絶対作るぞオヤジの秘密基地 – セルフリノベで実現したプライベートジャズバー –

娘さんに部屋を明け渡してもあきらめないオヤジ。奥さんには物置を作ると言ってごまかしたオヤジ。好きなジャズを堪能するオヤジ。宴会で盛り上がるオヤジ。彼らはみんな、秘密基地を持っている。いろんな工具や材料を駆使して不足ない空間を作り、そこにはお気に入りのアイテムを盛大に取りそろえているのだ。余計なものは持ち込まない、自分の趣味嗜好だけを表す理想の空間。そんなオヤジたちの秘密基地を紹介していく。今回の秘密基地は、セルフリノベで実現したプライベートジャズバー。

40歳すぎにシングルモルトウイスキーの虜になったという米山さん。プライベートバーに約600本のウイスキーとスピリッツをコレクション。友人からの電話が開店の合図だ

音楽を愛する者ならば、誰もが一度は「誰にも邪魔されず、大音量で、好きなだけ、音の海に漂っていたい」と夢想したことがあるだろう。そして、そのジャンルがジャズだったら? さあ、想像してみよう。メロウでスムースな演奏に耳を傾けながら、ゆっくりと琥珀色の液体を喉に流し込む。ワンテンポ遅れて鼻から抜ける甘い香り……。そう、頭に浮かぶのは飴色の照明がともるジャズバーだ。そしてここにはそんな憧れのバーのマスターになった男がいる。方法はセルフリノベーションだ。

米山忠章さんは定年退職後、自宅の庭に捨て置かれた廃屋同然の大きな物置に注目。母屋からほどよく離れた場所にあり、これをただ取り壊すのはもったいないと工務店を営む友人に相談。雨漏りの心配がある屋根や壁の施工をプロに任せ、自ら内装工事にチャレンジした。

イメージはオーセンティックなバーだ。日曜大工の経験は犬小屋を作ったことくらいしかなかったが、とにかく手を動かした。広い壁には漆喰を塗布したが、手練りではラチがあかないので撹拌用のミキサービットを溶接して自作。床には20㎜厚の無垢板を敷き詰めたが、すき間があいたりしてなかなかうまくいかないこともあった。そんなふうにリノベーションに奮闘する米山さんの話は周囲に伝わり、自然と廃材が集まってくるようになった。バーカウンターの天板やスツール、それに出入口のドアは、いきつけのバーが改装する際にもらい受けたという“本物”だ。

そうして施工を進めること8カ月、ようやく物置は再生した。スペースの半分がバー、もう半分がオーディオルームという、まさに男の隠れ家の誕生だ。

携帯電話に友人から電話がかかってきたら、米山さんのバーが開店する合図だ。心地よい音楽とうまい酒のある空間ほど、友との語らいの場にふさわしいものはない。ドアを開けるとロリンズのテナーサックスの音色が優しく迎え入れてくれる。今日は何を飲む? 珍しいのが入ったんだよ……。話は静かに熱を帯びていき、夜は深くなっていく。ようこそ、NEWK’S BARへ。

This is MYこだわりモノ「カクテルレシピブック」

日本全国のバーを飲み歩くのがライフワークのひとつという米山さん。そんな米山さんがバーに行った際、注目するのがカクテルの作り方。ときにマスターに直接レシピを聞いたり、カクテルが生まれるきっかけになった逸話をメモ。それをもとにしたオリジナルのカクテルレシピを製作中。プライベートバーに来る友人がウイスキー好きばかりとは限らない。そんなときはこのレシピの出番。米山さんの描く味のあるイラストとカクテルエピソードに、自然と会話の花が咲く。

米山さんお手製のカクテルレシピブック。集まったカクテルのレシピは80。今も更新中だ

HIDEOUT DATA

オーナー…米山忠章さん(64歳)/用途…大音量でジャズが聴けるプライベートバー/建物タイプ…物置のリノベーション/所在地…長野県下伊那郡/延床面積…25㎡/製作期間…約8カ月/施工費…約200万円

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2018年6月時のものです。

 

第22回ドゥーパ! DIY大賞受賞作品集 – キャニスターやペーパーもしまえるコーヒー好きのカウンターテーブル

見どころ満載の「ドゥーパ! DIY大賞」受賞作品を紹介! 今回は「DIY家具部門賞」を受賞した太田恭輔さんの作品。

使いやすいようにキッチンと高さをそろえた。ケトルなどが置かれた収納台は来客時、ベンチとして使用する

お義父さんから結婚祝いにとコーヒーミル、コーヒードリッパーのセットをもらい、コーヒー党になったという太田恭輔さん。「カタチから入るタイプ」を自認する太田さんはコーヒーキャニスター、ドリップケトルなどのコーヒー道具を次々にそろえていった。

そしてコーヒー道具を一挙に収納できるコーヒードリップのためのカウンターテーブルを作りたいと思うようになり、奥さんに相談してみると「そんなものいる?」のつれない返事。妻を納得させるのがファーストミッションだと思った太田さんは、さっそく設計図を描き、キッチン横に置けば洗いもの置き場にもなるし、便利だとプレゼンし、製作のゴーサインをもらう。

カウンターテーブルに使ったのはパイン集成材。設計図をもとに近所のホームセンターで木取りまですませ、自宅で組み立て作業を行なった。キャニスター収納部の四角い窓抜きはジグソーでカット。アクセントになるようにウォールナットなど色の濃い薄板を購入し、キャニスター収納のフタにしている。また、正面の木口面、筋交いはアイアンペイントで塗装して仕上げた。

太田さんの思惑どおり、カウンターテーブルは調理や洗いもの中の作業台としても活躍中。太田さん自身もコーヒーを淹れるモチベーションが格段にアップしたのだとか。

受賞者データ
太田恭輔さん(27歳)
DIY歴2年/東京都府中市
作品データ
製作費 1万8000円
製作期間 3日

取材・文◎宮原千晶(編集部)/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2021年3月時のものです。

第22回ドゥーパ! DIY大賞受賞作品集 – キャニスターやペーパーもしまえるコーヒー好きのカウンターテーブル

見どころ満載の「ドゥーパ! DIY大賞」受賞作品を紹介! 今回は「DIY家具部門賞」を受賞した太田恭輔さんの作品。

使いやすいようにキッチンと高さをそろえた。ケトルなどが置かれた収納台は来客時、ベンチとして使用する

お義父さんから結婚祝いにとコーヒーミル、コーヒードリッパーのセットをもらい、コーヒー党になったという太田恭輔さん。「カタチから入るタイプ」を自認する太田さんはコーヒーキャニスター、ドリップケトルなどのコーヒー道具を次々にそろえていった。

そしてコーヒー道具を一挙に収納できるコーヒードリップのためのカウンターテーブルを作りたいと思うようになり、奥さんに相談してみると「そんなものいる?」のつれない返事。妻を納得させるのがファーストミッションだと思った太田さんは、さっそく設計図を描き、キッチン横に置けば洗いもの置き場にもなるし、便利だとプレゼンし、製作のゴーサインをもらう。

カウンターテーブルに使ったのはパイン集成材。設計図をもとに近所のホームセンターで木取りまですませ、自宅で組み立て作業を行なった。キャニスター収納部の四角い窓抜きはジグソーでカット。アクセントになるようにウォールナットなど色の濃い薄板を購入し、キャニスター収納のフタにしている。また、正面の木口面、筋交いはアイアンペイントで塗装して仕上げた。

太田さんの思惑どおり、カウンターテーブルは調理や洗いもの中の作業台としても活躍中。太田さん自身もコーヒーを淹れるモチベーションが格段にアップしたのだとか。

受賞者データ
太田恭輔さん(27歳)
DIY歴2年/東京都府中市
作品データ
製作費 1万8000円
製作期間 3日

取材・文◎宮原千晶(編集部)/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2021年3月時のものです。

第22回ドゥーパ! DIY大賞受賞作品集 – 窓をふんだんに配置した自然光が心地いいバイクガレージ

見どころ満載の「ドゥーパ! DIY大賞」受賞作品を紹介! 今回は「マックス賞」を受賞した田中秀和さんの作品。

天窓から心地のいい日差しが入るガレージ。土間スペースにバイクを駐車し、メンテナンス作業などを行なう

高校生のころからバイクが好きで、バイクに乗って旅に出ることもあったという田中秀和さんは、お子さん誕生を機に千葉県千葉市の自然豊かな地に移り住むことに。

移り住んでから、いのいちばんに取り組んだのがバイクガレージ作りだ。所有するスズキバンバン90、ハーレーFXE、ホンダXL250の3台のための空間を早急に作りたかったのだという。

「子育てそっちのけでセルフビルドをしていたので嫁さんに叱られましたね(苦笑)」と田中さんは製作時のことを振り返る。

このセルフビルドが田中さん初のDIY。ほぼ予備知識ゼロで臨むことになり、基礎作りはプロ職人の友人に依頼。自身はサポートにあたった。製作したのはベタ基礎。そこにソロDIYでガレージの土台、骨組みと施工していき、下地壁を張り、屋根の骨組みを載せてと作業を進めていった。屋根に天窓をつけたかったという田中さんは屋根材にオンデュリンクラシックシートをチョイスし、同じくオンデュリンの天窓をはめ込んでいる。

壁にも窓をふんだんに配置しているのが田中さんのガレージの特徴。窓ガラスはネット通販で購入し、トリマーを駆使してDIYした窓枠にガラスをはめ込み、壁に取りつけていった。こうして作り上げたガレージは自然光が入る気持ちのいい空間に仕上がっている。夜勤明け、ガレージで過ごしていると気持ちのいい朝日を堪能できるそうだ。

受賞者データ
田中秀和さん(40歳)
DIY歴2年/千葉県千葉市
ガレージデータ
工法…2×4工法
基礎…ベタ基礎
外壁…ウエスタンレッドシダー
内壁…-
床…スギ材(カフェ板)
天井…なし
屋根…オンデュリンクラシックシート
製作日数…60日
製作費…100万円

 

取材・文◎宮原千晶(編集部)/写真◎福島章公/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2021年3月時のものです。

第22回ドゥーパ! DIY大賞受賞作品集 – カビ臭かった地下室を大改造! やんちゃなオヤジの秘密基地

見どころ満載の「ドゥーパ! DIY大賞」受賞作品を紹介! 今回は「掃部関真紀賞」を受賞した田仲徹也さんの作品。

幅4m、奥行6m、高さ1.7mの地下室が、大好きなコレクションがつまった秘密基地に変身。見てください、この満面の笑み!

自宅2階の4畳半の自室がコレクションに占領され、今にもあふれそうで窮屈な思いをしていたという田仲徹也さんが目をつけたのは地下室。カビがひどく何度も施工をあきらめていた場所だったが、壁掛け式の除湿器を取りつけたところ、状況は大幅に改善。「ここしかない!」と年末年始の休みを返上し、一気に作り上げたのがこの秘密基地だ。

地下への階段を下り、ドアを開けたら目に飛び込んでくるのが、この秘密基地の主役ともいえる流木を使ったアクセントウォール。天草の海岸で軽トラ一杯分の流木を集め、それをパズルのようにはめ込んでいった幅4mの壁は迫力抜群! 見事、審査員である掃部関さんの心を射止めた。

「コストをかけず、かっこよく」が田仲さんのDIYのテーマのひとつであり、壁も床も実は現場の解体材を安く譲ってもらったもの。新品の材では出せない傷や味が流木ウォールとも相性抜群で、3万5000円という破格の材料費の秘密でもある。

「仕事から帰ってきたら、即、地下室へ。お酒を飲みながら、ランタンのメンテナンスをしているのがたまらないですね。家族がいちいち私を呼ぶのが面倒というから、呼び出し用のブザーもついているんですよ(笑)」

嬉々として語る田仲さんの満面の笑みが、この秘密基地が会心の出来だったということを鮮明に表している。

受賞者データ
田仲徹也さん(53歳)
DIY歴30年/熊本県菊池郡
リノベーションデータ
物件形態 戸建て(ログハウス)
築年数 15年
施工期間…約1週間
材料費 約3万5000円(廃材利用)

取材・文◎設楽 敦(編集部)/写真◎諸石 信/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2021年3月時のものです。

第22回ドゥーパ! DIY大賞受賞作品集 – 思い切り歌うことができる歌好き夫婦のカラオケルーム

見どころ満載の「ドゥーパ! DIY大賞」受賞作品を紹介! 今回は「工機ホールディングス賞」を受賞した太田雅基さんの作品。

防音材で覆われた空間。声が響きにくい環境になっている。カラオケの機器には家庭用ゲーム機を使用

カラオケが好きだが、ひとりカラオケに行く勇気がないという太田雅基さんは車の中で熱唱していた。徐々に車の中では実力を発揮できないと思った太田さんは我が家にカラオケルームが必要だと思うようになる。幸い自宅と隣家は程よく離れており、カラオケには好立地だと考えた。防音がしっかりとした部屋を作れば近所迷惑にならないはずと、さっそくDIYの構想を練ることに。

カラオケルームの製作場所は、隣家からもっとも離れた道具や資材置き場にしていた部屋に決め、防音効果のある資材の洗い出しをした。断熱材のグラスウールや押出法ポリスチレンフォームが防音にも有用だと知る。

DIYは、まず床骨組みの製作からスタート。骨組みの間には押出法ポリスチレンフォームを入れ、床下地(合板)、遮音シートを張る。そこに防音材などを仕込んだ壁枠を立ち上げていく。壁の防音材には遮音シート、グラスウール、押出法ポリスチレンフォームを使用。これらを壁の断面図のように組み合わせて壁を防音。外壁にはフロアタイル、内壁にはジョイントマットを張った。

これで十分な防音効果を得ることができ、思う存分カラオケを楽しむようになった太田さん。カラオケルーム完成後に結婚した奥様も大のカラオケ好き。夫婦でこの部屋にこもって熱唱することもあるそう。
「妻は私よりも歌が上手くて高得点を叩き出しています」と太田さん。自宅待機を余儀なくされた昨年はとくに、大きな声で思いきり歌えるこの空間がストレス発散の場になったそうだ。

受賞者データ
太田雅基さん(44歳)
DIY歴16年/茨城県美浦村
カラオケルームデータ
工法…2×4工法
外壁…フロアタイル、
外壁…モールディング材
内壁…ジョイントマット
床…タイルカーペット
天井…ウレタンシート
屋根…合板
製作日数…60日
製作費…18万円
*防音壁&床の構造はイラスト参照

カラオケルームの防音検証は上記QRコードからチェック!

取材・文◎宮原千晶(編集部)/写真◎佐藤弘樹/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2021年3月時のものです。

自然と共生する小屋の作り方~地球守のダーチャフィールドを訪ねる~

放置されて荒れた里山を整備し、生物が健康に循環する、美しい自然環境を作る。そんな活動が展開されるダーチャフィールドに建つ小屋には、現代の一般的な建物とは異なる工夫が施されている。
とはいえ、その工夫は昔の日本人が自然と共生するために当たり前に行なっていたもの。現代に生きるわれわれも受け継ぐべき知恵の結晶といえるだろう。

ダーチャフィールドに建つ、石端建ての小屋。独立基礎だから、傾斜がある地形を崩すことなく建てられる。なお、ダーチャとは、旧ソ連圏で多くの世帯が郊外に所有し、休暇や週末を過ごす宿泊小屋つきの菜園用地のこと

土中環境を改善して荒れた里山を整備する

ダーチャフィールドは千葉市緑区にある。広さは2000坪。造園・土木設計施工、環境再生の専門家である高田宏臣さんが、講座やワークショップの参加者、自身が代表を務める高田造園設計事務所やNPO法人地球守のスタッフとともに、2012年から整備を進めてきた。

その整備の方法こそが、重要なポイントだ。機械を多用して、大ざっぱに体裁よく整えたりはしない。土地の形や状態をよく観察し、どこにどういう処理を施せば、効果的に自然が本来の力を発揮できるかを判断し、実践する。そのときだけきれいに見えるように片づけるのではなく、自然が健康な循環を続けられるように促す。機械の使用は最小限にとどめ、ほとんどが人力での作業だ。必然的に、機械がない時代に、知恵を頼りに自然と向き合った先人たちのスタイルに近づくということだろうか。

もちろん、そのような整備方法のよりどころは、高田さんの豊富な知識と経験。知識も経験もなく荒れた土地に立ったところで、どこに手をつければ効果的に改善できるかはわからないだろう。ひとまずここでは、高田さんに教えてもらった、土地を改善するための主なテーマをふたつ挙げておきたい。いずれも対象は地上ではなく、土の中にある。荒れた森林を整備するには、地上の植物ばかりを相手にするのではなく、土中に着目しなければならないというわけだ。

ひとつは、土の中の水と空気の流れを整えること。もうひとつは、菌糸のネットワークを育むことだ。前者については、具体的な方法はさておき、意味は理解しやすいと思われる。一方、後者についてはピンとこない人も多いのではないだろうか。菌糸といえば、たとえば地面にある大きめの石を動かしたときなどに現れる、白い極細の糸状のもの。もしかしたら一般的にはあまり印象の良いものではないかもしれないが、自然環境においては非常に大切な存在なのだ。

菌糸は、水と空気が流れるすき間を持つ団粒土壌を形成するほか、落ち葉などを分解して林床を覆う腐植層を形成したり、木から木へと養分や情報(!)を運んだり、樹木根と連動して土中深くに水や空気を動かしたりと、豊かな土地作りに欠かせないさまざまな働きを担っている。そのため、菌糸をより広く深く張り巡らせることが、土地の改善につながるのだ。

このあたりのことを詳しく知りたければ、高田さんの著書『土中環境』(建築資料研究社刊)をぜひお読みいただきたい。NPO法人地球守が主催するワークショップに参加するのも、高田さんの話が直接聞けておすすめだ。

自然の働きを利用して安定した基礎を作る

ダーチャフィールドには、複数の小屋が建っている。どの小屋にも、土地の改善過程に悪影響を及ぼすことのない、自然と共生できる構造を採用している。そういった構造の多くは、昔の日本人が一般的に用いたものだという。象徴的なひとつが、石端建てだ。

石の上に束柱を載せる石端建ては、古民家などで見かけることがある。ここで私は自分の無知を告げておきたいが、石を基礎に使うのは、作業の簡略化や資材の節約が理由ではないかと考えていた。石の下には、せいぜい砂利を敷く程度だろうと想像したからだ。

なかにはそんな石基礎もあるだろうが、石端建てはまるで違う。一例を紹介すると、まず、石を据える場所に、石よりひとまわり大きい深さ20㎝ほどの穴を掘り、穴底の中心に直径12㎝、長さ1・5~2m程度の丸太杭を打ち込む。丸太杭は表面をウロコ状に焼き焦がし、多孔質にしたものだ。目的は、この丸太杭をつたって土中に空気と水が流れるようにすること。それに伴い、丸太杭の周囲には菌糸が伸び、続いて木の根が伸びて、基礎石の下には安定した地盤ができる。

打ち込んだ丸太杭の頭のまわりには籾殻くん炭、竹炭、ワラなどを敷き、穴全体に直径10㎝前後の栗石をぎっしり詰め、すき間にワラをねじ込む。やはり空気と水が流れ、菌糸が乗りやすい環境を作るわけだ。とくにワラには菌糸が乗りやすい。その上に小石を敷き、籾殻くん炭をまくなどして、ようやく基礎石を据える。

基礎石のまわりにも栗石や小石を並べ、すき間にワラをねじ込んだり籾殻くん炭をまいたりして、土で覆う。そうすることで、基礎石の側面にも菌糸がよく絡み、根が生えたように安定感のある基礎ができあがる。しかも、コンクリートで局部だけをガチガチに固めた基礎とは違い、周囲の動きに連動する柔軟性を持ちあわせた基礎だ。そしてなにより、コンクリートのように土中の空気、水、菌糸の動きを遮ることがなく、それが周囲の自然を傷めないことにつながる。

作業の簡略化、資材の節約なんて、とんでもない。石端建ての作り方を知るだけで、身のまわりにある材料を有効に活用して、自然の摂理に沿う建物を作っていた先人の知恵に圧倒される。

 

便を効率よく分解し周囲の木を生かすトイレ

生活に不可欠な設備といえば風呂とトイレだが、ダーチャフィールドにある風呂とトイレは、自然とともにある暮らしにふさわしい。

風呂はドラム缶風呂。ただし、野天にドラム缶の浴槽をぽつんと置いたものではなく、レンガと土で作った立派な釜があり、浴槽を囲む屋根、壁、洗い場があり、洗い場の床下には竹で作った排水設備がある。野趣を感じられるデザインでありつつ、快適に日常使いできそうな構造を備えており、実用的なDIYアイテムのサンプルとして本誌読者の皆さんにもおすすめしたいところだ。

そしてそれ以上に注目したいのが、健康な土中環境を活用すると同時に、健康な土中環境を育むトイレの仕組みだ。主要な構造はシンプルで、地面に便槽となる穴を掘り、便が落ちる位置からずらしたところに、さらに深さ30㎝ほどの縦穴を掘って、節を抜いた竹、炭、枝などを差し込んでいる。理屈は石端建てのときに丸太杭を打ち込むのと同じで、土中の空気と水がスムーズに流れ、菌糸が広がるように促すのが狙い。それによって便が効率よく分解され、土地もいっそう豊かになる。

なお、このトイレは設置場所にも気を配る必要がある。望ましいのは、地面に段差がある付近で、近くに木が生えているところ。地面に段差があれば、切り立った側面から空気と水がスムーズに流れ、近くに木が生えていれば、菌糸を介した養分の運搬が活発になる。つまり、そういう環境であれば、便は素早く分解され、周囲に生えている木は元気になるという相乗効果が生まれるのだ。

里山で暮らしたり、週末を過ごしたりするために、どういうトイレを作ろうかと悩む人も少なくないのではなかろうか。浄化槽の設置計画がわずらわしいという人だっているだろう。もし状況が許すなら、こんなナチュラルなトイレを作ってみてはいかがだろう。処理に困っていた便は、数日もすれば消えてしまい、いつの間にか土地を健康にするために役立っている。こんなに効率的なことがあるだろうか。

取材・文◎豊田大作(編集部)/写真◎門馬央典

*掲載データは2021年3月時のものです。

DIYをツールに人をつなぎ、共鳴する – 沖縄パーマカルチャーヴィレッジ探訪 –

「全員、生徒。全員、教師」。それぞれの持つ個性や能力をシェアすることで、すべての世代に学びと実践の場を提供する。そんな沖縄にあるフィールド、多幸の山学校を訪ねた。

緑が生い茂る草屋根に赤土で作られた壁。多幸の山学校には、おとぎ話や絵本からそのまま飛び出てきたようなユニークなセルフビルド建築が点在する

DIYをツールに全世代に開かれた学びの場

沖縄には「山学校」という言葉がある。子どもが学校をさぼって、自然の中で自ら遊び学ぶ、自然学習のことを意味する言葉だ。そんな山学校を冠したフィールドが沖縄県国頭郡恩納村、多幸山の高台に広がる。その名は多幸の山学校。子どもだけでなくすべての世代に開かれた、自然ともの作りを通した学びの場だ。

多幸の山学校は、恩納村で生まれ育った安富祖常雄さん(以下、あぶさん)が20年前から始めた活動だ。先祖から代々受け継いだ広大な土地を使い、野菜作りのワークショップや自作ピザ窯を使ったピザ焼き体験などを通し、地元の親子に自然をより積極的に楽しむ機会を提供してきた。

「子どもを育てることは、親を育てることから始まると思い、親子参加でね。ここでは子どもが目を輝かせて、自分から進んで物事に取り組んでいく。おぜん立ては一切しないんです」(あぶさん)

しかし還暦を迎え、広大な土地をひとりで整備するのはそろそろ限界……。これから山学校をどう運営していこうかと考えていた3年前、有村博勝さん(以下、あ~り~さん)と出会った。あ~り~さんは一般社団法人災害プラットフォームおきなわで災害支援・復興活動を行なうアウトドアマンであり、自作したモバイルハウス「まいまい号」で日本各地をまわり、持続可能な暮らしの魅力を伝えるパーマカルチャリストだ。

あ~り~さんとあぶさんは会うなりすぐに意気投合し、あぶさんが20年前から育てていたというガジュマルをホストツリーにした「子どもたちと作るツリーハウスワークショップ」を開催。参加人数75名、計6日間のワークショップは大成功、これにより一気に多幸の山学校は活性化。以降、あ~り~さんの呼びかけで、さまざまな人が集まり、次々とDIYプロジェクトが立ち上がるフィールドへと進化した。

「パーマカルチャーには3つの大事な要素がある。Care for the earth. Care for the people. Share resources. 最後のShare resourcesは余剰な作物をみんなで分かち合おうって意味だけど、僕はまた別の角度からもこの言葉を捉えていて。人間の個性や能力、そういった力をお金を介さずにシェアする。多幸の山学校はそれを実践する場。実はみんながそれぞれすごいスキルと魅力を持ってる。大工仕事だけじゃないよ、コーヒー豆の焙煎が上手だったり、料理がうまかったり、みんなを和ませたり……。そういうスペシャリストたちがときに先生になり、ときに生徒になる。全員が先生であり、生徒である学校を作りたい」(あ~り~さん)

そしてこう続ける。

「ここではDIYはひとつのツールなんです。人と人をつなぐコミュニケーションツール。来るとホッとできて、友達がたくさん作れる場所。そして、作ったあとにどう生きていくのかを自然と考えられる場所。ここはそんな関係性をデザインする場所にしたいんです。だからここでのプロジェクトに一度でも参加した人は多幸の“やーにんじゅ”と呼んでます。沖縄の方言で“家族”という意味です」(あ~り~さん)

ユニークでサスティナブルなパーマカルチャー建築

多幸の山学校には、この3年間でさまざまな建物が建てられた。そのいずれもパーマカルチャーの理念をもとに設計、施工されているのが特徴だ。使用する資材は、廃材と自然素材がメインとなっている。

多幸の山学校のシンボルのひとつである葉っぱハウスは、建物やデッキの形状を葉っぱのようにデザイン。曲線を積極的に取り入れることで、自然の中にあるものに近い柔らかな雰囲気を醸し出している。壁は版築。赤土を主材料にセメントとワラを混ぜたものを叩いて圧縮し、台風にも負けない土壁を実現。一方、屋根をグリーンに彩る草屋根は、足場板にルーフィングを張った下地の上に、砕いたコルクとモルタルを混ぜ合わせたものを塗布。さらにピートモスと芝をミックスした層を重ねることにより、軽く、植栽の根が屋根を貫通しない構造となっている。

あ~り~さんに多幸の山学校を紹介され、今やその魅力の虜となり、各建築プロジェクトの施工を中心になって引っ張るのが山口暁さん(以下、アキラさん)。普段は和歌山で活動しているアキラさんだが、いつでも泊まり込んで作業ができるよう、フィールドに別荘を建てた。なんと廃材のボートをベースにした小屋だ。

「冬は寒いから沖縄で過ごそうと考えてたら、敷地近くにボートが捨てられていたのを見つけてピンときてね。車で引っ張ってここまで持ってきて、ボートハウスにしたんです。材料はほとんどが足場板。ここで作る建築は足場板が主な資材になることが多いんだけど、なんかハマっちゃったよね、足場板建築(笑)」(アキラさん)

ボートハウスのドアを開けると狭小空間ながら、収納兼ベッド、キャビネット&シンク、ミニ書斎が配置されており、なんとも居心地がよさそう。照明は落ち葉のランプシェードでカバーされ、電力供給するのは屋根に設置したソーラーパネルだ。

そんなアキラさんの多幸の山学校での最新作が、あぶさんの別邸になるという高床式のジオデシックドームハウス。もちろん材料は足場板。五角形と六角形のパネルを組み合わせたユニークな建築方法の小屋だが、そんな実験的な小屋作りを実際に体験できるのだから、DIY好きなメンバーはたまらない。

建物をビルドしながらコミュニティをビルドする

多幸の山学校に集まるメンバーは、沖縄に暮らす人はもちろん、あ~り~さんがモバイルハウスの旅で出会った日本各地の友人や、噂を聞きつけた沖縄旅行中のバックパッカーがフラっと参加することもあるという。そんなバラエティあふれる人々の人生が交差し、建物ができあがっていく。こんな面白い場所、面白いコトがあるだろうか。

パーマカルチャー建築はユニークなアイデアや構造が魅力だが、その分ひとりで作るにはハードルが高い。葉っぱハウスの版築がいい例で、土を掘るだけでかなり労力を要することは想像に難くない。だからこそ、みんなで作るコミュニティビルドなのだ。

あ~り~さんが話すとおり、さまざまな人がその個性や能力を発揮して、ひとつのものを作り上げる。そこには人と人が交わったエネルギーが生まれる。関係が生まれる。共鳴する。その関係が、その響きが、また新しい何かを創る。クリエイティビティが循環していくのだ。そして、みんなでひとつの建物をビルドしていく過程で、コミュニティ、つまり共同体もビルドされていく。その共同体はさまざまな個性を内包し、自由と多様性を許容する。

歴史をさかのぼれば、住処作りは大勢の人が参加した共同作業だった。つまり、彼らが行なっていることは、現代にアップデートされた人間本来の暮らしの再現なのではないか。本当の豊かさとはいったい何か。社会情勢や経済不安に苛まれ、さまざまな場所で分断が進む現代社会において、彼らの活動はひとつの希望であり、社会へのカウンターアクションだと思う。これははたしておおげさに聞こえるだろうか?

多くの幸せを生む、こんな素敵な山学校が日本各地に生まれることを願ってやまない。

取材・文◎設楽 敦(編集部)/写真◎田里弐裸衣、一部製作者提供

*掲載データは2021年4月時のものです。

キッチン機能をコンパクトに“収納”!外遊びで大活躍のオモシロ便利ボックス!/ガーデン収納DIY大作戦!(番外編3)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

File06&07/こだわりのサイクルガレージはコチラ

File08/アンティーク風の物置自転車小屋はコチラ

File09~11/庭に調和するナチュラルデザインの物置3例はコチラ

File12/庭の角にぴったりなペンタゴン物置はコチラ

File13~15/多彩なアイデア物置3連発はコチラ

File16~17/ガーデンを彩る薪小屋&出窓下をいかすアイデア物置2連発はコチラ

番外編1/スチール製物置のリメイク術はコチラ

番外編2/玄関ポーチの自転車収納実践リポートはコチラ

 

キッチン機能をコンパクトに“収納”!
外遊びで大活躍のオモシロ便利ボックス

テーブル天板の逆面にはカセットガスコンロを装備

 

使わないときは幅28.5×奥行36×高さ70cmのボックス状態

 

ガスコンロ、テーブル、食器、調理器具を完備したキッチンが出現!

 

潮干狩りや釣りで食材を手に入れたら、その場で調理して味わいたい!と作ったFさんの「キャリーキッチン」。一般的なガーデン収納とはちょっと違うけど、この見事な収納ぶりに魅せられて、番外編としてご紹介。

なんといってもカセットガスコンロ、テーブル、食器、調理器具など必要な装備を、約28.5×36×70cmのボックスに収めちゃったことに拍手を送りたい。これなら手軽に車に積めるし、キャスターをつけてあるから人力での運搬もラク。さらにキッチン状態への展開も、撤収も、すばやくできて実用性は十分とのこと。

軽量・コンパクトに仕上げるために、すべて木材を使うのではなくアルミを用いるなど、よく考えられた素材使いにも注目だ。

Fさんいわく「地球上に商品として存在しない物、自分が必要とする条件を十分に満たす物を作るのは楽しい」。そう、まさにそれがDIYの醍醐味ですよね!

 

<DATA>
製作者◎Fさん(47歳・DIY歴20年)
製作期間…10日
製作費用…6000~8000円

 

キャスター付きだから人力での運搬も楽チンだ

 

引き出しのスライド機構はアルミチャンネルとボルトを組み合わせて自作

 

引き出しの側板は、軽量化のためアルミアングルを使用

 

ただの箱がキッチンに変身するまで

*掲載データは2013年10月時のものです。

ガーデンを彩る薪小屋&出窓下をいかすアイデア物置2連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(10)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

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File16 居心地イイ作業場つき!ナチュラルガーデンを彩る薪収納小屋

完成から日が経ち、草花に囲まれてすっかり庭に溶け込む薪小屋。Tさん夫妻が居るのが作業場

 

幅が広い小屋なので、バランスを考えると奥行もそれなりに欲しいと、薪が3列並ぶほどのサイズに。とはいえ、3列並べても真ん中の薪は出し入れしにくいので、そこには自作タンパーなどをしまってある

 

桁の上には長尺の資材を収納。あきスペースを徹底的に活用するのは基本中のキホン!

 

<DATA>
製作者…Tさん
DIY歴…10年
製作期間…14日
製作費用…約10万円
作品サイズ…幅5700×奥行1500×高さ2900mm

 

薪ストーブ生活の必需品といえば薪収納小屋。ストーブをよく使うほど、広いスペースの薪置き場を整え、薪を乾燥させつつ備蓄しなければならない。Tさんの薪小屋のこだわりは、ガーデニング作業などに使える作業場をつけ加えたことと、単なる薪置き場に終わらせないデザインだ。

作業場は、奥さんがガーデニング作業をしたり、Tさんが室内でできないDIY作業(レンガの切断など)をするのに重宝。照明、コンセントを装備しているので、夜でも作業できるし、コード式電動工具が手軽に使用できる。これは電気工事士の資格を持つTさんの強み。

デザインの決め手は、屋根の形状。両端の棟を突き出させたり、作業場部分のみ大きく張り出させたりと、ひと手間ふた手間をかけてスタイリッシュに仕上げている。また、キシラデコールのタンネングリーンによるカラーリングもイイ感じ。奥さんが手をかけるナチュラルガーデンの隅に立つ薪小屋は、景観の一部としても重要な役割を果たしているのだ。

 

あとは作業場を残すのみの、完成直前の状態。小屋全体の構造がわかりやすい。骨組みはSPF2×4材、床と屋根の下地には合板を使用している。屋根材はアスファルトシングル(Tさん撮影)

 

作業場の隅には長尺のガーデニング道具を収納

 

フックなど、ホームセンターで入手した収納用品を活用している

 

手作りの建物に、市販品をうまく採り入れているのがナイス

 

柱は4×4材ではなく、2×4材を2本抱き合わせたもの

 

骨組みの接合には金具を多用している

 

方杖のデザインもこだわりのポイント

 

作業台ではドライフラワー作りの最中。台の左手にコンセントがついている

 

File17 出窓下をスマートに活かすピッタリ収納庫

骨組みは家を建てたときに余ったSPF2×4材、ドア枠は1×4材、各面にはOSB(12mm厚)を使用。収納庫の下にはレンガを敷いている

 

上段にはスプレー缶などが並ぶ。なお上段の高さは280mm、下段の高さは499mm

 

下段の扉をあけると、こんな感じ。内側にはドアのすき間をふさぐための角材を留め、コーキングをしている。最初はなかったが、降雨時に浸水するため追加したそう

 

<DATA>
製作者…Sさん(39歳)
DIY歴…3年
製作期間…3日
製作費用…約6000円
作品サイズ…幅1960×奥行440×高さ850mm

 

ガーデン収納を作るにあたり、出窓下のデッドスペースに目をつけたSさん。違和感なくスマートに仕上がるように、スペースにピッタリはまる収納庫を作った。庫内は上下2段に仕切り、上にはスプレー缶などを、下には刈払い機を収納。かなり横長になる開口部には、上開き式の扉をつけたが、使い勝手はなかなかいいそう。さてさて、あなたの家の出窓の下、あきっぱなしになってませんか?

 

刈払い機は持ち手だけのために全幅が広がっていて、まともに収めようとすると無駄なスペースができる。そこでSさんが思いついたユニークなアイデアが、持ち手だけを上段に突き出させるというもの。上段の棚板にすき間をあけ、持ち手を下から通すというシンプルな構造だが、これは有効!

 

*掲載データは2013年10月時のものです。

多機能なアイデア物置の製作事例3連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(9)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

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File13 物置と薪ストッカーが一体化した多機能カーポート!

母屋の壁面を利用し作ったカーポート。このカーポート右側の支柱を利用し、物置と薪ストッカーを製作

<DATA>
製作者…Uさん(31歳)
DIY歴…2年
製作期間…約3カ月
製作費用…約25万円
作品サイズ…幅7500×奥行5000×高さ3000mm

 

屋根付きの車庫が欲しいな~、せっかくだから物置もつけちゃって~、そうだそうだ、薪ストーブ用のストッカーも欲しい!」とUさんのDIYカーポート計画は加速。結果、これらすべての条件を満たしたDIYらしいカーポートがこちら。肝心の物置と薪ストッカーはカーポートの支柱を利用し、ここに2×材の桟を通し、スギ板を張ることで空間を仕切ればOK。簡単な方法ですぐに収納スペースが作れちゃうのだ。同じようなカーポートを持っている人であれば、簡単にアップグレード可能。ぜひチャレンジを!

 

「右も左も薪・薪・薪ッ!」という具合に薪が並ぶ大容量の薪ストッカー×2台。雨の日も濡れずにストーブの薪が取りに行けると奥さんも大満足

 

薪ストッカーと隣接する場所にも壁を張り、簡易的な物置スペースを製作。カーポートのフレームを利用しL字の棚を作り、電動工具やガーデニングツールを収納している

 

File14 既存の屋根を利用した和風モダンな物置小屋

引き戸に使われた障子と窓の部分の格子が和風の雰囲気を引き立てる。屋根の先端上部に見えるのが既存のテラス屋根。これがパーゴラのように立っているのを利用し、物置に増築したというわけだ

 

奥行4500mmの物置は物を入れても広々している。今後は木工室や趣味部屋に改造するかも?とKさん

 

<DATA>
Kさん(36歳)
DIY歴…2年
製作期間…約1週間
製作費用…約20万円(テラス屋根含む)
作品サイズ…幅2500×奥行4500×高さ2800mm

 

大きなサイズの物置をすべて自分の手で作るのはひと苦労、そんな人にはこちらがオススメ。Kさんは新築の家の勝手口上部にテラス屋根の取り付けを業者にオーダー。この屋根の支柱を木材で巻き、3面にスギの羽目板で壁を取り付ければ…ハイ、物置のできあがり! これなら屋根の雨漏りなど素人には難しいポイントを気にすることなく、DIYを楽しめるというわけだ。物置の顔となる正面入口には廃材の障子を引き戸に使用。和洋折衷なデザインもグー!

 

小屋背面。壁にはスギの羽目板を使用。明かり取りの窓には透明の波板を取り付けた

 

引き戸の障子は下部にキャスターをつけ、2×材で作ったレールの上を走らせている。これもすぐに真似できる簡単アイデア

 

File15 バックヤードを収納空間に!勝手口を利用した狭小物置

物置と家の関係がわかる1枚。家の裏庭というデッドスペースを見事、収納スペースに変身させた

 

勝手口を出れば、物置にすぐにアクセス可能。こちらの入口は引き戸になっている

 

バックヤード側には開き戸を設置。家側、庭側の両方からアクセスできるので便利

<DATA>
Iさん(41歳)
DIY歴…10年
製作期間…約1カ月
製作費用…約14万円
作品サイズ…幅3865×奥行1080×高さ3650mm

 

家のバックヤードを利用して作ったアイデア狭小物置。屋根のかかった家の勝手口からアクセスできるので、雨の日でも出入りOK。庭側にもドアがついているので、通り抜けもできて、使い勝手は抜群! また物置の高さを3650mmと高くすることで、勝手口の屋根との統一感を演出するとともに、ロフト棚を製作し、狭いながらも収納容量を稼いでいるところも見逃せない。物置内部は2×材とシェルフリンクスを使った棚も設置。さながらミニ工房のような雰囲気の物置となった。

 

物置内部には2×材とシェルフリンクスを使い、電動工具の収納棚を設置。ちょっとした作業なら棚の天板を作業台にするのもあり

 

もともと面積の少ない狭小サイズのため、屋根を高くしてロフトを製作。ここにアウトドアツールなどを収納している

*写真◎佐藤弘樹、製作者提供

*掲載データは2013年10月時のものです。

庭の角に物置を設置するなら五角形で作るのが最適解!/ガーデン収納DIY大作戦!(8)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

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File12 庭のコーナーにすっぽりはまるペンタゴンシェッド!

電動工具、作業台、アウトドアツール、手作りスモーカー…趣味の道具がこれでもかと詰め込まれたペンタゴンシェッド

 

物置の設置場所の様子。庭のコーナーにジャストフィット、ドアの開閉もスムーズ。五角形というフォルムを最大限に生かしている

 

小屋外観。使用した材はウエスタンレッドシダーと合板。小屋の雰囲気が重くならないようダミーの窓を取りつけた。写真では見えないが屋根にはアスファルトシングルを使用

このようにそれぞれの柱を丸ノコで切り欠くことにより、見事五角形の躯体を作り上げた(右:柱A、左:柱B)

 

<DATA>
製作者…Nさん(52歳)
DIY歴…3年
製作期間…約1カ月
製作費用…約10万円
作品サイズ…幅1350×奥行1350×高さ2300mm

 

庭のスペース効率化とユニークなデザインを両立したのがNさんの物置。五角形のフォルムは、庭のコーナーにフィットするだけでなく、入口(ドア)へのアクセスがスムーズで使いやすいという点もポイント。

物置内には電動工具やアウトドアツールを収納。ドア裏にはメッシュネットを取りつけ、作業用グローブやドリルビットなどを引っかけて収納している。二段ある棚の中段は電動工具置き場。きれいに工具が並んだその姿から「見せる収納?」と思いきや、斜めに固定した板は蝶番で取りつけてあるため開閉可能。裏側にはキャリアバッグ等を収めている。

小屋の骨組みはウエスタンレッドシダーを組み上げて製作。外観をできるだけシンプルにするため、各柱に切り欠きを入れ、壁の化粧板を収めている(前述イラスト参照)。軽やかな感じを演出するためダミーの窓を取りつけるのも忘れない。

というわけで文句なしの物置は毎日大活躍。しかし、その完成度の高さからか「サウナですか?」と聞かれてしまうのが悩みどころだとか(笑)。

 

物置内には棚を二段取りつけ、中段は電動工具置き場に。この電動工具置き場、ちょっとした工夫が…

↓↓↓

電動工具を飾り立てた板は実は蝶番で固定されていて開閉が可能。裏側にも収納あり!

 

物置のスペースを取るソーホースは小屋の壁裏に桟をつけ、ここにひっかけて収納

 

同じく物置の場所を取るトロフネは自作の一輪車台に収納し、壁に立てかけている。実用性もばっちり

 

製作途中の1枚。五角形の躯体の形がよくわかる。屋根のフレームは現物合わせで角度切りしていったそうだが、これが一番苦労したとか

*掲載データは2013年10月時のものです。

庭に調和するナチュラルデザインの物置3連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(7)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

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File09 使用場所別に扉をつけた使い勝手のいい物置

アカマツの角材とスギ板を使って作られた物置。よく見ると、扉がいくつもあるのがわかる

 

左が長物収納。右が小物&資源ゴミ収納。使いやすいよう各扉が独立して開くように工夫がしてある

 

<DATA>
製作者…Hさん(59歳)
DIY歴…20年
製作期間…約1カ月
製作費用…約1万5000円
作品サイズ…幅990×奥行450×高さ1960mm

 

一見してわかるとおり、ドアのたくさんついた物置は、スコップやホウキ、農業資材などの長尺物と資源ゴミなどがきれいに整理できるよう設計された作品。左が長物、右上部が小物、右下部が資源ゴミを収納できるようになっている。なお右側の棚板は取り外し可能なので、両スペースを長物収納に使用する、なんて使い方もOK。

躯体の角材にはほぼすべてホゾ加工や切り欠き加工を施し、見える部分にはクギを使わないという徹底したこだわりぶりも◎。

 

作品の各部品を荷造り用の結束ベルトで固定して組み立て。万力やクランプで固定するより手軽で低コストで済むのだとか

 

物置の支柱下部にはアジャスターボルトを固定。高さ調整が簡単な上、がたつき防止にも一役買っている

 

File10 傷んだミニ収納庫を活用してモアベターな物置を製作

ルーバー下のスギ板を横張りした部分が、新たに作り足したところ。高さが、古い収納庫の倍以上になっている

 

内部を見れば、側板と背板の上部&天井に古い収納庫を再利用していることがよくわかる。アカマツ角材の柱で高さを延ばし、長尺のガーデニング道具もバッチリ収納。棚板は、ホームセンターの「端材詰め放題」サービスでゲットした材だそう

 

<DATA>
製作者…Mさん(51歳)
DIY歴…5年
製作期間…3日
製作費用…約3000円
作品サイズ…幅800×奥行500×高さ2000mm

 

もともと使っていた背の低い収納庫が傷んでしまい、新たな物置の製作を決意したMさん。とはいえ、側板や正面板はまだまだ使えそうなので、再利用することに。さらに、せっかくだから「長尺のガーデニング道具が収まるサイズ」という奥さんの要望にも応え、高さ約2mにサイズアップ。全体を鮮やかな色で塗装したら、なんともポップでキュートな物置ができあがった。もちろん、願いが叶った奥さんの評価は上々だ。

 

ルーバー状の側板の利点は、引っ掛け収納ができること。Mさんの物置ではフック付きの容器を掛けて小物を整理している

 

ドアには中空ポリカの固定窓をつけた。窓枠には壊れたパラソルの骨を活用!

 

File11 ナチュラルガーデンと調和する白いアンティークシェッド

バラに囲まれた庭にひっそりとたたずむアンティークテイストの物置。コンセプトは「バラと小屋」。庭のオブジェとしての存在感もばっちり

 

物置の外壁にも四角いボックスを作り付け、飾り棚に使用。スコップなども壁に取りつけたフックに収納している

 

<DATA>
製作者…Iさん(46歳)
DIY歴…14年
製作期間…約3カ月
製作費用…約4万円
作品サイズ…幅1550×奥行1000×高さ2000mm

 

庭に溶け込むような雰囲気の物置を作るため、1×4材に水性塗料のチョコレートブラウンとホワイトベージュを重ね塗りし、これを壁に使用。蝶番などの細かいパーツもこだわりチョイスなのはいわずもがな。

物置内部は「見せる収納」をコンセプトに、ガーデン雑貨のお店の陳列をイメージしていろいろなサイズの棚を手作りして設置。ただ雑然と物を詰め込むのではなく、オブジェのように見せているあたりはさすが女性DIYer。毎年開催するオープンガーデンのゲストからも大好評というのも頷けます!

 

小屋作りの余り材で様々なサイズの棚を設置。「見せる収納」をコンセプトに小さな雑貨屋さんの陳列をイメージしながら棚などの大きさ、数、配置を考えたそう

 

物置を上から見た様子。見た目重視で作った結果、屋根にも1×4材を横張りにして使用。痛んだら張り替える予定だとか

*掲載データは2013年10月時のものです。

アンティーク風の物置兼自転車小屋が家族の収納スペース!/ガーデン収納DIY大作戦!(6)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

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File08 パーゴラが家族みんなの収納スペースに!
アンティーク風物置兼自転車置き場

「水平の確認は手触りと目見当で行ないました!」という豪快なAさん

 

道路の外から物置を見た様子

 

物置内部。フレームを利用し、2×材で棚板を設置。庭仕事の道具や木工道具、バドミントンのネットなど子どもたちのおもちゃが収納されている

 

<DATA>
製作者…Aさん(37歳)
DIY歴…4年
製作期間…約半年
製作費用…約7万円
作品サイズ…幅3000×奥行3000×高さ2800mm
*物置は幅1500×奥行1500×高さ2500mm

 

 

元々、母屋の脇に大きな片流れ式のパーゴラを作ったのが事の始まり。完成したパーゴラを見た現場監督の奥さんが「ここに物置を追加して」と一言。「えぇ~、それ今言っちゃう~!?」と苦笑いしながらも指示にしたがい、物置や棚板を追加。「どうせなら子供たちの自転車も置けるようにしよう」とアイデアを盛り込んだ結果、物置と自転車置き場、野外作業場を兼ねる多目的スペースが完成。

物置小屋は既設のパーゴラの屋根の勾配に合わせ、現物合わせで2×材をカットし、躯体を組み立てた。アンティーク風の外壁は下から順に、合板(12mm厚)、ラス網、細かく砕いた発砲スチロールを混ぜた下地用のセメント、通常のセメントを塗布。ここに造形を施し、ペンキを塗って仕上げている。

パーゴラの垂木にはスギ板を横に並べて固定。シダーシェイクをイメージした屋根に仕上げた。母屋側のパーゴラ支柱の間には端材で受けを固定し、棚板を設置し、奥さんが家庭菜園で使用するガーデニングツールを収納することにより、パーゴラ下の空間を余すことなく活用している。

 

母屋側のパーゴラ支柱の間には受けを取り付けて棚板を設置。上下左右に方杖を入れ、強度もしっかり取っている

 

棚板の受けを母屋いっぱいまでの長さで取り付けることにより、支柱と母屋の間にあいたデッドスペースを解消。より幅広の道具も置けるように工夫してある

 

物置前の自転車置き場スペース。自転車のタイヤが当たり、プライマーが剥がれ、下地のレンガが顔をのぞかせたところをイメージ。造形にはペインティングナイフや千枚通しなどを使うといいという

 

モルタル造形で仕上げたアンティーク風の物置。横に取り付けられた1×材は、剥がれ落ちたモルタルを押さえているところをイメージした飾り兼補強材

 

物置の壁塗りはふたりの娘さんと楽しんだそう。「子どもがやるといい感じにラフになるんですよ」とAさん

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2013年10月時のものです。

自分仕様のこだわりサイクルガレージ2連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(5)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

File05/アメリカンテイストのトタン物置はコチラ

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File06 たっぷり収納できる引き戸の自転車小屋

外壁の塗装には、塗料の代わりにシーリング剤(アイボリー)を使用。防水・色付けとともに独特の質感も生み出している

 

<DATA>
製作者…Sさん(39歳)
DIY歴…10年
製作期間…3週間
製作費用…15万円
作品サイズ…幅4000×奥行1800×高さ2500mm

 

5年ほど前に自転車置き場を製作したSさんだが、雨風がしのげずに自転車がすぐに傷んで古ぼけてしまうため、娘さんが自転車通学になるのを機に、新たに自転車小屋をDIY。子供たちの自転車のほかに、キャンプ道具や釣り道具をいっぺんに収納できる大きな小屋だ。

角の4本の柱が外から見えるように、また物置っぽさをなるべく出さないことをコンセプトに作られたこの作品は、座ぐりを多用し、コーススレッドのみで組み立てられている。もうひとつこだわったのは小屋のスライドドア。窓は切断したポリカーボネート(厚さ5mm)をホゾ組みした1×2材で囲った。その窓をあらかじめ切断・塗装したOSBにはめ込んだら、塗装した1×4材をOSBの縁に固定し、底にキャスターをつければドアが完成する。

ドアのレールは根太に床下面から10mm下げた位置に固定。上のレールはスペーサーを垂木で作り、その上に板を張ることでドアの前面を押さえている。

 

明かりがとれるように屋根はポリカーボネート波板を使用

 

ドア下のレール部分。2×材の両端に角材をコの字型になるように取り付けて、車輪を走らせている

 

内装はまだ仕上げ途中だそうだが、天井の梁を利用したロッドホルダーの収納、カーテンレールを利用した靴干し場など、細かな収納アイデアが見受けられる

 

File07 ガレージの軒下を活用した奥行6mの狭小自転車小屋

柱は防腐剤、扉は屋外用のステイン塗料のあとにオークションで集めた看板を張った。いい雰囲気に仕上がっている

 

奥行きを6mとったため2台の自転車と一緒に、長物の木材や脚立、テーブルソーなども収納できる。高さも十分で天井収納も可能。なお、奥側にも扉がつけられている

 

<DATA>
製作者…Iさん(43歳)
DIY歴…3年
製作期間…10日
製作費用…約2万円
作品サイズ…幅900×奥行6000×高さ2550mm

 

Iさんはもともと車2台にオートバイ2台が入る大きなガレージを保有しているが、自転車を出すためだけに、ガレージの電動シャッターを開け閉めするのがわずらわしくなったため、ガレージ横の軒下(幅約1m)に自転車置き場の製作を思いつく。

自転車小屋は、自宅に合わせて切妻屋根に木製板張り調をイメージしたガレージを損なわないようにデザイン。地面は防草シートの上に砂利が敷き詰められているので、穴を掘らずに枕木を基礎&根太の代わりとして使っている。

 

支柱はウッドデッキ用の金具を使い枕木に固定。床板は廃材で、枕木は知人から譲り受けたものを使った

 

柱や垂木の固定にも金具が使われている。なお、ガレージの壁にはビス打ちされていない

*掲載データは2013年10月時のものです。

アメリカンテイストのトタン波板製物置を手作り!/ガーデン収納DIY大作戦!(4)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

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File05 2×4工法によるアメリカンテイストのサイクルガレージ

ドアは塗装した2×4材で枠組みを作り、外壁と同じトタンをはめ込んで、斜めにカットした2×4材を入れて上からビスで固定

 

手前に見えるのが以前作ったというキットガレージ。その奥に、カーポート、今回の自転車小屋と並んでいる

 

外壁に使用したトタンは、波形が大きいものをチョイス。普通のトタンよりも少し分厚いためグラインダーで切断するのに苦労したそう

 

<DATA>
製作者…Uさん(37歳)
DIY歴…12年
製作期間…4日
製作費用…約12万円
作品サイズ…幅1800×奥行3600×高さ2500mm

 

家族の自転車+キャンプ道具を収納できる物置として作ったUさんの作品がこちら。子どもたちが将来バイクに興味を持ったら、バイクガレージとして使えそうな、世田谷ベース風のアメリカンな小屋に仕上げたのがポイントだ!

この小屋は、材の加工にかかる手間と出てくる廃材を減らすために、900×1800mmのコンパネを基本サイズ(小屋の幅はコンパネ2枚、奥行はコンパネ4枚分)としている。設計図は描かずに製作したが、以前2×4工法で製作したキットガレージのノウハウが生かされ、施工自体はとくに問題なく進められたそう。基礎は羽子板つきブロックを6つ置き、土台には防腐剤塗装済の角材を使用。床板は張らず、整地した砂利を地面にしている。外壁はコンパネの上から防水シートで全体を覆い、トタン波板を張り付けた。

家族からは「ええやん」の一言だけで終わってしまったが、近所の人には「どこのメーカーのキット?」「いくらしたの?」との声。そんな質問をしてしまうのも、この出来栄えを見れば納得です!

 

屋根材はアスファルトシングル。屋根下には透明の中空板(ポリカプラダン)をつけて明かり取りに

 

看板はパソコンで普通用紙にプリントした文字を、カッターで切り抜いて型紙を製作し…

 

型紙をあてて、アルミ板の上からラッカー系のスプレー塗料を吹き付けた。取り付けはカラーを挟んだ長めのボルトを貫通させて中から留めた

 

内装はいたってシンプル。奥側には棚を作り、上はアウトドア用品、下はタイヤ収納として使用。両側面の柱には2×4材をつけ、簡易的な棚や一輪車の収納などに使っている。天井部分も長物収納として活用

 

電池式のセンサーライトをつけ、夜間の出し入れも可能に。100円ショップで購入

*掲載データは2013年10月時のものです。

キットガレージをDIYで自分スタイルにアレンジしてみました!/みんなのガレージ&工房(その3)

愛車を格納するガレージをキットで購入。ひとりでこつこつと組み立て、内部は趣味のDIYに使いやすくアレンジ。休日を木工三昧で過ごすスペースを自作で作り上げた。

このガレージは施主のSさんが、2005年に約半年かけて手作りしたグリーンベルのキットガレージ「ヒューロン」。製作前にはグリーンベルの主催する組み立て講習会にも参加し、2×4工法で組み立てるキット製作のノウハウを学び、万全の体制で自作にのぞんだという。

 

二段こう配二面切り妻のギャンブレル屋根が特徴的なSさんのガレージ工房。見えている内部壁面が工房のスペース

 

<記事内ギャラリー>

オーバーヘッドスライダーも自分で設置

基礎だけは業者に頼んだが、基礎から上はすべてSさんひとりによる作業。規格化された2×4工法のキットとはいえ、ひとりDIYで建物の組み立てというのはなかなか大変で、高所作業や暑い真夏に重なってしまった屋根のシングル張りは、果てしない作業に思えたそうだが、それだけに充実した組み立ての経験になったということだ。
ガレージドアはアメリカで見て以来あこがれていた電動式のオーバーヘッドスライダー。

ドアの材はガレージ本体と同じサイディング材を使って組み立て、リモコン付き電動オープナーはアメリカから輸入して取り付けた。

屋根垂木の間には断熱材を入れ込んだが、効果のほどは少ないという。その屋根部分の高さを生かして、屋根の内側に沿ってぐるっとロフトを設置。大容量の物置きとして活用している。壁の一面には手前から奥まで幅50cmの作業台を設置し、反対側の壁にはサブロクサイズの折りたたみ式作業台を取り付け、車を出せば広々とした工房・倉庫として使えるようにアレンジしている。収納には壁収納を目一杯に活用し、多くの道具、工具を収納している。

いい作品づくりのイメージやアイデアが浮かんだ週末は、このガレージにこもってDIY三昧に過ごすのが、Sさんお気に入りの休日の過ごし方だ。

 

オーバーヘッドスライダーを閉じた状態。ガレージ工房の塗装はSさんのオリジナル。ガレージ工房の奥には新しく建てたキットハウスが見える

 

 

ガレージ工房の片方の壁に沿って入り口から奥まで幅50cmの作業台が作りつけられている。収納は壁面を目一杯利用する

 

独自に雨ドイを設置。これで耐久性が大きく改善される

 

出入り用の側面のドアはアルミサッシ。ウッディな感じに改造したいという

 

内側から見たガレージドア。ガレージ本体と同じサイディングボードを使っている

 

下から見上げた屋根方向。屋根の内周を全部ロフトにして収納力をアップ。真ん中の梁に吊り下げられているのがドアオープナーのモーター部分

 

片側の壁にはサブロクサイズの合板をそのまま1枚天板にした作業台。サブロクサイズにしたのは天板が痛んできたら、簡単に交換できるため

 

写真の作業台。実は折りたたみ式になっていて、車を入れる場合は壁面に収納する

 

<DATA>
施主…Sさん(59歳・会社員)
DIY歴…10年以上
製作費用…約70万円
実働製作期間…約50日
面積…約22.5㎡

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年12月時のものです。

その他の自作ガレージ&工房も要チェック!

その1・自作ガレージに自作工房をドッキング!

その2・ビオトープ前でのんびり!デッキつきカーポート一体型ガレージ

ビオトープ前でのんびり!デッキつきカーポート一体型ガレージを作っちゃいました/みんなのガレージ&工房(その2)

ビオトープ観賞用のデッキを作るはずだったが、バイクや車がかわいそう……と、ガレージ、カーポートを次々にDIY。愛車を雨からガッチリ守る、理想の空間を自作することに成功した。

施主のTさんは、まず、10年ほど前に自宅庭にビオトープを作り、観賞用の簡単なウッドデッキを製作。それが朽ちてきたため、改めてデッキをDIYしようと考えていた矢先、書店でガレージを紹介する本を見かける。

「雨ざらしのバイクがかわいそうだし、デッキ付きのガレージにしてしまおう!」とひらめき、Tさんはガレージ作りを始めたそうだ。

 

ガレージとカーポートは屋根の勾配を合わせてある。出入り口にはスロープを作ってバイクを出し入れしやすくした

 

【ギャラリー一覧】

金具を使ってカーポートを一体化

「デッキだけのはずが、知らぬ間に壁や屋根がついたガレージになってたんですよ(笑)」とTさんの奥さん。

本誌50号の「ガーデンシェッドを作る」やDIYシリーズ『日曜大工で作る!ガーデン収納&物置小屋』を参考に製作した2×4工法のガレージ。コンクリート平板の基礎の上に根太枠を置いた土台に、24mm厚合板の床下地、床板を張る。床板は、壁に使ったスギ板をプレーナー加工したものを使用した。ガレージ完成後には、車が不憫になりカーポート屋根を製作。一体化したような造りにするため、ガレージと屋根をシンプソン金具でつないだ。

現在は、ガレージのトタン屋根を屋上デッキに作り替える計画を立てている。「ここは群馬県内でも暑い地域。デッキ屋根にすれば空気の層ができるし、今よりは快適になるはずです!」と夢を膨らませている。

 

ビオトープ側にミニデッキを作った。ビオトープは穴を掘り、ビニールハウスのビニールを二重に敷き、その上にブルーシートを敷いて、土を埋め戻して形成した。水草はコウホネや菖蒲。コイが住んでいる。「いろいろなトンボが飛んできますよ」(Tさん)

 

バイクはカワサキのTR。エンジンとフレーム以外を改造した。電気は母屋の屋外コンセントから引いて、50Aまで使用できる

 

壁面収納のドアに市販の鏡を使用

 

ガレージドアを開けると、ビオトープを臨め、室内の雰囲気が変わる

 

ドアを閉めた状態。外壁にいろいろな看板を張ってアメリカンスタイルに仕上げた

 

ガレージとカーポート屋根の接続部

 

換気扇のフード。ガレージ内に熱がこもりやすいため、暑さ対策に換気扇を設置

 

<DATA>
施主…Tさん(46歳・会社員)
DIY歴…約10年
製作費用…約30万円
実働製作期間…約6カ月
面積…約9㎡

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年8月時のものです。

 

その他の自作ガレージ&工房も要チェック!

その1・自作ガレージに自作工房をドッキング!

その3・キットガレージをDIYで自分スタイルにアレンジ!

自作ガレージに自作工房をドッキングしちゃいました!/みんなのガレージ&工房(その1)

毎回、読者自慢のDIYガレージ&工房を紹介するコーナー。オリジナリティーにあふれた、自作ならではの世界にひとつだけの作品を紹介していく。

第1回目は、週末を過ごす別荘に作った自作ガレージ&工房だ。

南アルプスの名峰を望む高原にキットガレージを改造した別荘をDIYで建てたKさん。現在、愛車のガレージになっているスペースは、その母屋を作るための資材や工具を置いておく小屋が必要ということから、母屋作りと同時進行で建てられた。

 

ガレージ&工房の前側全景。左側がガレージ、右側が工房となる

 

<記事内ギャラリー>

 

ガレージ側面に工房をドッキング

母屋を作りながら、家づくりの腕を上げていったKさん。ガレージ作りでは、自分で図面を引き、材木、資材をそろえて、週末ごとに現地に通い、完全DIYで製作し、資材置き場、工具倉庫、工房などとして使っていた。

このスペースを愛車のガレージとするのを機会に、ほこりを避けて愛車をきれいに保管したいので、新たにガレージ横に工房を増設し現在に至っている。

Kさんの作る建物は、基本的に2×4工法。このガレージ&工房もコンクリートのベタ基礎の上に土台を回し、その上に壁を立てこんでいくという工法で作られている。屋根、壁には断熱材を入れることで、夏の炎熱も防ぐことができる。

新しく増設した工房部分のメインドアはオーバーヘッドスライダー。専門業者に問い合わせると、組み立て作業も込みでないと注文できないということで、Kさん、自ら図面を引き、材料を発注し、自分で組み立ててしまったという力作だ。自作ガレージと工房は週末別荘暮らしの大切な設備として有効に使われている。

 

ドアを閉めた状態。ドアはクリア塗装されている

 

 

工房の前面ドアは自作のオーバーヘッドスライダーが取り付けられている(開けたシャッターを下から見た状態)

 

ケーターハムをガレージ奥まで入れるために、ロフトスペースを作って荷物や工具を上げてしまう

 

工房の天井には集じんシステムのパイプが取り付けられ、工房奥の集じん機で集じんできる

 

工房の室内作業台のスペースを大きく取った、長細いレイアウト。左に見えるドアでガレージと行き来する

 

<DATA>
施主…Kさん(65歳・自営業)
DIY歴…約6年
製作費用…約50万円
実働製作期間…約4カ月
面積…約39平米

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年6月時のものです。

 

その他の自作ガレージ&工房も要チェック!

その2・ビオトープ前でのんびり!デッキつきカーポート一体型ガレージ

その3・キットガレージをDIYで自分スタイルにアレンジ!

味気ないスチール製の物置を変身させるアレンジ術/ガーデン収納DIY大作戦!(番外編1)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

File04/モルタル造形の南仏風物置はコチラ

 

引き戸のみを付け替えちゃった! 味気ない物置を変身させるアレンジ術を公開

コレが……

物置の元の姿。よくある味気ないスチール製の物置だった

こうなる!

ウッディなオリジナルドアをつけることにより、庭に馴染むようになった物置。ドアのサイズは1枚当たり幅700×厚さ24×長さ1820mm

 

<DATA>
製作者…Nさん(67歳・DIY歴30年)
製作期間…3週間
製作費用…4000~5000円

 

どこの家でも見かけるスチール製の物置。dopa読者であれば「こいつ味気なくて、なんかつまんないんだよな~」と思っている人も多いはず。捨てるにはちょっと手間がかかるしもったいない、だけどこのままはなんとなく嫌。

だったら一部分を改造して庭に馴染ませちゃうってのはどうでしょう! 物置からドア部分のみを取り外し、自作のドアに付け替えたのがNさん。ビフォー・アフターを見ればわかるとおり、既存のドアを付け替えるだけで、こんなに雰囲気が変わっちゃうのは驚き。

Nさんがドアに使用した主要資材は、12mm厚と16mm厚のスギ板の廃材。これらをはぎ合わせながら進めていくドア作りのテクニック、公開しちゃいます!

 

*掲載データは2013年10月時のものです。

モルタル造形の南仏風物置を作りました!/ガーデン収納DIY大作戦!(3)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

File02&03/かわいらしいデザインの個性的な物置はコチラ

 

<記事内ギャラリー *画像をタップするとご覧いただけます>

 

File04 壁を作るのは2面だけ!? 駐車場の擁壁を利用した物置小屋

駐車場を囲う擁壁を利用して作られたモルタル造形の小屋。物置には見えない完成度

 

内部の収納棚の様子。擁壁にコンクリートビスで棚受けを取りつけ、棚に。擁壁上に取りつけたミニパネルの構造もよくわかる

 

<物置DATA>
製作者…Sさん(55歳)
DIY歴…8年
製作期間…約1カ月
製作費用…約10万円
作品サイズ…幅3800×奥行1800×高さ2600mm

 

ヨーロッパの片田舎で老夫婦が素朴な暮らしを営む、ついそんな想像が頭をよぎるSさんの物置小屋。「背面はどうなっているのかな~」と裏に回ろうとするも壁に当たって進めない…。そう、これはコンクリートブロックの擁壁を利用して作られた簡単施工の物置なのだ!

土留めのための擁壁がコの字に建つ駐車場スペースに目をつけたSさん。この擁壁を物置の背面と左側面に利用。L字にコンクリートブロックを並べて布基礎を作り、残る正面と右側面に2×材を使った壁パネルを立ち上げることにより、大幅に時間と費用を短縮して小屋を作ることに成功した。

内部の擁壁部分には直接棚受けを取りつけ、棚を製作。車のパーツや工具を収納している。なお背面と左壁面の擁壁の上部には2×材で小さなパネルを作り、屋根の垂木や合板を受けている。

小屋の外壁は造形用のセメントを用い、南仏の片田舎をイメージしながら、セメントを彫り出し着色していった。ちなみに壁の下地は合板。ここにルーフィングを張り、ラス網、骨材の混ざった下地のモルタル、造形用モルタルを塗り重ねていった。同じく造形で作られたフェイクの煙突も素敵な仕上がり。しかし、この小屋、のちのち取り壊す予定だという。

「次は手抜きせず、ここに本格的なガレージを作りたいね。車4台収納でロフトつき。ロフトはホビースペースで決まり!」とSさん。南仏風のガレージが姿を現すのもそう遠くなさそうだ。

 

背面から物置を見ると擁壁を利用しているのがよくわかる

 

屋根にはフェイクの煙突が。こちらもモルタル造形

 

入口ドア部分。鉄のフラットバーをカットし叩いてエイジングした後、蝶番と接続。味のあるドア飾りに仕上げた

 

小屋内部から煙突を見た様子。真っすぐに伸びた2×4材が煙突のフレームになっている。小窓はアクリル板を使用

 

Sさんがこれまで作った物置小屋グラフィティ

電動工具を収納した物置。すべて南仏風×モルタル造形仕上げ

 

こちらは奥さんのガーデニングツールを収納している物置

 

これがSさん処女作の物置

 

小屋風物置

 

プロパンガスと灯油が収納されている

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年10月時のものです。

かわいらしいデザインの個性的な物置小屋2連発!/ガーデン収納DIY大作戦!(2)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

File01/パーゴラ&デッキつき工房物置はコチラ

 

<記事内ギャラリー *画像をタップするとご覧いただけます>

 

File02 童話の世界から飛び出したかわいいメルヘンシェッド

童話に出てくるような白壁の建物をイメージしたというメルヘンな物置小屋。物置にするのがもったいないくらいの出来栄え

 

物置内部は1×材で作った棚を設置。奥にはドア枠のようなユニークな形の補強材を入れ、その左右上部に板材を載せ、収納棚として利用

 

<物置DATA>
製作者…Nさん(42歳)
DIY歴…6年
製作期間…約1カ月
製作費用…約30万円
作品サイズ…幅2600×奥行3600×高さ3000mm

 

最初はゴミ集積所として利用するつもりだったという信じられないエピソードを持った作品がこちら。完成した小屋を前に家族は「もったいない!」と大反対! そんなわけでかわい~い物置が生まれたというわけ。

童話に出てくる小屋をイメージし、窓やドアなどの建具に曲線を導入。壁の下地にはラスカットボードを使い、漆喰の壁塗りで仕上げている。漆喰の経年変化によるクラックに備え、ラスカットボードの継ぎ目には木の皮のついた飾り材を固定。この飾り材がメルヘンチックなデザインに一役買っている。

漆喰塗り完了後、雨により汚れが落ちるという光触媒塗料を塗り、外壁のメンテナンス性の向上を高めているところもポイント高し!

 

塗り壁仕上げの物置を作るため、壁の下地にはラスカットボードを使用

 

壁に使用したのはセンプラム。スペイン産大理石粉末入りの漆喰材。10mm以上の厚みで塗れるので、ダイナミックな表情付けもOK

 

こちらがセンプラム

 

File03 個性的なガーデンシェッドはステンドグラス風の窓がポイント

躯体には2×材と90mm角の角材を使用。なるべくビスを使用せず、ホゾで組み上げて製作。正面の看板は糸のこで文字を切り抜いて作った

 

室内にはベンチとミニテーブルがあり。道具を並べて収納に使うもよし、庭仕事の合間にひと休憩するもよし。こんな物置の使い方もありです

 

<物置DATA>
製作者…Sさん(26歳)
DIY歴…3年
製作期間…約1カ月半
製作費用…約5万円
作品サイズ…幅1200×奥行1200×高さ1900mm

 

『北の国から』の五郎さんよろしく、自宅のラベンダー畑に個性的なガーデンツールシェッドを作ったのは北海道のSさん。

まず目を引くのが、小屋の3面に取りつけられたステンドグラス…いやいや、実はこれ、ポリカーボネイトの平板なんです! グラスデコというクラフト用の塗料を使い、ポリカ平板に直接イラストを描けば、即席のステンドグラスが完成。

ドアをあければ、小屋のフレームを利用したベンチとミニテーブルも完備。ガーデンツールを収納するだけでなく、庭仕事中、一息つける休憩スペースにもなるというわけだ。一度座ったら思わずゆっくりしちゃいそう。

 

グラスデコを使えば、アクリル板やポリカ平板もステンドグラスのように変身!

 

物置左側面には出窓あり。屋根に生えたキノコは廃材を使ったチェンソーアート作品

 

物置背面。矢印のような個性的なシェイプが印象的

*掲載データは2013年10月時のものです。

野外工房として大活躍のデッキ&パーゴラ付き物置をご覧あれ!/ガーデン収納DIY大作戦!(1)

物置は手作りに限る。

理由その1、あいているスペースに合わせて作れる。
理由その2、収納したい物に合わせて作れる。
理由その3、好みのデザインで作れる。

すなわち物置は、自分の都合に合わせて作ったものと、そうでないものの、満足度の差がとりわけ大きいというわけ。

では、どうすれば自分仕様の物置が作れるか?

そのヒントも答えも、これから紹介する数々の手作り物置の中に、わんさと見つけられるはず。

 

<記事内ギャラリー *画像をタップするとご覧いただけます>

 

File01 デッキ&パーゴラつき物置はアイデア満載の野外工房!

物置の扉をあけ、作業台と収納棚をセットすれば、庭が即席の工房に変身! 少ないスペースでもここまでできる!

 

小屋の躯体、デッキ&パーゴラには2×材を使用。床と壁には3×6(サブロク)板の合板を使用し、材を切らないで済むように設計した

 

小屋側面の様子。塗り壁部分は合板にラス網を張り、骨材が混ざった軽量モルタルを2回塗りし、水性塗料を塗って仕上げている

 

<物置DATA>
製作者…Sさん(51歳)
DIY歴…15年
製作期間…約5カ月
製作費用…約5万円
作品サイズ…幅1820×奥行1950×高さ2400mm(デッキ含む)

 

黄色い塗り壁仕上げの物置の前を作業スペースに、木工作業に没頭するのは、普段は飲食店の店主として腕を振るうSさん。週に一度の休みを利用し、コツコツと物置作りを続けること5カ月、ついに理想の物置を完成させた。

製作の際、心掛けたのは「材を無駄なく使う」こと。床と壁はそれぞれ3×6(サブロク)板の合板1枚、背面の壁は3×6板の合板2枚…と使用する材料に合わせて物置のサイズが決定。材をカットする回数が減り、2×材も1820mmのものをそのまま使えるなど合理的。

物置を使う際はすぐに作業ができるようにと物置と同サイズのデッキを併設。物置内部には自作のキャスター付き収納台と卓上丸ノコ&集じん機を据え置いた作業台を収納。収納台に入れるツールボックスの規格をすべて同じものにそろえることで、使用頻度や目的によって、箱ごと入れ替えができるように工夫されている。物置の扉をあけて、デッキ上に収納棚、作業台をセットすれば、庭が即席の野外工房に変身しちゃうのだ!

物置のサイズといい、簡単ですぐに真似できる実用的なアイデアといい、Sさん、お見事です!

 

右扉内側は吊り下げ収納スペース。ドア枠に直接ビスを打ち、引っかけて工具を収納。ワイヤーネットを取り付ければフックもかけられるので便利

 

左扉内側。ドア枠にドリルで穴をあけ、ドライバーやカナヅチを収納。下部には端材の合板で棚を取り付け、自分で調色した塗料などを収納している

 

ツールボックスには中身がわかるようマーキングしておくのが基本。箱の中に何が入っているか一発でわかるので、作業が手間取らずに済む

 

キャスターのついた移動式収納台。収納するツールボックスの規格を合わせておけば、使用目的によって箱ごと入れ替えができるのでおすすめ!

 

こちらは合板で作った収納台

 

ツールボックスの中もきっちり仕分けて整理整頓。コンビニのアイスコーヒーのカップが役立っているとか

 

収納台の側面には2×材のサイズ表をペタッと。これが意外と便利なんです

 

屋根材にはオンデュリンをチョイス。南欧風の塗り壁と相性ばっちり

 

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年10月時のものです。

手作りキャンプアイテムのアイデアとテクニックが満載!DIYキャンプギアに関する記事をまとめました

キャンプブーム&DIYブームで、キャンプで活躍するグッズ・ギアも自作する時代!

本記事ではこれまで掲載した、全国のキャンパーたち自慢のオリジナルギアや、定番ギアの実践リポート記事をまとめて紹介します!

 

 

キャンプギア作り・DIY実践リポート編

 

1.焚き火スタンド&ハンガー

溶接なしで作れる焚き火ギアセット。火床のメッシュは交換可能で経済的。お手軽アイアンDIYでタキビストに変身だ!

 

2.焚き火用ヘキサテーブル

キャンパーが欲しいギアNo.1のテーブルを超ローコストかつお手軽に作っちゃおう!天板と脚はホゾ継ぎで接合。ビスやクギは一切不要!

 

3.ドーナッツグリルテーブル

ちゃぶ台スタイルでワイワイ楽しもう!サイドテーブルと一体化したちゃぶ台モードにもなる!

 

4.アウトドアナイフを作ってみた!

鉄工用の金ヤスリが、なんとナイフに変身する。簡単レンガ炉で熱し、ハンマーで叩いて、ディスクグラインダーで成形・研磨するという流れ。はじめてでも1日あればできてしまうナイフ作りをリポート!刃の長さは約90mm。ハンドルはヒメシャラの木

 

5.革でナイフのシースを手作りしてみた!

手作りシースの定番は革か木だが、ここではあえて本誌で馴染みのないレザークラフトを取り上げよう。初心者でも十分楽しめる内容なので、皆さんぜひチャレンジを!手作りナイフにぴったり合うシースが完成した。革だけに、時とともに味わい深さが増すだろう

 

6.カップ(ククサ)を作ってみた!

フィンランドに古くから伝わるククサというカップをイメージしたデザイン。ブロック状の木材をひたすら手工具で削るという、シンプルな作業で作り上げる。削り作業に没頭する時間、手作業で作ったものならではの味わい…満足度120%!手で削ったからこその素朴な表情がいい

 

7.すぐできる技を直伝!キャンパーのための鉄&布加工テクニック

鉄工編

裁縫編

DIYキャンパーのネクストステップは、ズバリ鉄と布の加工。木工と組み合わせれば、ギア作りの幅が一気に広がること間違いなし!ここでは誰もがトライできるお手軽テクニックを厳選して紹介

 

 

全国のDIYerによる自作キャンプギア・実例編

 

8.大人の火遊びアイテム「手作りストーブ」の世界

9.屋外の暖房器具「手作り焚き火台」の世界

きっかけは趣味の竹細工で大量に出る端材をエネルギーに変換するため。手始めに小さなロケットストーブを作り、その後は薪ストーブ、焚き火台……、気づけば数々のアウトドア用の燃焼アイテムを自作してきた。そんな西川さんが気の合う仲間と集い、火を楽しむために作った作品の一部を紹介!

 

10.おしゃれで機能的なローテーブルが大集合!
前編
後編

キャンプメシのお供にぴったりなローテーブルを5作品収録!

 

11.ハイクオリティなキャンピングチェアが大集合!

DIYとは思えないハイクオリティな椅子を3作品掲載!いくつものスティック状の材が並ぶ写真のチェアは、デザイン的にも面白い

 

12.持ち運びに便利なキャンプ用の棚(シェルフ)を紹介!

記事内では2作品紹介。写真はリマジャグの購入をきっかけに作ったというジャグスタンド。自作するならコンパクトさが大事!

 

13.散らかりがちな小物類はハンガーラックですっきり!

記事内では4作品掲載。写真は硬質な素材ながら、曲線が柔らかさを感じさせるアイアンらしい作品だ。6mm径の丸鋼はペンチで簡単に曲げることができるそう

 

14.自作ハンモックでキャンプサイトをもっと快適に!

写真は、レインボーカラーのハンモックに、濃いグリーンがぴったりのハンモックスタンド。先端のコースターがアクセントになっている

 

15.こんなものまで!?なユニークなキャンプギア

左の炭の入った炉で飯盒内部の水を温め、右のコップに入れた酒を湯煎する仕組み。スルメイカでもあぶりたくなりますな~。他にはドリッパースタンドや背負い籠など、4作品を掲載。

 

オリジナルキャンプギアを作る本の第2弾『DIYでキャンピングギアを作る本Vol.2』が好評発売中!

同書は、2018年に発売し9刷を重ねたムック「DIYでキャンピングギアを作る本」の第2弾。昨今のアウトドアブームやDIYブームによって、キャンピングギアを自作する人が急増しているなか、「dopa」編集部が総力を挙げて、キャンパーたち自慢のオリジナルギアを全国で取材。手作りキャンプアイテムのアイデアとテクニックが満載の一冊です。

*内容の詳細はコチラ!

【書籍概要】
著者:ドゥーパ!編集部
定価:本体1600円+税
判型:A4変形

家族みんなが笑顔になる!菜園つき広々ウッドデッキ/最高の居場所があるガーデンファイル(11)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

10回目となる今回はプロが作る最高の居場所を紹介!

 

<記事内ギャラリー>

 

File11 家族が集まるウッドデッキは菜園付き

デッキの全景。写真左の路地が車が入れないほど狭いため、「駐車場が作れないなら菜園デッキに!」というのが施工のきっかけだとか

 

デッキでくつろぐOさん一家と友人たち。「育てて、収穫して、食べる」という自然のサイクルがデッキの居心地をワンランク引き上げる

 

<DATA>
主要デッキ材…国産杉+木材防護保持剤仕上げ
デッキ面積…約60㎡
主な設備…菜園、芝+ブランコ、パーゴラ、ガーデンキッチン

 

某県で蜜ロウワックスや木材を販売するOさんは、自宅のデッキを「育てる、収穫する、食べるアウトリビング」をコンセプトに友人に設計を依頼。地元大工さんに施工をオーダーし、菜園あり、レンガかまどありの、家族や仲間が集まる憩いのデッキ空間を手に入れた。

施工だが、はじめに菜園と芝部分、かまどのレンガを積んで、それぞれの位置を決定。その後、デッキの束柱を立てて作業は進行。デッキの材料には自ら販売するオリジナルデッキ材を使用した。娘のために自宅ベランダデッキとフェンスをつなぐパーゴラにはブランコを設置。デッキの一部に穴をあけさまざまな植栽を設置しているところは、自然を愛するOさんならでは。フェンスはR状に丸めて設置し、柔らかなイメージを演出しているのも落ち着く空間作りに一役買っている。

休日には家族や友人とともにデッキでバーベキューや流しそうめんを楽しむというOさん一家。〝デッキ×菜園〟という素敵な組み合わせは、今日もみんなを笑顔にしている。

 

夜間のデッキはライトアップされ、昼とはまた違った表情を見せる。夕食時に室内から眺めるのも楽しみのひとつ。 また、ベランダとフェンスをまたぐパーゴラにはブランコを設置。子どもたちが喜ぶアイデアを組み込むのも忘れない

 

白菜、長ネギ、大根…デッキの小さな菜園でもこんなに立派な野菜が収穫できます

 

ほっかほかの焼き芋など、レンガを積み上げて作ったかまどで季節の野菜を楽しむ

取材協力◎小川耕太郎∞百合子社/写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

開閉式の壁と落葉樹で快適空間を演出したウッドデッキをご覧あれ!/最高の居場所があるガーデンファイル(10)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

10回目となる今回はプロが作る最高の居場所を紹介!

 

<記事内ギャラリー>

 

File10 ウッドデッキを生かすのは、開閉式の壁と落葉樹!

3面は母屋に囲まれ、残す1面は引き戸を閉めて、四方を囲ったプライベート感たっぷりのデッキ。落葉樹のヒメシャラが葉を落とす冬、空からデッキ全体に光が届く

 

2階からデッキを眺める。鴨居の上端にはガルバリウムを張っている

 

<DATA>
主要デッキ材…防腐処理済みSPF
デッキ面積…約16㎡
主な設備…開閉式の壁(引き戸)、落葉樹

 

これぞ、住宅地で本当に活躍するウッドデッキの形だ。3面を母屋に囲まれた庭にデッキを作り、唯一、周囲に向かって開け放たれた面には、引き戸を装備。人目が気になる時間帯には引き戸を閉じ、気にならないときは開ける。いわば開閉式の壁を設けることで、住宅地でも常に落ち着いて過ごせるガーデンリビングとなる。

確かにここで紹介する例は、3面を母屋に囲まれた庭だから可能なデザインだが、そうでなくても、デッキの隅に新たに柱を立て、その柱までの間に引き戸を設けるなどすれば、近い状態に仕上げられそうだ。

四方を囲ったプライベート感重視のデッキでは、空とのつながりが、より強く意識される。そして、空との関係性を絶妙に調節してくれるのが、落葉樹だ。夏には葉を茂らせ、厳しい陽射しをさえぎる天然のパラソルとなり、冬には葉を落とし、暖かな陽射しをデッキに通す。

「デッキだけじゃなくて、家の中も夏は涼しくなるし、冬は暖かくなるんです」

と、十数年にわたり落葉樹の恩恵を受けてきた住人も、太鼓判を押した。

 

引き戸を全開にした状態。人目が気にならないときは、こうしておくと開放感が高まる

 

外から見た引き戸全開状態

 

外から見た引き戸全閉状態。1枚の幅約1.4×高さ約2.2mの戸が3枚連なる

 

ヒメシャラが伸びる部分はデッキを切り欠いている。木の生長に合わせて、切り欠きを広げてきたそう

 

壁から壁へと渡された鴨居。内部には、3枚の戸の吊り戸車が転がるため、3本のレールが通る

 

敷居のレール。この中を、戸の底につけた戸車が転がる

 

全開状態のとき、戸はこのように収まる

 

夏のデッキ。茂る葉が影を作る

 

取材協力◎グリーンギャラリーガーデンズ/写真◎福島章公

*掲載データは2013年2月時のものです。

5㎡未満の床面積にDIY歴20年の履歴がギュッと詰まったセルフビルド工房/みんなのガレージ&工房(9)

以前は広々とした工房で木工を楽しんできたSさん。転居先の限られた敷地にセルフビルドした工房は5㎡足らずだが、DIY歴20年の間にそろった工具などを上手に詰め込み、最大限に快適な作業環境を作り上げた。

 

<記事内ギャラリー>

 

空きスペースいっぱいに建てたガルバリウム張りの工房。屋根もガルバリウム波板だ

 

5㎡足らずの室内ながら、たくさんの工具を収め、作業スペースも確保している。作業台の下は愛犬の居場所

 

<DATA>
施主…Sさん(72歳)
DIY歴…20年
製作費用…約20万円
実働製作期間…約2カ月
面積…約4.9㎡

 

 

工具の配置や収納を工夫して使いやすい狭小工房に

ガルバリウム波板で壁を仕上げた、かわいらしい小屋がSさんの工房。ケヤキの板で自作した看板には“グラン・チャイルド(=孫)舎”の文字。これまでお孫さんのために数々の作品を作ってきたSさんの木工歴をよく表している看板だ。

実は、以前はもっと広々とした工房で木工に没頭していたSさん。転居先にはスペースの余裕がなく、同様の作業環境を作ることはできなかったが、それでもできるだけ快適に木工を楽しみたいと、間口2730×奥行1820mmの工房小屋をセルフビルドしたのだ。

新工房には、以前から使ってきた工具などを可能な限り持ち込んだ。テーブルソー、トリマースタンド、ボール盤、角ノミ機、糸ノコ、卓上丸ノコ…DIY歴20年だけあって、大型工具もそろっている。ただ、大型の電動カンナ類はさすがに収まりきらず、別の場所に保管しているそうだ。

真ん中に鎮座する作業台も、以前の工房から引き続き使っているものだが、元はもっと大きかったのを、この工房に収まるサイズにぶった切ったのだとか。

窓を開ければ長材も扱えるように、テーブルソーを窓際に配置しているのは、狭小工房にとても有効な工夫。小物類は中身がわかるようにラベルを張った収納箱にしまい、その箱を棚にビッチリ詰め込むことで収納量を増やしていることにも注目したい。

そんな風に空間の使い方にこだわるSさんだが、作業台の下には愛犬の居場所をしっかりと確保しているのが面白い。以前より狭くなったとはいえ、愛犬と寄り添いつつ木工に没頭できるこの工房も、どうやらすっかりお気に入りの様子だ。

 

テーブルソーは窓際に。窓を開ければ長材も取り回せる

 

小物類はクリアケースなどに詰め込み、ラベルを張って棚に並べている

 

ランダムサンダー、ブロワーなど、この工房ではあまり使わない工具は、工具名を書いたカバーをして上の棚へ。カバーはSさんが工業用ミシンで自作した

 

天井には断熱材の発泡スチロールが見える。なお、この小屋はホゾ組みと金物を併用し、軸組み工法で作った

 

使える壁面はすべて収納に活用。隅にトリマースタンドのカバーが見える

 

夏場の室内はかなり暑くなるので扇風機は欠かせない。壁際には自作の扇風機専用ホルダーが

 

ドアのわきには、愛犬用の出入口を製作

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2013年12月時のものです。

ギャラリーを併設した木工家の工房はハーフビルドで建てました!/みんなのガレージ&工房(8)

今回は、なかなか見ることのできないプロの木工家が仕事場にしている工房を紹介。工房の構造から外装を本職の大工が作り、内装はDIYで作るハーフビルドと呼ばれる方法で作られている。

 

<記事内ギャラリー>

 

東京都町田市郊外の山すそに建つ平屋作りのシンプルな工房。手作りのウッドデッキも見える

 

据え置き型の電動工具や、素材となるオニグルミの在庫が置かれた工房内部。内壁となる石膏ボードは張ってあるが、まだむき出しのままで仕上げを待っている

 

<DATA>
施主…Oさん(39歳・木工家)、Kさん(44歳・会社員)
DIY歴…7年(Kさん)、プロ10年(Oさん)
製作費用…約900万円
実働製作期間…2008年から進行中
面積…60㎡

家具作りの合間に内装作業もコツコツ進行中

家具作りの工房として基礎から外装、サッシ、シャッターまで、つまり鍵を掛けて戸締りできるところまで大工に建ててもらい、木工房として使いながら、作り残している内装は自分たちで製作している。

ここを仕事場としているOさんは注文家具の作家さん。国産無垢材にこだわったやさしいカーブを生かしたデザインや、植物油、自家製蜜蠟ワックスを使う環境に配慮した仕上げの作品で、ひとつひとつをていねいに作るため、いつも順番待ちの状態という評判の家具作家だ。音の関係で自宅では作品づくりのための電動工具を動かすことができないので、自宅から通いが可能な場所に土地を求め、この工房が建てられた。

工房は間口約5.4m。奥行き約7.28mで、100V電源のほかに、三相200Vの電源も引かれ、大型の電動工具にも対応できるようになっている。ギャラリーとして造られた工房奥にはトイレやシャワー、キッチンも完備し、長時間じっくりと作品づくりに取り組める環境も整備した。

内装作業は写真でご覧のとおり目線が通る高さまでは、ほぼ完成している。これからは脚立が必要な高い場所に取り掛かりたいということだ。平日は注文家具作りに追われるOさん、週末などを選んで夫のKさんと共同作業で、少しずつ作業を進めている。まだ時間がかかることはわかっているので、素材選びもじっくりと吟味しながら、こつこつと満足のできる内装作りを楽しんでいきたいということだ。

 

工房から見上げた屋根小屋組み部分。在来軸組工法で建てられていることがわかる

 

ギャラリーからは4連のフィックス窓を通して工房を見通せる

 

ギャラリーには薪ストーブが設置されている

 

昇降盤(プロの使う高精度のテーブルソーの仲間)は三相200V電源のモデル。上には木取りされた材が整理されている

 

ギャラリー奥のトイレ(左)とシャワー・脱衣所(右)のドアもDIY。素材はウォールナット。スペースの関係で左は開き戸、右は引き戸と工夫されている

写真◎高島宏幸

*掲載データは2013年8月時のものです。

ツリーハウス下に多目的空間&ベンチつきパーゴラを作った!/最高の居場所があるガーデンファイル(9)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File09 ツリーハウス下に着目!遊べる多目的空間が出現

ツリーハウスの下部は仲間たちの集合場所。野外工房であり、男たちのバカ話が繰り広げられるプライベートスペース

 

ツリーハウスは5本の広葉樹の木で支えている。1階部分にはトイレ、2階の室内には薪ストーブを完備

 

<DATA>
製作者…Iさん(47歳・不動産業)
DIY歴…15年
製作費用…約150万円(トイレ別)
製作期間…約1カ月

 

ツリーハウス下の広場からにぎやかな笑い声が響く。ここは千葉県の山里に広がるとある会員制の分譲地。この敷地を管理するIさんをはじめ、トムソーヤのような冒険心を持った大人が集まるDIYフィールドだ。

ここでのポイントは敷地内に作ったツリーハウスの下部のスペースを有効活用した点。小屋を支える土台を利用し、頭上に電源を設置。スペース中心に位置したホストツリーには五角形のテーブルを取り付け、野外工房兼バーベキューも楽しめる憩いの空間を作り上げた。

さらに注目すべきは、ツリーハウス2階のベランダデッキから乗り出すプライベート・ターザンロープ! 特注のロープと金具を使い、ワイヤーに引っ掛け滑り落ちていく男たちの顔は子供そのもの。男たちの秘密基地作りにかける情熱は、いくつになっても変わらないのだ!

 

ツリーハウスを支えるホストツリーの1本には、上に登れるよう板材で足場を固定。見張り台をイメージ

 

頭上には電源を設置。電動工具も使用できる野外工房にもなる

 

ホストツリーの1本には、合板で作ったアングルを支えに利用した五角形のテーブルを設置

 

ツリーハウス2階から伸びるワイヤーにロープと特注の滑車を取り付けて、プライベートのターザンロープを実現っ!

 

File10 ベンチつきパーゴラでバーベキューが100倍楽しくなった!

バーベキュー炉とベンチつきパーゴラのあるL型スペースがKさん家のくつろぎスポット。バーベキュー炉裏のアイアンバーはキッチンツールをハンギングするためのもの

 

<DATA>
製作者…Kさん(54歳・公務員)
DIY歴…5年
製作費用…4万2484円
製作期間…1週間

 

バーベキュー炉を便利に活用するために作ったベンチつきパーゴラ。パーゴラは屋根と柱をそれぞれ組み立てた状態で、設置場所に運んで製作。ベンチはバーベキュー炉に干渉するのを避けるため、座板を斜めにカットした。

 

ベンチ正面。座板を斜めに切っているのがわかる。背板受けの取り付け位置が悪く、脚が飛び出している点はよく考えてDIYする必要があったかなと感じているそうだ

 

パーゴラベンチ製作前の写真。バーベキュー炉は花壇の基礎コンクリート上に作った

 

写真◎福島章公、製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

野菜&花畑の中に八角形ガゼボを建てました/最高の居場所があるガーデンファイル(8)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File08 野菜&花畑の中の八角ガゼボはガーデニング好きが集う社交場

補修を楽に行なえるように青い腰板は取り外し可能にしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(75歳)
DIY歴…12年
製作費用…約12万円
製作期間…2年

 

 

Sさんは奥さんが経営する喫茶店の近くで家庭菜園を楽しんでいた。しかし、年を追うごとに畑仕事が辛くなり、また育てた野菜を余らせてしまうことも……。

畑を減らす案として、思い付いたのが土地を〝小屋で埋める〟だった。薪ストーブを使う喫茶店のための薪小屋作りを手始めに、資材や道具置き場などを製作。「休憩スペースも欲しいな~」と奥さんにリクエストされ、八角形のガゼボを作ることに。

凍結防止のため、深さ約50cmの穴を掘り、砂利を転圧し、その上に基礎石を置いた。根太が集中する中心部は八角形の基礎石を作り、安定するようにしている。

土台と柱は知人から安価で購入した角材を使用。屋根の垂木と柱はDIYでホゾ加工して組み立てた。

屋根は柱だけで支える予定だったが、屋根材を載せてみると、軽く押しただけでグラッと揺れた。これはマズイと土建業の知人に相談し、鋼板製の補強材を作ってもらい取り付けると、頑丈な造りになった。

完成後、奥さんがガーデニングにハマり始め、今では土地の4割が花畑になっているのだとか。ガーデニングや畑の休憩所から、奥さんのガーデニング仲間の社交場としても大活躍している!

 

鋼板製の補強材。8本の垂木にガチっと取り付けられている

 

柱が倒れないようにヒモで仮留めしている。柱の先端部は屋根の傾斜に合わせて角度切りしている。基礎石もSさんのDIY。型枠を作り、モルタルを流して作った

 

DIYや畑仕事中は愛犬の居場所になる

 

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

趣味生活を思い切り楽しめる居住可能な工房をセルフビルド!/みんなのガレージ&工房(7)

第15回ドゥーパ!DIY大賞セルフビルド賞受賞。退職5年前から計画を開始した工房のセルフビルド。週末2日を作業にあてて、たったひとりで足掛け1年半をかけて作り上げた、夢にまで見たマイ工房。

 

<記事内ギャラリー>

 

 

間口11m、奥行き3.7mという細長いプランは、ひとりで楽に屋根、天井の作業が可能な寸法が3.7mというのが理由だからだ。ふたつある扉も、ウッドデッキも自作だ

 

工房のメインとなる工作室は12畳の広さを確保している。ソーホースを脚にした作業台の上にあるのはメンテナンス中の愛機

 

側面から見た工房、屋根仕上げはもちろん、壁仕上げ材もオンデュリンのクラシックシートを使っている

 

<DATA>

施主…Mさん(62歳)
DIY歴…3年
製作費用…約220万円
実働製作期間…約150日
面積…41㎡

 

ひとりセルフビルドのアイデアが詰まった工房

40年近く思い続けた自作ラジコン飛行艇への思いを、定年を機会に現実のものにするためにセルフビルドで完成させた工房は、自宅から離れた森の中なので、水洗トイレ、シャワールーム、ミニキッチン、エアコン、換気扇、ベッドなどを設置した、工房に寝泊りしながら模型作りに打ち込める設計になっている。

建て方の基本は独立基礎に2×4工法。いろいろと検討した結果、アマチュアでもひとりで作れる方法として、これら工法を選んだ。他にも、屋根を片流れに設定したり、浸透枡排水や簡易水洗トイレの導入など、セルフビルドしやすい方法を取り入れた。

実際の作業でも、基礎作りではコンクリート型枠を自作したり、2×4壁を立てる作業がひとりでできるように、ウインチのシステムを工夫するなど、ひとりセルフビルドならではのアイデアが投入されている。

機械技術者だったMさんなので、構造や力学的部分は自分で計算した上で、十分な安全マージンを取って作業することができた。

平屋12坪のスペースは、12畳の工作室と4畳半の塗装室(粉じんの出る研磨や切断もここで行なう)、資材保管室の3室に分けられ、工作室の端にシャワールーム、ミニキッチンが配置されている。

楽秋庵と名づけられたこの工房で、Mさんの念願だったラジコン三昧の日々はスタートラインに立った。

 

塗装室も4畳半の広さがある。コンプレッサーを使った塗装の他、粉じんの出る研磨や切断作業もここで行なう

 

工作室の壁際には長い作業台が作りつけられている。壁面収納で必要な工具にすぐ手が届く

 

4畳半のスペースのある資材置き場。部屋の奥にはモーターパラグライダーが袋に入って収納されていた

 

シンク、冷蔵庫、電子レンジのあるミニキッチン

 

お湯も出る独立したシャワールーム

 

簡易水洗トイレ

 

手回しウインチを利用した2×4壁枠の立ち上げ
支点を立てて角材に固定した壁枠を、ウインチを回してワイヤーでおこす仕組み

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2013年6月時のものです。

遊具にもベッドにもなるウッドデッキを作りました!/最高の居場所があるガーデンファイル(7)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File07 物干し場から遊具やベッド…使い方無限大のデッキ

デッキと向かい合う場所にレンガのバーベキュー炉が作られている

 

<DATA>
製作者…Hさん(50歳)・公務員
DIY歴…11年
製作費用…50万円
製作期間…2年6カ月

 

掘りごたつ風に使えるスペース

 

使わないときはテーブルを畳んでおく

 

建築時に、業者に作ってもらったウッドデッキが、高い割に〝自分でできそう〟と感じさせるものだった。そのとき、HさんのやってみたいDIYリストにウッドデッキが加わった。

数年を経て、奥さんから洗濯物干し場の日当たりがイマイチと相談を受ける。土地を買い増したし、物干し付きのデッキを作るぞ!と一念発起。物干しだけでなく、家族や仲間とバーベキューなどで使えるようなデッキを目指し、パソコンに向かってデザイン&設計を練った。

完成後に手がかからない作品に仕上げるべく木材はサイプレス、金具類はステンレスを選択。さらに、丈夫に仕上げるをモットーにDIYし、大引きはコンクリート基礎に2cm厚のプラスチック板を載せ固定。木材が地面に接しないよう風通しをよくし、湿気対策を図っている。また、柱と梁の組み立て、根太と床板の接合にのみビスやボルトを使い、その他はホゾ組みで組み立てた。再塗装や縦格子の交換などが簡単にできるようにフェンスもホゾで組み立てている。

昼は物干し台、夕方は子供たちのジャングルジムになることもあるデッキ。休日はバーベキュー会場になったり、Hさんの昼寝用スペースになったりと、庭に欠かせないものになっている。

 

フェンスは縦格子パネルの補修ができるように取り外せるようになっている

 

骨組みができあがった状態。組み立て前にオイルステインで2度塗りした

 

子どもたちにとって、段差のあるデッキはジャングルジムのような存在

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

リビング先に作ったサンルームは年中快適!/最高の居場所があるガーデンファイル(6)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File06 一年を通して快適なのはリビング先のサンルーム

夏は屋根の下にシェードを掛け、外のパーゴラにグリーンカーテンを絡ませれば、サンルームも母屋の室内もずいぶん涼しくなるそう

 

外壁は上部がウエスタンレッドシダーのサイディング、下部が張りレンガ。サンルーム完成後、前にパーゴラ&テラスを作ったため、庭と室内が段階的につながる印象となった

 

<DATA>
製作者…Mさん(65歳)
DIY歴…5年
製作費用…約40万円(サンルームのみ)
製作期間…約4カ月(サンルームのみ)

 

南向きのリビングルームに面した庭に、何を作るか? Mさんの結論は、サンルーム。冬も暖かいだろうし、愛犬にもうれしい居場所になるに違いない、というわけだ。

基礎は、周縁部にコンクリートブロックを並べた布基礎。「この基礎作りがいちばん大変だった」とMさんが振り返る。なぜなら、ブロックが水平でないと、床や壁の水平と垂直がずれてしまう。つまり、すべてがまさに台ナシになってしまうから。これは、なかなか神経を使う。根気を要する。やはり何度かやり直したというMさんの「いやぁ、水平の重要性を実感しましたねぇ」という言葉が、説得力とともに哀愁を帯びる。

屋根はポリカーボネイト板。2×4材の垂木に傘クギで固定し、コーキング剤ですき間を埋めた。垂木は、桁の切り欠きにはめ込み、その桁は、母屋の鉄骨にボルト留めした板に固定。つまり、サンルームの屋根は母屋の躯体とつながっており、強度的には申し分ないはず。

透明の屋根に加え、掃き出し窓と5つの縦滑り出し窓を備えるのは、もちろん採光のため。これにより、サンルームらしい開放感を得ることになる。窓は、防水性を重視して市販のアルミ製を選んだそう。縦滑り出し窓は、壁の骨組みに、窓に合わせた枠をつけるだけなので手間がかからなかったが、掃き出し窓のレールを床面とそろえるのは、これまた根気のいる作業になったのだとか。

 

内壁は、上部が母屋のリフォームで余った壁紙。下部はウエスタンレッドシダーのサイディング。製作途中に、一部をニッチにするアイデアが浮かんだとのこと

 

母屋の戸袋に合わせて壁を切り欠いた。細かいすき間はスポンジを詰めてふさいでいる

 

屋根材は3mm厚のポリカーボネイト板。スポンジ付きの傘クギで留めている

 

母屋側の上部。母屋の鉄骨にボルト留めした板に、桁を接合。桁の切り欠きに垂木をはめている

 

床材は木目調タイルカーペット。本物の木の質感によく似ているが、樹脂製で掃除がラク。愛犬が出入りして汚れたり濡れたりすることが多くなるだろうと、これを選んだ

 

サンルームは愛犬にも最高の居場所!

愛犬ロンも喜ぶだろうと、サンルームにカーペット敷きの彼の居場所を作ってあげたMさんだが、「完成以後、もともとあった庭の犬小屋にまったく戻らない。ここまでとは…」と苦笑い。

 

両開き用のバネ蝶番を駆使して製作

 

内外どちらからでも押せる犬用ドアを作ったが、ロンが自ら外に出ることはほとんどないという…

 

愛犬のロン

写真◎清水良太郎

*掲載データは2013年2月時のものです。

コーヒブレイクに最適な庭を眺めるカフェカート/最高の居場所があるガーデンファイル(5)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

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File05 ガーデン観賞の合間にカフェカート前でコーヒーブレイク!

カーテンやエンジェルなどで装飾されたカフェカート。デザインのキュートさもあって、オープンガーデン時の注目度ナンバー1の作品

 

<DATA>
製作者…Hさん(51歳)・パート
DIY歴…10年
製作費用…約3万円
製作期間…6日

 

知人の庭で見たカフェカートにひと目ぼれ。「自分の家でオープンガーデンをするときに、こんな作品からコーヒーを提供できたらステキだな」と思ったHさんは、迷わずDIYを決意。過去にウッドデッキやパーゴラなどを作ったことがあり、ご主人から〝棟梁〟と呼ばれるほど。自然に本作も自分で作ろうと思ったそうだ。

おしゃれ&庭に似合うようにと作品をデザイン。形は屋根の曲線カットがかわいらしいカントリー風ながら、濃いグリーンでペイントし落ち着いた雰囲気に仕上がっている。全体サイズは設置場所の母屋とパーゴラのスペースに合うようにし、カウンターテーブルなど内部の設えは自分にピッタリ合うようにした。

資材は、補修することも考慮し、手に入れやすく、安価な2×4材と1×4材を選んだ。2×4材で骨組みを作り、1×4材を張っていき、内側に棚やカウンターを作り付ける。最後に、1×4材で作った屋根を載せた。

オープンガーデンでは、カフェカート&パーゴラのある一角が休憩スペースになる。観賞の合間の客人をコーヒーでおもてなしする重要なアイテムなのだ。

 

カート内部。側面の横桟をトレー立てなどに活用している。作業台はIHヒーター、コーヒーサーバーを置いてもゆとりのあるサイズ

 

オープンガーデン時は、パーゴラの下にガーデンテーブル&チェアを置く

 

横桟に取り付けた棚。3段あり、コップや食材などをたっぷり置いておける。使わないときは、アクリル板をはめたドアを閉めておく

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

風除け&暑さ対策は万全!春夏秋冬ゆったりできるお庭/最高の居場所があるガーデンファイル(4)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File04 ベンチの風除け&暑さ対策は万全! 春夏秋冬ゆったりできます

木々の緑にアーバーベンチのホワイトペイントがよく映える。小屋組みは40mm角材で作り、1×4材の幕板を張った

 

<DATA>
製作者…Aさん(74歳)
DIY歴…14年
製作費用…約2万円
製作期間…1週間

白と茶のコントラストが美しいアーバーベンチ。Aさんは、腰掛けとしての実用面と、庭の表情を豊かにする演出面からこの作品を製作しようと思ったそうだ。

デザインはテレビで見たイングリッシュガーデンの構造物やガーデニング好きの息子さん夫婦の意見を参考に固めていった。

側板のパネルを作り、横桟と座板受けを組み立て、座板と背板を張り、小屋組みを載せれば完成する。しかし、設置場所が、風の通り道になっており、強風が吹くこともある。作品を置くだけでは倒れてしまうため、コンクリート土間の地面に埋めたアングルに側板パネルを固定。また、背板は間隔をあけながら板材を張り、くり抜き窓も作って、風が抜けていくような造りに仕上げた。

資材も無駄なく使うことを心がけ、背板を高さ120cm、座板を長さ60cmにし、180cmの1×4材できっちりおさまる設計になっている。

できあがったときは、家族みんなが希望どおりに仕上がっていると喜んだそう。植木鉢やランタンで作品を飾り、使うときはベンチにクッションを置いてゆったりくつろぐ。ランタンに火を灯し、ナイトガーデンを楽しむこともあるとか。家族が思い思いに活用できるかけがえのない場所になっている。

 

側板に作った窓。植木鉢が置けるように、棚板は1×8材を使用

 

夏は日差し除け&暑さ対策のため、小屋組み(屋根部分)に合板を張った

 

地面に立てたアングル。このアングルに側板のパネルを固定する

写真◎製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

女性DIYer必見!四季の庭を眺めるパーゴラ&ベンチを作りました!/最高の居場所があるガーデンファイル(3)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File03 パーゴラ&ベンチは私の特等席♪ 四季の庭を眺めて愛でる空間作り

ガーデニング専門店、フローラ黒田園芸にあったバス停をモチーフにした作品がモデルのパーゴラ&ベンチ。左側には収納箱を設置。仕上げの塗装には、水性塗料のアースホワイトを水に薄め、木目が出るように塗布している。幅3200×奥行850×高さ2100mm

 

新緑の季節にベンチに座って眺める庭の風景。癒されるぅ~

 

<DATA>
製作者…Nさん・会社員
DIY歴…3年
製作費用…約3万円
製作期間…約1週間

 

ここでは男性だけでなく、奥様DIYerに必見の庭をご紹介! ガーデニングが大好きなNさんは、自宅のリフォームをきっかけにエクステリア作りを始めた女性DIYer。〝植物の映えるカントリーガーデン〟をコンセプトに作品を作り続ける、そんな彼女の記念すべき初DIY作品がこのパーゴラ&ベンチ。庭の四季を楽しめるビューポイントに作った、Nさんだけの特等席だ。

面白いのは材料のセレクト方法。DIYerにおなじみの2×4材をあまり利用せず、スギ板を多用。理由は材の厚みが適度なボリュームで、その質感がナチュラルだからだとか。とはいえ支柱など構造材には90mm角のスギ角材を使用するなど、作品の見栄えと強度のバランスの取り方の上手さは女性ならではのセンス。

「好きなものに囲まれた空間にしたい」と、パーゴラ支柱と横板の間を利用したニッチ収納や棚板をL字金具で取り付け、花の寄せ植えやアンティーク調の小物できれいにまとめているのもポイント。地面はレンガをペイビングして仕上げるなど、仕事ぶりは男性顔負け。

「おうちでくつろぐのは当たり前。自分の作ったもので、庭の解放感と緑の癒しを感じるのは最高の贅沢です♪」

んん~かわいくって力持ち!というわけでDIYにもウーマンパワーが炸裂中です!

 

このゲートがL字の庭の入り口。写真左部分がパーゴラ&ベンチになる。5月、ゲートの周りはバラが咲き乱れる

 

パーゴラの屋根材にはポリカ波板を使用。構造材と背板のフェンス部分の間に、ボックス式の棚を作って、植栽をセット

 

90mm角の支柱のすき間を利用したニッチ収納。ガーデニングの小物や植物の肥料を瓶につめて収納

 

DIY仲間の友人が作ったという、Nさんの庭のミニチュア。ミニチュアを庭のオブジェとして作品にしちゃうのもひとつのアイデア

 

パーゴラの左側には庭道具をしまう収納箱をセット。下部は風が抜けるよう底上げされ、基礎のコンクリートブロックに載っている

 

収納箱上部のフェンスには、L字金具を使って棚板を固定。何気なく置かれたオブジェが絵になります

写真◎田里弐裸衣、製作者提供

*掲載データは2013年2月時のものです。

くつろぎガーデンカフェを廃材で製作しました!/最高の居場所があるガーデンファイル(2)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

FIle02 廃材で作ったガーデンカフェでくつろぎティータイム

ほぼすべてが廃材でできたガーデンカフェ。サイズ幅4000×奥行2400×高さ2600mm。製作者のSさんはこの作品でホームセンターコメリの第9回DIYコンテストでリフォーム・リサイクル部門賞を受賞

 

<DATA>
製作者…Sさん・自営業
DIY歴…2年
製作費用…約4万円
製作期間…約半年

 

戸、スノコ、ラティス、積荷用パレット、あぜ用波板、ピアノ椅子…ありとあらゆる廃材が集まって作られた不思議な佇まいの小屋。この小屋の中でお母さんと楽しくお茶を飲んでいるのは、製作者のSさん。作品の設置場所は自宅とは別の300㎡の開けた土地だ。

「はじめは小屋にしようなんて思ってなかったんです。母のガーデニングの休憩スペースが作れたらなって」

小さなもの作りをしたことはあるものの、大きな構造物を作ったことがなかったSさん。悩んだ末、「これならひとりでできるかも?」と単管パイプをつなげてフレームにして、そこにポリカ波板の屋根を載せた。いわば屋根付きのパーゴラの完成だ。脚立を使って、すべてひとりで組み上げられた。これが自信になった。

その後、工務店から出る廃材などをもらいうけ、少しずつ少しずつ作業は進んでいった。「このラティスはあの壁に使えるかも、このスノコは扉になるよね」そんな調子でパズルを組み合わせるように小屋がその姿を現していく。設計図なんてない。試行錯誤を重ねていく過程のもの作りの楽しさに夢中になった。四面の壁を白く塗装したら、雰囲気が一変。廃材が小屋に生まれ変わった瞬間だった。

「今はワークハウス兼レストハウスですが、いつかここでカフェを開きたいと思ってるんです」とお茶を片手に小屋内で明るく談笑するSさん親子。素敵な手作りカフェができるのは、きっとそう遠くない。

 

手作りカフェの室内でお茶を片手に庭話に花を咲かすSさん親子。まわりの壁はスノコやラティスなどすべて廃材

 

小屋側面。その場で試行錯誤を繰り返し、材料を継ぎ合わせて作った小屋は、正確なだけの建物にはない、不思議な暖かみを感じる

 

壊れたオーブントースターを白くペイントしたオブジェ。空間の雰囲気に見事ハマっている

 

小屋のコーナー壁面には棚を取り付け、植物をセッティング。緑が落ち着いた空間を演出する

 

最初は単管パイプのフレームにポリカ波板の屋根が載っているだけの状態だった。ここを囲うように廃材で壁を取り付けていった

 

小屋を支えるのは単管パイプのフレーム。ホームセンターで販売されていた3mと2.5mの規格サイズを切らずに利用した

 

入り口にあるのは廃材のスノコを使って作ったスライド式ドア。下部にキャスターを取り付けた

 

キャスターが走るのはホゾ加工が施された廃材。見事な廃材利用アイデア!

 

小屋の左手を作業スペースに。端材や流木の収納には廃材のリンゴ箱を使用

 

作業台では趣味のトールペイントやデコパージュのテクニックを駆使
したウエルカムボードを製作。ウェブで販売もしているそう

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年2月時のものです。

多肉植物を愛でるためのデッキつき小屋を作っちゃいました/最高の居場所があるガーデンファイル(1)

「俺の(私の)庭が一番居心地がいいんです!」

そんなDIYerたちの個性溢れるフェイバリットガーデンをご覧あれ。

後半にはプロが作る最高の居場所も収録!

 

<記事内ギャラリー>

 

File01 既存のシンクを利用してデッキつきプランターハウスを製作

西部劇×サーフィンという一見矛盾しそうなふたつのテイストが見事に混ざり合ったプランターハウス。休日は庭にお気に入りの道具を引っ張り出して、自宅でアウトドア気分を満喫

 

小屋内部。壁とシンクまで伸びる作業台は幅を合わせたさまざまな材を張って仕上げている。足元には瓦を粉砕したチップをまいた

 

<DATA>
製作者…Sさん(41歳)・大工
DIY歴…21年
製作費用…約3万円
製作期間…約10日

 

「いや~、毎日なにか作ってますよね~」

多肉植物を片手にゆる~く語るのはSさん。日々、大工として腕を振い、休日は波乗りとDIYに精を出す、根っからのもの作り好きだ。

そんなSさんは、自宅の庭の片隅にある古くなり使われなくなった野菜洗い用のシンクに着目。これをなんとかできないものかとシンクを取り囲むようにして、小屋を製作。何もなかった庭を、見事くつろぎ空間に変身させた。

小屋のイメージは、西部劇に出てくるバー。クリント・イーストウッドがバネ式のドアをバン!と開けば、中にいるゴロツキたちから睨まれる…まさにあれだ。そんなウエスタンなイメージに加え、サーファーらしいセンスで施工、装飾がなされているのがSさんの小屋の特徴。

2面が開放されたオープンなデザインで、内壁はさまざまな種類、サイズの廃材を、あえて厚みをそろえず縦張りにして仕上げている。一見、ランダムに張っているように見えるが、同じ列には幅を合わせた材を張り、壁全体のリズムが崩れないように計算されている。ラフでいてスマートな壁張りテクニックだ。

小屋内側は既存のシンクを取り囲むように収納棚や作業台を設置。棚にはスコップなど小さなガーデニングツールからランタンやバーナーなどのアウトドアツールが収納され、いるだけで落ち着く、好きなものに囲まれた空間を作り上げた。

「好きなだけ多肉植物を触ったら、コーヒーを淹れて、ボーッとする。夜には椅子を出して星を眺める。のんびりできる場所があるって、最高ですよね~」

 

デッキ側の壁に取り付けられた窓は廃材を利用。一部ガラスが割れていたので取り外し、網戸に張り替えて利用した

 

大小さまざまなサイズのプランターもDIY。「意外とバランスいい鉢を作るのって、難しいんですよね~」とSさん

 

屋根材にはアスファルトシングルを使用。余ったものを使ったのでツートンカラーに

 

屋根材と下地になる合板との間には、L字に折った板金を挟み込んでいる。雨が回り込まないための工夫

 

ウエスタンデザインの切り込み部分は裏から別の材をあてて固定している

 

正面の壁材にはジグソーで切り込みを入れ、ウエスタンな意匠を施した

 

小屋を側面から見る。小屋背面の支柱に長尺の2×4材を取り付け、西部劇風看板のフレームに利用

 

シンク上の収納棚には照明を設置。手元が明るく細かな作業もOK

 

基礎石と支柱の間にはゴムパッキンを挟み込み、材の腐食を防止

 

こんな小屋も作ってます!

仕事で家を作り、庭に小屋を作るだけでは飽き足らず、さらに近くの土地にスモールハウスを作ってしまったSさん。こちらは外がすべて見渡せるような大きな窓が特徴的。内壁は得意技のランダムの材を縦張りにして仕上げている。使い道はまだ未定だそうだが、内部を飾りつけたらミニ雑貨屋でも開けそう。

入り口に小さなデッキのついたスモールハウス。小屋の側面に取り付けられた大きな窓が特徴的

 

内壁はさまざまな材の幅を合わせた縦張り仕上げ。壁まで雰囲気のあるインテリアになるDIYテクニック

 

写真◎佐藤弘樹、田里 弐裸衣

*掲載データは2013年2月時にものです。

完全セルフビルド&ひとりでチャレンジしたバイクガレージ作り/みんなのガレージ&工房(6)

バイクガレージ、かつ自分の居心地のいい隠れ家、兼家族みんなのアウトドア用品を収納できる、多目的なマイガレージ。市販品に気に入ったモデルがないから自分で作ってしまいました。

 

<記事内ギャラリー>

 

2×6材を使った観音開きの自作木製ドアを開けたところ。ガレージドアは片側80cm、高さ176cmと施主の体格とバイクの取り回しを考えて作られている

 

限られたスペースを上手に使い、バイクガレージ部分、作業台、書斎、収納ときれいにレイアウトされている

 

<DATA>

施主…Sさん(35歳・自営業)
DIY歴…5年
製作費用…25万円
実働製作期間…45日
面積…9.4㎡

 

 

居心地のいいガレージ作り

以前、ハーレーの盗難に遭い、家を持ったら必ずガレージを手に入れると考えていたSさん。いよいよガレージを購入しようかと、カタログなどあたるものの、自分のイメージや予算などに合うガレージが見つからない。見つからないなら自分で作ってしまえ、それも「ひとりで」と決心したときから、DIYのガレージ作りが始まった。

基礎は重量ブロックの布基礎に、あとでコンクリート土間仕上げ。構造は2×4工法を採用して、壁下地、防水シート、スギ材の壁仕上げ。屋根は小屋組みに屋根下地、ルーフィング、アスファルトシングル仕上げとなっている。

製作前に「ひとりでやる」と決めてしまったので、ガレージの設計から仕上げまで、全部ひとりでやり遂げた。木工は家具作りの経験があるので、イメージどおりに楽しい作業だったが、コンクリートを使う左官作業は初チャレンジ。基礎や土間を作る左官作業での800kgにもなったコンクリートとの格闘は、まさにチャレンジ。人生で一番疲れた思い出になったという。

内装は建物が完成してから、少しずつ作りこみ、使いやすく居心地のいいガレージにしてきたという。その甲斐あって、現在では奥さん曰く「一度中に入るとなかなか出てきません(笑)」。というお気に入りの場所になっている。

 

ガレージの前は屋根付きカーポートなので、雨でもこの部分を作業場として使うことができる

 

サイディングはスギ材で仕上げ、屋根はアスファルトシングル葺き。角や窓のトリミングがアクセントになっている

 

ガレージ側面の自作窓は観音開き

 

ガレージ奥の自作窓は滑り出し窓

 

ドアには幅広の帯金で、しっかり施錠できる

 

機械工具類は赤く塗った有孔板に吊るして収納

 

キャスター付き糸ノコ台(左)の下には丸ノコ、ディスクグラインダーを収納。同じくキャスター付き道具箱(右)は糸ノコ作業に使いやすい高さに設定している

 

手前に引き出して、奥に板をはめることで広く使える、天板可動式のテーブルでスペースを有効に使う

 

写真◎高島宏幸

*掲載データは2013年4月時のものです。

ここまで作るか!DIYならではのユニークなキャンプギアが大集合/自作アウトドア道具20連発!(その他編)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

*テーブル編・その2はコチラ!

*椅子編はコチラ!

*シェルフ編はコチラ!

*ハンガーラック編はコチラ!

*ハンモック編はコチラ!

 

File17 コーヒードリッパースタンド

製作者 Nさん/サイズ 幅340×奥行120×高さ195㎜/材料費 約2300円/製作期間 約3日

竹材の厚みは10mm。仕上げはワトコオイルで塗装し、ペグにはスノーピークのソリッドステーク(20cm)を使用。Nさんの周りでもマネする人が続出の人気自作ギア

 

「一度にふたり分のコーヒーが淹れられる」

板材2枚とペグ4本を使ったコーヒードリッパースタンドは、シンプルながらも実用性が高くマネしたくなる作品。用意するのは100円ショップの竹製のまな板。これを図面どおりにカットして、脚となるペグの通る穴をドリルであければ完成だ。注意したいのは角度をつけたドリルでの穴あけ。すべての穴を同じ傾斜で穴をあけるため、Nさんは専用のジグ(後述イラスト参照)を製作。完成後の至福の一杯を想像しながら作りたい。

 

File18 紙バンドの背負い籠

製作者 Fさん/サイズ 幅330×奥行270×高さ490mm/材料費 約3000円/製作期間 約1日

大人用と子供用の2サイズを製作。ショルダーストラップにはコットンテープとバックルを使用。長さ調節もできる

 

「親子での山菜取りに大活躍」

まるで竹で編んだように見える背負い籠、実は紙バンド(以下テープ)を使ったもの。「平編み」というテープを交互に差し込みながら形作っていく編み方で製作。底面から筒状に編み込んでいく際、一部、テープを引っ張って絞ると、写真のようにくびれのある籠を作ることができる。

 

File19 飯盒を使った野燗炉(のかんろ)

製作者 Yさん/サイズ 幅400×奥行300×高さ143mm/材料費 約2000円/製作期間 約半日

左の炭の入った炉で飯盒内部の水を温め、右のコップに入れた酒を湯煎する仕組み。スルメイカでもあぶりたくなりますな~

 

「どこでも熱燗と肴作りを楽しめる」

昔からあるモバイル酒燗器をアウトドア仕様にアップデート! 用意するのは飯盒に大小2サイズのスチール製のコップ。小さなコップに熱した炭を入れ、大きなコップに酒を注ぎ、水を満たした飯盒にセット。しばらくすればちょうどいい温度の熱燗のできあがり♪

 

File20 流しそうめんテーブル

製作者 Uさん/サイズ 幅1200×奥行900×高さ700mm/材料費 約1万5000円/製作期間 約2日

天板に丸い水路のついた超ユニークな流しそうめんテーブル

 

「夏本番!“涼しくておいしい”が楽しめる」

キャンプ場への持ち込みはやや難しいが、夏の庭を楽しむツールとしてぜひ紹介したい作品がこちら。天板に見えるのは風呂桶と丸窓の枠を利用した水路。これを支える一本脚の支柱の内部に給水管と排水管を配管。この給水管を途中から3つに分けて天板につなぎ、給水バルブで水量を調節することによって水流を作り、そうめんを流すというわけ。このユニークなギミックには大人も子どもも大はしゃぎ! これぞ庭キャンの秘密兵器。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

自作ハンモックでキャンプサイトをもっと快適にしよう!/自作アウトドア道具20連発!(ハンモック編)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

*テーブル編・その2はコチラ!

*椅子編はコチラ!

*シェルフ編はコチラ!

*ハンガーラック編はコチラ!

 

File15 自立式ハンモックスタンド

製作者 Kさん/サイズ 幅3000×奥行800×高さ1250mm/材料費 約4000円/製作期間 約3日

レインボーカラーのハンモックに、濃いグリーンがぴったりのハンモックスタンド。先端のコースターがアクセントになっている

 

「普段は家の中でも使ってます」

2×材をメインに作られたハンモックスタンド。ロープ1本でハンモックを吊るすことができ、部材はバラすことができるので、フィールドへの持ち運びも可能だ。ハンモック使用時の荷重を考慮し、支柱の下端は斜めにカット。土台とはボルトと金具で接合し強度を確保している。その快適さからキャンプでのくつろぎスペースのほか、最近では自室のソファがわりになっているのだとか。

 

File16 A型ハンモックスタンド

製作者 Nさん/サイズ 幅1500×高さ1200mm程度(組み立て時)/材料費 約8500円/製作期間 約2日

スタンド1セットで使用する場合は、片側をスタンド、もう片側を立ち木に市販のベルトとフックをかけることでハンモックを吊るす

 

「市販の木製手すりがポールにぴったり」

こちらは2本のポールにテンションをかけるタイプのスタンド。ポールに市販の木製手すりを利用すれば、塗装の手間が省けるのでおすすめだ。ポールは強度を確保するためステンレスパイプで連結。これをステンレスアイボルトとアイナットで連結すれば、スタンドの完成だ。なお、Nさんがスタンドを張るのに使用しているペグの長さは50mm。子どもがハンモックを安全に楽しむため、深く差し込んで抜けないように注意している。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

キャンプで散らかちがりな小物類はDIYハンガーラックですっきり!/自作アウトドア道具20連発!(ハンガー編)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

*テーブル編・その2はコチラ!

*椅子編はコチラ!

*シェルフ編はコチラ!

 

File11 シェラカップ用ツリーハンガー

製作者 Gさん/サイズ 幅500×奥行500×高さ500mm/材料費 約3000円/製作期間 約3日

ちょっとしたパーティーに便利なシェラハンガー。真ちゅうのハンガーは自由に高さや方向を変えられる

 

「テーブルの上でシェラパーティー」

名前のとおりユニークなシェラカップ専用ハンガー。テーブルの上に置けば、料理の取り分けにも活躍。ハンガーになっているのは6mm径の真ちゅうの棒。これをポールの大きさにグッと曲げれば、自在ハンガーのできあがり。たくさんのシェラカップでテーブルをにぎやかに彩ろう。

 

File12 アイアンランタンスタンド

製作者 Gさん/サイズ 幅300×高さ1200mm/材料費 約1000円/製作期間 約1日

硬質な素材ながら、曲線が柔らかさを感じさせるアイアンらしい作品。6mm径の丸鋼はペンチで簡単に曲げることができるそうだ

 

「好きな場所を照らしたいときに」

地面に差し込むタイプのランタンスタンド。テントの入口、タープの下、テーブル脇など場所を選ばずランタンを吊るすことができるのがミソ。材料は鉄筋(16mm径)と丸鋼(6㎜径)、フラットバー(10mm厚)のみ。アイアンDIYの入門作品としてもおすすめの簡単自作道具だ。

 

File13 テントポールを利用したランタンハンガー

製作者 Gさん/サイズ 長さ420×厚さ40mm/材料費 約500円/製作期間 約2日

タープのポールに吊り下げたランタン。暗い夜のサイトではわかりやすい目印になる

 

「サンダーとドリルがあれば、すぐ作れる」

タープ用の木製ポールを自作した際、それに合うランタンハンガーが欲しいと自作した作品。たまたま手元にあったブビンガという堅木の角材をベルトサンダーで削り、枝のような形に加工した。ポイントはポールを通す穴を少し斜めにあけること。これで取り付け位置が簡単に変えられる自在ハンガーになる。

 

File14 小枝がかわいいアクセサリーホルダー

製作者 Gさん/サイズ 長さ400mm(ハンガー部分)/材料費 約2000円/製作期間 約3日

小枝がかわいいアクセサリーホルダー。親子で一緒にもの作りを楽しむのにぴったり

 

「ちょっとした工夫でサイトが楽しくなる」

こちらもタープのポールに合わせて作った真ちゅう棒の自在ハンガー。真ちゅうの棒にはボール盤で穴をあけ、丸カンを固定。そこにウッディな雰囲気のビーズと小枝で作ったフックを取り付ければ、アクセサリーホルダーに。真ちゅうの棒は簡単に曲げられるので、アイデア次第でいろいろなところに取り付けられるはず。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

キャンプの棚を自作するなら持ち運びやすさとコンパクトさが重要!/自作アウトドア道具20連発!(シェルフ編)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

*テーブル編・その2はコチラ!

*椅子編はコチラ!

 

File09 棚板を差し込むだけのお手軽シェルフ

製作者 Sさん/サイズ 幅900×奥行280×高さ450mm/材料費 約7400円/製作期間 約1日

材を差し込むだけの簡単シェルフ。材の長さを変えるだけでサイズ変更できるので使い勝手がよく、棚受けを増やせば、3段キャビネットにもなる

 

「棚受けはシンプソン金具で補強」

脚兼棚受けを角材で作り、その接続部分をT字と折板のシンプソン金具でがっちり補強。この棚受けに好きな長さに切った1×6材を差し込めば、あっという間に2段キャビネットが完成! 自宅のインテリアとして使用して、アウトドア気分を室内に持ち込むのも◎。

 

File10 ナチュラルジャンクなジャグスタンド

製作者 Gさん/サイズ 幅315×奥行220×高さ300mm/材料費 約1000円/製作期間 約3日

リマジャグの購入をきっかけに作ったというジャグスタンド

 

「耳付き板と拾い木がいい味出してます」

耳付き板の端材を天板にして、拾った自然木で3本脚をつけたジャグスタンド。見てのとおり、素材の出す雰囲気が最大のポイントだ。なお脚は天板裏に掘った穴にはめ込んでいるだけなので、パーツごとに分解できる。小枝で作ったコップかけもかわいい。川や海で遊んだついでについ流木を探したくなる、ナチュラル系の一品。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

DIYとは思えないほどハイクオリティなキャンピングチェアが大集合!/自作アウトドア道具20連発!(椅子編)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

*テーブル編・その2はコチラ!

 

File06 フレームが美しいモスチェア

製作者 Fさん/サイズ 幅480×奥行560×高さ660mm/材料費 約3000円/製作期間 約1日半

チョコレートカラーの座面からMoth(蛾)と名付けられたモスチェア

 

「バタフライ(蝶)ならぬモス(蛾)」

金属のフレームで作られた市販のバタフライチェアを見て「これを全部木で作ってみたい」と製作した折りたたみチェア。帆布で作った座面の色がまったく蝶らしくなかったので、モスチェアと名付けたのだとか。木で作られたフレームをきれいに折りたたむための金具は、リサイクルショップにあったキャンピングチェアをバラして拝借したもの。大きさの違う座面をいくつも用意しておくことで座り心地を変えられるのもポイント。

 

File07 背中にフィットする焚き火用ローチェア

製作者 Nさん/サイズ 幅590×奥行840×高さ580mm/材料費 約3000円/製作期間 約3日

いくつものスティック状の材が並ぶチェアはデザイン的にも面白い。仕上げにはワトコオイル(クリア)を使用

 

「体が包まれるようにフィットする」

ケンタッキーチェアの背もたれをヒントに作ったという焚き火用のチェア。試作段階では背もたれの後ろに横桟を入れていたが、どうにも背中が痛い。そこで気持ちのいい座り心地を追求し、スティック状の背もたれと座面はあえてロープで接続。中央がくぼみ、曲線状になることにより、体が椅子に包まれるようにフィットするというわけだ。座面の広さや高さ、背もたれの角度、フィット感など、満足するまで何度も試しては作り直したという力作だ。

 

File08 BR風チェア&オットマン

製作者 Gさん/サイズ 幅400×奥行600×高さ640㎜(チェア)、幅330×奥行250×高さ330㎜(オットマン)/材料費 約3000円/製作期間 約3日

ブルーリッジスタイルのスモールチェアとオットマン。フィールドでリラックスするのにもってこい

 

「ブルーリッジの家具に憧れて」

もはや手作りギアの登竜門といってもいいほど、キャンパーに人気のあるブルーリッジ(BR)スタイルのチェア。これにオットマンを組み合わせることで、より快適なチェアセットとした例。チェアの作り方はごくシンプル。角材を突きつけて、座面と背もたれのフレームを作り、布地を張り付ければ終わり。カモ柄のテキスタイルを使うなど、布のデザインで遊ぶのも面白い。かわいい布地を張れば、子供用のガーデンチェアにぴったり。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

キャンプメシのお供にぴったりなローテーブルが大集合!/自作アウトドア道具20連発!(テーブル編・その2)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

*テーブル編・その1はコチラ!

 

File03 Z字脚が特徴的なロールトップテーブル

製作者 Fさん/サイズ 幅900×奥行600×高さ400mm/材料費 約3000円/製作期間 約1日半

ボルト以外はほぼすべて木で作られたウッディなテーブル。Z字の脚が特徴的

 

「Byerのテーブルがモデル」

ポイントは折りたためるフレームの構造。バタフライチェアに使われる金具を参考に、Zステー(Z字の接続パーツ)を合板から切り出し、ジョイントコネクターボルトで脚と横桟をつなぎ合わせることで、折りたたみ構造を実現した。天板は40mm幅に割いたパイン材を並べ、コットンテープで固定。クルッと巻き込んで収納できるので“ロールトップ”というわけだ。

 

File04 軽量グリルスタンド

製作者 Gさん/サイズ 幅500×奥行380×高さ200mm/材料費 約2000円/製作期間 約3日

熱々に温めたダッチオーブンやスキレットなどを載せられるグリルスタンド。テーブルの脇に1台置いておくと便利

 

「木のフレームでより軽く」

市販品のグリルスタンドはすべて部材がアイアン。「これをもっと軽量化できないか」と考えたのが、木のフレームにエキスパンドメタルの天板をはめ込んだオリジナルグリルスタンド。材の接合にクギやビスは使わず、木ダボとジョイントコネクターボルトを使用し、見た目もスッキリ。

 

File05 ミニキッチンテーブル

製作者 Yさん/サイズ 幅400×奥行300×高さ143㎜/材料費 タダ!/製作期間 約半日

調理するときは、市販のローテーブルを脚にして使用。背の高いガス缶も安定して使えるのがうれしい

 

「テントの中でも調理OK」

ガスストーブとガスランタンをセットできる引き出し付きのボックス。このボックスと食材があれば、テントの中はもちろん、庭や縁側でも、どこでも料理ができちゃうというわけ。使用した材料は合板の端材のみと製作費がリーズナブルなのもうれしい。自宅の庭でちょっとしたツマミをパパッと作りたい、お酒好きDIYerにもおすすめ。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

おしゃれで機能的なローテーブルが大集合!/自作アウトドア道具20連発!(テーブル編・その1)

今、キャンパーたちの作るアウトドア道具が面白い。

その完成度の高さから、キャンプはもちろん、庭やインドアでも十分に使えるものばかり。

オシャレで機能的なギアを自作することで、普段の暮らしにアウトドア気分を取り入れる。

庭でのパーティーをワンランクもツーランクもアップさせる。

そんな楽しいライフスタイルを始めるきっかけとなる、キャンパーたち自慢の自作ギアの数々をご覧いただこう。

 

File01 アイアン&ウッドのキャンピングテーブル

製作者 Gさん/サイズ 幅850×奥行560×高さ310mm/材料費 約4000円/製作期間 約5日

100Vの溶接機でチャレンジできる、オシャレなキャンプ用ローテーブル

 

脚を折りたたんだ状態のテーブル。製作者のGさんいわく「次はもっと薄いアングルを使って軽量化を図りたい」とか

 

「人とかぶらないテーブルを作りたい」

アイアンとウッドを組み合わせた男前な作品が自作派キャンパーの世界にも登場。ポイントはやはりアイアンの使い方。アングルを溶接して作った天板受けに、角パイプの脚を固定。天板受けにはコの字に曲げた四角棒を溶接することにより、シェラカップやフックをかけるハンガーに。天板には幅89mmと40mmの板材を交互に並べ、端に黒く塗装したアルミアングルを取り付けることで、ウッドの天板をアイアンの脚部に違和感なく溶け込ませているところも見逃せない。

 

File02 バーナースタンド付きキッチンテーブル

製作者 Kさん/サイズ 幅900×奥行460×高さ400mm(キッチンテーブル)、幅450×奥行460×高さ400mm(バーナースタンド)/材料費 約2000円/製作期間 約3日

左のテーブル天板はフィールドキッチンテーブル竹のものを流用。自分の好きなブランドのギアをより使いやすくアレンジした好例だ

 

30mm角の角材と1×2材のみで作られたテーブルフレーム(左)とバーナースタンド(右)

 

「スノーピークのギアをロースタイルでも」

スノーピークのフィールドキッチンテーブル竹をロースタイルで使えるよう、木製スタンドを製作。それに合わせ、同じくスノーピークのギガパワープレートバーナーをセットできるスタンドをドッキングした、ロースタイルのキッチンテーブル。テーブル、バーナースタンドともに脚部はジョイントコネクターボルトと蝶ネジで固定し、折りたたみが可能。バーナーを使用しないときはスタンドにも天板を載せて、ロングテーブルとしても使用する。

*小さく表示されている写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2016年6月時のものです。

写真◎田里弐裸衣、谷瀬 弘、製作者提供

傾斜地に建てたガレージの基礎はボイド管でガッチリ作りました/みんなのガレージ&工房(4)

田舎暮らしがきっかけで製作したガレージ。スライドドアに描いたひまわりがアクセント! 小屋と地面の段差をなくすため、アプローチまで作った。

 

<記事内ギャラリー>

 

スライドドア上に鳥の巣箱がたくさんつけられている。ローラーとレールは近所の金物店で購入。レールは下側にもつけたがゴミがたまりやすく、なくてもよかったかも…

 

愛車はヤマハドラッグスター250のカスタマイズ。安価で手に入れたカワサキのバイクのリアフェンダーを加工して前面カウルをつけた。右隣は奥様の愛車リトルカブ

 

<DATA>
施主…Sさん(55歳・デザイナー)
DIY歴…37年
製作費用…43万4000円
実働製作期間…5カ月
面積…約17㎡

 

バイクのためにアプローチもDIY

2006年に、Sさんは東京から田舎暮らしを楽しめる場所を求めて、山梨県に移住。

東京時代は愛車のバイクを野天駐車するしかなかった。それだけに、土地にゆとりがある場所に住むなら、ライダー憧れのガレージを作るしかないとDIY。

製作地が斜面だったため、ベタ基礎を予算の都合で断念し、ボイド管の独立基礎を採用。30〜40cmほど穴を掘って、砕石を敷き、捨てコンを入れ、鉄筋をさし、ボイド管をセット。そこにモルタルを流して固めた。この基礎石を12個作り、さらに安定度を高めるため、基礎には鋼製束を3個も設置している。

躯体は2×4工法で製作。床材は12㎜厚合板を2枚敷いた。屋根は採光のため、熱線遮断タイプのポリカ波板を使用。ひまわりイラストが印象的なスライドドアはOSBで作った。小屋を明るい雰囲気にさせているこのイラストは、近所に映画の撮影で使われるような有名なひまわり畑があり、遊び心で描いたのだとか。

小屋完成後にバイクを出し入れするためのアプローチを製作。コンクリートブロックとレンガで縁を作り、砂利を敷いたものだ。これが肉体的にいちばんハードなDIYだった。一輪車に砂利を載せては敷き、載せては敷きを繰り返す作業。「何往復したことか…。一輪車の容量は意外と少ないことを経験で学びました(笑)」

完成後はバイクガレージ、DIYの拠点、物置とフル活用。作り付けの棚作り、防虫対策など、実際に使いはじめてわかる問題点を解決しながら機能性を向上させている。

 

スライドドアのひまわりイラストはSさんのガレージのシンボル

 

横から見たアプローチ。縁を見ると、砂利埋めの大変さが想像できる。砂利がガレージ内に入っていかないようにレンガを敷いた

 

床下に枯れ葉が入らないようにするため、網で覆った。中に入ると、湿気が発生しやすく、カビが生えやすくなるのだとか

 

長い材の出し入れをしやすくするために側面部にドアを設置

 

チェンソーの刃の目立てのための自作の台。2×材に埋め込んだ万力でバーを固定させて使う

 

小屋の窓のストッパーは枠の溝に収められる。閉めているときは窓のデザインの一部のように見せることができる

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2013年2月時のものです。

トイレにシャワー、寝室まで完備した木工房を作っちゃいました/みんなのガレージ&工房(4)

趣味のスピーカーや家具作りのために作った工房&趣味部屋。寝泊まりできる設備もついて、製作に没頭できるし、宴会だって楽しめる! 至れり尽くせりな空間。

 

<記事内ギャラリー>

 

大型の木工機械が置かれた工房内。200V電源を入れている。床はコンクリート土間。ペンキで塗装した

 

チューダー様式風に張った白い胴縁がアクセントになっている

 

<DATA>
施主…Kさん(53歳・設計士)
DIY歴…約15年
製作費用…120万円
実働製作期間…約6カ月
面積…約85㎡

DIYの拠点は没頭しすぎてもほろ酔いしてもOK!

畑の一角に立つKさんの工房&趣味部屋。農家からこの土地が売りに出ていると教えられ、趣味のスピーカーや家具作りの生産拠点にと購入し、セルフビルドした。

キットハウスのカタログを参考に小屋のイメージをかためる。設計は、資材を安価に抑えることを目標に行なった。

基礎はベタ基礎で、小屋は2×4工法。先に工房を完成させ、シャワーやトイレなどの水回りスペースと寝床を備えた趣味部屋を建て増しした。

2×4材と構造用合板で作った壁パネルを立ち上げ、2×4材で作った屋根トラスを900mm間隔で載せ、屋根材を張っていく。自然光を取り入れるため、屋根の中央部はポリカ波板を張った。外壁は住宅の外壁仕上げ材に使われる骨材入りの塗料をスプレーガンで合板に吹き付けて仕上げている。

建て増しした趣味部屋側は、内装を作るため、配線の修正が容易にできなくなる。事前の設計は工房以上に念入りに行なった。また、地下に浄化槽を埋めるなど、地下スペースへの施工があり、工房を建てたときより手間が掛かった。

自作スピーカー、家具などを販売することがKさんの目標。泊まり込んで作業に没頭できる場所ができ、目標がグッと近づいた。なにより「飲んじゃっても大丈夫」なのでちょっといい気分で作業できます。

 

趣味部屋の壁も吹き付け仕上げ。壁をスクリーンにしている。天井は見切りを使わなくて済むように格子状に板を張りつけた

 

屋根トラスの梁部分は2本の2×4材を接ぎ合せて作った。接触面積が大きいほど強い材になるのだとか。斜辺と水平の材が交わる付け根に合板を張った。面でしっかりと支えるため、張りつけには接着剤とビスを使用

 

手作りの作業台。天板の側面にバイスを取り付けているほか、天板面に材の固定に便利なベンチドックなどを差し込める穴なども作られている

 

自動カンナから排出される細長い木くずだけが入るダストボックス。ブロワーの入り口で詰まったため、自動カンナの木くずのみ分離するようにした

 

集じんシステムは200Vで稼働する。100Vのリモコンスイッチ&マグネットスイッチで遠隔操作できるようにした

 

趣味部屋に置いている椅子用のジグ。ひじ掛けの高さ、座板の幅と奥行きの調節が可能で体に合った椅子を作れる

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2013年2月時のものです。

アスレチック遊具のようなお城小屋を作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(6)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File06 アスレチック遊具のような小屋で一国一城の主になった気分♪

高床式の小屋は高さ5mもある。幅2.6×奥行4m の1階デッキ部分は、ぐるりと1周できるように作られた。壁に使われた材は、キットハウスの梱包材のパレットを使っている

 

床下の電線用ドラムがミニ迷路で、4、5歳の子どもが遊べるサイズ。小屋の周囲に落ち葉を敷きつめ、クッションにしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(53歳・オートキャンプ場オーナー)
DIY歴…15年
作った期間…40日間
作った費用…10万円

 

15年ほど前からキャンプ場のオーナーを務めるSさん。昨年、キャンプ場に来る子どもたちが〝楽しく遊べる城〟のようなもの作りたいと考え、高床式の小屋を製作した。

「キャンプ場なので自然の中で遊ぶのが当然なんだけど、遊べる建物があってもいいだろうと思ったんです」(Sさん)

使用資材は、防腐処理済み材や廃材など。また、ツリーハウスのようにするため、敷地に生えていた4mほどのスギの丸太を大黒柱に使っている。作業は、この大黒柱の設置からはじめ、デッキ、展望台、デッキ上に小屋と製作していく。もっとも苦労したのが、大黒柱の設置だった。重機を使用しながら作業をしたが、ひとりで行なったため、なかなか垂直にならず、苦戦を強いられたという。

高床式の小屋は40日ほどで完成した。ロッククライミングを楽しめる壁、ミニ迷路など子どもが楽しめる仕掛けでいっぱいだ。一国一城の主になりきり、ひとり占めする子もいるとか。製作のきっかけ通り「子どもが楽しめる城」になっている。

 

中央のランプは夜になると点灯する。展望台から屋根に出てしまう猛者がいたため、緑のネットを張った

 

子どもたちは器用にロッククライミングの壁をよじ登っていく。壁の手足をかけるホールドは、2×4材の端材を使用している。サイズは、幅1.8×高さ2.7m

 

1階小屋内部に作られたロープを使えば、電線用ドラムのミニ迷路まで降りられる

 

1階デッキ部分につながる梯子は、DIYシリーズ『我が家に手作りガーデンハウス』(学研刊)を参考に作った

 

ドラム缶を使った基礎

高床式の小屋製作で、唯一コンクリートを使用したのが、この丸太の柱の設置。子ども向けの建物なので、頑丈な作りにするため、柱の基礎にドラム缶を使用している。丸太をドラム缶に差しこみ、コンクリートを流し入れて固めた。ドラム缶は地中に3分の2程度埋められている。

がっちりとした作りが印象的なドラム缶の基礎。コンクリートのトッピングに使われたビー玉や粘土の型抜きがかわいい

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎冨士井明史

ジャングルジムのように遊べる2段ウッドデッキを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(5)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File05 がんばって登った達成感を味わえる2段デッキ

1段目のデッキ下の空洞で、洞穴探検を楽しめる。80cm出っ張って作られたデッキテラスの支柱は、2本の2×4材を使用した

 

<DATA>
製作者…Oさん(65歳・自営業)
DIY歴…35年
作った期間…2週間
作った費用…約10万円

 

水道局の跡地に作られたさぎ沼なごみ保育園は、水道局の名残である高さ2mほどの塀を門柱に使っている。

週に1度、園で木工教室などを開く大前武さんは、その門柱を隠すデッキテラスをDIYしたいと考えた。

「製作にあたり、園長から〝できるだけ登りにくいデッキ〟を提案され、階段がないものにしました」(Oさん)

園庭に高さがある箱を置き、子供たちが登る様子を確認する。60cmからはじめて、最終的に登るのに手こずっていた90cmに決めた。そして、2×材を縦、横とも90cmのユニットにしてサイコロ状に組みあわせてデッキを製作する。

完成したデッキは2段デッキ。2段目に上がると高さ約2mの世界だ。子供たちは、がんばらないと見られない風景を楽しんでいる。

 

門柱の幅は約2m。門柱の上部は巨大なプランターになっている

 

デッキテラスにはプランタースペースが作られた。蔓科の植物が、植えられており、夏場は日陰が作られる。デッキの広さは幅5.4×奥行3.6m、デッキ材は防腐処理済み材

 

45度の角度切り

2段デッキは、どの面からも木口を出さないように製作された。そこで、2×材のユニット部分は、ユニット同士が接する面すべてに45度の角度切りがされている。この加工によって、どこから見ても同じ形になり、デザイン性も保たれた。また、「縦横の方向性がなく、子どもの引っかかりが少ないかも」と、Oさん。

きれいに角度切りされた接合面。1段目床下は、空洞になっている

*掲載データは2009年6月時のものです。

組み立てから楽しめるお店屋さんごっこのためのキッズハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(4)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File04 組み立てから楽しめる手作りのお店屋さん

柱にTさん手作りのインターホンを設置した。パーゴラの桟につけられたダボに、日よけシートのはと目をひっかけて屋根にしている。作品サイズは、幅100×奥行き130×高さ140cm

 

<DATA>
製作者…Tさん(63歳・自営業)
DIY歴…約30年
作った期間…16日
作った費用…約1万円

 

京都で半田舎暮らしを楽しむTさんは、年に数回程度遊びに来る、神奈川県で暮らすふたりのお孫さんと過ごすのを楽しみにしている。

端材や木の枝、ドングリなどを使って、お店屋さんごっこを楽しむお孫さんの姿を見て、外でも、室内でも使える組み立て式のお店屋さんを作ることにした。

使用した材は、2×材と1×4材。無駄がでないようにできるだけ96cm、86cmにカットして使った。材に切り欠きをいれたり、桟を使って、プラモデルのように組み立てられるようにしている。

年に数回オープンするお店屋さんの組み立ては、Tさんとお孫さんがいっしょに行なう。ままごとの楽しみはもちろん、作る楽しみも味わえるのだ。

 

組み立て前のお店屋さん。遊ぶときは、これをTさんと緑ちゃんがふたりで組み立てていく

 

L字型に作られた柱には、格子の棚をのせる板材がつけられている

 

ままごと遊び充実のディテール

お孫さんの要望でお店屋さんには、レジやキッチンが設けられている。すべてがTさんの手作りだ。さらに、蛇口が動いたり、お札やコインもTさんが作ったオリジナル! お孫さんはもちろん、Tさんの奥さんや、お孫さんのお母さんまで「子どもの頃に欲しかった」と、好評を得ている。

市販ものはシンクのみで、竹製の石鹸置き場を使っている

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎製作者提供

キットガレージをDIYで自分スタイルにアレンジしてみました!/みんなのガレージ&工房(3)

愛車を格納するガレージをキットで購入。ひとりでこつこつと組み立て、内部は趣味のDIYに使いやすくアレンジ。休日を木工三昧で過ごすスペースに作り上げた。

 

<記事内ギャラリー>

 

二段こう配二面切り妻のギャンブレル屋根が特徴的なSさんのガレージ工房。見えている内部壁面が工房のスペース

 

<DATA>
施主…Sさん(59歳・会社員)
DIY歴…10年以上
製作費用…約70万円
実働製作期間…約50日
面積…約22.5㎡

 

オーバーヘッドスライダーを閉じた状態。ガレージ工房の塗装はSさんのオリジナル。ガレージ工房の奥には新しく建てたキットハウスが見える

 

 

オーバーヘッドスライダーも自分で設置

紹介するガレージは施主のSさんが、2005年に約半年かけて手作りしたグリーンベルのキットガレージ「ヒューロン」。製作前にはグリーンベルの主催する組み立て講習会にも参加し、2×4工法で組み立てるキット製作のノウハウを学び、万全の体制で組み立てにのぞんだという。

基礎だけは業者に頼んだが、基礎から上はすべてSさんひとりによる作業。規格化された2×4工法のキットとはいえ、ひとりDIYで建物の組み立てというのはなかなか大変で、高所作業や暑い真夏に重なってしまった屋根のシングル張りは、果てしない作業に思えたそうだが、それだけに充実した組み立ての経験になったということだ。
ガレージドアはアメリカで見て以来あこがれていた電動式のオーバーヘッドスライダー。

ドアの材はガレージ本体と同じサイディング材を使って組み立て、リモコン付き電動オープナーはアメリカから輸入して取り付けた。

屋根垂木の間には断熱材を入れ込んだが、効果のほどは少ないという。その屋根部分の高さを生かして、屋根の内側に沿ってぐるっとロフトを設置。大容量の物置きとして活用している。壁の一面には手前から奥まで幅50cmの作業台を設置し、反対側の壁にはサブロクサイズの折りたたみ式作業台を取り付け、車を出せば広々とした工房として使えるようにアレンジしている。収納には壁収納を目一杯に活用し、多くの道具、工具を収納している。

いい作品づくりのイメージが浮かんだ週末は、このガレージにこもってDIY三昧に過ごすのが、Sさんお気に入りの休日の過ごし方だ。

 

ガレージ工房の片方の壁に沿って入り口から奥まで幅50cmの作業台が作りつけられている。収納は壁面を目一杯利用する

 

独自に雨ドイを設置。これで耐久性が大きく改善される

 

出入り用の側面のドアはアルミサッシ。ウッディな感じに改造したいという

 

内側から見たガレージドア。ガレージ本体と同じサイディングボードを使っている

 

下から見上げた屋根方向。屋根の内周を全部ロフトにして収納力をアップ。真ん中の梁に吊り下げられているのがドアオープナーのモーター部分

 

片側の壁にはサブロクサイズの合板をそのまま1枚天板にした作業台。サブロクサイズにしたのは天板が痛んできたら、簡単に交換できるため

 

写真の作業台。実は折りたたみ式になっていて、車を入れる場合は壁面に収納する

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年12月時のものです。

思い出のカシの木に多機能ツリーハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(3)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File03 思い出のカシノキに作ったジイジのツリーハウス

孫たちのために作ったツリーハウス。床の高さ2.5m。床下にブランコや鉄棒をつけた。まだ1歳半になる孫娘さんだが、ツリーハウスに登るのが大好き。ひとりで登ってしまうというから驚く

 

材料は丸太の端材、2×材の端材などを駆使し、ほとんど費用はかかっていない

 

ツリーデッキの上にこんなかわいい家ができた。屋根は樹皮を葺いたもの。孫娘さんも中に入ってご機嫌

 

<DATA>
製作者…栗田宏武さん(55歳・ログビルダー)
DIY歴…物心ついたころから
作った期間…2日
作った費用…0円(端材利用のため)

 

わが国のチェンソーカービングの第1人者でもある栗田宏武さんが、自宅の敷地内に作ったツリーハウスはブランコと鉄棒がついた多機能ツリーハウスだ。

「僕が子どものころ、ここに縁台があってよく遊んでいた。この思い出のカシノキに孫たちが集まって遊んでほしかった」(栗田さん)

材料は庭に転がっていた丸太の端材や2×材。お金はほとんどかかっていない。2本の大きなカシノキとモチノキの周囲に柱を立て、地上高2.5m、床面積6畳ほどもある不定形のツリーデッキを立ち上げ、そこに梯子をかけ、樹皮の屋根のついたかわいいミニミニハウスをのせた。

木の幹や大きな枝があたるところは、デッキの床をくり抜き、樹を傷つけることはまったくない「地球にやさしいツリーハウス」だ。

現在、孫は小学校5年生、1年生のふたりの男の子、それに1歳半になる女の子の計3人。ジイジからの贈り物を思う存分楽しんでいる。栗田さんがそうであったように、大きなカシノキの下で遊んだツリーハウスの記憶は、3人の孫たちの大切な宝物になるに違いない。ジイジがくれた夏の日の鮮やかな記憶……。

 

床下の様子。基礎柱は方杖で補強されている。根太の位置も樹の位置によりバラバラなのがわかる

 

床は樹の幹や枝を避けて、くり抜かれている

 

樹の幹にやさしいロープフェンス

ツリーデッキの端に張られたフェンス代わりのロープは、よく見ると入り組んだ樹の枝や幹に繋がれており、風に揺られてふらふらと動く。ロープが枝といっしょに動くことによって、ロープにテンションがかからず、樹木を傷めないですむそうだ。これってグッドアイデア? なお、ロープは網の目にようになっているので、ロープが動くことで、孫たちが危なくなることもないのだとか。

太いロープを網の目のように枝に巻きつけてフェンス代わりにしている。ロープのそばにある豚のログカービング作品は栗田さんの作品

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎冨士井明史

庭にプライベート砂場&雨でも楽しめるエアホッケー台を作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(2)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File02 砂場とエアホッケーを作ってくれた自慢のパパ!

平板と耐火レンガで作られた砂場。Tさんの愛娘は、幼稚園から帰ってきても、自分の家に砂場があるためとても喜んでいる

 

使用しないときは、木枠に金網を張り、砂に落ち葉や猫のフンが入らないようにしている

 

<DATA>
製作者…Sさん(33歳・整備業)
DIY歴…8年
作った期間…約2週間
作った費用…1万円

 

Sさんは、5歳の娘さんと10カ月の息子さんのパパである。砂遊びが好きな娘さんのために、自宅の庭に砂場を製作したのが2008年3月のこと。これには、娘さんも大喜びしていた。

しかし、砂場製作後の雨が降ったある日、「娘の友達が遊びに来ていたんですが、暇そうにしていたんです」(Sさん)。そんな姿を見て、〝雨の日も楽しく遊べるもの〟を作らなければと思い立ち、同年5月にエアホッケーをDIYした。

資材には、枠板に1×6材、天板と底板に針葉樹合板を使用した。ラケットが滑るように、天板の針葉樹合板の上にアクリル板をのせている。エアは、天板と底板の間に高さ5cmの空間を作り、シロッコファン(送風機)で送風し、天板にあけた穴から出る風量でパック(玉)が浮く仕組みだ。

これで、どんな天気でも、友達と楽しく遊べるようになった娘さんは、「お父さんが作ったんだよ!」と、友達に自慢しているのだとか。こんなことを言われたら、うれしくて作りすぎてしまいそうだ。

 

底板と天板の間に5cmの空間を作り、シロッコファンで送風できるようにしている。これで、パック(玉)が浮く。「どういう作りなのかをよく聞かれるので、側板の両端までトリマーを走らせました」と、Sさん

 

エアホッケーで遊ぶSさん親子。シロッコファンは、ファンコイルの熱で火傷しないようにボックスで囲っている。内部が視認できるように、天板はアクリル板を使った

 

ボックス内で熱がこもり、コイルが焼損しないように、チューブでコイルにエアブローさせている。チューブは、ステー材がなかったため、アクリル天板にチューブ径の穴を2カ所あけ、穴に通して固定した

 

シロッコファンの送風口の形状にあわせて、側板に穴をあけ、はめあわせて止める

 

まだまだある! 子どものためのDIY作品!

子どもの日に、娘さんにプレゼントした折りたたみ式のストラックアウト。娘さんが数日で飽きてしまい、今は親戚のもとにある。資材は、フレームに30mm角アングル鋼材、的に振動吸収ゴム、ずれ止めに強力マグネットを使用。2枚のフレームをボルトで固定して、開閉させる。フレームに切り欠きを数箇所いれて、組立てたときの角度を微調整できるようにした。

2枚同時落としができる、ストラックアウトの引受人。ソフトボールクラブに所属している

 

たたんだときにボルトが邪魔にならないように、接地部分は切り欠きを大きく取っている。写真奥の2本のアングルは、フレームの支柱

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎篠永智

みんなの手を借りてツリーハウスを作ってみた/この夏挑戦!わんぱくキッズに捧げるDIY作品集(1)

子どもは元気で外遊びがいい。走り、飛び、駆けまわる。よじ登り、はしゃぎ、大喜びする。そんな幸せな光景を見たければ、子どもたちが楽しめるDIYに挑戦してみませんか? ついでに大人たちも楽しんでみませんか?

 

<記事内ギャラリー>

 

作品File01 園長先生、パパと子どもたち、皆で作った木の上の遊び空間

根太は、木の枝にあたらないように斜めに張られている。写真右の縄梯子は、板材とロープをボルトで止めて作ったもの。子供たちは、竹のスベリ棒から慣れた手つきで降りてくる

 

枝が食い込んでいるため、右側の小屋の壁を張らずにいる。小屋はいずれログハウス風に仕上げたいそう

 

<DATA>
製作者…Kさん(51歳・幼稚園園長)
DIY歴…16年
作った期間…1日
作った費用…5万円

 

2009年の3月に新調したのツリーハウスは、設置場所である幼稚園の園長先生・KさんがDIYした。金子さんにとっては、2棟目の作品にあたる。2001年にも、同じイチョウの木の上にツリーハウスを作っていたが、そのツリーハウスの傷みが激しくなり、園児の父母の協力を得て作り直すことに。

ツリーハウス作り経験者のKさんをリーダーに、2×材を使ってDIYスタート。木の上に作るから、当然足場なんてない。水平とりに苦労しながら大引きの受け木を4つ枝に取りつける。そこに、大引きを置き、根太、床板、小屋の順に施工していった。木材への塗装は、園児たちが行なったのだそう。

完成したツリーハウスは、ロープと木の幹を使って登り、竹のスベリ棒で下りる。2階もあるし、ハンモックもついているのだ。すべり台やブランコなどの定番遊具以上に、子どもたちの「楽しい」を触発させる唯一無二の遊具になっている。

 

2階部分はデッキのみで、2001年に作られたもの。広さは1階部分が約10㎡、2階部分は約3㎡

 

ハンモックには、2階のデッキから入る。使われたネットはゴルフ練習用のもの

 

誰もが登れるわけじゃない!?

1940年代ころヨーロッパで広まった「自分の責任で自由に遊ぶ」を信条にした子どもの遊び場。ツリーハウスはこの信条のもと、あえて簡単に登れないように作られた。地上約3mの位置にデッキ部分があり、大人でも勇気がないと登れない。「自力で登れるようになった子は、自分で考えて降りてきます」とKさん。子どもたちにとってツリーハウス登頂が、卒園までの目標になっているのだそう。

だいたいの子どもたちが年長クラスになると、登れるようになる。登れずに卒園した子が「登れたよ!」と報告に来ることも

 

*掲載データは2009年6月時のものです。

写真◎小山修司

趣味の木工とカー&バイクのメンテが楽しめるマイガレージライフに迫る!/手作りガレージ&工房(2)

老後の生活拠点として購入した那須の別荘。

母屋横のガレージ兼工房からは、週末ともなれば電動工具の小気味のいい機械音が響きわたる。

孫のために作る木工作品は、どれも愛情たっぷりの作品なのだ。

 

Case2 週末は趣味の木工とカー&バイクのメンテナンス。別荘に建てたハーフビルドのマイガレージ

ガレージ内、左半分が駐車スペース、右半分が木工用の工房

 

緑に囲まれたS邸のガレージ。シャッターのついた開口部の位置は自由に設定できるのだとか

 

<記事内ギャラリー>

 

<オーナーDATA>
製作者…Sさん(62歳・ホームセンターパート・DIY歴10年)
製作期間…5日間
製作費用…約180万円(基礎別)
ガレージスタイル…ハーフビルドによる木工房

 

 

基礎・構造は業者に、わずか5日間で完成!

将来の永住の地として購入した那須の別荘に、木工用の工房兼ガレージを建てたSさん。

「以前はオーディオが大好きで、スピーカーなんかも自作していたんです。それもDIYといえばDIYですよね」

自作のテーブルソー前で、笑顔で語るのがSさん。お孫さんの誕生をきっかけに、今はすっかり木工の魅力にはまってしまっているのだとか。自宅では思うように作業もできず、別荘購入の際、「木工もできるガレージを建てよう」と考えたのだという。

今回紹介するガレージは、Sさんにとって2棟目のガレージで、イソダウッドワークスのもの。基礎は地元の業者に依頼し、ガレージ材の搬入時1日だけ業者に躯体づくりを依頼した。「こつこつと時間をかけるのが苦手」というSさんは、その他の作業を独力で一気に5日間で仕上げてしまった。

「サイディングにはすべてスクリュークギを使用したのですが、これがなかなか打ち込みづらくて苦労しました」

ガレージ内は半分が木工用の工房で、もう半分は駐車スペース。もともと自動車ディーラーでメンテナンスの仕事をされていたことから、ガレージ内には当時使用していた工具類もずらりと並んでいる。

定年退職後は地元のホームセンターでパートタイマーとして働き、休日ともなれば奥様とこの別荘にやってくる。時間を忘れて木工三昧のSさん、奥様も趣味の裁縫に没頭し、「食事の時以外は顔をあわさない」と笑う。お孫さんが喜ぶ顔を思い描きつつ、今日も小気味の良い機械音を響かせている。

 

自作のテーブルソーで工作中のSさん。「道具を甘く見ると大けがをする」(Sさん)と、事故防止用のアクリル板も取りつけた

 

母屋デッキ上から見たガレージ。「やれることは自分で」がモットーのSさん。もちろん、このウリンのデッキもDIYによるもの

 

天井高も十分にあり、いずれはロフトを作って資材置場にする予定

 

現在製作中の“トトロの家”。もちろんこれもお孫さんのためのものだ

 

床面は整備工場用の特殊塗料を使用

ガレージの強度を考慮して、コンクリートのベタ基礎にしたSさんのガレージ。当初はコンクリート面むき出しのまま作業をしていたが、木屑とホコリに大苦戦。試行錯誤した結果、カーメンテナンスの仕事をしていた頃を思い出し、一般工場や修理工場などの床に使用される特殊塗料を使用することに。油にも強く掃除も楽になったという。

昔はモトクロスの選手だったというSさん。現在も50ccのバイクを1台所有

写真◎高島宏幸/取材協力◎イソダウッドワークス

*掲載データは2009年6月時のものです。

外メシが楽しめるガーデンキッチン付きウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(6)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case06 外での食事を気軽に楽しめる!ガーデンキッチンがあるウッドデッキ

タープをつけたデッキ。写真左は物置兼自転車置き場

 

施主のNさんと奥さん。家族だけでバーベキューを楽しむときは、写真のようにバーベキュー台&ガーデンシンク前の掘りごたつ式ベンチに集う

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

Nさんの自宅は山を切り開いた住宅地。土地の性質で、赤土や粘土が多かった。そのため、雨が降ると庭がぐちゃぐちゃになってしまう。また、夏になれば、抜いたそばから雑草が生え、穴を掘ると石がゴロゴロ出てくるかなり酷い状態だった。そこで、家族みんなで楽しく過ごせる庭を作ろうと、NさんはウッドデッキDIYに着手する。

「予算もDIYの知識もない中で始めたので、まず庭全体のデザインを考えるのに苦労しました」とNさん。本誌を読み、ホームセンターに通い詰め、DIYの知識を少しずつ得ながら作業にあたり、6カ月かけてデッキを作り上げた。製作費は25万円ほど。

完成したデッキは、リビングの延長になるように、デッキとリビングの段差をできるだけなくし、スリッパのままで出られるようにした。広さ約17㎡のデッキ上にはあえて、テーブル&チェアを置かず、小学6年生と5年生のお子さんふたりが側転の練習をしたり、夏にビニールプールを出して遊べるようにしている。また、ガーデンキッチンをデッキ横に設け、気軽に外で食事を楽しめるような作りになっている。

「みんなで集まってバーベキューをしたり、天気のいい日に昼寝をしたりして過ごしています。蚊に刺されますけどね(笑)」(Nさん)

Nさん家のウッドデッキは、家族が集え、子供が活発に遊ぶことができ、さらに大人のくつろぎ空間にもなる。シチュエーションに合わせて、いろいろな表情を見せる外リビングだ。

 

コンクリートブロックで作ったガーデンキッチン

コンクリートブロックで作り、ベルアートという塗り壁材で化粧を施したバーベキュー台とガーデンシンクがついたガーデンキッチン。アクセントとして、レンガを使い、おしゃれに仕上げている。本体に鉄板を取りつけ、焼き網は鉄板上に置いている。ガーデンシンクは、デッキ側とテラス側で使えるようにした。

 

床が掘りごたつ式ベンチになる

ガーデンキッチン前の床の一部が取りはずし可能になっている。取りはずした床は座面にして掘りごたつ式ベンチとして使用する。家族でバーベキューをするときはチェアやテーブルを用意しなくてもこのベンチだけで十分!

 

デッキ材は樹脂製を活用

Nさんがデッキ材に使用したのは樹脂製の人工デッキ材で、サンワカンパニーの「デッキアルト」というもの。耐久性とメンテナンスを考えて利用を決めたそうだが、「なんと言っても木材より安かったんです(笑)」とNさん。

 

鋼製床束と手作り基礎石

デッキ土台の基礎石は合板で作った型枠にコンクリートを流して製作したもの。根太にはC型鋼を使っている。製作手順は、C型鋼に鋼製床束を固定し、並べてコンクリートで束を固定。コンクリートが硬化したところで、C型鋼のレベルを調整して、土台部分を完成させた。

 

取り出し簡単! プランターカバー

ウッドデッキのステップと一体化したプランターカバー。側板と上部板を蝶番でつないでいるため、上部板は開閉式。上部板をパカッと開けると、カバー内に入れたプランターをラクに取り出せる。

 

プライバシーを守る背が高い塀

塀本体は、端太角材を柱に使い、サイディングボードを張り、塗り壁材(ベルアート)を塗って仕上げた。塀上部は、隣家に圧迫感を与えないように、ポリカーボネートを使用している。塀は高さ202cmある(塀本体部の高さは137cm)。

 

デッキ上は土足厳禁!

リビングの一部ととらえているため、室内リビングからデッキへスリッパで何気なく出られるようにデッキ上は原則土足厳禁にしている。デッキを囲うタイル敷きペイビングスペースが土足スペースだ。

写真◎竹内美治

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

はじめてのDIYで完成した夢のマイガレージライフに迫る!/手作りガレージ&工房(1)

趣味の車いじりを思いっきり楽しみたい! でも、住まいはマンション。愛車はしがない青空駐車……。

「ガレージが欲しい!」、そんな夢をついに叶えたKさん。

ピッカピカのガレージには2台の愛車が気持ちよく納まっていた。

 

Case1 夢にまで見たガレージライフを実現!はじめてのDIYで完成したマイガレージ

開口部は4.8mあり、車2台が余裕で入る。サイディングに耐水合板を使用したことで、コストも抑えられている

 

<記事内ギャラリー>

 

<オーナーDATA>
製作者…Kさん(35歳・会社員・DIY歴 1年)
製作期間…3カ月
製作費用…約170万円(基礎別)
ガレージスタイル…車庫兼作業場

 

 

DIY初心者でも出来たハーフビルドガレージ

車いじりが大好きなKさんにとって、ガレージの設置は以前からの夢だった。2008年4月、現在の場所に中世ヨーロッパの建物を彷彿とさせるような瀟酒な母屋を新築した。

「実はこのガレージが欲しくて家を建てたようなものなんです」と笑うKさんの後ろには、約40㎡のガレージが。庫内には、チューンナップされた愛車のミニとパンダ、SRバイクが並んでいる。

「ここに越す前はマンション住まいで、車は青空駐車。雨が降ってしまうと車いじりができなくて、せっかくの休みも台無しになっていたんです」(Kさん)。ならばと、ガレージも設置できるような場所に家を建ててしまおうと考えたという。

これまでDIYにはまったく縁のなかったKさんだったが、どこか一部だけでも自分の手でガレージ作りができないものかと考え、ハーフビルドのガレージをネットで探しはじめた。そこで目に止まったのがイープランのハーフビルドガレージだった。

「基礎は地元の業者に頼み、ガレージの骨組みだけイープランさんに作ってもらいました」

とはいえ、これまで電動工具など一切触れたこともなかったKさん、それなりに不安もあったはずだが……。

イープランでは、はじめてハーフビルドに挑戦する施主には、〝ガレージインストラクター〟を派遣して、工具の使い方やガレージの組み立て方を丁寧に指導してくれるのだという。

こうしてKさんのイメージどおりに完成したガレージは、新築の母屋にもぴったりマッチしたものに。

「まだ完成したばかりで、ガレージ内もちょっとさびしいのですが、DIYで内部もどんどん充実させていきたいですね」と目を輝かせた。

 

屋根材はアスファルトシングルを使用。もちろん、すべてKさんがひとりで張りあげた

 

渋めの母屋にガレージがよくマッチしている。ガレージ右奥には空地があり、これからDIYで庭づくりに挑戦するという

 

2台の愛車がすっぽり納まった。車の後ろにはバイクも1台収納されている

 

アルミ製のスライディングドアは軽くて丈夫、しかも開閉が楽だ

 

ガレージ正面。真っ白のスライディングドアが眩しい

 

室内にはまだまだゆとりが。「内装にも凝りたい」とKさん

 

天井にはロフトも製作中。すべて端材で作った

 

イープランオリジナルのルーバーウインドウ。サイドのつまみを上げ下げするだけで、簡単に開閉できる

 

ゴム製床敷マットで作った作業台

無事ハーフビルドのガレージが完成して、愛車もいれた。でも、ちょっと殺風景!? てなわけで作ったのが、端材の2×材を使用したこの作業台。2×4材をテーブル状に組んでみたが、何か物足りない。そこで思いついたのが黒いゴム製の床敷マットを天板に張りつけること。タッカーで張りつけただけの簡単なものだが、これをつけたことで、ぐっとガレージアイテムっぽくなった。

DIYに目覚めたKさん自慢の作業台

写真◎高島宏幸/取材協力◎イープラン

*掲載データは2009年6月時のものです。

野外囲炉裏つきの個性的なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(5)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case05 ウッドデッキの床板を開くと野外囲炉裏が登場する面白ギミック!

庭の中心に作られた異形のウッドデッキ。アオハダ、ソヨゴ、西洋シャクナゲ、モミジなど雑木との相性も抜群。自然をうまく取り入れる方法も庭づくりの参考にしたい

 

ウッドデッキは野外囲炉裏にチェンジ!

 

ここでは屋根つきウッドデッキではないが、個性的なアイデアが光るウッドデッキを紹介する。

静かな住宅街にあるS邸。門から一歩踏み出すと、モダンかつ和風テイストの独特な空間が広がっている。

Sさんは自宅を新築する際、庭の施工もプロにオーダーしようとネット上で検索。すると雰囲気のいい庭とウッドデッキを発見。ビビッときたSさんはすぐ施工を依頼。それが今回S邸の庭を施工した木村グリーンガーデナーとの出会いだった。

庭のデザイン・施工を担当した木村博明氏は「若い夫婦と小さな子供が楽しく遊べる庭をイメージして作りました」と語る。

なにより目を引くのは庭の中央に位置する異形のウッドデッキ。実はこれ囲炉裏が組み込まれたデッキなのだ。

「囲炉裏まわりの材料は枕木、囲炉裏のフタはウエスタンレッドシダー、外側は椎の木を使って作ったBBQのできるウッドデッキです。」(木村氏)

デッキ中央のフタを四方に開けば、中にはレンガ積みの火床が出現する。このギミックには子供だけでなく、大人も目を輝かせるだろう。

デッキの右側には、ちょっとした洗い物に便利なガーデンシンクも取りつけた。子供が足を洗えるようにとシンクの右側にも蛇口がついているという細やかな配慮がうれしい。

「人が集まってワイワイとパーティーするのに最適。わざわざキャンプに行かなくなりました。庭でアウトドアを楽しめますから」(施主のSさん)

 

枕木囲炉裏のフタは開閉式!オープン時は座椅子に早変わり

デッキの中心にあるフタを四方に開くと、中から現れるのはレンガを積み上げて作られた火床! フタになっているウエスタンレッドシダーは開けば座椅子になるというデッキアイデアに思わず唸る。通常は普通のウッドデッキとして使用し、家族や友人との集まりには、野外BBQパーティーができるという楽しくておいしいウッドデッキ。花びらが開いたようなデザインも面白い。

 

枕木のアプローチはデッキへの道しるべ

母屋と囲炉裏デッキの間には枕木のアプローチを設置。母屋からウッドデッキへ自然に足が進むようにデザインされている。御影石や枕木の流れを感じさせる配置は、いわばデッキへの道しるべ。

 

照明はプランターとビー玉を使ってオシャレに仕上げる

ガーデンシンクの上部にはデッキを照らす照明が設置されている。照明は素焼きのプランターにビー玉を埋め込んだものをカバーに使用。夜の使用時はビー玉からほのかな明かりが輝く仕組み。ホームセンターで手軽に手に入るアイテムを使ったアイデアガーデンライトだ。

 

ガーデンパーティーに必須のシンクはウッドデッキ脇に配置

囲炉裏テーブル=週末は家族とBBQパーティー三昧、ということでデッキ横にはレンガ積みのガーデンシンク兼収納ボックスを設置。ここで野菜を洗ったり、食材の準備をしてすぐにBBQができるというわけだ。このガーデンシンクがあるだけでデッキが立派なガーデンキッチンになる。シンクの横にも蛇口がついているので、小さな子供やペットの足洗い場としても使える点も見逃せない。

 

母屋からあえてデッキを離して作った理由

通常、ウッドデッキというと母屋に直結して作られるという例が多いが、このデッキは完全に母屋から独立している。「デッキから庭を眺めるのも面白いけど、デッキから母屋を眺めるのも新しいかなぁと思って」と木村さん。デッキを作る位置で庭の印象が大きく変わる。あなただったら庭のどこにデッキを作る?

 

フェンスは互い違いに組むだけで雰囲気がバツグンにUP

丸太を支柱にして、1×4材の横板を編み込むように交互に取りつけたガーデンフェンス。手軽に作れて、庭に雰囲気の出るビギナーにオススメのアイデアフェンスだ。

 

デッキ基礎は床束&基礎パッキンで補強

デッキ基礎の一部にはレンガと鋼製床束を使って、補強を施すと同時にデッキの高さをそろえるよう調整。また束柱と束石との間に基礎パッキンを入れて、腐食対策も行なっている。プロのデッキを長持ちさせるテクニックは見逃せない。

写真◎佐藤弘樹/施工◎木村グリーンガーデナー

*記事内の小さな写真はクリックすると大きく表示されます。

*掲載データは2011年2月時のものです。

日差し対策にタープを張った快適なウッドデッキのポイントをチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(4)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case04 日差し対策にタープを張って快適な簡易屋根つきデッキ!

施工主のKさんの奥さんと愛犬さくらちゃん。ガーデニング用の日よけを桁に取りつけ、タープに使う

 

しっとりと落ち着いた雰囲気のK邸のウッドデッキ

 

業者に依頼して行なった自宅リフォームがきっかけで、Kさん(51歳)がDIYしたウッドデッキ。リフォーム中に出た廃材(ヒノキの角材や床柱など)を捨てるのがもったいないと感じ、「ウッドデッキでも作れたらいいなぁと思ったんです」(Kさん)。

また、リフォーム完了と同時に飼うことになった犬が、デッキ作りへ拍車をかけた。犬は運動大好きなボーダーコリーの「さくら」。「犬小屋はもちろん、さくらのために(庭に)遊べるスペースを確保したい!」 と思ったのだとか。

DIYほぼ未経験だったKさんにとって、本誌がDIYの助けになった。「偶然、書店で知って、図書館でバックナンバーを読みあさりました。作業の手順や製作方法、いろいろな実例作品からアイデアを収拾しました(笑)」(Kさん)。そして、アレもコレも取りいれたいと考える内に、「どうせなら庭をまっさらな状態にして一から作ってみよう」と思い至る。

作業は、まず庭の植木の伐採から始め、整地を行ない、ウッドデッキのシンボルツリーとなる紅葉を植えた。そして、コンクリートを打ち、ウッドデッキ製作を行なう。ウッドデッキはおなじみの手法で作られた。

完成したウッドデッキは、犬小屋と一体化しており、愛犬はデッキで自由に遊べる。また、デッキは南向きにあって日差しが強く、日常的にタープを設置。簡単な屋根つきデッキという趣がある。「大きな部屋がひとつ増えた感じかな」というKさん。よく晴れた日にお昼ごはんを食べたり、お茶を飲んだり、昼寝をしたりとデッキライフを満喫しているそうだ。犬も人も楽しめる場所になっている。

 

いろんな収納システムを兼ねた犬小屋

愛犬さくらちゃんの犬小屋は、バイクガレージとウッドデッキの間に作られている。使われた資材は、ヒノキ材や廃材など。犬小屋上がKさんの道具収納棚になっている。サイズは幅110×奥行き75×高さ170cm。また、側板には飾り棚スペースが作られており、おしゃれな雰囲気だ。

 

カウンター&スツール

犬小屋横に作られたフェンス上はカウンターテーブルになっている。お茶のみスペースとして重宝しているそうだ。手作りのスツール2脚は背もたれ部が緩やかな曲線で仕上げられている。

カウンターテーブル天板はキハダを使用

 

タープを使って簡単な屋根に

南向きにあるデッキは日差しが強いため、普段からタープを張って日陰を作り過ごしやすい空間にしている。タープは桁に固定させた。桁は相欠き加工されている。

タープ用の桁の右側の柱は、フェンスとベンチ型室外機カバーの柱も兼ねている

 

シンボルツリーと格子のフェンスで和風モダンテイスト

KさんがDIYでいちばん初めに手をつけたシンボルツリーの紅葉。木製の格子フェンスの見た目も手伝って和風モダンな雰囲気になっている。

 

デッキフェンスと合体したベンチの室外機カバー

キハダとヒノキ材、廃材を利用して作られたベンチ型の室外機カバーは、重厚感のあるつくりが印象的。デッキフェンス支柱をベンチの脚部に利用しているユニークな作品だ。

 

廃材利用のフェンス支柱

カウンターテーブル下のデッキフェンスの支柱には、自宅リフォーム工事で出た廃材(床柱)を利用した。木の凸凹した質感が面白く、また、和風な雰囲気を与えている。

写真◎清水良太郎

*掲載データは2011年2月時のものです。

ヨーロッパの街並みをイメージさせるモコモコしたピザ窯のポイントは?/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(8)

Case08 モコモコッとした質感のモルタルに緩やかなアールの相性が抜群

ヨーロッパの街並みをイメージさせるような淡い山吹色のピザ窯。窯口の扉や化粧板にまでアールが取り入れられた柔らかいデザインが特徴。

山吹色のモルタルが塗られた窯は随所にアールを取り入れた柔らかいデザイン

 

<記事内ギャラリー>

 

<Aさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W1200×D1300×H1400mm
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ約90個、コンクリートブロック、コンクリート平板、2×材、1×材、耐火コンクリート(アサヒキャスター)、鉄筋(10㎜径)、モルタル、カラーモルタル、砂、化粧砂利など
  • 製作費用
    約12万円
  • 製作期間
    実働14日間
  • 窯製作のきっかけ
    フェンスやペイビングだけの庭ではさびしい。また子供が大きくなった今、石窯があればみんなで楽しくピザパーティーができていいなと思っていた
  • 窯設計までの経緯
    ピザ窯を作ろうと思ったもののなにもわからないので、石窯づくりの本を3冊買いそろえ、通勤時に読みふけった
  • 窯の特長・ポイント
    材料をほとんど切らずに済むサイズに窯を設計したこと。保温のためピザ窯全体をモルタルで塗装したことなど
  • 土台
    基礎の50mm厚のモルタルの上にコンクリートブロックを4段積み上げた。土台の正面には2×材でドア枠、1×材でドアを取り付け、中を薪の保管庫にしている
  • 屋根
    なし
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    燃焼室が大きく窯がなかなか暖まらない。今回は2×材で窯口の扉を作ったが、次回は両開きの鉄扉をつけたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    DIYで出た端材や親戚の持つ敷地の間伐材などを利用している。調達先をもっと開拓したいと考え中
  • 使用時に出る煙についての注意
    煙はやはり心配。朝早く、夜遅くの使用は控えるようにしている
  • 窯まわりに欲しい設備
    料理の調理ができるような野外キッチン
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    生地作りはいとこ夫婦にお願いしているが、はやく自分でも作れるようになりたい…
  • ピザ窯の魅力
    「わいわいがやがや」人がどこからか集まってくるところ

 

 

背面もきれいにモルタルが塗られている。基礎の周りには化粧砂利が敷かれ、すっきりした印象

 

右側に薪や端材を収納。左側には棚を取り付け、トングやピールなどピザ作りに必要な道具を収納している

*掲載データは2011年8月時のものです。

プライベート感と開放感を両立!屋根&フェンスつきウッドデッキの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(3)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case03 プライベート感と開放感を両立させる屋根&フェンスの絶妙なサイズ

ベランダが、ウッドデッキと屋根、フェンスにより、居心地のいい“部屋”となった。骨組みにはサイプレス、床材にはささくれにくいイタウバを使用。ナチュラルな雰囲気になるよう、あえて無塗装とした

 

リビングルームから続く半野外空間は使い勝手がよく、使用頻度はとても高いという

 

H邸では、ベランダにウッドデッキと屋根、フェンスを設けることで、プライベート感が増し、リビングルームを延長したかのような空間となった。

屋根はベランダ全体ではなく必要十分な面積のみを覆い、フェンスは目隠しとして機能する最小限の高さに抑えたため、心地いい開放感が保たれているのが、この空間の特長。周囲の環境に合わせながら、どのようにプライベート感と開放感のバランスをとるかが、半野外空間作りのポイントになると思われるが、その点、このベランダはちょうどいい。

完成前から、まさにリビングルームのように日常的に使える空間をイメージしていたという施主は、イメージ通りの生活が送れていると満足げ。

「サンルームにするという案も一瞬浮かんだけど、やっぱり風が通る空間、空気が動く空間がいいなと思って、こうなりました。思ったとおり、最高の居場所になりましたね」

天気のいい日、デッキの上で愛犬たちがくつろぐ姿を見るのも幸せだという。

 

オーニング利用で開閉式の屋根に

屋根は、日差しや小雨を遮りたいときには閉じ、青空を感じたいときには開けられるよう、オーニングをつけた。選んだのはドイツのメーカー、マルキルックス製。収納部分が丸くスマートなのが気に入ったそう。防水仕様だが、できるだけ長持ちさせたくて、そこそこの雨のときはたたむようにしているとのこと。

屋根を全開にすると、いわばパーゴラの状態になる

 

ベランダを横から見た状態。垂木の上にオーニングのフレームが載っている

 

ハンドルを回してオーニングを開け閉めする。所要時間はほんの数秒

 

外壁にビスを打たずに桁と垂木を組む

上のオーニングの説明写真で、屋根とフェンスの全体の骨組みの様子がわかるが、家の壁側に組んだ柱と桁は、壁には接合していない。柱を自立させ、その上に桁を載せているのだ。さらに桁の上に垂木を載せ、垂木の上にオーニングを載せている。雨が漏れるのは覚悟の上で、外壁にビスを打つのは避けたいという施主の要望に応えた構造だ。なお、壁に接合していないため、柱まわりの骨組みを頑丈にしてある点にも注目したい。

柱と桁はホゾ組みの上、ビス留めしてある。垂木は45mmほどザボリして、90mmビスで桁に固定。オーニングのフレームは垂木にステンレスのコーチボルトで留めている

 

できるだけ開放感のある骨組みに

ちょっと変わった骨組みのデザインは、強度を確保しつつ、オーニングをたたんだときに最大限の開放感を得られるよう考えたもの。真ん中付近の垂木の間隔を広くして、先端の2本の横桟を省いたことで、狙いどおりの仕上がりに。

中央先端付近が、とても“抜けのいい”骨組みデザイン

 

便利に使い分け!たためるフェンス

通常は、目隠しとして機能する高さに設定したフェンス。その一部を、ラッチと蝶番を使って下向きにたためるようにしているのが面白い。大きな荷物をベランダから運ぶことを想定したアイデアだそうだが、気が向いたときだけフェンスをたたんで外の様子を感じられるというのも便利に違いない。

通常の状態。たためる部分は、上部にラッチ、下端に蝶番がついている

 

たためる部分は2分割しているので、2段階でたためる。片方だけたたんだ状態

 

両方たたむと開放感はかなり増す

 

S字フックが大活躍

居心地のいい空間にするには、好みの演出を施したいもの。H邸では、その演出にS字フックが大活躍だ。屋根の骨組みやフェンスにフックをかけて、プランターなどを吊るしている。2本のフックの間にバーを渡して布をかけた日よけも、この空間には欠かせないアイテムだとか。

フェンスには、雑貨店で見つけた額縁風のプランター置き

 

日よけの布は、夏にはもっと大きくて厚く、アジアンな柄のものに変わるそう

 

邪魔にならない小さなテーブル

フェンスの一部に、少し広めの板をつければ、それだけでテーブルのできあがり。これぐらいのサイズなら、あまり邪魔にならないわりに、グラスやコーヒーカップ、読みかけの本などを置くには十分で、使い勝手がいい。

柱と板を相欠きして作ったミニテーブル

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

焼き室は独立式!ほぼ廃材で作られたピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(7)

Case07 廃材で作ったピザ窯は焼き室が独立式

自宅の解体や仕事で出た廃材をコツコツ集めて作ったピザ窯は、焼き室が独立した設計。燃焼室で焚いた火が焼き室全体を暖めて、こんがりとピザを焼く。

周囲に積み上げられた自然石や吊り下げられたランタンが秘密基地のような雰囲気を思わせる。右上にあるのは手作りスモーカー

 

<記事内ギャラリー>

 

<Oさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W550×D750×H1050mm
  • 使用した主な素材
    普通レンガ約140個、断熱レンガ6個、耐火コンクリート(アサヒキャスター)、モルタル、砂、砂利、鉄板、特注した鉄扉、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約5万円
  • 製作期間
    実働20日間
  • 窯製作のきっかけ
    新婚旅行で訪れたイタリアで食べたピザの味が忘れられず。お金はあまりかけず、あるものを使ってピザ窯を作りたいと思っていた
  • 窯設計までの経緯
    本にはなかなか自分の思うような連続燃焼式窯がなく、以前の『ドゥーパ!』を参考にして作った。レンガは「いつかなにか作るときのために」と中古レンガをもらってためていた
  • 窯の特長・ポイント
    焼き室は下段の燃焼室とはつながっておらず独立式で、煙が入ってこない。使用時の保温力を高めるために窯の周りに自然石を積み上げている
  • 土台
    地面を50mm掘ってコンクリートを打設し、その上に中古レンガ&鉄板を設置
  • 屋根
    燃えにくい6尺の平トタン2枚を使い、片流れ屋根にした。煙突が熱を持つので、屋根との接合部分は陶器のトイを使って煙突を囲い、雨漏り防止に耐熱パテを使用した
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯使用時、天井部の耐火コンクリート(アサヒキャスター)がかなり熱を持ってしまう。次はもっと厚く塗るか、違う方法を考えたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    自分の家を解体した際の廃材を敷地内においていて、ピザ窯や薪ストーブに使っている
  • 使用時に出る煙についての注意
    隣家とは距離があるので、心配していない。初めは洗濯物に煙の匂いがついたので、煙突を継ぎ足した
  • 窯まわりに欲しい設備
    ピザ窯の右上側に燻製ボックスを作ったが、ピザ窯の保温を兼ねたものに改良したい
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    シンプルなトッピングのほうが窯で焼いた生地の味を楽しめると思う
  • ピザ窯の魅力
    ピザ窯の火入れをして、煙突から煙を出すだけで癒される。自分で作ったピザ窯で焼きたてのピザが食べられるだけで大満足

 

 

焼き室は独立した箱なので、燃焼室の煙は入ってこず、ピザやパンが煙り臭くならない

 

窯を雨から守る屋根にはトタンを使用。防火のため煙突には陶器のトイを巻いている

 

トタンとの接合部分には雨漏り防止のため耐熱パテを使用した

*掲載データは2011年8月時のものです。

ポリカ屋根とシンクを備えたウッドデッキリビングの作り方をチェック!/全天候型快適デッキを作ろう(2)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case02 ポリカ屋根とシンクを備えた一家のユーティリティースペース

骨組みにサイプレス、床材にセランガンバツーを使用した屋根つきウッドデッキ。奥に流し台が見える。ポリカ屋根が明るい光を通す、開放的な空間だ

 

柱の上に桁を載せ、桁の上に垂木を載せている。柱と桁はホゾ組みで接合し、桁と垂木は金具を介して接合。スジカイ型のフェンスが構造物全体の強度を高めている

 

家の周囲の半分ほどをウッドデッキで囲んだA邸。比較的幅が狭いデッキが廊下のようにL字型に続き、突きあたり部分に約2.5×3.2mのスペースがある。このスペースがポリカーボネートの屋根を備えた、全天候型のデッキリビングとなっている。

屋根をつけたのは、スポーツに明け暮れる息子さんたちの大量の洗濯物を、天候にかかわらずに干せる場所にしたかったから。

さらに、ここで靴が洗えればなおよしと、流し台も装備することになった。

そんなわけで、そもそも、毎日の家事をスムーズに行なえるよう設計されたウッドデッキなのだが、完成後の活躍ぶりは、もちろんそれだけにとどまらない。

昼は奥様の友人を招いてフラワーアレンジメントを楽しみ、夜はワインパーティーを楽しみ、休日は息子さんたちの友人が集まってバーベキューを楽しみ…と、家族や来客とともに楽しい時間を過ごす場として、欠かせないデッキリビングとなったのだ。

屋根があるから多少の雨なら影響ないし、流し台があるからその場で食器などを洗える。その横に作業台代わりになる収納ボックスがあるのも便利だ。こんな快適で機能的な空間、友人たちもほっとかないだろう。

 

廊下のように長く続くデッキの突きあたりに、屋根つきの半野外空間がある

 

ポリカ屋根の継ぎ目はサイプレスの桟でカバー

屋根材は厚さ3mmのポリカーボネート。透明だから開放感があり、光を通すため洗濯物の乾きも速い。ポリカ板の継ぎ目は、455mm間隔で並べた垂木の上にあり、その上にサイプレスの角材をかぶせてビスで固定。ポリカは温度の変化によって伸縮するため、継ぎ目には3〜4mmのすき間を空けているという。なお、約3mある屋根の奥行きに合わせた特注サイズのポリカ板を使っているため、縦向きには継ぐ必要がなく、横桟は不要となっている。

家の壁との接点にもサイプレスの桟をかぶせ、さらに桟と壁の接点をコーキングしている

 

敷地を目一杯使うための垂木デザイン

敷地いっぱいにデッキを作り、そのデッキを完全に屋根で覆いたい。しかしもちろん、垂木を隣家の敷地に張り出させるわけにはいかないし、さらにいえばデッキ屋根からの雨だれを隣家に落とすわけにもいかない。というわけで、垂木の先端が独特のデザインとなった。

垂木先端の上部を切り欠き、そこに雨どいを収めた。切り欠くことを考慮して、垂木には175mmと幅広の材を使用

 

垂木は桁からはみ出ない長さに設計。L字型の金具を介して桁に接合している

 

イタウバで作った物干し竿差し

ドリルで穴をあけたイタウバの板材を、柱に差し込んで接合した物干し竿差し。A邸では、屋根つきデッキ作りのきっかけが洗濯干し場にするためだから、重要な設備だ。

イタウバは、ひびが入りにくいのが特長のハードウッド

 

立水栓もデッキ材でコーディネート

屋根つきのスペースからは少し離れたデッキ上にある立水栓を、デッキにも使用するサイプレスでカバーし、空間全体の統一感を高めている。

細部へのこだわりが空間全体の印象に影響を及ぼすことは珍しくない

 

収納を兼ねる流し台

デッキの端に備えた流し台は、サイプレスで作ったボックスの天板にシンクと蛇口を取りつけたもの。ボックスの中には給排水の配管があるだけだから、収納庫としても使える。流し台の横には、やはりサイプレスで作った収納ボックスがあり、そのフタは作業台代わりにもなる。

水道と別に雨どいの水が、このシンクに流れ込むようになっている

 

流し台下の収納庫は、デッキリビングで使う道具類をしまうのに便利

 

ヒモを持って開閉する収納ボックスのフタは、頑丈な作りで、作業台代わりになる

 

靴干し専用台まで完備

こちらもイタウバを使った靴干し台。靴を引っ掛けやすい形状にカットし、面取りしたイタウバの板材を、柱にビス留めしている。

デザイン的なアクセントにもなっている

 

何かと便利な作りつけベンチ

幅広の板材と柱を、このように相欠きで接合すれば、作りつけベンチとなる。大人数が集まったときに重宝するのはもちろん、テーブルや作業台代わりにも使えて便利だ。プランターなどを並べる飾り棚にするという手もある。

骨組み全体の補強材としての役割も果たしている

 

ネコの巣にしないために…

デッキの床面が比較的高い位置にあり、デッキ下がゆったりとしているため、そこが野良ネコの巣にならないように、板材を縦張りしてふさいでいる。同様の心配がある人は参考にしてみては?

これにより、デッキの強度も上がることになる

 

施工◎リーベワークス/写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年2月時のものです。

商用バンをシンクつきの快適ルームにカスタム!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(7)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【記事内ギャラリー】

 

File07 商用バンの後部をシンク付き快適マイルームに

右側奥にシンクがある。右側手前下のボックスの中にはサブバッテリー(キャンピングカー用ディープサイクルバッテリー)が収まる

 

この外見からは中の様子は想像できない

 

<DATA>
製作者…Kさん(DIY歴15年)
ベース車…トヨタ・プロボックス
製作費用…約5万円(サブバッテリーシステム15万円を除く)
製作期間…約20日

 

キャンピングカー仕様へのカスタム経験が豊富なKさん。以前は大型車をベースにしていたが、新たに目を付けたのがトヨタ・プロボックス。「外見は変哲のない商用バン。でもドアを開けてビックリ!ってのが面白いでしょ」という狙いだが、実際にカスタムしてみて、シンプルな形状でスペース効率のいい商用バンはキャンピングカーのベースに向いていると感じたそう。

後部座席の背もたれをたたんで荷室とフラットにした床は、12mm厚の合板を敷いて市松模様のクッションフロアでカバー。側面の収納ボックスやシンクは18mm厚のパイン集成材で組み立て、黒の合皮を張っている。モノトーンで都会的な空間は、確かに地味を極めた車体デザインからはちょっと想像できない仕上がりだ。

なお、登録上はあくまで4ナンバーの商用車。車検時には荷室の開口サイズが適合するように側面の製作物を一部撤去したり、シンクやサブバッテリーシステムを取り外したりして対応しているとのこと。

 

リアゲートを閉じた状態。リアゲートの内側は合皮張りの薄ベニヤで覆っている

 

2列目シートの背もたれをたたみ、合板を載せてクッションフロアを張っている。合板の木口はメッキモールでカバー

 

キャンピングカー用のシンク部品を使用。シンク下には上水用、下水用に各10Lのタンクを置き、上水用には電動ポンプをセットしている

 

集成材同士を接合するビスはスナップキャップで隠している

 

収納ボックスの固定にはコーナーブロックを多用。ビスを打ってからフタをする。集成材を車体に直接ドリルビスで留めている部分もあるそう

 

外部電源からサブバッテリーに充電できるようにソケットをつけている

 

サブバッテリーの電力を使うためにコンセントを装備

*掲載データは2017年2月時のものです。

寒冷地でもへっちゃら!基礎深さ550mmのガッチリ基礎ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(6)

Case06 寒冷地仕様のピザ窯はなんと基礎の深さが550mm!

凍てつく北国の地盤の凍結深度にあわせた基礎は深さ550mmでガッチリ施工。燃焼室は江別産レンガと耐火レンガの二重構造で、ピザをこんがり焼き上げる!

 

イタリアン・トリコロールカラーのモザイクタイルが張られたTさんのピザ窯

 

<記事内ギャラリー>

 

<Tさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W900㎜×D900㎜×H1240mm *煙突除く
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ93個、外装用レンガ(北海道・江別産レンガ)116個、コンクリートブロック40個、モザイクタイル、耐火コンクリート(アサヒキャスター)4袋、砂利、砂、乾燥砂、セメント、鉄筋、ワイヤーメッシュ、温度計、特注したスチール扉、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約13万円
  • 製作期間
    実働35日間
  • 窯製作のきっかけ
    もともとダンボールとアルミホイルを使った簡易ピザ窯を作るほどのピザ好き。自分で生地から練ってピザを食べること、子供が喜ぶことが嬉しかった
  • 窯設計までの経緯
    『ドゥーパ!』を参考に、連続燃焼・二重構造の窯にこだわり、レンガ・石窯のヒントを探しに図書館へ。ウエブ上の作品もチェック
  • 窯の特長・ポイント
    二重構造の焼き室&燃焼室。スチール建具工場に製作を頼んだ本格的なスチール扉(耐熱硝子付き、耐熱塗料を塗装)。窯正面にはイタリアン風のモザイクタイルを張りつけた
  • 土台
    北海道は凍結深度が深いため、基礎深さを550mmとり、砂利(200mm厚)とワイヤーメッシュ入りのコンクリート(70mm厚)を打設。その上に鉄筋入りのコンクリートブロックを4段積み上げている
  • 屋根
    屋根なしのため、不使用時はブルーシートで覆っている
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    上部焼き室の空間の高さを下げ、熱効率を高め、上部からの輻射熱を出したい。扉の高さも少し低くして、あけた時に熱を逃がさないようにする
  • 使用する薪の種類・調達方法
    ウェブショップにて皮なしのケヤキを調達
  • 使用時に出る煙についての注意
    近隣が共同住宅の為、ほとんど炭(安価なマングローブ炭と火持ちのいいオガ炭を混合)を使用。窓をあけない春先と晩秋のみ薪を使用している
  • 窯まわりに欲しい設備
    物置。炭、薪、ピール、火かき棒などなど収納スペースがほしい
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    パン生地はとにかくよく練ること。伸びる生地づくりがポイント。ピザを焼いた余熱で、塩コショウでもんだ豚モモ肉をローストするのもオススメ
  • ピザ窯の魅力
    暇な休日、家族や知人の集まる日は大活躍。みんなでワイワイ食べる幸せを感じる

 

 

窯本体の外装は江別レンガで覆われている。内部は耐火レンガの二重構造

 

お隣さんに迷惑がかからないよう、窯使用時はほとんど炭を使用。窓をあけなくて済む春先と晩秋のみ薪を使用している

 

煙突に取り付けるダンパー部分の型枠を製作

 

耐火コンクリート(アサヒキャスター)を流し込んでダンパーのできあがり

 

アサヒキャスターで作った火床(80mm厚)。上部凸部分の両脇から燃焼室の熱気が上に上がってくる仕組み

 

レンガを積む時は均等な目地幅と水平を出すために、アルミのコノ字棒(高さ10mm)を使用

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

おしゃれで快適!エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ/全天候型快適デッキを作ろう(1)

野外でもない。室内でもない。オープンエアを楽しみながら、全天候に備える半野外空間。

それが、デッキライフの延長線上にあったら、なんと愉快なんだろう。

たとえば、デッキ上に作ったオーニングつきのパーゴラ。

たとえば、デッキで昼寝を楽しみ、観葉植物を楽しみ、アフタヌーンティーを楽しむためのコンサバトリー。

生活領域を広げ、季節や時間によって視界を変幻させる空間。

吹き抜ける風の流れ、樹々のざわめき、小鳥たちのさえずり…。

すべてが心地よい刺激となって、我らの五感に迫ってくる。

これが、デッキ作りの醍醐味だ。

 

【記事内ギャラリー】

 

Case01 おしゃれで快適!ベテランDIYerの
エンターテインメント・デッキリビングで半野外空間を楽しむ

広い庭全体を見渡せるデッキに、パーゴラ+オーニングとおしゃれなコンサバトリーを作った。愛犬もここがお気に入りの場所

 

パーゴラは2×6材を組んで作った。母屋やコンサバトリーとのマッチングもいい

 

写真ではわかりにくいが、オーニングの両サイドのパーゴラの垂木に洗濯用の棒を取りつけ、オーニングの骨組みを前後にスライドさせるようにしている。オーニングがスム-スに開閉できるようにするためだ

 

Yさん自作のコンサバトリー。コンサバトリーは、18世紀のイギリスで、南から持ち込んだフルーツの保存場所として発達したが、本来の温室の役目とともに、ガーデンリビング空間としての機能を持つようになった。Y邸では、観葉植物を置いてあるほか、昼寝やお茶を楽しむ場所になっている。ガラス張りの開放的な空間が素晴らしい。床はテラコッタ敷き

 

デッキ上の半野外空間は、屋根をつけ、壁をつけることで実現する。

ベテランDIYerのYさんは、ボイド缶を使って基礎石まで作ったというセルフビルドのウッドデッキ上に、ナバホホワイトカラーのおしゃれなコンサバトリーを作った。友人からもらったサイディングとペアガラスつきのアルミサッシで覆ってある。総予算80万円、施工期間1カ月という労作だ。その隣りには、2×材で組んだパーゴラとオーニングがある。オーニングはインターネットで購入したもので、手動で巻き取りができるタイプ。

コンサバトリーは、本来の使い方である植物の温室としてのほかに、寒い日の昼寝や奥さまとのコーヒーブレイクなどで大活躍。友人が訪ねてきたときには、オーニング下でのランチも楽しみだ。もちろん全天候型。芝生の庭に出て、自慢の石窯で焼いたピザをご馳走することも多いが、雨の日や日差しの強い日は、デッキがリビングルームになる。

 

 

階段デッキの縁にパイプを設置、そこにパラソルを差し込んで日陰を作る。これもアイデアだ

 

取りはずしできる階段デッキ

コンサバトリーの前の階段デッキは取りはずしが可能

 

このように簡単に動かせる

 

デッキの下は長尺物の収納場所になっている

 

デッキ下の布基礎はもちろん、ボイド管を使って円筒形の基礎石も自作した(写真:Yさん)

 

デッキ上のサウナ小屋

家のサイドまで続く回廊のようなデッキを進むと母屋と同じサイディングを使った小さな小屋に行きつく。これも完全手作りというサウナ小屋だ

 

内装に無垢のレッドウッドを使い、薪ストーブを使った本格的な作りで、数人が一度に入れる広さを持っている。Yさんはほぼ毎日入っている

 

芝生用パラソルスタンド

芝生をできるだけ傷めたくないので、ピンポイントで地面に受けのパイプを差し込み、パラソルを立てている

 

こんなパイプを溶接して自作した

 

物干し棒スタンド

物干し台のコンクリートの土台が嫌いなので、土台をはずし、サドルバンドでデッキフェンスに固定した。ここにもこだわりが見られる

 

庭の奥にガーデンシェッド、その隣りにパン窯、その隣りに薪ストッカーを作った。これは以前、本誌でも紹介した。このコーナーも青天井のガーデンリビング空間だ

写真◎佐藤弘樹/イラスト◎丸山孝広

*掲載データは2011年2月時のものです。

 

着脱可能な屋根つき!プチブリックで彩ったドーム型ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(5)

Case05 プチブリックを飾りつけたピザ窯は取りはずし可能な屋根つき!

スタイリッシュな外見にこだわったピザ窯は、燃焼室のレンガをひとつずつ削って積み上げ、ドーム型の窯に仕上げた力作。副燃焼室ではスモーク料理も楽しめる。

 

プチブリックで化粧されたかわいらしいピザ窯。無骨で男っぽいデザインはあえて避けたそう

 

<記事内ギャラリー>

 

<Tさんの窯データ>

  • 窯の種類
    ドーム型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W1140×D1095×H1690mm
  • 使用した主な素材
    焼き過ぎ煉瓦128個、フランス煉瓦65個、耐火レンガ(SK32)50個、耐火レンガY2(扇形)/6個、同Y3(扇形)/7個、プチブリック260個、コンクリート平板(60×990×200mm)1枚、同(60×990×300mm)3枚、大谷石(60×300×900㎜)3枚、モルタル、砕石、砂など
  • 製作費用
    約8万円
  • 製作期間
    実働7日間
  • 窯製作のきっかけ
    食べ物までがスピード優先になってしまったこの時代に、これと対極の「面倒がかかるが心を込められる食べ物」を作りたいという気持ちがあった。また、石積みのアーチに憧れていた
  • 窯設計までの経緯
    まず本を買って勉強。大きさ、構造を決め、一度はアーチ型でピザ窯を設計。しかし大谷石の送料が意外に高く、ドーム型にすると内部の容積が少なくでき、大型の大谷石を使わないでできるとわかり、設計をやり直した
  • 窯の特長・ポイント
    燃料の節約のためには、内部の容積を小さくするのが有効なので、最低限の大きさで設計。焼き床兼火床の下部に副燃焼室を作り、取り除いたオキ火を置くスペースとした。窯口、副燃焼室のフタは大谷石で作り、なるべくすき間のないようにしてスモーク料理にも対応できる仕組みにした
  • 土台
    焼き過ぎレンガを11段積み上げ、コンクリート平板を設置
  • 屋根
    ひとりで取り外しができる屋根を製作。骨組みは2×4材を半分にカット。屋根材はポリカーボネイトの波板。接合部はビスケット・ジョイントとコーススレッドで固定した
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯床の大谷石の両側に膨張スペースを残すべきだった。燃焼時に大谷石が膨張して窯を押し広げるので、煙突の開口部に簡単にクラックが入り、煙突はさっそくやり直しに…
  • 使用する薪の種類・調達方法
    以前は薪屋さんで調達。昨年冬は薪の原木をもらい、チェンソーと斧で小割りした。樹種にはこだわらず、広葉樹であればなんでもOK
  • 使用時に出る煙についての注意
    隣は留守が多く、一声かける程度。煙は温度が上がってしまえばそんなには出ないので特に気にしていない
  • 窯まわりに欲しい設備
    屋外用の小さなテーブル
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    ピザは見る見るうちに焼き上がるので、目を離さずにこまめに回してやればたいていうまく焼ける。裏側を適度に焦がすために溶岩のプレートを使用している
  • ピザ窯の魅力
    「原始的なゆったり感」。懐かしさのようなものを感じる。人間は炎が好きなのだと思う

 

 

ピザ窯本体を覆うような小さな屋根を、2×材とポリカーボネイトの波板で製作。ひとりで取り外し可能

 

ピザ窯背面。レンガがきれいにドーム状に積まれているのがわかる。お見事!

 

窯口のフタとダンパーには60mm厚の大谷石を使用

 

ちょうどアルファベットのCをどんどん小さくするようにして、ドーム型の窯を作っていった

 

溶岩石に乗せて焼いたピザは裏側もほどよくこんがり焼ける

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

軽トラの荷台に角パイプでボート用のフレームキャリアをつけました!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(6)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【記事内ギャラリー】

 

File06 分解できる角パイプフレームでカートップボートを楽々運搬

サンドベージュ色に塗装したNさんの軽トラ。普段は通勤や薪ストーブ用の薪運びで活躍しているそう。ボートを載せても荷台に船外機や釣り竿が積めるのが便利

 

<DATA>
製作者…Nさん(DIY歴35年)
ベース車…スズキ・キャリイ(DC51T)
製作費用…約1万円
製作期間…約1日

 

休日はカートップボートでの海釣りを楽しむNさん。これまでボートの運搬に使用していたスバル・レガシィを手放したのを機に、6年前に知人から格安で譲ってもらった軽トラにキャリアを製作した。

主な使用資材は平鋼と角パイプ(40、50mm角)で、なるべく軽くなるようにと厚さは1.6mmをチョイス。鉄鋼の技術職が本業のNさんは、半自動溶接機(SUZUKID アーキュリー80ルナⅡ)で各パーツを作った。製作で重視したのは、約80kgのボートが載るための強度はもちろんのこと、シンプルで簡単に分解できるという点。そこで、パーツの接合部分は差し込み式にし、固定にはボルト留めでガッチリと組む構造にしたのが特徴的だ。

 

フロント側。角パイプを軽トラの鳥居にボルトで固定している

 

フレームキャリアのみのサイズは幅1405×長さ2080×高さ約1070mm

 

接合部。50mm角パイプの穴に40mm角パイプを差し込み、ボルトで固定して組んでいく

 

リア側のフレームは荷台床面にボルト留めしている

*掲載データは2017年2月時のものです。

幅1400mmのビックサイズ!三部屋構造の重厚なピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(4)

Case04 幅1400mmの重厚なピザ窯は灰落ち室、燃焼室、焼き室の三部屋構造

高さ1750mmのピザ窯の中身はなんと三部屋にわかれた構造。屋根のアーチ部分にはモザイクタイルと貝殻を埋め込んで夕陽と海岸の波をイメージ。

 

外側に普通レンガ、内側に耐火レンガを積んだ重厚な雰囲気のピザ窯。それもそのはず幅1400×高さ1750mmのビッグサイズ

 

<記事内ギャラリー>

 

<Aさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W1400×D1200×H1750mm
  • 使用した主な素材
    普通レンガ約300個、自然石20個、耐火レンガ約140個、コンクリートブロック、大理石、耐火モルタル、セメント、砂、モザイクタイル、貝殻やサンゴのかけら、鉄筋、鋼板、鋼管(15mm径)、鉄工所に特注した扉、ステンレス製煙突(100mm径)など
  • 製作費用
    約9万円
  • 製作期間
    実働25日間
  • 窯製作のきっかけ
    自分の干支が寅で昨年は年男。この年に記念になるものを作ろうと思い、妻のリクエストのピザ窯を作ることに。ちなみに妻は当時、パン教室に通っていた
  • 窯設計までの経緯
    インターネットや雑誌で石窯に関する記事を読みこんで、独自に設計。もともと仕事柄、建築士の資格を持っており、設計はさほど難しくなかった。扉と煙突のダンパーは鉄工所にオーダーした
  • 窯の特長・ポイント
    灰落ち室、燃焼室、焼き室の三部屋構造。燃焼室、焼き室の内側に耐火レンガ、外側に普通レンガを積み、壁厚を200mm以上とって保温性を高めている。屋根のアーチ部分はモザイクタイルで夕陽と海岸の波をイメージ。故郷である種子島の貝やサンゴのかけらも埋め込んだ
  • 土台
    鉄筋入りのコンクリートの上に、コンクリートブロックを積み上げ、表面を自然石で化粧
  • 屋根
    作業小屋の2階デッキの下に石窯を製作。煙突は外に出るように取り付けた
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    耐火モルタルの取り扱いが難しい。次回は焼き室にスモーク食材を吊るせるようバーを設置したい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    薪は家の周りの木を切っているが、広葉樹が火持ちがよくススも出ないように思える。しっかり乾燥させれば煙があまり出ません
  • 使用時に出る煙についての注意
    自宅が民家から離れた山の中にあるので心配していない
  • 窯まわりに欲しい設備
    やっぱり調理台
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    生地に好きな具をたくさんのせて、焼きたてのピザの味を楽しむこと!
  • ピザ窯の魅力
    自然の火で食べ物ができあがる楽しさ、スモークされた味の深みが最高

 

 

ピザ窯の上部側面にはモザイクタイルで夕陽と海岸の波をイメージ。Aさんの故郷である種子島の貝やサンゴのかけらも埋め込んだそう

 

ピザ窯の設置箇所は窯が雨ざらしにならない作業小屋の2階デッキの下。煙突は外に出るように取り付けた

 

窯の土台は自然石とコンクリートブロック。基礎はしっかり鉄筋を入れたコンクリートで固めた

 

火床部分の中心には200×300mmの穴があけられ、使用し終わった灰を下に落とせる仕組みになっている

 

*掲載データは2011年8月時のものです。

荷室を余すことなく活用!丈夫な2段棚+吊り下げ棚をDIY/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(5)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【記事内ギャラリー】

 

File05 丈夫な2段棚+吊り下げ棚で荷室を余すことなく活用

取り出しやすいように種類ごとに分けて収納している。半透明のボックスとメッシュのカゴを使っているので、どこに何が入っているのかが一目瞭然

 

<DATA>
製作者…Iさん(DIY歴20歳から)
ベース車…ホンダ・ステップワゴン(RG)
製作費用…約6000円
製作期間…約1日

 

沖縄で補修業を営むIさんが、仕事用に購入したステップワゴンをカスタムした例。塗料や接着剤、コンプレッサーなど大量の資材と工具類を持ち運ぶ必要があるため、車の3列目のシートを撤去し、2種類の棚を作って荷室を立体的に使えるようにした。

棚は25mm角パイプを溶接した棚受けに、表面にメラミン化粧板を張ったランバーコア合板(18mm厚)を載せるというシンプルかつ頑丈な作りに。カゴやボックスが10個以上も収納できる収納力の高さが自慢だ。また、900×1800mmサイズのベニヤ板やメラミン化粧板を運ぶために、25×13mmの角パイプと金属メッシュで車内用キャリアを製作。材は荷室と後部座席の頭上に収めることができ、資材店やお客さんから「こんなところに板材が入るんだ!」といつも驚かれるそう。

 

荷物を降ろした状態の荷室

 

荷室の床板はパネコート。友人がジグソーで荷台の形に沿って切り出してくれた

 

棚受けは角パイプを溶接で接合したもの。固定方法は床板にビス留め

 

車内用キャリアに荷物を積むときは、ゴムバンドを巻いて落下を防止。また、ボイド管を長物の収納に使っている点もポイントだ

 

キャリアはタッピングビスや結束バンドで組み、アシストグリップにU字金具を引っかけてつり下げ式にしている

*掲載データは2017年2月時のものです。

窯に五右衛門風呂を使用!ワイルドな双子ピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(3)

Case03 五右衛門風呂を窯に使ったワイルドなピザ窯ツインズ

倉庫に眠っていた五右衛門風呂が驚きの変貌を遂げた!ラフでワイルドな男らしいピザ窯は、材料にほとんどレンガを使わない個性的な構造。

 

右側が1号機、左側が2号機。ピザ窯の雨よけ屋根は、足場材とビニールハウスのL型フレームを用いて骨組みを作り、上部にトタンを2枚かけて製作した

 

<記事内ギャラリー>

 

<Wさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W900㎜×D900㎜×H1650mm
  • 使用した主な素材
    1号機…五右衛門風呂、普通レンガ、鉄工所から譲ってもらった鉄骨のアングル、鉄板(4mm厚)2枚、溶岩石(600×600mm)、御影石(20mm厚)、ジョイント敷き材、ガーデニング用のウォール材、セメント、砂、温度計、ステンレス製煙突、など
    2号機…五右衛門風呂、普通レンガ、オーストラリアレンガ、スギの丸太、クリの丸太、エルペット(ビニールハウスの骨組み)、植木鉢観賞用のコンクリート平板(32mm厚)、砕いた瓦、御影石(20mm厚)、ジョイント敷き材、ガーデニング用のウォール材、セメント、砂など
  • 製作費用
    約2万円(窯ひとつにつき)
  • 製作期間
    実働7日間
  • 窯製作のきっかけ
    元々バーベキューが好きで家族で楽しんでいた。妻が野菜ソムリエ、娘がイタリアンレストランのコックであることも影響あり
  • 窯設計までの経緯
    ディズニーシーのピザ窯から近所に住んでいるシェフが作った石窯まで、4~5件を実際に見てまわり研究した
  • 窯の特長・ポイント
    昔、民宿を営業していたことから使われていない五右衛門風呂がふたつあり、この廃材を使って、ピザ窯を作っていること
  • 土台
    1号機…鉄工所から引き取った脚状の鉄骨
    2号機…スギの丸太とエルペット(ビニールハウスの骨組み)を接合したもの
  • 屋根
    骨組みに足場材とエルペット、屋根材にトタンを使用して組み立てた
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    1号機を作る際、五右衛門風呂の周囲をジョイント敷き材で覆ったがモルタルがやや少なかった。2号機のときはよりモルタルを多く塗って、窯の保温性を高めた
  • 使用する薪の種類・調達方法
    友人の大工からもらう端材や、庭の雑木を刈ったものを使用
  • 使用時に出る煙についての注意
    自宅が民家から離れているので心配していない
  • 窯まわりに欲しい設備
    バジルやローズマリーの鉢植えなどを近くに置いて育てておくと、採れたてのトッピングができる
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    なんでもかんでもトッピングするのではなく、具材をシンプルにまとめるのがおいしいピザを作るコツ
  • ピザ窯の魅力
    もともとバーベキューが好きだったが、ピザ窯を作るようになってからさらに仲間との集いが増えた。庭でピザパーティーができるって珍しいからね

 

 

五右衛門風呂の窯の表面は、ガーデニングで使うアールのついたウォール材とネットでつながったジョイント敷き材をモルタルで張り付けて仕上げた

 

1号機の背部。煙突を取り付けた部分は一度ひび割れてしまったのでモルタルで修復

 

2号機には煙突はつけず、もともと排水用にあいていた穴を残した

 

窯口が幅350×高さ300mmと広いので、ダッチオーブン料理もOK!

 

鶏のもも肉もこのとおり、ジュ~シ~に焼けちゃう♪

写真◎冨士井明史

*掲載データは2011年8月時のものです。

シンプルかつ実用的!軽ワンボックスの荷室棚を大改造!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(4)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【記事内ギャラリー】

 

File04 シンプルでいて実用的!軽ワンボックスの荷室棚

仕事道具を2段に分けてきれいに整理している

 

<DATA>
製作者…Tさん(47歳/DIY歴20年)
ベース車…スズキ・エブリイワゴン
製作費用…約2万円
製作期間…約2日

 

山梨県北杜市を拠点に森林整備などを行なっているTさんのエブリイワゴンは、ランバージャック(木こり、木材切り出し作業員)仕様。荷室を半分に分けるように棚をつけ、チェンソーをはじめとする仕事道具をきれいに整理して収めている。

棚受けとなる板は、荷室側面にもともとあいていたボルト穴を使って固定。構造はシンプルだが、棚板の前後にこぼれ止めをつけたり、すべり防止のゴムマットを敷いたりと実用面での抜かりはない。

また、荷室の床面には合板を敷いているが、その隅を丸くカットしたり、端部に木目調のプラスチックアングルをかぶせたりして、角やバリで収納物が傷まないようにしている。

ヘビーデューティーな愛用品へのいたわりが伝わってくる荷室収納だ。

 

棚材はウエスタンレッドシダー。両サイドの棚受けのほか、支柱を1本入れている

 

床に敷いた合板の前端は隅を丸め、後端部にはプラスチックアングルをかぶせて、角やバリで布製のバッグなどが傷まないようにしている

 

もともとあいていた穴にボルトを差し込んで棚受けを固定

 

棚に敷いたゴムマットは、後端のこぼれ止めに鋲で固定

 

棚の両脇にはワイヤーネットを設置。グローブやロープをつるしている

 

床面がフラットになるよう、前端裏面に細材を留めて調節

 

*掲載データは2017年2月時のものです。

長い煙突で煙をしっかり吸い上げる!大谷石を使ったピザ窯/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(2)

Case02 本体に大谷石を使用した窯は長い煙突で煙をしっかり吸い上げる

土台に化粧ブロック、火床兼焼き床には溶鉱炉で使われていたという耐火レンガを使用。窯口に扉は固定せず、横にスライドさせて窯内の空気量を調節する。

 

本体に大谷石を使用したアーチ型のピザ窯。ピザ窯はみんなで楽しむ場所作りにもってこいだと製作者のIさんは語る

 

<記事内ギャラリー>

 

<Iさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型基本タイプ
  • 窯のサイズ
    W900×D1200×H1470mm
  • 使用した主な素材
    大谷石(W300×D900×H150mm)約13個、中古の耐火レンガ、化粧ブロック、コンクリート平板、鉄筋、モルタル、耐火モルタル、砂、L字型アングル、鉄板(450mm角、3mm厚)、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約5万円
  • 製作期間
    約2カ月間
  • 窯製作のきっかけ
    千葉県に土地を購入し、みんなでもの作りをして遊べる場所を作っている。初めはそば打ちなどもやっていたが、ピザのほうが生地をのばしたり、具をトッピングしたりとイベント性が高く、老若男女で楽しめるため
  • 窯設計までの経緯
    伊豆のペンションに行ったり、東京・恵比寿でピザ屋をやっていた人を訪ねたり、実際に色んな種類の窯を見て研究した
  • 窯の特長・ポイント
    窯本体には大谷石を使用。ディスクグラインダーで適宜カットしながら窯を組み上げていった。窯口の扉はあえて観音開きはさけ、横にスライドできるようにしてある
  • 土台
    基礎はモルタル(100mm厚)+鉄筋。その上に化粧ブロックを積み上げた
  • 屋根
    屋根は見栄えが悪くなるからつけていない。使わないときはゴムマットをかけて雨よけとしている
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    窯口の高さをもう少し上の位置に設計すれば、ピザが焼きやすかったかも。また窯内部が広すぎた。次にピザ窯を作るのであれば土台の高さを上げ、焼き室はもう少しコンパクトにしたい
  • 使用する薪の種類・調達方法
    もの作りで出た端材(防腐剤や塗料が塗装されたものはのぞく)など。マツやスギなど匂いの出る樹種はさけている
  • 使用時に出る煙についての注意
    近隣に家がないので問題なし。煙突の長さを長くとり、煙をきちんと吸い上げるようにし、薪を完全燃焼させるのがポイント
  • 窯まわりに欲しい設備
    すぐ近くにスモーカーとカマドをDIY。調理テーブルもあるので、今は特になし
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    温度チェック。230~250℃の間に窯の温度を保つと、ピザが香ばしくパリッと焼ける
  • ピザ窯の魅力
    ピザを作る楽しさ、焼く楽しさ、食べる楽しさ。子供にも女性にも楽しんでもらえる

 

 

ピザ窯側面。窯のまわりに組まれた木枠は煙突をしっかり支えるための補強。ここにフックをつけてピザピールやトングを収納している

 

大谷石の上にアーチ状に並んだレンガは、ひとつひとつディスクグラインダーでY字型に加工した

 

窯口の扉は、窯口の前に3mm厚の鉄板をレールがわりに敷き、扉を横にスライドさせる仕組み

 

ピールや火かき棒も鉄筋と鉄板、L字アングルを使った手作り

 

窯上部アーチ部分のレンガの目地などには耐火モルタルを使用。「扱いが難しくなかなかうまくいかなかった」とIさん

 

煙突の長さが薪を完全燃焼させるポイント。全長が1800mmある窯の煙突からは白い煙が出ない

 

Iさんのオススメピザはおもちをトッピングした和風ピザ! 色んな食材を組み合わせるのもピザ作りの楽しみのひとつ

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2011年8月時のものです。

後部座席を活用!ゆったり仕様の鉄製フレームの簡易ベッド/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(3)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

【ギャラリー一覧】

 

File03 鉄製フレームの簡易ベッドは後部座席も使ってゆったり仕様に

車内。細い単管パイプと角パイプで組んだフレームに、エアーキャップ+革張りしたコンパネ(12mm厚)を載せただけのベッドがある

 

ベッド下は収納スペースとして使用可能

 

元は白色だった車体をウレタン樹脂塗料で黄色にオールペン。バックドアのハシゴや自転車用キャリア兼足場もDIYしたもの

 

<DATA>
製作者…Nさん(40歳/DIY歴20年)
ベース車…ニッサン・ダットサントラック(キングキャブAX 32D)
ベース車…トヨタ・ハイエース(100系・ロング)
製作費用…約3万円
製作期間…約4年

 

鉄工、電子工作、料理、バイクいじりといったモノづくりを楽しんでいる様子をホームページで日々発信しているNさん。約20年前から本業の溶接工のスキルを活かしてカスタムしたスバル・サンバーを愛車に各地を旅したり、アウトドア趣味を楽しんだりしていたが、積載量と車内の広さに限界を感じ、ハイエースへの乗り換えを決意した。

ハイエースは約8年前に中古で購入。まず荷台床にコンパネを張り、鉄の廃材で組んだフレームにコンパネを載せた簡易ベッド、屋根付きルーフキャリア、照明など、以前のサンバーのときと同様に装備を充実させていった。

その後は子どもの成長に合わせ、後部座席もベッドの一部として使えるように改造。車内では最長で6泊過ごしたというから居住性は上々のようで、家族と道具を運ぶハイエースとして活躍中なのだが、「ごちゃついている配線を一度見直したいんですよね。まだいろいろやりたいことがあるから、こうなったらいっそ一から作り直そうかな…」と、Nさんはまだまだハイエースのさらなる進化をもくろんでいるようだ。

 

後部座席の背もたれ裏には板が張ってあり、座席を倒すとベッドの増床部分がお目見え

 

元々のベッド部分と後部座席との間に生じたスペースには、フレームを追加して板を載せている

 

ベッド床は4分割にしたことで、取り扱いが楽になり、床下収納の荷物も取り出しやすくなった

 

また、床がたわまないように中央にくる部分を裏側からアングルで補強している

 

ベッドのフレームの素材は角パイプ。簡単に取り外すことができる。フレームの脚は細い単管パイプを組んだパーツをコンパネの床にビス留め

 

フレームの高さはタイヤハウスよりも高くなるように設計した

 

ルーフキャリアの屋根はFRPで製作。キャンプ用品をまとめて収納している

 

ルーフキャリアの取り付け金具も、市販品を参考にベンダーを駆使して鉄板から自作した。溶接工が本業のNさんでもかなり苦戦したそう

 

*掲載データは2017年2月時のものです。

ガーデンシンク併設の本格仕様ピザ窯をガレージ内に製作!/DIYでできる!あこがれのピザ&パン窯ライフ(1))

Case01 ガレージがパーティー会場に変身!ガーデンシンク併設の本格仕様

ガレージに設置したピザ窯の背面は、スギ板でアイボリーカラーの壁を製作。空間を含めてデザインされた、リラックス&ナチュラルテイストなピザ窯だ。

 

ピザ窯と同時にガレージ壁、ガーデンシンクもDIY。見事にオシャレでおいしい空間を演出

 

<記事内ギャラリー一覧>

 

<Sさんの窯データ>

  • 窯の種類
    アーチ型二層タイプ
  • 窯のサイズ
    W800×D800×H1200mm
  • 使用した主な素材
    耐火レンガ約100個、ブリックヤードレンガ約25個、コンクリートブロック24個、鉄筋(10mm径)2m、モルタル、耐火モルタル、砂、L型アングル2m、耐火ボード、鉄板(0.3mm厚、2mm厚)、ステンレス製煙突など
  • 製作費用
    約4万円
  • 製作期間
    約3カ月間
  • 窯製作のきっかけ
    庭のレンガ積みを検討中にネットでピザ窯の記事を発見。一目ぼれした
  • 窯設計までの経緯
    経験者のHPを参考に、可能な限りローコストで作れる窯の設計を目指した
  • 窯の特長・ポイント
    施工場所がガレージであること。焼き室の全方位から輻射熱効果でピザを焼くために、焼き床は耐火コンクリートではなく、すべて耐火レンガを使用。L字型のアングルを並べて、その上に耐火レンガを並べていった。(アングルの上に置くレンガの溝はジグソーで加工)
  • 土台
    コンクリートブロックを積み上げ、手作りのコンクリート平板(鉄筋入り)を設置
  • 屋根
    ピザ窯をガレージに設置にしてあるので不要
  • 今回の窯作りで失敗したところ・改良点
    燃焼室、焼き室ともに容積が大きくなりすぎてしまい、冬場は窯が暖まるまでに時間がかかる
  • 使用する薪の種類・調達方法
    DIY端材。窯が暖まってからは流木(カシ、ナラ、クヌギ)など。堅い木は火のもちがいい
  • 使用時に出る煙についての注意
    近くの民家に風呂を薪で炊くところがあり、それに混じって甘えさせてもらっている
  • 窯まわりに欲しい設備
    調理台とシンクは取り付け済みでパーティーの際はかなり便利。欲しいのはハウス栽培の畑。ピザを焼き、自分の畑で採った野菜やハーブをトッピングしたらなんと贅沢なことか!
  • ピザ・パンをうまく焼くコツ
    オーブンで焼くときよりも、ほんの少し固めの生地にすると焼き上がりがもっちもちに
  • ピザ窯の魅力
    子どもに火の魅力を伝えられること

 

 

ガーデンシンクの脇には折りたためるテーブルがつく。本体はブロックを積み上げ、天板には2×6材、流し台に鉢を使用

 

ピザ窯の側面には、「La vita e piacevole e lo spende=人生楽しく過ごす」とメッセージが込められている

 

燃焼室扉は、0.3mmのうす~い鉄板を耐火ボードに張り付けている。椅子の座板に布を張り付けるように折り返して釘で固定した

 

ピザ窯が接する壁部分は窯に合わせてコンパネをくり抜き、窯とコンパネのすき間を4cmぐらい空けて、すき間に耐火モルタルを塗り、その上に、ラス網+白セメント(耐火煉瓦粉塵混入)を塗布した

 

ガレージの外から見たピザ窯背面。現在はコンクリートブロックを積んだだけの構造だが、今後きれいに仕上げていく予定

 

ダンパーは耐火レンガにステンレス板を取り付けて作ったオリジナル

 

写真◎清水良太郎

*掲載データは2011年8月時のものです。

ビオトープ前でのんびり!デッキつきカーポート一体型ガレージを作っちゃいました/みんなのガレージ&工房(2)

ビオトープ観賞用のデッキを作るはずだったが、バイクや車がかわいそう……と、ガレージ、カーポートを次々にDIY。愛車を雨からガッチリ守る、理想の空間を作り上げた。

 

ガレージとカーポートは屋根の勾配を合わせてある。出入り口にはスロープを作ってバイクを出し入れしやすくした

 

<DATA>
施主…Tさん(46歳・会社員)
DIY歴…約10年
製作費用…約30万円
実働製作期間…約6カ月
面積…約9㎡

 

ビオトープ側にミニデッキを作った。ビオトープは穴を掘り、ビニールハウスのビニールを二重に敷き、その上にブルーシートを敷いて、土を埋め戻して形成した。水草はコウホネや菖蒲。コイが住んでいる。「いろいろなトンボが飛んできますよ」(Tさん)

 

金具を使ってカーポートを一体化

10年ほど前に自宅庭にビオトープを作り、観賞用の簡単なウッドデッキを作った。それが朽ちてきたため、改めてデッキを作ろうと考えていた矢先、書店でガレージを紹介する本を見かける。雨ざらしのバイクがかわいそうだし、デッキ付きのガレージにしてしまおう!とひらめき、Tさんはガレージ作りを始めた。

「デッキだけのはずが、知らぬ間に壁や屋根がついたガレージになってたんですよ(笑)」とTさんの奥さん。

本誌50号の「ガーデンシェッドを作る」やDIYシリーズ『日曜大工で作る!ガーデン収納&物置小屋』を参考に製作した2×4工法のガレージ。コンクリート平板の基礎の上に根太枠を置いた土台に、24mm厚合板の床下地、床板を張る。床板は、壁に使ったスギ板をプレーナー加工したものを使用した。ガレージ完成後には、車が不憫になりカーポート屋根を製作。一体化したような造りにするため、ガレージと屋根をシンプソン金具でつないだ。

現在は、ガレージのトタン屋根を屋上デッキに作り替える計画を立てている。「ここは群馬県内でも暑い地域。デッキ屋根にすれば空気の層ができるし、今よりは快適になるはずです!」と夢を膨らませている。

 

バイクはカワサキのTR。エンジンとフレーム以外を改造した。電気は母屋の屋外コンセントから引いて、50Aまで使用できる

 

壁面収納のドアに市販の鏡を使用

 

ガレージドアを開けると、ビオトープを臨め、室内の雰囲気が変わる

 

ドアを閉めた状態。外壁にいろいろな看板を張ってアメリカンスタイルに仕上げた

 

ガレージとカーポート屋根の接続部

 

換気扇のフード。ガレージ内に熱がこもりやすいため、暑さ対策に換気扇を設置

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年8月時のものです。

三角屋根のかわいいキャンパートラックで自由気ままな旅へ!/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(2)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のパートナーとなるDIYカスタム術が学べます。

 

File02 パネル工法と軸組工法をミックス!三角屋根のかわいいキャンパートラック

赤いダットサントラックをベースにした三角屋根のキャンパーシェルは、ひと目見たら忘れられないインパクト。シェルのサイズは幅1800×長さ4800×高さ2000(地上高2900)mm。屋根についた流線形のドーマーもユニーク

 

100Wのソーラーパネルが2枚載せられた屋根。骨組みの上に4mm厚の合板(すき間をパテ埋め)、透湿防水シートを張り、ビールの空き缶で作ったアルミルーフとベニヤのウロコ板で仕上げている

 

キャンパーシェルの後部。停車中はアオリを下げ、木製のデッキを張り出すことで多目的に使えるスペースを創出

 

<DATA>
製作者…Aさん(61歳/DIY歴45年)
ベース車…ニッサン・ダットサントラック(キングキャブAX 32D)
製作費用…約30万円
製作期間…約5カ月

 

入口正面から見たキャンパー内部。トラックのルーフ部分が寝室となっている

 

ベッドから出入り口に向かって見たキャンパー内部。左右壁面を余すことなく収納に使用。右側には折り畳み式のテーブルおよびキッチンシンクを設置

 

東日本大震災をきっかけに、動く非常持ち出し袋をコンセプトにした軽トラキャンパーを製作したAさん。そんな彼が次に製作したのが、ダットサントラックをベースにしたキャンパートラックだ。

気になるシェルの作り方だが、手近にある木材をあらかじめ、20mm、40mm、80mm幅に加工。自ら扱いやすいサイズの規格材を作って組み立てをスタート。シェルのフレームはパネル工法で組み立てているのだが、そのパネルの組み立てには継ぎ手とボルトを多用し、各部をがっちり接合。パネル工法と軸組工法をミックスしたユニークな作り方で、走行時の振動や強風に負けないシェルを作り上げた。また壁パネルには単管パイプを通してあるのだが、このパイプがシェルを補強すると同時に積み下ろしの際にも役立つアウトリガーに変身するのがミソだ(詳細は後述参照)。

また、パーマカルチャー講師を務めるAさんのキャンパーにはオフグリッドなアイデアも満載。屋根にソーラーパネルを載せ、太陽光エネルギーを室内の照明や電化製品に利用するのはもちろん、天ぷら廃油を燃料に走行できるよう改造された地球に優しいキャンパートラックでもあるのだ。

 

正面飾りに書かれた「PADDLE FOR THE PLANET」のメッセージがなんともAさんらしい。なおシェルの壁面は柿渋で塗装されている

 

小さなキッチンシンク。普段はフタをしてミニテーブルとしても使用できるよう工夫されている

 

キャンパーシェルと運転席上部のルーフには、木材で台座を差し込み固定。走行中のシェルの揺れを軽減

 

シェルはアイボルトとターンバックルを使い、荷台にしっかりと固定している

 

屋根材に使われたビールの空き缶の数はなんと700本。「自分が飲んだものしか使わない」とルールを決め、半年で飲みきったのだとか

 

扉が丸く仕上げられたアッパーキャビネット。頭をぶつけるのを防いだり、空間を広く見せる、狭小空間ならではの工夫だ

 

「狭いシェル内でのベンチレーションはかなり重要」とAさん。背面後部2カ所に換気口を固定。これに加え、前後左右の窓を開閉することにより、室内の換気を行なう

 

2枚のソーラーパネルで作られるエネルギーは、MPPT制御方式のチャージコントローラーを介し、115Ahのディープサイクルバッテリー2個に蓄えられる。写真は壁面に取り付けたチャージコントローラー類

 

シェルの積み降ろし方法

Aさんのキャンパーシェルは、左右壁面に取り付けられた計4本のアウトリガーを地面に直立させることで自立させることが可能。これで簡単にシェルを脱着できてしまうというわけだ。

 

Aさんのキャンピングシェル製作ダイジェスト

パネル工法と軸組工法をミックスしたという、Aさんのシェル本体の製作を大公開!

写真◎佐藤弘樹、製作者提供

*掲載データは2017年2月時のものです。

軽トラの荷台にスッポリはまるDIYキャンピングシェルの作り方/軽トラ&ワンボックスetc.荷台カスタム大集合(1)

自動車の荷室の収納力をアップさせる棚作りから、軽トラライフが何倍も楽しくなるキャンパーシェルまで、今すぐ真似したくなるような、自作の荷台活用アイデアが勢ぞろい。愛車が最強のキャンピングカーとなるDIYカスタム術が学べます!

 

【ギャラリー一覧】

 

File01 水対策バッチリ!荷台にスッポリはまるDIYシェルは機能が充実

シェルの後部ハッチのオレンジ色がアクセントになっている。固定は荷締めベルトのみだが、シェルの床下収納箱は荷台に収まっているのでずれることはないそうだ

 

シェルのサイズは幅1430×奥行2110×高さ1550mm。室内では寝る・座ることができればよかったのでコンパクトに収めた(室内高1400mm)

 

<DATA>
製作者…Wさん(65歳/DIY歴45年)
ベース車…スバル・サンバートラック(5MT・セレクティブAWD)
製作費用…改造を繰り返しているので不明
製作期間…約3カ月〜完成未定

 

屋根上には換気口とソーラーパネル(100W2枚)が見える。室内照明、炊飯器、PC、iPadの使用の電力が十分賄えているそう

 

後部ハッチは跳ね上げ式。扉を軽い力で持ち上げられるようにガススプリングをステーとして使用

 

これまで、荷台に1人用のテントを張った「1号機」、3枚重ねにしたスタイロフォームをカプセルのように三角に組んだ「2号機」で、たびたび軽トラの荷台泊にチャレンジしていたWさん。だが、どれも使い勝手は良いとは言えなかったので、2015年の秋頃から本格的なシェル作りに着手した。

荷台には普段、大工道具や草刈り機などを積んでいたため、3号機はアオリの上に載せるタイプに。壁は角材で組んだフレームにスタイロフォーム(30mm厚)を入れ、両面に合板(3mm厚)を張り、2×4工法のようにパネルにして組み立てた。屋根はさらにルーフィングを巻き付け、アルミ板を見切り材として使用。「軽トラキャンピングカー自作の難点は水対策に尽きる」と話すWさんは、継ぎ目のコーキングは念入りにし、外壁はベランダや屋上に使う防水塗料を塗り、1液水性ウレタン塗料で化粧。屋根は平らだと水が溜まりそうで嫌だったのでアーチ状にしたそうだ(後述参照)。

その後は、ベンチレーターの取り付け、多機能なキャビネットの設置、荷台部分があいたため床下に収納箱をつけるなど、改良を繰り返したことで居住性がアップ。現在は「3号機改」として、Wさんの旅のお供に活躍している。

 

シェル内部。右側のあいている部分にマットを敷いて寝る

 

コルクシートを張った床パネルは取り外しができ、床下収納として活用できる

 

就寝時、運転席側の窓はコルクシートのパネル、それ以外の窓にはスタイロフォームをはめている。スタイロフォームには銀マットを張ることで、より効果的に外からの光が遮られるそう

 

シェルにはハシゴを引っかけて乗り降りする。アズサ(カバノキ科。ミズメとも呼ばれる)の木で製作

 

普段はシェル内部の壁面に立てかけている

 

キャビネットの天板にはピアノ蝶番を取り付け、天板全体が開くようにしている

 

床パネルを立てて天板を置けば、キャビネットが掘りごたつのようなテーブルに早変わり!

 

走行中、引き出しが勝手に開かないように、奥にネオジウム磁石を取り付けているのもポイント

 

10Lの水が入るタンクと、漬物用のバケツ&ステンレスボウルで作った簡易シンク

 

簡易シンクの横にはカセットコンロ台が。木材で組んで表面にステンレス板を張った

 

デッドスペースになりがちな頭上も収納に活用。奥には太陽光発電の充電コントローラがあり、バッテリーは床下に収納している

 

シェルの積み降ろし方法

積み降ろしには単管パイプで組んだ架台を使用。両側のアオリを開いてシェル本体の床下に単管パイプを渡したら、架台のスタンドジャッキを回してリフトアップし、軽トラを出し入れする。

 

Wさんのキャンピングシェル製作ダイジェスト

Wさんの木工スキルが光るシェル本体の製作を大公開!

*掲載データは2017年2月時のものです。

自作ガレージに自作工房をドッキングしちゃいました!/みんなのガレージ&工房(1)

毎回、読者自慢のガレージ&工房を紹介するコーナー。オリジナリティーにあふれた、DIYならではの、世界にひとつだけの作品を紹介していく。第1回目は、週末を過ごす別荘に作った自作ガレージ&工房だ。

 

ガレージ&工房の前側全景。左側がガレージ、右側が工房となる

 

<DATA>
施主…Kさん(65歳・自営業)
DIY歴…約6年
製作費用…約50万円
実働製作期間…約4カ月
面積…約39平米

 

ドアを閉めた状態。ドアはクリア塗装されている

 

ガレージ側面に工房をドッキング

南アルプスの名峰を望む高原にキットガレージを改造した別荘をDIYで建てたKさん。現在ガレージになっているスペースは、その母屋を作るための資材や工具を置いておく小屋が必要ということから、母屋作りと同時進行で建てられた。

母屋を作りながら、家づくりの腕を上げていったKさん、ガレージ作りでは、自分で図面を引き、材木、資材をそろえて、週末ごとに現地に通い、完全DIYで製作し、資材置き場、工具倉庫、工房などとして使っていた。

このスペースを愛車のガレージとするのを機会に、ほこりを避けて愛車をきれいに保管したいので、新たにガレージ横に工房を増設し現在に至っている。

Kさんの作る建物は、基本的に2×4工法。このガレージ&工房もコンクリートのベタ基礎の上に土台を回し、その上に壁を立てこんでいくという工法で作られている。屋根、壁には断熱材を入れることで、夏の炎熱も防ぐことができる。

新しく増設した工房部分のメインドアはオーバーヘッドスライダー。専門業者に問い合わせると、組み立て作業も込みでないと注文できないということで、Kさん、自ら図面を引き、材料を発注し、自分で組み立ててしまったという力作だ。自作ガレージと工房は週末別荘暮らしの大切な設備として有効に使われている。

 

工房の前面ドアは自作のオーバーヘッドスライダーが取り付けられている(開けたシャッターを下から見た状態)

 

ケーターハムをガレージ奥まで入れるために、ロフトスペースを作って荷物や工具を上げてしまう

 

工房の天井には集じんシステムのパイプが取り付けられ、工房奥の集じん機で集じんできる

 

工房の室内作業台のスペースを大きく取った、長細いレイアウト。左に見えるドアでガレージと行き来する

写真◎富士井明史

*掲載データは2012年6月時のものです。

バーベキュー炉つきヘキサゴンガゼボ&カントリー調のサークル囲炉裏を作っちゃいました!

イメージしたのはアジアン風!バーベキュー炉つき!ヘキサゴンガゼボ

六角形のガゼボ&バーベキュー炉。支柱には丸太、フレームには角材と2×材を使用。床にはインターロッキングを敷きつめ、枕木でエッジングした

 

<DATA>
Tさん(62歳)
DIY歴…10年
製作期間…約3カ月
製作費用…約5万円

 

Tさんお手製のガゼボ構造図

 

「ワイワイガヤガヤ!」約20人ほどの仲間と同時にバーベキューが楽しめる六角ガゼボを作ったのはTさん。

たまたま農作業小屋に余っていた300mm径×長さ8mの丸太に着目し、これをガゼボの支柱に使用。半径2mの円を描き、そこから2m間隔に塩ビパイプを埋めることにより、支柱の基礎を作ることに成功した。「六角形という構造上、垂木の角度切りなどは苦労しました」と製作を振り返る。

イメージはアジアン風ということから、屋根の内側によしずを張り、材にはすべて黒色の防腐剤を重ね塗りするというこだわりぶり。

ガゼボ内部は、床部分にインターロッキングを敷きつめ、砂決めで仕上げ。中心の炉の部分は瓦チップを詰めて、この上で炭を熾して、鉄板焼きやバーベキューを楽しむのだ!

 

基礎は中心から半径2mの位置に、2m間隔に30mm径の塩ビパイプを地面に埋め込む。ここに支柱の丸太を入れ、水平垂直を調整し、モルタルで固定

 

屋根の内側はよしずを張り、アジアの雰囲気を演出。垂木の角度切りには苦労したとか

 

ガゼボの屋根の下はインターロッキングを敷きつめ、砂決めで仕上げた。角や隅はディスクグラインダーでカットしたものをはめ込んだ

 

ガゼボの中心に作った1m径のバーベキュー炉。灰のかわりに瓦チップを敷きつめてあり、この上で炭を熾す。炉の上には丸棒を溶接したロストルをセット

 

四角でも和風でもない!常識を覆すカントリーデザインのサークル囲炉裏

直径72cmの鉄の大鍋を囲炉裏の炉として使用。五徳の上にはエキスパンドメタルで作った焼き網をセット。ここに鍋を置いたり、スルメなど渇き物をあぶったりするそう

 

<DATA>
Yさん(68歳)
DIY歴…50年
製作期間…約3カ月
製作費用…約2万円

 

「四角くて和風」という囲炉裏の常識を覆す洋風囲炉裏がこちら。囲炉裏の炉として直径72cmの鉄の大鍋を利用したサークル型のテーブル囲炉裏だ。

炉を支える台は鉄丸棒を溶接して製作し、ここに補強を兼ねた装飾を溶接。これだけで洋風なテイストがグンとアップ! テーブル囲炉裏の天板は、円形にカットした木材を白くペイント。炉に灰を入れてゴトクをセットすれば、あら不思議。カントリーテイストのポットもぴったりな爽やかなテーブル囲炉裏が完成。

なお天板と炉台の鍋を取り外すことができるので、屋外でも室内でも好きな場所に設置できるのも特長。夏は野外でバーベキューパーティー、冬は屋内で鍋をつつく…なんて1年中遊べる囲炉裏なのだ!

 

大理石の天板を載せればガーデンテーブルに。なおテーブルを囲むアイアンチェアもYさんのDIY

 

このように室内でテーブル囲炉裏として使ってもOK

 

囲炉裏なのに、こんなカントリーデザインのポットでも違和感なし!

 

テーブル天板は下地に黒を塗り、白を重ねた後、ペーパーで木目が出るよう研磨。仕上げに2液ウレタン(半ツヤ)でコーティング

 

天板を支える台は、13mm径の鉄丸棒を溶接して自作したもの

 

写真◎伊勢和人、製作者提供

*掲載データは2012年12月時のものです。

ジャッキはエライ!傾いた小屋&デッキが簡単に修復できたのだ…。/新、田舎暮らし派、注目!サトヤマ通信(20)

おそらくどんな車にもついている車載用のジャッキだが、1度も使ったことがないという人がけっこういるわけで、これは実にもったいない話。そこで今回は、使い方ひとつで、車載ジャッキは男のDIYの重要なツールになるという実証ドキュメント。ジャッキを使わずして、何が男ぞ!

 

傾いたデッキを修復、これで鉄製の重い焚き火台を置いても大丈夫

 

ジャッキ活用で復活した掘っ立て小屋

いきなり恥をさらすようだが、私の息子は、夏用と冬用のタイヤの交換を自分でやらない。1本1000円払ってガソリンスタンドでやってもらうという。つまり車のジャッキアップをしたことがない。私は怒った。そんな教育をしたつもりはない! 自分でやれ! すると、そのほうが楽だし安全だもん~などとチャラ顔で答えるのだ。どう思います?

まず、金を払えばいいという根性が気に入らない。もし、人の来ない荒野で、タイヤがパンクしたらどうするのか? JAFなんか来ないぞ! クマなんかもいるぞ! 日が暮れてくるぞ!ど~するんだ? え~!? と私は声を大にして言いたいのだ。

ま、いい。つまらないところで興奮してはいけない。そんな奴は、北の極地で、タイヤ交換ができないで、死んじゃえばいいのだ。それよりも、私は、とてつもない実力を持ちながら、その能力を発揮するチャンスにも恵まれず、暗いトランクの奥でじっと待機している車載ジャッキの復権を声を大にして叫びたいのだ。というのには理由がある。

実は、編集部で、数年前に建てた掘っ立ての高床式の小屋がある。基礎石を使っていないこともあるが、さすがに基礎柱が腐ってきて、小屋全体が傾き始めたのだ。これをなんとかせにゃと閃いたのが、車載のパンタグラフ型ジャッキを使った修復だった。まず腐った柱に支えられた根太をジャッキアップ、柱が浮き上がり、根太を水平に戻したところで、柱周りの四方に当て木をして補強した。当て木の下には砂利を敷き、平板を敷き、柱が沈まないようにした。こうして修復は万全に行なわれ、以後、小屋はまったく傾いてない。

このとき感動したのが、想像を超えたジャッキの力だった。小型ながら最大使用荷重が800kg。2坪程度の小屋の端っこを数cm持ち上げるのなんか笑っちゃうくらい簡単だった。敷石の上にジャッキを置き、ジャッキのハンドルを回すとメリメリいいながら小屋の傾きが直っていく。ジャッキは便利だと心から思ったのだ。

これに味をしめ、今回やったのが、根太が腐って傾き始めたパーゴラ付きウッドデッキの修復。普通なら、床材を剥がし、腐った根太を取り替えればいいという話なのだが、四隅にパーゴラの柱が載っているのがネックで、この柱をそのままにして、パーゴラごとデッキの傾きを直すという厳しい作業になる。そこでパーゴラの柱が載る部分を残して床材をすべて剥がし、パーゴラの柱にできるだけ近い大引をジャッキアップすることにした。

 

車載のパンタグラフ型ジャッキ。自分でタイヤ交換するとき以外、ほとんど使われることもない。ジャッキハンドルを回すと、計り知れない力を発揮する。タッパ(立端)が足らないときは、写真のように角材を載せてジャッキアップすればいい

 

柱が腐って沈み込んでいた掘っ立て小屋の柱をジャッキアップして修復した跡。腐った柱の周りに板材を当てて補強したほか、近くに新たな柱を追加した

 

パーゴラつきデッキ、簡単にジャッキアップしました…

 

まず、地面を平らにならし、枕木とコンクリート平板を置き、その上にジャッキをセット。さらにタッパ(立端)が足らないので4寸角の角材をジャッキに載せて、大引にかませる。ジャッキのハンドルを回すと、当然ながら簡単に大引が持ち上がり、沈み込んでいたデッキが一挙に水平に戻った。その状態のまま、あとは、新しい束柱に交換、ついでに束柱の数を増やし、床材を新しい材に張り替えたのだ。結果は見てのとおり。微妙に傾いていたパーゴラも正常に戻った。これはもう間違いなくジャッキの圧勝といっていい。

近年、確かにタイヤ交換を自分でやるという機会は劇的に減ったかもしれない。それにしたがって、車載ジャッキの存在感が薄まってきたのかもしれない。しかしだからこそ私は言いたいのだ。小さいけれど力持ち、普段は薄暗い車のトランクの片隅にひっそりと佇み、ここぞ!というときに一挙に爆発する陰のモンスターツール、ジャッキを忘れるなと。たとえば、小屋の根太を水平に立ち上げるときなんか、ジャッキを使って調整すると便利だと私は思うよ。

取材・文◎脇野修平

*掲載データは2018年6月時のものです。

 

『庭遊びの達人が教える野外DIY実践術』好評発売中!

ドゥーパ!創刊編集長、脇野修平が20年間のDIY雑誌のロケ体験、取材体験、施工体験を綴った書籍『庭遊びの達人が教える 野外DIY実践術』が好評発売中。約40点の面白作品の施工レシピや思い出コラムなど、本誌読者には見逃せない内容だ。カラー176ページ、学研プラス刊。本体2000円+税

アジアン風プライベートバーのリフォーム術を公開!/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(4)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File04 和室をアジアン風のプライベートバーに大胆リフォーム

よくバーに通っていて、奥さんとふたりで呑む機会も多いそう。完成後はこのプライベートバーで晩酌を楽しんでいる

 

改装前の状態。左のガラス引き戸がある場所にこのバーカウンターは作られた

 

<DATA>
製作者…Tさん(49歳)
DIY歴…8年
製作費用…約3万円
製作期間…7日間

 

自宅改装計画の一環でまず初めに製作したというTさん宅のバーカウンター。以前住んでいたマンションでは備えつけのカウンターをバーのように演出して使っており、新居でも欲しくなったTさんは、キッチンと和室の境にバーカウンターを設置することにした。

当初は市販のカウンターを置こうと家具店を巡ったが、思ったより高価でサイズも合わない…ということで、以前から使用していた食器棚を土台に自作することを決意。バーカウンター作りで最も時間をかけたのは塗装だったようで、汚れが目立つ食器棚はベージュから白へ塗り替え、天板として使ったヒノキの一枚板は油性のウレタンニスを2度塗りしている。

その後は天井や壁にカーテンを設置し、ウッドカーペットを敷いたりして部屋全体を演出。元は昭和の香りが漂う純和風の部屋だったとは思えないほど、見事、おしゃれなプライベートバーに仕上がった。

 

POINT1 食器棚+銘木一枚板で作るアイデアバーカウンター

バーカウンター裏側。収納スペースはたっぷりある。高さは約1200mm

 

DIYビギナーもすぐにトライできそうな、T邸のアイデアバーカウンター。作り方はまず、通常は重ねて使う食器棚を横並びにしてアングルとフラットバーで接続。食器棚の裏側(カウンターバーの正面)はガーデン用のラティスで目隠しをする。そして、カウンター天板受けとなるL字の金折金具を取りつけ、ホームセンターの銘木コーナーで見つけたヒノキの一枚板を固定すればもう完成だ。

 

ラティスのサイズは900×1800mm。直接ビス留めし、天板と同じ塗料で塗装した。高さの不足分はレンガで埋めている

 

製作中の1枚。ちょうど天板を固定する前の状態

 

天板のサイズは幅1820×奥行250〜350×厚さ35mm。価格は4650円と格安な値段で入手できたそう

 

土台となった食器棚は並べたときに約250mmの段差が生じるため、端材ですき間を埋めてからアングルを併用して天板を取りつけた

 

POINT2 小物や照明を効果的に使いアジアンテイストのバーに演出

天井や壁に設置した長いカーテンもアジアン風の演出で重要な役割を果たしている

 

バーといえば洋酒のボトルをずらーっと大量に並べた光景を思い浮かべるが、カクテル用のリキュールは色が鮮やかでボトルもおしゃれなものが多いため、並べておくだけでも雰囲気は十分に出る。さらにTさんは、家具店や雑貨店で集めたアイテムで周辺を積極的に装飾。一見雑多なようで不思議とアジアンテイストにまとまっている印象だ。また、バーっぽさを高めるために頭上や天板下に照明を追加しているのもポイント。

 

鴨居にはスパイスラックを取りつけ、洋酒のミニボトルなどをディスプレイ

 

イルミネーション用の電球が、足元を照らす

 

バーカウンターの頭上に作った吊り下げ棚。グラスハンガーも設置済み。青いロゴのネオンライトと赤いダウンライト風の光がワイングラスを照らす

 

写真◎佐藤弘樹/製作者提供

*掲載データは2017年12月時のものです。

仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(3)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File03 仲間と協力して建てた古民家風のロフト付き囲炉裏小屋

ロフトには自作のハシゴをかけて上がる。広さは1階部分のおよそ半分(約3畳)。1階からの高さは2050mmあり、圧迫感もない

 

玄関の障子戸は築100年以上の古民家の解体時に出た頂きもの。デッキの屋根やフェンスには竹を使ってデザインのアクセントに

 

<DATA>
製作者…Wさん(47歳)
DIY歴…5年
製作費用…約30万円
製作期間…約2年

 

地域の消防団仲間と一緒にWさんが建てた囲炉裏小屋。自宅から少し離れた畑の中に建つこの小屋の場所には元々古い納屋があり、当初はただ単に農具を入れるための物置に作り変える予定だったが、みんなでアイデアを出しながら作業を進めていったら、いつの間にか毎週のように仲間が集える飲み場所ができあがってしまった。

これまでWさんはDIYの経験がほとんどなかったため、構造は日本の伝統的な在来工法ではなく、より作りやすい2×4工法を採用。実際に各地にある古民家を訪れては完成イメージを膨らませ、以前のロフト部分以外にもあえて梁を見せるように渡したり、一部は土間にして納屋の解体時に出た古材を壁に張るなどして古民家風に演出した。また、単調なデザインにならないように、外壁はスギ板の鎧張りと漆喰の壁塗り仕上げをミックス。内壁は耐火性を持たせるために石膏ボードを使い、腰壁と漆喰(天井は珪藻土)で仕上げている。内壁・床・天井にはすべて断熱材を入れているので、囲炉裏で火を熾せば冬でも快適に過ごせるそうだ。

 

POINT1 小屋のメインとなる囲炉裏は防火性にこだわる

炉縁はケヤキ材で製作。サイズは内寸700mm角、深さ約200mm

 

約6畳ある室内の床張り部分(約4.5畳)の中央には埋め込みタイプの囲炉裏を設置。床を開口後、コンクリートブロックで立ち上げた土台にレンガを敷き詰め、さらに万全を期してケイカル板を入れてから灰を充填している。さらに換気扇、サッシ窓を多めに設置し、防火・排煙にはとくに注意を払った。

 

天井から吊るしている自在鉤はオークションで入手。木彫りの魚は友人からもらったものを取りつけた

 

POINT2 畳敷きのロフトはマルチに使えてとっても便利

ロフトは梁に下地となる合板を張り、琉球畳を敷き詰めて製作。家族連れの子どもたちの遊び場、飲み過ぎた人の休憩所、さらには漆喰の白い壁をそのままスクリーンに映画を楽しんだりと、当初の構想ではロフト製作する予定はなかったが、さまざまな形で活躍しているようだ。

 

フェンスの一部には竹を使用。窓も多く明るい印象だ

 

POINT3 味のあるアイテムで収納&水回りを作る

シンクはステンレス製の箱の形をした廃材を改造したもので、底に穴をあけ、排水口と排水ホースを取りつけ、木材で枠と脚を組んで製作した。水源はポリタンク。主に手洗い場として使っているので構造はシンプルだ。さらに、解体前の納屋にあったという古い収納箱を食器棚兼食品庫として使用。どちらも見た目にいい味が出ており、古民家風の演出にひと役買っている。

 

木製の古い収納箱。扉がすべてはずれてしまうので、今後改良する予定なのだとか

 

水回り。なお、シンク下にある銀色の箱は古い氷式冷蔵庫。骨董品屋でひと目ぼれして購入したものだが実際に使ったことはまだないそう

 

写真◎清水良太郎/製作者提供

*掲載データは2017年12月時のものです。

廃材を活用したアートなコミュニティバー/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(2)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File02 廃材とセッションして作り上げるジャンクでアートなコミュニティバー

さまざまなところから集まった樹種も用途もバラバラだった廃材。そんな廃材を組み合わせることで生み出す唯一無二のくつろぎ空間

 

<DATA>
製作者…傍嶋飛龍さん(41歳)
DIY歴…6年
製作費用…ほぼタダ!(ビス、金具代のみ)
製作期間…約1年(現在も進化中)

 

芸術家やユニークな活動家が集まる神奈川県の藤野で「廃材エコヴィレッジゆるゆる」を主宰する傍嶋飛龍さん。その名のとおり、敷地内に作られている作品の材料はすべて廃材。メイン棟に作られたこのバーもしかり。味のある古材に囲まれた空間とお酒の相性は抜群。一度テーブルについたら最後、帰りたくなくなってしまう居心地のよさだ。

個人宅ではなく、コミュニティスペースなので酒棚に並ぶのはみな仲間が持ち寄った酒。日本酒、焼酎、ワインにウイスキー…大衆的なお酒から高級酒までバラエティあふれるラインナップが並ぶのはこのバーならでは。カウンターに立てば、見知らぬ人ともすぐに打ち解けるというものだ。またこの場所には水道が引かれていないので、近隣住民から許可を取り、山から流れる川の水を引っ張って給水。調理にはカセットコンロを利用している。

ちなみにパイプスモーカーであり、燻製好きの傍嶋さん。ときにはバーに煙好きな仲間が集まり、材料を持ち寄って煙がけを楽しむ「燻製バー」が開かれることもあるのだとか。年齢や職業、性別の異なる人々が集まるこのコミュニティバーでは、刺激的な出会いがあふれていると傍嶋さんは語る。

美味い酒に、旨いツマミ、落ち着ける空間。グラスを傾けてはもう何杯酒を注いだことだろう。あぁ、今日もまた家に帰れなくなってしまった…。

 

POINT1 自然の水を利用したお手軽タライシンク

大きなタライで作ったミニシンク。水は近くの川からホースで引いているので、基本的には出っぱなし。荒天などで一時的に水が枯れた際は右側のタンクに飲料水を入れて使用する

 

廃材バーの水回りを支えるのがこのタライシンク。水源は近くの川から許可を得てホースで引っ張ってきている。見てのとおり、シンクには大きなタライを利用。中央に排水穴をあけ、じょうごを介して排水ホースへとつなげている。排水は地中にある浄化槽へ向かうのだが、傍嶋さんの場合、使用した食器や調理器具はキッチンペーパーでよく汚れをふき取り、洗剤を使用せずに洗っている。

 

100円ショップで買ったというお米用のじょうごを排水パーツとして使用

 

POINT2 カウンター内部の面白整理術を拝見

バーカウンター内部。室内に壁に沿うように廃材でやぐらを立て、その下部分をキッチンスペースとしている

 

調理道具や食器などが収められたカウンター内部。背面は建物の壁を利用し棚や作業台を製作。バーに必要な雑多な道具類をきれいにまとめている。カウンター裏の調理台にはステンレス板を敷き、その上でコンロなど火器を使用する。音響機器やスピーカー、冷蔵庫などの電化製品もすべて廃材。「冷蔵庫は暑い季節しか稼働させない。普段はただのキャビネット」と傍嶋さん。

 

お皿やグラス、カトラリーは給食用のアルミケースで整理整頓。表面に書かれたクラス番号が懐かしい

 

流木をポールにして、番線を折り曲げたフックで鍋やパンなど吊り下げ収納

 

POINT3 実は材を接いでいるカウンターテーブル

スタンディングスタイルのカウンターテーブル。幅は3400mmで高さは920mm

 

バーカウンターのテーブルには肉厚の板材を使用。一見、長い一枚板を固定しているように見えるが、実は材を接いでいる。接いだ部分の切れ目は見えないよう、銅板でカバーすることで見た目がきれいなうえ、ユニークさもアップ。なおテーブル高さはいろんなレストランやバーを調べ、一番しっくりくる高さに決めたのだとか。

 

実はこのカウンターテーブル、一枚板ではない。長さが若干足りなかったので、他の材で延長し、材の切れ目を銅板でカバー

 

POINT4 耳付きの棚板と煤竹でシェア酒棚をオシャレに

さまざまな酒が並ぶリカーラック。荒々しい耳付き板と煤竹が琥珀色の液体を引き立てる

 

カウンター上部の酒棚には、あえて存在感のある耳付き板をチョイスして、華やかさを演出。こぼれ止めに古民家から出たという煤竹を使っているところもニクい。煤竹と柱の固定には、トタン瓦をサドルバンド形状にカットしたものを使用。

 

酒棚の支柱には流木を使用。自然の造形がバーの雰囲気作りにひと役買っている

 

POINT5 ゆっくりくつろげるテーブル席もあります

廃材バーにはスタンディングスタイルだけではなく、テーブルシートも用意。大きなベンチは廃業したレストランから引き上げたものをそのまま使っているのだとか。薄暗いシートを頭上から照らすのは工事現場用の作業灯。不思議とこの雰囲気にぴったりマッチしている。

これまた味のあるテーブル席。アナログなブラウン管テレビが懐かしい

 

POINT6 カセットコンロにコーヒー焙煎機をドッキング

たまたま手回し式のコーヒーロースターをゲット。この形を見てピンときた傍嶋さん。L字金具でカセットコンロの上にロースターを固定。オリジナルのコーヒー焙煎機に。煎りたてのドリップコーヒーが味わえる…居心地のいいバーの必須アイテムです。

カセットコンロと焙煎機を合体!

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2017年12月時のものです。

古民家を大胆改装!移動式ビールサーバーもある囲炉裏バー/わが家に居酒屋&バーを作ろう!(1)

本格的なショットバーのように特別かしこまることなく、仲間と好きな酒を好きなだけ飲める自分仕様の宴の舞台、DIYで実現してみませんか?酒飲みのロマンが詰まったプライベート酒場の作り方、そのヒントを教えます。

 

File01 古民家を大胆改装!移動式ビールサーバーもある囲炉裏バー

和洋、新古が入り混じり、独特の雰囲気が漂う空間だが、酒好きは総じてそそられるのでは…

 

<DATA>
製作者…中山茂大さん(48歳)
DIY歴…10年
製作費用…約6万円
製作期間…約2週間

 

東京・奥多摩の山中の古民家を購入し、大がかりなリノベーションを成し遂げた中山茂大さん。その模様は2012年に『笑って!古民家再生』(山と渓谷社刊)という本にまとめられたが、その後も中山さんのリノベは続行。ここで紹介する囲炉裏バーも、本の出版後に完成した部分だ。

なお囲炉裏そのものは元々あったので、DIYのハイライトは、キッチンとの間仕切り壁を撤去してカウンターとボトル棚を設置したこと。これにより絶妙なバランスの和洋折衷となり、個人宅はもちろん飲食店でもあまり見かけない独特の雰囲気が生まれた。

視線を落とせば日本酒や焼酎の似合う囲炉裏があって、ふと見上げればダウンライトに照らされた洋酒のボトルがずらりと並んで…酒好きなら思わず混乱してしまいそうなほどに贅沢なシチュエーションだ。

さらに中山さんは移動式のビールサーバーまで自作して、いつでも生ビールが飲める状態に。これでよく真人間でいられるものだ、というのは冗談だが、仲間が集まったときの盛り上がりに拍車がかかるのは必至。ときには大人数が集まることもあるが、各者が嗜好に合わせて楽しめる、懐が深い囲炉裏バーなのだ。

 

POINT1 古民家の囲炉裏を復活させてフル活用

鍋に焼き魚…。暖まりながら味わう囲炉裏料理は最高だ

 

古民家に元々あった囲炉裏は、購入時には掘りごたつに転用されており、中山さんもしばらくそのまま使っていたが、囲炉裏として復活させようと決意。コンクリートで成形された炉箱の表面にガルバリウム平板を折り曲げてかぶせ(ただし、この作業は不要だったのではないかと、中山さんは今では思っているとか)、園芸用の軽石を詰めてかさ上げしてから灰を充填した。灰と、梁から吊るした自在鉤は古道具店で入手したそう。

 

古道具店で購入した自在鉤を吊るしている。価格は4000円だったそう

 

囲炉裏のサイズは内寸750mm角、外寸1000mm角。深さは300mm程度

 

もともとついていた炉縁は、ホゾ組みで接合されている

 

POINT2 間仕切り壁を撤去してボトル棚&カウンターに

棚壁面は、残した柱の間に骨組みを作り、石膏ボードを張って漆喰を塗っている。幅は2430mm、高さは910mm。床からカウンター天板までの高さは390mm、天板の奥行は最大550mm。カウンターの向こうにキッチンが見通せる

 

囲炉裏部屋と隣室のキッチンとの間にあった壁は、柱を残して撤去。新たに上部にボトル棚を作り、下部にはカウンターを設えた。棚板やカウンターには、この家をリノベーションしたときの廃材を使っているため和風な趣もあるが、ダウンライトに照らされた洋酒のボトルや、棚壁面の色粉を混ぜた漆喰の色合いが洋風な雰囲気を醸し出している。

 

カウンターの出っ張り部分は90mm角材で支えている。その角材は柱にボルト留め。また、カウンターは反りを矯正するために角材にボルト留めしている

 

カウンターを照らすように、ボトル棚の底面にダウンライトを仕込んでいる

 

一枚板のように見えるカウンターは、端材を継ぎ接ぎしたもの。継ぎ接ぎ部分のすき間をパテで埋めている

 

棚板の奥行は130mm程度。棚間は360mm。棚は100円ショップで入手した棚受け金具で支えるほか、壁の下地にビスで固定している。こぼれ止め金具はホームセンターで購入

 

ちなみに棚壁面の裏側(キッチン側)にはキャビネットを作りつけている

 

POINT3 移動式ビールサーバーを自作

天板はリノベーションで出た廃材。75mm厚で重厚感がある。手すり用のパイプをつけて移動用の持ち手に。側板は15mm厚のランバーコア板

 

生ビール注ぎ放題!…では決してないけれど、自宅にビールサーバーがあるとそんな気分になりそう

 

古道具店で使い古しのビールディスペンサーをもらったのをきっかけに、中山さんはビールサーバー作りにトライ。ドラフトタワー、炭酸ボンベなど必要なものをそろえ、ディスペンサー内のビールが固着した銅管を湯でクリーニング。さらに室内で自由に動かせるようキャスター付きのボックスを作り、移動式ビールサーバーに仕上げた。

 

ボックスの中にディスペンサー(左)、炭酸ボンベ(右奥)、ビール樽(右手前)が収まり、ホースでつながっている。底板を左右に分け、それぞれスライドレールで引き出せるようにしているのがポイント。ビール樽は10L入りで、中身がなくなったら取り扱う酒店で交換する

 

ディスペンサーが発する熱を逃がすため、背板には有孔板を使用

 

ドラフトタワーは天板裏までボルトを通してナットで固定するタイプ。ネットオークションで2万円ほどで入手。「思いのほか高かった…」と中山さん

 

飲食店用グッズを販売する店で入手したサインボードを張ってムードを高めている

 

扉は15mm厚のランバーコア板にモールディングを張って化粧している

 

POINT4 憧れの生ハム原木とグラスハンガーを導入

生ハムの原木は、台とナイフがセットで販売されていたそう。それにしても贅沢な眺め…

 

グラスハンガーはネット通販で購入

 

せっかく素敵な空間ができたのだから、憧れていたことを実現しようと中山さんが設置したのが、生ハムの原木とグラスハンガー。生ハムは2本目を仕入れるほど気に入っているが、グラスハンガーは「取りつける場所が悪かった。ここだと邪魔。頭をぶつけてグラスを落として割ったこともあります」とのこと。皆さん、グラスハンガーの設置場所はよく検討しましょう。

 

写真◎門馬央典

*掲載データは2017年12月時のものです。

全国各地のロケットストーブライフ実例集/庭でロケットストーブを愉しもう!(3)

自作ストーブのバリエーションのひとつとして、まだまだ根強い人気を誇るロケットストーブ。以前にも本誌で少しだけDIY事例を紹介したが、簡単に手作りできて、機能性も上々と好評の様子。そうなるとじっとしてられないのが、われらドゥーパ!編集部。庭で火を愉しみ、アウトドアクッキングを堪能すべく、ロケットストーブ作りに挑戦だ~!

Version A 一斗缶&薪ストーブ用煙突による簡易型ロケストの作り方はコチラ
Version B 耐火レンガ&コンクリートの常設型ロケストの作り方はコチラ

 

File1 どっしり固定型!自然石で覆ったワイルドストーブ

by Mさん(長野県)

石積みの中に2本の燃焼部が並ぶ、威力抜群のロケットストーブ。カレーもご飯も一気にイケるぜ!

 

ロケットストーブをテスト製作したところ、想像以上に燃焼効率がよく感動。ガーデンコンロとして活用するために石積みの固定型を作った。燃焼部は煙突部材のT曲と直筒を組み合わせて製作。周りを灰と自然石で囲って断熱層にした。石を積んでは灰詰めを繰り返し、大きめのすき間にはモルタルを流し込んで固定している。

 

製作中の様子で燃焼部の構造がわかる。内側には灰がたっぷり詰まっている

 

File2 持ち運べる!アイアンロケットストーブ

by Sさん(山口県)

煙突上端の四隅に取り付けた鉄筋は五徳。持ち手と脚も鉄筋で作った

 

12.5cm角の鉄パイプ材で作ったロケットストーブは、奥行き34×高さ56cm。持ち運べる小型サイズだ。冬場は垂直部が冷えて燃焼効率が悪くなるため、トタンを巻いて使う。が、「手元にあった廃材で作ったんだけど、もっと断熱性を考慮した方がよかった…」とか。最適な資材を調達して、再挑戦したいそう。

 

小さくても火力はバッチリ!

 

長い薪も燃やせるよう、鉄筋で作った補助具を焚き口にセットして使う

 

石焼きイモは40~45分で焼き上がるそう

 

File3 煙突高90cmで調子上々!据え置き型キッチンストーブ

by Uさん(北海道)

煙突上端は右がレンガ、左がメガネ石を敷いている。左の羽釜では米を炊いているところ。米に十分に水を吸わせ、強火で一気に沸騰させたら弱火(燃料を足さない)で15分。十分に蒸らせば美味しいごはんができあがるそう

 

森の中でガスコンロのように普通に使えるものにしたいと、ふた口・据え置き型のロケットストーブを製作。据え置き型だが、メンテナンスしやすいように、地面に固定していないのがポイントだ。外壁材(サイディングボード)と木材で枠を作り、その中に燃焼部となる煙突を仕込んで、火山灰を詰めている。煙突の高さは90cm。炎の引きがよく調子がいいそう。

 

枠の中にはこのように煙突が収まる。空いたスペースに火山灰を充填したらほぼ完成

 

こちらはUさんが初めて作ったロケットストーブ。高さ60㎝で炎の引きが悪かったため、高さ90cmのものを製作することにしたようだ

*掲載データは2012年12月時のものです。

ベッドを2台完備したDIYキャンピングカー/拝見!自慢の車中泊カスタム(5)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File5 ベッドを2台完備した収納力たっぷりのキャンピングカー

ノーマルモード。走行時はこんな感じ。Iさんの旅のお供である自転車が2台積載できる

 

フルオープンモード。ベッド、テーブル類を展開した様子

 

<User&Car Data>
製作者…Iさん(71歳)
ベース車…トヨタ・ハイエース
製作費用…約10万円
製作期間…約20日

 

長年ヨット遊びに興じていたIさんだったが、年齢とともにヨットに乗るのが体力的にきつくなり、車での旅行を趣味にすることを計画。しかし、自分の旅には大型の本格的なキャンピングカーである必要性を感じなかったので、ハイエースを車中泊カスタムすることにした。

製作には以前乗っていたヨット内の装備を参考にした。床は断熱材としてグラスウール、コンパネ(9mm厚)を敷き、フローリング材を張った。キャビネット付きベッドはコンパネと集成材(20mm厚)で製作。左側面には折りたたみ式のベッドもあり、奥さんとふたりでの旅行のときに使っているそう。これらの固定は木装した壁と床にビス留めしている。Iさんはほかにも網戸、ソーラー発電システム、オーニング付きのルーフキャリアなどを自作。そんな充実装備のDIYカーでこれまでに20回以上、全国各地の車中泊旅行を楽しんでいる。

 

自転車の車輪留めは、アルミ製のチャンネル材(幅80×深さ40×長さ1500mm)を床材にビス留めし、溝の前後に丸棒を取りつけている

 

キャビネット一体型のベッド。ベッド下にはバッテリーや寝袋などのキャンプ用品を収納。キャビネット側面には折りたたみ式のテーブルがある

 

自転車を降ろせば予備のベッドが展開できる。折りたたみテーブルを設置してくつろぎスペースとして使うことも多い

 

ルーフキャリアもIさんがDIY。アルミの角パイプとアングルで組み、ソーラーパネルを載せている。側面にあるのは塩ビパイプを加工して作ったオーニングケース

 

Iさんの車中泊エピソード

実際に車中泊で使ってみることで改善するところが見つかりますね

「この車では地方ごとに分けた旅行を23回行ないました。なかでも北海道には4回(最長45日間)行きましたが、とくに道東がよかったですね。製作期間は20日くらいですが、『ベッド上段の荷物置き場は折りたためるようにしたほうが、ベッド下の荷物が取り出しやすくなるな』とか、旅行中に改善ポイントが見つかるたびに、手を加えていきました。とくにキャビネット側面のテーブルは、コンロとコップ置き場としての出番が多いので重宝しています」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

荷室をフル活用!長旅仕様のDIY軽キャンパー/拝見!自慢の車中泊カスタム(4)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File4 約2.5平米の荷室をフルに活用した長旅仕様の軽キャンパー

通常モード。運転席後部に遮光カーテン、窓にはお手製の断熱シェードでプライベートの確保はばっちり

 

フルオープンモード。収納付きベッドとテーブルを展開した様子。リア側がくつろぎスペースになる。頭が天井にあたらないギリギリのサイズに設計されている

 

<User&Car Data>
製作者…Fさん(65歳)
ベース車…スバル・サンバーバン
製作費用…約25万円
製作期間…約3カ月

 

長年の夢だった日本一周の旅に向け、リタイアを機に軽商用車の車中泊カスタムを始めたFさん。12mm厚合板+クッションフロアによる床張り、シンクとソーラーシステムを組み込んだギャレー、収納付きスツールなどを製作し、まずは10日間のお試し車中泊。すると、車中泊生活をするうえではいくつか改善が必要だと感じ、本番の旅に出る前に大幅な改装を施した。

それまでは床にマットを敷いて寝ていたが、就寝前の車内の整理整頓が思った以上に手間で、マット自体も大きな荷物に。衣類や生活用品といった大量の荷物がしまえるスペースを増やす意味も込めて、収納付きのソファベッドを製作。そして、キャンプ場以外では炊事を行なうことがなく、汚水の処理も長旅では面倒だったためギャレーは撤去。ソーラーシステムの収納ボックス兼テーブルに作り変えた。

改装を終えたあとはいよいよ本番。東西に分けて全国を回り、旅は約9カ月かけて見事に達成。現在もそのときの経験をもとに、のんびりと2周目の旅を楽しんでいるそう。

 

収納ボックスはもともと車内にあった荷物固定用のフックに引っかけて固定。扉がテーブルの天板になる。脚は裏面の受けに丸棒をはめる仕組み

 

収納付きソファベッド。跳ね上げ式の側板を展開すると、幅700×長さ1700mmのベッドになる。マットは天板にウレタンチップスポンジ(20mm厚)、高弾性ウレタンスポンジ(10mm厚)の順に重ね、厚手の布でカバー。取りはずすと収納ボックスとして使える

 

車内右側面にアイソレーター(走行充電器)、350Wのインバータ、チャージコントローラ、電流測定用シャント抵抗器、80Ahのディープサイクルバッテリーなどを収納。使用パネルは80Wの多結晶系で、パネルのコードはバックドアの側面から引き入れている

 

シェードも自作品。キルティング生地と遮光カーテンの裏地を縫い、窓のサイズに合わせて裁断。縁はバイアステープで処理。最後に固定用の吸盤を取りつけた

 

こちらが改装前の車内。右側にあるのがシンクとソーラーシステムを組み込んだギャレー

 

Fさんの車中泊エピソード

日本一周で気づいた点に手を加えて2周目にチャレンジしています

「車中泊場所は道の駅がほとんどでした。北海道は無料のキャンプ場が多く、同じ旅人からいろんな話が聞けたし、訪れたのが5~8月だったので花がきれいで非常によかったですね。夏~冬前は西日本を回りましたが、車中泊は暑さがつらいです。スライドドアに取りつける網戸と換気扇も作りましたが、どうしようもないときはビジネスホテルやネットカフェに避難することもありました。また、寒い時期はシェードや遮光カーテンだけでは窓の結露は防げなかったので、何か対策できないかと考えています」

「電気は走行充電も行なっていましたが、それでも電力不足になることがしばしばありました。古いノートパソコン(消費電力40W)、さらに旅の後半はポータブル冷蔵庫(エンゲル製)も使っていたからでしょうね。パネルとバッテリーはなるだけ容量の大きなものを選択したほうがいいと感じました」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

こどもの日特別企画!子ども部屋のDIY家具実例集・収納&リフォーム編

机、椅子、ベッド、収納から部屋の仕切りまで。パパ、ママ、ジイジが愛情込めて作った子供のための家具は、どれもDIYならではの独創的なものばかり!

*机&椅子編はコチラ
*ベッド編はコチラ

 

File8 大人も欲しくなる!書類収納に便利な仕切り板つきランドセルラック

小学校に入学する息子さんのために作ったランドセルラック。当初、既製品の購入を検討していたが、高価だったためDIYすることに。

デザインは購入を検討していたものに合わせた。棚の仕切り板を縦横自由に変えられたり、引き出しも深さの異なるものを設け、実用的なものになっている。また、引き出しを使いやすくするため、上段は上、下段は下に引手の切り欠きをした。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅960×奥行640×高さ1100mm
製作者…Iさん(42歳)
DIY歴…約2年
製作期間…3カ月
制作費用…約1万5000円

 

File9 椅子まで内蔵!ままごとキッチン型収納

姪御さんにプレゼントするため、DIYしたままごとキッチン。大人になっても使えるように作られている。ままごとキッチンの天板は収納部にネジで固定されており、ネジをはずして収納用の天板に付け替えるだけでシンプルな収納に早変わり! さらに一番下の収納は椅子としても使えちゃう、盛りだくさんな作品だ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅450×奥行300×高さ600mm
製作者…Kさん(41歳)
DIY歴…約10年
製作期間…1カ月半
制作費用…約7000円

 

ままごとキッチン型の天板と収納用の天板をつけかえるだけで、このようなシンプルな引き出し収納になる

 

File10 子犬が親犬に収まる犬形ハンガーラック

犬形デザインのハンガーラック。子犬はキャスター付きで動く

 

親犬がくわえている骨に服を掛ける子ども用ハンガーラック。かわいいデザインなら娘も喜ぶはずとDIYした。親犬頭部に棚があり、耳はフックになっていてバッグなどを掛けられる。セットで作った子犬はキャスター付きの小物入れ。片づけるときは、親犬の中に子犬を収納する。

 

<Data&Profile>
親犬:幅500×奥行300×高さ900mm
子犬:幅300×奥行250×高さ450mm
製作者…Mさん(37歳)
DIY歴…約3年
製作期間…3日
制作費用…3000円

 

親犬の底板に犬の足跡形の滑り止めフェルトがつけられている

 

File11 壁・天井を傷つけずに設置!本棚つき仕切り壁

写真上が長女、写真下が次女の部屋。壁は全体を木材で覆うと、北側の部屋(写真下)が暗くなってしまうため、上側は中空ポリカのはめ込み窓にして明かり取りにした

 

大きくなったら部屋を仕切ることを想定して、ふたり娘が10畳間を使用していた。成長し、いよいよひとり部屋が欲しい!と懇願され、部屋を仕切ることに。

仕切り壁は、壁や天井に直接ビスやクギを打たず、傷をつけずにすむ方法を考えてDIY。仕切り壁があたる部位にコルクボードを張り、仕切り壁の枠を作る。仕切り壁の縦枠の材は長めに設置し、突っ張らせた状態で上枠に固定した。これによりビクともせず収まったのだとか。その後、壁材を張り、本棚を作った。それぞれの希望や趣味に合わせて作り、とても喜ばれたそうだ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅2600×奥行270×高さ2400mm
製作者…Yさん(44歳)
DIY歴…7年
製作期間…5日
制作費用…8万円

 

製作時の写真。仕切り壁の縦枠と上枠はL字金具で固定した

 

コンセントは仕切り壁に移設。幅木などに当たる部位は切り欠いた

 

File12 強度も安全対策も万全!ミニロフトは秘密基地

ミニロフト。洋書に出てくるような部屋をイメージして製作した。階段は引き出し収納になっている。床からロフト床までの高さは1290mm

 

おばあさんが住んでいた家に引っ越し、リノベーションにすっかりはまったIさん。その勢いのまま「息子のためにワクワクするような子供部屋も作ってやろう!!」と秘密基地風のミニロフトをDIY。

やんちゃな男の子のために作ったため、十分な強度を持つように心がけた。柱を4本立て、ロフト床板を受ける土台も作った。さらに階段側は間柱を2本設置した。ロフトの床板は通気性をよくするため、スノコ状に張っている。また、安全性も考慮し、窓にアイアン製のフェンスを取りつけた。

今では、おもちゃを持ちこんで楽しむほど息子さんお気に入りの場所になっている。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1905×奥行1010×高さ1090㎜(ロフト部分のみ)mm
製作者…Iさん(35歳)
DIY歴…約10年
製作期間…1カ月弱
制作費用…約3万円

 

製作時の写真。2×4材の柱にロフトの枠を取り付けている

 

階段を製作中。ロフトに壁も張られている。安全に上り下りできるように手摺りも作った

 

床はスノコ状に張った

 

引き出しにはキャスターをつけてスムーズに引き出せるようにしている

*掲載データは2015年2月時のものです。

こどもの日特別企画!末永京さんが作る、絵本から出てきたようなかわいらしい子ども家具実例集

DIYママ・末永京さんが作る子ども家具は、ランドセルラックやテーブル&椅子などのベーシックなものから、レゴのためのテーブルといったユニークなものまで多岐にわたる。絵本に出てくるような雰囲気をテーマに作られた家具は、どれも曲線的なフォルムでかわいらしい。それらにちょこっと足された遊び心のあるアイデアは楽しく、DIYの参考になるはずだ。

次女と遊ぶ末永さん。子ども部屋は家具のほか、天井に木目柄の壁紙を張ったり、壁に漆喰を塗ったりとDIYリフォームもしている

 

<末永 京さんProfile>
3児のママ。DIYアドバイザーの資格を持ち、埼玉県川口市で『シェアショップ ToiToiToi Apartment』を経営。著書に『シェルフを作ろう はじめてのDIY』(パッチワーク通信社刊)がある。
ブログ「ママに嬉しい木工**子供に優しい木工

 

末永さんの子ども家具作りのポイント
  1. 角をなくし、丸くなるように仕上げる。
  2. 塗料は自然派塗料を選ぶ。
  3. できるだけダボでビスを隠して安心して使えるようにする。
  4. 子どもの好みも意識しつつ、空間に似合うものを作る。

 

File1 テーブルが半分になる!円形テーブル&椅子

脚を白く塗装し、天板、座板をワックスで仕上げた。おままごとセットのようでかわいらしい

 

兄妹や友達みんなで一緒に使える円形テーブルとチェア。テーブルはひとりで使うことも想定して作られており、中央から半分に分かれて半円形になる。円形にするときのテーブルの固定はボルト&ナット。テーブルの天板は18mm厚パイン集成材、脚は2×2材。チェアは脚が2×2材、座板が1×4材。

[サイズ]
円形テーブル:直径760×高さ445mm
椅子:幅340×奥行267×高さ460(座面高270)mm

 

ボルト&ナットで天板受け同士をつないで円形にする。接合面の天板と天板受けはフラットに

 

天板受けにボルトの穴があいている

 

ひとりずつ使うときはこのように半円形にする

 

File2 子どもと一緒に成長する!? 3wayチェア

座面高140mmで使用しているところ。使用した材は座板&背板にパイン集成材、脚に2×2材

 

子どもが大きくなって1年もたたずに使えなくなっちゃった……。なんてことがないミラクルな椅子。子どもの成長に合わせて、使える椅子なのだ! 上下を逆さにするだけで座面高が変わり、背板を上面にすれば座卓として使用できる。保育園で使われることもあるデザインなのだとか。

[サイズ]幅340×奥行270×高さ340mm

 

座卓として使うとこんな感じに

 

File3 自然木がアクセント!綿菓子みたいなランドセルラック

棚の内寸は、ランドセルに合わせて、幅410×奥行345mm。1段目の棚の高さはランドセルに合わせて305mm、2段目の棚の高さは大判の絵本に合わせて315mmとした

 

小学校に入学する長男のために作ったもの。ひとり分だけ作ると妹がうらやましがるため、2個DIYした。綿菓子のようにモコモコとカットされた側板が印象的なデザイン。ランドセルを置く1段目の棚は床面から700mm程度。身長110cm前後で胸のあたりにくるので、楽に出し入れできる。棚本体は18mm厚シナ合板(背板は2.5mm厚合板)、引き出しはファルカタ集成材(底板はシナ合板)。

[サイズ]幅446×奥行400×高さ1100mm

 

引き出しは上の段が高さ95mm、下の段が170mm。引き出しの取っ手はインターネットで購入したものを使用

 

引き出しには文具や好きな小物を収納している

 

大きくなったら天板にランドセルを置けるように桟と縁を設けた。桟は子供たちとドングリ拾いに出かけた先で、拾ってきた自然木

 

側板には体操着を入れた巾着などがかけられるフックが取り付けられている

 

File4 押し入れに収納可能!遊べるレゴテーブル

拡張部分の天板は長さ280mm。テーブル下の収納はレゴボックスに合わせたサイズ。脚は2×4材。そのまま使うとゴツイ印象になるのでジグソーで曲線カットした

 

レゴにハマった長男のために作ったテーブル。長男と相談し、「レゴで遊べて、収納できるテーブル」をテーマにDIYした。天板は黒板塗料を塗った。道や街並みを描いて、レゴの車や人を動かして遊ぶなんてこともできる。天板は長男の「大きくしたい」と末永さんの「コンパクトに収納」の両方を叶えるため、バタフライテーブルにした。

[サイズ]幅750×奥行500×高さ470mm *天板を折りたたんだ状態のサイズ

 

天板につけたダボを、天板受けのダボ穴が受ける

 

天板受けと脚は蝶番で接合している

 

折りたたむと押し入れに収納可能に。作ったレゴを壊さずに収納するため、テーブル天板と押し入れの前カマチとの間を大きくした。天板に革の取っ手をつけている

 

File5 合板で製作できる!木製レール用転車台

転車台につけられた連結部品を通じて、木製レールがつながる。内側の円形の材が回転部分で、外側の八角形の部分がレール連結兼土台

 

木製レールで電車遊びをするときに使う転車台。車両の向きをクルッと変えてほかのレールに移したり、Uターンさせるためのアイテムで、市販のものは高い! ならば、作っちゃおうとDIY。使用した材料は合板(4mm厚)のみで、組み立てに使ったのは木工用接着剤だけ。回転台とレール連結兼土台を作り、最後にふたつを割りピンでつなげばできあがり。

 

製作ダイジェスト。まず、合板3枚を八角形に切り、墨つけする

 

カットを終えた材。土台とレール連結部の受けとレール連結部の部材、回転台と回転台の受けをそれぞれ木工用接着剤で接着し、回転台とレール連結兼土台を作る

 

連結部品が入る穴は糸ノコで切った。回転台とレール連結兼土台は割りピンでつないだ。ダボで回転させる

 

写真◎佐藤弘樹

*掲載データは2015年2月時のものです。

こどもの日特別企画!子ども部屋のDIY家具実例集・ベッド編

机、椅子、ベッド、収納から部屋の仕切りまで。パパ、ママ、ジイジが愛情込めて作った子供のための家具は、どれもDIYならではの独創的なものばかり!

*机&椅子編はコチラ

 

File4 飛び跳ねても大丈夫!わんぱくキッズの2段ベッド

ハシゴの1段目と4段目の踏み板はベッドの枠板。2段目と3段目の踏み板は1×4材2枚を凸型に組み立て、2×4材の柱と1×4材のハシゴの柱に固定している

 

息子さんふたりのために作った2段ベッド。サイズは寝てしまった子どもを抱いて上の段に載せられる高さ、ドアの開け閉めに干渉しないこと。さらに、IKEAの子どもサイズのベッドマットに合うようにした。

まず、ベッドのスノコ床板から製作。枠を作り、桟を固定し、そこに床板を張る。スノコ床板ができたら、柱、ベッドガードをつけてできあがり。

桟と床板を多めに使い、わんぱくな子どもたちが跳びはねてもOKなベッドに仕上がった。「お母さんと一緒じゃないと寝れなーい」と言っていた下の子まで、ひとりで寝られるようになったそうだ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1600×奥行780×高さ1400mm
製作者…Mさん(39歳)
DIY歴…1年
製作期間…約1日
制作費用…約8000円

 

「日曜大工支援3D設計ソフト2xBuilder」という木取り表まで出してくれる設計図アプリで設計し、それを元にホームセンターで材のカットを済ませた

 

まずスノコ床板を作る。長辺の枠に2×4材を使った。それ以外は1×4材

 

ビス打ちしやすいようにスノコ床板を立てて、2×4材の柱を固定した

 

File5 既製品のベッドを有効活用!収納と一体型のベッド

両サイドの収納がベッドの土台。ベッド前の飾り棚は収納同士の固定と、落下防止柵を兼ねて作ったもの

 

お子さん3人分の寝床と収納をひと部屋に集約させるために、末息子専用の収納一体型のベッドが作られた。

ベッドは既製品で、そのベッドの土台となる収納をDIY。使用したのは18mm厚パイン集成材。収納の高さは、ハシゴなしでベッドによじ登れて、さらに既製品の収納ケースに合うように作られている。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1970×奥行1100×高さ670mm
製作者…Uさん(44歳)
DIY歴…約10年
製作期間…約1週間
制作費用…不明

 

大きな引き出しの底板にキャスターがついており、スムーズに動く

 

製作時の写真。ベッドの土台の収納と既製の収納ケースのサイズがピタリとそろっている! 収納ケースは前後を入れ替えるだけで衣替えが済むそう

 

File6 ゆりかごみたいに使える!?移動式ベビーベッド

便利機能満載のベビーベッド。床からベッド面の高さは640mm

 

娘さんの出産祝い&孫娘の誕生祝いを兼ねて作ったベビーベッド。市販のベビー用布団に合うサイズで製作した。赤ちゃんが使用するため、ダボでビスの頭を隠している。娘さんが赤ちゃんのお世話を楽にできるように前枠は開閉式で、移動できるようにキャスター付き。さらにベッド下にはベビー用品を収納できる棚もありと、各種機能を備えたベビーベッドだ。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅960×奥行640×高さ1100mm
製作者…Gさん(60歳)
DIY歴…約25年
製作期間…約2日
制作費用…約2000円

 

ベッド側面。孫娘がウサギ年のため、ウサギ形にくりぬいた

 

前板を閉じるときは丸落とし金具で留めておく

 

File7 狭小部屋にベッドも机も置けた!畳利用のロフトベッド

ベッドガードのデザインは、弟さんのイニシャルのHがモチーフで、この部分は弟さんによるDIY。延長コードが取り付けられている板は補強材

 

ハシゴの踏み板に滑り止めの溝を掘った。支柱と踏み板は大入れ継ぎで組み立てた

 

同室だったお兄ちゃんの「ひとり部屋が欲しい」がきっかけで、弟さんが3畳の納戸へ引っ越すことに。

狭いけどベッドも机も置きたい! その希望を実現させるため、ママと子のふたりでロフトベッドを作ることになった。

まず、ベッドの枠板を作り、4隅に立てた柱に枠をビス留めして、躯体を製作。ベッドの枠内は床板をスノコ状に張り、柱には補強材と棚板を取り付けた。最後にベッドガードをベッドに取り付け、マットレス代わりの畳を載せて完成。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅1980×奥行1115×高さ1900mm
製作者…Kさん(41歳)
DIY歴…11年
製作期間…24日
制作費用…2万円

 

ロフトベッド下に補強を兼ねた本棚が作られている(写真最上段部分)。学習机の卓上棚とセットで使用している。補強のため、ベッド枠と柱にシンプソン金具の棚取り付け金具を取り付けている(写真右上)

 

ベッドのサイズの決め方

ベッドは直接体に触れるマットレス選びが重要なポイント。しかし、人は1回の睡眠で20回程度は寝返りを打つ。小さすぎると寝返りが打てず、睡眠の質が落ちる可能性が高い。ここでは、そんなベッドの最適なサイズを紹介したい。

*掲載データは2015年2月時のものです。

こどもの日特別企画!子ども部屋のDIY家具実例集・机&椅子編

机、椅子、ベッド、収納から部屋の仕切りまで。パパ、ママ、ジイジが愛情込めて作った子供のための家具は、どれもDIYならではの独創的なものばかり!

 

File1 学習机に変身するままごとキッチン

ままごとキッチン状態のとき。シンク前には蛇口も作られている。シンクは100円ショップで買ったバット。BOOK STOREの看板がついた本棚は学習机完成後に製作したもの

 

娘さんの2歳の誕生日プレゼントにDIYしたもの。せっかく作るなら長く愛用してもらえるようにしたいと、ままごとキッチンから学習机に変身するものを作った。

市販の学習机の機能をすべて兼ね備えながら、デザインは超ユニーク。テーブルがコンロ&シンク、椅子がキャビネット、デスクキャビネットがオーブン、上部棚が電子レンジと、すべてキッチンツールになっている!

今、ままごとキッチンで遊んでいる娘さんが、数年後に勉強用で使ってくれるのを楽しみにしているそう。

 

<Data&Profile>
机:幅950×奥行470×高さ1400mm
椅子:幅540×奥行420×高さ370mm
製作者…Nさん(44歳)
DIY歴…7年
製作期間…1週間
制作費用…不明

 

天板を裏返しにすると学習机モードになる。椅子の下は収納でランドセルを入れられる。デスクキャビネットは天板も開閉する

 

製作時の写真。天板部分の構造はこのようになっている。角材にコンロ&シンク面、学習机の面を固定している

 

File2 指を挟まない机&キャスター付きの椅子

角度のついた机。紙が落ちないようにストッパーが取り付けられている

 

息子さんの小学校入学に合わせて、机に向かう時間を少しでも作れるようにとDIYした。製作するときに参考にしたのは、ノスタルジックな小学校の机と椅子。

机は美術室などで使われるような角度のついたタイプで天板が開閉する。天板で指を挟んでケガをしないようにドアダンパーを取り付けた。これにより、ゆっくりと閉まっていく。

また、椅子が重く上手に引けなかったため、椅子にキャスターをつけたり、机と椅子の脚を金物でつなぎアシスト機能をつけた。安全かつ快適に使えるように、工夫が施されている。

 

<Data&Profile>
机:幅670×奥行470×高さ650mm
椅子:幅310×奥行320×高さ600(座面高330)mm
製作者…Oさん(45歳)
DIY歴…1年
製作期間…2日
制作費用…2000円

 

天板をあけたところ。万が一、指を挟んだときに備えて、クッションをつけている

 

ドアバンパー部分

 

可動式のストッパーを立てれば、机を水平状態にして使うことができる

 

両脇にあるのが可動式のストッパー

 

素朴なデザインの椅子にはキャスターがつけられている。また、椅子をスムーズに引くためのアシスト機能を机の脚と椅子の脚につけている

 

アシスト機能は蝶番と鉄板、角パイプを溶接して作ったもの

 

File3 天板が折りたためるライティングビューロー

壁にピタッとつけているので背板はなし。使用した材はパイン集成材。ワトコオイルのウォールナット色を塗り、仕上げに蜜蝋ワックスを塗った。机面高は670mm。天板下の収納部は幅600×奥行370×高さ160mm

 

勉強や工作などをリビングで行なう小学生の息子さんのために作った机。「自分で片づけがしやすい」、「リビングのほかの家具に合うデザイン」をテーマにDIY。

使わないときはスッキリとした印象になるようライティングビューロータイプにした。側板に天板、棚板、上板をビス留めすれば本体のできあがり。天板と扉兼デスク面は長蝶番(長さ450mm)で、収納部の観音開き扉はスライド蝶番でそれぞれ組み立てた。

天板下の収納のほか、天板上にも教科書やペン立てなどを置くスペースがある。息子さんは「使いやすいし、片づけるのも楽になった」と、喜んでいるそう。

 

<Data&Profile>
サイズ:幅640×奥行400×高さ1120mm
製作者…Iさん(40歳)
DIY歴…5年
製作期間…2日
制作費用…8000円

 

側板にフックをつけてランドセルを掛けられるようにしている。扉兼デスク面のサイズは幅600×奥行450mm

 

扉兼デスク面を閉じる際はマグネットキャッチで保持する。天板上の積み木風の棚は教科書やペン立て、工作道具などのサイズに合わせて作った

 

椅子と机のサイズの決め方について

まず椅子を作ることから始める。机はその椅子に合わせて作る。サイズは、子どもと大人では人体比率が異なるので、単純に大人の家具を縮尺して作ろうとすると使いにくくなってしまう。心地よいものにするには、子どものサイズを元に作るといい。サイズの決め方は表のとおり。ただし、成長期を過ぎてからも継続して使用することを想定する家具は既製品のサイズを参考に作ることをおすすめしたい。

*掲載データは2015年2月時のものです。

工具なしで組める木製ベッドをDIY/拝見!自慢の車中泊カスタム(3)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File3 工具なしで原状復帰できる組み立て式の木製ベッド

one

 

two

 

finish!ベッド展開後の車内。ふたりが楽に寝られる広さだ。業者に張ってもらったベッドのマットは肌触りがよく寝心地も良好!

 

<User&Car Data>
製作者…Eさん(65歳)
ベース車…トヨタ・ヴェルファイア
製作費用…約7万円
製作期間…約20日

 

スポーツオリエンテーリングで全国各地に訪れる機会が多くなったことをきっかけに、車中泊に目覚めたEさん。20代のころからダイナ→コースター→ハイエースを乗り継ぎ、たびたび車中泊を楽しんでいたが、2年半前に大型ミニバンのヴェルファイアを購入。本格的に使用状況に応じてレイアウト変更ができる組み立て式ベッドを後部座席に製作した。

作り方はまず、跳ね上げたサードシートを囲うように集成材Aでカバー。次に床のセンターにベースとなるプレートBを敷き、セカンドシートを倒したらシート間に集成材Cを立ててそれぞれを固定。最後にA、B、Cを利用して角材でフレームを組み、マットを載せればベッドの完成だ。マットはカットした4枚のコンパネを業者に持ち込んで、ウレタンとベロア調のシートをきれいに張ってもらった。カバーはターンバックル、フレームは各パーツに埋めた鬼目ナット(Eタイプ)に蝶ボルトを手で回して固定する仕組み。そのため、工具がなくてもすべて簡単に脱着できるようになっている。

 

リア側から見たベッド展開後の様子。ベッド下には旅のお供である自転車を積んでいる

 

ソロキャンプのときは片方のセカンドシートを起こしてくつろぎスペースに。コンソールボックスとフックにミニテーブルを引っかけて、ミニバーの雰囲気を演出

 

サードシートのカバーはターンバックルのみで支えている

 

アングルと鬼目ナットを埋めた骨組みパーツ類。これらを蝶ボルトで接合して組み立てる

 

自転車を2台積み込むときはベッドを解体し、サードシートのカバーに取りつけたフックとバーを利用して自転車を固定

 

Eさんの車中泊エピソード

自転車での全国制覇まであと4県!夏場は無理せず素直に宿に泊まっています

「以前の車ではファミリーキャンプもしていましたが、1年前ぐらいにリタイアしてからはソロキャンプにハマっています。また、約10年前からチャレンジを始めた、自転車での全国制覇(50km以上走ったらその県は回ったことにしている)の旅の足&宿泊場所としても活躍しています。制覇まであと4県まできました!」

「何日か泊まるときは、宿と車中泊を組み合わせることもあります。事前に車中泊スポットをネットで調べてから行くので、行き当たりばったりはありませんね。また、車中泊ではエンジンをかけないので夏がつらいです。寒いのは寝袋や衣服でなんとかなりますが、暑さはしのげないので夏は宿泊オンリーです」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

シンクやトイレまでも搭載したキャンピング・バン/拝見!自慢の車中泊カスタム(2)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File2 シンクやトイレまでも搭載した“キャンピング・バン”

Bed room

 

Utility room。リアゲートをあけると水回りスペースがお目見え。トイレやシンクは側面にすっぽりと収まるように合板で設置台を製作。表面は木目調のシートで化粧した

 

<User&Car Data>
製作者…Kさん(57歳)
ベース車…日産・NV350キャラバン
製作費用…約60万円
製作期間…約2週間

 

以前からミニキャンピングトレーラーや軽キャンパー(スバル・サンバーバン)を自作して、たびたび車中泊をしていたKさん。しかし、天体観測、釣り、キャンプなど多趣味なKさんには収納スペースが足りなく、さらに軽キャンパーのときよりも楽に寝泊りしたいという思いも強くなったため、立体駐車場にも入れる商用バンでキャンピングカーを製作することにした。

モーターホーム(大型キャンピングカー)並みの静粛性と設備を目指したということで、車内には連結式のベッド兼収納ボックス、折りたたみデスク、ソーラー発電システム、カセットトイレ、シンク付きギャレーと充実した装備が並ぶ。また、間仕切り壁(21mm厚の合板)によって寝室と水回りスペースに分かれているのが特徴だ。寝室の床はランバーコア合板を敷いたあとにグレーの木目調のクッションフロアでカバー。シンク&トイレ前の床には防水パン(穴なし)を敷いた。

なお、これらの装備はすべてユニット化され、簡単に脱着できるので、車検時や仕事で多くの荷物を運ぶときは、製作物を撤去することで対応している。

 

ランバーコア合板で製作した収納ボックスのフタがベッドのマットになる。ベースマット(ジョイントマット15mm厚)に固めのウレタン(50mm厚)を重ね、ビニールレザーを巻いてタッカーで固定した

 

トイレ使用時はあけたドアが間仕切り壁を塞ぐドアになる

 

 

間仕切り壁は、もともと車内にあけられていた穴(ラゲッジユーティリティナット)にアングルとボルトで固定

 

右側面には折りたたみ式デスク。こちらも固定には、もともと車内にあけられていた穴を利用した

 

インバータは1000Wと350Wの2種類。チャージコントローラは最大入力電圧50V以下用を使用。115Ahのディープサイクルバッテリーは収納ボックス内にあり、ソーラーパネルは155Wの多結晶系を屋根に装着。なお、走行充電も兼用しているので、電力は十分確保できているそう

 

ギャレーの天板にはキッチンパネルを後張り。スライド扉をあけると、上下水用のポリタンクが現れる。また、水が流れっぱなしにならないようにフットスイッチを接続したのも大きなポイント

 

Kさんの車中泊エピソード

商用バンの車中泊カスタムはおすすめ!電力・節水・換気に気をつけて快適に過ごしています

「キャンプではキャンピングトレーラーをけん引して参加することが多いので、車中泊スペースは主に仕事の移動事務所、出先でのショートステイ場所として活躍しています。キャンピングカーだと壁が薄いからなのか、SAなどでトラックのエンジン音がうるさいときがあるのですが、この“キャンピング・バン”なら騒音も問題なし。商用車としては乗り心地もいいし、車中泊カスタムは大成功です!」

「あと、シンクのポリタンクは10~20Lのサイズをよく見かけますけど、経験上30Lは欲しいですね。フットスイッチのおかげで必要範囲内の水が手軽に出せるようになったので、補充しなくても2~3日は持つようになりました。また、換気も重要ですね。自分の場合はリアワイパーがついていた穴に小型ファンをつけ、トイレの臭気抜きとしてオプション品の排気管を床下から車外に延ばしています」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

パイプ+コンパネのお手軽ベッドをDIY/拝見!自慢の車中泊カスタム(1)

愛車の荷台・後部座席をDIYで車中泊仕様にカスタムしたアイデア実例集。すぐにでも真似したくなる、五人五色の車中泊事情をお届けします!

 

File1 運転席までフルフラット!パイプ+コンパネのお手軽ベッド

one

 

two

 

finish!ベッドの床面にはビニールレザーを張ったおかげで高級感のある仕上がりに。サードシートは床下に格納して4人乗りで使っており、後部は荷物の収納に活用している

 

<User&Car Data>
製作者…Iさん(44歳)
ベース車…トヨタ・エスティマ(GSR50W)
製作費用…約4万円
製作期間…約20日

 

年に数回の家族旅行の際、もっともお金がかかる宿泊費を少しでも抑えるために車中泊をするようになったIさん。ただ、後部座席のキャプテンシートを倒してもこの車は完全にフラットな状態にはならない。そこで快適に寝られるように、フラットな組み立て式のベッドを自作することにした。

骨組みに使ったのはスペーシアパイプという製品。手で締められるネジ式のジョイントパーツで接続できる点が、採用の決め手になったそうだ。スペーシアパイプはパイプカッターを使って長さを調整した。ベッド床面は、車内の壁の形状に合わせて切り出したコンパネの裏面に厚手のアルミマットを張り、薄いアルミシートを巻く。最後にシワにならないように注意しながらビニールレザーを巻き、タッカーで固定したらパーツの完成だ。

 

運転席までベッドを延ばすときは、ハンドルを上げてから展開。車内をフルに使った車中泊スペースだ

 

ジョイントのナット部分を回せば、取りつけと分解が簡単に行なえる

 

なるべく端材が出ないように切り出したので、天板の数は11個と多め。また、シートが破れないように、あらかじめコンパネの角を丸く加工しておくのもポイント

 

車中泊に欠かせないシェードはダンボールで自作。少し大きめに作り、内側から窓枠にはめるだけと、これまたお手軽仕様

 

各パーツはルーフボックスに入るようにサイズを調整。未使用時はここに収納している

 

Iさんの車中泊エピソード

組み立て時間は4人用テントを設営するのと同じくらいです

「旅行は東北地方(2泊3日程度)に行くことが多いです。車で北海道に向かったりすることもあるので、けっこう費用の節約になっていると思いますね。ベッドの展開は荷物の片付けも含めると、40分ほどかかります。寝るだけならとくに問題はないのですが、空間の高さに余裕がないのが気になっています。普段の乗り心地を考えてセカンドシートははずしたくないし、車に加工はしたくないので、解決はなかなか難しいかな…。あと、運転席までベッドを延ばすと、朝すぐにエンジンをかけたいときに面倒だったり(笑)。でも、おおむね満足しています!」

 

*掲載データは2017年6月時のものです。

自作の窯で本格ナポリピッツァを焼こう!(2)赤レンガ+キャスタブルドーム窯の作り方

ナポリピッツァの特徴は、ふっくら膨らんだ縁の部分。そのコルニチョーネ(イタリア語で額縁の意味)と呼ばれる縁の食感や、シンプルなトッピングゆえに堪能できる生地の風味など、本格ナポリピッツァならではの美味を家庭で味わうために作ったふたつの窯を紹介。

*Case1「タイル張りが美しい耐火レンガのドーム窯」の作り方はコチラ

 

Case2 赤レンガで覆ったキャスタブルのドーム窯

田んぼに囲まれた開放的な庭に窯を製作。土台のコンクリートブロックの塗装は、イタリア国旗に使われる赤、白、緑の各色を少しダークにアレンジしたもの

 

ドーム形の窯のまわりに赤レンガを積み上げた。土台サイズは幅約1450×奥行約1600×高さ約1000mm。窯の高さは約710mm。窯口のサイズは幅約500mm、高さ約210mm(最高部)

 

プレヒート中、保温のために窯口にフタをする。フタは知人が3mm厚の縞鋼板などを使って手作りしたもの

 

2種類のピザピールをネット通販で購入。皿が大きく、短いほうはピザを窯に入れるときに使用。もう一方は薪を入れるときや、窯の中でピザを動かすときに使う

 

Mさんもまた、前回のIさん同様、ナポリピッツァに魅了されて窯を自作。重厚な窯が木陰にたたずむさまは、本場ナポリの片田舎の風景のようで、眺めているだけでビールがおいしくなりそう。さらにテーブルにはこだわりのナポリピッツァが並ぶわけだから、それはもうたまらない。Mさんは、続くときには毎週のように、ここで家族や友人に本格ナポリピッツァを提供するという。

窯はもともと、キャスタブルで成形したドーム部分がむき出しの状態だったが、それでは断熱性が低く高温を保ちにくいため、周囲を赤レンガで囲み、すき間にパーライトを充填して長時間活用できる窯にグレードアップした。ドームのサイズは内径約1000mmと大きめ。前日から薪を燃やし、この大きな窯をしっかりと温めておいて、1分~1分半ですばやく焼き上げるのがMさんのナポリピッツァだ。

生地作りにもこだわりが見られる。使用する小麦粉とビール酵母はナポリ製、生地をこねるのは本場ナポリピッツァでも使われるスパイラルミキサーという具合。

「最初はナポリピッツァが好きなだけだったんですけど、自分で焼くようになってどんどんハマっちゃって、いろいろこだわるようになりました」

そう語るMさん、実は今、ナポリピッツァの店を開く計画を立てているのだとか。窯の自作から始まった新たな楽しみが、さらに大きく広がろうとしている。

 

Mさんの窯の構造図(側面) *単位はmm

<DATA>
製作者…Mさん(51歳/会社員)
材料費…約12万円
主な使用資材…
耐火レンガ66個、耐火キャスタブル10袋、赤レンガ約150個、パーライト450ℓ、コンクリートブロック、土のう袋、セメント、砂、砕石、割栗石

 

Mさんのおすすめ、チキンとレンコンのピザ

 

手前はマルゲリータにブロッコリーとシラスをトッピング。奥はオイルサーディンやルッコラが載る

 

Mさんちの窯作りダイジェスト

<土台を作る>

<ドーム窯を作る>

<断熱層を増設する>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

Mさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザの準備>

<ピザを焼く>

*一部SNSでは表示されません。本サイトではご覧いただけます。

 

写真◎門馬央典(製作中カットは製作者提供)

*掲載データは2016年6月時のものです。

これなら住宅街でもOK!炭火で楽しむ窯焼きピザ窯の作り方

はじめは二層式の窯を作り、薪を焚いてピザを焼いていたFさんだが、住宅街ゆえに煙の行き先が気になって、落ち着いて楽しめない…。そこで、せっかく作った窯を解体することを決意。炭火でピザが焼ける単層ドーム型の窯に作り直したことで、心おきなく窯焼きピザの味を堪能できるようになったというわけ。

 

窯のサイズは内径約600mm、外径約900mm、内高約370mm、外高約480mm。窯口は幅約450mm、高さ約230mm(最高部)

 

 

<DATA>
製作者…Fさん(57歳/公務員/埼玉県東松山市)
材料費…約1万円(既存の土台、炉床を除く)
製作日数…約10日
主な使用資材…
耐火レンガ約80個(既存の炉床を含む)、耐火キャスタブル、花壇用石材、割れタイル、コンクリートボンド、コンクリート平板、コンクリートブロック、鉄筋、モルタル、セメント、砂、砕石、ゴロタ石

 

しばらく雨ざらしにしていたら、窯のタイルの目地がヒビ割れたので屋根をつけた。屋根の下地には、不要になったベッドの床のスノコがそのまま使えた。屋根材はオンデュビラタイル

 

壁面はかわいく装飾

 

製作者のFさんいわく、炭火でピザを焼くためのポイントは、窯をあまり大きくしないこと。そして、ブロワーで風を送り続けて火勢を強く保つこと。

「最初はドライヤーを使ってたんですが、ピザを焼くまでに3時間ぐらいかかって大変でした。で、ブロワーならどうだろうと、ホームセンターで3000円程度のものを買って使ったら、1/3の時間でピザが焼けるようになったんです」

煙が出ない窯のおかげで、近隣に気を遣うことなく、息子さん夫婦、娘さん夫婦とのピザパーティーを楽しめるようになったFさん。みんなから“窯じい”と呼ばれるのも、まんざらでもなさそうだ。

 

 

Fさんちの窯作りダイジェスト

<窯を作り直す>

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Iさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザを焼く>

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*掲載データは2016年6月時のものです。

自作の窯で本格ナポリピッツァを焼こう!(1)タイル張りのドーム窯の作り方

ナポリピッツァの特徴は、ふっくら膨らんだ縁の部分。そのコルニチョーネ(イタリア語で額縁の意味)と呼ばれる縁の食感や、シンプルなトッピングゆえに堪能できる生地の風味など、本格ナポリピッツァならではの美味を家庭で味わうために作ったふたつの窯を紹介。

 

Case1 タイル張りが美しい耐火レンガのドーム窯

窯口のアーチの上に煙突をつけた伊藤さんの窯。内径は約800mm、外径は約1000mm、高さは外寸約530mm。左にバーベキュー炉を併設している

 

タイル張りでおしゃれに仕上げた。吸水率が低く、野外での使用に適した磁器質タイルを使っている

 

ピザピールは親せきの手作り。ステンレスの板とパイプを溶接したもの。木製グリップの上半分がスライドするので、柄の好きな部分を握れる

 

料理が趣味のIさんは、イタリア料理を学ぶために本場に1カ月滞在するほどの凝り性。そのときに食べたナポリピッツァの味が忘れられず、自分で焼けるようになりたいと、ピザ窯の自作を思い立った。

窯の形は、多くのピザ店が使っている単層ドーム型。サイズは、販売されている窯を参考に決めた。窯を温める時間を短縮できるよう、天井を少し低くして、真円ではなく楕円状にしている。

こだわりは、タイル張り。10mm角の磁器質タイルを約1万5000枚使って、青空に映える美しいデザインに仕上げた。イメージは地中海の太陽。その中にある「HORNO de GIRASOL」という言葉は、スペイン語でヒマワリ(太陽の花)を意味するそう。

窯作りと並行して、おいしいナポリピッツァを焼くための研究にも勤しんだIさん。気になるピザ店があれば遠方であろうと訪れ、窯が見える席に座ってプロの焼き方を見学。ピザ焼き職人に直接話を聞くこともあったとか。

窯の完成後は、親戚や友人が集まってのピザパーティーが恒例行事に。最初のころは生地作りや窯の温め方がうまくいかないこともあったが、最近では安定的に満足いくナポリピッツァを焼けるようになってきた。ただ、それでも試行錯誤は終わらない。毎回、前回よりさらにうまく焼くために考えを巡らすことこそ楽しいのだと、窯の中を見つめるIさんの精彩に満ちた表情が語っている。

 

<DATA>
製作者…Iさん(50歳/会社員)
材料費…約20万円(バーベキュー炉含む)
製作日数…約35日(バーベキュー炉含む)
主な使用資材…
耐火レンガ204個(基本=58個、Y1=5個、Y2=79個、Y3=37個、半丁=25個)、耐火キャスタブル2袋、耐火接着剤、コンクリート平板、コンクリートブロック、大理石、モザイクタイル、外壁用人工石材、薪ストーブ用煙突、セメント、砂、砕石

 

定番メニューのマルゲリータ。コルニチョーネ(縁)がふっくら膨らんでいるのがナポリピッツァの特徴

 

トマトとガーリックスライスのマリナーラに、自ら燻製したベーコンもトッピング

 

こちらはモッツァレラ、ゴルゴンゾーラ、アメリカンクリーム、パルミジャーノの4種のチーズを載せたクワトロフォルマッジ

 

Iさんちの窯作りダイジェスト

<土台を作る>

<耐火レンガで窯を組み立てる>

<タイルで装飾する>

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Iさんちのピザ焼き実況中継

<窯の準備>

<ピザの準備>

<ピザを焼く>

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写真◎門馬央典(製作中カットは製作者提供)

趣向を凝らした庭づくりのアイデアが大集合!ガーデンコンテスト作品実例集

庭に居場所がある悦び
~第29回全国都市緑化フェアTOKYO &
第10回日比谷公園ガーデニングショー2012 ガーデンコンテストより~

 

緑に囲まれた中に現れるガーデン書斎。使い古されたロッカー、自然木を脚にしたテーブル、鉄筋に吊された工事用ライト。こんなところで本を読みふけってみたい。『俺の庭~Life Garden』(株式会社八廣園 協力:ものつくり大学)

 

去る2012年9月29日~10月28日、第29回全国都市緑化フェアTOKYO(同時開催、第10回日比谷公園ガーデニングショー2012)が開催された。

東京のさまざまな場所で展示やイベントが行なわれる中、日比谷公園会場ではガーデンコンテスト応募作品が集結。1作品のサイズは幅6×奥行4m、もしくは幅3×奥行2m。限られたスペースに考え抜かれたアイデアを詰め込んだ小さな庭が、園内に所狭しと並んだ。

作品によりテーマはさまざま。大人の隠れ家、ヨーロピアンガーデン、アーバンリゾート、モダンジャパニーズ…ここではその一部をご覧頂こう。

趣向を凝らしたアイデアは、きっとあなたのDIYスピリットを刺激するはずだ。

 

遊ぶ

男はいつだって子どもだ。誰にも邪魔されず、好きなことに夢中でいたい。

 

自転車、カメラ、山の地図…開放感あふれるデッキ&パーゴラのアウトリビングに趣味のアイテムが並ぶさまから、男のにやける顔が目に浮かぶ。『大人の秘密基地』(株式会社小田急ランドフローラ)

 

サイクリングウェアは、サイクルパーツブランドGRUNGEのハンドルに吊して収納。ささやかな男のこだわり

 

壁に取り付けた額縁に、植栽や旅の思い出を飾る。次はどんなものがここを彩るのだろう?

 

心躍らせる焚き火の灯りを半円のベンチに座って、ゆっくり眺める。『TAKIBI ~夜長の集い~』(Lau gardenplanning × HLC)

 

 

洗練

アーバンリゾートテイストの庭。自然の癒しと都会的なスマートさは共存可能だ。

 

庭のコーナーに設置したベンチの周りを、石積みと木材の高さの違う花壇が囲む。まさにモダンなアウトリビング。『森の心地よさと暮らす、新しい庭のかたち「里庭スタイル」(住友林業緑化株式会社)

 

緑と限りなく近く、不思議とプライベート感のある空間。デッキ中央は池が眺められるような工夫を施した

 

乱形石を積んだウォールに古材を渡せば、ガーデンカフェのできあがり。『アーバンリゾート ~緑に囲まれたプライベートカフェ~』(大里樹苗造園株式会社 協力:シークレットガーデン)

 

池に浮かぶデッキ+スケルトン状の箱。中でも外でもない不思議な空間を演出。『invisible forest』(MORB:ガーデン三葉/守谷造園/GREFICA)

 

 

和の安らぎ

心落ち着く和風のしつらえに、新しい風を吹き込む。

 

丸太を並べたデッキと白い化粧砂利の組み合わせは、まるで風流な水の流れを感じさせる。『多摩産材による和(やわらぎ)の庭』(株式会社多摩ニュータウンサービス・楢原・ナカオ)

 

パーゴラの下には、一枚板のテーブルと御座。石と木材が自然に溶け込んだ和風モダンな作品。『温故知新』(リガーデンのGREEN ART)

 

竹を効果的に使用した囲炉裏デッキ。きっと昔の日本人はこんなところで句を詠んだに違いない。『逍・遥・遊』(株式会社柳島寿々喜園)

 

 

アイデア

作者のセンスと創意工夫が作品のオリジナリティーを生む。

 

庭のフェンスがこんな形だったら面白いかも。北欧のおもちゃのようでもある。枝部分を収納に使うのもあり。『Wooden toy』(株式会社矢藤園)

 

ステンシルシートを使ってカスタムするだけで、自分らしい庭の雰囲気を演出。『俺の庭~Life Garden』(前述参照)

 

木材と竹をサンドイッチする形で、異素材をミックスしたフェンス。『一の庭』(八王子造園業組合青年部)

 

廃タイヤに塗装を施し、プランターとして利用。『リサークルガーデン』((協)東京造園倶楽部青年部 (有)笹隈造園 (有)木下農園)

 

和風壁面緑化がコンセプトの作品。庭の仕切りにつる植物を這わせたウォールを設置。『翠色の襖(すいしょくのふすま)』(箱根植木株式会社)

 

実はこのウォール、一部が扉になっていて襖のようにスライドする。庭の奥行きが広がる意外性とその先にも広がる緑に驚く

 

写真◎田里弐裸衣

*掲載データは2013年2月時のものです。