトガ ダイブ」登場までの約5年、新商品は出なかった。それがいま2品登場し、加えてどちらも申し分のない完成度。売れない理由がないのだ。

手間要らず・疲れ知らずで長時間筆記にピッタリ!

ぺんてる
オレンズAT デュアルグリップタイプ
2200円
2023年1月発売

ノック1回で書き続けられる「自動芯出し機構」と、ペン先のパイプで芯が折れるのを防ぐ「オレンズシステム」を搭載。ノック操作や芯折れによるタイムロスを防げる。名前のATは、「Automatic Technology」の頭文字。

 

【プロも絶賛!】

文房具ライター きだてたくさん
機能派からイロモノまで文房具全般に精通。ユーザーニーズを捉えたレビュー記事で人気だ。

 

ATシャープペンのニュースタンダード

「オートマ機構を安定量産するための工夫が凝らされ、本品がオートマチックシャープの新基準となるのはほぼ確実。全体のバランスも良く、文房具好きは注目すべし!」

 

芯が尖り続けながら自動で出る世界初のシャーペン

三菱鉛筆
クルトガ ダイブ
5500円
2023年3月発売

書くたびに芯を回し芯先を尖らせる「クルトガエンジン」と、世界初の「自動芯繰り出し量調整機能」を搭載。芯が紙面に当たる力を使い、一定の画数ごとに芯を繰り出す。繰り出し量は5段階で調整できる。

↑クルトガエンジンの内部構造

 

↑キャップを外すと同時に芯が出る「初筆芯繰り出し機構」も備え、持ってから置くまでノック要らず。キャップは、一定の位置まで差し込むと押し込まなくても閉まるマグネット式だ

 

【プロも絶賛!】

放送作家・ライター 古川 耕さん
長年、GetNaviにて文房具コラムを担当。現在は「手書きをめぐる冒険」を連載中だ。

シャープペンの進化を象徴する一本

「実用性もありつつキャップ式というギミックもスゴい。これは言わば “ホビー系高級シャープ” という新ジャンル。近年のシャープペン界の爛熟振りを象徴する一本です」

 

【ヒットのシンソウ】

<証言者>文房具ライター きだてたくさん

 

低価格商品が出始め市場が活性化しそう!

「機構が複雑なぶん、筆記具のなかでは高額商品で、『オレンズAT デュアルグリップタイプ』のように手ごろな商品も出始めています。今後は各メーカーとも低価格帯の商品を投入してくるはず!」

売れ行き:★★★
革新性:★★
影響力:★★★

 

【コレもチェック!】

操作音を33%カット! 周囲への配慮ができるペン

サンスター文具
mute-on
264円

ノック音を従来品比で約33%抑えたボールペン。「静音設計のペンも、周囲への気遣いができる筆記具として人気が高まっています。本品は意識しないと聞き取れないくらい静か!」(きだてさん)

芯が尖るお馴染みのシャープペン「クルトガ」唯一の欠点を解消!「クルトガ KS」の完成度を検証

三菱鉛筆の「クルトガ」といえば、書くたびに芯を自動で回転させる機能でお馴染みの、高機能シャープペンシルだ。ペン先が紙に触れることで内部のメカが働き、1画ごとに約9度(「クルトガアドバンス」は18度)ずつ芯を回転させる。この仕組みにより、芯先端の偏減り(接地面が偏って摩耗すること)を防ぎ、常にシャープな美しい字が書けるというのが最大のポイントだ。

↑一時期は「中高生の所持率70%・認知度100%」だったという伝説級のシャープペンシル「クルトガ」シリーズ

 

これが実に素晴らしく効果のある機能で、使用中は常に芯先が気持ちよく尖るため、繊細で美しい字が書きやすくなる。一方で、この機構のせいで芯先がカチャカチャとブレる、という問題もあったりする。このブレが気になる人だと、どうしてもクルトガを使いづらく感じてしまうのだ。

 

芯ブレを抑制した新しいクルトガ・スタンダードモデル

芯が紙に押しつけられる力を利用してギアを動かしているので、ブレに関しては機構的に仕方ない部分ではある。でも、集中してノートを取りたいときほど、書くたびにこの “カチャカチャ” が邪魔に感じられてしまう。クルトガの機能が優秀なだけに、逆にこのささやかな芯ブレというネガティブな部分が目に付くのだ。

三菱鉛筆
クルトガ KS
各550円(税別)
0.3mm/0.8mm 各4種、全8種展開

 

そこで紹介したいのが、2023年2月に登場した、三菱鉛筆「クルトガ KSモデル」こと新スタンダードモデルである。こう名乗っているからには、つまり今後はこれがクルトガシリーズのスタンダードタイプになりますよ、ということなのだろう。初代が2008年に発売されたので、15年めの大リニューアルというわけだ。

↑カチャつきが完全にゼロになったわけではないが、それでもかなり抑えられているのがハッキリ認識できた

 

リニューアルの内容は明確で、冒頭でも述べた、クルトガ独自のカチャカチャとしたブレの軽減である。試しに書いてみると、まだ先端からほんのわずかに “カチャッ” とした振動は感じるけれど、集中して書いていれば気にならなくなるレベル。それでいて、芯先は確実に回転しているので、クルトガらしく鋭い筆跡がきちんと残る。


プレスリリースには「クルトガエンジンを改良し、筆記中のブレを軽減」とだけある。ここから考えると、芯先のカチャカチャという上下動を回転運動に変える機構、つまり「クルトガエンジン」を調整して、少ない上下動でもギアが回るように精度を高めたのだろうか。先端パイプの根元パーツ(パイプと共に上下動する部分)が、従来のプラスチックから金属へと変更されていることからも、その線で合っているような気はする。

↑パイプの根元にあるパーツが変更されているのも、クルトガエンジンの精度向上に関係していそう

 

“見せるクルトガ” を廃して握りやすさをアップ!

もうひとつ、このKSモデルで個人的に評価したいのが、ゴムグリップが搭載されたこと。従来のクルトガ スタンダードモデルは、クルトガエンジンの機構を可視化するため、グリップ周りが透明になっていた。これによって上下動が回転運動に変えられるのが逐一観察できたわけだ。(ちなみに、スタンダードではないが、非透明のゴムグリップやローレットモデルは存在する。)

 

しかし、クルトガ発売から今年でもう15年。正直なところ、今さらそれをアピールされてもなぁ……という気はするわけで。それならいっそ、見えなくてもいいからゴムグリップにしてもらったほうが、指が滑らず握れてありがたいと思っていた。

↑クルトガエンジンの動きが見える透明グリップの従来モデル(下)に対して、ゴムグリップとなったKSモデル(上)。グリップ力は当然ゴムの方が高い

 

クルトガ KSは、表面モールドもないゴムグリップだが、それでもツルツルのプラスチックよりは確実に握りが安定する。また、グリップ自体も先に向かってほんのりと太くなる逆テーパー形状で、筆記中に指の位置がずり落ちていくのを防ぐ効果があるのだ。

↑絶妙な逆テーパーで指の位置が安定。なによりゴムグリップの握りやすさがありがたい

 

カチャつき軽減で書きやすく、さらにグリップ変更で握りの安定感もアップ。実際に書き比べてみると、もう今までのクルトガに戻るのイヤだなー、と思える品質向上を感じられた。そもそもクルトガ独自の価値である “偏減りを防止してシャープな線が書ける” という機能は変わらないので、今回のスタンダードモデル改変は、シンプルに「大成功」以外の評価はなさそう。

 

特に、これまでクルトガのカチャつきでイラッとしたことがある人や、それでクルトガから離れてしまった人には、改めて一度は試してみてほしい。

 

“黒さ”が世界に認められた! 三菱鉛筆「uni-ball one」シリーズが“世界一黒いゲルインクボールペン”としてギネス世界記録に認定される

三菱鉛筆は、ゲルインクボールペン「uni-ball one(ユニボール ワン)」シリーズで、「最も黒いゲルインクボールペン“Blackest gel ink ballpoint pen”」としてギネス世界記録認定を受けました。

↑「uni-ball one」シリーズ(左から「uni-ball one F」、「uni-ball one」、「uni-ball one P」)

 

同製品は、黒は一層濃く、カラーはより鮮やかに発色する“ノート、くっきりキマる。”ゲルインクボールペン。7月3日に、「最も黒いゲルインクボールペン“Blackest gel ink ballpoint pen”」として、ギネス世界記録に認定されています。黒色については、濃くくっきりとした文字は記憶に残りやすいことが、同社と立命館大学の共同研究によって明らかになっています。

↑従来品との濃さ比較

 

ギネス世界記録本文には、「最も黒いゲルインクボールペンは三菱鉛筆株式会社製の「uni-ball one」である。そのY値は5.96であり、2023年6月7日にスガ試験機株式会社(所在地:東京都新宿区)にて測定された。」(日本語訳)と書かれています。

 

8月7日17時より、公式認定証の贈呈式が、同社公式Instagramアカウントのインスタライブにて配信されます。配信では、ギネスワールドレコーズ公式認定員からのギネス世界記録公式認定証の贈呈、研究開発をはじめとする各担当者による、開発秘話や製品情報の紹介などを予定しています。

「海の日」に発売! 海に思いをはせたくなるエコマーク認定ボールペン「ジェットストリーム 海洋プラスチック」

三菱鉛筆は、油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、日本国内で回収された海洋プラスチックごみと使い捨てコンタクトレンズの空ケースをリサイクルした「ポストコンシューマープラスチック」を ボールペン軸に採用した「ジェットストリーム 海洋プラスチック」単色タイプを、7月17日の「海の日」に一部数量限定で発売します。価格は220円(税別)。

 

同製品は環境に配慮したノベルティ専用製品として、2022年7月に受注開始。多くの要望が寄せられたことから、継続色1色に限定色2色を追加した全3色の一般販売を、全国の店頭で開始します。

 

本体の軸材は、海洋プラスチックごみからなる再生樹脂とコンタクトレンズの空ケースを用いた再生樹脂からできており、ほぼ100%ポストコンシューマー材で構成しています。ポストコンシューマープラスチックと当社独自配合技術を採用することで、“単一の部材のみで”同社既存の製品と同等の品質を保持することができる仕様となっています。

 

軸色は「変わっていく海の情景」をイメージしたワントーンカラーを採用した全3色。ライトブルーは穏やかな海をイメージしており、新色のコーラルとターコイズは、刻々と少しずつ表情が変わっていく海の情景をイメージ。表面に海洋プラスチックごみの一部が点や模様として表出するものもあり、自然由来の素材が感じられる風合いも特徴です。

 

マットな風合いが日常生活にもなじむミニマルな軸デザインで、「メビウスの輪」をイメージしたクリップ形状は、循環や再生を表現しております。

 

また、ライトブルーはエコマーク商品類型No.164「海洋プラスチックごみを再生利用した製品」の認定を取得。手に取った人が環境配慮に関心を持つきっかけになってほしいという思いも込められています。

【文房具総選挙2023】結果発表! 子どもの勉強が最もはかどる文房具はノック不要のシャーペンに認定!

仕事や勉強など、作業がはかどる機能をもつ「はかどり文房具」の頂点を、ファンの厳正なる投票で決定する文房具総選挙。11回目となる「文房具総選挙2023」は、2022年度に登場した新作文房具から、仕事や勉強がはかどる機能をもつ文房具80商品が選出! 「トレンド部門」2部門と、機能によって分類した5部門の、合計7部門の頂点に立ったのは?

 

まずは各部門の結果を発表していきましょう。ここではトレンド部門「キッズの勉強がはかどる文房具」部門の結果をお伝えします。

 

【トレンド部門】「キッズの勉強がはかどる文房具」部門の部門賞と上位商品は?

芯が自動で繰り出されるノック不要のシャープペンがワンツーフィニッシュ! 続く第3位の学習用パーテーション、第5位の長時間筆記しやすいシャープペンと、今年は集中力を高め没頭させるアイテムが豊作だった。

 

■第1位

ノック不要! 思考の海にダイブできるペン

三菱鉛筆
クルトガ ダイブ
各5500円

世界で初めて「自動芯繰り出し量調整機能」を搭載したシャープペン。キャップを外すと同時に芯が繰り出される「初筆芯繰出機構」も備える。全5色。

 

【ココがはかどる!】

芯を自動で繰り出す機構と、書くたびに芯を回し芯先が尖らせ続ける「クルトガエンジン」の組み合わせにより、ノックの手間と筆跡が太くなるストレスを徹底解消。勉強に没頭できる。

 

↑グリップのやや上に窓が付いており、筆記時にクルトガエンジンが駆動する様子を確認可能

 

↑キャップはマグネット式で、一定の位置まで差し込むと押し込む動作をせずピタッと閉まる

 

【選考委員はこう見た!】

芯の繰り出し量調整機能付きで快適。滑らかでストレスフリーな書き心地は、普段の勉強はもちろん、感想文や作文など、たくさん文字を書く際にも没頭できてオススメです! (学研キッズネット編集部・清水優香子)

 

■第2位

ペン先が安定して疲れにくい

ぺんてる
オレンズAT デュアルグリップタイプ
2200円

ノック1回で書き続けられる自動芯出し機構、ペン先のパイプで芯を守る「オレンズシステム」を搭載する。グリップの握りやすさもメリットだ。

 

■第3位

自分だけのスペースで集中!

ナカバヤシ
ハウスタディ 学習パーティション
3410円

ダイニングテーブル等に広げて自分だけの学習スペースが作れる、気軽に導入しやすい紙製パーテーション。片付けるときは閉じるだけ。

 

■第4位

ペン先が安定して疲れにくい

クツワ
スタッド ワンハンド単語カード
330円~385円

表紙ポケットに人差し指を入れ、切り欠きに親指を入れてめくる独自の構造により、片手で使える単語カード。右手・左手どちらでも使用できる。

 

■第5位

ペン先が安定して疲れにくい

三菱鉛筆
クルトガ KSモデル
605円

「クルトガエンジン」が待望のアップデート。筆記中に芯が回転することで生じていたペン先のブレを軽減し、長時間筆記しやすくなった。

 

※価格はすべて消費税込み。

 

「文房具総選挙」特集ページ

ゲルインクボールペン史上最濃インクの「ユニボールワン」寸胴モデルにつまった工夫が予想外に凄かった

ここ数年のボールペンの進化には目覚ましいものがあるが、ただ、個人的には不満もなくはない。というのも、取り沙汰されているのは基本的に、インクの濃淡や重量バランスといった書き味の部分ばかり。もちろんそこが最重要なことに異論はないが、そればっかりでもなぁ、とも思うのだ。

 

例えばぺんてる「Calm(カルム)」が静音性に着目したのは、なかなかに面白い方向性だった。もはや書き味が良いのは当然の前提であって、そこからさらに機能をプラスしていくのが、これからのボールペンの有り様になるはずだ。

 

ということで、三菱鉛筆から2023年3月に発売された新ボールペンも、書き味+αというものだったのだが……それにしたって「えっ、そういう方向性もありなの?」と驚くような、ユニークな製品だったのである。

 

コロンとかわいい新「ユニボールワン」

その「そういうのもあり?」と驚かされたボールペンというのが、三菱鉛筆の「ユニボール ワン P」だ。ゲルインク史上最濃とも言われるくっきりインクを搭載したボールペン「ユニボールワン」シリーズの最新版ということになる。

三菱鉛筆
ユニボール ワン P
各500円(税別)
芯径0.38mm/0.5mm、軸色は全8色

 

単体で見ても「ん? なんか比率おかしくない?」と感じられるかもしれない。

 

口金周辺やカラー、クリップなどの要素は同シリーズの「ユニボール ワン F」に近いが、とにかく寸詰まりで寸胴。印象としては、ユニボール ワン Fを前後からムギューッと押し潰したような感じなのだ。実際に数値で見ても全長約117mm/軸径約13.9mmということで、ユニボール ワン Fの全長約140mm/軸径約11mmと比べると、やはり「豆タンク」と表現せざるを得ないだろう。

↑ユニボールワンシリーズの比較。ユニボール ワン Pの雰囲気や要素はシリーズ従来のものに近いため、縮尺の“おかしさ”だけが際だって見える

 

↑ユニボール ワン Pの重心位置は、もともと低重心化されているユニボール ワン Fとほぼ同じ

 

興味深いのは、この「重心位置がユニボール ワン Fとほぼ同じ」という部分である。これだけ軸寸が短いと重心位置も違って来そうなものだが、測ってみるとこの通り。成人男性の手で握ってみると、軸後端ギリギリが親指と人差し指の間に乗る、というぐらいのポジションが適正と感じられた。

 

ちなみに、ユニボール ワン Fは重心調整用にスタビライザーと呼ばれる金属製のオモリがグリップ下に埋め込まれているのだが、ユニボール ワン Pにはそういうギミックは無し。口金の金属パーツのみでバランスを取っているように感じられる。短くても違和感はほぼなく、かつ太軸の握りやすさもあるため、むしろ書きやすいと感じる人も多いかもしれない。

↑比較的落ち着いた握り心地。言い方は悪いが「見た目よりかなりマトモ」な印象だ

 

ちなみにリフィルはシリーズ共通である。引き抜いて並べてみると、ユニボール ワン Pのノックノブ後端スレスレまでリフィルが来ているのが分かるだろう。この短さを実現するために、実はノックノブ内に回転子を配置するなど、かなり特殊なことをやっているのも見て取れた。

↑並べてみると、ノックノブ後端までリフィルが詰まっているのが一目瞭然

 

↑覗いてみると、ノックノブ内部にまでリフィルを押し出すための機構(回転子など)が搭載されているのが見えた

 

↑ユニボール ワン Fの軸内とユニボール ワン Pのノックノブはほぼ同径。つまりリフィルを搭載するにはこの太さが必要ということだ

 

軸を短くするためにはリフィルをノックノブ内に引き込まねばならず、そのためにノックノブが太くなり、軸もそれに合わせて太くなった、という流れのようだ。つまりは短くするための工夫としての太軸化、というわけである。

 

機能は特になし!? かわいさだけを追求したぽっちゃりボディ

で、このちっちゃぽっちゃりシルエットがどう機能するのか?と言うと……正直、便利さは特になさそう。おそらくは、ただ可愛いだけ。なにしろオフィシャルのキャッチコピーが「ころんと、可愛い」というぐらいだから、そこは間違っていないはずだ。

 

もちろん短寸化で携帯性はちょっと良くなっているかもだけど、代わりに軸径が太くなっているので、一般的なペンの太さを基準に作られているペンホルダーに入らない、などの不便も出そうな気はする。

↑サイズ的にはシステム手帳のM5サイズにジャストフィット

 

ただあらためて持ってみると、デフォルメの効いたボディが手の中に「ころん」と収まっている様子は、間違いなく可愛い。サイズが縮まったことで全体的な局面の比率が高まり、雰囲気も従来シリーズよりキュートになっているのだ。

 

少なくとも、この可愛さで「握って書いてみたい」と感じる人はいるはず。であれば、それはボールペンの進化における一形態と言っても間違いではないだろう。

↑シルエットの可愛さに加えて、ワンインクの濃くクッキリとした筆跡ももちろん楽しめる

 

これまでのボールペン業界における“可愛さ”というのは、カラーリングや軸のプリント、キャラクターのトッパーなど、パーツ要素によるものがほとんどだった。しかし、いよいよ「シルエットの可愛さ」という全体の構成にまで踏み込んできたわけで……正直、これはなかなかスゴいことになってきたぞ、と震えざるを得ないのである。

 

1本5500円の「キャップ式シャープペン」。継続販売されるほどの人気のポイントは?

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される “手書きツール” を、1点ずつピックアップしている。第32回となる今回は?

 

第32話

三菱鉛筆
KURUTOGA DIVE
5500円(税込)

“芯が回ってトガり続ける” シャープペン「クルトガ」シリーズの新モデル。世界初の「自動繰り出し量調整機能」を搭載し、筆記前も筆記中もノック不要で書き続けられる。筆記中の芯の繰り出し量は、筆圧や芯の硬度に合わせて5段階で調整可能だ。

 

世界的にも珍しい。キャップ式高級シャープ

ボールペンは機能ではなく外見で勝負する「デザインの季節」に入った──とは、この連載で繰り返し書いてきたこと。では、「シャープペンの世界はどうなの?」といえば、例えば学生たちにとってはいまだ「メインの道具」であり続けているように、機能開発競争はいまなお続き、またそれを見た目で分かりやすく打ち出す傾向があるようです。

 

その結果、「見た目を気にしすぎて、どれも似た外見になる」という矛盾に陥らず、オリジナリティの高いペンが生み出され続けているように見えます。 と、そんな現状をまさに体現する一本が、三菱鉛筆の新製品「KURUTOGA DIVE」。昨年2度にわたって数量限定で発売され、そのたびに入手困難となっていましたが、この3月から継続品として発売されることになりました。世界的にも珍しいキャップ式のシャープペンです。

 

ノック不要の「自動繰り出し量調整機能」付きで、キャップを外すと同時に自動で芯が繰り出されるという仕組み。もちろんキャップにはデリケートなペン先を保護する意味もあるでしょう。とはいえこのキャップは実用性以上に、オリジナリティを誇示するためのギミックという側面が強いはず。そして、それが支持を受けているのだから何の問題もありません。

 

プロユースというよりは、オリジナリティを尊ぶ「マニア向け高級シャープペン」というジャンルの誕生です。その第一歩の成功をまずは言祝(ことほ)ぎたいと思います。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第31話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第31話】※※※バックナンバーURLはアタリです※※※

https://getnavi.jp/stationery/551859/

【文房具総選挙2023】やる気を後押し! 大人も欲しいキッズの勉強がはかどる文房具14点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ “はかどり文房具” の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2023」がスタートしました。ここでは、【トレンド部門】「キッズの勉強がはかどる文房具」部門にノミネートされたアイテム14点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

「文房具総選挙2023」投票はこちらから

 

【「キッズの勉強がはかどる文房具」部門】

児童の毎日の宿題から学生の試験勉強まで、学習意欲を応援する文房具14点がノミネートしました。集中力を持続させるスムーズな使用感を追求したアイテムや、各自の苦手分野をサポートしてくれるアイデアに注目です。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能です。

 

「学研キッズネット」とは?
小中学生と保護者、教員のためのポータルサイト。自由研究ネタが豊富なほか、学習に役立つ1万8000項目超の用語辞典も人気。

 

No.67

ソニック
うかサポ両面筆入 スリムタイプ ひと目でえんぴつチェック
1870円

鉛筆の削り忘れ・入れ忘れを防止

筆入を開けたら、鉛筆が全部削れてない……あの絶望感を防止する、先端だけが透明になった筆入。ひと目で削り忘れや入れ忘れのチェックができ、取り外せる鉛筆削りも付属する。全5色。

 

No.68

ぺんてる
オレンズAT デュアルグリップタイプ
2200円

自動芯出しで集中力を妨げない

ノック1回で書き続けられる自動芯出し機構、ペン先のパイプで芯を守る「オレンズシステム」を搭載。握りやすいラバーに金属製デュアルグリップの安定感が加わって疲れにくい。芯径0.5mm。全4色。

 

No.69

マルマン
書きやすいルーズリーフミニ スマートレビュー
220円〜275円

スキマを駆使して効率良く学べる

外枠の色が目立つ「要点チェック罫」。1枚で最大48語記入できる「単語罫」。A4、A5のバインダーにも挟める「暗記シート」。持ち運びやすい片手サイズのルーズリーフでスキマ時間を活用できる。

 

No.70

ナカバヤシ
ハウスタディ 学習パーティション
3410円

自分だけのスペースで集中!

ダイニングテーブル等に広げて自分だけの学習スペースが作れる、気軽に導入しやすい紙製パーテーション。ペンやノートを収納、時間割なども貼り付け可能。片付けるときは閉じるだけ。全2色。

 

No.71

三菱鉛筆
クルトガ KSモデル
605円

ペン先が安定して疲れにくい

芯が回ってトガり続ける「クルトガエンジン」が待望のアップデート。筆記中に芯が回転することで生じていたペン先のブレを軽減し、新たなグリップで長時間筆記しやすくなった。芯径は0.3mmと0.5mm。各4色。

 

No.72

三菱鉛筆
クルトガ ダイブ(KURUTOGA DIVE)
5500円

筆記にのめり込ませるシャープ

ノック不要、繰り出し量を5段階調節できる機能を搭載した「クルトガ」シャープの最高峰。書き始めから書き終わりまで思考の流れを止めず、好みの筆記感で学習に没入させる。芯径0.5mm。全3色。

 

No.73

クツワ
スタッド 削り付シンロケット鉛筆
385円

短くなった鉛筆をムダなく使える

短くなって使えない鉛筆を3本ほど連ねてムダなく使える、押し出し式の鉛筆ホルダー。短い鉛筆に使える鉛筆削りも付属する。正しい持ち方もきちんと身に付けられ、最後まで使い切る心を養うという。全3色。

 

No.74

パイロット
ザ・ドクターグリップ
990円

フレフレ機構がより便利に進化!

振って芯を送り出す独自の「フレフレ」機構に、持ち運び時の芯出しを抑えるロック機構を新たに追加。従来品に比べノック音も約50%軽減し、静かな場所でも快適に使える。芯径0.5mm。全5色。

 

No.75

トンボ鉛筆
シャープペンシル モノグラフライト
各242円

ペン先周りが見やすい高精度シャープ

回転繰り出し式のモノ消しゴム付き、高視界ロングパイプによる高精度で狙った位置へ確実に筆記。滑りにくい高密度テクスチャーグリップも、ベタつきを抑えた快適な握り心地。芯径0.5mm。全7色。

 

No.76

ソニック
スーパーコンパス くるんパス デル・クル シャープ用
各880円

大小の円がスムーズに描ける

つまんで・くるんと・まわすだけ。描きたい円のサイズに合わせて自動伸縮し、360度スムーズに回転する特許技術「デル・クルヘッド」搭載。コンパスが苦手なキッズでも、円の大小に関わらずきれいに描けるはず。全2色。

 

No.77

サンスター文具
ニニピー暗記用
単品242円、暗記用セット330円

ペンの持ち替え不要で暗記が楽!

細字のペンとマーカーをひとつのペン先に集約、指先で半回転して切り替えられる「ニニピー」の暗記用ペン。オレンジのペンと緑のマーカーを付属の赤シートで隠しながら、効率良く勉強できる。

 

No.78

ぺんてる
Pentel Ain(ぺんてるアイン)
220円

カッコ良く取り出せる替芯

原材料に特殊なオイルを使用、なめらかさと折れにくさ、汚れにくさを備えたシャープペン替芯。上向きのまま片手でスマートに取り出せるケースは、見た目のカッコ良さからも満足感を得られる。

 

No.79

共栄プラスチック
オリオンズ よいこの交通フアイル
440円

交通ルール博士になれるかも!

レトロな配色に交通標識をデザインした3ポケットのクリアファイル。透け感があって見やすいポケットは使用感も上々。毎日プリントを出し入れしていれば、交通ルールにも詳しくなれそうだ。大人も復習すべし。全4種。

 

No.80

クツワ
スタッド ワンハンド単語カード
小330円、大385円

片手でサクサクめくれる単語カード

表紙ポケットに人差し指を入れ、切り欠きに親指を入れてめくる独自の構造によって片手で使える単語カード。右手・左手どちらでも使用でき、電車やバスで吊り革につかまりながら暗記ができる。大小各4色。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

 

「文房具総選挙2023」投票はこちらから

 

トレンドと機能で分類した7部門・80商品!

「文房具総選挙2023」は、時代を象徴するはかどり文房具をピックアップした “トレンド部門” に今年は「推し活がはかどる文房具」を設置した2部門と、機能によって分類した5部門の、合計7部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品が選出され、合計80もの商品がノミネートされました。

 

【機能別部門】

■ 書く・消す 部門
インク容量が増えたり替芯式になったり、長く使えるペンの存在が目立つ。またペンが豊作で部門を「書く」に限定した昨年と打って変わって、「消す」文房具にも注目。全13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/842446/

■ 記録する 部門
ノートはリッチな紙質を競った時代を経て、昨今は構造や形状を工夫し、思考を妨げないことや使ったあとのエコ性も重視する傾向に。電子文具もエルゴ設計で、作業を快適にはかどらせる。全12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/842493/

■ 収納する 部門
7部門のなかで、「技あり!」と膝を打ちたくなるアイテムがもっとも多く並ぶ。斬新な構造、1つで複数のシーンに活躍する機能性は、はかどり文房具の真骨頂と言えよう。全11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/842564/

■ 切る・貼る・綴じる 部門
本質機能を磨くと同時に、ポータブル性を高めたアイテムが目立つ。また、刃物である「切る」文房具は切れ味とともに安全性を担保するなど、全体的にきめ細やかさが光る。全10商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/842568/

■ 分類する・印をつける 部門
推し活ならぬ “捺し活” と言いたくなる楽しいスタンプを中心に、実用性に華やかさも併せ持つアイテムが揃う。仕分けに役立つファイルなど硬派な実用アイテムも健在。全10商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/842570/

 

【トレンド部門】

■ 推し活がはかどる文房具 部門
推しを愛でる心にオン・オフは関係なし。デスクに推しを迎えられるデコレーションアイテムや、仕事用っぽく “擬態” 可能なバッグまで、推し活を完全サポートする全10商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/842574/

■ キッズの勉強がはかどる文房具 部門
児童の毎日の宿題から学生の試験勉強まで、学習意欲を応援する文房具14商品がノミネート。集中力を持続させるスムーズな使用感を追求したアイテムや、各自の苦手分野をサポートしてくれるアイデアに注目したい。当部門は「学研キッズネット」からも投票が可能だ。
https://getnavi.jp/stationery/842580/

 

洗練された上質なミニマルデザイン! 操作感にもこだわったフルメタル製ケースのシャープ替芯「uni メタルケース」

三菱鉛筆は、シャープ替芯「uni(ユニ)」から、スタイリッシュな外観とスライド開閉の操作感にこだわった、「uni(ユニ) メタルケース」を発売しました。税別価格は1500円で、硬度はHBのみ。芯径は0.3mm(25本入)と、0.5mm(40本入)の2種類です。

 

同製品は、既存の「uni(ユニ)」のスライド式を踏襲しながら、ステンレス素材のメタルパーツだけで組み上げたフルメタル製ケースを採用。ケースにスプリングを内蔵し、スライド開閉時の動きをアシストする、心地良い操作感が特徴です。

 

デザインは、スクエアな形状やアイコンとなっているケース正面の円形のくぼみなど、既存製品のデザインコンセプトを維持しながら、あらゆる要素をそぎ落として、よりミニマルに。ケースから芯径・硬度表示をなくし、uniロゴのみをレーザー印字することで、メタルの素材感を生かした、スタイリッシュな外観に仕上げています。

↑シャープ替芯「uni(ユニ)」

使いやすさとデザイン性が向上! 改良「クルトガエンジン」を搭載した「クルトガ 新スタンダードモデル」

三菱鉛筆は、「クルトガ」から、「クルトガ KSモデル(新スタンダードモデル)」全8種を発売しました。

 

実売価格は550円(税別)で、芯径は0.3mmと0.5mmの2種類。カラーバリエーションは、0.3mmがブルー、ブラック、アイスブルー、ライトグレー、0.5mmがブルー、ネイビー、アイスブルー、ライトグレーの各4種類です。

 

「クルトガ」は2008年3月発売。シャープペンシルの芯先に着目し、新開発した機構「クルトガエンジン」を搭載した、“芯が回ってトガり続けるシャープ”。今回発売されたクルトガ 新スタンダードモデルは、従来のスタンダードモデルでは先端側にあったエンジンを軸中央部に配置することで、デザイン性や機能面も向上しています。

 

芯を回転させ、芯先をトガらせるクルトガエンジンを改良。筆記中に起こるブレをさらに軽減することで、筆記中のストレスが減り、より仕事や勉強に集中できるようサポートします。

 

ユーザーから要望が多かったという、長時間の筆記に適したグリップを新搭載。エンジンを軸の後端にずらしたことでグリップを搭載しても太くなり過ぎず、握りやすく最適な形状と太さに仕上げています。グリップ部分は先端に向かって少しずつ太くなることで、長時間使用しても指の位置が下がることなく、持ちやすい位置をキープすることができます。

↑グリップの形状

 

シームレスですっきりとしたシンプルなデザインが特徴。クルトガブランドイメージカラー「ブルー」を中心とした、ワントーンで日常になじむ配色や、クルトガエンジンの回転が確認できる小窓、緩やかに先端が細くなることでペン先が見やすく書きやすい設計など、従来モデルの良さを残しつつ、デザイン性も向上させています。

ジェットストリームにフリクション…2022年にリピート買いしたボールペンを文具ソムリエールが厳選

文房具に関するイベントやメディアへの出演、新商品のプロデュースなど、年を追うごとに活躍の幅を広げる文具ソムリエールの菅未里(かんみさと)さん。新作からロングセラーまで文房具を知り尽くした菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた愛用の文房具を1点ずつ紹介する連載「文具ソムリエール・菅未里の自腹買い文房具」を、毎月お届けしています。

 

2022年最後の回では、この1年で自腹買いしたボールペンの中から、リピート買いするほど気に入ったものをピックアップ。

 

2022年にリピート買いしたボールペン5選

日常的に最もよく使う文房具といえば筆記具でしょう。なかでも、社会人にとってボールペンは必須アイテム。筆者が2022年にリピート買いした、間違いないお気に入りボールペンを紹介します。

 

1.グロッシーなブラックが魅力「ジュースアップ クラシックグロッシーカラー」

「ジュースアップ」とは、細書きでも滑らかで心地よい書き味を実現したゲルインキボールペン。“シナジーチップ”という、一般的な三角錐形のコーンチップとも細長いパイプチップとも違う、特殊なペン先を搭載していることが特徴です。

 

自宅に専用の引出しを作り絶対に切らさないようにしているほどの愛用ボールペンで、過去にブラックやレッドなどの通常カラーについて記事にしたことがあります

 

その「クラシックグロッシーカラー」は、書き心地のよさはそのままに、ツヤ感のあるちょっと大人なダークカラーなインク色のシリーズです。

↑ボール径は0.4mmと0.5mmがある

 

ただの黒に飽きた大人がビジネスでも使える“黒っぽいカラー”は、筆記具業界のトレンドですが、ジュースアップのダークカラーも見逃せません。

↑黒っぽいカラー展開は手帳にも使いやすい

 

↑ブラックと比較するとやや濃く見えるグロッシーブラック

 

ツヤ感があるためリッチな気分にもなるこのシリーズは、セットでダークカラー好きの知人にプレゼントしたこともあり、いつでも使えるように自宅には2セット用意しています。普段の色に飽きたけれどカラフルすぎる色は使いづらい、という人におすすめです。

 

パイロット
ジュースアップ04/05 クラシックグロッシーカラー
200円(税別)

 

2.押し間違いを防ぐ多色ペン「ジェットストリーム新3色ボールペン」

2021年12月に発売された「ジェットストリーム」の多色バージョンに登場した新シリーズで、一時は完売するお店も出るほど注目されました。

↑ベーシックな黒からベリー色、アイスブルーなど絶妙なカラー展開が人気

 

見た目のよさで複数買いをする方もいますが、多色ボールペンを使う際に、誰もが一度は経験したことがある“押し間違い”を防いでくれる機能に魅了されるユーザーが後を絶ちません。

 

一般的なボールペンは、黒・赤・青の3色すべて、ボールペンの側面についたスライドバーを下ろすようにしてペン先を出しますが、このボールペンは黒のみノック、赤と青は側面のスライドバーを下ろすように設計されています。

↑黒のみ後端部をノックする仕組みになっている

 

黒は“押す”、赤と青は“スライドさせる”という動作が違うため、「黒だと思って出したインクが青だった」という事故が起こりにくいのです。

 

リピート買いのきっかけは使い勝手が格段にいいこと、さらにボディーカラーの展開が絶妙でどれも欲しくなってしまったことです。機能と見た目、どちらもパーフェクトなボールペンと言っていいでしょう。

 

uni/三菱鉛筆
ジェットストリーム 新3色ボールペン SXE3-507 0.5/0.7
500円(税別)

 

【文房具総選挙2022】結果発表! 筆記具の頂点はジェットストリームの最新多色ペンが奪取

 

3.「フリクション」にも書き味のよさを求めたい!

最近、台本への書き込みに欠かせないのが「フリクションポイントノック04」。書き消しができるボールペン「フリクション」シリーズの0.4mmタイプです。

↑ブラック・ブルーブラック・レッドの3色を愛用

 

先に紹介した「ジュースアップ」でも使われているシナジーチップを搭載したフリクションペンで、0.4mmの細書きでもひっかかりなく滑らかに文字を書けます。

 

もともと「フリクションボールペンはあまり筆記感がよくない」というイメージを持っている人も少なくないのですが、そんなイメージは吹き飛ぶほどの書き心地のよさです。

↑一般的なコーンチップとは違う特殊なペン先になっていることがわかる

 

私はフリクションボールペンの書き心地があまり得意ではなかったのですが、シナジーチップペン先バージョンのフリクションが出たと購入してみると、あまりの書き心地のよさに、フリクションといえばこれしか使えなくなりました。

↑インクの供給量の影響か、見やすい筆記線もポイント

 

フリクションに苦手意識があるなら、店頭で試し書きしてみてください。そのままレジへ直行すること間違いなしです。

 

パイロット
フリクションポイントノック04
250円(税別)

 

4.細書きと言えばこれ!「ハイテックC」

1994年に発売され、一世を風靡した「ハイテックC」。2000年代には俳優の相武紗季さんが白衣を着て出演していたテレビCMを記憶している人もいるかもしれません。

 

激細ボールペンといえば「ハイテックC」ですが、私は実は、これを長らく使っていませんでした。

↑0.25mmのハイテックC025。現在はブラック・レッド・ブルー・ブルーブラックの4色展開

 

再びリピート買いするようになったきっかけは、「ジブン手帳」という約3mmの方眼罫が印刷された手帳でした。

 

あまりに細かいので、書き込むには細書きのボールペンでなければ文字が潰れてしまいます。そこであれこれボールペンを試した結果、最も文字が潰れにくく綺麗に書くことができたペンが「ハイテックC025」だったのです。

↑約3mmの方眼罫でも文字をしっかり書き込める

 

学生時代に流行った「ハイテックC」を大人になってこんなにもヘビーユースすることになるとは思いもしませんでしたが、今ではこれなしには生活できません。

 

パイロット
ハイテックC025
200円(税別)

 

5.36色を贅沢使い「サラサナノ」

2021年11月に発売されたゼブラの人気ボールペン「サラサ」シリーズの新ライン。0.3mmという細書きですが、ペン内部にスプリングを入れることで、筆記時のガリガリした感触を緩和したゲルインキボールペンです。

↑インキカラーとボディーカラーがリンクしていてカラフル

 

私はGetNavi web以外にもいくつか連載をもっているため、毎月連載のネタ出しをしたり構成を考えたりする必要があります。黒ではなんだか飽きてしまうので黒以外のカラフルなペンを使うのですが、そこで活躍するのが「サラサナノ」です。

↑筆者のネタ・スケジュール帳。毎月テーマカラーを選んでマンスリーページに書き込む

 

企画ごとに色を変えて書き込むため、カラフルで賑やかなネタ帳になり、仕事のノートに飽きません。

 

色展開の多さだけではなく、水性顔料インキで水がかかってもインクが滲んで読めなくなることがないため、キッチンや洗面所、お風呂などどこにネタ帳を持ち込んでも心配いらないところも魅力です。

 

読者の皆さんは、さすがにお風呂に持ち込むことはないかもしれませんが、雨天の屋外や川の近くなど、水濡れの心配がある場所でも文字が流れる心配をせずに使えるカラフルなボールペンだと聞いたら、使ってみたくなりませんか?

 

ゼブラ
サラサナノ
200円(税別)

 

ボールペンを1本に絞らない

多くの人が、使うボールペンは1本、または1種類と決めているでしょう。私はノートや手帳、資料など書くものによってボールペンを使い分けるため、普段使いするボールペンがいくつもあります。1本使いの人からすると面倒くさそうに見えるかもしれませんが、日常生活で出会う紙やメモ、ノートはそれぞれに特徴があり、ペンとの相性も違います。

 

毎日使うボールペンだからこそ書くものにあったものに変えるだけで気分良く書き物ができるのです。ボールペン数百円で快適な仕事環境に近づくと考えれば、とてもお得ですよね。

 

今使っているボールペンで満足していても、新しいシリーズが出ていたり、インクがバージョンアップしていることもありますから、2023年はぜひたくさんのボールペンを試してみてください。

 

製品情報がわかりやすくなった! 紙製パッケージで環境に配慮した「ジェットストリーム 多色多機能用リフィル」

三菱鉛筆は、「ジェットストリーム」シリーズから、「ジェットストリーム 多色多機能用リフィル」の「1本入」「5本入」を、リニューアル発売しました。

 

税別価格は、1本入りが100円、5本入りが500円です。また、数量限定で5本入と同価格の「6本入」も同時発売。インク色は、1本入が黒、赤、青、緑の4種類で、5本入と6本入は黒のみです。

 

同製品は、パッケージを環境面に配慮した紙製にすることで、年間約25tのプラスチック使用量を削減(同社概算による)。購入時に製品を見つけやすくするため、パッケージ表面のデザインを変更しています。ボール径やインク色など購入時に重要視する情報を中心部に大きく表示し、表面のQRコードを読み取ることで、ボールペン本体との互換性を確認することもできます。

 

リフィルを購入時に、使用済みのリフィルと見比べながら探すユーザーが多いことから、リフィル本体の印字の視認性を改良。印字はインクの入った状態、インクがない状態のどちらでも、はっきりと確認できます。リフィルは従来と比較し、インク量を10%増量。1本のリフィルを、より長く使用できます。

エモーショナルな“夏色”揃えました。「uni-ball one F」夏のリラックスカラー5色、数量限定発売

三菱鉛筆は、「uni-ball one(ユニボール ワン)」シリーズの、軸色や書き味の上質感を高めた「uni-ball one F(ユニボール ワン エフ)」から、夏の景色を連想させる5種のリラックスカラーを、7月19日に数量限定で発売します。

↑左から笹笛、白砂、箒星、夕月夜、蜃気楼

 

今回新発売する軸色は、くすみ色をベースとした夏のフェイデッドカラー。近年の癒やしや安らぎに対する意識の高まりから、時の経過を感じさせる落ち着いた色合いで、何気ない夏の情景を軸デザインで表現。軸の色みだけでなく、それぞれの軸色名も、使う人の情緒的な感性に訴えかけるような、夏の空気感のある自然の風景から採用しています。

 

軸色ラインナップは、初夏の美しい海岸に広がる白い砂浜を表現した「白砂」、流れ星が一瞬で空に消えていく余韻を表現した「箒星」、川のせせらぎが聞こえる中、涼しい風になびいている笹の葉を表現した「笹笛」、夏の夕暮れに現れる蜃気楼を表現した「蜃気楼」、月が浮かぶ夏の夕空を表現した「夕月夜」。

 

税込価格は330円で、いずれもインク色は黒。ボール径は、白砂、箒星、笹笛が0.38mm、蜃気楼、夕月夜が0.5mmです。

注目商品が続々! 2022年最新ボールペンのトレンドとおすすめモデル

近年、日本のボールペンはめざましく進化しています。サラサラした書き心地を実現するだけでなく、手帳にぴったりの細字を究めたりストレスなく書けるよう軸を改良したりと、さまざまな工夫がなされています。なんとなくそのへんにあったノベルティのボールペンを使っている……そんな人にも、低価格ながら高い品質をもつボールペンの存在を知ってほしい!

 

そこで今回は、最新の国産ボールペンの傾向とともに、注目の新商品を紹介。さらに自分に合ったボールペンの選び方についても解説します。文房具ライターとして、筆記具をはじめとする文房具のトレンドをウォッチし続けているきだてたくさんに教えていただきました。

 

知っておきたい、ボールペンの種類

まずは、ボールペンの基礎知識からおさえておきましょう。私たちがふだん目にするボールペンは、インクの種類で大きく3つに分類できます。

 

【ボールペンに使われるインク3種】

・油性インク……「ジェットストリーム」(三菱鉛筆)など
・ゲルインク……サラサ(ゼブラ)、「フリクション」(パイロット)など
・水性インク…… Vコーン(パイロット)など。 

 

「近年、もっともシェアが大きいのはゲルインクです。かつては耐水性がありにじみにくい油性インクが人気を博していましたが、粘度が高くベタついた書き味や、ペン先に固まったインクが紙を汚すなどの問題点がありました。

 

一方、水性インクはサラサラした書き心地が軽く、発色もクッキリしているというメリットはあるのですが、乾燥に弱いためノック式(ペン先の繰り出し形式)には向きません。そもそも日本ではノック式がメジャーなため、彗星インクのシェアもそれほど大きくないんです。

 

ゲルインクは発色が良いことに加えてにじみにも強く、書き味は油性よりもサラッと軽やか。つまり、油性と水性のメリットを併せ持つ、扱いやすいインクだと言えます」(きだてたく さん、以下同)

 

国産ボールペンはなぜすごい? 海外との違い

これほどまでにボールペンの種類が多い国は、他に類を見ないと言います。どういった背景があるのでしょうか?

 

「国産ボールペンの中でも、2006年に発売された『ジェットストリーム』シリーズ(三菱鉛筆)は、もっともメジャーな製品だと言えるでしょう。油性インク特有のべっとりと紙に付く質感を改善した『低粘度油性インク』を初めて採用し、これまでにない滑るような書き心地が話題となりました。現在では年間約1億本も出荷されており、日本のボールペン市場における不動の地位を築いています。

このジェットストリームの出現を境に、国産ボールペン競争は激化。それぞれの筆記具メーカーがジェットストリームをベンチマークに、より書きやすく、より使いやすいボールペンの開発・製造を始めました。

今もインクはもちろん、持ちやすさや書き味など、さまざまな方向性で進化を続けています。ほんのわずかなにじみやペン先の引っ掛かりに目をつけ、改良を重ねていくというメーカーの姿勢には、まさに日本のモノづくりに対するこだわりや文化が表れていると言えるのではないでしょうか。

一方海外では、新しい製品はあまり開発されていません。ほとんどの国で『ビック・オレンジ』(BIC)が一人勝ちの状態なんです。でも日本のボールペンの品質の良さは、海外製品と比較するまでもありません。ジェットストリームをはじめ、日本のボールペンは海外にも出荷されており、高い評価を受けています」

 

海外の店頭ではフランス・BIC社のボールペンを見かけることが多いのが現状。

 

最新ボールペンの傾向は?

ボールペンの改良は細部にまで及び、次々と新商品が発売されています。

 

「これまで、ボールペンの書きやすさを左右する要素はインクだと思われていたんです。各メーカーも、インクの品質を上げることに努力を重ねていました。ところが、2020年頃から、インクではなく本体そのものを改良することで、書き味を高めようというムーブメントが起こり始めます。

その火付け役となったのは、2018年に発売されたゼブラの「bLen(ブレン)」です。文字を書く時の、ペン先のわずかな振動を極限まで減らし、その名の通り安定したブレにくい感覚を実現しています。2021年は、そのムーブメントが開花した年でした。主な特徴として、2つのキーワードが挙げられます。

 

・細字

「2020年の細字ブームが継続。細い字が書けて、かつ書き味を高めていくというフェーズに入っています。一概に、ペン先が細いだけで細かい字が書きやすくなる、とは言えません。いかに手元がよく見え、引っ掛かりが少ないかという総合的な部分に目を向けた改良が進んでいます」

 

・低重心

「本体の高い位置に重みがあると、ペンを傾けた方に全体のバランスがもっていかれるような状態になり、手の疲れや書きづらさの原因となります。そこで本体の重心を下げることで、安定感を出すというものです」

 

2021年度に発売された注目の最新ボールペン5選

2021年度に発売された、いま注目の新作国産ボールペンを5モデル紹介していただきます。

 

・針状のチップで筆記ポイントの見通しがいい

トンボ鉛筆「モノグラフライト」
198円(税込)
ペン先の太さ=0.3mm/0.5mm

「2021年上半期に出た製品。注目すべき点はペン先の部分です。一般的なものよりも長い、5.2mmのロングニードルチップを採用しており、ペン先と紙に距離が生まれる仕様です。手元が見えやすく、細かい字が書きやすい。さらに、インク自体は従来の低粘度油性でありながらも、出る量を最適化。“ボテ”と呼ばれるインク汚れができにくいのもポイントです」

 

・クッキリ発色のペンが持ちやすく進化

三菱鉛筆「ユニボール ワンF」
330円(税込)

ペン先の太さ=0.38mm/0.5mm

「2020年に発売された『ユニボール ワン』の進化形です。濃くくっきりとした発色が特徴の黒インクはそのままに、ボディの中心あたりからペン先に向かって真鍮製の重りが入っている“低重心タイプ”になりました。最適なポイントで握ると、まるで手に吸い付くような錯覚を覚えるほどの安定感です。価格は倍以上に上がったものの、使ってみると、納得の仕上がりです」

 

・“いろいろな黒色”をちょっとリッチに楽しめる

サクラクレパス「ボールサイン iD プラス」
385円(税込)
ペン先の太さ=0.4mm/0.5mm

「2020年に発売された『ボールサイン iD』の進化形。インクの色は全3種類で、なんとその3色すべてが“黒”という特殊なシリーズです。緑がかった黒、青っぽい黒など、少しずつ色味が異なっており人気です。本体軸はマット素材の塗装を施しており、滑りにくく、握りやすい仕様になっています。こちらも価格は300円代です」

 

・サラサラした書き味が0.3mmの極細芯でも健在

ゼブラ 「サラサナノ」
220円(税込)
ペン先の太さ=0.3mm

「0.3mmというと、ガリガリとした特有の感覚をイメージする人も多いのではないでしょうか。サラサナノには、本体上部に振動を吸収するサスペンション(うるふわクッション)が入っています。これにより、リフィルは従来と同じであるにもかかわらず、書き味が格段になめらかになりました。付箋のようなざらざらした紙にも引っ掛かりがなく、細い字が書きやすいというメリットがあります。カラーは32色をラインナップ」

 

・気になる“カチカチ音”を抑えた静音ボールペン

ぺんてる「カルム 単色ボールぺン」
165円(税込)

ペン先の太さ=0.5mm/0.7mm

「集中したい時や、オフィスや図書館など静かな場所で作業をする時、ボールペンのカチカチというノック音が気になるという人も多いのではないでしょうか? カルムは特殊な構造により、従来品と比較してノック音を66%も軽減しています(※)。音量自体も小さいのですが、音が低く不快感を軽減し、響きにくくなっている印象です。3色ボールペン、多機能ペンも展開しています」

※同社比、音圧パスカルでの比較

 

自分に合ったボールペンの選び方

数々のボールペンから自分に合ったものを選ぶ際、どのようなポイントに注目すればいいのでしょうか?

 

「書き心地や書き味は、数値化するのが難しいものです。ペンの持ち方や用途、文字の書き方は人それぞれ。正直、誰にでもこの製品がおすすめ! とは言えません。まずは店頭に行って、実際にペンを持ってみて、重さや持ち心地を確認し、試し書きをしてみましょう

試し書きの際、ぐるぐると渦巻きを書いている方も多いかもしれませんが、実はこの方法では十分にボールペンの特徴を掴むことができません。海外ではよく、稀にインクが出ない不良品が混じっていることがあるため、このような試し書きをするようになったと考えられます。国産品で“インクが出ない”ということは滅多にありません。

試し書きのコツは、自分が一番頻繁に使う文字を書いてみることです。個人情報が特定されないところまでの住所などが良いのではないでしょうか。自分用の基準となる文字を決めておくと、しっくりくるボールペンを見つけやすいと思います。自分の手帳などに住所や名前を書いてみるのも良いですね。

また、あえてアドバイスするならば、あまり自分の字に自信がない人に低粘度油性インクはおすすめしません。これは自分の経験側から言えることなのですが、悪筆の自覚がある人は走り書きをしてしまう傾向にあるため、滑りが良すぎるとかえって読みにくい字になってしまいます。そういった人には是非、細めのゲルインクボールペンを使ってみていただきたいですね」

 

「ボールペンは用途によって細やかに進化を続けており、今後も目が離せません。個人的に気になっているのは、2006年の発売以来、いまだ大きなアップデートがない『ジェットストリーム』が、今後どうなっていくのか。期待は高まります」

文房具は毎日使う仕事道具。だからこそ、少しでも使い勝手がよくなると仕事の効率も上がるもの。自分にぴったりの文房具を探してみてください。

 

【プロフィール】

文房具ライター / きだてたく

最新の機能派文房具から雑貨・ファンシー系のオモシロ文房具まで、なんでも徹底的に使い込んでレビューする文房具ライター。文房具トークユニット「ブング・ジャム」のメンバーとして、全国各地で文房具の楽しさを伝える講演活動なども精力的に行っている。『愛しき駄文具』(飛鳥新社)、『日本懐かし文具大全』(辰巳出版)、『この10年でいちばん重要な文房具はこれだ決定会議』(共著/スモール出版)など著書多数。

きだてたくの文房具レビュー連載(GetNavi web)


提供元:心地よい暮らしをサポートするウェブマガジン「@Living」

アウトドア×都会的なデザイン! 「ユニ アルファゲル スイッチ」と替芯「uni」、数量限定モデル発売

三菱鉛筆は、使用シーンに合わせて“クルトガモード”と“ホールドモード”を切り替えられるシャープ「ユニ アルファゲル スイッチ」と、書いた後のノートをキレイに保つ新開発のシャープ替芯「uni(ユニ)」から、ブラックとトレンドカラーを取り入れた数量限定モデルを、5月18日に発売します。

 

今回発売となるユニ アルファゲル スイッチは、ブラックを基調にトレンドのグリーンとサンドカラーを組み合わせ、アウトドアの雰囲気がありながらシティー感覚もあるデザイン。ダークグリーンは芯径0.5mm、サンドベージュは芯径0.3mmです。税別価格は1000円。

↑クルトガモード

 

クリップ部を回して、「クルトガモード」と「ホールドモード」を切り替えることで、使用シーンによって使い分けが可能。クルトガモードでは、書くたびに芯が少しずつ回転し、芯の先がいつもトガった状態に。書いた文字が太くなることがなく、キレイに書くことができます。軸に開いた窓から、内部に搭載されたクルトガエンジンの色が変わることによって、芯が回転していることを確認できます。ホールドモードでは文字の太さの違いや濃淡を気にせず、ノート全面に早くたくさん書きたいときに、安定した筆記感で書くことができます。

↑ホールドモード(ロゴがクリップで隠れる)

 

グリップ部に、衝撃吸収アルファゲルを使うことにより、筆記中も指の疲れを軽減します。グリップのかたさは「かため」を採用。握り始めはアルファゲル特有のやわらかさがあり、筆記中はゲルの反発力が強く、かたさを感じるゲルグリップで、握った際の安定感が味わえます。

↑筆記実験中(20分間)の脳活動を測定した結果(平均値)

 

シャープ替芯「uni」のスライドケースは、オフホワイトを基調としたシンプルな外観から、同時発売のシャープと揃えて使えるカラーリングに。ブラックをベースカラーに採用した、初の限定色です。芯径は0.5mmと0.3mmを用意。税別価格は200円です。

 

独自成分配合により、芯粉が紙面に高密着し、くっきり濃い文字を書くことができます。こすれに強く、紙面同士の擦過や手の接触による紙面の汚れを抑制します。芯粉の広がりを抑制するので、蛍光ペンなどのマーカーを引いても文字がにじみにくく、マーカーのペン先に付着する芯粉による汚れも軽減します。

↑従来品とuniの比較

 

ケースはあえて中身を見せない不透明でマットな質感を採用。中央には円形のくぼみがあり、視覚的なアクセントとなっているほか、スライドしてケースを開閉するときの指掛かりにもなります。シンプルなスライド操作で開閉でき、スムーズに芯を取り出せます。0.3mm芯は、従来品と比べて10本増となる25本入り。

【文房具総選挙2022】サステナブル素材やユニバーサルデザインで時代を先取る「SDGs文房具」13点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ“はかどり文房具”の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2022」がスタートしました。ここでは【トレンド部門】「SDGs文房具」部門にノミネートされた13商品を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

 

【「SDGs文房具」部門】

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。

 

No.88

スカパーJSAT
海のクレヨン
2420円

衛星画像を元に、世界12か所の海から抽出した色を揃えるクレヨン。色名は付けず、海の場所を示す緯度経度を記している。売上の一部は、色のひとつに選ばれているキリバス共和国に寄付される。

 

No.89

オート
紙スーパークリップ
418円

重量比の51%以上が紙で構成されており、紙として処理できるクリップ。燃やしても黒煙を発さず、ダイオキシン等の有害物質が発生しない。鉛筆や油性ペンで書き込める。32個入り。

 

No.90

BIC
クリスタル オリジナルファイン0.8㎜
110円

「オレンジBIC」の名前で親しまれ、惜しまれながらも昨年廃盤になったボールペン「オレンジEC」の後継モデル。従来品の約1.75倍となる約3.5kmも筆記できる。フランスのエコラベルを取得。

 

No.91

三菱鉛筆
ジェットストリーム 長持ちリフィル
143円

リフィルのチューブを薄くすることで、プラスチック使用量を通常品の約30%減量しながらも、インク量を約70%増量。通常品と同じ形状で互換性も保持している。紙製パッケージを採用。

 

No.92

セメダイン
スーパーXナチュラ
オープン価格

環境負荷が少ないバイオマス原料を50%使った接着剤。プラスチックや金属など、異素材の接合にも使える接着性と耐久性を誇る。熱や水に強く屋外での使用も可能だ。

 

No.93

レイメイ藤井
ダ・ヴィンチ竹紙リフィル
385円(ポケットサイズ)、440円(聖書サイズ、A5サイズ)

国産竹が原料の手帳リフィル。強度があるため、消せるボールペンで書き消ししても表面がダメージを受けにくい。国産竹を消費することで、里山や生物多様性の保全に貢献している。

 

No.94

ナカバヤシ
w/U A5スリム ペーパーリングノート
572円

樹脂を含まない100%紙製の綴じ具と用紙を採用。廃棄時に綴じ具を外す必要がない。中ページはきれいに記入しやすい2.5㎜方眼罫。各ページにタイトル欄とチェックリストを設けている。

 

No.95

ナカバヤシ
w/U A4紙製ファイル
605円

100%紙製のA4ファイル。水に強い撥水性のあるレインガード紙を使っており、水濡れから中身を守れる。紙製のため、ファイルに直接タイトルを書き込むことが可能だ。5枚入り。

 

No.96

富士通クライアントコンピューティング
QUADERNO(Gen.2)
オープン価格

本物の紙とペンのような書き心地の電子ペーパーの2021年モデル。筆圧を感知できるようになり、より自由な手書き表現が可能になった。1台に紙資料がまとまり、ペーパーレスに貢献できる。

 

No.97

キングジム
ブギーボード BB-15
6600円

繰り返し書き消しできる電子メモパッドのインテリアモデル。背面の磁石で金属面に貼り付けたり、市販のネジで壁にかけたりできる。本体に付属のペンの磁石部分を近づけると画面が消える。

 

No.98

ペノン
PENON
1200円(メガネペン)、1300円(ネクタイペン)、
1400円(フラッグペン)

伐採した量以上の植林が約束された、森林認証の木で作られたボールペン。替芯(2本入り/250円)のパッケージが返信用封筒になっており、使用済みの芯を送ると無料でリサイクルされる。

 

No.99

レイメイ藤井
ペンカット
770円

スリムで軽量なハンドル収納式のペン型はさみが、両利き手対応に進化。ワンタッチで切り替えられる「左右切り替えレバー」を搭載している。左右どちらの利き手にも対応する両刃仕上げだ。

 

No.100

ヒサゴ
メモがかけるポリぱっくん
1078円

ポリ袋を挟んでこするだけで、袋の口を開けられるオープナー。ボールペンで書き込んでも消しゴムで消せる素材で、買い物リストとしても使える。磁石付きで、冷蔵庫などに貼り付け可能だ。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

トレンドと機能で分類した8部門・100商品!

2013年に始まった「文房具総選挙」は今回で記念すべき10回目。ノミネートされた文房具のラインナップに、その年の世相が見える!? 2021年度のはかどり文房具をフィーチャーした「文房具総選挙2022」は最新の傾向を反映した「トレンド部門」3部門と、機能によって分類した5部門の、合計8部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品ずつが選出され、合計100もの商品がノミネートされました。

 

【トレンド部門】
在宅・ハイブリッドワークがはかどる文房具&環境整備アイテム 部門

在宅ワーク用ツールは、2021年度も引き続きホットなジャンル。今年は机上だけでなく、仕事環境を整備するインテリア寄りのアイテムまで選出しました。 15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/716263/

 

【トレンド部門】
キッズの学習がはかどる文房具 部門

子ども向けの学習情報ポータルサイト「学研キッズネット」とコラボした本部門。新しい教育方針を反映し、PCやタブレットと併用できる文房具も登場し始めています。15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717396/

 

【トレンド部門】
SDGs文房具 部門

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717444/

 

【機能部門】
書く 部門

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。16商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717119/

 

【機能部門】
記録する 部門

最新のクリップボードや狭いデスクでも広げやすいノート、メモ帳を中心に選出。ルーズリーフの利便性を高めるアイテムにも注目です。11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717178/

 

【機能部門】
収納する 部門

例年はペンケースのノミネートが目立つ部門ですが、今年はドキュメントファイルが豊富に揃いました。小物を一緒に持ち運べる書類ファイルにも注目です。12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717298/

 

【機能部門】
切る・貼る・綴じる 部門

開梱用カッターや瞬間接着剤など、ホームセンターに並ぶタフな文房具が多数登場。一方で、持ち運びやすいコンパクトな文房具も選出されています。10商品がノミネート。https://getnavi.jp/stationery/717325/

 

【機能部門】
印をつける・捺す 部門

ハンコ関連商品に名品が多数登場し、部門名を「分類する・印をつける」から「印をつける・捺す」に刷新。もちろん、付箋やタグにも良品が揃っています。
https://getnavi.jp/stationery/717346/

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

https://forms.gle/8fX4AHXHcWbvg7h66

【文房具総選挙2022】ボールペンが群雄割拠状態! 付加価値がついた高品質な筆記具16点がノミネート

仕事や勉強、作業の効率をアップさせる高機能をもつ“はかどり文房具”の年間ナンバーワンを投票によって決定する、「文房具総選挙2022」がスタートしました。ここでは、【機能別部門】「書く」部門にノミネートされた筆記具16点を紹介していきます。

 

【ノミネート商品をまずは写真でチェック!】

 

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

 

【「書く」部門】

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。

 

No.01

ぺんてる
カルム 単色ボールペン/3色ボールペン/多機能ペン
165円(単色)、440円(3色)、550円(多機能)

ペン先を出し入れするときのノック音を従来製品に比べて66%低減。ノックをするときに手に感じる衝撃も和らげている。従来品の油性ボールペンに多い“ボテ”が出にくいインクを搭載。

 

No.02

ゼブラ
サラサナノ
220円

カラーボールペン「サラサ」の極細タイプ。ペン上部にスプリングを加えた「うるふわクッション」が、ペン先の紙への引っ掛かりを抑え、滑らかな書き味を叶えている。ボール径は0.3㎜。

 

No.03

三菱鉛筆
ジェットストリーム新3色ボールペン
550円

使用頻度の高い黒インクのノック部を軸のサイドではなく後端に設置し、直感的な操作を可能に。黒インクには、通常品に比べインクを70%増量した「長持ちリフィル」を使っている。

 

No.04

パイロット
ジュースアップ3/ジュースアップ4
550円(ジュースアップ3)、660円(ジュースアップ4)

滑らかに細書きできるゲルインクボールペン「ジュースアップ」の多色タイプ。先端部分に金属を使用した低重心設計とラバーグリップで、安定した筆記を実現している。ボール径は0.4㎜だ。

 

No.05

パイロット
瞬筆 二役 顔料インキ
385円

筆跡が1秒で乾く速乾筆ペンの顔料インクモデル。墨汁に近い黒色で、くっきりとした文字が書け、耐水性、耐光性にも優れる。「やわらかめ」と「かため」のペン先を備えたツインタイプだ。

 

No.06

ぺんてる
速乾ぺんてる筆
660円

発売45年を超えるロングセラー筆ペンに、速乾タイプが登場。従来品よりも5倍早く乾く顔料インクを搭載している。まとまりの良いナイロン製の穂先が、本物の筆のような書き味を実現。

 

No.07

パイロット
ドクターグリップ CL プレイバランス
770円

好みの重さと重心バランスにカスタマイズできるシャープペン。重量と素材の異なる2種類の「内グリップ」を組み替えて使う。「フレフレ機構」を搭載し、ペンを振るだけで芯を繰り出せる。

 

No.08

サンスター文具
2色線ペン twiink
198円

ひとつのペン先に、色の異なる2本のペン先チップを搭載した水性ペン。ペン軸を傾ければ単色で、紙に垂直に立てれば2色同時に線を引ける。二度書きやペンを2本持ち歩く手間が省ける。

 

No.09

ゼブラ
ビモア
1100円

筆ペンのようにペン先がしなる美文字練習に最適なボールペンと、練習帳のセット。筆運びのコツがわかるオンライン動画を見ながら練習する。プログラムは1日3分、7日で完了。

 

No.10

ゼブラ
フィラーレ ディレクション
2200円

キャップなしでも乾かない「モイストキープインク」を搭載した、高級感のあるツイスト式サインペン。伝えたいポイントを指し示したときに、指した箇所が目立つよう、先端が金色になっている。

 

No.11

サクラクレパス
ボールサイン iD プラス
385円

3色の黒インクから自分好みの黒を選び、個性を表現できるボールペン。削り出しの金属ペン先が、低重心で安定した書き心地を生んでいる。光沢感のあるシルバークリップが、上質感をプラス。

 

No.12

寺西化学工業
マジックインキ大型 キャップホルダー
440円

油性ペン「マジックインキ大型」のキャップの紛失や落下を防ぐホルダー。シリコン性で、キャップを開けるときに手が滑るのも防ぐ。目立って見つけやすい鮮やかなカラーを採用。

 

No.13

エポックケミカル
KOBARU MARU liner ツインズ
352円

ぷにぷにの感触の丸いペン先を採用した蛍光ペン。ペンの角度を気にせずにラインが引けて、力加減で線幅を変えられる。専用キャップで2本連結されており、持ち替える手間をカット。

 

No.14

セーラー万年筆
万年筆ペン先のつけペンhocoro
1485円(ペン先+ペン軸)、
2420円(ペン先2種+ペン軸1本)

万年筆のペン先を備えたつけペン。インクの種類や色を変えたいときに、洗浄やインクを入れ替える必要がなく、ペン先を軽く水で洗い流すだけ。ペン先を本体に逆向きに差し込んで持ち歩ける。

 

No.15

三菱鉛筆
ユニボール ワン F
330円

「スタビライザー機構」で、低重心で安定した書き味を叶えたゲルインクボールペン。軸に日常で目にする身近な色を採用し、「葉雫」や「霜柱」など情緒を感じる名前が付けられている。

 

No.16

パイロット
ライティブ
2200円

軽量ボディで持ち運びがしやすく、気軽に使えるカジュアルなデザインの万年筆。気密性の高い新仕様のインナーキャップがインクの乾きを防ぎ、スムーズな書き出しを実現している。

 

※価格はすべて税込で表示しています。

トレンドと機能で分類した8部門・100商品!

2013年に始まった「文房具総選挙」は今回で記念すべき10回目。ノミネートされた文房具のラインナップに、その年の世相が見える!? 2021年度のはかどり文房具をフィーチャーした「文房具総選挙2022」は最新の傾向を反映した「トレンド部門」3部門と、機能によって分類した5部門の、合計8部門。部門によってボリュームの差があるものの、およそ10数商品ずつが選出され、合計100もの商品がノミネートされました。

 

【トレンド部門】
在宅・ハイブリッドワークがはかどる文房具&環境整備アイテム 部門

在宅ワーク用ツールは、2021年度も引き続きホットなジャンル。今年は机上だけでなく、仕事環境を整備するインテリア寄りのアイテムまで選出しました。 15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/716263/

 

【トレンド部門】
キッズの学習がはかどる文房具 部門

子ども向けの学習情報ポータルサイト「学研キッズネット」とコラボした本部門。新しい教育方針を反映し、PCやタブレットと併用できる文房具も登場し始めています。15商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717396/

 

【トレンド部門】
SDGs文房具 部門

文房具の分野でも、脱プラや森林保全、ペーパーレスなどに貢献できる、SDGsに配慮したアイテムが続々と登場。左利きでも使えるといった多様性にも配慮するなど、企業努力が光るアイテムたちに光を当てました。13商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717444/

 

【機能部門】
書く 部門

「サラサ」や「ジェットストリーム」、「ボールサイン」など、人気シリーズの新モデルが多数登場。ノミネート商品が最多の16点という、激戦部門でもあります。16商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717119/

 

【機能部門】
記録する 部門

最新のクリップボードや狭いデスクでも広げやすいノート、メモ帳を中心に選出。ルーズリーフの利便性を高めるアイテムにも注目です。11商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717178/

 

【機能部門】
収納する 部門

例年はペンケースのノミネートが目立つ部門ですが、今年はドキュメントファイルが豊富に揃いました。小物を一緒に持ち運べる書類ファイルにも注目です。12商品がノミネート。
https://getnavi.jp/stationery/717298/

 

【機能部門】
切る・貼る・綴じる 部門

開梱用カッターや瞬間接着剤など、ホームセンターに並ぶタフな文房具が多数登場。一方で、持ち運びやすいコンパクトな文房具も選出されています。10商品がノミネート。https://getnavi.jp/stationery/717325/

 

【機能部門】
印をつける・捺す 部門

ハンコ関連商品に名品が多数登場し、部門名を「分類する・印をつける」から「印をつける・捺す」に刷新。もちろん、付箋やタグにも良品が揃っています。
https://getnavi.jp/stationery/717346/

 

<投票は4/24 23:59まで! 結果は5/24に発表>

https://forms.gle/8fX4AHXHcWbvg7h66

2022年を占う! 2021年「文房具」業界を席巻した二大トレンドのおさらい

2020年に引き続き、今年もやっぱりコロナで大変だったなぁ、という印象の強い2021年。では、文房具業界としては、2021年はどんな雰囲気だったかというと、世情の薄暗さに対して、実は近年まれに見る“面白い年”だったように思う。

 

コロナ禍で発売時期が遅れていた製品も徐々に出始めたし、ニューノーマルに対応した従来にないツールも数多く登場している。まだ業界全体で景気回復とまでは至らないが、それでも我々ユーザーが「わー、なんか楽しい新製品がいっぱいあるなー」と感じられるような前向きな雰囲気になっているのだ。

 

そこで今回は2021年の文房具シーンを振り返りながら、あらためて「コレ買い忘れてない?  買っておいたほうがいいよ」という2021年の傑作文房具を紹介していこう。おそらくトレンド的にはもうしばらく今の流れが続くはずなので、来年以降の予測としても読んでいただけるとありがたい。

 

1.ここ数年で最大級!? ボールペンの当たり年

2021年で一番に挙げたいのが、「ボールペンすごかったね!」という話。まず上期には、ファン待望の多機能ペン「ブレン2+S」(ゼブラ)や、ロングニードルで細字の書きやすさに特化した「モノグラフライト」(トンボ鉛筆)に注目が集まった。

↑ロングニードルチップで先端視界が広く、細かな字が書きやすい「モノグラフライト」

 

【ゼブラ「ブレン 2+S」】ボールペンかシャープか、メイン機能で選ぶべき最新個性派「多機能ペン」

【トンボ鉛筆「モノグラフライト」】なめらか筆記はもう常識! 最新ボールペンが「モノグラフライト」「イルミリー」で遂げたさらなる進化とは?

 

さらに夏には「オレンジEG」(BIC)廃番というショッキングなニュースに続いて、新定番を目指す「クリスタル オリジナル ファイン」(BIC)が発売されるなど、とにかく話題に事欠かなかった印象だ。

↑今年惜しまれつつ廃番となった「オレンジEG」(上)と、新登場の「クリスタル オリジナル ファイン」(下)

 

BIC「クリスタルオリジナルファイン」】「BICオレンジEG」廃盤! その後継ボールペン「クリスタルオリジナルファイン」はファンを納得させられる出来なのか?

 

例年であれば、これでも充分に「いろいろ出たなぁ」と言って構わないのだが、実はまだまだ。今年のボールペンに関する動きは、秋以降が本番だったと言える。

 

なにより最もインパクトがあったのが、「ユニボールワン」の軸を高機能化させた「ユニボールワン F」(三菱鉛筆)や、6色カラーブラック「ボールサイン iD」のアップグレード版「ボールサイン iD plus」(サクラクレバス)といった、上位モデルの登場だろう。

↑最適な重心バランスの「ユニボールワン F」は、 おそらく2021年で最も注目されたであろうボールペンだ

 

↑良好なフローのワンインク+スタビライザー機構で安定した握り心地を実現した軸は、相性抜群の組み合わせだ

 

これらの特徴としては、すでに人気の高い既存ボールペンのリフィルはそのまま、軸のデザインや重心バランスを見直すことで握りの安定感・書きやすさをアップさせていること。価格も従来モデルから100~200円ほど上がっているが、触ってみれば、間違いなくお値段以上の価値を感じられるクオリティである。

↑低重心化に加えて軸のマット塗装でグリップ感も向上した「ボールサイン iD plus」

 

【三菱鉛筆「ユニボールワン F」】【サクラクレパス「ボールサイン iD plus」強みは書き心地を高める低重心! 新価格帯「300円ボールペン」の真価とは?

 

実際問題として、インクやチップ周りに関しては2019~2020年の間でかなり高品質化しており、現状すぐにこれ以上のものを求めるのは難しい。そこでメーカーがたどり着いたのが、手付かずだった軸のバージョンアップなのだろう。

 

その結果として、高品質なインクと高機能な軸がかけ合わされ、ある意味「ボールペンの完成版」とも言える製品が登場した、というわけ。

 

↑ゲルインクの大定番「サラサクリップ」は、極細0.3㎜径でサラッと書ける「サラサナノ」にアップグレード

 

【ゼブラ「サラサナノ」】秘密は軸にあり!「サラサナノ」が極細ゲルインクボールペンなのにガリガリしない理由

 

ところでこのムーブメントがまだ2022年も続くとしたら、気になるのが、現時点でまだ軸のバージョンアップが終わっていないレジェンド級ボールペンの存在だろう。

 

例えば来年以降、「ジェットストリーム」や「フリクションボールノック」が同じ文脈でアップグレードされたらどうなる……? と考えるだけで、正直ワクワクが止まらないのだ。

2.ニューノーマルに慣れたユーザーの要望を製品化

2021年でもうひとつ大きな動きといえば、コロナ禍におけるニューノーマルに積極的に対応した文房具の登場だろう。

 

これまでにも「狭い作業スペースで効率的に仕事ができる」ことを主眼にした製品はあったが、在宅ワーク爆増の流れを受けて、ジャンルの枝がより太くなったという印象だ。

↑狭い机でも、自立する書類ファイル「ジリッツ」を使えば作業効率が落ちない

 

【キングジム「ジリッツ」】見やすくて省スペース! キングジムの自立するファイル「ジリッツ」の斬新な仕組みとは?

 

さらに言えば、ただただコロナ騒ぎに流されるだけだった2020年に比して、2021年はユーザーが新しい働き方を受け止めてきちんと咀嚼しはじめた、ということもあると思う。オンライン会議ひとつとっても、昨年までならただぼんやりとフレームに収まっていた同僚が、最近は妙に顔色良くくっきり写ってるな、と感じたことはないだろうか?

 

これは、「ノートPCにスタンドをセットすると画角が上がって顔写りが良くなる」、あるいは「照明にビデオライトを使うと見栄えが上がる」といったノウハウが次第に広まっていることに由来する。

↑クリップオンでカメラ写りが圧倒的に良くなる「Web会議用スクエアライト」

 

つまり、我々がオンライン会議にようやく慣れてきたことで、不満に感じるポイントも明確化してきた、ということなのだ。そしてそれによって、不満が解決できるツールの要望をメーカーが汲み取って製品化、という流れも生まれているのである。そもそも文房具メーカーの社員だって在宅ワークを1年以上みっちり経験しているわけだから、ケーススタディも万全だろう。

 

例えば「スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>」(コクヨ)のように、スタンドでノートPCの画角を上げつつ、オンライン会議に参加しながらメモを取りやすい、といった“オンライン会議特化型”の機能を持っている。これは、在宅ワークの環境的な不満をまとめて取り除くことができる、とてもよく考えられた製品だと思う。

↑キーボード上がデスクに早変わりする「スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>」は、狭い場所でのオンライン会議にとにかく重宝する

 

【コクヨ「スライドボード付きノートPCスタンド <ビズラック>」】在宅ワーク環境を快適化!コクヨのPC周辺アイテムでキーボード入力もメモもスムーズ

 

↑ソファや座椅子でも快適に仕事ができる「広々ひざ上デスク」も今年前半に注目を集めた

 

【ソニック「ユートリム 広々ひざ上デスク」】在宅ワークの「机がない!」問題を解決するか?「広々ひざ上デスク」の実力を検証

 

↑自宅のプアな椅子で腰を痛めたときは、「パタスタ」で机をスタンドデスク化がオススメだ

 

【カウネット「WORK FIT HOME スタンディングワーク用PCスタンド パタスタ」】いつもの机をスタンディングデスク化するカウネット「パタスタ」が座りっぱなしの腰痛を解消する!

 

今後はコロナも落ち着くことで、また現在とは違う仕事環境になることだろう。とはいっても、オンライン会議というものがなくなるとはとても思えないし、DX化の流れを考えれば在宅ワークももっと気軽なものになるに違いない。

 

であれば、来年以降もそういった新しい仕事環境に適応した文房具やツールは増えるはずだし、よりユーザーの不満を踏まえて解決力を高めた完成度になって出てくるのではないだろうか。

 

筆者・きだてたく文房具レビューのバックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

【菅未里の自腹買い文房具】学生時代に愛用した定番ボールペン「シグノ」に25年間で起きた変化とは

イベントやメディアへの出演、新作文房具のプロモーションなどに引っ張りだこの文具ソムリエール・菅未里さん。仕事柄、文房具を試す機会は多く、手元には山のような文房具が……。そんな菅さんが、自腹を切ってまで手に入れた、いま本当に気に入っている文房具とは?

 

超定番ボールペン「シグノ」の最新事情

今回紹介したいのは、三菱鉛筆のロングセラーボールペン「ユニボール シグノ」(以下、シグノ)です。……といっても、読者のみなさんもご存知ですよね、シグノは。

 

言わずと知れた大ヒット作です。ゲルインクならではの滑らかな書き味や顔料によるくっきりとした発色が評価され、今やゲルインクを採用したボールペンの超定番商品になっています。日本中のオフィスのペン立てにシグノがささっているのではないでしょうか。私も、10年以上愛用しています。

↑筆者もずっと愛用しているシグノ

 

三菱鉛筆
ユニボールシグノ 0.38mm
150円(税別)

※ほかに0.5mm、0.28mmもラインナップする。

 

そのシグノを今回あらためて取り上げるのには理由があります。子どもの頃にシグノを知った世代は、最近のシグノの変化をきっと知らないだろうからです。

 

31色にまで増えたインクカラー

もともと1979年発売のボールペン「ユニボール」の別ラインとして1994年に作られたシグノ。私はその2年後に登場した極細の0.38mmを愛用しているのですが、発売当初は、インクの色は8色でした。しかし今や、この0.38mmは31色にまで増えています。

 

その歴史は、インクカラーへの需要の変化を物語っています。

↑発売当初から今に至るまで売られている6色(かつてあった蛍光黄と蛍光桃2色は廃番)

 

2003年に4色が追加されました。

↑2003年に追加された4色

 

続いて、2008年にもカラーを追加。

↑2008年に追加された6色

 

さらに、2017年にも追加されています。

↑2017年に追加された12色。微妙なニュアンスカラーも多いですね

 

色数がどんどん増えている様子がわかります。なかなか違いが理解されにくいピンク系のインクも、たくさん用意されています。

↑ピンクの微妙な差も表現されています

 

今、グリーンブラックやブルーブラックのような黒ベースの大人っぽいインクが流行っていることをご存じかもしれませんが、早い段階で、そういったインクをボールペンに採用したのもシグノでした。

↑ビジネスシーンでも活躍する黒系インク

 

こういったインクは厳密にいうと“黒”ではないのですが、落ち着いた色ですから悪目立ちせず、仕事でも使えるでしょう。だから黒に飽きたビジネスパーソンにも人気です。

 

そういえば、黒系のインクといえば2008年に「ラベンダーブラック」が廃盤になったことを覚えているファンもいるかもしれません。実は、ラベンダーブラックは海外では今も売られているのですが、国内では手に入らないのは残念です。微妙なニュアンスカラーが充実しているシグノらしいエピソードです。

 

文字にもイラストにも活躍

このように色への探求心が尽きないのがシグノの特徴です。書きやすいのは前述の通りですが、色数が豊富なので、文字を書くだけではなくイラストや図形にも向いています。私はアイデア出しの際にシグノを使っていますが、気分に沿ったさまざまなカラーのインクを使いたいので、シグノがぴったりなのです。

↑文字を書くにも、イラストを描くのにも向いているのがシグノです

 

学生時代にお世話になった方も多いであろうシグノですが、今は、ここまでラインナップが増えているのです。

 

仕事にも、趣味にも。ノートにも、手帳にも。懐かしいシグノを見直してみませんか?

 

 

「菅未里の自腹買い文房具」バックナンバー
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

後端ノックの新機構採用で「黒」がより使いやすくなった3色ボールペン! 黒インク約70%増量替芯も同時発売

三菱鉛筆は、なめらか油性ボールペン「ジェットストリーム」シリーズから、使用頻度の高い黒インクが使いやすくなった、3色ボールペン「ジェットストリーム 新3色ボールペン」と、インク量が通常品に比べ約70%増量した黒インク替芯「長持ちリフィル」を、12月13日に発売します。

 

今回発売となるジェットストリーム 新3色ボールペンは、インク色の中で使用頻度の高い黒インクを、使いやすく進化させた3色ボールペン。黒インクを使用する際のノック棒をペンの後端部分に配置し、シングルノックのような操作感で黒インクを繰り出すことができます。

 

インク色は黒・赤・青で、ボール径は0.5mmと0.7mmの2種類が選べます。軸色はボール径0.5mmがブラック、Wライトピンク、アイスブルー、ベリーピンク、グレージュの全5色、ボール径0.7mmがネイビー、ダークオリーブ、レモンイエローの全3色です。税抜価格は500円。

 

同日発売の長持ちリフィルは、チューブを薄くすることにより、同社通常品(SXR-80)と同じ形状で互換性を保ったままインク量をアップし、通常品比で約70%増量。チューブが薄くなることで、プラスチック使用量も通常品に比べ約30%減量、紙製のパッケージを使用しており、環境へ配慮しています。税抜価格は130円で、ボール径は0.5mmと0.7mmを用意。インク色は黒のみです。

 

また、長持ちリフィルは、ジェットストリーム 新3色ボールペンにも搭載されています。

ボールペンの書き心地は重心バランスがカギ! 三菱鉛筆「ユニボール ワン F」は驚異的なしっくり感を備える

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第15回となる今回は?

 

第15話

三菱鉛筆
ユニボール ワン F
300円(税別)

低重心で安定した筆記を叶える「スタビライザー機構」を搭載したゲルインクボールペン。より濃くくっきり書ける顔料インクを採用している。ボディは、くすみ色をベースに、時の経過を感じさせる褪せた色合いの7色展開。「消炭」や「無垢」、「花霞」など美しい色名にも注目だ。

 

重心の絶妙な位置調整で筆記具の可能性を拓く

2021年9月に発売された三菱鉛筆のボールペン「ユニボール ワン F」は、昨年発売されたユニボール ワンの上位モデル。もとのペン自体がすでに洗練されたものではあったのですが、本品はその高級版という枠には留まらない、より革新的で、今後極めて大きな意味を持つペンとなる可能性を秘めています。

 

その理由をひと言で言えば、「ペンの“重心バランス”を見直し、その最適解を提示してみせた」となるでしょうか。

 

近年、ペンの重心の位置が書き心地を大きく左右することが知られるようになり、特にペン先側に重心を寄せた「フロントヘビー」なペンが増えてきました。これはペンを短く持つ人にとっては確かに扱いやすいのですが、だからといってただ闇雲にペン先だけを重くしたのでは、また別の持ちにくさが生じてしまいます。

 

それに対してユニボール ワン Fは、重心の位置をペン先のやや後ろ、ちょうどグリップの真ん中あたりと定め、わざわざ内部に金属パーツを仕込んでチューニングを施しています。この効果は絶大で、持ったときのしっくり感、ペン先のコントロールのしやすさは驚異的なレベル。握った瞬間、明らかに「何か違う」と感じられるインパクトがあります。

 

これが意味するのは、“筆記具にはまだ未開拓の領域があり、進化の余地が残されている”というのを実証してみせたこと。ここで示した可能性により、ペンはまた新たな次元に突入するかもしれません。

↑ペン先に金属パーツを内蔵。オレンジ色の部分が、金属パーツを使用している部分を示している

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第13話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第14話】ゲルインクボールペン「ボールサインiD」を低重心にする先端パーツをメーカーが公認した理由とは

三菱鉛筆が世界で初めて紙製のリフィルを開発、プラスチックを約88%削減可能に

三菱鉛筆は、主原料に紙を使用したインク収容管を用いたリフィルの開発に成功したと発表しました。紙を主原料にしたリフィルの開発は世界で初めてとするほか、開発は日本製紙と昭和丸筒の協力を得たとのこと。

 

この紙製のリフィルは、3層の独自開発紙と最外層のパーチメント紙で構成された、全4層構造を採用。開発では、使用するインクの浸透性やガスバリア性などのインクに関わる特性と、紙管の機械的性質である反発力やリフィルの巻き強度などにおいてテストを重ねたとしています。

 

開発の結果、インクが長期間リフィル内にあってもインク漏れや染み出し、巻き形状のほつれなどは発生せず、形状を維持することが可能な構造を実現したそうです。これにより、従来のリフィルに比べてプラスチックを約88%減らすことが可能になります。

 

使用されるインクは、なめらか油性ボールペンの「ジェットストリームインク」。加えて、インク量はジェットストリーム スタンダード(SXN-150系)リフィルの約1.6倍となっており、従来品に比べて長い期間使用できます。

 

なお、製品化については今回アナウンスされていません。今後市販されるのを楽しみに待ちたいところです。

ウイスキーの樽から生まれた、“クセになる、なめらかな書き味”の多機能ペンが限定発売

三菱鉛筆は、ウイスキーの樽材をペン軸に再利用した「ピュアモルト」シリーズから、“クセになる、なめらかな書き味”の「ジェットストリーム」リフィルを搭載した多機能ペン「ピュアモルト ジェットストリームインサイド 4&1 5機能ペン」を、数量限定で10月26日に発売します。参考価格は2200円。

↑左上からホットワインレッド、トワイライトブルー、ブライトイエロー、ホリデイグリーン

 

今回発売する限定軸色は、秋冬の季節感を反映し温かみのある軸色に仕上げた、上位バージョン「oak wood premium edition」です。秋から冬にかけての景色の移ろいや、家の中でのゆったりとした時間を過ごす情景を、軸のカラーリング、ロゴ印刷色、軸色名で表現。

 

「ホットワインレッド」は、家でホットワインを飲んでいるときに白い湯気が立っている様子を、「トワイライトブルー」は、明け方の冬空と雲を、「ブライトイエロー」は、秋の散歩道で目にするイチョウ並木を、「ホリデイグリーン」は、クリスマスリースやオーナメントの色合いをイメージ。ピュアモルト限定軸色シリーズでは初めてのマット塗装を採用しています。

↑ホットワインレッド

 

ボール径は0.5mm。インク色は黒、赤、青、緑の4色で、芯径0.5mmのシャープも搭載。書類・資料の色分けした書き込みや、手帳への筆記に最適です。

 

ウイスキーを熟成した樽材(オーク材)をペン軸に使用している「ピュアモルト」シリーズは2000年に発売。ウイスキー樽の味わいや、木目の個体差、使い込むことによるエイジングを楽しめます。

必要な文房具がポストに届く! 三菱鉛筆が手がける筆記具業界初のオンライン講座「Lakit(ラキット)」とは?

大手筆記具メーカーの三菱鉛筆が2021年、オンデマンド型のオンラインレッスン配信サービスの提供をスタート。サイトで好きな講座を選んで決済すると、必要な道具がまとまったキットが自宅のポストに届き、それを使って動画を視聴しながらレッスンを楽しむというものです。レタリングやチョークアート、デッサン、ドットアート、さらには刺繍などさまざまですが、どれもプロを目指して絵を学ぶというより、巣ごもり生活でできた暇な時間に趣味としてはじめてみたい、という人向けだそう。どういったサービスなのか、実際に“受講”を楽しみながらレポートしていきます。

 

“書く・描く”を自宅で楽しめるオンラインレッスン「Lakit」

「Lakit(ラキット)」は、「クリエイティブを楽しむためのキット付きオンラインレッスン」がコンセプト。そのレッスン内容は、「書く・描く」を中心とした1レッスン完結型のもの。講師はSNSを中心に人気を集めるクリエイターが務めています。

 

レッスンで使用する道具は、各レッスンの講師が選定済み。道具選びに悩むことなく始められるうえ、希望者にはレッスンに使用する道具をキットとして自宅まで配送してくれるサービスもあるので、街に道具を買いに行く手間も省けるのは魅力的です。「書く・描く」ことが好きな人、そのものを楽しみながら受講できることに重きをおいた、1レッスンで完結する作りになっています。

 

↑Lakit公式サイトのトップ画面

 

では、さっそく試してみましょう。

 

手帳を華やかに! イラストレッスン受講レポ

「Lakit」のレッスンラインナップの中から、今回は書籍、広告などのイラストを制作するほか、イラスト講師としても活動をするイラストレーターのカモさんによる『毎日の予定が楽しくなる! 手帳イラストのいろいろ』を受講してみることにします。実際のレッスンを写真で追っていきます。

 

1. 郵便ポストに届く

「Lakit」のレッスンを購入後、レッスン動画はすぐに視聴できるように。キット付きレッスンを受講の場合は、通常は購入後翌営業日にキットが発送され、その後、営業日基準2〜4日でポストに投函されます。

 

2. レッスンに必要な道具がまとめて届く

キットを開けてみると、今回のレッスンに使う水性サインペン「EMOTT」と水性サインペン「PURE COLOR」5色、練習用の文庫サイズのノートがセットに。これらの道具は、講師を務めるカモさんが裏移りのしにくさや、描き心地にこだわってセレクトしたもの。手帳への描きやすさや、レッスン後の持ち運びなども考慮されています。

 

3. PCやスマホで好きな時間に動画を再生

キットが到着したら、「Lakit」の会員ページにログインしレッスンを受講します。ライブではないため、自分の都合に合わせ、好きなタイミングで受講し、ストップ/リスタートも自在です。

 

今回のレッスンでは、最初に道具の使い方を習った上で、アイコンと飾りを描く練習を開始。最後には手帳イラストの枠を超えて、ノートの活用方法やメッセージカードの作成などのアレンジ例まで学びました。

 

↑日常使いに便利な、手帳に描くアイコンにも挑戦

 

円の次は、手帳の予定に出てくることが多い天気や予定を表すアイコンを描くのに挑戦。見よう見まねでは難しいマークも、ポイントを抑えながら描くことで、良い感じになります。

 

↑難しそうに見えていた飾りも、動画に沿って描けば簡単!

 

描くだけで映える飾りにも挑戦。EMOTTとPURE COLOR、2つのサインペンを適切に使い分けることで、かわいく描けました。

 

↑手帳だけでなく、ノートやメモにも使えそう

 

矢印や、吹き出しも我流で書いていた時よりも、心なしかかわいい印象。自分でルールを決めれば、手帳が見やすくなりそうです。

 

↑気持ちや動作を表すポイントのレクチャーも

 

比率を間違えたら、かわいくなりきれない棒人間もこの通り!先生曰く「丸く描くとかわいくなる」とのことでした。

 

↑自分の手帳に書いてみる

 

レッスンの最後には、今回練習したアイコンのアレンジ方法や使うシーンを紹介。動画は約60分で終了しました。せっかくなので、習ったアイコンや、文字とイラストを自分の手帳に書いてみたところ、見ているだけで楽しい1ページになりました。

 

気になる文房具も試せる!? 使う道具もさまざま

今回受講したレッスン以外にも、さまざまなレッスンがあるのが「Lakit」の魅力。それぞれ使う=届く道具も異なり、文房具ファンにはモノ視点での楽しみも!

 

デッサン

デッサン講師センザキリョウスケさんによる『鉛筆のいろいろな表現を楽しもう』は、デッサン用の鉛筆の削り方から、球体の書き方を解説してもらった後、身近なモチーフである立体物の描き方が学べる講座。モチーフの色や模様、明るさなどを鉛筆で表現することを学べて、はじめての方はもちろん、経験者も新たな発見が見つかる講座です。

 

↑鉛筆、練り消しゴム、カッターナイフ、スケッチブックがセットに

 

チョークアート

『チョークアートを描いて、ようこそ! の瞬間を飾ろう』は、ぼかしや混色などチョークアート特有の表現を楽しみながら、ウェルカムボードをつくるレッスン。チョークでお花や飾りを描く方法はもちろん、筆記体を描くコツや図案をトレースする方法など準備段階から習えるので初心者の方も無理なく楽しめる内容です。

 

キットには、チョークパステルや、ブラックボードポスカに加え、講師の若井美鈴さんが今回のレッスンのために作った図案シートも。マネして描けるので、初心者の人でも安心して楽しめます。

 

↑はじめてチョークアートを描く方にも使いやすいセット

 

水彩画

美術家・大谷尚哉さんによる『三色の絵の具で広がる、美しい空の水彩画』は、水彩絵の具の3色だけで空の表情を表現する方法が学べる講座。空の鮮やかさを表現する方法や、雲の描き方を学べます。

 

水彩画というと、なんとなくハードルを高く感じてしまいがちですが使用する道具は至ってシンプル。コンパクトで場所をとらないというのも講師のこだわりです。

 

↑自分で買うのには迷ってしまいそうな画材がキットで送られてきます

 

見立てアート

絵やコラージュの表現を通して、いろいろなかたちを何かに例える『見立てアート』は、大人だけでなく、想像力豊かなお子さんと一緒に楽しむのにもおすすめな講座。カラーペンで描いた図が何に見えるかを想像し作り上げていきます。

 

キットは、色画用紙やはがきサイズのカード、イラストボード、色鉛筆などの豪華セット。たくさんの道具を使って、いろんな色や形を楽しめます。

 

↑色や形を楽しめる道具が豊富

 

ほかにもこんなレッスンを体験できる!

さらに身近なツールで、ちょっと変わった趣向のイラストを学び、楽しめる講座もいろいろと用意されています。

 

にほんごハンドレタリング

『エレガント文字で大切な人に言葉を贈ろう』は、雑貨デザイナーであり、ゆる文字プランナーの宇田川一美さんから、にほんごハンドレタリングを学べる講座。普段、書く文字とは一味違う文字は、品があり華やかなため、大切な人へお祝いやお礼を伝えるシーンで活躍すること間違いなし。流れるようなラインとループを練習し、エレガント文字をマスターできます。

 

パンイラスト

フードイラストレーター・まるやまひとみさんによる「パンを描いて、おいしいを記録しよう」は、色鉛筆などを使って、おいしいパンの描き方を学べる講座。パンの描き方だけでなく、焼き色、光沢感・立体感の表現方法まで丁寧に教えてくれます。パンの焦げまで表現!

 

ステンドグラス風マンダラ

「ステンドグラス風マンダラで、こころ落ち着くひとときを」小さな丸い紙に色鮮やかなマンダラを描くレッスン。ステンドグラスのような美しい作品は、ゆっくり丁寧に模様を描くので、心が落ち着くひとときが過ごせるのも特長です。

 

人生の物語

「描き出して考えよう!人生の物語と今の自分」は、自分の人生を物語にたとえて、扉絵をデザインするように今の状態を可視化できるというもの。色鉛筆と、A5サイズの紙という身近なツールで楽しめます。作品を完成させる楽しさだけでなく、普段意識していなかった内面に気づいたり、挑戦したいことが見つかったりするのも、この講座のポイントです。自分の人生に向き合うきっかけにもなりそうです。

 

気軽に自分のペースで楽しめる! 実感した5つのメリット

今回、「Lakit」のレッスンを受講して気づいたメリットは、大きく分けて5つあります。

 

1. 道具をそろえる手間がない

「やってみたい!」とは思うものの、近所に買いに行ける場所がなかったり、何か一つだけ道具が見つからないと「やっぱりいいや」と思ってしまうもの。『Lakit』の場合は、講座を購入時に使用する道具が一式送られてくるキット付きレッスンがあるので、その心配がありません。

また、家にあるもので賄える方や、気軽に手に入れる手段がある方は、レッスンのみを購入することもできるので、不必要に家に物があるという状況を防ぐこともできます。

 

2. 使ったことのなかった文房具を試せる

気になる文房具を試すきっかけになるとのメリットもあります。レッスンの中で、クリエイターがおすすめする使用方法で楽しめるので、「どういう使い心地かがわからない」「買ったけど、使わなかったらどうしよう」という人にもおすすめです。

 

3. 好きな時間に好きなだけ楽しめる

オンラインで受けられるということもあり、時間や場所を問わずに学べるのは、普段なにかと忙しい現代人にとって魅力的。さらに、一度買った講座には視聴期限がなく、何度も見ることができるため、繰り返したり、一時停止しながら自分のペースで心ゆくまで学べるのもうれしいポイントです。

 

4. いろいろなジャンル、クリエイターを試せる

講座のジャンルが豊富なだけでなく、それぞれの講座を担当するクリエイターが、その道のプロなのも特長です。習いたい内容から選ぶだけのはもちろん、かねてからファンだったクリエイターの講座を申し込み制限などなく選ぶのもよいでしょう。

 

5. 普段の暮らしのなかで活かせる

多くのレッスンの場合、講座の最後には受講した内容の応用例や、活用シーンを紹介してくれます。習ったことを日常生活の中で実践すれば、いつもよりもちょっぴり楽しい毎日になりそうです。

 

「何か趣味がほしい」「新しいことを始めたい」「でも、忙しい」という人は、おうちで過ごす時間が多い今こそチャンス。このLakitをはじめ、最近はたくさんのオンライン講座が登場しています。気になるレッスンとちょっとした時間があれば、試しにいろいろと受講してみてはいかがでしょうか。

 

滑らかながら心地良い手応えを備える! 三菱鉛筆「ジェットストリーム」が15年にわたり最高のボールペンであり続ける理由

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を、1点ずつピックアップしている。第12回となる今回は?

 

第12話

三菱鉛筆
ジェットストリーム スタンダード
165円(税込)

2006年に登場し、「低粘度油性ボールペン」というジャンルを生み出したエポックメイキングなペン。“クセになる、なめらかな書き味”がコンセプトで、従来の油性ボールペンよりも摩擦係数が最大50%軽減された「ジェットストリームインク」を搭載している。くっきり濃く書け、乾きが速いのも特徴だ。

 

筆記具は、書き手と共に“在る”ことを求められている

ペン先のボールが回転している感じがきちんと伝わってくるのがいいなと、初めて使ったときからずっと思っていました。三菱鉛筆の「ジェットストリーム」。

 

この感触は案外ほかでは味わえないもので、例えるなら「ギアの軽いロードバイクで軽快に飛ばしている感じ」とでもいいましょうか。ホバーのように地表から浮き上がるのではなく、「地面(=紙面)」をしっかりと噛む、そのかすかな手応えと感触をあえて残しているような気がします。

 

これまで当連載でずっと考えてきましたが、あらためて「良い筆記具」とは、いったいどういうものでしょうか? そもそも道具とは、己の内にある思考やイメージを外部に出力するためのものです。そんなバイパスを介さずに脳から直接出せればいいのに……と、もどかしく思うときもありますが、いまの技術でそれは不可能ですし、むしろ「道具」と格闘しているうち(それは「言葉」も含みます)、当人も思っていなかったような高みにまで連れて行ってくれることさえあります。つまり道具とは、使い手を拡張・変容させ得る動的な触媒であり、ならば目指すべきは、存在を透明化することではなく、「心地良く共に“在る”こと」。

 

2006年の発売以後、最高峰のボールペンであり続けるジェットストリームは、単に滑らかだからすごいのではなく、低粘度インクで「透明」になりすぎないよう、踏みとどまったところに、そのすごみと最大の発見があったのです。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第10話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第11話】書き味はペンと紙の組み合わせ次第! コクヨ「ペルパネプ」で「手書き」の妙味を体感できる

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芯径0.9mmで色鉛筆のような描画ができるカラーシャープが追加! 三菱鉛筆「EMOTT(エモット)」

三菱鉛筆は、“私らしい色づかいで、毎日を彩る”をコンセプトとして、デザイン性にこだわったブランド「EMOTT(エモット)」から、0.9mmのカラー芯を採用し、色鉛筆に近い表現ができるカラー芯シャープ「EMOTT(エモット)pencil」とカラー替芯「EMOTT(エモット)pencil 替芯」、多彩な色調で0.4mmの細い線を書き続けられる、新開発ペン先の水性サインペン「EMOTT(エモット)新5色セット」を、9月24日に新発売します。

↑EMOTT(エモット)pencil

 

↑EMOTT(エモット)pencil 替芯

 

カラーシャープEMOTT pencilは、0.9mmの太い径のカラー芯を採用し、描線の発色が良く、より濃い描画が可能です。また、筆圧をコントロールすることで濃淡を表現でき、描画の表情に深みをもたらすことができます。同製品は色鉛筆に近い表現ができるという特長から、“シャープペンシル”ではなく、“鉛筆”を意味する“pencil”からEMOTT pencilと名付けられています。また、カラー替芯も同時に発売。税込価格はEMOTT pencilが1100円、替芯は220円です。

 

活力に目覚めるカラー「リフレッシュカラー」(ライトブルー、グリーン、バイオレット、レッド)、太陽の恵みを受けた鮮やかなカラー「トロピカルカラー」(ライトピンク、ライトグリーン、オレンジ、フューシャ)、古き良き時代を思わせるノスタルジックな色合い「ノスタルジックカラー」(ブルーブラック、カーキグリーン、バーミリオン、イエロー)の、3つのカラーグループの4色セットを展開。セットには替芯ケース1本も入っており、替芯ケースには4色のカラー芯が各2本ずつ入っています。EMOTT pencil単色での発売はありません。

↑EMOTT pencil アソート リフレッシュカラー

 

EMOTT 新5色セットは、トレンドカラーの新色と既存色とを組み合わせた5色のカラーグループ。「ニュアンスカラー」「ボタニカルカラー」「ミッドナイトカラー」「バーチャルカラー」の全4種のカラーグループで、パッケージには、それぞれのカラーグループから連想できるイメージビジュアルが正面に施されています。それぞれの5色セットには、今回のセット限定の新色が組み込まれています(新色10色は単色での発売なし)。税込価格は1100円。

↑EMOTT(エモット)新5色セット

 

ニュアンスカラーは心地よい安らぎの色合いで、セット内容はエクリュ(新色)、アッシュローズ(新色)、シーフォグ、スレートブルー(新色)、サックスブルーの5色。ボタニカルカラーは幸せを彩る草花のナチュラルカラーで、アップルグリーン、カーネーション(新色)、グラジオラスレッド(新色)、ベージュ、コルク(新色)の5色です。静寂な夜空の幻想的なカラーがセットになったミッドナイトカラーはレモン、ペールラベンダー(新色)、バイオレット、ブルーブラック(新色)、ブラックの5色で、バーチャルを楽しむポップ・カラーのバーチャルカラーは、ピュアピンク、オレンジビーム(新色)、エメラルドグリーン、ブルー、ライトグレー(新色)がセットになっています。

発色鮮やかな三菱鉛筆「ユニボールワン」に安定した書き味とテーマ性ある軸色が特徴の「ユニボールワンF」登場

三菱鉛筆は8月31日、ゲルインクボールペン「ユニボールワン」から、軸色や書き味の上質感を高めた「ユニボールワンF」を発表。9月21日に発売します。参考価格は330円(税込)です。

 

ユニボールワンは黒は濃く、カラーは鮮やかに発色することから大人気となっているボールペン。今回登場したユニボールワンFは、テーマ性のある軸色と、低重心で安定した書き味が特徴となっています。

 

軸色は、雑貨や日用品に定着しつつあるくすみ色をベースにしながら、時の経過を感じさせるようなあせた色合いに仕上げています。色の選定にあたっては、日常生活で目にするなにげない景色を採用。「無垢」や「日向夏」などのイメージを軸色にしています。

 

 

また、軸全体のデザインは凹凸部分をかぎりなく減らしたなめらかなフォルムと、ワンポイントになっている先端の金属パーツを採用。シンプルさが際立ちながら洗練された印象にしているそうです。

 

さらに、ペン先の金属パーツは、低重心で安定した書き味を生み出す「スタビライザー機構」を搭載。ユニボールワンの特徴とうたう濃くくっきりとした黒インクを、軽い力でより安定してなめらかに書けるとしています。

 

ラインアップは、ボール径0.38mmで軸色が消炭(Fブラック)、無垢(Fグレー)、花霞(Fピンク)、日向夏(Fイエロー)のモデルと、ボール径0.5mmで軸色が霜柱(Fブルー)、葉雫(Fグリーン)、茜空(Fレッド)のモデルをそろえています。

文房具ブームの火付け役「クルトガ」に「アルファゲル」の最強タッグ実現! 三菱鉛筆「ユニ アルファゲル スイッチ」に込められた逆転の発想とは?

2021年春、シャープペンシル業界に激震が走った。

 

と、そこまで大げさな事態でもないが、筆者としてはかなり驚いたのである。なにがあったのかというと、三菱鉛筆が「“クルトガモード”をオフにできるシャープペンシル」を発売したのだ。これは、本当に驚いた。えー、そんなことある!?

↑もはや伝説級に有名なシャープペンシル「クルトガ」(三菱鉛筆)

 

そもそもの話から説明しよう。「クルトガ」というのは、2008年から三菱鉛筆が発売している超絶大ヒットシャープペンシル。書くたびに、芯が9度ずつ回転することで偏減りせず、常にシャープな芯先を保つという機能「クルトガエンジン」を搭載し、均一に細い線が書けるのが特徴だ。

 

これが、メインユーザーとなる中高生の認知度100%・所有率70%以上(2013年調査)というバケモノみたいな人気で、シリーズ累計販売数も2018年末の時点で9000万本超え! おそらく一億本突破も間違いないところだろう。

 

それなのに、そこまで人気の高い機能をわざわざ“オフ”にできると謳った新製品が出るとは、つまり“メーカーによるクルトガの否定”ではないのか!? マジで!? どういうこと!?

 

……と、つまりそういうことで驚いていたわけだ。

 

クルトガモードをオフにすると、一体なにが起きるのか?

その驚きの製品というのが「ユニ アルファゲル スイッチ」(以下、スイッチ)である。

 

ちなみに「アルファゲル」というのは、グリップに衝撃吸収素材である「α GEL」を採用した、これまた三菱鉛筆の人気シリーズ。2010年には、両者を合体させた「アルファゲル クルトガエンジン搭載タイプ」も発売されている。

 

今回発売されたスイッチは、つまり「アルファゲル クルトガエンジン搭載タイプ」のクルトガオフ機能付き、という立ち位置になるのだろうか。それにしたって、製品名にクルトガと一切入っていないのには、なにか意図的なものを感じる。

三菱鉛筆
ユニ アルファゲル スイッチ 0.5mm
1000円(税別)

 

先から何度も勝手に“クルトガ機能オフ”と連呼しているが、正しくは「クルトガモード」と「HOLDモード」が切り替えられる、という表現となっている。クリップを軸後方のロゴが見える位置にセットすると、芯が回転する「クルトガモード」、ロゴを隠す位置に動かすと、芯固定の「HOLDモード」として機能する仕組みだ。

↑クリップを90度回転させてモードを切り替え。このとき、最後にカチッというまで回す必要がある

 

ここで問題となるのが、芯が尖って均一な線が書きやすいんだから、クルトガモードのままでいいんじゃない? という話。逆に言うと、HOLDモードにするメリットってなんなの? ってことだ。

 

もちろん、HOLDモードにはきちんとメリットがある。書いても芯がカチャカチャと振動せず、安定した筆記感が得られるのである。実際に筆者も、シャープペンシルをメイン使いする中高生からも、「クルトガは書くとカチャカチャいうのが気になるから使わない」と聞いたことがある。あの書き味に苦手意識を持つ層が一定数いるのは、おそらく間違いないだろう。

↑HOLDモードがあるためか、通常のクルトガよりもカチャカチャ振動する気がする

 

クルトガは、芯を紙に押しつける力を利用してギアを回転させているため、どうしても芯が戻る際にカチャカチャというブレが発生してしまう。これにロックをかけて固定するのが、HOLDモードというわけ。

 

なので、クルトガモードからHOLDモードに切り替えると、「あっ、さっきまですごいカチャカチャしてたんだ!」と気付かされる。芯の微振動が完全に抑制されているので、落ち着いた書き味となるのだ。(要するに、普通のシャープペンシルなのだが。)

↑クルトガモード中は、ペン軸中央の窓の色が芯の回転に合わせて変わり続ける

 

ところが、しばらくHOLDモードで書いていると、徐々に線が太くなってくるのが気になり出す。書き味の面でも、芯が偏減りしているのが違和感として手に感じられるはずだ。

 

もちろん、そういうときは軸を手の中で少し回転させて、自前で芯の偏減りを解消させてやればいいのだが……すっかりクルトガに慣れきった身だと、それもちょっと面倒くさいのである。結果として「あー、やっぱりクルトガって便利だな」なんて思ったり。

 

もしかして否定どころか、これによってクルトガの良さを再確認させるのが、三菱鉛筆の目論見だったりするのかもしれない。

↑比べてみると、やはり偏減りしないクルトガは文字が潰れずシャープだ

 

普段は均一な線できれいな字が書きやすいクルトガモードがいいし、板書のように集中してガーッと早書きしたい場合はHOLDモードの安定感が欲しい。つまり、その時の気分次第でクルトガエンジンをオンオフできるのは、意外とアリなんじゃないだろうか。どちらにもメリットがある以上は、切り替えができるならそれだけお得ってことだし。

↑かためアルファゲルは、握った際のグリップ力もあり、気持ち良いクッション性もありで、本当に優秀なグリップだ

 

集中してガーッと書くといえば、そういった用途に、衝撃吸収素材のグリップはとても効果的だ。

 

スイッチのグリップは、アルファゲルシリーズの中でも人気の高い「かため」を採用している。握った指への当たりはフニッと柔らかだが、ほどよい反発感もあって、筆記中のブレが少ない。個人的にも、筆記具史に残る名品だと感じるほどに大好きなグリップである。

 

長時間筆記でも指が疲れにくいため、集中力も長続きする。モードを切り替えてまで筆記感に注意を払いたい、というタイプの人が使うシャープペンシルには、ベストな装備と言えそうだ。

「UNI」の名を冠したシャープ芯

実はもうひとつ、三菱鉛筆からシャープペンシル関連の新製品が登場している。それが、13年ぶりの新芯ブランド「UNI」である。

三菱鉛筆
シャープ芯 uni
0.5mm(40本入り)、0.3mm(25本入り)
各200円(税別)
硬度にはHB、B、2Bがある。

 

三菱鉛筆のシャープ芯としてこれまでお馴染みだったのが、「ユニ ナノダイヤ」シリーズ。内部に超微粒のダイヤを練り込むことで芯強度を高めた、折れにくい芯だ。ちなみに発売はクルトガと同年の2008年。

 

以降、これまでずっと三菱の芯といえばナノダイヤ、だったわけだ。そこへ13年ぶりとなる芯の新ブランド登場。しかも三菱鉛筆のブランドネームである「uni」をそのまま名乗るのだから、これは三菱側もかなり本気だな? と感じさせる。

↑同等の力でこすり比べると、uni芯のスレ耐性の強さが分かる

 

その最大の特徴は、汚れにくさだ。今まで、シャープペンシルで書いたあとのノートが、うっすらと汚れているように感じたことはなかっただろうか? あれは紙に付着しきれなかった芯の微細な粉が、手に触れるなどして散り、紙面を汚していたのである。

 

対してuni芯は、芯に特殊な成分を配合することにより、芯の粉がしっかりと紙面に密着して飛び散りを防ぐ、とのこと。なるほど、試してみると確かに擦れたときの芯粉の広がりがまったく違う。手で触ってもスレが少なく、あきらかに汚れにくいのが見て取れるだろう。

↑タテにスライドさせると、途中から斜め後ろに動く新しい方式

 

芯ケースももちろん、これまでとは一新されている。ナノダイヤは、横スライド式のキャップを採用していたのに対し、UNI芯はケース自体をタテに大きくスライドさせて開ける方式になった。

 

横スライドキャップは、ケース自体をトントンと軽く振って少量の芯を出す構造だったが、うっかりドバッと大量の芯がこぼれ落ちる、なんてトラブルもたまにあったのだ。

↑従来(ナノダイヤ)の横スライド式開口。振り出す際に芯がドバッと出すぎることも

 

↑対してuniは、開口が大きいため、芯が1本ずつつまみやすい

 

タテスライドは開口が大きいため、そもそも振って芯を出すことがない。そのまま指で芯1本だけつまみ出せばいいので、芯ドバトラブルが起きにくいのである(寒さで指がかじかんでいると、逆に芯が取り出しにくい場合もありそうだが)。

 

芯ケースのキャップギミックは、メーカーやブランドごとに様々な方式があるので、こういう新しい構造を見るのもなかなかに面白い。

 

 

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どれが一番書きやすい!? 手帳に使いたい0.3mm以下の「超極細字ボールペン」7モデルを使い比べ!

ボールペンを選ぶ際の基準にはさまざまあるが、手帳へ小さな字を書き込む機会が多いのであれば、“超極細字”が書ける0.3mm以下のボール径が便利だ。

 

小さな字も潰れにくいので可読性が高いし、狭い面積に密度を高く情報が書き込めるのは、超極細字ならではと言えるだろう。なにしろ“ボール径0.3mm”といえば、筆記線の幅は0.15~0.2mm程度。0.5mm径の線幅が0.3mm台なので、ほぼ倍は違うことになる。

 

最近はシステム手帳界隈でも、名刺より一回り大きいくらいの“M5サイズ”が人気。小さな紙面に太いペンでは、とても書いていられないのだ。

↑コクヨ「ジブン手帳」も、紙面に3.5mm方眼を採用している関係で、細いペンとの相性が良い。小さな3.5mm方眼にみっちりと字を詰め込みたいなら、やはり超極細がいいだろう

 

もうひとつ、字が汚い人でも丁寧な文字を書きやすい、というメリットもある。

 

近年のボールペンは、書き味の良さを高めるために、全体的になめらか筆記優先のチューニングがされている。しかし、悪筆の人間にとってなめらか過ぎるペンは制御しにくく、ついつい雑な走り書きになりがち。

 

0.4-0.3mm以下のボール径は、細い分だけペン先が紙にカリッとひっかかりやすいが、その抵抗感がほど良いコントロール性を生むことがあるのだ(壮絶な悪筆でお馴染みの筆者は、0.38mmを愛用)。もちろん悪筆の原因はいくつもあるので、一概に「細字ならOK!」とも言えないが、字の汚さに悩んでいるなら、試してみる価値はあると思う。

 

ということで今回は、今のところ市場で最も細い「ボール径0.3mm以下」の製品を書き比べてみたい。

 

0.3mm以下の超極細ノック式ボールペンで、一番細い線が書けるのはどれだ?

今回揃えたペンは、筆者の使用頻度が高いというシンプルな理由で、ノック式に限定。ノック式、かつ0.3mm以下で、現時点で市場入手可能なものといえば、だいたいこの7本になるだろう。

【ゲルインク】

・ゼブラ「サラサクリップ 0.3」100円

・パイロット「ジュース アップ 0.3」200円

・ぺんてる「エナージェル 0.3」200円

・三菱鉛筆「シグノ RT1 0.28」150円

※写真左から。すべて税別

 

【低粘度油性インク】

・OHTO「スリムライン 0.3」500円

・パイロット「アクロボール Tシリーズ 03」150円

・三菱鉛筆「ジェットストリームエッジ 0.28」1000円

※写真左から。すべて税別

 

実のところ、従来の油性インクは粘度の高さなどが問題で、ボール径を小さくするのが技術的に難しい。そのため、細い字が書けるボールペンといえば、長らくゲルインクの独壇場だったのだ。

 

キャップ式であれば、現在ゲルの最細は「ハイテックC 0.25」(パイロット)。過去には「シグノビット0.18」(三菱鉛筆)なんていうものもあった。

 

油性では、手帳用ボールペンとして「スリムライン0.3」が以前からあったが、2019年に三菱鉛筆が低粘度油性で世界最細径となる「ジェットストリームエッジ0.28」(以下、エッジ0.28)を発売。ライバルであるパイロットも、2020年末には「アクロボール0.3」を発売し、ようやく油性でも超極細を選んで使えるという時代が到来した、という流れである。

↑0.3mm径ボールペンとしては最新鋭となる、パイロット「アクロボール Tシリーズ 03」

 

滲み・かすれはどうか?

前置きはここまでとして、まずは実際に細さを体感するため、シンプルに直線を引いてみよう。

 

ここで感じるのは、油性グループの線の細さだ。水性インクの一種であるゲルは、どうしても紙に染み込むため、その滲み分だけ線がわずかに太る傾向がある。対して油性はその滲みが少ないため、こういった差が出てしまうわけだ。

↑5mm方眼に0.3mm径ボールペンの名前と線を詰め込んでみた(右下はサンプル用の0.5mm径)。超極細字ならではのマイクロ試し書きである

 

なかでも圧倒的細さを誇るのが、スリムラインである。今回の7製品の中ではダントツに細い!

 

店頭でもあまり見かけない製品だけに、実は筆者もあまり意識して触ったことがなかったのだが、「こんなに細かったっけ!?」と驚かされた。OHTOお得意のニードルポイントはペン先周辺の見通しも良く、ついつい、どこまで小さい字が書けるか? 的なトライアルをしたくなるヤツ。ただし、けっこう頻繁にかすれが発生してしまうのは、気になった。

↑最細の線が書けるOHTO「スリムライン」。金属軸もとてもスリムで、手帳と持ち歩くには良さそうだ

 

逆に「ちょっと太いな?」と思ったのはサラサで、続いてエナージェルあたり。

 

もちろん線幅で0.1~0.2mm台というミクロな世界での話なので、比較用に併せた0.5 mm径の線と比べれば、どれでも充分に「細い!」という感じなのだが。

 

正直言えば、米粒に般若心経を書くのでもない限り、大した差じゃない。どれを使っても、方眼1マスに10文字以上書き込める性能はあるのだから。……ここまで書いておいて急にハシゴを外すな! という話だが、だってどれも問題なく細いのだ。

 

だから、それよりも気になるのは“書き味の差”なのである。

 

書きやすい超極細字は、カリカリとなめらかのバランスがポイント

そもそも0.3㎜径以下の極細字というのは、それだけでボールペンにとって非常にハードな環境だ。ボールが小さい分だけ、わずかにペン先の角度が変わるだけで書けなくなったりするし、紙の粉(繊維)が詰まるようなトラブルも、一般的な0.5mm径と比べると発生しやすい。

 

そういったハードモードで、なおかつ書きやすいものこそが、優れた超極細字だと思うのだ。

 

↑書きやすさではダントツのジュース アップ。その秘密はパイプチップとコーンチップの長所を併せ持つ特殊なシナジーチップにある

 

あくまでも筆者の体感ではあるが、飛び抜けて「書きやすい!」と感じたのが、ジュース アップだ。

 

超極細字の問題の一つに、細いパイプを通すことでインクフローが不十分になり、かすれや引っかかりが発生する、というものがある。しかし、ジュース アップのペン先(シナジーチップ)は、極細でも充分なインクフローが得られる。これはかなり大きなアドバンテージで、0.3mm径とは信じられないような快適さ。

 

ゲルの超極細字としては引っかかりも少なく、なめらかさ側に振られたチューニングは、万人受けしそうな印象だ。

↑シグノRT1(写真右)は、ここまで筆記角を寝かせてもスムーズに書ける。これは超極細ジャンルとしてはかなりレア

 

また、シグノRT1は先端のカドを削ったエッジレスチップの効能か、角度の変化にやたら強い。他社の製品では筆記不能になるほど寝かせた状態でも普通に書けてしまうのは、なかなか面白い。筆記感はややカリカリ感強めで、個人的には好きなタイプだ。

 

油性に関しては、個人的にはアクロボールの筆記角の狭さが少し気になった。ペンの“最適筆記角”と言われる60°で書いていれば、何の問題もなくなめらかなのだが、これを傾けて50°をきったあたりから、いきなりガリガリと強く引っかかり、筆記不能になる。

 

このリニア過ぎる書き味は、もしかしたら、合う人と合わない人がパッキリと別れるタイプなのかもしれない。

↑ジェットストリームエッジ0.28のリフィルは、0.5mm径などと同じシリーズ。お馴染みジェットストリームスタンダードの軸に入れて使うことも可能だ

 

対して、エッジはかなりオールマイティ。カリカリとなめらかのバランス、筆記可能角度の広さともにクオリティの高さを感じた。超極細の不快な要素(引っかかり・かすれ・トラブルの発生率)を極力減らすことに注力して作られているようなイメージだ。

 

今回準備した中で唯一の1000円超えだし、価格分の良さはあるのかな? と一瞬思ったが、冷静に考えればエッジもリフィルだけなら税込220円とお安いもの。となれば、シンプルに「お得」という結論しかないかもしれない。

 

超極細ボールペン選びの注意点

ただ実際問題として、例えば同じジェットストリームでも、0.5mm径と0.28mm径では筆記感が大きく違う。そのため、「書き慣れた0.5mmと同じペンで、細いヤツを買う」という選び方をすると、なんとなくしっくりこない感じを引きずることもありそうだ。

 

超極細ボールペンはあくまでも別物の筆記具と考えて、ゼロベースで試筆をして選ぶのが良いと思う。

 

 

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“軽くて滑らか”を超える開拓精神を見た! 異形のペン先をもつボールペン「ジェットストリーム エッジ3」

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏による連載。「手書き」をテーマとし、デジタル時代の今だからこそ見直される“手書きツール”を1点ずつピックアップしている。第5回となる今回は?

 

第5話

三菱鉛筆
JETSTREAM EDGE 3(ジェットストリーム エッジ 3)
2500円(税別)

0.28mmの超極細ボール径を搭載した「ジェットストリーム エッジ」の3色タイプ。インクは黒、赤、青の3色。後端のダイヤルを回すことで3色のリフィルが回転し、一定の場所から繰り出される機構が新開発された。

 

↑ペン先がアシンメトリーな扁平形状で、本体軸に対しリフィルが常にまっすぐ出てくるようになっている

 

ジェットストリームの開拓精神あふれる一本

2019年12月に三菱鉛筆から発売された「ジェットストリーム エッジ」は、ボール径0.28mmの世界最細油性ボールペン。見たことがないほど細い線が書けるが、そのぶんクセも強く、針で引っ掻くような硬質な筆記感には面食らうほどだ。そんな「エッジ」の発売からおよそ1年。2020年11月に発売された3色タイプ「ジェットストリーム エッジ3」では、その異形性がいよいよ剥き出しになっている。

 

極細のリフィルがペン内で斜めにならぬよう、ペン先を軸の中心からズラし、3色のリフィルをリボルバーのシリンダーのように切り替えて垂直に下ろす機構を採用している。このためペンを持つ向きが決められているが、使ってみるとさほど違和感はない。「普通のペンとは違う、何か特殊な道具を扱っている」という感覚はあるのだが、そもそもエッジは「普通ではない特殊な道具」なのであった。”3色ボールペン”という複雑なプロダクトに対応していった結果、異形の本質が顕在化した、という言い方が正確かもしれない。

 

もとより「エッジ」シリーズは低粘度油性のジェットストリームインクなくして生まれなかったもの。だが、進化を突き詰めた結果、自ら築いた2010年代以降の「軽くて滑らか」というボールペンの主流から大きく逸脱しつつある。しかし、こうした開拓精神こそジェットストリームの”本質”なのである。外見の必然性も込みで、志の高さを感じる一本だ。

 

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】バックナンバー

【第1話~第3話】https://getnavi.jp/tag/furukawakoh-handwriting/
【第4話】芯1本使い切るまでノック不要! メカまでシャープな「オレンズネロ」に真打登場

https://getnavi.jp/stationery/551859/

“文具ソムリエール”菅未里が振り返る2020年に自腹買いしたベスト文房具5選

2020年は、社会が試された1年でした。言うまでもなく、新型コロナウイルスの影響です。海外旅行もできず、外出や会食も難しくなり、“新しい生活様式”下での不安やストレスに苛まされた方も少なくないでしょう。

 

しかし、文房具は元気でした。ひとりで、お家で楽しめる“趣味”であることも幸いしたと思いますし、自宅勤務をする方が増えた影響もありそうです。

 

その結果、いい文房具が、2020年もたくさん登場しました。

連載「文具ソムリエール・菅 未里の自腹買い文房具」アーカイブ
https://getnavi.jp/author/misato-kan/

 

1.“りくちのいきもの”のホッチキス

動物たちがかわいい、MAX(マックス)の「シリコンカバーホッチキス」は、2019年の文具女子博で1200個を超える売り上げを叩き出した注目作ですが、その第3弾ですね。私は2020年11月にあった「文具女子博2020」で先行販売されていたものを買いました。

 

ひと言で言うなら、ホッチキスに動物のかわいいシリコンカバーをつけたもの、なのですが、この第3弾では、ホッチキス本体だけでなく、ホッチキスの針にもカラフルなシリコンカバーがつくようになりました。失くしがちなホッチキスの針が目立つのはありがたいですね。

 

【商品情報】
マックス
シリコンカバーホッチキス Vol.1 みずべのいきもの
サメ/ワニ/ビーバー
各1200円(税別)

シリコンカバーホッチキス Vol.2 つめたいうみのいきもの
ペンギン/シロクマ/セイウチ
各1500円(税別)

シリコンカバーホッチキス Vol.3 りくちのいきもの
ライオン/パンダ/ゾウ/オオカミ
各1500円(税別)

シリコン針ケース付きカラー針 りくちのいきもの
ライオン/パンダ/ゾウ/オオカミ
各750円(税別)

 

2. ディズニーのカモフラージュホルダー

「カモフラージュホルダー」とは、中に入れた書類の文章が見えないクリアホルダーのことです。情報を守るためのものですが、細かい文字は見えないようにしつつ、タイトルや見出しなど、大きな文字は見えるのもポイントです。中の書類を出さなくても、持ち主にはどういう書類かわかるからです。

 

そのカモフラージュホルダーの限定版です。ディズニーのおなじみのキャラクターたちがあしらわれています。

 

↑挟んだ書類の文字をカモフラージュする柄も、よく見ればディズニーキャラクターという凝りよう

 

↑裏側

 

実は、この商品はサンプルを送って頂いたのですが、あまりの愛らしさに「保存用」を別に購入しました。したがって、「自腹買い文具」に含めてもいいのです。

 

【商品情報】
プラス
カモフラージュホルダー 限定ディズニーデザイン
各300円(税別)

 

3. 段違いに色が濃いゲルインクボールペン

ユニボールワンはごくシンプルなゲルインキボールペンなのですが、色が鮮やかで、黒も濃いことが特徴だと、メーカーは言っています。私は最初、黒以外の色はともかく、「黒が濃い」ということがどういうことなのかピンと来ていなかったのですが、いろいろなボールペンの黒を書き比べたところ、よくわかりました。

 

圧倒的に黒いのです。黒インクが黒いのは当然なのですが、その黒さが段違いというべきでしょうか。試す価値は大きいです。

 

ちなみに、今風の“くすみカラー”の限定色も出ていますので、そちらもおすすめです。

 

【商品情報】
三菱鉛筆
ゲルインクボールペン ユニボール ワン
120円(税別)

※写真は、数量限定モデル(各360円・税別)

 

4.“日本の色見本帖”が付箋に

このシリーズではシールが人気で、今年のISOTの「日本文具大賞デザイン部門」にも選ばれていましたが、私はあえて付箋を推しましょう。

 

デザインや色の素敵さは言うに及ばず、色が「●●系」と、系統でまとめられているのがいいですね。同系統なら異なる色でも統一された印象を与えられますから、たとえば手帳に異なる色のふせんを使っても、全体としてまとまりが出るのです。ガチャガチャしません。色味も落ち着いていてすばらしいです。

 

↑手帳に。全く異なる色のようで、不思議とまとまりが出る

 

【商品情報】
カミオジャパン
日本の色見本帖付箋短冊
各400円(税別)

日本の色見本帖マスキングテープは文房具総選挙2020の準大賞に輝いた
https://getnavi.jp/stationery/496518/

 

5. 定番ノートの専用修正テープ

以前、連載でも取り上げましたが、かなり黄色が強いロルバーンの紙に合わせた修正テープが出たことは、本当に画期的でした。「合う修正テープがないから」という理由でロルバーンを敬遠していた人も、これからはロルバーンを選択肢に入れられるでしょう。

 

ロルバーンは限定柄が多いのが特徴なのですが、修正テープがあれば、コレクションするだけではなく、どんどん使えますね。

 

【商品情報】
デルフォニックス
ロルバーン 修正テープ
330円(税別)

【菅未里の自腹買い文房具】大定番ノート「ロルバーン」がリングノート苦手派にも支持される理由
https://getnavi.jp/stationery/553186/

 

文房具業界も新型コロナによるダメージは受けました。しかし、ユーザーは自宅にいる時間が長くなったので、お手元の文房具を整理したり、しまい込員でいたものを引っ張り出したりと、自分なりのしかたで文房具と向かい合えた一年だったのではないでしょうか。

 

メーカー側も変わった一年でした。特に、SNSやインターネットの力が再認識されたのが大きいですね。子育て中でなかなか文房具店に行けない方や、地方の方にとってはプラスもある一年だったはずです。

 

まだまだ新型コロナの収束は見えず、2021年も厳しい時期が続くはずです。でも、文房具は今までのように、いえ今まで以上に、みなさんを助けてくれるでしょう。どんな一年が待っているのでしょうか。

2021年に続く、2020年「文房具」二大トレンドをきだてたくが見立てる!

2020年を何かひと言で表せと言われたら、もう「予想外」しかないだろう。誰がこんな状況を、去年の今頃に予想できただろうか?

 

実際のところ、筆者も昨年末から今年初めにかけての文房具トレンド予想では「東京オリンピックを機会としたテレワーク文房具の普及」とか、呑気な話をしていたわけで。結果として、テレワークが便利になる文房具の普及、という部分だけは当たったことになるが、いやはや、それがオリンピックが中止になるほどの世界的なコロナ禍が要因だとか、想像がつくはずもない。

【関連記事】
世相を占う!? 2020年へ続く、2019年文房具の三大トレンド
https://getnavi.jp/stationery/460500/

 

コロナは収まるのか? ワクチンは効くのか? 経済は立ち直るのか? などといった不確定要素盛り盛りの現状では、2021年にどのような文房具が流行るか? のトレンド予測なんて無理中の無理! というのが、本音だ。

 

だから今回はひとまず、結局のところ今年はどういったジャンルの文房具が人気だったのか、を振り返ってみよう。一応の可能性として、文房具業界ではこの2020年トレンドがもう少し続くような気もしているのだ。いや、断言はできないけれど……(弱気)

 

1. テレワーク文具は、より在宅ワーク仕様へ!

ひとつ確実性が高いのが、冒頭で述べた「テレワークが便利になる文房具」というジャンルがさらに普及しそう、ということ。

 

その中でも今年とくに注目されたのが、自宅でもオフィスに近い作業効率性が得られるペンケースやバッグ。通称“携帯型オフィス”とよばれるものだ。

 

↑携帯型オフィスの代表格

 

LIHIT LAB.
HINEMO スタンドポーチ Lサイズ
3950円(税別)
https://getnavi.jp/stationery/495392/

 

2020年に発売されたものは、東京オリンピック含みのテレワーク需要増を見越して作られていたはずだが、それがタイミング良く(というのも言葉が悪いが)コロナ禍にハマッたという次第である。

 

基本的には「展開すれば場所を選ばずどこでも仕事が始められる」という機能が主軸。発売当時、その「場所を選ばずどこでも」にはカフェやコワーキングスペース成分が多く含まれていたはずだが、コロナ禍によってテレワークで働ける場所は、ほぼ自宅一択となってしまった。

 

↑一見するとビジネストート風のバッグが、ジッパーで3辺フルオープンして自立

 

↑作業空間に“壁”を作ることで、周囲に「いま仕事中」をアピール。自宅テレワーカーには必須の機能かもしれない

 

自宅と、その他のオフィス外ワークスペースでなにが違うか? というと、大きいのは「子どもを含めた家族が常時いること」と「机・椅子など設備の有無」だろう。一人暮らしであればさほど関係ないが、特に子どものいる世帯で家族の問題はかなり重要だ。自分以外の人間が仕事と関係なく動くだけでも集中力が落ちるし、仕事オン/オフの切り替えも難しくなる。

 

そういう場合に有効なのが「HINEMO スタンドポーチ」(LIHIT LAB.)のように、バッグが変形してパーテーションになる製品だ。視界を制限して集中力を高め、さらに子どもにも「これが机にあるときはお父さん/お母さんは大事な仕事中だから」と説明しやすい。

 

今後もおそらく“携帯型オフィス”は、オンオフを物理的に区切る方向で進化するのではないだろうか。

 

また、自宅仕事において「自宅の狭い机や硬い椅子で、長時間働くのはしんどい!」ということは、多くの人が体感しているはず。オフィスにある仕事専用の机や座り心地の良い椅子は、実は当たり前のものじゃなかった、という話である。そこで必要になるのが、そういった環境を改善するツール類だ。

 

文房具ではないが、カウネット「ワークサポートクッション エアーイン」は、エアで前傾姿勢に調整できるクッションで、硬いリビングの椅子をオフィスの機能性チェアに変えてしまう。テレワークで腰痛を患ったという人にとっては、天恵とも言える製品である。

↑仕事向きではないダイニングチェアを、機能的なオフィスチェアに変身させる

 

カウネット
ワークサポートクッション エアーイン 座用/ワークサポートクッション 背用
8789円/5489円(ともに税込)

 

↑クッションで前傾姿勢を作ることによって背筋が伸び、腰痛予防に効果を発揮する

 

おそらくコロナが収まったあとも、一度動き出したテレワークへの流れは進むはず。であれば、自宅をオフィスに近づける動きもまた止まらないと思うのだ。

 

テレワーク・在宅ワークに最適な文房具&雑貨

【文房具総選挙2020】テレワーク&フリーアドレスに便利な文房具10選
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ボールペンは先鋭化とインク沼化がさらに進むかも?

コロナ禍とは特に関連性がないが、今年はボールペンにちょっとした動きがあった。油性ボールペンの先鋭化と、ゲルボールペンの“インク沼”化である。

 

まず、油性ボールペンの先鋭化だが、これは2019年末に発売された世界最細0.28㎜径の油性ボールペン「ジェットストリーム エッジ」(三菱鉛筆)に端を発するムーブメントだ。

 

昨今は、ゲルボールペンも0.4㎜以下の極細字が好まれる傾向だが、インクにじみがない油性ボールペンは、同じボール径でもゲルよりはるかにシャープな線を書くことができる。もちろん、細字になるほど紙への筆記抵抗は増してカリカリと引っかかるのだが、それをなめらかな低粘度油性インクで打ち消した、というのがポイントである。

↑油性インク世界最細0.28㎜を多色化

 

三菱鉛筆
JETSTREAM EDGE 3(ジェットストリーム エッジ 3)
2500円(税別)
https://getnavi.jp/stationery/551511/

 

↑多色ペンなのにリフィルがまっすぐ出る、画期的な機構を搭載

 

2020年は、多色化した「ジェットストリーム エッジ3」(三菱鉛筆)に加え、同じく低粘度油性インクのライバルであるアクロインクを搭載した0.3㎜径の「アクロボール Tシリーズ 03」(パイロット)も登場。

 

極細字の多色でもリフィルが傾かず安定した書き味のエッジ3、本体価格が税別150円と安価なアクロ0.3と、選択肢が増えたことで、ユーザーの注目度はさらに高まるはずだ。

 

いま手帳業界では、名刺の大きさに近いコンパクトなミニ5サイズの人気が高まりつつある。小さな紙面に細かく書き込みをしたい需要に対しても、先鋭化した油性ボールペンはリーチするはずだ。

 

↑低価格で極限の細さを体感できるのが嬉しい

 

パイロット
アクロボール Tシリーズ03
150円(税別)

 

対してゲルボールペンは、インクカラーに注目が集まった。

 

例えば、1月発売の三菱鉛筆「ユニボール ワン」は、ローンチ時点で早くも全20色(0.38㎜のみ)と揃えの良いゲルボールペン。しかも特殊な顔料を配合することで、これまでにないクッキリとした発色を可能としているのが、最大のポイントだ。

 

黒インクはテカりもなく非常に黒々としており、ボールペン史上最も黒い! とすら言えるし、黄色やピンクといった淡い色でさえ筆記色としてしっかり視認できるクッキリさを持っている。

↑これまでにないクッキリ発色

 

三菱鉛筆
uni-ball one(ユニボール ワン)
0.38㎜(全20色)/0.5㎜(全10色)
各120円(税別)
https://getnavi.jp/stationery/485229/

 

↑ピンク系やブルー系など人気の高いカラーに重点を置いてきたな、というカラーラインアップ

 

11月には数量限定ながら追加で9色が発売されたし、今後もおそらく次々と色を増やしていくことは予想できる。

↑「ユニボール ワン」に登場した、朝・昼・夜にマッチした3色、という限定カラー。どれも良い色揃いなので、定番化して欲しいほど(https://getnavi.jp/stationery/557305/

 

ゲルボールペンのカラーといえば、現時点ではゼブラ「サラサクリップ」の全56色が最強。だが、「ユニボール ワン」はクッキリ発色を武器に、間違いなくゲル最強王座を狙ってくるはずだ。

 

また、いま文房具マニアを中心にじわじわとユーザーが増えているのが、一見すると黒だがよく見ると違うダークカラー、通称「カラーブラック」である。

 

既存のゲルボールペンに、次々とラインアップ入りすることからも注目度合いは伺えるが、なんと全6色カラーブラック! というピーキーな「ボールサインiD」(サクラクレパス)が登場するに至っては、もはや人気は本物だろう。

 

ニュアンスのある絶妙なカラーブラックは、ビジネスシーンでも使える大人の遊びカラーとして、より広まっていきそうな気配である。

↑ラインアップ全部がカラーブラック、という珍しさ

 

サクラクレパス
ボールサインiD
ライトグレー軸(0.4mm)/ダークグレー軸(0.5mm)
各200円(税別)
https://getnavi.jp/stationery/557305/2/

 

↑6色の黒はどれも深みがあり、大人の余裕をイメージさせる。高級金属軸に入れて使ってみたいと感じる人も多いのではないか

 

実はここ十数年、ボールペンといえば「書き味の良さ」が価値観の基準となっていた感が強い。ただ、最近の「先鋭化」や「インク沼化」は、もちろん書き味の良さは大前提にあるとしても、それ以外の新たな価値観の模索の結果にあるように思う。

 

他にない線の細さや特殊なカラーなど、そういった部分でボールペンを選ぶ、新しい時代にもう差し掛かっているのかもしれない。

 

“先鋭化”“インク沼化”したボールペン

超細字なのになめらか!「ジェットストリーム」と「ハイテックCコレト」に登場した次世代ボールペンを検証
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変態ボールペン「ジェットストリームエッジ3」が超極細芯なのになめらかな理由はペン先の“偏り”にあった!
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120円で驚きの完成度!三菱鉛筆「ユニボールワン」は新開発のくっきりインクで記憶に残る字を書ける
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ボールペンにも“インク沼”!? 2020年のボールペントレンドを象徴する色にこだわった2選
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色味は渋いが使い道は多彩!ぺんてる「プラマン」と呉竹「ドットスタンプペン」のベイクドカラーが使える!
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「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
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ボールペンにも“インク沼”!? 2020年のボールペントレンドを象徴する色にこだわった2選

2006年に“低粘度油性インク”を搭載した「ジェットストリーム」(三菱鉛筆)が発売されて以来、ボールペンは「書き味で選ぶ」時代が続いていた。なにしろ、従来とはまったく次元の違うスルスル感である。その衝撃たるや黒船来港級だったし、誰もが書き味にこだわるようになったのも当然だろう。

 

しかし、翻って2020年現在、「もう書き味にこだわるのは、しばらくいいんじゃないかな……」というムードが漂っているような気も、少ししているのだ。実際、近年のボールペンで、書き味に根本的な不具合がある製品というのは見たことがないほど、全体的に進化しているわけで(好みの差はもちろんあるが)。さらには一周回って、「低粘度じゃない昔の油性のネチャッと感も、ある意味アリだよね」なんてことを言い出す人も出るほどなのだ。

 

では、今はどこでボールペンを評価するのかというと、「インク色で選ぶ」時代に突入しているように思うのだ。

 

最近の文房具業界では“インク沼”(万年筆のカラーインクを集める趣味)なんてワードが流行っているように、筆記色をあれこれ変えて遊ぶことは、充分に“ホビー”として成立している。それなら、より日常的な筆記具であるボールペンだって、色で遊んで悪いことなんかないはずだ。好きな色で書くことは、ごく当たり前に楽しいのである。

 

もちろん筆記具メーカーは、そんなことは先刻ご承知で、ここしばらくのボールペン新製品はまず一番に、インク色をアピールすることが増えている。そこで今回は、最新の「インク色がおすすめのボールペン」2種を紹介しようと思う。

 

特濃発色の「ユニボールワン」に限定色が登場

三菱鉛筆の「ユニボールワン」と言えば、新開発の顔料系ゲル「ワンインク」を搭載し、発色の良さで大人気となっているボールペンだ。

 

発売当初は、黒インクが従来のどのペンよりも、濃く黒々と美しいことで話題になったのだが、実は同時発売の他20色も素晴らしい発色なのだ。特に、読みにくいはずの黄色で書いた文字ですらはっきり読めるのには驚かされたほど。

 

その超クッキリ発色シリーズに、早くも新色(ただし数量限定生産)が、しかも9色も登場したとなれば、それは注目せざるを得ない。

三菱鉛筆
ユニボールワン 限定色
各120円(税別)

 

新色は、左から「MORNING TIME STUDY」「DAY TIME STUDY」「NIGHT TIME STUDY」のアソートパッケージ3種に3色ずつ、計9色という形で発売されている(バラ売りもある)。この秋冬シーズンのテーマカラーの中から、それぞれ朝・昼・夜の時間帯をイメージさせる3色をセレクトした構成だ。

 

これがまぁ、どれもイイ色揃ってるなあ! という感じ。ちなみに「NIGHT TIME STUDY」の3色だけがボール径0.5mmで、他は0.38mmとなっている。

↑こちらが3本アソートパッケージ。パッケージも、シンプルでおしゃれでいい

 

筆記見本(下写真)を見てもらえば分かると思うが、スカッと抜けたターコイズブルーやサンフラワーイエロー、ほんのりしたコーラルと、どれもしっかりと視認できる発色だ。これはさすがワンインク! といったところで、あらためてその実力の高さを感じている。

 

この明るさ・淡さで文字が読める色とは、実は非常に難しいのである。

↑1日の時間帯をそれぞれイメージした配色。朝のアッシュブラウンは、コーヒーのイメージ?

 

そういった性能の部分とは別で、色そのものの面白さ・新しさも非常にいい。個人的に特に興味深かったのは、ピスタチオグリーン、シトロン辺り。これらは、先ほどのスカッと抜けた色とは対照的に、かなり濁った色なのだが、想像した以上に深みがあって、しみじみといい色だなぁと感じられる。

 

なかでもシトロンは、下手すると「黄色に、間違えて黒を混ぜちゃったんじゃないの?」と思ってしまうような、どんよりとした濁りっぷり。基本的に濁り色はどうしても汚くなりがちなので、従来のボールペンカラーのラインアップには、まず入ってこないのだ。

 

つまり、そこを押してでもこの色を入れてみよう……とメーカーが判断するほど、昨今のユーザーの色感覚は熟成してきているのかもしれない。

全色をトレンドのカラーブラックで統一した「ボールサインiD」

もうひとつ紹介したいのが、サクラクレパスの「ボールサインiD」である。

カラーラインナップは6色。なんと、全色をいま流行のカラーブラック(一見すると黒に見えるような、濃いダークカラー)で揃えたという、なかなかピーキーなシリーズだ。

サクラクレパス
ボールサインiD
ライトグレー軸(0.4mm)/ダークグレー軸(0.5mm)
各200円(税別)

 

色名もすべて「○○ブラック」で統一しているこだわりようで、いわゆるダークカラー系とは一線を画す黒さである。

 

書いてみてもほぼ黒。よくよく見ると、ほんのり色が入ってるかな……? という濃さ。正直、あまりに黒すぎて、並べて見ないとどれがどの色なのか、すぐには判断できないほどだ。

 

さすがはキャッチコピーで「6色の黒 誕生」と謳うだけあって、ガチ黒。

↑写真に撮ると色味が分かりやすいが、目視だともっと黒に近く感じる。落ち着きのある渋色揃いだ

 

カラーブラックの面白さのひとつに、ビジネスシーンでの使いやすさが挙げられる。やっぱり仕事で使う書類やノートにカラフルなインクで書き込みをしていると、周囲や上司に「なに不真面目なことやってんだ」という目で見られる可能性もなくはない。

 

対してカラーブラックなら、わかる人だけがわかるという、大人の秘密の遊びとして成立するのだ。

↑ツルンとシンプルなルックスは、まさに最近のトレンド。ただし、素材的に滑りやすくグリップ感が薄いので、手汗をかく人は握りづらいかもしれない

 

外見はとてもシンプル。六角形と丸形を組み合わせたような独特の軸に、ノックノブ兼用の金属クリップと色表示パーツのみ。刻印も最小限で、他に装飾らしきものは一切ないのだから、徹底している。

 

「ユニボールワン」とも共通することだが、この極端なまでのシンプルさも、令和のボールペンデザインの流行のひとつと言えるだろう。

 

 

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変態ボールペン「ジェットストリームエッジ3」が超極細芯なのになめらかな理由はペン先の“偏り”にあった!

「用途に合わせてボールペンを使い分けよう」と聞いてピン! ときた人は、“文房具リテラシー”がとても高い人だと思う。

 

もちろん、基本的にはお気に入りの書き味のペンが1本あれば充分なのだが、例えば、手帳に細かくみっちり書き込むには極細かつ、滲みにくいペンが便利だ。場合によっては多色が欲しいし、消せた方が便利かもしれない。対してハガキの宛名書きをするなら、太めでサラサラ書けるものがいいし、インクの耐水性も気になるだろう。

 

こういった用途すべてをお気に入りの1本でまかなうというのは、やっぱり難しい。だって、求められる要素がまったく異なるから。

 

といっても、その様々な用途にそれぞれ対応できるペンがある、という状況自体がごく最近の話。ひと昔前であれば、ボールペン=もったりした油性インクでボール径も0.7mmのみだったし、それですべての筆記作業をこなすのが普通だったわけで。

 

つまり、近年のボールペンの進化というのは、ざっくり言えば「環境に合わせた細分化」であり、「機能の先鋭・専用化」と言える。であれば現代において、ボールペンは用途によって使い分けたほうが便利、というのはご理解いただけるのではないか。

 

超極細字専用ボールペン「ジェットストリーム エッジ」が待望の多色化!

で、その機能の先鋭化した最先端のひとつとして挙げられるのが、三菱鉛筆から2019年末に発売された「ジェットストリーム エッジ」だろう。お馴染みの低粘度油性インクで0.28mmの超極細字がサラサラ書ける、まさに“すごく細い線を書くための専用ツール”である。

【関連記事】超細字なのになめらか!「ジェットストリーム」と「ハイテックCコレト」に登場した次世代ボールペンを検証
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発売された当初は、その機能的なトンガリ具合に驚いたものだが、そこから1年も経たないうちに登場した多色タイプの「ジェットストリーム エッジ 3」(以下、エッジ3)に、また驚かされたのである。これ、見た目からしてすごい”変態ペン“なのだ。

三菱鉛筆
JETSTREAM EDGE 3(ジェットストリーム エッジ 3)
2500円(税別)

黒・赤・青の3色のインクを搭載する。 2020年11月25日発売。

 

↑エッジ3と、単色の「ジェットストリーム エッジ」(右)

 

見た目は、ワイヤークリップや六角の金属軸、タテ溝の入ったグリップなど、単色エッジの特徴的な要素をピンポイントに継承。ただ、単色エッジが軸後部に向かって細くなる独特な形状をしているのに対して、エッジ3は全体的に真っ直ぐ。

 

ただ、驚かされたのはそこじゃない。先端をよく見ると、芯先が出てくる穴が、コーンごと軸中心から大きくズレているのである。え、なにこれ、すっごく変だぞ!?

↑芯先が中心から大きく偏ったポイントノーズ。これが、エッジ3のもつ最大の特徴だ

 

いかにも”変態“チックな“偏心コーン”ことポイントノーズには、もちろん理由がある。これは、従来の多色ペンが誕生以来ずっと抱え続けてきた、“芯先ナナメ問題”を解決するためのカタチなのだ。

 

これまでの多色ペンは構造的に、内部のリフィルを軸中央にまっすぐ降ろすことができない。先端がコーンの内壁を沿って露出するため、わずかに芯先がナナメに傾いてしまうのである。つまり、芯が普通よりも“寝た”状態になる→ボールが正常に回転しにくい→インクがかすれるなどの症状が出やすい、というわけだ。

 

これはもちろんわずかなものなので、気にならない人にはまったく問題ない。だが、気になる人には「多色ペンはなんか気持ち悪い」と感じさせる要因にすらなり得るだろう。

↑エッジ用リフィルを、従来の多色軸に装填した図。軸の中心(赤線)に対して、露出したリフィル(青線)は4〜5度ほどナナメになっている

 

なにより、芯先がナナメになって起きるトラブルは、ボールが小さいほど発生しやすくなる。それが0.28mmの超極細ともなれば、やはり芯先はナナメにならないほうが安心。

 

そこで、ポイントノーズである。エッジ3は、軸後端のダイヤルでリフィルを選ぶ回転繰り出し方式なのだが、このダイヤルを回転させるとリフィルが軸内部で回転しつつ、ある位置で前方にグイッと押し出されるようになっている。この押し出される位置が、ちょうどポイントノーズの口に当たるのだ。

↑ポイントノーズから常にまっすぐリフィルが出る、新しい回転繰り出し方式の“スピロテック機構”

 

動きを見てみよう。

 

つまり、芯先はコーン内壁に当たることなく真っ直ぐに露出する。これで、多色ペンの“芯先ナナメ問題”は解決だ!

 

スピロテック機構は本当に快適な書き心地をもたらすのか?

ただ、正直なところ筆者は、多色ペンに対して不快な書き味を体感したことはあまりない。このスピロテック機構から、そこまでメリットを享受できるかしら? と訝しんでいた。

 

そこで、エッジ用0.28mmリフィルを従来の「ジェットストリーム」多色タイプに装填(エッジリフィルは共有可能)して試してみたのだが……あれ? ちょっと書きにくい?

 

普通に60度ほどの適正角度で握って書けばなんの問題もないが、少し寝かせ気味に持つと、途端にカスレや引っかかりを感じるようになった。確かにボールが小さいほど角度による回転不良は発生しやすくなるので、これくらいのささいなナナメでもトラブルにつながるようだ。

↑超極細字が、多色でもスムーズに書ける!

 

対して、エッジ3はとても快適。たったいま従来の多色ペンでは不良が出た角度でも、きちんとサラサラ書くことができる。なるほど、径が超極細にまでなると、わずかな差が大きく響くようだ。

 

また、ポイントノーズの特殊なフォルムも、使ってみれば違和感はほとんどなし。特に慣れるような手間もかからず快適だ。先端がニードルのように細いポイントチップは、筆記点がよく見えるし、超極細由来のカリカリ感と低粘度油性のなめらかさが上手い具合に噛み合って、とても気持ちよく書くことができる。

↑インク色選択は軸後端のダイヤルで。色表示はないので、リフィル先端の色帯を確認するしかないのは、ちょっと不便かもしれない
↑リフィル交換は、グリップ部をまっすぐ引き抜いて行う。ネジ式じゃないので最初は少し戸惑った

 

この書き味のバランスはなかなか秀逸で、ここまで極細でも、比較的紙を選ばない。特に手帳用の薄い紙でもひっかかりなく、細かい字がサラッと書けるので、多色と合わせて手帳用筆記具として重宝しそうだ。

 

単色エッジと違って軸がストレートなのも、手帳カバーのペンホルダーにすんなり入れて持ち運べるように考えてのことだろう(単色エッジは形状的に、ペンホルダーには入れづらかった)。

 

なにより、0.28mmの細い線と3mm方眼の相性は抜群なので、「ジブン手帳」ユーザーにはマストなペンとして人気が出るんじゃないだろうか。

 

 

「きだてたく文房具レビュー」 バックナンバー
https://getnavi.jp/tag/kidate-review/

 

“細筆”感覚の軽快なタッチが心地良い! ジェットストリーム誕生の伏線となった三菱鉛筆「ユニボール5」

【文房具愛好家・古川耕の手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す、放送作家の古川耕氏。雑誌『GetNavi』で「手書き」をテーマとした新連載をスタートした。デジタル時代の今だからこそ、見直される手書きツール。いったいどんな文房具の数々が披露されるだろうか。第1回は“赤青鉛筆”と呼ばれた懐かしの「朱・藍鉛筆」、今回は?

 

第2話

三菱鉛筆
ユニボール UB-105
110円(税込)

1981年に発売された水性ボールペン。事務用水性ボールペンの定番として根強い人気を誇る。インクは黒・赤・青の3色で、乾くと耐水性に変化。ボール径は0.5mm。

 

ジェットストリームに影響を与えた軽やかなタッチの一本

人とボールペンの話をしていて、どうやら自分はボールペンの“重さ”に人一倍関心があると気が付いた。具体的にいうと、ボディの重心のバランスとインクの粘度、ボディの重量の関係をいつも気にしている。例えば、ここ数年で定着した滑らかな低粘度油性インクなら、断然ボディも軽いほうがいい───と力説しては怪訝な顔をされている。でも自分としては、重さは誰でも分かる、最も直感的な“性能”だと思っているのだけど。

 

この観点で一番好きな一本は三菱鉛筆の水性ボールペン「ユニボール UB-105」、通称「ユニボール5」だ。水色のプラスティックボディがチープでかわいらしく、手に取ると見た目の印象どおりに軽い。水性ボールペンらしい潤沢なインクフローはかすれ知らずで、軸の真ん中あたりを軽くつまんでペン先を走らせると、まるで細い筆を扱っているような軽いタッチが楽しめる。ここまで書いていて心地良いペンはそうない。

 

初めてこのペンを意識したのは、三菱鉛筆の市川秀寿(いちかわしゅうじ)氏が愛用していると本人にうかがったときだ。2006年、ボールペンの歴史を決定的に変えた低粘度油性ボールペン「ジェットストリーム」の生みの親である市川さんは、油性インクの「重さ」が苦手で、UB-105のような書き味を目指しこのインクを開発したという。日本文具史にとって極めて重い意味を持つペンは、なんとも軽やかな一本から生まれたのだ。

 

【第1話】久米宏氏の美学を見た! 扱いにくくも書くのが楽しい、懐かしの“赤青鉛筆”
https://getnavi.jp/stationery/524920/

 

久米宏氏の美学を見た! 扱いにくくも書くのが楽しい、懐かしの“赤青鉛筆”

【文房具愛好家・古川耕の 手書きをめぐる冒険】

文房具をこよなく愛す放送作家の古川耕氏。雑誌『GetNavi』で通算101回を数えた長寿連載「文房具でモテるための100の方法」を完走したのち、心機一転、「手書き」をテーマとした新連載をスタートする。デジタル時代の今だからこそ、見直される手書きツール。いったいどんな文房具の数々が披露されるだろうか。

 

第1話

三菱鉛筆
朱・藍鉛筆
792円(1ダース/12本入り)
赤(朱)芯と青(藍)芯を合わせた鉛筆。赤と青の比率は5:5と7:3の2通りある。久米さんが使われたのは、木の端材で作られた「リサイクル」鉛筆シリーズの5:5タイプ(写真下)。赤青鉛筆と呼ばれることも。

 

人によって削られた鉛筆の美しさを再認識

TBSラジオで13年以上続いた「久米宏 ラジオなんですけど」が、この6月に最終回を迎えた。久米さんの相方を務めていたTBSアナウンサーの堀井美香さんがその生放送直前、こんな文章を写真と共にツイッターに投稿していた。「真正面の久米さんはいつもこの風景でした。青エンピツ、チョコレート、紅茶。そしてきっちり揃えられた原稿」

 

久米さんは、番組当初から自分にしか読めないような文字を台本にちょこちょこ書き込んでいたらしい。テレビキャスター時代はテレビ映りを気にして高級ボールペンを使っていたそうだが、ラジオでは素朴な赤青鉛筆を好んで使い続けていたそうだ。

 

スマホでじっと写真を見つめているうち、たまらなくなって近所の店に出かけたら、赤色の比率と青色の比率が7:3の「朱藍鉛筆」があったので買ってみた。早速両端を削って使い始めたら、これが思った以上に……扱いづらい。印刷指定等に使う青鉛筆は、黒芯より筆滑りが悪く色が淡い。おかげで最後まで集中して書くので文字が少しだけ綺麗になった、気がする。結果、青のほうが消費ペースが速いというのは計算違いだったが、楽しみながら使っている。

 

最終回の放送でも久米さんは相変わらず明晰で、優しくて、写真に写った赤青鉛筆そのものだった。ボールペンでもサインペンでもなく、人の手によって削られたその鉛筆は、確かにとても美しかった。

スマホの品質試験に三菱鉛筆uniが使われる?? 鉛筆の最高峰「三菱鉛筆uni」に隠された6つの秘密!

進化するスマホやSNSを使ったコミュニケーションに対して、改めて見直される手書きの世界。特に鉛筆での手書きは独特の風合いがあり、書いて消せるという機能性で、再評価されています。その鉛筆の分野で最高峰を誇るのが三菱鉛筆uni。発売から今年で60年を迎えるという幅広い層に親しまれた鉛筆です。

 

しかし、なぜuniが最高峰なのか、通常の鉛筆と何がどう違うのかまでを知っている人は少ないかもしれません。今回はそんなuniに隠された秘密に迫ります。

nakamurasan↑今回は三菱鉛筆商品開発部の中村圭佑さんにお話を伺いました

 

 

【秘密その1】uniは当初プロユース商品だった!?

――日本製鉛筆の最高峰と言われるuniですが、最初に発売された当初は、一般向けではなかったそうですね。

 

中村圭佑さん(以下:中村) uniが最初に発売されたのは1958年、ちょうど60年前のことです。当時はまだコンピュータは一般的でなく、プロアマ問わず何かを書くときは鉛筆が基本でした。

 

開発のきっかけは、昭和28年(1953年)に当時の技術部長が欧米を視察した際、日本の鉛筆への評価が意外に低くドイツ製品の模倣と揶揄されたことでした。他社にない独自の製品を作るために原材料から見直し、芯はこれまでにない黒くなめらかな芯、塗り色、商品名にもこだわった商品を開発し昭和33年(1958年)に発売しました。

 

当時の標準的な鉛筆が1本10円ほど、最も高級なもので1本30円でした。uniは50円(※)と高級品だったため仕事で製図をするような限られた専門家が使うことを予測して、プロユースとして「高級製図用鉛筆」と銘打って発売したわけです。当時は、サラリーマンの初任給が約1万5000円の時代で、当時のコーヒー1杯分の価格と同等という高級商品でした。

 

※:今の大卒の初任給から換算すると1本700円

 

uni-1↑発売当初のuni。ネーミングは英語の「unique(唯一の)」から取られたとのこと

 

【秘密その2】鉛筆の、プラスチックケースでのダース販売は、uniが初めて行った!

――そのuniが一般に浸透していったのはなぜですか?

 

中村 発売してみると、プロユース向けの製図用という位置づけでしたが、店頭ディスプレイ用に飾った小学校前の文房具店などでも売れて、予想をはるかに上回る売れ行きだったそうです。当時の小学生にとって憧れの鉛筆だったとおっしゃるる方がいまも多くいらっしゃいます。

 

――uniと言えばプラスチックケースがあって、これも格式高い印象です。

 

中村 そうですね。uniのダース販売の際、プラスチックケースを採用したことも憧れの商品となった要因の一つだったようです。それまではダースは紙箱が主流で、当時はプラスチックという素材自体も最先端でした。さらにこのプラスチックケースというものは筆箱のように使うことも出来ました。こういうところも学生の憧れの的になったようです。

 

――そのプラスチックケースには当初、鉛筆の芯を整えるための削り器も付いていたとか。

 

中村 プラスチックケースはこの60年の間に3回のリニューアルがあり、現在は4代目なので、初代ケースの最初期のものには削り器が付いていました。その後、削り器から消しゴムへと変わりいまも消しゴムがセットされています。

 

 

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uni03↑上から初代(1958年~1963年)、2代目(1964年〜1970年)、3代目(1971年〜1987年。初代のプラスチックケースは手作業でアルミ製のヒンジを取り付けりと可変する仕組みで、箱の中には削り器が内蔵されていました

 

【秘密3】約160色の候補から選ばれた独自開発の色で塗装!

――そして、uniのイメージカラーです。この和風とも洋風とも言えない独特のカラーリングも、かなり格式高い印象ですね。

 

中村 海外ではメーカーごとに代表製品の鉛筆のカラーリングに特徴があり、色だけを見ても「どこそこのメーカーの鉛筆だ」という風に認識できます。uni以前の日本製鉛筆は、塗り色や商品名など伝統的に欧米のメーカーの影響を受けていたので、いざ海外に持っていくと、「ヨーロッパの鉛筆の真似だな」と思われがちな面があったようです。

 

こういった点でもuniはオリジナリティを持って開発しました。えび茶色とワインレッドを組み合わせた独自の色で、実際に160色くらいの色を軸に塗り、徐々に絞り込んでこの色になりました。

 

 

【秘密その4】「Hi-uni」は世界最多の22硬度をラインナップ!

――uniが浸透するにつれ、様々なシリーズ商品も展開されました。特にHi-uniはハイスペックの位置にあるようですね。

 

中村 Hi-uniが発売されたのは、最初のuniが発売されてから8年後の1966年です。さらに品質の良いものとして開発され、通常のuniが現在1本90円のところを、Hi-uniは1本140円と、約1.5倍の価格帯となっています。

 

Hi-uniは2008年にuni発売50周年を記念し、世界最多の22硬度をラインナップしました。硬いほうが10Hで、柔らかいほうが10Bまで。様々な分野で書き分けて使っていただけるように展開しています。

 

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陞ウ貅ス蛻、Hi-uni↑uniのハイスペック、Hi-uniのフルセット。22本で3300円(税別)と高価な鉛筆です

 

koudocheck↑実際にHi-uniで書いてみました。一番上が10H、真ん中がHB、一番下が10B

 

 

【秘密その5】uniはスマホ用ガラスフィルムなどの引っかき硬度試験にも使われている!

――さらにuniはJISの試験基準に採用されているとのことですが。

 

中村 JIS規格の試験方法に「鉛筆による塗膜性能の引っかき硬度試験」というものがあります。例えば、スマートフォンのガラスフィルム商品。「4H」、「9H」などの該当の硬度がパッケージなどに記載されており、「この商品は鉛筆の4Hで引っ掻いても傷がつきません」という意味に。そして、この試験で使われる鉛筆の例として当社のuniが挙げられております。これは、変わらぬ品質を評価いただいているからこそ、と捉えています。

 

【秘密その6】10月1日はuniの日として記念日として制定されている!

――これだけ長きにわたり、高品質を保ちつつ、幅広い世代に愛され続けるuniですが、将来はどんな展開を考えていますか?

 

中村 uniはこれまでも大きなデザイン変更はありませんでした。変わったことと言えば、バーコードが入るようになったという程度で、時代の進化に合わせて必要な項目を少し変えてきたというだけなんですね。当社にとってuniは非常にシンボリックな商品ですので、この格式と商品の信頼が薄まらぬよう、これからもuniブランドを守り続けたいと思っています。

 

――今年は60周年ですが、何かアニバーサリー的な試みは予定されていますか?

 

中村 10月1日は「uniの日」で「uni」が発売60周年を迎えます。……いまのところはまだ決まっていませんが、今年は何かやれれば良いなと思っています。

 

uniのダース、改めて欲しくなりますね。特に今年は誕生から60年というこの記念の年、その最高品質と格式高い鉛筆に、改めて触れられてみてはいかがでしょうか?

 

目肩腰の疲れに効く!? やさしく真っ直ぐピシッと引ける蛍光マーカー3選

【きだてたく文房具レビュー】疲れ目にも、ヨロヨロした手にも、あわてんぼうにもぴったりの蛍光マーカー

 

この年末に、インフルエンザに感染してしまった。とはいえ、かかってしまったものはしょうがなく、仕事関係の各方面にメールで詫びを入れたら、あとはベッドに入って薬が効くのを待つだけである。

 

どちらかというと問題は熱が下がってからで、せっかくの正月休みだというのに、体内にウイルスが残った生ける生物テロ兵器状態では、出歩くわけにもいかない。熱も無く咳も治まっているが、外には出られず。とはいえ年末の忙しい時期に寝て過ごした焦燥感だけはあるので、ぼんやり休む気にもなれない。

 

こういうときこそ……ということで今年は元旦から、しばらく溜め込んでいた資料を読み込んで、目に付いたポイントを蛍光マーカーで次々とチェックする、という作業に勤しんでいた。

 

で、せっかくの機会なので、各メーカーの蛍光マーカーをとっかえひっかえしていると、「やっぱりこのマーカーはいいな」「おっ、新製品の、悪くないぞ」などといくつか光るものがあったのである。そこで今回は、新旧取り混ぜて、おすすめの蛍光マーカーをいくつか紹介したい。

 

疲れた目にも優しいソフトカラー

使っていてまず感じたのが、前日まで39℃台の熱が出ていた目には、蛍光マーカーのパキッとした発色はけっこうキツい、ということ。もちろん目立たせるための製品だからそれでもいいのだけど、とりあえずもうちょっと柔らかい色でも問題ないだろう。

 

そこでほど良かったのが、パイロットの「フリクションライト ソフトカラー」だ。

↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円↑パイロット「フリクションライト ソフトカラー」全6色 各108円

 

お馴染み、こすって消せるフリクションシリーズの蛍光マーカーだが、このソフトカラーシリーズは名前の通り、発色がソフト。従来のシリーズと比べるとぼんやりと淡い色合いで、つまり紙の白とのコントラスト差が小さくなるので、目が疲れにくいということだ。

↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる↑通常の蛍光色(左)とソフトカラー(右)。ひと目見ただけで淡さと柔らかさが分かる

 

病み上がりの目にも優しい=仕事で疲れた目にも同じく優しいわけで、長時間紙面を見ていても確かに負担が少なく感じた。特にソフトイエロー、ソフトグリーンあたりは穏やかな色調で、目がチカチカせず心地よい。

 

とはいえ色はきちんと付いているので、後から見直しても自分のチェックした部分ははっきりと見分けられるし、使いにくさを感じない。

↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心↑こすって消せるフリクションインクは、ラインの引き間違いをしても安心

 

もちろん他メーカーからも同様のソフトカラーマーカーが発売されてはいるが、フリクションということで「間違ったら消せる」アドバンテージは非常に大きい。

 

どうせ後で消せるから、と思えばこそ、大胆にズバズバとラインを引いていけるのは気分的にもかなりラクなものだ。

 

窓付き&紙を選ばない万能マーカー

蛍光マーカーはチップが大きいため、自分がいま文章のどこまでラインを引いたのかが分かりにくい。そのため、ついついはみ出し・引き足らずが出てしまう。

 

そういうときに便利なのが、先端チップに透明な窓が付いた三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」だ。

↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円↑三菱鉛筆「プロパス・ウインドウ クイックドライ」全10色 各140円

 

この透明窓からチップの下が見えるので、いま自分がどこまでラインを引いたのかがはっきりと視認できる。

 

これは非常に便利な機能で、しばらくプロパス・ウインドウを使ってから別のマーカーに切り替えると「なんでチップの向こう側が見えないんだよ!」と不条理な怒りまで感じてしまう。一度この便利さになれてしまうと、もう戻れないのである。

↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない↑プロパス・ウインドウシリーズならでは窓付きチップは一度慣れるともう手放せない

 

もうひとつ便利なのが、速乾性の高いクイックドライインク。紙面のあちこちにラインを引いていると、気づかぬ間にまだ乾いていないインクの上をこすってしまい、手にインクが付着することがある。

 

クイックドライインクは、乾燥時間を従来の1/3にまで短縮できるため、そういったトラブルが少ない。

↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している↑上が一般的な蛍光マーカー、下がクイックドライ。書いて数秒後に指でこすってみると、クイックドライインクはしっかり定着している

 

インクがあまり染み込まないコート紙などにラインを引いても、驚くほど早く乾くので、こすってしまったときの「あっ、しまった!」という焦りを感じずに済む。写真の多い企業パンフやカタログなどはコート紙が多いので、これは非常に助かるのだ。

 

蛍光マーカーが下手、という人にも安心

蛍光マーカーでラインを引くのが下手、という人は意外と多い。ヘラのような平たいチップだと、少し手元が狂っただけでガタガタとした線になってしまうのだ。

 

筆ペンタイプの蛍光マーカーならガタガタ線のリスクは減らせるが、今度は筆圧が変わると線の太い細いが変わってしまう。なんにせよ難しいのである。

 

そういう蛍光マーカー下手に優しいのが、ぺんてるから昨年末に発売されたばかりの「フィットライン」だ。

↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円↑ぺんてる「フィットライン」全5色 各108円

 

↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する↑太字チップの先端。この溝からぐにっと曲がることでクッション効果を発揮する

 

ツインマーカーの太字(ラインを引く方)チップに爪楊枝の後端のような溝が刻まれており、ここからぐにっと曲がるようになっている。これにより、不要な筆圧をクッションのように吸収し、安定した線が引けるのだ。

↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい↑チップが折れ曲がって不要な筆圧を吸収するので、安定したまっすぐなラインが引きやすい

 

チップの硬さ自体は従来品と変わらないので、筆圧をかけても筆ペンのように線が太ることはない。一方で、クッション効果によって手元の傾きもある程度吸収するので、線のガタツキも減らせるのである。

 

病み上がりで手元がふらつく状態でも、実際にかなり安定した線を引くことができた。これなら、だいたいどんなシーンで線を引いても、きれいな線が引きやすいはずだ。

↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング↑特殊チップが最も実力を発揮するのが、分厚い書籍への曲面マーキング

 

クッションチップのさらに大きなメリットとして、辞書など厚いページ物の曲がった紙面にもきれいに線が引きやすい。曲面を意識して、なぞるように線を引いていくことで、ページののど側のようなマーキングしにくい部分にもスパッとラインを引いていくことができるのだ。

 

不器用な人でも確実に効果が出るという意味で、かなり使いやすい蛍光マーカーと言えるだろう。

 

【著者プロフィール】

きだてたく

最新機能系から駄雑貨系おもちゃ文具まで、なんでも使い倒してレビューする文房具ライター。現在は文房具関連会社の企画広報として企業のオリジナルノベルティ提案なども行っており、筆箱の中は試作用のカッターやはさみ、テープのりなどでギチギチ。著書に『日本懐かし文房具大全』(辰巳出版)、『愛しき駄文具』(飛鳥新社)など。

 

【日用品大賞】ボールペン、どれを選んだら良いか分からない派に贈る 定番6製品の徹底比較でわかった真の実力

ボールペンは種類が多くて、選ぶ際にいつも悩む……という人は多いのではないでしょうか。ここでは文房具のプロ・菅 未里さんが代表的モデルの書き心地や握り心地、機能性などをチェック。各モデルの特徴を鋭く分析しました。6製品を3項目でチェックしていきます。

 

【テストした人】

文具ソムリエール 菅 未里さん

文房具を紹介するコラムの執筆や商品の開発など、幅広く活躍します。メディアへの出演も多い。

 

機能性や用途を考慮して自分向きの逸品を探そう

ボールペンは比較的安価なものが多く、あまりストイックにモデル選びをすることはありません。しかし文具ソムリエールの菅さんは、用途や機能性を考えて慎重に選ぶべきだと語ります。例えばボールペンは、書く対象のスペースがセレクトのポイントです。

 

「手帳など狭いスペースに書くのか、宛名などの大きなスペースに書くのかで細書きか太書きかが決まってきます。手帳用だとペンホルダーに入るかどうかも気をつける必要があります」(菅さん)

 

特に人気があるのが、サラサラとスムーズに書けるモデル。

 

「ジェルのボールペンは人気が高いです。例えばサラサクリップは46色もあり、カラバリにこだわりがあって一気にたくさん文字を書きたい人にオススメですよ」(菅さん)

 

【エントリーNo.01】ゼブラ サラサクリップ JJ15シリーズ

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ゲルインクが濃くてにじまない、サラリとした滑らかな書き味が楽しめます。ラバーグリップがついているので、手にピッタリと馴染みやすく滑りにくいです。実売価格76円。

【書き味】4.5点

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さらさらと滑らかな書き味が楽しめました。滲みやすい濁音府もしっかりと視認できます。

 

【握り心地】4点

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少し硬さのあるグリップで、余分な力を入れずに持つことが可能。太さはちょうど良いです。

【インク流量】4.5点

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力の入れ具合によるインクの量の差が少なかったです。長文でも安定した太さで書けます。

 

【エントリーNo.02】ゼブラ スラリ BN11シリーズ

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油性と水性を混合したエマルジョンインクを世界で初めて搭載したモデル。筆記時には油性のしっかりとした手応えと水性のさらさらとした軽さを楽しめます。実売価格92円。

【書き味】4点

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ちょっとした硬さがあり、多少手応えを感じました。書いている実感を楽しめる味付けです。

【握り心地】4点

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グリップ部には広範囲にラバーがついています。長時間利用して汗をかいても滑りにくいです。

 

【インク流量】4点

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流量は控えめ。小さな文字でも止め跳ねも視認できるので、細文字好きにオススメです。

 

【エントリーno.03】パイロット ハイテックC LH-20Cシリーズ

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パイプの先端にある3つのくぼみによって極小超硬ボールを支えることで、自然なボール回転を実現。激細のゲルインクの文字も滑らかに書くことができます。実売価格216円。

【書き味】4.5点

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摩擦が少ないため、細い文字でもグラつかずに書くことができました。跳ねも滑らかです。

【握り心地】3.5点

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すべすべしていて、多少滑りやすいかも。グリップには凹凸があり、指で力を入れやすいです。

【インク流量】4.点

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過不足のない、ちょうど良い流量。手帳から宛名書きまで、幅広く活躍しそうです。

 

【エントリーNo.04】三菱鉛筆 ユニボールシグノ RT1

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チップ先端の角をなくすことでペン先と紙の摩擦抵抗を軽減したゲルインクモデル。スムーズで気持ちの良い書き味を実現しました。継ぎ目が目立たないデザインも秀逸です。実売価格150円。

【書き味】5点

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角がないため一気に書き上げられるという心地良さがあります。力がいらないのも利点です。

【握り心地】4.5点

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先軸全体にラバーグリップを採用。適度な柔らかさがあるため、軽く握りやすいです。

【インク流量】4点

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最初はかすれ気味。すぐに一定の流量になり、安定しました。極細なので手帳に向いています。

 

【エントリーNo.05】三菱鉛筆 ジェットストリーム SXN-150シリーズ

 

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スプリングチップとツインボールという2つの機構を搭載することで、低粘度な独自の油性インクのペン先からの漏れ出しを防止。さらに、インクの逆流も防いでいます。実売価格112円。

【書き味】5点

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筆記抵抗が少なくて、スイスイとペンが滑りました。力を入れずにくっきりと文字が書けます。

【握り心地】4.5点

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グリップはソフトな持ち心地。書き疲れしにくく、長時間の筆記にも向いています。

【インク流量】5点

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軽く書くだけでしっかりとインクが出ます。過不足ない量なので、滲むことも少ないです。

 

【エントリーno.06】ぺんてる ビクーニャ BX155シリーズ

 

 

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超低粘度のビクーニャインキを採用した油性ボールペン。独自の潤滑剤を用いることで、インクをたっぷりとボールに供給。軽やかで滑らかな書き味を実現しました。実売価格139円。

【書き味】4.5点

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手応えがないほど柔らかい書き心地が味わえます。鮮明な筆跡を得ることができました。

【握り心地】4.5点

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グリップ部には指紋ピッチを使用。指先が滑りにくくなっており、フィット感も高いです。

【インク流量】4点

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インクの出は最後まで抜群。途中でダマになることもあるものの、長文も一気に書けました。

 

ボールペン大賞 三菱鉛筆 ジェットストリーム

総評 油性の弱点を克服したジェットストリームが◎

書き味は個性の差も見られましたが、多くは滑らかで高評価に。また、インク流量もどれも高水準で大きな差は生まれませんでした。

「低粘度油性ボールペンのなかで人気・実力ともにトップレベルのジェットストリームはソフトで書き疲れのしにくい握り心地で、サラサラと書いただけでしっかりとした文字が書けるのが◎。ペン先からのインク漏れ対策も十分で、汚れが気になる油性ボールペンの弱点をしっかり解消しています」(菅さん)